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千春「・・・なんなんスかアレ・・・・・・;」 花山「使徒だ。」 千春「シト・・・・・・?;」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :赤いイヤーカフ :2011/08/23(火) 00:55:13.15 ID:+gn2m7tQ0
ネルフ本部施設内部。

訓練棟の廊下に足音が響く。

時刻は朝の7時30分。



テンポの良い快音。

歩調は決して軽過ぎず、かといって堅くもなく。

普通でごくごく一般的な歩き。


いや・・・・・・やはりほんの僅かに軽い。


ぴたっ



彼女の足が止まる。


彼女の目の前には自動ドア。

そしてドアロック用のカードリーダー。


上下真っ赤なジャージ姿の彼女は、長ズボンの右ポケットからカードを取り出し・・・

スッ

カードリーダーに差し込み・・・

シュッ

引き抜いた。


ピッ  

高い電子音が鳴り・・・


プシュ

直後に、自動ドアが開いた。





「ただいま〜。」
       「あっ、おかえり。」
「オゥ、おかえり。」
         「・・・おかえり・・・・・・」








アスカ「はぁ〜疲れた・・・・・・シンジ? 今日の訓練開始時刻って何時か知ってる?」スタスタ・・・


シンジ「え? 今日は・・・えーっと・・・9時からだったかな?・・・・・・・・・ってゆうか、惣流さん朝からどこ行ってたの?」

アスカ「決まってるじゃない。トレーニングルームよ。それ以外にどこでジャージ着るってゆーの? 分かってないわね。」フッ

綾波「・・・貴女は行き先を言わなかったわ・・・・・・」

アスカ「普通はアタシの格好見たら分かるわよ。」


バキ(みんな揃ったし・・・・・・そろそろ作るか・・・朝メシ・・・・・・)

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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
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ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
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【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
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貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
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レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 01:05:12.00 ID:i3FATaMMo













                   ∩  ∩
                   | | | |
                   | |__| |
                  / 一 ー \
                 /  (・) (・)  |
                 |    ○     |
                 \__  ─  __ノ 









      
3 :赤いイヤーカフ :2011/08/23(火) 01:06:38.97 ID:GmP6P9yQ0
注意書き

1、ネット初心者の>>1は初書きも同然

2、遅筆

3、基準わからんが恐らく駄文

4、まとめて投下が出来ない

5、キャラ崩壊(身体能力的に)

6、たまに安価取るかもしれない

7、絶対完結させる
4 :赤いイヤーカフ :2011/08/23(火) 01:13:02.09 ID:7a9cIZmV0
前スレッッッッ
   ↓
花山「ありゃア・・・惣流・・・・・・・・・安価頼むぜ・・・」-SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297647035/


いつ見ても恥ずかしいスレタイだぜ・・・
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 02:05:28.47 ID:BU1QpKiDO
新スレ乙。前作から楽しく読んでるぜ。支援
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/23(火) 04:40:42.13 ID:xPQifsIq0
支援だ……
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/23(火) 21:27:21.82 ID:Y8uRefOuo
烈「早く罵るん・・・あれ・・・いない・・・?」
8 :赤いイヤーカフ :2011/08/24(水) 02:04:11.90 ID:0A16MhaX0
バキ「オ〜シ・・・朝メシ作るか。どうするシンジ? ロクなモン無いけど。」

シンジ「う〜ん・・・・・・冷蔵庫の中・・・あ〜そっか、インスタントばっかりか・・・」

アスカ「はぁ? ちょっと見せてよ。」


ガチャン ゴソゴソ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわ・・・・・・・・・;;」


バタン



アスカ「ひっどいわねコレ・・・・なんなの?・・・;」

バキ「ミサトさん特製、インスタント詰め合わせ冷蔵庫さ。今まで知らなかったのか?」

アスカ「アタシが知るワケ無いじゃないの。料理しないんだから。」

バキ「料理っつーか、インスタントにちょっと付け足すぐらいだけど。」ハハ・・・

アタシ「まったく・・・何考えてんのよミサトは・・・・・・こんな余計な事しないで、普通に空の冷蔵庫用意しなさいよね。」ムカッ

シンジ「まぁ、ミサトさんらしいけどね。」ハハ・・・

アスカ「こんな迷惑な[らしさ]なんていらないっつうの・・・・・・・・・あーあ、まともな食事が懐かしいわ」ハァ・・・

綾波「・・・購買・・・・・・」


アスカ「え?」

バキ・シンジ「?」


綾波「・・・・チルドレンには、購買無制限使用が認められてるわ・・・・・・」

シンジ「へっ?」

バキ「おぉ?」

アスカ「はぁ? それって・・・・・・無料で買い放題って事?」

綾波「・・・ええ、そうよ・・・・・・」

アスカ「なんでそれを先に言わないのよ。無駄に粗食しちゃったじゃん。」


綾波「・・・ごめんなさい・・・・・私、今のままでも良かったから・・・・・・・・・」


バキ・シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「なにワケわかんない事言ってんのよ。ジャンクフードの何処が良いってぇの? 身体に悪いし、肌は荒れるし、なんか薬っぽい味だし。どこが良いのかぜ〜んぜん分かんないわ。」


バキ「ハハ・・・・・・;」

シンジ(・・・やっぱり・・・・・・あんまり良い物食べてなかったのかな・・・;)


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「あー・・・綾波?」

綾波「・・・なに?・・・・・・」

バキ「その無制限って、護衛にも適用・・・・・・されない? やっぱり。」

綾波「・・・・・・ええ・・・・・・・・・」

バキ「マジかァ〜・・・・・・じゃあ俺だけ自腹切んの?」

綾波「・・・・・・そうなるわ・・・・・・・・・・・・」

バキ「うわ〜〜、いよいよ財布事情がヤバイなァ;」ハハ・・・
9 :赤いイヤーカフ :2011/08/25(木) 22:36:55.21 ID:qQMe3jFx0
朝7時37分
ネルフ本部:情報処理棟廊下


青葉「また脱走か・・・・・・で、どうしたんだ? それから・・・・・・」スタスタ・・・


日向「どうもしないよ・・・放っておいて、あとはそのままさ。」スタスタ・・・


青葉「ふーん・・・・・・・・・いいのか?」スタスタ・・・


日向「当然良くないよ・・・・・でも、取り押さえる手段が未だに無いのも確かだ。麻酔も罠も銃も効かないって言うんじゃ、手の打ちようがない。」スタスタ・・・



青葉「・・・・・・アレでも人間なんだよな・・・俺達と同じ・・・;」スタスタ・・・


日向「学術的にはそうらしいね・・・・・・・・・僕はもう人間と思わない事にしたよ・・・・・・言葉が通じないし、頑強さと俊敏さが普通じゃないし、加えてA・T・フィールド展開だ・・・・・・・・・もう付いて行けないね。」ハァ・・・ スタスタ・・・


青葉「どうなるんだろうなネルフは・・・・・とんでもないのは彼だけじゃないんだけどなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・一体、花山さん達はどこの支部から送られて来たんだ? あんな人達なら、少なからず情報がウチに入って来てても良かったはずだろ?」スタスタ・・・


日向「情報なら入って来てるよ。花山さんはドイツ支部。克巳さんと渋川さんは松代。鎬さんはアメリカ。元部外者と言えば烈さんとジャックさんと独歩さん・・・・・・あとバキ君ぐらいだな。」スタスタ・・・


青葉「でもそれだけだろ? 諜報員って事だから、過去の経歴が幾らか変えられてるのは分かるけどな。」スタスタ・・・


青葉「鎬さんと花山さんは良いとして・・・・・・松代にあの二人居たか? 俺は今まで何回か行った事があるけど、あの二人を見たことなんて一度も無いぞ?」スタスタ・・・


日向「僕等が知らない職員なんて、ここネルフ本部にも随分居るよ・・・・・・俗に言う巨大組織の常って奴さ・・・」スタスタ・・・



ドタドタドタドタ・・・

警備員達「・・・・・・・・・・・・・;;」ドタドタドタ・・・


ドタドタドタドタ・・・



日向「?」

青葉「?」

日向「なんだ今の?」


青葉「さぁ・・・・・・;」


10 :赤いイヤーカフ :2011/08/27(土) 03:37:28.62 ID:shLN5GEu0
朝7時50分
ネルフ本部:訓練棟トレーニングルーム


克巳「だァから何度も言ってるように、只の筋トレだって。」


警備員1「じゃあこの床に付いた血痕と、壁に開いた穴はどう説明するんだ!? そこに散らばってるアンプルのカケラも! あとこの・・・・・・・・・なんというか・・・・・・ぐちゃぐちゃになったトレーニング器具もだ!・・・これでも只のトレーニングだと言い張るつもりか!;」

克巳「天井についてる監視カメラの映像見りゃあ良いだろ? 何でいちいちこんな大人数・・・」

警備員2「監視カメラの映像は現在確認中です。貴方がさっさと本当の事を喋ってくれれば、すぐにでも撤収します。」

克巳「だから本当の事だって言ってんだろ。」


警備員3「薬品検査の結果が出ました! ステロイドです!」


警備員1「だそうだ・・・・・・・・・どう聞いても[只の筋トレ]には縁遠い違法薬物だな・・・・・・正直に言え。ここで何をやっていた。」

克巳「筋トレ。」

警備員1「何度言わせる気だ! 嘘を・・・」
克巳「ただし俺のじゃない。」


警備員1「・・・?・・・・・・どういう意味だ?」


克巳「惚けるのは良くないなァ・・・・・・君達の耳にも絶対に届いてるはずだ。此処、ネルフ本部に勤務してる[あの男]の話が・・・」ニヤァ


警備員1「・・・・・・・・・・・・ジャックハンマーか?;」


克巳(やっぱな・・・・だと思ったよ)
  「顔色変わったな・・・・・・多分そいつで合ってるよ。この目茶苦茶振りはどう考えてもアイツしかいない・・・」クスッ


プシュ  シュッ



ジャック「何だお前ら。」ズシ・・・ ズシ・・・


警備員達「ッッッッッ;;;」


克巳「計ったように良いタイミングだな・・・・・・・・・肩に乗せてるソレも、鍛練器具か何かかい?」


ジャック「ああそうだ。」ズシ・・・ ズシ・・・



警備員達「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



克巳「よォ・・・」


警備員達「・・・・・・ッッ;;」


克巳「しないのかい? 撤収。」ニッ



警備員1「・・・・・・・・・・・・・・・・協力、感謝する。;;」


ドタドタドタドタ・・・  プシュ シュッ



克巳「フゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハハ・・・・すげェなソレ、何キロ?」

ジャック「2500。」
11 :赤いイヤーカフ :2011/08/27(土) 19:49:29.58 ID:KLpoNkgD0
朝7時58分
ネルフ本部:職員用大食堂


人が疎らな大食堂の中央。
一人の巨漢が六人席円形テーブルの一角に座っている。


カチャ・・・


漢はスプーンでオムライスの一部を切り取り・・・


モグ・・・



口に運ぶ。

口の中に卵とケチャップ、チキンライスの味が広がる。



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ・・・






微妙・・・









「オッ・・・・・・・・・ハハ、やっぱりアンタはオムライスか。」スタスタ・・・


花山「・・・?・・・・・・」


バキ「よっ。」ニヤニヤ  スタスタ・・・

シンジ「おはようございます。」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「またオムライス? 本当にアンタって好きよねソレ。」フッ


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ・・・


バキ「いいかな?そこ・・・」


花山「好きにしな。」モニュモニュ・・・

バキ「どうも・・・」ガタッ


アスカ「ちょっとアンタ。座るの早いわよ。」

バキ「え?・・・・・・あ、そっか。」

アスカ「しっかりしなさいよ。いつまで寝ボケる気だったワケ?」
12 :赤いイヤーカフ :2011/08/28(日) 01:10:52.81 ID:+BlIKH/M0
バキ「いや寝ボケちゃいないよ。ただなァ・・・・・・ちょっとな。;」

アスカ「ちょっと何?」

バキ「・・・・・・・・・だからさ・・・ホラ、あれ・・・・・・悪ィんだけど・・・・・・・買って来てくれないかな?・・・とか・・・・・・;。」

アスカ「?・・・買って来てって・・・・・・・・まさかアンタの朝ごはんをって事?」

バキ「金が無いからさ・・・・・・うん;」

アスカ「はぁ? イヤよそんなの! ケチ臭い事言ってないで、朝ごはんぐらい自分で買いなさいよ!」

バキ「頼むって・・・・・・そんくらい良いじゃんか。惣流さん無料だろ?;」

アスカ「そういう問題じゃないわよ! アンタ、可憐な乙女に使いっパシリさせるつもり!? シンジに行かせなさいよ! コイツも無料なんだし!」

シンジ「へっ?」


花山(・・・うるせェ・・・・・・・・・)モニュモニュ・・・


バキ「パシ・・・・・・イ・イヤイヤイヤ違うって・・・・イヤそうかも知れないけど違うんだって・・・;」

綾波「・・・皆で買いに・・・」ボソ・・・

アスカ「じゃあどういう意味よ!」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「ぼ、僕が行くよ。どうせこれから買いに行くんだし。それに無料なんだし・・・・・・・・・みんな、何がいい?;」ハハ・・・

バキ「あ、ああ・・・・・・えーっと・・・とりあえず焼きそばで頼む。;」

アスカ「アタシはジャーマンポテトとタラコパスタ。」

シンジ「分かった。綾波は?;」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


綾波「・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・何があるか知らないの・・・」


シンジ「っ・・・・・・・・・・・・・・・・じ、じゃあ、見に行こうよ。一緒に・・・・・・;」


綾波「えっ・・・」


シンジ「だ・・・駄目なら別に良いけど・・・//」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・/」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//」



アスカ「なにまた昼ドラやってんのよアンタら・・・;」

シンジ「あっ、ごめん・・・・・・・・・じゃあ・・・行こっか。;」

綾波「・・・ええ・・・・・・・・・/」



スタスタスタ・・・




アスカ「アイツらの周り、花咲きまくりね。きっと。」ヘラッ

バキ「ハハハ・・・」
13 :赤いイヤーカフ :2011/08/28(日) 16:31:43.49 ID:tjwDdKAS0
花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ・・・


アスカ「ねぇ花山。」

花山「ン・・・」モグモグ・・・

アスカ「それって美味しいの?」


花山「普通だ・・・・・・・・・」モグモグ・・・


アスカ「ふーん・・・・・・・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ・・・





バキ「惣流さん。」


アスカ「なによ?」

バキ「どうだった? トレーニングの成果。」

アスカ「そんな事アンタが聞いてどうすんのよ?」


バキ「どうもしない・・・・・・聞いてみただけ。」フフ・・・


アスカ「は?」


バキ「なんかこう・・・スッキリしたみたいだからな。」




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







バキ「? どうしたボケっとして・・・・・・」


アスカ「えっ?・・・・・・・・・な、何でもないわよ・・・;」プイッ


バキ「ふーん・・・・・・」



スタスタスタ・・・



バキ「お、来た来た・・・・・・・・・悪ィななんか・・・」

シンジ「悪くなんかないよ。」ハハ・・・  コト・・・

アスカ(・・・・・・意外と多いわね・・・;)

綾波「・・・・・・・・・・・・」コト・・・

バキ「ども。」


ガタッ・・・  ガタッ・・・


バキ「んじゃ、いただきます。」
14 :赤いイヤーカフ :2011/08/28(日) 22:16:24.38 ID:psq7TN080
シンジ「いただきます。」

アスカ「いただきま〜す。」

綾波「・・・いただきます・・・・・・」




モグモグ・・・




シンジ(あれ?・・・・・・思ってたより美味しい・・・)モグモグ・・・

アスカ「ん・・・・・・・・・悪くはないわね。」モグモグ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・」モグモグ・・・


シンジ(良かった。ちゃんと食べてる・・・・・・・魚は大丈夫なのか・・・)ホッ



ズゾゾゾ・・・


アスカ「ゔっ!」ビクッ

シンジ「どうしたの?」

綾波「・・・?・・・・・・・・・」モグモグ・・・

アスカ「なに今の音・・・・・・ゾクっとしたわ・・・;」

バキ「音ってどんな。」


アスカ「濡れたタオルを引きずったみたいな音だったわ・・・;」


バキ「ふーん・・・・・・耳塞ぐ位なら俺達にも聞こえると思うけど・・・」モグモグ・・・


ズゾゾゾ・・・


アスカ「あぁああもう、またよぉ・・・;」サッ


シンジ「・・・・・・惣流さん。それ多分バキ君の焼きそばの音だよ。」ハハ・・・

アスカ「焼きそば?」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・」ソボボボ・・・


アスカ「うぅっ」サッ


バキ「コレだな。」ハハ・・・
15 :赤いイヤーカフ :2011/08/30(火) 00:03:55.37 ID:khL8QWR60
朝8時15分
ネルフ本部:研究棟コンソールルーム


プシュ  シュッ


作業員「失礼します。赤木博士はいらっしゃいますか?」スタスタ・・・

リツコ「?・・・・・・ああ、アレね。ちょっと待ってて。」

作業員「はっ。」



作業員を待たせ、リツコは机上にある自身のノートパソコンからディスクを取り出し、そのCDを・・・

カチャ カシ・・・ パチン

CDケースに入れ、今度はそのCDケースに・・・


キュポッ    キュッキュキュキュッキュッ キュッキュッ


油性マジックで[同時進行なら2日で可能]と書いた。




リツコ「はい。」サッ

作業員「有難うございます・・・・・・?・・・これは?」

リツコ「見ての通りよ。」


CDを作業員に渡したリツコは、猫が描かれたコップを手に、コーヒーメイカーに手を伸ばす。


作業員「・・・・・・は・・・はい・・・;」

リツコ「?・・・何か問題?」

作業員「え、あ、いや・・・・・・まぁ・・・・・・そうですね・・・・・・;」


リツコ「心配はいらないわ。テストルーム03を作業用スペースに使用すれば済む問題よ。」


作業員「・・・テストルーム・・・ですか?・・・・・・あそこは確か実験体が居たはずですが・・・;」

リツコ「彼ならしばらく帰って来ないわ。」

作業員「えっ?;」


リツコ「散歩に出掛けたみたいだから。」


作業員「・・・?・・・・・・・・・;」




疑問に顔を傾ける作業員を尻目に
リツコは微笑みを浮かべながらコーヒーを飲んだ。




リツコ(これで少し余裕が出来たわね・・・)フフッ

16 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/08/30(火) 00:06:36.52 ID:W3rMCemT0
朝8時15分
ネルフ本部:研究棟コンソールルーム


プシュ  シュッ


作業員「失礼します。赤木博士はいらっしゃいますか?」スタスタ・・・

リツコ「?・・・・・・ああ、アレね。ちょっと待ってて。」

作業員「はっ。」



作業員を待たせ、リツコは机上にある自身のノートパソコンからディスクを取り出し、そのCDを・・・

カチャ カシ・・・ パチン

CDケースに入れ、今度はそのCDケースに・・・


キュポッ    キュッキュキュキュッキュッ キュッキュッ


油性マジックで[同時進行なら2日で可能]と書いた。




リツコ「はい。」サッ

作業員「有難うございます・・・・・・?・・・これは?」

リツコ「見ての通りよ。」


CDを作業員に渡したリツコは、猫が描かれたコップを手に
コーヒーメイカーへと手を伸ばす。


作業員「・・・・・・は・・・はい・・・;」

リツコ「?・・・何か問題?」

作業員「え、あ、いや・・・・・・まぁ・・・・・・そうですね・・・・・・;」


リツコ「心配はいらないわ。テストルーム03を作業用スペースに使用すれば済む問題よ。」


作業員「・・・テストルーム03・・・ですか?・・・・・・あそこは確か実験体が居たはずですが・・・;」

リツコ「彼ならしばらく帰って来ないわ。」

作業員「えっ?;」


リツコ「散歩に出掛けたみたいだから。」


作業員「・・・?・・・・・・・・・;」




疑問に顔を傾ける作業員を尻目に
リツコは微笑みを浮かべながらコーヒーを飲んだ。




リツコ(これで少し余裕が出来たわね・・・)フフッ

17 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/08/30(火) 14:00:21.18 ID:pBH77UmJ0
てすと






自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
18 :赤いイヤーカフ :2011/08/30(火) 14:04:11.65 ID:khL8QWR60
これからしばらくの間自治スレ宣伝が出ますが、一向に構わん?
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/30(火) 16:46:49.36 ID:3QRK3at6o
私は構わん
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
20 :赤いイヤーカフ :2011/08/30(火) 22:11:20.90 ID:n4uUpQxP0
作業員「失礼しました。」


プシュ  シュッ



リツコ「ふぅ・・・・・・」



作業を一段落つけたリツコが浅い溜息を付いた時。

ピリリリッ ピリリリッ ピリリリッ

彼女の携帯が鳴った。


リツコは怪訝な表情で、白衣の右ポケットから携帯を抜いた。




リツコ(ミサトね・・・)ハァ・・・


カチッ   ピッ



リツコ「何の用? 前から言ってるように、こっちは貴女ほど暇じゃないのよ?」


ミサト<ちょっとぉ、開口一番でその言い方はあんまりじゃない? アタシだって言うほどヒマじゃないって・・・・・・・・・・・・ンでさっそくなんだけど、ちょっと前に弐号機の解析を頼んだわよね?>


リツコ「・・・・・・・・・・・・・アスカと合流した日の事を言ってるの?」

ミサト<そうそうそれそれ。クジラみたいな使徒を倒した後に、アタシが解析してねって頼んだじゃない。>

リツコ「全然[ちょっと]じゃないわね・・・・・・・・・それで、それがどうかしたの?」

ミサト<解析、もう終わってるわよね?>

リツコ「ええ終わってるわ。」

ミサト<終わってる? あらそう。ふーん・・・・・・>

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ(また変な事思い付いたわね・・・・・・;)




ミサト<ちょっち解析データ見に行ってもいい?>ニヤ・・・


リツコ「・・・・・・構わないわ。」

ミサト<サンキュー! 今すぐ行くから待っててね♪ それじゃ。>ヘラッ


プツッ    ツー  ツー  ツー





リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ハァ〜・・・





自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
21 :赤いイヤーカフ :2011/08/31(水) 02:38:35.06 ID:3j1ReCjC0
5分後。




プシュ  シュッ


ミサト「悪いわね、いきなり来ちゃって。」アハハ・・・  スタスタ・・・


リツコ「別に気にしてないわ。貴女の場合、いつもの事だから・・・・・・・・・それにしても珍しい事もあるものね。貴女が積極的にエヴァの関連データを見たがるなんて・・・」

ミサト「ちょーっち良い考えが浮かんだのよね・・・・・・出来るかどうかはリツコの持つデータ次第だけど。」

リツコ「また次第? 少しは確実性という物に重きを置いてみたらどうなの? そういう甘い考えばかりで動いていたら、いつか身を滅ぼす事になるわよ?」

ミサト「いいから早く見せてよ♪」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ハァ・・・




あくまで楽天的な友人に、リツコは溜息を吐きつつ・・・

カチャカチャカチャッ

部屋据え付けの端末を操作し、端末の画面一杯にファイルを表示させた。





リツコ「これが[第六使徒]と戦った弐号機の、当時のライブ情報よ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ミサトの顔付きが変わった。
さっきまでのおちゃらけ顔は何処かに吹き飛び
代わりに[真剣ゆえの無表情]が彼女の顔に張り付いた。

リツコは言葉を続けて連ねる。



リツコ「どれが気になってるの?」


ミサト「んー・・・・・・・・・まずは弐号機生体ユニットの神経系情報。」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・」カチカチッ



リツコ「どう?・・・・・・」


ミサト「貴女から見たら?」


リツコ「異常ヵ所は見当たらないわ。」


ミサト「そうよね・・・・・・・・・じゃあ次は相互シンクロ情報をお願い。」

リツコ「弐号機側とパイロット側があるけど、どっちを出すの?」

ミサト「勿論両方よ。」




自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
22 :赤いイヤーカフ :2011/08/31(水) 23:56:44.42 ID:IMvRhKTR0
リツコ「両方ね・・・・・・」カチカチッ



リツコ「出たわ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




端末の画面を食い入るように見つめるミサト。

リツコはミサトが何を言うかを待っている。






ミサト「これって・・・・・・」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ミサト「なんで[シンクロ対象]が三つになってるの?」


リツコ「一番右端はバキ君のよ。」


ミサト「えっ?・・・・・・・・・・・・・・・ちょ・・・ちょっと何言ってるのよリツコ・・・・・・バキ君はチルドレンじゃない無適格者よ? 異物扱いされるならまだしも、シンクロなんて出来ないはずでしょ?;」


リツコ「ええ出来ないわ・・・・・・本来ならね。」


ミサト「本来なら? どうゆう事よそれ・・・・・・;」



リツコ「端的に言えばの話だけど・・・エヴァとのシンクロは、エヴァの精神領域にパイロットの精神領域を重ね合わせて成立する物。でも・・・・・・このケースで見るように、彼は例外なのよ。」


ミサト「?;」



リツコ「このシンクロは機械でのオペレーションに因るものでも、ましてやエヴァからの働き掛けに因るものでも無いわ・・・・・・・・・言わば、このシンクロ状態はバキ君からのアプローチで成立した物と言えるのよ。」


ミサト「バキ君から!?・・・・・・そんな事って・・・;;」

リツコ「そう、有り得ないわ・・・・・・・・・・・・でも事実、彼はアスカとシンジ君にシンクロしている弐号機に、無適性にも関わらず無理矢理介入し、自力でのシンクロを成功させたのよ・・・・・・・・・・・・パーソナルパターンの書き換えも、専用の訓練も無しに。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


リツコ「その結果として、エヴァ弐号機のシンクロ率は異常値の一歩手前まで上がり、スペックが跳ね上が・・・」

ミサト「待って;;」


リツコ「・・・・・・・・・・・・何?」




ミサト「・・・・・・どうして今まで教えてくれなかったの?;」






自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
23 :赤いイヤーカフ :2011/09/02(金) 00:16:56.39 ID:RRQHEmv20
リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」





リツコ「・・・・・・・・・そう来ると思ったわ・・・」フフ・・・

ミサト「?;」


カチカチッ カチッ


リツコは再び端末のキーボードに指を走らせ
画面に別のファイルを表示させた。




リツコ「これが理由よ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




新たに液晶に映った情報は、文章でも、グラフでもなかった。


それは図面データだった。


ただし、只の図面データではない。
それは人を縦に両断したような、いわゆる[断面図]の様な物であった。

人体化学関係の書物に記載されている人体標本に似たそれには、夥しい量の赤い線が書き込まれており、それに掻き消される様にして水色の線が点々と引かれていた。




ミサト「・・・・何よこれ?;」



リツコ「当時のエヴァ弐号機の筋繊維よ。水色が正常、赤が異常を示してるわ。」


ミサト「・・・・・・異常って・・・;」


リツコ「損傷よ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・弐号機が受けたダメージは足への噛み付きと爆風だけよ・・・その爆風も装甲一枚焦がしてないはず・・・・・・;」


リツコ「違うわ。この損傷は外界からの衝撃で出来た物じゃない。」


ミサト「えっ・・・・・・?;」


リツコ「この損傷は内的要因・・・・・・・・・エヴァが自ら形成した物よ。」



ミサト「自ら・・・・・・・・・って・・・・・・;」


リツコ「そうね・・・・・・・・・少し違うけど・・・簡単に言えば[全身筋肉痛]・・・・・・と、言ったところかしら?」






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24 :赤いイヤーカフ :2011/09/02(金) 02:27:50.25 ID:k3o9y2Ts0
ミサト「筋肉痛って・・・エヴァが?・・・・・・;;」


リツコ「原因は人間と同じく[過剰負担]・・・・・・・・・バキ君含め、アスカ達がどんな動きをしようとしたのか知らないけど、エヴァの強靭な筋肉組織にダメージを与える程だから・・・相当無茶な戦い方をしたのね。」


ミサト「・・・それってシンクロ率と・・・・・・・・・・・・・・・関係あるわね・・・;;」



リツコ「この時、アスカ達と弐号機のシンクロ率は、120パーセントを超えていたわ・・・・・・・・・貴女が提出した報告書に記されていた戦いの様子から見ても、弐号機が通常の状態じゃなかったのは明らかよ。」



リツコ「これで分かったかしら? 私が[第六使徒戦]の事を貴女に話さなかった理由・・・・・・」



ミサト「大体分かったわ・・・・・・;」ハァ〜・・・


リツコ「本当?」フッ


ミサト「ホントによ・・・・・・・・・・・極端な話、シンクロ率を大幅に上げさえすれば、それに合わせて戦力も勝手に増すなんてオイシイ話、アタシだったら迷わず飛び付くもの・・・・・・バキ君が乗るだけでシンクロ率が上がるんだったら尚更ね・・・・・・・・・・・・・・・きっと貴女の言うデメリットにも目を瞑ったわ。;」





リツコ「でもやるんでしょう? もう聞いてしまったもの。」フッ





ミサト「・・・・・・まーね・・・・・・・・・;」ニッ






リツコ「今のうちに切り札の使い方を掴もうってわけね。」フフ・・・



ミサト「言い方は悪いけど・・・・・・まぁ・・・そんな所ね。;」



リツコ「それで、どれに乗せるつもり?」


ミサト「ん〜〜〜・・・・・・・・・・・・取り合えずは、弐号機。」


リツコ「弐号機? アスカが許さないわ・・・・・・・・・怒るわよ、彼女・・・・・・」


ミサト「でしょうね・・・・・・・・・ま、今後ずーっとってワケでもないんだし。そんくらいはアスカだって我慢してくれるわよ。」ヘラッ


リツコ「貴女ったら、いつまで経っても楽天的ね・・・・・・少し羨ましいわ。」


ミサト「へへへ・・・;」ヘラヘラ






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25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/02(金) 03:30:34.42 ID:tv2OI3eY0
サブパイロット的なものか
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26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/02(金) 11:11:30.35 ID:gqXF5cdDO
刃牙の精神コマンドは
加速 ひらめき 集中
熱血 覚醒 戦慄
と予想
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27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/02(金) 16:02:19.57 ID:JUQ1jVKL0
やっと追いついた。
ジャックマジでパネェ
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28 :赤いイヤーカフ :2011/09/02(金) 22:52:51.88 ID:I59LzAzc0
朝8時30分
ネルフ本部:職員用大食堂



バキ「あー食った・・・・・・俺はこれで終いだ。」フゥー・・・


シンジ「魚、大丈夫だった?」

綾波「・・・ええ・・・・・・・・・焼き魚は食べれるみたい・・・・・・」


シンジ「そっか・・・・」ホッ


アスカ「アタシも良いわ。もうお腹いっぱいだし。」

バキ「オイオイ、残ってるだろまだ。」

アスカ「うるさいわね。思ったより量が多かったのよ。」フン

バキ「もったいね・・・」ハハ・・・


アスカ「レイ? 食器って置きっぱなしで大丈夫だったわよね?」


綾波「・・・大丈夫よ。問題無いわ・・・・・・」


アスカ「じゃ良っか・・・・・・・・あっ! あと30分しかないじゃん!;」

バキ「あッ、ホントだ。」

シンジ「スーツは・・・・・・・・・部屋の中だ。;」

アスカ「急ぐわよ。遅れたら後が怖いわ。;」ガタッ

シンジ「そうだね。;」ガタッ

綾波「・・・・・・・・・・・・;」ガタッ


バキ「忙しいなぁチルドレンってのは。」ハハ・・・  ガタ・・・


アスカ「暇人のアンタが羨ましいわよ・・・・・・シンジ? レイ? 走るわよ。;」

シンジ「うん。;」

綾波「・・・・・・・・・・・・;」コクッ



タッタッタッタッタッ・・・






バキ(さぁてと、先回りでもするかな。)スタスタ・・・





花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






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29 :赤いイヤーカフ :2011/09/03(土) 18:18:55.07 ID:pCnAhKco0
朝8時50分
ネルフ本部:徒手格闘訓練場


プシュ   シュッ


ミサト「失礼しまーす。」スタスタ・・・


烈「!・・・おはようございます。」


ミサト「早速やってるわね〜・・・[タントウ]だっけ?」

烈「ええそうです。」

ミサト「毎日やってんの?」

烈「無論、毎日です・・・・・・日々研鑽を積まねば、師である前に格闘家ではありません。」


ミサト「ふ〜ん・・・・・・・・・」スタスタ・・・   スッ・・・


中腰の烈を横目に、ミサトは休憩ベンチに座った。

烈は[站椿]を続けながらも
ミサトが小脇に抱えているスーツに意識を向けた。



烈「それは?」


ミサト「?・・・・・・あぁコレね。バキ君用のプラグスーツ。」


烈「!?;」シュタッ!

ミサト「!;」ビクッ


ミサトが答えた瞬間、烈は站椿を中断した。



烈「今なんとッ!;」


ミサト「・・・え?・・・・・・;」

烈「今なんとッッ!!」クワッ


ミサト「・・・・・・プ・・・プラグスー・・・・・・ツ・・・;」


烈「彼が搭乗するのですかッッ! エヴァンゲリオンにッッ!!;」

ミサト「ま・・・・・・まぁ・・・・・・・・・・・・;」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」



ミサト「もっ・・・もちろん単独じゃないわ。アスカと一緒に弐号機に乗るだけだから・・・・・・;」

烈「弐号機!? 惣流とですかッッ!?;;」

ミサト「え?・・・え、ええそうだけど・・・・・・;;」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」





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30 :赤いイヤーカフ :2011/09/04(日) 00:42:24.76 ID:Dx6u+R/u0
烈(・・・・・・やはり・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;)


ミサト「・・・?・・・・・・・・・;;」



大声で聞き返したと思いきや、その直後に顔を顰る。
ミサトは聞こうか聞くまいか迷ったが・・・



ミサト「・・・・・・・・・アスカがどうかしたの?・・・;」

烈「いや・・・・・・・・・そういうワケでは・・・・・・・・・;;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・;」



烈はやはり分かりやすかった。

物事を隠す。人を騙す。話を忍ばせる。
これらの事がこれほど迄に下手な人間はそうはいない。



ミサト「えー・・・・・・・・・オホン・・・・・アタシは貴方の上司よ? 自分の上役が信用できないの?」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


ミサト「モヤモヤがあるんだったら、溜めないで全部話してみなさいって。」ヘラッ


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」








烈「私は指導者失格です。;;」

ミサト「え゙・・・・・・;」



ミサトの耳に予想以上に重そうな話題が入った。

ミサトは少したじたじに・・・



烈「・・・彼女の悩みに応えられず、弟子を持ったというささやかな満足感に現を抜かしていました・・・・・・;;」


ミサト「悩み?・・・・・・・・・アスカに何かあったの?・・・;」



プシュ  




克巳「ア、おはようございます。」スタスタ・・・







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31 :赤いイヤーカフ :2011/09/04(日) 17:53:58.66 ID:LgUpKKul0
克巳「ん?・・・どうしました?」

ミサト「え? いや、ちょっとね・・・・・・;」



烈「・・・まさか補助が必要な程にまで、事を悪化させてしまったとは・・・・・・私はなんという愚か者だッッ・・・;;」ギリッ・・・



克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ハハ・・・


ミサト「事を悪化って・・・・・・どゆこと? 話が見えないわよ。;」

克巳「いや何・・・・・・ちょっと不満をぶつけられましてね。」

ミサト「・・・・烈さんが?;。」

克巳「愚痴を聴いたのは俺ですが、彼女は烈さんと俺・・・・・・いや、教官である我々格闘家に、ちょっとした嫉妬を感じていたらしくて・・・」ヘラヘラ・・・


ミサト「嫉妬・・・・・・・・・・・・あぁ・・・大体掴めたわ。」


克巳「そうゆう事です・・・・・・・・・俺の知る限り、あの娘は納得してくれたと思うんですけどね。」


ミサト「ふーん・・・・・・・・・アタシだったら嫉妬うんぬんより、まず確実に諦めてるけどね・・・・・あの娘も無茶な事考えるわ。;」ハァ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



ミサト「烈さん。」


烈「・・・・・・・・・なんでしょうか・・・;;」

ミサト「何があったか詳しくは分からないけど、そう自分を責めるような問題でも無いんじゃない? なんかアスカも納得したみたいだし。」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




ミサト(見かけによらず繊細なのね。;)


克巳「ミサトさん。」


ミサト「ん?」

克巳「何ですか? そのスーツ。」


ミサト「ああコレ? バキ君のプラグスーツ。」


克巳「ッッッッッ!?;;」






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32 :赤いイヤーカフ :2011/09/04(日) 22:54:42.82 ID:F8jinWYy0
朝8時55分
ネルフ本部:訓練棟=更衣室



カチッ


シンジは手首にあるスイッチを押した。


シューッ


だぶついていた訓練用の改造プラグスーツが、シンジの身体に隙間無く張り付く。
衝撃を吸収する機構を追加搭載した分重くなっている為、吸着が少しだけ遅い。



シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・;」スーッ・・・・・・フー・・・



胸に手を当て、両目を閉じての深呼吸。

もはや習慣となったこの行為をしなければ、訓練前の時間がどうにも落ち着かない。





アスカ「準備できた〜?」



シンジの後ろからアスカが話し掛ける。
シンジとアスカの間はカーテンで仕切られているが、シンジは振り返らない。

カーテンが薄すぎるのだ。
互いのシルエットがくっきりと映り込む程に。

中学生男子には些か刺激が強すぎる環境だ。
慣れれる訳がない。

尤もアスカは気にしない事にしている。

綾波に至ってはあまり抵抗を感じてない。





アスカ「ねー、聞いてるー?」

シンジ「聞こえてるよ・・・・・・;」

アスカ「聞こえてんなら返事しなさいよね〜・・・・・・んで、準備の方はできた?」

シンジ「大丈夫。;」


シャッ


カーテンが開いた。



アスカ「あっそ。じゃあ行くわよ。」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

シンジ「うん・・・・・・;」スタスタ・・・





33 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/09/04(日) 22:59:15.68 ID:0jtwypcv0
お! 宣伝消えた!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/09/06(火) 15:52:57.11 ID:0h5TZy9AO
よしっ!やっと追いついた。
応援してるぜ!
35 :赤いイヤーカフ :2011/09/06(火) 22:12:18.48 ID:IwfoCGIz0
朝8時59分
ネルフ本部:徒手格闘訓練場


プシュ


バキ「失礼しまァす。」スタスタ・・・


克巳「バキ・・・;」

バキ「?・・・・・・」

克巳「エヴァのパイロットに選ばれたんだって?;」


バキ「・・・?・・・・・・・・・・・・」










バキ「!!?;;」




予告無くもたらされた重大な情報。

当然バキは大いに困惑する。



バキ「パッ・・・・・・・・・・・・;;;」


ミサト「やっほ〜♪」




ベンチに座しているミサトがプラグスーツを膝に乗せたまま、バキに向かって小さくかつ可愛いらしく手を振る。

克巳は冷や汗を米噛みに浮かべつつ、苦笑いを浮かべている。

烈は苦虫を噛み潰した様な顔のまま、足元の床板一点を見つめたまま。



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

















バキ「はあァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?????;;;;;」





36 :赤いイヤーカフ :2011/09/07(水) 00:47:05.05 ID:MhaKZ0YT0
バキ「わッ・・・ワケがわかりませんよミサトさんッ!;;」


ミサト「アスカと一緒はイヤ?」ニヘラッ

バキ「はッッ!?;;」


ミサト「格闘技でなら頂点極めてるかも知れないけど、ことエヴァに関してはズブの素人である貴方に、単独で乗れなんて言わないわよ♪ 貴方にはアスカの補助として弐号機に乗って欲しいの。」



バキ「ほ・・・・・・じょ・・・?;;」


ミサト「そ♪」ニコッ




バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジかよ・・・・・・;;;」





プシュ   シュ





花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴツッ・・・  ゴツッ・・・



ミサト「あら? 珍しいじゃない。訓練を見に?」


花山「オゥ・・・・・・・・・」


克巳「まぁ・・・・・・アンタはさほど忙しい身でもないからな。」ハハ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フッ・・・



ミサト(早くアスカ来ないかなぁ〜)ニヤニヤ



バキ(惣流さん 弐号機 何でオレ?? 何の意味が??・・・;;;)


37 :赤いイヤーカフ :2011/09/08(木) 01:45:40.47 ID:EIe/lrJo0
バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


プシュ


アスカ・シンジ・綾波「失礼します。」スタスタ・・・


ミサト(お、来た来た♪)ワクワク


ミサトは心の中で小躍りしつつ、プラグスーツを抱えてベンチを離れた。



アスカ「?・・・・・・何でアンタがここにいるのよ?」

花山「大した理由はねェ・・・・・・」

アスカ「? なにそれ? ヘンなヤツ。」フン

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フッ


烈「惣流ッ・・・・・・;;」


アスカ「はい?・・・・・・・・・あ・・・もしかして・・・;」

烈「察しの通りだ・・・・・やはり謝罪の意を表さなければ・・・;」

シンジ「?」

克巳「いいじゃんか別に・・・」フフ・・・


アスカ「だっ・・・・・・いいですって。もう気にしてないんですから・・・」

烈「しかしッッ;;」

綾波「・・・?・・・・・・」

ミサト「あ〜ちょっと待って烈さん。悪いけどそれ後にしてもらえる?」

烈「ッッ・・・・・・;」

ミサト「いいわね?」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かりました・・・;」



ミサト「ありがと♪・・・・・・ねぇアスカぁ? アタシが抱えてるコレってなぁにぃ?」ニヤニヤ・・・


アスカ「なにって・・・・・・男物のプラグスーツでしょ? ノーカラーの。」

ミサト「正解♪ じゃあ誰が着るかも当ててみてよ。」ニヤニヤ・・・

アスカ「そりゃ当然、男物だからシンジに決まってんじゃない・・・・・・・・・ってゆーか、さっきから気持ち悪いわよミサト。;」ジロ・・・

ミサト「シンジ君のぉ? むふふ・・・・・・不正解♪」ニヤ〜

アスカ「はぁ? なんで不正解になるのよ。」ムッ

ミサト「だってこれ、バキ君のだもん。」


アスカ「へっ・・・・・・?」



ミサト「しっかり歓迎してあげてね♪ おんなじプラグに乗るパートナーなんだから♪」


アスカ「?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


38 :赤いイヤーカフ :2011/09/08(木) 01:48:23.36 ID:lPRDEBsA0

































アスカ「!!!!!!!!!!!!!!!!;;;;;;;」






















39 :赤いイヤーカフ :2011/09/08(木) 22:04:09.63 ID:GGq/uWOU0

「え え え え え え え え え え え え え え え!?!!?;;;;」





ミサト「・・・・・・・・・く〜〜〜っっ。;」ビリビリ・・・

克巳・烈「ッッ;」ビリビリ・・・

バキ「ッッッ・・・・・・;;;」ビリビリ

花山「・・・・・・・・・・〜〜ッッ」ビリビリ

シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」ビリビリ・・・




アスカが叫んだ瞬間、アスカ以外の全員が耳を塞いだ。

バキは「ああ、やっぱり」という顔で、この先の転回を憂いている。

ミサトは楽しそうだ。

恐らく、彼女の期待していた通りのリアクションをアスカが取ったからであろう。



アスカ「ぬぁに言ってんのよ!!! バっカじゃないの!!?!?;;」

ミサト「まぁまぁまぁまぁ・・・」アハハ・・・

アスカ「うっさい!! アタシに断りもなく何勝手に決めてんのよ!!! ふざけんじゃねーわよ!!;;」


バキ(あぁ・・・やっぱり・・・・・・・・・一緒に乗るんだよなァ・・・;;;)

克巳(怖っ・・・・・・;)ハハ・・・

シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


アスカ「却下よこんなの! 絶対許さないわ!!;」

ミサト「残念だけどそれは駄目よ。」

アスカ「なんでよ! アタシの弐号機よ!? ;」

ミサト「命令よ。違反は許さないわ。」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・汚いわよ・・・;;」ギロ・・・


ミサト「何とでもお好きに・・・・・・それよりアスカに聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」フッ


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト(無視・・・か・・・・・・・・・そりゃ怒るわよね〜;)ヘラッ



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・烈さん。」

烈「!・・・何か?・・・・・・」

アスカ「訓練やらないんですか?」

烈「ッ・・・・当然本日も実施する。;」

アスカ「あっそ・・・・・・じゃあさっさとやりましょ? 今のアタシ、やる気に満ち溢れてるから。」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
40 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/09/08(木) 22:06:31.92 ID:UfjeBM/H0

「え え え え え え え え え え え え え え え!?!!?;;;;」





ミサト「・・・・・・・・・く〜〜〜っっ。;」ビリビリ・・・

克巳・烈「ッッ;」ビリビリ・・・

バキ「ッッッ・・・・・・;;;」ビリビリ

花山「・・・・・・・・・・〜〜ッッ」ビリビリ

シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」ビリビリ・・・




アスカが叫んだ瞬間、アスカ以外の全員が耳を塞いだ。

バキは「ああ、やっぱり」という顔で、この先の展開を憂いている。

ミサトは楽しそうだ。

恐らく、彼女の期待していた通りのリアクションをアスカが取ったからであろう。



アスカ「ぬぁに言ってんのよ!!! バっカじゃないの!!?!?;;」

ミサト「まぁまぁまぁまぁ・・・」アハハ・・・

アスカ「うっさい!! アタシに断りもなく何勝手に決めてんのよ!!! ふざけんじゃねーわよ!!;;」


バキ(あぁ・・・やっぱり・・・・・・・・・一緒に乗るんだよなァ・・・;;;)

克巳(怖っ・・・・・・;)ハハ・・・

シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


アスカ「却下よこんなの! 絶対許さないわ!!;」

ミサト「残念だけどそれは駄目よ。」

アスカ「なんでよ! アタシの弐号機よ!? ;」

ミサト「命令よ。違反は許さないわ。」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・汚いわよ・・・;;」ギロ・・・


ミサト「何とでもお好きに・・・・・・それよりアスカに聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」フッ


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト(無視・・・か・・・・・・・・・そりゃ怒るわよね〜;)ヘラッ



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・烈さん。」

烈「!・・・何か?・・・・・・」

アスカ「訓練やらないんですか?」

烈「ッ・・・・当然本日も実施する。;」

アスカ「あっそ・・・・・・じゃあさっさとやりましょ? 今のアタシ、やる気に満ち溢れてるから。」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
41 :赤いイヤーカフ :2011/09/08(木) 23:39:25.20 ID:qLm+ThS50
花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


烈「承知した・・・・・・克巳さん。」

克巳「オぉウ・・・」ノソ・・・


烈「シンジ君にレイさん。始めましょう。」

シンジ「あっ・・・・・・ハイ。;」

綾波「・・・はい・・・・・・・・・」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムカムカ



烈「では行きます・・・・・・・・・」







烈「始めいッッ」


ザ ッ


烈の発した号令を合図に、アスカ・シンジ・綾波が構えをとる。
それを確認した烈と克巳が、ポイントスーツの胸部にある発光装置のスイッチを入れ、訓練が始まった。


烈と克巳はチルドレン三人の目の前。
チルドレン達と格闘師達の間の距離は5メートルと少し。



だ ん !  バババッ


先に仕掛けたのは克巳。
派手な音を立てての突進を行う。


バ ッ !

綾波「!;;」


突進の途中で身を屈めた克巳は
綾波の足元の手前で体勢をそのままに停止。

ヒュッ!

綾波の顔目掛け中高一本拳を放つ。
狙いは鼻と上唇の間に位置する人体の弱点[人中]


綾波「ッッ!;」シュサッ

克巳「おっ」


克巳の一本拳が空を切る。
綾波は素早く後退する事によって、克巳の初弾を回避する事に成功した。


アスカ「しぃっ!!」ダダン!




気炎を沸かせたアスカが、克巳の背後から飛び掛かった。

42 :赤いイヤーカフ :2011/09/09(金) 18:25:44.07 ID:n4scKmfo0
ブン!


アスカは克巳の頭頂部目掛け
かつてない速さで青龍刀を振り下ろす。

克巳「・・・・・・」バ ッ !

アスカ「!」

克巳はアスカに背中を向けたままサイドステップを行い
アスカの縦切りを回避すると同時に、シンジの元へ。


アスカ(見ないで!? 味なマネを!;)

ダッ!


アスカ「せいっ!!」ビュバッ!


克巳を追う様にしての横切り。
次の標的は克巳の背中。


克巳「オラ来いッ!」

シンジ「!!・・・くっ!;;」ダッ


克巳の急接近に数瞬たじろいだシンジは、反射的にナイフが出そうになるのを必死に抑えて、回避行動に徹した。

シンジが行ったのは克巳と同じくサイドステップ。


ダ ァ ン !!

シンジ「へっ?;;」

アスカ「はっ?;」



それを確認した克巳は跳躍。

ブ ン!


アスカの青龍刀がまたしても空を切る。

シンジは呆気に取られる。


ド ン !!!

綾波「!!;」


克巳が綾波の目の前に着地した所で・・・


ザッ・・・




烈が動き出した。


43 :赤いイヤーカフ :2011/09/09(金) 22:02:10.68 ID:aNLo4cqZ0
克巳「おらッ」ボッ!

綾波「・・・・・・;」サッ!


正拳をナイフで防ぐ事は出来ない。

綾波は克巳の連打を防ぐのではなく、躱す事にした。


ブンッ! シュッ!

綾波「ッッ・・・ッ・・・;;」サッ バッ


克巳(おお〜〜・・・・・・見えてるなぁ〜・・・)ブン ザウッ!



かなりの手加減をしているとは言え、この回避の的確さ。
克巳は綾波の成長の早さに感心していた。

以前は2度ほど攻撃を回避して、直ぐに距離を開ける程度だったのが、今は連続しての回避が可能になっている。

距離を維持出来るという事は、使える戦術が増えるという事。



克巳(ンじゃこれは・・・)ボ ッ ! !

綾波「!!ッッ;;」


タン!  スタッ!



綾波「・・・はぁ・・・はぁ・・・;;;」ドキドキ



克巳(離れちまったか・・・・・・・・・まだこの速さは駄目か・・・)



シンジ・アスカ「・・・・・・;」ダッ!


克巳と一対一になった綾波を援護するべく、シンジとアスカが綾波の元へと急行するが・・・

ズ ン

アスカ・シンジ「!!;」

烈「私が相手だ。」



烈に遮られ、急行を阻止された。



站ッ!!


シンジ・アスカ「ッッッ;;」


烈が二人に接近。

アスカは青龍刀を握る手に力を込め
シンジは奥歯を噛み締めて、気を再度引き締める。

ドリュッ!


烈が後ろ回し蹴りを繰り出した。
44 :赤いイヤーカフ :2011/09/09(金) 22:47:25.90 ID:cqIoeNCG0
シンジ「わっ!;;」タッ!

アスカ「!ッッ;;」ザッ!


ブゥンン!


二人は後ろ回し蹴りをバックステップで回避した。
烈の右足が巻き起こした風が、アスカとシンジの髪を撫でる。


アスカ(そんな大技に当たるワケないでしょ・・・;)ニッ


タ ッ !



シンジが状況を様子見する中、アスカは再び前進する。

身体全体を回転させて繰り出す大技[後ろ回し蹴り]を使った今、バランスを取り直している烈には大きな隙が発生してるはずと踏んでの行動だ。

しかし・・・



ブオッ!!


アスカ「!!ッッ;;」ガッシイィィン!



予想外の第二撃をアスカは青龍刀で防ぎ
反動を利用してその場から跳び退いた。


アスカ「・・・?・・・・・・?・・・・・・・・・;;;」ビリビリビリ・・・


アスカを襲ったのは[前蹴り]

高速の後ろ回し蹴りを放った直後には本来出ない
いや、人体構造上出せないはずの技だ。



烈「軸足が完全ならば、転倒はせぬ。」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



烈「来るなら何処からでも・・・・・・」



片足立ちにも関わらず、烈は微動だにしていない。

まるで烈を中心にして、床と天井に一本の強固な芯が通ってるような・・・







バキ「ねぇミサトさん。」

ミサト「ん・・・なに?」

バキ「ヤリたい事があるんですけど、いいですか?」

ミサト「やりたい事?・・・・・・」

45 :赤いイヤーカフ :2011/09/10(土) 02:16:04.08 ID:JNca74M/0
ガッ ドッ  ビュン ヒュッ  ザッ シュッ


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





バキ「俺・・・エヴァ弐号機に乗るんですよね・・・・・・惣流さんの補助で。」


ミサト「ええそうよ。それがどうかした?」

バキ「・・・身体鈍ってるんで・・・・・・イイすかね? 訓練、一緒に参加するのって・・・」ハハ・・・

ミサト「・・・・・・それってシンジ君達と一緒に訓練するんじゃなくて、同じ訓練場で別に訓練をするって意味でしょうね?;」

バキ「そりゃあモチロン。」


ミサト「・・・だったら反対する理由は無いわ。相手はどうするの?

バキ「相手は・・・・・・・・・・・・いや・・・;」



バキの頭の中に、紅葉がいつか言っていた言葉が響く。

幻影での訓練を躊躇すべき物だ。



バキ「どうしましょうかねェ・・・・・・・・・」フー・・・


ミサト「渋川さんに頼んでみる? シンジ君達の訓練を見る限り、今日の所はもう間に合ってそうだし。」

バキ「イヤ駄目です。」

ミサト「え?」


バキ「殺しあいになるんで・・・渋川さんの場合・・・・・・・・・・・・俺がイヤだと言っても、相手が俺なら本気で来ますよ・・・・・・」フフ・・・


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・;;」



46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/10(土) 03:29:30.10 ID:TRTN95nw0
T-レックス「俺に任せろ」
47 :赤いイヤーカフ :2011/09/10(土) 14:34:33.22 ID:z4uCDDYC0
ミサト「じゃあ・・・花山さんとかは・・・・・・?。;」

バキ「えっ?・・・・あ〜〜〜〜・・・・・・・・・んー・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」チラ・・・



バキが考え込んでる間に、訓練を眺めている花山にミサトは視線を移す。


顔に刻まれた深く大きな切創群。

両手の甲全体に見られる大小様々な傷痕と
巨大に膨張し、もはや瘤の集まりとしか言えない形状の拳。


ミサトにとっては渋川も花山も大して変わりはない。

恐らくはどちらも出る。間違いなく真剣勝負に。




ミサト「バキ君。あの・・・やっぱり・・・;」

バキ「花山さん。チョットいい?」スタスタ・・・

ミサト「!!;;」


花山「ン・・・・・・・・・・・・」


近付くバキに花山は顔を向ける。


バキ「練習相手・・・良いかな?」ヘラッ

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



花山は考える様に視線をいくらか宙にさ迷わせ・・・




チャ・・・


メガネを外し・・・


ゴツッ・・・ ゴツッ・・・ ゴツッ・・・

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・;;」


ミサトに近付き・・・


花山「持ってろ。」スッ・・・

ミサト「!?・・・・・・えっ、あっ・・・はい・・・;;」


ミサトに眼鏡を預けた。




バキ「ハハ・・・ワルいね・・・」スタスタ・・・

花山「フン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴツッ・・・ ゴツッ・・・




ミサト(やっちゃった・・・・・・どうしよ・・・;;)
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(dion軍) [sage]:2011/09/10(土) 16:47:35.69 ID:QECO0Ya20
よーし追いついた!!
こんな良作が埋もれてたとは・・・
また一つ張り付くスレが増えたな
49 :赤いイヤーカフ :2011/09/10(土) 17:50:27.26 ID:m9KiHXBs0
ブ ン !!

アスカ「くっ!;;」サッ!

ボ ッ !!

シンジ「つっ!;;;」タッ!

ブ ン !  ボ ッ!  ドシュッ!! ビュン!  ビ ッ !



烈の放つ脚のみの連撃を、シンジとアスカは回避し続けていた。

息もつかせぬ上段・中段・下段の嵐を、烈は黙々と連打し続ける。


アスカ(何よコレ・・・全然手出し出来ないじゃないの・・・;;)サッ バッ


アスカが心の中で愚痴った瞬間・・・


ビタッ!



烈の動きが止まった。




アスカ「?;;」ピタッ

シンジ「!?;;」スタッ


回避する物を唐突に失った二人は、動きを止めて互いの顔を見遣る。


アスカ「・・・・・・どうしたの?;;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・さぁ・・・・・・;;」ゼェゼェ・・・



アスカの疑問に、疲労により息も絶え絶えのシンジは答えられなかった。


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



烈は黙っている。


アスカ「・・・・・・・・・・・・ん?;;」



いや、ただ黙っているのではない。
烈は遠くの一点を見詰めているのだ。


50 :赤いイヤーカフ :2011/09/10(土) 18:20:36.58 ID:gDC8XRxi0
アスカ「どうかしたんですか・・・?;」

烈「静かにッ」

アスカ「えっ;」


烈「始まっている・・・・・・;」



シンジ「・・・?・・・・・・・・・;;」

アスカ「・・・始まってるって・・・・・・;」チラ・・・



アスカとシンジは烈の目線を追い・・・


アスカ・シンジ「!!!ッッッ;;」







バキ「オレ鈍ってるからさ・・・・・・お手柔らかに頼むよ・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「駄目・・・・・・?」ハハ・・・



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブチブチッ バ リ ュ ! !



バキ「・・・・・・上着とシャツ破ったって事は・・・・・・出すんだ・・・本気・・・;」



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ミキミキミキ・・・



バキ「はは・・・・・・・・・・・・じゃあ・・・頼むわ・・・;」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






アスカとシンジは見た。

自分達から遠く離れた所に。


両拳を掲げた半裸の巨漢と
その巨漢の前に身構えもせず立っている少年の姿を。





 ヴ  ン  ッ  ! !  !!





デカく野太い音を轟かせ、巨漢は拳を発射した。

51 :赤いイヤーカフ :2011/09/10(土) 23:54:33.12 ID:m9KiHXBs0

ド ガ シ ャ ア ッ ッ ! ! ! ! !





重機を叩き潰すような・・・・・・


人を殴った音とは思えない爆発音が辺りに響き渡った。

バキは打ち出された弾丸ライナーのように吹っ飛び
遥か遠くの壁にぶち当たった。


距離にして2〜30メートルは飛んだだろうか。

砲弾と化したバキの着弾地点からは大量の木片が飛び散り
埃が濛々と立ち上る。






ミサト「ぁ・・・・・・・・ぁああああああ・・・;;」



ミサトは瞳を潤ませ、両手を前方に迷わせた。
バキの元へ駆け付けようとしても、足取りが覚束ない。
名前を呼ぼうにも声が掠れ、震えている。


人間が宙に浮くどころか、吹き飛んだ所を見てしまったのだ。
それも跳ね飛ばされたとか、投げ飛ばされたとかの勢いではない。
吹き飛んだ様子が早過ぎて見えない程のスピードだった。


ミサト「・・・そんな・・・・・・そんなつもりじゃ・・・;;;」



よろよろとバキの元へ歩く。

恐らくバキは生きてはいないだろう。

幾ら彼が己は頑丈だと自負していようとも、これほどの破壊力を撃ち込まれたのでは五体が飛散していてもなんら不思議ではない。

バキの死は自分のせいだ。自分が殺した。


今のミサトの心は罪悪感と後悔、自責の念で一杯だった。



アスカ「うそ・・・・・・・・・・・・こんな事って・・・・・・;;;;」



アスカが誰に言うともなく呟く。

チルドレンの三人は、突如訪れた巨大な喪失感を受け止め切れずにいた。








克巳「スゲ・・・・・・・・・受け身取った・・・;;」

ミサト「・・・ぇ?・・・・・・・・・;;」グスッ
52 :赤いイヤーカフ :2011/09/11(日) 22:20:40.08 ID:4sswQrUJ0
バキ「いやいやいやいや・・・・・・;;」スタスタ・・・


立ち込める埃を掻き分け、バキが姿を現す。



バキ「いやぁ・・・・・・やっちゃったよ、ガード・・・;」ヘラヘラ・・・


そう言いながら服に着いた埃を掃うバキ。

それを見たアスカは、安心して良いのか驚いた方が良いのか分からなくなった。

シンジと綾波も同様な思いでいる。



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フフ・・・


バキ「ひさびさなモンだから・・・・・・ビビったよホント。;」ハハ・・・

克巳「随分跳んだなァ・・・・・・大丈夫か?」ヘラッ

バキ「ん〜・・・正直堪えたよ・・・・・頭守ってなかったら今頃ダウンさ。」ハハ・・・


花山「まだやんのか?」

バキ「あぁ・・・・・・・・・次こそノーガードだ・・・・・・頼むよ。」コキペキ・・・


ミサト「死ん・・・・・・;;;」


バキ「ン?」



ミサト「・・・・・・・・・無事・・・・・・・・・・・・なの・・・・?・・・;;;」



バキ「ん?・・・・・・ああコレですか? 平気っす。」ハハッ


自身が埋まった壁の陥没ヶ所を、自慢げに親指でさして笑うバキ。

五体飛散どころか、鼻血すら流していない。



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」ペタン

バキ「!・・・・・・大丈夫ですか?;」


力無く座り込んだミサトの元へバキは駆け寄った。


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・しばらく横んなるわ・・・;;」

バキ「?;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」フラフラ・・・

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・;」



青い顔のミサトは不安定な歩で訓練場の端まで歩き、ベンチの上に横たわってしまった。



克巳「ま、フツウこんなの見ちまったらな・・・」フー・・・

バキ「やっちゃったかな・・・オレ・・・・・・;」ハハ・・・

53 :赤いイヤーカフ :2011/09/12(月) 01:08:43.84 ID:RsEUT6cM0
アスカ「大丈夫なのアンタ?・・・・・・;;」


バキ「ん〜〜・・・・・・完全に無傷ってワケじゃないな・・・・多分さっきので腹に痣出来ただろうし・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


バキ「まぁ、そこはなんつーか・・・・・・サボってたから?・・・って感じ?」ハハ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・アンタ・・・一体何者?・・・;;;」

バキ「護衛だよ・・・・・・ミサトさんによって諜報部から引き抜かれた、只のネルフ職員さ・・・・・・新人のね。」ニッ


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」




バキ「で、訓練は?」


アスカ「は?;;;」

バキ「だから訓練・・・・・・やらないのかい? 惣流さん。」

アスカ「え?・・・・・・・・・・・・あっ!・・・;;」

バキ「思い出した?」

アスカ「え、ええ思い出したわ・・・・・・烈さ・・・;;」


烈「中止ッッ」


アスカ「へっ?・・・・・なっ・・・なんで?・・・;;」

烈「バキさんは我々の頂点に立つ立場です。」

アスカ「えっ!? ちょ、ちょう!?;;;」

烈「戦いに携わる者にとって、彼の闘いを見れるという事は比類無き[名誉]であり[事件]であり[幸運]・・・・・・・・・そう何度も出会える代物ではない。」

アスカ「・・・なによそれ・・・・・・・・・・・・っていうかどういう事!? バキがアンタらの頂点ってなによ!? それじゃ・・・;;;」

克巳「見れば分かるよ・・・君にも・・・・・・・・・あとタメ口は良くないな。」フフ・・・

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」ゴクリ・・・


アスカ「どういう事よ・・・・・・;;;」


バキ「大袈裟だって・・・・・・単なる訓練だ・・・・・・・・・事件だの幸運だの、そんな御大層なもん絡んじゃいない・・・」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ザッ!



バキが両手を広げた。



バキ「続きだ・・・・・・花山さん。」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキ「今度こそ止めるよ・・・・・・・・・オレの腹筋・・・ノーガード・・・受け身無しで・・・・・・・・・アンタの拳をッッ・・・」

54 :赤いイヤーカフ :2011/09/13(火) 00:34:07.16 ID:2g+rvZHD0
花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」








グ ワ ッ ッ ! ! !



アスカ「〜〜〜〜〜〜ッッッッ;;;;」

シンジ「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ;;;;」

綾波「〜〜〜〜〜〜ッッ;;」


拳を唸らせ猛然とバキに向かう花山。

バキの体勢は変わり無く。



ド  ッ  !  !  ! !


剛拳が放たれた。



ド  ッ  シ ィ イ ッ ッ ! ! ! ! !



バキ「・・・・・・・・・〜〜〜〜〜ッッ;;」


拳はバキの腹筋に命中。
強大な振動と衝撃、激痛がバキを襲う。

ド ガ ガ ガ ガ ッ ッ

バキの足元の床板が次々と粉砕する。
強烈なノックバックに耐えるため、バキは中腰の姿勢に移行。

花山の拳は依然バキの腹部に減り込んだまま。


ド  ギ  ャ ッ ! ! !


一際大きい爆発がバキの足元から発生。
夥しい量の床板の破片がバキの真後ろに撒き散らされた。



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」








止まった。




55 :赤いイヤーカフ :2011/09/13(火) 23:10:39.80 ID:2g+rvZHD0
タッ

アスカ・シンジ「あっ!;;;」

ポタ  ポタポタッ

綾波「!・・・・・・・・・・;;」



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」ハァ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキは止まった。

二度の飛行は抑えた。


少量の吐血と引き換えにではあるが・・・



バキ「〜〜〜・・・・・・ッッッ;;」ギュッ


バキはきつく眼を閉じ、緊張のリミッターを外した。
この世界に来る前は自由自在に緊張状態を操れたのだが、そのメンタル的闘争技術が鍛練無き生活によりすっかり錆び付いてしまっていた。



バキ「凄みが増したね・・・一段と・・・・・・・・・・・なんかしてたのかい?;;」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「はは・・・だよな・・・・・・・・・オレが弛んだだけか・・・;;」ヘラッ


自嘲を含んだ笑みを浮かべるバキ。

花山は拳を戻し、身を退いた。



ギュウウウゥゥ

そして再び拳を握り・・・

ダ  ン  ! !

一歩前に踏み込んだ。


アスカ「待って!!;;;」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・」ビタッ

攻撃を再開する花山を、アスカが不安の表情を現に呼び止めた。

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 02:09:37.08 ID:pTUDnj6mo
花山さんの一撃喰らって吹き飛ばないって、バキさんは着々と勇次郎クラスまで登りつめてるな
57 :赤いイヤーカフ :2011/09/15(木) 02:54:51.01 ID:4SBrpiNb0
花山「・・・ン?・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


花山「・・・?・・・・・・・・・・・・」



アスカは何も言わない。

いや、何も言えないのだ。
常識から掛け離れた事柄が多すぎて。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ゴクリ・・・



唾を飲み込みつつ、アスカは今の状況を改めて確認する。


遠く離れた壁と、バキの足元とその周りに形成された大穴。

常人ならば確実に死に至るであろう打撃を二発も浴びておきながら、内臓の損傷によるであろう吐血を経験しておきながら、花山の攻撃をまるで待ち侘びるかのように立っているバキ。

そのバキを今にも殺さんとする勢いで、第三打を撃ち込もうとした花山。

真剣勝負と化した危険過ぎる訓練を、一切止めない烈。

まるでこうなる事は必然と悟っているかのような克巳の態度。


アスカにとっては全てが異常であり、そして狂気だった。

致命傷を負った人間に、更なる強烈な追い撃ちを掛ける。
周りの者がそれを止めずに容認する。
致命傷を負ったはずの者さえもそれを容認する。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


彼らにとってはコレが自然なのだろうか?

バキにとってはコレが当然の事なのだろうか?

全てを捨てて強さを求めるとは、こういう事なのだろうか?



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」グッ・・・



アスカは口を真一文字に固めて、心の中で己を鼓舞した。

怯む事は無い。異常は異常だと発言する事になんの遠慮が要るものか。





アスカ「・・・アンタら・・・頭おかしいんじゃないの?・・・・・・;;;;」キッ


シンジ「えっ?・・・・・・;;;」



シンジがアスカの発した言葉に怯む。

アスカも「この言葉を言った以上はもう引き下がれない」と自分に言い聞かせ、最後まで言い切る事を心に決めた。

それでも、背中を流れる冷や汗を止めるには到らなかったが。




アスカ「・・・バカ山もバカも・・・・・・見てるだけの克巳さんと烈さんも、なんでこう揃いも揃って馬鹿ばっかりなワケ?;;;;」ヘラッ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2011/09/15(木) 13:05:19.52 ID:KNTlOFZAO
このアスカは気苦労が絶えないなぁ
使徒の精神攻撃より先に
精神をやられるかもしれないな
59 :赤いイヤーカフ :2011/09/16(金) 01:48:36.94 ID:HJoilZ9K0
花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・?・・・・・・・・・;;;」



アスカの予想に反し、闘士達は反論をしない。
話し合うための前提がいきなり崩れた。


克巳「クスッ・・・」


と、アスカが感じた所で、克巳が笑いを堪えた。

アスカは克巳に顔を向ける。


克巳「 ア タ マ お か し い・・・か・・・・・・」ニヤニヤ

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



語気を強めながら不気味にニヤつく克巳に、アスカは内心戦慄したが、鋭い目付きで[克巳を睨む]という行動に集中することで、表情に動揺が表れるのを辛うじて抑えた。



花山「バキ・・・」

バキ「・・・なんだい・・・・・・」


今度は花山が声を発する。

アスカは花山に注意を向け、シンジと綾波は互いに目配せをする。



花山「ああ言ってるぜ?」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキ「惣流さん。」

アスカ「!;;;」ピクッ


バキ「コレはオレが自ら望んでやってる事だ・・・誰からの強制でも無い。これだけは分かってくれ・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・そんなの・・・;;;」

バキ「ああそうだ。フツウは出来るワケ無い・・・・・・・・・・・・・・・・・・だけど俺はやらなきゃいけない。今のままで弐号機に乗れば、俺は確実に君の足を引っ張る。」

アスカ「は?;;;」

バキ「主力じゃないにしろ・・・・・・闘いの場に出るとなったら、とりあえずそれなりの物にしとかないとな。」


そう言い終えたバキは、アスカが何か言おうとした事に気付かずに・・・



「準備が出来た」と花山に語った。

60 :赤いイヤーカフ :2011/09/18(日) 01:26:55.96 ID:fYDx1ixU0
ザッ・・・

アスカ「!!;;;」

グ ッ


アスカ「なっ・・・・・・何してんの?・・・;;;」


グ グ グ グ グ  グ  グ ・・・


花山は脚を大きく開き
バキの居る方とは真逆の方向に腰を切り、上半身を屈ませた。

それは構えには見えず、だからといって舞踊にも見えないポーズだった。


シンジ「あっ!;;;」
綾波「!;;」


シンジと綾波の瞳に、花山の背中に画かれた漢が映る。

縦横に切り裂かれた仁王の如き漢は、巨大な吊り鐘を背負い、高波を受け、煮えたぎる闘争心と燃え上がる意思・・・・・・いわゆる「根性」と呼べるものを全身から放っていた。



アスカ「バカ山!!聞いてんの!? 何してんのよ!!;;;」

烈「手出しは無用だ惣流・・・・・・・・・コレはあくまで訓練。」

アスカ「!?;;;」

烈「既に通常とは言い難いが・・・・・・」

克巳「この構えを出したって事は、恐らくマジで全力出す気だ。」

アスカ「!!・・・・・・ばっ・・・バカ! 分かってんだったら見てないで早く止めてよ!!;;;」

克巳「無理だ。」

アスカ「・・・・・ッッ;;;;」

烈「互いに強者であるならば、訓練もそれに相応しい物にしなければならない・・・・・・バキさん程の超一流にもなれば、必要な相手の戦力の危険度は、実戦のそれと大差無いものになるはず。」

アスカ「実戦ってそんな・・・・・・・・・絶対おかしいわよ・・・そしたら・・・・・・ヘタしたら死んじゃうじゃない・・・;;;;」



バキ「・・・ワルいけど・・・・・・次は使わせてもらうよ、技術・・・・・・」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ビキビキビキ・・・


アスカ「ゃっ・・・やめなさいよアンタ達!! なにバカな事やってんの!? なんで訓練で殺しあわなきゃいけないのよ!!!;;;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「こんな事しなくたってアンタは足手纏いになんかならないわよ!!! アタシより動けるんだから問題なんか始めから無いの!!! ちょっと考えたらそれくらいバカなアンタでも分かるでしょ!!?;;;;」


ブ ォ ワ ア ア ア アーーーーz____ッ ッ ッ ッ ! ! !



