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【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「はおまけ!」咲「おまけじゃないよ!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 00:45:44.65 ID:xta4dzyIo

 1/3


 【原作キャラ崩壊】

 京太郎
 のどっち
 不定期
 非安価
 10レスAASS
 ※サイコ要素あり

 頂いた雑談から書きます
 リクエストOK。既存カプのみ

 基本は単ヒロイン
 四コマ漫画感覚でどうぞ


 まとめwiki
 http://www27.atwiki.jp/miyanagake/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474040744
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【安価】創作戦争【コンマ】 @ 2019/11/21(木) 01:14:50.17 ID:MH1QwVHo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574266489/

高垣楓「酒あわせなひととき」 @ 2019/11/20(水) 23:19:22.50 ID:PSNJgP6Z0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574259562/

渋谷凛「就職活動を」本田未央「してみたい?」 @ 2019/11/20(水) 00:07:43.98 ID:qoXxFcO/0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574176063/

凛「we are fish(私たちは魚です)」 @ 2019/11/19(火) 23:50:04.81 ID:L+oyX6LV0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574175003/

博多弁女「うちは今、幸せやけん」関西弁彼女「もちろんうちも幸せや」 @ 2019/11/19(火) 23:37:48.00 ID:t1qd9MMpO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574174268/

ライラ「大好きな背中」 @ 2019/11/19(火) 22:40:06.68 ID:gbdzVW420
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574170806/

【ミリマス】静香「ユートピア」 @ 2019/11/19(火) 20:23:09.49 ID:6s/A4gNC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574162589/

西住みほ「赤ちゃんできちゃった....」 @ 2019/11/19(火) 19:53:32.32 ID:pWzKMw3sO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1574160812/

2 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 00:46:26.71 ID:xta4dzyIo

 2/2


 ・前スレ

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ?」咲「京咲だよっ!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443023066/

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「京咲!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444022970/

 【咲-Saki-】京太郎「一家団欒」咲「宮永家!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444232227/

 【咲-saki-】京太郎「みやながけ」照「京咲照」咲「京咲でしょ!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445021542/

 京太郎「みやながけ」咲「平行世界」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449129501/

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「京淡!」咲「京咲だし!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453294261/

 【咲-Saki-】京太郎「霞色の空」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458730218/

 【咲-Saki-】 京太郎「みやながけ」 淡「だったスレ」 咲「えっ!?」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462023444/

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」和「のどっちスレ!!」咲「(否定できない……)」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468929553/


 ※ 『みやながけ見てたけど霞色の空って何?』って人へ
   前シリーズで予告してた京霞。京玄の続きはそのスレで終わらせました
3 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 00:46:56.16 ID:xta4dzyIo

 3/3


 ・完結済み。後日談系統

 みやながけ次元
 京和次元
 京照次元
 京淡次元
 京白次元
 京霞次元(霞色の空)
 京穏次元
 京玄次元
 ダルてる次元
 のどアコ次元
 京咲照次元
 京淡ネリ次元
 新訳:京霞次元


 ・継続中

 京優次元
4 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 00:47:24.97 ID:xta4dzyIo
 新スレ記念にリクエストあればどうぞ
 シロのシチュエーションとか……
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 00:49:23.75 ID:0jLsV/zM0
京シロ 寝惚けたシロが京太郎を抱き枕
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 01:00:27.55 ID:LQmYSvMc0
一発ネタのお金持ち次元で愚痴り大会
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 01:19:22.22 ID:x3CujQTuo
お姉ちゃんシロとダルシロが混線
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 01:53:32.21 ID:xi3j+lzMo
立て乙
淡ネリ次元で頻繁に泊まりにくる淡ネリ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 02:03:34.35 ID:6bN7yk6MO
最近知って来たんだが
>リクエストOK。既存カプのみ
って有るけどリクエストOKの既存カプってどんなカップリングがあるの?
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 02:06:33.83 ID:m3V1d3J4O
>>9
>>3
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 02:17:21.92 ID:jit1yArHo
問題はのどアコ次元(カップリングは京玄)みたいなのがあるからタイトルでは判断できないんだよな……
そもそもここで求められてるリクエストは即興安価スレみたいな思いつきじゃなくて
既存作の関係性をもとに発展案募集みたいな性向が強いから、とりあえず流し読みでも過去ログ・まとめを読んでからリク検討した方がいいと思う
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 06:38:54.64 ID:Iwa5E0QnO
乙です
シロを抱っこ(?)しながら麻雀の稽古をつけてもらう京ちゃんとか?
もしくは、一緒に宮守勢に結婚報告をするシロと京ちゃんで
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 07:27:07.16 ID:yuEYc3Aoo
乙です
京淡次元のロッカー見たいな
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 10:03:55.39 ID:D2jH22/T0

霞次元同士が混線
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 10:31:31.17 ID:osPAE6xUO
京太郎チャレンジ!(※ただしプロは除く)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 12:04:31.55 ID:iXBJW5cVO
こういうクソみたいなスレタイに、まるで本命の合間に性欲処理の便器みたいに咲を扱った内容で何本もSS書いといて掌返ししたかの如く純愛モノの京咲とか書くんだからお前らって凄いよな
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 12:04:36.40 ID:Q66nMWAZ0
マホちゃん、先輩を落とすための努力編
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 12:35:18.72 ID:BmNz1ZseO
京白 京太郎が風邪をひいたので、ダルいダルい言いながら凄い看病をする白望

京穏 オープンキャンパスに行く
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 13:48:53.58 ID:0jLsV/zM0
京霞次元でアラサー同士+1(すこ、はや、レジェ、イタコ)の激突で幼くなってしまった(記憶も)京太郎に母性と保護欲を覚醒させる霞とはっちゃん
アラサーと同席して幼くなってしまった(純粋に戻った)イタコプロがのどアコをイタコって深淵に染まる
20 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:06:58.20 ID:xta4dzyIo

 1/10

 6
 【お金持ち次元で愚痴り大会】-単発次元- ※サイコ系 ※マジ注意


 龍門渕透華は王者の家系である。と自負している。

 優秀な血筋に教育、そして有数のお金持ちである。

 そんな彼女がインターハイ以上に気合を入れているものが一つある。


 「ふふふ、今年こそは、今年こそは負けませんわよ!」


 彼女は何よりも目立つことに拘りを持っている。

 そのためにインターハイでは原村和に正面から勝負を挑むつもりだ。

 しかし、その前に決着をつけなければならない敵がいる。

 それは透華が生まれてから十年以上苦渋を飲まされ続けた相手だ。


 「弘世菫と辻垣内智葉……ッ!」


 そう、彼女に近い年齢である『お金持ち』の二人だ。

 彼女たちは幼い頃から社交界で交流している。

 仲が良い、というほどの仲ではないが顔見知りだ。

 そんな彼女たちに透華は一方的に因縁を覚えている。


 「今年こそ、今年こそ龍門斑の名に恥じぬように……」


 去年を思い返すと未だに体が震える。

 そう、あれは惨劇だった……。

 しかしそんな自分に喝を入れ、今年こそ二人を上回ると言い聞かせる。

 そのためにこの一年間研鑽を積んできた!

 万に一つも負けだってない!


{   `                                         /,ヽ
ヽ    \                                   _, -‐ ´ 論
  \     ヽ                              / \ /λ ヾ 、
   \     へ                          /  |iミ V.彡} l   } ヽ
       、     ー 、                     j   |l  ノ  j| |   ゝ 〉
        >、      ` ヽィュ_                    |i   ハ ゝ,  {| ヘ   \i
        /    \       \``ゝ,                }.   / ヾ、ヽ ヽゝ `,   ヽ
      /  |    , -‐       ` ヽ \           ノ. ∠`へ, '  ノ x弋 ヾミ 、 \
    〈  ',. |    }  }        \ }´`ゝ〜 ュ _ . 〃  i'〈弋::リ`   ´{テ:::} 〉ヽハ   ,
    ヽ  }. |   ´  / ,,_       ゝ,,._      \ゝ 从 ,,    ,   ` ,,, / 从  /    「さぁ、行きますわよっ!」
     ′. ヽ ヘ.__, -‐ ト _ >、        ̄ ` ヽ   .\ ', ヘ  ャー― ,   . /ヘ ゙,ソ /j ゝ
      ゝ  ー,,ュ, -‐ ´ ー´,,   ` ー-  ,      }  ヘ   ` ヾ , ヽ  ノ , ´{| ゝ /ノ\ `ゝ、
        ̄            ゝー‐< ,,  _`` ‐- ´   }     ヽ ー < | f メ C \  \  `\
                       , -‐  `>ー- ェ   〉     \ /V ,ヘー- ュ  ゝ   ゝ、  ` ,,
                      /   /´´      \  \    .`  ひ二つ ∧   `ヽ  } ー 、  \
                  , -‐ ´    /  '      / ヘ            〉 \  |  、  ノ  ヘ  ヽ   }
                /       ノ ノ         〉、       /   i  \ ',  {   〉  \  \


 今日この日から龍門渕透華の伝説は始まるのだ!
21 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:07:27.99 ID:xta4dzyIo

 2/10


 ……
 …


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.    /:::/:::::ーr‐  ´/:::::::::ハ:::::::|i:::::::::|       '%    「どうも、白糸台のシャープシューター須賀菫です」
   /::::'::::::::_.ノ〕  .:::::::::://> :::::::::|
   .:::::::〔´  /   ':::::::::/     `ヽ
  ':::::::〃 /   /::::::::::'         \
. /:::::::::::|  ∧_/:::::::::/       /⌒\
/ ::::::::::::| .′/::::::::/       /     ヽ


          / \_/\-―‐-y'´ \
         /-‐y'"  ,ヘ ヽ  / ∧   \
          /     ! \ヽ/ //i     ヽ
           ,:!.     |'"´`゙ y''"´ ´|      i
            | |     i |   /′   | i    .|
.           i |     ハ|   〈.!    | |    |
          !/   / |!   ヾ、   |ハ    |
          /    廾ー-_、__,  )!、_,._-‐┤  .゙、
         /   /./ fr、))  /′ fr、i) ゙、   `、
       /.イ   ∧|  ゛'"     `゙'"  ト、    丶    「ーーッ!!!?」
.      ///    ハ._ヾ⊂⊃      ⊂⊃ !人   ヾ、、
      i/ i ,i  〈  `,!             / .リ )  i、 ヽ!
.   /リ 、ソ   Y´;/i\.  ∠ニゝ ,..イ   /   |ノ ノ
  /      >、  ヽ!   `ー---イ´|:.:.:`ヽ/    / \
/   /:Y´:.:.:\   \       / |:.:.:.:/     イ、   \


 いきなりヤバかったかもしれない。
22 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:07:57.02 ID:xta4dzyIo

 3/10


 会場に入るとそこには何食わぬ顔で偽名を使った自己紹介をしている菫の姿。

 本人はすごく楽しそうだ……。

 すでに去年を思い出して心が折れそうになっているが、なんとか奮い立たせる。


 「お、透華じゃないか。

  久しぶりだな」

 「お、お久しぶりですわね、弘世菫!」

 「?

  ああ、すまない。旧姓で呼ばれると戸惑ってしまうんだ。

  あはは、いつまでたっても新婚気分ですまない」


 なにを いっているのか わからない

 すでに折れかけている心を奮い立たせようとするが、菫は幸せそうに微笑みながら近づいてくる。


 「ど、どうした?

  体調が悪いならば人を呼ぼうか?」

 「いえ、施しは無用!

  ところで須賀菫とはどういうことで?

  いつの間にか婚約されたのですか?」

 「ああ、私の脳内で告白してな。

  昔から両思いだったことが判明したから、晴れて婚約したということだ」

 「自分で脳内って言っていますわよ!?」


 そう、これだ。

 弘世菫は重度の妄想好きで、妄想モードに入っているときは話が通じない。

 もっとも、菫が妄想モードに入っていない時を透華は見たことがないのだが……。

 全てハギヨシに調べてもらった結論である。


 「それでそこで旦那さまが言ったんだ。

  『菫、お前は縄で縛って尻を叩くとよく鳴くんだよ……』って」

 「DVじゃありませんの!?」

 「何を言う。

  これも一つの愛の姿だ。

  妻である私が旦那さまのことを許容しているならば何の問題もない」

 「それ、典型的なDVを受けている女性の言い分ですわよ……」


 気づけば去年のようにツッコミを入れてしまっている。

 脳内ならば好きにしろ、と放置できないのが透華の悩みだった。
23 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:08:26.29 ID:xta4dzyIo

 4/10


 「何だ、私と旦那さまの愛の話を聞いてくれるのか?」

 「そっちが勝手に喋ってるだけですわよ!?」

 「それならば仕方ない。

  いくつかエピソードを語ろうか」

 「弘世菫の妄想披露会になってしまいますわよ!?」

 「あれは数年前、いや前世の話だったか」

 「振れ幅が大きすぎません!?」


 結局放置できずに話に巻き込まれる。

 龍門斑透華、早くも陥落寸前である。


 「冷静に考えてみてほしい」

 「?」


 いいか、透華
        ( ゚д゚)
       (| y |)

 弘世と菫では単なる弘世菫だが
  弘世  ( ゚д゚)  菫
    \/| y |\/ 

 須賀菫ならばSSとなる
      ( ゚д゚)  SS
      (\/\/


 「これは私と旦那さまが前世から結ばれる因縁と言える」

 「言えませんわよー!」


 もうこれは医者に見せた方が早いのではないか。

 というか家族はなぜこれを放置しているのか。

 様々な疑問が浮かんでは消え、浮かんでは消える。

 とりあえずロクでもない理由な気がした。


 「ふふふ、相変わらずおめでたい考えだな。弘世菫」

 「な、お前は!」

 「この声は!?」
24 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:08:55.38 ID:xta4dzyIo

 5/10


                          ___
                       ..::.::.::.::.::.::.::.::.::.`丶、
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                    /.::.::.::.::.::.::.::.  イ:.::.::.::.::.::.::.:.::.
                   .::.::.::.::.::.::.::/  |::丶.::.::.::.::.::.::.:.
                    |::.::.::.::.:_::/     \{\ .::.::.::.::.:|
                    |.::.::.::./|/`丶     /\ ::.::.::|
                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行
                    ノ  八‐:、    ′   厶|
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/     「私だ」
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \


      /:./{ミミ:.:.:.彡≧:.:.\
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  |:.:|:.:.:.:.:. ` ヒ...リ     ヒ..リ |:.:.:.|:.:.|
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25 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:09:24.75 ID:xta4dzyIo

 6/10


 「ゲェー!?

  辻垣内智葉!?」

 「レディの悲鳴とは思えないな、龍門斑透華」


 そこにあったのは忌々しい宿敵の姿。

 去年のインターハイで臨海で負けた……ことはこの際置いておこう。

 とにかく宿敵ったら宿敵なのだ。


 「今更何しに来たんだ、智葉。

  すでに私が須賀菫である証拠は提出したはずだが」

 「確かにその理論は完璧だ」

 「ならば智葉に付け入る隙はないこともわかるだろう」

 「ふふっ、それはどうかな?」

 「何……?」

 「私と須賀は前世から繋がる仲だ」

 「(今年は前世系統が流行ってますの?)」

 「あれは私が須賀と戦争をしていた時の話だ。

  エルフの姫騎士だった私は須賀に囚われの身になってな」

 「ほう……?」

 「その時に嫌がる私を無理矢理手篭めにされたというわけだ。

  死を乞うても許されずめくるめく快楽の道に誘われてしまった」

 「なんだと!?

  そんな羨ま……コホン。

  しかしそれは証拠がないぞ。

  私のような決定的な証拠が」

 「(弘世菫のどこに証拠があったのでしょう……?)」

 「まだわからないのか?

  私の名前は辻垣内智葉」

 「それがどうし……。

  ま、まさか!?」

 「ようやく気付いたようだな」
26 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:09:53.55 ID:xta4dzyIo

 7/10


      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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    |:::::::| \:::::::::::,__::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    {:::::::{ヽ /\::::|ヽ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',     ファサァ……
    ∨::∧/  _,ヽ| ヽ.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     ∨:::∧ /灯  /}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',     「そう、私もSSだ」
     \\∧∨   ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ __
       \. 〉      ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、
          ノ       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
          ヽ -    /::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ̄ `ヽ::::::',
            ` - ./::::∧ //\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ヽ::::',
               {/|::} 〉/////\::::::::::::::::::::::::::::::::::',\  〉::}
               |} |///////// \:::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ }:/
                  |/////////////ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',


          rー――-
     r-イ:⌒\:::::::ヽ:::\
     /:::|`::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::.
.    /|::: |::::::::::::::/-∨:::: |::::::.
     |::: |≧=- でッノ|:::::::|):::::::.     ガタッ
     |:::::i{で;       !::::: |:::::::::::.
     |::::∧   ' _ ::::::: |:::::::::::::\
     ∨::::ハ..  ´ ノ Λ/ト-!`ー―rへ   「なん……だと……!?」
.      ∨:Λ≧.......イ、    |    /⌒\≧
      Y ∨ :::/|   /′  /     \
          Vイ  f-< /   /|
          |{  |  /  /::::∧ }   /⌒ ヽ
      :{    |:\|  / /:::::: / ∨  /  /\〉       |
     |   人::::::Y´:::::::::::/  八_/_/    |.       l|
     i| |l |   | 7:{:::}::::\´     |:::::::::\   |i \  | l| | l
    l|| || |   |./::/⌒}:::::::l     {:::::::::::::::>  ||   }  :| l| | |


              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ   「だから何なんですの!?」
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l
27 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:10:23.30 ID:xta4dzyIo

 8/10


 「これで同格というわけだ」

 「私の他にも女を作っているとは……。

  くっ、さすがは旦那様。あそこの味も一味違うということか」

 「その発言はさすがにアウトですわよ!?」

 「ふむ。

  何より彼は胸の大きな年上のお姉さんが好みということらしい」

 「何だ、私のことか」

 「……ふっ、お前も盛っているだけだろう」

 「無に言われる筋合いはない!」

 「というか、その性癖はどこで聞きつけたんですの!?」

 「?

  私も智葉も部下を常にストーキングさせているだけだが?」

 「さすがに犯罪ですわよ!」

 「何、彼の前ではそういう面を一切見せていないのだから問題あるまい」

 「そうだそうだ。

  私も智葉も彼にとっては『頼れる格好いいお姉さん』だ」

 「いつボロを出すかわからなくて怖いんですわ……。

  貴女たちは見えそうで見えないところや聞こえそうで聞こえないところでそういう会話をするんですから」

                ,. -‐ 、
            ,. /  ∠`ヽ 、‐= 、
        / /   /     `ヽハ
       / //   /         ’.
          /    |─+ ミl /  l|
    /  .:,′   |_|_イイ   |_  ’
    .′  |     |《ん_ミ`¨¨`jハ_`  |
    i    |     | ゞ-'     ィ=r、`|_|!
    |   |└┬ー┘      ヒソ/ ′ |
   .′     |            '   :    |     「だがそれが興奮する」
    | l | l  小      _      i   |
    | l | |   | ト、       `   人___|
   .′l   |   | |  丶.      イ
.  /  l| l |   | |     r‐ ´  l|
 /  l,.≦:   V、     |    i|
./  /ニ=-人   V\.   |    ||


     / /       /    ├-、
    / /    /     ノ     レi 〉
   //    /    /      N ' /
  /;'   /   //    / /!|.| /
// // r='/   ,   ナメ ハ!.| i
/.//   《/     i,.cイナソノノ ! ト、
//     メ、      !  `′{ リ ノ !))
/    //メ、!    | __ ノ/ /  ノ(
.   ///ノ,ハ   |_ / ノ /_/
 //-‐=<\ ゙、  |/ / /
// ∧  \\\ハ  i! 〈 (
/   /  \  \! i |. | 丶、ヽ    「少し自重なさい……!」
 、 /    \\ト-V ノ    ヽノ
  \    \ 〉/ /    ノ
    ヽ      ヾ、(
     ゙、  \  Vイ
      ゙、  \ Y!
        i    ` ! ゙、

 ーー根強い説得で、少し大人しくすると約束させました
28 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:10:52.06 ID:xta4dzyIo

 9/10


 ……
 …

 ・数時間後


                           \
                       ハ
                     / /
                         > >
                     | <
                    _|  \__
                   . -‐<     \ >‐-、
               /       \    /    \
               /        \ / ,.へ      \
            〈         /ヽヽ∨///∧     ヽ
           ∧        /``〉 7‐'='='≠!      ∧
           i !   ' / /   ' /        |      / i
           | ノ   / / '  ' ,′       |i    {  |
             /   / /ハ{  |i        |i    ヽ.ノ
.         //  / //ヽ. \八{       八       \
          / /  / /ァ=≧ミ ヽ \ (、ー-‐<ノ ヽ      ヽヽ
        〃 /   , //ヽ弋r'シ^ヽ  )  ァ=≧ミハ      ハ
.       〃 /   i //{   `          弋r'シノ ∧    ∧ !
       {{ '     i 人_  :::::.:.:::   ,     :::.:...   / } }     :. j   「今日の私は頑張ったのですから、頭を撫でなさい!」
      ∨人   ヽ 从              /_,ノハ     l }
       // /ヽ    \ 个 ..    へ      .イ__ノ ノ  ノ ノノ
.      // /  /\    ヽ /{`  .    ._ r<´    ` < イ∧
     //__/_/___ヽ   ∨ \  ` /./|ヽ._,ノ、     `ヽ ハ
   /         }    }   ∧ ∧ ヽヽ`二フ  \     }\
  /  }          ノ  ノ  /ヽ∨,ノ\)ー―'^ ー-へ.. __ /  


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //     「なんだかよくわからないけれどわかりました……?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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 強く優しいお金持ちのお姉さんたち

 その中でも透華はみんなのまとめ役(強制)

 変態が京太郎に悟られないのは透華のおかげ。

 そんな龍門斑透華は意外と甘えん坊。
29 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:11:38.91 ID:xta4dzyIo

 10/10


 ……
 …

 ・京ちゃんの日常


           /:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
             .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
.           {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
            .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
         r ‐、 :::::::, =‐ 、:::::::::::, - 、::l!
            { ::::::ヽ:::::、  o 〉:::::::::、 o V
         、::::::::::::::::::: ̄:::::::::::::::{:::=´/  ←弘世組
             ヽ、 ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::/
           ハ:::::::::::ヽニニニニ7, '
             /:::::ヽ、::::::: ̄ ̄ ̄ :,′
          /:::::::::::::::\:::::::::::: /     「京太郎さん、いつもお疲れ様です!」
        ,x<::::::::::::::::::::::::>-<
-‐==::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::>
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::‐- 、
:::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::‐-:::::::、::::::r‐=:::: ̄::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ


       _________________
     /                        /
     |      ./`ー _         ,ヘ  /
     |     /::     ─ _    / ヽ/
     |    ./::::          ─ _/   ヽ
     |   /:::::::::ミ_ ─ _            /'〃
     |   \::::::::::  ─ _ ─ _      /::/ヽ
     |    \::::      ─ _|||    ||:::/   ヽ    ←辻垣内組
     |  /⌒l ━┳━━━━━━━━━━━━┓
     |   |:i⌒|::|:::::|   :::illlllllllllllllll|━━|   ::illllllllll|
     |  |:l⌒| |::::: |  :::iillllllllllllllll/  ::::::| :::iillllllllllノ
     |  |::「]| |::::: \::iillllllllllllllノ/   :::::| :iillllllllノ
     |.  \_.l |:::::::   ̄ ̄ ̄ ::/    :::::|  ̄ ./
.   ./|     N::::::::::       (_  ::::_:丿  /
  ./::: |    /: :|:::::::::          ー    /
 / :::::: |.  ./:: ::|:::::::    ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) /   「今日はスーパーで特売らしいですよっ!」
/:::::::::::::|  ./::::  ::|:::::      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
: : :::::::::::::|.../:::    ::|::::        __   /
: : :::::::::::::|/::      ::l::        ::::::::   /\
::::::::::::::::::|\       ::\           /:::::::::\
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::::::::::::::::|    \      ::::::::::::/ |::::::::::::::::::::


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/     「いつもお疲れ様です」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


 カン!
30 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/17(土) 17:12:41.94 ID:xta4dzyIo

 埋めネタようだったのでサイコ度高い


 ・リクまとめ

 寝ぼけたシロが京太郎を抱き枕
 お姉ちゃんシロとだるシロがレクイエム
 あわネリ次元で頻繁に泊まりに来るあわネリ
 シロを抱っこにしながら麻雀の稽古をつけてもらう京ちゃん
 宮守勢に結婚報告(付き合った報告)をする二人
 霞次元が混戦
 マホ、ギャルになる
 シロ、看病する
 京穏でオープンキャンパスへ
 京ちゃん幼児化する

 ロッカーは京淡次元本編でやってるのでどうぞ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 17:31:02.67 ID:xi3j+lzMo

もしやSSは前世に結ばれた証……
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/17(土) 17:53:07.51 ID:/Kl4rzLDO
乙です。

リクエストまだ受け付けてるんなら、いつかの掲示板で旦那/彼氏自慢みたいのが見たいです。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 18:05:36.06 ID:95MbdBhTO
乙です
だが

× 龍門斑
○ 龍門渕

だな
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 18:34:04.98 ID:PtsNi13fO


>>31
塞、咲、爽、白望、健夜、漫、セーラ、誠子
結構いるなSSw
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/17(土) 19:11:33.20 ID:/Kl4rzLDO
>>34
純代と星華を忘れてるぞ
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 19:32:38.10 ID:xi3j+lzMo
>>34
城菜、桜子、澄子、ソフィア、史織、聡、秋一郎とまだまだ居るよ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 20:28:23.31 ID:/1Z8G+I8O
>>34
穏乃も抜けとる
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 20:51:58.59 ID:X/hwA95EO
しかしこれだけSSが居ると特別感が薄くなるなw
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 20:54:04.75 ID:BFdMgF4ro
菫「シャープシューターを付けられるのは私だけだ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 20:56:54.93 ID:V4NYCFVio
おつかれ
何か悩みがあったら聞きますよ?
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 22:35:19.64 ID:dNkbZBW80
オツカレー
ぐ、愚痴り大会...?
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/18(日) 00:55:34.04 ID:iTXSnobk0
お金持ち次元の透華はのどっちをどう思ってるんだろうか?
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/18(日) 04:49:14.87 ID:+h0xvRk5o
乙です
お金持ち次元が最高すぎるwww
44 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 22:57:52.87 ID:i+hDB+OPo

 1/10

 【みやながけでダンガンロンパ!】-一発ネタ-  ※サイコ系


 気づけば知らない天井で目が覚めた。

 ここはどこで、自分が誰だかもわからない。

 いや、名前だけは思い出せる。

 俺の名前は、須賀京太郎だーー


 「清澄高校の麻雀部に入って……」


 ダメだ。頭が痛くて思い出せない。

 いったい何があってこの建物にいるんだろう?

 起き上がってみると、自分の体に違和感を覚える。

 何だろう。いつもと景色が僅かに違うような……?


 「おはよう、京ちゃん」

 「おぅ、咲か。おはよ……!?」


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/         「どしたの?」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \      『超高校級の文学少女』


 そこにいたのは微妙に見覚えがあるようでない女性の姿。

 ちんちくりんだったはずの咲が妙に大人びて見える。

 妙に艶っぽくて、髪の毛も知っている時より伸ばしている。

 それに今まで見たこともないような薄い化粧。

 童顔なのは変わっていないが、『大人の女性』の雰囲気を醸し出していた。


 「咲、イメチェンしたのか?」

 「えっ、頭壊れた?」

 「それとも失恋したのか?」

 「はいはい。京ちゃんが捨てなかったらしませんからー」


 いつもならば『嫁さん違いますっ』と言ってきそうなネタにも乗ってこない。


 「ほら、裁判が始まるんだから早く行こう」

 「えっ、裁判!?」

 「うん、そうだよ」


 聞き間違いかと思ったらそうではないらしい。

 そしてそのまま流されるように大人びた咲に手を引かれて着いていった……。
45 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 22:58:22.53 ID:i+hDB+OPo

 2/10


 ……
 …


 ーーそしてそこで須賀京太郎が見たものとはっ!


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      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′    「あ、京ちゃんが起きてきた」
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
       \{──<´ ̄  \\      |:イ \_
      /⌒      \    ::::\     |:::|  } =- .,_
      /            丶    、::::、   }:::}  }        、
.     /                 ::::  /::/
    /             `、     :::∨::/           ∧    『超高校級の雀士』



     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |    「ホント、キョータローは寝坊助だよねっ!」
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶    『超高校級のマネージャー』


            _ -─‐-  ..._
        ,  '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
       /. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
     , '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ
.     / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙.
    / . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ.
   ,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l
   ,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
   |l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
   || l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
    \Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク|      込_ク λ::::::i|:.:!
.      |:l::!::::! ゙. ` ー‐''       ,, ,,  ,' |!::::::|!:.:!
.      リ|:|::::l\! " "   ′      jイ!:::::::i!:.:|
     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. !    「もっとゆっくり寝ていてもいいんだよ?」
    /|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐   ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
    / .:::ヽ|::::::::::::l__|  人  λ   //::::::::ト、::::ヽ.
.   / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,'  ` 、:、
  / .:/ |  !|::::::::::|........,イrト、.........../ :::::::::::::,'     ゝ、
. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::|     /  l
../ .:::::!. !: Уi!::::::,ィ|-、..../ ヽ_..ィ_/ .!::::::::: |   ヽ ./ j  !
' ::::::r'|. l:.:./ /:://,'/   `l  /      |::::::λ!   |/ ./  |ヽ
:::::::::|  |:.,' /|::'//'    ヽ/         |::::::l ヽ   !:.:/  ト、:ヽ
:::::::/ ::.Y  .!:|      ヽ       \::ヽ、  |:/:.  | /:::::\     『超高校級の〆※×⊆』
46 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 22:58:52.05 ID:i+hDB+OPo

 3/10


 見覚えのない女の子たちの集まりだった。

 どうやら見る限り年上のようだが、全く覚えがない。


 「なぁ咲。これはどういうドッキリなんだ?」

 「それ、私たちも京ちゃんに聞きたんだけど」

 「えっ?」


 隣にいる咲に聞いてみても要領を得ない。

 しかし相対する少女たちは仲良さそうに京太郎に近づいてくるのだ。


 「あ、あの、これは一体?」


 恐る恐る声をかけてみる。

 もちろん声をかけるのは好みの胸の大きなお姉さんだ。

 隣にいる咲がムッとするが自分の意思には逆らえないっ!


           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )    「説明するのダルい……」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧     『超高校級の姉』


        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
          /   . : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :.
        ′  .:.:.:/.:.:.:./:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.        i   :::::::|::::::: |::l:::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::| ‘:::::::::::|::::::::|
.         |   :::::::::|::::::: |::l::::::::/l::::::/ |:::::::::::::::::::| ‘:::::::::|::::::::|
       |  :::::::::::|::::::: |::l:::::::l´l:::::l` |::::::::::: |:::/--、|::::::八:::::|
       l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
.        !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈   ̄    |h_j | 》/:::::::::::::|
.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;     「ふふっ、そんなことを言ったら京太郎さんが困ってしまいますよ」
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
.           ‘:::::::::::|:::::|:::r|   `  ┬=≦l |:::::|:::::::: /
          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \    『超高校級の巫女』
47 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 22:59:21.35 ID:i+hDB+OPo

 4/10


 彼女たちの説明を聞く限りでは、みんなこの『学校』に閉じ込められていること。

 そして『犯人』を当てない限り外に出られないことがわかった。

 咲の他にも見覚えのある人がいて安心する。

 しかしその女性たちもやはり京太郎の知る人とは少し性格が違っていた。


 「和だよな?

  知ってる人がいてよかったよ」


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
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 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////    「昨夜は私とお楽しみでしたねっ!!」
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////    『超高校級のクソコテ』


          . :´ . : . : . : .`: .
        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪_}:.:|:ハ /
/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{    「和ったらやるじゃない! 大人の女性ね!」
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .E\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
 /: . : . : . : ./\: . : . : . : \: \   |{x=xハ    乂: .:// / / / `¨¨´:.:}      『世界一位の女子校生』



   / : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : /     | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
.  / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト .,   | : : |  |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
.  .: : : / : : : :   | ::八 : : : : /{/,.斗=ミ.  |: : / |< ̄:|: : |:::∧: : : : :.
  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :W ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
       |: :\! : : : : : : : : :,              ,.,.,  : : : : |/
       |: : : : : : : : : : : : : :,     ゝ    ,      } : : : |
       |: : : : ::|i: : : : : : : : :              イ : : :/
       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :      「おう、同じコマに入れんなだじぇ」
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
.          ,r‐=ニニ二二二\           〈二ニニニニニニ┐ :/
.           /  -=ニニニニニニニ.\        ∧ニニニニニニニ.!∨ /
.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨      『超高校級のタコス』


 やっぱり知らない人です。
48 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 22:59:50.57 ID:i+hDB+OPo

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            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从         「なんだこれェェェーー!?」
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\
//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧     『超高校級の雑用』
49 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 23:00:20.19 ID:i+hDB+OPo

 6/10


 『やあ、残念ながら事件が起こってしまったね。

  この犯し合い学園生活もこれからが本番だよ』

 「あっ、これ赤土先生の声じゃない」

 「知っているのですか憧!?」


 なにやら館内放送が流れる。

 いや、正確には流れているようだ。

 周りの人たちの反応からそう判断するしかない。


 「え、俺なにも聞こえないんだけど」

 「こんなに大きな放送なのに。

  お姉ちゃん、何かわかる?」

 「これは男性には聞こえない周波みたい」

 「なんだそれ……」

 「まぁなんにせよ、犯人を探さなきゃ」

 「犯人?」


 なにやら自分の理解できない超理論があったようだが、周りのみんなはスルーしている。

 俺か? 俺がおかしいのか!?


 「覚えてないの?」

 「ああ、さっき目が覚めて……。

  清澄高校の麻雀部に入ったところまでは覚えているんだけど」

 「……なに言ってるの京ちゃん?」

 「え?」


 咲が信じられないようなものを見ているような顔をしている。

 凄まじい剣幕で京太郎に詰め寄った。


 「もうあれから十年経ったでしょ?」

 「……え?」


 咲の言葉を理解することを脳が拒否した。

 十年、十年とは一体どういうことだ?
50 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 23:00:49.53 ID:i+hDB+OPo

 7/10


 「異議あり!

  インターハイから三年の間違いだよ!

  大学100年生のあわいちゃんが言うから間違いない!」

 「……金髪の子の言う通り。

  京は今大学一年生でしょ」


 何人かのグループが三年説に同意する。

 それに対して咲は困惑の表情を浮かべるばかりだ。


 「ううっ、やっぱり京太郎さんは高校生活に未練があるんですね。

  でも、フランスでの生活も楽しいですよ」

 「あの、あなたは?」

 「?

  もう、京太郎さんったら。あなたの妻ですよ」

 「ありがとうございますっ!?」


 好みど真ん中の巫女服美人はそう言って柔らかに笑ってくれた。

 もうこのままこの人についていっていいんじゃないかな?

 あ、咲。脇腹つまむな痛い痛い!


 「私と須賀君は13年後に再開したんです!

  あれから三年しか経ってないなら私は断のどっちスレをして人生をやり直します!

  そういうぬか喜びはさせないでください!」


 知らない人は咲よりもっと時間が経っていると言っている。

 和によく似ているけれど、咲よりもっと大人びた美人だし別人だろう。うん。


 「みんな何言ってるんだじぇ?

  まだインターハイは始まってないじょ」

 「優希?」

 「なぁにしょぼくれた顔をしてるんだじぇ。

  ほら、元気出せ! タコス食うか?」


 自分の知っている、この中で唯一変わらない少女はそう言って笑った。

 しかしやはり彼女も不安なのだろう。僅かに肩が震えている。


 「と、とにかく、話をまとめないと!」

 『ではこれから、孕ませ裁判を始めたいと思います!』

 「!?」


 京太郎には何も聞こえていないが、周りの空気が変わったことだけはわかった。

 何やら殺気に溢れている。

 一体どういうことだ!?
51 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 23:01:18.34 ID:i+hDB+OPo

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 『この中に一人、#℃君を逆レイプした人がいます!』

 「って言ってるよ、京ちゃん」

 「ハァァァァ!?」


 何が何だか理解できない。

 何だその馬鹿げた話は!


 「もう面倒臭いから私が説明するね。

  この中で誰かが京ちゃんを逆レイプした。

  その人は孕んでいるらしいんだ」

 「この時点で何かおかしくないか!?」

 「お菓子は美味しい」

 「お姉ちゃんちょっと黙ってて!

  これは由々しき事態だよ京ちゃん!」

 「もし本当ならば大変なことだけど!

  信じられるわけねーだろ!」

 「絶対に許せない!

  一緒に犯人を捕まえようね!」

 「何かよくわからないけど犯人を捕まえればいいのか?」

 「うん。

  もし外れた場合は犯人は京ちゃんと一緒にここから外に出られるんだって」

 「あれ、それって俺にデメリットがないような」

 「京ちゃんの浮気者!

  それに京ちゃんは最後まで残らなかった場合、とんでもない罰ゲームを味わうことになるらしいよ!」

 「なんだろう。

  何の根拠もないのにすごく嫌な予感がする」

 「というわけで、一緒に生き残ろうね!」

 「ううむ……」


 確かにこの知らない人だらけの面子の中で、咲だけは信頼できる。

 このちんちくりん……というには大人の女性になっているが、こいつと一緒に行動するのは悪いことじゃないはずだ。
52 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 23:01:47.39 ID:i+hDB+OPo

 9/10


                  _........----......._
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          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ      「(外に出てからいっぱいすればいい話だもんね)」
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
          {==、 {:\/   〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
            ,   \Y       /   | ,::::::::/イ:.:./  ∧
         {      `|  、      |_/= ´イ:.:.:,イ  /  }
         |     W    \      | ̄´:.:.:.:/= }イ   |
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         ∧   ,       |    /__」        ,    |
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                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
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         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ         「悪寒が……?」
                   Yム    -  -    イ //
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53 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/18(日) 23:02:17.45 ID:i+hDB+OPo

 10/10


 ……
 …


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             |:.:.:|:.:.:|` }               {.´ |:.:.:.:.| |
             |:.:.:|:.:.:ト、.|:::::::::::    '     ::::::::::::::|_.ノ :.:.: | |
             |:.:.:|:.:.:l: 人              人|:.:.:.:.:.:| |
             |:.i.:|:.:.:|:.:.:个:.    (⌒⌒フ    /:.:.:.|:.:.:.:.:.:| |    「あ、あの、女子高生の小鍛治健夜です!」
             l八|:.:.:|:.:.:.:|:i:.:.`:...       イ:.:|:.:.:.: l:.:.:.:.:.ハ:}
                  |:.:.:|:.:.:.:|:|:|:.:.:.:rケ  ー   {〉:.|:.:.l:i:.:.:/:.:./:/
                    乂 |\:从|_/ \     / \_从l/}/}/
              _,. -┬<⌒j    ><    |⌒>┬- 、
              /    |    |     /|  |ヘ.    |    |   ヽ
           /  ヽ   |    l   ./ :|  | ヽ  |    |   / }    『超高校級のアラフォー』


                 ,........-――--....、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、- 、
           / : : : : : : : : ,: : : : : :\: : : :\: \
          ,:': , : : : /: : :/: :{: : : : : : ヽ:ヽ、: : :ヽ: :、
            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |   「高校級とは一体……?」
              |:/  .        イ_,/イ |:|: : : : : : : :
             }'    `__-r-=≦__」'/::} |:|: : : : : : : : |
               _,/:::::::「 ̄::::::::::_/|__|:|: : : : : : : :/
            /:::::::|:`=={j====イ:::/::::`ヽ: : : : : ,
              ∧::::::::::\:::::l|:::::::::::::イ::::::::::::::::∧: : :/    『超高校級の常識人』

 カン!
54 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/18(日) 23:02:46.64 ID:i+hDB+OPo

 数レスの埋めネタ用だったけどこれも供養
 明日からは通常運行に戻ります。リク消化メイン

 >>32
 把握。リクはいつでもOKですよ
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/18(日) 23:58:05.33 ID:lov2hIgVo
センセー
これ全員犯人だったらどうなんるんですか?
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 00:15:24.12 ID:DFY0wnnm0
一スレ目が立ってからもうすぐ1年なのか…と言うわけで、タイトル通りみやながけで1周年ネタやろうぜ!
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 00:16:53.23 ID:I3tROGPZ0


犯人はのどアコすこの内のどれかか

のどアコ次元で未来から京太郎の娘 金髪の玄(?)と金髪の宥(?)がやってくる
オチ達が(すこやん、のどっち、世界一位)未来の自分達と遭遇する(同族嫌悪か共鳴か)
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 02:29:46.29 ID:t/UkNdDx0
おつ
ハルちゃんは京太郎の名前すら呼べないのか……
アラフォーの呪いは恐ろしいな
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/19(月) 08:02:39.79 ID:cwZ4wT0DO
乙です。
60 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:51:19.98 ID:1586Tagpo

 1/10

 12
 【シロを抱っこしながら麻雀の稽古をしてもらう京ちゃん】-ダルてる次元-


 「あれ、今日は早いですね」

 「……」


 麻雀部に向かっていると、そこには白望がいた。

 いつもならばダルいダルいと言いながらサボっていたり、京太郎が迎えに行くまでじっとしているはずだ。

 自分からサークルに向かう白望は非常に珍しい。


 「何かお菓子でも食べます?」

 「何があるの?」

 「ポッキーとかトッポとか、チョコばっかりですけど」

 「……」


 常日頃から照のお菓子役として持ち歩いているものだ。

 もはや持ち歩いていることに自分で違和感を覚えなくなってしまっている。

 主に甘い物が多い。そのせいか、京太郎のカバンからは微妙に甘い匂いがしている。

 照がその匂いに釣られて鞄の中に頭を突っ込まれた時には頭を抱えた。

 そんな苦い記憶を思い出していると、ほっぺたを突かれた。


 「なにすんですか」

 「別の女の子のこと考えてる」

 「……!?」


 白望は非常に勘が冴える。

 それはオカルトによるものなのか、少し前に問うてみたところ『ただの女の勘』らしい。

 照相手だけに関わらず、他の女の子と喋った話やアクシデントが起こったことに鋭い。

 一方、照は何の話かわからずオロオロしていた。女の勘は女の子全てに備わっているものではないらしい。


 「ほら、また考えてる」

 「うぐっ」

 「照」

 「!?」

 「やっぱり」


 拗ねたような声を出して顔を逸らす。

 どうやら機嫌を損ねてしまったらしい。

 こうなってしまっては少し時間がかかる。

 照ならばお菓子を……と考えてしまい反省する。これがダメなんだよな。
61 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:51:49.06 ID:1586Tagpo

 2/10


 「ごめんなさい。

  何でもしますから」

 「……なんでも?」

 「うぐっ、出来る範囲でお願いします」


 白望は無茶を言わない。

 出来なそうで出来る範囲を上手くコントロールされる。

 これが姉さん女房なのかとちょっと頬を緩ませていると白望が顔を赤く染めていた。

 年上のお姉さんに尻に敷かれるのは京太郎の憧れである。


 「ちょいタンマ」

 「(やべぇ)」


 白望は頬に手をついて考えだす。いつものオカルトのサインだ。

 最近、というよりは照と絡んでからの話らしいが、白望のオカルトは未来予知に等しいものにまで発展したらしい。

 本人曰く『そんな便利なものじゃない』らしいが、確実に白望にとって良い方向に進むという。

 他にも照と協力して迷い家を作っているとかなんとか言っていたが、京太郎にはわからない話だった。

 迷い家だかなんだか知らないが、こっちは迷子一人探すので大変なんだ。


 「決めた」

 「何なりと、お姫様!」

 「京、麻雀をして」

 「はい?」


                    _,.. -- 、__, 、___
              ⌒> ´  ´  ヽ  `ヽ、
                _,.   ´  ,  , 、   | 、 、 ヽ
                ̄7  / / 从  、 |  |  |  :.
                 /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
                 ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ      「俺がやるんですか?」
                   、 └―┘ ィ/∨
                  「¨>-- rく「 ̄ }
             , ------ ∨_」   :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
               ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
                {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////
                |l∧////////Y,〈      | |///////|
                |/∧/////////|l∧     ,l |///////|
                |//∧/////////() \//∧}///////

 「そう」


 それだけ伝えると、説明するのも面倒臭い。と言わんばかりにだらけ始める。

 それが白望にとって何の報酬になるのか見当もつかない。


 「私が教える」

 「はぁ」

 「京はサークルに入っているのにあまり打っていいない」

 「これはこれで楽しいんですけどね」
62 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:52:19.00 ID:1586Tagpo

 3/10


 気を遣ってくれているのは嬉しいが、京太郎としては不便していない。

 確かに京太郎は麻雀が好きだが、人生の一部にするほどではない。

 むしろエンジョイ勢としてやっているので、それをきっかけにいろんな人と知り合えるのが楽しいのだ。

 例えば清澄麻雀部。あの面々だって麻雀がなければ親しくなれなかっただろう。

 そして照と白望。この二人も……。


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「(麻雀なくてもお世話してたんだろうなァ……)」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
     l//////∨//////////////∧ /.イ////////////|//|
    {///////}////////////////∨'//////////////|//|
      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
      |///////|/////////////////l///////////////|//}


                    _,,.. -=Z__
                . -‐=二..,,_ '"´⌒``ヽ、
         . -‐=く             `ヽ、
        /                  `ヽ、    `ヽ、
.      , ´   '~ア   ,      \     `ヽ、    `ヽ、
     , ´ / /    :|      ヽ、     `、    ー-ミ
     ,′ イ  :|    :|\      `ヽ、  `、 `ヽ、 {
    {/ ;ノ|  . :|   :,  j|  `ヽ、     `、   `、  \;
     {/:ノ  ;八  { 八( ̄ ̄\    〈\} }\`,    `、
.     {: .;ノ|:┼‐ \ \_Z斗≠=ミ\ヽ、! } } :}j    ;
.      乂l 人」斗=ミ\Ζ 乂_,ノ  }ハノ `,丿      \j
      人 ハ}乂丿               |  \ `;(\ノ
       \ハ   ,                 ノ   `:, }ミ、
.           }                厂`、   :}}  ;ハ
         ∧             . : ! ;   从 ;八j   「いいから早く座る」
          / /\   '⌒      . : . : . j j ;,:仏イ
.        / / : : ;ヽ、      _...:::ア . :/|人ノ
.         {ー|: :/{: : : : :Tニニア¨}:/___/ /⌒\
.         人:{  \_(\_厶ミ{∧    ,:    \__
                _//{ ∨⌒;〉 . ´       /⌒\
               ,:´:| ,′〉に)/ ∨      / .   \
               _/ :丿 j/ ∧ \/        ,: . . .     ‘,
           /.:/  {___/ }____ノ        .′. . .    |


 そういえばシロさんはうちのサークル入ってないんだよなぁ、なんて考える。

 うん。やっぱりこの二人との関係は麻雀が関係ない気がする!
63 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:52:47.87 ID:1586Tagpo

 4/10


 「でも、まだ集まってませんよ?」

 「ネトマをすればいい」

 「それもそうですね」


 最近はネトマをすることも少なくなっていたし、たまにはいいか。

 特に考えずに席に座り、PCの電源をつける。



          〃-‐‐-----‐'/´
       ,, - ''       ー '、 
       ´             ヽ\
      /   /    |    |  ヽ \
    /   ,/     /|   l    _<
   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
     ̄|   {   示芸 \ |示芸!   }   〃
      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/     「んっ」
           /  〉 | 〉、 "
         /`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
        └t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /      「やわらかぁぁぁーい!?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


 ーーなんと、白望が乗っかってきた。

 人生で味わったことのないような柔らかさが京太郎を襲う。

 体に感じる微妙な重みすら心地よい。

 少しでも手を動かせば白望の体の柔らかさを感じられる。


 「あ、あのあのあの!?」

 「この位置が見やすい、から……」

 「そ、そうなんですか」

 「横から見るのは、だるい」

 「そ、そうですよね!」

 「お約束、だから」

 「そうですよね!!」


 ここで白望を制することが出来る奴は、男じゃない。

 俺は目の前の柔らかい肢体に勝てるような聖人君子じゃないんだぁー!

 顔を赤くして伏せる白望にツッコミを入れることを放棄し、幸せに浸る。

 いつもクールな白望が恥ずかしがっているところもまた、京太郎の心を刺激する。

 今日はなんてついているんだ!!
64 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:53:17.12 ID:1586Tagpo

 5/10


 「麻雀も、ちゃんとやる」

 「はい」


 もう頭の中はそれどころではないのだが、ない頭を必死に絞って麻雀をする。

 高校一年に始めてからずっと続けているものの、実力は未だに芳しくない。

 その実力はというと、『普通の中級者』だ。

 常識的な考えならば何も悪いことはないのだが、いかんせん周りの実力がかけ離れすぎている。

 宮永咲を始めとした清澄メンバーに、大学最強の雀士の名を欲しいままにする宮永照。

 あとは麻雀の垣根を越えてオカルトが発展したため、照と普通に打てるほどになっている小瀬川白望。

 どうしても自分が劣っていることを認識せざるを得ないのだ。

 もっとも、それを特に気にしていることはない。ただ、自分はあまり上手くないと思ってしまうだけだ。


 「また雑念が混じってる」

 「あうあう」

 「京?」

 「なんでもないです、はい」


 ーーその雑念は目の前の白望さんが生み出しているんですがねぇ!

 心の中で叫ぶが伝わらない。いつだって肝心な時だけ伝わらない!

 男は女心がわからないと言われるが、女の子だって男心がわからないだろ!


 焦りが熱を生み出し、京太郎の頬を赤く染める。

 それを知ってか知らずか、白望は身じろぎをしてベストポジションを探し出す。

 触れる体。擦れる柔らかい肢体。刺激する女性の匂い。

 全てが京太郎を欲情に誘う。

 そもそも白望はいつも無防備すぎるのだ。

 どうせ自分のことをお世話がかりか何かとしか思っていないくせに、こんなことをする

 いや、これは誘っているのではないか?

 どう考えても誘っていると思う。

 白望は誰にでもこういうことをするような痴女ではない、と思う。


 「京、息が首筋にかかって……っ!」

 「!?」


 恥ずかしそうに喘ぐ白望。

 普段のクールな姿がどこかに行ってしまっている、誰にも見せたことのないだろう姿。

 ギャップにやられそうになりながらも、必死に牌を切る。


 こ、これはヤバい……ッ!!
65 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:53:46.81 ID:1586Tagpo

 6/10


     /: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|.     |: : : :|: :|   _i: :∧: :|i: :
   /: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ  |: : : |i: :|  '´ |:/  V .|::
  /: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ !  {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj
.       i: : : : |:::::::ハ  气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ       バタン!
.       l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ          乂ZZソ
       |: : : : |:::::::j         ,
        |: : : : |:::::::{
        |: : : : |::::::::ヽ      ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
        |: : : /|: |:::::::::::> .   `−⌒ ⌒'‐′      . <     「何をしてるの!」
       |: : / 乂|:∧:::| 、::::≧=   ___   <---




                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ       「……チッ」
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´           「あああああ、いやこれはですね照さん!」
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\
//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧
66 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:54:16.04 ID:1586Tagpo

 7/10


 「何も悪いことはしていない。

  最近のお礼に麻雀を教えていただけ」

 「そ、そうなんですよ!」

 「京ちゃんに座る必要はない!」

 「わぁ、何も言い返せない!」


 プンスカ怒りながら照さんがこちらにやってくる。

 思えば、最初に来たのが照さんでよかったかもしれない。

 他の一般生徒に見られたらもっとヤバかった。


 「京ちゃんもなんでなされるがままなの」

 「こ、これはですね……」


 ーー若さゆえのノリと勢いと女の子の柔らかさにやられました。

 いや、そんなこと言えるわけねぇ!


 どう言い繕ったらいいかと考えるも、妙案は浮かばない。

 照もどうしたらいいものかと京太郎と白望を順番に見る。

 白望はもう興味を失ったのか、いつものような無表情でボーッとしている。


 ーー助けてシロさん!


 目で訴えると、やれやれと首を振りながら照に声をかけてくれた。


 「その辺にしてあげて」

 「白望はいつもずるい。

  抜け駆けはずるい」

 「……ちょいタンマ」


 そう言うと白望は先ほどのように思考する。

 それならもう大丈夫か、そう考えて一つ気づく。


 「(あのオカルトって、シロさんの都合の良いようになる感じだよな?)」


 詳細はわからないが、京太郎はそのように捉えている。

 それはつまり京太郎にとって都合の良いこととは限らないわけでーー


      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
         |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       |
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、  }
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/  「照も同じように麻雀を教えてあげればいい」
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\
67 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:54:45.47 ID:1586Tagpo

 8/10


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/    「ゆるす」
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「(ええええええ!?)」
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
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           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )     「(ちょろい)」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧
68 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:55:14.79 ID:1586Tagpo

 9/10


 ……
 …

 今日は珍しく白望が一人で家に帰った。

 いつもならば京太郎に運んでもらうなり、付き添ってもらうなりしている。

 場合によっては照と一緒に京太郎の家でゴロゴロすることだってある。

 しかし、今日は一人で家に帰った。

 そう、今日はもうキャパシティオーバーなのだ。


 「……」


 ボフンと枕に顔を埋める。

 いつもならばこのまま眠ってしまうところだが、とても眠れそうにない。

 パタパタと足をベッドに叩きつける動作はまるで年頃の乙女のよう。

 白望の年齢的には何もおかしくはないのだが、普段の白望を知る者からすれば目を点にして見るだろう。


 「……ちょい、たんま」


 考え込む。

 流石にやりすぎだったか。

 いや、それも計算づくだ。

 本当に誘惑するならば、京太郎の家で二人きりの時にやればいい。

 しかしそこまではしなかった。

 あえて見つかりやすくて、必ず誰か来るだろう部室で行っていた。


 「それは、まだだめ」


 頭の中がグルグル回る。

 京太郎の息が首筋にかかっていた。

 彼が興奮していたのも伝わった。

 少しずつ体が熱を帯びていたのもわかった。

 それだけ近くに密着していたのだ。


 ーー何かが当たっていたのだって、わかってしまうわけで
69 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/19(月) 19:55:44.14 ID:1586Tagpo

 10/10


                                     <
     //      ´   !       丶、        \      \
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  、 . ! |   | | ∧ .|l ヤ:::::o::::}          ¨       ! }  \    ',
         、| |.∧ 、 廴::::::ソ                | /    ヽ   ,
          | 、∧           ,           |'   ヽ   ヽ  /
     |  |    ヽ ',   ///       ///    /   ',ヽヽ  }     「ーーーーーッ!!!」
     |    ',    ∧                      ,' } ヽ! /
       / \ヽ    、           ,-_‐、       イ ヽ! //
      ', ! ', 、ー    >               |
       丶 丶、  \     >        イ  .!__
              ̄      -|  `  ‐      | 八
                  / ヽ!         /   ヽ
                 /    \      イ      |::::<..
             ,, - ''"|       ` ヽ  / 、         l:::::::::::::::::::...<


 何のことはない。

 小瀬川白望もヘタレである。



 カン
70 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/19(月) 19:56:13.67 ID:1586Tagpo
 そういえばもう一周年か…
 何すればいいのやら
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 20:25:59.03 ID:0TVF1Oolo
乙です!
一周年とはめでたい
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 20:38:27.28 ID:/LBVNFmPO
じゃあまず身長と体重を教えてもらおうかな
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 20:42:54.14 ID:wDY1meeQO
乙ー
一周年はめでたねーオチがないのどアコなんてどうかな?
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 22:37:43.78 ID:Z50l9gnh0
一周年おめでとうございますー!
シロ可愛い…!
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 22:50:38.12 ID:d1Y9BRnSO

一周年記念に新しい次元開拓しようぜ!
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 22:53:06.24 ID:L8jLbWQ00
京咲夫婦の一周年記念ということで結婚記念日ネタとか
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 23:04:24.45 ID:VuwBkUVG0
ネタと言えばバニー和のおもち あれ絶対肋骨えぐれているだろうと思うおもちの乗り方

のどっち時空でのどっちが強制的にきょうちゃんに確かめさせるシチュエーションください
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 23:19:38.73 ID:dYV2ymCJo
新次元は期待したい、大変だとは思うけど
あとはやっぱり原点に立ち返って、おまけなんて言わせないみやながけが見たい
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 00:10:19.52 ID:p51qbHu90

新次元・・・京恭次元とか?
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 09:00:12.73 ID:eB5bXAop0
菫智(としうえのおねえさん)にひたすら愛される京ちゃんが見たいです

あ、中身はSSで
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 15:40:33.20 ID:SdU0t51+0
京マホ、もしくは京後輩次元が見たい…
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 15:51:25.40 ID:NIuqCH6/O
京ネリ次元が見たいです
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/20(火) 18:28:13.34 ID:lqJe74LDO
ナースさん次元とか見てみたいなーなんて言ってみたり。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 19:39:22.90 ID:V7Nw9fHko
豊音が見たいけど今までで登場してないしなあ……
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 23:11:33.57 ID:4jN4LeU30
ここでまさかの悪待ち次元
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 08:45:07.54 ID:dQlL7A6Q0
たまにはアラサーが報われたっていい・・・自由とはそういうものだ(アラサー=すこやんとは言ってない)
87 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:09:11.71 ID:Y+t+YpzBo

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 【霞次元が混戦】-京霞次元-


 今日も石戸霞は妄想する。

 今回の妄想は度重なる実家の妨害に遭いながらも京太郎と添い遂げる夢だ。

 京太郎と出会ってからあまりに酷すぎる妄想こそ減ったが、乙女の範囲内で夢を見ることはある。

 仕方ない。乙女だもの。


 「ぐへへへ、京太郎さぁん……」


 おおよそ大和撫子が出してはいけない声を出しているが仕方ない。

 乙女だもの。ノーカンである。

 最近は周りに被害を出すことも少なくなってきた。

 かつての負の遺産が暴れていることに関しては霞の範疇外である。


 「ううっ、なんですぐに会えないのかしら」


 私用で山ワープをすることはもちろん禁止されている。

 そうなればここから長野まではあまりにも遠すぎる。

 しかし本当ならば毎日でも会いたいと思うのが乙女である。

 適度に距離をとった方が何かと良いという理屈すら目に入らないのが乙女である。


 「せめて一週間に一回とか二週間に一回とか……」


 現在、それすらもかなわない。

 長期休暇の時に頑張れば会えるくらい距離だ。

 メールなどは欠かさないが、それでも不安になる。

 ゴロゴロとだらし無く布団の上を転がり続ける。


 「孕みたいわぁ」


 そしてなんか大変なことを言い出した。


 「京太郎さんの子供が出来ちゃって、可愛い娘が出来て、一緒に暮らしたいわ……」


 それは紛れもなく本音。

 実際に出来るかどうかはともかく、会いたいという思いが引き出した本音なのは間違いない。

 少々過激だが、乙女だから仕方ない。


 「もう、寝ましょう」


 ふて寝すると言わんばかりに布団を被る。

 頭まで被って、最初こそグチグチ文句を言っていたが、割とすぐに寝た。
88 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:09:40.87 ID:Y+t+YpzBo

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 ……
 …

 「かかさまー、かかさまー」


 懐かしい言葉が聞こえる。

 そういえば本当に小さい頃、私が母親を呼ぶ時に使っていた言葉だ。

 物心ついてからは矯正されたが、ちゃんと覚えている。


 「かかさまおきてー」


 そして自分の布団が揺さぶられる。

 まだ眠っていたい。久しぶりの休みなのだ。

 毎日修行修行で大変なのだから、休みの日くらいゆっくりしたい。


 「ふぇ……」


 しかしその声はだんだん曇っていった。

 実際に見ているわけではないが、声の主が泣きそうなのが伝わってくる。


 「もう……」


 仕方なく布団を捲る。

 幼い声に心当たりはないが、どこかから親戚の子供でも来ているのだろうか?

 とりあえず状況を把握して、二度寝しようと起き上がるとーー


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         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l     「……ゑ?」
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          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
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           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
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 小さい頃の自分そっくりの少女がそこにいた。
89 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:10:10.23 ID:Y+t+YpzBo

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 「かかさま!」


 嬉しそうに自分の胸の中に飛び込んでくる幼女。

 体が小さいため、自分の胸に埋もれてしまっている。

 ちょっと窒息しないか不安である。


 「えーっと?」

 「?」


 一瞬こちらを見てポカンとするが、すぐににこやかに笑ってこちらを見てくる。


 ーーやだ、かわいいわ!

 その純粋無垢な笑顔が嬉しくて思い切り抱きしめてしまう。

 幼女特有の甘い匂いが鼻を刺激する。

 思えば妹分の明星はいたけれども、こんなに小さい子と接するのは初めてだ。(初美は除く)


 「うげー」

 「あ、あら、ごめんなさい」


 しかし思ったより勢いが強かったせいか、胸で呼吸ができなくなったせいかうめき声を上げてしまう。

 やりすぎたと反省していると、ドアの扉が開いた。


 「霞さん、目が覚めました?」

 「……京太郎さん?」


 そこにいたのは、どこか少年のような雰囲気を取り払って大人の魅力に満ち溢れた男性。

 しかし、乙女アイが叫んでいる。

 あれは自分の想い人である、と。


 「あ、あの、これはどういうことですか?」

 「へ?」


 目の前の男性はポカンとしている。どうやら事情がわかっていないらしい。

 しかし目の前の幼女は嬉しそうに男性に向かって走り出した。


 「ととさまー!」

 「こら、飛びつくと危ないだろ?」


 思い切り走って飛びつくが、男性は身じろぎもしないで完全に受け止める。

 相当な衝撃があったと思われるが、体幹が凄まじいようだ。

 その後、幼女の頬にキスをしながら頭を撫でている。

 どうやら幼女の言う通り父親らしい。
90 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:10:39.69 ID:Y+t+YpzBo

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 「(でもちょっと待って?)」


 あの幼女は自分のことを母親だと言った。

 そしてあの京太郎似の男性のことを父親だと言った。

 これはつまり、そういうことではないか?

 思えば男性は京太郎にそっくりだ。

 (霞にとって現在の)京太郎は若干童顔だが、それが年相応に育ったらこんな面構えをすると思える。

 霞が知るより、ちょっと背が高くて体ががっしりしている。

 いわゆる、霞の想像する『大人になった京太郎』そのものである。


 「(これはつまり私の妄想が産み出した夢ね!)」


 石戸霞、その結論に達するくらいはポジティブである。

 夢、それはつまり自分の世界。

 つまりこれは京太郎さんに飛びついて思いっきり甘えてもいいわけね!?

 さっきの幼女みたいに思い切り飛びついて首筋にちゅっちゅしてもいいわけね!?!!?

 男の人のしっかりした首筋ってすごく萌えるわよね!!!?

 それに私と京太郎さんの子供だなんて……!!

 よし、夢を見ているうちにもう一人増やしましょう!

 さぁ京太郎さん。私を受け止めーー


 「……って、霞さんなんだか若返った?」

 「はぇ!?」


 危ない。あと数秒遅かったらルパンダイブならぬカスミダイブをしていたところだった。

 青年は抱っこしていた幼女を下ろすと、霞に近づいてくる。

 思ったよりも圧迫感があってビビる霞。


 「(壁ドン!? 床ドン!?)」


 いや、思ったより余裕がありそうだ。


 「なんだか高校生の頃にそっくりだなァ。

  ……本当に霞さん?」

 「へぇ!?」


 青年の先ほどまでの温和な笑みが崩れる。

 愛するものを見る目から、最大限の警戒をする視線だ。

 なんだかヤバそうな気配を感じる。この青年、確実に修羅場を超えている雰囲気だ。


 「あの、実は……」


 その気配に押され、素直に説明することにした。
91 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:11:08.80 ID:Y+t+YpzBo

 5/10


 ……
 …

 「なるほど!

  そういうわけなんですね」

 「……え、信じてくれるの?」


 オドオドしながらもなんとか説明する。

 相手が京太郎似でなければどもり症が発病していただろう。

 しかし京太郎はたどたどしく喋る霞にゆっくりと付き合った。

 決して急かしたりせず、喋れなくなった時にもじっと待ち、先ほどの詰め寄るような雰囲気もどこへやらだ。


 「それはもちろん。違う世界でも霞さんは霞さんです。

  自分の嫁さんを信じない旦那さんがどこにいますか?」


 キュンときた。めっちゃ抱かれたくなった。

 一瞬、自分も石戸霞だから浮気に入らないのではないかと思ったが、あまりに真剣な彼の表情に冗談すら言えそうにない。


 「先ほどはすみませんでした。

  その、ちょっと口には言えない状況でして、追っ手かと」

 「追っ手?」

 「ははは」


 軽く説明するがそれ以上は決して口に出しそうにない。

 朗らかに笑っているが、相当な修羅場を潜っているのだろう。

 明らかな人生経験の違いを感じさせた。


 「俺は嫁さんを探さないといけないんですが、何か心当たりはありますか?」

 「そ、そう言われても……。

  あ、それなら神様に聞いてみますね」

 「神降ろしが出来るんですか?」

 「?

  ええ、もちろん」


 『石戸霞』なら出来て当たり前だと思うが、彼はどこか寂しそな顔をしている。

 しかしその表情を見せたのは一瞬で、すぐにまた微笑みを向けてくれた。キュンとした。濡れた。


 「でも、なぜか神様との繋がりが薄くて……。

  全く途切れていないわけではないんですけれど、か細い線で繋がっているような感覚なんです」

 「もしかして、神降ろしって日本じゃないと出来なかったりします?」

 「え、ええ」


 京太郎が何を言っているのかわからない。

 バツが悪そうに頭を掻いている。
92 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:11:37.73 ID:Y+t+YpzBo

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    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /      「ここ、フランスです」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
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93 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:12:06.46 ID:Y+t+YpzBo

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 ちょっとまって。

 いろいろと予想外すぎて頭が回らない。


 「まー、いろいろと事情がありまして、フランスにいるんですよ」

 「そ、そうなんですか」

 「んー、日本はちょっと危ないけど行くしかないかなぁ。

  ちょっと伝を当たるんで待っていてもらいますか?」

 「は、はい」

 「かかさま?」

 「ほら、あまり迷惑かけちゃダメだぞ?」

 「えー?」

 「あ、あのあのあのあの!

  私で良かったら母親代わりに遊んであげてもいいれふか!?」

 「でも迷惑じゃ……」

 「迷惑じゃありませんっ!」


                  ... ----- ...
                ..::´::::::::::::::::::::::::::::`::..
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                |::::::l::::l:::|:l__l::::::l:|::::| __}::::ト::::::::::l:|
                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/   「そ、そのそのその、私も元いた場所ではきょ、京太郎さんと恋人で……」
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶      ※脳内設定である。
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧
           {/´       `ヽnm/´|:::| ̄`丶{ ∧
           /         r|| l〈   |:::::|    \ :|
.          /         /l:|| | ∨八::::\    ‘,|
.          ,′       / ノ|l |  \::::\   !
.           |      /  /  !   ',     \::::\  |
.         从     /   _/  |   ',__    \::::\|
         {/∧     { .//  .人   \\   \:::}八
       /} \__/ /  /_\   }  \__,/|  \
       / /´ ̄ /  {/{三三三≧=ヘ    \  |   \

 「……そっか」

 「あ、あの」


 京太郎は嬉しそうに笑った。

 京太郎は相当頑張って今の幸せを得たのだ。

 別の次元でもまた、石戸霞という存在を愛していることがなんだか嬉しかった。


 「それじゃ、よかったらお願いします」

 「は、はい!」

 「いいかー?

  『かかさま』を困らせちゃダメだぞ?」


 そう言って娘の頬にキスをする。

 娘はわかっているのかわかっていないのか、頬をスリスリして答えた。
94 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:12:36.01 ID:Y+t+YpzBo

 8/10


 ……
 …

 「ふ、ふふふふふ」


 京太郎がいなくなった部屋で一人笑う。

 決して悪巧みをしているわけではない。いつも通りの妄想に耽っているだけだ。


 「京太郎さんと私が夫婦……夫婦……っ!!」


 夢にまで見た設定だ。

 しかも理由はわからないがフランスに住居を構えて暮らしているらしい。

 軽く家を見回ってみると、そこそこ裕福そうな暮らしをしているようだ。


 「これはつまり、私のいる世界でもこうなるということね!」


 都合の良い方に考える脳内である。初美のお墨付きだ。


 「それにそれに、子供がいると言う事は……」


 そういう関係、そういう行為に及んだということだ。

 自分も戻った世界でそういう関係になるのだろうか? 否、なるのだ!!!!


