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【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「京淡!」咲「京咲だし!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:51:01.99 ID:B5f0TtHjo

 不定期非安価
 未来設定の京咲
 頂いたお題から世界を構築
 狭く深くのんびりやってます

 雑談からネタを拾います
 カプにするなら京咲照淡和霞白玄洋セラだと書けません
 単ヒロイン


 ・まとめwiki
 http://www27.atwiki.jp/miyanagake/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453294261
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:51:41.69 ID:B5f0TtHjo

 ・前スレ

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ?」咲「京咲だよっ!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443023066/

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「京咲!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444022970/

 【咲-Saki-】京太郎「一家団欒」咲「宮永家!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444232227/

 【咲-saki-】京太郎「みやながけ」照「京咲照」咲「京咲でしょ!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445021542/

 京太郎「みやながけ」咲「平行世界」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449129501/
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/01/20(水) 21:52:19.83 ID:lmAQWlJ/O
きっしょ
4 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:55:38.86 ID:B5f0TtHjo
 ・みやながけ

 須賀咲
 旦那さん大好きお母さん。周りに振り回されるが本人も大概。専業主婦のお嫁さん

 須賀京太郎
 嫁さん大好きお父さん。酔うとデレるサラリーマン。コミュ力お化け

 宮永照
 京咲大好きお姉ちゃん。実は乙女。トラブルメーカー兼プロ雀士日本代表

 宮永界
 家族大好きお爺ちゃん。娘たちにぞんざいに扱われる。まだ仕事してます

 宮永母
 常時迷子なお婆ちゃん。一緒に住んでるけど、原作に出るまで出番はない

 京咲息子
 わんぱくで外で遊ぶのが大好き。妹の面倒を良く見る

 京咲娘
 お父さんっ子、お兄ちゃんっ子。絵本が好き


 咲ちゃん妊娠を機に、改修した宮永家に須賀夫婦が同居
 表札には「宮永」「須賀」があり、みんなで住んでいる


 ・高校時代からの友人

 原村和
 喪女その1。お見合い19連敗中。悪待ちだけは許さない。小学校の先生です

 竹井久
 喪女その2。アラサールートにずっぷり。デジタルだけは許さない。美人OLやってます

 片岡優希
 精神的にいい女に成長。常識的に京咲を守る子。社内のムードメーカー

 染谷まこ
 一児の母。厳しく強いお母さん。まこ娘と京咲子供は仲が良い。roof-topで頑張ってます

 夢乃マホ
 ギャルをコピーしたスーパーマホっち。男の弱い部分を攻める子。OLだよ


 ・みやながけを取り巻く人たち

 石戸霞
 高校生から老いてません。結構売れてる小説家。京霞同人も作ってます

 小瀬川白望
 高校生から老いてません。霞さんと仲が良い。働かなくても生きる極致に到達しました

 松実玄
 無害な重力発生装置。既に死ぬまで独身を貫くつもりです。松実館に就職

 大星淡
 孤高(ぼっち)の「The Big Star」プロ雀士。最近みやながけに遊びに来ます

 江口セーラ
 常識人なプロ雀士。乙女モードに入ったけれど、京太郎が既婚者だと知りません

 愛宕洋榎
 別名「愛宕の結婚出来ない方」なプロ雀士。礼儀正しい子。伝説のスーパーチョロイン

 松実宥
 大学に行ってお見合い結婚。松実旅館を継いでます。妹の行く末が心配

 高鴨穏乃
 家を継いだ元気っ娘。住民によって魔改造中。まだ常識人です
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/20(水) 21:56:02.14 ID:84yf0FGVo
建て乙です
6 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:56:23.53 ID:B5f0TtHjo

 ・1スレ目で頂いたシチュエーション

 14
 【仕事場にお弁当を届けに行く咲ちゃん】

 72
 【一緒にスーパーで買い物】

 84
 【休日にまったり耳かき】
 151
 【久しぶりに姉も誰もいない二人っきりの京咲】

 158
 【照にあすなろ抱きされて耳元で囁かれる京太郎】
 159
 【照の誕生日京太郎独占】
 181
 【照の誕生日京太郎独占権プレゼント】

 125
 【内弁慶】

 148
 【鍋料理】

 149
 【紅葉狩りに行く】
 156
 【子供達と一緒にお風呂はいる】
 【川の字で寝る】
 157
 【旅館で家族風呂】

 174
 【子供に「伯母さん」と呼ばれる照】

 180
 【膝の上に座って充電】

 152
 【優希と和が訪ねてくる】
 203
 【高校時代の麻雀部員との会話】

 150
 【告白した時のこと】

 235
 【子供の名前を考える夫婦とDQNネームをつけたがる照】

 75
 【突然の大雨に濡れてしまったので三人でお風呂】
 160
 【宮永家全員とヤる】

 275
 【看病】

 276
 【酔っ払って前後不覚に陥りながらなんとか家に帰って玄関に倒れ込み、むくれながらスーツを脱がそうとしたらすごい勢いで手を振り払って「止めてくれ、家に妻がいるんだ」と喚いて気を失う京咲】

 161
 【子供の授業参観などの学校行事】

 226
 【夫婦喧嘩してから仲直りまで】
 227
 【子供達が京ちゃんを独占していることに嫉妬して、パパは10年も前からママのなのーって嫉妬する咲ちゃん】

 277
 【押入れを整理してたら高校時代のセーラー服出てきて、ついつい着ちゃう咲ちゃん】

 274
 【お産間際のみやながけ】

 201
 【咲ちゃんは友達が少ない】
 271
 【京咲家デートの割合】

 ↑投下済
7 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:56:56.30 ID:B5f0TtHjo

 ・2スレ目で頂いたシチュエーション

 864
 【界さんが京ちゃん呼びする理由】
 989
 【両親視点での生活風景】

 994
 【出産前後の京咲】

 988
 【恋人になってからの初デート】

 481
 【京太郎と照の浮気疑惑】
 996
 【照と京ちゃん夫婦に間違われて咲ちゃん嫉妬】

 990
 【プロポーズ】

 477
 【結婚前、界さんに嫁さんにくださいな挨拶をする京ちゃん咲ちゃん】

 863
 【京咲が結婚後に宮永家に住んでなかったら】
 987
 【結婚初期の話】

 476
 【妊娠発覚時の様子】

 993
 【照視点で何か】

 480
 【バレンタイン】

 998
 【家族みんなでトランプ遊び】
 999
 【みんな幸せな風景】

 888
 【子供が風邪を引いたら自分が代わりになってあげたいと思う京咲】

 992
 【友情破壊ゲームをプレイしたのに、さらに絆が深まった京咲】

 1000
 【京太郎たちが3年の卒業式】

 991
 【重婚が法的に認められてテルーと京ちゃんの子が誕生、という照の夢オチ】

 482
 【カン(物理)】
 67(4スレ目)
 【咲ちゃんのお料理講座】

 ↑投下済
8 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:57:27.08 ID:B5f0TtHjo

 ・3スレ目で頂いたシチュエーション

 862
 【京咲最大のプレゼントは感謝の言葉】

 901
 【女子会にて少女漫画などに良くある壁ドン顎クイetc.の話で盛り上がるもよく考えたら全て京ちゃんにされていた咲ちゃん】

 984
 【照とロッカーに入ってしまって嫉妬する咲ちゃん】

 986
 【何かと頼りにされる咲ちゃん(の夫)】

 998
 【京咲照で海水浴】

 1000
 【清澄麻雀部全員での同窓会で盛大にのろける京咲とかさ】

 985
 【子供たちの運動会とか】
 989
 【子供達がよその子とおままごとをしたせいで須賀夫妻の(主に夜の)家庭事情が赤裸々に】

 905
 【男女の双子について。ヨスガ】
 127(4スレ目)
 【子供が親の真似をしてキスとかしてた】

 994
 【タイムカプセル】

 906
 【ペットのカピバラと戯れる】

 999
 【高校時代にできた戦友】

 987
 【子ども達と一緒にスーパーで食材お買い物】
 135(4スレ目)
 【DNAに刻み込まれるレベルの迷子属性】

 997
 【京咲大学時代の照視点】

 ↑投下済
9 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:59:02.11 ID:B5f0TtHjo

 ・4スレ目で頂いたシチュエーション

 122
 【照の試合中継をおうちでテレビ観戦京咲】

 126
 【いつもの調子じゃなくてガチ本気で京太郎に迫る照】
 220
 【ほのぼの定期って、次あたりでまた盛るんだろ!】

 123
 【照と京太郎のデート(with咲)】

 331
 【双子から何て呼ばれているか】
 348
 【すこやんをテレビを見た双子の反応】

 121
 【照に京太郎と結婚することを伝える時の咲さん】

 242
 【部長の話】
 270
 【10年後のスーパーマホっち】

 442
 【危しマホにちょっとデレてしまった京ちゃん】

 434
 【照のプロ仲間が家に遊びに来たりとか】
 440
 【照の女子(プロ)会】

 436
 【まこから見た和久マホ】
 438
 【子供達とまこの雀荘へ遊びに】
 445
 【まこさんは誰かと結婚したんだろうか】

 439
 【この前の霞さんの話のつつとか】

 456
 【京ちゃんエロ本所持なお巨乳もの】
 495
 【胸の大きい人を見て鼻の下を伸ばす京ちゃんを見て本気出す霞】

 496
 【息子が淡に麻雀を教えてもらう。そして娘の淡への反応】

 523
 【黒歴史ノートを読んで凹む霞パパ「今どき許嫁とかSOA…」】

 444
 【子供たちの七五三をする京咲】

 528
 【楽しそうに何故か姫様や六女仙の話をし始める霞さん】

 542
 【酔っ払った京太郎と二人きりになる久】

 125
 【宮永姉妹に襲われる京ちゃん】

 443
 【京太郎出世する】

 616
 【照に甘える淡と、淡に対抗して照に甘える兄妹   を見ている咲ちゃん】
10 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 21:59:58.24 ID:B5f0TtHjo

 615
 【和久の逆光源氏計画(成功する見込みなし)】

 437
 【新婚旅行】

 522
 【霞さんも女子会()に参加してみよう】
 525
 【咲ちゃん以外が参加の女子会】

 529
 【夜中に一人でトイレに行けなくなったみやながけ一同】

 617
 【健康診断】

 684
 【京太郎とシロの出会い】

 723
 【グラビティクロチャーに救いの手を】
 725
 【クロチャー、長野に観光に来る】

 715
 【昔に京ちゃんに宛で書いたけど渡さなかったラブレターが発掘されて、なぜか京ちゃんに朗読する羽目になった咲さんとか見たいです(畜生スマイル)】

 719
 【偶然京太郎と出会ってしまう霞さん】

 716
 【京ちゃんが長期出張中の家の様子】
 722
 【宮永家に偶然知り合いが大集合】

 712
 【初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち】

 712
 【幼稚園の学芸会(お遊戯会?)で劇(シンデレラ、西遊記など)をする子供たちを見る宮永家】

 789
 【クロチャー、京ちゃんや子供と一緒にいて夫婦と間違われる】

 754
 【恵さんにものすごく孫自慢する界さん】

 718
 【京霞本を読んだ久と和の感想】

 124
 【京咲の結婚式での照と清澄の様子】

 720
 【双子の誕生日会を家で】

 721
 【京ちゃんの男子会】

 812
 【家の中でトルネードぶっぱする照】

 788
 【クロチャーに何か手紙を書かせよう】
11 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 22:00:27.14 ID:B5f0TtHjo

 926
 【京ちゃん、麻雀で覚醒!】

 925
 【他人の家を掃除しだすクロチャー(平行世界)】

 971
 【霞さんの平行世界の話】

 978
 【照が京ちゃんへの恋に落ちた瞬間】

 943
 【宮永家の大掃除】

 1000
 【セーラとクロチャーの化学反応】

 990
 【マスオさん状態の緊張を克服した京ちゃん】

 989
 【姉妹喧嘩をうまく仲裁する京ちゃん】

 977
 【テルーの公式戦を観客席の最前列で見学する京咲】

 972
 【白霞玄と卓を囲む照】

 970
 【京白で最高に幸せな生活】
 993
 【白望の平行世界で幸せそうに暮らす京太郎】

 992
 【子供達から似顔絵をもらう須賀夫婦】
 88(5スレ目)
 【なんらかの事情で咲さんがでかけることになって子守とか】

 725
 【京ちゃん、咲照とドライブする】
 785
 【クロチャーのところに家族みんなで旅行に行こう】

 ↑投下済
12 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 22:01:02.91 ID:B5f0TtHjo

 ・5スレ目で頂いたシチュエーション

 24
 【和京のお見合い(平行世界)】

 85
 【意外と負けず嫌いな霞さん】
 87
 【ペットに京太郎との子供っぽい名前をつけてる霞さん】

 88
 【京太郎1人の時にこたつで雑談→仲良くうたた寝とか】

 88
 【おめでたいことがあってみんなにお祝いされるとか・咲さんに著書バレするとか】

 127
 【あわあわの誕生日を祝う京淡(平行世界)】

 240
 【クロチャー、平行世界を夢に見る】

 195
 【しっかり者ののどっち】

 25
 【母校を訪れ、いろいろな思い出を語る京咲】

 303
 【初々しい京咲】

 199
 【雪かきをしながら雪ダルマやかまくらを作って遊ぶ京咲&照さん】

 294
 【ハーレム】

 243
 【そろそろ女子会が見たい】

 296
 【盛ってる京咲をシロが覗いてる】
 301
 【京太郎の浮気疑惑に慌てるシロ(平行世界)】

 298
 【不意に接触したり密着して慌てるシロ見たいな】
 300
 【勘違いの深まるセーラ】

 319
 【宮永家の忘年会】

 214-215
 【家族で奈良観光。お土産を買う】
 304
 【取り込まれるユウチャー】

 437
 【粉団子とテルー】

 259
 【頑張って家事の手伝いをする双子】
 452
 【クリスマスパーティー】

 493
 【お題は京ちゃんポイント没収される照】
13 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 22:01:32.19 ID:B5f0TtHjo

 86
 【酔っ払った勢いでおもちで京太郎を誘惑してしまう霞さん】

 529
 【須賀家に来るマホ】

 545
 【ファンクラブのおじ様(お爺様)方に孫をとられて、悔しがる(寂しがる)界さん】

 451
 【名古屋飯】

 657
 【膝枕をするシロ(平行世界)】

 575
 【仲良く鍋をする京淡(平行世界)】

 689
 【照夫婦(大嘘)の日常生活を想像する洋セラとか見たい】

 688
 【宥のアドバイス?を聞いた穏乃の婚活】

 687
 【平行世界の記憶が少し戻ってドキドキしてしまう電波組】

 688
 【娘が急に結婚すると言い出して驚愕する京太郎】

 688
 【京太郎の誕生日とその準備】

 914
 【淡を慰めつついちゃいちゃする二人(平行世界)】

 683
 【麻雀プロになった宮永姉妹を支える京ちゃん】

 934.936.939
 【クロチャーの手作りマフラー】

 ↑投下済
14 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/20(水) 22:02:11.72 ID:B5f0TtHjo
以上。前スレ埋め協力いただければ幸いです
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/20(水) 22:02:29.04 ID:VapeEDlro
立て乙
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/20(水) 22:49:55.27 ID:czzNdOsSO
新スレ乙っす
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 00:40:30.60 ID:doloey+sO
立て乙です
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 03:13:18.45 ID:dFIv330+o
立て乙です
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 03:47:05.51 ID:Tl63tYEQo
立て乙です
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 08:06:31.43 ID:3zgQVXs0o
乙ー
穏乃がこの先生きのこるには
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 10:51:48.13 ID:d0GRiNjFO
咲は「だし」とか言わないだろ
池田か?にわか>>1
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 11:01:58.91 ID:BbG8T3oRo
立て乙
23 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:43:13.36 ID:NoWOqEb4o

 1/10

 654
 釣りに行く(平行世界)


 須賀君とお見合いしてから3週間。


 「……」


 ソワソワと身を揺らしながらスマホの前で待機しています。

 さっきまでやっていたネトゲもネトマもやめて、パソコンをシャットダウンして待っています。

 そろそろだと思うんですが……。


 「き、きたっ」


 スマホのバイブが鳴ったと同時に画面を見ると、そこには須賀君からのラインがきていました。


 『いやー、仕事大変でさー』

 『須賀君は頑張り屋さんですね』

 『そんなことねーよー』


 連絡先を交換した私たちは、定期的にラインをするようになりました。

 ふ、ふふふ。最近声が出なくなってきましたが文字を打つだけなら問題ありません!

 むしろ得意分野ですから!

 普段はキーボードだけで打っているように思えるかもしれませんが、パソコンをスリープにした後に布団の中でするスマホは格別ですよね。

 ……もっとも、ネット上以外でスマホを使うことなんてほとんどないんですけど!


 『それより和は忙しくないのか?』

 『ふふふ、私は大丈夫ですよ』

 「今週も何もしてないですからね……」


 普段ならどもってバレバレな内容でも、文章で打つ分にはバレません!

 いや、ホント不味いとは思っているんですが、いかんせん狂った体内時計を直すのが大変で……。
24 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:43:42.90 ID:NoWOqEb4o

 2/10

 『ハンドの試合してると体にガタが来てさー』

 『もう。須賀君も若くないんですから気をつけてくださいね』

 「いや、それ言ったら同年齢の私も若くないってことじゃないですか……」


 『心配してくれる和やさしー!』

 『ふふっ、そんなこと言っても何も出ませんよ』

 『和の労りの言葉が出るじゃん!』

 『そんなものでよかったらいくらでもしますから、気をつけてくださいね』


 我ながら『誰だこれ……』と言わんばかりの豹変ですね。

 わ、私だって高校時代に雑用をしてくれていた須賀君を労わるくらいしていましたからね!?

 あれ以来の私を知らない須賀君は何も変わっていない、なんて思ってくれているんでしょうか。

 罪悪感で胸が痛い……。


 『それじゃ、俺は寝るからー』

 『はい、おやすみなさい』


 相変わらず須賀君は寝るのが早いですね。

 まだまだこれから……、なんて思うのは私の体内時計が狂っているからですね、はい。

 ポフン、とスマホを投げ出して、そのままベッドに倒れこみます。


          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
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    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|  「〜♪」
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧
25 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:44:11.93 ID:NoWOqEb4o

 3/10

 この歳になってこんな甘酸っぱい恋愛が出来るとは思いませんでした!

 胸が苦しくて、ドキドキして、幸せな気持ちです。

 どんな麻雀やネトゲでも味わったことのない達成感。

 幸せに包まれていますね……。

 こんなことなら麻雀なんてやっていないで恋愛をしていればよかったです(暴言)

 世の中の女の子が恋愛に現を抜かす理由がわかります。

 『将来の夢はお嫁さん』なんて思っていたのも今は昔。

 気づけばニュースを見ながら炎上事件を眺めて叩く日常……。


 今、私は人生で一番輝いています!

 そう、インターハイで優勝した時よりも輝いているんです!


 ただ、難点が一つ。


 「さて、次はどう誤魔化しますか……」


 今は私の現状を何も伝えずに、それとなーくチャットしているだけです。

 知られてしまえば幻滅されることは請け合いです。

 以前の醜態は『ちょっと風邪気味だった』ということでゴリ押しました。ええ、ゴリ押しましたとも。


 「お料理が出来るようになって、教養を深めて……」


 私の中での理想のお嫁さんを思い浮かべます。

 何としても! 須賀君に悟られる前に成し遂げなければいけません!

 ここで須賀君を逃したら……、考えるのはやめましょう!
26 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:44:41.51 ID:NoWOqEb4o

 4/10

 とは言ったものの、今までそういうことに縁がなかった私が一人でできることなどたかが知れています。

 料理が得意なのは公式設定なので問題ないのですが、私のファッションセンスが一般とかけ離れていることは自覚しています。

 須賀君の好みがどうかわかりませんが、この歳であの服を着るのは些か問題があるでしょう。


 「教えてくれる友達がいないんですけどね!」


 残っている数少ない知り合いは喪女仲間。

 転校が多く、昔ながらの友達が少ないことも影響しています。

 それに関しては父も反省しているらしく、私に頭が上がりません。

 まぁ、今更謝られても仕方ないんですけどね!


 「こうなったら仕方ありません」


 まだまだ手段はあります。

 そう、私にはインターネットと言う最大の味方があります!

 Googleで検索してわからないことなんてありません。

 それに、少し仲が良いネットの友達に聞いてみるのもアリですね。

 うふふ、自分語りスレを立ててみるのも面白いかもしれません。

 さて、早速パソコンをつけ直しましょう!

                     ,. --―-- 、
                r---l>'            rヽ.  ,-┐
                | /   / / ./  !   |  .Y  }
                    V.// / i ! i  ハ i.  |  iミ  .}___
                // | ll ムムハ |ト、 ト-レH |_,ィ个 、く     /^i
                    ハ!_!.! !トレテト ヾ` 行ヒくリノ}/  ハ  〉   /  |
               \|_ト、トトミ込!    込! ´ リ゙TTi Y    /  |
                   l | ハ:::::: '  :::::::  _./ ! i i ハ    l   |
=====、-、         // i ヽ.  ー   / /  ! i i ハ   l   |
       | |       // i / l` ┬ ' ´ | ./  ! ハ i ハ  !   !
       | |         //  ! / |____|   l/    ハ i ハ ___!  |   「のどっちスレを開いて、っと」
- 、.      | |      //   / ̄/'"´  _/   / リ、!  i .}  /.   |
  |.      | |       // / / / ̄` ´ /!レ //ノ  `Vハ! i   |
  |.      | |     { { / /  |:     / l.| /イ      i iハ .i    |
  |.      | |       X! ! ノ、 ! / /  !| i {_ _ _ _ _ _|_i ハ.    !
  |.      | |     {_ V >-ミ7ヽi/ニエエ式 lハ_i_i__i_,i_ィン〈 }  |
  |.      | |    シ./ {   >{二}<   /\、ゞ  /  ノ /   |
  |.      | |    ノ {  \___/ハ\`  /   廾≠イ=0コ i   |
  |.      | |   ./  ヽ.   / ハ ハ ̄   , ィ' |  /〈!ト'  i   |
  |.      | | ,/⌒ヾ  /`7  i  i  ハー┬ ´ / .!/  .|  i   |
__.,!.      | |二--   `/ i \_|.  |_./  i! /  ノ    |   i ./ ̄7i
       | |/\ _ ノ ir'⌒ i!`  ー--才´^⌒)==/=.〉. i/  //
       | |__  `  ノ- 〈..,,__ヾi    / , ィテ/    ノ ./  //
______.i._リ  <>ヽノ    _  ̄ ̄ """""''''''''''''''' ‐‐‐‐‐---
互互互互互互互互互互互互/l
≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠//
27 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:45:10.25 ID:NoWOqEb4o

 5/10

 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 【速報】のどっち結婚秒読み


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 嘘乙


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 そんなことありえないから


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 何が電子の妖精だよオラァ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 三連すこやん来たな……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 どこから湧いてきた


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちってここに15年くらいいるよね?
 もともと何歳なんだよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 ワンチャンあるし


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前にはねーよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 服ってどこで買ったら良いんですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あっ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ここで聞いている時点でお察しだこれ!?
28 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:45:41.24 ID:NoWOqEb4o

 6/10

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 ゴスロリちっくな服しか持ってないんです


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 >>のどっちって15年くらいいるよね?
 >>もともと何歳なんだよ
 >ゴスロリちっくな服しか持ってないんです


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち……、年齢は考えたほうがいいよ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 わかってますから! 自覚してますから!!


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 一度喪女道に落ちておいて復帰とか出来ないからね


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 お前も赤土さんと同じようにしてやろうか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ハルちゃんの話はやめろぉ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 嫌な事件だったね……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ハルちゃん因果律から男の存在を消されたらしいな


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 さん付けするすこやんかわい……くないな別に……


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 なんでよ!!!!!!!!!!!!


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 まぁのどっちの話を聞いてやろうぜ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 婦人服売り場にでも行けばいいんじゃないですかね(正論)
29 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:46:10.35 ID:NoWOqEb4o

 7/10

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 デパートの婦人服売り場に行って店員に聞け


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 お前らのどっちには優しいよな


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 煽り煽られ自演し自演バレ、そんなのどっちと15年間やってきたんだよなぁ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 苦楽を共にしてきたのどっちの春だ。応援してやろうじゃないか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 (振られるまでがテンプレです)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 やめーや!


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 のどっち結婚おめ?


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 そ、そんな、まだ気が早いですよ


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 相手の男はどんな物好きやねん


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 俺はのどっちの煽り耐性が上がったことに感動してるよ


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 すーぐ自演してたのどっちが結婚かぁ


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 感慨深いものがあるな。気分的には娘が手を離れていった感じ
30 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:46:39.57 ID:NoWOqEb4o

 8/10

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 どうせ釣りでしょ。私にはわかるんだから


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 もし釣りじゃなかったら相手の男にこの掲示板のログを見せてやるんだから


 名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 外道だ!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 なんだ釣りかぁ


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 釣りじゃないです。本当に困ってるんです


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 (あれ、のどっちが可愛く見えるぞ?)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 (気の迷いだ目を覚ませ)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 服も化粧も相手の好みに合わせないとどうにもならんわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ここで聞くより店員に聞いた方がええで


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ハシャギすぎるなよー


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 みなさんありがとうございます!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 結婚したらこのスレ来ちゃダメだからな。もう帰ってくんなよ!
31 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:47:09.07 ID:NoWOqEb4o

 9/10

 ……
 …


 「ううっ、みんながこんなに優しくなってくれるなんて……」


 事あるごとにスレ民と会話し続けて15年。

 最初はのどっち叩きスレだったところから自演擁護を始めて、気づけば単独スレで会話するようになりました。

 煽りや荒らしが湧くたびに自演をしていたらみんなに笑われて、ルーターを再起動して……。

 掲示板全体の『sukoya』さんの荒らしが酷すぎて、IDが変わらなくなってからは何故か雑談するスレに変わっちゃって……。

 絶対に釣りだと疑われると思ったんですが、親身になって話を聞いてくれる人もいるんですね。

 デパートに行って店員に話を聞く、ですね。

 確かに、私の見た目も何もわからない状態ではアドバイスできないでしょう。

 そう考えると、シンプルながら的を得た助言だと思います。


 「勇気を出して、行きましょう!」


 原村和の新しい人生はここから始まるんです!

 あっ、須賀和でしたね、でゅふふふふ!

 そうですよ! 京和こそが大正義なんです!

 一番薄い本が出てます! 誰よりもキテます!

 最近の永水のおっぱいお化けや妖怪さんたちなんて所詮単発じゃないですか。純愛なんてほとんどないじゃないですか!

              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈
.     / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
    /:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|
.   ′: : :|: : :/ |/     |: ::八人| : : |i: :
.  ,: : : : : :|: Y斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|
  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|   「京和に勝るカップリングなしです!」
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |
::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|
32 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/21(木) 17:47:38.05 ID:NoWOqEb4o

 10/10

 ……
 …

 ・次の日

:::::::::/: : : : : :,: : : :ヽ/::::::::::::::\ /::::::::::|
:::/: : : : : :/: : : : : :}:::::::::::::::::::「.|::::::::::::::ト、
/: : ‐--: :/: : : : : : : :|::::::::::::: >!ノ_:::::::::::/ ',
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: : : : : : :.:: : : : : : : : : 7 ̄::: :ィ .}::::::\/.   !
: : : : : :,': : : : :: : : : ∠ィ、:::::::::| :|:::::::::}/: // リ
: : : : :.:|: : : : : : : : : : : / \_| :|/^リ/// /
:.:: : : : |: : : : : : : : : : / : : : :| : : |:////
,: : : : :.',: : :,,,_: : : :〃 : : : : | : :! ̄ /
ト、 ̄´: ',:.: : : : : : : :/ : :/: : |  !   ;  「外出する服がない……」
: :\: : : ヽ: : : : : : /  :./: : :.|  |   /
: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /
: ||: : : :\/\:/  : /: : /!: i|゙  |′
: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |


 カン!
33 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/21(木) 17:48:07.27 ID:NoWOqEb4o
投下終了。前スレ埋めありがとうございます
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 17:56:39.78 ID:7dODW55qO
乙ですー
平行世界でも安定のオチ村さん…
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 18:02:08.36 ID:yp1zoqABo
掲示板クソワロタ
残念のどっちかわいい
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 18:05:26.45 ID:UjaFVXZJO
乙www
無難っぽいものを通販で買ってから外に出るっていう手もあるから……(震え声)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 18:07:11.04 ID:MThSkUIQO
乙〜
平行世界でもオチ担当の因果からは逃れられないか
まああんな私服はアラサーじゃ着られんわな
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 18:11:32.50 ID:Qw2xRuwSO
おつー
前スレ>>1000がこのような形で実現するとわ
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 19:15:34.60 ID:4A+P5XPIO
乙です
どうせこうなるだろうって知ってた!
もしデパートに行っても、婦人服売り場に行かず、ゴスロリちっくな売り場に行って、何もかわらない未来が見える
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 19:50:41.20 ID:CfGYpHMQo
乙です
ちょーよかったよー
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 19:57:07.11 ID:UQ085tdm0
原作絵をイメージすると可愛いけど年齢補正を加えると……
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/21(木) 22:03:11.60 ID:X8438KRsO
完全に京太郎に惚れてしまった穏乃 (常識人にさようなら)が見たくなるこの頃
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 00:02:02.84 ID:jPSLldXSo

釣りってそっちかよ!?
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/01/22(金) 01:02:45.56 ID:olAkIXR1O
乙です

残念のどっち可愛い………!

ただ、のどっちは京ちゃんとお出かけできる日はまだまだ先になりそうだな(小並感)
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 21:26:50.66 ID:dbVS5/u1o

電車男かな?
46 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:06:47.94 ID:uC4k2tuEo

 1/8

 【京咲がいちゃいちゃするだけ】


 「〜♪」

 「えっと、これでいいのか?」

 「いいの!」


 須賀咲ちゃんです!

 今日はお父さんもお母さんもお出かけ、お姉ちゃんは仕事で子供たちは染谷先輩の家。

 つまり、久しぶりに京ちゃんと二人っきりなんです!


 「むっふっふー」

 「まぁ、咲がいいならいいけど」

 「今日は私の言いなりなんだからね!」

 「もうちょっと言い方を……」


 いつもは私が京ちゃんを労ってあげる休日だけれど、二人っきりの時は違います。

 私だって頑張ってるんだからご褒美は必要だよね?


 「ほら、外に出たりとかしなくていいのか?

  本屋とか図書館とか」

 「いいの!

  今日は省エネだからご飯も作らないもーん」

 「うげっ。何か買って食べる?」

 「昨日からカレーが残ってるから大丈夫!」

 「準備万端だな……」


 ちなみに最初からずっと京ちゃんの膝の上に乗ってます。

 乗り心地がいいとは言えないけれど、京ちゃんが私のために頑張っているってのがいいんだ!
47 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:07:17.62 ID:uC4k2tuEo

 2/8

                         ______
                   ,. : : : :´: : : : : : : : : : : : : `: :.、
               , . : ´: : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
              /: : : : : ://: : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ: ヽ
              ̄ ̄ ̄/': ': : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.、
                 //: /: : :--/-|、 : |: : : : : |: : : : : : : : : :.
               / /: :': : : : :,:  l: |: : : |: : : : : |:i: : : : : : |: : :|
                      /: : :|: : : :/_ l: |: : : |: : : :`ヽ、: : : : : |: : :|
                 |: : /|: |ィ´斧ミ从: : ∧:{、 : : |:|\: : : :': : :.'
                 |: /イY:{ 比::(_,   、{ ィ斧ミ:/:|:|: ヽ: /: : /
                 |'  |:/|、|弋zソ     ん::::(_ ∨:}: : :/: : /
                  |Y :.:.:.:  ,  弋こソ l/|: :イ: : ,  「えっへっへー」
                    人   、     :.:.:. /: j' ,ノ/:/
                      、    ´    ム:イ-' /:イ
                      / ::`:::-,--==≦「イ:/:イ
                    { {:::::::::∧  , -┴::::ヽ
                    | ∧:::::/ ノ /:::::::::::::::::::::\
                    | {:.:.、/¨/:::::::::::::::::_::::::::::\
                    | Y:{/::::::/´>----、\::::::
                    ∨、ー'-<:.:.:/     ヽ\\|
                    { /、ノ、:.:.// __  . \}
                    /:.:.「   ´ {/ ̄ ̄\ |  |
                      /:./:.|     |         |  |
                       /:./:.:.{、   |         |  |
                   /:.:.{:.:.:.| :.   |     /:   |  |
                     {:.:.∧:.:.| 、  |   ,.:   |  |
                    |:./ \〉 }  ,   /     { ∧
                  _|'___   /  {       |   \
               /{::::{{::::::::::::`∨    ,         |    ヽ
                _>〉:||::::::___∧、   :.       |      }
            ,  ´  {::::{{ ̄::::::::::、 \  l         |    ノ


 もぞもぞと動く京ちゃんを振り返ってニヤニヤしちゃう。

 もー、十年以上一緒にいるんだから慣れてよねー。

 あっ、咲ちゃんの魅力にやられちゃったかな?

 むふふ、まだダメだよー。甘えたりないもーん。


 「咲は甘えん坊だなァ」

 「そんなこと言っても今日はどかないよー」

 「いや、そんなつもりは」

 「うりうりー」

 「うがががが」


 そのまま振り返って抱きついて京ちゃんの胸板を堪能する。

 こうやって頭をぐりぐり押し付けるの好きなんだー。

 その間に京ちゃんの腹筋と二の腕を堪能する。

 あっ、またちょっとたるんでる!
48 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:07:47.02 ID:uC4k2tuEo

 3/8


 「京ちゃん! またちょっとたるんでるよ!」

 「うげっ、マジ!?

  もうちょい運動しなきゃダメだな……」

 「ほんとだよ!

  ちょっと硬い京ちゃんの体が好きなんだからね!

  お嫁さんのために頑張りなさーい」

 「そう言いながら触るのはやめないのな」

 「うーん、ちょっとプニプニする感覚も悪くないかも」

 「なんだとー。

  咲だってプニプニだろ。ほれほれ、ほっぺたとか」

 「やめてー」

 「あっ、お腹もちょっと……」

 「あ?」

 「すみません……」


 もー、何年たっても乙女心が理解できないんだから!

 そう思っていても言っちゃダメなの!


 「でも俺は咲の抱き心地が一番かな」

 「そうやって言えば騙されると思ってるんでしょ」

 「うぐっ」

     /: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
    /: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
 _,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
 `   ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
       ': : : : : : : /|/  |: : : |: : : : : : l: : : |、: :|: :`ヽ、: : : : : : :.|: : : : : : :|
     /:,: : : : :,: / {  {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :|
     ': |: : : :/: |       {从: : : : :'  \{    \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/  「そんな簡単に騙されないもーん!」
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
             /|.||...................../ ̄| ̄´   7......`.. ̄ ̄≧=-、
          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}
49 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:08:16.87 ID:uC4k2tuEo

 4/8



         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|   「このー」
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /  「ぅひー」
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´


 「京ちゃんってほっぺた触るの好きだよねー」

 「咲のほっぺたって柔らかくて触りやすいんだよね」

 「そうなの?」

 「あとほら、何かと触りやすいじゃん」

 「?」

 「(ほっぺなら触っても発情されないし?)」

 「あっ、今失礼なこと考えたでしょ!」

 「うげっ」

 「すぐ顔に出るんだから!」

 「そうかー?」

 「麻雀だってすぐに顔に出るんだもん」

 「あー、それを言われるとなァ」

 「それに私にはお見通しだもん」

 「うぐっ」


 ふふーん、ちゃんとわかってあげられるの私くらいだけどねー。

 お嫁さんだもんねー? えっへっへー!
50 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:08:46.57 ID:uC4k2tuEo

 5/8

 「京ちゃんは私に感謝するべきだよっ」

 「いきなりどしたの」

 「なんでも!」

 「いやまぁ、感謝はしてるよ」

 「ふふーん」

 「なんか今日はいつもよりテンション高いよね」

 「だって二人きりって久しぶりでしょ」

 「そうだっけ」

 「そうだよ」


 ただでさえ私の実家で過ごしているし、子供の面倒も見なきゃいけないもんね。

 こうやって夫婦の時間を取るのも重要だよっ。


 「その、咲、もうちょっとずれてくれ」

 「えっ、なんでかなー?」

 「わかって聞いてるんだろ……」


                     _....................._
                ,. : ´: : : : : : : : : : `: : .、
                , :´: ,. : : : : : : : : : : : : : : : :\
               /: :/: : : :,: : ´: : : : : : : : : : : : :ヽ
            /: :/ : : : /: : : ,: : : : ,: : : : : : : : : : .
            .': :/ : : : : /: :/: :/: : ,.イ: /: : : : :|: |: : : :.
            |:〃: : : : /: :/-:/-、/ ': :': : ': |: :|: | : : :∧
            }'.': : :/^/: :/ {:/ {:/ /: /: :/: :}: :|: |: : :|: : :.
            {: |: { |: ,: /' /' /イ//':-/、:': : : : :ト: : ::.
            Y : 、{/ィ=ミ、   /' / イ: :/: :,: : : | \|
             |:从::.  :.:.:.:.      _ /イ: :/: :,: :.|
             / Y      '   `ヾ / イ: :/}: /  「なになにー、興奮しちゃったー?」
        ______|  、 「  v    :.:. イ: :/:イ/イ
       /<_:::::::::::::::::::\_  `ーr---- =彡j/
       {¨7=ミ、< 、::::::::::::::\___〉>、
     _| ,   ∨、:` < 、:::::∧  |::::::::::ヽ
 / ̄::::::://     |  }、:.:.:.:\、::::::. |:::::::::::/〉、
 \___ 〃     | / \:.:.:.\、::Y:::::/イ ∧
     ̄¨/       ∨    `ー ≧='-´:/ ハ :.
      /      /           {二「   } |
    '      ∧         /:.:∧    ,
   /      / }       /:.:.〈:.∧  {  |
   ,       /  |      /:.:.:.:.∧:.:|   |  |
51 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:09:15.36 ID:uC4k2tuEo

 6/8

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/  「ぐぬぬ……(咲、いい匂いするなァ)」
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


                  _........----......._
              ,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
              :': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
            /: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
             .': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
            , : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
             | : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
             {: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}  「うりうりー」グリグリ
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
          {==、 {:\/   〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
            ,   \Y       /   | ,::::::::/イ:.:./  ∧
         {      `|  、      |_/= ´イ:.:.:,イ  /  }
         |     W    \      | ̄´:.:.:.:/= }イ   |
         |    /     }    /-r  ´    |
         ∧   ,       |    /__」        ,    |
        {:::,   /       |   ,:.|:.:|      {
        L∧ /      /   /:.:|:.:..        |    |
          、 '         /:.:.:.|:.:.:|      |    |
           \         }|.:.:.:|:.:.::.,     |    |
            \     /:|:.:.:.Y:.:.}      ,      |
               | ` ー ´|:.:.:.:|:.:.:.:.マ:.:.|      {
               | /    :,:.:.: |:.:.:.:.:.}:.:.|      |      |
                W    ,:.: ∧:.:.:.:.:.:/     ∨     |
52 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:10:02.02 ID:uC4k2tuEo

 7/8

 「こ、このっ」

 「わわっ、いきなりお尻を触らないでよっ」

 「押しつけといて何言ってんだ」

 「えー、知らないもーん」

 「いい触り心地だなァ」

 「京ちゃんえっち……」

 「お腹とか腕とか触り心地いいよな」

 「くすぐったいよぉ」

 「……」

 「ぅひ!?」

 「ちょっ、まだダメ!

  今日はもーちょっとイチャイチャするの!」

 「もー我慢できねー。

  咲、ずっと誘ってたんだろ?」

 「そ、そんなことないもん」

 「じゃあ無理やりやっちゃうぞー」

    ∨: : ::/: : : : ::/: ; ≠/77─.-: /!: | !: : :‐ト l、!: : |: : : : ',: : : : : : |: :  ',
    ∨: /: : : : イ´: :/ // : : : : :/ : :! |: : : l l::!l:`:ト、: : : :! : : : : : | : : \
    ',::l: : : : : : l: : / /'  ,'⌒: / /:/  : : イ` !: |::∧|:\: | : : : : : l:!:l: : : : :
     ト、: : : : : j: / /   /: :/. ,':   l: ::/   リ レ  lヘ: : :|: : : : : :l:ト|: : : : ヽ
     | :!: : !: : V |_ 三!∠、  /   : :/--_./-   ヽ ',: :! : : : : :, :!  ヽ: : :\
      |: : l :| /{:::;、:::::::::::/ト     レ' イ::::::三::::ト、  ヽ:!: : : : :/::l       ̄
      ト、: ',:l ヽ 廴Y二!ニヽ .::::::::::::::.... 廴Y::ノ::イ` ゞ/:y: : :ノ:/: : !
.       ∧:',:!         :::::::::::::::::::::::    ̄ ̄   {イ: /:': : : :{
      :|  \   /////      '    /////⊂ レ イ:i 、: : ::
      :|   !:ト、                    ,'  /::/ \: ',  「もー、しょうがないなー……。
 |      ::|   ',:li:ヽ      `ー --         ノ: :{     \
 ',     :|    l::li::::'.,                ノフ ヽ:',       んっ……」
  ',    :|     ::li:::::::ト              <{: /   丶
      :|   /∧::li::::::ヽ >       イ    `
   ',       // ',::::li::::::::\  ` - ´  ,'
    ',.    //  ∨:li::::::::::::\       {.、
53 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:10:30.84 ID:uC4k2tuEo

 8/8

 ……
 …


 ・一時間後

:.:.:.:.:.:::::::::::-、:__ /\\\:::\::ヽ:::::::::\
:.:.::::::::::..:.:丶: ヽ /ー-、:::\\ヽ\゙、::゙、::::::::::\
::::::::::::::::::::  `ヽメ、\/`>ヌ´二`ヽヾ:::ト、::::::__:::ヽ     ,イ´\ーr-、 ____
::、:::::,、::::  ..:::::::ヽ\`V/f.:.::::::::し、` ゙、i ヽ::::ミ、ー-ヽ /:.:.:.゙、:.:.゙、 ゙、 `ー-、
:::゙、::::ヽ\\:::::::::::゙、 ヾ! ゙、.:.:::::::::.:.:i  リ\i ヾ、   /:.:.:.:.:.:.:.:゙、:.:.゙、 ゙、    `ー-、
::::::゙、  \\゙ヽ:::::::::i   丶:::i)::::ノ;;;;;;;;; ヽ、:::゙、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:.゙、 !     /
、:.. ヾ、::::::\  \::::i      ̄ ;;;;;;"   i ヾ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:.゙、゙、    /
::ヽ:::/\ミメ-、_、_ヽ|              |'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、::.゙、.〉ヽ /  「まだまだイケるよね?」
.:::::ミヽ:::::\_/,イ':::.:.:::i       ヽ    /   |ー--、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:i  /
:、:::|:、:ヽ`ー|li:.:.::::::::::`':i           |`ー-、  !`‐r、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ヽ!
::::\::\`ー|l ゙、:.::::r、:.:.ノ;;;;;;;,    /    i     i  i  `ー-、:.:.:.:.| 、_   \
:、::::::`ー-、ヾ゙、 `ー-‐' ;;;;;;;;;"        ノ       ゙、/     \__! ┴ー、__)
:::::`ー-、_::::`ー----‐ノ       ,.. ' ´     _,  |       ,ノ-‐-、  \
`ー-、_:::`ヾニ二ニ'ー-=ノ---<__     /__/-―――/_    `ーr-、)
       ̄`ー----、:::::、:::::二ニ`ー---―‐':.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈    ̄!)---f'´

            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \  「(こっちから仕掛けるんじゃなかった……!)」
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\
//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧

 カン!
54 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/22(金) 22:11:00.08 ID:uC4k2tuEo
投下終了
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 22:39:38.67 ID:XwCGjFh/O
やっぱりこいつら盛ってんな……
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 22:42:01.13 ID:Pze85RSoo
そろそろ双子に見られそう
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 22:43:47.53 ID:iqdBrOCHO
やっぱり京咲がNO1!
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:07:46.73 ID:8pl+BIJeO
乙です
三人目のお子さんはまだですかね?
次もまた双子で、息子は咲ちゃん、娘は京太郎に似たりしそう
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:09:16.98 ID:SZ3IYFwzo
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:09:35.77 ID:YQwZXlAuo
おっつおっつ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:09:56.14 ID:1mOFigdSO
2424
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:11:51.93 ID:PTAFfSxyo
やはりこの2人がいい
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:57:42.28 ID:jPSLldXSo

久々に盛ってんの見たな
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 06:17:34.65 ID:oLo6tff8o
や京咲N1!
65 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:21:10.45 ID:RK17mPwWo

 1/11

 989
 京霞本、京白本を発見する京咲


 「霞さん、よかったらお茶しませんか?」

 「あら、じゃあお邪魔しちゃおうかしら」


 須賀咲ちゃんです。

 今日は子供を霞さんたちに預かってもらって、遊んでもらいました!

 子供たちは霞さんとシロさんのことが大好きなんだよね。もー。

 あまり迷惑をかけたくないな、なんて思うんだけれど、優しく受け入れてくれる霞さんたちには頭が上がりません。


 「いつもお世話になっているんだから、これくらいしますよ」

 「もう、そんな気にしなくていいのに……」


 そういうわけにもいかないよっ!

 そこは大人としてお礼をしないとね。


 「お茶とコーヒー、どっちがいいですかー?」

 「そうねぇ。お茶をお願いしようかしら」

 「わかりましたー!」


 お客様用のお茶っぱを出してきてケトルにお湯を入れる。

 まぁ、出来ることなんてこんなことくらいなんだけどね……。
66 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:21:39.24 ID:RK17mPwWo

 2/11


 「お待たせしましたー」

 「あら、咲ちゃん。そんなに待ってないわよー」


 何か手帳を見ていた霞さんの前にお茶を置く。


 「ふふっ、トテトテとお茶を淹れる咲ちゃんかわいいわ。

  旦那さんが羨ましいわね」

 「もー、私だって大人なんですからね!」

 「あら、褒めてるのに」

 「褒めてないですよー!」


 もー、霞さんは私を子供扱いするんだから〜。

 ……まぁお姉ちゃんに甘えられる感じがして嬉しいんだけどね。


 うん、甘えられるお姉ちゃんがいるって幸せだよね!


 うん、甘えられるお姉ちゃんがいるって幸せだよね!


 大事なことだから二回言いました!


 ……
 …

 ・控え室

       ( ⌒ )
     γ⌒   ⌒ヽ
     ゝ      ノ   ポッポー
       | l |
         ,. :--‐──‐- 、
       ,.:´: : : : : : : : : : : : :.\
     ,.': : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      / : ;': : :' : :;'.:./: :|: : : : : : : : .
.     i :.:.i: : :i:.:/i:.:/: : :ト、: : ト、; : : : ヘ
    i : : !.: :l:/ 八: : :| \| |i: : : : .ヘ
    i i : !: :.ノ ●  \|  ● リ:l:.l  ̄
    i,,∨|:.:.! ノ( 、_ ,    ソ/i/
   (´  i ヘ!:| ⌒ | /    ノ!:/′   「(咲が失礼なこと考えた気がした)」
    ``゙''ー、.ヾ>ー-`´-- <イ/
          }.  \i=// ,/ ヘ
        ノ    襾.  ノ、.__ノ
       〉、____,! `ー'    ペシッ!!
        〉ー、i!____i!__,,ゝ |l!il|
        (、,,,/     !__,,,! ,,、___,,、、,,,___,、、 て
        `ー'      `ー' ヾ_;,;,;,;,へ、,;,;,;,ソ て
              )          て
              ゝ⌒ ヘ/⌒ヽて
67 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:22:08.81 ID:RK17mPwWo

 3/11


 ……
 …


 そのまま霞さんとミニお茶会。

 霞さんとは話し慣れたからもうどもらないよ!

 やっぱりもう少し人に慣れた方がいいのかなぁ。


 「あっ、電話が来たみたいだからちょっと席を外すわね」

 「はーい」


 霞さんはそう言って忙しそうに外に向かう。

 お仕事の話かな?

 それなら邪魔しちゃ悪いよね。


 ……あれ?


 「こんなところに本なんて置いておいたっけ?」


 大きいけれど薄い本が落ちているので拾ってみる。

 私が買う本は海外ミステリーとかが多いからこういうサイズの本はないと思うんだけどな。

 あっ、霞さんが落としたのかな。

 そういえば霞さんってどんな本を読むんだろう。

 あんなにすごい恋愛小説を書けるんだもん。

 もしかしたら、好きな本の趣味も一緒だったりして……。

 そうだったら嬉しいな、てへっ。



 その時はそんなに深く考えず、パラパラとその本をめくりました。

 仕事のものとかだったらすぐに戻そうと、本当に軽い気持ち。

 そんなに気にしていなかったので、中間くらいのページを開いてみると……。
68 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:22:38.00 ID:RK17mPwWo

 4/11

 ……
 …


 「あなた……。

  さすがにこれは……、その……」

 「あ?

  俺の言うことに何か文句でもあるのか?」

 「いえ、ないです……」


 長く黒い髪の女が柱に手を回し、柱に抱きつくような形になっている。

 よく見ればその手は手錠がかかっており、まともに動くことが出来ないようだ。


 「あなたの顔が見えないのが、ああっ!」

 「まだ準備は終わってねーぞ。

  ほら、次はコイツだ」


 相手は男だろうか。描き途中なのか、顔に描き込みは見えない。

 どことなく自分の夫を思い浮かべる容姿をしている気がする。


 「なにをする気なんですか……?」

 「首輪をつけてやるよ。

  お前は俺の所有物だろう?」


 女は首輪を絞められると、プルプルと震えだす。


 「その、ちょっとキツいです」

 「……」

 「な、なんでもないです」


 男の異様な雰囲気を察したのか、黒髪の女は押し黙った。

 どうやら、少しキツめに絞められているようだ。大丈夫なのか不安になると同時に、ドキドキする。
69 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:23:07.13 ID:RK17mPwWo

 5/11


 「ご主人……」

 「『様』はどうした?」

 「ご主人、様」


 視点が切り替わって、黒髪の女を放置したまま後ろの白髪(?)の女に声をかけられる。

 そちらは手錠ではなく、両手を縄で絞められており、服の上からも縄で縛られて身動きが取れなさそうだ。

 体のラインが浮き出ている縛り方、スタイルが良さそうだ。自分にはないが、ドキドキする。

 少し縄がずれて縄の後が見える。


 「私、も……」

 「いつから口を出せる身分になったんだ?」

 「うっ……」

 「まぁ、いい。

  少しだけ相手をしてやるよ」


 白髪の女の顎をクイッと持ち上げる。

 その行為に欲情したのか、白髪の女の頬が赤く染まる。


 「あっ、ご主人様……」

 「ず、ずるいわ。

  あなた、私も……」

 「今日は私の番……」

 「違うわ、私の番よ」

 「うるさい」


 二人の首輪に付けたリードが引っ張られる。

 二人とも苦しそうだ。


 「まとめて相手をしてやるから、少し待ってろ」

 「「はい……」」


 そうして男は、二人の女に向かって……。
70 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:23:36.29 ID:RK17mPwWo

 6/11

 ……
 …

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
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        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
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        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
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       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l         U  /l:::::::::: .|       「咲ちゃん咲ちゃん!!
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l       それは仕事用なの!!」
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
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  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ  「!?」
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
71 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:24:06.33 ID:RK17mPwWo

 7/11

 「ご、ごめんなさい!」

 「い、いいえ、中身は見ちゃったかしら?」

 「少しだけ……」

 「(さ、最初の導入部分よね?)

  そ、それならいいわ。

  その本は担当さんが持ってきた資料なの(大嘘)

  だから一般の人には見せられないわ」

 「えっ、嘘!?

  ごめんなさい!

  私、そんな大事なものだと思わなくて!

  そ、そのっ、霞さんと同じ趣味の本を読めたらいいなって……」

 「ふふっ、わかってるわよ。

  咲ちゃんはそんな悪いことなんて考えないものね」

 「(む、胸が痛いっ!)」

 「(胃が痛いわね!!)」

 「そ、そうだったんですか」

 「わかってくれればいいのよ。

  まだこの資料は読んでないんだけれども(大嘘)、どんな本か楽しみね」

 「(か、霞さんにこういう本を読ませるなんて、担当さんって……)」

 「(担当さんごめんなさい!!)」

 「このことは二人だけの秘密よ?」

 「はい! その、本当にごめんなさい……」

 「もう、咲ちゃんは笑顔が一番よ。

  今度、私が好きな本を教えてあげるから、読んでくれて感想を聞かせてくれれば嬉しいわ」

 「は、はい! ぜひ!」

 「それじゃこの話はおしまいね。

  (それっぽい話で終わらせられたわよね……?)」

 「(仕事とはいえ霞さんがああいうの読むって、えっちすぎるよぉ)」

 「それとごめんなさい。

  お仕事の予定が入っちゃったら、この辺りでお暇するわ」

 「はい。また何かあったら誘ってください!」

 「ええ、もちろんよ! 私の好きな本、見てもらうんだから」

 「任せてください!」
72 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:24:35.61 ID:RK17mPwWo

 8/11

 ……
 …

 ・マヨイガ

           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__  U           ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )   「か・す・み……?」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::i-l:: l‐::::::::::::: |::| ---|:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八   「し、白望ちゃん。ごめんなさいね……?」
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、
73 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:25:04.94 ID:RK17mPwWo

 9/11


 「別に霞が咲に性癖を暴露して引かれるのはどうでもいい。

  だけどなんで私を巻き込むの?」

 「あう、あうあうあう……。

  (白望ちゃんの口数が多い、本気で怒ってるわね……)」

 「霞はいつもいつもいつもいつもドジ過ぎる。

  10年間いつもこう。いつも私を巻き込む」

 「ご、ごめんなさいごめんなさい!」

 「あの下書きじゃ、モチーフが京と私達とは気づかれないと思うけれど……」

 「そうね、それが不幸中の幸いだわ」

 「黙って。謝罪以外の発言を許した覚えはない」

 「ごめんなさいー!」

 「フォローはちゃんとした?」

 「たぶん、大丈夫よ。

  咲ちゃんだし、仕事の担当さんの用意した資料って話にしたわ」

 「仕事の担当さんって、アレのこと?」

 「ええ……」


 ・編集所

                         -‐= :_: - . .
                             ` 、: : 、
                        . . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、
             ,. 斗=: .、     ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
           /'´  ヽ: :.  /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
         /: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,  ←アレ
.      /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Y    W : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !  「おっ?
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!   あの二人が噂してる気がする! エロい話!?」ピコーン
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ
74 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:25:34.53 ID:RK17mPwWo

 10/11


 「まぁ私達じゃなくて、アレが咲に誤解されるならいい……」

 「ええ、アレを盾にしたのは咄嗟の判断としては良かったと思うわ……」

 「ドジ霞、リカバーよりドジらないことを覚えて」

 「そんなドッジボールみたいな言い方しないで……」

 「これで咲に会わせるのを禁止にしたら余計誤解されるだろうから禁止はしない。

  次にやったら……」

 「わ、わかってるわ。肝に銘じます!」

 「もう……、ドジ霞のド変態趣味に付き合うんじゃなかった……」

 「えっ? 確かに私もああいうシチュエーションは大好物よ。

  でも、今回の本の内容を考えたのは白望ちゃんじゃ……」


                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ   「黙って」
               `ヘハ ト U        j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /


              . . -―━━━━―-. . .
            . :´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: .
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.       |: : : : : ::::::::::::::::: : 八:::::::|:::::|::::::::斤i「 ノ|/}/
.         |: : : : ::::::::::::::::::::::::/|\八人:::: | ヒリ  |
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::{  |:::::::::::::::|\|     乂_
.       |: : : ::::::::::::::::::::::::::::\|:::::::::::::::|   ``   /
.         |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::|   U    , j
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::|        /    「ご、ごめんなさい。
.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/
      |: : : ::::::::::::::::::::::::::::_/: :|:::::::::::::::|/⌒|:::::::::|      (白望ちゃん、Sに見せかけたドMなのよねぇ……)」
        |: : : ::::::::::::::::::::::: /⌒゛┃ ::::::::: |-、从::::::::|
.       |: : :::::::::::::::::::::::: /    |::::::::::::::| | ト、\::::.
      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
       |::::::::::::::/    ゚'*。  ‘::::::::::::| ゚'*。  ヽ⌒\
       |::::::::/        ゚'*。‘::::::::::|   ゚'*。 ',   }
       |::: / -- 、      |    ‘:::::: |     ゚'*{ \\
       |::/     \     l    ‘:::: |゚'*。     ゚'*。\\
       l/       丶    ',    l:::::|   ゚'*。    ゚'* \\
75 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/23(土) 17:26:03.95 ID:RK17mPwWo

 11/11

 ……
 …

 ・みやながけ

    ∨: : ::/: : : : ::/: ; ≠/77─.-: /!: | !: : :‐ト l、!: : |: : : : ',: : : : : : |: :  ',
    ∨: /: : : : イ´: :/ // : : : : :/ : :! |: : : l l::!l:`:ト、: : : :! : : : : : | : : \
    ',::l: : : : : : l: : / /'  ,'⌒: / /:/  : : イ` !: |::∧|:\: | : : : : : l:!:l: : : : :
     ト、: : : : : j: / /   /: :/. ,':   l: ::/   リ レ  lヘ: : :|: : : : : :l:ト|: : : : ヽ
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      ト、: ',:l ヽ 廴Y二!ニヽ .::::::::::::::.... 廴Y::ノ::イ` ゞ/:y: : :ノ:/: : !
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      :|  \   /////      '    /////⊂ レ イ:i 、: : ::
      :|   !:ト、                    ,'  /::/ \: ',  「首輪と手錠、京ちゃんに無理矢理つけられちゃって……。
 |      ::|   ',:li:ヽ      `ー --         ノ: :{     \
 ',     :|    l::li::::'.,                ノフ ヽ:',       そのまま後ろから、えへへ……。
  ',    :|     ::li:::::::ト              <{: /   丶
      :|   /∧::li::::::ヽ >       イ    `            今度買いに行っちゃおっかなー」
   ',       // ',::::li::::::::\  ` - ´  ,'
    ',.    //  ∨:li::::::::::::\       {.、


 ・仕事場

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「(咲が良からぬことを考えた気配がした)」
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
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       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 カン!
76 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/23(土) 17:26:33.34 ID:RK17mPwWo
投下終了
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 17:33:52.25 ID:0clqQJXSO
おつー
こないだ言ってた爽も絡めてきたかww咲ちゃんが染められてしまったら敬称は何を使えばよいのだろう…
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 17:38:50.83 ID:eGgKZCeXo
ワロタ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 17:41:55.49 ID:QGYmSTZ0O
咲さん覚醒クルー?
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 18:10:19.54 ID:g91sH2+Yo
首輪と手錠、京ちゃんが無理矢理つけられちゃってそのまま後ろから……キュフフ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 18:15:23.74 ID:pZY2FN9co
むふふ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 22:07:07.90 ID:YbCkcW6nO
乙です
夫婦の夜の営みに新しい刺激になりますね(白目)
爽の本格登場の予感?
83 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:00:53.16 ID:4niiaDeoo

 1/11

 36
 のどっち、通販で服を買う(平行世界)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 あの、服を買いに行こと思ったんですが、外に出る服がない時はどうしたらいいんでしょうか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前ら、のどっちを助けてやれ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 えっ、ジャージで外出ればいいじゃん?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやんはもうだめだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちにそこそこ好意的らしい男は聖人ですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 コンビニくらいなら帽子を深く被って顔を隠していけばいいんですが……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 えっ、なんで顔隠すの?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやんちょっと黙ってて


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 日本代表がコンビニにジャージで……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 化粧もしてないしヘアアイロンもかけてないんだろうな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ほら、すこやんが出てくると脱線するでしょ!
84 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:01:22.48 ID:4niiaDeoo

 2/11


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 さすがにゴスロリ服や母の服で人前に出るのは恥ずかしくて


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 >母の服
 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 【朗報】のどっちに羞恥心が発見される


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 どうしたらいいんでしょうか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち下着とかどうして……、いややっぱり言わなくていいや


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 コンビニで買わない?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 オラ胸が痛くなってきたぞ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 す、すこやんそれで外出してないよね?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 えっ、だって下着なんて見えないでしょ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 真性だこれ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そんなの15年以上前から知ってるだろ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 ???
85 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:01:51.83 ID:4niiaDeoo

 3/11


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 下着はその、胸に合うサイズがないので通販で頼んでます


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そういやのどっちって巨乳だか奇乳なんだっけか


 名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 これだから巨乳は! 見せびらせやがってよォ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 どうせそんなの垂れるだけだろォ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 悔しくなんてないし!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 透明でレス番が飛び飛びなんですが


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前新参だろ。アレを弄って遊ぶのもスレの楽しみの一つなのにNGなんて勿体ない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち、結論でてるじゃん。通販で買えばいい


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 あっ、なるほど!
 ありがとうございます!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 念のため言っておくけど、その服で彼氏とのデートとか行っちゃダメだぞ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あくまで外に出るようの緊急避難やで


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 わ、わかってますから!
86 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:02:21.32 ID:4niiaDeoo

 4/11


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 なるほど、参考になるね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやん彼氏いないんだから関係ないじゃん


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 ハァ!!!!?!?!?!?!?!?!!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 ちょっと住所教えてよ! 麻雀しに行くから!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 麻雀でナニする気やねん


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 本気を出せば五感奪って全身不随に出来るって本当?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 余裕だよ。少しずつ感覚を奪っていく方が辛いよね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 もー、そんな反応するから彼氏できないんだよ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 んじゃ、ネトマのサイトかなんかで部屋建ててくれよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 じゃあここのサイトで部屋建てたから! 部屋名はsukoyanね!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 なんで誰もこないの?


 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 もう一時間以上待ってるんだけど!!!!!!!!!
87 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:02:50.46 ID:4niiaDeoo

 5/11


 のどっちです。いいえ、原村和です。

 ついに通販で頼んだ服が届いたので、それを着て外出することになりました。

 スレ住民と相談して頼んだ服。最初はネタも混ざっていましたが、本気で選んでくれた方も多かったです。

 世の中、どんな縁が身を救うかわかりませんね……。

 下着はとりあえず通販で買ったものを流用し、服は体のラインが出ないデザインのものを探してもらいました。

 どうやら、胸などは強調されないほうがいいらしいです。

 曰く、「のどっちどんな服で外出てたん……?」だそうですが、マイノリティだって自覚してたんだからいいじゃないですか!!


 「い、いじゃ、いきまふ!!」


 新品の服に身を包み、久しぶりの外出です!


 「うっ……」


 いきなり太陽光の前に大ダメージを負ってしまいました……。

 も、もうちょっと日差しの弱い日にすればよかったですかね。


 ……
 …

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちはどうせ日に弱ってて肌が負けるだろうから、日焼け止めクリーム買っときな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 さすがに言い過ぎじゃないですか!?

 …
 ……


 あの名無しさんの言う通りでしたね。

 結局、理路整然と説明されて買っておいて正解でした。

 私だってバカじゃないです! 理屈をつけて説明されれば納得します!

 断じて百合が男の子に受けるなんて考えている夫婦丼狙いのアラサー間近と一緒にしないでください!!
88 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:03:19.83 ID:4niiaDeoo

 6/11


 ……
 …


 「で、電車になんて久しぶりに乗りますね」


 何度も何度も時刻表を確認し、予定の電車が来ることは確認済みです。

 SuicaやPASMOなんてとっくになくしてしまっているので、切符を買って移動します。

 その最中も本当にこの値段で合っているのかとドキドキしたり、改札が止まって後ろの人に舌打ちされないか心配になります。

 我ながら重症すぎませんかね!?


 「(大丈夫、誰も私なんて見ていません)」


 キョロキョロと挙動不審になりながら電車に乗り、目的の駅まで向かいます。

 幸い、その最中に何かが起こることはありませんでした。


 ……
 …



 「うっ、人が多いです……」


 平日とは言え、ショッピングモールの中を歩いている人の数は多いです。

 人の波に慣れていない私は圧倒されてフラフラとよろけます。


 「(大丈夫、今日は服を買うだけです)」


 名無しさんたちと建てた計画を頭の中で思い返します。
89 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:03:48.26 ID:4niiaDeoo

 7/11


 ……
 …

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 化粧品とか色々準備するものはあると思うけれど、まずは服だけ買ってきなよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 えっ、なんでですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 一気に買うと本当に良いものじゃなくても買っちゃったりするじゃん


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 一歩ずつでええんやで


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 時期によって違ったりするしねぇ。最初は慣れることを考えな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 急いで買って無駄にしちゃうのが一番ダメだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前らここ15年間で一番のどっちに優しいな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 わ、わかりました。頑張ります


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 (のどっちは頑張らないくらいでちょうど良いから)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちからレスが返ってこないってことは、そのレスは間に合わなかったようだな


 …
 ……
90 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:04:18.01 ID:4niiaDeoo

 8/11


 そう、一歩一歩で良いんです。

 無理に化粧品やバッグ、小物入れや財布など全てを整えようとすると大変すぎますし、気に入ったものじゃないものを選んでしまう可能性があります。

 それならば少しずつ買い足していけば良いんです。

 今回のお出かけはそれが目的なんです。

 そう、自分に言い聞かせて婦人服売り場に向かいます。


 「(ど、どこに入れば良いんですか!?)」


 圧倒的な量の売り場に圧倒され、立ち尽してしまいます。

 とは言え棒立ちでいるのも目立って恥ずかしいので、とりあえず近くのお店に入ります。


 「(わっ、すっごく高いですね)」


 触り心地なども良さそうですが、お値段が高くて触るのも憚られます。

 しかし須賀くんを籠絡するには気合を入れたものが必要でしょうか……。

 いいえ、変に高いものを買うと逆に引かれると住民さんに教えてもらいました!

 ここは安めのお店を探して、無難な服を……。
91 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:04:46.71 ID:4niiaDeoo

 9/11

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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////   「ホアァァァァァァ!!!?」
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
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92 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:05:14.53 ID:4niiaDeoo

 10/11

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        .|: : :リ`ヘ.       V     ./ ,ィ=、|: : : : ト、::ヽ
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.  /:/_,/゙:   ::/   / /  :| :|. ` ./  ./   .| | /  \: : : :`、




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     /:!: : :\! ー/////,//ー."ハ/    「みてるだけでしゅ!!!」ダダダダダッ
 .   /: :|: : : ::ト、  , 、__ _    ハ:!|
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  / _,,.-‐ヘ: : : ::|\ \`|:|   ! :  ト、
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 { ̄ ̄\   ∧ |   \|::|.  !: ./  /}
93 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/24(日) 20:05:43.54 ID:4niiaDeoo

 11/11

 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 そんな感じでした……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 気にすんな。外に出れただけで成長してるよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 うむ、焦る必要はない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 意中の男の前でやらなきゃええんや


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 もうやったことあります……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 落ち着け、それでも付き合いを続けてくれているんだからこれから巻き返せばいいんだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 俺らはカウンセラーか何か?


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,: : : : :.',: : :,,,_: : : :〃 : : : : | : :! ̄ /
ト、 ̄´: ',:.: : : : : : : :/ : :/: : |  !   ;
: :\: : : ヽ: : : : : : /  :./: : :.|  |   /       「みなさんごめんなさい……」カタカタ
: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /
: ||: : : :\/\:/  : /: : /!: i|゙  |′
: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |

 カン!
94 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/24(日) 20:06:12.04 ID:4niiaDeoo
投下終了
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:10:28.28 ID:InOn5LzPo
こののどっちかわいい
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:15:38.62 ID:dR4gi7p+o
乙です
のどっちどうしようもねぇ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:17:35.01 ID:DDkgUEC9o

奇乳だって知られてるけどNAGANO服を知られてないってことは自撮りアップとかはしてなさそうだな、よかった
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:26:23.30 ID:Uto4O1bSO
おつー
しれっと別世界の自分ディスってるってことは、まだ回復改善の余地があるということだな

……向こうの世界のすこやんも気になってくる
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:56:55.13 ID:JaWZSwS00
全然笑えない立場だから読んでて辛いw
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 22:31:35.34 ID:Sdo/F7sJO
乙です
和がちゃんとした?服を買う前に、京太郎に遭遇しそう…
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 22:34:22.17 ID:IUoq8x+uo

まぁここまで反応することはねえけど
店員が寄ってくるのは面倒だなと思うことはある
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 23:58:19.09 ID:YZWlZdIT0
乙です

のどっちぇ……
まぁ、のどっち頑張れとしか言えないな
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 01:15:41.40 ID:2UBgW+VOo
俺ひきこもりじゃないけど読んでてリアルに辛いなコレ
俺ひきこもりじゃないけど乙
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 05:57:45.49 ID:huOLUJ9a0
おつ
努力の方向さえ間違わなければのどっちは可愛いんだよなやっぱり
105 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:01:06.73 ID:HMC+PyEto

 1/8

 【あわあわ、マネージャーとして頑張る】(平行世界)


 えへへー、キョータローと恋人同士になれたし、これからはイチャイチャ出来るね!

 恋人同士なんだからデートなんかもしちゃうもん。

 どこに行こうかなー。動物園とか水族館にも行ってみたい!

 でも、キョータローにはハンドボールがあるし、メーワクはかけられない。

 誰かのことを考えて自分の意見を控えるなんて、初めての経験かも。

 心の底からキョータローに嫌われたくないって思うんだ。


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ   「まっ、キョータローは私にベタ惚れだからダイジョーブだよね!」
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕


 屋上であんなに情熱的に告白してくれたしー!

 あわいちゃんだって高校の時の過ちに気づいて経験してるもん!

 そりゃちょっとは喧嘩しちゃうかもしれないけど、ダイジョーブダイジョーブ!
106 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:01:36.76 ID:HMC+PyEto

 2/8


 うーん、それにしても私が麻雀部に出ていなくて、キョータローのハンド部がない時だけ会う感じになるのかな。

 それに大学の講義や課題もあるし、思ったよりもイチャイチャできる時間は少ないのかも。


                       ´              \__
                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三  「ムスー! いきなり倦怠期じゃん!」
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐〜‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
                                         `、      ヽ、____丿
                                               \     \


 せっかく初めての彼氏が出来たのにね。

 でも、私とキョータローをつなぐ要素でもある。

 それに、ちょっと会えない方がいざ会えた時にも……。

 だめだ! やっぱりあわいちゃんはずっと一緒にいたい派なのだ!

 うーん……。


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|    「麻雀部やめて正式なマネージャーになっちゃおうかなー?」
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶
107 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:02:05.82 ID:HMC+PyEto

 3/8


 それも一つの手だよね。

 でも、麻雀自体には未練が残ってる。

 ここまでずっと生きてきて、私の人生と麻雀は切り離せない。

 辛い思いがあったし挫折を覚えたのも確かだけど、麻雀をやめることなんて考えたこともなかった。

 うーん。少し麻雀と距離を置いて考えるのもいいかな。

 あっ、私麻雀推薦だからやめられないじゃん!

 よし、うまく麻雀部を続けつつ、ハンド部のマネージャーの業務もこなそう!

 二兎を追う者は一兎をも得ずって言うけれど、あわいちゃんがんばるもん!


 そーいえば……。


         /               ヽ \
            /   ./              :.
        /   ′ /|     :∧         ::.
.       / 7  | ./ !     | ∨    |    |
       ′ !   | / ̄`∨   |´ ̄Y    |     |
       |  |   r≠ミ、∨  | r≠ミx   |     |
       |  |  从 r':::::}!八  〃r'::::::}!》  |     |
       |  |  ハ弋)ソ   \{ 弋)ソ |   |     |
       {  |   :i ,,,  ,     ,,,, /  八   !
.        |   :}          /7 /     |
        八   人   v  フ   / /}    八    「マネージャーって何すればいいの?」
         \{\( >...       仏イ/    /:  \
.           /    ≧ー <    |/   /:    \
          /   厂 ̄ |      /   /:.      \
         //   /   /|    /   ∧::..       ::.
.      //'    /   ∧   //   /  \::.      |
.     // /   /   /\  / /   /    \::.    |
     l(  /   /   /  /   /   /        \:..   |
108 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:02:34.80 ID:HMC+PyEto

 4/8


 今までキョータローにやってあげたこと……。

 スポーツドリンクを差し入れしてあげて、プレイをじっと見てて、お鍋を作ってもらって……。


 あれ、それだけ!?


 「これは良くない感じかなぁ?」


 もっと色々とやってあげたい気持ちがある。

 でも、何をしてあげたらいいかわからない。

 白糸台でも1年生の頃からレギュラーだったし、他の雑用仕事をしている人が何をしていたかなんて覚えていない。


 「うぐっ」


 呻いてもどうにもならないので、スマホを使って調べてみる。


 「お茶を入れてあげたり、タイムを計ったり、ボールを拾ったり……」

 「女の子が声援をかけてあげるだけで喜ぶって……」


 うーん、やっぱり地味だー。

 でも、こういうことをやってくれている人がいるから成り立つんだよね。

 今までの私はそれに気づけなかった。

 よしっ、がんばろ!
109 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:03:04.23 ID:HMC+PyEto

 5/8


 ……
 …


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Y ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .   「キョータロー! みんなー! ファイトー!!」
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .



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: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /    「淡!?」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
110 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:03:33.48 ID:HMC+PyEto

 6/8


 「おっ、今日も大星ちゃん来てくれてるじゃん」

 「大星ちゃん可愛いけど須賀の彼女なんだよなー。

  くそっ、羨ましい!」

 「やべーぞ、大星さんに声かけられると胸がキュンキュンする」

 「ちょっと男どもー。私達じゃ不満なのー!?」


 思い切って声出しをしてみたけれど、意外と反応はいいのかな?

 なんだかキョータローだけ目を見開いてこっちを見てるけど……。


 「先輩、いつもお疲れ様ですっ!」

 「あっ、大星さんまた来てくれたんだ」

 「須賀君は羨ましいねぇ。

  こーんな可愛い子が専属マネージャーだなんて」


 女子マネの先輩方に挨拶をする。

 正直、すごく緊張するし怖い。

 私は高校で女の子同士の派閥争いによってハブられたことがある。

 正規でもないのに特定の一人を見にきていれば嫌な目で見られると思う。

 だから、今日はそれをなんとかしに来たんだ。


 勇気を出すんだ!



             .      ,  ´            ` 、
                /                 \
                //: ..::              ....:.:ヽ
               //:.:.:.:/.:.            ..:.:.:.:.:.∧
            //  :.:.:´:.:.:.:.:....:.:.:   ...  .......:.:.:.:.:.:.:.:、: ',
        .1}   } .:./  .: ::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト;.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:. ', .',
.         7ミニ彡 .:/:.:.:// /  ://}.:.:/ ,' .ヽ:.:. .',.:. 、.:.: |..:.∧
    __  { ,'.|   /}/:.:.://:/:.:.:.:.:..´/. ./ ./ /   V...ノ:.:.:.',.:.:|.:.:|:∧
.  /7}  ヽ{| ./.ノ.:.:.:./:/.:.:.:.:.:./  メ;..':.:/.     .V.;.:.:.:.:.}:::|.:.:|:.トヘ
.    {人_ .ヽ_ミx´,:.:.:./:/:.:.:.:ーx_  //ァ/    ./イ:.:.:.:.:.|.:.|.:.:|:.:ヽ.ヽ
.   ゝ   ̄...:.:.:., |:.:./:.:':.:.:./  _≧≦_.´    ._x≠キ":.:.:.|.:.|.:.:|:.:.:.:》 〉
   __`''ーt―r ' ./.:.,:.{:.l.:.:イ ',.〈丁≧ァ`    k´r‐=≠、.:.:.:.!.:.:.:.:!;/,_'_
r''´,-=、::`''ー==≧:.:.:.{{::';|:/ ゝ_,  r';_; }.    ./ 5、_/;}lノ:.:.:.|.:.:.:.:|.// ,Xァ    「あ、あのっ。
.` .≧=-`''-、_.:.:.:.:.:.:.:r<ヘ:.|.  ヘ ``'''.        ヾソ-'./.:.:./|.:.:.:.:|/ /  `、
         ̄´ /´.ヘ V   :ヘ      ,      /:.:.:/:/:.:ノノ /:::   .∧    私、麻雀推薦なんで時々しか来れないんですけど、お手伝いしていいですか!?」
        ト ./   ヘ ,ヘ   ::::> _  __ __   ,/イノ::::レ'/ /:::l:::    ∧
        |:`,'    :ヘ ヘ   ::::::::::::>.、 _, =r<:.,'.:.:.:.://// :/:::      ` ー、
          八_}    .:::.ヘ ヘ  ::::::::∧‐-   ./:/.:.:.:.:/::.//イ .l.::: .:::::::::::     }
        ,イ   .. ::::::::.ヘ .ヘ   ::::::∧`''ー.〈_:ゝ、:.:∧//:/:  |::::::::::::;:': .::::::  /
111 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:04:03.11 ID:HMC+PyEto

 7/8


 「あっ、その話は須賀君から根掘り葉掘り聞いてるよー」

 「正規マネージャーになってもらえないのは残念だけれど、そういうことなら仕方ないもんね」

 「全国2位なんだっけ?

  そりゃこっちに本腰は入れられないよねぇ」

 「い、いいんですか?(キョータロー、フォローしてくれてたんだ……)」

 「もちろん! 私たちからすれば楽になることはあっても困ることはないもんね」

 「それにマネージャー一本って人は少ないよ。

  大学だし、兼部してる人もいっぱいいるもん」

 「あっ、でも須賀君とイチャイチャするのはサークル内では控えてね。

  面倒ごとになると困るから、他の人にもマネージャーとしての仕事はするのが約束よ」


                        ____
                      ´      `丶
                    /              \
                        /        \    ヽ
                 /   ,イ            ヽ    .
                     // |  |   ' ト、           .
                 j/  ;  |  | │:!∧     i    :
                /  i |¬|ト│ |八--:一   i    i
                .:   Ν 八八 X´\ハ         |    | ┼ __ | \ (⌒⌒)
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │    レ(ノ\    レ 丿 \/
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
                 /   イ\   ,゙ /   __/   {//       |   \ \
             //  /イ 「\\_/  .:::´:::八 ∨ ′     | \      ヽ
              (/ ノ   人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{        人     ∨)_ノ
           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
                 \__{ /::::::::几::::::\      〈          /|   |ハ |
                    [__∨::::::::∨| \::::::丶    込,,______ノ |  /  ∨
                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /

 「もう、大星さんかわいいなぁ!」

 「あわわーっ!?」


 なんで撫でくりまわされるのー!?
112 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/25(月) 17:04:31.98 ID:HMC+PyEto

 8/8

 ……
 …

 「はい、キョータロー。

  スポーツドリンクだよ」

 「おお、サンキュ。

  淡、頑張ったな」

 「ふふーん。キョータローにフォローされるばかりじゃないもん!」

 「なんのことやら」

 「他の人にも差し入れしてたら、嫉妬する?」

 「そりゃまぁ、ちょっとはするんじゃないか」

 「えっへっへー!」

 「全く……。怒られるぞ」

 「うん、だからもう行くね」

 「おう。

  その、帰りは一緒に帰ろうか」

 「あわっ?

  ……あっ、キョータロー嫉妬してる!?」

 「し、してねーし」

 「ふふーん。終わるまで頑張ったらね!」

 「よし、もうひと頑張りするか!」

 「うん、キョータロー頑張れっ!」


 きっと、まだ先輩方に認められたわけじゃない。

 今まで人に合わせるコミュニケーションなんて取ったことはなかったけれど、これからは頑張るんだ。

 そうすれば、キョータローとずっと一緒に居られるんだもんね!

 よーっし、頑張るぞー!


 カン!
113 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/25(月) 17:05:00.61 ID:HMC+PyEto
投下終了
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 17:36:59.30 ID:aOzWyTUh0

あわいい
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 17:38:12.03 ID:s8escU2pO

やっぱ平行世界の京淡も良い……
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 17:59:48.73 ID:V5AZonfVO
たまには久さんにもいい思いをさせてあげてください…
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 18:20:28.76 ID:AmtcGiydo
乙あわあわ
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 18:44:45.40 ID:d81wWFx1o
あわいいあわいいあわいいあわいい
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 19:17:19.08 ID:rvtIMSTHO
あわいい
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 22:30:04.38 ID:oDw7kreiO
あわあわシリーズが1番好き
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 23:04:05.99 ID:2mlKhWpEo
淡の平行世界ばっかりじゃなくて霞やシロとか平行世界初期メンバーの平行世界での話もっとみたい
122 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:50:33.89 ID:+poIVMLzo

 1/10

 【のどっちとスレ住民の軌跡】(平行世界)


 インターネットの世界は広大で底がしれません。

 良いことも悪いこともたくさんあり、便利になったが故に危険性も大きくなっていきます。

 当時小さかった私に父がプレゼントしてくれたパソコン。

 それは教育のためにと同時に、転校が多く友達が少ない私への罪滅ぼしだったのかもしれません。

 私は様々な理由があり、麻雀を趣味にしていました。

 しかし対局相手に恵まれたことは少なかったですね。

 しっかりとリアルで対局できたのは阿知賀にいた時くらいでしょうか。


 でも、ネットの中では年齢も見た目も関係なく、初心者にも打ちやすい環境が整っています。

 それこそ雀卓や麻雀牌すら必要ありませんし、四人探す必要もない。

 友達が少なかった私にとって、趣味とするには十分な理由でした。

 これといった師もいなかった私は、文献などからデジタル打ちに特化していきます。

 数学的とも言っていい打ち方は、誰かに教わらなくてもある程度打つことが出来ましたから。

 幸か不幸か、私にはデジタル打ちが合っていたようです。

 最初は負け続けていたネット麻雀でも、回数を増すごとに放銃は減り、段々と成績は上がって行きました。

 勉強にも向けていた勤勉さを麻雀にも向け、次第に『のどっち』の名前はネット麻雀界に広がっていくことになります。


 そう、あんな悲劇を起こすことになるとは思いもよりませんでした。
123 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:51:03.01 ID:+poIVMLzo

 2/10

 ……
 …

 ・最初期


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちマジうぜー。運営の用意したプログラムってマジだろ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 次に引く牌がわかってるとしか思えないよな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 マジクソゲー。やってらんねー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちと同卓したくねーのにクソマッチングなんだよなぁ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 格差マッチを放置する運営はマジでクソ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 たまにのどっちの順位落ちるけど、最下位にはいかないし


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あんな機械みたいな打ち方出来るやついねーよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 レート下がるだけで萎えるわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 運営じゃないならチート使ってそうだけど、通報してもBANされないから運営の仕込みなんだろうな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 そんなのどっちを超えて頂点に君臨するアカウントがあるらしいよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやん乙


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 自演乙
124 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:51:32.23 ID:+poIVMLzo

 3/10


 「な、な、な、なんですかこの掲示板は!」


 のどっちでググって辿り着いた先は私への誹謗中傷の嵐。

 ふざけないでくださいっ!

 こっちは死に物狂いで勉強してやっと勝てるようになってきた所なんです!

 それなのに不正なんて疑われるなんて、あんまりです!

