288: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/05/09(金) 06:43:19.82 ID:JNQM+KUVO
長い付き合いから、アンドロスはゼノンが一族の弔いのため霊剣を求めているのだろうと察していた。
リン「意外です。あの血も涙も無いゼノン様にそんな気持ちがあるとは」
アンドロス「お嬢様に対する態度からも分かるが、身内には確かな情をお持ちだ」
リン「その分私のような龍族ではないものには当たりは強いですがね。まあ私も今回の任務はベルゼブブ様直々の指令。それだけで全力を尽くす理由になります」
アンドロス「助かっているリン殿。この辺りはアスモデウス様やデュラン様が倒れたアップル王国の近くだ。もしかすると護衛任務でその勇者パーティが参加しているかも知れぬ。強者は多いほうが良い」
リン「アップル王国の勇者パーティですか。まさか、あの時の人間どもがそこまで強大になるとは思いませんでした」
リンは人間体に変身可能。賢者としてその身を偽りリーンという名前で、かつてアップル王国の三勇者のミッションに参加した経験があった。しかし人間を見下す彼女は半人前の勇者パーティと侮り、実績の無かったリラとシトリーはともかく、アスモデウスを退いたレンも脅威ではないと判断していた。500万年以上の悠久の時を生きた魔物が、刹那の人生に身を委ねる人間の伸び代を正確に測ることは難しいのだ。
リン「それにしても、何故デュラン様は負けたのでしょう。オルフィア様と協力し、闇魔法ブラッドムーンを発動させれば万が一にも負ける筈はないのですが」
アンドロス「さあな。大幹部様の御心は俺などには分からぬ」
そういうアンドロスだが、デュランの手助けをよしとしない精神を正確に察していた。ベルゼブブに心酔し、闘いは彼に対する忠誠を示す儀式でしかないリンには独特の騎士道は理解できない。
数時間後、情報共有の場で部下のリザードマンから汽車を発見したと報告を受けたアンドロスはゼノンの元に向かった。
龍人族の王は部下に霊剣の場所を探させている間、汽車の目的地である雪国の領土である、雪が降り積もった里の人間を皆殺しにして陣取っていた。
ゼノン「……」
亡骸が積み重なり出来た小さな山の上に寝転ぶゼノンの隣には、ゼノンの娘であるルナが立っている。まだ14歳で華奢な体ではあるが鱗の肌に背中の羽、尻尾と龍人族の特徴を色濃く受け継いでいた。彼女は人間の女にゼノンが生ませた子供で、既に母親はゼノンに殺されていた。
ゼノン「なあおいルナよ。人間ってのは脆いだろ」
ルナ「はい、お父様」
ゼノン「こんなゴミ種族の血が半分混ざってるお前だが、魔王軍でもそれなりに強えよ。偉大な俺の血のお陰でな」
ルナ「はい」
ゼノン「期待してるぜ」
ルノ「はい」
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