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俺妹SSスレ - 桐乃・黒猫「え?嘘でしょ」 Part.5 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/19(日) 21:35:54.62 ID:ZxWnMPQo
前スレ
桐乃・黒猫「え?嘘でしょ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1291520527/

桐乃・黒猫「え?嘘でしょ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1291515804/
俺の妹がこんなに可愛いわけがないSS in VIP
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1291295685/
黒猫「え?嘘でしょう?」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1291339745/

まとめwiki
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/
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【学マス】星南「あー、あー」 @ 2024/11/19(火) 18:55:19.95 ID:a/gyXo/E0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1732010119/

君の手で切り裂いて @ 2024/11/18(月) 20:25:45.48 ID:GgrjLaNMO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731929145/

ダンジョンの中のゴーレム @ 2024/11/18(月) 16:19:36.69 ID:nY6uXKDJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1731914376/

もし私の身に何かあったら、私には納得できない大きな力が動いていると思って欲しい。 @ 2024/11/18(月) 12:36:37.99 ID:EumDOMu/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731900997/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/18(月) 07:21:09.23 ID:XZTwv5W6o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731882068/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/18(月) 07:20:40.86 ID:Px9pxPLQo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731882040/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/18(月) 07:14:36.16 ID:Qjsnejako
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731881675/

わ、わたしはかわいい猫ちゃんだにゃ… @ 2024/11/17(日) 20:35:06.45 ID:nd92ZvmqO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731843306/

2 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 21:40:51.95 ID:ZxWnMPQo
・鬱SS、エロSSの場合は、投下前に断り書きをしましょう
・完結させてからの投下が望ましいですが、中断でもオッケー。ただし中断回数は程ほどに
・再開時には前回投下したものをお知らせしてください。
>>980 を踏んだ人が次スレを立てましょう

感想や雑談などご自由に
3 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 21:55:25.76 ID:oU6aH5Ao
スレ立て乙!
投下も乙!

ちまちま書き溜めて明日には投下しようと思う
ネタ援助かもん
4 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/19(日) 21:56:00.71 ID:40plp8s0
>>1
     ::|
     ::|    ____
     ::|.  ./|=|    ヽ.    ≡三< ̄ ̄ ̄>
     ::|. / |=|  o  |=ヽ     .≡ ̄>/
     ::|__〈 ___  ___l   ≡三/ /
     ::|、ヽ|.|┌--、ヽ|/,-┐|    ≡/  <___/|
     ::|.|''''|.\ヽ--イ.|ヽ-イ:|  ≡三|______/
     ::|.ヾ |.::. .. ̄ ̄| ̄ /
     ::|  ';:::::┌===┐./
     ::| _〉ヾ ヾ二ソ./       こ、これは乙じゃなくてスラッガーなんだから
     ::||ロ|ロ|  `---´:|____    変な勘違いしないでよね!
     ::|:|ロ|ロ|_____/ロ|ロ|ロ,|`ヽ
     ::| |ロ|旦旦旦旦旦/ロ/ロ|旦,ヽ
     ::|ロヽ 旦旦旦旦旦./ロ,/|::旦旦)
     ::|ヾ旦旦旦旦旦旦,,,/::::|、 旦旦|
5 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 21:58:32.48 ID:PQADFAMo
>>1

>>3
2巻であやせが桐乃のオタク趣味を知ることなく、
京介と二人っきりで遊んだりするくらいものすごく親密になり、
4〜6巻辺りの時系列でその親密さを知った桐乃と黒猫が嫉妬して
なんとかしようと策を練る話とか
6 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:02:35.08 ID:J.VqS.6o
前スレ
>>991
思いつきで書いたらこうなりました すいません
自分でも欝展開になるとは思ってませんでした

>>992
続きかければやってみたいですが、自信がないのです

>>994
私も辛かったです ほんと、はい、すいません
ネタがありません 時間がありません 意欲はあります

>>995
みんなが不幸になっちゃいました

>>996
絶対に落とさないでくださいね?

>>998
あやせ「桐乃さえいなければ」
で企画建てたのですよ、もともと

>>999
3日間 計10時間程かかりました

いいネタがあったら、またここに投下しようと思います
ネタ提供待ってたりします
では、またいづれ……


7 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:02:56.37 ID:zhxZOcUo
>>1乙でござる
8 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [「sage」]:2010/12/19(日) 22:03:45.09 ID:Z8My3RQ0
スレたて乙
9 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:05:01.91 ID:m37MvLco
別のスレで案だけ出てたんだが、俺妹キャラが別の作品のオタキャラと知り合いだったら?
ってのが面白そうだった。
10 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:08:34.09 ID:Kuyxod20
別の作品のオリキャラって遠すぎだろwwww
11 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:11:18.92 ID:zhxZOcUo
オタって誰だ、こなたぐらいしか思い浮かばないぞ
12 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:12:33.69 ID:Kuyxod20
オタかww
やべ俺に穴をくれww
13 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:13:55.96 ID:PQADFAMo
・こなた
・かがみ→ラノベオタ
・前原圭一→ファミコンのドット絵に萌えを語れる
・花京院→ゲーマー
・三千院ナギ→引きこもりオタ
14 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:16:28.98 ID:RQgQS6AO
げんしけん忘れたらいかん
15 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:19:15.98 ID:LCkgzsDO
あやせがストーカー被害にあってるって聞いた大介が京介に妹の送り迎えをするってとこまで考えた
16 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:19:25.51 ID:zhxZOcUo
瀬菜「>>12にも穴はあるんですよね・・・」
17 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:20:23.34 ID:drKbEf.0
クロスものは苦手な人もいるから注意書きは必要だな
18 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:22:34.23 ID:otbXYYAO
花京院ww難易度たけぇ
19 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:22:44.30 ID:4C4VEE.o
次スレのテンプレにはオリキャラもの、クロスものに関する注意書きも書き加えるか
あと雑談もあまり脱線しすぎないようにとか
20 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:28:51.18 ID:otbXYYAO
そうだね
クロス・オリキャラ・グロあたり

まぁグロは大抵鬱に含まれるけど
21 :前スレ36 [sage]:2010/12/19(日) 22:33:15.84 ID:JDK8gcIo
>>1

>>6も乙!そう来るとは思わなかったが楽しませてもらいましたよ!

んで、久しぶりの電波投下ww
かなかなちゃんSSで微エロ?最後ちょっと違和感あるかもだがご笑納くださいww

なんで黒猫が書きたいのに他キャラ物書いてしまうんだろうorz
22 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:33:58.89 ID:JDK8gcIo
「衣装合わせだぁ?」

 あのちんちくりんのアホの娘、加奈子からの電話を受けて、俺は思わず素っ頓狂な声を挙げた。

『ナニ?なんか文句あるわけぇ?』
「あるに決まってんだろ!なんで俺がそんなのに付き合わなきゃいけねーんだよ?!つーか俺受験生なんだ。
もう12月だしよ。遊んでる場合じゃないっつーの!」
『ナニ言っちゃってんのぉ?おめー加奈子のマネージャーじゃん。遊びじゃなくて仕事なんですけどぉー』
「ぐっ……で、でもよ、普通そういうのって服飾関係のスタッフとかとやるもんじゃねーのか?」
『それはもうやったっつーのぉ、おめーが来れねーってダダこねるからぁ。でもぉ、その、いつも加奈子の
メンドー見てんのおめーじゃね?ちゃんとチェックとかしとかないとダメじゃねーのぉ?』
「……そんなこと言うけどお前、何が違うっつーんだよ?いつもと同じだろ?」

 判りにくいから一応説明しておくが、今話している衣装ってのは「星くず☆ういっちメルル」のダークウィッチ
版のことだ。色違いなだけで形はほとんど元と変わらない。アニメ版はな。
 すごい事に、何度かあの姿でイベントをこなしているうちに、加奈子(とブリジットもだ、一応)はメルルの
準公式キャラ的な扱いにまでなってしまっているんだな。まぁ似てるのは認めるがな、中身はともかく。
 実際事務所の扱いも読モのあやせや桐乃より相当良くなってるらしく、そろそろまともなマネージャーなりが
ついていいはずなんだが……先日あやせにそれを問いただしたところ、
『え、ええ……』
 てな感じで困惑顔を浮かべながらお茶を濁されてしまった。なんだっつーんだよいったい。そんなに人手不足
なのか?あの事務所は。
 そんなわけで、俺はあれからも何度かマネージャーのバイトをしていて、加奈子ともそれなりに仲は良くなって
いるわけなんだが……

『バカじゃんおめー?だからよけーちゃんとチェックしねーといけねーんだっつーのぉ』
「いや、その理屈はおかしいぞお前」
『と、とにかくさぁ?今からそっちいくからぁ』
「しかも俺ん家かよ!」
『おめーがべんきょーべんきょーうっせーからぁ、加奈子がワザワザ出向いてやろーっつってんじゃん』
「ちっ……つーかいいのか?桐乃いるけど」
『へっ、そこはもうリサーチ済みぃ。今日桐乃はあやせと遊び行ってんじゃん』

 ぐっ……バレてたか……。
 あのコスプレ以来、特に学校でこいつは桐乃にセクハラまがいに絡まれていたらしい。一時本気で泣き入って
たもんなぁ。『おめー妹どーにかしてくれよぉ……』なんてな。だから桐乃って聞けば思いとどまると思ったんだが
ちょっと甘かったか。

『んじゃぁ、今から出るからぁ。期待しとけってぇ』

 癇に障る笑いを残して、加奈子は電話を切った。
23 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:34:36.52 ID:JDK8gcIo
「ど、どうよ……」
「どうって……」

 俺の部屋で新しい衣装を披露する加奈子。黒と青を基調にしたメルルのコスプレだ。
 いや、言っとくけど俺が連れ込んだんじゃないからね?リビングでさせようと思って脱衣所に行くように言ったら
桐乃が帰ってきたらまずいとかなんとか言って加奈子が勝手に上がりこんだんだよ?

 まあ、それはともかくとしてだ。ダークウィッチ化した加奈子メルルを前にして俺は率直な感想を口にした。
 
「やっぱり色以外特に変わんねーな」
「ケッ、おめーちょっとくらいなんか言うことねーのぉ?そ、その、大人っぽい?とかぁ」
「いや、中身一緒だし」

 確かに、今までのピンクと白のノーマル?メルルに比べると若干だが大人っぽく見えなくもない。でもな、中身が
このクソガキってことは何にも変わらねーよ。そんなドヤ顔で言われてもな。

 だが一点、どうにも気になるところがあった。メルルの胸のところ、ブラジャー代わりの大きなリボンなんだが、
結びが大きさも左右のバランスも滅茶苦茶の超適当蝶々結びだったからだ。

「つーかよ、それ以前にその胸のリボンの結び、なんとかなんねーの?」
「あ、こ、これぇ?だってしょうがねーじゃんよ。この部屋鏡とかねぇし」
「お前それでも女かよ。それくらい持ってるもんじゃないのか?」
「わ、忘れたんだって。グチグチうっせーよ。それにぃ、いつもはブリジットに結ばせてるからぁ」

 ああなるほど。それにしてもブリジット、いいように使われてるな、不憫なやつ。 

「ほ、ほらぁ。やっぱチェックしてよかったじゃんよぉ」
「いや、それはチェック以前の問題だろ流石に」

 そういうと加奈子は拗ねたように口を尖がらせて横を向いた。まあこいつも不器用そうだし、これでも精一杯
なのかもしれんけどな。でもこいつの仕事はほとんどメルルの衣装でやるんだしなぁ。

「人に頼ってばっかじゃなくてよ。自分でも出来なきゃ拙いんじゃねぇ?」
「チッ、判ってるっつの。練習はしてるってぇ……まだ上手くいかないケド……」

 加奈子はぶつぶつと言い訳を小声で並べた。ただ元々プロ意識の高いこいつである。それが自分でも納得いかない
事だったんだろう。やがてしょぼんとしてしまった。
 あ、ちとまずかったかな?と俺がフォローを入れようとしたとき、ほんの少しだが赤く染まった顔を上げて、
こいつは言った。

「そんな気になるんならさぁ、お、おめーが結べばいいじゃん……」
24 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:35:08.99 ID:JDK8gcIo
「はあ?!」

 俺かよ!
 つーか今までの話はどこ行ったんすか加奈子さん?!

「練習はしとくからぁ。でも、今ちゃんと合わせとかないとさぁ……」
「んー……」

 正直俺としてはこの衣装合わせとやら自体に意義を感じられないんだが。ちゃんと本職の人には見てもらってる
らしいしな。どんだけ譲っても、単に見せびらかしたいだけにしか思えんし。
 だが、だ。そういう意味ではさっさと終わらせてしまったほうがいいとも言えた。どうでもいいことならさっさと
結びなおしてやって、コメントして、そんで終わり。合理的だろ?

 この考えが、変な展開になってしまうなんて、誰が考えるよ?

「判った。じゃあ俺が結んでやるよ。その代わり俺もそんな上手くねーから、文句言うなよな?」
「それは判ってるってぇ」

 加奈子は同意すると、ベッドにぽすっと座った。黙って、上目遣いに俺を見上げてくる。
 黙っていればこいつも可愛いんだけどよ。あ、可愛いっつっても子供的な感じだからな?

 俺は加奈子の前にひざ立ちになって、加奈子のリボンを引こうとして、嫌な予感にとらわれた。
 一瞬だが、前に桐乃に見せられた、DVD版の変身シーンが脳裏に浮かんだからだ。
 おずおずと、加奈子に確認を取る。

「お、おい、ちなみに聞くが、これ、下はちゃんと付けてるよな?」
「あ?あ、あ、あったり前じゃん!」
「なら言い淀むな!怖いだろうが!」

 顔を真っ赤にして加奈子が主張するのに内心引きながらも、一応安心した俺は再度リボンに手を掛ける。
 引こうとした瞬間に加奈子がビクッと震えた。そのとき、俺もやばいと思ったが、もう手は左右にリボンの
紐を引っ張った後だった。

 スルッ……

 そして、リボンの解けた後には、加奈子の慎ましやかな胸が現れた。

 信じられない、というか、やっぱり、というか、そんな感情が頭の中を真っ白にしていくのを感じた。
 ようやく、必死に俺は言葉を吐き出した。その胸を凝視したままで。

「お、お、お、おま、お前!?」
25 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:35:46.63 ID:JDK8gcIo
 加奈子は目をきゅっと瞑って羞恥に耐えていて、俺の言葉に返事を返さない。
 そんな加奈子に、俺も続ける言葉が見つからず、ただただ黙って加奈子の胸を見つめるばかりだった。

 どれくらいの時間が流れたのか判らない、そんな中で、漸く加奈子が口を開いた。

「ぅうっ……そ、そんなガン見すんなっつの……恥ずかしいじゃん」
「あ、わ、わりぃ……」

 ハッと気付いて慌てて俺は顔を背けた。
 え、つーか、悪いの俺?俺なのか??
 そんなどうでもいい思考に頭がとらわれたあと、やがてほんの少し冷静になった部分で自答する俺。
 つまりだ……どうしよう。

 元々はだ、リボンを結びなおすって話だったよな。そうすれば終わるだけの話だった、はずなんだが。
 リボンを結ぶには、当然ながら胸を見なければいけない。胸を見なければ、リボンが結べない、リボンが
結べないと、この状況は終わらない。
 ど、どうしろっつーの?!
 つーか、この状況に固まってしまっているのか、加奈子も胸を隠そうともしない。おい、早く目を覚まして
隠してくれよ!今俺の方からは胸とかおっぱいとかNGワードなんだよ!!

 そんな冷静なんだか違うんだかの考えが纏わりついているときに、さらに加奈子が追い討ちした。

「あ、あ、あのさぁ……」
「な、なんだよ?」
「む、胸?痒いんだけどぉ……掻いてくんねぇ?」

 えええええ!!!!

「ちょ、お、おま?!なに言っちゃってんのお前!」
「だ、だってぇ、リボンが擦れてぇ……この衣装着るといっつも痒いんだよねぇ……」
「だ、だからって、何頼んでんすか!」
「でもぉ、いつも痒いっつったら掻いてくれてんじゃん?」
「それは背中とか肩とかだろーが!!」

 なんで前と後ろが同格なんだよお前!確かにほとんど無いから変わらんけどさ!!
 などと失礼なことを考えてしまう俺最悪。

「も、もうじれってーなぁ、ここだっつーのぉ!」

 え、と思う時間も与えられないまま、俺の右手は加奈子に取られ、ゆっくりと加奈子の左胸の下乳辺りに
導かれてしまった。
26 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:36:25.76 ID:JDK8gcIo
 正直に言おう、もうこの時点で俺の頭は真っ白だった。

「ほ、ほらぁ、早くぅ」
「う……こ、こうか?」

 導かれた下乳(と言ってもほとんど無いのであばらをさすってるような気もするが)を左右におずおずと掻く。

「そんな掻き方じゃ……もっと強くぅ」
「へ?」

 じれったくなったのか、加奈子は俺の手を強く擦りつける。さらには場所を移動させて脇の方へと導く。
 所有者の意思に反して右往左往する俺の右手。
 途中から加奈子の手は離れたが、させられていた動きをつい愚直に反復してしまう。

 加奈子は最初はくすぐったそうにしていたが、やがて息を徐々に荒くしていく。さらさらだった肌が少しずつ
汗ばんでいくのを感じる。顔だけではなく、胸から上がほんのりと赤くなっていく。
 そして、元々(略)なため、やたらに存在感のあった乳首が、ゆっくりと勃っていくのが判った。

「そ、その……さ、先っちょの方も……痒くなってきたかもぉ……」
「は、はい?」
「い、いいからぁ!」

 いや、いいからって……と思う前にまたも加奈子は実力行使した。俺の右手を、自分の左胸をすっぽり納まる位置に
動かした。慌てて俺が手を引こうとするも、それが丁度加奈子の乳首を指の股で挟むような格好になってしまった。
 加奈子の顔を見ると、潤んだ目で先を促してくる。仕方なく俺は、指で乳首を強めに挟み、少し扱くように動かした。

「ぅ……ぁは……」

 加奈子の吐息と、時々漏れ出てくる気持ちよさそうな声に、俺も何をやっているのかという自覚も無いままその動作を
繰り返していく。いや、時々強弱を付けたり、単調な動きから急に強く引っ張ったりして、思考とは別にノリノリな
右手だった。

「こ、こっちも」
「え……」

 そんな単調さに終止符を打ったのはまたしても加奈子だった。俺の頭を両手で抱えると、ぐいっと引っ張って
自分の右胸に俺の息が掛かる位置まで引き寄せた。

「く、く、口で……」
「お、お前?!ホントに痒いのかよ!!」
「ホントだってぇ……」
27 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:36:59.78 ID:JDK8gcIo
 なんだか他人事のように見ていた俺の視覚いっぱいに、あいつのおっぱいが迫る。いや、迫ったのは俺の
顔の方なんだけど。
 もうこうなったら条件反射だ。俺は右手はそのままに、加奈子に言われるままその右の乳首を口に含み、カリッと
甘噛みした。

「ぅうっ……ぁはっ……」

 震える加奈子の反応に満足した俺は、加奈子の乳首を、吸ってみたり、噛んでみたり、舐めてみたりとやりたい放題だ。
 その度震え、身をよじり、甘い声をあげる加奈子。

 そんなことが暫く続いただろうか。流石にそろそろ俺の思考も慣れてきて、もとい冷静になってきつつあった。
 俺の唾液でべとべとな加奈子の乳首、それを暫く見ていたが、やっと声を出すことが出来た。

「で、ど、どうなんすか?」
「き、気持ち……いいかもぉ」
「おい、変な声出すんじゃねぇよ!」
「は、はぁ?ナニ勘違いしちゃってんのぉ?痒いとこ掻いてもらって気持ちいいんですケドォ?」
「ぐ……あ、ああそうかよ。でもそれじゃもう痒くはないわけだよ、な?」

 転がり込んできた『やめる理由』にすがりつくように、俺は加奈子からパッと身を離した。
 急に離れられて驚く加奈子の隣に座り、大きく息をつく。
 加奈子は小さく舌打ちをした。おいおいおいおい、そこ怒るところじゃないだろお前?!

 そして沈黙。なんかこう、賢者タイムでもない、微妙な空気が流れたあと、加奈子が切り出した。

「な、なぁ?」
「……なんだよ」
「か、加奈子の胸って、もうちょっと欲しいんだけどぉ」
「そ、そうなのか?」

 いや、だからもう胸の話は離れてくれよ!もう俺のライフは0よ?!

「せめて桐乃くらいは欲しいっつーかぁ」

 そう言われて、俺の脳裏にはいつぞやの、バスタオルがはだけたときの桐乃の姿が浮かんだ。
 と言っても、すぐに顔をそむけたからしっかりと覚えてるわけじゃないんだが。むしろその後の暴行の痛みの方が
フラッシュバックしそうな勢いだ。
 だけどまぁ、巨乳とまではいかないがそこそこはあったかな?
 標準、といったところじゃないのかな、あれくらいだと。
 まあ、比較対象が加奈子の胸だけどな。ほと(略)。

「な、なあ、ちょっとおめー、マッサージしてみてくんねぇ?」
28 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:37:48.48 ID:JDK8gcIo
 もうやだこいつ。なんでそんなに俺を辱めたいわけ?いい加減にしてよ?!

「だ、だから!そういうことを俺に頼むんじゃねえよ!!」
「マネージャーにマッサージ頼むののどこが悪いっつーのよぉ?」
「いやだから、そういうことはせめて女に頼めよ、あやせとか!」
「……おめーバカじゃねぇ?そんなの女に頼めねーっつーのぉ」

 そうなのか?プライドがどうたらって感じかねぇ。
 といって男に頼むのはもっとおかしいと思うんだけどな!

 少しの沈黙の後、加奈子は立ち上がって(勿論まだ上半身裸のままで)俺の前に座って来た。
 正確に言うと、俺はベッドに少し深めに腰掛けていて、その股のスペースに小さい加奈子の腰が滑り込んできた、という
状況だ。俺の目には加奈子の背中しか見えない。

「ちょ、おま!」

 そしてまただよ。俺の手を掴むと自分の胸に持っていこうとする加奈子。

 しかしこの辺では流石に俺も理性を回復していた。そして同時に静かな怒りが沸いてくるのを感じつつあった。
 だってそうだろ?さっきから(異常な状況とはいえ)加奈子に振り回されっぱなしなわけで、こいつはどうみても俺で
遊んでやがるとしか思えないしな。
 もうマネージャー的な部分はとっくにはみ出してしまっている今の状況には、正直付き合いきれない。
 とはいえ、そこで素直に突き放してしまうまでには、まだ冷静さを欠いていたのかもしれない。

 ちょっと仕返ししてやろう。
 俺がそう思っても無理はない、よな?

 俺は加奈子に引かれるままに、その両手に加奈子の胸をすっぽりと収めた。
 こいつが何か言い出す前に、でも急に変わったと思われないように、さっきと同じ程度に双胸を愛撫していく。

「ぅくぅ……ぅはぁ……も、もっとぉ、先っちょもぉ……」

 はいはい、乳首もね。
 なんかこう、その気になっていないときってまさに作業だよな、こういうのも。

 そして、暫くそうした後、目を閉じて頭を前に倒している加奈子の首筋に、俺はいきなりフッと息を吹きかけた。  

「あっ!……お、おめーナニっ?!」
「あん?いや、息が掛かっただけだろ?」

 訝しげに見やってくるが、目は相変わらず潤んでいて、感じるのに忙しかったんだろうこいつはまた顔を前にやった。
 そこで今度は耳だ。耳に顔を近づけると、加減が難しいがカリ、と甘噛みしてやった。
29 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:38:23.95 ID:JDK8gcIo
「んひゃあ!ちょ、ちょっとぉ……ひぃっ!」

 抗議の声をあげようとする加奈子だったが、その前に首筋をペロッと舐めてみる。びっくりして加奈子はのけぞり、
頭が危うく俺の顔に当たるところだった。
  
「あ……」

 何か言おうとした加奈子だったが、何かに気付いた様子で急に太股をもじもじとさせ始めた。

「お、おめーのせいでぇ、パンツちょっと濡れちゃったじゃんよ……」
「ぶっ!」
「ぬ、脱がせてよぉ」
「だから何をサラッと頼んでるんっすか加奈子さん?」
「だってしょーがねーじゃん?これ衣装なんだからぁ、染みて落ちなくなったらどうすんのよぉ」
「くっ」

 むう、まともにやりあったらこんなやつにも言い負かされてしまうのか。弱いぞ俺!!
 しかし、衣装なのは本当なのでここは脱がせるしかない。と言うか、自分で脱げと言いたかったがここはさらに
加奈子を追い込むチャンスかもしれない。

「わ、判った、じゃあちょっと腰浮かせてくれ」
「うん……」

 後ろからスカートをめくり、加奈子のパンツに手を掛ける。
 ん?2枚穿いてるのか?というかこっちはまともだということか。衣装とその内側の本パンツ(と言うのだろうか?)に
親指を掛けると、加奈子が少し腰を浮かせたのでそのまま前に押しやる。
 そしてベッドから離れて加奈子の前に立つと(当然ながら胸には極力目をやらないようにして)膝上あたりまで脱げていた
パンツ2枚を引き、足から取り払った。

 加奈子は何か言いたそうで口をぱくぱくしているが、声にならない様子だ。まあ普通に恥ずかしいんだろうが。
 そこで仕返しを思いつく俺鬼畜!

「加奈子、ソコも痒いんじゃないか?」
「は?」

 怪訝そうに俺を見上げた加奈子は、俺の視線がどこに向かっているのかに気付くと、今までとは打って変わって明らかに
動揺しはじめた。

「ちょ、ま、ちょっとおめー!ナニチョーシのってんのよ!」
「調子って、マネージャーだから仕方なくやってやろうっつってんじゃねーの」
「え、い、いや、だから、それは」
「いいから!」
30 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:39:01.53 ID:JDK8gcIo
 何がいいから!かは良くわからんがもうこうなったら勢いだ。俺はしゃがみこむとスカートをめくろうとし、それに慌てて
押さえつけようと手をやってくる加奈子だったが、俺はそれを力ずくで排除する、フリをした。

「え、え、え、ウソ、ウソだよなぁ……?」
「何がだよ」

 加奈子の右手を俺も左手で制し、必死でスカートを守ろうとするもう片手を気にせずスカートをめくっていく。
 ついでに顔を加奈子の股間に近づけて、さあ見てやる、といった体勢を取ってみる俺。

「ヤ、ヤだぁ……」

 ぶ、なんだこいつ、こんな殊勝な弱々しい声が出せたのかよ。
 少しずつだが、抵抗を排してめくれ上がっていくスカート。流石に片手だけでは守りきれないか。
 多分こんな時、桐乃なら俺を蹴っ飛ばしてくると思うんだが、加奈子は動揺してかそこまで思い至らないらしく、足は
可哀相に震えている。

 そして、本当にあと少しで見えそうになった時、しゃくりあげる加奈子の声がした。

「こ、怖い……(ヒック)ヤだよぉ……(グスッ)ママァ」

 ま、ママって……
 流石にこれはドン引きだっつーの。つーか、ちょっとやりすぎたか?

「あ、わ、わりぃ……」

 俺は素直に謝って、手をスカートと加奈子の手から離した。
 最後の砦が守られてほっとしたのか、もうスイッチが入ってしまって止められないのか、加奈子はそれから小一時間泣き続けた。


「悪かったな、加奈子」
「ん……加奈子も……ちょっとチョーシのっちゃったしぃ……」

 泣き止んだ後、そう言って顔を赤らめる加奈子。そうしてると可愛いんだけどな。言ってやらんけどね。
 と、そのとき、このタイミングで一番聞きたくない声が階下から聞こえた。
 
((ガチャ)ただいまー。あれ、誰か来てんの?)
「ぶ、か、帰ってきた!!」
「ちょ、は、早く服、服よこせってぇ!!」

 うっかりしてて加奈子はまだ上半身裸のままだった。
 この後、上がってきた桐乃にばれないように俺と加奈子が悪戦苦闘したんだが、それはまた別の話である。


 終わり
31 :前スレ36 [sage]:2010/12/19(日) 22:39:32.51 ID:JDK8gcIo
以上!次こそは黒猫を…!!
32 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:43:34.52 ID:hHMylVQo
乙です!
黒猫期待してる
33 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:56:56.47 ID:qMvRBoMo
全力で乙!
34 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:13:18.15 ID:8GmiCE2o
おつかれ!
黒猫も楽しみにしてる
35 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:15:48.26 ID:zhxZOcUo
おつつ
36 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:17:34.64 ID:v4jmFEwo
加奈子本番でもいいんですよ
37 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:18:54.41 ID:7zzLXUAO
ロリに興味なくてもおっきおっき
38 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:41:32.16 ID:4iejO2AO
なんていうか……その…下品なんですが…フフ…………
勃起……しちゃいましてね…………
39 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 23:59:13.56 ID:drKbEf.0
加奈子可愛いな
40 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/19(日) 23:59:56.84 ID:W0ijFIU0
京介「黒猫、実は俺彼女ができたんだ」
黒猫「ふふ…」
京介「」
黒猫「え?嘘でしょ?」
京介「いいえ」
黒猫「…ああそう。か、勝手にしなさい。」
京介「何故お前は照れているのだ」
黒猫「照れてなんか…」グス
京介「お、おい、黒猫?大丈夫?どうした?」
黒猫「うわぁーーん!グス先輩のバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ」
京介「うお!?」
黒猫「グス………で、で、誰よ!?」
京介「落ち着け!お前はなぜ怒っている!俺のことが好きではあるまいし」
黒猫「いいから誰?」
京介「沙織」
ここから京介の恋人略奪イベントですか?わかりません><
41 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 00:00:34.40 ID:CFOtdKEo
乙。加奈子ものはあまりないからありがたい。

あと前スレの最後のss、ちょっとNTRっぽい展開があるから注意書がほしかった。
42 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 00:13:16.26 ID:QGh6LEco
黒猫が可愛すぎて息ができない
43 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 00:15:02.78 ID:yE6xvcgo
いやー鬱展開物に加奈子物とはどちらも実に新鮮だな
人が増えるのは有難い
44 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 01:01:15.41 ID:lRZraQAO
>>40
「ゲス先輩」に見えたw
45 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 01:09:41.61 ID:fGWnIcAO
>>31
グッジョブ


加奈子は京介との接点が他の子ほどじゃないから逆に後発的な魅了がある気もする。
謹慎中の俺だが一度くらい試しに話作ってみたいなあ
46 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:10:50.57 ID:RPxJJESO
かなかなちゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!
47 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:18:14.28 ID:FI.zG..0
京介って大学は言ったらどんなバイトするんだろ?
1.あやせの事務所でマネージャー
2.まん○らけで店員
3.セクハラ上等家庭教師
4.ホストもしくはキャバクラの黒服
5.工場でアイスクリームの容器をチェック

まあ、普通に考えれば1か。意外と5が冬場時給いいんだけど
48 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:27:21.38 ID:ozCP8c2o
>>47
マネージャーは拘束時間長いから学生バイトは無理じゃない?
とマジレス
49 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:35:35.43 ID:FI.zG..0
>>48
なるほど。1以外で考えてみる。
50 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:37:52.88 ID:Ngi1skoo
>>49
そんなに考えなくていいと思うよ
あやせパワーで暇なときだけあやせに呼ばれてるってことにすればいいし。
51 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 02:54:05.91 ID:RPxJJESO
前スレHTML化依頼した?
52 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 03:07:26.28 ID:ozCP8c2o
>>51
してきた(`・ω・´)
53 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 03:24:11.21 ID:CNzGErE0
なんで、お婆ちゃん(真奈美)の所で婿入り修行という選択肢がないかな?

老舗の和菓子店なら、そう悪いこともないと思う(嗜好品の類は堅実に行けば結構安定)。
54 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 03:27:01.65 ID:y639kQQo
それはもうバイトじゃなくて永久就職ルートだな
55 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 03:34:18.84 ID:FbAXTVko
マネージャーだったら加奈子の方があり得そう
56 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 03:57:14.84 ID:n2TgqADO
前スレの桐乃と御鏡の疑似カップルのやつ

なんで桐乃と御鏡にキスさせたんだよ?
ありえないありえない、無理無理無理無理、無理無理マジで[ピーーー]

鬱になったわ
57 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 04:04:59.34 ID:ozCP8c2o
>>56
落ち着けww
58 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 04:49:57.74 ID:n2TgqADO
>>57
おちちけるかよ、予告無しNTRに合ったも同然なのによ
なんだよ余韻を楽しむかのように見つめ会うって
桐乃じゃねぇよ
59 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 04:50:08.08 ID:JrBxVyg0
>>56
あれとか見てもやっぱり京介は可哀想だよな、同じ兄として同情する



といことでそろそろ京介がキレる話が読みたいです
60 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 05:01:30.56 ID:n2TgqADO
>>59
そして桐乃と京介がラブラブになる話を
61 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 05:01:53.79 ID:y639kQQo
御鏡はもう心に決めた人がいるからなww
あの一途さを見ると誰かとくっつくのはちょっと厳しいな
62 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 05:07:20.16 ID:n2TgqADO
>>61
それに桐乃の性格からしても桐乃が好きであろう人の前で勢いだろうとキスまで行くことはあり得ない
63 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 05:53:51.05 ID:9f0x99Eo
個人的に御鏡は沙織としかくっつくイメージがないな
いや、むしろ沙織が完璧すぎて最低でも御鏡レベルじゃないと釣り合わないイメージがある、と言った方が正しいか
64 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 08:14:49.47 ID:EUlCxg.o
沙織は渡さん!
65 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 08:46:53.08 ID:FI.zG..0
>>63
そうか?俺には腐女子向け要員にしか思えんのだが
66 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 08:53:39.72 ID:1a7nOwAO
>>56
あれ以上の展開が夢にまで出てきた俺よりはマシ
67 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 08:53:53.05 ID:n2TgqADO
御鏡って二次元にしか興味なかったんじゃなかったっけ?
68 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 09:05:07.75 ID:n2TgqADO
>>66
マジかよ・・・
俺もあのSSのせいでNTRトラウマ再発して眠れなかったけどな
69 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 09:16:57.69 ID:WXr4p7co
http://www15.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/336.html
あやせたんペロペロ^^
70 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 09:22:50.74 ID:lRZraQAO
>>68
初投稿の人だったんだし、次から注意書きつけてね、でいいだろ
しつこいよ
そもそもキス程度でNTR扱いってどうかと思うけど

こういうので書き手のやる気が削がれるのが嫌だ
71 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 09:50:05.90 ID:JrBxVyg0
>>70
だな流石にしつこいかもな
NTRはまさしく寝取られてからならいいがキス程度でここまで言うのはナ


ということで空気を変えるため京介がキレる話をお願いします
72 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 10:03:03.29 ID:n2TgqADO
正直すまんかった
確かにしつこかったな

京介キレる話は前書いたからもういいけど
桐乃と京介のラブラブSSでも気が向いたから書いてくるか
73 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 10:15:57.83 ID:2DXxydMo
>>69
これは無いわ……って良く見たらとらドラスレのクソコテのじゃねーか
74 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 10:17:39.67 ID:FbAXTVko
ここに来てまで書き手批判するな
75 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 11:38:36.43 ID:LcCwhUc0
       , -─-、
      /     \
      l  彡  ミ |  + +
+ +   |     l   |  + おちつけ
  +   | r──ァ  l +
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      ヽ____ノ
  , 、     __,冖__ ,、 / //        , -─-、
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  , 、     __,冖__     /  ,ィ + +   |     l   .|  +
 に~フ   └ァ --'、   .7_//    +   | r──ァ  l +
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 に~フ      ̄ニ⊃ノ   / .         | l    |  |
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  n ̄   l`i _,冖_     ̄フ       | l    |  |
  ll     | .!└i i-    /        | l    |  |
  ll     !、! ノ_ノ    > .        | l    |  |
  l|       , 、       \        | l    |  |
  |l      に~フ    トー-.       | l    |  |
  ll   .  /,、'-、    |          | l    |  |
  |l    .         i .         | l    |  |
n. n. n          {           | l    |  |
|!  |!  |!           l.          | l    |  |
o  o  o           l           | l__ノ  /
             ,へ l           ヽ____ノ
76 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 13:33:59.68 ID:YUxE8Gs0
スレ立て乙
なんだか賑わってきたね
そして賑わうと荒れるジレンマ
77 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 13:39:25.19 ID:LcCwhUc0
とりあえず落ち着いたみたいだし、あとはSS投下を待とうか
78 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 13:52:34.00 ID:0BW.il.o
>>69
それか。京介が京都?に放逐されたのは、何かあったのだろうけど。
それが何だったのか、それともナニだったのか、
良く分からないのがSSとしては不親切、だと思う。
だから、作者は、続きをとっとと書けwwwwww
79 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 13:52:54.54 ID:JrBxVyg0
じゃあさっそく誰か京介がキ(ry
80 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 18:39:35.53 ID:PfhQkCIo
今から書き溜める
ネタ援助かもん
81 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 18:40:39.54 ID:YUxE8Gs0
夜まで投下なさそうだな
82 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 18:44:40.02 ID:/gp1IAAO
>>80あやせ→京介←黒猫
83 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 18:46:32.92 ID:YUxE8Gs0
と書いたらきてた

>>80
京介のキレ話書いてやってくれまいか
一人懇願してる奴がいるのでw
84 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 19:00:37.95 ID:PfhQkCIo
じゃあ>>82にキレ話を絡めて書いてくる
最近桐乃ばっかり書いてたしね
85 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 19:44:58.61 ID:cr2tOMAO
しかし京介の忍耐強さは凄いよな。
キレてもある程度計算してて自分見失わないし
86 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 20:16:25.28 ID:wq9gnASO
さりげなく予防線を張る>>85に萌えたww
>>80は鬱SS書かない人だからたぶん大丈夫…!
87 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 20:19:10.25 ID:Ngi1skoo
>>80
あやせに京介の話ばかりされて、機嫌悪くなる桐乃とか
88 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 20:20:30.98 ID:Ngi1skoo
くそ、リロードしろよ俺
89 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 20:29:22.20 ID:lRZraQAO
お前ら可愛いなww
90 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 21:47:47.81 ID:PfhQkCIo
京介がキレる√難しすぎわろえない
そもそもあやせ&黒猫√の時点で京介がキレる理由が思いつかない…
91 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 21:52:19.20 ID:sTRUk9go
別に無理にキレさせなくてもいいと思うよ
92 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 21:53:43.53 ID:Ngi1skoo
>>90
AVを見る京介「はぁ……はぁ……しこしこ」
あやせ「何やってるんですかお兄さん! そんなモノ使うくらいならわたしを使ってください!」
黒猫「ちっ……スイーツ二号。どさくさにまぎれて何を言っているの」
あやせ「あなたこそなんですかっ」
黒猫「ふっ…………我は」
コケっ。
あやせ「あっ…………」
黒猫「――――――――」
転んでもつれた二人の手が京介にモノに偶然当たる。
京介「うっ…………!」
ビュビュッ!
京介「てめえら! 汚い男優のアップで抜いちまったじゃねえか!」

どうだ
93 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:02:31.36 ID:AvvdQLQ0
>>92
なんでその状況で平然と行為を続けられんだよwwww
94 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:24:55.36 ID:PfhQkCIo
書けたから投下
少し短くなっちゃった+キレてないけど許して
95 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:26:05.06 ID:PfhQkCIo
京介「人生相談があります」

あやせ「え?……お兄さんが私にですか?」

京介「おう。それがさ……」



あやせ「えええええええええええええええ!?こ、告白されたあああ!?お兄さんがですか!?」

あやせ…いくらなんでも驚きすぎじゃねえ?
そんなにモテないように見えるかな俺。
いや、確かにモテるわけじゃないけどさ。

あやせ「だ、誰にですか!!」

京介「俺の学校の後輩だ」

あやせ「そ、そんな………お兄さんに限っては絶対そんなことはおきないと思って安心してたのに……」

異様に狼狽しふらつくあやせ。
いくらなんでもショック受けすぎだろ。そのリアクションが俺にはショックだよ。

京介「続けていいか?」

あやせ「だ、だって……お兄さんは私にプロポーズまで……」

京介「おーい、あやせさん?」

あやせ「はっ!?な、何ですか?」

京介「続けていいかな?」

あやせ「あ…そ、そうですね。それで?告白されてそれからどうしたんです?まさかOKしちゃったりしてませんよね?」

京介「…なんでOKしたら駄目みたいな言い草なんだよ」
96 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 22:27:07.81 ID:jWFjYw6o
ほう
97 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:27:17.66 ID:PfhQkCIo
まさか、あやせも俺のこと…
いや、ないな。それだけは、ない。
もしそうならあやせのこれまでの行動に説明がつかないからだ。
好きな人に手錠かける女の子なんていねえよ…多分だけど。

あやせ「ひゃぇ!?だ、誰もそんなこと言ってません!」

京介「…まぁいいや。でさ、告白されたのはいいんだけど受けるかどうかで悩んでるんだよ」

あやせ「えっ?」

京介「俺、今まで誰かと付き合うなんてことなかったからさ。なんていうか…どうしたらいいかわかんなくなって……」

あやせ「…お兄さんが付き合いたいと思うんなら、勝手に付き合えばいいじゃないですか」

ムスとした表情でこちらを睨みつけてくるあやせ。

京介「そ、そんなに怒るなよ。確かにあやせにとっちゃ下らない相談だろうけどさ」

あやせ「そういうことで怒ってるんじゃありません」

京介「と、とにかく、俺のまわりでこういうこと相談できそうなのあやせだけなんだよ。頼む!」

あやせ「…………仕方ないですね。でも一つだけ条件があります」

京介「ほ、ほんとか!?俺にできることならなんでもするよ」

あやせ「交渉成立ですね。…で?具体的に何がわからないんですか?」

京介「ちょ、ちょっと待ってくれ。その条件ってのは何なんだ?」

あやせ「それは今はいいんです。全部終わったらお話しますから」

京介「……スコップ買っといた方がいいすか?」

あやせ「何を言ってるんですか。失礼なこと考えてるのがバレバレですよ」

京介「冗談だよ。で、相談の続きなんだけど…」
98 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:29:33.00 ID:PfhQkCIo
一通りの説明を終え、今俺達はベンチに腰かけている。

あやせ「つまり、今の仲良しグループの関係が崩れるのが怖いと?」

京介「ああ。もちろんあいつのことは嫌いじゃないし、俺もあいつに対して少なからず好意を持ってることも認める。でも俺は……」

俺が黒猫と付き合うことで、今の4人の関係がどうにかなってしまうのが恐ろしいんだ。
以前、桐乃に彼氏ができたできてないの話だけであれだけ大事になって、一時はサークル崩壊の危機まで迎えてしまった。

今度は同じサークル内の人間同士。一体どういうことになるのか見当もつかない。
沙織が勇気を振り絞って作り上げた今の関係を、俺の判断で狂わせることになったらいくら謝っても謝り足りない。
『サークルクラッシャー男』なんて不名誉な二つ名を頂くことになるのも避けたいしな。

口に出して説明することで直面している問題を再認識しふさぎこんでいるとあやせが声をかけてくる。

あやせ「じゃ、じゃあ……その……わ、わた」

あやせの方を見上げてみると顔はうっすらと赤みをおびており、視線も泳いでいる。
声も少し上ずっていて、動揺しているのは明らかだった。

あやせ「わ、わた…私と……つ、付き合えばいいんじゃないですか?」

京介「えっ?」

あやせ「そのサークルとやらの仲間内で付き合うことが問題なら、サークルに関係ない私と付き合えばいいんです」

京介「えっ?えっ?」

あまりの事態に脳がついていかない。
俺は黒猫と付き合うかどうかという問題を相談していたはずなのに、なんであやせと付き合うかどうかという問題が追加されてるの?

京介「あ、あやせ?おまえ…自分で何言ってるのか…」

あやせ「わかってます!」

京介「じゃ、じゃあ!…グェ」

そこまで言いかけたところであやせに胸倉をつかまれる。

あやせ「私とつきあえばその人もお兄さんのことを諦めるでしょう!それともなんですか!?私よりもその人のことの方が好きだと!?そう言うんですか、お兄さんは!?」

京介「お、お、お、落ち着けあやせ!?」

あやせ「私は落ち着いてます!!」

いやいや!絶対落ち着いてないですよね!?
落ち着いて男の胸倉つかみあげたあげく前後に揺さぶりながら詰問してくる女子中学生がどこにいるんだよ!?
99 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:30:52.65 ID:PfhQkCIo
京介「ちょ、ちょっと待って……あ、頭がクラクラする……」

あまりに脳を揺さぶられたもんだから頭がぼうっとする。

あやせ「あ…ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」

申し訳なさそうに俺の安否を気遣ってくれるあやせ。
しかし、俺の胸倉をつかみあげている両手は未だにしっかりと握られており、あやせが完全に平静を取り戻していないことをうかがわせる。

京介「あ、あぁ…だいじょう……ぶっ!?」

結論から言ってしまうと、今のこの状況を黒猫に見られた。
黒猫は公園の入り口に立ちすくんでいて、こちらをまっすぐに見つめている。

はたから見ればあやせが俺の胸に体を預けており、正に今からキスでもしようか、というような体勢に見えたことだろう。

京介「く、黒猫!?違うんだこれは…」

まるで浮気した男の台詞そのものじゃないか、と自分でも思ってしまう。

あやせ「…あの人が例の人ですか?」

京介「そう!だ、だからちょっと離して!?このままじゃ色々とまずい!」

そうしている間に黒猫はゆっくりとこちらに歩いてくる。
あれ?なんか黒猫の背後にどす黒いオーラが見えるんだけど。あれが例の闇の力ってやつですか?

黒猫「先輩?一体何をしているの?」

京介「ち、違うんだ!これはあやせに人生相談していただけで…」

あやせ「そうですよ?お兄さんが悩んでいたので、私と付き合ったらどうですか?って言ってあげたところだったんです」

あやせ!?間違ってないけど間違ってる!!
それは今言うべきところじゃない!!
100 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:31:46.67 ID:PfhQkCIo
黒猫「へ、へぇ…」

見ろ!黒猫も顔をひきつらせちゃってるじゃないか!!

京介「黒猫!話を聞いてくれ!これは俺がまた仲間内でギクシャクするのが嫌で相談してただけで…」

あやせ「じゃあ私へのプロポーズは嘘だったんですか?」

あやせお願い!今は静かにしてて!!

黒猫「プ、プロ!?……先輩は私よりこんな小娘がいいというの?私には返事を保留しておいて、この子にはプロポーズ?」

京介「そうじゃなくて!」

あやせ「そうです!そ、それに私は…こっ、こんなことだってできるんですから!!」

チュッ

え?

黒猫「!!」

え?俺、今何された?
なんだか唇に柔らかい感触が……

あやせ「ふふふ、ここは素直に諦めて名実ともに俗に言う『俺の嫁』状態である私に譲ったらどうですか?」

俺の嫁って…あやせどこでそんな言葉知ったの?
桐乃か?桐乃の影響なのか?
101 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:34:17.83 ID:PfhQkCIo
黒猫「ふっ、あなたがどこのだれだか知らないけれど、その程度のことなら私はとっくに済ませてあるわ」

嘲笑するような目であやせを見下ろす黒猫。
そう、俺はかつて『呪い』と称して口づけをしてもらったことがある。
さすがに唇にではなかったけどね。

あやせ「へ、へぇ?そうなんですか?ま、まぁだからといってプロポーズまでされている私の優位性は崩れませんけどね!」

なんであやせが黒猫に張り合ってるんだよ。

……俺は一体何に突っ込んでるんだ。
違うだろ。ここまでくればさすがに俺でもわかる。
あやせが俺のことを好いてくれていたってことくらいな。
さっきの揺さぶりとあやせからの『不意打ち』のせいで脳が上手く働いてないみたいだ。

黒猫「先輩?こんな雌はほっておいて、早く呪いの儀式の続きをしましょう?」

あやせ「お兄さん?こんな怪しい子はほっておいて、早く人生相談の続きをしましょう?」

俺の双眸には今二人の美少女が映っている。
しかし、瞳を通して俺の脳内に映し出された映像には全く違ったものが見えていて…

京介「……やべぇ、死亡フラグしか見えない」



おわり
102 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 22:36:27.54 ID:PfhQkCIo
京介キレる√は個人的にも書いてみたい
また書きにくるよ
103 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:37:21.46 ID:ozCP8c2o
毎度乙
そういやまだ黒猫とあやせって直接やり取りしたことはないんだな
小娘って、1つしか違わないし身長は確実に黒猫の方が低いw
104 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 22:38:48.84 ID:lRZraQAO
乙なんだぜ
105 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:39:09.93 ID:Ngi1skoo


あやせかわいいよあやせ
106 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:43:02.37 ID:WXr4p7co
あやせたんペロペロ
107 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:44:05.82 ID:R7xNZIDO
理想郷にサークルクラッシャーあったな
108 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 22:45:14.83 ID:GRAhkXY0
黒猫は160cm
あやせはシラン
109 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 22:46:39.85 ID:YdWB5eM0
俺の嫁きたー!乙でした
110 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:49:30.57 ID:kwZqesAO

可愛いさすが黒猫可愛い
桐乃もあやせも可愛いが黒猫はもっと可愛い
かなこ√や沙織√はギャグ成分が多くて面白いし
麻奈実√は和むし
しかし黒猫が可愛い
ああ幸せだな
111 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 22:49:30.91 ID:l13QrVs0
これは短くも引きこまれる良い作品でしたww
112 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 23:05:12.94 ID:ozCP8c2o
あやせは166cmだったお
113 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 23:17:30.99 ID:JrBxVyg0
さて俺の役目は終わったな・・・
あとはキレる√が投下されるのを待つのみだ>>83感謝するぜ
114 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 23:19:31.67 ID:ILjT2gSO

京介爆滅しろ
115 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/20(月) 23:58:05.68 ID:PfhQkCIo
さて寝る前に明日書くネタ援助かもん


どうでもいいけど明日は俺の誕生日
どなたか、誰√でもいいから泣きデレ書いてくんないかな…
116 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:00:15.71 ID:3EgTNmAo
じゃあ、もしもあやせが2巻で桐乃の趣味を知ることなく、
京介とあやせの仲が進展していき、
桐乃がそれにやきもきする話とか
117 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:03:30.31 ID:K06TLBso
>>116
そのSS前見たきがする
118 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:05:04.08 ID:3EgTNmAo
>>117
なん……だと……?
kwsk
119 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:10:46.25 ID:K06TLBso
>>118
あやせとコミケで会わなかったら あやせ√
http://www15.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/314.html

すまん、よく見たら微妙に展開違うかもしれん
後、製作じゃなくてエロパロのSSだったわ……
120 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:15:45.31 ID:3EgTNmAo
>>119
サンクス
確かに微妙にイメージ違ったがこれはこれでありだ可愛いし
121 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:19:17.25 ID:A.Uem6AO
些細なことで口論になって桐乃と口をきかなくなり
その解決策を黒猫に相談したらまた口論になって
黒猫とも口をきかなくなるも限界に達した黒猫が泣きデレて
京介とイチャイチャモードになったところを見かけてしまった
桐乃が大号泣デレ
122 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 00:23:20.68 ID:vPhGY.20
>>115
あやせのめちゃくちゃな物言いにさすがの京介もきれちゃって、あやせが慌てちゃう話
ぜひ泣きデレで!!
123 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 01:25:28.77 ID:yMmu2Hko
前スレ>>551で加奈子SS予告したのに、鬱SSに浮気したりして今頃になってしまった

明日夜、整形してから投下します・・・
124 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 01:40:33.41 ID:MtqHWbA0
あやせの靴下を偶然拾う黒猫がそれをくんくんしてるところを桐乃が目撃しののしりあってるところをあやせ本人にみつかる黒猫は叱られ、丁度偶然に通りかかった京介のせいにされるSSがみたいです
125 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 01:44:19.67 ID:yvTCNUAO
偶然拾った靴下を黒猫がくんかくんかする時点で難易度高すぎるww
126 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 02:01:55.20 ID:UBLY5JMo
最近加奈子SSが楽しみになってきたんだけどこれが恋か
127 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 02:14:09.95 ID:jp/81loo
ロリコンは正義
128 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 02:41:33.81 ID:TLNOJAAO
黒猫妹の出番だ
129 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 02:59:09.18 ID:vFBxBak0
と、都条例に反する変態の巣窟ですか?ここは
全員、まとめてぶち○しますよ!
130 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 03:00:50.79 ID:yvTCNUAO
>>129
あやせさん、遅くまで乙です
131 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 06:26:15.98 ID:DG98NUoo
実は馬鹿な子だったあやせたんが高校受験落ちる話とか
132 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 08:30:16.15 ID:weqD5Hgo
私も129さんの言うとおりだと思います。
もっと男同士の愛…友情の話とか、健全なお話も書くべきです。
133 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 09:33:23.15 ID:YTx6tkU0
>>132
瀬菜ちゃんは引っ込んでろ、いや、引っ込んでて下さいお願いします
134 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 10:26:10.28 ID:T9eOty.o
うわあああああデレ京介えええええええええええええええ

はっ、俺は一体何を・・・
135 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 12:40:41.05 ID:GPVuCk60
>>134
お前疲れてるんだよ・・・少し休め
136 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 14:55:24.93 ID:vFBxBak0
かなかながバカなのは間違いない
あやせはあれだ、親が議員だから実はバカな子だけど、成績が操作されてるんだ。
だから真剣(脳内変換してくれ)ゼミの模試では…
137 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 18:00:16.53 ID:yvTCNUAO
加奈子「だ〜か〜ら〜よォ〜 その方程式は右辺を先に整理するんだってば!さっきも言っただろが」
あやせ「ふえええん……もっと優しく教えてよぉ」
加奈子「馬鹿のお守りはホント疲れっぜ〜」
あやせ「加奈子の意地悪っ!」


加奈子が実は秀才という設定
悪くないな…ゴクリ
138 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 18:05:24.32 ID:NrF/Slwo
よし書け
139 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 18:17:12.21 ID:XioyeYM0
たった4行なのにあやせに萌え死ぬところだった
140 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 18:52:39.33 ID:Dmt7vL20
加奈子は基本頭が良いと思う。

典型的な勉強はやっていないから出来ないというだけで、やれば出来るタイプ。

というか、スポーツにしろ芸事にしろ、そこそこのレベルにある奴は集中力等が高いのでスペックが高い。

桐乃(陸上)、加奈子(芸事)、黒猫(創作)、瀬菜(IT)はそれに該当(赤城もかな?)。
141 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 19:21:39.86 ID:vz85J2SO
京介……はいいか
142 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/21(火) 19:32:16.38 ID:1k.48b.o
>>116>>121を混ぜてのんびり書き溜めるよ
今日は>>123に期待
143 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 19:38:19.57 ID:A.Uem6AO
>>142
愛してる
144 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 19:46:59.49 ID:yvTCNUAO
いつも乙!
期待してる
145 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 20:11:28.52 ID:3EgTNmAo
>>142
愛してるぞー!
146 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 20:23:24.95 ID:XioyeYM0
俺だって愛してる!
147 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 20:48:51.07 ID:NaJLbIoo
いーや俺が一番愛してる!

京介を
148 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 20:52:15.30 ID:QE0TfcMo
俺は親父を愛してる
149 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 21:10:04.96 ID:l3/EurYo
じゃあマイスイートエンジェルあやせたんは貰っていきますね
150 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 21:10:43.53 ID:3EgTNmAo
>>149
崖下
151 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 21:15:06.85 ID:KUjWEi.o
>>148
同志
152 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 21:25:34.80 ID:sMeKczMo
アニメ1巻特典の小説 さほど大した出来じゃなかったな。
153 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 21:47:28.41 ID:AaAQ8Kw0
>>152
内容を産業で
154 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 21:54:46.56 ID:AmP09EAO
>>152
気になる
155 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:10:05.74 ID:yvTCNUAO
つかさたんの短編って割とイマイチだよね。ドラマCDとか
短編苦手なのかもね
156 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:10:20.39 ID:fmVjkgMo
桐乃&黒猫視点でアニメ1話2話だよ。
つーかこんなことも知らずに俺妹スレに張り付いてる奴何なの?
愛が足りなくない? バカじゃん [ピーーー]ば?
157 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:15:08.38 ID:yMmu2Hko
流れをぶった切って投下しちゃいますぞ

↓スタート
158 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:15:38.83 ID:yMmu2Hko
その日も俺は、恒例となっている麻奈実との勉強会を終えてから家路へとついた。
俺にとって最も気の許せる、幼なじみと過ごす時間は、いつも癒しを与えてくれる。

だが、そんな安らいだ気分は、我が家の玄関のドアを開けた瞬間にかき消されてしまった。

「たっだいまァ〜…………ひいっ!?」

そこには、俺の帰宅を待ち構えるように、桐乃とあやせの二人がそれぞれ腕組みをし、仁王立ちしていたのだ。
二人とも静かに怒りを秘めた雰囲気で、左右に構えたその光景は、まさに仁王門のごとき迫力である。

「お、お前らどうし――」
「ちょっとあんた、顔貸しなさいよ」

桐乃はこちらの問いかけを遮ると、俺のシャツの裾をぐいっと引っ張り、有無を言わさずそのまま自室へと連行していった。

159 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:16:51.95 ID:yMmu2Hko
俺達三人は桐乃の部屋に入ると、桐乃とあやせがベッドに腰掛け、俺は自然と床に正座する。
もうこの時点で上下関係ができてしまっているのが情けない話だ。

「一体なんなんだよ、あやせまで……」

相変わらず二人ともむくれたような表情をしている。
とはいっても、俺には、こんな態度を取られる心当たりはまるでなかった。

「……じゃ、あやせから話してくれる?」
「うん、わかった」

あやせからじっと見据えられ、俺は思わず息を飲んだ。

「実は……加奈子のことでお話があります」

加奈子?
あのクソガキと俺になんの関係が……?

160 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:17:48.85 ID:yMmu2Hko
「お兄さん、以前に加奈子のマネージャーをしていただきましたよね」
「ああ、そんなこともあったな」

そう、それはもう数ヶ月も前のこと。
あやせが加奈子を騙してコスプレ大会に出場させたとき、俺もその片棒を担ぐ形で偽マネージャーを演じたのだ。

「加奈子は、もう正式にうちの事務所に所属してモデル活動を始めています。
 ――といっても主にコスプレイベントですけど」
「そういや、そんなこと言ってたな」

加奈子はあのコスプレ大会の優勝で箔をつけ、その業界ではちょっと知られた顔になっているらしい。
あいつが控え室で喫煙してたのがバレたときは、どうなることかと思ったけどさ。
161 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:18:43.46 ID:yMmu2Hko
「ただ、ちょっと問題がありまして――」

そう言うと、あやせは表情を曇らせた。

あいつに問題……思い当たる点が多すぎてどれのことか分からない。
だが、あやせの言う問題とは、俺の想像の斜め上をいくものだった。

「今では、加奈子に本物のマネージャーさんがついてるのですが、どうも加奈子本人はマネージャーが代わったのが嫌だったみたいで、事あるごとに前のマネージャーに戻して欲しいと、事務所にしつこく訴えてるんです」

チッ、あのガキ、新人モデルのくせに相変わらずわがままな奴だ。

って……あれ?
前のマネージャーだって?