 「かかさま?」

 「あら、なにかしら?」


 そう考えていると娘に声をかけられた。

 なんだか不安そうだ。子供ながらに母親に違和感を覚えたのだろうか。

 それは困る。霞は残念な子だが、今の石戸霞は京太郎からこの子を預かっているのだ。

 母親としての責務を果たさなければならない。


 「おっぱいをあげればいいのかしら……」


 だが霞は残念な子である。

 子供相手にどう接したらいいのかわからないのだ。

 この無駄に大きな胸はこのためにあるのだろうかと思ったが、あまり変なことをして京太郎に引かれるのだけは避けたい。


 「ねーねー?」

 「どうしたの?」


 しかし子供は気分屋だ。

 霞が迷っている間にもくるくると思考を変えてくる。

 でも、今の娘の瞳は違った。

 まるで霞の心の中を見通すような、透明な瞳だった。
95 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:13:05.93 ID:Y+t+YpzBo

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 「かかさま、しあわせ?」

 「ーーーーー!?」


 それは自分のことを指しているのだろうか、それとも母親のことを指しているのだろうか。

 子供は鋭い。それに自分の母親を間違えることはないだろう。

 本当はここにいる霞が本当の母親でないことに気づいているのかもしれない。


 「どうしたの?」

 「……」


 そう尋ねてみても答えは返ってこない。

 胸に顔を押し付けてグリグリするだけだ。

 ほんのちょっと、『ああ、胸が好きなところは京太郎さんに似たのかな』なんて思った。


 「そうねー。

  『かかさまはね』」


 自然と言葉が出てきた。

 いつものような感覚とは違う、何かに引っ張られるようだ。


 「『こうやって、抱っこしているのが好きよ』」

 「ムー」


 納得がいかないらしい。

 先ほど、京太郎はフランスにいる理由を濁した。

 おそらくはその辺りに理由があるのだろうが、その理由までは察せない。


 だけど、その質問には答えられる。


 娘が聞いてきたこと、それが自分のことか、この世界の自分のことかはわからない。

 しかし、どちらにせよ答えは決まっているのだ。

 私は石戸霞です。だからーー


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      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
.        !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈   ̄    |h_j | 》/:::::::::::::|
.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;    「『ええ、幸せよ』」
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
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          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \


 石戸霞ならば、全てを失ったって京太郎の一緒にいることが幸せだ。
96 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/21(水) 20:13:35.02 ID:Y+t+YpzBo

 10/10


 ……
 …


 ・新訳:京霞次元


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   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ     ←世界が違っても初美と話せて嬉しい
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
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   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\        r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八    「炊事洗濯、終わりましたよ。
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,      他に何かお手伝いすることはあるかしら?」
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
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.      |/ .圦    r        イ¨  |/       「いえいえ、おかまいなく(もうこのまま交換しちゃダメですかねー?)」
.        个    V  ノ   イ
.             ≧。.,_   < {.,_
           -‐   ´j          ̄ ̄\
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 カン!
97 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/21(水) 20:14:04.11 ID:Y+t+YpzBo
 また新しい京霞次元を書きたくなってきた
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 20:24:46.30 ID:MNRP4PpI0
乙です
この霞さん達が直接対面するとどんな反応が起きるのやら
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 20:25:55.07 ID:p1m7zCtL0

ああこれ残念な方は逃避行次元のはっちゃんとの関係知った辺りでショック受けるんだろうな
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 00:13:00.36 ID:NPkCkepl0
>>99
妄想で言ってた掟だの絶縁だのがマジで起きてて親友と一時期絶交状態だったと知ったらショックだろう
まあシリアス次元のはっちゃんが残念霞さん見たときの方がもっとショックだろうけど
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 00:40:48.40 ID:H/BdVjlB0

戻ってきたらはっちゃんの忍耐力が崩壊しちゃう

案外戻った時、娘に浄化されて永水の常識人枠になるのかな?

霞色の空、のどかな大地(オチ力0の和)とかないかな?
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 00:50:58.67 ID:NPkCkepl0
今更だけど「はおまけ」が「はおま家」だと思って誰だ「はおま」? と勘違いした人私以外にいるかね? 
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 02:07:58.24 ID:hivS7SiMo
「ハオ負け」なら……
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 22:20:42.74 ID:oYRLJNa40
これは予想以上に面白い。残念霞さんと霞色はっちゃんとの絡みは見てみたいな
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 22:35:51.26 ID:ZVYSALdA0
はっちゃんと気兼ねなく仲良く出来るのが嬉しくてはっちゃんにベッタリな霞色次元の霞ちゃんと、むこうでのはっちゃんとの関係にショック受けて帰ったらずっとはっちゃんにベッタリな残念霞さんか
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/23(金) 08:57:52.03 ID:BHIfkJ6Y0

新訳霞さんと霞色はっちゃんが遭遇してのやりとりから霞色エピローグでのはっちゃんとの再会に繋がるとか妄想してもうた
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 02:58:39.33 ID:1VV5QXf40
そういや子供が居る次元って京咲と霞色しかないのかな
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 03:09:59.29 ID:PNGUPjNao
他の次元は子供作れるような歳じゃないし
え?のどっち次元?
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 05:00:22.96 ID:1VV5QXf40
子供作れる年じゃないけどアラ三幻神の衝突の余波でのどあこ次元で未来から宥ねぇやクロチャーの娘とか
デジタル次元で性格が母親に似ていないツッコミ属性の和の娘とか
京初次元ですでに母を超えた(背丈とかサイズ)はっちゃんの娘とか
110 : ◆Y.lj54HWGU [sage]:2016/09/24(土) 12:14:41.33 ID:5tiHx9hRo
一周年記念にMac逝った
バックアップあるしwindowsから更新出来るから停滞はしないけどちょっと遅れます
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 14:17:53.56 ID:jsihtbMtO
>>1、イキテ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 18:34:40.81 ID:gqEXJTxsO
アラフォー次元書かないからイッチはすこやんに呪われてしまったんだよ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 18:43:44.65 ID:MUIibUFBO
京咏それかカツ丼書こう(提案)
付き人京太郎をアラフォーやノーウエイの魔手から守るの
114 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:18:23.95 ID:fNvcXefZo

 1/10

 105
 【はっちゃんにべったりな霞さん】


 自分がいきなり違う世界に飛ばされたらどう思うだろうか。

 少なくとも冷静ではいられないだろうし、困惑することもあるだろう。

 それも彼女の場合、非常に似通っているが決定的なところが違っている世界だった。

 自分の世界との齟齬に困惑する。だから私が支えてあげよう。

 そう思ったのだ。つい先ほどまでは……


 「眠いですよー……。

  みんなの朝食を作ったら二度寝しましょうか」

 「あら、おはようございます」

 「おはようですよー。

  ……って」


 ここで自分よりも早く起きるものは少ない。

 六女仙は自分たちで自分たちのことを済ませる必要がある。

 だが、真に残念ながら現在の六女仙に自分でやろうとする者はいない。

 その結果、初美が割を食うことになっていたのだが、その日は違った。


 「霞ちゃん!?」

 「朝早く起きられるようになったのね。

  朝食は出来ているわ」

 「霞ちゃんが料理を!?」

 「あっ、初美ちゃんったら寝癖が出来ているわ。

  こっちに来てくれる?」

 「あっ、はい」


 なんだかとても嬉しそうに近づいてくる彼女は、自分の知っている親友とはかけ離れていた。

 そもそも自分より早く起きないということは置いておいて、身だしなみに気を遣っている。

 朝早いというのに、彼女はまるでこれからデートに行くかのように美麗だ。

 主婦のようにエプロンを着こなし(サイズがあっていないのでキツキツだ)。

 長い髪の毛は邪魔にならないように首元で結んでいる。

 おたまを片手に楽しそうに味見している。


 ―――うん、誰だこの人

 二度見どころか三度見しても親友と同一人物とは思えなかった。
115 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:19:14.34 ID:fNvcXefZo

 2/10


 「〜♪」

 「(すごい上機嫌ですねー)」


 櫛を使って丁寧に髪の毛を梳いていく。

 まるで小さな子供相手には手馴れているようだ。


 「いつもみたいに結ぶのもいいけれど髪の毛を伸ばしてもかわいいと思うわ」

 「や、やめてくださいよー。

  恥ずかしいじゃないですか」

 「初美ちゃんも女の子なんだから恥ずかしがる必要なんてないわ」

 「でも、私ってこんな体型ですし」

 「女の子が身だしなみを気にするなんて普通よ。

  ほら、ポニーテールもかわいいわ」

 「わわわ、勝手に何やってるんですかー!」


 あまりの気持ちよさにボーっとしていたところ、自分の髪型が改造されていたようだ。

 うなじの部分で結ばれ、小さなポニーテールを作っている。

 なんだかむず痒くて恥ずかしい。


 「ううっ、霞ちゃんの癖にナマイキですよー」

 「あらあら、ごめんなさいね」

 「ぐぬぬ」


 ―――これが本当の大人の余裕って奴ですかねー

 六女仙のセーブ役として日々を過ごしていたが、本物の大人には敵わない。

 何をどう魔改造したら『アレ』が『コレ』になるのか小一時間問い詰めたいところだが、何を聞いてもはぐらかされる。

 元の世界の状態についてもあまり語りたくないようで、あれやこれやと会話の主導権を握られてしまうのだ。

 初美もそれが心地よくて流されてしまう。

 変な感覚だが、『本来の二人のあり方はこうである』と、そんな感じがした。


 「あれ、霞さん?」

 「巴ちゃん?

  おはよう。お寝坊さんね」

 「あれ、今朝は霞さんが作ったの?」

 「ううん。初美ちゃんが頑張ってくれたの」

 「!?」


 本人曰く、『この世界の私に悪いから』ということでやってきたことを全て初美の功績にしてしまっている。

 普通ならば素直に喜ぶべきことだが―――


 「私より美味しい!?」

 「良かったわ」
116 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:19:47.25 ID:fNvcXefZo

 3/10


 そう、元の世界でどう鍛えたかわからないが、霞の料理スキルはこちらの巴すら上回っている。

 料理なんて誰が作ってもそんなに味は変わらない。そう思っていたのを覆されてしまった。

 本人曰く、『誰かのために作りたいと思っているだけよ』とのことだが、納得できない。


 「ハッちゃん。乙女ゲーにハマっている間に腕を上げたね」

 「あ、いえ、これは私では……」

 「うふふ、巴ちゃんも負けてられないわね」

 「うん。

  明日からしばらくは私が料理当番をします」

 「!?」

 「巴ちゃんのご飯は美味しいから楽しみね」

 「ハッちゃん、負けないからね!」

 「あの……」


 初美の意見はどこへやら、巴が謎の闘争心に芽生えてしまった。

 それはそれとして乙女ゲーはやるのか、さっさと食べ終わって部屋に戻ってしまった。


 「いや、確かに朝食を変わってもらえるならすごく楽ですけど……」

 「そうね。巴ちゃんのご飯美味しいから楽しみよ」

 「そうではなく」


 この霞はどこか天然なのか、巴の奇行を目にしてもぼんやりしている。

 まるで巴や初美と話しているだけで嬉しいようだ。


 「いやいや、巴ちゃんがご迷惑をかけて申し訳ないです……」

 「ううん。とっても楽しそうに話していたから私まで楽しくなっちゃったわ」

 「えぇ……?」


 乙女ゲーの熱が高まったのか、永遠に語り続ける巴をニコニコと見ていたのは記憶に新しい。

 その意味まではわからなかったのか、後々初美に聞きにこられたことが難点だが。

 一応、誤魔化しておいた。この霞にそういう知識を植えつけるのはなんだかいやな予感がしたのだ。


 「巴ちゃんったらゲームが好きなのね」

 「ええ、少しは卒業してほしいものですよー」

 「そんなことないわ。

  何か一つのことに熱中できるってとってもいいことじゃない」

 「うぐっ」


 そしてこの霞に口で勝てた試しがない。

 口論しようと思ったわけではないのだが、何でも肯定的に捉える霞が眩しすぎるのだ。
117 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:20:17.76 ID:fNvcXefZo

 4/10

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        八.:.: ∧ム      '      /ノ.:.:.:. /
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// ./  |八:{:ハ弋zソ   弋zソノ j^V |:| j/  jノ
.   {  |:|   } ,,,  '    ,,,   /  ::|
     |:|  人   r―,    - '  .::|
     |:|    > ...   イ     ::|    「(やべぇ)」
     i:{      |   |      乂
           イ     \_
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      __,   ::  :...............:  :
    ./V|  ヽ:          :ヽ   |__
    〈  \ |::          :./|__|_/|
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118 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:20:52.17 ID:fNvcXefZo

 5/10


 あまりにも穏やかな時間が流れていたので忘れていたが、永水の問題児は一人ではない。

 というか、ある意味ラスボスがやってきた。

 本人曰く20歳は過ぎているらしいが、霞の見た目があまりにも変わらないので周りには入れ替わっていると伝えていない。

 霞曰く、『少し楽しみたいから』とのことだ。

 そうなれば小蒔や巴が普段どおり接してくるのは予想できる。

 だが、予想できたところで誰が止められるだろうか。

 もはや初美に出来る事は小蒔のBLミームに汚染されないことを祈るのみ。


 「昨日お婆さまたちと絵を描いていたんです!」

 「あら、楽しそうね」

 「ええ、お婆さまったらとっても詳しくて楽しかったです!」

 「それはよかったわ」

 「(心臓が止まりそうですよー!)」


 核心に触れないギリギリのラインで会話が進んでいるのが非常に怖い。

 無理やり止めようものなら小蒔のBLお説教が一晩中続くのが目に見えている。

 ここで自分の身を犠牲にしてまで止められるほど初美は聖人ではない。


 「それでですね、霞ちゃんにも……」

                ---
           ...::´:::::::::::::::::::::::::`::...、
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         |:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
         |::::::::| |l^乂_ツ     斧ミv' 厶イ: 八|
         |:::: 人|l  、、     Vツ }/:::::::::/ ノ
         |::::::::::从      '  、、 /:::::::::/
         |::::::::::::::l\   `ー   ..イ::::::::/    「……」
.        八::::::::::: l    ┬‐=≦:::|::::::/
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   /〈 |     八::::l  /   /            ′


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           ハ::::::::ハ从 ', 乂| リイ ,'::イ:::::::,'::::',
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           ム:::⌒l.  l」     l」  'イ⌒,:::::}
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             ',乂::ヽ、  ⊂ニ⊃ U .イ-'::ノ }!   「ふにゃっ」
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                 /:::}/、ヘ/'ヽ、 {::ヽ
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          ,イ (::,'  /  /.     Vイ ヽ
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119 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:21:28.84 ID:fNvcXefZo

 6/10


 何を思ったのか、霞は小蒔を抱きしめた。

 まるで幼子を抱くように柔らかな抱擁。


 「霞ちゃん?」

 「小蒔ちゃんたら本当に元気ね」

 「はい?」


 小蒔は何が起こったかわからずなされるがままだ。

 霞は小蒔の頭をゆっくり撫で始める。


 「少しだけこうしていてもいいかしら?」

 「ふにゅぅ……」

 「ふふふっ」


 小蒔は気持ちよさそうに目を閉じる。

 どうやら寝てしまったらしい。


 「相変わらずどこでも寝ちゃうのね」

 「いや、それされたら寝ちゃいますよー」


 霞に抱きしめられて頭なんて撫でられた暁には、気持ちよすぎて寝てしまう。

 この肢体を自由に出来る男性なんてそれだけで人生の運全てを使い切ってしまっているのではないだろうか。

 ああ、『こっちの霞』に好かれている京太郎は、『アレ』に好かれて運を使い切ってしまったのか。なんて考える。


 「小蒔ちゃんったら何を言おうとしていたのかしら。

  あとで聞いてあげないと」

 「いや、それはいいですよー。

  私がやっておきます」

 「そう?

  なんだかわからないけれど任せるわ」


 手櫛で小蒔の髪を整えながら返事をする。

 初美の推測だが、子供の扱いに慣れすぎている。

 まるで一児の母のようだ。

 それにしてはあまりにも若すぎる。見た目はほとんど高校生時代と変わらない。


 「初美ちゃんもどう?」

 「いえ、私まで寝ちゃいますから」


 考えを止める。

 必要ならばそのうち語ってくれるだろう。
120 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:21:56.78 ID:fNvcXefZo

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      |:::::l::::::|:::|::::::l|::::::||::::::|/|:::::|:::|::::::|:::::::|::}:::〉 ペロペロペロチューポリポリチュパチュパチュパペロペロペロチューペロ
     .├ ┤ ┬‐‐┬ー' ― '┬‐‐┬::_:!:::::/:/:/   チュパチュパ ペロペロポリポリチュパチュパペロペロペロチューペロ
       ..!::::::!  .)///!     ,)///!  |::::::|:::〈
        |:::::::|  ゝ/_ノ     ゝ//ノ  |::::::|::::::}    「(おそらくこの人は私の知る石戸霞ではない……)」
      !::::从 '''             |::::::l::/
      ',::::::! \     -(     ィニ|::::/´
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                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/    「もう、春ちゃんったらほっぺたに汚れがついているわよ?」
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧


 ―――突如現れた裏ボスにも対処。

 本人は天然なのだろうが、幸か不幸か彼女が永水女子の裏を知ることはなかった。
121 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:22:24.84 ID:fNvcXefZo

 8/10


 ……
 …

 「話をあわせてくれてありがとう。

  とっても楽しめたわ」

 「霞ちゃんの悪戯にも困らされましたよー。

  もー」

 「ふふふ、ごめんなさいね。

  でも本当にありがとう。

  また初美ちゃんとこうして話せるなんて思っても見なかったわ」

 「……どういうことですか?」


 別れの前に、霞が初めて隙を見せた。

 少し考えた後、語り始める。


 「私の世界では、初美ちゃんと喧嘩しちゃったの」

 「そうなんですか」

 「仲直りする前にお別れすることになってしまって……。

  だからこうしてお話できたことが嬉しいの」

 「うーん。こんなに優しい霞ちゃんと喧嘩するなんて、あっちの私はわかってないですねー」

 「ううん。

  それは私も悪いの。譲れないものがあったとはいえ、喧嘩しちゃったから」

 「でも、喧嘩したなら仲直りすればいいんですよー」

 「……それもちょっと難しいの。

  きっと許してくれないわ」

 「そんなことないですよー!」


 ここまで話していたからわかる。

 年齢を重ねても、石戸霞は何も変わっていない。

 自分の知る霞のままだ。

 それならば、私だって霞に対する思いは変わらないはずだ。


 「霞ちゃんが仲直りしたいって思っているなら、私だって思っているはずです」

 「……!」

 「私を信じてあげてください。

  いつかきっと仲直りできますから」

 「そう、ね。

  ありがとう、初美ちゃん」

 「それに、もしそっちの私がわからずやだったとしたらこっちの私を思い出してください」

 「?」
122 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:22:55.08 ID:fNvcXefZo

 9/10
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.      |.:| 小 乂こソ    .乂こソムイヽ.||
.      |.:| .Y  ,.,.  ′    ,.,.,.,     ノ |.:|    「年が違っても世界が違っても
.      |/ .圦    r        イ¨  |/
.        个    V  ノ   イ            私たちは親友ですよー!」
.             ≧。.,_   < {.,_
           -‐   ´j          ̄ ̄\
       /                   \
      ___/   、               __    \ /\
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123 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/25(日) 23:23:24.52 ID:fNvcXefZo

 10/10


 ……
 …

 ・後日




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   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |  「初美ちゃぁぁぁん!!
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          /: :|: : : : : :|: l: :|:.l |八: : : :|  |八:.|‐-\: : : : ∨\ ̄ ̄`丶
         /: : :从: : : : : |八人Nノ \: :l   ⌒|   |: : : : :!`丶     \
         /: : ://:/\ : 从   __,,.  \   ≦三≧ル^Y:.\|    \
       /: : :/ /:/  |: ∧l,r≦彡'´   ,       てノ| }|\: |
.      /:.:/   /:/   :|/〈∧てノ、、   ______   `` |_ノ  ‘:|
     //   ./:/    |\`∧    厂     `Y  人     |   「あっちの霞ちゃん帰ってきてぇぇぇーーっ!」
.    /´    l:/    从: l ̄    〈__   -‐┘       |
            |      ‘:l    ≧=-  __  -=≦
                    |       |    ∨
                    . .-=≦___   __≧=- . .
                  / :  :    ` ´   :  ::  \
                 /   ::  :          :  ::    |
                --┤ Y::  : . . . . . . . . . .:  : Y   |‐―┐
                「 ̄ ̄ ̄ ̄\              l__, ┴― 1
                |            ー――――一        /|


 カン!
124 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/25(日) 23:23:57.57 ID:fNvcXefZo
 創作環境変わりすぎてとってもつらい
 でも更新ペースは戻したい
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 23:33:45.45 ID:0O4zsO3Ko
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 23:55:08.29 ID:LHWUPNSpo
お疲れさま


霞さんは異世界に行ける超越者ですか
腐っても鯛ですね
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 00:14:55.89 ID:FFR2wEyE0


霞さん次元旅行から帰る
新訳次元の霞さん京ちゃんに娘が欲しいとか言い出すんだろうな
霞色の霞さんは新訳の京ちゃんと遭遇してないのかな
はっちゃんの霞さん(霞色の霞化)聖人計画はじまるかな?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 08:49:19.55 ID:sG1AfaC60
おつ
霞さんマジ女神 はっちゃんも女神 なんだ永水は女神のおわす聖地だったのか・・・
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 13:02:35.64 ID:ZBfHHy+5O
女神(腐)
130 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:54:28.53 ID:xemnfHPPo

 1/10

 80
 【年上のお姉さんにひたすら愛される京ちゃん-菫編-】-お金持ち次元2-


 小さい頃からお嬢様扱いされてきた。

 家がそれなりのお金持ちで、社交界などにも参加してきた。

 常に油断せず、周りに良く見られるように立ち振る舞いを学んだ。

 それがおかしいことだとは思わなかったし、苦労したとも思っていない。

 その分だけ家の力で楽をしてきたことも事実なのだから。


 「少し疲れたな……」


 それでも社交界を生き抜くには菫は幼かった。

 共に過ごせる友達も少なかったし、その数少ない友達だってライバルのようなものだ。

 小学生にあるまじき口調と振る舞いを捨て、どこかに逃げたい気持ちになる。

 そんな時だった。


 「ほら、こっちこっち!」

 「?」


 顔を上げると、そこには金髪の少年の姿。

 社交界のために着てきたであろう服は乱れきっている。まるでここまで走ってきたようだ。

 その姿はお世辞にも似合ってると言い難く、無理に背伸びした七五三のようだ。


 「ねーねー!

  あそぼーよ!」

 「私と、か?」

 「うん!」


 ニコニコと笑いかけてくる。おそらくは年下だろうか?

 ここの荒波に揉まれているにしては口調が幼い。

 ここにいる同年齢は自分と、龍門渕透華と辻垣内智葉。みんな背伸びをしたような口調ばかりだ。

 そんな中、年相応の笑みを浮かべる少年が眩しかった。


 「でも、ここじゃ遊ぶものもないだろう」

 「あるよ!」

 「?」


 少年はボールを見せてくる。サッカーボールではない、なんだろうか?

 解せない顔で少年を見つめると、嬉しそうに笑っている。


 「これをね」

 「おい、こんなところでボールを……」


 都会の公園でボール遊びは禁じられている。

 だが、好奇心溢れる子供にそんなルールは関係ないのだろう。

 少年はボールを思い切り壁に投げつけて、戻ってきたボールを捕まえた。
131 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:55:15.84 ID:xemnfHPPo

 2/10


 「蹴るんじゃないのか」

 「なげるんだよ?

  ハンドボールだもん」

 「ハンドボール?」


 菫が知らないのも無理はない。ハンドボールは一般的にはマイナー競技だ。

 他の子供に比べて博識ではあるが、球技などサッカーや野球くらいしか馴染みがない。


 「知らないの?」

 「うん」

 「そっかー。楽しいのに」

 「……」


 先ほどまでの元気の良さが消えてしゅんとする。

 別に悪いことはしていないのに、とても罪悪感を覚えた。


 「こ、こうか?」

 「?」

 「そらっ!」


 少年からボールを受け取り、壁に向かって思い切り投げる。

 思い切りバウンドしてきた球は……。


 「わふっ!」

 「うわっ、大丈夫か!?」


 少年に当たった。

 それも完全に意識の外から顔面直撃だ。

 明らかに年下の少年が泣いてしまうのではないか、そんなことを考えると泣きたくなる。

 菫は自分よりも年上の大人の相手をすることが多かった。

 それゆえに年下の男の子相手に何をしていいのかわからないのだ。


 「えへっ」

 「だ、大丈夫か?」

 「うん。ハンドボールなら当たり前だよ」

 「それは違うと思うが……」


 泣きそうなのを我慢しているのが見て取れる。

 この時の菫には気づかなかったが、いわゆる男のプライドと言うやつだろう。

 小さいなりに女の子の前で泣きたくない、そんな思いが京太郎の涙を止めていた。


 「ほら、拭いてやるから」

 「うん」


 明らかにそういう使い道をするべきでない高級感あふれるハンカチを取り出した。
132 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:55:45.05 ID:xemnfHPPo

 3/10


 しかし菫はそんなことを気にせず、公園の蛇口でハンカチを水に浸して京太郎の顔を拭う

 血が出ていないのでしみることはないだろうが、いきなり冷たいものを顔に当てられて驚いている。


 「こらっ、動くな」

 「冷たいよー」

 「ほら、男前が台無しじゃないか」


 子供を相手にすることを慣れていない菫は強く擦りすぎてしまう。

 しかし京太郎は気にせずされるがままだ。


 「痛くないか?」

 「へーきだよ」


 最後に全体を拭ってやると、京太郎は元気に返事をした。

 そしてボールに駆け寄り、また持ってくる。


 「またやる?」

 「いや、十分だ。

  少しスッキリしたよ」


 半分はお世辞だが、半分は本当だ。

 ストレスを込めて思い切り投げてみたら案外スッキリした。

 なんだかんだで小さな子供。毎日のお嬢様教育がストレスだったのだろう。


 「一人で帰れそうか?」

 「うっ……」

 「大丈夫だ。

  もし心配なら私も一緒について行ってあげるさ」

 「本当?」

 「うん、本当だ。

  君の名前は?」

 「きょーたろー!

  すがきょーたろー!」

 「ああ、須賀家の子か。

  私の名前は……」
 
                ,. -‐ 、
            ,. /  ∠`ヽ 、‐= 、
        / /   /     `ヽハ
       / //   /         ’.
          /    |─+ ミl /  l|
    /  .:,′   |_|_イイ   |_  ’
    .′  |     |《ん_ミ`¨¨`jハ_`  |
    i    |     | ゞ-'     ィ=r、`|_|!
    |   |└┬ー┘      ヒソ/ ′ |  キリッ
   .′     |            '   :    |
    | l | l  小      _      i   |
    | l | |   | ト、       `   人___|    「菫お姉ちゃんだ」
   .′l   |   | |  丶.      イ
.  /  l| l |   | |     r‐ ´  l|
 /  l,.≦:   V、     |    i|
./  /ニ=-人   V\.   |    ||
133 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:56:13.80 ID:xemnfHPPo

 4/10


 ……
 …

 ・それから数年後


 「弘世さん。お久しぶりです」

 「なんだ京太郎。

  ずいぶん他人行儀じゃないか」

 「いや、あれは恥ずかしいって」

 「そんな呼び方じゃ反応してやらないぞ。

  ほら」

 「う……ぐっ……。

  菫お姉ちゃん……」

 「そうだ、それでいい」

 「あー!

  笑ってるじゃんか、くっそー!」


 京太郎が中学1年生。菫が中学3年生の話だ。

 あれから二人は社交界を通じての奇妙な交流を続けていた。

 京太郎からすれば菫は『しっかり者のお姉ちゃん』として。

 菫からすれば『目の離せない弟分』として。

 少なくとも周りからはそう見えていたようだ。


 「京太郎はいつもドジだからな。

  私がいないと何かしら忘れているだろう」

 「そ、そんなことねーし」

 「ほら、襟を正せ。

  一応社交界なんだからな」

 「こ、子供じゃねーんだから大丈夫だよ」

 「そんなことを言っているうちはまだ子供だ」


 有無を言わさぬ迫力で京太郎に詰め寄る菫。

 京太郎からしてみれば子供扱いが恥ずかしいとともに、年上のお姉さんである菫が近くに寄ってきたことが気恥ずかしい。

 近づくだけでいい匂いがする。菫はそんなことを一切気にしていないように見えるのが大人っぽい。

 中学生といえば、わずか2年の差でも大人のように見えてしまうのだ。


 「ほら、男前になったじゃないか」

 「そ、そーかな」

 「ああ、京太郎は格好いいぞ。

  自信を持て。

  男児たるもの自信を持ってこそ女を惚れさせられるんだぞ?」

 「ほんとかぁ?」


 菫の言うことを話半分に聞いている。

 いつだってノせてくるのだ。なかなか信じられないのも仕方ない。
134 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:56:43.10 ID:xemnfHPPo

 5/10


 「本当だ。

  京太郎は格好良くなった。自信を持て」

 「へへ、菫姉さんに言われると嬉しいな」

 「ああ、私好みだ」

 「いっつもそうやって冗談ばっかり」

 「……ふふ」


 菫が妖艶に笑ったように京太郎には見えた。

 見ての通り、京太郎は年上には非常に弱い。

 特に菫は何かと面倒を見てくれているため、強く言い出せないのだ。

 一人の男としてもう少し何とかしたいとは思っても、菫の前では弱くなってしまう。


 「ああほら、さっき食べたものの食べかすまでついているぞ」

 「えっ、嘘だ」

 「ほら、これだよ。

  全く、私が見ていないとだらしないな」

 「ぐぐぐっ」

 「そんなに唸ってもダメだ。

  まだまだ『菫お姉ちゃん』からは卒業できそうにないな」


 ヒョイとご飯粒を取り、そのまま口に運ぶ。

 その動作に何の迷いもなく、京太郎の方が恥ずかしくなってしまう。


 「す、菫姉さんは弓道してるんだっけ」

 「ああ」

 「俺、菫姉さんの弓道好きだよ。

  何だかしなやかでカッコいいじゃん」

 「そうか。君にそう言われると嬉しいな。

  だが私としては君のハンドボールも男らしくて好きだ」

 「!?」

 「ふふっ、私の上を取ろうなんて10年早い」

 「くっそー!」


 何度悔しがっても、京太郎は菫の上を取れない。

 まるで掌の上で転がされているみたいだ。

 これが最近知り合いになった同級生相手ならば逆なのだが、どうしても菫には弱い。

 小さな頃からの教育の賜物だろうか。
135 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:57:51.49 ID:xemnfHPPo

 6/10



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'  / /イ Y :.  Y    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /     「次はゼッテー負けねーから!」
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       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
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/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
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.i.::.::.::{.::.::!.::.::.::.}::.}!::.::.i}::.::.:}i::.::.:.',:.ハ
.!.;:.::.::{.::.::i:i:.::.::.}!::}i::.::.}i:リ::.}i::.::.::.::,ハ
{.::.::.::.{.,i;;;;!};;;;;;;;}!;;} !;;_}ェz-チ}::.::.::.:i:ハ
.i.}.:',.::ヽ乍示勿    ゞ=゙'チ.::.::.::.:.i}从
.ヾ!',.',.:::ヾー ´        i::.:i::.:i;;;i゙
 }.i.:;ヾ;:.ゝヽ   丶    ハ;;i尤リ!
 i:.}.ヾ,,ヽヾ、     ‐ -  イ::.::!::.ii}i
. i::}::.:l:.::.:::.::}>:..  _. .: '.:{.::.::.:i::.i}::!
  !::i::.:!i'´`ヾー 、::. , '.: ./、::.::.::.:i.!::!   「ふふっ、待っているよ」
. {::.i::.:{  ::.. i≡ヾ   :.iノメ.ヾ、::i.i::i
,メi:::i : !   :i.:  :.ゝ  i./:. ヽ,冫i::i
//i:::.!/ヽ、  !ヾ、: : :ゝ、. }ゝ : .i ノリ从ゝ、
//i:::::!///ヽ、! ヾ、 ::〈 .iノ.:}. i }/////i//ヽ
/、 i::::i/////ヽ  ヾヤ三廾} i.}/////i///ハ
/.ヽi::::i、 /////ヽ  .ヾ≡=} i.!////冫///y






 ……
 …

 ・心の中

        ,r‐─===‐-    _
       /::::´:::::::::::`ヽ:::::\::::::`ヽ
     . "/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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   //イ::/⌒i:::|::|:::|i:::::l⌒|i:::::::::::}::::::::::::::::i
  .'/:::∨ ,,__|i_|:」_八_/i::::リ:::::::::::}::::::::::::::::|
.  〔//::::〔 ̄`   =ミ、/ :::::::::::}:::::::::::::::::
.  //|::::::|  ′  ""  /:::::::::::::リ::::::::::::::::′
  :/_:|:::从        /:::::::/:::/:::/:::::::::::/
  〔 |_:/ハ  t  ァ /___::/:_/:::::':::::::::::/   .*゚
     /::::::.      ./::::::::,::::::::|i:::::::::′     ゚+'.
.    /:::/:::::ーr‐  ´/:::::::::ハ:::::::|i:::::::::|       '%    「(私は手玉に取られる方が好みだしな)」
   /::::'::::::::_.ノ〕  .:::::::::://> :::::::::|
   .:::::::〔´  /   ':::::::::/     `ヽ
  ':::::::〃 /   /::::::::::'         \
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/ ::::::::::::| .′/::::::::/       /     ヽ


 …
 ……
136 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:58:20.49 ID:xemnfHPPo

 7/10


 ……
 …


 「なんだ、京太郎。

  いつもの威勢の良さはどうした?」

 「だってハンドボール負けちゃったし」

 「県大会決勝まで行ったんだ。十分じゃないか」

 「ハンドボールはマイナー競技だからそれくらいすぐなんだよ」

 「ふふっ、それでも私は知っているぞ。

  最後まで諦めずにもがいていたじゃないか」

 「えっ、見てたのか!?」

 「可愛い弟分の見せ場だ。見に行くのが姉の役目だろう?」

 「でも、日付教えてなかったのに」

 「ああ、それはうちのモノが……」

 「?」

 「……君の母親が教えてくれてね」

 「来てたなら話してくれればよかったのに」

 「チームメイトと泣きたいときだってあるだろう。

  その辺りは弁えているよ」

 「なんだよ、それ。

  なんか大人っぽくてズルい」

 「私なんてまだまだ子供だよ。

  でも、君より少し年上なんだ」

 「……そっか」


 ……
 …

 ・心の中

       !:.::.:::: :: ::|.....::::|::::::::::::::|:::|:!:|__!........|:.   ゙、:、::ヾ、
     |   ..::::::::i::::::::::|:|::::::::::::|:::|:「!::::i:!:`ヽ!|::::::::::.:.i: i. ト、!
      !....:::::::::::::::i::::::::::|:|:::::::::::::i::::|,rゥ-ニミ┘i__:::::::ノ|::|..i |
     i:.:.::::::::::::::::i::::::::i::|:|::::::::::::::i:::|! ー-'..ヾ::::::::`iヽ!ノ;ノ:;i |
      ! ::::::::::::::::i|:::::::::|:|:|:::::::::::::::i::::!    :::::::::::iァ::....!ヾノ
    i.:::::::::::::::::i:|::::::::i::|:|:::::::::::::::::i:::i       ヾ :::: |
     |:::::::::::::::::i:i:::::::::i::|:|:::::::::::::::::::i:::i      /::::.:.|
.    !::::::::::::::::!:!:::::::::i:::|:|::::::::::::::::::::゙、i   _,...._ l::::::.::|
.   i::::::::::::::://::::::::/::/`ー^-、:」i_:::゙、   `" /:::::::.i.|
    i::::::::::::::://; ' ´ ̄ ̄`ヽ     ̄     /:::::::::::|:!
  /::::::::::::::://'           \  r-、__ ノ:-、_;::|i|
  /::::::::::::::::/        :::::::::...\::::|:::::::|:::|   `ヾ!    「(まぁいつでも旦那様の子供を孕む準備は出来ているが)」
 /:::::::::::::::/          ::::::::::::...ヽ ::::::|:::|
../::::::::::::::/ :::..         \:::::::::::::.i ::::|:::!
/::::::::::::::/ :::::.            \:::::::::! :/:/
::::::::::::::/ノ :::::::.           \:::|i \


 …
 ……
137 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:58:49.26 ID:xemnfHPPo

 8/10


 「高校に入っても続けるのか?」

 「いや、辞めるよ。

  俺、麻雀部に入るんだ」

 「麻雀?

  なんでまた」

 「菫姉さんって麻雀強いんだろ?」

 「まぁ、強い高校に居るだけさ」

 「だから俺もやってみたくなったんだ」

 「今までやったことはないんだろう?」

 「そんなこと関係ないよ。

  これで菫姉さんを倒すんだ」

 「……!?」

 「菫姉さんってなんでもできて、綺麗で、悔しいんだよ」

 「そんなことはないよ」

 「俺から見たらそーなの!

  いっつもカッコよくて、俺の憧れなんだ」

 「ほう……」ジュル……

 「だから勝ちたい。

  絶対に勝ってやる」

 「ふふっ、期待して待っているよ。

  ところで麻雀は男女混合ではないぞ」

 「ほら、透華姉さんと智葉姉さんも麻雀できるって言ってたし。

  ちょうど四人だろ?」

 「いいのか?

  二人もなかなか強いぞ」

 「へへっ、三人ともまとめて倒すんだ。

  いつまでも子供扱いさせないぜ」

 「……そうだな、京太郎は本当に大きくなった」


___,.へ
:::::::::::::::::::.
::::::::::::::::::::::‘,
::::::::::::::::::::iノ‘,
::::::::::::::::::::l::-┤
ニニ二二!::::::|
::::::::::::::::::: 廴:i!
:::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::|     「本当にーー(食べごろになったな……)」
:::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::|
138 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:59:18.72 ID:xemnfHPPo

 9/10


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /    「なんでもいいから菫姉さんに勝ってやるんだ」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


       /: /: /: : : : : : : : : : : : ヽ: :ヽ : ',
        /:./: : /: : : : :/: : : : : : : : : : :',: : ', : :.
      : :/: : /: :|: : :/ : : : : : !: : : : : : }: : i: : i
      トl!: : :'_||: : |: : : : : :/: : : : : : : : : } : :
      ||_|__r _¨_:::‐-:: : :__ イ: : : : : !
      || ̄「弋_ ノ¨ ̄ ::::::::::::::::::::: /: : ;′: |
      ||: : l::::: ||::::::::::;:::::::::::::::::::::::/ : : ヘ: :./  ̄ \
      |廴:l  |l            /: : :/イ: /
      |: : : ゝ    __     厶斗′: :l   ア
      |: : : ::::> ._´‐-'    _ ィ: : : /: <   リ
      |: : : ::::::斗ヘ!¨  T¨、:::: : : l: : : : |   だ
        斗 ´    l ̄` |  ` 、: l: : : : |   な
      /- 、.、     l ̄ ̄l     ヽl: : : : |
.    /   ‘, 、   l   ′   , ィ ^ 、: : :.、
.     /  l  ヽ 丶  ! /  , ´ /  ‘, : \___/     「(麻雀に負けて組み伏せられて泣き叫ぶ私か……)」
   人  V   ` ‐-`_、∨ ≦-‐ ′V  人: : : : |
.  /  ヽl       / {!}`ヽ     !/  ヽ : : |
139 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/27(火) 21:59:47.86 ID:xemnfHPPo

 10/10


 ……
 …

 ・裏事情(現代)

      /:./{ミミ:.:.:.彡≧:.:.\
     /:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\i
    /:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
   ′:.:/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.
  , .:.:.:′.::.:.:.:.:.:.:.:.|:.|:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
     .:.|:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:|:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.::.
  i......:.:|.....:.:.|:.:.:.|:.:ハ|:.:.:.:.:.:| |:.|:.:|......... |
  |:.:|:.八 :.:./7:/|/ ノ|:.:.:. /| |:.|:.:|:.:.:.:.:.ハ
  |:.:|:.:.:.:.Tイ示气   ̄ 示气T:.:.:.:.:.:
  |:.:|:.:.:.:.:. ` ヒ...リ     ヒ..リ |:.:.:.|:.:.|
  |:.:|:.:.:.:.:∧           :.:.::.|:.:.|
  |:.:.\:.:.:.∧     '    .::\:|:.:.|
  |:.:.:.:. \:.∧    --    ム:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.:.:.:.:.:≧:.::..、     イ :.:.:.:.:.|:.:.|    「泣くのを必死に我慢するショタ旦那様が可愛くて可愛くて濡れてしまってな」
  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| > <| :.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|:.:.::.:.:>-j     f\:.:.:|:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|>イ  く       }l |:.:.:.|:.:.|
  |:/      \_  __|l i:.:.:.|\
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                          ___
                       ..::.::.::.::.::.::.::.::.::.`丶、
                      /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\
                    /.::.::.::.::.::.::.::.  イ:.::.::.::.::.::.::.:.::.
                   .::.::.::.::.::.::.::/  |::丶.::.::.::.::.::.::.:.
                    |::.::.::.::.:_::/     \{\ .::.::.::.::.:|
                    |.::.::.::./|/`丶     /\ ::.::.::|
                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行
                    ノ  八‐:、    ′   厶|     「なんとうらやましい」
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \


              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧    「小さい頃から何やってんですの!?」
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l


 カン!
140 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/27(火) 22:00:33.42 ID:xemnfHPPo
 windowsまで壊れるとは考慮しとらんよ。Mac復旧させたわ
 まさかのお金持ち次元の続き。次回はリク通り智葉編
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 22:01:26.57 ID:oh+Q9a4no
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 22:24:58.25 ID:7mwhxjcjo
まっとうにラブコメしてる…と思ってたら最初から壊れてたでござるの巻
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/27(火) 22:55:03.02 ID:/K37TS6DO
乙です。
ネリかわ。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/27(火) 22:55:52.24 ID:/K37TS6DO
すまん、誤爆。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/27(火) 23:07:09.46 ID:/K37TS6DO
改めて乙です。
外面と内面の差がひでぇwww
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:46:20.04 ID:zRfo0nWg0

のどアコの相手(穏乃)かお金持ちの相手(透華)をするのどっちがマシだろうか?
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:00:20.03 ID:PAg/fGIAO
腐った女神…霞さんはイザナミだった…?

ネリカワスレはどこだろう。
気になる
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:10:34.30 ID:SrojsWkA0
金持ち次元で子供の頃に他の2人とも絡んで欲しい
んで落としたのに気づかない京太郎と落とされた三人の絡みが見たいな
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 01:02:31.52 ID:92SWiCbQ0
>>147
R版のポ○モンss
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 08:37:10.16 ID:gbgmCZ540
透華お嬢様のなんだかんだで常識人っぽさ好きなんだぁ・・・
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 17:06:38.18 ID:K6ICzDuTo
乙です
お金持ち次元最高や!
続きも楽しみにしてます
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 08:26:36.91 ID:e7XES2ce0
年上組は拾ってもらえたぜ
やったぜ

菫エ……最高や!
153 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:46:44.81 ID:OInxPeORo

 1/10

 80
 【年上のお姉さんにひたすら愛される京ちゃん-智葉編-】-お金持ち次元3-


 辻垣内智葉は強い女だった。

 それは幼少の頃から変わらない。

 家の事情で強くあるべきだった、それだけではない。

 彼女の家族は無理に『その道』を強要はしなかったし、可愛い可愛い娘を甘やかしていたからだ。

 しかし、彼女は甘やかされたお嬢様に育つわけでもなく自分を律し、しっかり者へと成長した。

 強い男たちの背中を見てきたからこそ、自分もそうなりたいと思ったのだろう。

 だから彼女は弱い男が嫌いだった。


 今日、この日まではーー


 「全く、肩が凝るな」


 見世物のように様々なところを回れば気疲れもする。

 それでいて凛とした表情を崩さない彼女は年齢にしても大人びている。

 まだまだ遊びたい盛りだろうに、それを感じさせない強い女だった。


 「おい、そこのおまえ!」

 「?」

 「お前だよ、男女!」

 「ああ、私のことか?」


 自分より大柄の子供が声をかけてきた。

 何人か後ろに取り巻きを連れている。この辺りのガキ大将だろうか?


 「ここは俺たちの敷地だぞ!」

 「そうか。すまなかったな」

 「あやまればいいってもんじゃないぞ!

  つうこうりょうを払え」

 「随分お高い通航料だ」


 やれやれと首を振る。

 目の前の少年がどんなに大きく乱暴だろうと、智葉が見てきた男たちの足元にも及ばない。

 その道の人とガキ大将を比べるのは、さすがにガキ大将がかわいそうと言うものだが……。


 「それで、払わなかったらどうなるんだ?」

 「ああ?」


 普通ならば堅気に手を出すなどありえない。

 だがこの時の智葉は大人びているとはいえ、『子供』だった。

 普段から憧れている大人たち、そして時代劇で見るような人たち。

 何もしていない自分もその一人と思ってしまっていた。
154 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:47:13.89 ID:OInxPeORo

 2/10


 「(ここで格好良く活躍するんだ。

  ごくせんの先生のように!)」


 そう思ってしまうのは少女心に悪いことではないだろう。


 「女だからって容赦しないぞ!」

 「こっちはたくさんいるんだぞ!」

 「……ふっ、来い」


 今か今かとその瞬間を待ち構える。

 だが、少年たちの突撃が智葉に届くことはなかった。


 「わーっ!!」

 「!?」

 「なんだお前!」

 「お姉ちゃんに手をだすな!」


 見覚えのない金髪の少年が飛び出してきたのだ。

 相手を殴ったり、そうする余裕すらない体当たり。

 真っ先に相手のボスに飛びついて押し倒す。

 一切手加減のない全力疾走からの体当たりだ。いくらガキ大将が大柄でも抑えきれれるものじゃない。


 「(一体誰だ?)」


 思わず呆然とそれを見つめてしまう。

 その間にも少年は果敢に飛びかかるが、多勢に無勢だ。

 少しずつ引き剥がされ、取っ組み合いになる。

 そうなれば少年に勝ち目はない。

 何人かに殴られてボコボコだ。


 「おい、お前ら」

 「なんだよ!

  女は手を……」

 「『少し黙れ』」


 仮に智葉が取っ組み合いに参加したところで勝ち目は無かっただろう。

 しかしガキ大将たちは智葉のーーというか後ろに控えている黒服たちのーー視線に気づき、一気に離れる。


 「子供じゃないんだから付きまとうな」

 「ええ、子供の喧嘩でしたら関わるなと言われていましたが、そちらのご子息の問題もありますので」

 「そうか」


 もう見る影もないくらいボロボロだが、そこそこの身なりをしている。

 この近くでこんな服を着ているとなれば、もしかしたら同じ社交界に出ていたのかもしれない。
155 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:47:43.09 ID:OInxPeORo

 3/10


 「なぁ、君」

 「……ぐすっ。

  泣いてないぞ」

 「ああ、君はよく戦った。

  しかしこの人数差では勝ち目もないだろうに、なんで私を助けた?」

 「お、女の子を守るのは男の役目だって、とーちゃんが言ってたもん」

 「……そうか」


 必死に泣くのを我慢している。体は所々擦りむけて血も出ている。

 しかし、少年は決して泣き出さなかった。

 名誉の負傷だ。泣いてもいいと智葉は思ったのだが、それでも泣かないのが男のプライドなのだろう。

 目の前の少年は子供ではあるが、智葉が見てきた『男』となんら変わらない魂を持っていた。


 「君の名前は?」

 「きょーたろー……」

 「そうか。

  おいお前達。この子にシャワーを浴びさせるから場所を用意しろ」

 「はい。

  それなら私たちが……」

 「私 が や る」

 「……は?」

 「治療も全て私がやる。

  シャワーで体を隅々まで洗うのも私がやる。

  消毒液をガーゼにつけて拭うのも私がやる」

 「いや、医者を用意して……」

 「いいか。これは堅気に手を出した私の不始末だ。

  これ以上私に恥をかかせるな」

 「はぁ……」

 「さっさと密室……コホン。

  治療室を用意しろ」


 黒服たちは言いたいことも疑問もたくさんあったが、お嬢には逆らえない。

 要するにケジメをつけて自分でやると言っているのだ。

 それならば止めることもあるまいと、とっとと場所を用意してしまった。


 「?」

 「ああ、君は何も気にしなくていい。

  智 葉 お 姉 ち ゃ ん が し っ か り 診 て あ げ よ う」


 これが須賀京太郎と辻垣内智葉のファーストコンタクトである。
156 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:48:12.10 ID:OInxPeORo

 4/10


 ……
 …

 ・それから数年後


 「まだまだだな、京太郎」

 「うっく……。

  なんなんだよ智葉姉さんの強さは」

 「しっかりと武術を学べば一対一なら体格差を誤魔化せるさ。

  お前も学べばすぐに私くらい超えられる」

 「いいよ、俺は……。

  ハンドボールやるし……」

 「ふふっ、そうだな。

  お前はそうやって真正面からぶつかるのが似合っている」

 「バカだっていうんだろ。

  うるせー!」


 京太郎は不貞腐れながら道場に寝転ぶ。

 智葉はやれやれと視線を外した。


 「随分と根性がないものだ」

 「なんだとー!?」

 「女一人手篭めに出来ないとはな」

 「手篭めってのはなんか違う気が……?」

 「いいからかかってこい」


 智葉に焚き付けられて構えて飛びかかるも、あっさりと投げ飛ばされる。

 圧倒的な身長差や体格差をモノともしない。

 もっとも、京太郎は今日まで一切そういった訓練をしたことがないから当たり前なのだが。


 「く、くっそー」

 「もう少し頭を使うんだな。

  例えば、複数人でかかる(というシチュエーションが私は好きだ)」

 「いや、それはおかしいだろ。

  智葉姉さんでも冗談って言うんだな」

 「ふふ……(冗談ではないんだが)」


 弟分が必死になっているのを見て思わず笑ってしまう。

 その素直さが嫌いではない。

 愚直に突き進む、それが彼の良いところだ。
157 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:48:41.07 ID:OInxPeORo

 5/10


 とはいえ、京太郎からしてみればたまったものではない。

 際限なく甘やかしてなんでもしてくる姉が菫だとすれば、その逆が智葉だと考えている。

 智葉は京太郎にとにかく厳しい。

 出会えば何かと試練を化してくるし、今日だって武道場で武術の訓練だ。

 いくら京太郎の体格が同級生に比べて良いとはいえ、武道は完全な素人である。

 家のこともあり普段から鍛えている智葉とは比べ物にならない。

 力を見事に利用されて跳ね飛ばされるのがいつものことだ。


 「智葉姉さんは厳しいよなー」

 「何を言う。

  いい男になるのならばこれくらいはやって見せろ」

 「そんなこと言ってー、俺のこと嫌いなんだろー」

 「そうか?

  私は大好きだが」

 「!?」


 真顔でそんなことを言われると、言い出した京太郎の方が恥ずかしくなってくる。

 智葉は何を恥ずかしいことを言ったのかとキョトンとしている。


 「じょ、冗談はやめろよ!?」

 「冗談じゃないんだが……」

 「全く、智葉姉さんは……」

 「?」


 相変わらずキョトンとしている智葉に対して、顔を真っ赤にして逸らす京太郎。

 いつもこうだ。智葉な何かと無防備だ。

 だからこそいつもの無茶振りもなんだかんだ言ってこなしてしまう。

 嫌がらせやいじめでやっているわけではないとわかっているからこそ、頑張ってしまうのだ。


 「京太郎だって強くなりたいだろう」

 「そりゃそうだけどさ。

  いきなりは無理だって」

 「大丈夫だ。

  私は信じている」

 「へぇ!?」

 「京太郎なら、いつか私だって倒せるさ」

 「そ、そんなこと言うなよ」

 「組み伏せることだって簡単だろう?」

 「組み伏せたりしないよ!?」


 それだけ言うと、智葉はなぜか残念そうな顔をした。

 幸か不幸か顔を背けている京太郎はそれを見ていない。
158 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:49:10.11 ID:OInxPeORo

 6/10


 「さて、もう一本だ」

 「まだやるの!?」

 「ああ、そろそろ寝技の練習をするか」

 「なんで寝技!?」

 「技の一つだからだが……。

  嫌なのか?」

 「嫌ってわけじゃないけれど……」


 言ってはなんだが、智葉は起伏がある体とは言えない。

 かといって女性と密着することに抵抗がないわけではない。

 それどころか、智葉はちゃんとした女の子だ。

 こうして組み手をしていてもなぜかいい匂いが香ってくる。

 汗の臭いとは違う、女の子の匂いだ。

 それと密着して間近にいるなど、中学生男子の京太郎には刺激が強すぎる。


 「だ、だってさ」

 「?」

 「さ、智葉姉さんは嫌じゃないのか?」

 「私は全然構わないが」

 「!?」

 「ほら、いいから練習するぞ」

 「ぐぐぐ……」


 菫相手とは別で智葉にはかなわない。

 京太郎にとってまったくコントロールできない相手なのだ。


 「(あっちは意識してないのがなんか悔しい)」


 姉としての感情しか抱いていないとはいえ、子供扱いされているのが悔しい。

 まだまだ子供の考えの京太郎。それに対してーー


 「(うむ、このまま力づくて孕まされるのも悪くない)」


 しっかり意識している智葉だった。
159 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:49:39.32 ID:OInxPeORo

 7/10


 ……
 …

 「麻雀を始める?

  なんでまた」

 「だって、智葉姉さんって強いんだろ?」

 「ああ、強いぞ。

  日本で三番目に強い」

 「それってめっちゃすげーじゃん!

  俺、自慢しちゃうよ」

 「よせ、一番でもないんだ」

 「いやいや、フツーそんなところまで行けないって!」


 この麻雀ブームの世の中で日本で三番目に強い女子高校生。

 それは凄まじい快挙なのだが、智葉はそれを鼻にかけることもない。


 「すげー人数の中でそれだけ強いんだ。

  俺もやってみたくなってさ」

 「そんなに甘いものじゃないぞ」

 「いやー、智葉姉さんに組み合いで勝つよりは運も絡むから勝てるかなって」

 「ふむ……」


 京太郎の体格ならば真面目にやればすぐに智葉など組み伏せられるのだが、どうやらわかっていないらしい。

 だが、自分が青春をかけている麻雀に興味を持ってくれるのは嬉しい。

 趣味の共有。同じ話を出来るようになるということは嬉しいのだ。


 「それなら、私が教えようか」

 「いーよ。

  智葉姉さんは遠いんだから、麻雀部で強くなるし」

 「今はネットもあるが……」

 「ネットでも出来るの?

  それなら教えて欲しいかな」

 「ああ、任せろ。

  お前を日本一強い男子高校生にしてやろう」

 「いくらなんでもそれは無理だって」

 「私に勝つならそれくらいの意気込みを持ってやれ、と言うことだ」

 「相変わらず智葉姉さんはきびしーな」

 「京太郎ならばそれくらい出来る。

  私を信じろ」

 「へへっ、ノせるのがうまいな」
160 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:50:08.66 ID:OInxPeORo

 8/10


 「あっ、そうだ。

  菫姉さんと透華姉さんも麻雀やってるの知ってる?」

 「知っているどころか、菫はライバルだし透華は前回のインターハイで当たった。

  そんなことも知らないのか」

 「うっ……。

  ほら、俺もできるようになったら四人でできるかなって」

 「それも楽しそうだな」

 「それに、麻雀なら数人がかりでやれるんだろ?

  智葉姉さんに勝てるかも!」

 「!?」


 智葉の目つきが驚愕に染まる。

 何をそんなに驚いているのか京太郎にはわからないが、すぐに平静に戻ったようだ。


 「なるほど……。

  いい考えだ」

 「あの、冗談だよ?」

 「ん、ああ。

  気にするな。こっちの話だ」

 「そっか。

  俺と智葉姉さんと、菫姉さんと等価姉さん。

  四人で遊ぶなんて久しぶりだし、楽しみだなー」

 「……ああ、そうだな」


               /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
             /´> ´   ,    }      \
             , ´    /     :    、   ヽ
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          ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
                / '   ' / |{ |    / /| }  l  |    |
           // / { |-+-|、  | ,-}/-}/- /  }    {
             / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_   从
            ̄´  |∧  {  Vリ ∨'   Vり /' /- }  / }
               / 从ム   ,      ム,イ-、/l ,
                  :.            r ' /|/
                 八   __ _     / /     「いっつも俺、負けてばっかじゃん。
                     、         イ Y
                    \___  イ   |ヽ      でもさ……」
                   「 、 |    r <///|
                   |/}_」    |//(_)//|_
               , <///〈      ,」////イ////> 、
          r--- <////////∧   /////////////////> 、_
         //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ
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161 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:50:38.16 ID:OInxPeORo

 9/10


               __  /⌒ヽ
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ      「麻雀ならきっと智葉姉さんに負けないぜー!」
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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                   {|___ノ  __|[_]//∧_
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    {:::::::{ヽ /\::::|ヽ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    ∨::∧/  _,ヽ| ヽ.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     ∨:::∧ /灯  /}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     \\∧∨   ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ __
       \. 〉      ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、    「(策を弄して手篭めにするスタイルで来たか。
          ノ       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
          ヽ -    /::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ̄ `ヽ::::::',  いいセンスだ)」
            ` - ./::::∧ //\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ヽ::::',
               {/|::} 〉/////\::::::::::::::::::::::::::::::::::',\  〉::}
               |} |///////// \:::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ }:/
                  |/////////////ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',
162 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/09/29(木) 19:51:07.41 ID:OInxPeORo

 10/10


 ……
 …

 ・裏事情(現代)


                          ___
                       ..::.::.::.::.::.::.::.::.::.`丶、
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                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行
                    ノ  八‐:、    ′   厶|     「という姫騎士スタイルだ」
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \


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  |:.:|:.:.:.:.:. ` ヒ...リ     ヒ..リ |:.:.:.|:.:.|
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  |:.:.:.:.:.:.:.:≧:.::..、     イ :.:.:.:.:.|:.:.|    「うむ、王道は悪くない」
  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| > <| :.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|:.:.::.:.:>-j     f\:.:.:|:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|>イ  く       }l |:.:.:.|:.:.|
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              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧    「あなたら一体なんなんですの!?」
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l

 カン!
163 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/09/29(木) 19:51:36.44 ID:OInxPeORo
 お金持ち次元はシチュを貰えたら続く
 某スレを見て『京ちゃんがホストで稼いでくるのを家で家事しながら待ってるクロチャー』を見たいと思った
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 19:59:14.29 ID:5D84RwxDo

二人の相手で疲れた透華が幼児退行気味に京太郎に甘えるのとか見たいです。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 20:07:16.58 ID:i2UF2koKO
>>163
重いです(重いです)
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 20:19:28.19 ID:CXE+n79WO
乙です
ここで颯爽と衣おねーちゃん参戦とかしないかなー(チラッ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/29(木) 20:40:00.60 ID:iEiHVjoDO
乙です。
相変わらずこの次元はオチが酷い(誉め言葉)

今1スレ目から読み返してるんだが、オチ要員が登場してからはあまりやってないまたこいつら盛ってるが久しぶりに見たいなーなんて。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 21:08:26.41 ID:DF9c+hoPO

お金持ちの相手で疲れてる純くん一ちゃんともきーを癒す京太郎
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 22:13:41.52 ID:/DEVDtmRo
乙です
お金持ち次元の冷やし透華のツッコミはすごそう
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 22:38:00.02 ID:fSKi/OC7O
乙です
次は透華のターンかな?
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 00:59:21.01 ID:96u6XdiZ0
乙です
客が問題だな
1.ヤンデレ  桃子
2.ヒロイン力 淡、宥、白、霞
3.玄の天敵  照
4.オチ組   のどっち、世界一位、世界二位、SSSS、智葉
172 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:08:08.12 ID:cbnDSDS5o

 1/10

 【年上のお姉さんにひたすら愛される京ちゃん-透華編-】-お金持ち次元4-


 龍門渕透華は目立つのが好きだ。

 誰よりも目立つことを目的として、そのためには若干常識外れな行動すらとる。

 しかし、そんな彼女にも弱点があった。


 「果たしてあの二人より目立つことは正しいのか……」


 そう、菫と智葉の存在である。

 二人とも対外的には完璧なお嬢様を演じながら、その中身は生粋の変態である。

 それはそれで被害は出ていないのだが、なぜかいつも透華だけが巻き込まれる。

 そして今、必ず人の上に立つという透華の信条を脅かしているのだ。


 「それもこれも全て京太郎のせいですわ!」


 透華からしてみれば京太郎は無防備で危なっかしいのだ。

 果たして何度あの二人に連れ込まれそうになったのか、数えるだけでも憂鬱になる。

 その度に止めに入る身にもなってほしいというものだ。


 「しかしまぁ、可愛い弟分ですもの」


 執事やメイドといった上下関係ではない。

 かといって家族というわけではない。

 ではクラスメイトや知り合い。これでは少し遠すぎる。

 では、透華にとって京太郎とはどういう存在だろうか?


 気になる男の子? いや、そういう関係ではない。

 確かに年々男の魅力は上げてきているとは思うが、幼い頃から身近にいたせいかそういう感情は覚えていない。


 「うん、弟ですわね」


 結局、透華にとって京太郎は『とっても可愛い弟』に尽きるのだ。

 自分のことを姉のように尊敬し、犬のように尻尾を振って甘えてくる弟だ。

 主人として従者に命令するわけではない、ある意味では愛玩動物にも近い存在。

 一たちからは『甘やかしすぎ』と言われるが、可愛いものは仕方ない。


 「そう、私は姉ですわ。

  だからこそーー」


 弟の身辺はしっかりしなければならない。

 これは全て京太郎のためなのだ。

 彼のためなら入りものは用意するし、彼が望むなら理想の恋人だって探してあげようと思う。

 出来れば友人たちも自分の知り合いで囲ってしまいたいが、それをすれば『アレ』の同類になってしまう。

 とにかく、透華は京太郎の『姉』なのだ。
173 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:08:37.44 ID:cbnDSDS5o

 2/10


 ……
 …

 「京太郎!

  膝枕をなさい!」

 「はいはい。

  てか男の膝枕なんか楽しいの?」

 「硬くて少し高すぎですわね。

  首が痛くなりますわ」

 「じゃあやめとけばいいのに」

 「それはそれ、これはこれですわ。

  いいから言う通りになさい」

 「はいはい」


 小さい頃、事あるごとに二人は一緒だった。

 親同士がどこかに行くと言えば、だいたい二人セットで置いておかれたのだ。

 年齢が一つしか違わないからだろか、親も安心して二人にしていたし、二人もそれはそれで楽しかった。

 大体は透華の無茶振りに応える京太郎、それが周囲の反応だった。


 「足ばかり太くなってますわね……。

  前はもう少し寝心地がよかったですわよ」

 「そりゃ男だし」

 「言い訳無用ですわ。

  では腕枕にしますわ」

 「腕ぇ?

  まぁいいけど、俺別に眠くないよ?」

 「京太郎の眠気なんて関係ないですわー!

  弟は姉に従うものですもの!」

 「横暴だ!?」


 透華はいつだってマイペース。

 やりたいことは必ず通す。

 時々は京太郎が呆れるほどに猪突猛進でもあったが、京太郎はそんな透華のことを嫌いではなかった。

 だから幼い頃から透華の後ろをトテトテと歩いてきたし、言葉にはしないが親分のようだだと思っている。

 自ら道を切り開くのが好きと言っていたが、京太郎はそんな透華の後ろについていくのが好きだ。

 膝枕、腕枕なんて安いもの。文句こそ言うが大抵のワガママは通してしまう。


 「(全く、透華姉さんには俺がいないとなー)」


 にへらと顔を崩す。

 透華は自覚のあるブラコンだったが、京太郎は自覚のないシスコンだった。
174 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:09:06.91 ID:cbnDSDS5o

 3/10


 「京太郎も中学生になりましたし、恋人を作るべきですわよ」

 「えー、欲しいけど出来てないよ。

  俺モテないもん」

 「そんなことないですわ。

  京太郎はなかなか男前ですもの。

  恋人の一人や二人、男の甲斐性」

 「二人て……。浮気じゃん」

 「あら、それくらいの甲斐性は見せてくださいな。

  とはいえ、刺されない程度の遊びにしておくのですのよ」

 「だからそんな相手いねーって」

 「よく話をしている『宮永咲』さんはそういう関係ではないのですの?」

 「咲かァ。

  咲とはそーいう関係じゃないけどなァ」


 ちなみに透華、咲のことを知らないようでいておそらく京太郎より詳しい。

 このブラコン透華は京太郎のクラスメイト及び交友関係を全て把握している。

 弟に変な虫が寄らないように徹底しているのだ。

 もちろん、それを弟に気取られるような真似はしていない。

 また、そのくせ常識を持っているので仮に少し危なっかしい相手でも許容している。

 あくまで京太郎の自主性が第一で、それのフォローにまわっているつもりなのだ。

 もっとも、そのために奔走しているハギヨシその他数名からしてみればたまったものではない。


 「えーっと、読書が好きだとか」

 「あれ、透華姉さんに言ってたっけ?」

 「い、言ってましたわよ?」

 「そっか。

  あいつは本の虫でさー。

  放っておくとご飯も食べずに本読んでるんだよー。

  ダメダメだよなー」

 「しかし最近珍しい文学少女ですわ。

  それに海外ミステリー好きとはなかなかいい趣味をしていますわよ」

 「え?

  咲ってそんな本好きなの?」

 「!?

  あ、間違えましたわ。

  私の知り合いに似た人がいますの!」

 「そっかぁ。

  あいついつも難しい本読んでるからよくわかんないんだよね」


 ーーなお、バレないのが奇跡レベルのザル会話である。
175 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:09:36.38 ID:cbnDSDS5o

 4/10


 「(それもこれも、あの二人のせいですわ!)」


 そう、透華も最初はこんな風ではなかった。

 少し強引ではあるが京太郎の姉として普通に過ごしていたはずだった。

 あの二人、弘世菫と辻垣内智葉と会うまでの話だ。


 「(あの二人が私兵を京太郎に寄越すから、こちらも監視せざるをえないんですわ)」


 放っておくと何をしでかすかわからない。

 思い出すだけで頭が痛くなる所業の数々だ。


 「透華姉さん?」

 「最近、あの二人はどうですの?」

 「あの二人?

  ああ、菫姉さんと智葉姉さん?」

 「そうですわ」

 「どうって言われても、いつも通りなんかあったら会うくらいだよ。

  あ、でも一月に2回か3回くらいは会ってるかな」

 「(県が違うのに3回も会う方がおかしいですわよ!)」


 どうせ事あるごとに遊びに来ているんだろう。

 幼少の頃は親の用事が被らなければワガママも言いにくいだろうが、ある程度自分で行動できるようになれば話は変わる。

 ここ最近の長野はやけに黒服が多いだとか、それに囲まれて少女が歩いているといった噂を聞く。

 普通ならばただの噂や都市伝説として笑い飛ばすところだが、詳細がなんとなくわかってしまう透華は笑えない。


 「んー、菫姉さんはいつもいつも母さんみたいに心配性なんだよね。

  逆に智葉姉さんは厳しいからさ」

 「何かされましたの?」

 「何かされたって言うか、やれ男は強くあるべきだってさ。

  この前なんか投げ飛ばされちゃったよ」

 「まぁ、それくらいでしたら男の子なんですから頑張りなさいな」

 「そのあとは寝技を鍛えるんだーって数時間付き合わされるしさ」

 「前言撤回ですわよ!

  拒否しなさい!」

 「えっ、なんで?」


 全く、油断も隙もない。

 こちとら一人を見るのでも大変なのに二人掛かりでは到底でも足も出ない。


 「全くもう、恋人でも作ってくれたら」

 「何の話?」

 「何でもないですわ」


 ため息を吐く。これも京太郎のせいだ。

 嫌なことばかり思い出してしまう。
176 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:10:05.69 ID:cbnDSDS5o

 5/10


 ……
 …

 ・状況その1


                ,. -‐ 、
            ,. /  ∠`ヽ 、‐= 、
        / /   /     `ヽハ
       / //   /         ’.
          /    |─+ ミl /  l|
    /  .:,′   |_|_イイ   |_  ’
    .′  |     |《ん_ミ`¨¨`jハ_`  |
    i    |     | ゞ-'     ィ=r、`|_|!
    |   |└┬ー┘      ヒソ/ ′ |
   .′     |            '   :    |
    | l | l  小      _      i   |    「雨が降ってきたからあのホテルで休もうか」
    | l | |   | ト、       `   人___|
   .′l   |   | |  丶.      イ
.  /  l| l |   | |     r‐ ´  l|
 /  l,.≦:   V、     |    i|
./  /ニ=-人   V\.   |    ||


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Y              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从   「休憩とか宿泊って書いてあるよ?」
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


          / \_/\-―‐-y'´ \
         /-‐y'"  ,ヘ ヽ  / ∧   \
          /     ! \ヽ/ //i     ヽ
           ,:!.     |'"´`゙ y''"´ ´|      i
            | |     i |   /′   | i    .|
.           i |     ハ|   〈.!    | |    |
          !/   / |!   ヾ、   |ハ    |
          /    廾ー-_、__,  )!、_,._-‐┤  .゙、
         /   /./ fr、))  /′ fr、i) ゙、   `、
       /.イ   ∧|  ゛'"     `゙'"  ト、    丶   「お待ちなさいっ!!」
.      ///    ハ._ヾ⊂⊃      ⊂⊃ !人   ヾ、、
      i/ i ,i  〈  `,!             / .リ )  i、 ヽ!
.   /リ 、ソ   Y´;/i\.  ∠ニゝ ,..イ   /   |ノ ノ
  /      >、  ヽ!   `ー---イ´|:.:.:`ヽ/    / \
/   /:Y´:.:.:\   \       / |:.:.:.:/     イ、   \


 ーー雨が降ったとホテルに連れ込もうとしたこともあった。

 なお、ホテルの従業員は全員身内を仕込んでいた模様。

 …
 ……
177 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:10:34.72 ID:cbnDSDS5o

 6/10


 ……
 …

 ・状況その2

      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    |:::::::| \:::::::::::,__::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    {:::::::{ヽ /\::::|ヽ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    ∨::∧/  _,ヽ| ヽ.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     ∨:::∧ /灯  /}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     \\∧∨   ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ __
       \. 〉      ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、
          ノ       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、    「くっ、足をくじいて立てなくなってしまった。
          ヽ -    /::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ̄ `ヽ::::::',
            ` - ./::::∧ //\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ヽ::::',   あそこ(の個室トイレ)に連れてってくれないか」
               {/|::} 〉/////\::::::::::::::::::::::::::::::::::',\  〉::}
               |} |///////// \:::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ }:/
                  |/////////////ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //    「えっ、どこ?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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           __        /|
     , -、____/,、  \   r‐' ̄_/
    / |\\|//|   | ̄ r‐'
    |  |ミミァ‐''''"|    |   \
    |  | /   |    |    |
    / / 〈   _,`ィヽ、   |   |
  / /`ー、Y", -‐'iヽ |  \  |      「何してるんですのっ!!」
  / ,イ !、ii〕'!、`┸" ノ 〉  i  ) \
. (  |>r‐'  ,二、" /  //、   \___
  \ 、!(三ニ´ー〜)(  <   \ ___     ̄`ー--、_
   \ ゞ、"゛  ̄ _, ゙、   h_/ ̄_, -‐ヽ      `ー-、`ー-、
     ) r≧ーtく /\ )   /    ト、    `ー-、 `ヾ 、_ \
     /ノ|   .| ,个、  ノ  /  / ./ \      丶   \ ヾi
   /人|\  !' ∧ V"  V /   |   \__    \  | .|
  /   |  \ /| |\ ===|/     /、 \   |\    |  | .ノ
. /    ζ | U| .|`U   〉     | \  \  丶 \  |  |
/ /  / | .{  ハ |     /    /、 \  \  \ \ | |
|/|  /  |  ゙、  ゙、    ./     / \  ゙、  ゙、  ゙、  | ノ|
| |  |  ,|  ゙、  人   /     /    >  |   |   |  | /
  \ |  | ゙、  ζ  入 |     /   /  |     |   |  ノ/
   \ | ゙、 <  /  V.    /  /\  ハ   |  /  /


 ーーせめてもう少しまともな理由を考えるべき。

 なお、周囲から人を離れさせる準備をしていた模様。

 …
 ……
178 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:11:03.96 ID:cbnDSDS5o

 7/10


 とまぁ、過去に色々とあったのだ。

 だからこそ透華は警戒心を強め、京太郎のクラスメイトの身辺調査なんかをしてしまっているのだ。

 もしいなければ……、いや、やっぱりやっていたかもしれない。


 「姉さん、腕痺れてきたんだけど」

 「これくらい平気ですわ」

 「いや、俺の腕なんだけど」

 「弟の腕は姉のものですわよ」

 「ジャイアン理論!?」

 「もう、男の子なんですからもう少し頑張りなさい」

 「えーっ。

  じゃあ透華姉さんも姉らしくしてよ」

 「私は十分姉らしいですわ」

 「なんか妹みたいに甘えてるからさー」

 「い、妹!?」


 それは聞き捨てならない。

 透華はあくまで『姉』なのだ。

 『妹』では下に見られているではないか。

 透華は上でなくてはならないのだ。


 「ふ、ふふふ……。

  目に物見せてやりますわ」

 「ヤッベェ。地雷踏んだ」

 「ハギヨシ!」

 「はっ」

 「あっ、ハギヨシさんお疲れ様です」

 「いえいえ。京太郎君も頑張ってください」

 「んで、それ、何?」

 「耳掻きですわ!」

 「……誰がやるの?」

 「私がやりますわ!」

 「と、透華姉さんが?」

 「そうですわよ」

 「今までやったことは?」

 「ありませんわ」

 「死んじゃう!?」

 「ハギヨシ」

 「はっ」


 逃げ出そうとする京太郎を一瞬で縄で縛るハギヨシ。

 いったいどこでこの技術を学んだのだろうか。執事だから仕方ない。
179 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:11:32.68 ID:cbnDSDS5o

 8/10


 「こ、ここまでする!?」

 「京太郎から逃げるからいけないんですわよ」

 「に、逃げるんだよぉ!

