233:イッチ[saga]
2026/08/31(月) 00:39:14.52 ID:nBqzAEnV0
……ん?
なんだ……?
なんか、サイレンのようなものが……可聴域のギリギリで鳴っているような……
???「ぅ…………ごぼごぼごぼ……」
いや、今はそんなのどうでもいい!
とりあえず目の前の女の子だ!
ヤバい、完全に沈んでる!
俺は急いで泳ぎ寄り、水面下で女の子の腕を掴んだ。
グイッ
俺「〜〜〜〜〜ッ!?」
その瞬間、一気に水の中に引き込まれた。
ヤバいッ、助けに行ったものの、溺れている人間が暴れた事で一緒に溺れるという事象は聞いたことがあるが、まさか自分の身で体験する事になるとは!
俺「ごぼごぼ! ごぼごぼごぼ!」(落ち着け! 今引き上げる!)
ガシッ!
女の子が俺の腕にしがみついてきた。
そうだよな、怖いよな、必死だよな!?
だけど今は落ち着いてくれ!
俺も死ぬから!
俺「ぐぼぐぼッ、がぼぼぼぼ!!!」
ま、まて、マジでヤバい、溺れる!?
め、目に塩水がッ!
何も見えない、何も聞こえない、わからない、本気でマズい!?!?
ボヤける視界の中、目の前に何かが急接近してくる。
……もしかして、女の子の顔?
その顔は、嬉しそうに微笑んでいるように見えて……
はぷ……♡
俺の唇に、何かが口づけしてきて。
ぷぅっ、と何かが吹き込まれた。
俺「ごぼぁッ」
不味い、不意の出来事に肺の中の全ての空気を吐き出してしまったッ!
気管に水が!
おぼれ、おぼれおぼ、おぼれ…………!!!!!
???「落ち着いてくださいまし……落ち着いて、息をしてくださいまし……。ほら、息を整えて、すぅ、はぁ……すぅ、はぁ……」
息なんかっ、息なんかできるわけっ、かっ、ふっ……!
???「落ち着いでくださいまし。貴方は、もう地上にいますのよ? 今は水の中ではありませんわ。ほら、息をすって、すぅー…………って。ほら、吸ってぇ……♡」
…………すぅーーーー………………
俺「ぶはぁッ! はぁっ、はぁっ、ぜぇっ、ハァッ、はあぁああぁああぁああぁ!!!! すううううううはああああああああ…………!!!」
???「あらっ、良かった! を〜っほほほほほ♡ 今回も成功ですわ!」
はぁ、はあ、ぜえ、ぜえ……ふう、焦ったぜ……
俺は、いつの間にか救出されて地上に戻っていたらしい……
空気を肺いっぱいに吸って、吐いて……落ち着いて、俺の息を整えてくれた人にお礼を言おう。
俺は目を開けた。
俺「ああ、本当に助かった……ありが……」
人魚「ええ、ええ♡ どういたしましてですわ〜♡ わたくしの『旦那様』〜♡」
ゴポゴポゴポ……
俺「…………」
キョトン、と首をかしげる、『人魚』。
視界は、真っ青。
上からはキラキラと揺れる水面から差し込む太陽光が。
身体全体に感じるこの圧迫感は、水圧か。
俺「…………」
人魚「海に飛び込んで、あんなに溺れそうになってまでわたくしを助けようとしてくださるなんて……♡ これこそ相思相愛ですわ〜♡ ああ、なんて素敵で、運命的な出会い♡ さ。早速わたくしたちの『スウィ〜ト・ホォ〜ム』に参りましょ〜♡」
俺「ごぼぁああぁあああぁああ!?!?!?」
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