「もしかして俺のことかあぁ!?」

予想外すぎて思わず素っ頓狂な声を上げてしまった俺を、桐乃がギロっと睨む。
あやせは、やれやれといった様子で溜め息をついた。

「加奈子、お兄さんのマネージャーを随分気に入ってたみたいなんですよ。
 もしかすると……少し恋愛感情のようなものを抱いてるんじゃないかと思うぐらい」

えええええええ!??
いや、それはありえない!絶対にありえない!
あのクソガキ、人をナメくさった態度で使いまくり、口を開けば悪態しか出てこないし、どう考えてもそんな風に見てる感じじゃなかったぞ。
162 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:19:42.47 ID:yMmu2Hko
そこでふと二人に視線を移すと、なにやら俺の反応を観察するかのように、ジト目でこちらを見ている。

「……あんた、加奈子に何かしたんじゃないでしょうね?」
「……お兄さん、何かあったなら正直に話してください」

何かってなんだよ! 何でそういう発想が出てくるかなぁ
だからこいつら怒ってたのか……。自分の信用の無さにビックリさ。

「いや、ちょっと待てお前ら。断言するが、それはお前らの勘違いだ。あいつはマネージャーなんて召使いか奴隷ぐらいにしか思ってねえんだから」

俺は深く溜め息をつき、かぶりを振って否定した。
第一、あのクソガキが恋愛とか言うようなタマかっての。

「まぁ、お兄さんの鈍感さには定評がありますから、その認識もあてにはならないですけど」

あやせはプイッと横を向いている。そんなあやせに代わって桐乃が続けた。

「とにかく、万が一にも加奈子があんたのようなロリコンの魔手に掛からないように、あんたの偽マネージャーは退職ってことにしたいワケよ」
「おい……誰がロリコンだ……」

いつもながら散々な言われようである。
シスコンな上に眼鏡フェチでさらにロリコン追加って、俺ってば三階級制覇だよ。
……まぁ、少なくとも眼鏡フェチに関しては否定できないんだけど。
163 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:20:43.06 ID:yMmu2Hko
「でもよ、それなら加奈子に、あのマネージャーが事務所辞めたって、一言伝えりゃ済む話じゃねーの?」
「ええ、そのつもりでした。だけど加奈子が……」

そういうと、あやせはコホンと小さく咳払いをして――

『あのジャーマネ、挨拶もろくな引き継ぎもなく辞めるってアリエネーだろがァ!
 担当した加奈子に挨拶ぐらいするのが筋ってモンだろ!
 事務所としても、そこんとこどーなのヨ!?』

おわっ!?
いきなり荒っぽいセリフを吐いたあやせに、俺は思わず仰け反ってしまった。
と、そこで気がつく。

「――あっ、それ、もしかして加奈子の物真似か?……似てねえなぁ」
「うぐっ……」

やった後で恥ずかしくなったのか、あやせは耳まで真っ赤にしている。

「と、とにかく!そんな感じで、加奈子としてはお兄さんのマネージャーにきちんと退職の挨拶をしてもらいたいらしいんです。あんまり事務所にしつこく言われて、偽マネージャー立てたことが加奈子にバレても面倒ですし……」
「ええっ!? それじゃ俺にまたマネージャーやれってことかよ!?」
「最後です!これが最後で、しかもちょっと会ってお茶でもして、挨拶してもらうだけです!」
164 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:22:11.88 ID:yMmu2Hko
俺が渋い顔をしていると、桐乃のやつも畳み掛けてきた。

「あんたねぇ、それぐらい協力しないさいよ!
 大体、あんたが偽マネージャーなんてやったせいで、こんなことになったんでしょ?
 男なら最後まで責任取りなさいよね!」

お前にだけは言われたくねえ!
そもそも桐乃へのプレゼントのために、あやせに頼まれた俺が一肌脱いだだけなのによ。
まさかこんな面倒なアフターケアが待っていようとは……

もうこうなると形勢は明らかに不利。
理不尽な女子中学生二人を相手に、俺には抵抗の術など残されていない。
結局、これで最後という条件で、俺は次の休日に加奈子に会い、退職の挨拶とやらをすることになってしまった。

就職したこともないのに退職だなんて、とんだミステリーだよ。
165 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:23:09.18 ID:yMmu2Hko
そして現在に至るのだが、ここはとある喫茶店――


俺はいま、スーツにサングラス、髪はオールバックという、久しぶりのマネージャースタイルで
……加奈子からネチネチと説教を受けている。

「テメぇはよぉ〜 もうちょい見所のある奴だと思ってたのによ〜
 いまのマネージャーにもろくに引き継ぎしてネェしよ〜
 そこんトコ、社会人としてどうなのヨ?えぇ?」
「も、申し訳ない……」

この調子で、すでに説教タイムは1時間が経過している。
俺は“設定上”、平謝りをするしかない立場なのだが、自分に落ち度がないのに責められるってのはなかなかキツい。
まして相手はこのクソガキ加奈子なのだから、そのストレスたるや想像を絶するものがある。
あやせも桐乃も、ホントに難儀な役を押し付けやがって……
それにしても、こいつが俺を気に入ってるとか、恋愛感情だとか、あいつらの見当違いもはなはだしい。
この状況を見てから言ってもらいたいものだ。

「お〜い、テメぇ聞いてんのかよ」

おっとヤバい!機嫌を損ねると説教が延びてしまう。
166 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:23:53.30 ID:yMmu2Hko
「き、聞いてるぞ!――で、なんだって?」
「オメェのせいで加奈子は迷惑してんだよ。今度のジャーマネは使えねぇ奴でさァ」

このクソガキに使えないなどと言われる今のマネージャー氏に、俺は心の底から同情した。

「なんでもハイハイ言って機嫌取りしてるだけのつまんねー奴だし、
 加奈子がちょっと文句言っただけでブルってやがるしよぉ〜
 この前だって、加奈子がタバコ吹かしてただけで、いい大人がオロオロしやがって――」

と、そこで加奈子はハッと自分の口を手で押さえた。

「お前、またタバコ吸ってんのか?」
「……たま〜にだよ。しかも吹かしてるだけだし……あやせには言うなよな」

駄目だ、こいつ全然懲りてねえ。
167 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:25:10.33 ID:yMmu2Hko
「お前なぁ、今はもう事務所に所属する身なんだから、もしまた補導なんてことになったらクビになるぞ?」
「う、うっせーな!もうオメェには関係ねぇだろ」
「関係なくねぇよ。子供を注意するのは大人の役目だ。
 それに、ガキのうちからタバコなんて吸ってたら成長止まっちまうぞ?
 それでなくても幼児体型なのによ」
「うっ……」

幼児体型という言葉が効いたのか、加奈子からさっきまでの威勢が失われた。
こうなると形勢逆転で、延々続いた説教の恨みを晴らすべく、俺も意地悪のひとつも言いたくなるってものだ。

「それによ〜、タバコなんて吸ってたら彼氏できないぞ〜〜?
 キスしたときにヤニ臭い女なんて嫌がられるからなぁ〜」
「むぐぐ……」

薄ら笑いを浮かべ、わざとらしい口調で嫌味を言う俺に、なにも言い返せず歯軋りをしている加奈子。
年齢よりもさらに童顔の加奈子が、唇をかんで上目遣いでこっちを睨んでる様子に、不覚にもちょっと可愛いと思ってしまった。
まぁ、最後にこれぐらい言っておいてもバチはあたらないだろう。喫煙はこいつのためにならないしな。

「まっ、それが俺の、元マネージャーとしての最後の忠告だ。 じゃ、そろそろ出ようぜ」
168 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:26:00.36 ID:yMmu2Hko
ここが切り上げ時だと察知した俺は、テーブルの伝票を取って席を立つ。
加奈子はまだ何か言いたそうにしていたが、遅れてしぶしぶと席を立った。
そして俺は会計を済ませ、ようやくこの忌まわしき説教部屋から脱出することに成功した。

よしっ!
ようやくこの面倒なミッションが終わった! ここで歓喜の雄叫びを上げたいぐらいの達成感だぜ!

……そんな清々しい気分に満ちていた俺だったけど、どうやら加奈子はまだ俺を解放する気は無かったようだ。

「オイ、どうせ時間あんだろ? ちっと加奈子に付き合えヨ」

そう言うと加奈子は俺の答えも待たず、スタスタと歩いて行ってしまった。
お、おい、待ってくれ。っていうか、いい加減開放してくれ!
169 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:27:13.47 ID:yMmu2Hko
加奈子について歩き、たどり着いた先は小さなカラオケボックス。

いかにも手慣れた感じで加奈子が受付を済ませると、俺達はこじんまりとした部屋に通された。
俺、カラオケって苦手なんだけどなぁ

「言っとくけど、俺は歌なんざ歌わねえぞ?」
「おめぇが歌ってどうすんだよ。加奈子が歌うに決まってるべ」

……別にいいんだけど、いちいちムカつく言い方をするガキだぜ。
それにしても、加奈子のやつ、俺なんかとカラオケに来てどうするつもりなんだろう。
170 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:28:17.90 ID:yMmu2Hko
そして俺達のカラオケルームは、加奈子のプライベートリサイタルの場へと変貌した。

テーブルを挟んで座り、流行のJポップを手当たり次第に歌い続ける加奈子と、
それをずっと聴き続けている俺。
これで下手な歌だったらとんでもなく苦痛な時間だが、幸いにして加奈子の歌は上手い。
いや、正直言って相当な上手さだろう。
そういえばこいつ、コスプレ大会で歌声を披露したとき、普段からカラオケで練習を積んでいると言ってたよなぁ

「お前って、本当に歌上手いんだな……」

俺は心底感心してそう呟く。
カラオケの音量にかき消されそうな声だったけど、それでも熱唱中の加奈子は気付いたのか、
歌いながらこちらにVサインを送り、満更でもない表情をしている。
改めて思ったけど、こいつも桐乃も、目標のためにそれ相応の努力をしているんだよな。
普段はどうしようもないクソガキだけど、こうやって楽しそうに歌ってる姿を見てると、
いつか本当にアイドルになれるんじゃないかって気がしてくる。


でもな――
もう2度も延長しているし、そろそろ終わってもいいんじゃないかね、加奈子さんよ……?
171 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:29:26.23 ID:yMmu2Hko
結局、加奈子は3時間近くぶっ通しで歌い続けた。
さすがに疲れたようで、ようやくマイクを手離し休憩している。

「お前、歌も上手いけど、スタミナも相当なものだな」

半ば呆れ気味に言ったのだが、加奈子は素直に褒め言葉として受け取ったらしく、ふふ〜んと調子に乗っている。

「毎日これぐらいは練習してるから、まっ、加奈子にとっちゃ屁でもねーケドな」

加奈子はソファの上に脚を乗せると、横になった体勢でジュースをすすっている。

「お前はさぁ、その偉そうな態度と汚い口の利き方はなんとかしろよ……」
「へーへー、うっぜーなぁ。 てか、オメェさぁ、マネージャー辞めたら芸能の仕事からは離れんの?」

「ああ、まぁな。そのつもりだけど」
「そっか…… まぁ、未来のトップアイドルがオメェのために熱唱してやったんだからよォ、いい記念になったろ?
 加奈子からの餞別だよ」

そこで俺はようやく理解した。
こいつ、俺に歌を贈るためにカラオケに連れてきたのか。
なんて分かりにくい奴なんだ……でもその気持ちはありがたいよ。
172 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:32:36.81 ID:yMmu2Hko
そこで俺は、気になっていたことをズバリ聞いてみた。

「お前さぁ、事務所にマネージャー戻すように掛け合ってたって聞いたけど本当なのか?」
「うっ! そ、それは……あやせが言ったのかよ……チッ」
「別のマネージャーに替えるならともかく、なんでペーペーの俺なんだよ?」

加奈子はソファで横になったまま、こちらには視線を寄越さずに答えた。
「……そりゃ、初めて担当してくれたのはオメェだし、ちっとは思い入れがあるっつーか……
 コスプレの時も、ホントはちょっと不安で、緊張もしてて……でもオメェがリラックスさせてくれて助かったし、感謝してるしよォ」

不安? 緊張?
こいつはなにを言っているんだ?
どこからどう見ても、そんな風には見えなかったんだが……
173 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:33:57.76 ID:yMmu2Hko
「オメェはさぁ〜 他の大人と違って加奈子にもバンバンつっこんでくれるしよ
 対等に扱ってくれるっつーか、なんかそういうの悪くないかなぁって……って何言わせんだよ!」

加奈子は柄にも無く顔を真っ赤にし、恥ずかしがっている。
これがこいつの本心かどうかはともかく、そこまで言われれば俺だって嫌な気はしない。
それと同時に、こいつを騙していることへの罪悪感が湧き上がってくる。

「……なんか、悪かったな。半端なマネージャーやって放り出しちまってよ」

これは俺の素直な気持ちだった。
あやせの頼みだったとはいえ、結果的にこいつに迷惑掛けることになってしまったわけだしな。
すると加奈子はソファから起き上がり、腕組み脚組みをして一層偉そうな態度を見せた。

「まっ、オメェのことだから、どうせフッツーにショボい中小企業とかに勤めるリーマンにでもなるんだろうけどさ、
 これからビッグになる加奈子の初代マネージャーを務めたんだし、何年後かに自慢してもいいんだぜ」

……ったく、これだよ。
きっとこいつの辞書に謙虚さという言葉は無いのだろう。
まぁ、こいつらしいけどな。
174 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:34:44.16 ID:yMmu2Hko
そして、少しの沈黙の後、加奈子はふいに妙な提案をした。

「なぁ、もうひとつ自慢のタネやろうか?」
「あん?なんだそりゃ」

加奈子は席を立つと、俺のすぐ隣へと移動した。

「目をつぶって」
「お、おい!なんのつもりだ?」
「言わせんなヨ」
「……」
「……加奈子のキスがタバコ臭いかどうか、確かめてみてよ」

そう言って、身体をぴったりと寄せ、あどけないその顔を近づけてくる。

え!?え??こいつマジかよ!?
突然のことに戸惑いつつも、慌てて目を閉じる。
そして俺は、あの時のあやせの言葉を思い出していた。

『加奈子、お兄さんのマネージャーを随分気に入ってたみたいなんですよ。
 もしかすると……少し恋愛感情のようなものを抱いてるんじゃないかと思うぐらい』

心臓の鼓動が早くなり、顔がかあっと熱くなっていくのを感じた。
175 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:37:03.85 ID:yMmu2Hko
カシャッ!

次の瞬間、俺の瞳を開かせたのは、柔らかな唇の感触ではなく、静かな室内に響く携帯のシャッター音だった。
あ……れ?
加奈子は俺に携帯をかざし、ケラケラと笑っている。

「バ〜〜〜カ!マジにキスしてもらえると思ったのかよ、どうしようもねぇなこのロリコンは!
 マヌケ面を撮らせてくれてサンキューな。記念にすっから」

つまり俺は……加奈子にからかわれたってことか……?
こ、このクソガキ!男の純情を弄びやがって!
くそっ、あやせが変なこと言ったせいで、こんなくだらないトラップにかかってしまったぜ……

「お、おいっ!それ消せよな!そんなの記念にするんじゃねぇ!」
「わーった、わーった、しょうがねえなぁ〜 消しておくって。 ……ププッ」

うあああぁぁぁ! 高坂京介、一生の不覚――
176 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:38:53.29 ID:yMmu2Hko
カラオケを終えた俺達が店外へ出ると、辺りはすでに夕暮れになっていた。
ハァ、貴重な休日が丸々潰れてしまったよ。
俺は元マネージャーとして、加奈子に最後の挨拶をする。
「じゃあな、これからも頑張れよ。お前のマネージャー務めたのもなにかの縁だし、陰ながら応援しててやるからよ」
「うわっ、キモッ ストーカー宣言っすかぁ〜?」

ケッ、このガキの憎たらしさは最後まで変わんなかったな。
俺はふんっと鼻を鳴らした。

「じゃあな、俺は向こうだから」

そう言って踵を返し去ろうとする俺を、加奈子が背後から呼び止めた。

「あっ、ちょっと待てって!」

177 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:39:52.20 ID:yMmu2Hko
加奈子は視線を下に落としたまま、おずおずと右手を差し出した。

「最後によ、握手……しようぜ?」

まーたこいつは……どうせ、これで手を握ろうとしたら引っ込めてからかうつもりなんだろ。
と、急にしおらしい態度をとる加奈子に警戒心を抱きながら、俺も恐る恐る右手を差し出す。

すると、加奈子は俺の手を両手で掴み、思い切り引っ張った――

お、おい!
突然のことにバランスを崩した俺は、前傾姿勢になってなんとか踏ん張る。
そんな俺の頬に、スッと加奈子の顔が近づき、軽く唇が触れた。

えっ?

「じゃあな! 世話になったな、ロリコン!」

周囲をまるで気にしない大声でそう言い残し、元気に走り去る加奈子を、俺は呆然と眺めていた。
柔らかな唇の余韻を残す頬を手で押さえながら――
178 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:41:14.40 ID:yMmu2Hko
加奈子の粘着説教に長時間カラオケ、そして謎のフレンチ・キスに精魂尽き果てた俺は、
どっぷり疲れて家路についた。

あいつはどういうつもりでキスなんかしやがったのか……あやせが言っていた恋愛感情という奴か?
いや、あいつにとっては挨拶程度のものなのかもしれないし……でも嫌いな奴にあんなことするだろうか?
俺の頭の中ではそんな問い掛けがぐるぐると回り続けていた。

そして我が家の玄関に辿り着き、そこで俺は大きく深呼吸をする。

ええい、あのガキのことで頭を悩ますのはヤメだ!もう終わったことだしな。
これでもうあいつに振り回されることも無くなるかと思うとせいせいするぜ。
今日の俺、本当によくやったよ。これで晴れてマネージャー稼業とはおさらばだ。

と、晴々しい気分で玄関のドアを開けたのだが――

「たっだいまァ〜…………ひいっ!?」

そこには、俺の帰宅を待ち構えるように、桐乃とあやせの二人がそれぞれ腕組みをし、仁王立ちしていたのだ。
二人とも静かに怒りを秘めた雰囲気で、左右に構えたその光景は、まさに仁王門のごとき迫力である。

そう、これはまさにいつかのデジャヴ。
ただ前回と違っていたのは、あやせの手にはこちらへ向けられた携帯が握られていること。
そしてその画面には、ひょっとこ顔をした間抜けな男の写メがうつっていた。


あ、あ、あんのクソガキイイィィィ!!!!!




END
179 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:42:03.14 ID:sMeKczMo
まだ読んでないけど乙

作家別で◆kuVWl/Rxus氏が一番お気に入りです。
今後も楽しみにしています
180 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/21(火) 22:43:31.87 ID:yMmu2Hko
ようやくできた加奈子SSでした
一度鬱に手を出すと、なかなかラブコメ路線に戻れなくて苦労した…

また次、頑張ります(`・ω・´)
181 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:44:41.28 ID:vz85J2SO
うわぁぁぁぁぁ!!!かなかなちゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
182 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:45:47.89 ID:UBLY5JMo

また鬱に戻ってもいいのよ…俺はね!
183 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:46:35.30 ID:MePBzL2o
非常にGJで乙なんだけど
フレンチキスってディープキスのことじゃなかったっけ?
184 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:46:48.04 ID:aCgBAVwo
加奈子かわぃぃいいいいいいいいい
ああああぁぁぁ目を瞑って耳を塞げば
歌って踊る加奈子ちゃんが見えるよぉぉおぉおおお
かわいいいいい
185 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:48:08.66 ID:3EgTNmAo


>>183
京介は童貞だからその辺よく知らないんだよ
186 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:48:51.65 ID:jp/81loo
いいじゃないか
とってもいいじゃないか
187 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:50:24.07 ID:vz85J2SO
フレンチキス=ディープキスってのは間違ってるってかなかなちゃが言ってたよ
188 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 22:51:51.37 ID:yMmu2Hko
あ、本来の意味はディープなキスなんすね<フレンチ・キス
多くの人が小鳥のキッスだと勘違いしている、とGoogle先生が教えてくれた…俺もだった…orz
189 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 22:52:57.47 ID:kCvB5MSO
おつ
加奈子可愛いわあ
190 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:04:55.52 ID:yvTCNUAO

加奈子可愛いいいい
でも俺は密かにあやせに萌えたww
191 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:11:58.63 ID:1k.48b.o
乙でした
わっふるわっふる
192 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 23:20:17.03 ID:kCvB5MSO
>>191
◆qPOxbu9P76だな?チッ…誰も言わないようだけどな、
俺だけはお前にズバッと言ってやるよ











(・∀・)誕生日オメデトウ


115: ◆qPOxbu9P76:[sage]:2010/12/20(月) 23:58:05.68 ID:PfhQkCIo
さて寝る前に明日書くネタ援助かもん


どうでもいいけど明日は俺の誕生日
どなたか、誰√でもいいから泣きデレ書いてくんないかな…

193 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:28:35.39 ID:UBLY5JMo
イイハナシダナー
194 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 23:33:34.61 ID:jMVCal60
まだあるのかここw
1スレ目2氏ってまだ書いてんの?
195 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:40:43.05 ID:1k.48b.o
>>192
不覚にも感動した。ありがとう
今頑張って書き溜めてるから明日まで待っててくれ

>>194
呼んだ?

196 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:43:04.36 ID:DG98NUoo
鬱は[ピーーー]
197 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:47:48.59 ID:yMmu2Hko
イイハナシダナー(;∀;)
誕生日おめでとう!
198 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/21(火) 23:48:57.63 ID:jMVCal60
おお!まだいるのかw
誕生日おめ

まだvipにあったときは書いてたけど製作だと行かないからなー
また書きたいけどついモンハンをしてる俺www
199 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:56:45.94 ID:cWWLRdko
オメデトウ
200 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:57:54.57 ID:A.Uem6AO
ハッピーバースデー
201 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:01:02.35 ID:K/Nzm0co
お前らありがとう…くそう、年をとると涙腺がゆるくなるから困る


今書き溜めてるけど思ったより長くなりそう
下手したら明日中の投下は難しいかも
気長に待っててくれると助かります
202 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:03:36.39 ID:j9W4tGEo
ところで、泣きデレって何?
泣きながらデレる?
203 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 00:10:34.37 ID:y3jvlO60
泣いているところをみてデレるじゃね?
204 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:16:51.94 ID:K/Nzm0co
>>202
泣きながらデレるであってる
個人的にそんな状況が大好物なので勝手に泣きデレって名づけた

今まで素直になれなかった桐乃が素直になって
泣きながらデレてくるとか想像しただけでたまりません
205 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:45:09.99 ID:R0ndRPUo
>>2
日にち過ぎたけど、誕生日おめでとう

Happy Birthday to You
     Happy Birthday to You
         Happy Birthday Dear ◆qPOxbu9P76
               Happy Birthday to You
  Λ_Λ
 ∂/ハ)ヽヽ  ∧ ∧       ∧_∧  ∧ ∧
  ハ`∀´ノ  ( ゚Д゚)       (゚ο゚*)  ( ´ー`)
  /つ * ヽ ⊂~~~~つ  ♪  ⊂~~~⊂  \∽          /|
 /___ゝ  /  | (-_-)  /  ヽ    \.\_∩____//
  (__)_) 〈//  /  (∩∩) 〃〃〃ゝ    \     / ./ 〉
          ~~~~       ~~~~~~     ∪ ̄ ̄∪∪
206 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:46:17.61 ID:R0ndRPUo
安価ミス>>2じゃなくて>>205です
207 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:48:29.23 ID:R0ndRPUo
>>205× >>204
208 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 00:52:33.51 ID:J.Fw4YDO
おめっぴーすでーとゅー
209 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 01:08:24.40 ID:5aOFibc0
お、かなかなSSきてれぅー!
かなかな可愛いよかなかな
この貴重な加奈子分で1日乗り切れる……気がする

あと誕生日おめー
210 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 01:09:18.30 ID:pMbbJbQo
なんだこのおめでたいスレは
211 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 01:16:24.16 ID:cMJxT2AO
カッ!何というおめでたいスレ

祝マース

>>178
乙乙
続きを妄想してしまう良い〆だ…
212 :前スレ36 [sage]:2010/12/22(水) 02:11:19.93 ID:ORJgkkwo
>>204
例えば事故から身を挺して桐乃を守った京介に対して
「え……あ、兄貴?」
「ぃ……いやぁぁぁあああ!!」
「な、なんで、なんでアンタが、こんな……」
「あたしなんかかばっちゃってんのよぉ」
「いつもいつも、アンタばっか傷ついて……あたしなんかのために」
「い、いつも酷いことばっか言っちゃってんのに」
「あ、兄貴、兄貴ぃ……」
「目を開けなさいよぉ、返事してよぉ……」
「アンタがいなくなっちゃったら、あたしどうしたらいいのよぉ」
「もう我儘言わない、蹴ったりしない、もっと素直ないい子になるからぁ」
「お願い、目を開けてよぉ、お兄ちゃん……」

って感じ?
なんか違うかもしれんww
213 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 02:23:00.82 ID:Wc9blwSO
>>178
やべえ面白えええええ
もっと書いてくれ
214 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 04:29:54.67 ID:07Gf9O2o
キャラスレの、最終話の頭突き後の介抱SSがたまらんかったww
215 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 04:49:46.52 ID:awWE2QYo
>>214
まだ放送してない地域もあるから自粛しような
216 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 09:20:18.38 ID:XOf42wAO
>>215
は?
217 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 09:21:52.90 ID:TLNzxYs0
>>215
え?
218 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 10:19:52.04 ID:jdX5YYQo
また、これだから関東民は・・・とか言われるな
219 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 12:06:54.62 ID:heGMLkAO
黒猫にこれだからカントンは、って言われながら尻コキされたい
220 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 12:15:34.04 ID:XOf42wAO
>>218
俺なんぞそもそもは放送区域ですらないが、地域差があろうと一旦どこかで公式に放送されたらその時点で解禁だろ
221 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 12:46:03.35 ID:Wc9blwSO
書き方じゃない?
SS自体は解禁だろうけど、>>214は内容に触れてるし
単に「キャラスレの最終回のSSたまらんかった」ならまだ良かった気がする
>>215が釘刺さなかったらそこからSSの感想レスついて本格的にネタバレ始まってたかもしれないし
222 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 13:01:06.59 ID:J.Fw4YDO
>>215
223 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 13:27:21.24 ID:jdX5YYQo
>>220
そりゃ関東ローカルや本スレはそうだろうが、基本的にこういうスレじゃ自重した方が未放送地域民の反感を買わないだろ
そして関東で最速じゃないものを未放送時に話すと関東民から物凄いバッシングが来るからまた反感が募って面倒
224 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 13:57:02.19 ID:8uZXBMAO
ここは本スレじゃないんだから配慮はほしいな
どうせあと数日なんだし
エロ鬱クロス作品に注意求めるようなスレなのに、ネタバレ(しかも最終回)に無頓着なのは何か違う気がする
225 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:01:11.12 ID:0zqGSR.o
結局自分が良ければ良いんだろうさ
226 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:08:39.58 ID:xuUEqIMo
書き手はまだ放送されてない地域を考慮して時間を置く
まだ本放送を見てない読み手はネタバレされてる可能性を考慮して見るまで覗かない

でおk

心情的には本放送あってすぐ投下されるとうれしいし
ネタバレに対して自衛できない奴は氏ねって感じだけど
227 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:15:52.13 ID:xuUEqIMo
ごめん今のなし
228 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:17:24.45 ID:iMoBUASO
起床したらキモい流れになってた
229 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:20:31.01 ID:N2Swqe6o
自地域の放送待たなくてもこの辺にいくらでも転がってる
230 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:21:50.84 ID:KMAKqHko
なるほどそれが自衛ってやつか
さすがだな
231 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 14:40:32.84 ID:0zqGSR.o
>>228
黒猫「今頃起きるなんてだらけているわね・・・
    仕方ないから、明日から私が毎朝起こしてあげるわ、兄さん」

桐乃「Σ」
232 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 15:49:20.34 ID:Wc9blwSO
待て待て待て、おまえら落ち着けって
たかがアニメじゃねーか
233 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 15:49:44.72 ID:BPHTGic0
>>231
>>228は兄貴だったのか!?ww
234 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 16:13:48.68 ID:0zqGSR.o
>>231
沙織「話は聞かせてもらったでござる」ガラッ

あやせ「1人で起きられないなんて、情けないですね」ガタッ

麻奈実「言ってくれたらもーにんぐこーるくらいするよぉ?」ファサッ

桐乃「Σ!?」
235 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 16:32:36.61 ID:heGMLkAO
>>232
たかが?
236 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 16:47:21.93 ID:8uZXBMAO
>>232
たかが?
237 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 16:56:45.10 ID:viC0tKc0
>>232
たかが?
238 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 16:57:26.89 ID:Wc9blwSO
>>235-236
失言でした…
239 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 17:23:09.17 ID:mrzYleA0
ワロタww
240 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 17:29:17.53 ID:pXDM43Uo
そう熱くなるな…。たかがアニメだ…。
241 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 17:42:46.74 ID:K/Nzm0co
>>212
さあ早く続きを書く作業に戻るんだ
242 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 18:24:10.46 ID:J.Fw4YDO
>>240
二回目はおもしろくないです
243 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 18:33:49.68 ID:K7xWRTco
今の俺はチャンネルを変えるだけの亡霊だ
244 :エロ注意 [sage]:2010/12/22(水) 18:45:03.16 ID:j9W4tGEo
「そう熱くなるな、たかがアニメじゃないか」
「じゃあなんでここがこんなにおっきくなってるんですかっ!」
「そ、それはだな……」
「お兄さんのばかっ! こんなだから、お兄さんにそういうの見てほしくないんです」
ゴソゴソ。
「そう言われても……俺のリヴァイアサンはリヴァイアサンなんだからしょうがないだろ」
「リヴァイアサン?」
「……とにかく、不可抗力ってこった」
「じゃあ……」
ジーッ。
「お、おい、あやせ!?」
「ひゃうっ! うぅ…………これ、どうしたら小さくなるんですか?」
「えーと……まず、触って」
「こ、これを触る? あ、うぅ…………くっ…………熱い、です」
「あやせの手……冷たいな」
「こんなに、ぴくぴくして……この変態、なんでこんなになってるんですか」
「あやせが気持ちいいからに決まってるだろ……」
「っ……。ど、どうしたらいいんですか!」
「そのまま、上下に動かして」
「上下に……」
ごし……ごし……
「はぅ…………なんていやらしい…………こんな、震えて……」
「んっ……あやせ、もう少し強く」
「こう……ですか? はぁ……はぁ……、ふっ……んっ……はれんちです……なんでこんな、えっちに……」
「くっ……あやせ、その……口も使ってもらえるか?」
「く、くち!? まさか……ふぇ、ふぇらちお、とかいうのですか?」
「ああ」
「ば、ばかっ! そんなのできるわけないじゃないですか! ――――れろ…………んむ、ちゅ…………」
「うおっ……!」
「え、と…………ちゅぱ……熱い……んっ、ちゅ、れろ、ちゅ…………ちゅぱっ」
「あやせ、いいよ、その調子で……」
「これで、合ってますか……ふ、ふあ、ちゅ…………れろ、んむ、ぴちゅ…………ちょっと、おいしいかも……」
「え?」
「んっ、んちゅる、ちゅ、ぴちゅ…………はぁ……はぁ……」
「そのまま、咥えて……」
「はい…………あむ……ふぁ…………くひのなか、いっぱい…………」
「そのまま、上下に……」
「んっ……んちゅ、ちゅぅぅっ!」
「くあっ……!」
「んちゅる、ちゅっ、ちゅちゅちゅ、ぴちゅ、りゅ……………れりゅ。ぴちゅっ!」
「くぅ…………あやせ、いい、すごく、いい」
「んっ、ちゅ、ぴちゅ…………じゅぷ、ちゅるるるるっ、んんっ!」
「出――――るっ!」
「んんっ!? ――――――――んくっ、んんんんんん、んーっ!」
「かはっ……!」
「んくっ――――こくっ、ごく、こくりっ……!」
「あや、せ……」
「……けほ。不思議な、味ですね……」

まで妄想した
245 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:14:24.27 ID:KMAKqHko
とてもいいと思います
本番もあればもっといいと思います
246 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:15:19.06 ID:iMoBUASO
昼寝から目覚めたらエロが投下されてた
247 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:23:13.74 ID:CuzIpHso
ちょろせさん良いねぇ
248 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:47:36.69 ID:KLiRqeA0
>>246
黒猫「平日の真昼間に昼寝、そのままネットサーフィンとはいいご身分だこと」
249 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:01:44.24 ID:K/Nzm0co
>>142の話を書いてたわけだけど、ちょっと長くなりそうなので前後半わけて投下していい?
今日前半投下して、明日後半投下する形で
一応前半だけでも完結っぽくはなってる
250 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:02:27.31 ID:j9W4tGEo
まったく問題ありません!
251 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:33:59.20 ID:K/Nzm0co
じゃあお言葉に甘えて投下開始してくよ
252 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:35:33.33 ID:K/Nzm0co
「ふぅ…なんとかバレずにすんだな」
「うん。あやせにばれたら取り返しのつかないことになるとこだった…」

コミケからの帰り道、俺達はあやせに遭遇してしまった。
しかし、運よくこちらが先にあやせの姿を発見できたこともあり、黒猫達に荷物を預けることで桐乃のオタバレを回避できたってわけだ。

もし、あやせに先に見つけられてたらと思うとぞっとするよ。

「後で、あいつらにもお礼言っとかないとな」
「いちいち言われなくてもわかってるっての。後で電話しとくから」
「さいですか」

――――――――――――――――――

夏休みも終わろうかとしている頃、唐突に俺の携帯が鳴った。
画面を見てみるとそこには『あやせ』の文字。
届いたメールを開き内容を確認すると、そこには『13時に○×公園に来てください』と書かれていた。

なんだろう…猛烈に嫌な予感がする。
あのお人好しそうな少女がこんな事務的な文章のメール送ってくるってことは……

「……………まさか桐乃のオタク趣味がばれたのか?」

一見完璧に見える桐乃だが、たまにとんでもないドジをやらかすことがある。
追い詰められるとテンパってしまって間抜けな発言をしてしまうことも少なくない。
何かの拍子にオタク趣味がバレてしまったことも十分考えられた。

「そういえば桐乃のやつ、昨日どっか出掛けてたな…まさかその時に何かやらかしたか?」

そもそも俺や親父にオタク趣味がばれてしまった原因も、遊びに行くついでにメルルのDVD持ち出したのが原因だからな…

あやせに鞄の中身を見られて……

「ち、違うのあやせ!これは…そう!あ、兄貴がどうしても行ってこいって!」

テンパってしまって思わずこんな言い訳をしてしまう姿が容易に想像できてしまう。

「はぁ…仕方ないか……今何時だ?」

ぼやきながら時計を見つめ、覚悟を決めるための残り時間を確認する。

「げ…あと30分しかねえじゃねえか」

結局覚悟を決めるための猶予も与えられないまま、俺は桐乃のドジの尻拭いへと出向くのだった。
253 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:36:44.73 ID:K/Nzm0co
俺が公園に到着する頃にはあやせはすでに到着しており、俺の姿を見とめると手を振りつつこちらに駆け寄ってきた。
あれ?なんか上機嫌っぽいな。俺の心配は的外れだったかな?

「急に呼び出しちゃってごめんなさい。忙しくなかったですか?」
「大丈夫だ、暇だったから気にすんなって」

どうやら上機嫌なのは俺の気のせいではないようだった。

ん?じゃあなんで俺を呼び出したんだ?
まさか、こんな美少女が俺なんかにデートのお誘いってこともないだろうし。

俺がありもしない妄想に考えを巡らせていると、あやせがその件に関して語りだした。

「お兄さん、人生相談があります」
「え?俺に?説教じゃなくて?」
「説教ってなんですか。あんまり失礼なこと考えてると怒りますよ?」

そう言うと頬を少し膨らませて不機嫌をアピールするあやせ。
やばい、この子超かわいい。

3つも年下の中学生相手だというのに不覚にもドギマギしてしまう。
桐乃や黒猫も確かにかわいいが、この子はまた違ったかわいさがある。
お、落ち着け俺。ここは年上らしく頼れるって所をアピールするんだ。

「悪い悪い。でも…なんでまた俺なんだ?」

冷静になって考えてみれば、知り合ったばかりの俺に人生相談する理由が見当たらない。
人生相談であれば人生経験豊富な両親等の大人や、悩みを共感してくれそうな桐乃のような同級生に頼むのが普通だろう。

じゃあなんで俺に?少し年上の男性じゃないとまずい理由でもあるんだろうか?

「実は桐乃がお兄さんのこと話してるのを聞いて……それで」
「桐乃が?」

いやいや、ちょっと待ってくれ。
あいつが俺の話?その時点でもうやばいじゃないですか!?

『あの駄目兄貴が最近またセクハラしてきてさぁ…』
『あいつの変態っぷりも堂に入ってきてて…』

こんな会話がなされていたかと思うと泣きたくなってくるな。

「……その理由を聞いて増々わからなくなったよ」
「えっ?なんでですか?桐乃ってば最近はいっつもお兄さんの話ばっかりですよ?」

うおおお!もうこれ以上俺の心を痛めつけるのはやめてくれ!!
このままじゃ俺のイメージが変態で固定されちゃう!!
254 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:37:58.33 ID:K/Nzm0co
「お、お兄さん!?なんで涙目になってるんですか!?」

くそっ…桐乃め……俺になんの恨みがあって……

「……ちなみに普段桐乃は俺のことなんて言ってるか教えてもらってもいいか?」

ここまで来たら確認せざるを得ない。
怖いもの見たさってやつもあるが、このままモヤモヤし続けるよりはいっそのことバッサリいってくれた方がよっぽどいいからだ。

「そうですね…お兄さんが最近妙に優しくて世話焼いてくれるとか……変なところで頼りになるとか……」

え?嘘でしょ?

「嘘じゃないですよ?さすがにさっきの通りの言葉じゃないですけど、伝えようとしていることは合ってると思います」

まさか…そんな……
だって…あいつは口を開けば憎まれ口ばっかりで、不満ばっかりぶつけてくるあの桐乃が?

「だから、私もお兄さんに相談しようって思ったんです」
「そうだったのか…そっか……あの桐乃が」

くっ…不覚にも感動してしまった。
ずりいよ、こんな不意打ち。

「で、私の相談内容なんですけど……わ、私の彼氏になってくれませんか?」
「えっ?」
「あ、あの…ダメですか?」

心配そうな表情で俺を見つめてくるあやせ。
その顔はうっすらと上気しており、目は少し潤んでいる。

「ダ、ダメというか…その、俺達知り合ってまだ間もないし……そういうのってやっぱりもっとお互いを知り合ってから……」
「え…あ!ち、違うんです!こ、これはには理由が!理由があるんです!!付き合って欲しいとかじゃなくって!」

両手を振って全力で否定するあやせ。
なにもそんな力の限り否定することなくね?

そもそもさっきの言い方で勘違いするなって方が無理だよ。

「じゃあ、一体どういうことなんだ?」
「それはですね……」
255 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:39:29.49 ID:K/Nzm0co
「つまり、俺に彼氏のフリをしてあやせの友達に会えと?」
「その通りです」
「一体何がどうなったらそんな事態になるんだよ……」

今どきの女子中学生の考えることはわからん。
いや、今どきでなくてもわからないし、女子高校生の考えることだってわからないけどさ。

「じ、実は……」



あやせの話によると、昨日モデル友達に彼氏がいないことをからかわれたそうだ。
なんでも、あやせは前々から彼氏はいないと宣言していたようなのだが、

「モデルやってて彼氏できないとかありえなくない?」

とか言われちまったらしい。
で、売り言葉に買い言葉で、

「わ、私だってもう彼氏くらいできたって!」

なんてことをついつい言っちまったそうだ。

誰だよ、俺のあやせたんにそんなビッチ思想を植え付けようとしている奴は。
それにあやせの場合できないというよりは作らないといった方が正しいだろう。

「事情はわかった。でもほんとに俺でいいのか?あやせならもっとかっこいい知り合いだっているだろ?」
「私はお兄さんがいいんです。あ……ひょっとしてもう誰かとお付き合いされてたりとか?」
「いや、それはない。まぁ、あやせがいいのなら喜んで協力させてもらうよ」
「ありがとうございます!じゃあ詳しい日時ですけど……」



「わかった。じゃあその時間に」
「はい、お願いしますね」

さて今後の予定も決まったところで、俺はあやせに確認しておかねばならないことがある。
桐乃はこのことを知っているのかって事と、例のモデル友達は俺を桐乃の兄と知っているのかって事の二点だ。

あやせのモデル友達であるならば、読モである桐乃とも知り合いである可能性が高い。
口裏合わせはしっかりやっておかないとね。
256 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:41:00.63 ID:K/Nzm0co
「桐乃は知ってますよ。お兄さんを一日借りたいって言ったらすごい渋い表情になってましたけど。
 お兄さんを取られるのが相当嫌みたいですね」

その時の桐乃の表情を思い出したのかクスクスと笑うあやせ。
残念だったなあやせ。悪いがそれは勘違いってやつだ。
桐乃が渋い表情をした原因は、間違いなくおまえのことが心配だからだろう。
俺がおまえに手を出しやしないだろうかと心配になってるのさ。

…親父に殴られてまで桐乃のオタクグッズを死守したってのに、未だに信用されてないってのも少し悲しいけどな。
まぁ、それと友達のことを心配するのとは別の話か。

「もうひとつの方ですけど、そちらに関してはまだ何も言ってないですからどうとでもなります」

そっか、そりゃ好都合だ。

「でもどうしてですか?」
「ん?何がだ?」
「桐乃が知ってるのかって方はわかります。でももう一つの方をお兄さんが気にする理由が今ひとつわからないんですけど」
「あぁ、簡単なことだよ」

今回はあくまで彼氏のフリなんだから、当然いつかは『あの彼氏とは別れたんだ』と切り出す必要がある。
友人の兄と付き合っててそれで別れたとなると、周りも気を遣ったり色々噂したりするんじゃないかと思ってな。
こんなことが原因で変に気を遣われたりするのも嫌だろ?

「あははは、今どきそんなの気にする女の子の方が珍しいですよ?」
「えっ?そうなの?」
「そうですよ。お兄さんって、なんというか古風ですね」

う、うっせ!ほっとけ!
くっ……まじか……今どきの子は誰が誰と付き合おうと構わないってスタンスなのか。
…ふーん、そっかそっか。

「じゃあ、あやせと俺が実際に付き合うことになっても問題ないわけだ」
「は、話が飛躍しすぎですよ!?」
「はっはっは、冗談だって」

さっき笑われたお返しだよ。

「むぅ……でも、お兄さんってやっぱり想像通りの人でした」
「えっ?」
「一番最初にお会いしたときから、なんだか優しそうな人だと思ってたんです」
257 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:42:59.56 ID:K/Nzm0co
一番最初というと……あぁ、沙織がえらいもんを送ってよこした時か。

……あの時のどこに『優しそう』と感じるポイントがあったんだ?
下手したら『妹を襲う変態鬼畜兄貴』のレッテルを貼られてもおかしくない事件すらあったわけだが。

「ふふふ、わからないならいいんです。わからないってことはその優しさが計算じゃないって証拠ですから」

天使のような笑顔で微笑みかけてくるあやせ。
ぐ…自分でも顔が赤くなっていくのがわかる。
俺は照れるのをごまかすようにあやせから顔をそむけ、

「じゃ、じゃあ時間と場所はさっきのでいいんだな」
「はい!よろしくお願いしますね、お兄さん」

まったく、これで中学2年生だっていうんだから末恐ろしい。




「人生相談があります」
「はぁ?あんたがあたしに?めんどくさっ!」

どうよこの態度。
これが日頃お世話になっている兄に対する態度か?
あやせはあんなこと言ってたが、絶対そんなことないと思うんだよね。

「き、聞くだけ聞いてくれませんかね?」

くそっ…なんで相談する俺が下手に出なきゃならんのだ……

……違う!それであってるんだよ!
間違ってるのは、超偉そうにふんぞりかえって相談を持ちかけてくる桐乃の方だって!
危ない危ない…もうちょっとで桐乃の思想が伝染するとこだったぜ。

「チッ…いつまでもそこにいられても迷惑だし、聞くだけ聞いたげるからさっさと話したら?」

忌々しげに舌打ちをし、俺を見下ろす桐乃。
俺は当然のように床に正座し、ベッドに腰掛ける桐乃様を見上げる体勢となっている。

「い、いや…実は明後日のことなんすけど」

あやせとの約束の日が明後日と迫ったので自室で着て行く服を選んでいたのだが、どうもどれもピンとこない。
ひとしきり悩んだ挙句、俺にそんなセンスは存在しないし悩むだけ無駄だろうという結論に至り
大人しく高坂家が誇る読モ翌様、桐乃に相談を持ちかけたというわけだ。

「……」

あ、あれ?桐乃、なんか不機嫌になってないか?
俺、気に障るようなこと言ってないよね?
258 : ◆qPOxbu9P76 [sage]:2010/12/22(水) 20:43:44.17 ID:K/Nzm0co
「チッ…………あやせが恥かいても困るし、一応見てあげる」
「ほんとか!?助かるよ、ありがとな桐乃」

俺の部屋に移動し、今俺が持っている服を並べると、

「ん〜〜………これとこれと、これ」

さすが読モというべきか、桐乃はあっというまに服を選び終えてしまった。
しかも素人目に見ても、俺があんなに悩んで考えた候補よりお洒落っぽくなているのが悔しい。

「さすがはモデルだな」
「ふん、あんただって元はそんなに悪くないんだから、気さえ遣えばもっとましに……」
「えっ?」

今、俺を褒めてくれたの?

「な、なんでもない!い、今のは忘れて!!」

首を思い切り左右に振り全力で否定する桐乃。
モデルとしてのプライドのせいか、こいつはファッション等に関しては嘘がつけない奴なのだ。

「にやにやすんな!キモイから!!」

普段なら罵倒にしか聞こえないこの言葉も、さっきの言葉の後だと意味がまるで違って聞こえるから不思議だ。
要は照れ隠しなんだよな。こういうところも黒猫と一緒だ。
おまえ達が仲良くなれたのも頷けるよ。だって似た者同士なんだもの。

「ははは、ありがとな桐乃」

感謝の意を込めて桐乃の頭に手を置き撫でてやるが、すぐさまバシッと払いのけられてしまう。
あ、あれ?照れ隠しってのは俺の気のせいか?

「…一応忠告しとくけど、あやせに手を出したらぶっ[ピーーー]からね。あくまでも他に適当な奴がいなかったからあんたに頼んだだけであって、調子に乗ったらダメだから」
「わ、わかってるよ」

さっきまでの浮かれ気分も吹っ飛ぶような厳しい現実を突き付けてくださる桐乃。
俺も半分わかっちゃいたけど、それは言っちゃ駄目だろ……。
259 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/22(水) 20:46:07.92 ID:K/Nzm0co
「この用件が終わったらもうあやせには近づかないこと」

いや、さすがに俺もそこまで言われる筋合いはないぞ?
親友が心配なのはわかるけど、もうちょっと兄を信用してくれたっていいだろ。

まぁ、実際あやせと俺がどうにかなるなんてことは万が一にもありえないだろうし、ここは大人しく従っといた方が得策か。

「へいへい、わかってるよ」
「ふ、ふん、ならいいケド」




そしてあやせとの約束の日がやってきた。
俺は桐乃が選んでくれた服に身を包み、待ち合わせ場所であやせの到着を待っていたのだが、

「いかん、早く着きすぎた」

待ち合わせの時刻までゆうに30分はある。
俺、いくらなんでも楽しみにしすぎだろ。

「お待たせしました、お兄さん」

予定の時刻の10分前にはあやせも到着し、無事合流することができた。

「全然待ってねえよ、じゃあ行くか」
「はい」

適当に歩き出そうかと思ったところで、今日の予定を全く聞いていないことを思い出す。

「そういえば今日の予定は?例のモデル友達とはいつ会うんだ?」

ひょっとして今から会って紹介して即解散とかじゃないよね?
せっかく彼氏役なんて美味しいイベントが発生しているというのに……

「実はすぐそこのお店で待ち合わせしてるんです。さっきもう着いたってメールが来ましたから早速行きましょうか」

ジーザス……なんてこった。
まさか、ほんとになんの派生イベントもなく終了してしまうのか?
それだけは避けたい…避けたいが……、

『あやせに手を出したらぶっ殺すからね』

チッ…わざわざそんなこと言わなくても、チキンハート京介さんは妹の親友に手を出すための勇気なんて持ち合わせてねえよ。
残念ながらな。
260 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/22(水) 20:48:39.97 ID:K/Nzm0co
店に入ると女の子の二人組が座っている席へと通される。

やはりモデルというだけあってどちらの子も確かにかわいい。

「へ〜、この人があやせの彼氏さん?優しそうな人でよかったじゃん」
「うんうん、ちゃらくなくていい感じ」
「そ、そう?えへへ、ありがとう」

お、意外と好評なのか?
いや、友人の彼氏を本人を目の前にして酷評する奴なんてあんまりいないだろう。
さっきの言葉も額面通りに受け取っていいものかと悩んでしまう。
う〜ん、我ながらなんというネガティブ思考。

「でもさ、やっぱり付き合うなら年上だよね」
「あ〜、わかる。同い年の男子連中って子供っぽすぎるよね〜」

なるほど、そういう補正も働いてるってことかな?
……ひょっとしてあやせもそう思ってたりするのかな……。
気になる。



「今日はご馳走様でした」

二人の思わぬ褒め殺しに気をよくした俺は結局飯を奢ることになってしまった。

ひょっとして乗せられた?
…まぁ、褒めてもらって悪い気はしなかったし、これくらいは気にしないさ。

「じゃあお邪魔虫はこれで帰るとしますか」
「じゃあ、おふたりともお幸せにね〜」

そう言い残して二人は駅の方へと歩いて行ってしまう。
それにしても、お邪魔虫って…おまえほんとに中学生か?

俺の隣で手を振っていたあやせがふぅ…と息をついたのがわかった。

「これでよかったか?」
「はい、ありがとうございました。なんとかごまかせたみたいですね」

そうだな。
悲しいけどこれで俺もお役御免ってわけだ。

「あ、あのお兄さん?」
261 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/22(水) 20:49:30.37 ID:K/Nzm0co
俺が彼氏役の余韻を楽しんでいると、不意にあやせが声をかけてくる。
あやせの方に視線を移すと、うつむき加減でもじもじと自分の手を体の前で絡ませていた。

「あ、あの…もしよかったらこの後……デートしたりしませんか?」

顎がはずれるかと思ったね。
まさかあやせの方から誘ってくれるなんて夢にも思わなかったぜ。

「え……俺とか?……一体なんでだ?用事は終わった……よな?」
「だ、だってせっかく桐乃から一日お兄さんを借りたのに、このまま帰っちゃったらもったいないじゃないですか…だ、だからその……ダメですか?」

両手を組み、上目使いでお願いしてくるあやせ。
その顔はどこか心配そうな表情をしている。

あぁ、なんでこの子の仕草はこんなにもかわいいのか。
きっとあれだ。天使だからだな。

「駄目なわけがないだろ?あやせとならどこへでも行くさ」

できる限りキリッとした表情を作り、爽やかに答える俺。

「ふふっ、ありがとうございます」

こうして俺達は二人でデートに出掛けたのだった。



つづく予定
262 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/22(水) 20:51:32.34 ID:K/Nzm0co
以上前半でした。後半はまた明日
263 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:53:42.36 ID:kOZDVjco
乙。

続き楽しみにしてます
264 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:55:23.58 ID:7gUqioDO

明日も楽しみにしてる
265 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:56:31.73 ID:KMAKqHko
お疲れです
続き頑張って
266 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:57:26.93 ID:heGMLkAO
おつんつん
後編全裸で舞ってます
267 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 20:57:43.45 ID:j9W4tGEo
ふう……………乙

あやせかわいいよあやせ
268 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:10:40.82 ID:PqNyIxY0
これは後編が楽しみだな
乙!
269 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 21:43:16.96 ID:SE4rp1s0

明日も頼むぜ
270 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 21:53:24.59 ID:wCfAyjo0
ヤンデレもいいがピュアなあやせもいいな
271 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 21:57:17.79 ID:Xodlgd60

桐野「この泥棒ネコがぁ!」ルートもお願いします
272 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 22:03:05.21 ID:CxaHULQo
おつ!
273 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:16:42.51 ID:jdX5YYQo
桐乃「兄貴どいてそいつ殺せない!」
274 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:19:55.94 ID:jdX5YYQo
桐乃「この泥棒猫・・・魔女め!」

京介「おいやめろ桐乃!」

桐乃「兄貴どいてそいつ殺せない!」

黒猫「私が魔女・・・ふふっ」ソワソワ
275 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:20:19.27 ID:0mjUDADO
あやせ「お兄さんどいて下さい、桐乃を殺せないじゃないですか」
276 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:20:33.08 ID:jdX5YYQo
なんか投稿できなかったからネタを練り直したら投稿できてたジーザス!
277 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:23:28.64 ID:j9W4tGEo
桐乃「―――泥棒猫。殺しておけば良かった」

京介「……いいけど。おまえ、俺を殺せるんだろう? ならさっさと始めたほうがいい。
このまま何もしないのなら、次におまえが瞬きをした間にあやせが[ピーーー]よ。
―――いいかげん、おまえの顔にも見飽きたところだ 」
278 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:27:20.71 ID:heGMLkAO
カード『あなたの唇、いただきました 黒猫』

京介「……」

桐乃「あの泥棒猫……!!」


てっきりこういうことかと
279 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:28:54.41 ID:KLiRqeA0
>>278
そのカードを出した怪盗が少年マンガなのか少女マンガなのかはたまたパンチなのかで大違いだぜ
280 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:33:27.39 ID:heGMLkAO
そりゃあ猫だしキャッツカードでしょうよ
それもブラックカード
281 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/22(水) 23:37:04.48 ID:Xodlgd60
桐野「ッチ!ネクラのボッチ女だと思って油断してたらまさか...」

桐野「あの泥棒ネコがぁ!」

駄目でした...OTL
282 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:46:45.65 ID:8uZXBMAO
おまえら忘れたのか?
黒猫のとこは3姉妹だぜ

「泪姉さん」と「瑠璃姉さん」も似てる…ゴクリ
283 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:55:54.72 ID:eCql3iM0
桐乃がストーキングしてるんだなw
284 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 00:05:09.33 ID:lm7msWk0
>>283 >>262を付け忘れた。
>>282 それだと最後黒猫は記憶喪失になるぜ
285 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 01:04:41.65 ID:esuErpwo
>>215
真っ赤かにしてやんよ
286 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 01:39:21.32 ID:I1P762Io
>>284
記憶喪失は次女じゃなかったっけ?
287 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 02:15:41.90 ID:lm7msWk0
>>286
うん。あれ?>>282猫シスじゃなく本編か
288 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 07:04:17.07 ID:ivILQnM0
俺はこういう事かと思ったが


黒猫「闇の眷属には―」

京介「(ガラッ)黒猫ォ!」

黒猫「今さら何よ!!」

京介「俺が悪かった…」

黒猫「ばかぁ、寂しかったっ」

桐乃「(ガラッ)…この泥棒猫」

黒猫「小姑―!」

生徒「授業しろよ…」


参考動画:http://www.youtube.com/watch?v=WemXFLg-tb8
289 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 10:26:25.39 ID:JSjUCUAO
>>288
なんぞこれw
290 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 11:38:20.99 ID:3Xa4u4Yo
京介とあやせが二人きりの時の会話を録音して桐乃に聞かせてやりたい
291 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 12:09:55.41 ID:o4rJAX.o
そんなに京介が憎いか
292 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 14:22:10.35 ID:JSjUCUAO
千葉県民なので京介の周囲はみんな熱烈なロッテファン。
今年は日本一にも輝き、その盛り上がりはますます熱を帯びていた。
ある日、桐乃と玄関でぶつかった京介は、この家にあってはならないDVDケースを発見する。


京介「『ジャイアンツ栄光の50年史』だと――?」



…こういうのはありか?
293 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 15:10:37.71 ID:RG30bQoo
桐乃は阪神ファンだと思うよ。
なんか黄色が好きなふいんきじゃんか。
294 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 15:51:32.52 ID:YencECg0
>>293
桐乃はマスコットの可愛さ、あるいはドジっ子な選手萌えという可能性のが高くないか?
……言っててどっちも阪神だなって思ったww
295 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 15:57:27.60 ID:o4rJAX.o
ロッテだろjk
296 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 15:57:59.01 ID:NSi3SQSO
巨人も阪神も、別にロッテファンから敵視されるチームじゃないからなぁ
桐乃が隠す理由付けがいまいち…
ロッテにライバルチームってあったっけ?
297 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:10:46.84 ID:PBLUIM2o
千葉県民がロッテファンてそれどこ情報よー。と千葉県民が言ってみる。京介の周りってあんまり野球好きそうなやついなそう。
ロッテのライバルは日ハムとかじゃない?
298 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:13:51.55 ID:CRjG0zwo
野球と宗教だけは止めとけ

いやマジで
299 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 16:18:56.48 ID:I1P762Io
サカ豚の俺が勝手にサッカーに置き換えて書いてみた


------
ドン!

階段を降りたところで、俺は桐乃とぶつかった。
ぶつかった衝撃自体はたいしたことなかったが、はずみで桐乃のバッグの中身が散乱する。

京介「あ、悪い」

俺は散らばった小物を拾おうと手を伸ばしたが――
ぱしっ!それを察した桐乃が手を払う。

桐乃「……いいから、触んないで」

桐乃はバッグの中身を拾い集めると、さっさと家を出て行った。
相変わらず態度の悪い妹だぜ。
とそこで、俺は靴箱の陰に、薄いケースのようなものが落ちているのに気付いた。

京介「なんだこりゃ…?」

それはDVDのケースで、パッケージにはこう書かれていた。

『ジェフユナイテッド市原・千葉 レジェンド・オブ・スターズ』
300 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:20:33.78 ID:I1P762Io
千葉に住むうちの家族は一家揃って熱烈な柏レイソルサポーターだ。
今年はJ2を圧倒的強さで制し、来季のJ1昇格を決め、その盛り上がりはますます熱を帯びている。
え?千葉ならジェフじゃないのかって?あのチームは今でこそ千葉を名乗ってるけど、元々市原のチームだしな(*1)。
だから、当然こんなDVDに心当たりはない。

俺は家族全員が揃う夕食時に、揺さぶりをかけてみた。

京介「そういえばさぁ、俺の友達が最近、ジェフに興味持ってるらしいんだよね」
母「なぁに?突然」
京介「イヤ別に。俺もフクアリ(*2)行かないかって誘われたから、ちょっと考えてるんだけどさ」
母「やぁだー、あんな名前だけ千葉のチーム。ジェフって来年もJ2(*3)でしょー 冗談きついわー。
  うちは皆ずっとレイサポ(*4)やってんだからやめなさいよー。ねえ、お父さん?」
父「ああ、わざわざあんな糞サッカー見に行くこともあるまい」

レイソルユニフォームに身を包んだ親父は味噌汁をすすりながら答えた。風呂上りはいつもこの格好である。
この反応、親父でもお袋でもないか……となると残っているのは……

桐乃「…………」ガクガクブルブル


*1 もともとは「ジェフ市原」で、市原市がホームタウン。その後「市原・千葉」に改名。
*2 フクダ電子アリーナの略。 ジェフ千葉の本拠地。サッカー専用スタジアム
*3 今シーズン4位でJ1復帰できず
*4 レイソルサポーターの略
301 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:24:04.91 ID:I1P762Io
その夜――

ぐっすりと眠っていた俺を、突然の平手打ちが襲う。
驚いて目を開くと、そこには俺に馬乗りになった桐乃の姿があった。

京介「おまっ!?」
桐乃「ちょっと話があるんだけど――」
京介「こんな時間に……明日じゃ」
桐乃「駄目」

俺は夜中に無理矢理起こされ、妹の部屋へと連行された。

桐乃「……人生相談があるんだけど」
京介「人生相談だぁ?」
桐乃「あんた、絶対笑わないと約束してよね」

桐乃が本棚の奥に隠された押入れを開くと、黄色いタオルマフラーがぽとりと落ちた。
ん?なんだこりゃ?

それを何気なく拾って書かれている文字を読んでみると――『俺たちジェフ!!』と力強く書かれている。
げふんげふんげふん!俺は盛大にむせた。

京介「な……なんだこれは……?」
桐乃「あ、それはジェフ勝利後の恒例のコールで、ヤザー(*1)が『俺たち』って叫んだ後に、サポが『ジェフ!』って返すんだけど、
   それが今季ようやくオフィシャルグッズ(*2)になったの。ライトサポ(*3)にはオススメしない」

んなこと聞いてねえ!そもそもライトサポってなんだ、お前はコアか、コア(*3)なのか?