  エビのように! エビのように!」

 「まぁ、衣が好きそうですわね。

  こう、コロッと揚げてしまいましょうか。

  冗談はさておき、あまり動くと手が滑りますわよ?」

 「やめてー!」


 そんな透華の無茶な言い分にも諦めたのか、京太郎は動かなくなる。

 恐る恐る透華の膝に頭を乗せると、存外柔らかい感触に少し落ち着いた。

 雰囲気こそまだまだ少女だが、女性特有の包容力にはかなわないものだ。


 「寝てしまっても構いませんわよ」

 「こ、怖くて寝られねぇ」

 「失礼ですわね……」

 「あっ、普通に気持ちいい」

 「耳掻きくらいできますわよ。

  その、あんまり奥まではやめておきますわ」


 これが他の相手ならば傍若無人の限りを尽くしただろう。

 しかし、相手は可愛い可愛い弟分だ。

 その辺りは慎重にこなすようにしている。


 「なんかこう、菫姉さんのとは感覚が違う」

 「当然ですわー!

  この龍門渕透華の耳掻きは京太郎にしかしてあげませんわよ」

 「えっ、そうなの?」

 「将来の伴侶や子供にはするかもしれませんわ。

  でも、今は京太郎だけですわ」

 「将来の伴侶かぁ」

 「?」

 「いや、透華姉さんも結婚するんだなぁって」

 「嫉妬していますの?

  もう、姉離れが出来ていませんわね」

 「ち、ちげーよ!

  別に寂しくなんて……」


 慌てて誤魔化そうとする京太郎だが、もう遅い。

 無闇に動けば耳が危ないし、そもそも簀巻きにされていて動けない。

 顔を真っ赤にしたまま固まるしかないのだった。
180 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:12:02.24 ID:cbnDSDS5o

 9/10


 龍門渕透華は子供のような性格だ。

 非常に負けず嫌いで、誰よりも上を目指す。

 だからこそ目立ちたがり屋で、今は『のどっち』を越えようとしている。

 だがしかし、そんな彼女が唯一母性を出せる相手がいる。

 それが弟分、須賀京太郎だ。


 「寝てしまいましたわね」


 布団に包まれているせいか、京太郎は寝てしまった。

 女性を待たせて寝てしまうとは何事かと思うが、それすらも愛おしく思えて髪の毛を撫でる。

 こんな気持ちになることなんてなかった。いつだって自分が主役だった。


 「ふふっ、まだまだ子供ですわね」


 それでも、弟分の前でだけは姉らしくしよう。

 主役にだって弟はいるし、愛でる相手はいるはずだ。


 「京太郎が幸せになるためには、相応しい恋人を探す必要がありますわね」


 しかしやはりお金持ち、環境も相まって変なところに思考が変わる。


 「宮永咲、宮永照……。何人か親しい知り合いは聞いていますわ」


 宮永照ならば将来有望な雀士だ。

 適性が良ければ考えてみるのも悪くないかもしれない。

 しかし、それは全て自分が見極めなければいけない。

 それが『姉』としての役目なのだ。

 そのためには龍門渕の財力と権力と人脈を全て使い、リサーチすることも厭わない!


                  / /        ./ ヘ Y.           \   |  j
                 / /        /   ヤ |      -―‐t `  |. /
                    /      .//\ /,ヘ .|   イ  7  | ヽ レ
                  ’/..     /,イ   /へ レ       /  ハ
              / /      \ /./    /′  ̄`ー‐-≦7.    ハ  ’
                 / /      /ヽ/   /'            .::  /  .ヘ  }
            / /      不、 lハ   {|            .::: /    }
            //       / { ;;;≧x、V |        /  /.    / ’
           //       ./. 弋__ツヘ  | ー=--――十 ./    / /
          //         ,イ  """      ノ   て≧芯x_ノ ./    / /
.       / ./  //     |               弋;;;__ ツクイ     / /
    /  ./  //    |. ハ       r:      """/介     ヤ /
   /   /'  / i     |.  ヽ    ト、         /"/ |    マ
 /   /{   { . |     ||./{ >、 ヽ ` ァ   ー‐' /__ ヤ   |. ヽ    「京太郎の相手は、この私が見極めますわっ!」
    _廴_込 ヽ、   | |´   ヘ \  __  _チ'´ _. ヽマ    ヽ
    {      ヽ  `  .ト.!     ヘ      / ∨「〈.', マ¨ :.  マ     ハ ト、
    λ         マ  } .ハ ヽ    ヽ  /_  .| | マ、 ー-、  ヽ  / .l ! ::._
   / ハ.       /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ  ヽ` く ̄¨¨¨.    \,.へj ̄`ヽ
.  / / ヤ    /   У′ リ / ィチ>二<< マ  フ`ーへ   ヽ    `ソ `ヽ ヘ
 / /  ヤ   /   /   / レ// / 厂|、ヾ、\、/    />  _`ー  /   `マヘ
  /     マ  .i   /  /  / /  / /  | ヽヘヽ \  ,イ /   // ̄`ヽ{     マ ヽ
      ヽ 八  .{       | .|  ./ /|   | iマヘ. > >/ | λ.  |.{三三/       .〉`
181 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/02(日) 21:12:31.68 ID:cbnDSDS5o

 10/10


 ……
 …


 ・現代


      /:./{ミミ:.:.:.彡≧:.:.\
     /:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\i
    /:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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  i......:.:|.....:.:.|:.:.:.|:.:ハ|:.:.:.:.:.:| |:.|:.:|......... |
  |:.:|:.八 :.:./7:/|/ ノ|:.:.:. /| |:.|:.:|:.:.:.:.:.ハ
  |:.:|:.:.:.:.Tイ示气   ̄ 示气T:.:.:.:.:.:
  |:.:|:.:.:.:.:. ` ヒ...リ     ヒ..リ |:.:.:.|:.:.|
  |:.:|:.:.:.:.:∧           :.:.::.|:.:.|
  |:.:.\:.:.:.∧     '    .::\:|:.:.|
  |:.:.:.:. \:.∧    --    ム:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.:.:.:.:.:≧:.::..、     イ :.:.:.:.:.|:.:.|    「だが待ってほしい。
  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| > <| :.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|:.:.::.:.:>-j     f\:.:.:|:.:.:.|:.:.|     ヒロインが多ければその分プレイに幅が出るのではないか?」
  |:.:.:.|>イ  く       }l |:.:.:.|:.:.|
  |:/      \_  __|l i:.:.:.|\
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                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行
                    ノ  八‐:、    ′   厶|     「確かにヒロインの数だけ穴はある」
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \



              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧    「わ、私が守りますわ……!!」
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l


 カン!
182 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/02(日) 21:13:15.34 ID:cbnDSDS5o
 次回からまたリク消化します
 京咲も書きたいなぁ
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 21:25:41.22 ID:PTyfVXQIo
一応女性として女=穴とか考えちゃうのはどうなんですかね…
透華もヤバいけどグラチャー以上に本人に気取られてないのでセーフ、か?
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 21:31:55.98 ID:On1P2qlso

果たして透華のお眼鏡に叶う人はいるんでしょうかねえ
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/02(日) 22:00:50.87 ID:P4siW7lDO
乙です。
これもう透華が恋人になればいいんじゃないかな(名案)
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 22:22:09.60 ID:E3AH/3CuO
乙です
これは透華による京太郎の恋人候補格付けチェックが見たいなw
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 22:23:10.03 ID:9LSrwjwLO
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 22:46:08.47 ID:okgTymkEo
乙ー
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 23:44:02.41 ID:OrkpkRH5o
乙です
これは透華姉さんの苦労がしのばれる……
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 23:48:33.11 ID:OrkpkRH5o
というか京ちゃんと透華が知らないだけで密かにお互いの両親によって外堀が埋められていそう
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 00:32:45.48 ID:UF9J8UQi0
透華のアホ毛はオチレーダーで出来ていた
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 09:14:34.68 ID:8G+7MbSc0

もう透華お嬢様が京ちゃんを婿に取ればみんな幸せになるよ(若干名除く)
193 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:22:11.35 ID:0uPwMkw6o

 1/10

 8
 【京太郎の家を占拠するあわネリ】-あわネリ次元-


 「キョータロー喉乾いた!」

 「キョウタロウお腹すいた」

 「はいはい……。

  じゃねぇぇぇぇぇ!!」


 注意、ここは京太郎の家である。

 一人暮らしだがそこそこの家賃で2DKの部屋だ。

 一人で暮らすには十分広いが、こと三人いるとなると話は変わる。

 それも人の布団を奪って二人で包まって、ポテチを摘みながらゲームをしている。

 自分の部屋でもここまでだらけないのではないだろうか。

 少なくとも、京太郎の女子の部屋への幻想が崩れた瞬間であった。


 「もー、キョウタロウはワガママだ」

 「ねー」

 「ねー、じゃない!

  ほら、布団から出ろ!」

 「やー。

  今いいとこなの!」

 「ネリーはお金がないからゲームなんてしたことない。

  だからキョウタロウは許してくれるよね」

 「うぐっ、……ってお前哀れまれるの嫌いじゃないのかよ!」

 「ゲームのためならプライドなんて安いよ」

 「ずいぶんフランクになってるな!?」


 少し前の憂鬱ネリーはもういない。

 最近では日本文化にハマりつつあり、淡以上にゲームに手を出している。

 自分では買わず、人の家にやりにくるあたりがネリーらしい。

 ちなみに、もうやらなくなった携帯ゲームを貸してあげたら永遠にやっていた。

 『物持ちがいい』と言うのだろうか、あまり新しいゲームを買わない人種は古いゲームを永遠にやりこむものである。

 ネリーからはそんな気配が感じ取られ、不覚にも『可愛いな畜生』と思わされた。

 一方淡は新しいゲームをどんどんやりたがるタイプだ。


 「キョータロー!

  新しいの買った!?」

 「買わねーよ。何を買うんだよ」

 「ほら、なんとか5って出たんでしょ?」

 「もうなんの話かわかんねーよ。最近だとメタルギアソリッドなのかペルソナなのか……」

 「聖剣伝説!」

 「まず4が出てねーよ(真顔)」


 そろそろ新作出て欲しい。
194 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:22:40.26 ID:0uPwMkw6o

 2/10


 「アワイ。目を離さないで」

 「えー、あわいちゃんの手にかかればカービィなんてお茶の子さいさいだもん。

  もっと新しいゲームやろうよー」

 「ネリーはこれがいい」


 二人がやっているのはWiiUのバーチャルコンソールである『星のカービィSDX』だ。

 昔から名作で有名である。

 なぜこれをプレイしているのかといえば、二人の仲を取り持つために二人プレイできるゲームを探していたためだ。

 最近のゲームだと二人協力は意外と少ない。よってわざわざこれを選んだというわけだ。

 ちなみにもう一つの選択肢としてバイオハザード5を提案したが、ネリーに猛反対された。

 淡は乗り気だったが、ネリーの顔は蒼白。どうやら怖いものは苦手らしい。


 「……カワイイ」

 「ん?」

 「なんでもないっ」


 先ほどからネリーは1Pのカービィを使っている。

 何度か淡が交換しようと言い出しているのだが、決して譲らない。

 時々カービィに並々ならぬ目線を向けているし、思わず言葉も漏れている。

 どうやら可愛いもの好きらしい。おまかわ。


 「淡はどんなゲームが好きなんだ?」

 「ピカチュウ!」

 「ポケモンか」

 「えっへっへー。

  ピカチュウ可愛いよね!」

 「まぁ、確かに」


 あの黄色いフォルムにまん丸な体型(初期基準)

 手足が短く太ましいネズミ。思えばアレに似ているのではないか?


 「カピバラかっ!」

 「何言ってんの?」

 「淡。俺も好きだ」

 「おー、キョータローも淡ちゃんの魅力に気づいちゃった!?」

 「ピカチュウって可愛いよな!」

 「ピカチュウに負けた!?」

 「うるせぇカピバラ可愛いだろぉ!?」

 「何の話!?」

 「ねぇ、ピカチュウって何?」

 「え?」


 ネリーが手を止めておずおずと聞いてくる。

 ピカチュウと言えば世界的大スターだ。ネリーも見たことはあるはず。
195 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:23:10.07 ID:0uPwMkw6o

 3/10


 「……」

 「(っていうか見たことあるだろ?)」


 しかしネリーは?を赤らめてこちらを見るだけだ。

 そんなことを気にしない淡はスマホを広げ、ピカチュウの画像を用意する。

 初期の太ましいピカチュウを用意するあたり、淡はなかなかわかっているようだ。カピバラに似ているしな!

 もしスリムピカチュウを出していたらグリグリの刑だ。


 「これだよ!」

 「こ、これ……」

 「ネリー?」

 「……」


 淡からスマホを受け取ると、ネリーはじっとそれを見つめる。

 口の端がニヤけるのを抑えているのがこちらでもわかる。

 ああ、なるほどね。


 「気に入ったのか?」

 「べ、別に!」

 「えー!

  ピカチュウかわいいじゃん!」

 「淡。ちょっとこっち来い」

 「あわー!?」


 あわいの耳を引っ張ってもう一つの部屋に連れ込む。

 おい、顔を赤らめるんじゃない。そういうのじゃないから!


 「えっ、あわいちゃん襲われちゃう?」

 「違うだろっ。

  ネリーは可愛いと思うのが恥ずかしいんだよ」

 「えっ?

  なんで?」

 「いやまー、淡にはわかんないよな」

 「なにそれムカつく!」


 決してバカにしているわけではない。

 淡は『あざとかわいい』を地で行く少女だ。

 通常ならば『あざとい』と言われてしまう仕草もいちいちかわいい。

 かわいいものを見つければ『カワイイー!』と言う。

 しかし、ネリーのように素直に表せない人もいる。
196 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:23:40.37 ID:0uPwMkw6o

 4/10


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |   「わかった!
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|    あわいちゃんがピカチュウになればいいんだ!」
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


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               /        |    :.   `ヽ、
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              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
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            }∧ ー:.          `   ムl/
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197 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:24:09.47 ID:0uPwMkw6o

 5/10


 「そうと決まれば突入ー!」

 「おいちょっと待て!」

 「……二人して何やってるの?」


 何も考えずに突入した淡を追いかけると、呆れ顔のネリーの姿。

 どうやら話は聞こえていなかったらしい。


                        ____
                      ´      `丶
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                /  i |¬|ト│ |八--:一   i    i
                .:   Ν 八八 X´\ハ         |
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.     「ぴっかー!」
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
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           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
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                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /



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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「マジでやりやがった」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
198 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:24:38.04 ID:0uPwMkw6o

 6/10


 「……えっ?」

 「ああ、ネリー。これはだな……」

 「ピカピカ、ぴっかー!」

 「アワイ。頭が弱い子にしか見えない」

 「なんだとー!」

 「終わるのはえぇ!」


 淡なりの気遣いだったんだけれども、わかるはずもない。

 というか、馬鹿にされているようにしか見えないだろう。


 「だって、ネリーはピカチュウ好きなんでしょ?」

 「す、好きじゃない」

 「えー!

  かわいいじゃん!」

 「ネリー、別に好きなものは好きって言っていいんだぞ」

 「……嫌いじゃない」

 「だからあわいちゃんがピカチュウになるの!」

 「それはおかしい」


 ネリーに同意するしかない。

 どうしてその発想になるんだ……。


 「それより、俺のお古のポケモン貸してやろうか?」

 「貸してくれるの?」

 「ああ、ネリーに貸してる携帯ゲーム機で出来るからね。

  俺のデータは消しちゃっていいから」

 「……うん。

  その、ありがと」

 「ネリーばっかりずっこい!

  私にもなんかしろー!」


 ネリーを贔屓すると淡が暴れ出す。

 うん、これもいつも通りだ。


 「なんかって言っても、ゲーム借りたいのか?」

 「パフェでいいよ!」

 「なんで奢る話になってんだよっ!」


 こ、こいつ、抜け目ないな。


 「じゃー出発!」

 「キョウタロウ。早く行こう」

 「こういう時ばっかり連携するなよ!?」


 女の子って怖い。
199 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:25:06.94 ID:0uPwMkw6o

 7/10


 ……
 …

 「そんな流れでポケモンセンターに来たわけだけど」

 「すっごーい!

  カワイイー!」

 「……わぁ」


 淡は全身で嬉しさを表現しているし、ネリーは喜びを抑えきれていない。

 女子大生にもなってこういう反応をしていれば疎ましさも覚えるだろうが、それを感じさせない。

 淡はなんか許せるタイプだし、ネリーは小さいからだろうか。

 美少女って有利なんだなぁ。


 「ほらほら!

  おっきいぬいぐるみだよっ」

 「あんまり汚すなよ?」

 「だいじょーぶっ!

  キョータローの家に来る前にちゃんとシャワー浴びてるから!」

 「えー……」


 顔が赤くなるのを感じる。ついでに店内の視線も感じる。

 ちょっと待て、それは大いなる誤解を与えるのではないだろうか。


 「……」

 「ネリー?」

 「これ、ピカチュウ?」

 「ああ。1分の1ピカチュウか。

  40cmなんだぜ」

 「実にネリー6.5人分んだよっ」

 「その換算になんの意味が……?」


 テンションが高そうな淡とアイコンタクトをする。

 淡もウインクを返してくれる。どうやら伝わったかな?


 「YES枕!」

 「そうじゃねぇ!」

 「なにそれ」

 「ああ、気にしないでいいよ」


 それはそうと、店員を呼ぶ。

 ネリーは一人留学して頑張っている。

 そんなネリーの喜ぶ顔が見たいと思うのは、友人関係としては重いだろうか?
200 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:25:35.93 ID:0uPwMkw6o

 8/10


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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
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         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/     「んじゃ、特別にプレゼントだ」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく     「私もお金出すよーっ!」
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
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 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕
201 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:26:05.83 ID:0uPwMkw6o

 9/10


 「……えっ?」

 「実はさ。

  この前の麻雀大会でいい結果出しただろ?

  そのお祝いをしようって淡と話してたんだよ」

 「優勝おめでとー!

  次はあわいちゃんが勝つけどね!」


 ネリーにとっては留学生として成績を残すことがすべてだ。

 だからこそ誰よりもお金に執着しているのは知っている。

 ただの友人関係としてはあまり施しをするのは良くないだろうけれど、俺は世話焼きなんだ。

 たまのプレゼントくらい、いいだろ?


 「ほ、本当にいいの?」

 「その代わり、私が勝ったら私にもなんかおごれー!」

 「おいおい。

  ネリーは大変なんだから、そんなこと……」


 そこまで言ったところで、ネリーに裾を引っ張られた。

 思わず言葉を止めると、淡に向き合う。



           「 ̄`ヽ-―‐---、__
           {:.. ,..-f( ))-、       ̄}
              广}___クーく.___{ ̄`ヽ ..:::/
          / ,..-‐r:r―┬r::r--、  }!V、_
          /7'..:::i::|^!...:::i:| |:ヒjハi::ヽ|! ヾヽ
           {ハ:::::::f':n:i、:::::{"{::n:ヾi:::.:|!  }!'^゙
           |丶弋ツ `゙ 弋;ツ}::::.|!  }!
            |:::|:i| "  '_   " .!::::.{! o|!、
             |、::|ハ:.,、  、ノ ,..ィ:ノ::リ;》=《i ゙、
         /.:ヽハ!:r‐` T"´  !イ':":.:.:.:.:\i!     「……ありがとう。
       r:<>、.:.:.:.:.:.ト--、   ,..-/:.:.:,:イス) >_>、
      ζ√ーァ\:.:.:.ヽ     /:fィ_トrJ しイ.,>イ     その時は絶対にお返しするから」
        ∀  ! `Zf┬‐-≧ーイ:.:r'´       |_)i::}
      / .,.:彡ミy' /_,.-< ̄`ヽ::::..       !::、:::i!
      <  ̄  ノ''"   ...::::..... ::::::::.   ,.ィ:::::i!:::|
     ,.へ  / ........:::::::::::: ::::.   ::: ,:<_,.ノ::::::|:i::|
     `>'"           ::::: :::..:/  \:::::|::i:|
     ∠.._________;:.-'"´  __,.イ:::::|::::i!
       /  `ー┬‐;--------―irイヽ、|::::!:::i:|
       / 「 ̄ `ニY⌒r―''" ̄ ̄i .i! | i ヽ!::/::::|:|
     /  L...イ:.:./i T|`iー―--┘ i||  {/::::::ハ!
      / __/:.:// | |:.:.i____ i! ゙、  }::::::/
    / ̄_/:.:.:./ i  ||:.:.:i____i|ヽ、| /:::::/
    / ̄.:.:.:.:.:.:./ /   ||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|!\_|::::ノ
  /:.:.,:ィ―-イ L___| └―---r---|!、:.:.:.|'"
.  <__ |   |   |       |   | \:|


 それはネリーにとって、最大の感謝だった。
202 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/04(火) 22:26:35.62 ID:0uPwMkw6o

 10/10


 ……
 …

                 ,  ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   \
                /                  `\
            .>一'                   |
            ,  ´                    __  /`!
       /     {       __        〃'⌒ 〈  |、
       /     〈⌒ヽ    ,ィ==ミ    tゥ    〈  }  ! \
.    /      // }  ',  -‐= _           /   い ヽ、 \
  ∠、    /  { |   ヽ. --、 `ヽ\_,ノ⌒ ー'   lノ     ヽ
 /三二ニ=ァ'´   /) ヽ   卜、::::\   }             !         l     「……」
. {三ニ=‐ '´     {  /|     \::::|            |       |
            〉           lノ           ∧      |
            、        |           /  \ /´ ̄ ̄`\
               l   /´ ̄ ̄`\        /}.   /    / ̄/\
             \/     ___\―-、      \ /    ////////,\
                /   ////////∧  \     /    /////////// \
                 /    ///////////∧   \_,  |     ////////////// \
             |    /////////////∧     く  |     ///////////////// \


 自分の部屋に、一つの新しいぬいぐるみ。

 大好きな二人の友達が買ってくれたプレゼント。


 「……ネリーは物持ちがいいから、大事にしないと」


 言い訳のようにつぶやくが、ニヤけが止まらない。

 ぬいぐるみをギュッと抱きしめる。

 そのままベッドに潜り込む。

 ああ、今日はゆっくり眠れそうだーー



 カン!
203 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/04(火) 22:27:04.30 ID:0uPwMkw6o

 投下終了

 ・残りのシチュ
 寝ぼけたシロが京太郎を抱き枕
 お姉ちゃんシロとだるシロがレクイエム
 宮守勢に結婚報告(付き合った報告)をする二人
 マホ、ギャルになる
 シロ、看病する
 京穏でオープンキャンパスへ
 京ちゃん幼児化する
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:27:40.67 ID:pvQrRmtDo
乙。ユウジョウ!
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:28:26.12 ID:dyJHjJH4o

ネリあわいい
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:29:29.89 ID:sqYH+RymO
乙です
ネリーとお化け屋敷いきたい
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:30:01.62 ID:3ilf3BYCo
乙!物持ちが良くてゲームやりこむならディスガイア貸してあげよう
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:35:38.06 ID:3JbGSs/Do
>>207
それこそ永遠に終わらなくなるだろwwwwwwww
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 22:46:47.40 ID:+fVeDNf+O
乙です
聖剣伝説4……LOMの事かな?(すっとぼけ)
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 23:48:25.89 ID:78f/o9Lho
お疲れさま
今のピカチュウは絵柄が違うのか
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 23:52:35.96 ID:FMj/r2oD0
京太郎が夜なべしてピカチュウの帽子とか着ぐるみをネリーに渡すんかな?
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/04(火) 23:58:14.05 ID:3ilf3BYCo
>>210
結構前から変わってスリムになってるよ
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/05(水) 00:22:56.23 ID:zf1x5nKzO
サトシもアローラの姿になるし………
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/05(水) 03:59:41.50 ID:eXzLJhKDO
乙です。
ピカチュウもだけど、諭しも微妙に変わってきてるよな……
215 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:06:56.00 ID:/f8etpB+o

 1/10

 【だるシロレクイエム抱き枕】-だるテル次元-


 今日も照さんがうちに来てだらけている。それはいい。

 いや、よくないんだけれど、もう二人のお世話をしていないと禁断症状が出てしまうからそれはいいんだ。

 だが、問題はそこじゃない。

 シロさんの様子がおかしい。

 家に来たと思ったら周囲を見渡し、いきなり片付けを始めた。

 俺と照さんがポカーンとしているうちにシロさんらしからぬ手際で部屋が片付いていく。


 「あ、あの、シロさん?」

 「京。洗濯物がちゃんと畳まれていない」

 「え、ええぇぇ!?」

 「シワになっちゃうからアイロン貸して……。

  色物と白いシャツは区別して……。

  それから……」

 「ちょっ、ちょっとシロさん!?」

 「白望がこわれた……」


 照さんも圧倒されてないでください!?

 確かに、これは天地が入れ替わったとしか思えない出来事だ。

 中身が別の人になっているんじゃないか?


 「……宮永照?」

 「し、白望?」

 「大体わかった。

  照、その格好で寝そべるのはだらしない」

 「白望!?」

 「シロさんが言うのかそれ!?」


 おう。

 ちょっと待て。

 ここにキャラクターとしての記号があるじゃろ?

 そこにシロさんがいるじゃろ?

 そうなれば『だるい……』と言いながらゴロゴロしたり俺におぶさって来るわけだ。

 それが俺たちにとってのシロさんだ。

 しかし、こんなにキビキビと働いているシロさんはシロさんと言えるだろうか?

 これは果てしなく哲学的な問題である。

 哲学者を目指しているという高鴨穏乃さん(インハイで知り合った友人である)に是非聞いてみたい。
216 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:07:25.16 ID:/f8etpB+o

 2/10


 「京ちゃん京ちゃん。

  白望がこわれた」

 「俺も壊れそうですよ。

  何か悪いものでも食べましたか?」

 「昨日は私の作ってきたお弁当を食べた……。

  わたしのせい?」

 「いえ、それなら俺もおかしくなっているはずです」

 「例えば?」

 「照さんにお菓子をあげなくなります」

 「それはダメ」


 混乱の極みにある状態で照さんと話しても何の改善もしない。

 シロさんはこちらを一瞥するがあまり気にせず掃除に戻った。


 「っていうか、俺たちめっちゃ失礼なこと言ってますよね……」

 「た、たしかに……」


 シロさんをチラッと見るが、別に怒っていないようだ。

 さすがに少し控えた方がいいかもしれない。

 ……でもシロさんが積極的に家事をこなしているんだ。

 確かに、照さんが言うにはシロさんはなんでもそつなくこなせるらしい。

 しかし、そつなくこなせるがやろうとはしない。いわゆる本当の意味での『やればできる子』なのだ。

 もっとも、俺の前ではそういう面を見せてくれることはないんだけれども……。


 「……何?」

 「いや、あの、失礼なこと言っちゃってすみません」

 「……別にいい。

  そう思われているのは知ってる」

 「うぐっ」


 ものすごく胸が痛い。

 俺たちはシロさんに勝手なレッテル貼りをしてしまっていたのではないか?

 実は色々できるのに、たまにやってくれるだけでこの反応だ。

 そうだ。子供は褒めて伸ばすべきだ。

 おかしくなったなんて失礼なことを言ってはいけない。


 「照さん、俺たちはひどいレッテル貼りをしていたみたいです……っ!」

 「?」


 しかし照さんはポケーッとしている。

 くそっ、俺が罪悪感に満ち溢れている時に!
217 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:07:54.28 ID:/f8etpB+o

 3/10


          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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    .//.:/.:.:.:..:.:.:.l:.:.::八.:.:.:.:.| ´  ∨ }.:ハ.:.:.:|.:.:.:.:.|:.:.:.:.丶
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  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
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./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|    「普段の白望がだるがりなのは変わらない」
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
       \{──<´ ̄  \\      |:イ \_
      /⌒      \    ::::\     |:::|  } =- .,_
      /            丶    、::::、   }:::}  }        、
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               ,   ´     /  `  < ⌒\
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             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人      「それもそうっすね」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
     l//////∨//////////////∧ /.イ////////////|//|
    {///////}////////////////∨'//////////////|//|
      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
      |///////|/////////////////l///////////////|//}


 うん、何も間違っていなかったわ。
218 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:08:23.72 ID:/f8etpB+o

 4/10


 ……
 …

 京と照が混乱しているのがよくわかる。

 塞辺りが私を見たら同じような反応をするだろう。

 でも、まだ教えてあげない。


 『今日1日入れ替わろう』


 迷い家で交わしたそんな冗談。

 あれは夢だったのかどうかすら定かではない。

 しかし、こうして自分の知っている京とは違う部分を見られるのはなんだか楽しい。

 だからこうしていつもより頑張って家事をしてみる。

 するとやっぱり二人は目を見開かせてこちらを見る。

 ……楽しい。


 「あの、シロさん。

  俺たち何か悪いことをしましたか?」

 「しろみ、しろみ。

  京ちゃん分けてあげるからゆるして」

 「ほら!

  照さんが平仮名を喋り始めましたよ!?」


 ……そんなの文字じゃないとわからないのに、何を言ってるんだろう。

 でも、京を分けてもらえるのは魅力的だ。

 私は素直に甘えられない。

 いつもは京が犬のようにすり寄ってくるから気にしない。

 でも、たまには甘えたくなる時もある。

 そんな理由で入れ替わってみたのだ。
219 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:08:53.61 ID:/f8etpB+o

 5/10


 ……
 …


     /        /      ,                        \
    /      /       /|       |        ',      ',      ヽ
  γ/     /        /  .!        | \ヽ\   ',        ,      ヽ
  ./_    __/ /    /   _ !        | _  ヽヽ ヽ  ,         '      、 \
      ̄   〃    /〜 ´`´ ',      |´`  ヽ〜 、 .!     ! ',\    ヽ\、
      / !/ {  〃          !     !    ヾ  ヽ|      |ヽ   ヽ、   }
       /  , ./ ! _ ≧==== ヽ! \  _|=====≦   ||l   | | |    ヽ, /
    ./      、{ ! ̄{::::o::::::}          {:::::o::::::::} ミ、| l    ' 〃      ',
   /     〃  |  弋::::::::ノ        弋::::::::::::ノ  〃 |  /  \       '
        //   .!                     /  ムイ    \    |
   !,'!   /, '     .|   ' '     '       ' '           ヽ      、ヾ |
   |!%  /,'  ,'    |                        {   、     ', ,/
    % |!'  !   '                       / .|       !
          l   ヽ       ,-‐-‐--,             ノ   ヽ    |
         ,!    ヽ       ̄ ̄          ィ--    |  ヾ  | |     「こっちの京はお世話してくれる」
          丶  {   |  、             イ  /l    '  | | / '
           \!  !  !     _   < |/! /   !   イ  / }/ /
               ヾ _|  |           ! V   ムイ
         ._        ヘ--!    ----―‐、
       /  <三三ニ>'" ', !  /|      ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
     /   /三三>'"    V /  |      /三三三"      ヽ


                    _,,.. -=Z__
                . -‐=二..,,_ '"´⌒``ヽ、
         . -‐=く             `ヽ、
        /                  `ヽ、    `ヽ、
.      , ´   '~ア   ,      \     `ヽ、    `ヽ、
     , ´ / /    :|      ヽ、     `、    ー-ミ
     ,′ イ  :|    :|\      `ヽ、  `、 `ヽ、 {
    {/ ;ノ|  . :|   :,  j|  `ヽ、     `、   `、  \;
     {/:ノ  ;八  { 八( ̄ ̄\    〈\} }\`,    `、
.     {: .;ノ|:┼‐ \ \_Z斗≠=ミ\ヽ、! } } :}j    ;
.      乂l 人」斗=ミ\Ζ 乂_,ノ  }ハノ `,丿      \j
      人 ハ}乂丿               |  \ `;(\ノ
       \ハ   ,                 ノ   `:, }ミ、
.           }                厂`、   :}}  ;ハ
         ∧             . : ! ;   从 ;八j      「……」
          / /\   '⌒      . : . : . j j ;,:仏イ
.        / / : : ;ヽ、      _...:::ア . :/|人ノ
.         {ー|: :/{: : : : :Tニニア¨}:/___/ /⌒\
.         人:{  \_(\_厶ミ{∧    ,:    \__
                _//{ ∨⌒;〉 . ´       /⌒\
               ,:´:| ,′〉に)/ ∨      / .   \
               _/ :丿 j/ ∧ \/        ,: . . .     ‘,
           /.:/  {___/ }____ノ        .′. . .    |


 …
 ……
220 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:09:22.35 ID:/f8etpB+o

 6/10


 普段の私なら『こちらの私』のように生きるのが正しいんだろう。

 小瀬川白望はダルいダルいと言いながらちゃっかり生きていくはずだった。

 そのはずが、こんな乙女な思考を持ってしまったのだ。

 全部全部、京が悪い。


 だいたいなんだ。

 こちらの京は私と宮永照のどちらかを選んでいないのか。

 なんというヘタレだ。男としてどうなんだろう。

 一人を選べない男を好きになる女の子なんているはずない。

 いるはずないけれど、嫌いになれない。

 これが惚れた弱みなんだろうか。


 「えーい、なんだかむず痒い!

  シロさん! 今日は俺がお世話しますから座っててください!」

 「京ちゃん。私も」

 「照さんは後でお菓子あげるんでちょっと待っててください」



       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
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人_    u              j.: .:|       「!?」
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ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 宮永照のあんな顔、初めて見た。

 私たちからすれば天上の存在だった宮永照も乙女ということか。

 でも、これはチャンスかもしれない。

 今日の私は京に甘えにきた。

 いつもの私じゃ甘えられないから、わざわざこんな手間をかけた。

 それをあちらから提案してくれているわけだ。


 「……」

 「あの、シロさん?」


 京が困っている。

 このまま困った顔を見ているのも悪くないが、それは意地悪すぎるかな。
221 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:09:51.34 ID:/f8etpB+o

 7/10


            --   >   ̄   ` 、  __
         /     ム __      `/    ヽ  _
        ム      >   | '' <  ,'  お  ,´ -- `
         >   ´  ..-||  ̄T  ニ二 !  .ん   |   ヽ
      /     Y:::。::|| i | -―― |   ぶ   | \
      ,         乂:::::||/ =-    /   し  |   ヽ
.      /          〃/      ̄!  て  |
     /      `      /  -‐ ''"/  ',   :  | ヽ
     l  !}            i/    ∧.  :  /  l
    ',           __  〃|    / 、___/ }  |     「……わかった」
   / 、        Y:::。::|| //!   イ   /   ,'  !
 ̄ \   \        乂:::::|| 〃 イ/    '    /   、
\  \_ \          ||// /  /   /  ヽ
  \ ´   ヽ>x        /   ./!    / /ヽ 、
  /         \ ヽ  ー、 /    /     / /  ヾ  、
  /           ヽ / ー‐/ 〃  / /   ' .{/ヽ   } } !ヽ
. /            |!〃  !‖  / 从   | |!  l  j  リ }


 今日は思い切り甘えてみよう。

 京と出会う前の『小瀬川白望』に戻ろう。


     /: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|.     |: : : :|: :|   _i: :∧: :|i: :
   /: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ  |: : : |i: :|  '´ |:/  V .|::
  /: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ !  {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj
.       i: : : : |:::::::ハ  气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
.       l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ          乂ZZソ
       |: : : : |:::::::j         ,
        |: : : : |:::::::{
        |: : : : |::::::::ヽ      ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
        |: : : /|: |:::::::::::> .   `−⌒ ⌒'‐′      . <    「ぐぬぬ……」
       |: : / 乂|:∧:::| 、::::≧=   ___   <---


 宮永照には悪いが、今日はそういう日だ。

 後日、ちゃんと『こっちの私』と決着をつけてもらうとしよう。


 「えっと、おんぶすればいいですか?」

 「……えっ」

 「今言ってたじゃないですか」

 「……言葉の綾」

 「いつもは色んなところに運ばせるのに!?」


 なんということだ。

 『こっちの私』は結構大胆らしい。

 でも、今日は甘える日だ。


 「わかった。それでいい」

 「……?

  わかったよ」


 ちょっと不審がられたかもしれない。

 でも、付き合ってもいない女の子をおんぶするなんて京はたらし。

 そういうのは良くないと思う。

 でも、嫌いじゃない。
222 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:10:20.85 ID:/f8etpB+o

 8/10


 ……
 …

 「ベッドでいいの?」

 「うん」

 「他に何かして欲しいことはある?」

 「……」

 「いつもなら何となくわかるけれど、今日のシロさんは何だかわからなくて」

 「そう」


 いつもの私ならわかるのだろうか。

 それはちょっと嬉しい。


 「じゃあ、耳かき」

 「えっ、前にしたばかりだよ?」

 「……それでも」

 「わかった!」


 何ということだ。

 『こっちの私』は耳掻きをさせていたのか。

 今からさせようという私が言えることではないか……。


 「気持ちいいかー?」

 「……うん。悪くない」

 「今日のシロさんは頑張ったから、俺も頑張ってお世話するぞー!」

 「……京は、私のお世話をしていて楽しい?」

 「前にも言ったけれど、シロさんと照さんのお世話をするのは生き甲斐だよ」


 それはそれでどうなんだろうか。

 ついでに、人の耳掻きをしている最中に他の女の名前を出すのも許せない。


 「アイタタタタ。

  耳引っ張らないで」

 「お仕置き」

 「なんでぇ……?」


 情けない声を出さない。

 男の子でしょ。


 「今日は」

 「?」

 「甘える、から」

 「なんだー。いつものことでしょ」


 いつものことなのか。それはそうか。

 うん、今日は思いっきり甘えよう。
223 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:10:50.34 ID:/f8etpB+o

 9/10


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /     「なんたって、俺はシロさんのお世話がかりだぜっ」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


                                     <
     //      ´   !       丶、        \      \
    / /    /     !  ',    ヽ  ヽ           \      \
  /        ,'    l  ',       \  ヽ、      ヽ       \
  '        ,'       !',,  ',       ` 、、 ヽ      ヽ       ヽ
  {l ,'      l      . l   ヽヽ       ヽヽ ヽ               \
   /  ,'    l      |  \  \ヽ"'' - ,,   ヽ〜\     ヽ
          ! |    !|   \   < 〜 "' 、 ',  ! ヽ     ,   \     ヽ
  ,' /!      .∧  __  〜ー  ヽ    <   ,,x≦ }ヾy、',   /            }
  ,'  l ,'!   l !l 、〜  ',丶--    `   ̄彡ヤ"::o:::::}  }/ }/i /   \   ヽ ,'
  { ,'  !|   |! ∧ヾ __ ≦ ===ミ        弋:::::::::ノ      ./、     ヽ   |/
  、 . ! |   | | ∧ .|l ヤ:::::o::::}          ¨       ! }  \    ',
         、| |.∧ 、 廴::::::ソ                | /    ヽ   ,
          | 、∧           ,           |'   ヽ   ヽ  /
     |  |    ヽ ',   ///       ///    /   ',ヽヽ  }     「ーーわかった」
     |    ',    ∧                      ,' } ヽ! /
       / \ヽ    、           ,-_‐、       イ ヽ! //
      ', ! ', 、ー    >               |
       丶 丶、  \     >        イ  .!__
              ̄      -|  `  ‐      | 八
                  / ヽ!         /   ヽ
                 /    \      イ      |::::<..
             ,, - ''"|       ` ヽ  / 、         l:::::::::::::::::::...<


 ーーさあ、何をしてもらおうか?
224 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/05(水) 22:11:19.57 ID:/f8etpB+o

 10/10


 ……
 …

 ・京白次元


          〃-‐‐-----‐'/´
       ,, - ''       ー '、 
       ´             ヽ\
      /   /    |    |  ヽ \
    /   ,/     /|   l    _<
   ィ    /  十/┤  十ト l  ハ   ヽ
     ̄|   {   示芸 \ |示芸!   }   〃    ギュッ
      j   Y\|廴 リ    廴リ,!リ ノ 
     /    廴 ///   /// | }
      {/ヽ|\、, > ___ _-__,  イN/    「京。じっとしてて……」
           /  〉 | 〉、 "
         /`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
        ,'   |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
        l    !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
        └t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ      「ウッヒョォォォォーーーッ!
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/         なんだか知らないけど白姉がデレてるッ!」
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 ーーこっちはそれなりに相性がいいらしい。


 カン!
225 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/05(水) 22:11:48.35 ID:/f8etpB+o
 投下終了
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/05(水) 23:08:10.08 ID:I844UhhAO
はぁ…シロさんかわゅ…
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 00:21:44.20 ID:qN6KciIx0
乙です
シロさんを抱き枕にして一緒にお昼寝したい…!
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 01:19:29.75 ID:1TRiC+Wb0
乙です
宥ねぇを抱き枕にしてこたつに入りたい(冬限定)
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 22:00:41.81 ID:GtRxgzhUo
ちょっとこれは読み直さないとな、お疲れ様です
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 23:00:37.45 ID:YpDTJVtEo
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 23:16:15.41 ID:mhyv4cJq0
宮永姉妹がクォーターという重大な情報がさらっと判明したんだけど
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 02:39:18.53 ID:a1uFHiyz0
判明しても別に二人のおもちが大きくなる訳でも無いし
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 03:13:59.61 ID:/ZnJqn0Ko
おもちがクォーターだろ
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 07:26:57.88 ID:mHAa1H7R0
うわ、誰だこんなとこにミンチ捨てたの

きたねぇな
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 14:52:01.74 ID:rywv2iBtO
おもちはクォーターもないだろ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 19:51:33.60 ID:ixR5yqcIO
咲さんのおもちがクォーター
……咲さんのおもちは本来の1/4しか表に現れてなかった?
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 20:13:24.27 ID:gC9KdB18O
まあ、京ちゃんと咲ちゃんがいつも盛ってる事実は変わらないよ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/07(金) 20:22:58.95 ID:59anNxdDO
一応名前とハーフってことは分かったし、これでおかんに出番が来る可能性が微レ存?
239 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 22:59:29.02 ID:vI7KhSS7o

 1/10

 【新事実判明!】-みやながけ次元-


 かわいいかわいい須賀咲ちゃんです!

 このスレの名前を言ってみろぉ! 京咲スレです!

 最近同人界隈でも京咲が出ていて大満足な須賀咲ちゃんです!

 そんな咲ちゃんに新事実判明!


 「京ちゃん、クォーターだよ、クォーター!」

 「?」

 「もー! 京ちゃんったらおバカなんだから」

 「えっ、なに言ってんの」

 「クォーターって言ったら、アレでしょ?」

 「クォーターパウンダーチーズ?

  あれ、美味しいよな」

 「そうそう咲ちゃんも美味しく……って違うでしょ!

  ほら、もっと人間に当てはめて!」

 「ドラゴンクォーター?」

 「空を見に行く……じゃないよ!

  もー! わざとやってるの?」


 京ちゃんの胸ぐらを掴んでゆらゆらしているのに暖簾に腕押し。

 あまり興味がないみたい。


 「自分のお嫁さんがクォーターなんだよ?」

 「ああ、咲がクォーターってことね」

 「さっきから言ってたじゃん!

  誰かさんがクォーターパウンダーチーズとかワンコインの神ゲーとか言っててさ!」

 「わりーわりー」


 全く反省してる素振りが見えないよ!

 ほら、早く咲ちゃんかわいいして!


 「つまり、咲は海外の血が混ざっていると」

 「そーだよ!

  男の子にとってそーいうのってかわいいポイントなんじゃないの?」

 「えー……?

  でも咲だしなァ」

 「なにそのずさんな対応!」

 「本ばっかり読んでる日本の文学少女がクォーターって言われても……」


 うぐぐっ。言い返せない!
240 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 22:59:58.96 ID:vI7KhSS7o

 2/10


 「ほら、実は伏線が張られてるんだよ!」

 「えっ?」

 「それではここで咲ちゃんクイズです!

  宮永咲ちゃんは……」

 「須賀咲だろ」

 「えへへ……。そうでした!

  じゃない! 誤魔化されないよ!

  咲ちゃんは誰もが認める文学少女ですが、その中でも特に好んで読む分野はなんでしょう!?

  制限時間は10秒です!

  10、9、8、7、4、3、……」

 「海外ミステリーだろ。

  何年付き合ってると思ってるんだ」

 「えへへ……。

  そーだよね長い付き合いだもんね!

  ってネタ潰しするのやめてよっ!」

 「それで?」


              ,. . ―――. .、
             ,. :´ : : : : : : : : : : \
            /: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
          .': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
         /:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
         /' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
            {: :/从 ○   }/ ○ }イ|: 从
           W乂{ ""      "" ム':/
              人 u r‐ - ‐v  人}'    「『海外』ミステリー好きということでひとつ……」
              >`二二´<
            /::::::::::{   r/:::::::::\
             ∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
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: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「無理があるだろ……」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
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241 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:01:13.36 ID:vI7KhSS7o

 3/10


 「もー!

  京ちゃんは可愛いお嫁さんにクォーター属性がついて嬉しくないの!?」

 「別に、咲は咲だろ。

  そんなの気にしないよ」

 「うへへへへへ……!

  ……はっ! それじゃダメだよ! 嬉しいけどダメなの!」

 「嬉しいならそれでいいだろ……」

 「ほら、名前とかに絡めてさ!」

 「いやまぁ、それ言い出したら俺の名前なんて散々ネタになってるけど日本の中心だぞ」

 「なんか巫女さんに拉致される気がするからその話題はダメっ!」

 「どうしろと……」


 もー! 京ちゃんは相変わらず女心がわかってないんだから!

 そこはおとなしくクォーター咲ちゃんかわいいしておけばいいの!

 ほら、早くぎゅっとして頭を撫でるの!


               ̄ ̄ ̄
         ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
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.   /:: : :|: : : : i{   __   \{ ,イ庁不、〕/   }: : : : : :.
  /__! ト、: : {ィ芹示、     乂:ソ  ′ 人: : : : : :
     八| \{  乂ソ          ,r: :´: :|: : : : : ::    「話は聞かせてもらった」
       /: : ∧    `         /: : i: : :|: : : : : :i
       .′::/: : .       _     _: : : :|: : j : :! : : l|
      .: : :/: : :个    `    イ〔_: : リ: /|: : |: : ::リ
     : : : :l/ i|: :! : : :≧. . .-r ´    ヽ\/: !: :ノ,イ:/
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      〔′  ヽ〔 _,. -‐ ' |     /    γ⌒ヽ
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  ´ ̄ ̄   il : :八: : :|″ ._)::::::hi}    ヽ   ._)::::::h}   |: /: : :/ : : |
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       |i : : :|l`ハ  `ー       ,      ─‐ :' /: : ,イ: : :|: ,
       |i ,: :∧    """"               """"  厶イ'/:|i /|/   「来ると思ったよ!」
       l/|: : :人__                     ,__/: ル' '′
         { |: 八: : 从        ー─         /: : /'′
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        '     \ ト、: ,   _,   ─   ノ   , : : /
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242 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:01:42.72 ID:vI7KhSS7o

 4/10


 そうだよね。

 私がクォーターということはお姉ちゃんも同じだもんね!


 「これはつまり私と京ちゃんは結ばれる運命。QED」

 「途中計算式全部吹っ飛ばしたね!?」

 「とりあえず京ちゃんお菓子」

 「はいはい。

  まぁ照さんは咲よりクォーターっぽい面影がありますよね」

 「やっぱり私がナンバー1。

  ふんす」

 「ム……」

 「それにすれ違う描写では明確に胸の大きさの差を強調していた。

  これはつまり私の方が胸が大きいのは確定的に明らか」

 「京ちゃん! 騙されちゃダメだよっ!

  あれくらいならPADで騙せるんだからねっ!

  服の上から胸のサイズなんてわからないんだから!」

 「そんな咲はシャワーシーンで絶壁なのが確定している。

  つまりどうあっても私の方が上」

 「ムー!

  Aカップは希少なんだもん!」

 「はいはい。

  喧嘩しないでください……」


 なにさなにさー!

 京ちゃんは私よりお姉ちゃんに甘いんだから!

 お嫁さんがいじめられているんだから助けてくれてもいいでしょー!


 「というわけで京ちゃんと熱い一夜を……」

 「……ふふっ、お姉ちゃん。

  お姉ちゃんはクォーター設定で失われたものがあるんだよ?」

 「咲の胸は失いようがないね」

 「今その話題は関係ないでしょ!?」

 「そんなものはない。

  私と京ちゃんは限界チャレンジで結ばれている。これは公式」

 「……でもね、お姉ちゃん」

 「?」


 お姉ちゃんはとっても大事なことを忘れている。

 そう、お姉ちゃんのアイデンティティに関わる話だ。
243 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:02:12.50 ID:vI7KhSS7o

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              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
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    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/    「クォーターの天照大神って意味わからないよ?」
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
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.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
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.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
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人_    u              j.: .:|
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i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/    「……!?」
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
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  / ヽ >   |    ノ / ∧


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
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244 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:02:41.41 ID:vI7KhSS7o

 6/10


 「お姉ちゃんは自ら繋がりを捨ててしまったんだよ」

 「そ、そんなことはない」

 「というか、二人とも血筋なんだなぁ。

  よく似てるよ」

 「私に妹はいない」

 「私にお姉ちゃんはいないもん!」

 「まぁまぁ、喧嘩しない喧嘩しない……」


 ふーんだ。おねーちゃんなんて知らないもん。

 京ちゃんだって知らないもーん。


 「ほら、そんな脹れるなって」

 「ふにゅっ。

  ほっぺたつつくなぁ」

 「京ちゃん京ちゃん。私にも」

 「照さんはまた今度です。

  ちょっとお嫁さんをかまいますね」

 「わかった」


 あれ? お姉ちゃんがやけにあっさり引き下がった。

 いつもならやってもらうまでじーっと京ちゃんの前で待ってるのに。

 それに、なんだかんだでお姉ちゃんより私を優先してくれたことが嬉しい。

 まー、当たり前だよね! お嫁さんだもん!


 「私は子供達を見ておくから」

 「照さん、お願いします」

 「えっ?」


 お姉ちゃんがふらふらと手を振りながら去っていく。

 そこまでしてくれるとは思わなかった。

 これは久しぶりの夫婦水入らずなのかな?

 えへへ、京ちゃんに甘えてもいいよね。


 「もー、京ちゃんはもっと反応してくれてもいいのに」

 「だってなァ。

  クォーターってもっとこう、ボンキュッボンのイメージがあるから……イデデデデ」

 「そんなことを言う口はこれか! これか!」


 もー! 甘やかしてくれるんじゃないの!?

 なんで茶化しモードに入ってるのさ!
245 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:03:10.55 ID:vI7KhSS7o

 7/10


 「意外っちゃ意外だよ」

 「でしょ」

 「まー、正直咲の家族関係ってほとんど知らなかったしな」

 「高校の時に初めて言ったんだっけ」

 「おう。初めて聞いたよ。

  それがなくても咲は咲だし、その、一緒にいるのが当たり前みたいに思ってたから」


 ?

 ……!?

 これはデレてるのかな!?

 あっ、京ちゃんが顔を逸らして頭を掻いてる!

 これは照れてるサインだ!


 「えへへー」

 「なんだ急に」


 なんだか嬉しくなって頭を胸板にこすりつけてみる。

 最近、こんな風に恋人っぽい甘え方してなかったんだもん。


 「私もその辺りの家庭環境、聞かないでいてくれた京ちゃんが嬉しかった」

 「そっか」

 「麻雀部に入った時、お年玉取られたこと教えたでしょ」

  その時、京ちゃんなんて言ったか覚えてる?」

 「……なんだっけ?」

 「もー!

  『くだらねーこと』って言ったんだよ」

 「……あ、ああ。そーだったな」

 「あれ、すっごく怒ったんだからね」

 「そりゃすまなかった」

 「でも、さ。

  そーいう環境を聞いても同じ立ち位置で茶化してくれたことが嬉しかったんだ」

 「……そっか」

 「父子家庭とか、普通の人だったらちょっと距離を置かれちゃうし」

 「そっかぁ?」

 「そーだよ。

  こっちが気にしなくても、あっちが気を遣ってくれるの」

 「(咲にそこまでの話をする友達いたっけか?)」

 「和ちゃんとか優希ちゃんだよ!」

 「えっ、声出てた!?」

 「顔を見ればわかりますー!」


 お嫁さんだもん。

 京ちゃんの顔を見れば失礼なことを考えてたってことくらいわかるよっ。
246 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:03:39.61 ID:vI7KhSS7o

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 「咲も照さんも麻雀つえーわけだよ」

 「そうかな」

 「そーだよ!

  麻雀プロと小さい頃から打ってたんだろ。

  すげーよな!」

 「私は実感ないなぁ」


 受け入れられるようになったとはいえ、あれは私の中でのトラウマだ。

 すべてを肯定的に捉えられるようになるまでにはもっと時間がかかりそうだ。


 「英才教育ってやつ?」

 「今思えばそーなのかもね。

  お姉ちゃんはプロになったし」

 「それじゃ、咲をプロにさせなかった俺は実は恨まれてたのかな。

  結婚するって言った時とか、内心怒ってたり」

 「それはないんじゃないかな」


 京ちゃんには言わないけれど、お母さんは私に対しての興味を失っていた気がする。

 それこそプラマイゼロを始めて、お姉ちゃんを連れて東京に行った時には……。

 この辺りに言及するとちょっと胸が痛くなるから忘れよう。


 「……あー、それはそれとしてな」

 「うん?」


 なんとなく察してくれたのか、雰囲気を変えてくれた。

 京ちゃんのそういうコミュ力、本当にすごいと思う。

 そんなところが好きなんだよ。えっへん。

 本人には言えないけど……。


 「界さんはお義母さんと結婚したわけだろ?」

 「まぁ、私たちが生まれているわけだし」

 「それはハーフと結婚したってわけじゃん!

  くー、羨ましいー!」

 「ム……」


 脇腹を突く。

 でも、あまり強くはしない。

 京ちゃんが話題を変えようと道化を演じてくれているのはわかっているからだ。

 それはそれとして嫉妬してしまうのは仕方ない。

 でも、あのお母さんだしなぁ。


 「……それとは別に、すごく気になることがあってさ」


 今更何を言い淀んでるんだろう?

 意を決したのか、京ちゃんは呟いた。
247 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:04:09.86 ID:vI7KhSS7o

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              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人
               }イ/|\        /      「界さんはハーフの麻雀プロとどーやって知り合ったんだ?」
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
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          个 . ー― ‐'   个从{     「そ、そういえば……」
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248 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/07(金) 23:04:39.80 ID:vI7KhSS7o

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    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!
.          | ヽ        ィイ:::::|      「点棒も精も搾り取られてな……」
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


 カン!
249 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/07(金) 23:05:15.90 ID:vI7KhSS7o
 みやながけ次元崩壊の危機かと思った
 母親の名前は宮永アイさんでいいのかアレ?
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 23:19:41.62 ID:dXJ+OMCyo
ほんの一時期だけプロだったドイツ人雀士と結婚する界さんの謎よ
少し上の世代はきちんと結婚できてるのになんでアラフォーは…
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 23:20:16.83 ID:dXJ+OMCyo
ドイツ人じゃなくてハーフだったなスマン
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 23:35:00.87 ID:6eci8sMZ0
乙です
咲ちゃんはAカップじゃなくてAAAだと思うの
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 23:55:59.67 ID:t8k4IBb8o
点棒が隠語にしか思えん…
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 23:57:34.84 ID:uIhiezIoo
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/08(土) 00:44:24.29 ID:axQsHjJa0
乙!
今後の展開によってはみやながけ次元Rebootの恐れもありそうww
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/08(土) 01:02:08.42 ID:IhLr2wIA0
乙です
照と咲は大魔王モードを超えればおもちが4倍(or+4カップ)になるんかな?
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/09(日) 20:20:40.41 ID:BQwqBcYDO
ゼロにはいくつかけてもゼロやで(無慈悲)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/09(日) 21:41:10.89 ID:R/UrDTcLO
クォーターだったとしてもおもちはクレーターだよ
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/09(日) 22:47:14.81 ID:aMmX8gSg0
(おもちの大きさが平均の)クォーター姉妹か…
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/10(月) 09:17:40.99 ID:Ral2A8JDO
そういえば最近ネキとセーラ見てないなーと過去スレ見ながら。
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 16:33:35.73 ID:wglfN94m0
え? マジでお母さんハーフなのか? 京太郎は金髪云々でハーフだったりクォーターだったりにさせられてるけど
そこからエイちゃんと親戚とかよくある2次設定とか
262 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:14:20.78 ID:xHTfa5k5o

 1/10

 【清澄カルテットとっても好き】-単発次元-


 最近、誤解が広がっている。

 主に『京ちゃんが私の面倒を見ている』という話だ。

 全く以て納得できない。誠に遺憾である。


 「そこのところの修正を求めるよ!」

 「そんなことを言いに来たのか」


 麻雀部の部室でビシッと京ちゃんを指差す。

 そんな反応をしても今日は負けません!

 隣にいる和ちゃんと優希ちゃんがポカーンとしているけど気にしない!


 「でもなぁ。

  咲ちゃんだし」

 「そうですね。

  咲さんですし」

 「優希ちゃんならともかく和ちゃんまで!?」

 「最近、迷子になった貴女を探しているのは誰だと思っているんですか」

 「う、うぐっ、言い返せない」

 「そーなんだよなー。

  最近は和が探してくれるから楽で楽で」

 「やはり前からこうだったんですか?」

 「おー、そうだよ。

  全く咲はあの時とか……」

 「わーわー!

  その話はなし! だめー!」


 開口一番、みんなに否定されてしまいました。

 ちょ、ちょっと迷子になるくらい別におかしくないよ!

 わかりにくい建物の構造が悪いんだよ!

 私は悪くないもん!


 「そういう普段の咲ちゃんを見ていれば、中学時代もなんとなく想像出来るじぇ」

 「失礼だよっ。

  そんなことないもん」

 「そこに須賀君がいるわけですし、実際に聞いたほうが早いのでは?」

 「それはダメッ。

  そんなことしたら京ちゃん有利に話すでしょ!」

 「失礼な。事実しか話さねーよ」


 嘘だ。どーせ私が悪者みたいに喋るんだ。

 もうこーやってからかわれるのは今日が最後だよっ。京ちゃん覚悟!
263 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:14:50.62 ID:xHTfa5k5o

 2/10


 「まず、私が京ちゃん依存症じゃないことを確認するよ」

 「お、おう」

 「最近は迷子になっても和ちゃんが来てくれるから違うよっ」

 「その発言は何の解決にもなってないのでは」

 「私依存症になってるだけじゃないですか」

 「いつか和ちゃんにiPS棒生やされちゃうじぇ」

 「そんなことしませんから!?」

 「そ、それは置いておいて!

  そもそも中学時代から京ちゃんが私に依存してたんだよ!」

 「えー、俺がー?」

 「何だか意外です」

 「ほほぅ。

  それは京太郎を弄るネタが出来そうだな!」

 「アレェー!?

  一転して味方が消えたっ」

 「ふふん」


 そうだ。

 京ちゃんが私のあんなことやこんなことを知っているように、私も京ちゃんの痴態を知っているのだ!

 これで状況は五分だよ!

 それどころか、普段から私の……その、ちょっぴりドジなところを見ている二人は京ちゃんの話に興味津々。

 特に悪友の優希ちゃんは気になるみたい。

 これは私有利と言ってもいいんじゃないかな!?


 「まず、みんなも知っての通り京ちゃんはお昼ご飯を私と一緒に食べます!」

 「そういえばよく一緒に食べていますね」

 「レディースランチが好きなんだっけか?

  京太郎のくせに生意気だじぇ」

 「うるせー。

  なんで男はレディースランチを頼めないんだ。男女差別だ」

 「そう!

  京ちゃんは私がいないとレディースランチを頼めないんだよ!

  これは一つの理由に当たるよ!」


 どやっ。

 綻び一つない完璧な理論!

 まずは牽制の一発でみんなを味方につけるよ!
264 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:15:19.63 ID:xHTfa5k5o

 3/10


               /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
             /´> ´   ,    }      \
             , ´    /     :    、   ヽ
            /     /  '      |  |   ∨    :.
          ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
                / '   ' / |{ |    / /| }  l  |    |
           // / { |-+-|、  | ,-}/-}/- /  }    {
             / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_   从
            ̄´  |∧  {  Vリ ∨'   Vり /' /- }  / }
               / 从ム   ,      ム,イ-、/l ,
                  :.            r ' /|/
                 八   __ _     / /     「和ー。レディースランチ頼んでくれー(棒)」
                     、         イ Y
                    \___  イ   |ヽ
                   「 、 |    r <///|
                   |/}_」    |//(_)//|_
               , <///〈      ,」////イ////> 、
          r--- <////////∧   /////////////////> 、_
         //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ
          {//|////////////Y   |////////////////////////}
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. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!    「仕方ないですねー(棒)」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
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ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ


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.    /: : : : : : : : |: : : |/´l.八_|: : :| |i : : :||八: : : :|/|/\ヽ: :i: :| : : : : :.
   /: : : : : : : : : |: : : |ヽ:斗====ミ|.八: : : |  斗====ミ、 X: i|: : : : : :i
.  / : : : :__|: : :i|: : : |〃 ,イ斧心 ′ \: |    笊i心.  ヾ | : リ: : : : : :|
  ´ ̄ ̄   il : :八: : :|″ ._)::::::hi}    ヽ   ._)::::::h}   |: /: : :/ : : |
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       |i : : :|l`ハ  `ー       ,      ─‐ :' /: : ,イ: : :|: ,
       |i ,: :∧    """"               """"  厶イ'/:|i /|/
       l/|: : :人__                     ,__/: ル' '′
         { |: 八: : 从        ー─         /: : /'′      「だ、ダメダメダメっ!」
        |/  \: : \    /´        ヽ     ,イ: /
        '     \ ト、: ,   _,   ─   ノ   , : : /
                 ヽ \:>         _ <: /
                     ヽ: : 〕   ─   〔: :/l: /
265 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:15:49.17 ID:xHTfa5k5o

 4/10


 「お、どーしました咲さん。

  咲さんが頼んでくれないから和に頼むだけなんだが」

 「別に頼まないとは言ってないじゃん!」

 「京太郎!

  この優希様が頼んでやろうか!?」

 「持ってくる途中でタコスに代わってそうだから」

 「そうですね……」


 なぜか二人は呆れ顔。

 優希ちゃんは京ちゃんに飛びかかって抗議している。

 なんで私が弄られているのかな!?


 「いや、咲がそんなに嫌がっているとは思わなくてさ(棒)」

 「そうですね。仕方ないですから私が頼みますよ(棒)」

 「嫌だとは言ってないじゃん!

  これはあくまで京ちゃんが私に依存していることの証明で……。

  もー!

  次に行くよっ、次!」

 「(逃げたな……)」

 「(咲さんかわいい)」

 「(京太郎京太郎。横の雌に気をつけるんだじぇ)」


 ま、まだまだネタはあるもん!

 京ちゃんのあんなことやこんなことを知っているんだから!


 「ほら、麻雀部入りたての時の話だよ。

  和ちゃんや優希ちゃんとご飯を食べたいから混ぜてくれって私に頼んでたじゃん!」

 「ほー、そんなことを言ってたのかー。

  優希ちゃんとご飯を食べたかったのかー」

 「優希は入れてなかったけどな」

 「表でろー!」

 「ふむ。須賀君は私とご飯を食べたかったんですか?」

 「あ、いや、その……」


 あ、京ちゃんが恥ずかしがってる!

 これは追撃チャンス!


 「京ちゃんはコミュ力高いって言われているけど、なんだかんだで私に頼ってるんだよね!

  私をダシにして話のタネを作ったりもしてるし。

  ほら、やっぱり私がいないとダメなんだよっ」


 ーー決まったっ!!

 これならみんな納得するはず!
266 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:16:18.23 ID:xHTfa5k5o

 5/10


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |     「次から私に直接言ってくださいね。
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !      一緒にご飯を食べましょう(棒)」
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Y              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从    「おー、そーだなー(棒)」
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{      「(なんで……?)」
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |
267 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:16:47.20 ID:xHTfa5k5o

 6/10


 「ちょっとどうしてそーなるのかな!?」

 「えっ、だって咲はダシにされるのが嫌だったんだろ?」

 「私としても須賀君やゆーきとご飯を食べるのは何も問題ありません」

 「全く、のどちゃんのグラマラスボディに釣られるとは。

  発情した犬は困るじぇー」

 「うるせー。

  逆に考えろ。

  和が悪くね?」

 「うむ。一理ある」

 「ゆーきまで何言ってるんですか!?」

 「も、もー!

  私の話を聞いてよー!」

 「わかってるよ、咲。

  これからはお前に頼らなくても和を誘うからさ(棒)」

 「そうですね。咲さん抜きでも仲良くできるように頑張ります(棒)」

 「いやー、私がのどちゃんと京太郎の仲を取り持たなきゃいけないなー(棒)」

 「だ、だめだめだめー!!」


 なんでそーなるの!?

 京ちゃんは私に頼りきりじゃないとだめでしょ!


 「咲ちゃん、なんでダメなんだ?」

 「そうですね。

  部員同士の仲が良くなることはとてもいいことですよ」

 「つーか、咲が麻雀部に来る前から知り合ってたんだけどなー」


 うぐ、うぐぐぐぐ。

 で、でもそれは高校に入ってからだもん。


 「それは高校に入ってからでしょ。

  中学時代の京ちゃんがおっぱいを追っかけてた時は違ったじゃん!」

 「うわぁ、京太郎……。

  ドン引きだじぇ」

 「須賀君、さすがにそれは……」

 「咲ィ!

  形勢が悪いからって事実無根なことを言うなよ!?」

 「ホントのことですー!

  ハンドボールの応援に来てたチア部の人の鼻伸ばしてたじゃん!」

 「いつの話だよ!

  時効だ時効!」
268 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:17:16.79 ID:xHTfa5k5o

 7/10


 「つまりそうしていたのは事実ということですね?」

 「あ、いや、その……」

 「ほら、京ちゃんは私に依存してるんだよっ!」

 「いや、それはそれでおかしいじぇ」


 なんだかたくさん自爆した感じもするけれど、これにて大勝利!

 京ちゃんは私に依存している、QED!


 「そーやってさー。

  私なら何してもだいじょーぶって思ってるでしょ。

  ほらー、合ってるじゃん」

 「いやまぁ、そう思ってるのは否定しないけど」

 「ふーんだ。

  都合の良いときばっかり頼ってきても知らないもーん」

 「えぇ……。そこまで言わなくても」

 「でも、話を聞いていて須賀君も咲さんのことを信頼しているのがわかりましたね」

 「本当だじぇ。

  意外と咲ちゃんがいなかったら探し回るんじゃないかー?」

 「あー、否定できねーや」


 ーー!?

 きょ、京ちゃん。なんでこんな場所でプロポーズしてるの!?

 だ、だめだよそういうのはやっぱりデートの後に綺麗な夜景が見える場所で!


 「ゼッテー迷子になって彷徨ってるだろうし……」

 「ああ、私でも探しますね……」

 「清澄麻雀部全員で探すじぇ」

 「なんで私が悪者になるのー!」


 こんなの絶対おかしいよ!


