203:イッチ[saga]
2026/08/09(日) 13:20:46.98 ID:tUGz82hT0
ーーーーー
……あぁぁあぁぁぁぁぁぁ……
D「ん?」
なんか……声が聞こえた気がするな。
断末魔みたいな……
虫取り網片手に怪異を探していた俺は、その声が聞こえた方に行ってみる事にした。
D「……お?」
???「ぷっきゃぁきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!」
そこにいたのは、両手に真珠のような玉を持って嬉しそうに笑う河童(どこからどう見ても河童(カッパ)であった)と、倒れてぐったりしている2人の男だった。
カッパ……!
伝説上のUMAじゃないか!
まさかこんな近所にいたなんて……!
パキッ
D「あっ」
カッパ「誰だッ!」
枝を踏むなんてなんてベタな。
俺は観念し、両手をあげながら茂みから出ていった。
カッパ「ほぉ〜ん。まだ仲間がいんのか。オメェの尻子玉も抜いてやっぺ」
正面から改めて見ても……カッパだ。
新宿駅前でアンケートをとっても500人中490人以上がカッパと答えるだろう。
サイズは幼稚園児ほど、服が腰蓑だけなのもよくある姿、スレンダーな体に先ほど見えた背中の甲羅、頭の上の皿にはちゃぷちゃぷと水まで入っている。
どっからどう見てもカッパだ。
その顔つきは原点のような、鼻が低くなったスッポンみたいな見た目をしている。
D「まあまあ待て待て。俺はそいつらとは全然関係ない。……それ、尻子玉だろ? そいつらから抜いた」
カッパ「ああ。こいつらな。オラの池ぁ壊そうとしたから、相撲で白黒つけてやった。オラが勝ったから、尻子玉もらったんだ。とーぜんだべ?」
D「ああそうだな。勝者は敗者から奪って当然……自然の摂理だ」
カッパ「……オメェも池を壊すつもりか?」
D「いや、そんなつもりはない。わざわざ敵対する理由もない。……だけどカッパよ、この後どうするつもりだ? この2人を排除したって、人間は何度も来るぞ」
カッパ「全員なぎ倒すべ」
D「そいつらを全員なぎ倒したとして、それを嗅ぎつけたその道のプロがお前を退治しに来るだろ。それはどうするつもりなんだ?」
カッパ「うぐ……そ、それは、なぁ……な、なぎ……」
D「無理だって。そいつらはお前と相撲で勝負してはくれない。呪術だのお札だので袋叩きにされて即敗北、はいおしまい」
カッパ「……じゃ、じゃあ……じゃあオラどうすりゃよかったってんだよ!!! あのまんま大人しくブチ壊されてろってのが!? オラの思い出の池をッ……オラの……オラたちの故郷をッ……!!! ……カッパの……故郷を……! ……オラの……オラしかいねぇ……もう……守れんのは……オラしか……!」ぽろぽろっ……!
カッパは目に涙を浮かべ、地団駄を踏んでいる。
……いろいろとあったんだろうなぁ。
D「……まー簡単な事だ。俺と相撲しろよ」
カッパ「……はぁ?」
D「お前が勝ったら……まあそうだな。尻子玉はやらねぇけど、ここら一帯を保護してやるよ」
カッパ「……ほお〜。言ったな」
次の瞬間、カッパは腰を低くした。
D「まー待て待て待て……。これは『お前が勝った時』の景品だ。俺が勝ったら……」
カッパ「そんなもんどうでもえぇべ! どーせオラが勝つんだ!!!」
D「黙って聞いてろ!!!」
カッパ「う……!」ビリビリ……!
D「……俺が勝ったら、まず2人の尻子玉を戻してもらおう」
カッパ「……ちっ、人間のくせに……! フンっ……そんくらいどうだってえぇ。んで? それだけじゃねぇべ?」
D「あとは……そうだな。お前のことを好きにさせてもらおう。無期限、それも無制限で」
カッパ「……はぁ……!?」
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