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魔法少女まどか☆ブレード Part2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/08/12(日) 23:24:38.60 ID:VyTSlKb90
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 P U E L L A M A G I  __i⌒i__      ○                       / ̄// ̄/
 M  A  D  O  K  A (__  __)     ○,   _i´ `i__             /_//_/
  B  L  A  D  E     __|  |___  ,´ `、,/ ,` (_   _  `  i⌒i  \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /_  _/_ ̄/_ _
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                        ――仮面の下の、涙を拭え――


魔法少女まどか☆マギカと宇宙の騎士テッカマンブレードのクロスオーバーSSです。

*現状、まどか☆マギカは10話までの設定に基づいております。クライマックスまでのプロットは既に立ててはいますが、本編の展開次第ではリスペクトして若干展開を変えるやもしれません。あらかじめご了承ください。
*テッカマンブレードは、一部のみ設定変更している箇所があります。また、映像を見たのがだいぶ昔なもので忘れてたり設定間違いだったりする点が若干あるかもしれませんが、ご寛恕の程をよろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1344781478
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(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
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ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
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2 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/08/12(日) 23:25:22.89 ID:VyTSlKb90
Part1 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302270484/
3 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/08/12(日) 23:25:48.26 ID:VyTSlKb90
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 来たか、とマミは無意識に身を固くする。
 その様子を知ってか知らずか、ほむらは傲然と周囲を見回しながら告げた。
 
「美樹さやかは、既に魔法少女でなく、魔女ですらない、――テッカマンへと成り果ててしまった。
 だと言うのに、どうして説得するだなんて成功しそうにもない賭けに出ようとするのかしら」
「お前っ!」

 美樹さやかを見捨てろ、と冷たく告げる目の前の少女に、杏子は食って掛かる。
 
「お前、まどかを守りたいんじゃなかったのかよ?」

 襟首を掴もうとして、しかしさらりとかわされ、歯噛みしながら杏子は言葉を続ける。

「さやかは……あいつは……」

 一息。

「……まどかの親友なんだぞ!」

 言ってから、杏子は後悔した。
 目の前の黒いボンクラに聞き入れさせるために、まどかをダシにしてしまったことに。

 だが、それに対しても、ほむらは何も動じなかった。――見た目には、だが。
 ただ、目を細めただけだった。
4 : ◆YwuD4TmTPM [sage]:2012/08/12(日) 23:52:23.98 ID:VyTSlKb90
「……だから、なんだと言うのよ。前にも言った通り、美樹さやかは今やまどかにとってただ危険な存在であることは変わりはないわ」
「――っ」

 声にあるのは鋼のような冷たさだ。
 冷徹に、冷酷に、敵を切り裂く刃であり、障害を撃ち抜く弾頭でもある、人の温もりを失った鋼。

 だが。

「ちょっといいかしら?」

 その二人の間に、割って入った者がいた。
 マミだ。
 
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「貴女まで何の用かしら、巴マミ。まさか、貴女までこんな無謀な賭けに乗ろうというの?」

 わざと挑発的にほむらは問いかけたが、マミは怒った様子ひとつも見せずにゆっくりと頭を振った。

「それについても考えなければならないけど、私が気になっているのは、あなたよ」
「――――」

 ほむらの瞳に、警戒の色が灯る。
 
「……私の、何が気になるっていうの」
「そうね、まずは――」

 ぴんと立てた指を所在なさげにくるくると回してから、マミはほむらの眼前へと指を差し出した。
 
「あなたの『魔法』のことね」
5 : ◆YwuD4TmTPM [sage]:2012/08/13(月) 00:28:38.77 ID:MmzqS9Uw0
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「――――!!!」