アスカの説得虚しく・・・



ギ  ャ  ド  ッ  ッ  ッ  ッ  ! ! ! ! !



バキの為だけの訓練が始まった。

61 :赤いイヤーカフ :2011/09/18(日) 19:06:36.74 ID:MTWgaCCH0
・・・そうだよ花山さん・・・


・・・それくらいがベストなんだ・・・


・・・その構え・・・その握り・・・その気概・・・

・・・・・・そうこないと・・・・・・


「ゃっ・・・やめなさいよアンタ達!! なにバカな事やってんの!? なんで訓練で殺しあわなきゃいけないのよ!!!;;;」


・・・ン?・・・・・・惣流さん?・・・・・・


「こんな事しなくたってアンタは足手纏いになんかならないわよ!!! アタシより動けるんだから問題なんか始めから無いの!!! ちょっと考えたらそれくらいバカなアンタでも分かるでしょ!!?;;;;」



・・・心配?・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







・・・ハハ・・・・・・・・・






・・・・・・光栄だよ・・・惣流さん・・・・・・・・






・・・・・・久しぶりだ・・・・・・・・・



・・・誰かに想われながら闘うの・・・・・・・・・



おっ、来た・・・



ギ  ャ  ド  ッ  ッ  ッ ! ! ! !





上からの絶大な破壊力を両手で受けたバキは、床板を粉砕し、その下にある衝撃吸収体を破砕、更には強化された基礎を破壊し・・・


花山の拳を受け切った両腕を、床に出来た大穴から生やす形となった。


62 :赤いイヤーカフ :2011/09/18(日) 21:26:35.79 ID:M+TwmSym0
アスカ「!!!!;;;;」

烈「・・・・・・ッッ」

克巳「オオッ!;」

シンジ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ;;;;」

綾波「!!;;」


花山の上半身が消えた瞬間、バキが床板と共に爆発して消えた。

勿論本当に爆発したわけでは無く、消滅した訳でも無い。
克巳と烈は全てを見切っている。
花山の拳はかなりの剛速だが、実の所彼らの中では遅い部類なのだ。

例えそれが普通人には見えないものだったとしても。


ド  グ  ワ  シ  ャ  ア  ァ  ッ  ッ ! ! !


花山は矢継ぎ早に、床板をえぐり取る様にしてアッパーカットを放つ。
床板が粉々になりながら空中に舞い上がり、バキが床下から姿を現す。


花山「!」


床下からバキを撃ち上げた花山の拳は、クロスされた両腕に防がれていた。
花山の脳裏に、かつて見たピクルとバキとの死闘の光景が映る。

ブ  ン  ! ! ! ! 

空中に浮いたバキにストレートが飛ぶ。

ビ  シ  ィ  ッ  ッ  ! ! !

命中。


だがバキは吹き飛ばされず・・・



ビ ュ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ ・・・



廻った。

高速で。しかしブレずに。まるでヘリのローターの様に廻った。
上か下のどちらに廻ってるか分からない程の速度で回転した。


ド  ワ  ッ  ッ  ッ ! ! !


空中で回転するバキ目掛け、花山は次に全体重を乗せた前蹴りを放った。

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 22:52:17.88 ID:ap7t175DO
消力!?
64 :赤いイヤーカフ :2011/09/18(日) 23:48:27.29 ID:0LpjG8PM0
ビ ッ シ ャ ア ア ッ ッ ッ ! ! !


花山「!」

烈・克巳「!」


トッ・・・



アスカ「・・・・・・?・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」




バキは静かに着地した。


容赦無き前蹴りを、向かい来る攻撃の捕捉なんて不可能な状態に見えたバキが防ぎ切った。

どの部位で受ければ事無きを得られるのか。
どうやって衝撃を吸収したのか。
何故見切れたのか。

回転するバキに打撃を当てた花山本人でさえ、バキがどこで受け、どう身体を駆除して威力を消し去ったのかが分からない。




バキ「アリガトウ・・・・・・花山さん。;;」フー・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「だいぶ思い出してきた・・・・・・余裕も出て来たし・・・・・・;」


烈「消力・・・・・・;」


バキ「?・・・・・・・・・ああ・・・さっきの回転?」

烈「中国武術の至宝・・・・・・・・・いつの間に修得を・・・・・・;」

バキ「修得?・・・・・・イヤイヤまだだよ・・・まだまだ全然・・・・・・」ハハ・・・



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



バキの使用した[シャオリー]なる謎の技。
烈の口調から察するに、かなり高等な技術だと思われる。

だがアスカ達チルドレンの頭の中には、普通人、常識人として当然の疑問が浮かび上がっていた。




[技術でどうにかなる攻撃だったのか?]





とにかく、バキは元気そうだった。


口から流れてた血も止まっていた。

65 :赤いイヤーカフ :2011/09/19(月) 18:10:23.39 ID:4hDwut5r0
午前10時20分
ネルフ本部:ジオフロント自然保護区=スイカ畑


ザッ ザシッ   ザクッ



加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ザッ ザッ



花山が訓練を見学しに行っている頃、加持はスコップで土を掻き出し、雑草を掘り返していた。

雑草というものは、切るだけでは根絶出来ない。
根が少しでも残っていたらまた生えてきてしまう。
それをまた刈るのは二度手間というものだ。

ザクッ・・・

加持はスコップを土に突き刺し、自分のスイカ畑の全景を見渡した。



加持「・・・・・・・・・今日はこれでいいかな。;」ハハ・・・





ズシャ


加持「?;」




背後から足音。


加持は瞬時に気分を切り替え、足音に耳を澄ます。
それと同時に胸ポケットに仕込んだ小型レコーダーのスイッチを入れる。


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ズシャ・・・  ズシャ・・・



足音はゆっくりとだが確実に近付いて来る。

足音の主は身長は185センチ。体重は160キロ超。
安定した歩みのリズムから、骨格と筋肉が発達している事が予想出来る。


加持「!」

そこまで想定し終えた所で、加持は足音の正体に気付いた。






オリバ「グッモーニン。ミスター加持。」ズシャ・・・

66 :赤いイヤーカフ :2011/09/20(火) 06:03:43.83 ID:/258He4k0
オリバ「無趣味とか言いながら・・・・・・ズイブン立派な趣味を持ってるじゃないか。」ハハ・・・


加持「言ったらご馳走するハメになりそうだったので、話すのはまたの機会にでも・・・と、思ってたんですがね。」ヘラッ

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フッ



加持「それで・・・・・・ジオフロントに忍び込んでまでして、次は一体何をするんですか?」


オリバ「ン〜〜〜・・・・・・・・・・・・今回私は何をするでも無いよ。というより・・・しばらくは動けない。」

加持「動けない?・・・・・・その割には明るいうちから忍び込んでるじゃないですか。」

オリバ「ネルフに侵入するだけならワケない事だ。そうでなくては何の為に一年という月日を費やしたのか分からンじゃないか。」ハハハ

加持「・・・・・・何をするでもないんなら・・・一体何故ここに?」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



オリバは少しだけ間を置き、答えた。


オリバ「君の疑問に幾つか答えようと思ってね。」


加持「?・・・・・・どういう事です?」

オリバ「調べ上げたは良いものの、肝心の内容が依然として不明な物・・・・・・私が思うに、君はその類の情報を掴んでしまったハズだ。」

加持「!」

オリバ「君の胸ポケットのレコーダーは特別製だ・・・・・・・・・拾うのは音だけではないのだよ。」

加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・


加持「・・・・・・いつすり替えたんですか?;」

オリバ「それは問題ではない。知った所で今更な話だ。」

加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



オリバ「話せるうちに話した方がいい・・・・・・私には関係無いが、この先に死が待っているかもしれぬなら尚の事・・・・・・・・・・・・・・・・・・分業も確かに効率良いかもしれんが、君には効率良く捜し出す[真実]以上に価値あるヒトが居るはずだ。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







加持「・・・やれやれ・・・・・・・・・やっぱり全部筒抜けでしたか。;」ハァ・・・


オリバ「アンチェインに勝る諜報員など、元より存在しないよ。」ニヤッ

67 :赤いイヤーカフ :2011/09/20(火) 06:06:02.78 ID:Vq1hiXkI0
加持「で・・・何を話せば良いんです?」


オリバ「モチロン、分からぬ情報の全てだ。」


加持「全てですか・・・・・・・・・・・・こりゃまいったな。」ハハ・・・


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






加持「・・・アンタの言う通り、俺は情報を掴みました・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネルフという組織が隠している物の一端に触れ、過去に起きたセカンドインパクトに、大きく関わったであろう幾つかの存在にも、あと一歩という所まで迫れました。」


オリバ「そうか・・・・・・ではネルフの話から聞こう。隠している物とは一体何かな?」


加持「・・・ネルフ本部の地下深くに封印されている物があります・・・・・・恐らくは使徒です。ただ・・・」

オリバ「コードネームの重複が見られる。」

加持「!」


オリバ「君は考え過ぎたようだな・・・・・・・・・ミスター花山に半壊を依頼したアダムと、地下に縛られたアダムのどちらがホンモノかなんて、結果は分かり切っているだろう?」


加持「・・・・・・俺もどちらかがダミーだとは思ったんですが・・・」

オリバ「残念だがそれも違う。」

加持「!?」


オリバ「ミスター花山がちぎったアレは、間違いなく[生物]であり[使徒]だった・・・・・・・・・体温、心拍、瞳孔反射・・・更には微弱な使徒反応も確認したハズだ。」

加持「・・・じゃあ、地下のアレは一体・・・・・・;」

オリバ「アレも間違いなく本物の使徒だろう・・・・・・強力な隔離処置と情報操作で上手に隠蔽されているが、外界の使徒出現に共鳴するようにして僅かに使徒反応を発していた。」


オリバ「コードネームの重複に何の意図があるか迄は私も分からないが、両方とも偽物ではない本物の使徒だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・何にしても我々が警戒を怠る事は無いな。」


加持「・・・・・・・・・・・・つまり、この問題に対しては答えが出てないと?」


オリバ「ああそうだ・・・・・・私とて万能ではないからな。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




オリバ「さて・・・・・・次はセカンドインパクトの話だったかな?」

68 :赤いイヤーカフ :2011/09/21(水) 00:39:05.89 ID:fVUKF+600
オリバ「あの事件に関わった幾つかの存在とやらを・・・・・・話してくれ。」


加持「ええ・・・・・・」フー・・・


突き刺したスコップの持ち手に手を掛け、浅い溜息をついた後
加持は話し始めた。




加持「セカンドインパクトの裏にはゼーレ・・・碇ゲンドウ・・・・・・・・・・・・・・・そして[オーガ]という謎の存在が暗躍していたらしいです。」


オリバ「ほぉ・・・・・・」


加持「調査隊を編成して南極に派遣したのは、国連ではなくゼーレ・・・・・・その調査隊が壊滅する寸前に、隊から離脱して難を逃れた碇ゲンドウ・・・・・・・・・・・・セカンドインパクトが発生する直前に、調査隊とその護衛艦隊を襲撃し[調査対象]と接触した[オーガ]と呼ばれる正体不明の何か・・・」


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「この三者を調べるうちに分かった事なんですが・・・・・・ゼーレはオーガとコンタクトを取っていた様なんです。」


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「もっとも、どのようなコンタクトかは分かりません・・・・・・・・・オーガに関する記述も物証も、[オーガ]というコードネーム以外全て消され、更には事実を知る人間が全員闇に葬られた以上、今の俺には知る術がありませんからね。」


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



加持「さっきのアンタの答えには、驚きはしましたが正直ガッカリした・・・・・・・・・コレについてはちゃんとした答えをお願いしますよ。」


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フフ・・・





オリバ「君は勘違いが多い・・・・・・」ニヤ・・・


加持「・・・・・・勘違い?」


オリバ「裏に伝わる言葉は大多数裏に消えるが、一部は表に生き続けるモノだぜ? ミスターリョウジ。」ニヤァ


加持「?・・・・・・・・・・・・どういう事です?」


オリバ「どういう事も何も、[地上最強の生物]と呼ばれた漢の話・・・・・・君は信じていないだろう?」


加持「地上最強の生物?・・・・・・なんの話ですか?」


オリバ「ホラこれだ・・・・・・・・・裏の世界に足を踏み入れた時から、君はずっとこの言葉を耳にしてきたハズだ。中途半端に情報通になると、こういう伝説のような情報には眼を向けなくなるらしいが・・・・・・いやはや、君はその典型だな。」クス・・・


加持「・・・?・・・・・・・・・・・・・;」


オリバ「君が夢物語だと思っていたこの言葉・・・・・・・・・この言葉が一体何を・・・・・・いや、一体誰を指しているかは、今までの会話の流れでワカるな?」




加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オーガが・・・・・・その地上最強の生物だって言うんですか?;;」


オリバ「そうだ。」

69 :赤いイヤーカフ :2011/09/21(水) 05:19:51.19 ID:r4Sy62D90


ハハ・・・




加持は呆れた。


地上最強の生物という怪物の噂は、オリバの言う通り何度も聞いている・・・・・・それこそ耳に胝が出来るくらい聞いた噂話だ。


[たった一人で世界の軍事力と対等になった漢がいる。]


そんな世界中に対しての戦争抑止力が居るんなら、今までの戦争とは一体何故起きてきたのだろう。

仮にその地上最強が居たとして、何故各国は小競り合い一つせずに黙っていたのか。 大国に勝てる圧倒的武力が目の前にぶら下がっているのに、何故搾取される側の途上及び貧困国はその漢を招き入れなかったのか。


疑問点が多過ぎる。





オリバ「何がオカシイのかな?」



加持「すいません、あまりに突拍子の無い話でしたから・・・・・・;」フフ・・・


オリバ「・・・・・・・・・ナルホド・・・まだ信じられない様だな。」


加持「いや、信じますよ・・・・・・オーガについての情報が秘密裏に削除されてる以上、オーガは実在の存在だった。なんで[地上最強の生物]という怪物と区別されてあったのかは詮索しませんが。」


オリバ「[オーガ]とは世界各国の要人が付けたコードネーム。[地上最強の生物]は裏世界の下っ端達が勝手に呼びはじめたあだ名だ。存在が別々というより、要は認知の仕方が違っただけの事だ。」




オリバ「ああ、あと君の疑問についてだが・・・・・・・・・残念ながらオーガが何故ゼーレと接触したのかは私も分からない。コンタクトの内容も、情報源そのものが既に無い以上調査が出来ないのだ。ゼーレ・・・もしくはネルフの懐に潜り込めれば話は別だが、ソレをするとなると何かと危険だ。ゼーレ、ネルフ、そして日本政府の先兵である君は確実に消され、私は追われる身となるだろう。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「だが幸いな事に、私はオーガの友人だ。」ニッ


加持「!?;」


オリバ「彼の素性だけで言えば、私は既に知り尽くしている。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




オリバ「今から君に教えよう・・・・・・・・・ヤツ・・・オーガの正体をな。」


70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/09/21(水) 06:33:39.10 ID:qlkp1z63o
オゥ・・・
71 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/09/21(水) 07:19:33.27 ID:olNIyd520


ハハ・・・




加持は呆れた。


地上最強の生物という怪物の噂は、オリバの言う通り何度も聞いている・・・・・・それこそ耳に胝が出来るくらい聞いた噂話だ。


[たった一人で世界の軍事力と対等になった漢がいる。]


そんな世界中に対しての戦争抑止力が居たのなら、今まで国家間で起きてきた戦争は、一体どのようにして成立したのだろう。

仮にその地上最強が実在したとして、何故各国は小競り合い一つせずに黙っていたのか。 大国に勝てる圧倒的武力が目の前にぶら下がっているのに、何故搾取される側の途上及び貧困国はその漢を招き入れなかったのか。


疑問点が多過ぎる。





オリバ「何がオカシイのかな?」



加持「すいません、あまりに突拍子の無い話でしたから・・・・・・;」フフ・・・


オリバ「・・・・・・・・・ナルホド・・・まだ信じられない様だな。」


加持「いや、信じますよ・・・・・・オーガについての情報が秘密裏に削除されてる以上、オーガは実在の存在だった。なんで[地上最強の生物]という怪物と区別されてあったのかは詮索しませんが。」


オリバ「[オーガ]とは世界各国の要人が付けたコードネーム。[地上最強の生物]は裏世界の下っ端達が勝手に呼びはじめたあだ名だ。存在が別々というより、要は認知の仕方が違っただけの事だ。」




オリバ「ああ、あと君の疑問についてだが・・・・・・・・・残念ながらオーガが何故ゼーレと接触したのかは私も分からない。コンタクトの内容も、情報源そのものが既に無い以上調査が出来ないのだ。ゼーレ・・・もしくはネルフの懐に潜り込めれば話は別だが、ソレをするとなると何かと危険だ。ゼーレ、ネルフ、そして日本政府の先兵である君は確実に消され、私は追われる身となるだろう。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「だが幸いな事に、私はオーガの友人だ。」ニッ


加持「!?;」


オリバ「彼の素性だけで言えば、私は既に知り尽くしている。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




オリバ「今から君に教えよう・・・・・・・・・ヤツ・・・オーガの正体をな。」


72 :赤いイヤーカフ :2011/09/21(水) 15:07:40.35 ID:5CbrUfWL0
オリバ「君は確実に驚くだろうな。」フフ・・・


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



オリバ「オーガの本名は範馬勇次郎・・・国籍は日本。生年月日はハッキリしないが、出身地も同じく日本。」


加持「ん? 範馬?・・・・・・・・・バキ君の父親なんですか?;」

オリバ「そうだ。同時にジャックハンマーの父親でもある。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;」



オリバ「フフ・・・・・・・・・・・・その顔を見るに・・・・・・ようやく伝説を信じる気になってくれたようだな。」ニィ〜・・・


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


オリバ「ここまで聞けば、何故ヤツが地上最強の生物と呼ばれたかが分かるハズだ。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・噂は本当なんですか?・・・・・・;;」


オリバ「間違い無い・・・・・・素手で近代兵器を圧倒した逸話も、無武装で各国の戦場を荒らし回った逸話も、世界初のパターン青発信源であるという逸話も、全て事実だ・・・・・・・・・今はチョイト消息不明だがね。」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



オリバ「ン〜〜〜・・・私の言える事は今のところコレまでだな・・・・・・」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


オリバ「ナ? 聞いといて良かったろ?」ニッ


加持「えっ?・・・・・・・・・・・・ええ、まぁ・・・・・・;」


オリバ「ハハ・・・・・・・・・・・・まぁ良い。私は今から帰るが、私が提供した情報をヒントにこれからも頑張ってくれたまえ。」ザシュ・・・








オリバ「オオっとそれから。」ピタッ


加持「?;」


オリバ「裏の上位陣にとっては、下位の者達など表の人間同然だ。行き詰まったらソレを利用するのも手の内だという事を忘れないように・・・・・・・・・・・・それではサヨウナラだ、ミスターリョウジ」ザシュ・・・  ザシュ・・・




加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/21(水) 17:37:37.48 ID:VLuY+g1to
人居ないな
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/21(水) 17:40:58.68 ID:VUxgCI1Ho
私はこっこ〜にい〜るよ〜
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/21(水) 18:08:49.74 ID:mYVJ4bPwo
通常は作者以外レスしないのは前スレからの流れだと思うが?
76 :赤いイヤーカフ :2011/09/21(水) 19:35:04.89 ID:ZrPYFKPx0
午前11時10分
ネルフ本部:研究棟コンソールルーム



警備部長「納得など到底出来ません!!;」


リツコ「貴方達警備部が納得する必要は無いわ。これはあくまで科学部の問題ですから。」



憤慨する警備部長を尻目に、リツコは椅子に座ってコーヒーを一口啜る。
コップには可愛くデフォルメされた猫の顔。

なんとも緊張感が無い逸品だ。



警備部長「それは違う! 我々警備部にも十分関係ある話だ! 原始人やらドーピング中毒者やらがうろつく施設なんて異常過ぎる! 奴らの管理は我々ではなく、貴女方の仕事のはずだ!!;」

リツコ「ドーピング中毒とはまた失礼な言い方ね・・・・・・・・・管理なら出来ています。一部設備の損壊はやむを得ない事です。」

警備部長「その損壊が問題なんです!! 奴らの一挙一動で、今までどれだけの設備が破壊されたと思ってるんですか!? このような事態・・・;」

リツコ「設備の修理は我々科学部と技術部が全て行っています。あなたたち警備部が修理をしていると言うのなら抗議も受けますが。」

警備部長「ッッ・・・・・・では、職員の安全はどう保障するんですか?;」

リツコ「職員の方から彼等に攻撃を仕掛けない限り、彼等は職員を襲ったりしません。貴方は彼等を何だと思っているの? 彼等の活動で負傷した職員はいないし、死亡した職員もいないわ。それともトレーニングや散歩が危険行為に当たると言いたいの? 」

リツコ「それに貴方、さっき「管理は我々ではなく貴女達がやるべきだ」みたいな事言ってたけど、貴方達がいつ彼等の管理をしたのか私は知らないわ。管理を引き継ぎたいという意思表示も、私達は一切受けておりませんし。」

警備部長「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

リツコ「?・・・・・・・・・まだ何か?」フフ・・・



警備部長「・・・もういい・・・・・・・・・;」



プシュ   シュッ








マヤ「先輩・・・・・・・・・警備部長、凄い怒ってましたね・・・;」

リツコ「気にする事は無いわ・・・・・・所詮、彼等が怖いだけなのよ。」


マヤ「あの・・・・・・先輩?;」

リツコ「なに?」


マヤ「・・・先輩は怖くないんですか? あの二人の事・・・;」

リツコ「怖いわ。」

マヤ「えっ?;」


リツコ「でも、人間はいつまでも恐怖から眼を背けていられないのよ・・・・・・」フー・・・


マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

77 :赤いイヤーカフ :2011/09/22(木) 09:18:29.26 ID:LQD7TU3X0
午後1時13分
ネルフ本部:窓側通路休憩所


渋川「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・」


ソファに座っている渋川は、腕を組んだまま頭を傾げていた。
渋川の前のソファには紅葉が座っており、二人の間には高さが膝下ぐらいしかない長テーブルが置かれている。


紅葉「どうです? 当て嵌まるでしょう?」


渋川「フム・・・・・・・・・確かに最近聞かんのう・・・」

紅葉「やはりそうでしたか・・・・・・で、貴方の場合はいつからでしょうか。」

渋川「それが日にちを覚えるのはど〜も苦手での・・・・・・」カカ・・・

紅葉「つまり、覚えてないと?」

渋川「ン・・・そうゆうコトんなる。」

紅葉「そうですか・・・・・・」


渋川「のォ紅葉。」


紅葉「なんでしょうか。」

渋川「こんな事聞いてなんの意味があるのか・・・・・・ワシはどーにも分からん。オヌシは何を狙うとるんじゃ?」

紅葉「何も狙ってはいません。ただ、貴方に警告しておきたかった。」

渋川「ホォ・・・・・・・・・警告とな・・・」ニヤ・・・

紅葉「と言っても、刺客とか挑戦者とかじゃありませんがね。」フフ・・・

渋川「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

紅葉「一つは我々の右耳に付いている物・・・・・・もう一つは赤木博士に我々が監視されているという事。」


渋川「監視?・・・・・・・・・じゃあ今の会話も録音とかされとる?」

紅葉「それについては気にする必要はありません。右耳に付いている物が妨害してますから。」

渋川「分かりずらいコト言うのォ・・・・・・耳のヤツは信用に足るのか足らぬのか、これじゃてんでワカらんじゃろ。」


紅葉「それはアレです、念のためという事で・・・・・・・・・・・・私が思うに・・・耳のコイツは我々に[何か]を行って欲しいから、我々を最低限守っている・・・・・・」


渋川「・・・・・・つまりはワシら皆が、こやつの道具だと?・・・」


紅葉「ええ、恐らく。」


渋川「なら何して欲しいかスラっと言やァ簡単じゃろ。」


紅葉「言っていましたよ。我々がネルフに入るまでは少なくとも。」


渋川「!」


紅葉「これも私の推測になりますが・・・・・・・・・・・・命令を受けて行うだけでは良い結果にならない、またはヤレば悪化するような事態を収拾、もしくは未然に防ぐために、我々をこの地に引っ張り込んだのではと・・・・・・」


渋川「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



紅葉「要するに[この先は自分で気付け]ってコトです。」ハハハ

78 :赤いイヤーカフ :2011/09/23(金) 23:41:18.96 ID:yaE8WyZp0
午後2時7分
ネルフ本部:情報処理棟廊下


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





情報棟出入口付近の廊下をブラつき始めて5分が経過した頃。


タッタッタッタッ・・・


ガイア(!)



前方に目標が現れた。
予想通りに書類を抱えて。




女性職員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」タッタッタッ・・・




歳は二十代くらいだろうか。
息を荒げないように走っている。
視線も前では無く、やや俯き気味。

フォームもどこと無く不慣れであり、足音のリズムも微妙に不格好だ。

内気な新米といった所である。


これも予想通り。



タッ



ガイアは新米に向かって駆け出し・・・


ドン

女性職員「!!」

新米にぶつかった。
彼女の抱えていた書類が辺りに散らばる。
ぶつかられた彼女は目に涙を浮かべてすっ転び・・・

ガイアはわざと派手にブッ倒れた。


ガイア「ゥオイチチチ・・・・・・」

女性職員「ごっ!ごめんなさいっ!・・・本当にごめんなさい!・・・;;;」アタフタ


動揺を絵に描いたような彼女の反応。
ただぶつかっただけなのに早くも半ベソをかいている。

散らばった書類には目もくれずに駆け寄って来たが、触れては来ない。

怒られるのが怖いのか。
触れられるのが怖いのか。




ガイア(なんとも初な娘だな・・・・・・良いのか? こんなヤワなの入れちゃって)ハハ・・・

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 01:32:13.49 ID:4Vina+4DO
挿れるだとッッッ!?
80 :赤いイヤーカフ :2011/09/24(土) 11:45:14.81 ID:bCGS4xxC0
女性職員「あの・・・・・・大丈夫ですか? 怪我とかは・・・あの・・・・・・;;」


ガイア「大丈夫。君こそ怪我は?」


女性職員「えっ・・・・・・ケガ・・・は・・・・・多分ないと思いますけど・・・;;」


ガイア「そうか・・・・・・・・・・・・ンで、拾うの手伝った方がいいかな?」


女性職員「えっ?・・・・・・あ、コレですか?・・・;」

ガイア「それ以外ないでしょう。手伝いますよ。」


女性職員「すみません・・・・・・;」



ガサガサ・・・ ワサワサ・・・                    ヒュ




ガイア「ハイおしまい。」


女性職員「すみません本当に・・・・・・;」


ガイア「構うことはない。それでは気をつけて。」


女性職員「はい・・・・・・・・・ぁの、ありがとうございました。」

ガイア「ン・・・」



タッタッタッタッ・・・





ガイア「・・・・・・本当にウブい娘だな。」サッ


ガイアはズボンのポケットから、粘土状の小さな物体を二つ取り出し・・・

ぐにゅ・・・

手の内に隠し持っていた鍵をソレで挟み・・・

ガパン

離した。


鍵の形をした窪みが、粘土に片面ずつ刻まれた。
ガイアは粘土をポケットにしまい
走り去っていく女性職員に声を掛けた。


ガイア「お嬢さ〜ん。ちょっと〜。」

女性職員「!・・・はっ、はい!;」ピタッ

ガイア「このカギって貴女のかい?」

81 :赤いイヤーカフ :2011/09/27(火) 08:45:41.73 ID:rXVPXsT40
女性職員「?」タッタッタッ・・・


ガイア「ワルいね呼び止めて・・・・・・コレなんだけど。」

女性職員「?・・・・・・多分・・・私のじゃないと思うんですけど・・・・・・・・・・・・この鍵はどこから?」

ガイア「貴女の抱えてる紙束が散らばった時に出て来ました。電子化された鍵ばかりの施設でこんなアナログな鍵が発見されるならば、コレは職員の私物、つまりは貴女の物・・・・・・・・・と、思ってたんですがね・・・・・・」フー・・・

女性職員「・・・?・・・・・・・・・」キョトン

ガイア「どうやら違ったみたいだ。すいませんねホント。」

女性職員「い・・・いえ。こちらこそ・・・」


ガイア「それでは・・・・・・次は気をつけて。」

女性職員「はい。色々ありがとうございました。」ペコリ  スタタタ・・・



タッタッタッタッ・・・











ガイア(やはり何も知らされていなかったか・・・・・・・・)






後ろ暗い事を考えるのは、事態に対して上の人間。


だが実行に移すのは事態に対し無知な者達であり、上の者達ではない。

現に彼女は紙束の内容と、紙束に紛れ込んでいた鍵との関係性を知らないし、調べる気もなかった。


彼女は書類を無事に送り届け、普段通りの仕事に戻るだろう。



書類を受け取る側の赤木リツコが、裏で何をしているかも知らずに。




ザッ





ガイアは踵を返し、来た道を戻る。


彼にとっての偽りの職場[諜報部]への定期連絡をする為に。


82 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/09/30(金) 20:43:13.03 ID:q6I94FGU0
生存報告ですだ。
83 :赤いイヤーカフ :2011/10/03(月) 22:29:36.18 ID:uG+aud940
午後3時45分
第壱中学校:2年A組教室


キーン コーン カーン コーン

           キーン コーン カーン コーン





トウジ「はぁ〜〜今日も終わった終わった。行くでケンスケ。」ガタ・・・

ケンスケ「ああ。どうする帰り?ゲーセン寄ってく?」ガタ・・・

トウジ「今日はやめとこうや。流石に毎日通うてたら金が底尽く。」

ケンスケ「マジかよ〜・・・昨日新台が入荷したのに・・・・・・」ハァ・・・

トウジ「んなモン後で行きゃあいい話やろ。ゲームの機械は逃げへんわ。」スタスタ・・・

ケンスケ「ちぇ〜っ。」スタスタ・・・

ガラガラ・・・ ダン




女子1「ねぇヒカリ。今日委員会あったっけ?」

ヒカリ「?・・・・・・委員会は明後日にやるはずだけど?」

女子1「ホント!? やた!」スタタタ・・・

ガラガラッ ダン!

ヒカリ「・・・・・・・・・」


女子2「ねーヒカリぃ。」

ヒカリ「なに?」

女子2「碇君達、最近見かけないけど・・・・・・ネルフで何やってるの?」

ヒカリ「えっ?」

女子3「見に行ったんでしょ? 鈴原達と一緒に・・・・・・ね〜何やってたか教えてよ〜」ワクワク

ヒカリ「う〜ん・・・・・・;」

女子2「鈴原達ったら全然白状しないのよ。[男のプライベートは迂闊に覗くモンと違う。]とかカッコつけてさ。惣流さんと綾波さんは男じゃないわよ全く。てゆーか女の子のプライベートこそ覗くものじゃないっての!」フン!

ヒカリ(・・・ああいうのって・・・機密とかに・・・・・・・・・なるよね、やっぱり・・・;)

女子3「ちょっとヒカリ〜聞いてんの〜? 教えてよ〜」ワクワク

ヒカリ「ごめん、やっぱり言えない。;」

女子3「え〜〜〜なんでよ〜〜〜」ムー

ヒカリ「ほら、あの・・・・・・・・・機密とかになると思うから。それに女の子のプライベートは覗いちゃいけないんじゃない?」

女子2「あ」

女子3「なんからしくなく意地悪〜」ムー


84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/10/03(月) 22:31:15.59 ID:bKnx8TI2o
ムー子は俺の嫁
85 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/10/05(水) 00:54:44.48 ID:gD0RqqvW0
>>64
訂正ッッ
「身体を駆除」ではなく「身体を駆使」です
間違っていたのはこの栗谷川でしたッッッ
86 :赤いイヤーカフ :2011/10/06(木) 18:54:56.39 ID:NEVNjUx10
ガラガラガラッ


トウジ「ん?」スタスタ・・・


ポツ・・・        ポツ・・・
     ポツ・・・


トウジ「 雨降っとるんか・・・・・・」スタスタ・・・

ケンスケ「小雨・・・・・・っていうより霧雨だな。」スタスタ・・・

トウジ「そーやな〜・・・・・・」スタスタ・・・




スタスタ・・・









トウジ「ケンスケ。」スタスタ・・・

ケンスケ「ん?」スタスタ・・・

トウジ「前も聞いたか知らんけど・・・・・・センセらの訓練が終わる日って分かるか?」スタスタ・・・

ケンスケ「そんなの分かんないよ。まだ当分は続くんじゃないか? あの訓練の様子だと、そう長くは続けないと思うけどね・・・・・・」スタスタ・・・

トウジ「そか・・・・・・・・・・・・アイツらえらい事しとるなホンマに・・・ワイだったらあんな危ないマネをずっとなんて出来へんわ。」スタスタ・・・

ケンスケ「まぁ・・・この街の平和が掛かってるからな・・・・・・ましてや碇達の場合、使徒を倒し損ねたら身近にいる友達がみんな死ぬんだ。そりゃ必死にもなるよ。」スタスタ・・・

トウジ「はぁ・・・・・・せやな〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・



トウジ「正直、一年の頃はこんな事になるんて思わんかったわ。なんかこう、現実味っちゅうモンが全然沸いてきいへん。」スタスタ・・・


ケンスケ「使徒が突然攻めて来て、それを同級生が迎え撃つなんて事、想像なんて出来ないよ誰だって。」スタスタ・・・


87 :赤いイヤーカフ :2011/10/07(金) 00:57:58.64 ID:cerDt8el0
午後6時
ネルフ本部:徒手格闘訓練場


ゆさ・・・


ミサト(?・・・・・・ん?・・・なぁによもう・・・・・・)


右肩に違和感を感じた直後、その違和感に上半身を優しく揺らされた。
誰かが肩を掴んでいるような感触。
痛くはないが妙に力強い感触。

ミサト(加持?・・・・・・)

かつて身近だった男のニヤけ顔を脳裏に思い浮かべながら、ミサトは身体を起こし、けだるそうに眼を開けた。


バキ「終わりましたよ。訓練・・・・・・」

ミサト「!!!!;;;」


ミサトの視界がバキの姿を捉えた瞬間、ミサトの脳は驚愕と恐怖、混乱により急速に覚醒した。

死んだはずの者が生きており、今自分の肩に手を置いている。


ガバッ!

バキ「?」

ガッ   べちッ

ミサト「あぅ・・・・・・・・・・・いっ・・・っつ・・・;;;」

バキ「え?・・・・・・?・・・・・・・・・ミサトさん?・・・」



バキは訳が分からなかった。

こちらを見た瞬間にカッと眼を見開いたかと思うと、まるで何かから逃げるようにベンチから素早く離れ、勝手に足を縺れさせ転倒。
床に顔をしたたか打ち付けてクネクネともがくミサトは取り合えず滑稽だが、問題は何故彼女はこんなに怯えているのかだ。

バキには皆目理由が分からない。
怖い夢でも見たのだろうか。


バキ「ちょっ・・・・・・ミサトさん。;」

ミサト「!!!;;;」サッ


鼻が赤いミサトは怯えた視線をバキに向ける。
視線を受けたバキはますますワケが分からない。

という状況が出来た所で・・・


ミサト「・・・ぁっ・・・・・・・・・」

バキ「?」


ミサトが何かに気付いた。



ミサト「生き・・・てる・・・?」


ミサトがバキを指差す。

バキ「え・・・・・・えぇ・・・まァ・・・;」ハハ・・・


上司の無体な行動、言動を眼にして、バキは失礼にも失笑してしまった。

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/07(金) 02:46:57.44 ID:uMq4cYdE0
ジャックとの喧嘩の映像なんか見た日にはどうなるんだミサトさん
89 :赤いイヤーカフ :2011/10/09(日) 19:45:08.94 ID:OniXeSt80
ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・・・・ミサトさん?;」


ミサト「なんで?・・・・・・・・・どっ・・・どうしてっ・・・;;」

バキ「ミサトさん・・・・・・二回目ですよ? この流れ・・・・・・」

ミサト「ぇ?・・・;」


バキ「『平気っス』・・・・・・・・・ね?」


ミサト「あ・・・・;」


バキ「寝ぼけないでくださいよ・・・・・・・・・・・・ミサトさん、オレを見るなり大慌てで駆け出したから・・・・・・かなり焦りましたよ。」ハハ・・・

ミサト「・・・・・・・・・////」カァ・・・


烈「大事ありませんか?」スタスタ・・・

ミサト「え、えぇ・・・一応大丈夫よ・・・・・・//;」

烈「そうですか・・・安心しました。」

ミサト「ごめんなさい。なんか心配かけたみたいね・・・・・・;」

烈「いえ・・・・・・周囲に対しての配慮に欠けた訓練を止めなかった、教える立場である我々格闘家に責任があります・・・;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

烈「申し訳ない。戦い以外には眼が行かぬのが、我々の欠点です。;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次から先に言ってよね・・・;」

烈「面目ないッ;」


ミサト「それで・・・・・・訓練の方はどうなったの?;」

克巳「無事終わりましたよ。」スタスタ・・・

ミサト「そう・・・・・・;」

克巳「あ〜〜〜・・・イヤ、無事ってワケでもないか。;」

ミサト「!!・・・誰か怪我したの!?;;」

バキ「怪我人は出ちゃアいませんよ。ただ床とか壁とか・・・色々壊しちゃいまして・・・・・・・・・まァ・・・今更って感じですけど。;」ヘラッ

ミサト「そ・・・そう・・・・・・・・・;;」

烈「ついては、場所の変更を検討して頂きたい。不都合があるなら言って下さい。今じゃなくとも構いませんので。」

ミサト「ええ。分かったわ。;」ハァ・・・

バキ「それじゃ・・・・・・戻りましょうミサト。立てますか?」

ミサト「大丈夫。平気よ。」フラ・・・

バキ「シンジィ〜綾波〜惣流さァ〜ん。帰るぞ〜。」



シンジ・綾波・アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


90 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/10/09(日) 19:48:30.47 ID:nT4PgrqW0
>>89
ミサトさんを呼び捨てとかどんだけ失礼だよバキ

これじゃ原作じゃないか
91 :赤いイヤーカフ :2011/10/09(日) 19:49:45.52 ID:9HETKGuC0
ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・・・・ミサトさん?;」


ミサト「なんで?・・・・・・・・・どっ・・・どうしてっ・・・;;」

バキ「ミサトさん・・・・・・二回目ですよ? この流れ・・・・・・」

ミサト「ぇ?・・・;」


バキ「『平気っス』・・・・・・・・・ね?」


ミサト「あ・・・・;」


バキ「寝ぼけないでくださいよ・・・・・・・・・・・・ミサトさん、オレを見るなり大慌てで駆け出したから・・・・・・かなり焦りましたよ。」ハハ・・・

ミサト「・・・・・・・・・////」カァ・・・


烈「大事ありませんか?」スタスタ・・・

ミサト「え、えぇ・・・一応大丈夫よ・・・・・・//;」

烈「そうですか・・・安心しました。」

ミサト「ごめんなさい。なんか心配かけたみたいね・・・・・・;」

烈「いえ・・・・・・周囲に対しての配慮に欠けた訓練を止めなかった、教える立場である我々格闘家に責任があります・・・;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

烈「申し訳ない。戦い以外には眼が行かぬのが、我々の欠点です。;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次から先に言ってよね・・・;」

烈「面目ないッ;」


ミサト「それで・・・・・・訓練の方はどうなったの?;」

克巳「無事終わりましたよ。」スタスタ・・・

ミサト「そう・・・・・・;」

克巳「あ〜〜〜・・・イヤ、無事ってワケでもないか。;」

ミサト「!!・・・誰か怪我したの!?;;」

バキ「怪我人は出ちゃアいませんよ。ただ床とか壁とか・・・色々壊しちゃいまして・・・・・・・・・まァ・・・今更って感じですけど。;」ヘラッ

ミサト「そ・・・そう・・・・・・・・・;;」

烈「ついては、場所の変更を検討して頂きたい。不都合があるなら言って下さい。今じゃなくとも構いませんので。」

ミサト「ええ。分かったわ。;」ハァ・・・

バキ「それじゃ・・・・・・戻りましょうミサトさん。立てますか?」

ミサト「大丈夫。平気よ。」フラ・・・

バキ「シンジィ〜綾波〜惣流さァ〜ん。帰るぞ〜。」



シンジ・綾波・アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


92 :赤いイヤーカフ :2011/10/10(月) 00:39:35.93 ID:WljIjkUS0
午後6時2分
第三新東京市:繁華街


オリバ(ようやく終了か。)


ビルとビルの間。路地裏に通じる壁に囲まれた狭い道で、オリバは携帯の液晶を眺めていた。

液晶には破壊の限りを尽くされた訓練場と、顔面蒼白のミサト。バキからやや離れて佇む三人の少年少女が映っている。


オリバ(ミス葛城には気の毒な状況だったな・・・・・・・・・それにしても一流相手に三対一を要求し、結果手も足も出させぬとは・・・・・・流石はオーガの倅・・・)



三対一。


範馬刃牙専用訓練の後半
バキに再び矛を向けたのは花山薫だけではなかった。

愚地克巳。烈海王。
両氏いずれも一流の拳雄であるが、この二名の加勢にもバキは対応した。

常人には決して見切れぬ速さで繰り出される、突きと蹴りの五月雨。
それを全て必要最低限の動作で回避する。

まるで己を空に消し去るかのように。

闘士三名の放った多種多様の攻撃は、霞に弾丸を撃ち込み、霧に刀を振り下ろすが如き無意味な行為へと変わった。


オリバ(ドクターリツコは不安に思うだろうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・イヤ、思わんな・・・・・・チルドレン達は戦いの世界のルーキー。見えぬ拳を認識する事など出来はしない。)


パチン


オリバは携帯を閉じ。


ガッ


足元にある、打ち捨てられた月刊誌を掴むと。


ブ  ン ! !



自身の遥か後方に座るホームレスの顔面目掛け、それを投げ付けた。

ゴ シ ャ ッ ! ! !


狙い通りに月刊誌はホームレスの顔面に命中。ホームレスの頭部と共に月刊誌は飛散し、ホームレスの元頭部と混ざりあった。

頭の無いホームレスが宙を舞う。

衝撃で胸ポケットからこぼれた、黒塗りの小型カメラと共に。




オリバ「君達の存在は決して公表されない・・・・・・」クスクス・・・


オリバは狭き道の奥に向け語り掛ける。
道の奥のT字路の両側が、何やらざわついている。


オリバ「つまり何人殺しても構わんというコトだ♪」ニヤア〜



オリバは歓喜した。

93 :赤いイヤーカフ :2011/10/10(月) 02:15:52.13 ID:maDsmvRu0
ザ ッ

T字路の両脇から黒服が二名。どちらも銃を携帯している。


プシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュッ

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバの腹部に多数の弾丸が撃ち込まれた。
それはオリバの衣服こそ傷付けたが.彼自身の頑強な皮膚組織を傷付けるには不十分な威力だった。


黒服「バカな・・・・・・・・・;;」

オリバ「私は今リアルに腹筋を固めている・・・・・・サプレッサーで威力の弱まったPPK如きでどうにかなるワケがない。」クックックッ

黒服「・・・・・・化け物め・・・;;;」

オリバ「良く言われた。」ニコッ

バサバサバサッ

黒服「!!!;;」

キン キン カキン キチッ パラパラ・・・

黒服「・・・・・・・・・ッッッッ;;;」


おもむろに自身の着るアロハを掴み、ばたつかせたオリバ。
彼のアロハから、歪んだ弾丸と衣類の切れ端だけが落ちる。
コレが意味する事実は、黒服達にとってあまりに残酷だった。


オリバ「今度は私の番だな。」ザッ

黒服達「!!!ッッッ;;;」

ザッ ザッ ザッ ザッ

オリバが黒服達に近付く。
迷いは無い。

プシュプシュプシュプシュプシュッ

再度銃撃を浴びるが、オリバは止まらずに黒服達に近付く。

黒服「〜〜〜ッッッ;;;」サッ

オリバから見て向かって右側の黒服が、ズボンの右ポケットからスタンガンを取り出したが・・・

ガ ッ !

間に合わなかった。


パ  ン  !  !


スタンガンを持った黒服の頭が握り潰された。
飛び散る骨片と脳漿の中、オリバは極めて冷静な様子でもう一人の黒服の頭を上からわしづかみ・・・

ガ  コ  ッ  !

下方に押し込んだ。
頭を強制的に押し込まれた黒服の胸部は、生前の1.5倍に膨れた。

ドシャ  ドサッ

黒服達は倒れた。断末魔を上げる暇も無く。


オリバ「トレーニングが出来ない分・・・実戦で補わないとネ♪」チッチッ


オリバは黒服の屍に向かって指を振る。黒服達からの返答は無い。


オリバ「ただ・・・・・・毎回タオルを買わないとイケナイのは骨だ。殺し方も工夫しないとならないな。」ハハハ・・・
94 :赤いイヤーカフ :2011/10/12(水) 23:26:42.54 ID:phjTpijl0

ワサワサ・・・


オリバ「ン〜〜・・・ニッポンの柔軟剤は相変わらず良い香りだ。」


小さなタオルで手に掛かった返り血を拭き取り、アロハシャツを脱ぎ
元いた場所に戻る。

足元に来たブリーフケースから控えのシャツを取り出し、空になったブリーフケースに血染めのアロハをしまう。



諜報部員の死体は、単なる変死体として処理され、最終的にはこの[謎の死体事件]自体が無かった事になるだろう。

ネルフに関わる黒い事件は同組織の上層部が揉み消し、この件の真実を追求する事に意味を見出ださない警察は、捜査など決してしないだろう。


警察組織の存在意義は国民を守る事ではなく、国家権威の保守にある。
自らの基盤であり存在理由である自国の暗部は、基本的に暴かない。
国家に世界規模の後ろ盾があり、その盾が黒ければ尚の事。


もっとも、この世界の警察組織は後ろ盾の色すら理解していないが。


オリバ「♪〜」


オリバは口笛を吹きながらシャツに着替えたあと
ブリーフケースを持ってその場から立ち去り、街の人混みに消えた。





_______________________________

午後6時13分
ネルフ本部:職員用個人宿舎


プシュ



バキ「フゥーー・・・」スタスタ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


ボフッ



バキは部屋に入るなり自分のベッドに飛び込んだ。

久しぶりの運動らしい運動。
久しぶりの闘いらしい闘いを味わえた彼は、程よい疲労と奇妙な懐かしさに満たされ、若干の眠気を感じていた。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボフ・・・

アスカは何も言わずに自分のベッドに腰掛けた。
彼女の視線は、ベッドに寝転んだバキの横顔に向けられている。


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


シンジも自分に宛がわれたベッドに腰を降ろした。
落ち着かないのか、気まずそうに視線を泳がせている。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
95 :赤いイヤーカフ :2011/10/13(木) 22:41:22.41 ID:RWKdiV9R0
サフッ・・・


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


綾波がベッドに座った時、バキはこの場の空気に気付いた。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



重い・・・

というより苦しい。


威圧感や圧迫感ではないのだが、どこと無く居づらい。


バキ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;)


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


誰も一言も喋らない。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜〜〜〜ッッ;」


バキはこの空気を変えようと色々話題を考えたが、何も言わない方が良いのかもと思い直し、言葉を飲み込み喉を閉じた。
アスカの目覚まし時計からのクロック音が、やけにうるさく聞こえる。

バキは自分の呼吸すらも意識し始めた。

ベッドに寝転がっているというのに、全くリラックス出来ていない。




アスカ「バキ。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



不意にアスカが声を発した。




アスカ「それとシンジ。」

シンジ「・・・・・・・・・なに?・・・;」

アスカ「ご飯作りなさいよ・・・お腹空いたわ。」






バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」





96 :赤いイヤーカフ :2011/10/13(木) 23:45:06.36 ID:kmnrpHrQ0
6分後。



アスカ「いただきます。」


バキ・シンジ「いただきます。;」

綾波「・・・いただきます・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モグモグ・・・


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モグ・・・


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」モニュモニュ・・・




料理中、シンジとバキは会話を交わしていない。
二人が料理を作り終えるまでの時間、アスカはベッドに寝そべったまま何も言わずに天井を眺め、綾波は台所に立つバキに視線を送っていた。


やはり四人の間に会話は無かった。





アスカ「・・・・・・・・・シンジ。」


シンジ「!・・・・・・なに?;」


アスカ「食べないのソレ・・・」モグモグ・・・


シンジ「えっ?・・・・・・・・・いや・・・その、食欲・・・無いから・・・・・・;」


アスカ「フーン・・・・・・」モグモグ・・・


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」モニュモニュ・・・











アスカ「あーじれったい!! もぉーダメ! もーイヤ!」

バキ「ッッッッ!!;;」モニュッッ

綾波・シンジ「!;」ピクッ


アスカ「もう遠慮なんてナシで行くわよ!!;」クワッ

97 :赤いイヤーカフ :2011/10/18(火) 14:23:34.53 ID:W5oFWAKM0
バキ(えッ!? チョッッ!;;)

アスカ「これからアタシが聞く事に、アンタは正直に答えなさい! わかったわね!;」

バキ「・・・・・・・・・ッッ;;」

アスカ「分かったかって聞いてんの! 分かったか!;」クワッ

バキ「は・・・ハイ。;;」

アスカ「オーケーじゃあ聞くわ! アンタってなんなの!;」

バキ「は?;」

アスカ「とぼけないでよ! 頂点とか言われてたじゃない!」

バキ「うん・・・;;」

アスカ「話しなさい!;」

バキ「・・・・・・何を・・・;;」
     アスカ「経緯よ!;」

バキ「・・・・・・・・・;;」

アスカ「あと何の頂点になったかも話してもらうわよ! 大体想像つくけどね!!;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」





怒鳴るようにしてアスカが繰り出した問いに対し、彼女の勢いに気圧されたバキはつい「答える」という意志表示をしてしまった。

アスカは緊張感漂う部屋の空気に自分が飲まれないために、わざと大声を張っていたのだが、この大声がバキに対して思わぬ効果を発揮した。

もっとも、アスカ本人はその事に気付いていない。

今、彼女はそれどころではなかった。
自分が発した怒声に驚き、緊張を破って全てを言い切った直後の気まずさに冷や汗を流し、アスカは顔を隠してこの場から走り去りたい程の気恥ずかしさを感じていた。

しかも、そこはかとなく「これはタブーだ」とチルドレン全員が察していた[バキの強さの由来]についても、遠巻きに言及している。

精神衛生上、物事を察するにも限度という物があるが、流石にこれは・・・




バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



バキは話す以外に道は無いものかと考えを巡らせたが、アスカが話さざるを得ない雰囲気を作ってしまった以上、彼の考えつく策もやはり[話す]しかなかっった。

話すのならば、細かい部分を自然な流れで省略し、必ず発生する矛盾を、指摘される事無くやり過ごさなければならない。

バキは、最近忘れがちだった時間旅行の事実を改めて意識した。
ここは2015年。2001年ではない。




バキ「ワカった・・・・・・・・・ゴメン。今まで言わなくて・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・ただ隠すつもりはなかった。シンジと綾波には言ってあったし、ミサトさんもこの事を知ってる・・・・・・・・・惣流さんにもいつか話すつもりだった・・・これは分かってほしい。;」

アスカ「フン! どーせ言ったらアタシがヘコむからとか思ってたんでしょ。」

バキ「ッッッ・・・・・・・・・;」


アスカ「悪いけど・・・アタシこんな事でヘコまないから。アンタみたいな体力しか取り柄が無いヤツとは違うわ。」
98 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/10/18(火) 18:19:30.98 ID:LGgeLh180
バキ(えッ!? チョッッ!;;)

アスカ「これからアタシが聞く事に、アンタは正直に答えなさい! わかったわね!;」

バキ「・・・・・・・・・ッッ;;」

アスカ「分かったかって聞いてんの! 分かったか!;」クワッ

バキ「は・・・ハイ。;;」

アスカ「オーケーじゃあ聞くわ! アンタってなんなの!;」

バキ「は?;」

アスカ「とぼけないでよ! 頂点とか言われてたじゃない!」

バキ「うん・・・;;」

アスカ「話しなさい!;」

バキ「・・・・・・何を・・・;;」
     アスカ「経緯よ!;」

バキ「・・・・・・・・・;;」

アスカ「あと何の頂点になったかも話してもらうわよ! 大体想像つくけどね!!;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」





怒鳴るようにしてアスカが繰り出した問いに対し、彼女の勢いに気圧されたバキはつい「答える」という意志表示をしてしまった。

アスカは緊張感漂う部屋の空気に自分が飲まれないために、わざと大声を張っていたのだが、この大声がバキに対して思わぬ効果を発揮した。

もっとも、アスカ本人はその事に気付いていない。

今、彼女はそれどころではなかった。
自分が発した怒声に驚き、緊張を破って全てを言い切った直後の気まずさに冷や汗を流し、アスカは顔を隠してこの場から走り去りたい程の気恥ずかしさを感じていた。

しかも、そこはかとなく「これはタブーだ」とチルドレン全員が察していた[バキの強さの由来]についても、遠巻きに言及している。

精神衛生上、物事を察するにも限度という物があるが、流石にこれは・・・




バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



バキは話す以外に道は無いものかと考えを巡らせたが、アスカが話さざるを得ない雰囲気を作ってしまった以上、彼の考えつく策もやはり[話す]しかなかった。

話すのならば、細かい部分を自然な流れで省略し、必ず発生する矛盾を、指摘される事無くやり過ごさなければならない。

バキは、最近忘れがちだった時間旅行の事実を改めて意識した。

ここは2015年。2001年ではない。



バキ「ワカった・・・・・・・・・ゴメン。今まで言わなくて・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・ただ隠すつもりはなかった。シンジと綾波には言ってあったし、ミサトさんもこの事を知ってる・・・・・・・・・惣流さんにもいつか話すつもりだった・・・これは分かってほしい。;」

アスカ「フン! どーせ言ったらアタシがヘコむからとか思ってたんでしょ。」

バキ「ッッッ・・・・・・・・・;」


アスカ「悪いけど・・・アタシこんな事でヘコまないから。アンタみたいな体力しか取り柄が無いヤツとは違うわ。」
99 :赤いイヤーカフ :2011/10/19(水) 01:02:33.20 ID:Vy9LgBD40
バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ハハ・・・

アスカ「前置きはもう終わりよ。さっさと話して。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」






やはり話すしかない。
避けに避け続けた状況が遂に来てしまった。

バキは、自分が14才の少年である事を前提に話を組み立てた。
実年齢は二十歳だが、そんな事を三人に言える訳は無い。






バキ「ワカった・・・・・・言うよ・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



バキ「・・・公式な記録は無いんだけど・・・・・・昔、ちょっとした・・・・・・イヤ、度外れた大会があってね・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「少しオカシイ話だけど・・・・・・・・・それはいわゆる本物の[最強]を決める大会だった・・・・・・」

アスカ「は?・・・・・・;」


バキ「『刃物無し』・・・『鈍器無し』・・・『銃器無し』・・・『時間制限無し』・・・・・・『金的・目潰し・鼓膜破り・喉への打撃等の禁じ手有り』・・・」

アスカ「!?;;」

シンジ「えっ・・・;」

綾波「・・・!・・・・・・・・・」


バキ「更には『事故による殺し有り』の・・・」


シンジ「!!?ッッ;;」

綾波「!?;」

アスカ「!!??ッッッ;;;」

バキ「生粋の負けず嫌い達が集まった空前絶後の大・・・・・・・・・ン?・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/21(金) 12:49:08.46 ID:Wucx24N80
考えたらバキは母親を殺されたんだよな
きっついな
101 :赤いイヤーカフ :2011/10/23(日) 02:34:31.52 ID:GFVxSlzu0

急にアスカが喋らなくなった。
ついさっき迄の勢いは完全に消えた。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;」


というより固まった。
シンジも。そして綾波も同様に。

バキは質問の嵐を不安視してたのだが、その不安は杞憂だったようだ。

バキはとりあえず話を続ける。
チルドレン三人の変化には気付いていない。
昔話の嘘と真実の帳尻合わせに全神経を尖らせ、余裕が無いのだ。


バキ「まぁ・・・・・・・・・・・・そーゆう大会があってね・・・・・・花山さんとか烈さんとか・・・というより此処に在籍中の闘士全員が出場した。」


バキ「もちろんお互い・・・じゃなくて全員でバチバチやり合ったさ・・・・・・・・・手加減無しの真剣勝負を・・・多様なライバル達と共にね・・・・・・・・・・・・まァ・・・シンジと綾波はミサトさんからいくらか聞いてたっけな・・・・・・惣流さんには初めて・・・じゃないか。渋川さんの事は前に話したか。;」ハハ・・・



バキ「?・・・・・・・・・アレ?・・・;」





バキはようやく気付いた。


場の雰囲気が、話をする前よりも悪くなっている事に。




102 :赤いイヤーカフ :2011/10/23(日) 02:37:02.98 ID:GFVxSlzu0
アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



話し初めて一分と経過せずに、初っ端から衝撃的情報がバキを除く三人の頭に叩き込まれた。

その情報は、それ以降にバキが話した情報の密度が、薄く思える程強力だった。

シンジは前にバキが話した・・・・・・いや、烈の経営する飲食店でミサトがばらした[大会]の内容については、公式な場で行われた安全で良識ある武術の大会だろうと認識していた。

花山が相手選手の背骨を粉砕した事も、渋川がジャックに完膚無き迄にぶちのめされた事も、レフェリーや審査員に何か手違いがあって起きた不幸な事故であり、大会自体は至極健全な物だったのだろうと。



たがその認識は全くの不適切、不適当。
この大会のルールは決して健全な物ではなかった。

[事故による殺し有り]

このルールが意味する事は、暗黙の了解どころでは無い。

殺しが起きる事が前提のルールであり
事が起きた時に使用される免罪符でもある。


そして、バキを含む様々なタイプの強き漢達には殺人が出来る。

殺人が可能な身体能力を身につけている。
殺人が可能なブッ飛んだ精神を宿している。


シンジ・アスカ「!!!ッッッ;;;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


そしてそこまで考えが及べば、その先の考えも芋づる式に浮かぶというもの。

この恐るべきルールを把握していて、しかもそのルールを使用する状況を[作り出せる]実力をバキは持っている。





バキは人を殺しているかもしれない。



そう思うのが普通だ。
バキが何事もなさ気に流暢に話すのなら尚更の事。



バキ「あ〜〜〜・・・・・・・・・どったの?・・・;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|||;;;;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あのさ・・・・・・きっと皆誤解してると思うんだけど・・・;;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


バキ「・・・オレ殺ってないよ?・・・・・・;;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|||;;;;」


バキ「イヤ・・・マジな話・・・・・・;;」




103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 00:39:27.42 ID:3F+Q72Rco
肉食獣の「怖くないよww」PRは逆効果だよね
104 :赤いイヤーカフ :2011/10/24(月) 18:16:02.77 ID:Ui1GXBdJ0
バキ「アレだよホラ・・・・・・説明文の最後に冗談付けるみたいな・・・・・アレさ・・・アメリカンジョーク的なヤツ。;」ハハ・・・


アスカ・シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


バキ「死者は出てないよ・・・・・・一人も・・・;;」




バキは早くも嘘を付いた。

死者は出ている。
選手生命を絶たれたという意味での死者も数に含めれば、死者は10名に上るはずだ。


絶命・・・・・・文字通り命を落としたのは2名。


ジャガッタ・シャーマン
脊髄分断、肋骨・恥骨・鎖骨破砕、多臓器破裂を負い
病院に担ぎ込まれ院内でショック死。

天内裕
肩甲骨・鎖骨・頭蓋骨粉砕、心臓・肺破裂、脳挫傷により即死。


両者ともに人生の最期を最悪の形で迎えている。

手を下したのが己の父親である以上、バキは何が何でも言うわけにはいかなかった。

嘘を貫き通さなければならない。




バキ「信じられないのは分かるけど・・・コレはホントなんだよ・・・・・・・・・・・・第一殺人事件が起きたらさ・・・あるだろ?新聞に載るとか・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・ぅ・・・・・・うん・・・;」

バキ「だろッ? なァシンジ。;」

シンジ「ぇ・・・・・・・・・うん・・・まぁ・・・・・・;;」

バキ「それが載ってないんだから、ね?;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

バキ「何も無かったんだよ。確かに怪我人は・・・;」
アスカ「あのさ。;;」

バキ「!;;」

アスカ「・・・ウソじゃないっていう証拠はどこにあんのよ。;;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」



105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/24(月) 18:42:11.49 ID:IP7ihdNAo
よかった稲城は助かったんだ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/24(月) 21:52:53.71 ID:bLjBkRobo
オーガを止めようと数人で掛かってボロボロにされた人たちも
バキが優勝した後はみんな立って笑顔で拍手してたほどだし余程絶対的なの以外死なないでしょww
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 23:12:50.71 ID:jkEorT0no
天内は作者が死亡明言してたけど…
やっぱりジャガッタさんもジャガってしまっていたんだな。
108 :赤いイヤーカフ :2011/10/25(火) 00:54:31.75 ID:pCsLGBtd0
アスカ「黙ったって事は・・・無いって事よね・・・・・・;;;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」ゴクリ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」




しばしの沈黙が流れる。

照明からの微細な振動音すらうるさく聞こえる。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」



集中に全く向かないこの重苦し過ぎる空間で
バキの戦闘特化な頭が、器用な嘘を思い付くハズも無く・・・






バキ「ああ・・・・・・無いよ。証拠は。;;;」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


バキ「俺が人を殺してない証拠も、他の皆が他人を屠っていない証拠も無い・・・・・・・・・だけど信じて欲しい。;;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



バキ「オレは誰も殺しちゃいない。;」





109 :赤いイヤーカフ :2011/10/26(水) 01:36:18.60 ID:8je0/VRy0
バキ「花山さんや烈さん・・・・・・他の皆も誰ひとり殺してない。;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


バキ「無論、コレも証拠に欠ける・・・・・・・・・嘘に決まってると言い倒されたらそれまでの、不確か極まりない物だ・・・・・・・・・・・・けど・・・そんなものでも・・・;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



バキ「信じてくれないかい?・・・・・・;」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」












アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかったわよ・・・・・・・・・;」






バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ホッ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



ガタッ・・・


バキ「!;;」



アスカが席を立った。

食事の席から離れて台所に向かい
冷蔵庫を開けて中から炭酸ジュースを一本取り出すと・・・

ゴトン      ガタ・・・

そのジュースを自分の食事近くに置き、再び席についた。


バキ「・・・・・・?・・・・・・・・・・・・・・・;;」


アスカ「今日はもうアレコレ聞かないわ・・・・・・;」プシッ


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」クッ


110 :赤いイヤーカフ :2011/10/28(金) 12:39:40.83 ID:TjM4yPsK0
午後7時
ジオフロント発着リニアトレイン=地上入口


ピリリリリッ


加持「・・・・・・・・・・・・」


地上入口の改札を抜けた加持は、着信音を発した携帯電話をズボンの右ポケットから取り出した。

コール音は一回。
通話ではなくメールのようだ。


加持「あぁ・・・やっぱりアンタか・・・・・・」



携帯の液晶に映るは、メール受信一件とオリバの文字。

加持はメールを開いた。




『諜報部の活動が荒っぽくなってきた。
 Mr.花山に破片を渡し、隠すように言ってくれ。
 返信は無用。やり取りが過ぎると傍受される。 』




加持(色々とどうも・・・・・・)パチン



携帯を閉じた加持の顔には、若干の疲労の色が伺える。

自分達への本格的追い込みが始まったという事は、ゼーレ、もしくはネルフ。あるいはその両方に自分がトリプルスパイである事、もしくはビスケットオリバの存在がバレた事を指す。



加持(以外に遅かったな・・・・・・・・・ま、あの人相手だし、当然か・・・)



加持(これからは政府への報告は無理かな・・・・・・・・・)







加持(・・・・・・銃の手入れもしといた方がいいかなぁ・・・)







111 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/10/28(金) 23:31:08.01 ID:G2Oxdp/o0
午後7時
ジオフロント発着リニアトレイン=地上入口


ピリリリリッ


加持「・・・・・・・・・・・・」


地上入口の改札を抜けた加持は、着信音を発した携帯電話をズボンの右ポケットから取り出した。

コール音は一回。
通話ではなくメールのようだ。


加持「あぁ・・・やっぱりアンタか・・・・・・」



携帯の液晶に映るは、メール受信一件とオリバの文字。

加持はメールを開いた。




『諜報部の活動が荒っぽくなってきた。
 Mr.花山に破片を渡し、隠すように言ってくれ。
 返信は無用。やり取りが過ぎると傍受される。 』




加持(色々とどうも・・・・・・)パチン



携帯を閉じた加持の顔には、若干の疲労の色が伺える。

自分達への本格的追い込みが始まったという事は、ゼーレ、もしくはネルフ。あるいはその両方に自分がトリプルスパイである事、もしくはビスケットオリバの存在がバレた事を指す。



加持(意外に遅かったな・・・・・・・・・ま、あの人相手だし、当然か・・・)



加持(これからは政府への報告は無理かな・・・・・・・・・)







加持(・・・・・・銃の手入れもしといた方がいいかなぁ・・・)







112 :赤いイヤーカフ :2011/10/29(土) 00:28:37.50 ID:1qNzua9a0
午後7時45分
コンフォートマンション:花山宅


ピーンポーン


花山「!」



夜の7時に、チャイムが訪問者を知らせる。


タイムトラベルの前だろうが後だろうが花山という漢は夜の訪問者に多少の警戒心を抱く。
怯えるのではなく、脅かしてやろうという闘争心が、微細ながらも芽生えてしまう。

いわゆる職業病だ。安全安泰に暮らす裏の人間など居るはずがない。ましてや此処は謎に満ちた未来世界で、今の自分は何かに巻き込まれている。

警戒しないという考えには何のメリットも無い。



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズシ・・・ ズシ・・・


花山は玄関まで歩き、誰だとも聞かずにドアを開けた。



加持「よっ。ん? 上のスーツはどうしたんだい?」

花山「・・・代えだ。」

加持「ふ〜ん・・・・・・下は白で、上は縦縞のスーツ・・・・・・まるでヤーさんみたいな格好だな。というより、アンタは元々ヤクザにしか見えないか。」ハハ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「いきなりで悪いんだけど・・・・・・・・・ちょっと上がっていいかな?」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



加持「渡す物があるんだ。」



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」












113 :赤いイヤーカフ :2011/10/31(月) 23:00:14.06 ID:Bwoy1a3g0
加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





リビングに敷かれた座布団に花山と加持は座っている。

コト・・・

向かい合う二人の間のちゃぶ台に加持が持ってきた[何か]が置かれた。


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


その脈打つ肉色の物体は、オレンジ色をした半透明の樹脂のような物で固められている。

この奇妙な物体が一体何なのか、花山には大体想像がついている。




加持「俺が前に・・・と言ってもかなり前ですが、アンタに『話は後だ』って言った事がありますよね。」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「あの時にコレの話をしようと思ってたんですよ・・・・・・・・・・・・当然、リッちゃんと葛城が居ない場所でね。」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




加持「コレはアンタがちぎった使徒の欠片だ。」



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「コアがある本体から切り離されて随分経ったから、今は使徒反応すら発せられないぐらい弱ってる・・・・・・それでもまだ生きてる所を見る限り、コイツは他の使徒と比べてより死ににくいらしい。」


花山「コイツをオレに渡してどうする。」


加持「それは俺がわざわざ言わなくても良い事だろ。」フフ・・・


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「アンタからコレをもぎ取れる奴なんて、ネルフ諜報部にはいない・・・・・・アンチェインはそう踏んで俺を遣いによこしたんだ。」


花山「四六時中持ってろってのか。」


加持「冷蔵庫にでも入れとけばいいさ。諜報部が活発になったのなら、もうそろそろ彼の友達が動くらしいから。」


花山「オレら以外にもいんのか。」


加持「らしい。」





114 :赤いイヤーカフ :2011/10/31(月) 23:10:22.50 ID:zMTntom+0
加持「それじゃそうゆう事だから、あとは頼んだ。」


花山「ワカった。」


加持「じゃあな。」スタスタ・・・



プシュ   シュッ






花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





























花山(めんどくさ〜〜・・・・・・・・・)フハー


















115 :赤いイヤーカフ :2011/11/01(火) 20:34:35.99 ID:8ohHnZqu0
午後7時5分
第三新東京市:コンフォートマンション周辺



加持(これで指令の持ってる使徒は、欠損が治るまでの間は何もされないな・・・・・・・・・計画の要は常に万全の状態にしておきたいだろうし・・・)スタスタ・・・


加持(さてとレコーダーは・・・)ガサ・・・

カチッ

加持はズボンの左ポケットからレコーダーを取り出し、イヤホンを耳に嵌め、録音内容を確認するため再生ボタンを押した。

目的はさっきの話しの中身を再確認する事では無い。







ガ-------ー---------------


加持「!」


ガ------------ー-------------・・・


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



レコーダーが再生したのは、会話ではなくノイズ音だった。

録音したはずの音声は全く形を留めていなかった。


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フッ



ネルフ上層部の面々に知れ渡っている情報がある。



ネルフに勤務する特定の人物から
時折ではあるが有り得ないエネルギー反応が、極微弱に確認出来る事。

それはアンチA・T・フィールド反応である事。

それは周辺のあらゆる電子機器を破壊する物であり、使徒とエヴァが使用出来るA・T・フィールドの防御力を、唯一凌駕する物である事。



情報社会の上層階級から情報を盗み、その情報を元に真実を見極める事が、加持が己に定めた生き方であり、過去に起こした悲劇に対する贖罪の手段である。

・・・であるならば、加持がこの事を知らない訳が無い。






加持(何者なんだ・・・・・・アンタらは・・・・・・;)フフ・・・






加持は、第一に好奇心、次に不安と恐怖と若干の期待を覚えた。





サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/02(水) 02:15:13.73 ID:BJaEva0DO
117 :赤いイヤーカフ :2011/11/02(水) 23:38:15.02 ID:DEp8AYJ+0
午後7時32分
ネルフ本部:A−2作戦会議室



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






書類が山と積まれた事務机の上、ミサトは書類群に頭を埋めるようにして突っ伏していた。

彼女の今の姿勢は、仕事が過ぎて鬱憤と疲労を溜め、憂さ晴らしにバーで馬鹿飲みし酔い潰れたサラリーマンのように滑稽で、尚且つ悲壮だ。





ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





彼女の右手には、漢達に関する情報が記載された紙の束。

左手にはネルフ内の何処で調達したのか、酒瓶が握られている。






ミサト「なんなのよ・・・アンタらって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






一人愚痴る。

文句の聞き手はいない。




ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」









ミサトの意識は現実から離れ、疲労と睡魔に流されていった。






118 :赤いイヤーカフ :2011/11/06(日) 03:02:20.99 ID:3i4uF/Dt0
午後8時12分
ネルフ本部:研究棟執務室


バサッ



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フー・・・





書類をやや荒く事務机に置き
リツコは椅子に寄り掛かったままタバコを吹かした。


長時間の情報処理作業と頭脳労働に一旦の区切りを付け、ひとまずの休息をとる事にしたのである。

エヴァの新兵装の建造は万事順調。

ピクルの居場所は捕捉済み。

綾波レイへの定期検査にはまだ時間がある。

烈の義足と克巳の義手に吸着させる人工皮膚も
今のところ問題無く成長している。

新たに実施する予定の実験の準備にも抜かりは無く、碇ゲンドウを除くその他諸々の役員への、巧に操作した情報の報告も怠っていない。


プシュ


リツコの耳に自動ドアの動作音が届く。
入室して来たのは鎬紅葉だった。

リツコは椅子に座ったまま振り向かない。



リツコ「何か用?」


振り向かぬまま紅葉に尋ねる。




紅葉「いえ特には・・・・・・帰る前に、一言お声をお掛けした方がよろしいかと思いまして・・・」


リツコ「そう・・・お疲れ様。」


そう言いながら
リツコはタバコの吸い殻を灰皿に押し付け、ぐりぐりとすり潰す。


紅葉「お先に失礼します。」



紅葉が退室しようと踵を返した瞬間。


リツコ「鎬君。」

紅葉「!」ピクッ



リツコは紅葉を呼び止めた。

119 :赤いイヤーカフ :2011/11/06(日) 09:46:07.83 ID:9SWo/CCt0
紅葉「なんでしょうか。」



紅葉は再びリツコの背を見た。

リツコは依然、紅葉に背を向けたまま。




リツコ「貴方に聞きたい事があるのだけど・・・少し時間良いかしら。」


紅葉「聞きたい事?・・・・・・・・・何ですか?」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キィ・・・



