31: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/11/24(月) 01:31:46.52 ID:/nglM3l70
ルシファーが数十万年ぶりの驚愕と共に立ち上がった。ベルゼブブは何も言わない。魔王は彼の前で両膝を付くというらしくない姿で、右足首に触れた。
ベルゼブブ「魔王様」
ルシファー「な、なんということだ……!いつ……こんなことに」
サタン「なんじゃルシファー気付いてなかったのか。ふ、妾の魔力探知でなければベルゼブブの隠蔽を上回れんかったわけだ」
余計なことをとベルゼブブは思ったが、いつまでも隠し続けられるものではない。自分の偽りの足首をモミモミしているルシファーに声をかけるが魔王は聞いていなかった。
ルシファー「…………この不可逆の欠損はエクスターミネーション……私は……莫逆の友たるお前の身体の異変に気付けなかったというのか」
ベルゼブブ「全ては私の蒔いた種。意図的に隠していたのです。魔王様にご心労をおかけするわけにいかないと考え。しかし、浅慮でした申し訳ございません」
ルシファー「……〜〜」
ドロリと身体が闇に覆われ、ルシファーが男形態に変身した。その表情は遊びの無い怒りの形相。
ルシファー「人間どもを絶滅させる作戦は、配下に経験を積ませるため時間をかけていた。仮に討たれようと大した問題ではなかった……しかしベルゼブブお前は別!パンデモニウムとなった地上を私はお前と歩みたかった!その足を…………っ」
ルシファー「ぬお、おおおおお」
魔王の全身に殺気が満ちた。イースは反射的にバックステップで壁際まで距離をとる。それでも安心できる距離では無く、冷や汗が頬をつたった。
ベルゼブブ「魔王様。身に余る光栄でございます」
自らのため怒りを溜める魔王の姿にベルゼブブは素直にそう思った。しかし、これで人間に降伏という道は無くなったのだということも冷静に分析していた。人間は弱く、すぐに死ぬ。だからこそ魔族ではあり得ない連携がとれるし、濃縮された人生の中で継承された技術を脈々と繋いでいく。それを消してしまうのは惜しいというのが蝿の王の考えだが、ルシファーは止まらないだろう。
ルシファー「お前の失われた右足、人間全ての屍の山でも慰めにはならんが…………っ必ず贖わせてやるぞ!」
憤怒の悪魔である自分よりも怒っている魔王の姿を楽しそうに眺めていたサタンが、八重歯を覗かせて笑った。
サタン「面白いことになってきたのぉ。人間も侮れぬわ。ベルゼブブ貴様はそれを知っていたからこそエクスターミネーションを発動したのじゃろう」
ベルゼブブ「奴らが侮れないのは間違いない。そしてこの傷は因果応報」
サタン「ははははは!この闘い!特等席で見届けさせて貰おうか、イース」
イース「は」
サタン「魔王軍が警戒しているという人間を殺してこい、ヴァンガードとやらの初陣じゃ」
イース「は」
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