 「それにしても、須賀君はハンドボールなんてしていたんですね」

 「『サッカーとか野球なんて一般人がやるやつダセーよな!』って言ってマイナー競技に走ったんだよね」

 「お”ま”っ!?

  それ教えるか!?」

 「ほほぅ。

  咲ちゃん、そういう系をもっと話すんだじぇ」


 えー。

 他になんかあったっけ。

 そんなの覚えてないんだけどなー。
269 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:17:45.54 ID:xHTfa5k5o

 8/10


 「『大人の味ならブラックコーヒーだぜ』って言ってむせてたり」

 「おい!」

 「のどちゃん京太郎を抑えるんだじぇ」

 「こうですか?」

 「へっ、高校生男子を女子高生が抑えられると思って……。

  柔らかいっ!?」

 「ム……。

  他にも!

  『夜の学校に忍び込むぞ!』とか言って私を付き合わせたりとか!」

 「やっぱり発情してるじぇ」

 「……学校」

 「のどちゃん?」

 「『女子の球技を見に行きたいから付き合えよ』ってダシにしたりだとか」

 「わー、京太郎。

  その辺りはやりすぎだじぇ」

 「最後はしてねーから!?

  あれは別のやつに誘われただけだからな!?」


 あれ、思ったら京ちゃんの面白い話いっぱいあるんだよね。

 ふふん。なんだか勝ち誇った気分。


 「殺せ……。

  いっそ殺せ……」

 「犬よ。

  死んだらその腕の感触も味わえなくなるじぇ」

 「俺、生きるよ」

 「やっすいな……。

  咲ちゃん咲ちゃん。

  他にもないのかー?」

 「まだ続けるのか!?」

 「えー、あとは何かあったかなー」


 割と毎日が刺激的だったからたくさんあるんだろうけど、いざ思い出そうとすると難しい。

 うーん、他にもあったっけ。


 「京ちゃんって結構モテてさ」

 「……え”。咲ちゃん、嘘はいけないじぇ」

 「でも、確かにモテそうですよね」

 「ほらなほらな!?

  わかる人にはわかる俺の魅力!」

 「でも、その話から何に繋がるんだ?」


 えー、あとこれくらいしか話がないんだけど。
270 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:18:14.91 ID:xHTfa5k5o

 9/10


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  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |    「それなのに、告白されたら胸が大きい子相手にも断るんだ。
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://      『好きな人がいるから』なんて嘘まで言って、ヘタレだよね?」
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
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: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ
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 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l
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-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----
  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__
           `ー-、_ 〜〜〜'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄   「はいはい、ごちそうさまだじぇ……」
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
271 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/10(月) 20:18:43.90 ID:xHTfa5k5o

 10/10


 ……
 …

. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
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!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////    「それはそうと咲さんの非常ベルをピンポンダッシュしましょう!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


   / : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : /     | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
.  / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト .,   | : : |  |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
.  .: : : / : : : :   | ::八 : : : : /{/,.斗=ミ.  |: : / |< ̄:|: : |:::∧: : : : :.
  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :W ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
       |: :\! : : : : : : : : :,              ,.,.,  : : : : |/
       |: : : : : : : : : : : : : :, u   ゝ    ,      } : : : |
       |: : : : ::|i: : : : : : : : :              イ : : :/    「あー、薬が切れたみたいだじぇ」
       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
.          ,r‐=ニニ二二二\           〈二ニニニニニニ┐ :/
.           /  -=ニニニニニニニ.\        ∧ニニニニニニニ.!∨ /
.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //     「(『Aカップ 非常ベル』でググってはいけない)」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 カン!
272 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/10(月) 20:19:13.06 ID:xHTfa5k5o
 おもちクォーターとかクレーターとかみんなセンスありすぎる…
 読み直してくれるとか超嬉しい。ネキとセーラは書きたいんだけどね…。ネタがない
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 20:24:43.48 ID:WcIV8FvuO

ネキとセーラはネタが被りそうだから合わせてやるとかは?
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 20:31:55.08 ID:BKinT3jLo
乙です
京咲はいいなあ
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 20:32:19.34 ID:hWdRV7R10
乙!
みやながけシリーズも読み直すけど、霞色の空が凄い好きでよく読んでるわ
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/10(月) 20:45:43.94 ID:Ral2A8JDO
乙です。
この次元にももちろん例のお三方はいるんですよね?
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 23:02:08.57 ID:Ob6HFfS/O
乙ー
笑えるのどアコが好きだけど、霞色の空の霞とはっちゃんの和解が一番好きだね
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 23:49:26.96 ID:u5PC3MJlo
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 00:21:20.20 ID:TTkArYono

おもちクォーターとか言うからピザが食べたくなったじゃないか…そういやピザも平べった(ゴシャアッ
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 01:11:16.13 ID:1jcPhoD80

シリアス切れて元に戻ったか
霞色が好きだな
京竜次元で金の斧 泉=道頓堀、泉の精=泉、のど、あこ、すこ、カーネル人形(呪)が入って泉と阪神がバグる
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 08:12:23.66 ID:zt1HhwUA0

オチ村じゃない和とか逆に新鮮で良いなぁ、と単発次元だとノンキしていたらお薬の力だったのね……
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 08:50:45.69 ID:dclinK4A0

何の話が好きかと聞かれれば俺はのどっち(アラサー)と霞色の二強
京ちゃんのイケメン感が強いからか?
283 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:15:11.72 ID:WCItu6Dro

 1/10

 【動物に例えてみよう】-単発次元-


 いつものように平和な清澄麻雀部。

 大会のための熱気も薄れ、同好会のようなまったりとした雰囲気で部活を行っている。


 「京ちゃんってさー」

 「んー?」

 「犬みたいだよね」

 「……犬?」


 そんな中、咲が爆弾発言をする。

 一年四人組はいつも仲が良い。

 誰かが中身のない話をしだせば、みんながそれに乗ってくるのだ。


 「咲ちゃんわかってるじぇ!

  犬は犬! 間違いないじぇ」

 「うるせー。

  俺のどこが犬なんだよ」

 「ご主人様のために尻尾を振ってるとこだじぇ!」

 「なんだとー!

  お前の方が尻尾振ってそうじゃねーか」

 「何をー!」


 いつもの漫才コンビが軽い取っ組み合いを始める。

 とはいえ、本気で組み合いをしたら優希が京太郎に勝てるはずもないので、軽いじゃれ合いのようなものだ。

 それをやれやれと遠目で見る和に対して、咲はなんとも言えない表情を浮かべていた。


 「咲さん、どうしました?」

 「んー、京ちゃんは犬なんだけど、優希ちゃんが言うのとはちょっと違う気がする」

 「そうですか?」

 「他のみんなは何になるのかな」

 「のどちゃんは牛だじぇ。間違いないじぇ」

 「ああ、間違いないな」

 「誰も否定意見がないね」

 「どこを見て言ってるんですか!

  民主主義の暴力は反対です!」


 思わずカッとなって椅子から飛び上がる和だが、他のみんなは納得してしまっている。

 もちろん視線は和の胸に収束する。

 うん、これは仕方ない。
284 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:15:41.45 ID:WCItu6Dro

 2/10


 「そうやってみんな私を弄っていればいいと思っているんですから……」

 「のどちゃんは真面目だから弄りやすいんだじぇ。

  もう少しはっちゃければ弄られなくなるじょ」

 「はっちゃけ……ですか?」

 「あー、確かに。

  キャラが濃い人って弄れないもんね」

 「咲なんかは弄りやすいんだけどな。

  うりうり」

 「もー、やめてよー。

  京ちゃんだって薄いじゃん」

 「俺がぁ?

  これでもクラスの中心人物なんだぜ?」


              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::.
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |    「キャラというより存在が薄いというか……」
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从       「ぐえーっ!」
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\
//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧


 ーー悔しいけれど何も言い返せなかった!


 「確かに、特にインターハイの京太郎はどこにいるのかわからないくらいだったじぇ」

 「うん。

  なんか席座らないで立ってたし」

 「あのなぁ、俺もあの女子だらけの場所は結構居づらかったんだよ!」
285 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:16:11.19 ID:WCItu6Dro

 3/10


 「そういえばケーキバイキングにも行こうとしませんでしたね」

 「ああいう甘いの、京ちゃん好きそうなのに」

 「男のくせに甘いもの好きとか情けないじぇ」

 「男子差別だー!

  いいだろ、俺がそういうの好きだって」

 「京ちゃんって小さい頃お子様ランチ食べてたでしょ」

 「うるせー!

  お子様ランチが嫌いなお子様なんているか!」

 「私はその時からタコスを食べてたけどな!」

 「私はあまり外食をしませんでしたので」

 「あんまり味方がいないっ!?」


 確かにこの清澄麻雀部内ではキャラが薄いかもしれない。


 「それで、犬の話と何が繋がるんだよ」

 「そうだじぇ。ご主人様の褒美をもらいたくて尻尾を振ってるのが京太郎だじぇ」

 「そうですね。

  咲さんはどう思ってるんですか?」

 「こう、家に帰ってくるときに扉の前で待ってる感じかなぁ」

 「なんだかわかる気がします」

 「俺ってそんなイメージなのっ!?」


            ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ
           ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
         .': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : :
         /: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:|
        .' : : : : : : : : : |: : : : : : :W:{´ 从}: : :\
        |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Y:{ー'
        |: : : : : : : : : : :Y: : : :从 マソ  乂_〉
          ,: : : : : : : : : :r \∧: : \     }
         |: : : : : : : : : 乂 `    ̄      /   「私たちがどこかに行っても、最後には京ちゃんのとこに帰ってくる。
         Y:∧: : : : : : : : ー 、      ´, 
        从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/     それに京ちゃんは待っててくれる。そんなイメージがあるんだ」
              ∨ `ヽ: : {     ,
                __}Y    {
           / ̄一-- ̄ \  |`ヽ
          /  ,..:::―- 、 \ \ ∨}∧
        /   /::::::::::\:::\ \ \'/ }
         {   /:::::::::::::::::::、:::::` 、   ヽY
        、  ,:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::..、  〉
            Y::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::r<_{:、
            {::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::| |::::::::}
            |::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::| |::::::::|
          ` T¨¨ヽ、:::::::_」::::::::::::::{__}::::::,
            |     ̄| ::::::::::::::::::::::::::::::|
            |      | ::::::::::::::::::::::::::::::|
286 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:16:40.75 ID:WCItu6Dro

 4/10


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //      「……!?」
                _ヽl\       //イ__
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 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
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.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
       |: :\! : : : : : : : : :,              ,.,.,  : : : : |/
       |: : : : : : : : : : : : : :, u   ゝ    ,      } : : : |
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       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :   「おおぅ、咲ちゃん爆弾発言だじぇ」
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
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       l/|: : :人__                     ,__/: ル' '′
         { |: 八: : 从        ー─         /: : /'′
        |/  \: : \    /´        ヽ     ,イ: /
        '     \ ト、: ,   _,   ─   ノ   , : : /
                 ヽ \:>         _ <: /
                     ヽ: : 〕   ─   〔: :/l: /
287 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:17:09.70 ID:WCItu6Dro

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 「優希ちゃんや和ちゃんだって言ってたでしょ。

  部室にきたら安心するって」

 「そ、そんなこと言ってないじょ」

 「そ、そうですよ。覚えがないです」

 「染谷先輩とか竹井先輩はやっぱり先輩だし、やっぱり京ちゃんのおかげなのかなぁって」

 「さすがに面と向かってそう言われると恥ずかしいな……」

 「ぐぬぬ……、調子に乗るんじゃないじぇ!」

 「ゆーき、そんなことを言ってはいけませんよ」

 「ううっ、それじゃあ私は動物に例えると何なんだじぇ?」

 「お前はタコスだろ」

 「むしろ名誉だな!」

 「お前はそれでいいのか……」

 「そうなると、最後は咲さんですね。

  一体なんでしょう?」

 「寂しくと泣いちゃうからウサギと見たじぇ!」

 「な、泣かないよ!」


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八    _ _   人     「咲は猫だろ?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
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    {///////}////////////////∨'//////////////|//|
      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
      |///////|/////////////////l///////////////|//}


 決して大きい声ではない。

 でも断言するその声に、部室が静まり返った。
288 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:17:38.93 ID:WCItu6Dro

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 「ぅひ。

  何言ってるの京ちゃん!?」

 「意外だじぇ。

  咲ちゃんに猫っぽいところなんてあるかー?」

 「咲さんが須賀君のことを断言したんです。

  須賀君の咲さん評も気になりますね」

 「えーっ?

  普段から猫っぽくないか?」

 「私たちにはあまりわかりませんね」

 「そうだよっ。

  別に猫っぽくないでしょ」

 「咲ちゃんはなんで猫っぽいって言われてそんなに焦ってるんだじぇ?」

 「むしろ猫なら可愛くていいと思いますよ。

  私なんて牛ですよ……」

 「私なんて生物ですらないじぇ」

 「だってさー。

  咲って気まぐれじゃんか」

 「「あー」」

 「なんで二人とも納得するの!?」


 京太郎に挙げられた理由を聞いて二人は納得した。

 そう、咲は文学少女らしい外見とは裏腹にマイペースなのだ。

 友達にお昼ご飯を誘われても気分が乗らなかったら行かない。

 それどころか誘われたことを忘れて昼寝する。

 一人でうどんを食べて幸せに浸る。

 大人しい咲のそんな一面は、二人にも深く刻まれている。


 「でも、それだけじゃ理由としては弱いですよ」

 「そうだじぇ。

  咲ちゃん大人しいし、猫っぽい人ってもっと振り回す感じのイメージがあるじょ」

 「えー?

  咲って結構振り回してこないか?」

 「ちょっと京ちゃん!?」


 咲が止めようとするが時すでに遅し。

 京太郎は話を続ける。
289 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:18:07.63 ID:WCItu6Dro

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           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/     「コイツ、自分の甘えたい時にばっかりすり寄ってくるんだよ。
               从      '     八/
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__       そのくせこっちから構ってやると離れていくし」
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
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               ,..-‐:.':.´ ̄:.`:.ー.、
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
           /:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::、.....:.、::::、:.:.、::..:.\
             /:.:.:...:;:.:.::::::i :i:::: i::......i::...i......i...   \
          i:.:.::::::i :i..::;i_;:!-、ハ:::::i:::}-トi、::i:::::i:... ヽ
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             ヾ!、::ヽ ヽ!ヾ ""::::::::::::::::::::"" i:::,、::::|       「わーわーわーわー!!!」
            ヽ、:`:ー:::、   ! ̄ヽフ   /,ノ \i         ,、
               ヽiヽi、` , 、 ` ̄´ /             /./ /フ
       r、            ヽ|  ` ーイー-――ァー,-、    _   /./// ,.-,
.   ヾヽ.  | i     _,....-‐:.:'〔'   _/:.:.:.:.:.://  ヾi  |i ノ ´ ∠- '/
   ,...__ヽ丶 | .!  ,イ、、:.:.:.:.:.:.:.ト._´/:.:.:.:.:://   r-、|  | ´ 、    ∠.._
   `ー-、`ヽ`  Vヽ.,、 、\:.:.:.:.:i   /:.:.:,;.:."イ  | /  ゙、  ヽ   ヽ  ,ィ―ー‐'
   ⊂二     ー' ,イ >ー`ー-ヽ./-‐"-‐'ノ==  レ'     ヽ√i    ,ノ
      ヽ /   / .V `ー-┬'`i'ー―'´  ヽヘ      ;ヘ,メ、   /〉


               ____
         ,.' ´        `  、
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       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l l―‐ {(リ八「―‐メ、 彡个rイト、
      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト    '         _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    _     ,ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |     「」
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
.     }/:.:.   . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V  / ∧
     i':.:.:.. . . .: : :∧Y:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
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    _八     j:.:.!:..:|..  : : : :     ノ{    {
   { i   ヽ、._  |:.:.:.:.:|::         ,イ ヾ、_  |
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290 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:18:37.22 ID:WCItu6Dro

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 「おおぅ、咲ちゃんはそーだったのか」

 「そーだよ。

  中学の時とか部活で疲れてる時に限って本の話してくるし」

 「京ちゃん!?」

 「いろいろ終わって帰るかーってなったら寄りかかって寝てくるし、動けねーの」

 「へー、そーなのかー」


 咲が顔を真っ赤にしているが、京太郎は苦労話を語るのを辞めはしない。

 優希は少し楽しんでいるが、和は真顔だ。


 「かといって一緒にメシ食おうって誘っても来ねーじゃん」

 「わかるじぇ。

  私とのどちゃんも約束ブッチされたし」

 「ご、ごめんね?」

 「それじゃ何してるのかなーって見てると木に寄りかかって寝てんだぜ。

  あぶねーのなんの」

 「咲ちゃん咲ちゃん。

  うら若き乙女がノーガードすぎるのは問題だじぇ」

 「だって本読んでたら眠くなって……」

 「子供かお前は……」


 咲の無防備ぶりに呆れる部員。

 しかし、同時に疑問が浮かんでくる。


 「京太郎はなんでそれを知ってるんだ?」

 「え、大丈夫か心配で見回ってんだよ。

  最近はお前らがいるからあんましてねーけど」

 「京太郎。やっぱお前は犬だじぇ」

 「はぁ?」


 京太郎もどうやら自覚していないらしい。

 周りはいい迷惑だ。


 「つまり、基本こっちから構おうとすると本読みたいって言われて、忙しい時にこっち来るんだよ」

 「あー、間違いなく猫だじぇ」

 「最初は猫のイメージがありませんでしたが、猫で固まりました」

 「ううっ、だってぇ」

 「だっても何もないだろ」

 「うぐぐ」


 弄りすぎたのか俯いてしまう。

 とはいえ、長い付き合いだ。あまり気にしてはいない。

 さて、そろそろ話を変えようかと思ったところーー
291 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:19:06.85 ID:WCItu6Dro

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            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉     「だって、夜に京ちゃんが素っ気ないとなんだかムラムラして……」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |


/r"´`ヽ ./   / /i  / / i   |  : : :!: ! : : : : :l O   l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、  ノ/   /  l i  ,ハ ハ |  i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ
/ l:/: :ゝ イ!: : :|!: :/|i: : i-!-| !:、: |、!: :|;ナ |: ハ|`!、!|: : !: : : !:|: i: : : i ハ : : i
 |': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ!   ヽ! ゙、!  |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
 !: : : : |、/゙:\:! \:|   _,         、      リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l
  i: : /; : : : :/ :::::::::::::::::         ::::::::::::::::::  //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、    「あー、はいはい。せーのっ」
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----
  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__
           `ー-、_ 〜〜〜'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄
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./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
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. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////     「こいつらいつも盛ってんな!!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
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292 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/13(木) 18:19:35.72 ID:WCItu6Dro

 10/10


 ……
 …


 ・別次元で電波を受信した宥


              , r ───−- 、
           r '´ : : : : : : : : : `ヽ、
         ./ : : : : : : : : : : : : : :\
        / : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ
       ./ : / : : / : : : : : :|: : : : : : :ハ: : :ヽ : ヽ :ヽ
      / : / : : : /: : : : :l: ::j: :|: : : : : | }: : : :ヽ: ::ヽ : ヽ
      / : :{ : : : ::{: : : : :ノ:ノ}:::ル: : : : リ、}::ハ: : ヾ,: ::}: : ハ
     .{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
     ! { : :! : : : :!: : :ノ':/`/' .j: : : ://  .リ |: 外|: :l: : ト|
     .|::l : ::| : : : |:/,r=≠ミ /: : ノ ' ,r=≠ミ/ |リ:: :| :ハ}
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     .|::| : ::|: : : ::| ヾゝ//ソ       リ゚/ソ‖!: : ::Y|
     .|::|: : :l: : : : |  , , ,      ,   , , ,  .j:::: : :|:|
     !:l : : :{: : : :{                l: : : :|::!
     }::l : : :l: : : ::{               .j : : :リ: |    「玄ちゃんは亀かな……」
     .}::i : : :l: : : ::ト、.     ⊂⊃    .ノ: : : ::j: :|
      l: 〉: : :〉: : : :V>、         rl'´リ: : : :/: リ
     .} :∧: : :W、: :ゝ、_.|_` ー __, ィr<、: |:/': : ::/ : /
     ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ   ̄ ` ヽ、{ _, r'  フ: ::/:: /
   / : : :r‐'ヽ: : : : ∧           /:/: : :∧、
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.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
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    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |     「ふぇっ?」
.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
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       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
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       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|


 ーー亀は万年、待ち続ける。



 カン!
293 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/13(木) 18:20:04.18 ID:WCItu6Dro
 こま盛を見たいってリクがあったし京咲書きたかった
 霞色の空が人気で意外だけど嬉しい。またあんな感じのシリアス書きたい
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/13(木) 20:45:34.17 ID:836J06zdO

タイトルを見て読み始めたら、一行目の「清澄麻雀部」を「清澄動物園」に空目した
飼育員の京太郎が頑張る話かな?
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/13(木) 21:37:12.62 ID:V/OvAHVk0
おつー

そうか、クロチャーは玄武だったのか……
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/13(木) 23:36:02.12 ID:qvfVyahdo
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 00:19:02.73 ID:zuRx4LkEo
玄武チャーとな
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 01:33:17.23 ID:PhEi/4yE0

クロチャーは玄(クロ)猫で宥も猫(こたつ)淡も猫(気まぐれ)、霞さんは牛でシズは犬、のどあこは兎(365日発情)だと思う
ある日、目が覚めたら各次元で獣耳が生えていた(イタコとはやりんとアラフォーの余波)
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 02:54:28.79 ID:bFfwZ3fWO

ネリーも猫だよね警戒心強いとや懐いたら甘えてくるとことか
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 07:40:32.75 ID:+/sAIVVA0
>>もう少しはっちゃければ弄られなくなるじょ

あっ……(察し)
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 08:40:36.85 ID:jTvW9+W10

ガチで1万年とか寿命がもつなら待ってそうなクロチャー重カワイイ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 12:22:49.99 ID:I6F+KhDmO
八千年過ぎた頃からもっと恋しくなっちゃうのかな?
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 16:46:23.89 ID:XrBkU/fgo
一万と二千じゃないので⊂(・∀・)⊃セーフ
304 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:15:24.62 ID:0X66KYFzo

 1/10

 17
 【マホ、先輩のために頑張る】-単発次元-


 高校生になるということはどういうことだろうか。

 少なくとも今までの中学生活よりは少しだけ大人になったということだ。

 大人にとっての一つ違いと青春時代の一つ違いは大きく違う。

 みんな年上のことを大人だと思いこんで成長していくのだ。

 そう、彼女にとってみればみんなが頼れる先輩であり、大人だった。


 「マホ、またチョンボだじぇ」

 「ひえぇ」

 「全く、何年やっているんですか」


 清澄高校麻雀部。

 彼女たちがインターハイで名を上げてから二年後の話。

 夢乃マホは憧れの先輩たちを追いかけて同じ高校に来た。

 すでに少し有名になっていた清澄高校麻雀部には知らない人たちが多くいたものの、それでも彼女は楽しかった。

 元よりレギュラー争いとは無縁の身。少し悔しくはあるけれど、毎日が楽しかった。

 そして彼女が毎日を楽しんでいる理由がもう一つある。


 「うーっす。遅れたー」

 「京太郎! 遅いじぇ!」

 「ゆーき。

  須賀君にも事情があったんでしょう」

 「わりーわりー。胸の大きな新入生を追いかけてたらこんな時間に」

 「ゆーき」

 「部長権限でタコスの買い出しを命じる!」

 「ふふふ、そうくると思ったぜ。

  部長、お納め下さい!」

 「なぬ、すでにタコスを持ってきているとは……。

  お主も悪よのう。賄賂の褒美にのどちゃんのおっぱいをやろう」

 「やったぜ。

  和、部長の許可は出たぜ」

 「副部長(わたし)の許可は出ていないからダメです。

  というか新入生に示しがつかないからやめてください」


 憧れの先輩たちのコントを見守る。

 自分と同じく清澄高校に進学した室橋裕子もそうだ。

 もはや日常の一環となっているコントに呆れている。


 しかし、マホの目に映るのは先輩たちのコントではない。
305 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:15:53.60 ID:0X66KYFzo

 2/10


 「じー」

 「どしたんだ、マホ」

 「にゃ、にゃ、にゃんでもないでしゅっ!」

 「いや、めっちゃ擬音付きでこっち見てただろ」

 「マホ、口に出してました!?」

 「おー、出してたぜ。

  マホはあざといなー」


 あうあうあうと顔を真っ赤にしてしまう。

 友人たちや先輩がこちらを見ている。これもまた呆れ顔だ。


 そう、見ての通り夢乃マホは恋をしている。

 その相手は二つ年上の先輩。須賀京太郎だ。

 別に何か特別なイベントがあったわけではなかった。

 麻雀部に入って、自分の憧れの先輩と親しい男の人がいて、なんとなく目で追っていた。

 理由はそれだけだった。気づいたら先輩よりもその男の人が目に入るようになっていた。


 「あ、あざとくないですっ」

 「そっかー?

  まぁ『じぇじぇ』言い出す奴よりはマシだよなっ」

 「私がこの語尾を辞めたらただの釘宮になるじぇ。

  アニメ銀魂最終話の釘宮みたいな標準語で喋っていいのか」

 「むー」


 とは言っても、戦果は芳しくない。

 彼にとってマホは一人の後輩に過ぎない。

 誰にでも親しい彼は奥手なマホにもびっくりするくらいのアグレッシブさを見せるが、その想いに他意はないのだろう。

 『親しい後輩』以上の想いはないだろうし、彼は誰にでもこのように接するのだ。

 特に親しいのが自分の憧れの先輩の一人、片岡優希だというのもなんだか複雑だ。

 もちろん先輩同士の仲がいいことは悪いことではない。

 しかし、わかっていても、自分の中に感じたことのないドス黒さが湧いてくるのを感じる。

 今までまともな恋愛をしてこなかったマホはその感情に折り合いをつけられない。

. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
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: : : : |                 ,':´:!: : . .!   「……」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ
306 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:16:22.95 ID:0X66KYFzo

 3/10


 ……
 …


 ・その日の夜

. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
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i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
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i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////    「マホ! 須賀君を落としましょう!」
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


           /: :.:.:;:.:.:.|:.:.i:.:.;、:.ヽ:. :゙、{::::::::::_;::--‐┘
         /: : ./:.:.i:. :.:| :.|、..! ヽ:.ハ:.:.:.Y´ ̄:::`ヽ、
       /;.:.:.;イ:|:.:.|:|:.:.|、:.!、!ナ´i:.|ー!:.:.:゙、:::::::::::::::/
       i:イ i i|:A:.川:.:.!ヽ! ;=≠ミ、リi:.:.:ト、::::::/
        |:!|.:.|:.!リ ,.ゝ=ミ、!   f:::::i ゙i |ノ-、:.Y
       !|.!:人:|イ f::ヽ....:::::..弋ン.    ⌒ }:.|
  .f'i 「ト、  メレ:.:.ヾ ! ゞン::;:::::::::: " "  __ノ:.:|
n i | i i | |:|:.:.:.:.:.:.i " " _,..-‐'^ヽ   人:.i:.ト:!    「うえぇぇぇ!?」
.| U ゛ |、 | |.:.:.:.:.:.:.!、  !   ,.--┘ /  ヽノ
.ヽ    ! 〉レ|.:.|:.:.:.:.:.|`ー-二´,.==ミ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
 _!,..--、_.|  |:/!:.:.:.:ト!   / ̄`ヽ ヽヽ        `ー、
 |::::::::::::::::i  |ハ:.:.:.:!  /-‐ニ二 \ヽヽ       \
 .!_;:--―┴、   \:|!  !-‐'´     ゙、゙、゙、        \
  |     rへ   ゛ /  ,..--―   〉 ゙、゙、        ヽ


 憧れの先輩に呼び出されたと思ったら、なんか言い出した。

 少なくとも自分の知る憧れの先輩とはかなり違った。


 「ど、どういうことですか!?」

 「マホは須賀君のことが好きなんですよね」

 「な、なんでわかったんですか!?」

 「ふふふ、モテカワ系女子高生テクニックを身につけた私に隠し事は出来ませんよ」

 「す、すごいですっ」


 マホは自分の内心が見通されて心底驚いていた。

 少なくとも、この思いは誰にもバレていないと思ったのだ。


 「やっぱり原村先輩ってモテるんですよね……」

 「どうしたんですか、マホ」

 「羨ましいです。

  マホも原村先輩みたいに美人だったら……」


 巷の男子高校生が悩殺される犯罪ボディ。

 ちんちくりんの自分は憧れていた。というか、同年代のみんなが憧れている。

 原村和は完璧超人。上級生から下級生までモテモテ。

 もしも自分もそうだったのならば、京太郎は振り向いてくれただろうか。
307 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:16:52.48 ID:0X66KYFzo

 4/10


 「そんなことはないですよ。

  マホだってとっても愛くるしくて可愛いですよ」

 「うう、原村先輩に言われても」

 「須賀君だってマホのことを可愛いって言っていましたから」

 「本当ですか!?」

 「ええ、ですからマホはもっと可愛くなりましょう。

  せっかくの女子高生なんですからオシャレが大事です」

 「原村先輩ってオシャレですよね。

  やっぱり気を遣っているんですか?」

 「私もマイノリティな趣味を持っていましたが、最近は親友がアドバイスしてくれているんですよ」

 「親友?」

 「ええ、その子もとっても可愛くて流行の最先端を進んでいるんです」

 「ほぇぇ」

 「五年連続でランキング1位らしいですよ」

 「なんのランキングですか?」

 「そこまではわかりません」


 ……
 …

                _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、
             , '´: . . . . /. . . . . . . . . .ヽ
            /:;ィ´: : : : :/: : : : : : . . . .ヽ. .\
        _,-─tァヽゝL:_/_:,': : : : : :|: : : : . . .゙ . . ヽ
      ,〃,r‐'7ハ: レ!__,'_ : ;イ | : : : /!!: : : : : ヽ. l . . .、
      /:〃  l: ト、|:.|: ハ Tハ!:|: : : :{ ||: : : :.|: |:゙. .!_l |ミヽ、
     ,':./   !: |: :|::LL_ヽ| !:||: : : ! |'T:‐:-|、: :|: ト、 !| \:ヽ
     ,':/    .|:.:|: :| ハチ≧ト、|ハ: : :!土_ヽ: :|: |: !:.|. .ヽ!!  ヾ.、
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     i!:|  \\:|:゙、| |:ヽ:|:>、_ .... -≦|:.:.:.| !:.:.:.|,.'/:.:∧      .|:.|   ※プライバシー保護のためのモザイクです。他意はありません
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    ハ:ト:l   Lf~ヽ `_ヽ_:!|ヽ    ||、-、ヽ:_L`_r"∠!: :!:∧    |:.:!
   ,' :|::!ミ、 | >、ゝ.|´ヽ ヽヽ:ヽ-、 ,.r!::>‐'{ | |ノ|ノ7: |:.:.ヘ.   ,':.:|!
   |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`|::::\_ヽ_!__! .| /|: :.!:.: ∧ ./:.:.:!i!
   |i| !:|  |\,ゝ       |: :ヽ  |::::/´   /` ̄ヽ: |:.: :.∧/:.:.:.:||i!


 …
 ……


 「その人から教わった女子高生としての立ち振る舞いをマホにも伝授しましょう」

 「本当ですか!?」


 マホとしては願ったり叶ったりだ。

 憧れの先輩に自分が近づける、そう考えるだけで気分が高揚してくる。

 須賀先輩だって原村先輩のような女の子っぽい女の子の方が好きなはずだ。


 「マホ、ギャルになりますっ」


 かくして、一人の少女の成長が始まった。
308 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:17:21.10 ID:0X66KYFzo

 5/10


 ……
 …


 「須賀先輩、須賀先輩!」

 「なんだマホ?」


 聞きなれた呼び声に反応して振り向くと、そこにはマホがいた。

 相変わらずちんまいし、どこか彼と馴染み深い少女を思い出させる。

 だから彼もなんとなくマホにお節介を焼いてしまうのだ。


 「マ……ホ……?」

 「どうですか、先輩!」

 「いや、どうと言われても……」

 「マホはギャルになりましたっ!」


 そこには立派にギャルになった……とは言えない。

 なんだかよくわからなくなっているマホがいた。


 まず、上下がつけまつ毛だ。

 身長や長さを合わせてつけまつ毛にしているわけではないし、マホ特有の雰囲気の幼さが抜けていないせいで異様な姿だ。

 そして、金髪のウイッグをつけている。染めていなくてよかった。

 さらに、胸元が開いている……を通り越して和の私服によく似ているものを着ている。

 いや、和がやっていても問題だが胸が咲レベルのマホがやったらそれはもうモロ出しだ。

 どこぞの永水女子のお方を思い出すレベルである。

 さらに、よく見るとネイルをつけている。星マークなどで煌びやかだ。

 さらにさらに、顔はいつものようなナチュラルメイクではなく濃い化粧をしている。

 最後に極めつけて、キツめの匂いの香水をつけている。

 一通り眺めて、京太郎は結論づける。


 「マホ、それはギャルじゃない。

  年増のおばさんか何かだ……」

 「ええっ!?」


 マホは混乱してしまったのか、思わず振り向いた。

 その視線の先をよく見てみるとーー

       {   !         ____ |
ィ彡三ミヽ  `ヽ         ,.' ´        |
彡'⌒ヾミヽ   `ー   {少′  / ,i  l ト、 |
     ヾ、       Y    /// | l| | ハ|
  _    `ー―'  イ   / | { | 从、| }|
彡三ミミヽ         { | l |ィ爪 {(リ八「ノ.|
彡'   ヾ、    _ノ.リ、_! l リィチfト::::::::::::'行|
      `ー '      l_,以 { ヒtリ:::::::::::::::ヒz|
 ,ィ彡三ニミヽ  __ノ...「 l 「ト'"   '     '|
彡'      ` ̄      } } ハ   -=-   |
        .___ノ ./ /,イ| |l>、    ,ィ|
   ,ィ彡'       / /リ |:! !仏ィ_〕¨   . | 、/
ミ三彡'       /⌒/ / r廾 .|「{: |-、  __| |  /
      ィ=- '   〈 イ ∧V /:.:.: :|__´__(二つ/
    ,ィ彡'.      ..} } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /(二⊃―、
  / /.       /.j/ }`ー冫j\:.:.:|  /.:: ト、二)
彡'     __,ノ    ト ン′`ヾ >-r'< `ト-' \
309 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:17:51.20 ID:0X66KYFzo

 6/10


 OK。原因はわかった。

 アレが何を考えているかわからないが、あの異様を見るにアレが原因なのは間違いない。

 アレで身内の不幸を喜ぶ人ではないので、おそらく何かやらかしているのだろう。

 しかし、ここで一つ問題が判明する。


 「(どうやってマホを傷つけずに元に戻せばいいんだ)」


 そう、これである。

 マホも何だかよくわからなくなってるみたいで涙目だ。

 ここで後輩を説得し、かつ前の状態に戻すにはどうしたらいい。

 少し考えたが、あまりいい案は浮かばない。


 ーーええい、こうなればヤケだ!



: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /    「俺は前のマホの方が可愛いと思うぞー」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


     /: : : : : : : : : : :`ヽ、 /::::::::ヽ
  //:.:.:/:.:.:./:.:,:.:.:.::... :. .y'::::::::::::::|
 / / //.,イ.i:.:.;イ:.:.i:.ハ:.:i:.i:.:.:i:::ー=ニ二
 !./:.:i:.|:.i |ハ:.:| |:.:.!:|、|:.:!:.!:.:.:l:::::::::::::::|
 |ハ.:.:|:|:.!',二、! ヽハ|_|ナiメ!:.:.:|ヽ :::::::/
  |.i:.ヽ!ィf,´`!   'f,´`iヽ:.:リ:.:ハ:/
  |:|..:.:.| Uー'′,  ーU !ノ`)'
  |.|.:.:.|:! ""      "" ,、.イ|
  !;!、.:.!:i゙' 、  ~´~   /:.;ノ'"    「……本当ですか?」
  ノハ:.:|、!-ヘ〕ー-‐ 'i/ !ノ
 /⌒ヽヽ  `ヽ-、 ,_!ー-、
 !   i |i    ヾ ̄|  |iヽ


 ーーチョロかった。
310 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:18:20.10 ID:0X66KYFzo

 7/10


 ……
 …

 そんな記憶は、マホにとって苦い思い出だ。

 あれから数年。マホは成長した。

 あの時のように背伸びしているのではなく、自然に大きくなったのだ。

 ーーもっとも、肝心な部分は成長しなかったが、そこは置いておこう。


 「せーんーぱーいー!」

 「……マホ?」

 「はい、起きてくださいっ」

 「お前、また勝手に入ってきて」

 「そんなこと言うなら一人でちゃんと起きられるようになってくださいっ」


 大学生になったマホは、京太郎を追いかけて進学した。

 勉強も苦手だったけれど、一生懸命頑張った。

 結局、高校1年間では告白できなかった。

 しかしマホは諦めきれず、ひたむきに追いかけ続けた。

 麻雀もあの時に比べれば少しは上手になったはずだ。トレースだって頻度が上がった。

 そして何よりーー


 「ほら、朝ご飯できてますよ」

 「いつも悪いな……。

  ってそこまでしなくていいのに」

 「いいから早く食べちゃってくださいね。

  朝遅れちゃいますよ」

 「お、おう」


 普段は大人しいマホの剣幕に圧倒される。

 かつての後輩らしいマホはもういない。

 そこにいるのはまるでーー◯◯◯、その人そっくりの夢乃マホだ。


 「それじゃ、私は本を読んでいますから」

 「マホって本好きだっけ?」

 「ええ、須賀先輩がいなくなってからいろんな本を読むようにしたんですよ」

 「へー、えらいな」

 「最近は海外ミステリーが好きなんです」

 「ミステリー?

  恋愛小説とかかと思った」

 「えへへ」


 京太郎は気づかない。

 なぜマホが本を読むようになったのかを。

 京太郎は気づかない。

 なぜ海外ミステリーを読んでいるのかを。
311 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:18:49.05 ID:0X66KYFzo

 8/10


 「それにこんなにいろんな種類のおかずを作るの大変だっただろう?」

 「でも先輩、レディースランチが好きだって言ってたじゃないですか」

 「なんだか悪いな」

 「ふふ……」


 先輩が好きなものだって知っている。

 だから気を遣って色んなものを作ったのだ。


 ここ最近、マホは変わった。

 ナチュラルメイクを覚え、幼い外見ながらも色気を出している。

 自分の魅力を損なわないワンピースなんかを着てみてアピールすることもある。

 ちょっぴり勇気を出してスカートを短くしてきたこともある。


 そして色々と試してから、マホは一つの結論に達した。

 それらの格好をしつつ、とある仕草を取れば彼はこちらを気にかけてくれる。

 それも後輩や妹に向ける目線ではなく、明確に女として意識しているのがわかる。


 「最近のマホ、麻雀上手くなったんですよ。

  須賀先輩にも負けません!」

 「へー、チョンボはなくなったのか?」

 「ちょ、チョンボは治りませんけど。

  人の真似が上手くなったんですよ」

 「ああ、そういうの好きだったな。

  じゃあ和や優希の真似もできるのか」

 「意識しないとできないですけれど……」


 そう、その二人は意識しないとできない。

 しかし最近、あまり意識しなくてもコピーできるようになってきた人がいる。

 それは彼があえて挙げない名前の人のこと。


 ーー◯◯◯


 「須賀先輩にも見せてあげますからね」

 「?

  おう、マホが強くなったなら少しやってみるか。

  サークルでやればいいしな」

 「はい!」


 元気に返事をして、愛想よく笑う。

 ーーああ、いけない。ここはこうじゃない。

 もっと不機嫌そうに、それでも内心は嬉しそうにしないと。
312 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:19:18.66 ID:0X66KYFzo

 9/10


 「えへへ、見ててくださいね。

  マホの『嶺上開花』」

 「咲の真似かー。

  あれも高校生の時にやってたよなー」


 そうだ。もっと完璧にコピーしよう。

 もっと先輩に依存してもらって頼られるようになってからが本番だ。

 先輩が誰かに頼る癖をつけてしまえば、あちらから声をかけてくる。

 そうしたらちょっと素っ気なく対応しながら、それでもちゃんとこなしてあげる。

 友達はいらない。なるべく少ないほうがいい。

 マホもまた彼しかいないように、閉じたコミュニティの中でいたほうがいい。


                         ___
                       ´       `丶、
                   /             \   /\
                   .:: :: :: :: / :: :: :: /:: :: :: :: ::\ :: :>'´   |__
                    /:: :: :/:: :: :: :: / / :: :: :: |:: :: :: ::く     │
                //:: ::/:: :: |:: ::/|:: :: :: :: |: | :: :: :: ::.〈_  __/
                  i : : :: :: :: 八\ |│:: :: ::|/|::..:/|:: :: :ヤ ⌒\
                  |:| :: ::|::|: |≫‐ミト|:: :: :: j斗|七|:: :: ::.|    〉
                  |八:: ::..|Y ん゚い 八:: ::N≫ーミ|:: :: ::.|   /
                   / :\:从弋:::ツ  \| ん゚いノ:: ::/:リ   〉
                     / :: :: ::(| 、、、   ,  弋:::ツ7イイ\/
                  / :: :: :: :从            、、、/_ノ:│
                ;: : | :: :: :: | \  (  )    イ:: ::.:|│     「ーー『京ちゃん』」
                 |: 八ト、 ::.:| _,,〕ト  _,,... <:: :: :: ::人|
                 |/∠⌒\]I⌒∀   厶イ::/]/
              xz‐=ニマ  \┃ ∧   \〕く_
           〈/_   ̄\_ ┃   ー-、 ‐リ  ニ=┰x
          ___/  `ヽ ∨^〉|┃   マ⌒∨    ┃|∧
         /   〈_ノ }__ノ //|┃    , /       |│
.         / 〈  │ }ー   マ  / i|┃    ∨       ┃|   \
       \ ヽ、{ _λ    `≪__i|╋━━__厶__━-   ┃|    \
         ー宀ー'^ー=ミ  `ヽ ̄ ̄  V7⌒ニ=ー╋|/
                 |个ーァ'’     爪    / ̄
                 [ノ          { |ハ  〈\


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ    「?」
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、



 「マホ、なんか言ったか?」

 「いえ、なんでもないですよ」


 ーーいつかこの言葉を使えるようになるまで、彼の側にいればいい。
313 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/14(金) 22:19:47.39 ID:0X66KYFzo

 10/10


 ……
 …

 ・高校時代


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |    「咲さんのことを教えて欲しい?
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |     任せてください!!!!!!」
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


                                     ,ィぃ
                     _, -――- ,_      ,ィマママム
                   ,  '": : : : : : : : : : : : : ` ,  ,イママママム
                   /.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :vママママママム
               ,: : : : : :/: : : :/: : : : : :ヽ: : : : /マママママママム
                  /: :/ : : //: : : :/: : : :ト、 : : 丶: :付寸ママママママム
              /: :/.: : :///| : : |: : : : |: :丶 : :ハ: :寸マママママメメ、
              |: :l : : _jレ代ト、: :ト、: : :.ト、 ,ハ: :ト、i: : 寸ママママママ
              |: :| : : |    ハ|∧  l ` 'l: :l: :l: : : 寸マママママ
             人∧,ハl         \l   l: :i: :| i : : :.寸ママママ
                l : : 刈,r==く      ,zx、ノノイ / : ::/`マママ
                | : : : :| l/l/  ,     ⌒ヽ.   レ⌒Y
                | : : : :|   ┌ ―┐  l/l/l ノんノ
                | : : ,仆、   マ. 丿     rく__/|    「よろしくお願いしますっ!」
                l : : !i ト、「>rf^h_, ィ ノ|人|: :/
               /イ: :|寸〈V j i  |   i匕>、 レ′
               人| ,rく〉V l i  | ̄>′  \`
                    〉 i_〉⊥i, hく      ∧
                  ∧/ ,r一'   |rヘ、   /ヽ',
                  / r| 〈 / ̄ヽ  >く   l∧
                   / 〈 \レ': : : :/ `ヽノj_, /  !
                    /  | `ー\::/      ̄`ヽ ト一
                  V     ∧        `|
                 V     / \         |
                〉ー<     \    , イ
                /           >---く  |


 カン!
314 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/14(金) 22:20:16.69 ID:0X66KYFzo
 京ちゃんを求めて咲ちゃんの私生活を完全にトレースするマホください
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 22:23:01.19 ID:YXx+UU3wo

なんか怖いww
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 22:24:09.12 ID:g3x3CVG4O
乙です
まったく出てこなかったけど、咲はどうしてるんだろうか…
そして、モザイクがある方が卑猥ないつも通りの一位
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 22:27:20.36 ID:9YhO5b3AO

五年連続でランキング1位ア〇チャーはついにモザイクがかかったかww
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/14(金) 22:46:32.08 ID:dFp88Kfh0
乙です
世界一位さんはスゴイですねw
マホちゃんは……頑張れと言っとく
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 22:48:45.65 ID:KVfoZUHOO
乙です
咲ちゃんの真似をしてるマホじゃなくてありのままのマホちゃんが好きなんや
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 22:54:11.63 ID:gZnvuXEzo
あれに師事するしかないという絶望
知らないとはかくも悲しきことか
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 23:20:20.01 ID:UFeVwW0F0
乙です
やっぱり自分のお題が書いてもらえると嬉しいっすね〜
マホちゃん…健気…なのかな?
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 23:34:20.32 ID:sLF/5xo6O
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 23:49:33.14 ID:QukjCcAUo
乙ー
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/15(土) 00:48:10.51 ID:kwj+fN2+0

おもちクォーター因子もコピーしてしまったのか
和のおもち因子+咲の幼馴染ぱわー+タコスの声+久の小悪魔属性+京ちゃんの女子力=パーフェクトマホ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/15(土) 04:22:39.67 ID:8ahdwSZuO
>>324
おい、ワカメのスタンド能力・・・じゃなくて、マトモな人間性を忘れてるぞ。
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/15(土) 13:34:32.83 ID:epUfDjBS0


つまり咲さんを主軸に清澄全員で京ちゃんを共有し囲うことで最高の環境が出来上がる・・・!?(オメメグルグル
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/16(日) 01:03:29.90 ID:CYRWEyXe0
和のおもち因子+咲の幼馴染ぱわー+タコスの声+久の小悪魔属性+京ちゃんの女子力+ワカメの眼鏡(人間性)=マホ完全体?
328 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:37:23.49 ID:0YnPbxt5o

 1/10

 18
 【京穏でオープンキャンパスへ】-京穏次元-


 自分の部屋で携帯を見つめる。

 いつもこの時間は頭を悩ませる。

 そう、京太郎からラインが来ているのだ。

 穏乃としては電話の方が気楽でいいのだが、世間一般的には違うらしい。

 確かに、恋人でもない男女が毎日電話をするというのもおかしな話だろう。

 
 「うーっ……」


 やはり、考えたことをそのまま喋る方がよっぽど楽だ。

 相手の声を聞いてどんな表情をしているのかを想像できないのは難しい。

 文章だけだとまるで怒っているように思われてしまうかもしれない。

 もっと気楽に楽しめればいいのだが、そうもいかない。

 ーー恋する乙女だから


       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
    /: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
  /: :/ : : : : / : /  ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ
  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ
   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
       i:{     、_,、_,、_,    u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ
        ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/  |:∧: : : : /:}
          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi    「恋する乙女かぁ……」
        /::::::::::::ヽjj:::―::: ̄:::::::::::::::::ヽ   }: : / ノ
        /:::i:::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i   !: /
      j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::}  レ'
       l::::::V::::::::::ll::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;
.      j:::::::{:::::::::::ll:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::/


 柄じゃないのは自覚している。

 しかし、そう考えても転がり回らなくなったところは成長したと思う。

 前までの自分だったらこんな風に変わってしまったことを自覚するたびに走り回っていた。

 今は少し落ち着いて携帯を眺めることが出来る。

 まぁ、憧や晴絵がいたならば真っ赤になって反論したのかもしれないが。


 「『今日も勉強大変だったよー』」


 送信するのは取り止めのない話。

 最初はどんな話題がいいか憧に相談していたのだが、今は一人でも出来るようになった。

 日常の話をしているだけでも楽しい。
329 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:37:52.99 ID:0YnPbxt5o

 2/10


 『そっかぁ。穏乃は勉強苦手そうだもんなー』

 「『うるさいなー。京太郎だって麻雀は苦手だろー』」

 『うぐっ、それを言われると弱い』


 こういう弄り合いが出来るようになるまでも時間がかかったものだ。

 このくらいならば相手が不快に思わないと信頼できる。

 その距離感が何だか擽ったくて嬉しくなる。


 『でも、今から大学の心配するなんて意外』

 「!?」


 思わず返信が止まる。

 ーーなんて答えよう?

 あなたと一緒の大学に行きたいからーーなんて考えて顔を赤くしてベッドの上を転がり回る。

 違う、そうじゃない。まだそんなこと言えないよっ。


 「え、えっと、

  『行きたい大学があるから』」

 『そうなんだ。

  どこの大学?』

 「うぇぇぇぇ……」


 ーー京太郎の志望校だよっ!

 そう言いたいのを抑える。言ったところで聞こえるわけではないが。

 どう濁したらいいものかわからない。

 和が京太郎の志望校を聞いてくれているが、イマイチわからないようだ。


 「『東京の方とか』」


 とりあえず、ある程度の学力の目安にしている学校を思い浮かべる。

 何となくそっちの方で京太郎と会いたい気持ちもある。

 送信から数分。既読は付いているけれど返信はこない。


 「な、何かミスった!?」


 焦って追撃をかけようとするが、文面が浮かばない。

 目がグルグルと渦を巻き、混乱の極地に陥る。

 どーしよーどーしよーっとベッドの上を転がりまわっている時に、返信が来た。


 『じゃあ、今度○○大学のオープンキャンパスに行かないか?』

 「……うぇひ」


 思わぬお誘いに変な声が出た。

 ーーもちろん行くよっ!!

 大声で叫びたい気持ちだったが、静かに返信して布団の中に潜り込んだ。

 顔が熱い。でも、やっぱり嬉しかった。
330 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:38:21.78 ID:0YnPbxt5o

 3/10


 ……
 …

. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////    「お久しぶりですッッッッッ!!!!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
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   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
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/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{     「へー、なかなかいいところじゃない」
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .E\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
 /: . : . : . : ./\: . : . : . : \: \   |{x=xハ    乂: .:// / / / `¨¨´:.:}


                 ,........-――--....、
            ,. : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、- 、
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            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |    「(私のヘタレ……)」
              |:/  .        イ_,/イ |:|: : : : : : : :
             }'    `__-r-=≦__」'/::} |:|: : : : : : : : |
               _,/:::::::「 ̄::::::::::_/|__|:|: : : : : : : :/
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331 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:38:51.52 ID:0YnPbxt5o

 4/10


 「穏乃も新子さんも久しぶり。

  つっても穏乃とは結構連絡とってるから久しぶりな気がしないや」

 「うぇひ」

 「あらあらー、しずったら積極的」

 「立派なメスですね」

 「何言ってるんだよー!!」


 二人きりでオープンキャンパスに来ればいいものを、憧と和を誘ったのは穏乃である。

 ーーだって恥ずかしすぎて無理!

 相談した時の憧は本気で呆れた顔をしていた。

 しかし、なんだかんだで付いて来てくれるのは嬉しい。

 麻雀から勉強から、何から何まで迷惑をかけっぱなしだ。


 「まったく、しずったら」

 「なんかあったのか?」

 「それがね……」

 「わーわーわーわー!

  そ、それは置いておいて早く行こうよ!」


 とりあえず声を出して憧を遮る。

 こっちを見てにやにやしている。くそう、やられた。


 「つっても何見るかなぁ。

  やっぱりサークルとか気になるよね」

 「須賀君は運動をしたりしないんですか?

  咲さんからハンドボールをやっていたと聞きましたけれど」

 「もーブランクありすぎて無理。

  でも新しく何かやって見るのも悪くないか?」

 「え……っ」


 京太郎が運動できるのは嬉しい。

 私が走り回っても付いてこれる体力。そんなの京太郎じゃないと無理だ。

 でも、麻雀という繋がりが消えるのも寂しい。


 「しずー、面倒臭いこと考えてるでしょー」

 「わわわっ、何だよ!」

 「そーんな玄みたいなグラビティっぷりで拘束しちゃダメでしょ」

 「してないよっ。

  それに玄さんはこういう重力とは違うだろっ」

 「あー、確かに」

 「穏乃がそういう話をするのは珍しいですね」

 「ここ最近そーいう話ばっかりしてるからねー。これでも立派な女子高生よ」
332 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:39:21.11 ID:0YnPbxt5o

 5/10


 「何の話してるんだ?」

 「なーんでもない」

 「須賀君に麻雀続けて欲しいってことですよ」

 「和!?」

 「せっかく私が気合を入れて教えているわけですからね。

  ……おや、穏乃。どうしましたか?」

 「うぐぐぐぐーっ!!」


 二人して私をからかっているのがよくわかる。

 まぁ確かに東京までわざわざ付き合ってもらっている以上、からかわれるくらい甘んじて受けなきゃいけない。

 でも、いいように取られているのは悔しい!


 「そういうみんなはどーすんだ?

  麻雀続けるんだろ?」

 「そうですね。

  私は大学に入っても続けようと思っていますよ。

  ただ、学業が疎かにならない程度にはなりますね」

 「私もインカレ目指そうと思ってるわよ。

  折角だし大きなサークルでやって見たいからね」


 二人が即答してびっくりした。

 まだ大学生活のイメージができていない私と違って、二人はちゃんと考えているらしい。

 もちろん、私だって麻雀は好きだ。

 でも、私の『好き』は二人とは違う。


 和ともう一度遊びたいから、小学生の頃のように楽しみたいから始めた麻雀。

 それを地元とは違う場所で続けられるのかわからない。

 和ともう一度会うという目標、そして憧も玄さんもいない麻雀部で続けられるのだろうか。

 憧も和もこのオープンキャンパスには一緒に来ているけれど、もっと偏差値が高い大学を目指している。

 もし憧と一緒にやるとすれば、次は敵同士。


 「(そっか。また離れ離れになるんだ)」


 胸が痛んだ。

 前のように奇跡的に集合することもない、本当の離れ離れ。

 これから先は道が交わらないことだってありえる。

 そう思うと胸の痛みが治まらない。


 憧がそんな私を見て溜息を吐く。

 そして声をかけようとしたところを和に制された。

 ーー和?
333 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:39:50.33 ID:0YnPbxt5o

 6/10


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Y              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/    「俺も知り合いがいたら続けるかなァ。
            、__   ´    } イ从/
               |        |/        穏乃とかさ」
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


             . .――┴: <: : : `ヽ、
         , . : :´: : : : : : : : : : : : : <: : : `ヽ
          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: 、: : : \
.       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : \: : : :\
      .´: : : : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : : : :ヽ: : jヽ: : : : ヽ
    ´: : : : : : : : : : : / ヽ : : : : : :ヽ : : : : ヽ:/: ハ: : : : : ヽ
   /: : : : : : : /: : :/:/  ヽ: : : : :}:ハ: : : : : :V: :ハ : : : : : ヽ
   /: : : : : : : :ハ:_:{:{   i:イ: ̄:7ート、: : : : ': /: :}: : : : : : :ハ
   {:{: : : : : :ィl´V: :ハ:{   jノj:/j:ノ }:ハ: : : :!/: : }: : : : : : : : ,
.  {:{; : : : :/: :.{ ヽ:ヽゝ  ノノ  ノニzzj_ V: : }: : 〃: : : : : : : : :',
   iハ: : : : : N _三_       "ん/:心ヾ}: :N:ノ:/ : : : : : : : : : ハ
   ヽ ヽ:ト: i:ヽ〃ん/心      込//ソ "!: } V1: : : : : : : : : : :ハ
    ヽ ヽ\: ゝ弋//:ソ          ̄  }: } ノ } : : : : : : : : : : : '
         {: :ハ   ̄   '      :':':':   }: }イ::::\: : : : : : : : : :!:',   「それなら私も続けるっ!」
       l: :.ハ :':':':  、__ ー一、   U :/::::::::::::::::::\: : : : : : }:.}
          !: :{::ヽ     (    )   イ:./:::::::::::::::::::::::::ヽ: : : : ハ:}
.         ∧: :{::::> _  ー―  イ:://:/:::::::::::::::::::::::::::::::ヘ: : :ハ}
      /::::i: :{::::::::::::::\::::ニ_彡::/彡/::::::::::::::::::::::::/:::::::i: :/ }}
      {::::::Vヘ:::::::::::::::::::ー=ハ彡::":::レ::::::::::::::::::::::;:´:::::::::::::∨ 〃
      {:::::::::ヾゝ::::::::::::::::::::ヽイ:::::::::::::::::::::::::i:::::::::/:::::::::::::::::::} /
      ヽ::::::::::::、::::::::::::::::::::::{ {::::::::::::::::::::::::::i::::::/:::::::::::::::::::::j /


 ーーどうやら、私は私が考えている以上に単純らしい。

 考えるより先に口から言葉が出ていた。

 あっ、憧と和が笑ってる! うるさいな!


 「穏乃はこっちの方に来るのか?」

 「そ、その予定だけど……」

 「それなら俺もこっちにするかなぁ。

  どーせ和や新子さんレベルの大学には行けないし」

 「そ、そーなの?」

 「そりゃ学力じゃ置いてかれてるよ。

  麻雀でも勝てないけどさ」


 今まで私が悩んでいたことをポロポロと話してくれる。

 そっか、京太郎はこっちの大学目指すんだ。
334 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:40:19.15 ID:0YnPbxt5o

 7/10


 「じ、実は私もそうなんだ。

  憧は頭が良いから、大学どうしよっかなって」

 「そーなのか?」

 「うん……」


 しかし、ここから勇気が出ない。

 もう一歩、もう一歩踏み込めれば全部わかるのに、俯いてしまう。

 俯いたまま辺りを見回すが、憧と和は少し離れたところにいる。

 ーーわかってるよ。これは私が自分で聞かなきゃ行けないことだ。


 「あ、あの」

 「なぁ、穏乃」

 「な、なに?」


 意を決して喋った瞬間、声が被ってしまう。

 やっとの思いで出した勇気が霧散して、聞き手に回ってしまう。

 これで話題が逸れてしまったらどうしよう。もう戻す勇気はない。

 ちょっと泣きそうになりながらも話を聞いてみるとーー


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「俺、穏乃と同じ大学行こうかな」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


.        /: : : : : : : : : : : : : : : :\:`丶: : :\
         : : : : : : : ∧: : : : : : : :.|: : : : ':,: : :\: : \
       /: : : : : : : :;′',: : : : :.|: : ト、: : : : ',/.: :':,: : : \
.      / : : : : |:.:|: :|  |: :.}.: :.|: : | ', : : : } : : : ∧ : : : : :..
.     : : : :|: : :|:.:|: :|  |: /: ,.ィ^´| ̄|: : : ; : : :/.: :', : : : : : :..
      i: : : :|: : 」斗‐ト  l//,.ィ示ミ、 |: : :/: /: : : :} : : : : : : :.
      |: : : :|: : :|: x=ミ      {hiい 》|: :/| : : : : ,': : : : : : : : :.
      ∨: : ',: : l《 {i:い     Vrツ 厶イ: :|⌒ヽ: / : : : : : : : : : :.
.        \|\ゝ Vり      ,,   | : |   ,}/ : : : : : : : : : : : :.
.           ハ ,,, ′ ,. -- 、   u | : |_/.: : : : : : : : : : : : : : :.
        __| |   「/    }     ,|: /  | : : : : : : : : : : : : : : : :.
      _┌〈__|: :ト    、   _ノ   / j∧  |: : :/| : : : : : : : : : : : : :.   「ーーえっ!?」
    { (「_}_ノ |: :l n >  ̄ _,. <ニ//l  |: :/ :|: : : : : : : : : : : :|: :|
.    ∧ \ 〈\l.ノ }   「冂ニニ//ニ/⌒丶 |: : : : : : : : : : : :|: :|
   {  \ \| |  ノ7ニ|{_}二二/ニ//    ',: : :.|: : : : : : : : :|∨
   ト、      |//ニニY{ニニニ∠ニ/     } : : |.: : : : : :/: :;
.   \       | l/ニニニ//ニニニニ/      ; : :./: : : : : / : ;′
     \     :|/ニニニ//ニニニニ/      /: :./| : : : : /|: /
.      /  ,     マニニ//ニニニニ/      /l/ l: : :/ |/
     /   ',    マニ//ニニニニ/      /    |/


 ーーそれは本当に予想外の言葉だった。
335 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:40:48.35 ID:0YnPbxt5o

 8/10


 「ほら、知り合いも誰もいないとこ行くの寂しいし」

 「そ、そうだよね。

  私もちょうど良いところに一人で行くの、不安だったし」

 「……」

 「……」


 妙な沈黙が降りる。

 私としては願ったりな展開なんだけど、ものすごく気まずい。

 チラチラと京太郎の方を見てみるけれど、目をそらして頭を掻いている。

 も、もしかして照れているのかな?


 「……サークル見て回るか」

 「そ、そうだね。

  あ、あれ、憧と和は?」

 「……あれ?

  どこ行ったんだあいつら」

 「待って、今連絡して……」

 「……あ、いいや。

  あいつらも積もる話があるんだろうし」

 「?」


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人    「良かったら、二人で周らないか?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
     l//////∨//////////////∧ /.イ////////////|//|

                 __
             . : :´: : : : : : : : :`: .
              /: : : : : : : : : : : : : : : : \
           .´: :/: /: : : :∧: : :ヽ: : : : : ヽ
         /: : / : :/ : : : / ヽ : : ヽ: : :',: :ハ
           /: : :,': : /: : : /,′ }:i: : : !: : : i: : :';\
        ': !: : !: _ハ:{: : ハ!   }ハ: :_:レ: :}}: : : ! : ヽ
        {:i: : :{: :/Tニヽ {!   jイ:ノハハハノ : !:}: :ヽ:ヽ
        i:ハ: :ハ: i/ん:ハ`   ゙ん:ハヽi: :i :ハ}i: : : ヽヽ
           iハ: ハゝ 辷ソ    辷ソ "ハ:レ: ノ: : : : ヽ:ヽ
             /人 !       '       /.ィ:}: : : : : : : ハ:.}
             {:{  ', "" r――┐ "" ′V}: : : : : : : } }:}
          {:{  ゝ,  ヽ  ノ   イ  ∧: : : : : : :/:/
            ,ヾく: ̄::i:::::ェ- --ェ彡!: ̄::::ハ}: : : : : //    「ーーうんっ!」
.           /:::i:::::::::::::ヽ\::YY:/:丿::::::::´::ハ} : : : //
         /:::::::へ┐::::::\:::l l::::/::::::::::::::::j:::V : ノ
         ノ:::/ヽ‐二>、:::::::::`:l l:´:::::::::::::::::::V:::::Vノ
      ノ::ィ::ヽ::`<´,.)::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::!:::::::ハ
       /::/:::\:ヽヽ:::フ::::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::}::::::::::ヽ
.      /:ノ::::::::::::::::ー:Y:::::::::::::::::! !:::::::::::::::::::::::j:::::::i::::::ヽ
336 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:41:17.64 ID:0YnPbxt5o

 9/10


 ……
 …

 阿知賀から東京までは遠すぎるから、観光がてらホテルに泊まっている。

 京太郎も近くのホテルに泊まっているらしい。

 だから、明日は東京巡りをする約束なんかを取り付けた。


 「デート。デートだっ」


 嬉しい。本当に嬉しい。

 まさかこんなことになるなんて思っても見なかった。

 先が見えない辛い勉強のゴールが見えた気がする。

 これならきっと、頑張れる。


 「麻雀だってもっともっと上手くなる」


 京太郎に教えられるくらい上手くなるんだ。

 今までは自分で打つしかできなかったけれど、今度は京太郎と一緒に遊びたい。


 「それに、いろんなレジャー施設にも行きたい」


 やっぱり体を動かすのは好きだから、それもやりたい。

 京太郎は付き合ってくれるって言ってた。とっても楽しみだ。

 ああ、やりたいことが多すぎるよっ。


 「まだまだ時間はあるけれど」


 大学受験はまだまだ先だ。

 それでも、今日の思い出で頑張れる。

 またちょっと憧に迷惑かけちゃうかもしれないけれど、勉強だって頑張るぞ。


 「憧と言えば……」


 まぁ、憧と和なんだけれども……。



  /: :/: : /: : :/: : : : /: /   ヽ: : : : : : ヽ: : : : : :V: : :V: : : : :ヽ
  /: :/: : /: : :/ : : : /: :/    ヽ:、: : : : : i : : : : : : V: : V: : : : : ヽ
 /: /: : :/: : :/< : : ハ: !     }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
 : // : /: : :ハハ:\:! {:{     }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{     ̄/ ハ:ノ  !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
 Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云       〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
    ∨ V: ハヾ{7///}      {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
        ハ:ハ 弋//ソ       弋//ソ イ: !  }:/: : : : : : : : : : :}: :}
       {: :ハ ,:,:,:,:,        ,:,:,:,:,  }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }
       |: :| !      ′       u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
       |: :| ヽ     、_,、_,        /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}   「二人とも、どこ行ったんだろう……?」
      l: :l   >    ヽ ノ      ´ト //  !: : j: : : : : : : : : : W
      ヽ:ヽ   r≧....._  <..-‐: ̄//}  }: : ハ: : : : : : : : : :}
       ヽヘ   〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
      __ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
    /  ll::::::::::::::::::::::::::::〃::::::::::::::::::::::´:/::::::::::::::::/  ̄ \: : :/
.   /    ll:::::::::::::::::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     V:/
   ,     ll::::::::::::::::::::ー::《:: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      V


 東京だし不安だけれど、何度か連絡しても問題なかったし大丈夫ーーのハズ。
337 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/17(月) 18:41:47.17 ID:0YnPbxt5o

 10/10


 ……
 …

 ・昼間

                    .. ------ ..
                  ...::´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`::..、.  -――┐
           ┌―‐ 、/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:./- 、    /
            八   /:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\{   ‘,  <..
            /} /:/:.:.:. ∧:.:.:.:∧:.:.\:.:.:.:.:.: \___ノ   }:.\
              /└/:/:.:.:. / ∨:.:.:∧:.:.:.:.\:.:.:.:.: l:\ ┌┬':i:.:.:.:.
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        \ ∨:.:.:.| |:.:.:.|.:.个::.... _  ̄ _   {-/ 、:l:.|:|:.:.:.:.:||.:.:/
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           |//にニ=- / ∧_}  } : : -{  {   / }__{乙)':.
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: |ミ |: : : |//ア⌒ヾ  / :}: /   '|: r :|   : :.| : : : l: /\: :\
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: l:.〕i|: : : |      .′       \|    /:. : :.|: : :|     |: : :|   「ふきゅっ!?」
八:.:.|: : : ト      l           |   /:|: : : : :|: : :|     |: : :|
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       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/  / ̄ \
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |     |  ア  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |      |  リ  .!
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |    <.  で  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |     .|  す  !
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |     .!  ね .!
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    \__/
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


 カン!
338 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/17(月) 18:42:15.59 ID:0YnPbxt5o
 もうちょいでリク消化完了だー
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/17(月) 18:46:22.55 ID:4CsjHd0e0

和と憧が問題行動をしないのは違和感あるなw
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 19:43:03.72 ID:gleg6lvUo

恋する穏乃やはり可愛い、応援したくなる
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/17(月) 20:38:01.38 ID:7ck2fOeDO
乙です。
オチ要員がオチてない……だと?
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 21:26:24.70 ID:7eHEctDyo
まあこの次元だと思いっきりやらかした前科があるからな
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 21:50:55.07 ID:8dINqyD/O
乙です
穏乃が可愛かったり、京太郎が男らしかったり、ブラックコーヒーが進みそうですありがとうございます

オチ要員がオチてないのは、ここから別ルートでのどあこアイドル次元が始まり、盛大にやらかしてくれる前触れの可能性
声を掛けたはやりんの胃がやられてしまうのか、はたまたはやりんも…
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 21:52:28.68 ID:xqqMpR0Q0
乙ー
>>343
新訳京霞次元の根本の元凶をお忘れですか?
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 01:20:54.65 ID:y3bob6JRo
微笑ましくて非常によろしいです
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 01:31:09.57 ID:NZsNz7Ka0
オチの更なるパワーアップの為今回のオチはチャージ中(オチが3体来るぞイッチ)か

うたわれラジオ的な流れで小蒔が京ちゃんを口説く宣言とかどうだろか
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 11:43:24.98 ID:qQ24U9rW0

玄さんはいつどんな次元、どんな場所、どんな空間でもグラヴィティ、ちぃおぼえた
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 12:33:32.57 ID:m2hIlzO2O
乙です
リク消化ありです
微笑ましい二人の進展に期待
349 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:47:40.63 ID:zz18GOyJo

 1/10

 260
 【江口セーラと……】-単発次元-


 江口セーラはとても活発的だ。

 なぜ麻雀部に入っているのかわからないくらいアクティブなのが彼女の特徴。

 同じく活発的な愛宕洋榎や愛宕絹恵とも仲が良い。

 サッカー部だった絹恵に混ざってサッカーをやっていたこともある。

 待っているなんて愚の骨頂。攻めて攻めて攻めあるのみ。

 そんな彼女はもちろんプロ志望だ。大学に行くつもりもない。

 それだけの実力とキャリアがあるし、関西のチームは洋榎とセーラどちらを取るかで話題は持ちきりだ。


 ーーしかしそんなセーラもインターハイが終われば少し暇になる。

 そのほかの大会もいくつかあるが、やはり練習に身が入らなくなる。

 どうしても次の年のメインになる2年生が頑張るべきところだし、そこに茶々を入れるのも悪い。


 「雀荘に行くかー」


 それならばと腕まくりして向かう先を決める。

 プロになってしまえば雀荘で気軽に打つこともできまい。

 プロなのにカツ丼食べながら雀荘で打っていてはプロの立場もないだろう。きっと……。


 「暇なんですか?」

 「おー、下級生に茶々入れるのもなんかな……」

 「それならこれでも見てみます?