リツコは椅子を回して紅葉と向き合った。





リツコ「何故彼の事を、皆ピクルと呼ぶのかしら。」



紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ「貴方は私と一緒に彼を調査し、知ろうとした科学者だから彼の事を[塩漬]と呼ぶのは分かるわ・・・・・・彼の呼び名の意味を把握しているのは、研究部に所属している職員だけだから。」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「葛城一尉の報告によるとバキ君・・・・・・初めて会った時から既に、彼の事をピクルと呼んでたそうね。」


紅葉「!」


リツコ「しかも『昔からの知り合いみたいだった』とも・・・・・・この報告書に書いてあるわ。」パサッ

リツコの膝にノートが置かれた。



リツコ「花山さんとジャックさんと独歩さんは、彼の名前を聞いて大層驚いたみたいじゃない?」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「本当の事を話してもらえないかしら。」






120 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/11/06(日) 09:48:58.35 ID:NciwVFa00
紅葉「なんでしょうか。」



紅葉は再びリツコの居る方を見た。

リツコは依然、紅葉に背を向けたまま。




リツコ「貴方に聞きたい事があるのだけど・・・少し時間良いかしら。」


紅葉「聞きたい事?・・・・・・・・・何ですか?」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キィ・・・



リツコは椅子を回して紅葉と向き合った。





リツコ「何故彼の事を、皆ピクルと呼ぶのかしら。」



紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ「貴方は私と一緒に彼を調査し、知ろうとした科学者だから彼の事を[塩漬]と呼ぶのは分かるわ・・・・・・彼の呼び名の意味を把握しているのは、研究部に所属している職員だけだから。」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「葛城一尉の報告によるとバキ君・・・・・・初めて会った時から既に、彼の事をピクルと呼んでたそうね。」


紅葉「!」


リツコ「しかも『昔からの知り合いみたいだった』とも・・・・・・この報告書に書いてあるわ。」パサッ

リツコの膝にノートが置かれた。



リツコ「花山さんとジャックさんと独歩さんは、彼の名前を聞いて大層驚いたみたいじゃない?」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「本当の事を話してもらえないかしら。」






121 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/11/06(日) 19:18:26.26 ID:rtSnUciE0
>>120
リツコさんリテイクです。
あぁ進まねぇ。
122 :赤いイヤーカフ :2011/11/06(日) 19:20:02.34 ID:9SWo/CCt0
紅葉「なんでしょうか。」



紅葉は再びリツコの背を見た。

リツコは依然、紅葉に背を向けたまま。




リツコ「貴方に聞きたい事があるのだけど・・・少し時間良いかしら。」


紅葉「聞きたい事?・・・・・・・・・何ですか?」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キィ・・・



リツコは椅子を回して紅葉と向き合った。





リツコ「何故彼の事を、皆ピクルと呼ぶのかしら。」



紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ「貴方は私と一緒に彼を調査し、知ろうとした科学者だから彼の事を[塩漬]と呼ぶのは分かるわ・・・・・・彼の呼び名の意味を把握しているのは、研究部に所属している職員だけだから。」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「葛城一尉の報告によるとバキ君・・・・・・初めて会った時から既に、彼の事をピクルと呼んでたそうね。」


紅葉「!」


リツコ「しかも『昔からの知り合いみたいだった』とも・・・・・・この報告書に書いてあるわ。」パサッ

組まれたリツコの膝にノートが置かれた。



リツコ「ジャックさんと独歩さんは、彼の名前を聞いて大層驚いてたみたいじゃない?」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




リツコ「本当の事を話してもらえないかしら。」






123 :赤いイヤーカフ :2011/11/07(月) 00:56:48.01 ID:nYgwqQXv0
紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フ・・・




苗字で呼ばれた時に異変に気付くべきだった。

気付いた所でどうしようも無いが
少なくとも何がしかの心の準備が出来たはずだ。


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



だが、もう遅い。

彼女の呼び止めを流さなかった時点で既に・・・


しかし、惚ける事は出来る。





紅葉「赤木博士・・・・・・博士は『アルバート・ペイン氏』を知っていますか?」


リツコ「?・・・何の話?」

紅葉「有名人ですよ。」ハハ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



紅葉は賭けに出た。

自分の世界でのピクル発掘が2001年半ば。
セカンドインパクト発生が201年末の出来事ならば、セカンドインパクト発生前の数ヶ月は、この世界のアルバート博士も生きていたはず。
ピクルも発掘されている可能性があるはず。

あくまで都合良く考えればの話だが。





リツコ「ああ、彼ね・・・・・・・・・・・・ノーベル賞・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ホッ・・・


リツコ「候補だったわね。」


紅葉「!?ッッ;;」






124 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/11/07(月) 01:01:57.38 ID:TFmCHMRd0
紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フ・・・




苗字で呼ばれた時に異変に気付くべきだった。

気付いた所でどうしようも無いが
少なくとも何がしかの心の準備が出来たはずだ。


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



だが、もう遅い。

彼女の呼び止めを流さなかった時点で既に・・・


しかし、惚ける事は出来る。





紅葉「赤木博士・・・・・・博士は『アルバート・ペイン氏』を知っていますか?」


リツコ「?・・・何の話?」

紅葉「有名人ですよ。」ハハ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



紅葉は賭けに出た。

自分の世界でのピクル発掘が2001年半ば。
セカンドインパクト発生が2001年末の出来事ならば、セカンドインパクト発生前の数ヶ月は、この世界のアルバート博士も生きていたはず。
ピクルも発掘されている可能性があるはず。

あくまで都合良く考えればの話だが。





リツコ「ああ、彼ね・・・・・・・・・・・・ノーベル賞・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ホッ・・・


リツコ「候補だったわね。」


紅葉「!?ッッ;;」






125 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/11/07(月) 01:02:02.35 ID:Qpb8Oibd0
紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フ・・・




苗字で呼ばれた時に異変に気付くべきだった。

気付いた所でどうしようも無いが
少なくとも何がしかの心の準備が出来たはずだ。


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



だが、もう遅い。

彼女の呼び止めを流さなかった時点で既に・・・


しかし、惚ける事は出来る。





紅葉「赤木博士・・・・・・博士は『アルバート・ペイン氏』を知っていますか?」


リツコ「?・・・何の話?」

紅葉「有名人ですよ。」ハハ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



紅葉は賭けに出た。

自分の世界でのピクル発掘が2001年半ば。
セカンドインパクト発生が2001年末の出来事ならば、セカンドインパクト発生前の数ヶ月は、この世界のアルバート博士も生きていたはず。
ピクルも発掘されている可能性があるはず。

あくまで都合良く考えればの話だが。





リツコ「ああ、彼ね・・・・・・・・・・・・ノーベル賞・・・」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ホッ・・・


リツコ「候補だったわね。」


紅葉「!?ッッ;;」






126 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/11/07(月) 01:08:33.51 ID:7afLfmtM0
ミス連投失礼。
とりあえず寝ます。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/07(月) 08:45:24.14 ID:282rsJ4go
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/07(月) 19:57:03.30 ID:+vaS+EHDO
乙!! こりゃ面白いな。まさか刃牙でSFを読めるとは思わなかったw
129 :赤いイヤーカフ :2011/11/13(日) 17:32:34.11 ID:hylZ36NB0
リツコ「で、彼が何?」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」






紅葉は賭けに負けた。



研究中に何か事故が発生したのか。
ピクルが行方を眩ましてしまい、世紀の大発見であるという事を証明出来なくなってしまったのか。
それとも違う運命だからか。理由は定かではない。

アルバート・ペイン博士はノーベル賞を受賞していなかった。

紅葉はリツコの考え違いも視野に入れて
再度思考を立て直してみたが、やはり導き出される答えは同じだった。
科学の権化の如き彼女が、ノーベル賞を受賞した優秀な科学者の名を、記憶に留めないはずは無い。

ペイン博士の功績を忘れる道理は無い。





紅葉「ハハ・・・・・・;」

リツコ「・・・?」


紅葉「まさか本当にご存知無いとは・・・驚きでした。」クス・・・

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



見切り発射であると思いながらも、紅葉は力押しに出た。
かつて行ったカルテ操作のように自由自在では無いというのに。





紅葉「ペイン氏が何処からかピクル君を発見したのですよ。」


リツコ「!?」

紅葉「当時のピクル君は大変やんちゃ者でしてね。遊び相手がいないと退屈してしまって、周りの物につい色々とちょっかいを。」

リツコ「ちょっかい?・・・・・・それは一体どういう意味?」

紅葉「挑発です。」

リツコ「挑発・・・?」


紅葉「彼にとっての遊びは闘いです。」


リツコ「たっ・・・;」

紅葉「彼にとっての闘いは『狩り』です・・・・・・遊びで相手を補食したりはしません。」

リツコ「!?・・・な、何を言ってるの?;」


130 :赤いイヤーカフ :2011/11/13(日) 18:49:55.87 ID:sXynJ71o0
紅葉「バキ君や花山氏・・・・・・私達が、彼を既に知っていたワケについて言っています。」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・まさか・・・;」


紅葉「ええそうです。我々はピクル君と闘いました。己に燻る闘争心を満足させるついでに、ピクル君にも充実した時間を提供する為に。」

リツコ「・・・・・・・・・つまり・・・貴方達から挑んだって事・・・?;」

紅葉「そうです。その結果が克巳氏と烈氏に表れていますでしょう。」

リツコ「!!ッッ;;」


紅葉「ノーベル賞を逃すワケですよ。」ハハハ


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フフ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




紅葉「それでは、お疲れ様でした。」


リツコ「! え・・・ええ。;;」

紅葉「失礼します。」



スタスタ・・・  プシュ   シュ



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

















紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」フゥ〜・・・




131 :赤いイヤーカフ :2011/11/17(木) 07:45:33.97 ID:zrCMO6Tf0
紅葉(話の迫力で押し切ってしまったが・・・・・・;)



紅葉(説明を色々省略して無事に終了・・・・・・;)



紅葉(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)







紅葉(・・・ではないッ。;)








−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

午後9時10分
ネルフ本部:職員用個人宿舎


ベッドの上、シンジは天井を眺めながら寝そべっている。
ボーっとしているというより、何かを一心に考えているように見える。

アスカは自分のベッドに腹ばいで寝そべっている。
頬杖を付きながら携帯をいじる彼女は、さも退屈げに両足を動かす。

ゆっくりとばたつかせてみたり。たまに組んでみたり。

暇そうに振る舞っている。


綾波は何もしていない。

つい先程までは、訓練用改造プラグスーツの損傷の有無を確認したり、目覚まし時計をセットし直したりと、明日の為の準備をしていたのだが
この様子から察するに、やる事はもう全て終わったようだ。

今はただ自身のベッドに腰掛け、シンジの横顔を見つめている。



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スー・・・スー・・・


バキは早くも布団に包まり、小さく寝息を立てている。

激闘の後、日の入り前に鍛練を再開する程の体力は、今のバキには無い。

それに鍛練する為の場所が無い。
この部屋を汗と血で汚す訳にはいかないのだから。

やる事が無く、しかも眠いのなら、寝るだけ。

第一今日は、バキにとってある意味訓練以上に疲れる事があった。

鍛えてるとは言え疲労には負けるし、こうゆう時は負けた方がいい。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




バキは寝ている。


132 :赤いイヤーカフ :2011/11/20(日) 01:09:34.89 ID:SAdTvbgX0
アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」チラ・・・



アスカは横目でバキの寝顔を見る。


起きる気配はまだ無い。

深く静かな寝息は乱れていない。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



平静を装う事をこのまま続けるべきか、アスカは迷った。

シンジと綾波に今の複雑な気持ちを話して、どうにかなる問題では無いのは、アスカ自身理解している。
[きっと二人ともアタシと同じく悩んでる]
そう思っているから。






アスカ(どんな顔して、アンタと顔合わせればいいのよ・・・・・・これから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)






切ないような、淡い焦燥感。

謎への好奇心を凌駕する遠慮の心と、あるか無いか解らない失敗に怯える心が、はけ口無くアスカの中に漂っている。

今まで築き上げた物を、今日壊してしまったような。

そんな感覚。



ただの気にしすぎなら気楽に明日を迎えれるのだが・・・














−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

午後10時00分
ネルフ本部:指令執務室



ゲンドウ「報告を始めろ。」


黒服「はい。」


冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




ゲンドウの命令を受けた黒服は、厚さ3センチ程のファイルから一枚の報告書を抜き取り、それを音読し始めた。


133 :赤いイヤーカフ :2011/11/20(日) 12:59:13.73 ID:n0pr1ybx0
報告の内容は至極単純であり、明解だった。

想像力に頼らない。
尾鰭や不足が一切無い。
報告としては、まさに完璧な物だった。


黒服「以上です・・・;」



しかしその肝心の内容は、諜報部にとっては辛い物だった。

失態と被害、犠牲者を大量に産出したのだから。






冬月「つまり・・・彼らとその謎の男の状況を、把握仕切れないという事か?;」



黒服「はい・・・・・・申し訳ありません。;」


冬月「監視が上手くいっているのが、烈海王とジャック・ハンマーだけだったとは・・・;」


黒服「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


ゲンドウ「謎の男が出現した当初から、現在に到るまでの諜報部員の総死者数は。」


黒服「・・・165名が死亡しました・・・・・・・・・諜報部構成員の、約半数です。;」


冬月「破壊された機材は幾つかね。」


黒服「主な被害は、設置型の盗聴機302個。携帯型盗聴機50個。短銃134丁が破壊、31丁が行方不明。電波ジャミングが、判明してるだけで少なくとも109機・・・」

冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

黒服「モニターが318台。ライフルが25丁。機銃が43丁。専用車両89台。ヘリコプター12機・・・以上です;」


冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


黒服「破壊手段は・・・・・・・・・素手のみと思われます・・・;」


冬月「やはり素手か・・・;」


ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


134 :赤いイヤーカフ :2011/11/20(日) 22:03:04.45 ID:Z8TuKi0L0
ゲンドウ「分かった。下がれ。」


黒服「失礼します。;」




黒服はゲンドウと冬月に向け敬礼をした後、執務室から退室した。







冬月「これ以上の調査は無駄だと思うのだが。」


ゲンドウ「ああ。」


冬月「謎の男以外の調査対象・・・ネルフに所属している[彼ら]が死傷者を出していないのが、せめてもの救いだよ。;」


ゲンドウ「謎の男への調査を中止する様、ゼーレに働き掛けねばならん。」


冬月「彼らが了承するとは思えんよ。最悪のシナリオを想定しているはずなのだからな・・・・・・・・・・・・謎の男の正体が、万が一にも[オーガ]だった場合、調査の放棄は、彼らの滅びを意味する事になる。」


ゲンドウ「ならばどちらにしろ中止だ。」


冬月「?・・・・・・どういう事だ。」


ゲンドウ「奴はもうこの世に無い。」


冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ゲンドウ「死者が蘇る事は無い。」








135 :赤いイヤーカフ :2011/11/20(日) 22:12:02.92 ID:LXhmb1E00
冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


冬月「今のお前からそんな言葉が聞けるとは思わなかったよ。」

ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




冬月(そう割り切れていたのなら、私もお前もこうはならなかったろうに・・・)

















136 :赤いイヤーカフ :2011/11/21(月) 01:05:18.48 ID:q3Q91Ssx0
「おとうさん・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







応えは返って来ない。

彼女の父親は、遠くの人だかりの中心に居る。

声が聞こえていない。届いていないのだ。


「おとうさん!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




叫んでも応えが来ない。

聞こえているはずなのに、顔すら向けてくれない。

代わりに父親の友人と称する男が来て・・・


「ごめんね。今、君のおとうさんは僕らとお仕事をしてるから、君とは遊べないんだ。邪魔しちゃいけないから、向こうに行こっか。」


と言って、彼女の手を引き、彼女をその場から更に遠ざけた。






違う。



遊んでほしくなんかない。


もっと見てほしい。

もっと接してほしい。

家族らしい温もりがほしい。
研究なんてどうでもいい。
必要としてほしい。
愛情がほしい。




彼女は南極という場所が嫌いになった。


身も心も凍てつくから。

他人の心が、まるで流氷のように冷たく、ゆっくりと過ぎ去ってゆくような物に、置き換えられて感じられるから。




「なんで来てくれないの?」





137 :赤いイヤーカフ :2011/11/23(水) 23:34:18.39 ID:9Wqe9DNk0
「それは君のおとうさんが、僕らのリーダーだからだよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「リーダーは忙しいんだ。」


「なんでリーダーなの?」

「とにかくそうなってるのさ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「おとうさんと遊ぶのは、おとうさんの仕事が終わってからにしよう。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





仕事が終わってからという言葉も、彼女は嫌いだった。

「仕事が終わってから」と父親に言われ続けて二日が経ち、十日が経ち、一ヶ月が経ち、半年が経ち、そして一年以上が経過した。

二年・・・もしかしたら三年以上経っているかもしれない。


仕事なんて終わらないのだ。

家庭が終わっても、仕事に終わりは無いのだ。




がぶっ



「痛っ!」

「おとうさん!」タッ

「あっ、待て!」


ガシッ


「この・・・・・・来なさいっ!」グイッ

「いやぁ!はなしてぇ!」

「駄目だ! 言うこと聞かないと・・・」

ゴスッ

「うっ!」


脛を蹴られた男は、又しても彼女を逃がした。

少女は再び父親の元へと走り出す。



「?」




少女の父親が、ようやく少女に気付いた。

138 :赤いイヤーカフ :2011/11/24(木) 00:06:07.63 ID:J7gF1B7J0

タッ





少女の足が止まった。

父親の胸に飛び込まんとする程の勢いで走っていた彼女は、今は父親の眼前で息を切らせるばかりで、一向に歩を進めない。


「とうしたんだミサト。何か見つけたのかい?」



目の前の父親に名前を呼ばれても、幼い葛城ミサトは返事をせず、ただただ父親を睨む。

複雑で訳が分からないが、暗い事だけは確かな感情。
それがミサトの中に渦を巻いていた。



「黙ってちゃ分からないよ。言いたい事はちゃんと言ってくれないか。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・なぁミサト。おとうさんの友達が、ミサトのせいで皆迷惑してるんだ。後で遊んであげるから、今は我慢し・・・」

タッ

「あっ・・・」


タッタッタッタッタッタッ・・・








ミサトは父親から離れた。




苛々したから。

やっぱり家庭より仕事だったから。

悲しかったから。

自分はいらない子だったから。





そして逃げたのかもしれない。



父親と向き合う事から。



139 :赤いイヤーカフ :2011/11/24(木) 12:25:18.76 ID:t3VCc8dR0
極寒の海の上に浮かぶ、調査用と言うには余りに重武装な船。

その船の甲板の上を、ミサトは走る。

少しでも遠くに行きたかった。

辛い現実と向き合わない場所へ。
向き合う必要が無い場所へ。

そんな場所はあるはず無いと、本当は分かっておきながら。



甲板の端・・・船の先端部まで走ったミサトは、冷えた手で顔を覆い、しゃがみ込んでしまった。

肩を震わせて嗚咽を漏らす少女に、手を差し延べる者は居ない。皆遠巻きに眺めるだけ。








ギ  ャ  ド  ッ  ッ  ッ  !  !  !  !





ミサト「!?;」ビクッ








突然、凄まじい大轟音が鳴り響いた。





140 :赤いイヤーカフ :2011/11/24(木) 22:52:21.18 ID:dPo8vF4Y0
ミサトは反射的に顔を上げた。

音の発信源は船の遥か後方。
護衛艦隊が配置されている方角だ。

四〜五秒の静寂の後、ミサトを見ていた何人かの研究員、見ていなかった多くの研究員の挙動が急に慌ただしくなる。
彼等は何事かを叫びながら、ある者は船の二階へ、ある者は船の司令塔へ、ある者は銃を構えてミサトの視界から一斉に散っていく。

「?・・・・・・・・・・・・・・・?・・・?・・・・・・;」

何が起きたのか全く把握出来ないミサトは、手の甲で涙を拭いた。

「お嬢ちゃん! こっちこっち!;;」

年配の男性研究員が、焦った様子でミサトを手招きする。
ミサトは訳が分からぬまま研究員の元へ。


「お嬢ちゃん、葛城隊長の娘さんだろ!?;」

「えっ・・・・・・;」

「そうなんだよな!;;」
「ぇ・・・・は、はい。;」

「よかった。君のお父さんの所へ行こう。走るよ! 良いね!?;;」

「はい。;」


ダッ


年配の職員はミサトを抱えて走った。
素早く流れ行く周囲の景色に、ミサトは眼を凝らす。

銃を持った研究員を誘導する人。
両手一杯に資料を抱え込んで、右往左往する人。
無線片手に大声を上げている人。

特にミサトの視線を引き付けるのは[泣き叫ぶ人]だった。


もう終わりだ。この船は沈む。

生きては帰れない。


そんな事を言っていたような気がした。








「 邪 ッ ッ ッ ! ! ! ! 」






何処かの誰かの怒声と共に。



ゴ    ウ   ッ   !   !   !   !   !   !




ミサトの頭上を戦艦が跳んだ。




141 :赤いイヤーカフ :2011/11/24(木) 23:46:01.58 ID:y6Zf7yC00
現実感がまるで湧かなかった。


後部が大きく大破した、空を飛ぶ戦艦からの水しぶきを全身に被っても尚。

その戦艦から無数の人影が飛散する瞬間を、瞬きせずに目撃しても尚。


絶望的沈黙が、騒然としていた船を支配。

騒ぐ者はもう居ない。


彼等には、もはや震える事しか出来ない。





ザ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・




調査船の前方に、戦艦が墜落もとい着水した。

巨大な壁の如き高波が墜落した船を包み、ミサトの乗る船に迫る。



「ああ・・・・・・なんて事だ・・・・・・・・・・・・;;;」



ミサトを抱える職員が嗚咽混じりに呟く。

この船に乗る八割以上の人間の運命が
今この瞬間に理不尽極まりなく決済され、仕分けられる。

抗う事はほぼ不可能。


「・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;;」ギュッ




ド   ォ   !   !   !   !   !






高波がミサトの乗る調査船に到達。
大量の冷たい海水と氷河が乗組員を襲う。

ミサトを強く抱えた年配の職員は、高波の流れに身を任せるしかなかった。
回避も防護も予防も沈静も出来ない、どうしようもない現象に立ち会った時、取るべき手段はこれしか無い。

他に取りようが無い。


高波が到達した瞬間、調査船は阿鼻叫喚の嵐に包まれたが、それも数秒で聞こえなくなり、代わりに滝の奔流のような騒音が調査船を駆け巡った。

ミサトを抱える職員は意を決した。



[せめてこの子だけでも助けなければ。]




142 :赤いイヤーカフ 訂正版 :2011/11/25(金) 01:09:56.96 ID:EBOGi88B0
現実感がまるで湧かなかった。


後部が大きく大破した、空を飛ぶ戦艦からの水しぶきを全身に被っても尚。

その戦艦から無数の人影が飛散する瞬間を、瞬きせずに目撃しても尚。


絶望的沈黙が、騒然としていた船を支配。

騒ぐ者はもう居ない。


彼等には、もはや震える事しか出来ない。





ザ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・




調査船の前方に、戦艦が墜落もとい着水した。

巨大な壁の如き高波が墜落した船を包み、ミサトの乗る船に迫る。



「ああ・・・・・・なんて事だ・・・・・・・・・・・・;;;」



ミサトを抱える職員が嗚咽混じりに呟く。

この船に乗る八割以上の人間の運命が
今この瞬間に理不尽極まりなく決済され、仕分けられる。

抗う事はほぼ不可能。


「・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;;」ギュッ




ド   ォ   !   !   !   !   !






高波がミサトの乗る調査船に到達。
大量の冷たい海水と流氷が乗組員を襲う。

ミサトを強く抱えた年配の職員は、高波の流れに身を任せるしかなかった。
回避も防護も予防も沈静も出来ない、どうしようもない現象に立ち会った時、取るべき手段はこれしか無い。

他に取りようが無い。


高波が到達した瞬間、調査船は阿鼻叫喚の嵐に包まれたが、それも数秒で聞こえなくなり、代わりに滝の奔流のような騒音が調査船を駆け巡った。

ミサトを抱える職員は意を決した。


[せめてこの子だけでも助けなければ。]




143 :赤いイヤーカフ :2011/11/25(金) 17:36:22.83 ID:fWjjZANe0
胸が張り裂けそうなくらい冷たい海水。

急激に戻ってきた現実感。

波に飲まれ、揉みしだかれ、失われる平行感覚。

恐怖と寒さで開けられない瞼。


混乱の極みに達した彼女の頭の中に、今までの経験が凝縮された映像が流れる。

楽しかった過去も、辛かった現在も、消える。



ガボッ


何かを着せられた。

と、感じる暇も無く。

ブワッ

ミサトの体は浮上を開始。
海面が近づく。


ザバァッ

「ぷはっっ!;;;」



救命胴衣の生み出す浮翌力が、ミサトの命を繋いだ。

ミサトを抱きしめていた研究員は消えていた。


自分という重りから切り離されれば、浮上のスピードと向きが安定。

少女は助かる。


そう踏んでの決行だったのだろう。



ミサト「おとうさん!;;;」


少女は父親の名前を呼ぶ。
だが、彼女の声は荒波に瞬時に掻き消された。


ミサト「おとうさん!!!;;;」


彼女は堪らず叫んだ。

騒音と孤独が彼女の心を締め付ける。



ギ ュ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ オ・・・

ミサト「!!;;;」ビクッ



ミサトの頭上を複数の戦闘機が通過した。

編隊を組んだそれらは、転覆し、沈みゆく調査船の進行方向へと飛び去ってゆく。
ミサトは寒さで歯をカチカチ鳴らしながら、急速に縮む飛行編隊を見つめた。


144 :赤いイヤーカフ [sage]:2011/11/25(金) 17:39:13.20 ID:rBrvYhz40
変なフィルター入った。すまぬ。
145 :赤いイヤーカフ [saga]:2011/11/25(金) 17:39:45.53 ID:yCb6JTqZ0
胸が張り裂けそうなくらい冷たい海水。

急激に戻ってきた現実感。

波に飲まれ、揉みしだかれ、失われる平行感覚。

恐怖と寒さで開けられない瞼。


混乱の極みに達した彼女の頭の中に、今までの経験が凝縮された映像が流れる。

楽しかった過去も、辛かった現在も、消える。



ガボッ


何かを着せられた。

と、感じる暇も無く。

ブワッ

ミサトの体は浮上を開始。
海面が近づく。


ザバァッ

「ぷはっっ!;;;」



救命胴衣の生み出す浮力が、ミサトの命を繋いだ。

ミサトを抱きしめていた研究員は消えていた。


自分という重りから切り離されれば、浮上のスピードと向きが安定。

少女は助かる。


そう踏んでの決行だったのだろう。



ミサト「おとうさん!;;;」


少女は父親の名前を呼ぶ。
だが、彼女の声は荒波に瞬時に掻き消された。


ミサト「おとうさん!!!;;;」


彼女は堪らず叫んだ。

騒音と孤独が彼女の心を締め付ける。



ギ ュ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ オ・・・

ミサト「!!;;;」ビクッ



ミサトの頭上を複数の戦闘機が通過した。

編隊を組んだそれらは、転覆し、沈みゆく調査船の進行方向へと飛び去ってゆく。
ミサトは寒さで歯をカチカチ鳴らしながら、急速に縮む飛行編隊を見つめた。


146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 23:45:48.31 ID:bKPcvV+3o
割り込んで申し訳ないけど訂正文はいらない

読んでてテンポ悪く感じる
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/25(金) 23:51:01.69 ID:HJ6QifPIo
つーか訂正しすぎ
ちゃんとあげる前に確認してるかどうか疑問だわ
148 :赤いイヤーカフ :2011/11/26(土) 03:04:27.73 ID:gey/+p+K0
     

              ミサト!・・・





ミサト「?;;;」



何処かからか人の声が聞こえた。
波に遮られて濁り、語尾が掻き消えたが、確かに「ミサト」と言っていた。

父親だろうか。父親の友人だろうか。
ミサトは寒さで刻々と麻痺していく手足を、水中で必死にばたつかせる。

泳いで声の主を捜しに行く事は出来ない。
極寒の荒波と水飛沫の中、狂乱寸前の精神状態と、限界間近の体力では、浮かび続ける事以外何も出来ないのだ。


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


もはや父親すら呼べない。
叫んだ途端、辛うじて保たれていた心の平行が
その瞬間一気に粉と砕けてしまいそうだった。






「ミサト!;;」

ミサト「!!;;;」ビクッ



不意に名前を呼ばれた。

声の主は近い。



「ミサト!! 大丈夫か!? 聞こえてるか!?;;」



真後ろからの声は、父親の物だった。



ミサト「あっ・・・うっあっ・・・;;;」



下顎にまで達した冷気による感覚の麻痺が、舌の動きを阻害する。
手足の感覚は、筋力と同様に既に無い。

方向転換が難しくなっていたミサトは、苦しげに声を捻り出すしか出来なかった。



「ちょっと待ってろよ! 今暖かくなるからな!!;;;」



父親の近くにはカプセル状の脱出装置のような物が浮いていた。
此処まで引っ張って来たらしい。

脱出装置の一つは既に大破しており、海水に中まで浸かっている。
もう一つは健在だが、二人の人間が入れる程、大きくはなかった。

149 :赤いイヤーカフ :2011/11/26(土) 04:09:12.37 ID:Qw8I406L0
父親はミサトを抱えて泳ぎ、ミサトを小さい脱出装置に入れ、自身は半壊した脱出装置に入った。

小さい脱出装置は機材や資料を収納する為の物であり
本来ならば人を入れるべき物ではない。

しかし皮肉な事に、無機物を収納する脱出装置の方が、人間を収納する脱出装置より頑丈かつ浮きやすい作りだったのだ。


その理由をミサトの父親は知っている。

だからこそ、この状況でこの脱出装置を選んだのだ。


回収される可能性を、少しでも上げる為に。






ガ ヒ ュ ウ ゥ ゥ・・・






編隊が飛んで行った方角から形容し難い音が響き、それと共にオレンジ色の淡い輝きが姿を現した。

その輝きは、何故か早くから暗くなり始めた空と相俟って、まるで日の出の様に美しかったが、ミサトの眼には別の、何か恐ろしい物であるかのように映った。


「やはり無理だったか・・・・・・;;;」



父親は静かに呟いた。


ミサトには、その呟きの意味が分からなかった。





ザブン




彼は折角出た海に再び飛び込むと、すぐ近くのミサトの元へと泳いだ。


泳ぎ着くや否や、彼は小さい脱出装置の収納口から、弱々しく顔を出すミサトの両頬に手を添えて・・・


「これからお父さんが渡す物は、決してなくしちゃいけない大切な物だ。絶対なくしちゃいけないよ。分かったね。;;;」


と言った。


そして彼女に、十字架の形をした小さな首飾りを渡した。






150 :赤いイヤーカフ :2011/11/26(土) 11:41:17.77 ID:WqTbqDzu0

       ドォン・・・



遥か後方から爆発音が聞こえる。
それは一発だけでは無く、何発も、何十発も連続して聞こえる。

別の音も混じっている。

空気を揺るがす地響きのような重低音だ。




シ ュ ゴ ァ ッ ッ ! ! !




ミサト達の頭上、遥か上空を何かが通り過ぎた。

それに続く様にして、何発もの高速飛行する物体が、轟音を上げながら輝きのある方向へと突進していく。

高速飛行する物体の幾つかは、白い光と白い煙を引き連れている。
それらは一分間の間、空を音で埋め尽くした。


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・



日の出のような輝きが崩れる。

その直後に白い噴煙が爆発的に広がり、崩れゆく輝きを完全に隠した。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」






噴煙に覆われた方角を、ミサトの父親は一心に見つめていた。


睨んでいたと言っても良い。








ド    グ    ァ    ッ    ッ   !   !   !



「!?;;;」



予想外の方向からまたしても爆発音。

発信源は遥か後方。ただし音の質が違う。

複数の物体がほぼ同時に爆発したようなその音は、ミサトの父親の焦燥を掻き立てた。


彼は自分の娘が入っている脱出装置越しに、爆発音の正体を確認した。



151 :赤いイヤーカフ :2011/11/26(土) 16:12:07.14 ID:U5dcTRcW0

異様な光景だった。




遥か後方に待機していた十数隻の戦艦。
それらの姿が全く見当たらないのだ。


代わりにあるのは、黒煙を濛々と立ち上らせる、十数本の縦に長い黒い塊。
しかも一つ一つがかなり大きい。

黒いラグビーボールが、尖んがりを上にして水に浮かんでいるような、例えるにしても不自然な形。






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」











彼は静かに悟った。






艦隊は全滅したのだと。






助かる道は。


希望は。





完全に潰えたのだと。













152 :赤いイヤーカフ :2011/11/26(土) 21:42:13.52 ID:++hVfEuD0
ガッ


彼は脱出装置のスライドドアに手を掛けた。

ミサトは段々朦朧としていく意識の中、ぼやけた視界で己の父親の姿を捉えている。



「ミサト。;;;」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


「今から父さんはこのドアを閉める。ドアが閉まったら頭を守って静かにしてるんだぞ。わかったな?。;;;」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」コクッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」







「ミサト・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


「おまえは生きるんだ。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おとうさん・・・・・・・・・;;」




「母さんを頼む。」





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」








153 :赤いイヤーカフ :2011/11/27(日) 10:56:56.47 ID:sDqvfAyi0
助かる道は確かに潰えた。
だが、潰えたのはミサトの助かる道ではない。

脱出装置が彼女を守る。


コ  オ  オ  オ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ・・・



噴煙の中から輝きが復活し、ミサトとミサトの父親を照らす。

背中から照らされた父親の顔が、逆光で見えなくなった。





ズ  ン ! !



「!!;;;」

「!・・・・・・;;」




ミサトの父親が入っていた、半壊し、機能を失った脱出装置の上。

一人の漢が舞い降りた。


漢は黒装束を身に纏い、赤黒い髪を波打たせている。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





その漢は楽しげに笑っていた。


力及ばずに命を落とした研究員達。軍人達。
そしてこれから更なる苦難を受けるであろうミサトと、その父親。


それらを嘲笑っているかのようだった。






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」






ミサトの父親はその漢を睨みつけ、漢と対峙した。






それが父親の最後の姿だった。


154 :赤いイヤーカフ :2011/11/27(日) 11:23:18.25 ID:sDqvfAyi0
ミサト「はっ!;;」ガバッ


グラッ


ミサト「!!;;」

ガシャン!











ミサト「つっ・・・いってて・・・・・・;」ムクッ




ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キョロ・・・






事務机の上には山積みの資料と六本の酒瓶。

床には倒れた椅子と、何枚かの紙。
恐らくは資料だろう。






ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




















ミサト(随分昔の事思い出すのね・・・・・・。)















155 :赤いイヤーカフ :2011/11/28(月) 02:45:31.33 ID:oW3UMvJS0
作戦決行まで残り6日
朝9時00分 ネルフ本部:徒手格闘訓練場


アスカ「野外訓練?」


烈「不服か?」

アスカ「ふっ・・・不服も何も、何で外でやんなきゃいけないんですか?」

バキ(ああ・・・・・・アレするんだ・・・・・・)フフ・・・

克巳「ン〜・・・・・・一ツは此処がボロボロになったからなんだけど・・・一番の理由は、君らに実戦の空気を味わってもらいたい事かな。」

シンジ・アスカ「!?;」
綾波「!?」

克巳「?」


シンジ「実戦って・・・・・・・・・じゃあ今までのは一体・・・;」

克巳「準備運動だ。」

シンジ「じゅっ・・・・・・;」

アスカ「えっ!!?;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

烈「本来ならば今日・・・・・・今すぐにでも実施したいのだが、葛城氏の許可を未だ得ていない以上、そうもいかぬ。」

克巳「だから今日は話だけして、ミサトさんの許可が出るまで待機っつーコトだ。」ハハ・・・

アスカ「なんですかそれ・・・・・・;」

シンジ「あの・・・;」

克巳「ン?」

シンジ「野外って・・・・詳しい場所を知りたいんですけど。;」

克巳「場所? う〜ん・・・・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ(イヤな予感しかしないんだけど・・・;)

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


克巳「とりあえずはァ〜・・・第三新東京市のォ〜・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


克巳「全域。」ヘラッ


シンジ「ッッ!?;」

アスカ「全域ぃ!?;」

綾波「!?;」

克巳「ああそうだ。市立体育館は勿論の事、電車のホーム。地下鉄のホーム。病院。スーパー。薬局。公園。歩道に車道に歩道橋。全てが戦場に成り得る・・・・・・勿論学校もね。」

アスカ・バキ「はぁッ!? 学校ッ!?;;」

シンジ(学校で・・・・・・;)

アスカ「なっ・・・何よそれどーゆーコトよ! 学校で派手にドンパチやって良いと思ってんの!? 絶対ケガ人出るわよ!!;;」

克巳「冗談だよ。要はそれくらいの緊張感ある・・・」

アスカ「冗談でこんな事言わないでよ!!;;」
156 :赤いイヤーカフ :2011/11/28(月) 22:07:10.39 ID:6FOCCUbD0
克巳「ワリワリ・・・少々悪乗りが過ぎたよ。ハハハ・・・」

アスカ「悪乗りどころじゃないわよ!・・・・・・ったく、ヒヤヒヤさせるわね!;」


シンジ(今までが・・・・・・準備運動・・・?・・・・・・・・・;)


克巳「イヤぁ・・・・それにしても惣流さん。」

アスカ「? 何よ。」ジロ・・・

克巳「ムカッ腹立って怒鳴るのは良いんだけど、言葉遣いがワルくなるのはどうにか出来ないのかな?」ジロッ

アスカ「!・・・・・・すっ、すみません。;」

克巳「折角の正論もそれじゃ意味を成さない・・・・・・話を聞いてほしいならそれなりの誠意を示さないとな。」

アスカ「はい・・・;」

克巳(ン?・・・今日は素直だな・・・・・・・・・・・・って・・・無理ないか・・・)


プシュ   シュッ



ミサト「お待たせ〜・・・・・・あー頭痛い・・・;」ズキズキ


克巳「ア、おはようございます。」

ミサト「おはよ〜・・・」トボトボ・・・

克巳「風邪ですか? 顔色悪いですよ。」

ミサト「あぁ・・・ちょっと二日酔いみたいなのよね。」ハァ・・・

克巳「二日酔い?」


烈「・・・まさか・・・・・・昨日の訓練と何か関係がッ。;」


ミサト「無いわよそんなの・・・・・・・・・・・・・・・いや、ごめん、やっぱりあるわ。;」

烈「申し訳ないッッ;」

ミサト「い、いいのよ別に・・・・・・アタシが勝手に飲んだくれただけだし、貴方達が気に病むことじゃないわよ。;」ハハ・・・

烈「ぬぅ・・・・・・・・・・・・;」


克巳「ミサトさん。早速で悪いんですが一つお願いを聞いて頂きたいんですけど、良いですかね? 今。」


ミサト「え?・・・ええ、いいわよ。何?」


克巳「それは有り難い。昨日訓練の場所を変えたいと我々が言ったコト、覚えてますか?」

ミサト「ええ覚えてるわ。その事?」

克巳「はい。」
157 :赤いイヤーカフ :2011/11/29(火) 22:56:26.38 ID:YzyLsYeA0
ミサト「・・・もしかしてやりたい場所が決まったとか?」


烈「いかにも。」


ミサト「へぇ〜・・・で何処にしたの?」


克巳「第三新東京市の・・・」

ミサト「・・・・・・・・・」ウンウン

克巳「全域です。」

ミサト「!!?;;」フハッ


克巳「出来ますかねェ・・・・・・」ヘラヘラ


ミサト「で・・・え?・・・・・・ぜ、ぜん・・・・・・・・・・・・・・・・え゙ぇ?;;」


克巳「無理ですかねェ・・・・・・やっぱ。」ヘラヘラ

アスカ「無理に決まってん・・・決まってるじゃないですか。[あの]訓練を街中でやるんですよ? 死人出ますよ;・・・・・・・・・第一、まだ使徒の活動が再開されてないんですから作戦は一時中断中。通常時のミサトさんに街一つ動かす程大きい権限はないはずです。;;」

綾波「・・・活動停止はしてないわ・・・・・・」

アスカ「動いてはいないって意味でs・・・意味よっ///;」

ミサト「ちょっ・・・ちょっと待って。整理させて。 えーっと・・・;;」


克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「(馬鹿げてるわよ・・・こんなの・・・;)」ブツブツ・・・



ミサト「・・・・・・もう一回聞くけど、何処でやるですって?;」

克巳「第三新東京『全域』」

ミサト「ッッ・・・・・・・・・;」

アスカ「絶対無理ですよ。ミサト・・・・・・さん・・・も、そう思うでしょ?;」


ミサト「いや・・・出来る事は出来るわ・・・・・・・作戦終了ってアタシか指令のどちらかが言わない限り、どんな形でも作戦は継続される事になってるから。作戦の一部だと言えば結構無茶できるのよ。;;」

アスカ「ちょっ・・・ミサトまさか・・・;」

ミサト「だからと言って・・・・・・貴方達には悪いけど、街中で昨日みたいな訓練をやろうとは思わないわ。」

克巳「ありゃりゃ・・・」

ミサト「今更だとは思うけど・・・貴方達の戦闘力は余りに強過ぎるのよ。訓練用に加減してるつもりでしょうけど、ここ最近の訓練ではっきり分かったわ。;」

克巳「強過ぎるとは光栄だ。で、何が分かったんです?」

ミサト「惚けてもダメよ。物に対しては本気の破壊力を出せるって考えの持ち主が、街中で格闘訓練して周りの器物を壊さない保証が何処にあるの?;」

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」
158 :赤いイヤーカフ :2011/12/06(火) 18:30:09.42 ID:vKY7D76v0

「ヒミツにしときゃあ良いでしょう。」





ミサト「?」クルッ


烈・克巳「!」

アスカ・バキ「あ!」

シンジ・綾波「!」




独歩「よゥ・・・」スタスタ・・・




烈「ドッポッッッ!」
アスカ・シンジ「!;」ビクッ

バキ「声デケェ〜・・・」ヘラッ


ミサト「いつから此処に居たの?;」

独歩「話が始まるずっと前から。」

克巳「いつ帰ってきたんだい。」

独歩「半日前だ。ちょいとばかし物置ン中で寝てたからよ、服が埃臭くなっちまった。」

克巳「フツウにベンチで寝りゃあ良いだろ。」ハハ・・・

独歩「寒いんだよベンチは・・・・・・何よりケツが冷える。」


バキ「今まで何処に?」


独歩「ヤボ用で東京・・・・・・イヤ、旧東京に出向いていた。」

ミサト「ヤボ用? 用って何?」

独歩「言えないからこそヤボ用と言ってるんですよ。」

ミサト「う・・・;」

独歩「それより葛城さん・・・・・・いきなりで悪いが、今アンタが言った言葉がどうにも気に食わない。」

ミサト「えっ;」

独歩「世界の破滅を防ぎ、人類を平和へと導くみたいな事を堂々と吐かしてる組織が、危険を伴うから訓練しねェっ・・・・・・・・・て・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


独歩「明らかに可笑しい。」ジロッ


ミサト「・・・・・・それは安全面を・・・;」

独歩「街中での訓練は安全性が確保出来ない? 今までのスリリング極まる訓練は安全だったってか?」プッ・・・

ミサト「あっ・・・あれは貴方達が安全な訓練をすると思っ・・・;」

独歩「完璧に安全性を確保した訓練に意味なんてねェだろうよ。」

ミサト「!;」

独歩「あのデカブツ・・・・・・使徒が安全性を確保しながら闘ってくれるんなら話は別だが・・・・・・・・・人類の敵にそれを期待しているワケじゃあるまいし。」

159 :赤いイヤーカフ :2011/12/09(金) 00:33:13.45 ID:y9IHQtdS0
独歩「それにだ・・・・・・・・・・・・アンタは今までの一連の訓練を危険だと言ってるが、此処でやってる事ァ欠伸が出るくらい安全な代物だぜ?」

ミサト「!?;」

独歩「今はどうか把握しかねる・・・・・・・・・が、刃物は無いし鈍器も無い。地形及び天候の変化による影響も無し。おまけに加勢の心配も皆無の過保護な戦闘・・・・・・・・・・・・ホンモノの敵を想定の範囲外に置いた暖かい物だったハズだ。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

独歩「葛城さん・・・言っとくが、今までの訓練は基礎をおっ建てる事が目的だ・・・・・・・・・拳足を避け得る眼と、回避を可能とするための筋力。反撃の気概。攻撃の積極性。更にはそれらを稼動させ続ける為の持久力。コレ無しに格闘は語れねェ。」


独歩「真にスリリングな訓練はこれからなんだよ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


シンジ・アスカ・綾波
   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




独歩「さて、と・・・・・・・・・ここでスーパードッポちゃんから提案を一つ。」

アスカ「スっ・・・・え?;」


独歩「前田光世方式と行こうじゃねェか。」


バキ「!ッッ;」

烈・克巳「!・・・・・・ッッ;」



ミサト「前田・・・・・・光世?・・・・・・」



烈(やる気かッッ・・・あのルールを再びッ・・・・・・・・・子供相手にッッ;)

克巳「親父ッ;」

独歩「ン?」

克巳「こういうのはもうちょっと・・・・・・;」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


独歩「・・・なんだい・・・・・・コイツをやるんじゃなかったのか・・・」フフ・・・



独歩「まァ良いか。時期が来たと思えばいい・・・・・・・・・残る訓練期間も一桁切っちまった事だしよォ。」ザッ


ミサト「!;」

独歩「あばよ。」スタスタ・・・

ミサト「あっ・・・ちょっと待っ・・・」


プシュ    シュッ




ミサト「何よ・・・・・・前田光世方式って・・・;」


160 :赤いイヤーカフ :2011/12/10(土) 23:53:12.14 ID:zB4iIFdp0
ミサト「何?;」

克巳「ん〜〜〜〜〜・・・・・・より実戦的な訓練法・・・・・・;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳「みたいな・・・・・・感じ?;」ヘラッ

ミサト「・・・・よくわかんないわね。;」

烈「訓練に導入するというのなら、詳しい説明は控えた方が宜しいかと。」

克巳「って事なんで・・・」ハハ・・・

ミサト「導入しようなんて思ってないわ。第一アタシは反対寄りよ。;」

克巳「反対寄りかぁ・・・・・・・・・ミサトさん。親父には逆らわない方が良いですよ。ロクな目に遭いませんから。」

ミサト「・・・・・・それってどうゆう事?;」

克巳「あの人が空手道神心会に所属していたってコト、ミサトさんはもう知ってますよね?」

ミサト「ええ知ってるわよ。;」

克巳「この際言いますがウチの親父、神心会の創立者なんですよ。」

ミサト「〜〜〜〜ッッッッ!!?;;」

アスカ「!?;」

克巳「そんな親父が会議でたまに言う口癖が、また恐ろしいモノでして・・・・・・難癖と言っても差し支えない事をさらっと言うんですよ。」ハハハ・・・


克巳「『同じ空手家同士じゃねェか。組手でカタつけようや』・・・ってね。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


克巳「・・・・・・過去に空手やってますよね? ミサトさん。」

ミサト「!?・・・・・・どっ、どうして貴方がそんな事!;;」

克巳「どうしても何もねぇ〜・・・・仕草で一目瞭然なんですよ。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|||;;」


克巳「間違いなく親父の対象『内』です。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


克巳「拝めてしまいますよ・・・・・・・・・・・・神の拳・・・・・・」フフ・・・


ミサト「・・・・・・アタシを脅してるの?;;」


克巳「脅すなんてトンデモない。俺は心の底から貴女の事を思って言ってるんですよ。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


克巳「勿論ミサトさんは親父の上司ですから、一空手家如きどうにでもなるんでしょうけど・・・・・・・・・予想外の事態ってヤツもありますからね。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」








161 :赤いイヤーカフ :2011/12/11(日) 20:18:04.06 ID:5w2JrInI0
朝9時20分
ネルフ本部:研究棟執務室




リツコ「だから了承せざるを得なかった・・・って訳ね。」フー・・・


ミサト「何よもう・・・;」

リツコ「呆れたわ・・・・・・考えれば打開策なんて幾らでも思い付くはずよ? 貴女が乱暴な手に屈するなんて、前例の無い事態じゃない。」

ミサト「前例の無い脅し文句言われたんだから、仕方ないでしょ・・・・・・;」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



リツコ「全く貴女って人は・・・・・・・・・シンジ君達まで帰しちゃって・・・」ハァ・・・

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

リツコ
「訓練でシンジ君達に何かあったらどうするつもりなの? 貴重なパイロットを危険に晒して、処分を受けるのは訓練監督の義務がある貴女なのよ?・・・・・・・・・・・・貴女の代わりは指令が務めれるとして、このままじゃ最悪の場合、主戦力を出撃不能にした状態で使徒を迎える事になるわ。貴女は作戦を投げ出すつもり?」

ミサト「そんな訳ないわよ! でも・・・・・・;」

リツコ「でも?」

ミサト「今までの訓練を認めてたから・・・・・・;」

リツコ「負い目を感じてるって訳ね。」

ミサト「ええ・・・;」


リツコ「・・・・・・繊細になったのは良いけど、今度はナイーブ過ぎよ貴女。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リツコ「彼等が来てから萎んだわね。」ズ・・・

ミサト「アタシにもコーヒー頂戴。」

リツコ「駄目。」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






162 :赤いイヤーカフ :2011/12/12(月) 19:33:48.88 ID:QRLDf9Wj0
午後0時10分
第壱中学校

トウジ「さぁ〜飯やメシぃ♪」

ケンスケ「また焼きそばパンか? 本当トウジは王道だな。」

トウジ「何言うてんねん。今日は只の焼きそばパンやないわ。今日はソースマヨもんじゃや!」



ヒカリ(もう昼休みなんだ・・・・・・)


ヒカリ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)



ヒカリ(今日もアスカ達来ないのかなぁ・・・・・・)



ヒカリ「はぁ・・・」


女子1「今日も来ないねぇ〜・・・」クター

ヒカリ「うん・・・」

女子1「う〜〜・・・友達ほっといて何してんだよぉ〜〜も〜〜」ジタバタ

ヒカリ「痛っ;」

女子1「あっ、ごめん。足当たった。;」


ガラッ


バキ「よォ〜〜・・・」スタスタ・・・



トウジ・ケンスケ「お!?」


シンジ「久しぶり。」ハハ・・・


トウジ「センセらやないか!」


男子1「おっ!」

男子2「!」

男子3「あれ? 惣流さんとかは?」

バキ「そっちかよ。」


アスカ「居るに決まってんでしょ。」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

ヒカリ「!」

女子1「遅いよ来んの! マジ寂しかったんだからね!」ブー

アスカ「うっさいわね! 仕事なんだから仕方ないでしょ! アタシに文句言わないでよ!」

女子2(惣流さんサラリーマンみたい。)

女子1「ぶー!」



163 :赤いイヤーカフ :2011/12/12(月) 21:13:38.54 ID:jLW+TKrq0
アスカ「久しぶりね。ヒカリ。」

ヒカリ「・・・・・・少しは連絡くらいしてくれても良かったのに・・・」

アスカ「! そ、そうね、そうすべきだったわ。でも忙しかっ・・・・・・・・・いや、これじゃ只の言い訳ね。;」

アスカ「次からは気を付けるから。本当にゴメン。」


ヒカリ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キョトン


アスカ「?・・・・・・ヒカリ?」

ヒカリ「アスカ・・・向こうで何かあったの?」

アスカ「へ?」

ヒカリ「あ・・・いや、なんでもないけど・・・」

アスカ「ふーん・・・」


女子1「ちょっとぉ!何でヒカリには言い訳しないでウチにはすんのぉ!? ヒドイじゃんか!」ブー

アスカ「あっ、それもそうね。ゴメン。」

女子1「な、何よいきなり素直に・・・;」


ヒカリ「綾波さんも久しぶり。」


綾波「ええ・・・・・・久しぶり・・・・・・」


ヒカリ「!」

女子1(返した!?)

他の生徒達<ざわ・・・



トウジ「女子っちゅうのはホンマ、ちょっと離れただけで一々挨拶すんなぁ〜・・・・・・めんどくさないか?」モグモグ

シンジ「?・・・別に良いと思うけど・・・」

バキ「トウジは何かと女子を意識するよな。めんどくさくないか?」ニヤ

トウジ「なっ、なんやそれ。」

ケンスケ「確かにそうかも。」ヘラッ


164 :赤いイヤーカフ :2011/12/13(火) 22:27:33.28 ID:9/zUABHI0
同時刻
ネルフ本部:メインホール=窓側通路休憩所


克巳「あのさァ・・・来てたら来てたでさァ・・・・・・隠す事無いだろ。」

独歩「あれなら話が切られずに済むだろう。全部聞いてんだからな。」

克巳「それにしたってアレは・・・・・・」フッ

独歩「元々いたんじゃ色々と責っ付くだろ。特にあのお嬢さんがよ。」

克巳「お嬢さんだけじゃどっちかワカんねェよ。」ハハ・・・

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フッ



克巳「で・・・・・・・・・・・・・・・・・・整理は付いたのかい?」




独歩「・・・オゥ・・・・・・・・・・・・・・」




克巳「どうだった?」




独歩「さら地だよ・・・・・・・・・綺麗さっぱり、一面焼け野原だ。」







克巳「・・・やっぱそうか・・・・・・・・・」








克巳「そうだよな・・・・・・・・・・・・あんなのが来てるくらいだからな・・・」




独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







克巳「地上最強が敗けたんだ・・・・・・そりゃ空手も通じないさ・・・・・・」








165 :赤いイヤーカフ :2011/12/16(金) 07:49:03.62 ID:GPkrIuWA0
午後1時12分
ネルフ本部:メインホール=窓側通路休憩所


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


紅葉「信じられない・・・・・・・・・と、言いたげな顔ですね。」

烈「当然だ。何故赤木博士が我々を探るのか・・・・・・私には理由が皆目分からない。分からぬ物に疑いの意思を向けるのは、人として至極真っ当なハズ。」

紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「博士が我々を探っているという話の根拠・・・・・・是非ともお聞かせ願いたい。」


紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




紅葉「彼女の使っているPCを覗き身た時に、興味深いモノを発見しましてね・・・」


烈「覗き見とは感心せぬ・・・・・・・・・・・・・・・して、その興味深い物とは。」

紅葉「そこには我々の行動の、イヤーカフが妨害していない時の全てが記されていました。」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

紅葉「安心してください。今、この状況では、私のイヤーカフが妨害をしてくれているハズです。今は監視されていません。」

烈「・・・・・・妥当だ。」

紅葉「?」

烈「集団に所属している者達を管理する事も、集団を率いる長の務め・・・・・・ならば何の不自然も無い。」

紅葉「・・・・・・・・・・・・」

烈「考え過ぎに思えます・・・・・・少なくとも私には。」

紅葉「烈さん。」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

紅葉「・・・赤木博士におかしな質問をされた経験は?」

烈「?・・・何の話か・・・・・・」

紅葉「何でも良いです。思い出してみてください。」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・あるには有る・・・・・・」


紅葉「その質問の内容は?」


烈「!ッッ;」


紅葉「ようやく気付かれましたか。」フッ・・・

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;;」


紅葉「つまりは、そういう事です。」クス・・・


166 :赤いイヤーカフ :2011/12/17(土) 20:54:30.06 ID:g6sksYz20
烈(何故・・・・・・・・・;;)ギリ・・・


紅葉「ちなみにその質問、内容はどういったモノだったのでしょうか。」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



紅葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」





紅葉「言いたくない・・・ですか・・・・・・・・・」ハァ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


紅葉「仕方ありません・・・・・・今日はここまでという事で・・・」ガタッ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」






紅葉「あ、そうそう。」ピタッ


烈「!;;」



紅葉「貴方の耳には何故か無い、我々を要所要所で助けてきたイヤーカフ・・・・・・・・・これが全面的な我々の味方だとは思わない方が良い。」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


紅葉「もっとも、離れられない以上、あからさまな敵対状態も有り得ませんが・・・」スタスタ・・・




烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」








167 :赤いイヤーカフ :2011/12/19(月) 21:08:42.02 ID:SaRl6CpW0
午後3時50分
第壱中学校


担任教師「それじゃ洞木さん、挨拶を。」

ヒカリ「はい。きりーつ。」


ガタガタガタ・・・


ヒカリ「気をつけ。」

ワサワサッ

ヒカリ「礼。」

ササッ


担任教師「はい、お疲れ様でした。」ペコッ



ガヤガヤガヤガヤ・・・



トウジ「かぁー終わったー!」グググ・・・

バキ(流石に授業中は来ないか・・・・・・;)フゥー


バキ(窓からバッシャーンッッ・・・・・・・・・・・・なんてな・・・)フフ・・・


シンジ「はぁ・・・・大分勉強遅れてたからキツいよ・・・;」

トウジ「長いコトいんかったからなぁ・・・しゃあないしゃあない。」

ケンスケ「向こうじゃ勉強出来ないのか?」

シンジ「そんな余裕ないよ。訓練だけで一杯一杯って感じ。」

ケンスケ「あぁ・・・・・・まぁ、アレじゃしょうがないよな。」

トウジ「ノート見せれるもんなら見したいんやけどなぁ・・・ワイは逆に見せられる方やからなぁ。スマンのぅ。」

ケンスケ「僕が見せれば良いだけの話だよ。はいよシンジ。」サッ

シンジ「いやいいよ、なんとか追い付けそうだから・・・・・・」

ケンスケ「そう言うなって。訓練大変なんだろ? 人のノート写すぐらい誰だってやってるって。」

トウジ「ワイがその典型や。」ヘラッ

シンジ「う〜ん・・・・・・」

ケンスケ「真面目過ぎるのも考え物だぞ? ホラ。」サッ

シンジ「じゃ、じゃあちょっとだけ借りるよ。」ニコッ

                  女子1<アッ、イカリクンワラッテル///
女子2<キャー!カワイイ-!

男子1「訓練?なんだそりゃ?」

シンジ「えっ・・・何って・・・・・・・・・何処から話せばいいかな。」

トウジ「いいんか?センセ。機密とかにはならへんのか?」

シンジ「多分ならないよ。烈さんと克巳さんはやる気みたいだし。」


男子1「?」

168 :赤いイヤーカフ :2011/12/22(木) 20:51:55.85 ID:gxGkpVTp0
バキ(全域での訓練・・・・・・一足跳びの前田光代方式・・・・・・・・・)

バキ(街中での有段者漁りとか、武者修業とかじゃない・・・・・・)

バキ(いきなりの実戦ッッ;)


バキ(時間が無いにしても早過ぎると思うんだけどな・・・;)






男子1「うへー・・・それは来れないわ。;」


シンジ「詳しい事は僕らも知らされてないけど・・・・・多分、これからもっと厳しくなると思う・・・」

男子1「十分厳しいだろそれ。よく今まで怪我しなかったな。;」

シンジ「僕もそう思う。」ハハ

ケンスケ「なぁシンジ。第三新東京市中で訓練やるのはいいけど、それって市の許可とか要らないのか?」

シンジ「作戦中は無茶出来るってミサトさんが言ってたから、出来ないことは無いんじゃないかな。」

ケンスケ(今って作戦展開中だったのか・・・)


トウジ「そないしても・・・・・・今更やけどあない物騒なコト、中学生相手に街中でやる事ちゃう思うんやけどな。センセもなんか言うたれば良かったやろ。」

シンジ「言えるものなら言いたかったよ。けど、訓練は確かに大事だし・・・・・・・・・それにちょっと・・・なんていうか、怖いし・・・;」ハハ・・・

トウジ「ああそか・・・・・・そやなぁ確かに・・・;」

男子1「そんな怖いの?」

シンジ・アスカ「怖い。」

男子1「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

シンジ「あっ、惣流さん。」




バキ(待てよ・・・・・・・・・もしかして俺もヤルのか?)








169 :赤いイヤーカフ :2011/12/24(土) 22:06:01.05 ID:RDnFxOSt0
午後5時13分
ネルフ本部:職員用大食堂


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



人が疎らな食堂の中、独歩は一人、席に着いて思慮に耽っていた。

内容は言わずもがな訓練にまつわる事。

円形のテーブルに手を乗せ、ただただテーブルの中心を見つめている。


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・」フゥ・・・


ため息をひとつ。



独歩「誰行かせっかな・・・・・・」





同じ相手との訓練は、いつしか慣れを生む。

受ける側と行う側にどれほどの実力差があろうとも慣れる事は可能であり、受ける側の力量が行う側に遠く及ばなくとも、相対する事により発生する緊張感には確実に順応出来る。
極端な話、顔馴染みというだけでも慣れと言えるのだ。


人間を相手に闘う事を前提とするならば、そのままでも良いだろう。

人間を相手に闘うなら、模擬戦もまた人間を相手にすればいいのだから。


しかし、今回の相手は人外。


それも普通一般の生態系を遥かに超越した、極上の戦闘生物[使徒]


虎や熊の持つ牙や爪や怪力とは
全く比較にならぬほど強大な肉弾戦力。

毒物や悪臭などとは決して分類されない
正体不明の神秘の遠距離戦力。


その力は、まさしく[神の領域]


かつて存在した恐竜や巨大昆虫達を無造作に一掃した[天災]と
完全に同じレベルの力を、事もなげに行使するような怪物。

しかもこの怪物は空手と合気を使いこなし、それにまつわる秘技を会得し、恐るべき事に地上最強までも下している。



これを打ち破るには、これまで以上の暴挙が必要なのだ。





独歩「バケモンの相手でもしてもらおうかな。」





ガイア「バケモン?・・・・・・・・・誰の事です?」スタスタ・・・


170 :赤いイヤーカフ :2011/12/25(日) 10:02:12.03 ID:Lnfp6HrM0
独歩「オッ」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・


独歩「・・・アンタ、確か・・・・・・・・・ヒロウチ・・・だったか。」


ガイア「はい。広内です。」

独歩「そうかい・・・・・・・・・・・・・・・で、何かな?」


ガイア「強者が必要らしいですね。」


独歩「簡単に言うんじゃねェ・・・・・・・・・ただ強いんなら俺らだけで十分だ。」

ガイア「では、さっきの言葉は・・・・・・」

独歩「真面目な意味でのバケモンだ。」

ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

独歩「バキの兄貴とでもやらせようかと一時は思ったが、今のアイツは戦力が大きすぎる・・・・・・・・・・・・いつかぶっ殺しちまうぜ。」ククッ

ガイア「つまり、程よい戦力を持つ化け物が必要だと。」

独歩「ンなのが居ればのハナシだが・・・・・・ピクルを除いて。」

ガイア「居ますよ。」

独歩「!」


ガイア「程よい戦力を持つ、飛びっきりの怪物が。」


独歩「何処に。」

ガイア「我々が工面しましょう。」

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ガイア「いつ何処で必要か、言ってもらえるなら向かわせましょう。」

独歩「お前さん・・・・・・」

ガイア「なんでしょうか。」

独歩「コッチ側だろ。」

ガイア「コッチ側? 何のハナシですか?」

独歩「惚けんじゃねェ。文科系ばかりのこの世界で、そんな筋肉質な考えを持ったヤツなんざそこらに居るワケがねェ。ましてや此処は国際機関。ズルしねェ限り危ない頭は入れはしない・・・・・・ウソを付くにしても、もう少し上手くやるとかよ・・・・・・」フフ

ガイア「バレバレですか・・・」ハハ・・・

独歩「バレバレだね・・・・・・・・・・・・ンで、誰が差し向けたんだい。」

ガイア「そうですね・・・・・・ワケあって名前は出せませんが、デカい黒人とだけは言っておきましょう。」

独歩「・・・・・・・・・ああ・・・大体分かったぜ。」

ガイア「コレが私の携帯電話の番号です。」サッ

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ガイア「必要なればすぐにお電話を。」ニヤァ








171 :赤いイヤーカフ :2011/12/27(火) 18:03:10.46 ID:3zxPnI5z0
午後4時10分
コンフォートマンション:ミサト宅


プシュ


シンジ「ただいま〜・・・・・・って、誰も居ないか。」スタスタ・・・

バキ「あ〜懐かしき我が家だ。」スタスタ

アスカ「誰か電気点けなさいよ。暗くて何も見えないじゃない。」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・」パチッ


パッ



加持「よう。」


綾波「?・・・・・・」

バキ・シンジ「!」

アスカ「加持さん!?」

加持「ハハ・・・気付かなかっただろ?」

シンジ「・・・なんでこんな所に居るんですか?」

加持「君らが居ない間の留守番を頼まれたんだ。空き巣にあったら色々と大変だろ?」

シンジ「警備の人が居るから大丈夫だと思うんですけど・・・」

加持「念の為さ。」

シンジ「念の為・・・・・・」

アスカ「居ない間・・・・・・・・・はっ!」


加持「?」

アスカ「ぁ、あの!//」

加持「? どうした?」

アスカ「あの・・・ア、アタシの部屋・・・・・・・・・みっ・・・///」

加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「みっ・・・・・・みみみ見ましたかっ!?////」

加持「まぁ、そりゃあ何があるか知らないとそもそも見張りにならないからな。まぁ・・・色々と・・・」ヘラッ

アスカ「!!!/////」カァアア・・・


バキ「あっそうか。惣流さん毎日パン・・・」
アスカ「きゃー!!!////」バシッ!

バキ「チョッ、おい。;」バシッバシッ

アスカ「きゃー!!きゃー!!きゃー!!!/////;;」バシッバシッ

バキ「そういう時期があったっ・・・;」バシッバシッ

アスカ「きぃやぁーーーっ!!!/////;;」バシッバシッバシッ



加持「・・・この二人って毎日こうなのかい?」

シンジ「えっ・・・・・・い、いや。;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

172 :赤いイヤーカフ :2011/12/28(水) 08:38:15.64 ID:GeBzQPyU0
バキ「たっ、タンマッ。 ストップストップ。;」バシッバシッ

アスカ「アンタホントなに言ってんのよ!!信じらんない!!///;;」ハァハァ

バキ「いやパンツの事はマジ・・・;」

アスカ「だあああああああああああ!!////;;」バシバシバシバシ



加持「・・・コレじゃ退屈しないな。」ヘラッ

シンジ「退屈はしませんけど・・・・・・」

加持「慣れないかい?」

シンジ「まぁ・・・ちょっと騒がしいかなとは思います・・・;」ハハ・・・

加持「中学生はこれくらい元気なのが丁度いいさ・・・・・・・・・・・・シンジ君は今まで、こういうバカ騒ぎをした事はあるかい?」

シンジ「えっ・・・?」

加持「バキ君達やアスカ。それにレイちゃんと出会う前さ・・・・・・・・・こんな風にと迄はいかないにしても、少しはあるだろ?」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「・・・・・・いや、悪い。さっきの質問は忘れてくれ。」

シンジ「えっ?」

加持「さてと、そろそろ夕食にでもしようかな・・・・・・・・・シンジ君、ミサトから聞いたけど料理の腕は天下一品だそうじゃないか。」

シンジ「そんな言われるほどじゃないですよ。」

綾波「碇君・・・」

シンジ「!」ピクッ


綾波「・・・碇君の料理・・・とても美味しいわ・・・・・・」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//」

綾波「本当よ・・・・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///」


加持「良かったなシンジ君。早くもレイちゃんの心を掴んだな。」ハハ

シンジ「かっ、加持さんっ///;」

加持「レイちゃんにここまで言わせる料理。俺も少し興味が出てきたよ。」



アスカ「加持さんの前でよくも言ってくれたわね!!///;」フーフー

バキ「い、いや、ちょっと話題作りにでもってさ。今日一言も喋っ・・・;」

アスカ「うるさいうるさいうるさいっ!!///;」ベチッベチッ

バキ「ちょっ・・・痛いってッ。;」ベチッベチッ

アスカ「痛くないに決まってんでしょ!! ウソ言ってんじゃないわよ!!///;」ベチッベチッ

バキ「加持さんも見てないで助けてくださいよ。;」ベチッベチッ

加持「悪いが夕食があるからね。そういうワケにはいかないな。」ヘラヘラ

バキ「・・・・・・・・・・・・;」ダッ

アスカ「待て!!;」



173 :赤いイヤーカフ :2011/12/28(水) 21:15:42.97 ID:L1STImhi0
隣の部屋



ドタバタ
      マチナサイヨ!

   ドスン       バタン




花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




マテッテイッテルデショ! ブットバスワヨ!?

   ドタドタドタ・・・       ドン





花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・






174 :赤いイヤーカフ :2011/12/28(水) 22:40:29.30 ID:woVdrVF50
ガシッ   ギュウウウウ・・・


バキ「いてててッ 頬はやめろって。;」

アスカ「言ったアンタが悪いのよクソ馬鹿!!;」ギュウウ・・・

加持「まぁまぁアスカ。落ち着きなって。」

アスカ「でっ・・・ですけどコイツアタシの・・・///;」ギュウウ・・・
バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

加持「アスカ。君には悪いけど、俺はもう知ってるんだよ。」ヘラッ


アスカ「へ?・・・・・・・・・・・・何をですか?・・・;」


加持「全部だよ。アスカだけじゃなく、君ら全員の生活習慣をね。」ヘラヘラ

シンジ「・・・・・・・・・って事はあの、つまり・・・」

加持「来たばかりの時だけで今は止めてるみたいだけど、いくら同居人といっても男子の前で下着姿は無いと思うぞ?」ハハ



アスカ「////////;;;」




バキ「固まった・・・・・・」

シンジ「なんで加持さんがそんな事を?・・・;」

加持「葛城の監督日誌に書いてあった事だよ。君達チルドレンに何かあったら大変だからな。君らの毎日の動向をおおまかに記録して、異常が無いか確認するのさ。」

バキ「へェ〜〜・・・・・・」

シンジ(ミサトさんそんな事してたんだ・・・・・・)

加持「今まで知らなかったのか?」

シンジ「知りませんでした。;」

加持「? それは意外だなぁ・・・・・・・・・あいつ部屋に鍵掛けてないだろ? 覗いてみたりとかはしなかったのか?」

シンジ「そっ、そんな・・・出来ませんよそんな事・・・・・・//;」

加持「恥ずかしいかい?」

シンジ「・・・・・・・・・・・・恥ずかしいです・・・・///;」

加持「そんなんじゃ女の子にモテないぞ? 爽やかな中にもちょっとエッチな所を見せるのが、モテる男って物だぞシンジ君。」

シンジ「・・・別にモテたい訳じゃないですよ。;」

加持「はは・・・・・・・・・だな・・・君にはもうレイちゃんが居るしな・・・」ハハハ・・・


加持「さて、と・・・・・・じゃあもうそろそろ夕食作るか。手伝い頼むぞシンジ君。」

シンジ「あっ、はい。」

加持「というかみんな揃ってるんだし、全員で作ろう。」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加持「レイちゃんもどうだい?」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」コクッ

加持「よしっ。アスカも・・・」

アスカ「////////////////;;;」


加持「それどころじゃないか。」ハハハ


175 :赤いイヤーカフ :2011/12/28(水) 23:52:46.33 ID:GeBzQPyU0
午後4時20分
廃団長:E−3マンション=表札無し部屋


ガイア「本当にいいんだな・・・・・・」

オリバ「ン?」


ガイア「本当にいいんだな彼を行かせてもッッッ;;」


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」






オリバ「何か不都合でも・・・」

ガイア「危険だッッッ;;」


オリバ「危険? それはどういうコトかね?」


ガイア「どういうコトも何も無いッッ チルドレン達の身が危ないと言っているんだッッッ;;」

オリバ「そんなハズは無い。彼はミスタージャックやピクルより弱く、カラテマスター愚地より危険な怪物だ。マスター愚地の言う条件にはピッタリな漢だと思わんかね。」

ガイア「愚地独歩の出した条件を満たす事と、チルドレンの安全を保障する事は別問題だッッ・・・・・・;;」

オリバ「マスター愚地の提示した条件を上回る程強くはない彼が、マスター愚地の想定する最悪の状況の更に上を行くはずがないだろう。」

ガイア「結果など貴方にも分からぬはずだッッ;;」


オリバ「なら君にも分からない。」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;」




オリバ「もういいかな? 食事の時間なんだ。」



ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


オリバ「いくら今の私が身動き出来ない身でも、食事を一人で採るぐらいの自由は残されているはずだ。」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


オリバ「See You、OK、バイバイ♪」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ガチャ・・・






バタン


176 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 22:56:35.15 ID:MEOKcdFMo
前スレからの大ファンですが、書き直し訂正は極力しないでください。
177 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 21:34:48.98 ID:DKKwGft3o
レポートとか原稿は印刷してみて始めて気付くミスってのがあるから不思議だよな。

てっきりガイアが出向くと思っていたんだが・・・中国勢かなぁ
178 :赤いイヤーカフ :2011/12/31(土) 00:15:20.90 ID:4s0S5fdk0
午後6時32分
ネルフ本部:徒手格闘訓練場


  ボ  ッ  ! ! !


