ゲス勇者「ほぅほぅ」聖女「よろしくお願いします」
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166:名無しNIPPER[saga]
2026/03/17(火) 17:11:26.93 ID:OjGyXmFkO

 だから、聖女は決めた。決めてしまった。

 聖女「勇者様、教えてください、なぜ、私が召されるかもしれないか、この子に過酷な運命を背負わせることになるのか、それとーー」

 聖女は勇者の、土下座する勇者に目線を合わせるように床に座って、


 聖女「ーーなぜ、貴方は私の最愛の方を罵倒するのか。

 理由によっては、私が怒っちゃいますよ?

 好きな人をそんなに馬鹿にされたら」ウフフッ

 聖女は軽く微笑んだ。
 ゆっくりと勇者を抱きしめる。
 まるで、迷子で泣いている子供をあやすような母親のように勇者を抱きしめて、口付けをする。
 今までのディープキスではなく、唇同士が触れ合う、子供のようなキス。

 だからこそ、心の中に暗雲しかない勇者には、心が軽くなる行為。

 聖女「ーー教えてください、その理由だけはなく、勇者様のことも含めて。

 私だって、馬鹿じゃないです。

 今まで、その……勇者様が私にしてきたのは、一般的じゃないことぐらい、わかってきます。
 でも、それでも勇者様が私を愛していただけるのに、私は嬉しかった。
 けれど、愛する度、勇者様が嬉しくて、苦しいのはわかっていましたよ。

 その苦しみを、私にも共有させてください」ニコニコ

 真っ直ぐに聖女を見つめて勇者は、敵わない、と敗北を認める。

 そこまで、聖女の体を弄んだのは楽しみだが苦しみも混じっていたこと、混じるようになったこと、それを聖女が知りながら享受したのを、自分は知らなかったことも含めて、この人には敵わないと思い知った。

 だから、理由を話す、打ち明けることにした。今まで、誰にも話したことはない、呪われたーー祝福されていない自分の出自を、明かすことにする。

 率直に言って、勇者は恐れている。

 万が一でも、聖女には受け入れられなかったら、と思うと震えるし、自分が聖女の立場なら、そんな奴に遊ばれていたのか、と激昂するだろう。
 
 しかし、聖女は受け止めるといった。

 なら、勇者は聖女を信じるだけだ。

 勇者「これから話すのは、勇者ーー俺じゃない、『勇者』そのもの、そして、俺の呪いの、俺がゲスーー『下種』の血を引いている話だ。

 正直、聖女ちゃんは聞いて後悔する、でも、それでも、聞いてもらってもいい?」

 聖女「はい、お願いします」

 勇者は口を開く。
 それは、どうしようもないほど救われない、男の懺悔であった。





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