ゲス勇者「ほぅほぅ」聖女「よろしくお願いします」
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165:名無しNIPPER[saga]
2026/03/17(火) 17:10:28.70 ID:OjGyXmFkO
数分後、聖女は呼ばれた。
目には涙を溜めて腹を抱えていた。
乱暴なことをしない宣約と呪いがかかっている。本人たちの希望で、部屋には二人きりになった。
部屋につくなり、聖女は頭を下げる。
聖女「ゆ、勇者様、思えば私は勇者様のお気持ちを考えず先走ってしまい、申し訳ありません、魔王討伐の使命の最中、あるまじき行為でした。
でも、お腹の子に罪はありません! 旅が終われば私が一人で育てます! どうか、産むことは許してください!」フカブカ
聖女はそういって頭を下げた、そんな聖女に勇者は自分がいかに心無い言葉を発したのかを自覚して、手と足、頭をつく謝罪ーー土下座した。
勇者「俺こそ、聖女ちゃんにとっても酷いこと言っちゃった。
聖女ちゃんを散々弄んで、挙句に子供を堕ろせ、とか、最低なことを聖女ちゃんの気持ちも考えずに言った、ゲスどころか、鬼畜なやつだ。
ーーごめんなさい、聖女ちゃん」
そこに、腹の子は迷惑だとか、父親になりたくない、などの苦しみ逃避はない、謝罪だと聖女は感じる。
気づけば、疑問を呈していた。
聖女「勇者様は、この子ができて、どう思ったのですか?」
勇者はゆっくりと聖女の顔を見る。
勇者「言う資格はないとわかってる。けど、正直に言えば、聖女ちゃんが俺の子を孕って、すごく嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい。
俺の子がいる、それだけで、今も喜びが溢れてくる。
それは、偽りない本音だ」
その言葉が本心だと、奴隷となっている聖女には魔道具を通して勇者の気持ちがわかった。仮に奴隷でなくても通じただろう。それと同時に、勇者の表情が暗いことも、苦しいことも。
勇者は聖女の腹をみた。
自分の子が宿っている腹を。
勇者「でも、俺の子をだからこそ、今すぐ堕ろさなきゃいけない。
ーーだって、聖女ちゃんが死んじゃうかもしれないから。
それに、仮に無事に産まれても、この子に俺の、『勇者』の使命が引き継がれるかもしれない、過酷な運命を背負わせることは、俺にはできない。
ーー……何よりも、この子は聖女ちゃんだけじゃなくて、俺の血を引いているーー『下種』の血を引いていることを聖女ちゃんが知ったら、聖女ちゃんはーーこの子を愛せなくなると思う」
搾り出すような、後悔と懺悔の言葉であった。
以前、聖女に勇者は聖女自身を軽く見るな、と言ったが、それ以上の自己否定を勇者が抱えている証明の言葉だった。
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