  江口先輩、運動好きと聞いたので」

 「おー、俺はスポーツにはうるさいで!

  また絹のやつとサッカーやりたいなぁ」

 「あちらさんも気に入ってる動画ですよ」

 「絹が?

  そら楽しみやな!」


 本当ならば動画など見ていないで自分で行動したい。

 しかし後輩が自分のためを思って見せる動画だ。それに付き合うのが先輩の役目。

 セーラは『先輩』としての立ち振る舞いにはうるさい。

 体育会系のようなノリは一見嫌われそうで、それでも好かれているのはセーラの人徳だろう。


 「この前フナQが見せてくれた動画も爆笑やったしなー。

  今回も楽しみにしてるで」

 「ええ、きっと気に入りますよ……」


 キラン、と眼鏡が光った。

 そして渡されたタブレットを持ち、電源をつけるとーー
350 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:48:09.98 ID:zz18GOyJo

 2/10


 ……
 …


 【高校一年生。ここまで鍛えましたっ!】


         ,. ' ´ ̄>、八 ,, テ彡',、 _`ヽ
         /  〃∠  ミy-'' ´7⌒Y ``゙`ヽ、
       { N、/i´⌒>y'′  ハ   :   }  ハ
     /´``-'y   ミノ    八  ',   ,.._,.._!
      i /  〜ヘ   〕   _, -へ、≫-‐、ノ  ',ハ
    ノく  \、 ゝ、...ノヽ<     , {  (   n  ハ
     iー-、.. `〈^〉 ノ´-、`ヽ-‐‐´∧ヾ、.  ハ   }
    } '`  `` `>、.._   ` 彡´`ヽ>´^,' ⌒',   !     ムキッ!
    \``ー‐- -‐、  `` ヽ  _./ _,..-‐-y ノ!
      `丶--‐"て_⌒ハ. }. } }彡  _´,,..  '´/_ノ
           (`´,... } } .!.ノ三三__,,..-‐'"
           `、-‐'"^^^'´ノ  ',   ∧
            )-,..-‐'' ⌒',  }   ', i
            ν´    / .ノ  ,...、 }
           /      ノ 〃     !
           /      / /      /
            /    / / /      /
        ノ   ノ  /  /    /
          ∧     / /´` 7´
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       }  `  //ー-彡'/
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:/ /: : : : :|: : :.:十―八: : :.:|  V─一: : : :.|: :\: : : :.
  /: : : : : :|: /|:/=ミ、 \: | r=≠ミ、: : : :.|: : : :\ : :.
. /: : : : : : :|/: 〈{ rし心    "rし心}〉: : :.八: : : : |\|
/ : : : : : 7:/: : : 弋ぅツ     弋ぅツ |: :/^:: : : : :.|
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      |:./ 八    r- ,   u/|: /\|         「」
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         f´    |   r=≦ニ三|
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                          __ -‐         , : :| :.|:.:.:.:.:.:.:.:.:|    |:.      「どうです?」
                、  `¨´            /: : :.| :.|:.:.:.:.:.:.:.:.:乂__ノ:.:
                             /  : : : | :.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
                   个:::...       /   : : : |:.:乂:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:


 …
 ……


 ※ サイコ注意!
351 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:48:39.66 ID:zz18GOyJo

 3/10


 「な、ななななな何見せとんねん!」

 「えー、江口先輩なら気にいるかと」

 「何言うとんのや!

  こ、こんなん見て喜ぶ奴なんているわけないやろ!」

 「でもさっきから両目を覆ってるくせにチラチラ見てはりますよね」

 「!?」

 「そこに映し出されたのはーー肉体美。

  そう、それはあまりにも美しかった。

  無駄が省かれたスタイル。

  脂肪など一切見えない。

  まるで漫画のようなそれは江口セーラを魅了してーー」

 「変なモノローグ入れんなや!

  お、俺は興味ないわ!」

 「えー、うちのにはウケたんやけどなぁ」

 「えっ……ヒロ?」

 「下の方」

 「絹か……」


 気づけばいつもの千里山。

 どんちゃん騒ぎが始まっていろんな人が集まってくる。

 特にセーラがからかわれる側となれば非常に珍しい。


 「ほら、メスの顔しとると集まってきますよ」

 「しとらんて!

  筋肉なんか興味ないわっ」

 「この人、ハンドボール部らしいですよ。

  江口先輩球技好きですよね?」

 「おかしいやろ!?」

 「そうですね。

  ボディビルダー用の筋肉って実戦向きじゃないらしいですし。

  つまりこの筋肉は見せる筋肉ではなくハンドボールで培ったものと」

 「突っ込んだのはそこじゃないわ!」

 「この人に突っ込まれたら江口先輩もヒーヒー言わされそうですね」

 「何、なんなん!?」


 浩子は面白いおもちゃを見つけたとばかりに眼鏡を光らせる。

 江口セーラ。男らしい性格とボーイッシュな外見とは裏腹に、純情である。

 実は中身が乙女思考と言うわけではなく、あまりにも恋愛話から遠ざかっているせいでどう反応したらいいかわからないのだ。

 そうとわかれば浩子のおもちゃだ。弄り倒される。
352 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:49:08.51 ID:zz18GOyJo

 4/10


 「ほら、動物は自分より強い人に惹かれるって言うじゃないですか」

 「それとこれは関係ないやろ!?」

 「関係ありますよ。

  考えて見てください。

  普段は元気一杯で男に混ざって運動する江口先輩。

  しかし江口先輩の手にかかれば軟弱な男はついていけない。

  そんな時にこの人が現れて抑え込むんです。

  いくら江口先輩でも女の子。

  こんな筋骨隆々の人相手じゃ敵いません。

  抑え込まれる江口先輩。

  そんでーー」

 「やめ、やめーや!」


 普段の凜とした雰囲気はどこへやら、わたわたと焦りながら浩子に抱きつく。

 口を押さえつけてしまえば力の差で浩子にはどうにもならない。


 「こんな感じになるんですねー」

 「まだ言うか!」

 「せやけどセーラも女の子やし、そう言う出会いがあってもいいんちゃう?」

 「怜まで何言うとんのや……」


 ため息を大きく吐く。

 怜もからかう側なので救援は期待できない。


 「そー言うのは泉にやれや」

 「私ですか!?」

 「えー、泉は弄り飽きたんやもん」

 「じゃあ竜華でもええやん。なんで俺やねん」

 「竜華はエア彼氏と遊ぶので忙しいらしいから……」


 部室の端っこの方で『京くん、京くん』と人形に向かって呟いている竜華を見る。

 一瞬視線が集まるが、すぐにみんな見なかったふりをした。


 「もー、俺は帰るで。

  打たないんやらここにいてもしゃーないし」

 「つれないなぁ。ガールズトークしようや」

 「俺には向かへん」


 怜がにじり寄るも、バッサリ切り捨てる。

 竜華なら甘やかしてくれるんやけどなーっと呟く怜だったが、セーラは帰り支度をしてしまう。

 無造作にその場にあるものをカバンに詰めると、脇目も振らず部室を後にした。
353 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:49:37.80 ID:zz18GOyJo

 5/10


 ……
 …

 「ガールズトークってなんやねん……」


 自分には無縁のものだとセーラは自嘲する。

 今まで男勝りで生活に困ったことなどない。

 むしろ女子校だからか女の子から告白されることが多い。

 それを鬱陶しいと思うことはあれど、自分が男の子に恋するなんて考えたこともなかった。


 「しかもこれ、こんな筋肉で……」


 なんの冗談だ。いや、マジで。

 いつもの浩子の冗談にしては度がすぎる。


 「絹が見てるって言うのもどーせ嘘やろ……」


 そう呟いた途端、携帯が震えた。


 ……
 …

 差出人: 愛宕 絹恵
 宛先: 江口 セーラ

 見た!?
 20XX年X月X日 17時05分

 見た、見た!?

 この人球技やってるらしいんよ!

 すごいで、ほんますごいで!

 あー、サッカーやったら良かったのになぁ!

 先輩もこう言うの好きですよね!?

 もっといっぱい動画あげてくれへんかなぁ!!


 …
 ……


 「がっつり見とるんかい!」


 隣に泉がいたらハリセンで思い切り叩きたい衝動に駆られる。

 どうやら愛宕の可愛い方が堕ちているのは本当のようだ。認めたくなかったッ!


 「せやけど俺は興味ないし……」


 動画もほとんど見ないで消してしまった。

 タブレットもそのまま置いてきたからもう縁がないだろう。

 絹恵は残念だったと思って諦めよう。愛宕のおもろい方をからかうネタにでもしよう。


 「……アレ?」


 そこで気づく。

 先ほど無造作にカバンに物を放り込んだ時、タブレットが混ざってしまっていたことにーーッ!!!
354 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:50:07.60 ID:zz18GOyJo

 6/10


 「……入っとるやん」


 周囲を見回す。

 もう家に帰ってきているので、誰もいない。

 今日は親の帰りも遅いと聞いている。


 「まぁ、俺には関係ないし」


 明日浩子に返せばいいだけの話だ。

 きっとからかわれるだろうが、適当に対応すればあちらも飽きるだろう。

 変に反応するからいけないのだ。こちらが適当に話せば相手もつまらなくて飽きるはず。

 泉はそれができないからいつまでも弄られるんだよな、と思考を逸らす。

 逸らそうとするが、視線はタブレットに向いている。


 「まぁ、絹がハマっとるくらいやし、話題を合わせてやるのも先輩の役目やし……」


 口から勝手に言い訳が飛び出ながらもタブレットの電源をつける。


 「こんなん合成やろ。見せるための筋肉なんて球技に使えるわけないやん?」


 ……
 …

            ,>、__,.彳 人 `` ー 、
        _,ノ´、,  ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
        /     ̄´   {-_,.  -、 、,'  ヽ
      /   〃,..     'r  _,.. 、}>、.. r-{.
     /、  _,..イ´      ト. ´   i  ´   }
     /  ゙ー'´ }ヘ     _,..ノヘ`ー- ...ィ! ',  ハ {
    ,' ,'     リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ  ノ}
   ,'八  ,  / \ミヽ、ヽ.   |!  } 彡N  ', ハ
   }  (.,/    ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.'  i
   ,ハ',  ii      {   入__ _ノ.__,ノ |  ∨  ,{
   i : v リ     /、  {   ゚ ´,| |   |,   }
   { Y, ,'    ィ‐‐-ミ、_`',      リ }   ,'   ヽ
    iヽ !   ,' :   ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y    ,}
    }. ∨   ./ ノ  /  ∨' ,.  _,./ !  `''"i ', {ノ'′
    ',  `ヽ_,..{,'  ノ   i   /´ 、  ヽ、.__ ,〉 ト,)
    ',  r‐ヤ  '     人ノ    >‐‐イ / ` }
    ヽ、∨       /`ヽ、 /   ハ , /
      y' ,'     ; /     `{   ,/-‐ /
      i      i'    /' ,/  ,.. ´
        i       ,リ   /-'" ,. '´
355 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:50:36.54 ID:zz18GOyJo

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      /,-‐/i^|. |つ:::|  `i |つ:::::::ノ` ',/‐、::::|\:::ヘ
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       // | ////      ////  ,‐´::|`ー丶     「うわぁ……うわぁ……」
       ´   丶、  ┌―‐,     ノ i、:::|
              ` ‐ `ー‐_  -‐ ´N` \|
              ,┌/   iニヽ- 、
               ,-‐´;;;;/`ー‐´|;;;;;;;/;;`ー、


 凝視。

 凝視、凝視、凝視。

 それはセーラにとって未知の世界。

 そもそも女子校に通っていたセーラには男性に対する免疫がない。

 それでも元々男性が苦手というわけではないはずだが、こんな筋骨隆々な姿なんて見たことない。


 「えっ、筋肉ってこうなるん?

  おかしいやろ……」


 セーラも筋肉はついている。

 同年代の女子に比べればかなり力がある。

 だが、これはその比じゃない。

 紛れもない雄の肉体に、セーラは圧倒されていた。


 「俺も腹筋くらいはイケるけど……」


 そういうレベルではない。

 きっと浩子の言うとおり、抑え付けられたら手も足も出ないだろう。
356 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:51:05.33 ID:zz18GOyJo

 8/10


 「これ、コメント出来るんか?」


 動画主に感想を送ることができるらしい。

 ツイッターのダイレクトメールのようなものだろうか。


 『最近は動画投稿者にコメントするのが流行ってるんですよ』


 ずいぶん前に浩子が言っていたような気がする。

 やれ配信者がどーのこーのと言っていたがよく覚えていない。


 「『すごい筋肉やな。

  球技をやっていたって本当か?』」


 当たり障りのないコメントを送る。

 別におかしいことじゃない。おかしいことじゃないと何度も自分に言い聞かせる。

 他の人だって送っているはずだ。もっとも、他の人のコメントが見えるようにはなっていない。


 『ええ、中学時代にハンドボールやってましたよ』

 「返信はやっ!」


 しかし思ったよりも早く返信が来た。

 そういえばこの人は高校生とか言っていたか。


 「『高校生なん?』」

 『はい。恥ずかしながら高校一年生です。

  まだまだ筋肉道としては未熟なばかりですが』

 「『そんなことないで!

  そ、その、高校一年生でこんな筋肉なんてめっちゃすごいやん!』」

 『そう言って貰えると嬉しいです!』


 なんだか楽しくなってくる。


 「(こんなごっつい筋肉つけてるのに後輩なんか……)」


 顔がにやける。

 年下のくせにやるやん、などと余裕が出てくる。


 「『なんや、ほんまに年下なんやな』」

 『ははは、高校一年生だと感想くれる人のほとんどが年上ですよ』

 「『俺は三年生やで』」

 『えっ、結構歳が近いんですね。

  この前二年生の人もいたし、意外と見ている人いるんだ』」


 ーーそれ、絹恵やん?

 心の中で思ったが、確認する勇気はなかった。
357 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:51:34.66 ID:zz18GOyJo

 9/10


 『やっぱり同じような部活やってるんですか?』

 「『違うわ!

  俺は麻雀やってるんや』」

 『本当ですか!?

   実は俺も麻雀部なんですよ』

 「『嘘つけっ!!』」


 思わず声にも出てしまう。

 この筋肉で麻雀部とは何の冗談だ。


 『本当ですよー。

  まぁめっちゃ弱いんですけど』

 「『そらまぁ才能の無駄遣いやろうなぁ』」

 『そっちは強いんですか?』

 「『おー、めっちゃ強いで』」

 『いいなぁ。今度教えてくださいよ。

  三年生って言ってましたよね。そう考えると男子インターハイで当たらないだろうから残念です。

  あっ、俺そこまで勝てないか』

 「……あっ」


 そこで気づく。

 どうやらこの人はこっちが女性だと気づいていないらしい。

 一人称が『俺』で関西弁なんて使っていればわかるはずもない。

 しかし、何だか恥ずかしさが湧いてくる。

 江口セーラは相対してのコミュニケーションなら得意だが、ネットを挟んだコミュニケーションは知らない。

                  , '{    _,,
                 ./::,'  , ィ ン´
           `ヽ- 、  ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
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       ,. :´: : : ; ィ'": : : : ´:^:`: : : : : : : : : : : : : : : : : \
     ,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
     '´   /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
       , ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
       , : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
     /: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
    , : : : : : ;,/: : : : : : /,_,、: : : : : : :iー-ヽ: : : : : : : : : : : : : :ヘ
    , : : : :.//: : : : :./ ,,_  ヽ: : : : : {  __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
   γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心_、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
   ´     {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ   ヽ: { .{   リ  }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ
        i: /i:ヽ6ヘ   ゝ,シ    ヾ  `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
        i/ !: : '>ヘ /i/i/   ,   /i/i/  /ノ   ゙ ー-ゝ
          i: /  }、             ,
          レ"  }: iヽ    ー     ,ノ}       「お、女だってバレたらマズいよな?」
             },ノ 从:`. ァ    , ィ: :ハ{
                ヽ: }   ̄   {ノ
              _, ィ '彡!       ',`゙≧ x 、
          ,ィ≦壬ニニニ{        }ニニニニニ≧s。
         ,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、  ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
       /  ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、  .i!ニニニニニニン  ,


 ーーとりあえず、そんな発想に至った。

 果たして江口セーラは女だとバレずに謎の筋肉男Kとコミュニケーションを取れるのか!?

 頑張れ江口セーラ!
358 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/19(水) 22:52:04.07 ID:zz18GOyJo

 10/10


 ……
 …


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「やったぜ咲! ネットで友達出来た!」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
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    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
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       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{     「う、うん……」
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
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       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l l―‐ {(リ八「―‐メ、 彡个rイト、
      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト    '         _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    _     ,ィ' ) ,j リ 刀 「    「(部活友達の筋肉がヤバい件でVIPにスレ建てしましょう)」
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,


 【江口セーラと筋肉】-筋肉次元-


 カン!
359 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/19(水) 22:52:32.61 ID:zz18GOyJo
 これで子供達を解放するんだな!
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 23:08:39.15 ID:UOLRiD6Mo
単発の割にはまた濃い次元が…
りゅーかはどうしてそうなっちゃったの?
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 23:24:16.66 ID:k+j3Kc390
なんかしれっとオチ村さんやグラチャーよりもヤバイの居てワクワクが止まらない
単発の脇に置いておくには勿体無い
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 23:24:28.19 ID:87/460cwo
おつおつ
りゅ、りゅーか?
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 23:34:27.75 ID:mdik6UxPO
乙です
この京太郎は対局中に空気椅子してそう(その為、麻雀に集中出来ず、弱いままの模様)
あとは、読書している咲ちゃんを背中に乗せて腕立て伏せが日常風景
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 00:24:43.03 ID:+xeW64gS0

竜華と筋肉が余りに濃すぎてセーラの影が薄くなっとるww
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 00:27:23.12 ID:8jKEDUs4o

この次元は京太郎もちとヤバい気が、軽く引く
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 01:01:06.81 ID:D4ajwRrf0
サイコってそこかよ
正直興奮した
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 01:48:40.32 ID:smhRo0zq0
久にナニカされ続けられたんだな(ダンベル、電動麻雀卓、プロテイン)
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 02:06:03.96 ID:3KozSZwY0
女だとバレないように仲良くなっていくとかすごくロマンスなのに筋肉道やらエア彼氏やら一部おかしいせいで笑いしか出ない
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 07:11:58.86 ID:zfl8aTCA0
※367
この次元の京太郎ならむしろ喜んで受け入れるな(確信)
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/20(木) 12:38:13.52 ID:vFlRA4WuO
雌顔のセーラの魅力やばい
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 19:01:34.22 ID:UwZpxjFz0
なんか京ちゃんの知らんところでえらい勢いで拗らせてる人がおる様に思うんじゃが
372 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:03:05.38 ID:TqUpmlHVo

 1/10

 【江口セーラの憂鬱】-筋肉次元2-   ※ 筋肉注意


 時は少し遡る。

 須賀京太郎が清澄高校麻雀部に入部した時の話だ。

 京太郎は悩んでいた。己の筋肉の限界に。

 ハンドボールで培った筋肉は人を犠牲にした。

 接触プレイの多いハンドボールではどうしても怪我人が出る。

 それも須賀京太郎の筋肉と真正面からぶつかり合うとピンボールのように人間が弾け飛んでしまうのだ。


 「どうすりゃいいんだ……」


 須賀京太郎は苦悩した。

 彼が人生をかけて開発している筋肉は人を傷つけるためのものではないっ!!

 しかし、彼がハンドボールをしている限り傷つく人は増えていくだろう。

 その事実に気づいてしまってから、彼はもうハンドボールを続けることができなくなってしまっていた。


 「もうこれ以上誰も傷つけたくないんだ」


 結果、京太郎が反則で退場した後のハンドボール部は県大会決勝で敗北。

 全国への道は閉ざされた。


 「でも、このまま帰宅部になるのは良くないよな」


 高校に入ってから何かしようと考えたが、やはり接触競技はダメだ。

 では、他に何をすればいいか。

 京太郎はこれまで筋肉と付き合ってきた。それ以外の生き方を知らないのだ。


 「咲ー、すき焼き頼んでくれよ」

 「自分で頼んでよ。

  それにお肉ばっかり食べてさ」

 「そんなことないぞ。

  朝は生姜焼き、昼はすき焼き、夜は焼肉でちゃんとバランスに気を使ってるしな!」

 「ああ、うん……」


 腐れ縁である咲に昼飯を頼むのはいつものことだ。


 「それより、また何か持つものないか?」

 「ないよ、もー。

  この前なんか本買った私ごと持ち運んで、あんな目立つのもうやだからね」

 「えー、咲じゃ軽すぎて負荷になんねーしな」

 「あんまり筋肉つけすぎると故障するよ。

  ちゃんとジムに通って適正の運動をしないと……」


 宮永咲。京太郎に付き合っていたせいか筋肉トレーニングに詳しくなってしまった。

 京太郎のサポートをするのが日常になってしまったのだ。
373 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:03:34.90 ID:TqUpmlHVo

 2/10


 「重い物持ちたいなら雀卓でも運びなよ。

  うちの雀卓処分しようと思ってたし」

 「雀卓って重いのか?」

 「だいたい45kgあったかな?

  あっ、それでも変に持つと怪我するから……」

                
                     
          ,.--,- '" ̄``ヽ、
        ノ′{´ /⌒ヽ ', ヽ    ←京太郎
      /   ∨.__   ∨ ,リ,゙i
       ノ.-‐ ‐-/,'   }  ,/',´// リ   「それだっ!!」
    /´    { i   {  ( .>、.._}'´ ̄
   /     ,..ハ  : 人_,,._-``ー 、..__
    i〃⌒''''"´  ! `ヽ‐-、..._ ``     ̄`ヽ、
   .|     '" 人_ ィヒ..             .ノ `ヽ-=...、
    |    ,ノ"´  ゙ヽ、_       _,,..ィ''">‐--、 \''"
   !  , '" -‐‐-'"⌒', ` ̄ ̄丁´ ,とノ´     `ヽ-'
    { ノ´ ,.. --      ゙レイ'⌒{ ゙Y
   i  /´       爪,人 .ノ}  }
    .|/          》 、  Yノ .リ
   .{             《 `ヽ.ノ} _ イヽ、
   ノ        `ヽ._ ヽ  ノ′ヾ、 ヽ
   /    ,      `ヽ`ヽ、 }      \
  i    {        \ ヽ}、       \


         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{     「はっ?」
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |


 咲の言葉を聞いた京太郎は覚醒した。

 頭の中の靄が晴れたようだった。

 今まで何を悩んでいたのか、自分のやるべきことが見つかった。


 「咲、その肉とっといてくれ!」

 「いや、私食べないし……。早く食べないと冷めるよ?

  それにさっき運動したんだから30分以内にプロテイン飲まないと」

 「それは移動中に飲むわっ。

  じゃっ!」

 「ちょっと、京ちゃん!」


 咲が制止するも止まるわけがない。

 京太郎は風になった。

 疾風迅雷。筋肉の身でこの極地にたどり着いたのだ。
374 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:04:04.48 ID:TqUpmlHVo

 3/10


 ……
 …

 いつものように気だるげな午後、竹井久は一人で麻雀部の部室を守っていた。

 維持しているのは数名の幽霊部員。

 染谷まこは実家の手伝いであまり部活に参加できない。

 それでも、一縷の望みにかけて幽霊部員の力を借りて麻雀部を存続させてきたのだ。

 そんな彼女に転機が訪れる。


          ,≠⌒¨ >==-、J,.-=‐-`‐-‐‐-、
     ,. -‐'    ,     `}r'´   ` 、    ヽ.._
    / ノ `ー=ヽィ{.      人    ヽゝ.. _.ノ ヽ. ヽ.    「麻雀部に入りまーす!!」
   /f⌒ 、   リノヘゝ--‐‐'r-‐、`‐- ィ´八 {   r `ヽハ
  {. ヘ   ヽ ヘ.  ,'  ,r ⌒; : ⌒ 、ヽ Y  /ゝ/ ノ フ ,ハ
   ヽ-、 ` -'、 \{ 〈i r¬ ,'゙ヽ∧ リ/ ,ノ'´  ,. /´
     ゝミ   \_.⊥.ヘ:  } {   ,'´,∠...≠ ,.. 彡 '
        `丶、    λ{、 ゙ ` 'r {   ,. -‐ ´
          ` ー,イ:、ヽ   //, >.ィ ´
            / 〉ヽー-=-‐/i `リ
            ,'./! ヘ   / ;\ ',
             !  :ノ   ゝ.ィ   {;  } i
          ハ  /   }   {    ハ
             | '. ハ   {  ハ ,'  |
             ', } ;  ', | ;  i    ;
              ', ヘノ  ∨!/   ',ノ /
           ヽ、}.    i !   リ、./
              ∨ゝ .ノi ',、.ィ′,'
            }`   リ  } 〈  }
                ハ  ハ .,'ヽ ; ,ハ
             {  . i  } {  .  }
                i   i / ', !   !
              ',  : !  ! :   i
              ',   i   i  ,'
               ',  {   i  ,'
                 }  }  ハ {
                /  ハ  } ,=ゝ、
          ⊂ニ-‐‐='   ゝ-、っ⊃



    /: . : . : . : . : . : イ: . : . : . :/: . : . : . : . \
   . : . : . : . : . : . :イ: . : . : . : .//{: . 从:ヘ: . : . : . .
   /: . : . : . : . :/: . : . : . :.//  { ヽ:.{ ヾ}V: . : . : . ,
  . : . : . : . : . : . : . : . :.:./. 〃  ヽ ヾ  ノ V: . : . : . ,
  . : . : . : . : . : ./: . : .:/   〃   ヽ      V: . : . : ..
  . : . : . : . :{. :/: . : ./    /    、      V: . : .ヘ:.,
 {: . : . : . : .i:./: . : ./_,,, ィチ'"     ``'' ‐-- ∨: . : ヘ:,
 : . : . : . : . {/: . : /´   {      ,,_    ,': . : . : } ヾ,
 : . : . : . : . レ'": 7  __,,ニ      `''''ii!ー‐ i: . : . : .,   i}
  ,: . : . : . : .',: ..7¨ ̄ ii!          ii!   ,: . : . : .,   i!
  . : . : . : . : ヘ: {.     ii!          i!   ,: . : . : .,  i!
  : . : . : . : . : ヘ{.     ”               ,: . : . :7  ノ
  ,: . : . : . : . : .ヘ   u      '    u   i: . : . .7
   ,: . : . : . : . : . ハ      u     u    ノ: . : ./
   .V: . : . : . : . : . }  u   _ _    /: . : ../      「………………?
    \; ヘ: . :i: . :.ノ `,、   ´     ` イ: . : . :/
      .\;ヘ:.i; , /  ,  .>   __   ヽ=="         ーーーーーーーー!!!!?!?!?!?」
        }==={  _j       {_  i: . : ヘ
        i: . : .ヘ'"{ノ       i、:;:;:;ヽ{: . : . ヘ
       ノ: . : . :ヘ〈         }:;:;:;:;:ヘ. : . : .ヘ、


 その時、竹井久は感じた。


 ーー押し倒されたら孕ませられる


 そして次に感じた。


 ーー入る部活間違ってますよ
375 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:04:33.76 ID:TqUpmlHVo

 4/10


 「あのー、ここ麻雀部ですよね?」

 「は、はい! 麻雀部ですよ!? ウェイトリフティング部じゃないからあ!」

 「良かったぁー。間違っちゃったかと思いましたよ。

  入部しようと思うんです」

 「入部っ!?

  ここは麻雀をする場所ですよ!?」

 「?

  麻雀するために入部するんじゃないですか。

  あっ、何も知らない初心者なんですけど、もしかしてダメですか?」

 「そんなことはないわよ。……運動系と間違えてない?

  脳みそまで筋肉になってない?」

 「最終的には脳も筋肉で構成したいですね!」

 「(えっ、なに?

   新手の嫌がらせ?)」


 もちろん、竹井久としては断る理由はない。……やっぱりいっぱいあった。

 しかし、初心者だろうと麻雀をやりたい人間を追い払う理由はない。


 「わ、わかったわ。

  人の少ない風通しのいい部活でよければ、これからよろしくね」

 「よろしくお願いします!

  早速雀卓を運びますね!」

 「運ぶ必要ないわよ!?」


 この時、久は知らない。

 彼の存在が、久の悲願である清澄高校麻雀部の全国優勝へと導くーー。


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「いやー、断られたらどうしようかと」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|
376 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:05:02.86 ID:TqUpmlHVo

 5/10


             _,, -‐'' |       ∧`丶ー-、
           /     {ヽ、__ノ 〉    \
        ,, -イィ_ ノ ! ∧  ∧ i \   ソ`ヽ、
       /   〉`  \ヽ)ー、 ( ) -‐‐― >⌒ ン  丶
      /  /!    ノノ )  ̄ヽソ´ ̄   ハ   〈    i
      ∧  /    /,'´/ 彡  >`ヽ \   }   l    }
      /,ヘ  i   / ∠三彡´ 〉−- 、ヽ ヘ   《ゝ  ノ\
    i,'  入__,=、∠イく  ー==三个ミミ    >ヘ //ノく  ヽ    ゴゴゴゴゴ……
   / /     λ } ∧      十     /ノ / 厂`´   ,  ∧
   i ハ、   / 人_へ、__,ノ个<、__彡八 _ ,   )ミ  i
   { ⌒ =ミ⌒_ン  |  ',         /〃 ∧、 ,ラ  >  i
   ! > <  `〈     !  l       イ   '  |ン  , 、_, }
   ! \    ヽ   \ i            /   / / 〈
   \  、_   ∧   八     _  ノ   ノ  彡´´ ノ  ノ
     \  `゛丶 ヘ、 /,−、γ'Z´`ヽ、-‐‐''´ ̄      /
      `ー-、_ ヽ、`く⌒ヽ>)<ヽ、_   ゝ  ____,, -‐''
          `ヽ__  _,− 'ハ`   ,-‐''´    ∧
            / `ゝ、__ノ 人 ̄フ         i
           i      /   Y              i


 ……
 …

  |            | o  マ`ー '  7´         " .::⌒ヾト/ // |   /     /
  |            |  とつ_`ー― '           /::::::::::ハ ヘYイ /  /    /
  |            |  〃   `¨            {o{:::::::爿 || |,/  /    /
  |            |  ||                     ∨廴ノ(_).,リ /  /   /
  |            |  ||                  '   \z_ノ /'|/  , イ ./
  |            |  ||                       `とつ./ ///!
  |            |  ||                       /イ/イ  |
  |            |  ||             , ― 、           /   !  .!
  /!            i!  ii           ̄`’        /   |   |
. / i!         i!  ii                    /    i!   !   「な、なぜ涙が流れるのだ?」
/  |            ト、  ii                  .イ     |   i!
  ,!        i  | \!i                   . <  i!    .i!   |
  /!       |  |   じゝ.          . <   \i!    |   !
. / i!       |  |      > ,. _ . <   \   |      !   |
/  |       |  |        /      \   ヽ   !      |   |

 …
 ……

 ……
 …
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       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }    「!?」
.          { |:::::::::八     _.. ‐〜‐-、   イ:::::::::::::::|  {
.          } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ::::::::::::::::::|
           レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス::::/
            ∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/    / ∧/  }
               {  ∧    |   /    /   / ∧ {
                } / {\/⌒)_∠__/|    / ∧
              /  ゙T{  二(__ `ヽ        _ヽ

 …
 ……


 そう、須賀京太郎の存在がーー

 この一ヶ月後に入部する宮永咲が、天江衣と宮永照を打破するキッカケとなるとは、誰も知らない。
377 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:05:32.84 ID:TqUpmlHVo

 6/10


 ……
 …

 ・現代


 江口セーラは女子高生である。

 しかし、おおよそ女子高生の知識はほとんど持っていない。

 ガールズトークなんてしたことはないし、竜華や怜の話も左から右に聞き流している。


 「あのー、江口先輩。

  私のタブレット知りません?」

 「し、知らんわ。

  俺に聞いてもしゃーないやろ」

 「そうですか」


 セーラがそっぽを向いて顔を赤く染め、浩子がメガネを光らせる。

 実は浩子はセーラがタブレットを持っていることを知っている。

 最近のGoogle Chromeは同期機能があり、別の場所で何を開いているのか丸分かりなのだ。

 そして江口セーラは嘘が苦手だ。

 その二つの要素を組み合わせてみると、結論はよくわかる。


 『江口セーラは高校生男子にハマったが、それを言い出せない』


 「(これは海老で鯛を釣った感じやなぁ)」


 怜と一緒にからかうネタが増えた。

 最初は男の裸を見て顔を赤らめるセーラを見られればいい程度に思っていたが、どうやらハマってしまったようだ。

 愛宕絹恵もそうだが、スポーツ好きが惹かれる何かがあるのだろうか。


 「セーラも乙女やなぁ」

 「誰が乙女や!」


 怜が楽しそうに割って入ってくる。

 プロ志望ではない以上、部室に来てセーラをからかうのが最近の怜の楽しみだ。

 竜華は部室の隅で自作の自分の人形にに自分の髪の毛を入れている。怜は見なかったフリをした。


 「えー、昨日のアレが気になっとるんやろ?」

 「き、気になってなんかないで……。

  た、ただちょっと……」

 「ん?」

 「お、女とバレないようにメールのやり取りって、どうやるんや」


 顔を真っ赤にして怜に問いかける。

 怜、浩子、泉の三人は目を見開いた。
378 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:06:01.57 ID:TqUpmlHVo

 7/10


 「どーしたんですか!?

  熱でもあるんですか!?」

 「う、うるさいわっ!」

 「別に女だとバレてもいいんじゃないですか?」

 「そやそや。

  なんなら思いっきしおめかししたセーラの写メを送ればええやん」

 「そ、そんなん嫌や」


 モジモジと胸の前で指を弄る。

 とてもいつものセーラとは思えないが、可愛いと思わされるのは顔立ちが整っているからだろうか。

 三人がニヤニヤしながら見つめる。


 「あっち、俺のこと男と勘違いしてんねん。

  俺も変に気ぃ使いたくないし、このままやり取りしたいんや」

 「江口先輩が乙女してますよー。

  これはデータに取れますわー」

 「こら、フナQやめい。

  女心は複雑なんやで」

 「先輩がそんな顔しとんの初めて見ました。

  なんだか憧れます」

 「憧れるってなんや……。

  もー、俺らしくなくて嫌や……」


 別に恋心を抱いているわけではない。

 相手の顔も声もわからないのだ。

 そう、セーラにわかるのは筋肉だけ。

 しかし相手の筋肉が語っている気がする。


 『俺と仲良くなりましょうよ』


 彼はメールで言っていた。


 『筋肉は口ほどにモノを言うんですよ』


 それが本当ならばーー


 「アホか俺ェ!」

 「ノリツッコミ!?」


 ーーないない、それはないっ!!

 なんとか自分を抑えるが、あの筋肉が脳裏に焼き付いて離れなかった。


 ーーこれが恋? そんなわけあるかっ!

 筋肉から始まる恋も、あるのかな?
379 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:06:34.63 ID:TqUpmlHVo

 8/10


 「もー、騒がしいやん。

  どしたの」

 「あ、竜華……。

  そ、その、大丈夫なん?」

 「?

  怜は変なこと言うなぁ。

  別になんともあらへんよ?」

 「そ、そか。

  それならええんやけど……」


 竜華が怜にひょっこり近づいてくるが、怜は少し後ずさる。

 『変な怜やなぁ』なんて呟きながらソファに座る。

 一気に空気が重苦しくなった。


 「セーラかて女の子なんやから気にせんでええのに」

 「アホか!

  顔もわからん相手に惚れるほど安っぽくないっちゅうねん」

 「気になっとるのは認めるんですねー」

 「泉ィー……。あとで覚悟しとけや」

 「なんで私だけ!?」

 「セーラもなんでわざわざ隠そうとするん?」

 「聞こえてたんかい。

  まぁ、その、なんや。女だってわかって態度変えられたら嫌やし」

 「それなら気をつけないとなぁ。

  確かに、配信なんてしとるんやし」

 「そうですよー。

  配信者は囲いを食べるってよく聞きますし」

 「お、おう。

  そうなんか?」

 「あくまで噂ですよ。噂」

 「そ、そか。

  絹恵にも言ってやらんとな」


 とりあえず自分ではないと話題を逸らそうとするが、まだ周りの視線はこちらに向いている。

 なんだか居づらい。


 「俺、帰るわ」

 「気をつけて帰るんよー」

 「竜華もな」

 「私は彼氏とイチャイチャしてから帰るわー。あっ、惚気をーー」

 「そ、そか。気ぃつけてな! 帰るわ!!」


 詳しいことは聞かない。千里山の暗黙のルールである。
380 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:07:03.61 ID:TqUpmlHVo

 9/10


 ……
 …

 「別に普通にしてればバレへんよな……」


 少しドキドキしながらメッセージを送る。

 あちらにしてみれば数多くの視聴者のうちの一人だろう。

 普通にしていれば女だってバレることはない筈だ。

 それに、女性の視聴者だっているかもしれない。いや、少なくとも一人はいるわけで……。


 「俺、何考えとんやろ」


 なんだか不機嫌になる。

 別にこの人がどう考えてようが知ったことではないのに。


 「チャラチャラした女が言い寄って来てるかもしれんな」


 でも、自分は違う。

 あくまで最初は興味本位で、それからは彼のコミュニケーション力に惹かれたのだ。

 なんとなくメッセージを送っていて楽しい。相手の話題の引き出しも多い。

 それに、スポーツが得意らしい。だから話していて楽しい。

 それだけのはずだ。


 「あーもう、考えるのは苦手や」


 やっぱりメッセージのやり取りは性に合わない。

 通話でもなんでもしてしまった方が気が楽だ。

 でも、今はこの距離感が心地よい。


: : : : : : : : : : : : : : : : : :  |: : : : : : : / }: :/ |: : : : : : : :}i: : : : :  ゚。: : :ト :_:_:
`  …‐- :_:_: : : : : : : : : ト .,_ : :  ̄ `ヽ/: /   : : : : : : : :ハ: : : : :  |: : :゚。
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              /ニリ : / ヽ    :.:.:':':':.:        、     /⌒:, : : : : :.l リ    \
           /ニニr}/   \                :.:':':':. /\ ∨: : : :.′
          ィニニニ∧      、    `ー--  .,,__        /.|  ヽ ∨: : /
     /二ニニニニ∧       \             >=} } } ∧ 乂/      「『今日何してたん?』っと……」
.   /ニニニニニニ=∧       丶         <二二//    ∧
.  /二二二ニニニニニ∧       / > -- <二二二二//     \
/ニニニニニニニニニニ∧         / }ニニニニニニ//        |
 <二二ニニニニニニニニ∧__    /   |二二二ニニ//   /     |
ニ>  <ニニニニニニニニ∧   `   /|ニニニニ/イ  /      \


 ネットでしか知らない関係。

 今までセーラが味わったことがない距離感。

 慣れないメッセージのやり取りも、趣があると言うものだ。
381 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/20(木) 19:07:33.11 ID:TqUpmlHVo

 10/10


 ……
 …

              ,-‐ハ、____ ノ'\
         ,. ' ´ ̄>、八 ,, テ彡',、 _`ヽ.
         /  〃∠  ミy-'' ´7⌒Y ``゙`ヽ、
       { N、/i´⌒>y'′  ハ   :   }  ハ
     /´``-'y   ミノ    八  ',   ,.._,.._!
      i /  〜ヘ   〕   _, -へ、≫-‐、ノ  ',ハ
    ノく  \、 ゝ、...ノヽ<     , {  (   n  ハ     「どう、咲?
     iー-、.. `〈^〉 ノ´-、`ヽ-‐‐´∧ヾ、.  ハ   }
    } '`  `` `>、.._   ` 彡´`ヽ>´^,' ⌒',   !      このポージングおかしくない?」
    \``ー‐- -‐、  `` ヽ  _./ _,..-‐-y ノ!
      `丶--‐"て_⌒ハ. }. } }彡  _´,,..  '´/_ノ
           (`´,... } } .!.ノ三三__,,..-‐'"
           `、-‐'"^^^'´ノ  ',   ∧
            )-,..-‐'' ⌒',  }   ', i
            ν´    / .ノ  ,...、 }
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      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/    「んー、ちょっと角度が悪いかなぁ。
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      |:./  \:.:{\          /  |:.::/        もうちょっと顔を右に傾けて」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


      /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . \
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   . : . : . : /: . : . : . : . :./    {!  ヾ: .V: . : . ヘ: . : . : .
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 {: . : . : {: . : . / _L,,_       '"      ∨: . : . : . :}
 : . : . : .i: . : .,'‐'"  ヽ `         __   ∨: }: . : ..:
  ,: . : . :i: . :7   __ 、       ,ィチ示心ヾ  ∨i: . : .
  . : . : . : . :{  ,ィ'仍芝_、      / つ ::: } 〉、} ',i: . : .:
  ,: . : . : . :', {! ち .::: } `       乂ュ少 ′ !〉}: . : .,
  V: . : . : ..ハ ヽ 乂ュ;;ノ               レク: . : 7
   V: . :.ヘ: ..ハ                       川: . : .    「ここ、部室なんだけど……」
   V: . : ヘ: .ハ         ,          ,': /: . :/
    ヽ: . : . :..:ハ  u               ノ: . : .:./
     \: . : . ヘ       __  --、     /: ../: . ,
        、: . : }>..、           イ、: . {/: .ノ
         )===7`} 、     < { ヽ==ヘ
       , イ: . : /: 7 .i    ¨      i__}: . : . :\
     /: .イ: . /: . : {‐-、!            {:;:;:;i. : . : . : ..\
    ./:/ {: ./{: . : .ヘ:;シ          、7:;ヘ. : . : . : . : }


 カン!
382 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/20(木) 19:08:05.15 ID:TqUpmlHVo
 実はプロットだけ投下したいネタがいっぱいある
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 19:08:34.70 ID:fos6WF/eo

ころたんの涙の理由が知りたいです
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/20(木) 20:40:03.44 ID:snn/XvMDO
乙です。
竜華は前出たときもあんな感じだったが、あれもレジェンドと同じで全次元であんな感じなんだろうか……
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 21:28:16.54 ID:+nvnimeHO
りゅーか前に出てたっけ?
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 22:05:19.90 ID:IGUaT2AcO
おつおつ
咲も手遅れなんだなって……
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 22:42:55.45 ID:70Q0yo3f0
乙です
咲ちゃんはイイ嫁さんだなァ
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/20(木) 23:06:12.42 ID:wcRXIoFvO
よく分からんがメタルマックスを思い出しました
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/21(金) 00:32:02.77 ID:eg9XwSUU0
これもう強ちゃんだな...
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/21(金) 02:35:02.99 ID:9qjpu7C80

当たり牌を引かされる能力 ➡ 筋力
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/21(金) 05:08:46.83 ID:cRdxhJHxo

京太郎キレてるよー!
392 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:23:21.14 ID:vRAucd/do

 1/10

 【最強のライバル登場!】-京優次元3-


 片岡優希は一途である。

 その自由奔走な性格とは裏腹に、好きな人には素直になれないいじらしい面を持つ。

 初めて会った時はそんな感情を持っていなかった。

 運動して活躍している彼を見て、胸が高鳴った。

 それから地道にアピールをしているが、成果は芳しくない。


 「でも、まだまだ時間はあるじょ」


 最強のライバルと思われる原村和は恋愛に興味がなさそうだ。

 将来的にお嫁さんになりたいと思ってはいるようだが、目の前の京太郎は見えていない。


 「今部活で京太郎と一番親しいのは私だじょ!」


 距離感を詰めるのは得意だ。

 時々京太郎が和にデレデレしているのは気に入らないが、それでも京太郎は優希を邪険にしない。

 そんなところも好きだーーとまで考えて身悶えする。


 「ううーーっ!」


 どうしていいかわからず、とにかくスキンシップを取っている。

 いつか告白する時のために、少しでも仲良くなりたい。

 恋愛観なんてわからない。押して押して押すのみ。

 それが片岡優希の生き方だ。麻雀だって恋愛だって変わらない。


 「部長に聞いてもアレだし……」


 良さそうな答えが返ってこないのは目に見えている。

 なんだかんだでからかわれるのはごめんだ。

 表面的には誤魔化せるだろうが、結構傷つく自信がある。


 「今は時間をかけて、インターハイが終わったら……」


 個人戦で結果を残して、そこで告白するのもありかもしれない。

 そうやって大舞台で思い切りのある行動をするのが『自分らしい』

 よし、そう考えれば麻雀だって頑張れる。

 団体戦には出られないけれど、個人戦には出られるんだ。


 「待ってろよ、京太郎!」


 片岡優希のスタイル!

 最初から最後まで、攻めて攻めて攻めるのみ。

 だから今は、まだ時間があるからのんびりとーー
393 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:24:19.58 ID:vRAucd/do

 2/10


 ……
 …

 ・後日


                        ____  ,- 、_
                       ⌒>    `  ヽ  ` 、
                       /,      ,   | l   ヽ
                     /イ  ,/ / |{  | | | l |   .
                       / イ { /{-从 }/}-}イ |  |
              r-、_         V从 ィ=ミ∨ィ≠ミ| / , ∧
          ,. : : : ̄:´ゝく)、        ヽム   '     |/イ V }
        /: : : : : : : : : : : \          }∧ v  ァ  'r-イ       「カモ連れて来たぞーっ!」
         ,: : :,: : : :/:}: : :|: : |: : ヽ         _、__  イ/}_/
       : : : |: /-'{: |: : 从: }: : 、: .    ___ {// }   r≧7}
        | : : |: ィ雫 |/ィ雫}:/:∧:} <//////////  「/////>- 、
        l : r从 ゞ'  , ゞ'{イ: :{/}'///////////{l _|//////////\      「もー……、強引なんだから……」
        从乂:、 u:.:.:  :.:人//////////|/////∧:: ////////////// 、
         }/ハ>  _´ イ///////////////////∨////////|//////∧
       ,......-.ノ   V -.乂___,..---- {////////o//r====、 }、//////∧
      rく.、.......{    }...........7 、       |/////// ///////// | ∨/////∧
      ∧ \....\  /....../l/ }       |////////o////////{  ヽ./////∧
      { V  ` rミ ∨=≦ 〈 ⌒Y     |/////////////////|  /⌒////〉
      |  {    ` [二]´  「二二}      |////////o////////| ////////
      |  ::.    /:.:.:|   /     }     }/////////////////}'///////
      |  }    {:.:.:.:}  {    ∧     |////////o////////|/////
      |  |    、:.:.:|   ヽ    ノ     |/////////////////|///
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      |   '             V       //////// //∨/////∧_ノ
      { V、          〉      〈/////// / |/| \///// 〉
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  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :W ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
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       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :      「……えっ?」
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                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
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.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨
394 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:24:48.90 ID:vRAucd/do

 3/10


 それは優希にとってあまりにも衝撃的な展開だった。

 あの京太郎が女の子を連れて来た。

 いや、麻雀をやる人数を合わせるためには嬉しいけれど、その衝撃は大きかった。


 「こいつ麻雀できるらしいからさー」

 「無理やり連れて来て何さー」


 表面上は気にしていない。

 それどころか積極的にこの子に話しかけていく。

 焦っていると、京太郎に思われたくない。


 「学食でタコス買って来たじぇ!」

 「またタコスか……」


 この子と京太郎の関係が気になる。

 しかし、それを気づかれないようにする。

 そして、京太郎の関心をこの子から自分に移したい。

 自分の中の心が濁っていくのを感じた。


 「のどちゃんはモテモテなんだじぇ!」

 「誰かさんとは大違いだな」

 「む……」


 原村和の話になった時も、積極的に話題に参加する。

 ーーきっと、和は気づいていない。

 彼の視線がこの子に向いている。

 この子をからかっている彼がとても楽しそう。

 そして、この子も嫌そうな顔をしているくせに、やっぱり楽しそうなのだ。


 ーーでも、麻雀は初心者みたい。


 「(もろ初心者だじぇー)」


 なんだか少し安心した。

 醜い嫉妬だというのは自覚していた。

 しかし、同時に一つ気づいてしまった。

 麻雀部という括りでしか京太郎と関わっていない自分と違い、彼女は麻雀部と関係ないところで京太郎と仲が良いのだ。


 気になる。気になる。

 表面上は普段通りのはずだ。

 京太郎もこちらの様子に気づいた様子はない。

 でも、内心気になって仕方ない。
395 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:25:18.11 ID:vRAucd/do

 4/10


 「(まぁ京太郎だし、女の子の一人や二人と普通に仲が良くてもおかしくないじぇー)」


 何もおかしいことじゃない。

 京太郎は誰相手でも仲が良いし、自分と同じように仲が良い人がいてもおかしくない。

 自分だけが特別でないことは悔しいけれど、自分だって負けてはいない。

 高校生活で一番ウエイトを占めるのは部活動。そして同じ部活に入っている以上リードしているのはこちらだ。


         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,    「ごめ」
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,     「素人にも程があるよっ!」
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´


 ーーいや、やっぱりこの距離感はおかしい。

 自分も過剰なスキンシップをとっているけれど、それは全て『自分から』だ。

 こんな風に京太郎から色々と気にしているなんてことはない。

 そしてこの子はそれを嫌がっていない。

 女の子にとって、親しくない男の子に触られるのはもはや恐怖の対象だ。

 優希としても頭を撫でて良いのは京太郎だけだと思っている。

 親しくない男に頭を撫でられるなんて、おぞましくて考えたくないレベルだ。

 それが許されるのは漫画だけ、それこそトラウマになったっておかしくはない。

 でも、この子は『それ』を許容している。

 こんな風に密着して、ほっぺたを突かれても成されるがままだ。

 おそらくは、これが彼らの距離感なんだろう。


 ーー胸の奥がチクっとした。


 部長が起きたと同時に彼女が帰って、少し安心した。

 しかし、優希にとっての悪夢はこれから始まる。

 そう、三連続プラスマイナスゼロ。

 自分より強くて、京太郎に気にかけてもらえる存在。

 心中穏やかでないのは、和だけではなかったーー。
396 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:25:47.91 ID:vRAucd/do

 5/10


 ……
 …

 それからまぁ、色々あって宮永咲は麻雀部に入った。

 得難い戦力と、優希にとっては最強のライバル。

 麻雀だって負けたくないけれど、今の優希にはもっと負けたくないものがあった。


 「(なんでこんなに仲が良いんだじぇ)」


 曰く、昼食は一緒に食べる。

 暇があれば声をかける。

 特に何もなくても横で本を読んでいる。

 中学からの付き合いで、友達には『嫁さん』なんてからかわれている。

 唯一の救いは咲がそれを否定していることだけれどーー


 「こんなのってないじぇ……」


 正直、勝てる気がしなかった。

 須賀京太郎のことを好きになったから気づいてしまう。

 彼が原村和を見ているのはあくまで憧れ、俗な言い方をすれば性欲の対象。

 でも、宮永咲を見ているのは親愛の情なのだ。

 それはもしかしたら恋愛の先の感情なのかもしれない。

 二人一緒にいるのが普通で、いなくても特に心配はしなくて、最終的に帰ってくる。

 きっと二人はそんな関係なんだ。


 「……でも、負けたくない」


 そんな理屈で考えられるほど大人じゃないし、片岡優希はそういうスタイルではない。

 感情のまま、攻めて攻めて攻め抜く。それが片岡優希の速攻。


 「恋愛なんて、攻める方が勝つに決まってるじぇ」


 そうだ。幼馴染は敗北フラグだ!

 この人なら大丈夫だろう、なんて楽観視していたら横取りされるなんて現実でも良くある話。

 ちゃんと気持ちを言葉にして相手に伝えることが重要。

 ーーもしくは


 『想いを伝えられるのは言葉だけじゃないよ』


 プレイしたゲームの迷言を思い出して悶絶する。

 ーーも、もっと積極的に行くべきなのかな?

 未経験の優希にはわからない。

 とにかく、明日履いて行く下着はそれとなく可愛いものにしよう。そう誓った。
397 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:26:17.17 ID:vRAucd/do

 6/10


 ……
 …

 ・後日


                       _,.......-―--...、_
        ,..=ニ二二ヽ,. ‐-.、,....:.:':´ : : : : : : : : : : : : `ヽ、 _  ,..-:.ニニ:丶
          ,..-‐: ':´(  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ Y∠.-‐-.、 `ヽ
         /: : : : : ;: : >': : : : : : :i: : : |: : : : |: : : i: : : : : : : : :∨、: : : : : : :\
       /: :/ : : //  i   !  |  :ハi : : |i: : |i: : : :|: : i: : :ヽ \:、ヽ: 、: : ヽ
       /: /: : : :ィ/ i: / .i | !i: : :|: : | i!: : : :|.!: . .| i : : |: :.!: : i: }  ヽiヽ: :i: : : :i
        { /: /: / !| l.i! : !: :!: !:|―|、Τ`ト、: ::i`!: ̄!`!ー!-: :} : ::!:|   i:! ヽ: !: : :}
       !ハ: i: / リ 人j、: !: :i: N>ィ==ミ、 \{ ヽ;ィ=キ;ィ'|: ノ!/ ;ィノ   |:!  ヽ!: : !
.       ハ从!  ./:/: : ヾーヽ!メ. r':::::; }       _,}::::: i゙ヽiイ:ノ ヽ:゙、  リ   |: :/
            ヽ! .i:/: : : i| : :ハ (.__)--u:::::::::::::::::::uー-(_.)/|': : : : :i、:i      }ノ
            仆: : ::|: i ト、_! . " " "  '   " " " i .,! i: :i: : |i }
 __          リ、: : i、 !:| :.丶            /' :|:ハ: ! : }リ           _
ヲー-ユ、_        \{ `ー!、|、:`;..、⊂ニニニニ⊃.ノ:,:.:.リjイ;ノ;ノ        rニ巳⊂二ヽ
   ̄-―{            __`二ニー----‐πフj;丿'"__ '"        (_,.--‐     \
    -イ            ,,ィ' i::!i:::::::::::::|~~^^^~~|:::::::::::::i.!::/)i、         ヒ_ー         \
    ,.イ´         r' |! i::゛、::::::::::匸_)(二)::::::::::;;":/ .iハ             )ー---、_
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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「(なにがだー!?)」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



 ーーヘタレた!
398 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:26:46.17 ID:vRAucd/do

 7/10


 ちょうどその前に和のことを考えている京太郎が気に食わなかったとか。

 それを見ている宮永咲が嫉妬している表情なのに気づいてしまったとか。

 だから『のどちゃんは男より麻雀』なんて言ってこっちに気をとらせて。

 こっそり肉まんを奪って構ってもらおうとした結果がこれだ!


 「(せ、せめてホテルとか、二人がいないところならっ!)」


 京太郎が起き上がった後に思うけれど、時すでに遅し。

 とりあえずみんななかったことにしてご飯を食べるのを再開する。


 「(ぐぬぬ……、やらかしたじぇ)」


 幾ら何でももう少し手順を踏んで欲しかった。

 出会って一ヶ月で体を許すような女の子だと思われたくないという複雑な乙女心。

 でもそれくらい積極的じゃないと勝てないという直感。


 「今年はのどちゃんを擁する清澄の一年がそいつらを倒す!」

 「咲もいるしな」


 彼のさり気ない発言が心に突き刺さる。

 宮永咲の天然で、保護欲を擽ぐるところが京太郎は気になるんだろう。

 些細な会話でわかってしまう。


 「(どーしよ、どーしよ)」


 とりあえず迷った結果、メイド服を着て誘惑して見た。

 パンチラまでしたけれど効果は薄かった。


/r"´`ヽ ./   / /i  / / i   |  : : :!: ! : : : : :l O   l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、  ノ/   /  l i  ,ハ ハ |  i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ
/ l:/: :ゝ イ!: : :|!: :/|i: : i-!-| !:、: |、!: :|;ナ |: ハ|`!、!|: : !: : : !:|: i: : : i ハ : : i
 |': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ!   ヽ! ゙、!  |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
 !: : : : |、/゙:\:! \:|   _,         、      リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l
  i: : /; : : : :/ :::::::::::::::::         ::::::::::::::::::  //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、   「ーーー!!」
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----
  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__
           `ー-、_ 〜〜〜'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 後から考えて恥ずかしくなった。

 ちょっと泣きそうになった。
399 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:27:15.00 ID:vRAucd/do

 8/10


 ……
 …

 よく見ればまだまだチャンスがあるのはわかっている。

 二人は友達以上恋人未満の関係だ。いくらでも付け入る隙はある。

 でも、やっぱり焦ってしまう。

 咲がいると京太郎は咲を目で追うしーー本人曰く、危なっかしくて目が離せないとかーー構ってくれなくなる。


 「最近、京太郎と遊んでないじぇ」


 咲が来る前は和と京太郎の三人で遊ぶことが多かった。

 しかし、今は和と咲の三人で遊ぶことが多い。

 さすがの京太郎も女子が多くなると居づらいのか、クラスメイトの男子と遊ぶことが多くなる。

 もともと男子高校生なんて男友達と遊ぶ方が気楽だろうし、これから接点が減ってしまったらどうしよう。

 考えているうちに、声に出た。


.  /_, -‐.:´..:..:..:..:..:..:..:..:..:.\、_
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  /..:..:..:..: , -.:´..:..:..:..:..:.,,;,`ー|⊃..:..:..:..:..`ー、
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-― ´ ̄`ー -、..:../..:..:..:..:..:..:..:../|/   \ \| /..:..:/..:..:.|
ー - 、     \|..:..:..:..:..:..:..:./   ⊂⊃ \ ノ/../,.:..:..:.|
    `、      ゙、..:..:..:..:..:./         /, '/,,;イハ|
.     ゙、      |..:..:..:..:/    _      ゙、
.    ,  |     .|..:..:..:./   / | \     ゙、
   /  |    /..:.|..:/    /   ^ー、. \    |
   |   |   /|..:..ハ..|    \   \ ゙、   /   「京太郎! たまにはタコス屋に付き合えー!」
   |   |   ,イ |..:|_,レ'´` 、  `ー-、_ `  )/
    |   | /. |  |..|.;、..:∧/`ー-、_    ̄ _,<
   |  |/   | />ハハ;|       ̄ ̄
   |  /    / /' /|
    V    / / /   |


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人    「お、おう。良いよ?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
     l//////∨//////////////∧ /.イ////////////|//|
    {///////}////////////////∨'//////////////|//|
      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
      |///////|/////////////////l///////////////|//}


 ーー意外な回答に、こちらが面食らった。
400 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:27:43.45 ID:vRAucd/do

 9/10


 「へ?」

 「ん?

  いや、お前が誘って来たんだろ?」

 「そ、そうだけど……」

 「最近部活仲間と食いに行ってないしなー」

 「あっ……」


 それは困る。

 確かに一年生四人で食べに行く方が自然だ。

 でも、今日はヤダ。

 今日くらい独占したい。


 「のどちゃんと咲ちゃんは先に二人で帰ったじょ」

 「マジ?

  じゃあ二人で行くか」

 「良いのか?」

 「なんだよ。いつもはもっと強引だろ?」

 「それはそうだけど……」

 「ほら、行くぞー」

 「あっ……」


 ーーもしかして、いつもの強引なやり方を嫌ってなかったのかな?


 そう考えるとニヤケ顔が止まらない。

 京太郎はこういうやつだった。咲がいたって和がいたって自分のことを虚ろにしない。

 誰とも仲が良いというのはそういうことだ。

 自分が特別じゃないのは少し寂しいけれどーー


     ィ' "´  : (   )   : /:: ./: :  :/|:       \
   / /    :: ∧-彳  : : : : : .: : : : : : : : : :    :   ヾヽ─- 、,
  /  /   ::/:: /:: /  : ://: :: ./ /: ://: /|: :|: }: : !:  ヾ  ∨ミ 、
. /  /  : :::/: 〃::/   :://」__./_/__/./: / .!: :! :!:!: !: : |    ',:  `
 ′  {  : : :{/||,: : i  : : |ナ´|::/ .{:::/ メ:/ ,' /|: |:|: |:|  |. |    ',:.  、 ',
    !  : : :|{::\ :|  : : !  レ′.!/゙// ./::/ .i/|ィ‐ト|、...|. | |..  }:  |ソ
    ヽ{  : {: /: :::|  : : ! イ爪沁ミ、 ∠イ / / j//}:少丿. ! |/::   |
      \: :\: : :!  :i: Kん:::::cソ ゙.    ィ庁ヾ、 レ彡  ノ ./:: :  |
       |>=イ: !  :|: !.ゞー‐″     ん::::ソ./ /ー=彡イ:  |: ノ
.       ',人: !: ト、: :!゙\ xxxx      , ヽ-.″ /: : : :|: :丿: ノ/
         ヾヽ!vヽ'.,            xxxx /: : : :/|ィ゙/,/    「〜♪」
            イ゙ヘミ\    `ー〜  Π7ノ: : : :/ハイ
            |V゙\  > ,  ,.ィ゙_,二二つ/j//  '
    _,. -‐──ー゙\  .`´Χヾ/ ´-‐┼|.|゙. , _
   /ー-、, ミ、::::::::::::::::::\  /__/   ─《゙¨::::::::: ̄`.
  〃/∠\\ \.:::::::::::::ィ─/{    /゙u_〉.::::::::::::|::::}


 ーーそれでも良いと思う自分は、案外チョロいかもしれない。
401 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/23(日) 22:28:12.47 ID:vRAucd/do

 10/10

 ……
 …

 ・帰り道


              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::.
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/    「あれ、京ちゃんかな?」
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////    「咲さん! 早くファミレスに行きましょう!
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////     秘伝のドリンクバー術をお見せします!!!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////




 ……
 …

              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈
.     / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
    /:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|
.   ′: : :|: : :/ |/     |: ::八人| : : |i: :
.  ,: : : : : :|: Y斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|
  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|    「(ゆーき、私は中立です。
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |     でも今日は頑張ってくださいね!)」
::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|


 カン!
402 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/23(日) 22:28:41.27 ID:vRAucd/do
咲の一巻を好きすぎて読み直しまくってる。清澄一年生かわいいよ
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 22:54:20.19 ID:Kjja3imZO
乙!
これはオチ村さんじゃなくインターミドルチャンピオン原村和さんですわ
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 23:09:19.86 ID:4ZlrBP5mO

オチ村さんといえばオチ村さんなんだよなー
世界一位さんに秘伝のドリンクバー術を教わったに違いない
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 23:17:40.01 ID:ynCskudMo

優希かわいい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 23:59:41.75 ID:W6csZTIzo
中立(京ちゃん咲ちゃんどちらもOK)
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 00:46:39.17 ID:UOaEXZ5y0

タコスが頑張りすぎて世界一位化しなきゃいいが
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 01:59:08.62 ID:UMkWamXzO

あの頃の一年生四人組は…もう…(´;ω;`)
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/24(月) 05:25:46.82 ID:s7wlVwmDO
乙です。
オチ村さんがオチてないだと!?(驚愕)
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 14:33:13.21 ID:u6/PfbaY0
乙ですのだ!!(^з^)-☆Chu!!
411 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:57:24.14 ID:CZpGMEr8o

 1/10

 【前日だよ。みんな京咲書けよ】-単発次元-


 「何するかなー」

 「須賀くん?」

 「おー、京太郎。

  何に悩んでるんだじぇ?」

 「ほら、明日の咲の誕生日。

  何してやろうかなーって」


 部室の空気が凍った。

 普段爛漫な優希も、クールな和も固まっている。


 「あれ、みんなどしたの?」

 「さ、咲ちゃんって明日誕生日なのか!?」

 「なんでもっと早く言ってくれなかったんですか!?」

 「お、おう。

  いや、みんな知ってると思って……」

 「あの咲さんが自分から自分の誕生日なんて教えるわけないじゃないですか!」

 「和も染まって来たな……」

 「咲ちゃんなら自分の誕生日を忘れてるまであるじぇ」

 「それ、去年やってたわ」


 兎にも角にも一つ確実なことは、『誰も咲の誕生日の準備をしていない』ということだ。

 京太郎は毎年何かしら簡単なものをプレゼントしていたが、二人は高校からの付き合いだ。

 ただでさえ自分のことに無頓着な咲がわざわざ二人に誕生日のことを教えるはずもない。


 「京太郎、これは重罪だじぇ」

 「つっても、最近の咲は俺より二人と長くいるし、てっきり知っているものかと」

 「えっ、最近の咲さんは私たちと一緒にいませんよ……?」

 「あれ?

  昼とかいなくなるからてっきり一緒に食べているのかと」

 「それなら京太郎も誘うじぇ。

  あー、女子三人に囲まれるとプレッシャー感じるヘタレだけどな!」

 「うるせぇ。視線が痛いんだよっ。

  それじゃああいつ何処行ってんの?」


 三人とも大きなクエスションマークを浮かべる。

 咲の交友関係は壊滅的だ。ここにいる三人が限界である。

 人見知りの咲が新たに友人を作れるとも思えない。
412 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:57:53.31 ID:CZpGMEr8o

 2/10


 「まさかあいつ、まーた一人で飯食ってんのか……」

 「昔はそうだったんですか?」

 「俺が声かけなきゃ外で木に寄りかかって昼寝してるよ」

 「おおぅ……。女子高生としてそれはどうなんだじぇ」

 「……また気をつけるか。

  それはそれとして、明日どうするかを考えないと」


 どうやら咲はまた人付き合いが面倒くさくなって一人でゴロゴロしているらしい。仙人か。

 その問題の解決も重要だが、目下の問題はそこじゃない。


 「咲さんは本を読みますから、ブックカバーなんてどうでしょうか」

 「それ、去年あげたわ」

 「じゃあ私はしおりでも買うじぇ」

 「三年前にあげたかな」

 「……寒くなって来ますし、マフラーなんてどうでしょう」

 「懐かしいなぁ。二年前にあげたっけ」

 「「……」」

 「本関連が浮かばないと、何喜ぶかわかんねーんだよなぁ」


 本気で悩む京太郎にジト目を向ける二人。

 しかし京太郎は気づかない。


 「これ、アレだじぇ。

  最近距離が離れがちな嫁さんに何をプレゼントしていいかわからない旦那の図」

 「アリですね……。

  仕事とか自分の付き合いを優先して嫁さんに構ってあげないからこうなるんですよ」

 「いや、二人とも何言ってんの!?

  だって夏辺りから和が咲の面倒見てくれるから自分の時間が出来てさ」

 「……嫁さんが、じゃなくて娘が学校に通いだして距離が出来た図の方が合ってますね」

 「京太郎の未来図が見えるじぇ。

  気が利かないで娘が反抗期を迎え、『おとーさんと一緒に洗濯しないで』なーんて」

 「だぁー!

  なんでそーなるの!」


 コソコソと唇を手で押さえて小声で井戸端会議の真似をする二人。

 しかしその声はしっかり京太郎に聞こえるようにするのがポイントである。

 清澄一年生ズ、特に和がここまで男性をからかえる図は珍しい。


 「のどちゃんも悪よのぉ」

 「いえいえ、ゆーきも」

 「和が染まってしまった……」

 「のどちゃんは元からブラックジョーク好きだじょ。iPSとか」

 「まだその話引っ張るんですか!?」
413 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:58:22.90 ID:CZpGMEr8o

 3/10


 「引っ張るも何も、あんな冗談は忘れられないじぇ。

  一生弄れるネタだじょ!」

 「待て、優希。

  冗談じゃないかもしれないぜ?」

 「えっ……?