重さを感じさせる音が響く。



ボ  ッ  !  !  !


その音が鳴り響く度に


ボ  ッ  !  !  !


訓練場の空気は震え、漢の周りに風が吹く。



独歩「・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ボ  ッ  !  !  !


拳を前に突き出しては戻し、突き出しては戻し。
標的も居ない空中に向かってひたすらに、黙々と。

左右交互に、寸分の狂いも無く。


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ピタッ


漢は動きを止め、次に放つはずの拳に満身の力を込め・・・


独歩「 千 ッ ッ ッ 」



  ゴ   ヒ  ュ  ッ  !  !  !  !





訓練場のど真ん中から、自身の前方に広がる誰も居ない空間に放った。

漢の放った拳は空気との摩擦により熱を帯びている。




プシュ


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」




漢が次の型を開始する姿勢を取った瞬間、自動ドアが開いた。

ドアに背を向けて立っていた漢は振り向き・・・



独歩「!!」





視界に飛び込んだ土下座にたじろいだ。


179 :赤いイヤーカフ :2011/12/31(土) 15:22:16.98 ID:gx4NfH/A0
ドアを潜ってすぐの位置で一人跪づく男。


独歩はその男に見覚えがあった。

丸刈りという特徴ある髪型は、見る者の記憶に残りやすい。






ガイア「手違いにより・・・・・・・・・・私の予想を劇的に超える怪物を、チルドレンの元へ送る事になってしまいました。;;」



独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ガイア「本来向かうべき者は私と[もう一人]のどちらかだったのですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・最も行ってはならない者が・・・・・・;;」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ガイア「最悪の場合、チルドレン達が被る被害は怪我だけでは済みません。;;」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フッ






独歩「そいつが誰かは知らねェ・・・・・・・・・」


ガイア「!;;;」


独歩「だが一つだけ断言できる事がある。」





独歩「アイツらが骨折でもしようモンなら、その怪物とやらには死んでもらわねばならない。」ニィィ




ガイア「ッッッ;;;」


独歩「怪物とやらに伝えとけ。一言一句漏らさずにだ。」




ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」











180 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 06:20:46.20 ID:yKzKr9bNo
あけおめ!
丸刈り+土下座で寂海王かとオモタww
181 :赤いイヤーカフ :2012/01/04(水) 00:40:53.53 ID:/KvhxDGb0
同時刻


アスカ「・・・・・・・・・」モグモグ

バキ「・・・・・・・・・・・」モニュモニュ


加持「いやーウマい。こんなの毎日食べてたら舌が肥える一方だな・・・・・・・・・・・・昔、料理教室とか通ってたりしたのか?」モグモグ

シンジ「習い事とかはあんまり・・・・・・チェロはやってましたけど、大して上手くならなかったですし・・・料理は必要に迫られてって感じです。」

バキ・アスカ(チェロ?)ピタッ

綾波「・・・?」モグモグ

加持「誰にも習わずにこの腕前なのか?」

シンジ「まぁ・・・・・・はい、そうですね・・・」ハハ・・・


加持「スゴイな・・・」モグモグ


シンジ「あっ、その、時間を掛けたってゆうのもありますけどね。」アハハ・・・

加持「いや、ただ単に時間を掛けただけじゃ、これほど美味しい物にはならないよ。特に男子中学生が作る料理ならなおさらだ。」

シンジ「そこまで言うものでも無いと思うんですけど・・・」

加持「言えるさ。現にバキとアスカは毎日君の料理を完食してるんだろ? 良い証拠じゃないか。」

バキ「・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ
アスカ「・・・・・・・・・・」モグモグ


シンジ「う〜ん・・・・・・」

加持「君はもっと自信を持って良いんだよ。」ハハハ

シンジ「・・・・・・・・・・・・」モグ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モグモグ






加持「ところでアスカの下着姿はどうだったバキ君。」フッ


アスカ「!!!////;;」ぶほっ

シンジ「!?;」

バキ「?・・・・・・は?」モニュ・・・


アスカ「かっ、加持さん!!!//////;;」ガタッ!

加持「ハハハハ・・・」ヘラヘラ

アスカ「セクハラですよこんなの!!やめ・・・//////;;」


バキ「カワイかったっス。」モニュモニュ


アスカ「かっ!・・・・・・・・・バッ、バカ!!/////;;」バシッ

バキ「・・・・・・・・・・・・・・」モニュモニュ

アスカ「何言ってんのよアンタは!!///;」ハーハー

バキ「何って・・・・・・率直な意見だよ。カワイイじゃん。」モニュモニュ
アスカ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ/////;」バシッバシッ


加持(ホント・・・・・・見てて飽きないよ・・・)モグモグ
182 :赤いイヤーカフ :2012/01/06(金) 22:49:07.33 ID:9isfM2560
数分後



加持「ふー・・・・・・俺はもう良いかな。」

バキ「オレも腹八分。」

加持「ん? 意外に綺麗に食べるんだな。」

バキ「まぁ、食い物には敬意を払うようにしてるんで・・・」ハハ・・・

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//;」モグ・・・


綾波「碇君・・・・・・これ・・・何?」スッ

シンジ「?・・・エビだけど。」

綾波「・・・海老・・・・・・」

シンジ「知らなかったの?」

綾波「知ってたわ・・・・・・図書室の本に書いてあったから。でも・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

綾波「・・・食べられるなんて書いてなかったはず・・・・・・」

シンジ「?」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「・・・・・・綾波。」

綾波「なに?」

シンジ「それってどんな本に書いてあったの?」

綾波「『海洋生態百科辞典』の解剖図編・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

綾波「どうしてこんな事聞くの?」

シンジ「綾波・・・」

綾波「?・・・・・・・・・」

シンジ「そういうのには・・・・・・食べれるか食べれないかは書いてないと思う。;」

綾波「!?」


加持(ん?)


綾波「・・・そうなの?」キョトン

シンジ「うん・・・・・・多分だけど。」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・/」



加持(レイちゃんもこんな顔するんだな・・・・・・)



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・」ガタ・・・

バキ「ン・・・どした?」

アスカ「トイレ。一々聞かないでもそのくらい察しなさいよ。」フン!


スタスタ・・・    ガチャ バタン

183 :赤いイヤーカフ :2012/01/06(金) 23:09:23.68 ID:j79xbE4Z0


アスカ「はぁ・・・・・・・・・・・・」






アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」














   「カワイかったっス。」






アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




   「何って・・・・・・率直な意見だよ。カワイイじゃん。」

   「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ/////;;」バシッバシッ






アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//」

















アスカ「・・・・・・・・・・・・バッカじゃないの・・・・//」





184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/01/07(土) 02:12:32.32 ID:gvEU+eVe0
面と向かって可愛いって言われたことが無いからか
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/01/07(土) 04:06:18.38 ID:zmOvqpi9o
激しく応援しております
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/07(土) 05:23:29.35 ID:xdhYMjUUo
アスカじゃこずえは越えられんだろう…
様々な意味で
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 16:16:10.79 ID:O/w3kkPDO
梢は最近、性格が露骨に悪くなった刃牙と
同じくもう色々とぶっ飛んでるからね……
何だかんだでアスカさんは年相応の女の子だよ
188 :赤いイヤーカフ :2012/01/08(日) 15:49:02.89 ID:e95qq8r10
ガチャ  バタン



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


バキ「?・・・食べないのか? コレ。」

アスカ「お腹一杯なの。食べたいんなら食べていいわよ。」スタスタ

バキ「じゃ、遠慮無く・・・」モグモグ


アスカ「間違ってたわよアンタ。」


バキ「ン?」ピタッ

アスカ「率直な[意見]じゃなくて率直な[感想]って言うべきだったわね。お世辞言う前にアンタのバカを直しなさいよ。」ヘラッ

バキ「お、オぅ。;」

アスカ「それじゃアタシ国語の課題やるから、絶対騒がないでよ。」ガチャ


バタン



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加持「国語の残課題か・・・頭脳明晰で日本語も堪能なアスカにしてはらしくないなぁ。」

バキ「漢字の読みに苦戦してるんじゃないですかね。」

加持「なるほど。」


シンジ「加持さんは今日はここに居るんですか?」

加持「いや退散するよ。君達が帰ってきたからね。」

シンジ「そうですか・・・」

加持「まぁ、帰る前にちょっとやる事があるんだけど・・・」ゴソ・・・

シンジ「?」

加持「君達の携帯メールアドレスと電話番号を教えてほしい。緊急で俺に用がある時が、これから先来ないとも言いきれないからな。」スッ

シンジ「・・・・・・そうですね。」スッ

ピッ   ピッ


加持「よし。じゃあレイちゃんも。」スッ

綾波「・・・はい・・・・・・」スッ

ピッ    ピッ

加持「じゃあ次はバキだな。」

バキ「あの・・・・・・;」

加持「ん?」

バキ「どうやるんスかそれ。;」

加持「どうって・・・・・・赤外線通信だろ。」

バキ「やり方がちょっと・・・;;」ハハ・・・

加持「分からないのか?」

バキ「えぇ〜・・・まぁ・・・ハイ。;」

加持「ちょっと携帯借してくれ。」

バキ「スミマセン。;;」
189 :赤いイヤーカフ :2012/01/08(日) 18:19:30.72 ID:lXfRfe+Z0

加持「おっ、変わったデザインの携帯だな・・・どこのメーカー?」

バキ「! あッ、違います違いますッ、コッチでしたッッ;」スッ

加持「?・・・・・・なんで携帯を二つも・・・」

バキ「イヤその・・ホラあれです。大会の出場者に配られる的な・・・;」

加持「大会?」

バキ「いいからッッ;」

加持「・・・・・・・・・よく分からんな。」ピッ  ピッ


加持「はい。」サッ

バキ「ありがとうございます。;」

加持「どうも。ところで大会って何の話だ?」

バキ「・・・・・・話すと長いですが、簡単に言えば武術の大会です。;」

加持「へぇ〜・・・・・・この赤い携帯はその時の記念品とかかい?」

バキ「そんな所です・・・・・・;」

加持「ふ〜ん・・・・・・ま、君らしい理由だな。」

バキ「はは・・・・・・;」


加持「さてと、後はアスカだけだな。」スタスタ・・・

コンコン

     ガチャ


アスカ「なに・・・・・・あっ、加持さん。/」

加持「勉強中悪いんだけど、携帯のメアドと番号を教えてくれないかな?」

アスカ「えっ・・・メアドって・・・・・・・・・あ、アタシのですか!?//;」

加持「もちろん。」ニッ

アスカ「えぇっ!? ほっ、ほほほホントですか!??///」

加持「ささっ、携帯出して。赤外線通信は分かるよな。」

アスカ「はっ、はい!! えぇっと・・・・・・・・・ちょっ・・・ちょっと待ってくださいっ!!////;」ドタバタ・・・

加持「そんなに焦らなくても俺はいくらでも待つよ。」ハハ・・・

アスカ「ありました!!///;」サッ!

加持「よし、じゃあ送るぞ。」カチッ

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////;」ドキドキ


ピッ


アスカ「!!/////;;」

加持「行ったかい?」ヘラヘラ

アスカ(きっ・・・・・・来た・・・来ちゃった・・・・・・加持さんのメアド・・・加持さんの電話番号・・・/////;)

加持「アスカ?」

アスカ「あっ・・・・・・大丈夫です! とっ、届きましたっ!!////;」



バキ「ははは・・・加持さんの事になると必死だよなぁ惣流さんって。」

シンジ「うん・・・・・・」
190 :赤いイヤーカフ :2012/01/08(日) 23:45:22.64 ID:CX0GtoPy0
午後7時6分
ネルフ本部:研究棟コンソールルーム


事務机に置かれたノートパソコン。

そのノートパソコンの画面を一瞥もせずに
リツコは椅子に座って脚を組み、タバコを吹かしながら考える。

山積する様々な問題をどう処理するか。



零号機生体ユニットに起きた再生現象。

その零号機のコアから発せられた使徒反応。

未だに監視不完全なままの一部職員と
彼等の持つ驚異の身体能力と精神性。

その職員から稀に発せられる、微弱なアンチ・A・T・フィールド。

原始人かもしれない男[ピクル]

ノートパソコンに自信を持って仕込んだ防衛プログラムを、易々と破壊してデータ奪取までやってのけた、不可解極まるプログラム。

諜報部員を恐怖に震え上がらせる謎の男。

鬼の血族[ジャック・ハンマー]の潜在能力。

いつの間にか諜報部の人員名簿に名を連ねていた[範馬刃牙]



    [地上最強の生物]とも[オーガ]とも呼ばれる漢。






多過ぎる。

余りにも残酷な問題の増え方だ。




ピンポーン



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチャッ・・・




不意に届くメール。


リツコは椅子を引いて姿勢を直し、パソコンの液晶に目をやった。

191 :赤いイヤーカフ :2012/01/09(月) 01:42:06.82 ID:rhgFBjjB0
リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



リツコは液晶に映る文字を十二〜三秒見つめると、メールを閉じ、そのメールを画面の右下端まで引っ張って、ゴミ箱アイコンに入れた。

そして新たにファイルを開いた。

新しく開いたファイルには、まるでひしめき合うように、幾つもの何かに纏わる行程表が書き込まれている。


リツコはその行程表の最下層に[エヴァンゲリオン専用新兵装 試験実施日]と書き込み、ファイルを閉じた。



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・





再び画面から離れ、椅子の背もたれに寄り掛かり
脚を組んでタバコを吸う。



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フフッ





努力の種の一つが、明日実る。


メールを見る前より、ちょっぴりタバコが美味しくなった気がした。








192 :赤いイヤーカフ :2012/01/09(月) 12:05:02.27 ID:0L2ceg9t0
午後8時1分
ネルフ本部:A−2作戦会議室


ペシペシ


ミサト「・・・・・・・・・・・・?・・・」

ペシペシ

ミサト「ん・・・・・・」モソ・・・


足首を柔らかい物で叩かれてる感触に、ミサトは目を覚ました。
またも机に突っ伏していたので、額がジンジンと染みるように痛む。


ミサト「ペンペン・・・」

ペンペン「クワッ」

ミサト「あぁ・・・・・・加持君が連れてきたんだったわね。」


ミサト「よいしょ。」



ミサトはペンペンを抱き寄せると、膝の上に乗せて、ペンペンの頭を優しく撫でる。


ミサト「エサはちゃんともらってる?」

ペンペン「・・・・・・・・・・・・」コクコク

ミサト「そう・・・・・・」

モソモソ


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサトの問いに答えたペンペンは
彼女の膝の上で丸くなると、そのまま寝てしまった。


ミサト「猫じゃないんだから・・・・・・」フフ・・・

ペンペン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スースー



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





ペンペンの安らかな寝顔を見て、ミサトは気付く。

最近、自分は安らかな眠りに就けていない事に。

毎日が異常な程慌ただしく感じられる。

緊張と混乱。そして驚愕。

ネルフに就任したばかりの時以上に、自分は慌てふためいている。

だからあのような、長年に渡って忘れ続けてきた悪夢を
再び見るような事になるのだ。




ミサト「はぁ〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・|||;」
193 :赤いイヤーカフ :2012/01/10(火) 22:55:40.85 ID:qgM1jPH40
午後8時半
コンフォートマンション:ミサト宅



加持「じゃあ俺はそろそろ失礼するよ。」

アスカ「ぇ・・・・・・・・・もう帰っちゃうんですか?」

加持「もうって言う程でもないさ。部外者が居るにしては遅い時刻だろ?」

アスカ「加持さんだったら全然いいですよ! アンタ達もそう思うでしょ!?」


バキ・シンジ「?・・・ま、まぁ。」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「ほら! コイツらだって・・・」

加持「気持ちは嬉しいけど、俺は自分ん家じゃないと寝付けないタチでね・・・・・・第一、ココってそんなに部屋余ってないだろ? 俺をリビングに寝かせるっていうんなら、それはそれで良いけどね。」ヘラッ


アスカ「うぅ・・・・・・・・・;」


加持「じゃ、またな。」ニッ  スタスタ・・・


シンジ「あっ・・・はい。また・・・・」

綾波「・・・・・・また・・・・・・・・・・・・・・・」



プシュ   シュッ









アスカ(行っちゃった・・・・・・)ハァ・・・






194 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 00:39:51.37 ID:DahAHX3l0
午後10時20分
第三新東京市:歓楽街


客引き「ようお兄さん。どうしましたかい? 浮かない顔して。」

通行人「へ?・・・・・・・・・なんですか?」

客引き「惚けたってだめだよ兄さん。アンタ最近嫌な事にあったろ? 毎日毎日仕事に邁進。ちょっとは肩の荷下ろしたくならないのか?」

通行人「えっ・・・・・・ま、まぁ・・・ハイ・・・」

客引き「だろぉ? そうだよなぁ〜・・・・・・それが普通なんだよ。嫌な事をいつまでも腹に溜め込んでたら病気になる。病気になったら更に嫌な事になる。こんな堂々巡り、誰だって避けたいよな?」

通行人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


客引き「そういう時は飲むのが一番だ。良い酒飲んでイイ女に愚痴を聞いてもらうのがイッチバァ〜〜〜ン最良の道なんだよ。アンタもそう思うだろ?」


通行人「しっ・・・失礼しますッ!;;」ダッ

客引き「あっ! オイオイ待てよ兄ィ・・・」

タッタッタッタッ・・・

客引き「あ〜あ、行っちまいやがった・・・・・・」



せっかく足を止めれたのに
肝心のカモは夜の人混みの中へと遁走してしまった。

若いサラリーマンにしてはやけに固っ苦しい奴だ。

客引きはそう思いながらも次の標的を
街を行く欲深いであろう群衆の中から見つけようと眼を凝らす。
金に困ってなさ過ぎるヤツはいらない。
金に困っているヤツもいらない。
狙いは、中流より少し下の階級の[若者]



ドン


客引き「?」





背中に何かが当たった。
それと同時に客引きの男は怒りを覚えた。

この手の同業者は厄介で、ネチっこく前のいざこざを話に引っ張り出す。

また痛い目に合わせないと分からないようだ。



客引き「てめェコラァッッ!!」


怒声を上げて振り向く。そして相手の顔面に拳をメリ込ませるべく、ぶつかって来た者に対して鋭い眼光を送る。



客引き「?」ピタッ





振り向いた先にあるのは相手の顔のはずだった。


だが客引きの視界に映ったのは、相手の顔ではなかった。


195 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 01:11:44.93 ID:73ephQTo0
客引き「・・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・・・?・・・?・・・??・・・・・・・」


客引きの前に現れた[布]


地の色は黄色。細かくびっしりと入っている模様の色は赤と黒。
赤より黒の比率の方が高い。

客引き「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ


客引きは[布]の全体像を知るため、上を見上げた。

そして見上げた瞬間理解した。
これは布ではない。



これは[服]なのだと。











?「失礼なヤツだな君は。」ニヤァ〜




客引き「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;」


?「駄目じゃないか。人がリサーチをしてる時に怒鳴り声を上げちゃ。」

客引き「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」





突然目の前に現れた、異様な覇気を放つ大巨漢。
和やかにかつ親しげに向けてくる笑顔の、なんと邪悪な事か。

客引きの男は思う。

こんなヤツを差し向けられる事をした覚えはない、と・・・





同業者「どうしましたァ〜?」

客引き「!!;;;;;」



客引きの怒声を聞き付けたのか
本来火花を散らすはずだったライバルが、ニヤつきながら現れた。

196 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 02:36:59.72 ID:EXLQGRFy0
客引き「てッッ・・・・・・;;;;」


巨漢の後ろから、殴り付けるつもりでいた男が近付く。
男の後ろには五人の屈強な輩。
客引きの男は再び怒鳴り声を上げた。



客引き「てめェッッふざけやがってェッッ!!!;;;;」


同業者「は?」

客引き「よくもこんなヤツけしかけやがったなァッッッ!!;;;;」

同業者「はは・・・・・・オイオイ、アンタ何言ってんだ? 知らねェよこんなヤツ。」


客引きのライバルは巨漢に目を向ける。
巨漢は一言も喋らないが、何故か楽しげに笑みを浮かべている。


同業者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



なんだか分からないが、この巨漢はこの一悶着で何か旨味を得ている。
笑みを浮かべているだけで確たる証拠は無いが、それだけでも癪に障る。

たったそれだけの理由で、客引きのライバルは巨漢を敵視した。

商いの邪魔をする奴は乱暴な手を[多少]使ってでも立ち退かせるという、裏界隈にしか通用しない大義名分を、こんなケースで使おうとする辺りが、彼が客引きより楽な地位に就けない理由であろう。

しかもこの男には敵の戦力を見抜く力も無かった。

この巨漢は何か異様だが、数があれば絶対勝てる。
現に今、五人の仲間が巨漢を取り囲んでいる。



同業者「アンタ・・・・・・何する気? ねェ・・・」


?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


同業者「駄目だよ。ヒトサマの商売の邪魔しちゃア・・・」

?「そんなつもりは毛頭無い。」

同業者「へェ・・・・・・・・・」

?「君達のようなピュアでチキンなチェリーボーイ如きを、相手にしたくないんだよ。私はね。」クスクス・・・


同業者「ア?」


?「ああスマナイ。どうか泣かないで欲しい。涙と鼻水とオシッコでぐちゃぐちゃになった君達の姿は見たくない。笑いを堪えきれなくなる。」クスクス・・・


同業者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





バッ



客引きのライバルの仲間達。その中の一人が巨漢目掛け駆け出し。


バ  シ  ャ  ア  ア  ア  ン  !  !  !


近くに停まっていた乗用車に激突し、車の屋根を削ぎ飛ばした。

197 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 10:51:03.84 ID:yPH4uUxt0
客引き「!!!!ッッッッ;;;;」

同業者「!!ッッッ;;」



?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




車の前輪が浮き上がる程の速度で激突した男。
彼は今、全身の穴という穴から夥しく流血し、ぴくりとも動かぬまま車の後方に大の字で転がっている。

巨漢を囲む男達は、今何が起きたのかを認識出来ていない。
無論、客引きの男とそのライバルも。


そして巨漢は、彼等に事態を認識させる暇を与えなかった。





ガ   コ   ッ   !   !   !



一撃目。
標的は、柄入りの黒いニット帽を被った喧嘩自慢。
巨漢の振り上げた右腕によるアッパーカットは、ニット帽の男の睾丸を破裂させ、恥骨を砕き、大腸を引き潰し、小腸を引き裂き、胃を爆破し、心臓を停止させたた。

だが巨漢は止まらない。

ニット帽の男の股間から手を離さずに・・・


ド  ギ  ャ  ッ  ! ! ! !


彼をアスファルトに叩きつけた。


ニット帽の男はゴム鞠のようにバウンドし、巨漢の身長を越える高さまで浮き上がると、再びアスファルトに落ちた。


ブ   ン  ッ  ッ  ッ  !  !  !



二撃目
標的はだぶついたジーンズを履いている男。
巨漢の放った恐るべき裏拳は、戦慄の音を轟かせながらジーンズの男に接近し・・・

バ   カ  ッ  ッ  !  !  !  !

彼の顔面を捉えた。
巨漢の裏拳は、ジーンズの男の上あごの前歯と奥歯、下顎の前歯と奥歯を全て粉砕し、頬骨を砕いて撒き散らしながら眼球を千切り飛ばした。


ド バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ・・・


ジーンズの男はベーゴマの如く錐揉みに回転。

コマの周囲に撒かれる大量の血液に構う事なく
巨漢は次の標的の破壊に向け動き出す。


ボ   ッ  !  !  !  !  !  !


致死性が極めて高いであろうストレートが、巨漢から放たれる。

次の標的は大柄な茶髪の男。
198 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 22:52:20.46 ID:oSnLyt1a0
 ザ  ク  ッ  ! ! ! !



茶髪の男の鳩尾に巨漢の拳が突き刺さる。
比喩や例えでは無く、文字りに。

本当に刺さった。

本当に腹筋を貫き、本当に横隔膜に穴を開けた。


バ  オ  ッ  ! ! ! !


拳を引き抜く動作と平行して巨漢は回転。
茶髪の男は口と腹部から出血しながら
事切れたかのように地に伏す。

?「シュッ」

巨漢は口から短く排気し・・・


ビ  ュ  ン  ! ! ! !


消えた。

そして次の標的である
長身のオールバックの男の背後に出現。

ガ  キ ッ ! ! !

男の髪を固く握りしめ・・・


ガ  コ ォ  ン  ン ! ! ! !



マンホールに突っ込んだ。

鉄製の蓋は抜け落ち、地下下水道の地面に落下。
穴を中心にひび割れたアスファルトは、割れ目から勢い良く埃を吹いた。

マンホールの穴からだらし無くはみ出す男の両足は
やはり微動だにしない。




?「ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! !」





歓喜に満ち溢れた笑い声が、周囲の器物を目茶苦茶に叩く。

その声はアスファルトを流れる血を、陸揚げされた魚のように跳ね回らせ、ビル群の窓に亀裂を生じさせ、一部始終を不幸にも見てしまった多くの人々から、理性と秩序と聴力を奪い去った。


辺りを一瞬にして包む群衆の悲鳴。

一目散に駆け出す者。恐怖で動けぬ者。
動けぬ者の手を引く者。気を失う者。
ビルに身を隠し、出入口を封鎖する者。


巨漢の喜びが轟いて十秒と経たず、繁華街は無人と化した。

警察が来る気配も全く無い。


199 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 23:17:10.32 ID:EXLQGRFy0


客引き「ひ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;;」





客引き「ひィいいいいいいいいいいいいいぃぃぃッッッッ;;;;;;;」








客引きの男は涙と鼻水と尿を垂らしながら
頭を抱えてうずくまり、ただひたすら震えるしかなかった。

彼のライバルの意識は既に無い。
巨漢が激笑した直後には、彼は現実から避難していた。


今、巨漢の周りにあるのはアスファルトの破片。

大破した乗用車。

その乗用車からちぎれた屋根と、ウィンドウのガラス片。

細かい埃。骨片。

永久歯。

眼球。


そして夥しい量の血液。




もはや人の世ではない。


もはや人の仕業には見えない。





暴虐の限りを尽くし切った漢は、返り血で真っ赤に染まったズボンのポケットから、一枚の写真を取り出し、笑う。




200 :赤いイヤーカフ :2012/01/11(水) 23:27:29.13 ID:0XYJLeG20


?「絶好調・・・・・・まさに絶好調だ・・・・・・・・・」




?「私の準備は整った・・・・・・・・・」





?「君はどうなのかな?・・・・・・・・・」
























      
      惣
      流
      ・
      ア
      ス
      カ
      ・
      ラ
      ン
      グ
      レ
      |
      





















201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/12(木) 21:19:01.66 ID:FdN9ElZ/0
リョナ臭が・・・
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/01/16(月) 22:42:50.86 ID:XqjLHCRu0
作戦決行まで残り5日
朝8時32分
コンフォートマンション:ミサト宅


アスカ「ん?」パチ


アスカは不意に目覚めた。

やけに寝起きが良い。


いや、良すぎる。


少しのまどろみの残滓も無い。

彼女は十分かつ完璧な睡眠時間を堪能したのだ。


そしてこういう時に限って・・・



アスカ「あ゛ーーーーーーーーーっ!!;;」



遅刻だったりする。


アスカは即座に飛び起き、自分がパジャマを着ている事を俊敏に確認すると、寝癖を申し訳程度に直して・・・

ガチャッ

跳ね退けるようにドアを開けた。



アスカ「!;」



リビングに出た彼女の視界に飛び込んできたのは同居人。

シンジ。バキ。そして綾波の、いつもの三人。

シンジとバキは、二人とも自分の席に着いてテレビを見ている。

綾波は電話のすぐ側に立ち、同じくテレビを見ている。



アスカ「ちょっとアンタ達! 起きてたんなら何で起こしに来てくれないのよ!!;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



アスカ「・・・・・・・・・・・・?」






アスカの発した当然の疑問に、答える者は誰も居ない。

シンジとバキは変わらずテレビを見続け、綾波の視線も変わらない。


アスカは訳も解らぬまま大した理由もなく
三人と同じくテレビ画面に視線を移した。

203 :赤いイヤーカフ :2012/01/19(木) 20:51:23.72 ID:1LYFjWCU0


<え〜、速報についてもう一つ情報が入ってきました・・・・・・病院に搬送された[源王会]構成員の一人と思われる男が、たった今死亡しました。;>

<これでこの事件での死者数は5人になるという事です・・・・・・・・・あっ、たった今現場と中継が繋がりました。浅田さん? 聞こえますでしょうか。;>


<はい!聞こえます! こっちの声は届いてますでしょうか!;;>
<大丈夫です。映像も映っています。そちらの状況を教えてください。;>

<はい! 今こちらの現場には、かなり大人数の報道陣と警官隊が駆け付け、極めて騒然とした状況になってます! こちらをご覧下さい!;;>


<カメラさん、アップでお願いします。;>

<ハイそうです。その位置でお願いします。;>

<見えますでしょうか!?;;>

<はい大丈夫です。見えてます。;>

< えー・・・ハイ! あのまずはこちらのマンホールなんですが・・・;;>

<マンホール?;>

< ぁ ハイ! ご覧の通り蓋がありません! 蓋が底まで抜け落ちたとの事ですが、この穴に刺さるようにして[源王会]構成員の男は発見されたようですッ!;;>

<え・・・ちょっ、ちょっと待ってください!刺さるようにしてとはどういうことでしょうか?・・・;>

<詳しい事はまだ分かっておりませんが、事件を目撃した人からは「大男がいきなり暴れだして、気付いた時にはこの状況になっていた」との証言を得ました!;;>

<大っ・・・・・・・・・待ってください、大男ですか?;;>

<ハイ!;;>

<つまり、事件を起こしたのはその大男だということですか?;>

<はっきりとはしませんが周りの凄惨な状況も含めて、今の所その線が濃厚とのコトですッ!;;>


<・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;>


<現場からは以上ですッ! 何か分かりしだい随時お伝えしますッ!;;>

<! はい、分かりました。浅田さんありがとうございました。;>

<ハイッ!;;>






<え〜〜〜〜・・・・・・・・・大変な事件が起こってしまいました・・・;;;>















204 :赤いイヤーカフ :2012/01/19(木) 22:12:40.16 ID:U/jtUnT40
アスカ「えっ・・・なにこれ殺人?・・・・・・それにあそこって確か・・・;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


アスカ「・・・通学路の近くじゃない? アタシ達の・・・・・・;」


シンジ「うん・・・・・・・・・・・・あと、さっき学校から電話入ったんだけど、今日は休校日になるってさ。;」

アスカ「こんなのが近くで起きたんじゃね;・・・・・・で、訓練はどうすんのよ。まさか犯人が捕まるまで待機とかにはならないでしょうね。;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうなるんだろ・・・・・・;」

アスカ「まだネルフから連絡来てないワケ?」

シンジ「うん。;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




ピンポーン





バキ「!;;」ピクッ


シンジ「?・・・誰だろう。」

アスカ「アンタ出なさいよね。」

シンジ「? なんで・・・」

アスカ「よく見なさいよ。パジャマなのよアタシ? ほらさっさと出てよ。」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


ハーイ

プシュ



シンジ「!!;」





花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



シンジ「・・・・・・おはようございます。;」

花山「無事か。」

シンジ「?;」

花山「入るぜ。」ヌゥ・・・

シンジ「あっ・・・;」


ズシ・・・ ズシ・・・



205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 22:21:53.76 ID:vyiHd/yDO
まさか……。
最凶の……
206 :赤いイヤーカフ :2012/01/21(土) 19:16:47.04 ID:OcrGFm1Z0
花山「バキ・・・・・・」ヌゥッ


綾波「!」

アスカ「!」


バキ「やぁ・・・・・・アンタか・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「見てたニュースのせいか、インターホンにもビクついたよ。」ハハ・・・


花山「オメェも見てたか・・・・・・」

バキ「ああ。」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


バキ「こんな大それた殺人行為を、衆人環視の中シロウト相手にヤッてしまう奴・・・・・・花山さんは心当たりあるかい?」

花山「五人だ。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


花山「その内のどれか・・・・・・・・・・・・オメェの見当はどれだ。」

バキ「二人だ。」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「可能な漢が、あの五人の中に二人いる。」


花山「そのワケは何だ。」


バキ「現場の惨状から推察出来る犯人の筋量・・・格闘スタイル・・・性格・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「つーかさ、そんな事いちいち聞かなくても、アンタは犯人が誰か分かってる・・・・・・・・・違うかい?花山さん。」

シンジ「!?;」

アスカ「!;」

綾波「!;」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキ「オレはこのニュースを見た瞬間・・・言うことに決めたんだ。;」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「隠し切れない時が来た・・・・・・・・・・・・アンタがどう思おうが、俺は言うよ・・・・・・;」


207 :赤いイヤーカフ :2012/01/22(日) 11:13:18.49 ID:7RGdM4Ng0
バキはそう言うと、二〜三秒ほど口を真一文字に閉じて間を置くと、俯け気味だった顔を上げて、力無く息を吐いた。

花山は何も言わない。



バキ「皆にまず謝らなきゃならない・・・・・・・・・俺・・・イヤ俺達は隠し事をしていた・・・;」

シンジ・アスカ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「俺達は闘った・・・・・・過去、花山さんの頬と膝を撃ち抜き・・・愚地館長の右手を切断、その後顔面を爆破し、渋川さんの片目を奪い、克巳さんの喉を切り裂いた奴ら・・・;」


アスカ「死刑囚・・・;」


バキ「!!?ッッ;;」

花山「!?ッ」

シンジ・綾波「?;」



アスカ「・・・・・・でしょ?;」


バキ「なッ・・・・・・・・・・・・なんでこの事を・・・;」


アスカ「克巳さんから聞いたの。;」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」


花山「知ってるッつうんなら話が早ェ・・・・・・」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

花山「ソイツらは全員ぶちのめした・・・中にァ生涯、二度と動けない程に。」

アスカ「・・・・・・・・・・・・殺したのね。;;」

綾波「!;」
シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

花山「殺しちゃいねェ・・・・・・俺達はな・・・」

アスカ「俺達?;」

バキ「俺の親父が一人殺した。;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


バキ「その場には渋川さんが居た・・・他に本部っていう人も・・・・・・・・・・・・・・・・・・けど止められなかった・・・・・・;;」

アスカ「・・・なんで?・・・・・・渋川さんが居たなら・・・;;」

バキ「怖かったから。;」

アスカ「えっ・・・;;」

バキ「渋川さんは後に言っていたよ・・・[怖くて指一本も動かせなかった]って・・・・・・・・・・・・・・・・・・渋川さんも本部さんも・・・親父が死刑囚を撲殺し、その場を立ち去るまで・・・微動だに出来なかった。;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



花山「だが犯人はそいつとは違う。生きてるヤツぁ四人居る。」


バキ「そう・・・・・・その中でこれだけの事が出来る漢が二人・・・・・・その二人の内、戦闘が可能になるまでの快復が有り得るヤツと言えば・・・」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 13:03:58.48 ID:/Rw0Rcev0
・・・の多さがバキらしいなwwww

支援!
209 :赤いイヤーカフ :2012/01/22(日) 22:34:28.55 ID:i+T/PGlH0
同時刻
ネルフ本部:研究棟執務室


プシュ


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・;」ツカツカツカ・・・


リツコ「おはようミサト。」

ミサト「おはようどころじゃないわよ!;」


リツコ「・・・・・・会って早々怒鳴られるような事、した覚え無いけど。」

ミサト「彼等の居場所はどーなってるの?;」

リツコ「捕捉出来てるわ。今のところはね。」

ミサト「言ってみて。;」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



リツコ「はぁ・・・・・・・・・全く、厄介な事件も起きたものね。」

ミサト「それどーいう意味よ。;」

リツコ「安心しなさい。犯人は彼等じゃないから・・・・・・克巳さんと独歩さんと烈さんは各々の自宅。花山さんとバキ君は貴女の自宅・・・・・・渋川さんは訓練棟の格闘訓練場で鍛練に出掛けてるわ。紅葉君は事件により発生した交通整理に引っ掻かって、今は足止めを食ってる・・・・・・・・・普段起きない凶悪な事件には、この街は過敏に対応するみたいね。」

ミサト「はぐらかさないで!;」

リツコ「はぐらかしてはいないわ。貴女の疑問に素直に答えただけよ。」

ミサト「ジャックさんとピクルが残ってるわよ・・・;」

リツコ「彼等も大丈夫よ。ジャックさんはいつものトレーニングルーム。ピクル君はジオフロント自然保護区のC−27地点に居るわ。」

ミサト「あっそ・・・・・・;」フー・・・


リツコ「貴女、相当疲れてるわね・・・・・・・・・殺人事件を起こして、彼等に何の利益があるの?」


ミサト「そんなの知らないわよ! 彼等には彼等の価値観がある! それだけは確かなコトよ!;」

リツコ「ミサト。」

ミサト「なに。;」

リツコ「コーヒー・・・・・・一杯どう?」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」








210 :赤いイヤーカフ :2012/01/22(日) 23:54:58.61 ID:I/OMdsQK0
朝8時40分
ネルフ本部:指令執務室


プシュ  シュッ



冬月「碇、朝のニュースは見たか?」スタスタ・・・


ゲンドウ「ああ。」


冬月「まさかこの手の情報を、諜報部の報告より先にマスコミの報道で知る事になるとはな。」


ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


冬月「・・・・・・この状況でも、まだお前は愚地独歩の策を見逃すのか。」


ゲンドウ「それで使徒に勝てるのならば良い。」


冬月「勝てるならば良い、か・・・・・・・・・・・・・・・使徒に勝てるだけで済めばよいのだがな・・・」


ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


冬月「事件を起こしたのは、十中八九愚地独歩の顔見知りだろう・・・・・・我々と将来敵対する可能性のある男に、新たな戦力が加わったという事だ・・・・・・・・・・・・食堂でヤツと話していた、あの広内という男の他にな。」


ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


冬月「可能性の増減によっては彼等を処分する手立てだが・・・・・・・・・・・・本当に心当たりはあるのだろうな。」


ゲンドウ「我々には無い・・・・・・だがゼーレにはある。」


冬月「何?」



ゲンドウ「ゼーレとネルフの究極の目的に共通点が有る限り、老人共はその戦力を我々に借し与え続ける。」


冬月「借りる事が出来ない時は?」


ゲンドウ「その時はゼーレとネルフは共に滅びるしか無い。」








211 :赤いイヤーカフ :2012/01/23(月) 07:38:19.78 ID:1Ay8OaOd0
朝8時45分
コンフォートマンション:ミサト宅

アスカ「で、結局誰なのよ。;」

バキ「いや、一番可能性の高いヤツでも、普通に考えて復帰は有り得ないハズなんだ・・・・・・あんな状態で闘うなんてとても・・・;」

プルルルルルルルルルッ   プルルルルルルルルルッ


バキ「?;」


プルルルルルルルルルッ   プルルルルルルルルルッ


バキ「なんだよ・・・;」スタスタ・・・

カチャッ


バキ「もしもし・・・・・・;」





アスカ「花山、誰なのよその可能性の高いヤツって。;」

花山「名前は知らねェ。」

アスカ「はぁ? なんで知らないのよ。;;」

花山「本身で殺しに掛かってくるヤツが・・・・・・・・・足ィ止めて頭下げての自己紹介なんざやるワケねェだろ。」

アスカ「・・・そりゃそうかもしれないけど・・・;」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ(あーもーどっから突っ込めばいいのよ・・・死刑囚とか殺しあいとか・・・・・・・・・ホントもぉっ・・・朝っぱらからなんなのっ!?;;)


バキ「はい・・・・・・はい、分かりました。じゃあ伝えときます。はい、それじゃまた。」ピッ


アスカ「誰からよ。」

バキ「ミサトさんから。今日はエヴァンゲリオンの新兵装だかのテストをするから、事件に構わずいつも通りネルフに出向しろってさ。」

アスカ「ふーん・・・・・・まぁ、そうなるわよね。;」

バキ「イヤかいやっぱ。」

アスカ「・・・正直気乗りしないわ・・・・・・;」

バキ「だよな。;」

シンジ「それで、いつ行くの?;」

バキ「そりゃあ今すぐ準備だろ。」


アスカ「はぁ〜〜〜・・・・・・;」


バキ「そうと決まれば・・・・・・イヤ良いか。」

シンジ「いいって何が?」

バキ「ほら、朝飯は向こうで済ませれば良いかなって。」


212 :赤いイヤーカフ :2012/01/24(火) 23:38:59.33 ID:ACG2PhPM0
アスカ「あっそ・・・・・・じゃあどうせ行くんならさっさと行くわよ。;」スタスタ・・・

バキ「おー・・・・・・」スタスタ・・・

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズシ・・・ ズシ・・・





プシュ  シュ










アスカ「!!;」









克巳「よぅ。」ニッ


独歩「・・・・・・・・・」ニィ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「あっ、オハヨウございます。」

独歩「オ〜・・・」


アスカ「ぇ・・・・・・あの・・・なっ、何か?;;」


独歩「何か?じゃねェよ・・・護衛だよゴ・エ・イ。」クックッ

アスカ「・・・・・・まさか殺人事件の犯人からアタシ達を護るって・・・;」
独歩「それ以外に何かあるかい?;」

アスカ(人が喋ってんのに・・・・・・;)

烈「葛城氏に君達の護衛を承った・・・・・・・・・・・・無論、氏に言われずとも率先して任に当たるつもりだったが。」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


克巳「ンじゃ、行こうか。」ニコッ

213 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/01/25(水) 18:21:40.44 ID:fv8VHgof0
独歩よ何故汗をかく。

でも訂正しないッッ

メモ帳が一杯になってきたので、これからはメモを古い順に消しながら書いていく事にします。
なので致命的矛盾を書いてしまっても、それに気づかずにストーリーを進めてしまうかも・・・

それでも一向に構わん?
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 21:29:17.89 ID:9YE1zLofo
構わん
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 22:00:46.55 ID:AeJv9o/Go
            ■■■■■■■■
  ______ ■■■ ■■■■■
  | ____ /            :::::::::::\
  | |       /\       /  :::::::::::::::|
  | |       |  ●      ●    :::::: ::::|    
  | |       |   (__人__丿  .....:::::::::::::::::::/  私は一向に構わんッッ!
  | |____ ヽ      .....:::::::::::::::::::::::<●
  └___/ ̄ ̄       :::::::::::::::::::::::::|●
  |\    |            :::::::::::::::::::::::|▼
  \ \  \___       ::::::::::::::::::::::::|
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 23:51:19.35 ID:UU1GGSsDO
構へん構へん
217 :赤いイヤーカフ :2012/01/26(木) 00:50:12.44 ID:LNa9zatY0
午前9時12分
第三新東京市


ザワザワ    ザワザワ


「(お・・・オイなんだアレ?;)」     「(うわぁ・・・・・・;)」

   「(ヤクザか?;)」 「(いやヤクザにしちゃあさ・・・;)」

「(あの人デカ過ぎだろ・・・;)」
    「(怖い・・・;)」
「(あの人! ほら! この前言ったほら!;)」
  「(なんだアレ?;)」
              「(義手・・・じゃないのか?;)」

   「(あの子達・・・もしかして拉致とかじゃないよな・・・;)」
「(脅迫か?;;)」
       「(警察呼んだ方が良いんじゃない?;;)」


ザワザワ     ザワザワ

    ザワザワ





アスカ「あ・・・あのさ・・・;」スタスタ・・・


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズシ・・・ ズシ・・・


アスカ「コレ・・・・・・あの・・・;;」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズシ・・・ ズシ・・・

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・


アスカ「恥ずかしいんですけど・・・;;」スタスタ・・・

独歩「我が儘言っちゃいけねぇ。」スタスタ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・



218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 03:31:18.76 ID:U++Sb2GIO
メモ帳を買うという選択肢はないのかッッ!?
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 04:10:31.53 ID:o03gGCx3o
ニタァァァァァァァァァア
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 05:59:22.95 ID:uEsrZdRDO
こんなの雄しか襲えねぇよw
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 17:52:56.59 ID:7aL/OAg9o
職質されんぞwwwww
222 :赤いイヤーカフ :2012/02/02(木) 01:30:54.12 ID:TPrU+8XO0
午前10時11分
ネルフ本部:メインホール


克巳「ア、おはようございまァ〜す。」スタスタ・・・

ミサト「ええ、おはよう。;」

克巳「出迎えなんて珍しいっスね。」

ミサト「まぁそうね。;」

克巳「? どうしたんですか? なんかイラついてます?」

ミサト「イラついちゃいないわ。焦ってんのよ。;」

克巳「はぁ・・・」

ミサト「で、シンジ君達は?;」

克巳「今来ますよ。」



スタスタ・・・



克巳「ホラね。」

ミサト「なんで離れてるわけ? 私は護衛を頼んだのよ?;」

克巳「いやァ・・・なんか一緒は恥ずかしいらしくて・・・」ハハ・・・

ミサト「・・・それ、恥ずかしいとかじゃ無いと思うんだけど。;」


アスカ「ちょっとミサト! コレどういうコトよ!;」


ミサト「仕方ないでしょ非常時なんだし・・・イヤだろうけど我慢なさい。凶悪犯に狙われるよりはマシよ。;」

アスカ「我慢とかそういう問題じゃないわよ! いつ警察に捕まるか知れなかったわ!;」

克巳「オイオイ酷ェな・・・;」ハハ・・・

独歩「変態扱いかい。」スタスタ・・・

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズシ・・・ ズシ・・・

烈「惣流ッッ」スタスタ・・・

アスカ「!!;;」ビクッ


烈「言って効かぬなら当てて効かせるが・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみません・・・;」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキ「で、新兵装のテストっていうのは・・・」

ミサト「! ああそれね、もちろんやるわよ。実施は今から1時間後で、場所はテストルーム01だわ。」
223 :赤いイヤーカフ :2012/02/05(日) 13:19:27.25 ID:vovVc+zq0
アスカ「1時間後ねぇ・・・なんかここに来てからいーっつも、早く動き過ぎてる気がするんだけど。今日だって時間余ったし。」

ミサト「早く動くのが社会ってものよ。」

アスカ「はーい。」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「ン・・・なんか元気ないなシンジ。」

シンジ「え?・・・・・・あ、いや、ちょっと疲れが溜まってるみたいで・・・;」

バキ「オヤジくせェ。」ハハ

シンジ「・・・そうだよね・・・・・・;」ハハ・・・

バキ「まァ無理ないけどな。最近毎日が濃厚だし。」

シンジ「バキ君は疲れないの?;」

バキ「全然。」ヘラッ

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ハァ・・・


ミサト「克巳さんと烈さん、あと独歩さんと花山さん。ちょっと話があるんだけど今いいかしら?」


烈「なんでしょうか。」

克巳「はい?」

花山・独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト「向こうで話しましょ。」スタスタ・・・


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・



シンジ「ミサトさん、僕らは・・・」

ミサト「実験開始までは自由にしてていいわよー」スタスタ・・・




シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「ん〜〜〜・・・・・・・・・・・・」



アスカ「なんかヘンじゃない? 今日のミサト。」


バキ「ピリピリしてんだろ・・・・・・単純に。」





224 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/02/11(土) 00:08:52.01 ID:eSodiT760
スマン、ちょっと言わせてくれ。








なんなんだよ板垣・・・いやマジなんなんだよ!!

ふざけんなよ!!アホか!?
出家前の母親があんな小市民風なのに、なんで親父が怪物なんだよ!
おかしいだろッッッ
勇次郎を唯一無二的存在にしたのはお前なんだぞ!?なんでそれにわざわざ矛盾を投げ付けるんだよ!!意味ねーんだよ!!つまんねーんだよ!!引き延ばしが露骨過ぎて萎えるんだよ!!
つーか母親のカバー広すぎだろッッッ

勇次郎の年齢は今だに分かんねーし
現実通りに時間が進んでいるはずならバキは二十歳くらいのはずなのに、ダブリか何か知らんが今だにアン畜生は高校生でしかも18歳の未成年だしよ!!
マジ馬鹿じゃねーの!?
百万歩譲ってキャラ崩壊は良いとしても時間軸をなんとかしろよ!!整理付かなくて困ってんだよ!!バキの年齢に時間を合わせんのか現実通りに時間を進めるのかどっちかにしろよ!!!









幾分か楽になりました。

これからもコツコツ頑張ります・・・


すみませんでした・・・
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/11(土) 00:28:00.53 ID:fsIoVYGHo
誰かが吼えていると思ったら>>1じゃないか
わかるよ、板垣以外の全員が同じ気持ちのはず
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/11(土) 00:55:40.83 ID:DMwBbivXo
勇次郎は唯一無二の絶対的存在じゃなきゃ駄目だよな流石に
あんな親父出してどーするんだろうなマジで、ピクルガクブルしとるし

最近全然来ないと思ってたら>>1も混乱してたかwwwwwwww

227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 06:45:22.75 ID:3vCwZHf7o
バキは最近読むのが本当にしんどい
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/02/11(土) 10:07:24.38 ID:wM2sN+xj0
バキが14もしくは16歳の頃の漫画内での年代設定は大体1995年あたり

それから約15年後にオズマが登場、これにより時間の経過を読者に認識させる

なのにバキは今までの人生を「痛みを乗り越えた18年」と振り返る
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 16:45:23.67 ID:ci2AF82IO
普通に楽しんでる俺はどうすれば
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/11(土) 21:38:28.87 ID:h2a+Xke4o
>>229
いいんじゃね?
自分も漫画なんか細かいこと抜きにして楽しんでるよ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 21:55:00.04 ID:Gv8SuifDO
もうすぐこのSSも一周年だね。
作者に惜しみない乙を!
そしてこれからの活躍に期待
232 :赤いイヤーカフ :2012/02/12(日) 08:47:58.81 ID:srW4O7C80
メインホール2階


独歩「ほォ・・・・・今日の野外訓練は取り消すとおっしゃる・・・・・・」フフ・・・

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

独歩「理由を聞きたい。」

ミサト「分からないはずないでしょ。」

独歩「さッぱりワカらんッッ。」ニカッ

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


克巳「親父。」

独歩「へいへい・・・・・・」クックック・・・

克巳「すみませんね、ホント。」ハハ・・・

ミサト「ぇ・・・いや。;」

烈「訓練中止の理由はあの殺傷事件にある・・・・・・そう認知していますが、要約するに殺人犯とチルドレン達を接触させない為の処置が、今回の話の結論・・・・・・これで問題無いでしょうか。」

ミサト「ま、まぁそうね。」ゴホン

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

独歩「今日の訓練は決行だ。」

ミサト「!? なっ、何言ってるの貴方!さっき私が・・・;」
独歩「聞こえねェな。」

克巳「チョッ・・・;」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・


ミサト「・・・・・・どういうつもり?;」

独歩「何度だって言うぜ、訓練は決行だ。」

ミサト「こんな言い方したくないけど、私がその気になれば貴方を拘束して監禁室に閉じ込める事も出来るのよ?」
独歩「私がその気になれば監禁室をその日の内に打ち破り、職務に復帰する事が出来る。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・ッッ;;」

独歩「つーか・・・・・・捕まらねッか。怪我人が増えるだけでよ。」ヘラッ


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ムッカァアア


克巳「無駄だミサトさん。こうなったら手が付けらんないです。」

ミサト「そういう訳には行かないわよ!;」

克巳「ま・・・まァそうですけど・・・・・・・・・でも無駄です。;」

花山「同感だ。」

ミサト「!;」

花山「死ぬぜオメェ。」

ミサト「・・・・・・・・・・ッッッ;;;」

烈「武力で語る者を説得するには力が必要です・・・・・・それも権威や地位などという不明瞭な物では無く、もっと単純な力・・・つまりは一個人の物理的破壊能力力が・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

烈「残念ですが葛城さん・・・貴女自体の破壊力は正直皆無に等しい・・・・・・・・・・・・・弾丸は跳ね返され、体術も無効化され、独歩氏のサジ加減一つで命を自由にされる身となるでしょう。そんな貴女を私達は見たくはありません。」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 17:39:28.38 ID:ZfGui5xUo
>弾丸は跳ね返され

なにげに人間越えたwwww
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/13(月) 06:59:48.89 ID:wwxX2bSDO
回し受けで反せるらしいな
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/13(月) 19:06:38.73 ID:Yn+5PK4Fo
※ただし麻酔銃は効く
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/13(月) 20:13:08.61 ID:asorFxr/o
※ただし散弾銃は効かない
237 :赤いイヤーカフ :2012/02/13(月) 22:01:24.34 ID:1kcV18tL0
烈「念のため言いますが、私の話は脅しの類ではありません。貴女の身を心底案じての発言だと理解してもらいたい。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳「ここはどうか抑えて下さい。訓練の方は俺達がなんとかしますんで。;」



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」チラ・・・


花山(何で俺を見る・・・・・・)フー・・・







ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かったわよ・・・やっていいわ・・・;」




独歩「そりゃどうも。」ニヤニヤ

ミサト「ただし!!」

独歩「オッ」ヘラッ


ミサト「あの子達に何かあったら許さないから・・・・・・」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「やるからにはしっかりやって下さい。それじゃ。」クルッ


スタスタ・・・







独歩(ヤルに決まってンだろ。わざわざ言わんでもよ・・・・・・)フフ・・・


克巳(なんとかする、か・・・・・・・・・・・・・あーあ変な事言っちまった。;)


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムッスー
238 :赤いイヤーカフ :2012/02/15(水) 17:15:34.94 ID:qVgHu8BF0
シンジ「バキ君。」

バキ「?」

シンジ「・・・死刑囚って言ってたけど・・・・・・」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ「なんでそんな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それよりバキ君の父さんってその・・・なんて言うか・・・;」

バキ「あ〜・・・ワカるよ、シンジの言いたい事・・・」ハハ・・・

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


バキ「フツウじゃない・・・・・・・・・誰だって思うよ・・・」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「・・・・・・・・・ごめん・・・;」

バキ「イヤ良いんだ、別に悪い事だとは思っちゃいない。異常な物は異常・・・・・・そう思うのが人として正しいのさ。」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「犯罪者と闘った経歴を持ち、しかも知り合いが生粋の[もののふ]ばかりの怪力高校生なんつうのは欝陶しくて仕方がない・・・・・・・・・・・・・・本来なら、何処の世界でも爪弾き者にされて然るべきだ・・・」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




アスカ「でも悪いヤツじゃ無いじゃない。」



シンジ「!」

綾波「!」

バキ「え・・・・・・・・・」


アスカ「例えアンタのパパがとんでもない化物で、アンタの周りがみんな危ないヤツらばっかりだったとしても、アンタはアンタでしょ?」


アスカ「第一アンタの周りにいるアタシ達は化物でも危険人物でもないし、アンタの周りって言う程変人ばっかりってワケでもないと思うのよね。」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「それにホントに欝陶しい経歴ならネルフに入れないし。つまり最低でもアタシ達にとっては、アンタは良いヤツって事よ。」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「なによ黙っちゃって・・・まだ何かご不満でも?」フン


バキ「・・・・・・いや・・・」



ピーンポーンパーンポーン





アスカ「?」


239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/15(水) 22:04:22.60 ID:3bbh0YK5o
バキも最近若干くr…
いやなんでもない
240 :赤いイヤーカフ :2012/02/16(木) 01:07:12.84 ID:fBamRvj00

<ファースト・セカンド・サードチルドレン及び範馬刃牙護衛官は、研究棟執務室に集合して下さい。ファースト・セカンド・サードチルドレン及び範馬刃牙護衛官は、研究棟執務室に集合して下さい。>



バキ「オォ〜・・・・・・・・・ってオレも行くの?」

シンジ「・・・みたいだね。」

綾波「多分実験の説明よ。」

バキ「実験ってェのは・・・・あぁそっか、オレ惣流さんの補助か。」

アスカ「そういう訳よ。で、落ち込んだ気分は治ったかしら?」フフン

バキ「オイオイ別に落ち込んじゃ・・・」

アスカ「落ち込んでなかったらあんなダラダラ言わないわよ。」

バキ「あのな・・・」

アスカ「何さ。」フン


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




バキ「・・・・・・いや・・・やっぱいいや。何でもない。」

アスカ「はぁ? なによそれ、言いなさいよ気になるじゃない。」

バキ「だから何でもないって・・・」

アスカ「なんでもないなら教えてなさいよっ。」



バキ(面倒くさい・・・・・・;)


241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/16(木) 21:44:22.36 ID:/OIwqDKh0
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 03:58:44.61 ID:dCz+IUXCo
刃牙とアスカって肉感的に合うよな
なんかこう
いいよ!!
243 :赤いイヤーカフ :2012/02/18(土) 09:49:14.49 ID:/D+BL2ql0
同時刻
ネルフ本部:徒手格闘訓練場


「整備中」  「立入禁止」


それらの単語が端から端まで書かれた黄色いテープが、そこらじゅうに張り巡らされている訓練場の中央に、眼鏡を掛けた袴姿の老人が一人。


ブン


渋川は床板の破片を己の頭上に放り投げた。

破片は所々ささくれ立っており、老人が打撃を打つには適さない。
だが渋川は拳闘家ではなく空手家でもない。


ヒュ・・・


落下する破片が漢の頭頂部に触れる瞬間・・・

シュッ

漢は一歩退き、破片を視界に捉える。

そして落下を続ける破片に素早く手を添え・・・

ブ ン

下へ振った。



ド  カ  ァ  ッ  ! !



落下速度が倍加した破片は音を立ててバウンド
再び渋川の眼前まで上る。

渋川はその破片にも手を添え・・・
ブ ン

今度は上へ振った。

破片は高速で舞い上がり・・・


カーーーーz____ ン・・・



遥か上方の天井に深々と刺さった。









渋川「まずまず・・・・・・ってところかのォ。」








渋川の頭には、取り付き決して離れない「ある疑問」があった。


244 :赤いイヤーカフ :2012/02/18(土) 13:46:17.09 ID:jdfLlklJ0
戦闘時に[形態]を変える大都市に
突如として姿を現し、侵攻を開始する巨大な怪物[使徒]
その使徒を迎え撃つ為に作られた人工の怪物[エヴァンゲリオン]
見た事の無い最新技術。
聞いた事も無い最新施設。
想像だにしなかった未来世界。

それら絵空事・空想・サイエンスフィクション的な世界に、意外にもすんなり順応出来てしまった自分。


これは良い。


周囲の状況に
一時の混乱はあったが順応出来たのだから。

自らの状況適応能力は
まだ凝り固まってはいないという事が証明出来たのだから。

疑問の種は別にある。





渋川(納得いかん・・・・・・)




渋川(エバンゲリオン? とかいうでけェ人間と同じ場に居るというのに[アレ]を見とらん・・・いまだに・・・・・・・・・)




渋川(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)



















渋川(あやつら平和主義?)













245 :赤いイヤーカフ :2012/02/18(土) 21:48:34.45 ID:prbTCGao0
午前10時14分
ネルフ本部:謙虚棟執務室


プシュ


アスカ・バキ「失礼しま〜す。」スタスタ・・・

シンジ「失礼します。」スタスタ・・・

綾波「・・・失礼します・・・」スタスタ・・・


リツコ「来たわね・・・バキ君、貴方に渡す物があるわ。」

バキ「ァ・・・ハイ、なんですか?」

リツコ「はいコレ。」サッ

バキ「ッッ!?;」


リツコ「そのスーツは今日から正式に貴方の物よ。」


バキ「・・・・・・コレってあの・・・;」

リツコ「貴方専用プラグスーツの完成版。サイズと素材に加えて機能も貴方向けに再調整を加えたから、着用には何の不備も無いはずよ。」

バキ「は、はぁ・・・;」

アスカ(・・・・・・・なんでコイツのだけこんなにカッコイイのよ・・・)

シンジ(なんか重そう・・・でも大丈夫か、バキ君が着るんだし。)


リツコ「持ってみて。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・・

リツコ「どう?」

バキ「え? いやなんつーか見た目より・・・軽いかなって・・・・・・」ハハ・・・

リツコ「ならいいわ。実験時にはそれを着てもらう事になるけど、異論はあるかしら。」

バキ「ちょっと抵抗が・・・その、恥ずかしいんで・・・;」ハハ・・・

アスカ「その恥ずかしいヤツ以上に恥ずかしいスーツを、アタシ達週4回で着てきたんだけど。」

バキ「・・・ゴメン。;」

リツコ「デザインした人の前で良くそんな事が言えるわね・・・」フッ

リツコ「だってホントに恥ずかしいんですもん。」ツーン

リツコ「貴方には言ってないわ。私はバキ君に言ってるの。」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムスー


リツコ「さて、そろそろ本題に入らないといけないわね。」


246 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/02/18(土) 21:51:13.14 ID:8zHaqaxE0
>>245
これは訂正させてくれ
いくらなんでもリツコに自演はさせられん
247 :赤いイヤーカフ :2012/02/18(土) 21:52:11.58 ID:8zHaqaxE0
午前10時14分
ネルフ本部:謙虚棟執務室


プシュ


アスカ・バキ「失礼しま〜す。」スタスタ・・・

シンジ「失礼します。」スタスタ・・・

綾波「・・・失礼します・・・」スタスタ・・・


リツコ「来たわね・・・バキ君、貴方に渡す物があるわ。」

バキ「ァ・・・ハイ、なんですか?」

リツコ「はいコレ。」サッ

バキ「ッッ!?;」


リツコ「そのスーツは今日から正式に貴方の物よ。」


バキ「・・・・・・コレってあの・・・;」

リツコ「貴方専用プラグスーツの完成版。サイズと素材に加えて機能も貴方向けに再調整を加えたから、着用には何の不備も無いはずよ。」

バキ「は、はぁ・・・;」

アスカ(・・・・・・・なんでコイツのだけこんなにカッコイイのよ・・・)

シンジ(なんか重そう・・・でも大丈夫か、バキ君が着るんだし。)


リツコ「持ってみて。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・・

リツコ「どう?」

バキ「え? いやなんつーか見た目より・・・軽いかなって・・・・・・」ハハ・・・

リツコ「ならいいわ。実験時にはそれを着てもらう事になるけど、異論はあるかしら。」

バキ「ちょっと抵抗が・・・その、恥ずかしいんで・・・;」ハハ・・・

アスカ「その恥ずかしいヤツ以上に恥ずかしいスーツを、アタシ達週4回で着てきたんだけど。」

バキ「・・・ゴメン。;」

リツコ「デザインした人の前で良くそんな事が言えるわね・・・」フッ

アスカ「だってホントに恥ずかしいんですもん。」ツーン

リツコ「貴方には言ってないわ。私はバキ君に言ってるの。」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムスー


リツコ「さて、そろそろ本題に入らないといけないわね。」


248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 12:41:10.60 ID:B2trwnE7o
渡すものって時期的にチョコかと思ったじゃないですか−!やだー!
249 :赤いイヤーカフ :2012/02/19(日) 17:23:40.98 ID:csMP07Mh0
午前10時14分
ネルフ本部:研究棟執務室


プシュ


アスカ・バキ「失礼しま〜す。」スタスタ・・・

シンジ「失礼します。」スタスタ・・・

綾波「・・・失礼します・・・」スタスタ・・・


リツコ「来たわね・・・バキ君、貴方に渡す物があるわ。」

バキ「ァ・・・ハイ、なんですか?」

リツコ「はいコレ。」サッ

バキ「ッッ!?;」


リツコ「そのスーツは今日から正式に貴方の物よ。」


バキ「・・・・・・コレってあの・・・;」

リツコ「貴方専用プラグスーツの完成版。サイズと素材に加えて機能も貴方向けに再調整を加えたから、着用には何の不備も無いはずよ。」

バキ「は、はぁ・・・;」

アスカ(・・・・・・・なんでコイツのだけこんなにカッコイイのよ・・・)

シンジ(なんか重そう・・・でも大丈夫か、バキ君が着るんだし。)


リツコ「持ってみて。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・・

リツコ「どう?」

バキ「え? いやなんつーか見た目より・・・軽いかなって・・・・・・」ハハ・・・

リツコ「ならいいわ。実験時にはそれを着てもらう事になるけど、異論はあるかしら。」

バキ「ちょっと抵抗が・・・その、恥ずかしいんで・・・;」ハハ・・・

アスカ「その恥ずかしいヤツ以上に恥ずかしいスーツを、アタシ達週4回で着てきたんだけど。」

バキ「・・・ゴメン。;」

リツコ「デザインした人の前で良くそんな事が言えるわね・・・」フッ

アスカ「だってホントに恥ずかしいんですもん。」ツーン

リツコ「貴方には言ってないわ。私はバキ君に言ってるの。」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムスー


リツコ「さて、そろそろ本題に入らないといけないわね。」


250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 17:45:55.30 ID:EO360mZGo
また作者の脅迫性障害が始まったか
何が変わってるのかも分からん様なのを書き直しと称して3度も投下するとは
せっかくの素晴らしい作品なのだ
君の緻密な性格は読者はよく分かっているが
投下した以上は作品は君のものではなく、読者のものなのだ
頼むから読者を不快にさせないでくれ
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 17:51:45.41 ID:EO360mZGo
作者を非難するつもりは毛頭ないが
>>250の事がこの素晴らしい作品の最大の欠点であるテンポの遅さを産み出している

刃牙勢が持ってる棲息速度域はハンパじゃないのにだッッ!!!!
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/19(日) 20:20:41.07 ID:HijVvCLMo
同意見だ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/19(日) 21:27:17.55 ID:Hgntxto40
おおよそ、まとめに乗るかもわからないゆえの不安感! その心情は理解できるッ!
しかしッ! 何度も修正版を乗せるくらいなら、修正箇所のみを書き出し。

ここだけを、脳内修正してくれッ! それだけでことは足りるッ!

我ら読者の技量を信頼していただきたいッッ!!!
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/19(日) 22:32:33.58 ID:hYNKcJ1Yo
.     ,ィフノノi/ x< ::::\ l|l lレ/:::::::>、 {三三ミ、    うむ、投下量…投下速度…面白さ…
.    巛彡ィi| 〈    \::::V } ノ:::/⌒ヽ   ト三三ミ、                 カラダ
.     V彡{ノj| ヽr‐t_テぅヽ| l {/rt_テラ´  ,ハミ三ミVハ   重複した投下は 身体によかろうハズもない
.     }}i|ハ(.|      ̄,ハ ,ハ  ̄     /}八{l}} } }}l}
     ,ノリ川ハ_|ヽ   / __} |__ `ヽ   イ_ノリ// ///リ   しかし
.    /////八ノヽ.    〈_,ノ {__〉    /ヽ} ∨/ ///(
  ,イ//{ { {l|  \ノi     `ー    / レ'  lVi{ {{{ l{ハ.    だからとて 健康にいいものだけを採る
. /1{{{ {{∨     ‘, ー─=ニニ=‐一  /    | iト!ミミミハ   これも健全とは言い難い
、_|ノ{lハ ヽ_/       \   ` 二 ´  /   │l{ハミミミハljハ
 / ̄「/ /     i ヽ7'´   `Y/       ', ヽ‐‐<}jリ
    \/     /   ` ー─一'         ヽ )   \
255 :赤いイヤーカフ :2012/02/19(日) 23:11:18.01 ID:8JOHS+TC0
バキ「・・・・・・本題?;」

アスカ「実験の事よ。」

バキ「あ、そッか。;」

アスカ「何だと思ってたのよアンタ。」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「悪いけど違う話よ。」


アスカ・バキ「えっ?」

シンジ・綾波「?」

リツコ「実験の概要は現場で説明するわ。貴方達を呼んだ理由はいわゆる[適性審査]の為なのよ。」

アスカ「適性審査?」

バキ・シンジ「?」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ「シンジ君。」

シンジ「! はい。」

リツコ「バキ君の事・・・貴方はどう思ってるの?」

シンジ「えっ・・・?」

リツコ「戦友? それとも親友かしら。」

シンジ「ぇっと・・・・・・・・・は、はい、僕はそう思ってますけど・・・」

リツコ「そう・・・・・・・・・レイ、貴女は?」

綾波「!」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ(なんだコレ・・・どういう状況?;)


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・よく分からないです・・・・・・でも・・・」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



綾波「・・・・・・ぽかぽかします・・・」



バキ(ぽかぽか??)

シンジ「ぽかぽか?」

アスカ(ポカポカ? 何言ってんのコイツ・・・)

アスカ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)



アスカ(まさかね・・・・・・)フフッ

リツコ「ぽかぽか、ね・・・・・・・・・アスカ、貴女はどうなの?」

アスカ「!!///;;」ビクッ
256 :赤いイヤーカフ :2012/02/19(日) 23:56:18.04 ID:L94ZJhjG0
リツコ「どうなの?」


アスカ「どっ・・・・・・どうなのって、何がよ。//;」プイッ


リツコ「・・・・・・その様子だと聞くまでもないみたいね。」クスッ

アスカ「ちょっ、ちょっと何勝手に納得してんのよ!! やめてよ!そういうのじゃないんだから!!//;;」

バキ(声デケェってマジで・・・)キ〜ン

シンジ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)


シンジ(あれ、コレって・・・)


リツコ「そう・・・じゃあ赤面する理由を教えてくれないかしら?」

アスカ「なんでもないわよ!!///;;)クワッ

リツコ「あら、何でもないなら素直に答えれると思うけど・・・」

アスカ「ぐっ・・・//;;」

リツコ「どう思ってるの?」

アスカ「・・・・・・アンタ最近ミサトに似てきたわよ・・・;;」

リツコ「酷い口の聞き方ね・・・・・・それで、彼をどう思ってるの?」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////;」



バキ(前々から薄々は感じてたけどさァ・・・・・・)



バキ(マジって事ないだろ・・・・・・オレ20代だし・・・;)フフ・・・



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///;」チラ・・・

バキ(ッッ!?? なんでオレ見んのォ!?;;)


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///;」スー・・・


バキ(深呼吸・・・・・・・・・;;)


アスカ「ス・・・」
リツコ「友達ね。分かったわ。」フッ・・・

アスカ「!!??//;;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

シンジ(そうだよね・・・惣流さんよくバキ君に怒るし・・・)


リツコ「バキ君はどう?」

バキ「ッッッ!!;;」

リツコ「皆は友達?」

バキ(皆・・・あ、ナルホドね。;)ホッ



バキ「まァ・・・・・・ハイ、友達同士です。;」ハハ・・・
257 :赤いイヤーカフ :2012/02/20(月) 00:51:56.23 ID:5etXpx2V0
リツコ「そう・・・・・・ならいいわ。」

バキ「・・・なんなんですか?コレ。;」

リツコ「適性審査よ。貴方が各エヴァのパイロットと親密な関係を築けているかどうかの。」

バキ「へっ?;」

リツコ「貴方は補助パイロットとして、状況に合わせてそれぞれのエヴァのメインパイロットである[チルドレン]を支援する役目を担う事になってるのよ・・・・・・シンジ君の調子が悪い時は初号機、零号機の戦力を増加させる必要がある時は、レイのエヴァに乗ってもらうわ。」


バキ「?・・・・・・?・・・?・・・?・・・;」

リツコ「そしてそれを可能とするためには、各エヴァンゲリオンメインパイロットとの信頼関係が必要なの。」

バキ「ス・・・スミマセン、いきなりなんでよくワカんないんですが・・・;」

リツコ「? 分からない?」

バキ「ハイ・・・話が急に変わったんでその・・・;」ハハ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




アスカ(・・・・・・・・・今日なんなのよ・・・;)ハァ・・・


アスカ(てゆーか、なんでこのバカの事でアタシがドギマギしなきゃなんないのよ! ホント訳わかんない!;;)


アスカ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;)




アスカ(バッカじゃないのアタシ・・・//;)フン









綾波(ぽかぽか・・・・・・・・・どうして、あんな事言ったの? 私・・・・・・)



綾波(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)





綾波(でも・・・暖かかった・・・・・・・・・)





258 :赤いイヤーカフ :2012/02/20(月) 22:13:09.72 ID:iShew8j40
午前10時45分
廃団地:E−3マンション=表札無し部屋


オリバ「野外訓練開始まであと4時間だが・・・・・・なんとも気が早いコトだな・・・」スゥー・・・

?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パ シ ィ !!