*1 FW谷澤達也
*2 http://shop.jefunited-shopping.com/shopbrand/009/P/price/
*3 ゴール裏に陣取ってコールする熱心なサポがコアサポ、その反対で一歩引いて応援するのがライトサポ
302 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:26:10.45 ID:I1P762Io
押入れの中に視線を移すと、そこには大量のジェフグッズが陳列されていた。
ジェフのレプユニ(*1)にカレンダー、ミニフラッグにトレカ、ジェフィ君(*2)ぬいぐるみにコリンシアン(*3)の巻誠一郎(*4)日本代表フィギュアまで。

桐乃「これはナビスコ杯連覇のときの記念フラッグで、これはオシムのサイン本。いまでこそ、人もボールも動くサッカーってのがよく言われるけど、あの頃はジェフだけがやってた特異なサッカースタイルだったんだよ」
京介「そ、そうなのか……」
桐乃「オシムが代表に強奪されなきゃなー 今頃黄金期を築いていたのに! くっそー川渕め(*5)〜」

こいつ、なんかテンションが上がってるぞ…

京介「お前って……ジェフサポだったの?」
桐乃「……うん」
京介「なぜよりによってジェフなんかに?? うちはみんなレイサポで、学校の友達もそうだろ!?」
桐乃「自分でもわかんないよ……いつの間にか好きになってたんだから」


*1 レプリカユニフォーム
*2 ジェフ千葉のチームマスコット。犬。
*3 世界的に有名なサッカーフィギュアのシリーズ。イギリスの玩具メーカー製。コレクター御用達。
*4 「利き足は頭」で有名な元千葉のストライカー
*5 川渕JFA会長(当時)がオシムをジェフから強奪発表。「あっ、オシムって言っちゃったね」
303 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:27:03.22 ID:I1P762Io
桐乃「あたしだって、ジェフなんかのサポになるのが普通じゃないって、分かってるよ。
   だからいままで誰にも言えなくて……隠してたんだもん。
   でも分かっててもついつい情報サイト見てしまって、ああんもう応援するっきゃないって気になっちゃって――」
桐乃「このままじゃいけない、何度もやめようって思った。でもどうしてもやめられなくて
    ……うう、J's GOAL(*1)とドメサカまとめブログ(*2)め……」

俺の前にぺたんと座り込んだ桐乃は、目を潤ませて上目遣いで見上げてくる。

桐乃「ねぇ、あたしどうしたらいいとおもう? やっぱりお父さんとお母さんに話したほうがいいのかな?」
京介「駄目に決まってんだろ!?絶対やめとけ! 特に親父には絶対バレねーようにな」
桐乃「見つかったら……まずいかな……?」
京介「まずいだろうな。正直その展開は考えたくねえ」

娘がよりにもよって熱狂的なジェフサポだなんて知ったら、柏バカ一代(*3)を地で行く親父は勘当してしまうかもしれない。


*1 Jリーグ公認ニュースサイト
*2 2ちゃんねる国内サッカー板のまとめサイト
*3 柏レイソルの応援歌
304 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:27:48.08 ID:I1P762Io
すまん、勢いだけで書いた
これだけなんだ…
305 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:34:36.49 ID:E9p14MAO
お前…お前ェ…

ちば在住として盛大に笑かしてもらった。
なんだよそのジェフサポ桐乃の肩身の狭そうなwwwwww

人ww生ww相ww談wwww
306 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:34:37.45 ID:NSi3SQSO
ちょwwジェフ扱いひでえww
307 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:44:53.98 ID:iZJlqtUo

「うるせぇな、話しかけるんじゃねぇよ。前の俺がどうだったか知らんが罵倒されて殴られてまで何でお前と関わらなきゃいけないんだよ。
あらかた弱みでも握ってたんじゃねぇのか?そうでもなきゃお前みたいな性悪と一緒にいる訳ねぇだろ。
お前も俺が嫌いみたいだし俺もお前が大嫌いだ、だから金輪際近づくな。」

兄貴の口から発せられた言葉を頭の中で反芻し、理解しようとしたができなかった。
否、したくなかった。
どんなに酷い事をしても、いやいやながらも、いつも自分を心配し、助けてくれた兄はそこには居なかった。
その眼差しには暖かさはなく、ただ冷たく刺す嫌悪感だけが感じられた。

それだけ言うと兄は振り返り自室へと入っていった。
木製の扉は、まるで鋼鉄の門が閉まるかのような重みを持った音で兄の姿を隠した。

驚愕、焦燥、悲憤、恐怖、
こみ上げる慟哭を堪えるのに必死で私は動く事を忘れ、その場に立ち尽くした。


京介キレ√ここまで書いて挫折した
才能ないな、俺
308 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 16:47:03.69 ID:PvesZEko
まあとりあえず続き書けよ
話はそれからだ
309 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 17:01:12.20 ID:JSjUCUAO
>>304
投げっぱなしのネタを拾ってくれてありがとう
サッカーの方がしっくりくるなw

いちいち丁寧な注釈に笑うw
310 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:03:42.83 ID:B6Nk54co
くそっ、ジェフも今期結構頑張ったんだぞ゚(゚´Д`゚)゜
311 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:05:12.59 ID:2cNgGw6o
>>310
あれ、ここにジェフサポがいる。
312 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/23(木) 17:05:46.23 ID:F86hgQUo
なんだ、サッカースレか

>>307
最終的に桐乃が救われる√でお願いします
313 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:21:48.18 ID:G2fJWIAO
海外サッカー厨でアトレティコファンの俺にはよくわからんぜ…
千葉市民だけど
314 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 17:22:38.21 ID:YlsHY4Qo
おいだれか>>312のためにジェフが優勝するSSかいてやれ
315 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:24:26.19 ID:gzWN2lQo
ちばぎんカップで優勝か
316 :299 [sage]:2010/12/23(木) 17:33:25.00 ID:I1P762Io
ジェフが優勝するかはともかく、んじゃまた続き書いておくわww
317 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:33:44.33 ID:tIhAuOco
ぶつかったとこで日向君に吹っ飛ばされる松山君かと思ったら違ってたわ
318 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:40:14.44 ID:G2fJWIAO
>>297
今は西武とかじゃないか?ロッテのライバル

向こう本拠地埼玉だし
319 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:51:14.77 ID:RG30bQoo
つーかさ、桐乃が阪神ファンなら「兄貴」大好きで問題ないじゃないか。
で、大介がドームで毎日ラッパ吹いている基地外巨人ファン。
320 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:51:46.18 ID:py0KoEk0
>>307
あきらめんなよおおおおやっと京介キレ√来たと思ったのによおおおおおおおお
頼むから書いてください・・・お願いしますよ・・・
321 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/23(木) 17:56:15.23 ID:F86hgQUo
>>319
兄貴が嫌いな阪神ファンもいるんだよ
322 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:20:00.84 ID:uqnK8ADO
そういやジェフ千葉には俺の兄貴が居たな すぐ首になってたけど
首になってからは怠惰な生活を送ってる
だから野球に転向しろって言ったのに・・・
323 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:28:29.53 ID:HGywmpYo
俺妹のキャラ利用して、野球やサッカーの話してるだけじゃね
324 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:31:50.92 ID:ZfkExyA0
せやな
325 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:45:17.00 ID:1gazV/wo
桐乃、巨人の星DVD落とす
桐乃「やっぱみちはかわいいなぁ、ずっとこの姿でいて欲しい」
京介「巨人の星?あぁ、最近漫画でやってる花形の奴か」
桐乃「何それ?そんなアニメ無いし」

なんとなくこんな感じな気がした
326 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:50:30.22 ID:o4rJAX.o
スポーツ系の板に帰れ
327 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 18:55:11.64 ID:I1P762Io
スマン調子こいた
続きはやめときます
328 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 19:18:43.06 ID:JSjUCUAO
すまない
ネタ振ったのは俺だ
329 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/23(木) 20:12:31.92 ID:F86hgQUo
すまない俺にはSSを投下することしかできない
21時には投下できると思うからもう少し待ってて
330 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 20:16:55.60 ID:PvesZEko
待つ
331 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 20:25:20.36 ID:NSi3SQSO
謝るようなことじゃないと思うけどねぇ
まぁクロス作品と同じで、知らない人だと参加できないっていう狭さはあるけど…
とりあえず乙でござった
332 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 20:33:03.89 ID:cHle6Rko
>>319
アニオタ西村さんがいる巨人をディスるのはやめていただこう。
333 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:22:01.08 ID:F86hgQUo
「そういえばあんた…最近あやせとちょくちょく出掛けてるらしいじゃん」
「えっ?」

間違いなく俺の人生の中で最も濃かった夏休みも明け、秋も深まり少し肌寒さを感じるようになってきた頃、
いつもの4人組で我が家に集まって遊んでいると突然桐乃がそう呟いた。

「いきなり何を言い出すんだおまえは」

確かに最近はあやせと二人で出掛けることも珍しくはなくなったけどさ。

「へ、へぇ…その話私も詳しく聞きたいわ」
「拙者も是非!そのあやせ氏がどんな方なのかは存じませんが…いや〜、京介氏もすみに置けませんなぁ」

カラカラと声をあげて快活に笑う沙織とは対照的に黒猫は若干顔が引きつっている。

「あんたどういうつもり?あたし、あやせに手をだしたらぶっ殺すって言ったよね?」

眉間にしわを寄せ、今にも噛みつかんとばかりに詰問してくる桐乃。

「どういうつもりもねえよ。あやせの方から誘ってくれたから遊んだ。それだけだ」

あれ以来、俺とあやせは人生相談の名目でたびたび出掛けるようになっていた。
正直かなり仲良くなれたし、そろそろ何かしらのイベントが発生してもおかしくないと思ってるんだよね。

「ほほう!京介氏モテモテですな!ただでさえこんな美女3人に囲まれているというのに…それでは飽き足らずまだ追加なさるおつもりで?」

追加ってなんだ!?おまえの中で俺はどんな評価なの?
……俺ってそんな軽薄そうに見えるかな。

あと沙織の奴、さりげなく自分も美女としてカウントしてやがる。
まぁ素顔は見たことないし、ひょっとしたらすごい美人なのかもしれないけどよ。
だとしたらその眼鏡のせいで台無しだよ。今度俺のおススメの眼鏡教えてやろうか?

「……とんだ変態ね」

ぐっ…黒猫までそんな言い草を!
334 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:24:23.89 ID:F86hgQUo
…桐乃の腹が読めたぞ。
わざわざ4人集まった時に話すことで、こいつらにも俺を糾弾させようってことだな。
まずい…今の所桐乃の計画通りじゃないか。
沙織のは糾弾とはちょっと違うが、変態扱いされてるのには変わりない。

「そのあやせって子、この子の同級生なんでしょう?ふっ…とんだロリコンもいたものね」

黒猫はそう言って、嘲るような視線をこちらに寄越す。

「俺はロリコンじゃねえし、それにあやせにしたって3つ年下なだけじゃねえか」
「口答えすんな!とにかく、もうあやせには近づかないこと!あんたみたいな変態といたらあやせがおかしくなるでしょ!!わかった!?」

なんでおまえにそこまで言われなきゃならんのだ。
っていうか変態度でいえばおまえの方が圧倒的に上じゃねえか。

「チッ…俺が誰と仲良くなろうがおまえには関係ないだろ。それに、俺といたらおかしくなっるてどういう意味だよ」
「そのまんまの意味でしょ!」

売り言葉に買い言葉。

いや、確かに下心がなかったとは言わないよ?
あやせみたいな美少女ともっと仲良くなれたらなぁなんて思ってましたよ。

でもだからって、なんで有害指定図書みたいな扱いを受けなければならないんだ。
いくらなんでも理不尽すぎるだろ。黒猫まで一緒になって小馬鹿にしてくる理由もわかんねえしよ。
桐乃にしても、いくらあやせのことが心配だからって言い方ってもんがあるだろ。

…もう我慢の限界だ。付き合ってられるか。

「おまえら……いい加減にしとけよ」

普段の会話する時とは違う一段低くした声でそう呟き、桐乃と黒猫をじろりと睨みつける。

「さっきから言いたい放題言いやがって……おまえらの勝手な妄想で馬鹿にされる俺の気持ち少しでも考えたことがあんのか?」

あるわけないよな?もしあったなら、あそこまでひどい事言えるわけがねえもんな!

「あ…」

黒猫は俺が本格的にキレたのを悟ったのか、一瞬目を見開いたかと思うと膝の上で手を握り、そのまま俯いてしまう。
普段の俺なら多少の罪悪感を感じることもあったんだろうけど、ここまで馬鹿にされて今さら相手のことを気遣う気になどなれない。
それに、俯くより謝る方が先なんじゃねえの?

「きょ、京介氏落ち着いてくだされ!お二人とも悪気があってあのような……」
「じゃあどういうつもりだってんだよ」
335 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:25:21.28 ID:F86hgQUo
沙織があわててフォローに回るがもう遅い。
ひとたび露わにしてしまった怒りは中々消えてはくれない。

しかし、泣きそうな表情になっている黒猫が視界に入り胸がチクリと痛んだのも事実で…

「……後はおまえらだけでやってくれ」

結局俺は怒りを発散させることもできず、腹の底に沈殿させたまま自宅から出ていくことになった。




今、俺の感情は怒りと罪悪感と少しの後悔とがないまぜになっていて、これからどうしたいのか自分でもよくわからない。

「仕方ねぇ…公園でも行ってのんびりするか」

勢い込んで出てきたせいで財布は忘れてきてしまったし、なにより今は落ち着ける場所に行きたかった。
俺が最も落ち着ける場所といえば田村家なのだが、さすがにこんな気分のまま麻奈実に会うことなんてできないしな。

とりあえず公園で一息ついて……それから怒りが多少まぎれたら家に戻って一応あいつらに謝って……。
チッ……なんで俺が謝らなきゃいけないんだ。

……だけど仕方がない。
一応俺は年長者で、年下の女の子相手に怒りをぶつけてしまったことは確かなのだ。

出ていく際に見た黒猫の表情が頭をよぎる。

「あの態度はさすがにまずかったかなぁ…………はぁ、なんにしてもまずは落ち着こう」



公園のベンチに腰掛け足を放り出して空を見上げる。

「……のど…渇いたな」

このベンチの裏手、目と鼻の先に自販機はあるのだがいかんせん財布がない。

「はぁ……どうしたもんかな」
「はいっ、これどうぞ」
「ひいっ!?」

ぼーっとしてると急に首筋に暖かいものを押し付けられた。
バッと背後を振り向いてみると、

「あやせ!?なんでこんなとこに…それにこれは……?」
「公園の近くを通りがかったらお兄さんの姿が見えたので、びっくりさせようと思って後ろから近付いたんです。そしたら今にも死にそうな声で『のど…渇いたな……』なんて聞こえてきて…」

あぁ、それで気を遣ってくれたってわけか。
さすがマイスイートエンジェルあやせたん。あぁ……俺の荒んだ心に一陣の癒しの風が……。
336 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:27:26.53 ID:F86hgQUo
「そっか、じゃあ有難く頂くよ。ははは、俺そんな死にそうな声してたか?」
「はい、あるいはこの世の終わりを悟ったみたいな声と言ってもいいかもしれません」

まじかよ。俺もそんなに沈んでた気はないんだが……

「何かあったんですか?」
「いや、なんもねえよ。大丈夫だ」

あやせにもらった紅茶の缶を開け、そのまま一口二口と喉に流し込む。

素直に白状してしまってもよかったのだが、喧嘩の原因にあやせが無関係ではないこともありそれはためらわれた。
素直に言って『じゃあしばらく遊びに行くのはやめましょう』と言われてしまうのが嫌だったってのもあるけどさ。

「……私ってそんなに頼りになりませんか?」
「えっ?」

そう言われてあやせに視線を移すと、あやせは唇をとがらせて不満を露わにしていた。

「何かあったのは、今のお兄さんを見れば簡単にわかります。……いつも私ばっかり人生相談してもらってて……
だから私もたまにはお兄さんのお役に立ちたいんです!」

そんな風に思ってたのか……。
でもそんなこと気にしなくてもよかったんだぜ?
俺だってあやせの人生相談に付き合うのはすげえ楽しかったしさ。

「う…で、でもたまには私だって」
「ははは、いいんだ。こうやってあやせと話してるだけで悩みもふっとんじまったよ」

今までの鬱屈した気分もすっかり消え去り、俺はいつのまにか笑顔になってしまっていた。

「ありがとな、あやせ。ちょっと今から悩みの原因解決してくるわ」
「……よくわからないですけど、私お役に立てました?」
「おう!じゃあまたな。あ、そうだ。これありがとな」

あやせに貰った紅茶を飲み干し、空き缶をゴミ箱へと放り込む。

「はい、ではまた」

あやせに別れを告げ自宅へと帰ろうとすると、公園の入り口に意外な人物を発見した。

「黒猫!?」
「あ…」

黒猫はこちらを見て固まってしまっているようだった。
337 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:28:55.18 ID:F86hgQUo
「お知り合いですか?」

不思議そうな声であやせが俺に問いかける。
そりゃそうだろうな。ゴスロリファッションに身を包んだ女の子と俺との接点など想像もつくまい。

「あぁ、俺の友達だよ」

何が原因で桐乃のオタク趣味がばれるとも限らないので、あやせには俺の友達とだけ伝えておく。

俺があやせに説明している間、黒猫は誰かに電話をかけているようだった。
そして通話を終えるとこちらへゆっくりと歩きだし、俺達の前で歩みを止めた。

「あ…黒猫…さっきは俺が……」
「さっきはごめんなさい!」

「え?」
「え?」

いきなり大きな声で謝罪の言葉を述べる黒猫。俺だけでなくあやせまで面喰ってしまっている。
っていうかおまえ、アニメの話以外でこんな大きな声出せたのかよ。

「く、黒猫?」
「さっきはごめんなさい……あなたの気持ちも考えずにひどい事言ってしまって……私もあの子も無意識にあなたの優しさに甘えてしまっていて……」

顔をあげた黒猫はその瞳にうっすらと涙をにじませていた。

「これは言い訳になってしまうのだけれど、あなたを馬鹿にするつもりではなくって……その……」

そこまで言いかけると、黒猫はこちらへ一歩踏み出してくる。
手を伸ばせば簡単に手が届く距離。

黒猫はスッと手を前に差し出し、俺の袖の裾を握り、

「あ、あなたがどこかへ行ってしまうのが嫌だったの」

え?い、一体どういう意味だ?
そ、そんな顔して見つめてくるんじゃない!照れちゃうだろ!

「お兄さん?これは一体どういうことですか?」

話の流れに全くついていけないあやせは頭の上に疑問符を浮かべて………いなかった。
あれ?ひょっとしてご機嫌斜めですか?目から光彩が消えてて超怖いんですけど。
338 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:31:07.38 ID:F86hgQUo
俺があやせに怯えていると一際大きな声が響いた。

「見つけた!」

一々声のした方を確認しなくてもわかる。この声は桐乃だ。
てっきりこいつも反省して俺を探していたものだと思っていたわけだが、

「ちょっとあんた何勝手にいなくなってんの!?探すのちょーめんどくさかったんだから!」

ちょっと期待した俺が馬鹿だったよ。
くっそう……どうしてもこいつには謝る気にはなれん。だが…しかし……。

桐乃はズンズンとこちらに歩み寄り、あろうことか俺の胸倉を掴みあげる。

こいつ…いい加減にしろよ、と喉元まで出かかった言葉は結局発することはできなかった。

「あ、あたしがあの後……どんな気持ちで……うぅ……」

何故なら桐乃が泣いていたからだ。

「桐乃……おまえ………」
「う……ごめん…なさい……あたしが悪かったの。だから……だからどこにも行かないで。
う……うぅ……あたしを嫌いにならないでよぉ………」

俺の襟元を掴みあげた両手にすでに力は入っておらず、振りほどけば簡単に離してしまいそうだった。

「ごめんな」
「え…?」

桐乃の頭に手を置いてそのまま撫でてやる。

俺は兄貴失格だ。
妹を泣かせちまった。しかも黒猫まで巻き添えにして。
だから、ごめんな。
339 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:34:35.74 ID:F86hgQUo
「そ、そんなことない!悪いのはあたしじゃん!」
「私達、でしょ?一人で責任を負おうとしないで。私も同罪よ」

黒猫がすかさず桐乃の言葉を訂正する。

おまえらはそう言うけどな、そうじゃない。そうじゃないんだ。
兄貴ってのは妹を守ってやらなきゃならないんだよ。
妹が泣いていたらあやし、落ち込んでたら慰める。
そんな存在でなきゃいけなかったってのに……こんなことになって初めてそれに気付くなんてな。

「黒猫も…悪かったな嫌な思いさせちまって」

黒猫は無言で首を横に振る。気にしていないという意味だろう。
ふっ、なんにしてもこれで一件落着というわけだ。

「お兄さん?一体どういうことか説明していただけますか?」

……やべぇ、完全に忘れてた。後ろ振り返るのが怖いんですけど。

「あ、あやせさん?これにはちょっとした事情がありまして」
「……一体どんな事情があったらこんなことになるんですか」



「…そうだったんですか。すいませんでした。まさかこんなことになるなんて思わなくって」
「気にすんなよ。俺だって思わなかったさ」

4人でベンチに腰掛け、あやせに事のあらましを説明する。
どうやらあやせも分かってくれたみたいだな。

……気になるのは説明している間も、桐乃が俺の傍を離れようとしなかったってことだ。
離れるどころか、俺の左腕を力いっぱい抱きしめていて離す気配すらない。

「桐乃?なんでお兄さんにずっとくっついてるの?」
「あやせ、一応忠告しとくけど、うちの兄貴に手だしたら怒るからね」

えっ?突然何を言い出してんの?

「……お兄さん?確かに以前桐乃のことをお願いしますとは言いましたが、あれはそういう意味でお願いしたんじゃないですよ?」

俺だってそのつもりだったよ!
だからその目で俺を見つめないで!お願いします!!
340 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:37:47.25 ID:F86hgQUo
「ふっ、とんだブラコンもいたものね」

うん、そうだよね。これは桐乃が度を超えたブラコンだっただけだよね。
心によぎる一抹の不安は今は見て見ぬふりをしよう。

「そ、そうだ!沙織はどうしたんだ?」

この異常な状況を少しでもごまかそうと、頭に浮かんだ疑問をすぐさま口にする。

とっさの思いつきだったとはいえ、考えてみれば確かに気になる。
まさかあいつだけ家で待機ってことはないだろう。
沙織の性格上帰ったってことはありえないし。

「よく気づいてくれました!」
「うおおおおおおおう!?」

突如ベンチの裏から現れる沙織。
どこに潜んでたんだおまえは!

「このまま忘れられてしまうのかと思いました…」

しょぼーんと肩を落とす沙織。

「そもそも隠れなきゃよかっただけだろ…」
「そういう突っ込みは野暮というものですぞ。まぁ、何はともあれ一件落着のようですな」

この状況が果たして一件落着と言えるのかは微妙だけどな。

未だに俺の左腕を離そうとしない桐乃に視線を移すと、ちょうど桐乃もこちらも見ていたようでお互いの視線が交差する。

「ふっ…」
「?」

大丈夫。おまえのことはとても嫌いになんかなれねえよ。
左腕に可愛い我が妹の暖かさと女の子特有の柔らかさを感じつつ、俺は内心そう思ったのだった。




おわり
341 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/23(木) 21:39:07.48 ID:F86hgQUo
以上後半でした
また書きに来るよ
342 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 21:44:31.91 ID:6HVCL1go
乙!
343 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 21:53:47.09 ID:nizbbeY0
おつ
桐乃かわいいじゃないか…

つか、俺妹SS@wiki見たら◆qPOxbu9P76氏はSSたくさん書いてるんだな
ちょっとやそっとの文量じゃないぞあれは
344 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/23(木) 22:03:48.33 ID:F86hgQUo
>>343
自分は◆kuVWl/Rxusさんみたいに文章が上手いわけでもないから、質より量ってことで。

あとはみんなのネタ援助があってこそです
大半はもらったアイディアそのまま書いてるだけだったりするから
345 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 22:06:24.30 ID:pn1bYTE0

こういうのを待っていたんだ

桐乃+黒猫+あやせがデレるのがもう
しんぼうたまらん
346 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 22:07:23.58 ID:Z0hU1pwo
GJだわ

やはり俺の中では桐乃、黒猫、あやせが3強だわ
347 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 22:18:37.44 ID:RKdihG.0
とても良かったよ!乙
348 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 22:22:45.80 ID:JSjUCUAO
>>344
乙!
俺からみれば十分上手いとおもう
349 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 22:39:10.36 ID:FYFJ1YSO
かっ……かなかなかなかなちゃぁあぁぁぁぁぁ
350 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 22:56:54.84 ID:RKdihG.0
ジェフの続きまだ〜
351 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 23:59:19.73 ID:JSjUCUAO
>>350
>>327
352 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:01:49.69 ID:.F9SEcko
>>344
量書けるのもまた才能でしょ。
黒猫の毎時6KBみたいな。
353 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/24(金) 00:27:27.80 ID:Ns1UbIoo
>>348,352
そう言ってもらえると嬉しい
やっぱりSS初心者でも数こなすとある程度は慣れてくるもんだね

関西圏では明後日やっと最終回が見れる…
ってことでそれまでの繋ぎのため、明日書くネタ援助かもん
354 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/24(金) 00:31:25.00 ID:tEIbp.AO
やはり今から書くならクリスマス話ではないかと
355 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:58:20.76 ID:A43/dbE0
クリスマス……
オタク的なクリスマスと言えばイベントか?

……メルル公式クリスマスイベント!
すまん、聞き流してくれ
356 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/24(金) 00:59:27.37 ID:yiF.gj20
沙織主催でクリスマスパーティー(京介のハーレム云々part2)とか
「いつもお世話になってるお兄さんのために特別にクリスマス付き合ってあげます。」
って感じのあやせとかどう?
あやせ可愛いよおおおおおおおおお
357 :前スレ36 [sage]:2010/12/24(金) 01:16:59.85 ID:i/KcYSEo
流れをぶった切って電波が通りますよ?

本命のSSが長くなっちゃいそうな勢いなのでww先に短めのクリスマスSS前編です。
358 :X& ◆EODlYtIP4E [sage]:2010/12/24(金) 01:18:04.94 ID:i/KcYSEo
きりりん@X'masメルル特番は19:30から(*^ー゚)b ネッ!!:えっ!アイツまだ誘ってないの?何やってんのよあのバカ!
†千葉の堕天聖黒猫†:……私に聞かないで頂戴
き:でもクリスマスだよクリスマス!彼女誘わないでどうしろっつーの!!
黒:大方、私達でパーティーをやると思い込んでいるのではないかしら
沙織(管理人):申し訳ありません。本当はそのつもりだったのですけど、予定がどうしても……。・゚・(ノД`)・゚・。
黒:貴女のせいじゃないのだから、気にしないで?
き:そうそう!甲斐性なしのあのバカのせいなんだから!だいたいそんなの確認しろっての!ヽ(`Д´)ノ
沙:ま、まあどちらにせよ、冬コミの後に忘年会を兼ねて計画はしていますから……
黒:そうね……
き:チッ!そんなの遅すぎじゃん!もうあたし黙ってらんない!!
黒:あ、ちょっと!!

* * * *

 ドタタタタ!バン!
 桐乃がいつもの事ながらノックもせず俺の部屋に走りこんできた。もう注意するのも疲れちまったがな。
 入ってくるなり腕を組んで仁王立ち。なんか怒ってるみたいだが、俺なんかしたっけか?

「ちょっとあんた!どういうつもり!!」
「は?何がだよ?」
「黒いののことよ!なんでクリスマスにまだ誘ってないわけ?」

 はい?俺はまたてっきりいつもの4人でパーティーでもやるのかと思っていたんだが……
 しかし妹のこの様子、どうやら違ったらしいな。

「え、沙織がなんかやるんだと思ってたんだけど……無いんすかね?」
「それ以前に確認しろっての!アンタ何ズボラかましてるワケ?!」

 あ、そ、そうっすね。確かにそれは俺が悪いな。

「悪い……じゃあ電話するわ」
「もう!手間掛けさせないでよね!!」

 ご立腹の妹様の剣幕に内心ビビリながらも、俺は携帯を手に取った。

 Trrrr!Trrrr!

『……はい。何かしら?』
「おう、夜分遅く悪い。今いいか?」
『ええ、大丈夫だけれど』
「そっか。あのさ、クリスマスなんだけど」
『……っ………………ク、クリスマスなら、もう予定を入れてしまったわ』
「えっ……」
『御免なさい。でも断りきれなくて……』
「そ、そっすか……ははは、じゃ、じゃあしょうがないよな……じゃあいいや。またな?」
『え、ええ……お休みなさい』

 Pi!
359 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 01:18:44.28 ID:i/KcYSEo
 多分情けない顔をしていたんだろう。俺が桐乃の方に向き直ると、桐乃は唖然とした様子で暫く呆けていたが、
やがて先にも増してヒートアップしたようだった。

「ちょ、ちょっと、ナニソレ?アンタもアンタなら、アイツもアイツよ。あ、あのクソ猫……!!!」

 そう言うと、来たときと同じように大きい音を立てながら自室へと戻っていった。

 はぁ……

* * * *

「ちょっと!このバカ猫!アンタ何考えてるワケ!嘘つくんじゃないっつーの!」
『う、嘘じゃないわ?妹達とクリスマスする約束になっているのよ』
「そんなのちょっとケーキ食べて終わりじゃん!アンタ何?兄貴とクリスマス過ごすの嫌なワケ?!」
『そ、そんなことは言ってないじゃないの……』
「じゃあなんで断わんのよ!」
『………………だって、貴女が先輩に話したから電話してきたのでしょう?』
「それが何?」
『………それじゃ嬉しくない』
「はぁ?!アンタ何贅沢言っちゃってんの!あのバカにはちゃんと言ってやんないと気付きもしないじゃん?」
『それでも……自分で気付いて欲しかったの……』
「チッ……あーあ、めんどいったら!じゃあアンタ、あ……あ、あたしがあいつとクリスマス過ごしても、
怒らないよね?」
『………………………………………………好きにすればいいじゃないの』

 Pi!

「あ………………ったく!めんどくさいヤツ!大体、あたしがなんでこんなに気を揉まなくちゃいけないワケ?
もう知らないっつの」

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

「あ、もしもし、ちょっと頼みがあるんだけどさ……?」
360 :前スレ36 [sage]:2010/12/24(金) 01:20:08.11 ID:i/KcYSEo
名前欄ミスった/(^o^)\
続きは明日でww
361 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 01:48:37.56 ID:NhLRE1Ao
>>360
楽しみしてます
362 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 01:53:44.45 ID:CLKdDsMo
おっ、トリップつけたんだね
待ってます
363 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/24(金) 01:59:39.55 ID:nVTj6Ok0
>>307の続きがみたいぜ・・・

誰かがんばってくれ
364 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 03:00:16.45 ID:7kajF.SO
福岡最終話が終了した

二期のために密林でブルーレイポチってくるよかなかなちゃぁあぁぁぁぁぁ!!!!
365 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 09:28:48.60 ID:T4Vnsxco
ピコーンピコーン

京介「なんだ? 沙織からメッセージ……?」

沙織『おや? 今日はクリスマスイブでござるのに、京介氏は自宅でござったか』

京介「……余計なお世話、と言いたいところだが、そういうお前もな、と」カチャカチャ ッターン!

沙織『これは手厳しい。おお、そうでござる。宜しければこれからささやかながらクリパなどいかがです?』

京介「そうだなあ。家にいると気が塞いじまいそうだし、お前が良ければ付き合うぜ」

沙織『了解でござる。それでは、1時間後に○○駅の北口改札前に、という事でどうでござろう』

京介「オッケー。楽しみにしてるぜ、と」

京介「……沙織とクリパか……なんかプレゼントとか用意した方が良いのか? でも何も言ってなかったしなぁ……」

1時間後

??「高坂京介様ですね?」

京介「は、はい。そうですが……どちら様で?」

??「申し遅れました。私、槇島家の執事でございます。沙織お嬢様よりお言葉を頂き参りました」

京介「えっ、もしかして何か急用で来れなくなった、とか……?」

執事「いえ、京介様の御召替えを手伝うよう仰せつかっております」

京介「……おめし、かえ……?」

執事「はい。ではこちらへ……。車を用意させて頂いておりますので……」

京介「は、はぁ……」

桐乃「……あれ、兄貴……?」

あやせ「桐乃? どうかしたの?」

桐乃「う、ううん。何でもない」

桐乃(気のせい、かな?)
366 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 09:29:17.83 ID:T4Vnsxco
1時間後

沙織「まぁ、まぁ、京介様。大変お似合いでらっしゃいますこと」

京介「さ、沙織……コイツは一体どういう……っていうか今日は眼鏡じゃないのな」

沙織「ええ。今日は京介様と過ごす特別な日ですから。
    本日は急な呼び立てにも関わらずお越し頂き、誠にありがとうございます」

京介「いや、こちらこそ。今日は桐乃も黒猫も麻奈実も用事があるみたいでな……正直暇してたんだ」

沙織「まぁ、そうでしたの。お誘いした甲斐があったというものです」

京介「でも悪いな。プレゼントとか、そういうものを用意してなかったんだ」

沙織「いえ、お気になさらずとも結構ですわ。京介様と過ごせる時間が何よりの贈り物です」

京介「そ、そう言われると照れるな……」

沙織「それに、京介様からの贈り物は濃ゆいモノを今宵頂く手筈になっておりますし……」

京介「えっ?」

沙織「いえ、こちらの話ですわ」

---
桐乃「……!」

あやせ「なんか今、背筋に悪寒が走った気がする……」

---
黒猫「……! この妖気……まさか……裏切り、いえ、抜け駆け……!?」

---
麻奈実「大変! きょうちゃんの身に危険が迫ってる気がするよぉ!」

---
沙織「どうぞ、お座りになってください。特別にシェフに用意させた料理を準備させておりますので」

京介「へぇ、そりゃ楽しみだなぁ! にしても、こんなすげえホテルのスイートでディナーなんてちょっと緊張するな」

沙織「大丈夫ですわ。他には誰もおりませんから、堅苦しいマナーも気になさらないでください」

京介「ははっ、そうか。そう言ってもらえると助かるぜ。そんじゃ、沙織。メリークリスマス」

沙織「はい、メリークリスマス、京介様」


続かない
367 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 09:34:49.74 ID:cfNfiwko
続け いや続いて
368 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 09:52:44.81 ID:KillFQAo
加奈子
369 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 10:08:59.93 ID:1UToqvw0
>>366
お願いします。続けてくだされ・・・
370 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 10:13:08.67 ID:fdrX/Owo
>>366
?続かない
○続く

ヘヘ…直しといてやったぞ?
371 :370 [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 10:14:15.85 ID:fdrX/Owo
なんてこった

×?
○×
372 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/24(クリスマスイブ) 10:59:16.01 ID:6bQTDm20
>>366
揃いもそろってニュータイプかよww
373 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 11:03:40.16 ID:dA2KpoDO
>>366
頼むから続きをお願いします
374 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 11:10:11.06 ID:.nYmbm2o
>>366
もうちょっとだけ続くんじゃ
375 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 11:16:25.38 ID:ye1xwA6o
>>366
待ってるからはやく続きを
376 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 11:46:46.56 ID:PShlFqAo
>>366
風邪引きそうだから続きはよ
377 :Are you enjoying the time of eve? :2010/12/24(クリスマスイブ) 13:33:21.93 ID:4.VTQcc0
>>366
風邪引いた…

熱7.6℃だし
378 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 14:15:29.42 ID:P42Ag0Ao
>>377
未だ現世に居るだなんて……貴方、余程の未練があるのね
379 :Are you enjoying the time of eve? [地の文むずかしいいいいいいいぃいぃぃ]:2010/12/24(クリスマスイブ) 14:47:23.94 ID:MxOOEGw0
今日はクリスマスだっけか
380 :Are you enjoying the time of eve? :2010/12/24(クリスマスイブ) 17:47:54.45 ID:QmwQ5vE0
コレってイヴの時間?
381 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 18:02:10.99 ID:Ns1UbIoo
よし、>>356の話書いてくる

>>366
続き期待してる
382 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 18:07:52.77 ID:QjpScmE0
イブといえばこれだな
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/36.html

>>381
期待してるううううううう
383 :Are you enjoying the time of eve? :2010/12/24(クリスマスイブ) 18:12:15.39 ID:4.VTQcc0
熱37.2℃になりました
384 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 18:14:22.20 ID:T4Vnsxco
>>381
wwktk!
385 :Are you enjoying the time of eve? :2010/12/24(クリスマスイブ) 18:47:14.17 ID:/fBdHgSO
>>381
待ってるぜ〜〜

>>382
面白いけど途中でオチが読めたww

べっ 別に経験者だからじゃないんだからねっ
386 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:25:20.23 ID:tEIbp.AO
パンツ脱いで待ってる
387 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 21:34:56.36 ID:uiHT7JEo
黒猫との性なる夜はまだか
388 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 21:57:30.59 ID:svjccXwo
ペロペロ
389 :>>387 [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:26:50.67 ID:T4Vnsxco
黒猫と付き合い始めて最初のクリスマスイブ。
どうしたものかと途方にくれたものだが結局、
黒猫には『先輩と一緒にいられるなら家だって高級レストランだって同じなのよ』
と言い切られてしまった。まぁ、俺、一介の学生だしね? 受験生だしね?

大変申し訳ないと心の中で後ろ暗く思いながら、せめてこれくらいはって事で
美味しいと評判のケーキ屋で2人分のケーキを買い求め、慣れないながらも料理を準備させて頂いた。

ちなみに桐乃はあやせたちと、沙織は槇島家のパーティーがあるらしい。
両親はそれこそレストランからホテルに一泊の定番コンボと来たもんだ。
つまり、言われるまでもなく、おあつらえ向き。

そう、言われるまでもない。
だから、黒猫は、こんな顔で、俺のベッドに腰掛けていやがる。

頬を紅く染め、俯きがちな視線は膝の上に乗せた両手にガッチリホールドされている。
俺はそこに近づくのを躊躇って、黒猫の横には腰掛けず、机に備え付けの椅子に座った。

我ながらそこそこな味の料理と、男の俺でも美味しいと感じたケーキ。
それを食べ終わった後、黒猫は俺を部屋へ誘った。

そして今、黒猫は待っている。何を? いや、分かっている。俺だって男だ。それぐらいは分かる。
けど、良いのか? 俺たちは確かに恋人同士だけどさ。今どき古臭いと言われるかもしれないが
それでもだ。俺は一線を越えるべきかどうか、思い悩んでいた。

「……ねぇ」
「な、なんだ?」
「こっちに……来ない、の?」

ッ……! そんな目で見んなよ……マジで……やべえってのに。
ああ、くそ。別にお前の事が嫌いな訳じゃねえ。それは分かってくれよな。

そんな事を悶々と考えていると、ふと、俺の顔に影が差して――。

ちゅ。

髪の毛に、口づけられた。

「……黒猫」
「私は、良いのよ。貴方になら傷付けられても」
「…………」

そこまで女に言わせて引き下がっちゃ男じゃねえ。

「……できるだけ、優しくする」
「ふふ……」

俺は黒猫の手を取り、ベッドへと導いた――。

続かないです
390 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:37:17.33 ID:svjccXwo
爆発しなくていいので続きを
391 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:51:51.31 ID:Ns1UbIoo
ヒャッハー!ちょっと早いけど俺からのクリスマスプレゼントだぁ!!
というわけで投下
392 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:53:46.16 ID:Ns1UbIoo
ピンポーン

京介「お、きたか」

ガチャ

京介「いらっしゃい、上がれよ」

沙織「はい!お邪魔するでござる」

黒猫「…お邪魔するわ」

今日は12月24日。
世間じゃクリスマスイブとか言われていて、街がにわかに騒がしくなる日である。

沙織の提案で、今日はいつもの4人でクリスマスパーティーをやろうってことになった。
で、こいつらがわざわざ俺の家までやってきたってわけだ。

沙織「本当に申し訳ござらん。適当な場所の確保に失敗してしまいまして…」

京介「気にすんなよ。ちょうど親父もお袋も出掛ける用事があったみたいだからさ」

沙織「そう言っていただけると助かります。それと、急にお誘いして申し訳ない。他に予定とかありませんでしたか?」

京介「それは気にしなくていいって言ったろ?」

黒猫「そうよ沙織。どうせ先輩にイブの予定などありはしないのだから」

く…なんてひどい言い草だ。だが事実だけに反論することもできない。
でもそういうおまえも、イブの予定はなかったんだろ?

…それにな俺だって出来ることなら甘々なイブを過ごしてみてえよ。
そりゃ、こいつらはそろいもそろって美少女ばかりだけどさ、甘々な出来事が起きそうかと言えば答えはノーだ。
こいつらと俺がどうにかなっちまう未来なんて想像もつかねえ。

黒猫「…そういえばあの子の姿が見えないようだけど?」

京介「あぁ、桐乃ならリビングでパーティーの準備してるよ。今日は親父もお袋もいないし、リビングでやろうと思ってさ」

沙織「なら拙者たちも手伝うでござる。行きましょう瑠璃ちゃん」

黒猫「その名で呼ぶのはやめてちょうだい」

玄関での立ち話を終えリビングに向かう。
しかし、準備はすでに終わっていたようで桐乃はソファに腰掛け天井を仰いでいた。
393 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:54:21.88 ID:Ns1UbIoo
京介「なんだ、もう終わったのか?」

桐乃「当たり前でしょ、あんたとは作業効率が違うの」

おまえ、隙あらば俺に毒を吐くのやめてくれないかな?
こいつは妙なところで黒猫の影響を受けている気がする。
それに準備と言ってもお菓子やジュース用意しただけだろうが。

沙織「ふふふ、準備の方はすでに完了しているご様子。では早速!『京介氏専属ハーレムで送るクリスマスパーティー』を開始しましょう!」

その設定、まだ生きてたんすね。

沙織「当たり前でござろう!ふっふっふ、むしろ今日はその設定ありきで計画したと言っても過言ではござらん!」

京介「どういうことだ?」

沙織「さきほど黒猫氏が申されたように、イブに予定のあるはずのない京介氏を我々で元気づけてあげようという魂胆でござる!」

おまえ…さっきまで俺にイブの予定がなかったか気にしてたじゃねえか。
それがないとわかるやこの扱いはなんなの?ちょっとショックなんだけど。

沙織「もちろん京介氏への日頃の感謝の意もこめております。……ですからぁ、今日はぁ、拙者たちが一肌も二肌も脱いで差し上げようかとぉ」

京介「気色の悪い声を出すんじゃない!一肌すら脱がなくて結構だ!」

沙織「ふっふっふ、これを見てもまだそんな口がきけますかな?」

沙織は手持ちの鞄を開くとバッと何かを取り出す。

京介「げ…そ、それは!?」

沙織「クリスマスといえばサンタ。というわけ3人分のサンタっ娘の衣装でござる!」

なんだよサンタっ娘って…
しかし、この衣装…パッと見でわかるくらい露出が多い。
上下で分かれていてお腹周りは丸見え。
その上スカートは短いし、上半分に関しては隠れているのは胸回りだけで肩から鎖骨にかけては露出する形になっている。

桐乃「げ!?そんなデザインだなんて聞いてないんですけど!?」

黒猫「き、着れるわけがないでしょ!?そんな衣装!!」

いいぞおまえら、もっと言ってやれ。
さすがにあんなのを着られてたら俺も落ち着かねえよ。

沙織「う……だめ…ですか?今日のためにせっかく作ったのですが……」
394 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:58:06.44 ID:Ns1UbIoo
ぐ……胸が痛い!

京介「あ〜なんだ。桐乃、黒猫。少しだけなら着てみてもいいんじゃないか?な?」

あ、あくまでも沙織がかわいそうであったからで、別に見てみたいとかそんなんじゃないんだから勘違いしないでよね。

桐乃「このど痴漢がっ!」

いてぇ!本気で脛を蹴るんじゃない!

黒猫「……せ、先輩がそういうのなら着てあげないこともないわ」

桐乃「ちょ、ちょっとあんた正気!?」

黒猫「正気よ。それにせっかく沙織が用意してくれたものを無駄にするのも悪いでしょう」

桐乃「ぐぅ……わかったって!着ればいいんでしょ着れば!!」

さすがに沙織に悪いと思ったのかついに桐乃まで折れちまった。
そっか、最初からそういう風にいえば脛を蹴られずにすんだのか。

沙織「では皆の衆!早速着替えましょう!!」

そしておまえは立ち直り早いな!!



女性陣の着替えが終わるまでリビングの外に出て待っているわけだが…

京介「寒い」

リビングから一歩外に出ると、もはやそこは別世界だ。
床は冷たいし、吐く息は白くなる。家の中で息が白くなるってどんだけ……

沙織「お待たせしました京介氏!」

部屋の中から沙織の声が響く。
どうやら着替えが終わったようだな。

京介「う…お……おまえら……」
395 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:59:22.47 ID:kGNMFlwo
紫煙
396 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:01:25.60 ID:Ns1UbIoo
沙織「どうですか?拙者のサンタコスは?これでもスタイルには自信がありまして」

胸元を見せつけるように前かがみになる沙織。
…惜しい。あとはその眼鏡さえなかったら……

黒猫「違うのよ……」

両手で自身を抱くようにして体を隠している黒猫。
こんなかっこでもしっかりと猫耳と尻尾を装備している。
コスプレイヤーとしてのプライドでもあるんだろうか。。

桐乃「ふん。別にあんたのためじゃないから。あくまでコスプレに興味があっただけだから」

妹ということを除いて見るならばこいつが一番似合っている。
出るとこはきっちりと出ているし、いつぞやのゴスロリと違ってライトブラウンの茶髪もこの衣装には似合ってるしな。

しかし、これは目のやり場に困ってしまうな。
これ以上顔がにやけてしまうのを抑える自信がねえぞ。

沙織「ふふふ、今日はこれだけではありませんぞ?」

京介「えっ?」

沙織「クリスマスといえばプレゼント!というわけで我々から京介氏にプレゼントがあります!」

京介「お、おまえら……そんな、なんでまた」

黒猫「沙織がこのパーティーはあなたへの日頃の感謝もこめていると言ったでしょう?」

京介「だ、だからって俺はおまえらには何も……」

桐乃「もう、じれったい!あんたは大人しく受け取っとけばいいの!」

京介「……そうか。ありがとなおまえら」

沙織「では早速拙者から!拙者からのプレゼントはこれでござる!」

京介「………漆黒の衣装?」

沙織「はい!以前着ていただいた時あまりにお似合いだったものですから、是非また着ていただきたい!」

なんでクリスマスのプレゼントがコスプレ衣装なの?
でも……

京介「この脈絡のなさがお前らしいよ。ありがとな」
397 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:02:13.81 ID:Ns1UbIoo
黒猫「……次は私ね………これ」

京介「……漆黒の仮面だよな?これ」

これ、まさか俺をコスプレイヤーに改造する企画じゃないよね?

黒猫「そうよ。薄いプラ版を使って作ってみたの。沙織のプレゼントと若干被ったのは偶然だけど、ちょうどよかったわ」

京介「偶然なのか……ふっ、おまえはほんとに器用だな。ありがたく貰っとくよ」

桐乃「……あたしからはこれだから」

京介「……これは…………」

桐乃「それまじ神ゲーだからやっといた方がいいよ!」

なんでこんなときまでエロゲなんだよ、おまえは。

京介「まぁ、これも俺達兄妹らしい…か?ありがとな桐乃」

桐乃「ふん」

甘々なイブを過ごしたいと思っていたがこんなのも悪くない。
俺はこんないいやつらに囲まれてイブを過ごせるんだから幸せ者だよ。

京介「実はな、俺からもおまえらにプレゼントがあるんだ」

「「えっ?」」

皆一様に目を丸くして驚いている。
いや、沙織に関しては眼鏡のせいでわからないけども。

沙織「そんな!京介氏は気を遣っていただかなくてもよかったのに」

京介「いいんだよ。俺だっておまえらに感謝してるんだぜ?じゃあ、取ってくるからちょっと待っててくれ」

俺は自分の部屋に戻り、予め用意しておいたプレゼントを持ちリビングへと戻る。
398 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:02:59.82 ID:Ns1UbIoo
京介「まずは沙織からな。いつも世話焼いてくれて助かってる。ほんとありがとう」

沙織「きょ、恐縮です」

京介「沙織にはこれだ」

沙織「……眼鏡でござるか?」

京介「おう、度は入ってないけどな。そのぐるぐる眼鏡もいいが、たまには普通の眼鏡もかけてみないか?勿論気が向いたらでいいからさ」

沙織「ふふっ、考えておきますわ」

恥ずかしがりの沙織にぐるぐる眼鏡以外をかけてくれっていうのは少し心配だったんだが、
思ったより喜んでもらえたようだ。
個人的な趣味じゃないからそこは勘違いすんなよ?

京介「次は黒猫な。正直おまえに助けられたことも多かった、ありがとな。そんなおまえにはこれ」

黒猫「…髪留め……」

京介「おう、お前の好きなキャラのに似てたのを見つけてな。おまえに似合うんじゃねえかと思ったんだ」

受け取った髪留めをまじまじと見つめる黒猫。
喜んでもらえたかな?こいつはあんまり感情を表に出さない奴だからなぁ…

黒猫「あ、ありがとう。……嬉しいわ」

そっか、そりゃよかった。

京介「最後は桐乃な。おまえの人生相談のおかげでこいつらとも知り合えたし、俺の人生には楽しいことが増えた。ほんとうにありがとう」

桐乃「…ふん」

京介「ん、おまえにはこれ」

桐乃「…………………エロゲ?」

京介「それ超面白かったから是非やった方がいいぞ!」

沙織「……なんというかすごい兄妹ですな」

黒猫「あぁなったらお終いね。いろいろと」

あ、あれ?エロゲは駄目だったか?
いや、実際超面白かったし何の問題もないと思うんだけど…

桐乃「あははは、ありがとね兄貴!これ兄貴だと思って大事にするから!」

ほらな。こいつはこれが一番喜ぶと思ったんだ。
ただ、エロゲを俺だと思うのはやめてくれないかな?
399 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:06:32.47 ID:Ns1UbIoo
沙織「困りましたね、京介さんにプレゼントを頂いて終了したのではこのパーティーの意味がありません」

京介「えっ?」

沙織「このパーティーは京介さんのためのものなのですから、私達からのプレゼントで終わるのが筋というものでしょう」

どんな筋だよ。
それにそんなこと気にしなくてもいいんだぜ。さっきも言ったけど俺だって感謝してるんだからよ。
っていうかいつのまにかお嬢様口調になってんな。眼鏡かけたままだってのに。

沙織「ふふふ、いいんです。私の気分の問題ですから」

京介「そうなのか?まぁそう言われちゃ俺はどうしようもないけどさ」

すると、沙織は突然眼鏡をはずし髪をおろした。
そして……

京介「えっ?さ、沙織?」

沙織「似合いますか?」

俺があげた眼鏡をかけ微笑む沙織。
やはり恥ずかしいのだろう。顔はすでに赤くなってしまっている。

く……正直ど真ん中のストライクです。

沙織「よかった!では私からのプレゼント受け取っていただけますか?」

京介「え?プレゼントってまだ何かあるのか?」

沙織「ふふふ」

チュッ

京介「!!」
黒猫「!!」
桐乃「!!」

沙織「いつもありがとうござます、京介さん」

桐乃「ちょ、ちょっと沙織なにズルしてんの!!」

黒猫「抜け駆けはなしとあれほど言っておいたでしょう!!」
400 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:08:19.56 ID:Ns1UbIoo
京介「??」

え?プレゼント?今のが??
何をされたのかもわからなければ、桐乃と黒猫が怒ってる理由もわからない。

沙織「ふふ、ごめんなさい。京介さんがあまりにかわいらしかったものでつい」

てへ、と舌をだして謝る沙織。

黒猫「わ、わ、私だってそれくらい……」

桐乃「あ、あんたまで何しようとしてんの!」

黒猫「なにってナニよ!わかったらその手を放しなさい!」

桐乃「これ以上は許せるか!兄貴は渡さないから!!」

京介「お、おまえら……ちょっとは落ち着けよ」

こえーよ。暴走しすぎだろ。
401 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:09:47.00 ID:kGNMFlwo
実にいい
402 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:11:38.90 ID:Ns1UbIoo
桐乃「兄貴がしたいのはあたしとに決まってるでしょ!」

ちょ!その衣装で擦り寄ってくるんじゃない!
目のやり場とか荒ぶるリヴァイアサンとかいろいろ困るだろ!

黒猫「あなたはあくまでも妹なのよ?少しは現実をみたらどうかしら?」

そういうおまえは、見えてはいけないものが見えかかってるよ!

沙織「では現実的に見て京介さんのストライクゾーンど真ん中の私がもう一度……」

桐乃「あんたは駄目!」
黒猫「あなたは駄目!」

桐乃「で、兄貴は誰がいいの?」

黒猫「当然私よね?」

沙織「いいえ私です。まさか、京介さんから頂いた眼鏡がこんなところで役に立つとは」

京介「おまえらちょっと落ち着け!こんな状況で選べるか!!」

黒猫「…そうそれがあなたの答えなのね」

沙織「京介さんがそういうのなら……」

あ、あれ?ひょっとしてわかってくれたか?
エロゲなんかだとこういう場が上手く収まるわけがないんだが。

桐乃「あ、兄貴が全員がいいって言うなら…あ、あたしもいいよ?」

京介「」



おわり
403 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:14:51.70 ID:Ns1UbIoo
サンタコス参考画像。最初のスレで書いてくれた人がいたので利用させていただきました
http://www.uproda.net/down/uproda182691.jpg


正直勢いだけで書いた
見直しとかしてないからおかしなところがあっても気にしない

404 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:15:54.31 ID:dA2KpoDO

素晴らしい
405 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:17:09.63 ID:svjccXwo
俺が京介だ
406 :370 [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:19:12.47 ID:JmsjvO2o
投下乙だが
なんか死にたくなった
京介一刻も早く爆発しろよ
407 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:20:16.27 ID:JmsjvO2o
あ、消し忘れた
408 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:20:19.38 ID:h8qRH9Y0
リア充爆発しろから京介爆発しろに変わる日も近いな
409 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:30:32.70 ID:CLKdDsMo
乙&メリークリスマス
俺も京介爆発しろと言っておこう…('A`)

>>382
久々に読み直したら誤字けっこうあったww直しとこ
410 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:35:58.08 ID:T4Vnsxco
>>402
乙!うう、俺の沙織がー
411 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:39:38.87 ID:tEIbp.AO

イブに読むハーレム物は破壊力あるな…
412 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:57:36.76 ID:7kajF.SO
俺が!お前達が!!京介だ!!!
413 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 00:29:30.92 ID:Xt1Yi7.o
何で俺は京介じゃないんだろうな…
414 :Are you enjoying the time of eve? :2010/12/25(土) 00:45:58.24 ID:7ZZUHmo0
おつ
京介爆散しろ

さっきコンビニ行ってきたら、幸せオーラ全開のカップル
が多々うごめいてて死にたくなった(´・ω・`)
415 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 00:52:39.68 ID:.idzYTgo
満足できねえぜ
416 :前スレ36 [sage]:2010/12/25(土) 01:05:00.53 ID:ZN5AloAo
続々と来てて嬉しい限りだwwいいぞもっとやれwwww

なわけで>>359の続き。ちょっとあっさり風味になってしまったww
417 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:05:43.19 ID:ZN5AloAo
 23日。俺は一人で渋谷まで出ていた。
 沙織に聞いたところ、冬コミの打ち上げでクリスマス兼忘年会のパーティーをするらしい。ま、まあ何も
無いよりはマシ……だよな?
 そんなわけで、プレゼントを買いに出てきたって訳だ。
 渋谷なのは、去年のクリスマスに桐乃のお供で出てきたときに入った109を思い出したからだ。
 彼女に渡すプレゼントだし、やっぱ流石に地元のデパートって訳にもいかないだろ?

「う……やっぱり一人で入るのはキツイなここ」

 渋谷系の女の子がひしめき合い、たまに男を見かけても明らかにカップルって場所だ。前回は桐乃と一緒に
来てたにも関わらず肩身の狭い思いをしたっけ。
 しかし来てしまったものは仕方が無い。さっさと目的を達して脱出するか。

 前回と同じく地下2Fへと降り、桐乃が欲しがったアクセサリーの置いてある店に直行した。妹様のセンスに
かなう店だから、ここのなら黒猫も喜んでくれるだろう。……多少安くてもさ。
 と言ってもいざ選ぶとなるとこれが結構難しい。どんなのなら喜ぶだろうなあいつは。

 ……と、色々とアクセサリーを眺めていると、俺の肩を叩くやつがいた。
 誰だ?訝しげに振り返り、

「……お、お前?!」

* * * *

 コンコン。俺は桐乃の部屋をノックした。部屋の薄い壁を通して隣からメルルらしきTVの音がしていたから、
今ならいいだろう。
 ゆっくりとドアが開き、俺の顔を認めた桐乃はちょっと嬉しそうな顔をした気がしたが、すぐそっぽを向いて
しまった。

「な、なに?今いいところなんだけど?」
「すまん、あんま時間は取らせないからよ」

 そう言って俺は持っていた包みを見せる。それを見て、桐乃は驚いたあと、得心のいった顔をした。

「これ、サンキューな?」
「……あいつから連絡無いなと思ってたら、やっぱそういうことだったわけね」

* * * *

「……お、お前?!」
「お久しぶり、京介くん」

 109で俺の肩を叩いたのは、以前桐乃の偽彼氏として登場した男版桐乃のキモオタ、御鏡光輝だった。
418 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:06:13.77 ID:ZN5AloAo
「こんなところで何をしてるんです?」
「え、あ、い、いや」

 別に悪いことをしていたわけでも無いのについ不審な態度を取ってしまう俺。ここは慣れて無いんだよ!

「お、お前こそ何してるんだよ?」
「僕は兄の手伝いですよ」

 そう言って御鏡は少し離れた一角を指差した。あ、「エタナー」の店舗がある。全然気付かなかった!

「たまたま京介くんを見かけたので、声を掛けてみたんですけどね」
「そ、そうか……」

 や、やべぇ、すげぇ気まずい……こんな場違いなところで知り合いに出くわすなんて。
 俺はつい焦って、そそくさと退散しようとした。

「あ、それじゃまたな?」
「ちょっとちょっと、何処へ行くんです?」
「え、いや、ちょっと向こうへ」
「そんなに慌てて逃げなくてもいいじゃないですか」
「逃げてねぇよ!」

 説得力の無い俺の発言を華麗にスルーして、御鏡はにこにことしながら俺の手を引いた。

「僕の方は少し用事があるんです。ちょっとこちらへ来て貰いたいんですけど」

 「エタナー」に連れて行かれた俺の前に、小さな包みが出された。

「いやあ、丁度いいところで京介くんに会えましたね。これ、持って帰ってください」
「なにこれ?」
「桐乃さんからご注文のあった品ですよ」

 桐乃の?包みを手に取ってみるが、ほとんど重さは感じなかった。

「本来でしたら桐乃さんに直接お渡しするところなんですが、京介くんなら同じことだと思いますので」
「え?どういう意味だよ?」
「……お話は伺ってますよ。彼女さんと喧嘩してるそうじゃないですか」

 え、喧嘩?俺と黒猫が?

「喧嘩なんかしてないが……」
「そうですか?そう聞いたので……それで、桐乃さんがそれを作ってやってくれと」
「はぁ……なんなのこれ?」
「勿論アクセサリーですよ」
419 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:06:47.74 ID:ZN5AloAo
 アクセサリー?桐乃が?俺に?

