213: ◆GARzbuxPIs[saga]
2026/08/31(月) 07:28:59.45 ID:TXaB8xaZO
ユイリ「ライラの話通りなら、あれは魔法の道具かしら」
リア「触らないほうがよさそうだな。戻るか?」
ユイリ「そうね。何もなさそうだし」
リア「んっ? ユイリ――っ!」
言っている彼女の足元。何かが湖の水面から伸びていることに気づく。逃げるよう警告しようとするが、それよりも早くそれは彼女の足を掴んだ。
ユイリ「いっ!? な、なにっ!?」
細めで柔らかそうな黒い色の触手。それが彼女の左足首の辺りに巻き付き、締め付ける。見た目以上の力のようだ。ユイリが痛みに膝をつき、足に巻きついたそれを外そうと無防備な姿を晒す。水面から新たに現れた物体が、そんな彼女に狙いを定め鋭利な触手を向けていた。
リア「させるか!」
少年は即座に反応し、一歩前に出てそれを切り払う。金属のように硬かったが細さのせいかあっさり両断され、ユイリが貫かれることは防げた。水中から大きな声が上がり、切断された足の持ち主が現れる。鋭利な牙と、でこぼこした不規則な鱗。体のあちこちに触手を生やしており、見るからに禍々しい鮫のような姿をした魔物であった。
ユイリ「ありがとう、リア。結構な大物ね⋯⋯」
リア「結構レベルなのか、アレ」
湖から距離を取った二人は戦闘態勢を取り、様子を見る。待ち伏せして拘束、刺し殺そうとしてくる魔物。場所が場所なら大騒ぎになって、討伐依頼が即座に出ている魔物だろう。
ユイリ「私とリアならあんなのすぐ倒せるわよ」
リア「何か考えがあるんだろうな⋯⋯」
ユイリ「とりあえず魔物の近くで全力で爆破攻撃しなさい。何度も。後は私がなんとかするわ」
リア「いいのかそれ」
ツッコむが、対魚ならば確かに良い手かもしれない。湖には不気味なほど他の魚の姿はない。魔法の発生源だからだろうか。今のところ作り物の湖にあるのはあの魔物の姿のみ。
剣を握り直し、リアは覚悟を決める。魔物は幸い水際にいる。地上からでも攻撃は届きそうだ。
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