 ぞく、と寒気にも似た戦慄に身震いして、ほむらは身構えた。
 知らず、一歩をマミから遠ざかるように下がり、より一層の警戒を込めて睨みつける。
 その時だ。
 
「魔法というのがそんなに重要なのか?」
「ええ」

 Dボゥイの問いに、マミは答えた。
 
「私達魔法少女は、キュゥべえと契約して魔法少女になる時に固有の『魔法』を授かるんです。
 それは、行った『願い事』に深く関係します」
 
 一息。
 
「――例えば。私は、小さい頃に交通事故に遭った時、『死にたくない』と願ってキュゥべえと契約しました。
 故に、私の『魔法』は『繋ぎ止める』です。いつもは、リボンの形で顕現しますけど」
「マミ」
 
 Dボゥイの声が、一段低く、固くなった。
 咎めるとも気遣うともつかないが――後者だと期待してしまうのは自惚れだろうか。

「――大丈夫です。きっとこの傷みは一生消えてくれないんでしょうけど、一人じゃなければ、痩せ我慢のし甲斐ももありますから」

 少し話が逸れたので、一息をついてからマミは続ける。
 
「あなたが佐倉さんとDボゥイさんを救出したときに使った魔法。――おそらくは、時間の停止。
 ――となれば、あなたがした『願い事』も、なんとなく想像はつくわ」
「…………」

 警戒を通り越して、どこか開き直ったような感さえあるほむらに、だがマミは、
 
「――けど、それはまだ二の次のことなの」

 はっきりと告げた。
6 : ◆YwuD4TmTPM [sage]:2012/08/13(月) 00:29:43.72 ID:MmzqS9Uw0
と、ちょっと遅くなってきたので今日はここまでとなります。
後半分は明日にまた投下いたしますのでお楽しみに!
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/13(月) 00:57:11.82 ID:4V+OHxG6o
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/14(火) 00:41:22.90 ID:YfipPv6Eo
前スレ1000が綺麗に締まった
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/14(火) 14:09:50.08 ID:dJLg5IhXo
ゴダートかっこいいよゴダート
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 21:09:22.55 ID:zywZh6be0
up主どうした?また何かトラブったか?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/16(木) 21:25:26.14 ID:OU28VGQAo
ばか、あんまり急かすとボルテッカ無しで出撃する事になっちまうぞ
ちゃんとじっくりやらないと
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/08/16(木) 21:49:34.36 ID:9BHeoELmo
あら
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/20(月) 00:25:11.63 ID:rV4D9ZVb0
おいマジでどうした?
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/08/21(火) 00:36:20.38 ID:LGd/FwbQ0
何かあったら報告してくれるとありがたい
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) :2012/08/22(水) 01:01:30.05 ID:2ZGgcsPB0
またPCあぼ〜んになったのかな?
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 19:22:00.82 ID:joSbY1lY0
続き待ってます
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 21:33:14.18 ID:joSbY1lY0
仮面の下の涙をぬぐえ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/29(水) 18:53:30.97 ID:2bl0knBU0
ただいまニコニコ動画にてテッカマンブレードを放送中
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/08/30(木) 02:12:30.78 ID:vJ0qSUwv0
最悪のことを考えちまう俺・・・
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/30(木) 11:13:06.80 ID:NO5UkL1qo
エターっすかね
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/30(木) 13:08:11.27 ID:MqipBrHqo
ラダムを滅ぼすその日まで書くのをやめないと信じたいが
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/30(木) 16:30:06.41 ID:LhObE+380
仮面の下の涙をぬぐって待ってます
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/31(金) 16:35:53.97 ID:tS/Yns4v0
いつまで仮面の下の涙をぬぐえばいいんだ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 08:43:24.18 ID:BCxoBcVt0
ニコ動のテッカマンブレードが最終回迎えるまでに再開してくれればなー
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 19:45:51.17 ID:GNQckq+u0
待つぞー
26 : ◆YwuD4TmTPM [sage]:2012/09/04(火) 04:18:05.15 ID:HU16MKdf0
すいません、現在仕事の都合で一時半起床にシフトしていたので描く時間がうまくとれていません。
もう少々お待ち下さい
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) :2012/09/04(火) 07:35:13.32 ID:HadZgH9Q0
いつでも待ってるぜ!
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/05(水) 09:22:36.33 ID:fJ/3LtJw0
よっしゃー待つぜ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/05(水) 21:55:43.06 ID:fJ/3LtJw0
スレ主はニコ動のテッカマンみてるんだろうか
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/09/06(木) 16:16:14.58 ID:3U7iGTe00
よ、良かった・・・
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 23:45:37.48 ID:axEwAUu50
待ってる間にブラスター化しそう
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/07(金) 11:31:21.07 ID:FmEqVekU0
エターしたかと思ってた
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/09(日) 19:09:38.42 ID:7wznbhnf0
夏が終わってしまう
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/11(火) 17:54:35.98 ID:QUHxhKp50
ニコ動でテッカマンブレードの最終話が配信された
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) [sage]:2012/09/12(水) 02:36:23.85 ID:oSvCCg7i0
寄生しているラダムを取り除くという前提があるだけ魔女化よりは助かる可能性はあるか
ただ、その前提もかなり難しいんだけどね。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/15(土) 18:54:48.18 ID:PdGL/z+H0
待ってるぞー
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 23:13:43.63 ID:CycLkUN40
テッカマンブレード2が始まってしまう
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) :2012/09/17(月) 10:32:07.27 ID:joVqsDL20
どちらかと言うと2は見ないほうがいい
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 21:06:56.54 ID:bMGO4pnt0
2って面白くないんか?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 19:14:19.86 ID:0nvLb2A20
ついに2も始まった
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/18(火) 22:20:53.09 ID:hxyLu65So
始まったというか終わったというか
42 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 20:47:48.32 ID:TI5PQmye0
なんとか生活リズムも安定してきたので、小規模ながら投下を。

