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古の力と四人の戦士 帰還編 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:40:39.86 ID:T6+k+3Wd0


ーー見ていた。


見ることしか出来なかった。

目が覚めてから。と言うより、自分という存在を自覚した。

私か僕か俺か自分か、性別すらも分からないが、存在している。


この世界に漂う、誰の目にも見えない存在。

ふわふわと流れ、肉体はなく、何かに触れることは出来ない。

世界の何処にでも行ける、全てを見れる。


そんな無数の、自由である私が、何処を見るのか誰を見るのか。

だが全てを知り、全てを見れるのにも拘わらず、それを決めているのは自分ではない。

どうやら、最初から何を見るべきか、何処にゆくべきか選択していたようだ。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400607639
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
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ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
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【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
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貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
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レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:45:06.22 ID:T6+k+3Wd0


初めに見たのは、白地に赤の刺繍が入った派手な着物。

それを着た若い男性。赤い刺繍は炎を模しているようだ。


彼の名は、カル。

カルは穏やかな表情で眠っている。

眠る彼の側には黒服の女性が一人。


髪も瞳も黒いが、僅かに露出している肌は白い。

その所為か、顔や首、手が一層に際立ち、はっきりと見える。

彼女はカルの手を握り、泣き崩れている。

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:48:05.66 ID:T6+k+3Wd0

何度も彼の名を呼び、死を嘆いていた。

見たところ、カルの遺体には全く損傷はない。

彼女の声が無ければ、それが遺体だとは気付きもしなかっただろう。


カルの肉体には、まだ血が通っている。

ただ、そんな物より重要な何かが抜けているのは確かだ。

寧ろ泣き崩れている彼女よりも血色は良い。

いつ目覚めても不思議ではないように見える。


「貴方は命を燃やしてしまったのね」
「でも、貴方は還って来る。貴方は必ず私を照らしてくれる」


袖で涙を拭い、華奢な体からは想像も出来ない程に力強い声。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:49:37.49 ID:T6+k+3Wd0

その直後、人影が現れた。

人ではなく、人の形をした影が立つ。

それは床から浮かび上がるようにして何体も現れ、彼女を囲む。


とても異常な光景だ。

しかし彼女に怖れる様子は一切なく、全ての人影に何らかの指示を出している。

どういった関係なのかは不明だが、彼女が彼等人影より高い位にいるのは確かだ。


人影に対する指示の中

回収、火の粉、欠片、浄火、精霊石という言葉が目立った。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:51:06.85 ID:T6+k+3Wd0

指示を終えた彼女は「もう、行かなきゃ」ふらつきながらも立ち上がり。

細く整った指先で、彼の頬を愛おしそうに撫でると「また来るから」部屋を後にした。


次は何処の何を見るのかと考えていたが、中々切り替わらない。

どうやら、私はまだ此処を見なければならないらしい。


見るものも無いので、遺体と部屋を観察する。

彼、カルは十代半ばくらいだろうか。身長はさほど高くない。

陽が当たり赤く輝く髪はやや長く。顔は人懐っこそうで、まあまあ整っていると言える。

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:53:30.84 ID:T6+k+3Wd0

良く言えば優しそうな、悪く言えば気の弱そうな青年。

争いなどとは縁遠い人物。

外見から判断した私はそう思っていたが、実はそうではないらしい。

彼等。影からは


「仲間を逃がす為に命を燃やした」
「己の痛みや己の死よりも、他者の死を怖れているようだ」

「守る為ならば己すら犠牲にする」
「やはり浄火は危険だ」


影に表情は無い。

ただ心底苦々しく、嬉しそうでもある声で、彼はこんな風に評されていた。

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:55:40.94 ID:T6+k+3Wd0

浄火とは彼を指す言葉で間違い無い。

彼女もしきりにそれを口にしていた。


初めは髪色の赤。

それを火に例えて言っているのかとも思ったが、そういうことでは無いらしい。

遥か昔。精霊という不可思議な存在が実在していて、その中の一つが、炎を司る精霊。


その炎の精霊が、彼等には浄火と呼ばれている。

影によれば、カルはそれを宿しており、浄火そのもの。

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:57:57.23 ID:T6+k+3Wd0

影の会話にあったカルの仲間。

ソニャという名の少女は、地を司る者のようだ。

仲間であるソニャを逃がす為、敵である彼等を焼き払う為に、カルは精霊の力を使ったらしい。


彼等と彼女。

影はその精霊達と過去に敵対し、結果、彼等は精霊達に敗北したようだ。

しかし、影を統べる存在である彼女は何故か浄火を欲している。

取り巻き、彼女を囲んでいた人影はそこまで熱心ではないようだったが。


ーーまだ切り替わらない。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 02:59:09.75 ID:T6+k+3Wd0

遺体と二人きりというのは、正直退屈だ。

遺体は話さない。遺体からは、何も得られない。

遺体は話さないが、影は話す。不思議だ。


この場に存在した少しの間に見聞きして分かったのは、此処は火の国、火の王の城。

王は、影がもたらす黒い力に酔いしれ、とてもじゃないが正常な状態とは言えない。


王はいない。

この国の実権は彼等の手中にある。

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2014/05/21(水) 03:01:09.43 ID:T6+k+3Wd0

彼等、影の存在。

その大部分は、彼女によって統率されている。

独自に動く影も少数ながら存在しているようだった。


彼等は一つの形を取っている。

これも不思議な話しだが、同一の形を取りながら、彼等の思考は一つでは無い。


その為に内部で揉めることもしばしばあるようだ。

影ではなく、唯一実態を持つ彼女は、やはり特別な存在なのだろう。


ーー場面が切り替る。


それを感じる肉体は無い筈なのに、そんな感覚がした。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2014/05/21(水) 03:03:05.69 ID:T6+k+3Wd0
ここまで。今回は説明みたいなものになると思います。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/05/21(水) 03:31:06.76 ID:+h8K/TSK0
前スレhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394555249/
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/06/03(火) 00:40:30.21 ID:jcyVlMfZ0

泣き叫ぶ少女を乗せ、懸命に走り続ける白馬。

もう止まれ、無茶するなと、そう叫ぶ少女の声を無視して、白馬は走り続けた。

ーーもうどれくらい走っただろうか。

日は傾き始め、少女の声は枯れ、遂には限界を迎えた白馬が転倒した。


「白月、もう休もうな?無理しちゃダメだ。カルだって、きっとそう言う」


投げ出され地に叩きつけられるが、ソニャは痛みを堪え、朦朧とする白馬に駆け寄る。

白馬はもがいていた。

どうやらまだ走るつもりでいるようだ。その瞳は、主に与えられた使命に燃えている。


少女の名はソニャ、白馬の名は白月。

ソニャはカルと共に黒鎧の兵と戦った。

次々と黒鎧を破壊し、残り僅かとなった時、黒鎧の残骸から黒泥が現れ、それに苦戦。

ソニャは形を持たない黒泥を土で固め、カルは焼き払う。


しかしソニャの力は尽きかけ、カルに至っては未だ力そのものに慣れていなかった。

二人共に諦めなどしなかったが、敗北は目に見えていた。

そこでカルは仲間捜しをソニャに頼み、愛馬にソニャを託したのだ。


ソニャの声から、これら全てが『見えた』。

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/06/20(金) 10:55:52.68 ID:3EQzu3tF0
突然ですが宣伝です!
>>1が謝罪するまで続けます!
文句があればこのスレまで!

加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/

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