744: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2026/02/08(日) 00:25:21.50 ID:SdZT/jY80
ロビンフッド「すーー……」
リトルジョン(どんどんあの女先に進むど。もう草木のせいで姿を見失っちまった。でもおでは知ってるど。集中したロビンに距離なんて関係ないって)
しっかり1分近く精神を集中させたロビンがようやく眼を開き、動いた。
ぎりりりという弦が張る音がロビンを落ち着かせる。彼からリラまでの距離は500mはあるだろう。なんの変哲もない矢で、この障害物だらけの射界で、ジグザグに動く強靭な肉体と感知能力を持つリラを仕留める矢を放つことは魔王軍の何者にも不可能。ただ一人ロビンフッドを除いて。
ボウッという炎のような音と共にロビンの弓矢全体に緑色の闘気が漲る。通常激しい闘気は存在感を示し、敵に位置を知らせてしまいかねないが彼のものは非常にサイレントにしてイノセント。どんな野獣にも感づかれたことはない。
ロビンフッド「……」
ロビンの精神は凪。そしてその奥に確かな高揚があった。何十万回と経験し未だに病み付きな、敵を射抜くためにすべての精神を集中させる瞬間。彼は生粋のハンターなのだ。
ロビンフッド「…」
経験が教えるリラの位置。風の流れ。闘気を纏った一撃は風を貫くがそれでも僅かな影響は受ける。それすらも計算に入れ、リラの心臓を貫くための一撃を吟味した。
ギギギギ
ロビンフッド(マリアンのやつ。俺が魔王軍に行くと言った時別れるとか破局とか言ったが…分かってくれる筈だぜ、俺はどこまでもハンターで、魔王城へ行くのはお前を守るためでもあるってな。これが終わりゃ、果実酒と土産を持ってご機嫌取りしてやらなきゃ)
ジョンにはもう目の前にただ鬱蒼な森が広がるようにしか見えない。ロビンが何を頼りにリラに標準を合わせているのか、数百年の付き合いだが未だに分からない。
リトルジョン(人智を超えてるからこその、神技なんだど〜痺れるど、ロビン!)
ロビンフッド「…………」
ロビンフッド「!」
眼を見開いたロビンが一瞬気を放つ。この瞬間、リラは気配に気付いたかもしれない。しかし既に全ては終わっている。闘気を纏った一本の矢が勇者の心臓を貫く為に放たれ終えているのだ。
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