「ちょっと怒ってらっしゃったので正確には僕にも良く判らないんですが、桐乃さんが心配されていましたよ」
「え……?」

 心配……俺と黒猫のことでってことか?
 喧嘩をした覚えはなかったが、今の話とその前のいきさつを総合すると……。
 俺はここに至ってやっと状況を把握した。黒猫、怒ってあんなこと言ったのか……。
 
「良く判らないですが、お分かりになられたようですね?」
「ああ、悪い。手間取らせちまったみたいだな」
「いえいえ、お気になさらず」
「あ、それじゃ金払うよ。いくら?」
「んー、別に。差し上げるつもりだったんですがね」

 え?おいおい、お前それは太っ腹なんてもんじゃないだろ。

「まあ、京介くんには先日の騒動の借りもありますしね」
「ええ?でもそれとこれとは別だろ流石に」

 そういうと御鏡は、んーと指を顎に当ててなにやら考えていたが、

「じゃあ、500円だけいただいておきましょうか?」
「は、はぁ?それ安すぎねぇ?」
「いやいや、実はそれ今度の冬コミに出店するアクセの材料を流用しているので、実はそんなに高くないんですよ。
冬コミでは前回同様500円で出す予定だったので、それ以上は逆に貰えないんです」

 それにしたってブランドとかなんとかあるだろう、と言おうとしたが、御鏡が「さあ、どうします?」といった
表情でにこにこしているのを見て、俺もそれ以上は言う気が失せちまった。
 仕方なく俺は、肩をすくめて降参したって訳だ。こいつと、桐乃にさ。

* * * *

「それで?どうするワケ?」

 桐乃が問う。俺は迷うこと無く答えた。

「今から行ってくるわ」
「そ?」

 時間も夜9時を少し過ぎた辺りだ。まだ黒猫も起きてるだろうさ。
420 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:07:23.73 ID:ZN5AloAo
「それで、なんだけど」
「なに?まだなんかあるワケ?」

 桐乃が不機嫌そうに返してくる。こいつもTVの続きが見たいんだろう。用事だけ済ませて行くとするか。

「これ……メリークリスマス」
「……え?」

 桐乃にもうひとつ持っていた包みを手渡した。

「あ、アンタこれ?!」
「まあ、礼も込みでな?」

 桐乃は包みを慌てて開ける。そこには、以前桐乃が俺に買わせようとした、シルバーアクセサリーのセットの
ケースが入っていた。ま、サプライズプレゼントってやつだ。
 桐乃は俺の顔とアクセサリーを交互に見返していて、その顔は赤く、そしてちょっとだけ、嬉しそうだった。

「い、いいの?」
「一度やったもんはお前のもん、だろ?」
「……あ、アリガト」

 珍しく素直に礼を言われて、ちょっと俺が驚いていると、ハッとした桐乃は慌てて部屋の中に引っ込み、乱暴にドアを閉めた。


 そして、黒猫の家の前。
 そこに着くと、何故か黒猫が家の前に出ていた。

「お前、そこで何やってんの?」
「……べ、別に、何でもないわ」

 そういって黒猫はそっぽを向く。部屋着らしきジャージに身を包み、手には携帯を持っていた。

「電話か?」
「……あなたの妹とよ」

 やれやれ、どうも今回ばかりは桐乃にやられっぱなしだな。

「それで、何の用かしら?ちなみに、クリスマスパーティーはもう終わってしまったけれど?」
「そうか?でも、サンタが来るにはまだ早い時間だろ?」

 俺は手に持った包みを黒猫に差し出した。
 それを、黒猫は両手で大事そうに受け取った。
421 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:07:50.04 ID:ZN5AloAo
「悪かったな黒猫。全然何にも考えて無くてさ」
「……それはある程度諦めているわ」

 辛辣なのはいつもどおりだったが、表情は柔らかく、喜んでくれているようだった。

「私こそごめんなさい。あの時はつい……」
「いやー、正直あの時はこの世の終わりみたいに落ち込んじまったよ」
「……ふん」

 仕返ししてやると頬を膨らませる黒猫。う、ちょっと可愛いぞ。

「開けてもいいかしら?」
「ああ」

 黒猫は丁寧に包みを開け始める。そこから出てきたのは……

「猫……」

 それは2匹の猫が寄り添う意匠の付いたシルバーネックレスだった。
 つか、俺も今初めてみたんだけどな。
 黒猫はそれを首に掛けた。胸元を飾るそれは、家の明かりと月明かりとどちらのものか判らなかったが、光を
受けてきらりと輝いたように見えた。

「似合ってるな」
「……ありがとう」

 少しはにかみながらも、幸せそうに微笑む黒猫。
 桐乃のチョイスなんだが、それは黙っておくことにしよう。

「ま、まあ、それだけだから。寒いから早く戻れよ?」

 笑顔に俺も少し照れて、慌てて踵を返そうとする。
 その手を黒猫はしっかりと両手で握ってきた。

「渡しっぱなしで帰らないで頂戴。ずるい雄ね」
「え?」

 黒猫はくいっと俺の手を引いた。
 思わず引き寄せられた俺の顔を真っ直ぐに捉えて、黒猫は赤くしながらも、その顔を近づけた。

 chu!
422 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:09:04.14 ID:nnyxji.o
うああああああああああああ
地球爆発しろおおおおおおおおおおお
423 :前スレ36 [sage]:2010/12/25(土) 01:09:08.69 ID:ZN5AloAo
終わりwwww

しかし一人でケーキとチューハイ飲みながらなんでリア充SS書かなきゃならんのかとwwww
424 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/25(土) 01:14:15.18 ID:sM32joDO

リア充爆発しろ
だが黒猫も桐乃もかわいい
425 :MerryChristmas!! :2010/12/25(クリスマス) 01:25:18.31 ID:7ZZUHmo0
>>423
おつ

おいおい仲間仲間!
俺もカップル尻目に一人用のケーキと紅茶、スパイシーチキン
買ってきたんだぜwwwwwwwwww
426 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 01:54:35.19 ID:rciBFcDO
すばらしい
427 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 02:22:10.47 ID:NbKsmIYo
桐乃がデレると凄く違和感あるのに、
良いことするのはそれ程違和感ないな。
映画[たぬき]みて育ったせいか…
428 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 02:22:45.30 ID:Brtz/oU0
ふう、一瞬脳が瀬奈になっちまってぜw
429 :427 [sage]:2010/12/25(クリスマス) 02:24:12.10 ID:NbKsmIYo
ここ「ド」で始まる国民的マンガの名前書けなかったのかwwww
知らなかったゴメン
430 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/25(クリスマス) 02:39:59.71 ID:saWWNoYo
>>427
わかるわ
桐乃はデレないで、普段の態度のままでその内心を想像するのが楽しい
デレたらデレたでかわいいんだけども

431 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage saga]:2010/12/25(クリスマス) 02:40:46.16 ID:saWWNoYo
やべ、トリつけたままだった
432 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 03:07:35.34 ID:sNbHSESO
平和すなぁ
433 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/25(クリスマス) 03:16:47.88 ID:nnyxji.o
俺は単純に露骨デレが書けないなぁ
原作設定から大きく逸れる度胸がないっていうか、なんかラブ路線から逃げてしまう
そろそろパターン変えたい…
434 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 03:35:41.44 ID:ZVxMYoAO
デレは匙加減が難しい
435 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage saga]:2010/12/25(クリスマス) 03:44:38.34 ID:saWWNoYo
原作じゃ見れないからSSでってことで桐乃のデレはいっそ開き直って書いてるな
書いてて思うが桐乃はデレない方がかわいい。そしてデレるときは泣いてくれ

>>434
言われて気づいた。確かに微妙なデレ書けないわ
盛大にデレてるとこしか書けてない気がする
436 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 07:46:44.12 ID:y1hDeQDO
昨日のSSまとめ読みした
みんな面白かった乙乙

最近SSスレに影響されて原作ラノベ買ってしまう
437 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 16:20:43.32 ID:p0lEXwgo
あやせ「お兄さんっ…中に出さないとぶっ殺しますよ…?」

後悔はしてない
438 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 17:23:49.57 ID:arepnY.o
あやせ「だして……お兄さんのせーし……中に出してくらさいぃ……ッ!」

京介「バッ……足で固めんな! で、でるっ……!」

事後

あやせ「……中に出すなんて変態ですね……赤ちゃん出来てたらどう責任取るつもりですか?」


こうじゃね?
439 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) :2010/12/25(クリスマス) 18:22:55.11 ID:azuWi0.0
昨日は激しくやりすぎて疲れたなぁ…
そういえば同窓会の通知来ないな。
まぁとにかく電波がおりたら書きにくるよ
440 :MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) [sage]:2010/12/25(クリスマス) 20:28:27.81 ID:Xyfu.yQ0
>>438
さすがあやせさんっすwwwwwwww
441 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/25(クリスマス) 21:05:40.53 ID:uJUesq.0
桐乃「兄貴がイヴに黒いのとデートしているなか、あたしは独り寂しく兄貴の部屋で[田島「チ○コ破裂するっ!」]か…」クチュクチュ

桐乃「すー、はー///いいにほいだよぉ兄貴のパンツ」くんかくんか

桐乃「クッ!イクッ、イク〜!!!」ぷしゃ〜

桐乃「なにしてんだろあたし。はあ、惨めだな…」

桐乃のイヴはこうだな
442 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/25(クリスマス) 21:36:00.67 ID:saWWNoYo
今日はついに最終回
それまでのんびり書き溜めるよ
ネタ援助かもん
443 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/25(クリスマス) 21:40:24.71 ID:mSpktl2o
2巻でオタバレせず
あやせたんが京介と親睦を深める。
ある日高坂宅に遊びに来たあやせが桐乃の罠によって京介のエロ本(地味子が見た奴)を見てしまい、
京介を「こんなえっちなものいけませんっ」と叱ろうとするが……な話とか。
二次元じゃなければ2巻ほど怒らないだろうし
444 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/25(クリスマス) 21:41:07.13 ID:ZVxMYoAO
さんま「お名前をどうぞ〜」

○○○「あっ、匿名でおねがいします」

さんま「それでは不幸な話をお願いします」

○○○「親公認の間柄の幼なじみを、ぽっと出の後輩に取られちゃいました…」

さんま「あらら〜 長く付き合ってらっしゃった?」

○○○「いえ、まだそういう関係ではなく、友達以上恋人未満みたいな…」

さんま「あ、まだ恋人でなかったんだ?ならしょうがないやろ〜〜ほな頑張れよ〜」

○○○「はわわ〜!ま、待って」


ガチャッ
445 :クリスマス終了のお知らせ [sage saga]:2010/12/26(日) 03:09:05.36 ID:FiiYHR.o
最終回見終わった
桐乃のかわいさが有頂天でとどまることをしらない
446 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 08:30:28.40 ID:91LRUIDO
しかし黒猫派としては、配信するらしい別ENDで原作からの後輩黒猫√がくるのを期待したい
447 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 08:47:16.78 ID:OgrDun.o
沙織は・・・(´・ω・`)
448 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 10:14:37.13 ID:a9KPCdw0
>>447
いらない子
449 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 10:17:49.44 ID:K8Qt5sEo
久キレ屋上
450 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 11:14:19.44 ID:F30tXvs0
>>448
        ____         
       /   u \  
      /  \    /\    お、屋上行こうぜ・・・・・
    /  し (>)  (<)\  
    | ∪    (__人__)  J | 
     \  u   `⌒´   /  
    ノ           \ 
  /´               ヽ
 |    l              
         ____      
       /      \    
      /  rデミ    \   久しぶりにキレちまったよ・・・・
    /     `ー′ /でン \ 
    |     、   .ゝ    | 
     \     ヾニァ'   /  
    ノ           \ 
  /´               ヽ
 |    l
451 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 11:30:38.67 ID:QkiZQIAO
桐乃のつてでモデルデビューとかしないかな
180cmで藤原紀香スタイルの美少女ならマル顔読モより売れると思うが
452 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 11:31:41.57 ID:BDqscnw0
>>451
実は桐乃達の事務所の大株主っておちだろ
453 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 11:36:58.98 ID:fI7Sa0Qo
>>451
撮影現場に付いていった京介が沙織ばっかり褒める姿を見てヤキモチを焼く桐乃とあやせしか想像できない
454 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 12:51:46.84 ID:OgrDun.o
>>453
そこまで言ったらあとは・・・わかるな?
455 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 13:02:44.56 ID:8kqJCgAO
>>453
お前はやればできる子だよ
456 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 13:49:27.41 ID:91LRUIDO
沙織、あやせ、地味子はPSPさんに期待しとく

>>453
ここが何をするスレか…分かっているでござるな?
457 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 14:11:06.99 ID:urHmH2I0
>>453
想像出来たなら...あとh...
っておまいら期待し過ぎw
458 :451 [sage]:2010/12/26(日) 14:22:50.22 ID:QkiZQIAO
>>453
俺は種を撒いた
あとはお前が育ててくれ…!
459 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 14:23:08.02 ID:fI7Sa0Qo
>>454-457
よし今から書く
少しの期待もしないで待っとけ
460 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 14:25:29.26 ID:tdhfxrso
今最高にID:fI7Sa0Qoが輝いて見える
461 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 14:32:58.19 ID:8rNhPdoo
>>453は一日遅れのサンタクロースだったって訳か
462 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 14:51:08.94 ID:Ev4j/cDO
俺ホモだけど、
>>453なら掘ってもいいわ
463 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 14:56:22.33 ID:F30tXvs0
>>453
前からおまえは出来る奴だと思ってたんだよ
464 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 15:19:04.62 ID:7UQDXSko
>>453という真の漢がいると聞いて(*´Д`)
465 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 15:23:02.07 ID:urHmH2I0
さっすが〜>>453様はわかってる〜
466 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 15:23:09.29 ID:HkKA7pY0
まとめの8?が
あれ最終的に桐乃ENDじゃないのなー…
それまでが秀逸すぎて凹んだ

未完のようだけど、きちーな
467 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 15:35:55.22 ID:QkiZQIAO
>>466
なんかもう残念な出来になってたね
2スレの途中から読むのやめたわ
468 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 15:42:12.48 ID:Edajs0s0
黒猫の厨二小説でてきてから読む気が失せた
469 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:01:21.47 ID:KmUrbNUo
修羅場とかヤンデレSS多くてマジで俺得だわ。
黒猫ヤンデレとかも期待してます
470 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:06:35.95 ID:Cj9FEIDO
8?は完全に桐乃だろとか思ってたらいつの間にか黒猫になってたから見る気失せた

桐乃は泣きデレが一番輝く
471 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 16:16:00.40 ID:ijKrCNI0
あれ? 
8?って「あやせ、結婚しよう」の後半の補完だとばかり・・・
472 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:17:09.75 ID:.MiS7pgo
>>453
出遅れたけど俺も期待ッ
473 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:24:35.25 ID:c4pv5.DO
>>466
9/10までが黒猫のターンって言ってたから、最終的に桐乃ENDなんじゃねぇの?
474 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:28:28.22 ID:.MiS7pgo
なんかクリスマス過ぎたら書き込みが増えたな

もしかしてお前らリア充…?
475 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 16:29:43.20 ID:UeKKFxg0
リア充だけじゃなく、サンタさんだってクリスマス忙しいんだよ
476 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:38:19.23 ID:VFkwv0Yo
妹の世話してたんだろ
477 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:41:12.96 ID:xa3m6oSO
sageとけ
478 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 16:43:35.70 ID:urHmH2I0
俺の妹の子どもがかわいくてしょうがない
479 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 16:50:48.82 ID:QkiZQIAO
普通にバイトしてましたが何か
今もだけどな
480 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 18:09:02.68 ID:KTDAj2DO
黒猫好きだが桐乃が泣くendも嫌だ
わがままなのはわかってるがな
481 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 18:19:23.47 ID:ZLvB/ygo
俺は好きなキャラが泣くENDが大好物
好きな子をいじめる小学生みたいて恥ずかしいけど
482 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 20:42:43.54 ID:KwvsbwAO
あげるぜ
483 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 20:46:06.35 ID:tC7.IYAo
あやせたんペロペロ
484 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 21:10:56.30 ID:a9KPCdw0
みんな、分かってないな
桐乃みたいな妹はちょっと泣かせる程度が萌える

京介と黒猫が部活帰りに桐乃とあやせに会う

京介と黒猫in京介の部屋で部活の続き
桐乃とあやせin桐乃の部屋で聞き耳たてる

京介と黒猫がいいふいんきになると桐乃in京介room

あやせも結局京介の部屋へ

なにこのハーレムwwwwww

沙織はしらん
485 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 21:27:53.46 ID:KwvsbwAO
>>484
君ならやってくれると信じているよ
486 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 22:03:42.41 ID:uMiLnW.0
>>484
お前ならできるさ
487 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 22:08:34.30 ID:NzMVU8E0
アニメっていつ配信かなー?
488 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 22:16:35.38 ID:3QvBaUw0
いかん桐乃にヘッドバットをくらい気絶してしまった‥‥

ん‥‥と、ここは俺の部屋で
ゴミ箱に血の付いたティッシュの山

パンツを履いて無い俺
シーツにも血のシミが‥‥





489 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 22:43:21.94 ID:.MiS7pgo
桐乃「ヘッドバッドで浮かせてウルコン!ぐへへ〜」
490 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 22:43:40.03 ID:OgrDun.o
>>484
そこまでやっといてお前ってやつぁ・・・
491 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 23:00:25.72 ID:QkiZQIAO
>>489
バイソン乙
492 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/26(日) 23:04:32.83 ID:tC7.IYAo
みんな俺妹Pの予約は済ませたかー?
493 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/26(日) 23:54:37.46 ID:a9KPCdw0
>>488
お前今日生理か?

ちゃんとパンツはいて暖かくして寝ろよ〜
494 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/27(月) 01:42:25.76 ID:nXaQqroo
SSの中で別作品をパロディにした題材を扱うのはクロスになっちゃうのかなぁ?
キャラとかは出てこず、劇中劇みたいな感じなんですが・・・
495 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 01:59:50.45 ID:Da0EKkAO
ほかならぬ原作で他作品のパロディしてるんだから、他作品のキャラが実際絡むんでなければクロスにならないと思うっす
496 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 02:02:12.20 ID:nXaQqroo
あざっす。じゃ書き続けよっと
クロス作品とか定義がよく分からなくて…ww
497 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 02:05:46.45 ID:sxJRY6AO
大丈夫でしょ
クロス嫌いな人はいるけど、そもそも注意書きしとけば問題ないし
498 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 03:44:00.72 ID:nE4Z/oSO
クロスである事と何の作品とクロスさせるのかを書いといてくれるとスルーしやすい
499 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 06:47:56.21 ID:B/6cAu6o
劇中でパロディでもなんでもなく他の作品について話すことは公式でやってるしな
アニメレールガン派の桐乃VS原作派テッラ信者の黒猫
500 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 08:29:53.70 ID:OBRQ5nEo
それなりに長い作品なら新スレでいいんじゃないの
禁書とかタイトルごとにスレ立ってるし
501 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:31:07.21 ID:G8mnpnso
ttp://blog.livedoor.jp/geek/archives/51093120.html
>―――気になったのがあやせのプリクラシールなんですが、なぜ彼女はあれを持っていたんでしょうか?
>伏見 :ある日の深夜、京介の部屋に窓からそっと忍び込んで持って行ったんですよ。

この件についてなんだが投下してもいいか?www
502 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:46:06.19 ID:KsDUIn2o
俺はいいよ
503 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:50:18.40 ID:G8mnpnso
-侵入1日目-

AM2:30

ガタガタ…ガララ…

あやせ「よいっ…しょ…と」
(…お兄さんは…ちゃんと寝てるみたいですね…)

「桐乃とのツーショットプリ…そ、そりゃ私だって撮ったことあるけど…ハートフレームなんて…お兄さんズルいです」
「桐乃の話だとどこかにしまったらしいけど…どこだろ??」

「やっぱり机とかかな…?」
スー…
カチャ…カチャ…
「うーん…文房具とかしかはいってないなぁ…桐乃にどこ探したのか聞いとけば良かったなぁ…」

コツッ…ガシャ!!

(ーッ!?!?)
京介「うーん…」
あやせ「!!!!?」
京介「俺が何したってんだよ…きりのぉ…むにゃむにゃ…ぐぅ」
あやせ「(びっくりしたぁ…文具立て倒しちゃった…)」
(次から気をつけないと…あ♪)
「いい事考えた♪今度から睡眠薬でも持ってこよう♪」
(薬で眠らせればもうちょっと楽に動けるもんね…)

504 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:51:02.43 ID:G8mnpnso

…………
……


「あ、もうこんな時間か…まだ机しか調べてないけど…もう2時間も経ってたんだ…
音たてちゃうから慎重だったからなぁ…」
「今日はもう帰ろうかな、明日も学校だし…」

……あっ

「ふふふ…桐乃は隣の部屋に…」
「寝顔…かわいいんだろうなぁ…(*´∀`*)」
「ちょっとなら…いいよね?だって親友だもん!」

ガチャッ…そろーり…

(桐乃の部屋…ふふふ…ん?)
(なんか音がする…?なんだろ?)
(…へへ…ヤ…イって…うひょ…へ…)

あやせ(桐乃の声?!今夜中の4時30だよ?!なんでこんな時間まで…ってそれは私もか…笑)
(何してるんだろう…聞いてみよう…)

桐乃「うひ、うへへへ…やばいよぉ〜エロ過ぎるよぉ〜
やっぱ買ってよかったなぁ〜【妹の秘密は蜜の味☆】♪
やっぱ買った日は徹夜安定でしょ♪」
「おっと、回収回収〜♪♪」

あやせ「き、桐乃…がくっ」
「止めたいけど…今出てったら…」
「しょうがない…今日は見なかったことにしよう…はぁ…せっかく寝顔がみれるとおもったのに…」
「まぁ…また来るし…今度にしようっと
今日は帰らなきゃ!」
「明日はベッドの下とかにしようかな♪」

「それじゃお兄さん、お邪魔しました〜」

ガララ…ピシャリ

侵入1日目…任務失敗
505 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:54:12.72 ID:G8mnpnso

侵入2日目

時刻…昨日と同じ

あやせ「…もうそろそろクロロホルムも部屋から抜けた頃かな?」

カララ…

あやせ「お兄さーん、寝てますかー??」

ぐりぐり…ぐりぐり…ドカッ

京介「…ぐぉー…」
「よし、寝てるね(*^∀^)」

「さて…今日は見つけるぞぉ…」
「やっぱり男の人が物を隠すのはベッドの下だよね…」

ゴソゴソ…

「うぅ…ホコリっぽい…暗くてよくわかんないし…あ!!なんか指に当たった!」

「なんだろうこの箱…やっぱり、その…え、えっちな本…とか、かな…////」
「ど、どうしよう…ホントにあるなんて…開けてもいいのかな…もしいかがわしいのが出て来たら……/////」
「で、でももしこの中にあったら、いやでも…あぅあぅ…///」

〜30分後

「…決めた!!私は開ける!!

えいっ!!」


そろ〜…




「あれ?これ…グラビア雑誌…?
ほっ、あまりえっちなのじゃなかった…
お兄さんはそういうのは 意 外 と!! 持ってないのかも」
(ちょっと見直したかも♪)

パラパラ…パララ…

「ここにはないなぁ…これの他にはベッドの下は何もないみたいだし…あとは…」
「あのクローゼットだけね」
ガラッ
「へぇ〜結構整頓されてる…」「ん?なんだろ、あの上の方の箱…明らかに他と違う雰囲気なんだけど…まさか…」
506 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:56:45.36 ID:G8mnpnso

ズッ、ドサ

「この中に…?
パカッ

!?!?!?!

「な、な、な…何ですかこれぇ/////!?!?」
「MEGAねっ娘すぺしゃる…特盛メガネちゃん…眼鏡かけたまんま!なおにゃのこ…////
メガネ物ばっかり…///
お兄さん…少し見直したと思ったのに…!!!
さっきのグラビアはカモフラージュだったんですね…!?
こんなもの見せるなんて…
後で覚えといてください…!!
とりあえずこれは後回しです///
早く見つけないと…

といっても…
結構整頓されてるから調べるのは楽だけど…
ないなぁ…(´・ω・`)
どこだろぅ…ハッ!!
まさか…」

ゴゴゴゴゴ…

あの…え、エッチな本の中に…!?」

ゴクッ

「でも…探すしか…方法はない!!」

パラッ
(〜〜〜ッ/////!?)
パラッ
(む、胸が…)
パララッ
(え!?こ、こんな…!?///)
パラッ
(う、嘘…////)
…………
507 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:57:48.24 ID:G8mnpnso

………
……

「はぁはぁ、あ、あったー!?」
「や、やっと見つけた…うへへ、桐乃のハートフレームプリ…///」
「よし、帰ろう…え!?」
(お、お兄さん…!?何で起きて…)

京介「ボーー…なんであやせたんがおれのへやにいるんだぁ…ん?あやせ?…なんだじゃぁゆめだな…」
あやせ「そ、そうですよ〜ゆめですよ〜♪」
京介「ゆめならきっとやさしくしてくれるよな〜…」
ゆらっ
あやせ「ひっ…こ、こないでぇ!?!?」
バキッ!
京介「ふごッ!?…うぐぅ…」バタン…
あやせ「はぁ、はぁ…びっくりした…」
「早く桐乃の寝顔の写真撮って帰ろう…えへへへ///」
…………
………
……

数日後…学校にて

あやせ「〜♪(桐乃寝顔かわいい〜♪)」
加奈子「あーやせー♪なーに見てにやにやしてんのォ〜??(笑)」
あやせ「(ビクッ)か、加奈子!?べ、べつに何でもないよ♪気のせいだよ♪」
加奈子「あ、今隠したでしょぉ〜?(笑)そんなの通じないっつーの!おりゃ♪」
あやせ「あ!!カメラが!?、ダメ!!返して!!(桐乃の写真がバレちゃう!?)」
加奈子「へへっ、やぁだよ〜ん☆どれどれ〜電源はー…ヒッ!!!?」
ゴゴゴゴゴ…
「加ぁ奈ぁ子ぉ〜??返してって…言ってるよねぇ〜え?そんなことして…どうなるか「ゴメンごめんねごめんなさい!!?返しますから許して!?」
あやせ「わかればいいんだよ〜☆私達親友だもんね〜(はぁと」
加奈子「ハ、ハイソウデスネ〜☆あはは…」

桐乃「ん?どーしたの二人とも??な〜にしてんのォ?」
あやせ「あ、桐乃♪なんでもないよ、二人で喋ってただけ、ね、加奈子♪」
加奈子「ヒッ、うんうんうん!!そ、そうだよ〜アハハハ!!」
桐乃「ふぅーん、変なのぉ…ま、いっか♪…ん?どしたのあやせ?なんかついてる?顔赤いよ?」
あやせ「ふぇ!?ううん、なんでもないなんでもない!!(桐乃の寝顔…エヘヘヘ…)」
桐乃「…?…へーんなの(笑)」
508 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:58:46.17 ID:G8mnpnso
ここまでです
お目汚しサーセン
509 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 11:59:32.94 ID:KsDUIn2o
乙ー
あやせー
510 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 12:16:52.70 ID:eNKqr.DO
伏見なんてこと言ってんだwwwww
511 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 12:20:07.11 ID:sxJRY6AO
年末モードで閑散としてるオフィスに俺一人…
そんなやさぐれた気分を癒してくれそうなSSだな!

飯食いながら読んでくる
512 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 15:49:23.23 ID:PPkruUo0
乙なんだぜ
寝ぼけてあやせに抱きつく京介と、起こしたらまずいので騒げず無抵抗のあやせ・・・てのを想像した

>>496も期待してるぜ
513 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 17:49:36.93 ID:Tae.IUSO
夜中ふと目がさめて部屋にあやせがいたら襲わない自信がない
514 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 18:01:44.54 ID:km9Ze9Uo
夢の中だから大丈夫、ブチ殺しますよは照れ隠しだと思って襲ったら
翌日大事な部分が切り取られていたでござる
515 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 18:19:34.18 ID:PPkruUo0
あやせもベッドの下を探るときは桐乃のように尻フリフリで・・・
すばらしい
516 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 19:20:24.83 ID:8r2M5M2o
投下乙

第二回闇鍋大会でも書こうと思う
闇鍋具材安価。食べれるものにしてね。無効は下
>>517-524
517 :前36 [sage]:2010/12/27(月) 19:20:53.68 ID:AmX9xOEo
俺もなんか電波が来たんでry
わりとレアっぽい桐乃vsあやせになってしまったがww
でも触りだけで結末思いつかないなwwww
518 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:21:26.13 ID:AmX9xOEo
 ガタッ!……ゴソゴソゴソ……

 真夜中。熟睡中だった俺は、物音と人の気配を感じて目を覚ました。

(ん?……なんだ?……桐乃?)

 枕元の携帯を掴んで開く。瞬間、眩しさに戸惑いながらも時間を見る。
 そして、携帯の光を左側にかざした。

 そこには……大きな二つの瞳があった。眩しさに顔を顰めたあと、照れ隠しか、困ったような表情をして、

 ……………

 ………

 …

「うわああああああぁぁああああ!!!」

 思わず大声で叫んじまった!
 で、でもよ、しょうがないだろ?18にもなって「お化け怖い」とかはないけど、真っ暗闇で至近距離に
あり得ないものがあったらさ?

「ちょ、ちょっと、お兄さん!声が大きいでs」

 ドタタタタタ!
 バンッ!!

「ど、ど、どしたの兄貴?!」

 俺の叫び声を聞きつけて、パジャマ姿の桐乃が飛び込んできた。
 この時は俺もパニクっててそこまで思わなかったが、俺の叫びに反応してくれるとか、ちょっと嬉しいじゃないか。

 桐乃は壁を探ってスイッチを探し、迷わずそれを入れた。
 何度かの明滅後、光が部屋の中に充満し……闖入者の姿がはっきりとして、桐乃は呟いた。

「あ、あやせ……?」
「こ、こんばんは、桐乃……」
519 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:21:37.48 ID:KsDUIn2o
桐乃のチョコ
520 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:22:02.82 ID:AmX9xOEo
 あやせは、頭だけを桐乃の方に向けている。身体はベッドに対して垂直に置いていて、形のいい尻が俺の机の方に
向けて突き出している。要するに、俺のベッドの下を探るような体勢だった。

「え、えっと……」

 桐乃は困惑しながらも俺、あやせ、窓と視線をやった。窓は開け放れていて、そこから入ってくる風でカーテンが
揺れている。そこをじぃっと眺めた後、

「あやせ、アンタ、なにしてんのそこで?」

 と、至極真っ当な疑問を口にした。
 だが、その声を聞いて俺はビクリとした。それは、いつもあやせ達「表」の友達と電話しているときのような甘ったるい、
媚すら感じられるようなものでは全くなくて、冷然とした詰問の声色だったからだ。

「え、お、おい桐n「アンタは黙ってて」

 桐乃の目は完全に据わっている。不機嫌なんてもんじゃなく、俺を見下す時のゴミを見るような目ですらなく、本気で
敵を見据えるような、そんな怒りの視線をあやせにぶつけていた。

「え、あの、桐乃?そ、そのね?」
「その?ナニ?」
「その……あのね、そ、そう!ちょっと忘れ物を」

 あやせらしくない誤魔化しの台詞だったが、皆まで言わせず桐乃がぶった切った。

「アンタ、この期に及んで嘘とか誤魔化しとか効くと思ってないよね?」
「う……」
「あやせ、いつもあたしがちょっとでも嘘つくとすごい剣幕で怒るじゃん?それで自分はソレ?チョーシのんな!」

 さらに怒りのボルテージをあげる桐乃。あやせにずんずんと近づくと、左腕を掴んであやせをベッドの下から
引きずり出した。

「とりあえず、兄貴から離れて!!」
「あっ!」

 引っ張り出され、机の方へ投げ出されてあやせは尻餅をついた。桐乃は俺とあやせを遮るように仁王立ちして、
組んだ腕の上で指を苛立たしげに動かす。
 この一連の流れの中で、俺はほとんど何も出来ないまま眺めているしかなかった。何より、まだ起き抜けで
思考が定まってなかったってのが大きかったんだけどな。


続く?
521 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:27:29.73 ID:lrCU8oAO
ティッシュと続け
522 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:28:39.51 ID:kDoL326o
あやせたんペロペロ
523 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:29:30.55 ID:KsDUIn2o
こえーよ乙

あやせたんの尻餅というわけで
安価はお餅
524 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:29:55.48 ID:sy3Bg2so
きりのんマジギレww
525 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:31:05.37 ID:VE6jSSoo
桐乃「兄パンは出し汁(キリッ」
526 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:37:34.05 ID:lrCU8oAO
俺の妹がこんなにグルメなわけがない
527 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/27(月) 19:40:08.96 ID:.RpIKrE0
続けフランクフルト
528 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 19:58:02.68 ID:DjhAQqso
警察の人間がいる家に忍び込むなんてあやせたんまじ大胆
529 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:02:16.03 ID:YFhuH9so
続きまだですか待ちきれないんですけど
こんにゃくゼリー食べたいね
530 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:03:14.53 ID:BwPCyCso
>>525
出汁は残り湯だろjk

こんにゃく(謎の切れ目あり)
531 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:06:50.91 ID:Wsqo1Zso
>>516
まだ闇鍋の具材受け付けてるなら

きゅうり(使用済み)
532 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:21:25.14 ID:zu1wQkDO
>>520
続いてくださいお願いします


闇鍋受付なら餅(鍋に入れてから時間たっててトロトロになってる)
533 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:26:40.39 ID:lrCU8oAO
(入れてから時間たっててトロトロになってる)桐乃







興奮してきた
534 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 20:35:40.42 ID:QPiT3zM0
すみません続きまだですかね?
535 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:43:39.38 ID:7B.JSMSO
寒いから早くしてくれ
536 :前36 [sage]:2010/12/27(月) 21:47:11.36 ID:QXpXKlEo
お前らwwwwww

そんなこと言うから続きを搾り出してきたが、雰囲気変わっちゃったぞどうしてくれるwwww
4レスくらい↓
537 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:47:43.04 ID:QXpXKlEo
「で?ナニ?」

 き、桐乃さんマジ怖いっす。俺に背を向けているため表情こそ見えないが、怒りのオーラが立ち込めて触ると
火傷してしまいそうな。
 ま、まあこいつも寝てただろうに。突然の悲鳴で飛んできたら親友がいるとか、そりゃ怒るのも無理は無いとは
思うんだが。それにどうみても泥棒なあやせの行動には、弁護の余地も無いわけでな……。

「その……」

 あやせは桐乃の剣幕に、いつもの俺に対する調子ではなく完全にビビっちまってるしな。しかしこいつ、何を
していたんだ?少なくとも忘れ物はありえんし。つーかあやせって俺の部屋に入った事無いだろ。

「ぷ、プリクラを探してて……」
「ぷり?」「くら?」

 そして搾り出したあやせからの言葉に、俺と桐乃はきょとんとしてしまった。思わずお互いの顔を見る俺たち。

「そう……桐乃とお兄さんの写ってるプリクラ……昨日、桐乃が見せてくれたあれ」
「はぁ?……そんなの探してどうすんの?」

 つーかあれ見せたのか桐乃?!恥ずかしすぎてしにそうっすよ俺!

「あ、あんなの……」

 あやせはそこでふつふつと怒りが沸いてきたみたいに、ついに大声でまくしたてた。

「あ、あんな破廉恥なもの!なんで撮ったの桐乃?!お、お兄さんもお兄さんですっ!前に警告しましたよね?
あんなの、あんなもの、絶対に許せません!だから、わたしが回収して焼き捨てようと思って……!」

 ま、まあその意見に同意できる部分はかなりあるんだが、と思ったところで桐乃がばっさり切り捨てた。

「そんなのアンタに関係あるの?」
「そ、そんな……わ、わたし、桐乃のこと、心配して」
「そんなん余計なお世話だっつーの!アンタあたしのお母さんのつもり?!それで夜中に人ん家に忍び込んで、
しかもよりによってこいつの部屋に、とか?フザケンナ!!!」

 な、なんかちょっと違和感が……怒りのベクトルが変じゃないっすかね桐乃さん?
 もしかして忍び込んだことじゃなくて俺の部屋にいることが気に食わないのかこいつ?

「そんなに欲しいんだったらあげる。ホラっ」

 桐乃はパジャマのポケットからプリクラの切れっ端を取り出し、あやせの前に投げた。
 えっと……なんでそこに?それ突っ込んじゃダメかな?
 あやせは目の前に舞い落ちたプリクラをしっかと掴んだ。しかし、まだ不服の様子だ。

「ま、まだお兄さんの分があるはず」
「アンタいい加減にしてよね。つーかさぁ、ここ警察官の家なんですケド。ウチのお父さんにアンタの言い分聞いて
もらう?友達と思ってつけあがんないで」
「うっ……」
538 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:48:14.33 ID:QXpXKlEo
「もういいでしょ、いいよね?じゃあ早く出てってくんない?」

 そう言って窓を指差す桐乃。入ってきたところから出ろってか?鬼かお前。と思ったが桐乃の剣幕に俺も
何も言えず黙りこくったままだった。俺情けねえ!
 あやせも、これ以上はまずいと悟ったか、渋々窓枠に手を掛けた。つーか本当にそこから来たんだなお前!
 お休みと言って窓の外に出て行くあやせ。桐乃はそれに何も答えず、あやせが敷地の外へ出て行ったことだけ
確認すると、乱暴に窓を閉めてロックした。

 ふぅ……なんだか良く判らない泥棒騒ぎがやっと一段落した。
 桐乃は、こちらを振り返るとガバッと身を寄せてきて言った。

「あ、アンタ……大丈夫?何もされてない?」
「え?あ、ああ」

 そう言われて俺も気がついた。あれがあやせだから良かったが、いや、余計良くない気がするのはおいといてだ。
本当の泥棒とか、もしくは強盗の類だったら……それに思い至って身震いしてきた!
 そこに。

 ファサッ……

 桐乃が俺の身を腕で包んできた。それは優しく、やがてぎゅっと締め付けるように力を込めて。

「良かったぁ……心配させないでよね……バカ」
「わ、わりぃ……」

 そんなに心配してくれたのか……ちょっと感動だ。
 だが、悪いついでに、お前の胸が俺の顔に当たってるんですけど……雰囲気的にそう言い出せず、暫く時間が流れた後
桐乃は我に返ったのかバッと身を離して、ベッドの端まで後ずさった。
 照れ隠しか、顔を真っ赤にしながら窓を指差す。

「つ、つ、つ、つーかアンタ、寝るなら窓くらい閉めてよ。無用心じゃん」
「そうは言うけど、俺の部屋クーラーないからよ。暑くて寝付けないんだよな」

 この家でクーラー無いの俺の部屋だけなんだよな。長男に対するこの冷遇っぷり、涙が出てくるね。
 それに対して、桐乃がトンデモ提案をしてきた。

「じゃ、じゃあさ、あ、あたしの部屋で寝てよ」
「はぁ?いやいやいや、そんなことできるわけ無いだろ」
「なんで?クーラー効いてるよ?」
「そういう問題じゃないだろ!つーかそうだとしても、それじゃあ毎日お前の部屋で寝るのかよ」
「あ、そっか……」

 しかし桐乃はうーんと唸っては見せたが、引くつもりが無いようで、

「で、でもさ、どっちにしても、今日は来てよ。そうじゃないとあたしも安心出来ないし」
「え、あ、お、おい」

 という具合に俺を引っ張って自室に連行していった。
539 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:50:37.98 ID:QXpXKlEo
 そして俺が見たものは、桐乃の机の上のPCに写る、エロシーンのCGだった……!

「お、お前なぁ……」

 これやってて起きてたから悲鳴にすっ飛んできたのか!俺の感動を返せこのやろう!!

「あ、こ、これはっ!あと1枚でコンプだったからつい!」

 慌てて俺の目からPCを隠そうとする桐乃。ま、まあいいけど。来てくれたことには代わりないしな。
 そして俺の手を引いて、ベッドの奥(窓側)に追いやってくる。床で寝るんじゃないのか?
 桐乃は椅子に座ると、視線を彷徨わせながら指示してくる。

「流石に一緒に寝たら暑いからさ、先に寝ちゃって?あたし、これだけ終わらせちゃうから」

 でもこれだと結局桐乃と一緒に寝る……ってことだよなぁ。俺の理性大丈夫か?
 と思っていると、俺の横にぼすっと何かを投げてよこした。

「これは?」
「抱き枕。めるちゃん可愛いーっしょ?」
「それは言われなくても判るんだが……これを抱けと?」
「キモ!あ、アンタナニ勘違いしてんの?!キモ!これは境界線だから!」

 そう言って、俺の横に真っ直ぐになるように抱き枕を並べ、俺とまとめてタオルケットをかぶせてきた。
 そして、空いた空間を指差し、顔を真っ赤にしながら宣言する。

「こっからはあたしの寝るとこだから!ただでさえ狭いんだから、こっち来ないでよね?!」
「いや、だったら床で寝るって」
「あたしが呼んどいて床で寝かせられるわけないじゃん!いいから黙って寝る!」

 そう言ってタオルケットを頭までかぶせようとする。おい、いくらクーラー効いてるってもそれだと暑いんだが!
 桐乃が照明を落としている隙に顔だけはなんとか確保した。ぷはーっ。

「おやすみ、兄貴」

 寝られるかっつーの!と、思ったが、桐乃のらしきいい匂いと、クーラーで保たれた室温、さっきまで熟睡していた
こと、それに何よりそこに人がいてくれる安心感からだろうな、ほどなくして俺は深い眠りに落ちていった……

 そして朝。なんか妙に寒くて、俺はゆっくりと目を開けた。

「くちゅんっ……」

 なんか胸元の辺りから声がした気がしてそちらに視線を動かすと、そこには桐乃が寒そうに俺に身を寄せていた!
 だ、抱き枕は?? 見ると、それは元あった机の脇にもたれかけられていた。
 こ、こいつ……。クーラーも極限まで温度を下げてやがる。最初からこのつもりだったな!

「……むにゃ……」
「……ばーか、風邪引くぞ」

 後で起きた後どうなるかは目に見えていたが、たまにはいいだろ。
 俺は足元に蹴飛ばされていたタオルケットを引き上げ、腕枕がてらもう少ししっかりと桐乃を抱き寄せて、その
いい匂いを感じながら二度寝することにしたってわけだ。
540 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:51:03.65 ID:QXpXKlEo
 追記

『お兄さん、この間は大変失礼しました』

 あやせから詫びの電話が掛かってきた。なんでも、学校で桐乃にこってり絞られたらしく、別口で加奈子に聞いたんだが
あのあやせが半泣きだったらしい。自業自得だが、まあ桐乃の方で済んでるんならもういいだろ。

「ああ、でも2度とはごめんだぜ?」
『はい……』
「じゃあもう俺は忘れるから」
『ありがとうございます……それはそれとして』
「ん?なんだよ?」
『桐乃がなんか最近妙に機嫌がいいんですが……何かありました?』
「さ、さあ……」

 プリクラどころじゃないことになったってことは、あやせには黙っておいたほうがよさそうだな……。


 終わり
541 :前36 [sage]:2010/12/27(月) 21:51:41.40 ID:QXpXKlEo
見ろ、なんか桐乃べた甘になっちゃったじゃないかwwwwwwww
542 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 21:57:56.01 ID:zu1wQkDO
それって最高やん?
マジ乙
543 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/27(月) 21:58:26.19 ID:8r2M5M2o

ニヤニヤが止まらない
もっとお願いします
544 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/27(月) 21:59:45.41 ID:1TCR7dko
>>541
ん?ゴメンそれの何が悪いのかわかんない。
マジで乙
545 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:00:11.67 ID:lrCU8oAO
問題ない続けろ
546 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:01:09.54 ID:4f3TsZ.o
(・∀・)ニヤニヤ
547 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:03:59.20 ID:kSXj5Noo
確かに思ったのとは違ったが何の問題もないな
548 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/27(月) 22:06:03.11 ID:.RpIKrE0

にやけましたよ、ええ
549 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/27(月) 22:07:19.72 ID:542fY9c0
2828
550 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:09:34.89 ID:DGuMHNIo
おつ!
おもしろかった
551 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:21:09.17 ID:YFhuH9so
続きやるじゃん
552 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:40:31.78 ID:G8mnpnso
才能の差を痛いほど感じた
553 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:43:52.58 ID:Wsqo1Zso
>>552
おっとフェイトさんの悪口はそこまでにしてやってくれ
554 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:50:33.53 ID:DjhAQqso
やるじゃない

んで続きは
555 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 22:52:45.21 ID:dQqNHCso
>>541
何か問題でも?
556 :前36 [sage]:2010/12/27(月) 22:56:50.59 ID:QXpXKlEo
>>552
いやいやいやww単に書きなれてるだけだから
むしろそっちの方が発想といい面白かったですよww

しかし黒猫派のつもりなんだが桐乃書きやすいなーww
またなんか桐乃で電波来たら書いてみるわノシ
557 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:48:50.88 ID:8r2M5M2o
人数多くてgdgdになるのを避けようとしたら、逆に淡泊になりすぎたでござる。
闇鍋の必要性がなくてワロタwwwワロタ……

闇鍋第二回書いたから投下。
こちらが第一回となります。これありきで書いちゃったけど許して
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/60.html
558 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:49:58.36 ID:8r2M5M2o
沙織「第二回!京介氏争奪大闇鍋大会ぃ〜!」

京介「おい!なんで人数が増えてるんだ!」

加奈子「こんな面白そうなイベント見逃すわけね〜べ?」

ブリジット「私は参加したら恋愛について何かわかるかなぁって」

フェイト「以前ご飯を奢ってもらったお礼よ」

瀬菜「私はひょっとしたらゲーム作成の資料になるかと思いまして」

おまえら完全に面白半分だよね?

京介「………ところで、そちらの鉄仮面さんはどちら様ですか?」

俺の知り合いに鉄仮面被った人なんていなかったはずなんだけど。

黒猫「ふ…あなたの妹よ」

京介「はぁ!?桐乃!?なんであんなもん付けてんだよ!」

黒猫「ふふふ…あの子は以前に抜け駆けしてしまったからその罰よ」

どんな罰だよ。
ん?でも、たしか桐乃ともう一人あやせに怒られてたよな?

京介「そういえばおまえも桐乃と一緒に怒られてたろ。おまえにペナルティ的なものはないの?」

黒猫「う…わ、私はないわ。そもそもあんなの抜け駆けには入らにゃああ!」

京介「うおおう!?いきなり大声出すんじゃない!」

あやせ「」ニヤニヤ

いきなり大声で叫んだかと思うと、急に内股になりもじもじしだす黒猫。
顔も次第に赤くなってきていてどこか苦しそうな表情だ。

京介「お、おまえ大丈夫か?なんか苦しそうだけど」

黒猫「き、気にしないで。私は大丈夫だから」

京介「そ、そうか?とてもそうは見えねえけど…」

黒猫「大丈夫と言っているでしょう。なんていやらしい雄なのかしら」

なんで体調の心配をしただけでいやらしい雄扱いされなきゃならんのだ。
559 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:51:27.86 ID:8r2M5M2o
沙織「さて、参加者の面通しも終わったところで早速闇鍋大会を始めさせて頂きとうござる。あやせ氏!」

あやせ「お兄さん、動かないで下さいね」

ガチャリ

京介「あのさ…この拘束は絶対必要なの?」

あやせ「え?…当然でしょう?」

当然なんだ。
俺にはその思考に至るまでの過程がさっぱり読めないよ。

麻奈実「ごめんね〜、きょうちゃん」

次いでアイマスクで視界を奪われ完全に抵抗することは不可能となる。

沙織「ルールは前回と同じ!採点基準はネタ度、意外性、愛情の3つ!最終的に京介氏に選ばれた勝者が1週間京介氏に好き勝手できるという物でござる!司会は前回同様私、沙織・バジーナが務めさせて頂きます!では一番手どうぞ!」

主旨変わってないっすか?一応、俺争奪戦っていう体じゃなかったの?

前回同様レンゲが口元に料理?を運んでくる。
あれ?出汁が変わった?前回よりも出汁の匂いが強くなってるんだけど?

まさか前回以上の物が出て来る予定で、その匂いを隠蔽するためじゃねえだろうな…。
ちゃんと食えるもんでありますように!


……芋?いや、それにしてはなんか油っぽい。しかも、一部分はパリパリしてるし、塩気が強い……


あぁ、ポテチか……よかった………まともなもので。
味の方は語るべくもないが、まともな食材というだけで高評価だ。
沙織「採点の方はお済ですか?では2番手どうぞ!」

再び口にレンゲが当てられ、開口を促す。

………ぶふぉあ!生臭い!
なにこれ!いや、この食感は多分きゅうりだけどなんなんだこの生臭さは!?
きゅうり特有の青臭さとは違うし……
鍋で煮るだけでこんなんなるの!?大惨事だろこれ……。
560 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:53:21.99 ID:8r2M5M2o
沙織「人数も多いことですし、どんどん行きましょう。3番手!」

この独特の弾力は……こんにゃくゼリー?
なんで鍋に甘いもの投入するの?
しかもこのゼリーやたらでかいんだけど。俺が喉に詰まらせたらどうする気だ。

なんとかゼリーを咀嚼し、飲み込む。
なんとか窒息だけは免れたか……こりゃ愛情点は低ポイントだな。

……俺、なんで冷静に採点し始めてるんだろうな。

沙織「では4番手!」

…これは……こんにゃく…だよな?
なんというか……普通……まぁ俺としてはその方がありがたいんだけど……
なんだろうこの肩すかしを食らったような気分。

沙織「5番手!」

ん?固形物がないな…………って、コーヒーじゃねえか…これ。
確か、前回ラムネ飲料入れた奴がいたな。ひょっとして同じ奴か?
なんでおまえは鍋に飲み物を混ぜたがるんだ。入れるにしても出汁との相性を考えてくれ。

沙織「そろそろ終盤、6番手!」

ん?今回はレンゲじゃないの?

俺が口を開くと、何やら棒状の食材が口の中へと挿入される

「……ハァ……ハァハァ……ハァハァ」

なんでこの人こんなに息が上がってんの?超怖いんですけど。

ともあれこれは……ソーセージか?
いや、この大きさはフランクフルトって言った方が正しいのか。
別にまずくはなかったな。思ったより鍋に合ってた気がするし、これは高得点だな。
これをチョイスしたであろう人物が終始ハァハァ言ってたのが謎だけど。
561 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 23:53:43.91 ID:sxJRY6AO
>>552
高坂姉妹気づかず終いてのも、シチュエーションとしては好きよ
あやせだけが知ってる、みたいな
562 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/27(月) 23:54:13.42 ID:8jFDbUDO


ノーマルなツンデレもありだな
563 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:55:01.29 ID:8r2M5M2o
沙織「……えらいものを見てしまいましたな。では気を取り直して7番手!」

……この味には覚えがある。前回の最後のと全く同じだ。
ってことはこれはチョコで、選んだのは桐乃ってことか?

あの時は味なんてさっぱりわからなかったが、改めて味わってみると意外と美味い。
チョコの甘さと出汁の塩気がうまいことマッチしてる。
ポテチにチョコがかかってるあれと似たような感じだ。
意外性は満点をあげていいだろう。

沙織「終盤ですな。8番手!」

これは…衣があるってことは揚げ物?中身は……魚か?
案の定、衣が出汁吸ってべちょべちょじゃねえか……

また鍋に揚げ物か…以前のとんかつはどうせ麻奈実だろうけど今回は誰だ?

沙織「ではおおとり、9番手!」

あ、餅だ。うん、普通にうまいよ。
感想はそれだけだけど。


なんか、今回はまともなの多かったな。前回はサボテンとかヒトデとかだったし。

沙織「これにて終了でござる!では具材のネタバレを……」

京介「あ〜、ほぼわかったからそれはいいわ。しなくても大丈夫だ」

沙織「そうですか、京介氏もすっかり慣れてきたようで。では順位の発表をどうぞ!」

慣れたくはなかったけどな!

前回は結局騒ぎにまぎれて順位はうやむやにしちまったわけだが今回はそうもいかなさそうだ。
全員が固唾を飲んで俺の動向をうかがっている。
あ、桐乃、さっきの鉄仮面取ってもらえたんだな。よかったな。

果たして俺は今回も俺生存√を選び取ることができるのか。
……前回と同じセリフ言ったらさすがに怒られるかな?

京介「あ〜、今回はだな……」
564 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:55:31.05 ID:8r2M5M2o
――――――――――――


桐乃「えへへ〜、結局兄貴のことはあたしが一番よくわかってんだよね」

あれから二日後、俺は桐乃と”デート”を楽しんでいた。
なんでも、『まずはどっか楽しいとこ連れてって』というお願いだったからだ。

結局俺は7番目のチョコを選んだ。
なんだかんだで美味かったし、そういう意味で意外性も抜群だったからな。
チョコと鍋とか合うわけねえよって思うもんな普通。

京介「でもおまえ…2回連続で同じ具材ってのはちょっと芸がないんじゃないか?」

桐乃「ど、どうでもいいでしょ!……ってかなんで2回連続って知ってんの!?」

京介「ああ?だっておまえ、抜け駆けした罰であんな鉄仮面被ってたんだろ?前回抜け駆けしたって言えば最後のチョコのやつの……」

ここまで言ってしまってから気づいた。気づいてしまった。
お、俺は……じ、実の妹と……い、一線をこ、越え……
おあああああああ!なんてことだ!ちょっと考えたらわかることだったってのに!!

京介「お、おま…まさか……そんな………」

桐乃「………い、今更『やっぱなし』とか言わないよね?あ、あたし初めてだったんだよ?」

唇をとがらせ上目使いで抗議してくる桐乃。
心なしかその顔もうっすらと赤みを帯びている。

京介「お、俺達は兄妹だぞ!?」

桐乃「そんなの関係ないじゃん!……兄貴はあたしのこと…嫌い?」

京介「……チッ……嫌いなわけねえだろ」

桐乃「だよね!よかった!……えへへ、兄貴ってツンデレだよね〜」

おまえはデレデレだけどな。
昔はツンどころか俺に関心すらなかったわけだがよくここまで変わったな。
565 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:56:24.11 ID:8r2M5M2o
桐乃「はぁ?あたしがあんたに関心なかったとか寝ぼけてんの?」

京介「え?だってちょっと前までは冷戦状態だったじゃねえか」

桐乃「何ハーレム系主人公みたいなこと言っちゃってんの?…前あんたに見せようとしたアルバムあるでしょ?」

京介「留学前の時のか?」

桐乃「そう。あれに入ってるの全部兄貴の写真だから」

京介「え………はあああ!!?嘘だろ!?な、何言ってんのおまえ!?」

桐乃「嘘じゃないって、何なら帰ってから見てみる?小さいときの兄貴とかまじかわいくてさぁ〜」

どうりで俺ん家に俺の写真が全然ないわけだ!こいつが根こそぎ持って行ってたのかよ!!

両手で頬を抑え悶えている桐乃。
おまえ…エロゲとか抜きにしても立派な変態だったんだな。

桐乃「だから兄貴、これからも末永くよろしくね!」

『だから』の意味はよくわからない。
だけど、俺が桐乃のことをよくわかってなかったのは確かで……

京介「……仕方ねえな。こちらこそよろしくな」

だから、俺はもう少しこいつのことを理解する努力をしてやろうと思う。
……今だけだからな!決して兄妹間の恋愛を認めたわけじゃないから勘違いすんなよな!

桐乃「ありがと兄貴!ちょー好き!愛してると言ってもいい!」

京介「お、大声でそんなこと叫ぶんじゃない!」



おわり
566 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/27(月) 23:57:38.76 ID:8r2M5M2o
ちょっと間が開いただけで書き方が分からなくなってて困った
また書きに来ます
567 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:01:15.74 ID:eYKxxsDO

今度は別√を期待する
568 :561 [sage]:2010/12/28(火) 00:01:36.90 ID:/iQSnMAO
乙でござる
すまん、途中割り込んでしまった…
◆qPOxbu9P76氏はハーレム話のスペシャリストになりつつあるなww
569 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:11:02.32 ID:18M9KWAo
おつ!
570 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:31:17.25 ID:SyghAADO
チョコを選んだのが意外すぎた乙
571 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:38:07.61 ID:pZ/4vWoo
乙!
でもなんでフランクフルトを選んでくれなかったんですか!
572 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:39:40.02 ID:9wzCRoAO
こんな年の瀬に、夜の街路をダバダバ走るのは誰だろう。
それは俺と加奈子だ。俺は喚く加奈子を追い立てながら駆ける。

「お前な、悪態ついてる暇があるなら足動かせ!」
「ったくアイツらしつこすぎだっつーの、最悪最悪ー」
「酔っ払いに絡まれたくらいで挑発的に返すからだろ…」

その酔っ払い連中は執拗に後を追ってくる。
よぅよぅお嬢ちゃん俺たちと遊ばない?とか、こんなちんちくりん相手に絡むとは奇特な奴らだ。
俺の存在なんかガン無視だったしね

「チクショー調子こきやがって。なんで加奈子があんなのに逃げなきゃなんねーのよっ」
「そりゃお前、そんなカッコで迎え撃ちも何もないだろ」

イベントの打ち上げとやらで例によってコスプレ姿のままじゃあ
さすがの加奈子も分が悪いと理解はしているだろうに。
つーか酔ってる連中と並べても遜色ないくらい口汚いコイツってば……

「糞マネ、まじぃ。この先いま通れなくなってんじゃん?」
「冗談ぶっこけ!!いや…金網張ってても蹴破りゃいいだけだ!」

この間にも連中は下卑た笑い声を上げながら迫っている。
普段はまともなのかもわからないが、このイカれた状況には危機感が募った。
押し寄せる奴らが力づくで来たなら、マズイな確かに

破った網の隙間をどうにか抉じ開けて、それでも加奈子は通るのに苦戦している。
どうやら……腹を据えるしかないようだ。

「糞マネ!なにやってんだ、ぐずぐずしてないでアンタも早く潜って来いよ!洒落になんねぇぞ!?」

一際大声で喚く加奈子に背を向けて、俺は金網の隙間を塞ぐ位置に立ち止まる。

「いいから一足先に行け。こんな時にお前を逃がせなくて何のマネージャーだ。たまには格好つけさせろ」

けど急いで助け呼んでくれよと付け加え、問答の時間はそこまでだった。連中が俺の眼前まで駆けつける。
獲物を逃した怒りの矛先が突きつけられるのは火を見るより明らかだ。
さて…どうする、どうなるよ俺?


1.運良く加奈子が近くを警ら中の警官を連れてきてくれる
2.ハンサムな京介はこの場を切り抜ける良いアイデアを思い付く
3.連中にボコられる。現実は非情である
573 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:42:33.52 ID:9wzCRoAO
一応続く予定はあるが導入部だけ投下スマソ

魔王のガイドラインェ…
574 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 00:44:43.24 ID:gTiXBq.0

具材をうまくまとめたな
575 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 00:52:28.07 ID:/iQSnMAO
おい、もうちょい書いてけ
576 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:00:57.14 ID:VJRB6kMo
4 実は追われてたのは京sアッー!
577 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:04:16.66 ID:18rHSIAO
大掃除SSの電波を受信したが久しぶりだから鈍ってるかもしれん
あんまり期待しないでくれ
桐乃達(桐乃、黒猫、麻奈実、沙織、できればあやせも)の部屋の力仕事要員で呼ばれる話
何が出てくるか希望があれば
578 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:24:28.65 ID:AXX3NHUo
5 酔っ払いはふぇい・・・・
579 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:26:01.19 ID:SyghAADO
黒猫の部屋から京介のコスプレ写真
580 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:28:39.28 ID:ZZJxDawo
6 パンツをかぶった謎の人物が颯爽と現れて助けてくれる
581 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 01:29:58.73 ID:lZhpN6Uo
7 妖気をまとった黒猫が現れ、幻獣を召喚し追っ手を蹴散らす
582 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 02:00:12.94 ID:9wzCRoAO
結果から言うと、腕に覚えもない俺がのされないわけがない。
話し合いの余地も無かったしな。
アイツを逃がせただけでも最低限の面目は保てただろう

……何分か、あるいは十数分は経ったろうか。
まだ俺に辛うじて意識のあるうちに加奈子が助けを呼んできた。
中には警官もいたらしく酔っ払い連中の二人三人は捕まり、残るは三々五々逃げだした。
やれやれだぜ、と嘯くのも億劫なところへ加奈子が歩み寄ってくる。

「アンタ、あんな啖呵きるようなこと言っといてさ。何そんな、ボロボロ」

おいおい、酷ぇな。体張って荒くれから逃がしたんだ。他に言い様が…
そう軽口で返そうとしたが、意外にも加奈子は割りとマジで心配の表情をのぞかせた。
コイツのこんな顔見るの初めてなんじゃなかろうか。

「糞マネ、もう加奈子の担当降りるって言ってたじゃん。なのになんでそこまでするワケ…?」
「ばーか。今日でおしまいだから、面倒の見納めってことだ。そんな面は似合わないぜお前」

まったく、しおらしい様子の加奈子は見てられなかった。現にこうして俺も無事だったんだしいいじゃないか。
そう言うと、加奈子が半ば憤然とまくし立ててくる。

「バカはアンタだっつーの!
583 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 02:01:40.00 ID:9wzCRoAO
考えてたより短くまとまってしまったので、寝る前に置いとく。
拙文モニョ
584 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 02:07:41.53 ID:9wzCRoAO
>>580-581
おいしいネタを提供してもらっていたのに惜しいことをした。
その案で続き書いてくれるが良いよww
585 :やばい、後半途切れてたし [sage]:2010/12/28(火) 02:11:09.82 ID:9wzCRoAO
「バカはアンタだっつーの! 気付いてねーの!その……腕」

ん、腕??
指差されるままに視線をやれば、何ともはや。金網の一部が刺さって貫通していた。
驚き咄嗟に指を動かすと支障はなかったんで、そこは一安心だが。抜くときの出血が恐いな。

「なに、見た目ほど大したことないさ。そんなに心配してもらえるとは光栄だ」
「茶化すなよ……アンタ普段はあんだけあたしのこと我が侭だのガキだの言っといて…」

こんなの反則じゃん、と弱々しく呟く加奈子に、瞬間なぜか胸を打たれるような感じがした。
感謝してくれるのは結構だが、涙を見せられるのは本位じゃない。
気がつくと俺は、震える加奈子を抱き寄せて「泣くなよ」などと声をかけてたりするのだった。


感極まった加奈子をなんとかなだめて、
傷が治ればまた連絡すると約束させられ、この日は幕を下ろしたんだが。

その後、名誉の負傷のために何日か学校を休む羽目になったところへ
桐乃を訪ねて家へ来た加奈子と思ったより早い再会が待っていたのはまた別の話だ。

<終>
586 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 03:28:52.26 ID:SyghAADO


怪我後の桐乃のあわてっぷりと看病がちょっとみたい
587 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 03:54:26.55 ID:lZhpN6Uo
乙〜
そういやマネージャー=桐乃の兄だとバレるSSって見ないな
588 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 04:12:24.88 ID:mAWDWQSO
かなかなちゃぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁぁかわいいよぉぉぉぉおやすみぃぃい
589 :お言葉に甘えて [sage]:2010/12/28(火) 04:48:50.88 ID:lZhpN6Uo
>>584
俺は加奈子を逃がすと、俺達を追ってきた連中と対峙した。
こいつら…どうやらサラリーマンのようだが、酒の勢いも手伝いすっかり興奮している。
まぁ、なんだっていいさ。やるならやれ!担当モデルを逃がしてボコられるならマネージャーとして本望だ。

眼前に迫った酔っ払いの一人が拳を振り上げる。
俺は覚悟を決めて目を閉じ、歯を食いしばった。

……だがその直後、路上に大の字に伸びていたのは、襲い掛かってきた男だった。
そして俺の前には、この場にそぐわない、見覚えのある黒いゴスロリ服の後ろ姿――

「どうやら間に合ったようね。あなたの思念波を傍受して駆けつけたわ」

こちらを振り返りもせず話す少女――それは黒猫だった。

「なんだテメーはよぉおおお!」

別の酔っ払いがいきり立ち襲い掛かる。が、黒猫が静かに指を組み、瞳を閉じて何事か唱えると、
その足元には禍々しい雰囲気の魔方陣が現れた。

「フッ、ただの人間風情が、この地上に舞い降りた堕天使、黒猫に挑もうなど片腹痛い……」
「な、なんだこれは!?うああああああ」

魔方陣から無数に伸びた黒い影がリーマンを掴み、引きずり込む。
その様子を、黒猫は哀れみを込めた瞳で一瞥する。

「固有結界に囚われたようね。それは私が闇の魔翌力で貴方の心象現象を具現化したものよ。
 さぁ、貴方自身の業の深さを思い知りなさい」
「た、助けてくれえええ」
590 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 04:49:16.57 ID:lZhpN6Uo
哀れリーマンは魔方陣に引きずり込まれ、その姿は完全に異世界に吸い込まれてしまった
――かに思われたが、寸前で黒猫の魔方陣は効力を失ってしまった。
見ると、動揺し浮き足立つサラリーマン達の後ろから現れた中年の男性が、両手を突き出し、
その掌から発せられるパワーで黒猫の結界を攻撃している。

「くっ!? 油断したわ。まさかこのようなところに闇の世界の住人が居ようとは……」
「フフフ、小娘、貴様も地上に堕りていたとはな……」

その男性が上着を脱ぎ、ネクタイを緩めると、その額には神々しく輝く第三の眼が現れていた。

「貴方……まさかティアマト・アークライト!?幻光眼の使い手がなぜ……!」
「フフフ、自己紹介は要らぬようだな。我が幻光眼の前では貴様の結界など児戯に等しい」

そう言い放つと、額の眼からも光線を放ち、結界への攻撃を強めた。
その圧倒的なパワーの前に、黒猫の結界もろとも魔方陣は完全に砕け散ってしまった。

「おおおお!部長!」「さっすが部長だ!!」

にわかにサラリーマン達が活気付いている。
それにしても……幻光眼だと……? どうやら黒猫の邪気眼に匹敵する能力を秘めているようだ。

「兄さん、下がってなさい。ここから先は、“眼を持たぬ者”の出る幕は無いわ」

黒猫と部長はじりっ、じりっと間合いを詰める。
俺や部下のリーマン達は固唾を呑んでその勝負の行方を見守った――





寝るわ。おやすみ。
591 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 04:59:18.33 ID:w.B0wZYo
あまりの超展開についていけない京介
592 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 05:09:13.12 ID:/iQSnMAO
展開馬鹿すぎるww
無駄に臨場感あるしww
593 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 07:14:49.55 ID:p0TPlB.0
なんだ、当世流行の邪気眼って、黒猫が発祥なのか。いや原作も読んでないんで。
594 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 07:20:34.71 ID:lcAyrAc0
           ヽ. :ハ: : :、      .\. : ヘ   . :、 /
           |   、: :{\: .    . : .\/.', . : : :..|  調 も
 く ど 利 ナ に  l _   \   丶、: : : :_,厶 ハ : : : : |  子 :
 だ う .ひ マ :  .l   ¨''ー-\    >‐-_ミ/│: : :} :|  に も
 さ か .き イ 二  l .     ,..::'! .: {i,     `| : : :ハ |  の う
 い : ま キ 度  lV   _, 。ィ' li:.、ヒァ'     | : :/.ノ |  っ ひ
  : 許 せ な と  |小   `ヾ、.:'.::`ミ/゙'、   ,ノ/}. |  て 訳
   .ひ ん 口   |jト、   ⌒';,゙i, ri:.:i.::'メ、 イ: :八  |  : あ
   .て  は     |.ハ `ー  ,:' /,';;;}:.ヾ:.   ノ /l  `|  ま り
       :    .|/ \    ' {;!゙' ::..  イ :厶L_ |  ひ ま
           ノ .lハ: : :`  .._   _. ´.:.:.| :|:.  丶.|  た せ
        /.   }:.:ト、 : \   ̄{ハ.:.:.:.:.| :|:l,    ヽ  : ん
595 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 08:32:40.48 ID:pLqHyADO
>>594
もうAAあるのかよw
596 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 08:42:21.52 ID:AmVqDmso
心が痛くなるわ・・・
597 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 09:14:50.65 ID:dMCTn1Y0
>>594これ
別の所でもみたけど俺妹に関係あんの?
598 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 09:17:46.94 ID:IScqXlwo
>>597
とあるサークルが書いた欝同人誌ネタの1シーンで
桐乃が男達にリンチされたシーン
不愉快になるだけだし見なくていいよ、キャラも作風を言い訳にして改変しまくってるし
599 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 09:59:20.80 ID:5SmiVBko
顔潰れて誰だか分かんねえww
600 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 10:08:04.62 ID:dMCTn1Y0
てっきりやる男AAかと思ったら...
荒らしてるだけか
601 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 10:25:46.83 ID:4WWY.t2o
そういえば地味子の顔面殴るAAもあったっけな
あれは笑った
602 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 12:37:21.90 ID:lcAyrAc0
ざまあ
ttp://tsushima.2ch.at/s/news2ch114738.jpg
ttp://tsushima.2ch.at/s/news2ch114739.jpg
603 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 12:42:18.22 ID:6ySq0Kgo
ふぅ・・・
604 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:21:13.47 ID:zGg5yxUo
変なのが沸いているな スレタイくらい見ろよ
605 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:25:34.76 ID:/iQSnMAO
ここでやっても反応薄いから面白くないだろうに
606 :前36 [sage]:2010/12/28(火) 13:29:20.37 ID:XyMK2D.o
ここでまた流れをぶった切って電波がry

冬コミ1日目編。Pixivのサークル図から連想したものなので実際とは
違うかもしれません。細かいとこは突っ込み無しの方向でwwww
あと京介の趣向とかもなww
一応クリスマスの続きと思ってください。

↓多分7レスくらい
607 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:30:00.24 ID:XyMK2D.o


きりりん@3日目東I**aヾ(*´∀`*)ノヨロチクー:つーわけで、あたしら西から回るからね
†千葉の堕天聖黒猫†           :はいはい、好きにしたら?
沙織(管理人)              :それはよろしいのですけど、最後にお食事くらいはご一緒出来ますわよね?