以降も不定期更新になっていくかとは思いますが、エタらず完結させるつもりではいるのでどうかお付き合いくださいませ

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 P U E L L A M A G I  __i⌒i__      ○                       / ̄// ̄/
 M  A  D  O  K  A (__  __)     ○,   _i´ `i__             /_//_/
  B  L  A  D  E     __|  |___  ,´ `、,/ ,` (_   _  `  i⌒i  \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /_  _/_ ̄/_ _
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43 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 20:48:19.49 ID:TI5PQmye0
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「――――」

 ほむらは、まるで時間が止まったかのような錯覚を得た。
 正確には違う。空白を生んでいるのは時間ではなく、彼女自身の心だ。
 
「――な」

 肺の中の空気を掻き集めて出した声は、滑稽な程にしゃがれていた。

「何を、言うのよ」

 ゆっくりとかぶりを振りながら、マミを遠ざけるように腕を払う。
 だが、それには構わずにマミはこちらに近づいてきた。
 
「そんなの、まどかを守るために決まって――」
「――そうね。貴女が負った傷も、――そしてあなたが魔法少女になったのも、すべて鹿目さんのためだものね」
「だから、何を言って――」
「わからないの?」

 苛立たしげに声を荒げるほむらの声は、マミによって塞がれた。
 正面。もはや後ずさる余裕すらない程に近づいた距離の中、マミの顔で視界が埋まる。

「あなた、こう言ってるのよ? ――私がこうしているのは、全部鹿目さんのせいだって。鹿目さんがいなければ、自分がこうなることもなかったんだ、って」
「―――!!」
44 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 20:48:50.10 ID:TI5PQmye0
 ぐにゃり、と自分の中が傾ぎ、揺らいだのを知覚しながら――。
 初めて、ほむらはマミの表情を見た。
 
 そこにあるのは、怒りだった。
 「あの時」のように恐慌に満ちた殺意でもない、「この時間」で最初に鉢合わせた時のような、憎しみの混じった視線でもない、信用も好意も一切が揺らがないままでありながらそこに在る、純粋な怒りであった。
 
「あなた、最初からそうだったわよね。鹿目さんのため、鹿目さんのため、って。
 鹿目さん自身がどう思うか、って事からずっと目を逸らして、あなた自身の都合を鹿目さんに押し付けて」
「ちが――」

