ゲス勇者「ほぅほぅ」聖女「よろしくお願いします」
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272:名無しNIPPER[saga]
2026/03/25(水) 22:00:30.56 ID:cV7Eo6KKO



 絵は、評価された。


 気迫のあるタッチに、今にも感じる性の躍動感、二人の人間が愛し合う原始的な行動ーー絵は高く評価され、買値の数万倍の、高値がつけられた。


 他にも売ってくれ、女の作品をくれ、女の元にあった絵は全て売れて、女は画家としてあっという間に地位を築いた。


 そして、画家として評価され、貴族に相応しい格の持ち主と認められ、男の正妻となった。

 子供達にも母と認知され、今までのことを謝罪される。


 公的な場所に男の妻として参加されることが許された。

 女が欲していたものが手に入った。

 そして、女はーーーーーー自分のしでかした罪を理解する。


 たとえ、あの時の女は男の両親の血を否定したくても、男の両親は女を唯一認めてくれた二人だったのだ。

 妾であることを謝罪して、家族として迎え入れて、接してくれた。

 あとになって、多くの貴族に女を養子にしてくれないか、と頭を下げていたことも知った。

 何よりも、女を育て、実の子と変わらない愛情を注いでくれた、大事な人たちであった。


 その二人を、貶めるために、貶めて認められた。

 女に、とてつもない罪悪感がのしかかった。

 自分の描いた絵を一枚でも多く引き取り処分したが、多くは格の高い貴族や王族に渡って、不可能であった。


 そして、ほとんどの作品を処分できないままに、女が自暴自棄の生活を送っていた時の暴飲暴食は寿命を縮め、病に倒れた。

 多くの子どもや孫に囲まれて死んだが、女の後悔が未練となってあの世に行けず、屋敷に留まり続けた。

 そして、男がせめて女との思い出に、と、別宅に保存の奇跡を施してしまったために、本来は数十年で現世を去る女の魂が、いつまでも後悔と絶望、女への他に従者たちの憎悪の思念を変わらず、当時のまま保存させた。


 200年の年月が経っても女は成仏することはなかった。ただし、それも終わりかけていた。本来は地縛霊にもなれない魂であったから、もう、保存の奇跡の効果は薄れ、別宅が壊されれば消え去っていただろう。
 

 20年前、魔王軍が一人の英雄に壊滅状態にさせられ、当代一のネクロマンサーが人間界の霊魂を活性化させる魔術と、それによって凶悪な魔物になれるいくつかの魂に、強制的に魔王の隷属をかけされることがなければ。




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