 えっと、ここに書き込めばわかってくれるはずです。


                     ,. --―-- 、
                r---l>'            rヽ.  ,-┐
                | /   / / ./  !   |  .Y  }
                    V.// / i ! i  ハ i.  |  iミ  .}___
                // | ll ムムハ |ト、 ト-レH |_,ィ个 、く     /^i
                    ハ!_!.! !トレテト ヾ` 行ヒくリノ}/  ハ  〉   /  |
               \|_ト、トトミ込!    込! ´ リ゙TTi Y    /  |
                   l | ハ:::::: '  :::::::  _./ ! i i ハ    l   |
=====、-、         // i ヽ.  ー   / /  ! i i ハ   l   |
       | |       // i / l` ┬ ' ´ | ./  ! ハ i ハ  !   !
       | |         //  ! / |____|   l/    ハ i ハ ___!  |
- 、.      | |      //   / ̄/'"´  _/   / リ、!  i .}  /.   |
  |.      | |       // / / / ̄` ´ /!レ //ノ  `Vハ! i   |   「みんな、きっと話せば分かってくれるはず……」カタカタ
  |.      | |     { { / /  |:     / l.| /イ      i iハ .i    |
  |.      | |       X! ! ノ、 ! / /  !| i {_ _ _ _ _ _|_i ハ.    !
  |.      | |     {_ V >-ミ7ヽi/ニエエ式 lハ_i_i__i_,i_ィン〈 }  |
  |.      | |    シ./ {   >{二}<   /\、ゞ  /  ノ /   |
  |.      | |    ノ {  \___/ハ\`  /   廾≠イ=0コ i   |
  |.      | |   ./  ヽ.   / ハ ハ ̄   , ィ' |  /〈!ト'  i   |
  |.      | | ,/⌒ヾ  /`7  i  i  ハー┬ ´ / .!/  .|  i   |
__.,!.      | |二--   `/ i \_|.  |_./  i! /  ノ    |   i ./ ̄7i
       | |/\ _ ノ ir'⌒ i!`  ー--才´^⌒)==/=.〉. i/  //
       | |__  `  ノ- 〈..,,__ヾi    / , ィテ/    ノ ./  //
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互互互互互互互互互互互互/l
≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠//
125 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:52:02.23 ID:+poIVMLzo

 4/10


  名前:のどっち 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 のどっちは運営の用意したプログラムじゃありません


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 えっ、本人降臨?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 本当なら祭になるぞ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 燃やせ燃やせ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 いやー、なりすましだろ


  名前:のどっち 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 本当です。部屋建てましたから確認してください


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 マジだこれ!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 アンチスレに特攻してくるとかバカじゃねーの


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 運営に尻尾振ってる犬が無様だよねwwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちマジゴミカス


  名前:のどっち 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 なっ、そんな暴言許せませんよ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 これネット慣れしてなさそう。クソコテ乙
126 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:52:31.11 ID:+poIVMLzo

 5/10

 ……
 …


 ・数ヶ月後


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 のどっちは天使だろ。アバターも可愛いし


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちID変わってないじゃんwwwwwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 IDってなんですか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 インフェルノディバイダーでググってみ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 ググったけど意味がわかりません!!!!!!!!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 名前欄の一番右側にあるやつだよ。どうせ専ブラも入れてないんだろーな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 アバターかわいいとかないわ。どうせキモオタだろwwwwwwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???0

 のどっちがキモオタとかありえません


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 携帯での自演を覚えたぞwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 草


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???0

 私はのどっちじゃありませんし


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 私のどっちだけど、↑のはのどっちじゃないよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そのIDのままそのレスすると一番最初のが自演だって認めてるし、携帯も自演だって認めてるようなもんじゃん。大草原
127 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:53:07.43 ID:+poIVMLzo

 6/10

 ……
 …


 ・それのちょっと後


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:goburei0

 のどっち、アンチは隔離しておくものだから関わらない方がいいよ。専用スレ建てたからそっちで喋ろう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 わかりました


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 敗走乙wwwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 マジゴミが去って愉快だわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あーあ、おもちゃがいなくなっちまった


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あっちに行く奴はいないよな?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 俺は面白いから弄っていこうと思うわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 は? あんなクソコテ面白いとか頭湧いてんの?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そのギャグ面白くないよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 このスレはアンチスレからヲチスレに変わりますね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 俺も面白いから見てこよう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 逃がさない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 見に行くわー
128 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:53:36.85 ID:+poIVMLzo

 7/10

 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち、マジで運営のプログラムじゃないの?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 私だって努力してるんです! それをプログラムなんて言われたら怒りますよ!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan0

 チート使っても私に勝てないカスおるー? あっ、のどっちだったかwwwww


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 正直、もうプログラムどうこうよりのどっちが面白くて仕方がない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち、せめてID変えて自演すればいいのに


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 IDってどうやって変えるんですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 それ聞く時点でこれから自演しますって言ってるようなもんじゃね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ほんまのどっち面白いわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 アンチスレの過剰すぎる叩きは陰湿だけど、これくらいが俺には合ってるな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 有名税だろ。どんな作品やキャラや有名人でもアンチがいない人なんかいない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 住み分けが大事なんだね。のどっちいじるのはやめないけど


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka0

 なんでですか!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 おもろいから
129 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:54:36.25 ID:+poIVMLzo
 8/10

 ……
 …

 ・数年後


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちー。某クソコテが暴れすぎたからID変わらなくなったよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 そうなんですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 だからもう自演すんなよー!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 最近はしてませんから!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jukensei

 そんなことよりのどっち。明日と明後日のセンター試験危ないかもしれないんだよ。どうしよう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 えっ、その、頑張って頂くしか……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

    . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
         Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
        /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
       / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
       / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
  ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
 今日と明日だよ
 来年こそはがんばってよ
 シーズン開幕からこんなことになるなんて


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 伝説のコピペに汎用性があって欲しくなかった!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jukensei

 嘘でしょ、死にたい。死ぬ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 だ、大丈夫です!
 私だって友達もいない穀潰しのニートだけど生きていますから!
 働かないで食べるご飯も意外と美味しいんですよ!?
 むしろ人間慣れるもので最初の半年くらいはつらいですけど今はなんとも思わなくなりましたし!
 まだまだ若いなら全然イケるじゃないですか!
 私に比べれば一浪くらいどーってことないです! 私の方がヤバイですよ!
 だから元気出してください、ね?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 自分のクソみたいな状況をぶっぱするとか、のどっち優しいな……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jukensei

 俺、生きるよ。生きてる間はずっとのどっちの信者になるよ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち優しいな……
130 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:55:04.94 ID:+poIVMLzo

 9/10

 ……
 …

 ・現代


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちー。そろそろ回復したか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 な、なんとか…


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あれからラインは続けてるんだろ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 一日の終わり頃に『お疲れ様です』ってだけ送って、何気ない会話してますがそれだけですよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jukensei

 のどっちでも買いやすい店探しておいたから、今度はそこに行けば大丈夫なはず!
 事情は話しておくよ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 えっ、その、申し訳ないです……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jukensei

 一浪した時のバイト先だから大丈夫!
 来る時はスレにでも書いてくれれば店員に伝えておくよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 テキトーでいいんだテキトーで


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 気張っちゃダメだよ。人間失敗して生きていくもんだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 失敗に慣れてないだけだからな。経験を積めば大丈夫。挑戦したっていう事実が成功なんだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 このスレは名カウンセラーが多いですね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 ううっ、皆さんにはなんてお礼をしたらいいか……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そりゃ付き合えるようになったってレスが何よりの恩返しだからな。待ってるぜ
131 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/26(火) 17:55:34.14 ID:+poIVMLzo

 10/10


 夜、須賀君の退社に合わせてラインを送るのが私の日課になりました。


 『終わってなかったらすみません。

  いつもお仕事お疲れ様です』

 『おっ、和にそう言われると疲れも吹っ飛ぶよ』

 『またそんな調子いいこと言うんですから……』

 『これ、マジなんだけどなァ』

 『最近お疲れみたいですし、体調にはお気をつけてくださいね?』

 『おー、大丈夫』

 『その、邪魔でしたら私のラインは無視していただいても大丈夫ですから』

 『疲れてたり残業していたりで返せないことはあるけど、不快に思ったことはないよー』

 『そ、そうですか』

 『また送ってくれると嬉しいなァ』

 『ふふっ、頑張りますね』

 『ああ、それじゃあおやすみ』

 『はい、おやすみなさい』


 日常になったラインを終わらせ、一息つきます。

 少し考え、よしっと気合いを入れ直します。

 一歩ずつ、チャレンジするだけでも成長する、たくさん教えてもらいました。

 胸に一つの決意がこもりました。

         ___ -= : : ̄ ̄ =- .    _
         /:::/  . : : :       \ /::::人
      r‐:::::ヘ/   : : : :      r─=ミ/::::〈
     ノー─/                  |:::::::::::::》-=ミ}___
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.      |   i: :| :i ]「 :ト八: : :|:T:Τ八八 Y^i: ,| ⌒j゙\: :\  \=- : : : : : : :
    八  i: :| :iァテ外 \:| ァテ笊芥ハ:i ル' |: : 八: \: :\  \  =-
.   /::::::\{八从 V(ソ  \  V (ソ ム/  八: : . \ : : : : \ニ=- _
   '⌒¨¨|: : i :∧ ::::::  、   ::::::: /{ミx   \: : . \ : : : : : : : : : : .  ̄
.        |: : .i rj入   _ _     /  /ニニ=-  \: : . \ : : : : : : : : : : :    「(明日こそ、服を買いに行きましょう)」
      |  i / :|ニニ>  __ ,.     :/ニニニニ=-. \: : . \: : \: : : : : :
        ,  i | :|ニニニニト、 ヽ _/二ニニニニニ\\: : . \: : \ : : :
.      /   ∧八二ニニニ|=‐----/ニニニニニニニ=-ヘ, \: : . \: : \
     /  / ∨ \ニニニ|    /ニニニニニニ=- /⌒i   \: : . \: : :
.    /   /   ∨\\,ニ|   /ニニニニ=-.:/ /    \  \: : : : : :

 続く
132 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/26(火) 17:56:27.58 ID:+poIVMLzo
のどっち次元4話投下終了
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 18:05:56.76 ID:TF5nPlIdo
京咲から京和までどれもすばらですごい
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 18:08:37.69 ID:9Od5/jHaO
あわあわ次元はあわいい感じだったけどのどっち次元は完全にギャグ時空だわww
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 18:27:22.73 ID:DqCPxz2SO
おつ
服を買いに行けたなら容姿が判明してもっと支援者増えるー?
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 23:43:32.81 ID:hIN+nHfPo
乙です
面白い
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 23:44:58.27 ID:Q0MgtIgKo
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 23:45:56.81 ID:XBO844YPo
や京和NO1!
139 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:28:26.42 ID:+1A2Pvbqo

 【一歩ずつ】(平行世界)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 今日こそ服を買います。リベンジです!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お、おう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 この子気合入れると絶対コケるよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 誰か止めろ。すこやんカモン


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやんは焼かれたよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやん新しいプロバイダーに乗り換えるまで来れないよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 これだから財力がある奴は……。何回目のプロバイダー乗り換えだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 いなくても話題を掻っ攫うすこやんの恐ろしさよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 止める必要もないだろ。失敗したとしても経験だ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 年をとると失敗が怖くなって何もできなくなるよね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 自分から行動できる分のどっちは成長したよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 このスレ平均年齢高そう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 まぁのどっちと15年以上付き合ってるし…

140 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:28:55.99 ID:+1A2Pvbqo

 原村和です。

 あのショッピングモールにはしばらく近寄れなくなったので、今日は違う場所でお買い物予定です。

 前に外に出た時は焦りから早まっていましたが、今回は違います。


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    八  i: :| :iァテ外 \:| ァテ笊芥ハ:i ル' |: : 八: \: :\  \  =-
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   '⌒¨¨|: : i :∧ ::::::  、   ::::::: /{ミx   \: : . \ : : : : : : : : : : .  ̄
.        |: : .i rj入   _ _     /  /ニニ=-  \: : . \ : : : : : : : : : : :     「(一歩ずつでいいんです)」
      |  i / :|ニニ>  __ ,.     :/ニニニニ=-. \: : . \: : \: : : : : :
        ,  i | :|ニニニニト、 ヽ _/二ニニニニニ\\: : . \: : \ : : :
.      /   ∧八二ニニニ|=‐----/ニニニニニニニ=-ヘ, \: : . \: : \
     /  / ∨ \ニニニ|    /ニニニニニニ=- /⌒i   \: : . \: : :
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 胸の内にあるのは、麻雀を始めた時の感覚。


 最初は負け続けて、それが悔しくて勉強して、どんどん自分が強くなっていく高揚感。


 あのときだって失敗ばかり。


 牌譜を見返せば後から後からアラが出てくる。


 それでも諦めずに続けたからこそ、『のどっち』になれた。


 インターネットの騒ぎだってそうだ。


 結果的にはとっても恥ずかしいことをしたという自覚はある。


 でも、それをやらなければ今の私は存在しないし、こうしてアドバイスをしてくれる奇妙な縁もなかった。


 失敗したっていい。


 今日はとっても気楽な気持ちで外出できました。

141 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:29:25.11 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …


 「こ、ここがあの住民さんのハウスですか……!」


 何か違う言い方だとは思いますが、勝手に口から漏れました。

 先ほどはそう気楽に考えていたとはいえ、実際に服屋に着くと緊張が体を襲います。


 「落ち着いて、落ち着いて……」


 深呼吸、深呼吸。

 正直、立ち止まって深呼吸をしているのも不審者のように見えてしまうのですが、そんなことに氣を配る必要はありません。

 少し落ち着いてから服屋に突入!

 体がガチガチに強張って右手と右足を同時に出して歩いてしまいました。


 「いらっしゃいませー」


 店員の声が響くも、他のお客さんを対応していたおかげかいきなり話しかけられることはありませんでした。


 「(これで少し余裕が出来ますね)」


 服屋に入れば数秒で話しかけられる、それは世間の常識らしいです。

 それこそ『しばらく見させてください』と言っても、気になった商品を手にとって見ていれば二度三度話しかけられることはザラだとか。

 なぜかいろんな職種の人が入り混じる私のスレ民曰く、『話しかけないってことを売りにしてた服屋や電気屋はすぐに潰れたよ』だとかなんとか。

 それに話しかけに行かないと上司に死ぬほど怒られるので選択肢はないそうです。

 全く、私みたいなコミュ廠には厳しい世界ですね。

 通販最強です。ネット最高!!

142 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:29:54.88 ID:+1A2Pvbqo

 「(値段は結構落ち着いていますね)」


 服のデザインも値段も非常に落ち着いたものが多いです。

 もちろん、社会人向けなのでそこそこ値は張るのですが、スレ民曰く『高すぎず安すぎず』の服がいいそうです。

 高すぎれば派手な装飾や見てわかる生地で男性を引かせる。

 男性はそういう高飛車な女性を好む人が少ないだそうです。確かに、須賀君もそんな気がします。

 かといって安すぎれば『自分との特別な時間はその程度のもの』と思われます。

 その折り合いが難しいですね。

 まぁ、男性は女性の服装に頓着がない方が多いらしいですね。

 でも、女の子は服装一つでイメージが変わりますから大変ですよっ!


 「(私の趣味に合うものは……ないですね……)」


 小学生から大学生まで着ていた私服を思い返しますが、私の好きな服装はマイノリティだと言わざるをえません。

 もちろん、こういう一般向けの服屋にはないことはわかっていますが、少し残念ですね。

 全体的に見てみますが、いわゆる『今時の私くらいの女性の私服』は何を買えばいいのか全くわかりません。


 「(やっぱり、最終手段を使うしかないのでしょうか)」


 スレ民との相談を思い返します。

143 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:30:24.36 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …


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 やっぱり店員さんに聞く必要はありますよね


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 それが一番無難だけど、のどっちはいろいろと押し付けられそうな感じあるよなー


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 これもこれもー、って言われたら拒否しないとダメよ


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 俺たちもよくやる最終手段があるじゃないか


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 ああ、『あのマネキンにかかってる一セットください』か……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 だって楽だし……


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 お前らのどっちディスるくせに同類なのかよ!


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 センス的には大安定だよね。実際に着てみたイメージもわかりやすい


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 店員とのトークも最小限で済むからつい……


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 ちなみにのどっちのセンスってどんなん?


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 昔はこういうの着てました→通販サイトのURL


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 絶対にダメだよ!?


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 ダメだこれ!?

144 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:30:53.18 ID:+1A2Pvbqo

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 露出狂じゃねーか!!


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 やっぱりお相手の男性逃げたほうがいいんじゃ……


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 マイノリティだって自覚してます!!!!!!!!


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 自覚してりゃいいってもんじゃねーぞ!


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 まぁ、のどっちの好みは重石をつけて海にでも投げ捨てろ


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 のどっちアラサーくらいなんでしょ? 露出を控えた落ち着いた格好のほうがいいよ


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 相手がビッチ好きという可能性


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 そんな小さな可能性なんて考えなくていいからね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 雑誌とか見てみれば?


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 それはオススメできない。変に幻想抱くし、よくあるようなのでいいんだよ


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 やっぱり店員に一声かけて試着はしなよ


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 わかりました


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 自分の趣味ではなく、好きな男の趣味に合わせてあげるのが恋する女の子ってもんだ


 …
 ……

145 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:31:22.20 ID:+1A2Pvbqo

 「(やっぱり、店員さんに聞きましょう)」


 私の趣味ではなく、須賀君の趣味に合わせたいんです。

 そう考えれば自ずと答えは出てきました。

 なんだ、簡単な話じゃないですか。

 私がこれから買う服は外出用であり、『須賀君に見せたい服』なんです。

 だったら自分の好みを優先させる必要はありません。


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     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////  「す、すみません!!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
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 ちょっと声が上ずってしまったかもしれないですが、そんなことは考えないようにします。


 「はーい。どうなされましたか?」

 「あ、あの、最近ってどんな服が流行ってますか?」


 女性の店員さんでよかった……。

 意外なことに、一声かけてみれば言葉は出てきました。

 スラスラ、なんてとても言えません。それでも、相手に意思を表示することは出来ました。


 「うーん。

  お客様は美人ですからなんでも似合いそうですねー」

 「そ、そんなことないしゅ!」

 「何かお好みとかはありますかー?」

 「あっ、あの。あまり体のラインが出ないような服がいいかにゃって」

 「えーっ。スタイルいいのにもったいないですね」

 「(噛んだ)」

 「そうですね、いくつかお持ちしますー」


 や、やった。何とか話すことが出来ました!

146 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:31:51.28 ID:+1A2Pvbqo

 「お時間はありますかー?」

 「は、はい」

 「それでしたら今はこういう組み合わせが流行ってますね」

 「け、結構ありますね」

 「これでも厳選したんですよー」


 そう言ってペラペラと淀みなく組み合わせの説明や、生地の説明をする店員さんに目を丸くします。

 私からみればどうやって組み合わせたらいいか全くわかりません。

 かといって『押し付けられて買っちゃダメ』と教えてもらっていますし、ちゃんと考えなければ……。


 「ま、迷いますね」

 「あっ、もしかしてデート用ですか?」


      / : :/: : |: ::|゙: : |:.:.:| |: VM、_|:.: | }: ト、_,.::|: : :ヾ: ',
     ./  /  .! :i! : :N:.:| い: : : !/≧二]/"|´:.:|:. : |: !. !
    /   | |  |: ::|',/ ヽ| \: : |ィ/,ゞ..、\,!: :/: : :i! | :|
    ,' /: : |::{: .: :!:/| 〉|-.     \!" {_::rj::::', :リ/}:.:. ノ|/゙.:|
.   i ィ: : :.∨\"| /,ィうヽ      ィ゙:`::::ソ i} |/: ': : :|
.   |:/.!: : |: : : : |ヽ  {_,ィrj:::',       .`ー‐゙  ./: : : : : : !
    ! |: : |∨: : :ヽ{i ヾ,::::::ツ ::::::::::::::::: :::::::::  |: : : : : : |
     ヽ:.| \: : : \, `" ::::::::::::::::::::::_,,._ ::::::::: |: : : : : : {
.      'j  |: : ̄、 ̄ :::::::::::::: _,,. - "__\   {: : :  :'.,
         !: : : :.ハ.       { ./      〉 ./!: : : : \
        .|: : :リ`ヘ.       V     ./ ,ィ=、|: : : : ト、::ヽ   「!!?」
.        |: :  : : :`..、,    `ー  " ./ |/ \: : : . :| i: :}
.        リ: ,': : : : :/: : :/  ー, --‐'    /   ヽ: : ::ヽ ̄ `ヽ
.        /: /: : : : /: : :/: : :/ {/〉,    /     〉,: : : :\   \
       /: /: : : : /: : : _,.ィ={ :|/. !.    /    /| \: : : ::\   }
      /:/ : : ::/_,,.-/ / :| :|: :.   /    / :| | .\: : :  \/
     /:/} : : :/   / / .:| :|_.    /   /  .! !  .\: : :  ヽ,
.  /:/_,/゙:   ::/   / /  :| :|. ` ./  ./   .| | /  \: : : :`、


 「当たりですねー」

 「は、はい」

 「それでしたら、オススメの決め方があります」


 店員さんは指を唇に当てて悪戯っぽく笑いました。


 「最後は貴女が彼氏のために思ったものを買うのが一番いいですよ」

 「えっ」

 「こんなことを言うと店長に怒られちゃうんですけどね」


 ははっ、っと屈託無く笑う店員さん。

147 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:32:20.79 ID:+1A2Pvbqo


 「失敗しないで選ぶことが重要だって、私も学びましたから」


 「貴女は人が失敗して本当に辛くて死にそうな時に、自分を投げ出せる人です」


 「そんな貴女が考え抜いて選んだものなら、彼氏さんは無下にしたりしませんよ」


 「もし失敗しちゃっても、それは次に活かせばいいんですっ!」


 「みんなそう言っているじゃないですか」

148 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:32:49.90 ID:+1A2Pvbqo






 「ねっ、『のどっち』」





 
149 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:33:19.09 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …


 何の所縁もない名前も知らない人との出会い。

 私と違ってネット上でフェイクを入れられる人だったんですね。


 「ふふっ」


 今日は色々と教えてもらっちゃいました。

 今度はお化粧品やバッグなんかも買いに行かないといけないですね。

 ちょっと乗せられて服を多く買っちゃいましたけれど、まぁいいでしょう!

 この戦果をみんなに報告して、次はどうしようかな、なんて考えます。


 ちょっと、楽しい。


 いや


 とっても楽しい!


 『須賀君、お疲れ様です!』

 『よー、和!

  いつもありがとなー!』

 「いえいえ。

  私も今日は色々とあったので遅くなっちゃいました』

 『なんだか機嫌がよさそうな予感?』

 『あっ、わかっちゃいますか?』

 『和が嬉しいと俺も嬉しい!(キリッ)』

 『もう、チャットでそんなこと言ってもときめいたりしませんからね』

150 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:33:47.58 ID:+1A2Pvbqo


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      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧


 嘘です。すっごくときめいてます。

 好きな人にこういうことを言われると満更でもないですね。


 ※ただしイケメンに限る。


 『あっ、そーだ。

  和って来週の土曜日なんか予定ある?』

 『特にありませんよ』

 「まぁ、毎日暇ですからね」

 『そっかァ……。

  うーん、よしっ』


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!     「?」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ

151 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:34:17.29 ID:+1A2Pvbqo


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
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     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
 /\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´     ∨\/ ̄ )  ̄ ̄        /   /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.:     『デートしようぜ!』
/:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ  ----- 、  ∨/   / 、          /   ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:
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:.:./:.:.:.:.:./       ‘,  ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´    \:.:.:.:.:
:/:.:.:.:.:.:.{: .    . :    ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\        /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/        \:.:
:.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/   / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\    ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



      l:..  / . : : : : : :/ l: : :.l.:|! : :.l: : :ヽ: :.',: : : :V:    :,ノ:..  |
      |:.. /  , : : : : : : / : |:jl: :|.:|| : :.ト、: : :ト、:ハ:.:.: :j!:   く/⌒  ,ノ
     〉: ,′ /: : / l: : /|:__:|:||: :|小、孑代汁仆|l|:. :||:   .:j|:.   〈
     く:. i  /: :.:,':.厶rj´|l : |从.:| ヽ \| ∨从|l|:. :|L _/⌒ヽ /
      |:. | :,'j: :.:.j|:.:||: :l 八_」_ \    ィf乏[うメ、|: :从: :/  ヽ.-r'
     L l :l | l: :|| 八,ィ圻圷、         {ト _jハ.}}:∧|:.:.:|    } ',
.      Y,| |:.从 { {{゙ {ト、_jハ        弋jy沙 /  i: :.:レi⌒jレ'´〉
       / 八::{:.:\  Vj沙′          ,,,,、   i: : :.:.:|:.:|:.:.|
        厶__/ \:.|ハ  ,,,、     '             ,′:.:.:.:|:.:|:.:.l
          | :.:.:l:.:ヽ',              /7 / : : l .:l:.:.l
          |   ::l:.:.l八        r_ヽ     .イ/ /: : : ,′l.:. l
          |  ::l:.:.l:.:.:{丶.           ,.イ|'/ / : : :/ : :.l:.:.:l   「……!?!?!?!!?」
          |  ::|:.:.|:.:.:ヽ:.:.:.:> .、_,. <  / / : :./ :.:.: :l:.:.:l
          |  ::|:.:.ト、:.:.:.:\:.:.:.ヽ}   _,../ / : :./ |:.:.:.: :l:.:.:l
.       /´}   :|:.:lト、\:. : :\__」 _/  . ′..: :.:.:.∧ |:.:.:.:.:.l:.:.:l
      ,x‐く ̄∨ .:|:.:l| \,_,>'"´   /  :.:.:.:.:.:, ′\: :.:.:.l:.:.:l
  ,. ‐く \ ヽ ∨:|:.:ll.   / /  /  : : :.:.:;/ ̄\ ヽ:.:.|: :.l
. 厶ヘ、ヽ     ∨: l| / /  /  : :.:.:.;.'′    ヽ. ∨:.:.:l
     l        l : :ll/ /   , ′ :.:.:,.'′          ハ:.:',:.l
     |        l : ://  / /   :,.ィ゛/ ̄ ̄ ̄\   .:|:.:.i:.:.l
     l      ,′j厶ィ´ / / :/ /           ヽ  .::i:.:.:l:.:.l
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152 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:34:46.80 ID:+1A2Pvbqo


 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 と言うラインがきました


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前ら、全力で行くぞ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちまじがんばれ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 勝負下着履いていけよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 いいか、男を立ててやるんだぞ。オタクトークしちゃダメだぞ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 やっぱり襲われちゃいますよね!?!?!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 アラサーくらいだと体の関係から入る人も多いんじゃない?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 この子なんで嬉しそうなの。ヤリ捨てられるかもしれないから気をつけーな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 無理やりやられちゃうかもしれないからほんと気をつけてな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 無理やり、ですか……


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/  / ̄ \
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |     |  ア  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |      |  リ  .!
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |    <.  で  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |     .|  す  !
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |     .!  ね .!
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    \__/
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


 続く
153 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 16:35:52.89 ID:+1A2Pvbqo
5話投下終了。数日かけてシリーズ完結まで投下します
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 17:33:20.58 ID:0ocWsEqSO
おつおつ
(元?)受験生GJと言わざるをえない
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 19:38:45.78 ID:yJXkp/aOO
おかしいな、のどっちがカワイク見えるぞ
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 22:21:08.01 ID:/nA6NNs9o
スレ民にとーかとともきーがしれっと混ざってそう
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 22:40:34.86 ID:C7wUkD3jo
青春を取り戻したっていいじゃない
あらふぉーだもの
                すこや
158 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/27(水) 22:50:21.37 ID:+1A2Pvbqo

 【シンデレラ】(平行世界)



  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 髪を美容院で整えて、お化粧して、バッグも買って、服も下着も用意しました!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 いろいろと気遣いができるともっといいけど、のどっちにそれを期待するのは酷


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 普段からやってないことをやろうとするとボロが出るからやめときーな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちが普段やってること……自演?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 何事もほどほどにってことやねん


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 水筒女子とかの方がいいんでしょうか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 多分大人はそんなに気にしないと思うよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 相手次第としか言えない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 水筒女子に惹かれる気持ちもわかる


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お弁当とか作れないっしょ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 お弁当なら作れますよ。料理は得意です!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 う、嘘ぉ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 【朗報】のどっち、麻雀以外の特技が発見される
159 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:50:50.50 ID:+1A2Pvbqo

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 弁当はやめとけ、相手のデートプランが崩れるかもしれない


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 高級レストランとか予約してたら問題だからね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 アピールポイントにはなると思うけれど、大人のデートだと難しいよね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 今回じゃなくていいでしょ。次はお弁当作ってきますって言うだけでポイント稼げる


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 わかりました!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 気楽になー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 力抜けよー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 応援してるぞー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 デート中はこのスレ見るなよー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 みなさん……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お礼なら全部終わった後でいいから行ってこい!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 はいっ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 〜その後、のどっちの姿を見たものはいなかった〜
160 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:51:19.84 ID:+1A2Pvbqo

 原村和です……。


 「ヒフッ、デュフ、ハフッ」


 過呼吸になりそうなくらい緊張してます。

 前回のお見合いから大体一ヶ月くらい。

 やり取りはラインのチャットと通話だけです。

 それでも一ヶ月もやり取りをすれば通話くらいは慣れていたのですが、実際に会うとなればもうだめそうです。

 何度も自分の姿を見直して、バッグを漁り、挙動不審になりながらも待ちます。


 「と、とりあえず座りましょう」


 駅前にベンチがあったので、タオルを敷いて座ります。

 こういったさり気ないところは住民さんに教えて貰ったところです。

 気にしない女の子の方が好みの男もいると聞きましたが、最後に決めたのは自分です。


 「(須賀君にちょっとでも可愛い姿を見せたいじゃないですか!)」


 中身はドロドロでダメダメなのは自覚してますよっ!

 それでも、ちょっとでもよく見せたいんです!

 新品の服でオシャレしてきたと伝えたい。そのためには汚れもない方がいい。

 あなたのために頑張ったってわかってほしい。そのために少しの手間は惜しまない。
161 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:51:49.15 ID:+1A2Pvbqo

 「(恋する女の子って、こういう気持ちなんですね)」


 学生時代には考えられなかった感情。


 一般の女の子たちがこうして恋愛話に花を咲かせている中、私は全く関係のないことをしていました。


 その時は『恋愛なんかに浮かれる気持ちなんてわかりません』と思っていましたが、そんな考えがバカらしくなるくらいのふわふわとした気持ち。


 「こういうことだったんですね」


 ちょっとでもよく見られたい。


 可愛いって言って欲しい。


 喜んでほしい。


 そうやって日々を過ごすことが、女の子たちの青春。


 だから今、とっても楽しいです。
162 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:52:17.84 ID:+1A2Pvbqo

                        _ , 、
                      /ィ--∨  :.- 、
                    __/  , ,:   } l \
                  ` ー-, | /{ { l  | |  .
                   /_/  | / 从 :  ,-}/、 |l |
                    /   从 -rォY /rォ- }イ {
                 _` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ  } }∧
                  Y {{ |Y }  从∧  _    八{
                「l | || | | |    Y 、 ` ー` イ / '     「よっ、和!
                { ー '' ' | /^〉 「//}` ー ´r'-、
                    |       ' ノ_,」// |    |/()|       待たせちゃった?」
                 :.   /´ //////∧_ r '///>- 、
                   ∧ _人 イ///////∧-}//////////> 、
                {//\___「///////// ∨////////////∧
                 |////()/}//////////{/////====/// //|
                ////// //////////(_)//////////|////|
                ,'//////イ/////////////////////l|////|
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            {////////{//////////////////////|////|
            ∨//////イ////////////////////// ///∧
               マ//// |//////////(_)///////// {//////}
                ̄   |/////////////////////,イ///// |
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   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
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     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|    「いいえ、今来たところですよっ!」
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
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     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
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     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
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163 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:52:48.04 ID:+1A2Pvbqo

 声が裏返ったらどうしようだとか、ちゃんと喋れなかったらどうしようという悩みは一瞬で解決しました。

 彼の姿を見た途端、自然と笑みが浮かんできました。

 それにそれにっ、なんだか恋人みたいなやりとりじゃないですか! 憧れですよ!


 「須賀君こそ、お仕事で疲れていませんか?」

 「ダイジョーブ!

  デートの日は元気になるだろっ!」

 「そういうものなんですね」

 「しかし和は綺麗になったよね。

  高校時代は可愛いって感じだったのに、今は立派な美人さんだよ」

 「お、お世辞はやめてくださいっ」

 「えーっ。多分みんなそう言うと思うんだけどなァ」


 ジーッと私を見て爽やかに笑う須賀君は、高校生の時を思い出します。

 一番初めて会った時からコミュ力が高い人でしたが、ますますそれに磨きをかけたんでしょうか。

 それにしても、どこか女慣れしてますね……。

 ま、まぁ須賀君もこの歳になって初めてのデートってわけではないでしょうし、それはそうですよね。


 ……むっ。なんだか知らない女の人にムカムカします。


 「のどかー。笑ってー」

 「ひゃっ。し、下から覗き込まないでくださいよ」

 「だって何か考え事してウンウン唸ってるんだもん」

 「そ、そうでした?」


 いけないいけない。

 須賀君の前だけでも『可愛くて愛想の良い原村和』でいなければいけません。

 心がけを忘れないで、気をつけましょう。
164 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:53:16.67 ID:+1A2Pvbqo

 「今日は俺がデートコース決めちゃってるけどいいよね?」

 「はい。

  ふふっ、期待していますよ」

 「おう、任せとけっ」


 自信満々に言いだす須賀君に笑みがこぼれます。

 もう、そういうところは変わっていないんですね。

 先導してくれますが、手をつないだりはしてきません。

 ま、まぁまだ早いですよね。初めてのデートですし。

 ただちょっと憧れていたので肩透かしというかなんというか。

 それにこの年齢になっちゃうと手をつないでのデートも恥ずかしいですよね。

 ああっ、なんで私は甘酸っぱい青春を送らなかったんでしょうか!


 「そんなに歩かないようにするよ」

 「いえっ、頑張れますよ」

 「そう?

  まぁそれは次の機会だね」


 あんまり歩くコースだと落ちきった体力が響くのでちょっと安心しました。

 しかしこれは完全に手慣れてますね。

 でもそんなところにちょっとドキドキしちゃいます。

 もう、卑怯ですよっ!
165 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:53:46.23 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …

 「水族館なんて久しぶりにきました」

 「大人になっちゃうと来ないよね。

  まっ、高校生でもあんまり来ないか」


 須賀君に案内してもらったのは水族館。

 やっぱり鉄板でしょうか?

 ディズニーランドとかは今の時間からだと遅いんですかね。まったくわかりません!


 「須賀君って魚好きなんですか?」

 「え、エビは好きかな?」

 「それ、食べ物のことですよね。

  合宿でエビばっかり食べていたのは覚えてますよ」

 「うげっ、なんで!?」


 そんな思い出話が懐かしくて楽しい。

 私にとって一番楽しかった時期ですからね。

 須賀君と一緒にいたのはわずか半年くらいですが、彼の人となりの良さは知っています。

 いなくなってからわかる大切な存在。

 身勝手な話ですが、いなかったからこそ印象に残ったのかもしれませんね。

 それほど次の年で彼の存在の重要さを知ることになったのですから。
166 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:54:15.97 ID:+1A2Pvbqo

 「いやー、和に覚えていてもらえるなんて光栄だよ」

 「そんな大したことじゃないですよ」

 「そうでもないよ。

  こういうのって嬉しい」

 「そ、そうですか」


 チラッと横顔を見てみたら、本当に嬉しそうに笑う須賀君がいました。

 そんな笑顔を見てドキッとしてしまいます。

 やっぱり卑怯です。


 「まっ、俺も人のこと言えないんだけどさ」

 「?」

 「次、ちょっと見てみようぜ」

 「は、はい」


 言われるがまま先導してもらうと、何かのショーが始まるみたいです。

 須賀君は席を取ってくれて、見やすい席の方に私を案内してくれました。


 「ほらっ」

 「あっ……」


       _____
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   \ノー-- ⊥__ ,, -‐'
        \ノ


 そこには、よちよちと歩くペンギンたちの姿。


 「ペンギンかわいいだろ!」


 これ以上ないドヤっとした顔を見せる須賀君の顔を真正面から見られません。

 だって、真っ赤になってしまって恥ずかしくて俯いてしまっているんですから。
167 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:54:45.30 ID:+1A2Pvbqo





 覚えていたんですね。


 懐かしい思い出。


 エトペンを持って麻雀を打っていた日々。




 
168 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:55:14.06 ID:+1A2Pvbqo

 「卑怯です」

 「の、和?」


 俯いてちょっと涙が出ちゃいます。


 もう、思い出攻撃なんて卑怯じゃないですか。


 須賀君はダメダメです。


 女の子を泣かせちゃうんですから。


 「ちょっと嬉しくて泣いちゃいました」

 「そ、それならよかった」

 「良くないです。

  乙女の涙を見たんですから、罰があります」

 「いいっ!?」

 「ふふっ、アイス奢ってくださいね」


 誤魔化すようにねだります。

 だって、恥ずかしいじゃないですか。

 だから私もあの時のように、優希のようにあなたに甘えてもいいですよね?
169 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:55:43.24 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …


 「アイス買ってきたよ」

 「た、食べさせてください」

 「えっ」

 「ううっ……」

 「ほれ、あーん」

 「あーん」

 「美味しい?」

 「ふふっ、須賀君が買ってきてくれたから美味しいです」

 「なんだそれ」


 気づけば堅い雰囲気はどこにやら、素直に須賀君に甘えられるようになりました。

 恋人でもないのにこうするのはおかしいかもしれませんが、泣かせた罰なんだから許されますよね?


 「この後はどうするんですか?」

 「ウインドウショッピングして、そのままそこらのレストランに行こうかなって」

 「ふふっ、期待してますよ」

 「任せとけ!」


 本当に素直に、須賀君に甘えられる時間。

 とっても幸せ。

 このまま時間が止まって欲しいなんて、そんな子供みたいなことを考えてしまう。

 ああ、幸せです。
170 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:56:12.41 ID:+1A2Pvbqo

 ……
 …

 須賀君との楽しいウインドウショッピング。

 時間を忘れて楽しんでしまいました。

 手鏡だとかの小物も揃えないといけないですね。

 須賀君、私より女性のブランド物に詳しいのが嫉妬しちゃいます。

 調べてきてくれたのか、それとも経験なのかはわかりませんけどっ。


 「そろそろ飯食うかー」

 「そうですね」




 そんな幸せな時間。





 「あれっ、須賀君?」

 「あっ」


 そんな中、一人の女性が声をかけてきました。

 見た目はかなりの美人さんで、スーツを着て堂々としています。

 ちゃんと働いている女性の雰囲気は、とても格好良く見えました。


 「あら、デート中なの?」

 「そうっすね」

 「それじゃお邪魔しちゃ悪いわね。

  ふふっ、今度社内で噂しちゃおうかしら」

 「勘弁してくださいよー」


 そんな風に和やかに話す須賀君を見て、胸がチクリと痛みます。

 女性と須賀君の会話は本当に何気ない世間話で、私に気を使って直ぐに切り上げてくれました。

 逆にそれが私の心に響きます。

 私みたいな生活ではなく、ちゃんと毎日を過ごしている女性を見て、楽しい気持ちはどこかに飛んで行っていましました。
171 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:56:41.61 ID:+1A2Pvbqo







 ああ、やっとわかりました。


 私は須賀君にふさわしくないです






 
172 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:57:10.89 ID:+1A2Pvbqo

 何を今更って話ですよね

 こうやって色々な事を隠して、上辺だけを整えて須賀君とデートしてるだけです。

 今日のために買った小綺麗な服も、大人の女性の方ならみんな当たり前のように持っているもの。

 今までちゃんと努力をしてきた人に敵うわけがないです。

 いいえ、敵ってしまってはいけないんです。

 そんな事をしたら、努力をする人なんていなくなっちゃいますもんね。

 須賀君は言いました。

 インターハイで活躍する私たちと同じようにもう一度頑張りたいと思った、と。


 その結果、ハンドボールのプロになった須賀君。

 何もしていなかった私。


 最初から釣り合う人なんかじゃなかった。

 夢を見させてくれた。


 須賀君にはもっとふさわしい女性がいる。

 それはきっと、仕事もできて、美人で、私なんかとは違ってまっとうな人生を送ってきた人。
173 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:57:40.07 ID:+1A2Pvbqo

 「ごめんごめん。

  同僚がこんなところにいるとは」

 「いえ、お仕事大変ですよね」


 須賀君に気取られないように笑顔の仮面を貼り付けて。

 きっとバレていないはずです。


 「……あー、和。

  ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけど」

 「はい?」

 「ご飯食べる前にさ、ちょっとイルミネーションでも見ないか?」

 「もちろん、大丈夫ですよ!」


 それでも、少しだけ夢を見るのは悪い事でしょうか。

 今日だけ、ほんの少しだけ楽しめれば満足ですから。

 ふふっ、シンデレラみたいですね。

 シンデレラと違うところは、シンデレラは見た目が汚くて心が綺麗。

 私は見た目を小綺麗にしても心が汚い、というところですかね?

 それなら魔法はもう直ぐ解ける時間です。

 きっと、そこで本当に別れを告げられるんでしょう。
174 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:58:08.87 ID:+1A2Pvbqo






 「和。

  結婚を前提に付き合ってくれ」






 
175 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/27(水) 22:58:38.79 ID:+1A2Pvbqo



 私たちを包む夜のイルミネーション


 須賀君が伝えてくれた言葉はまるで魔法のよう


 私は理解できず、呆然とする


 まっすぐに私を見据える須賀君


 時計の針が止まった気がした



 
176 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/27(水) 22:59:07.72 ID:+1A2Pvbqo
続く

投下終了
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 23:00:43.47 ID:J+Su+0MEo
乙ァ!
相変わらず筆が速くてビビるわ
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 23:09:16.31 ID:0ocWsEqSO

15年で培った面倒くささ発揮しないなら上手くいきそうな気配、高校時代は普通にコミュ取れてたみたいね
いつからこうなった




ペンギンのAAちょっと怖かったww
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/27(水) 23:28:41.74 ID:tOgcMemPo
乙女(アラサー)
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 00:25:49.48 ID:JL2zUIp4o
しかし、掲示板にsukoyaがいないとなんか物足りないぜ
これがのどっちスレの住人の気持ちか…
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 00:27:32.45 ID:kHCOgT00o
>>152
のどっち可愛い、良い話だなって思ってたら最後で吹いた
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 00:47:23.01 ID:fDOXP/94o
>>152
のどっち可愛い、良い話だなって思ってたら最後で吹いた
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 08:49:46.65 ID:61YUUJ+po
のどっちスレの住人優しすぎないか
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 10:41:39.15 ID:4qP7/Up1o
すばら
185 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:54:31.16 ID:z0CqE4Qvo

 【のどっち】(平行世界)


 「なんで、ですか」

 「えっ」

 「なんで、私なんか……」


 かろうじて口から漏れた言葉はそれだけ。


 「なんでって、好きだからじゃダメか?」

 「須賀君は私のこと、何も知らないじゃないですか」

 「そうか?」


 勝手に悩んで、いきなり不機嫌になっているのに須賀君は全く気にしていない様子です。

 その様子が逆にイラついて、ますます不機嫌になります。

 そんな身勝手な自分が情けなくて、もっともっと不機嫌になる。

 なんて負のループ。


 「まず、美人だろ」

 「っ!」

 「あと、優しい」

 「優しくなんてないですよ」

 「毎日労ってくれてるじゃん」

 「そ、それは……」


 心配なのは確かです。

 でも、下心があっただけじゃないですか。
186 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:55:00.31 ID:z0CqE4Qvo

 「今日も俺のために新しい服出してくれてるみたいだし」

 「な、なんでそれを」

 「見ればわかるよ」


 我ながら面倒くさい言い回しだと思います。

 ネットでなら、こんなメンヘラ女と言って叩いていたに違いありません。

 でも、実際にこうなってみると自虐しか浮かびません。


 「私は、そんな綺麗な人じゃないです」

 「全部下心があってやっていたことなんです」


 気づけば涙がこぼれ始めました。

 ダメです。もう我慢できません。

 言っちゃダメなのに、せめて綺麗にお別れしたいのに、勝手に言葉が口から漏れてくる。
187 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:55:29.87 ID:z0CqE4Qvo

 「今、働いてないです」

 「須賀君がいなくなった後、清澄麻雀部がぐちゃぐちゃになって」

 「大学に行っても友達ができなくて」

 「就職もできなくて、家に引きこもって」

 「知ってますか?

  私、ネット民なんですよ」

 「普通の人に引かれちゃうような言葉を使って、みんなで煽って煽られて」

 「昔なんか自演して」

 「そんなバカみたいな毎日を過ごして今があるんです」

 「そんな私と須賀君が、釣り合うわけないじゃないですか」


 もう、止まらない。

 想いは漏れ出して決壊したまま。

 こんな風になるなら、須賀君と再会しなければよかった。

 須賀君と再会しても、連絡先の交換なんてするんじゃなかった。

 スレ民に相談して、恋仲になろうなんて考えるんじゃなかった。
188 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:55:59.70 ID:z0CqE4Qvo

                ,. --- 、        ____
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           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
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            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ   「ごめん、全部知ってた」
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
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'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
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189 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:56:28.57 ID:z0CqE4Qvo

               ____
         ,.' ´        `  、
      _,ィァ′        ヽ    \
       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、
      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト'"   '     '""'  _,イ | |:.:| |:.:|   「えっ?」
      } } ハ    tっ     ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
.     }/:.:.   . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V  / ∧
     i':.:.:.. . . .: : :∧Y:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
     {  : : : : : : }:.:|:.i:{:.:.:.: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|r<´ _.!
    _八     j:.:.!:..:|..  : : : :     ノ{    {
   { i   ヽ、._  |:.:.:.:.:|::         ,イ ヾ、_  |
   ∧ヽ  { >=-.¨|:.:.:.:.:|==-__--,イ}:{  丶、._〉
   〉ヘ ':;:...| //´ |:.:.:.:.:|: : `¨ー= イ{l! ';:..   {
190 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:56:58.25 ID:z0CqE4Qvo

 ちょっ、まっ、ええっ!?

 なんで一番知られたくない人に知られているんですか!?

 咲さんや優希も知らないことですし、須賀君につながるパイプはないですよね!?

 ま、まさか父が……。

 よし、父を殺して私も死にますか♪


 「だって、『のどっち』で検索すると一番上に出てくるし……」

 「あっ……」


 おのれグーグル!!!!!!!!!!!


 「し、知ったのは最近だよ?」

 「嘘ですよね!?」

 「あー、これ見てよ」


 そう言って須賀君はスマホをぽちぽちと弄り始めました。

 ぐぬぬ、イケメンがスマホいじってると様になるのが卑怯ですね。こんな状況なのにキュンキュンします。
191 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:57:27.54 ID:z0CqE4Qvo

 【のどっち、通販で服を買う】より

 ……
 …

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 透明でレス番が飛び飛びなんですが


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お前新参だろ。アレを弄って遊ぶのもスレの楽しみの一つなのにNGなんて勿体ない


 …
 ……
192 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:57:56.73 ID:z0CqE4Qvo

 「一発で新参って見抜かれちゃったよ」

 「ファーーーーーーーーーーー!?」

 「だ、大丈夫。ちょっとしか見てないし?」

 「そういう言い方するってことはログも見てますよね!?」

 「さ、さすがにそこまで見てないよ」

 「死にたい」


 なんですかこれ。

 どういうことですかこれ。

 どんな羞恥プレイですかこれ!!

 いっちばんの黒歴史を意中の人に見られてたってどういうことですかこれ!?

 やめてくださいしんでしまいます。


 「だから和のそう言った部分も含めて好きになったんだよ」


 ケタケタ笑いながらそういう須賀君。

 そ、そんなこと言われたら……。


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!    「いや、ねーよ」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ
193 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:58:26.09 ID:z0CqE4Qvo

 「あんな黒歴史を見て好きになる人とかありえません!!」

 「いるんだなー、ここに」

 「……お願いします。真面目に答えてください」

 「うーん……」


 ポリポリと頭を掻いて、目線をそらす須賀君。


 「その、さ」

 「はい」

 「和、すごく頑張ってたじゃん」

 「どこがですか」

 「俺のために慣れない外出したこと。

  失敗しても頑張って服を買ったこと。

  化粧品やバッグを整えたこと。

  知ってるよ」


 うん、恥ずかしくて死にます。


 「それに、毎日のラインは和が考えて送ってくれてたんだろ。

  それのおかげでどんなに助かったことやら。

  俺のためにそんなことをしてくれてるのを見たんだ。

  それが理由で惚れちゃダメか?」


 ダメです。ダメダメです。

 恋愛っていうのはもっとロマンチックで、せっかくこんなイルミネーションがあるところなんですから。


 ダメだ。


 嬉しい。


 些細な私の努力を見てくれていたことが、こんなにも嬉しいなんて。
194 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:58:55.46 ID:z0CqE4Qvo


 「卑怯です。


  最低です」


 「うぐっ」


 「麻雀でいうなら、自分だけ相手の手牌が見えているようなもんじゃないですか!」


 「そ、その通りです」

 
 「いつからですか」


 「お見合いしてちょっとしてからかなァ」


 「ううっ、一ヶ月も見られているなんて」


 「だから言わないで告白したいなーとか考えてたり。お互いのためにも」


 「この、どヘタレ!」


 「いやほんと、まだネトマやってんのかなー程度だったんだけど、まさかトップにあんなスレが」


 「黙ってください」


 「はい」


 「須賀君は卑怯者です」


 「あーもう! 卑怯だよ!


  それで、返事は?」


 「そんなの!」

195 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:59:24.54 ID:z0CqE4Qvo






 「相手の手牌が見えているならわかるじゃないですかっ!」






 
196 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 15:59:54.21 ID:z0CqE4Qvo

 須賀君にぎゅっと抱きしめられる。


 「手慣れてますね」

 「そ、そんなことねーし」

 「どれだけの女の子をコマしてきたんですか」

 「和……、言い回しが……」

 「これが今の私の素です。

  幻滅しましたか?」

 「和のことはよく知ってるから」

 「一方的に知られているなんて許せません」

 「これから知っていけばいいじゃん」

 「じゃあいっぱい教えてくださいね」

 「おう」

 「何にやけてるんですか!」

 「和が柔らかくて」

 「スケベ!」

 「俺のことを一つ知れたじゃん」

 「このっ!」

 「幻滅した?」


 悪戯っ子のような笑みでこちらを見てくる須賀君。

 ……ええ、そうですね。
197 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/28(木) 16:00:22.87 ID:z0CqE4Qvo


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     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|  「こーんな意地悪な人は、私じゃないとダメですねっ」
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧

 カン!
198 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/28(木) 16:01:18.28 ID:z0CqE4Qvo
本編完結。投下終了
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 16:06:03.80 ID:tin3V6cwO
乙です
のどっち可愛い
まさか京ちゃん全部知ってたとはw
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 16:14:48.42 ID:3AHk12Blo

まあそりゃ京太郎の立場なら調べるよな、ネトマじゃ有名人なんだし
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 16:18:31.91 ID:mkJIYd/xo
乙です
確かにぐぐったらでてきそうだもんなww
本当にすばらだった
どのカプもすごく上手くかけててすげえ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 17:01:51.96 ID:Qf5vyXFSO
おつー
なるほど紛れ込んでたとは気付けなんだのどっちおめ
報告後のスレ民の反応も見てみたい
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 19:13:04.54 ID:bMgRMy2Lo
これは予想外
でも言われてみればそうである
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 19:14:41.89 ID:JL2zUIp4o
次は結婚式に呼ぶ友達がいないでスレ立てるよ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 01:37:40.32 ID:IRaOQpRkO
乙乙
後日談でスレ民の反応が見たいな
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 11:20:16.29 ID:jU6uq+tDO
スレ住人の反応が楽しみだ
すこやんとかやばそう
207 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/29(金) 16:19:35.44 ID:avvE9qXdo

 1/10

 【原村和-エピローグ-】(平行世界)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 というわけで、全部バレてました


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 と、とりあえずのどっちおめ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 なんだろう。素直に喜んでいいものか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 普段ののどっちの所業を知っていてOKするとか、相手は聖人か何か?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 イェーイ。お見合い相手さん見てるー?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 マジかよ。あの時新参ってレスした俺のおかげじゃん?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 服屋を紹介した人のおかげだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 いいえ、皆さんのおかげです


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 の、のどっちがこんなにも成長して……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ああ、信じられない……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 【朗報】のどっち、感謝する
208 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:20:04.69 ID:avvE9qXdo

 2/10


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 今北産業


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち
 結婚
 確定


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 はァァァァァァァァァ!?!?!?!?!??!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 どうせ釣りだろオラァァァァ!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 私と麻雀しろよォォォォ!!!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやん復活と同時に三連とか荒ぶってんな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 すこやん、スレ荒らすのはいいけど焼かれない程度にしといてよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 所詮すこやんは麻雀が絡まないと何もできんのだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 お前ら全員ぶっ潰してやるよォォォォォ!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そういやあの新参レスってすこやんのおかげでわかったようなもんじゃん?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 まさかすこやんが伏線だったなんて


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 良かったねすこやん。恋のキューピットだったよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 「」
209 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:20:33.65 ID:avvE9qXdo

 3/10


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 【朗報】すこやん麻雀以外で初めて役に立つ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 しかしまぁ、これでのどっちも卒業か


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 恋人に見られてちゃ続けられないよね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そっか、15年か。長かったな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 俺たちものどっちから卒業する時が来たんだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 キルミーコピペののどっち改変はよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちは結婚するんだ
 いくら呼んでも帰ってこないんだ
 もう俺たちも人生と向き合う時間なんだ(AA略


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 やめろよ感動するだろ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 この書き込みを最後にします
 みなさんと出会えてよかった
 ありがとうございました!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 オメデトー!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 もう帰ってくんなよさびしいぞー!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 いい家庭を作れよー!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちスレ、完!
210 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:21:03.07 ID:avvE9qXdo

 4/10

 ……
 …

 私はのどっちでも原村和でもない!

 須賀和なのだァァァー!!!


 まぁ、(予定)なんですけどね。

 こんにちは、原村和です。

 あれから須賀君とお付き合いを続けて、近々結婚予定です!

 ふふっ、恋人としてイチャイチャするって素晴らしいですね!

 今まで知らなかった人肌の温もり……デュフフ……!


 もう喪女なんて言わせない!


 「呼び名は京太郎君にしましょうか。

  いえ、君だとおかしいですよね。

  京太郎……、なんかむずむずします!

  京太郎さん……。お嫁さんっぽくていいですね!

  キョータロー……。私のキャラじゃないですね。

  キョウタロウ……。私は守銭奴じゃないですっ!

  ガースー……。もうわけわからないですね。

  京ちゃん……。なんだか胸がムカムカします。

  ご主人様……。悪くないですね!!

  やっぱりお嫁さんだったら『あなた』と『お前』なんて……キャー!」


 やったぁー!

 念願のお嫁さんになれたぞー!

 殺してでも奪い取らせはしませんよ!
211 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:21:32.71 ID:avvE9qXdo

 5/10

 ……
 …

 ・昨日の話

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //      「娘さんを俺にください」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i   「えっ、マジで!?!?!?!?
                i: i !  , _.. .._  /
               ゙i"\ ` 二  /     やめておいたほうがいいよ!」
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////   「なんでや!!!!!!!」
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////
212 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:22:02.10 ID:avvE9qXdo

 6/10


 あの父が取り乱して言葉遣いが大変なことになっていたことは忘れません。

 何度もなんども、何十回も『本当にいいのか』『気の迷いじゃないか』『君はまだ若いからいい人がいる』って言う父親がいますか!!

 須賀君の人となりを知れば知るほど気に入ったようで、何度も進言していました。

 娘の幸せを願ってくださいよ!!


 「だって須賀君いい人だし……」


 キャラ崩壊しすぎじゃないですか!


 「でもでも、最終的には認めてもらいましたし」


 もー、幸せいっぱいです。

 これからちょっとだけ同棲して、結婚するつもりです。

 まだキスしかしていませんが、同棲したら……キャー!!

 ムフフフフ、デュフフフフ!!

 ああっ、原村和は女になるんですね。

 そして主婦になって、須賀君を支えてあげて……。


 ……ん?

 主婦?
213 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:22:31.69 ID:avvE9qXdo

 7/10


         ,.' ´        `  、
      _,ィァ′        ヽ    \
       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、
      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト'"   '     '""'  _,イ | |:.:| |:.:|   「主婦って何をすればいいんですか?」
      } } ハ    tっ     ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
.     }/:.:.   . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V  / ∧
     i':.:.:.. . . .: : :∧Y:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
     {  : : : : : : }:.:|:.i:{:.:.:.: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|r<´ _.!
    _八     j:.:.!:..:|..  : : : :     ノ{    {
   { i   ヽ、._  |:.:.:.:.:|::         ,イ ヾ、_  |
   ∧ヽ  { >=-.¨|:.:.:.:.:|==-__--,イ}:{  丶、._〉
   〉ヘ ':;:...| //´ |:.:.:.:.:|: : `¨ー= イ{l! ';:..   {


 いや、何となくはわかりますよ?

 旦那さんのために家事をして、ご飯を作ってあげるんですよね。

 あとは夜のお世話なんかもするんですよね、デュフ!


 でも、それじゃ今とあんまり変わらないじゃないですか。

 両親が共働きだった影響でそれくらいなら今でも出来ます。

 出来ます、が時間がめちゃくちゃ余りますよ。

 子供でも出来れば話は変わると思うんですが……。

 えっ、どうするの?


 ……。
214 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:23:00.53 ID:avvE9qXdo

 8/10

 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 このスレも1000行ったら終わりかー


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 感慨深すぎる


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっち、幸せになれるかな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 相手は聖人確定だから大丈夫そう


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 お相手さん、幸せになれるかな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 それは難しいんじゃないかな……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ところですこやんまた焼かれたの?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 なんかガチで消えた?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 焼いたって話はない。怨念は成仏したのだ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちもすこやんもいなくなって、時代は移り変わったな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 さびしいー!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 このスレに張り付いているお前らも頑張れよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 やべーこと言うんじゃねー!
215 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:23:29.67 ID:avvE9qXdo

 9/10

 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 あの、主婦って何をしたらいいんですか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 !?!?!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 帰ってくるなって言っただろォォォォ!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 それくらい自分で考えろよ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 まーた婚約者さんに見られちゃうな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 家事やご飯なんかはわかるんですが、他のことはどうしたらいいかわからなくて


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 婚約者と相談しろよ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 それな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 どんな結論にせよ相談はしろよ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 でもお前ら、のどっちが相談しに来て嬉しいんだろ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 もー、のどっちには俺たちがいないとダメだな!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 おかえりのどっち!!
216 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:23:58.96 ID:avvE9qXdo

 10/10

                                / )---、
                            〈 イ_{┌‐‐
                               └'‐ク }
                              \  {  |┐
                              λ  / ∧
                                  〈-=彡' ∧
                               ∧__彡'   〉
                               {      {
                                ∨     ∧
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         | l | |l l\l\八从芹苅 i | ̄|l i/ ll     /
          八l | |l |芹苅     乂ツ 'l | l l||_// l|    /    「須賀君! 主婦の勉強をしてきましたっ!!」
.         /::\八从乂ツ     .::::::. l | レ´//   }   ,/
.          ⌒/ / / ∧ .:::.  '__,    ∧l| |:./{   }  /
          / / / / 个ト .      イ| || l/ }    /
.         / / / /  l|| | 〕i千 /:.:| ||/ /    ∧
        / / / /   ||_|//-,/.:.: | || /   /  \
.       / / / /  /_|/:./  /:.:.:.八 ∨ / //    \
      / / / /  //:.:.:.:./ /:.:/ ∧ ∨  / /     〉
.     / / / /  /人:.:.:.:{/:.:/    \ \{   -‐
.    / / / /  / \ヽ/:.:/      : : : :}\ \'´ \ \
  /  / / / /    }::.:.:/: . . . . . . . : : : :| /:.\ \   \ \
./ // / ,/{: : . . . . ノ:.:.:.|: : : : : : : : : : : :八\:./\ \  \ \
 / / // 八: : : /:.:.:.:.:.|: : : : : : : : : :/ {  |l | |\ \  \ \



: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /     「お、おう……」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >

 カン!
217 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/29(金) 16:24:26.37 ID:avvE9qXdo
ホントに完!
明日からまた京咲予定
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 17:04:54.61 ID:fzeTrFfM0
のどっち結婚ッ!第3部完ッ!
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 17:19:39.33 ID:PszDxouSO
乙!
原村父の必死さワラタwwwwもう諦めてたんだろうな
こっちの世界ではお幸せにー
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 17:28:06.61 ID:yvOryOkZO
コメディかと思ってたらいい話だったw
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 17:32:52.20 ID:2VshzkcSo
すばら!
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 18:26:54.46 ID:FTgKoeIvo

いい話ではあるんだけど、本当にこののどっちでいいのか京太郎…
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 18:37:34.10 ID:EYfPCS+gO
コメディだっけど良い話だw
ニートでもちゃんと、資産的に余裕があって、家事出来れば立派な嫁よな
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 18:40:49.44 ID:PNaS8DhzO
のどっち編は最初から最後までホント笑いながら見れて良かったわ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 21:03:40.00 ID:LQT2XdKb0

電車男思い出したわ
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 21:31:02.12 ID:W49BQGB6O
>>225
和は麻雀女って事か
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/29(金) 23:20:02.44 ID:P0IxsUrmo
えっ、マジで!?!?!?!? やめておいたほうがいいよ! が面白すぎる
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 01:30:20.44 ID:ahxaNz020
この場合、宮永父が煽られるんだろうな
229 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:46:23.68 ID:9AS5TCHIo

 1/12

 【咲ちゃんの1日・朝】


 もぞもぞ、もぞもぞ。

 須賀咲ちゃんです(小声)

 私は目覚ましより数分前に起きるのが日常です。

 だって、目覚まし鳴らしちゃったら京ちゃんまで一緒に起きちゃうからね。

 宮永家の誰より早く起きるから、私に合わせると大変だもん。

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \   「zzz……」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - 'U  イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
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.::::::::::::::...\ メ、`ーァ、ヽ>-、ヽ::i、::::::::\     ,ヘ、___
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::゙、:::゙、ヽ、、:::::::::ヽヾ(!{::.:.::::::::´.i リ、 i::ミヾ  /:.:.:.:.゙、:.:゙、 i  \
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、::....:ミ、:::\  \:i     ̄ """  .i /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:゙、、  /
:::\i::\メーヌ__           |_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、:.:V`Y   /
..::::ナー--メf'´:::::::し、   `   ,ノ   |\ `ーr-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>、!__| i /   「えへへっ」
:\:::ヽー-|l、::.:.::::::.:.:} ,,,   ,    i  ヽ. i /\.:.:.:.:.:.:.|  \ !.|
、:::::\:`ー!、`ー--‐';;;;;;   ´    ノ    ヽ|  `ー-、_|_/>、_)
、`ー-、`::ー::-::‐::フ"" ノi  , ‐ ´     ,  / ___r'---、_ ヽ√
 `ー-、::::`ーニ二ニー'<__´`ー-、 _..-┴‐┴'´:.:.:..:f-----、_`ヽ'
      ̄ ̄ ̄ ̄`ー-ミ ゙、:. ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|----‐'/ フ
230 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:46:53.33 ID:9AS5TCHIo

 2/12


 横を振り向けば京ちゃんがいる。

 あっ、よだれ垂らしてる!

 もー、みっともないんだから!

 もぞもぞと布団から体を出さないようにしてティッシュを引っ張ってくる。

 拭いてあげたら……、うん! いつも通りのだらしない顔だ!

 このままお布団の中にいると二度寝しちゃうので、意識を覚醒させる必要があります。

 なので京ちゃんの胸板とか二の腕とか、ほっぺたとかを弄ります。


 うん、今日もいい感じだねー。

 うちの旦那さんはなかなか起きないので、こうやって弄るのは楽しい。

 まぁ、起こす時には大変なんだけどね。


 と、数分だけ遊んだら気分を入れ替えます!

 お布団と京ちゃんの魅力に負けてこのまま寝ちゃったら宮永家は大惨事!

 寒いのを我慢して、なるべくお布団の隙間を空けないようにニュルッと外に出ます。

 少し空いた隙間は京ちゃんが寒くならないようにしっかり閉じて、起き上がって伸びをします。


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/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/    「今日も1日頑張るぞー」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \
231 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:47:23.20 ID:9AS5TCHIo

 3/12


 パジャマから普段着に着替えます。

 ううっ、寒いっ。

 でもパジャマのままだと眠気が抜けないので、思い切って着替えないとダメなんだ。

 着替えたらスリッパを履いて洗面所へ。

 軽く身だしなみを整えて、台所へ。

 台所に着いたらストーブをつけて、ストーブの前で少し待つ。


 さて、主婦の腕の見せ所だよっ!


 「あれ、買い置きが……」


 今日の分ならともかく、明日の分の食材が足りないかな。

 何せ宮永家の食卓は7人前。ものすごい量を買い込んでも時々足りなくなります。

 まぁ、少し買い足して週末に京ちゃんと一緒に買い物に行くから大丈夫!


 「まずはお味噌汁……」


 お鍋に水を張って、ほんだしを大さじ二杯入れて火をつける。

 切っておいたネギを入れるのも忘れない。

 その間にお味噌汁の具材を用意して、今日の朝食に使うものも冷蔵庫から取り出す。

 お湯が沸くまでの間にフライパンを取り出し、油を敷いて温める。


 「最近出し巻き卵ばっかりだったし、今日は目玉焼きにしようかな」


 7人前作るなら出し巻き卵の方が楽なんだよね……。

 大きなフライパンに油を敷いてから、溶いた卵を敷いて巻くだけだもん。

 まぁ、ローテーション通りにやろっかな!


 「お父さんとお母さんは完熟、京ちゃんとお姉ちゃんと子供達は半熟」


 好みが違うから焼き加減を変えなきゃいけないんだよね。

 ちなみにお姉ちゃんが半熟好きなのは京ちゃんに影響されて真似し始めたからです。

 もー、あの姉は……。
232 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:47:52.28 ID:9AS5TCHIo

 4/12


 「よっと」


 数人分の目玉焼きが焼けたあたりでお湯が沸きます。

 そうしたらフライパンの火を止めて、お鍋に取り掛かる。

 お味噌を溶いて入れてかき混ぜて、乾燥わかめとお豆腐を投入。

 あとは弱火でちょっと温めればOKかな。

 時間的にはそろそろ……。


 「おっす咲ー」

 「おとーさん、おかーさん、おはよー。

  もうちょっと待ってね」

 「あいよー」


 お父さんとお母さんが起きてきます。

 お母さんがお父さんのためにケトルでお湯を沸かし、お茶をいれて自分はコーヒーを飲む。

 その間にお父さんとお母さんの目玉焼きをお皿に移します。


 「お母さんウインナーとってー」


 お母さんがウインナーを冷蔵庫から取って切ってくれたので、それをフライパンに投入!

 コショウを入れつつ炒めて、そのままお皿に移します。


 「ご飯は自分でよそってよ」

 「サンキュー」

 「はいっ、お味噌汁」


 お母さんが二人分のご飯をよそって、二人は食べ始めます。

 私はまだ食べないので、このまま二人には食べてもらいます。

 その間にミートボールなんかを温めてみんなのお弁当をサクッと仕上げちゃいます。

 火を止めたら、朝の大仕事に移りますか!
233 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:48:22.35 ID:9AS5TCHIo

 5/12


 「ほら起きろー!」

 「ママ……?」


 まずは息子と娘を起こします。

 娘は結構起きるんだけど、息子が起きないっ!

 もー、こんなところは京ちゃんに似なくていいのに!

 布団を無理やり引っぺがして起こします。


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   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|
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.  /.:.:.:.;ィ'|:.:.:i:.:.:.:.::i ヽ:|  ヽ!  ヽ::ゝ  `'  リ |::::::i:ノヽ:::|
 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/   「じゃ、パパとおばさん起こしてきてねー」
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\

  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、  「!」
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
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       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ    「はーい!」
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
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          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |
234 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:48:51.44 ID:9AS5TCHIo

 6/12


 息子はお姉ちゃんの部屋へ、娘は京ちゃんを起こしに行きます。

 たまーに油断していると娘が京ちゃんのお布団に入り込んで二人で寝ちゃうこともあるから注意しよう。

 他にも、京ちゃんが娘を抱き枕として引きずり込んで二人で寝ちゃうパターンもあるよっ。

 それはそれで即写真レベルの超萌え風景なんだけどね!!

 念のため確認していこうかな……。


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                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
              / 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
           / / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「パパー……」ゆさゆさ
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
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     |:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉
     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Y/∧: :!
       ∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ  u |/  ∨  「もー、京ちゃんは……」
          }:/\:|: : : : : : : : /    人
          /   -从-----イ{     イ
     _,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
     /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
     ,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{  ,:∧
    /:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/'  }
    {::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |:::ー====================_'_」::|   |
    ´ T T ―r――r、―――――‐ '     }


 どうやら娘が揺らしても起きないみたい。

 涙目になりながら京ちゃんを起こそうとしている娘がかわいい。

 それでも、娘に起こしてもらおうとして起きない京ちゃんにはお仕置きだよねっ!
235 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:49:21.09 ID:9AS5TCHIo

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    ∨: : ::/: : : : ::/: ; ≠/77─.-: /!: | !: : :‐ト l、!: : |: : : : ',: : : : : : |: :  ',
    ∨: /: : : : イ´: :/ // : : : : :/ : :! |: : : l l::!l:`:ト、: : : :! : : : : : | : : \
    ',::l: : : : : : l: : / /'  ,'⌒: / /:/  : : イ` !: |::∧|:\: | : : : : : l:!:l: : : : :
     ト、: : : : : j: / /   /: :/. ,':   l: ::/   リ レ  lヘ: : :|: : : : : :l:ト|: : : : ヽ
     | :!: : !: : V |_ 三!∠、  /   : :/--_./-   ヽ ',: :! : : : : :, :!  ヽ: : :\
      |: : l :| /{:::;、:::::::::::/ト     レ' イ::::::三::::ト、  ヽ:!: : : : :/::l       ̄
      ト、: ',:l ヽ 廴Y二!ニヽ .::::::::::::::.... 廴Y::ノ::イ` ゞ/:y: : :ノ:/: : !
.       ∧:',:!         :::::::::::::::::::::::    ̄ ̄   {イ: /:': : : :{
      :|  \   /////      '    /////⊂ レ イ:i 、: : ::
      :|   !:ト、                    ,'  /::/ \: ',
 |      ::|   ',:li:ヽ      `ー --         ノ: :{     \  「き ょ う ち ゃ ん?」乗っかり
 ',     :|    l::li::::'.,                ノフ ヽ:',
  ',    :|     ::li:::::::ト              <{: /   丶
      :|   /∧::li::::::ヽ >       イ    `
   ',       // ',::::li::::::::\  ` - ´  ,'
    ',.    //  ∨:li::::::::::::\       {.、


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、   「パパー!」乗っかり
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\

            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
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     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
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       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \   「うわぁ!?」
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´
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236 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:49:50.12 ID:9AS5TCHIo

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   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :     「何すんだこのっ」
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{      「起きない京ちゃんが悪いんじゃん!」
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´


 起き抜けにいじってくる京ちゃん。

 もー、イチャイチャしてる場合じゃないんだよ!


 「朝だよ、お仕事!」

 「あれ、本当だ!

  悪い咲!」

 「もー……」


 ホントに京ちゃんは朝弱いんだから……。


 「じゃ、ご飯食べに行こっか」

 「うん!」


 娘と手をつないで台所に向かいます。

 あー、かわいいなぁ!
237 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:50:19.89 ID:9AS5TCHIo

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 「はい、お醤油」

 「さんきゅっ」

 「もー、急ぎすぎだよー」

 「咲ー。俺たちは行くぞー」

 「お父さんお母さん行ってらっしゃいー」

 「二人ともお味噌汁も飲むんだよ」

 「「はーい」」

 「咲っ、シャワー浴びてくるっ!」

 「そんなに急いで転ばないでよー」

 「咲じゃあるまいし」

 「お弁当渡さなくていいの!?」

 「ママー」

 「二人とも幼稚園行く準備はできた?」

 「うん!」


 一気に慌ただしくなる朝の宮永家。

 京ちゃんがギリギリまで寝てるからこうなるんだよー。

 昔は京ちゃんが私をお世話していたけれど、お母さんになってからは私が面倒を見ているんだからね!

 お母さんは強いのだ!


 「さ、咲……」

 「あっ、お姉ちゃん。

  ほら、ご飯食べて」

 「うん。京ちゃんは?」

 「シャワー浴びてるよ」
238 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:52:46.34 ID:9AS5TCHIo

 10/12

           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /   「じゃあ私も一緒にシャワー浴びてくる……」
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


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  ./:.::::. '´  ' :.:.:::/:∧:.:.:.:.:::.:.:.:::::.:.:::::: /|.:.:.::::':::V::;|::::::::|:.:/:::.:.:.:,狄i[_ o -i| :.:. }! |:::/ i i:. |:.: ′
 / . '´    .i:.:::::/i/ ∧:.:.::::::.:.:.::::.:.::: /:::|:.:.:.:.':::::∨|::::::::|:/:::::.:.:.:.:.:.汽,.  、汐:.:.: リ .|イ / /:.:.:|:.:′
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             .|:/:./ .|:.:.:.:. 厂:´ト、. ヽ            _..     /:/ |′
             .|':./  |:.:.:.:∧:. /|:.:`¨¨へ          '´      ./ iル′
             .|/'  |: / ∨: !、:.::/ |>o。_          /  .!-ー--  .._
           {.     |:./   ∨{. Y/ |:.:.:.:./i:.:¨7 T¨¨¨¨¨¨´    ^ー 、     ` ̄


 もー、朝からボケないでよ!

 いや、お姉ちゃんのことだから本気なのかもしれないけど!!

 お姉ちゃんは一番ダラダラしているんだから急がなきゃいけないでしょ!
239 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:53:15.64 ID:9AS5TCHIo

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 急ぐ京ちゃんにスーツを着せてあげて、上からコートを着せて送り出す。

 えへへ。毎朝のことだけどスーツの上を着るのを手伝ってあげるのはなんか嬉しくなっちゃうな。

 なんというか、かわいいというか、お嫁さんしてるなぁって感じて幸せ。

 そのあと、お姉ちゃんがお菓子を食べようとするのを阻止しつつ送り出す。

 もー、朝からお菓子食べるのはよくないよ。

 最後に幼稚園のバスに子供達を乗せて、やっと一息。


 「まだまだ!」


 このあとはみんなの洗濯物をまとめて洗濯物に入れる時間だよ。

 洗濯機を回している間にリビングに掃除機をかける。

 洗濯機が止まったらどんどん洗濯物を干していく。

 最初はとてつもない量だったから大変だったけれど、今は慣れちゃったかな。


           ,!   ハ             ヽ
        ,,‐ ./   / 从|i、.|  |  r       \ `ー    / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
:::::::::::::::::::::::.ー彡::::::::::≧必__丿ノ ノ \\  入ヽヽ斗\ヽ:ヽ、::::::::::ヘ_
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l  `  ── " ノ  )Τ  ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ             |      .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ             l       //:::::::::::::ぐ ̄
 /::::::::::::::::|゙!彡゜    U         l      /:::::―----ヽ、
彡ソ'/  i、 | く                l     /::::::::::`ニン
   l.::从,.弋 ヽ           ⌒ '"      ./::::::::::::ミ
   乂 l|lヽ  ヽ、     `''ニニ''''''''''''''''フ″  /: :lリ \l   「あっ、おはようございます。
      |三:.\  ヽ         ̄ ̄ ,,.    /ソノ
      |三三 >,,, ヽ       ゙"''''""    /          (しまった、遭遇してしまった)」
     ノ三三三三>ミ\            イ
  斗≦三三三三三三三≧          付
≦三三三三三三三三三三三>     ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-


     /: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
    /: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
 _,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
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     /:,: : : : :,: / {  {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :|
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      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /   「お、おはようございます!」
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
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          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}


 あっ、お隣さんも今から出勤なのかな?

 最近引っ越してきて男性三人組で暮らしているらしいんだよね。

 クリスマスの時にもお世話になったし、すごい偶然!

 これから仲良くできるかなぁ……。
240 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/30(土) 17:53:44.43 ID:9AS5TCHIo

 12/12

 ……
 …


 こうして咲ちゃんの朝は過ぎていき、自分の昼食は手を抜いてサラダうどん。

 お昼頃にはやっと手が空いてゆっくりできます。


 「さて、と」

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    ゙、、:::::::i::::::::::メ、. >,::''´     、 ""  } ___        ゙、
    ゙、、::::::i:::::::::、゙、 i!  ;;;;;;;;    __   /            /
   '´ ゙、::::::゙、、:::::゙、ヽ、 """    し'   /           /
  /  ゙、::::::::゙、ゝ、_:\_            /|         ____
 /     |::/ヽ::::ヽ  ̄ _,、__ _   __ ノ\r-----――'´:.:.:.:.|.|.:.|`ヽ.、
 /     レ / レヽ:: ̄:::::::::::`ヽ       \、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.|.:.:|  ゙、\
゙、      /   ./ `ヽ/リヾ!゛`〉       r'\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.|.:.:|  ヽ ゙、 \
 ゙、ヽ        /       /:.:ヽ、_  /` _,..-‐'ヽ:.:.:.:.:.:.:.://:.:i  \゙、|
  ゙、 ヽ       /        /:.:.:.:.:.:.:.:`ー-<      \:.:.://:.:./ /  \


 朝早く起きた分、ちょっとだけお昼寝してもいいよね?

 おやすみー!


 カン!
241 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/01/30(土) 17:54:13.63 ID:9AS5TCHIo
投下終了
京咲のシチュエーションが浮かばない…
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 18:03:39.08 ID:bEnOedsSO
おつおつ
ガチに良い嫁さん且つお母さんだなあ
でもってお友達(?)何やってるんだwwwwww
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 18:06:14.08 ID:AQRseyz8o
乙です
お友達が仲良すぎ
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 18:13:59.61 ID:kjZXgIx3o
京咲たまらないな
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 19:00:24.60 ID:QD5wL9CAo
ちょっとこの家族見守られ過ぎじゃないですかね…
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 19:06:17.47 ID:kjZXgIx3o
微笑ましいね
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 19:06:43.64 ID:rAsMo0mso
乙です
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 19:34:15.28 ID:nc+JbPmg0
乙です

や京咲N1!

ネタというか2月だと、 節分にバレンタインデーかな?
後は、初午大祭やさっぽろ雪まつりがありますね
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 20:19:44.26 ID:vgVDA9BYo
あいつら3人で住んでるのか…
メッチャ不規則な生活してそうだww
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 22:08:43.22 ID:jAIc7CfEo
乙です
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 13:52:14.23 ID:sazrKWEDO
やっと追い付いた。

リクエストですが、白糸台同窓会で妹夫妻について根掘り葉掘り聞かれるテルテルとかダメですかね?
252 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:51:11.51 ID:C5NmSrK5o

 1/12

 【咲ちゃんの1日・夜】


 須賀咲ちゃんです。

 30分ほどお昼寝したら、家事の続きをします。

 あんまり寝ていると夜寝られなくなっちゃうからね。

 朝干した洗濯物の様子を見ながら軽く掃除機をかけます。

 毎日気を使っているつもりでも、どこからか汚れちゃうんだよね。

 あっ、この辺りはお姉ちゃんがお菓子を食べていた場所だ!

 もー、お姉ちゃん……。


 「つーぎーはー」


 鼻歌を歌いながらお風呂の掃除!

 何分住んでいる人が多いから1日でも欠かすと汚れちゃうんだよね。

 宮永家の内側は私が支えているのです! えっへん!

 お風呂の掃除が終わったら乾いた洗濯物をたたんでアイロンがけ。

 こんな風にしていると大体1日が終わっちゃいます。


 「そろそろかなー」


 時計を見ながらアイロンを仕舞う。
253 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:51:40.90 ID:C5NmSrK5o

 2/12

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ   「ただいまー!」
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ   「!」
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\
254 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:52:10.01 ID:C5NmSrK5o

 3/12


 「おかえりー。

  あっ、そんな駆け足で家に上がらないの!

  ちゃんと手洗いうがいをしなさい!」

 「「はーい!」」


 ドタドタと大きな音を立てて家に入り込む子供たち。

 抑えつけようとしても有り余るパワーの前には無駄だとわかりきっているので諦めます。


 「せめて送迎の運転手さんたちにお礼を言わないとね」


 世間話の一つもしながらお礼を言うのも日課の一つだ。


           ___     ,.. -─z:._
        `~`''‐、 ``ヽ, ' ll  '´ lll ``ヽ、
.      ,. ‐''"~´ ̄ ` ll    lll   ll   `ゝ
    ∠.. --ー;:=‐ lll   lll    ll     ll ヽ
      ,r''´ ll    ll   ll      lll   ll i
      / ll ,.   lll   ll    lll      ll   !
   , ' ,. /  ll   , '|.ll ト. ll i    lll    lll |
.   / ' ´, ' ll lll ,イl/::::::l l:ヽ |ヽl!ト、 、   ll   |
    / イ / , '::l/ー--:ヽ.!::ヽ!;:ゝl-ヽヽ ll  ll  |
    //.イ ,イ ̄`ヽ、   ×´ヽ. ヽ::::::::`i   lll |
    / |/ l====。、   ,,,====。=:::|ll|'⌒i |
           l: ` ー-'/::::.   ー-‐ '´:::::::| !'`! | l|    「よぉ、嬢ちゃん。
.           l:`ー-/::::::::.    ー--‐:'´:::|l!'^l l |
         !::::/::::::::__-, ー-、 .::::::::|!_ン l|     送迎バスの運転手は俺になったからこれからよろしくな」
           i.`"-----------ヽ:::/;ヽ lll |ヽ.
          !.   ___   ..:::::/;;  ヽ  |;';';ヽ.
              ヽ   ̄ ̄...::::::/;;;    ヽl |;';';';';'ヽ
.            /ヽ   ..:::::::/;;;;      ヽ|;';';';';';';|`:.ー
      _,, -‐''7;';';';';ヽ::::::/;;;;;;       /;';';';';';';';|`:.ー
  ‐''"~_,,:..:-‐/;';';';';';';';l`'´;'|;;;      /;';';';';';';';';';';|:..:..:.
  ''"~:..:..:..:..:/;';';';';';';';';l;';';';';|      /;';';';';';';';';';';';';' !:..:..:.
  :..:..:..:..:..:./;';';';';';';';';';l;';';';';'|   /;';';';';';';';';';';';';';';';';'|:..:..:..
  :..:..:..:..:./';';';';';;':'-‐''^ト;';';'|.   |;'^';‐-;';、;';';';';';';';';';';|:..:..:..
  :..:..:..:./-‐''"./:..:..:..:..:|;';';';';|   |;';';';';';';';';'「``:..‐-.i、|:..:..:..
  :..:..:..:..:..:..:..:/:..:..:..:..:..|;';';';';'|.   |;';';';';';';';';'|:..:..:..:..:..:.|:..:..:..:.


     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
.    / : : : :i: : : |: : : | ! : ::| i: : :.:|::|::::::i i::::|::|::|::::::::::::i:::::::|
   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|
   / : .:.:.:i:.:|:.:.:.:.:ヾ、:.'i´ヾ.::|!ヾ、:::゙、ヽハハヽハノ |ハ::::::::::|:::::::|
.  /.:.:.:.;ィ'|:.:.:i:.:.:.:.::i ヽ:|  ヽ!  ヽ::ゝ  `'  リ |::::::i:ノヽ:::|
 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/    「あっ、よろしくお願いしますっ!」
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\


 わわっ、お隣さんってそういう仕事をしていた人だったんだ。

 だから引っ越してきたんだね。

 前に会った時はちょっと怖かったんだけれど、やっぱり人は顔で判断しちゃダメだよね。

 それにしてもこういう人が子供好きだったりするとなんか可愛らしく見えちゃうね!
255 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:52:38.84 ID:C5NmSrK5o

 4/12


 ……
 …


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 【速報】世界ランカー1位麻雀引退


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 ハァ!!?!?!?!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そんなデマに釣られ……マジだこれ!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 インタビューに対し、「俺にはやるべきことができた」「趣味と仕事の両立を目指す」とのコメント


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 麻雀界三大おじいちゃんの一人が……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:oonuma

 あのバカ……、先に辞めおって……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 勝ち逃げかよォォォォォ!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nanpo

 あいつの考えることは未だにわからん


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:hiroe

 なんやて!? いつか絶対に倒すつもりやったのに……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru

 クックック、いつでもかかってくればいい


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:goburei

 またあなたは勝手なことをして!!!!!!!!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jun1rou

 私も仕事を辞めていいか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:goburei

 あなたは絶対にダメです!!!!!!!!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 勝ち逃げは許さないんだからね!!!! 地の底までも追い詰めてやる!!!!!!


 …
 ……
256 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:53:08.69 ID:C5NmSrK5o

 5/12


 「なんだかテレビが騒がしいね」


 暴れまわる子供達を横目におせんべいを食べながらテレビを見る。

 うん、ちょっとした幸せな時間だよね!

 どうやら現在の最強の雀士が引退だか失踪だかしたらしい。

 なんかお隣さんに似ているような気がするけど……。


         `ヽミメ、 . -‐,=‐
      . . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ__
   ∠..., =‐- i!  i!  i! i! <´
    .ィ´ i!   i! i! i! i!   i! i! ヽ
.  , ′i! i! i! i! i! i!  i!  i! i!.!
  /イ i! i! i!ィ i! i./::、 i! ト、 i! i! !
  /i!.//i!./::iメi/:::::::,メ、「ヽト、 i! i!j  ←テレビに映った写真
  /イ i!/! /==。=、:::::.=。===:i!,...i! |
    j/ j/ i::`:‐:/:::::::: ー一.:´:|ir, }.|
       i:::::/.::::::、   .::::::|Lンii|
         i: `‐――一'.;.::::ハ.i! j;\
           、  ー ..:::::/;  ヽ:{;;;;;;;ト、__
      . -=''7ヘ.....:.:::::/;;; '   j;;;;;;;j;;;;;;;
   -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: '     /;;;;;;;;|;;;;;;;
  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'    /;;;;;;;;;;;!;;;;;;


              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::.
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/   「息子さんかな?
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'      こんなに若くないもんね」
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\

 世界での戦いは体にダメージが来るって言うし、まさか麻雀やってる時だけ若返ってたりしてね!

 まっ、そんなわけないよね!
257 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:53:38.41 ID:C5NmSrK5o

 6/12


 ……
 …

 そんなこんなで夕飯の時間。

 今日はカレーなので、早めに作っておきます。

 温めればおいしく食べられるって、どうしても楽だから作り置きしちゃうんだよね……。

 その分は愛情でカバーだよ!

 カレーなら誰でも美味しく作れるしね!


 「ほらっ、準備を手伝いなさい!」

 「「はーい」」


 小さい頃から家事を手伝わせる習慣はつけさせるよ。

 特に娘はお嫁さんに行くときのために料理は出来るに越したことはないもんね。

 息子は嫌々手伝っている感じだけれど、娘はお手伝いするのが好きみたい。

 もちろん、まだ3歳だから危ないことはさせられない。

 お皿を運んでもらったりするだけで、お手伝いの習慣はつくもんね。


 ……っと、玄関に誰かの気配?



       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|   「咲、ただいま」
人_    u              j.: .:|
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧
258 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:54:07.27 ID:C5NmSrK5o

 7/12


 「あれ、お姉ちゃん。

  今日は早いね」

 「うん、ちょっとゴタゴタがあって早く帰ってきた」

 「あっ、ニュースで見たよ。

  すごい人が引退しちゃったんだって?」

 「うん。

  引退したというか、書き置き一つで何処かに消えちゃったって。

  あっ、このことは誰にも言っちゃダメだよ」

 「はーい」


 それ、私にも言っちゃダメなんじゃないかな……。

 こんな姉がいるからこそ、霞さんが作家ってことをみんなに隠すなんてお茶の子さいさいです!

 京ちゃんにだって教えてないんだからねっ! えっへん!


