570: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/01/13(月) 00:31:25.06 ID:GqzgHbjtO
暇な時間は自問自答が始まる。前の私はこんなことは無かった。心の中にモヤモヤした問いなど無く、自分の技を脳内で反芻し、輝かしい未来に想いを馳せていたと思う。いつからだ。
ミルカ「…………」
「ミルカさんこれ食べますか」
貴族の少年がサンドイッチを差し出してきた。そういえば携行食が入った袋はリラたちが持っていた。ていうか、貴族相手に無愛想なのもまずい!少年とその親にお礼を言い受け取ると、一口齧る。
ミルカ「…」
やはり何度考えてもそう。あの女に大衆浴場で会った時から人生の歯車が狂った気がする。ミーニャという名前の女は惚れ惚れする肉体をしていた。私の理想系といえる程。間違いなく同じ格闘職!好敵手が現れたと思い勝負を挑まずにはいられなかった。
ミルカ「〜っ」
思い出すだけで顔が歪む。バトルマスターの私が格闘戦で完全敗北し、あまつさえ井の中の蛙だと…。しかも、そいつは賢者だった。賢者とは魔法職の最上位の一つ、魔法の天才が、格闘の天才である私を格闘で叩きのめすって。
なにそれ。
ミルカ「舐めてんじゃねーぞ…」
怨嗟がボソッと口から漏れる。当然隣の少年には聞こえないように。格闘職の天才を多く輩出してきた生まれ故郷の里でも、私は一際天才だと持て囃された。10歳で気を身に付け師匠の実力は13歳で超えた。それでも努力を怠らず、紅蓮の女勇者パーティーに入った。流石にそこのメンバーは私に引けを取らない天才だと思ったが、格闘なら当然負けるわけがないと自負があった。
そこに私より格闘戦が強くてカミラ並みの魔法が使えるやつがいきなり……って
ミルカ「ふーーーー……どうなってんだよ」
馬車は鬱蒼とした森林地帯を往く。隣の少年は、なんか、一時間ほど景色を眺めていたらいつのにか隣にいた。
「うちのメイドが作ったんですこれ。病気がちで少食の僕の為に、僕のだけ小さめに作ってくれるんです」
ミルカ「へーーーー」
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