 反射的に飛び出した否定の言葉は、風に吹き消される霧のように散っていく。

「暁美さん。あなたが戦う理由については、私たちはとやかく言うつもりはないの。
 だって、私にも私なりの理由があるし、佐倉さんだって、美樹さんにも、Dボゥイさんやアキさんにだってそれぞれの理由があるわ。
 ――だけどね。それは、その人だけのものであって、その人自身が乗り越えなきゃいけないものよ。誰のせいでもない、自分が決めたこととして、ね
 それを、あなたは全部鹿目さんに押し付けてずっと逃げるつもりなの?」
 
 一息。

「――鹿目さんを、あなたの言い訳にするのだけは、やめてもらえないかしら」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/21(金) 20:52:06.58 ID:GEweB+qVo
ktkr
46 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 20:52:48.94 ID:TI5PQmye0
 ぺたり、とほむらは床に尻をつく。
 背筋が熱を持って波打ち、全身の弛緩と共に力が抜けていく。
 
「――じゃあ」

 何もかも打ち砕かれてしまった気がして、震えと共に目尻に涙が浮かび、

「じゃあ――」

 寒気にも似た震えに自身を抱きしめながら、知らず口から嗚咽が漏れた。
 あまりにも酷く――惨めだった。
 
「私のやってきたこと、なんだったのよお……」
 
 うつむき、涙に濡れる顔を両手で覆おうとする。
 だが、不意に背後からの声をほむらは聞いた。

「ほむらちゃん」
「まど――か?」
47 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 21:21:43.03 ID:TI5PQmye0
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 跳ね上げられた視界は、確かに彼女の顔を映していた。
 心配そうに首を傾げながらこちらを見つめてくるそれは、
 
「ええと、うん。ほむらちゃん、あのね?」

 おっかなびっくりの戸惑い半分で、
 
「――ありがと」

 ふんわりと微笑んだ。
 
「ありがとう、って――」
「だってほむらちゃん、ずっとわたしのために頑張ってくれたみたいだし、その、やっぱりお礼とか言わなきゃなあ、って」
「そんな――そんなことっ」

 表情をくしゃくしゃに歪めながら、ほむらは声を上げる。
 もう駄目だ、とほむらは思った。
 私はもう駄目だ。失敗してしまった。失敗して、失わせてしまった。まどかを救うこともできず、マミの言葉に抗うことすらできず。
 何処から過ちを犯したのかというと、それはおそらく、自分が願いを口にしてしまったあの時からで、
48 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 21:32:06.32 ID:TI5PQmye0
「ごめんなさい――ごめんなさいっ」

 口から漏れるのは、謝罪の言葉。
 まどかや、マミや、杏子や、さやかや、他の皆に対し、自分が何も出来なかった事を――或いは、何もせずに見捨て続けた事を。

 だが、それら全てに対して、まどかは慌てて、だがこちらを気遣った仕草で、
 
「大丈夫だよ。うん、大丈夫。マミさんが言ったように、ほむらちゃんも色々間違っちゃったんだと思うけど――」

 悪い、ではなく、間違った、と彼女は言いながら、
 
「わたしは、大丈夫だよ」
49 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 21:55:13.13 ID:TI5PQmye0
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 呆けたようにこちらを見つめてくるほむらの表情に、わあ可愛い、なんて場違いな感想を得ながら。
 まどかは、ぐるぐると懸命に言葉を紡ぎ出していた。
 
「ほむらちゃん、一人でずっと無理して来てたんだよね。ずっとずっと、一人で。
 Dボゥイさんだって、最初は一人でも今は違うけど、ほむらちゃんは、ずっと一人だったんだよね」
 
 言いながら、Dボゥイとほむらを交互に見る。
 ラダムから地球を、人類を守り、そしてかつて家族だったテッカマンと戦うという宿命を背負った青年、Dボゥイ。そして、テッカマンブレード。
 それと同じくらい、目の前の彼女は過酷な運命を歩んできたのだと、そうだとしてもまどかはどこか現実感が沸かない。
 そんな事もちゃんとわかっていない自分が、ここにいていいのだろうかと、そんな不安もある。
 だけどただ単純に、目の前で友達が泣いてるのは放って置いちゃ駄目だよねと、心に浮かぶのはそんな事で、
 