 「この匂い、カレー?」

 「そうだよー」

 「甘口?」

 「違うよ」

 「(´・ω・`)」

 「ふふーん。

  お姉ちゃんの意見も取り入れて甘口のルーと中辛のルーを混ぜたんだ」


        . :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、     イ
      /: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : .    ニlニ
     /: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧     |
    /: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :,    イ
    ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
       i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
.        八: : { l  ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
      /:リ \N '~⌒``     ´⌒``〕/ ;__: :八
.     /:/: : : :ハ """"  '  """" '// /: 〔、: :、
    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕  「やった!」
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |
        |{/´ ̄〕    !、___/ヽ    /' \
.         八   '′   l    /  ∧  〈 、   \
      /   \    .'.  /   /_   ∨´   \
     / -‐== /   ∧  / /   :_   :./⌒ヽ. >
    \............./    =- V / -‐=':._    ∨ヽ__/
      Υ⌒/    .′.:〔二〕´     :._    V´/
      |ニ/    :   ∧〔\    八    ∨
      |_V      .! :/ N'  \    个:、_/



 もー、お姉ちゃんったらこんなことで喜ぶんだから。

 えへへー、お姉ちゃんが喜んでくれると嬉しいなっ。
259 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:54:36.52 ID:C5NmSrK5o

 8/12


 夜も更けて、周りが暗くなってきました。

 残念ながらみんなで一緒にご飯っていうわけにもいかないので、お姉ちゃんと子供達には一緒に食べてもらいます。

 お姉ちゃんが先導して子供と一緒にお皿を洗おうとするのを必死に止めて、私と子供達で洗います。

 そんな顔してもお皿を割られたくないから洗わせないよっ!


 「咲、ただいまー」

 「タイミング悪い!」

 「えっ、帰ってきただけなのに!?」


 そんなこんななタイミングでお父さんとお母さんも帰ってきました。

 せっかく今お皿を洗ったのに!

 あとは二人に任せちゃいます。

 咲ちゃんはもう疲れました!


 ……なーんて言いながら、ちゃんと用意してあげるんだけどね。

 もっとも、子供の後始末だとか他にもやることがあるからずっとついていてはあげられない。

 それに、そろそろかな?
260 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:55:06.11 ID:C5NmSrK5o

 9/12


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //      「ただいまー」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


     /: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
    /: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
 _,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
 `   ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
       ': : : : : : : /|/  |: : : |: : : : : : l: : : |、: :|: :`ヽ、: : : : : : :.|: : : : : : :|
     /:,: : : : :,: / {  {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :|
     ': |: : : :/: |       {从: : : : :'  \{    \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/   「おかえりなさいっ!」
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
             /|.||...................../ ̄| ̄´   7......`.. ̄ ̄≧=-、
          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}
261 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:55:35.41 ID:C5NmSrK5o

 10/12


 やっと京ちゃんが帰ってきた!

 今日はあまり残業しなかったんだ。良かった!


 「はい、京ちゃん。

  上着貸して!」

 「おー、ちょっと待ってくれー」

 「ダメだよー。シワになっちゃうもん」

 「いやー、疲れちゃってさー」

 「あっ、ここシワになってる!

  もー、アイロンかけなきゃ」

 「コート頼んでいいか」

 「しょーがないなー」


 京ちゃんから上着を剥ぎ取る。

 その間に京ちゃんはワイシャツのネクタイを緩める。

 えへへ。その動き、好きだよ!

 お仕事が終わった男の人って感じがして凄く格好いいよねっ!


 「ご飯にする? お風呂にする?」

 「今日は先に飯食って風呂で歯を磨くよ」

 「じゃ、ご飯よそっておくからすぐ来てねー」


 京ちゃんが脱いだスーツをハンガーにかけに、その場を去る。

 あっ、ちょっと汗臭い。そろそろクリーニングに出さなきゃダメかな?


 ……。


 えへへ、京ちゃんいい匂いだなぁ。
262 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:56:05.49 ID:C5NmSrK5o

 11/12


 「あれ、咲もご飯食べてないの?」

 「京ちゃんが帰ってくるまで待ってたよ」

 「悪い悪い」

 「遅くなるときはちゃんと連絡してね?」


 あっ、京ちゃんの顔が赤くなってる!

 ふーん? 嬉しいんだー?


 「「パパー」」

 「パパはご飯食べてるから、食べ終わるまで待ってあげてね」

 「「はーい」」


 子供達が嬉しそうに駆け寄ってくるけど、それを制する。

 台所で騒ぐと私の雷が落ちるよ!

 それをわかっているからか、ちゃんと言うことを聞いてくれます。


 「週末、どこか行くかァ」

 「遊園地にでも連れていこっか?」

 「そだね」


 そんな他愛もない話をしながらご飯を食べる。

 特に何かあるわけじゃないけど、幸せだなぁ。
263 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:56:34.96 ID:C5NmSrK5o

 12/12


 ……
 …


 私は子供達をお風呂に入れ、京ちゃんはソファーでゆっくりしつつ子供の相手をしました。

 でも子供達は早々に電池切れ。

 幼稚園に行くようになってからすぐに寝るようになったかな?

 お昼間にいっぱい遊んでるんだね。

 子供達は私たちと一緒に寝るんだけど、たまにお姉ちゃんのトコで寝たりお父さんのトコで寝たりいろいろです。

 こう、私が京ちゃんとイチャイチャしたい時には子供達に自立を促すというかなんというか?

 ううっ、よくできた子供達で嬉しいです。



 そして騒がしかった1日も終わり、みんなが寝付きました。

 昔は子供の夜泣きが大変だったけれど、今は静かに寝てくれています。

 京ちゃんも疲れたのか、すぐに寝付いちゃいます。

 さすがに私も疲れたので、すぐに電気を暗くします。


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \   「zzz……」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - 'U  イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
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.::::::::::::::...\ メ、`ーァ、ヽ>-、ヽ::i、::::::::\     ,ヘ、___
:::::::::::::::  .:::\、::;メ /f'::::‐┐、ヽ::iヽ:::ミーヽ   /゙、:.:゙、 i \ ___
::゙、:::゙、ヽ、、:::::::::ヽヾ(!{::.:.::::::::´.i リ、 i::ミヾ  /:.:.:.:.゙、:.:゙、 i  \
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、::....:ミ、:::\  \:i     ̄ """  .i /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:゙、、  /
:::\i::\メーヌ__           |_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、:.:V`Y   /
..::::ナー--メf'´:::::::し、   `   ,ノ   |\ `ーr-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>、!__| i /   「京ちゃん、おやすみっ」
:\:::ヽー-|l、::.:.::::::.:.:} ,,,   ,    i  ヽ. i /\.:.:.:.:.:.:.|  \ !.|
、:::::\:`ー!、`ー--‐';;;;;;   ´    ノ    ヽ|  `ー-、_|_/>、_)
、`ー-、`::ー::-::‐::フ"" ノi  , ‐ ´     ,  / ___r'---、_ ヽ√
 `ー-、::::`ーニ二ニー'<__´`ー-、 _..-┴‐┴'´:.:.:..:f-----、_`ヽ'
      ̄ ̄ ̄ ̄`ー-ミ ゙、:. ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|----‐'/ フ


 こうして、咲ちゃんの1日は終わり、また明日同じような日々が続くのでした!


 カン!
264 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/01/31(日) 16:57:04.04 ID:C5NmSrK5o
投下終了
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 17:03:53.88 ID:IARsMsR5o

ひょっとして世界一位さんはマヨヒガ組寄りの生物なんじゃないか…
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 17:21:26.33 ID:6MeBiFiTo
乙です
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 17:28:18.65 ID:vapIo8vqo
ご無礼さんがツッコミやってるの面白いww
やっぱり京咲がナンバーワン!!!!
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 17:40:00.56 ID:vBDIBdWSo
や京咲N1!
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 17:42:32.40 ID:TYe/jO4SO
乙乙
前回に引き続きすごく良い
家族の暖かさがほわ〜と滲み出てるからシロや霞さんも見てるだけで癒されるんだろうなー
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 18:21:00.57 ID:sazrKWEDO
乙です。

神域は大型二種免許なんて持ってたのかwwwwww
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 18:36:42.57 ID:6MeBiFiTo
乙です
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 22:14:04.73 ID:8It3A3ipo
乙ー
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 05:15:59.63 ID:btLK9nDC0
追い付けたーおつおつ
そういや別次元って全て咲の手を掴めなかったところが分岐点なんだよな
お題まだ募集してたらその時の咲を掴めなかった京ちゃんの苦悩とか見てみたいで
274 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:54:14.37 ID:GBoYqnjKo

 1/10

 998
 照が須賀家に迷惑をかけていないか心配でソワソワする菫さん
 251(6スレ目)
 白糸台同窓会で妹夫妻について根掘り葉掘り聞かれるテルテル



 「久しぶりだな、照」

 「?」

 「麻雀プロの交流会に顔を出してみれば、誰かに声をかけられた。

  私に声をかける人といえばセーラか洋榎、淡くらいしかいないんだけれども一体誰だろう」

 「わざわざ声に出して言うとはいい度胸だ……」

 「冗談だよ。

  菫、こんなところでどうしたの?」


 とても久しぶりな顔を見る。

 とりあえず元気そうで良かった。


 「これでも『いいところのお嬢さん』って奴だからな。

  事情があってお呼ばれしたら、見慣れた顔があったんだ」

 「高校卒業以来だから10年ぶり?」

 「私の結婚式に顔を出してくれただろう。その時以来だ。

  進む道が変わってしまえば意外と交わらないものだな」

 「そういえばそうだね」


 気づけば最後のインターハイからもう十年だ。

 時間が過ぎるのはとても早い。


 私は高卒で麻雀プロへ、菫は大学へ行った。

 高校でこそ仲が良かったけれども、進路が違えばそれだけで疎遠になる。

 それ以来、菫と連絡を取ることもほとんどなくなってしまった。


 「そんな悟ったような言い方しても格好良くないよ。

  シャープシューター(笑)」

 「やめろォ!

  本当、お前は変わったな……」

 「そうかな?」


 私としてはあんまり変わった気はしない。
275 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:54:53.81 ID:GBoYqnjKo

 2/10


 「昔は私の前でもどこか演技くさかったよ」

 「何か菫、おばあちゃんみたい」



/`ヽ            .  - ─ ─-  .
 /`ヽ   . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼  .
/  /´    __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し '   r<´  |ll:    | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
   } └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
、 .斗 ‐‐─ァ── <:./: :/: /: /: : /: : : : :.:/:i: : : : :.`Y´
 > ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
.       /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
     /: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
.    /: : /人.N: : : |  ⌒ ー ''     「笊ckくj /:/:./: /:.∧
    /: : //: : ヽ!: : :.| """"        辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
.   /: : //__人_:j: : : |        ,   """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
  /: : //: :.`Y´.|: : : ト、    、_       /. :i: :.:|      `マ}     「私はいつでもテルテルキュピーン!」
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\     ー '     . イ. :人_ |    i
∨`X「ー`Y´─.! : : |:.|.  \    .  イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
 \ \       !: : ::l:.|     ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l   `Y´
   \ \    从: :.j:.|      |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ    l
      ト、\   人: l:.|      } jト、 \j : リ: :/: :/
     | .\ \   ヽ j\ _ _j ハハ  ` <': :./
     |:::\\ \     \   ⌒ } i    `<}ト、
     |: :: :::\\ \      \   .N      // ト、

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                八:::::::´:::l八|   ̄ =苧芹|::::::::::|:::::::
               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
               |::::::::::. V_ノ        l:::::/|:::::::|
               |::::::::∧    '       イ::::::|:::::::|
.              八/i:::::::.、    rっ   /|:::::::|:::::::|     「それが今じゃこうだ……」
               |::::::::个::....    /|::::|:::::::|:::::::|
               |::::::::::|::::::::::Τ    ∨|:::::::|:::::::|
               |::l:::::::|:::/У     り:::::: l―┴ 、
               |::|:: 斗{/-、 , -/|::::::::::|   /-、
            ┌‐  ̄    |´ ̄ ̄/  :|::::::::::|--//
               ∧  \    |  /    .::::::::::///    |
              { `ト  \   l /   . -=/:::::::/´ /     {
           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
          /  /\二二ニ、∠二ニ= i::::|::::::|         }
            /  /   >‐〈ニニ/ニニ\ |::∧::::|    \__/  /
.          ∨ {  /二ニ/¨¨゙\ニニニl/、∨|  l「 ̄ ̄ ̄ `く
           ∨--/二ニ/  }  `¨¨¨¨¨   /{ニニニニニニニ |
              } 厶=イ    〉          /::|_ ┬―‐┬v'
          /__}     {         /::::::`¨|   :|¨′
276 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:55:32.66 ID:GBoYqnjKo

 3/10


 「何がどうしてこうなった……」

 「もう仮面を被る必要もない」

 「そうか。妹さんと和解したんだっけな」


 うん、もう咲のことを考えて暗くなることもない。


 「それに、家族がいる」

 「そうか」

 「お父さんとお母さん、それに咲。

  離れ離れになってしまった人たちが一緒にいる。

  私はそれだけで幸せ」


 柄にもなく心情を漏らしてしまった。

 でも、これは偽りのない本心だ。

 もう自分に嘘をついて生きる必要なんてない。

 私は家族が大好き。咲が大好きだもん。


 「それだけじゃないように見えるが」

 「えっ?」

 「昔とは思えないほど魅力的だよ。

  まるで恋する乙女みたいだ」


 ……するどい。


 「見てわかるくらい、お化粧や身の回りのものに力を入れているじゃないか」

 「お、大人だもん」

 「どうだか。

  よければ女子トークをしよう」


 女子トーク……、セーラと洋榎と話すくらいしかしない。

 でもあれを女子トークと呼んでいいのかな。

 当事者の私でも漫才コンビ+αにしか思えない。
277 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:56:12.32 ID:GBoYqnjKo

 4/10

 ……
 …

 ・麻雀プロの女子会


        . :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、     イ
      /: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : .    ニlニ
     /: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧     |
    /: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :,    イ
    ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
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      /:リ \N '~⌒``     ´⌒``〕/ ;__: :八
.     /:/: : : :ハ """"  '  """" '// /: 〔、: :、
    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ  「京ちゃんがね! 京ちゃんがね!」
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |
        |{/´ ̄〕    !、___/ヽ    /' \
.         八   '′   l    /  ∧  〈 、   \
      /   \    .'.  /   /_   ∨´   \
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  V:.l: : : : : : :≫末宕丁 ` \:ヘ 洋宕末≪,/: :ア、/:/:.l: :!: :.ハ
.   V!ヽ: :ト、: Λ. し::::ハl        し:::::::}  /:/!: :.V Y: :': : .:ハ
    ',l 入:lヽ: ハ Vぅソ       Vぅソ イ: : :l、: :.Λ ,j:/: : : : ハ
     /: :/l: : :l:! : : :   ,      : : : :  l: : :.l V: : ヘ  }':,: : :l: :',  「高級ランジェリーショップに行ってきたで!
.    ,': :./ l: : :l l                l: : :lノ ',: : : l l: :}: : l l:.l
   ,: : :'  l: : :l ',     _   _,      -!: : l  V: : l l: ハ: :l l: l   うちの魅力で悩殺したる!」
   V: l   !: : :! ‘ 、      ̄       /,:' ': :.,′ }: :/ /:' }: l l:/
    ヾヘ l: : :l   `  、    ,  イ:/ ,: :/  // 〃 ,: / ,'
     \ l: : :l      r>‐ ´   lTヘ ,: /  /      /:,'
       V: :.',   / l }      У V:/        〃
        _入:.ハ-ァ´  ゝ、   /   /:/ Yー= -  、
    γ´   ヽ:.V      λY    〃  }       ヽ
    /       l    /  }‘,       /       / ‘,
.   /        l  /     l ‘,     /       /   ‘,
278 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:56:51.42 ID:GBoYqnjKo

 5/10

     > : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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: : :./: : /: : : : : :/ |: | : : : | V : : : : : : : :.ト、 : : : : :.
:/ /: : : : :|: : :.:十―八: : :.:|  V─一: : : :.|: :\: : : :.
  /: : : : : :|: /|:/=ミ、 \: | r=≠ミ、: : : :.|: : : :\ : :.
. /: : : : : : :|/: 〈{ rし心    "rし心}〉: : :.八: : : : |\|
/ : : : : : 7:/: : : 弋ぅツ     弋ぅツ |: :/^:: : : : :.|
 ̄ ̄  //|: : :|       ,     ,,, |:/ ,:.|\: : |
      |: 从_}              /: |  \|   「お、大人やな」
      |:./ 八    r- ,   u/|: /\|
          \        イ /j/
           _>  _ <   |
         f´    |   r=≦ニ三|
         |   >―i   |ニニ三三|__
     ,=≦ニニ/ニ/__   _|三三三三三≧=-

  (`ヽ          ___
   ヽj         /: : : :/:.\
           ‐‐‐-  ..〈:.:.: : :\
      /: : : : : : : : : : : : : `:::.、: : ヽ
..     , ':: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ',
.     //: : : : : : : : : : : : : : : : : : :..:.∧: : i
    ,':/: : : ィ : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ : j
    ノ/: : : / |.: : : :.:/|: j.\: : : :ヽ: : : : :i: :!
    //Y: : :/ ̄!: ll :..:l i: i‐ 、ヽ.: : : :Yヽ: l: :l
.  // |: :/   ヽl:',:..:! .l/   .j : :丿:i\\:l
  (:( ∧':.:i-=v. ヽ:!-___   丿イj:丿: :j: :.)
   \i/ |:.ノxxx ,   '' ̄ヽ  |:.|ヽ、://i
.       人U     xxx     |:.!. ):)イ: : :i   「まぁ入り口入ってすぐ帰ってきたんやけどな!」
.       |:l > 、〜_っ  _..ィフl:.!// . !: : :i
.       l:i /  ̄ フ ='' ¨ア ̄ !:!ー-、:l: : リ


        <:_: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
           フ:/: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
           /:;/: : /:/:/: : : : :/: : : : : : : : : : : \
         /: : /: :/\_ハ: : l: :ハ: : : : : : : : : :\: :\
       ∠―フ:l: /fァミミ  l: :ト:LLレ: : : !: : :ト:ヽ  ̄
            /:レ:i 辷ソ  ∨‐ァミハ: : :/: : : :{ `
           /:/j "" 、    (z/ソ 〉:/V: :j: :ヽ
          レ  {   _    ""´ /;イ:./: :/\:ゝ   「ダメダメやん……」
             \ ヽつ  u -イ:∧:/
           rァァ―ミ..┬  T´:< レ'
            ///:::::::::/'┘ /:::::z彡ミ\
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        / / iヽレ::::イ   i /    !:::ヘ
          / i _>小<    ∨    V:::ヘ
       く\/: . :ノY\: .ヽ  /___ノ!:::::ヘ
          \!⌒´ ´  ヽ:_.> 〈____ノー―'
        l/            /   /
          /            /   /

 …
 ……
279 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:57:30.97 ID:GBoYqnjKo

 6/10


 ……
 …

 うん、やっぱり何か違うと思う。


 「おーい」

 「ごめん。ちょっと考え事をしていた」

 「そうか。

  私としては、男が出来たんじゃないかと思ってな」


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /    「!?」
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


 「その顔、図星だな」


 クックックと悪役笑いをする菫。

 ぐぬぬ、菫に見抜かれるなんて悔しい。


 「スキャンダルには気をつけろよ」

 「大丈夫。前にニュースになった」

 「ああ、そういえばそんなこともなったな。

  ってあれは妹さんの旦那さんだったって話だろう?」

 「そうだよ」

 「?

  (何か話が繋がってないな?)」

 「(咲の旦那さんとは言ったけど京ちゃんのことが好きとは言ってない)」

 「……まぁ、照がいいならいいさ」

 「やっぱり結婚している人が言うと違うね」

 「そうか?」


 ちょっとした貫禄みたいなものを感じる。羨ましい。
280 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:58:10.00 ID:GBoYqnjKo

 7/10


 「私はまぁ、立場的にも大学時代にお見合いみたいな形で付き合い始めたからな。

  参考にはならないよ」

 「菫は『いいとこのお嬢さん』だもんね」

 「当時は恋愛に憧れていたから不満もあったが、今は幸せだよ」

 「はいはい。ごちそうさま」

 「むっ、そういう照の意中の男はどういう男なんだ?」

 「えっとね……。

  まずね、優しい」

 「ほう」

 「背が高くて格好良いし、ちょっとエッチだけど、そんなところも好き」

 「日本代表が随分と惚れ込んだものだな」


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /   「あと、お嫁さんと子供達のことが大好き」
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |
281 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:58:49.88 ID:GBoYqnjKo

 8/10


               ,. '" ,. 、\ ,. -‐ 、
             /  /  `    ´`  \
             /                 \ヽ
          ,.'    '    /  i !     ヾ
           / '    l  / ,'./   l. !|    !   ゙ l
         ' /    .l / //    'l l !    l !   !l
.           ' .'     l/ ー '-―_-' リ└- _!,!_   ! !
          ' l     l イ~~~下     ,.二、、ー,、/l! l
         l .l       l ヽ ノ     'i  リ ヽ.!    l
.         l | !     l!          ` "   l    l
         l l ー- _!         ,     l    l.!
.        l  !     |                ト、    |!
       l l !    .l.ヽ      , ― 、    ,. |  ` ┘   「……ん?」
        l   !     !.l 丶      ⌒     .イ !
         !  l    l ! .!           <   .!
.         l l  !     ゙、 i   `   ´       !
       l l   !    ヽ 、      .!    !    !
        l  /ヽ.    ヽ  \  l、   !    l
        l./  、 丶    ヽ.   \ヽ` 、 l
      ,.'     丶ヽ   ヽ    \_.ヽ、 ノ
.      l        ヽ\   \     ヽ ヽ\ 、
      l           \   丶    \ヽ   ヽ
.      l           i  ヽヽ.  \、.   ヽ .   l
     /          l   ヽ ヽ  ヽ.\.   ヽ  lヽ
.    /          l,'    ` ヽ.  ヽ \  ゙  ! !


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               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
                |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′
                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/    「そんな京ちゃんが大好き」
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
                }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
                  / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
                   / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
                  ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、
               /  ∧:.:.:. ∨  /_,.:.―:.:.´:.:.:.//    Y |
                 {__  ,  \:.:.:{_/--  ´:.:.:.:.:.:.:./ ,      マ |
              //≧=-  〉介、______/_ /       } |
            //> ´ ` <≧=--r-- 、     ̄,:'        | |
            ,く ̄´          ` / /^T \   {          マ〉
         r つ ` <        / ∧__|>´|  ∧          }
282 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 15:59:29.00 ID:GBoYqnjKo

 9/10


 「それは妹さんの旦那さんじゃないのか?」

 「そうだよ?」

 「え?」

 「え?」

 「あ、ああ。

  家族として好きって意味か」

 「?

  恋愛感情として好きだよ」

          ____
        ´:::::::::::::::::::::::::::` 、
    /::::;r─‐::::::::;r─:、:::::::\
   /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::∧:::::::::`、
   .'::::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::
  :::::::::::i|::!::|::::|:::|i:::::::|l:::::|l::|::::::::::|::i
  i|:::::::::i|人|::::|::从::::儿;;八|::::::::::|::|
  i|:::::::::i| /モテ   モテハ::::::::::|::|
  i|:::::::::i|     ,     i|::::::::i|::|
  .八::::::八       u  リ ::::::リ::|
   ヽ/:::i:::...   r  ュ   ,.イ::::}/i:::|   「(それはひょっとしてギャグで言っているのか?)」
    |:::::i::::::::>   <| l:::::i:::::i:::|
    |-=''"  ノ      人  `'=-|
  /、     ト=======/      \
 /⌒\   ハ       /     /⌒ヽ、
283 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 16:00:08.81 ID:GBoYqnjKo

 10/10


 ……
 …


 しかし、久しい知り合いに会えるとは思わなかったな。

 進路を違えた時、もう会うことはないと思っていた。

 私は自分の人生を後悔していないが、照のようにプロを目指していたら……と考えることもある。

 だが、それは無粋だろう。

 照は私のように結婚することに憧れを持っているかもしれないし、持っていないものを欲しがるのが人の性だ。

 しかし今の照はまるで昼ドラのような状況だな。

 べ、別に私が昼ドラ好きというわけではないぞ?

 ただ世間一般的に表される昼ドラというイメージの話を持ち出しているのであって。

 決して主婦のお昼タイムに食いつくように昼ドラを見ているなんてことはないぞ?



 親友が妹との修羅場、相手は子持ちで妹の旦那さんか……。


   ./ : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ゚,: : :‘,: ヽ
    ′ : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘,: : :‘, : :.
  .′: : /: : :/: : : : :/ : : : : : : : | : : : : : : : ゜: : : : l : : :
  |: : : :′: / |!: : : :|: : : : : : : : :|: : : : : :!: : !: : : : :| : : |
  |: : : |::‐- : ||_:_: : |: : : : : : : :/!: : : : :/: :/!: : : : :| : : |
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  |:_:_:_|_γ⌒ヽ___::::::::::::::::¨::::::‐- ′|: : : : ′ : |
  |:  ̄| ̄弋  丿 ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::::::::::::: ′: : ;′: : |
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  |:|:: : :.    |!           : : : : : : : ;′: : /´: : : !     ア
  |:.ー‐ヘ                    /: :_ イ: : : : : |
  |: : :::::::::::...、   ⊂ ⊃       ノ¨ : : |: : : : : :|    リ
  |: : :::::::::::::::::`::....         _....:≦:::::: : : :|: : : :<
  |: : : ::::::::::斗<Y    ̄〔-、:::::::::::::::: : : : : : : : : :|     だ
  |:斗<      ',‐-、   i   丶::::::: : : : |: : : : : :|
≦              ',____|     ` 、: : : |: : : : : :|     な
‐-、 丶           ',    .!       ,ヽ: !: : : : : :',
  丶 \        ',   i       / /ヽ: : : : : :\___/


 カン!
284 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/01(月) 16:00:52.99 ID:GBoYqnjKo
投下終了
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 16:01:20.55 ID:gClxwPzxo
アリだなじゃねーよwww
乙乙
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 16:44:34.15 ID:Nn2zC4Rno

これは即売会で霞さんと親交を持ってそうな菫さんですね…
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 16:54:57.39 ID:kOavNKqeo
ワロタ
テルテルかわいい
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 17:06:45.69 ID:peibggB50
テルーカワイイ
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 17:23:37.81 ID:z3vWJJqSO

周りの人間がどんどん壊れ(てるのが明らかになっ)てくww
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 17:55:43.09 ID:s+cgsAftO
乙です
この菫は、自宅勤務でお昼休みは長めか遅めだな(具体的に1時半から2時がお昼休みに含まれる)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 23:16:08.44 ID:+rhQCU42o
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 23:37:39.09 ID:iuuZWYdDO
ふと娘を狙うロリコンを京ちゃんと例の三人組が成敗するというネタが思い浮かんだ。

なぜこんなのが思い浮かんだのかは知らん。
293 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 23:51:23.32 ID:GBoYqnjKo

 1

 【世界別、嫁さんの反応】


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/         「今日はエビフライをたくさん食べたいなァ……」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/     「最近の京ちゃんは油もの食べ過ぎだからダメー。
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/         今日はカレーです!」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \
294 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 23:51:52.94 ID:GBoYqnjKo

 2

        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
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      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
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.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;     「ふふっ、腕によりをかけて作りますねっ」
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
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          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \


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           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
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         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |    「もう……。
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )    私の分のおかずを分けてあげるから我慢して」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |  「いいねー!
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|   今日は外に食べに行こっか!!」
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶
295 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/01(月) 23:52:22.83 ID:GBoYqnjKo

 3

          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
.   ,ゝ::::/ : : : : : : : : : : :ト、:: : : :  :∨::::゙i
    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|   「『俺のエビフライを食べろ』ってことですね。わかりました!」
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧


                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
                /.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
               /....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
                ....::::::::::::::::|::::::::::::|:::::::::\::::::::ヽ:::::::::ヽ:.:.:.
           ' :::::::::::::::::::: |::::::::::::l:::::::::::::::ヽ::::::::'::::::::::::':.:.:.
.          /   ::::::::::/::/|::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::i:.:.l
         /..../::::: !......〃/ .!:::::::::: l\:ヽ::::::::::i::::::::|::i:::::::::l:.:.|
           ′::::i::::::|\:|.{:|  ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |::|l:::::i:::::::::ト::{ `   \. ヾ      ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
        |::|l::::ハ::::::::ハ  ___-     、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
        |::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´      ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l
        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l   「今すぐ伊勢海老買ってくるね!」
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Y:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Y  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l

 カン!
296 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/01(月) 23:52:56.28 ID:GBoYqnjKo
出しどころに困ってた小ネタを投下
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 00:01:44.00 ID:RE96IRB/O
相変わらずのグラチャー……
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 00:19:48.51 ID:xeKKgfawo
あわいい
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 02:28:26.94 ID:qu1B4mdJ0
別次元の宮永姉妹ってやっぱすこやん状態なのかなぁ…
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 06:02:18.71 ID:K2YEG2V0o
それぞれらしくて面白い
ラスト二人はwwwwww
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 07:11:32.24 ID:Z/mCMeASO
>>295の2人がアウト過ぎぃ!!
302 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:34:26.55 ID:8zaY24gYO

 1/16

 【京ちゃんの誕生日】


 須賀咲ちゃんです!

 今日は京ちゃんの誕生日、

 京ちゃんがお仕事から帰ってきたら、ささやかなお祝いをしてあげるつもりです。

 まぁ、こうやってお祝いをするのも一度や二度じゃないので、簡素にやるつもりだけどね。

 大人になって誕生日を盛大に、って言うのもなんか恥ずかしいもん!


 「パパはもうちょっとしたら帰ってくるから待っててね」

 「「はーい」」


 どちらかといえば子供たちの方がソワソワしています。

 自分たちの誕生日をお祝いされるのも好きだけれども、誰かの誕生日を祝うのも好きなお年頃。

 イベントごとってだけで盛り上がっちゃうんだろうね。


 「何を用意したの?」

 「ないしょ!」


 聞いてもこうやって逸らされてしまう。

 むっ、いらん知識がついたね。嬉しいことだけど!
303 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:34:55.92 ID:8zaY24gYO

 2/16


 京ちゃんが帰ってくるまで騒ぎ出す子供達を無理やり押さえつけていると、インターホンが鳴る。

 何だろう、と玄関の扉を開けてみると、霞さん、シロさん、玄さんの三人がいた。


 「咲……、これを渡しておいて」

 「去年はお世話になったから、お誕生日プレゼントよ」


 そう言ってホールケーキを渡してくる。

 わわわっ、何だか悪いなっ。


 「ごめんなさいね、人の旦那さんに」

 「いえいえっ、霞さん達なら大歓迎ですよっ」

 「それっ、白望ちゃんの気合を入れたケーキだから、きっと美味しいわよ」

 「か、霞。黙って……」

 「シロさん、ありがとうございます!!」

 「私からはこれ、ケンタッキーのフライドチキンよ」

 「(手作りしようとしたのを私が止めた)」

 「(わ、私だってちょっとした油ものくらいは出来るわよ!

  ただ京太郎さんに渡せるだけのクオリティのものにならなかっただけで!)」

 「(おかげでしばらくうちはフライドチキンばっかり……)」

 「(悪かったわよっ!)」

 「そ、そんな、霞さん達にはお世話になってばっかりなのに」


 なんか京ちゃんの人徳に嫉妬しちゃう。

 京ちゃんとこの三人、数回しか会ってないって聞いたのにー。ムー。


 「そんなことないわ。

  どちらかと言うとね、去年の咲ちゃんの誕生日分も含めているの」

 「えっ?」

 「だから旦那さん一人の分というより、咲ちゃんも含めて二人の分って考えて欲しいわ」

 「霞さん……。

  ありがとうございます!」


 わぁ、なんだかとても嬉しいなぁ!
304 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:35:25.68 ID:8zaY24gYO

 3/16


 「ほらっ、玄ちゃんも」

 「あうあう……」

 「玄さん?」


 そういえば玄さん、誕生日プレゼントを贈りたいって言ってたよね。


 「こ、これ、マフラー……」

 「もう、玄ちゃんがこんなに照れてるなんて珍しいわね」

 「そ、そのっ、いつもお姉ちゃんに作ってるから手作りにしてみたんだけど、もし不格好だったら捨てちゃってもいいよ?」

 「そんなことないですよっ。

  ……ってこれ」


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ   「既製品と変わらないレベルだ……」
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }

       ≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
      ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
     /  ヾ:::::::::::i i:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::ヒ.i
    /ソ|`::::::::::‖::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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      |::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ハ ィ.爪ハ  .ヾ:i  イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
.     |::::::::::::i 弋っリ       込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|   「そ、そんなことないよぉ」
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|
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        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|
305 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:35:54.86 ID:8zaY24gYO

 4/16


 「玄さん本当にお嫁さんレベル高いですね。

  むしろお嫁さんという概念そのものですね」

 「い、言いすぎだよお!」

 「(むしろ玄は別の概念……)」

 「(白望ちゃん、考えるのはやめましょう)」

 「これ、生地もしっかりしているし高かったんじゃないですか?」

 「旅館の知り合いに譲ってもらったから大丈夫なのです!」

 「(あれ、この前買ったって……)」

 「(考えちゃダメよ)」

 「あとこれ、咲ちゃんの分を色違いで用意したんだ」

 「えっ、私のも?」

 「ほらっ、夫婦でお揃いなら可愛いかなって」

 「玄さんー!!」

              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
                /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./  |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。
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              /.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、  | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ
           /:..:..:.:.: ′:.:.|:.:./〃 リ   リヾ:、 :.:.:.:./.〃      ヾ:、リ .:.:.:.:i:..:..:..|
             /:..:..:.:. イ:.:.:.:.:.| /il{        }li }:.:./ il{        }li | .:.:.:.:|:..:..:∧
          /:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{        }li l/ il{        }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧
           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧  「はわわっ」
         イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧
      /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
    /:..:..//:..:..:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.\ ι   |         |        イ:|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.゚:,:.:.:..:..∧
   /:..:..:..// .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:个:. .   ノ ---―‐  ____}   . .:个:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:゚。:.:..:..:∧
  〃:..:/|〃 .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ハ:.:.:.≧==- __  -==≦:.ハ.:.:j:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:..:.:.:.:.∧
 /:../  l/ :..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:/  }:.:.:.:.:/ {    } \:.:.:.:/  }.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:}ト :.:..:..:..∧


 感極まって抱きついちゃった。

 もー、玄さんは私がお嫁さんにしたいよっ!
306 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:36:25.18 ID:8zaY24gYO

 5/16


 「それじゃ、私たちはこの辺で帰るわね」

 「えっ、よければ上がって……」

 「そこまで空気が読めないわけじゃない」

 「あとはご家族でお祝い、だよ!」

 「みんな……」


            /::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
    (_)  /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
 /\   /:::/::/::/::::::::::::::::ヽ::::::::::::V
    \  ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
        { V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
   ̄ヽ   ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
  ー-    { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }
  / l   ハ  \ミ. .ヽV /. . 彡:フ  ハ   「何から何までありがとうございますっ!」
  し j   ∧  ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/   ∧
   /  〈  \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
 |     \__ イ  //∧ 〉、__ /
 |人_    ハ   } //!/∧/  ∧
        ハ   } {/∧//ハ  / }
        { ヘ   } !//∧/∧ / !_
         ∧ヘ  } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
          /./. ∧  ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
       /./ . . ∧  !.!/j./  ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
        /./ . . . .∧  !V./  ∧∨. . .\. \ . . ―. //
.       /./ . . . . . . i ヽ./  /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
      /./ . . . . . . . {  Y   ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./
    / / . . . . . . . . ゝ /   /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃
.   / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//
307 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:36:55.50 ID:8zaY24gYO

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   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|   「それじゃ、咲ちゃん。
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\       r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八   また会いましょう」
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、


          〃-‐‐-----‐'/´
       ,, - ''       ー '、 
       ´             ヽ\
      /   /    |    |  ヽ \
    /   ,/     /|   l    _<
   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
     ̄|   {   示芸 \ |示芸!   }   〃
      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/   「……ケーキの感想、期待してる」
           /  〉 | 〉、 "
         /`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
        └t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ

            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
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     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| :ト.、 | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l
. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|〒弐オ`\.l/〒テト.|./|.:i
...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー'     .゙-'l |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|   ゙゙゙゙    ` ゙゙',!.:}    「今度二人で並んでマフラーをしているとこ、写真に撮らせてねっ」
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.    (_`チ  _,ノ./|.
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{
  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{
308 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:37:25.22 ID:8zaY24gYO

 7/16

 ……
 …

 えへへっ、みんなに色々と貰っちゃった。

 これじゃ私のプレゼントが見劣りしちゃうよぉ……。

 ま、まぁ、その辺は愛情でカバーだよ!


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「咲、ただいまー」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/      「あっ、おかえり京ちゃん」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \

 そんなこんな言っていたら京ちゃんが帰ってきました。

 果たして京ちゃんはどんな反応をするんだろう。今からニヤニヤしちゃうよね!


 ダダダダダ、と家の中から走ってくる音。

 普段なら叱るけど、今日くらい許しちゃおうかな
309 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:37:53.98 ID:8zaY24gYO

 8/16


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ   「パパ! たんじょうびおめでとう!」
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |

                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
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                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ   「これ!」っ肩たたき券
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
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         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \   「うおおお!!
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ         ありがとなァ!!」
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - 'U  イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
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             //////////∨///////////////////////|
310 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:38:23.18 ID:8zaY24gYO

 9/16


 走りこんできた子供達を思いっきり抱きしめる京ちゃん。

 もー、スーツがしわになる……。まっ、今日はいっか!


 「こんなのもったいなくて使えないよ」

 「もー、そんなこと言ってたら子供達が拗ねちゃうよ。

  ほら、もう使ってほしそうだもん」

 「うぐっ、じゃあ一枚だけ使おうかな」

 「はいはい。

  まずはいつも通り着替えてからね。

  今日は色々と貰い物があるからご馳走だよ」

 「えっ!?」

 「私と京ちゃんにって、色々貰っちゃった」

 「そっかァ。

  お返ししないとね」

 「そだね」


 こんなに色々貰っちゃったら何かのタイミングでお返しに行かないといけないな。

 でも、あの人たちは何をしてあげたら喜ぶのかなぁ。

 よし、今度考えておこう!
311 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:38:52.82 ID:8zaY24gYO

 10/16

 ……
 …

 ・幕間


 「お父さん、何見てるの?」

 「うげっ、照!?」


 京ちゃんに抱きつく子供達を見ながら、お父さんが黄昏ていたので声をかけてみた。

 するととても驚いたようで、持っていた何かを落とした。


 「何これ」

 「か、返せー」

 「……?」


 何の変哲も無い、チラシのように見える。

 さっきまでお父さんのお財布の中に入っていたようだけれど、イケナイお店のチラシだったりしたら大変。


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
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           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
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           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/    「!?」
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


 「だから見るなって言ったのに……」


 お父さんはパシッと私の手からそれを抜き取ると、財布の中に大事そうに仕舞い直した。

 おそらく20年以上昔に作られたそれはもうボロボロのヨレヨレ。

 いつ破れてもおかしく無いだろうに、大事にしていたんだろう。

 顔が真っ赤になる。

 ……見るんじゃなかった、かな。

┌─────────────────┐
│                       .  |
│ -┼、\ -┼─ -┼─  -┼─  -┼-  |
│ / |   / -─ / -─  / -─  - ヽ-.  |
│./  J   / ヽ_ / ヽ_ / ヽ_ ヽ_` .  |
│                           |
│                            |
│ .i -┼-    /                   |
│  |  |    / ,-,        てる      |
│ ` ノ    ι'  し'      さき       |
│                           |
└─────────────────┘

 …
 ……
312 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:39:22.14 ID:8zaY24gYO

 11/16


 ……
 …


 「京ちゃん、私からの誕生日プレゼント」

 「照さん?

  いつもわざわざありがとうございます」

 「……」


       _. . . . :´:  ̄ ̄ ̄ ̄: `: : : . 、
   ,. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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:|: : : :|: : : : : : : :{ { ∧: : 从{ {/ 「¨≧、  }:/: : :, : /: : .': :}_: : : \
:|: : : :|: : : : : : : :乂__)∧: :|       /r' Y〃: /: /: : /: :/ ` ー '
:|: : : :|: : : : : : : /     Y    〈ソ  /イ /:イ: : :/ }/
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:|: : : : :l : : : 从|   、             /   ぱ
从 : : ∧: : :| }'    \       ,ィ-く       く
{ \:.{ \:j     ∧、`: .     イ¨´ゝ \ ,
  | \  \   / ノ }: : /:7´: :/    `\乂
  | ̄ ̄\  --/  ` <:∧:{
  |     \ /       `<
  |      /             >- 、
  |   , -/       ,. <>´/⌒,ム
  |   /      ,. <> ´ イ     マム
  |_/     ,. <>´> ´:.:.:/     マム
 ィ介ヽー― ´> ´イ:.:.:.:.:.:./        ∨}


 ……お父さんのせいでちょっと頭がおかしいのかもしれない。

 ちゃんとしたものは、今度あげる。

 口にくわえたポッキーのチョコ部分を京ちゃんの口の中に入れて、スナック部分を噛み切る。

 チョコを咥えたまま呆然としている京ちゃんを置いて、恥ずかしくて走って去って行ってしまった。

 全部全部、お父さんと京ちゃんが悪い。

 私は悪くないもん。

 誕生日プレゼントの万年筆は、後で渡すからね。


 …
 ……
313 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:39:51.03 ID:8zaY24gYO

 12/16


 「もー……、お姉ちゃんったら何してるの」


 ボーゼンとする京ちゃんの背中を叩いて正気に戻す。

 いつもならお姉ちゃんに怒るところだけど、今日は特別だよっ。


 「はい、私からの誕生日プレゼント」

 「おおっ! やっぱり咲からのが一番うれしーよ!」

 「はいはい、お世辞はいいの!」

 「……これってマグカップ?」

 「一番大したことないもので悪かったね!」

 「いや、別にそんなこと言ってないじゃん。

  すげー嬉しいよ」

 「その、ね。

  そのマグカップ、私とお揃いなんだ」

 「うん」


            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉  「最近、なんかドタバタしたり子供達がいるから恋人時代みたいにあんまりイチャイチャできてないから……」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |
314 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:40:21.20 ID:8zaY24gYO

 13/16

 ……
 …

 ・誰が誕生日プレゼントを渡すか勝負中


         __、─- 、
        > ,, `  ,, '´ ゙̄,Z._
       , ' i!i   i!i  !ii   !! <
.      / ii!  !! i! , ii ハ ii! ii! ヽ
     l i! i!! ,イ /l./--l ト ii ii l        ━━┓┃┃
      | i!,.、ii /‐l/-'、 ̄,V-|ハ ! N              ┃   ━━━━━━━━
      |!i.|.f1.| ===j= ,,r ==j=lW            ┃               ┃┃┃
      |.i!|.「l | `ニニ´  ヾ二 l                                 ┛
     |ii ヾlノ.  , -‐' r _ \l
      /| ii /'\ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚
   _/):| /   。≧       三 ==-
‐..T....|((::K    -ァ,        ≧=- 。
.....|.....|::)):l(ヽ   イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
... |.....|((:(:l)ゝ(:> ≦`Vヾ       ヾ ≧
....|.....|:)):)l:):)) 。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。 ゚ 。 ・


          /      _   !  _._  `ー=ニ ` 、
          /     /ミミミ、  ! ////∧、  ヾミ三ニ─´ _ .
        / ノリ   /ミミミミゞ ! l//  `ミミヽ、 _        /
      |  //  /ミミヾゞヾゞV      ミミミ .、¨_¨─ ´ _
       |    /ミミヾゞヾゞ        _..',Y ∧   ̄ ¨/
       |   /三ミ           /   ',Y   〉 ─ ´
      ー .ヽ彡     i   i   イfェュf´   |) ./ミミミヾ、
        ノノ〃ヽ´"fェュ、     ''"´    ノ|¨ゞゞ、三=='
      -=彡≡彡   `¨´ i         /  |ハゞゞニ='     「えっ」
        ミ三=´川ゞ   i    U /   .| ヽ  ̄
           川ゞゞ、   、   _ .     /  .∧ _
           ヾll| ゞゞヽ i`  ._.   /  ./ ∧ヽ
             ゞ  ` ヽ、_¨-―- ./ ./   .|: :\
                   lハ 、_ .´ /    l: : : :| ¨ ・ .
                      /| \   /      l: : : :|: : : : : : `: ・  .
                 //: :|.  `_´         /: : : ::|: : : : : : : : : : : :

           ,!   ハ             ヽ
        ,,‐ ./   / 从|i、.|  |  r       \ `ー    / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
:::::::::::::::::::::::.ー彡::::::::::≧必__丿ノ ノ \\  入ヽヽ斗\ヽ:ヽ、::::::::::ヘ_
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l  `  ── " ノ  )Τ  ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ             |      .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ             l       //:::::::::::::ぐ ̄
 /::::::::::::::::|゙!彡゜    U         l      /:::::―----ヽ、
彡ソ'/  i、 | く                l     /::::::::::`ニン
   l.::从,.弋 ヽ           ⌒ '"      ./::::::::::::ミ
   乂 l|lヽ  ヽ、     `''ニニ''''''''''''''''フ″  /: :lリ \l    「えっ」
      |三:.\  ヽ         ̄ ̄ ,,.    /ソノ
      |三三 >,,, ヽ       ゙"''''""    /
     ノ三三三三>ミ\            イ
  斗≦三三三三三三三≧          付
≦三三三三三三三三三三三>     ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
315 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:40:50.46 ID:8zaY24gYO

 14/16


 ……
 …

 ・マヨイガで二次会

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
.       i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l         U  /l:::::::::: .
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l   「(えっ?)」
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !


           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__  U           ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八    「(アレでイチャイチャしてないに入るの?)」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


                 ____             ___
            ,, :´ : : : : : `: .          /    \
            . : : : : : : : : : : : :\     {___j⌒ヽ  ゚。
          /: : : : : : : : : : : : : :.ヽ     ___,ノ  ノ
       { : : /: : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い   /  --- ´
.       / \__/: : :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚. 乂,ノ
      /ー―――:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚◯
.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
    i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i
    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |
    || |: |: : : |〈 _)トJi:|    `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |
    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |
.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |  「(二人とも何で呆然としてるんだろう?)」
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
       |: ||: :゚。: :゚。: : i r‐|     |┐: : }/: :/: : : :ハ
       |: ||: : :゚。: :゚。/ \   / \:/: :/: : : :.,゚: :゚,
       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|
316 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:41:19.72 ID:8zaY24gYO

 15/16

 ……
 …

 「でも、お仕事忙しいのは仕方ないもん。

  雰囲気だけでも恋人らしくしたいなって」

 「……」


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/    「咲かわいい!!」
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 「ひゃあ!?」

 「もー、そんなこと考えてたのか。

  かわいいじゃん」

 「ちょっと、頬ずりしないの!

  夜だからお髭が生えてきてて痛い!」

 「ご、ごめん」

 「うー、お嫁さんを心配させる京ちゃんが悪いんだもん」

 「そーだな。

  今度、またデートしよっか」

 「うん」


 な、なんか改まって言われると恥ずかしいな。
317 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/02(火) 16:41:49.10 ID:8zaY24gYO

 16/16


 「……これで、終わり?」

 「そだよ?」

 「……そっかァ」

 「?

  やっぱりマグカップじゃ嫌だった?」

 「いや、これは嬉しいんだけど、その……」


 なんか京ちゃんの歯切れが悪い。

 なんだろ?


 「……いつものプレゼント期待してたから」

 「……?

  あっ、まさか……」

                    /\-――‐- 、
              , -−=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
        // l i `i           _/,、/    「『プレゼントは私!』ってやつ!」
        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |
                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i

                  _........----......._
              ,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
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            /: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
             .': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
            , : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
             | : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
             {: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ    「もー、しょうがないなー!」
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
          {==、 {:\/   〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
            ,   \Y       /   | ,::::::::/イ:.:./  ∧


 みんな、ちょっとお出かけしてくるねー。

 あ、明日の朝までには帰るから! 大丈夫!!


 カン!
318 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/02(火) 16:42:18.45 ID:8zaY24gYO
投下終了
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 17:37:47.37 ID:Z/mCMeASO
>>315で霞さんとシロにもう言われてたwwww乙乙
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 18:08:45.15 ID:N0U0eTPlo
2828
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 21:06:32.82 ID:1IZLQUS3o
こい盛
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 23:29:04.99 ID:RpaMBXgVo
あーかわいい
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 23:29:41.76 ID:wyq8nna60
乙です

京ちゃん、誕生日おめでとー!

そういえば、和時空や淡時空の京ちゃんは、咲ちゃんや清澄の他の麻雀部員に結婚を前提に付き合ってるって報告したのかな?
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 00:28:19.34 ID:0/0zwc+Co
乙デース

IF時空で京ちゃんが麻雀プロに
同じく麻雀プロになった咲ちゃん、のどっちと照さんとで公式試合とか!
京ちゃんはボコボコにされても構わない!
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 00:59:50.63 ID:lcuxP62d0
穏乃時空はまだですか…?
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 01:41:05.82 ID:qARGSdDfO
>>325
なんか四股名みたい
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 01:49:03.36 ID:9jZHamKdo
乙です
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 07:04:11.29 ID:oXZduO0DO
IFなら、照と咲を逆にした正規ルートの話が見たいなー、なんて。

咲が東京で照が長野、見たいな感じで。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 12:13:00.40 ID:uMR3+qXSO
>>328
食事がお菓子ばかりになるから結局咲ちゃんが料理つくることになる未来が見える…
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 12:36:13.76 ID:Nfl/Zlq1O
乙です
>>325
病んだりとか、個性を出していかないとダメなのかもしれん
331 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:08:34.40 ID:Y2yHBKiXo

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 999
 続々々、高鴨穏乃の婚活


 こんにちは! 高鴨穏乃です!

 宥さんと和の話を聞いて、婚活をしているけれど、いまいちうまくいかないんだよなぁ。

 まだ男の人と会ったりなんてそういう段階までいけてない。

 というか、まず自分の価値観が会っているのか不安だよ!

 なんかこう、私の方が間違っているんじゃないかって錯覚が……。

 う、ううん! 負けない!

 だって宥さんも和もちょっとおかしいよ!

 ほ、ほかの人に聞いてみれば確実だよね!?

 あとモテそうな人って言ったら憧くらいだけど、高校以来会ってないから連絡も取りづらいなぁ。

 うーん……。どうすればいいんだろう。

 玄さんに聞いてみれば……、いやでも宥さんの言う限り玄さんはもっとおかしい気がするし。


 「どーしよっかな……」


 気づけばいつもの様に山を登って大好きな風景を見ている。

 やっぱりこう言う山好きな女の子っておかしいのかな……。

 もっとこう、憧みたいに女の子女の子している方が男の人は好みなのかな。


 和はないね。

 和はないね。


 なんかこう、大和撫子みたいな人の知り合いがいればなぁ。

 あっ、玄さん以外でお願いします……。
332 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:09:03.37 ID:Y2yHBKiXo

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                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
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  /: :/: : /: : :/ : : : /: :/    ヽ:、: : : : : i : : : : : : V: : V: : : : : ヽ
 /: /: : :/: : :/< : : ハ: !     }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
 : // : /: : :ハハ:\:! {:{     }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{     ̄/ ハ:ノ  !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
 Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云       〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
    ∨ V: ハヾ{7///}      {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
        ハ:ハ 弋//ソ       弋//ソ イ: !  }:/: : : : : : : : : : :}: :}
       {: :ハ ,:,:,:,:,        ,:,:,:,:,  }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }
       |: :| !      ′       u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
       |: :| ヽ     、_,、_,        /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}
      l: :l   >    ヽ ノ      ´ト //  !: : j: : : : : : : : : : W   「……あれ?」
      ヽ:ヽ   r≧....._  <..-‐: ̄//}  }: : ハ: : : : : : : : : :}
       ヽヘ   〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
      __ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
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333 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:09:33.02 ID:Y2yHBKiXo

 3/11


 気づけば勝手知ったる山の中のはずなのに、見覚えのない風景が広がっていた。

 何年もここに出入りしていたのに、こんなところ来たことないよ。

 私の知らないところなんてないはずなのに。

 それに、こんな山の中に家があるなんておかしいよね。


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        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
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        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l             /l:::::::::: .|
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l   「あらあら、可愛らしいお客さんね」
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
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           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !


 「わわわっ!?」


 後ろからいきなり声をかけられてびっくりした!

 そこには巫女服を着たおっぱいがいた!

 ……自分で何を言っているのかわからないけれど、そうとしか表現できないんだもん!


 「また迷い込んじゃうなんて、白望ちゃんに伝えなきゃ」

 「あ、あのっ」

 「まぁまぁ。

  とりあえず一息つきましょう?

  中に入ってお茶でもどうぞ」


 普段ならこんな怪しいところで着いていったりはしないんだけれども、今回は違った。

 見た目的には高校生から大学生くらいかな?

 きっと私より年下だと思う。

 私は見た目がこんなのでも大人だもん!

 それでも、彼女から迸る『お嫁さんオーラ』を感じたから、少し話してみたいと思ったんだ。
334 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:10:02.54 ID:Y2yHBKiXo

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           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八   「それで、今度はドスミが何をやらかしたの?」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


 「もう! 白望ちゃんったら!

  私は何もしてないわよ!」

 「怪しい。

  嘘だったら指をへし折る」

 「(まだ怒ってるのよねぇ……)

  どうやら彼女がここに迷い込んじゃったみたいなの」

 「……そう。

  いや、迷い込んだのはともかく、なんで家にあげたの」

 「……なんとなく?」

 「……」

 「いいじゃない!

  彼女も悪い人じゃなさそうだし、ちょっとくらいお茶したって」

 「100歩譲ってお茶するのはいいとして、ここは私の家なんだけど……」


 家の中に入ってみると、巫女服の女の人と同じくらいの歳の女の子がいた。

 何やら仲よさげに喋っているけれども、もう一人の女の人は呆れているみたい。


 「私は石戸霞よ」

 「……小瀬川白望」

 「あっ、高鴨穏乃って言います!」


 何やら雰囲気に飲まれちゃったけど、悪そうな人たちじゃないし大丈夫だよね?
335 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:10:31.74 ID:Y2yHBKiXo

 5/11


 「あ、あの、迷惑そうならすぐ帰りますから」

 「……別に迷惑じゃない。

  よければそこのドジ霞の相手をしてやって」

 「もう、白望ちゃんったら素直じゃないんだから。

  ごめんなさいね。よければお茶でもどうぞ」

 「あっ、ありがとうございます」


 石戸さん、落ち着いた雰囲気で優しいなぁ。

 こんな女の人ならモテモテなのかな。

 そうそう、やっぱり一般的なモテる女の人ってこう言う人だよね!


 「ここに来るってことは、何か悩み事かしら?」

 「えっ」

 「ふふっ、一期一会。

  良かったらお姉さんが話を聞いてあげるわ。

  こう見えても、高鴨さんより年上よ?」

 「えっ、そうなんですか?」

 「(お姉さん……。霞、それはキツい……)」

 「(白望ちゃんだって同い年じゃない!)」

 「ありがとうございます!

  その、実は最近悩み事があって」

 「ふんふむ」

 「婚活って言うんですよね。

  女の子らしくなりたいなぁって思うんです」

 「あら、可愛らしい悩みじゃない」


                 __
             . : :´: : : : : : : : :`: .
              /: : : : : : : : : : : : : : : : \
           .´: :/: /: : : :∧: : :ヽ: : : : : ヽ
         /: : / : :/ : : : / ヽ : : ヽ: : :',: :ハ
           /: : :,': : /: : : /,′ }:i: : : !: : : i: : :';\
        ': !: : !: _ハ:{: : ハ!   }ハ: :_:レ: :}}: : : ! : ヽ
        {:i: : :{: :/Tニヽ {!   jイ:ノハハハノ : !:}: :ヽ:ヽ
        i:ハ: :ハ: i/ん:ハ`   ゙ん:ハヽi: :i :ハ}i: : : ヽヽ
           iハ: ハゝ 辷ソ    辷ソ "ハ:レ: ノ: : : : ヽ:ヽ
             /人 !       '       /.ィ:}: : : : : : : ハ:.}
             {:{  ', "" r――┐ "" ′V}: : : : : : : } }:}
          {:{  ゝ,  ヽ  ノ   イ  ∧: : : : : : :/:/    「石戸さんみたいな理想のお嫁さん、大和撫子になりたいんです!
            ,ヾく: ̄::i:::::ェ- --ェ彡!: ̄::::ハ}: : : : : //
.           /:::i:::::::::::::ヽ\::YY:/:丿::::::::´::ハ} : : : //     どうすればいいか教えて下さい!」
         /:::::::へ┐::::::\:::l l::::/::::::::::::::::j:::V : ノ
         ノ:::/ヽ‐二>、:::::::::`:l l:´:::::::::::::::::::V:::::Vノ
      ノ::ィ::ヽ::`<´,.)::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::!:::::::ハ
       /::/:::\:ヽヽ:::フ::::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::}::::::::::ヽ
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336 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:11:00.80 ID:Y2yHBKiXo

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             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ    「(あーあ……)」
               `ヘハ ト U        j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /
337 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:11:30.12 ID:Y2yHBKiXo

 7/11


 「(わ、私っていいお嫁さんなのかしら!?

   やったわ白望ちゃん! 褒められたわよ!)」

 「(石戸、分を弁えろ)」

 「(酷すぎない!?

  口調もおかしくなってるわよ!?)」

 「あ、あのっ、やっぱり難しいんですか?」

 「そ。そうね。

  私から見たら高鴨さんも可愛いし、立派な女の子だと思うわよ?」

 「(霞は間違ってもいいお嫁さんじゃない)」

 「(何でもう一回言うの!?)」

 「私じゃ、ダメなんです。

  私、自分が正しいのかわからなくて……」

 「高鴨さん……」

 「年上の知り合いがいたんですけど、その人の言うことがよくわからなくて。

  『元』友達に女の子らしさってのを聞いたんですけど、それも絶対に違うと思うんです。

  でも、だったら何をしたらいいかって分からなくて……」

 「……そんなに深く考える必要はないと思うわ」

 「えっ?」


 石戸さんは優しい微笑みで見つめてくる。

 まるでお母さんみたいで、とっても安心する。


 「高鴨さんは高鴨さんなりに色々と考えているんでしょう?

  気になる男の人って、いるかしら?」


 気になる男の人……。

 男の人の知り合いなんて、京太郎くらいしかいないんだけどな。

 な、何で顔が赤くなるんだろう。

 京太郎は既婚者だってば!
338 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:11:59.67 ID:Y2yHBKiXo

 8/11


 「ほら、女の子の顔をしてるわ」

 「そう、ですか?」

 「その人にしてあげたいことを考えてみて」

 「……その、笑わないでくださいね?」

 「ええ、もちろん」

 「私、料理とかも苦手なんです。

  でも、料理してあげて美味しいって言ってもらったり、頭を撫でて欲しいなって……」


       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
    /: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
  /: :/ : : : : / : /  ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ
  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ
   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
       i:{     、_,、_,、_,    u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i   「(は、恥ずかしいっ!)」
      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ
        ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/  |:∧: : : : /:}
          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi
        /::::::::::::ヽjj:::―::: ̄:::::::::::::::::ヽ   }: : / ノ
        /:::i:::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i   !: /
      j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::}  レ'
       l::::::V::::::::::ll::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;
.      j:::::::{:::::::::::ll:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::/


 「ほら、十分女の子らしいわ」

 「そう、ですか?」

 「女の子は好きな男の子にやってあげたいことをやってあげて、女の子になっていくんだと思うわ。

  もちろん、私の意見だけどね?」

 「(喪女が偉そうに……)」

 「(喪女だって夢を見てもいいじゃない!)」

 「わかりました!」


 やっぱり石戸さんはすごいなぁ。

 うん、迷っていたのがおかしいんだよね!

 私も石戸さんみたいになりたいな!
339 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:12:28.79 ID:Y2yHBKiXo

 9/11

                 _       |   |
                 \ヽ_-‐=ミ、│  │
                 /_∨:.:.:.:.:.、.:.:.: |  │
               〃.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:\  │
            f ´ ̄ 7:.:.:.:./:.:.:メ、.:.:.:.:.:.:.\}   |
           从   {:.:.::{/{:.:/ _\.:.:.:.:.:|    |__
            ー=∧ .l{:.:.:.{-乂   _,,ヽ.:.:.:|   | \
            /:.∧ l{l:.:.:{ ._,,  ´⌒ }ノ)|`ー─= 7
              /_;/ :ハ八{:.ト⌒`   _ '" 从:|l     /
             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿   「カスミー!
              _, \ >:`ー┘フ      |
              /.: .: .: .:`: 〉:/⌒ ̄ /      .|     頼まれてた『男に縛られた女〜相手は既婚者〜』を買ってきたー!」
            {;/ ̄ ̄ ̄{    .:/     /|
                   {i   \:       /.:{
                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!
               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニXニ/


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.       |: : : : : ::::::::::::::::: : 八:::::::|:::::|::::::::斤i「 ノ|/}/
.         |: : : : ::::::::::::::::::::::::/|\八人:::: | ヒリ  |
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::{  |:::::::::::::::|\|     乂_
.       |: : : ::::::::::::::::::::::::::::\|:::::::::::::::|   ``   /
.         |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::|   U    , j
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::|        /     「爽ちゃん!?」
.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/
      |: : : ::::::::::::::::::::::::::::_/: :|:::::::::::::::|/⌒|:::::::::
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      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
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340 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:12:58.37 ID:Y2yHBKiXo

 10/11


 「……え?」

 「違うの違うの!

  これはこの人が勝手に買ってきて!」

 「お?

  これはカスミが頼んだやつじゃん。

  私のはこれ、『アイドルになりたい友達のために犠牲になる女』だもん。

  はいっ、シロには『禁断の姉弟愛〜弟に手篭めにされて〜』だったよな」

 「死んで」

 「あり? シロってば超不機嫌?」

 「いいから死んで。

  っていうか追い出したのに何でここにいるの」

 「それはカムイを使ってなんやかんや!」

 「……なんやかんやじゃない。死んで」

 「なんだー。今日のシロめっちゃ不機嫌じゃん。

  カスミがなんかしたんだろうなー。

  って、お客さん来てるじゃん」

 「石戸、さん、これは……」

 「高鴨さん!

  これは誤解なの!」

 「えー、カスミだってパウチカムイで既婚者となんやかんやしたいって言ってたじゃんー。

  あっ、もしかしてこの子、新しい同行の士?

  んじゃこの本をおすそ分けー」

 「うわぁぁぁぁ!?

  お、男の人と女の人がっ!?」

 「ちょっ、爽ちゃんやめて!

  本当やめて!!」 


    //|: : : : | : : // |:∧/  |/           |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
    |:| |: : : : | : /:   ≫去干气ト         ィ去干气≪   |: :/: : : : |\
    |:| |: : : : |: :|:::; 〃 んJ:::::::爿         トJ:::::::::::爿ヾ |:/: : : : :/ : ∧
    |:| ∨: : :乂{::::〈{  V辷七歹        V辷七歹  }〉/ : : : : /: : : :∧
.   乂 \{\: Y  とつ'⌒~ /////// `⌒とつ  /|: : //: : : : : :∧
         / `トh   /////////////////  ハl/W: : : : : : : :∧
          { |: : :|ハ                     | ! : | }: : : : : : : : :∧
.        八|: : :l }       /~⌒^⌒^ヽ          j | : レ : : : : : : : : : ∧
        |: :从,_|      ´           `        厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧
        |: :|  人                        人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
        |: :|   >                 <  |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||   「もう帰りますっ!!」
        |: :|       >          <     |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        人_|       r=≦}___   T爪  {≧=ミ,   |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
                    |{      ̄`Y^Y´ ̄      }   | : : / : : : : : : : : : : /‖
     __          从  ー---〈 ‖---―=彡〈  ∧/ : : : : : : : : : : / /
   /     ̄¨ニ=- _幺  ー―===У===-一  r公=―=ニ¨ ̄ ̄  \:/
341 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/03(水) 16:13:28.08 ID:Y2yHBKiXo

 11/11


 ……
 …


 「……」


 声が出ない。

 なんかもう、大変だった。

 結局、小瀬川さんに送り返してもらった。

 もう会うこともない、と思う。

 石戸さん、なんやかんや言ってあんな趣味だったんだ。

 ……相手は、既婚者かぁ。

 やっぱり、私がおかしいのかな。

 そんなことないよね……。

 もう、何を考えたらいいかわからないや。


        . . :´:_: : : : : : : :`\: : : \
       /: : : : : : : : ̄: : 、:/: /: :ヽ: : : \
     /: : : : : : : : : : : : : : :\: : : :/: V : : : \
     /: /: : : : : \/ヽ: : : : :ヽ: :/: : :ヽ: : : : : ヽ
    /: :.{: : ハ: : :イVハ-、ヽ: : }-、: : : :ハ: : : : : ハ
    /: : :i: : :i ヽ: :}-r⌒ヽ VV  }: : : } V: : : : :ハ
   /i: : : V: rく レV  \::ノ ハ:} イ: : : }  /: : : : :ハ}   「京太郎、疲れたよ……」
   ハ: : : V:ハ rへ    ''/ i: }  ヘ∠、/: : : : : ハ!
   { ヽ: :ハ: :ヽ\:)     ′}: ! /://: : : : : /――-...、
       八ハ:ゝゝ\,,′ っ j://::/::::/: : : : :/::::::::::::::::::::\
       ` `  V:}  、_ ///::::::/: i: : : V::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ
           ノ:ノ      レ 〉:::/::::::V: : :ヽ:::::::::::::::::::::::::::';:::::ヽ
            //       /:::::(::::::::::::\: : :ミー::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
         (          /:::::::::::::::::::::::::::`ヾミゝ:::::::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ
                  i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ

 カン!
342 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/03(水) 16:13:56.73 ID:Y2yHBKiXo
投下終了
宥→和→霞白爽→???
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 16:20:34.71 ID:3f/j3EDfo
ワロタ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 16:26:59.35 ID:foyw7jevO
イイハナシデオワリソウダッタノニナー
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 16:56:32.26 ID:dj7m4GH/o
次は・・・洋セかな?
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 17:02:41.69 ID:uMR3+qXSO
笑った乙乙
しずもん友達運の悪さがヤバイwwww望さんに希望をかけよう
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 17:21:32.91 ID:y+d+LoYio
乙です
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 18:16:10.81 ID:/z3fKFsuo

穏乃は不憫
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 18:36:35.52 ID:F7QQMoQoo

まだクラブの後輩軍団がいるよ!
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 19:33:54.45 ID:eMNgCz1pO
乙です
>  『元』友達に女の子らしさってのを聞いたんですけど、それも絶対に違うと思うんです。
『元』が強調されててワロタ
爽の空気読まなさっぷりと、買ってきたオカズにワロタ
いつも諦めない穏乃の瞳がソウルジェムの様にどんどん濁っていくな
次に婚活アドバイスするのは誰になるやら…
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 23:28:03.26 ID:d4yWNI4ho

異様な世界においては異常こそ正常なのだ…!
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 00:30:45.63 ID:XHDnM+Fo0
乙です!

まだ、はるちゃんやアラチャーやアコチャーが……この3人はダメっぽいな
あれだ、クラブの後輩とか大阪の千里山だった人とかがいるよ!
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 03:42:51.40 ID:8vSB7aqy0
子供クラブにいた凛ちゃんは女子力高く育ってそう
354 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:27:43.81 ID:00OE/X4uo

 1/9

 【オカルトリオ結成?】


 石戸霞よ。

 私たちが爽ちゃんと出会ったのは私が小説家として仕事を始めた時だったわ……。


 「新人編集でーす」

 「あら、よろしくお願いしますね」


 初めて会ったのは私が作家としてデビューして少し経ってからだった。

 最初はにこやかに笑って挨拶をしたけれど、ジロジロと胸のあたりを見てきたことをよく覚えているわ。


 「すっごいおっぱい」

 「ちょ、ちょっと!」

 「お姉さんええ乳してますなー。

  私と同年齢っしょ?

  仕事とは別に友達になれそうじゃん!」


 迷いなく人の心の中に入ってくるその感じはまるで平行世界のあの人のよう。

 まぁ、あの人はもっとうまく、気づいたら側にいる感じだったわ。

 爽ちゃんは強引に入ってきて、人の心の中に居座る。

 相手が諦めるまで居座り続けて、諦めた頃にニッコリ笑って『どうだ!』と言ってのける。

 もう、こんな性格なのに有能なのは反則よ。
355 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:28:13.37 ID:00OE/X4uo

 2/9


 ……
 …

 「うーん、カスミは頭の中ですごく乙女ちっくなストーリーが出来ているんだろうな。

  でもそれを文章として表現するのに慣れてない感じがする」

 「そうね。

  他の人に見せられるようなものなんてなかったわ」

 「そこで、こんなものを持ってきました!」


 「ほら、エロ小説!」



           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
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        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
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        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l         U  /l:::::::::: .
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l  「えっ?」
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !
356 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:28:42.50 ID:00OE/X4uo

 3/9


 「文章ってさ。テキトーでいいんだよ」

 「は?」

 「細かく書いたって見てくれない人が多かったりね。

  とにかく完結させた方がいいんだって!

  よく言うじゃん?

  『早く話を進めろ』ってさ。

  だからこれ読んで雰囲気だけ掴もう!」

 「……なんでそれでエロ本なのかしら」

 「だって、これが一番わかりやすい描写じゃん。

  じっくりねっとりどんな体の動かし方をしているか描写するより、シチュエーションエッチに人は萌える!

  普段自分が上なのに弟に手篭めにされる姉!

  親友のために身を捧げる女の子!

  NTR不倫もの!

  ぜーんぶ、描写じゃなくてシチュエーションなのだ!」

 「(……話半分に聞いておきましょう)」

 「ちなみにカスミはどんなのが好み?」

 「私は囚われのお姫様を王子様が助けてくれるような……って何を言わせるの!」

 「カスミったら乙女ー!」


 思わず背中をひっ叩いてしまう。

 それに対して、彼女はニヒヒと笑った。


 「いーね!

  これからもそんな感じでよろしくっ!」

 「もう……」


 作者としては先行き不安なことこの上ないわ。

 でも、友達としては一気に距離が縮まった気がした。
357 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:29:12.05 ID:00OE/X4uo

 4/9


 ……
 …

 「まずい、まずいわ」

 「だから何でうちで仕事をするの……」

 「そう言わないで白望ちゃん。

  〆切間際なの。家にいたらアレが来るの!」

 「(アレって何……?)」

 「このままだと横でエロ小説を朗読されながら執筆することになっちゃうの。

  だからしばらく身を隠させて!」


     /        /      ,                        \
    /      /       /|       |        ',      ',      ヽ
  γ/     /        /  .!        | \ヽ\   ',        ,      ヽ
  ./_    __/ /    /   _ !        | _  ヽヽ ヽ  ,         '      、 \
      ̄   〃    /〜 ´`´ ',      |´`  ヽ〜 、 .!     ! ',\    ヽ\、
      / !/ {  〃          !     !    ヾ  ヽ|      |ヽ   ヽ、   }
       /  , ./ ! _ ≧==== ヽ! \  _|=====≦   ||l   | | |    ヽ, /
    ./      、{ ! ̄{::::o::::::}          {:::::o::::::::} ミ、| l    ' 〃      ',
   /     〃  |  弋::::::::ノ        弋::::::::::::ノ  〃 |  /  \       '
        //   .!                     /  ムイ    \    |
   !,'!   /, '     .|   ' '     '       ' '           ヽ      、ヾ |
   |!%  /,'  ,'    |                        {   、     ', ,/
    % |!'  !   '                       / .|       !
          l   ヽ       ,-‐-‐--,             ノ   ヽ    |   「まぁ、いいけど……」
         ,!    ヽ       ̄ ̄          ィ--    |  ヾ  | |
          丶  {   |  、             イ  /l    '  | | / '
           \!  !  !     _   < |/! /   !   イ  / }/ /
               ヾ _|  |           ! V   ムイ
         ._        ヘ--!    ----―‐、
       /  <三三ニ>'" ', !  /|      ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
     /   /三三>'"    V /  |      /三三三"      ヽ


 「ありがとう白望ちゃん!

  天使みたい!」

 「私を巻き込まない分にはいい」

 「大丈夫よ。

  ここはマヨイガ、伝説のお話の中にしかない。

  ここにいれば見つかるわけなんて……」
358 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:29:41.65 ID:00OE/X4uo

 5/9

                         -‐= :_: - . .
                             ` 、: : 、
                        . . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、
             ,. 斗=: .、     ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
           /'´  ヽ: :.  /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
         /: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,
.      /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Y    W : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !  「カスミ発見っ!」ヒョコ
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ

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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |   「えっ?」
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、


           ___/ / /        \   \
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         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__  U           ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )  「……えっ?」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧
359 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:30:10.68 ID:00OE/X4uo

 6/9


 「な、なんでここが……」

 「私のカムイを舐めてもらっちゃ困るね。

  〆切は守らせるよー」

 「カムイ……、ああ、そういうこと。

  またドジ霞が発動した……」

 「えっ、どういうことなの!?」

 「おっ、そこの娘もこっち側の人?

  これ、マヨイガって言うんだっけ」

 「『カムイ』はアイヌに伝わる神格を持つ高位の霊的存在。

  日本における八百万の神のようなもので、あらゆる動植物や自然現象に宿っているもの……」

 「よく知ってるじゃん!」

 「いや、仮にも神道に携わってた霞がなんで知らないの……」

 「ほら、カスミって自分はお姉さんポジションって勘違いしているところあるし!」

 「そこまで言わなくてもいいじゃないのー!!」


 涙目になってプルプルと震えちゃう。

 いいじゃない! 私だって鹿児島にいた頃にはそういう風に思われていたこともあったのよ!


 「おおっ、揺れてる揺れてる。

  爆乳巫女の涙目おっぱいぷるんぷるんだ!

  これは売れますなー」

 「いやもう、二人とも出て行って……。

  私には関係ないでしょ」

 「白望ちゃぁぁん。

  助けてぇぇぇ」

 「お仕事でしょ……」

 「んじゃ、シロ?でいいのかな。

  一緒にやろっか」

 「ダル……。

  二人で勝手にやってて……」
360 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:30:39.53 ID:00OE/X4uo

 7/9


 「ふふふ、そんな態度でいいのかな?

  ここに折り目のついたエロ本がありまーす!」

 「?」

 「へぇー、カスミもシロもいい趣味してるねー!」

 「……霞?」

 「知らない、私知らないわよ!」

 「カムイを使ってこっそり探したのだ!」

 「……いい加減追い出そうかな」

 「私は滅びん!

  何度でも蘇るさ!」

 「霞、早く引き取って」

 「白望ちゃぁぁん。そんなこと言わないで……」

 「(霞が面倒くさいモードに入った……)」

 「あっ。私はシロと一緒にお茶でもしてるからおかまいなく。

  っていうかカスミが〆切守ればいい話だし」

 「ここ、私の家なんだけど……。

  もう……、私に被害が及ばないならいい」

 「す、すぐに終わらせるもん!」

 「んじゃ、二人の秘蔵本でも読ませてもらおうかな」

 「やめて。やめろ」

 「……あっ、これ自分で作ってる系?

  なんか同じ男の子が竿役やってるけど、二人とも現実でもこの子が好きだったり、なーんて……」
361 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:31:09.23 ID:00OE/X4uo

 8/9


      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
         |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       |
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、  }
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /   「京は私の前世の弟。
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/       そして夫」
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\



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       l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
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.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
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        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;   「京太郎さんは私の平行世界の旦那さんよ」
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
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          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \

              ―=ミ:....
                 \\
              ――=}: : ヽ__
.       __    /: : : : : : : : : : :/: : : : . .
.    /: : \  /: : :/: : : : : : : :/:: : : : : : :\
   //⌒ヽ: : Y: : :/ : : : : : : :/7:r ヘ: : \ : : :.
   //――|:.: :|:: :/: : : : : : / .::/   ∨: : \ : :.
 /:: : : : :/: /: :.′: : : :/_  ;/  ´ ̄∨: : : : : :.
./: : :{:: :/: : /|: : : : : :x云ミ、/   x=ミ ∨:|: :ハ:.:|
′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ    「……えっ?」
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
.  〉: : : : /: :.| |: :| ヾ:\ U      ..  //
 /:.:.: :/:.:.: :| 乂{  V: :>  __  イ:|  //
./:: :/ |: : :/     イ: : : |    |: : ト
: /   j : /      ムイ|   / ̄>―――- 、
:{    //           ,く7 /   /        \
362 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/04(木) 17:31:38.30 ID:00OE/X4uo

 9/9


 ……
 …


 カスミには〆切を守らせたし、シロとも出会えたしいい日だったなー。


 ……いや、あの二人おかしいでしょ。


 夢見がちな電波さん? でも明らかにカメラ目線じゃない男の子の写真いっぱい持ってたし。

 後半は永遠にのろけ合戦が始まって私が気圧されちゃったよ。

 ぐぬぬ、この獅子原爽一生の不覚!


 「そうだ!」


 この名探偵獅子原爽ちゃんの手にかかれば男の子の詳細を調べるなんて簡単簡単♪

 これでも地元では名探偵と呼ばれし、ルーツは巫女さんだしー。

 あの二人が喪女っぽいことしてる間に私が横からかっさらっちゃおうかなー

 これは担当業務だからねー。


                 _       |   |
                 \ヽ_-‐=ミ、│  │
                 /_∨:.:.:.:.:.、.:.:.: |  │
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            f ´ ̄ 7:.:.:.:./:.:.:メ、.:.:.:.:.:.:.\}   |
           从   {:.:.::{/{:.:/ _\.:.:.:.:.:|    |__
            ー=∧ .l{:.:.:.{-乂   _,,ヽ.:.:.:|   | \
            /:.∧ l{l:.:.:{ ._,,  ´⌒ }ノ)|`ー─= 7
              /_;/ :ハ八{:.ト⌒`   _ '" 从:|l     /
             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿   「よっしゃー、『スガキョウタロウ』、待ってろよー!」
              _, \ >:`ー┘フ      |
              /.: .: .: .:`: 〉:/⌒ ̄ /      .|
            {;/ ̄ ̄ ̄{    .:/     /|
                   {i   \:       /.:{
                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!
               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニXニ/


 続く
363 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/04(木) 17:32:06.61 ID:00OE/X4uo
投下終了
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 17:39:40.21 ID:EQpjhzCpo
確かに電波にしか見えないww
面白くなってきた
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 18:17:53.20 ID:bmLwQQ+Vo
乙です
平行世界の記憶があるキャラってどのくらいいるんだろ
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 18:21:14.80 ID:l+wlSQXCo
京ちゃんと会うのか
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 18:55:37.35 ID:7GL+Qz7LO
乙です
昨日に引き続き爽の空気の読まなさっぷりがヤバイ(誉め言葉)
どう引っ掻き回していくのだろう
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 18:58:29.92 ID:HqlrlDtSO
見える……爽も喪女に堕ちる未来が見える………
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 21:25:32.49 ID:hcUe+anCo
洋榎セーラ枠になる未来が見える、見えるぞ……
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/04(木) 22:16:07.17 ID:IXX0YLjqo
乙です
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 00:26:16.70 ID:+JXEwfLLO
そろそろ穏乃も落とし頃だと思う
372 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:17:07.25 ID:bRbwKDjCo

 1/13

 【オカルトリオ結成】



 カスミとシロが惚れてると噂の男を見に行くと言ったら、意外にも二人は止めないでくれた。

 てっきり、激怒して止めに来ると思ったのになー。

 それをからかってやろうと思ってたのに、なんか肩透かしだよ。


 「マジでー!?

  送ってくれんの!?」

 「出て行ってくれるならなんでもいい」

 「あっ、白望ちゃん面倒くさくなってるわね……」

 「サンキューシロ!」

 「見に行くのは構わないけれど、京に迷惑をかけたら……」

 「なにー?

  あっ、私にひどいことをするつもりでしょう!

  エロ同人みたいに!

  パウチカムイみたいに!」

 「本気で消す」

 「潰すわ」

 「あっ、はい」


 あの目は本気の目だった……。

 北海道に敵なし、好き勝手にやってる獅子原爽さんでも命の危険を覚えたよ。

 でもー、恋愛なんて人の勝手だしー、これまで一度も会ったことないなんて二人が悪いんだよなー。

 この私の魅力! で悩殺しちゃえばいいじゃん!

 男なんて私のAAの足とスカートのところとかをチラチラっと見せれば一発っしょ!

 エロくね? ねぇねぇエロいっしょ!

 獅子原爽、いっきまーす!
373 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:17:36.08 ID:bRbwKDjCo

 2/13


 ターゲットは今東京で一人暮らしをしているらしいな!

 ふふふ、シロに送ってもらったし、移動時間も短縮できていい感じ!

 なんか二人とも無警戒すぎない?

 まぁ何か企んでいてもカムイ持ってる私に敵うわけないんだけどなー!


 「とは言ったものの……」


 東京……。

 うん、暑いし広い。何だこれ。

 インターハイで来た時も凄まじい暑さだったけれども、その時よりも遥かに熱くなっている。

 こりゃ、アスファルトの照り返しの熱かな……。


 「カムイがしょげてるしー」


 うねうねしながら元気が無くなっているのが見える。

 まー、北海道から連れてきたんだ。仕方ないっちゃ仕方ないんだけどなー。

 これでも私を色んな災難から守ってくれたカムイたちだ。

 愛着もあるし、私を理解してくれているという点では親や友達よりもずっと一緒。

 自然現象の一部なのにしょげるのかって? なんやかんや!


 「さーって、お目当ての奴はどこかなー」


 この辺りの大学に住んでいるってことは二人から聞いている。

 ふっふっふ、お姉さんの魅力で一撃だ!


 「……んで、あれが目標っと」
374 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:18:05.24 ID:bRbwKDjCo

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      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
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      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|   「ぅひー!」
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´


              ―=ミ:....
                 \\
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   //⌒ヽ: : Y: : :/ : : : : : : :/7:r ヘ: : \ : : :.
   //――|:.: :|:: :/: : : : : : / .::/   ∨: : \ : :.
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./: : :{:: :/: : /|: : : : : :x云ミ、/   x=ミ ∨:|: :ハ:.:|
′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ  「……なんぞあれ」
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
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:{    //           ,く7 /   /        \
375 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:18:34.22 ID:bRbwKDjCo

 4/13


 あれ、もしかして彼女さん?

 うーん、こう、どこにでもいるモブのような顔つき……。

 言っちゃ悪いけど、カスミとかシロの方が圧倒的に美人だと思う。

 頑張れば負ける相手じゃないと思うんだけどな。

 うーん、彼女持ちだったらやりすぎは良くないし、ちょっとちょっかいかける程度にしとくか!

 まっ、あの二人をからかうためにちょっと犠牲になってもらうよ!


 ……
 …

 ・1時間後

                    ,..   ̄ ̄  、
                  /⌒ '    ⌒\     ヽ
                / ,   ,      | |  :.  .
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                     _,{\∧ `¨¨  「rィ/>-- 、  ':从斧ミ \ィ斧ミ、}:/: /: : :,
               r=r<//\{___    |/イ/////// |:/: {Vリ   Vリ /: イ }: :/      「たまには学食の飯もいいもんだなァ」
               //{|//////∧、__`_r//〉/////////},:叭  '   "" ' r-':}:/
               ///|{/////〈 ∧    /イ//__/////,'///{|  、 、     ィ: /:イ
          __, --ァ===-////\ム、 //r<ヽ ヽィ//{////{/:::`:::ュ=≦  〉:::::`:::::....、    「あっ、そんなこと言うならお弁当作ってあげないよ!」
            二/ /´/〉/|//////////「 ̄ ヽ ヽ ' }!//|////|:::::::::::::::|-、 r/:::::::::::::/ハ
           / ' / /〉/|//////////{     } l l |//j//// { 、 :::::::::l ̄`/::::::::::イ /  }
           {    '//l∧////////// ̄ ̄乂   /\|//// |:.:.\、:::、 /:::_,...イ:.:./ /      「うげっ、ごめんって!」:
            /|    イ////}////////////////{,イ///\///| 、:.:.:.: ー∨イ:.:._,イ:/   |
          {/|>'/∧/// |///////////////\()///// ヽ/ 〉   ̄'{_,} ̄    }    |
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             〈二二二二二二二二二二二二二二二二二_/
376 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:19:03.76 ID:bRbwKDjCo

 5/13


 ・お昼ごはんを食べた後


                                      __
                                    /´ ̄ \     ¨¨¨   、
                              , -- |   、       、   \
                            /イ ,: |    |、 \  \ \    \
                                / / {    ∧  \  \ ヽ    |
                               / / / 从   { 、\_ \ | ト、   、
                          / イ /  , { \ ∧ ´ \  | } /l }  |`\
                        _...-――-Y / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ   ,
                     ,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= `     /'   , / /    「講義まで後ちょっとあるか、起こしてな……zzz」
                    /: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{   、          | ハ}
                  /: /: : :/: : : ,: : : : : : : : 、: : : :叭  v ― 、  ,  从{
                  .': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ   /   |\     「わかったよー……zzz」
                  |: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´       !  、
                  {/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :.     / |   ∨、
                 /} : : : { {^|: : /,{:/-- }: /,.イ: |: :.|: :.|/、  }     ,:   |    〉 \
                   /:イ 、: : 、 、: | 、__, /イ __,}:/: :.}、: |//\/       〉  /////\_
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二二二二二二二二二__,.....ィ:://     .   ,., ィ///∨//////∧___//\///////////////}二二二二二二
            , 「::::::::::::::/ 、  l:.    ` -- 7´///////////\/∧   ///////////////////|
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377 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:19:32.84 ID:bRbwKDjCo

 6/13


 ・その後


                    ,. - ――-- 、
                 , -、´     - 、    、
                ,.:/           \   \
                  / '   |  、    \  \   ヽ
                   / |   |  | ヽ l  ヽ   :.   |
                 / _,∧{ | _|__,从  | |-、  l   |
                 ̄ / ∧ {'Y___ ヽ、 l ノィ { ∧{
               { /ィ从\ Vソ '  ∨| |、 从{  \
       ,. : : :¨¨¨¨ ー: :': : :〃     u /イ}/ } /∧
     ,. :´: :,: : : : : :、: : : : : :/ ` ー、 _     //////{
     /: : : ,: : :∧: : :|: : :|: : : 、   `ヽ`_....イ </////`> 、
    .': ,: :/:.|、/__{,: : |、__,lィ: |: :ヽ  _}/∧  \/////////>
    {: {: :|: :|/__ 从: { }:_/ヽ:}:、:∨,ィ////〈   「//////////////> 、
     '.: : {: :|{{__}} ∨{{__}} }∧\}'///////{  ///////////////////}
     ∨从{u //////// ム: } ///////// Y////////////////////|   「起こしてくれるって言ったのに……」
      乂_\  ∠ヽ  人∨///////// (_)////////////////////|
      __l、_,.- ≧r- r≦_と,..--ィ `¨¨ヽ、//////////////|////////|
     { \::::::::「 ̄ ̄ ̄ ̄ 〉|/ ,ィ,-     \////////////////////|   「つい寝ちゃったんだもん!」
     |  \,-ァ     r〈∨ // ,.--、  /⌒\//////// |////////|
     /    {´_〉 ---- 〈_,`{ノ/{ノ///`>/////\////// |////////|
    乂  /∨´ 、    }イハ/////// {////////\//// }////////}
     { ´   {     ̄  ∨ }/////// \////////\/_ノ/////// /
     乂__ノ\____/__乂//////////\//////////////////
378 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:20:01.74 ID:bRbwKDjCo

 7/13


 「お、おおう……」


 凄まじいラブラブオーラ……。

 えっ、なにこれカスミとシロはなんでこの男に執着してるの!?

