498: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/05/19(月) 00:08:26.55 ID:pSVc3M3MO
死にかけのアンドロスを洞窟で気を分け与えながら落ち着ける村を探し彷徨ったのが2日。そして村での1週間。あの闘いから9日が経過していた。
アンドロス「死なせろという俺の願いを何故聞き入れなかった」
ミルカ「あのね、敵のアンタの言うことなんて従う義理はないのよ。悔しかったら殺してみなさい」
家の中の囲炉裏を挟み2人は話し合う。正座で腕を組み、しかめっ面のアンドロスは死に場所を失ったことを嘆いていた。
ミルカ「はぁ〜暖か、雪国の知恵ねこれは。くく、正座って、どこまでも真面目なやつよね。靴は脱いだ後逆向きに揃えずにはいられない。焼いた餅は均等に焦げ目がないと落ち着かない」
アンドロス「………言っておくが俺は魔王軍。お前らとは敵同士だということを忘れるな」
ミルカ「ふ〜〜〜〜ん。魔王軍ね」
アンドロス「なんだその反応は」
ミルカの見透かすよう視線が不愉快だ。前日の残りの雑炊が器に盛られ、差し出された。しかしその好意をアンドロスは無下にできない。睨みながら受け取る。
ミルカ「別に人間に寝返れってわけじゃないのよ。魔族領だって広いんだし、自分の技を磨きたいならいくらでも対戦相手なんているでしょ。魔王軍で、か弱い女子供。一般市民を殺すような仲間を見続ける生活よりも精神衛生的に良いと思わない?」
アンドロス「…………俺はゼノン様の苦しみを見た」
ミルカ「龍人族の生き残りだっけ」
アンドロス「そうだ。お前達人間が500年前に罪無き龍人族を殺戮した。あの光景は今でも忘れん。あの方には、人間を殺す理由と権利がある」
ミルカ「因果応報ってわけね、ま。確かにあるかもしれないけど」
ミルカが窓から外の景色を見る。幼い子供の兄弟が走り回っていた。
ミルカ「ゼノンはあれくらいの子供を殺したことある?」
アンドロスの分かりやすい無表情が肯定する。汽車襲撃の際にも、寄り道したあの村の人々は全員殺されているはずだ。
ミルカ「…………ね、どう思う?」
アンドロス「どうも思わん。人間風情と我らリザードマン、その頂点に立つ龍人族の命が同列だと思うな」
ミルカ「あっそ」
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