「そんな風にほむらちゃんが頑張ってきてくれたのは嬉しいなって思うの。
 ――でもね。やっぱり、それでほむらちゃんが傷ついたり、死んじゃったりするのはイヤだよ」
 
50 : ◆YwuD4TmTPM [saga]:2012/09/21(金) 21:56:25.23 ID:TI5PQmye0
今日は一旦ここまでとなります。

今後はやや不定期になっていくかとは思いますので次回予定は未定ではありますが、一週間〜二週間に一回は4〜5kbくらい投下したいなと。

それでは、次回もまたお楽しみに!
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/21(金) 21:58:08.24 ID:xTBRxKjZo
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/21(金) 22:34:02.99 ID:5epV022qo
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 23:49:57.34 ID:ySVCFFmg0
おかえりー
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/09/26(水) 01:28:28.55 ID:q+LtcIQHo
乙です。 丁寧で面白いわ。

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 22:09:47.95 ID:HuhmzXkW0
56 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 20:29:06.63 ID:6zKmo8gc0
    __i⌒i__     i⌒i__i⌒i_        .i⌒i            /⌒,
  /´ _____ )    |  __   _)      |  |     __/  /___
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  |  | (___ `,. |  | |  |_.|  |__  / /  .|  |  ヽ `、  /  /
  |  |   __|  | .ゝィ |  _   ___ ) ` ´  |  |   ` ´  /  〈   i´ `i
  |  | /´._  _ノ    |  | |  | i⌒ 、       ゝィ   _    \ ` /  /
  / / / / |  |_   / / / /_ヽ \     _,-一´ )   _,-    、_
 ゝ_ノ ゝ_ノ 、__) ゝ_ノ ^ 、____ ィ   ( ̄ _,---イ  ( ̄ ,__入 __)
                            ̄          ̄
 P U E L L A M A G I  __i⌒i__      ○                       / ̄// ̄/
 M  A  D  O  K  A (__  __)     ○,   _i´ `i__             /_//_/
  B  L  A  D  E     __|  |___  ,´ `、,/ ,` (_   _  `  i⌒i  \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /_  _/_ ̄/_ _
               (__  __) ヽ    /    /  /  〉  〉 ヽ `、  \       // //__/ //__//__/
                   __|  |___   /  , ´     /  /  /  /   ` ´      ̄/  // /__/_  /
              i´  _   __)  |  |      ゝ_ ノ _/  /   ∧   __/  //   ̄,  ' ´   \
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              ゝ、__,イ       ゝ、___)           ! ヘ ! /.  //, ' 
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大変長らくおまたせしました。まもなく投下開始致します。
57 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 20:33:19.58 ID:6zKmo8gc0
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 ほむらは、あっけにとられたままで、まどかを見ていた。

「ご、ごめん。なんだか上手く言えないんだけどさ。
 そうやって全部一人で背負われちゃうと、たとえ守られてるんだとしても、わたしは哀しいよ。
 
 だって、わたしだって友達としてほむらちゃんに何かしてあげたいのに、何もさせてくれないから。
 だから、教えて欲しいの」

 嗚咽のせいでからからにひりつく喉を震わせる。

「教えて、って……何を?」
「どうすればいいのかな?」
「――――」

 思わず言葉を失ったこちらに対し、まどかはさらに重ねて問うた。
 
「さやかちゃんも、ほむらちゃんも、両方助けるには、わたし、どうすればいいのかな?」
58 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 21:48:51.30 ID:6zKmo8gc0
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 響いた言葉は、耳ではなく肌から直に身体へと浸透する。

「わたし、魔法少女でもないし、Dボゥイさんのようにテッカマンとして戦う力もない。
 ……何の力も持たない、無力な……無力な、ただの人間だよ」

 そのまま、まどかは己の胸に当てた手をギュッと握る。
 その仕草は、まどか自身にも言い聞かせるようにも思えた。

「でも……でも! わたし、「何か」になりたいの!
 置いてけぼりにもされない、ただ見ているだけしかできない、ずっとそれじゃ駄目なの!
 