 もう完全にリア充じゃん。入る余地ないじゃん!


 「……あれ?」


 なにやら彼女さんに良く似た人が来て、彼女さんと言い争いをしている。

 彼氏の方は呆れ顔。

 ま、まぁ、せっかく有給使ってここまで来たんだ!

 せめて一矢報いてやるー!


                         -‐= :_: - . .
                             ` 、: : 、
                        . . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、
             ,. 斗=: .、     ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
           /'´  ヽ: :.  /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
         /: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,
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.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Y    W : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !  「いけっ! パウチカムイ!」
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
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         /    /    ,:       | ̄\
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       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
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        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \  「わぁ!?」
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379 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:20:31.35 ID:bRbwKDjCo

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     ,′     _,.イ7{::::::l     \      :::::::::`¨"チィ|イ::.::.::/:/ヽ、::.|   「お ね え ち ゃ ん?」
     i     / /:::|::::::ト、       `        /∠ イ/:/   \|
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                 j:ハ l ::::l     ::ヽ     ::...  ≧x  「(殺気!?)
                   /y ::::!      ::::::〉、    :::>:::7/
                      /=l  :::    ,_...::::::/::::} /´ V:::/   咲、ちょっと待って」
                     〃 {      /=≦ム://'    ∨
                _ ,小   `ー―.v´  >'"¨∨/
             x:´ : : :/::ハ     ::::Lヘ´    'i
          /: : : : /::/ ,    ::::::::::::,     ,
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380 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:21:00.02 ID:bRbwKDjCo

 9/13


 「ひゃう!?」


 パウチカムイがあの二人に近づいたと思ったら、ものすごい勢いでこちらに戻ってきた。

 ちょっと、なにビビってるんだよ!?

 そのまま逃げるように私の体の中に隠れた結果、パウチカムイの能力をそのまま受けることになる。


 「ひぐっ……」


 ちょっ、こんなところで快感が来るなんてマジで勘弁!

 カムイ、早く落ち着いて……。


 「あ、あの、大丈夫ですか?」

 「ひゃ、ひゃい……」


 彼氏さんが私に気づいて心配して近づいてきてくれるが、まともに返答できない。


 「どこか辛いようなら、救急車を呼びますけど」

 「だ、大丈夫れふ……ひゃう!?」

 「大丈夫そうには見えないんですが……」

 「(服が擦れてヤバイって!)」


 お、男の人の前でこれはさすがに恥ずかしすぎる!

 えっ、なにこれ、人の彼氏の前でイっちゃうプレイ!?

 カムイ! もうやめろー!!


 「……京ちゃん、その子の手を握ってあげて」

 「えっ、照さんなにを」

 「いいから」

 「は、はぁ……。

  すみません。失礼します」


 ちょっと待って! 今男の人に触られたらどうなっちゃうの!?

 あっ、よく考えたら男と手をつなぐなんて初めての体験!?

 やだっ、こんなみんなに見られてるところで私の初体験しちゃうよぉぉぉぉぉ!?
381 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:21:28.85 ID:bRbwKDjCo

 10/13


 「……あれ?」

 「あっ、落ち着きましたね」


 おそらく快感で倒れるだろうことも予測していたけれど、むしろカムイの効果がなくなった。

 いや、ちょっと違う。

 パウチカムイがとても穏やかな表情……顔? をしている。

 カムイが落ち着いた?


 「京ちゃんの周りは『清々しい』からとても落ち着く。だからその子も落ち着いた」

 「照さん?」

 「あまりそういう使い方は感心しない。

  京ちゃん。行こっ」

 「ちょっとお姉ちゃんなんで手を繋いでるの!

  京ちゃんの手は私の!」

 「じゃあ反対の手でいい」

 「そうじゃないでしょ!」

 「あ、あのっ、本当に大丈夫ですか!?」

 「あっ、はい。ありがとうございます?」


 落ち着く、清々しい。

 探偵紛いのことをやっていればそういう知識もつく。確か、須賀の地……。

 歩く須賀の地って奴か。やられたね。


 「一つだけ付け加えるなら」

 「?」

 「これはオカルトなんかじゃない。

  何も持っていない、京ちゃん自身のモノ。

  それをオカルトなんてくくりにはしないで」


 彼女がそれだけ言うと、彼らは去って行った。


 ―――なんだ、あの人。

 かつてのインハイチャンピオン、宮永照じゃないか―――
382 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:21:58.97 ID:bRbwKDjCo

 11/13


 ……
 …

 ・マヨイガ


 「ふふっ、どうだったかしら?」

 「いやなんでここに集まるの。

  二人とも出て行って」

 「私も!?」

 「……うん。

  なんとなく、わかった気がする」

 「そうでしょう。

  それじゃあ、この件はお開きに……」



                 _       |   |
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           从   {:.:.::{/{:.:/ _\.:.:.:.:.:|    |__
            ー=∧ .l{:.:.:.{-乂   _,,ヽ.:.:.:|   | \
            /:.∧ l{l:.:.:{ ._,,  ´⌒ }ノ)|`ー─= 7
              /_;/ :ハ八{:.ト⌒`   _ '" 从:|l     /
             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿   「めっちゃ興奮した!!!!!!!!!」
              _, \ >:`ー┘フ      |
              /.: .: .: .:`: 〉:/⌒ ̄ /      .|
            {;/ ̄ ̄ ̄{    .:/     /|
                   {i   \:       /.:{
                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!
               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニXニ/
383 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:22:28.05 ID:bRbwKDjCo

 12/13

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
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           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__  U           ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八   「(嫌な予感……)」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
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          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧
384 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/05(金) 16:22:56.69 ID:bRbwKDjCo

 13/13


 「ヤバイね、あのプレイ!

  一人でするのより何倍もヤバかった!」

 「へ、変態よ!?」

 「えー、私は拘束される趣味とか持ってないしー、カスミよりマシだしー」

 「(どっちもどっち……)」

 「シロだってむっつりスケベじゃん?」

 「……」

 「つーわけで、私も見守り隊に参加するからよろしくっ!」

 「霞、コレを連れてきたことは高くつく」

 「白望ちゃぁぁん!?」

 「えーっと、須賀京太郎だよね。

  じゃあ『キョウ』って呼ぶわ!」

 「私と被るからやめて」

 「ほらっ、イントネーションが違うじゃん?」

 「……もう好きにして」

 「えへへー、シロはなんだかんだで優しいよなー」

 「呆れてるだけじゃないかしら」

 「そんなことないってー」


 それに、本気で二人が私を追い出そうとすれば追い出せるでしょ。

 なんだかんだで優しいよな。



 二人には教えないけれど、初めて手を繋いだ男の人。

 カムイの効果はなくなったはずなのに、ちょっとドキッとしちゃった、かな?


 カン!
385 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/05(金) 16:23:38.14 ID:bRbwKDjCo
投下終了
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 16:41:42.55 ID:YsZtoMMTO
乙です
被害者が増えた!
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 16:47:12.80 ID:aL6TnY33o
めざめちゃったww
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 17:25:40.66 ID:V6eIRldTO
照さんはオカルト方面めちゃくちゃ強いね
霞さんとシロには気づいてるのかね
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 17:49:36.05 ID:IsBMzhaSO
おつー
大学在学中ってことは、ストーkもとい見守り歴もけっこう年季が入ってますなあ
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 17:51:34.68 ID:pAeeTvqho
乙です
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 18:59:40.89 ID:2Erv/93UO
乙です
これは被害者が増えたのか、加害者が増えたのか、どっちなのやら…
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 22:30:00.24 ID:iwqOiCuJo
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 00:00:18.91 ID:zxY8/K7w0
乙です

さわや は 〇〇 に めざめた
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 03:25:56.62 ID:Uyupf6TYo
京咲はいろんな人に見守られてるけど、なんだかんだ最大の盾はてるてるだということがわかったお話でしたね
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 13:05:40.19 ID:nmqQeKd2o
照が守護るって!?
396 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:33:36.55 ID:QoCe0KMWo

 1/10

 【オカルテット結成】


 ・京ちゃんへのプレゼントを用意していた時の話


 「うんしょ、うんしょ。

  うーん、納得いくのが作れないよぉ」

 「し、白望ちゃん!

  油がはねて胸にっ!

  どうすればいいの!?」

 「……もう、霞。

  無理して手作りにしなくていいでしょ」

 「だ、だって。

  玄ちゃんは手作りマフラーだし、白望ちゃんは手作りでケーキを作る予定なんでしょう?

  私だって何か手作りしたいじゃない」

 「好きな人に手作りで渡したいって気持ちはよくわかります!」

 「そうよね、玄ちゃん!

  ……あれ、玄ちゃん。その後ろにある山は何?」

 「これですか?

  ちょっと納得がいかない出来だったので、作り直しているのです」

 「……あの、山になっているんだけど、どれくらい作ったの?」

 「えーっと……」
397 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:34:16.19 ID:QoCe0KMWo

 2/10

       ≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
      ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
     /  ヾ:::::::::::i i:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::ヒ.i
    /ソ|`::::::::::‖::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
 .  ‖ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::|  ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ハ ィ.爪ハ  .ヾ:i  イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
.     |::::::::::::i 弋っリ       込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|   「後ろにあるのは100個くらいかな……?」
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|


              . . -―━━━━―-. . .
            . :´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: .
.            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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          ′: : : : : : : : : : :./: ::::::::::::::::::::::::::::‘,::::::::::::::::.
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.       |: : : : : ::::::::::::::::: : 八:::::::|:::::|::::::::斤i「 ノ|/}/
.         |: : : : ::::::::::::::::::::::::/|\八人:::: | ヒリ  |
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::{  |:::::::::::::::|\|     乂_
.       |: : : ::::::::::::::::::::::::::::\|:::::::::::::::|   ``   /
.         |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::|   U    , j    「えっ」
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::|        /
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        |: : : ::::::::::::::::::::::: /⌒゛┃ ::::::::: |-、从::::::::|
.       |: : :::::::::::::::::::::::: /    |::::::::::::::| | ト、\::::.
      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
       |::::::::::::::/    ゚'*。  ‘::::::::::::| ゚'*。  ヽ⌒\
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       |::: / -- 、      |    ‘:::::: |     ゚'*{ \\
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       l/       丶    ',    l:::::|   ゚'*。    ゚'* \\
398 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:34:55.08 ID:QoCe0KMWo

 3/10


 「く、玄ちゃん。

  確かずっと前からマフラー作ってるわよね?」

 「はい。後ろにあるのだけじゃなくて取って置いてあるよ!

  一番よくできたのを渡すんだ!」

 「……玄、これ一つ一つ十分良く出来ていると思うけど」

 「まだ納得いかないんです……。

  もうちょっと良く出来るといいんですけど……」

 「十分でしょ……」

 「余ったマフラーはお姉ちゃんに全部渡すから大丈夫だよ!

  お姉ちゃんなら何個あっても喜ぶから!」


 ・松実館

                         _ __
                         ̄ ̄ ̄    . ヽ _
         /   '"              ` 、 `
         /                    \ ^ヽ
         /                          \
       / /   /                          ヽ
        /   /    .: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : . . .       }
    {i /    ′ ,′.: : : : : : : : ト、: : : : : : :|: : : : : |: :.、    ',
     ,′   l: : : :.! .: : : : : : !:.:. :.| !: : : : : :.|: : : : : |:.:.:.|: : :.   〈
      l    .: |: :. :.:| .: :. 斗匕 ̄ メ |: : : : :.:.ハ-┼- 、.:.:.|: : : :.   〉
      |   .:.:i!: : : :| /: :/: / l/   |: : : : :/ .l ∧:.:ハ ヽ!: : : : :   |
      |  .:.:.i|: :. :.:|: : : :/x = x.    |.:.: ハ/    j/ l: :|: : : : :
      |  .: :.:||: : : :|: : ,〃    ヾ  j/   〃 ̄`ヾ: ハ: : : : :: : .′!
      | .:.:.::.||: : : :|/ {{       }}        {{    jイ !: : : : : /
.     /| : : : ||: : : :|  ヾ _  '′       ヾ _ ノ .: : ://  /    「(悪寒がする……)」
    /: | : : : ||: : : :|   、 、  、  、  、  、 `¨¨¨´ ムイ´
   { │ : : : i:!: :. :.|    ` `  `  ` `  ` `   |: : | |
   ヽ. | : :. :.|:!: : : ト、          _, 〜〜 ┐       !: : ! !
    i! : : ::.|:|: : : |: :.>、     丶 __ ノ _ ィ ,′ ′\
    i! : : : | !: : :.: / __>   _ .. -  ´    /: :./: : :.  ヽ
    i| :. :.:.|: \: :、  \            .. - ‐  ムイ: : : : : i! !
.   /:| : : :.|.:.:./ \\  \__     ̄ ̄        ヽ: : : : ハ
    ′| :. :.:|: /  /`¨\        >'´        -‐∨.:/ !/
.  / .: | :.:.:.レ′ _{__ .〕、__ イ         /     V
 /  :.:| : : |  /|    / !\   . イ       /
. レヘ  : | .: :.:l  / \/i/|   ー '_|       /        |
    \:|.:.:.:.:| ./        |    /     、  ,′   \ |
399 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:35:27.14 ID:QoCe0KMWo

 4/10


 「玄ちゃん、よければ『余ったものを』私たちにも分けてくれると嬉しいわ」

 「……二、三個でいい(私には京から貰ったマフラーがあるし……)」

 「えっ。

  二人に送るならちゃんとしたのを作りますよ!」

 「後ろにある奴が気に入っちゃったのよ!」

 「それで十分。

  あまり人を気遣いすぎるのも良くない」

 「わぁ……。嬉しいです、ありがとうございます!」


 玄ちゃん、最近は見事に一人で溜め込んでるわよねぇ。

 本人的には不満なんて思ってないんでしょうけど、こう、やることの過激さが上がっている気がするわ。

 あれ、前からこうだったかしら。

 やだ、ちょっとわからなくなってきたじゃない!


 「マフラーはいいとして、いやよくないけれど……。

  この練習のフライドチキンをどうするの」

 「み、みんなで食べましょう?」

 「……太るよ?」

 「わぁー、霞さんの作ったフライドチキン美味しいですっ!」

 「玄ちゃん大好きよもー!」

 「わわっ、おもちっ!?」


 いつの間にやら私の作った色々と中途半端なフライドチキンを美味しそうに食べてくれる玄ちゃん。

 本当に気遣いが出来ていい子よ!

 もー、抱き枕にしちゃう!
400 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:36:06.59 ID:QoCe0KMWo

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         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
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.      /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Y    W : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !  「でも霞の料理の腕はまだまだだね!」
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ


 「爽ちゃん!?」

 「……どこから湧いてきたの」

 「はわっ?

  あっ、初対面……」

 「お、また新人さん?

  初めましてー、爽って呼んでね!」

 「はい!

  松実玄って言います!」

 「ここにいるってことはー……」


 あっ、爽ちゃんニヤニヤしてる。

 ちょっと、玄ちゃんにまで変なことを吹き込んだから承知しないわよ!


 「好きな人がいる、とか!」


              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
                /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./  |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。
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              /.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、  | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ
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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧     「!?」
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 「あっ、その顔は大当たりだな」


 あっ、爽ちゃんそれは……。
401 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:36:46.11 ID:QoCe0KMWo

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 ……
 …

 むふふ。この子もなかなか面白そうな子じゃん!

 ちょっとからかっちゃえ!


 「なになにー、カスミとシロの友達ってことはいい趣味持ってそうですなー」

 「私と霞を同類にするのは良くない」

 「白望ちゃん!?」

 「は、はい。

  好きな人はいますよ」

 「おー、素直じゃん。

  もうエロいことした?」

 「し、してないですよぉ」


 真っ赤になってもじもじと胸の前で指を絡ませている。

 なんだこれ、可愛いなコイツ。


 「そのスタイルの良さで悩殺すれば一発じゃん!」

 「そ、そんなことしないよぉ……」

 「でもエロいことしたい願望はあるっしょ?」

 「う、ううう……。

  手をつないで、いやそれも嫌って言うならただ横にいられればいいかなって」

 「奥ゆかしいなぁ」

 「あっ、でも横にいると鬱陶しいと思うから、遠くから見てられるだけでもいいんだ」

 「……あれ?」


 なんか体が重くなってきたぞ?

 いやいや、気のせい気のせい!

 こちとら空気を読まないことに定評があるんだ!
402 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:37:25.59 ID:QoCe0KMWo

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 「今時珍しい子だな。

  喪女っぽいカスミとシロとは大違い」

 「それ、爽ちゃんにも刺さるんだからね……」

 「私は男と会話くらいできるしー」

 「……私だってできる」

 「じゃあカスミの一人負けだ!」

 「なんでよ!?」

 「それよりクロ。

  さっきから編んでるそれ、彼氏にプレゼントするの?」

 「へっ?

  か、彼氏じゃないですよ」

 「ああ、じゃあそのマフラーと一緒に告白って奴か!

  それで一緒に私を食べてーって感じ? くー!」

 「えへへ。

  既婚者さんだから違いますよ」

 「……お?

  じゃ、じゃあ不倫関係?

  いやー、それも燃えるよね!」

 「あはは、そんなことしませんよ」

 「……ふぁ?

  っていうかその後ろにあるマフラーの山は何?」

 「これですか?

  ちょっと失敗しちゃったやつです。恥ずかしい……」

 「(え、どゆこと?

  寝とるつもりもないのに贈るの?)」
403 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:38:04.49 ID:QoCe0KMWo

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                   -―……―-
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        |:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
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        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l   「えへへ」
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Y:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Y  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l


 「私の好きな人は京太郎君って言うんだけれど、とっても優しくて、気がきく人なんだ。

  恥ずかしいんだけれど十年前に助けてもらって一目惚れしちゃって……。

  あっ、でもその時から京太郎君には好きな人がいたみたいだし、それからずっと彼女さんがいるから私が近づくと迷惑になっちゃうでしょ?

  だからあまり関わり合いにならないような状態で少しでも助けられたらな、って思うんだ。

  最近、お嫁さんの方と仲良くなって、誕生日プレゼントを贈ってもいいって言われたからちょっとだけ頑張ってるんだ。

  不倫とかするつもりはないよ? 二人に幸せになってほしいもん。

  だから夫婦用のマフラーを編んでるんだけど、いまいちうまくいかなくて……。

  私は京太郎君と咲ちゃんが幸せならそれで幸せなんだ。

  それに今はその幸せをちょっとだけお手伝いできてるんだよ。

  こんなに幸せな女の子なんていないよね。

  あっ、長々と話しちゃってごめんなさい。

  良ければ爽さん用のマフラーも編みますよ!」


              ―=ミ:....
                 \\
              ――=}: : ヽ__
.       __    /: : : : : : : : : : :/: : : : . .
.    /: : \  /: : :/: : : : : : : :/:: : : : : : :\
   //⌒ヽ: : Y: : :/ : : : : : : :/7:r ヘ: : \ : : :.
   //――|:.: :|:: :/: : : : : : / .::/   ∨: : \ : :.
 /:: : : : :/: /: :.′: : : :/_  ;/  ´ ̄∨: : : : : :.
./: : :{:: :/: : /|: : : : : :x云ミ、/   x=ミ ∨:|: :ハ:.:|
′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ   「あ、いえ……。
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
.  〉: : : : /: :.| |: :| ヾ:\ U      ..  //       後ろのやつ幾つか貰うね……」
 /:.:.: :/:.:.: :| 乂{  V: :>  __  イ:|  //
./:: :/ |: : :/     イ: : : |    |: : ト
: /   j : /      ムイ|   / ̄>―――- 、
:{    //           ,く7 /   /        \
404 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:38:43.33 ID:QoCe0KMWo

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 ……
 …

 認めるよ。

 獅子原爽、完全敗北。

 あっ、これAVのタイトルにありそうじゃね?

 それはそれとして、カスミもシロもなんてやつ連れてきてるんだよ!?


 「その、玄ちゃんってすごくいい子なのよ」

 「まぁ、手のかかる妹みたいな存在」

 「それに無害なのよ」

 「うん、無害」

 「爽ちゃんも仲良くしてくれる?」

 「そりゃ。まぁ」


 そんなことでいいなら余裕だけどさ……。


 「あっ、爽さん!」

 「おっ、さっきからマフラーの山の中に顔突っ込んでどうしたんだ?」

 「えへへ、余り物を渡すみたいで申し訳ないんですけど、爽さんにはこのマフラーが似合うかなって」

 「いいセンスしてんじゃん!

  私にはこういう格好いい系が似合うよな!」

 「そうかな?

  爽さんにはこういう可愛い系も似合いますよ」

 「ま、まじ?

  いや私に可愛い系なんて……」

 「うーん、いい足だからそれを生かしたいな」

 「え、えへへ……。

  クロー! 今度マフラーに会う服買いに行こうぜ!」

            '' _.――  ....
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...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
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.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.    (_`チ  _,ノ./|.
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{
  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{
405 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/06(土) 16:39:17.55 ID:QoCe0KMWo

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             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿   「クロ、めっちゃいい子じゃん!」
              _, \ >:`ー┘フ      |
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           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__  U           ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八   「(取り込まれた……)」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


 カン!
406 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/06(土) 16:40:14.58 ID:QoCe0KMWo
投下終了
オカルテット結成編、完
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 17:12:19.50 ID:Y2ioXv+eO
乙です
いやー、爽は前向きだなぁ(白目)
玄(や霞や白望)にパウチカムイを使って反応をみたい(ゲス顔)
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 17:40:44.73 ID:BaLcXJlSO
乙ー
一度吸い込まれたら光すら出られず永久に成長し続けるを体現してらっしゃる
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 18:25:42.97 ID:GXzLADlUo
乙です流石クロチャーww
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 18:01:59.30 ID:ghUYz5Xuo
でもクロチャーのマフラーならちょっと欲しいかも
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 18:09:19.97 ID:8+RdlwZnO
玄印のマフラー、松実館のお土産売り場で販売中!?
412 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:16:11.36 ID:YHgJTAtsO

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 【続々々々、高鴨穏乃の婚活】


 ・ここまでもらった参考意見

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  ゚ . : . 。 : .| . : . :|. : . 斗匕"「||. : . ト、 : :。_/i! :
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. : . : ..゚:|\__,゚. : . :,                |: . |
. : . :  八.--〈 ゚, . : . ′     ( ー―ァ    丿.:..│    気付いたら自分なしでは生きられないように依存させるんだぁ。
. : . : . : \. .\:,. : . ,        ̄  -=ニニニヽ:.ノ
\.. : . : . : \ . ゚, . : .′   __   ィニニニニニニム.―┐  変な人が近寄らないように自分の匂いをたっぷりつけて、ね?」
. . .ゝ . : . : . : ヽ..゚,__/ヽ ¬/ ノイニニニニニニニニム  「ヽ
. . . . \>  。: . :/  ヽ  ‘ , }ニニニニニニニニニニニ} } 「}、
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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-  「男は百合が好きなんですっ! レズってる女の子をモノにしたくなるんです!
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////   あとはiPS棒を生やしてなんやかんやすればイケますっ!!」
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
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413 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:16:40.22 ID:YHgJTAtsO

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              ―=ミ:....
                 \\
              ――=}: : ヽ__
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   //⌒ヽ: : Y: : :/ : : : : : : :/7:r ヘ: : \ : : :.
   //――|:.: :|:: :/: : : : : : / .::/   ∨: : \ : :.
 /:: : : : :/: /: :.′: : : :/_  ;/  ´ ̄∨: : : : : :.
./: : :{:: :/: : /|: : : : : :x云ミ、/   x=ミ ∨:|: :ハ:.:|
′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ    「えっ?
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
.  〉: : : : /: :.| |: :| ヾ:\        ..  //        女の子がエロくて何が悪いの?
 /:.:.: :/:.:.: :| 乂{  V: :>  __  イ:|  //
./:: :/ |: : :/     イ: : : |    |: : ト            既婚者モノめっちゃいいじゃん!」
: /   j : /      ムイ|   / ̄>―――- 、
:{    //           ,く7 /   /        \


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   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
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   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八  「そ、その、私は連れ出してくれる王子様のモノの方が好きかな、なんて……」
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   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
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                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ  「……、姉弟モノが好きなのは否定しない」
               `ヘハ ト U        j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /
414 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:17:09.93 ID:YHgJTAtsO

 3/9


 やっぱり私がおかしいのかな……。

 百合がウケるとか、既婚者相手にとか、姉弟とかって絶対にアウトだと思うんだけれども……。

 でもここまで全部私の常識と違う常識がまかり通っているんだ。

 もしかして、おかしいのは私の方なのかもしれない。

 だって、常識っていうのは大多数の人が認識しているものだもん。

 難しいことはわからないけれど、私だけが『それはおかしい』なんて言える世界では私の方が常識がないんじゃないかなぁ。


       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
    /: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
  /: :/ : : : : / : /  ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ
  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ
   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
       i:{     、_,、_,、_,    u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ   「も、もうわけわからなくなってきた!」
        ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/  |:∧: : : : /:}
          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi
        /::::::::::::ヽjj:::―::: ̄:::::::::::::::::ヽ   }: : / ノ
        /:::i:::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i   !: /
      j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::}  レ'
       l::::::V::::::::::ll::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;
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 頭を使うのは苦手なんだよー!

 誰かに教えてもらうにしても、もう私の知り合いなんてほとんどいない。

 高校での友達はもう疎遠だし、こんなことで呼べないよ……。

 それに、和みたいになっていたらと思うと、……胸が痛い。

 思い出の中で、じっとしていてほしい。


 ああ、そういえば風の噂で晴絵さんは『すべての平行次元で男に会えない体』にされちゃったんだっけ。

 うん、私はまだ大丈夫。

 が、頑張ろう!
415 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:17:39.67 ID:YHgJTAtsO

 4/9


 そう思って店番をしていると、どこかで見たことがある人たちが入ってきた。

 人の顔を覚えるのは得意なんだ。

               __
            ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
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       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::∧
       ′::::::::::::/::::::::/::::::::::ハ:::::::::::::i:::::::::::ヽ:::.
      i ::::::::i::::::i::::::::/:::/::::/ .|::::::::::::ハ:::::::::::∧:::.
      |:::::::::i::::::i:::::/-/_i::/  |:::::::::/ i:::/i:::i::::i:::::ゝ
      |:::::::::i::::::i::::i i/ i/ ` i:::::::/ _斗‐ |::从:i:::::::::::.
       i:::::::´ ゞi:::i‘小'::下 i::/ 午示ハi/:::::/⌒ マ丶
.     i:::八   ゙:::i 乂::ノ  .´  弋::ソ │:::::i
.      i:::::::::\ __ `        、    ム::::::|
.      |:::::::::::::::::::\               イ::::::::i    「京ちゃん、お菓子……」
.      |::::::::::::::::::::::::i      ‐ ‐   ..:::::::::::::|
     乂ヾ::::::::::i:::::i  >  __ イ::::::::::::::::::|
         \::::i´く     .i‐-:::::::::::::::::从乂
      >-‐.´≧::_ \    .∧  ゙`  _
.   /≧        \.__ y     >、
.  / ⌒ 、> _.     \   ヘ      ヘ


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Y ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .  「テルー! ここにキョータローはいないでしょー!」
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .
416 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:18:09.21 ID:YHgJTAtsO

 5/9


 全日本代表の宮永照さんと、私とインターハイで戦った大星淡さんだ。

 どっちもプロとして活躍しているのはよく知ってるよ。


 「いらっしゃいませー」

 「……あー! タカカモシズノ!」

 「へっへー、久しぶりー!」

 「……?

  ああ、咲と大将戦で打っていた人」

 「スゴッ!

  ねーねー! テルが人の顔を覚えているって凄いんだよ!」

 「失礼な。

  私はコミュ障じゃない」

 「コミュ障でしょ?」

 「京ちゃんがいるもん……」

 「もー、すぐにキョータローに頼るんだから!

  まー、今日は私がキョータローに任されてるからあわいちゃんに頼りなさーい!」

 「ふふっ、頼りにしてるよ」

 「あー! 早速子供扱いしたでしょ!」


 あ、ああ。

 日本語で会話してる……。

 それだけがとっても嬉しい。


 「どしたのシズノ。

  ボーッとしてるよ」

 「あ、ああ、うん。

  だいじょーぶ!

  商品の説明をしたほうがいいかな?」

 「美味しいお菓子がいい」

 「もー、テルー!

  それじゃ困るじゃん!」

 「うん。じゃあいくつか絞っていく」

 「あはは……。

  商品の説明しながら絞っていきましょうよ」


 とりあえず、お仕事をしていれば気がまぎれるよね?
417 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:18:38.09 ID:YHgJTAtsO

 6/9


 「前に買えなかったお菓子が欲しい……」

 「あはは、お菓子好きなんですね」


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |  「うん。咲と京ちゃんの次に好き」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |

                 ,........-――--....、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、- 、
           / : : : : : : : : ,: : : : : :\: : : :\: \
          ,:': , : : : /: : :/: :{: : : : : : ヽ:ヽ、: : :ヽ: :、
            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |  「……へっ?」
              |:/  .        イ_,/イ |:|: : : : : : : :
             }'    `__-r-=≦__」'/::} |:|: : : : : : : : |
               _,/:::::::「 ̄::::::::::_/|__|:|: : : : : : : :/
            /:::::::|:`=={j====イ:::/::::`ヽ: : : : : ,
              ∧::::::::::\:::::l|:::::::::::::イ::::::::::::::::∧: : :/
418 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:19:07.96 ID:YHgJTAtsO

 7/9


 「テルーはキョータローが好きなの?(家族的な意味で)」

 「うん(異性的な意味で)」

 「えっ、えっ。家族的な意味ですよね?」

 「いや、異性的な意味」

 「あはは、テルーがジョーダン言うなんてめずらしー!」

 「?」

 「やっぱり……、みんなそうなんだ……」

 「シズノ?

  なんか暗いよー?」

 「何か悩み事があるなら聞く」

 「いやっ、お客様に聞くわけには……」

 「何言ってんのシズノ!

  私たち知り合いじゃん! 友達でしょー?」

 「そ、そうだね!

  友達だもんね」


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |   「(やたっ! これであわいちゃんぼっちじゃないよっ!)」
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


 「それなら、これから女子会をする予定だから是非来てほしい」

 「女子会、ですか?」

 「うん。

  私の友達たちと松実館に旅行に来ている」

 「それなら、仕事が終わってからで……」

 「待ってる」
419 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:19:36.88 ID:YHgJTAtsO

 8/9


 「女子会といえばー、やっぱり恋バナとか!」

 「任せて」

 「テルーにも好きな人いるんだ?」

 「京ちゃん」

 「天丼ネタはよくないよテルー?」

 「てんどん?」

 「こ、恋バナするんですか!?」

 「あれ、ダメな感じ?」

 「い、いや、ダメじゃないけど……」

 「淡には相手はいるの?」

 「……テルーひどい」

 「はいはい。

  淡はまず友達を作ろう」

 「むきー!」

 「恋バナ、かぁ」

 「おっ、シズノも興味津々!?」

 「い、いやっ、最近ちょっと婚活してて、参考になればなぁって」

 「あわっ?(わ、私より大人じゃん!?)」

 「それなら私の友達たちが参考になると思う。

  二人とも好きな人が出来たって言ってた」

 「ほ、本当ですか!?

  仕事が終わったらすぐに向かいます!」


            -‐==‐-
         ´            `
      /             ヽ

     / ,      !   :  |   |     i
.    / |i  , ‐‐i|  .:ト、_|‐‐ |  :i|  |
    l :/:|i  | |/八 .:|     | |  :i|  |
    |/ :〔!|  N ○ \|  ○ |ノ  ,リ
.   〔 八! l圦 ,,   '   ,, l //  |  「(あわっ? やっぱり私は仲間はずれ?)」
       N |  .  v ァ  . ∨/  .:|
        ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′  八
       ノ厂| l  〔,   / / `丶、 `
      /∧ i| |  「⌒ / /  /∧
    / イ′ j ト、∧  / ′´ .イ
   :'  /    | |\ハヒ/| |ニニ/   〉    :
  /  ノ〈    i i   >ニ| |  ´y'    !     |
  .' /   〉  / j / ノ<i| |  〔___!   ト、〕
. 〔′|  `ー‐'  ///  | |  i| Υ─|  | .′
420 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/07(日) 20:20:06.03 ID:YHgJTAtsO

 9/9


 ……
 …


 仕事を終わらせて、私服に着替える。

 昔と違ってジャージじゃなくて、憧に無理やり買わされた服だ。

 ちょっと恥ずかしいけれど、急に着てみたくなった。

 これが女の子の気持ちなのかな?

 これから行く場所には女の子しかいないはずなのに、他の人に見られるのが恥ずかしい。


 急にお洒落なんかして恥ずかしいな。

 バレないかな。

 でも、そんなに悪い気持ちじゃない、かも。


 宮永照さんの友達なら私の人生の先輩でもあるし、きっと参考になるよね。

 て、照さんのはさすがに家族愛だよ、ね?


 ……やっぱり、京太郎ってみんなに人気なんだ。


  /: :/: : /: : :/: : : : /: /   ヽ: : : : : : ヽ: : : : : :V: : :V: : : : :ヽ
  /: :/: : /: : :/ : : : /: :/    ヽ:、: : : : : i : : : : : : V: : V: : : : : ヽ
 /: /: : :/: : :/< : : ハ: !     }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
 : // : /: : :ハハ:\:! {:{     }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{     ̄/ ハ:ノ  !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
 Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云       〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
    ∨ V: ハヾ{7///}      {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
        ハ:ハ 弋//ソ       弋//ソ イ: !  }:/: : : : : : : : : : :}: :}
       {: :ハ ,:,:,:,:,        ,:,:,:,:,  }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }
       |: :| !      ′       u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
       |: :| ヽ     、_,、_,        /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}
      l: :l   >    ヽ ノ      ´ト //  !: : j: : : : : : : : : : W   「ちょ、ちょっとだけ髪の毛梳かして行こうかな……」
      ヽ:ヽ   r≧....._  <..-‐: ̄//}  }: : ハ: : : : : : : : : :}
       ヽヘ   〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
      __ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
    /  ll::::::::::::::::::::::::::::〃::::::::::::::::::::::´:/::::::::::::::::/  ̄ \: : :/
.   /    ll:::::::::::::::::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     V:/
   ,     ll::::::::::::::::::::ー::《:: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      V


 先輩たちに話を聞いてみて、自分で考えてみよう。

 もしそれでもわからない時は……。


 続く
421 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/07(日) 20:20:34.79 ID:YHgJTAtsO
投下終了。しばらく穏乃編やります
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 20:39:54.78 ID:YXfeDkbDO
乙!
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 20:51:03.41 ID:n4hhUl9DO
乙です。

>ああ、そういえば風の噂で晴絵さんは『すべての平行次元で男に会えない体』にされちゃったんだっけ。
おのれアラフォー……
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 21:07:46.91 ID:eRlt8CjZo

スコヤデスおそろしす
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 22:01:18.36 ID:d8ZKtm8SO
おつー
あわあわ大事にしようSAN値の減少を緩やかにするために
向かう先は擂り鉢だろうから
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 22:18:28.89 ID:FvRBEJaTO
乙です
徐々に穏乃の常識が破壊されてくな…
淡がまともだった事に驚いた(偏見)
だが、穏乃と一緒に闇堕ちさせられそうな気がしてならない…
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 12:44:02.25 ID:aixSyjxSo
乙乙
みんなかわいい
428 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:29:09.83 ID:LGSALVsIo

 1/9

 【続々々々々、高鴨穏乃の婚活】

: : : : : : : : : : : : : : : : : :  |: : : : : : : / }: :/ |: : : : : : : :}i: : : : :  ゚。: : :ト :_:_:
`  …‐- :_:_: : : : : : : : : ト .,_ : :  ̄ `ヽ/: /   : : : : : : : :ハ: : : : :  |: : :゚。
      /: : : : : : : : :..|―/―: : : :/ /: :\  |: : : : : : //  !: |: _,. : : :.|: : : : ゚。
      /:: : : : : : : : : : -|: /: : : : /__/ィ′ \ | : : : : : : : : : //,.斗|'"´: : : : : :j |: : : : : ∧
.   /.: -‐…|: : : : :/ |/ |: : :. イ¨んィi:≧=ュ、  !ハ: : : : : : ://´  j八: : : : : :ハ:!--== 、:
  ´ ̄     ∨: : :{    |: :./ { |:.:{lilノ:.:::::/∧ j′|: : : : :/斗:f斤「_}: : : : /: ||: : : : : : : {
           ∨{:∧     } /   乂: : ::jソ    │: :/ んィilノ:::/ /.|: : : /:..:.リ: 、: : : : : :,
           ∨:ハ    ″     `¨¨´     |/  {: : : :ソ  /:.:|: : /: :ハ:.i| \: : : : :
            〉: :\__                    `¨¨´  /:..:.:|/: : :| Y   \: : :
              /ニリ : / ヽ    :.:.:':':':.:        、     /⌒:, : : : : :.l リ    \
           /ニニr}/   \                :.:':':':. /\ ∨: : : :.′
          ィニニニ∧      、    `ー--  .,,__        /.|  ヽ ∨: : /
     /二ニニニニ∧       \             >=} } } ∧ 乂/   「おっ、照が連れてきたのはお前か!」
.   /ニニニニニニ=∧       丶         <二二//    ∧
.  /二二二ニニニニニ∧       / > -- <二二二二//     \
/ニニニニニニニニニニ∧         / }ニニニニニニ//        |
 <二二ニニニニニニニニ∧__    /   |二二二ニニ//   /     |
ニ>  <ニニニニニニニニ∧   `   /|ニニニニ/イ  /      \


              /: : : : : : : : : : : : : : : :Λ
             ,. . .-.‐:…ー:‐:-:. . 、: : : :.Λ
          ,.: '´: : : : : : : : : : : : : : : : : : `:. 、: ',
        〃: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽハ
.      / : : : : : : : :.j: : : : : : : :、: : : : : : : : : ヘ: ヾ
.      /: : : : : : : : : :,イ: : : : : : : :l V: : :.',: : : : : :ハ: :Λ
    ,:': : : : : : : : : /: / !: : : : : : : :.l  ':,: : l: : : : : : ハ:.ヽ':、
.   /: : : : : : : : : ,:.、:,' l: : : : : :l: : :l   V:.l、.: : : : : :l: : ヘ':、
  ,: : :.,': : : : : : /: :./\!: : : : : l V:.',/ ',::l V: : : : : :l:V: :ヘ:.、
.  l: : /: : : : : : :,' V:l  _ V: l: : :ハ V:L_  !:.l l: :/: : : l;ハ: Λ':,
.  l: :,l: : : : : : : l  ヾ, __ ヽマ: : ヘ_ヾ、_ }:/ !:/: : : /: :/ハ: :l: ヘ
  V:.l: : : : : : :≫末宕丁 ` \:ヘ 洋宕末≪,/: :ア、/:/:.l: :!: :.ハ
.   V!ヽ: :ト、: Λ. し::::ハl        し:::::::}  /:/!: :.V Y: :': : .:ハ
    ',l 入:lヽ: ハ Vぅソ       Vぅソ イ: : :l、: :.Λ ,j:/: : : : ハ
     /: :/l: : :l:! : : :   ,      : : : :  l: : :.l V: : ヘ  }':,: : :l: :',
.    ,': :./ l: : :l l                l: : :lノ ',: : : l l: :}: : l l:.l   「うちら漫才コンビと戦うとはいい度胸や!」
   ,: : :'  l: : :l ',     _   _,      -!: : l  V: : l l: ハ: :l l: l
   V: l   !: : :! ‘ 、      ̄       /,:' ': :.,′ }: :/ /:' }: l l:/
    ヾヘ l: : :l   `  、    ,  イ:/ ,: :/  // 〃 ,: / ,'
     \ l: : :l      r>‐ ´   lTヘ ,: /  /      /:,'
       V: :.',   / l }      У V:/        〃
        _入:.ハ-ァ´  ゝ、   /   /:/ Yー= -  、
    γ´   ヽ:.V      λY    〃  }       ヽ
    /       l    /  }‘,       /       / ‘,
.   /        l  /     l ‘,     /       /   ‘,
429 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:29:39.16 ID:LGSALVsIo

 2/9


 「は、はい。よろしくお願いします」

 「アホ! 誰が漫才コンビやねん!」

 「麻雀プロとしてやっていけなかったら漫才コンビとしてデビューするって約束したやないか!」

 「その理由は切なすぎるやろ!

  まぁ洋榎はその顔だけでおもろいからデビュー出来るやろうけどなぁ」

 「なんでや!

  映っとるだけでおもろいとか最高やないか!」

 「ダメやダメや。

  スタッフの方からネタを取りに行こうってキャラじゃやっていけへんで。

  狙いすぎや」

 「しかもダメだしされた!?」

 「まぁ洋榎は最近テレビ出演が多くてええやん」

 「もう立派な麻雀芸人扱いやん……。

  自分でも麻雀プロやってるのかバラエティ芸人やってるのかたこ焼き屋やってるのかわからんわ。

  そのうち『TOKIO』ならぬ『HIROE』でデビューできそうな勢いや」

 「落ち込んでるように見えて満面の笑みやん」

 「愛宕洋榎!

  笑ってもらえるならそれで十分や!

  もっとも、麻雀で負ける気は無いけどなぁ!」

 「前期の成績はほぼ五分やったからな。

  来季は負けへんで」

 「おー、かかってこいや!」


  /: :/: : /: : :/: : : : /: /   ヽ: : : : : : ヽ: : : : : :V: : :V: : : : :ヽ
  /: :/: : /: : :/ : : : /: :/    ヽ:、: : : : : i : : : : : : V: : V: : : : : ヽ
 /: /: : :/: : :/< : : ハ: !     }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
 : // : /: : :ハハ:\:! {:{     }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{     ̄/ ハ:ノ  !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
 Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云       〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
    ∨ V: ハヾ{7///}      {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
        ハ:ハ 弋//ソ       弋//ソ イ: !  }:/: : : : : : : : : : :}: :}
       {: :ハ ,:,:,:,:,        ,:,:,:,:,  }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }  「会話に混じれないっ!」
       |: :| !      ′       u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
       |: :| ヽ     、_,、_,        /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}
      l: :l   >    ヽ ノ      ´ト //  !: : j: : : : : : : : : : W
      ヽ:ヽ   r≧....._  <..-‐: ̄//}  }: : ハ: : : : : : : : : :}
       ヽヘ   〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
      __ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
    /  ll::::::::::::::::::::::::::::〃::::::::::::::::::::::´:/::::::::::::::::/  ̄ \: : :/
.   /    ll:::::::::::::::::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     V:/
   ,     ll::::::::::::::::::::ー::《:: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      V
430 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:30:08.57 ID:LGSALVsIo

 3/9


 「おー、スマンスマン。

  特別ゲストを差し置いて身内トークとは、お笑いの風上にもおけんなぁセーラ」

 「洋榎が勝手に暴走してただけやん……」

 「高鴨穏乃さんやったっけ?

  照から聞いとるでー。

  なにやらうちらに聞きたいことがあるらしいやん」

 「お?

  そういえばインターハイでは竜華が世話になったなぁ。

  麻雀プロでも目指すんか?」

 「そ、そのっ。

  お二人は百戦錬磨って聞いていたので、お話を伺えればなって!」

 「おー、おー!

  なんでも聞いてくれや! セーラが答えるで!」

 「自分で答えろや!」

 「んで、何が聞きたいん?

  麻雀?

  お笑い?

  あっ、愛宕洋榎の美しさについてやったら答えられるか怪しいなー!」


      _/: :/: : .:/: : : : : : : : : : : : : : \
    //: : /: : : :′ : : : : : : : ハ: : : : : ::\
.  /.:.:/: : /: : : : |: : :./ }: : : :/  : : : : : : :ヽ\
  /: : : :′:イ: : : : ∧: / /:: :/  |.: .: .:.:|: : :|
. /: : : : :|: : :|八: : | ィ存斥く     jハ: : :|: : :|
/:: : : : : |: : : |: :\/r;....ハ    x=ミ !: :ノ.: .::|
: : : : : : .:/⌒ヽ: : |弋  ソ    r;..ハY: :|: : ハ
: : : : : .:∧   :: ::| ,,,     , V ソノ: ムイ     「はいっ! 恋愛のイロハについて教えてくださいっ!」
: : : : : ,′ \ :.: ::.    r-    ''' 从 |
: : : : /    `ヾ: : :.     ノ   イ: .:.:|  _
: .: .:/      r::\:>...    <  |: : :八/ )r- 、
: : /       |/:::≧:::::不、    .: / /:::::::::\{)
: /       /:::::::::::::::::::\__]    / r-::::::::::::::::ヽ
/       .::::::::::::::::::::::::::::::\    ノ::::::::\:::::/
        ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::厂:::::::::::::ヽ::::::Y
        |::::::\::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::|:::::ノ
431 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:30:38.06 ID:LGSALVsIo

 4/9


  (`ヽ          ___
   ヽj         /: : : :/:.\
           ‐‐‐-  ..〈:.:.: : :\
      /: : : : : : : : : : : : : `:::.、: : ヽ
..     , ':: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ',
.     //: : : : : : : : : : : : : : : : : : :..:.∧: : i
    ,':/: : : ィ : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ : j
    ノ/: : : / |.: : : :.:/|: j.\: : : :ヽ: : : : :i: :!
    //Y: : :/ ̄!: ll :..:l i: i‐ 、ヽ.: : : :Yヽ: l: :l
.  // |: :/   ヽl:',:..:! .l/   .j : :丿:i\\:l
  (:( ∧':.:i-=v. ヽ:!-___   丿イj:丿: :j: :.)
   \i/ |:.ノxxx ,   '' ̄ヽ  |:.|ヽ、://i  「セーラ! 出番や!」
.       人U     xxx     |:.!. ):)イ: : :i
.       |:l > 、〜_っ  _..ィフl:.!// . !: : :i
.       l:i /  ̄ フ ='' ¨ア ̄ !:!ー-、:l: : リ


     > : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.  /: : : : :/: : : : : :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : :./:/: : : : :/|: : : : : ト、: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
: : :./: : /: : : : : :/ |: | : : : | V : : : : : : : :.ト、 : : : : :.
:/ /: : : : :|: : :.:十―八: : :.:|  V─一: : : :.|: :\: : : :.
  /: : : : : :|: /|:/=ミ、 \: | r=≠ミ、: : : :.|: : : :\ : :.
. /: : : : : : :|/: 〈{ rし心    "rし心}〉: : :.八: : : : |\|
/ : : : : : 7:/: : : 弋ぅツ     弋ぅツ |: :/^:: : : : :.|
 ̄ ̄  //|: : :|       ,     ,,, |:/ ,:.|\: : |
      |: 从_}              /: |  \|   「おっ、おまっ!?」
      |:./ 八    r- ,   u/|: /\|
          \        イ /j/
           _>  _ <   |
         f´    |   r=≦ニ三|
         |   >―i   |ニニ三三|__
     ,=≦ニニ/ニ/__   _|三三三三三≧=-
432 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:31:06.52 ID:LGSALVsIo

 5/9


 「照さんから二人が恋しているって聞いて……。

  その、私も婚活しているんですがうまくいかなくて、参考にしたいんです」

 「お、おう。

  まーうちらの魅力を考えると参考にならんかもしれんけどな?」

 「(アホ、ハードルあげんなや)」

 「実はうちらは同じ男を取り合っている仲や。

  今回は特別に! ご教授したる!」

 「本当ですか!?

  ありがとうございます!」

 「セーラが!」

 「だからなんで俺やねん!」

 「ダメ、ですか?」


 やっぱりいきなり押しかけてこんな話をするなんて間違っていたのかな。

 こんな常識がない行動なんて……和みたい。

 それだけは嫌だ。それだけは嫌だ。


 「せやかて、俺も人伝に聞いた話しかしとらんし……」

 「でも、江口さんはすごく美人になりましたよっ」

 「ほんまかっ!?」

 「おーおー、美容効果が出とるんやないの?」

 「そ、そか。

  聞いて勉強した甲斐あったな……」
433 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:31:35.43 ID:LGSALVsIo

 6/9


               _/: : : : : : : : : : : : : : : : : : `丶、: : : : : `丶、
            ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : : : : : \
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     { く ̄ ∧ ∨:(\、 |/ l/|         |/ l//| ,厶:イ\: : :ヽ  ̄ノ  「せやけど、『京ちゃん』は渡さへんで!」
.     \_>|: :/'TT:/  .乂_ソ          乂__ン / : :|  ,): /
         ,>ヽ|:.:〈      ┬ ^ー‐<      ,厶=ニ ̄⌒
       /     |: : l\       、__ノ_,. -‐ ´    \

                  , '{    _,,
                 ./::,'  , ィ ン´
           `ヽ- 、  ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
             ,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
         , . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
       ,. :´: : : ; ィ'": : : : ´:^:`: : : : : : : : : : : : : : : : : \
     ,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
     '´   /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
       , ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
       , : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
     /: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
    , : : : : : ;,/: : : : : : /,_,、: : : : : : :iー-ヽ: : : : : : : : : : : : : :ヘ
    , : : : :.//: : : : :./ ,,_  ヽ: : : : : {  __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
   γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心_、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
   ´     {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ   ヽ: { .{   リ  }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ  「ちょっ、何言っとるんや!」
        i: /i:ヽ6ヘ   ゝ,シ    ヾ  `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
        i/ !: : '>ヘ /i/i/   ,   /i/i/  /ノ   ゙ ー-ゝ
          i: /  }、             ,
          レ"  }: iヽ    ー     ,ノ}
             },ノ 从:`. ァ    , ィ: :ハ{
                ヽ: }   ̄   {ノ
              _, ィ '彡!       ',`゙≧ x 、
          ,ィ≦壬ニニニ{        }ニニニニニ≧s。
         ,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、  ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
       /  ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、  .i!ニニニニニニン  ,


                 ,........-――--....、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、- 、
           / : : : : : : : : ,: : : : : :\: : : :\: \
          ,:': , : : : /: : :/: :{: : : : : : ヽ:ヽ、: : :ヽ: :、
            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |  「……」
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434 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:32:05.41 ID:LGSALVsIo

 7/9


 何故だか、取り乱しはしなかった。

 きっと前までならおかしなことにツッコミを入れていたのかもしれない。


 「もしかして、『須賀京太郎』さんですか?」

 「おー、そうやで。

  照の知り合いだったら知っててもおかしくないわな。

  おもろいで、セーラがメスの顔にされたんやで」

 「やめーや!

  即落ち1コマチョロイン!」

 「2コマ持ったやん!」

 「そう、なんだ……」

 「競争率は高いけど、セーラにも照にも負けへんで!」

 「お、俺は別に……。

  ちょっといいかなって思っただけで……別に好きとは言うとらんやん」

 「何言ってんのや!

  どー見てもメスの顔やん!

  ほれほれほっぺたやわかいなー」

 「け、化粧が落ちるからやめーや!」

 「ほんまにメスになってるやん……。

  それにしても、あれだけの優良物件の争いはそうそうないんや。

  うちも負けてられへんな)」

 「俺は別に……。

  照、付き合ってないって言うてたし」


 そっか、みんな公認なんだ。


 「……うん!

  わかりました!」

 「「?」」


              ,. : : :  ̄ ̄ ̄: : : : : .、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : 、: : : \
              . ´: : : :,: : : _: : : 、: : : : : :\: : : ヽ
           /: : : : :〃: :/ 、: : :ヽ: : ヽ: : : :ヽ : ∧
            //: /: // : /   ヽ_,.ム-:l:|: : : : |: :,イ|、
         '/: /: /-{:、/  ーィ }/==ミ、|:/ : : |: : : ,|:ヽ
        /:': : !: :| ,ィ= ミ    て_刈 ヽ: :/: :}: : /:}: : :.
        {/{: :|l: :| { l刈`     Vzソ  }イ:}:イ、 : /: : : :,
         从{ 从 Vリ,            |: | }: :/: : : : : .
              {: |       _        |: |イ:, : : : : : : :l
              |: |   v ´ ノ       /|:/:イ : : : : : : : |  「すっごく参考になりました!
              |: ト    `こ      ィ :从 |: : : : : : : : |
           从{ ` . __,...::   _,.:-/、  |: : : : : : : :    ありがとうございますっ!!」
                r<_}_/:::::::::::}  |: : : : : : : : |
                }__{_{:::::::/ ̄ ̄:ヽ_|: /: : : : : :/
               /|::::}/: ̄:::::::::/ ̄:::::`ヽ、: : : /
              /:::::::`::l{--:::::::::´:::::::::::::::::::::::::\/
435 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:32:34.36 ID:LGSALVsIo

 8/9


 間違っていたのは私だった。

 がむしゃらに押すのが恋愛なんだ。

 相手が既婚者だって関係ない。

 だって、公認なんだもん。

 私のこの気持ちが恋なのかどうかはわからない。

 それでも、この気持ちを大事にしたいなって思う。

 だから京太郎。会いに行きたいな……。


           ',、      ,-‐,-
           ',`::.、  ,-..´/___
         ,..-‐`:::::`ー´::::::´:::::::::::::, ´
       ,...‐´..:::::::::::::::::::::`´::::::::::::::::::: ̄`ー‐- 、
    ,....‐´::::::,::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー-、
   ,´ ̄ ̄>´/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::::::::::::::::::::/`
        /:::::/://:;:::,|::::::::::::::|、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
     /:::::::|//::/ |:::i::::::::::|ヽ:::::::::::::::::::::、::::::::::::: ̄>‐、
     /.:::::::::::::|::|:/\ i:::|、::::::| ', 、::、:::::、丶:::::::::<´
   /_::,::-‐/::/  ``|| マ::::|,-‐´丶',、::.',:::::|:::::::::::| ̄
        /::::/|´| ̄`iヾ マ:|イ ̄ `ヽ ',:i::/:::::::、::\
      /,-‐/i^|. |つ:::|  `i |つ:::::::ノ` ',/‐、::::|\:::ヘ   「俺も女らしさってのは玄に聞いたんや。
        /::ト.| ー‐      ー‐‐´   ヒ ノ、:ヘ、.\|
       // | ////      ////  ,‐´::|`ー丶      それは玄に直接聞いた方がええと思うで」
       ´   丶、  ┌―‐,     ノ i、:::|
              ` ‐ `ー‐_  -‐ ´N` \|
              ,┌/   iニヽ- 、
               ,-‐´;;;;/`ー‐´|;;;;;;;/;;`ー、


    /:/ /: :/: : :イ\:// /    /:/ : : : : : ノ: : : : : : :
    {/ {: : {: : /ハ:ハ:\ {     /:/: : : : :ノ:ノ: : : : : : : :
      l  i: :ハ:/:!/7c=ミヽ   ノ/: : : :ノ:ノ:ノ: : : : : : : :/
      ∨ V:ハ ん///゙    zヒ三/ァ'-<: : : : : : //
          /:/ 辷:ソ     7C≧、ノ /: : /://: :
          /:/ ""        ん///ハ /ィイ彡: /:/:
        _{:ハ     ´      辷z:ソ ノ /:/⌒Yイ: : :
      /::/.{:{..\            ""   /:/   ノ/: ;/: :   「玄さんか……」
    イ:::::::i....{{.../r\ ヽニ>     u  ,.、/:/..イ /:/'/: :
  /:::{:::::::i.....i{...{::{ヾ::ヽ.._.........―::::´:::/:/:::::::\:/ /: :
./::::::::::i:::::::{..........{::ヽ::\〃:::::::::::::::::::_z/:/:::::::::::::::∨: : :
:::::::::::::::::V:::::{..........{:::::ヽ:::《:====:":::/;イ::::::::::::::::::::ヽ: : :
436 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/08(月) 17:33:03.50 ID:LGSALVsIo

 9/9


 ……
 …

 場をつないで照さんたちが来たから私は席を後にした。

 プロだけで喋りたいこともあると思うし、いきなり参加した私がずっと居座るのは違うよね。

 うん、本当にお礼を言っても言い切れない。

 ここは松実館、玄さんに会うのは難しくない。

 少しラインで話したら時間を空けてくれると言ってくれた。

 今回は好意に甘えようと思う。


                   '"    . . . . . . . . .  `
                     /   . . : : : : : : : : : : : : : : . .  \
               /   . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
                  / . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
             /   / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
               /   /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
             ′  . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
              |人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
              __i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
            _/ { /  //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
       /  {  /∨   ,イ〃h!i:i:i :!  ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
     __/       ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ       込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
   '"              /\ノ:.|ハ           ,           ハ: :. :.|: |
/            __  イ: : :i!  """    __    """ iノ: : : l: :|
              } /:.:|: : :.lヽハ       i    }      人 : : : : : |   「穏乃ちゃん! どうしたのかな?」
               //: : i!: : :|: : :.ゝ    、    ノ    イ: :.:l:. :.:/ : :.l
        __  '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :>   __   <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
      / __.   i∧: :.| \|:. :.| : : :.v〜i__    __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
      /`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く   入__/^ヽ  ` y/¨´: : : : : l
     ハ         \              \∧    ∧ /   `  .:.:..l
.   / !         、 |       x─‐ヘ    x─‐┐       ’'ヽ
  ´ /            `|         〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈           ハ
ー‐                  |       〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉       ′ l
、                 V       〉__/i! 〈\.:.:. :.∧         |



        /: : : : : : :/: : : : :/: : : : : : :.|: :../    ゚:, : : : : : : : : : 、: : : ゚:,.: : :
         / : : : : : :.:′: : : / : : : : : : : |: :.′   : : |: |: : : : : : :}: : : : :.゚, : :
       ′: : : :..:.}{: : : __ ′{:.ハ : : : /|: :{     }: :}: |: : : : }: :ハ:_;,.: : : |.: :
      | ハ: : : : :..}{: : : : :厂 `トミ.:,;/ : :|     |:/|:八,.斗ヘ''}´∨: : :│ :
      |.{ |: : : : : }{: : : : :|  リ 乂:{`丶{    ,厶:匕´}:/ }/  }: : : :.}.: :
      リ :, : : : : }{: : : : :ト、,斗‐=¬=ミ        ,.斗レ¬=ミ,ノ|: : : / : :
      __,,乂__/ \_;レ_/_):乙うt           /_):乙うt ‘:,l: :../|: : :
       ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄W ̄ ̄{刈爿          K弍刈爿 》: イ: |: : :
            }{: : : : {   込.:.:.:.:.ク        込.:.:.:.:.ク  j: :..:j/
            }{: : : : {  `¨¨¨¨¨´        `¨¨¨¨¨´  |: : : :|: :
            }{: : : : {:.  ::/::/::           ::/::/::   .:|: : : :|: :   「はいっ、実は……」
            }{ ; : : :ト:,        r――――┐      /:! : : :,.: :
                ゚.: : :{ :.       │      |       /:.:|: : : ′:
               ゚.: :ハ ゝ               ′    /: : ′:/: : :
              V :ハ   > ..  ゝ ___ ノ  ..  <|: : : /: :/: : : :
                乂:{  r≦三>。..    .. イf≧ュ j: :.:/: :/: : : : :


 続く
437 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/08(月) 17:33:33.09 ID:LGSALVsIo
投下終了
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 17:46:24.45 ID:oTcF4IXMo
(アカン……貴重だった常識人が……ww)
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 17:50:17.09 ID:4FsCxKxhO

こうしてまた一人常識人がいなくなってしまった……
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 18:07:59.91 ID:H0tel+0SO

なぜっ!あわあわと!一緒にいなかったんだっ!!
これでブラックホールにまた一人…
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 19:02:00.14 ID:23m/sMVzO
乙です
アカン…、穏乃の中の何かが音をたてて崩れ去っていく…
そして、今は良い顔をしているヒロセラも、真実を知った時に闇堕ちしてしまうんやろか…
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 20:17:30.11 ID:/Oc/QrHro
乙ー
でもクロチャーなら案外(途中までは)まともなアドバイスをしてくれるかもしれない
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 20:34:50.90 ID:vNiZHyclo
阿知賀総ブラックホール化
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 21:25:59.80 ID:Xbioj4oQo
なんちゅうこっちゃww
445 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:29:43.10 ID:Jfltakalo

 1/11

 【続々々×△々※……、高鴨穏乃の婚活】


 「今日はいったいどうしたの?」

 「ちょっと松実館に寄る用事があったんで、顔を出してみました」

 「わざわざありがとう!

  えへへ、久しぶりに会えて嬉しいよ!」


 ふふっ、私も嬉しいですよ。

 玄さんは無邪気に笑って、私のことを舐め回すように見回している。


 「穏乃ちゃんもお洒落するようになったんだね」

 「そ、そんなこと……」

 「うん! とってもかわいいよ!」


 花が咲くような笑顔で私を褒めてくれるから少し照れてしまう。

 玄さんは本当にいい人だなぁ。

 宥さんが色々と言っていたのは嘘なんじゃないかって思えるもん。


 「実は、そのことについて相談があって……」

 「どうしたの?」

 「はいっ!

  女子力の塊である玄さんに恋愛のイロハを教えてもらいたいなって!」


              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
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446 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:30:12.40 ID:Jfltakalo

 2/11


 「そ、そんなことないよぉ!

  私なんて普通だよ」

 「その普通がよくわからなくて……」

 「うーん、今の穏乃ちゃんは女の子らしいと思うけど……」


 それじゃダメなんだ。

 『普通』じゃダメなんだ。

 今までの自分とは思えないぐらいグイグイと攻め込む。


 「玄さんも好きな人がいるって聞いて」

 「ぅぇ?」

 「ああ、宥さんとセーラさんに聞いたんです。

  そうしたら玄さんに聞いたらいいって」

 「なんでー!?

  私だって彼氏なんていないよぉ!?」


 頭を抱えてうずくまってしまう玄さん。

 うーん、ちょっと急ぎすぎたかな?

 自分を第三者の視点で見られるようになってくるのがわかる。

 ここはちょっと落ち着いて玄さんを安心させよう。


 「じゃあ、お互いの好きな人の話でもしませんか?」

 「そ、それくらいなら……」

 「女子会ですっ!

  えっへへ、楽しみだなぁ」

 「私も穏乃ちゃんとお話しするの楽しみだったんだ!」


 機嫌を直した玄さんの後ろをついていく。

 玄さんは一転変わって上機嫌にトテトテと歩いている。

 私はそれを見ながら、唇の端が持ち上がるのを感じた。
447 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:30:41.47 ID:Jfltakalo

 3/11


 ……
 …

 「穏乃ちゃんは彼氏が出来たらどんなことをやってみたいの?」

 「うーん、出来れば一緒に山登りをしたい!」

 「あはは、相変わらずだね」


 でも、このくらいの年の人たちは体力が落ちてきているだろうから山登りは難しいのかな。

 新婚の時の京太郎だって筋肉が落ちてたもん。


 「あとはその、頭を撫でてもらったり、抱きしめて欲しい、かも」

 「すごくわかるよっ。

  穏乃ちゃんも女の子らしいよ!」

 「そ、そんな。

  玄さんはどうです?」

 「うーん。私は好きな人が幸せならそれでいいんだ。

  好きな人の笑顔を見るだけで幸せだから、そこに自分が入れなかったとしても、ね」


 ……えっ?


 「まさか、玄さん……」

 「うん、やっぱり私の恋は実らないから参考にならないよ。

  もう素敵なお嫁さんがいる人だから」

 「そんな……。だって、それでも……」


 玄さん、その考え方はおかしいんです。

 みんなそんな『当たり前』なんて考えないでアタックしているんです。

 こんなにいい人な玄さんが諦めていいはずがない!
448 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:31:11.02 ID:Jfltakalo

 4/11


 「それでも玄さんなら、相手のことを奪っちゃったりできますよ!」

 「えっ?

  そ、それはいけないことだよぉ……」


 困った顔をする玄さん。

 ……あ、あれ?

 それは間違いじゃ、いや何が当たり前なのか、何だっけ?


 「それに、ね」


 頭の中がグチャグチャになる私をゆっくりと抱きしめる玄さん。


 「もし、そんな方法で奪ったとしてもきっと幸せになれないよ。

  私が好きな人は今の好きな人だもん。

  何か思いつめているのなら話は聞くよ!」


 「……何が正しくて、何が間違っているのかわからないんです」


 「私は好きな人が幸せならそれでいいんだ。

  そのためにだったらなんでもできるよ」


 「それが正しいんですか」


 「そんなのわからないよ!

  これは私の考えだもん。

  穏乃ちゃんにだって強制できない。

  で、でも不倫は良くないと思うのです」


 ああ、なんだ。答えはすぐ近くにあったんだ。

 最初から玄さんに聞けば良かった。

 そうだ。『それが普通』と、誰かに言って欲しかっただけなんだ。

 えへへっ、これから玄さんと買い物なんかに行ったりして、女子力を磨けたらいいな!
449 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:31:40.88 ID:Jfltakalo

 5/11


             r ' ´: : : : : : : : : : :`ヽ..、
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     .!: : :|:::::::::!〉!,rチテ心ヽ`' Y. \::!フテ亦ヽ、::::!:::::: !:::: :!
     |: : ::|:::::::::!‖{::::::::::::}      {:::::::::::::}ヽ 〉::::::::|::: ::|
     |: : ::|::::::::ト! ゝ)::::oノ      〉.):::oノ Y!:::::::::!: : ::|
     |: : ::!:::::::::!}.   ̄ ̄   ,     ̄ ̄  l'|:::::::::|:::: ::|   「甘いよ、玄ちゃん!!」
     .|: : :|::::::::ト !  '''''    __    '''''''  ! !::::::::j:::: ::j
      }: :::::!:::::::!、l      /´  ヽ      .j/!::::::::l:::: :/
     .ヽ::::::!::::::::!::\    {    j     .ノ::j::::::::j::: :/
      〉、: ::!::::::!:ゝ、 ゝ、  ゝ-- ' ___ r '_/::/:::::::/::::人
     ./: ::〉、::V,:::!::ヽ` ー'`- ' ´     ./::j: :://:/:::: ::ヽ
    ノ'´´/ \:::ヽ::r-っ       rv-、/::/:ノ::/.〉`ヽ: ::\
  ,/::/   ` ゝ 、.}::/__./_ )-、_   rヘ´ヽ. ヽ::::::::/ r'´  .ヽ: : : :ゝ
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Y      ` ./ ` ヽ、 __   l l __  ,, '  ヽ         }/
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      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|    「お姉ちゃん!?」
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
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       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
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450 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:32:10.28 ID:Jfltakalo

 6/11


 えっ?


 「玄ちゃんは幸せにならなきゃダメだよ!

  相手の旦那さんを奪っちゃえばいいの!」

 「そんなのダメだよぉ……」

 「ゆ、宥さん……?」


 ど、どういうこと?

 宥さんも結構おかしいけれど、『玄さんのことを見張る』って言ってたじゃないか!


 「前に見張るって言ってたじゃないですか!」

 「?

  そうだよ」

 「えっ」

 「うん、だからね」


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: : : : : : : : :ヽ: ::|    i: : : : : : : : :|    ///// :::::::::::::::::::::::::::::    .|: : : : :|
: : : : : : : : : ヽ: |     i: : : : : : : : :i               ヽ ///.|: : : : ::|    「玄ちゃんがちゃんと結婚できるように見張らなきゃって……」
: : : : : : : : : : ヽ:|\_   1: : : : : : : ::i                   .|: : : : ::|
: : : : : : : : : : : :ゝ_: :`ゝj-1: : : : : : : ::i        ,_         .|: : : : ::|
: : : : : : : : : : : : :\`'イ. ヽ: : : : : : : 1.       ゝ、____フ    __.丿: : : : :|
: : : : : : : : : : : : : : \  \ヾ: : : : : : :1            , r ' ´   ` ヽ、: : j
: : : : : : : : : : : : : : : :::\  ヽ: : : : : : ::1         , r '´         \|  _
ゝ、: : : : : : : : : : : : : : : ::\ ヽ: : : :, r 、ゝ -, /⌒i /             .ヽ´  1-、
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       ヽ 、: : : : : : : : ::/  ヽ   ヽ ヽ'                   |  i | 7
          ヽ、: : ::_ノ、   ヽ   〉  〉                   |  / | ./ヽ
451 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:32:39.41 ID:Jfltakalo

 7/11


 そんな



 「だってそうでしょう」



 そういえば今までの言動全部



 「玄ちゃんはいい子なんだから、幸せにならなきゃ」



 玄さんの相手が既婚者ってことを止めたことはなかった



 「前は新しい恋を見つけた方が玄ちゃんのためになるかなって思ってたけど」 



 その事自体を否定はしていない



 「やっぱり玄ちゃんはあの人とくっつかないと幸せになれないんだよね」



 そもそも私の婚活だってこの人から始まったんだ



 「ねぇ、穏乃ちゃん」


452 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:33:08.56 ID:Jfltakalo

 8/11


                         ,...-''´ ̄ ̄゛`.ヽ.、.
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                    |//:::ん't元ぅ| { ?::l{ t-ん::l:: | |
                       /:::::,;|'´じ熱`   ?`'tぇミ|ノノ:: l l
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           ,..-っ      i::l::l/:/   __’ ?x x x ?/::: /: //
          //ニヲ, _....,-‐イ::|:|::l:??  ヽ_>    /::::ハ: //
         _/ /ニフ/::::ノ⌒く|:::?;|\:\--..、___  //:/ノ//
      /'´::i'´ レ´ツ'´ ̄\:.:.:|::::::::|:.:.:. ̄: ̄:.:.:.:.:. ̄'//:.?/:/    「幸せになりたいよね?」
     //::::::|  {´ノi,,l,,..-‐''\|::/:::|\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/イ::::/:|::|
     /::/::/{、_/´/ l ,,/ ___ノ/::::/:.:.:.:`:ー:―:./::/:::/‐:r、{?
      ? |/-/    ソ´,,,,,二ブ:::/⌒ヽ-:、_:_:_:./:::/:/、:{??.}} |ィ
  ,,-‐''´ ノi/  /     {:.ノ:r'二_ソ,へ:.:.:.ヽ|:::i/ i\??V り
,,-'´   //  ?/......     ?_::-‐'.○{\_:.:..;.ヘ:::? ヽ,〉  ?/|,
    /    ..{::::::::::::......       /??:.:ー:ヘ ?:::\r{____,,,,ハ |:?
,,,,-イ      人:::::::::::::::::::...     /   '´ ̄   ̄ノ    / l:::::??
/:.:{      //}:::::::::::::::::::::::... ??i...........         }    `i.|::::::.??
:.:.:.:.:|     //;       ○ ? l:::::::::::::::::::::......  /  i   {.ト;i:::: i?
:.:.:.:.:{___,...ィッ'"´./   /       ?:::::::::::::::::::::::::.?|   ?  .ド,?:::::::||:|
::::_;::-‐'"´  ?/  /        i \:::::::::::::::::::イ|    \| \}:::ノ.リ
:/      ノ-‐'´             ?  `  ''´/:.:.|:|     `i  ?
       /       ○     ?     / |:.:.:||      ノ  ?|
  _,..-'´                ?  ?/  |:.:.:リ     }    ii
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    -'´                   `i  ??:::::?_/:|    ||
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453 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:33:37.92 ID:Jfltakalo

 9/11


 「お姉ちゃんは頭がおかしいのです。

  好きな人の幸せを祈るのが恋なんだよ!」


 「玄ちゃんは頭が固いよ……。

  実際にくっついちゃえば前の女の事なんて全部忘れられるよ?」


 「そんなの、よくないのです。

  好きな人のことを思って一生生きていければ幸せだもん!」


 「ううん。私だってお見合い結婚だけどとっても幸せだもん。

  男から相手の昔の女の匂いを全部上書きしていくの。

  そして自分のマーキングをし直すの」


 「京太郎君は咲ちゃんが好きで、とっても幸せな家庭を築いているんだ。

  私はそれを眺めているだけで幸せ。

  それを壊して自分が中に入りたいなんておかしいもん」


 「ずっと想い続けるなんておかしいよ。

  自分も相手も幸せになるためにはまずは自分から幸せにならなきゃ」


 「お姉ちゃんの分からず屋!」


 「私は玄ちゃんが幸せになるまで見守る義務があるの!」


    //|: : : : | : : // |:∧/  |/           |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
    |:| |: : : : | : /:   ≫去干气ト         ィ去干气≪   |: :/: : : : |\
    |:| |: : : : |: :|:::; 〃 んJ:::::::爿         トJ:::::::::::爿ヾ |:/: : : : :/ : ∧
    |:| ∨: : :乂{::::〈{  V辷七歹        V辷七歹  }〉/ : : : : /: : : :∧
.   乂 \{\: Y  とつ'⌒~ /////// `⌒とつ  /|: : //: : : : : :∧
         / `トh   /////////////////  ハl/W: : : : : : : :∧
          { |: : :|ハ                     | ! : | }: : : : : : : : :∧
.        八|: : :l }       /~⌒^⌒^ヽ          j | : レ : : : : : : : : : ∧    「うぁぁぁぁぁ……」
        |: :从,_|      ´           `        厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧
        |: :|  人                        人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
        |: :|   >                 <  |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        |: :|       >          <     |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        人_|       r=≦}___   T爪  {≧=ミ,   |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
                    |{      ̄`Y^Y´ ̄      }   | : : / : : : : : : : : : : /‖
     __          从  ー---〈 ‖---―=彡〈  ∧/ : : : : : : : : : : / /
   /     ̄¨ニ=- _幺  ー―===У===-一  r公=―=ニ¨ ̄ ̄  \:/
454 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:34:07.26 ID:Jfltakalo

 10/11

              ,,.-‐―- 、
            /:::.;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
           /゚☆ ゚.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
           l:::/ ̄`゙'>、.;;;;;;;;;;;;i
           |/    !  i;;;;;;;;;;;|
           ||    i  |;;;;;;;;;;;l   「いかん! このままでは心が壊れて人間ではなくなってしまう!
           l:;、   ヽ、_l;;;;;;;;;;;il,
           ヽ ヽ    /;;;;;;;;.;;;;;ヽ  ここは私に任せて先に行け!」
            ヽ `ー‐‐'゙;;;;;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
              \:::::::::;;;;;;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
         /)    ヽ、;;;/;;l;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
    _   / :/      |;;;;:::/;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::ヽ、
   ノヾ `‐-" l    , -‐"i:::::/;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
   ノヽ      |  /::::::::ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
   l      ,  :l /::,::::::::::::::;/::::;;;;;;:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
   (      ヽノ .i i;::::::::::::::;ト,::::l ̄ノ::::;;:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
   ヽ、      \l/_,-‐ 、:;| |::::| | .:;\;;-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
    ヽ、i      \i;;;;;:));|l ニ l..:;;;;;;;;/:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
      \      \´);;|l |:::| |;;;;;;;/::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;i


 ……
 …


 しかし間に合わず、高鴨穏乃の精神は壊れた。

 松実姉妹の姉妹喧嘩を間近で見ることにより、もともと揺らいでいた精神が互いの重力で引っ張られあって壊れたのだ。

 私が辛うじてその場を離れさせると、彼女は脇目も振らず家に帰って行った。

 無事に帰れればいいが……。


 …
 ……
455 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:34:35.88 ID:Jfltakalo

 11/11


 ……
 …


 「あはっ」


 京太郎のことを胸がドキドキする。

 人のことを考えると胸がドキドキするのって、恋って言うんだよね。

 うん、とってもいい気持ち。


 「京太郎」


 「京※太郎×」


 「きょ※△太rOう」


 名前を呼ぶだけで幸せな気持ちになれる。

 誰もいない夜道、何度も何度も名前を口にする。


 しあわせ


 ああ、好きな人とは結婚しないといけないんだよね。

 急いで長野に向かおう。

 家の場所は原村さんに教えて貰えばいいか。

 会いたい、早く会いたいな。



  ∧/ : |: : : :|: : |: /  |: j |: : :〕 : : |: : :|| |: |: : :ヽ  `ヽ
  ,′ \:l: : :| |: : |_′ |斗:七´:ハ: :/|: : :ル': :|: : : ∧    .
 i|/⌒八‐┼-: :|    | リ |/ |/ :|: :/:': : :|: /: : '.   ,
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. 八: : :ト、|i 乂:ソ           / イ: |r= 、 : : : /      !
   \l:|:ヽ    ,       ''"     |: :|   V: :/      |
     |: ,  '"      __        |: :|  ./: /:.     |
     |: :.     v´    |      ,|: :|ー.:'/:: : .      |     「待ってろよ、京太郎!」
     |: 圦        ノ     ,イ |: :|i イ : : : : :      |
     |: : :|               〔,.l: :j  |: : : : : : :.     |
     |: : :|   >   __,.        |、|:/'  |: : : : : : : :    |
     人 : |     r‐┤       /〔   |: : : : : : : : :.   |
      ヽ|     ∧ !  ,r‐=''"   \ |: : : : : : : : : .  |
       〕    /⌒X 〔 |       \_: : : : : : : : :  |

 続く
456 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/09(火) 16:35:04.43 ID:Jfltakalo
投下終了
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 16:44:31.34 ID:DXwzfZc/O
しずのん...
残念だよ...
お前も残念の仲間入りだ
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 16:53:34.36 ID:VU9HJEJ+o
これは流石にドン引きだわ……
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 16:59:42.76 ID:ZJS5TYn0O

ブラックホールに挟まれたらもう助からんか……
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 17:10:33.52 ID:jHPBGSJGo
ワロタ
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 17:30:27.56 ID:KolrmRtBO
おかしいな。クロチャーが一番まともに見えるぞ
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 17:56:59.83 ID:6KI5u7sSO
oh…
もしかして照以外の要因で壊れたの初めてじゃないか
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 18:00:28.64 ID:e/RupeYao
乙です
今回でユウチャーが大好きになったよ
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 19:33:36.14 ID:rrvJDp9Uo
なんだろう
物理的に一番やばい気がする
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 19:55:53.36 ID:wfLKa9V5O
乙です
穏乃の目が、凄く濁ってそう…
>>462
個人的には、照が火を点け、洋榎とセーラが風を起こし、宥と玄がガソリンをブチ撒けた気がする
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 20:28:52.56 ID:ZmySI5dDo
クロチャーだけなら(本人は無意識ながら)水をかけて火を消すことができてたんだ…
宥姉のせいでそれが水蒸気爆発になってしまっただけで
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/09(火) 20:37:52.35 ID:buWk3RmKo
テルー霞シロとユウチャー初絡みして欲しい
ユウチャーに影響されて我慢を止める3人とか見たい
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 09:47:13.98 ID:MbezSGd7O
乙です

シズの常識が円環の理に導かれて、逝ってしまったわ……!!!
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 10:29:18.38 ID:eoJQ6RLTO
何気に和を「苗字+さん付け」で元友人感が強調されてて草生える
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 15:32:08.19 ID:8PKrm1k10
正直今回のはマジでない
ユウチャーキチガイにしか見えない
471 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:03:48.38 ID:26znjKVpo

 1/13

 【続□◯×△々※◇……、高鴨穏乃の婚活】


 「来ちゃった」


 気づけばここは長野県。

 玄さんたちと会った後、何日経ったかもわからないし、どうやってここまで来たかもわからない。


 着た覚えのない服、した覚えのない化粧、見慣れない女の子向けのバッグ。


 きっとほんのちょっとだけオシャレな服を着て、慣れない化粧を頑張って、店員さんに聞いてバッグを買ったんだよね。


 えへへ。京太郎、早く会いたいな。


 「会ったら何をしようかな」 


 山登りをする格好じゃないし、ショッピングデートなんかしてみたいかな。

 でもそうやって大人しくしているのって私らしくない。

 私らしいってなんだろう。

 わかrAない。何がわた※しら△いんだ。


                     _
                   / 二>───
             /´ ̄          `
             /                  \
            .         . : : : : : : : . . . . .      \
         /   / . . : : : : :/.: : /ヽ: : : : : : : . .
           /  .: / . :. :.:./: : :.:.′ :.′ l:.ヽ: : :ヽ: ヽ: : .
        l\.: .:.′:.:.:.l: ′|: :.:| : : |   |:__l__:.:|: : |: : : ヽ:.i
        ト、: \!    |:i .斗‐┼!: :l   jノ人|:.:.`ト、:.|. . .. ..| |
        个x: : :|: : :. イト、人_∧\!   __ |: :/|:i!:.|: : :. :.| |
.        / . ト、: \!l!: :. :.レ    ¨´         レ' レiノ:.|: : :.ハj
       /   l:.:.\:从: : : |              ___ |: : :ハ/
.      /   \ : \l\_j xzzzzz        ⌒¨^'ムイ
     /    .: :\/^Y T ^゚´      ,   、、、 l:.:.:|
.    /     .: : : : {.⌒i: :|  """            l:.:.:|
   /    .: : : :. :.:.丶 l: :|       i ¨´` T     !:.
.  //    .: : : : : :.:. __/!:.:| > .      、__ ノ   イ:.:.:/   「まっ、いっか!」
 //   .: : : : : :./^ヽ∨iト、三>   .,,_ . <ニ.|.:./
.//     .: : : : : .:      vヘ三三三三Y三ニi}三ニレ'^ヽ
      .: : : : :/       'vヘニ>─ ┴く/ x─‐‐く |
|| i!   : : : : :′   ⌒ヽ V´ ,       Y /      v
リ |   : : : : :レ'        ∨ ({        i !     i!
l  |   : : : : :|       /   リ..... ____  iノ    _〕
l  |   : : : : :l        /   ヽr'´ ̄ ̄`YY─==ニニX′
.\ト、   : : : : |      /      ! ______.| {       | |ヽ
.    \ : :. :.:.|     ′     └─ッ マ¨:l `ー== ‐┘!(
.     \: : : 、   /        /vvヘ.::|       | }
472 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:04:17.67 ID:26znjKVpo

 2/13


 ……
 …

 大体の場所は原村さんから聞いた。

 ふふっ、京太郎と会うなんて久しぶりだなぁ。

 なんだかんだ言って二、三回しか会ってないからね。

 前に見たときの京太郎は格好良くなってたなぁ。

 背が大きくて、筋肉が付いていて、男の子らしいのに憧れる。


 「どうやって連絡を取ろうかな」


 まだメールアドレスは変わってないかな?

 でも、いきなり連絡をしたらびっくりするだろうし。

 ここまで来たのに、どうしようか迷う。

 うーん、とりあえず連絡をしてみてから考えようかな。


 「わーっ!」

 「?」


 子供の声。

 ふと、何か空気が変わったような気がした。


               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―   「はよー!」
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/
473 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:04:46.66 ID:26znjKVpo

 3/13


 「Kyおう太郎?」


 どこか彼に面影がある子供。

 気のせい、かな。


 「もー、走らないの!」

 「ママー!」

 「ほら! 妹を放置しない!

  お兄ちゃんでしょ!」

 「!」


      /:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
      /:.:.:.:/:.:.:.:.:....i:.::::::|、:::..::i、::.:.i::::::..ヽ:::ヽ:.:.:.:ヽ
     /:.:.:.:.:i:.:.:i:.::::::::|:::::|::| ゙、:::| ゙、 i::i  ゙、:: ゙、  ゙、
   /:.:.:.:|:.:|:::::|::::::|::i| ::|:|  i .| i....|::|::::::::::i::::::i:::::::::i
   i:.:.:.:.i.|:::|  i| ||i..::::|:i  i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
  i   |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
  i    | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
 i  ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i  ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ   彡‐'´ ̄`ノ'i::::/  /:::::i::|
..|/   |:::゙、::i゙、 .;==、       ,,,,,   i::/   ノ:::::/V    「もー、暴れないの!」
     i:::::::ヾ::、´,,,,, ,      """ u レ /i´:::::/゛
.     i::::::;w、:゙、""                 V'"`
      ゙、/  \丶   ー'´`   ,     ゙、ー-、______
          ヽ!`ー- __    , ´    /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
            ___`フ´_ヽ    /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
          /i:.:|.|:.:.:.:.:./  |   /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/  /     ゙、i

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'    「まぁまぁ、いいじゃん」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、
474 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:05:16.52 ID:26znjKVpo

 4/13


 「あっ、京太郎……」


 そこにはずっと会いたかった人の姿がいた。

 前に見た時と変わらない。……ちょっとやつれているかな?