壁に寄りかかってタバコを吹かすオリバの正面に、一匹の超雄。


雄は両手の平を胸筋の前で合わせ・・・

グ グ グ グ グ グ グ グ グ・・・
   ミリ・・・   ミキ・・・
                ビキビキ・・・


圧を掛ける。

両腕よ砕けろと言わんばかりの力で。
己の一部であるにも関わらず殺意を以って。



オリバ「セカンドチルドレン・・・・・・惣流アスカの相手を始めて君が申し出た時は、流石の私も肝を潰しかけたよ。」プハァ〜・・・


ミリミリミリミリ・・・


雄の全身がジワジワと膨れる。

ジーンズパンツが、長袖が、革靴が、内部から出力を高めていく張力により引き延ばされ、テカり始める。


オリバ「殺しはしない、怪我もさせない・・・・・・・・・果たして君にそんな甘いコトが出来るのだろうかと思っ・・・」

ギ  ュ  ア  ッ  ッ  ッ ! ! ! !


雄が行った、たった一度のスクワット運動。


ビ  ッ  キ ィ ン ! ! ! ! !


そのたった一度で、雄の身につける長袖は野生味ある半袖に、ジーンズパンツはジーンズハーフパンツに、革靴は素足となった。


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

?「殺しはしない、怪我もさせない・・・」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

?「だが刻み付け、ねじ込もう。」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・


?「[敵]という物がどれだけ恐ろしいかをッッ」



オリバ「・・・・・・・・・・・・・・君に彼女を当ててホントに良かった。」フフ・・・



259 :赤いイヤーカフ :2012/02/22(水) 00:56:44.71 ID:PPvT9gWd0
午前11時9分
ネルフ本部:テストルーム01



リツコ「準備は良い?」

綾波「はい。」

シンジ「大丈夫です。」

アスカ「オーケーよ。」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「分かったわ。LCL注入開始。」

オペレーター「了解、全プラグ注入開始します。」

カチッ

シューゴポゴポゴポ・・・


バキ「・・・・・・・・・・・・ッッッ;」プクプク・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」トプン



オペレーター「注入完了しました。」

リツコ「時間は?」

マヤ「現時刻11時10分、実験開始時刻です。」


ミサト「実験開始。」




アスカ(新兵装の実験ったって、プラグの中なんにも変わってないじゃん。シンクロのやり方も特に特殊って訳じゃ無いみたいだし。)キョロキョロ・・・

アスカ(変わったと言えば後ろにバカの席が出来た事くらいか・・・)フー・・・

バキ「・・・・・・・・・気持ちワリぃ・・・;」

アスカ「! ちょっとアンタ何よそれ! 吐いたりしないわよね!?;」

バキ「それは無い・・・残念ながら・・・・・・;」フッ

アスカ「あっそ、ならいーけど・・・てゆーか前にも一回入ってんでしょ? あの時は大丈夫だったじゃない。;」

バキ「あん時はなんつーか・・・・・・あれよあれよと思う間にって・・・;」

アスカ「ホント、アンタっていい加減な作りになってんのね。」ヘラッ

ミサト「無駄話はそれくらいにして、ホラ集中集中。」

アスカ「はぁ〜い集中しま〜す。」



ミサト「イマイチ締まらないわね・・・」

リツコ「普段のプラグじゃないからはしゃいでるのよ・・・実験に支障が出ない程度なら問題無いけど。」

ミサト「支障が出なかったらね・・・・・・やっぱり零号機の方にしとけばよかったかなぁ、レイ静かだし。」

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/22(水) 01:26:01.33 ID:DOUBnSxAO
>>258
>始めて
初めて…ですかね?

投下してくださるのは嬉しいですがッッ!
しっかりきっちり投下前に見直して下さると嬉しいですッッ!
誰も急かさないのでゆっくりのペースでお願いしますッッ!

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 01:41:55.95 ID:2/r5lKSao
刃牙勢のゆっくりがどれだけ速いかを知っての発言かッッ!!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/22(水) 02:22:12.16 ID:9raVT1I4o
                / //_,,,_:::;;;l i゙ ::l;;;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; : : :_,, -‐'゙ ̄..: : :_;,;, -‐'゙: : : : : : :
               〔/ / l \.!、l ::ヽ;;;;;;;;;;;;;;; ; ; : :/ f;;;;ヽ  _,,/_.. -‐ ''゙: : : : : ;;;
  l二|二i        /     / .,!、 {ミ、 ヽ : :、;;;;;; ; ; ; ::,,;{ ヾ_シ _,/ ,/ : : : : : : : : : ;;;;;
 .─┴─     , イ     /  {: : :≡=ヽ≡=-‐/: _:,; -‐_ヽ,,__,,,ノ./ : : : : : ::::_ --‐´: :
  |二二|    /  |    ∠/ ヽ: ; - : : l :/:/: : ; ; ; ; : :ヽ ,,__,/. . ; : :-‐ : : : : : : : : : :
  |----|       |     ,/   /: : : : :l/, ': : : : : : : : : . . . . . . : /;;;;;: :-‐. . . : : : : : : :
  / ̄ ̄ヽ           /   .{ : : : :丿: : : : : : : : : : : . . . . . . !.::: : : : : : : : : : : : : : : : :
                /     ヽ: : /: : : : : : : : : : : : : : : : :;;;;;;;;;;;; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : :
 _l_ ヽ/    ┼‐‐‐ァ  {..    / ⌒γ ‐- 、: : : : : : : : : : :  . . . . . . . . : : : : : : : : :
 ./|ヽ三|三     | /     ̄フ  { ..:::丿: : : : :): : : : : : . .    . . . . .   : : : : : : : : : : :
. / |  ヽl /     .|      /   ヽ;;;;__::::::-‐: : : : : : :     ‐-: : : : : : . . . . . . . .  : :
  | / _| ヽ          \       } : : : : : : : :  ___,,,,,,,,,,,,,___ : : : : : :_____: : : ヽ .: : :
                 /      (;;;ヽ;;_;,;,;,;, -‐'゙;;; -‐──--'=、---r‐‐r/:;;;;;:;/ ...: : :
          ─--、   / //     ヽ:;;;;;;;;;; -‐´ ヽ/^ヽ/~~ i゙  l___,,,!--!゙;.;.;.;./. : : . :
   ヽヽ /   ─--、  〔/ /        l  、___,、__、__,,ヘ____,! --!;.;.;.;.;.;.;.;.//. : .: : : :
   _/    ─--、     /        T: :/: : : : : : : : : : : : /;.;.;.;.;.;/;;;/ : . : : : :
                  /         / . . . : : : : : : : : : : : :{:;.;.;.:/;;;;;;/. . : : / . :
              、   ∠/       / r‐‐‐r‐‐r‐v'ヽr-‐ヾ'/;;;;;;;;;;/: : : : :/ . . : :
   ヽヽ /    ナ‐‐、ヽ   ,r'        {  ヽ_,,, - ,,,,____ 人/::/;;;;;;;:/ : : : :/ . : : :
   _/    /  _/   (_        ヽ: : : : : : : __: : : :゙''゙: : ノ;;;;;;;;/ : : : : : . . : : : :
                   (,         ヽ-r''゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ; /: :/ : : : : : : /;;;
                 、-\           }; ;_;_;_; ; ; ; ; ;;;;;;;;; ; / :/ : : /: : :/;;;;;;;;;;
                 ヘ            /´ : : : : : : `ヽ:;;;:/ _/ : : /: :/;;;;;;;;;:::::
ヘ /l ト、 |\、 /\ /\゙i             {  ; : : : : : : : : : ヾ;; : : : ://;;;;;;;;;: : : :
 V | ,l ヽ|   V   ゙                .i  : : : : : : : : : : : : : : : -´:;;;;;;;;;;;: : : : :
263 :赤いイヤーカフ :2012/02/22(水) 06:43:19.75 ID:TOoXooqm0
午前11時9分
ネルフ本部:テストルーム01



リツコ「準備は良い?」

綾波「はい。」

シンジ「大丈夫です。」

アスカ「オーケーよ。」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「分かったわ。LCL注入開始。」

オペレーター「了解、全プラグ注入開始します。」

カチッ

シューゴポゴポゴポ・・・


バキ「・・・・・・・・・・・・ッッッ;」プクプク・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」トプン



オペレーター「注入完了しました。」

リツコ「時間は?」

マヤ「現時刻11時10分、実験開始時刻です。」


ミサト「実験開始。」




アスカ(新兵装の実験ったって、プラグの中なんにも変わってないじゃん。シンクロのやり方も特に特殊って訳じゃ無いみたいだし。)キョロキョロ・・・

アスカ(変わったと言えば後ろにバカの席が出来た事くらいか・・・)フー・・・

バキ「・・・・・・・・・気持ちワリぃ・・・;」

アスカ「! ちょっとアンタ何よそれ! 吐いたりしないわよね!?;」

バキ「それは無いよ・・・残念ながら・・・・・・;」フッ

アスカ「あっそ、ならいーけど・・・てゆーか前にも一回入ってんでしょ? あの時は大丈夫だったじゃない。;」

バキ「あん時はなんつーか・・・・・・あれよあれよと思う間にって・・・;」

アスカ「ホント、アンタっていい加減な作りになってんのね。」ヘラッ

ミサト「無駄話はそれくらいにして、ホラ集中集中。」

アスカ「はぁ〜い集中しま〜す。」



ミサト「イマイチ締まらないわね・・・」

リツコ「普段のプラグじゃないからはしゃいでるのよ・・・実験に支障が出ない程度なら、リラックスはむしろ実験には好都合だわ。」

ミサト「支障が出なかったらね・・・・・・・・・やっぱり零号機の方にしとけばよかったかなぁ、レイ静かだし。」

264 :赤いイヤーカフ :2012/02/22(水) 07:50:30.44 ID:4bssUOGK0
マヤ「各プラグ、シンクロ率上昇・・・・・・全プラグ起動域突破を確認、シンクロ率なおも上昇中。」

ミサト「固定シンクロ率は?」

マヤ「・・・零号機49、初号機54、弐号機80で固定しました。」

ミサト「80? 凄いわね・・・マジで拒絶されてない・・・;」

リツコ「むしろ弐号機のシンクロ率だけ上昇しているわ。実験の一つ目は早くも結果が出たって事ね。」

ミサト「なんでこんな事出来るのかしらね、彼・・・・・・」

リツコ「今は分からないわ。でも何にせよ、使徒殲滅の役には立つでしょう?」

ミサト「・・・そうね。」



バキ(あ〜キモチワリ・・・・・・肺で何か渦巻いてるンだろコレ・・・;)



ミサト「おめでとうバキ君、実験の一つ目は成功よ。がっばったわね。」

バキ <はぁ・・・・・・イヤ、操作何もしてないんですけどね・・・俺・・・;>

アスカ <バカねーアンタ。シンクロ率計るだけなんだから操作なんてしなくていーの。アタシ達はシンクロする事にだけ集中してりゃいいのよ。>

バキ <イヤだから何もしてないって・・・・・・;>

アスカ <は?>

バキ <?・・・・・・;>

アスカ <ちょっと待ってアンタ・・・ホントに何もしてないの? 集中も? ホントに乗ってるだけ?;>

バキ <まァ・・・・・・;>


ミサト・リツコ「!?」


アスカ <なっ・・・・・・・・・・・・・・・>




アスカ <ななっ何でよ! どうなってるのよっもうっ!!;>

バキ <どうなってるのっつわれても、俺にもさっぱりなんだけど・・・;>

アスカ <弐号機とシンクロするのにどれだけ時間掛けたと思ってんのよ!! このアタシでさえ6ヶ月も訓練したってぇのに! このバカ!!;>

ベチッ!

バキ <ちょっ・・・待て、やめろッ・・・;>

アスカ <バカバカバカバカバカバカバカバカ! バカぁ!;>

ボカスカボカスカ・・・

バキ <ワカったゴメン、悪かったって・・・;>
アスカ <うるさぁい!!;>ブン

バキ (えぇ〜〜〜〜〜?;;)ボカ!



マヤ「ケンカしてますけど・・・;」アハハ・・・

ミサト「あちゃー・・・・・・;」

リツコ「予想通りね。」

ミサト「ええそうね・・・・・・まぁいっか、楽しそうだし。」

リツコ「マヤ、次の実験の準備をお願い。」

マヤ「了解。」

265 :赤いイヤーカフ :2012/02/23(木) 08:27:56.02 ID:hMilQ9mk0
マヤ <準備完了です。起動できます。>

ミサト <はいはーいケンカ終了〜、実験やるわよ〜>

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・;」ピタッ

バキ「・・・・・・だってさ・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ムゥ〜・・・

バキ「・・・な?;」

ミサト <アスカ? 操縦レバー握ってみて。>

アスカ「あのさぁ今お取り込み中なんだけど・・・」ムッ


リツコ(それは私達のセリフよ。)イラッ

ミサト(めんどくさいわね〜・・・)
   「いいからいいから、すっごい事起きるから。」ニッ

アスカ <すっごいコトって何よ。>

ミサト「まぁまぁとにかく握っ・・・」
リツコ「いい?二人とも、これは実験であって遊びではないの。貴方達の茶番に私達を付き合わせるのもいい加減にしなさい。これ以上余計な事をしたらLCL圧縮濃度を限界値に設定するわよ。」


ミサト「・・・リ、リツコ・・・;」



バキ <・・・・・・・・・・・・・・・・・・;>

アスカ <・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;>


リツコ「ごめんなさいは?」


アスカ・バキ <・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・;>



リツコ「まったく・・・」イライラ・・・

シンジ <・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;>フゥ・・・


ミサト「えー・・・・・・・・・・・・おほん・・・じゃ、気を取り直していきましょ。右の操縦レバーを右に、左の操縦レバーを左に回して。」

シンジ <・・・・・・・・・・・・>ガシャ

バキ・アスカ <・・・・・・・・・・・・;>ガシャ

綾波 <・・・・・・・・・・・・>ガシャ


ミサト「次にそれを前に押し込むと新兵装が起動するわ。」


アスカ・バキ <・・・・・・・・・・・・>ガコン

シンジ・綾波 <・・・・・・・・・・・・>ガコン



266 :赤いイヤーカフ :2012/02/24(金) 23:08:49.70 ID:iwEwyT1j0
広大な四角形の空間の中で、異様な存在感を放つ三体のエヴァ。

初号機・零号機・弐号機


三機は空間の壁に設けられた装置により
直立姿勢のまま固定されている。


ガシッ・・・


微かな音が弐号機の両拳・・・指のつけ根に取り付けられた装甲から響く。

その音に続くように
初号機・零号機の両拳からも同様の音が鳴る。

ギュイイイイイン・・・  ガン!ガン!ガン!

その音が消えてすぐに、今度は弐号機の指のつけ根の装甲が
重低音を上げながら回転し、停止した後に打撃音を立てて解除される。

ドドン・・・ ガーン・・・

弐号機の足元に装甲が落下した。
初号機と零号機の足元にも装甲が転がる。




マヤ「新兵装、起動します。」




マヤがそう言った直後・・・



ゆ ら ぁ・・・





三機のエヴァンゲリオンの両拳が、真っ赤に滾る陽炎を纏った。





267 :赤いイヤーカフ :2012/02/25(土) 09:18:13.99 ID:XSDOBc210
バキ「ッッッ・・・・・・・・・;;」

アスカ・シンジ・綾波「!」



ミサト「これは・・・!」


リツコ「準高濃度A・T・フィールド・・・・・・・・・・・・ジャックさんとピクル君から検出された独自のエネルギーパターンを解析して、その結果判明した発生原理を簡略化して完成した模造品よ。 オリジナルである彼ら程の濃度にはならなかった為、安定した出力を発揮出来るとは言えないわ。けど、ある程度までは大質量のフィールドが不安定さをカバーするはずよ。」


ミサト「・・・・・・効果はどうなの?;」

リツコ「A・T・フィールドを相殺もしくは破壊出来るわ。敵の展開するフィールドの出力が「低い」事を前提に見据えた場合に限るけど。」

ミサト「・・・じゃあ、使徒の光線も場合によっちゃこれで消せるってワケね・・・;」

リツコ「場合によればね・・・」


ミサト「どう? そっちは何か変わった事ある?」

アスカ <別にないわよそんなの・・・・・・でも、なんてゆうか・・・>

綾波(・・・これは・・・・・・・・・何?・・・)

シンジ(なんだろう・・・こんな気持ち初めてだ・・・・・・)

ミサト「なんてゆうか何?」

アスカ <んー・・・よくわかんないけど、なんかソワソワするわ。>



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」






傷付く、傷付ける、勝つ、負ける。

そして闘う。


それらの行為で、己の存在価値を立証し続けた。

己の望みを叶え、貫き通す事を試みた。


格闘こそが[コミュニケーション]の手段の最高峰。

現に彼の友人達のほとんどが闘士。


そんな漢にのみ、分かる物がある。





バキ(同じだ・・・・・・・・・・・・あの感覚が始まる、その予兆・・・・・・相手の全てを破壊せんとする、強力な闘志・・・・・・;;)


バキ(しかもコレ・・・・・・・・・・・・違うじゃん・・・;;)


バキ(俺の闘志・・・俺の起こしたヤル気じゃない・・・・・・となると・・・;;)



268 :赤いイヤーカフ :2012/02/26(日) 17:09:24.95 ID:R2hcRk1d0
アスカ <ねぇミサト。>

ミサト「なーに?」

アスカ <・・・コレ・・・使ってみていい?>

バキ<!;>

マヤ「!;」


ミサト「使うって・・・腕を振るって事?ここで?」

アスカ <そーよ当たり前じゃない。腕を振らずにパンチなんて打てないでしょ?>

ミサト「そりゃそうだけど・・・・・・・・・う〜ん・・・;」

リツコ「ただ振り回すだけなら別に問題ないわ。何処かにぶつけない限りは。」

アスカ <? ぶつけたらどうなるんですか?>

リツコ「拳からフィールドによる爆風が発生するわね。」

シンジ <それって・・・僕ら危ないんじゃないですか?;>

リツコ「爆風の威力と規模はシンクロ率次第だから・・・・・・・・・・・そうね、今の弐号機だとそこそこ危ないわ。」

ミサト「はい駄目、ムリムリ。;」

アスカ <なんでよ、狭いんだったら場所変えればいいでしょ?」ムッ

ミサト「今から変えるわけにはいかないわよ。時間もないし、他にやる事だってあるから。;」

アスカ <勝手な理由ね。そんなのアタシ知らないわよ。>フン

ミサト「勝手で結構。バキ君とアスカの心理グラフは?」

マヤ「多少の興奮はありますけど、大きな乱れは確認出来ません。」

ミサト「じゃあシンジ君とレイは?」

オペレーター「二人とも多少興奮しているようですが、こちらも通常時と比べて目立った変化は確認出来ません。」

ミサト「それならいいわ・・・」フゥ・・・


リツコ「とりあえずは実験成功のようね。」


ミサト「そんな感じね・・・・・・・・・実験終了。みんなお疲れ様、上がっていいわよ。」


シンジ <・・・・・・・・・・・・・・・>フ〜・・・

バキ <・・・・・・・・・・・・・・・・・・;>ホッ・・・

綾波 <・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・>


アスカ <・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・>















269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/02/26(日) 23:30:43.09 ID:OrKz60nt0
アスカとバキの掛け合いでホッコリする俺は範馬脳
スレチだがアスカとバキが肉感的に合うと聞いて
貞本絵のアスカと板垣絵のバキが、激しくSAGAってるシーンをリアルシャドーしたのは俺だけか?
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 01:09:46.80 ID:Abax2HrDO
やめろw
271 :赤いイヤーカフ :2012/02/27(月) 18:38:54.12 ID:K6bv1Zf90
午前11時40分
更衣室


バキ「シンジ、ちょっと・・・」

シンジ「どうしたの?」

バキ「プラグスーツ脱ぐのって、この手首のボタン押せばいいの?」

シンジ「多分それで合ってると思うけど・・・・・・・・・どうだろ、バキ君のだけ違うって事も有り得なくはないから」

バキ「使い方聞ィときゃよかったなぁ・・・」

シンジ「でも着れたんなら、着た時と同じボタンを押せば良いんじゃないかな」

バキ「それがダメだから聞いてんだよ。しょうがない、ここは勘で・・・」

ポチポチポチッ


ベ ッ チ ィ ィ ン!!


バキ「おッッ;」

シンジ「!!;」


シャッ

アスカ「なに? 今なんかバンっていったけど;」

綾波「?」

シンジ「大丈夫?;」

バキ「まぁ・・・・・・大丈夫、だと思う・・・;」

アスカ「今の音なに?;」

バキ「イヤ、このボタン連打したら胸に衝撃が・・・」

アスカ「は? 胸に衝撃ぃ?;」

バキ「ワケ分かんないよな・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「ン?なに?」

アスカ「ちょっと見せてよ。」

バキ「?」スッ

アスカ「・・・・・・・・・」ポチポチポチッ


ベ ッ チ ィ ィ ン!!


バキ「〜〜〜ッッ!?;;」

綾波「!?」

シンジ「そっ、惣流さんっ;」


アスカ「分かったわ。コレAEDよ」


バキ「A・・・・・・なに?;」

アスカ「AED、またの名を自動体外式除細動器。心臓発作を治すアレよ。授業で一回見たでしょ?」

シンジ「でもこんな凄い音しなかったような・・・;」

アスカ「コイツ用に調整したんじゃないの? リツコも機能を合わせたみたいなコト言ってたし」
272 :赤いイヤーカフ :2012/02/28(火) 01:07:57.58 ID:JJWd/7Lr0
アスカ「それにしても、確かに凄い音ね」ポチポチポチッ


バ ッ チ ィ ィ ン!!

バキ「ぅおッッ;;」

綾波「!」ピクッ

シンジ「うわっ!;」

アスカ「もういっちょ」フフ・・・

バキ「オイやめろってッ 結構痛いんだよ?コレ・・・;」

アスカ「そんなコト超人格闘大会チャンピオンのアンタが言っても説得力ないわよ。バカ山のとんでもパンチを屁とも思ってないくせに、コレが痛いだなんて信じらんないわ」

バキ「そりゃあ花山さんと比べたら・・・」

ポチポチポチッ

バ ッ チ ィ ィ ン!!

バキ「・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」


アスカ「ほらほらもう一回いくわよぉ?」ニヘラ〜


バキ「なんだよ・・・まだ怒ってんの?;」

アスカ「そりゃ怒るわよ。アタシ、ビギナーズラックって嫌いなの」フン

バキ「だからワルかったって・・・;」

アスカ「そーやってすぐに頭下げるヤツも嫌いなのよね。謝ったらなんでも許されるって勘違いしてんじゃないの?」ジロ・・・

バキ「はぁ・・・・・・・・・・・・分かったよ・・・今日はずっと怒られる・・・これでいいか?;」

アスカ「これでいいですか?よ・・・・・・ホラ、言ってみなさい?」


シンジ(根に持つなぁ・・・;)ハハ・・・


バキ「これでいいでしょうか。;」

アスカ「いいわ、これで許してあげる。アタシ先に行くから着替えていいわよ」プイッ  スタスタ・・・

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ホッ

アスカ「あ・・・そういえばアンタ、実験始める前にヘンな事言ってたよね」ピタッ

バキ「ん?」

アスカ「怪力高校生だかなんだかってゆうアレよ」

バキ「エ?・・・俺中学生って言ったハズだけど・・・」

アスカ「い〜や確かに高校生って言ったわ。そういう風に聞こえた」

バキ「そりゃつまり・・・・・・・・・・・・・・・俺が高校生で・・・・・・おかしくね? オレまだ中学生だろ」

アスカ「だからおかしいって言ってんのよ」

バキ「あぁおかしいよ・・・・・・聞き間違いじゃね? 惣流さんの」

アスカ「おっかしいわね・・・」ウーン


273 :赤いイヤーカフ :2012/02/28(火) 18:50:33.85 ID:aWzQsiye0
バキ「それより行くんなら行ってくれよ。着替えたいから。」

アスカ「絶対高校生って言った・・・」ブツブツ・・・

バキ「言ってねェって。ホラホラ行った行った。」

アスカ「むぅ〜」スタスタ・・・

バキ「綾波もホラ。着替え終わってないのオレだけなんだから。」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


プシュ   シュッ






バキ(あッぶね〜〜〜〜・・・・・・・・・;;)フゥ・・・




シンジ「・・・思ったんだけど・・・」

バキ「!;」ピクッ

シンジ「この赤い方のボタンじゃないかな。」

バキ「え?;」

シンジ「? いや、だから・・・」

バキ「! あ、ああそういうコトか。コレは押したんだけど、なんか反応しなくってさ。他になんか無い?;」

シンジ「う〜ん・・・・・・・・・・・・他にはそうだな・・・・・・押しっぱなしにするとか?」

バキ「・・・・・・・・・・・・;」カチ・・・


プシュウウゥ・・・



バキ「お〜〜・・・」ダランダラン

シンジ「これだったみたいだね。」

バキ「あー窮屈だった・・・・・・;」ガサガサ・・・

シンジ「足がゆったりしてるだけいいよ。僕らなんて上から下までずっと窮屈で、足も冷えるからさ・・・」ハハ・・・

バキ「アハハ確かに・・・オレの以外ピチピチすぎだよなァ・・・」ヘラッ

シンジ「LCLから上がったばっかりの時なんてもう最悪だよ。」アハハ

バキ「寒いのなんのって、もう酷いよなコレ。オレの着てるヤツはちょっとデカいからまだマシだけど、惣流さんのスーツは冷たかったわ・・・・・・つーか恥ずかしかった。」モソモソ・・・

シンジ「アレはちょっとね・・・・・・;」ハハ・・・

バキ「あんなのを女子中学生に着させるとかよォ・・・軽くセクハラだって・・・」アハハ・・・


プシュ



アスカ「おっそーい!! 何やってんのよアンタら! 着替え終ってるならさっさと出てきなさいよ!」


シンジ「あ、ゴメン。;」

バキ「待ってたのかよ・・・;」

274 :赤いイヤーカフ :2012/02/29(水) 10:46:15.29 ID:LeIjnOsR0
12時15分
ネルフ本部:A−2作戦会議室


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


事務机の上に幾つか資料が置かれている。

その資料にはバキの身長、体重、年齢、住所から交友関係まで事細かい情報が記載されており、その全ての資料に[葛城ミサト]のサインが書かれ、判も押されている。

椅子に座って机上の資料を眺めつつ、ミサトは小さなマグカップでコーヒーを飲んだ。


ミサト(こんなの見たって分かるわけない、か・・・・・・)



強さの由来が分からない。

知ったからといって今はどうもしないのだが、気になる物は気になるし、不気味に思える事は何処まで行っても不気味だ。

ならばどうしても知りたくなるのが人間の性である。

何故バキはあれほど迄に強いのか。
何故シンクロが可能なのか。



いや、バキだけではない。

他の闘士達の事もある。


何故皆が皆、強さに固執し、執念を燃やすのだろう。

ある者は進んで試作品の実験台になり、ある者は己の命すら一切省みず、必要とあらばモルモットに志願し、万が一可能ならば使徒にだってなるだろう。


そんな普通一般の常識とは掛け離れた怪物達の頂点が、あの小柄な少年で、しかもその少年の名がいつの間にか諜報部の名簿に記されていた。

そしてその少年を諜報部から引き抜き、チルドレンの護衛として自分と同棲を始めた辺りから、諜報部構成員が次々に殺され始めた。

そして今回の凄惨な殺人事件。



ミサト「偶然なんかじゃないわ・・・・・・絶対に・・・」




プシュ


ミサト「!」


背後からの排気音に、ミサトは振り返る。


克巳「こんちわ。」

烈「失礼します。」


そこに居たのは克巳と烈だった。
275 :赤いイヤーカフ :2012/03/03(土) 10:04:57.88 ID:lVac8dtD0
ガサッ  トントン

二人の姿を確認したミサトは、机上に広がる資料をまとめ、小脇に抱えた。

ミサト「何か用?」

そして何事も無かったかのような様子で聞き返す。


克巳「訓練についてお話をと思って・・・」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


烈は鍛え抜かれた動体視力を以って、ミサトがさりげない動作で隠した書類の内容を見切った。

いや見切ってしまった。
率先して見る気はまるで無かったかのだが、事故的に見てしまった。


克巳は紅葉からの警告を聞いていない。
だから何の疑問も抱かなかった。

むしろ克巳は管理される事は当然と思っている。
集団に属する人間を、その集団に適するタイプに修正するのが組織というものであり、その努力無しには組織という枠組みは維持出来ない。

修正の対象が例え、従う気の無い規格外であってもだ。


だが、烈は警告を聞いている。
だから分かるのだ。

制御されているのでは無い。

見張られているのだ。




烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「訓練のやり方を言いに来た・・・ってわけね。」フー・・・

克巳「聞いてくれますか?」

ミサト「聞くわよ。本当なら愚地さんから聞きたかったけど。」

克巳「助かります。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



克巳「訓練のヤリ方は至極単純・・・・・・まず、あの子達の生活を普通に戻しす。」


ミサト「?・・・・・・戻す?」

克巳「その後に、その平和な暮らしに[敵として]我々が介入します。」

ミサト「てっ、敵ぃ!?;」

克巳「敵が来れば誰もが己の身を守るため、己の生活を守るため、嫌が上にも立ち上がらなければならない。」

ミサト「何言って・・・;」

克巳「敵から逃れる事叶わぬなら、闘わなければならない。」

ミサト「それって訓練じゃ・・・;」

克巳「そうです。実戦です。」


276 :赤いイヤーカフ :2012/03/10(土) 17:17:08.36 ID:6PiYFDxT0
克巳「まァ・・・実戦とは言っても当然、手心は十重二十重に加えます。致死レベルの打撃も決して打ちません。周囲への被害も極力ゼロに・・・・・・・・・・・・例の事件の犯人が乱入してきたら、その時はそいつを壊せばいい。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳「第一・・・アイツらの周りには俺ら以外にも何十人かいますからねェ・・・」

ミサト「監視員に気付いてたの?;」

克巳「ン〜・・・・・・というより、勘ですよ。なんていうか・・・なんか居るなァ〜みたいな。」フフッ



克巳「えーっと・・・とりあえずはこんなトコですかね。結構なんとかなると思うんですけど・・・・・・・・・どうですかね?」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



踏ん切りが着かないのか、ミサトは顎先に手を当てて口をつぐんでいる。

どのような手段であれ、どのような過程であれ
それで使徒を殲滅出来るのなら迷わず実行し、辿るべき。

国を守る実行力として、和平・相互不干渉の道が期待できない敵を撃破するのは当然の事。
それはミサト自身も理解しているのだが、人間側の戦力の中枢が十四歳の少年少女たった三人であるという事実が、彼女を未だに躊躇わせている。

しかも今回は厄介な事に、実戦の前にもう一つの実戦があるのだ。

今この瞬間、安全が保証されたかもしれない実戦が。




ミサト「ひとつ聞くわ。」


克巳「はい。」

ミサト「あの子達の相手をするのは誰?」

克巳「それを言っちゃこの訓練の意味がありません。」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


克巳「策を練ろうが読み合いをしようが、全てはぶっつけ本番・・・・・・・・・それが実戦ってもんでしょ?」ニッ


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







277 :赤いイヤーカフ :2012/03/13(火) 17:54:47.77 ID:4uFC1w/k0
12時30分
ネルフ本部:メインホール2階=通路休憩所


廊下のホール側に設けられたベンチ。そこにアスカとバキは
ホール中央に背を向ける形で、隣り合って座っている。

制服姿のアスカは足を組んで携帯をイジり、制服姿のバキは微炭酸のジュース片手に、外の景色を窓越しにボーっと見ている。


今、シンジはジュースを買いに行っている。


綾波は何の用があるのか、零号機格納ケージへと行ってしまった。





アスカ「ねぇバキ」パチン


アスカが携帯を閉じた。


バキ「ンー?」

アスカ「ホントわけ分かんないよね・・・アンタって」

バキ「?」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキは右隣りに居るアスカを見る。
アスカの視線はバキを捉えてはいない。


バキ「ワケ分かんないって、何が」

アスカ「別に・・・・・・ちょっと思っただけよ」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



アスカ「アンタさ・・・・・・なんでこんなになるまで強くなろうって思ったの?」


バキ「?」


アスカ「へんな大会に出て、なんでもありで殴り合ってさ・・・・・・そんな事までして強くなってどーすんのよ・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「それでトロフィーとか、メダルとか、昔やってたオリンピックってのに出れる資格とかが貰えるなら、強くなりたいって気持ちも分かるわよ。有名になれるし、憧れてもらえるし・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「でも・・・アンタの貰ったのって携帯電話だけじゃない? 優勝したのに・・・」




ミサト「二人ともちょっといい? 朗報あるんだけど」スタスタ・・・

278 :赤いイヤーカフ :2012/03/14(水) 01:53:48.54 ID:OFb4tE540
アスカ(うっわタイミング最悪・・・)

ミサト「あ! ちょっと何よその顔〜・・・そんなに聞くのが嫌ならいーわよ、言わないから」フーン

アスカ「めんどくさいわねー・・・・・・・・朗報って何よ・・・」

ミサト「聞きたい?」ニッ

アスカ「早く言ってよ!」ムカッ

ミサト「へー、そう?・・・じゃ、言うけど・・・」


シンジ「あっ、ミサトさん」スタスタ・・・


ミサト「あらシンちゃん、グッドタイミングね〜♪」

シンジ「へ?」

アスカ「シンジはいいから早く教えてよ」イライラ

ミサト「そういえばレイはどこいんの? 呼び出し?」

バキ「アイツなら零号機の格納庫ですよ。なんか用があるらしいんで」

ミサト「用? 変ね・・・・・・・・・まさか指令に呼び出されたとか?」

バキ「そんな事じゃないと思いますけど・・・」


アスカ(あーもう! 間が悪いっ!)イライラ


シンジ「あの・・・何の話ですか?」

ミサト「訓練についての話よ。みんな居る時に言おうと思ってたんだけど・・・・・・ま、仕方ないわね」



ミサト「今日の訓練は無し。今からフリータイムよ♪」



アスカ「はぁ?」



バキ(おっとォ・・・・・・来たよ・・・;)


279 :赤いイヤーカフ :2012/03/14(水) 18:38:11.05 ID:f0iCo9Nh0
シンジ(訓練が無い?・・・・・・ってことは、今日は何もないのかな・・・)


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・なんで?・・・」ポカーン


ミサト「訓練の方針を見直したいって克巳さんから申し出があったのよね。安全性に疑問があるんじゃないかって」

アスカ「いまごろぉ!?」

ミサト「ええ今頃。ツッコミ所満載の展開だけど、私としては意見が通ったから万々歳だわ」ヘラッ

アスカ「じゃあこれからアタシ達どうすんの? 訓練しないんだったら・・・」

ミサト「だからフリータイムよ。各自解散ってこと」

アスカ「・・・解散・・・・・・・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・マジ?;」

ミサト「うんマジ」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


ミサト「あ、レイにもコレ教えとかなきゃ」カチッ  ピッピッピッ・・・

プルルルルル   プルルルルル



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


シンジ(なんか休日に登校した気分だ・・・・・・・・こういうのって、なんとなく得した気分になるんだよな・・・本当は何も得してないけど)


シンジ(・・・でも・・・・・・ミサトさん、どうやって独歩さんを説得したんだろう・・・)


シンジ(克巳さんと協力したのかな・・・)






280 :赤いイヤーカフ :2012/03/15(木) 01:04:23.21 ID:+gax+vws0
ほぼ同時刻
ネルフ本部:零号機格納ケージ


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



零号機が本来浸かっているはずの冷却プール。
アンビリカルブリッジの上に立つ綾波の眼には、本来ならば零号機の巨大な頭部が映るはずなのだが、今の彼女の視界にそんな光景は無い。

彼女の視界にあるのは、ひたすらに紅い冷却用のLCLだけ。



綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




実験中に感じた胸のざわめきを、綾波は受け止めれずにいた。

感情が何かにわなないていた実験時。
今思い返すと、それが何故か少しだけ懐かしいのだ。


弱々しいが初めての負の衝動・・・心の動きだというのに、それに対して僅かに暖かみを感じてしまった。


自分には到底馴染まないはずの感情に。





綾波「・・・・・・何故・・・・・・」



そう彼女が呟いたその時。





ズ チ ャ ッ





彼女は足音を耳にした。

綾波は足音のした方向を見る。



281 :赤いイヤーカフ :2012/03/15(木) 20:04:09.04 ID:oi9yjC3z0

綾波「!」




ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



足音の主は予想以上の巨体。
だが綾波は、驚きはすれど恐怖心は抱かなかった。

目の前にいる巨人の瞳は、何物にも染まらぬ無垢。
敵意も威圧も無く、緊張も無い。

現代に於いての知性という物も感じられなかったが
何処か親しみを覚える視線だ。


ズイッ


一歩踏み込んで近づき、顔を寄せるピクル。
急に動いた巨人に綾波はやや怯み、少し頭を引いた。


スンスン  スンスン


綾波「?」




巨人は仕切に鼻を微動させ、綾波の匂いを嗅ぐ。

綾波にはそれが少しおかしく思えた。

すると巨人は顔を引き・・・



ピクル「・・・・・・・・・・・・」ニコッ



笑った。

開いた口から見える犬歯がちょっと怖いが、笑顔自体は無邪気そのものだった。




ピリリリリリッ   ピリリリリリッ


282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 16:08:41.91 ID:uKvgjosUo
ビリリリに見えた瞬間にガッツポーズしたんだけど
この拳どうすればいいの
283 :赤いイヤーカフ :2012/03/19(月) 00:05:19.82 ID:WyoHHnyq0
ピクル「?・・・」


聞き慣れない音に巨人は首を傾げる。

表情に出す程では無かったが、綾波は月に一度の定期検査の呼び出し以外、滅多に鳴らないはずの携帯電話が音を発した事に驚いた。

スッ

スカートの腰右側にあるポケットに手を伸ばす。


綾波「!?;」




綾波では無くピクルが。








スポッ




綾波「っ・・・」


ゴソゴソモゾモゾ・・・


綾波「あっ・・・・・・まっ、待って・・・//;」




ピクルは小さいポケットに人差し指と中指を突っ込み、音を出す何かを取り出そうと試みているが、いかんせん彼自身の指が太過ぎるため上手くいかない。

携帯電話はまだ鳴り止まない。

右ふとももを力強めにまさぐられる感覚に綾波はあたふたして、顔を薄く紅潮させ、腰を引いて抵抗する。


ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モゾモゾ・・・





スポン





ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニコッ



ピクルの指と共に携帯電話がポケットから抜かれた。


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//;」ハァ ハァ



巨人がとった予想外の行動に、綾波は呆気に取られた。

284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 05:51:28.59 ID:pVjU0IRDO
押し倒さないのは誰か教えたんだろうか
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2012/03/19(月) 08:02:32.77 ID:/yGiL4Ui0
未成年は出産と子育てに不安があるからじゃね?さわった理由も携帯の着信音が気になったからだし

そんなことよりこれからピクル殺しに行く
286 :赤いイヤーカフ :2012/03/22(木) 12:34:15.74 ID:+wrGXXcQ0
ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ピリリリリリッ  ピリリリリリッ


ピクル「?」



甲高い音を発するそれは、生物には見えなかった。

[極めて平らな地面][寸胴で動きが鈍い鼻長][岩に似た動く何か]や[眼を光らせる足の丸いヤツら]は前に何度も見た。

此処では[形を変える岩山]と[空から生える岩山]
[巨大な三匹の美女]と[恐るべき強敵]に新たに出会った。

だがこれは見たことが無い。


ピクルの脳裏に白い二枚貝の姿が浮かぶ。

一番コイツと似ているからだ。
足に食いついてきたアイツ程大きくはないが。


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・/;」


ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




興味津々な様子で携帯を眺めるピクルを見て、綾波は困った。

着衣以外に文明を全く感じない彼。
感情に直結した行動を取り、言葉さえも話さない巨人。

携帯を返してくれるのだろうか。


そもそも言葉が通じるのか。





綾波「返して・・・・・・;」


ピクル「?」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」スッ・・・ サッ・・・




綾波は人生初のジェスチャーを行った。

携帯を指差した後、自分を指差す。


これで分かってくれれば・・・

287 :赤いイヤーカフ :2012/03/26(月) 20:39:28.55 ID:1RsY/l2D0
ピクル「・・・?・・・・・・」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


スッ・・・



綾波の目の前に携帯が差し出された。
意外にも呆気なく通じるものである。


ピリリリリリッ ピリリリリリッ ピリリリリリッ


コールは未だ鳴り止まない。
綾波はピクルから携帯を受け取ると、電話に出た。



ピッ



綾波「・・・もしもし」


ミサト <あーやっと繋がった。今日の予定でちょっち変更があって掛けたんだけど、今日の訓練は無しって話、誰かからもう聞かされたとかない?>

綾波「聞いていません」

ミサト <あ、そう・・・じゃあ改めて言うけど、今日の訓練取り止めになったから。今からは各自自由時間ね>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト <んじゃ、そうゆう事だからよろし・・・・・・・・・あ、ちょっと待って。今レイ何処に居るの? 格納ケージ?>

綾波「・・・零号機格納ケージです」

ミサト <・・・リツコにでも呼び出されたの?>

綾波「いいえ」

ミサト <あら、バキ君はなんか用事がありそうって言ってたけど・・・>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト <・・・もしかして何となく行ってみた・・・・・・とかだったりした?>


綾波「・・・はい・・・・・・申し訳ありません・・・」

ミサト <いいわよそれくらい。誰だってそういう気分になる時はあるし、気にする事ないわよ>フフッ

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト <それじゃ切るから、風邪引かないでね。そこ寒いから>

綾波「はい」

288 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 16:57:31.50 ID:RmQ+inyS0
パチン




ミサト「なんか考え事してたみたいね・・・」フー・・・


バキ「ケージに居ました?」

ミサト「ええ居たわ。なんとなくぶらつきたかったって」

シンジ「?」

アスカ「ふーん・・・ヘンなの。まぁアイツらしいけど」ヘラッ


シンジ(・・・考え事・・・・・・・・・)


シンジ(実験中に何かあったのかな・・・・・・)





シンジ(いや・・・でも、非常事態とかは何も起きなかったし・・・)



ミサト「さってと・・・・・・じゃ、私は用事あるから」スタスタ・・・

シンジ「! ぁ、ハイ」

アスカ「アタシ達帰っていいの?」


ミサト「帰っていいわよ〜おつかれさま〜」スタスタ・・・



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「はぁ・・・・・・・・・今日絞まらな過ぎね。ヒョーシ抜け」

シンジ「綾波はどうするんだろう。帰るのかな・・・・・・」

アスカ「知らないわよそんなの。多分帰ってくるんじゃない?」


ピリリリリリッ ピリリリリリッ


バキ「ン?」



289 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 17:21:32.93 ID:YyXQWxnL0
バキの携帯から着信音が鳴った。



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



バキは電話の内容を、何と無く察した。





ピッ




バキ「ハイもしもし」


オリバ <盗聴防止の為に手短に話す>


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ <再開発指定区域の廃団地にE−3マンションというアパートがある。そのアパートの中に黒い表札が掛かっている部屋がある。そこに今から向かって欲しい>


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ <以上だ>


プツッ





[通話終了]









バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ハァ・・・


アスカ「どうかした?」

バキ「ンーー・・・・・・・・・いや、ちょっと用が出来たから行くわ」

アスカ「は?」

シンジ「え?」

バキ「ンじゃな」タッタッタッ・・・

アスカ「あ! ちょっと!」

タッタッタッタッ・・・


アスカ「あ〜・・・・・・」
290 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 20:13:56.19 ID:IK3Qihs/0
シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「ねぇシンジ・・・」

シンジ「なに?」

アスカ「ヘンじゃない? 今日・・・・・・」

シンジ「うん・・・・・・」

アスカ「なんてゆーか・・・怪しいのよねさっきから」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アスカ「思い過ごしかもしんないけどね・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「先帰るわ」ガタッ


シンジ「あ、うん」

アスカ「アンタはどうすんの? 一緒に帰るわけ?」

シンジ「・・・・・・僕は綾波を待つよ。なんか心配なんだ」

アスカ「あっそ。あーお熱いお熱い」ニヤッ


スタスタスタスタ・・・






シンジ(綾波もバキ君もどうしたんだろう・・・)











シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」









291 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 21:02:53.89 ID:KkWtj7pa0
感じた事がある。


その何かを知りもしないのに、それは懐かしかった。

友でも、敵でも、餌でもない。


遊び相手でもない。





それは母性・・・・・・母の存在・・・




偉大な何かの予兆に惹かれ、導かれた先に居た者。
それは己より小さく、比ぶべくも無く非力な雌だった。

だが、そんな彼女に自分は甘えた。

彼女の困り顔を見て喜んだ。

彼女の焦った様子を見て笑った。


まるで母親に甘える子供のように。




ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





彼女がこの場を去った時、ピクルは再度決心した。



心に決めた女は別に居る。

彼女ではない。





フッ







ピクルは姿を消した。



292 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 22:12:43.87 ID:07NmjT8i0
12時37分
ネルフ本部:A−2作戦会議室


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



独歩「いやァ・・・・・・ワルいね、こんな事やらせちゃって・・・」ニヤニヤ・・・


ミサト「もう二度とゴメンだわ!!」

独歩「その気持ちは解らなくもありませんが、コッチもマジなんですわ」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


独歩「全ては教え子の為です」

ミサト「それが貴方のエゴじゃないってどう証明するつもり?」

独歩「エゴじゃない証明? 無理だね」ヘラッ

ミサト「どういう意味よ」ギロッ


独歩「純然たるエゴだからよ」


ミサト「!?;;」


独歩「格闘ヤッてる奴の目標は、突き詰めると快楽に到達する」


独歩「敵を倒す・・・それも徹底的にブチのめすのは最高に気持ちがいい。だから強くなるのは楽しい。だから鍛え、練り上げ、磨き上げる。だから誰もが地上最強を目指す」

独歩「弱い奴は武術を身につけ、強い奴は人を超越する・・・・・・・・・・・・己の快楽・・・破壊衝動や優越感という名の[エゴイズム]を長ぁ〜く深ぁ〜く満たし続ける為にだ」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」

独歩「あんた・・・・・・俺達格闘家がクリーンな奴らに見えるかい?」

ミサト「そっ・・・それは・・・・・・;;;」

独歩「心身に健全さを求めるというだけで、ここまで来ちまったと思えるかい?」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


独歩「心身精進の為の武術・・・・・・・・全て嘘っぱちです」




独歩「 武 を 磨 く の は 暴 力 を 使 い た い か ら だ 」




ミサト「!!!;;;」


独歩「殴りたいッ 蹴りたいッ 絞めたいッ 折りたいッ 千切りたいッ 裂きたいッ そして出来れば殺したいッッ」


独歩「心の底からそれらを願う・・・・・・それが格闘家だ」

293 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 22:48:55.04 ID:IK3Qihs/0
独歩「・・・っていうかよ、あんたにはエゴは無いのかい」


ミサト「えっ・・・・・・;;」

独歩「格闘やってたんだろォ? だったらあんたもエゴイストだよ」

ミサト「そっ・・・そんな! 私は・・・;;」
独歩「世界平和の為?」

ミサト「!;;」

独歩「それが全てかい? え?」

ミサト「・・・・・・・・・・全てじゃ・・・;;」
独歩「ああそれだけじゃない」

ミサト「ッッ・・・・・・・・・;;」

独歩「使徒が出た時のあんたの空気ったら・・・・・・そりゃあもう殺したい気満々でよ。ありゃ使命感とか正義感とか、そんな大層な代物じゃねぇ」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

独歩「親でも殺されたかい?」クスッ

ミサト「!!;;」


独歩「へっ・・・やっぱりそうかい・・・・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


独歩「復讐に子供を駆り出すのはどんな気分だい?」


ミサト「!!!;」



独歩「やっぱりあんたエゴイストだぜ」ニヤッ



ミサト「このっ!!;;」ダッ


バ ァ ン ! ! !



294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2012/03/28(水) 23:03:40.56 ID:6gdSmq1u0
独歩ちゃんマジ仕上がりすぎだろww
295 :赤いイヤーカフ :2012/03/28(水) 23:27:51.72 ID:3/fkaR7Q0
ミサトのビンタが独歩の左頬に届く前に
独歩の右手に握られた拳銃が破裂した。

突如鳴り響いた衝撃音にミサトは凍り付き、そして気付いた。


自分の懐から短銃が消えている事に。



克巳「いい加減にしろよ親父;;」

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


独歩とミサトの間に、何かを拾う途中のような姿勢で克巳が固まっている。
ミサトは克巳の腕が掴んでいる物を見た。


ミサト「!!;;;;」



克巳は愚地独歩の右足を掴んでいた。
ミサトの股下で止まっている爪先を、上から押さえ付けるように。

凶器と化した独歩の爪先が、ミサトを股間から頭頂部まで真っ二つにしないように。



独歩「へッ」



克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


スッ



独歩は跳ね上がった右足を戻し、帽子を被ると・・・



独歩「銃ぶっ放すんじゃなかったか・・・・・・」




・・・と呟き、作戦会議室から出ていった。







ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ガクッ

克巳「あっ! チョッ!;」




意識を失ったミサトは、床に倒れ込む寸前に克巳に抱き抱えられた。



296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/28(水) 23:53:54.67 ID:s9fYfCk60
餓狼伝の寸止めの人のセリフをドッポが言うのもシュールっちゃシュールだ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 07:38:26.40 ID:qkybflBDO
>>296
最初期なら兎も角最近のどっぽちゃんだと恐ろしいまでに違和感がないけどなw
298 :赤いイヤーカフ :2012/03/31(土) 23:06:42.17 ID:MrQIVNur0


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・」チャ・・・




会議室からの帰り道。
廊下を歩く独歩は携帯を懐から取り出す。

そして電話を掛けた。





独歩「よう」

ガイア <ヤルのか>

独歩「オゥよ。ちィと早ぇけど」ニヤッ

ガイア <そうか・・・・・・・・・>

独歩「訓練は個別対応だ。あのデカイ黒人にも・・・」
ガイア <伝える。当然だ>

独歩「なら良い・・・・・・あァあと、お宅の例の怪物に言っといてくれねェかな?」

ガイア <何をだ>


独歩「アンタが相手をすることになってるガキ・・・・・・・・・惣流アスカラングレーはダイヤの原石だってコトをよ」


ガイア <ダイヤの原石?>

独歩「強く成るぜあいつァ・・・・・・」クックック・・・

ガイア <フム・・・・・・・・・・・・・・・とてもそこまでの器とは思えないが・・・・・・まァ良い。伝えておこう>

独歩「頼むぜ。ンで、今のアイツらの居場所だが・・・そこはアンタらで見つけてくれんだよな?」

ガイア <もう探知済みだ>

独歩「手際の良いこったな。じゃあ任せたぜ」

ガイア <ああ>


プツッ





独歩「成長にトラウマは必須だぜ」クスクスクス・・・









299 :赤いイヤーカフ :2012/04/02(月) 01:04:13.65 ID:0sHacQ9c0
克巳(ったくよォ・・・・・・だからやり過ぎだっつーの・・・;)

烈「怪我は無いようですね」

克巳「だな・・・・・・・・・・・・・・・はァ〜マジで我が儘すぎんだろ。一度決めたら誰が何言ったって聞く耳持ちゃしねェ・・・;」


克巳に抱えられたミサトの額には汗が滲んでいる。顔色も悪く、暫くは起きそうにない。


プシュ

克巳「オッ;」
烈「?」

会議室のドアが開いた。二人の闘士は振り向く。

パシッ

烈は咄嗟に銃だったものを手の内に隠した。



日向「どうしましたっ!?;」



破裂音を聞き付けたのか、日向マコトを含む三人の職員が、息を乱して会議室のドアの前に立っていた。
爆砕した銃に弾は込められていなかったが、金属で出来た重さ約700グラムの物体が急激にかつ全力で押し潰されれば、ドア越しにも廊下に響く程の音は発生する。


日向「事故ですか?;」

克巳「ン・・・まァ・・・・・・ちょっとね・・・;」ハハ・・・

日向「一体何が・・・・・・! 葛城さん!?;;」


烈「椅子ごと倒れた際に後頭部を打ち、意識を失ってしまったらしい;;;;」


克巳「!?;」

日向「怪我はないですか!?;」

烈「確認出来ません。暫くすれば眼を覚ますでしょう;;;;」

日向「そうですか・・・・・・はぁ・・・よかった;」ホッ


克巳(オイオイ・・・汗ダラダラじゃん・・・・・・;)


烈「至急彼女を医務室へ・・・;;;;」

日向「はっ、はいっ わかりました;」

克巳「ン・・・じゃあサトさん頼むわ;」

日向「あっ! 揺らさないように・・・;」

克巳「わーってるって。よいしょ;」ドサ・・・

日向(葛城さん凄い汗かいてるな・・・風邪とかじゃなきゃいいけど・・・;)

克巳「付き添うかい?俺;」

日向「あ、いえ、大丈夫です。佐川、足持ってくれ;」

佐川「・・・・・・・・・・・・よし持った;」

日向「富沢は赤木博士に連絡頼む;」

富沢「分かった;」ダッ

日向「じゃあ運ぶぞ。立つ時に揺らすなよ;」

佐川「大丈夫だ。よいしょっ;」ググ・・・

克巳(だから烈さん・・・・・・その顔だと嘘バレるって・・・;)
300 :赤いイヤーカフ :2012/04/06(金) 03:22:28.92 ID:0khUzslh0
12時39分
ネルフ本部:ジオフロント発着リニアトレイン=地下出入口


バキ(いくら急いでも列車が来ないんならな・・・)ハァ・・・

ピリリリリリッ ピリリリリリッ

バキ「?」ゴソ・・・



ピッ



バキ「ハイもしもし」


シンジ「バキ君? シンジだけど・・・・・・」

バキ「どうかした?」

           感づいた?  そりゃあ怪しいよね・・・


シンジ「いや、別に大した事じゃないんだ・・・・・・ただ、綾波の携帯電話の番号が解らなくて・・・・・・」

バキ「それでオレに?」

シンジ「うん。バキ君は知らない?」

バキ「ん〜〜〜・・・・・・そういえば俺もアイツの番号知らねーな。ミサトさんなら知ってるんじゃね?」

シンジ「そう思ってさっきまでミサトさんの携帯に掛けてたんだけど、全然通じないんだ・・・・・・呼び出し音が鳴ってるから、電源切ってるわけじゃないはずなんだけど・・・・・・」

バキ「マナーモードとかじゃねーかな。会議中なのかもよ? 用事あるっぽかったからさ」

シンジ「やっぱりそうなのかな・・・・・・」

バキ「ぜってーそれだろ」ハハ・・・

シンジ「う〜〜ん・・・・・・」

バキ「ちょっと待ってまたかけ直せば?」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった。そうしてみるよ・・・ありがとう」ハァ・・・

バキ「お〜頑張れよ〜」


プツッ




バキ(電車早くこねーかなァ・・・)ファ〜・・・







ピリリリリリッ ピリリリリリッ



バキ「ン?」
301 :赤いイヤーカフ :2012/04/06(金) 03:39:22.26 ID:FO/X5ABk0
バキ(音が二回だけ・・・・・・メール?)


ピッ


バキ(二件・・・・・・・・・一件目は空か・・・)

バキ(お次は・・・)

ピッ


バキ「!?」




011−000−0026−123695−1253−3128649




バキ(電話番号? でも・・・・・・コレって桁おかしくね?)

バキ(つーかアドレスもおかしい・・・;)



Raadgmjpwtwtpmjg.dgmtjpwaad@ネJdamルgjt F



バキ「ワケ分かんねェ・・・・・・;」


ピッ


バキ「オッ;」


ピッ ピッ


バキ「ちょっ! コレ勝手に・・・」


[送信しました]



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」














302 :赤いイヤーカフ :2012/04/06(金) 04:02:22.49 ID:06nq1rTz0
12時40分
ネルフ本部:メインホール=窓側通路休憩所


ピリリリリリッ


シンジ「?」サッ


パチッ カチカチ


[綾波:連絡先]



シンジ「バキ君から・・・・・・」


カチッ


シンジ「綾波の番号・・・メールアドレスも・・・・・・」




シンジ(知ってたなら教えてよ・・・意地悪だなぁ)フ-




カチカチ・・・













303 :赤いイヤーカフ :2012/04/07(土) 16:16:45.30 ID:ooDBIC+A0
ほぼ同時刻
ネルフ本部:換気棟


     ブオオオオ・・・




綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


巨大な換気用のファンが、綾波の目の前にある金網越しに回転している。天井に申し訳程度に取り付けられた照明からは、ぼんやりとした暖色系の光が注ぐ。

何故ここに来たのかは、綾波自身はっきりとは理解していない。


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



あの感覚が今も頭から離れない。



ピリリリリリッ  ピリリリリリッ  ピリリリリリッ





無機質な空間に無機質な音が響く。

綾波は、今はもう記憶の片隅に追いやられた[かつての居場所]の味気無く色も無い日々を思い出しつつ、携帯電話を開いた。


304 :赤いイヤーカフ :2012/04/07(土) 23:13:26.07 ID:J00qhPOi0

綾波「もしもし・・・」

シンジ <綾波? 今どこ?>

綾波「・・・・・・・・・碇君・・・?」

シンジ <えっ・・・・・・・・・あ、うん、僕だよ。シンジ;>

綾波「・・・電話番号・・・教えてなかったのに・・・」

シンジ <バキ君が教えてくれたんだ。その前にミサトさんに掛けたんだけど、通じなかったから>

綾波「・・・・・・ごめんなさい・・・」

シンジ <あっ、謝ることじゃないよ。別に気にしてな・・・気にならないから;>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ <・・・・・・それで・・・・・・えと、綾波は今どこにいるの?;>

綾波「換気棟の第2整備区画よ」

シンジ <換気棟・・・・・・>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ <・・・何か用事あったり・・・・・・・・・するの?>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・無いわ・・・」

シンジ <そっか・・・それならいいけど・・・;>

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ <あのさ・・・・・・・・・・・・あの、今日よかったら・・・その・・・;>

綾波「?」


シンジ <これから一緒に帰らない?>


綾波「!」

シンジ <あ・・・そっ、そんなにヘン・・・じゃなくて深い意味は無いんだ! ただちょっと・・・綾波悩んでるみたいだし・・・じゃなくて、その・・・何て言うか;>


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ <えと・・・・・・・・・・・・;;>


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




シンジ <・・・・・・・・・・・・ごめん・・・上手く言えない・・・・・・本当にゴメン・・・突然こんな変な電話・・・;>


綾波「いいわ」


シンジ <えっ>


綾波「碇君は何処に居るの?」


シンジ <・・・・・・・・・・メインホールの・・・・・・えっと・・・メインホールの休憩所・・・二階の・・・;>


綾波「待ってて」
305 :赤いイヤーカフ :2012/04/12(木) 16:51:20.43 ID:ES2LRVot0
シンジ「あ・・・う、うん。待ってるよ。じゃあ・・・またね;」

綾波 <ええ>


プツッ


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フゥ・・・





シンジ(いきなり一緒に帰ろうって・・・・・・やっぱり変だよ・・・)

シンジ(でも、言わないと分からない事だし・・・)


シンジ(それにしたって、もう少し上手い言い方があったような・・・)



シンジ「はぁ・・・・・・話上手になりたい・・・」







−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
12時42分
ネルフ本部:ジオフロント発着リニアトレイン=地下出入口


バキ(遅・・・・・・・・・)


列車の運行スケジュールには寸分の狂いもない。
きっちり後5分間は待たされる。

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


あのオリバが「大至急来い」と言ったのだ。


この世界が何なのかを探るあの男が。

綾波レイの正体を知るあの男が。

唯一と言っていい情報網であるあの男が呼んでいる。



バキ(線路渡るかァ・・・・・・)



その選択に至るのに時間は掛からなかった。
306 :赤いイヤーカフ :2012/04/12(木) 18:08:32.96 ID:Qi0QRFFJ0
同時刻
廃団地:E−3マンション=表札無し部屋


?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ぬうっ・・・


部屋の隅に置かれたソファーから、巨漢は離れた。

オリバ「武運を祈るよ」ニッ


もう一人の壁に寄り掛かった巨漢が、立ち上がった巨漢に声を掛ける。
立ち上がった巨漢は大層に大きく、身長はオリバのそれを明かに越えている。

?「それは誰に対しての祈りなのかな」


巨大な漢は頬を吊り上げながらオリバに聞く。


オリバ「無論、対戦相手であるミス・アスカへのさ」

?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィィヤァァ〜・・・




巨大な漢は大変に邪悪な笑顔を浮かべ、天井を見上げた。
それを見たオリバは、今自分の目の前に居る怪物が[ベストコンディション]にある事を察知し、怪物に対して念を押した。


オリバ「そういえばカツミ・オロチとカイオウ・レツは、我々がチルドレンの相手をする事を知らんのだが・・・・・・二人と鉢合わせした場合、君はどうするのかね」

?「堪能するよ」

オリバ「どのように?」

?「それは向こう次第・・・・・・」クックック・・・


オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


?「二人の位置の把握は、君に任せるよ」


オリバ「チルドレンもかね?」

?「その必要は無い」ズシッ・・・ ズシッ・・・


怪物は窓辺に立ち、振り返って再度オリバを見る。


?「自分で見つける」


ガラッ

窓を開け・・・

ザ ウ ッ ! !

飛び出した。



オリバ「彼だけでは心許ないな・・・・・・君も行ってきてくれ、ミスターガイア」

ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フン

オリバ「衣装を忘れないでくれよ」ニッ


307 :赤いイヤーカフ :2012/04/12(木) 22:58:29.40 ID:yYoaHVHi0
アスカ「相っ変わらず来るの遅いわね〜・・・急いで来たってのに」フン



人が疎らな駅構内。
改札を潜った先の乗車口で、アスカは列車を待っている。

リニアトレインが到着するまでの数分間、暇潰しの為に何かしようと制服のポケットを漁るが、生憎何も出てこない。
とにかく帰れるのならさっさと帰って、疲れを取って明日に備えなければ・・・

彼女が「雑誌の一つでも持って来れば良かった」と思い始めた瞬間・・・



ブ オ ッ ッ ! ! ! !


アスカ「!!;」

職員1「ぅわっ!!;」

職員2「オッ!!;」

職員3「きゃっ!;」


風を切る音と共に、彼女を含む数人の頭上3メートルを何かが通りすぎた。


アスカ「えっ・・・・・・なっ、何よ今の!;」キョロキョロ


凄まじい勢いで巻き起こった風と、それによる埃に髪を掻き乱されながらも、アスカは風の行く方向に顔を向けた。


シュルルルルル・・・




そのアスカの目に映ったのは、普段見ているリニアトレインとほぼ同じか、それを遥かに上回る速度でレール上を遠退いていく[粒]だった。




アスカ「なんなの・・・・・・?;;」




308 :赤いイヤーカフ :2012/04/13(金) 05:41:54.69 ID:5oPjVlQD0
意外な発見だった。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・ッッ;」バババババ・・・



鋼鉄製のレールを走る自分が、いつもの[コレ]より何倍も速い理由・・・

それは屈強な足場にあった。


自分の現在の速度は時速270キロではない。
それの何倍ものスピードで走っている。

ゴキブリでもトリケラトプスでもない。


今の自分はまるで戦闘機だ。


効率的な、無駄に消費される事の無いエネルギーによる運動。

粉砕せぬ足場によもやこれほどの恩恵があったとは・・・



バキ(速ェエエ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ;;;)






時速1230キロで青年が行く。


309 :赤いイヤーカフ :2012/04/13(金) 06:03:10.95 ID:Tgp2GXTA0
12時45分
ネルフ本部:メインホール2階=通路休憩所


綾波「碇君」

シンジ「!」ドキッ


唐突に背後から名前を呼ばれ、シンジは焦った様子で振り返った。


綾波「?・・・・・・どうしたの?」

シンジ「えっ?・・・・ああ、ちょっとビックリしちゃって;」

綾波「・・・ごめんなさい。 次からは気をつけるわ」

シンジ「いや、そんな・・・謝る事じゃないよ。気をつけようが無いしね」ハハ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「じゃあ、帰ろっか」


綾波「ええ」




スタスタ・・・
















シンジ(どうしよう・・・何か話さないと・・・;)スタスタ・・・




310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/13(金) 11:19:02.51 ID:O3C8wBQDO
違和感が地割れに沈んだ
311 :赤いイヤーカフ :2012/04/15(日) 12:20:21.38 ID:Owrj4Siq0
8分後






シンジ(結局何も話せなかった・・・・・・)スタスタ・・・


綾波「?」スタスタ・・・




アスカ「あっ」



シンジ「ん・・・・・・え? 惣流さん?」


アスカ「何よその反応。アタシになんか文句でもあんの?」ムッ

シンジ「・・・先に行ってなかったっけ」キョトン

アスカ「行ってたわよ。だからアンタより先に駅に居たんでしょ? バッカじゃないの?」

シンジ「駅?」

アスカ「駅よ」

シンジ「駅って・・・・・・・・・あっ、もう着いたんだ・・・」

アスカ「着いたって? まだリニア来てないじゃない」

シンジ「いやそうじゃなくて・・・・・・えっと・・・僕もう駅に居たんだ、って事・・・;」ヘラッ

アスカ「?」

シンジ「あっ・・・・・・・・・なんでもない;」

アスカ「・・・もしかして、レイとの話に夢中で気付いて無かったとかそういうオチ?」プッ

シンジ「ま・・・まぁ・・・・・・;」

綾波「?」

アスカ「えぇ? ウッソでしょお? あっはっはは・・・」

シンジ「い、いいだろ別にそんなに笑わなくたって・・・・・・それより、惣流さんは何で先に行ってないの?」

アスカ「何でも何も、列車が全然こないのよ」


綾波「・・・この時間帯の通常時のリニアトレインは、あまり行き来しないわ・・・・・・でも、もうすぐ来るはずよ」

アスカ「もうすぐっていつよ」イライラ

綾波「今」

アスカ「は?」



ピリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ・・・

駅構内放送 <まもなく往復線が到着します。白線より下がってお待ち下さい>




312 :赤いイヤーカフ :2012/04/16(月) 10:34:06.41 ID:9FmYSOyA0
リニアトレイン車内:発車前



アスカ「ねぇ、ちょっといい?」

シンジ「なに?」

アスカ「例えば、アタシが24って数字を漢字で書きたい時って、二の次に四を書くパターンと、二と四の間に十を挟むパターンのふたつがあるじゃない?」

シンジ「?」

アスカ「ねぇシンジ。あるでしょ?」

シンジ「あるけど・・・それが何?」


アスカ「そのふたつのパターンってどっちが正しいの?」


シンジ「どっちって・・・・・・・・・・どっちも正しいんじゃないの?」

アスカ「へっ??」

シンジ「確かそうだったはずだけど・・・・・・なんか、時と場合で使い分けるって感じ」

アスカ「どうして一つに絞り込まないの? オカシイわよそれ。なんで?」

シンジ「なんでって言われても、そういう風にしたのは昔の人だし・・・」

アスカ「一つでいいものをわざわざ使い分けるなんて、なんたる不効率・・・・・・」ムー


シンジ「・・・それで、どうしていきなり数字の話なんか・・・」

アスカ「べっ・・・別に意味は無いわ。気になっただけよ。それだけ;」

シンジ「?」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ(ったくもぉ・・・あの時刻表の漢数字、全部アラビア数字に書き直しなさいよ!紛らわしいにも程があるわ!ネルフってホント漢字使いたがりよ!!)ムカーッ



車内放送 <まもなく発車します。ドアにご注意下さい>

ピリリリリリリリリリリリリリ・・・



克巳・烈「・・・・・・・・・・・・」ズザザーッ

シンジ・アスカ「わぁっ!!;」

313 :赤いイヤーカフ :2012/04/23(月) 23:32:30.37 ID:YeHkEDcy0

プシューッ・・・  シュッ


ゴトンゴトン・・・ゴトンゴトン・・・




克巳「ふーーッッ・・・・・・ギリ間に合ったな」

烈「驚かせて済まないッ」

シンジ「い、いえ・・・;」

アスカ「烈さん達も帰るんですか?;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

克巳「まァな。ただ帰るだけじゃないけど」


烈「今朝のニュースで報じられた事件の犯人が未だ捕らえられておらぬ以上、市内にて君達を脅かす危険は去っていない・・・・・・・・・・・・で、あるならば、犯人が逮捕されるまでの間、君達を護送する者が求められる事もまた必然だろう」


アスカ「・・・つまり、アタシ達を家まで送り届けるって事ですか?」

烈「そういうコトだ」

アスカ「・・・・・・バキはどう・・・」

克巳「ワカってる。バキがいるからアンタらは必要無い、だろ?」

アスカ「違いますよっ!バキの事です! アイツいきなりどっか行っちゃったんですよ・・・・・・」

克巳「ン? アラそうかい・・・・・・・・・まァいいンじゃないかな? アイツを襲うようなアホはそうはいやしないだろ・・・・・・とにかく、家までは同行させてもらうよ」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



314 :赤いイヤーカフ :2012/05/02(水) 23:03:32.85 ID:8qJgS51V0
12時59分
廃団地:E−3マンション表札無し部屋

ピンポーン


オリバ「ho・・・なんとも速く来たものだ」パチッ


黒塗りの表札に隠されたカメラからの映像にバキの姿が映ったのを確認したオリバは、携帯を閉じ席を立った。

ピンポーン

オリバ「そう急かすな・・・・・・鍵なら開いてる。入りたまえ」


やや大きめの声が部屋に響き、その数秒後に玄関のドアが開いた。



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」スタスタ・・・



バキは汗こそ流してはいるが、別段消耗している様子は無い。




オリバ「予想以上に速かったな」フフ・・・

バキ「何か用があるのかと思って来たんですが・・・・・・;;」

オリバ「アア、あるさ」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


オリバ「今日・・・・・・つい10分程前にソウリュウ・アスカ・ラングレー、シンジ・イカリ、レイ・アヤナミの三名の元へ訓練の相手を放った。適切な加減を調節出来る実力を持った者達を」


バキ「・・・アイツらの相手・・・・・・・・・手加減してくれるような人と言ったら烈さん達くらいだ・・・・・・こんな事ワカりきってると思うんですけど」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・」フフ・・・

バキ「アイツらの訓練相手を勤めれるのは烈さんと克巳さん・・・渋川さんに独歩さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それ以外の花山さんとか兄さんとか・・・孤高で門弟も無く、闘うという行為に対して加減を加える事をあまり好まないファイターっていうのは、訓練には向かない・・・・・・知ってますよそんなのは」フッ

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・まさかとは思いますけど・・・オレに惣流さん達の相手をしろって?」


オリバ「それはないよ。そんなコトしたら今後彼女らが君を目にした時、意味もなく畏縮してしまう」ハハハ・・・


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



オリバ「彼女達の相手をするのは彼等でも君でもない」



バキ「え・・・・・・?」

315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/03(木) 15:52:07.90 ID:GPiRd2E1o
私の妻だ、とか言い出したらどうしよう
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/04(金) 05:40:14.97 ID:gliRTU9DO
>>315
やめろw
317 :赤いイヤーカフ :2012/05/04(金) 16:40:39.99 ID:vooDQcNW0
オリバ「オッと、言っとくが私では無いぞ?」


バキ「・・・・・・・・・紅葉さん?」

オリバ「それも違う」ニヤニヤ


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



オリバ「君も知ってる・・・・・・見たハズだ、ホラ・・・」クス・・・


バキ(・・・・・・見た・・・?)