き:そこはちゃんとするって。つーかそっちのクソ猫の方がさぁwwアンタ東で買い捲って動けないーとかマジやめてよね
黒:な、な、なにを言うのかしらこのビッチは!そ、そんなわけないじゃないの
き:どうだかぁ?
沙:まあまあ(^^;それでは明日を楽しみにしておりますわ♪

* * * *

 冬コミ1日目。
 今回も3日目に黒猫がサークル出店するので、そっちの店番に借り出されるだけかと思っていたんだが、

『こ、こないだのプレゼントのお返し?そう言うわけだから、アンタに付き合ってあげるから!』

 などと良く判らないことを妹様が仰って、無理やり引っ張って来られたわけだが……。

「黒猫と沙織は?」
「あいつらは後で。東から回るってさ」
「そうなのか。そっちは何があるんだ?」
「んー、ガンダムとか?」
「あー、なるほど……」

 黒猫は沙織に引っ張っていかれるってことか。ご愁傷さまと言っておこう。

 そんなわけで西館に俺たちはやってきた。
 でも……思ったよりもスペースが少ないな。1日目はこんなもんなのか?
 過去2度このイベントに参加した経験からすると、もっとギッシリと机が並んでいた印象があるんだが。
 中央辺りはぽっかりと空間が出来ていて、かなり余裕があるっつーかさ。

「んーとね……じゃあ、こっちから回ろうか」
「お、おう」

 カタログとにらめっこしていた桐乃が俺の手を引く。
 それに身を任せながらも、俺はいつもと違う感覚に戸惑っていた。

 ……なんか今日って、女の方が多くねぇ?
608 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:30:28.01 ID:XyMK2D.o


 まず連れてこられたのは、東の方のブース群。
 なんかロボットの絵とか、軍服やら格闘着やらの絵が多かった。

「この辺は格闘ゲーものメインかな?」
「ふうん……シスカリとかもここいらか?」
「だと思うケド……でもあれはどっちかってと3日目かも」

 その1日目と3日目の違いが良く判らないんだけどな。
 時折見本誌を見せてもらうが、知らないゲームばっかでいまいちピンとこず、結局何も買わないままだった。
 そのまま北の方に回ると、やっとシスカリ本がちらほら。しかしどれもこれも妹同士の友情っぽいもので、
ちょっと期待外れだったりする。

「ナニ?アンタそんなに妹を脱がせたいワケ?」
「ばっ!ち、違ーよ!」

 うろたえる俺をジト目で睨む桐乃。いや、まあ、こういう健全なのも、いいんじゃないっすか?

 そのまま西館の中央辺りまで移動。

「この辺は少年漫画系かな。サンデーとかマガジンとか」
「ふうん……」

 ジャンプは2日目との妹様のコメント。まあ、どっちにしてももう長いこと読んでないし、良く判らんなこの辺も。
 時折壁サークルに行列が出来ている程度で、歩きにくくもない感じ。
 そんな感じで興味無く見ていると……!

「うお!パプワくんじゃないか!」

 とあるサークルに思わず俺は駆け寄った。いやぁ懐かしい。これって何年前だ?
 見本誌を見せてもらうと、期待通りのギャグ展開だったので思わず即買いしてしまったぜ。
 我に返って振り返ると、桐乃がドン引きしていた。

「あ、アンタ……ナニソレ?」
「え、知らないかパプワくん?ウンババウババ!てさ?」
「そんなの知らないんですケド」

 あー、これがジェネレーションギャップってやつかな……3つしか違わないのに、ちょっと寂しい。
 しかしこういうのもあるのか……コミケ、侮りがたし!
609 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:30:59.51 ID:XyMK2D.o

 そのまま東の方へ。興味ないけど結構どこかで見たような絵が多いなこの辺。

「ここいらは『けいおん!』とか『らき☆すた』とかハガレンとかね」
「あー、名前だけは聞いたことあるなそれ」
「ふぅん、こういうのはあんま興味ないんだ」
「んんー、可愛いとは思うけど」

 アニメか漫画かも知らないしな。こういうとき、俺ってやっぱオタクじゃないよなー、って思うね!
 すると桐乃はとあるサークルの方を指差して言った。顔が少し引きつってるぞお前?

「じゃ、じゃあさ、ひょっとして、なんだケド。あーゆーのが好きトカ?」

 釣られてそっちを見ると……おおお!

「カイジじゃん!!」

 おおー、こんな男臭い漫画まで同人出てるのか!やっぱ奥が深いぜコミケ!

「ま、こ、この辺ならあたしも判るけど……」
「そうだろ?あ、これください」
「中身も見ないで即買い!」
 
 え、なんか拙かったっすか?

「あ、アンタがいいならそれでもいいケド」

 そう言いつつ距離を取る桐乃。あれぇ?何その反応?
 それが気になったので周囲を見回すと、この辺は確かにこれ系統の漫画が集まっている、が。
 今買ったのよりかはなんかこう、垢抜けた絵と言うか、少女マンガっぽいというか。
 ぶっ!なんかカイジと遠藤が抱き合ってるようなのも!もしやこれって……!
 慌てて今購入した本をチラ見する、が……ほっ、これはそういうんじゃ無かった。
 俺の後ろからおっかなびっくり覗き込んでいた桐乃も、胸を撫で下ろしていた。

「ちゃんと確認しないととんでもないの引いちゃうって!」
「あ、ああ、すまん」

 小声で注意する桐乃に素直に謝る。あれだな、絵買いでスカトロryを買っちまうようなもんだよな。
 しかし……なんでも掛け合わせてしまう腐った方々の妄想力って凄いな……。
 頭に『うへへ……』と知り合いの顔を思い浮かべて、俺は身震いした。
610 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:31:26.29 ID:XyMK2D.o

「ま、西館はこんなもんね」
「そうか、じゃあちょっと休憩すっか?」

 ジュースを買ってきて桐乃に手渡す。「アリガト」って素直に礼を言ってくる桐乃。最近ちょっとだけど
素直で、少なくとも礼は言えるようになってきたよな。いい傾向だと思うぜ?

「でもよ、夏に比べると全然楽だよな」
「だね。暑くないし。まあ1日目だからね、男臭くもあんましないしさぁ」
「え?」

 いや、俺は人もサークルも少なくて動きやすいよな、ってつもりだったんだが。
 俺の顔を見上げた桐乃はピンときたらしく、悪戯っぽく笑った。

「アンタ、西館だけ見てそういうこと言ってると、東に回ると泣き見るよ?」

 それってどういう……と問いただそうとした時、知った声が少し遠くで聞こえた。

「あ!せんぱーい!桐乃ちゃーん!」
「あ?……ウゲッ!瀬菜!!」

 後輩の赤城瀬菜が、人混みを掻き分けながら近づいてきた。両手に紙袋を重そうに引っさげてな。

「あ、せなちーも来てたんだ?」
「桐乃ちゃん、久しぶりー」

 名前を大声で呼ばれたときには凄く嫌そうな顔をしていた桐乃だったが、瀬菜が来るとにこやかに笑った。
 知り合いに聞かれるのを警戒していたんだろうな。でも、もうそろそろカミングアウトしてもいいんじゃないかお前?
 なんにせよこいつらは妙に波長が合うらしく、にこやかに談笑を始めた。

「あ、でも桐乃ちゃんがいるって意外。3日目かと思ってたけど」
「まあ今日はその、付き合いでさぁ?せなちーは毎日なの?」
「うん、毎日だけど、なにより私は今日が主戦場だからねー」
「あ、そうなんすか?」
「そうなんですよ先輩。もう大量で……ウヘヘ」

 あー皆まで言うな後輩!知りたくないし聞きたくも無いぞ俺は!!

「そういう先輩は?何か買いました?」
「ああ、少しだけな」

 紙袋の中身を見せると、瀬菜は呆れたように突っ込んできた。

「パプワ本とカイジ本?どういう取り合わせですかこれ」

 お前に言われたかねーよ!どうせ腐った趣向のやつならなんでもかんでも掻き集めてきたんだろうが!
611 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:31:54.32 ID:XyMK2D.o

 Prrrr!Prrrr!

 瀬菜のらしき携帯が鳴った。慌てて出て、

「あ、お兄ちゃん?どう?……やった!ありがとう!じゃあ次はねぇ?」

 とのたまう。赤城……ファンネル扱いかよ。涙無しには見ていられない光景だぞお前!
 一通り指示を出し終わって携帯を切った瀬菜は、

「じゃあ私、次急ぐんで!では!」

 と、手を振りつつ足早に立ち去っていった。

「仲良いよねぇ……」

 桐乃がボソッと呟いた。チッ……なんだよ、あれくらいいつもしてやってるじゃねーかよ……。
 
「ほら、行くぞ!」
「あっ……なーにぃ?アンタ、妬いちゃってんのぉ?もうしょうがないなぁこのシスコンはぁ?」

 そう言ってつんつんと胸を肘で小突いてきてご機嫌そうだ。
 ぐ、シスコンじゃないが……まあいいか、それでこいつが笑ってるんならさ。
 桐乃はひとしきり俺をからかうと、腕を絡めてきた。

「お、おい!」
「さ?あたしらも次行くんでしょ?言っとくけど次はきついと思うよ?」

 そのまま桐乃に腕を引かれて、俺たちは東館に足を踏み入れた。

「うわっ……!」

 まず最初に驚いたのが、女女女……以前見た光景とはまるで違う、女だらけのコミケ会場だった。

「だから言ったじゃん?」
「確かに、きつそうだなこりゃ」

 西とは広さも違うが、サークルの数も半端無い。ぎっしりつめこまれたテーブルとそこを所狭しと徘徊する
女性客の群れ……もしかして、この方々みんなその、腐ってらっしゃる?
 そして、桐乃からの禍々しい宣託が下った。

「ぷぷぷ……それとさ〜あ?アンタの愛しの彼女の本性も、ここで見られるかもよ?」
612 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:32:25.28 ID:XyMK2D.o

 桐乃は腕は絡めたまま、カタログを少し眺めていたが、行き先を決めたらしくパンッと閉じて、カタログを俺の
紙袋の中に押しやった。

「多分、こっちかな……?」

 そして連れていかれたのが西奥の辺り。この辺りも腐ったとおぼしき方々が充満しているが、その一角を目敏く
見つけた桐乃は、それを指差した。

「ビンゴ!ぷぷぷぷぷ!」

 うわっ……!
 
 そこにいたのは、とある同人誌に見入っている黒猫と、その横で所在無さ下げに突っ立つ沙織だった。
 桐乃はまさしく『(^Д^)9m プギャー』って感じで大爆笑。

「やっぱアンタ、言ったとおりじゃん!なにが『そんなわけ無いじゃないの』よ!」
「あ、きりりん氏に京介氏!」

 沙織はすぐに気付いて手を振ってきたが、黒猫は見入ってしまっていて全然気付いて無い。ある意味すごい
集中力だなおい!
 沙織に肩を揺さぶられて煩そうにしたあと、ふとこちらを見て、顔面が蒼白になった。

「ち、ち、ち、違うのよ、これは!」
「何が違うっつーのよアンタ!あんまり予想通りなんでむしろ拍子抜けだってーのwwwwww」

 黒猫はイヤイヤと顔を左右に振っている。目尻にはうっすらと涙まで浮かべていた。
 ちなみに何のサークル?コードギアス?知らんな……。

「え、ええっと……?」

 訳がわからないと困惑するサークル主さんに、慌てて千円札を渡して同人誌を受け取る黒猫。
 こんな場合でも買っちゃうんだ……。

「見て見て!流石の兄貴もドン引きじゃん!そりゃ百年の恋も冷めるって!ゲラゲラゲラ!」

 ドン引きっつーか、お前がなんでそこまでウケるのか自体判らないわけなんだが。
 黒猫はつかつかと寄ってきて、顔を真っ赤にして桐乃に怒る。

「あ、あ、貴女ね!いくらなんでもやって良いことと悪いことがあるんじゃないの?!」
「あたしが何したって?コミケ来てサークル回ってるだけじゃん?アンタだってあたしらが来てるの知ってる
ワケだし?同人誌ガン見して気付かないアンタが悪いんじゃないのぉ?」
「くっ……!」

 黒猫が桐乃に言い負かされるとか、わりとレアな光景だな。それだけでも来た甲斐があるって感じだ。
613 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 13:32:57.68 ID:XyMK2D.o

 桐乃は涙まで流して大笑いした後、やっと収まったのか、憮然とした黒猫を見やった。

「まーまー、そんな怒んないでよ。どうせ、いつかはバレることなんだし?」
「く……貴女、覚えてなさいよ」
「へーんだ、もう忘れますぅー」

 子供の喧嘩が始まったところで沙織が言う。

「やれやれ。で、京介氏、成果はいかがですかな?」
「ん?まあまあかな?割と面白かったよ」
「それはなによりでござるな、ニンニン」

 沙織はω(こんなくち)をした後、自分の戦利品を見せて悦に浸った。

「拙者もこのとおりで。で、この後はどうなさいますかな?」
「んー、今日は桐乃に連れられてだからな。そっちに聞いてくれるか?」
「了解でござる。……さてさてご両所とも、いい加減にして続きをしようではありませんか」
「え、ええ、そうね」
「あたしはいいケド。あ、ほらぁ」

 桐乃は絡めていた腕を離すと、俺を黒猫のほうにトンと追いやった。

「お礼はここまで。後は黒いのにまかせるから」
「あ、そうか?ありがとな、桐乃」
「ふん、いいって。……それに、アンタがついてく方が黒いのが困って面白そうだし?」
「へ?」
「あ、貴女、どこまで底意地が悪いのよ!本気で呪うわよ!」
「まあまあ、どうせ皆一緒に回るわけですからな。では、行きましょうぞ!」

 沙織が宣言し、いつもの4人で東館探索を再開することになった。

「ところでさ」
「……何かしら?」
「お前、さっきなんでそんなにうろたえてたんだ?」
「へ?」
「アンタ、全然気付いてなかったの?」
「ああ、さっぱり」
「ぷっ!じゃあやっぱ、アンタが盛大に自爆しただけじゃん!マジウケルんですケド!!」
「う、五月蝿い!」

 こんな感じでいつも通り、ぎゃーぎゃーと罵り合う黒猫と桐乃に、生暖かく見守る俺と沙織。
 やっぱこれが一番落ち着くってのが、俺も引き返せないとこまで来ちまってるのかなって、そう思いながら、
冬コミ1日目は過ぎていったのだった。


終わり
614 :前36 [sage]:2010/12/28(火) 13:34:48.24 ID:XyMK2D.o
一応3日目編もあるけど、帰省までに書ききれるか不明ww
その場合は年明けになります。ではノシ
615 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 15:47:21.15 ID:/iQSnMAO
自分の趣味にコンプレックスもってる桐乃が他人の腐女子趣味を馬鹿にするのは、なんか違和感あるな…
瀬菜に普通に接した後だけに、それも上辺だけなのかと勘繰ってしまう
616 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 15:57:52.84 ID:gGFTFyo0
馬鹿にしてるっていうか、からかってるだけじゃねww
617 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 16:15:45.63 ID:/iQSnMAO
いや、黒猫のことではなくて、腐女子趣味そのものに対してね。
桐乃も黒猫も、それを恥ずかしいものとして扱ってるからからかいが成立するわけだけど、桐乃は過去の経験的に、別ジャンルの趣味であってもそういう見方はしないんじゃないかなって思った。

すまん、桐乃派なのでつい余計なこと書いた。次期待してます
618 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 16:19:03.32 ID:fDrCE6A0
こまけえこた(ry
619 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 17:02:48.16 ID:18M9KWAo
京介がいるからからかってるだけじゃね
620 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 17:13:47.15 ID:fDrCE6A0
マジレスすると桐乃も黒猫もその辺はサバサバしてると思う
陵辱や性奴隷扱う小説を自作するぐらいだから、創作物のジャンルに対する理解は相当深い
621 :前36 [sage]:2010/12/28(火) 17:24:57.59 ID:H2mMw/6o
うわ、すまん
もちろん本気で馬鹿にさせてるわけじゃないんだけどちょっと笑わせすぎたかも
筆力無いなと反省

次はもうちょっとソフトにしますww
622 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 17:39:00.68 ID:Q17bvUAO
本気で貶してるわけではないことがお互いに分かってるからからかいが成立するんだろ
こまけえこたぁいいんだよ
623 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 18:07:54.16 ID:fDrCE6A0
言われてみれば、からかいとはいえ腐女子密集してる売り場で、
涙が出るほどの大笑いで馬鹿にするのはさすがに桐乃感じ悪いかもね
いろんな受け取り方があるもんだ
624 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 18:36:51.77 ID:UzNyuGAo
腐女子の知識があるからこそ、からかうんだろ
実際、変態だし
625 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 20:38:49.89 ID:qxqpxiIo
>>613
もしも「憮然」の意味を誤解している様なら再確認してきて欲しい
626 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/28(火) 22:27:20.80 ID:n8xM/es0
黒猫「リンク、助けて!」
京介「…」
\デデデ デ-ン/
マスターソードを手に入れた
京介「イヤァ-!」ヒャ-!ザクッ!
魔物「くっ…」
\ポ-ン/
黒猫「ありがとう…リンク」
京介「…w」
627 :585 [sage]:2010/12/28(火) 22:37:06.03 ID:9wzCRoAO
懲りずに今日も投下開始す
タイミング被らないように…
628 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/28(火) 22:38:05.79 ID:.gwCjJoo
待ってました
629 :585 [sage]:2010/12/28(火) 22:38:09.47 ID:9wzCRoAO
それからどんどこしょ

今年も残すところ僅か。もう大掃除もしないと。

などと勉強に身の入らない合間で考えていると、階下で呼び鈴が鳴る。
どうやら今日もアイツが…加奈子がやって来たらしい。
律儀に連日見舞いに通う必要はないと言い含めたつもりだが
なかなかどうして、義理堅いやつなのだった。

「来てやった。調子はどうよ?」
「どうって言ってもな。昨日今日で完治したり、逆に急に悪化したりはないさ」

経過良好ではある。例えば食事時なんかも不自由しない。すこし違和感はあるが

「折角の見舞いだ、有難く思うけどな。そんな大事じゃないんだぞ」

実際親だってケガの程度が知れたら、せいぜい無理するな云々で済ませたくらいだ。
あれは泣いてもよかったよね、俺
そういや桐乃だけが意外と親身に気を遣ってくれていた。
またゲームの影響か何かで甲斐甲斐しい妹像に入れ込んでるんだろうか

とにかく、そう足しげく通ってまで俺の顔を見ないと落ち着かんのかと。軽い揶揄を投げかけるものの

「……悪いかよ」

とまぁ、ご執心な加奈子なのだった。
借りを作ったと思ってるらしい。だから返さないと気がすまないってか。
630 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 22:39:22.63 ID:9wzCRoAO
「糞マネがさぁ」

一瞬間を置いて

「アンタが、不便してたり、変に塞ぎ込んでたりしたら悪いし…」

心配性なやつめ。俺からすれば、お前のが気に病みすぎて具合悪くしないか気になるっての。

「しかしあれだ。こうしてバレたから話せる。知っての通り俺は曲がりなりにも受験生の身でな」

だからケガのことを別にしても加奈子のマネージャー稼業を続けるには無理があるんだな。
稼業ってか、ギャランティのやり取りがあったでもなし、単なるごっこの延長とも言うが。
その点がどうも加奈子には納得しがたいようで、

「正規のが無理ってのはわかった。いくらアタシでも受験の邪魔して落第でもされたら寝覚めよくないかんね」

でもさー、と続けながら、いつの間にか持ってきていた果物を乗せた盆を差し出す。
俺、病人じゃないんですけど?
っていうかそれ見舞いの持ち込みでなくて下のリビングから持ってきたろ。
侮りがたい子……と思い知りつつ、蜜柑をひとつ手に取ってみる。
ほんの数日でやけに馴染んでるなぁコイツ。ただ、不思議とそこに抵抗感は無かった。
631 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 22:40:20.45 ID:9wzCRoAO
「でもさー、マネジは別のに引き継ぐにしても、加奈子としちゃアンタみたいな…何ちゅーのかな…
  ずけずけ物言うような、気心の知れた?やつが居てくれねーとやりづらくなりそうだし」

つまり加奈子の言わんとしてるのは、時々でいいから今後も愚痴や相談相手として協力してくれと。
そんなニュアンスみたいだった。
頼むとか、お願いとか、口には出来ないのがコイツらしくて。思わず苦笑を漏らす。

「いいぜ。それくらいなら」
「マジに?」
「何時でも、とは約束できないけどな。それだけ頼りにされて断ったら男が廃るってもんだ」

正直まんざらでもない自分がいる。
こないだまで結構辛口で諌めるように接してたから、もしか煙たがられてるかもと認識してたのに
それでもコイツは俺に居て欲しいと、そう言うんだ。偽とはいえマネージャー冥利につきる。

「…やっぱアンタって気前良いっていうか、痛い目みてまで加奈子に付き合ってくれんのは、なに?ロリコン?」
「馬鹿も休み休み言いやがれ」

チビジャリの頬をつねってやる。真似をした。
お互いに照れ隠しでやや乱暴なセリフを交わしたところで、加奈子がニヤリと笑って言う

「改めてヨロシクな、京介」

<終>
632 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 22:44:53.38 ID:.u2pfnYo
かなかな可愛いよかなかな
633 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 22:48:20.05 ID:lZhpN6Uo
怪我で不便してる、のくだりでエロい想像をした俺は死んでいい・・・
634 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 23:02:16.52 ID:9wzCRoAO
>>633
イ`i
そういう発想がぜぜん浮かばなかった俺こそ死んでいいww

微エロどころか、エロ無し微萌えだけで進む予定のドラスティックさに欠ける話だぬ

桐乃出番どーしようかなー
635 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/28(火) 23:07:31.48 ID:SyghAADO
桐乃がやろうとしていたことをかなかながやっちゃって悶々する桐乃
636 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 00:08:22.16 ID:Y5ot8uAo
加奈子いいな
もっと書いてくれ、いやください
637 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 00:10:22.23 ID:2cekf7s0
桐乃が部活中に足を捻挫して、

大した怪我じゃないのに京介の前で大袈裟に痛がり、

京介に甘えまくる桐乃を誰か書いてくれ!

頼む!!!!
638 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 00:37:36.25 ID:FejFdm6o
>>637
この時間だから多分投下する人はいないと思うんで、
いまから書き溜めなしのアドリブでどんどん書いてみる。
639 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 00:42:29.82 ID:FejFdm6o
その日、いつもより少し早めに帰宅し、自室で受験勉強をしていた俺は、
呼び鈴のチャイムの音で玄関へと向かう。

玄関のドアを開けると、そこには大人の女性に肩を支えられ、右足を庇うようにして車から降りる桐乃の姿があった。

「あっ、お兄さんですか?私、高坂さんの担任をしている者ですけど――」

話を聞くと、桐乃のやつは部活で足を捻挫したそうで、先生の車で家まで送ってもらったようだ。

「じゃあ、お兄さん、すみませんがよろしくお願いします」

桐乃を俺に託しそう言い残すと、先生の車は去っていった。
俺は桐乃に肩を貸してやり、玄関まで桐乃を誘導する。

「お前大丈夫かよ?」
「うん、骨には異常ないらしいケド……ちょっと自分じゃ動けそうにないの」

いつも強気の桐乃だが、さすがに参っているようだ。
桐乃の右足首には包帯が巻かれているが、その上からでもずいぶん腫れていることが判る。

640 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 00:46:37.95 ID:2cekf7s0
あっあなたは神様ですかっ!?

ありがとうございます!!

641 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 00:48:11.46 ID:FejFdm6o
困ったことに今夜うちの両親は帰省していて、この家で桐乃の面倒を見られるのは俺しかいない。
今日はがっつり勉強をしようと思ったのに――という思いが浮かんだが、俺は頭を振って消し飛ばした。
いやいや、しょうがない、妹が困っているんだから兄が助けるのは当然のことだよな。

「今日は親父もお袋もいねえからさ、とりあえずメシどうするよ?」
「あっ、その前にさ…… あたし汗かいてるから、シャワー浴びたいんだけど……」

桐乃はソファーに横たわった状態で、桐乃のやつは厄介な要求をしてきた。
まぁ、年頃の女の子だし、部活の汗を落とさないわけにはいかないんだろう。

「でもよ、患部は包帯してるから、濡れたらマズいんじゃないのか?」
「だからさ、右足のところをビニールとかで包んで、上手いこと濡れないようにしてよ」
「あ、そうか、なるほどな。ビニール、ビニールっと……」

俺はキッチンで適当な大きさのビニール袋を見つけると、ビニールテープとハサミを持って、
桐乃が投げ出してる足の近くに座った。

642 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 00:55:46.72 ID:FejFdm6o
俺はビニール袋を広げると、桐乃の足先に近づけた。

「よし、ちょっと足を浮かしてみてくれ」
「えっと、こう?」

桐乃が足を浮かし、俺はその足をビニール袋で包んだ。
そしてなるべく空気を抜いて、脛の下の辺りでビニールテープを使ってぐるぐる巻きに固定する。

「いたたたた! ちょっとぉ!そんなにきつく縛ったら、ビニールに引っ張られて足首が動いちゃうじゃん!」
「あ、ああ、スマン悪かった」
「マジ痛いって……もっとやさしくやってよ」

俺は一度ビニールテープを剥がすと、次はもう少し余裕を持たせ、慎重にビニール袋を固定した。

「これでどうだ?」
「うーんと……うん、大丈夫みたい」

とりあえずファーストミッション完了、と言ったところだろうか。

643 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:03:25.32 ID:FejFdm6o
だが、セカンドミッションはなかなかヘビーなものだった。

「じゃあ、ちょっと肩貸してよ」
「あいよ」

桐乃はソファーから上体を起こすと、俺の左腕を強く抱き寄せるようにして立ち上がろうとする。
妙にやわらかい妹の身体がしがみついてくるその感触に、俺は自身の血流のコントロールを意識することになっちまった……
静まれ静まれ……素数を数えるんだッ!

桐乃はふらつきながらも、なんとか完全に立ち上がり、ケンケンの要領でバスルームへ移動しようとする。
が、少し進んだところで動けなくなってしまった。

「お、おい、大丈夫か」
「あいたたたっ…… む、無理。跳ぶと足首に響いて痛い……」

桐乃はちょっと涙目になっている。うーん、これは困ったなぁ……

644 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:12:44.02 ID:FejFdm6o
痛みで動けず、立ち往生の状態の俺達二人。
こういう場合ってさ、やっぱりお約束で――あれしかないよなぁ?

「しゃあないからさ―― おんぶしてやろうか?」

それを聞いた桐乃は、顔を真っ赤にして慌てている。

「ちょっ!? な、何言ってんのよ! そんなの恥ずかしくてできるわけないじゃん!」
「でもさぁ、 実際それぐらいしか方法ないだろ? ってか、恥ずかしいって言ったって誰も見てないし……」
「そういう問題じゃなくて!ってかあんたセクハラだってば!」

妹を背負うぐらいでなんでセクハラ扱いされなきゃならんのだろうか。
こいつも相当自意識過剰だよなぁ

「じゃあさ、子供抱えるみたいにして、前で……こういう風に抱えるか?」
「前で両手で…… ってそれお姫様抱っこじゃん! もっと恥ずかしいってば」

あああ、ホントめんどくせえ奴だぜ!

645 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:24:00.78 ID:FejFdm6o
桐乃は少し考えた後、諦めたように言葉を搾り出した。

「……じゃあさ、おんぶでいい。お姫様抱っこよりは恥ずかしくないし……でも変なところ触んないでよね」

好意でやってやろうというのにこの態度だよ。まったく……
俺は桐乃を壁際で立たせると、その前にしゃがみ込んでおんぶの体勢をとった。
桐乃はおずおずと俺の両肩に手を置き、背中にもたれかかってくる。

実際おんぶしてから気付いたけど、確かにこの体勢は色々意識してしまうな……
俺の背中には何やらふくらみを感じるし、俺の両手は桐乃の太ももの裏をガッチリと掴んで支えている。
いかん、また血流が……

俺は雑念を振り払うように、大股でスピード上げてバスルームへと向かった。

「ちょっと、ちょっと、もっとゆっくり!怖いってば!」

おっと、背中の乗客からクレームが来ちまったよ。

646 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:27:04.06 ID:FejFdm6o
ちょっと休憩へ…
647 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:29:07.80 ID:W8/PpZc0
>>635
それだ!

ついでに読モ3人娘で桐乃の家に集まっている時に怪我の具合をナチュラルに聞く加奈子と、
それに過剰反応するあやせ&悶々とする桐乃とかどうよ?

と膨らませてみる
648 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:31:36.50 ID:W8/PpZc0
って、リロードしてなかったww
なんかきてれぅー!
649 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:33:17.98 ID:FejFdm6o
なんとかバスルームに着き、脱衣所で慎重に桐乃を降ろす。
とそこで、俺と桐乃は同時にあることに気がついてしまった――

「「着替えどうしよう」」

こいつの下着類は2階の部屋にあるのだが、この足の状態で2階に上がるのは無理だろう。

「お前、今日は仕方ないからさぁ、同じ下着にしろよ」
「はぁ〜? なに言ってんの。あんたじゃあるまいし、そんなの無理だって!」
「じゃあどうするんだよ」

桐乃は答えられず、困ったように俯いていたが、しばらくして顔を上げると、あり得ない一言を言い放った。

「あんた、あたしの部屋から下着取ってきてよ」

えええ!? マジかよ……

650 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:46:11.75 ID:FejFdm6o
「その代わり、あたしの下着を見たら[ピーーー]かんね。 部屋に入って左のタンスの一番下に入ってるから、
 タンスの引き出し開けるときは目を閉じたままで、適当にブラとショーツを持ってくること」
「別にお前の下着を見たって、俺はなんとも思わねえって……」
「あたしが気にするの! ブラとショーツは後ろ手に持って、そのまま戻ってきて」

そこまで気にするものかねぇ
まぁ、仕方が無いので、俺は言われた通りに桐乃の部屋へと向かった。
そして部屋に入り、下着が入っているタンスと対峙する。
なんだろう、やっぱりちょっと緊張するな…… この中に女子中学生の下着が満載されているかと思うと、
物言わぬタンスから言い知れぬ威圧感が漂ってくる。

おっと、ここからは目を閉じないといけないんだった。
よく考えてみたら、別に目を開けたままでも下にいる桐乃にはバレっこないんだけどさ。
でも、それは桐乃も承知の上で、あんなルールを命じたんだろうからな。
兄として、妹との約束を破るわけにはいかない。

俺は律儀に目を閉じて引き出しを開けると、手探りでブラとショーツを探す。
うーん、どれもなんかフワフワしてる生地でよく分からないぞ……

651 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 01:56:45.93 ID:FejFdm6o
目を閉じて引き出しの中をしばらく探った俺は、ブラのワイヤーの感触を頼りに、なんとか選別することに成功。
そして言いつけどおりにブラとショーツを後ろ手に持ち、桐乃の待つ脱衣所へと戻った。
桐乃は俺に後ろを向かせたままそれらを受け取る。

「あんた、こっそり匂いを嗅いだりしてないでしょうね?」
「しねえよ!」

桐乃はジト目をこちらに向けている。
まったく、なんて言い草だよ。そこはまず感謝の言葉だろっての。

「いつまでここに居る気? 服脱ぎたいから出てってよ」

ハイハイ、全くこいつってやつは……

652 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:13:46.46 ID:FejFdm6o
桐乃がシャワーを浴びてるうちに、俺は近くのスーパーに晩メシの惣菜を買いに行った。
すると、そこで幼馴染の麻奈実とばったり出くわした。

「あ〜、きょうちゃん。こんなところで会うのはめずらしいね」
「よう麻奈実、夕飯の買い出しか?」
「うん、そうだよ〜 きょうちゃんも同じ?」
「ああ、今日はうち両親が田舎に帰ってるから、晩メシは惣菜で済まそうかと思ってさ」

それを聞いた麻奈実は、胸の前で手を合わせ、笑顔を浮かべた。

「あっ、それならうちで一緒に食べない?」

田村家での夕食――すごく心惹かれるお誘いだが、残念ながら今日は無理だよなぁ

「すまん。実は桐乃のやつが足を怪我しててさ。家で待ってるんだよ」
「ええっ、桐乃ちゃん大丈夫なの?」
「ああ、痛んではいるけど捻挫だから、そんなに酷くはないと思う」

653 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:22:40.48 ID:FejFdm6o
「もし、きょうちゃんさえよかったら、これから二人のためにご飯つくりに行くけど……」

ああ、麻奈実……そいつは有難くて涙が出てきそうな提案だ。
だけどなぁ……桐乃が怪我して弱ってる状況に付け込むように、麻奈実を連れて帰ったら、
どんな面倒な反応されるかわかんねえからなぁ

「せっかくだけど、今日はやめておくよ。サンキューな、麻奈実」
「そっかぁ。じゃあ何かできることがあったらいつでも言ってね。桐乃ちゃんにお大事にね」

こういうときの麻奈実はあれこれ詮索せず、こっちの事情を察してくれる。
お前ってやつは本当に出来た幼馴染だよ。

俺は麻奈実の手料理を諦めた代わりに、半額シールのついた味気ない惣菜を適当に買い物カゴに放り込んだ。

654 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:25:35.10 ID:FejFdm6o
家に帰ると、桐乃はまだ脱衣所にいるらしく、ドライヤーの音が聞こえてきた。

「おーい、帰ったぞー」

と外から声をかけると、すぐにドライヤーの音が鳴り止み、戸が開いた。

「あっ、おかえり。 もう出るから、もう一度リビングに運んでくれるかな」

もう2度目なので、さほど抵抗がなくなっているのか、桐乃の方からおんぶを要求してきた。
俺がまた桐乃に背を向けてしゃがむと、石鹸とシャンプーの香りをまとった桐乃が背中に乗ってくる。
シャワーを浴びた後なので、桐乃の火照った身体からの熱を背中越しに感じ、身体が密着していることをさっき以上に実感する。


――ええい、素数を数えろ!!

655 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:27:47.76 ID:FejFdm6o
リビングのソファーに桐乃を座らせた俺は、買ってきた惣菜と、冷凍してあったご飯を順番にレンジで温め、
それらを桐乃の居るソファーの前のテーブルにせっせと運ぶ。
そんな俺を見て、桐乃がくすくすと笑う。

「なんか今日のあんたって、執事みたいだよね」
「しつじ?ってなんだよそれ」
「えー、知らないの? あれだって。執事カフェってあるじゃん? 『お帰りなさいませ、お嬢様』ってやつ」

要するにお嬢様のために甲斐甲斐しく働く男のことを指してるのか?
畜生、テメェいいご身分じゃねーか。

「ちょっとさー、言ってみてよ。 『お帰りなさいませ、お嬢様』って」
「言わねーよ! って誰がお嬢様だよ……」

こいつ、実はこの状況を楽しんでやがるだろ……?

656 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/29(水) 02:31:16.54 ID:FejFdm6o
なんか予想以上に長くなってしまった
10レスぐらいで終わらせるつもりが、いつもまとめられない俺

眠さの限界なので続きは明日にしますわ…スミマセン orz
657 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:33:32.71 ID:FejFdm6o
>>641
は「桐乃のやつは」が余計に入ってた
書き溜めなしだとこんなもんですw
658 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:37:06.77 ID:CDuJuEo0
659 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:38:50.84 ID:JxXT96Eo
乙、続き全裸でまってるぜ。
660 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:44:18.39 ID:.ENKU6AO
いい、凄くいいぞ
京介と桐乃の距離感が絶妙だね。
安易にベタベタせず、でも少しずつ甘えてる感じがして(*´∀`*)
続き期待してる!
661 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 02:48:01.59 ID:2cekf7s0
ありがとうございます!

乙です!
662 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 02:51:58.79 ID:bQ8.vUAO
超乙。
即興でこれとは恐れ入る


>>635>>647
もう2,3話は予定してるんで桐乃はこのあと絡むはず。
ただ桐乃メインで考えてた別の話と混同しそうで比重的に難しい。
俺桐乃厨だからなかなか割り切りが、ね…

あとあやせは647に任せた。


俺にも待ってくれる人がいる、こんなに嬉しい事はない……
663 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 03:05:25.17 ID:s7XVhUw0
俺妹8?がうまってた...しかし毎度のことながら後半に入ると荒らしに埋められるなあの人のスレ
664 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 04:07:45.55 ID:GN8IEsSO
いい感じになったところでお預けかよおおおお
しかし即興で10分間隔ぐらいの投下でこれだけのものが書けるとかすごいな
ネタ出しした>637にも感謝
665 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 04:19:56.80 ID:a.HuaL6o
>>663
冬休みだからガキが大量に沸いてるんだろ
こっちは平和で何より
666 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 04:30:37.94 ID:PPH6iJk0
荒れて最後は無理やり作者が終わらしたって感じ
あれすきだったんだけどなぁ
667 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/29(水) 08:19:04.43 ID:hwQ8PMUo
俺もいつかあれくらいのクオリティで書けるようになりたいもんだ
そして◆kuVWl/Rxus氏の即興のレベル高杉わろた。以前書いた俺の即興とは偉い違いだ

俺はのんびり書き溜めさせてもらおうと思う。ネタ援助かもん
668 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 10:08:50.33 ID:6cRWs8Io
ここ見てたら書きたくなってきた
669 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 10:09:44.74 ID:T6V4wIDO
兄妹として好きなんだと割り切った桐乃が黒猫と京介が付き合うことを認めつつ京介にベッタリ
それに対して黒猫とあやせは微嫉妬したりからかったりする



妄想を文章や絵にする力が俺にあればなぁ
670 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 10:34:00.83 ID:3y3A8z2o
>>669
やってみようぜ
最初は誰だって初心者だ
誤字脱字と改行、必要なら注意書き
この辺を忘れなければ基本問題ないと思う
671 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/29(水) 10:43:49.56 ID:hwQ8PMUo
>>668当スレは誰でもウェルカム

>>669おk、書いてくる。投下は遅くなるだろうけど許してね

それと、>>670がいいこと言った
俺もSS書いたのはここのスレが初めてだったし、◆kuVWl/Rxus氏も当初はSSは書くの初めてとか言ってたような…
書けば慣れるさ。自分でも1レス目の頃から比べてだいぶましになったと思うし

672 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 11:21:55.71 ID:ehT1ZJEo
別に小説書いてるわけじゃないからなww
細かいことは気にせずにまずは己の妄想をぶつけるんだ
読む側も多少の不備はスルーしようぜ?
673 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 12:36:07.04 ID:qOrSBwDO
>>663
桐乃スレって言っときながら、最終的にあれじゃ文句出てもしょうがないだろ。
そもそも最初から、保守頼みの割に書き溜めないし、予定で抜けるにしても報告全く無いし、投下速度半端なく遅かったしで色々不満が溜まっててもしょうがないと思うよ。

それに比べて、製作は平和だから落ち着く
674 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 12:42:08.73 ID:bQ8.vUAO
まるで京介の魂(願望)が形をなしたような…とでも言うのが適当か>製速の平穏

他所にもそれぞれの良さはあるが、ここには特にVIPヌクモリティを感じる
675 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 12:49:10.54 ID:6cRWs8Io
誰かアイデアを。ゲロ甘なネタないかな
676 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/29(水) 12:58:21.84 ID:hwQ8PMUo
久しぶりに麻奈実√があってもいいと思うんだ
ということで、京介が重度のシスコンぶりを発揮→珍しく嫉妬してしまう麻奈実とかどうでしょう
677 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 13:11:11.21 ID:.ENKU6AO
>>675
黒猫と付き合い始めて初めての年越しで、
振袖姿の黒猫と一緒に初詣。

黒猫「貴方、何をお祈りしたの?」
京介「べ、別にいいだろ…お前こそ何をお祈りしたんだよ」
黒猫「秘密よ…本人に言えるわけないじゃない」
京介「えっ?」


みたいなの頼みます(´∀`)
678 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 13:22:22.44 ID:3y3A8z2o
シンプルに王道

「雪山で遭難」
679 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 13:41:21.26 ID:OLKMx2DO
京介と桐乃が二人でスキー旅行行くSS見たことあるな
680 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 13:59:02.14 ID:sNJCrBso
京介が大学にはいり、新歓コンパでなにげにもてているのを赤城ー瀬奈ラインから黒猫が知る。
黒猫は大丈夫と強気に出ているが、家に帰ると妄想が膨らみ、心配で涙まででてしまう。
そんなことを知らない京介は、コンパの帰りに酔った勢いで黒猫の顔を見ようと家に行ったが、
庭で眼の端に涙する黒猫を見つけ、京介パワー全開でフォローするの図。
ダメだわ。妄想が足りない。
681 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 13:59:58.66 ID:LauH9gSO
連続殺人が起こる訳ですね
682 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 14:22:27.84 ID:6cRWs8I0
初詣、君に決めた!
683 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 14:26:23.96 ID:6cRWs8Io
ネタ考えたりバイトあるんで、夜に来ます。
684 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 15:43:27.52 ID:n6CP0vwo
他の女子からモテる京介に嫉妬して涙する桐乃や黒猫のSSが読んで見たい
685 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 17:14:42.83 ID:peEZSV2o
俺妹アプリってこんな日でも選択肢出るのな
686 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 18:04:33.88 ID:/ClPX82o
>>685
行ってらっしゃいの反応がかわいいな
687 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 21:56:17.58 ID:1V7k/qA0
主人公の京介と母親の佳乃さんの会話のみのSSでもいい?
初めて書いたんで… ここのルールとかよくわかんないんだけど
1レスに付き何行づつぐらいに分けて投下?するとか
取り合えず、A4で3,4ページ分書き溜めた
688 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 21:58:51.57 ID:SMp71Ks0
頼む
何行じゃなきゃ駄目なんてルールはないはず
689 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:05:49.04 ID:WbKO1NUo
流石に佳乃さんじゃあたたないな
690 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:09:18.39 ID:PQF/HNwo
>>689
俺はアニメ11話で目覚めた
691 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/29(水) 22:12:58.06 ID:SMp71Ks0
京介が妹に欲情するような子なんじゃないかと心配しながら
桐乃を見守る生活をしているうちに
逆に桐乃のほうが変態なことが判明して悩む佳乃さんのssが見たいでおじゃる
パンツ泥棒してるとこみちゃったり
692 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:13:26.32 ID:1V7k/qA0
じゃぁ、お言葉に甘えて佳乃さん…いっきま〜す


つい最近まで茹だるような残暑が続いていたと思っていたら、もう朝夕はめっきり涼しく
なってきたな。 受験勉強の方もまぁまぁ順調だしな、たまの休みの日ぐらいは、
昼近くまで寝てたって……と、枕元の目覚まし時計に目をやると。

 「うわっ、とっくに昼過ぎてんじゃん!……」

 階下からは微かにテレビの音が聞こえてくる。 この時間に家にいるとすっと… 
桐乃かお袋だろう。 親父は、今日は仕事だと昨日の夕飯のとき言ってたっけ。
 『とりあえず、なんか食わなくっちゃな』 と思いながら、階段を降りていった。
リビングのドアを開けると、お袋がソファに座ってテレビを見ているところだった。

 「あら、京介…今頃起きてきたの〜、もうオカズなにも残って無いわよ〜」

 それがかわいい息子に向かっていう言葉なんですかねぇー。 まぁ、今頃起きてきた俺も
俺だけどさぁ。 そんなことよりも、リビングにはお袋だけ…ってことは…。

 「なぁ、お袋…桐乃は?」
 「あやせちゃんと、お買い物ですって。 夕方には戻るって言ってたわ」
 お袋はテレビへの視線はそのまま、こちらをチラリとも見ずに答えた。
 「あっそ、えーと、ところで…お袋? 俺は何を食えばいいんですかねぇ〜」
 「適当に好きなもの食べてよ、なんでも…そのへんにあるやつ…って言っても、
ご飯しか無いけど…あと御漬物」

 これが我が家の長男に対する扱いなんですかー! あんたたちの老後の面倒は誰が見るん
ですかねぇー! って言ったやりたいが……言わねぇ。いや、言えねぇ。 
いったら言ったで、出来のいい妹と比較してあ〜たらこ〜たら説教っつーか、
愚痴が際限なく続くのは目に見えてるからな。
 俺は適当に、って言うか…ご飯と漬物だけだったらお茶漬け以外の選択肢なんて
ねぇーじゃねぇかっての! と、心の中で突っ込みを入れた。
 俺が侘しい昼食ながらも、まぁなにも食わないよりましだよなぁ〜などと思っていたとき
テレビに視線を向けたまま、おもむろにお袋が口を開いた。

 「ねぇ、京介…あんた…」
 「なに?」
 「いつだったか…そう、夏休みに自分の部屋に連れ込んでた後輩の女の子とは……
どうなったの? 名前は…えぇ〜と何だったかしら…」

 うっ!もう少しで飯粒を噴出しそうになったよ!

(改行は50行までだって、エラーになった、続けていい?)
693 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:17:02.96 ID:1V7k/qA0
懐かしさの一歩手前で、込み上げる苦い思い出に言葉がとても見つからない…
(by 竹内まりあ) と言うのは置いといて、俺は少ない脳みそをフル回転させつつ
適当な、それでいて自然に聞こえ、出来ることならこの話題から逃れられるような言い訳を
考えていた。

 「…………」

 俺が返答に窮しているのを訝ったのか、お袋はテレビを消し、さっきまで飲んでいた湯飲み
を持って食堂のテーブルに近づいてきた。 俺の真向かいの席に座り、
 ヤッベぇ〜、言い訳が何も思いつかねぇ〜。 下手な言い訳は墓穴を掘るだけだ。
全身の毛穴が開き、変な汗が噴出す。

 「……京介、やっぱり…あの後輩の子となんかあったのね……」

 「お、お、お袋…それは考えすぎだっつーの! く、く、くろ…黒猫とは、いや、それは
あいつのハンドルネームで…、ほ、ほ、本名を五更瑠璃っつって、後輩で…、桐乃の友達で…、
女の子で…、同じ部活の後輩でもあって……妹が二人いて……」

 分かってるよ、お袋、そんな冷めた目をしなくてもな、俺の言い訳が支離滅裂だってな。
でも、今は何も言えない…いろいろあり過ぎて…この数ヶ月で俺を取り巻く環境が、環境の
変化が大き過ぎて…今は何も言えない…。

 「…京介、お母さんには正直に答えて頂戴…その、く、黒猫さんだっけ?…」
 「…………」
 「黒ネコさんの親御さんに、その…お詫びしに行くような事態には、なっていないのよね?」

 「はぁ〜??????」

 お袋の言わんとしていた事は、俺の想像を遥かに超えていた、っつ〜かさぁ、
ここまで言われりゃ、鈍い俺でも理解できるよ。どんだけ信用ね〜のよ、俺、
ここは『北の国から』ですか〜って!!
あの、極道面した親父がカボチャ持ってお詫びってか!?

 『……これは?……』
 『…カボチャです…こちらへ伺う途中、近所のスーパーで買い求めました』
 『……京介君のお父さん……誠意って、なんじゃろぅねぇ〜……』

 俺はさだまさしの歌が、脳内を吹き荒れるのを無理やり追っ払い、お袋の目を直視し…

 「カボチャは必要ない!」
 「…そ、そうなの? ハァ〜、それなら一安心だけど…」
694 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:17:20.18 ID:1AlBeico
構わん、続けろ
695 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:18:35.66 ID:1V7k/qA0
 俺の言葉に安堵したような、それでいて、ちょっと残念なような気持ちが入り混じった
溜息をつくお袋。 ってか、何でカボチャで通じたんだ? まぁいい、まぁいいよ。
突っ込んだら、よけいに墓穴掘っちまいそうだからな。 この話題には、そうだよ正直言って
これ以上触れられたくないしな。 さっさと食い終わって部屋に戻ったほうが賢明だろう。
だってさぁ、さっきからお袋はと見れば、溜息ついたきり、思案に耽ってるようで
『まさかねぇ〜』とか、『いやいや、でも…』とか言ったと思ったら、『ハァ〜…』
とか、ブツブツ独り言と溜息の繰り返しだもんな。 

 ちっとばっかし危険信号を敏感に感知した俺は、食後のお茶を一口、二口と平静を装い飲み
ながら、俺の脳内ではこの後の行動についてシミュレーションを開始していた。 
先ずこの茶を飲み終えたら、やおら立ち上がり茶碗と湯のみ、箸を何事も無かったように流し
に置く、次に、体勢を九十度左へ向けゆっくりと、しかし少し大股でリビングのドアへ向かう、後はドアノブに手を掛け……
 ここが一番重要で、難所だな。 いつもこの段階で…経験則に照らすとだなぁ、
『ねぇ…、アンタ、ちょっと話があるんだケド』って事になるんだよ。
俺だって、ああ何度も何度も繰り返してりゃ、いい加減学習するさ。

 ミッションスタート!
先ずこの茶を飲み終えたら、やおら立ち上がり茶碗と湯のみと箸を…

 「ねぇ…、京介、あんたにちょっと…聞いておきたい事があるんだけど…」
 「うっわ!速っ!……」

 お袋は口に出して良いものかどうか、かなり躊躇しているようだった。
俺が茶碗と湯のみを両手に持ち、席を立とうと中腰になった体勢のまま、お袋が何を言い出す
のか思案した……。 予想できなくも無いが、『それは有り得ねぇヨ!』と自ら打消した。
 「ハァ〜…」と再びお袋は溜息をついたが、ついに意を決したかのように、それでいながら
独り言を呟くように生気の無い口調で……

 「……京介、アンタ……妹を…桐乃を選んだの?」
 
 「うわっ!!!と!」
 ガラガッシャン!
 俺は持っていた茶碗と湯のみを手から取り落とした。
696 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:19:04.73 ID:sNJCrBso
おけ
697 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:21:15.17 ID:1V7k/qA0
「なっ、なななな何を…い、いい言い出すんだよ、お、お袋!」
 
 俺が慌てふためくのも無理はない。 まさかお袋の口からそんな言葉が飛び出すとは…
しかし、決して予想しなかったわけじゃない、ここ最近の妹と俺の関係をみれば…
『オタクっ娘あつまれー』のオフ会をきっかけに、夏コミやら、桐乃の携帯小説執筆のための
取材やらで、俺たちは一緒に行動することが多くなった。 こう見えても、お袋の直感は
かなり鋭い。 いや、どんなに鈍感でも、今までお互いに無視し疎遠にしていた兄妹が、
急に一緒に行動するようになれば… 『二人の間に、何かあったのね!』ってなるわな。

 俺が動揺しても、それを無視するかの様に、お袋は考え込む表情をしながらポツリと言った。

 「…お父さんがね…」

 ここで親父登場とは、いくらなんでも予想外だったさ。

 「親父が?……」
 
 「あ、ううん。お父さんがね、この前言ってたのよ。……ほら、夏休みの終わりごろ
桐乃の彼氏ってことで…、御鏡さんが家に遊びに来たでしょ。……まぁ、彼氏ってのは桐乃の
冗談っていうか、ドッキリだったけれど……」

 冗談? ドッキリ? 今さらっと冗談と仰いましたよね? 母上?
俺はその”冗談”のお陰で、あの修羅場の中で桐乃にはケーキを顔面に投げつけられ
あんたにはおもいっきり殴られ… あれが冗談やドッキリで笑って済むならダチョウ倶楽…
それは置いといて……
 お袋の話を要約すると、親父は桐乃の彼氏(偽だが)登場にかなりのショックを受けた、
らしい。 まぁ確かに、いつもの親父らしい威厳も何もあったもんじゃ無かったからな。
言ってることは支離滅裂、ただの駄々っ子かと思ったよ。

 でだ、親父は桐乃に再び『彼氏登場(本物)』のイベントが発生することを極度に恐れている。
 『桐乃に彼氏などとは、金輪際、未来永劫、転地身命に誓って絶対に認めん!!!』と、
お袋に宣言した。 親父は顔に似合わず娘を溺愛している。 
しかし、今まで大切に大切に育て、目に入れても痛くない程に可愛い娘が、一生独り身で、
身寄りも無く余生を過ごすのも可哀想で堪えられん、そこで、親父殿のメガネに適うような…
つまり、『桐乃の一大事には身を挺して桐乃を守り、桐乃のためならば己の命すらも賭すことに
なんの躊躇もしない…そんな男ならば…、』つまり親父殿が安心して桐乃を託せる男…ならば、
可愛いわが娘の幸福こそ願えば、断腸の思いで、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、
今まさに業火の中で焼き尽くさんかという栗を拾う覚悟で、そして、そして…

 「なァ、お袋…部屋に戻っていいか?」
 「なによ〜、京介、ここからが一番大事なところなのよ」
 「大体だなぁ〜、親父のメガネに適うヤツって言うか、今言った条件に合うヤツなんか
どこ探したって、そう簡単にいるわけねーだろ!」
698 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:25:55.73 ID:1V7k/qA0
桐乃のために己の命すらも賭すことになんの躊躇しないって、あいつは自分の携帯小説の
取材のために、それだけのためになぁー、兄貴のこの俺様に向かって、

 『そーね、とりあえずそのへんのダンプに轢かれてみてよ』って、

 それこそなんの躊躇しねぇーで言えるヤツなんだよ。 命がいくつ有っても足んねぇーヨ!。

 「でね、一番大事なところなんだけど…」 お袋…、無視しないでくれませんかって。
 「お父さんが言うにはね、もし桐乃に好きな人が出来て…将来一緒になるとしてもね……、
自分の手許からは絶対に離さないって…ね…言うのよ〜…ハァ〜…」
 「ってことは、何? 婿養子を貰えと?」
 「まぁ、それも選択肢の一つではあるんだけどね、桐乃を心から愛してくれる男なら、
探さなくてもいくらでもいるんでしょうけど…ただねぇ〜…もう一方がねぇ〜…ハァ〜…」

 お袋はさっきから二言三こと、言ってはハァ〜、言ってはハァ〜の繰り返しである。
 「確かにあの親父とうまくやっていけるヤツなんか、そうそう探しても見つかんねぇーわな」
 と言いながら、お袋の顔を見ると、なにやら先ほどと打って変わってニヤニヤしている。
 「でもね、あんたはそう言うけどさ〜、お母さん一人だけ心当たりがあるのよね〜うふふ」
 「分かった!、それ以上言わないでくれ!俺を超異常な世界に引き込まないでくれ!!!」

 「そう?、京介よ〜く聞いてね、桐乃のためでもあるし、お父さんのためでもあるのよ〜、
あんた以外にお父さんの出した条件に適う男は、ど〜やって考えても思いつかないのよね〜、
まぁ、お父さんの了解ももう取ってあるし…ねッ、後はあんたの覚悟しだい?」

(続く…   カモしれない…まだ書いてないし、近親ものにするのはチットね…)
699 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:28:55.89 ID:sNJCrBso
展開が新鮮。続きお待ちします。
700 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:52:44.24 ID:pwVpwfYo
これはいいカーチャン。続き期待してるぜ
701 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/29(水) 23:11:59.87 ID:FejFdm6o
帰ってきたけど忘年会で酒が入ってしまって頭が回らない・・・
とりあえず風呂で酔い覚ましてこよ

>>698
乙です!かーちゃんメインって初めて読んだ気がする
>>671
ラノベ読むの自体、俺妹が初でした
まさがSS書くほどハマろうとは…w
702 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:30:00.82 ID:/ClPX82o
これはいい
続きに期待
703 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:45:15.31 ID:bQ8.vUAO
いやはや、良い高坂母。
ペースを取り戻せない京介ワロス

間置かないで悪いけど、俺も投下させていただこうっと
704 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:47:08.70 ID:bQ8.vUAO
年の瀬も押し迫り……なんて常套句が毎日のように浮かぶ12月末

沙織が「京介氏の慰問会を開きませう」とか言って、控えめながらクリパの場を設けてくれたり
(アイツの心遣いには頭が下がるぜ本当)
黒猫が「邪魔にならないといいけれど」と腕の通しやすい上着を拵えてくれたり
ゲー研の連中は、冬コミは申し訳程度しか参加できないと伝えたんだが、暖かい励ましで迎えてくれた。
(代わりとばかりに武勇伝をせがまれもした。ないから、そんなん)
麻奈実やあやせたんも「手伝える事があれば気兼ねなく言って(ください)」と宣う。
俺ってば思ったより愛されてんのかしら…と感慨も大きい。

そんなこんなで早30日。
親父もようやく休みに入ったかと思えば、年末年始の警ら体制がどうこうと助力を請われたようで
完全にリラックスする訳に行かない様子だ。
そんなこんなを配慮してか、お袋はさっさと正月休みに要ると思われる買い物をリストアップ
俺に渡して自分は夫婦水入らずと決め込んでいる。

車も無しに面倒な任務だが…まあ、たまにはいいだろう。
二人とももう今年中にすべきつとめは果たしたんだし。
かくして俺はカートを引き摺り出して玄関に立つ。
705 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:47:51.34 ID:bQ8.vUAO
「桐乃、もうそろそろ出掛けるぞ?」
「いま行くからちょっと待ってってば〜」

なんてやり取りを数回経て、小綺麗なジャケットを羽織った妹が下りてくる。
少し軽装な印象なんだが、昼間だし、あんなんでも足りるのかな。行ってきますの一声をかけ、買い出し行の始まりだ。

「なぁ桐乃」
「うん?」
「昨日にも言おうとしたんだけどな。お前、冬コミのほうはいいのか」

筋金入りのオタである妹にとって一大イベントなのは確かだし、それ以外に黒猫のサークルの件もある。
俺が参加を見合わせるのはともかく、
今回桐乃には俺のぶんまで遺憾無く楽しんで来てもらうか…という想定はあっさりスカされた。

「別に問題ないって。店舗で委託販売するとこは抑えてあるし、何ヵ所かは沙織に頼んだし」
「そりゃ…あとでキチンと礼しとけよ?」
「もちろん。当たり前じゃん。
  黒いのの方は、朝から付き合えないのはゴメンだけど、陣中見舞いに顔出すつもり」

なるほどね。ちゃんと話をつけてあるならいらん心配だったか。
おそらく現場主義に見える桐乃がこうして残ったのは俺を気遣ってなのだろう。
こうも気にかけられると何ともこそばゆい心境だよ全く
706 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:48:47.45 ID:bQ8.vUAO
関東でもことに千葉は暖かいほうだ。この時期なのに10℃以上になるくらいだもん。
ただ、今日はやや風が冷たい。首にかけたマフラーを気持ち内側に巻き直す。

「…結構使ってくれてんだね、それ」

チラッと視線を寄越して妹は言う。
去年麻奈実にもらったのは、それはそれで重宝していて。今年も早くに箪笥から出したところ、
桐乃のやつが「こっちの柄のが合う」と渡してきたのが今巻いている物なのだった。
以来は交互に着回している。

「ああ。突然『兄貴に受け取ってほしいものがある』なんて言われた時は何かと身構えちまったけど
  桐乃にしては実用的だよな、これ。ありがとよ」
「桐乃にしては、が余計だっての」

クスリと笑う俺の妹様である。
コイツ、ここしばらくで随分態度が軟化したんじゃね?
理由はわからないが、喜ばしくもあり、反面どうも落ち着かない感じもある。

世にある普通の仲が良い兄妹という枠に収まるには、
俺たちの間にはこう…しこりのようなものが残っていたはず、なんだが…?