 仕事で疲れているのかも。


 「平日もこんな感じなの?」

 「ううん。

  パパがいるからはしゃいじゃってるんだよねー?」

 「うん!」


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
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   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ   「パパ、だっこー!」
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )

 「もー、自分で歩きなさーい」

 「大丈夫だって。

  ほらっ、肩車でいいか?」

 「!」


 その光景が。

 とても、眩しい。
475 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:05:45.37 ID:26znjKVpo

 5/13


 「あれ、穏乃じゃん」

 「あっ……」

 「よっ!

  長野まで来てどうしたんだ?」


 呆然と立ち尽くす私に声をかける京太郎。


 「わわっ、高鴨さん。お久しぶりです」

 「咲ー。お前気づかなかっただろ」

 「ぅひ。

  だって高鴨さんすごくお洒落してて綺麗なんだもん」

 「そ、そうかな」

 「そうですよ!」

 「嬉しい、な」


 京太郎が気軽に声をかけてくれて、今まで胸の中に詰まっていたどんよりした気持ちが消えていくのを感じる。

 何もなく、ただ会話してくれるだけで嬉しい。


 「だれー?」

 「おお、パパ達の友達だ。

  とーもーだーちー」

 「ともだち?」

 「うーん、好きな人ってこと」

 「!」


 京太郎似の男の子が嬉しそうに飛び跳ねる。

 私の周りをぐるぐると駆け回る姿が、かつての自分を思い出させた。
476 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:06:15.42 ID:26znjKVpo

 6/13


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}    「あそぼっ!」
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


 「こらっ、お姉ちゃんにも用事があるんだぞ」

 「う、ううん。

  別に用事はないんだ」

 「えっ、わざわざ長野まで来たんだし、観光とかじゃないのか?

  ああ、和に会いに来たのか」

 「それはないよ」

         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'    「あっ……」
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |

 「?

  咲、どうしたそんな反応して」

 「京ちゃんは知らなくていいんだよ」

 「えー?」

 「……うん。

  ねぇ、京太郎」
477 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:06:44.68 ID:26znjKVpo

 7/13


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        i:ハ: :ハ: i/ん:ハ`   ゙ん:ハヽi: :i :ハ}i: : : ヽヽ
           iハ: ハゝ 辷ソ    辷ソ "ハ:レ: ノ: : : : ヽ:ヽ
             /人 !       '       /.ィ:}: : : : : : : ハ:.}
             {:{  ', "" r――┐ "" ′V}: : : : : : : } }:}   「よかったら私が一緒に遊んであげてもいいかな?」
          {:{  ゝ,  ヽ  ノ   イ  ∧: : : : : : :/:/
            ,ヾく: ̄::i:::::ェ- --ェ彡!: ̄::::ハ}: : : : : //
.           /:::i:::::::::::::ヽ\::YY:/:丿::::::::´::ハ} : : : //
         /:::::::へ┐::::::\:::l l::::/::::::::::::::::j:::V : ノ
         ノ:::/ヽ‐二>、:::::::::`:l l:´:::::::::::::::::::V:::::Vノ
      ノ::ィ::ヽ::`<´,.)::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::!:::::::ハ
       /::/:::\:ヽヽ:::フ::::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::}::::::::::ヽ
.      /:ノ::::::::::::::::ー:Y:::::::::::::::::! !:::::::::::::::::::::::j:::::::i::::::ヽ
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478 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:07:13.88 ID:26znjKVpo

 9/13


 ……
 …

 山は私の領域だ。

 それでも山は気まぐれで、簡単に相手にしていいものじゃない。

 だからあまり険しくない、ピクニック感覚で入れるような山に来てみた。


 「!」

 「一気に歩くと疲れちゃうよー」


 やっぱり子供は元気に走り回る。


 かつての私もそうだったのかな。


 祖父と一緒に山に入った思い出。


 あの時の祖父もこんな心境だったのかな。


 ま、まぁあんなに老けてないけど!


 「しず!」

 「綺麗だねー」


 そんなに高くないからすぐに上まで登ってゆっくりと景色を眺める。


 広がる風景は阿知賀とだって変わらない。とっても綺麗だ。
479 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:07:43.09 ID:26znjKVpo

 10/13


             >  ̄`       `ヽ
           /
          /                   ミ=‐
       _彡  / ./       /           \ ヽ
      >-/  /      /   i            ヽ \
     ///  , /  /  //   i     !         ',.  \
   /ニ∠ニ= イ/ ,/  // / イ     i     i  i ヽ ̄
  /ニ三三イイ/ //  ≠{‐y-/、|   i  i     |  i厂
  /三三三/∠ ィへ| /| .| /∨|{ i //.{ i /-.i_ i.   |  |!\
.../ニニ三三{ニニニi fヽ|/ !/iム_  i! ∨/| .!/|//i } .!  i i. |i‐-`-
イ三三三三{ニニ∧、〈i ≦ニ==ミ、  ∨i __|/ } ハ |  } |! ト!
ヽ三三三三{三Υヽ  ..:.:.:.:..     、!≠==ミ、 }| /! | |
 }、ニ三三三{三i  ト        ,   :.:.:.:.:.:.`/ }/.:| ハ|
 ニヽ三三三{三i‐-{∧   r-          /彡//!      「しずー!」
  ニニYニ三三寸  i∨ヽ  丶   フ    イ三// i
=ニニニ}ニ三三三\八ム、 \        イ三ニ// /
-=ニニ}三三三寸三\厶\ >   ≦ア. : .:{ニニ///
=ニ三}三三三ニ寸三ニヽ \{、  //. : . :/三/
ニ三三三三三三寸三ニ \ ヽ,/'. : . : . /三〈i
ニ三三三三三三三寸三三\. : . : . :./三/
ニニ三三三三三三三寸>-‐´: . : . :イ彡'


                 ,........-――--....、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、- 、
           / : : : : : : : : ,: : : : : :\: : : :\: \
          ,:': , : : : /: : :/: :{: : : : : : ヽ:ヽ、: : :ヽ: :、
            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |   「そっか……」
              |:/  .        イ_,/イ |:|: : : : : : : :
             }'    `__-r-=≦__」'/::} |:|: : : : : : : : |
               _,/:::::::「 ̄::::::::::_/|__|:|: : : : : : : :/
            /:::::::|:`=={j====イ:::/::::`ヽ: : : : : ,
              ∧::::::::::\:::::l|:::::::::::::イ::::::::::::::::∧: : :/
480 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:08:11.60 ID:26znjKVpo

 11/13


 誰かに言われるがままに流されていた。


 違うんだ。そうじゃない。私は私でいいんだ。


 私なりにいいところがあって、それを認めてもらう。


 その結果好きになって貰えばいいんだ。


 もちろん、好きになってもらうために自分を磨くのは間違ってないと思う。


 でも、こんなに無理して変わる必要なんてなかった。


 「しず?」

 「うん、大丈夫」

 「ほんと?」

 「ほんとだよー。

  えへへ、いいこいいこ」

 「うん!」


 頭を撫でてあげる。


 きっとこの子も京太郎みたいに大きく成長するのかな。


 私の身長を越えるまでは、こうやって頭を撫でてあげよう。


 私の身長じゃすぐ抜かれちゃうかもしれないけど。


 「パパとママのところに帰ろっか」

 「うん!」


 手をつないで、一緒に帰ろう。
481 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:08:41.02 ID:26znjKVpo

 12/13


 ……
 …

 「いきなり子供を任せちゃってごめんな?」

 「ううん、私が言い出したことだもん」

 「高鴨さん。ありがとうございました!」

 「咲、また今度遊びに来てもいいかな?」

 「ええ、是非!」

 「しずー! ばいばーい!」


 和やかに別れを告げる。

 ううん、長野まで来て良かった。

 今回の一連の騒動、いろいろとあったけれど自分なりの答えは出せた。

 こ、婚活はしばらくいいかな……。


          /: : : : : : : : 、: : : : : :\         r三ミY_ソ
ヽ         _/:/ : : /:/: : :/ ヽ: : : : : : :ヽ      /::::::::::iソ
::::\      ///: : : /<: :ハi  Vハレ: !: : ハ    /::::::::::::/
:::::::::\   /:ハ: !: :ハ! V\  イ´Vハ: : :ハ   /:::::::::::::::/
::::::::::::::\ /: :i :V:ハ:{ r≠ミ    r≠ミ }:ノ: :リ ,.´:::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::\: :V : i:ゝ 、、   丶  、、イ: レ´ /:::::::::::::::::/
、:::::::::::::::::::::::::\⌒{: {     /⌒ ┐  !:} /::::::::::::::::::/
 \::::::::::::::::::::::::\{:.{     i    ′ ィ: レ::::::::::::::::::::::/
   \:::::::::::::::::::::::::{:.ト\  ー  ´ / ,.}: }::::::::::::::::::::/
   /: :\:::::::::::::::::::V{:Y::::: ̄::Ti::´} _/:::}:.j::::::::::::::::::/   「京太郎ー! 咲ー! まったねー!」
.  /: : : : :\::::::::::::::::V:::゙三:ニ:〉〉彡:::::::レ::::::::::::::::/
  i : : : : : : :{\:::::::/:::::::::::::::::ヽ《::::::::::::::::::::::::::::::/
  Vi: : : : :ハ:{ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::ヽ:::::::; ´
  ハ: : : :ハ{   V:::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::V:/
    V: : :{ \ {:::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::V
    V\:、    !:::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::',
        `:ゝ   }:::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::;
           l::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::i
.             }::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::'
              !::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::}


 それでも、また今度遊びに来よう。

 今度は普通に、だよ?

 えへへ、みんな! また遊ぼうね!
482 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:09:10.41 ID:26znjKVpo

 13/13


 ……
 …


 ・蛇足、帰り道

       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |    「あら、穏乃。偶然ですね。
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |    節分は済ませましたか?
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |    私はこれから私の豆に京太郎君の種まきをしてもらうところです。
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !    一緒に行きますか?」
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|



          /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`:ヽ.、
          /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
       /: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ,:´ : /: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
       /: : : ': : : : : : : : : : / : : : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : :ヽ
      ,:´: : : :!: :ヽ: : : : : : :/ : : : : /: : : : :/ ヽ:、: : :ヽ: : : :ヽ:ヽ
    /: : : : : :!: : ヽ: : :\:/: : : : : ィ: : : : :/  ヽ:レ:‐:┼: : : : ハ:,
.   /: : : : : : :V: : : \ : / : :_∠i:l―: !:!    iハ: :ハ: : : : :ハ!
  /: : : : : : : : :V:、: : : : :i:i: : : :/ {ハ: : ハi    _レzレ !: : : : ハ!
  /:/: : : : : : : : :ヽ:\: : :ハ: : : i _彡示i      ん゚:}"/: : ノ:ノ ′
 /:/: : : : : : : : : : :∨⌒ヾ!`N:〃ん/ハ      {r:ソ ,: :ィ レ
. /:/: : : : : : : : : : : :ハ     !:.{゙ 込/ソ      `´,,, i: : j
./:/: : : : : : : : : : : : { \   {: !  ,,,      `  ハ :/   「どなたですか?
i:.ハ: : : : : : : : : : :/: |   ̄>: !     ┌‐  7   イ/:/
{:ハ: : : : : : : : : :/: :{  _/iハ:!ヽ     ヽ ノ ∠__/:/_    人違いです!」
{:! !: : : :>::: ̄::: ̄::/:::/  ヽ i:!  `7―-,イ::::::::::::レ::::::\
{:! V: /:::::::::::::::::::::::/::::/    \   ノ  }::ヽ:::::::::::::::::::i::::l
`ヽ ∨:::::::i:::::::::::::::/:::::::i    / ヽ/ \  }::::ヽ:::::::::::::::::i::::}
.  /::::::::::i::::::::::::/::::::::::ヽ  イ{  oY //:\j::::::::ヽ::::::::::::::}::::}


 カン!
483 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/10(水) 16:09:52.14 ID:26znjKVpo

 穏乃編、完
 宥→和→霞白爽→照淡→洋セ→玄→京咲 というみやながけ巡りでした
 次からお題消化予定


 999
 須賀家の節分

 997
 嫁たちの仲良く京ちゃん自慢

 999
 TVを見る子供たち

 248
 バレンタイン(二回目)

 273
 京ちゃんの初恋(平行世界)

 292
 長野県の取り締まり強化

 407
 パウチカムイ再び
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 16:23:14.49 ID:YzPldNyUo
乙です
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 16:29:52.50 ID:P0SQ0n6Co

ついに原村さんですらなくなったか…
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 17:39:10.81 ID:YvqmF3hSO
おつ
普通に幸せな一家と交流して50%くらいは浄化されたかな?ぜひまともに戻ってほしい、そしてまともな幸せを!

オチ村さん便利ww
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 19:02:43.55 ID:I/uzbIeWO
乙です
まだモヤモヤしたモノは残ってる様だけど、正気を取り戻した様で何よりだな
そして、ブレない和に草生える
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 01:21:00.88 ID:prU7M8MT0
乙です

和さん、シズにとってはついに元親友ですら無くなったんだな

そういえば、京ちゃんって釣りはするのかな?
するなら、京咲で釣りにをリクエストしたい
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 03:39:37.76 ID:/TzxOvUMo
乙です
良かった
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 03:42:57.14 ID:XqQEqQCjo

やっぱり子供は宝ですね
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 19:17:46.83 ID:mBoR94K6o
最終的に正気を取り戻すの見てたらあのスレのマホや絹恵を思い出す(他スレネタ)
>>488
大雑把に「釣り」でリクエストしたらネットの釣り>>23-32になったことがあってな……結構面白かったけど
492 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:47:06.69 ID:ZT+O7J7Eo

 1/8

 999
 須賀家の節分


 須賀咲ちゃんです。

 今日は節分です。

 いつもならスルーしちゃうような日でも、子供がいたら教えるためにもちゃんとやらないとね!

 えっ、和ちゃんはどうしたのかって?


 ……
 …

. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////   「咲さん! 節分ですよ!!」
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////



                  .  - ‐─━…|
             . : : : : : : : : : : : : : : : :|     て   誰
           /:: . : : : : : : : : : : : : : : |     め   だ
            /:/: : : : : : : : : : : : : . : : :l     |   よ
           /.:/ : : : : :i: : : : : : : : : : : : : }     は
        /.:/ . : : : : .:i : : : : :i: : 、: : : :ノへ、          /
         / ,′. : : : : : .:i : : : : :i: :i: '.: : :!::i:l\\         /
      /: .′. : i: : :i..::i : : : : :i:斗rヤ笊仄 ハ i>‐----<: ゚.
.     /: : ! . : : : i: : :i 人:. : : .:i::::.\l:斗-=ミ、}i|: : : :ハ: : : : : : ゚.
     /: : : i:. : : : :i: : ;ャ≦ \::八:人〃斧笊ハ 刈ハ: : : l- 、: : : :|
.    /: : : : i:. : : : :iX:八_ \ \:.\ 、 マ)  .::i }} }:.:.i.:!h ハ: :. : |
   厶 -‐ i:.: : : :∧ .〃斧_  \   、_.:ノ   八ノリ.ソ }: :!: :l
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\: :∧{ マ  .:i               / }ノ.ノ : |∨
   ね 好 .い  ヽ: ヘ 弋.:ノ   ,           r<: : :ハ|
   | き  き    Y゚:.                     /.:.:∧.:{ j
   ぞ 勝  な    Vi:!:.        ,   ¨フ       V.:( )ノ
     手  り     W八      ー      /  ∨}
     言 現    L__ ` ..           /     〉- 、
      っ れ     √      ¨¨  ¬ ´     /_三二ニ=‐-
      て  て    ;            __ハ    /. : : : : : : : : : : :
     ん       /          ノ.:r'ヘ /: : : : : : : : :斗ャ≦
     じ     /         /: / / : : : : : : 。≦ニ〃/
       ゃ   /        /: : :/ /: : : : : : /三=‐ {{/

 …
 ……

 というわけで原村カットでした。

 うん、普通にお話しして終わったよ! ドン引きする冗談言いだしたから追い返しただけだよ!

 一応、『一応』友達だからお互いに冗談を言い合えるってだけだからね!?

 えっ、冗談じゃない?

 超えちゃいけないラインを考えろよ原村。
493 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:47:35.46 ID:ZT+O7J7Eo

 2/8


 ……
 …

 「年の分だけ豆を食べるんだよね。

  なんだか懐かしいな」

 「そうだね。

  京ちゃん、そんなの無視していっぱい食べてたでしょ」

 「そりゃ、小さい頃数個食べただけじゃ満足できないよ」


 バツが悪そうな顔をして呆れる京ちゃん。

 ふふーん、私は知ってるんだからね。


 「豆を撒きすぎて怒られたりとか」

 「うぐっ」

 「強く投げて障子を破っちゃったり」

 「ぐぐぐっ」

 「喉に詰まらせたり?」


         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
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      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{    「実力行使はヒキョーだよ!」
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´
494 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:48:04.65 ID:ZT+O7J7Eo

 3/8


 もー、京ちゃんは都合が悪くなるとすぐそうするんだから!


 「咲、京ちゃん。

  節分には他にも意味があってな。

  年の数より一つ多く食べると体が丈夫になり、健康になるって習わしもあるんだ」

 「お父さんがおじいちゃんの知恵袋みたいになってる……」

 「おいおいー。

  これでもおじーちゃんだぜ」

 「はいはい、すごいすごい。

  それじゃみんな準備して」

 「いいか?

  鬼は外、福は内って言いながら豆を投げるんだぞ」

 「「わかった!」」


 本当に分かってるのかなー。

 なんか嫌な予感。


 「それじゃ始めるよー」

 「!」

 「そうそう、玄関に向かって……。って外に出ないの!」


 外に撒き散らかしたら掃除が大変でしょ!

 あー、もー!
495 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:48:34.31 ID:ZT+O7J7Eo

 4/8


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ   「おにはそと!」
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ  「ふくはうち!」
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\


           ,!   ハ             ヽ
        ,,‐ ./   / 从|i、.|  |  r       \ `ー    / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
:::::::::::::::::::::::.ー彡::::::::::≧必__丿ノ ノ \\  入ヽヽ斗\ヽ:ヽ、::::::::::ヘ_
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l  `  ── " ノ  )Τ  ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ             |      .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ             l       //:::::::::::::ぐ ̄
 /::::::::::::::::|゙!彡゜    U         l      /:::::―----ヽ、   「うわっ!?」
彡ソ'/  i、 | く                l     /::::::::::`ニン
   l.::从,.弋 ヽ           ⌒ '"      ./::::::::::::ミ
   乂 l|lヽ  ヽ、     `''ニニ''''''''''''''''フ″  /: :lリ \l
      |三:.\  ヽ         ̄ ̄ ,,.    /ソノ
      |三三 >,,, ヽ       ゙"''''""    /
     ノ三三三三>ミ\            イ
  斗≦三三三三三三三≧          付
≦三三三三三三三三三三三>     ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
496 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:49:03.66 ID:ZT+O7J7Eo

 5/8


 「わっ、お隣さん!?」

 「こら、二人とも!」

 「ああ、節分ですか。

  気になさらないでください」

 「本当にすみません……」


 お隣さんは許してくれたけれども、勝手なことをしたんだからちゃんと躾ます。

 もー、なんてことをするの!


 「いえいえ、なんだか楽しそうで良かったです」

 「おにはそとー」

 「私に投げるくらいなら構いませんよ」

 「ほんともー、すみません……」

 「今度会社か何かでお菓子でも買ってきます」

 「お構いなく。

  子供と遊ぶのは好きですから」


:::::::::::::::::::::::ミミ:::ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/彡彡
:::::::::::::::彡 ):::|:::|ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\彡彡彡彡
::::::::::::::ミヽ リ/::::|::|ヽ:::\\\ハ::yヾヾヽ:::)::::::::::::::/
::::::::::::::)ヽ乂,}:/::|::|:::|.::ハ\ム斗乂):)::):::八) }::::::::::フ
彡i:::::::ヽ:::::}|| | {:l\ヽ/ぇァナ /.ノ/ /))))/ ンミヾ
:::::| .| | l゙.メ∠弋乂\ヽ ´  ̄      (.ヽ/)ノヽ)
: :/.,i|:|::| 乂tァラヾ  ヽ          | |:\
:/:/ノノ丿   ̄  .|            / |::::::\_
ノリノ乂.ゝ〜    |           / . 丿:::::::::::::::   「(鬼か、感性が鋭い子たちだ)」
::ノ::v:::::ミ゙ヽ、   |  −  /    / /::::::::::::::::::::
 ( /| ぃ.,\   ニニ─ '     /ノ::::::::::::::::::::::::::
    ハしヽ. \  ー-‐"    <:::::::::::::::::::::::::::::::::::
         ,/ヽ、     / \::::::::::::::::::::::::::::::
        /::::\\__ ,,/   ,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::
      /::::::::::::::\)__  /::::::::::::::::::::::::::::::::::
497 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:49:32.34 ID:ZT+O7J7Eo

 6/8


                     -=
             >  ̄`       `ヽ
           /
          /                   ミ=‐
       _彡  / ./       /           \ ヽ
      >-/  /      /   i            ヽ \
     ///  , /  /  //   i     !         ',.  \
   /ニ∠ニ= イ/ ,/  // / イ     i     i  i ヽ ̄
  /ニ三三イイ/ //  ≠{‐y-/、|   i  i     |  i厂
  /三三三/∠ ィへ| /| .| /∨|{ i //.{ i /-.i_ i.   |  |!\
.../ニニ三三{ニニニi fヽ|/ !/iム_  i! ∨/| .!/|//i } .!  i i. |i‐-`-
イ三三三三{ニニ∧、〈i ≦ニ==ミ、  ∨i __|/ } ハ |  } |! ト!
ヽ三三三三{三Υヽ  ..:.:.:.:..     、!≠==ミ、 }| /! | |
 }、ニ三三三{三i  ト        ,   :.:.:.:.:.:.`/ }/.:| ハ|
 ニヽ三三三{三i‐-{∧   r-          /彡//!      「鬼もうち!」
  ニニYニ三三寸  i∨ヽ  丶   フ    イ三// i
=ニニニ}ニ三三三\八ム、 \        イ三ニ// /
-=ニニ}三三三寸三\厶\ >   ≦ア. : .:{ニニ///
=ニ三}三三三ニ寸三ニヽ \{、  //. : . :/三/
ニ三三三三三三寸三ニ \ ヽ,/'. : . : . /三〈i
ニ三三三三三三三寸三三\. : . : . :./三/
ニニ三三三三三三三寸>-‐´: . : . :イ彡'


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/   「うちー!」
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )

              ,. . ―――. .、
             ,. :´ : : : : : : : : : : \
            /: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
          .': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
         /:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
         /' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
            {: :/从 ○   }/ ○ }イ|: 从   「もー……」
           W乂{ ""      "" ム':/
              人 u r‐ - ‐v  人}'
              >`二二´<
            /::::::::::{   r/:::::::::\
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498 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:50:01.52 ID:ZT+O7J7Eo

 7/8

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'   「迷惑かけちゃいましたし、うちでお茶でもどうですか?」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


      /            `ヽ、
     /  /  、          ヽ
    ,/  "  / /( ..     ミ  ヽ
   '''゙、   、 | | \ミ 彡  ヽ_ 彡  し
  ー'''"  `'''"` ., ゝヽ  M//.、 、"く彡 <ニ、
 "≧    .彡》》彡川》》 lく巛巛 ヽ,,ヽ  ―ー、
  =¬   .,/ノノ代=モェ-,}.| ぇtチ-ヲ》》》)ゝ =ー、
  '"ニニ,ッ"ヽ∬   ̄"リ |  ̄  .シソノ ゞ-
    (,-ニ,, l         l    / }゙l /    「是非。
       ( (ヽ、 、 ニニ  ,  /ノ.ノ
        ./.゙l ヽ  ̄ニニ ̄ /|         いいお茶菓子があるんで持ってきますよ」
      /   \\     /  |
   ___/      ̄j⌒l‐   __ .≧-_
─<          l  j  /r,)/r,)  >ー-__
            ノ .j/,,,,/,,,,/
           .ノ / ./  /
           |-‐" ィ  イ 》
          .|   ‖ 丿 ∧
          |      / i  /
          }       / /
499 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:50:30.68 ID:ZT+O7J7Eo

 8/8


 ……
 …

 ・夜


             、‐- 、 ,. -- _
          ,ゝ ̄ `  ′゙,∠.._
       /´ " " " ゙ ゙ ゙ .<`
       7 " " " " , ゙ ゙ ゙  、\
.      i " " " ゙,.ィ / \ ゙ ` ゙ \
.        | " " ,ィ/‐l/、  ,ゞト、゙ 、゙ヽl
       | r=、 l.f´_・_j!_ ,f´_・_j! ゙ N
.      | {にl l ` ̄  _ \´ハN
       ,l ヾ=lノ  __ ‘ ‐  ゝ     「抜け駆けは卑怯……! 卑怯この上ない……!!」
   _./:l "./ ヽ. ..二ニ7/
‐''"´:/::::::| /    \   一 /、
::::::::: !::::::::l′     \ ,イ:::::\
::::::::::l::::::::::l         /:`:::l::::::::::::\
::::::::::|:::::::::::\     /:::::::::::l::::::::::::::::::\
::::::::::|::::::/\ヽ   l::ヘ::::::::l:::::::::::::::::::::ハ
::::::::::l/:::::::::::o:ト .」::-:::::\::!::::::::::::::::/::::l
:::::::::::::::::::::::::::::: l`ー'l:::::::::::::::::`:::::::::::::/::::::::l


          /      _   !  _._  `ー=ニ ` 、
          /     /ミミミ、  ! ////∧、  ヾミ三ニ─´ _ .
        / ノリ   /ミミミミゞ ! l//  `ミミヽ、 _        /
      |  //  /ミミヾゞヾゞV      ミミミ .、¨_¨─ ´ _
       |    /ミミヾゞヾゞ        _..',Y ∧   ̄ ¨/
       |   /三ミ           /   ',Y   〉 ─ ´
      ー .ヽ彡     i   i   イfェュf´   |) ./ミミミヾ、
        ノノ〃ヽ´"fェュ、     ''"´    ノ|¨ゞゞ、三=='   「私も一緒に行きたかった!」
      -=彡≡彡   `¨´ i         /  |ハゞゞニ='
        ミ三=´川ゞ   i      /   .| ヽ  ̄
           川ゞゞ、   、   _ .     /  .∧ _
           ヾll| ゞゞヽ i`  ._.   /  ./ ∧ヽ
             ゞ  ` ヽ、_¨-―- ./ ./   .|: :\
                   lハ 、_ .´ /    l: : : :| ¨ ・ .
                      /| \   /      l: : : :|: : : : : : `: ・  .
                 //: :|.  `_´         /: : : ::|: : : : : : : : : : : :


 `ー≠彡7アイ介、ミ≧ー フ、_ァメハ イア′
 ーァ7 个´{  ハ ハ        彡´ }/ / 八スィ
 彡ノ ,イ 八  人 ゝーァォスー个ァー彡≧ }7
  个7} }イ />ー' トミ_zォ´ 7 }/ j { リ小、ーァ彡
  ノ 7 八{レ{ ! 从rァ' O ノ   /イ 川ハ`j/_フ
 彡イノトzュミ、{、弋´ニー‐ ´   (ハ从八{ 人水
 ァ' 7{ (´、__Oz} `ー         ヾ{ Y7ハ
 八人/个 ̄  j!             7ソトハ
  乂ノjハ、  i               U /  {!入
  ⌒ ´{ハ .ヘ  L_ ´  _.. −'       ;: Уニ
     ソ八ヘ ー= ´          -ニニニ
     ノ  `ハ `ー       /  -ニニニニ   「(今日は何も言い返せない……)」
          '、        / -ニニニニニ
           \    ,,イ -ニニニニニニ
              ー '「ニニニニニニニニ
                 `ニニニニニニニニ
                -ニ、ニニニニニニニ
              -ニニニ、ニニニニニニ
            -ニニニニニニニニニニニ
           -ニニニニニニニニニニニニ

 カン!
500 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/11(木) 19:52:47.77 ID:ZT+O7J7Eo
>>491
(釣りやったことないな…、そうだ。掲示板の釣りでお茶を濁そう)

>>488を見る→はい…>>1釣りの勉強してきます…
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 20:05:51.58 ID:lM0h0NCSO
おつ!
温かい家族愛に癒される〜
あとお隣さん不意討ちは笑ったwwww
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 20:29:07.72 ID:mBoR94K6o
はらむらわェ……
長野は海ないし釣りネタ難しそう 諏訪湖を題材にすればイケるかも?
あとは魚釣り以外にもテナガエビ釣りってのもある
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 20:48:59.69 ID:C+ejO7wDO
乙です。

人鬼は外ワロタwwwwww
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 20:49:59.79 ID:XqQEqQCjo
諏訪湖はわかさぎ釣りとか出来るんじゃない
あの氷に穴開けるやつ
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 21:44:27.95 ID:mZkh1uBZo
乙乙
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 22:36:35.73 ID:SM66tXgMO
乙です
これは息子にも麻雀の才能があるフラグ!?
そしてお隣さんは便利やな
とりあえず、和は前回の穏乃との遭遇で言ってた事をやろうとしたんだろうな…
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 06:16:56.03 ID:WyuHornQO
長野だと前ツアーで白馬行ったときニジマス釣ったな
釣り堀位ならどこでもあるんじゃない
508 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:25:39.76 ID:Ot13hQFzo

 1/9


 292
 地元の取り締まり強化


 須賀咲ちゃんです。

 最近物騒なニュースが続いているなぁ。

 主婦の井戸端会議でも結構話題になっているよ。

 なんでも、子供をじーっと見つめる不審者がいるとかなんとか……。


 「うう、うちの子に被害があったらって考えるだけで怖いよ」


 特に何かをしたって報告はないんだけれども、怖いよね。

 自分の身ならまだしも、子供は本当に勘弁してほしいよ!


 「お隣さんの髪がウニャウニャしてる人も言ってたもんね」


 ちょっと顔が怖いけれど、他のおばさんたちに混じって井戸端会議に出ているあたり本当にいい人だなぁ。

 まぁ、京ちゃんの方が格好いいんだけどね!

 それとなくそんな話したから嫉妬されて昨日は燃え上がっちゃってちょっと腰が痛……、いや何でもないです。


 『県内では取り締まりを強化いたします。ご協力お願いいたします』

 「ご協力って何をすればいいんだろ」


 子供が持ち帰ってきたプリントを眺めながら困惑する。

 あれかな。防犯ブザーが鳴ったら助けてあげるとか!

 でも私がそういうことしても何の役にも立たなそうで……。

 すぐに警察を呼ぶだけでもかなり違うよね! 頑張ろう!
509 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:26:09.74 ID:Ot13hQFzo

 2/9


 ……
 …

 ・お隣さん


     _. -‐- 、 ,. -─;-
     >- !i! ′ !i!  ̄`>
.    /  i!i  !ii  i!i  i!i \
   '7"´!i!  i!i  ,.、 i!i  !i! ゝ
.   イ !!i , ,ィ /-ヽ. ト、 ii! ii |゙
   | i!i /l/‐K ̄ ,ゝl‐ヽ!、i! |
   ,h ノ==。= ,  =。== i r〈
    |f_|.| `二ニ | | ニ二´ |.|f,|
    ヽ_|| , -‐' 、|_レ ー-、 ||:ン   「ちょっと裏を通してくる」
     ハ l ー───一 l ハ
_,.. -‐1:(:lヽ.   ==   /l:((!`''ー-
...l.....l....|::):l ::\    /  l::)):|....l.....l
...l.....l...|((:)l.  ::::`ー'´::   ,'((::(| ..l.....l
...l.....l...|::))(:ヽ.  ::::::   /;リ::)):|...l.....l
...l.....l..|::((::));.ヘ     /へ:((:(:|...l.....l


          /      _   !  _._  `ー=ニ ` 、
          /     /ミミミ、  ! ////∧、  ヾミ三ニ─´ _ .
        / ノリ   /ミミミミゞ ! l//  `ミミヽ、 _        /
      |  //  /ミミヾゞヾゞV      ミミミ .、¨_¨─ ´ _
       |    /ミミヾゞヾゞ        _..',Y ∧   ̄ ¨/
       |   /三ミ           /   ',Y   〉 ─ ´
      ー .ヽ彡     i   i   イfェュf´   |) ./ミミミヾ、
        ノノ〃ヽ´"fェュ、     ''"´    ノ|¨ゞゞ、三=='   「私も法案を通してくる」
      -=彡≡彡   `¨´ i         /  |ハゞゞニ='
        ミ三=´川ゞ   i      /   .| ヽ  ̄
           川ゞゞ、   、   _ .     /  .∧ _
           ヾll| ゞゞヽ i`  ._.   /  ./ ∧ヽ
             ゞ  ` ヽ、_¨-―- ./ ./   .|: :\
                   lハ 、_ .´ /    l: : : :| ¨ ・ .
                      /| \   /      l: : : :|: : : : : : `: ・  .
                 //: :|.  `_´         /: : : ::|: : : : : : : : : : : :

           ,!   ハ             ヽ
        ,,‐ ./   / 从|i、.|  |  r       \ `ー    / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
:::::::::::::::::::::::.ー彡::::::::::≧必__丿ノ ノ \\  入ヽヽ斗\ヽ:ヽ、::::::::::ヘ_
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l  `  ── " ノ  )Τ  ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ             |      .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ             l       //:::::::::::::ぐ ̄
 /::::::::::::::::|゙!彡゜    U         l      /:::::―----ヽ、
彡ソ'/  i、 | く                l     /::::::::::`ニン
   l.::从,.弋 ヽ           ⌒ '"      ./::::::::::::ミ
   乂 l|lヽ  ヽ、     `''ニニ''''''''''''''''フ″  /: :lリ \l    「やめなさい」
      |三:.\  ヽ         ̄ ̄ ,,.    /ソノ
      |三三 >,,, ヽ       ゙"''''""    /
     ノ三三三三>ミ\            イ
  斗≦三三三三三三三≧          付
≦三三三三三三三三三三三>     ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
510 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:26:39.44 ID:Ot13hQFzo

 3/9


 「なぜだ。治安維持のためだろう」

 「国の力を使っちゃダメでしょう……。

  自衛隊でも配備する気ですか」

 「それならば俺の方は問題無い……!

  公的には無問題……! 誰も文句は言わない……!」

 「大問題ですよ。

  井戸端会議で黒服のお兄さんを見かけるなんて言い出されたら嫌ですよ」

 「大人が子供を見守る……!

  そこに何の問題もありゃしない……!」

 「贔屓のしすぎはダメです!」


             、‐- 、 ,. -- _
          ,ゝ ̄ `  ′゙,∠.._
       /´ " " " ゙ ゙ ゙ .<`
       7 " " " " , ゙ ゙ ゙  、\
.      i " " " ゙,.ィ / \ ゙ ` ゙ \
.        | " " ,ィ/‐l/、  ,ゞト、゙ 、゙ヽl
       | r=、 l.f´_・_j!_ ,f´_・_j! ゙ N
.      | {にl l ` ̄  _ \´ハN
       ,l ヾ=lノ  __ ‘ ‐  ゝ     「俺だって子供達のために何かしたい……!」
   _./:l "./ ヽ. ..二ニ7/
‐''"´:/::::::| /    \   一 /、
::::::::: !::::::::l′     \ ,イ:::::\
::::::::::l::::::::::l         /:`:::l::::::::::::\
::::::::::|:::::::::::\     /:::::::::::l::::::::::::::::::\
::::::::::|::::::/\ヽ   l::ヘ::::::::l:::::::::::::::::::::ハ
::::::::::l/:::::::::::o:ト .」::-:::::\::!::::::::::::::::/::::l
:::::::::::::::::::::::::::::: l`ー'l:::::::::::::::::`:::::::::::::/::::::::l


 `ー≠彡7アイ介、ミ≧ー フ、_ァメハ イア′
 ーァ7 个´{  ハ ハ        彡´ }/ / 八スィ
 彡ノ ,イ 八  人 ゝーァォスー个ァー彡≧ }7
  个7} }イ />ー' トミ_zォ´ 7 }/ j { リ小、ーァ彡
  ノ 7 八{レ{ ! 从rァ' O ノ   /イ 川ハ`j/_フ
 彡イノトzュミ、{、弋´ニー‐ ´   (ハ从八{ 人水
 ァ' 7{ (´、__Oz} `ー         ヾ{ Y7ハ
 八人/个 ̄  j!             7ソトハ
  乂ノjハ、  i               U /  {!入
  ⌒ ´{ハ .ヘ  L_ ´  _.. −'       ;: Уニ    「運転手じゃ満足しないんですか……」
     ソ八ヘ ー= ´          -ニニニ
     ノ  `ハ `ー       /  -ニニニニ
          '、        / -ニニニニニ
           \    ,,イ -ニニニニニニ
              ー '「ニニニニニニニニ
                 `ニニニニニニニニ
                -ニ、ニニニニニニニ
              -ニニニ、ニニニニニニ
            -ニニニニニニニニニニニ
           -ニニニニニニニニニニニニ
511 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:27:08.31 ID:Ot13hQFzo

 4/9


 ……
 …

              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::.
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |  「うーん、防犯ブザーくらいはもたせておこうかな……」
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


 基本的にバスで送り迎えするから大丈夫だとは思うんだけど、親心ではどうしても心配です。

 だからこうしてお買い物に来ているんだけど……。子供たちが変に鳴らしちゃうといけないしなぁ。

 まだまだ使い方なんかわからないだろうし、どうしたらいいんだろう。


 「何やってるんですか、咲さん」

 「あっ、和ちゃん」


 何やらまともな和ちゃんがいます。

 なんか珍しい。


 「すごく失礼なことを考えていません?」

 「まぁ、いつもの所業を考えれば……」

 「ぐぬぬ……」


 自覚しているなら控えてよ……。

 和ちゃんは何やらキョロキョロと店の外を見回しています。

 どうしたんだろう?
512 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:27:36.77 ID:Ot13hQFzo

 5/9


 「最近物騒だよねぇ。

  私も子供たちが心配で何かできないかなって思うんだけど、難しいよね」

 「ああ、例の不審者の話ですか。

  私のところにも話は来ていますよ」

 「へ、そうなの?」

 「私、小学校の先生ですから」


 えへん、と胸を張って自慢する和ちゃん。

 くそう、くそう! 胸を強調するって嫌味!?

 ……あっ、胸を腕で持ち上げて流し目でこっちを見てる。これ嫌味だ。

 よし、その喧嘩買うよ。


 「喧嘩するっていうことは合法的に咲さんをお触りして人質にして京太郎君と薄い本していいんですか!?」

 「意味がわからないよ!?

  とりあえず人の旦那に何をする気なの!?

  薄い本って……」

 「純愛薄い本がいっぱいあるっていいですよね……。

  あれ、咲さんは何冊でしたっけ。

  『数えられない』数でしたね」

 「ぐぬぬ……。

  和ちゃんなんてそれ以上におじさんの相手ばっかりじゃん!」

 「ここまでくると数が多すぎて痛くも痒くもありませんし」

 「このー!」


 やめよう、これ以上は私に不利だ……。
513 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:28:06.44 ID:Ot13hQFzo

 6/9


 「それで、子供たちが心配なの!」

 「まぁまぁ、最低限知らない人について行ってはいけないよと言っても、あの年齢じゃ厳しいですよ」

 「じゃあどうすればいいの?」


             ___
          ,. : ':´: : :.:.: : : : `:ヽ___
      ,.-、r/: : : ; : ; :.:.:,:.:.:.;.: ヽ: :`〈:::::::i
       |:::::/: :/:/:/:.:/i i: :!:i: ハ:、:.:゙、:..、゙、:::{
      }:: i :.:i:.:i.:i| :.:|:.!:|:.:|:.|_!_゙、、:.:i|:.:|.:.!:::|、
       ,!::| || || ;!-‐!ハ:!: :!ハ-!`|iヽ!|:.:i:.|‐'ヾゝ
    ∠/:i.:|:|.!:.|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ!:ノノ!_,、_〉
     ーァ|、!、!、! /!、::::i`   ト;:: ! 〉i;イノ: :|
       |:.`ヽ!゙、ヽゞ-'  ,    ̄  |ノi: : :|
        |: :.:.|:|ゝ、 ''''''  __ ''"" /:| !: : :!   「そんな時の私たち教師ですっ」
      i: : :/ リ/i \_  ´ー ′ /|:.:|:|.: : :|
  r-、  //: /:.ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ |:./: : : :.!
   ヽヽ.//: /:./ァ' ̄/:::r'      |;:\/: : : i|:|
    .,)┴'ヽ/:./':.:.::/:::::::ト、   __/:::::::|.: : : :||:|
   ;' 、ヽノ|./:.:.:/:::::::::::ト--へ/::::::::::| : : : :||:ト、
   |ヽJ┘ノ/:.:.:/\:::::::::|   /::::::::::::|...: : : ||:| |


 「何班かに分かれて下校する生徒たちを見守ってたりしますよ」

 「えっ、和ちゃんが!?」

 「お仕事ですから」

 「信じられない……。

  そういえば主婦たちで子供を守ろうって下校を見守る人たちもいたよ」

 「そうやって大人たちがなるべく見守ってあげるのが重要なんです。

  ああ、咲さんは真っ先にハイエースされそうなんでやめたほうが……」

 「失礼だよ!

  和ちゃんだって大概じゃん!!」

 「咲さんほど非力じゃないですし。

  まぁメインで見張っているのはやっぱいり男の人が多いですから、私もあんまりやってないんですよね」

 「まぁ、このくらいの歳の女性じゃあんまり役に立たないよね」

 「それでも子供たちだけでは安心できませんから、私にも出来ることはしていますよ」


 和ちゃんがちゃんと仕事している……!?

 す、すっごく違和感があるよ!?


 「じゃあ今日は咲さんも付き合ってくださいよ。

  咲さん一人で見張らせるのは私も怖いですし」

 「ぅひ。じゃ、じゃあ少しだけ……」

 「そうですね。お子さんたちが帰ってくるまで、です」


 自分の子供じゃなくても安心させられるなら何かしてあげたいよね。

 よしっ、頑張ります!
514 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:28:35.74 ID:Ot13hQFzo

 7/9


 ……
 …

 ・下校時刻

       {   !         ____ |
ィ彡三ミヽ  `ヽ         ,.' ´        |
彡'⌒ヾミヽ   `ー   {少′  / ,i  l ト、 |
     ヾ、       Y ノ└ /// | l| | ハ|
  _    `ー―'  イ ⌒ / | { | 从、| }|
彡三ミミヽ         { | l |ィ爪 {(リ八「ノ.|
彡'   ヾ、    _ノ.リ、_! l リィチfト::::::::::::'行|
      `ー '      l_,以 { ヒtリ:::::::::::::::ヒz|
 ,ィ彡三ニミヽ  __ノ...「 l 「ト'"   '     '|
彡'      ` ̄      } } ハ   -=-   |
        .___ノ ./ /,イ| |l>、    ,ィ|
   ,ィ彡'       / /リ |:! !仏ィ_〕¨   . | 、/   「……」
ミ三彡'       /⌒/ / r廾 .|「{: |-、  __| |  /
      ィ=- '   〈 イ ∧V /:.:.: :|__´__(二つ/
    ,ィ彡'.      ..} } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /(二⊃―、
  / /.       /.j/ }`ー冫j\:.:.:|  /.:: ト、二)
彡'     __,ノ    ト ン′`ヾ >-r'< `ト-' \


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ   「和ちゃん……?」
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
515 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:29:04.59 ID:Ot13hQFzo

 8/9


 「どうしましたか?」

 「い、いや、こっちのセリフなんだけど……」

 「?

  見守っているだけじゃないですか」

 「えっ、見守ってるのこれ……」

 「油断しているときに何かあったら大変ですからね。

  ちょっと気合いを入れています」

 「(……ちょっと待って。

   この道路って例の不審者がいるって聞いた場所だよね)」

 「この地区に出没するって噂ですから気をつけないといけません」

 「(特徴は確か……、見ているだけって……)」



        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l ',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ    「あっ……」
   ',:乂_           `     !ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、     ー-‐     j
    ヽ{\ : : _        ,, イ
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
516 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/12(金) 21:29:33.87 ID:Ot13hQFzo

 9/9


 ……
 …

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '   「不審者問題解決したんだって?
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /       よかったよかった!」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
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      /:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
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   i:.:.:.:.i.|:::|  i| ||i..::::|:i  i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
  i   |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
  i    | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
 i  ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i  ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ   「う、うん」
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ   彡‐'´ ̄`ノ'i::::/  /:::::i::|
..|/   |:::゙、::i゙、 .;==、       ,,,,,   i::/   ノ:::::/V
     i:::::::ヾ::、´,,,,, ,      """ u レ /i´:::::/゛
.     i::::::;w、:゙、""                 V'"`
      ゙、/  \丶   ー'´`   ,     ゙、ー-、______
          ヽ!`ー- __    , ´    /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
            ___`フ´_ヽ    /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
          /i:.:|.|:.:.:.:.:./  |   /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/  /     ゙、i


 カン!
517 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/12(金) 21:30:02.67 ID:Ot13hQFzo
投下終了
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 21:32:52.05 ID:J3xqebaCO
乙です
和は言動が不信過ぎるからしょうがないね(白目)
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 21:41:54.92 ID:pSKCSfo2o

>>508の時点でそんな気はしてたけど案の定だった
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 22:08:52.11 ID:v651GdVUo
オチ村さんもお隣さんもひどい……
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 22:09:36.10 ID:qmPocIiSO
乙ー

>>519
俺はお隣さんと半々だた
お隣さんが過激な手段を講じる前に解決(?)して良かった…
522 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:31:29.19 ID:0LHF0Dbso

 1/8

 273
 京ちゃんの初恋(平行世界)



 小さい頃におぼろげながら誰かのことを好きになった気がする。

 その人は格好良いお姉さんで、ヤンチャだった俺の面倒を見てくれた。

 年の割に大人びていて、言動も子供っぽくなかった気がする。

 引っ越したと聞いて泣きはらした淡い思い出だ。

 ただ、それは小さな男の子が持つ憧れのような感情だったのだろう。

 もし、俺が『恋愛』という意味で誰かを好きになったのならば、それはきっと―――


 『清澄高校、団体戦優勝―――!!』


 目の前で成し遂げた全国制覇。

 みんなが集まって喜んでいる。

 大苦戦しつつも最後の一撃を決めたのは、俺の幼馴染の宮永咲だ。


 「咲ちゃん、すごいじぇ!」

 「本当によくやってくれたわ!」

 「咲さん、ありがとうございます!」

 「本当にようやったのう!」


 みんなが咲に抱きついてはしゃぐ。

 まだ出会って数ヶ月の咲たちだけれども、ここに伝説が生まれた。

 かつては麻雀部としての存続ギリギリの状態からここまで来れたんだ。

 それはきっと、咲のおかげだ。
523 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:31:58.76 ID:0LHF0Dbso

 2/8


 「やったよ!」

 「咲、おめでとう」


 咲がみんなにもみくちゃにされながら喜んでいる。

 そういえば咲は俺が連れてきたんだっけか。

 普段だったら俺のおかげだなーなんて言えたのに、そう言って咲を一緒にもみくちゃに出来たのに、それが出来ない。


 なんで


 「京ちゃん?」

 「あ、ああ」


 自分の心の中にもやもやとした物が残る

 素直に祝福できていない


 「咲、おめでとう」

 「おー!

  ってさっきも聞いたよ!」

 「本当に嬉しいわ。

  ずっと私の夢だった。

  まこが来てくれて、和と優希と須賀君が入ってくれた。

  そして咲が入ってくれて、ここまでこれた」

 「部長、泣きすぎじゃぞ」

 「な、泣いてないもん」


 泣き腫らす部長を見て、胸に熱いものがこみ上げてくる。

 そうか、俺たちは優勝したんだな。

 俺は何もしていないけれど、雑用として頑張ったんだ。

 素直に、喜ぼう。
524 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:32:27.77 ID:0LHF0Dbso

 3/8


 「京ちゃん」

 「なんだ?」

 「私をここまで連れて来てくれてありがとう」


 咲が純粋な目でこっちを見てくる。


 「どう、いたしまして」

 「なんでどもってるの?」

 「うるせー、咲のくせに生意気だ」

 「もう咲ちゃんドジなんて言えないなぁ。

  咲ちゃんは名目ともに日本一の雀士と言っても過言じゃないじょ!」

 「優希、個人戦がありますよ」

 「のどちゃんはこういう時くらい羽目を外すべきだじぇ」


 ああ


 そうか


 「そんなことないよぉ」

 「咲、それは対戦相手に失礼よ」

 「そうじゃぞ。

  胸を張っていいんじゃ」

 「咲ちゃんに張る胸はないけどなー」

 「優希、こちらをジロジロ見ないでください」

 「す、少しはあるもん!」


 もう、何もできない咲じゃないんだな。
525 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:32:57.10 ID:0LHF0Dbso

 4/8


 ……
 …


 懐かしい思い出


 「須賀ー!

  お前また咲ちゃんに構ってるのか?」

 「だってこいつ放っておくととんでもないことやらかしそうだし」

 「そ、そんなことないもん!」

 「だってさー。

  すぐ転ぶし?」

 「あー、この前も転んで須賀に引っかかって助かってたな」

 「歩きながら本読むのがいけないんだよ」

 「だって京ちゃん、いいところにいるし……」

 「咲が危なっかしいから近くにいるんだよ……」

 「ハッハッハ。

  お似合いさんだ。咲ちゃんはいい嫁さんだなァ」

 「嫁さん違います!」

 「ハイハイ。

  口ばっかでいつも変わらないじゃん」

 「ぐぬぬ」

 「おー。よく伸びるほっぺただ」

 「やめてー!」


 ―――そんなことも、あったな


 …
 ……
526 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:33:26.08 ID:0LHF0Dbso

 5/8


 ……
 …

 「……嫌な夢見た」


 懐かしく、苦い思い出だ。

 みんなと一緒に全国制覇した思い出。

 一般人には味わえない感覚。

 それを味わえた俺は幸せ者、だと思う。

 でもあの時に感じた感覚はそんな幸せな感覚じゃなくて。


 「いつまで引きずってるんだか……」


 もう数年前の出来事だと言うのに、未だに精細に思い出せる。

 咲とはあれからそれとなく疎遠となった。

 麻雀部を続け、頑張ったけれどもまったく芽が出ない。

 別に女子三人組と仲が悪くなったなんてことはない。

 ただ、女子三人だけで集まっているところに俺一人が行くなんて空気の読めないことをしなかっただけだ。

 部活の時以外はあいつらはあいつらで遊んで、俺は俺の男友達と遊ぶ。

 本当にそれだけだった。

 もしこれが女子二人だとか、女子一人だったらちょっと違ったのかもしれない。

 中学生時代の俺と咲が仲よかったのだって、咲に親しい友達がいなかったからだ。


 女子三人、三人だ。


 それだけ集まってしまえば、軽い気持ちで誘うことはできない。

 それは誰が悪いわけでもない、普通の話。

 強いて言うならば、勇気がなかった俺を責めるべきだ。


 ……本当に勇気があったのは、俺なんかじゃない。
527 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:33:55.70 ID:0LHF0Dbso

 6/8


 「さて、今日も頑張りますか」


 苦い気持ちとはオサラバして、みんなと離れた大学生活。

 そこそこ充実した毎日を送っている。

 ふふふ、そんな俺の最近の楽しみが一つある。


 「あの綺麗なお姉さんと仲良くなることだー!!」


 入学式の日、すれ違って一目惚れをした綺麗なお姉さんとお知り合いになること!


 どことなく初恋の人に雰囲気が似ていた。


 凛とした雰囲気、知的な眼差し、長く下ろした髪の毛、一目惚れとしか言いようがない!


 あれからどんなに探しても見つからない。


 それでも、同じ大学内にいるってことはわかっているんだ。


 俺は決して諦めないぞー!


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |   「京ちゃん、お菓子」ヒョコっ
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |
528 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:34:25.79 ID:0LHF0Dbso

 7/8


 「……照さん、何やってるんですか」

 「京ちゃんに呼ばれた気がして」

 「呼んでません。

  と言うか朝からどうやって入ったんですか」

 「京ちゃんの合鍵を借りた」

 「なんで……?

  俺はこれから憧れのお姉さんを捜しに行くんです!」

 「私のことだね」

 「ハハッ、照さんも冗談を言うんですね」

 「ほんとなのに……」


 ……なぜかうちに入り込んでいる彼女は照さん。

 ドジでボケーッとしている様子はまるで中学時代の咲だ。

 なにやら咲のお姉さんである『宮永照』さんと同名だし、よく似ているけど別人だ。うん、きっと、間違いない。

 苗字を聞いても『わたしがてるです』としか言わないし、妹はいないらしいし……違うよね?

 だって咲と話していた宮永照さんは知的で、咲を諭すように喋っていた……気がする……。

 こんな自活能力皆無な『妖怪おかしちょうだい』じゃないはずだ。うん。

 まぁなんやかんやあって知り合いになって、よくわからないけれど俺に懐いてくれている、らしい。


 「朝からおかし食べないでください」

 「(´・ω・`)」

 「朝食を食べたら少しだけならいいですから」

 「(`・ω・´)!」

 「俺、料理下手なんで目玉焼きくらいしか作れませんよ」

 「私がつくる」

 「指怪我しちゃうからダメです」

 「(´・ω・`)」


 本当、見ていて危なっかしい人だ。

 この人の相手もそこそこにお姉さん探しをしなければ!

 このまま咲系女子に寄生される前に母性溢れるお姉さん系女子を彼女にするんだー!!
529 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:34:55.30 ID:0LHF0Dbso

 8/8

                 〜〜    〜〜
                   -―――-    〜
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       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }   「京ちゃん……、お茶が熱い……」
.          { |:::::::::八     _.. ‐〜‐-、   イ:::::::::::::::|  {
.          } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ::::::::::::::::::|
           レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス::::/
            ∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/    / ∧/  }
               {  ∧    |   /    /   / ∧ {
                } / {\/⌒)_∠__/|    / ∧
              /  ゙T{  二(__ `ヽ        _ヽ
            /   ∨ハ.  {_  /     \/  _〉
.            { /\ _ |  ノ   _) 人._     |_/|/ }
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            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「あー、はいはい。
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //       水を持ってくるから待っててください」
                _ヽl\       //イ__
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                |////|  :.   / |/[__}/|
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 カン!
530 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/13(土) 16:35:41.59 ID:0LHF0Dbso
どこかで見たようなてるてる編
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/13(土) 18:08:49.31 ID:3rO/GPdNo
これは勘違いで菫さんに告るまで見えた!
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/13(土) 19:05:40.09 ID:JWBdzWBHo
テルテルかわ
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/13(土) 19:30:41.91 ID:zwdHrFSPo
介護系お姉ちゃん可愛い
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 03:09:24.60 ID:uK3RU+mmo
ここの照さんほんと好き
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 03:32:16.84 ID:kQru+6Ebo
乙です
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 05:44:39.07 ID:S/G2kZ86o
や京照No1!
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 16:42:17.12 ID:TFFgK4GIO
乙です

照さん、可愛いなぁw

リクエストで、もうじき照さんの誕生日なので、照さんの誕生日をお祝いする宮永家 αでお願いします!
538 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:41:41.91 ID:HMbDlIXtO

 1/9

 999
 TVを見る子供たち、を見る京咲


 須賀咲ちゃんです。

 最近、子供たちがテレビにハマり始めました。

 私自身がインドア派だからテレビにハマっちゃダメだよー、なんて言うつもりはないんだけれど、親心だと複雑だよね。

 ミステリーなんかが好きだからそういうのを好きになってくれないかな。

 まぁ、この年じゃまだまだ無理だろうけどね。

 戦隊モノだとか変身モノを見ている方が健全かな。

 それにしても……


 『自力で脱出を!?』

 『笑顔を……』

 『耐えた耐えた耐えたぞォォォォ!!』


 最近のアニメって……、いや最近のに限らないんだろうけど……。

 なにこれ……、男の人が縛られて喘いでる……。

 日曜の5時半なんだけど……。


 「いくら何でも悪影響すぎるよ!!」

 「えがおー! えがおー!」

 「早速同調してる!?」


 ううっ、自分の子供に趣味を制限なんてさせたくなかったんだけれど、子供向けのモノって意外とエグいんだね。

 ドラえもんなんかもそういうモノが多いんだよね。

 こういうのを見て育っていくのかなぁ。いや、さすがにこれはダメでしょ……。


 「でもでも、きっと私もこういうものを見て育ってきたんだろうなぁ」

 「かっこいー!」

 「まぁ、楽しそうだし……」


 テレビの中では主人公が大きなドラゴンと一緒に戦っている。

 まぁ、楽しそうならいいんだけど……。
539 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:42:11.02 ID:HMbDlIXtO

 2/9


 ……
 …

 ・幕間

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
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       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
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        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
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         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
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          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
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′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ   「時代は野外っしょ」
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
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                   / \__  Κj/
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               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
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          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


 …
 ……
540 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:42:41.10 ID:HMbDlIXtO

 3/9


 「子供向けのモノって意外と凝っているんだよねぇ」


 世の中には子供だましなんて言われたりもするけど、昔から本を読んできているからそんなことはないと思える。

 子供にウケる様に作るというのは、それは大人に向けて作る以上に難しい部分もあるんじゃないかな。

 子供の感性は正直だ。面白くないものはすぐに飽きるし、面白いものには熱狂的なファンになる。

 その上、親が見てもいいと許可を出せる様に作らなきゃいけないんだもんね。


 「咲は小さい頃、どんなの見てた?」

 「あっ、京ちゃん。

  私は絵本好きだったし、お母さんがお姉ちゃんに買った本のお下がりばっかりだったなぁ」

 「咲は海外ミステリーが好きになったのもその影響?」

 「うん」

 「俺、海外と日本のミステリーの違いなんてわからないんだよね」

 「京ちゃんも読めばわかるよ。

  読んでみる?」

 「眠くなるしむりー。

  漫画くらいしか読めないよ」

 「京ちゃんって外で遊ぶの好きだもんね」

 「友達から貸してもらったりで漫画も結構読むぞ」

 「私も結構貸してあげたよね」

 「ああ、『アカギ』とか……」

 「そこはもっと女の子ちっくなものをあげて欲しいんだけど」


 もー!

 でも京ちゃんに女の子の趣味を理解しろって言う方が難しいだろうね。
541 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:43:10.09 ID:HMbDlIXtO

 4/9


 「ジャンプ系ならわかるよ。

  『ドラゴンボール』がやっぱり熱くて好きだ!

  個人的には『ダイの大冒険』が好きだったなぁ」

 「いや、その頃じゃ京ちゃん生まれてないよね」

 「うん。界さんに貸してもらってた。

  『北斗の拳』とか『シティーハンター』とか」

 「私の知らないところでお父さんと交流してたの!?」

 「界さんの世代だと誰でも持ってたらしいよ。

  もう読まないからってくれたんだ。

  自分からじゃ漫画なんて買わなかったし」

 「そういえば『ダイの大冒険』の作者って別の作品書いていたよね」

 「ああ。作者病気で終わっちゃったんだよなー。

  残念だ……」

 「あれ、今度復活するって聞いたよ」

 「えっ?」


        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!   「話は聞かせてもらった! 『冒険王ビィト』を全巻そろえてくる!」ダダダッ
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |
542 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:43:38.96 ID:HMbDlIXtO

 5/9


 お父さん、どこにいたの……。

 そして本屋に行くなんて珍しいね。

 買うのはいいけど、自分の部屋に置いてよねー。場所ないんだからー。


 「咲はどんなの読んでるの?」

 「私は漫画より小説派だし」

 「小説でいいよ」

 「どうせ京ちゃんじゃわからないでしょ。

  『アガサ・クリスティー』って作者はわかる?」

 「名前だけは聞いたことあるぞ!

  『名探偵コナン』の黒幕だっけ!」

 「それ、否定されてるから……。

  無難どころだけど『そして誰もいなくなった』」

 「おお、フレーズだけは聞いたことある」

 「『コナン・ドイル』の『シャーロック・ホームズの冒険』も『名探偵コナン』の元だからわかるんじゃない?」

 「すげー、俺でもわかる名前だ」

 「京ちゃんでもわかるのをあげてるの!

  フレーズだけなら『推定無罪』は?」

 「き、聞いたことある、かも」

 「有名だけど、『オリエント急行の殺人』はダメそうだね」


           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|  「まいったー……」
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
    //////////////∧、__「//////////////// \
   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
   |//|/////////////V/\ //////////////////'//|
543 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:44:08.55 ID:HMbDlIXtO

 6/9


 「京ちゃんなら『ハリー・ポッター』でも読んでおけばいいんじゃない」

 「それなら読んだことある!」

 「ああ、読書感想文に使ってたね……」

 「ぐぐっ」

 「中学校では『読書の時間』なんてあったよね」

 「10分だけ本を読むってやつな。

  あれ本当苦手でさー」

 「私が簡単なの貸してあげてたのに、寝てるんだもん!」

 「わりーわりー。

  咲のおかげでその辺なんとかなったよ」

 「もー」


 それも嫁さん言われるようになった所以なんだからねー。

 まぁ、今は嫁さんですけど。


 「根っからのスポーツ少年だったもんね」

 「そうそう、昔の俺は外で遊ぶのが好きだったの!」

 「今は違うの?」

 「たまに無性に運動したくなるけど、高校あたりから面倒くさくなっちゃったなー」

 「その結果、腹がたるむんだよ。

  運動しなさーい」

 「うげー」


 メタボなんて笑えないんだからね!

 この前はジムでも行かせようと思ったけど、意外と入会費諸々が高かったんだよね。

 息子と一緒に運動させないとダメかなー。
544 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:44:37.56 ID:HMbDlIXtO

 7/9


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
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.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、  「パパ、ママ!」
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\


                     -=
             >  ̄`       `ヽ
           /
          /                   ミ=‐
       _彡  / ./       /           \ ヽ
      >-/  /      /   i            ヽ \
     ///  , /  /  //   i     !         ',.  \
   /ニ∠ニ= イ/ ,/  // / イ     i     i  i ヽ ̄
  /ニ三三イイ/ //  ≠{‐y-/、|   i  i     |  i厂
  /三三三/∠ ィへ| /| .| /∨|{ i //.{ i /-.i_ i.   |  |!\
.../ニニ三三{ニニニi fヽ|/ !/iム_  i! ∨/| .!/|//i } .!  i i. |i‐-`-
イ三三三三{ニニ∧、〈i ≦ニ==ミ、  ∨i __|/ } ハ |  } |! ト!
ヽ三三三三{三Υヽ  ..:.:.:.:..     、!≠==ミ、 }| /! | |
 }、ニ三三三{三i  ト        ,   :.:.:.:.:.:.`/ }/.:| ハ|
 ニヽ三三三{三i‐-{∧   r-          /彡//!       「えがおー!」
  ニニYニ三三寸  i∨ヽ  丶   フ    イ三// i
=ニニニ}ニ三三三\八ム、 \        イ三ニ// /
-=ニニ}三三三寸三\厶\ >   ≦ア. : .:{ニニ///
=ニ三}三三三ニ寸三ニヽ \{、  //. : . :/三/
ニ三三三三三三寸三ニ \ ヽ,/'. : . : . /三〈i
ニ三三三三三三三寸三三\. : . : . :./三/
ニニ三三三三三三三寸>-‐´: . : . :イ彡'
545 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:45:06.81 ID:HMbDlIXtO

 8/9


 「あっ、終わったみたいだね」

 「小さい頃だとアニメの30分が長く感じたよね」

 「大人になるとこんなに短いのかー」

 「……ところでヒロインがミンチになってたのは気のせいだよね?」

 「ほら、クレヨンしんちゃんとかも結構エグいじゃん。

  仕方ない仕方ない」

 「京ちゃんが意外とおおらかでびっくりだよ!」

 「パパー! ママー!」

 「えがお! えがお!」

 「はいはい。

  パパとママは笑顔ですよー」

 「咲、ちゃんと笑えてないじゃん」

 「えー、これじゃダメ?」

         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /    「笑顔ってのはこうやるんだ!」
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{    「ほっぺた引っ張らないでよー!」
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´
546 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/14(日) 21:45:35.99 ID:HMbDlIXtO

 9/9


 ……
 …


 「そんなことがあったんだー」

 「京太郎君はそういうの苦手そうですよね」


 和ちゃんと電話をして世間話。

 ちょっと惚気みたいな内容になっているのは普段の仕返しだよっ! 倍になって帰ってきそうだけど!


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
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  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/      「和ちゃんは好きな漫画とか小説ある?」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \

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ト、 ̄´: ',:.: : : : : : : :/ : :/: : |  !   ;
: :\: : : ヽ: : : : : : /  :./: : :.|  |   /      「……『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』ですが何か?
: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /
: ||: : : :\/\:/  : /: : /!: i|゙  |′        いえ、とっても感情移入できまして他人とは思えませんね。アッハッハ……」
: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |


      / :::::/::::::::::::::::::::.:.::::::::::::::∧:::::.:.:.:|:..:.:.:.|:.:.:::|i::.:.:|
     /   !  / ::::::/:::::::::::::::::|:| |::::::|:::|:::::..:.:i:::::::|:i:.:.:l
.    /............|........|..//.ハ.......:.ハ..:::| | !: : |:: |:::....:...|:::::::|::.:.:|
    /.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
  /:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:|
  //    |/:::V::!|  <ヽヽ:::|  V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i|
        !::::::::|:r-、弋ノ  ヾ   f´:i  ヾ ゙、::::::/) }:ル'
       r‐|::::∧:ト、.\ ,     _ゞ',、  /  i:::/ ' /W
      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、  「(地雷踏んだっ!!)」
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
   |   ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / /     i | ノ

 カン!
547 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/14(日) 21:46:28.65 ID:HMbDlIXtO
 投下終了。リクあればどうぞ


 997
 嫁たちの仲良く京ちゃん自慢

 248
 バレンタインデー(二回目)

 407
 パウチカムイ再び

 488
 京咲で釣り

 537
 照の誕生日
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 21:56:43.29 ID:gnjpTSFtO

白糸台同窓会みたい
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 22:04:47.28 ID:G/qbCMoSO
おつおつ
アカギって何年前から始まったっけしかもお隣にそのモデルが住んでるという
ビィトは主要メンバーの設定年齢が若すぎてハマらなかったなあ

お題は自動車教習所に通う咲照
音声指示のカーナビがあるから大丈夫!のはず…
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 22:06:23.58 ID:ukCxZlFFo
乙です
ユウチャーが京太郎とクロチャーを結婚させようと画策する話とか読みたい
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 22:19:02.35 ID:ihIr2MPwO
乙です。

何だろうなー、冒険王ビィト大好きなんだけど、ポップ的キャラがいないんだよなぁ。
ポアラやキッスはポップとはなんか違うし。
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 22:36:52.20 ID:VSUVsyRco
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 01:05:38.60 ID:idfeW+6lo
乙ですー。
平行世界での咲ちゃんがどう過ごしてるのかみたいな。
すこやんコース一直線なんだろうけど
554 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:23:40.15 ID:EQQyyolLo

 1/8

 【憧れのお姉さんを求めて】(平行世界)


 子供心に深く刻み込まれた憧れを覚えている。

 公園で遊んでいると声をかけてくれたお姉さん。

 年は自分より二つ上と言っていたけれど、もっと離れていると思えるくらい大人びていた。


 「『須賀京太郎』っていい名前だね」

 「そうなの?

  わかんない」

 「細かいことを省くと、須賀って言うのは『清々しい』って意味があるんだ」

 「ふーん」

 「そして、『京太郎』っていうのは……」

 「よくわからない!

  おねーちゃん遊ぼっ!」



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  // ..::::_ /: .::::::::/::::::::::::;:イ::;ィ:::::::::::::::::://::/:::::::::::::::::/:: . : :!
 /;/´ ̄ /: .::::::/:;:-‐/T77i ̄:::; -‐' /::7ナー-、_:::/:::レ::!: |
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     /;:イ::::::::::::::::{ヽ|.'{  b::::::::!      h::::レ:::i>'::::::::/イ:: : !、
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   .!/ !/:::::::::/:::::ヽ i   , , ,   ,     , , , i:::::::/ /:::::: : : iヽヽ
   / /::::::::::/:::::::::::゙、_|              |:|:::/_ノ:::::::::. : : ゙、 \ヽ     「うん」
    /:::::://::::::::::::::;ハ     _  _     !:i:::、::::::、::::::::. : : :i  ヽ!
  ∠./‐' /:::::::::::/   > 、      ̄    /v、::ヽ:::丶:::::::.. : :!
       /::/::::/ _,ノ:::::::::` r 、     ,  イ、/  ' !::::/\::::.、: :!
     /::/;/  `ヽ、__;ィ:|:ー-`〒´-‐:':´::|    レ'  ヽ;ハノ
    //        _,..-'´:|::::::::::::||:::::::::::::::::!丶,、
        _,... -―'::´:::| :::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::::::|:`ー-、
555 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:24:09.36 ID:EQQyyolLo

 2/8


 「おねーちゃん!

  こっちこっち!」

 「今行くよ」


 深い考えなんかないし何かをやりたかったわけじゃない。

 とにかくお姉ちゃんに構って欲しくて、いろいろなことをした。

 ボールで遊んだり、公園のブランコから飛び降りたり。

 ブランコから靴を飛ばして遊んで、やりすぎて怒られたこともある。

 その時の自分はお姉ちゃんの関心が自分に向いていると言うだけで嬉しかった。


 だから、気恥ずかしくて続きを促さなかった言葉もよく覚えている。


 「清々しいって何?」

 「あっ、覚えてたんだね」

 「べ、別に……」

 「君の隣にいると『とても落ち着く』ってことだよ」

 「じゃ、じゃあさ。

  僕の隣にいるとお姉ちゃんも落ち着くの?」


 胸をドキドキさせながら聞いてみる。

 お姉ちゃんは悪戯を成功させたように笑った。


 「どうかな。いつもワンパクだからドキドキハラハラ」

 「うっ」


 泣きそうになる。


 「でもね」


 一拍置いて、満面の笑みを浮かべた。


 「とっても落ち着くよ」


 そのあとの一言が、小さい頃の自分に突き刺さった。
556 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:24:38.65 ID:EQQyyolLo

 3/8


 ……
 …

 「照さん、歯を磨きましたか。

  というかなんでうちに歯ブラシがあるんですか」

 「京ちゃん磨いて……」

 「それくらい自分でやってください。っていうか口の中は危ないですよ」

 「……zzz」

 「寝ないでくださいっ!」

 「京ちゃんの隣にいると落ち着く……zzz」

 「あーもー……」


 『落ち着く』という単語にドキリと反応する。

 中学高校と、友達によく言われた気がする。

 優希や和に言われたのは嬉しかった。

 高久田たちの男グループにすら言われたのはちょっと危険な匂いを感じた。

 ……中学時代の咲もそう言って、ずっと俺のそばから離れなかったな。


 「講義に遅れますよ」

 「大丈夫。単位はたくさんとってあるから、三年生からは少なくしている」

 「えっ」


 照さんがちゃんと講義に出ていただと……!?

 こんなポケーっとした小動物で、すぐに誰かに食べられちゃいそうで、突拍子も無いことを言い出す照さんが……。

 その時にお世話していたのは誰なんだろう。

 ……いや、一人で生活なんてしていないよなあ。

 でも、かれこれ数ヶ月。この人の知り合いだっていう人に会ったこと無いし。
557 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:25:08.45 ID:EQQyyolLo

 4/8


 「じゃあなんでうちにいるんですか」

 「京ちゃんがサボらないようにって」

 「さ、サボりませんよ!」


 ドキリ、と胸が鳴る。

 照さんに言われたく無い、と思ったのが一つ。

 一人暮らしを始めてから堕落してきたので、少し怪しかったのが一つだ。

 咲がいなくなってお世話をする人がいなくなって、気が抜けていたのかもしれない。

 その代わり、この人と出会ってからはそんな暇もなく、健全な大学生活をしているわけだけど。


 「じーっ」

 「何してるんですか」

 「京ちゃんを見てる」

 「なんですか。

  言われなくてもサボりませんよ」

 「京ちゃん成分を補給しているだけ」

 「はぁ……」


 ちょっと感心したかと思えば、すぐにこんなことを言い出すんだ。

 ……何? 年上のお姉さんに付きまとわれて面倒臭がるなんてバチが当たるって?

 よーっし、お前ら、よく考えてみろ。
558 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:25:37.64 ID:EQQyyolLo

 5/8


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′  ←コレ
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |   「京ちゃん、お菓子」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「(これに女としての感情を持てと言うのか)」
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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559 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:26:06.39 ID:EQQyyolLo

 6/8


 妹や娘ならまだいい、雛鳥の世話をしている気分だ。

 うん、俺の中ではカピーと同じ位置だ。

 まっ、カピーは大好きだけどね!

 正直、出会いの時からなんで照さんが俺のことを気に入っているのかわからない。本当にわからない。

 というかこの人は何者なのかすらわからない。

 名前を聞いても『須賀照』としか言わないし、とりあえず照さんと呼んだらすごく喜んだからそのまま呼び続けている。

 どこのサークルに所属しているのか、どこに住んでいるのか、どこの学科なのかなのを聞いても誤魔化してくる。

 本人はうまく誤魔化しているつもりだろうが―――


       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
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.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|     「ま、まーまーまー」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 ―――これを誤魔化していると言っていいものか。

 多分、無理やり聞き出せばいくらでもわかるんだろうけれど、それを出来ないのが俺らしい。



           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/       「はぁ、あの時のお姉さんを捜しに行きたいんだけどな」
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
    //////////////∧、__「//////////////// \
   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
   |//|/////////////V/\ //////////////////'//|
560 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:26:35.56 ID:EQQyyolLo

 7/8


 ……
 …

 ・入学式


                . . .-‐…‐-. . .
                 ... ´. . . . . . . . . . . . . \
           /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
            /. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
         /. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
            ′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
          ′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
.         /: |l: : : |l ∨__|{  }: : / レ'  }| }: : i: : : :i
       /: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
        // _ }ト: : :ハ 弋 ソ     :::::: 厶イ: |: . . |
      /^  / }|l: ≧ゝ} ::::::  ′__    /-' i: :|: . . |
.      ' .i / / }: : ::::::人    f  ノ ./:::::: i: :|: : i |    「こちらのサークルの新入部員募集してます!」
.      i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。..   < i::::::::/::/: :/: |
    ノir―-ミ  |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
   f入 `ー  〉 /'  V_ゝ/.〈 ]  /  i`/イ、_
   辷ーく  /   /   /  rヘ/__rヘ_/   |    ヽ
   { ̄`  入    i   /  | /:::| / .       /  ハ
.   Y   i 圦   |.  `> 1 /::::|l ∧ _彡  /
    ハ.  // ‘, 」:::/ /  |/::::::|l/ \    /     |
.   /八_//   ‘ {:::;′〈 .   |ト、/    〉__ i  \/
   《`ーイ:::   V:::{   ‘,   |i i/    /  | |    〉
   ヽ:::::::::::::..  L::i ..........ゝ. У_彡 .........| |   ./
      マ:::::::::::.   八:::::::::::::\く  L:::::::::::::| ′  {
     `マ::::::::.   :∧::::::::::  ヽ} ::::::::::::::::::::/   .j
       マ:::::::  }i :::i    Oj   :::::::::::    /



 その時は結構遠くから見たからうろ覚えだけれども、すごく元気な声と笑顔に見惚れてしまった。

 確かこの記憶よりもうちょっと髪の毛が長かった気がする。腰くらいまではあったような……。

 それでもこの知的な雰囲気とお姉さんオーラにやられてしまった。

 軽く見た限りでは、一人一人にチラシを渡してニッコリ笑っていたようだ。

 彼女の周りにはものすごい人だかり、それでも彼女が歩くときにはモーセの十戒のように人が切り開かれた覚えがある。

 その後、知り合いになった友人たちも美人だったと言っていた。

 どこか初恋の人を思わせる面影。

 話したことも、ちゃんと見たこともない人に一目惚れしてしまった。


 つい最近に失恋して、心を埋めたかったのかもしれない。


 まぁこの瞬間まで引きずっていたせいで、チラシをもらいに行って間近で見ることすら出来なかったんだけれども!

 俺のヘタレ!!

 あっ、だめだヘタレって言うと咲のこと思い出して胸が痛むわ。
561 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:27:04.96 ID:EQQyyolLo

 8/8


 ……
 …

 「じゃあ照さん、俺は講義行ってくるんで」

 「うん、私も一旦家に帰る」

 「あれ、なんかもう居座る気かと思ってましたよ」

 「そ、それはちょっと恥ずかしい……」

 「俺には照さんの感覚がよくわかりません。

  とりあえずお菓子ちらつかされて知らない人についてっちゃダメですよ。

  家に着いたら連絡してくださいよ」

 「京ちゃんは失礼。子供じゃないよ」

 「この買い置きのチョコ、朝来てくれたお礼にでもあげようと思ってたんですけど……」

 「あう。

  わ、わかった」

 「はい、どうぞ」


           . :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` 、
         . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
        ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
.       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :′
.        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ′
.       ∧: : :.i.: : : : : | : : : : i|: : : : : : : : :.:|: : : 、 : : : : : : : i
     /_\ |: : :.|: : | : : : : i|: : : : : : : : :.:|: :| :ハ: l : : |i : |
    ./: : :,イ: :'|: : :.|: :_|_: : : : il: : : : : :ト、: :.:| }/_, ∨: : :|i : |
   /: :/' |: :l|: : :.|_l: |__ x、八.: : : : :| \} '",,_ i´) : :|i : |
  .//   |: 八: : | 乂_弋ツ>\: : :|<弋ツ.ノ .:::∧: リ.: :|
  ′    |: : : \|:ハ::::::: ̄:::::::::::: \{:::::::: ̄´:::::::/: ::∨: : |
        |l: : : : : : λ       ,        ハ: : : : : : :|     「ありがとう、京ちゃん」ニコォ……
        i|: : : : : : :込、   __   __,.   ,イ: ! : : :、 : :|
       __|: : : : : : : : :|__,.    ー‐ ´  ./|:|: : : : : ハ: :|
-‐= '      |: : :.l| : : : : | .::/>       . イ.>|: : |: : :/ ‐ :|
          |l : :八: : : : |.:::′          /:::::|: /|: :/_   '}
        八:/  \: : |:::|-- 、     --/ .:::::|:/ |:/
               \|:::ト-========イ    }' .ノ'

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /      「(照さんの笑い顔、こえーよ……)」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >

 カン!
562 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/15(月) 17:27:34.21 ID:EQQyyolLo
てるてる編。投下終了
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 17:28:57.50 ID:09CGUTIFo
乙てるかわ、 しかしどうしてこうなった
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 17:54:12.46 ID:FDZa1FUEo
早く気づけww
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 20:41:50.72 ID:9mQW+L1do
こ、この笑顔はスケベしようや顔じゃないか(違)
乙です
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 20:43:02.33 ID:dDzLmS+ho
>>565
お前のせいで思い出したわ
ありがとう
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 21:09:57.22 ID:+7eIHBCPO
乙です

てるかわ!

のどっち時空で、久・まこ・優希・咲に結婚することになったことを伝えに行く京和とか見てみたいです
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 21:22:30.58 ID:GHqmq/mDO
乙です。

リクエストで、優希時空が見たいです。
あと平行世界で例の三人組に特効してフルボッコにされて落ち込んでるあわあわを慰める京太郎とか。
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 21:49:49.50 ID:GHqmq/mDO
あ、あともう一つすこやんにボロボロにされるけど家族の声援で一矢報いるテルテルも追加で。
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 22:12:51.85 ID:Krh5Y26Zo
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/16(火) 07:11:34.35 ID:GXzjLv7Jo
てるかわ
572 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:56:31.60 ID:88ZR4d2Zo

 1/7

 【専属マネージャー】(平行世界)



 きんにくー、きんにくー。

 どうやればすごくなれるのか検索ー!


 「ふむふむ」


 インターネットを見ながらウンウン唸る。

 キョータローのマネージャーもどきのことをしながら色々と調べ物をしているんだ。


 「運動の仕方にも色々とあるんだね」


 麻雀にも様々な定石があるように、筋肉を鍛えるのにもやり方があるらしい。


 「ねぇねぇキョータロー。

  ゆーさんそうんどうってなに?」

 「有酸素運動な。

  継続的に負荷をかけること。

  簡単に言えばランニングとか」

 「無酸素運動もあるの?」

 「そっちは筋肉を鍛えるような奴。

  一時的に負荷をかける運動かな」

 「へー、キョータローってそういうの知ってるんだ」

 「高校までは根性論を押し付けてくる教師が多かったけど、大学はそういうとこ理論的でなァ」


 ふーん……。
573 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:57:01.13 ID:88ZR4d2Zo

 2/7


 「キョータローはぶつかり合いに弱いよね」

 「まァ他の人に比べれば体力もある方じゃないんだが」

 「じゃあ全部ダメダメじゃん!」

 「うぐっ」

 「今日はあわいちゃんが見張っているから、一緒に軽く運動しよっか!」

 「一緒にって、淡は運動できないだろ」


                       ´              \__
                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三  「ムー!!」
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐〜‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
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                                               \     \


 「もしかして、構って欲しいのか?」

 「あわ」

 「なんだ、そうならそうすりゃいいのに」


 くすくす笑うキョータロー。

 もう! カノジョのあわいちゃんにそんなこと言うんだ!


 「ちょっとそこで寝そべってよ」

 「?」

 「うりゃ!」


 うつ伏せになったキョータローに思いっきりのしかかる。

 どーだ! まいったか!
574 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:57:30.29 ID:88ZR4d2Zo

 3/7


 「まいったかー!」

 「淡はホント軽いのな」

 「女の子に重いなんて言ったら減点だよ!」


 キョータローに思いっきり乗っかってみる。

 勢いをつけてダイブしたはずなのに、全く動じない。


 「このっ、このっ」

 「おー、おー。

  軽い軽い」

 「じゃーこのまま腕立て伏せとかしてみてよ!」

 「それくらいヨユーだって。

  でもいいのか?

  大体の負荷、わかっちゃうよ」

 「へ?」

 「淡の体重」


 ババッと勢い良く離れる。

 ひどい!


 「減点だよ!」

 「教えてあげたのに減点なの?」

 「もーちょっと乙女心を理解しないとダメかな!」

 「へいへい。あわいさまーお許しをー」

 「うむ」


 仕方ないなー。許しちゃおー!
575 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:57:59.98 ID:88ZR4d2Zo

 4/7


 「じゃー、足押さえてあげるから腹筋しなよ!」

 「えー、ここじゃ負荷かけられないし」

 「さっきからフカって何?」


 あわいちゃん的には腹筋なんて体育の時間でやる腹筋くらいしかわからないんだ。

 あれなら誰でもできると思うんだけどなー。


 「小中学校の腹筋とか思い浮かべてるっしょ」

 「うん」

 「ちゃんと鍛える時には、回数より重りなんかで筋肉に負荷をかけなきゃ意味ないんだ。

  もちろん、回数を増やせば持久力は増えるけど、パワーは増えない」

 「つまり?」

 「ダンベルみたいなものがないと筋肉を鍛えにくいの」

 「ふーん……」


 だからキョータローは試合だけじゃなくて筋トレも頑張ってるんだ……。

 いつもみんなが試合している横で体作りしている理由がわかったよ。


 「つまらなくない?」

 「慣れればそこそこかな。

  ハンドやってる方が楽しいけど」

 「そーだよね!

  私も牌譜見てるより麻雀打ってる方が楽しいもん!」


 私としても筋トレしてるキョータローより思いっきりハンドボールをやっているキョータローの方が見ていて好きだもん。

 だって、楽しそうだからね。えへへ。
576 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:58:29.39 ID:88ZR4d2Zo

 5/7


 「でも、実践に勝る経験はないよ!」

 「その通りなんだけど、今の俺じゃ試合以前の問題だからさ。

  来年、再来年のことも考えて今は体作りに専念だ。

  今思いっきりやってる人たちだって、今までの積み重ねがあるから楽しめてるんだしね」


 ムー、彼女が彼氏の格好いいとこ見たいってだけなのにー!


 「だから、その、ちょっと待ってくれ」

 「あわ?」

 「必ず淡に相応しい男になるから、もーちょっとだけ待ってくれ」


 キョータローは照れてこちらを見ない。

 ……いきなり何言い出すのさ。

 そんなこと考えなくていいのに。キョータローは今のままでもいいのに。

 もしそんなことを考えるような奴がいるならぶっ飛ばしちゃうもん!


 でも


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′   「(嬉しいなっ!)」
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕
577 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:58:58.59 ID:88ZR4d2Zo

 6/7


 ……
 …

 私もキョータローのために何かしてあげたいな。

 麻雀を頑張るのは前提だよ!

 今までは疎かにしちゃってたけれど、ちゃんと麻雀部に頭を下げて、思いっきり打たせてもらっている。

 同時に、ちょっと抜け出しちゃったりもするけど、許してー!


 「男の子の意地、か」


 よく言われる、男の子が女の子に負けたくないって意地っ張りなところ、あれがそうなんだろう。

 前までは麻雀でしか物事を考えられなかった。

 だから、男は弱い。そうとしか思えなかった。

 でも今は……。


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Y ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .  「キョータロー、かわいい!」
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .


 これがボセイホンノーってやつなのかな。

 見守ってあげたくなる。

 支えてあげたくなる。

 キョータローと出会ってから新鮮な気持ちだらけだ。

 心がふわふわ踊っている。
578 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:59:27.92 ID:88ZR4d2Zo

 7/7


 「そうだ!」


 いいこと思いついた!

 やっぱりこうやって女の子らしく支えてあげれば、キョータローは喜んでくれるよね!

 そうとなれば、やることは一つ。


 「おべんとーを作ろう!」


 キョータローに食べてもらうためにお弁当を作って、持っていく。

 ふふふー、そんな経験ないだろうから喜んじゃうよねー!

 でも私、料理したことない……。


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|   「まっ、なんとかなるでしょ!」
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


 インターネットで調べてー、料理の本なんか見ちゃってー。

 ふふふー、こういうのがコイビトっぽい感じだよねー。

 よーし、キョータロー! 待っててねー!


