【安価】怪異を犯してマンションに住まわせる
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333:イッチ[saga]
2026/10/04(日) 10:57:11.90 ID:sfB4AF/l0
狸姫「まずはその大きなケガについて。私たちの仲間が貴方様にご迷惑をおかけして、誠に申し訳ありませんでした」

D「ああ、いえいえ。俺の方こそかもしれない運転を徹底していたべきで……」

狸姫「そして、じいを始め、仲間たちが荒々しい事をして怖い思いをさせたことも、重ねて申し訳ありませんでした」

D「いえいえこれは完全に俺がなんか強引になんか突破しようとしちゃったので……」

『帰れ』って言われて帰らなかったからなぁ……

狸姫「……その上で、貴方様にはどうか、お帰り頂きたい。可能であれば、今すぐにでも」

D「ですよねー……」

ま、そういう話の流れになるよな……

狸姫「この後、私たちにとって大事な祭りがあるのです。そこにニンゲン様を立ち会わせるわけにはいかないのです」

姫が女中タヌキから小包を受け取り、俺の方に差し出す。
俺がその包みの封を解き中を見ると、そこには光り輝く宝飾品が……!?

狸姫「貴方様の乗り物と、そのケガに対する補填です。どうかそれを受け取り、速やかに里を……」

俺はきゅっと小包を結びなおすと、姫のほうに付き返した。

D「戦か」

狸姫「…………」

D「しかも、負け戦。戦力差は圧倒的であり、みな死ぬ覚悟。だから農作物の手入れもせず、武器の手入れをするばかり。その宝を俺に渡そうとした事も。素人目に見ても、そこらの人間に渡して良い品物じゃない事くらいわかる」

姫はため息をつくと、き、と静かに俺の目を見据える。

狸姫「もはや隠す必要はありませんね」

D「ああ。とっとと話せ。全部。洗いざらい。時間がないんだろう」

狸姫「これは私たちの戦いです。貴方様が何者か知りませんが……ただの通りすがりのニンゲン風情が、なにかできると思いあがらないことです。私たちとしても、ただの通りすがりのニンゲンを巻き込み死なせるわけにはいかない」

D「……へえ」

狸姫「今ならまだ間に合います。本格的に包囲される前に、速やかな退去を……」

D「『本格的に包囲』か…………気になることがある。1つ聞きたい」

狸姫「はい。なんでしょう」

D「なんで『本格的に包囲』される前に、子タヌキたちは逃げていないんだ? 戦力にはなりえなさそうだし、共に死ぬ覚悟をしているとも思えない。そもそも……あれだと戦の事も知らなそうな様子だな?」

俺の質問に、姫は口をつぐんだ。

D「……理解したよ」

俺は頭を抱えた。

D「昨夜、俺の目の前を横切ろうとした子タヌキたち……あれが丁度、逃げようとしていた場面だったんだな? 忍び足で、少人数だけでも、子供だけでも『敵』の包囲をかいくぐって生き残すために。そうだろ?」

それを……

D「それを、俺が邪魔をした。俺が事故という騒ぎを起こしたせいで、逃げように逃げられなくなった……」

狸姫「いいえ、邪魔なんて……」

D「いいや、邪魔さ。もしかしたら助けられた命を…………通りすがりの俺のせいで。通りすがりの俺が」

バラッ

俺は縄を外した。
荒い結び目だったからな、ちょっと力を入れたらすぐほどけた。
見ていたタヌキがびっくりしている。

D「ほら……なおさら、俺は戦わないわけにはいかないんだ。わかるだろう、姫様」

狸姫「……だとしても私たちとしては、ただのニンゲンを巻き込むわけには……」

D「ああ。俺はただのニンゲンさ。昨日ここに来たばかりの。ただのニンゲン。しかし、ほんの1つだけ、ただじゃないところがあるとしたら?」

狸姫「…………?」


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