いつかの偽装デートの時のように、あるいはあのとき以上に自然に
俺と妹は隣り合った距離を保ち、歓談しながら街路を行くのだった。
707 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:49:24.99 ID:bQ8.vUAO
買出しと言っても、任されたのは嵩張らないものだけだ。
そごうの中だけで大抵の用は足りるっぽい。
ほかダイソーやパルコにも寄る予定だが、さして時間も食わないだろ。

入口前の椅子に、一足先に来ていた彼女がケータイと睨めっこしているのが見えた。
皆まで言うこたないよな。加奈子だ。

「よう、待たせたか」

遠めから声を投げかければ、ハッとこちらに向き直り、トテテ…と駆け寄ってくる。
何とも子犬ちっくなヤツである。
マネージャーやってた頃とは随分な態度の違いだ、そう思うと苦笑も浮かんだ。


「桐乃も来るなら言ってくれりゃよかったのによ。
  てゆーかぁ、お前ら兄妹なのにソレは無くない」

???
ソレとは?
今日はいつかみたいに手を繋いだり、まして腕を組んだりもしてない。
はて…と桐乃を見やると、小さい子がするように指先で俺の上着を摘まんでいた。

「いつの間に、ってか何やってんのお前?」
「い、いいじゃん別に、兄妹だって、これくらい」

心なしか照れた様子で裾から手を離す。
何でそんなと訊きたくはあったが、加奈子がからかうでもなくへぇ〜と呆れてたので、いつもこうじゃないのよとフォローせざるを得なかった
708 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:50:11.14 ID:bQ8.vUAO
「それより加奈子、見ちまったぜ、お前なにまたタバコくわえてんだよ」

そう、待ってるあいだ手持ち無沙汰だったのか、それらしきモノを口にしてるのが伺えた。
あやせも俺も口を酸っぱくして止めるよう言ってたのにな。
火は着けてなかったから口寂しさを紛らわしてただけにせよ、体面ってもんがある

「ちょっ、誤解すんな! あれはタバコじゃないって。これこれ」

ん……前に言ってた電子タバコか?
甘ったるくて嫌だと言ってたから、てっきり習慣に抗えず…と思い込んでしまった。
果たして加奈子が懐から取り出したのは

「チョコシガレットだぁ!?」
「そそ。結構イケんだよコレが」

あまりの意外性に吹き出しかけた。
隣で成り行きを見ていた桐乃も呆然としている。そりゃそうだろう。

「大体さ。いくら今は外れたからって、あんたがマネージャーのころクドクド言ったろ
  アイドルするなら務めのうちだの、あと、ヤニの臭いが残ってたら好印象も台無しだの…」

確かに言った。たぶん一言一句違わなかった。一応頭に置いてたのね

「京介があんまりしつけーから、やめてやった。見直したか」

へへんと無い胸を張る。

「あれ、兄貴、京介って…?」

<続>
709 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:53:46.72 ID:WbKO1NUo
かなかなは天使
710 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 23:58:34.48 ID:zStm2.ko
なんて先が気になる展開だ
711 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 00:07:00.69 ID:FqxGZ2SO
京介ママとかなかなちゃんの双璧だな俺の中では
712 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 00:07:51.72 ID:4KdLDcAO
書き手が増えてありがたいな
713 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 00:19:14.53 ID:571wXFAo
ペロペロ
714 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 01:20:06.85 ID:9ifE3rso
にくい区切り方をするな
715 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 01:59:09.00 ID:9UpK9Qc0
深夜に失礼します。 桐乃の母…佳乃です。
3レス分だけ書いたので投下します。


 お袋の、俺への常軌を逸した説得工作は続く…

 「あのね、京介、よく聞いて頂戴… あんたは兄妹で一緒になるのは間違っているとか、
穢らわしいとか、おぞましいとか思ってるでしょ? 」

 「…………」

 「じゃぁ、その認識を塗り替えてあげるわ。 …えぇーと、お母さんがまだ中学生の頃の
話なんだけど、大好きで何度も何度も読み返した本があるのよ…『オデュッセイア』と
『日本書記』って本なんだけど… 京介は読んだこと無いわよね〜」

 「…………」

 「でね、これらの物語は古くから人々に愛されて読み継がれてきたものなのよ。
まぁ、物語の内容は実際に読んでみれば分かるんだけどね、いま重要なことは、
この二冊に共通することがあるのよ、それはどちらも兄妹で結婚していることなの。
つまり…兄妹の愛を描いた芸術作品ってわけ」

 「…………」

 お袋は、陶然として…って言うか何かに憑依されたかのように得々とまくし立てる。
俺は既視感を覚え…どころじゃねぇーよ、一年ちょっと前に俺があやせにやった説得と同じ
じゃねーか。 いまの俺の立場をあのときの、あやせの立場に置き換えてみる……

 あんとき………  絶っっってぇぇぇぇぇぇー説得できてねーよ!

 いくらなんでも、あやせがいくら思い込みの激しい性格だとしてもだ、
はっきし言って、ちっょとでも常識があれば、って言うかまともな人間なら、
こんな超非常識な認識が塗り替わるわけねぇーって! 

 俺はいまもペラペラと説明を続けるお袋に、笑顔で…少し引きつってたかの知んないけど…
一言言ってやった。 限りなく冷静に。

 「お袋、それはあくまでも神話だから。 古代の神話だから…なっ」

 この先、お袋が近親相姦物のエロ同人誌でも出してきたら…
俺はもう、声を上げて泣くしかねぇよ。


716 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 02:00:38.81 ID:9UpK9Qc0


 だが、お袋の俺への常軌を逸した説得工作はまだまだ続いた…

 「じゃ、じゃぁ、…えぇーと、次は…これもお母さんがまだ中学生の頃の
話なんだけど、大好きで何度も何度も読み返した本があるのよ…

 題名はいま思い出せないんだけどさぁ、確か野球やってるお兄さんと、その妹との話でね、
たしか妹は新体操やってて… 実はその兄妹は血が繋がってなくて、お兄さんはそのこと
知っててさぁ〜、妹は知らないと思ってたんだけど、やっぱ知ってて… 

 まぁ途中、主人公のお父さんがちゃぶ台ひっくり返したり、弟が甲子園の県大会決勝の
当日、交通事故で死んじゃったり、お兄ちゃんが大学受験で一浪したお陰で、妹と同級生に
なっちゃったり、いろいろあるんだけど…結局、二人は結婚しちゃうのよね〜」

 「お袋、それすっげー端折ってないか? なんて本か、いや漫画だろ、俺も昔読んだこと
あるし、大体何度も読み返した本なら題名ぐらい覚えてっだろ」

 「えぇ〜と、あぁ!思い出した! 『巨人の星』?」

 「『みゆき』だろーが!、『巨人の星』はスポ根だよ。 大体、お袋の話には『みゆき』と
『タッチ』がごちゃ混ぜになってるしよー。 そんで題名が『巨人の星』?
星飛雄馬は弟だし、明子ねえちゃんは姉だろが、そもそも二人が結婚するなんて流れじゃ
ないし、そんなことになったら花形満はどーすんのよ」

 ふと、ゲー研の後輩、真壁君の泣きそうな顔が脳裏を過ぎる。

 「????????」

 お袋の頭上に疑問符がいくつも浮かんでるのが見えるようだ。

 「お袋、わりぃ… 最近、UHF局で再放送されたもんだから… つい熱くなっちまって」

 「…京介、やっぱあんたアニメとか好きなんでしょ? 桐乃もアニメ大好きみたいだし、
相性バッチリってことよね…… 第一関門クリア? ってとこ?」


717 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 02:02:54.36 ID:9UpK9Qc0


 なにが『第一関門クリア? ってとこ?』 なんだよ。

 ここで俺は、反撃体勢に転じた。 『オデュッセイア』も『日本書記』も『みゆき』も、
『タッチ』も俺は読んだ。 『巨人の星』に至っては、最近テレビで見たばかりだ。
お袋の過去の朧げな記憶よりも、俺の記憶の方が鮮明だと言う自負もある。
さて、手持ちカードから先ずはどれを切るか…

 「なぁ、お袋… 『みゆき』の中で若松兄妹がラストで、彼女だった”みゆき”より、
結果として、妹の”みゆき”を選択して結婚するのは知ってるよ、でもさぁー、
ここが重要なんだが、妹のみゆきは養女って設定じゃん。 
だからこそ、一旦、養女の籍を抜き、改めて兄貴と結婚できたっつー話じゃなかったけ?」

 漫画の『みゆき』と俺たちでは、二人だけの兄妹というシチュエーションこそ同じでも、
実は妹が兄とは血の繋がりのない養女だったっつーのがキーポイントなんだよな。
その事実を兄は知っていて、妹の”みゆき”も気付いてるんだけど、主人公の兄はそれを
知らない。 その微妙なすれ違いがベースになって物語が進行していくわけ。

 兄はなによりも妹の”みゆき”の幸せを第一に考え、妹の”みゆき”もまた、
お兄ちゃんの幸せを第一に考えている。 なのに、気持ちがすれ違ったまま妹の披露宴当日、
(結婚式よりも披露宴を先にした”みゆき”の婚約者もまた”みゆき”の幸せを第一に考え
てたんだけどさ)

 読者がどーすんだよ! とやきもきしていると… 披露宴で兄のスピーチの順番が廻ってきて、
初めて、妹”みゆき”への心情を吐露するわけだ。
当時は、涙ながらに読んだもんだよ。

 俺が当時の思い出の回想に耽っていると、お袋がケロッとして言いやがった。

 「京介、あんた知らなかった? あんた実は養子だったの。……黙ってて御免ね。うふっ」

 「チョット待ったァァァァァァァァァァァァア!!!!」


(ここまで、また書き溜まったら来ます。)

718 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 02:12:29.96 ID:MRxQ1ESO

続きの場合はアンカー付けてね
>>2 参照のこと
719 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 03:59:00.72 ID:4KdLDcAO
乙!
続きも待ってる

>>701は潰れたかな…明日か…
720 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 06:23:27.36 ID:L.YYPoDO
>>708>>717も乙
どっちも気になるところで切りやがって畜生
721 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 08:20:49.44 ID:msWEXdAo
多分だけど、続き物を書くときは一言入れてから始めた方が良いかも
短いスパンで短い書き溜めを突然投下すると、他の書き手さんがびっくりするかもしれないから
722 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 09:48:40.94 ID:4KdLDcAO
そうだね
あと、もう少し書き溜めてからがいいかも
短く中断されると、面白い話でも読み手が話に入り込めず、興を削がれてしまうので勿体無い
723 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 10:52:23.68 ID:igdz1rso
とりあえず、乙。
しかし、>>717 とか、割と母親が最低に見えるな。
原作下敷きにしているなら、御鏡との一件で「ついに妹に手を出したのね!」と殴っておきながら、
妹とくっつけようと(?)画策して「あんた実は養子だったの。……黙ってて御免ね。うふっ」と、えら
く軽いノリで重大なことをカミングアウトとか、どんだけ京介を軽く見てるんだか……。
724 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 11:16:24.59 ID:wFGJHbAo
カーチャンが怒ったのは「桐乃を悲しませたから」だという解釈があってだな…
桐乃の方が京介とのことを想ってると知ったら
受け入れるかどうかは別として真剣に考えてあげなさい、くらいは言いそうな気もする

というわけで>>717
725 : ◆kuVWl/Rxus :2010/12/30(木) 18:02:12.21 ID:XU5hzOAo
すいません、>>719 さんの推察どおり、酒に負けてダウンしてました…

ということで一昨日の >>655 の続きを投下します
今度は書き溜めです
726 : ◆kuVWl/Rxus :2010/12/30(木) 18:03:54.78 ID:XU5hzOAo
我が家では、キッチン脇のテーブルで食事をすることがルールになっているんだけど、
今日ばかりは仕方ないので、俺も桐乃がいるソファーで食事することにした。
ソファーで桐乃と向かい合わせで座り、買ってきた惣菜をおかずにご飯をかき込む。
だけど、桐乃はちょっと食べにくそうにしているようだ。

「ソファーだと身体が沈み込んじゃうから、お箸伸ばすたびに前傾姿勢になって
 ちょっと足に響くみたい……」
「あっ、そうか、それは気付かなかったな。じゃあ食卓に移動するか?」

すると、桐乃は問い掛けには答えず、自分の座っている隣をポンポンと叩いた。
ん?そこに来いってことか?
俺が移動すると、桐乃は箸を置き、口を大きく開けた。

「もしかして……食べさせろってこと?」

口を開けたままで、うんうん、と頭を縦に振る桐乃。

727 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/30(木) 18:05:29.56 ID:XU5hzOAo
仕方なく俺は惣菜を箸で摘み、妹の口に放り込す。桐乃はもぐもぐと満足そうに咀嚼している。
って、これじゃ俺が食えないじゃないかよ。

「ちょっとぉ〜 揚げ物ばっかり続けないでよ。ホラ、次はそっちのサラダ」
「へいへい、しょうがねぇなぁ……」
「なんかサ、こういうの悪くないね。 お姫様と召使いみたいな感じ?」

さっきは執事で今度は召使いかよ。
俺に言わせりゃ、お姫様ってよりも、ピーチクうるさい雛鳥に餌を与える親鳥の気分なんだけどさ。
こいつ、どんどん遠慮がなくなってきたな。

728 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/30(木) 18:07:16.48 ID:XU5hzOAo
食事を終えた俺達はしばらくリビングでテレビを観たりしていたけれど、
いざ就寝となったときに、またまた高難度のミッションが発生した。
そういえば……こいつをどうやって2階に上げればいいんだ?

「……お前、今夜はリビングのソファーで寝るか?」
「えぇ〜? そんなの無理。風邪引いちゃうって」

これは困ったぞ……
桐乃はモデルやってるだけあってスリムだけど、背負って階段を昇るのはなかなか厳しい。
そうは言っても、なんとかして俺が桐乃を上げる以外に方法は思いつかない。
とりあえず俺は桐乃をおんぶして階段の前まで運び、そのままの状態でしばし思案を巡らせた。

「このまま上がるのは危ないよなぁ」

おんぶのまま階段を昇ると、後ろに体重が掛かったときにひっくり返ってしまいそうだ。
となるとやっぱり……

「桐乃よ、さっきは却下されたけど、アレやるしかねえよな?」
「アレってなんだっけ?」
「前で抱える持ち方……」

そう、つまり“お姫様抱っこ”で昇るしかない。
それなら前に体重が掛かるから、もしバランス崩したとしても、階段を落ちるようなことは無いだろう。

729 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/30(木) 18:08:02.77 ID:XU5hzOAo
「そ、そうだね。仕方ないし、恥ずかしいけど……お姫様抱っこでいいよ」

桐乃も諦めがついたのか、意外にも素直に応じた。
俺は一旦桐乃を降ろし、後ろから背中と膝の裏の辺りに手を添える。

――すると桐乃は、俺の首を抱えるように両手を回してきた

うおっ!?
自然と互いの顔は接近するわけで、それに驚いた俺は思わず後退りしてしまった。

「いたた……ちょっとぉ!急に離れないでよっ!」
「す、すまん。って、いきなりあんなことされたら誰だって驚くだろ!」
「はぁ〜?お姫様抱っこってそういうものじゃん。何、あんた、意識しちゃったの?ぷぷ」

そ、そういうものなのか……?
確かに、そう言われればそんな気もしてきた。
どうやら俺は、想定外に恥ずかしいことを提案していたようだ。

730 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/30(木) 18:09:37.24 ID:XU5hzOAo
気を取り直し、また俺は桐乃に手を沿え、桐乃は俺の首に両手を回す。そして互いの顔が接近する。
くっ……侮っていたぜ、お姫様抱っこって奴をよ……! これは相当恥ずかしい。
俺は精神統一してから桐乃を抱き上げ、少し身体を斜めにずらした状態で少しずつ階段を昇っていく。

「これなら何とか昇れそうだな」

それにしても桐乃の顔が近い。
これで意識するなというのが無理な話で、だんだん顔が熱くなっていくのを感じる。

「あんた……なに顔を赤くしちゃってんのよ?」

いや、そう言うお前の顔だって、しっかり紅潮しているじゃねえか。
っていうか、そういうツッコミは自重してくれっての……変な雰囲気になるだろ。

「うっせえ、お前が予想外に重かったから血が上ってるんだよ」
「な、なんですって!? あんた年頃の娘に重いとかデリカシーなさすぎ!」

と、そんな罵りのやり取りで何とか場をごまかし、俺は桐乃を無事部屋まで運びきった。
ようやく俺のミッションがすべて終わった。本当にお疲れ様だよ、俺……。

731 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:11:59.19 ID:PRVWhv.o
くっ!この状況は絵でみたいとこだが・・・
つづけたまえ
732 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2010/12/30(木) 18:13:02.88 ID:XU5hzOAo
翌日には両親が帰ってきたので、俺による桐乃の介護の負担は激減した。
家の中ではお袋が面倒を見ているし、通学は親父が車で送り迎えして、松葉杖も使って一人で歩けているようだ。
一週間もすると、少し足を庇うようにしてではあるものの、松葉杖なしで歩けるようになった。

だけど、相変わらず階段を昇るときだけは俺を呼び、例のお姫様抱っこを要求してくる。
階段だけは万が一にも足を踏み外したらいけないから、というのが桐乃の言い分なんだけど、
あれは体力的に結構キツいし、第一恥ずかしいから、なるべくやりたくないんだけどさ……
こないだも、それを見たお袋に、

「あら〜〜 あんた達ってずいぶん仲が良くなったのね。怪我の功名かしら」

なんて冷やかされた始末だよ。
一体いつまでこの辱めを受けることになるのだろうか。

と、そんな俺の気持ちなんて知るよしもない桐乃は、いつものように階段の下で俺を呼び、
両手を大きく広げて待ち構えている。

まったく……本当に世話の掛かる妹だよ。




END
733 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:15:06.34 ID:XU5hzOAo
勢いだけで書き始めたのであまり練られてなくて申し訳ない
ネタ提供してくれた>>637さんに感謝
734 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:28:48.26 ID:MRxQ1ESO
まだ読んでないけど乙です
いまから帰りの電車で読むぜww
735 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:38:00.72 ID:aH6HSoAO
>>733

もののついでだから桐乃サイドも書いてくれると俺が喜ぶ
736 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:51:36.36 ID:L.YYPoDO
>両手を大きく広げて待ち構えている

く、可愛いじゃねえか!
737 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 18:57:14.96 ID:wFGJHbAo
>>733
これは2828せざるを得ないぜ
738 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/30(木) 19:02:25.61 ID:/SVSdfoo
くそっにやにやが止まらない
乙!
739 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 19:10:15.91 ID:MRxQ1ESO
勘弁してくれ
電車の中でニヤついて変に見られたww
ニヤニヤ要素書くのうまいな
740 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/30(木) 19:23:19.12 ID:OjeGsm60
いつもみさせてもらってます!
そういえばこのごろあやせSSを見ない・・・
だれかかいてはくれませんか!?
741 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 19:30:57.81 ID:Nl/1xoDO
桐乃がエロゲをやってて大声を出してたから壁を殴ったら壁が壊れて〜うんたんってのがみたい
742 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 19:37:04.00 ID:E9NXQTEo
>>732
>両手を大きく広げて待ち構えている。
想像したら可愛すぎてワロタ
743 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 20:26:04.58 ID:bzByFcDO
>>741
壁「解せぬ」
744 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 21:17:59.28 ID:4KdLDcAO
続きキテタ――(゚∀゚)――!!

>>742
同じくそこでやられた
破壊力あるぜ…
745 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/30(木) 21:32:56.96 ID:/SVSdfoo
>>669の桐乃が兄として好きだと気付く編書いたから投下していいかな
その場合後半と分割になっちゃうけど

後半の黒猫、あやせ嫉妬&からかう編は余裕があったら年明けには書けるはず

746 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 21:44:12.57 ID:PRVWhv.o
>>732
きりりん氏視点はまだでおじゃるか?
747 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 21:51:18.76 ID:4KdLDcAO
>>745
いつでもオッケーなんだぜ
748 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 21:52:30.55 ID:b1uIHLIo
>>745
おう、早くしろよ
749 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/30(木) 22:05:00.82 ID:/SVSdfoo
せっかく書き溜めた文消えた\(^o^)/
期待してくれた人ほんとにごめんなさい……
頑張って復旧します
750 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:06:00.94 ID:9UpK9Qc0
本編では、イラストすらない桐乃の母、佳乃です…
皆さん盛り上がっている中、水を差すようで申し訳ありませんが…

完結しました。 了解があれば投下します

751 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:08:02.21 ID:9ifE3rso
おっけーで〜す
752 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:09:05.43 ID:9UpK9Qc0
>>718さん、どうもです。
 
アンカーの付け方間違ってたら、またご指摘ください。

>>721さん>>722さん、どうもです。 

完結させてきました〜。
先の展開をまったく考えてなかったんで…デヘヘヘ

>>723さん>>724さん、どうもです。
 
思い付きで佳乃さんメインにしたんですが…
大体、本編で佳乃さんの登場って、例の『ついに妹に手を…』って以外
京介の部屋のドアいきなり開けるぐらいですもんね。

それにしても、桐乃もあやせも黒猫も沙織も出てこないSSがこんなにも
書いてる本人のテンション下げるもんだとは…想わんかった。

では、>>717の続きから完結まで、9レス分あります。
753 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:09:10.94 ID:e2EWYdso
俺は気が短いんだ
まだかい
754 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:10:13.03 ID:9UpK9Qc0
 何でそんな見え透いた嘘をついてまで、俺と妹をくっ付けたがってんだ?
考えたところで、俺の頭じゃ到底想像も出来ねぇ。 確かに、お袋も親父も桐乃のことを溺愛
している。 俺に対する態度との違いを見ても、一目瞭然だ。

 特に親父なんか桐乃のオタク趣味を知って、一旦は激怒したものの、不承不承ながらも黙認
するという形ではあるにせよ、親父なりに理解しようと努めてくれているしな。
いつぞやの、あやせとの一件で分かったことだが、親父は陰でいろいろと調べてくれていた。
 己の価値観と相容れないものを受け入れることが、どれ程の葛藤に悩み苦渋を味あうかぐらい
こんな俺でも理解できるさ。

 だが、ここで俺はある可能性について思い至った。 ま、まさか親父のヤツ、桐乃のオタク
趣味について少しでも理解しようと、いろいろ調べているうちに……
親父本人があっちの住人になっちまったなんて事は…… ねぇよな、いや、ねぇと信じたい。

 桐乃だって『二次元と三次元を一緒にすんな!』って言ってるし…
だが、黒猫やゲー研の後輩の瀬奈あたりは…そのあたりかなり微妙だ、御鏡に至っては、
肉体はこっちだが精神はあっちの世界の住人かもしれん。 
 親父は謹厳実直を絵に描いたような人だから、あっちの世界に一歩踏み込んだ途端に、
『これこそが俺が生きている現実世界だァァァァ!!!』 なんてね……、想像したら気持ち
悪くなってきちまった。

 まあ、そんな俺のくだらん妄想は横に置いといてっと、

 「なぁ、お袋…、俺の中学校ん時の修学旅行… 海外だって覚えてんよな?」

 「…確か…ハワイだったっけ? 木彫りの人形みたいなのあんた買ってきてくれたのよね?
それ見て桐乃が怖がっちゃって、翌日捨てちゃったけど」

 「…行き先がどこであろうと、俺の記念すべき初めての海外旅行で買った土産の末路が
どうなろうと、問題じゃねーんだヨ」

 「…………?」

 「海外へ行くにはな、パスポートっつーもんが必要だよな」

 「京介、あんた何が言いたいわけ?」

 「分かんないっつーなら、はっきり言ってやるよ。 …パスポート取るときゃ…
”戸籍謄本”か”戸籍抄本”が必要ーだろうが! そんときゃ俺、どっちがどー違うのか
分かんねーからさぁ、市役所の窓口で『家族全部載ってるやつ下さい』って言ったんだよ」

 「あっ!…………チッ!」

 ここまで言ってやると、お袋も気付いたらしく桐乃とそっくりの舌打ちをしやがった。
あいつの舌打ちはお袋の遺伝だったのか? んなことねーか。

755 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:11:00.78 ID:9UpK9Qc0
 「…ところで京介、麻奈実ちゃんは元気? …最近見かけないけど?」

 「いきなり話題変えんなよ!  ま、まぁー麻奈実はいつもどおり、げ、元気だよ」

 「話題を変えてるつもりなんて無いわよ〜 あんた、麻奈実ちゃんちの養子になるってのは
どうよ。 毎日、和菓子食べ放題じゃない。」

 「どうよじゃねーよ、なんでそんなにお袋はこの俺を養子にしたがるんだよ! あーあーあー
分かるよ、お袋の魂胆は、一旦俺を高坂家の戸籍から除籍したいんだろ? んでもって、
めでたく桐乃とって思ってるんだろうが…」

 「あら、分かっちゃった? 京介、あんたって思ってたより結構鋭いのね〜」

 俺が万が一にも、田村家の養子になったとしたら… 確かに大歓迎されるだろうよ、
麻奈実はもちろんのこと、あのじーちゃんや、ばーちゃん、ロックに麻奈実のおじさん、
おばさんの誰もが諸手を挙げて喜んでくれることは容易に想像できるよ。
 でもなぁー、お袋、田村家の養子になるって事は、あの一家の人々にとっては麻奈実の、
”婿養子”って事と同義語ですからー! あんたの腹黒い陰謀が白日の下になったら…

 『きょうちゃん… きょうちゃんのためにお葬式饅頭作ったんだ… でも…もう食べ…
られないか〜』 

 てなことになるのは目に見えている。 
じいちゃんはといえば、刑務所の中かも知んないけど。
756 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:12:12.61 ID:9UpK9Qc0
 「なぁ、お袋? た、たとえばの話だ、ま、万が一にもお袋の言うとおりに田村家の養子に
なったとして、だ…、 そのあと、これもお袋の陰謀…じゃなくて計画通りにそ、その桐乃と
…ったとしても、だ、入籍する段階ですぐにばれんだろーが、田村家の養子になる前に高坂家
の嫡出子だったなんて… さっきの話じゃないが戸籍謄本調べれば一目瞭然だろーがよ」

 「そんなことぐらいお母さんだって分かってるわよ、やっぱり京介は詰めが甘いわよね〜」

 「どういう意味だよ…詰めが甘いって…」

 「いい、よく聞いて、麻奈実ちゃんちの養子になってほとぼりが冷めた頃…
あたしかお父さんの親戚筋の家の養子になるの、それでもって… 麻奈実ちゃんちがこの計画に
感付きそうになった頃、またまた麻奈実ちゃんちの養子になる… しばらくはこの繰返しね」

 「お袋、頼むから、冗談にでも麻奈実んちをあんたの悪魔の陰謀に巻き込まないでくれよ、
そもそも、そんなことして何のメリットがあんの? 俺は俺で麻奈実んちと親戚んちを
たらい回しにされ、何も知らない麻奈実んちは『婿養子が来たー』って喜んだと思ったら、
お預け食らってさぁー」

 「…メリット? もちろんあるに決まってるじゃない。 この壮大な計画の最終目的はね、
あんたがあっちこっちで養子縁組を繰返してるうちにね、京介、あんたが元々は、
どこの家の子供だったかわけ分かんなくなっちゃうこと。 どう?」

 「わけ分かんねーのはお袋の思考回路だよ、どこをどう配線すればそんな計画が思い付く
んですかー。 つーか、なんか犯罪の匂いすら感じるよ。」

 「京介、あんたやっぱり鋭いわ〜、この前ねテレビのワイドショーでね、養子縁組を繰返す
手口で保険金を狙ったニュースをやってたのよ。 それをヒントにしたってわけ」

 「やっぱ犯罪がらみじゃねーか! もうちっとまともな方法はねーの?」

 と、ここで俺は自分が口にした言葉に慄然としたね。 俺もお袋の陰謀に無意識のうちに
引きづられてることに気付いたからさ。 俺は左右に頭を振り、はっきりとお袋に言って
やろうとした矢先、玄関のドアが開く音がした。 もう一方の当事者、桐乃のご帰宅である。

 「京介、あんた、いまここでお母さんがした話、絶対に桐乃に言っちゃだめよ!」

 「んなこたー言われなくったってなぁー、それにだ…」

 と、俺がその先を言い掛けたとき、リビングのドアが開き、妹が入ってきた。」

 「あら、桐乃。 早かったわね〜 あやせちゃんとの買い物もう済んだの…?」

 そうお袋は言いながらも、視線は俺に向けたまま無言の圧力を掛けていた。

757 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:13:26.56 ID:9UpK9Qc0
 午後7時ジャスト、高坂家の夕食が始まる。

 親父は帰宅後、風呂に入りいつもの着流し姿だ。 お袋は誰に話すとはなしにいつもの世間話。
俺はお袋の話に聞くとはなしに適当に相槌を打つ。 桐乃はといえば、終始無言で黙々と
箸を口に運んでいる。 いつもどおりのありふれた高坂家の夕食風景だ。

 だが俺の少ない脳みそは、只今、暴風雪警報発令中だよ。
先ほどのお袋の話によれば、この件には親父が一枚噛んでいる、いや、親父が黒幕だと見て
まず間違いないだろう。 確かに親父が桐乃を溺愛しているのは誰の目にも明らかだし、
 親父のような厳格な人だからこそ、この前の御鏡の一件のように娘に彼氏が出来たり、
ましてや嫁に行かれるなんて、想像もしていなかっただろうし、想像すらしたくなかったの
かもしれない。 兄貴の俺でさえ、感情の高ぶりを制御し切れなかったのだから。

 あの時、俺は感情の赴くまま、己の感情を桐乃と御鏡にぶつけた。 そう恥も外聞も無く。
しかし、親父は… 自己統制… 俺が外界に向けて感情を爆発させたのに対して、親父は、
自己の内側に己の感情を閉じ込めた。 何故…… 娘の… 桐乃の父親だから……
俺はあの時、何もかもぶち壊れてもいいと思った。 妹にも妹の彼氏にもどう思われようが、

 親父だってあんときゃ俺と同じ気持ちだったろうと思う、『妹』に、『娘』に彼氏だと!
ふざけんなっ! 彼氏だろうが誰であろうが、ブッ飛ばす! ってな。
 でも、親父は耐えた。 直ぐにでもリビングへ乗込んで、妹の彼氏だと抜かす野郎の胸倉を
掴み、ぶん殴ってやりたい気持ちに耐えた。 何故……

 兄貴の俺に無くて、親父にあるもの…… 娘の幸せを誰よりも想う親の気持ち……

 親父にとって、娘が… 桐乃が幸せになれるのなら、桐乃がそれを自ら望むのなら…
自分の感情なんてこれっポッチも重要なことじゃなかったんだろう。
俺には兄貴としての感情は理解できる。 しかし、どうがんばろうが親父の…
『父親』としての感情は理解できないだろう。 俺がまだ、親で無いから……

 「ごちそうさまー」

 桐乃が席を立ち、自分の食器を重ねて、台所へ向かおうとしていた。
無意識にそれを目で追う俺。 イカンイカン、何考えてんだか。
正気に立ち返り、食事を再開すると親父は俺を見据えたままお袋へ言った。

 「母さん、京介には… 例の話はしたのか?」

 「えぇ、昼間… よく説明したんですけどね。 京介、納得しないのよ〜」

 俺は目の前で交わされてる親父とお袋の会話が、直ぐには理解できなかった。
しかし、数秒後… あの話か! と気付いたときは、時すでに遅く…
親父が口を開いた。

 「京介、これからお前の将来についての重要な話がある。 お前の進路を決める
重大な話だ。 早く飯を食ってしまえ……」

 俺は、茶碗に残された、どう見ても二口か三口の飯粒を、箸で一粒づつ口に運んだ。 

758 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:15:34.04 ID:9UpK9Qc0
 そんな子供じみた抵抗も虚しく、お袋は急須のお茶を俺の飯粒にドバドバ掛けやがった。

 「京介、さらさらっと食べちゃなさい。」

 そう言いながら、俺の目の前からまだ多少残っている焼き魚の皿と味噌汁の椀を引き揚げた。
うっすらと目に涙が滲むのを感じた俺とは対照的に、ニヤニヤ微笑むお袋の横顔がそこには
あった。

 もうこうなったら開き直るしかねぇ! あん時、妹のオタク趣味とオタクグッズを守り抜く
ためと言う、とても人様に自慢できねぇー理由にも関わらず、捨て身で親父に対峙した
この俺だ。 今回は守るものなんて、はなっからねーよッ! 強いてあげれば… おれ自身。

 大体、俺と親父は男同士だ、話せばこんな非常識で異常な計画が馬鹿げているかって分かる
はずだしな。 俺は最後の飯粒を飲み込むと、機制を制するため先制攻撃開始。

 「で、親父、将来についての重要な話だとか、進路についてって話だったよな?」

 「ああ、もう志望校は決めてあるのか?」

 んっ? 本当に真面目に進路についての話か…?

 暫くの間、俺と親父は志望校や志望する学科についてや、将来の就職… どんな職業に就き
たいかなど、真面目に話し合った。 親父も俺の話に対して真摯にかつ適切なアドバイスを
してくれる。

 先ほどのお袋の含み笑いは何だったんだ? まさか、俺を担いだのか?
最近、俺の周りでは、これドッキリですかー って言いたくなるようなことがしばし起こる。
桐乃の彼氏役でモデル事務所の女社長を欺いたり、その前には黒猫とは兄妹の設定で出版社に
乗込んだり…… 桐乃の彼氏ですと御鏡が家に来たり…

 今回のお袋の一件は、御鏡の前で暴れた俺への意趣返しかもしんねーな。
カラクリが分かっちまえば、こんな事でいちいち目くじらを立てるのも大人げねーし、
日頃から世話になってるお袋への感謝の意を込めて、素直に騙されたやるよ。

 親父と俺の進路についての話し合いが小一時間も続いたろうか、話の区切りが見え掛けた
ところで親父がおもむろに問うてきた。

 「ところで、昼間、母さんとも話し合ったそうだが、どんな話をしたんだ?
先ほど聞いたところでは、お前が納得してないように聞こえたが……」

 やっぱ、素直に騙されるのやめた。 昼間のお袋との会話を思い出すとフツフツと怒りが
再燃されてきた。 俺は親父に、昼間のお袋との会話をありのまま……
いや、多少の誇張を加えながら『悪魔の養子縁組計画』を暴露してやった。
お袋よ、いくら妹と比べて出来が悪いとはいえ、我が家の長男をオチョクルとしっぺ返しが
くるのだよ、 ハハハハハ。

 誇張も交えた俺の話を、目を瞑り黙って聞いていた親父は、聞き終えると、口を開いた。

759 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:16:43.24 ID:9UpK9Qc0
 「母さんの話には、かなりの無理があるな。 ハハハハ」

 親父はさも愉快そうに笑った。 こんなに機嫌のいい親父を久しぶりに見たよ、
どうよお袋、恐れ入ったか、やっぱ親父は常識ある大人だぜ。 親父は続けて…

 「まず、母さんの案では、法的な問題を拭い去れない。 戸籍法を始めな。…
何よりも、田村さんの家の養子云々に至っては、人様の家にご迷惑を掛けることになる。」

 親父! もっと言ってやってくれよ、もっと!

 親父はそれ以外にも、お袋の計画に内在するいくつかの問題点を、理論的かつ丁寧に
説明してくれた。 そこまで懇切丁寧に論破されてはグゥの根も出まいよ。
お袋はと見ると… 子供のように口を尖らせていた、拗ねてんなよっ、息子を嵌めた天罰天罰。

 「それでだ、京介…、母さんの案を実行に移すには現実的に無理がある。 分かるな?」

 なんか、話の流れがおかしくないですか? 俺の理解不足?
いま、『母さんの案を…』 ってところ、なんか引っかかるんですがねぇ。
まるで、じゃー他に”案”があるみてーじゃねーか。 

 『A案はちょっと無理ですね、代案のB案でいきます』 みたいな。

 「京介、よく聞け… 俺の案を伝える……」

 やっぱ、そーくるのかよ! 本人達の意思を無視し、無理やり実の息子と娘を一緒に
さるために、いや、その発想自体が鬼畜の証拠だけどな!
 そのためにゃー息子を養子に出そーっつー案より、鬼畜な案があるなら
聞いてやろーじゃねーか!!

 「京介、お前には死んでもらう……」

 なぁ、親父さんよ、俺… 今、夢ん中なんだろ? 夢見ながら、あぁーこれは夢なんだって、
そー気付くことって、たまにはあるよな? それがこれ。 昼間のお袋との会話から始まり
今こうして親父と話してんのも、夢ん中の話でさぁー 
そのうち、お袋あたりが『京介〜、休みの日だからっていつまで寝てんの〜』 とかな。
ただ…、やけにリアルなのが怖いんだけどさぁ。

 「親父、話の途中で悪いんだけど… 一発、デコピンやってくんねーか?
最近寝不足でさぁー 悪いけど… 一発…」

 ビッシッ!

 「イッテェェェェェ!!!」

 「京介? 大丈夫か?」

 「オーケー、オーケー、ノープロブレム… チッ!」

760 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:17:40.46 ID:9UpK9Qc0
 夢でも何でもなかったよ。 現実、超〜現実世界、鬼畜と化した親父とお袋が跋扈する
超異常空間だけどな。

 「京介、お前は… 何か勘違いしてるようだな。」

 いまあんた、『お前には死んでもらう……』って言ったじゃん。 勘違いしようがねーだろ。
他にどう聞こえるんだよ。

 「いいか、俺が言っているのは、『失踪宣告』という制度を利用することだ」

 利用じゃなくて、悪用の間違いだろ! って言ってやりたかったが、『失踪宣告』って、
『失踪』を『宣告』?????? 意味が分からん。
とりあえず親父の説明を聞き、俺が理解できた範囲で言うとだなぁ。

 不在者、つまり生死不明の者について一定の期間が経過したときは、家庭裁判所が、
失踪を宣告するって、制度らしい。 具体的には『戸籍上は死亡しました』ってことで…、
なんでそんなことすんのってーと、…たとえば… 俺の親父が生死不明の状態になったとして、
何年たっても行方が分からん。 そーなんといろいろと不都合が生じるっしょっ…
相続問題とか色々… でもって、その一定期間ってーのが、7年間らしい…
 
 俺が親父の説明で理解できたのはまぁーこんくらいだ。
要するに、俺は生きてて、親父やお袋の目の前にいるってーのに、警察に捜索願を出すらしい、
そんでもって、無事に7年経過した後、親父たちが『息子は7年間経っても行方不明です』って、
家庭裁判所に届けるらしい、で、家庭裁判所がめでたく、俺の死亡宣告を出す…戸籍抹消。

 バァァァァァァァァァァァーカカッ! ッつーの!

 戸籍上とは言え、俺が死んじまったらあんたらの『鬼畜計画』が頓挫するじゃねぇーか。
お袋は俺に詰めが甘いったけどよー、親父なんて甘いどころか致命的なミスを犯してんじゃん、
死んじまったやつと、桐乃を一緒にすんのか? バカじゃん。

 「なぁ、親父、7年後めでたく俺は死んだ事んなってさぁー、無事に戸籍も抹消って事にも
なってだ、書類上この俺はこの世に存在しないんだよな、 ケッ!
そんなのに、どーやって… あ、あいつとくっ付けようってんだよ!」

 「京介、お前は、7年経過後… つまり戸籍抹消後にな… 千葉かそこいらの海岸で発見
される。 記憶喪失でな。 ただし、京介という名前だけは覚えている」

 極道と見紛うような面の親父が、無表情で淡々と『鬼畜計画』の詳細を述べるのを
聞いていると、目眩すら覚えるよ、意識がすーっとあの世へと持ってかれる感じ?

 「随分と都合のよろしいことで… で、その後は?」

 「お前には、新しい名前と、新たに戸籍が作成される」

 ここまでくると不思議なもので、自分の身の事なのに先が聞きたくなる。

 「それから?」

761 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:19:49.95 ID:9UpK9Qc0
 「名前に関しては、発見された場所に因むものだったり、一般的にありふれた苗字だったり、
特に規定は無いようだ、例えばだ、千葉の勝浦で発見されたら勝浦京介、三浦半島なら、
三浦京介のようにな」

 「それから?」

 「その後、お前は運命の悪戯か神のお引き合わせによって、桐乃と出会う。
お前は桐乃の婿養子となって、再び高坂京介となるんだ。 どうだ完璧だろう」

 「…………」

 「どうした、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」

 言いたいことは山ほどあるがな、どうしてもこれだけは聞きたいっていう点がある。 
何故それ程までして桐乃と、って事だが……、いやいや、それはこの質問をした後でもいい。

 「親父、親父は自分の職場に息子の捜索願を出すのか? 目の前にいる息子の…捜索願を、
それにだ、いくら全国で家出人やら何やらが多いって言っても、やっぱさぁー、
警察官の息子がって事になれば、親父の同僚たちだって多少は気ー遣うんじゃねぇーの?」

 「その点に関しては心配いらん。 お前の捜索は、俺が全力で阻止する。」

 もう何言われよーが、驚かねぇーよ、この家はいま超異常空間だからな。

 「ただ、一つだけ… お前のことで心配がある。」

 「なんだよ」

 「京介、お前が… この先7年間もの間、一人でどうやって生きていくのかがな…」

 俺は、その場に… キッチンの床に土下座して…、親父に言った。

 「お父さん、いままで親不孝ばかり掛けるどうしようもない馬鹿息子で、
申し訳ありませんでした。 これからは心を入換えあなたの言うことには何でも従います
御免なさい」 グスッ



762 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:22:42.22 ID:9UpK9Qc0
 さーってと、なんだか生まれ変わったようで清々しい気分だぜ! クソッ!

 最後に今回の一件についての、顛末について話して置かなきゃな。
俺の涙ながらの土下座による嘆願の甲斐もあって、俺の『捜索願』の届出は回避された。

 ただ、残念なのはあの時、どうしても親父にこれだけは聞いて置きたいっていう事が、
聞けなかったこと。 喉元まで出掛かったのに…

 俺の涙の嘆願を受け親父は…

 「母さん、ここに紙と何か書くものを持ってきてくれ、鉛筆はだめだ。 あと朱肉を」

 そうだよ、もう気付いたろ、俺は親父に対して『誓約書』を書かせられたんだよ。
だが、不思議なんだよな、実の兄妹をくっ付けようとした近親相姦上等の鬼畜親父が書かせた
『誓約書』にしちゃ… てっきり、将来桐乃と結婚しますだの何だのと約束させられるのかと、
そう想ってたんだ。 でも違った……

 ただ一文だけ、







 『私こと、兄、高坂京介は 妹、高坂桐乃を身命を賭して 一生守り抜くことを誓います』





(完)

763 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:30:16.12 ID:L.YYPoDO


親父はなんとなくわかるんだが母さんがなぜここまでノリノリになったのかがちょっと気になる
親父はどんな話をしたんだろうか
764 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 22:37:57.26 ID:/0ts1sEo
 いや、そこは土下座じゃなくて、キレて暴れてもいいところだよっ!?
 この夫婦は、ドンだけ娘溺愛して、ドンだけ息子軽視してんだよっ! バカなんじゃねーのっ!?
765 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 23:02:29.66 ID:D/qwpzMo
面白かったけど、普通に赤城と入れ替わっちまえばいいんじゃねーの。
766 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 23:03:02.86 ID:Pv1XAtwo
オwwwヤwwwジwww
767 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 23:04:24.10 ID:er9jr2DO
乙面白かった
だが流石に京介が可哀想だな
768 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/30(木) 23:54:17.08 ID:/9Sq5sco
面白かったが、自分が京介ならマジで家出るか考えるレベル
こんな親がいたらもう親じゃないだろ
769 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 00:05:04.15 ID:xrqaXUSO
クズ杉ワロエない
770 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 00:09:40.55 ID:T1skBRgo
 最近「漣」読んで、高坂母ひでー、そういえば原作でもあんま出番なくて、あるときは常に京介にひどいことしかしてねーなー。
 とか思ってたら、上のSS読んで更に株が下がった。

 や、なんていうか、素で酷いよね。京介はキレていいレベルだと思うよ。ほんと。
771 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 00:14:51.83 ID:KY2z0cAO
発想は新しいから次がんばってほしい

お前らももっと生暖かい目で見ようぜ
初SSらしいし
772 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 00:14:58.91 ID:jlgBb/oo
ギャグモノとして見るなら別に目くじら立てるレベルじゃなくね?
エロパロスレでの「本編では絶対にない」って感想レスを思い出す流れだな
773 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 00:20:44.68 ID:EYibHsDO
アプリの桐乃かわいすぎてipodぶん投げた
774 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 01:11:41.96 ID:o7jcxZso
高坂母をあけのんがやってるという事実に、時代を感じたんだぜ
775 :708 [sage]:2010/12/31(金) 01:21:56.78 ID:RKJWpcAO
コメディ色が濃厚だと、内容が多少突き抜けてても俺妹らしいと思えてしまう。

>>764は京介の本音と見た。
本人乙wwwwwwって感じ

さてさて。日付変わる前に投下出来なくて無念だが、
>>708加奈子ものの続き、始まるよー
776 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:24:58.47 ID:fhTWAPo0
世界仰天ニュースでやってたな。失踪の話。
777 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:25:06.60 ID:RKJWpcAO
そういえば、加奈子が俺を名前呼びしてるのは、桐乃には初耳だったか。
ほんのちょっと前まで糞マネ糞マネ言ってたんだから、急な違いに面食らうのも無理ない。
俺自身ですら初めはそうだったもの。

「こないだの件から妙に仲良いみたいとは思ってたけど…加奈子、どんな心境の変化?」
桐乃のやつが珍しい戸惑いの面持ちで問う。

「ん〜、そもそもコイツが加奈子のマネージャー外れるって言い出すからさぁ」

本来ならあの日…俺は加奈子にそう伝えて、我侭娘と雑用係の関係は円満終了
ひいては二人の繋がりも希薄になり…という流れが当然だったんだろうが。
今となっちゃそんなアッサリとした幕切れは全然現実味が無い。不思議なもんだ。

その辺りの経緯に軽く触れてから、

「マネージャーはもう止めになっちゃったんだし、じゃあ京介でいいっしょって」
「じゃあ、ってのがコイツらしいよな。いきなり呼捨てかよ?とツッコミ入れるか迷ったぜ」

まぁ、実のところ加奈子が俺を呼ぶ時は未だに「なあ」とか「おい」とかが多いんだけどさ。
うん、これと似たケースを既に身近で経験してたな。

「ふーん……うちの兄貴が加奈子のメガネにかなうなんて、思わなかったケド」

そ、その言い草はないんじゃないかマイシスター。
確かにあんな劇的なイベントが無ければ、加奈子が俺への接し方を改める事もなかったろう。
あの件を切っ掛けに、以前と比べて険の取れた加奈子は
そのちんまい容姿とも相まって、ときに可愛らしく見えるのだった。
恥ずかしいから本人には言ってやらないが。

「桐乃は辛口だねー。普段は冴えない男だけど、やるときゃやってくれんよ、お前の兄貴」

なぁ?と俺に振られても。
ニシシと歯を覗かせて笑う加奈子。頼むから、あまり過大評価はしてくれるな。

桐乃は一瞬こちらへ目を向け、かと思ったらすぐに逸らし「そんなこと…」とかゴニョゴニョ呟いた
たぶん、助けられたって贔屓目が一時的に俺を頼りになる男に見せてるだけだの
そんな風に言いかけたのかと察するが。さすがに飲み込んでくれた。兄さん喜んでいいんかしら
778 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:27:03.68 ID:RKJWpcAO
いつまでも入口でダベってちゃ埒があかない。
他の買い物客の邪魔にもなるしと、三人で連れ立って移動する。
適度に暖房の効いた店内では防寒具が余計になり、俺もマフラーを畳もうとしていると

「なかなか洒落たマフラーだよな、それ。あんたのセンスにしてはさぁ」
加奈子が興味を示してきた。言葉ほどに皮肉は込めてないんだろうが

「俺にしては、が一言余計だっつーの」

そりゃ、俺じゃなく桐乃が見繕ってくれたものだから、指摘は正しいんだが。

と、隣でその桐乃が吹き出した。
あぁ…そうだ。意識してなかったとはいえ、ついさっき同じやり取りをしてたっけ?
ツボにはまったらしい妹様は放っといて、怪訝そうな顔の加奈子に説明をしてやる。

「そっか、桐乃が選んだなら納得。あんたならもっと凡骨なチョイスしそうだもんね〜」

待て待て。最近やっと口の悪さがなりを潜めてきたと安堵してたら、それかい。
若干ヒクついてる俺を気にとめることなく、加奈子はマフラーを手に取りしげしげと観察する。

「ん〜、柄はカッケーけど編み方は割りと荒いんじゃねーのコレ」

おぃ、褒めてんのか貶してんのかハッキリしないな。
ていうか編みがラフなのはそういう意匠なんじゃないか?
決してみすぼらしい印象は無いし、むしろハンドメイド感ただよう所が気に入ってるんだ。
そう言って返すと

「めんご、別に貶すとかじゃなくて。これぐらいなら頑張ればアタシにも編めるかなぁ…って」

加奈子は言外に含みを持たせて俺を見やる。
それは、アレですか。感謝の気持ちを込めて俺に贈りたいという…いやぁ参るぜ

二人して場を弁えずに固まりかけていると、横合いから桐乃が控えめに割って入る。

「あのさ、チャレンジ精神に燃えてるところ言いにくいんだけどね。
  いまから編み始めると今シーズンは間に合わないんじゃないかなー、たぶん」
「そうでもなくない?一月ぐらいかければどうにか形には出来そうじゃん」
「あたしもそう思ったんだけど。考えるのと実際やってみるのとじゃ大違いで」

そこまで喋って、桐乃はしまったという顔で口をつぐんだ。
えー……ちょっとした重大発言に出くわしちまったぞ
779 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:29:41.48 ID:RKJWpcAO
「ブラコン。」

しばし間を置いて口を開いた加奈子いわく。

「何だかんだ言って、そっちこそ仲良いよねー。
  さっきのといい、よっぽど兄貴のこと離したくないんだ?
  可愛い妹にこんだけ慕われて、あんたも悪い気はしないだろ。この果報者。うりうり〜」

や、ちょ、やめれって。
まくし立てられた桐乃は、黒猫にからかわれた時のように反発するかと思いきや
否定の言葉のひとつもなくモジモジとしていた。

……これなんてエロゲ?

そんな様子を見て拍子抜けしたのか、加奈子も一歩引き

「ちょっと前から何となく思ってた。やっぱ桐乃も京介のこと好きなんだぁ」

も? 今『も』って言ったのお前?
急展開に俺の脳が着いて行けずにいるうちに

「こいつのことだからきっと妹のピンチを見かねて体当たりでどうにかして…ってとこでしょ。
  聞かなくても大体想像つくわ。そういう男だよ、こいつってば。
  それがただ善意や責任感からやってるってのがタチ悪ぃし。
  そんなされたらさ、他意は無くてもさ、ときめいちゃうじゃんね?」

連帯感か共感かを滲ませて、加奈子は桐乃の手を取った。
聞き間違えでなければ、三角カンケイ的なものが俺たちの間には成立している??のか?

「何すっとぼけた面してんのよ。二枚目半が台無しだぜー」
「…半とか、ひでぇな。好いた相手にそゆこと言うか?」
「言うね。ほれほれ、買い物済まさないとだろ」

まるでいつも通りのように、空いたもう片方の手で俺を引っ張りながら加奈子は快活に笑った

<続>
780 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:33:02.26 ID:RKJWpcAO
今年中にもう一まとまりは書き上げたい……が……ま…
781 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:42:29.52 ID:xh0AbEDO
応援するぜ
タイトルつけるか前に投下したヤツに安価つけるかしたほうがどっからの続きかわかりやすい
782 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:44:24.97 ID:QMbXCQDO
がんばれ
783 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 01:48:30.63 ID:HSln3wSO
さすがに3レスで中断とか無いわ…
書き溜めてからにしようよ
784 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:17:01.52 ID:NeBS38Io
すばらしい
かなかなちゃんのマネージャーになる権利をやろう
785 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:18:36.27 ID:di1z2Foo
乙。
だが、加奈子よ。やっぱりてめーはアホの子だな。
お前のマネージャは初対面時に赤城浩平と名乗ったはずだ。
まあ、その後で本名を名乗ったのかも知れんけどな。
786 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:25:52.10 ID:RKJWpcAO
>>781
安価指摘は読んだ。
本文前の投下通知>775に着けてみたんだが
>777の冒頭にするべきだろうか…

>>782
ガンガル

>>783
残念、これが5-6時間の成果。
仮に1レスの文字量を今程度に10レスぶんまで書き貯めるとすると…正月休み終る

1レス文字量を前回同様にすれば、今回の投下も6レス相当だったけど。
それもチマチマしててどうかと思って詰め込んだ結果3レスになったわけで。

御要望にそう確約はできない…
787 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:29:31.69 ID:YX4l1EMo
文章全削から全力復旧
そして投下
788 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:30:33.95 ID:YX4l1EMo
「あたし、やっぱりあんたのことが好き」

深夜、俺の上に馬乗りになった桐乃がそう囁く。
シャンプーの匂いだろうか。辺りには女の子特有の甘い匂いが漂っていた。

「お、おま…い、一体何を」
「やっとわかったの、自分の気持ちが」

カーテンの隙間から漏れる月明かりに照らされた桐乃の顔は優しい微笑みを湛えていて、どこか浮世離れした美しさすら感じさせる。

「だからもうあの黒いのにも遠慮しない。変に気を遣うのもやめるし、意地を張るのも今日まで」

こ、こいつは一体何を言っているんだ?…俺には桐乃の言っていることがよくわからない。
ただ一つ確かなのは、こいつが俺に明確な好意を抱いているらしいということだけだった。

「お、おまえ、俺達は兄妹だぞ!?い、いくらなんでもそれはまずい!!」
「え……あ!な、何勘違いしてんの!?好きってのはそういう意味じゃない!」
「他にどんな意味があるってんだよ!?」

好きって言ったらそれしかないだろうが!
大体、このシチュエーションからして大好きな兄貴の部屋に夜這いしにきた風にしか見えねえぞ!?

「話は最後まで聞けっての!あたしが言ってんのはあくまで兄貴として好きってこと!!」

あ、兄貴としてだぁ?おまえが?……俺のことをか!?

「だからそう言ってんじゃん!」

……まさか桐乃からこんな言葉を聞くことになるなんて思わなかった。
確かに最近は、こいつに感謝されたり感謝したりもしたし、俺達兄妹の間に存在した”溝”もなくなりつつあったと言っていい。

だけど、それが一足飛びに『好き』に発展するのはどういう要件だ?
そもそもおまえの俺に対する態度は『好き』とはかけ離れたものだったと思うんだが。

「……にぶちん」

俺が未だ理解できていないと悟ると、唇をとがらせ不満そうな表情になる桐乃。

「あんた、今日のやりとり聞いてて何も思わなかったの?」
「今日?黒猫と沙織達がいたときの話か?」

桐乃は無言で首を縦に振り、肯定する。
789 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:32:00.63 ID:YX4l1EMo
「あのときは精神統一してたからなぁ…無我の境地ってやつだ」
「……あんた、あんな大事な話してた時にいったい何やってんの?」

半眼で呆れるような視線を寄越してくる。
いや、そうは言うがな―――――



時は遡り……昼過ぎ、桐乃の部屋。

「俺達付き合うことになったから」

俺は黒猫と付き合うことになったことを桐乃達に告げた。
こいつらはさぞ驚いてくれることだろうと思ったのだが…

「むふふ、やっとですか京介氏」
「……ふん」

こんな口ωをしてにんまり笑う沙織。
一方、桐乃は腕を組んで不満そうにこちらを見ているものの驚くといった様子はない

「あ、あれ?おまえら驚かねえの?」
「黒猫氏が京介氏に好意を持っているのはバレバレでしたからなぁ。後は京介氏の甲斐性次第と思っておりました。まぁ、こんなに遅くなるかという意味では驚きましたが」
「ほっとけ!」

鈍いのは認めるけど、それと甲斐性は関係ないだろ。

沙織はともかく桐乃がこんなに落ち着いてるのはなんでだ?
こいつのことだからてっきり黒猫を取られるのが嫌で騒ぎ立てると思ったのに。

「お、おまえは驚かねえの?」
「…この子には私が告白することを前日に告げておいたから」
「なんでそんなことを!?」

なんで俺が驚く側にまわってるんだ…ちくしょうなんか悔しい。

告白の前日っていうと、桐乃が俺んちに御鏡を連れてきた日か?
あの時は桐乃と黒猫が喧嘩して黒猫が怒って帰っちまって、その翌日に桐乃が御鏡を連れてきて……

確かその後桐乃と電話で仲直りしたって言ってたな。ひょっとしてその時か?

「あなた、その様子だとこの子がなんであんなこと言い出したのかもわかっていないようね?」
「う…わ、悪いかよ」

あの時は桐乃が泣いちまって、なだめるのに必死で…
結局その理由とやらは聞かずじまいだったんだよ。
790 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:33:33.69 ID:YX4l1EMo
「呆れたものね…。あのね、あなたの妹は―――」
「ちょ、ちょっと待て!あんた何言おうとしてんの!?」

半ばタックルするようにして黒猫ともどもベッドへとダイブする桐乃。
ちょ、いくら言われたくないからってやりすぎだろ!

「こうでもしないと、あのにぶちんは一生きづかないわよ!?」
「だ、だからってそれをあんたが言うんじゃない!余計なお世話だっての!」

おまえら!あんまりバタバタするんじゃない!目のやり場に困るだろうが!

「――――――――――――!」
「――――――――――――!」

くそっ…鎮まれ、鎮まるんだ俺のリヴァイアサン。
さながら修行僧のごとく煩悩と戦う俺には何も見えないし何も聞こえない……

「お二人ともそこまでです!このままでは京介氏の理性が吹っ飛びますぞ!」

沙織の言葉で自分たちの現状を理解したのか大人しくなる二人。
ふぅ…さすが沙織だ。沙織の仲裁がもう少し遅かったら危なかったぜ。

でもその言い草だと、俺がまるでこいつらのパンツをがん見してたみたいじゃないですか。
俺は必死に煩悩と戦って見ざる聞かざるを貫いていたというのに。
チッこのままじゃ俺という人間が誤解されちまう…
だから俺は胸を張ってこう言ってやったんだ。

「俺は何も見てねえから安心しろ。縞パン同士でお揃いだな、なんて思ってねえからよ」
「このど痴漢がっ!」
「”あちら側”へ行くがいいわ!」

はっはっは、こいつらにKOされるのは2回目だな。
今回は完全に俺が悪いんだけどさ。



「すまん、やっぱり縞パンしか憶えてない」
「この変態!」

ドスという音をたてて俺の脇腹に桐乃の拳が突き刺さる。
なんというマウントポジション!

「ぐぁ…ギ、ギブギブ!お、おまえの気持ちはわかったからこれ以上は勘弁してくれ!」

これ以上は俺の内臓がもたねえよ!

「…あんたほんとにわかったの?」
「お、おう!要はおまえは俺のことが兄貴として好きだってことだろ!?」
791 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:35:27.44 ID:oxcSTsIo
>>785
あれ、原作では赤城京介って名乗ってなかったっけ?
792 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:35:38.00 ID:YX4l1EMo
半分眠ってしまっている必死に回転させもっともらしい言葉を考える。
実の所、桐乃のセリフをそのまま返しただけだったのだが、桐乃はどうやら納得してくれたらしい。

「わ、わかったならいいケド。じゃあ明日からはそういうことだから。おやすみ兄貴」
「お、おやすみ」

気が済んだのか桐乃はそそくさと自分の部屋へと戻っていく。
い、一体なんだったんだ?それに『そういうこと』ってどういうことだ?

「もっと仲良くしようってことなのか?」

しばらく考えを巡らせてみるが、いくら考えたところで答えはあいつにしか分からない。
結局、再び襲ってきた睡魔に打ち負け俺は思考を放棄した。




「あ、おはようお兄ちゃん!」

瞬間、我が家の時間が止まった。

「え?」

お袋は目玉焼きが焦げ始めているのにも気づかないし、親父は元々大きくはない眼を限界まで見開いてこちらを見ている。

「ちょ、お母さん目玉焼き焦げてるよ!?」

桐乃の言葉で再び時は動き出す。

「あ、あんたたち一体どうしたの!?」

理由は俺が聞きたいくらいだぜ。
しかしお袋の疑問ももっともだ。
確かに最近は多少仲良くなってはいたがあの桐乃がいきなり『お兄ちゃん』だなんて、疑問を持たない方がおかしい。

「えへへー、今まで意地はって損した分今日からお兄ちゃんにいっぱい甘えようかと思って!」

誰だおまえは!?甘えるって何する気だ!?

「あら、そうなの?てっきり京介がなにかやらかしたのかと思っちゃったわ」

そしてお袋はなんですんなりと納得してるんだ!どう考えたっておかしいだろ!

昨日言ってた『そういうこと』ってこういうこと!?
これからはお兄ちゃん大好きっ娘になるよって意味だったの!?
793 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:36:38.42 ID:YX4l1EMo
はっ!そうだ、こんな時頼りになるのは親父だ!親父なんか言ってやってくれ!