 カン!
579 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/16(火) 17:59:56.48 ID:88ZR4d2Zo
投下終了
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/16(火) 18:41:56.20 ID:WWsPxv1+0
あわいいなぁ
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/16(火) 20:11:49.63 ID:Np1JyS6So
あわあわかわいい
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/16(火) 23:26:44.62 ID:Q7jqB9IWo
このふたりの組み合わせ大好きですわ
京咲に勝るとも劣らない
583 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:25:51.92 ID:mQ5h+YhDo

 1/10

 248
 バレンタインデー(二回目)


 宮永咲です。

 京ちゃんと恋人になってから早半年以上。

 気づけばバレンタインデーなんてイベントが近づいてきています。

 京ちゃんは誰でも見てわかるくらいソワソワしてる。

 授業中もこっちをチラチラ、一緒にると上の空、下校の時なんてチラチラコンビニを覗いている。

 それ、アピールのつもりなのー?


 「咲ー!」

 「なぁに、京ちゃん」

 「いやぁ、もう2月だなァ……って」

 「そだね。進級だね」

 「2月はイベントが多くて困っちゃうなー」

 「えー、京ちゃんの誕生日は済ませたでしょー」

 「お、おう」


 目に見えてしょんぼりする京ちゃん。

         ,. : : :  ̄ ̄: : : : .
       ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
     / : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
     .': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
     ' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
    /: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
   ': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \  イ_)斧ミ|/: ,.: :|
  {:イ/ ': : Vl { Vzソ      Vzソ / : イ : |
    l' |: ,: {`\ `¨´  '  `¨´〈:イ )}: : ,
     |∧乂ム  ''''        '''' ムイ|: /   「ほんとにもー」
     '  }:∧个 r 、_- -   イ : /|/
       '  ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
          _,..{   ' ' ノ {-く
     r<........../\___}__,/........> 、
     「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
    /⌒ `ー{  \__/,イ......../イ´  ∧
     {    /     V--:.:.´:/ V / |
    |   ,:      /==r- '   V  |
    | /        /__ノ      }
    | ´        //:.,.:.}     ,   {
    V        / ,:.:.:|:.:|      {   |
      {       イ  {:.:. |:.:|      |   |
     \_,/   |:.:.:.|:.:|      |   |
        |      ∨:j:./     |   |
584 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:26:21.66 ID:mQ5h+YhDo

 2/10


 確かに、もう直ぐ特別な日だ。

 恋人になって初めてのバレンタインデー。

 今までだってチョコはあげてたけれど、ちょっと意味合いが違ってくる。


 特別な恋人にあげるバレンタインチョコって、どうすればいいんだろう。


 今までと違うチョコじゃないと京ちゃんはしょんぼりしちゃうのかな。

 中学生時代からあげているけれど、何か違うのを求められていたらどうしよう。


 ほんとにもー!

 男の子は貰うだけで終わりだからいいけれど、女の子は色々と大変なの!


 そもそも、バレンタインって数少ない女の子から告白できる日だと思うんだ!

 恋人になっても毎年毎年特別なものをあげるって大変なんだからね!


 でも、チョコあげたら京ちゃん喜ぶんだろうなぁ……。


     /: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
    /: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
 _,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
 `   ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
       ': : : : : : : /|/  |: : : |: : : : : : l: : : |、: :|: :`ヽ、: : : : : : :.|: : : : : : :|
     /:,: : : : :,: / {  {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :|
     ': |: : : :/: |       {从: : : : :'  \{    \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/    「がんばろっ!」
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
             /|.||...................../ ̄| ̄´   7......`.. ̄ ̄≧=-、
          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}
585 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:26:51.62 ID:mQ5h+YhDo

 3/10


 ……
 …

 手作りって言ったって、高校生の私たちに出来る事は限られています。

 チョコを買って湯煎にかけて溶かして、もう一度固めて飾り付け。

 そんなに難しい作業じゃないけれど、好きな人には少しでも良いものを食べてもらいたい。

 女の子にとっての聖戦なんだよ!


 「咲ー、この辺にあるチョコ食っていーか?」

 「お父さん用のはこっち」

 「お、おお。

  俺用のもあるのか!」
 
 「うん。形崩れちゃったやつ」

 「ですよねー」


 おとーさんを適当にあしらいつつ、京ちゃんへのチョコレートに飾り付けをする。

 今時の女の子みたいに煌びやかで、可愛いやつ。

 あれで女の子っぽい感性もあるから、可愛い装飾とか好きなんだよね。

 でもこの飾り付けが曲者なんだ。

 せっかくチョコが良くできても、飾り付けがうまくいかなかったら台無しだ。

 京ちゃんならそんなの気にはしないだろうけど、私は気にする。

 だから、ちょっとでも良く出来るように頑張った。


 その結果は、どうだろう?
586 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:27:21.09 ID:mQ5h+YhDo

 4/10


 ……
 …

 ちなみに京ちゃんは良くモテる。

 中学校時代からチョコに困ったことはないはずだ。

 それでもなぜか誰かと付き合うってことはなかった。

 みんな京ちゃんに『義理だから安心してねー』なんて言って、こっちにウインクしてきたし。

 京ちゃんの後輩が渡そうと思って渡せなかったのを見たことだってある。


 「そんなにモテモテなら私からのチョコなんていらないんじゃないかな!」

 「いやー、それ咲ちゃんがいたからいけないんだじょ」

 「えっ?」

 「どう見ても彼女付きの男にチョコを渡せるやつなんていませんよ。爆発しろ」

 「か、彼女違います。その時は……」

 「あっ、これ咲ちゃん用の友チョコ」

 「どう見てもタコスじゃないかな!?」

 「さすがにチョコにしようかなーなんて思ったけれど、ここは自分のキャラ付けを強める方向にしたじぇ!」

 「キャラ付けって……」

 「キャラ付け……アリですね。

  咲さん咲さん。私がプレゼントです。はぁと」

 「やる気ないし無理矢理すぎない!?

  自分で記号まで言わないでよ!」

 「ヤる気があればヤっていいんですか!?

  わかりました服を脱いでください!」

 「どうしてそうなるの!?」


 もー、和ちゃんが地球外生命体になっちゃってるよー。

 なんでこーなったのかなー……。
587 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:27:50.31 ID:mQ5h+YhDo

 5/10


 「ちなみに私たちは京太郎にチョコをあげてもいいのかー?」

 「咲さんの許可が出たらあげようと思って持ってきたんですが」

 「うん。大丈夫だよ」

 「わかりました」

 「なんで服を脱いでいるのかな!?」

 「チョコとは言ってません」

 「ダメダメダメー!!」

 「のどちゃんドン引きだじぇ」

 「まぁ、それはそれとしてちゃんとチョコを渡しますよ」

 「あっ、包装とかしっかりしてる……」

 「こんな残念な頭をしておいて、料理が上手いのは卑怯だじょ……」

 「ふふーん。お嫁さん志望ですからっ!」


 ぐぬぬ……、私の本命チョコに見劣りしない出来だよ。

 和ちゃんは勉強できるし、麻雀強いし、スタイル良いし、料理も出来るなんて反則だよっ。


 「少しはこの胸とか分けてよ!」

 「触りますか!? 触りますか!?」

 「あっ、いいです……」

 「なんでですか!!!!!!」


 察しろよ。
588 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:28:19.73 ID:mQ5h+YhDo

 6/10


 ……
 …

 そんなこんなで放課後になっちゃいました。

 今日は麻雀部もないし、和ちゃんと優希ちゃんはサクッとチョコを渡して帰っちゃった。


 『あとは二人でおたのしみ、だじぇ』

 『私も入って3Pしても良いですよ』

 『はいはいのどちゃんはこっちなー』


 う、ううっ。なんでハードル上げるのかな!


 「咲ー、帰るぞー」

 「ちょ、ちょっと待って!」


 急いでカバンを持ち上げて、中のチョコレートに気づいて大事に扱って、一緒に外に出る。

 その間、京ちゃんはずっとニヤニヤソワソワしていた。

 ぐぬぬ……、貰えると確信してる顔だこれ!

 そりゃまぁ確かにずっと上げてきたけどさ!

 それにそんなに嬉しそうにされたら私も嬉しいんだけれども。

 でも、やっぱりハードル上がりすぎだよぉ!
589 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:28:48.40 ID:mQ5h+YhDo

 7/10


 ……
 …

.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
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          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「お、おおおお!!」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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590 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:29:17.47 ID:mQ5h+YhDo

 8/10


 結局渡せたのはそれから少し経ってから。

 このままだといつまで経っても渡せないから少し頑張ったよ。


 京ちゃんが! かわいそうだから! 仕方なく! 渡したの!!


 「やっべー超嬉しい!」

 「も、もー、大袈裟なんだから」

 「大袈裟なもんか!

  うぇっへっへ」

 「どうせ他の人からも貰ってるでしょ」

 「いや、今年は麻雀部のみんな以外だと咲だけだ」

 「へー、モテなくなっちゃったんだね」

 「そりゃ断ってたし」


 へ?


 「あっ、嘘。なんでもない!」

 「……へー、そうなんだー。へー」

 「嘘だってば!」

 「はいはーい。嘘ですねー」

 「ぐぬぬ……」

 「えっへっへー!」

 「だってさー。嬉しいだろ……。

  本命チョコなんて貰ったの初めてだし……」


 は?

 ちょっと、京ちゃん?
591 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:29:53.66 ID:mQ5h+YhDo

 9/10


            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉    「今までだって本命だったんですけど!!」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ      「」
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
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592 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/17(水) 20:30:22.74 ID:mQ5h+YhDo

 10/10


 「あっ、ちが、何でも……」

 「そ、それ本当?」

 「う、ううっ」

 「えっ、今までって中学の頃から?」

 「うるさいうるさーい!

  ハイおしまい、おしまい!」

 「俺が告白する前から?」

 「聞こえない聞こえない!」

 「咲ー!」

 「ぅひ!」


 後ろから抱きしめられた!?

 あすなろ抱きだこれ!?

 や、やだっ。ドキドキする。


 「俺、やっぱり咲のこと好きだ」

 「う、ううっ」

 「待たせてごめんな」

 「ほんとだよっ」

 「いい匂いする……」

 「変態!

  ほら、もう私の家に着いたよ!」

 「あっ、そうか……」


 目に見えてしゅんとする京ちゃん。

 ……もー。


 「今日、お父さんいないから」

 「!?」

 「う、うちでチョコ食べてっていいよ?」


 カン!
593 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/17(水) 20:30:51.81 ID:mQ5h+YhDo
投下終了
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/17(水) 20:32:28.22 ID:qg4uRm49O
チョコと一緒に私も食べてってかやかましいわちくしょう!
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/17(水) 20:46:10.11 ID:NfObhXCSO
おつ!
ニヤニヤが止まらん

>>594
わはうす
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/17(水) 21:02:55.22 ID:I0CIdlUMo
あわいすぎ、バレンタインもすばらすぎ
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/17(水) 22:59:18.66 ID:w0xU0XdZo

界さん追い出されたかな
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 01:42:22.30 ID:zjyj6mOro
乙乙
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 08:55:32.31 ID:sVxo8mxP0
>「今までだって本命だったんですけど!!」

くっそかわいい、これは死ぬわ
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 09:46:56.23 ID:klkOudh1o
>>578
あわいいいいいいいいいいい

>>592
や京咲NO1!
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 12:45:36.83 ID:beZSmcWg0
乙です

や京咲NO1!!

そして照さん、誕生日おめでとうございます!
602 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 17:58:46.38 ID:WLRpV/9ro

 1/10

 537
 照の誕生日
 569
 てるてるの挫折


 「ふぅ……」


 今日の対局は大変だった。

 現役最強の小鍛冶健夜プロ、その他にも名を馳せた雀士との一局。

 こうして戦うことは珍しいことではないが、今日は特に調子が悪かった。

 調子が悪いといえば相手に失礼かもしれないが、実際は全く振るわず、追い込まれるだけ追い込まれて終わり。

 長いプロ生活をしていればこういうこともある。

 こんな経験は一回や二回ではないから負けたこと自体はそこまで気にしていない。

 たった一局の勝ち負けどうこうで浮き沈みしていたら心が持たないから。

 ただ、今日はちょっと問題がある。


 「京ちゃん……」


 そう、今日は私の誕生日なのだ。

 だからこそ、家族に大言を吐いて来てしまった。


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.  /:::::::/.i::i::::::i::::::::::i:::::::i::::i:::i:::i::::::::i:::::::::::::::::::::::::::i::::::i:::::i::::::i    「(´・ω・`)ショボーン」
 /:::/  |::i:::::i:::::::::i:i::::::i:i::i:::i::::i::::::::l:::::::::::::::::::::::::::l:::::i::::::l:::::i
.//    ヾi:::::i:::::::i:i:i:::::i:i:::i::|:::::i::::::::i'::::::i::::::::::::::::::′i:::::/:::::i
.´     少:::::::',:::::l:i::i:::::i:゙、ト:|::::ヘ:::::::i:'::::|:゙::::::::::::/i::/i::/::::::::i\
    /  |::::::::::、:ハ ヾ:i  、.i   ヘ::::i::',::i ゙、:::::/ iノ. i/::::i:::::i  \
  /   |::::::::::ハ ヾ ゞ.    ,丶i ゙:j  ヘ/ / 厶::::ハ:::i    丶
 ∧ヾ   |:::::::/    ヽ.、   ._ ヾ.,    イ   /::/i::::′      ゝ_
../ ∧ヽ.  |::::/.      i > _  ̄ . r  ./.  // i:/         /.:/i_
.i  ∧ヽ  |:/       丶    ̄    /  /  レ         /.:// ヽ
603 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 17:59:15.79 ID:WLRpV/9ro

 2/10


 ……
 …

 「今日はお姉ちゃんの誕生日だよね」

 「うん。そうだよ」

 「今年で28歳だっけ」

 「えっ、今まで28歳……」

 「じゃあこれから28歳だね」

 「う、うん……」


 (´・ω・`)?


 「今日はみんなで誕生日プレゼントを用意しておくよ!」

 「うん」

 「照さん、頑張ってくださいね」

 「京ちゃん、お菓子待ってる」

 「はい。会社の帰りにでも買ってきますよ」

 「あっ、でも無理そうなら……」

 「なーに言ってるんですか!

  いつもの照さんらしく欲しい欲しいって言っておけばいいんですよ」

 「てるー! がんばれー!」

 「ほらっ、子供達も言ってますし」

 「うん。勝ったら京ちゃんに頭撫でてもらう」

 「いっ?」

 「仕方ないなー、いいよー」

 「咲まで!?」


      /              \
      / .::::::::..::::::::. ::::::::::::.. ::::::::...  ヽ
.   / / .::::::::::::::::::::::::. :::::::::::::.::::::::::::. :. i
   / /;.:::::::::::;ィi::i:::i  i:.|:::   |::. ::::::..::  |
.  / i |  :.:ハ!_|.|.:|:::::i::|:::::::::::::::::::::::::::::. |
 / ..|.:|::!:::::'|´|_И:!::::i::|::::::::::::|::::::::::::::::: |
./ .:/!:{:ハ:::i:f"|:ヽ|:::::::i::|-、::::::|:::::::::::::::::::.|
i/   |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |
     |:::ノ   "" j/  /::::::|:::::::::::::::: :: |    「がんばる」
    |::::.、        '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
    |::::ハ`       !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
    |/   ヽ.__,..::、  /::::/:::/:::::::/:/!: /
           V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
          ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
     ,...-‐'"            `ー- 、
   r=、´                   `ir、
  /\ヽ、                     ||.ト、
 ハ   | |:|                    ||.| |
. i ゙、  | |:|                   ||.|/!
|  ゙、 !.i:i                   ||.||
604 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 17:59:44.75 ID:WLRpV/9ro

 3/10


 ……
 …

 「今日は負けたくなかった、かな」


 勝敗にドライなところを持つのも重要だけれども、今日は素直に飲み込めそうにない。

 出来ることならば勝って自信満々に帰って、ドヤ顔なんてして咲と京ちゃんを困らせる。

 無理を言って咲を怒らせて、なんだかんだで収まるのがいつものパターン。

 それが私なのに、こんな風に沈んでいたら台無しだ。

 変に心配をかけさせたくないから、帰るまでにはポーカーフェイスに戻らないといけない。


 「あ、いたいた。お姉ちゃん!」

 「!?」


 そう思って会場を後にすると、咲が出迎えてくれた。


 「たまには駅まで迎えに来たよっ」

 「咲一人で来るなんて、危ない……」

 「駅までくらいは来れるもん!

  た、たまに迷子になっちゃうけど……」

 「もう……、こんな時間に外出するなんて危ない」

 「お姉ちゃんだって同じだよっ!

  いつもはマネージャーさんとかに送ってもらっているのに、なんで今日は一人なの!」


 うぐっ、と唸る。

 私にだってそんな気分になるときはある。


 「ほらっ、帰ろ」

 「うん……」


 でも、咲が来てくれて嬉しい。


 「咲、道はどっち?」

 「え、えっと、うーんと」


 ……前途多難。
605 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:00:13.52 ID:WLRpV/9ro

 4/10


 ……
 …


           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `   「なーんで駅から帰るのに迷うのかなー」
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
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      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
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   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
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        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !   「うぐぐっ」
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
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   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|     「ムムム……」
人_    u              j.: .:|
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧
606 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:00:42.67 ID:WLRpV/9ro

 5/10


 少し考えた結果、変に迷うより京ちゃんが帰ってくるのを待つことにした。

 ちょうど30分くらい後に帰ってくるとのことだったから良かった。

 うん、変に帰ろうとして迷わなかった。京ちゃん褒めて。


 「京ちゃんの運転好きだよ」

 「私だって好きだもん!」

 「へいへい。

  お姫様達、家に帰りますよー」

 「「はーい」」


 そんな風に仲良く声を重ねて。

 運転している最中は咲が助手席にいるからちょっと距離が離れて寂しかったり。


 「ケーキとか買ってあるのか?」

 「ふふーん。

  今日は私が作ってみました!」

 「おっ、そりゃ楽しみだ」

 「お姉ちゃん、食べ過ぎちゃ駄目だからね!」

 「私の誕生日なんだから私に多く食べる権利があるはず」

 「それはそれ!

  みんなの分なの! お父さんの分は食べていいから!」

 「界さんェ……」

 「仕方ない、それで手を打つ」

 「いいんですか!?」


 ああ、落ち着くなぁ。
607 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:01:11.79 ID:WLRpV/9ro

 6/10


 ……
 …

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i    「てるー!」
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
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ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
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: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\
608 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:01:41.33 ID:WLRpV/9ro

 7/10


 いつもは京ちゃんに飛びついてくる娘まで私に飛びついてくる。

 私は支えきれず、倒れそうになるけれども京ちゃんががっしり支えてくれる。

 役得。

 それにしても、どうしたのかな?


 「おめでとー!」

 「これっ!」


 何かを渡されたと思えば、それはお菓子袋。

 子供達が少しずつ食べていたものだ。

 さすがにこれは受け取れない……。

 そうだ!


 「うん、一緒に食べようね」

 「「やったー!」」


 これで解決。

 私だって小さな子供からお菓子を取るほど悪い人じゃないもん。


 「お姉ちゃんって、本当子供受けがいいよね」

 「好き勝手にする妹がいたからね」

 「ぐぬぬ……」

 「はいはい。

  照さん、お先にお風呂どうぞ」

 「一緒に入ろ?」

 「ダメ!」

 「ははは……」


 むぅ、冗談じゃないのに。

 さっきまで疲れていた体が癒されていくのを感じる。
609 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:02:10.33 ID:WLRpV/9ro

 8/10


 みんなお風呂に入って、ケーキを食べて、リビングでゆっくり。

 ソファーに座ってボーッとしていたら、咲が京ちゃんを引っ張ってきた。

 どうしたんだろう?


 「咲、なんだなんだ」

 「いいから京ちゃんはここに座る!

  抵抗しないの!」

 「抵抗してないんだけど。

  咲、力弱すぎ……」

 「うるさーい!」


 なにやら騒がしく京ちゃんを私の横に座らせる。

 咲、なにを考えているんだろう?


 「ほら、お姉ちゃん!」

 「(´・ω・`)?」

 「うりゃー!」

 「(´・ω・`;)!?」

 「うおっ!?」


 いきなり咲がのしかかってきたと思ったら、京ちゃんの方に体が倒れていく。

 二人で京ちゃんの膝の上に頭を乗せる形になる。


 「咲、なにしてんだ……」

 「うちの旦那の膝枕はどーですか!」

 「うん、なかなかいい」

 「これでいいんですか!?」


 気づけば咲は私の体の上からどいて京ちゃんの横に座っている。

 私一人で京ちゃんの膝に乗せてもらっている形だ。
610 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:02:38.92 ID:WLRpV/9ro

 9/10


 「硬くて高い」

 「ね。

  膝枕とか腕枕って意外と心地悪いんだよ」

 「そりゃ人が寝るためのものじゃないし……」

 「でもね。お母さんの膝は子供の頭が乗るのにちょうど良いようになってるんだって」

 「そうなんだ……」

 「それに、これはこれでいいでしょ?」

 「うん。好き」

 「まぁ咲と照さんがいいならいいですけど……」


 京ちゃんが手持ち無沙汰に焦っているのがわかる。

 かわいいな。


 「京ちゃんの頭撫で権はダメだったけど、私が撫でる分には何も言ってないもんね」

 「むにゅ」

 「女の子の頭を撫でちゃダメだって散々言ってたじゃん」

 「女の子が女の子にするのはいいんですー!」

 「そっか」


 そう言うと咲はゆっくり私の頭を撫で始める。

 普段から子どもたちのことを撫でてあげているからか、先の撫で方はとても上手い。

 ずっと前に、お母さんに撫でてもらったことを思い出す。

 まるでお父さんとお母さんに包まれているみたいに安心する。


 「須賀夫婦の特別サービスメニューです!」

 「咲、元気だなァ」

 「京ちゃんは手持ち無沙汰なら私の頭を撫でていーよ!」

 「いや、どんな形にする気だよ……」


 咲に撫でられて意識が遠くなる。

 でも、この心地よさを味わっていたいからまだ寝ない。

 咲の匂い、京ちゃんの匂い、いろいろなものが混ざって私に伝わってくる。
611 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/18(木) 18:03:08.07 ID:WLRpV/9ro

 10/10


     /: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
    /: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
 _,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
 `   ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
       ': : : : : : : /|/  |: : : |: : : : : : l: : : |、: :|: :`ヽ、: : : : : : :.|: : : : : : :|
     /:,: : : : :,: / {  {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :|
     ': |: : : :/: |       {从: : : : :'  \{    \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/    「お客さーん。具合はどーですかー?」
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
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         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /    「(……幸せ)」
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


 カン!
612 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/18(木) 18:03:37.30 ID:WLRpV/9ro
投下終了
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 18:13:38.76 ID:ADteX7XSO
おつおつ
子供たちもようやるな

……現役最強の人はいつまで貫くのだろう
何をとは言わない、言えない
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 18:15:17.10 ID:uzUwd4O1o
そろそろ小鍛治のターンだから(震え声)
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 18:33:44.78 ID:Cpv2AxmNo
すばら
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 18:36:22.47 ID:yWPM6NVpO
やっぱり家族団らんはほのぼのしてて良いね
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/18(木) 22:29:00.88 ID:nya0W3ujo
618 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:46:09.84 ID:TeBcbkxho

 1/8

 548
 白糸台同窓会


 期待のちょーしんせーあわいちゃんだ!

 今日はテルーのところに遊びに来たよ!

 別にテルー以外に友達がいないわけじゃないし! ないし!


 「お待たせ、テルー!」

 「そんなに待ってないから大丈夫」

 「あっ、テルーおかし食べてる!

  サキとキョータローから見張るように言われてるんだからだめー」


       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
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.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|   「うぐぐっ」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 「だいたい、そんなに食べてると太るよ?」

 「わ、私はそんなに太らないタイプ」

 「あー! そういうこと言う!

  そういう人でも30近くなると太るってみんな言ってるよ!」

 「あう」

 「少しずつ食べよーよ」

 「ぐぬぬ」

 「ぐぬぬじゃないもーん」

 「まさか京ちゃんの魔の手がここまで伸びているとは」

 「家族に心配されているんだよ!

  テルーは幸せだよ!」

 「……うん、それは思う」


 全く、テルーは子供だよねー!

 その点、あわいちゃんはもう立派な大人なのだ!

 コミュ障だって最近改善してきたし!
619 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:46:38.85 ID:TeBcbkxho

 2/8

                  ---、...--<¨\-...、
                    /:::: --::::::::::--\::\::\
               //:::::::::::::::::::::::::::::\::\::\
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               l\__::::::|:::::|:::::::::::、l:::_:_::Y::::::::::|:::::.
               l_/::::::_l:イ|\::::::::|:\::::〉|::::::::::|::::::.
                八:::::::´:::l八|   ̄ =苧芹|::::::::::|:::::::
               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
               |::::::::::. V_ノ        l:::::/|:::::::|
               |::::::::∧    '       イ::::::|:::::::|
.              八/i:::::::.、    rっ   /|:::::::|:::::::|    「相変わらずだな、二人とも」
               |::::::::个::....    /|::::|:::::::|:::::::|
               |::::::::::|::::::::::Τ    ∨|:::::::|:::::::|
               |::l:::::::|:::/У     り:::::: l―┴ 、
               |::|:: 斗{/-、 , -/|::::::::::|   /-、
            ┌‐  ̄    |´ ̄ ̄/  :|::::::::::|--//
               ∧  \    |  /    .::::::::::///    |
              { `ト  \   l /   . -=/:::::::/´ /     {
           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
          /  /\二二ニ、∠二ニ= i::::|::::::|         }
            /  /   >‐〈ニニ/ニニ\ |::∧::::|    \__/  /
.          ∨ {  /二ニ/¨¨゙\ニニニl/、∨|  l「 ̄ ̄ ̄ `く
           ∨--/二ニ/  }  `¨¨¨¨¨   /{ニニニニニニニ |
              } 厶=イ    〉          /::|_ ┬―‐┬v'
          /__}     {         /::::::`¨|   :|¨′


                                       ¨ ̄ ̄ ̄¨  、
                                    /   _/ ̄} ̄`ー-、
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.              /                  /   ./:: ∧::∧  丶 フ   |:|r,人
              ((                  //   ./::::/::::\. \┌--‐ /「/^i \
.              ヽ             /.::/   ./ /:     ‐-┐ヽ. /  {  ヽ\ 二二二ニニ==‐     「わーわーわーわーわー!!?!?」
                      /..::::/   /:〈     -==}  i}     }   .}\\         ヽ
                     / //   /  :∧:::} : // ̄\/   /  /   \\           ノ
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               -‐=='´         ∨/ ‐-‐::::::/      /        }
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.    \__〕                                  {_____〕
620 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:47:08.21 ID:TeBcbkxho

 3/8


 な、な、な、なんで菫先輩がここにいるの!?

 今日はテルーと二人で女子会だって聞いてたのに!


 「照、急に混ぜてもらってすまないな」

 「別に大したことじゃない」


 そ、そういうことは私にも教えてよテルー!


 「淡に教えると来ないでしょ」

 「そんなことないもん!」

 「やれやれ、相変わらずみたいだな」

 「淡、キャンディーで遊ぶのは感心しない」

 「私はあわいちゃんじゃないもん!」

 「お菓子で遊ぶのはだめ」

 「う、ううう、テルーひどい!」


 うう、だって菫先輩に顔向けできないよ。

 あの時どれだけメーワクかけたかなんて、大人になった今だからわかる。

 すっごく恥ずかしいことばっかり言って、すっごく高圧的で、むちゃくちゃばっかりしてた。

 なんて顔をしたらいいのかわからないよ。
621 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:47:38.18 ID:TeBcbkxho

 4/8


 「どうせロクでもないことを考えているんだろう」

 「むっ!?」

 「照に聞いた。

  随分と落ち込んでいたそうじゃないか」

 「むきゃーっ!」


 テルー、なんで話しちゃうのー!


 「懐かしいな。もう10年だ」

 「……うー」

 「思えばあの時、白糸台を優勝に導いてくれたのは淡のおかげだ」


 そんなことはない。

 シズノ、ネリー、サキ。

 はっきり言ってあの時の私より格上の三人とぶつかった私は、プライドを捨てて防御に徹することしかできなかった。

 あの時、サキの空気が一瞬緩まなければ、テルーが作ってくれたリードを手放して優勝を逃していたと思う。


 「結果的に優勝できたのは淡のおかげだ」

 「何もしてないもん」

 「十分だろう。

  あの三人と戦って無事でいられるものなんて、当時の高校生では照くらいしかいなかった」

 「うん、私くらいしかいなかったんじゃないかな」ドヤァ

 「照、ちょっと黙ってろ」

 「(´・ω・`)淡はすごいって言いたかったのに」

 「でも、その後二年間は臨海に負けっぱなしで、王者白糸台なんて言えなくなって」

 「たかが一高校生に重いものを背負わせすぎだ。

  そんなもの掃いて捨ててしまえ」

 「あ、あれ、菫先輩。

  怒ってないの?」

 「何を怒ることがあるんだ」


 やれやれ、なんて仕草を取る。

 ちょっとおばさんくさいよ! ……あれっ、殺気?
622 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:48:07.96 ID:TeBcbkxho

 5/8


 「あの時の私たちはたかが高校生だろう」

 「そうだけど」

 「麻雀という青春にかけて戦って、それ以上強いものに敗れた。

  実際に戦ってないものには言わせておけばいい」

 「でもー」


 「でもじゃない。

  というか、引きずりすぎだ。10年経ったんだ」


 「淡があの時子供だったことも。

  私たちに迷惑をかけたことも、好き勝手にやったことも時効だ」


 「そろそろ、自分を許してあげてもいいんじゃないか」


 心の中の鎖が外れた気がした。


 「いい思い出、とは言えないかもしれない。

  それでも、当時の自分を見直して認めてあげることは悪いことじゃない」

 「うん。

  菫先輩、大人だね」

 「何が大人なもんか。

  当時は知らなかっただろうが、私も相当叩かれていたんだぞ。

  吐いたのだって二回や三回じゃない」

 「嘘っ!?」

 「だけど、その時の経験があるから今の私があるんだ。

  今の私は嫌いじゃない」

 「……菫先輩、説教くさい」

 「う、うるさいな。

  今日は照に頼まれてきたんだ。

  私を呼んだっていうことはそういうことだろう。今日くらいは許せ」

 「菫はシャープシューター(笑)だから仕方ないよ」

 「呼んでおいてそれとは、喧嘩を売っているのか……!」


 一見茶化しているように見えるけど、テルの一言で空気が緩んだ。

 ……いい先輩たちじゃん。なんであの時は素直になれなかったのかなー。
623 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:48:37.42 ID:TeBcbkxho

 6/8


 「ほら、解決だ解決!

  それよりもっと実りのある話をしようじゃないか!」

 「実りがあるって何?」

 「菫の性生活ならいらない」

 「なんでそうなる……。

  ほら、女子会なんだから恋バナだ。

  照はこの前聞いたから、淡が話せ」


 えーっ。そんなこと言われても。

 あわいちゃん異性どころか同性の友達すらいないんだけど……。


 「友達いない私に聞くなんて酷いよっ!」

 「そ、そうだったのか」

 「菫は空気が読めないから」

 「なぜ照は辛辣なんだ……?」

 「親愛の証」


 得意のVサインで笑顔になるテルー。

 やっぱり年齢差のない親しい関係だと楽しそうだね。


 「異性の知り合いなんてキョータローしかいないよ」

 「そういえば京ちゃんと知り合いだったね」

 「うん。仲良いよ!」

 「待て、キョータローとは照の妹さんの事か?」

 「そうだよ?」


 菫先輩がいきなり反応する。

 どしたの?
624 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:49:06.07 ID:TeBcbkxho

 7/8


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    i::::::::::::::://; ' ´ ̄ ̄`ヽ     ̄     /:::::::::::|:!
  /::::::::::::::://'           \  r-、__ ノ:-、_;::|i|    「(嫁の姉の後輩とも浮気するシチュエーション!)」
  /::::::::::::::::/        :::::::::...\::::|:::::::|:::|   `ヾ!
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        /   ′ /|     :∧         ::.
.       / 7  | ./ !     | ∨    |    |
       ′ !   | / ̄`∨   |´ ̄Y    |     |
       |  |   r≠ミ、∨  | r≠ミx   |     |
       |  |  从 r':::::}!八  〃r'::::::}!》  |     |
       |  |  ハ弋)ソ   \{ 弋)ソ |   |     |
       {  |   :i ,,,  ,     ,,,, /  八   !    「?」
.        |   :}          /7 /     |
        八   人   v  フ   / /}    八
         \{\( >...       仏イ/    /:  \
.           /    ≧ー <    |/   /:    \
          /   厂 ̄ |      /   /:.      \
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625 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/19(金) 17:49:40.30 ID:TeBcbkxho

 8/8


   ./ : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ゚,: : :‘,: ヽ
    ′ : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘,: : :‘, : :.
  .′: : /: : :/: : : : :/ : : : : : : : | : : : : : : : ゜: : : : l : : :
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  |:_:_:_|_γ⌒ヽ___::::::::::::::::¨::::::‐- ′|: : : : ′ : |
  |:  ̄| ̄弋  丿 ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::::::::::::: ′: : ;′: : |
  |!: : :l :::::::::::i「::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;′: : /}: : : / ̄ ̄ ̄\    「淡、よくやった!」
  |:!: : | : : : : ||: : : : : ,: : : : : : ::::::::::::::::;′: : //: : :,′
  |:|:: : :.    |!           : : : : : : : ;′: : /´: : : !     ア
  |:.ー‐ヘ                    /: :_ イ: : : : : |
  |: : :::::::::::...、   ⊂ ⊃       ノ¨ : : |: : : : : :|    リ
  |: : :::::::::::::::::`::....         _....:≦:::::: : : :|: : : :<
  |: : : ::::::::::斗<Y    ̄〔-、:::::::::::::::: : : : : : : : : :|     だ
  |:斗<      ',‐-、   i   丶::::::: : : : |: : : : : :|
≦              ',____|     ` 、: : : |: : : : : :|     な
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  丶 \        ',   i       / /ヽ: : : : : :\___/


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
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           ,          /         \
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           ′     / /              `、
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         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ    「なんだか褒められたー!」
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕


 カン!
626 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/19(金) 17:50:12.99 ID:TeBcbkxho
>>623 訂正
「待て、キョータローとは照の妹の旦那さんのことか?」
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/19(金) 18:01:43.21 ID:osKbRBvSO
うん、やっぱり照が引き寄せてるようだww
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/19(金) 18:12:31.83 ID:qXpiCzb9O
乙です
菫、前にも言ったが昼ドラの見すぎや(白目)
629 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:36:34.11 ID:hMz9P7guo

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 997
 嫁たちの仲良く京ちゃん自慢(特別編)


 気がついたら見知らぬ場所にいた。

 なぜか用意されている炬燵。

 そして目の前には、見覚えのない人が二人。ぼやけていてよく見えない。

 一人は金髪さんで、私と同じでキョロキョロと周りを見回している。

 一人はピンクの髪色で、どことなく親友(宿敵)に似た匂いを感じる。


              ,. . ―――. .、
             ,. :´ : : : : : : : : : : \
            /: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
          .': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
         /:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
         /' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
            {: :/从 ○   }/ ○ }イ|: 从
           W乂{ ""      "" ム':/
              人 u r‐ - ‐v  人}'   「ここ、どこだかわかります?」
              >`二二´<
            /::::::::::{   r/:::::::::\
             ∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
          /| \\::::::、/::::::// |
            /_|  l{:.\\:Y:::/:イl/  |
          ̄ |  |\:.:.:ー∧':.:./   |
            |  |   ̄`二イ   |   |
            |  |  /:.:.:./    |   |
            |  | /:.:.イ:/    {  |

      ∧  ト、\ヽ   ヽ  〃⌒》
  /ハ/  } |ヽ , -‐ !  l    《
 ハ_」/   .|  | /Vり  l  |  __  o
ィチ∨_ ̄`|  l ィ巧ミ< |  | ⌒》   /
 |ァ豸坏| ソ ' i::::::} 〉| !   ヽ。  /  ま
 l〈 {:::::::j レ'   -‐'' リ 八     /   っ
 ト `  ̄     '  "" ノ ハゝニニ二!   た
 ヽ ""   ∧    ノ人\ヽ    |   く
.\\ゝ    し'  /     } \\ <   も
\ \ ヽ ー- r i, --  / \ヽ! \ |   っ
  \ } }-、  r‐/ /   \  ヽ!ヽ |   て
ヽ.  ト j !` ̄ / /      \  | }

           ,∠、  /            ヽ
            /   |: :/                  \へ
     / ̄¨ヽイ     |:/ / / /||:! ! | !         .|
     !:   〈〈:     /:{: ': ,': ':::|::|: l::l: l::l  ,ィ: ! l    ,!
     ∨   ノ¨ト==イ: :! l斗十ナナノ.:|: /::l. /十ト、l:     i〉
      ¨フ´/ !: : : :! 、トト、!ィチ^:丁:::}/ :::}'::::::!ノ :: !: l   リ
.     /: 〃 |: : : :|ミソ :::〈 l{::::::::| :::::::::::::::rf示、 ノ ノ/ /
     レイ ト、_|: : : :l ヽ  弋:zソ       !::::}l }イノイヽ
     |.: : :|: : : : .: |     ::::::::      ,  辷リ !:. :. :.:ト、 \
     |.: : :|: : : : .: ト、            :::::: |: : : : | ⌒
     / : : :|: : .: .:  lミ、Y       ‐ -    ノ: : :. :.|
.    /, : : : |: : .: .:  l   !  ヽ           イ|: : !:.|     「オウフwwwコポォwwwフォヌカポォwww(し、知らない人が目の前に!!)」
   //   : :|: : : :  :ハ  |   `  . _ x<: : |: :!: : :|:. :!
.  //  . :/!: : : :   ∧. !       |  |: : : :.|: :!: :. :.、|
  //   . ::/∧: : .:   ∧`ヽ.      l ヽl、:: : |: :l : : : : ト
. //  . ::/厶 ヘ.:     ∧  \   `ヽ.  ヽl : l : : : : | ヽ
//   , <   \      \  \    ∨  `|: :. :. :.|   \
630 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:37:03.59 ID:hMz9P7guo

 2/9


 「なんか気づいたらここに居たんだよね。ぬくぬくー」

 「あっ、ミカンもありますね(うう、知らない人は苦手だよぉ)」

 「カフッ、カフッ!!(死にそうです。死にます)」

 「あ、あのー。大丈夫ですか?」

 「おきゃまいなく!」

 「は、はぁ」


 本当に大丈夫なのかなぁ。

 なんか放っておいたら過呼吸起こしそうな気がするけど……。



 「仕方ないから女子会しよっか!」

 「ええっ!?」

 「女の子三人が揃ったら女子会でしょ!」

 「(そうなんですか!?

   優希と咲さんと集まった時は麻雀の話くらいしかした覚えがありません!)」

 「女子会って響きにいい思い出がないなぁ」

 「なにそれー」

 「そもそも女子会って何をするの?」

 「コポォコポォ!(そもそも人とどうやって話せばいいんですか)」

 「えっと、恋バナとか?」

 「こ、恋バナ!?」

 「フォ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ウ!!!(キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!)」

 「か、彼氏とかいるんですか?」

 「いるよー。

  ……あれ?(もしかして地雷踏んじゃった?)」

 「彼氏というか、何というか」
631 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:37:33.28 ID:hMz9P7guo

 3/9


            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉    「夫ならいますっ」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |


              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈
.     / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
    /:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|
.   ′: : :|: : :/ |/     |: ::八人| : : |i: :
.  ,: : : : : :|: Y斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|
  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|   「私 婚約者 いる」
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |
::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|


            -‐==‐-
         ´            `
      /             ヽ

     / ,      !   :  |   |     i
.    / |i  , ‐‐i|  .:ト、_|‐‐ |  :i|  |
    l :/:|i  | |/八 .:|     | |  :i|  |
    |/ :〔!|  N ○ \|  ○ |ノ  ,リ
.   〔 八! l圦 ,,   '   ,, l //  |
       N |  .  v ァ  . ∨/  .:|
        ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′  八   「あわわっ!?」
       ノ厂| l  〔,   / / `丶、 `
      /∧ i| |  「⌒ / /  /∧
    / イ′ j ト、∧  / ′´ .イ
   :'  /    | |\ハヒ/| |ニニ/   〉    :
  /  ノ〈    i i   >ニ| |  ´y'    !     |
  .' /   〉  / j / ノ<i| |  〔___!   ト、〕
. 〔′|  `ー‐'  ///  | |  i| Υ─|  | .′
632 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:38:02.51 ID:hMz9P7guo

 4/9


 「みんな結婚してるの!?」

 「う、うん」

 「ドヤァ……」

 「なにそれずっこい!

  私も結婚したーい!」

 「えっと……(こういうときなんて言ったらいいの!?)」

 「私の彼氏はねー。

  すっごくカッコよくてー、とっても優しくてー、もー最高なんだけどなー」

 「そ、そうなんですか」

 「うん!

  だって私のことばっかり考えてくれて、生活がもーちょっと安定したら結婚してくれるって言うんだよ。

  あっ、私麻雀プロなんだけどね、まだまだ安定してないんだ」

 「麻雀プロだなんて、すごいじゃないですか!」

 「えへへー、ありがとー!

  でもね、まだまだ勝てないんだ」

 「麻雀の世界って厳しいですよね。

  私も身内に麻雀プロがいるんでよくわかりますよ」

 「そーなんだ!

  じゃーライバルだ!

  それでね、最初は彼氏の夢を叶えるためにフツーの会社に勤めようと思ったんだ。

  でも、私の夢を応援してくれるって支えてくれてるんだ。

  どやー! えっへっへー!」

 「わぁ、羨ましいですね」

 「だからまだ結婚できないんだけど、いつか絶対にするんだから!

  その、専業主婦になっても良いから、一緒にいたいなって」

 「女の子の憧れですよね。

  私は専業主婦なんですよ」

 「ほんとっ!?」

 「わ、私も……」
633 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:38:31.98 ID:hMz9P7guo

 5/9


 「すごいすごーい!

  ねぇねぇ、どんな感じなの!?」

 「ど、どんな感じって言われても……。

  家族の朝食用意してあげて、子供の世話をして、……うう、思いつかないよぉ」

 「あっ、子供いるんだ!

  うらやましー!」

 「(こ、子供……。須賀君との子供……)」

 「でも大変そうだね」

 「そんなことないよっ。

  だって、旦那さんはもっと大変だと思うんだ。

  毎日残業で遅くなって、上司に怒られて大変そうだもん」

 「あわっ、確かに社会人は大変かも」

 「そうですよね。

  だから少しでも助けになればいいなって」

 「かわいいー!

  お嫁さんだー!」

 「わわっ、急に抱きつかないでよぉ」

 「むふふー、私がお嫁さんになった時の参考にするねー」

 「あうあう」

 「(なるほど、お嫁さんはそうすればいいんですね)」

 「じゃあラブラブ夫婦なんだね!」

 「そ、そんなことないよぉ」

 「それでラブラブじゃないなんて言ったら怒られちゃうよー」

 「(ま、まずい。この流れでは次に聞かれるのは私!)」

 「ねぇねぇ、そっちの人はどんな風な感じなのー?」

 「ど、どんな風にと言われても!?」

 「(ああ、同類だ。なんかすごく親近感が湧くよ……)」

 「えー、じゃあ旦那さんのどんなとこが好きなの?

  私たちも言ったんだからずるーい!」

 「しょ、しょんなー……」
634 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:39:01.93 ID:hMz9P7guo

 6/9


       ./          .\
       /./ .. . . . . . . . . . 、. . . . `、
      ./:/: : :/: :,: : ::/ : :!: : :!: :! |:  `,
      ||::|: : ::|: :ハ::.,ィ: : /|: : :|: :|:.|: ::|:|:|
      ||::|: : ::|:|:| |/.|:_,ム !゙.:,〈_/:/!: ノ:|:|
      ||::|: : ::|十ナ丁/ .|:/|儿`゙ナ" :|:|
      ||::ヽ,: :{ {itツ ̄   {iィツ¨リ: : /ソ
     /:!: : :\! ー/////,//ー."ハ/    「あ、ありのままの私(のどっち)を認めてくれたことでしゅ……」
 .   /: :|: : : ::ト、  , 、__ _    ハ:!|
    / : : !: : : ::\ヽゝ-‐_-,.' ィ!リ:: !
 .  / : : /|: : : : | \ ' /!|\_|:. : |
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 ./       ヽ:: : !  \ `!.|.  |:. リ ヽ
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 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|    「すっごくロマンチックだね!」
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'  「(いいことを言っているはずなのに、一瞬『アレ』と同じ気配がしたような……)」
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |
635 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:39:31.21 ID:hMz9P7guo

 7/9


 ……
 …


 「むにゃぁ」

 「淡、寝ぼけてるのか」

 「あれ、キョータロー?」


 なんだか変な夢を見ていた気がする。


 「ほら、朝食用意しといたぞ」

 「やったー!

  ……って今日は私の日だよ!」

 「ちょっと早起きしちゃったからさ」

 「ダメだよ! 当番はきっちりしないと!」

 「でも今日は淡の大事な試合の日だろ?

  今日くらいはやらせろって」

 「むすーっ。嬉しいけど……」

 「淡、頑張ってきてな」


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく    「キョータローパワーがあれば無敵だよっ!」
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕
636 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:40:00.95 ID:hMz9P7guo

 8/9


 ……
 …


 「ううっ」


 昨日はあまり夜更かししなかったつもりですが……、あまりよく眠れた気がしませんね。

 最近はそんなに2chやら何やらで夜更かしはしていませんよ!

 まぁ、一時はひどかったのは認めますけれど……。


 「和、起きた?」

 「あひゃぁ!?」

 「あひゃぁって……」


 何で須賀君がここにいるんですか!?


 「ああ、お着父さんが入れてくれたんだ」

 「朝は見せられない格好なんですが……」

 「うん、まぁ……」


 否定してくださいよ!!!!! この年にもなってフリフリのパジャマ着ている私が悪いんですけど!!!!


 「まぁそんなに気にしなくてもいいんじゃないかな」

 「そうですか?」

 「うん」

 「ふふっ(好きになった本当の理由は……)」

          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
.   ,ゝ::::/ : : : : : : : : : : :ト、:: : : :  :∨::::゙i
    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|    「(こんな私を好きになってくれたこと、ですね」
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧
637 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:40:30.15 ID:hMz9P7guo

 9/9


 ……
 …


 「京ちゃぁぁん。なんか変な夢見たー」

 「はいはい。

  それで何で俺に張り付いてるんだ?」

 「ふーんだ(なんか京ちゃんが取られちゃう気がしたんだもん)」

 「咲?」

 「何でもないでーす」

 「今日のお姫様はご機嫌斜めだね」

 「そういえば京ちゃん」

 「ん?」

 「この前もまたお酒の席で暴れたって連れてきてくれた同僚さんから聞いたよ」

 「うげっ」

 「ほーんと京ちゃんは酒癖悪いんだからー」

 「ぐぬぬ……」


                     _....................._
                ,. : ´: : : : : : : : : : `: : .、
                , :´: ,. : : : : : : : : : : : : : : : :\
               /: :/: : : :,: : ´: : : : : : : : : : : : :ヽ
            /: :/ : : : /: : : ,: : : : ,: : : : : : : : : : .
            .': :/ : : : : /: :/: :/: : ,.イ: /: : : : :|: |: : : :.
            |:〃: : : : /: :/-:/-、/ ': :': : ': |: :|: | : : :∧
            }'.': : :/^/: :/ {:/ {:/ /: /: :/: :}: :|: |: : :|: : :.
            {: |: { |: ,: /' /' /イ//':-/、:': : : : :ト: : ::.
            Y : 、{/ィ=ミ、   /' / イ: :/: :,: : : | \|
             |:从::.  :.:.:.:.      _ /イ: :/: :,: :.|
             / Y      '   `ヾ / イ: :/}: /
        ______|  、 「  v    :.:. イ: :/:イ/イ     「こーんなダメダメ京ちゃんは、私じゃないとダメだよねー?」
       /<_:::::::::::::::::::\_  `ーr---- =彡j/
       {¨7=ミ、< 、::::::::::::::\___〉>、
     _| ,   ∨、:` < 、:::::∧  |::::::::::ヽ
 / ̄::::::://     |  }、:.:.:.:\、::::::. |:::::::::::/〉、
 \___ 〃     | / \:.:.:.\、::Y:::::/イ ∧
     ̄¨/       ∨    `ー ≧='-´:/ ハ :.
      /      /           {二「   } |
    '      ∧         /:.:∧    ,
   /      / }       /:.:.〈:.∧  {  |
   ,       /  |      /:.:.:.:.∧:.:|   |  |


 カン!
638 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/20(土) 16:40:59.05 ID:hMz9P7guo
投下終了
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/20(土) 16:41:28.06 ID:cUdoBS2uO
わー、リクエストありがとうございましたー。
やっぱりあわあわはあわいいなぁ。
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/20(土) 18:29:25.36 ID:QK03taaao
のどっちがまともに見えるww
あいいし咲もいい
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/20(土) 18:31:23.13 ID:3RhtgxSoo
>>625
>>637
どちらもすばらでした
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/20(土) 18:32:15.40 ID:GAOgqZcEo
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/20(土) 22:50:36.12 ID:znFBwnzSO
おつー
>>640
ま、まとも…なのか?
初っ端アレでいきなり笑ってしまった
644 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:55:57.62 ID:TWOTV0dno

 1/9

 568
 麻雀プロの世界は厳しい(平行世界)


 麻雀プロになってそこそこ経ったけど、未だに戦果が安定しない。

 今日の戦果も芳しくなかった。

 新人プロとしては十分って見方もあるけれど、あわいちゃんとしてはもっと早く結果を残したい。

 そうやって契約を良くすればキョータローと……。ぐぬぬ……。

 そんなこんなで唸り声をあげながら自宅のマンションのドアを思い切り開けたのだ。


 「うにゃぁぁぁぁ!」

 「おかえり」

 「キョータロー!?」


 キョータローが帰ってくるのはまだ早いはずなのに、びっくり!

 いつもは遅くまで残業をしていたりするからあわいちゃんが先に帰ってくるんだけどね。


 「今日は重要な試合だったろうから、頑張って早めに帰ってきたんだ」

 「うぐぐ」

 「まァ、淡はよくやったでしょ」

 「よくやってないもん。

  負けちゃったもん」


 プロは今までの世界と違う。

 高校のインターハイみたいに一本勝負なんて狭い世界じゃない。総合力を競う戦いだ。

 それに、テルやサキみたいな本物のバケモノがうようよしている。

 でも、それを負ける言い訳にはしたくない。
645 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:56:27.50 ID:TWOTV0dno

 2/9


 「だってー!」

 「新人の中じゃ今季の成績はいい方だろ?」

 「私は誰にも負けたくないんだもん!」

 「スッゲー気合」


 その気概を忘れちゃったら私じゃないもん。

 負けても総合成績で安定するから二位狙いなんて屈辱的だ。

 目の前の相手は倒す、それが私だ。

 でも、最近は少し考え方を変えなきゃいけないのかな、なんて思ったりする。


 「だいたいテルもサキも顔怖いんだもん。

  うにゃー! って感じ!」

 「そうかァ?

  いつもボケーっとしているように見えるけど」

 「キョータローにはわからなくていいの!」

 「???

  今度見てみたらわかるかな」


 やだ。あの二人とキョータローは合わせたくない。

 あの二人を見てもそう思うってことは、キョータローには麻雀に関する感覚は全くないんだと思う。

 何かの専門になればなるほど、結婚する人はそれと関わりがない人を選んだりするんだって。

 スポーツのプロもそういう話をよく聞くもん。

 ぜったい、ぜーったいキョータローは渡さないんだから!
646 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:56:56.66 ID:TWOTV0dno

 3/9


 「キョータローにはわからないんだよ」

 「俺、これでも気づかいが出来るって言われるんだけど」

 「じゃあ今から『ゴゴゴー』ってやるからちょっと見てて!」

 「お、おう!」


                 /. . . . . . . . . . . . . . \
                 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . .\
            /. : : : : . . . . . . . . . . . . . . . . . :.ヽ
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           i. :.  : :/: : : : : : : . . : . : : : : :.|: : : : ゙、
           ノ, : : : // : : : : ;.ィ: : :∧: : : : : :|:   ゙、
          /イ. : : /: /: : .  :// ://  、 ;、: : |: . : : : i
           (:( i/: /: /: : : :// : //   i:| |: : : |: : :!: : |゙、
           シ;.ィ: : : : /:/ /: //    !:|/: : : :|: : :|: : | ゙、
        r;='"´//i: : : ://ーメ<_      ! /__,..」:! : | : |  ヽ,
       リ / !イ: : : ハ! .,ィ=≧ミ、    ,/._,∠二/!|: : !: :|   ノ
    ,..-:.‐:.':.´: : : ノ| : ;、'^ 〈 !;::::::::i゛    //イ!::;レ7:/i|: : !: ;! /   「ごごごごごー!!」
   i: :r―ー-‐'"/: :!: i:.丶.i ヒ二⊥  ,/ /ヲ-:!/ ;! :/:/リ
.    |: |       ノィー|: |‐-‐'゙、 """     レ′ / /: /://
 ー=ノノー---< ,.┤ |:.|    \     '     _ノ/: :/、
  '" `ヽ、: : :/  ! |:|     iー- 、` ´ _,..-‐'/: :/   ̄/7ヽ,
        \/   ゙、 !|     |    ̄,.:'.;"´: :/     // /ヽ
          /     ゙、゛、    |_  //;.イ´     //    ゙、
        /  ヽ  ヽヾ    ト、 ` i / ̄/     //       |
    r'"´      \  ト、、   ! フノ―/    /// i      |
.    ゙、.           |`i:、゛、.   i'"´   /   //::::/ i...:;    ヽ
     ゙、.          |  i::\\ i   /  //::::::::/_ //      ゙、
     |、ヽ       λ |:::::::\\! / //:::::::::::/ ̄ノ           l
647 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:57:26.34 ID:TWOTV0dno

 4/9


 ・京太郎視点

                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ      「(キョータローが早い時間にいると嬉しいなっ)」
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「(笑ってるようにしか見えない……)」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|
648 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:57:55.52 ID:TWOTV0dno

 5/9


 「ほらっ、髪の毛うにょーんって!」

 「いや、フツーだろ」

 「あわっ!?」

 「満面の笑みだよ」

 「そんなことないもん!」

 「いやァ、いつものかわいい淡じゃん」

 「ほんとっ!?

  あわいちゃんかわいい!?」

 「おう」

 「やったー!

  えっへっへー!」

 「よしよし」

 「あれ、なんの話してたっけ」

 「なんだっけ」


 忘れちゃった!

 うーん、そうだ。とりあえずキョータローに慰めてもらおう!


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|   「私の頭撫でていーよ!」
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶
649 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:58:24.94 ID:TWOTV0dno

 6/9

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'    「なんだ。今日は頭を撫でていいのか?」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


                        ____
                      ´      `丶
                    /              \
                        /        \    ヽ
                 /   ,イ            ヽ    .
                     // |  |   ' ト、           .
                 j/  ;  |  | │:!∧     i    :
                /  i |¬|ト│ |八--:一   i    i
                .:   Ν 八八 X´\ハ         |    | ┼ __ | \ (⌒⌒)
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │    レ(ノ\    レ 丿 \/
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
                 /   イ\   ,゙ /   __/   {//       |   \ \
             //  /イ 「\\_/  .:::´:::八 ∨ ′     | \      ヽ
              (/ ノ   人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{        人     ∨)_ノ
           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
                 \__{ /::::::::几::::::\      〈          /|   |ハ |
                    [__∨::::::::∨| \::::::丶    込,,______ノ |  /  ∨
                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /
650 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:58:54.34 ID:TWOTV0dno

 7/9


 「膝枕も所望する!」

 「男の固い膝枕でよければどーぞ」

 「やったー!」

 「淡って髪の毛サラサラだよな」

 「自慢の髪の毛だもーん。

  キョータローと会ってからはお手入れを欠かしてないよ!」

 「えらいえらい。

  ほら、撫でてやってるぞー」

 「うむ、苦しゅうない」


 キョータローの匂いに包まれて幸せ。

 ちょっと汗臭くて、それでも嫌な匂いじゃない。


 「なー、淡。

  最近頑張りすぎじゃないか?」

 「そーかな?」

 「そーだよ。

  なんか焦ってるように見える」

 「ギクッ」

 「声に出してるし」


 ううっ、なんで気づいちゃうのかな。


 「もーちょっとゆっくりやってもいいんじゃないか。

  新人なんだから、さ」

 「そんなのやだよ」

 「なんで?」

 「だって!」
651 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:59:23.72 ID:TWOTV0dno

 8/9


                       ´              \__
                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三   「……早く収入が安定すれば、キョータローと結婚できるもん」
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐〜‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
                                         `、      ヽ、____丿
                                               \     \


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.   「……!!」
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
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             //////////∨///////////////////////|
652 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 21:59:53.15 ID:TWOTV0dno

 9/9


 「こいつっ!」

 「あわー!?

  撫で繰り回すなー!」

 「可愛いやつだな、もー!

  あざといかわいい!」

 「うぐー」

 「俺が不甲斐ないから、そんな心配させちゃってるんだな」

 「そんなことないもん。

  キョータローは頑張ってるもん」

 「なぁ、淡。

  やっぱりプロの戦いはもう少し時間をかけて考えたほうがいいよ」

 「えっ?」

 「俺も頑張るよ。

  俺の収入だけで生きていけるくらい頑張るから」

          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
 /\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´     ∨\/ ̄ )  ̄ ̄        /   /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.:
/:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ  ----- 、  ∨/   / 、          /   ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:    「いつでも主婦になっていいんだぜ!」
:.:.:.:/:.:.:.:.:.{   ---- 、   ‘,  } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.:
:.:./:.:.:.:.:./       ‘,  ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´    \:.:.:.:.:
:/:.:.:.:.:.:.{: .    . :    ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\        /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/        \:.:
:.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/   / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\    ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Y ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .   「そんなこと言うなら、期待しちゃうよーっ!」
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .


 カン!
653 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/21(日) 22:00:22.05 ID:TWOTV0dno
投下終了
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/21(日) 23:10:51.74 ID:Iwx4INIbo

淡の直感は正しい
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 00:22:09.28 ID:0Bilxucvo
おつー
このふたりだいすき
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 11:06:42.97 ID:J5d8DTX5o
かわいすぎて
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 13:54:00.12 ID:FjYJO5x+o
かわいいいいいい
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 14:03:12.55 ID:GLVmSRyXo
どのカプも素敵過ぎる
659 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:04:04.44 ID:5X4lqp4so

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 407
 パウチカムイ再び


 石戸霞です。

 最近すごく忙しかったけれども、原稿も仕上げてひと段落ついたわ。

 これでもう爽ちゃんに追い回される日々とは解放される。

 まぁ次の〆切前にはまた追い回されるんでしょうけど……。

 私は安心してお茶をすすっています。

 安心して……のはずなんだけれども……。


                 _       |   |
                 \ヽ_-‐=ミ、│  │
                 /_∨:.:.:.:.:.、.:.:.: |  │
               〃.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:\  │
            f ´ ̄ 7:.:.:.:./:.:.:メ、.:.:.:.:.:.:.\}   |
           从   {:.:.::{/{:.:/ _\.:.:.:.:.:|    |__
            ー=∧ .l{:.:.:.{-乂   _,,ヽ.:.:.:|   | \
            /:.∧ l{l:.:.:{ ._,,  ´⌒ }ノ)|`ー─= 7
              /_;/ :ハ八{:.ト⌒`   _ '" 从:|l     /
             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}   「一仕事終わった後のお茶は美味しーね!」
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿
              _, \ >:`ー┘フ      |
              /.: .: .: .:`: 〉:/⌒ ̄ /      .|
            {;/ ̄ ̄ ̄{    .:/     /|
                   {i   \:       /.:{
                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!
               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニXニ/
660 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:04:34.15 ID:5X4lqp4so

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           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
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          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ  「だから私の家なんだけど……」
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
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          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧
661 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:05:03.65 ID:5X4lqp4so

 3/11


 「仕事が終わったんだから友達とゆっくりして何が悪い!」

 「私がゆっくりできないんだけど……」

 「そ、そんなことを言いながら私と爽ちゃんのお茶を淹れてくれた白望ちゃんは優しいわね」

 「別に……」


 そっぽを向く白望ちゃん。

 ふふっ、なんだかんだで『おつかれさま』のサインなのよね。

 気を遣ってくれて嬉しいわ。


 「シロは細かい気配りが出来るからいいお嫁さんになりそうだよね!」

 「そうよ。

  白望ちゃんったら料理は上手だしお気遣いできるし。

  普段はだるいって言っているのにピンポイントでこういうことをしてくれるのよ」

 「おー。

  男の心をくすぐるような行動ですなー」

 「そんなことない……」

 「私が嫁に貰っちゃおうかー」

 「それはダメ」

 「おいおい。そこはジョークに乗って……」

 「京以外に体を許すつもりはない」

 「あっ、はい……。ゴメンなさい……」


 爽ちゃんったら。

 白望ちゃんは『ヤンデレ』の気質があるんだからそういうところは気をつけないとダメよ。


 「まぁまぁ、白望ちゃんが京太郎さんのお嫁さんだったら幸せな家庭を築けそうじゃない」

 「……っ!」
662 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:05:32.95 ID:5X4lqp4so

 4/11


          〃-‐‐-----‐'/´
       ,, - ''       ー '、 
       ´             ヽ\
      /   /    |    |  ヽ \
    /   ,/     /|   l    _<
   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
     ̄|   {   示芸 \ |示芸!   }   〃
      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }    「……本当?」
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/
           /  〉 | 〉、 "
         /`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
        └t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ


 可愛らしく顔を赤らめて上目遣いで確認する白望ちゃん。

 ふふっ、これは是非写真に撮って京太郎さんに見せたいレベルね。


 「ええ。

  普段は旦那さんを素っ気なく扱うけれど、心の底では大事にしているタイプね」

 「だるいだるい言いながら毎日のお弁当は欠かさないとか!」

 「旦那さんが寝ているうちにこっそり頭を撫でてあげたりしそうね」

 「そういう甘える行動は起きてる間には見せない感じ!

  寝てる時じゃないとシロのデレは見られない!」

 「でも旦那さんはなんとなく気づいているから夫婦円満って感じね」

 「くーっ。女子力高くて羨ましいなぁ」

 「本当、羨ましいわ」

 「も、もういい。

  私は夕食の準備を手伝ってくる」


 あらあら、顔を真っ赤にしちゃって。

 それにあんなに急いでどこかに行く白望ちゃんは珍しい。

 本当にかわいくて羨ましいわ。

 それに比べて私なんて、はぁ……。
663 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:06:02.35 ID:5X4lqp4so

 5/11

            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {   「お夕飯できましたー!」
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.


 そんなことを考えて憂鬱になっていたら玄ちゃんが夕食を持ってきてくれたわ。

 さすが白望ちゃん以上のお料理上手。

 見ているだけでお腹が減ってくる。

 私も二人みたいに女子力が高くて、お料理とかで京太郎さんを喜ばせたいわ。

 でも現実は……。


 「どしたの?」

 「(こっち側なのよねぇ……)」


 大盛りのご飯を男らしくかっこんでいる爽ちゃんを見てため息。

 はぁ、平行世界の私も料理苦手でドジだったわね。

 もうちょっと練習すればなんとかなるのかしら。

 京太郎さんにかわいいって言われたいわ。
664 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:06:30.90 ID:5X4lqp4so

 6/11


 「ねぇ、玄ちゃん。

  女子力ってどうやって磨けばいいのかしら?」

 「えぇぇー!

  霞さんまで私に聞くんですかー!?」

 「(……あれ、カムイがクロに引っ張られるぞ?

   邪魔しちゃダメだから戻ってこーい)」

 「だって玄ちゃんよ?

  お嫁さん力が高いを通り越してお嫁さんそのものと言っても過言じゃないわ」

 「……。(なんとなく意味がわかってしまう)」

 「お嫁さんそのものなんて言われてもぉ……。

  あっ、でもお嫁さんみたいって言われるのは嬉しいかなぁ。えへへ」

 「霞、きっとこの純粋さが必要。

  私たちには無理」

 「そんなことないわよ!

  白望ちゃんだってとっても女の子らしいじゃない」

 「っ!」

 「あっ、白望さんが照れているのって珍しいですね!」

 「……玄まで」

 「えへへ。白望さんはいつもしっかり者で憧れてたんです。

  こんな風なところもあるんだなって思うと可愛いですっ!」

 「く、玄。その辺でやめて……」

 「(何この子、天使?)」


 「ちょっ、おまっ。

  手で引っ張ってもダメじゃん!

  避けろクロっ!」


 「えっ!?」
665 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:07:00.12 ID:5X4lqp4so

 7/11


 「わわっ!?」


 パウチカムイが玄ちゃんの中に入っていく。

 ちょっと爽ちゃん、何をしてるの!?


 「爽?」

 「爽ちゃん!?」

 「知らないよっ!

  カムイが急に引っ張られて、こっちも引っ張ったんだけど吸い込まれたんだ!」

 「もう、ちゃんとしないとダメじゃない」

 「うぐぐ。カスミに言われるとは不覚。

  今はとにかくクロだね」

 「玄、大丈夫……?」


 玄ちゃんは俯いてしまって一言も発さない。

 パウチカムイの衝撃を考えたならば、身体中を快感が襲っているはず。

 こんなところでそうなるなんて可哀想よ!

 露出趣味の爽ちゃんじゃないんだから!


 「みんな……?」

 「玄ちゃん!」

 「玄……」

 「クロ!」
666 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:07:28.88 ID:5X4lqp4so

 8/11


                 ......-‐……‐-.....
               .......................................................、
            /...........................................................\
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        ;..../|::::i:::|:::::i斗‐|::{ :::::::::i:::「\:::\::::::i:::::::::|::|:::::::::::::i
        |:/ :|::::i::l|:::::i:::| |八 :::::::i:::|   \:::\|:::::::::|::l:::::::::|:::|
        |i  |::::l::l|:::::iΝ:   \:::∨ ≫ぅ弌ミj|:::::::::|::l:::::::::|:::|
        {;  |::::|八::::i≫ぅ斥   \  r'::ノrい》:::::::::Ll:::::::::|::::
         |::::|:::::ヽ《 r'::ぃ       ∨:.(ソ |::::::::::ト|:::::::::|:::::,
         |::::l::::::::::  V(ソ          |::::::::::|:!:::::::::|:::::′
         |::::i::::::::小 ,,,   ,     ''''  |::::::::::|j::::::::::|::::::::
          乂j::::::::::い                |::::::::::|:::::::::::l:::::::::
          [_] :{::::::::i:人      ー  '     |::::::::::}:::::::::::}::::::::|   「どうしたの?」
         /:::{ :{i:::::::i:::::::>...       /  }::::://::::::::::/:::::::::|
         |:::{ 八:::::{::::::::::::i::::::≧ァr     /::://::::::::::/::::::::::::|
         |::::::\|\:::::::::::::i::::::::/{_j _/厶イ,::::::::::::::|::::::::::::::|
         ∨\;;|::i:::\:::::/::::::// 廴厂〉    :|::::::::::::::l\:::::::::|
             |::i::::::::::厶イ /| |  :/∧   |::::::::::::::|  ニ=-
             |/::::::::/   ∨ | |  厶=ーx' |::::::::::::::|      \
            /::::::::/ 厂 ̄ ̄ア7゙     ノ |::::::::::::::|       ⌒`:.
.             i ::::::::/  〉   《__jヽ    |  |::::::::::::::|    /    .
           | |::::::|   {     ノ八    |  |:i::::::::::::|.    /      i
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 いつも通り笑う玄ちゃん。

 それは快感を耐えて無理やり笑顔を作っているようには見えない。

 もしここにいるのが京太郎さんや咲ちゃんみたいな一般人だったならばそこで話が終わっていたわ。


 ここにいるのは、とても感性に優れた三人。

 オカルトならば私たちの分野。

 その三人には否が応でもわかってしまった。

 玄ちゃんの内面で、何が起こっているのか……。
667 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:07:57.76 ID:5X4lqp4so

 9/11

 ……
 …


            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
     . '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| `ト-  | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l
. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|.〒弐オ`\.l/〒テ...|./|.:i
...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリ .|:ノl:ノ 「わわっ、体が熱い。どうしたんだろう。
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー'     .゙-' |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|  xxx    ` xx',.!.:}    お嫁さんがいる京太郎君に欲情するなんて、失礼だよねっ!
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.      _ _  _,ノ./|.
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{     我慢しよう!」
  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{

 …
 ……
668 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:08:27.79 ID:5X4lqp4so

 10/11


 余談だけれども、パウチカムイの効果はプロレベルに達する。

 友好的な防御手段がなければ発情させられてしまう。

 今の玄ちゃんにはそんなオカルト要素はない。

 効かなかった理由はただ一つ。



 カムイをも超える、”鋼の精神力”


 

669 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/22(月) 17:08:57.31 ID:5X4lqp4so

 11/11


 「いやぁ、戻ってきてよかったよかった……。

  (パウチカムイが圧縮されてちっちゃくなっちゃったじゃん。zipかよ)」

 「どうしたの?」

 「ごめんなさい。気のせいだったわ。

  (知らない方がいいというか、何を言っていいかわからないわよ!)」

 「……玄はやっぱりいいお嫁さん」

 「ふえっ!?」

 「(ちょっ、シロ! なんで蒸し返してるんだよ!)」

 「(白望ちゃん!?)」

 「自分の意思をしっかり持っていて、自分を制御できる」

 「そんなことないよぉ!?」

 「でも、我慢しすぎなのは良くない。

  何か困ったことがあったなら、周りに吐き出すことも必要。

  それが周りの人のためにもなるってことは忘れないで」

 「はい!」

 「私たち三人は、玄の味方だから」

                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  /
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!    「(何だかわからないけど、とっても嬉しいのです!)」
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )
イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|


 カン!
670 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/22(月) 17:09:26.19 ID:5X4lqp4so
投下終了
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 17:35:26.45 ID:8+VGncqDO
乙です。
カムイすらも縮むクロチャーの重力。

なんかパウチカムイばかりネタにされてるから、他のカムイの話も見たいなーなんて。
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 17:35:41.37 ID:k/UN+Iglo
>>662
シロ可愛い

>>667
流石ブラックホールww
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 18:11:43.07 ID:FU2hH+Pgo
シロかわいいしクロチャーはwwwwww
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 19:13:51.16 ID:C2bb6KQgO
乙です
押さえ込まれた欲情は大量のマフラーを作る等のエネルギーに変換されてそう…
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/22(月) 22:32:25.37 ID:zRR3ZOjP0
京ちゃんが異世界の夢をみてその中に出てきた子達にみんないいお嫁さんになるとか言って欲しい…
676 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:28:36.51 ID:CmuZfJ2Yo

 1/10

 121
 シロの平行世界の話を見たい(平行世界)


 「シロ姉!

  どこか出かけようぜ!」

 「ダル……」


 今日は大学の講義も何もない日。

 いつものように朝食を作って、京にご飯を食べさせる。

 お米はタイマーをセットしておけばいいとはいえ、京は育ち盛りだからいっぱい食べる。

 朝からたくさんの量のおかずを用意するのは少し大変……。

 それを済ませ、どうにか京にご飯を食べさせて一息つくのがいつものことだ。

 一度だるだるモードに入ってしまえばテコでも動かない。


 「だるいなんて言わないでくれよー。

  俺、シロ姉とデートしたい」

 「……!」


 京は卑怯だ。

 いつだってそうやって直球で愛情表現をしてくれる。


 「ダメー?」

 「いい、よ……」

 「やったぁー!」


 顔をプイッと反らせる。

 きっと顔は不機嫌な顔になっているだろう。

 そうじゃなければ、顔が熱いことの理由にならない。

 京にペースを握られるなんて、あってはいけない。
677 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:29:05.94 ID:CmuZfJ2Yo

 2/10


 ……
 …


      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
        |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
        \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i
          /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       |   「それで、どこに行くの?」
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、  }
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               /.:.:/:.:.:./‐/ >、 _ ... イ     ゝ   ヽ
                 l.:.: ′:.:.|‐|    λ´            ` < _
.               人::|:.:.:/::|‐|     `ヽ   ィ´        / 7:.:.:. ’,
                Y:.:.:.';:.:/:.:.:|‐|                     / /:.:.:.:.:.:.:.:
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               λ.:.::´:/.:.:}‐{                !   / , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }
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            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「……ジー」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
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678 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:29:35.16 ID:CmuZfJ2Yo

 3/10


 「……何?」

 「いやー、なんでもないさー」

 「……」


 あれから京に一回自分の家に帰らせた。

 私たちは同棲状態だけれども、親に言っているわけではないので形式上は一人暮らし。

 私自身の準備があるから一旦帰らせた。それだけ。


 「京、ニヤニヤしてる」

 「えー、そりゃするだろー」

 「……なんで」

 「だってさー、シロ姉かわいいもん」

 「は?」

 「『一回家に帰って』なんて言うから何かと思ったら、気合いれた服を着てきてくれるし。

  髪の毛もヘアアイロンかかってるし、小物にも気を遣ってるじゃん」

 「……そんなことない」

 「それに駅前で待ち合わせって、待ち合わせデートしたいってことでいいんだよな!

  シロ姉かわいい!」

 「……」

 「あいたっ!

  頬を抓るなー!」

 「生意気」

 「うぎぎ」

 「胸ばっか見ない」

 「そ、それはちょっと……」


 弟分のくせに生意気。

 こんなによく見ているなんて卑怯。

 私は無表情のダルがりなんだ。塞も胡桃もみんな言ってる。

 そんな頑張り、するはずない。

 ……してない。
679 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:30:04.22 ID:CmuZfJ2Yo

 4/10


 「今日はちょっと俺の服を選んで欲しくて」

 「……服?」

 「うん。いくつか考えたんだけどさー」


 普通、立場が逆ではないのか。

 首筋を掻きながら顔をそらしている。


 「なんでもいいから外に出たかったの?」

 「うぐっ?」

 「わかりやすい」

 「そ、そんなことないよー?」


 さっきまでの余裕顔から一転、焦っているように見える。

 そうだ。これでいいんだ。

 『シロ姉』の上を取るなんて100年早い。


 「ほ、ほら、幾つか見てよ」

 「……わかった」

 「ほっ」


 露骨に話を逸らしてくる。

 もうちょっと弄ろうかと思ったけれど、これくらいで許してあげる。

 お姉ちゃんだから。
680 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:30:33.23 ID:CmuZfJ2Yo

 5/10


 「今年の夏はどんな服着ようかなーって」

 「ふーん……」

 「シロ姉、いつ買ってるのかわからないけれどセンスいいじゃん。

  意見を参考にしたいなって」

 「……」


 服を買い始めたのなんて、京と出会ってからだ。

 それまでは宮守のみんなで出かけてもマッサージチェアに座っていたりしていた。

 ……少しでもよく見てもらいたい、そんな風に思って『たまに』買いに行く。

 あとは少しずつ絞って、『私の能力』で決める。


 「こっちのジーンズとシャツでいいかなーって」

 「……」


 男の子の着こなしは楽で良さそう。

 そこそこの見た目があればシャツとジーンズで完成している。

 京の場合、顔も悪くない。

 姿勢も良いし、ガタイもいい。

 ……カッコイイのは認める。


 「ちょいタンマ」


 京の持ってきたものを戻して、少し店内を散策する。

 そこからいくつか候補を選択する。

 うん、これだ。
681 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:31:02.08 ID:CmuZfJ2Yo

 6/10


 「これ」

 「ダメージジーンズ?」

 「うん」

 「ちょっと合わせてみるよ」


 そう言って試着室に向かわせる。

 シャツなどは京が持っている他の物でも十分だろう。


 「おおっ、いい感じじゃん!」

 「それでいいと思う」

 「やっぱシロ姉のセンスはいいな!」

 「……」


 ダメージ系に、合わせてロックなシャツのセンス。

 高身長に金髪の見た目もあって、ビジュアル系になっている。


 「悪くない」

 「本当!?」

 「うん」

 「じゃあこれ買ってくるよ!」


 ……あくまで一般的に見て似合っているというだけだ。

 ビジュアル系が私の趣味というわけじゃない。


          〃-‐‐-----‐'/´
       ,, - ''       ー '、 
       ´             ヽ\
      /   /    |    |  ヽ \
    /   ,/     /|   l    _<
   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
     ̄|   {   示芸 \ |示芸!   }   〃
      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }     「(ビジュアル系の京……)」
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/
           /  〉 | 〉、 "
         /`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
        └t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ

 今日のお出かけは、ちょっと満足かもしれない。
682 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:31:35.64 ID:CmuZfJ2Yo

 7/10


 ……
 …

 「んじゃどっかで昼飯食おうぜ!」

 「ん」

 「?

  シロ姉そっちは食べ物屋ないよ」

 「……」

 「おーい」


 京を見ないようにして歩く。

 歩く速度はどんどん早くなって、早歩きになる。

 いつもだるだる歩いているのに、こうなるなんて久しぶりだ。

 それでも一歩の差が大きすぎて、京には安易に追いつかれてしまう。

 やっぱり京は生意気だ。


 「ここ」

 「公園?」

 「……」


 持ってきたバッグからあるものを取り出す。

 京を帰らせた、本当の目的。


 「ここに座って」

 「お、おう?」


 公園のベンチに座らせる。

 ……。
683 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:32:04.97 ID:CmuZfJ2Yo

 8/10

                                     <
     //      ´   !       丶、        \      \
    / /    /     !  ',    ヽ  ヽ           \      \
  /        ,'    l  ',       \  ヽ、      ヽ       \
  '        ,'       !',,  ',       ` 、、 ヽ      ヽ       ヽ
  {l ,'      l      . l   ヽヽ       ヽヽ ヽ               \
   /  ,'    l      |  \  \ヽ"'' - ,,   ヽ〜\     ヽ
          ! |    !|   \   < 〜 "' 、 ',  ! ヽ     ,   \     ヽ
  ,' /!      .∧  __  〜ー  ヽ    <   ,,x≦ }ヾy、',   /            }
  ,'  l ,'!   l !l 、〜  ',丶--    `   ̄彡ヤ"::o:::::}  }/ }/i /   \   ヽ ,'
  { ,'  !|   |! ∧ヾ __ ≦ ===ミ        弋:::::::::ノ      ./、     ヽ   |/
  、 . ! |   | | ∧ .|l ヤ:::::o::::}          ¨       ! }  \    ',
         、| |.∧ 、 廴::::::ソ                | /    ヽ   ,
          | 、∧           ,           |'   ヽ   ヽ  /
     |  |    ヽ ',   ///       ///    /   ',ヽヽ  }    「……お弁当」
     |    ',    ∧                      ,' } ヽ! /
       / \ヽ    、           ,-_‐、       イ ヽ! //
      ', ! ', 、ー    >               |
       丶 丶、  \     >        イ  .!__
              ̄      -|  `  ‐      | 八
                  / ヽ!         /   ヽ
                 /    \      イ      |::::<..
             ,, - ''"|       ` ヽ  / 、         l:::::::::::::::::::...<


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           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \  「うぉぉぉぉ!?」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
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684 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:32:33.76 ID:CmuZfJ2Yo

 9/10


 「マジか!」

 「早く食べる」

 「くぅー嬉しい!

  俺、シロ姉が作るご飯が一番好きだよ」

 「お世辞はいいから……」

 「お世辞じゃないって!」


 そ、そんなに褒めなくていい。

 早く食べて……、顔が熱いから……。


 「今日シロ姉連れ出しちゃったからさー。

  やっぱだるいかなーとか心配してたんだ」

 「そんなこと、ない」

 「楽しんでもらえたなら良かった。

  まだまだ時間はあるし、どっか行こう!」

 「うん」


 京がさっきより元気になる。

 京が元気になってくれるなら、私も嬉しい。
685 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/23(火) 16:33:02.95 ID:CmuZfJ2Yo

 10/10

 ……
 …

 少し経つと京はうとうとと眠くなったようだ。

 お腹がいっぱいになって眠くなるなんて、まだまだ子供。

 意識が落ちたのを確認して、ゆっくりと私の膝に誘導する。

 子供の時と同じような顔で眠っている。


 ……本当に眠ってる?


 ゆっくりと手を髪の毛に通し、頭を撫でる。

 気持ちよさそうに寝息をたてている。


 顔が熱い。胸がポカポカする。


 やっぱり京は生意気だ。


 カン!
686 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/23(火) 16:33:44.64 ID:CmuZfJ2Yo
投下終了。そろそろ全シリーズ〆へ
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:05:20.43 ID:xxs2Mt4do
乙です
シロかわ
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:09:35.47 ID:VXaEQbUwo
すばらな嫁だ
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:10:35.58 ID:Gt8Pbeulo
可愛すぎるわ
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:17:22.32 ID:TrMByLdvo
こんな彼女がほしい
乙です
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:20:13.40 ID:dAyIjLG/O
すばらよのう
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:23:08.66 ID:ECKED03CO
締めたらスレ終了になるのかなぁ名残惜しい
照ルート期待
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 18:28:19.90 ID:rs5aqb/Xo
グラビティ姉妹がどうなるか気になる
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 21:01:25.92 ID:qaaTz4kDO
京ちゃんとのデートはダルくないシロかわいい!

乙です。
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/23(火) 22:30:51.10 ID:AYXL76vIo
乙です
696 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:32:40.43 ID:BmTzdPgCo

 1/9

 【憧れのあの人は今】(平行世界)


 「今日こそはっ!

  大学で憧れの女性探しをしますっ!」

 「京ちゃん京ちゃん。

  ついていってもいい?」

 「えっ、まぁいいですけど……」


 なんでだろうか。

 照さんに頼まれると断れない。

 普通なら女の子と一緒に女の子探しなんておかしいはずなのに。

 (´・ω・`)←こんな顔をして頼まれたら仕方ないよな!


 「ああっ、あの時の女性はどこに……」

 「京ちゃん、私ならここにいるよ」

 「そりゃ照さんはここにいますよ?」

 「うん、ここにいるよ」


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「?」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|
697 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:33:09.38 ID:BmTzdPgCo

 2/9


 「何かあてはあるの?」

 「ふっふっふ。

  前の時のことを考えるとあの人は新入部員を求めていました。

  それすなわち! どこかのサークルに所属しているということですっ!」

 「さすが京ちゃん。頭がいい。抱いて」

 「友人たちといろいろな情報収集をしましたが、全く証言がないんですよね。

  となればもう自分の足で探し出す必要があるわけです」

 「ふんふん」

 「一目見たら分かる自信がありますよっ!

  パッと見てすごく綺麗でしたし、声も好みでしたから!」

 「そんなに言われると照れる……」

 「そういえば照さんの声もいい声ですよね」


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/   「!?」
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


 「京ちゃんに褒められた。

  今日はお赤飯」ホクホク

 「(でも、気だるげな棒読みだからよくわからん)」


 なにやら照さんが嬉しそうだ。

 そんなに喜ぶことなのか……?


 「んじゃ、そろそろ行きますよ」

 「京ちゃん、手」

 「はいはい」


 ボケーっと座ったままの照さんに手を差し伸べて起き上がらせる。

 全く、この人は……。
698 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:33:38.60 ID:BmTzdPgCo

 3/9


 ……
 …


 「い、いないっ!」

 「(京ちゃんとお散歩。楽しい)」


 講義の後に照さんを連れてサークル巡り。

 とりあえず俺の得意な運動系のサークルから文化系のサークルまで一通り巡ってみたけれど、証言も何も全くない。


 「あとは麻雀部くらいしか……」

 「……」

 「(なんかめっちゃ見られてる)」


 高校時代に入っていた麻雀部も早々に行ってみようと思ったけれど、照さんが嫌そうな顔をする。


 「照さんは麻雀部なんですか?」

 「ち、違うよ」

 「でもこの前も『まー』って」

 「うぐぐ……」


 いや、この人は誤魔化す気があるんだろうか……。


 「照さんが嫌ならいきませんよ」

 「ほんと?」


 これはちょっと嘘だ。

 麻雀部を後回しにしたのは、自分本位な都合でしかない。

 結局のところ、まだまだ自分の心に整理がついていないのだ。

 麻雀の文字がチラつく度に『咲』のことが考えをよぎる。

 それだけで胸が痛くなる。

 照さんを言い訳にすることで自分を保っている。

 わかっているけれど、自己防衛をしてしまう。
699 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:34:07.68 ID:BmTzdPgCo

 4/9


 「ハァ……」

 「……」


 照さんがこちらをじっと見つめてくる。

 やめてください、そんな純粋な目で見ないでください。


 「京ちゃん」

 「なんです、か?」


 ほっぺたを引っ張られる。

 なんで……?


