890: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/06/19(木) 00:57:16.10 ID:mxKyO6tV0
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マリア「ベルゼブブ様のため……ベルゼブブ様のため」
金髪ロングの聖職者マリアは真っ赤なシスター服に身を包み、薄暗い地下礼拝堂で信仰する神への祝詞を捧げていた。この地下空間はマリアが秘密裏に作り上げた聖地。
マリア「我が命…ベルゼブブ様のため…♡」
ゼブル教の主神は魔王軍大幹部のベルゼブブであり、マリアは無害な顔の裏で何人もの信徒や、美貌に釣られてきた男達を生け贄と表し殺してきた。よく周りを見てみれば犠牲となった人間達の白骨が重なっている。さながらカタコンベだが、彼らに死後の安寧など訪れない。マリアが身に纏うシスター服の赤は彼らの血と塗料を混ぜつくられたもの。更に地下礼拝堂の壁一面に血で魔法陣。術式。ルーン文字が刻まれている。儀式のためにただ命を使われ、用済みの骨が放置されているだけだ。
マリア「我らの望みはベルゼブブ様の勝利。魔王軍の……繁栄♡」
恍惚の表情でマリアはベルゼブブの肖像画を見上げる。王都でアメリアに継ぐ聖女候補と呼ばれた彼女の正体は、魔族に魅入られた人類の裏切り者。ベルゼブブの役に立てるならば老若男女が何人地獄を見ようが構わないという逸脱した精神の狂人だった。
マリア「私のテイムの支配を受けた魔物達よ…捨て身で勇者を殺すのです。勇者の死。さぞベルゼブブ様はお喜びとなるでしょう」
遠く離れた戦場の魔物達の精神を支配しているのは彼女の魔法。ベルゼブブの為、命を顧みない攻撃を仕掛けているのはそのためだ。
マリア「私はあの時死んだ命……とうとう……私にもお役に立てる時がきた…♡うふ。うふふふ」
本来マリアという人間は神のお告げを聞いたわけでもなく、見上げた志があったわけでもない。幼い頃ラリった冒険者に襲われ両親が殺された。彼女自身も死ぬはずだったが、それを助けたのがベルゼブブだったという。と彼女は信じきっているこの話どこまで信憑性があるかは疑問が残るが、ともかく1日で全てを失った幼い少女の心が壊れるには十分だった。夜な夜なフラッシュバックする惨劇から逃れるには唯一の輝かしい記憶に縋る意外無かったのだ。他人の命を奪ってでも自分の命を正当化しなくてはならなかった。
マリア「私の命をベルゼブブ様に捧げます……♡私の神様……♡どうか、私の死後……またあの両親の温もりを♡」
異臭と邪念渦巻く空間でマリアはうわ言のように呟く。それをアメリアは背後の階段の途中から見ていた。
アメリア(なんてこと……見渡す限りの血痕…この死臭…マリアちゃん、なぜこんな)
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