「むぅ、そういうことか。家の中では構わんが、外では恥をかかんようほどほどにな」

おやじいいいいいいいいい!

「えへへ、だいじょーぶだって!」

何が大丈夫なのかさっぱりわからん。
あれ?ひょっとしてついていけてない俺がおかしいの?



「そうなんだ〜、よかったねぇきょうちゃん」

どうやら俺がおかしかったらしい。
朝一で麻奈実に相談してみたところ、返ってきた返事が先のセリフだ。

「いや、だっておかしいだろ!?あの桐乃がだぞ!?」
「桐乃ちゃんも女の子だったんだよ、やっと素直になれたんだねぇ」

しみじみと遠い目をする麻奈実。
まるで孫の成長を喜ぶおばあちゃんみたいだな。

それはさておき、『女の子だから』と今朝の現状がさっぱり噛み合わねえぞ。
ひょっとしてちょっと前に沙織が言ってた『女の子の態度には他意がある』ってやつか?
桐乃が実は俺のこと大好きで、今までの俺への態度は愛情の裏返しだったってこと?

「ありえねぇ……」

ツンデレなんてレベルじゃねえぞ。

「えへへ、よかったねえお兄ちゃん」
「おまえがその呼び方をするんじゃない!」

俺をそう呼んでいいのは桐乃だ……違う違う!何を考えてるんだ俺は!?

「そういうのは桐乃だけでお腹いっぱいなんだよ!……………あれ?」



おわり
794 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 02:39:30.51 ID:YX4l1EMo
また書きに来るよ。おやすみ
795 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:48:18.20 ID:THgBzH2o
 乙&おやすみなさい……。


>>791
 4巻48ページ1行目の一番下辺り参照のこと。確かに『赤城浩平』とまんま赤城(兄)の名前を騙ってるよ。
796 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:59:23.78 ID:ETsb95s0
>>791
京介がマネージャーをやったのは2回
1回目で赤城浩平、2回目で赤城京介と名乗っている
そして同一人物であることに気づかないかなかなちゃんテラアホの子……
やはりこの2人を絡めるには何かしらハプニングを起こしてからのが自然かねぇ
797 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 02:59:37.87 ID:KY2z0cAO
>>786
まぁでも中断多いと読むのがちょっと面倒になるのは確かだから
可能ならそろそろ完結まで溜めてみてはどうだろう
別に〆切あるわけじゃないし
798 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 03:02:48.14 ID:KY2z0cAO
>>794

俺も桐乃にマウント極められたい…
799 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 03:03:32.43 ID:iwtwC.Io
乙です
後日談が読みたくなるような桐乃デレだな〜
800 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 03:31:37.57 ID:xrqaXUSO
かなかなちゃんっ……うっ

ふぅ
801 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 04:04:43.18 ID:xh0AbEDO
これはいいデレ……そして俺がリクした内容なような気がして嬉しい
802 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 04:37:28.01 ID:iwtwC.Io
リクエストが話になると嬉しいよね
803 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q :2010/12/31(金) 05:53:11.30 ID:tEufFtQ0
2ちゃんのべつの所で書いたが、誤字脱字が有ったので修正して投下

俺は妹とデートの待ち合わせをしていた。
え?また芝居をしてるのかって?いやいやそうじゃないんだ。
今度はこの日だけは正真正銘、桐乃を彼女のつもりで待ち合わせしてる。
九時半に前に待ち合わせした場所に到着した時にはもう彼女は
そこに立っていた。
「悪いな待たせたか?」と俺
「ううん、全然!」
ライトブラウンの髪の毛、しなやかに伸びた足、均整の取れた身体。
いつも見慣れたモノなのだが今日ばかり少しばかり違う感じがした。
「今日のおまえが今まで見た中で一番綺麗だ」
普段なら絶対言わない様な台詞を言う俺。
でも愛しい彼女が俺の為にお洒落してるなら褒めるのは当然だろ?
「お兄ち…京介もカッコイイよ」
照れくさそうに頬を赤らめて言う桐乃。
俺も恥ずかしいが今日だけは頼りになる兄貴じゃなく男として
桐乃をリードするつもりで桐乃の手を握った。
まだやっぱり芝居してる様に見えるかい?
どうせまた桐乃にお願いされて無理矢理デートしてると思ってる奴も
いるかも知れない…でも今日のこのデートだけは正真正銘200%
ただならぬ関係なんだけどな。
〜〜〜
804 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q :2010/12/31(金) 05:55:30.74 ID:tEufFtQ0
〜〜〜
…「桐乃 俺と付き合ってくれないか?」
一瞬何を言ったか理解出来ない感じで桐乃は俺の目を見た。
でも驚いてはいるけど、不審や不快感の色は見えない。
「え…えと」
「やっぱりダメか?」
「お兄ちゃん、黒いのと付き合ってるでしょ?」
自然にお兄ちゃんと言葉にする桐乃。今までの俺ら兄妹の
関係を知ってる奴が見たら違和感を覚えるだろうな。
そろそろ呼び慣れた響きの言葉を聞きながら、俺は少し微笑んで
「ああ でも桐乃が中学を卒業する記念に何かプレゼントしたくってな。
けど相変わらず俺はセンスないだろ?だから一日だけ恋人気分で
デートしながら何か買ってプレゼントしたいんだ!」
前の俺だったら自分がセンス無いとか格好悪いとか口が裂けても
拷問されても言わなかっただろうな…。
桐乃の顔を見たが何と言って分からない様な表情だったが
絞り出す様に
「えと…黒猫は知ってるの?あたし達、色々有ったけど今は黒猫と
お兄ちゃんの仲…応援してるんだよ?だから…やっぱり」
拗ねた様な困った様な顔をする桐乃
「もちろん、納得してるよ。まぁあの性格だから色々言われたけど
大丈夫だって」
〜〜〜
805 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 05:57:56.05 ID:tEufFtQ0
ごめん下げ忘れたよ(汗)

〜〜〜
…「桐乃 俺と付き合ってくれないか?」
一瞬何を言ったか理解出来ない感じで桐乃は俺の目を見た。
でも驚いてはいるけど、不審や不快感の色は見えない。
「え…えと」
「やっぱりダメか?」
「お兄ちゃん、黒いのと付き合ってるでしょ?」
自然にお兄ちゃんと言葉にする桐乃。今までの俺ら兄妹の
関係を知ってる奴が見たら違和感を覚えるだろうな。
そろそろ呼び慣れた響きの言葉を聞きながら、俺は少し微笑んで
「ああ でも桐乃が中学を卒業する記念に何かプレゼントしたくってな。
けど相変わらず俺はセンスないだろ?だから一日だけ恋人気分で
デートしながら何か買ってプレゼントしたいんだ!」
前の俺だったら自分がセンス無いとか格好悪いとか口が裂けても
拷問されても言わなかっただろうな…。
桐乃の顔を見たが何と言って分からない様な表情だったが
絞り出す様に
「えと…黒猫は知ってるの?あたし達、色々有ったけど今は黒猫と
お兄ちゃんの仲…応援してるんだよ?だから…やっぱり」
拗ねた様な困った様な顔をする桐乃
「もちろん、納得してるよ。まぁあの性格だから色々言われたけど
大丈夫だって」
〜〜〜
806 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:00:51.00 ID:tEufFtQ0
そして連続投稿wwww(汗)
〜〜〜
「と言うわけなんだ、瑠璃」
俺は黒猫とカフェで紅茶を飲みながら今回の事を切り出していた。
「京介も相変わらず重度のシスコンの様ね…」
怒っているわけでも不機嫌なわけでもない、何かを思案してる時の
黒猫の顔だ。付き合っていると分かる事がある。それは"闇の力"ではない。
黒猫と俺が不器用ながらも着実に二人の関係を進展させてきた結果だ。
「やっぱり今の私の魔翌力程度では…救いきれない…のかしらね」
黒猫の中二病的言動はいまだに健在だ…でもひとつだけ大きく変わった事が
ある。俺らがお互いを”京介””瑠璃”と呼び合う事…。
そして黒猫も少しだけ変わった。もちろんバジーナや桐乃と集まる時やゲーム部の部活動の時など親しい人が相手の場合は相変わらずなのだが、初対面の相手
などには魔翌力や闇の力とやらを向けることは無くなった。
黒猫曰く『あなたの相手をするのにはかなりの魔翌力を消費するのよ』だとか
『私の呪いは一生解けない上に段々強くなるのよ。だから分かってる?
京介は私となるべく会わないと、全身から血を吹いて死ぬわ。
会えない時でも必ず連絡は取るのよ。さもないと…』これって
愛されてるんだよな?死ぬほど愛したいって言うけど黒猫のはなかなか
強烈だ。出会った頃の事を思い出すと不思議な気分になるものだが
俺も死にたくはないので黒猫の呪いに喜んで答える様にはしている。
「それでやっぱりダメか?」
愛しい彼女に妹と本気でデートしてくるから許可くれってのも
なかなか体験出来ない事だろう。こんなレアな緊張はそうそうないぜ。
807 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:04:57.40 ID:tEufFtQ0
「きっとあなたは私が許可しなければ、隠れて会ったりはしないと
分かっているわ。…それに私を信頼してちゃんと正直に話してくれた
事も嬉しかったわ。」
「それなら良いのか?」
俺は無罪判決を言い渡されたが半信半疑の状態の被告の様な目で
黒猫を見た。
「勘違いしないで頂戴…私は京介が私とデートしてるのに可愛い、可愛い
妹さんの事で頭がいっぱいなのが嫌なの」
そこまで言うと一呼吸置いてからこう言った
「私の魔翌力では無理の様だから、自分で克服してきて頂戴。その代わり
チャンスは一度よ?分かったかしら?」
「瑠璃はやっぱり優しいな、俺はおまえのそういう所が好きなんだ!」
店内の周りの客に聞こえるくらい大きめの声でそう言った。
顔を耳まで赤くさせてほとんど聞こえるか聞こえないかくらいの
声で黒猫が言った
「違う、違うんだから。京介の為じゃないわ、私の…」
俺は手を握りなら
「照れてるところも相変わらず可愛いな!」と言うと
「違うって言ってるでしょ…それ以上言うと本当に呪うわ、
もっともっと呪うわよ?!」
天使の様な顔と天使の様な声で祝福する様に黒猫が言った。
〜〜〜
808 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:07:09.34 ID:tEufFtQ0
〜〜〜
俺は本当に黒猫との仲を心配している桐乃の頭の上に手をのせて
撫でた。桐乃が不機嫌になったり、不安な時にいつもよくやるあれだ。
「大丈夫!桐乃は心配しないでくれ。言い訳するみたいだけど
本当は俺が桐乃とデートしたったんだから!」
本末転倒の様な気がするが頼りのなる兄貴の様な気分で言った。
「…うん。有り難うお兄ちゃん」
と俺が握った手を強く握り返したが握力と反比例して声はか細く
弱々しかった。
「今日は俺はおまえの彼氏なんだぜ?兄ちゃんは辞めてくれよ!」
「分かった…京介…行こ…」
未来都市めいたモノレールと快晴の空…そしてとびっきりの笑顔の
横顔を見て俺は一生この瞬間を忘れないと誓い思った。
俺の妹は可愛い!世界で一番可愛いのだ…そして今日だけはこの時だけは
桐乃は…俺の彼女は世界で一番可愛い!

終わり
809 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 07:12:49.03 ID:4m.ymQYo
なんだと
810 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:06:58.66 ID:YX4l1EMo
眠れなかったのと、あんまり間が開くのもあれなので>>793の続き書いてきた
ちなみにさっきのと合わせて>>669が元ネタです
811 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:08:03.68 ID:YX4l1EMo
「いや〜、まさかそんな事態に発展するなんて夢にも想いませんでしたぞ」
「…俺だって想像もできなかったよ」

この状況を一体誰が想像できようか。
あれ以来桐乃は俺にべったりで、もはや何をするのも一緒と言って差し支えない。
桐乃が学校から帰ってくるやいなや俺の部屋に直行し、

「お兄ちゃん!一緒にゲームしよ!」
「あ〜、この問題終わったらな」

というやりとりももはや日常と化している。

「…ほんとに兄として好きなだけなのかしら?とてもそうは見えないのだけれど」

黒猫が盛大に引いているのがよくわかる。だって口元がひくついているからな。
あぁ…人が本気で引くときのリアクションって本当にこんなんなんだな。
俺、アニメでしか見たことなかったわ。

「はぁ!?あんた何キモいこと言ってんの!?あたしがお兄ちゃんとそんな関係になるわけないでしょ!」

そういう所は今までの口調と変わらないんだな。
それと桐乃、言葉と態度が全然噛み合ってないぞ。
まずは俺の腕に絡ませているその腕を離すんだ。

「だよね?お兄ちゃん」

もう俺は頭を抱えることしかできない。
どうしてこうなった……いや、かわいいことはかわいいんだけどさ。

「?」

桐乃は首をかしげこちらを見上げている。

「あ〜、なんていうかな。その…とりあえず手を離してくれるか?」
「あ!ご、ごめんね迷惑だった?」

パッと手を離し、慌てて謝る桐乃。
なぜだ……俺は悪い事してないはずなのに、なんだか罪悪感で胸が痛い。
812 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:08:48.24 ID:YX4l1EMo
「め、迷惑なんかじゃないぞ!?こいつらの前だから少し恥ずかしかっただけだって!」

桐乃がちょっぴり涙目になってしまっているのを見て慌ててフォローを入れる。
くそっ、いくらなんでも性格変わりすぎだろ!!

「……とんだシスコンでござるな」
「あの子がこんな性格になったのって、幼い頃の先輩が原因な気がしてきたわ」
「あぁ、なるほど。言われてみればそんな気も」

冷静に分析を始める沙織と黒猫。
俺は何もしてねえよ!俺達が幼い頃は…あれ?幼い頃はなにしてたんだっけ?

「ともあれ、私を差し置いてそのポジションに居られるのは我慢ならないわね」
「え?」

そんな台詞と共に俺の隣、桐乃とは反対側に移動する黒猫。

「ねえ兄さん?私とこの子とどちらが好き?」
「はぁ!?お、おまえ何言ってんだよこんなとこで!」

呼び方を元に戻すんじゃない!兄さんはやめてくれって言ったろ!?
黒猫は困惑する俺を見上げながら妖艶な笑みを浮かべている。

「そ、そんなの答えられるわけないだろ」
「あら?どうして?まさか本当に妹の方が大事だと言うの?」

い、いやそういうわけじゃねえよ。
ただ、ここでどっちが大事かなんて答えると後々えらいことに…
っていうかお前もそんなことくらいはわかるだろ!?なんで桐乃に対抗心燃やしてんだよ!?

「ちょっとあんた!お兄ちゃんが困ってんじゃん!」

さすが超ブラコン状態の桐乃。
兄の窮地に対してすかさず助け舟を送り込んでくれる。
おまえ…本当は優しいいい子だったんだなぁ。

「優しいお兄ちゃんがあんたを傷つけるようなこと言えるわけがないでしょ!?」

……どうやら助け舟は泥船だったらしい。

「彼女がベタベタしてなにが悪いと言うの?」
「う、うっさい。それ言うならあたしは妹だし!」
813 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:10:01.20 ID:YX4l1EMo
沙織ぃ……頼むこいつらをなんとかしてくれ。もはや俺では収集がつかん。
俺のすがるような視線を受け、沙織はひとしきり考えたあと口を開く。

「ふむ、では拙者も京介氏に責任をとってもらうということで、大事にして頂くとしましょうか!」

沙織!火に油を注ぐんじゃない!!
サークルクラッシュの件に関しては無事解決したはずだろ!

「せ、責任!?」
「あなた一体沙織に何をしたの!?ま、まさか浮気!?」
「ちがう!俺の話を聞け!」

結局その日は桐乃と黒猫は終始喧嘩しっぱなしだったし、沙織と俺はこいつらをなだめるのに四苦八苦してるだけだった。
…あれ?今までとそんな変わってねえな。喧嘩の理由がちょっとおかしかったけど。



翌日。

『お兄さん、お話があります。17時に公園まで来てください』

こんなメールがあやせから届いたのが16時。

「一時間後じゃねえか。なんか急ぎの用事でもあんのか?」

ま、まさかあやせも俺に大事にされたがっているのか?
今までの行動は全て俺への愛情の裏返しだったってことなのか!?

へへへ、なるほどな…それで合点がいったぜ。
顔面へのハイキックや手錠も全て照れ隠しだったってわけだ。
気付いてやれなくてごめんなあやせ!だが…すまない!俺にはもう黒猫という恋人が…



「お兄さん、桐乃に手を出しましたね?」

すでに瞳から光彩が消失している!?
……俺も俺だよ。なんであの時あんなはしゃいでたんだ。
どう考えてもハイキックや手錠が愛情の裏返しなわけがねえだろうが……。

どうやら、あやせのこととなると俺が頭おかしくなるのは恋人の有無に関わらず健在らしい。
これはもはや、あやせの特殊能力と言っていいんじゃないだろうか。
814 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:11:49.89 ID:YX4l1EMo
「もう一度言います。お兄さん、桐乃に手を出しましたね?」
「お、落ち着け!俺は決して桐乃には手を出してない!」
「嘘ついても無駄ですよ?ネタは上がってるんですから」

どこの刑事だ…。
あやせにじりじりと追い詰められ、思わず後ずさりしてしまう。

「ネ、ネタってひょっとしてあのプリクラのことか?あれのことだったら以前説明したろ?」
「違います。桐乃本人に聞いたんです」
「はぁ!?桐乃が!?」

え?まじで!?
どういうこと?俺ほんとになにもしてないよ!?

「き、桐乃はなんて言ってたんだ?」

俺は恐る恐るあやせに尋ねた。
体の重心は後ろに傾けており、その気になればいつでも反転し逃げ出すことができる。

「桐乃がお兄さんのこと『お兄ちゃん』って呼んだんです」
「は?」

一瞬、わけがわからなかった。
いや、確かに最近はずっとお兄ちゃんって呼ばれてるけど、それがどうして手を出したに繋がるんだ?

「あ、あやせ?おまえ何を言ってるんだ?それがなんで俺が桐乃に手をだしたってことになるんだ?」
「だ、だってあの桐乃がですよ!?絶対おかしいじゃないですか!お兄さんが変な薬でも使ったに違いないです!」

まるで脳天に雷が落ちたようだった。
俺はいつのまにか『桐乃にお兄ちゃんと呼ばれること』に対して馴染んでしまっていたようだ。

「そうだよ!その通りじゃねえか!!やっとわかってくれるやつがいた!!」
「やっぱりお兄さんが原因じゃないですか!この変態!死んで償えっ!!」

強烈なミドルキックが俺の脇腹にねじ込まれる。
たまらず膝をつき、患部を片手で抑える。
はたから見れば、まるで浮気男が彼女に土下座でもしてるように見えたことだろう。

「ごぁ…………ち、違う。あやせ…今のはそういう意味じゃない……」
「じゃあどういう意味ですか!?」
「いいか…よく聞けよ?」
815 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:13:00.98 ID:YX4l1EMo
「それを信じろと?」
「いや、実際そうなんだから信じてもらわないと俺が困る」

大体の経緯を説明し、俺達はベンチに腰掛けジュースを飲んでいた。
ジュースはあやせがミドルキックの詫びとして奢ってくれたものだ。

「わかりました。明日、改めて桐乃に確認してみます」
「おう、そうしてくれ。あ、それとこれは俺からのアドバイスなんだけど…」
「なんですかお兄さん?」

怪訝そうな顔をするあやせ。
お兄さんが私にアドバイスできることなんて何一つないですよ?とでも言いたげな表情だ。
さすがにその態度はひどくないですか?

「とりあえず、見境なしに人を蹴るのはやめといた方がいいぞ」
「だ、誰も見境なしになんて蹴ってません!お兄さんだから蹴ってるんです!」
「なおのこと悪いわ!おまえは小学生か!?よくある好きな子ほどいじめたくなるっていうあれか!?」
「こ、この後に及んでなんてことを!?う、うう、訴えますよ!」

顔を真っ赤にして全力で否定するあやせ。

一体俺が何をしたって言うんだ…。
そりゃあ、桐乃と仲直りさせるためにちょっとエロ本みせつけたり、他にもセクハラまがいのことをしたこともあったけどさ……。

………俺蹴られても仕方がねえな。

「ごめんな、あやせ……」
「え!?い、いきなりどうしたんですか?」
「よくよく考えたら蹴られても仕方なかったわ……さぁ、俺を思う存分蹴ってくれ!」
「ひぃ…この変態!」

今度は華麗に膝にローキックを決めてくる。
これはやばい……しばらく立てねえぞ。
おまえは詐欺師の他にも格闘家にもなれそうだな!
816 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:14:18.84 ID:YX4l1EMo
「では失礼します」

くるりと踵を返し、あやせはさっさと帰ろうとする。
俺は苦痛に顔をゆがめつつも、できる限り爽やかにこう言った。

「おう。またな」
「さようなら!」

あれぇ?俺いったいどこで怒らせたんだろ?



その翌日、自室でエロゲを堪能していたところ、突然俺の携帯が鳴った。
携帯の画面を見てみると、そこには『あやせさん』と表示されている。

「お、さては桐乃のやつが誤解をといてくれたのか」

今の時刻は21時。
桐乃が例のことを学校で話したとして……
あやせは俺に謝ることを決心するまでえらく時間がかかったようだな。

「ふ、そんなところもかわいいじゃねえか」

どんな可愛い言葉で謝罪をしてくれるのかと、期待に胸を膨らませメールを開く。

『ごめんなさい。本当は学校が終わったらすぐに連絡しようと思ったんですが…』

うむ、思った通りだ。
さすがあやせ、俺の喜ぶツボをナチュラルに押さえてくる。

『なにぶん準備に手間取ってしまって』

ん?準備?
あれ?謝るのに準備なんていらないよね?

『海に沈むのと山に埋まるのならどちらがいいですか?』

「桐乃おおおおおおおお!おまえ、あやせになんて説明したんだあああ!?」



おわり
817 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2010/12/31(金) 08:14:45.41 ID:YX4l1EMo
今度こそおやすみ。みなさんよいお年を
818 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 08:27:01.77 ID:kJrTTm2o
乙!
819 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 08:42:48.37 ID:xh0AbEDO
>>808>>816も乙!
こんな感じで桐乃とも黒猫ともうまくいくといいな
820 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 09:57:00.78 ID:KY2z0cAO
どちらも乙!
821 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 10:05:29.21 ID:a0YD1CIo
>>816
あやせの胸に埋まりたい
822 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 10:35:51.70 ID:Yz9sykU0
>>821は犠牲になったのだ・・・
823 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 11:35:59.27 ID:c/wBPMDO
モスモス2chの調子が悪くてなかなかこれなかったが、久しぶりにこれたと思ったらなんて素晴らしいSSばかりなんだ!
一気読みしてしまった…
今更ですが書き手の皆さん乙です!
824 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:31:29.57 ID:WKBVjwI0
SSを書くのは初だが、投下してみる。原作設定やキャラが崩壊してるが、
そこは大目に見てくれ

じゃあ始める
825 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:32:16.10 ID:WKBVjwI0

あやせ「最近、桐乃とお兄さん仲いいな…」

学校で桐乃と話をしていると、2回に1回は必ずお兄さんの話題が出てくる。そういう時の桐乃の表情はなんというかとても嬉しそうだ。

あやせ「まさかとは思うけど兄妹で―いやでもお兄さんは変態だし、ここらで釘をさしとこうかな。お兄さんをとられないた…ううん、桐乃を守るために!」


翌日―――

京介「お、あやせからメールだ。何々?」

『お話があります。いつもの公園に午後5時に来てください』

京介「何だろうな、また人生相談とかか?とりあえず、行ってみるか」

――――
――



京介「あやせは…お、もういるのか」

あやせはいつものベンチで携帯を見ながら待っていた。しかし、遠目に見ても美少女だとはっきり分かる容貌をしている。くぅ〜、さすがマイラブリーエンジェルあやせたん、今日も可愛いぜ。

京介「よう、待たせたな」

あやせ「お兄さん、お待ちしてました」



826 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:33:22.51 ID:WKBVjwI0
京介「ああ、で何だ?話って」

あやせ「はい、実はですね――」

そう言いながら、あやせはカバンから何かを取り出した。
ん、何だあれ。何か光沢を放つ物体が出てきたぞ、結構小さい―――
え、おいおいおいおいおい、あ、あれまさかナイ…

あやせ「死んでもらいます」

京介「まままままままままて、落ち着け。俺が何をした!?」

あやせ「言いましたよね、桐乃に手を出したら[ピーーー]と。最近の桐乃とお兄さんは
以前よりも親密に見えます。き、兄妹でありながらそんな関係になるように仕向けるなんて
変態の極みです、野獣です!よって刺殺します。」

な、何言ってんだコイツは。目がやばい、光彩が無いぞ例の如く。
思い込みで行動しすぎだろ!と、とりあえず逃げないと…

あやせはジリジリと近寄ってきたかと思うと、そこから瞬時に間合いを詰めて
俺目がけて突進してきた。

京介「う、うわあああああああああああああああああ」





ザシュッ!!

827 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:34:30.32 ID:WKBVjwI0
あやせ「あ、あれ」

ナイフはお兄さんのすぐ後ろにあった樹に刺さっていた。わたしが刺そうとした瞬間、
とっさにかわしたため勢いあまってめり込んでしまったみたい―って、え!?
これ、刺したら引っ込む仕掛けのおもちゃだったはずなのに…何で?


京介「あ、あ…」

あやせ「あ、あのお兄」

京介「亜qwせdftrgyふじこlp;@おおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

あやせ「ま、待って!!お兄さん、誤解なんですってば!!!」


お兄さんは脱兎の如く公園から走り去り、瞬く間に姿を消してた。
なんという速さ、陸上部の桐乃が見たら腰を抜かして驚くに違いない。

でも、どうして…おもちゃのナイフで脅かしてお兄さんが桐乃にちょっかいを出さないように
警告するつもりだったのに、何で本物のナイフ…あっ、そうか!
家にある果物ナイフと形がそっくりだったから、果物剥いてる最中におもちゃのナイフと間違えて…!

あやせ「ど、どうしよう…」
828 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:35:29.83 ID:WKBVjwI0

それからというもの、お兄さんはわたしを見ると逃げ出すようになった。


―翌日、京介の高校前―


あやせ「お兄さん、ちょっと」

京介「い、命ばかりはお助けええええええええ」

ダダダダッ!

あやせ「ご、誤解なん、もういない…」


―さらに翌日、下校中―


あやせ「あの」

京介「びゃあああああああああああああ」

ダダッ!

あやせ「待っ…は、はやい」


―さらにさらに翌日―


あやせ「お兄」

京介「!!!!!!!!!!!!!」

ダッ!

あやせ「違っ…き、消えた」
829 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:36:34.28 ID:WKBVjwI0
―高坂家―

桐乃「兄貴、入るわよ…ってどうしたのアンタ。隅で体操座りなんかして」

京介「(ビクッ!)な、何だ桐乃か脅かすなよ。ノックくらいしろ!」

桐乃「何ビクビクしてんのよ、どうしたの?」


―――
――



桐乃「ええええええええええええ、あやせに殺されかけた!?」

京介「ああ、この世の地獄を垣間見たぜ…ありゃあエンジェルなんてもんじゃねえ。
魔王だ、悪鬼羅刹だ、般若だ」

桐乃「で、でもあやせがそんなことするわけが」

京介「無闇にその名を口にするな!あいつが来たらどうすんだよ!!!」

桐乃「いやアンタ…ヴォルデモートじゃないんだから」

京介「とにかく…!あいつは俺と桐乃が仲良くするのが気に入らないらしいから、
また以前のような疎遠な関係に戻ろう」

桐乃「え、ちょ、ちょっと」

京介「ほら早く部屋から出てけ!しばらくお前と口聞かねえから、じゃあな!」

桐乃「ま、待っ」


バタン
830 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:37:53.04 ID:WKBVjwI0
―翌日―

桐乃「―って事らしいんだけどマジ?」

あやせ「あ、あれは違うの。少し脅かそうとしただけなんだってば!
ただ、おもちゃと本物のナイフを間違えちゃって…」

桐乃「それで兄貴が勘違いしたと。でも困ったなあ、アイツしばらくあたしと
口聞かないって言うのよ。あやせが、それで殺さないからって。
買って欲しいエロゲーとかあったのに」

あやせ「え、お兄さんがそんな事を?」

桐乃「あやせの事をそうとう怖がってたみたい。あの反応は確実にトラウマになってるカンジ」

あやせ「そうよね、わたしを見ると逃げ出すし…困ったな」

桐乃「え、何であやせが困るの?アイツの事変態呼ばわりして嫌ってたから好都合じゃないの?」

あやせ「い、いや。ほら!誤解を解いておきたいし、一応、親友の桐乃のお兄さんだし!」

桐乃「うーん、なんか矛盾してるような…よく分かんないけど兄貴の誤解をときたいわけね。
まあ、あたしもこのまま無視されると困るし、兄貴に色々やって欲しい事もあるから協力するよ」

あやせ「あ、ありがとう桐乃!」

831 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:39:11.50 ID:WKBVjwI0
京介「ふ〜明日から冬休みか」

独り言をつぶやきながら帰路につく。ふっふっふ、休みに入ってしまえばあやせも
容易に手を出せまい。あとは桐乃と口を聞かなければ、俺の身の安全は保証される。
なんだ案外楽勝じゃねえか。

京介「ただいまー」

あやせ「おかえりなさい」

京介「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

桐乃「あ、アンタ帰ってきたの。あのね明日から冬休みだから、しばらくあやせが
家に泊まりこんで一緒に勉強すんの。ちなみに父さんと母さんは当分旅行で帰って来ないから」

馬鹿な、そんな馬鹿な。有り得ねえだろ、大体あやせのご両親が許すはずが…
そんな俺の考えを察したのかあやせが口を開く。

あやせ「わたしの両親は今、母方の実家に帰ってるんです。しばらくこっちには来れないから、
その間ここでお世話に…」


ダッ!


桐乃「え、兄貴!?」

あやせ「お兄さん!?」


逃げるんだ、逃げるんだ!そう、あやせのいない何処でもいい。
あいつの魔の手からのがれられるどこか遠いところにくぁwせdrftgyふじこlp;@

832 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:40:11.82 ID:WKBVjwI0
京介「はあっはあっ…」


何処だここ?――見慣れない風景、ざわざわする木々の揺らめき。
どうやら、どこかの公園らしい。あたりは、すっかり暗闇に包まれていた。

京介「どうすっか…」

飛び出してきたものの、まったくのノープランだ。だが家に戻ったら、確実にあやせに消される。
もう戻れねえな…とりあえず財布の中身を確かめてみるか、どんだけ残ってたっけ。



残金146円――――――――おいマジか。


終わった俺終わった、全俺が泣いた。
どうすんだ、俺はこんな見知らぬ土地で餓死して土と化すのか。

京介「ここまでか…」

ベンチに座りながら、力無くつぶやく。近くを照らす公園の灯りが、
不幸な俺をあざ笑うかのように見えるぜ…



???「さあ早く帰らないと…おや、あれは」





沙織「お〜い、京介氏!」
833 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:41:05.70 ID:WKBVjwI0
京介「(ビクッ)な、何だ沙織か。脅かすな…あれ何でこんなところに?」

沙織「何でって、ここは拙者の住む家の付近ですし。家に帰ろうとしたら、
見覚えのある顔が見えたものですから。しかし、なぜここに?」

京介「ああ、実は」


―――
――



沙織「ほう、きりりん氏の親友のあやせ氏が」

京介「そうなんだよ…で、今ここまで逃げて来たって訳さ」

沙織「ふーむ」

…この感じだと京介さんは家に帰れそうにありませんわね。私は落ち込んだ京介さんを見ながら、
思案する。きりりん氏も心配するでしょうし、知らせたほうがいいのでしょうけど。
あやせさんを見ると逃げてしまう、か…それなら。

沙織「京介氏、拙者の家に来ますか?しばらく宿を貸して進ぜよう」

京介「ほ。本当か!?ありがてえ、本当にお前には世話になってばかりだ、すまねえ」

沙織「なんのなんの、礼には及ばんでござるよ。さあさあ、ここは寒いですから我が家へどうぞ」

しかし、まずはきりりん氏にも事情を聞いておく必要がありますわね。
あとで電話してそれとなく確認してみましょうか。
834 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:41:52.75 ID:WKBVjwI0
―槇島家―

沙織「ここの部屋を自由に使ってくだされ。浴室も付いておりますゆえ、
まずは体を温めたほうがいいでござる」

京介「ああ、厄介になる。ありがとな」

バタン

沙織「さて…」

ピッピッピッ―――――トゥルルル…

沙織「あ、もしもし。拙者、沙織でござるが」




―浴室―

京介「ふ〜、生き返ったぜ」

俺は浴室で湯に浸かりながら安堵していた。ここら辺は、俺の家から距離がある。
あいつらもすぐには追ってこれないだろ。だが、いつまでもここに世話になるわけにも
いかねえしな、しばらくしたら出て行くか…


ザバッ


京介「とりあえず今日はもう休むか、疲れた…」



835 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:42:50.60 ID:WKBVjwI0

―翌日―


チチチッ、チュンチュン

京介「う、う〜ん。もう朝か」

トントン

京介「は、はい!」

執事「高坂様、朝食の御用意ができましたので1階までお越しください。
沙織お嬢様もお待ちです」

京介「はあ、今行きます」


忘れてたけど、沙織の家ってめちゃくちゃ金持ちなんだよな。
執事がいるとかすげえな、やたら部屋数も多いし。
俺は周りをキョロキョロしながら1階に下りていく。

ガチャ

京介「沙織、おはよう…って。な、なななななななななななななんで!?」

桐乃「ふっ…兄貴、見つけたわよ」

あやせ「おはようございます、お兄さん」


そのまま絶句して、その場に固まる。なんで、ここにこいつ等が。
しかもこんなに早く見つかるとか、考えれら…ま、まさか沙織!

沙織「京介氏、申し訳ないでござるが、きりりん氏も心配しますし。
心を鬼にして連絡したのですよ。それに行き違いもあるようでござる。」

836 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:44:04.96 ID:WKBVjwI0
行き違いって何だ?沙織の言葉の意味を考える暇も無く、あやせが俺に近づいてきた。

あやせ「お兄さん…」

京介「待て、こ、こっちに来るな」

あやせの奴、あの時と同じナイフを持ってやがる…!
こんどこそ、ここで俺を亡き者にしようってのか!!!
やべえええええ、死にたくねえええええええええええ

あやせ「お覚悟を」

京介「に、逃げ…」

ガシッ

桐乃「逃がさないわよ」

沙織「京介氏、観念するでござる」

二人にがっちりと羽交い絞めにされて身動きがとれない。
て、てめえら俺が死んでもいいってのか。この薄情者どもがあああ!

ダダダダッ

あやせがあの時と同じようにナイフを持って走ってきた。
ここまでか、死ぬのか俺は。このままここで朽ち果てるのか。

ちくしょう、ちくしょうっ…!
一度でいいから全裸の可愛い眼鏡っ娘で埋めつくされたプールで、もみくちゃにされながら
「ほぅ〜らサメが来たぞ」と言いつつ、おっぱいにかぶりついてみたかった…

ダダッ

もうあやせの顔が目の前に…俺オワタ



カシュッ!!!!


837 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:45:38.04 ID:WKBVjwI0
刺されたか…。腹部を見れば鮮血が噴き出して…ないな。あれ?これは、おもちゃか。
あの刺したら引っ込むあれか。おい事態が把握できんぞ、どうなってんだ。
桐乃と沙織も俺の体を離してくれたし。

あやせ「うっ…ううう」

京介「あ、あやせ…?お前なに泣いて…」

あやせ「ごめんなさいごめんなさい!少し脅かすつもりだったのに、
あの時はおもちゃと本物を間違えたんです。本当にごめんなさい…」

そう言うと、あやせは俺に抱きついてきた。え、とりあえず俺は殺されないの?
死なないんだよな?よ、良かったあああああああ。
安堵すると同時に、あやせの顔が近くにあってドキッとする。

あやせ「お願いですから…もう逃げないでください。わたしが…わたしが
どんな気持ちでお兄さんを追いかけたと…ううっ」

いや、あれは逃げるだろ普通。そう言おうと思ったが、あやせの泣き顔を見ると
何も言えなくなってしまった。仕方ねえか…めちゃくちゃ怖かったけど。

京介「分かったよ、あやせ。俺はもう逃げないから安心しろ」

あやせ「お兄さんっ…!」


わたしは一層強くお兄さんに抱きついた。最近は落ち込んでばかりだったけど、
ここにきてお兄さんと抱き合えるなんて…えへへ。
こ、このまま流れに任せてキスまで持ち込…

桐乃「ちょっと、あんたら!いつまで抱き合ってんのよ!!」

京介「え、お、おい桐乃」


桐乃が懐からナイフを取り出した。あやせがびっくりして俺から身を離す。
何考えてんだアイツは…ははーん、あれもおもちゃのナイフだな?
もう騙されねえぞ俺は、ほらかかって来いよ。
838 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:46:45.75 ID:WKBVjwI0

ダダダダッ

桐乃「くらえええええええええっ!」

あたしは、兄貴目掛けてナイフを突き出した。ふふ、これも昨日購入したおもちゃなんだけどね。
しかも刺すと血のりが飛び出る仕掛け。兄貴、あたし以外の女を見るとどうなるか
思い知らせてあげようじゃないの。少しは反省してよね。

桐乃「…とっとっ!足がもつれ…」


ザシュッ!


チッ、つまずいた拍子に壁にささっちゃったか。あれ…壁に刺さってる!
何で引っ込まないの、血のりも出ないし…こ、これ本物!?
あたしもあやせと同じように間違えちゃった?

京介「あ…あ…」

桐乃「あ、兄貴違うんだって!!誤解…」

京介「おdfhれおgれいdfrじぇtp@d!!!!!!!!」

ダダッ!

桐乃「待っ…」

桐乃「…」

あやせ「…」

沙織「無限ループって怖いでござるな」




終わり
839 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:47:39.84 ID:WKBVjwI0
書いてみて分かったけど、SSは見るのと書くのは大違いだな。書き上げるのに、
かなり時間がかかった。改めて、書き手の大変さが分かったぜ…

じゃあまたROMに戻る。書き手と、読んでくれたみんな乙
840 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 16:50:54.50 ID:EFc3TLE0
面白かった!
また書いてほしいです!!
乙!
841 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 16:51:57.25 ID:xh0AbEDO
面白かった乙
842 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 16:53:55.85 ID:CbYM3MDO


これから、オモチャの包丁を扱うときは、しっかり確認してからにしよう。そう、心に誓いました。
843 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 16:57:48.11 ID:vxVW70oo
そのオモチャと本物は間違えちゃだめえええええええええ
844 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 17:24:25.43 ID:iwtwC.Io
>>839
乙です!
書くのは大変だと思うけど気が向いたら次も頼みます
845 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:13:02.99 ID:RKJWpcAO
うん、無限ループ怖い。>>839

上の方のえらい可愛いデレりんや、洒落のきいたSSの後でマッタリ系の話を投下するのは躊躇われるよ
でもせっかく急ぎめに書いたし、置いていかせてくだちぃ。

>>797
いちおう第三話(三日目)終わりまで書いたお

ほんのちょっとだけ増量したんじゃよー
以下>>779からの続き。
846 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:15:53.83 ID:RKJWpcAO
すっかり後延ばしになっちまった、当初の頼まれごとである買い出しをこなしていく。
加奈子と桐乃は普段の調子で雑談に興じていて
やれ某が可愛いだの面白いだのといったやり取りに花を咲かせる。
年も性別も違う俺は正直ついていけず、若干茅の外感をおぼえたりしつつ…
休みに入ってからこっち、やっと心置きなく友達と盛り上がれている二人を微笑ましく見守った。

一通りの買い物を済ませた頃には昼を回っていて、いい時間なんで飯を食っていく事にする。

「それにしてもお前ら、店冷やかすのもいいけどさ。
  いちおう一緒に買い出しするって建前なんだから、ちっとは手伝わんかね?」

オーダーを伝えて席に腰を落ち着けたところで、少しばかり釘を刺しておく。
別に話に加われなくて寂しかったとかじゃあない、勘違いしないでくれ。

「えー。だって兄貴だけでもテキパキこなしてたでしょ。買うものだって多くはないんだし。ねー?」
「ねー」

ねー、じゃないよ。こいつらときたら…

「そんな露骨にガッカリすんなって。荷物運びは交代でもってやるから。
  桐乃も、そんなんでいいよな?」
「あたしは最初からそのつもりで来てるし」

とまぁ、何とも頼もしいお言葉をいただいた。
へーへー、お嬢様がたにおかれましては寛大なるお気遣い有り難く…

「でもよ加奈子、お前んちの方はいいのか。買い物とか大掃除とか」
「いいのいいの。ウチはあんたらの家ほど気合い入れて新年迎えるでもないし。
  そういうのは姉貴がどうにかしてくれるから。全面的に任せてきた」

そうなんか。見も知らぬ来栖姉に、労いの一言も送りたい気がした。

「そういう訳だからさぁ、あんたの家に行ったらこのまま何か手伝ってってやるよ」
邪魔でなければだけど?と付け足して加奈子は申し出た。

我が家もあらかた片付いていることだし、普通に桐乃のとこに遊びに来るノリで構わないんだが。
847 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:17:47.66 ID:RKJWpcAO
昼飯を食らって一息ついてから、大通りへ出て我が家への帰途を辿る。
俺たちのような買い出しを終えた人間を目当てにしてか、通りにはタクシーが長蛇の列を作っていた。

「ぷは〜、食った食ったぁ〜」

いっそ清々しいくらい開けっ広げに、加奈子が爪楊枝で食べ滓をつつきながら言う。

「お前ね…言っちゃ悪いが豪快すぎだって。食い方といい、それといい…」
「あ、あたしも同感かな……いかにも加奈子らしいんだけど、ちょっと…親父入ってると思う」

あれだけ旺盛な食欲を見せておきながら、それが体型に反映されてないのは驚嘆に値するってのもある
珍しく兄妹一致した意見を受けて、さしものちんちくりんも多少たじろぎ、

「いーじゃんかこれぐらい、見逃せよー。
  こう見えて仕事関係じゃどうこう言われないように自重してんだ」
要するにその反動でプライベートでは、特に飯時に完全に地が出てしまうらしい。

そういうことなら、直すべきと強くは言えないものの。
初見の奴には外見とのギャップが大きすぎて、損しちまうんじゃなかろうか。
そう指摘してやったところ

「ばっか、アタシだってそこまで迂闊じゃねーっての。
  よそさまの目があるとこなら、ちゃんと年相応の大人しく振る舞いも出来る…わよ」

言葉尻が不自然に浮いちゃってんじゃん!?
心配だこいつ……
俺は既にマネージャーならぬ身ながら、一抹どころでない不安を禁じ得ないんだぜ

常人離れした集中力を持つ加奈子のことだ、体裁を繕うくらいわけないって自負があるのかもだが
取り繕う以前に、そのがさつな面を少しは改めていこうな?

と、前々から妹に向けていたのと同じ感覚が胸に去来するのだった。
848 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:20:55.28 ID:RKJWpcAO
家へ帰る途中で加奈子がケーキ屋に寄りたいと切り出して、
いまは桐乃とやいのやいのとブツを選んでいる。

この上ケーキまで食うとは…女子の言う「甘いものは別腹」の恐ろしさの片鱗を味わったぜ。
まぁ、あいつら二人とも、片や生活習慣、片や体質で、脂肪が付きにくいみたいだけどよ。

加奈子はもうちょい脂肪もつけたほうが良いと思われる。
いや、ほら、寒そうじゃん。あの体型だと。他意は無い…


帰宅。
やけに長い時間が経った気がしたが、実際にはまだ三時ぐらいだった。
荷物を手分けして運び入れて行くと、お袋がキッチンに立っている。
夕飯の支度を始めるには早いし、コーヒーでも淹れてるのだろう。

「「ただいま」」「お邪魔します」
「お帰んなさい。あら加奈子ちゃん、今日も来てくれたのね〜」

お袋がにこやかに応対する。
この数日の訪問で以前にも増して加奈子への心証は良くなったと見える。
実際そこまでしなくても…ってほど連日見舞いに通って来てたし、
俺たちと違って親に対しては最低限の礼儀は保って接してもいたし。

「寒かったでしょ、ご苦労さま。ちょうどコーヒーにするところだから、こっち来なさいな」

お誘いに応えて、三人とも上着を脱いでリビングへ。
親父がまた無愛想に「ゆっくりしていきなさい」と声をかける。
その厳つさは娘と同じ中学生にゃ怖かろうよ…と思うも、
肝の太い加奈子は動じてないようだ。あぁ、初対面でもないしな。
849 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:22:15.41 ID:RKJWpcAO
「お忙しい中、今日もお邪魔します。おじさま、おばさま」

加奈子は居住まいを正して挨拶する。
こういう姿勢を、見てくれだけじゃなく
明らかに気持ちを込めて出来るのがコイツのすげぇところだ。

この親父をして「齢15にしてよく出来た娘さんだ。桐乃は良い友を持った」と言わしめていた。

無論桐乃も同感で「意外だけど、ああいうところちゃんとしてんだよね…あの子」と。

買ってきたケーキは年末の挨拶に、ということらしい。
ご迷惑をかけて勝手ですけど今後も変わらないお付き合いをお願いします云々
定型とすらとれる文言ではあったが、台詞臭さを感じさせない語りで加奈子は締めくくった。


「うへ〜……緊張したわぁ…」

茶会を終え、二階の部屋に上がるなり、ヘナヘナと脱力する加奈子。
いや大したもんだったから気を張ってたのは当然なんだろうな。
もっと楽にしてくれて構わないと親は言ってた。
全くだ。例の件で責任を感じて、ってのが拭えないのは仕方無いにしろ
もうそろそろ……そういった面は抜きで、俺ら兄妹共通の友達として家に上がって欲しい。

前のように「オバサンお邪魔しまーす」「んだよ桐乃、兄貴はまた冴えねーツラしてんな」ぐらいでいい
やや大袈裟だが、そのほうが望ましいのは本音なんだ。
うまい具合に言葉を選べたかイマイチ自信のないまま、俺の思いを伝えようと試みる。

「言いたい事は解ってっけど、ついこんなんなっちまうのは責任だけが理由じゃないってゆーか…」

あれだけ凛とした姿を示したのとは一変、加奈子の様子はしどろもどろだ。

「わからないな、そういう自然な付き合いに戻ったら親父もお袋も喜びこそすれだ。俺だってさ」
「察しろよ、バカ……お前ホントに気が付かねーヤツな…」
850 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:23:08.26 ID:RKJWpcAO
「無理無理、兄貴にそんなデリカシー期待するだけムダなんだから」

呆れ果てたと言わんばかりのふいんきを漂わせ、
見計らったようなタイミングで妹様がやって来た。
なんだ、その言い様だと加奈子が今みたいなかしこまった対応を続けちまう理由がわかるのか?

「悪いがニブチンな俺にも納得いくように説明してくんないか。頼むぜ」

「兄貴が思ってるように申し訳なさ一杯で徹底的に丁寧な対応してるんじゃなくてさ。
  加奈子はさ、兄貴のこと好きなわけじゃん?
  あたしがこんなん説明する義理は無いけど。
  よーするにこの子ってば…お父さんお母さんに、ふつつか者ですが」
「あー!あー!!やめぇ――――!!!!!」

そ…
そういう含みだったの?

桐乃はヤレヤレとジェスチャーし、加奈子は突っ伏すような格好で固まっちまった。
俺が今更ながら自分の不明を恥じ入っていると

「話は聞かせてもらったわ!」
意気揚々と、お袋が満面の笑みを湛えて部屋の扉を開いた。

<終>
851 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 19:41:16.28 ID:jgt41XQo
最後の行がよく見えない
852 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 19:52:39.40 ID:WKBVjwI0

しかし加奈子もそうだが、このアニメ猫かぶってる奴が多いなwwwwww
853 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 20:30:17.40 ID:xh0AbEDO
かなかな可愛い乙
そう言えばまなみ以外全員何かしら演じてるな
854 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 20:48:08.93 ID:Xhcz5f20
京介は自分の家よりも田村さんの家からもらうお年玉が多そうだな
855 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/31(金) 20:50:31.38 ID:Q1.TYCA0
原作だと京介は高校入ってからお年玉もらってないとか
856 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 20:56:23.20 ID:4m.ymQYo
お年玉って小学校までだろjk
857 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 21:18:37.29 ID:WPHuxwgo
乙。
なんか中途半端感があるな。続くのかな?
あと、これって >>572 の続きなのかな?
なんで加奈子の好感度が高いのか不思議に思ってたんだが、続きだったら投下時にそう申し添えてくれると有り難い。
まとめに上げる際に記述するから。
858 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 21:35:59.98 ID:xrqaXUSO
分割投下が当たり前になるのは好ましくない
859 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 21:48:11.02 ID:KY2z0cAO
2日に1本ぐらいのペースで書いてるのに
毎回必ず完結してる◆qPOxbu9P76氏はただ者ではない
860 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 22:15:05.87 ID:RKJWpcAO
>>857
あー、ごめんちゃい。
704から850までにある一連(三話め)は、629から631の一連(二話め)の続きだし、
言う通り572から585までにある一連(一話め)の続きです

まとめで言うと572=704に相違ございませぬ…

文中で一日が終わる際に<終>
その日の描写が続く際に<続>としたため
中途半端感があれ、この日は終わりにござる。
(このシリーズの四話めを書くかは別として)

といったところで紳士淑女の皆様がた、よいお年を。
861 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 22:52:24.77 ID:HSln3wSO
シリーズもので更に中断数回はつらいよ
スレ立ててそっちでやった方が…
862 :以下、2011年まであと465秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:52:16.59 ID:VPXneIQ0
桐乃の母、佳乃です。 こんばんわ。
な〜んか、佳乃さんメインだといまいち不評なんで、
別の書いてみた。

今年のSS今年のうちにってことで、

9スレ完結、一気に投下します。
863 :以下、2011年まであと405秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:53:16.89 ID:VPXneIQ0
 三月初旬のある日、昨日の昼過ぎから天候が悪化し、関東地方から東北太平洋側にかけて、
今朝まで春の嵐が吹き荒れていた。

 俺と桐乃は昨夜から一睡もせず、リビングのソファーに二人並んで、身じろぎもせず、
肩を寄せ合って座っていた。リビングテーブルの上には、飲みかけのコーヒーカップが二つと、
無造作に折り畳まれた朝刊、電話の子機が置いてある。

 テレビはボリュームを落としてはいるものの、付けっぱなし…… 
カーテンは閉じられたままだったが、昨夜までの暴風雨が過ぎ去ったせいか、
その隙間からは穏やかな春の日差しが僅かばかり差し込んでいた。

 俺も桐乃も未明から、一言も言葉を交わしていなかった。 
お互い無言のまま、どちらからとも無く洗面を済ませると、再びソファーに腰を下ろした。
エアコンから噴出す温風の風切り音だけが、この部屋の静寂をより一層引き立てている様だった。

 化粧をしていない桐乃の素顔は、普段と比べて年相応の幼さが見て取れた。
虚ろな瞳で、壁に掛かっている時計を見詰めている。 だが焦燥感は拭い去れない。

 俺はNHKの昼のニュースを食い入るように見詰めていた。 
しかし、俺が待ち望んだ… いや、決して耳にしたくないニュースをアナウンサーが、
視聴者に伝えることは無く、画面は、昼のバラエティー番組に切替わっていた。

 俺は、両手を膝に置きやおら立ち上がった。

 「桐乃……、カーテン開けるぞ」

 「…………」

 「なんか店屋物でも取るか……」

 俺は誰に言うともなしに一人つぶやき、テーブルの上の電話の子機に手を伸ばそうとした。

 俺のその動作に、桐乃は一瞬、ビクッと反応し、かっさらうかのように子機を掴むと、
両手に持って胸に抱きかかえた。 これが唯一の命綱なんだとでも言う様に。

 『いま、架かってきたらどうするの!』

 桐乃は未明まで泣き腫らし、いまも涙で薄っすら滲んだ瞳を俺に向け、無言で訴える…

 「済まなかった……」

 俺はそう言って謝り、キッチンに置き忘れていた自分の携帯で近所のそば屋へ電話した。

864 :以下、2011年まであと353秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:54:08.46 ID:VPXneIQ0
 次のニュース放送までにはまだ時間があり、電話で頼んだ出前が来るのも昼時と重なり、
暫く待たねばなるまい。

 『俺たちに出来ることは、どっちにしろ、只待つだけ……』

 俺は桐乃の手前もあり、一切表情には出さず心のうちで自嘲した。

 ずっと押し黙っていた桐乃が、呟くように口を開く。

 「ねぇ、や、やっぱり…… あたしのせいだよね……」

 「そんなことあるわけねぇだろ。 きっと大丈夫だから、そんなに心配すんな」

 俺は少しでも桐乃を励まして遣りたかったが、状況の分からない今は、
どうしても、声のトーンが下がってしまう。

 「で、でも……あたしが…… あんなことさえしなけりゃ… ぅ……ぅぅ…」

 俺の左側に、浅く腰掛けていた桐乃は、右手に電話の子機を堅く握り締めたまま、
左手は俺の右腕の辺りのシャツを掴み、俺の胸に顔を埋め嗚咽を漏らした。

 いまの俺に、桐乃に対して出来る精一杯のことは、言葉ではなく…………

 俺は昨夜からここに至るまでの経緯に想いを巡らせながら、
両腕で桐乃を包み込むように抱きしめ、右手を桐乃の後頭部にそっと添えた。
865 :以下、2011年まであと298秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:55:03.32 ID:VPXneIQ0
 事の発端は、昨夜遅く架かってきた一本の電話からだった。

 時間は午後11時50分、俺も桐乃もそれぞれの自室に引き上げ、後は寝るだけというそのとき、
階下のリビングから電話の呼出音が聴こえてきた。

 日中なら何でもない聴き慣れた呼出音が、時と状況によっては妖怪の叫び声にも聴こえる。

 普段、この時間ならすでに階下の寝室で就寝しているはずの親父とお袋は、不在。
背中に奇妙な悪寒を感じ、不安が脳裏を過ぎる。

 そっと廊下に歩み出ると、桐乃も心配そうな面持ちで自室から顔を覗かせた。

 静まり返った室内に、呼出音が不気味に響き渡る。 5回、6回 ……

 桐乃と眼が合う、無言のコンタクト… 一秒、二秒…

 俺は階段を駆け下り、勢いよくリビングにある電話の受話器を掴み、耳に押し当てた。
桐乃は少し遅れてリビングに入って来ると、室内の明かりを点け、無意識に俺のパジャマの
上着の裾を右手で掴み、不安そうに上目遣いで俺の瞳を凝視した。

 「はい、高坂です……」

 『もしもし、京介君か? よかった、まだ起きていてくれて…』

 電話を掛けてきた相手は、親父が勤務する警察署の同僚刑事で、家にも幾度か訪ねてきた
こともあり、俺も見知っている人で、声だけでも聞けばすぐに分かる。
先ほどまでの焦燥感が潮を退くのと入替わりに安堵感が広がる。 

 「あぁ〜、いつも父がお世話になってます」

 『いや、こちらこそ… 夜分済まない、用件だけ伝える。 
…京介君、落ち着いて聞いてくれ。 
京介君のお父さんとお母さんが乗った船が……、もしかすると遭難した可能性がある。
まだ海上保安庁に第一報が入ったばかりで、公式に発表されてないんだが、
とりあえず君と桐乃ちゃんには知られておこうと…』

 一旦後退していた感情の高まりが、再び俺の胸を締め付ける。

 「わざわざご連絡くださって有難うございます」

 俺は震える手で受話器を置くと、今聞いたことを有りのまま桐乃へ伝える。

 桐乃の表情がみるみる青ざめてゆくのがはっきりと見て取れた。

 日付が昨日から今日へと替わろうとしていたときだった。
866 :以下、2011年まであと245秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:55:56.55 ID:VPXneIQ0
 あれから何時間が経過しただろうか、睡眠不足の影響もあり時間の感覚が鈍っている。

 「あ、あたしがさぁー、カッコつけちゃってさぁー、お父さんとお母さんに……、
旅行をプレゼントしたいなんて、言い出したばっかりに……っぅ、
それもさぁー、たまには、船旅も良いじゃん…っなんて…っぅぅ」

 桐乃は大人びたその容姿や普段の言動に比べて、今回のような想定外の出来事には、
すこぶる脆い。 15歳の女の子という年相応の反応を露呈してしまう。

 俺は桐乃を両腕で包み込むように、やさしく抱きしめたまま囁く。

 昨夜から親父の携帯に何度架けても、まったく繋がらなかった。

 「まだ、遭難したってはっきし決まったわけじゃねーだろ、な。 昨夜の嵐の影響とか、
無線の故障とかなんかで、単に連絡がつかねーだけかもしんねーし、な…」

 「そ、そだよね。 まだ決まったわけじゃないもんね…っぅ」

 俺の慰めに、桐乃は少し落ち着きを取り戻したようだったが…、俺のシャツを掴む左手を、
さらにギュッと握り締めてきた。

 桐乃が両親に、旅行をプレゼントしたいと言い出したのには理由があった。
親父の心配を押切って、アメリカへスポーツ留学をしたにも拘らず、途中で断念し帰国したり、
偽彼氏騒動では、可哀想なほど親父をヤキモキさせたり…

 『物とかじゃなくてさぁー、何か想い出に残る品で、……返したいんだよね…』

 相変わらず、自分の気持ちを素直に表現するのが下手なヤツだな。
そう想いながらも、相談に乗ってやることにした。 俺にも原因があるしな…

 二人であれこれ思案した結果、一寸した船旅も経験できる北海道旅行に決定した。
茨城県大洗港を18:30に出航すると、船内で一泊し、翌日13:30に苫小牧に到着、
近郊の温泉なんかを満喫し、翌日は函館で一泊、函館朝市でカニ、イクラ、ホタテ三昧。
あとは新幹線で一気に帰る。

 そんな三泊四日の旅を桐乃からプレゼントされた親父の顔は見ものだった。
お袋も早速、本屋で旅行誌を買い込んで来て研究に余念が無かった。

 「京介〜、カニ、イクラの食べ放題よ〜、やっぱ持つべきは出来のいい娘ね」

 「へーへー、どうせ俺は甲斐性なしですよ! ケッ! お袋、フェリーで船酔いすんなよ」

 そんなお袋との会話も、今となっては想い出しても遣り切れない。
867 :以下、2011年まであと161秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:57:20.67 ID:VPXneIQ0
 俺は多少の疲労感を覚え、ソファーの背もたれに自分の身体を預ける姿勢をとると、
桐乃も両足をソファーに乗せ、右手に持っていた電話の子機をそっとテーブルの上に置き、
俺の左肩に身体を預けてきた。

 「昨日から寝てねーんだろ、少しでもいいから、寝てろ」

 俺がそう言うと、

 「うん、ありがと…」

 素直にそう言い、桐乃は身体を少しずらした。

 俺は自分の身体を少しだけ左側に向け、桐乃を背後から優しく包み込むように抱きしめた。
両腕を桐乃の胸の下辺りに軽く添えると、笑みを浮かべ、幼子が母の胸に抱かれて眠るように、
桐乃は眼を閉じた。

 テレビのリモコンを掴み、桐乃の眠りを邪魔しないよう、そっとミュートボタンを押し、
音声をカットすると、俺の腕の中の可愛い妹の寝息が聴こえてきた。

 そのままの体勢で、俺も浅い眠りに就いていたようだ、桐乃が身体を少し動かしたので、
俺も眠りから引き戻された。 壁の時計を見上げると20分程しか経過していなかった。
胸に桐乃の温もりと感触を直に感じる。

 膝を少し引き寄せ、その上で両手の指を弄びながら、桐乃が囁くように口を開いた。

 「ねぇ、兄貴は…覚えてるかなぁ…」

 俺も桐乃に合わせて、囁くように応える。

 「お前、いつの間にか呼び方が… アンタから兄貴に替わってんぞ」

 「まぁ…… いいじゃん。 今ね、少しウトウトしながら…… 昔のこと、想い出してた。」

 「……………」

 桐乃は俺達兄妹がまだ、どちらも小学生だったときの話を語りはじめた。
俺からは桐乃の横顔しか、それも少し後ろからしか見えないが、
少しだけ顔を紅潮させ、微笑んでいるよう見えた。

 俺は桐乃の当時の回想にゆっくりと耳を傾けるように、瞼を閉じた。
868 :以下、2011年まであと72秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:58:49.50 ID:VPXneIQ0
 「あたしが、まだ小学校2年生で、兄貴が5年生だったときのことなんだけど、
2年生位までって、授業時間が少なくてさぁ、いつも兄貴より先に家に帰るんだけど…

 まぁ、家にはお母さんが居るから寂しいなんてことは無いんだけど、そのときはたまたま、
あたしが家に帰ってから、お母さんが出かける用事があって、一人で留守番してなのね。

 その頃のあたしって、引込み思案で、人見知りが激しくてさぁ… 覚えてっかな。

 当時のあたしにとって、このリビングに一人で居るのってさぁ、もう怖くて怖くてね。
外で一緒に遊ぶような友達も居なかったから、兄貴が帰ってきてくれるのが待ちどうしくて、

 一端怖いと想っちゃうと泣きそうになっちゃって、でも泣いちゃったら余計に怖くなりそうで、
このソファーの上でガタガタ震えてたのね。 したらようやく兄貴が帰ってきてくれて…、

 兄貴がリビングへ入って来た途端に、あたしグシュグシュ泣いちゃってさぁ、
あたしの顔見て、兄貴は困った顔しちゃってさぁ、今みたいに後ろからギューッて、
抱きしめてくれて……

 泣きやむまで抱きしめてくれて…… とっても嬉しかった。

 その後、兄貴の友達が遊びに誘いに来てさぁ、兄貴は早く遊びに行きたいんだけど、
今度はあたしが、兄貴を逃がすものかーて、抱き付いて離さないもんだから、
兄貴のほうが泣きそうな顔しちゃって…… アハッ、ハハハハハ 覚えてる?」

 小学校5年生当時といえば、野球とサッカーが人気を二分していて、学校でも仲間が集まれ
ば盛んにやってた。 だが俺の場合は、放課後うちに帰ると妹が待ち構えてるもんだから、
友達もあんまり誘ってくれなくてな、いつだったか『高坂は男の友情より妹を取るのか』って、
よくからかわれたもんだよ。

 「そうだったな、あん当時はいつもお前とだけ遊んでたっけな、お陰で、
今も野球やサッカーのような団体競技は苦手だよ。 ハハハハ」

 共に小学生だったとき俺達兄妹は、いつも一緒に行動していた。 
遊ぶときも、出掛けるときも、桐乃はいつも俺の服の端を掴んでトコトコ付いてきた。
桐乃がべそをかいた時は、頭にポンと手を載せやると泣き止んで、ニヒヒヒと微笑んだ。

 沙織に誘われて初めて行った夏コミの時だって、文句たらたら言いながら俺のシャツの
裾を掴んで歩いてたっけ。 数年間お互い無視しあって、会話も無かった俺達なのに、
子供の頃の習慣や記憶ってもんは、決して忘れるもんじゃない、潜在意識のどっかに必ず、
残ってるもんなんだってつくづく思う。

 そういや、また俺は昔のように兄妹で一緒に行動してんなぁ、なんて苦笑していると、
桐乃が、ふと何かに気付いたように俺から身体を離し、姿勢を元に戻すと真剣な表情で、
俺の瞳を真っ直ぐに見詰めて、言った。
869 :以下、2011年まであと6秒。。。 [sage]:2010/12/31(金) 23:59:55.62 ID:VPXneIQ0
 「ねぇ、万が一、万が一にもお父さんたちに何かあったら…  どうする。」

 「どうする、とは?」

 「今後のこと…」

 そんな先のことまで考えるなと言って遣りたかったが、桐乃の求めている答えは、
もっと現実的なものだと分かっていた。 最悪の場合を想定し、今のうちに備える。
それは、物質的なものであったり、精神的なものであったり……

 最悪の場合が訪れなければ、それに越したことはない。 だからこそ、時間の余裕がある
今だからこそ、冷静になって考えられる。 現実的思考の持主の桐乃らしい考え方だ。

 「家のローンだってまだ残ってるし、あたしの部屋をリフォームしたときの支払いだって、
まだ少し残ってるって、お母さんから聞いたことあるし…」

 俺は桐乃の瞳を真っ直ぐに見詰め、やさしく語りかけた。

 「桐乃、お前は4月から予定通り高校へ通え。 後のことは俺に任せろ」

 「あ、兄貴は… 兄貴だって大学決まってんじゃん!」

 「俺は、働く」

 「そ、そんな、兄貴だけ働かせて… あたしだけガッコなんていけるわけないじゃん」

 「バーカ、俺は18だぞ、高校の同級生だって何人も春から社会人になるヤツは、
何人もいんだよ。 だから俺もその一人になるだけだ」

 「あ、あたしこそ高校なんか行かなくったって良いよ。」

 「なっ、なにを言い出すんだよ」

 「それに、あやせの事務所の藤間社長に、専属モデルにして貰えるよう頼んでみっから。
そうなれば、今よりもっとお金貰えるし、兄貴の学費ぐらい払ってあげられっから」

 「桐乃… 俺はお前の兄貴だ、兄貴を妹の”ヒモ”にするつもりか? 
いいから俺に任せろ」

 「あ、あたしは… あたしは… あ、兄貴さえ傍に居て呉れるんなら…っぅ…十分だから、
それ以上、なにも望んだりしないから…っぅぅ」

 そう言ったきり、桐乃は俺の胸に顔を埋めると、いつまでも嗚咽に咽んでいた。

 俺は、再び桐乃を両腕で包み込むように、やさしく抱きしめた…
870 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2010! [sage]:2011/01/01(クリスマス) 00:03:49.71 ID:BPwIgJo0
 俺は、これから桐乃を支えて生きてゆく、桐乃が大人になり、俺の手を離れるその時まで、
親父の代わりになり、時にはお袋の代わりとなって…

 心の中でそう覚悟を決めたとき、桐乃の傍らに置いてあった電話の子機の着信ランプが、
明滅するのが見えた。 俺は反射的に手に掴んだ。
間髪入れずに着信音が鳴り響く。 プルルルルル…、プルルルルル…

 桐乃の身体がビクッと堅くなるのが、密着した俺の胸を通して俺に伝わる。

 桐乃が俺の胸に右上半身を強く押し付けてくる。
身を丸める様に両腕を胸の前でクロスし、自分の二の腕を掴む手に力が入るのが分かった。
斜め上に顔だけを俺に向け、不安の入交じった真剣な眼差しで俺の瞳を見つめる… 

 子機の液晶ディスプレイに表示された番号に、思い浮かぶ人物はいない。
ただ、市外局番から県内から発信されたものだとしか分からない。

 5回目のコールで、俺はようやく発信ボタンを押した。 ピッ!