 「何してるんですか」

 「かたい」

 「そりゃ固いですよ。

  男の子ですから」

 「むにっ」

 「やめなさい」

 「あうっ」


 なおも俺の頬をプニプニし続ける照さんをチョップすることで静止する。

 相も変わらずじっとこちらを見てくる。

 そんなに見られると照れるじゃないか。

 それに、照さんに見られていると全てを見通されている感覚になる。

 なんだこれ。

 何も知らない子供にじっと見られているってこんな感覚なのかな。


 「京ちゃん、ちょっと待ってて」

 「?」


 そんなことを考えていると、照さんがトテトテとどこかに去っていった。

 待っていてと言われた以上、やることもなくスマホを弄って待機することにする。
700 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:34:36.77 ID:BmTzdPgCo

 5/9


 ……
 …

                    / // /:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...    \
                   ./ // /.:/   .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... ヽ:.丶
                 -<⌒ ~ /:.:, ....:.:.:.:.:.:.:|:.:.:/:.: ト:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:..    \
               / て / / /:.:. | .:.:.:.:.: ─┼─ 、:|  ヽ :.:.:.:|:.:.: 从|:.:.:.:|:.:..    \
              ./ f_ ノ_ ノ / .:.:. |.:.:.:.:.:.|:.:.:/}/  :.:.;   |.:.:.:.:.:.:.「 ̄:|:.:.:.:.:.:.:.:.:..   \
             /       \ :.:.:.|.:.:.:.:.:.|:./  __|/   :.:.:.:/)/  |ハ:.:.:|:.:.:.:.:.. _   \
          ─-/          ̄ ̄`ヽ:.:.:|,ィ示笊ト   |.:/r笊テx |.:.:.|:.:.:.:.:.: l   ̄ ̄
        /)\     r── ー-:.:.:.⌒:.:.:.:.〈( ト//(__,     j/ ト//(_, )〉j.::/|:.:.:.ハ:|
       /      ̄ ̄ ̄}    , .:.:.:.:.:.:. \:.:.:|弋:.) ソ      V:.) ソ ,:.:.:. |:.:/:.:.:..\
      /        /     .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\{              :.:.:.:.: |/:.:.:.:.:.:.:..`
     ./         /      | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\""      '   ,,,, :.:.:.:.:.:.:.:. (\:.:.:.:.:.:.:...
    /         /       .:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \   _ _     八:.:.:.:.:.:.:.:\\:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
   ./         /        :.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.\   ノ   イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\`  :.:.:.:.:.
   /         /         V|:.:.:.: |:\:.:.:.:.:.\:.|\:.ヽ   <:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト :\ `ヽ:.:.|   「新入部員はこっちですよー!」
  ./         /       _  ─― |:.:.{{\:.:.:.:.:.\ ヽ:|  ト、:.:.:.:.:.:\:.:.:.\.:.:.:.:.:.:| \:\ j:./
 /        /\ー── ´ \ \ 人:.:\ \.:.:.:.:.:.\ :| _|ノ\:.:.:.:.:ハ:.:.:. |\:.:.:.:|   ヽ:.} /
./        /  ノ         \ \ \:.:{   ̄ ̄ ̄  /   \\/\|:.:.:.:|  ):.:/    j/
{        / /     \         | \ V    \/\   |  ヽ   ̄ ̄ `
>                        |   V     \ \/ \ | \    \
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.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /    「!?」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
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701 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:35:05.55 ID:BmTzdPgCo

 6/9


 あの人の声だ。

 思わず体を動かして廊下の曲がり角を曲がる。

 そこにいるのは、あの時に見た後ろ姿。

 まるで風のようにもう一つの曲がり角を曲がる。

 再び視界から離れたそれを追いかけると、そこには誰もいなかった。


 「あ、あれ?」


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |   「京ちゃん」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |

 「わぁ!?

  照さん!?」


 動揺していると、どこからともなくひょこっと照さんが現れた。

 なんで教室に隠れているんですか……。


 「京ちゃん、行こっ」

 「どこに行くんですか」

 「麻雀部」

 「えっ」


 いきなり何を言い出すんだ。


 「さっきちょっと離れた時に、みんなに連絡を取った」

 「ああ、それで離れたんですか」

 「これでゆっくり見学できるよ」

 「わざわざすみません」


 ぺこり、と頭をさげる。

 照さんはいつも通りボケーっとした顔をしている。

 俺は先ほど『彼女』がいた場所を少し振り返り、照さんについていった。
702 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:35:34.64 ID:BmTzdPgCo

 7/9


 「ここが麻雀部」

 「何だか懐かしいです」


 麻雀牌の音。

 耳に響くこの音だけであの時のことを思い出す。

 やっぱり、まだちょっと早かったかもしれない。


 「照さんは麻雀強いんですか?」

 「そんなことはない。

  私は下っ端。

  四天王の中でも最弱」

 「下っ端なのに四天王なんですか。

  どうでもいいですけど、一番最初の四天王が一番強いイメージありますよね」


 こんなところにまで来て何を喋っているのやら。

 この人といるといつも通りのリズムに戻る。

 そんな他愛もないことを喋っていると、ロングヘアーの女性がこちらに走ってきた。


          ____
        ´:::::::::::::::::::::::::::` 、
    /::::;r─‐::::::::;r─:、:::::::\
   /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::∧:::::::::`、
   .'::::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::
  :::::::::::i|::!::|::::|:::|i:::::::|l:::::|l::|::::::::::|::i
  i|:::::::::i|人|::::|::从::::儿;;八|::::::::::|::|
  i|:::::::::i| /モテ   モテハ::::::::::|::|
  i|:::::::::i|     ,     i|::::::::i|::|  「照! ここ最近サボりすぎだ!」
  .八::::::八       u  リ ::::::リ::|
   ヽ/:::i:::...   r  ュ   ,.イ::::}/i:::|
    |:::::i::::::::>   <| l:::::i:::::i:::|
    |-=''"  ノ      人  `'=-|
  /、     ト=======/      \
 /⌒\   ハ       /     /⌒ヽ、

       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'   「私は照ではありません」
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧
703 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:36:03.66 ID:BmTzdPgCo

 8/9


 やっぱり、最近の照さんはサークルをサボっていたのか。

 事あるごとに俺と一緒にいたんだから当然といえば当然、か。

 だから麻雀部に来たくなかったってところかな。


 「照さん、サボっちゃダメじゃないですか」

 「サボってない。

  休憩していただけ」

 「自分で『サボります』なんて連絡をしておいて何を言うんだ。

  君、照を連れてきてくれてありがとう」

 「いえ、照さんが自分から言いだした事ですし」


 この人が普段の照さんの面倒を見ているのかな。

 なんだか親近感が湧くなぁ。


           :_,.  -─……─-  :
       :
      .:´........................................................\:
   :/.......................|........ト、..............................ヽ:
 : /....................| |...i|........| \...........|....|............
:/.........../ .....|.._|_八......|   \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [   \|    \|....|............|:
      :|...|....|┬─┬    ┬─┬ |............|:
      : |...ト..| 乂:::ノ     乂:::ノっ|............|:
    :i|...|....|                 |............|:
     :||...|..人     , _       人.......l..|:
      八Λ.....>      _   .   <......../|/   「ぐぬぬ……なんで仲よさげなの……」
      \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
      ;/ ̄ |:\ ∧ /  /:::::/  \;
       :/   |:::::::\ ∨_/:::::::::/   ハ:
      :/     \:::::::Χフ:::::::::/
     /        ̄/:Τ:< ̄        ',;
     ;\   |    〈::::∧:::〉       |  /:


 「そりゃ似たような思いをしているからじゃないですか?」

 「あう」


 照さんの額に当たらないようにチョップする。

 全く、この人は……。

 自然と笑顔になってしまう。

 この人には、かなわないな。
704 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/24(水) 16:36:33.08 ID:BmTzdPgCo

 9/9



     /: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|.     |: : : :|: :|   _i: :∧: :|i: :
   /: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ  |: : : |i: :|  '´ |:/  V .|::
  /: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ !  {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj
.       i: : : : |:::::::ハ  气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
.       l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ          乂ZZソ
       |: : : : |:::::::j         ,
        |: : : : |:::::::{
        |: : : : |::::::::ヽ      ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
        |: : : /|: |:::::::::::> .   `−⌒ ⌒'‐′      . <    「このどろぼうねこ……」
       |: : / 乂|:∧:::| 、::::≧=   ___   <---


           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `   「何言ってるんですか……(こっち人はまともそうでよかった)」
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
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   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
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      トl!: : :'_||: : |: : : : : :/: : : : : : : : : } : :
      ||_|__r _¨_:::‐-:: : :__ イ: : : : : !
      || ̄「弋_ ノ¨ ̄ ::::::::::::::::::::: /: : ;′: |
      ||: : l::::: ||::::::::::;:::::::::::::::::::::::/ : : ヘ: :./  ̄ \
      |廴:l  |l            /: : :/イ: /
      |: : : ゝ    __     厶斗′: :l   ア
      |: : : ::::> ._´‐-'    _ ィ: : : /: <   リ
      |: : : ::::::斗ヘ!¨  T¨、:::: : : l: : : : |   だ         「(ガタイのいい金髪イケメンヤンキーに組み伏せられるお嬢様。
        斗 ´    l ̄` |  ` 、: l: : : : |   な
      /- 、.、     l ̄ ̄l     ヽl: : : : |              弓道で鍛えた体で抵抗するも男の腕力には敵わなくて……)」
.    /   ‘, 、   l   ′   , ィ ^ 、: : :.、
.     /  l  ヽ 丶  ! /  , ´ /  ‘, : \___/
   人  V   ` ‐-`_、∨ ≦-‐ ′V  人: : : : |
.  /  ヽl       / {!}`ヽ     !/  ヽ : : |


 カン!
705 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/24(水) 16:37:01.91 ID:BmTzdPgCo
投下終了
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 17:03:16.53 ID:aqnZONxSO
アリ




じゃNEEEEEEEEEEEEEE!!!!!
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 17:22:25.97 ID:4auj8u/mo
てるかわ
菫さんは相変わらずだなww
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 17:46:18.22 ID:/FAG27OtO
なんでどこの高校も常識人になりそうな奴がヤバいんだ
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 18:12:42.65 ID:HO0l0P5Ro
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 18:57:11.98 ID:1idEhr2zo
乙です
菫さんがアリな世界線の話はシメまでにありますか?
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 08:02:26.19 ID:RCdDaaA3o
照時空(京太郎時空?)シリーズ結構好き
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 09:07:02.24 ID:dP1Q+bH1o
乙乙
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 14:44:26.04 ID:C4OdQzOqO
乙です

照さん、かわいいなぁw
714 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 18:59:32.93 ID:ubImiAY+o

 1/9

 【あの人は危ないから関わってはいけません】(平行世界)


 「君、すまないな。

  このお礼は今度……」

 「いえいえ、お気になさらず。

  照さんをあまり怒らないであげてください。

  あまり強く言わなかった俺も俺ですから」

 「そうか。わかったよ。

  (なんだと!?

   それはつまり『お礼はお前の体さ。今夜俺の部屋に来いよ』ということか! くっ殺せ!)」

 「お腹すいた。

  京ちゃんお菓子」

 「今食べたら夕飯食べなくなるでしょ……。

  ダメです」

 「(´・ω・`)てるーん」

 「今度スイパラにでも付き合いますから」

 「(`・ω・´)てるーん!」

 「(屈強な体に抑え込まれてしまって、でも親友は裏切れなくて弱々しい抵抗をしたところを言葉責め……。

  なんたる鬼畜)」

 「あの、すみません?」

 「ああ、すまない。

  なんだ?」

 「いえ、良ければ麻雀部の見学をしたいな、と」

 「入部希望か?」


 うっ、そこを突かれると弱い。


 「まぁそんなようなもんです」

 「京ちゃん。それなら私が案内する」

 「良ければ少し打っていくこともできるが」

 「あー……、俺弱いんで、やめときます。

  気を遣ってくれてありがとうございます」

 「(麻雀ではあんなに強いのになんて言われてしまって、……なるほど、そういう言葉責めプレイもアリだな)」

 「京ちゃん、ここは危ないから行こう」

 「?

  わかりました」


 何が危ないんだろう?
715 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:00:04.38 ID:ubImiAY+o

 2/9


 ……
 …

 「何より、『女の子探しに来ましたー』なんて言えないよね」

 「普通だったら追い返される」

 「ですよねー」


 まさか照さんに正論を言われるとは。

 でも一目惚れした男子の行動だ。大目に見て欲しい。


 「ムスー」

 「口で言ってますよ。

  どうしました?」

 「別に」


 ?

 何やら照さんが不機嫌だ。


 「不機嫌ですね?」

 「そ、そんなことない」

 「何か悪いことしちゃいました?」

 「……」


 うん。女の子の心はよくわからん。

 咲もよく怒らせてたからな。

 ……やばい、自分で心抉ったわ。


 「京ちゃんが」

 「うん」

 「菫と仲よさそうだったから」


 ……

 本当に、この人は……


 「てい」

 「あう」


 いつものように、頭に当たらないようにチョップする。


 「誰かさんのことでちょっと意気投合しただけですよ」

 「ほんと?」

 「ほんとです」


 綺麗な人だとは思うけれど、俺には心に決めた人がいるからな!
716 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:00:33.27 ID:ubImiAY+o

 3/9


 「んじゃ、そろそろ行きますか」

 「?

  探さないの?」

 「さっきからチラチラ見ているんですけど、見つからないんですよね。

  もう諦めます」

 「そ、そうなんだ」

 「照さんには付き合ってもらいましたし、麻雀部の口添えをしてもらって感謝してます」

 「照れる。照だけに」

 「……」

 「ごめんなさい」

 「あーあー、せっかくお礼にスイパラ行こうと思ってたのになー」

 「!?」

 「考え直そっかなー」


           :_,.  -─……─-  :
       :
      .:´........................................................\:
   :/.......................|........ト、..............................ヽ:
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717 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:01:02.89 ID:ubImiAY+o

 4/9


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718 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:01:32.73 ID:ubImiAY+o

 5/9


 ……
 …

 「おお、すごい食べっぷりですね」

 「女の子にとって甘いものは別腹」モシャモシャ

 「それ、よく言いますよね」

 「京ちゃんは女の子とこういうところに来たことある?」

 「ないっす。

  と言うか女子とケーキバイキングとかに行くのはさすがにハードル高いっすよ」

 「私が初めて?」

 「そうですね」

 「えへへ」


 いつもの無表情ながら、とてもテンションが上がっているのが見て取れる。

 まぁ、普段からお菓子が大好きなわけだからね。

 そりゃスイパラなんてきたらこうなるか。


 「京ちゃん、そわそわしてる」

 「えっ」

 「京ちゃんも甘いもの好きだもんね」

 「セットについてくるやつとか好きなんですよ」


 レディースランチとか。


 「バイキング形式はいろんなものをちょっとずつ食べられるからいいですよね!」

 「京ちゃんはそういう方がいいの?」

 「そうですねー。

  同じ種類だと飽きちゃいますし、少なくてもいろんな種類食べたいです」

 「わかった」


 なんでこの人はメモを取っているんだろう……。
719 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:02:01.88 ID:ubImiAY+o

 6/9


 「照さんはケーキばっかり食べてますね」

 「せっかく来たから」

 「こういうところだとカレーとかパスタとかで舌をリセットしたりすると思うんですが」

 「甘いものが食べたいから来た。

  リセットする必要なんてない」キリッ

 「今までで一番引き締まった顔をしてましたよ」

 「かっこよかった?」

 「はいはい。

  格好いいですよー」

 「えへへ」

 「(あっ、緩んだ)」


 一瞬すごく顔が引き締まったかと思えば、次の瞬間にはゆるゆるに戻る。

 こういうところが照さんらしい。


 「京ちゃん、これも美味しいよ」

 「すぐ取ってきますよ」 

 「……これ、食べて」

 「!?」

 「あーん」

 「そ、それは……」

 「……」


 照さんが今にも泣きそうな顔でこちらを見ている。

 これは断れないし、役得かなぁ。
720 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:02:31.38 ID:ubImiAY+o

 7/9


                        _. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
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               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
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                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/  「あーん」
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
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         r つ ` <        / ∧__|>´|  ∧          }


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         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/   「あーん。甘くて美味しいですね」
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
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721 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:03:00.78 ID:ubImiAY+o

 8/9


 ……
 …


 照さんと別れて自分の家に帰ってきた。

 今日は色々と考えることがあって疲れたな。

 やっぱり照さんは麻雀部だったのか。

 まぁ、全く隠し通せていなかったんだけどさ……。


 「さて、これからどうすっかね」


 『憧れのお姉さん』なんて何処にもいなかった。


 スマートフォンを開く。


 『清澄高校麻雀部』の連絡先を見る。


 胸が痛む。


 いつまで引きずっているつもりだ。女々しいったらありゃしない。


 スマートフォンのバイブが震える。

 ドキリとして確認してみると、そこには『照さん』からのラインが来ていた。
722 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/25(木) 19:03:30.02 ID:ubImiAY+o

 9/9


 『(`・ω・´)今日は楽しかった!』


 胸が暖かさで満たされていく。

 あんなので楽しんでもらえたなら男冥利に尽きるってもんだ。

 そんな大層なもんでもないけど。

 『俺も楽しかったですよ』なんて返信しつつ考える。

 今度は別のデートでも考えてあげれば恩返しになるかな。

 スイーツめぐり以外に何か、あるっけ?


 「そういえば」


 俺って、照さんのことを何も知らないんだな。

 いつの間にか懐かれて、家でグダグダしていて、ボケーっとしている。

 まるでアイツそっくりだ。


 その割に、変に気が利く人だ。

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /    「『今度は照さんのワガママに付き合いますよ』っと」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


 その辺を詳しく聞いてみるのも悪くない、かな?


 カン!
723 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/25(木) 19:04:09.00 ID:ubImiAY+o
てるてる次元四話。投下終了
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 19:47:25.37 ID:s1lSmWKAO
照さんが愛おしい(*´д`*)ハァハァ
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 20:48:29.28 ID:RCdDaaA3o
乙ー
詳しく聞いていくうちに過去の記憶と今の照が結びついていくのかな……?
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:43:20.32 ID:SsSTpSR/o

スイパラがパイスラに見えた
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:46:10.72 ID:tLGcb8xNo
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 00:19:15.02 ID:yy7rOVayo
てるてるのパイスラ……?

なにか違和感が
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 02:02:23.17 ID:Z8EJq7LEo
乙です
ここの照さんホント可愛すぎ
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 08:14:28.26 ID:NkCia9uCo
>>728
肩掛けのバッグの紐が胸の中央通ってればサイズがどうでもパイスラにはなってんじゃねえの?(素朴な疑問
731 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:07:31.68 ID:rwUMDU/7o

 1/9

 【あの頃と今】(平行世界)


 「今日は楽しかった」


 一日中京ちゃんと一緒にいて、サークル巡りをして。

 京ちゃんとスイパラに行って、あーんをして……えへへ……。

 これはもうデート。間違いなくデート。

 『フラグ』が建ったと言っても過言じゃないはず。むふー。

 そんな気持ちでラインを送ったら……。


 『今度お礼をしたいんで、照さんのことを教えてください!』


 さっきまでの浮かれた気持ちが吹き飛んだ。

 私のこと……?

       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|  「むぅ」
人_    u              j.: .:|
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 どう返信したらいいものか。
732 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:08:01.29 ID:rwUMDU/7o

 2/9


 ……
 …


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                八:::::::´:::l八|   ̄ =苧芹|::::::::::|:::::::
               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
               |::::::::::. V_ノ        l:::::/|:::::::|
               |::::::::∧    '       イ::::::|:::::::|
.              八/i:::::::.、    rっ   /|:::::::|:::::::|  「それで私のところに来たわけか」
               |::::::::个::....    /|::::|:::::::|:::::::|
               |::::::::::|::::::::::Τ    ∨|:::::::|:::::::|
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           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
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               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
                |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′
                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/  「うん。菫が役にたつとは思ってないけど……」
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
                }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
                  / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
                   / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
                  ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、
               /  ∧:.:.:. ∨  /_,.:.―:.:.´:.:.:.//    Y |
                 {__  ,  \:.:.:{_/--  ´:.:.:.:.:.:.:./ ,      マ |
              //≧=-  〉介、______/_ /       } |
            //> ´ ` <≧=--r-- 、     ̄,:'        | |
            ,く ̄´          ` / /^T \   {          マ〉
         r つ ` <        / ∧__|>´|  ∧          }
733 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:08:30.59 ID:rwUMDU/7o

 3/9


 「人を頼っておいて散々な言い草だな」

 「残念ながら当然」

 「まぁいい。

  あの金髪ヤンキー君に押し倒されて組み伏せられる計画を立てればいいんだな?」

 「京ちゃんはヤンキーじゃない」むかっ

 「そこ以外は否定しないんだな」

 「は、恥ずかしい」


 これだから菫に相談する気は無かったのに……。


 「私から言えることといえば、『考えるな。体で感じろ』だな」

 「意味がわからない」

 「男なんてみんな狼のようなものだ。

  勝負下着を履いて男の家に行けば一発だろう」

 「……」

 「なんだ、どうした?」


           :_,.  -─……─-  :
       :
      .:´........................................................\:
   :/.......................|........ト、..............................ヽ:
 : /....................| |...i|........| \...........|....|............
:/.........../ .....|.._|_八......|   \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [   \|    \|....|............|:
      :|...|....|┬─┬    ┬─┬ |............|:
      : |...ト..| 乂:::ノ     乂:::ノっ|............|:
    :i|...|....|                 |............|:  「もうやった……」
     :||...|..人     , _       人.......l..|:
      八Λ.....>      _   .   <......../|/
      \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
      ;/ ̄ |:\ ∧ /  /:::::/  \;
       :/   |:::::::\ ∨_/:::::::::/   ハ:
      :/     \:::::::Χフ:::::::::/
     /        ̄/:Τ:< ̄        ',;
     ;\   |    〈::::∧:::〉       |  /:
734 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:08:59.88 ID:rwUMDU/7o

 4/9


 「なん……だと……?

  私の参考書(少女漫画)にはそう書いてあるんだが。

  彼は不能なのか?」

 「いつも京ちゃんの家でゴロゴロしているけど反応してくれない」

 「それは女として見られていないんじゃないか?」

 「うぐぐ……」


 気にしていることを言う。


 「なら女の子として見られればいいんじゃないか。

  照の得意な料理でもなんでも見せてやればいい話だ」

 「京ちゃんは私のことを料理ができないと思っている」

 「は?」

 「講義もサボっていると思われていた」

 「そんな馬鹿な。

  もうほとんど単位は取り終えているし、麻雀部だってここ最近までサボったことなんてないだろう」

 「うん」

 「大学生としては異常なくらい浮ついた話なんてなかったし、合コンなんかにも行ってない。

  いつも通りの照をアピールしていけばそれでいいと思うんだが」

 「ううん。

  それはできない」

 「えぇ?」


      /              \
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i/   |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |
     |:::ノ   "" j/  /::::::|:::::::::::::::: :: |  「私はドジで何もできない『照さん』だから」
    |::::.、        '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
    |::::ハ`       !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
    |/   ヽ.__,..::、  /::::/:::/:::::::/:/!: /
           V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
          ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
     ,...-‐'"            `ー- 、
   r=、´                   `ir、
  /\ヽ、                     ||.ト、
 ハ   | |:|                    ||.| |
. i ゙、  | |:|                   ||.|/!
|  ゙、 !.i:i                   ||.||
735 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:09:28.90 ID:rwUMDU/7o

 5/9


 「何でわざわざそんなことを」

 「……」

 「それはだんまり、か。

  全く、高校時代の妹さんの件もそうだが、肝心なことは話してもらえないんじゃどうしようもないぞ」

 「ごめん」

 「プロ入りを蹴って大学に進んだ理由だって、全部自分で抱え込んでしまっている」

 「……」

 「いつだって私は蚊帳の外だ。

  それなのに頼られるんじゃ付き合ってられないな」

 「ご、めん」


 菫が怒っている。

 ああ、当然だ。怒らせたのは私だ。


 「だがまぁ、こんなことは慣れている」

 「?」

 「照の行動に困らされるのはいつものことだよ。

  演じている理由は聞かない。過去を詮索しない。

  『ドジでダメダメな照さん』のまま相手を惚れさせる。

  これでいいんだろう?」

 「菫……」

 「お節介焼きなのは性分だ。

  ここまで来たら恋のキューピットにでもなってやるさ」

 「少し楽しんでない?」

 「……自覚はある」

 「ふふっ」


 菫は優しいね。


 「だがまぁ、一つだけ言わせてくれ」

 「?」

 「このザマじゃ、『ドジでダメダメな照さん』というのは間違ってないみたいだな」

 「うぐぐ……」


 否定できない。

 菫の表情に笑顔が戻った。

 私はいい友達を持った。
736 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:09:58.05 ID:rwUMDU/7o

 6/9


 ……
 …


               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(        「こっちこっち!」
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/


     /    .:: : .:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::: : : i
   /          / .   /::.:::::    .:::;:イ :/:.::::::::::::::::!   !
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 /;/´ ̄ /: .::::::/:;:-‐/T77i ̄:::; -‐' /::7ナー-、_:::/:::レ::!: |
 ´    /: :.:::∠:::イ   ___!:::/   /ノ!ナ|::::::://::::::::::::: :!
      /.:::::::::::::::::;ヘ! ァ"7::::::::iヾ     '´,;-ァ=!::;ィ、 /::::::::/::: : !
     /;:イ::::::::::::::::{ヽ|.'{  b::::::::!      h::::レ:::i>'::::::::/イ:: : !、
    // /:::::::::::::/::|  ! ` ゝ:::ン_        ,!'_::::;ン/:::::::/ i::: : 、ヽ、
   .!/ !/:::::::::/:::::ヽ i   , , ,   ,     , , , i:::::::/ /:::::: : : iヽヽ     「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
   / /::::::::::/:::::::::::゙、_|              |:|:::/_ノ:::::::::. : : ゙、 \ヽ
    /:::::://::::::::::::::;ハ     _  _     !:i:::、::::::、::::::::. : : :i  ヽ!
  ∠./‐' /:::::::::::/   > 、      ̄    /v、::ヽ:::丶:::::::.. : :!
       /::/::::/ _,ノ:::::::::` r 、     ,  イ、/  ' !::::/\::::.、: :!
     /::/;/  `ヽ、__;ィ:|:ー-`〒´-‐:':´::|    レ'  ヽ;ハノ
    //        _,..-'´:|::::::::::::||:::::::::::::::::!丶,、
        _,... -―'::´:::| :::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::::::|:`ー-、
737 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:10:27.09 ID:rwUMDU/7o

 7/9


 ああ、またこの夢だ。

 最近はよくこの夢を見る。

 小さな頃に会った憧れのお姉さん。


 「おねーちゃん遅い!」

 「運動は苦手なんだ」

 「そうなの?」

 「うん」

 「しょーがないなー!

  僕は合わせてあげる!」

 「ふふっ、ありがとう」


 そういえばそんなこともあった。

 今まではずっと『完璧なお姉さん』なんて覚えていたけれど、思い返してみれば苦手なものもあったはず。


 「おねーちゃんって勉強は出来るの?」

 「どうかな。

  いきなりどうしたの?」

 「だって、僕の名前について知っていたから」

 「そうだね。

  自分や家族、妹の名前を調べたことがあったんだ」

 「そ、そっか」

 「?」

 「なんでもない!」


 もしかしたら、自分のことを気になって調べたんじゃないかという、淡い期待があった。

 なんでも知っているはずのお姉さんは僕が不機嫌になった理由がわからなくてオロオロしていた。

 そんな風に困らせて、僕のことを考えさせて喜んでいた覚えがある。

 小さな頃の、好きな人に悪戯したい精神だった。
738 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:10:56.17 ID:rwUMDU/7o

 8/9


 「ふーんだ」

 「ごめんね?」

 「つーん」

 「どうしたら許してくれるかな?」


 あくまで大人な対応を取るお姉さんにムスッとしていた。

 だから困らせたくて言ったんだ。


 「結婚してくれたら許してあげる」


 きっとその時の僕の顔は真っ赤だったんだろう。

 なんだか理由をつけてお姉さんに構ってもらいたかった。

 それだけだ。


 「ふふっ、君がその名前みたいに素敵な男の子になったらね」


 その後の反応はどうだったっけ。

 年に似合わない、とっても大人な対応をされた気がする。


 「落ち着くってこと?」

 「ううん、そっちじゃないよ」


 そう言うと、お姉さんは僕の耳元に口を近づけて、呟いた。

 僕はドキドキしていて、お姉さんが何を言ったのかなんて覚えていなかったんだ。
739 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/26(金) 21:11:25.30 ID:rwUMDU/7o

 9/9


 ……
 …


 携帯の連絡先をじっと見つめる。

 そろそろ決着をつけるときなのかもしれない。


 清澄高校が優勝した一年生の頃から、俺の心はどこにもなかったんだ。


 あの時、咲に告白できなかった自分のヘタレっぷりに腹がたつ。


 それで失敗していても良かったんだ。


 行動できなかった俺は、男失格だ。


 「やらなきゃ何も進まないよ」


 ボソリと呟いた言葉は自分でも意識したものじゃない。

 俺は強く目を閉じて、歯を食いしばる。

 携帯のマ行から宮永を探し、連絡する。


 携帯のコール音が響く。

 そんなに長い時間ではなかったはずなのに、やけに長く感じた。


 『もしもしー』


 相手が出たことに驚いている場合じゃない。


 そうだ。


 デートの約束を取り付けるんだ。



 続く
740 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/26(金) 21:11:54.28 ID:rwUMDU/7o
投下終了
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 22:25:18.00 ID:cuMwcJQio
すばら
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 23:07:53.65 ID:A32TughSo

菫さんのは本当に少女漫画なのか・・・・・・
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 00:11:48.30 ID:DvRvysvHo
意外と早く物語が動いたな
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 01:50:08.65 ID:h5utQBZ9o
乙です
照さん報われてほしい
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 10:40:06.52 ID:tZHUb2NNo
乙です
ちょーよかったよー
746 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:24:35.83 ID:jLGt9YRdo

 1/12

 【宮永への連絡】


 目覚ましの音が鳴る。

 今日は早めにセットしておいたんだった。

 いつもは周りの人に不潔と思われない程度にしかしない身支度を時間をかけて整える。

 朝からシャワーを浴びて清潔にする。

 昨日買ってきておいた少しお高いシャンプー。匂いは彼の好みだろうか。

 シャワーを浴びたらドライヤーで乾かし、ヘアアイロンでくせ毛を治す。

 軽く朝食をつまみつつ、歯を磨いて口臭にも気をつける。

 万に一つでも匂いを気にされたら立ち直れる気がしない。

 昨日のうちから準備しておいたお洒落な服に着替える。

 新品だから値札を剥がさなきゃいけない。

 服のサイズなんかが貼ってあったら台無しだ。

 いらないものをバッグから取り出し、最低限のものだけ持つ。

 普段は最低限で済ませる化粧もキッチリこなして、テレビの前に立つ女優の気分。

 あまり匂いのキツくない香水をつけて、準備万端。


               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           /: : :/ : : : : : : : : : : : : : i : : : : : : : : : ヽ
             /: : :/: : : : : : : :./|: : : : : :| : : : : : : :ヽ : : :.
         /: : : i: : : : : : : |: | |: : : : : :|ヽ:.:i: : : : : :i : : i
            ′: : :|: : :i.: : :./|: | |: : : : : :| i:.|: : : |: :.| : : |
          / : : : : |: : :|:|i: :|‐|‐ト: : : :|i:斗‐|┼: i:.|: :.| : : |
.         /: : :/|八 : |八 |_.レ'.._|: : :八/__.}/∨}/: : | : : |
        厶イ  |: : ヽ{{ 午不か}/  午示下}.: : :| : : |
           |: : : :| 弋__ソ       弋__ソ  レ': : : |
           |: : : :|ハ                /| : : : : |   「……」
           |: : : :|ヽ}       '        /´| : : : : |
           |: : : :|: :人    _    /.: :.| : : : : |
           |: /i: |: |: : `: :._     ィ: : i: : :.| : :i.: :.|
           {/.人{: |/}: :厂}   ー  .{ア}_l_: : |: : i :. ′
            ,. -‐乂¨ ̄{¨       ¨}   ¨八/}/
          r<. 、       |          |        >、
       /   \\      |          |    //  \



 緊張してうまく笑えない。

 いつものようにダラけた顔でいいはず。

 どうしても浮かれてしまう。


 だって、京ちゃんからお誘いがあるなんて初めてだから。
747 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:25:05.10 ID:jLGt9YRdo

 2/12


 「笑顔」


 写真の前で笑顔の練習。

 ぐぎぎ、なんてひきつった表情が映っている。

 おかしいな、テレビの前だとあんなに綺麗に笑えるのに。

 好きな人の前なら一番いい笑顔が見せられるなんて間違っている。

 だって、緊張して笑えそうにないから。


 「あっ……」


 駅までの時間を考えると、今から出るのがギリギリだ。

 遅刻するなんて以ての外。

 ……うまくたどり着けるか自信はないけれど。

 いや、そんなことはない。

 私はドジじゃない。ドジな振りをしているだけ。


 「行って、来ます」


 家に飾ってある写真たてに声をかける。

 お父さんとお母さんと咲が和解した日に撮った記念の一枚。

 私にとって何よりも大切な宝物だ。

 写真たてに飾って、毎日眺めている。


 そこに映る私は営業スマイルなんかじゃない本物の笑顔を浮かべている。


 こんな笑顔を、京ちゃんに見せられたらいいのに。


           _. . ----- . ._
        ,. : ´: : : : : : : : : : : ` : .、
      ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : 、
     .': : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : :'. : : : : :\
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : ヽ
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : :、: : : .、
     |: : : : : : : {: : : : : : |: : : : : : :},、: : : ::l  ̄ `
     |: : : : : : : :| : : : : : |: : :|: : : / {: :.|:|:.|
     |: : : : : : : :l: : : : : :.|: : :|: : : |_ノ: :从:j
     |: :,: : : : : : ,: : : : : :|: : :|: : : | |: : | '
     |: :| : : : : : : : : : : : |: : :|: : : | |: : |    「……」
     |: :,: : : : : :/: : : : : ,: : : : : : :|ィ}: : ,
     |: :{: : : : :/: : : : : /: : : :|: : :.| , : /
     |:/|: : : : ,: : : : : : {: : : :/: : //:イ_
     |' ,: : : /: | : : : : | ̄ /: イ /::/ /  ヽ
         \: {/、: : :.从 /   /::/ /    :.
       / }/{  \{     /::/ /       }
       {  |::|           /::/ /      |


 いつもの『照さん』に気持ちを切り替え、ゆっくりと外に出た。
748 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:25:34.25 ID:jLGt9YRdo

 3/12


 ……
 …

           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |   「京ちゃん、おはよう」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |

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               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
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      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'    「照さん、おはようございます」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、
749 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:26:03.29 ID:jLGt9YRdo

 4/12


 「駅まで迷わず来れて良かったですよ」

 「京ちゃんは失礼。

  そこまでで迷ったら生活できない」

 「それもそうなんですが、家まで迎えに行っても良かったんですよ?」

 「……」

 「照さん?」


 むぅ。京ちゃんは乙女心がわかってない。


 「待ち合わせ、したかった」

 「あっ……」

 「……」

 「じゃ、じゃあ行きましょうか」

 「うん」


 京ちゃんが顔を逸らす。

 少しは意識してくれたかな?


 「そういえば照さん」

 「何?」

 「その服、とっても似合ってます」

 「本当?」

 「はい。それに心なしかいい匂いが……」

 「京ちゃん?」

 「な、なんでもないです」

 「……えへへ」


 喜んでもらえたなら嬉しいな。
750 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:26:32.15 ID:jLGt9YRdo

 5/12


 今更だけれど、京ちゃんはとっても格好いい。

 今日はデニムにシャツから上着を羽織るというラフな格好だけど、とっても格好いい。

 高身長だから何を着ても似合う。


 ずるい。


 「京ちゃんはずるい」

 「えっ、いきなりどうしたんですか」

 「なんでもない」

 「なーんでご機嫌を損ねちゃったのか……」


 京ちゃんが苦笑いしている。

 そんな風に京ちゃんを困らせて、京ちゃんの関心が自分に向いているのが嬉しい。

 好きな人に意地悪をしちゃう気持ちがわかる。


 「京ちゃんも」

 「ん」

 「とっても似合ってるよ」

 「……そ、そうですか」


 京ちゃんがそっぽを向いてしまう。

 格好いいなんていつも言っていることだと思うんだけれども、今日の京ちゃんは様子がおかしい。

 いつも京ちゃんのことを見ているからわかるよ。

 一体どうしたんだろう。
751 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:27:01.52 ID:jLGt9YRdo

 6/12


 「今日はどうするの?」

 「動物園でも行こうかなって思ってます」

 「うん、いいよ」

 「照さんは美術館とか行きます?」

 「全然わからない」

 「ははっ、俺もです」

 「動物なら好き」

 「俺もです。

  実は実家でカピバラを飼っていまして、動物好きなんですよ」


 京ちゃんは動物を飼っているんだ。

 まだまだ知らないことがいっぱいある。

 もっともっと京ちゃんのことを知っていきたい。


 「やっぱり初デートは動物園か美術館かなーって考えてたんで、良かったです」

 「デート?」

 「デート……、ですよね?」


 京ちゃんが不安そうな目でこちらを見つめてくる。

 私としては京ちゃんとのデートのつもりだったけれど、京ちゃんまでそう思ってくれているとは思わなかった。


 「うん。デート」

 「良かったー。

  じゃあ、行きましょう」

 「うん」


 えへへ。嬉しい。

 顔がにやけるのを必死に抑える。

 京ちゃんもそう思ってくれているのが本当に嬉しい。
752 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:27:30.83 ID:jLGt9YRdo

 7/12


 「照さんは動物好きですか?」

 「うん。かわいい」

 「どんな動物が好きなんですか?」

 「えっとね。えっとね」


 頭の中で浮かぶのは小動物みたいに怯える咲。

 犬のように尻尾を振って懐いてくる淡。


 「兎や犬」

 「なんか極端ですね」

 「そう?

  京ちゃんはカピバラ?」

 「そうっすねー。

  やっぱり飼っていると愛着湧きますし、スッゲー可愛いんですよ」


 カピバラの話になると興奮する京ちゃんが可愛い。

 本人に言うと拗ねちゃいそうだから言わないけれど、私は満足だ。


 「触ってみたい」

 「あいつの毛ってめっちゃ固いんですよ。

  良かったら今度触りに来ます?」

 「!?」


 それは京ちゃんの実家?

 うん。お義父さんやお義母さんに挨拶しなきゃ……。


 「是非」

 「じゃ、今度予定が空いた時にでも……」


 そう言って京ちゃんは顔をそらす。

 やっぱり、なんか雰囲気がおかしい。
753 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:28:00.46 ID:jLGt9YRdo

 8/12


 ……
 …

 動物園を回って、外に出てからお昼ご飯を食べる。

 入ったのは値段もお手頃なファミレスだ。

 変に高い店じゃない方が嬉しい。

 ご飯を食べている間にも京ちゃんに凝視されているのがわかって、なんだか恥ずかしい。

 いつも見たいな杜撰な対応じゃない。


 「京ちゃん」

 「なんですか?」


 でも、これを聞くのはとっても怖い。

 聞いてしまえば、今の曖昧で心地よい関係がなくなってしまうことがわかっているから。

 私はこの立ち位置でいい。

 京ちゃんのためにいられればいい。

 そう思っていたのに、聞いてしまう。


 「なんか様子がおかしいよ」


 言った。

 言ってしまった。

 言った後にすぐに後悔して顔を俯かせる。

 京ちゃんはどんな顔をしているんだろうか。

 案外、私の考えすぎで『何を言ってるんですか?』なんて言ってくれないかな。


 「……そうですね。

  俺がヘタレで、伸ばしすぎちゃいました」
754 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:28:29.36 ID:jLGt9YRdo







 「あなたの妹のことを考えていました」





 

755 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:28:58.48 ID:jLGt9YRdo

 10/12


 心臓が飛び跳ねる。

 胸が締め付けられる。

 唇が乾いて声が出ない。


 「わ、私に妹はいない」

 「せっかく仲直りしたんだから、そんなこと言っちゃダメですよ」


 呆れ顔で諭すように喋る。


 「と言うか、本気で誤魔化してる気だったんですか……」

 「ぐぬぬ」

 「……昨日初めて『照さん』に電話したんですよ。

  咲から聞いた『宮永照』さんの電話番号に」

 「……えっ」

 「顔を覚えるのは得意な方なんで、まぁ9割は本物だとは思ってましたよ。

  でも、あの時チラッと見た『宮永照』さんの印象と目の前にいる『照さん』の印象が違いすぎて、念のため」

 「……」

 「そうしたら、『照さん』に教えてもらった電話番号と咲から聞いた『宮永照』の電話番号が一緒だったんで、もう間違いないな、と」

 「そう、なんだ」

 「ごめんなさい。

  頑なに隠そうとしていたから、聞かない方がいいと思っていました。

  でも、どうしても聞きたいことがあったんで、調べちゃいました」


 京ちゃんも震えている。

 やっぱり怒っているのかな。

 困惑しているのかもしれない。

 京ちゃんがゆっくりと唇を開いた。
756 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:29:27.63 ID:jLGt9YRdo

 11/12


 「照さんはどうして、こんなことをしてたんですか?」


 口を紡ぐ。

 何も答えられない。

 菫にすら話せなかった自分の浅ましさが露わになる。

 それを目の前の彼に話すことがとっても辛かった。

 でも、もう逃げていられない。


 「京ちゃんは好きな人はいる?」

 「!?」

 「私には、いるよ。

  京ちゃんの好きな人は、『憧れの人?』」


 雰囲気が重苦しい。

 もっと楽しいデートになるはずだったのに、なんて考えると目から涙が溢れそう。

 こうなってしまったのは自分のせい。しっかり受け止めないと。


 「それとも、咲?」


 空気が固まった。

 時計の針が止まった気がする。

 京ちゃんが瞬きひとつしない。


 「それ、は」

 「私はね、京ちゃんのことが好き」
757 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/27(土) 16:29:56.30 ID:jLGt9YRdo






 「だから、咲の真似をしていた」




 
758 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/27(土) 16:30:25.71 ID:jLGt9YRdo
続く
投下終了
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 18:51:37.66 ID:AmWUGHhOo
乙です
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:54:11.98 ID:DvRvysvHo
そう来たか……乙です
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 21:10:03.99 ID:vdrKVL/ho
おおう……この流れで>>747を読み返すと実に意味深だ
続きが気になる
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 22:27:23.83 ID:7YH3+0X2o
なんでこんなに面白いんだ…
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/27(土) 23:44:19.85 ID:usxD8i8Jo

うむ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 13:26:03.71 ID:0IFeZWVeo
続きが気になる
どの話も面白いなあ、ヒロイン可愛いし京ちゃんの掛け合いもいいし
765 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:25:55.11 ID:4nnDY5ZIo

 1/13

 【あなたが好きです】


 「なんで、そんなこと……」

 「嘘じゃない。

  これは本当の気持ち」


 ドクンと胸が高まる。

 口の中の水分がなくなったようだ。

 こんなに緊張したこと、麻雀でだって経験がない。


 「いつからですか」

 「いつからだろう。

  忘れちゃった」


 これは少し嘘。

 それを言うのは恥ずかしい。


 「好きならなんで、咲の真似なんか」

 「それは……」


 少し怒ったような顔をして京ちゃんが詰め寄る。

 それを聞くのは、ちょっとひどいかな。

 京ちゃんだってわかっていることだよ。


 「京ちゃんが、咲のことを好きだから」


 自分で言って、頭をガツンと殴られた衝撃を感じた。
766 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:26:24.18 ID:4nnDY5ZIo

 2/13


 私はいつもお姉ちゃん。

 いつだって優先されるのは妹。

 そのことについて全く不満に思わない聖人なんかじゃない。

 過去のことがあって、不貞腐れて、妹のことを忘れようとしたくらい。

 みんなが私のことを美化する。


 私は『優等生のインハイチャンピオン』なんて記号じゃない。


 私だって人間だ。

 姉妹喧嘩をすれば妹を優先されて不貞腐れる。

 私はお菓子が好きだ。ついつい食べ過ぎてしまう。

 本当は誰かに甘えるのが好きだ。

 迷子になって咲と一緒に泣いてしまったこともある。

 タブレットの操作だって必死に覚えた。

 嫉妬だってする。

 麻雀で手を抜かれた時には本気で怒った。
767 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:26:52.91 ID:4nnDY5ZIo







 私のことを何も知らない貴方が眩しかった。





 

768 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:27:21.66 ID:4nnDY5ZIo

 4/13


 最初は咲に関わっていたということで近づいた。


 彼の人となりを知った。


 とっても優しくて、エッチだけど、人を気遣う強さを持っていた。


 駄々をこねて足を止めて、手を伸ばした。


 貴方はやれやれと呆れながら手を取ってくれる。


 いつもなら迷子にならないようにちゃんと下準備をして出かける道も、貴方が前もって調べてくれる。


 私は誰もいない家で一人、仕事に行った母親と自分のために料理を作っていた。


 その寂しさを埋めるように、文句を言いながらも構ってくれる。


 苦手な料理だって、誰かを見捨てられない貴方は作ってくれる。


 1・2年の頃は講義の時間を必死に覚えた。ドジにならないようにメモを持っていた。


 今は貴方が心配してくれる。その時に講義の時間を確認するだけでいい。


 いっぱい甘えて、いっぱい助けてもらった。


 そんな貴方が大好き。
769 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:27:50.29 ID:4nnDY5ZIo






 「私は貴方にとっての咲になりたかった」




 
770 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:28:20.07 ID:4nnDY5ZIo

 6/13


 それは叶わないことだとわかっていた。


 「京ちゃんが辛いのはわかっていた」

 「そんなの、照さんにわかるわけないじゃないですか。

  誰にだって相談したことない」

 「わかるよ」

 「なんでですか」

 「恋する乙女は、好きな人のことには敏感」

 「……」

 「京ちゃんが誰かにお世話をして、誰かのために動く。

  それが当たり前になるくらいの関係の人。

  ……そして、それは今いない人」


 咲と話せば出てくる、貴方の思い出。

 仲直りした日の思い出話。貴方の話をたくさん聞いた。

 その時からずっと気になっていた。


 「京ちゃんは私の中に咲を見ていた」

 「そんな、ことは」

 「そんな顔をしないで。

  そういう風に思わせたのは私自身」

 「そんなわけっ」

 「自然と迷う誰かのために、見ていないと不安な誰かのために、京ちゃんが好きな咲のために」

 「やめてください」

 「……」

 「俺はそんな大層な人間じゃない、です」

 「知ってる。

  私はそんな京ちゃんだから好きになった」

 「なんで」

 「私はこのままの関係でも良かった。

  京ちゃんが咲を求めて、私は咲になりたくて、いつか京ちゃんの心の傷が癒えるその時までいられれば良かった」

 「そんな自己犠牲なんてあるわけない!」

 「女の子だから」


 その言葉に息を飲んだのを感じた。
771 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:28:49.62 ID:4nnDY5ZIo

 7/13


 「でも、これでおしまい」

 「照さん?」

 「私は咲の真似事をして京ちゃんの気を引きたかった。

  京ちゃんも、私も、こんなことを知ったら一緒にはいられない」


 震える声を無理やりしまう。

 大丈夫、愛想笑いは得意だ。


 「今までありがとう」


 今日会った時には浮かべられなかった笑顔がすんなり出てきた。

 嬉しくて楽しくて、昨日は夜眠れなくなるほどだったのに浮かべられなかった笑顔。

 京ちゃんが格好良くてニコニコ笑おうと思ったのに、ニヤァなんて笑っちゃう私。

 まるでこれから記者会見を受けるかのように、綺麗に笑えた。


 せめて京ちゃんにとっての最後の宮永照が、笑顔で終わりますように。
772 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:29:18.96 ID:4nnDY5ZIo






 「俺の名前の意味って知ってますか」




 
773 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:29:48.61 ID:4nnDY5ZIo

 9/13


 フラッシュバックのように何かを思い出す。

 忘れてしまった何かの記憶。

 思い出せそうで思い出せない。


 「小さい頃、とある人に教えてもらったんです」


 困惑する私に対して、京ちゃんは顔を上げる。

 さっきまでの不安そうな顔をしている京ちゃんはどこにもいない。

 意を決した男の子の顔。

 こんな状況なのにドキッとした。


 そんな顔をしないで。

 諦めきれなくなる。


 「『京』は京都の京。

  日本の中心って意味です。

  『太郎』は日本男児の名前で健康優良」

 「名前……」

 「『須賀』は須賀の地を指し、『落ち着く』と」

 「それは……」


 私だって知っている。

 名前に関しては、自分や咲の名前について調べたことがある。


 「照さんは言いました。

  俺の隣にいると『落ち着く』って」

 「……うん」

 「すごく嬉しかった」


 そうだ。

 名は体を表す。

 京ちゃんには京ちゃんの良さがある。

 隣にいるだけで、とても落ち着く。

 私を引っ張ってくれる、私の中心。
774 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:30:18.45 ID:4nnDY5ZIo

 10/13


 「俺が好きなのは咲じゃない。

  照さん。あなたが好きです」


 ……


 えっ?


 「京ちゃ……」

 「またせちゃってごめんなさい。

  俺はまた、あの時みたいに何も言えないままになるとこだった」

 「う、うそ」

 「この数ヶ月、俺の隣にいたのは咲じゃない。照さんです」

 「……それは咲の真似をした私」


 心が嘘をついている。

 代替えでもいいと騒いでいる。

 受け入れてしまえと叫んでいる。

 それでも、私の中の面倒くさい部分が顔を出した。


 「咲の真似をした照さんなんていませんよ、照さんは照さんです」

 「そんなこと……」

 「言っちゃアレですけどね。


  全 っ 然 似 て な い で す っ ! !」



 えっ


 「まじ?」

 「マジです。

  咲はあんなお菓子マシーンじゃありません。

  まぁ面倒くさがりなところとか、姉妹っぽいなってところはありますけど」


 あれ?


 「そもそも咲は俺に対してもっと辛辣です。

  照さんとのデートで咲の名前をあんまり出すのもアレですが、何頼んでも嫌そうにするし」


 それは照れ隠しじゃないかと、姉の感が言っている。
775 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:30:47.28 ID:4nnDY5ZIo

 11/13


 「照さんは素直で、まっすぐに感情をぶつけてくれる。

  『照さんが知っている咲』って、『照さんに甘える咲』なんじゃないですか?」

 「あっ……」


 そういえばそうだ。

 咲といえば甘えん坊。

 私にべったりと甘えてきてるイメージが強い。

 だから私も京ちゃんに甘えていたんだ。


 「あんなべったり甘えてきたりなんかしません。

  俺の知っている照さんはここにいる照さんだけですよ」

 「……」


 顔を伏せる。

 嬉しい。


 「京ちゃんはすごい」

 「えっ」

 「そうやって人を笑顔にする」

 「へへっ、どーですか」

 「とっても嬉しい」


 やっぱりそうだ。

 こんなワガママを言っても、自分だけの理屈を言っても。

 京ちゃんはブレない。

 私が『咲の真似をしている』なんて言ったのに。

 本当の『ありのままの私』を見ていてくれる。


 ああ、やっぱりこの人が好きだ。
776 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:31:16.85 ID:4nnDY5ZIo

 12/13


 「もう我慢できない」


 「はいはい。

  これでいいですか」


 「もっと強く抱きしめて」


 「む、難しいです」


 「えへへ」


 「照さんいい匂いがするから……」


 「もっと嗅いでいいよ」


 「積極的ですね……」


 「京ちゃん」


 「なんですかー?」


 「日本の中心を照らすのは、太陽?」


 「……詩的ですね。

  結構本を読むんですか?」


 「うん。本は大好き」


 「そうですね。

  照さんだけのこと、もっと知りたいです」


 「うん」
777 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/28(日) 16:31:46.22 ID:4nnDY5ZIo







 「これからもたくさん覚えてね」





 
778 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/28(日) 16:32:20.90 ID:4nnDY5ZIo
 カン
 いつも通り七話+後日談構成
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 16:50:40.21 ID:90fp2z+Ho
乙です
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 17:09:15.31 ID:nuwUlhbMo
てるたそ〜
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 18:00:54.02 ID:0pE4dbUQo
や京照NO1!
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 18:16:05.21 ID:0pE4dbUQo
素晴らしかった
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 18:18:05.34 ID:3oKkwj61o
京照たまらん
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 22:20:24.00 ID:DYyQDP41o
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 23:59:11.67 ID:C/0xjHcxo
他と話数一緒だったのか
何か意外
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 00:25:49.66 ID:PvhbHqdw0
乙です!

や京照N1!

これは、報告を聞いた咲ちゃんの反応が気になる所だなww
787 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:25:52.86 ID:y3Zyz8dwo

 1/14

 【宮永照-エピローグ-】(平行世界)


 「と、いうことで京ちゃんと付き合うことになった」

 「何が『ということで』、だ馬鹿者」


 菫に何で罵倒されているのかわからない。

 こんなに幸せに語っているというのに。

 せっかく幸せのおすそ分けをしているのに、菫は心が狭い。


 「この一日で何回『京ちゃん』を聞いたと思う?」

 「それでね、京ちゃんがね」

 「いい加減にしてくれ……」


 菫がげんなりしている。


 「せめて話のレパートリーをだな?」

 「うん」

 「毎回毎回、同じ話を繰り返される気持ちにもなってくれ。

  それに、随分とまぁ急展開じゃないか」

 「そうかな?」

 「少し前には『自分のことを隠しながら魅力を伝えるにはどうしたらいいか』なんて相談しておいてこれだ。

  次に会った時には解決しているとは」

 「そういえばそうだった」

 「全く、私も何かアドバイス出来ないかと色々と勉強してきたんだぞ?」


 それは悪いことをした。
788 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:26:21.86 ID:y3Zyz8dwo

 2/14


          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|   「ちなみに、どうやって勉強したの?」
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
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       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
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  |:.:|:.:.:.:.Tイ示气   ̄ 示气T:.:.:.:.:.:
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  |:.:.\:.:.:.∧     '    .::\:|:.:.|   「それはもう、ツタヤに行って少女漫画と昼ドラをだな……」
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789 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:26:51.02 ID:y3Zyz8dwo

 3/14


 「うん。やっぱり聞かなくて正解」

 「人に相談しておいてそれか」

 「人に話すだけでも楽になることはある」

 「それは相談を受ける側の私が言うことじゃないだろうか」


 だって菫だもん。


 「関係も少しは先に進んだのか?」

 「えへへ。

  この前告白された時、手を繋いでくれた」

 「それは……憧れるな」

 「でしょ?」


 胸を張って自慢する。


 「手を繋いでデート、乙女の憧れだ」

 「うん。すごく気持ちよかった」

 「まぁ、手を繋いでいないとすぐにどこかに行ってしまうもんな」

 「菫は失礼」

 「彼氏からも『ドジ』認定されているんだろう?

  演技をする必要なんてなかったじゃないか」


 むぅ。菫が意地悪な笑みを浮かべている。


 「キスはしたか?

  それともお持ち帰りされたか?」

 「!!?」

 「……えっ」

 「そ、そんな、恥ずかしいよ」

 「人の家に勝負下着で乗り込んでいる奴の言うことか……?」

 「菫はスケベ」

 「なんで私が責められているんだ!」


 だって……。ねぇ?
790 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:27:20.90 ID:y3Zyz8dwo

 4/14


 「女子なら誰だって気になることだろう……」

 「うん。私はいつでも準備オッケー」


 指でブイの字を作り、菫に見せる。

 菫はやれやれと手を振った。


 「そんなことを言いながら、本番になったら真っ赤になってしまうだろうな」

 「うぐっ」

 「実はキスされそうになって、ヘタレて逃げ出したなんてありそうだ」

 「うぐぐぐぐっ」

 「……私はその彼氏くんに同情するよ」

 「いいもん。京ちゃんに慰めてもらうから」

 「はいはい。ごちそうさま。

  噂の彼氏くんが来たようだぞ」

 「えっ?」


 菫の声に反応してみれば、サークルの入り口に京ちゃんがいた。

 私に手を振っているようなので、犬のように駆け出す。


 「京ちゃん、どうしたの」

 「そろそろ終わりかと思って、迎えに来ちゃいましたっ」

 「嬉しい。どきっとした」

 「そ、そうですか」


 これは本当。

 京ちゃんが私のことを迎えに来てくれたことが嬉しくて、胸が温かくなる。

 手をつないでいた時のドキドキとは異なる感情。

 京ちゃんはいつも、私が知らないものを教えてくれるんだ。


 「あー、彼氏くん。あんまりここでイチャイチャしないでくれ」

 「すみません……。すぐに回収します」

 「回収されます」

 「ああ、それと。

  私たちももう3年なんだ。進路のことはしっかり決めておけよ」


 菫が最後に言い残した言葉に表情を曇らせる。

 そっか、もう三年生なんだ。

 進路のことを考えて、来年からは就職活動だ。
791 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:27:49.87 ID:y3Zyz8dwo

 5/14

 ……
 …

 「へっ、進路ですか?」

 「うん。京ちゃんはどうしたいのかなって」

 「何も考えてないんですよねー」


 家の中でグデーっとしながら答える京ちゃん。

 そういう京ちゃんは、きっと誰かのために働くことができる人だ。

 どこに行ってもやっていけるタイプというのは、このことを言うのだろう。


 「聞いていいのかわかんないんですけど……」

 「京ちゃんなら何でも聞いていい」

 「それなら。

  『どうしてプロに入らなかったんですか?』」


 この質問が来ることは覚悟していた。

 周囲の環境、菫の追求、何から何まで『宮永照は高卒プロ入り』と決めつけていた。

 きっと周囲が驚くような理由だ。

 だからちょっと意地悪してみる。


 「当ててみて」

 「マジっすか。

  えー……。

  『麻雀なんてしがらみを捨てて遊びたかったから』なんてどうですか?」

       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|   「……当たり」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧
792 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:28:19.31 ID:y3Zyz8dwo

 6/14


 「すっごく俗物的な理由ですね……」

 「ダメかな」

 「いいと思いますよ。

  たいていの大学生なんて遊びたい目的っすよ。

  照さんのことですし、優等生ぶるのに疲れた反抗でしょ。

  それでも頭のいい大学を選ぶあたりが照さんらしいというか……」

 「なんでばれてるの」

 「好きな人のことならわかる。男の子だから!」

           :_,.  -─……─-  :
       :
      .:´........................................................\:
   :/.......................|........ト、..............................ヽ:
 : /....................| |...i|........| \...........|....|............
:/.........../ .....|.._|_八......|   \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [   \|    \|....|............|:
      :|...|....|┬─┬    ┬─┬ |............|:
      : |...ト..| 乂:::ノ     乂:::ノっ|............|:
    :i|...|....|                 |............|:   「うぐぐぐぐぐ……」
     :||...|..人     , _       人.......l..|:
      八Λ.....>      _   .   <......../|/
      \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
      ;/ ̄ |:\ ∧ /  /:::::/  \;
       :/   |:::::::\ ∨_/:::::::::/   ハ:
      :/     \:::::::Χフ:::::::::/
     /        ̄/:Τ:< ̄        ',;
     ;\   |    〈::::∧:::〉       |  /:

 見事に一本返されてしまった。

 やっぱり京ちゃんにはかなわない。

 かなわないことがとても嬉しい。
793 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:28:48.76 ID:y3Zyz8dwo

 7/14


 「それでも、京ちゃんに会うまでの二年間は何も変わらなかった」

 「あれ、そうなんですか?」

 「うん。

  手厚い待遇に努力して勉強、遊び方なんてわからなかったから」

 「今もそんな遊んでないですよね」

 「私にとっては、京ちゃんと一緒にいるだけで幸せ」

 「そんなこと言わないでください。

  いっぱいデートしましょう」

                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/   「……うん!」
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'

 やっぱり京ちゃんは卑怯だ。

 何も考えてないようで、人の心を溶かしていく。

 私が一番欲しい言葉をかけてくれる。

 とても嬉しい。胸がポカポカする。
794 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:29:17.89 ID:y3Zyz8dwo

 8/14


 「あー、ちょっと重い話になるんですが」

 「何?」

 「俺は別に、照さんが麻雀辞めても気にしませんからね?」

 「えっ?」


 言っている意味がわからない。

 自分で言うのもおかしいが、『宮永照と付き合っている』というのは京ちゃんにとってのステータスになると思う。

 京ちゃんのためなら麻雀だって頑張れる。


 「照さんが麻雀好きでやってるなら話が変わるんですが」


 京ちゃんは頭を掻きながら話を進める。

 私はあえて全てを聞こうと思った。


 「咲みたいに特別好きじゃないって場合なら、無理に続けなくてもいいんじゃないですか」

 「それは、どういうこと?」

 「あー、そのー……だからさー……」


 京ちゃんの物言いがはっきりしない。

 何を言いたいか、本当にわからない。


 「俺の側にいてくれればいいんだよっ」 


 私の頭が爆発した気がした。
795 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:29:46.61 ID:y3Zyz8dwo

 9/14


 「もし麻雀嫌いだけど無理に続けているなら、他にもいっぱい遊びを教えます。

  照さんはプロになりたくないからこんなことをしているのかなって。

  そうだとしたら、無理にプロになる必要だってないですからね」

 「ほう」


 顔が焼きあがって京ちゃんの顔を見ることができない。

 格好いい。

 素敵。

 だいすき。


 「夢がある」

 「なんですか?」

 「……主婦になること」


 今なら、普段は言えないような恥ずかしいことも全部言ってしまえそうだった。


 「麻雀は嫌いじゃない。

  むしろ好きだけど、それはそれで……」

 「ああ、うん、わかりますよ……」


 二人して顔を赤くして俯いている。

 付き合い始めの大学生カップルがする会話じゃない。重すぎる。

 何をやっているのかわからなくて混乱する。
796 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:30:15.98 ID:y3Zyz8dwo

 10/14


 「俺が養いますから、その辺は気にしなくても……」

 「お、お願いします」


 なんだかよくわからないことになってきた。

 雰囲気はまるでお見合い。


 「でもそうなると貯金を貯めたりするのに時間がかかりそうですね」

 「あっ」


 話が飛躍しすぎているけれど、私は結婚を思いついた。

 京ちゃんと結婚したい。すごくしたい。

 須賀照になりたい。ドヤ顔したい。

 結婚するのは女の子の憧れ。


 「決めた」

 「照さん?」

 「プロになる」

 「照さんが決めたなら、俺はそれを支えます」


 京ちゃんは安心したような表情を浮かべている。

 大学生には重い会話だろう。

 でも、京ちゃんを逃がす気はない。
797 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:30:45.24 ID:y3Zyz8dwo

 11/14


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               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
                |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′  「プロで結婚資金と貯金を稼いでから寿引退する」
                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
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                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
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798 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:31:14.15 ID:y3Zyz8dwo

 12/14


 「えっ、なにを言っているんですか!?」

 「これに決めた。やりたいことは全部やる」

 「ワガママですね」

 「今の私はワガママ照さん。

  もう我慢しないって決めた」

 「……とってもいいと思いますよ。

  照さんは昔から我慢しすぎなんですよ」


 京ちゃんがハッっと口を漏らしたような表情を浮かべた。

 すぐに元の京ちゃんに戻ったけど、私は見逃さなかった。

 あえて気づかないふりをして話を続ける。


 「これから麻雀に本気で取り組んで、プロ入りする。

  お金を稼いで、子供ができたら主婦になる。

  主婦でも京ちゃんを支えたいからパートさんの仕事をしたい。

  ……もちろん、京ちゃんの意見があればそれに従う」

 「いやぁ、いいと思いますよ。

  俺なんてまだ何にも考えてませんから……。

  麻雀、やりたければやって、やりたくなければやらなきゃいいんですよ」

 「うん、そうする。

  京ちゃん、ありがとう」

 「どういたしまして。……でいいのか?」


 京ちゃんが笑った。


 「しかし今から結婚の話は、さすがに雲の上ですね」

 「重い女の子は嫌?」

 「照さんなんて軽いですよ。

  ずっと一緒にいますから」

 「うん、それに、ね」

 「?」
799 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:31:43.19 ID:y3Zyz8dwo







 「結婚したら許してくれるって言ったでしょ」





 

800 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/02/29(月) 17:32:12.72 ID:y3Zyz8dwo

 14/14


 京ちゃんの顔が真っ赤になる。


 ようやく反撃できたかな? 勝利のVサイン!


 そんな京ちゃんを見て、私は―――


                . . .-‐…‐-. . .
                 ... ´. . . . . . . . . . . . . \
           /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
            /. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
         /. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
            ′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
          ′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
.         /: |l: : : |l ∨__|{  }: : / レ'  }| }: : i: : : :i
       /: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
        // _ }ト: : :ハ 弋 ソ     :::::: 厶イ: |: . . |
      /^  / }|l: ≧ゝ} ::::::  ′__    /-' i: :|: . . |
.      ' .i / / }: : ::::::人    f  ノ ./:::::: i: :|: : i |
.      i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。..   < i::::::::/::/: :/: |
    ノir―-ミ  |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
   f入 `ー  〉 /'  V_ゝ/.〈 ]  /  i`/イ、_
   辷ーく  /   /   /  rヘ/__rヘ_/   |    ヽ
   { ̄`  入    i   /  | /:::| / .       /  ハ
.   Y   i 圦   |.  `> 1 /::::|l ∧ _彡  /
    ハ.  // ‘, 」:::/ /  |/::::::|l/ \    /     |
.   /八_//   ‘ {:::;′〈 .   |ト、/    〉__ i  \/
   《`ーイ:::   V:::{   ‘,   |i i/    /  | |    〉
   ヽ:::::::::::::..  L::i ..........ゝ. У_彡 .........| |   ./
      マ:::::::::::.   八:::::::::::::\く  L:::::::::::::| ′  {
     `マ::::::::.   :∧::::::::::  ヽ} ::::::::::::::::::::/   .j
       マ:::::::  }i :::i    Oj   :::::::::::    /


 ―――初めて、心の底から笑えた気がした。
801 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/02/29(月) 17:32:41.12 ID:y3Zyz8dwo
てるてる次元、完
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:54:41.33 ID:6yklvtq7o
乙です
照さん可愛い
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 19:18:26.61 ID:ymm0Ulm8o
照さんいいなあ
乙です
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 20:19:21.64 ID:dk0PqGNUO
かわいいいいいいいいい
悶えすぎて苦しい
乙した
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 21:29:31.88 ID:y9Vq/mSAO
や京照N1
照さんは溜め込むタイプだと思います。かわいすぎか
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 21:52:08.62 ID:lXS5iSyJo
乙ー
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 22:45:48.91 ID:lPOZmNtMo
乙です
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 23:55:15.74 ID:WjkGUt9o0
乙です

照さん、超可愛い…!

後、寿引退するとすこやんとかの未婚雀士が黙ってなさそうだな…
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 00:44:35.32 ID:Cd0CghGZo
かわいいかわいいかわいい
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 01:30:05.28 ID:qxkF3NEQo
平行世界シリーズで一番好きかも
乙です
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 02:34:10.63 ID:rh7BuCiYo
乙です
もっとみたい
ここの京照大好きです
ワッフルワッフル
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 09:35:11.23 ID:0CQNe6pDO
>>808
このテルテルには勝利の……あー、何て言えばいいんだ、守護神?的なのがついてるし、大丈夫でしょ。
813 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:50:37.45 ID:aho6loA8o

 1/8

 488
 京咲で釣り


 宮永咲です。

 今日は大学の講義もないので、京ちゃんと公園デートです。


 「わぁ、海だ」

 「あんまりこういうとこ来ないからね」

 「うぐぐ」

 「咲は出不精だなァ」

 「今日は来たでしょ!」

 「はいはいっと。

  落ちるなよー」

 「そんなことしないもん!」


 怒りながら京ちゃんに詰め寄るけれども、京ちゃんはケタケタ笑うだけで相手にしてくれない。

 京ちゃんは、本当にもー。


 「わわっ」

 「風が吹いてるんだから気をつけろよー」

 「先に行ってよ!」


 急いでスカートを押さえるも、京ちゃんは無反応気味。

 それはそれで腹がたつんですけど!
814 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:51:07.42 ID:aho6loA8o

 2/8


 「……見えた?」

 「いた、見えんかった」

 「見えなかったら見えなかったで悔しがるものじゃないの!?」

 「……いや、どうせ家で見るし」

 「ぅひ!?」


 何を言い出すの!?


 「京ちゃんのバカ!」

 「うるせー!

  こんなところで発情するわけにもいかないから見ないほうがいいんだよ!」

 「ふーん、発情しちゃうんだー?」


 ニヤニヤしながら京ちゃんと手をつなぐ。

 恋人握りなんかしちゃって、するっと腕を絡ませる。

 ふふっ、昔なら絶対に出来なかったけど、今なら自然と出来ちゃうんだ。

 女にされちゃったってやつだねー。仕方ないねー!


 「バッ、やめろ!」

 「ふふーん?」

 「……いやこれ公園デートだからな。

  今日は行く場所あるから」

 「何言ってるの京ちゃん。

  出来ないのがわかっていて焦らすのが楽しいんじゃん!」

 「このー!」


 空を仰ぐ京ちゃんを見て勝利を確信する。

 たまには私だって勝てるんだよ!

 ……あれ、京ちゃんなんでスマホを弄りだしたの?


 「何やってるの?」

 「……帰る前にラブホの検索」

 「ぅひ。

  せ、せめて家まで我慢しようよぉ」

 「誘ったのは咲じゃねーか」


 夜には大敗を喫しちゃいそうです。
815 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:51:36.33 ID:aho6loA8o

 3/8


 ……
 …

 「それで今日は何をしに来たの?」

 「デートのネタも尽きてたし、新しいものを開拓しようかと」

 「その結果が公園?」

 「違うよ、ここは釣り堀だ」

 「へー」


 釣りかぁ。和ちゃんがよく釣りをするって言ってたなー。


 「でも、釣りって結構体力使うんじゃ……」

 「俺も未経験だし、いざという時は二人でやればいいんじゃない?」

 「それもそっか」


 何しろここにいるのは初心者二人。

 京ちゃんはすぐに釣り堀を管理しているスタッフに話しかけに行き、色々と情報を入手する。

 本当、こういうところはすごいよね。

 私じゃ絶対にできないもん。


 「よっし、レンタルしてきたしやろーぜ」

 「う、うん」


 それでもやっぱりちょっと怖い。

 魚や堀が怖いんじゃなくて、周りに人が結構いるのが怖いの!

 コミュ症だから仕方ないし!


 「そーんな気にすんなって」

 「ううっ……」


 違うもん。

 すぐに誰とでも仲良くなれる京ちゃんがおかしいんだもん。
816 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:52:05.68 ID:aho6loA8o

 4/8


 ……
 …

 「よっしゃ、一匹釣れた」

 「わわっ、すごい!」


 少し時間はかかったけれど、京ちゃんは結構いいところまで行っているみたい。

 私はもう半分諦めながら釣竿を持っているだけなんだけどね。

 これ、彼氏だけが乗り気で彼女がそれに付き合ってあげてるってシチュエーションだよね。

 そう思うとなんか嬉しいというか、ニヤニヤしちゃうというか、えへへ。


 「何笑ってんの」

 「なんでもないのー」


 京ちゃんが楽しそうで何よりです。

 私は釣りなんてわからないし、正直釣りが楽しいわけじゃないけれど、京ちゃんが楽しそうなのは嬉しい。


 「って、咲。引いてる引いてる!」

 「ええっ!?

  どうしよう!」


 そんな風にじっと京ちゃんを見ていたら、自分の釣竿が引っ張られた。

 どうやら何かかかったらしい。

 あー、私に引っかかるなんて同じようなドジっ子さんだなぁ、なんてそれどころじゃないことを考えつく。


 「引っ張ればいいの?

  えーい!」

 「バッ、強すぎっ!」


 あれ、ダメだった?

 思った時にはもう遅く、釣竿を持ち上げきれずに力だけが後ろに向かい、倒れてしまう。


 「わーっ!?」

 「咲っ!」


 京ちゃんがなんとか支えてくれたけれど、少し後ろの人にぶつかってしまった。
817 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:52:35.00 ID:aho6loA8o

 5/8

                 〜〜    〜〜
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        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }    「ご、ごめんなさい……」
.          { レヘ::八     _.. ‐〜‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {
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            /...;、;リ'"  ` ヽiヽ:.、:.:.:.:.:.. ヽ
            /;.:リ'           jハ:.:.:.:.:.:.:!、
             i;.:.|  _     ,.=-   iハ!:.:.:.:.:!、
               iハ:.:! __`ニ  ´ ‐_,...、  |:.:.:.:.:.i`
           | !、i< ('::i゙     ´Lン'゙ |^ }:i:N
               、!               /ル     「ああいえ、お気になさらず」
                 i   ′      ,:‐'/
                  丶   ‐--   ,.:V′
                     `丶 _  _,..::'   !
                      〕´     |-.、
              _,...-‐''/7   __/   `丶、_
           rrr''"    i   ′/        >>、
          λi:!      |   /         //  ヽ
          / ヽヾ、     |  /    ,,:=='"イ
818 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:53:03.91 ID:aho6loA8o

 6/8


 ううっ、優しい人で良かったよぉ。


 「あれ、あなたは白糸台の……?」

 「?

  どこかで会いましたか?」

 「こいつ宮永照の妹です」

 「ああっ、なるほど!

  どこかで見覚えがあると思ったら!」


 あれ!? 京ちゃんがまたすぐに仲良くなってる!?


 「インターハイで見ただろ」

 「さすがに京ちゃんほど人の顔を覚えるのは難しいよっ」

 「ははっ、お姉さんにはお世話になりました」

 「い、いえいえこちらこそ!

  お姉ちゃんのことだからきっと迷惑ばかりかけたんじゃないかって!」

 「そんなことは……そんなことは……」

 「あっ」

 「咲、わかりきっていることを聞いてはいけません」

 「ははは……」


 困ったように笑っている。

 もー、お姉ちゃんったら……。


 「それでも、照さんは本当にすごい方でしたから」

 「俺らの前じゃそんなんでも、一応現役プロだもんな」

 「全然そんな風には見えないのにね」


 こんなことを話していると、お姉ちゃんがドヤ顔でブイの字を作りそう。

 もー、家でもちょっとはしっかりしてよねー。
819 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:53:33.11 ID:aho6loA8o

 7/8


 「でも、妹さんも凄かったじゃないですか」

 「私なんてそんな……」

 「謙遜しすぎは嫌味だぞー」

 「ううー!

  京ちゃんはそういう!」

 「仲がいいんですね」

 「あー、まぁ」

 「こ、恋人ですから……」

 「お熱いことで」


 あっ、呆れた顔してる。

 うぐー、京ちゃんのせいだからね!!


 「良ければ、私が妹さんに釣りを教えましょうか?」

 「いいんですか?」

 「ええ。ちょっと気になって見てたんですけど、二人とも初心者みたいですし」

 「それは助かるっす。

  俺もノリでやってるだけだから教えられないしなァ」

 「よ、よろしくお願いします」

 「こいつ人見知りなんですけど気にしないでくださいね」

 「京ちゃん!?」

 「照さんの知り合いなら安心だろ」

 「そう言ってもらえると嬉しいよ」


 あっ、笑った。

 うー、かっこいい系の人は羨ましい。

 今日ちゃんと横に立っているとビジュアル系でユニット組めそうだもん。

 ぐぬぬ……。


 「咲は運動できないし、本当初心者なんでダメだったら投げ出していいっすよ」

 「このー!」


 好き勝手に言ってー!
820 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/01(火) 20:54:02.54 ID:aho6loA8o

 8/8

            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉    「京ちゃんの竿使いなら負けないし!」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
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                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|



      >      \
     /  _ 八、 、   \
    / / }ノ'  \l、
   .厶:/__   _,ノ \   |
    | |           | . |
    八_| ┃    ┃  レ')ノ   「えっ」
         '     __/
      人   rっ u ,.イ /
       >    イ |/

 カン!
821 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/01(火) 20:54:31.48 ID:aho6loA8o
投下終了
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 21:41:03.45 ID:5xI2hKxZO
咲さんがぶっこんできたw
毎日乙ですー
823 :320 [sage]:2016/03/01(火) 21:47:52.28 ID:bRkRswTSO
おつおつ
>>822
まさにそれww咲さんてば大胆

釣り餌にびびらなかったのはちょっと意外
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 22:35:38.35 ID:QflRazQdO
乙です
毎日の様に京太郎の竿から白いおたまじゃくしを釣り上げてるんですね(ゲス顔)
>>823
餌はゴカイとかじゃなくて練り餌じゃないかな
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 22:41:46.42 ID:rXRmo+MAO
>>823
釣り堀の釣り餌は管理と扱いが容易な練り餌や疑似餌が多い
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 22:56:36.12 ID:qxkF3NEQo
だんだん下ネタに抵抗がなくなっていっちゃうパターンですねこれ
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 23:34:29.42 ID:si+172Vlo
乙です
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 23:46:41.63 ID:7TRxEtWYo
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 10:53:40.17 ID:+NFUa6ADO


京ちゃんの棹使いで咲に勝つ人がいたらそれはそれで問題だろwwwwww
830 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:23:22.40 ID:z9BkLHOdo

 1/8

 【違和感】(平行世界)


 どこかふわふわとした感覚。

 まるで夢を見ているようだ。

 自分は『小瀬川白望』という中で、自分とは別の『小瀬川白望』がすることを覗いていた。


 「京、だるい」

 「はいはい。ちょっと待ってくださいねー」


 京は私の言う通りにお茶を入れてくれて、コタツに入っている私の背中に毛布をかけてくれる。

 すぐに飲もうとする私に『まだ熱いですよ』、なんて注意をして、ゆっくり背中をさすってくれる。


 「京」

 「今取ってきますよ」


 声をかけると、今度はみかんを持ってきてくれた。

 持ってきてくれたみかんをじっと見つめる。

 京と目を合わせて、すぐに視線をみかんに戻す。


 「仕方ないなー」


 そんなことを言いながら、京はみかんを剥いてくれる。

 私はまるで妹や娘にするような扱いを甘んじて受けていた。


 「はい、あーん」

 「あー……」


 それはちょっと恥ずかしい。

 だけど嬉しいから食べてしまう。
831 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:23:51.70 ID:z9BkLHOdo

 2/8


 ボーッとしながらもいつもの無表情。

 京はそんな私を見ながら、ニコニコしている。


 「ゴミ捨ててくるよ」

 「うん……」


 そろそろ動かなくては、なんて思っても京が先に動いて全て終わらせてしまう。

 言ってはなんだが、すごく楽だ。

 『小瀬川白望』のあるべき姿とは、こちらの方が正しい気がしてくる。


 (ずっとそうだったな)


 塞や胡桃に何度注意されたかわからない。

 いつもこうしてだるだるしていて、自分から行動なんて滅多にしない。

 二人ともなんだかんだ言いつつ私のフォローをしてくれるから、それに甘えてしまうんだ。


 「シロ姉、お風呂湧いたよ」

 「おぶって……」

 「さすがにそれは危ないって」


 私はこんなことを言えたっけ。

 京と密着するなんてなったら真っ赤になってしまう気がする。

 でも、こっちの私の方が正しい私な気がする。


 わからない。
832 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:24:20.78 ID:z9BkLHOdo

 3/8


 「シロ姉、どうしたの?」

 「ん」

 「?」

 「なんでもない」


 そんな私に気づいたのか、わざわざ回り込んで私の表情を確認する。

 私はいつも通りコタツに突っ伏して、顔を横にそらす。

 京はその顔が見える位置にまで移動してこちらを見てくる。

 なんだか気恥ずかしい。


 「シロ姉お風呂ー」

 「京が先に入っていい……」

 「俺、他にもやることあるんだけど……」

 「じゃあ入る……」


 私はダルそうに立ち上がると、京をじっと見つめた。

 『どうしたの』なんて表情を浮かべる京に、一言付け加える。


 「一緒に入る?」

 「バッ、何言ってんだよ」


 京が顔を真っ赤にする。

 わずかな優越感が胸に飛来する。

 挑発するように上着を脱ぐと、京はそそくさとその場を離れた。

 それをぼーっと見つめる。

 特に何か考えていたわけではなかった。
833 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:24:49.68 ID:z9BkLHOdo

 4/8


 それからも、京に料理をしてもらったり、髪を梳いてもらったりと至れり尽くせりを味わった。

 私の知っている京は料理なんて出来なかったと思うけれど、とても美味しい料理が出てきた。

 何より、京に料理をしてもらっているだけで嬉しいかもしれない。


 「今日は自信あるんだけど」

 「美味しい」


 ちょっとは女の子として危機感を覚えた方がいいはずなのに、私はそれを享受する。


 「あっ、お味噌汁おかわりする?」

 「する」


 パタパタと主夫のように動く京。

 高身長も相まって違和感を覚える。

 それでも、だるがりの私にとっては関係ないらしい。

 私をお世話してくれる京が、とっても可愛らしかった。


 「シロ姉、機嫌いいね」

 「そう?」

 「表情変わらないけど、わかる」

 「んー」


 ちょっと恥ずかしいから顔を背ける。

 自分を理解してくれているということは嬉しいものだ。

 ただ、それを直球で外に出すのは難しい。
834 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:25:19.13 ID:z9BkLHOdo

 5/8


 「明日の講義は俺出られないんだから頑張ってよ」

 「だるい……」

 「そんなこと言うなよ。

  シロ姉はやればできるんだから」

 「生意気」

 「実際成績いいんだもんなー。

  かなわないよ」

 「……そんなことない」

 「なんだかんだ言ってなんでもできるし」

 「だるい」

 「だるがりなんだもんね」

 「うん」

 「俺がいなかったらどうなっていたことやら、なーんて……」

 「きっと大変だった」

 「そ、そっか?」

 「うん。

  だからお世話して」
835 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:25:49.07 ID:z9BkLHOdo

 6/8


 思えば、小さい頃からこんなことを夢見ていた気がする。


 誰かが自分のお世話をして、自分は何もしない。


 出来れば好きな人にやってもらいたい。


 そんな小さな乙女心は誰にだって話したことはない。


 だるいから何もしないで生きていたい。


 そんな考えが払拭されたのは……。

 
836 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:26:18.41 ID:z9BkLHOdo

 7/8


 ……
 …

 「変な夢」


 朝から変な気持ちで目が覚めた。

 それは今が夢か幻かわからない感覚。

 本当に目が覚めたのか、さっきのは夢なのかが判断できない。

 じっと自分の掌を見つめて、ちょっと摘んでみる。


 (こんなことをしても、わからないけど)


 鈍い感覚。

 リアルな夢ではそういうものを感じることもある。

 それでも、だんだん目が覚めてきた。


 そうだ。

 自分にはやらなければいけないことがいっぱいある。


 「朝食と、京のお弁当」


 頭の中でやるべきことを整理していく。

 横を見れば京はまだ寝ている。

 ギリギリまで寝かせてあげたい気持ちが強いから起こさない。
837 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/02(水) 17:26:47.17 ID:z9BkLHOdo

 8/8


 (京が、主夫?)


 先ほどの夢を思い出す。

 意外と細かい性格だし、責任感も強い。

 でも、自分の前の子供っぽい部分を思い返して、それはないなと結論づける。

 何より、女の子として色々としてあげるのは、嬉しいし楽しい。


 それに、主夫に収まるような人でもないなと、何となく思っていた。

 お嫁さんに文句を言われながらもいい旦那さんをして、仕事をしている姿が浮かぶ。

 なんだかんだで男の子だし、プライドもあるから。


 そのお嫁さんは自分であることは譲らないけれど。


 そこまで考えて顔を赤らめる。

 自分がお嫁さんで、京が旦那さん。


 …


 全く、京は卑怯だ。

 寝ているだけで人の感情を動かす。

 こんなことを考えている場合ではない。早く朝食を作ろう。


 (……?)


 体が重い。

 無理に起き上がってふらつく。

 ダメだ。もうちょっと頑張らないと。


 「……シロ姉?」


 後ろから声をかけられる。

 京に支えられたとわかった途端、安心して脱力した。


 続く
838 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/02(水) 17:27:14.92 ID:z9BkLHOdo
投下終了
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 17:28:11.56 ID:GuFrW0Qpo
乙です
シロ姉可愛い
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 22:40:46.61 ID:QGobfBgDo

こういう記憶持ちで、たとえ京太郎の相手が違ってもその幸せを願えるのは凄いね
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/03(木) 01:30:13.43 ID:75GgL6Myo
かわいい
842 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:49:10.38 ID:q7+jDM0eo

 1/10

 【お世話されたい】(平行世界)


 体がだるい。

 目がチカチカする。

 節々が痛い。


 「シロ姉、やっぱり熱あるよ」

 「……」


 知らない間に風邪をひいていたらしい。

 半ば強制的に京によって押さえつけられ、布団の中に入れられてしまった。

 自分は動けると言ったのだが聞いてくれず、熱を測ってみたら案の定というわけだ。


 「38度ちょい。

  シロ姉、辛いでしょ」

 「別に、なんとも」

 「嘘つけ。

  すごく辛そうな顔してる」


 そんなことはない。

 自分はいつもの無表情顔のはずだ。

 それを辛いと思えるなら、それは。


 京が私のことをよく見てくれているのかもしれない。
843 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:49:39.53 ID:q7+jDM0eo

 2/10


 「とりあえず、シロ姉が元気になるまではお世話するからさ」

 「……大丈夫なの?」

 「任せとけって。

  これでも高校時代はぽんこつの世話を……」


 何か、嫌な匂いがした。

 それ以上言わないように掌を抓った。


 「シロ姉?」

 「……」


 そんな小さな嫉妬も、思っていた以上に弱っていた。

 結構強く抓ったはずなのに、全く力が出ていないようだ。

 嫉妬してしまう自分と、そんな自分の気持ちを汲んでくれない京に苛立ちが募る。

 調子が悪いせいもあるのだろうか。

 やけにイライラしてしまう。


 「とりあえずご飯食べてあったかくして寝ようぜ。

  俺がご飯作ってくるよ」

 「……」


 そんな自分の心なんてどこ吹く風だ。

 心配をしてくれているのはありがたいが、納得がいかない。


 「シロ姉?」

 「……」


 だから彼の手を抓ったまま離さない。

 このまま離したら何処かに行ってしまうような気がした。

 京が困ったような表情を浮かべる。

 もう少しだけ……。
844 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:50:09.38 ID:q7+jDM0eo

 2/10


 「とりあえず、シロ姉が元気になるまではお世話するからさ」

 「……大丈夫なの?」

 「任せとけって。

  これでも高校時代はぽんこつの世話を……」


 何か、嫌な匂いがした。

 それ以上言わないように掌を抓った。


 「シロ姉?」

 「……」


 そんな小さな嫉妬も、思っていた以上に弱っていた。

 結構強く抓ったはずなのに、全く力が出ていないようだ。

 嫉妬してしまう自分と、そんな自分の気持ちを汲んでくれない京に苛立ちが募る。

 調子が悪いせいもあるのだろうか。

 やけにイライラしてしまう。


 「とりあえずご飯食べてあったかくして寝ようぜ。

  俺がご飯作ってくるよ」

 「……」


 そんな自分の心なんてどこ吹く風だ。

 心配をしてくれているのはありがたいが、納得がいかない。


 「シロ姉?」

 「……」


 だから彼の手を抓ったまま離さない。

 このまま離したら何処かに行ってしまうような気がした。

 京が困ったような表情を浮かべる。

 もう少しだけ……。
845 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:50:38.55 ID:q7+jDM0eo

 3/10


 「ほら、シロ姉。

  ご飯食べないと良くならないから」

 「……わかった」


 まだまだ満足はしていないが、京の手を握っているのも辛くなってきた。

 離れて欲しくはないけれど、手を離す。

 京が離さないでくれればいいのに、なんて思ったけれど思いは伝わらない。


 「俺、何か買ってくるよ」

 「冷蔵庫の中にあるのは……」

 「それくらい大丈夫だって。

  ほら、風邪をひいている時くらい俺に任せて」


 任せてというならば側にいてくれるだけでいいのに。

 そう思っても京は私から離れて行ってしまった。


 「……だる」


 最近少なくなっていた口癖が出てくる。

 心が締め付けられるようだ。

 風邪をひいているから心細くなっているだけ?