  その、私のどちゃんはとっても可愛いと思うしお嫁さんとしてはいいと思うけれど、ノーマルだし……。

  でも、友達としてなら仲良くしような!」

 「和、茨の道かもしれないけど、応援するから!」

 「私だってノーマルですから!」


 イェーイと京太郎と優希が手を叩き、和は重い溜息を一つ吐いた。


 「ほら、また咲さんが空気になってるじゃないですか」

 「いやー、コントやるならこの三人の方が向いてるじぇ」

 「やらねーから。

  えー、じゃあいくつかピックアップしていこうか」


 わざわざホワイトボードまで持ち出して思案する。

 あまり時間をかけてしまうと買いに行く時間もなくなってしまう。

 早めに決めて、早めに買いに行こうと決めた。


 「咲の趣味は読書、昼寝、麻雀だな」

 「何かこう……アレだな!」

 「ゆーき、人の趣味にケチつけるのはいけませんよ」

 「私何も言ってないじぇ。

  のどちゃんもそう思ってるって事だじぇ」

 「そ、そんな事ありませんよ。

  いいじゃないですか、昼寝……」

 「読書関係のは結構プレゼントしたことあるし、残り二つが妥当かな」

 「読んだことある本だったらプレゼントできませんしね」

 「じゃあ、枕か」

 「結構いいと思うじぇ。

  咲ちゃんどこでも寝るし、のどちゃんみたいにマイ枕を持っててもいいんじゃないか」

 「渡したら渡したでどこでも寝そうで困りますね……」

 「そんな、どこぞの神代の巫女さんじゃないんだから」


 京太郎はやけにキャラが濃かったインターハイの巫女集団を思い出す。

 曰く神様が降りるとどこでも寝るだとか夏の戦場に舞い降りた天才と聞いたが、割愛する。

 巫女さんのコスプレイヤーがいると思ったら本物だった記憶は筆舌にし難い。
414 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:58:52.32 ID:CZpGMEr8o

 4/10


 「じゃあ私は枕にしますね」

 「私はタコスにするじぇ」


 気づけば二人のプレゼントは決まったらしい。

 相談していたはずなのに、京太郎のプレゼントだけ決まっていない。


 「ちょっと待ってくれよ。俺、まだ決まってないよ」

 「いや、京太郎は他人に聞いちゃダメだじぇ」

 「そうですよ。須賀くんがじっくり考えないとダメです」

 「え、えー?」


 本当に二人とも帰り支度を始める。

 最初は冗談かと思っていたが、どうやら本気らしい。


 「須賀くんが決める、ことが重要なんですよ」


 最後に、人差し指を唇に当てて小悪魔のような笑みを浮かべる。

 和らしくないなと思いながらも、優希に視線を向けるが相手をしてくれない。


 「教えないじぇ」

 「なんでだよー」

 「それくらいしないと、私ものどちゃんも納得できないからなー」

 「なんだよ、それー」


 納得できないとはどういう意味だろうか、きっと京太郎だけがわからない。

 そんな意味深な言葉を残され、京太郎もまた部室を後にする。

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            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/      「染谷部長、先に帰りますねー」
  //////////〉        込、  __    ,.: /
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. |:::::::::::〈/ ̄ Y弋   ^'''/   __/::::::゙、::::::|
 〉/|:::::N    |  ` ̄ ̄     r'::::::::::人:::/  「おう」
 V `ー|\_/'    _, -‐'1   /|:::::::::/!人:|
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415 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:59:22.13 ID:CZpGMEr8o

 5/10


 ……
 …

 「そんなこと言われてもさー」


 帰り道、ぶつくさと文句を言いながら歩く。

 とにかくショッピングモールにでも寄って考えようと足を向けた。

 しかし、相変わらず何も浮かばない。


 「ネタがないんだよ、ネタが」


 この三年間、無難なものばかり選んできた。

 咲に本をプレゼントするのは難しい。すでに読んでいる本の可能性があるからだ。

 その点、しおりやブックカバーなら安定だ。

 ちょっと背伸びしてマフラーをプレゼントしたこともあったが、あれは恥ずかしかった。

 それからしばらく咲がずっと同じマフラーをしてきて、周りからからかわれたものだ。


 「無難なのないかな」


 ネックレス、イヤリング、……咲には合わない。

 それに、なんだか意味深で恥ずかしい。

 そーいうのじゃなくて、フツーなのがいい。

 そんなことを考えて歩いても、考えはまとまらない。


 「アレ?」


 ーー見覚えのある、栗色の髪の毛。


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,,:‐レリ    _       ̄ /    「何やってんだ、咲」
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               ,..-‐:.':.´ ̄:.`:.ー.、
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             ヾ!、::ヽ ヽ!ヾ ""::::::::::::::::::::"" i:::,、::::|    「京ちゃん!?」
            ヽ、:`:ー:::、   ! ̄ヽフ   /,ノ \i         ,、
               ヽiヽi、` , 、 ` ̄´ /             /./ /フ
       r、            ヽ|  ` ーイー-――ァー,-、    _   /./// ,.-,
.   ヾヽ.  | i     _,....-‐:.:'〔'   _/:.:.:.:.:.://  ヾi  |i ノ ´ ∠- '/
   ,...__ヽ丶 | .!  ,イ、、:.:.:.:.:.:.:.ト._´/:.:.:.:.:://   r-、|  | ´ 、    ∠.._
   `ー-、`ヽ`  Vヽ.,、 、\:.:.:.:.:i   /:.:.:,;.:."イ  | /  ゙、  ヽ   ヽ  ,ィ―ー‐'
   ⊂二     ー' ,イ >ー`ー-ヽ./-‐"-‐'ノ==  レ'     ヽ√i    ,ノ
      ヽ /   / .V `ー-┬'`i'ー―'´  ヽヘ      ;ヘ,メ、   /〉
416 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 19:59:50.86 ID:CZpGMEr8o

 6/10


 ワタワタと不審者じみた歩き方をしている咲がいた。

 下校してから会うなんてすごい偶然だ。


 「迷ったのか?」

 「迷子じゃないよ!

  そ、その、本屋に行こうと思って」

 「……方向、逆だぞ」

 「ぅひ」

 「ほら、ついてこいよ」


 呆れて溜息を吐くと、咲はむすっとこちらを見た。

 ーーそんな目で見られても呆れるしかないだろ。

 そう思っても口には出さない。お姫様の機嫌を損ねてしまうのがわかっている。


 「京ちゃんこそ、なんでこんなとこにいるのさ」

 「俺かぁ?

  俺はその、買い物だよ」

 「それはわかるよっ。

  何買いに来たのって聞いてるの」

 「えっと……」


 咲へのプレゼントだよ、と言おうとして息がつまる。

 これって結構恥ずかしいことではないだろうか?

 今までは特に意識しないで渡していたが、必死にプレゼントを考えているところを見られるのは……。


 「(それって、結構恥ずかしくね?)」

 「京ちゃん?」

 「……迷子のお姫様の気配を感じてさ」

 「あー!

  そういうこと言うんだ!」


 とりあえず、誤魔化した。

 何やら抗議の声を上げているが、それは気にしない。


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Y              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从    「あー、咲」
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
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              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
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417 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 20:00:20.24 ID:CZpGMEr8o

 7/10


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                 |: /イY:{ 比::(_,   、{ ィ斧ミ:/:|:|: ヽ: /: : /
                 |'  |:/|、|弋zソ     ん::::(_ ∨:}: : :/: : /
                  |Y :.:.:.:  ,  弋こソ l/|: :イ: : ,
                    人   、     :.:.:. /: j' ,ノ/:/
                      、    ´    ム:イ-' /:イ     「何?」
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            ,  ´  {::::{{ ̄::::::::::、 \  l         |    ノ

 「……」


 さっきまで文句を言っていたにもかかわらず、くるりと振り向いた顔は怒ってはいなかった。

 急かすわけでもなく、隣を歩きながらじっと京太郎の一言を待っている。

 いつもと何ら変わらないひと時だったが、何だか負けた気がした。


 「最近どんな本読んでるんだ?」

 「変わらないよー。

  海外ミステリーが多いかな」

 「そ、そっか。

  麻雀部はどうだ」

 「何それ。変な京ちゃん」

 「何だよ」

 「まるでお父さんみたいな聞き方してるよ」

 「そうか?」


 話題がなくて、一問一答のような問いかけ。

 娘とのコミュニケーションを測れない父親とはこのような感じだろうか。

 和と優希のからかいを思い出して何となく困ってしまう。


 「麻雀部って、京ちゃんもいるじゃん」

 「最近昼飯を和や優希と食べてるのかと思ったら、一人で食ってんだろ?」

 「……あっ」
418 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 20:00:49.58 ID:CZpGMEr8o

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     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/      「ほら、やっぱり」
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
    //////////////∧、__「//////////////// \
   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
   |//|/////////////V/\ //////////////////'//|


 バツの悪そうな咲の顔を見て、何となく察した。


 「どーせ寒いからとか、他のクラスに行くのが面倒だとかで一人で食べてるんだろ」

 「うぐっ」

 「それで食べたら本を読む時間が出来るとか考えてるんじゃないか?」

 「そ、そんなことないもん」

 「おら、俺の目を見て言ってみろ」

 「京ちゃん、近いって」

 「あっ、悪い」

 「いや、別に嫌じゃないんだけど……」


 何だか妙な雰囲気になってしまう。

 そういえば近づいた時に、咲の匂いがしたような気がする。

 これ以上考えると泥沼に浸かる気がしたから思考を切り替える。


 「(寒いなら、手袋とか買ってやるか)」


 この前はマフラーだったし、ちょうどいいかもしれない。

 周りを見て、どのお店にも手袋が置いてある。

 探すのはそんなに難しくなさそうだ。


 「どしたの」

 「いーや、何でもない」

 「そっか」


 とりあえず、目の前のポンコツにそれを悟られないようにするべきだ。

 どーせ自分の誕生日も忘れているだろう。そう思ってーー
419 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 20:01:19.59 ID:CZpGMEr8o

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              {:/  ' : : {: |/' Y  \  / '   }: : :, : : : }
              {: :,: :从 ィ=ミ     ィ≠ミ/: : /-、: /
              |:/: : :{` :.:.:. '     :.:.:.:. ム: :/ Yl}ィァ
               ∧: :从     __   _   /:イ__///ア   「誕生日プレゼント、楽しみにしてるよっ」
               ∨  、   V  ノ 、 ヽイ: : ////
                   ` .   ....:::}  }'/ 〃- く
                ___   `T ´/:|    /, - }-、
                /:/::::::`ー-´l/::イ}   とイ-、 ノ、\
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               /{::{:::::::/ /:/:.:./  \'  /:.、  ∨__〉
              , Y::::,/:/:.:./   /__/::::/∧  ,
              {  {:.∨:イ:.:./    ∨二二 イ:::∧  :.
              | ∧:.}':.:./       \__,/  、 ,
                 Y 「 ̄}         乂        \
              | { |_」           \       ヽ
              | | /:.:.∧            |\         }
              | /:.:.:/:.:.:.、           |  \     ノ


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \    「……うげっ」
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\
//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧


 不意を突かれた。

 深く考えて言った一言ではないだろう。

 しかし、ちょっと意識してしまった自分には十分すぎる破壊力だった。
420 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/26(水) 20:01:49.18 ID:CZpGMEr8o

 10/10


 ……
 …

 ・みやながけ次元だとどーなるの?


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          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
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                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
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              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
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            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「いや、あの、それ昨日と変わらな……あっ」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
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 カン!
421 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/26(水) 20:02:18.39 ID:CZpGMEr8o
 明日の咲ちゃんクイズが楽しみです
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 20:55:22.65 ID:wLuy59ZDo
乙です
やっぱり京咲がナンバーワン!

ん?今咲ちゃんクイズ次元書くって言ったよね?
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/26(水) 21:12:47.18 ID:m5HRsdcr0
崩壊から生まれる
明日を
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 21:29:27.19 ID:r751BQGiO
乙です

崩壊→ほうかい→法改→法改正で幼馴染みは結婚しないといけなくなって内心は嬉しいけど素直になれないツンデレ咲ちゃん次元?
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 21:57:31.94 ID:EDJvhm7S0
乙 咲ちゃんクイズ…咲ちゃんのお婿さんは誰でしょう?
1 京太郎
2 京ちゃん
3 金髪長身でタコスの作れる咲ちゃんの幼馴染
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 22:36:00.59 ID:Kj7Wl63q0
乙!!
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 00:21:06.74 ID:3F0WC8P2o
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/27(木) 01:35:14.89 ID:mvjPCNhr0

プレゼントはGPSでいいんじゃね?
429 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/28(金) 19:50:41.61 ID:ZvXP6JFqo
 不調なのでリク募集

 ・把握済み
 宮守勢に結婚報告(付き合った報告)をする二人
 シロ、看病する
 京ちゃん幼児化する
 掲示板で彼氏・旦那自慢
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 19:52:32.45 ID:5nxv+W8po
きれいなのどっち
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 19:58:26.83 ID:keU12dZ6o
あわネリ次元でプレゼントのお返しは何がいいか悩むネリー
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 20:22:18.98 ID:zE6QaADz0
きれいな姫さん
麻法少女恭子
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 21:17:59.06 ID:99v2GYF30
幼なじみの喫茶店の看板娘・まこねぇとかどうよ
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 21:26:04.10 ID:qVMS0xPD0
京ちゃんがおもちスキーになったきっかけとか
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/28(金) 21:55:12.59 ID:ybsZXKhDO
ハロウィンネタってもうやったっけ?

あと裏世界に突っ込む咲とそれを支える京ちゃんのヘルカイザー次元という謎の電波を受信したんだが疲れてるのかな。
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:07:33.44 ID:kYCq8Eq0O
幼妻初美
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:11:28.69 ID:jVVUi8GtO
京ネリ次元が見たいです
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:12:12.07 ID:49FoWPFh0
前スレ>>889-898からの派生で、
玄に対して「京太郎がいかに浮気性であるか」を具体例を挙げながらこんこんと説く宥姉と、
京太郎の行動をとことん好意的に解釈してしまうために、姉の言葉が悉く京太郎を称賛する言葉に聞こえてしまう玄の姉妹対決
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:18:26.24 ID:6Mw6iOjoO
京和次元ネット住民を呼んだ結婚式
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:19:21.27 ID:YE1Rm2GnO
京太郎無自覚に女の子を口説きまくってしまう、学校の日々編
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:19:33.39 ID:wN24KHxLo
冷やしトーカ光臨@お金持ち次元
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:45:53.60 ID:pi7oY7V/O
京太郎知識技能試験@団体部門
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:46:45.50 ID:KKqOLrCjO
はっちゃんルートの続きの幼妻はっちゃん
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 22:53:05.98 ID:I/PNnBTDO
衣おねーちゃん参上@お金持ち次元
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 23:22:23.48 ID:vKuZJGP3O
京穏次元の続きをお願いします
オープンキャンパスが春頃?なら、次は夏休みの追い込みかな?

あと、派生ののどあこアイドルを(レイプ目)
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 00:24:39.78 ID:3hJ86YfUo
まだ、咲の誕生日当日編が書き終えていませんよ?
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 00:56:32.45 ID:XCq3Z3lQo
京ちゃんと照さんが長野に居て、咲ちゃんが東京へ行った世界線
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 00:57:51.11 ID:nBBWNWoiO
姫様浄化からのヒロインルート
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 01:21:10.94 ID:ipmBiyk00
のどっちと京ちゃんの結婚生活
もしくはお金持ち時空での京透とか見たいです!
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 01:23:35.69 ID:PI2LFsUaO
はやしこにロックオンされる京ちゃん
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 01:36:06.83 ID:OsAwrGNUO
決勝戦大将次元はよ
同じアパートに住んでるのに自分の部屋に戻らず、京太郎の部屋に入り浸る、もとい住み着く四人の少女達と、それらの面倒見る京太郎とのハートフル(ボッコ)ストーリー
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 07:24:14.53 ID:XbsZEHCso
塞さんの心の穴を埋める尻ASSな物語
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 19:12:33.47 ID:ex3yfVJ50
息子・娘「お菓子くれなきゃいたずらするぞ〜」
照「おかし(ダブルミーニング)くれなきゃいたずらするぞ〜」
みたいなハロウィンみやながけが見たいです
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 00:35:30.72 ID:TEUmLjYpo
京霞
筋肉次元
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 01:21:01.89 ID:BC3YkhTL0
霞色次元2週目
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 04:15:02.06 ID:RuCXXMUr0
たまにはヒッサを
京ちゃんが2年早く生まれたifで久と二人っきりで1年間麻雀部
ときどき幼馴染てるてる
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 05:26:14.22 ID:EfhG8Yh+O
実はあわあわに養ってくれる人がいることが判明して麻雀プロ勢に激震が走る@あわあわ次元
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 08:27:13.10 ID:/y1yYxzOO
京太郎がハギヨシの下で修行し執事となって色々なプロ雀士や家業の手伝いにいく京ハギ(ヨシの下で修行)次元
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 08:35:10.87 ID:jnO67bbFo
新しい次元開発ええの?
なら、素直に人を信じて騙されやすい豊音を助ける京豊次元
460 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:20:48.11 ID:X5EX0zwso

 1/10

 431
 【ネリー、買い物する】-あわネリ次元-


 ネリーは倹約家だ。

 高校から多くのお金を手にするようになったとはいえ、その精神に変わりはない。

 無駄遣いはせず、必要ならば他人のお中元すら貰い、毎日の食費すらケチっている。

 信じられるものは自分だけ。そんな自分にすら厳しい。

 仮にお中元をもらったとしても、返すことはしない。

 あくまで自分の中で完結している。相手の好意は受けるが返すなどと約束した覚えはない。


                 ,  ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   \
                /                  `\
            .>一'                   |
            ,  ´                    __  /`!
       /     {       __        〃'⌒ 〈  |、
       /     〈⌒ヽ    ,ィ==ミ    tゥ    〈  }  ! \
.    /      // }  ',  -‐= _           /   い ヽ、 \
  ∠、    /  { |   ヽ. --、 `ヽ\_,ノ⌒ ー'   lノ     ヽ
 /三二ニ=ァ'´   /) ヽ   卜、::::\   }             !         l     「……」
. {三ニ=‐ '´     {  /|     \::::|            |       |
            〉           lノ           ∧      |
            、        |           /  \ /´ ̄ ̄`\
               l   /´ ̄ ̄`\        /}.   /    / ̄/\
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             |    /////////////∧     く  |     ///////////////// \


 小さなベッドの上でぬいぐるみを抱いてゴロゴロする。

 最近、何より癒される時間だ。

 大事な日にはぎゅっと抱きしめてから出発するようにしている。

 すると不思議なことに、『流れ』を掴んで大勝することが出来るのだ。

 普段のネリーならば不調時には無理をせず、勝ちもせず負けもしない戦い方をする。

 しかし、そんな不調を吹っ飛ばすように調子が良いことも多い。

 留学生として呼ばれた大会でも好成績を残し、スポンサーも大喜びだ。

 だから、最近は小金持ちになってしまった。

 いつもならば質素倹約を主とし、いつも通り母国に仕送りを送って自分は貯金する。

 しかし、よく考えてみよう。

 このお金はいわゆる『あぶく銭』だ。本来、ネリーは流れに沿っていれば勝てなかった試合に勝ってしまった。


 「返す、なんて言ったことないし」


 調子が良い。

 それを『自分の力ではない』と認識できるほどネリーは強い。

 だからこそ、自分の心に渦巻く何かに気をとられる。

 何も気にせず、いつも通りにしていれば良いのにそれができない。
461 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:21:18.02 ID:X5EX0zwso

 2/10


 「お前、アワイみたいだ」


 アニメで見たポケモンを思い出す。

 最初はツンツン、気分屋を経て、最後にデレデレ。それに黄色い。

 大星淡に似ていると言ったのは、あながち間違いではないのかもしれない。


 ポケモンは世界共通だ。

 余談だが、全世界でピカチュウのみ『ピカチュウ』という呼び方に変わりがない。

 日本で二番目に有名だろう海外ニックネーム(偏見)でいえば『Garchomp』。これはガブリアスのことを指す。

 しかし、ピカチュウのみ呼び方が変わらない。世界のピカチュウなのだ。

 海外でもピカチュウは子供達に大人気。もちろんネリーも例外ではない。


 小さい頃から憧れていた。

 みんなが持っているピカチュウのぬいぐるみ。

 京太郎にも淡にもポケモンのことを知らない振りをした。

 でも、彼らは察してくれた。

 貰った時は涙が出るほど嬉しかったのだ。

 あの時は手が届かなかったピカチュウのぬいぐるみが手の中にある。

 それが自分の一番目に好きな人と二番目に好きな人からのプレゼント。


 もう、あの頃とは違う。


 「プレゼント、貰っちゃった」


 裕福な日本人にはわからない感覚。

 ネリーは嬉しくて、嬉しくて、どんな顔をして良いかわからない。

 誰かに自慢したくて仕方ないけれど、それも恥ずかしいから辞めておく。

 しかし、思わず親に漏らしてしまった。

 すると帰ってきた答えはーー『お返ししようね』だった。


 「プレゼントのお返し?」


 ネリーはいわゆる守銭奴に近いガメツさを持っているが、一般常識を持っていないわけではない。

 今までもらえるものはもらっておくスタイルだった。

 誰かを信用することもないから、未来への投資なんかしたことない。


 要するにネリーは、誰かのためにプレゼントを買ったことがないのだ。
462 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:21:47.79 ID:X5EX0zwso

 3/10


 ……
 …

 『大星淡へのお返し?』

 「……うん」


 小さくなって、帽子で顔を隠しながら智葉に電話で相談する。

 智葉はやれやれと首を振るが、電話越しのネリーに伝わるはずもない。


 『二年ぶりの連絡がそれとは、ネリーも随分変わったな』

 「う、うるさいな」

 『まぁ臨海卒業なら仕方ない。

  麻雀と関わらなくなれば自然に疎遠になるか。

  他の人たちはどうしてる?』

 「知らないよ。

  たまに世界戦で当たるくらい」

 『なんというか、本当にドライだな』


 臨海の留学生は決して仲が悪いわけではないが、一つの線を引いた先には進まない。

 いわゆる相談事や手助けといった概念とは無縁だった。

 インターハイさえ終われば今の味方も明日の敵。

 だからこそ自分の手の内は監督にだって晒していない。

 そんなネリーが相談事を出来る相手は数少ない。


 須賀京太郎と大星淡。主にこの二人はネリーの『線の内側』に入ってくることを許している。

 しかし今回のプレゼントの相手はこの二人だ。二人に相談するわけにはいかない。

 散々悩んだ末に、ネリーが出した答えが智葉だった。

 日本3位の実力を持ってして麻雀プロには進まずに家業を継いだ。

 それはすなわち、ネリーの敵ではない。

 現在進行形で世界戦で当たる『敵』よりは幾分か相談しやすかった。


 「ジャパニーズ『落とし前』は得意でしょ?」

 『それは間違った日本の知識だよ……。

  プレゼントとは呼ばない』

 「そうなの?

  それならどうしたらいい?」

 『相手の好きなものをプレゼントするのはどうだ。

  私はその二人について詳しくないが、ネリーならばわかるんじゃないか?』

 「好きな、もの?」


 最近の淡との関係は良好だ。

 というか、淡が勝手にマシンガントークしてくる都合上、放っておいても話は続く。

 だからこそ知ろうとも思っていなかった淡の個人情報をたくさん知っている。

 もちろん、淡の好きなものだって知っている。

 ーーだが
463 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:22:17.08 ID:X5EX0zwso

 4/10


 ……
 …

     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |    「キョータロー!」
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


 …
 ……


 「ダメ、それはあげられない」

 『えっ、なぜだ』

 「世界に一つしかないから」

 『お、おう?

  何が何だかわからないが、好きなものがダメとは……』


 お返しはするが、それとこれは話が別だ。

 須賀京太郎をあげるつもりはない。そこは譲れない一線だ。

 それに京太郎には何をあげればいいのだ。胸か。胸でもあげればいいのか。


 『私は二人のことをよく知らない。

  あとは手袋なりマフラーなりの無難なもの。

  手帳やボールペンなどの普段使うもの。

  あるいは』

 「あるいは?」

 『ネリーが貰って嬉しいもの。

  ネリーが考えたものだ』

 「私が考える?」

 『そうだ。

  ネリーはプレゼントをもらって嬉しかったんだろう。

  必死に考えてプレゼントをもらったら、誰だって嬉しいものだよ』

 「……そっか」


 仮にもらったのがピカチュウじゃなかったらどうだろう。

 それでも嬉しかったに違いない。

 二人が考えてくれたならば、それだけで嬉しいんだ。
464 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:22:46.40 ID:X5EX0zwso

 5/10


 「わかった、やってみるよ」

 『成果くらいは連絡してくれよ。

  夜も寝られない』

 「嘘ばかり」


 携帯の電源を切る。

 智葉の電話番号を数秒見つめる。

 こっそり、フォルダを『友人』へと変更した。

 これで『友人』フォルダは三件目だった。


 ……
 …

 「小物がいいかな、それとも何がいいかな」


 一人で目的もなくウインドウショッピング。

 今までのネリーならば考えられないことだった。

 最近になってようやく淡と二人でウインドウショッピングを覚えたところだ。

 それまでは必要なものだけを買っていた。

 何を買うか決めないでデパートを歩くなんて考えられない。

 そんなネリーが誰かのために巡っている。

 そう考えて、自分で恥ずかしくなってしまった。


 「借りは返す」


 帽子を深くかぶって誤魔化す。

 どうせ店員は子供が一人で大人びた店に来ていると思っているだろう。

 しかし、何を今更だ。

 二人の喜んだ顔を見られるなら、それくらいなんともない。


 「アワイはなんだか女子っぽいの。

  キョウタロウはどうしよう」


 そう、問題はこっちだった。

 淡のほしいものはなんとなくわかる。普段から一緒に店を回っているし、分かりやすい。

 正直、何をあげたって喜ぶだろう。

 しかし、京太郎は異性であり、何も予想できない。


 「喜ばれなかったらどうしよう」


 そう考えるが、そんなことを考える自分がなんだかおかしかった。

 喜ばれなかった時のことより、喜ぶ顔が目に浮かぶ。

 そうだった。京太郎も単純だし、何をもらったって喜んでくれるだろう。
465 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:23:15.96 ID:X5EX0zwso

 6/10


 「アワイは前に欲しがっていたネックレスでいいかな」


 少しお高いネックレスを選んで買った。

 自分用ならば絶対に買わないものだ。……似合わないし。

 プレゼント用の包装をしてもらったのも初めてだ。

 専用の包装にお金がかかるのは知らなかった。二人がいなかったら今後も知ることはなかっただろう。


 「キョウタロウは、麻雀が上手くなりそうなものでいいかな」


 麻雀の教本でもいいかと思ったけれど、それならば自分が教えればいい話。

 それにどの教本がいいかわからない。幾ら何でもそこまで日本語に詳しくない。


 「小鍛治プロ監修、婚期が良くなる占い……。

  牌のお姉さん監修、アイドルを目指す女の子へ」


 自分でも知っているプロの名前があったが、麻雀となんら関わりがなかった。

 前者はなんでこんな本が出ているのかわからないくらい不吉だし(呪いがかかってそうだ)

 後者はなんだか世界一位っぽい女の子とピンク色の髪の女の子がツーショットを撮っている。

 どちらも胸が大きい。ある意味京太郎は喜びそうだが、それはなんだか嫌だった。


 「……どうしよう」


 途方にくれた。

 やはり男の子のプレゼントを考えるのは荷が重かったかもしれない。

 もうこうなったら直接連れて来て選んでもらおうか。

 それならデートにもなる。


 「……デート」


 顔が赤くなったのを感じて帽子を深く被った。

 違う、そうじゃない。ただのプレゼント選び。

 いや、一般的にそれはデートか。


 「智葉ならわかるかな」


 三人しかいないフォルダを開け、電話をかけようか迷う。

 しかし、こんなことで連絡するのも気がひける。

 そして、昨日の会話を思い出した。


 「ネリーが貰って嬉しいもの?」


 名案が浮かんで、顔を上げた。

 淡へのプレゼントとは値段の差がついてしまうが、これしかないと思った。 

 店の場所はすでにわかっている。

 靴を整え、嬉しそうに走った。
466 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:23:45.57 ID:X5EX0zwso

 7/10


 ……
 …

                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく    「わー!
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ    何これすっごい!!」
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕


 淡にお返しを渡すと、やはり盛大に喜んでくれた。

 バイトをしない苦学生には手が出ないようなブランドだ。


 「これ、高かったよ!」

 「別に、この前勝てたお金のあぶく銭」

 「ネリー! ありがとー!!」

 「くっつくなー!」


 胸で顔が埋もれる。許さない。

 少しは分けて欲しいと思い始めたのは内緒だ。


 「あれはネリーの戦勝記念だったし、気にしなくていいのにさ」

 「キョータローわかってない!

  貰ったものは素直に喜ぶんだよ!」

 「お、おう。

  そうだな。ごめん」

 「あっ、もしかしてキョータローのもあるの!?」

 「お返しを求めていたわけじゃないけど、淡にしかなかったら凹むわ!」

 「うにょーん!?」

 「うりうり。よく伸びるほっぺたやのう」

 「やめろー!」


 ムッとする。せっかくプレゼントを買って来たのに二人でイチャイチャしないで欲しい。

 でも、京太郎にプレゼントしたら喜んでもらえるかもしれない。

 さっきの淡みたいに抱きしめてくれるかもしれない。

 そう考えるとなんだか照れくさくて帽子を深く被った。


 「っつーか、そのでっかいのだよな」

 「何あれでっかい」

 「うっ……」
467 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:24:14.74 ID:X5EX0zwso

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         , ‐.,       / .i
        i  i         /  /
        i  i.    , 、. /  ./
      ,.、 i  i    i. i/  /
        i  ii. i, ‐  ̄i  i /、
      ヘ. i i    ヽ !/  `ヽ、
       /`           , -、 .ヽ
       ,'-、. ・   ・    .i.  i ...i
        i  i            i  i`.‐.i
      ヽ_ノ.................,.-‐-‐'::ヽノ::::: ヽ
       ヽ.`ヽ_ノ::::::::::::::::::::::::::    ヽ
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         `´ ̄` ー-〜 ´   ` ー〜 ´


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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「……ヌメラ?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


           「 ̄`ヽ-―‐---、__
           {:.. ,..-f( ))-、       ̄}
              广}___クーく.___{ ̄`ヽ ..:::/
          / ,..-‐r:r―┬r::r--、  }!V、_
          /7'..:::i::|^!...:::i:| |:ヒjハi::ヽ|! ヾヽ
           {ハ:::::::f':n:i、:::::{"{::n:ヾi:::.:|!  }!'^゙
           |丶弋ツ `゙ 弋;ツ}::::.|!  }!
            |:::|:i| "  '_   " .!::::.{! o|!、    「う、うん」
             |、::|ハ:.,、  、ノ ,..ィ:ノ::リ;》=《i ゙、
         /.:ヽハ!:r‐` T"´  !イ':":.:.:.:.:\i!
       r:<>、.:.:.:.:.:.ト--、   ,..-/:.:.:,:イス) >_>、
      ζ√ーァ\:.:.:.ヽ     /:fィ_トrJ しイ.,>イ
        ∀  ! `Zf┬‐-≧ーイ:.:r'´       |_)i::}
468 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:24:43.76 ID:X5EX0zwso

 9/10


 「わー! ヌメラだ、かわいー!」

 「ぐぬぬ……、俺の小動物好きを見抜くとは……、かわいいなこいつ!」

 「カピバラ飼ってるんでしょ」

 「おー、よく覚えてたな」

 「ヌメラー! かわいいー!

  ねぇねぇ、これキョータローの家に置くなら淡ちゃんも可愛がっていいんだよね!」

 「うん」

 「やったー!」

 「貰った俺の許可はなし!?」

 「ほらー、ゴツい男子大学生がヌメラかわいいーってしてたら問題だよねー!」

 「うん」

 「貰ったのに!?」

 「でも、なんでヌメラなの?」


 淡が何かに感づいたようで、ネリーに問いかけた。

 しかしこれに対する回答は考えて来てある。


 「ヌメラ、ドラゴンポケモン。

  一番弱いドラゴンポケモン」

 「グッハァァァァァ!?

  なんでプレゼントしたのにカウンターされてるの俺ェ!?」

 「アッハッハ!

  ネリーはセンスいいね!

  キョータローは麻雀弱いもんねー!」

 「うるせー!

  俺だって頑張ってるんだよぉ!」

 「悔しかったらここでリベンジしていいよー!

  三麻で徹麻やろー!」

 「やだこの子、俺ん家に居座る気満々」


 淡はヌメラを京太郎に押し付けて、抱きしめさせた。

 『淡ちゃんの匂いがついてるよ!』なんて言いながら、ちょっと恥ずかしそうにネリーに近づく。


 「きっと、強くなるもんね」

 「……!?」


 いたずらっ子の笑みを見せて、ネリーの耳元で呟いた。

 どうやら、淡には敵わないらしい。
469 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/10/30(日) 21:25:12.87 ID:X5EX0zwso

 10/10


 ……
 …

 「ヌメラ、ドラゴンポケモン。

  世界で一番弱いドラゴンポケモン」


 得意な技は、『がまん』


 雨の中我慢して、いつか進化して、ヌメルゴンになる。

 とても人懐っこくて、優しくて


 そして、強くなる


                __     _ , -‐ 、
           ,  "´      ` 丶 { (    ]
          ,                   人 ヽ._/ }
       ./          _,.  -‐ァ     `丶
      〃         ,   ´ / /   _/⌒ヽ--L_
      /        /    / ,:   ∩'´  , - 、   ヽ
     ./       /     / /   , U  /   ` ーァノ
    /      〃       i '  ∩    {    )ノ/
    /        /         l/  ∪      `ー一'/
   ,      /          ,'  /     ィ  { /
    l       /         l  ;     /l l }
    |     /            |   |       N {_ノ
    |     ,'         |  !       ', ー'
    l    ,'          八  -、     ',ー- .,_
   ',   |              /   ヽ     ',‐-- 、`ヽ
    ',   |          /       ',    丶 ゝ--‐'
    ',   |         ,'  ヘ  | |      ヽ‐ 、
    _,j  |           l   八  | /       ヽ 丶、       , -―- 、
   / J  '         |  l l `T´ヽ         ヽ  丶、   /    ‐- 、〉
  八   ノ           {  | し'    ',        \  `¨´    ァ一= '´
   `¨´               ',   し'     i          ヽ     /|
                  ',    /   }           ',   / l |
                 >-‐'´    /              ',‐'´ しヘ_ノ
                /      /             ',


 カン!
470 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/10/30(日) 21:25:42.14 ID:X5EX0zwso
 もうみんなもリクエストするネタないだろうな → 30レス → ( д) ゚ ゚

 ど、どこにこんなにいたんだ……。ありがとうございます!
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 21:42:40.39 ID:jnO67bbFo

お返しに「プレゼントはわたし」はしなかったか(世界一位並感)
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/10/30(日) 21:44:37.38 ID:shMVovvDO
乙です。
どうしよう、名前すら出てないのにあの二人の存在を臭わす描写があっただけで笑っちゃった……
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 21:46:44.97 ID:Y+nKzpyeO

ネリー良い子だなあデートすれば良かったのに
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 22:01:47.64 ID:7ugd9JhN0
乙!
ネリーが可愛くて満足
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 22:04:42.41 ID:s4tmjzD/O
あの二人だとプレゼントがああなるからな
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 23:42:03.64 ID:zb5C1z2Co
すこやんの本は売れねえだろ…
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 23:46:02.29 ID:Oj+5+xRgO

すこやんの本の占いって晴絵にする方法じゃね?
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 01:34:57.14 ID:lz+QvKyx0

見ただけで世界一位を認識すろとは
すこやんの本→狙いは京ちゃん→女子麻雀ハルマゲドン→アラフォーはオチの中で最弱 世界一襲来→クロチャー京ちゃんGET
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 09:11:58.99 ID:9TAoYYyY0
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage sag]:2016/10/31(月) 16:28:30.95 ID:edhkM9PDO
ネリーがD○Dやったらどうなるかなってふと思った。
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 00:43:06.93 ID:Y8LveJqy0
乙!!!!!
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 13:12:02.67 ID:TQxhqKRwO
すこやんの本は的中率0%、つまり逆にとらえればいいとかで人気ありそうだな
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 13:41:11.59 ID:mqqbTuEtO
逆張りしたら呪われそう(偏見)
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 19:07:12.09 ID:t4HH2gR+0
すこやんの本か、なんだかナンバーワンになれそう
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 00:11:46.33 ID:nB68bty1O
女子力高くなりそうなすこやんの本
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 00:23:44.07 ID:8oxvOJ3I0
次元の壁を越えても存在してそうなすこやんの本
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 00:45:26.19 ID:/OlzOLSE0
すこやんの本知ってるよアラフォーの聖書だろ
汝の隣人の男を奪えよ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 06:28:58.92 ID:OEIVOJTqo
奪えないし男と話すらできないからアラフォー
489 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:14:32.73 ID:oSC/JdPfo

 1/10

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 【かかあ天下】-単発次元-


 朝は旦那より早く起きる。

 もともと修行のために早起きだったから、最近はその時より遅くまで寝ていられる。

 しかし、その修行は身についている。

 早く起きても二度寝したいと言う衝動に負けず、お布団の誘惑に負けない。

 横で眠る旦那の寝顔を流し眼で見る。忙しい朝の清涼剤だ。

 自分が早く起きたから叩き起こしたいと言う衝動に駆られるが、同時に外に稼ぎに行っている大事な旦那様でもある。

 一分一秒でも長く休んでほしいと言う母性が優った。


 「さぁて、今日も張り切って行きますよー!」


 薄墨初美は『お嫁さん』である。

 どこにでもある一般家庭に嫁いできて、旦那との二人暮らしを経験し、子宝にも恵まれた。

 現在、ローンで買った一軒家を取りまとめるお嫁さんだ。


 「まずは洗濯からですねー」


 永水で培われた良妻賢母の条件は体に染み付いている。

 常日頃から花嫁修行をしていた甲斐もあってか、どこに出しても文句の一つも出ないだろうお嫁さんに進化した。

 朝のルーティンワークは主婦にもよるが、初美は旦那よりも先に起きることを目標としている。

 毎日激務のサラリーマンである旦那を労わるためでもあるが、何より一家を取りまとめるモノとして示しがつかないからだ。

 要するに、『私はこれだけ頑張っているから旦那さんも頑張ってくださいねー』と言うことだ。

 現に旦那ーー須賀京太郎ーーは初美に対して手も足も出ない。

 財布の紐は固く閉じられ、交遊費も雑費も厳しい。

 そのお陰か須賀家の貯蓄は他人より恵まれている。

 しかし、日頃の旦那の『お小遣い増やしてよー』攻撃には負けない。質素倹約こそ須賀家の家訓なのだ。


 「あっ、また脱ぎ散らかしてますね……」


 基本的に前日のうちに洗濯物はまとめておくのだが、時折京太郎や子供達が予想外のところに放り投げてあることがある。

 そう言う時は帰ってからお小言の一つを用意しておくのだが、朝はそんなことを考えている余裕がない。

 とにかく、気持ちを切り替えて旦那たちを外に出す準備をする。


 「今度やったらお小遣い減らすように言いますかー」


 もっとも、本当に減らすつもりはないのだが。

 どうせ旦那も小言を言ってもらいたくてこんなふうに意地悪をしているのだ。

 確かに面倒だが、怒るほどでもない微妙なライン。

 子宝に恵まれておいて、まだ嫁さんに構ってもらいたいのだ。あの旦那は。
490 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:15:02.47 ID:oSC/JdPfo

 2/10


 「この微妙なライン取りが腹たちますねー」


 そう言う初美の顔は明るい。

 須賀家の家庭環境が良好な理由の一つに、夫婦円満がある。

 どうしても外で仕事をしていると嫁のことを構えない男の人は多いのだが、旦那はこうして不器用な愛情を向けてくれる。

 それを呆れこそしても、本気で怒ることなどできない。

 なんのことはない。初美も旦那にちょっかいを出してもらえて嬉しいのだ。


 「それはそれ、これはこれですよー」


 洗濯機を回せば次の仕事だ。

 顔を洗い、身だしなみを整える。

 どうせ忙しい朝の中では崩れてしまうとわかっていても、最低限の身なりは忘れない。

 一度忘れてしまえばそのままズルズルと女を捨ててしまいかねないからだ。


 「この季節、シャワーだけじゃ寒いと思いますし」


 旦那は朝にシャワーを浴びるのが日課だが、この季節は風邪をひいてしまいかねない。

 予め残り物のお湯を沸かし、数分だけでも浸かるように言っておく。

 大黒柱が倒れてしまえば一家が立ちゆかないからだ。

 もっとも、初美は十分な貯蓄を用意してあるし、万に一つも旦那が倒れたら自分も働く覚悟はある。

 しかし、そんなことは起きて欲しくない。


 「カーテンを開けて、朝食も用意して……」


 換気扇を回して火をつける。

 朝はシンプルな目玉焼きとお味噌汁だ。

 旦那も歳をとれば血糖値が気になってくるだろう。あまり多くのものは食べさせない。


 「ほら、旦那さん。

  起きてくださいよー」

 「ううっ、あと五分……」

 「それでいつも起きないじゃないですかー。

  ほら、布団引っぺがしますからね」

 「やめてぇ……」


 どうも旦那は朝が弱い。

 特に寒くなるこの季節、起きたからずに布団を被っている。

 もちろん許すわけないので、無理やり布団を引っぺがすのだ。

 これも旦那が構って欲しいだけな気がするが、そろそろ時間も危ういので構っていられない。
491 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:15:31.44 ID:oSC/JdPfo

 3/10


 「とっとと私たちのためにキリキリ働けですよー」

 「やだー、もう働きたくないー」

 「はいはい。定年まで働いたら休んでいいですよー。

  それまでは死ぬ気で働きやがれです」

 「お、横暴だ……」


 京太郎も軽快なやりとりで目が覚めたのか、すんなり起きてくる。

 仮にも一家の大黒柱だ。あまり寝てもいられない。

 何より、子供達に示しがつかない。……と本人は考えている。

 毎日毎日嫁さんに叱られている以上、今更示すものも何もないのだが。


 「朝ごはん出来てますよー。

  お味噌汁も温めてあります。今よそいますね」

 「そろそろ寒くなってきたし、おでんが食べたいなぁ」

 「それじゃ、今日一日頑張ってきたらおでんを作ってあげますよ」

 「マジか。よっしゃ」

 「まぁ一度おでんを作ったらしばらくおでんで楽できますからねー」

 「子供たちに文句言われそうだなー」


 一度おでんを作れば、あとは具材を継ぎ足し継ぎ足し。

 しばらくの食卓はおでんで占領されるので、子供達には評判が悪い。

 しかし、大人にしてみれば出汁が染み込んでくる後半にこそ旨味が出る。

 そのあたりの加減が非常に難しかった。


 「よし、おでんがあるってわかったらやる気が出てきたぞ」

 「はいはい、うちの旦那様は単純で良かったですよー。

  そんなにおでんが好きならコンビニで買えばいいじゃないですか」

 「嫁さんの作ってくれるおでんが一番うまいんだよっ」

 「えっ……」

 「そ、それに、コンビニでおでんなんて買ったら一月のお小遣いなくなるし」

 「そこは最後まで格好つけてくださいよー!」


 背中をバシッと叩く。大げさにむせているが、どうせ演技だ。

 50cm近く身長が違う旦那に一発ぶちかましたところで揺らぎすらしない。ムカつく。


 「まぁ、やる気になってくれたならいいんです。

  じゃあ今日も一日キリキリ働いてきてくださいねー」

 「おう。

  服は……」

 「はい、ここです。

  とっとと、着替えてくださいねー」


 翌日の準備は前日の夜にあらかじめ済ませてある。
492 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:16:00.75 ID:oSC/JdPfo

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            ∨:/:∧芹ミ:.\: :. _)J刈〉:∨/´Y:.l:| |    リ
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                   八::{   ̄_{: : : : :.乂_
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                / {{/ /        ∨     }/     \
          / / /        ‘,    {       /


 旦那のネクタイを締め、スーツの背広を着せてあげるのは初美の仕事だ。

 そのくらい自分でやれと思いつつも、いざ忙しい時に全部一人でこなされると少し寂しさが漂う。

 とにかく、朝の一仕事が終わった。

 旦那と子供達を仕事と学校に送り出せばしばらくは初美一人の時間だ。


 「とは言っても、今日はやること多いんですよねー」


 主婦の仕事を年収に換算すると1000万円だと聞いた覚えがある。

 初美はそれに対して、『半分合ってて半分間違っている』と感じた。

 要するに、主婦の仕事なんてサボろうと思えばいくらでもサボれる。

 しかし、逆に言えば突き詰めれば終わりなんてないのだ。

 そして初美は後者、主婦の仕事は突き詰める派だ。
493 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:16:29.47 ID:oSC/JdPfo

 5/10


 「もー、お布団がぐちゃぐちゃじゃないですかー」


 布団のシーツを取り、敷き布団は外に干す。

 こんな時、自分の小さな体が恨めしい。

 もう少し大きければこう言った作業も楽なのに。


 「まずは上からですねー」


 布団だけで結構な時間がかかってしまう。やっぱりもう少し身長が欲しい。

 なんとか終わらせ、次は掃除だ。

 常日頃から使っている場所から、あまり使わない場所まで雑巾で軽く拭く。

 汚れを下に落としたあとは掃除機でまとめて吸い取る。


 「あー、今日は家計簿もつけないといけないですねー」


 須賀家の財布は初美が握っている。

 もちろん、家計簿をつけているのも初美だ。

 旦那の交遊費以外の費用は全て領収書を保管し、数字を合わせる。

 旦那の交遊費に関しては何にお金を使っても一切関わらない。それが初美の決め事だった。


 「そりゃそーいうお店とかに使ってたら怒りますけどねー」


 趣味にかかるお金は干渉しない。それが夫婦円満の秘訣だと思っている。

 いつもお小遣いをねだってくるが、一体何に使っているのだろうか。

 旦那も旦那であまりお金を使わないし、物が増える様子もない。

 お菓子などもあまり買わないように言ってある。老後のためだ。


 「まぁ、あんまり気にするのも良くないですね」


 気持ちを切り替えて通帳とにらめっこ。

 着実に増えていく貯金に、思わず破顔する。

 初美には一つ夢があった。


 「これで、大学に行って欲しいですねー」


 そう、それは子供を大学に入れるための貯金だ。

 初美は小さい頃から厳しい家庭環境に置かれ、高校卒業後も巫女の務めなどで大学に入っていない。

 そんな初美の夢は自分の子供を大学に入れることだった。

 叶うのならば思いっきり大学生活を謳歌して欲しいと考えている。

 もっとも、普段の子供たちには厳しい母親であることを務めている。

 旦那も含め、誰も知らないだろう初美の夢だった。
494 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:16:58.71 ID:oSC/JdPfo

 6/10


 「あれ、霞ちゃんから連絡が来てますね?」


 家計簿をつけ終わり、スマホを確認すると一通のライン。

 嫁入りしてからも連絡を取り合っているのは霞と巴くらいだ。

 やはり永水から離れてしまえば連絡を取ることもなくなるが、この二人は同年齢ということもあって何かと相談している。


 『初美ちゃぁぁぁぁん!

  冬コミの売り子手伝ってぇぇぇーーーッ!』

 「くたばりやがれですよー」


 すごくどうでもいい話だった。

 まだまだ二人とも未婚で、サークル『永水女子』を立ち上げているらしい。

 なんだか闇が深いのであまり関わらないようにしている。

 たまにこのようなメッセージがくるが、適当に返信しておく。


 「こちとら旦那と子供の世話で手一杯ですよー」


 一足先に春を掴んだ身としては少しだけ罪悪感があるが、霞のアレは自業自得だ。

 その後も婚活を続けているが、結果は芳しくないらしい。

 巴に至っては『私は二次元と婚約済みなので、重婚する気はありません』などと真顔で言っていた。

 姫様はそんな巴の話を聞いて二次元と結婚できる法律を作ろうと出馬しているらしい。

 ……忘れよう。うん。


 「って、今日はまだまだやることがあるんですよー」


 スーパーに行ってタイムセールで戦い、おでんの具材も買う必要がある。

 タイミングを合わせなければ子供達も帰って来てしまう。


 「まったく、忙しいったらないですねー」


 しかし、そんな忙しさが幸せだと感じる。

 ささっと外に出る準備を済ませ、出陣だ。

 スーパーのタイムセールは戦場である。

 小さな体の初美には不利でも、旦那のために頑張らなくてはいけない。

 確かに少しの値引きではそんなに差はつかないが、これはこれで『主婦をしている感じ』がして楽しいのだ。
495 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:17:28.31 ID:oSC/JdPfo

 7/10


 ……
 …

 「ううっ、今日もダメでしたねー」


 やはり相手も歴戦の猛者。

 小さな体の初美では負けてしまう。

 こんな時に霞の胸があれば弾力で相手を弾き飛ばしてくれるのではないかと考えるが、もう仕方ない話だ。


 「あっ、からし……」


 おでんに使うカラシを買い忘れてしまった。

 仕方なく帰り道のコンビニに立ち寄って済ませることにする。


 「ついでに何か新しい漫画でも出てませんかねー」


 軽く物色してみるが、面白そうなものはない。

 どうも自分の青春時代の漫画が終わってしまうと新しい漫画に手を出す気が無くなる。

 しかし、たまには読みたくなるものだ。

 最後に漫画の隣にある雑誌コーナーを物色し、そろそろ帰ることにする。

 読んでいた結婚雑誌『イチイィ』(表紙はツインテールの女性二人だった)を置いてレジに向かう。


 「やっぱりウエディングドレスも憧れますねー」


 自分の時は家の関係で和式だったから着れなかった。

 もっとも、このサイズのウエディングドレスなんて用意するのが大変かもしれない。


 「とにかく、旦那様に美味しいおでんを作りますかー」


 とにかく、今の自分の任務は美味しいおでんを作ることだ。

 旦那も帰って来たら疲れているだろう。少しはマッサージでもしてあげようかと考えながらコンビニを後にした。


 ……
 …

 トイレ掃除などの雑務を済ませ、シャワーを浴びてお風呂掃除。

 旦那がすぐに入れるようにお風呂を沸かしておくのも忘れない。

 洗濯物は取り込んでおかないと夜に湿ってしまう。

 帰ってからもやることはたくさんあって大変だ。

 適度に子供達に手伝わせるのも忘れない。いずれ独り立ちした時に必ず役に立つはずだ


 「ただいまー」


 そんなこんなで準備に追われていると、愛しい旦那の声がする。

 急いで準備を済ませ、玄関口まで走っていく。
496 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:17:57.68 ID:oSC/JdPfo

 8/10


            /    .:      \
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        . :/| | ∨ 弋炒`   rテミく/  ハ  }!
        | ||! ∧ト  "   ,  炒ノムイ  | /   「お帰りなさいですよー。
        |リ    /  \ ー    イ7/|| j!/
          ーイ   />ー 、   / }ノ        ご飯もお風呂も準備できてますよー」
       /   `ー-  /  ヽ }ヽ
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    r<二ヽ__l!_      | | |  ー――――  、
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         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「じゃー嫁さんにしようかなぁー」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 「アホなこと言ってないで早くお風呂に入って来てください」

 「はい……。京太郎、風呂に入ります……」


 一刀両断。

 時には旦那のデレを潰すことも必要である。

 というか、新婚初期にこれに付き合っていたら何も終わらず次の日になってからはしっかりと手綱を握ると決めたのだ。


 「今日も大変だったでしょう。

  おでん出来てますからね」

 「やたっ」


 適度に飴を与えるのも忘れない。

 もっともこの旦那、わかっていてあえて手綱を握られているのだろう。

 旦那がそう考えているのも初美は分かっている。

 お互いを尊重するのが夫婦円満の秘訣だ。
497 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:18:27.44 ID:oSC/JdPfo

 9/10


 ……
 …

 夕食をとる。

 もっとも、初美は早めに済ませてあるので旦那が食べているのを横で見るだけだ。

 ダイエット用の食事をしていると旦那が何かとうるさいのだ。

 早めに食べたと言っておくと楽でいい。


 「あー、その、初美」

 「!?

  な、なんですかー?」


 久しぶりに名前で呼ばれてびっくりした。

 昔は『初美さん』と言い、最近は『嫁さん』とばかり呼んでいる。

 呼び捨てにする時は大切な話の時だ。


 「その、今週の土曜日ちょっと出かけようか」

 「?

  子供達とどこかに行きますかー?」

 「いや、その、二人で行くとこがあってさ。

  もう予約は済んでるんだけど」

 「えっ、それ、私が予定空けてなかったらどうするつもりだったんですか?」

 「うっ、そこまで考えてなかった」

 「もう……」


 呆れはするが、久しぶりの二人きりのデートだ。

 子供は実家に預け、思い切りイチャイチャするのも悪くない。


 「それで、どこの予約をとったんですかー?」

 「あー、写真撮影」

 「?」

 「初美、さんのウエディングドレスの……」

 「……!?」


 驚いた。ちょうど今日そんな雑誌を読んでいたところだ。


 「な、何言ってんですかー!?」

 「だって、結婚の時は和式だったろ?

  ウエディングドレス着たいかなーって」

 「いや、私そんなこと言ってませんし」

 「えっ、ヤベー、失敗した?」

 「……そんなことないですよ。とっても嬉しいです」


 内心、付き合い始めの時のように心臓がドキドキしている。

 でも、おくびにもそれは出さない。分かってしまえば優位性がなくなる。
498 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/02(水) 15:18:56.73 ID:oSC/JdPfo

 10/10


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//   .:.:./ xャ笊ト  \| xャ笊て_ .:.:.:.: |.:|   \.:
.      |∨ 〈 r'i:i:ハ     r'i:i:i:iハ }.:.:./.:/|.:|
.      |.:| 小 乂こソ    .乂こソムイヽ.||    「じゃあ明日は久しぶりに新婚気分で行きますよー」
.      |.:| .Y  ,.,.  ′    ,.,.,.,     ノ |.:|
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      '  、       | /`/ } '
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  |///∧////////l|///////////////|/////|
  |//// }////////l!///////////////}/////}


 ーー旦那さんの顔? 見せません!

 だってこんな赤くて可愛い顔、嫁さん専用ですからっ!



 カン!
499 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/02(水) 15:19:25.68 ID:oSC/JdPfo
 投下終了
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 15:37:00.28 ID:WR2rb+wY0
何故俺には家で帰りを待ってくれる合法ロリの嫁さんが居ないのだろうか
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 19:09:19.16 ID:DA3fTLQuO
乙です
はっちゃんは良い嫁さんだなぁ
そして、永水の闇は深い
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 19:58:35.73 ID:KLe/wIijO

このはっちゃんは理想の嫁さんだね
永水・・・大丈夫かww
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 20:04:16.71 ID:ouVnzDEYo

はっちゃんはいい嫁さんだなー
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/02(水) 20:42:44.41 ID:lb+CMuXDO
乙です。
はるるどうしてるか気になるが、相変わらず黒糖チュパチュパしてるんだろうか……
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 21:24:28.73 ID:QEbO5PFc0
窮屈そうではあるがそれでも憧れるわー……

正直姉さん女房に手綱握られて家庭円満になるなら管理されてぇ……

しかしイチイィといい永水といい、女性雀師の闇は深すぎる
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/03(木) 00:07:31.43 ID:akykV9Yr0
京×初=(子供)母より大きくなる子?(子=親、初=子と勘違いされる?)
京×霞色霞=(娘)ぐう聖
京×玄=(娘)金髪のクロチャー(父は執事属性だから娘はメイド属性か?)
京×淡=(娘)目つきが緩い淡
京×和=(娘)中和されてまともです
京×憧=そんなルート存在しません
京×すこ=世界の法則が乱れる
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/03(木) 01:19:53.71 ID:WH35j82A0
本妻のはっちゃんいるしやっぱスレタイ通り宮永家はオマケだなww
508 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:00:24.14 ID:05brleHMo

 1/10

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 【冷やしトーカ降臨】-お金持ち次元-  ※サイコ要素アリ


 弘世菫と辻垣内智葉の争いは当人である京太郎以外は周知の事実だ。

 しかし、この二人は直接的に京太郎を誘惑していない。

 時々ラブホテルや個室トイレに誘っているが、あくまで『事故』を装っている。

 それもこれも全て彼女たち三人の間に結ばれた『須賀京太郎協定』のおかげである。

 条文は数多くあるが、わかりやすく伝えると『京太郎が結婚できる年齢まで直接想いを伝えるのは禁止』ということだ。

 もしもこの協定がなければ京太郎の貞操は今にも無くなっているだろう。

 そして次の日には憧れの姉の痴態を目の当たりにして精神崩壊した京太郎の姿が浮かぶだろう。


 あの弘世菫と辻垣内智葉を最後の線引きで抑える協定、それが結ばれた背景。

 それこそが普段はツッコミとしてセーブ役を担っている龍門渕透華の活躍あってしてのものだった。


 ……
 …

 時は須賀京太郎が中学一年生。

 同じくして龍門渕透華は中学二年生、辻垣内智葉は中学三年生の頃だった。

 この時、既に二人のアプローチは年々苛烈なものとなっていた。

 歳を経ることに彼女たちの知識は増え、しかし本人には尻尾を掴ませない。

 あくまでお姉さんとして接しつつ、別に性癖は隠さない。

 これまで京太郎が気づかなかったのは奇跡、および透華の頑張りと言えるだろう。


 「なぁ、菫。

  ここに首輪と鞭がある。

  君ならどうする」

 「愚問だな。

  自ら首輪を嵌め、旦那様に鞭を手渡すに決まっているだろう」

 「わかっているじゃないか。

  しかし考えてみよう。

  京太郎は年々男らしい体つきになっている。

  普段から道場で触り放題の私が言うんだから間違いない」

 「続けたまえ」

 「そんな京太郎が首輪に繋がれ、裸で鞭を受ける図。

  ……どうだろうか」

 「……天才か」

 「いい加減にしなさいっ!!」


 二人の性知識は年々増えていく。

 それに対して知りたくもない知識が増えていく透華は限界を迎えていた。
509 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:00:54.11 ID:05brleHMo

 2/10


 「しかしだな、透華。

  父上と母上がこれを使用しているのを見たんだ。

  いざ結婚した時に求められた際に適応できる準備は必要だろう」

 「辻垣内組は大丈夫なんですの!?

  それは絶対に黙っているように!

  バレたら明日にでもお家が取り潰されますわよっ」

 「智葉、ちなみにどちらがどちらをシバいていた?」

 「無論、母上が父上をシバいていた」

 「だから黙りやがれですのー!!」

 「やれやれ、透華は少しお固いな。

  菫の家だけはない。私の家だって夫婦円満の秘訣は三角木馬と蝋燭だ」

 「何言ってんですの!?」

 「お金持ちの道楽など、極まってしまえばどこも同じと言うことか」

 「辿り着く先は人間か。

  やれやれ。私は絶頂した」

 「う、うちは違いますわよ!

  そう。まさかうちの両親に限って……」


             ,..-/:.:.:::.:/.::::..:!:..:.:..:.:\
              //.::.:::/:/:::::::::::::::::::::..::..:.ヽ
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          〃/:/::i:::i::ィ:::/!.:!:::::::|::|:::|:::..i::..:. ..|
           〃/イ./::::|::i:/!::ハ::|::::::|:::!ハ::::|::::::::::|
           !| |i レ:::::::|i::!‐廾‐|:::!、::!:/---、|::リ::::::|
         | !ノi::::::i::!:|.ャ伝テ、:けメ、迂テァ∧|::::|
           |::!::|:::!ハ      iハj   iイ /|:::!:!
.              |ハ|::|:ト、!       ;      !ノ::|::ハ:!
           | !ハ!ハ丶    ′   /::::/レ' リ     「……」
             | ′ iヘ丶 `  ̄´ イ:/レ′
                 )|__\_/__K
               /:L_\ /_/\
           ,...-イ::::::∧  ̄7::!< ̄ /:i:::::\-、
    __,...-‐':´:::::::/::::::::i::::i  /:::||:::、 /::::i:::::::::丶::`ー-..、
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              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧     「ハギヨシっ!
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ     意味深な無言はおやめなさいっ!」
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l
510 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:01:22.94 ID:05brleHMo

 3/10


 「そうなると、そろそろ考えどきかもしれないな」

 「菫?」


 菫が顔を俯かせる。

 目元はテーブルの上に置いた自分の手のひら。

 行き場なさげにモジモジと指を絡めている。


 「そ、その、旦那様に告白すると言うことだ」

 「!?

  そ、そうだな。

  まずは京太郎の気持ちを考えなければならない」

 「そ、そうだ。

  中学生のうちはいい。

  しかし来年から私たちは華の女子高生。

  女子高生が終わればもう結婚もできる歳だ」

 「わかるぞ。

  や、やはり青春時代は思いっきり青春したいものだ。

  いきなり結婚しては学生同士のイチャイチャを楽しめない」

 「うむ。

  そ、その、旦那様が望むならば体を差し出す覚悟はできている。

  むしろバッチコイカモンカモンと言ってもいい」

 「し、しかし手を繋ぐデートというのも乙なものだ。

  別のところを繋いでデートするためにもだんだんとステップアップをだな……」

 「そうなると告白が必要だ。

  争わないためにも順番を考える必要があると思うのだがーー。

  ーー透華?」


 二人でいつも通り話していると、気づけば透華の気配が消えていた。

 いつもならば適度にツッコミを入れてくれる透華は貴重な存在だ。

 二人ともセーフティが外れていることは若干ながら自覚している。

 透華が最後の歯止めとなってくれるからこそ、二人の『あぴーる作戦会議』は潤滑に進むのだ。


 「もう知りませんの!

  私はジュースでも飲みますわ……」

 「お嬢様。それはお酒ですよ」

 「このような場です。少しならば無礼講です。

  止めるのは無粋ですわよ」


 どうやらワインに口をつけているらしい。

 社交界ともなれば、少しくらいは飲めなければやっていけない。菫も智葉も少しならば経験がある。


 ※ 未成年飲酒は絶対にやめましょう
511 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:01:51.99 ID:05brleHMo

 4/10


 ……
 …


            /   ,ィ|  /    \_,..----、
           /    /ヾ| //|      iヾ゛\ |
            |     ト、゙、V//|        | ゙、  リ
          /|     | |゙゙゛`!´"'| i     | |
           |/    | |  /   |.|、      | .|
          /   ---|┼-|  .ー||-iー‐-   ゙、|
           /   ___/_゙、 |   リ__\__   \
         /    ̄`/ュ::::iヾ \  "´ュ::::iナ'´    \
      /イ      /::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::i     、 ヽ
     // 〈    i /|i::::::::::::::::::':::::::::::::::::::::::/|      i、 |     「京太郎。私とおセックスなさい」
     (  ゙、   | ソ丶   r―‐、    ,イ/       人リ
        /\  ヾ、 / ゝ、 `ー―' _/レ'/    /   \__,ノ
、       /  |   Y /r‐|` ー ' |`V /    /     ー-<
. ヾ===ァ'´ __/_)   |-'´  `゙ヽ ./  |    .∠____   )
   // / 、 /   /|   /ヽ∧  !   /      \ i
  (  i  |  /  , -'´  ヽ  /  / i゙、゙、  ゙、  (   /   i \_,ノ
  )   | ( .,ヘ      V   / ,ハ | \/ \ \//    /  ̄`ヽ


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //     「えっ、ごめん聞こえなかった。なんか言った?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
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          rー――-
     r-イ:⌒\:::::::ヽ:::\
     /:::|`::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::.
.    /|::: |::::::::::::::/-∨:::: |::::::.
     |::: |≧=- でッノ|:::::::|):::::::.
     |:::::i{で;       !::::: |:::::::::::.
     |::::∧   ' _ ::::::: |:::::::::::::\      「!?」ガタッ
     ∨::::ハ..  ´ ノ Λ/ト-!`ー―rへ
.      ∨:Λ≧.......イ、    |    /⌒\≧
      Y ∨ :::/|   /′  /     \
          Vイ  f-< /   /|
          |{  |  /  /::::∧ }   /⌒ ヽ
      :{    |:\|  / /:::::: / ∨  /  /\〉       |
     |   人::::::Y´:::::::::::/  八_/_/    |.       l|
     i| |l |   | 7:{:::}::::\´     |:::::::::\   |i \  | l| | l
    l|| || |   |./::/⌒}:::::::l     {:::::::::::::::>  ||   }  :| l| | |
512 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:02:21.20 ID:05brleHMo

 5/10


 「と、透華!

  少しこっちに来ようか!」

 「あ、菫姉さん。

  透華姉さんの顔が赤くて。

  風邪かなぁ?」

 「何、京太郎は心配ない。

  こういうことはお姉さんがやるから気にするな」

 「ちぇっ。抜け出せるかと思ったのに」

 「智葉。京太郎の相手をしてくれないか」

 「わかった」


 京太郎はぶつくさ言いながら挨拶回りに戻っていく。

 菫は急ぎ透華の腕を引っ張り、声をかける。


 「少し飲みすぎたんじゃないか?」

 「そんなことありませんわ。

  私は至って正常です」

 「言葉が綺麗すぎて逆に怖いぞ……。

  それならば何故あんなことを言い出したんだ?」

 「あんなこと?」

 「きょ、京太郎とせ、せ、ックスするなどと……」


 菫は恥ずかしそうに俯きながら問いかける。

 何を今更である。


 「決まっていますわ。

  練習のためです」

 「れ、練習?」

 「京太郎はいずれ結婚し、私の元から離れていくでしょう。

  もちろん、相手はしっかりと品定めするつもりですが……。

  しかし、京太郎が選んだならば私たちが文句を言える筋合いはありませんわ」

 「お、おう」

 「でもそれは京太郎視点のお話ですわ。

  もし、京太郎がフラれてしまったらーーああ、それはなんて悲しい」


 何故か芝居がかった口調で話す透華に菫は圧倒される。

 いつもならば菫と智葉の会話についてこれない透華だというのに、今この瞬間は菫がついていけないのだ。
513 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:02:50.69 ID:05brleHMo

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              //    ト、ヾ、 /// !      ゙、
              i |      ト、ヽ.V///i     |
                |  i    |゛゛゛゛/""´//     ゙、
                  |   !    丶   |   |.ハ     ゙、
             | /    i   \.!   || !_, -‐   ヽ
              !.//i  /    ヾ、 ーニ、´、 _   ヽ
           , .,ノ  !  /     i ハ ,::t==ァノ'´、    、\
        , -‐ ´'´/  / /.      /ノ::::i:..... ̄ 、、iヾヽ   、 、\    「京太郎のHのテクが未熟でフラれることないように、
      /   // ./ /     //::;::ノ::::::   /) }| `   ゙、 丶ヽ
      i   ./.  //      //_  __   /_ノ| |     }  ヾi    今から仕込む必要がありますわ」
       _ ‐'/ /´.    //、 `  ´  / l | //    ∧.   |
..----― '-‐.´ /     /,.イ | .!`:..、_,...::' |、| | |./    /、 `ー-ノ、_
フ ´  ̄    /     / / /,ィ'´ `ー- 、,、‐'´ .\./    /   \..ノ   ̄`ー-、__
      , -‐´i     i  l ̄\   ,イ、_|,_>、  /  / 丶   丶、       `ー
  _, -‐ ´    >、     \|   \//ハヾ、>' .//ヽ   \r-、  `ー-、_


          ____
        ´:::::::::::::::::::::::::::` 、
    /::::;r─‐::::::::;r─:、:::::::\
   /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::∧:::::::::`、
   .'::::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::
  :::::::::::i|::!::|::::|:::|i:::::::|l:::::|l::|::::::::::|::i
  i|:::::::::i|人|::::|::从::::儿;;八|::::::::::|::|
  i|:::::::::i| /モテ   モテハ::::::::::|::|
  i|:::::::::i|     ,     i|::::::::i|::|
  .八::::::八       u  リ ::::::リ::|
   ヽ/:::i:::...   r  ュ   ,.イ::::}/i:::|   「なん……」
    |:::::i::::::::>   <| l:::::i:::::i:::|
    |-=''"  ノ      人  `'=-|
  /、     ト=======/      \
 /⌒\   ハ       /     /⌒ヽ、


                          ___
                       ..::.::.::.::.::.::.::.::.::.`丶、
                      /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\
                    /.::.::.::.::.::.::.::.  イ:.::.::.::.::.::.::.:.::.
                   .::.::.::.::.::.::.::/  |::丶.::.::.::.::.::.::.:.
                    |::.::.::.::.:_::/     \{\ .::.::.::.::.:|
                    |.::.::.::./|/`丶     /\ ::.::.::|   ←気になって見に来た
                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行      「だと……?」
                    ノ  八‐:、u   ′   厶|
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \
514 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:03:20.13 ID:05brleHMo

 7/10


 「だ、旦那様はマジ○ル○ンポを持っているはずだ!」

 「そ、そうだ。

  頭を撫でれば女が堕ち、頬を触れば顔を赤らめ、抱いてしまえばどんなエルフもオトせるという……」

 「そんなものは貴女達の幻想に過ぎませんわ。

  今の京太郎はまごうことなき童貞に過ぎませんわ」

 「ば、バカな……。

  それでは私たちの計画が破綻してしまうではないか」

 「頭を撫でれば髪が乱れますわ。

  頬を触れば化粧が乱れますわ。

  抱いてしまっても未熟なテクではすぐに終わってしまいますわ。

  全ては幻想に過ぎませんわ!」

 「ば、バカな。

  旦那様は早漏なのか!?」

 「そんなことはないっ!

  女性を縛り上げ自分の思う通りに調教するオーク気質なはずだっ」

 「ですから私が手ずから教育しますわ。

  それまでは何方にも手出し無用」

 「くっ、それならば私たちでもいいはずだ!

  この辻垣内智葉お姉ちゃんの手によって精通してもいいはずだっ」

 「そうだそうだ!

  透華ばかりずるいぞ!