 タイムリミット、桐乃も覚悟を決めたなと思った。

 「もしもし……、高坂です……」

 『…あっ、京介君か? 昨日は夜分に済まなかった。 誤報だった……スマン!』

 スマン ???? ???? じゃなくて…………

 電話の相手は、昨夜の電話を掛けてきた親父の同僚刑事だった。

 相手は現職の刑事らしく明瞭かつ簡潔に事情を説明してくれたが、多少早口でしゃべる
癖があるのか、混乱している俺の脳は情報を処理するのに時間を要した。
今聴いた話を俺の頭の中で一つ一つ順序立てて整理してゆく。

 岩手県三陸沖で ????、 大型マグロ漁船が ????、 座礁 ????、 第一福栄丸 ????、

 「あ、兄貴……?」

 桐乃が俺に不安そうな眼差しを向けたまま、説明を求めてくる。
バラバラになった、多寡が数ピースのジグソーパズルを完成させるだけの作業なのに、
俺の混濁した脳が思考を停止する。 『大型マグロ漁船』というピースに違和感ありまくり。

 「い、今の電話な…… 親父の同僚の…… 刑事さんで」

 俺は焦点の定まらぬ眼で、桐乃の顔を見詰めながら一言一言、説明を試み始めた。

 そのとき、リビングテーブルの上に置いてあった俺の携帯が、着信音を発した。

 フラップにある液晶表示パネルには、『公衆電話』 の表示。

 桐乃を抱いたまま、身を乗り出して俺は携帯を手に取り発信ボタンを押した。 ピッ!
871 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2010! [sage]:2011/01/01(クリスマス) 00:06:01.07 ID:BPwIgJo0
 『…あ、京介〜 連絡遅れちゃって、ごっめーん。 家に掛けたら話中だったんでさぁ〜
いま公衆電話から。 桐乃も居るの〜? ちょっと聴いてよ〜、お父さんがさぁ〜、
もう、やんなっちゃう! アハハハハ… 船の乗船時間は間違えそうになるし、、 
携帯は水溜りに落として使えなくしちゃうし… 京介聴いてる〜、アハハハハ…
あんたのお父さんって、仕事は出来る人なのに、旅行とかに限って、使えないよのね〜』

 「お、お袋? 生きてたのか?」

 『あんた、母親に向かって、生きてたのかって、なに言ってんの〜? 頭ダイジョウブ?』

 使えねーのは、親父じゃなくて親父の同僚刑事だろーが!!!

 一瞬のうちに俺の頭ん中は真っ白になった。 正直安堵したのも本音だ、桐乃はと見ると…

 携帯から漏れるお袋の声は、桐乃の耳にも確実に届いているのは明らかだった。
その証拠に、口をパクパクさせながらも、見る見るうちに顔が真っ赤になってきた。

 俺は、桐乃の身体をそっとソファの背に預けると携帯を掴んだまま、
一目散でリビングから廊下へダッシュし、ドアを閉め、内側開かぬよう身体全体で押さえた。

 「あ、あ、アンタ!!! ちょちょちょっと待ちなさいよー!!!!」 ドス!ドス!ドスッ!

 リビングドアのガラス越しに見える桐乃は阿修羅と化し、怒声と共に追いかけてくる。

 「コッ、コッ、コッ、ここ開けなさいよー!!!」 ガチャ!ガチャ!ガチャ!

 「おっ、おっ、お前はっ、鶏かっつーの!」

 「なっ、なっ、なーんでっ、こ、このあたしが高校進学を断念してまで、アンタを大学へ
通わせなきゃなんないのよ! 信んっじらんない!」

 「そ、そ、それは!、お、お前が勝手に言ったんだろーが!」

 「あ、あ、アンタこそっ! は、春から働きなさいよね! 買ってもらいたいもん、
いっぱい有るんだから!!! 今からリストアップしとくから、か、覚悟しときなさいよっ!」

 俺の右手に握られた携帯から、お袋の声が聴こえてきた。

 『あんた達、ま〜た喧嘩してんの〜? 少しは仲良くしなさいよね〜、
お土産買って、明後日の夕方までには帰るから〜 聴いてる〜 京介〜 じゃね〜』プーーーー

 お袋からの電話が切れると、インターホンが鳴った。 ピンポーン、ピンポーン

 『高坂さーん… 長寿庵ですー、出前お持ちしましたー』

 俺が玄関のドアの前まで来ている『カツ丼』を食える可能性は……


(完)
872 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2010! [sage]:2011/01/01(クリスマス) 00:10:57.98 ID:BPwIgJo0
桐乃の母、佳乃です。
クッソー 年またいじまったよ!
アップロードが急に遅くなんだもんよ!!!
873 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:16:31.21 ID:KGyPRXUo
雑談で半分埋まると仮定しても4500レスの超大作乙
874 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:19:13.81 ID:cZQxr4M0
つかはっぴにゅうにゃぁてww ここでも新年の挨拶これなのかよwwww

とりあえず皆、今年もよろしくー!
875 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 00:21:22.20 ID:zwP8NrI0
いや!乙でした!
今年始めからいいものみたよ
あとね……佳乃話も書いてもいいのよ?
876 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:38:03.60 ID:d2IC3XIo
新年早々乙!
877 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 01:18:46.12 ID:C0fllMDO
あけおめ書き込みに来たらいいもの読めた乙
878 :857 [sage]:2011/01/01(正月) 06:27:32.75 ID:VsGr9QEo
>>860
 了解。去年の内に直しておいた。
 個人的には何々の続きと明記されていればかまわないとは思う。
 好みの話しであれば、たまにはがっつりと長い話も読みたいしな。
 8巻いつ出るかわかんないし。
879 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 08:58:38.12 ID:zwTCSgUo
年越ししながらの投下とか・・・・大した奴だ
880 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 09:05:57.21 ID:6zoJ4Ego
後ろ抱きとか反則だろ
新年早々画面に映ったニヤ顔のキモメン見ちまったじゃないかGJ
881 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 09:13:56.85 ID:JUcHprwo
あけましておめでとう
最近桐乃√多くてまじ眼福

ちまちま書き溜めようと思う
新年一発目のネタ援助かもん
882 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 09:33:26.64 ID:QkkQ3.DO
沙織√を頼む
883 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 09:36:23.17 ID:acOnPDwo
あやせたんペロペロ
884 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 13:56:21.02 ID:a2zMDwI0
京介「ち、ちょ、さ、沙織!?」
沙織が俺の体の上にのっかかってる…だと!?
沙織「京介さん…じっとして目を瞑ってくださいな」
京介「あ、ああ…」

…チュッ…
………チュッ
京介「!!?」
こんな感じか?
885 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 14:34:05.03 ID:jBtSdJs0
>>880
後ろ抱っこに萌えてくれて、あんがとね
苦肉の策だよ…

ほんとは、桐乃の胸と京介の胸を ピッタンコ させたかったんだが、
886 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 15:16:57.83 ID:9XjnRUAO
>>884
それただの夜這いww
887 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 15:43:39.88 ID:jBtSdJs0
>>885 の続き、手元狂って送信しちまった。

 ―― 桐乃は俺の胸に顔を埋めてきた、少し戸惑いながらも両腕を俺の背中にまわし…、
   すっぴんのあどけない顔、成長を感じさせる”妹”の胸の感触が、俺を動揺させた。

    こんな状況にも拘わらず、邪な妄想が脳裏を過ぎる。

    ― このまま押倒してしまっても、いまなら桐乃は抗うことなく受容れてくれる ―

    しかし、”兄貴”としての、僅かに残された欠片の様な”理性”が…
   己の邪念に打勝った。

    細くしなやかな、ライトブラウンの髪を包み込むように…、そっと手を添え、
   俺は慈愛の眼差しで、妹の横顔を見詰めた。 ――

 みたいな?、エロエロエロ……  でも実際にはムリ。
 
 『京介と桐乃は並んで座ってんだろ、で〜、桐乃が右に向いて〜、京介と胸を合わせて〜』
なんて、パソコンの前で一人妄想しながら(大晦日だっつーのに)身体ひねったり……、
ムリムリ… 桐乃の横っ腹ツっちまうだけ。

 近年まれに見る最悪の大晦日だった、大掃除まだだし… 気付いたら元旦だし、
 
 3作目は、あやせ√で、書いてみたいけど(なんとなくさわやか系?)…
 
 どなたか状況設定下さい。
888 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 15:46:45.96 ID:BHL2ySQo
9スレだと9000レスかーって誰かつっこんでやれよー
889 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 16:08:55.41 ID:PQtkGiso
>>888
>>873
890 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 16:32:46.09 ID:d2IC3XIo
>>888
今気付いたww
891 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 19:17:30.92 ID:.vqdoPI0
よし>>873
お尻を出しなさい

私がつっこんであげよう

ついでに>>890、お前もだ
892 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 21:02:55.24 ID:9XjnRUAO
妹が沙織だったら…


『俺の妹が身長180cmなわけがない』

容姿端麗、成績優秀、有名なお嬢様学校に通う自慢の妹、それが沙織だ――
だがこいつには、他人には言えない秘密があった。

深夜、突然の平手打ちで起こされた俺は、暗闇の中、馬乗りになっている沙織の姿に驚いた。

「お兄さま、お話があるので沙織の部屋までお越しください」ノシッ
「がっ…はっ…!お前……重い…苦しい!」

〜(中略)〜

妹の部屋で見せられたのは、大量のプラモデルとガンダムグッズの山だった。

「お前、ガンヲタだったのかよ」
「そうなのです、キャスバル兄さん」
「……誰がキャスバル兄さんだ」



ガンダムネタに疎いので話を拡げられない(´・ω・`)
893 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 21:27:39.07 ID:IoLK6kco
>>892
貴方には期待している。物凄く。
894 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 21:34:10.61 ID:JUcHprwo
妹がふすまを開けると、ツンとシンナーの匂いが鼻につく。
あれ?なにこの匂い。まさかやばいものに手を出してるんじゃないよね?

「さきほどまでエアブラシを使って塗装していたものですから…これは溶剤の匂いです」

エアブラシ?溶剤?なんのこっちゃ?

ぼとっ

「ん?なんか落ちたぞ?」

俺は転がり落ちたDVDケースを手に取った。

「ガンダム……ゼロゼロ?」
「ダブルオーです!」

うお!?いきなり大声だすんじゃない!

「それは一番最近放映されたTVシリーズですね。劇場版ありきのエンディングですが、
戦闘シーンもSEEDに比べてヌルヌル動きますし初心者が初めて見るにはにはおススメです」

なんだ初心者って。おまえはプロか?プロなのか?

中略

「ではお兄様、『この気持ちまさしく愛だ!』と叫んで下さい」
「おまえ一体何言い出してんの?」


>>892
こうですかわかりません
895 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 21:58:15.86 ID:9XjnRUAO
>>894
任せたぞ…!
896 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 22:06:15.95 ID:rxI4LeE0
>>894
お前ならできると信じている
897 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 22:16:44.05 ID:9XjnRUAO
>>896
IDがRXだと…
898 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 22:26:06.89 ID:YfyVv6DO
沙織が妹なら姉に香織がいるはずだよな?
899 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 22:27:10.21 ID:6zoJ4Ego
>>896
会いたかった・・・会いたかったぞ!ガンダム!!
900 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 22:29:13.21 ID:JUcHprwo
今書いてる沙織√書き終えたら>>894の続き書いてみようかな
投下まではもうしばらくお待ちください
901 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 22:29:36.57 ID:acOnPDwo
∀こそ至高
902 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 22:54:48.34 ID:IoLK6kco
>>894
いけるいける
903 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:11:46.93 ID:wB1HBQSO
沙織は宇宙世紀派だと信じてる
904 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:27:36.88 ID:C0fllMDO
バジーナ的に宇宙世紀派かもね。全部受け入れてそうだけど


そしてRXといえばガンダムではなくブラック
905 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:29:23.28 ID:fMACecwo
この沙織の流れを無視してあやせを投下しちゃっていい?
906 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:31:24.77 ID:QkkQ3.DO
どうぞどうぞ
907 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 23:33:51.88 ID:fMACecwo
では投下する


桐乃の誕生日が迫って来たある日、俺はあやせに呼び出されていつもの公園にやって来ていた。

あやせ『相談があります。公園に来てください』

と、電話がかかってきた。
あいつは俺のことを重度のオタクで近親相姦上等の変態鬼畜野郎だと思われている。そんなあやせが相談なんておかしいと思いながらも

京介『分かった。何時くらいだよ?』

あやせ『20分後に公園に。待ってますんで』

とまぁ、このように呼び出されたわけだが、また桐乃にどうのこうのな話なんだろうな……はぁ…
大きく溜息をつくものの何も変わりはしないだろうな

京介「しっかし、あやせのやつおせーな。何が『待ってますんで』だよ。俺のほうが待ってんじゃん」

そう、ひとりゴチていると小走りにかけてくる少女が見える。
あやせだ。白を基調にしたワンピースで清楚な印象を与える。
最初にあった時はそういう印象を受けたんだけど、あのコミケに関わる一件以降はね、もうあれだよ、うん。

あやせ「遅くなってすいません。少し手間取っちゃって」

京介「別に待ってねーよ。そんで相談ってなんだよ?」

この女とはあまり長い時間一緒に居たくないから、すぐに切りだす。

あやせ「はい、その事なんですが、そろそろ桐乃の誕生日じゃないですか?桐乃はどんな物が欲しいのかなって思いまして」

京介「そういうのはお前の方が詳しいんじゃないか?」

あやせ「そうですけど、私は桐乃が1番欲しい物を贈りたいんです」

京介「1番というと?」

あやせ「えと…… 桐乃の趣味の、アニメのそういう物を。それならお兄さんは詳しいと思いまして」

俺は決してオタクな訳じゃないんだけどな……
908 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 23:35:13.31 ID:fMACecwo
京介「そうは言うけど、お前はそういうの嫌いじゃなかったか?」

あやせ「大っ嫌いです!」

京介「じゃあ、なんでだよ?」

あやせ「少しくらいならいいかなと思って…… いかがわしくさえなければ……」

京介「例えばどんなのだよ?」

あやせ「桐乃はよく『星屑ウィッチメルル』ってアニメの話をしてくれます」

絶対にいかがわしい部類だよそれは。変身シーンなんかほとんど裸になるじゃん。

京介「あー、うんなるほどね。まぁ、メルルにするとして何か買ってプレゼントするのか?」

あやせ「そう思ってますけど?」

京介「それは無理だろ。」

あやせ「なんでですか!」

京介「あいつは絶対に店に入ってるような商品はすべからく手に入れてるぜ。金を惜しまねぇからな」

あやせ「確かにそうですけど、新発売とかは……」

京介「予約済みだろ」

あやせ「そうですか…… じゃあ、どうしよう…… どうすればいいですか、お兄さん?」

なんで俺に頼るんだよ。そこは俺の管轄外じゃね?でもよ、女の子が困ってるのに助けない訳にはいかないだろ!

京介「分かった。とりあえず時間をくれないか?」

あやせ「5分くらいでいいですか?」

京介「それはいくらなんでも短いって」

あやせ「待つ方にするとかなり長く感じますよ。それと、もうカウントは始まってますよ?」

うぉおおおい!なんで俺そんなに追い詰められてんの?
おかしくね?相談乗ってるだけなのに、脅迫めいたこと受けてさ!

京介「分かった分かった。今すぐ考える」

あやせはメルル関係でプレゼントを探していると、店では買えないような物…… うわ、これめちゃくちゃ難易度高ーじゃん!
俺の頭じゃ分かんねぇ。
ここはひとつ、相談の相談タイムといくか!
電話帳からある人物の電話番号を探し出して、コール!
909 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 23:36:14.39 ID:fMACecwo
??『もしもし、どうされましたか、京介氏?』

京介『よお、相談があって掛けたんだけどよ』

沙織『京介氏が拙者に相談ですか、どうぞ、おっしゃってくだされ、拙者でお役にたてるのならば』

京介『桐乃の友達というかまぁ、親友だな。で、そいつが桐乃にプレゼントを探しているんだが、何を贈ればいいのかサッパリでな。それでその何かを教えて貰おうと思ってな。出来ればメルル関係で頼む。』

沙織『ふむ、それならば……

ーーーーーーーーーーーーーー

沙織『その時は拙者が微力ながらお手伝いさせていただきましょう』

京介『上手くいったら頼むよ、じゃあな』

あやせ「もういいですか?」

京介「ああ、完璧だ」

沙織に聞いてよかったぜ。さすがだぜ。

あやせ「あまり期待はしていませんが、聞かせて下さい」

京介「お前のコスプレグラビアを贈ろうぜ」

あやせ「な、何を言ってるんですか、変態。訴えますよ?」

京介「まぁ、落ち着け。これは完璧な作戦だ。よく聞けよ」

あやせ「いやです」

京介「まぁ、そう言わずに聞けっての。要はな、オリジナリティだ。コスプレをしてるのがお前なら桐乃のめちゃくちゃ喜ぶって」

あやせ「まぁ、そうですけど、他には何かありますか?」

京介「ない」

あやせ「そうですか…… やります、やってやりますよ、コスプレ!」

京介「さっき電話してたやつが全部世話してくれるってさ」

やっぱり持つべきは友達だよな

あやせ「一体どういう方ですか?というか、その人にもあった方がいいですか?」

京介「いや、その必要はない。俺が全部面倒みるから。追って連絡するわ」

あやせ「分かりました。では私はこれで」

ぺこりと頭を下げて来た時と同じ様に小走りで公園を出て行く。
910 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 23:37:09.18 ID:fMACecwo
ーーーーーーーーーーーーー

撮影当日

あやせ「本当にやるんですね……」

京介「お前が決めたんじゃねーか、頑張れよ」

あやせ「ところで、その大きな荷物はなんですか?」

京介「衣装とか、カメラとかいろいろだってさ、俺もまだ中身は見てないし。おっ、ここか、またえらいとこを手配してくれたな」

あやせ「私もこんな所は来たことないですよ。一体どんな人なんですか?」

京介「俺も知らねーよ」

あやせ「よくそんな付き合いができますね」

所詮、OFF会で出会った人間てこういうもんだろ。

京介「いいじゃねーか、べつに。それよりさ、とっとと始めとちまおうぜ」

ーーーーーーーーーーーーー

あやせ「ちょっとお兄さん、これはどういうことですか!?ほとんど裸じゃないですか!!」

コートを羽織ったあやせが出てくる。せっかくのコスプレがまだ見えねぇじゃんかよ

京介「落ち着けってよね」

あやせ「これで落ち着いていられますか!!変態!!最っ低です。死んだ方がいいと思います」

京介「とりあえず話を聞けよ。このキャラクターはなタナトスエロスEXバージョンで……」

あやせ「そんなことはどうでもいいんです。女子中学生になんていかがわしいことをさせるんですか、変態!
死ねェェェエェェェェェエェ!」

京介「桐乃のためだろ?ネットで世界中の人間に見られる訳でもないし」

あやせ「そうですけど…… やってやります、桐乃のため桐乃のため桐乃のため……」

そう言って羽織っていたコートを脱ぐ
露わになる白い透き通るような肌。確かにほとんど裸だけどそれが非常にそそられr

あやせ「あんまり見ないで下さい!変態、変態変態変態!早く写真撮って終わりましょう……」

京介「分かった。んじゃ、始めるか」
911 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/01(正月) 23:38:26.42 ID:fMACecwo
ーーーーーーーーーーーーー

数日後 自宅にて

あやせ「桐乃、はいこれ誕生日プレゼント」

桐乃「ありがとうあやせ、ねぇ、これ開けていい?」

あやせ「えっと、ちょっと待って、うぅ、恥ずかしい」

桐乃「えー、恥ずかしいってどういうコト?うっわー気になる!開けるよ?」

あやせ「いいよ、あんまりジロジロ見ないでね?」

あやせから受け取ったプレゼントをするすると開けて一冊の冊子を取り出す。それを見て桐乃は……

桐乃「うっわぁぁあぁ!!可愛い、これ超可愛い!まさかあやせ!?マジであやせだよね?よくこんなにの来たね?絶対着る訳ないだろうなって思ってたけど。ねぇ、今度生で見せてよ?ね?お願い!」

あやせ「あはは…… いいよ?桐乃なら」

桐乃「いやっほーい!あ、ヤバ、鼻血」

あやせ「ちょっと桐乃、興奮しすぎ」

桐乃「これは喜ばずにはいられないっしょ!ありがとうあやせ!宝物にするね!」

あやせ「あはは……そこまでしなくても。でも、嬉しい」

うわー、しゃべりにくいよ、この空気。でも、上手く行ってよかった。桐乃がこんなに喜ぶとかおもってなかったし。

あやせ「お兄さん、ありがとうございました!」

満面の笑みで、あー、くそっ、可愛い過ぎるだろ、反則!レッドカードものだよこれ

桐乃「あんた、いたんだ。んであんたからは何をくれるの?」

やっばい、完全に忘れてた!
どうしよう

京介「いや、そのあれだ。ほら、なんていうか」

桐乃「要は何も用意してないってわけね。サイッテー。妹の誕生日プレゼント忘れるなんて」

京介「いや、決してそういう訳では……」

あやせ「クスクス」


END
912 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:40:24.44 ID:fMACecwo
わずか5レスで終了!
やっぱり思いつきの3時間じゃ足りないな
今度はもう少し練って来る
わずか数分間だったけど、ありがとう
913 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:43:37.51 ID:C0fllMDO
おつおつ
困ったときの沙織えもんですね

元旦のとりはあやせかな
914 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:53:16.45 ID:d2IC3XIo
>>912
乙です!
短くても、すんなり読めるからありだと思う
915 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 23:55:24.80 ID:9XjnRUAO
乙!
916 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:10:17.43 ID:sXuewvQo
沙織√書いたから投下
久しぶりに沙織√書いたな

※話の都合上、原作には登場しないキャラがでてきます。駄目な方はスルー推奨
917 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:12:00.60 ID:sXuewvQo
「あ、そう言えば京介氏、拙者と付き合って欲しいでござる」

俺達がいつもの4人で集まって遊んでいると、何の脈絡もなく唐突に沙織がそう切り出した。

「は?」

いきなり何言ってんだおまえは!?
なんでそんな“明日ちょっと買い物付き合って”みたいな軽いノリなんだよ!

「ちょ、ちょっとあんた何言ってんの!?ふざけんじゃないっての!」
「わ、わわわわ、私の妖気にあてられて気でも狂ったのかしら?」

そしておまえらは怒りすぎ&慌てすぎだ。ちょっと落ち着け。
なんでおまえらが俺以上に反応してんだよ。

「あの…駄目ですか?」

いつのまにか眼鏡を外し、真っすぐに俺を見つめてくる沙織。
両手は胸の前で組まれており、祈るようなポーズで俺の返事をまっている。
おい…こんな時に眼鏡を外すんじゃない!

「いや……いくらなんでも突然すぎるだろ…一体どうしたんだよ」

返事をごまかしつつ、沙織の腹の内を探る。
すると、沙織は何かに気付いたような顔をして、

「あ……これは失敬。拙者ともあろうものが少しテンパっていたようでござる。経過を省いて結論だけ伝えてしまうとは」

沙織は片手で頬をかきつつ、申し訳ないと謝る。
それにしてもこいつがテンパるだと?珍しいこともあるもんだ。

「実は……最近ちょっと困ったことに巻き込まれておりまして、京介氏のお力を是非お借りしたいのです」

あぁ、なるほど。ようやく話が見えてきた。
付き合ってくれってのは力をかしてくれって意味か。俺、完全に勘違いしちゃってたよ。
それなら“買い物に付き合って”みたいなノリだったのにも納得だ。
918 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:13:14.59 ID:sXuewvQo
「わかった。俺でよければ付き合うよ」
「ほんとですか?ありがとうございます京介さん!」

だけどあの沙織がテンパるような事態って……一体どんなやばい事件に巻き込まれてるんだ?



あれから数日後、俺は真新しいスーツに身を包み、地図を頼りにとあるホテルまでやってきた。

「高坂京介様ですね、お待ちしておりました。お嬢様からお話は伺っております」
「はぁ、どうもっす」

ホテルのロビーに入ると、槇島家のメイドさんらしき人が声をかけてきた。どうやら俺を待っていたようだ。
っていうかリアルにメイドさんなんているんだな。俺は秋葉原でしか見たことないよ。

メイドさんに連れられ最上階のレストランへと辿り着く。

「本日貸し切り?」

え?貸し切り?入っちゃって大丈夫なの?

「ふふ、大丈夫ですよ。貸し切っておられるのは槇島家ですから」

困惑顔の俺を見て、クスリと笑うメイドさん。
やべ、超恥ずかしい。でも俺達一般人にとって貸し切りなんてのは無縁のものなんだからしょうがない。

「お嬢様はあちらで既にお待ちです」

メイドさんに促されレストラン内の一角を見やる。
すると外の景色を眺めている沙織の姿を確認できた。
恐らくあの席が最も展望がよく、このレストランでも特等席にあたるのだろう。
919 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:14:51.40 ID:sXuewvQo
「あの…高坂様」

沙織のもとへ歩いて行こうとするとメイドさんが俺を呼び止めた。

「はい?なんでしょう?」
「お嬢様のこと、よろしくお願いいたします」

そう言って深々と頭を下げるメイドさん。
ここまで心配してもらえるのも、ひとえに沙織や沙織の両親の人徳ゆえだろう。

「はい。うまくやれるかはわからないけど…精一杯がんばりますよ」

―――――――――――

「で、力をかして欲しいって俺はいったい何をすればいいんだ?」
「はい、それなんでござるが…」

沙織が言うには、なんでも以前お見合いした相手がなかなか諦めてくれないんだそうだ。

「一度はお断りしたのですがなかなか納得していただけなくて…」
「キモッ、まるっきりストーカーじゃん」

見ず知らずの相手をばっさりと切り捨てる桐乃。
だが、今回ばかりは俺も同意見だ。

「仕方ない、今回だけは兄貴貸してあげる。」

おい、なんで俺がおまえの持ち物っぽくなってるんだよ。
まあ、いいや。

「それで?俺はお見合いの場に殴り込めばいいのか?」
「そ、それはダメでござる!相手はお父様の取引先のご子息ですからできるだけ穏便に……」

まじか…やりにくいな……。
ってことはあれだろ?以前俺が親父に対してやったような説教はできないってことだろ?

「じゃあ一体どうするんだ?」
「拙者の彼氏役として同席していただければそれで大丈夫です。
さすがに相手の方も拙者に彼氏がいれば諦めてくれるでしょう。この役、京介氏にお願いしても?」
920 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:16:00.47 ID:sXuewvQo
普段あれだけ世話になってる沙織からのお願いだ、断れるわけがないだろう?
それでなくても友達が困ってるんだ。助けないわけにはいかないさ。
俺は一も二もなく了承したよ。

「おう、まかせろ」

俺が了承してから沙織が桐乃と黒猫とにしきりに謝っていのが印象的だった。
なんでそいつらに謝ってるんだ?謝るべきは俺じゃないの?
いや、別に謝ってほしいわけじゃないんだけどさ。

――――――――――――

「よう沙織」
「こんばんは京介さん、お待ちしておりました。こちらにどうぞ」

そう言って自分の隣の席を指し示す沙織。

今日の沙織はいつものグルグル眼鏡を外し、ドレスに身を包んでいる。
くっ…これはやばい。なにこの破壊力。
こんなにかわいけりゃ相手が諦めきれないのも無理ねえよ。
これで眼鏡でもかけようものなら俺だってストーカーしちゃうぜ。あのぐるぐる眼鏡のことじゃないよ?

「京介さん?」

棒立ちになっている俺を心配したのか沙織がこちらを見上ていた。
ぐ…これはやばい。普段こいつの上目使いなんて全く見ないもんだから耐性がついてない分さらにやばい。
まぁ、例の眼鏡のせいでどのみち目は見えないんだけどさ。

「お、おう。わりぃわりぃ」

席に着いて相手の到着を待つ。
沙織によると、相手との約束の時間は21時らしい。
今の時刻は20時30分。一応早めに着いておいた方がいいだろうということでこの時間にやってきたわけだ。

「ところで沙織、沙織のご両親は?」

見渡したところ俺達の他に誰かがいる気配はない。

「なにぶん忙しい方たちですから」

そう言って微笑む沙織はどこか寂しげだった。
……お金持ちはお金持ちなりの苦労があるのかもしれねえな。

「そっか。大変なんだな、おまえも」

こいつがなにかと俺達の世話を焼いてくれるのは、沙織自身が寂しかったってのもあったのかもしれない。
921 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:17:27.08 ID:sXuewvQo
「ふふふ、最近はそうでもないんですよ?これもきりりんさんや黒猫さん、そして京介さん…あなた達のおかげです」
「そっか、そりゃあ……よかった」

沙織との会話も盛り上がってきた頃、噂のお相手が到着した。

「もういらしてたんですね。お待たせしてしまったようで申し訳ありません」

あれ?なんかいい奴っぽくない?しかもやたらイケメンだし。年は20歳くらいか?
そういえば金持ちってやたらイケメン多い気がするんだけど気のせいかな。…今なんの関係もないけど。

「……そちらが例のお相手ですか?」
「はい。私が想いを寄せている高坂さんです」
「初めまして。高坂京介です」
「初めまして高坂君。僕は城戸星矢」

そう言うと星矢は右手を差し出してきた。俺も右手を差出し握手をかわす。
しかし、星矢ってすげえ名前だな。そのうちペガサス流星拳とか放ちかねない名前だ。

「ははは、父が聖闘士星矢の大ファンでね。この名前もそのせいさ」

なるほど、フェイトさんみたいなもんか。

…はっきり言って第一印象は悪くない。人柄は良さそうだし、なによりイケメンだしな。
沙織はこいつのどこが駄目だったんだろう。

「さて、沙織さん。この際ですから単刀直入に申し上げます。僕はやはりあなたを諦めることはできそうにない」
「…どうしてですか?」

そりゃそうだよな。
俺もここにくるまでは、内心相手のことをストーカーまがいの野郎だと思ってた。
だけど、そうじゃなかった。俺の人を見る目を信じるならばこいつはそんな男じゃない。
少しばかりの化粧とドレスで着飾った沙織を見たら大半の男はそうなっちまうよ。
それくらい今日の沙織は美しくて、男を惑わせる魅力を持っているように見えた。

「以前僕はこう言いましたね。あなたが連れてくる相手が僕以上の人間であれば、僕以上にあなたを幸せにできる人間であれば素直に諦めると」

そんなこと言ってたなんて聞いてねえぞ!?
沙織!これはどう考えても人選ミスだろ!?

「はい、確かにおっしゃいました」

だが、沙織は少しも動じる様子はない。
922 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:18:55.80 ID:sXuewvQo
「彼を馬鹿にするつもりは毛頭ありませんが、僕にもプライドがある。そこらの男には負けていないという自負も」

星矢は、ギリと拳を握りしめた。
そりゃそうだろう。沙織が自分以上の人間として連れてきたのが俺みたいな凡人じゃ、怒りたくもなるってもんだ。

「何故ですか!?僕のどこが彼より劣るというんです!?そこの地味目の男のどこが僕より勝っているというんですか!?」

「お黙りなさい!!」

「え?」
「え……」

星矢も俺同様に呆気にとられているようで、目を丸くして沙織を見つめていた。

「この方は私が選んだ方です!その彼を貶めるような物言いは私が許しません!」

ちょ、ちょっと沙織!?いくらなんでもキレすぎだろ!?
っていうかおまえがキレるとこなんて初めて見たわ!

「あ………」

星矢も自分が言ってしまったことを理解したのか、何かに気付いたような表情を見せた。

「すみません、高坂君。とても失礼なことを……」

自分に非があると理解すれば年下のはずの俺にも素直に頭をさげる。
やっぱり俺の人を見る目は間違ってなかった。こいつは本当にいい奴なのだ。
ただ、沙織がそれを狂わせるような魅力を持ってたってだけでさ。

「あ、頭を上げてください!そもそも別に俺は怒ってないし、あなたが言ってることって事実っすから!」
「でも、ようやくわかりました」
「え?」

頭を上げた星矢は妙にさっぱりした顔をしていた。

「貶められたのが僕であれば沙織さんは今ほど怒ってはくれなかったでしょう。沙織さんがあんなに怒ったのはあなたが貶められたからです」
「は、はぁ……」

こいつは一体何を言ってるんだ?確かに今の状況はそうだけどさ。
単純に現状確認してるだけなのか?

「ふっ、その様子だとよくわかってないようですね。……人間、好きな人と結ばれるのが一番幸せってことですよ」
「き、城戸さん!?」
「ははは。では、僕はこれで失礼します。沙織さん、今までご迷惑をおかけしてすいませんでした。
923 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:20:33.96 ID:sXuewvQo
そう言って沙織に頭を下げる星矢。
そして星矢は俺の方を振り向くと、

「高坂君、僕が言えた義理ではないけれど…沙織さんをよろしくお願いしますね」

そんな言葉を残して去って行った。



「終わった……のか?」
「はい、お疲れ様でした京介さん」

はぁ〜〜超緊張した………。
やっぱり上流階級の人間と話すってのはそれだけで緊張するもんだな。
もうしばらくこんなマネは遠慮したい。

「でも、なんであいつは諦めたんだろ?」

緊張が解け、リラックスしてきたせいか頭がさっきの言葉の意味を考え出す。

『人間、好きな人と結ばれるのが一番幸せってことですよ』

「ま、まさか……沙織?」

ありえるか?こんな綺麗なお嬢様が?
沙織の方を振り返ると何やらうつむきがちになって申し訳なさそうな顔をしていた。

俯いている人間の顔がなぜ見えるかって?
ははは、そんな野暮なこと聞くなよ。

「あ、あれ?どうしたんだ沙織?」
「あ、あの実は、両親にも同じ言い訳を使っちゃってて……」
「え?」

ってことはまさか……

「もう少し……私にお付き合い頂いても?」

くそっ!こうなったらとことんやってやるよ!!

「まかせろ!どこまででも付いてってやるぜ!」
「ありがとうございます!大好きです京介さん!!」
「ぐお、お、重い!いきなり抱き着かないでくれ!俺にも心の準備ってもんがあああ!?」

バターン



おわり
924 : ◆qPOxbu9P76 [sage saga]:2011/01/02(日) 01:28:47.72 ID:sXuewvQo
おやすみ。また書きに来るよ
925 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 01:42:20.07 ID:e2hhQ2AO
926 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 01:53:59.15 ID:xwBagB.o
乙であります
ガンダムといい、2011年は沙織ブームが来るのか?
927 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 01:54:06.89 ID:MJy2SDIo
928 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 02:29:19.54 ID:xwBagB.o
おちんこきたー
929 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 02:37:57.22 ID:3bTmbMAO
乙です
そういえばアテナは沙織さんか…
930 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 04:51:14.55 ID:CDZt9UUo
>>872
 今更だけど、乙。
 個人的に文章が読みづらいと思った。

 会話文であるカギ括弧の前に空白は要らないと思う。
 会話文が2行以上続いている場合は、2行目以降の段落頭は全角空白入れた方が見易いと思うし。

 あと、“アハハハハ…”とか“ガチャ!”とか、全角カタカナと半角カタカナ交じりも見辛いなぁ。
 どちらかで統一した方が良いと思う。(個人的には全角で統一を希望)

 あとは、三点リーダ(要は“…”)とかダッシュ記号(要は“――”)なんかは2文字以上のセットが基本らしいよ。

 ついでに、段落頭に全角空白入れてないところは、論理的に段落が繋がってるってことなのかな?

 以上、一般的な小説の書き方的な観点からの指摘。
 描く気を削ぐ気はないので、無理に直す必要はないけど、気にしてもらえたら嬉しいかな。
931 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 05:11:25.13 ID:qh/xRoSO
うわぁ…
932 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 05:16:13.39 ID:an9.u8Q0
黒猫ー!早く来てくれー!
933 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 05:23:01.66 ID:3bTmbMAO
>>930
ぷーりんさん乙
3点リーダー2個セットなんか守ってる書き手は、そもそもこのスレにはいないと思うが…
934 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 08:34:37.23 ID:gkQtULso
好きな様に書けばいいんだよ売り物じゃないんだから

あやせたんペロペロ
935 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 09:46:33.17 ID:9Wg6azo0
審査員がいるな
936 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 09:51:31.57 ID:st2d8r60
VIP@wikiを見てて気づいたんだが、このスレの>>803>>825
まとめに載ってないから、適当に編集して載せるぞ

あと、VIPで書かれた俺妹SSも見つけ次第少しづつ追加していこうと思う
細かいところは管理人にまかせるのでよろしく頼む
937 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 10:30:02.83 ID:iKOIcjIo
閃いた!!!
938 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 10:42:19.45 ID:ifG1YiUo
>>937
いきなりどうした?
939 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 11:07:06.00 ID:NRqo9r60
>>936
GJだ
その調子でガンガン追加しちゃってくれ
940 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 11:16:46.45 ID:z0PlOZE0
桐乃「ねんがんのあにきのバンツをてにいれたぞ!」
941 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 11:25:06.91 ID:8WjLwa2o
バンツとな?
942 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 11:29:13.87 ID:3w3dCcAO
京介「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」
943 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 11:44:25.15 ID:vwIElxAo
「おい桐乃、そんな格好でうろつくなって」
「は〜⁉ そんな格好? そんな格好って何? これちゃんとしたユニフォームなんだけど〜? なにあんた陸上馬鹿にしてんの?」
「ぐぬぬ」
って感じのSSお願いします
944 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 12:35:26.01 ID:3ytSuEAO
>>938
閃いたんじゃね、流し斬りとか
945 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 13:00:23.22 ID:iKOIcjIo
>>938
ネタが閃いた。
946 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 13:26:44.40 ID:jjBF13o0
>>930

どうもです。 ただいま3話目途中にて緊急修正作業実施中です。

京介「なぁ、お袋、お袋が大晦日に書いてたヤツにレスがきてるぞ」
佳乃「あら、またあたしの悪口?」
京介「なになに、9000レスの大作……乙!」
佳乃「まぁ!、お母さん別に『三国志』書いてるわけじゃないわよ」
京介「それから、『会話文であるカギ括弧の前に空白は要らない……』ふむふむ」
佳乃「あら、あの記号、三点リーダとダッシュ記号ってちゃんと名前があったのね」

佳乃 カチカチカチカチ―― カチッ!

佳乃「あら、ほんと!表示されたわ! ずっと気になってたのよ」
京介「今までどうしてたんだよ?」
佳乃「その三点リーダ?の方は、てんてんてんの変換でOKだったのよ」
京介「ダッシュ記号の方は?」
佳乃「いろいろ試したんだけど、どうやっても表示されなくてね……全角のハイフンかしら?、
   なんて思ってたのよ」
佳乃「ここでいきなりやったら、恥ずかしいじゃない?」
京介「で、どうしたんだよ」
佳乃「以前お世話になった板で、適当なこと言いながら……全角ハイフン連続とか?」
京介「とりあえず、使い方なんかネットで調べてみろよ」

佳乃「えーと、『会話の中で無音(間)を表す……』、『文の一部を省略……』ふむふむ、
   それから……『文の末尾で余韻を表す場合、リーダの後に句点を付けない』、
   あら、結構細かく決まりがあるのね……『通常は2個繋げる……』」
京介「お、お袋、今書いてる3話目のヤツ、早いとこ修正しちまえよ」
佳乃「そ、そうよね」

   カチカチカチ、カチカチカチ――――カチ!

佳乃「あら、確かにすっきりするわね!」
京介「じゃぁ、拗ねちまったと思われてもなんだから、はえーとこ書き上げて投下しちまえよ」
佳乃「そうよね、拗ねたと思われたら恥ずかしいわよね」

佳乃「きょ、京介……」
京介「どうしたんだよ、お袋」
佳乃「段落とか改行とか……き、緊張して、手が動かないわ!」
京介「はぁ?」
佳乃「とりあえず、今日は大掃除の続きをするわ……」

(はぁ〜)
947 : ◆kuVWl/Rxus [sage]:2011/01/02(日) 15:03:45.17 ID:xwBagB.o
>>933
3点リーダーとダッシュについては、実は1作目から意識して書いてました
たまたま知ってたからなんだけどw
948 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 17:37:09.98 ID:jhwHJoSO
最後まで書ききってから投下しろハゲ
949 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 17:48:58.17 ID:rAF/oDY0
そろそろ次スレ立てたほうがいいね
950 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 18:13:17.70 ID:U0dBQS.o
まあこれくらいの勢いならテンプレにある>>980で間に合うんじゃないか?
951 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/02(日) 18:53:14.52 ID:sXuewvQo
もうpart6か。このスレがまさかこんなに続くなんて思わなかったぞ
952 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 21:45:15.81 ID:zVXR8Kgo
アニメ終わったし、減速するだろうけどね
953 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 21:52:02.15 ID:NRqo9r60
>>952
まだ13話〜の配信が残っているぞ
954 :572 [sage]:2011/01/02(日) 23:03:43.76 ID:KG9zDwAO
こんばんは。
>>850の続きを投下したく候。
他のひとと被っては悪いので、10分ほど待機す。

今回も変わらない短さのため断りおく次第。

あと内容に若干バイオレンスな要素を含むことも、予め申し添え候。
955 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:07:24.13 ID:QF4sa4Mo
五分近くも待たねばならぬとは
956 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:16:01.60 ID:KG9zDwAO
「ふあぁ〜……ぁふ」

ついつい大欠伸を洩らしてしまうのも仕方ないやな。
ほんの数時間前、親父に付き合って二年参りに行ったばかりだ。
あの外見に違わず家長として家内安全無病息災の験担ぎを大事にする人であり、
今年はおそらく俺や桐乃が無事に受験に臨めるようにという祈願もあったのだろう。
特に誘いがあった訳ではないんだが、同行することにした。

結果、元日で普段より大分朝が遅いってのに、やたらと欠伸が出てしまう。なんだかな……
家族全員の失笑を買いつつ、餅と雑煮を食べ、こうして二度めの初詣?に出掛ける俺だった。

というのは、正月早々赤城からメールが届き新年の挨拶がてら初顔合わせという趣きらしい。
麻奈実も誘ってくれと頼まれ電話してみたはいいものの、
今年は和菓子屋のがいつになく好調で今日は時間を取れないと言う。
後で改めて俺の方から挨拶に行くべきか…
ほんの少しばかり残念さを覚えながら指定の待ち合わせ場所へ歩を進める。

「よう高坂、あけましておめでとう!」
「あー、おめでとう。今年もよろしくな」

知れた仲ならではの簡潔な挨拶を済ませると、赤城が続けてきた。

「気のせいか今日は張りが無くね? 風邪とか、それとも朝の冷えが腕に響いてるとか?」
こいつに心配されちゃ世話ぁない、寝不足のいきさつを白状する。

「そういう赤城は随分ハツラツとしてるようじゃないか。
  まさか、俺と会うのが楽しみで…とかいう気色悪いオチは聞かんぞ」
不意に瀬菜的な発想が浮かび、悪質な冗談を否定するべく口走ってしまう。

「いやいや瀬菜ちゃんじゃあるまいし。高坂、お前こそ大分染まったな」

どうやら自爆のようだ。不覚…
その瀬菜はこれから友達と合流して初詣に来るらしい。
よもや友達とやら腐ったメンバーなのではと疑念に捕らわれるが、敢えて言葉にはすまい。
赤城は先発隊として焚き上げや破魔矢の買いつけを任されたそうで。
シスコン大王たるこいつにしてみれば、そんな頼まれごとさえ嬉しいのだろう。
957 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:17:13.63 ID:KG9zDwAO
「そういやぁ、田村さんは一緒じゃないのか? 妹さんも?」

当然のごとく赤城が訊ねてきたので、二人の不参加の事情を伝える。
麻奈実のは斯々然々。
桐乃は、何か思う所があったのか、今朝になってお袋にお節の作り方を習うんだと言い出した。
お袋のお節料理は本人いわく「大半が適度に手を抜いてる」割には美味いもので、
どうやらそこらへんに触発されたように思われる。

「初詣自体は、振袖着ていくの楽しみにしてるし
  何だかんだで俺は今日明日中にもういっぺんここに来るんだろうよ」

そう苦笑をしてみると、奴はしたり顔で

「高坂、お前のシスコンぶりも変わらないな。仲睦まじいようで何よりだ」
などと勝手に納得しやがる。
違うから。赤城兄妹同様の仲じゃなく、俺のは単に妹の我が侭に付き合わされるだけで……
そう返すところの筈が何故か思い止まっちまった。去年なら言い切ってただろうに。

近頃の俺と桐乃はというと――
なんとも落ち着かない思いに耽るうち、懐の携帯が着信を告げる。
ディスプレイには加奈子の名が表示されていた。
出来すぎだろうこのタイミングは。
958 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:19:11.79 ID:KG9zDwAO

「京介ー、こっちこっちー」

年が明けてもチンチクリンな加奈子が人混みの向こうで力強く手を振るのが辛うじて見えた。
まあ、年越ししたからってグンと背が伸びてたら怖いな。明晰夢を疑うこと間違いない。
赤城にも協力してもらい、ちょっとしたラッセルで掻き分け掻き分け距離を詰める。

「あけおめ〜。初詣に来たからよ、折角なら一緒にと思って桐乃に電話したら丁度出たところだって」

なるほど、そゆことね。
聞けば事務所の仲間との初詣を済ませたところとか。
用事があってあやせやブリジットは先に別れたそうで、
特にブリジットは加奈子と離れるのを渋って今しがたまで相当ゴネてたらしい。

「そりゃあ、ありありと想像つくわ。俺も機会があえば年賀の挨拶はしたいし。
  あやせたんとは…桐乃が連絡とった時にでも会えるか」
「『たん』とかマジきめぇ。自重しろ自重。
  ンだよ、加奈子じゃご不満ー?」

会ったばかりで早くもむくれてしまった加奈子の機嫌を直すべく、
習慣的にどう宥めるかの手立てを思案していると

「あのさ、そろそろ俺にもこちらのおちびちゃんを紹介してくれ。高坂んちの親戚の子だったり?」
赤城が待ちかねたように話しかけてくる。
いかん赤城、いま口にしたのは禁句「ぐはっ!?」

「誰がチビだっつーのっ…ざけんな」
これでも気にしてんのに、とか呟く加奈子の気持ちはわからなくもないが。
普通に疑問を聞いただけでトーキックを見舞われ悶絶する悪友には同情を禁じ得ない。南無三。

「お前、俺の連れ相手に、それ抜きにしても初対面なのに手が早すぎだろう…」
「初対面で無礼なのはソイツじゃん、手は出してないし」

見苦しく言い訳する加奈子。
駄目だこのガキ、たまにはお灸を据えてやらんと。
959 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:30:29.10 ID:KG9zDwAO
「痛ッ、痛いって! 離せバカ!卑怯もん!!」
ぎゃあぎゃあ喚く加奈子の髪を引っ張り、一方で暴れる手足に倒されないよう身をかわす。
髪を掴んだまま下手にバランスを崩すと危ないもんな。
ジタバタと足掻き疲れた加奈子がようやく観念したころ、こちらも手を離し解放する。

「お……女の…髪は…命って…知んないワケ…」

フゥフゥと威嚇する猫のような息を漏らし、目の端に涙を浮かべて睨み付けてくる。
ちとやり過ぎたか、と内心では反省しつつ

「なーにが女の命だ。あの程度の悪意ない一声で癇癪おこすお子様は、相応の罰受けて当然だ」

ここで怯んじゃいかん。
たとえコイツが俺に求めるものと違ったとしても、憎まれ役を果たしてやらないと。
自分に懐いてくれる子に辛辣な言葉を投げ掛けるのは正直かなり抵抗ある。心が痛むよ、だが…

「そんな恨めしそうな目で睨んでも俺からは折れないぜ。
  憎らしく思われようが、嫌われようが、子供の間違いを諌めてやるのが年長者の務めだかんな」

俺たちの間の緊張した空気に耐えかね、赤城が仲裁の言葉を探す素振りを見せたとき

「……わかった」
苦りきった顔で加奈子は言い、続けて赤城にゴメンと謝った。
しおらしい様子にほだされたのか、赤城のやつ「泣かすほど怒るこたぁない」と責めやがる。
うるせ。俺だって泣きたい気分ですよ?

凹みかけていると、加奈子が不服げを隠さず言い募ってくる。

「でもやっぱ糞マネ、京介は卑怯もんだ。あんなの、ねーよ」

髪のことだろうか。力加減はしたつもりだったけど。
あの対応を悔やむまいにしろ、肉親でもない俺がこいつを傷つけてまで説教する筋合いは無い。

「髪、痛むか……力ずくってのが大人気なかったのは悪いが」
「違うって」
途中で俺を遮り、

「あんたが加奈子のこと本気で叱ってんのに、嫌えるワケないし。
  だからああいうのは、卑怯なんだって」

苦心の選択はきちんと受け止めてもらえたようだ。
根は素直なやつでよかった。

「あんたのお節介も大概だよね。マネージャーの時もそうだったけど、
  こういう風にガチで向き合ってくれる奴のがアタシには必要なのかな…」
場に似つかわしくない真っ直ぐな視線を寄越す加奈子。
俺は思わず胸に迫るものを感じて、うまく言葉にできない

それは数秒か数分だったか、
赤城がまたも耐えかねて「お前ら俺のこと忘れないで」と横槍を入れるまで二人はただ向き合っていた
960 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:32:32.98 ID:KG9zDwAO
<続>かな
このエピはここで終わりっす。
改行規制で要添削とか間抜けすぐる…
961 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 23:48:30.80 ID:3ytSuEAO
乙です

かなかなかわいい
962 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:23:18.34 ID:7bHmPcDO
おつおつ
かなこはいいこ
963 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:44:47.50 ID:SOFCpnUo
あやせたんペロペロ
964 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 03:25:41.43 ID:xb8U3UAO
黒猫SSはまだか
965 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/03(月) 07:14:58.26 ID:U0p4/PMo
>>892の続き書いてみた。
ちょっと手直しして夜には投下する。おやすみ
966 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 10:00:25.79 ID:C16P9zMo
京介「そのふざけた幻想をぶち[ピーーー]」
桐乃「お腹減ったんだケド」

ないか
967 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 10:41:20.53 ID:p4Q5Powo
桐乃「ねぇちょっと、お年玉は?」

京介「はぁ? なんで高校生の俺が中学生のお前にお年玉やらなきゃなんねーんだよ」

桐乃「うわ、器ちっさ。可愛い妹にポーンと諭吉渡すくらいできない訳ぇ?」

京介「普通できないだろ……ったく……階段登れないだろ」

桐乃「ちょっと、待ちなさいよ!」

京介「なんだよ……」

桐乃「お年玉は、仕方ないから許してあげるから、代わりに〜……」

京介「あん?」

桐乃「だ、だから、代わりに、ね……その」

京介「なんだよ、ハッキリしろって」

桐乃「……初詣……一緒にいってくんない?////」


時事ネタ
968 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 13:56:13.59 ID:7bHmPcDO
去年妹と2人で初詣行ったこと思い出した
969 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 14:03:13.52 ID:SOFCpnUo
ここ三日間で鷲宮神社の臨時駐車場に桐乃や黒猫やあやせたんの抱き枕を積んだ車を何台か見かけた
黒猫のポスターを何枚かラミネート加工してガムテープでボディに貼り付けてる車も居た
970 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 14:04:52.16 ID:p4Q5Powo
ガムテープとか愛がないだろ・・・
971 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 14:21:53.66 ID:YBAjaxg0
>>969
桐乃の車ならあったぞ

http://mkimg.bmcdn.jp/minkara/photo/000/002/383/232/2383232/p5.jpg
http://blog-imgs-32.fc2.com/j/a/p/japannavy/_IGP1897.jpg
http://stat001.ameba.jp/user_images/20101023/20/looking4milk/24/cc/j/o0800107110817535705.jpg
972 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 14:55:45.81 ID:sJcT6kAo
ちょっと早めに次スレ立てようと思うが、テンプレに何かリクエストある?
973 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:05:45.17 ID:Eb4TB/oo
追加するとしたらオリキャラもの、クロスもの、NTRものに関する注意書きかなぁ
てかスレタイこのまんまなの?
前スレに合ったスレタイ案の
「俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6」あたりに変更すれば?
974 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:07:49.99 ID:sJcT6kAo
このスレ立てたのも俺なんだけど、前スレで「嘘でしょ」入れたいって意見があったんだよね
俺はどっちでもいいんだけど

どうするかな
975 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:09:28.09 ID:eP2R5d.o
いろんなキャラのSSあるし
>>973でもよくない?
976 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:10:02.75 ID:xb8U3UAO
中断についてはもう少し制限ほしいな
977 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:14:06.73 ID:sJcT6kAo
じゃあスレタイは>>973
テンプレはこんなかんじ?

----
・鬱、エロ、NTR、オリキャラ、クロス作品の場合は、投下前に断り書きをしましょう
・完結させてからの投下が望ましいです。3回以上中断する場合は別スレを検討しましょう。
・再開時には前回投下したものをアンカーでお知らせしてください。
>>980 を踏んだ人が次スレを立てましょう

感想や雑談などご自由に
978 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:14:25.84 ID:AJ817hoo
今のスレタイは新参にわかり辛いと思う
979 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:17:04.70 ID:xb8U3UAO
いいと思う
スレタイも賛成
980 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:21:25.56 ID:sJcT6kAo
980踏んでおくか

他のテンプレ参考にして少し変えた
これで立ててくる

----
・鬱、エロ、NTR、オリキャラ、クロス作品の場合は、投下前に断り書きをしましょう
・完結させてからの投下が望ましいです。3回以上中断する場合は別スレを検討しましょう
・やむを得ず中断させた場合は、再開時に前回のものをアンカーで知らせてください
・SS作家さんには惜しみない賞賛を
>>980 を踏んだ人が次スレを立てましょう

感想や雑談などご自由に
981 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:26:01.53 ID:WFQlWvEo
もう、次スレか…はやいなぁ
982 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:27:36.07 ID:sJcT6kAo
次スレ

俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1294035994/
983 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:30:15.24 ID:hH7jp0oP
>>982
984 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:33:11.75 ID:SOFCpnUo
グロとかスカトロも不意打ち怖い
誰かが死ぬ展開とか
985 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 15:35:02.24 ID:xb8U3UAO
スレ立て乙です
986 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 16:00:16.08 ID:p4Q5Powo
>>984
グロは欝・・・にならんか
スカは俺もムリだわ・・・
987 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 16:05:02.72 ID:sJcT6kAo
>>984
グロや死展開は鬱に含まれるかと
スカトロはいままで多分無かったし、思いつくまますべて列挙するわけにもいかないから
問題になったら追加、でいいんじゃないかな
988 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 16:22:31.39 ID:ifLxljc0
桐乃・黒猫「え?>>982乙でしょ」
989 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 16:37:18.56 ID:Eb4TB/oo
>>982
お疲れ様です
990 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 16:50:04.25 ID:ZHNNSAAO
>>982
乙であります
991 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 17:17:38.52 ID:wDLVS2oo
>>982
乙です
992 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 17:38:43.82 ID:7bHmPcDO
>>982
おつんつん
993 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 17:39:29.09 ID:.orrpL.o
>>796
 激しく今更だけども……。

> 京介がマネージャーをやったのは2回
> 1回目で赤城浩平、2回目で赤城京介と名乗っている
 1回目が4巻で、2回目って6巻だよね?
 今確認したけど、6巻では名乗るシーンはないみたいだな。
 というわけで、俺の見落としでなければ、赤城京介という中途半端な偽名は存在しないと思われる。
994 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 17:44:20.08 ID:nUJ0ZQMo
>>982
 乙。確かに俺も新参だから判りづらいとは思ったな。>スレタイ
 まあ、まとめから来たからあんまり困らなかったけど。
995 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 18:04:33.26 ID:erAMmwAo
俺も最初は長編ものかと思って覗いたら
あらビックリだった
996 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage saga]:2011/01/03(月) 19:07:55.20 ID:U0p4/PMo
>>982乙です

>>965で宣言した、『俺の妹が身長180cmなわけがない』を次スレで投下しようと思う
ここ埋めちゃっていいよね
997 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 19:08:02.53 ID:sJcT6kAo
埋めてHTML化依頼してくる
998 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 19:08:28.67 ID:sJcT6kAo
うめ
999 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 19:09:29.89 ID:YBAjaxg0
(・∀・)ウメー
1000 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 19:09:36.02 ID:sJcT6kAo
埋め昇竜
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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