 それとは少し違う気がする。

 ダメだ。正常な判断ができそうにない。

 少しだけ目を瞑ろう。
846 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:51:08.06 ID:q7+jDM0eo

 4/10


 「わわっ!」

 「……大丈夫かな」


 目を瞑ったはいいが、台所から聞こえてくるのは京の慌ただしい音。

 そういえば台所に立たせることはなかったかな。


 「えっと、とりあえず濡れタオルを作って……。

  冷えピタもないし、薬もないか」

 「……」

 「ごめんシロ姉。

  冷蔵庫の中にあるやつじゃ俺には作れないや」

 「いい、私が作る」

 「動いちゃダメだって。

  何か買ってくるから」

 「それは……」


 それは嫌だ。

 少し側から離れるだけでも身が引き裂かれるようだったのに。


 「すぐ帰ってくるから!」

 「あっ……」


 ……京の馬鹿。
847 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:51:38.31 ID:q7+jDM0eo

 5/10


 バタン、と強く扉を閉めた音が聞こえたと同時に人の気配がなくなる。

 先ほどまでは京の立てる生活音が聞こえてきたのに、今は聞こえない。


 耳鳴りがする。

 さっきまでは他の音でかき消されていたから気づかなかった。

 心細い。

 京がいないだけでこんなにも心が痛くなる。


 まるで世界に私一人しかいなくなってしまったみたいだ。

 今まで京と私の二人だった世界から一人がいなくなってしまった。


 どうしようもない喪失感。

 自分自身の片割れがいなくなってしまったような感覚。


 「嫌だな」


 何かよくないものが自分の中から湧いてくるのを感じた。
848 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:52:07.08 ID:q7+jDM0eo

 6/10


 少し前、鏡写しの自分の夢を見たことがあった。


 布団の中でそんなことを思い出す。


 あの時は京が浮気しているんじゃないかと思って辛かった時だ。


 今もまた、あの時のように辛い。


 私を捨ててどこかに行ってしまうんじゃないか。


 このまま帰ってこないんじゃないか。


 そんなことばかり頭の中を過る。


 「……」


 二人共元気で、ずっと一緒に居られる。


 そんな空間があればいいのに、なんて思った。


 
849 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:52:36.61 ID:q7+jDM0eo

 7/10

 ……
 …

 次に起きた時には、体調も少しだけ楽になっていた。

 いい匂いが部屋の中を充満して、くうとお腹が鳴っている。

 そういえば朝から何も食べていない……。


 「あっ、シロ姉起きた?」

 「うん……」


 もし犬の尻尾が付いていればはち切れんばかりに振っていただろうか。

 京が私に気付いて急いで近寄ってくる。


 「えーっと、普通に作る方法わからなくて、レトルトのおじや買ってきたから食べよう」

 「……うん」

 「家事は俺がやっちゃうから気にしないでよ」


 胸を張る京だが、少し目線をそらすと洗濯物の山。

 掃除機を取り出そうとして余計に荒れてしまっているのも見る。

 私の部屋だけは綺麗になっている、というかものが減っている辺り、外に全部放り投げたのではないか。

 そんな京の不器用さに呆れるも、苦手なりにこの部屋を綺麗にして私のために頑張ったと思うと、胸が温かくなる。


 京がいるだけでこの心境の変化だ。

 全く、京はズルい。
850 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:53:05.99 ID:q7+jDM0eo

 9/10


 「ほら、全部終わったぜ!」

 「明日採点する」

 「うぐっ」


 京が桃の缶詰を開けて、私の口に入れてくれる。

 冷たくて甘くて美味しい。

 なんだかんだ言いつつ、一日中京に甘えてしまった。

 だるいだるい言っていた京に会う前の私なら享受していたであろう幸せ。


 まるであの時に見た夢みたい。

 私は何もしないで、京がずっとお世話をしてくれる、夢のような日常。

 そして、『私』が言っていた世界。


 「京」

 「なんだー?」

 「ちょっとこっちに来て」

 「あいよー」


 缶詰を片付けていた京を呼び出す。

 いつも反抗的なことなんてないけれど、今日は特に言いなりだ。

 姉の威厳、というものと違って新鮮な気持ちになる。


 「……はい」

 「?」

 「今から、寝るから」

 「うん」

 「……もう」

 「シロ姉?」

 「手……」

 「あっ、なるほどね」


 こちらが『熱で』顔が真っ赤になりながら言っているというのに、察しが悪い。

 察しが悪いし、気づいた時にもなんとも思っていない。

 すぐに私の右手を両手で包むようにしてくれた。


 「おやすみ、シロ姉」

 「おやすみ、京」


 手が触れているだけで何かに包まれたように安心できた。

 まどろみに包まれて意識が落ちていく。 
851 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/03(木) 19:53:34.70 ID:q7+jDM0eo

 10/10


 「京」


 「まだ寝てないの?」


 「手を離さないで」


 初めて、こんな甘えた声を出した気がする。


 京は穏やかに笑った。


 「わかったよ」


 ああ、これならさっきよりゆっくり寝られそうだ。


 このまま時間が止まってしまえばいいのに。


852 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/03(木) 19:54:03.57 ID:q7+jDM0eo
続く。投下終了
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/03(木) 21:23:32.03 ID:Tt9OwYbDO
乙です。
シロかわいい。

ところで、宮永家はひな祭りしないのかな?
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 00:35:35.53 ID:nwLmQOeOo
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 05:38:42.82 ID:OLw7fAUqo
かわいすぎい
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 09:02:54.77 ID:r8vFdmY/o
乙です
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 09:41:26.32 ID:6ph2rBDLo
乙です
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 10:29:57.21 ID:fombOKHto
乙です
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 11:09:14.31 ID:63isnx5Xo
や京シロNO1!
860 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:40:24.15 ID:L5YiVKt7o

 1/12

 【今のまま】(平行世界)


 今の自分とは違う自分がいた。

 だるいと言うのが口癖だった。

 誰かに全部やってもらうのがささやかな夢。

 その時はそれを異性にやってもらうなんて想像もしていなかった。


 ……嘘

 本当は少しだけ、期待していた。


 自分の性格はわかっているつもりだった、

 でも、彼氏なんて作れないだろうな、なんて思っていた。

 恋愛に積極的になる自分なんて想像できなかったし、気恥ずかしかった。


 友人たちが楽しそうに理想の男の子について語る時も、少し離れていた。

 『シロはどう?』なんて言われても、『だるい』としか返さない。

 強いて言うならば、『お世話をしてくれる人』なんて返した気がする。


 『シロは変わらないね』『いつも通りだね』と言われた。

 プイッと顔を逸らし、これ以上恋話を続けるつもりはないと意思表示。


 みんなはそんな私をわかっているから、それ以上追求してくることはない。

 未来の私を想像して、顔が赤くなったことを知っている人はいない。

 きっとその時の自分でさえ気づいていなかったと思うから。
861 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:40:53.35 ID:L5YiVKt7o

 2/12


 身近な男の子なんていない。

 宮守は女子校だし、今までだって縁がなかった。

 そんな中、自分に踏み込んでくる男の子がいた。


 昔会ったことがある、なんて言われても思い出せなかった。

 でも、新しく関係を築くことで近しい関係になった。


 例えば、京が私のダルダルなところを知っても私に告白してくれただろうか。

 小さい頃にも私が引っ張って行ってあげていた。

 再開してからもそうだ。

 姉さん女房と言われそうな立ち振る舞いを心がけていた。


 ああ、そうだ。

 好きになったから、嫌われたくないから変われたのかもしれない。
862 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:41:22.05 ID:L5YiVKt7o

 3/12


 「シロ姉、シロ姉」

 「う……ん……」

 「良かった、起きてくれた」


 目が覚める。

 どんな夢を見ていたのかも思い出せない。

 気持ち悪いくらい汗をかいていることが最初にわかった。

 背中がぐっしょりだ。


 同時に、汗をかいている部分に気づく。

 京がずっと繋いでいてくれた手が、汗でヌルヌルしている。


 ああ、本当に離さないでいてくれたんだ。

 まだ呆然としている頭の中に安心が芽生える。


 「すごくうなされていたから起こしたんだ」

 「うん、もう大丈夫」


 これは本当だ。

 先ほどまでの気持ち悪さが嘘のように頭がスッキリしている。


 「ホントかー?

  まだ顔赤いよ」

 「そ、それは……」


 それは熱とは違う理由だ。

 今でも私の手を握りしめて離さない京の掌。

 ゴツくて硬い感触と、ヌルヌルとした感触。

 何より、汗をかいていて恥ずかしいからだ。
863 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:41:50.75 ID:L5YiVKt7o

 4/12


 「一応熱測ってよ」

 「……」


 言われるがままに体温計を受け取り、熱を測る。


 「平熱」

 「ホントだ。

  汗かいたから熱下がったんだよ。

  よかったよかった」

 「……」

 「いでででで。

  なんだよ、シロ姉」


 女の子に向かって汗をかいたなんて、女心がわかっていない。

 さっきまでは力強く手を摘んでも気づかれなかったが、今ならばそこそこ痛いらしい。


 「シャワー浴びる」

 「はいはい、っと」


 慣れ親しんでいるとはいえ、京に見せたい姿ではない。

 せめてシャワーを浴びて体を洗い流したい。


 「一緒に入る?」

 「ちょっ、シロ姉……。

  本格的に風邪ひいちゃうよ」

 「風邪引くようなことするの?」

 「しねーって」


 少しからかうと居心地が悪そうに顔を背ける。

 よかった。いつも通りの私たちだ。
864 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:42:19.59 ID:L5YiVKt7o

 5/12


 ……
 …

 シャワーを浴びて着替えて一息ついた。

 その間に布団のシーツを替えられていた時には心臓が飛び出るかと思ったけれども。

 人の汗や匂いが染み付いたシーツを好きな人に変えられるほどに慣れてはいない。


 「シロ姉さ」

 「ん」

 「最近、無理してない?」


 ……


 「別に」

 「嘘だ。顔に出てる」

 「表情、変わらないでしょ」


 誰だって見抜けたことはない無表情だ。

 自信がある。


 「『白望の彼氏』だからわかるんだよ」


 ……

 京、それはズルすぎる。


 「大丈夫」

 「大丈夫じゃない」

 「……平気」

 「他の言葉にしたってダメ」

 「か、変わらないでしょ」

 「熱はないけど、顔赤いじゃん。

  ……俺には言えないことなのか?」


 急に男らしい口調になるのは反則……。

 先ほどまでの風邪とは違う、胸がドキドキして止まらない。

 京が焦ったような表情で詰め寄ってくるのも相まって胸が高鳴っている。

 おかしい。私は弟をしっかり調教していたはずなのに、こんなの好みのシチュエーションじゃないのに。
865 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:42:49.33 ID:L5YiVKt7o

 6/12


 「俺に、言えないの?」

 「……」


 なおも詰め寄ってくる京に押し倒されるような形になる。

 いつもはヘタレてこの辺で止めてしまうのだけれど、京は真剣な眼差しでこちらを見る。

 先ほど外に出た時の服装のまま。カジュアルなシャツにダメージジーンズのビジュアル系。

 そんな京に床ドンされている。


 ちょっと待って


 心臓がもたない


 真剣な眼差し


 京の湿った唇


 暖かい部屋にいたせいか汗が滴り落ちる


 京の匂い



 「い、う」

 「ん?」

 「言うから」

 「……そっか」


 不肖不肖と言った形で退いてくれる。

 ほんの少しだけ、勿体ないなんて思った。
866 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:43:18.72 ID:L5YiVKt7o

 7/12


 「私、ダルがりだから」


 「確かにシロ姉ってそういうところあるよね」


 「だから」


 「?」


 「その……」


 察しが悪い


 わざとやっているなら後で怒る


 「嫌われないかと、思って」


 「……」


 京が呆然とこちらを見ている


 ……何、その目


 京のくせに生意気

867 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:43:47.60 ID:L5YiVKt7o

 8/12


 「もー、今更じゃんかー」

 「は?」

 「げっ、シロ姉怒ってる?」


 人が真剣に悩んでいるのに。

 やっぱり最近の京は生意気だ。

 またどちらが上か教えてあげないといけない。


 「ごめん、言い方悪かった」

 「……何」

 「あー、違うんだよ。

  その、シロ姉が面倒くさがりなのは知ってる。

  でもさ、俺の前だと頑張ってくれてたじゃん」

 「……」


 顔が赤くなる。

 何も言い返さない。


 「服とか、髪とか、朝食とか、弁当とか、家事とか。

  あげればキリがないんだけどさ」


 恥ずかしいからやめてほしい。


 「そんなダルがりなシロ姉が、俺のために頑張ってくれていることが嬉しくて」


 ……


 「その、姉みたいな立場だったシロ姉が尽くしてくれるのが、本当に嬉しくて、さ。

  彼氏冥利につきるというか、ダルがりなシロ姉が俺のためにって。

  いや、ほんと、なんか……」



 ……やめて、恥ずかしすぎる

 やっぱり京はずるい


 「でも、やっぱり疲れてたんだよね。

  ごめん」

 「別に、いい」


 困った


 顔の熱がひかない


 京のせいだ

868 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:44:16.37 ID:L5YiVKt7o

 9/12


 「ちょっと頼りすぎてたよね。

  これからは俺も頑張るから」

 「別に、いい」

 「そんなこと言うなって。

  彼氏、なんだからさ」


 ……何を今更。


 「これは、私がやりたいこと」

 「でも」

 「でも、じゃない」


 そうだ。

 この言葉に嘘はない。

 この気持ちにだって嘘はない。

 ダルがりで全部やってもらいたい私だっている。

 京のために何かをしてあげたい私だっている。


 「どっちも私だから」

 「えっ?」


 勝手に悩んで、勝手に納得する。

 きっと京は訳が分からないだろう。

 それでいいと思う。

 この生意気な弟分は、ちょっと振り回すくらいでちょうどいい。


 「京に女にさせられたってこと」

 「人聞きの悪いっ!?」

 「……」

 「せ、責任は取るからっ」

 「な、何を言ってるの……」


 ……いきなり不意打ちするのは反則。
869 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:44:45.82 ID:L5YiVKt7o

 10/12


 「京の……」


 「うん」


 「京のために頑張るのは、だるくない」


 「それは、嬉しいな」


 「女の子だから」


 「そういうもんなの?」


 「そういうもの」


 「わからないや」


 「京は女心がわからないから」


 「うぐっ。


  お、俺だってなぁ」


 「じゃあ、今の私が何を考えているのか」


 「えっ。

  ……お、俺と一緒にいたい、とか」


 「ハズレ」


 「それはそれで寂しいな」


 「正解は……」

870 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:45:14.58 ID:L5YiVKt7o






 唇同士がそっと触れあう






 
871 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/04(金) 19:45:45.42 ID:L5YiVKt7o


 「これが、正解」


 私の顔が赤くなって、京の顔が赤くなって。


 これは熱があるだけだから、京にうつったのかもしれないなんて言い訳をして。


 京にゆっくりと抱きしめられた。

 
872 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/04(金) 19:46:14.73 ID:L5YiVKt7o
カン
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 19:49:03.73 ID:yR/7phhio
シロかわいい
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 22:41:40.82 ID:63isnx5Xo
かわいい
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 05:36:36.19 ID:FpmztDdCo
乙です
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 06:40:44.81 ID:UdqWkarYo
3月3日の更新の数字の8が抜けてるけどなんか抜けてる?
内容的にはそんなに抜けてる感じはないけど
877 :抜けてました… ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 07:05:37.07 ID:2HUW2jAco

 8/10


 「はい、あーん」

 「……あむっ」

 「へっへー。

  今日のシロ姉は俺のいいなりだなー」

 「……生意気」


 いつもならお姉ちゃんとしてやり返すところだけれど、今日はそんな気力もない。


 「ご飯食べた。

  薬飲んだ。

  あとは温かくして寝ていれば治るよ」

 「京は風邪を引かないの?」

 「健康優良児ですから!」


 自信満々に言う。

 確かに京が風邪をひいているところは見たことない。

 その機会があったら仕返しをしてやろうと思っていたのに。


 「洗濯物とかやっちゃうわ」

 「いい。後で私がやる」

 「たまには俺にやらせてくれよー」

 「区別、つく?」

 「あ、うう」

 「ネットに入れるものと、色物。

  洗濯物の干し方」

 「ダイジョーブだって!

  たまにはシロ姉休んでて!」


 京はそう言って洗濯物に取り掛かってしまう。

 ああ、破れないだろうか。

 干し方を間違えて伸びてしまわないか。

 くしゃくしゃになったまま干してしまわないか。


 そんな思考が頭をよぎるが、頭痛の前に考えることを放棄した。
878 :抜けてました… ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 07:06:54.27 ID:2HUW2jAco
完璧にタイミング逃してますが一応落としておきます…
お目汚し失礼しました。指摘ありがとうございます
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 11:01:23.78 ID:c9h80uCCo
乙です
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 11:35:21.26 ID:JvtwcfOQo
京白いいなあ
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 13:49:24.48 ID:M722MFxeo
乙です
882 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:43:20.35 ID:TQHovtJ8O

 1/12

 【小瀬川白望-エピローグ-】


 結局のところ、一人で空回りして、一人で納得して終わってしまった。

 何かあっても京の笑顔を見るだけで癒されてしまうあたり、自分のちょろさが憎らしい。


 「おーい、シロ姉?」

 「何?」

 「へっへー、呼んでみただけー!」

 「……」

 「あいたたた」


 まるで付き合いたてのバカップルのようなことを繰り返すようになった京の手を抓る。

 全く、なんでそんなことをするようになったのだろう。


 「だってこうすると、シロ姉かわいいし」

 「?」

 「顔、真っ赤だよ」

 「……!?」


 それを言われてもっと顔が赤くなったのを感じた。


 「だからさー」

 「……京、生意気」

 「俺だってシロ姉に振り回されてばかりじゃいないんだよ!」

 「……ハァ」


 元気な弟の……『彼氏』の面倒を見るのはすごく大変だ。

 大変だけど、胸が温かくなる。
883 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:43:49.86 ID:TQHovtJ8O

 2/12


 「姉の威厳を忘れた?」

 「えっ?」


 再び、触れるようなキスをする。

 京、顔が真っ赤。


 「……シロ姉、それは反則」

 「お返し」


 なんだろう。

 すごくバカップルみたいになっている気がする。

 こんなの私の性格じゃない。


 違う

 こう考えるのはやめたんだ。


 これもまた、私の一つ

 その考えが、ゆっくり体に染み込む
884 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:44:19.02 ID:TQHovtJ8O

 3/12


 ……
 …

 そのまま夜になって、いつもと変わらず家事をこなす。

 京が『手伝うよ』なんて言い出したけれども、私の仕事は譲らない。

 これは私が好きにやっているだけ、と言ってもいまいち納得してもらえない。


 「でも、前に倒れちゃったし」

 「あれはただ風邪気味だっただけ。

  京だって風邪をひくことくらいあるでしょ」

 「へへーん。

  俺、風邪とは無縁なんだ!」

 「……ああ」

 「あっ、今『バカだから』とか思っただろ!」

 「思ってない」

 「このー!」

 「家事をやっている最中にほっぺたを摘まないの……」


 まったくもう。

 こんなことをしていながら、精神的には大人になっている。

 そんなところがすごく卑怯だと思う。
885 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:44:47.87 ID:TQHovtJ8O

 4/12


 思えば、小さな頃はどうだっただろうか。


 あの頃からダルがりだったはずなのに、落ち着かない京のために手を引いて歩いていた。


 それから再開して、告白された。


 あの時の私のことを好きになったのだと思って、ずっと頑張ってきた。


 頑張ってきたつもりだったことはすべて私の本心だった。


 好きな人のために、何かをしたい。


 ダルい、という感情を超えていく。


 そして、もう一つ。


 変わったのは私だけではなく……

886 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:45:17.34 ID:TQHovtJ8O

 5/12


 ……
 …


     \ー―――‐`         }
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
      /⌒    /     /    Y^ ,
    ー=≠       /           |   ',
.   /     /      / /         \_
   /     /     / / /        /      Y´
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 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
.     {  | \、_jノ        、   ,   ∨
     \八  厂〕ト       _  人  i|\)
        )/(\ノ/}>   ´ イi:i:ト、)ノ /     「久しぶり……」
            (\\\   爪 i:i:i:i:i:|∧
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887 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:45:47.07 ID:TQHovtJ8O

 6/12


 ああ、またこの場所だ。

 『もう一人の私』と出会った場所。

 曰く、『私と京だけの理想郷』


 「覚悟は決まった?」

 「うん」

 「そう……」


 お互い口数が少ない。

 目の前にいる私も、私と同じような性格なんだろうか。


 「今のあなたはどう思う?」


 それを聞かれることはなんとなくわかっていた。


 「好きな人のためならダルくない」


 考える前に、自然と口から出てきていた。


 「きっともうあなたと会うことはない」


 霞ゆく意識の中で、私が、彼女が、笑った気がした。


 …
 ……
888 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:46:16.07 ID:TQHovtJ8O

 7/12


 「シロ姉?」

 「ん」

 「今ぼーっとしてなかった?」

 「してない」


 白昼夢、ではない。

 きっとあれは、私の可能性の一つ。


 「ねぇ」

 「なんだー?」

 「京はダルがりな私は好き?」

 「どっちも好きだよ」

 「どっちがいいのか聞いてる」

 「個人的には、普段ダルがりなシロ姉が俺のために何かしてくれるの嬉しいよ」


 まっすぐ京を見据える。

 負けじとこちらを見返してくる。


 「京は、大きくなった」

 「えっ?」

 「あの小さくて、やんちゃで、私を呆れさせていた頃から」

 「ちょっ、やめてくれよ。

  懐かしいけど恥ずかしい!」

 「やめない。

  再会したのは、高校生だった」

 「ううっ」


 自然と言葉が口から漏れてくる。 
889 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:46:45.54 ID:TQHovtJ8O

 8/12


 「それから京が告白してくれた」

 「そ、そうだったっけ。

  っていくらなんでも恥ずいって」


 「また、私が京の手を握っていた」


 「ずっとそう思っていた」


 「実際には、京が私の手を引いていた」


 キョトンと、何を言っているのかわからないと言った顔をしている。

 うん。わからなくていい。

 私は口下手だから、伝わるとは思っていない。

 あとはもう、自分が納得していればいいんだ。


 「なんだかわからないですけど、抱きついていいですか」

 「……ちょっとだけ」


 『やったー』なんて言いながら抱きついてくる。

 腕を胸に当てて楽しんでる……。

 そういうところ、分かりやすい。


 そうだ、よく考えてみればいつもこんな風だった。
890 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:47:15.49 ID:TQHovtJ8O

 9/12


 小さかった男の子は男になっていた。


 人の想いを察せる、とっても優しい人。


 私が京のために『何かしたい』と思えば、自然と『何かさせてくれる』


 『お姉ちゃんのようになりたい』と思えば、先ほどみたいに抱きついてくる。


 形にしてお世話にしていた『あの世界』と同じで、わかりにくくても手を引かれていたのは私だった。


 京はずっと、私のことを考えてくれていた。


 本人はきっと否定するだろうけど。


 変わったことが後ろめたくて、恥ずかしいのかもしれない。


 やっぱり京は、生意気だ。
891 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:47:45.02 ID:TQHovtJ8O

 それなら私にも考えがある。

 ずっと前から考えていたことだ。

 付き合い始めてからこれまで、言葉にできなかったことがある。

 お姉ちゃんぶって、ダルさを隠して、京が大人になっていたことに気づいて、なおまだ言い出せない。


 でも、今の自分を受け入れて、今の京を受け入れるためにも言っておきたい言葉。
892 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:48:14.21 ID:TQHovtJ8O





 「すき、だよ」




 
893 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/05(土) 21:48:43.48 ID:TQHovtJ8O

 12/12


 人生で初めて口に出した単語。


 京の体が硬直したのを感じた。


 京の体に顔を埋めているからよくわかる。


 これからの自分は認めていく、そう決めたのに―――




                                     <
     //      ´   !       丶、        \      \
    / /    /     !  ',    ヽ  ヽ           \      \
  /        ,'    l  ',       \  ヽ、      ヽ       \
  '        ,'       !',,  ',       ` 、、 ヽ      ヽ       ヽ
  {l ,'      l      . l   ヽヽ       ヽヽ ヽ               \
   /  ,'    l      |  \  \ヽ"'' - ,,   ヽ〜\     ヽ
          ! |    !|   \   < 〜 "' 、 ',  ! ヽ     ,   \     ヽ
  ,' /!      .∧  __  〜ー  ヽ    <   ,,x≦ }ヾy、',   /            }
  ,'  l ,'!   l !l 、〜  ',丶--    `   ̄彡ヤ"::o:::::}  }/ }/i /   \   ヽ ,'
  { ,'  !|   |! ∧ヾ __ ≦ ===ミ        弋:::::::::ノ      ./、     ヽ   |/
  、 . ! |   | | ∧ .|l ヤ:::::o::::}          ¨       ! }  \    ',
         、| |.∧ 、 廴::::::ソ                | /    ヽ   ,
          | 、∧           ,           |'   ヽ   ヽ  /
     |  |    ヽ ',   ///       ///    /   ',ヽヽ  }
     |    ',    ∧                      ,' } ヽ! /
       / \ヽ    、           ,-_‐、       イ ヽ! //
      ', ! ', 、ー    >               |
       丶 丶、  \     >        イ  .!__
              ̄      -|  `  ‐      | 八
                  / ヽ!         /   ヽ
                 /    \      イ      |::::<..
             ,, - ''"|       ` ヽ  / 、         l:::::::::::::::::::...<



 ―――さすがに、今の顔は見せられそうにない。
894 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/05(土) 21:49:15.42 ID:TQHovtJ8O
だるだる次元、完
スレ終わるまでにクロチャー次元終わらない。詰んだ
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 00:31:01.78 ID:CkOWGX/AO
乙。
次スレはよと言う神のお達し
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 06:00:12.21 ID:yZbmmkzDo
や京シロNO1!
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 06:30:23.95 ID:XLNt4U6Yo
すばらでしたー!
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 12:39:48.54 ID:UT5MWtjMo
乙です
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 13:20:33.63 ID:gQPfDVEdo
良かった
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 15:42:12.39 ID:6NEa5vKYo
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 18:34:53.08 ID:peL70MuOo
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 20:02:38.83 ID:r6aofGrXo
くろちゃー次元だけ個別にスレ立てしちゃうという判断
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 20:14:02.35 ID:dyUp5384o
あとはクロチャーだけか?平行世界覚醒してるの
904 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:04:32.00 ID:lrErtaa0o

 1/8

 549
 自動車教習所に向かう咲照…?


 須賀咲ちゃんです。

 今日も1日お疲れ様でした!

 お疲れの京ちゃんがソファーでぐったりしながらテレビを見ています。

 お姉ちゃんはその横に座って、チラチラと京ちゃんを見ているみたい。


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′  スッ……
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


 あっ、お姉ちゃんがちょっとだけ京ちゃんに近づいた!

 数センチだけ京ちゃんに近づいて満足しているお姉ちゃん。


 くそう。かわいい!

 怒らなきゃいけないのに許しちゃうよ!

 私も早く家事を終わらせないとね。


 「あー、今日も疲れたぁー」

 「京ちゃん、お疲れ様」

 「照さんもお疲れ様です。

  最近お互いに忙しいみたいですね」

 「麻雀以外のお仕事も増えて大変」

 「あー、なんかグルメリポートやってましたね。

  他にもゲストてテレビに出てたり」

 「麻雀プロとしてやっていけなくなったときのため」

 「やっぱ照さんすげーや。

  俺の隣に日本代表がいるって実感ないなー」

 「ふふん」


 嬉しそうに鼻を鳴らすお姉ちゃん。

 むむっ、社会人の会話だ。

 混ざれなくてちょっと悲しい。
905 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:05:01.17 ID:lrErtaa0o

 2/8


 「京ちゃんもお姉ちゃんもお疲れ様です!」

 「咲」

 「はい。

  お茶だよ」

 「サンキュー」

 「お姉ちゃんにはココア」

 「(`・ω・´)!」


 お疲れの二人にこうやって気遣いが出来る私ってすごい!

 ……まぁこれくらいしか出来ないんだけどね。


 「お姉ちゃんでも麻雀に自信がなくなったりするんだ。

  なんか意外かも」

 「意外、でもない。

  何度も挫折しそうになったことはある」

 「へぇー」

 「プラスマイナスゼロとか」

 「うぐぐっ」

 「ふふっ。ごめんね」

 「もー! お姉ちゃん!」


 さっくり傷を抉ってくるとは、このお姉ちゃんやるね!

 こうやって昔の出来事を笑って話せるくらい仲良しに戻れたということが嬉しいな。


 「世界には強い人がいっぱいいる。

  私より強い人もたくさんいるから」

 「想像も出来ないよ」

 「例えば、記憶を奪ったり」

 「?」

 「腕を痺れさせたり」

 「照さんも冗談が上手いですね」

       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|    「本当なのに……」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧
906 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:05:30.83 ID:lrErtaa0o

 3/8


 「それで、いろんな仕事を受けているんだ?」

 「うん。

  それもいい経験になると思って」

 「すごいなぁ」


 さらっと言っているけど、それだけでグルメリポートやテレビの番組に呼ばれるのもすごいと思う。


 「でも、移動が大変」

 「やっぱりそうだよね。

  いろんなところで麻雀打つし、グルメリポートも大変そう」

 「照さんも咲も免許持ってないですからね」

 「ううっ、京ちゃんが羨ましいなぁ」

 「免許を持っていないと身分証明が本当に大変」

 「うん。

  身分証を取るために身分証が必要になったことがあったよ!」

 「そう考えると免許を持っているだけで楽なんだよね」


 自分の身分を証明してくれるものって大事だよね。

 その辺、私は結構苦労してます。

 保険証じゃ代理が効かなかったり、もう何が何やら……。


 『今の時期なら合宿免許が安い!』


 そんな私たちにタイムリーなCMが流れる。

 へぇー、今時ってこれくらいの値段で免許取れるんだ。

 車を運転できたら子供たちに何かあった時に使えるし、京ちゃんのお迎えにも行ける。

 私も免許を取ったほうがいいのかなぁ。


 「いいことを思いついた」

 「なぁに、お姉ちゃん?」

 「嫌な予感……」
907 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:05:59.71 ID:lrErtaa0o

 4/8

               ̄ ̄ ̄
         ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
      : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .,
.    /: : : : :〔 :/ !: : | : : :ト、: : : : | : : : : | : :i: : : ′
    ′: : : : ∨  | : i| : : :| ´ ̄ :}: : i| : }i: :|: : : : :.
   .:: : |: : : : :〔´⌒ヽ八: : :|  ∨リ : : |: :八_|: : : : : .
.   /:: : :|: : : : i{   __   \{ ,イ庁不、〕/   }: : : : : :.
  /__! ト、: : {ィ芹示、     乂:ソ  ′ 人: : : : : :
     八| \{  乂ソ          ,r: :´: :|: : : : : ::  「咲、一緒に免許を取りに行こう」
       /: : ∧    `         /: : i: : :|: : : : : :i
       .′::/: : .       _     _: : : :|: : j : :! : : l|
      .: : :/: : :个    `    イ〔_: : リ: /|: : |: : ::リ
     : : : :l/ i|: :! : : :≧. . .-r ´    ヽ\/: !: :ノ,イ:/
.    / : | /  {: : ∧: : :ト、=´〕      /  =‐- .,_ '
      〔′  ヽ〔 _,. -‐ ' |     /    γ⌒ヽ
           ∧      :|__,. イ     /
             / 丶     :|   /'      /    i


                ,. . : : :――: : . .
               ,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
            , :´: : : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
           /: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
          .': : : : /: /: :.|: |: : :|:|: : : |: : : : :.∨: : : : :.
        /: : : : : |: ': :|: |: {:, -|:{---|、:|:|: : : |: : : : : : .
        ': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
       /: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
       |: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \   _)::刈 }: : // V: : : |
       '  l |: : :乂{ _):::}     Vzり/:イ   } ノ : /リ   「お姉ちゃん、ナイスアイディア!」
          |: ∧:.∧ Vり            _,..イ:/}/
          |:/ V : :.   '         イ:イ:/ /
          }'  {/ 人     v ァ    ..:  |/ '
               `       イ  |
                     `_ T´     |⌒\
      r-,-、        _,....´./'   /´............`:......_
      / / /`>、  _,.. <.........../-、  r/...................................>、
     {   ' /  ∨{...\.........../   `/......................_> ´ ̄ V..、
      ,   〈`、ノ,:|:.\.\_{  /---__,...>:.:.´/  , -- |...|
      }\_∨/ 乂:.:.:.` ̄`Vイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ´ |  /     ...|
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            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
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908 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:06:28.53 ID:lrErtaa0o

 5/8


 「本気、いや正気ですか!?」

 「どしたの、京ちゃん」

 「私たちが免許を持っていると何かと都合がいい。

  仕事で使えるかもしれない」


 うん。お姉ちゃんにしてはいいことを言うね!


 「(あかん。教官心労で死んでまう)」

 「そうなるとどこで免許取ろうか」

 「合宿免許が楽だって聞くよね」

 「値段も良心的」

 「(俺の胃も壊れる)」

 「それに、阿知賀に旅行に行った時に京ちゃんと変わってあげられる」

 「そうだよねー。

  あの時の京ちゃん、すごく大変そうだったもん」

 「(自分で運転していた方が絶対に気が楽だって)」

 「まとめて仕事を休んで一緒に合宿に行こう」

 「賛成!」

 「(ヤバイ。

  なぜか話が進みまくっている。

  言っていることは間違い無いんだけれども!)」


 よーっし、今度パンフレットなんか貰ってきちゃおうかな。

 お姉ちゃんと二人で行けば心細くないし!

 コミュ症の私でも大丈夫なはず!
909 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:06:57.98 ID:lrErtaa0o

 6/8


 「え、えーっと」

 「京ちゃん?」

 「さっきから百面相してるけど、どしたの?」

 「二人とも、道覚えられるのか……?」


 ……あっ。


 「く、車に乗れば覚えるかもしれないじゃん!」

 「そ、そう。

  自分で運転すると車酔いしなくなるって話も聞く」

 「それはそうですけど……。

  実際にあるとすごく便利なものですし、今ならAT車ならすぐ取れるか……。

  止めはしませんけど、教官には気をつけてくださいね」

 「えっ?」

 「どういうこと?」

 「俺の時もそうだったんですが、車の運転って命がかかってるんで厳しいんですよ。

  割と体育会系の教官がいたりするんでそこだけ気をつけてください。

  俺の時は『ハズレの人』なんて言われてたなー」

 「……怖いの?」

 「まぁ、そこそこ?

  俺は体育会系に慣れてたから『ウザイなー』くらいしか思わなかったけど」

 「へ、へぇー」


 京ちゃんって、結構厳しいのに慣れてるよね?


 「今考えると命がかかっているんで妥当っちゃ妥当なんだけどね。

  それだけ便利なものなんで価値はありますよ」

 「……」

 「……」

 「二人ともどしたの?」
910 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:07:27.02 ID:lrErtaa0o

 7/8

      /:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
      /:.:.:.:/:.:.:.:.:....i:.::::::|、:::..::i、::.:.i::::::..ヽ:::ヽ:.:.:.:ヽ
     /:.:.:.:.:i:.:.:i:.::::::::|:::::|::| ゙、:::| ゙、 i::i  ゙、:: ゙、  ゙、
   /:.:.:.:|:.:|:::::|::::::|::i| ::|:|  i .| i....|::|::::::::::i::::::i:::::::::i
   i:.:.:.:.i.|:::|  i| ||i..::::|:i  i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
  i   |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
  i    | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
 i  ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i  ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ   彡‐'´ ̄`ノ'i::::/  /:::::i::|    「お姉ちゃん、また今度考えよっか」
..|/   |:::゙、::i゙、 .;==、       ,,,,,   i::/   ノ:::::/V
     i:::::::ヾ::、´,,,,, ,      """ u レ /i´:::::/゛
.     i::::::;w、:゙、""                 V'"`
      ゙、/  \丶   ー'´`   ,     ゙、ー-、______
          ヽ!`ー- __    , ´    /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
            ___`フ´_ヽ    /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
          /i:.:|.|:.:.:.:.:./  |   /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/  /     ゙、i


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |   「うむ」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `   「……(こりゃ、『今度』は来ないな)」
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
    //////////////∧、__「//////////////// \
   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
   |//|/////////////V/\ //////////////////'//|
911 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/06(日) 21:07:56.89 ID:lrErtaa0o

 8/8


 ・後日談

ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ ::::::::::::::::::::: ! :::::ィ./ .ト,ムノ:!
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ ::::::::::::::::::::::::':ゝ-.″ | }: : : :|
',:{ :::`               、       .レ′ : :!.    「いやー、シートベルトを着けていると胸が苦しいんですよね」
..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\       ,____.,.      / !:! !  !
: : :|.     ` 、    `ーi!′  /|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {


         / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        /  ....:.:.:.:|.:.:.:.:/|:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
.       / .:.:/ .:.:斗─- l{:.:.:.:.:/|:./|:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  r-、   / /7 :.:./ |:./  W / ―- 、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
 八 ヽ     .:.:r- .rテ≠ミ ∨    |/  \/:.:./⌒):.:.:.:
   ヽ ‘, /^l|:/| i{ ん,ハ         j/}/:{  ⌒)::
    〉⌒ヽ、| |/圦.._}弋うン     __  /:/ ̄ ̄:./   「表出ろ」
    ノ  ⌒ヽ'.  lN i//)  '    ´ ̄ ̄`    ノ:.:.:.:|/
   〈  ⌒ヽ| i  .八     _   (//) rイ:.:.:./|
   {  々ノ     \  マ  ノ    /|:./j/
   ‘,   |   __≧...   _   イ  /ニニ\
    ,〉   从 /|ニニニニニニ7ヽ    /ニ二二\
   /7   ,')]/  :|ニニニニニ7__    /ニニニニニ二>、


 カン!
912 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/06(日) 21:08:50.49 ID:lrErtaa0o
投下終了
クロチャー次元と霞さん次元はそのうちまたスレ立てかな
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 21:16:17.91 ID:dyUp5384o
乙です
クロチャー次元と霞さん次元はそれぞれスレ建ててやってくれるとか最高
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 21:34:44.86 ID:WIMcyb+DO
乙です。
ポンコツ姉妹が運転とか嫌な予感しかしねぇな。
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 23:05:33.33 ID:wlr4p3jSO
乙!
自動運転に投資するしかないなww
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 23:35:07.06 ID:2u2h502+o

教官もだけど合宿免許には特にいろんな人がいるからな・・・
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 01:19:57.44 ID:Xr4birXro

最後ワロタ
918 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:14:49.67 ID:G8b4hINgo

 1/8

 863
 みやながけのひな祭り


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「ひな壇は片付けません!」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|



              ,. . ―――. .、
             ,. :´ : : : : : : : : : : \
            /: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
          .': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
         /:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
         /' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
            {: :/从 ○   }/ ○ }イ|: 从  「言うと思った……」
           W乂{ ""      "" ム':/
              人 u r‐ - ‐v  人}'
              >`二二´<
            /::::::::::{   r/:::::::::\
             ∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
          /| \\::::::、/::::::// |
            /_|  l{:.\\:Y:::/:イl/  |
          ̄ |  |\:.:.:ー∧':.:./   |
            |  |   ̄`二イ   |   |
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919 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:15:18.26 ID:G8b4hINgo

 2/8


 須賀咲ちゃんです。

 京ちゃんの実家からひな壇を借りて飾っておいたのはいいんだけれど、案の定片付けないと言い出しました。


 「一応聞くけど、なんで片付けたくないの?」

 「娘を嫁に出したくないからだぁぁぁぁ!!」

 「あー、はいはい」


 もー、京ちゃんったら……。


 「それは迷信だよ」

 「やだやだやだー!

  願掛けにするの!」

 「みっともないなー!

  いい加減にしなさーい!」

 「なんだとこのー!」


 二人でもみくちゃになりながら喧嘩する。


 「へへーん、咲がかかってきたところで負けねーし!」

 「ぐぬぬ……!

  だいたい、片付けないせいで家事が大変になるのは私なんだからね!」

 「だってさー……」

 「だっても何もないの!」


 おっ、弱ってる弱ってる。

 どーせどこかで陥落するんだからとっととしてほしいよね。

 あと一押し、かな?
920 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:15:46.84 ID:G8b4hINgo

 3/8

  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、  「パパ?」
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\


                    /\-――‐- 、
              , -−=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ    「決意は固まったッ!!」
        // l i `i           _/,、/
        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |
                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i


      /:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
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   i:.:.:.:.i.|:::|  i| ||i..::::|:i  i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
  i   |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
  i    | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
 i  ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i  ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ   彡‐'´ ̄`ノ'i::::/  /:::::i::|
..|/   |:::゙、::i゙、 .;==、       ,,,,,   i::/   ノ:::::/V    「あー、もー、タイミング悪いなー」
     i:::::::ヾ::、´,,,,, ,      """ u レ /i´:::::/゛
.     i::::::;w、:゙、""                 V'"`
      ゙、/  \丶   ー'´`   ,     ゙、ー-、______
          ヽ!`ー- __    , ´    /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
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921 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:16:15.79 ID:G8b4hINgo

 4/8


 娘が京ちゃんに抱きつきに来ました。

 京ちゃんの服の裾を引っ張っている姿はやっぱりかわいいなあ。

 私にとっても大事な大事な娘です。

 手放したくないなとは思うけれど、それとこれとは話が別だよっ。


 「いい子いい子」

 「?」

 「ずっと一緒にいような?」

 「パパ?」

 「どーだ、咲。

  俺の勝ちだ!」

 「何の勝負なの……」


 そんなやり取りをしていたら娘が京ちゃんの頭をナデナデし始めて、ますます京ちゃんがデレデレに……。


 「もー、目の中に入れても痛くないくらいかわいいってこういうことを言うんだな!」

 「それとひな壇を片付ける片付けないは別でしょ」

 「くっ、咲なのに話題をそらせなかったか」

 「私を何だと思ってるの!?」


 もー、あんまり言うと酷いからね!


 「もー怒った!

  そんなことを言うなら、今日の夜はエビフライの予定だったけどやめます!」

 「うげっ!?

  そ、それだけは……」

 「ふふーん、もー遅いもーん」

 「待て、咲。

  話し合えば分かる」

 「ほら、こっちおいでー」

 「ママー♪」

 「……って言ってみて」

 「『パパ、かっこわるい?』」

 「ぐえぇぇぇぇぇー!?」


 はい、パパは轟沈です♪
922 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:16:44.87 ID:G8b4hINgo

 5/8



        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!    「こら、娘をダシにしてイチャイチャすんなー」
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


               ___
         ,. : : : : : : : : : : : : : : .、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
       .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
     .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
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923 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:17:14.37 ID:G8b4hINgo

 6/8


 ……
 …

 結局、京ちゃんの討伐が完了してひな壇は片付けました。


 早く幸せになってもらいたいから早く飾る。

 早く幸せな結婚をしてもらいたいから早くしまう。


 そういう言い伝えがあるんだって、お姉ちゃんが教えてくれました。


 「ぐえー」

 「まだ呻いてるの」

 「いつか嫁に出すのかぁ。

  出したくないよぉ」

 「はいはい。

  まだまだ先なんだから考えないようにすれば?」

 「うー」


 子供か!

 もー、聞き分けが悪いな!

 まだ沈んでるし。

 お嫁さんって、女の子の夢なんだからね。


 「ほら、エビフライは作ってあげるから」

 「うん……。

  ってエビフライで機嫌とろうとするな。

  俺は子供か!」

 「おっきな子供でしょ。

  もー」

 「男の子はいつまでたっても少年の心をだな」

 「はいはい」


 大きな子供だよ、なんて言いながらそっと膝枕してあげる。

 甘えん坊だもん絵。仕方ないよねー。

 なんだか胸が温かくなってきた。

 お嫁さん、かぁ。


 「私は」

 「んー?」
924 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:17:43.97 ID:G8b4hINgo

 7/8

     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
.    / : : : :i: : : |: : : | ! : ::| i: : :.:|::|::::::i i::::|::|::|::::::::::::i:::::::|
   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|
   / : .:.:.:i:.:|:.:.:.:.:ヾ、:.'i´ヾ.::|!ヾ、:::゙、ヽハハヽハノ |ハ::::::::::|:::::::|
.  /.:.:.:.;ィ'|:.:.:i:.:.:.:.::i ヽ:|  ヽ!  ヽ::ゝ  `'  リ |::::::i:ノヽ:::|
 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/       「私はお嫁さんになって、幸せだよ」
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\


 ……あれ。

 何言ってるんだ私!?


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \  「咲ー!」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
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               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 きゃーっ!?

 もー、いきなりくっついてこないの!

 本当に子供か!

 匂いを嗅がないの!


 ちょっ、待って! まだお風呂に入ってな……!
925 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/07(月) 19:18:13.46 ID:G8b4hINgo

 8/8


 ……
 …

 ・ノルマ


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////   「昔、ひな壇を片付けなかったって本当ですか!?!?!!?」
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i
                i: i !  , _.. .._  /    「今では後悔している」
               ゙i"\ ` 二  /
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
    /'"               `′ヽ::::i  `゙′      \


 カン!
926 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/07(月) 19:18:46.79 ID:G8b4hINgo
最後の京咲シチュ募集
残レス数的に多くは拾えないのはすみません
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 19:44:21.55 ID:cNnWy3jWo
乙です
最後は全員集合してワイワイやって欲しい
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 20:42:50.54 ID:5AMHo0LDO
安定のオチ村さん。

時間飛ぶけど、のどっちの学校に入学する双子を見守る京咲とか。
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 23:10:48.47 ID:aclNpAfEo

恵痛恨のミス
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 04:28:29.41 ID:H8NVsIACo
最後なら霞さんとシロの正体が京太郎にバレる話とか見たいな
京咲で言うなら遠い未来の最期の時とか
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 07:11:52.63 ID:T5+zb/MSO
乙乙
ほのぼのしてて、じんわり暖かくて、掴みとオチもガッチリ
素晴らしい

>>928これ見たいなあ
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 10:09:32.75 ID:jrA7Y50T0
おつー
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 17:23:10.32 ID:6q+SErMqO
咲さんまた懐妊、なおまた双子な模様
とか
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 18:35:41.56 ID:Njfw74wyO
>>933
次は京ちゃん似の娘と咲ちゃん似の息子やな
935 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:15:02.58 ID:8Jui3ReZo

 1/11

 927
 集合


 「霞、これはどういうことなの」

 「わ、私にだってわからないわよっ」

 「咲ちゃん。

  私もお手伝いしていいかな?」

 「だーめーでーすー!

  今日はみなさん、お客様なの!」


 須賀咲ちゃんです。

 今日はいつもお世話になっている三人にまとめて恩返しだよっ!

 家に来てもらって、問答無用で座らせて、ご奉仕しちゃうもんね!


 「霞さん、シロさん、玄さん。

  いつもありがとうございます!」


            /::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
    (_)  /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
 /\   /:::/::/::/::::::::::::::::ヽ::::::::::::V
    \  ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
        { V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
   ̄ヽ   ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
  ー-    { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }
  / l   ハ  \ミ. .ヽV /. . 彡:フ  ハ
  し j   ∧  ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/   ∧
   /  〈  \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
 |     \__ イ  //∧ 〉、__ /
 |人_    ハ   } //!/∧/  ∧
        ハ   } {/∧//ハ  / }
        { ヘ   } !//∧/∧ / !_
         ∧ヘ  } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
          /./. ∧  ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
       /./ . . ∧  !.!/j./  ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
        /./ . . . .∧  !V./  ∧∨. . .\. \ . . ―. //
.       /./ . . . . . . i ヽ./  /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
      /./ . . . . . . . {  Y   ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./
    / / . . . . . . . . ゝ /   /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃
.   / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//
936 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:15:31.67 ID:8Jui3ReZo

 2/11


 「ちょっと、咲ちゃんいきなりどうしたの?」

 「私たちが好きにやっているだけ……」

 「うん。

  咲ちゃんがそんな風に考える必要なんてないんだよ?」

 「ううん。

  これはうちの旦那さんと相談して決めたんだ」


 旦那さん、というワードを出した瞬間みんながピクリと反応する。

 玄さんは変わらなかったかな?

 さすがに、事が大きいと緊張させちゃうよね。

 早く事情を説明しないと。


 「子供のお世話を頻繁にやってもらっているくらいなんだから、せめて何かお返しはしようって」

 「気にしなくていいのに……」

 「いーえ!

  これはケジメです!

  無理やりにでも受け取ってもらいます!」


 なおも辞退しようとする言い分はバッサリ切っちゃう!

 ふふふ、いつも困惑させられるばっかりの三人を困惑させているのは何かいいね!

 私も負けてばかりじゃいられないもん!
937 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:16:00.42 ID:8Jui3ReZo

 3/11


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  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/    「じゃー京ちゃん。プレゼント持ってきてー」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
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     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'     「あいよー」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
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938 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:16:29.23 ID:8Jui3ReZo

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   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
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      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/     「ダル……(待って、もう少し可愛い服でくればよかった)」
           /  〉 | 〉、 "
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        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
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          ′::::i::.. 从 :乂:.ヾ:::::ハ.i|≧ミ∧..`:|: : : :|: :
       |:: '::: i:. :..ノ灼茫  ヾ:i ^灼茫ミ...}::.:.|: : : :|: :.゚
       |::|l:::::i:.:.:.圦 vツ       vツノ |::...|: : : :|: : i
       |::|l::::ハ.:.:.} 、、、  ′   、、、 ,i::: : : : :|: : |
       |::|l::/.::::..小.   r―      イ. : :.|: : : |: : |
       |::|l:{.i:::::.: 込.     ..ノ    .イ. }: :..:.: :...|: : |   「お久しぶりです!(わー、京太郎君を見ることが出来るなんて幸せだよぉ)」
        `O′:::.(:. ノ介ト __  <{从 /: :..|: : : |: : |
        /::j |:::::_≧=ー : 〕  .....{  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Y /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/
939 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:16:58.46 ID:8Jui3ReZo

 5/11


 「咲の旦那の須賀京太郎です。

  っと数回は会ってるけどね」

 「は、はいぃぃ」

 「(霞、落ちつつついて)」

 「(白望ちゃんも大概よ!?)」

 「お久しぶりです!

  えへへー!(にやけちゃうよー)」


 なんだか京ちゃんの評判がいいみたいで良かった。

 そ、そんなにのろけてたっけ?

 和ちゃんが『のろけすぎです死ね』って言ってくるってことは、その逆こそが正解!

 問題なしっ!!


 「全員同じものにしたほうがいいかなって相談して決めたんです」

 「うん。

  私と京ちゃんのセンスだから合わなかったらゴメンなさい……」

 「そんなことないわよ!」

 「こうしてもらえるだけで、嬉しい」

 「嬉しすぎてニヤけちゃうのです」


 三人とも、本気で嬉しそう。

 多分社交辞令とかじゃないと思う。

 私たちまで嬉しくなっちゃうな。
940 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:17:28.19 ID:8Jui3ReZo

 6/11


 「それじゃ、私は料理持ってきちゃうから渡しといてね」

 「任せろー」

 「(京太郎さんに渡されるの!?)」

 「(心臓が爆発する)」

 「(い、いいのかな?)」

 「あっ、おっさんじゃ嫌だった?」

 「いえいえいえいえいえ、ぜひ! ぜひ!」

 「京がいい」

 「おまかせしますっ!」

 「んじゃ、これなんだけどね……」


 ふふーん、私と京ちゃんが選んだプレゼント。

 そんなにお高いものを選ぶと困っちゃうだろうし、少しオシャレなものを選んでみました!


 「髪留めです。

  これが霞ちゃんで、これがシロちゃんで、これが玄さん」


 三人ともびっくりしているみたい。

 えっへっへー。みんな髪の毛綺麗だから似合うよー。

 じゃ、私は今度こそ料理を運びに行こうかな!
941 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:17:57.55 ID:8Jui3ReZo

 7/11


 ……
 …

 私だけでなく白望ちゃんも玄ちゃんも驚いている。

 三人用にプレゼントされた髪留め。

 京太郎さんが、咲ちゃん選んでくれたというだけで胸がポカポカと温かくなる。


 「ほ、本当にいいの?」

 「遠慮しないでいいんですよー、玄さん」

 「えへへ。一生の宝物にするよ」

 「そんな大げさな」


 ケタケタと笑う京太郎さん。

 これ、玄ちゃんは本気ね……。

 死ぬまで持っているつもりだと思うわ。


 「京」

 「ん?」

 「その、つけて、欲しい」


 えっ

 ちょっ

 白望ちゃん!?


 「えっ、女の子の髪の毛触っちゃまずいっしょ?」

 「女の子側が許可を出せば大丈夫」

 「うーん」


 チラッと咲ちゃんの方を見る京太郎さん。

 いたずらっ子な笑みを浮かべている。


 「咲には、内緒な!」

 「……うん。

  三人分ね」

 「へっ?」

 「ほっ?」

 「はわわっ!?」
942 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:18:26.80 ID:8Jui3ReZo

 8/11


 ……
 …

 「霞ちゃんってめっちゃ髪の毛綺麗だよねー」

 「しょ、しょうですか?」

 「うん。

  綺麗な黒髪で、サラーっと伸びてて、大和撫子みたい」

 「はうっ!?」


 京太郎さんの顔が近いぃ!?

 髪の毛を褒められて嬉しくて、でもそれ以上に目の前にいる彼が愛おしくて。


 「女の子は髪の毛のケアが大変だって言うもんな」

 「う、うゅ」

 「?」

 「あ、ありがとうございます」

 「どーいたしまして」


 一仕事終えたとばかりに笑う京太郎さん。

 触れていないはずなのに、京太郎さんの体温が離れていくのを感じる。


 髪留めをつける時間はほんの一瞬だったけれども、私にとっては永遠にも感じられた。


 ずっと憧れていた京太郎さんが近くにいて、私だけを見てくれている。


 髪の毛を褒めて、触ってくれている。


 京太郎さんの匂いが近くにある。


 京太郎さんの顔が近くにある。


 それだけで、こんなにも幸せ。


 私、女の子でよかった。
943 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:18:56.21 ID:8Jui3ReZo

 9/11

 ……
 …

 「次は私」

 「はいはい。ちょっと待ってねー」


 京がプレゼントの包みを開けて私の方に向き直る。

 チラッと霞の方に視線を向けると、湯気を立てて自分の世界に入ってしまっている。

 私はああはなるまい、と思ったところで京の顔が近づいた。


 「私は霞や玄みたいに長い髪じゃないけど……」

 「んー?

  でもすごく気を使って手入れしてるよね。

  これ、触り心地いいし」

 「へ、へんたい」

 「あっ、やべっ」

 「……ダメ、ちゃんと最後まで」

 「はいはい」


 気を遣っていることに気づいてくれた。

 女の子としては霞や玄のような綺麗で長い髪が羨ましい。

 たまに梳いてあげるけれど、櫛が引っかかることもない。

 面倒臭がりだけど、こういう時にはがんばっておいて良かったと思う。


 それに気づいてくれた。

 そのことが、とっても嬉しい。


 「はい、完成」

 「うん」


 京の方を振り向く。

 いつも無表情なんて言われているけれど。

 今はきっと、笑顔のはずだ。
944 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:19:25.47 ID:8Jui3ReZo

 10/11

 ……
 …

 「わ、わわわ」

 「玄さんはやめておきます?」


 京太郎君が断りを入れる。

 そうだ。咲ちゃんにも迷惑になっちゃうし、ここは身を引くのが大人の対応だよね。


 ……シロさんにじっと見られる。

 私もたまには甘えたほうがいいと、シロさんは言ってくれた。


 ちょ、ちょっとだけ、だもん。


 「お願いしてもいい、ですか?」

 「なんで敬語なんですか」


 京太郎君が笑いながら近づいてくる。


 「なんかもう語録もないんですが、長くて綺麗ですよね」

 「ふぇ」

 「あっ、梳いても全然ひっかからない。すげー」

 「ううっ」


 いつも見守るだけだった。

 京太郎君が幸せであればいいと、自分に言い聞かせていた。

 今でもそう思っている。その気持ちは嘘じゃない。


 それでも、ほんの少しだけ自分に優しくなれた。

 京太郎君は本当に優しくて、それに応えてくれた。


 霞さんやシロさんと知り合って、こうやって一緒にいる。

 京太郎君や咲ちゃんや照さんのために、頑張れる。

 それはこれからだって変わらない。


 「はい、終わりました」

 「うん。ありがとう、京太郎君」


 それでも今夜は、眠れそうにないよぉ。
945 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/08(火) 19:19:54.11 ID:8Jui3ReZo

 11/11

 ……
 …


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        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
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            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘   「えへへーっ!」
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |


 カン!
946 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/08(火) 19:20:22.83 ID:8Jui3ReZo
投下終了
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 20:26:59.57 ID:rNeS9caDO
乙です。

クロチャーは無理矢理にでもつけないと使わずに一生保管とかやりそう。
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 21:57:51.26 ID:PUt471ozo
かわいい
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/08(火) 23:22:21.15 ID:rWXBMsC0o
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 07:54:17.55 ID:XEzmspDSO
おつー
誰とは言わないがさすがに一生着けっぱになんてしないよね?
951 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:10:36.84 ID:wTH0Z2xVo

 1/7

 【のどっちの学校に入学する双子を見守る京咲】


 須賀咲ちゃんです。

 つ、ついにこの日がやってきました。

 学校に馴染めるかどうかは人生の大きな分岐点。

 息子も娘も緊張してます。


 「ううぅー、京ちゃぁぁん」

 「えぇい。情けない顔するな。

  俺たちまで舐められたら終わりだぞ」

 「よ、よし、頑張る」


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ ::::::::::::::::::::: ! :::::ィ./ .ト,ムノ:!
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ ::::::::::::::::::::::::':ゝ-.″ | }: : : :|
',:{ :::`               、       .レ′ : :!.   「えっ、京太郎君をペロペロしてもいいんですか!?」
..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\       ,____.,.      / !:! !  !
: : :|.     ` 、    `ーi!′  /|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {
952 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:11:06.36 ID:wTH0Z2xVo

 2/7


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}   「(ペロペロ?)
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'      おっ、和。久しぶり!」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


               ___
         ,. : : : : : : : : : : : : : : .、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
       .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
     .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
     {: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
     |: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :.
     |:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉   「こらこら、人の旦那様に何を言ってるの」
     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Y/∧: :!
       ∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ  u |/  ∨
          }:/\:|: : : : : : : : /    人
          /   -从-----イ{     イ
     _,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
     /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
     ,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{  ,:∧
    /:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/'  }
    {::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |:::ー====================_'_」::|   |
    ´ T T ―r――r、―――――‐ '     }
953 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:11:36.22 ID:wTH0Z2xVo

 3/7


 「おっとごめんなさい。

  直接やるのはルール違反でしたね」

 「やりすぎは怒るからねー」

 「京太郎君はわからなくていいんですよ。

  あっ、それとも私の魅惑の追試、受けてみます?」

 「ゴクッ。

  そ、それは魅力的な……」

 「こらこらこらこら!

  嫁さんの眼の前で何やってるの!」

 「暴力系ヒロイン反対!

  ……ってあれ。あんまり痛くない」

 「ぐぬぬ。本気でやってるのに!」


 手を強く握って痛みを感じさせようとしているのに!

 京ちゃんはヘラヘラ笑って相手にしてくれないし!

 って、和ちゃんがニコニコしてる。


 「はいはい。

  ごちそうさまです」


 はっ……!?


 「ち、違うの違うの。

  これは手を繋いでいるわけとかじゃなくて、他に掴むところがなかったから!」

 「どう見ても手を繋いでいるようにしか見えませんよー」

 「だから違うもん!」

 「それに咲が力を入れているようには見えないしなー」

 「入れているんですけど!」


 もー、京ちゃんも和ちゃんもニヤニヤして!

 私たちいくつだと思っているの!!
954 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:12:05.26 ID:wTH0Z2xVo

 4/7


 「それにしても、和がいる学校に入ることになるとは思わなかったよ」

 「私もです。このタイミングで異動ですからね」

 「和ちゃんがいると心配だよ……」

 「えっ、そこは安心してくれる場所じゃないんですか?」

 「何するかわからないし」

 「ナニしてもいいんですか!?」

 「それだよそれぇ!」


 和ちゃんが笑っている。

 もー、京ちゃんもいるんだからあんまりからかわないの!


 「とは言っても、二人の子供だからって贔屓はしませんよ」

 「そりゃそーだ」

 「変な噂がたってもいけませんからね。

  それに、2・3年もすれば私も異動しちゃいますし」

 「そっか。

  ずっといてくれるわけじゃないんだ」


 私たちが入れようとしている学校に和ちゃんが異動するって聞いてちょっと安心していた。

 でも、和ちゃんは異動が多いんだからそううまくはいかないよね。


 「でも、知り合いのコネなんて使ってナンボですし、ちょっとは気にしておきますよ」

 「ありがとう!」

 「もともとあの子達と知り合いなのに急に冷たくなんてできませんからね」


 そう言ってウインクする和ちゃん。

 うん……。ちょっと厳しいかな?


 「首締めますよ」

 「和!?」

 「うぐぐぐぐ」

 「まだセーフです! セーフなんです!」


 少なくとも首締めはアウトだよ!
955 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:12:34.25 ID:wTH0Z2xVo

 5/7


 ……
 …

 「いいですか?

  ここにいるうちはちゃーんと『原村先生』って呼ぶんですよ?」

 「わかったよ、原村!」

 「なんでですか!?」

 「お兄ちゃん……。

  ちゃんと謝らないと……」

 「もー、この奥ゆかしさを見習ってくださいね」

 「うう……」

 「でも、普段はいつも通りで大丈夫ですよ。

  学校にいる間、だけですから」

 「「はーい」」

 「双子だからクラスは違っちゃいますけど」

 「ううう、お兄ちゃん……」

 「お兄ちゃんがいなくても、一人で頑張れるようにならないと、ね?」

 「うん……」


          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
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     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
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     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
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     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
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      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧
956 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:13:04.23 ID:wTH0Z2xVo

 6/7


 ……
 …


 「……ふぇ」


 起きた時にはいつものベッド。

 フワフワした装飾にエトペンのぬいぐるみ。


 「夢?」


 あまりにも現実的な夢だったのでビックリしてしまいました。

 あの二人の子供が私の生徒になる……、実は少し憧れています。


 「ふふっ、可能性は低いですけど」


 デジタル的に考えれば、その可能性は限りなく低いです。

 数年で異動を繰り返す私がたまたま二人の学校に異動して、たまたま担任の先生になる。

 双子は別のクラスに分けられがちですし、その辺りが特に心配ですね。

 お兄ちゃんっ子ですから、咲さんみたいにコミュ症になりそうな匂いがします。


 「いけませんね、特定の子供を贔屓するなんて」


 いくらあの二人の子供でも、贔屓は良くないです。

 それはここ数年間教師を続けてきたからよくわかっています。

 私が贔屓することによって子供たちから大人まで巻き込んだ争いになってしまいます。

 それが理由で未来を閉ざされる子供だっているんですから。


 それでも、私だって人間なんですから。


         ___ -= : : ̄ ̄ =- .    _
         /:::/  . : : :       \ /::::人
      r‐:::::ヘ/   : : : :      r─=ミ/::::〈
     ノー─/                  |:::::::::::::》-=ミ}___
    〉:::::/   /: :/ : : | . : :. : :|   i \::::::::::|\:::::::::::::>
     |::::/ . : : : :| : i: :| : : :| i : | : i :i  {::::::::ノj:::::\厂ヽ: : : : :ニ=-
     |_/  i: :|: : :| : i: i| : : :| i : | : i__i  i⌒´| |:::::::/\  \: : : : : : : : : :=-
.      |   i: :| :i ]「 :ト八: : :|:T:Τ八八 Y^i: ,| ⌒j゙\: :\  \=- : : : : : : :
    八  i: :| :iァテ外 \:| ァテ笊芥ハ:i ル' |: : 八: \: :\  \  =-
.   /::::::\{八从 V(ソ  \  V (ソ ム/  八: : . \ : : : : \ニ=- _
   '⌒¨¨|: : i :∧ ::::::  、   ::::::: /{ミx   \: : . \ : : : : : : : : : : .  ̄
.        |: : .i rj入   _ _     /  /ニニ=-  \: : . \ : : : : : : : : : : :
      |  i / :|ニニ>  __ ,.     :/ニニニニ=-. \: : . \: : \: : : : : :   「ちょっとくらい、期待したっていいですよね?」
        ,  i | :|ニニニニト、 ヽ _/二ニニニニニ\\: : . \: : \ : : :
.      /   ∧八二ニニニ|=‐----/ニニニニニニニ=-ヘ, \: : . \: : \
     /  / ∨ \ニニニ|    /ニニニニニニ=- /⌒i   \: : . \: : :
.    /   /   ∨\\,ニ|   /ニニニニ=-.:/ /    \  \: : : : : :
957 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/09(水) 23:13:33.95 ID:wTH0Z2xVo

 7/7


 ・朝食時

                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i
                i: i !  , _.. .._  /    「未来の夢を見た? 結婚はしていたか?」
               ゙i"\ ` 二  /
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
    /'"               `′ヽ::::i  `゙′      \


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////   「夢の中ですら結婚できていませんでしたが何か!?!?!?!?!?!」
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


 カン!
958 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/09(水) 23:14:03.15 ID:wTH0Z2xVo
投下終了。次回が最終話
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 23:45:14.71 ID:m1MjnC8Eo

寂しくなるな
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 23:56:02.53 ID:XEzmspDSO
おつっす
子どもたちがいつもよりよく喋ってるなーと思ったけど未来だもんね
拗らせメンバーに救いはある?
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 23:57:08.56 ID:uCwpueLko
乙です
最終回も期待
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 00:44:37.49 ID:+Fesddl/o
乙です
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 01:58:31.55 ID:1eWICia+o
相変わらず面白い
最終話ってこのスレ終わっちゃうの?
どの話も素晴らしいから続けてほしいな
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 03:58:11.21 ID:5Qv68cQio

まだまだ見たいよ
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 10:31:05.20 ID:CiqeKK2DO
乙です。

きっと終わってもおかわりとかおかえりとかただいまとかついて続くんだよ(みなみけ並感)
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 17:11:35.22 ID:tfMTr3Kso
終わらないでー
967 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:10:02.71 ID:SxiQnaURo

 1/21

 【みやながけ!】


 須賀咲ちゃんです。

 今日も一日頑張ります!


 「なんか早く起きちゃったなー」


 おバカな顔で寝ている京ちゃんを横目に、パッチリ目が覚めちゃった。

 もうちょっと寝ていてもいいんだけどね……。

 ううっ、まだまだ肌寒い時期が続きます。

 カーテンを軽く開けてみると、まだまだ真っ暗。


 「たまには早めに準備しておこうかな」


 人数が多いだけに、いつもギリギリになっちゃうもんね。

 とりあえずキッチンのヒーターをつけて、活動しやすくしておく。


 「あっ、お隣さんも起きてる」


 照明がついているみたい。

 でも、いつも私より早く起きているみたいなんだよね。

 どちらかというと夜型のお仕事をしているのかな?


 「そんなことより、いつもの仕込み!」


 人のことを考えてる場合じゃないよね!

 まずは朝食から作らないと!
968 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:10:31.88 ID:SxiQnaURo

 2/21


 お味噌汁だけ作って、今日は食パンを焼きました。

 たまにはこういう日もないと飽きちゃうもんね。

 洗濯機を回しながらみんなが起きてくるのを待ちます。


 「おはよー、咲」

 「おとーさん、おはよー」

 「……?」

 「どしたの?」

 「いや、なんでもねーよ」


 意味深に首をかしげるお父さん。

 なにそれきもい。


 「今日は随分と早起きだな」

 「なんか目が覚めちゃった。

  ってお父さん気づいてたの?」

 「寝ぼけながらも誰かが起きていたはわかったぞ」

 「起こしちゃったんだ」


 ごめんね、なんて謝りながらお父さんをスルーして家事を続ける。


        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!    「うーん?」
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |

 お父さんは何か納得のいかないような顔をしながらパンを一枚食べ始めた。
969 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:11:00.82 ID:SxiQnaURo

 3/21


 「うう、さき、おはよう」

 「おはよー。

  お姉ちゃんにしては早いじゃん」


 ちょっとするとお姉ちゃんも起きてきました。

 こんなに早く起きてくるなんて珍しい。


 「お腹すいた……」

 「ああ、そういえば昨日おかし食べて晩御飯抜いてたもんね」

 「うん……」

 「だからちゃんと晩御飯食べなきゃダメだって言ったでしょー」

 「太るから……」

 「じゃーおかし止めなよ」

 「うぐぐ……」


 最近ダイエットに目覚めたお姉ちゃん。

 と言っても、お菓子の量を減らしてご飯の量を減らしただけなんだけどね。

 運動もしてないし、それじゃ痩せないよ。

 私だって京ちゃんと運動しているのにそんなに痩せないんだもん。

 へへん。お姉ちゃんだってそろそろ太っちゃうんだから頑張らないとね。


 「咲?」

 「どしたの」


               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           /: : :/ : : : : : : : : : : : : : i : : : : : : : : : ヽ
             /: : :/: : : : : : : :./|: : : : : :| : : : : : : :ヽ : : :.
         /: : : i: : : : : : : |: | |: : : : : :|ヽ:.:i: : : : : :i : : i
            ′: : :|: : :i.: : :./|: | |: : : : : :| i:.|: : : |: :.| : : |
          / : : : : |: : :|:|i: :|‐|‐ト: : : :|i:斗‐|┼: i:.|: :.| : : |
.         /: : :/|八 : |八 |_.レ'.._|: : :八/__.}/∨}/: : | : : |
        厶イ  |: : ヽ{{ 午不か}/  午示下}.: : :| : : |
           |: : : :| 弋__ソ       弋__ソ  レ': : : |
           |: : : :|ハ                /| : : : : |   「……なんでも、ない」
           |: : : :|ヽ}       '        /´| : : : : |
           |: : : :|: :人    _    /.: :.| : : : : |
           |: /i: |: |: : `: :._     ィ: : i: : :.| : :i.: :.|
           {/.人{: |/}: :厂}   ー  .{ア}_l_: : |: : i :. ′
            ,. -‐乂¨ ̄{¨       ¨}   ¨八/}/
          r<. 、       |          |        >、
       /   \\      |          |    //  \


 もー、お姉ちゃんまでそれ?

 お父さんもお姉ちゃんも調子悪そうだなぁ。

 そういえば花粉症の季節だし、ちょっと辛いのかな?
970 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:11:30.38 ID:SxiQnaURo

 「ママー」

 「♪」


 子供達が起きてきた!

 なにやら機嫌がいいみたい。

 息子はいつもしっかり起きるんだけど、娘はちょっと朝に弱いんだよね。

 それなのにこんなに機嫌よく起きるなんて珍しいな。


 「はいはい。

  顔洗ってご飯食べて歯を磨きなさーい」

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}      「はーい!」
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
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  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、   「b」
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\
971 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:11:59.64 ID:SxiQnaURo

 ……
 …

 「さて、と」


 だいたい終わったかな。

 我が家のお寝坊さんも起こしに行きますか!


 「あれ、咲?」

 「わっ、京ちゃん!」


 おー!?

 京ちゃんが自分から起きてくるなんてすごく珍しいよ!


 「珍しいこともあるんだね」

 「失礼な!

  俺だってなぁ」

 「じゃあこれから起こさなくていいよねー?」

 「……ゴメンなさい」


                     _....................._
                ,. : ´: : : : : : : : : : `: : .、
                , :´: ,. : : : : : : : : : : : : : : : :\
               /: :/: : : :,: : ´: : : : : : : : : : : : :ヽ
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        ______|  、 「  v    :.:. イ: :/:イ/イ    「わかればよろしい!」
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972 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:12:29.57 ID:SxiQnaURo


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
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            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「……んー?」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
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          , <///////////\   ///////////> 、
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       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 「咲?」

 「なぁに、京ちゃん」

 「調子悪くないか?」

 「あんまり良くはないけど、そこまでじゃないよ」

 「そっかー?」


 なにさー。京ちゃんまで様子がおかしい。

 こんなに聞かれるなんて、逆にみんなの調子が心配だよ。


 「なんか最近食欲ないみたいじゃん」

 「あれはダイエットですー。

  お姉ちゃんが始めたから一緒に始めたの」

 「それならいいんだけど……」


 確かに、ちょっと調子が悪いかなーっとは思う。

 でも昨日の夜ご飯を食べなかったことが原因だと思うし、別に風邪ってわけじゃない。


 「大丈夫大丈夫ー」

 「……」


 なーんて言いながら京ちゃんに背中を向けたら……。
973 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:12:59.05 ID:SxiQnaURo


 「!?」

 「京ちゃんチェックします」

 「な、なにそれぇ」


 ギュッと背中から抱きしめられた。

 ちょっとちょっと、会社遅刻しちゃうよ!


 「やっぱちょっとぬくいぞ」

 「そんなことないもん」

 「ちょっと熱っぽい。

  風邪、かな?」

 「熱なんてないよ。

  ほらっ、会社、遅刻す……」

      / :::::/::::::::::::::::::::.:.::::::::::::::∧:::::.:.:.:|:..:.:.:.|:.:.:::|i::.:.:|
     /   !  / ::::::/:::::::::::::::::|:| |::::::|:::|:::::..:.:i:::::::|:i:.:.:l
.    /............|........|..//.ハ.......:.ハ..:::| | !: : |:: |:::....:...|:::::::|::.:.:|
    /.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
  /:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:|
  //    |/:::V::!|  <ヽヽ:::|  V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i|
        !::::::::|:r-、弋ノ  ヾ   f´:i  ヾ ゙、::::::/) }:ル'      「……っ!!」
       r‐|::::∧:ト、.\ ,     _ゞ',、  /  i:::/ ' /W
      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
   |   ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / /     i | ノ

 急激に吐き気が追い寄せてきた。

 やばっ、と思ったのももう遅い、


 「ほら、やっぱりじゃん」

 「うぐっ」


 せめて京ちゃんが会社に行くまでは、なんて思っていたけれど、目の前でこれじゃどうしようもない。

 あとは京ちゃんにされるがまま、病院なんて大げさなところにまで連れて行かれちゃいました。

 こんなことに有給使わなくたっていいのに、もー。
974 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:13:27.83 ID:SxiQnaURo

 ……
 …





 「おめでたです」






 
975 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:13:57.22 ID:SxiQnaURo


 「「はっ?」」


 お医者さんが笑顔で告げてくる言葉を飲み込めない。

 なぜかついてきていたお姉ちゃんとお父さんとお母さんは納得しているみたい。


 「さすが照。

  よくわかってんなー」

 「私は咲に重なる気配を感じただけ。

  お父さんはどうやったの?」

 「俺はお父さんだからな。

  なんとなーく違和感があったんだよ」

 「男の人ってそういうのに鈍感だって聞くけれど」

 「普段通りじゃなかいと落ち着かない、おじいちゃん成分がにじみ出てきたのかもよ」

 「ふーん」

 「あとは何より、な」

 「ああ、これだけ発情してたらいつかはこうなると」

 「それそれ」

            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{    「失礼なっ!!」
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |
976 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:14:26.35 ID:SxiQnaURo


 「その、咲」

 「ひゃ、ひゃい」


 初めての時くらい緊張する。

 京ちゃんががっしり私の肩を掴んでいる。


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧   「でかした!」
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
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 人目を気にせず私を抱きしめる。

 ちょっと京ちゃん、お父さんとお姉ちゃんが呆れてるんだけど!


 「嬉しいー!」

 「うげぇ」

 「あっ、お腹の赤ちゃんに悪いかな」

 「私の心配をしてよっ!」


 咲ちゃんおこだよ!

 まぁ、以前みたいなお姫様待遇よりかはこのくらいの方がいいかな、なんて思うけどさ。
977 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:14:55.18 ID:SxiQnaURo


 「その、京ちゃん」

 「なんだー?」

 「経済的にとか、大丈夫かな」

 「なーに言ってんだ!

  俺がもっと頑張るよ!」

 「おじいちゃんになると金の使い道なんてないんだ、使わせてくれよ」

 「咲、私だって援助するよ」

 「ううっ」


 妊娠初期の不安定さが出てきたのか、ちょっと涙がこぼれてしまう。

 妊娠している私と、この子は認められているんだって言うことが嬉しい。


 そんな女の子の苦しみをわかってくれるのはお姉ちゃんとお母さんだ。

 特にお母さんは妊娠初期の苦しみをよくわかってくれている。

 何も言わず、私のことを抱きしめてくれた。

 それだけで胸が温かくなった。

 目の前に広がる、私にとっての理想の家族なんだなって。
978 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:15:24.32 ID:SxiQnaURo


 お互い助け合って、からかいあって、生きていく。


 辛いことがたくさんあって、一度は離れ離れになってしまった。


 二度と一緒になることはないかな、なんて思いもあった。


 話しかけても無視されることすらあった。


 それも乗り越えて、より一層絆を強くして、私の大好きな家族になった。


 ドタバタとお姉ちゃんがトラブルを引き起こして、私がそれを怒って、京ちゃんが優しく見守ってくれる。



 これが私の自慢の『みやながけ!』

979 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:15:53.59 ID:SxiQnaURo

 ……
 …

 病院から帰ってきて、部屋で京ちゃんと二人きり。

 三人とも半休を取っていただけなので仕事に行ってしまって、京ちゃんだけ付き添ってくれました。

 まぁ、症状さえ分かっちゃえば一人でも大丈夫なんだけどね。

 これからの事とか、話さなきゃいけないことがある。

 それをわかって二人にしてくれたんだと思う。


 「なぁ、咲」

 「なぁに、京ちゃん」


 いつものやりとりをして、話を始める。


 「三人目は男の子かな、女の子かな」

 「また双子だったりして」

 「ちゃんと名前を考えておかないといけないなー」

 「素敵な名前を考えてあげようね。

  私、今の名前好きだもん」

 「わかってるって。

  前みたいに照さんにも意見を聞こうぜ」

 「お姉ちゃんって一時期名前調べてたもんね」

 「それでも DQNネームを知らなかったり、極端だよ」

 「お姉ちゃんは天然な部分もあるから」

 「確かに」


 そう言って二人で笑いあう。

 一瞬気分が高揚したけれど、すぐにまたナーバスになってしまった。
980 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:16:23.19 ID:SxiQnaURo


 「ねぇ、京ちゃん」

 「なんだ、咲」

 「私、今すっごく幸せなんだ」


 京ちゃんが頷いて話を進めるように促す。


 「京ちゃんがいて、子供がいて、お姉ちゃんがいて、両親がいる。

  友達だっていっぱいいるよ。

  和ちゃんはちょっとアレだけど、仲いいし。

  優希ちゃんと二人でバカやってるのも楽しい」


 ここでココアを含んでひと休憩。

 京ちゃんは何も言わず、私の話を聞いてくれた。


 「霞さんとシロさんはお姉ちゃんみたいで大好きだよ。

  いつも守ってくれている気がする。

  玄さんはとってもいい人で、私の目標。理想のお嫁さん」


 私はいつも周りに救われている。


 「それで。私の隣には京ちゃんがいる」


 こんなに幸せなことってあるんだろうか。

 でも、病院から帰ってきてずっと考えてしまっていることがある。
981 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:16:51.94 ID:SxiQnaURo


 「でも、いつか、いつかね?

  子供達は成長して、学校に入って、結婚して、離れてっちゃう。

  お姉ちゃんだって誰かと結婚しちゃうかもしれない。

  仕事が忙しくなってきて、和ちゃんや霞さんたちとも会えなくなるかもしれない」


 私の胸の中に未だに深く刻まれたトラウマ。


 「それは時間が流れる以上仕方がないことなのかもしれないけれど、とっても寂しいなって」


 バラバラになるのは、嫌なんだ。


 子供達がいつか離れていくのだってわかりきっている。


 これはいずれ来る未来。


 もしかしたら楽しいのは今だけ、そう、『私の家族が仲良くやっていた時のように』今だけかもしれない。


 これから起こる未来が、『家庭崩壊した時のように』辛い未来かもしれない。


 そう思うと、また涙が溢れてきた。


 そんな私を見て、京ちゃんは顔を上げた。

982 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:17:21.47 ID:SxiQnaURo

         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :    「なぁーに言ってんだ、この」
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{    「ぅひ」
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´
983 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:17:50.33 ID:SxiQnaURo


 京ちゃんがいつものように私のほっぺたをつねる。

 こっちは真剣な話をしてるのに!


 「お前なー」


 「何さ!」


 「そりゃしょうがないよ。

  子供たちは自立するし、みんな疎遠になっちゃうだろうし」


 「た、確かにそうだろうけど、そんなに言わなくてもいいじゃん……」


 「照さんだっていつか結婚するだろ」


 「する、かなぁ?」


 「どうだろう?

  子供たちが自立するのなんて、二十年くらいで起きる未来だ」


 「そうだけど……」


 「普段嫁入りさせないなんて言ってるけど、それはいつか起きちゃうんだよね」


 京ちゃんもちょっと暗くなる。

 やばい。涙出てきた。

 こんな話するんじゃなかった、かも。


 「子供も、両親も、姉も、友達も、いずれ疎遠になっちゃうかもしれない。

  でも、さ」


 「ん?」
984 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:18:19.83 ID:SxiQnaURo







 「俺がいるだろ」




 

985 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:18:48.42 ID:SxiQnaURo


 ちょっと照れながら、京ちゃんは言ってくれた。



 「最後まで一緒にいるのは、俺だ」


 「本当に一緒にいてくれる?」


 「だから結婚したんだよ。安心しろ」



 京ちゃんの顔が真っ赤だ。


 きっと、私の顔も真っ赤。


 なんだこれは。プロポーズの時を思い出す。



 「ふふーん、ずっと一緒にいてくれるんだ?」


 「なんだよ、嫌なのか」


 「……嫌じゃない」


 「なら、いいじゃん」



 嬉しくてにやけが止まらないだけ。
986 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:19:16.94 ID:SxiQnaURo





 「なぁ、咲」


 「なぁに、京ちゃん」




 

987 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/03/10(木) 18:19:45.98 ID:SxiQnaURo




 「俺がずっとそばにいるよ」


 「えっへへー!

  京ちゃんだって、私で我慢しときなさーい!」




 
988 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/03/10(木) 18:20:24.06 ID:SxiQnaURo
 カン!

 ほぼ半年間毎日投下にお付き合いいただきありがとうございました
 感想を貰えるのが毎日の楽しみでした

 また妄想を発散したくなったら、みやながけの続きをスレ建てして1000まで消化する形にしたいと思います
 その時、またお付き合いいただければ幸いです。ただ次はもう毎日投下はできないかな…

 それでは
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 18:29:29.60 ID:+NeAzDYjO

毎日投稿お疲れ様です!毎回楽しく読ませてもらってました。
また続きが見られるのを楽しみにしてます
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 19:22:33.95 ID:FytOfwUNo
乙です
毎日の楽しみでした
クロチャーと霞さん平行世界のスレを楽しみに待ってます
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 20:39:11.57 ID:CiqeKK2DO
約半年間乙でした!

荒らしにもめげずに書ききった>>1に敬礼ッ!
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 20:47:41.21 ID:FzVsxrXpo
本当に乙!でしたー
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 21:12:09.64 ID:3b9HshKIO
毎日の楽しみでした
おつかれさまです
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 21:39:40.04 ID:HlhgG8Lgo

頑張った!
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 21:45:54.14 ID:Gc/eqpRT0
実にすばらでした
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 21:53:21.95 ID:SRAy20tro
おつです。
毎日楽しませていただきました。
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 22:38:27.47 ID:HKzToTyLO
本当に乙でした。
読んでいて本当に楽しかったです次回作も期待してますね
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 22:42:35.22 ID:oDc3EEOEO
帰ってきてここの更新見るのが毎日の楽しみでしたよー
おつかれさまでした!
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 22:43:08.85 ID:p0/dwH9jo
本当に乙です
最初から最後まで楽しめた
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 22:57:41.56 ID:nad/mD3Ho
みやながけは永遠に不滅だ
1001 :1001 :Over 1000 Thread
              わ〜い、>>1001ゲット〜
               __
                    ‖ _~",ー 、,,_
      |           ‖ /  |ノ  ,>
   \ |  /      ‖ /ヽ_,:-−'´
                ‖/~         ヽ | /
                    ‖     ,   ))
       ,、      ,、   /'ll__/ ヽ
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