  そ、それに嫁入り前の体に傷をつけるのは良くないぞっ」

 「ええ、そうですわね。

  ーーだというのに貴女達は誘惑することばかり。

  真に弟の成長を願うならば、することがあるでしょう」

 「……そうだな。

  菫、透華。私が間違っていた」

 「言うな智葉。

  私たちは同志だ」

 「ええ、これからは手出し無用。

  これから京太郎をーー」


              /ヽ/  //            //|      |
_  __,.. --‐ー--==ュ/ / `//、           //|       |
. `ヽ  _,.....--‐rr‐イ=ィ'´   //.....\         /  |     |
  //|-‐    ̄ |├,イ::::`ヾ=、、 丶:::::ヽ      __/-‐'  |       |
 /  _|_,.....--‐i┘っ!:::::::::|:.:.:iヾ、ヽ       ..:-‐/___ |     ゙、
_/‐ ´     r-!ヾ、 !..゙、;;oノ:.:/  ヾ        ,:イ'´::://ヾ  |      丶
    / ̄ ̄  ヾ `、:;,;,;,ノ          ´っ:::://  / / |       ゙、
   / i                        弋,;,ン ノ / |       |
  /   i                           / |  |        |
_ノ    ゙、                   、      / | |        |
       丶、       、           `     /i  |  | /      |   「童貞にして女性をオトせる
       \`ー 、    `ー- 、            //  |  |/|      |
          \`          ̄     , ' /   |   /     |     超絶テクニックに仕上げますわよっ!!」
\             \           _, - '´l  i   |   |       |
  \             ト、      _,   ´l    |  |  |  |     |
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515 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:03:49.65 ID:05brleHMo

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.  //|::::::|  ′  ""  /:::::::::::::リ::::::::::::::::′   「ああ、なんて晴れやかな気分なんだ」
  :/_:|:::从        /:::::::/:::/:::/:::::::::::/
  〔 |_:/ハ  t  ァ /___::/:_/:::::':::::::::::/   .*゚
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    ∨::∧/  _,ヽ| ヽ.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     ∨:::∧ /灯  /}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',    「ふっ、その時を楽しみに待っていよう」
     \\∧∨   ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ __
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          ノ       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
          ヽ -    /::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ̄ `ヽ::::::',
            ` - ./::::∧ //\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ヽ::::',
               {/|::} 〉/////\::::::::::::::::::::::::::::::::::',\  〉::}
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                  |/////////////ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',


                  / /        ./ ヘ Y.           \   |  j
                 / /        /   ヤ |      -―‐t `  |. /
                    /      .//\ /,ヘ .|   イ  7  | ヽ レ
                  ’/..     /,イ   /へ レ       /  ハ
              / /      \ /./    /′  ̄`ー‐-≦7.    ハ  ’
                 / /      /ヽ/   /'            .::  /  .ヘ  }
            / /      不、 lハ   {|            .::: /    }
            //       / { ;;;≧x、V |        /  /.    / ’
           //       ./. 弋__ツヘ  | ー=--――十 ./    / /
          //         ,イ  """      ノ   て≧芯x_ノ ./    / /
.       / ./  //     |               弋;;;__ ツクイ     / /
    /  ./  //    |. ハ       r:      """/介     ヤ /    「さぁ、イキますわよっ!」
   /   /'  / i     |.  ヽ    ト、         /"/ |    マ
 /   /{   { . |     ||./{ >、 ヽ ` ァ   ー‐' /__ ヤ   |. ヽ
    _廴_込 ヽ、   | |´   ヘ \  __  _チ'´ _. ヽマ    ヽ
    {      ヽ  `  .ト.!     ヘ      / ∨「〈.', マ¨ :.  マ     ハ ト、
    λ         マ  } .ハ ヽ    ヽ  /_  .| | マ、 ー-、  ヽ  / .l ! ::._
   / ハ.       /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ  ヽ` く ̄¨¨¨.    \,.へj ̄`ヽ
.  / / ヤ    /   У′ リ / ィチ>二<< マ  フ`ーへ   ヽ    `ソ `ヽ ヘ
 / /  ヤ   /   /   / レ// / 厂|、ヾ、\、/    />  _`ー  /   `マヘ
  /     マ  .i   /  /  / /  / /  | ヽヘヽ \  ,イ /   // ̄`ヽ{     マ ヽ
      ヽ 八  .{       | .|  ./ /|   | iマヘ. > >/ | λ.  |.{三三/       .〉`
516 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:04:18.17 ID:05brleHMo

 9/10


 ……
 …

 「ううっ、頭が痛いですわ……」


 透華は酔ってしまうと記憶が残らないタイプだった。

 先日、いつものように菫と智葉の話を聞いて頭痛がしたのは覚えている。

 そのあとのことを考えても思い出せない。


 「そろそろ何かしらの手を加えないといけませんわね……」


 暴走続きの二人を止めるために色々と考えているが、止まる気がしない。

 可愛い可愛い弟分のためとはいえ、そろそろ疲れて来た。


 「いえ、負けてはいられませんわ」


 ここで負けてしまえば龍門渕の名が廃る。

 そう自分に言い聞かせてなんとか考える。

 そろそろ京太郎もそう言うことに興味を持ち始める年齢だ。

 二人の誘惑に乗ってしまう前に止めなければーー


 「お嬢様。失礼ながらこちらを」

 「ハギヨシ?

  これは……『須賀京太郎育成計画』?」

 「弘世菫様と辻垣内智葉様からの伝言です。

  『協定は破らない』と」

 「はぁ……」


 なんのことだかわからないが、また頭痛の種だと言うことは予想できる。

 とりあえず軽く目を通して見るとーー


 「『京太郎の高校卒業までは手を出さない?』」


 願ってもない協定が書いてあった。

 しかも菫と智葉の血判まで付いている。


 「なんだかわかりませんが、自重してくださるのですね」


 ホッと一息ついた。

 そして初めて気付く。自分の指がチクリと痛んだ。


 「?」


 絆創膏が貼ってある。親指をケガでもしたのだろうか。

 あまり気にせず、血判状を仕舞う。


 龍門渕透華は気づかない。

 ーー血判は、三つあったことに
517 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/06(日) 20:04:47.29 ID:05brleHMo

 10/10


 ……
 …

         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,     「咲ぃー! お前なぁー!」
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,     「ぅひー!」
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´


 ーーなお、義姉の計画とは関係ない場所で女性慣れはしていた模様


 カン!
518 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/06(日) 20:05:16.23 ID:05brleHMo
 某京咲四コマ最高だった
 姫子→哩→京太郎→姫子の三角関係とか書いてみたいけど口調がネック
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 20:17:33.16 ID:9t/JszhGo

それ読みたいです
多少の違和感なんて脳内補正でどうとでもなるし
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/06(日) 20:42:25.48 ID:fPQZEMQDO
乙です。
博多弁は咲ssを書いてれば誰もがぶち当たる壁だと思う。
最悪多少の違和感は無視して方言翻訳アプリニキに頼ると言う手も……
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 20:50:36.49 ID:p8Y/qw900

伏兵宮永
のどっちと世界一位でオチ慣れもするんだろうな
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 21:35:51.16 ID:JPo96Lqxo
乙です
お金持ち次元ほんと好き
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 22:37:08.18 ID:+OE0JV/A0
乙でした
博多弁とか言う咲SS界のラスボス
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 23:59:20.58 ID:T0l0NpVP0
乙です
何その新道寺次元読みたすぎる
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 03:24:03.29 ID:CsOSvZTp0
乙!!

相変わらず凄く面白い!
まとめられないかなぁ
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 07:20:26.45 ID:7TmT4h0t0


そして数年後ころたんが4つ目押すんですねわかります
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 18:49:50.42 ID:V/Rdht4jO
乙です
「おセックス」に草生える
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 01:01:55.77 ID:IZFBEfQD0
乙でした。
529 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:44:18.19 ID:4zXbpoyPo

 1/10

 【私は友達がいない】-京桃次元-


 夏のインターハイから三年。

 まるで夢のように充実した青春だった。

 しかしどんなに楽しい青春も過ぎ去ってしまえば返ってくることはない。

 『昔は楽しかった。あの時に戻りたい』、そう思わない人はいないだろう。

 彼女ーー東横桃子もまたその一人だった。


 「今日の講義も憂鬱っすねー」


 誰に伝えるわけでもなく呟く。

 仮に近くに誰かがいたとしても気づかれることは少ない。

 桃子は大学生になり、高校生活から環境が大きく変わった。


 「元々、高校生活が恵まれていただけっすよね」


 自分に言い聞かせるように呟く。

 『東横桃子は友達が皆無』

 そんな漫画のタイトルで作品を作れそうだな、なんて益もないことを考える。笑えない。

 大学生になれば高校の友人と仲が続くことは少ない。

 各々、就職に向けてやりたいことが異なるのだ。

 憧れの先輩たちと離れ離れになった桃子はまた一人ぼっちに逆戻り。

 麻雀部に入る前の、誰とも会話しない状態に戻ってしまった。

 話す相手がいなければ、自然と独り言も増えてしまう。

 そんな自分に嫌気が差すが、癖になってしまったのだから仕方ない。


 「ステルスモモも麻雀を打てなきゃただのぼっちっすね……」


 元々活発な性格ではない桃子は大学デビューすることもできなかった。

 いくつかサークルを見てみたり、麻雀のサークルも見てみたがやはり空気が合わない。

 そもそも見に行っても反応してもらえない。

 高校時代、『君が欲しい』と直球で言われた。

 あの時のような運命を求めてしまう程度には、東横桃子は夢見がちだった。


 「こんなんなら、ずっと一人のままの方が気楽っすねー」


 青春の高校時代、あれだけ楽しむことがなければこの苦しみもなかったかもしれない。

 最初から誰かと触れ合う喜びを知らなければ、こんなに悲しく思うこともなかった。

 自然と目頭が熱くなる。


 ーー泣いてしまおうか、なんて考える。どうせ誰もこちらに気づかない。
530 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:44:47.13 ID:4zXbpoyPo

 2/10


 「ったく須賀はさー。

  そんないろんなサークルに手ェ出してると忙しいだろ」

 「別に本格的に入部してるわけじゃないぜ。

  体験入部だよ。どこも楽しそうでさ」

 「いろんなところから声がかかってるんだろ?

  可愛い子いた?」

 「えー、高校で目が肥えちゃったからなー。

  これと言った人は……」

 「ったく、いつまでも失恋を引きずってんじゃねーぞヘタレ」

 「し、失恋なんてしてねーし!?」


 後ろの席の会話がうるさい。

 大学の講義は物にもよるが、基本的に座る場所は自由だ。

 しかし毎日繰り返していると自然に定位置が生まれる。

 そんな中、東横桃子は隣の金髪の男子の隣に座ることが多かった。


 「(けっ、リア充が。うるさいっすね)」


 神様の気まぐれだろうか。

 どの授業でも彼の近くに座ることが多い。

 最も、彼の近くに座っていなくても彼は非常に目立つ。

 大学は高校と違い、クラス間での交流はないに等しい。

 積極的に友達を作りに行くか、あるいはサークルが同じでないと話しかけることもない。

 そんな中、『彼』はいつもグループの中心にいた。

 孤独の極地にいる東横桃子とは正反対の存在だ。


 羨ましい。

 妬ましい。

 その目立つ金髪も、高身長も、微妙にいい声なのも、ちょっと顔が整っているのも気に入らない。


 目立つから自然と目に入ってしまうし、近くにいるから声もよく聞こえてしまう。

 そうだ。鬱陶しいから目に入ってしまうんだ。

 近くに座ってしまうのもたまたまだ。他意はない。


 「(……他意はないっすから)」


 ーー例えば、こんな人気者は普段何をしているんだろうとか。

 友達のいない自分にはとてもわからない。

 桃子は一人で時間を潰すのが得意だが(というかそれしかないのだが)、彼はどうしているんだろうとか。

 一人の時間がないのは心苦しいと思うけれど、大丈夫なんだろうかとか。

 そんなことばかり考えるのは、たまたま近くの席に座っているからだ。
531 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:45:16.24 ID:4zXbpoyPo

 3/10


 「(彼女いないんだ)」


 聞いていると、彼は男女ともに多くの友達がいるらしいが、特定の異性はいないらしい。

 全く。たまたま近くにいて目立つから彼についての変な知識ばかり入ってしまう。

 しかし、桃子も一人の女の子だ。

 恋愛についての話を聞けば、まるでエルフのように耳を大きくして聞き入ってしまう。

 やれ、憧れの先輩にとてもいい彼氏が出来ただとか、そんな話を聞いた時にはすごく嫉妬した。

 何せ、完璧のように思っていた先輩が恋する乙女の顔をして惚気てくるのだ。

 100年の恋も冷めるというものだ。

 正確には、とても羨ましかった。


 「(あー、私も彼氏が欲しいっすね)」


 友達すらいないのに高望みをしている気がする。

 でも、女子大学生という身の上で彼氏を求めない方がおかしいと思う。

 東横桃子に異性の友達はいない。

 彼氏の話など、夢のまた夢だ。

 ーー気になる人なら、まぁいないわけでもない。


 「それじゃ、レジュメを配ります」

 「あっ……」


 講義用のレジュメが配られる。

 いつもならば講義前に自分で取りに行くスタイルになっている。

 しかし、今日は教授が用意し忘れたようだ。後々から助教授が印刷して持ってきた。


 「……」

 「ん……?」


 特に意識せず無言で後ろにプリントを渡したが、なんだか妙な反応をされた。

 思わず顔を赤くしてすぐに前を見る。


 「もしかして、東横桃子さん?」

 「!?」


 思わず身体中を震わせた。

 ーーな、なんで名前をっ!?


 「おい、須賀。

  ナンパしてんじゃねーぞ」

 「いや、ナンパってわけじゃ……。

  ただ知ってる顔だっただけで」

 「知ってる顔だっただけで声かけるのは十分軟派だよっ」


 後ろでそんなやりとりをしているのが聞こえてくるが、教授に睨まれて押し黙った。
532 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:45:46.41 ID:4zXbpoyPo

 4/10


 ……
 …

 「おーい、東横さん」

 「な、なんっすか。つーか誰っすか」


 講座が終わったと同時に話しかけられた。

 こっちは金髪の彼のことを少し知っているが、そんな素振りは見せないように受け答えをする。


 「あー、一方的にこっちが知ってるだけなんだ。

  清澄高校麻雀部だったからさ」

 「清澄……、あのおっぱいさんがいるところっすか」

 「ああ……、和か……。

  ってかその呼び方はどうなんだ……」

 「それで伝わるってことは、そう思ってるってことじゃないっすか?

  助平さん」

 「うぐっ。辛辣すぎる」


 なぜか口から嫌味が出てくる。こんなことを言うつもりはないのに。

 むしろ久しぶりに人に話しかけられて気分は有頂天だ。

 しかし、同時に警戒もしている。相手はどう見てもチャラ男だ。

 ーーそんなチャラ男に簡単になびくようなチョロインじゃないっすよ!


 「大学、同じだったんだね」

 「そうっすね。

  と言うか、よく覚えてたと感心するっすよ。

  普通、他校の生徒の顔なんて覚えますか?」

 「へっへっへー、俺、他人の顔を覚えるのは得意なんだぜ。

  東横さんは(胸が)印象に残ってたから一発でわかった!」

 「そ、そうっすか」


 『印象に残る』なんて言われたのは初めてだ。

 憧れの先輩ですら自分を探す時には声を出す必要があった。

 もしかしたら、この人は自分のことを見つけられるのかもしれない。そんな淡い希望が浮かんだ。


 「……って、確か女の子の顔は忘れないとか言ってたっすね」

 「い”い”っ!?

  なぜそれを」

 「毎日毎日、隣の彼と話しているのが聞こえてくるんすよ。

  近くの席だから」

 「た、高久田ァ!

  って、いない!?」

 「あっ、俺のことは気にしないで続けてどーぞ。俺は先に帰るぜー」


 長身の彼は、楽しそうに逃げていった。
533 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:46:16.22 ID:4zXbpoyPo

 5/10


 「い、いや、可愛い女の子の顔を忘れないのは男として当然だろ?」

 「そうやって、彼女でもない女の子に可愛いって言うのはマイナスっすよ。

  だからモテないんじゃないっすか?」

 「な、なぜモテないことを知ってるんだ」

 「いや、毎日聞こえてくるから……」


 悪口を言うつもりはないのだが、どうもツッコミ気味になってしまう。

 何より、自分がはしゃいでいるのがわかる。

 本当に誰かと話すのが久しぶりで、距離感が掴めないのだ。


 「毎日って、そんなに目立つか?」

 「そりゃ、その金髪に身長は目立つっすよ。

  席も近いし」

 「ありゃ、席近かったっけ?

  おっかしーな。それならもっと早く東横さんに気づくと思うんだけど……」


 少し、悲しくなった。

 先ほど感じた淡い希望はやはり泡のように消え去った。

 彼が自分に気づいたのは、たまたまだったのだろう。

 モニターを通して顔を覚えていて、プリントを配る際に目があって思い出した。

 その程度の存在、だったのかもしれない。


 「私の特性、知ってますか?」

 「えっ?」

 「『ステルスモモ』って、呼ばれてるっす」


 ふらっとその場を立ち去った。いわゆる、『オカルト』を使用して、だ。

 高校時代から『オカルト』は強化されている。

 桃子がその気になって姿を消せば、例え目の前で話していたとしてもーー


 「あ、あれ?」


 彼はまるで白昼夢でも見ていたような顔をしていた。

 目の前からいきなり女の子が消えたのだ。

 実際、すでに移動しているので彼の目の前にはいない。


 しかし、これでわかってしまった。


 「(やっぱり、私のことを見つけられるわけじゃないってことっすね)」


 熱された気分が冷めていくのを感じる。

 もしかしたら、なんて淡い希望。

 桃子のことを見つけてくれる、『王子様』。

 そんな存在など、いないのかもしれない。

 桃子は寂しそうに立ち去り、困惑顔の『彼』だけが残された。
534 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:46:45.44 ID:4zXbpoyPo

 6/10


 ……
 …

                   ______
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          /:/::::::::::∧   ,  ---- 、   |!;'::::::::::::::::::::::,
            /:/!:::::::::/:::込、  {      } ,. イ|:::::::::::::::::::::::::,
         |:/ |:::::::/:::::|::::::个ト` ⌒  ´イ!ヽ:::::!::::::::::::::::::::::l::|
          |:! !::::::|:::::::|::::::::|::|/ /`¨    .|-!';:::!:::::|:::::::::l::::::|::!
         |! ヽ::::トレ::|斗イ/ / }     _| ';|::l:::!:::://::::/:/


 自宅に戻り、ベッドに顔を突っ伏す。

 中二病は卒業したと思っていたがーーどうやら根深い問題のようだ。

 別に理想の彼氏じゃなくてもいい。と言うか普通に友達が欲しい。

 それこそ、『彼』は誰とでも親しいし、こんな自分とも友達になってくれた可能性が高い。


 「うわぁぁぁぁーーーっ!!」


 若さゆえの過ち、と言うにはあまりにも代償が大きすぎだ。

 一体なんだ。自分のオカルトを披露して颯爽と消えるなんてどこの敵キャラだ。

 むしろ最初は敵キャラだけどどこかで味方になりそうだ。

 最後に主人公をかばって死にそうだ。嫌だ、死にたくない。


 「って、そうじゃないっすよ!!」


 とりあえず、これからの大学生活を考える。

 無理に彼の近くに座る必要はないわけで、別に大学生活で関わり合いになる必要はない。

 しかし、あまりにも第一印象が最悪すぎる。

 相手からすれば、『散々人のことを罵倒したと思ったら、なんか厨二発言をして消えた女の子』だ。

 無害な分、某千葉県民のぼっち女子高生の方がマシかもしれない。いや、あれも時々有害か……。


 「せ、せめて謝罪を……」


 人としてごめんなさいの一言くらいは言いたいが、今日のことを思い出して顔が火照る。

 『ステルスモモ』とキリッっとした顔で消えるーーうん、ないわ。


 「もうこのまま、関わり合いにならないで過ごすべきっすかね」


 桃子の隠れた中二病歴史として抹消するべきか考える。

 もしかしたら今後の大学生活で友達が出来るかもしれなかっただけに、非常に惜しい。

 謝れば、もしかしたらーー
535 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:47:13.93 ID:4zXbpoyPo

 7/10


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     l.:.:::::::::::/:::::::::j::j、                 /::::l!::::l:::::::::::::::::::l:::!
      l:l::::::::::;'!::::::::::l:::j!:ヽ       ,r ヽ      ,.イ:::::j!::::l:::::::::::}!::::::!::!    「私に友達が、出来る!?」
    .l:l::::::::;' l:::::::::::!:::!:::::::>..,_.    ` ´    _,.イ:::::!:::::j!:::::!:::::::::::!l:::::j::j
    .l:!:::::::l !::::::::::l::::l!:::::::::::j ヽ>  ..__.. <ノ.∨!:::::!:::/::::::j::::::::;':!l:::://
      !∨::::! ∨::::::::!:::ヽ:::; イ!: : : ヽ、__  _,..イ: : ヘヽ:::::/:::::::::!::::::;'/ l:://
     ! ∨::! ∨::::::!::::;.イ.:.:.|: : : : : : ハVハ: : : : : :j.:.:.メ、::::::/:::::/  j/
      ∨! _,∨イ:/.:.:.:.:.:.:!  : : :〈:::::::::::〉: : : : :!.:.:.:.:.:';.:.:`>..、
     -‐'".:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.!   / 〉::::::〈 ヽ  /.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`>-.._


 そうだ。彼は友達が多い。

 友達になれば、友達の友達は友達理論で他の友達を増やせるかもしれない。

 それに、彼には女性の友達も多かった。

 そう考えると、一番欲しい『女の子の友達』が出来る可能性は非常に高い。


 「これ、すごくゲスい考え方っすよね」


 立場を逆にしてみよう。

 可愛い女の子とお近づきになりたいから、その友達に声をかける男子。

 ーー最低だ!


 「ええい、こちとら手段は選べないっすよ!」


 本当に申し訳ないとは思うが、将来のステルスのせいで本気で困っているのだ。

 生まれ持ったこの体質、改善の余地は一切ないらしい。

 そう考えるとこのくらいゲスい考え方でないとやっていけない。

 幸い、『彼』は女の子とお近づきになりたいらしい。

 それも胸の大きな女の子が好きらしい。近くにいるから聞こえてきた。

 他意はない。決して彼のことを知りたくてこっそり聞いていたわけではない。


 「……セーフっすよね」


 最近大きくなってきた胸を見下ろす。

 これで釣って友達になろう。うん。

 ちょっと変な視線で見られるかもしれないけれど、『見られないよりマシ』だ。

 誰より『見られない』経験をしてきたから言い切れる。はずだ。


 「でも、そうなると問題が……」


 あの第一印象の中二っぷりをどう覆すか……。
536 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:47:43.45 ID:4zXbpoyPo

 8/10


 「あぁーっ!」


 結局、話はそこに行き着くのだ。

 一体なんて話しかけよう。昨日はごめんなさい?


 「そもそも、男の人となんて会話したらいいんすかね」


 今日は少し会話が弾んだと思う。(弾んでいたはずだ!)

 しかし、男性と会話した経験なんて数えるほどしかない。

 と言うか、同年代の友達との距離感すらわからないのだ。どうすればいいのやら。


 「こ、こうなったら……」


 パソコンを立ち上げ、インターネットの海に潜る。

 困った時には先生に聞けばいい。最近は便利になったものだ。


 「えーっと、のどっちスレのどっちスレ……」


 常駐しているスレを開く。

 かつて麻雀で争った『のどっち』のいるスレだ。

 こちらだけ一方的に知っているのはどうかと思うが、これも有名税だと思って欲しい。

 実際、『のどっちスレ』とは言うがのどっちの話をすることはあまりない。

 住民が雑談したり、アニメの実況をしたり、たまに麻雀したり、咲ちゃんクイズを出したりするカオスなスレだ。



 ……
 …

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:momoko

 第一印象で中二発言をブッパした相手と仲直りするにはどうしたらいいっすかね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 またこれはレベルの高い相談だな……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 大丈夫。俺たちにはのどっちがいるだろう?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ほら、『のどっちよりマシ』って思い込んで謝ってきな


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:momoko

 ありがとうっす!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 せめて私も相談に乗らせてくださいよっ!!!!!!!!!


 …
 ……

 よし、準備は整った。あとは勇気を持って話しかけるだけだ。
537 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:48:12.76 ID:4zXbpoyPo

 9/10


 ……
 …

 ・後日


            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー`     「東横桃子さぁぁぁぁぁん!!」
      /:::..     |  ,. _/
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
   /     |::::..         ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
.  /:     |::::.....      ..............:::_,:::-‐'′
 /::      `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__       /!   i      / iu-゙、
/----、\   ::::/ |::  ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::.         _,.-‐'"


        j:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::://:::/:!l::::/!:/!::::;'!::::::/: : : :!:::::::::.:.:.:.!
       ,':.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::j !V:!ヽ!:::! l:! !::;':!l::::::!: : : : !l:::::::::::::::!
         j.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::l ,.ィ.,ニj!''ヽl! l:::! !ハ::::!: :-‐'j!l::::j::::::.:.!
       j.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::〈! ら:::!   トヘ::! ! ヽ:!: :_,l!':/j::::::.:.!
       !.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::!. 弋;;ノ  . : :ヽ: : : : ィ'ニ`ヽ'/∧:::::l
      j.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::|   --     : : : : : .fr':}  }∧:::.:.:!
       /.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|             _`''′/.j:::::.:.:.j
     /.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|          ヽ      .,::::::.:.:.!    「」
    ../.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!                   ,::::::::.:.:!
   /.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: . .     r‐‐ュ      ノ:::::::::.:.|
  ./.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!>、: : .     ̄   u., イ::::::::::::::.:!
  }/!.:.::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:!: : :>. _      , ..<::::::::::::::::::::::ハ
   !.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::j::l、 : : : : : : >-‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
   l.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::;;l:l::::::::/!:! >.、: : : ∧::::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::::ハ!
 _,,. -―='''" ̄ ̄ ̄7.:リ:::::::/ j!    >-'_∧:::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::! !
'".:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:j!!::::/ /    ,イ::..::..::ヽヽ:::::::::::::::::::::/:! !:::::/ j
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:l:;イ.:.ヽ  / ヽ::..::..:lハ ∨`ヽ、:::::/./ j:::/ ./
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ、.:.:.:.:.:.:.:.\     !::..::.Vヽ!.:.:.:.:.:.:.:>メ、/:/
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>イ´.:.\   .l.::..::..:V l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノイ.ヽ、


 ーー計画が全部吹っ飛んだ。
538 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/11(金) 01:48:41.96 ID:4zXbpoyPo

 10/10


 「ちょっ、何してるんすか!」

 「あっ、いたいた。

  いやー、昨日どっか消えちゃったからさー。

  探しても見つからないし、もう呼びかけるしかねーなって」

 「その発想はおかしいっすよ!?」

 「なんか悔しいだろ!?」

 「悔しくてもフツーはそう言うことしないっすから!

  相手が迷惑だとか思わないんすか!?」

 「迷惑だったらごめん」

 「あ、いや、そこで謝られると……」


 ーー全くもう。なんなんだこの男は

 昨日まで赤っ恥をかいてベッドの上で足をバタバタさせていたのが馬鹿みたいだ。


 「いやー、赤っ恥かいた。

  もう恥かきたくないから逃げないでくれよ」

 「えっ」


 もしかして、気を使ってくれたのかな。ーーなんて、そんな風に考えてしまうのは、乙女だから仕方ない。

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'    「よろしく、東横さん」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
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   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ,    |!`¨              ¨'|!    |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|.:.|、',   |/l/l/     '       /l/l/|!   ,'|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   「……仕方ないっすね」
   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|.:.|:.:.:,  |!                   |!   八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
   |.:.:|.:.:.:.:|.:.:.!.:.!.:.:.:ヽ |!      、 ____ ,       |! , イ:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|
   |.:.:|.:.:.:.:|.:.:.!.:.!´:/: : \                /: !:`:7.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
   |.:/!.:.:.:ハ.:.:|.:.|:/: : : :/ |`: . 、         , .イ: :|! :.|: :/.:.:.:.:.:.:/.:./--、


 ーーそう、仕方ない。

 こんなお馬鹿さんを見たら、顔がにやけてしまうのも仕方ないのだ。


 カン!
539 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/11(金) 01:49:10.93 ID:4zXbpoyPo
 もしかしたら続く。リクも順次投下予定
 某非安価スレが建ってとっても嬉しい。うちもホスト京玄書きたい
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 02:02:50.30 ID:/pVOkpFKo
乙でした
寝る前にのどっちスレの建ってるのがNaNじぇいだと知ってよかった
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 02:18:18.01 ID:8sN9hasBo
乙です
のどっち次元でもIDがステルスしてるだけでこっそり混じってたんだろうか、モモww
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 03:19:16.14 ID:lYyEoMcT0

モモ聖帝ルート回避か(愛などいらない)
のっどっちよりマシ = 世界一位よりマシ = アラフォー実家暮しよりマシ
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 04:47:54.07 ID:z/e6e2WFo

しかし、のどっちスレでなんで解決すると思ったのか
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 06:01:53.48 ID:AGu1JboMo
今じゃのどっちスレ見て笑ってるもんな
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/11(金) 07:04:32.46 ID:w0n4jXQDO
乙です。
のどっちよりマシは果たして解決と言えるのだろうか……
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 07:33:09.60 ID:YKkqeruGo
のどっちスレならカウンセラーくらいいてもおかしくない
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 09:30:13.12 ID:AMecWQxm0
おつー
で、この次元で咲ちゃんクイズ書いてる業の深いやつ誰だよ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 14:45:51.02 ID:oiPj/2Xko
のどっちスレ行った時はもうダメだと思ったわww
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/11(金) 20:07:07.52 ID:5jvVnT4mO
乙です
「私は友達がいない。だが、彼氏がいないとは言っていない」ってなるんやろ楽しみ
のどっちを見る事により、自分より下の人間がいるんだなって安心する下方比較を行ってるんですね
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 01:28:36.62 ID:fJtSlUls0
逆にのどっちの方がマシとなった場合、それは誰なんだろ?(のどっちを超えし猛者)
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 01:56:34.61 ID:9sB/WSUEo
そらアラf…
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 02:07:03.27 ID:lgdq3ffUO
そりゃ世界一位・・・
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/12(土) 17:05:27.43 ID:sw6QQfkDO
ふと晩酌でカンする京咲と言うネタが思い浮かんだ。
ここでのカンはビール缶を開ける効果音のことです。
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 16:50:00.08 ID:QftjiqBkO
燗だろ
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 18:51:22.94 ID:XvmlPHez0
みやながけ次元での咲ちゃんはいい嫁さん兼しっかり者のお母さんだけど
そんな咲ちゃんが酔いつぶれちゃったりしたらどうなるんだろう
普段はぽんこつなてるてるがしっかりするようになるのかな
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/13(日) 19:32:39.27 ID:zhxLIYiDO
なら燗の栓をカンで。
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 01:35:38.30 ID:R9z7Gsrq0
>555
あれだぽんこつと方向音痴が抑えていた魔物モードが前面にでるんじゃね?
558 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/15(火) 21:09:00.74 ID:To91tLwBo

 1/10

 【私にも友達が一人いる!?】-京桃次元2-


 友達、と言うのはどう言う距離感で接したらいいのだろうか。

 東横桃子は数少ない人生経験から考える。

 例えば、高校時代の友人は同性である。

 須賀京太郎は最近知り合ったばかりの異性の知人である。ーーまだ友達とは言えない。

 正直、どうやって接したらいいかわからない。


 とりあえず、目の前でキョロキョロしている彼は何をしているのだろうか?


 「須賀、何やってんの?」

 「いや、東横さんを探してるんだけど見つからなくてさ」

 「ここにいるっすよ!?」

 「「おぉう!?」」


 思わず横から飛び出して声をかける。失礼な。

 彼ー須賀京太郎ーは相変わらず桃子のことが見えないらしい。

 目の前に立って話したりすればわかるのだが、それ以外では見事なまでに『ステルス』が発揮している。困り物だ。


 「いやー、ごめんごめん。

  探したつもりだったんだけどさぁ」

 「最初から隣にいたっすよ!」

 「おっかしぃなぁ……?」


 それも、彼にはオカルトの適性が全くないらしい。

 いや、むしろ他人のオカルトを強化している節でもあるのだろうか?

 近くにいても、桃子が声をかけないと見つけてくれないのだ。

 初めての異性の友達がこれでいいのか不安になるが、そもそも会話してくれるだけで十分なのだ。

                ______
              .....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....
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           .::::::::: !::::::|::::|l::|l::|:::::i:::!  从::_i斗:::::::|:::::.
           .′:::::i:|:::`T::八代{\!::「 ̄ ̄ }::l:::i::::::: !:::::::.
.         /:::::::::::i:ト、ィ芹丐`   ヾ '´芹丐刈|i:::::::i:::::::::::.
       .′ ::::::::i:|  乂ツ       乂ツ|i |i:::::::|:::::::!::::.
       |:::|::::::::i从 :::::::::   '    :::::::|i::,小:::::!::::: !::::::.
       |:::|::::::::|::込、     Y⌒(      |l.::::|::::: !::::: !:::::::   「むー」
       |:::|::::::::|:::|:::个ト _        _  个::::|::::: !::::: !:::::::|
       |:::|::::::::|:::|:::::|::|:::::::|:::〕  ̄ 〔:::|::::::|::::::|::::::川{::!ヽ:::i
       |::从:::::|:::|:::::|::|::::斗へ  /`7: リ、::::!:::/i::ハ{ i:/
       i/  ヽ:!´\ ̄: :iハ ハ_ハ /: / i ノ' : : ̄{  ノ'
         〈 : : : : : \: :{ : ∨`{i:i:}´V : : : }/: : : : :|


 ーーとはいえ、ムッとするのは確かなわけで
559 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:09:30.94 ID:To91tLwBo

 2/10


 「わりーわりー。

  昼食でデザートおごるからさ。許してよ」

 「そーやって安易にデザートに頼るのは良くないっすよ!

  ダイエット中だったらどうするつもりっすか!」

 「えっ、ダイエットしてた?」

 「してないっすけど……。

  でも、女の子ならそれなりにカロリーには気を遣ってるんすよ」

 「そっかァ。

  じゃあいらないか?」

 「それとこれとは話が別っす!」


 本来ならば初めての異性の知り合いと言うこともあって緊張するのだろうが、なぜか彼には気を許してしまう。

 とても話しやすい性格をしているし、少しこちらが弄るような言い方をしても応えてくれる。

 いつもは弄られ役だった桃子にとって、とても新鮮あった。


 「(でも、甘えてばっかりじゃ良くないっすよね)」


 しかし、あまり頼ってばかりだと愛想を尽かされるかもしれない。

 友達同士とは何か、調べたわかったことがある。


 ……
 …

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:momoko

 異性の友達ってどう言う距離感で接したらいいっすか?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 フツーに話して楽しければいいんじゃね?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:nodoka

 ふふふ、私には異性の友達がいるのでお答えしましょう!
 私の場合、男の人が率先して会話を探してくれましたよ!
 意図したわけではないですが、胸を見られてデレデレされましたが、それも慣れました。男の人なら仕方ないですよね。
 あとは男の人が何かしてくれたら率直のお礼を言ったりしていました!
 アレは私に惚れているに違いませんね! あなたたちとは違うんですよ!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 のどっちのどっち。現実を見よ?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 まぁたいつもの脳内彼氏か……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 マジレスすると、友達同士なんてお節介焼いても仕方ないでしょ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 そうそう、深いこと考えずに楽しいように過ごせばいいんだって。相手もそんな深く考えてないよ


 …
 ……
560 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:10:00.10 ID:To91tLwBo

 3/10


 「(普通に、って言うのがわからないっす……)」


 桃子は友達が少ない。ーー皆無、ではないだけ成長したのだろうか。

 友達といえば高校時代の知り合いのみだ。

 それも部活仲間という面が強く、そう言った関わりとは違うプライベートな知り合いは皆無だ。


 「そ、そういえば須賀さんは麻雀部らしいっすよね?」

 「おう、そうだな」

 「清澄の男子部員なんて聞いたことないっすよ」

 「あの時は俺一人だったからなァ。

  次の年からは人も増えたけれど、あんまり強くなかったからね」

 「あのリンシャンさんとおっぱいさんがいるなら強くなりそうっすけど」

 「あー……」


 京太郎がバツの悪そうな顔をする。何か悪いことを言ってしまったのだろうか?

 隣の長身の男子。ーー名前は覚えていないーーがニヤニヤと笑っている。


 「実は女子目当ての部員も多くてさー。

  顧問もついたんだけど、いまいち上手くいかなくてさ」

 「えっ」

 「ほら、顧問だって実績が欲しいから始めた感じのやる気ないタイプで……。

  なんというか……、その……」

 「まぁ、身内の恥なんだ。あんまりコイツを虐めないでやってくれ」

 「……そうだったんすね」


 多くは聞かないが、なんとなく察した。

 おそらく、彼にとって心地よい空間がなくなってしまったんだろう。

 それは同じく弱小零細麻雀部だった自分も同じだ。

 気になって入ってきた新しい部員との温度差。

 楽しくないとは言わないが、自分が本当に求めていたものとは違ったのだ。


 「だから新しくサークルも入らねーんだよなー、コイツ」

 「うるせー」


 新入部員に部活の雰囲気を押し付けてしまえば、そこに溝が出来る。

 今までの楽しみを持続したい既存部員と、自分のやりたいことを求めて入ってくる新入部員。

 彼もまた、その摩擦に擦り切れてしまったのだろうか。


 「というわけで、コイツ暇なんだよ。

  良かったら東横さんが構ってやってくれ」

 「え”っ」

 「んじゃ、俺はバイトだからお先ー」


 今日は1、2限のみの講座だ。お昼を食べて帰ろうと思ったが、押し付けられてしまった。

 京太郎も困ったような顔をしてこちらを見ている。
561 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:10:29.22 ID:To91tLwBo

 4/10


 いつもならば話題をリードしてくれる彼のこんな表情、初めて見た。

 なんとなく、放って置けなかった。


 「それじゃ、お昼食べに行きますか」

 「えっ、いいのか?」

 「いいも何も、奢ってくれるって言ったじゃないっすか」

 「そういやそうだな」


 本当は連れ出すキッカケが欲しかっただけ。

 桃子は京太郎のことを何も知らない。

 きっと、友達同士ならば深いことを知ろうともしないのだろう。

 でも、彼は桃子にとって初めての異性の友達。

 気にかけてしまうのは仕方ないことだろう。


 ……
 …


 せっかく半日で終わるのに学食というのも味気ない。

 そんな理由で近くのファミレスにまで来て見た。

 学食だとおいしそうなデザートが限られる、というのも一つの理由だ。

 彼が財布を見て悲しそうにしていたが、あえて遠慮はしないことにする。


 「須賀さんはバイトとかしないんすか?」

 「日雇いはたまにしてるよ。

  週に何回かって決めちゃうとサークルに入りにくいし」

 「あれ、でもまだ入ってないって……?」

 「なんかイマイチいいところが浮かばないんだよね。

  どうせ麻雀は弱いし、ハンドボールないし……」

 「運動できるんすか?」

 「まぁそれなりに?

  現役で続けてるやつには勝てねーけど」

 「なんだかもったいないっすね」


 パスタを巻きながら京太郎の顔をじっと見る。

 彼は注文したハンバーグに夢中だ。何やらいろんなおかずがついて来ているのに注目したらしい。

 まるでお子様ランチのような見た目だが、彼が気に入っているのならばいいだろう。

 大きな図体をして、こんな一面もあるのかと思わず笑ってしまった。


 「なんだ?」

 「なんでもないっす」


 なんだか、友達を独占できているのが嬉しかった。
562 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:10:57.99 ID:To91tLwBo

 5/10


 「そういう東横さんはバイトとかサークルとかやんないの?

  麻雀、強いんだろ?」

 「それ、私の体質を知ってて言ってるんすか?」

 「あー、ごめん」


 ちょっと意地悪な言い方だったかもしれない。彼はシュンとしてしまった。


 「あ、いや、そんなに落ち込まなくても……。

  自虐ネタっすよ」

 「そ、そうか?」


 少し滑ってしまったのかもしれない。

 確かに気にしているが、もっと冗談も交えて話したいものだ。

 それこそ、こちらが彼を弄るときにはもっといろんな冗談を言っている。

 それなのにこんなに気にすることないのにーーそんな風に思うが、どう伝えていいかわからない。


 「あー、その……」

 「ん?」


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          |::l::::::l::::::|〈r'必! ノ从 メ必ト.!..............リ
          |::l::::::l::::::| 烈 '     烈 l| ::: ::::イ
          |::l::::::l::::::|u      ' | リ:ルルi|
          |::l::::::l::::::ト、   r─┐ ノ /リ ::: リ::l|
          |::l::::::l::::::| \   ー ' . イ /:::::/l|::l|   「もっと弄ってくれてもいいっすよ?」
.           /|::l::::::l::::::ト、  }>-<: : !/:::::/ | リ
         /: : 从 :: :!:::: !. \ノ∧: \ : :|:::::/  ル'
.     / : : : : |人:ハル'\ ∧∧: : 〉: レ' {
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     {: : : : : :.\: : >-/: : :{ \:::{∧: : i: :/: ∧
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              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人    「?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
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 ーーなんか言ってしまった!
563 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:11:27.57 ID:To91tLwBo

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      |::::|:::::::l|::::l|::::::::|::::::l|::::l|::|:::l|::|::::::|l:::|  っ つ
      |.:::|:::::::l|从|\八:::::l|::::l|八:l|::|::::::|l:::| っ つ
      |::::|:::::::l| 芹芋 \|\| ー-ト|::::::|l:::|
      |:从::::::l| 廴zノ    -=≠彳:::八:|
      |:::::::\l|////    ,   //}i/|/::::::|  「あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ーーっ!
      |::::::|::|八            }i 从|:::::::|
      |::::::|::|:::::丶   ー--ァ   /:::: l::::|::|   ち、違っ、これは違くて!」
      |::::::|::|::|:::::个o。  __  (\::::::::::l::::|::|
      乂::|人|\j|/ } _{  \\イ|ノ|ノ
          , イi:i:i/  У/∧   〔__ \人
      /i:i:i:i:i:i:i:\/∨//_ノ〔__   }⌒ヽ
     /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:/∧i:i:∨i:i:i} ̄ ̄{i:i:i:i:‘,
.    /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〈i:i:i:i:///∧i:i:i〉i:i:{i:i:i:i:i:i}\i:i:i:|
   /i:i:i:i:i:i:i{i:i:i:i:ii:i∨i:i:{////}i:i/i:i:i乂i:i:i:i:i:i:i:i\!


 「お、落ち着け!

  目立ってる目立ってる!」

 「どうせ私は目立たないから須賀さんだけ目立つんすよ!」

 「それもなんか嫌だ!?」


 直球で伝えようとしたが、なんか間違った言葉が出てしまった。

 うん、これじゃあ意味深な意味にしか聞こえない。

 幸い、目の前の彼はそう思っていないようだ。

 しかし某スレで下ネタに鍛えられた桃子は自分で言ってて恥ずかしくなってしまう。


 「そ、その、なんか余所余所しいというか」

 「そうかな?」

 「さっきのもそうっすけど、別に存在感がないことで弄られるのは慣れてます。

  そんなに気にしなくていいっすよ」

 「うーん?」

 「それに、その、自分で言うのもなんなんすけど、弄る側というよりかは弄られキャラというか……」


 拙い言葉で伝えようとするため、どんどんボロが出てくる。

 これではなじってくださいと言わんばかりの変態さんだ。


 「んー、それってつまり」

 「……」
564 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:11:57.07 ID:To91tLwBo

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          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
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     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
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.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
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   |::::::::::::::::::::::|::::::::::| |!       ´       |:::|
   |::::::::::::::::::::::|::::::::::| |!          U イ:::|
   |::::::::::::::::::::::|::::::::::ト |!    (⌒7    < |:::|    「え”っ!?」
   |::::::::::::::::::::::|::ハ::: | |! ‐ - - < ヽ  ' |:::|
    ヽハ∧//⌒ |::::| Z\  /  \ \  }リリ
.       /     リソ  ∧ }个―−   ,
      /  \   ', | 人 ∨/ノ ||  } |
      |     ',   ', ', \>‐┐  ||   ヽ
      |     ∨  \\ヽへ  |。|    ',
     ノ       イ     \\ミハ ||    '',   _
    |      /        \\ミノ |       }  / / 〉
    /      { _「 二つ  \\イ      ノr┤イ_イ 〉
    |      ノ/ /二フУ 〉   ヽo}   / ハ ヽ У 〉


 ーーそれは違うっすよ!?


 「何言ってんすか!?」

 「だって自分から弄られキャラになろうとするなんて、いやー意外だなー」

 「なんでそーなるんすか!」

 「いーや、もう決めたね。決定!」

 「ちーがーうー!」

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/    「東横さんの扱い方がわかったぞーっ」
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
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565 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:12:26.50 ID:To91tLwBo

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 「まっ、確かに東横さんはちょっと近づきがたい雰囲気もあったからさ」

 「そーっすか?」

 「孤高の狼っていうの?」

 「ただのぼっちっすよ……」


 一人でいることが好きなのではなく、一人でいるしかなかったのだ。

 もしかしたら、その雰囲気を察されて友達が出来なかったのもあるのかもしれない。


 ーーしかし、一つ疑問が出来た。


 「そ、それでっすね」

 「おー、どうした?」

 「わ、私たちって……ですよね……?」

 「?」

 「そんな難聴系スキルはいらないっすよ!」

 「いや、本当に聞こえないんだけど……」


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       |::::::::::::::::::::斗:::i‐:::::|:::ト |::::|::::::::::|:::|::::::| -‐…|‐-/::'|:::::::::/:::::::::::::::::
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       |:::::::::::::::::::::::|::::|」八::::L_j::::: :::::::::|八:::::|  >===ミx|/::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::{∨ !/ニニ- .`iヘ|\|  ヽ:| / /二二-. \j::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::{ { |_)::i:::::|:::i            {::::::i:::::|::|   |::::::::::::::::::::::::
       |::::::::::::::::::::::::\ |{....ヒ::リr'|            _)..ヒ::リ::|   |::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::::「 l乂辷..ツ          乂辷..ツ   |::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::::} ,|///               //|/ |::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::::; ,|///   ′         //|/ |::::::::::::::::::::::::
       |::::::::::::::::::::::::::. |                  |   ,:|::::::::::::::::::::::::
       |:::::::::::::::::::::::::::〉.|          __        u   | .〈::!::::::::::::::::::::::::   「わ、私たちって、友達っすよね?」
       |:::::::::::::::::::::::::::::::\      └ `           |'´:::::!::::::::::::::::::::::::
       |::::i::::::::::::::::::::::::::::::::`ト             イ:::|::::::::!:::::::::::::::::::::::::
       |::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕ト ..___..        |)\:::::!::::::::::::::::::::::::::
       |::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |          /   V::::::::::::::::::::::::::::


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /    「?」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


 彼の呆然とした顔に不安になる。

 やっぱり、厚かましかっただろうか。

 彼には友達が多いし、私はただの知り合いの一人なのかもーー
566 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:12:55.81 ID:To91tLwBo

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                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
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       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'    「なぁーに言ってんだ。
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/       とっくに友達だろ、『モモ』!」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
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      j:.:.::::::::::::ハ ヽ,イ,ィ::::ヽ` ヽ!   ヽ!´.,ィ:::ヽ`ヽl j::::/::::::::::.:∧
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      ハ:::::::::::::::::::ハ j!乂:::cノ        乂::::cノ l! j:::::::::::::::::::::.:.:ハ
     ハ.:::::::::::::::::::::::, j!  `¨             ¨´  V::::::::l::::::::::::::::.:.ハ
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    .l:!:::::::l !::::::::::l::::l!:::::::::::j ヽ>  ..__.. <ノ.∨!:::::!:::/::::::j::::::::;':!l:::://
      !∨::::! ∨::::::::!:::ヽ:::; イ!: : : ヽ、__  _,..イ: : ヘヽ:::::/:::::::::!::::::;'/ l:://
     ! ∨::! ∨::::::!::::;.イ.:.:.|: : : : : : ハVハ: : : : : :j.:.:.メ、::::::/:::::/  j/
      ∨! _,∨イ:/.:.:.:.:.:.:!  : : :〈:::::::::::〉: : : : :!.:.:.:.:.:';.:.:`>..、
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 彼が言ってくれたその名前は、先輩たちに呼ばれていたものと同じ。

 それが何よりも、友達の証明だと思えたーー!






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   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ,    |!`¨              ¨'|!    |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|   「よろしくっす!
   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|.:.|、',   |/l/l/     '       /l/l/|!   ,'|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
   |.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|.:.|:.:.:,  |!                   |!   八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|    『京さん』!」
   |.:.:|.:.:.:.:|.:.:.!.:.!.:.:.:ヽ |!      、 ____ ,       |! , イ:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.::|
   |.:.:|.:.:.:.:|.:.:.!.:.!´:/: : \                /: !:`:7.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
   |.:/!.:.:.:ハ.:.:|.:.|:/: : : :/ |`: . 、         , .イ: :|! :.|: :/.:.:.:.:.:.:/.:./--、


 とっさに思いついたあだ名は、なんだかとってもしっくり来た。

 一寸先は闇だった大学生活、これからは楽しくなりそうだーー!
567 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/15(火) 21:13:24.79 ID:To91tLwBo

 10/10


 ……
 …


      .  ´  ̄ :::::::: ̄ `丶
    /:::::::::::::::::::::::::; ':::ハ::::::::ヽ
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  l:::::i::::::l:::::l:::l:::l::i:::::/:::;L! |::l::::l:::::::i
  |:::::l::::::l:::::l:::l:::l::レル´リル ノムノ:::::::|
  |:::::l::::::l:::::l:::l:::l::| l!ィ云  ィ笊ル:イ
  |:::::l::::::l:::::l:::l:::l::| イt_ソ   !r'リ::::i::|
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  |:::::l::::::l:::::l:::l:::l::| l! 「 ̄ノ. イ:::i l::|
.  从::l::::::l:::::l:::l:::l::|> -- く:::i::l::::l::l::|                               //
   人!:::ハ::ルjレj人〉ルイ::レルハ:ノ                           / /
  /: : : : |: :.∨\___∧:∧                              /  /
 /: : ⌒\: \:∧. |::::∨:!:∧               _______ /   /___    「私、初めての友達が出来たっす!」カタカタ
 !: : : : : : :\: :Y∧|::::: l: |: : }                /             /〉    /
 |: :、: : : : : :.\!: ∧:::::|: ト.j:ハ             /              //    /
 |: : \: : : : : : :.ヽ:.∧: !: !: :∨\ _ __    /         ___//    /
 |: : : : :ヽ.: : : : : : }\∨ノ: : :!: : : : : i´: :| ̄ ̄ ̄`ヽヽ     / ZZZZ //    /
 |: : : : : : ヽ.: : :_:_ハ: : Y: : :ノ: : : : : :.!: : j- 、 (⌒ししヘ / ZZZZZZ//   ./!
 |: : : : : : : :Y: : : : : `ー< ───ァ ̄   `ー’==='/ ZZZZZZZ//  //
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                     ,. --―-- 、
                r---l>'            rヽ.  ,-┐
                | /   / / ./  !   |  .Y  }
                    V.// / i ! i  ハ i.  |  iミ  .}___
                // | ll ムムハ |ト、 ト-レH |_,ィ个 、く     /^i
                    ハ!_!.! !トレテト ヾ` 行ヒくリノ}/  ハ  〉   /  |
               \|_ト、トトミ込!    込! ´ リ゙TTi Y    /  |
                   l | ハ:::::: '  :::::::  _./ ! i i ハ    l   |
=====、-、         // i ヽ.  ー   / /  ! i i ハ   l   |
       | |       // i / l` ┬ ' ´ | ./  ! ハ i ハ  !   !    「そんなオカルトありえませんっ!」カタカタ
       | |         //  ! / |____|   l/    ハ i ハ ___!  |
- 、.      | |      //   / ̄/'"´  _/   / リ、!  i .}  /.   |
  |.      | |       // / / / ̄` ´ /!レ //ノ  `Vハ! i   |
  |.      | |     { { / /  |:     / l.| /イ      i iハ .i    |
  |.      | |       X! ! ノ、 ! / /  !| i {_ _ _ _ _ _|_i ハ.    !
  |.      | |     {_ V >-ミ7ヽi/ニエエ式 lハ_i_i__i_,i_ィン〈 }  |
  |.      | |    シ./ {   >{二}<   /\、ゞ  /  ノ /   |
  |.      | |    ノ {  \___/ハ\`  /   廾≠イ=0コ i   |
  |.      | |   ./  ヽ.   / ハ ハ ̄   , ィ' |  /〈!ト'  i   |
  |.      | | ,/⌒ヾ  /`7  i  i  ハー┬ ´ / .!/  .|  i   |
__.,!.      | |二--   `/ i \_|.  |_./  i! /  ノ    |   i ./ ̄7i
       | |/\ _ ノ ir'⌒ i!`  ー--才´^⌒)==/=.〉. i/  //
       | |__  `  ノ- 〈..,,__ヾi    / , ィテ/    ノ ./  //
______.i._リ  <>ヽノ    _  ̄ ̄ """""''''''''''''''' ‐‐‐‐‐---
互互互互互互互互互互互互/l
≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠//


 カン!
568 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/15(火) 21:13:53.47 ID:To91tLwBo
 【咲ちゃんお酒飲む】も把握
 書けるものから書くスタイルなんで気長にお待ちを
569 : ◆HACkWQpQbk [saga]:2016/11/15(火) 21:14:19.63 ID:OGwYTnpP0
 攻め時と引き際さえ弁えていれば恐れることはない。
 無事に元の百倍の一千枚まで増やしてヘンリーに見せびらかしてやった。
 ヘンリーがお前って意外と利口屋なんだなと云うので、どういう意味だと問うとてっきり猪突猛進して行くものとばかり思っていたらしい。
 確かに私は無鉄砲で向こう見ずな所はあるが、愚かに邁進して滅びるほど馬鹿ではない。
 堅実に守り、退くべき所で退き、機を逃さず大胆に行動を起こせば百戦危うからず。
 そう訓示を垂れてやるとほへーと王子らしからぬ顔をする。
 俺、今までお前のこと見くびってたよ、やっぱり偉いんだなと見逸れているので今更気づいたかと胸を張ってやった。
570 : ◆HACkWQpQbk [saga]:2016/11/15(火) 21:16:54.00 ID:OGwYTnpP0
ごめんなさい……誤爆です
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/15(火) 22:31:25.36 ID:6Gyed4xD0
乙ー!
あれ、もしかしてプロ?
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/15(火) 23:58:17.22 ID:6RgoMsVU0
京ちゃんはモモに奢ってモモのおもちを育成するのか?

居心地が悪くなった清澄か・・・もしかして京ちゃん争奪戦(勝者の居ない戦い)が開幕したのか?
573 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:47:37.75 ID:pRjkU90do


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 438
 【京太郎の浮気を疑う宥と都合よく解釈するクロチャー】-のどアコ次元-


 前々回、京太郎は松実館に遊びに来た。

 前回、世にも奇妙な物語で玄と宥が入れ替わってしまった!

 数時間後に症状は治まったところから物語は始まる。


 ……
 …

 それは、夜のことだった。


 「やっぱり、京太郎くんは浮気性だよ」

 「なんでそうなるの!?」


 なんとか入れ替わり事件も解決し、その日は無事にデートできた。

 しかし、二人でデートをするのではなく三人でのデートとなった。

 それもこれも宥が『玄ちゃんのことが心配だから』と言ってついて来たせいでもある。

 なお、松実父は血涙を流しながら京太郎のことを見ていた。


 「だって、普通なら彼女とデートするのにお姉ちゃんが同伴するなんてありえないよ」

 「か、彼女だなんて。えへへ……。

  って、お姉ちゃんが勝手について来たのに!?」

 「あそこは断るくらいの甲斐性が必要だよ。

  あわよくば姉妹丼って考えているかもしれないよ」

 「そんなことないよっ!?

  それに、彼女のお姉ちゃんが来るって言い出したら断る方が難しいと思う……」

 「玄ちゃんは優しいからそう考えちゃうんだよね。

  でも、そこは断って男らしく『今日は彼女と二人で遊びますから』って断るべきだよっ」

 「そ、それじゃただの面倒臭い子だよぉ。

  首謀者がお姉ちゃんだから納得できないよ……」

 「玄ちゃんが悪い男の人に騙されないように、ちゃんと教えてあげるからね」

 「う、うん?

  でも京太郎くんはそんな人じゃないよっ」

 「ううん、男の人は怖いんだよ」


 宥なりに心配しているのだろうが、やはり玄は納得できない。

 首謀者が姉でなければその言い分も少しはわかるが、さすがに理不尽だろう。


 「それに、玄ちゃんだって彼氏さんが他の女の人と喋っていたら嫌だよね?」

 「嫌じゃないよ?」

 「ほら、玄ちゃん騙されてるよ」

 「ええっ!?」

 「女の子は彼氏が浮気してたらとてもムカムカするって憧ちゃんが言ってたもん」


 ソースは新子憧。
574 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:48:06.63 ID:pRjkU90do

 2/10


 「でも、私は別に大丈夫だよ?

  普通にしてたら京太郎くんだって女の子と会うだろうし、そんなにおかしいことじゃないよ」

 「おかしいことだよ!

  それじゃあ玄ちゃんは京太郎くんが他に女を作っていても大丈夫なの!?」

 「うーん……。

  それはとても悲しいけど、京太郎くんはそんなことしないし、京太郎くんが嬉しいならそれでもいいかなって」

 「そんな都合のいい女みたいな考え方しちゃダメだよっ」


 会話の論点がズレてしまうのは、宥もおかしいが玄もおかしい。

 二人とも父子家庭で育ったトラウマが起因なのだが、それはそれだ。


             r ' ´: : : : : : : : : : :`ヽ..、
          ./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
         ./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::\
        /: /: : : : :::::::::::/::::::::::::::::::: !::::::: : : : ::ヽ::ヽ
       /: :/: : ::::::::::::::从:::j::::::::::::::::::|:::::::::::::: : : ヽ: ヽ
      ./: :/: ::::/::::::::::://!::!|::::::::::::::::::!:::::::::::::::::l: : `: :ヽ
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      .!: : l::::::::|:::j!_:_:::!!j. !::l.!::::!::::::::::!:!!::!:_:_:::::|:::::: !: : !
      !: : |:::::::::!:ナ!::::`!'!ー!-!.!:::|::::::゙卅!フ´!::::::::ヽ|:::::: !: : |
     .|: : :|:::::::::ト:!.ヽ:::| .! ヾ.ヽ:!ゝ::::| 〉_ヽ\::::::::!:::::::|: : :l
     .!: : :|:::::::::!〉!,rチテ心ヽ`' Y. \::!フテ亦ヽ、::::!:::::: !:::: :!
     |: : ::|:::::::::!‖{::::::::::::}      {:::::::::::::}ヽ 〉::::::::|::: ::|
     |: : ::|::::::::ト! ゝ)::::oノ      〉.):::oノ Y!:::::::::!: : ::|
     |: : ::!:::::::::!}.   ̄ ̄   ,     ̄ ̄  l'|:::::::::|:::: ::|
     .|: : :|::::::::ト !  '''''    __    '''''''  ! !::::::::j:::: ::j
      }: :::::!:::::::!、l      /´  ヽ      .j/!::::::::l:::: :/    「玄ちゃん。
     .ヽ::::::!::::::::!::\    {    j     .ノ::j::::::::j::: :/
      〉、: ::!::::::!:ゝ、 ゝ、  ゝ-- ' ___ r '_/::/:::::::/::::人     お姉ちゃんが色々と教えてあげるからねっ」
     ./: ::〉、::V,:::!::ヽ` ー'`- ' ´     ./::j: :://:/:::: ::ヽ
    ノ'´´/ \:::ヽ::r-っ       rv-、/::/:ノ::/.〉`ヽ: ::\
  ,/::/   ` ゝ 、.}::/__./_ )-、_   rヘ´ヽ. ヽ::::::::/ r'´  .ヽ: : : :ゝ
../:r ‐'       ./ ̄   ` '' 、)_.r´)r ' ̄ ̄`ヽ:/      `ー-: :
': {  ゝ      l        ).ノ'       Y     , r'   .}:::
: ノ    \   .j        j.{        { __,, r '´     }::
Y      ` ./ ` ヽ、 __   l l __  ,, '  ヽ         }/
 \      {       ゙゙゙  { ノ        .|         }


         ...´........................................................`....
      /............................................................................ヽ
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    |_ ノ:::::::|:::::::::::::::|/|::::::|:::::::::::::|_彡 〃__/::::/ ィ:::::/}|
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      i:::::::::::|:::::::::::::::|`ーo{ ;::::::::::|   /⌒⌒}.  |..::|
      i:::::::::::|:::::::::::::::|::::::|:|. ':::::::::|.. .{    / / :|    「ふえっ!?」
      |:::::::::::::::::::::::::::|l:::::|:|   ';:::: |`  .. ̄⌒,.ィ:.:|:.:..:.:|
      |::::::::::::::::::::::::::八:_圦  ';:::::. 厂::{ l::::|:::|  . :.:|
.     ′:::::::::::';::::::::::::〈./  \ 弋「./:::::::: j:::::〃..:.:.:.:.|.
.    /::::::::::::>ヘ::::::::::::∧   ヽ_ヾ \::V::/.:::::.:.:.i.:.|
   /:> ´   V:::::::::::∧  /^' { ト  _入:〈. :::::.:.. 八|
.  /〃 =- 、   ヽ::::::::::∧/\ .Y /}}\}:::`ー 、 /
  /:,′     \   \::::::∧ { ̄`ヽ〃/ ̄}:i  i
. /:::|            ヽ::::∧i    } 」   i::| l|


 ーーかくして、宥お姉ちゃんの浮気性の男講座が始まった
575 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:48:35.49 ID:pRjkU90do

 3/10


 ……
 …

 ーーやっぱり、玄ちゃんには幸せになってほしいもん。

 お姉ちゃんとして、頑張らないと!


 「まず、浮気性は治らないものだって研究結果が出ているんだ。

  浮気をした人の中で一度しか浮気をしたことがないという人は僅か16%しかいないんだよ!」

 「う、うん?」

 「まず、浮気性に見られる特徴からだね。

  『誘いを断ることができない』!

  特にコミュニケーション能力が高い人ほどこうなる傾向があるよ」

 「ふむ……」

 「今日のデート、京太郎くんは私が一緒に行くって言ったのに断らなかったでしょ。

  ほら、当てはまるよね?」

 「でも、さっきも言ったけれど、か、か、彼女のお姉ちゃんが行きたいって言ったら断れないよ」

 「もう、玄ちゃんったら良い女の子みたいなこと言っちゃダメっ」

 「良い女の子なら褒め言葉だよ?