オリバ「今朝のニュース・・・」ボソ・・・



バキ「!!;」


オリバ「君へ伝える事は一つ」



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




オリバ「訓練への干渉は一切認めないという事」









バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アンタ・・・・・・」


オリバ「だから言ったろう認めないと」


バキ「認める認めないの話じゃないッ」

オリバ「安心したまえ。彼が相手をするのはミス・アスカ一人・・・・・・・・・・・・シンジ・イカリとレイ・アヤナミには別の者達を送った」

バキ「誰を送った」


オリバ「何度も言わせるなバキ」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



オリバ「三人のこれからの為なのだ」


318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/04(金) 23:28:40.62 ID:Uuowzh8jo
これからって来世のことなのかと思うほどの鬼畜ぶり
319 :赤いイヤーカフ :2012/05/05(土) 23:49:57.10 ID:aSg085AF0
午後1時2分
第三新東京市:ジオフロント発着リニアトレイン=地上出入口


克巳「・・・やっぱ上は暑いな;」


アスカ「そりゃ空調なんてありませんからね・・・猛暑大国日本に住んでるのに、まだ慣れてないんですか?」

克巳「ハハ・・・そんな南国じゃあるまいし。日本より暑い国なんてそこらにあるんだから、ンな大層な・・・;」


シンジ「?」

アスカ「は?」


克巳「ん?・・・何だ?;」


シンジ「・・・・・・克巳さん、あの・・・」

克巳「なに?;」

アスカ「なにって・・・・・・・・・セカンドインパクト前ならまだしも、今の日本は年中真夏ですよ。ほとんど赤道直下みたいなモンですし」

克巳「!?;」

烈「!;」


アスカ「常識じゃないですか;」


克巳「えッ? あ、いや・・・・・・そういやそうだっけ;」ハハ・・・

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;」

アスカ「・・・・・・いくら格闘一筋だからって、テレビや新聞見るぐらいの暇はあるんじゃないですか? しっかりして下さいよ;」

克巳「いや、スマン・・・ちょっとボーッとしてて・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・;」フー・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



烈「ムッ」ピクッ


アスカ・克巳「?」

シンジ「?」



烈「・・・唐突に思い出したのだが・・・・・・・・・現在は事件による交通整理につき、正規の通勤ルートが使用出来ぬ状況だったハズ・・・」



シンジ「あ・・・」

克巳「ア〜〜・・・・・・」

アスカ「ぁ、そう言えば・・・・・・って事は、帰り道も遠回りするんですか?」

烈「うむ」

アスカ「え〜〜〜・・・・・・;」


克巳「そうか・・・・・・じゃあまたあそこのスーパー近くを通るのか・・・」

320 :赤いイヤーカフ :2012/05/07(月) 01:06:05.24 ID:G8iDKAAC0
克巳「ん〜〜〜・・・どーしよっかなァ〜・・・」


アスカ「?」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



克巳「・・・帰りになんか買ってく物とかある人手ェ挙げて」


シンジ「? えーっと・・・・・・・・・・・・僕は特にないです」

克巳「レイちゃんは?」

綾波「・・・ありません・・・」

克巳「あらら・・・」

アスカ「んーー・・・・・・・・・あっ、アタシあります!」サッ

克巳「オッ、なに買うんだい?」
   (良し・・・)


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「えっ、何って・・・そんなの言えるわけないじゃないですか!;」

克巳「でも秘密になんて出来ないぜ? 今のオレは君の護衛なワケだから、家に着くまで君の近くに居る必要がある。まァトイレの中まではついて来ないけど」ハハハ・・・

アスカ「あたりまえですよ! とにかくアタシの買う物は見ないでくださいっ!;」

克巳「ハハ・・・分かったよ・・・」ヘラッ


烈「では早速行きましょう」ザッ


克巳・アスカ「あっ」

シンジ「?」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザッザッザッ・・・


アスカ「ちょっと、速いですよ;」スタタ・・・

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザッ・・・

シンジ・綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタタ・・・








アスカ(ったくもぉ〜・・・・・・レディーの買い物で、秘密ときたら一つしかないじゃないの! ホント鈍いわね!;)スタスタ・・・









克巳(フフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・烈さん・・・・・・アンタほんとこういうの向いてないな・・・;)スタスタ・・・


321 :赤いイヤーカフ :2012/05/07(月) 23:07:11.55 ID:MqNbaRxs0
約10分後
第三新東京市:スーパーマーケット=正面出入口


烈(着いたか・・・・・・)


克巳「オシ到着。で、何処の店に用があるんだい?」

アスカ「すいませんちょっと良いですか;」

克巳「ん?」

アスカ「克巳さんと烈さんはアタシ達の護衛ってことだから、百歩譲ってコーナー前までなら来てもいいです。あとレイも;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

克巳「?」

アスカ「でもなんでコイツも一緒なんですか!;」ビシッ

シンジ「えっ・・・僕は何も・・・・;」

克巳「なんでって・・・そりゃシンジ君一人だけスーパーの外で待機ィなんてわけにはいかないだろ?」

アスカ「イヤですよ!;」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳「いんじゃね? 別にシンジ君はキミの買い物に興味があるわけじゃないんだし。レイちゃんは大丈夫なんだろ?」

アスカ「レイは大丈夫に決まってんじゃないですかっ!!;」

克巳「?」


アスカ(ああっもうっ! これだから格闘バカは・・・・・・少しは察しなさいよ!;)チッ イライラ



克巳(しょーがねだろ・・・護衛って事で来てるんだから)ファ〜・・・




アスカ「はぁっ・・・もぉ・・・・・・・・・・・・わかりましたよ。シンジも一緒でいいです・・・;」

克巳「ワルいね」ハハ・・・

アスカ「でもコーナーには絶対入らせないでくださいね!!;」

克巳「ワカってるって」フフ・・・


アスカ「はぁ〜・・・・・・;」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



322 :赤いイヤーカフ :2012/05/08(火) 00:17:56.03 ID:w3uNLOL00
数分後
スーパーマーケット:薬局


アスカ「じゃ、シンジ入れないでくださいね」ジロ・・・

克巳「はいよッ」


シンジ(あ、そうか・・・こういう事か;)ハハ・・・


アスカ「アンタはどうすんの? 来る?」

綾波「いい・・・必要ないもの・・・」

アスカ「? あっそー・・・」スタスタ・・・

克巳「アッ、惣流さん? オレちょっとトイレ行くわ」

アスカ「いちいちそんな事報告しなくてもいいですよ!;」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・




克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・










323 :赤いイヤーカフ :2012/05/08(火) 00:53:11.60 ID:6bVahWFB0
スーパーマーケット:男子トイレ


克巳「ふーー・・・・・・」スタスタ・・・

ガチャ・・・   バタン


克巳(安全な訓練、かァ・・・・・・)



個室トイレに入った克巳は、壁に寄り掛かって天井を見上げ、溜め息を一つ。
今回の訓練はあまり気が乗らない。


克巳(親父が訓練にマジで手ェ突っ込む前に、俺達がアイツらの相手しねェと・・・・・・・・・・・・今の親父の場合、手加減無しのキッツイ奴かましかねねェ・・・;)



愚地独歩という人間を、この世界で一番知っている者は自分自身。
その自分が感じるのだ。

今の彼は手段を選ばない。今の父親は焦っている。


未熟だった頃の息子・・・愚地克巳を見るようなあの眼光・・・・・・


苗に劇薬を求めるあの目つき・・・



克巳「そいつは駄目だぜ親父・・・・・・」



チルドレン達の初な心。

か細い骨格。

淡い基礎戦力。



克巳「本気でヤッちまったら死んじまうぜ・・・・・・;」カチッ



克巳は制服の上着越しに、ポイントスーツのスイッチをONにし・・・

ガチャッ・・・

ドアを開けた。




克巳「 ! 」








  ガ  コ  ッ  ッ  !  !  !









個室から出た克巳の顔面に激烈なストレートが飛んだ。

324 :赤いイヤーカフ :2012/05/08(火) 01:21:50.97 ID:hzLtesHL0

突如克巳を襲った拳。

デカく、固く、速く、悪意に充ち、そして太い。


克巳「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ;;」


咄嗟に額で受けてもこの衝撃。
分厚い頭蓋骨を通して脳に響く波。

貰ったのは正拳。

それも凄まじく重い。


克巳「かァッッ;」 ボ  ッ  !  !  !


鋭い一本拳を目の前の巨漢へ。


ガ ク ン

克巳「!!;;」


しかしその拳は空を切る。
敵は瞬時に己から接近する事で、打撃の打点を逸らし、空振りさせていた。


にぃいいい・・・


克巳と胴体を密着させた巨漢が、克巳の耳元で邪悪に笑う。


バ ッ ! ! !

克巳「!?;;」


謎の浮翌遊感を持って、巨漢が一歩後退。

交戦中だというのに、克巳は不覚にも不思議に思ってしまった。


敵・・・・・・いや、自分の足が浮いている!?



  バ  キ  ィ  ッ  ッ  ッ  !  !  !  !





もう一度ストレートを顔面に喰らった瞬間、克巳は理解した。




今、自分は巨漢に掴み上げられ、シンバルの様に空中で鳴らされている事に。


空手ではなく、バーリトゥードによって。


325 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/05/08(火) 01:55:39.25 ID:NVQhSSTO0
ド ン ! ! !

  ゴ  ッ ! ! !

        ボ  グ  ァ  ッ  ッ  !  !

   バ  グ  ッ  !  !  !





高速でぶつかり合う、巨漢の拳と克巳の顔面。


ビチャア!!  べちっ!  カッ
   ピチャッ  
  カチッ     ピチャッ


個室一杯に飛び散る血飛沫と永久歯。



?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ガ キ ュ ッ ッ!!!

ド ッ シ ィ ィ ッ!!!!



巨漢は口を半開きにした薄ら笑いを浮かべて、ひたすらに、執拗に、克巳へ暴力を行使する。


克巳の四肢に既に力は無く、今やボロ雑巾同然にばたついている。





巨漢のシャツから元の生地の色が消える頃・・・




ごろん






克巳は地獄から解放された。


巨漢は克巳が横たわっている個室のドアを閉め、鍵を掛けて殆ど密室同然の空間を作り出し・・・


バッ


個室の真上にある、個室の壁と天井の間から脱出。

トイレの隅に置いてあったバッグから着替えを取り出し、お色直しを行い、それが終わるとトイレを後にした。




監視カメラには偽の映像が流れている。






326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 02:00:34.13 ID:aPEazN1Eo
カツミンをフルボッコしちゃう相手がチルドレンとやりあったら…訓練ってレベルじゃ済まないな
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/05/08(火) 08:31:06.43 ID:Ykciv9rl0
やっぱスペックかなぁ…
328 :赤いイヤーカフ :2012/05/08(火) 19:12:36.92 ID:4ZM6t89w0
ほぼ同時刻
スーパーマーケット:薬局


アスカ「コレお願いします」コト・・

女性店員「はい」

アスカ「あっ! あとコレも」コトッ

女性店員「はい」フフ


ピッ   ピッ


女性店員「合計で860円になります」

アスカ(スーパーのポイントカードって、スーパーの中の薬局でも使えるのかな・・・)チャラッ

女性店員「860円丁度お預かりいたします」

アスカ「あのー、ココでポイントカードって使えるんですか?」

女性店員「大丈夫ですよ」

アスカ「あっ、じゃあコレもお願いします」

女性店員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

アスカ「?」

女性店員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


アスカ「・・・・・・・・・あのー・・・」



?「グッドゥアフタヌーン♪」




アスカ「!!!;;」ゾクッ


女性店員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」ガタガタガタ・・・





背後から発せられた腹に響く低音。それはアスカの髪を揺らし、アスカの肌を逆立てた。

アスカの背中と後頭部には、油のような空気に押される錯覚。

女性店員は、声も上げず涙を目に溜め、ただ震えるばかり。



?「惣流アスカラングレーだね」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



アスカはゆっくりと振り向く。



?「開始だ」





巨漢はシンプルにそう告げた。
329 :赤いイヤーカフ :2012/05/08(火) 23:07:49.53 ID:qb3uFRdX0
?「・・・・・・・・・」チャッ

アスカ「ッッ!!;;;」


巨漢が高く掲げた右手に、柔らかく握られている物。

ピン


それは手榴弾だった。



バ  ァ  ン  !  !  !  !



床にたたき付けられ、爆発するグレネード。

バ  ウ  ッ

アスカ「うっ!;;;」


噴出したのは炎と鉄片ではなく、微かな火花と大量の白煙だった。









烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッッ;;」



シンジ「今の音は・・・・・・?;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」キョロキョロ



烈「シンジ君・・・;;」


シンジ「はっ、はい;」


烈「レイさんを連れて克巳氏の所へッ・・・・・・彼はまだ男子トイレに居るはずッッ;;;」

シンジ「烈さんは・・・;;」

烈「惣流を救い出すッッ私に構わず行けいッッッ!!;;;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・;;」ダッ

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」タタッ




烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ダ ッ ! ! !






330 :赤いイヤーカフ :2012/05/09(水) 00:38:47.32 ID:+Y7AOEDZ0

女性店員「げほっ!げほっ!;;;」



巨漢の足元から濛々と噴き出る白煙に、女性店員と薬局に居た幾人かの客は、激しく咳込みながら身を屈める。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ムグ・・・



訓練の成果か、白煙が薬局に充満する寸前に、アスカは自身の口と鼻を右手で塞ぐ事に成功していた。

刺激による眼球の痛みは、目を細める事によって軽減させている。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」グイッ

女性店員「うっ・・・・・・あっ・・・ありが・・・と・・・・・・ごほっ!げほっ;;;」


余った左手を女性店員の細い腰に回し、彼女を立たせて周囲の煙に目を凝らす。

アスカは内心、視界不良と巨漢への恐怖に駆られていたが、その心は使命感と、それにより発生したパニックを抑制する為の興奮に助けられ、なんとか理性を保っていた。



烈「惣流ッッッッ!!!;;;;」



烈海王の凄まじい怒号が聞こえる。

いつもは怖いこの声が、今は泣きたくなるほど頼もしい。

アスカは怒号のした方へ歩く。
足元の覚束ない女性店員を庇いながら。


 ブ  オ  ッ  ッ

突風と共に、アスカの周囲1.5メートルを囲む白煙が晴れる。


アスカ「!!!!;;;;」



?「アハ♪」



白煙から巨漢が現れた。




アスカ「ひっ・・・;;;;」



アスカが悲鳴を上げそうになった瞬間・・・




烈「チェリアッッッ!!」


       ド   カ  ッ  !  !  !





白煙を破った烈の飛び後ろ回し蹴りが、巨漢の側頭部に命中した。



331 :赤いイヤーカフ :2012/05/09(水) 01:19:06.32 ID:c0b0ZwtB0
アスカ「烈さん!!!;;;」


アスカは震える声で叫んだ。
女性店員は呼吸こそしているが、意識を殆ど失っており、朦朧としている。


?「ほう」


烈「・・・・・・・・・・・・;;」シュザッ!



烈は構えた。

訓練では決してアスカに見せた事の無い[真剣]の構えを。
教え子の前で、赤木リツコからの「チルドレンに技を見せてはならない」という注告も無視して。


烈「何者だ貴様ッッッ」


烈の記憶に、この巨漢の姿は無い。



?「何者? それが今、一番大事なコトなのかね?」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



ゾロ・・・


烈「!ッッ;」




巨漢の背中から青龍刀が抜かれた。





?「この剣を・・・・・・そこの赤毛の少女の心臓目掛け、投げようと思う」



烈「なッ・・・・・・ッッ;」

アスカ「!!!;;;;」びくっ


?「カイオウ・レツ・・・・・・・・・君には選択肢を与える。彼女へと高速で迫る刀剣を捨て身で防ぎ、結果私からの致命打を受けるか、それとも彼女を見捨てるか・・・・・・」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・それを私に選べと・・・;」ギリ・・・


?「今のその子じゃ避けれない。本来なら泣き出す所を、辛うじて抑えているその子じゃね」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




?「レディゴー」ニカッ


ブ  ン  !  !  !  !
332 :赤いイヤーカフ :2012/05/09(水) 01:37:24.24 ID:0L+WUf6R0
ビュバババババババババババババ・・・

青龍刀がアスカに迫る。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


アスカの頬を涙が伝う。



烈「ウオオオオォオォオオオォオオォオオォオォオッッッッ!!!!;;;」


ダ ダ ン ! ! ! !


烈は獣の如き咆哮を上げ、青龍刀を追った。






刃がアスカの第二ボタンに触れる。






刃がアスカのワイシャツを切る。








刃がアスカの皮膚に触れ・・・


烈「邪ッッッ;;;」パ キ ィ ! !


烈が青龍刀を手刀で弾き飛ばした。


ビ ュ ン ! ! !


烈「!?;;;」


アスカが、何かに弾かれたように跳び、白煙の中に消えた。



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







二投目だった。









333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/05/10(木) 00:45:51.25 ID:Fv3RLLNu0
待つッッッッ!!
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 08:26:37.11 ID:nirkNBmho
335 :赤いイヤーカフ :2012/05/10(木) 18:34:38.28 ID:ZGgWTbAC0
烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」




確かに青龍刀を弾いた・・・ッ

それはワカるッッ
問題はそこではないッッッ


彼女はどうなった?
             弾いた後どうなった?


      跳んだッッ
             跳ね飛ばされるようにッッッ








?「死んでしまった」



烈「!;;;;」ビクッ




?「彼女は死んだよ・・・私の投げた刀剣でね」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


?「君も見たハズだ・・・・・・彼女の胸に刺さった青龍刀を・・・・・・・・・全く不幸な事だ。君の怠慢だ」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


?「君のせいだな」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


?「君はそのノロマな足で、私に向かって振り向けるのかな」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」



?「レイ・アヤナミも、シンジ・イカリも・・・・・・最期まで君が来るのを信じていたのだよ」


336 :赤いイヤーカフ :2012/05/10(木) 19:39:38.91 ID:ovaz+NsO0
烈「!?;;;;;」クルッ


?「今の私には仲間がいる」


烈「・・・仲間だと・・・・・・ッッ;;;;;」


?「チルドレンが三人・・・それを襲う者がたったの一人・・・・・・・・・オカシイ話じゃないか」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・貴様・・・まさかッ;;;;;」




?「気付くのがもうチョビッと早ければ、一人くらいは助けれたのかも」ニカッ




烈「 褐 ッ 」バ  ッ  ッ




ピ  タ  ッ




烈「!?;;;;;」


?「良き速さです。さァ次を・・・」

烈「・・・・・・・・・;;;;;」ボ  ッ  !  !



ぴ た っ



烈「ッッッッ;;;;;」ブ  ン  !  !  !


ピ タ ッ 




烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜〜〜ッッッ;;;;」










337 :赤いイヤーカフ :2012/05/10(木) 20:07:30.10 ID:y8n5kLEN0
烈の繰り出す拳、爪先、膝、踵、肘。

何れも切れに切れ、尖りに尖る技の数々。
淀みなき攻撃。躊躇いのない致命狙い。

だが当たらない。


いや当たってはいるがダメージが無い。

どんなに速く振っても、肌に優しく触れるだけ。
速度が完全に殺された打撃の尖端が、ギリギリで届いているだけ。




?「楽しかったよ」



烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;;;」フゥフゥ・・・


?「だが・・・・・・もう時間切れだ」スッ


烈「?;;;;;」


巨漢は右手を上げ・・・



バ  チ  ィ  ッ ! ! !

烈「ぬッッッ;;;;;;」サ ッ


手の内で何かを破裂させた後・・・


パ シ ッ


烈「!!;;;;;」



本能的に防御体勢をとってしまった烈の背後に回り込み、彼の左肩甲骨を鷲掴む。



ゴ   キ   ャ   ッ   ッ



そしてその掴んだ肩甲骨を、右に捻りながら奥へと押し込んだ。。




烈「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ;;;;;」ドッ





それにより烈の背中は異様に変形。

右肩甲骨があった場所には大きな窪みが形成され、反対に右胸が大きく膨張した。






?「そのまま寝ていなさい」

338 :赤いイヤーカフ :2012/05/10(木) 21:22:07.15 ID:Sn/XGCVA0
シュウウウウゥゥ・・・


?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



白煙が晴れてきた。
炸裂したスモークグレネードからの噴射が、徐々に弱まっている。


グッ・・・



アスカ「ううっ・・・・・・くっ・・・う・・・・・・;;」ググッ・・・




レジ台に縫い付けらたアスカは、制服の左脇腹を貫通してレジ台に刺さっている青龍刀を引き抜くため、握り手を掴み、捻ったり、グイグイと上下させたりしている。


アスカ「くうっ・・・・・・なんで抜けないのよコレぇ!!;;;」グン グン


ズ ン !


アスカ「!!;;;」



?「お困りかな?」ニヤァ・・・




アスカの前方に怪物が現れる。

190センチを大きく超える巨体。巨大な手に、巨大な足。


ズ ン !


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;;」


それが近づいて来る。
ためらっている時ではない。



アスカ「こっ・・・このっ!!!;;;;」ダッ


ビリビリッ バリバリバリュッ




力任せに横へ跳び退き、青龍刀に制服を切らせての距離確保。
今のアスカを包む物は、靴と靴下、パンティと、制服のスカート。

そして白いブラジャーのみ。

幸にして身体は無傷。



?「ハハ・・・・・・」




巨漢は感心した様子を見せた。
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/05/10(木) 22:54:54.14 ID:Fv3RLLNu0
誰だ?そして死んでなかった良かった!!
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/10(木) 23:35:07.07 ID:m6qzmqp5o
烈を圧倒する巨漢なんていたのか・・・
泣き虫サクラくらいしか思いうかばん
341 :赤いイヤーカフ :2012/05/11(金) 00:41:30.75 ID:z1XZUzO80
?「なんとも・・・・・・・・・いやはやスバラシイな君は」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」フゥッフゥッ・・・



アスカは息を無理矢理整えながらも、巨漢を睨む。

足が震えている事は、アスカ自身自覚している。
そして何故震えているのかも。

だが、アスカの目は鋭いまま。


何度この強がりに救われてきたか・・・




?「生きる為には手段を選ばず・・・生きる為には見た目も省みず・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アンタ・・・・・一体何者なのよ;;;;」

?「良き教育を受けた証です。キミの才能を理解し、目覚めさせてくれる者に、キミは感謝しなければ」

アスカ「答えなさいよォ!!!;;;;;」


?「ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ! !」


アスカ「ッッッ;;;;;」ビクッ



?「そう焦らずともいい・・・・・・知りたいのなら・・・」ズン・・・ ズン・・・



巨漢はレジ台に向かい・・・

ガ ッ

レジ台に刺さったままの青龍刀を握り・・・


   ヴ   ン


縦に振り・・・

バ  ガ  ッ  ッ  ッ


レジ台を飛び散らせると・・・



?「それで私を切るのです」ブン  ガッ



と言って、青龍刀をアスカの足元に投げ刺した。


342 :赤いイヤーカフ :2012/05/11(金) 01:01:06.88 ID:jJ8jBLeW0
?「さァ来なさい」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


?「どうしました? 目の前の男は大きくて力も強いですが、今はただ突っ立っているだけです。見てください・・・・・・ホラ・・・ファイティングポーズすらとっていないでしょう?」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


?「それに、君には一見して私が無敵に見えるでしょうが、実は案外そうでもないのですよ・・・・・・殴られれば痛いし、鼻血もでます。膝に病気を抱える事だってあるかもしれない」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


?「往々にして人とはそういう物です。諸行無常・・・栄枯盛衰・・・・・・常に最高の状態を維持出来る者が居たとしたら、それこそが正に怪物と言えます。何者にも脅かされない絶対的な・・・」

アスカ「ッッ;;;;」ダダッ

ガシッ



ザクッ








巨漢の脇腹目掛け放たれた一閃は、狙い通りに命中した。
343 :赤いイヤーカフ :2012/05/11(金) 22:30:15.63 ID:uf4CV8ff0
同時刻
廃団地:E−3マンション表札無し部屋


バキ「アイツらの為・・・・・・アンタは確かにそう言った・・・」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「・・・これからの状況がどうなるにしろ・・・・・・・・・確かにアンタの言う通り、アイツらには[真剣勝負]の恐ろしさを遅かれ早かれ味わわせる必要がある・・・・・・・・・・・・その点だけ言えば、オレの考えとアンタの考えは一致している;」

オリバ「その点だけね」フッ

バキ「ああそうだッ。問題はアイツらにどう味わわせるかだ・・・・・・・・・・・・真剣勝負をヤル以上、極度の緊張が無いとそもそも成立しない。下手を打てば死すら有り得る・・・・・・それほどの緊張感が・・・・・・;」

オリバ「余裕があれば真剣にあらず。しかし、いざヤルとなると命を落とす可能性が発生する。実行するのは[素人2名]と[聞き齧り1名]・・・・・・・・・・・・君にはこのジレンマを解くことは出来なかったハズだ」

バキ「・・・・・・・・・・・・だろうな・・・;」

オリバ「だから私が解いてあげたのだよ。ひたすら先伸ばしにされる君達のジレンマを」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

オリバ「文句の無い解決法・・・・・・これ以上無い解決策だったハズだ。なにしろ遅かれ早かれ[こうなった]のだから」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


オリバ「事態が変に拗れる前に、こういう物は早々に片付けておくべきなのだよ」フッ

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

オリバ「異論はあるかな?」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無いよ・・・・・・;」

オリバ「それは良かった」

バキ「無いけどこれだけは聞かせてくれ;」

オリバ「?」


バキ「一体誰を送ったッ;」


オリバ「誰をね・・・・・・・・・・・それがそんなに重要な事かい?」

バキ「重要なコトだろ。だからオレを此処に呼び付けた・・・・・・・・・・・・違うかい;」

オリバ「フム・・・・・・そうだ。当たりだよ。送った男が危険だからこそ、君に理解してもらいたいからね」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


スッ


バキ「・・・?・・・・・・;」


オリバ「コレが何かワカるかね?」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」





オリバ「ハチミツとガムシロップのカクテルだよ」






344 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/05/11(金) 22:31:42.72 ID:iHBQ7w5K0
アスカ「!;;;;;」ドサッ



一太刀浴びせた側である自分が、逆に尻餅を着く。たったこれだけでアスカは理解してしまった。

少なくとも肌は切れた。だが、それだけだったのだ。






?「愛がある」




アスカ「?;;;;;」


?「哀しみもある」



アスカ「・・・・・・・・・?・・・・・・;;;;」


?「しかし・・・・・・」ギリッ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」





?「凌辱が無いでしょッッッ!!!!!!」




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・りょっ・・・;;;;;」


?「全く失望させてくれるね」


アスカ「!;;;;」


?「君は悪くない・・・・・・・・・悪いのは君のコーチだ。目の前にいる相手から希望を奪い、明日を奪い、勝利を奪い、命を奪い、そして凌辱するコト・・・・・・・・・・・・・・・・・・これらの行いから発生する[射精]にも似た幸福感を、君に味わわせていない」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


?「全く不幸だ・・・・・・・・・お陰で君は奪われる側だ」


アスカ「!!!;;;;;」ビクッ


?「凌辱出来ぬ者に、神は勝利を与えません・・・・・・君はこれから私に凌辱されるのです」


アスカ「・・・・・・・・・ぃ・・・・・イヤ・・・;;;;;」フルフル・・・

?「イヤイヤをしてもダメです。では遅ればせながら自己紹介を・・・・・・」


アスカ「イヤぁああああ!!!;;;;;」ダッ



?「私の名はサクラ・・・・・・[クライベイビー]サクラ・・・・・・・・・・・・・・コレが貴女を凌辱する者の名称です」


345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/11(金) 22:42:28.49 ID:3hlf/fJ8o
本気出したらバキの世界でもいい線いける餓狼伝グラップラー筆頭キタ━(゚∀゚)━!
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 23:00:31.06 ID:4FwIbZH6o
泣き虫サクラとは…チルドレン\(^o^)/オワタ
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/05/12(土) 09:10:35.18 ID:C2189GjM0
ごめん誰か分かんない
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/05/12(土) 10:10:29.52 ID:IYFbSEJK0
目が見えないけど見えてる人来たww
アスカ死んじゃうってwwww
349 :赤いイヤーカフ :2012/05/12(土) 12:29:30.47 ID:XBbiJVth0
アスカ「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・;;;;;」タッタッタッタ・・・


足が震えて力が入らない。
真っ直ぐ走れない。
目に溜まった涙で前は見えず、息も苦しい。

しかし、アスカは走るしかなかった。

蛇行しながらも、靴が脱げても、涙がこぼれ落ちても。
どんなに今の自分が惨めで、みっともなくても。

命への執着。敵への恐怖。
それだけが今のアスカの全てだった。



サクラ「・・・・・・・・・・・・」シュザッ



回り込まれた。


アスカ「!!!;;;;;」ズダン


アスカは急停止した拍子に、再び尻餅を着いてしまった。
脳にダメージを負っていないにも関わらず、アスカの両足は彼女の思う通りの動きをしなくなっていた。

サクラ「・・・・・・」ビ ュ ン ! ! !

クライベイビーサクラと名乗った漢はアスカに急速接近。

ガ ッ

アスカ「ひぃっ!!;;;;;」


アスカの両眼球を掴んだ。




アスカ「いやぁあああああぁあああぁあああぁあ!!!!;;;;;」




両目への痛みと、怪物に触れられているという事実に、アスカは耐えられなかった。
アスカは、今まで生きてきた中で最も大音量であろう絶叫を上げて、涙をその目から溢れさせた。


サクラ「見えたッッッ」ニカッ


巨漢はそう言って笑うと、アスカの両目から指を抜き・・・

ガバァッ

アスカの髪を掴んで、彼女を引き起こすと・・・

ブァチィッッ!!

彼女の右頬をひっぱたいた。
アスカは声も上げられず倒れ伏す。


のしっ・・・


サクラは仰向けに倒れたアスカに対してマウントポジションを取ると・・・

ベチィッッ!!

彼女の左頬に強烈なビンタ。

バチンッッ!!

彼女の右頬に鋭いビンタ。
350 :赤いイヤーカフ :2012/05/12(土) 13:15:01.17 ID:aHUFM5fW0
アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


両頬に撃ち込まれた重すぎる攻撃に、アスカの意識は混濁する。脳にダメージを貰い、今や叫び声すら上げられない。
自分が今どうなっているのかすら分からない。

克巳と烈と渋川が意図的に避けてきた[顔]という部位。

闘いに活きる彼等とて理解している。女性にとって、顔は宝なのだと。


だが、サクラという漢にとっては単なる餌に過ぎない。



パン!


アスカ「うっ」プハッ



ジャブに鼻を打たれ、アスカは小さく声を上げる。
鼻血がサクラの拳に付着した。


アスカ「う・・・・・・あ・・・・・・・・」


鼻に与えられた鋭い痛みにより、アスカの意識は混濁から半ば脱した。



サクラ「グッ・・・・・・ドモ〜〜〜ニ〜〜〜〜〜〜ン♪」


アスカ「・・・・・・?・・・・・・・・・・・・」ボヤ〜・・・

サクラ「オヤ・・・まだワカりませんか?」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・



アスカ「!!!!;;;;;」ハッ

サクラ「そうです。貴女は今奪われつつあるのです」


アスカ「う・・・・・・あ・・・イヤ・・・やめて・・・;;;;;」ウルウル・・・

サクラ「まずは脇腹」


ドムッッ!!

アスカ「う゛っ;;;;;」

サクラ「次に胸」

ボ ン !!

アスカ「かっ・・・;;;;;」

サクラ「次は腹です。お泣きなさい」ブン

ボグッ!

アスカ「!!!;;;;;」


ゲボォッ



サクラ「吐きましたね。吐瀉物を咽に詰まらせぬ様に」

351 :赤いイヤーカフ :2012/05/12(土) 19:30:10.40 ID:JAOXaSdP0
アスカ「げほっ! げぇほっ! ぐっ・・・あがっ・・・;;;;」ハァハァ・・・

サクラ「次は左脇」グッ・・・

アスカ「!!;;;;」



巨漢が平手を掲げた。



アスカ「ぃゃ・・・・・イヤ、イヤ、嫌! 嫌!! やめてぇ!!;;;;;」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブン!

アスカ「やめっ・・・;;;;」 ベシィッッッ!!

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「ひっ・・・ひぐっ・・・・・・・・・・やっ、やめてぇ・・・・・・お願い・・・;;;;;」



サクラ「次は左胸・・・・・・5・・・4・・・」


アスカ「ひっ・・・!;;;;;」

サクラ「3・・・2・・・1」

アスカ「やっ、やめっ・・・イヤぁ!!;;;;;」

ビシィッ!


アスカ「やぁあああああああああああああ!!!!;;;;;」


サクラ「顎です。5・・・4・・・3・・・」


アスカ「やっ、やめてっ!!やめてぇっ!!!;;;;;」


サクラ「2・・・1・・・」


アスカ「いやぁあああやめてぇええええええええ!!!;;;;;」


ガコン!


アスカ「かっ・・・・・・・・・あっ・・・・・・;;;;;」ハッ・・・ハッ・・・


サクラ「次は顔に正拳を打ちます。5・・・4・・・」


アスカ「ひっ・・・あっ・・・;;;;;」ガクガク


サクラ「3・・・2・・・1・・・」ギュッ

アスカ「ひぁああ・・・;;;;;」


サクラ「・・・・・・・・・」ブン



ゴ ッ ! !


352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/12(土) 19:34:25.73 ID:Zzp8nLGvo
勃ったッッッッ!!!!!!!
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/05/12(土) 20:14:25.45 ID:IYFbSEJK0
あれ?これ独歩ちゃん怒るんじゃね?怪我させるな云々言ってたし
それとも効果音が小さい=サクラ手加減してるってことだから独歩ちゃんは黙認するの?
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 20:17:49.09 ID:jssoFkQoo
トラウマで使徒と戦う所じゃなくなりそうだな…これ完全に逆効果なのでは?
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/12(土) 20:47:04.01 ID:KEvuLraJo
>>347
餓狼伝に出てくるボス級グラップラー(モデル猪木)の過去編に出てくる狂人。
20人分というその巨躯を維持するために、はちみつとガムシロップを混ぜたカクテルを飲んでいる。

両目が見えない(両目が無い)にも関わらず、音や匂い、その血を吸った蚊を舐めるなどして、
相手の身長体重はおろか人種や食事バランスさえ把握する。
匂いや粘性から絵の具の色を判断し、相手闘士の姿をキャンバスに描く。
漫画版におけるその実力は現実世界に近い餓狼伝では珍しく凶悪で、バキ世界でも十二分に通用するだろう。

作中では、波に乗っていた若き猪木もどきを蹂躙した。
必死の反撃に対して平然と立ち上がった後での上記のセリフ、「凌辱が無いでしょッッッ!!!!!!」 から
始まった凄惨な攻撃は、猪木もどきと読者に絶望を与えた。

そんなサクラの願いは、哭くこと。20人分の食事や排泄を行う一方で彼は、泣いたことがなかった。
後に彼はもどきとの戦いで、目的を達成することになる。

彼の壮絶な生き様の陰には、母を喪った過去が大きく関係していた。

幼い頃母と二人暮らししていたところ、「なんでも無償で与えてくれる紳士」に母が出会う。
若きサクラは純粋に喜ぶが、母は「与え続ける」という紳士の行動が原因で精神に異常をきたす。
カバンいっぱいの大金を見せられた時にその精神は崩壊。喜んで向かってきたサクラの両目を潰した。

以来サクラの母は、何にも興味を示さない廃人になってしまった。
母に笑ってもらおうと、椅子に座る母の前で様々な行動を起こすサクラ。
その中で唯一母が笑ったのが、逆立ちで腕立てをしていたサクラが転んだ時であった。
以来母親を励まそうと筋力増強に励んだ結果、すさまじい肉体を手に入れた。

もし彼が全力で戦ったならば、と思った読者は多いはず。俺もその一人。ありがとう>>1
356 :赤いイヤーカフ :2012/05/13(日) 01:48:53.60 ID:CJGv3K2d0
アスカは今まで、強力な正拳突きを顔面に貰った事は無かった。
今までは全ていなしていた。ドイツ支部の格闘教官の攻撃さえもいなせていた。

ヘッドギア越しに、グローブで殴られた経験すらない。


そんな心身共に耐性のないアスカに対して、顔面打ちは効果的だった。




アスカ「・・・ふぁ・・ぁ・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


サクラ「喋れますか? 喋れずとも喋りなさい」


アスカ「ゅあへ・・・・・・ゃふぇ・・・やふっ・・・・・・やめふぇ・・・;;;;;」


サクラ「まだです。鼻水とヨダレ・・・・・・涙と汗では全く足りません。貴女の顔の痣は控えめで、歯は愚か鼻すら折れていません。綺麗です。まだまだ奪われなさい」


アスカ「ゆっ・・・・・ゆるひっ・・・;;;;;」


サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「ゆるひへ・・・ふらはい・・・・・・・・・ゆっ・・ゆるひぇ・・・・・くらはぃ・・・;;;;;」


サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「こっ・・・殺さらぃれえぇ・・・・・・;;;;;」


サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





むくっ・・・





サクラはマウントポジションを解除すると、寝そべるアスカの上体を起こした。
そして彼女の頭頂部の髪を右手で掴み、彼女の顔に自分の顔を近付けた。




サクラ「では・・・・・・今度は高らかに謳いあげなさい」


アスカ「・・・ヒック・・・・・・ヒック・・・・・・;;;;;」


サクラ「完全にそうだと判断できる明確な敗北」


スッ


サクラ「今摘みあげた髪の毛一本・・・・・・この一本を抜いた瞬間、大声で叫ぶのです」




サクラ「[ギブアップ]と」

357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/13(日) 01:53:04.07 ID:m7D+hzATo
名シーンクルー?
358 :赤いイヤーカフ :2012/05/13(日) 12:09:08.03 ID:KcWTqOTv0
サクラ「いいね」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」



サクラ「3・・・・・・2・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


サクラ「1・・・・・・」






プツッ







アスカ「ギブアッ・・・;;;;;」


サクラ「与えちゃいけないッッッッ!!!!!」




アスカ「!!!〜〜〜〜〜〜ッッッ;;;;;」




サクラ「私に勝利を与えられるのは神だけ・・・・・・貴女は神の代理じゃないでしょ」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」ガクガク



敗北宣言が認められない。しかし明確な敗北を示さなければ解放されない。
ならば答えは一つ。


    殺されなければ解放されない。


解放されるには死ぬしかないというシチュエーションに放り込まれ、恐怖を感じぬ健常者はいない。




サクラ「チャンスを与えましょう」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;;」ガクガク



サクラ「ジャスト10セカンズッッ」ぬっ・・・




サクラはアスカから離れ、彼女の正面に座り込んだ。




サクラ「10秒間、私は無抵抗に徹します・・・・・・・・・・・・その10秒に貴女は総てを賭けなさい」

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/13(日) 13:50:31.16 ID:uvGhjqHn0
>>354
フルボッコはバキではよくあること
問題はアスカが克巳ルートとアライJr.ルートのどっちを通るかだな
360 :赤いイヤーカフ :2012/05/13(日) 14:31:12.77 ID:ra5JtBvJ0
サクラ「自慢の顔を涙とヨダレと鼻水でぐちゃぐちゃにして、許してくれと誇りを投げ棄て、結果消え去った勝利・・・・・・それが今、再び貴女の前にブラ下がったのです」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」ガタガタガタ



ごろり・・・



サクラ「さァ・・・寝転がった無防備な私に攻撃を仕掛けるのです」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」ガタガタガタ


サクラ「さァ・・・・・・」




ズ・・・





アスカは震えが止まらぬ足で立ち上がった。

彼女は分かってしまっている。
自分が、これからどうなるか。




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」ヒーッ・・・ヒーッ・・・





サクラ「さァッッッ!!!」



サクラが声を張り上げた瞬間・・・



アスカ「うわああああああああああああああああああ!!!;;;;;」ダッ






アスカは逃げ出した。


361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/13(日) 17:24:48.49 ID:l0oZAJBf0
タツミじゃねえんだから無茶振りにもほどがある
せめてこずえちゃんくらいのメンタルがなきゃむりだって
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/13(日) 21:20:43.90 ID:m7D+hzATo

     アスカ…
   店の床が冷たい
363 :赤いイヤーカフ :2012/05/13(日) 21:32:28.95 ID:Y7OP2IaU0
サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



遠退いていく悲鳴と足音。

それらの情報から、サクラは彼女の心境を最後にもう一度推察し・・・


サクラ「ハァ・・・・・・・・・・・・」


溜め息を着いた。
そうしている間にもアスカはサクラから離れていく。




サクラ「ミス・アスカ。君にはがっかりした」



アスカ「ひっ・・・ひっ・・・ひっ・・・いっ・・・;;;;;」タッタッタッタ・・・



サクラ「本当に・・・」バ  ァ  ン  !  !  !  !  !


スーパー中に響き渡るであろう破壊音と共に、サクラの寝ていた床のタイルが爆発。

ドカドカドカドカドカドカ!!!

そのままタイルを紙の様に舞い散らせながらアスカの眼前に回り込み・・・

ザ  ウ  ッ  !  !

拳を振り上げた。




サクラ「がっかりした」



アスカ「ひあぁっ!!;;;;;」ビクッ



  ゴ    ウ   ッ   ッ   !   !   !   !





サクラの放つ全力の拳が、アスカの顔面向け発射された。






ガ   キ   ッ  !  !





その拳を掴み止めた者が居た。


364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/13(日) 21:37:23.09 ID:m7D+hzATo
近づいても背骨折る気だっただろうがw
365 :赤いイヤーカフ :2012/05/13(日) 21:53:40.41 ID:2TojMYyB0
アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」


突然アスカの前に現れたもう一人の男。
身長は180センチを超え、背中が大きく盛り上がっている。


サクラ「おおお・・・・・・ッッッ」


サクラは打ち奮えた。



こんな漢が居たのかッッ

身長も、パワーも、ウェイトも、スタミナも、反射神経も、何もかもが非常識ッッ規格外ッッ


こんなに強い漢が居たのかッッ


こんなにビューティフルなッッ

こんなにエクセレントなファイターが存在していたのかッッッ




それと同時に、サクラが感じとった物。


相手の筋肉の硬化具合。震え具合。発汗量と体温。
それらのデータから判別出来る神経の流れと、そこを流れる電気信号の強さとパターン。
さらにそこから判明する、電流の元である脳の思考、精神の構造。心の起伏。


その内容は、概ねこのような物である。








      「その娘は彼女の大切な物だ。傷付ける事は許さん]











ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」












雄は怒りに満ちていた。



366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/13(日) 22:20:10.26 ID:8m79JQUmo
ピクルVSサクラとは豪華なドリームマッチだな
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/13(日) 22:23:59.32 ID:m7D+hzATo
これはほかメンバーが立ち入れないぞww
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/13(日) 23:53:24.05 ID:erffIA1Q0
もはや訓練でも何でもねえだろこれwwww
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/13(日) 23:57:09.43 ID:m7D+hzATo
サクラには規格外しか通用しないと思ってたのでこの展開はアツい
370 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 02:20:01.51 ID:ncqHssrZ0
ブ   ン   !   !   !


サクラ「!」



サクラの巨体が消えた。ピクルの左腕と共に。
アスカはまだ状況を把握していない。


バ  ァ  ン  !  !  !


天井に穴が空く。


バ   ン   ッ   !   !   !


壁に穴が空く。
ここでアスカは状況を理解し、身体を丸めてひたすら恐怖に堪える。


ド  ギ  ャ  ッ  ッ  ッ  !  !  !



一階の薬局と地下倉庫の間に通路が形成された。

バ  ッ

ピクルは、地下にぶち込んだ敵に更なる追い打ちを掛けるべく、穴に跳び降り、拳を振り上げたが・・・



ベ   シ   ィ   ッ   ッ   ッ   !   !


拳を振り下ろす前に、サクラの繰り出した垂直飛び蹴り上げにより跳ね上げられ、天井に激突。


サクラ「スバラシイッッッ!!!」バ  ッ  ッ  !  !



ギ  ャ  ド  ッ  ッ ! ! ! !




更に穴から飛び出してきたサクラの、上方向への錐揉みドロップキックを鳩尾に貰い、その背中を天井に深く減り込ませた。


スッ


次にサクラは音も無く着地すると・・・

ド   ン  !  !

床を蹴り跳躍。


ベ シ  ッ ! ! !


身を翻し、天井にある僅かな溝に両足の指を減り込ませ、天井に自身の身体を固定。


ド  オ  ン ! !     ド  カ  ッ  ッ  !  !
   ズ  ド  ッ  !  !  !
       バ  ギ  ィ  !  !  !



天地逆転状態のまま、ピクルに対してマウントポジションを取り、猛烈な勢いで彼の顔面を殴り付け始めた。

371 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 09:25:10.06 ID:T4yNjWNh0
ド  ズ  ン  !  !  !     ガ  キ  ャ  ッ  !  !  !       バ  ゴ  ッ ! !         ド  カ  ッ  ッ  !  !  !       ボ  グ  ッ  ッ  !  !         ズ   ド   ッ  !  !



薬局中・・・いや、スーパー中に鳴り響いているかもしれない轟音。硬い物を堅い物で、なんの情け容赦も無く殴打する音。
そんな音が作り出す狂気の空間。


アスカ「・・・・・イヤ・・・・・・イヤ・・・・・・・イヤ・・・・;;;;;;」ガタガタガタ



自分を囲む恐怖から一刻も早く逃げ出したかったアスカは・・・


アスカ「っ・・・助けてっ・・・・・・・・・だっ・・・誰かっ・・・;;;;;」ズズ・・・


その場から這い出るべく身体を伸ばした。


アスカ「!!!;;;;;」



そして、天井で逆さまになって闘う二匹の獣を見て、数瞬だけ現実を忘れた。
自分と彼らの、どちらが逆さまなのか。自分は悪い夢でも見ているのかと・・・



サクラ(これで終わりでは無いハズだッッ!!)ド   ゴ   ッ   !

ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

サクラ(君ならヤるッッ! 君ならばヤれるッッ!!)ド カ ッ ッ ! !



ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ  ウ  ッ  ッ  !  !


サクラ(来たッッ!! 頭突き!!!)サッ



サクラは、自身の顔面目掛けて飛んでくる頭へ手を伸ばすと・・・

ガ ッ

それを両手で挟み・・・

ブ  ン  !  !

捻った。



サクラ「!」



だが、ピクルの鉄筋の如き首を捩り折るには至らず・・・


ゴ  ヒ  ュ  ッ  ッ  ッ  !  !  !


首に投げられ・・・


ド  シ  ャ  ア  ッ  !  !  !


床に叩きつけられた。
天井に形成されたクレーターから、ピクルは身体を外し・・・


カ ッ ! ! !


今の自分にとっての真上・・・サクラの顔面目掛けて全力で跳んだ。
372 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 13:21:52.53 ID:7MyoFMx20
午後1時19分
スーパーマーケット:男子トイレ

店内放送 <一階の薬局ハーツで少規模テロが発生しました! お客様は店員もしくは警備員の指示に従って、速やかに避難してください!!;;>

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ピクッ

店内放送 <繰り返しお伝えします!! 一階の薬局ハーツの店内で少規模テロが発生しました!! お客様の皆様は、店員もしくは警備員の指示に従って速やかに避難してください!!;;>

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





克巳(倒れてる・・・・・・何故? ダウンしてる? 何処で?)

   何か聞こえる・・・   ウルセぇ・・・
            店内放送?
顔イテぇ・・・        避難・・・
なんでオレ倒れてんの?

      誰かに倒された。
                誰に・・・








      サクラ「・・・・・・」ニカッ








克巳(アイツだッッ;;;)ガバッ



    (アイツらが危ないッッッッ!!!;;;;)



バ ン ! !


意識を取り戻した克巳は個室のドアを蹴破り、密室から脱出した。

手足に力が入らない。まだ回復が不十分だ。


だが行くしかないと思ったその時・・・


?「まぁ待ちなさい」



見覚えのある男が、克巳の前に姿を現した。
373 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 13:22:20.63 ID:uUXtsCb90
同時刻の午後1時19分
スーパーマーケット:男子トイレ

店内放送 <一階の薬局ハーツで少規模テロが発生しました! お客様は店員もしくは警備員の指示に従って、速やかに避難してください!!;;>

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ピクッ

店内放送 <繰り返しお伝えします!! 一階の薬局ハーツの店内で少規模テロが発生しました!! お客様の皆様は、店員もしくは警備員の指示に従って速やかに避難してください!!;;>

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





克巳(倒れてる・・・・・・何故? ダウンしてる? 何処で?)

   何か聞こえる・・・   ウルセぇ・・・
            店内放送?
顔イテぇ・・・        避難・・・
なんでオレ倒れてんの?

      誰かに倒された。
                誰に・・・








      サクラ「・・・・・・」ニカッ








克巳(アイツだッッ;;;)ガバッ



    (アイツらが危ないッッッッ!!!;;;;)



バ ン ! !


意識を取り戻した克巳は個室のドアを蹴破り、密室から脱出した。

手足に力が入らない。まだ回復が不十分だ。


だが行くしかないと思ったその時・・・


?「まぁ待ちなさい」



見覚えのある男が、克巳の前に姿を現した。
374 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/05/14(月) 13:26:01.51 ID:lQ658MOU0
レス読み込みを中断しても、スレには載っちゃのか・・・
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/14(月) 14:17:48.43 ID:+shw897o0
そうみたいですね
376 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 18:12:56.44 ID:WQRHUKCz0


ド   グ  ワ  シ ャ  ア ッ ッ ! ! ! ! ! !



サクラの顔を陥没させ、二匹共に一気に下へ抜けた。



一階の床を再び突き破り、地下倉庫まで。

そしてその倉庫の床をブチ破り、今度は倉庫の下の基礎に到達。


更にはその基礎さえも貫通し、遂には地中へ・・・




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;」



アスカは、もう何がなんだか分からなくなっていた。



バ ヒ ュ ッ ! !
              スッ



ピクルは自身の力で空けた大穴から飛び出し、再び薬局の床に降り立った。


ピクル「・・・・・・・・・・・・・」ゴ ハ ァ 〜 ・・・


吐息を一つ。



ピクル「・・・・・・・・・」ミキミキ・・・



その後に歯を食いしばり、力む。
ピクルの全身の間接から、太い弓をゆっくりと引き絞るような音が鳴りはじめる。

敵は地の底にいる。
それを全力で穿つ為、ピクルは最終形態へと成ろうとしていた。


この敵は不可思議で意味不明な強さではない。
純粋な戦力勝負を展開する今までの強敵の中では、間違いなく最強に位置するのだ。

勇気あるアイツの様に意外な動きを見せ、宝を自ら差し出したアイツの数倍は力がある。そして決して死なないアイツのように獰猛で、強靭極まり無い。


そんなヤツに、彼女を奪われる訳にはいかない。


キョウコに託されたのだ。




彼女を守れと。






そこまで思ってピクルは気付いた。

闘いを再開する前に、彼女を連れてさっさと逃げる方が安全ではないか?・・・と。
377 :赤いイヤーカフ :2012/05/14(月) 20:15:44.31 ID:ncqHssrZ0
ピクル「・・・・・・・・・」クルッ

アスカ「!!!!;;;;;」ビクン


ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




キョウコの娘であるこの雌を見て、ピクルは思い直し始めた。


今の彼女に、この場所でこれから巻き起こるであろう危険から、逃れ切るだけの体力はあるのだろうか。
見たところ、彼女の心は既に限界間近で、身体の疲労もかなり蓄積されている。

立ち上がれる程の力も今は無く、立ち上がる気力もない。
万が一立ち上がれても、絶対に走れやしないだろう。


何より、彼女の怯えきったあの眼が何よりの証拠だ。


爪を持ったアイツらが、よくこんな眼をしたヤツを群れで嬲っていた。



ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザッ


アスカ「ひっ・・・;;;;;」ザザ・・・


ピクルはアスカに近付く。
アスカは右手で両胸を隠しながら、必死に後ろへ後ろへと這う。
だが、その速さは酷く遅く、全くと言って良いほど進んでいない。


それを見て、ピクルの考えは決まった。



ピクル「・・・・・・・・・・・・」ガシッ

アスカ「いぃっ・・・;;;;;」ブルッ


彼女を摘み上げ・・・

ガッ

小脇に抱え直した。そして・・・

ダッ

走り出した。





アスカ「・・・ぇ・・・・・・?・・・;;;」





揺らさぬ様に。







          壊さぬ様に。




378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/15(火) 00:56:55.34 ID:aBA9aQfAO
…ビューリフォー…
379 :赤いイヤーカフ :2012/05/15(火) 19:10:17.91 ID:+ztqzSGF0
克巳「アンタは・・・・・・;;」


?「貴方が焦るのは当然です。ですが貴方も分かっている通り、現在の状態で挑んでも彼には絶対に勝てない」


克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


?「彼は怪物だ。彼の筋力は成人男性の平均筋力の約20倍にもなり、洞察力と戦力分析の鋭さにおいては比較の対象にすらなりません」


克巳「20倍・・・・・・;;;」


?「握力の平均値が仮に45キロならば、彼の握力は900キロにも及び、ダブルリフトの平均値が仮に80キロならば、彼は1600キロをリフティング出来る。ワカりやすく言うなら、軽自動車1台を横転させるのに10人必要ならば、彼は軽自動車2台を同時に横転させる事が可能という事。ハッキリ言って勝ち目ゼロです」

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;」

?「それに・・・・・・幾ら彼でも今日のところは退散するでしょう。ここまで騒ぎが大きくなってしまった以上、最早訓練どころではありません」フー・・・


克巳「訓・・・・・・はァ!? 訓練!?;;」


?「ええそうです。大分強引なやり方ではありますが」


克巳「・・・ちょっ・・・・・・そしたらオレ・・・;;」

?「まァ・・・・・・予定の内とはいえ、闘い損と言えなくもないですね」ハハ・・・


克巳「オイオイ・・・・・・;;;」


?「大変申し訳ないと思っています。ですが理解して戴きたいのは、ファーストとサードの二人には順を追った教育を。セカンドの少女には、復活可能ギリギリの逆境が必要だという事実です・・・・・・・・・そのために彼は逆境役。私は教育役として訓練に乱入しました」


克巳「・・・・・・・・・まさかとは思うんですけど・・・;;」


?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


克巳「・・・オレの親父の差し金かい?;;」




寂「少し違います」フッ




克巳「少し・・・・・・?;」


寂「同じような物ですけど。では、今日はこれにて・・・」ザッ

ガチャッ


シンジ「克巳さん!! って・・・ぇ?・・・・・・;」

綾波「?;」


寂「おお、キミがシンジ君だね」ニコッ


シンジ「・・・あっ・・・はい・・・;」


寂「私の名は寂海王。キミ達の教官である烈さんと同じく、海王の称号を武名として受けた。同門では無いがね・・・・・・それより良い眼をしてるなキミ」

380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 19:25:47.80 ID:Kb1dSqXso
この>>1氏の才能は素晴らしいよ
前からファンだけどずっと続けていってほしいな
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 19:53:33.90 ID:BrYQ+Thto
まさかの寂海王登場
教官役としては適任そうな人選だな
382 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/05/15(火) 20:36:04.40 ID:fZDha2+k0
シンジ「あの・・・・・・すっ、すみません! 今それどころじゃないんです! 克巳さん!!;;」

克巳「お〜シンジ〜・・・なんか心配する事ないみたいだぜェ・・・」ハー・・・

シンジ「でっ、でも・・・;;」


克巳「訓練だとよ」


シンジ・綾波「!?;」

克巳「市内での訓練ってゆうアレよアレ」


シンジ「・・・・・・でも避難指示今も出てますよ? 煙も上がってましたし、凄い音も・・・・・・;;」

克巳「そりゃ煙上がりゃ避難指示も出るだろ。しかもスンゴイ音が響いたとなると、店からしたら[火事か?いや爆発だからテロかもッ]って感じだろ? そういう時は事実確認より先に避難だろ」

シンジ「・・・ですけど、僕ら今訓練してないですよ・・・烈さんも慌ててましたし・・・克巳さんだって顔怪我してるじゃないですかっ;;」

克巳「あぁ、ナルホドね。そりゃ確かに異常事態だ」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


克巳「隠してた事なんだが、オレと烈さん・・・それと寂さんで、キミらに抜き打ち訓練をしようって事になってたんだよ」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳(いやァ〜・・・また嘘つくハメんなるたァ・・・;)
  「店ん中ァ適当にブラつきながら良い場所探して、場所が見つかったら寂さんが合流、三対三の乱取りにしようや・・・ってな。そこに例の犯罪者が現れたってワケだ」

シンジ「!・・・犯罪者って今朝の・・・;;」

克巳「ヤクザを5人ぶっ殺したヤツさ。あの野郎の目的は君らじゃなくオレ達らしい・・・・・・・・・トイレまで付き纏われてこのザマだよ・・・」ハァー・・・

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


寂「以上の事から分かる通り、ヤツの標的はキミらじゃなく飽くまで我々・・・・・・君達が襲われる心配は無いというコトだ・・・・・・・・・・・・・・・それよりキミ」


綾波「? はい」


寂「キミも良い眼をしてるね」ニコッ



383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 10:57:58.84 ID:FzTpg9GDO
育成マニアw
384 :赤いイヤーカフ :2012/05/16(水) 19:14:11.52 ID:qpVSERsm0
午後1時25分
第三新東京市:繁華街


遠くに蜃気楼が映る程の猛暑でも、この場所から人が消える事はまずない。
車道を車が通り、歩道を老若男女が行き交う。

違うのは行き交う人間の種類である。

明るい内は真っ当な人々が主となるが、暗くなり、ネオンが点けば、ちらほらと不逞の輩が混じり始める。そこかしこで夜の華が咲き、それに群がる者が現れる。
多少のいざこざも稀に発生する。
そして多少どころではない惨事も。


だが今は明るい。


繁華街を行くのは、主婦や昼食目当てのサラリーマン。
ヤクザはいないし、チンピラもいない。殺人鬼はスーパーに出張中。

事件現場に人だかりが出来ている以外、此処にはまだ夜の華は咲いていない。


にも関わらず、場違いな者が一人、歩道に立ち尽くしていた。





千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」





紫色の特効服に、黄色い鉢巻き。
腹にはサラシ。足には地下足袋(じかたび)

ただし、タバコはくわえていない。



千春「・・・・・・・・・・・・・・・;;;」キョロキョロ・・・



漢の周囲にあるのは、見慣れた街とは似て非なる街。似て非なる空気。



千春「・・・ンだよこりゃア・・・・・・;;;」



第一声は前例に漏れなくコレだった。
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 19:17:32.12 ID:mGkNjDfxo
スレタイ通りに千春登場か
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/16(水) 19:35:07.97 ID:YmgQmAE7o
ついに千春登場か
387 :赤いイヤーカフ :2012/05/16(水) 21:35:18.20 ID:pT9Pi4ng0
千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


愛車は無い。
金も無い。
勿論、友人知人も居る訳がない。
右耳には赤いイヤーカフ


千春(取り合えず・・・歩くかァ・・・・・・・・・;)ジャリ・・・


そう思いながら、足取り遅く歩き始めた瞬間・・・


カフ「(もうすぐだ)」
千春「ッッ!?;」


耳元から声。


千春「!?・・・!?・・・;」バッバッ

カフ「(振り向いても誰もいないよ。それより前を見ろ)」

千春「前だァ?;」

カフ「(そこにお前のバイクがある)」

千春「!;」




チンピラ1「あれ? 先輩変えたんすか?」


チンピラ2「オウ、こいつは中々イイぜ。マックス190のバケモンだからな。けどなァ〜・・・」

チンピラ3「速ぇ〜っすね。でもハーレーって・・・・・・前の方が良かったんじゃないスかぁ?」ヘラッ

チンピラ2「まァダセぇわな。そうなんだよ。なんつーかスタイリッシュじゃねェんだよコイツ。速さはいいんだけどよ」ハハッ

チンピラ1「これからずっとソレって事ないっスよね?」ニヤニヤ・・・

チンピラ2「んなワケねぇだろォ!? 売るんだよこれからよォッ」ハッハッハ

チンピラ3「じゃあなんで買ったんスか」ヘラヘラ・・・

チンピラ2「買っちゃいねェよ。パクッたんだよ、落ちてたのを」

チンピラ1「落ちてたって何処に?」ニヤニヤ

チンピラ2「そりゃ道路だろ。ハハハハ!」





千春「ア?」ピ キ ッ


388 :赤いイヤーカフ :2012/05/16(水) 22:20:26.55 ID:QB1q5E4n0
チンピラ3「道路に落ちてる骨董品拾うなんて、先輩いい運してますね〜」

チンピラ2「まぁな。つってもこんなモン買うオジンなんて今時いやしねェんだから、パチンコ台が山だろ」

チンピラ1「しかもコレ、よく見たらオンボロじゃないスか。こりゃ売れる以前の問題かもっスよォ?」

チンピラ3「博物館行きだろ」

チンピラ2「博物館!? こりゃいい!ハハハハハハハハ!」

千春「オイ」ズチャ

チンピラ2「ン?」



グ ワ キ ィ ッ !



チンピラ2「・・・・・・・・・・・・」プシュー・・・


チンピラ1「なっ・・・;」

チンピラ3「おッ・・・;」

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


チンピラ達の前に現れた、異様に筋肉質な特攻服姿の男。
今時には全く有り得ないファッションセンスに、完全にプッツンきた目つき。

そんなヤツに、彼らのリーダーは顔面ワンパンで倒された。

そしてこの千春という男、手加減というか・・・実に容赦が無い。


千春「おらボケッッ!!! くぉら立てやァッッ!!!!」

ガ ッ !   ゴ ッ !      バ キ ッ !
   ド カ ッ !  ゴ ス ッ !
  ベ キ ッ !  ボ ゴ ッ !
千春「根性みッせろゃオラァッッ!!」
バ ス ッ !    ゴ シ ャ !
     ド ス ッ !



ダウンしたリーダーの顔面目掛け、手加減無くストンピングを食らわす千春に、チンピラ達は完全に気後れしていた。

彼らは路上で暴走行為は働いても、ケンカには滅法弱い。
その証拠に、彼らは過去にアスカとゲームセンターで乱闘になった時、アスカに擦り傷ひとつ付ける事が出来なかった。群れで襲ったにも関わらず。


ド キ ャ ッ !


一際大きな音が、血ダルマと化したリーダーの頭から響く。



千春「いいかァてめェらァ・・・・・・」フー・・・


チンピラ1・3「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ガタガタ・・・



千春「人の単車に手ェ出すヤツぁ殺されたって文句言えねェんだよォッッ!!!!」


チンピラ1・3「ス・・・スンマセンでしたァ!;;;」

千春「バカがッッ許すワケねェだろッッ!!!」ダ ッ

チンピラ1・3「わあああああああああああああ!!;;;;」


389 :赤いイヤーカフ :2012/05/17(木) 01:09:32.83 ID:lEJbFjTk0
50秒後



千春「ったくよォ・・・」ババババ・・・



千春は取り返したバイクを走らせていた。

といっても、特に決まった目的地があるわけでは無い。
適当にドライブをしているだけだ。


千春「つーか・・・・・・・・・マジで何処だよここ・・・;」ババババ・・・



ビルとビルの隙間から時折姿を見せる、他の建造物より断トツで巨大な建物。
それは巨大なソーラーパネルの集合体のようであったり、巨大なマガジンを思わせる無骨な高層物であったりする。

道路標識には見慣れぬ物が目立ち、電柱には用途不明の機械が取り付けられ、周りを走る自動車のデザインも何かいつもと違う。


千春(ワケわかんねぇ・・・・・・;)ババババ・・・


未知の物が多過ぎるが、かといって全くの未知かと言うとそうでもない。
見知った現実と見知ったフィクションが混ざり合い、夢の様に思える。




千春(コンビニ・・・・・・いや、どーすっかな・・・・・・・・・;)





千春はすっかり決めかねていた。



390 :赤いイヤーカフ :2012/05/17(木) 01:23:39.00 ID:qvTQd/Mu0
久しぶりにここで安価です。
[5月17日の18時(午後6時)]には締め切りますのでご注意!
今回の安価は超重要でさぁ。安価内容は・・・


  「未来世界をさ迷う千春を、何処に向かわせようか」


ですッッ
選択肢は↓

1、ネルフ本部

2、コンフォートマンション・花山宅

3、源王会本部

4、廃団地・オリバ宅

5、スーパーマーケット



さァ・・・
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/17(木) 07:59:57.88 ID:Y823uOet0
ちょいまて源王会あんのかよ!
あのがっかりオカマハゲのいる

でも無難に2
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/17(木) 09:14:15.92 ID:UyhDNLGHo
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 11:03:57.45 ID:FlU/iaPIo
ここはスレタイ通りに誘導するのが安牌か
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 11:30:05.76 ID:LtLgg9N00
無難に2で
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/17(木) 11:40:41.14 ID:/j+ZT6NY0
4
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/17(木) 12:21:39.52 ID:uAOFsJ9t0
1
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/17(木) 21:32:03.37 ID:Xdn7rlgFo
むしろ1にしないと一生遭遇せずに花山に言いくるめられて終わる気も
398 :赤いイヤーカフ :2012/05/17(木) 22:03:22.79 ID:f1CaqK7F0
カフ「(駅を過ぎた所に十字路がある。そこを左折しろ)」


千春「オッ;」ピクッ ババババ・・・

カフ「(今だ)」

千春「チョッ! なんだよオメェは・・・;」ババババ・・・

カフ「(過ぎたぞ。何をやってる)」

千春「何って・・・;」ババババ・・・

カフ「(早く戻れ)」

千春「あーワカったよ!!;;」ギャバババ



顔も見えぬ相手からの指示に千春は苛つきつつ、行き過ぎた道路を数十メートル程逆走した。

幸にして周囲に車は無く、すんなりと駅手前の十字路を右折出来た。



千春「で、どーするよ;」ババババ・・・


カフ「(遠くにマンションが見えるだろう)」

千春「マンション・・・・・・・・・あのデカいやつかい;」ババババ・・・

カフ「(そうだ。そこへ行け)」

千春「そうかい・・・;」ババババ・・・



千春は一旦諦めを付け、一先ずはカフに従う事に決めた。
知らぬ物の中では、独力のまま足掻くには限界がある。
最悪、路上で野垂れ死にだって十分に有り得る話だ。

それは千春としても願い下げであり、可能ならば避けたい。



カフ「(理由はじきに分かる)」



千春「ケッ;」ババババ・・・






399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/05/18(金) 00:13:35.37 ID:jyumVVYQ0
>>355
とりあえず、走ったらカーナビがずれるぐらいの超雄ということはわかった。
400 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 19:17:15.03 ID:ueD8XuGb0
午後1時28分
スーパーマーケット:薬局


諜報員1「うわっ! 酷いな・・・;」

諜報員2「穴が下まで・・・・・・;」

諜報員3「一体何があったんだ・・・・・・;」

諜報部隊隊長「あまり近付くな!警察に通報した店員と来店していた客の証言によると、この穴に犯人が潜んでいる可能性がある!飛び出してくるかもしれん!;」



薬局の床をブチ抜き、それこそ地の底まで続いているんじゃないかと思えるほど、深く暗い穴。
その穴の周りを、ネルフの諜報員が20名程で取り囲んでいる。
薬局にあった陳列棚は、全て粉々になって辺りに散乱しており、今や立体的な障害物は無い。


諜報員2「ですが隊長。飛び出すにしてもこんな深さじゃ・・・・・・そもそも犯人が生きているかどうかすらわかりません。ここは警察に任・・・;」


諜報員の一人がそこまで言ったところで・・・

ブ  ワ  ッ  ッ  !  !  !

諜報部隊「!!ッッッ;;;」


穴から突風が吹きあげた。



隊長「ん? なんだ今・・・;」


隊長が呟く。


にゅっ ガシッ

ゴ キ ン 


天井から伸びた手が、隊長の顎を天井に向けさせた。

サクラ「ハロー♪」

天井に張り付いたサクラが笑う。
19人の諜報員がサクラの姿を視界に捉えた瞬間・・・


サクラ「 カ  ッ  ッ  ッ  ッ  !  !  !  !」

サクラが声を張り上げ・・・

バ シ ャ ア ア ン ! !

蛍光灯が一斉に破裂し・・・

ボ ウ ッ!!!

埃が店中に舞い上がり、充満した。
諜報員達はいきなりの事で声もあげられず、ただただ耳を塞いでうずくまるばかり。



ベ キ ッ !  バキバキ     ボキャッ
   グチャッ!   ブチッ
 ド  グ  ァ  ッ  ッ  !  !  !
  ガコン!   コキッ
 バ  カ  ッ  ッ  !  !  !
グキャッ  みちみちブチブチッ!
         ザクッ!!!
   ザキッ!