 マミさんが死んじゃいそうになった時も、さやかちゃんがテッカマンになってしまった時も、わたし、すごく怖かった。
 誰かいなくなってしまったらどうしようって、何もできないって諦めただけで本当は何かできたんじゃないかって、こうしてみんなで集まった時に一人だけぽっかり席が空いてしまったらどうすればいいんだろうって、それだけをずっと考えてた!」
 
 叫んだために過呼吸気味になった呼吸を落ち着けると、まどかは上目遣いにこちらを見る。
 
「ねえ、どうすればいいのかな。
 ほむらちゃんもさやかちゃんも、マミさんも杏子ちゃんも、Dボゥイさんもアキさんも、みんなで仲良く友達でいたいっていうの、そんなに難しいことなのかな?
 
 それが叶わないことを運命だというのなら――それに抗うのすら、魔法少女じゃないわたしには、許されないことのかな?」
 
 
59 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 22:02:10.15 ID:6zKmo8gc0
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 ほむらは、ひとつの事を思う。

 それは『最初』の世界。
 自分が、この呪われた運命の中に身を投じたあの頃。
 臆病なくせに自分勝手で、何も解っちゃいなかったけど。
 
 それでも、あの時に願ったことだけは、決して間違いなんかじゃなかったと、そう思える。
 
 だからこそ、彼女の問いに対する答えを、自分は持ちあわせてはいない。
 ――いや、それはマミにも杏子にも、そしてDボゥイにすらも出せないだろう。
 
 なぜなら、その答えこそが、自分たちも探し続けていたものだったから。
 
「まどか」

 嗚咽の名残であるしゃくり上げが混じりながらも、ほむらははっきりと声を上げる。
 
「見ていて」

 それは、いつぞやに拒絶するように彼女に告げた言葉と同じものだったが、
 
「戦ってみせるから、見ていて」

 ゆっくりと視線を合わせる。
 声を遮る息は、既に消えていた。
 
「だから、―――信じて」
60 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 22:06:43.87 ID:6zKmo8gc0
 彼女が今までに見せたどんな表情とも明確に違う、穏やかで力強い笑み。
 それは、以前にテッカマンブレードが見せたものに似ていた。
 
 だからまどかは、応えた。
 安心したように頬を緩め、涙混じりの目を細く弓にして、
 
「―――うんっ」

 大きく、首を縦に振った。
61 : ◆YwuD4TmTPM [age]:2012/10/08(月) 22:08:14.38 ID:6zKmo8gc0
今回はここまでです。
ようやく前を見て歩き出したほむらと、己の立つべき位置を見いだせたまどか。

8話も後半戦にさしかかります。
次回もまたお楽しみに!
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 22:10:41.26 ID:7MJSaENdo
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/10(水) 00:51:44.28 ID:H4m8dEk+0
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 22:20:04.88 ID:FQs+VQgF0
>>1は今どうなってるんだ?
1年前からずっと追っかけてきてるだけに完結させて欲しい……。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage sage]:2012/11/15(木) 20:57:03.13 ID:7mQ8sH5P0
今更だがまどマギキャラの特徴をよく掴んでると思う
スピンオフのTDSを見た後でも、違和感が殆どない
まどかの何も出来ない事に、みんなと並び立つ事が出来ない疎外感を感じ
それでも、それに抗おうと模索する様は
「まどか」というキャラをうまく再現しつつも
周りの影響を受けて本編とは、また違う方向にというIFを描けてるなあと思う
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/18(日) 23:45:41.16 ID:I6WX1Vt10
更新待ってるぜ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/25(日) 21:49:32.55 ID:OAwcBFdD0
更新待ってるよー

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 16:58:05.58 ID:1kOqjI6e0
ラダムを殲滅するまで続けると信じている
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:11:28.46 ID:hujsRTOT0
生存報告だけでも頼む
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/07(金) 19:20:52.74 ID:XJ1GvcYP0
もう少しで2ヶ月切るぞ…
頼むから帰って来てくれ
27.52 KB   
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