237:イッチ[saga]
2026/08/31(月) 00:43:03.01 ID:nBqzAEnV0
ォオォオォォォ…………
ずらりと綺麗に並べられた、しゃれこうべ(頭蓋骨)。
形からして、どう見ても人間のそれ。
どれもネームプレートのようなものが手前に置かれていて、ものによっては帽子やメガネをかけている。
数は……100個くらいかな……?
俺「……に……人魚ちゃん……これは……」
人魚「みーんな最後には帰りたがるんですの」
振り返れない。
肩に置かれた手に、ミシミシと力が込められている。
人魚「わたくしと愛を語り合ったのに、『これこそ真実の愛だ〜』とか言っていましたのに……最後にはみーんな、ここを出たい、地上に帰りたい……どうしてなのかしら。不思議ですわ〜」
俺「う、うーんそうだな。俺が思うに……」
人魚「特に、家族がいるってなんなんでしょう。だってわたくしだけで十分じゃありませんの。運命の人魚姫と、それに向かって海に飛び込んだお優しい王子様。ふたりだけの世界。素晴らしいではありませんの。100年も、1000年も、ずーっとずーっとわたくしとふたりきり。どうしてそれがいけないのでしょう?」
俺「……そういうところだと思うなあ〜!」
人魚「だから」
ガブゥ!!!!
俺「痛゛ッ!?!?!?」
肩にとんでもなく冷たい……熱いッ、感触がッ!!!?
人魚「んむ゛……♡ 一緒に……なるんですの♡ こうすればずっと一緒。こうすれば無理やりスウィ〜ト・ホォームから出てわたくしから逃げようとも……わたくしをバケモノと呼んで……殺そうとすることも!!! なくなるのですから!!!!!」
ミ゛シッ! メ゛ギ!!!
俺「だ、がッ……!!! オラァ!!!」
俺は渾身の力で床を蹴り、体を大きく捻って人魚ちゃんの腕の中を、その頭蓋骨部屋を飛び出た!
俺「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
いでえ、肩が抉れてやがる……
人魚「どうして逃げるんですの? 貴方様の愛も……他の99人の旦那様達と同じようにウソだったのですわ〜?♡」
そう言いながらこちらに向かって微笑む人魚ちゃん。
口回りに俺の血を揺らめかせながら、耳まで裂けた口、ズラリと並んだ鋭すぎる歯、そして口の中で更にカチカチと歯を鳴らす、ウツボのような2つ目の口。
……その顔も魅力的じゃんか。
俺「俺が記念すべき100人目ってか……! 大人しく食われるだけが真実の愛だと思うなよぉ……!」
人魚「安心してくださいまし、旦那様……貴方様のお血肉は全てわたくしの物となった後、他の旦那様と同じように、ここで未来永劫愛し続けてあげますから……♡ 愛を……変わらない形の愛を!!!!!」
ギャォッ!!!
よーし図らずもいつもの流れになったな!!!?
俺は大口を開け、とんでもない速度で肉薄してくる人魚ちゃんの動きを見極めて……
俺「おら!!!」
人魚「きゃあ!? あ、だ、旦那様、そんな積極的な……♡」
俺は人魚ちゃんに抱き着いた。
人魚「ああ、旦那様♡ どうかわたくしの記憶の中では……お優しいままでいてくださいまし〜っ!!!♡」
かぱ、と開けた口の中から第二の口がジュバッ!!!
俺「うおあ!」
ガチン! ガチン! ガチン!
人魚「避けないでくださいましっ♡」
こんなの喰らったら顔面に穴が開いちまう!
俺は第二の口が引っ込んだ、そのタイミングに合わせてッ!
俺「んむ!」
人魚「んっ、んんんんん!?♡」
今まで俺と人魚がしていたのは唇を触れ合うだけのお子様キッス……しかし、これは大人なディープキスッ!
ちなみに人魚ちゃんに人間のような舌はない。
ので、俺は舌を第二の口に絡ませる。
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