あとは、濛々とした埃の中、人体が破壊される音だけが淡々と響くだけであった。
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 19:46:47.92 ID:pyfA3g4jo
このスレでのネルフ諜報員の殉職率は異常
ヤクザ・チンピラ以上に歩く死亡フラグ化してる
402 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 21:38:33.48 ID:iZPhsVze0
午後1時29分
コンフォートマンション

バイクを止め、目の前にそびえ立つマンションを見上げ、千春は呟いた。


千春「でっけェアパート・・・・・・;」

カフ「(8階に上がれ)」

千春「オウ・・・」ジャリッ・・・


イヤーカフからの指示通りの階に向かう為、千春はマンションの戸を潜りエレベーターを探し出すと、それに乗って8階行きのボタンを押した。



千春(あーあ・・・どうなってやがンだよ・・・・・・)フン・・・

千春「つか、アンタ誰だ?」

カフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


謎の声からの応答は無い。


千春「シカトかい」フー・・・



チーン  ゴウン・・・


エレベーターのドアが開いた。目的の8階に着いたらしい。
千春はエレベーターから出ると、マンションの廊下を見渡した。
外観はともかく、廊下の見た目は何の変哲もないごく普通のマンションだ。


千春(こーゆートコロは変わんねェーんだな)


カフ「(奥にある[016番]という部屋に行け)」

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザッ・・・


千春は、部屋の番号を順に見ながら進む。


007・・・008・・・009・・・010・・・011・・・012・・・


心の中でカウントしながら、千春は何の感慨も無く進む。部屋の住人の名前など見もしない。


013・・・014・・・015・・・



016



そして問題の部屋の前で、千春の足が止まった。





千春「・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃぁアこりゃあァ・・・・・・;;;;」







千春の目には[016 花山薫]の文字がしっかりと映っていた。
403 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 22:05:22.85 ID:K8AFWWdy0
千春「ォィ・・・;;」

カフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「オイッッ!!;;;;」

カフ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


返事がない。


千春「チッ・・・・・・夢でも見てんのかよ・・・俺ァよ・・・・・・・・・;;」チラ・・・


そう言いつつ、花山薫という名前の人物が住んでいる部屋以外の部屋に、歩を進める。

コレ以外に知人の名前が出たら、間違いなく今の自分はどうかしてる。
知人の名前が出ないなら、ただ単に016に住んでいる人の名前が、偶然にも敬愛している人と被っているだけの事。

願わくば、知人の名は出ないで欲しい。


バッ


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」




花山薫の右隣りは、佐川忠彦という人物が住んでいる。



バッ


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」



花山薫の左隣りには
葛城ミサト・碇シンジ・綾波レイ・惣流アスカラングレーという人物が住んでいる。

良かった。知人はいない。
そう安堵しかけた千春の眼に・・・


千春「〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!;;;;」



範馬刃牙という名が飛び込んできた。



千春「ま・・・・・・・・・;;;;」




千春「まッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」









千春「マジかァ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!;;;;;」






404 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 22:42:43.60 ID:vEwMP6bR0
千春(エッ!? 何!? 何コレ!??;;;;)

千春(範馬刃牙!? なんで居るのッ!? つか、そしたらアリゃホンマモンの大将かよォ!!!;;;;)


何で!?    何で!? 何で!?
   何で!?  何で!?
  何コレ!? 
      マジでェ!!?
いや待てッッ ちょっと待って落ち着けッッ


千春「スゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・;;」






千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



どうにか心を力技で平静にした千春は、取り合えず、今何が起きてるかを考え始めた。


千春(えーっと・・・・・・俺は・・・俺はいつの間にか此処に来てて・・・・・・したっけいきなり話し掛け・・・・・・・・・・・・いや、ンなモンどうでもいいんだよ・・・;;)

千春(問題はコレだ・・・なんで花山さんが此処にいるかだ。なんでバキが此処にいるかだ;;)

千春(・・・・・・いや、その前に葛城ミサトって誰だ? オンナっぽい名前であるのは確かだ。碇シンジってのは男で、綾波レイは多分オンナだ;;)

千春(ただ惣流アスカラングレーってのがワカらん・・・絶対ェ日本人じゃねェってのは分かる・・・けどよォ・・・・・・・・・・;;)

千春(つーか・・・・・・・・・なんで同棲してんの? 里親か?;;)


千春(ンなワケ・・・・・・・・・;;)





ド  ン




千春(!?;;;)ビクッ


手摺りしかないはずの背後から、やや大きい物音。

千春は振り向く。






ピクル「!」ピクッ


アスカ「・・・・・・・・・・・・」ヒック・・・ヒック・・・



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


そこには手摺り乗っかった[服を着た]原人ピクルと、彼にお姫様抱っこされながら泣いている、半裸の中学女子がいた。

405 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 22:45:05.25 ID:ZMHri1ai0
千春(エッ!? 何!? 何コレ!??;;;;)

千春(範馬刃牙!? なんで居るのッ!? つか、そしたらアリゃホンマモンの大将かよォ!!!;;;;)


何で!?    何で!? 何で!?
   何で!?  何で!?
  何コレ!? 
      マジでェ!!?
いや待てッッ ちょっと待って落ち着けッッ


千春「スゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・;;」






千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



どうにか心を力技で平静にした千春は、取り合えず、今何が起きてるかを考え始めた。


千春(えーっと・・・・・・俺は・・・俺はいつの間にか此処に来てて・・・・・・したっけいきなり話し掛け・・・・・・・・・・・・いや、ンなモンどうでもいいんだよ・・・;;)

千春(問題はコレだ・・・なんで花山さんが此処にいるかだ。なんでバキが此処にいるかだ;;)

千春(・・・・・・いや、その前に葛城ミサトって誰だ? オンナっぽい名前であるのは確かだ。碇シンジってのは男で、綾波レイは多分オンナだ;;)

千春(ただ惣流アスカラングレーってのがワカらん・・・絶対ェ日本人じゃねェってのは分かる・・・けどよォ・・・・・・・・・・;;)

千春(つーか・・・・・・・・・なんで同棲してんの? 里親か?;;)


千春(ンなワケ・・・・・・・・・;;)





ド  ン




千春(!?;;;)ビクッ


手摺りしかないはずの背後から、やや大きい物音。

千春は振り向く。






ピクル「!」ピクッ


アスカ「・・・・・・・・・・・・」ヒック・・・ヒック・・・



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


そこには手摺りに乗っかった[服を着た]原人ピクルと、彼にお姫様抱っこされながら泣いている、半裸の中学女子がいた。

406 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/05/18(金) 22:46:50.66 ID:iZPhsVze0
間に合わなかったか・・・もう戻るボタンを押すのはやめときます
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/18(金) 23:06:59.68 ID:zHTFP3p8o
千春の目が節穴かと思ったww
408 :赤いイヤーカフ :2012/05/18(金) 23:37:45.73 ID:1yHe5f5+0
千春「ピ・・・・・・ク・・・・・・ル・・・・・・?;;;;」


ピクル「?」

アスカ「・・・・・・・・・・・・」ヒック・・・ヒック・・・



雄の胸には女の子・・・それも上半身ブラジャー姿の女の子。
千春の脳裏に、雄についての例のニュース映像が浮かぶ。


千春「てッ・・・・・・・・・;;;;」


女の子は泣いている。



千春「てめェ何ヤッとんじゃコルァアアアアアアアアアッッ!!!!;;;;」


千春は激昂したが・・・



アスカ「ひっ!;;」ビクッ

千春「あっ・・・;」


アスカ「何?・・・・・・なに?・・・・・・・・・・・なんなの?・・・;」ウル・・・


その声に驚き、恐怖に顔を引き攣らせた少女の顔を見て、一気に減速した。
泣き疲れたのか、彼女の声は若干ガラついていた。


千春「スっ、スマン。別にキミを泣かそうとかそういう・・・;;」

アスカ「なんなの?・・・・・・なんなのよぉ・・・;;」ウルウル

ピクル「ハルルル・・・・・・」ギロッ

千春「なんでお前が怒るんだよ・・・・・・えーっと、あんなァ・・・なんつーか・・・・・・・・・・オレはキミの味方だ。ワカる?味方;;」

アスカ「・・・・・・・・・みかた?・・・;;」ウルウル

千春「そうッ味方・・・・・・その証拠にオレはコイツの名前知ってるぜ。ピクルだ、ピクル;;」
  (なんだかなァ〜・・・・・・;;)


アスカ「ホントに?・・・ホントに・・・アタシの・・・・・・味方・・・?;;」ポロポロ


千春「お、オウ。味方だ。そこんとこは信用してくれ;;」

アスカ「ホントに・・・・・・・・・うぅっ;」ヒック・・・

千春「んん?;;」

アスカ「ああああああ・・・」ポロポロ

千春「!! あ〜ワカったワカったよしよしよしよし・・・;;」ポンポン


千春は少女を掻き抱くと、彼女の背中を優しく叩く。
緊張の糸が完全に切れたようで、少女は全然泣き止まない。



千春(ア〜〜〜・・・マジどうしよう・・・・・・;;)


アスカ「ああああぁあああぁああぁあああああぁああああぁ・・・」ポロポロ


409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 23:43:02.14 ID:z3DFVys7o
千春ちゃんは優しいな
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/05/19(土) 02:05:51.95 ID:arU8Ez9O0
このスレのアスカ、マジ酷い目に遭い過ぎだよね・・・
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 02:07:27.83 ID:v/kKWgBFo
確かに他のチルドレンに比べると直接的被害が多いような…しかし逆に考えれば出番が多いとも言える
412 :赤いイヤーカフ :2012/05/19(土) 03:03:17.91 ID:6QjAN0Ns0
千春(取り合えず・・・ん〜〜〜・・・・・・・・・・・・名前聞ィとくか・・・;)


アスカ「ひっ・・・ひっ・・・・・・いっ・・・ひぃいっ・・・」ポロポロ

千春「とッ・・・取り合えず家帰ろうッ。な? お嬢ちゃん名前なんつうんだい?;」

アスカ「あっ・・・アスっ・・・カ・・・っ・・・」ポロポロ

千春(!?;)



つい数十秒前に見た名前だ。
範馬刃牙の上に書いてあった長いフルネームの持ち主こそ、彼女だった。



千春「キミ・・・此処住んでんの?;」

アスカ「うん・・・・・・」ヒック・・・ヒック・・・

千春「そッか・・・えーっと・・・;」

アスカ「これで・・・・・・開きますぅっ・・・」ヒック・・・ヒック・・・  スッ

千春「オオ・・・ン?;」


鍵を渡されるかと思いきや、渡されたのはまさかのカード。
カードにしてはそこそこに暑いそれには、彼女自身の顔写真と、彼女自身の名前が書き記されていた。


千春「よし・・・・・・・・・・・・じゃあ、家帰るか。よっと;」グイッ


足腰立たないアスカに肩を貸して、千春は立ち上がった。
少女の体重は軽く、腕は儚さを感じるほど細い。
そんな身体の至る所に、痣が見受けられた。


千春(このカード・・・・・・ああ、ココ通すのか・・・;)

ピッ

パシュッ


千春(自動って・・・・・・・・・豪華だなァ・・・・・・;)


そう思いながら、千春はアスカの住む家へと入った。

ピクルはそれを見届けると・・・



ピクル「・・・・・・・・・・・・・・・」ニコッ


フッ




音も無く姿を消した。

413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 15:26:54.18 ID:3zwDFhRDO
ピクルと千春が輝く程にイケメン
414 :赤いイヤーカフ :2012/05/19(土) 16:37:33.13 ID:cECO5ACV0
千春(綺麗な部屋だな・・・イヤ、俺ん家が汚ぇのか・・・;)

アスカ「・・・・・・ひっ・・・・・・ひっく・・・」


それなりに広いリビングに、新品同様に明るい照明。
足の細いテーブルに、5人分の椅子。
今は無人だが、何とも無くに暖かな雰囲気。

千春「ちょっとそこ座ってろよ。水持ってくる;」

アスカを椅子に座らせ、千春は冷蔵庫を開けた。



千春「すっげ・・・・・・・・・;;」



冷蔵庫の上段を開けて最初に見たものはビールの壁。
32本のビールの壁が奥に4セット・・・合計128本という異常。
もはやこれは壁というかブロックである。


千春「水が無ぇ・・・・・・;;」バタン


仕方なく冷蔵庫の上段を閉じる。
残るは中段の野菜室と、下段の冷凍室。
それに製氷室のみだ。


千春(あの子にゃワルいが・・・まァ・・・・・・水道水か・・・;)スタスタ・・・


千春は台所に立つと、ガラスコップを一個だけ棚から拝借し、それを使って水道水を飲んでみた。
飲めぬなら万事休す。飲めるならアスカへ。


千春「なんだい、旨ェじゃねェか;」ハハ・・・


結果は幸運な事に後者だった。
千春は別のコップに水を汲み、それを持ってアスカの元へ。



千春「まずは気ィ落ち着かせねぇとな。ほら」スッ


アスカ「・・・・・・・・・・・」ゴクッ・・・

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


千春「大丈夫かい?」

アスカ「・・・うん・・・・・・・・・もう、大丈夫・・・・・・平気・・・」


415 :赤いイヤーカフ :2012/05/19(土) 17:34:44.89 ID:0Jv5JAES0
千春「あと、ワリんだけど、コレ着てもらうぜ;」バッ

アスカ「!」ピクッ


ふぁさ・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「多少は汗臭ぇだろうがよ・・・痣とか胸とか、見られんのやだろ?」



千春は特攻服の上を脱ぎ、手慣れた手つきでアスカに羽織らせる。
アスカには大きいそれは、アスカの上半身をすっぽりと覆い、痣と胸と腰周りを完全に隠した。

千春は暴走族だ。

その性質上、痣と汗と涙に塗れた女性の姿は、何度も何度も目にしている。
その度に思ってきたのだ。
何があろうと、誰であろうと、女に手を挙げヤツは最低だと。

ただしオカマは例外だ。


千春「ンーーー・・・・・・アスカちゃんだっけ? 名前」フー・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「言いたくねぇんなら言わなくても良いけど・・・・・・何が・・・イヤ、誰が君をそういう風にしたんだい?」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言いたく・・・・・・ないです・・・」ボソ・・・


千春「そうか・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ウル・・・



千春「・・・・・・バキの連絡先とか、知ってる?」


アスカ「ぇっ・・・・・・」

千春「いや・・・オレなんかが居るより、ダチ居た方がいいだろ? 俺キミと住んでねぇし」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「だろ?」


アスカ「・・・・・・・・・ィャ・・・・・・・・・」ウル・・・


千春「?」


アスカ「・・・電話・・・しないで・・・・・・・・・」ウルウル


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



アスカ「電話・・・したら・・・・・・・・・アタシ・・・・・・・・・・・・アタシ・・・」ポロポロ


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「うっ・・・・・ぅ・・・・・・ひっ・・・く・・・・・・・・・」ポロポロ




千春「そッか・・・・・・・・・・・・見られたくねッか・・・・・・」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/19(土) 17:46:42.43 ID:60JngEkHo
千春まじイケメンタルやなぁ
417 :赤いイヤーカフ :2012/05/19(土) 18:58:46.66 ID:dK81FaSO0
午後1時30分
廃団地:E−3マンション=表札無し部屋


オリバ「もう一度確認しよう」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「アザと鼻血はOKで、他はダメ・・・・・・以上かな?」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「フム・・・ではサラバだ」


バキ「・・・・・・・・・・・・」ザッ



バキは何も言わず踵を返すと、部屋から出ていった。
納得など絶対にしていないだろうが、ともかく追い出す事には成功した。

ガラッ

窓が開き・・・

サクラ「・・・・・・・・・」ニュッ

サクラが部屋に入る。




オリバ「ホラやっぱり怪我させたじゃないか」ハハハ・・・

サクラ「あんなモノでは怪我とは言いません」ククク・・・

オリバ「まったく・・・・・・レディーにとっては重大だぞ? やれやれ・・・跡が残らなければ良いが・・・」

サクラ「4日も経てば治ります。そういう風にしましたからね・・・」ニィ・・・

オリバ「それならいい」




オリバ「ところで、彼らは来てくれたかな?」


サクラ「来たよ。君の予想通りのシナリオだ」

オリバ「写真も残してきたかね?」

サクラ「死体の手にカメラを握らせ、それで撮った。完璧な結果だ」

オリバ「これで君は、ワタシの代わりとなって諜報部に追われるワケだ」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ


オリバ「くれぐれも全滅だけは避けてくれ・・・・・・諜報員が減りすぎれば、今度は加持クンが忙しくなるからな」

サクラ「約束は出来ませんね」クックック・・・

オリバ「フン・・・・・・まったく君というヤツは・・・」ハァ〜




サクラ「・・・あのアスカというレディーだが・・・」

オリバ「ン?」

サクラ「彼女は哀しいね・・・・・・それに愛も深い・・・・・・」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


サクラ「愛を求める心・・・・・・彼女にはシンパシーを感じます」
418 :赤いイヤーカフ :2012/05/20(日) 11:06:14.03 ID:udsJzMUG0
オリバ「ナルホドね・・・・・・」

サクラ「彼女は幼い・・・・・・だからこそ愛も哀しみも深い・・・私以上に」

オリバ「ひとつ聞くが・・・」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「アスカ以外なら君はどうした?」


サクラ「殺していた」


オリバ「やっぱり・・・;」フー・・・

サクラ「葛城ミサトに付けたハエが、シンジ・イカリとレイ・アヤナミの音声を拾い、それが私の耳に届いた時、私は彼らの顔と背格好・・・上半身の構造・・・そして精神状態を把握した・・・」

オリバ「ワオ」

サクラ「二人は未熟も良いところです。シンジ・イカリは人を信用しはじめ、他人に対し愛を感じるようになったが、やはり未熟・・・・・・・・・レイ・アヤナミは問題外だ」

オリバ「問題外?」

サクラ「あれは真の意味の愛では無い・・・・・・恐怖から逃げた先にたまたま発見した[何やら暖かいもの]に、訳もわからず縋っているだけ・・・・・・・・・・・・・・・自分の中に芽生えた恐怖心から、眼を背けているだけ・・・」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

サクラ「本来の彼女にあるのは虚無・・・・・・自分自身に芽生えた愛にすら、未だ十分に気付けていないのが何よりの証」

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


サクラ「ミスターオリバ」


オリバ「何かな」



サクラ「私にはレイ・アヤナミが、人間に見えない」



オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





419 :赤いイヤーカフ :2012/05/20(日) 14:32:12.71 ID:WMYiWSCE0
午後2時12分
コンフォートマンション:ミサト宅前


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


この戸を潜れば、痣だらけの身体に、目元を泣き腫らしたアスカが居るかもしれない。

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・」

自分は彼女に向かう凶器が、どのような物か知っていた。
だが凶器を止めなかった。彼女を助けなかった。

「彼女に必要な事」  「彼女のため」

それを自分に、本当に言い聞かせるべきだったのか・・・




シンジ「あっ」スタスタ・・・



バキ「あ」


シンジ「バキ君?・・・」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・」


バキ「ょ・・・よォ・・・・・・;」

シンジ「どこいってたの?」

バキ「・・・ん・・・・・・ちょっとある人と、なんつーか・・・会う事になっててさ・・・;」

シンジ「会う?」

バキ「それがちょっと・・・会えなくって・・・;」ハハ・・・

シンジ「ふーん・・・」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


シンジ「じゃあ、とりあえず中で話そう。外じゃ暑いし;」


バキ「えッ・・・お・・・・・・ぉぅ・・・;」




シンジ(今日の事・・・・・・やっぱりバキ君に話すべきかな・・・;)




シンジ(うん・・・話そう・・・・・・もともとバキ君は護衛として来てるんだし・・・話しても・・・・・・いや、話すべきなんだ・・・;)

420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 15:42:32.04 ID:5NMuyxJqo
サクラはアスカの事が気に入ってたのか
アレはちょっと控えめのスキンシップだったと…
421 :赤いイヤーカフ :2012/05/20(日) 19:02:28.17 ID:9XKuzC+q0

カチッ   プシュッ

千春「ン?;」

アスカ「!!;;」ビクッ


玄関から微細な排気音。そして・・・

ドスドス・・・

複数いる誰かが、フローリングの上を歩く音。


<バキ君。ちょっと聞いてほしい事があるんだ

<ン?


その音と同時に、千春の耳に届く知人の名と、その名を呼ぶ誰かの声。

アスカの瞳が更に揺らぎ、彼女はその眼差しを以って千春を見つめる。
千春は動いた。

動くしかなかった。



千春「・・・・・・ッッッ;;」ガタッ



バキ「?」

シンジ「!?;」

綾波「?;」


我が家に帰り着いた三人は、誰もいないはずの家の照明が点いている事と、リビングから聞こえた物音に疑問を抱いた。
特にシンジは警戒心と恐怖心を強めた。


ダダダッ


一瞬響いた足音と共に・・・


がばっ


シンジ「!!;」ビクッ

綾波「!;」ピクッ

バキ「オッ;」


千春は三人の前に立った。


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


数瞬の間の後・・・



バキ「えっ?;;;」



バキは小さく疑問の声を上げた。
422 :赤いイヤーカフ :2012/05/20(日) 23:50:05.16 ID:B/NG975b0
千春「よォ〜〜・・・・・・;;;」



バキ「なッ・・・・・・なんで・・・;;;」


千春「いや・・・何でっつわれてもな・・・・・・;;;」ハハ・・・


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」





シンジ「・・・・・・バっ・・・バキ君・・・;」


バキ「へっ!?;;;」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


バキ「・・・・・・あっ・・・・・・あれだよ・・・;;」


シンジ「え・・・えと・・・・・・;;」

バキ「あっ!あっ!! アレだ!ホラさっきの!!;;;」

シンジ「・・・さっきのって・・・・・・・・・・・・あの、会うはずだった人?;;」

バキ「それッッ!そうそうこの人!!だよなァ千春さん!?;;;」

千春「は?;;;」

バキ「いや・・・ほ、ほら、待ち合わせ場所行けないならココって・・・;;;」ハハ・・・

千春「あ・・・・・・あ、ああ、オウ。そういやそうだったな;;;」ハハハ・・・


シンジ「バキ君・・・・・・この人は・・・;」

バキ「あ、この人はオレの知り合いで、柴千春ってヒト。見た目怖いけどあんま怖くないよ;;;」ハハ・・・

千春「え〜・・・まァ〜・・・なんだ・・・よろしく;;;」
  (コイツらには十分怖いだろ;;;)

シンジ「えっ・・・・・・あっ・・・どっ・・・どうもこちらこそ。僕はあの・・・碇シンジって言います。あっ・・・綾波、次・・・;;」

綾波「・・・綾波レイです・・・・・・・・・よろしくお願いします;」

千春(すんげェ髪の色・・・・・・つか眼もスゲ・・・;;;)
  「お、おう。よろしく;;;」


バキ「まァ・・・立ち話もなんだから、まずは上がって・・・;;;」スタスタ・・・


千春「ちょちょちょちょちょちょちょちょちょ!!!!;;;;」ダダダッ


バキ「は?;;;」

シンジ「?;」

綾波「?」


千春「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・なんつーか待ってくれ・・・;;;」ハァハァ
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 23:59:07.64 ID:cFkwDBe1o
細やかな気遣いが出来る千春さんは男の中の漢
けどシンジ達からすれば挙動不審に見えるなww
424 :赤いイヤーカフ :2012/05/21(月) 00:07:17.19 ID:+EvRxToo0
バキ「待てって・・・なんで?;;」

千春「いや、待ってくれ・・・とりあえず待っててくれ;;;」

バキ「答えになってねェよ;;」

千春「いいからッ! 頼むって!;;;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


千春「シンジと綾波っつったっけ? お前ェらもそこ動くなよッ!;;;」

シンジ「は、はい;;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・;」


がばっ




千春はリビングに駆け戻ると・・・

グッ

アスカの両肩を掴み、彼女を立たせると・・・

千春「(アスカちゃん!;;;)」

彼女の耳元で激しく囁いた。
アスカは俯いている。


千春「(アスカちゃんの部屋どこ!?;;;)」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

千春「(アスカちゃん!!;;;)」



アスカ「・・・もういいの・・・・・・」ボソ・・・


千春「えっ・・・・・・;;;」



アスカ「もういいの」ウルウル



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」



顔を上げたアスカは、今にも泣きそうな表情で千春を見つめた。



425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/21(月) 00:10:00.56 ID:YDcywIH3o
なんだろう、千春がお兄ちゃんみたいになってるw
426 :赤いイヤーカフ :2012/05/21(月) 00:27:34.20 ID:aXaoz7Z80
千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」





アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ポロポロ






千春「(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワカったよ・・・・・・;;)」フー・・・


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ポロポロ



千春「(でもアイツらが来たら、涙拭いてビシッとしてろよ! いいな!;;)」


アスカ「うん・・・・・・」ゴシゴシ・・・


千春「(じゃ呼ぶぞ;;)」

アスカ「うん」ゴシ・・・







シンジ「・・・・・・どうしたんだろう・・・;」

バキ「ワカらん・・・・・・;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




<入ってい〜ぞ




バキ「ん?;」

シンジ「?;」

綾波「?」



<ホラ早くしろって



シンジ「・・・・・・行っていいのかな?;」

バキ「いんじゃね? ココ俺らの家だし;」

シンジ「じゃあ・・・・・・・・・えと、失礼しま〜す・・・;」ソロリ・・・

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・;」ソロリ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ソロソロ・・・


427 :赤いイヤーカフ :2012/05/22(火) 21:52:31.17 ID:DqxtBi6p0
シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・;」ソロリ・・・

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」ソロリ・・・

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ソロリ・・・



足音を立てないように、恐る恐る三人はリビングに入っていく。
中の様子は、一見しただけでは変わっていないように見えたが・・・


シンジ「・・・・惣流さん?;;」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




下に制服のスカート、上に特攻服を着たアスカが、椅子に座っていた。
手を組み、足を組み、不機嫌そうな顔には薄い幾つかのアザ・・・
まるでドラマに出てくるスケバンのような出で立ち。

これでテーブルの上に足を乗っけていたら尚更だったが、そこまでは彼女もしていなかった。



シンジ「・・・・・・何があったの?;」


アスカ「逃げてきた」

シンジ「逃げてきたって・・・あの、朝のニュースの犯人から?;」

アスカ「そんな事言われても誰か分からないわよ! とにかくこの人と一緒に危ないヤツから逃げた!それだけ!」フン


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


シンジ「・・・・・・・・・顔の怪我は大丈夫なの?;」

アスカ「重傷だったら今頃病院よ!大丈夫だからココにいるんじゃないの! バカじゃないの!?」

シンジ「ごめん・・・;」


千春(痛々しくて見てらんねェよ・・・・・・)


アスカ「とにかく見て分かる通り、今のアタシ機嫌悪いから! 気安く話し掛けないで!;」

シンジ「うん・・・わかった・・・;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



アスカ「バキ」


バキ「ん? おう;」

アスカ「シャワー浴びたいからお風呂入れて」

バキ「・・・・・・わかった;」

アスカ「それと・・・千春さんでしたよね」

千春「?・・・なんだ?;」

アスカ「家に帰らなくていいんですか?」ジロ・・・

千春「イヤ、帰ろうにも・・・・・・なんつーか・・・;」

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


千春「家ブッ壊れちまってんだ;」ハハ・・・
428 :赤いイヤーカフ :2012/05/23(水) 10:05:28.05 ID:MkYxWo8f0
千春(ホントは家無ェだけなんだけど;)


アスカ「・・・いつ壊れたんですか?」

千春「いつねェ・・・・・・・・・まァ・・・最近かな;」ハハ・・・

アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


千春(家か・・・・・・どーすっかなマジで・・・;)



アスカ「泊まっていいですよ。今日だけ」


千春・バキ・シンジ「!?;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「別に文句ないでしょ? 一日だけなんだし」

シンジ「・・・・・・・・・文句はないけど・・・;」

千春「いいのかい? こんなの泊めちゃって;」

アスカ「ミサトが居るなら話は別ですけど、今いないからいいです」

シンジ「惣流さんそれは・・・;」

アスカ「なによ!アタシに盾突こうっての!?」

シンジ「いや、そういうわけじゃなくて・・・なんというか、お互い気まずい・・・みたいな・・・;」

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」コクコクコク

アスカ「気まずいもなにも、家が無い人を追い出すワケにいかないでしょ!?第一、文句ないって言ったのはアンタじゃないの!」

シンジ「うぅ・・・;」


アスカ「じゃ、とにかく泊めるってことで。これもう決定事項だから」フーン



綾波「・・・部屋がないわ」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


千春「い、イヤイヤ、いいってそこまでしなくても。ザコ寝でいいってザコ寝で;」

アスカ「そっ・・・そうよザコ寝よ! リビングに寝かせればいいわ!;」

綾波「ザコ寝?」

アスカ「だからゴロ寝のことよ!;」

綾波「・・・・・・それも分からないわ・・・」

アスカ「布団無しで寝る事よ! ・・・・・・まったく、なんでそんなことも知らないのよ!」

綾波「・・・ごめんなさい」



千春(マジ気まずいって・・・;)



アスカ「じゃそういうコトだから、今日のご飯6人分ね。食事係の二人!文句があろうと無かろうと、ちゃんとサボらず作るのよ! いいわね!?」

シンジ・バキ「・・・・・・・・・はい・・・;」

429 :赤いイヤーカフ :2012/05/25(金) 20:57:16.72 ID:sA6Edl360
午後4時15分
第三新東京市:中央病院第3外科病棟


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パチ



白い空間の中で、烈は目覚めた。
身体には、柔らかく軽い感触。思考には僅かな淀み。


ズキン

烈「!」


右胸と右肩甲骨に痛み。そして上半身裸の自分と、胸部に巻かれた包帯。


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


それを見るに伴い、烈の思考は急速に覚醒していく。
もはや頭に靄は無く、眠気も消えた。


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ぞくっ



そして完全に思い出した。




ダ  ン  !



痛みも忘れてベッドから跳躍。

ザッ

そして着地と同時に、部屋の壁に掛けられた時計に視線を送る。
現在の時刻は午後4時15分。


烈(急がねばッッッ!!;;;)バ ッ


駆け出したその時・・・

プシュッ

部屋のドアが開いた。



烈「何 者 ッ ッ ! ! ! 」



烈の吐いた、部屋を揺るがす程の怒号に対して。





リツコ「ぇ・・・;」



赤木リツコの声はあまりに小さかった。

430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/25(金) 21:33:29.97 ID:MqN8WNzLo
リツコぇ・・・

に見えた
431 :赤いイヤーカフ :2012/05/27(日) 11:43:24.57 ID:cXABvvDf0
烈「アッ;」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


烈「・・・・・・・・・・・ッッ;」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」フー・・・



烈「・・・失礼・・・驚かせてしまい、申し訳無い;」


リツコ「謝る事は無いわ。部屋から音が聞こえた時点で、予想はついたから・・・・・・それで、貴方は何に対して焦ってるの?;」

烈「惣流アスカの安否についてです。彼女は今何処にッッ;;」

リツコ「現在の彼女はミサトの家にいるわ。監視からの連絡によるとね。・・・・・・碇君とレイ、それとバキ君も同様よ。暴走族風の男が一緒にいるみたいだけど、彼はバキ君の知り合いのようね」

烈「・・・暴走族・・・・・・・・・;」
 (アイアンマイケルの拳を破壊した・・・・・・あの男か・・・)

リツコ「それにしても、凄まじい回復力をお持ちね、貴方;」

烈「?」


リツコ「左肩甲骨が右肩甲骨に覆い被さり、そのまま奥に沈み込んで右の肺を押し潰し、心臓を圧迫しながら、胸骨と肋骨の幾つかを脱臼させる程の破壊が、貴方の身に起きたのよ?・・・・・・それなのに、骨の位置を戻しただけで意識を取り戻すなんて、本来有り得ない事よ。・・・それに動くなんて・・・;」


烈「怪我には慣れておりますので、心配は要りません。それよりも・・・・・・;」

リツコ「なに?」


烈「弱い自分に我慢なりません・・・;」


リツコ「弱い? 私から見れば貴方は・・・」
烈「そういう意味ではありません;;」


リツコ「・・・ならどういう意味?」


烈「私の力は、ヤツには全く及ばなかった・・・・・・人生全てを賭けた武・・・人生全てを捧げた技術が、事もなげに蹂躙され、あまつさえ守る事を誓ったチルドレンさえも危険に曝した・・・;」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

烈「恥ずべき事・・・・・・醜態です;」

リツコ「・・・勝つ事もあれば、負ける事もあるわ・・・・・・完璧な物事はこの世に存在しないし、作り出す事も出来ないのよ」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

リツコ「戦いにおいてのそれは、私より貴方の方が理解してる・・・・・・事件現場の様子と、克巳さんの証言によれば、犯人は相当な実力者だったようだし」

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「貴方は、責めを受けるほどの失敗はしていないのよ」


烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



リツコ「だから、今は休む事に集中して下さい。動けるとは言っても、完治する迄にはしばらく時間が必要だから」


烈「わかりました・・・・・・;」


432 :赤いイヤーカフ :2012/05/27(日) 14:48:17.52 ID:8/s5k8q/0
プシュッ   シュッ



リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・」スッ



個室から出たリツコは、白衣の懐からタバコとライターを取り出した。

リツコ「・・・・・・・・・・・・」


しかし、タバコに火を点ける事はなかった。
此処は病院であり、自分の仕事場ではない。

それを思い出した彼女は、タバコとライターを白衣のポケットに落とした。








リツコ(慰めなんて、らしくない事をしたものね・・・)











リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・







433 :赤いイヤーカフ :2012/05/28(月) 22:48:31.90 ID:BeqCIcPL0
同時刻
第三新東京市:中央病院第1外科病棟

克巳「かァーーッ・・・イケメンが台なしだなこりゃ;」


手持ち鏡に映る自分の顔を見ながら、克巳はベッドの上で愚痴った。今の彼の顔には幾つもの痣があり、歯は何本か欠けている。腫れ物のせいで、右目が思うように開かない。


マヤ「早くて二日後には差し歯が出来上がるそうですから、それまでは我慢するしかないですね・・・」

克巳「アア〜〜やだやだ・・・ったくよォ〜もう差し歯は飽きたっての;」ハァ-・・・


克巳が寝転がるベッドの隣には、パイプイスに座った伊吹マヤが居た。いつものように、彼女は両手で極薄のノートパソコンを抱えている。


克巳「オレを殺さずに放置すんなら、腹を殴れよ腹をよォ〜〜・・・;」

マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

克巳「はぁ・・・・・・;」

マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



克巳「・・・・・・・・・・・・ンで・・・マヤさんはなんで此処にいるんだい? 只のお見舞いとかじゃないんだろ?」

マヤ「えっ? あ・・・」

克巳「 義手の点検とか?」

マヤ「はっ、はい、それもあります・・・・・・けど・・・;」

克巳「?」


マヤ「・・・・・・・・・・・・その・・・やっぱり不安になるじゃないですか。克巳さんみたいに強い人が、誰かに襲われて負傷したって聞いたら・・・;」


克巳「・・・・・・そりゃあつまり、オレをボコれるくらい強いヤツにオレがボコられたら、オレが只じゃ済まないって事かい?」

マヤ「はい;」

克巳「ややこしいなぁ」ハハハ・・・

マヤ「でも、そういう事じゃないですか? その証拠に克巳さん・・・酷い怪我してますし・・・;」

克巳「まァ、そうだけどね・・・・・・・・・・・・・・・ってゆーかマヤさん・・・」

マヤ「?;」


克巳「オレのコト心配だった?」ニコッ


マヤ「!?//;」

克巳「あー赤くなった!かーわいー」

マヤ「ちょ、ちょっと、そういうのじゃありませんよ!///;」

克巳「そういうの? その[そういうの]って何? なに示してんの?」ニッ

マヤ「なんでもありませんよ! いいから右手出してください!検査しますから!///;」

克巳「オホ、怒った怒った」ハハハ・・・

マヤ「ふざけないで下さいよ! 有線しますから右手出してください!;///」ムカー

克巳「ホイよ」さっ

マヤ「もう・・・;///」カチッ


マヤはノートパソコンを開き、システムを起動させるとPCからコードを伸ばし・・・

パチッ

その先端を、克巳の義手の動脈に当たる部分に配置されたアタッチメントに差し込んだ。
434 :赤いイヤーカフ :2012/05/29(火) 22:36:58.11 ID:f1p1N7ES0
克巳「どうだい?」

マヤ「異常は・・・・・・特にないですね。内外共に損傷はありません」

克巳「ふーん。・・・まぁ、コイツぶつける前に意識飛んだからな」

マヤ「今は違和感とかありますか?」

克巳「ン? ん〜〜〜・・・・・・」ポリポリ

マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

克巳「・・・無いかなぁ」

マヤ「そうですか。それなら大丈夫ですね。・・・たまに接合部が痛くなるとかも無いですか?」

克巳「それも無い」

マヤ「それならしばらくは安心ですね。メンテナンスもまだ必要ないでしょう」

克巳「ン・・・」

マヤ「それでは、お疲れ様でした」ガタッ・・・

克巳「オ、もう帰るのかい?」

マヤ「仕事が残ってますから・・・克巳さんも早く寝た方がいいですよ。怪我人なんですから」

克巳「オ〜〜・・・」

マヤ「失礼しました」ペコ

克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・


克巳「マヤちゃん」


マヤ「!//」ドキッ



克巳「明日は来てくれるのかい?」




マヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///;」



克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



マヤ「・・・・・・・・・・・・////;」



克巳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




マヤ「////;」タタタタ・・・

克巳「あ」

プシュッ シュッ



克巳「あら〜〜・・・・・・」ポカーン
435 :赤いイヤーカフ :2012/05/29(火) 23:14:11.86 ID:axvjO1eu0
中央病院:玄関前


マヤ「・・・・・・・・・・・・・//;」ドキドキ・・・



リツコ「あら、もう点検は終わり?」コツコツ・・・


マヤ「あっ、先輩//;」

リツコ「早かったわね」

マヤ「ぁ・・・はい、義手の損傷が軽微だったので・・・」

リツコ「そう。ならいいけ・・・・・・マヤ?」

マヤ「はい?//;」


リツコ「顔が赤いわよ」


マヤ「えっ!? あっ、赤い・・・ですか?///;」

リツコ「また赤くなったわ。今日の貴女、具合でも悪いの?」

マヤ「いや、別に具合は・・・・・・////;」

リツコ「・・・何かあったのね?」

マヤ「あの・・・さっ、先に行きますね///;」

リツコ「?」


マヤ「////」タタタタ・・・


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


タタタタ・・・








リツコ「一応とはいえ非常時なのに・・・随分初々しいわね・・・」












リツコ(変わったわ・・・あの子・・・・・・・・・)フッ











436 :赤いイヤーカフ :2012/05/30(水) 19:16:49.18 ID:dvo9YnNV0
午後6時30分
コンフォートマンション:ミサト宅


千春がここに泊まる事が決定した時刻から、2時間と数分が経過した。
バスルームの浴槽にはお湯が張っており、気まずいながらも遅めの昼食も皆でとった。
今のシンジはテレビを見、今のバキはマンガを読み
今の綾波は図鑑を見、今の千春は新聞を読む。
そして、奇妙な点が一つ。

バキが入れた風呂に、誰も入ろうとしない。
そのせいでお湯は既にぬるま湯となってしまった。

バキとシンジ。綾波と千春が入らないのは以下の理由によるもの。

バキとシンジと綾波の三人は、風呂に入るにしても今は早過ぎると思った、。
千春はただ遠慮しただけ。第一彼の場合、入る入らない云々の前に着るべき着替えが無い。

ではアスカはどうか。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



彼女はイスに座って本を読んでいる。

バキが「お風呂もうはいれるよ」と言い、それに対してアスカは「ん」と一言。
それだけだ。

何故入らないかは誰も聞かない。
アスカ自身も言う気が無い。というより自分でも認めたくない。

バキはまたもや、なんとなくだが察している。



千春(ダメだ、新聞読んだって全然わかんねェ・・・;)ガサ・・・


千春(今が2015年っつーのはワカったけどよ・・・・・・色々変わりすぎだっつーのッ;;)パラ・・・



千春(第一なんでオレがンなとこ居るんだよ!;;)




千春の思考が静かにパニックを起こしている。
手は汗ばみ、額も熱い。



アスカ「ねぇ」



シンジ・バキ「ん?」
綾波「?」



アスカが誰にとも無しに喋った。
バキとシンジは彼女のいる方向へ顔を向け、綾波は視線だけを向けた。


437 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/05/30(水) 19:19:14.99 ID:FXX0KHRN0
>>436
4時間と数分の間違いでした
438 :赤いイヤーカフ :2012/06/01(金) 21:24:40.35 ID:aMcm69LE0
アスカ「ミサトって今日帰ってくんの?」




誰に対しての物か分からない質問には答えようがない。

だが、シンジは何となく自分が聞かれてると思った。



シンジ「・・・泊まってくるなら、ミサトさんから電話が来るはずだから・・・多分今日は帰ってくるんじゃないかな」


アスカ「ふーん・・・・・・つまり分からないってわけね」


シンジ「うん・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







それっきり、アスカはまた黙ってしまった。

再び訪れた静寂にシンジは耐え切れず、気を紛らわすついでに夕食を作り始めた。
時間的にも問題無く、不自然な点も無い。
そういう意味では、このタイミングでアスカが話を振ってくれたのは、むしろ都合が良かった。



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パタン スッ

千春は新聞を睨み、バキはマンガの巻を変える。


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・」ガパッ  サッ

綾波「・・・・・・・・・・・・・」パラ

シンジは冷蔵庫からジャガイモとニンジンを取り出し、綾波は図鑑のページをめくる。



やはりだれも話さない。


妙に湿気があり、それでいてザワつくような静けさ。
バキとシンジは表情にこそ出していないが、あれこれと打開策を考えては打ち消し、考えては打ち消し。

綾波もそこはかと無く、冷たい雰囲気を微弱にだが感じている。



アスカは物悲しい無表情のまま、短編小説を読む。



439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/06/02(土) 00:00:08.23 ID:FyMD2WkO0
見てますよ〜
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/06/02(土) 00:30:23.14 ID:yVkGuRbU0
ん〜、
すげえおもしろいのに・・・


なんか、引っかかるんだよな〜
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/04(月) 15:53:15.53 ID:9+F59niIO
刃牙に早く闘ってほしい
442 :赤いイヤーカフ :2012/06/04(月) 23:35:17.95 ID:gBB/lVyP0
午後7時10分
ネルフ本部:医療棟025病室


ミサト「!」パチ




カチ   カチ   カチ   カチ



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



カチ   カチ   カチ   カチ






広い病室の中を、時計の秒針が時を刻む音だけが響く。

天井の照明からの光が、少し目に痛い。
今の自分は仰向けで寝ている。それが分かるのに少し時間を要した。



加持「お、やっと気が付いたな」


隣に座っている無精髭の男がミサトに笑い掛ける。
ミサトはその男の顔を、ぼんやりとした気持ちで見つめた。


ミサト「加持・・・・・・」

加持「よっ」ハハ・・・

ミサト「私・・・なんでここに・・・?」

加持「椅子から落ちて、床に頭を打ったんだよ。覚えてないのか?」

ミサト「頭を打って・・・?」

加持「俺はそう聞いてるよ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


加持「?」


ミサト「・・・・・・・・・・・・違う・・・;」


加持「? 転んだんじゃないのか?」

ミサト「どっ、独歩さんよ!! 彼が・・・;;」ガバッ

加持「おい、そんな急に動く・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・;;」フラッ

加持「おおっと!だから言わんこっちゃない;」ガシッ

ミサト「うぅ・・・気持ち悪い・・・;」ハァ・・・ハァ・・・

加持「あたりまえだろ。・・・・・・で、独歩さんがどうしたんだ? 彼に殴られたとか、そんなんじゃないだろ?」ドサッ

ミサト「只の貧血よ・・・・・・それよりシンちゃん達は・・・;;」

443 :赤いイヤーカフ :2012/06/06(水) 22:57:45.84 ID:pCbWxrm10
加持「今の三人なら君の家にいるよ。バキ君も一緒だ」

ミサト「それ確かなんでしょうね・・・;」

加持「監視が嘘ついちゃ意味がないだろ。確かだよ。 ・・・ただ・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」

加持「今やってる訓練・・・・・・アレをこれ以上現在の状況下でやるのは、俺は正直まずいと思ってる」

ミサト「・・・どういう意味で言ってるのよ;」


加持「今日の昼過ぎ、克巳さんと烈さんが襲われた」


ミサト「えっ!?;;」

加持「克巳さんは顔面への打撲と鼻骨へのヒビ、 他に歯を何本かやられた。・・・・・・烈さんは胸部及び背部の複雑骨折の重傷だ。特に烈さんの場合、生きているのが不思議なくらいの大怪我らしい」

ミサト「・・・・・・あの二人がそんな怪我を?;;」

加持「そうだ。彼ら二人にして、手も足も出なかったそうだ」フー・・・

ミサト「どういう事よそれ・・・・・・誰がどうやってそんなこと・・・;;」

加持「克巳さんが言うには[あの手のタイプは、チルドレンではなく俺達に用があるヤツ]らしい・・・・・・その証拠に、シンジ君達は君の家に帰り着けたしな」

ミサト「犯人に繋がる証拠は無いの?;;」

加持「諜報部のカメラに写真が2枚残ってた。いずれも犯人の特徴をはっきりと捉えてはいる・・・・・・・・・だが、今の君には正直見せられない」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

加持「それでも見たいって言うんなら・・・・・・俺は構わないよ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




ミサト「・・・大丈夫・・・・・・見せて;」




加持「・・・・・・・・気を悪くしないでくれよ」スッ


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




加持の胸ポケットから二枚の写真が抜かれる。
その写真はミサトの目の前で、二枚共に伏せられていた。


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」ゴクリ・・・



ミサトは息を飲み、写真を加持の手から静かに引き抜いた。
444 :赤いイヤーカフ :2012/06/06(水) 23:17:40.48 ID:z4TcIrXN0
受け取った写真を両手で持ち、一枚を自分の左手から抜く。

そして、右手にある一枚目を裏返す。



ミサト「うっ!;;;」




一枚目に写っていたのは、廃墟同然の様相を呈する薬局内。
至る所に散らばる、商品だった物の数々。

そして、薬局の床を埋めつくす轢死体の山。


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・何よコレ・・・・・・酷い・・・・・・・・・;;;」


死体は全て、何の技術も用いず力任せに引き裂かれたような、悲惨窮まる形をしていた。

例えるならば、熊に襲われた人間の死体。
手榴弾で爆死した人間の死体。




加持「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





加持は何も言わない。

沈痛な面持ちで虚空を見つめている。



ミサトは震える右手で一枚目を置き、震える左手にある二枚目を裏返した。

445 :赤いイヤーカフ :2012/06/10(日) 08:56:31.00 ID:PwByTC0J0
ミサト「!!!!;;;」



翻した写真に写っていた物。
それはレンズに付着した血飛沫と埃だけではない。


顔。


それも、辛うじて人間のそれと分かる異形。

深いシワで形成された鬼畜非道の形相。
そこからほとばしる、殺気に満ちに満ちた気迫。


そして、何よりミサトが恐怖を感じた物。




加持「恐らく・・・それに写ってるのが今回の事件の犯人だろう・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」


加持「・・・・・・そして、その写真には犯人の特徴が大写しになっている・・・」



ミサト「・・・・・・コレ・・・・・・・・・・・・・・・;;;」







加持「ヤツには視力が無い。・・・眼球が抜け落ちて、眼窩がそのままなんだ;」






ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」パサッ



ミサトは視線を固定したまま、写真だけをベッドに伏せた。




加持「しかもコイツは盲目にも関わらず、逃走の際に計24名の諜報員を殺害している・・・・・・硝煙反応が何処からも検出されなかったところから、恐らく諜報員達には発砲する隙さえ与えなかったんだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・どんな怪物かは分からない。けど、絶対にまともな人間じゃないのは確かだ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・24人・・・・・・;;;;」


加持「葛城・・・・・・悪い事は言わない。今すぐ訓練の場所を・・・」

ミサト「監禁して・・・;;;;」


加持「?;」



ミサト「早く独歩さんを監禁して!!今すぐ!!;;;;」

446 :赤いイヤーカフ :2012/06/11(月) 00:13:42.56 ID:U47yCsNV0
午後7時20分
ネルフ本部:職員用大浴場


「ばばんば ばんばんばん♪  ばばんば ばんばんばん♪」

  「ばばんば ばんばんばん  ばばんば ばんばんばん♪」


独歩「い〜ィ・湯っだっな。は、は、はっ♪ い〜ィ・湯っだっな。は、は、はっ♪」

独歩「湯〜げ〜にィ、かァ〜すぅんだァ〜しぃろぉい人ォかげェ〜♪」

独歩「そ〜うりゅ〜かぁ〜なァ〜。は、は、はっ♪」

独歩「あやなみィ〜かぁ〜なァ。は、は、はっ♪」


独歩「こ〜こ〜はぁ〜ネル〜フのォ〜♪」




独歩「だ〜い〜よォ〜く・・・」

黒服1「愚地独歩だな」




独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




黒服1「葛城ミサト作戦本部長への脅迫容疑が、君に掛かっている」


独歩「・・・フフ・・・・・・これじゃ黒い人影だぜ」


黒服2「同行を強制する。これは命令だ」

独歩「やりなよ」ニィ

黒服達「!」

独歩「やってみろっつってんだぜ」


黒服達「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


独歩「なんてな。あ〜ったくよォ〜・・・・・・・・・面倒くせェなァ!!」ザバァ

黒服達「!;」ビクッ

独歩「一々驚かんでいいよ。さ、行こうぜ」ピタピタ・・・


黒服達「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」コツコツ・・・




独歩(今度こそ入ってやらぁ・・・・・・貸し切り状態の大浴場によ・・・)ピタピタ・・・



447 :赤いイヤーカフ :2012/06/11(月) 02:18:03.57 ID:UkzjChd+0
午後7時半
廃団地:E−3マンション=表札無し部屋


ガラッ


オリバ「ン?」



ガイア「・・・・・・;;」スタッ



オリバ「オヤ・・・いきなり窓が開いたから誰かと思えば・・・」


ガイア「ミスターオリバ・・・・・・予想外の事態が・・・;;」

オリバ「ピクルが乱入してきた」

ガイア「・・・・・・流石に早い;;」

オリバ「そのせいで君は乱入する機会を逸した。そうだろ?」

ガイア「・・・うむ・・・・・・・・・;」


オリバ「彼があそこに現れる事は、流石の私も想定外だったと言わざるを得ない」フフ・・・


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


オリバ「まァ・・・結果的に彼が君の役を果たしたのだから、ここはオーライといこうじゃないか」

ガイア「・・・あまり手放しで喜べるものではありませんが・・・;」

オリバ「ン〜・・・確かに、軍人の君には少々堪えるな。任務が完遂できなかったのだから。・・・・・・・・・・・・ところで、何故こんな時間に来たんだね? ミスターサクラは先に帰ったぞ?」

ガイア「盲目のミスターサクラに代わって、カメラに収めた写真のデータを加持リョウジの携帯へ送信していました。他に事件現場を調査するフリと、上司に連絡諸々と・・・・・・」

オリバ「ナルホド・・・・・・やはり、チト諜報員を殺し過ぎたか」

ガイア「おかげで仕事が増える;」フン


オリバ「スマナイな。だがまァ・・・仕方ないさ」


ガイア「・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・






448 :赤いイヤーカフ :2012/06/12(火) 22:10:31.28 ID:xGF6Kkta0
午後8時半
コンフォートマンション:ミサト宅


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




ベランダで千春は黄昏れていた。

あまりにも多くを知りすぎたのだ。


南極の消滅。海面の上昇と、それに伴う国家の複数消滅。東京壊滅に首都遷都。


リビングの端で偶然見つけた教科書に手を伸ばしたのが、そもそもの原因。
千春の家は文字通り無くなっていたのだ。

そして彼を取り巻いていた仲間達も、恐らくは一人残らず・・・



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ベランダに立って、早一時間。

まだ何も考えたくない。
リビングにも戻りたくない。








バキ「よいしょ・・・」ガタ・・・


シンジ「・・・・・・・・・・?・・・・・・・」スッ

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




不意に立ち上がったバキを見て、シンジは自分の右耳からイヤホンを抜き、本を置いた。
綾波は椅子に座って辞書を読んでいる。

アスカは椅子に座って、腕を組んで黙っていた。



バキ「ちょっと風呂入れ直してくるわ」スタスタ・・・





そう言うと、バキはバスルームに消えていった。
449 :赤いイヤーカフ :2012/06/13(水) 22:44:37.26 ID:zJn50Imd0
午後10時13分
第三新東京市:繁華街


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴツッ ゴツッ




訓練の邪魔をするな。期間中はチルドレンの護衛を忘れろ。

監視が減った今、君はほぼ自由の身だ。
自由に歩き、自由に楽しめ。





花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴツッ ゴツッ



オリバから送られたメールにはそう書いてあった。
元より、花山には訓練への干渉を行うような意思は無いのだが。


花山のスーツを多角度から照らすネオン。
メガネに反射する人混み。
耳に入る話し声、笑い声、足音、音楽、騒音。

それらは、何ら変わることの無い物。



懐かしき東京。己が故郷。



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴツッ ゴツッ






今日は家には帰らない。


酒でも買って、公園のベンチで朝まで飲み明かす。

久しぶりの自由だ。

物思いに耽るのもまた自由なのだ。
450 :赤いイヤーカフ :2012/06/17(日) 18:00:10.61 ID:IGVPWE0/0
午後11時半
コンフォートマンション:ミサト宅


暗くなった部屋の中、シンジはS−DATの再生兼停止ボタンを押し、耳に流れていた環境音楽を停めた。

そしてベッドの上に寝転がったまま、仰向けに寝返って天井を見る。


千春と名乗った男は、リビングに敷かれた掛け布団に包まって寝ている。
綾波もバキも、それぞれの自室の中。


シンジの頭には突然来た千春以上に、自分達が帰ってきてから、皆がそれぞれの部屋に行くまでの間、ずっと特攻服を羽織っていたアスカの姿が浮かんでいた。




シンジ(怪我は平気だって言ってたけど・・・・・・)



シンジ(でも・・・・・・・・・)





今日のアスカはシンジから見ても明らかにおかしかった。
語気は明るいのに、彼女は全然喋らなかった。

彼女がお風呂好きなのは知ってる。綺麗好きなのも知ってる。
よく喋るのも知ってるし、よく笑うのも知ってる。

ご飯も油もの以外は全部食べてくれる。
口汚くて乱暴だけど、本当は面倒見が良いのも知ってる。


そして、お母さんを亡くした事も。






シンジは中学生で、テレビを全く見ない訳では無いし、普通一般の教養もある。
クラスメイトから少し鈍いと思われているが、そんな彼でも今日のアスカを見て思うところがある。

顔の所々の痣に、脱ごうとしなかった特攻服。
足の裏が土色になった靴下と、灰色がかった水色のスカート。



シンジ(・・・大丈夫・・・・・・・・・克巳さんも言ってたじゃないか・・・)


シンジ(ただの思い過ごしなんだ・・・・・・きっと・・・)




シンジは徐々に大きさを増す眠気を感じながら、繰り返し繰り返し、そう自分に言い聞かせた。
451 :赤いイヤーカフ :2012/06/17(日) 20:31:54.82 ID:7yue71Iq0
約10分後




ガチャ・・・








アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチャ・・・










音を立てないように気を配りながら、アスカは自室のドアをゆっくりと閉め、真っ暗な周囲を見渡す。


シンジ、バキ、綾波の部屋からは物音ひとつ聞こえない。
千春は掛け布団からすっかり抜け出て、リビングの端っこでくの字になって寝ている。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチッ



それを確認したアスカは、左手に持つ懐中電灯のスイッチを入れ、リビングを照らす。
勿論、千春の顔には決して光を当てない。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ヒタヒタ・・・


電灯の明かりを便りに、足音を殺してリビングの奥へと歩く。



そして、アスカの足はバスルームの前で止まった。


452 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/06/17(日) 23:14:12.42 ID:AXaBGFpM0
パチッ


スルスル・・・





バスルームの照明を点けると、アスカは特攻服を脱ぎ、ブラジャーのホックを外す。


スルル・・・


次にパンツを脱いで、靴下を脱いだ。




ガチャン




そしてバスルームのドアを開け、中に入った。
浴槽には折り畳み式の蓋が張ってあり、部屋全体が冷たく湿っている。

目の前には水で曇った大鏡。


ガチャン

後ろ手でドアを閉め、鏡に手を伸ばし・・・

キュッ キュッ キュッ


鏡の湿り気を拭き取った。




アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





鏡に映ったのは、一糸繕わぬキズだらけの自分だった。



手足には細かい切り傷が散らばり、胸や腰、腹部と両頬は若干青い。

目元には、誰が見ても明らかに泣き腫らした後だと分かるような赤。




アスカは無言で腰掛けに座り、シャワーを手に取って蛇口を捻った。

453 :赤いイヤーカフ :2012/06/18(月) 00:16:54.87 ID:Q7VAgsZE0
シャアアアアア・・・


お湯の温度は適温。熱すぎず、温かい。

キュッ

アスカは更に蛇口を捻って、シャワーの勢いを強めた。


ザアアアアアア・・・



左肩に湯が掛かり、その湯は彼女の背中を、胸の谷間を、腹部とその下を、太股を濡らして排水溝へと流れていく。


アスカ「はぁああ・・・・・・」



今日初めての溜息。
キズに湯が染み、痺れるように力が抜け、語尾が震えた。

込み上げる物を感じ、どうしても涙ぐんでしまう。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



どうしてもこぼれ落ちる涙。
どうしても思い出してしまう今日の事。


それを忘れたいアスカは、シャワーヘッドを持ったまま湯を止めて立ち上がり・・・

カチッ

シャワーヘッドを壁の金具に嵌めて、再度蛇口を捻った。



ザアアアアアアア・・・






シャワーからのお湯は、顔を上げたアスカを頭上から包み込んだ。

身体全体が温かさに守られ、イヤな記憶が印象を薄めていく。



アスカは目をつぶり、ゆっくりと息を吐いた。







ガコン!



アスカ「!!;」ビクッ





突然、浴槽の中に蓋が落ちた。


454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/18(月) 00:19:41.22 ID:EpF/otBXo
ダイナミック不法侵入ktkr
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 00:22:54.74 ID:w+ylR5QGo
ホラー映画並に安全地帯が存在しないな…
456 :赤いイヤーカフ :2012/06/18(月) 01:02:45.20 ID:wjaKYsoq0
アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」





触れてもいない浴槽の蓋が勝手に落ちた。
いつもなら[蓋が浴槽から少しずれてただけ]で済む事だ。

だが、今は違う。


今日だけは違う。




アスカ「はぁ・・・はぁ・・・;;;」




温もりを感じているにも関わらず、凍てつくような肌寒さ。
肩を抱いて身を屈め、震える。

アスカを包むお湯は、もはや彼女にとってなんでもなくなっていた。



ガ ッ !


浴槽の中から縁を掴む手。

バ オ ッ ! ! !

姿を現したのは・・・



サクラ「ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! !」



ゴ  ウ  ッ  !  !  !



下段突き。

当然、回避など出来る訳もなく。


ゴ  キ  ャ  !  !


巨大な拳を頭頂部に受け、頭蓋骨と共にアスカの顔面が破裂。

そのまま首ごと胴体に減り込み、内圧に耐え切れなかった皮膚と脂肪と肋骨と筋肉が辺りに飛散。
血と内臓が床一面に散らばり、粉砕した恥骨から両足がもげて、部屋の対角線上に飛ぶ。






アスカ「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ;;;;」ガクガクガク






浴槽に近づいた瞬間、自分はそうなってしまうのではないか。

ついさっきまでの安心感は既に消えて無くなり、そんな考え以外何も浮かばなくなっていた。
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/18(月) 01:08:02.77 ID:EpF/otBXo
O☆MO☆RA☆SHI タイム!!
458 :赤いイヤーカフ :2012/06/19(火) 02:21:11.39 ID:Hda5uuZm0
アスカ「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ;;;;」

激しさを増す動悸。
首筋と背筋を湿らす汗。
引き攣る呼吸。
目の前には浴槽。


アスカ「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ;;;;;」





あの男がいるかもしれない浴槽。





アスカ「!!!;;;;;」ビクッ


左側から感じる視線。
アスカは恐怖の表情をあらわに、身を屈めたまま視線の元へ顔を向ける。

そこにあったのは、先のシャワーの影響で再び曇った大鏡。



曇りを取り去った時、向こうに映るのはあの男かもしれない。




アスカ「ぃや・・・・・・いやぁ・・・・・・;;;;;」フルフル



声が掠れ、涙が頬を伝う。
こんな恐怖からはもう抜け出したい。


アスカ「嫌ぁ!;;;;;」ダッ


鏡に飛びつき・・・


アスカ「ひっ!、うっ、あ、ああっ、くっ!、ぁっ;;;;;」ピタッキュッキュッペタキュッ


必死に両手を動かして、掌をぶつける様にして曇りを取る。

止まらない涙。今にも心を押し潰しそうな恐怖。
味方など一人もいない、絶望的孤独感。



そして曇りを全て拭き取った鏡に映るのは・・・



アスカ「ひっ!!;;;;;」




闇。
459 :赤いイヤーカフ :2012/06/20(水) 00:23:50.63 ID:tFqqNRio0
正確に表すなら、鏡に映っているのはバスルームのドアに映る暗がり。
バスルームの外のリビングに一切の光が無いのだから、ドアに設けられたモザイク加工のプラ窓が真っ黒になるのは当然の事であり、その暗闇を湛えたドアが鏡に映るのも全く不自然ではない。

だが今のアスカにとって、この鏡に映った闇はただの闇ではない。


サクラの存在や、今まで感じてきた脅威。
それを遥かに超越する深淵なる恐怖。






あの暗がりに、何かが居る。









アスカ「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・;;;;;」ガタガタガタ



鏡に映る闇が近付く。



アスカ「あぁっ、やっ・・・イヤああぁっ;;;;;」ガタガタガタガタ



闇の向こうに何かが見える。



アスカ「こないでぇっ!やめてぇ!!;;;;;」ガタガタガタガタ










それは笑っていた。












アスカ「ひぇあああぁああぁああああぁああぁああぁあぁあ!!!;;;;;」



460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/20(水) 01:15:08.88 ID:Pm/oBx2bo
トラウマ発動しまくってますね…この精神状態だとエヴァに乗れないのでは?
461 :赤いイヤーカフ :2012/06/20(水) 07:43:40.96 ID:S9ZPdjfS0
バキ「!!」パチ



耳に入った高音に意識を引き戻された。

まるで悲鳴のような音。

その音はくぐもり、あまり大きいものではなかったが・・・



バキ「・・・・・・・・・・・・・;;;;」ザワッ



聞き覚えがあった。

音のくぐもり具合から考えるに、出所は恐らくリビング。


バキ「ッッッ;;;」ダ ッ !


上半身裸の自分の姿など気にも留めず、ベッドから飛び出した。

ガッ

そして自室のドアを必要最低限の動きで開け、リビングに出る。
必要最低限なのは、いつ何時でも構えを取れるように。
音を出さなかったのは、敵に己の存在を察知させぬため。

そして足音を消した消音走法で、眩しい光が見える部屋へ急行。

ガシッ ガチャン

先手を取るためのタオルを鷲掴み、バスルームのドアを開けた。


アスカ「やああああああ!!!;;;;;」ダッ


バキ「!!!??;;;」




素っ裸のアスカが飛び掛かってきた。
バキは正直度肝を抜かれたが・・・

アスカ「きいっ!!;;;;」ブン

バキ「〜〜〜〜〜ッッッ;;;;」パシッ


パンチを掴み止めるくらいの余裕はあった。

だが今は余裕をかましている時ではない。
バキは混乱の窮みに達した少女を正気に戻す策を、今までの人生経験から引き出した。


バッ

タオルを投げ捨て・・・


アスカ「!!!!;;;;」


アスカを抱きしめ、彼女の頭を自分の首筋にやさしく当てた。


アスカ「ひいっ! ひっ!;;;;」

バキ「ッッ;;;;」


案の定、アスカはバキの胸の中でも暴れた。
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/20(水) 14:12:52.59 ID:L0BoJB69o
やくとく!
463 :赤いイヤーカフ :2012/06/21(木) 00:23:04.12 ID:ZvCUtcLc0
バキ「大丈夫ッ。大丈夫だからッ;;;」

アスカ「ひいっ!いやぁ!;;;;」

バキ「惣流さん!;;;」

アスカ「嫌ぁ!!;;;;」

バキ「オレだよ、バキ。わかるだろ?な?;;;」

アスカ「やあああああ!!;;」


パシッ

アスカ「・・・・・・ッッ;;;」ムグッ・・・


バキはアスカの唇を左手の平で塞いだ。
それと同時に、右手を彼女の後頭部に回す。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」フーッ フーッ


バキ「何もしない。ホントだ;;;」


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・;;;」フーッ フーッ


バキ「君の敵はいないんだ。安全なんだよここは;;」




アスカ「・・・う・・・・・・・・・んぅっ・・・・・・;;」ポロポロ




バキ「怖かったよな・・・・・・だけど、もう大丈夫だから・・・;;」

アスカ「・・・・・・;;」ガクッ

バキ「オッ;;」ガシッ



崩れ落ちそうになったアスカをバキは受け止め、ゆっくりと座らせた。

その後に、放り投げたタオルを素早く手に取り、アスカに羽織らせた。



アスカ「うぇぐっ・・・・・・・・・ひっく・・・ひっく・・・」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/06/21(木) 19:15:58.39 ID:ZzDmp+wH0
駄目だ‥‥もうこんなアスカ見てらんねぇ
465 :赤いイヤーカフ :2012/06/27(水) 08:00:56.26 ID:iSfRTSfQ0
四角いリビングの内の一辺の壁際。
冷たい床。バキの胸の中。

アスカの中の、強がりで固めたプライドの糸が、極度の緊張と共に緩み、切れた。


アスカはひたすら泣き続けた。


タオルの端っこを胸元に手繰り寄せ、握り絞めて。

そのタオルで、溢れ出る涙を拭く事も忘れて。



バキはそんなアスカに一切話し掛けず、ただ黙って彼女を抱いていた。


心中には、ある決意が着々と成長していた。











そして、アスカがすっかり泣き疲れ、うずくまる様にして眠りに就いた今・・・




守る様にアスカを抱き寄せたまま、壁に寄り掛かって座るバキの中の決意は完成していた。








バキ(オリバ・・・・・・今日からもう、アンタの好きにはならないよ)









バキはアスカを起こさぬ様に抱き上げ、彼女を彼女の部屋へと運んでいった。
466 :赤いイヤーカフ :2012/06/27(水) 21:22:22.16 ID:9IvmzQ0i0
作戦決行まで残り4日
午前8時9分
第三新東京市:繁華街

ピリリリリッ  ピリリリリッ


花山「・・・・・・・・・・・」パチッ



スーツの胸ポケットから不意に飛び出した電子音に、花山は眉をしかめる。

結局彼は公園には行かず、繁華街のベンチで一夜を明かしていた。
運よく警察には見つからなかったので、眠りの途中で邪魔が入る事は無く、お陰で熟睡出来た。

だが眠りの質がどれほど良くとも、この目覚め方は気に食わない。
だから目覚まし機能も今まで使ってこなかったのだ。


花山「・・・・・・・・・・・・」パチン


不機嫌な花山はフンと鼻を鳴らして、携帯を懐から取り出し、電話に出た。





オリバ「おはようミスター花山。よく眠れたかな?」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・


オリバ「オイオイ、返事くらいしてくれてもいいだろう。・・・・・・まァいい。それはそうと、昨日赤木リツコと諜報部から面白い情報を聞いたのだが、興味あるかな?」

花山「無ェ」

オリバ「ハハハ・・・つくづく連れんな。じゃあ私の独り言でも聞いてくれ」

花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「紫色のニンジャスーツを着た青年が、今現在コンフォートマンションに居るらしいなぁ。しかもバキ・ハンマが世話になっているあの部屋に泊まっているというじゃないか。オモシロイ話だ」


花山「!?」ピクッ

オリバ「困ってるだろうな〜・・・あそこを追い出されたら、彼はホームレスになってしまうぞ」ハハハ・・・

花山「・・・・・・今も居るのか」

オリバ「ああ居るよ。どうする?」


パチッ



花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




花山は携帯を閉じ、それを懐に戻して、空を眺めながら思う。

やっぱりな、と・・・




ズッ・・・

花山はベンチから離れ・・・


ゴツッ


マンションへ向け歩き始めた。
467 :赤いイヤーカフ :2012/07/01(日) 20:21:01.50 ID:gN5OsWYG0
午前8時10分
ネルフ本部:第四監禁室


シュババッ!! シュババッ!!


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・;;」シュババッ!!



敵などいない宙空に、ひたすら放ち続ける二連正拳突き。

正拳2本×1000セットも、残す所100セットと少し。
あと2分もあれば、基本の型全ての1000本打ちが完了する。

型が終われば次は拳の鍛練が待っており、四方にある壁から平面を取り去る作業が始まる。
監禁される前に更衣室で道着に着替えていたのは正解だった。



カチッ

独歩「!;;」ピタッ


監禁室からの唯一の出入口である、金属製の自動ドアから何かの作動音。
独歩は鍛練を中断し、ドアに対して正面を向いて仁王立ちの姿勢をとった。


ガラガラ・・・


ドアが開き、そこから射す光が薄暗かった室内を照らし出す。





独歩「な〜るほどねェ〜・・・・・・だァからオイラが取っ捕まったワケだ」





ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





独歩「なんか・・・すみませんね。こんなむさ苦しい部屋にわざわざ・・・」フフ・・・


ミサト「上司である私に手を上げた事に関して、貴方の処分の程度が決まったから、私はそれを貴方に伝えに来ただけよ。話が済んだらすぐに出てくわ」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「貴方に課せられた処分は六つ。 ・・・・・・一つ目は『ネルフ管理の本部内全ネットサーバーへのアクセスを、半永久的に制限』 二つ目は『貴方の持つアクセスランクを、レベル1に半永久的に制限』 三つ目は『訓練への全面的不干渉』 四つ目は『三ヶ月間の減俸』 五つ目に『諜報部による監視の強化』 そして最後の六つ目は『訓練終了から使徒殲滅に至るまでの間の監禁』・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上よ」


独歩「最後以外は屁でもねェな」フッ


ミサト「ああそう・・・・・・でも私はそれだけでも満足よ。貴方を封じ込める事には変わらないから」フン


独歩「辛辣だな・・・・・・」ハハ・・・


ミサト「せいぜい頭を冷やすのね。じゃ、さよなら」クルッ スタスタ・・・


独歩「待ちなお嬢さん」
468 :赤いイヤーカフ :2012/07/02(月) 01:44:05.59 ID:bLNu7kJ50
ミサト「・・・・・・・・・・・・」ピタッ


独歩「最後にちょっといいかい? ほんのちょっとだけ」


ミサト「良くないわよ。貴方に聞く事なんて無いわ。言う事はあってもね」


独歩「そうはいかねェな」


ミサト「さよなら」スタスタ・・・



ミサトは語気を強めて捨て台詞を独歩に吐き、部屋を後にしようとした。
これで終わりにするつもりだった。
しかし・・・



独歩「優しいだけがアンタの言う訓練かい」



この言葉を聞いて、足を止めてしまった。





独歩「どうなんだい? ン?」



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」



独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」









ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・違うわ・・・;」







独歩「・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ・・・




ミサト「・・・・・・・・・・;」スタスタ・・・








カチッ  ガラガラ・・・







             ガシャン・・・
469 :赤いイヤーカフ :2012/07/03(火) 15:39:23.75 ID:Z6WJFCnO0
午前8時15分
コンフォートマンション:ミサト宅



闇の中に血まみれの男が居た。



上着も、ジーンズパンツも、靴も・・・全てが赤い濃淡に覆われていた。
サングラスにも血が付着していた。


男は笑っていた。


アスカの上に跨がって。




サクラ「フフ・・・・・・」ヌゥッ


ガシィッ!


アスカ「!!!;;;」




男はアスカの右頬を掴み・・・





バ リ バ リ バ リ ・・・





それをゆっくりと剥がしはじめた。







痙攣し、失禁し、悲鳴も上げれぬ激痛の中、アスカの定まらぬ両目がサクラの向こう側に捉えた物。












それは首の伸びた母の姿だった。







470 :赤いイヤーカフ :2012/07/03(火) 16:21:04.01 ID:eoGV2nD+0
バ サ ッ!!



