【安価】怪異を犯してマンションに住まわせる
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334:イッチ[saga]
2026/10/04(日) 10:57:51.10 ID:sfB4AF/l0
姫様はこてん、と首をかしげる。
自惚れているつもりはない。
だが、俺はタヌキが持っていないものを持っている可能性が高い。
今日この場にいなかったはずの俺が、今この場にあるはずのない要素である俺が、全滅を覚悟の上挑もうとしているこの負け戦をもしかしたら俺が、
D「……俺が、この盤面を、ひっくり返せるかもしれないって、言ってるんだ、だから、とっとと、洗いざらい、全部話せ、敵の正体、敵の攻撃手段、敵の目的、タイムリミット、今すぐ、全て、全部、おまえらを、死なせないために、俺に、できることを、やらせろって、言ってんだよ!!!!!!!」
ビクゥッ!!! と姫の肩がはねた。
D「…………………………話してくれるな?」
ーーーーー
それから姫は素直に全てを、しかし手早く簡潔に話してくれた。
狸姫「敵は、『ヤクザ』という悪いニンゲンに化けてニンゲンの世界にまぎれている、『化け狐』です。彼らが狙っているのはこの里そのもの……力を持つ『力場』の支配と、私をはじめとした化け狸の『隷属』です」
ん?
隷属って事は『皆殺し』が目的じゃないのか。
狸姫「私たちと彼らは、少し昔は交流もあったのですが……時代が移り、今はお互い住む世界も大きく変わり、つかず触れず、距離を取って過ごしておりました。しかし最近、長(おさ)が変わったとかなんとかで、怪しい動きをしていることはなんとなく察知しておりました」
D「代替わりか……」
狸姫「そして3日前、彼らは突然やってきました……新しい長らしき若い男の狐を中心に数人で里を訪れ、こう言いました。『降伏して狐の奴隷となるか、皆殺しにされるか、選べ』と。もちろん、抗議しました。その瞬間……」
ぐ、と姫が唇を嚙む。
狸姫「……彼らは、近くで捕まえていたらしい3匹のタヌキを放すと……逃げるそのタヌキたちを殺しました。……助けられませんでした……。遠距離から、一瞬にして命を奪う、見たこともない武器で……」
卑劣ッ、悪辣ッ!!!
……その武器については追々詳しく聞こう。
狸姫「そして言いました。『返事の期限は3日後の日没までだ』と。……つまり……」
D「あと数時間しかねぇじゃねぇか!!!」
もう日は天上を通り過ぎているッ!
狸姫「だから……逃げるなら、今しかないのです……! 奴らも、ニンゲンを殺すという後々面倒になるようなことは極力したくないでしょう……だから、貴方様だけであれば、今の内に……!」
D「で? 続きは?」
俺がそう言うと、姫は俯いた。
狸姫「彼らは今、里を囲うように包囲しています。逃げることはできませんが、私たちも生まれ育った里を捨てて逃げようとは思っていませんでした。……私たちは3日、話し合いました。私たちは、戦えるような力を持っておりません。しかし、隷属される事が死ぬよりも酷い事になるであろう事は、目に見えております。……だから。私たちは、戦って死ぬことにいたしました」
D「……そして、子供だけでも逃がそうと」
狸姫「……はい。夜なら、彼らの包囲をかいくぐっても突破できる、そう思い……」
そこを俺が邪魔したっと。
D「分かった。話は大体理解した」
俺は膝を叩き、立ち上がった。
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