アスカ「はーっ、はーっ、はーっ、はーっ・・・;;;;;;」






見覚えある眺めが現れた。



壁に掛かったカレンダーと時計。
それらの左横の壁に掛けられた制服と
その更に左に掛けられたプラグスーツ。



周りを見渡す。



あるのはクローゼット。椅子。タンスの上の鏡と小物入れ。

勉強机の上にはライトと本棚の他、文房具とクラス写真と携帯。
部屋の隅には小さなダンボールが幾つか積んである。


窓からの暖かい陽光が、掛け布団を照らしていた。





アスカ「はーっ・・・はーっ・・・は〜・・・;;;;」




呼吸と共に身体も震えていた。

戻ってきた日常の空気を感じながら、今にも泣きだしそうな自分を押し止める。


掛け布団を胸元で握りしめて。




アスカ「うっ・・・・・・・・・・・・うっ・・・うっ・・・」





それでも涙はこぼれた。

471 :赤いイヤーカフ :2012/07/06(金) 15:25:07.05 ID:kGYhUzMv0
アスカ「駄目よ・・・アスカ・・・・・・」ゴシ・・・



涙を拭って自らの名前を呼ぶ。
使徒との闘いは近い。後4日経てば確実に来る。
泣いて怖がってばかりではいられない。

昔の事も、今は忘れなければならない。


アスカ「しっかりしなくちゃ・・・」



ベッドから抜け出て立ち上がり、ドアの前に立つ。
そしてドアに得体の知れない気配を感じ、足が震えた。


アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」サッ


ドアの隣にある勉強机の上からライトスタンドを取り上げ、ドアに向け構える。
自分のしてる事に馬鹿らしいと思いつつも、そうせずにはいられなかった。


アスカ「いくわよ・・・・・・;」


そう呟いて、一拍置き・・・


ガチャッ


ドアを開けた。






バキ「あっ、惣流さん」





アスカ(そりゃあね・・・・・・居るわけないわよ・・・;)ホッ



バキ「なんで電気スタンドを?」

アスカ「えっ!? あっ・・・いやそのっ・・・//;)

バキ「つーか・・・・・・その格好・・・;」

アスカ「? 何?」


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///;」


アスカ「?」チラッ



アスカは視線を自分の胸に向けた。






アスカ「!!??;;」


472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 02:02:45.39 ID:GKxKSQ7DO
追いついたッッ!!
だめだ勃起が止まらん
アスカは本当怯えた顔が似合うなぁ
473 :赤いイヤーカフ :2012/07/08(日) 11:02:27.24 ID:uZtvR6To0
バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・//;」

アスカ「なっ・・・・・・なん・・・・・・///;;」




見間違えるはずも無いものを、アスカは見てしまった。

ひそかにレイのと比べては、やっぱり良いと思っていた双丘。
ひそかにレイのと比べては、やっぱり少しだけ太いと思っていたお腹。
水泳の授業中にクラスメートに誉められた、長く形の良い脚。
綺麗な鎖骨に、綺麗な腰骨。



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」




バキ「服着たら?;」
アスカ「えっ!!?;;;」

バキ「俺いるんだし;」

アスカ「あっ;;」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・;」


アスカ「///////////;;」カーッ


バキ「えーっと・・・その・・・・・・じ、事故だよ;;」



ブン!


バキ「ちょっ、いきなり蹴りは・・・;」サッ

アスカ「ヘンタイ!! ヘンタイ!! ヘンタイ!!!//////」バッバッ

バキ「パンチもやめ・・・;;」サッ
アスカ「この変態!!! [ピーーー]ぇ!!!/////////」ブン

バキ「服着ろってだからッ;;」サッ

アスカ「うるさああああああああああい!!!!///////」ブン!


ガシッ



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



アスカ「・・・うっ・・・・・・うっ・・・・・・」ポロポロ



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」



アスカ「ひどいわ・・・・・・もうアタシ・・・・・・・・・・・・お嫁にいけないじゃない・・・」ポロポロ



バキ「・・・ゴメン・・・・・・;;」



アスカ「責任とりなさいよ!!!」


バキ「へっ?;;」
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/07/08(日) 12:56:38.17 ID:ha1/Ux4wo
バキ‥…

一夫多妻か‥
475 :赤いイヤーカフ :2012/07/08(日) 13:34:44.95 ID:Bq1fZlvo0
バキ「せっ・・・責任!?;;;」

アスカ「どうすんのよぉ!!!////」ポロポロ



両手を捕まれて涙を流すアスカに気圧され、バキは狼狽した。
打開策が全く思い付かないのもさることながら、一番の原因はこの場合の「責任」という言葉が何を示すのか分からない事。

ただ、考えられる物は今の所二つ。

ひとつは罪滅ぼし。

もうひとつは・・・




アスカ「手ぇ離しなさいよ!!/////」ポロポロ

バキ「あっ、うん;」パッ



両腕が自由になったアスカは胸を両手で隠し、その場にしゃがみ込んだ。




アスカ「・・・最低・・・・・・・・・最低よ・・・アンタ・・・・・・/////」ウルウル


バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」


アスカ「見ないでよっ!!!//////」

バキ「・・・・・・ッッ;;;」サッ




バキはアスカに背を向け、反射的に気をつけの姿勢をとった。






アスカ「うわあああぁああぁあああぁあああああぁあぁああ!!!」ボロボロ



バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜〜〜〜ッッッッ;;;」






泣きじゃくるアスカの声を背中に受けながら、バキは時間が早く過ぎ去ってくれる事を祈った。



476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/07/08(日) 15:23:45.20 ID:tIbMi+E90
バキ爆発しろ
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/08(日) 15:44:58.98 ID:8PsbFCy0o
(さっきのハイキックかわした時に見ちまったなァ……)
478 :赤いイヤーカフ :2012/07/08(日) 22:15:58.55 ID:QY2g8WKD0
午前9時30分
第三新東京市:第壱中学校



トウジ「次は国語かぁ・・・・あの先生の声聞いとると眠うなるんや〜」

ケンスケ「だな。・・・・ところでシンジ。今日はバキの奴来ないのか?」

シンジ「今日は、休むってさ・・・」

ケンスケ「? ふーん・・・・・・あいつが休むなんてどうしたんだ? 何かあったとか?」

シンジ「えっ?うーん・・・」

トウジ「そういや惣流も来いひんなぁ・・・」

ケンスケ「だよな」

シンジ「・・・・・・よくは分からないんだけど、惣流さんが体調崩したから、バキ君が看病してるって・・・よく知らないけど」

トウジ「看病? 惣流にはいらんやろ」ハハハ

ケンスケ「んー・・・いや、案外必要かもしれないぜ? あーゆうタイプ程支えが必要って言うからな。エヴァのパイロットなんて相当なストレスになるだろうし、訓練もあの様子だしな」

トウジ「ああ、確かにせやなぁ・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ケンスケ「綾波にも聞いてみる?アイツらが今どうしてこないのか。シンジは知らないみたいだし」

トウジ「ん? んー・・・・・・聞くいうてもなぁ・・・」

ケンスケ「まだ苦手なのか?」

トウジ「まぁ・・・・・・多少は喋るようなった言うても、なんちゅうか雰囲気っていうもんが苦手っちゅうか・・・」ポリポリ

ケンスケ「分かってないなぁトウジは・・・あの雰囲気がいいんじゃないか。なんというかこう、クールな大人のお姉さん! って感じのあの空気!」

トウジ「わーったわーった・・・ならオマエが聞けぇや」

ケンスケ「おっ! いいのか!? なら遠慮なく!」スタタタ・・・

トウジ「ったく、つくづく好っきゃなぁ」






ケンスケ「あの、綾波さん?//」


綾波「何?」

ケンスケ「えーっと・・・・・・バキと惣流さんが来ないんだけど、綾波さんは二人が来ないわけとか知ってたりしない?/」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ケンスケ(あ・・・れ・・・・・・・・・聞き方まずかったか・・・;)


綾波「よく知らないわ」

ケンスケ「えっ? あ・・・あ、そうなんだ;」ハハ

綾波「でも・・・」

ケンスケ「ん?」

綾波「リビングで惣流さんの声が聞こえたわ」

ケンスケ「声?」


綾波「泣いてるみたいだった」


ケンスケ「!?」
479 :赤いイヤーカフ :2012/07/08(日) 22:55:03.64 ID:HH3cIEuq0
ケンスケ「泣いてたって・・・・・・それ・・・本当?・・・;」

綾波「・・・わからない・・・」

ケンスケ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ケンスケ「わかった・・・なんか・・・ゴメンね急に;」


綾波「いい・・・気にしてないわ」


ケンスケ「えっ!? あっ、そっ、そうなんだ・・・ははは・・・//;」

綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ケンスケ「じゃあ、また・・・//」ハハ・・・

綾波「ええ」






トウジ「どないやったケンスケ」

ケンスケ「はぁ〜・・・綾波さんに気に入られたかもしれない〜♪////」

トウジ「ヘラヘラすんなやだらし無い! で、どうだったんや」

ケンスケ「あっ、ああ、それがな・・・」

トウジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


ケンスケ「惣流さん・・・・・・泣いてたかも、だってさ」


トウジ「泣いてたぁ?」

シンジ「!?」

ケンスケ「らしいんだよ・・・やっぱり支えが必要なんだろうなぁ。当然だろうけど・・・」

シンジ「やっぱり・・・・・・;」

ケンスケ「? なんだシンジ、本当は心当たりあるのか?」

シンジ「うん・・・・・・・・・言いにくいんだけど・・・僕ら実は、ニュースで言ってた凶悪殺人犯に会っちゃって・・・;」

ケンスケ・トウジ「!?;」

他の生徒「!?;」

シンジ「僕と綾波は大丈夫だったんだけど・・・惣流さんが怪我しちゃったみたいで・・・・・・軽傷だっ・・・;」
ケンスケ「バカ! なんでそれを早く言わないんだよ!;」

シンジ「! ご、ごめん・・・;」

ケンスケ「あちゃー・・・そりゃ泣くよ・・・可哀相に・・・;」

トウジ「怪我は平気なんか!?;」

シンジ「逃げる時に怪我したって惣流さんが言ってたけど、多分大丈夫だと思うよ。病院に行くほどじゃないって言ってたし・・・・・・;」

480 :赤いイヤーカフ :2012/07/10(火) 08:08:42.02 ID:Xq90Jipz0
トウジ「じゃあなんで碇は嘘ついとったんや?」

シンジ「それは、その・・・;」

ケンスケ「また言うのに許可がいる事だったとかか?」

シンジ「そういうわけじゃないんだ。でも、言っていいのか判断が付かなくて・・・ゴメン;」

ケンスケ「うーん・・・それにしてもこれはかなり深刻な問題かもしれないぞ? 軽傷なのに日にちを置いて泣くって事は、傷が痛むとかじゃない。理由は多分トラウマとかだろうな。・・・・・・殺人犯に追いかけ回されれば無理もないけど;」

トウジ「放課後見舞い行くか?」

ケンスケ「行った方が良いかもな。周りに人がいた方が安心できるだろうしね」

男子1「じゃあ俺も行く」

男子2「俺も」

男子3「俺も行っていい?」

女子1「私も行く!」

女子2「私も・・・」


ヒカリ「ちょっと待って!そんな大人数で押しかけたりしちゃ駄目よ!;」


ケンスケ・トウジ「?」

ヒカリ「今日なんであの二人が来ないか考えてっ」

ケンスケ「あ・・・」

他生徒「・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


ヒカリ「しばらくはそっとしておくの。惣流さんを休ませてあげて」



シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」









481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/07/10(火) 12:32:40.50 ID:nS4o2dXAO
思われてるなぁ
482 :赤いイヤーカフ :2012/07/10(火) 21:25:52.11 ID:Azvu/oMH0
午前9時32分
コンフォートマンション:ミサト宅


千春「・・・・・・・・・・・・」ス・・・



リビングからの陽光に顔を照らされ、千春は薄く目を開けた。


千春(あったけェ・・・・・・てゆーか眩しッ・・・)


けれども千春はまどろみからはまだ脱しておらず、顔の位置を変えない。
眠気と疲れに気力が萎えている。


千春(土建・・・・・・・・・まァ良いか。もうちょっと寝よう・・・)


そう思い直した直後・・・





「バキ。そこのソース取って」

    「あいよ」

   「ん」



千春(ン? バキ?)



聞き慣れた名に、聞き慣れた声。
それに混じるなにやら少女らしき声。


千春(バキ? なんで? つーか・・・・・・なんか女の子が・・・)



「痛いとことか無い?」

    「うん?」

  「ケガしたとこだよ」

「大丈夫よこれくらい。全然へーき」モグモグ

  「そっか・・・」


千春(ケガ・・・?)






千春(!!)ガバッ




バキ「あっ、おはようございます」


千春「・・・え?・・・・・・・・・;」


アスカ「? なんですか?」
483 :赤いイヤーカフ :2012/07/11(水) 00:07:14.39 ID:VWCJrXnN0
千春「あー・・・・・・んー・・・・・・;」




千春(夢じゃねェなこりゃ・・・;)




バキ「?」

アスカ「・・・・・・?」


千春「お・・・おはよう;」

バキ「朝飯、もう出来てますよ」
千春「・・・・・・・・・いいのか?俺が食っても・・・」

バキ「駄目な理由なんてないですよ」ハハ

千春「・・・・・・ンなら、遠慮なく・・・」スタスタ・・・ 

ガタ・・・


千春「コレ作ったのってェ・・・・・・」

バキ「俺です。マズくはありませんよ」



ピンポーン




アスカ「!;」ピクッ

千春「おっ?」

バキ「おっと・・・・・・・・・柴さん」

千春「ん?」

バキ「惣流さんをお願いします」ガタッ

アスカ「!?//;」

千春「お、オウ;」


バキ「・・・・・・・・・・・・」スタスタ・・・




484 :赤いイヤーカフ :2012/07/16(月) 13:30:36.62 ID:qvh8WUbl0
千春(頼むっつわれても、ねェ・・・)チラッ



千春は横目でアスカを見る。
青のショートパンツに桜色のワンピースを着た少女は、膨れっ面のまま朝食を食べている。

しかし、顔の割には雰囲気があまり刺々しくない気がした。



千春(なんも起こんねェよ)





花山「・・・・・・・・・」ぬっ


千春「!!!???;」




花山「やっぱな・・・・・・」フー・・・



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大将・・・・・・・・・;;;」

アスカ「?」モグ・・・


バキ「いきなり来るもんだからさ、なんの用意もないけど・・・」ハハ・・・


千春「おはござァすッッ!!!;;」

アスカ「!!;;」ビクッ


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バキ「はは」ヘラッ

千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

アスカ「・・・・・・え? 何今の? ・・・アンタら・・・・・・・・・知り合いなの?;」

千春「『アンタ』じゃねェッッ ドタマ下げろァッッ!;;」グシッ

アスカ「あっ、ちょっ、頭掴まないでよ!;」

千春「失礼しゃあしたァ!!;」バッ

アスカ「!?;」グン


花山「離しな」


千春「へっ?;」

アスカ「離してよっ!;;」バッ

千春「あ」

アスカ「なにすんのよ! いきなり人の頭掴んで何様のつもり!? 痛かったじゃないの!!;」

千春「うっ、ウルセぇ! やられたくねェなら始めッから大将に挨拶しろ!! 大将の顔知ってんならそんくらい・・・;」

アスカ「何よさっきから大将大将って! コイツのどこが大将なのよ!!;」

千春「バカかてめェッッ!! 花山組の頭が大将じゃねェなら誰が大将なんだよ!!!;」


バキ「あ」

485 :赤いイヤーカフ :2012/07/16(月) 16:42:45.53 ID:GuXYgSpJ0
アスカ「花山組?」


千春「あーそーだよッッ!!;」



アスカ「・・・・・・?;」



バキ「チハルさんちょっと・・・;」

千春「アァ!?;」

バキ「いや、ちょっと・・・;」

千春「うるせェッッ!;」





バキ(マジかよ・・・・・・これはヤバイだろ・・・;)


ヤクザだってバレるッッ
              バレたら? ネルフクビ!

クビ クビ クビ                   花山さん・・・

柴さんぶん殴って・・・ 気絶
いやないな
     コレはさすがに・・・

   惣流さん 気付かないとかねーかな
ないない・・・   すぐバレる

ヘタしたら俺達全員マーク?
      そんな話じゃねェだろッッッ

惣流さん日本語知ってるし

     ン? そんな知ってる?   日本語ペラペラ・・・
               読める? 問題文に苦戦・・・

ヤクザは知ってる?
     見たことはないだろ  マフィア=ヤクザ?
   俺も知らねェよ・・・

組=クラスとかには? ならねーだろ  クラスって学校の?

なるかも・・・


      なってほしい

     誘導・・・
        やるしかないッ






アスカ「なにそれ?」


バキ(良し知らないッッ;)

千春「ヤクザだよ!!;」

バキ(〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ;;)


アスカ「ヤクザぁ!!?;;」

486 :赤いイヤーカフ :2012/07/16(月) 22:11:19.79 ID:mSrR+Sdg0
バキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」




アスカ「どっ・・・・・・どーゆう事よそれ・・・だったら背中のタトゥーは・・・;;」



花山「本物だ」



アスカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


千春「大将・・・・・・元って事はその・・・・・・・・・;」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


千春「堅気・・・・・・ってコトですか?;;」


花山「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;」












花山「千春」


千春「!? はっ、ハイ;;;」

花山「家が無ェんだってな」

千春「・・・・・・・・・はい・・・;;;」


花山「・・・・・・・・・」ズ・・・


千春「!!!;;;」

アスカ・バキ「!!;」


花山「コイツで此処の何処かを借りろ」

千春「いいんすか?・・・・・・こんな大金・・・;;」

花山「使い道が無ェ。お前が使え」

千春「・・・・・・・・・・・・あ・・・ありがとうございます・・・;;;」

花山「じゃあな」クルッ ズシ・・・ズシ・・・

千春「えっ!?;;」


プシュッ シュッ





千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」
487 :赤いイヤーカフ :2012/07/17(火) 08:28:04.76 ID:DMCzfNU90
千春(はち切れ寸前の財布・・・・・・有り難い・・・けど・・・;;)

千春(何一つ解決しちゃいない・・・・・・気がする・・・;;;)



事実、問題は何一つ解決していない。

花山は帰ってしまった。
元ヤクザである自分がどのようなルートでネルフの一職員に成れたのかの経験を、アスカに説明するでもないまま。組織を解散し、闇稼業から足を洗った理由を語るでもないまま。

尤も千春はネルフという組織の存在など認知せず、この時代においてのヤクザの勢力図なども一切耳にしていない。そして、自分と花山とバキ以外の様々な闘士達も、唐突にこの世界に飛ばされていたという困った事情も知る訳でもないので、説明された所でより一層混乱するだけなのだが。

とにかく、花山は千春に事の収拾を丸投げしたのだ。



千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」






アスカ「・・・・・・・・・さっきの事・・・;」


千春「ん?;;;」


アスカ「聞かなかった事にするから;」


千春「?;」

バキ「!?・・・なんで・・・;」

アスカ「昔、アイツに一回助けられたから。・・・・・・で、コレでチャラってわけ」

バキ「・・・・・・・・・・・・・・へ〜〜・・・;」

アスカ「それに・・・・・・ふざけ半分だったけど、ドイツで出会った時から実はヤクザなんじゃないかって思ってたのよね。・・・・・・背中のタトゥーに、顔の傷、いかにも高そうなスーツと伊達眼鏡なんて、ステロタイプもいいところって思わない?」フー・・・

千春(ドイツ?;)

バキ(まぁ・・・アレでネルフ勤務はねぇよな;)


アスカ「で、千春さんはアイツの何なんですか?」

千春「・・・・・・落ち着いたら敬語に戻んのな;」

アスカ「それは・・・あんなとこ見られちゃったし・・・・・・;」


千春「んー・・・・・・・・・なんのこたァ無ェ・・・俺は只の追っ掛けだよ」


アスカ「へ?」

千春「惚れてんのさ」ハハ・・・

アスカ「!!!;;」

千春「ん?」

アスカ「・・・・・・・・・・・・いきなりそんなカミングアウトされても困るんですけど・・・;;」

千春「んん?;」

バキ「千春さん。言い忘れてたけど惣流さんハーフだから、文化的に今のは・・・;」

千春「あっ;;」

アスカ「・・・いや別にゲイだからって差別したりはしませんよ?ぁ、愛の形は・・・その・・・・・・人それぞれって言うし?;;」ハハ・・・

千春「・・・・・・ゲイじゃねーよ;;」

アスカ「いいですよもう言い訳しなくたって・・・;;」

千春「だからゲイじゃねーってッッ;;」
488 :赤いイヤーカフ :2012/07/17(火) 22:22:45.47 ID:al1EacOt0
11時15分
ネルフ本部:指令執務室


冬月「何か言いたい事はあるかね?」

ミサト「ありません」

冬月「そうか。・・・・・・もう一度言うが、この件に関しては君に責任を問うつもりは無い。護衛の負傷があったとは言え、チルドレンの無事が確認済みなのだからな」

ミサト「しかし・・・;」

冬月「この場合君の任務はチルドレンを守る事だったが、それは被害がどうであれ達成されたのだ。第一、君は諜報部を監督する任を帯びてはいない。君には諜報部に対する被害責任は無いよ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


ゲンドウ「今後、都内での訓練は禁止する。訓練補佐官である愚地克巳・烈海王・渋川剛気及び愚地独歩にも、この旨を決定事項として通達しろ。」

ミサト「了解しました」

ゲンドウ「以上だ。下がりたまえ」

ミサト「失礼しました」カッ  スタスタ・・・




プシュッ  シュッ




冬月「不幸中の幸・・・・・・と、いうやつだな」


ゲンドウ「そう簡単な話ではない」


冬月「そうかもしれんが、これで[あの男]の正体が判明しただろう。確かに予想していた人物像に比べ、やや違和感があるがな」


ゲンドウ「仮に写真の男がヤツであったとしても、我々が切れる手札は限られている」


冬月「ゼーレがヤツに手を下せばゼーレの手札が。我々がヤツに手を下せば我々の手札がさらけ出されるというわけか」


ゲンドウ「だが、老人達の演技に付き合うつもりは無い」


冬月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ゲンドウ「上手く事が運べば、懸念事項を解消出来る」


冬月「・・・・・・何をするつもりだ碇」




ゲンドウ「ジャックハンマーを向かわせる」




冬月「・・・・・・・・・遂に鬼を放つか・・・」



ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/07/18(水) 03:54:53.16 ID:s3L7zt6Jo
>
> ゲンドウ「ジャックハンマーを向かわせる」
>
>
>
>
> 冬月「・・・・・・・・・遂に鬼を放つか・・・」
>
>
>
> ゲンドウ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
>
>
>
>


このくだりネ申




いや、魔か‥
490 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/07/18(水) 14:10:46.79 ID:CorAaC1W0
ミサト(責任は問わない、か・・・・・・・・・そういう問題じゃないって、本当は分かってた。けど・・・)スタスタ・・・


ミサト「内罰的ね。私・・・」スタスタ・・・




スタスタ・・・




ミサト(それにしても、最近タイミングが合いすぎてる・・・)


ミサト(独歩さんが訓練を甘いと言い、その考えに賛同・・・・・・じゃないけど、私も一応同意して訓練を野外で実施することにしたら、その日の翌日に殺人犯が現れ、教官である烈さんと克巳さんと矛を交えて、二人は負傷・・・・・・)


ミサト(・・・・・・運が悪いにしても、作為を感じるわ)




ミサト(でも、チルドレンを狙わなかったのなら、一体誰が何のために?)



ミサト(ネルフに不信感を持った組織はそこら中にいるけど、ここまでの事をする組織なんて戦自ぐらい・・・・・・でも諜報部には戦自のOBも在籍してたはずだから・・・元同僚の居る諜報部に死者をだすようなマネ、いくらアイツらでも冷戦下じゃない限り・・・)







ミサト「頭の中ぐっちゃぐちゃだわ・・・;」ハァ・・・











ミサト「まずは独歩さんから話を聞くしかないわね」






491 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/07/27(金) 12:56:02.16 ID:MawJUshd0
>>1です

最近のバキのせいで失われた創作意欲が、やっと戻ってきました。
遅いストーリー進行にも飽きずに見てくれている皆さんには、本当に感謝してもしきれません。
原作の不真面目展開にめげず、これからも頑張りたいと思います。

あと勝手に絵を載せた事に対して、ピクシブの某絵師(リア友)さんにこの場を借りて謝罪いたします。本当に申し訳ありませんでした。

以後はこのような事が無いように深く反省し、行動を改めるよう努力します。
誠に申し訳ありませんでした。
492 :赤いイヤーカフ :2012/07/27(金) 19:35:11.24 ID:kl0N944Q0
12時50分
第三新東京市:第壱中学校=屋上


シンジは綾波と二人でベンチに座っている。
既に昼食は二人とも済ませた。

今日はケンスケとトウジは来なかった。
他のだべり目的で来る2〜3人の男子達も、綾波目的で来る2〜3人の男子達も、屋上に姿を見せない。

トウジとケンスケと他の男子達がいない時だけ屋上に来るヒカリも、今日の昼休みは教室で昼食らしい。



シンジ「・・・惣流さん・・・ちゃんと昼ご飯食べてるのかな」



綾波「・・・惣流さんの事が心配なの?」


シンジ「うん、まぁ・・・・・・だって、無理してるって感じだったから・・・・・・実際無理してるみたいだし・・・」


綾波「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シンジ「バキ君がついてるから大丈夫だとは思うんだけど・・・綾波は心配じゃないの?」


綾波「・・・・・・・・・わからない・・・」


シンジ「綾波・・・」

綾波「でも」



綾波「・・・惣流さんが何かに怯えてる事は・・・わかるわ」


シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


綾波「怖い物は嫌い。・・・・・・それは、私も惣流さんも同じ」


綾波「だから、怖い目にはあって欲しくない」



シンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
付近のビルの屋上


オリバ「心配してるじゃないか」ハハ・・・


寂「覗きとはまた・・・」

オリバ「気付かれないさ。双眼鏡でこちらを見ない限りはね」

寂「うーむ・・・・・・前途ある次世代の為とはいえ、う〜〜〜ん・・・」

オリバ「イヤ〜それにしてもやりやすくなった。久々にアンチェインだ」ハッハッハ
493 :赤いイヤーカフ :2012/07/29(日) 08:33:07.07 ID:8eQKTQT90
寂「・・・やはりどう思い直しても、貴方のやり方には些かの抵抗を覚える」

オリバ「当然だ。私は犯罪者で君は教育者なのだ。・・・君には君のやり方があり、私には私のやり方がある」

寂「あの子達の会話を盗聴するのが?」

オリバ「私が盗聴しているワケではない。学校に25個の盗聴器と60個の小型カメラを仕掛けたのはあくまでネルフの諜報部であって、私はその機器からデータ傍受しているだけさ」

寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・

オリバ「納得してもらえたようだ」フフ・・・

寂「納得してるワケがない」

オリバ「ハハハ・・・」





オリバ「まぁ・・・何にせよ私にはこのやり方が自然であり、君には私流より良い手段が思い付かないのが事実だ」


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「だからやるのさ。双眼鏡で彼等を覗き、盗聴器とカメラからデータを盗み、私に向かう追っ手を[ピーーー]ことも。・・・・・・・・・・・・そしてあそこの二人に[ハエ]を付けることも」


そう言いながら、オリバはズボンの右ポケットから小指の爪ほども無い小さな物をつまみ出し、その物体二つを自身の頭上へと投げた。

物体は空中で羽音を出すと、速やかに羽ばたきながらその羽音を消しつつ姿勢を変え、シンジと綾波の元へ向かって姿を消した。



オリバ「他は1年前に探りつくした。あとはネルフとゼーレのみなのだ」


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



オリバ「スパイ行為が嫌なら、君のライフワークをチルドレンに実行するんだ」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [saga]:2012/07/29(日) 08:34:32.92 ID:mLn4Y5gn0
寂「・・・やはりどう思い直しても、貴方のやり方には些かの抵抗を覚える」

オリバ「当然だ。私は犯罪者で君は教育者なのだ。・・・君には君のやり方があり、私には私のやり方がある」

寂「あの子達の会話を盗聴するのが?」

オリバ「私が盗聴しているワケではない。学校に25個の盗聴器と60個の小型カメラを仕掛けたのはあくまでネルフの諜報部であって、私はその機器からデータ傍受しているだけさ」

寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フー・・・

オリバ「納得してもらえたようだ」フフ・・・

寂「納得してるワケがない」

オリバ「ハハハ・・・」





オリバ「まぁ・・・何にせよ私にはこのやり方が自然であり、君には私流より良い手段が思い付かないのが事実だ」


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「だからやるのさ。双眼鏡で彼等を覗き、盗聴器とカメラからデータを盗み、私に向かう追っ手を殺すことも。・・・・・・・・・・・・そしてあそこの二人に[ハエ]を付けることも」


そう言いながら、オリバはズボンの右ポケットから小指の爪ほども無い小さな物をつまみ出し、その物体二つを自身の頭上へと投げた。

物体は空中で羽音を出すと、速やかに羽ばたきながらその羽音を消しつつ姿勢を変え、シンジと綾波の元へ向かって姿を消した。



オリバ「他は1年前に探りつくした。あとはネルフとゼーレのみなのだ」


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



オリバ「スパイ行為が嫌なら、君のライフワークをチルドレンに実行するんだ」
495 :赤いイヤーカフ [sage]:2012/07/29(日) 08:35:26.36 ID:IuZq8npU0
遅かったかッ
496 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/07/29(日) 22:31:03.72 ID:XwTKW3wE0
午後1時3分
ネルフ本部:第四監禁室


ガラガラ  ガシャン


独歩「?」



ミサト「部屋の真ん中で正座してるって事は、一人稽古はどうやら終わったみたいね」


独歩「イケねぇぜお嬢さん・・・・・・こんなとこに頻繁に足ィ運んじゃあよ」フフ・・・

ミサト「足を運ぶも運ばないも私の勝手よ。貴方に聞きたい事があって来たの」

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト「昨日の午後1時頃、シンジ君達が殺人犯に襲われたわ。ニュースに出てたヤツにね」

独歩「ほォ・・・そりゃまた・・・」

ミサト「シンジ君達はどうにか逃げ切ったみたいだけど、それ以外にかなりの被害を出したわ。現場になったスーパーは一時閉鎖、周囲には警察の警戒網が張られる大事よ」

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト「諜報部にも多くの死者が出たわ」

独歩「フム・・・・・・で、何を言えと?」

ミサト「率直に聞くけど、犯人について心当たりないかしら?」

独歩「私に聞くワケは?」

ミサト「被害の大きさと手口から言って、貴方達みたいな非常識に強い人間にしか出来ない事件だったからよ。壁の陥没の中央に拳の跡を付け、潰れた拳銃に指紋を刻むなんて・・・・・・少なくとも私には出来ない事だから」

独歩「悪いが関係無いんでね」

ミサト「・・・・・・随分不真面目な答えね」

独歩「まァな」

ミサト「烈さんと克巳さんも負傷したのよ。もっと真面目に考えてほしいわ」

独歩「!」

ミサト「命に別状は無いみたいだけど、しばらくは第一線から外れるみたいよ」

独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサト「もうこれで関係無いなんて言えないわね」サッ



ミサトは懐から写真を取り出すと、正面のやや離れた所に座っている独歩に向け、写真を投げた。
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/01(水) 22:49:24.54 ID:KMO17kPwo
拳銃に指紋など原作の勇次郎でもできるかどうかってレベルだな

原作、バキがリアルシャドーして二人で母親を見ながら食卓囲んでもおかしくない
498 :赤いイヤーカフ :2012/08/02(木) 22:36:29.12 ID:VkGX+arv0
パシッ


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




ミサト「その男が、今回の事件の犯人と思われる人物よ」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「その写真は貴方にあげるわ。本当に心当たりは無いか、よく考えて」


独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





独歩は写真をしばし見詰めた後、右手に写真を持ったまま両膝に両手を乗せ、何かに思いを馳せるかのように俯いた。

部屋のドアを背にして立つミサトからは、正座のまま俯く独歩の表情を窺い知る事が出来ない。
だが、その姿は何かを思い出そうとしている様に見えなくもないものだった。




独歩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フル・・・ フル・・・


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



独歩の肩が僅かに震えている。

息子の今の境遇を案じているのだとミサトは思った。
それと同時にそんな独歩に初めての親近感を覚え、慰めの言葉を掛けようとも思った。



独歩「く・・・・・・・・・くっ・・・くっ・・・・・・・・・」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

独歩「くっ・・・・・・くっくっ・・・」


ミサト「独歩さん・・・気持ちは分かるわ。・・・・・・私だってもし自分の子供が・・・」



独歩「うれしいねェ」



ミサト「!?;」


ガ バ ッ




独歩は顔を上げた。



499 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/08/03(金) 01:24:27.02 ID:hNpOikZl0
ミサト「!!!!;;」



顔を上げた独歩の表情は、筆舌に尽くせぬ物だった。

額にはシワが凝縮し、目は見開かれ、眼球には血管が浮かび上がっていた。

なのに口は横に裂けて釣り上がり、歯は剥き出しにされていた。


満面の笑みとも形容可能なそれは、憎しみや悔しさ・・・哀しみや怒り等では決して無い感情・・・



猟奇や狂気などでは足りない、人間の感情を超えた圧倒的殺傷本能に後押しされた[破壊衝動]だった。






独歩「待ってたんだよこういうのを」


ミサト「・・・こういう・・・の・・・?;;;;」

独歩「い〜ィ動機作ってくれた」にぃいい〜

ミサト「・・・・・・・・・・・・・ッッッ;;;;」


独歩「心神会創立者の息子・・・文字通りリーサルウェポンと呼ぶに相応しい力を身につけた漢が病院送りにされた。・・・・・・空手という最強の格闘集団が愚弄された。・・・・・・看板に泥を塗られた。・・・・・・・・・・・・・・・私の看板にだ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


独歩「やるっきゃないだろうよ」クスッ♪



ミサト「・・・なっ・・・・・・・・・何を・・・;;;;」

独歩「ククク・・・」

ミサト「貴方・・・何する気なの!?;;;;」

独歩「思い知らせてあげるのさ」



独歩「真に危険な空手ってやつをッッ」






500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/08/03(金) 09:45:47.65 ID:qPkjWEZAO
オスッ!>>1の応援だッ!オスッ!
501 :赤いイヤーカフ :2012/08/04(土) 20:58:21.23 ID:mR9l1ySG0
ザ ッ

言うと独歩は立ち上がり・・・


バ バ バ バ バ バ バ バ ! !

ミサト「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ;;;;」


壮絶な笑みを顔に張り付けたままミサトに向かって駆け出した。
だが、標的はミサトではない。


バ フ ォ ッ

ミサト「えッ!?;;;;」


彼女を飛び越えた先にある鋼鉄のドアに・・・

ド キ ャ ッ ! !

飛び足刀蹴り。


ミサト「なっ・・・・・・;;;;」


振り向いたミサトの目には、着地した独歩と、横に切れ目の入ったドアが映る。
独歩は両拳を腰溜めに構え、腰を落とした後・・・


独歩「褐 ッ ッ ッ 」

ミサト「ひっ!;;;;」ビクッ


喝と同時に・・・


ガ  ッ  !  !


鉄のドアを切り裂き始めた。


斬 ッ ッ ! ! 斬 ッ ッ ! !
 斬 ッ ッ ! ! 斬 ッ ッ ! ! 
斬 ッ ッ ! ! 斬 ッ ッ ! ! 斬 ッ ッ ! !


毎秒6発の速さで繰り出される手刀の五月雨に晒され、鋼鉄製のドアは破片を散らしながら金網の様になっていくが・・・

ピタッ

散り散りになる直前で、独歩は動きを止めた。




独歩「なんでェ・・・・・・鍵掛かってねェでやんの」ククッ



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;」


独歩「入った時も閉めといたほうがいい。今度は気ィつけな」


 タ ッ


ミサト「!!!;;;;」


独歩「あばよ」タッタッタッ


ミサト「まっ、待ちなさい!!;;;;」ダッ
502 :赤いイヤーカフ :2012/08/05(日) 23:31:35.28 ID:tOZ8C2+h0
フィーッ!! フィーッ!! フィーッ!!


鳴りだしたサイレンに、天井で回る警戒灯。
ドアの大破に警報装置が反応している。

ミサト「止まりなさい!!;;;;」タッタッタッ

走るミサトの瞳に映るは独歩の後ろ姿。
その姿も急速に小さくなりつつあり、両者の距離はただただ開くばかり。


ゴウン・・・

ミサト「!;;;;」タッタッタッ


閉鎖隔壁が独歩の前方20メートル先に降りてきた。
だが降りてくるスピードは遅く、このままでは隔壁が閉じる前に独歩が閉鎖域を出てしまう。

かといって、足止め用に銃を使う事は出来ない。
走りながらの発砲は、命中率の低下と使用者の負傷を招く。

なにより、ミサトの倫理観がそれを許さない。
いくら化け物じみているとはいえ、愚地独歩は人間なのだから。


ミサト「!?;;;;」タッタッタッ



しかし、その考えは甘かった。躊躇う必要は微塵もなかった。
独歩は、余裕を持って通り抜けられるはずの隔壁の真下でしゃがみ・・・

グ ン ッ ッ

全力で・・・

独歩「 せ い ッ ッ ッ 」

跳んだ。



グ  ワ  キ  ィ  ッ  ッ  !  !


ミサト「!!!!;;;;;」ビクッ




射撃訓練場で普段耳にしている銃声の5倍はデカい音が、廊下全体を揺らしたかと思うと・・・

ド ガ シ ャ ア ! !

ミサトの眼前に、握り潰された紙束の様に変形した隔壁が、音を立てて落下した。
独歩の頭突きは隔壁の駆動部と固定具を破壊し、隔壁の外装に当たる特殊装甲さえも叩き潰していた。

当然、カード認識も不可能の状態。

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;」


ミサトは閉じ込められてしまった。

503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/08/06(月) 04:23:48.29 ID:bwBF+pKU0
独歩つええww
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/08/13(月) 23:24:21.39 ID:2Zjp18vAO
独歩ちゃんマジヒーロー
505 :赤いイヤーカフ :2012/08/14(火) 20:40:08.04 ID:U0W4MUQ20
午後1時12分
コンフォートマンション


千春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



マンションにある数多の部屋の中から、千春は最も安価である一階の部屋を選んだ。

自分の今までの暮らし振りからして生活空間にスペースは必要無いし、他人の目を気にするでも無いので、部屋に元からある冷蔵庫やテレビやテーブルやら椅子やらで良い。
そして何より、安価な賃貸料により懐事情を気にせずに済む。

考えとしてはそんなところだった。


今、千春はリビング中央で大の字になって寝転んでいる。




千春「ドイツ・・・・・・・・・」



アスカの口から出た単語を呟きつつ、頭の中で同じ単語を反芻する。

ドイツ・・・ドイツ・・・ドイツ・・・と。



千春「大将がドイツ・・・・・・しかも堅気・・・・・・」



タイムスリップ。南極の消滅。気候・地形の大変動。右耳の声。



千春「ワケわかんねェ・・・・・・・・・」





そして、やはりそんな答えにしか行き着かないのだった。





506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/08/16(木) 07:56:02.49 ID:/Riq2loAO
みなさんおやすみなさい。そしておはようございます。

ニコニコ静画で「キス」と検索すると、女の子同士のちゅっちゅ画像ばっかり出てくる。
良い時代だ。
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/08/16(木) 19:39:53.94 ID:/Riq2loAO
ごめんなさい。誤爆した。
508 :赤いイヤーカフ :2012/08/18(土) 18:26:44.15 ID:Nbruw70g0
午後1時30分
ネルフ本部:研究棟コンソールルーム

プシュッ  シュッ


ミサト「はぁ〜〜〜・・・・・・」スタスタ・・・


リツコ「・・・ここは指令執務室じゃないわよミサト」カチャカチャ

ミサト「指令室ならもう行って来たわよ・・・」ドッ
リツコ「そこの机には座らないでちょうだい。後で使うから」カチッ

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リツコ「座るなら私の隣の椅子にして」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」サッ   スタスタ・・・


ドサッ



リツコ「大体予想つくけど、何で呼び出されてたの?」カチャカチャ

ミサト「別にぃ・・・・・・[愚地独歩さんが逃げました][私は閉鎖区画に閉じ込められてました]って報告をしに行ったってだけよ・・・」

リツコ「そう。・・・・・・貴女そこで寝るつもり?」カチャカチャ

ミサト「寝ませんよぉ・・・」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチッ

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ハァ・・・



リツコ「・・・やっぱり逃げたのね、彼」


ミサト「・・・・・・なによその言い方・・・随分余裕あんのね」

リツコ「こういう事にはもう慣れてるの」

ミサト「あぁ・・・ピクルね・・・・・・」ハァ・・・

リツコ「追いかけなくていいの?」カチャカチャ

ミサト「指令が諜報部に連絡したわ。[身柄を確保しろ]って、私の目の前でね。・・・・・・私も行きますって言ったけど、私に責任は無いんだって・・・」

リツコ「? それはどういう事」ピタッ

ミサト「彼の捜索には関わるなって事よ。・・・・・・あくまで諜報部の領分だって事じゃないの?」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「諜報部の人員も減ってきてんのに・・・私って全然信頼されてない。・・・・・・・・・・・・てゆーかもう疲れたわよ・・・あの人達の相手すんの・・・」ウル・・・

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「ねぇリツコ」

リツコ「何?」

ミサト「泣いていい?」

リツコ「居酒屋ならともかく今は止して」

ミサト「うぅ・・・」
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/18(土) 21:06:02.34 ID:uZOu/S0P0
ネルフがブラックどころじゃない環境になってるww
510 :赤いイヤーカフ :2012/08/18(土) 21:31:18.11 ID:hwm9lk0/0
リツコ「それに、ただ愚痴を聞いてもらう為だけに、わざわざ私の所まで来た訳じゃ無いんでしょ?」カチャカチャ

ミサト「まーねー・・・」クルンクルン

リツコ「人のコーヒーカップで遊ばないで。割ったら弁償よ?」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・;」コトッ・・・

リツコ「全く・・・・・・」カチャカチャ




ミサト「・・・・・・・・・・・・今日の訓練についてなんだけど・・・」


リツコ「貴女、まだやる気なのね・・・」フー・・・

ミサト「当然でしょ? コッチの事情なんて使徒は考えちゃくれないもの。私が落ち込んでようが街に殺人鬼が出ようが、向こうは空気読まないわよ」

リツコ「それはそうね。・・・・・・でも、今は肝心の教官達が欠番中よ?」

ミサト「克巳さんと烈さん以外にも、教官役になれる人は居る。・・・なんの問題も無いわよ」

リツコ「・・・・・・貴女はそう思ってるんでしょうけど、私も同じような考えを持っているとは限らないわ」

ミサト「?」


リツコ「今教官としてチルドレンの相手を出来るのは、渋川さん一人だけよ」


ミサト「なんで?」

リツコ「花山さんとジャックさんを相手に、シンジ君達が怯まずに戦えると思う?」

ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとヤバそうかな;;」

リツコ「ピクル君にパワーセーブを期待するの?」

ミサト「・・・無理・・・・・・・・・;」

リツコ「それとも流派を持たない紅葉君に賭けてみる?」

ミサト「・・・ギリ行けるんじゃないの?;」

リツコ「覚える事と教える事は違うって事、貴女知ってるでしょ?」

ミサト「う・・・・・・;」

リツコ「それに時間も無いわ」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「私が今の貴女の立場なら、訓練よりシンクロテストを優先するわね」


ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」




511 :赤いイヤーカフ :2012/08/19(日) 00:53:02.05 ID:zfhbezwd0
ミサト「・・・・・・・・・・・・・・・この際・・・;」

リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ミサト「いや・・・これは駄目ね・・・;」


リツコ「何か良い策でも思い付いたの?」

ミサト「何も浮かばないわ。残念ながら」

リツコ「そう。じゃあシンクロテストの方を優先するのね?」

ミサト「決定とまでは行かないけど、頭の隅に入れておくわ」ギッ・・・

リツコ「準備だけはしておくわね。やりたくなったらいつでも来なさい」

ミサト「はぁい」スタスタ・・・


プシュッ  シュッ


リツコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」













ミサト(危険かもしれないし、私も係わり合いにはなるべくなりたくないけど・・・)スタスタ・・・




ミサト(でも、時間も無い・・・・・・)ピタッ



ミサト(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)











ミサト「スカウト・・・・・・やるしかないのね;」スタスタ・・・


512 :赤いイヤーカフ :2012/08/19(日) 01:30:06.27 ID:VbHQjyZE0
同時刻
廃団地:E−3マンション=表札無し部屋

オリバ「フフフ・・・」ザリ・・・

ソファーに座り、顔に笑みを浮かべた巨漢は、葉巻を指で摘み上げ、右手に持つ専用の鋏で葉巻の先端部をカットする。

オリバ「賢明だ、ミス葛城」

その後、右手の鋏を目の前のテーブルに置き、新たにジッポライターを持ち、葉巻に着火した。

オリバ「これでネルフとのパイプが出来そうだぞ?カイオー・ジャク」ニィ・・・

寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

オリバ「若者を導くのは、君に任せる」


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ザッ




オリバ「オオッと、言い忘れてたが・・・」


寂がオリバに背を向けて歩きだした所で、オリバは寂を呼び止めた。
寂は振り返らぬまま、言葉を返す。


寂「まだ何か?」




オリバ「イヤ・・・・・・・・・まぁ・・・会えば分かるか」フフ・・・


寂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




だがオリバは何も語らなかった。





オリバ「では、お気をつけて」

513 :赤いイヤーカフ :2012/08/28(火) 09:56:08.41 ID:6BZYw7ot0
ガチャッ  バタン



オリバ「フー・・・」




サクラ「心変わりが早いのだね」ガラッ  ニュッ


オリバ「ン? ン〜〜〜・・・」

サクラ「訓練をやらぬと言ったり、やると言ったり・・・・・・彼女は判断力に欠ける」スタッ

オリバ「状況が変わったからだろう。恐らくは、殺人犯の狙いはチルドレンではないと考えての事。・・・・・・私の企みが上手くいった証だ」

サクラ「そしてこのタイミングでのカイオウ・ジャクとの接触。・・・仲介役はカツミ・オロチかね?」

オリバ「仲介というほど表立ってはいないが・・・まァ、彼の携帯にミスタージャクの番号と名前をチョビッとね」フフ・・・

サクラ「ワァ〜オ」

オリバ「訓練に関するコチラの事情も伝わっているらしい。上手くやってくれるだろう。いや、上手く行くと言った方が適切か」

サクラ「ほう・・・・・・教えたのか。チルドレンに対する、私とジャクのコンビネーションによる教育を」

オリバ「まァ・・・カツミ君にとっては気が進まぬ事とは思うがな。何せ君は犯罪者なのだから」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・」ククク・・・


オリバ「カイオウ・レツには秘密にしておく」

サクラ「賢明だ。彼には言うべきではない。彼の性格では台なしにしてしまう可能性がある」ニッ

オリバ「彼には訓練期間の間、ダウンしていてもらわねばならなかった。彼をぶちのめしてくれた事に心からの感謝の意を表したい」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ〜


オリバ「フフ・・・最近身体が鈍っててね・・・」


サクラ「前置きはいい。早く君の感謝の意を見せてくれ」ニコッ





ボ  ッ  ッ  !  !  !




514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 10:07:55.32 ID:/ib4OL7Io
アレは本気じゃなくサクラ流の訓練だったのか…スパルタですね
515 :赤いイヤーカフ :2012/08/28(火) 15:18:39.57 ID:QvSeeiyo0
ぴたっ


オリバ「ho〜・・・」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「どうやら私は相当弱くなったようだ。パンチが全然効かない」ハハ・・・

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・」ニカッ
オリバ「・・・っと、ジョークはこれくらいにしておこう。いやァ凄い回避技術だ」

サクラ「・・・・・・・・・・・・・」フッ

オリバ「こちらが振り切っているにも関わらず、寸止めを強制させてしまう君の技法。・・・・・・断じてスウェイバックに収まりきる物ではない」

サクラ「だからといって、君はギブアップするような者でもないだろう?」

オリバ「当然だ。ここは狭くて力が出ない」


オリバ「どうかね? 場所を変えてみるというのも」



サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニィ〜









−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ネルフ本部:訓練棟大型トレーニングルーム


黒服「ジャックハンマー」


ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ガシャッ  コン・・・    ガシャッ  コン・・・



広く薄暗いトレーニングルームの端っこで、バーベルを黙々と上げ下げする漢がいた。

バーベルに嵌められた鉄の輪は異様に巨大で、重さは計り知れない。
ただ、ジャックハンマーから6メートルも離れている黒服の足元まで揺れが伝わる事から、使用されている物は200キロ・300キロどころではないと推測出来た。


黒服「ジャックハンマー。トレーニングを中断しろ」


黒服はもう一度話しかけるが・・・


ジャック「・・・・・・・・・・・・;;;」ガシャッ  コン・・・   ガシャッ  コン・・・




ジャックは答えない。
516 :赤いイヤーカフ :2012/08/28(火) 18:47:07.35 ID:Ec6xbON00
黒服「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

ジャックハンマーに無視された場合どうするか・・・それについての対策は既に紅葉から教えられている。

バッ

三人いる黒服のうち一人が、後ろ手に隠し持っていたもの・・・

黒服「・・・・・・・・・・・・・・・;;」チャキッ

それはUZI(ウージー)と呼ばれる短機関銃だった。



パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ ! !



部屋中に響く破裂音。発射される弾丸に飛び散る薬莢。
サイレンサーを付けないのは、ジャックの耳を刺激するためである。

高速で飛び出した弾丸は漏れなくジャックの背中に命中し・・・

パラパラパラパラ・・・

例外無く床へ。



クルッ


ジャックは手を止め、黒服へ顔を向けた。




黒服達「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」





ジャック「ワルいが・・・;;;」


黒服「拒否は出来ない。これから言う事は碇指令の命令だ;」

ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;」

黒服「この写真に写っている人物を探し出して殺害しろ」サッ

ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;」


渡された写真には、眼球のえぐれた男が写っている。



ジャック「・・・・・・オーケイ」




ジャックハンマーは、至極あっさりと了承した。
517 :赤いイヤーカフ :2012/09/06(木) 03:18:53.72 ID:f2S5mEN10
数分後
廃団地:E−5マンション=地下駐車場


オリバ「どうかな。こんな所で」フフッ

サクラ「人通りは無く、広さも十二分・・・・・・しかしまだ此処に慣れてないな、私の聴覚が」

オリバ「慣れてない? 耳抜きが必要なのか?」

サクラ「・・・・・・・・・・・」サッ


盲目の巨漢はオリバの問いに答えぬまま、太い右腕を上げ・・・


ド ガ ッ !


スナップを鳴らした。

漢の右手から発せられた爆裂音は駐車場の隅々を巡り、全ての障害物を余すところ無くなめ回した後、その存在を小型化して主である漢の両耳へと収まった。


サクラ「パーフェクトッッ」


反響を聴いた漢の脳内に、現実以上にリアルな駐車場が出現した。




オリバ「ナルホド・・・・・・」


サクラ「乗り棄てられた軽自動車が2台。天井からぶら下がる照明機器が8個。・・・天井を支える特殊金属入りの支柱30本の内、摩耗により本来の耐久性を50パーセント程も発揮出来ぬ物が28本。ネズミが二匹に段ボールが7つ。駐車場の形状及び広さは幅50メートル、奥行き50メートルの正方形・・・・・・そして私の背後に支柱が一本」


オリバ「ハハ・・・まるでクジラだな」

サクラ「誰でも可能です。[見る]という事に真剣ならば、誰でもね」

オリバ「勉強になるよ」

サクラ「そう言ってもらえると、こちらとして・・・

ゴ   ウ  ッ  !  !  !


自身の身体が宙に浮く程の勢いでオリバが唐突に繰り出した拳が、サクラの顔面を捉えるべく猛進。
しかし目標命中まで後1.5センチという所で避難され・・・

  ズ   ン   !   !   !   !


サクラの背後にある支柱に上半身を埋める結果となった。
常識外の威力であったために、オリバの拳は支柱を貫通し、支柱内部にあった特殊金属を外部へと押し出していた。

バ ッ ! !

サクラが天井に引っ付くと同時に・・・

バ  ガ  ッ  !  !  !

オリバの埋まっている支柱が内圧に負けて爆発した。
518 :赤いイヤーカフ :2012/09/06(木) 18:36:55.68 ID:2OrpT5Ox0
老朽化しているとはいえ芯入りのコンクリート。
摩耗しているとはいえ頑強だったそれは、実銃に撃たれた発泡スチロールのように辺りに散らばった。

オリバの行動を先読みしていなければ、今頃サクラはコンクリート片の密集弾に撃たれ、負傷はせずとも隙を生じさせていただろう。

バ ッ ! !

天井からオリバへと襲い来る、サクラのスコーピオンキック。

ガ  ッ

それを事もなげにオリバは掴み止めた。


サクラ(速い・・・)


ド  フ  ュ  ッ  !  !

タオルを投げるような軽い動作で、地面と水平に投げられる経験。
そんな物はサクラとて体験した事が無い。

ド   オ  ン   !  !

十数メートル程遠くにある壁に、深々と刺さるサクラの背中。
彼の口の中に鉄の味が広がる。

サクラ「!」


直径1メートルのコンクリート片が飛んできた。


バコッ

サクラは壁から背中を外し、転がるようにして退避。

バ    ガ    !    !

その直後に壁が爆破された。
間一髪の回避だった。


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・


全身の筋肉を余すところ無く肥大化させたオリバが向かって来る。
楽しげな表情とは裏腹に、彼の肉体は殺気に満ち溢れていた。

だがサクラは逃げない。


脚を[掴ませた]時、瞬時にしてオリバの身体能力を看破していたから。


ブ  ァ  ア  ア  ッ  ッ  !  !  !


彼の拳は戦車の主砲と同等もしくはそれ以上。
だがしかし、捕れぬ物ではない。
ガ  キ  ュ  ッ

掴み、そして・・・


ボ  グ  ッ



外した。





サクラ「まずは右肘・・・」


519 :赤いイヤーカフ :2012/09/07(金) 08:38:13.33 ID:r7h5YzXo0
ガ  コ ン

サクラ「!」

オリバ「なんの事かな?」



技術やコツなど、ビスケットオリバには必要無い。
筋力さえあれば、何事もどうとでもなる。

関節を入れるのは特にたやすい。


サクラ「・・・・・・痛がらないんだな」

オリバ「アドレナリンが和らげてるのさ」ニィ

サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オリバ「闘志満々だ」



ド  オ  ッ  !  !



再び向かい来る鉄拳。
速さが増したそれの狙いは、サクラの顔面ど真ん中。
だがやはり、サクラは回避行動をとらない。

ガ  シ  ッ


サクラ「学習していない」グイッ


拳を掴んだ右手に力を入れた瞬間・・・

ガ ッ ! !

右手を掴まれた。



オリバ「学習していないのは君だよ」




バ     オ    ッ   !   !   !




520 :赤いイヤーカフ :2012/09/10(月) 00:07:15.68 ID:X7BlrMx40
ここ最近の数ヶ月間、第三新東京市のそこかしこで様々な[特異な噂]が話題に上がっている。

新聞のB級記事の端っこに。眉唾物な情報に塗れた週刊誌の特集に。ある時はネットの中で。ある時は電車の中で。

ある噂では、この街の何処かに軽自動車をも引き回す巨漢が居るという。 ある噂では、片手片足が機械で出来ているサイボーグのような男が、この街のある場所に住んでいるという。

その怪人達には仲間がいて、彼等はこの街に蔓延るアウトサイダー達を潰して回っているという。ある時は命まで奪うという。

そして、その噂に現実味を与える事件も発生している。

その事件の現場を見た者も存在する。



ハローワークから帰る途中だったKさん(28)女性は、週刊誌に当時の現場の様子を語っている。




K「今はアパート暮らしで、生活保護も受けてるんですけど、前の怪獣騒ぎ・・・かは、まぁ分からないですけど・・・・・・その事件のせいで、ついこの前まではホームレスだったんです。身寄りもなくて・・・」

K「ぁ、はい、ちょうど現場のすぐそこのガレージに住んでて・・・・・・あそこにちょっと小説を忘れていったんです。・・・ハイ、この本です」

K「推理物なんですけど、コレ結構面白かったので・・・・・・帰りに寄ってみて、あったらいいな〜って、軽い気持ちで行ってみたんです」

K「本自体はすぐに見つかりました。傷もありませんでしたし、シワも無くて・・・」


K「・・・・・・そこでさっさと帰ってれば、あんなの見なくて済んだんですけど・・・・・・・・・・・・;」



K「本を拾った直後に揺れを感じたんです。・・・足元にこう、けっこう大きかったです」

K「はじめは地震かと思ったんですけど・・・・・・ほんの一瞬だったのでこれは違うって思い直しました」

K「そこで逃げれば良かったんですけど、その時はもう緊張で、身体もカチカチで・・・・・・;」


K「そしたらいきなり・・・・・・目の前のマンションの一階が・・・爆発して・・・;」


K「一気に・・・・・・・・バンって感じで・・・;」

K「煙と瓦礫が辺りに飛び散りました。・・・私は腰抜かしちゃって・・・動けませんでした・・・;」

K「埃も凄くて・・・・・・マンションの一階からどんどん出てきました。・・・私その時道路にいたんですけど・・・道路一杯に埃が舞い上がって・・・視界が無くなったんです。・・・・・・そしたら・・・・・・・・・;」


K「声が・・・聞こえたんです。・・・・・・映画に出てくる怪獣みたいな声で・・・;」



K「見つけたって・・・・・・見つけたって言ってたんですぅっ・・・!!;;」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/09/10(月) 23:12:51.67 ID:wElcwqLAO
Kさんは悪くない。誰だってそーなる。私もそーなる。
522 :赤いイヤーカフ [saga]:2012/09/17(月) 02:09:49.96 ID:MmgGKkzg0
サクラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」クスクスッ♪

K「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」ガタガタガタ



瓦礫を押し退け、埃を掃いながら眼前に現れた[何か]の巨躯。

それが人の物であると認識するの事と、その[何か]の発した言葉が自分に対しての物ではないという事に気付くのに、Kは十数秒の時間を要した。

そしてその認識も、更に数秒後には誤りであったと訂正する事になる。



オリバ「やっと見つけてくれたのだね」フフッ

Kの背後からは眼前の男とは別の声。しかしKは振り向けない。
視線を動かすという行為すら、既に恐怖の対象となっていたのだ。


サクラ「ああ・・・ようやく見つけた・・・」

オリバ「位置ではない物を・・・それ以外の・・・・・・」グググ、グ、グ・・・ッ

サクラ「ああそうだ。・・・・・・私が再発見したのは・・・」スゥ〜ッ・・・



サクラ「君の持つ戦力・・・ッッ」バ   オ   ッ   ッ   !   !



座り込むKの真上で突如閃光が発生する。
猛々しい轟音を周囲に叩き付けた光の発生源は、電気や火薬などではない。

発生源は科学変化ではない。


発生源は人体。発光したのは奴らの拳。



二匹の戦闘生物は、互いの間に居るKなどお構い無しに・・・


サクラ「・・・・・・」ヴ   ァ  ッ  ッ  !   !    !

オリバ「・・・・・・」 ボ    ッ    !    !    !



脚を止めての攻防戦を開始した。
弾丸以上に危険な、直径13センチの鉄が如き肉塊の奔流に飲まれ、Kは遂に失禁してしまった。


拳が巻き起こす風と衝撃は、二匹と一人を中心に吹き荒れ、極めて小規模かつ局地的な竜巻を廃れた道路の中央に出現させた。

523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 02:45:20.12 ID:7R2Elt6Mo
524 :赤いイヤーカフ :2012/09/17(月) 10:54:47.25 ID:pX7lbjbt0
K「もう訳わかんなくなっちゃって・・・・・・地面にしがみついてました・・・;」


K「飛ばされるって思ったんです、風に。・・・・・・音も凄くて・・・耳がとても痛くて・・・・・・;」

K「けど、耳は塞げませんでした。・・・・・・・・・手で・・・両耳塞いだら・・・・・・・・・風に飛ばされてしまいそうで・・・;」


K「それに髪の毛とか服とかに・・・何回か掠ったんですよ。・・・・・・・・・何が掠ったかは・・・速くて全然見えませんでしたけど・・・。・・・・・・・・・・・・掠っただけなのに、身体全部・・・持ってかれそうになって・・・・・・;」


K「そんな状況なのに・・・動けるわけ・・・ないじゃないですか・・・;」ウル・・・


K「抜けだそうとしてたら・・・・・・きっと・・・・・・・・・;」ポロポロ




K「あっ・・・すっ、すみません・・・・・・取り乱しちゃって・・・;」グスッ

K「すみません・・・本当に・・・;」ゴシ・・・


K「はい・・・続けてください。・・・・・・誰かに聞いてほしくて来たんですから・・・;」



K「続けますね・・・;」

525 :赤いイヤーカフ :2012/09/17(月) 17:42:45.50 ID:10O1DZ1y0
ド  カ  ッ  !  !
    ザッ    ガ  ッ  !  !  !
ゴ ッ ! ! !   バ シ ッ ! !
 ベ   シ  ィ  ッ  ッ  !  !  !
  ゴ  ガ  ッ  !  !  シュッ
          ド ッ ッ!!
バ  チ  ッ  ッ  !


私の後ろに誰がいたのかはわかりません。
ただ、目の前の男が誰かと殴り合っているのは分かりました。
口と鼻から血が出てたので・・・それも大量に・・・

そこまで見て、卒倒しそうになりました。私・・・


サクラ「シイッッッ」ド  ヒ ュ ッ ! ! !


その人・・・眼が無かったんです・・・例えとかじゃなく、本当に・・・
眼があるはずの所に穴が・・・・・・陥没してるみたいでした。

ガ  コ  ッ  ッ  !  !      ド  ッ  ッ  !
 ゴ  ッ ッ ! !






それから先は・・・よく覚えていないんです。
え? いや・・・あの・・・・・・・・・・・・気絶してしまって・・・

・・・あっ・・・でも、意識を失う直前は覚えてます。


あの音はまるで・・・・・・・・・飛行機が飛んでくるような・・・




ギュ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ  !  !  !




ち    ゅ   ど   ッ   ッ   !   !   !



サクラ「!」


オリバ「オッ」







ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;」フゥ〜・・・


526 :赤いイヤーカフ :2012/09/17(月) 23:57:22.44 ID:0gt0k6pc0
サクラ「・・・・・・・・・ッッッ」


サクラの背後に[降ってきた]怪物。
その怪物は不自然に大きく、そして強大だった。

怪物の顔や骨格などの情報は未取得だが、先程の落下による衝撃と震動が、サクラの脳に嫌も応も無しに情報を押し付けた。

知る事を強要された情報・・・それは彼我の[戦力差]
到底埋まらぬ溝。超える事叶わぬ領域。


隔たりの次元、もはや遺伝子レベル。




サクラ「ぬんッッ!!!」バ  オ  ッ  ッ  !  !

振り向きざまに、右手によるナックルアローを怪物目掛け発砲。

ド   ズ   ン  !  !

命中。怪物の身体を伝播した衝撃をソナーの様にサクラは認知。瞬間的に怪物の肉体構造を看破し、二つの深刻な事態に気付いた。

一つは、怪物の腹部であろう部位に命中した打撃には、何の意味も無かった事。

もう一つは、怪物の肉体構造に説明不能なヵ所が幾つも存在している事。
それが意味するものは・・・



ガ  キ  ッ  ッ

サクラ「!」


怪物はサクラにさえ感知不可能な速度で左掌を握った。

メ   キ   ィ  ッ  ッ
サクラ「!!!;」

次に掌を圧殺。サクラの膝を地に着かせた。


サクラ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ;;」ベキベキバキゴキ ミリ プチプチッ


ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ミシミシ・・・






オリバ「意外だな、ミスタージャック」


ジャック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ミシミシ・・・

オリバ「君の様なタイプが、彼等の言うことに素直に従うとは・・・・・・」

ジャック「勘違いするな。・・・・・・これは俺のプライベートな行動だ」ミシミシ・・・

オリバ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ジャック「主従の関係などに興味は無い」コキ・・・ペキ・・・
527 :訂正 [sage]:2012/09/19(水) 01:31:29.35 ID:V2wvrdp30
×怪物はサクラにさえ感知不可能な速度で左掌を握った。

○怪物はサクラにさえ感知不可能な速度で、サクラの左掌を捕った。
528 :赤いイヤーカフ :2012/11/03(土) 23:12:23.34 ID:DJmVfeLQ0
生存報告です。
本当に申し訳なく思っているのですが、話の展開のネタに詰まってしまい、気分転換として別のSSを今現在書いています。

ここを落とす事はありませんので、その点に関しては安心して下さい。

529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 23:50:20.98 ID:npX+CT4yo
承知したッッ!!
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 00:02:14.21 ID:w7kpdFVs0
ゆっくりとネタつくってきてね〜
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 21:56:39.28 ID:HKBuiC5IO
いづれ続きがくるのならば、私は一向にかまわんッッ
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/11/28(水) 00:08:40.80 ID:Od5WIWIAO
生存×期待×原作愛=破壊力!
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 22:04:54.31 ID:yz+MYfODO
ダヴァイ!!
534 :年末スペシャル :2012/12/19(水) 12:12:42.06 ID:MG4DqP+x0
オリバ「プライベート? 公私混同の間違いだろう」

ジャック「悪いかい」

オリバ「悪くは無いが、私は困る」

ジャック「…………」

オリバ「手を引いてもらいたいな」



ブ ン ! !


オリバ「あ」

ジャック「!!」 ド ウ ッ!!



確かに握り潰したはずだった。
骨の砕ける音も聞いたはずだった。

しかし、それは偽装だった。

折れたのではない。


外されていたのだ。




サクラ「何故投げられたかワカるかね?」

ジャック「……………」ムクッ

サクラ「ずっと手を握っていたからだよ」ククク…

ジャック「…………………」


サクラ「悪いが私は帰る。三つ巴は趣味ではない」クルッ 

ジャック「…………………」

オリバ「と、いうわけだ。私も些か疲労しているし、ここは見逃してもらえないかな?」


ジャック「…………………」フー…


オリバ「ワルいね♪」スタスタ

ジャック「タヌキめ…」

オリバ「見つかりませんでしたとでも言っといてくれ。どうせ向こうは裏が取れないんだ、バレないよ」スタスタ…


535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 12:58:15.60 ID:qOKbUmUB0
午後1時45分
ジオフロント発着リニアトレイン=地上入口


ミサト(スカウトねぇ……やるって言って出てきちゃったけど、スカウトが出来る宛てと言ったらやっぱり…)スタスタ

ミサト(独歩さんとか烈さんとか、渋川さんとかのツテに頼る……のよねぇ…)スタスタ

ミサト「……………………」スタスタ


ミサト「はぁ……先が思いやられるわ…;」スタスタ



寂(ネルフ……職員の出入口は確かにここだが、入口には警備員がいる。 身分を偽るのはバレた時に面倒だ)スタスタ

寂(潜入も出来ない事は無いだろう。しかし、それでは信用を得られず、訓練どころでは無くなってしまう)スタスタ

寂「…………………」ピタッ

寂(……………いや、オリバに情報操作を頼むのは良策ではない)

寂(うむ……やはりネルフ勤務の格闘技者から言づてに……)スタスタ



ミサト「はぁ……」


寂「………………」スタスタ


ミサト「?」

寂「……………」スタスタ…


ミサト(あの後ろ姿……どこかで……)スタスタ


寂「………………」スタスタ…


ミサト(スーツで体格は分からないけど、あの背中……昔見た気がする……)スタスタ


寂「………………」スタスタ…



ミサト「…………………;」スタスタ


536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 17:33:45.37 ID:WZAICEMro
気取れてないってんじゃァないですよねェ?
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 17:52:35.09 ID:Y48vYt/L0
ミサト(後を付けるなんてどうかしてるけど……でも…;)スタスタ

寂「……………」スタスタ

ミサト「………………;」スタスタ




寂「私に何か」ピタッ


ミサト「!ッッッ;」ピタッ

寂「それとも私の後頭部に向けていた視線は、只の偶然なのですかな」

ミサト「…………………;;」

寂「もう言ってしまいなさい。バレてしまっているのですから」

ミサト「……………………;;」



ミサト「…失礼ですが、振り向いてもらえませんか;」


寂「振り向く?」

ミサト「ええ、それだけです;」

寂「……………………」



クルッ



ミサト「!!」

寂「自己紹介もしておくべきですか?」



ミサト「………………………;」



寂「?」





ミサト「…………寂…先生…?」


寂「えッ……」


ミサト「寂先生…? 寂先生…なんですよね…?」ウル


寂「ちょ……ッッ;」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 22:37:23.22 ID:kAK4ACdI0
ミサト「先生!」ガバッ

寂「…………ッッ;」

ミサト「やっぱり…やっぱり生きてたんですね…!」

寂「えッ、は、はぁ…;;」

ミサト「はぁ…よかった………本当に……」ウルウル

寂(こ…これは一体……ッッ;;)


寂(!!;;)





  [オオッと、言い忘れてたが…]

  [イヤ………まぁ…会えば分かるか。フフフ]





寂(これかァ〜〜〜ッッ;;;)


ミサト「先生……」グスッ

寂「ちょッ……ちょッと待ってくれないかなッ。謝らなきゃいけない事が……エ〜〜その、アレだ;;」

ミサト「?……なんですか…?」ゴシゴシ

寂「え〜〜あ〜〜〜………とても、言うのが憚られる事なんだが…あ〜〜…;;」


寂「…………………………;;;」


ミサト「……先生?」

寂「きっ…記憶が無いんだ…;;」

ミサト「えっ…」

寂「心配はいらない、君の名前は覚えている…ッッ。 私の名もだ。ただ……;;」

ミサト「……?……;」


寂「私の職業……いや、君と何があったかが、どうにもね……;;」

ミサト「そんな…!;」

寂「手間だとは思うが、教えてもらえないかな?;;」ハハ…
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 23:38:09.95 ID:Q9A8mpgA0
数分後
第三新東京市=児童公園


寂「教師、か………そう言われればそんな気もする」

ミサト「失声症を患っていた私は、先生に出会っていなかったら……きっと、今も誰とも話せずにいたと思います。 今の仕事に就くことも、人の世話をすることも出来ないまま、ずっと孤児院の中に……」

寂「………………………」

ミサト「本当に、感謝しています」

寂「フム………なんというか…照れくさくなるよ」

ミサト「今でも私、先生の口癖覚えてるんです。確か…」

寂「迷える者達を導く」

ミサト「!!」


寂「だったかな?」フフ



ミサト「…………………」ウル…

寂「正解かな」

ミサト「はい…正解です… 覚えてるじゃないですか」ゴシッ…

寂「私の信念だからね。そこだけは譲れないさ」ニコッ

ミサト「…ちっとも変わってないんですね」フフ

寂「悪かったい?」

ミサト「いえ……悪くなんかありません。全然」ニコッ

寂「ははは…」





寂(ここがもう一つの世界ならば、当然私の代わりか、或は私そのものと言える者が存在していた。……彼女がその何よりの証拠)

寂(ビスケットオリバ……彼の仮説はやはり正しかったか)


寂(こちらの私も私と同じ理想を秘めていた……)

寂(それならば、彼女もまた私の生徒。私が導かなければならぬ者の一人と言える)


寂(支えなければならない。それが無理なら、せめてもの一助に)


寂「葛城さん」

ミサト「! 葛城さんって…そんな呼び方しなくても大丈…」

寂「私に出来る事は無いかね?」

ミサト「えっ?」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 23:43:19.07 ID:la0ttU1U0
今日はここまでです。
バキが酷い終わり方して、エヴァも恐ろしい方向に行っているのを改めて意識したら、色々振り切れました。

遅いペースになると思いますが、完結目指して頑張ります。
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 23:45:24.51 ID:vPCAITPgo
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 00:01:33.31 ID:lu8hS7uIO
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 10:57:35.31 ID:82AWsrHqo
振り切ったッッ
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 16:04:38.39 ID:9wFvxvcl0
俺はバキの終わり方好きだけどなあ
この作品も最高なんで頑張ってください
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/28(月) 08:24:14.61 ID:2eDE3UU7o
バキ、まだ終わってないみたいなことも言われてるけど、とりあえず烈海王さんどうなってしまったのか知りたい
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 16:24:55.38 ID:kJwHUJbAO
>>545
烈「私は登り始めたばかりなのだ…この果てしない漢坂をッッッ!」未完!

こんな感じの終わり方だったよな…すこししょぼんり
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 01:22:23.31 ID:7bYBkThfo
作者さん
凄い作品だと思います
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/13(水) 04:14:28.73 ID:eD1gcCnUo
ギャドッッッッッッッッッ!!
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 15:13:00.84 ID:+ynd9xRAO
ギュバッッッッ!!!
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