  京太郎くんにも褒められたんだー。えへへ」

              , r ───−- 、
           r '´ : : : : : : : : : `ヽ、
         ./ : : : : : : : : : : : : : :\
        / : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ
       ./ : / : : / : : : : : :|: : : : : : :ハ: : :ヽ : ヽ :ヽ
      / : / : : : /: : : : :l: ::j: :|: : : : : | }: : : :ヽ: ::ヽ : ヽ
      / : :{ : : : ::{: : : : :ノ:ノ}:::ル: : : : リ、}::ハ: : ヾ,: ::}: : ハ
     .{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
     ! { : :! : : : :!: : :ノ':/`/' .j: : : ://  .リ |: 外|: :l: : ト|
     .|::l : ::| : : : |:/,r=≠ミ /: : ノ ' ,r=≠ミ/ |リ:: :| :ハ}
     .|::|: : :| : : : | 《{////゚} ´    .{//゚/}.ヾ|: : : :|/' '
     .|::| : ::|: : : ::| ヾゝ//ソ       リ゚/ソ‖!: : ::Y|
     .|::|: : :l: : : : |  , , ,      ,   , , ,  .j:::: : :|:|
     !:l : : :{: : : :{                l: : : :|::!
     }::l : : :l: : : ::{               .j : : :リ: |
     .}::i : : :l: : : ::ト、.     ⊂⊃    .ノ: : : ::j: :|    「男の人の言う『良い女』って言うのはね。
      l: 〉: : :〉: : : :V>、         rl'´リ: : : :/: リ
     .} :∧: : :W、: :ゝ、_.|_` ー __, ィr<、: |:/': : ::/ : /     男の人にとって『都合の良い女』なんだよ」
     ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ   ̄ ` ヽ、{ _, r'  フ: ::/:: /
   / : : :r‐'ヽ: : : : ∧           /:/: : :∧、
 ,/': : : ::/  .∧: l: : ::ヽー-        ./: : : : :∧: : \
//: : : , r'ー-  ∧l: : : :ヽ   ー-−  j: : : : ::/ ) 、::ヽ::ヽ
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    i´ ̄    /:/{ ::八:::乂∧::::{个 .   rー〜ぅ  .イ::.:.::::′ ハ
    |!     // 人 ::::::\:ド. }:. V \>´.__ . < { .|::.:.::::{  / }
    li     /::′  \:::::::: ヽ从 乂 r` 丁 }乂____V} ::::::::}/ |
    |i    /:::::{斗-  . \::::::::ヽ ≧.厶=\_.ノ'≦ ̄} |:::::::::′  {
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576 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:49:04.94 ID:pRjkU90do

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           | .:| .: i.:.!.: o|: .: .: |     {  ∨   .:'|.: .: .:|  「あっ、でも『都合の良い女』でも京太郎君にとってはいいことだよね!」
           | .:| .: i: ∨八|.: .: |> .   __ノ  イi |.: .: .:|
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    ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、     ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
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   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ
 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ


 「京太郎君にとってプラスならそれでいいんじゃないかなぁ?」

 「玄ちゃんは自分のことももっと考えないとダメだよ!」


 このままでは可愛い妹が危ない男に引っかかってしまうと、宥は危機感を覚えた。

 もちろん、宥も意地悪でこんなことを言っているのではない。

 宥にとっても玄は大事な家族である。また、母親を失ったのは宥も同じだ。

 それこそ玄にとっての母親代わりにもなっている。

 普段は宥がだらし無い面を見せて玄がそれをお世話しているが、精神的な支えになっているのはやはり宥なのだ。

 玄が可愛くて可愛くて仕方ない、そんな宥が盲目になってしまうのはーー
577 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:49:34.14 ID:pRjkU90do

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      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
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 .ゝ: : : : : : : :ヽ{.  ゝ: : : ヽ           ` ヽ、   j: : : : :/: /
  : : : : : : : : : : ゝ  ヽゝ: :\              `ゝ/: : : ::/: 〈
、 __ ヽ: : : : : : : : : ゝ 、   ゝ::\           _ ,,,ノ: : :,r.〈ノ. ヽ


 玄の無防備さにある。

 無償の奉仕と言えばまるで聖人の様だが、生憎玄は聖人ではない。一人の女の子だ。

 待っているのは得意と言いつつも、その精神をすり減らしてしまうのは目に見えている。

 何よりも責任感が強い玄は、準決勝で失点した時にもとても心を痛めていた。

 それこそ、浮気性の相手と付き合えば『自分に何か至らないところがある』と日に日にやつれていくだろう。


 「(玄ちゃんの目を覚まさせないと!)」


 ーーとは言え、宥もまた聖人ではない。

 本来、娘の味方になるべき『母親』という立場は、『恋愛』や『結婚』をという経験から培われる。

 その重要なプロセスが抜け落ちている宥は、想像や知人の知識に頼るしかない。


 そんな中、宥には心強い味方がいた。
578 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:50:02.87 ID:pRjkU90do

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  ′: . : . : .。: . : . : . : .E\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
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 新子憧である。

 宥の恋愛観や男性観は新子憧によってもたらされた物が多い。

 宥にとって憧は『恋愛経験豊富』な『イマドキ女子高生』というやつなのである。

 自分にわからないことは人に聞く。

 玄に恋人が出来たと聞いた時、姉としての心配から憧に色々と聞いたのだ。


 もっとも、大問題なのは当の新子憧に恋愛などした覚えはなく、大抵がネットの知識や少女漫画の知識であることだ。

 更に言えば、憧はまさか宥が玄と京太郎の恋愛に口を出すつもりだったなどと思っていない。

 それもそのはずである。


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        .イ: : : : :ト'´Y: : : :ナ卅'‐x- zノ/j: : : : /ハ: : : : }: : : }
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    ノ -‐'  .ヽ: : : {. {: : : :!   r−-,    ./: :!: : : :j  「ね、ねぇ憧ちゃん。
 , r:'´'´     .∧: : :∧.、: : :{.`ヽ、  ̄´   ノ: !リ: : : リ
´: : :/,r ‐ .、   .∧: : :∧ヽ: :ゝ  `ヽ -‐<r‐-、': : : /   女の子の敵みたいな男の人を見分ける方法ってあるかな?」
: : :/r.⌒ヽ、 `ヽ、 ∧: : :∧、\ゝ     ̄ /./Y !: : :/
: : {     ヽ  〉、∧: : ::∧` ,v‐ー-、   / }l | {:/
::/.!.     ヽ ‖} `}: : |: ::ヽr' ´   >./ /j' j .!
' .!      ∨' l  .}: :l: : ::Y´  r'´ r./ 〉'  { .ト,
  |      ‖ .j  l::j: : : ::}ゝ-{ / \    .' }、
  l      .‖∨  }/: : : : }  ∨   \   .∧

: |: : |: : : |: : :____: : : : : :/: :. : :./ :}ア∧:\:. : : :. : : :.|
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: |: : |: : : |:, :./)/)/ ̄}:/}: : /  ≠ミ  ∨:.| : : : | : |: \
: |ミ |: : : |//ア⌒ヾ  / :}: /   '|: r :|   : :.| : : : l: /\: :\
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: l:.〕i|: : : |      .′       \|    /:. : :.|: : :|     |: : :|
八:.:.|: : : ト      l           |   /:|: : : : :|: : :|     |: : :|   「(宥姉に先越された!?)」
: : \: : 八   〕ト !          ノ. . : : : |: : : : :|: : :|\   |: : :|
: :. : :.\: : \    ≧=-  r<:. : : : : : :.|: : : : :|: : :|:. :.\  |: : :|

 ーーかくして憧は、一切の悪意なくネットの知識を宥に教えてしまった。それだけである。
579 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:50:32.11 ID:pRjkU90do

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 ……
 …
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       ' /: : : : |: :|: : : :|:. : :.| |: : : : : : : | |\: :_: : : : |:. : : : :|: : |: : : : : : :‘,
.      i ハ: : : : |: :| : : ∧: : :l ハ: : : : : : T〔 ̄「 :|: : : :|:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | |:. : :| |: :无Τ: :Г| ト、: : : : :N  ヽ|\: :|:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | |:. : :| |: :| V \ l |/  \: :| ,ィc宥ミx |:. : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
.      | | V:. : :|: :V |〃示芯ミx    \| ♭  Л Ч: : : : :|: : |:. :. : : : : :.|
      ヽ| V: : |: :ヽ癶{ ♭_,Л         乂こシ 个: : : : |\|:. :. : : : : :.|
          \ |: : : :メゝ弋こソ             |:. : : :.| |:. : : : : : : :.|
             |: : : :ハ     ,      /i/i/i/i  |: : : : : | |:. :. : : : : : :′
             |: : : : :} /i/i/i             |:. : : : :.|ノi : : : : : : : ,
             |: : : : :.                 |:. :. : :/: :/:. :. : : :. :./    「清澄高校の麻雀部は男子が一人だったんでしょ。
             |:. : : :込、       .--         |:.:. :.:/: :/ : : : : : : イ
             |: : : : : :兮 、              /|:. : /: :/: : : : : : : : |      そんなの、絶対に下心があったんだよ」
             |:. :. : : : : :. :.>            イ__,./:. :厂7:. : : : : : : : :.|
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   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:       「えへへー! みんなを支えてたんだって!
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'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|


 「そ、そういうことじゃなくてね?」

 「なんか親近感を覚えちゃうんだ!
  私も一人でお掃除してた時期があったからーー
  あ、でも私の場合は好きでやってたから一緒にしたら京太郎君に悪いかな?
  ううん、やっぱり違うよ。
  私はあくまで私の目的のためにやってたんだもん。
  京太郎君は麻雀部みんなのために雑用を引き受けてたんだって。すごいよね!
  私もそんな風になれるかなぁ?」

 「玄ちゃん!」

 「へけっ?」


 可愛い女の子に囲まれて男子は一人。

 女の子の視点から普通に考えれば下心があるとしか思えないシチュエーションだ。

 ーーもっとも、男の視点から考えれば針のむしろでしかないのだが、二人にそんな知識はない。
580 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:51:01.28 ID:pRjkU90do

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                    _ -――――――――- _
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            |: : :|: : : : : {^{ : : : {ィ芹苅^       芹苧ミ/: : /
            |: : :|: : : : : ', { : : : | ヒ)ツ      ヒ)ツ 厶イ: :|
            |: : :|: : : : : : ,{ : : : |                 / : : : l
            l: : :l: : : : : : :{ : : : |           '    ,: : : : : ,
           人: : ', : : : : : :',: : : {      __      /: :/: : :,'   「憧ちゃんや和ちゃんみたいに、
           /: /⌒ ,: : : : : :‘; : 个s。        ィ: : /: : :/
          /: : :,     ,: : : : : : ',: ',⌒≧=-=≦   j{ : /: : :/}     彼女でもない女の子を下の名前で呼ぶのはおかしいよ?」
       ,: : : : :/      ',: : : : : \:j           j{: 〈: : :/:,'
       ,': : : : ,'       ',: : : : : : ',__       j{: : :\{/{
      ,: : : : :i{__      ',: : : : : : ',⌒\   /i{: : : /  }
       {: : : /⌒ ̄ ̄⌒=- ',: : : : : : ',      ̄ ´  i{ : : {__/',
       {: : / ̄⌒\      ',: : : : : : ',         i{ : : { |  ',
      V: {      \    ∧: : : : : : :',__  イi{ : : {\、   ,
        v{         、  〃 ',: : : : : }⌒「⌒「  { : : {  \、 ,


                    ____
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         ./. __.ヾ:. :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚.
        .,/..../::.!.―:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |:.: : :|: ゚
          ′::::i::.. 从 :乂:.ヾ:::::ハ.i|≧ミ∧..`:|: : : :|: :
       |:: '::: i:. :..ノ灼茫  ヾ:i ^灼茫ミ...}::.:.|: : : :|: :.゚
       |::|l:::::i:.:.:.圦 vツ       vツノ |::...|: : : :|: : i
       |::|l::::ハ.:.:.} 、、、  ′   、、、 ,i::: : : : :|: : |
       |::|l::/.::::..小.   r―      イ. : :.|: : : |: : |    「誰とでも仲良くなっちゃうんだよ! すごいよね!」
       |::|l:{.i:::::.: 込.     ..ノ    .イ. }: :..:.: :...|: : |
        `O′:::.(:. ノ介ト __  <{从 /: :..|: : : |: : |
        /::j |:::::_≧=ー : 〕  .....{  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Y /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/


 「く、玄ちゃんだって京太郎君が他の女の子と仲良くしてたら嫌だよね?」

 「うーん……。
  確かにちょっと胸が辛くなるかもしれないけれど、でも京太郎君には京太郎君の付き合いがあるよ。
  むしろ、あの男の子が苦手な和ちゃんや憧ちゃんを名前呼びできるコミュニケーションがすごいよ!
  普通の女の子より人と仲良くなるのが早いんじゃないかなぁ?
  えへへー、私は京太郎君以外の男の人はよくわからないんだけどね?
  でも、自分の彼氏がそういうことが出来るってなんだか誇らしいよ!
  あ、彼氏なんて言っちゃった……。な、なんだか恥ずかしいね」


 恐るべき早口で言い切った。

 前から好きなことに対しては熱中してしまう玄だが(主におもちの話である)、それに匹敵するスピードだ。


 「む、むぅー!」

 「ど、どうしたの、お姉ちゃん?」


 何かを言い返したくても玄の勢いに勝てる気がしない。
581 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:51:30.29 ID:pRjkU90do

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 「それに、私だって下心はあるんだよ?」

 「玄ちゃん?」


 玄は真面目な顔をして宥を見据える。

 いつもは少し視線を下げて胸ばかり見ているから新鮮だなーーなんて思ってしまった。


 「京太郎君が喜んでくれれば、京太郎君が私のことを好きになってくれるかもしれないって」

 「そ、それはそうだけれど……」

 「えへへ……。それにね?」

                 ......-‐……‐-.....
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        ...........:.::l::::::::::l |::::::::::::::::::|:::_::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::
        ;..../|::::i:::|:::::i斗‐|::{ :::::::::i:::「\:::\::::::i:::::::::|::|:::::::::::::i
        |:/ :|::::i::l|:::::i:::| |八 :::::::i:::|   \:::\|:::::::::|::l:::::::::|:::|
        |i  |::::l::l|:::::iΝ:   \:::∨ ≫ぅ弌ミj|:::::::::|::l:::::::::|:::|
        {;  |::::|八::::i≫ぅ斥   \  r'::ノrい》:::::::::Ll:::::::::|::::
         |::::|:::::ヽ《 r'::ぃ       ∨:.(ソ |::::::::::ト|:::::::::|:::::,
         |::::l::::::::::  V(ソ          |::::::::::|:!:::::::::|:::::′
         |::::i::::::::小 ,,,   ,     ''''  |::::::::::|j::::::::::|::::::::
          乂j::::::::::い                |::::::::::|:::::::::::l:::::::::
          [_] :{::::::::i:人      ー  '     |::::::::::}:::::::::::}::::::::|   「私がやりすぎないようにお姉ちゃんが見てくれたら安心だもん」
         /:::{ :{i:::::::i:::::::>...       /  }::::://::::::::::/:::::::::|
         |:::{ 八:::::{::::::::::::i::::::≧ァr     /::://::::::::::/::::::::::::|
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         ∨\;;|::i:::\:::::/::::::// 廴厂〉    :|::::::::::::::l\:::::::::|
             |::i::::::::::厶イ /| |  :/∧   |::::::::::::::|  ニ=-
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    i{ : l: : ! : {: : : / __   ',: :ト、: : :{V _\{\:\:l: : : : :| : : :|
    ',: l: : !: : ',: '斗芹芋苧ミ V  \{斗r芋苧ミx、、:〉 : : : :| : : :|
    V\l\{:{\l { {f示刈         {「云刈 〉〉}^| : : : :| : : :|
      |: :|: l: : :{^,   ∨)ツ           V)こり 〈/ ' r| : : : :| : : :|
      |: :|: l: : :{ ',                    ,  | : : : :| : : :|   「玄ちゃん……」
      |: :|: l: : :{   ,             ,           ,' /| : : : :| : : :l
      、 :|: l: : :{:≧=,                      /=彳| : : : :|: : :,
     `|: l: : :{ ̄⌒`丶、     r ,    _ -‐  ̄⌒': : : : : : /
      i{: l: : :{     / ̄ ̄/ ̄⌒`丶、     /: : : :/: : {
     ハ:{ : : ',__  ,    ,        ',  __,': : : :/: : : {
    /: :∧: : : :',⌒/    /         V⌒7: : : :/: : ∧:\
_ -: : : /  ',: : : 'v^{     {            {⌒\: : /: : /  ',: : : .、
: : : : : (     ', : /      {             } /: : /   , : : : \
: : //^\   , : {       {                 ノ : : / _ /',\: : : :\
//{    ⌒  、: 、       ',            / : : :,'⌒   ∧   、: : : \


 まだまだ納得はできそうにない。

 やはり可愛い妹だ。あんな金髪君に簡単にあげていいものではない。

 それでも、やっぱり可愛い妹だ。妹の恋愛は応援してあげてもいいかな、なんて少しだけ思えた。


 ーーなんのことはない。宥も玄を取られて寂しいのだ。
582 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/17(木) 15:51:59.67 ID:pRjkU90do

 10/10


 ……
 …

 ・横目で見てた


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人      「なぁ穏乃。どっちが正しいと思う?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
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          ,:': , : : : /: : :/: :{: : : : : : ヽ:ヽ、: : :ヽ: :、
            /: /: , : //: :/:/:∧: :ヽ: ', : |: :|:ヽ : ,:∧: :.
        /: /: /: //: :/:/:/  マ: :|_:|__:|: :|: l:∨: :,:|: : .
        |: ': /: //: ̄|`|'   |:´}:∧: }: :,: }: |: :/:}: : :',
        {:{: :{l: |:{从_:{__{    }/イ__}/: イ/:/:}:/ /: : : : .
         从:八:{ム,イ _斧`    イ _)斧ヽ}:イ/_: /: : : : : :.
          \{从{ Vり       Vzソ  |:/ Y: : : : : : : |
              |: }      '         |:l 'ノ: : : : : : : :|    「どっちも頭おかしいと思うよ」
              |圦    _  ,    ,ィ|:|イl: : : : : : : : |
              |:/  .        イ_,/イ |:|: : : : : : : :
             }'    `__-r-=≦__」'/::} |:|: : : : : : : : |
               _,/:::::::「 ̄::::::::::_/|__|:|: : : : : : : :/
            /:::::::|:`=={j====イ:::/::::`ヽ: : : : : ,
              ∧::::::::::\:::::l|:::::::::::::イ::::::::::::::::∧: : :/


 カン!
583 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/17(木) 15:52:28.80 ID:pRjkU90do
難易度高かった
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 15:57:50.64 ID:KekPFNuUo

確かにこれは難易度高いわ
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 16:00:54.89 ID:3cHaEQSZO

クロチャーはかわいいなあ(思考停止)
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 16:16:46.93 ID:ykp0G47TO

先ずは誰か憧を止めろよぉ……
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 16:22:28.40 ID:gj874c0Ko
ここのシズは哲学者になったんだっけか…
このシャレにならん話聞いててもまともでいられてしまうのはあの二人のせいなんだろうな
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 17:04:59.92 ID:K9b4rMg5o


これもう穏乃と二人で逃げたほうが精神的に楽になるんじゃ…?
その後の罪悪感とか諸々は考慮しないとしてもww
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 17:37:12.28 ID:8b8bf91ao
ここのシズは哲学者なんてもんじゃない

聖人だ……(トオイメ)
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 19:02:16.65 ID:Xs/HKtDTO
乙です
>>579
> 「へけっ?」
を見て、よくある?誤ってる「ですのだ」口調以外でハム太郎化してる!?って思ってしまった
みやながけの玄はハム太郎でも食べておかしくなってしまったのだろうか…
松実姉妹の闇は深い
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 00:02:39.56 ID:OXhaBq1c0

のどあこ次元で温泉旅行でトラブルで京ちゃんの京ちゃんを見て夜も寝られないクロチャーと京ちゃんの京ちゃんを触れて温かくなりすぎて夜も眠れない宥ねぇとのどあこが夜這いしようと互いに牽制(物理)しそれに巻き込まれ夜に眠れないシズと実家でぐっすり寝てるアラフォー
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 03:54:50.80 ID:VsCN+Z7s0

新訳京霞で京太郎の嫉妬するところが見て見たいと思って不本意な許嫁ができたと嘘をついたら京太郎が予想以上に反応して嘘だと言い出しづらくなった霞さんが見たい
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 09:49:02.76 ID:72lB4kGI0
おつー
松実さん家の姉妹はどちらもかわいい(思考停止)
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 13:00:45.58 ID:Y35dVDV3o
>>590
確か原作中のどっかで普通に使われてたような……。
アコチャーがふきゅるのとそう変わらんラインではあると思うが。
595 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:31:39.91 ID:lYR9NCJvo

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 592
 【霞さん、自爆する(日常)】-新訳:京霞次元-    ※サイコ注意


 ぐふふふふ、石戸霞よ!

 今日はこっそり山ワープを使って長野にお邪魔しているの。

 なぜか知らないけれど、今日は長野に行きなさいって天命(リクエスト)が来たの!

 こうしてはいられないと思い立ったら即行動!

 きっと京太郎さんとのフラグが落ちているに違いないわ!

 行動しないヒロインに勝ちはない!

 現実はヒロインは決まっていないんだから、どんどんアタックしていかないといけないわ!

 それに、京太郎さんとはこんなに離れて暮らしているのだからたまには会いにいかないと忘れられてしまうわ。


                ...-―――-...
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           /::/::/:l::::l::::|l::l::::::::::::i‘:::::::ヽ::::ト、
           .:::::l::::l:l:l::::l::::リ:ハ:::::::::リ-‘:::|::|l:::|i|
            |:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ |
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ !
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|    「実家はきっと初美ちゃんが誤魔化してくれているはずよ!」
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
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.        ∧ `ヽ l _|:l::リ_ヽ./  / ‘:::::|\  i‘.
       ′'.   V´ ノ::/  / ̄\/   ‘:::\\i i
.           \ //:::/  /   /⌒ヽ   ゞ===ニ≧ミi
        i    \::::/  /   /     ∨/      ∨ノ
        i     -==ミヽ /_  /      }'         ‘.
        |  〃    / ̄ `丶       i         i
       〈  {i   〈 ,ィ  、   \  ノ        ノ
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 ……
 …

 ・永水
                     _____
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                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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               /: : : : : : : : : : : : : : : ト、: : : : : : : : : : ∨: :二ニ=‐-
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         /: : :从: : : : : |八人Nノ \: :l   ⌒|   |: : : : :!`丶     \
         /: : ://:/\ : 从   __,,.  \   ≦三≧ル^Y:.\|    \
       /: : :/ /:/  |: ∧l,r≦彡'´   ,       てノ| }|\: |
.      /:.:/   /:/   :|/〈∧てノ、、   ______   `` |_ノ  ‘:|
     //   ./:/    |\`∧    厂     `Y  人     |
.    /´    l:/    从: l ̄    〈__   -‐┘       |   「お祖母様ぁー。霞ちゃんが(また)逃げましたぁー!」
            |      ‘:l    ≧=-  __  -=≦
                    |       |    ∨
                    . .-=≦___   __≧=- . .
                  / :  :    ` ´   :  ::  \
                 /   ::  :          :  ::    |
                --┤ Y::  : . . . . . . . . . .:  : Y   |‐―┐
                「 ̄ ̄ ̄ ̄\              l__, ┴― 1
                |            ー――――一        /|

 …
 ……
596 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:32:09.28 ID:lYR9NCJvo

 2/10


 そうよ。これは日々頑張っている自分へのご褒美。

 たまには飴がないと修行もやっていけないもの。

 そう、日々の修行ーーー花嫁修行のためにも!

 花嫁修行するお祖母様たちからは許可を取っていないけれど、今の永水は(姫様のせいで)無法地帯だから大丈夫よ!

 それに、嫁入りは女の子の夢。

 それを実家の都合で台無しにするなんて時代錯誤よね。


 「これでも毎日頑張っているんだから」


 そう、最近はお嫁さんとして頑張るために頑張っているの。

 主に料理上手で永水でお嫁さん適性が一番高いと噂の巴ちゃんに師事を仰いでいるわ。


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::l:::::l:::l::l l: /l:::/  :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´   h_刈   |:::::::::::::|
::l:::::|  x≦芹⌒`     辷ソ  |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈           '''  |:::::::::::::|   「ちゃんと毎日えっちな本や薄い本を読んで勉強しているわ!」
八从{ 乂_少^        、     |:::::::::::::|
ー ||                      八::::::::::
`ー:||、             _     /::::::::::::/
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 日々の性活が大事って巴ちゃんも言っていたわ!

 か、肝心の料理はもうちょっと時間を頂けると……。

 え、えっちな方向も実践はまだなんだけど……、いや、でもお姉さんとしてリードしないといけないし……。


 「そうよね。私は年上なの」


 京太郎さんはとっても格好良くてしっかり者だけれど、私より二つも年下。

 まだまだ可愛らしいところだってあるし、少年らしさが抜けていない。ーーそこがいいんだけれど!

 『年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せ』なんて言葉もあるわ。

 やっぱり男の人って年上の女の人に憧れるだろうし、日常生活もえっちなこともリードできた方がいいのかしら!?


 「ふぅ、これが実家のしきたり(妄想)に従っていたらーー」


 きっと、好きでもないおじさんと結婚させられていたに違いない(妄想)

 もしくは、すごく年下のショタに淫魔のごとく扱われていたかもしれない(妄想)

 どちらにせよお父様もお母様も私の意志よりしきたりに従うに違いない(妄想)


 ーーああ、それならばいっそ、駆け落ちしてしまうのもアリなのかしら。


 妄想の世界に嵌っていく。

 最近はなかった感覚。ーー流石に控えていた。

 でも、寝る前に自分の都合の良い世界を妄想するなんて誰でもすると思うわ。

 それが溜まりに溜まってしまったんだもの。発散するのも悪くはないわね。
597 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:32:39.06 ID:lYR9NCJvo

 3/10


 「そうね。今日の設定は王道で行きましょう」


 捻りに捻った設定も悪くはないけれど、私はやっぱり王道が好きよ。

 エンディングの五分前には奇跡が起こってハッピーエンドになっても許す派ね。

 ちなみに巴ちゃんはもっとエグいリアルな昼ドラの方が好みらしいわ。ーー人って分かり合えないわね。


 「やはり巫女という設定を活かさないといけないわ」


 妄想にも現実的な要素を入れることによってリアリティが増す。

 そしてリアリティは興奮をくれる。ーー巫女で良かったと思える数少ない点ね。


 「私たち巫女は悪い悪霊を退治する使命を背負っているの」


 姫様を筆頭に血筋を活かした巫女の力(適当)を持って戦う私たち。

 しかし、私たちは日々の修行からプライベートなんてなかった。

 そんな中、私は幼馴染の京太郎さん(ご都合主義)に心の安らぎを求めていたわ。

 あっ、やっぱりプレイベートがなかったって設定は無くして、数少ないプライベートにしてもいいわね。

 いや、京太郎さんは幼馴染兼お付きの人にしてもいいわね。

 とにかく、秘め事の恋。誰にも知られない恋をするの。

 二人は徐々に接近して行き、京太郎さんは戦いに疲れた私を癒してくれる(二度目)

 しかし、私と京太郎さんが一定の仲になることはない。

 でも、魔物との最終決戦を前に京太郎さんと話す私。

 生きて帰ってこれるかわからない私に対して情熱的なプロポーズをする京太郎さん。

 それでそれで、強引に唇を奪われて押し倒されちゃったりしてーー。

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
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.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l   「ああっ、京太郎さん!
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'    私には婚約者がいるの!」
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !


 ーーなーんていやよいやよも好きのうち。みたいなことを伝えちゃったりして!

 それでそれで、一緒に駆け落ちしようなんて言ってもらったりしてーー
598 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:33:08.12 ID:lYR9NCJvo

 4/10


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \   「は、はぁ。
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //        そーだったんですか?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
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   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八   「ーーゑ?」
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
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 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、


 ーーなんで妄想の京太郎さんが私の前に出て来ているのかしら?
599 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:33:37.50 ID:lYR9NCJvo

 5/10


 ーーそうだ。さいきんこんなはなしをきいたことがある。


 『二次元に突入するためにあえて頭をトリップさせる』ことだ。

 いわゆる、非合法なあれやこれを使ってなんやかんやすると目の前に二次元のキャラクターが出て来るとかなんとか。

 もしかして、私が妄想を決めすぎて巫力(適当)が暴走して京太郎さんを作り出してしまったの!?

 そうなると私が作った京太郎さんと前からいる京太郎さんで3P……、やだ、体がもたないわ!


 ーーそんなふうにわたしがげんじつとうひしているのに、めのまえのきょうたろうさんはれいせいだった


 「あっ、どうもっす。

  薄墨さんから霞さんがこっちに来るって連絡があったので迎えに来たんですが……」

 「は、はつみちゃぁぁぁん!?」


 い、いつもならグッジョブだけれど! グッジョブだけれど!

 なんで今日はこんなタイミングなのー!?


 「もー、ダメっすよ。

  ちゃんと俺に直接連絡してくださいね。

  薄墨さん、心配してましたよ」

 「は、はは……。

  初美ちゃん、心配してた?」

 「ええ、そりゃ女の子の一人旅なんて危ないですし、心配するのはおかしくないですよ」

 「初美ちゃん……」


 そう、心配させちゃったみたいね。

 体の心配までしてくれるなんて、本当に初美ちゃんはいい子よね。

 ……
 …

 ・永水

       /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ::.:\
      /::.::./::./::.::.ハ::|::.|::.:|::.:i::.:::.. _ _
   ≦::.:,.........|::/|::.:: | |::|::.|::.:|::.:|::|::.:f::.::.::.::.::≧
  /::.::.j/::.::.::.:|;__jヘハ| j/)/j/jハノ::|::.:|\:\::.\
. /::.//イ/|::.:::Yう心   う心ヽ |/::.:ハ:| ヽ::|\::}
// ./  |八:{:ハ弋zソ   弋zソノ j^V |:| j/  jノ
.   {  |:|   } ,,,  '    ,,,   /  ::|
     |:|  人   r―,    - '  .::|
     |:|    > ...   イ     ::|   「霞ちゃんの頭が心配ですよー」
     i:{      |   |      乂
           イ     \_
       /  :  :. ̄` ´ ̄ ..: :  \
      __,   ::  :...............:  :
    ./V|  ヽ:          :ヽ   |__
    〈  \ |::          :./|__|_/|
    |\  \__       / ̄ ̄___/|
    |  \   |     ./  /T      |
    \  ハ  |     /  / |   / | /

 …
 ……
600 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:34:06.47 ID:lYR9NCJvo

 6/10


 「そ、それはそうと京太郎さん」

 「?」

 「そ、その……」

 「どうしました?」

 「あの、えっと……」


 な、なんでこんなに冷静なのかしら?

 私のイロモノ行動(自覚アリ)を見ていたならば、なにかしらの反応があるはず。

 むしろ無いってことは……。


 「(脈なし!?)」

 「霞さん?」


 それは困るわよ!

 少しでも脈があるなら、残念そうな表情を見せてくれたっていいじゃない。

 それすらも無いならば、もうこれは女の子として見られていないってことで……。


 「それは困るわ!」

 「霞さん!?」

 「あ、いや」


 あら、声に出ていたの?

 な、なんとか挽回を。


 「ちょっと忘れ物を……」

 「ああ、なるほど。

  こっちで貸せるものとかならいいんですけど、大丈夫ですか?」


 自分の機転にガッツポーズする。ーーもう色々手遅れだとか言わないで!

 それに、やっぱり京太郎さんは優しいわ。

 って、今はそれどころじゃないわね。


 「ああいや、大丈夫よ。

  心配かけてごめんなさい」

 「いきなり大声出すからビックリしちゃいましたよ」

 「そ、そう?」


 こっちは驚くのに、さっきの発言は驚かないの!?

 それはそれでどうなの!?
601 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:34:35.73 ID:lYR9NCJvo

 7/10


 色々と考えたけれど、絡め手は思いつかない。

 どう考えてもどんどん悪い方向に繋がってしまうに違いないわ。

 もう、直接聞いてしまいましょう。


 「そ、その、さっきの聞いてた?」

 「ああ、婚約者がどうこうってやつですか?」

 「え、ええ」


 京太郎さんの表情に変化はない。

 やっぱり、京太郎さんは私のことなんてどーだっていいんだわ……。

 少し泣きそうになっていると、京太郎さんはイタズラが成功したような顔でにっこり笑った。


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧  「へへっ!
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
 /\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´     ∨\/ ̄ )  ̄ ̄        /   /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.:    霞さん、俺を驚かせようと思ったでしょ」
/:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ  ----- 、  ∨/   / 、          /   ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:
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.         |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::|   U    , j
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::|        /   「う、うん?」
.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/
      |: : : ::::::::::::::::::::::::::::_/: :|:::::::::::::::|/⌒|:::::::::
        |: : : ::::::::::::::::::::::: /⌒゛┃ ::::::::: |-、从::::::::|
.       |: : :::::::::::::::::::::::: /    |::::::::::::::| | ト、\::::.
      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
       |::::::::::::::/    ゚'*。  ‘::::::::::::| ゚'*。  ヽ⌒\
       |::::::::/        ゚'*。‘::::::::::|   ゚'*。 ',   }
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       |::/     \     l    ‘:::: |゚'*。     ゚'*。\\
       l/       丶    ',    l:::::|   ゚'*。    ゚'* \\


 「ほら、やっぱり!」

 「?」


 思わず頷いてしまったけれど、どうやら肯定と取られたらしい。

 私にとって都合が良すぎる展開に困惑を隠せない。
602 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:35:04.35 ID:lYR9NCJvo

 8/10


 「俺、薄墨さんとも結構話しているんですけれど」

 「あ、そうなの?」

 「実はですね……」


 ……
 …


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.      |.:| 小 乂こソ    .乂こソムイヽ.||  「霞ちゃん、ああ見えて人を驚かせることが好きなんですよー。
.      |.:| .Y  ,.,.  ′    ,.,.,.,     ノ |.:|
.      |/ .圦    r        イ¨  |/   突飛なことを言い出したら霞ちゃんなりのギャグだと思ってくださいねー」
.        个    V  ノ   イ
.             ≧。.,_   < {.,_
           -‐   ´j          ̄ ̄\
       /                   \
      ___/   、               __    \ /\
   /{:::/     }                 {\   /   \
.  /.  \   /{              }  \/      \

 …
 ……


 「さっき色々と思案していた見たいですし、驚かせようと思ったんじゃないですか?」

 「そ、そうなの!

  もう、京太郎君がいると思わなかったからビックリしちゃって」

 「へへっ、俺が逆にビックリさせちゃいましたね」


 確かに、初美ちゃんはやけに京太郎君のことに詳しい。

 それにフォローも入れてくれるけれど、そんなに仲が良かったなんて。

 ちょっと嫉妬しちゃうわ。


 「霞さんってすごく真面目なイメージだから、なんか意外です」

 「そ、そうかしら!?」

 「ええ、冗談苦手なんですね」

 「お、驚くかなぁと思ったんだけれど」

 「きっと薄墨さんに言われてなかったらものすごく驚いていたと思いますし、……ショックだったかもしれません」

 「?」


 京太郎さんの最後の言葉は消え入りそうで、聞き取ることができなかった。

 でも、誤解が解けて(妄想してた部分は誤解じゃないけど)安心していた私はそこに追求することなんてできなかった。


 「やっぱり、京太郎さんって大人ね」

 「そんなことないですよ。周りにも子供っぽいって言われますし」

 「ううん、私も頑張るわ」


 本当に、理想の年上女房になれるように頑張ろう。

 京太郎さんのためにも、応援してくれる初美ちゃんのためにも負けられないわ!
603 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:35:33.05 ID:lYR9NCJvo

 9/10


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        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/   「ふふっ、じゃあ今度はどうやって京太郎さんを驚かせようかしら?」
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       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /   「俺にだって、唐突な発言にビックリすることはありますよ……」
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.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/
      |: : : ::::::::::::::::::::::::::::_/: :|:::::::::::::::|/⌒|:::::::::
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      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
       |::::::::::::::/    ゚'*。  ‘::::::::::::| ゚'*。  ヽ⌒\
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       l/       丶    ',    l:::::|   ゚'*。    ゚'* \\


 ーーなんかすっごく悲しい目をされた
604 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/18(金) 19:36:02.05 ID:lYR9NCJvo

 10/10


 ……
 …

 ・仲違いのない平和な原村家


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!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:  「インターハイで優勝しなければ東京行きの次は、
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////    婚約者を連れてこないと東京行き!!?!!?
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////    どこまで卑劣なんですか!!!?!?!?!?」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////

                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i
                i: i !  , _.. .._  /
               ゙i"\ ` 二  /    「(どっちも言ってない……)」
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
    /'"               `′ヽ::::i  `゙′      \


 カン!
605 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/18(金) 19:36:31.07 ID:lYR9NCJvo
のどっちは思春期
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 20:47:57.40 ID:CidVpAUhO
はっちゃんが苦労人過ぎて癒してあげたい……
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/18(金) 21:16:21.33 ID:L+BrtWFDO
乙です。
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/18(金) 21:56:28.44 ID:QEp+WGRDo
乙です
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 00:01:42.54 ID:htf1pVUTO
はっちゃんの株は上がり続くのはなぜだろう?はっちゃんは幸せになってほしい・・・
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 00:06:30.94 ID:OhvSYYbp0
はっちゃん自分の次元でも働きものだしできた子過ぎるww
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 01:17:22.21 ID:8AJPRSSt0
やっぱのどっちのオチ力は高いな

>婚約者を連れてこないと東京行き!!?!!?
相手は・・・咲?
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 01:52:17.52 ID:OROIkjHd0
もうこののどっちのAAは見るだけで笑いそうになるwwwwww
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/19(土) 10:24:37.70 ID:1/BuehhnO
http://doujinantena.com
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/21(月) 12:42:46.54 ID:BYln3QcI0
貧乳になればなるほど増していく安定感(霞色の霞さんは例外)
つまり や咲N1 なんだなぁ・・・
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/21(月) 14:49:36.38 ID:mPmBQCqfO
>>614
胸に栄養が行き過ぎて、頭に栄養が回ってないって事か
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/21(月) 15:01:18.34 ID:CcuEt/GRO
つまりアコチャーはおもちの急激な成長の所為であんな事に……
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/21(月) 19:57:41.51 ID:KaNke8DDO
つまり最近成長が著しいあわあわもそのうち……
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 00:34:32.22 ID:cKDmL3JI0
むしろあわあわや霞色霞のオチ成分はダイソンのようにのどあこアラフォーにオチが吸引されるんじゃね?(のどあこの更なる進化)
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 02:09:40.39 ID:sayF0foK0
今日は良い夫婦の日だじょ!
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 08:14:00.51 ID:nMBg8Qpf0
ほら、あわあわは最初からややアホの子気質だから
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 08:44:22.09 ID:9CYwArP70
いい夫婦、つまりわた・・・ゲフンゲフン須賀(になる予定の)和さんと京太郎君の日ということですね!
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 10:17:23.92 ID:LWWP7pXLO
同じことしても
和憧→ざんねん
あわあわ→かわいい
になるから問題ないし
623 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:43:11.24 ID:hgJn1J/oo

 1/10

 555
 【いい夫婦の日+咲ちゃんお酒に酔う】-みやながけ次元-


 宮永家の大黒柱は京太郎と界である。

 例え年収では二人束になっても照に及ばないとしても、彼らがいるから宮永家は回っている。

 だが、いざ『家を守っている』のは彼らではない。

 仕事に出ている四人に代わり、主婦としての仕事を全うしているのが咲だ。

 彼女がいなければ、ー例えば麻雀プロになっていればーこんなにうまく家庭は回らなかっただろう。

 つまり、咲は宮永家における生命線である。

 彼女が倒れてしまえば家事一つすらボロボロになってしまい、立ち行かなくなってしまう。


 つまり、だ。


    ∨: : ::/: : : : ::/: ; ≠/77─.-: /!: | !: : :‐ト l、!: : |: : : : ',: : : : : : |: :  ',
    ∨: /: : : : イ´: :/ // : : : : :/ : :! |: : : l l::!l:`:ト、: : : :! : : : : : | : : \
    ',::l: : : : : : l: : / /'  ,'⌒: / /:/  : : イ` !: |::∧|:\: | : : : : : l:!:l: : : : :
     ト、: : : : : j: / /   /: :/. ,':   l: ::/   リ レ  lヘ: : :|: : : : : :l:ト|: : : : ヽ
     | :!: : !: : V |_ 三!∠、  /   : :/--_./-   ヽ ',: :! : : : : :, :!  ヽ: : :\
      |: : l :| /{:::;、:::::::::::/ト     レ' イ::::::三::::ト、  ヽ:!: : : : :/::l       ̄
      ト、: ',:l ヽ 廴Y二!ニヽ .::::::::::::::.... 廴Y::ノ::イ` ゞ/:y: : :ノ:/: : !
.       ∧:',:!         :::::::::::::::::::::::    ̄ ̄   {イ: /:': : : :{
      :|  \   /////      '    /////⊂ レ イ:i 、: : ::
      :|   !:ト、                    ,'  /::/ \: ',
 |      ::|   ',:li:ヽ      `ー --         ノ: :{     \
 ',     :|    l::li::::'.,                ノフ ヽ:',
  ',    :|     ::li:::::::ト              <{: /   丶    「うぇっへっへー、咲ちゃんですよー!」
      :|   /∧::li::::::ヽ >       イ    `
   ',       // ',::::li::::::::\  ` - ´  ,'
    ',.    //  ∨:li::::::::::::\       {.、


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //    「ヤベース」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 宮永家に嵐が吹き荒れる。

 咲は理性が吹き飛んでしまったのか、支離滅裂な言動を繰り返している。


 「きょーちゃんきょーちゃん。いいふーふランキング1位をめざそー!」

 「お、おう。どんなランキングなんだよ……」


 咲ちゃん、お酒に酔うの巻。
624 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:43:40.86 ID:hgJn1J/oo

 2/10


 ……
 …

 事の起こりは昼間の話だった。


         ___ -= : : ̄ ̄ =- .    _
         /:::/  . : : :       \ /::::人
      r‐:::::ヘ/   : : : :      r─=ミ/::::〈
     ノー─/                  |:::::::::::::》-=ミ}___
    〉:::::/   /: :/ : : | . : :. : :|   i \::::::::::|\:::::::::::::>
     |::::/ . : : : :| : i: :| : : :| i : | : i :i  {::::::::ノj:::::\厂ヽ: : : : :ニ=-
     |_/  i: :|: : :| : i: i| : : :| i : | : i__i  i⌒´| |:::::::/\  \: : : : : : : : : :=-
.      |   i: :| :i ]「 :ト八: : :|:T:Τ八八 Y^i: ,| ⌒j゙\: :\  \=- : : : : : : :
    八  i: :| :iァテ外 \:| ァテ笊芥ハ:i ル' |: : 八: \: :\  \  =-
.   /::::::\{八从 V(ソ  \  V (ソ ム/  八: : . \ : : : : \ニ=- _
   '⌒¨¨|: : i :∧ ::::::  、   ::::::: /{ミx   \: : . \ : : : : : : : : : : .  ̄    「咲さん、お邪魔します」
.        |: : .i rj入   _ _     /  /ニニ=-  \: : . \ : : : : : : : : : : :
      |  i / :|ニニ>  __ ,.     :/ニニニニ=-. \: : . \: : \: : : : : :
        ,  i | :|ニニニニト、 ヽ _/二ニニニニニ\\: : . \: : \ : : :
.      /   ∧八二ニニニ|=‐----/ニニニニニニニ=-ヘ, \: : . \: : \
     /  / ∨ \ニニニ|    /ニニニニニニ=- /⌒i   \: : . \: : :
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                 /.:.:.:.:.:.:.:.:斗-ミ:.i:.i{:.::.ナナメ、.:.:}:.:!.:.:.:.:|
            /  イ:.:!.:.:ト(∨}八トY'´V  l仆.:i :.:.:.:|
                  i:八:.:lx=ミ    x==ミ 八.:i、:.:.:|
                  l.:.:个ト::::::. ,   .::::::. /〃:ハ:.:.:|
                  |/レ从    __     厶イ 丿ハl    「夫婦の邪魔をするなら帰ってよ?」
                     |人   ∨__ノ    ィ´ ̄.:/′
                      __n> __,.     |人ト/
                  //^>、_.」    h___
                    l   /〉}j     八:i:i廴__
                  r≦|   /:i|-、  -/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧x
                  ∧i从___八:| ̄ ̄/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i∧》
              /ヾ Y:i:i:i:/:i:i:i|   ./:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i/  ヾ


 「まだ何もしていませんよっ!?」

 「ちょっと待て。

  まだって何さ、まだって」


 和ちゃんが仕事休みだと言うことで、私の家に来ていた。

 今日は(この世界では)祝日。本来ならばみんなお休みのはずである。

 しかし京ちゃんやお姉ちゃん、あとどうでもいいけれどおとーさん達はみんな仕事だった。

 今時、祝日に休める仕事って少ないらしいね。

 これだから公務員は、もー。


 「ちょっと待ってください。

  逆です。公務員がブラックな働き方をしていたら社会が成り立ちません。

  社会が公務員に合わせるべきですからね?」

 「うん。和ちゃんに正論吐かれるとすごくムカつくね」

 「理不尽!?」


 今日の須賀咲ちゃん。とっても虫の居所が悪いです!

 まぁ私と和ちゃんは親友と書いてゲボクと読む仲だから平気だよ!

 それもこれも、全部京ちゃんのせいなのっ!
625 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:44:11.80 ID:hgJn1J/oo

 3/10


 「聞いてよ、もー。

  京ちゃんったらね。今日はお休みとってくれる予定だったのに、急な仕事で休めなくなっちゃったんだって」

 「はぁ、そうですか」

 「この前、『いい夫婦の日にあやかって出かけに行こうか』なんて照れ顔で言って来た時にはすごくいい感じだったんだよ!

  すっごく京ちゃん可愛くて、思わずそのまま三ラウンドくらい搾り取ったんだけれど」

 「京太郎君死んじゃいますよ!?」

 「せっかくおかーさんに子供達を任せて準備万端だったのにー。

  いや、仕事ならしょーがないってわかるんだけどさ」

 「ま、まぁ、女の子の気持ちがわかってない京太郎君が悪いですよね」

 「だよね」


 女心の前にはどんな正論も無意味だよ。

 『京ちゃんが悪い』と言う結論から始まって理由をつけて行くんだもん。


 ーー理由から結論を出す男の人はモテない by阿知賀のワールドスター


 つまり、どんな理由があろうと女の子を怒らせた時点で京ちゃんが悪いの。

 そりゃー、京ちゃんは普段からそう言うところ気をつけてくれるけどさ。

 むしろ私以外にも気をつけるせいでお姉ちゃんがベタ惚れだし。

 まぁ京ちゃんのそんなところが好きになったんだけれどさ。


 「どう思う?」

 「ははっ、爆発すればいいと思いますよ」

 「もー、和ちゃんだって百合百合とか旦那NTRとかしてないでとっとと結婚しなよー」

 「(きょ、今日は我慢。今日は我慢です……っ!)」


 あー、私がボケて和ちゃんが砂糖吐いてるの久しぶりな気がする。

 でも今日は遠慮しないもん。

 子供達をおかーさんとその知り合いさん達に任せたせいで家で一人ぼっち。

 何を着て行くかまで決めてあっただけに落差がひどい。


            ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ
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         /: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:|
        .' : : : : : : : : : |: : : : : : :W:{´ 从}: : :\
        |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Y:{ー'
        |: : : : : : : : : : :Y: : : :从 マソ  乂_〉
          ,: : : : : : : : : :r \∧: : \     }
         |: : : : : : : : : 乂 `    ̄      /
         Y:∧: : : : : : : : ー 、      ´,    「もー、京ちゃんのばかばかばか」
        从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/
              ∨ `ヽ: : {     ,
                __}Y    {
           / ̄一-- ̄ \  |`ヽ
          /  ,..:::―- 、 \ \ ∨}∧
        /   /::::::::::\:::\ \ \'/ }
         {   /:::::::::::::::::::、:::::` 、   ヽY
        、  ,:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::..、  〉
            Y::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::r<_{:、
            {::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::| |::::::::}
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626 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:44:41.72 ID:hgJn1J/oo

 4/10


 ……
 …

 ・おかーさん達のとこ


          ,. ‐''ミ゙「「「「「「゙〃ァ;、
            ,.' '⌒ヾミ_i|l il|j_リノ⌒ヾ;、
         // ijv - 、  ̄..::::,:::-:::::::::i.i
          ,'テ==:- 、:::`:ー:'´:,: -:==キ|
.         i l ::ニ二`ヽヽ.:::ij~//二ニu:l l
        |{. 、ー== 、ヽ!! lレ ,'´== ァ }|
      r'ニl.|. ヽ、 °>,‐:_く ° ,〃 |lニヽ
       |.に|| ijヾミ≡彡'l :l::ヾ≡彡'ノ ||こ!|
.        l しl|. ,ニ二ノ ::l !:vヽニ二、|し'ノ    「いいじゃないか……っ!!
.      `゙T.l , --、 〈. | | ノ ,. -- 、.lT´
    _.. -‐''7|l l |l⊥⊥エ`トイエ⊥⊥l」 l |ヾ'ー- .._ お小遣いを百万円くらいあげても……っ!!!」
‐:''": : : : :_:/.:.|li lヽL⊥-┴┴┴-⊥レ' l.l| : ヽ:_: : : : `:'‐-
_.: :-‐ ':": /.: :.||i ト、::v.  ー‐一   ,.ィ|i.l: : : :l: :`:''‐- : :_
.:.: : :.: :.: :,': :.:.:.:l l||i `ト 、_   v _,..イ l|i リ:..:.:.:.:.|: :.: :.: :.: :.
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           ,!   ハ             ヽ
        ,,‐ ./   / 从|i、.|  |  r       \ `ー    / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
:::::::::::::::::::::::.ー彡::::::::::≧必__丿ノ ノ \\  入ヽヽ斗\ヽ:ヽ、::::::::::ヘ_
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l  `  ── " ノ  )Τ  ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ             |      .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
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 /::::::::::::::::|゙!彡゜    U         l      /:::::―----ヽ、
彡ソ'/  i、 | く                l     /::::::::::`ニン
   l.::从,.弋 ヽ           ⌒ '"      ./::::::::::::ミ
   乂 l|lヽ  ヽ、     `''ニニ''''''''''''''''フ″  /: :lリ \l   「ダメです。
      |三:.\  ヽ         ̄ ̄ ,,.    /ソノ
      |三三 >,,, ヽ       ゙"''''""    /           この子達の金銭感覚を狂わせないでください」
     ノ三三三三>ミ\            イ
  斗≦三三三三三三三≧          付
≦三三三三三三三三三三三>     ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-


             、‐- 、 ,. -- _
          ,ゝ ̄ `  ′゙,∠.._
       /´ " " " ゙ ゙ ゙ .<`
       7 " " " " , ゙ ゙ ゙  、\
.      i " " " ゙,.ィ / \ ゙ ` ゙ \
.        | " " ,ィ/‐l/、  ,ゞト、゙ 、゙ヽl
       | r=、 l.f´_・_j!_ ,f´_・_j! ゙ N
.      | {にl l ` ̄  _ \´ハN
       ,l ヾ=lノ  __ ‘ ‐  ゝ    「この人鬼(おに)……っ! 悪魔……っ! 竹井久……っ!!!」
   _./:l "./ ヽ. ..二ニ7/
‐''"´:/::::::| /    \   一 /、
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 …
 ……
627 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:45:10.72 ID:hgJn1J/oo

 5/10


 「ちなみに、お母さんはどちらに行ったんですか?」

 「古い知り合いのトコだって。場所まではわからないよ」

 「それじゃあ追いかけられないですね」

 「それはともかく、あのお母さんが一人で目的地にたどり着いたかどうか調べるの怖いし」

 「追いかけた咲さんまで二次遭難しそうですね」

 「うぐっ」


 ーー宮永家の迷子比率。実に五分の四である。

 京太郎がいなければお出かけもままならないのであった。


 「咲さんのお父さんとお姉さんはどうしたんですか?」

 「仕事だよー。

  お姉ちゃんは麻雀の取材とかなんとか」

 「お姉さん、忙しそうですよね」

 「そうなんだよねー。

  それなのに、家だとそんな素振り見せなくてさー。

  一番稼いで家にお金も入れてくれているし、私に気を遣ってくれてるのはいいんだけどさー。

  おねーちゃんが体調を崩したら元も子もないよー」

 「……へぇ」

 「なに?」

 「いえ、咲さんもよく見てるんだなぁ、と思いまして」

 「もー、うちの体調管理は私がしてるんだからね。

  京ちゃんは夜にラーメン食べたがるし、お姉ちゃんはお菓子食べすぎるし、おとーさんはビール飲みすぎるし」

 「ふふっ、咲さんがしっかり者っていうのもすごく違和感がありますね」

 「あ、ひどいっ」


 そりゃ、私は主婦なんだから家のことはしっかりしないといけないもん。

 それにしても、ちょっと喋り過ぎちゃったかな。

 こんなこと言うつもりなかったんだけどなぁ。

 やっぱり京ちゃんが悪い。今日は全部京ちゃんが悪い!


 「まぁまぁ、今日は残念でしたけれど、次がありますよ」

 「ほんとかなー。最近京ちゃん忙しそうだもん」

 「私が愚痴ぐらい聞きますから、ね?」

 「今日は甘えちゃうよ」


 知らないもーん。

 今日は家事もしないもーん。
628 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:45:39.45 ID:hgJn1J/oo

 6/10



 「ふふっ、それはそうと、京太郎君達に差し入れがあるんですよ。

  渡しておいてくれますか?」

 「その大きな袋?」

 「はい。同僚にお酒を頂いたんですが、私はお酒が苦手でして……」

 「お姉ちゃんは飲めないけど、京ちゃんとおとーさんは飲めるから大丈夫かな」

 「ありがたいです。

  咲さんは飲めないんですか?」

 「何回か飲んだことがあるはずなんだけれど、覚えてないんだよね」

 「なるほど」


 何より、酒癖の悪い京ちゃんの介抱で忙しいから飲まないんだよね。

 私が潰れちゃったら誰も片付けできないもん。


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |   「それなら、ストレス発散代わりに飲んでみますか?」
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


    ,':.:.:.:.:': :.:. :.:.| , イ:.l | ̄`丶:.|:.: .|  , -‐-、 | |  :i:.:.:.:.:\
   ,' : : :! :.:.:.:.:.:/:.:.:.:!',| |:.:|__|:.:.:.j:.:.:j|:.:.:.:.:|:.:.|:.:\:|:... i     ヽ
   ! : :.:.:.| :.:.:.:.: !:.:!:.:.:.:| i| ヽ| j:.:./|:./ !:.:.:.;'j:.,'|:./ |:.|:.:.:.:.|:.:.    i
   ! .:.:.:.:.| : :.:.:.:.', |ヽ:.:ヒニ三≠/ j/ j:.:.///_j/ j/|:.:.:.:' i:.:.:. .  i
   | :.:.:.:.:.! : .:.:.: ヽイ X::::::::ハ `  / ///"ィハ,`ヽ f:.:.:/:.:i` 丶 、i
.   !: :.:.:.:.:!:.:.:.:.:.\{{ {: {:::::::kd       i{::::::r! }} /:.:/:.:.:i|
   !:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:!ヽ.マOイ ソ         Y) イ!.ノ//:.:.:.:.:i
.   ;.:.:.:{{  \:.:.ヽ  `¨¨´         、 `¨´  {:.:.:.:.:.:.:.:i
    ',:.:八   `丶\ ゙゙゙゙゙             ゙゙゙゙゙ l:.:.:!.:ト、:. i
     ヽ|ヽヽ.                      !:::ハ| ヽl
.        \.ー\        ⊂ニ  つ     .イj/  !  |   「えっ?」
        ヽiヽ::}丶    , ---- 、    <
.          ヽヽl    ./   /\ \イ
            l    / / , ヘ.Y´
            ,xへ|   // / ,.へ.\


 「お酒を飲んで忘れると言う言葉もありますし、こう言う時くらい良いのでは?」

 「そーだね!

  よーし、飲むぞー!」

 「あ、でもお酒の飲み方がわからないですね」

 「だいじょーぶだよ。

  京ちゃんやおとーさんが飲んでるのを見てるから。

  こーやってお湯で割って飲むんだよね」

 「うちの父もそう言う飲み方をしていたような気がします。アリですね」


 そんなこんなで、時間は過ぎーー
629 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:46:12.38 ID:hgJn1J/oo

 7/10


 ……
 …


                     _....................._
                ,. : ´: : : : : : : : : : `: : .、
                , :´: ,. : : : : : : : : : : : : : : : :\
               /: :/: : : :,: : ´: : : : : : : : : : : : :ヽ
            /: :/ : : : /: : : ,: : : : ,: : : : : : : : : : .
            .': :/ : : : : /: :/: :/: : ,.イ: /: : : : :|: |: : : :.
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            }'.': : :/^/: :/ {:/ {:/ /: /: :/: :}: :|: |: : :|: : :.
            {: |: { |: ,: /' /' /イ//':-/、:': : : : :ト: : ::.
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             / Y      '   `ヾ / イ: :/}: /
        ______|  、 「  v    :.:. イ: :/:イ/イ    「ランキング一位を目指すために首輪をつけるぞーっ!」
       /<_:::::::::::::::::::\_  `ーr---- =彡j/
       {¨7=ミ、< 、::::::::::::::\___〉>、
     _| ,   ∨、:` < 、:::::∧  |::::::::::ヽ
 / ̄::::::://     |  }、:.:.:.:\、::::::. |:::::::::::/〉、
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     ̄¨/       ∨    `ー ≧='-´:/ ハ :.
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              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人   「和。なにがあったの?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,            u   /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////   「須賀君マジごめんなさいっ!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////

 ーー思わず昔の呼び名になってしまったと、後に語った
630 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:46:41.66 ID:hgJn1J/oo

 8/10


 「まさか咲さんがこんなにお酒に弱いなんて……」

 「一升瓶開けりゃ誰だって潰れるだろォ!?」

 「止まらなかったんですよ……。止めたんですよ! 必死に!

  その結果がこれなんですよ!」

 「えへへー、首輪にリードにー。ほら、京ちゃん持って!」

 「どっから持ってきたの、ソレ」


 ……
 …

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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::′ ':::::::::::::::::::::::.
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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::i-l:: l‐::::::::::::: |::| ---|:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|   「白望ちゃん白望ちゃん。私の首輪知らない?」
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、




                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ
               `ヘハ ト U        j       /´j}   ハ ノ     「……」←言葉にならない
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /

 …
 ……


 「大丈夫大丈夫。京ちゃんなら連続で5回くらいいけるよ」

 「いけないよ、死んじゃうよ!?」

 「あっ、私はそろそろお暇しますね」

 「和ァ!?」

 「あとは夫婦で解決してくださいごめんなさいぃぃぃーーっ!」
631 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:47:10.51 ID:hgJn1J/oo

 9/10


:;,.:;,.:;,:;:;,:.;:,.:;,...:...;:;.....:;::;;...               ....:;.:,:;,:.:.:,,,:;:;,,,,.,:;::,.,:;;:.,.:;::,;.:;,:.;:,;,.;
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:;,.;,...:;,:.;,:;.:,,.;..;:,;.:;;:;,.:;  厶イ::/:::::::'.ニ\::::|/○}イ:::ィ:N   .l    ノ      ,.;:,;.,.
:,;.:;.;.;;.:,;.:;,::,:::.;,:..;:,;.,:.;    |Λ:〔ト、'.ニニヽ|-ニニノイノ .ノ    }. 斗'        ::;:;,.
:;,.:,;:,:.:.;.:.;:;,:;.:,;:;.:,:,:.;:  ノ)   `}:入       /ン     ´           ;:,.;:;
:.;,:.;:,:.,::.:,:.;,:;.:,;:;.:;:    `    }Λ{:.>r--- ´l<_                   ,:,;.:;   「二人っきり、だね?」
:,;:.;..;,:;.:,;:::.;,:;.:;:   ___   r−-y''"´ |   ノ    ̄二二ヽ  .  -‐'フ    .,:.;:,
:,;.:;.:,::.:,;.::,;...:;  ./    )  .|     ‘. ̄´ /   .ィ⌒ 、 ヽ'く   /    '',,::
:,;:.;.;,:;.:;,:;,:;:,;:..   l 厂 ̄   Λ     ‘. ./  .イl7    、  ` ァ        ;:.,:;.
:,;:;.:;,:;...:.:.:...:,;:,.. ヾ     イ  \    ‘ / .ィl|:|ル      \/     ,.....,:,:;.:,
:;,:.;;.......;,:;,:;.:;,,,.;:,:.,,...  く\  .|弋≧=彡□≦=-彡 、    /ム      ,..,:.;,:.;,:,;.:;
:,;.:.;;.;,:::;,:,:.;.;;.,:;:,:,:,:;..;.;,:;. \\ :|   ̄ /liノ心     〕ト、//ヽl  ,.,,:;,.:;,:;.,:;.:,:.,.:,;:



: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「(アカン)」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


 /               l::./::.::.::.::.:/::.::.::.::/::/::.:/::/::.::.:!::.ヽ\::.\::.::ヽ
∧               ,イ/::.::.::.:-≠─ァミイ:./::.::.::/::/::.::.::.|::、::'.::.::ヽ::.:ヽ::.:ハ
l              ハ::.::.::.::./::.//:::/气、::,イ::./}::.::.::/::.:}::.!::.::.:!::.::.ハ::.::.!
|                   /::/::.イ//:::/ヽ::.:://::.//::.::,イ::.:/::.:|::.::.:|::.::.::.:!::.:|
                  イ:://r斧≧x,∠::-‐.:::´///::.::.メi、/::.::/::.::.:j::.::.::.:|::. !
                / |//:{{ 沂c才心、::::::/ ̄:::/::./::/イヽ:/::.::.:/::.::.::.::j ::.|
       /      / W  .:`¬-t少   ...::://:`:/´/::}:ハ::.::/::.::.::.::/::.::.|
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     /     /  //:|           , :::::.. 、んcテ心:::/|::.::/::.::.::.::/::.::.::.::|
      /      /   //::::|       ,       ..:ヾ幺:k}}::l::./::.::.::.::厶イ::.::.::|
     ,′     _,.イ7{::::::l     \      :::::::::`¨"チィ|イ::.::.::/:/ヽ、::.|
     i     / /:::|::::::ト、       `        /∠ イ/:/   \|   「いただきまーすっ!」
     |   /    l:::::!::::::! \            / /::ハ::.::.:/
     | 〃     }::::|::::∧  ` ー──ァ──ァ彳ーィ::./ }::./
    ノ}/      ∧::|::::::∧      /     /'´   |/    l/
  /イ       /  ヾ、::::::ハ   /ヽ、


 研究、咲ちゃんがお酒に酔うとどうなるか?

 ーー結論。咲さんになる。


 しかしよく考えれば京太郎が絞られると言う『結果』はなにも変わらないのであった。
632 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/22(火) 18:47:39.59 ID:hgJn1J/oo

 10/10


 ……
 …

 ・子供と迷子の母親を引き取りに行った照


     |┃三   _─-、 -‐;z.__
     |┃    > ` " ゙  <
     |┃  / " " " " ゙ ゙ ゙ ゙\
 ガラッ. |┃   " " ", ,ィ バ i ゙、 ゙、ヾ
     |┃    " "ノlノメ、 |ノjムヘ. N
     |┃三  r,コ| =。=  ,。==ハリ
     |┃    |ヒ.j|   ̄ r_ \7
     |┃   j `ァヘ ⊂ニニァ7    「て、て、て、照さん! サインくださいっ!」
     |┃三 ∨ :::\ = ∧
     |┃三  ヽ.   ::::\,.イ |`'''‐- 、.._
     |┃三   \   :::::/ │     ハ
     |┃     ,ヘ 〉   |へ、|    l. l


 `ー≠彡7アイ介、ミ≧ー フ、_ァメハ イア′
 ーァ7 个´{  ハ ハ        彡´ }/ / 八スィ
 彡ノ ,イ 八  人 ゝーァォスー个ァー彡≧ }7
  个7} }イ />ー' トミ_zォ´ 7 }/ j { リ小、ーァ彡
  ノ 7 八{レ{ ! 从rァ' O ノ   /イ 川ハ`j/_フ
 彡イノトzュミ、{、弋´ニー‐ ´   (ハ从八{ 人水
 ァ' 7{ (´、__Oz} `ー         ヾ{ Y7ハ
 八人/个 ̄  j!             7ソトハ   「わ、私にも一つお願いしますっ!」
  乂ノjハ、  i               U /  {!入
  ⌒ ´{ハ .ヘ  L_ ´  _.. −'       ;: Уニ
     ソ八ヘ ー= ´          -ニニニ
     ノ  `ハ `ー       /  -ニニニニ
          '、        / -ニニニニニ
           \    ,,イ -ニニニニニニ
              ー '「ニニニニニニニニ
                 `ニニニニニニニニ

       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|   「ここ、どこ……?」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 カン!
633 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/22(火) 18:48:08.29 ID:hgJn1J/oo
グッダグダですまない
咲ちゃんの代わりに家事で四苦八苦するてるてるは後日

のどアコの真似をするあわあわ把握
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 19:37:14.06 ID:LWWP7pXLO

なんか拾われた
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/11/22(火) 20:15:00.70 ID:UjVk39wDO
乙です。
おかーさんはいったいどうやって昭和の怪物と知り合ったんですかねぇ……
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 20:26:16.70 ID:HCFwifGGo
乙です
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/22(火) 23:57:36.33 ID:cKDmL3JI0

のどアコ真似あわ か普通にヒロイン力が上がりそう(相方はネリー?)
京淡次元で結婚式(アラファーから後輩を守護る為に立ちはだかる照と友人とライバルの為にはやりに立ち向かうシズ)
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/23(水) 00:46:19.66 ID:Z1TlL08Lo
乙です。
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/23(水) 15:29:48.33 ID:Z7pruikYo

何気にみやながけ次元で会長が出てきたのって初めてか…?
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 02:07:29.62 ID:5244znxt0

君の名は的にヒロインと入れ替わる京太郎とか? 次元はおまかせ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 03:03:43.34 ID:9GmU/vRl0
(一応)ヒロイン
京太郎=春
京太郎=世界一位
京太郎=のどっち
京太郎=すこやん
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 14:16:45.34 ID:4RtPXakLO
おつおつ

>>640
すこやんと入れ替わったら、雀力と記憶を犠牲にコミュ力を得たとか言われそう
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 00:50:07.59 ID:FRAGdo550
オチと入れ替わったら社会的な死と人生の墓場へ逝きそう
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 00:51:04.58 ID:KjPq+g+S0
>>642
つまり京太郎側はあらゆるものを捨てて雀力を得たことに
それなんてヘルカイザー?
645 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:43:17.93 ID:4sL1ETnso


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 456
 【文学少女と須賀京太郎】-単発次元-


 須賀京太郎には幼馴染がいる。

 それも一般的に見て可愛い女の子だ。

 彼女は本を読むのが好きで、いつも図書室にこもってばかり。

 人と話すことが苦手なのか、滅多に喋ることもない。

 それは幼馴染の京太郎相手でも同じことだった。

 しかし、それでも京太郎は彼女に対して話しかけ続けていた。


 「おーい、もうすぐ暗くなるんだから帰ろう」

 「……」


 京太郎が声をかけても彼女はピクリともしない。

 本を読むことに集中しすぎているせいだろうか。


 ーーあいつ、こうなると長いんだよなぁ。


 心の中で呆れて、現実ではため息を一つ吐く。

 見捨てて一人で帰ってしまってもいいのだが、夜遅くに女の子を一人で帰らせるのも気がひける。

 下手をすれば学校が閉まるまでずっと本を読んでいるのではないか。

 いや、帰り道に本を読みながら歩いて電柱にぶつかるかもしれない。

 そうでなくても彼女には迷子癖がある。

 ーー考えれば考えるほどドツボにハマる。


 「あー、もー」


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「『照さん』、帰りますよー!」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、

646 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:43:47.38 ID:4sL1ETnso

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               ̄ ̄ ̄
         ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
      : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .,
.    /: : : : :〔 :/ !: : | : : :ト、: : : : | : : : : | : :i: : : ′
    ′: : : : ∨  | : i| : : :| ´ ̄ :}: : i| : }i: :|: : : : :.
   .:: : |: : : : :〔´⌒ヽ八: : :|  ∨リ : : |: :八_|: : : : : .
.   /:: : :|: : : : i{   __   \{ ,イ庁不、〕/   }: : : : : :.
  /__! ト、: : {ィ芹示、     乂:ソ  ′ 人: : : : : :
     八| \{  乂ソ          ,r: :´: :|: : : : : ::   「ーーん」
       /: : ∧    `         /: : i: : :|: : : : : :i
       .′::/: : .       _     _: : : :|: : j : :! : : l|
      .: : :/: : :个    `    イ〔_: : リ: /|: : |: : ::リ
     : : : :l/ i|: :! : : :≧. . .-r ´    ヽ\/: !: :ノ,イ:/
.    / : | /  {: : ∧: : :ト、=´〕      /  =‐- .,_ '
      〔′  ヽ〔 _,. -‐ ' |     /    γ⌒ヽ
           ∧      :|__,. イ     /
             / 丶     :|   /'      /    i


 やっと声が届いたのか、本を閉じて顔を見上げる。

 目が疲れたのか、何度か目をこすって京太郎の方を凝視する。なんだか気恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。


 ーー彼女の名前は宮永照。

 なんの変哲も無い女子高生だ。強いて言えば、本が好きでとても無口と言うくらいだ。

 京太郎とは小学校からの付き合いである。

 学年が二つ上であるにも関わらず、なんとなく彼女のそばにいることが多かった。


 「(だって、放って置けないしな)」


 照を一言でまとめると『天然』に帰結する。

 放って置けば思うがままにフラフラと消えてしまいそうな感覚があった。

 実際、迷子になることが非常に多い。その場合探すのはいつも京太郎だ。

 京太郎がいない間の二年間、どうやって学校生活を送ったのか疑問である。


 「ほら、もう遅いから帰りますよ。

  明日読めばいいじゃ無いですか」

 「……」

 「ダメです。『もーちょっと』は聞きません」

 「うん」


 保護者か何かかと自分に問うが、悲しくなってくるのでやめておく。


 「じゃあ、家まで送りますね」

 「……」


 コクリと頷いたのを確認すると、照のカバンを持ち上げる。

 照はそれを奪い返そうと手を伸ばすが、長身の京太郎には届かない。


 「どうせ今日も借りた本で重いんですから、俺が持ちますよ」


 どちらが言い出したわけでも無い不文律。

 照が本を借りるため、京太郎がカバンを持ってあげることが多い。

 そうなれば当然照は手持ち無沙汰になってしまうわけで、両手の行き先に困っている。
647 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:44:16.91 ID:4sL1ETnso

 3/10


 「ほら、行きますよ」

 「……」


 コクリと頷くと、早歩きで京太郎の横に並ぶ。

 手ぶらで歩くと言うのも未だに慣れず、両手を胸の前でモジモジと動かす。

 しかし京太郎はそんなことには気付かず、照の歩幅に合わせて歩いていた。


 「照さん、結局部活には入らなかったんですねぇ」

 「……」

 「俺ですか?

  清澄にはハンドボール部がないから考え中です」

 「……」

 「他のスポーツはなんかしっくり来ないんですよね。

  バスケとかルールの違いで難しいし、足使って運動もしたことないから」

 「……」

 「文系の部活に入ろうかなー。

  そう言えば旧校舎にも部活があるって聞いたっけ」


 京太郎が一人で喋り続け、照は隣を歩くだけだ。

 時々京太郎に目線を向けたり、頷いたりしているので聞いていないわけではないらしい。

 しかし京太郎は意にも介さず一人で喋り続けている。


 「……」

 「なんですか、照さん?」

 「別に……」


 照が俯いてしまったので声を掛けるが、取り付く島もない。

 こうなってしまうのは珍しいことではないので、京太郎も特に気にしない。


 「それじゃ、この辺で大丈夫ですよね。

  照さん、また明日」

 「あっ……」


 いつもの別れの場所までの道のりはやけに遠く感じられた。

 何も変わらない日常。京太郎はいつも照のお世話を焼いている。


 「京、ちゃん……」


 ボソリと呟いた言葉は背中を見せた京太郎には届かない。

 また、伸ばした手も京太郎が気づくことはなかった。
648 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:44:46.34 ID:4sL1ETnso

 4/10


 ……
 …

 ・宮永家

           :_,.  -─……─-  :
       :
      .:´........................................................\:
   :/.......................|........ト、..............................ヽ:
 : /....................| |...i|........| \...........|....|............
:/.........../ .....|.._|_八......|   \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [   \|    \|....|............|:
      :|...|....|┬─┬    ┬─┬ |............|:
      : |...ト..| 乂:::ノ     乂:::ノっ|............|:
    :i|...|....|                 |............|:
     :||...|..人     , _       人.......l..|:    「また、やってしまった……」
      八Λ.....>      _   .   <......../|/
      \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
      ;/ ̄ |:\ ∧ /  /:::::/  \;
       :/   |:::::::\ ∨_/:::::::::/   ハ:
      :/     \:::::::Χフ:::::::::/
     /        ̄/:Τ:< ̄        ',;
     ;\   |    〈::::∧:::〉       |  /:


 自分の部屋にまで帰ると、カバンを雑に放り投げてベッドに飛び込む。

 先ほどまでの態度が嘘のように口から後悔の言葉が漏れ出してくる。


 「京ちゃん、私のこと嫌いになるかな……」


 ぐぬぬとベッドを叩くも、弾力に弾かれるだけ。

 むしろ拳の握り方も知らない照は若干拳を痛めてしまう。


 「京ちゃん……」


 ーーそう、照は別にコミュ障ではない。

 それこそ高校に入る時の面接やらなんやら、同い年の友達と喋る時にも普通に喋る事は出来る。

 ただ一人、京太郎と喋る時だけあのようになってしまうのだ。


 「どうすればいいんだろう」


 毎日のように一人反省会を開いているが、進展した試しはない。

 照は京太郎に好意を抱いている。ーーそれは間違いない。

 キッカケなんて覚えていない。こんな自分の隣にいてくれただけで十分だった。

 しかし、それを認識したところでどうしていいかわからない。

 とりあえず最初はとにかく嫌われないようにと考えていた事は覚えている。

 その結果ーー


 「まともに、喋れない……」


 何を喋っていいのかわからなくなってしまった。

 一度無口キャラになってしまえばもう引き返せない。

 いきなりキャラを変えたならば不審に思われるに違いないだろう。

 それに、なんで今まで無口キャラだったのか聞かれてしまうかもしれない。
649 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:45:15.58 ID:4sL1ETnso

 5/10


 「それだけは避けないといけない」


 確実に『変なやつ』認定されるのは間違いない。ーーこの際、すでに思われているかもしれない事は思考の外に置いておく。

 時間がたてば経つほど打ち明けにくくなっていく。

 幸か不幸か、京太郎はとてもコミュニケーション能力が高い。

 照が喋らなくても信じられないほど話題が豊富で、その話は尽きることがない。

 やれ今日はこんなことがあったとか、こんなご飯を食べたとか、些細なことでも話題にしてくれる。

 それに甘えてずっと聞き入っているとまた無口キャラ認定が濃くなっていく。

 自業自得とはいえ、酷い悪循環だった。


 「それに、この前だって」


 照が意を決して一年の教室に向かったことがあった。

 昼食を誘うことによって、自然に会話を引き出そうとしたのだ。

 しかし、その作戦は失敗に終わる。


 ……
 …

 「須賀ってすげーよな。

  あんな無口な宮永先輩とずっと一緒にいられるんだろ?」

 「そうか?

  別にフツーじゃね?」

 「宮永先輩は美人だけど近づきがたいイメージあるしなぁ」

 「まぁ、それはわからなくもない。けどーー」


     /: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|.     |: : : :|: :|   _i: :∧: :|i: :
   /: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ  |: : : |i: :|  '´ |:/  V .|::
  /: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ !  {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj
.       i: : : : |:::::::ハ  气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
.       l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ          乂ZZソ
       |: : : : |:::::::j         ,
        |: : : : |:::::::{
        |: : : : |::::::::ヽ      ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
        |: : : /|: |:::::::::::> .   `−⌒ ⌒'‐′      . <   「……!?」
       |: : / 乂|:∧:::| 、::::≧=   ___   <---

 …
 ……


 ご覧の有様だ。

 そこから先は聞いていられなくて戦略的撤退を決め込んだ。これは敗走ではない。

 京太郎の友人関係に影響が出るのも嫌だし、京太郎に近づき難い人と思われるのはもっと嫌だ。
650 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:45:44.90 ID:4sL1ETnso

 6/10


 その件があってから緊急対策委員会(総員1名)を開くも、未だ良い結果が出る事はない。

 ベッドにあるカピバラぬいぐるみを抱きしめる。

 超大型サイズで、京太郎の家のカピバラにそっくりだ。


 「京ちゃんともっとお話ししたい……」

        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!   「よし、おとーさんがアドバイスしてやろう」
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


       -─===‐-ミ
   ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
.:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|
人_    u              j.: .:|    「!?」
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧

 物思いに耽っているところに父親乱入である。最悪だ。


 「な、なに!?」

 「一応言っておくけど、ノックはしたからな。

  返事がないから何かあったのかと思って」

 「えっ」


 どうやら集中しすぎて聞き逃したらしい。


 「米が炊けたって言おうと思ったんだけど」

 「う、うん」

 「ありきたりな話だけどさ。もっと素直になっていいんじゃねーの?」

 「そうかな」

 「言葉にしないとわかんねーもん。

  やりたい事やっとけよ」


 俺みたいになるぞ、と自嘲する。

 少しだけ悲しくなった。
651 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:46:13.81 ID:4sL1ETnso

 7/10


 ……
 …

 いっぱい話したいことがある。

 例えば、実は照は麻雀がとても強いことだとか。

 別の場所に住んでいるが、妹がいる事だとか。

 好きなお菓子だとか、京太郎に知ってほしいことがいっぱいある。

 いつもいつも話を聞いてばかりで、京太郎のことは詳しくなれた。

 しかし、今度は自分のことを知ってほしいのだ。


           . :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` 、
         . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
        ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
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.        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ′
.       ∧: : :.i.: : : : : | : : : : i|: : : : : : : : :.:|: : : 、 : : : : : : : i
     /_\ |: : :.|: : | : : : : i|: : : : : : : : :.:|: :| :ハ: l : : |i : |
    ./: : :,イ: :'|: : :.|: :_|_: : : : il: : : : : :ト、: :.:| }/_, ∨: : :|i : |
   /: :/' |: :l|: : :.|_l: |__ x、八.: : : : :| \} '",,_ i´) : :|i : |
  .//   |: 八: : | 乂_弋ツ>\: : :|<弋ツ.ノ .:::∧: リ.: :|
  ′    |: : : \|:ハ::::::: ̄:::::::::::: \{:::::::: ̄´:::::::/: ::∨: : |
        |l: : : : : : λ       ,        ハ: : : : : : :|
        i|: : : : : : :込、   __   __,.   ,イ: ! : : :、 : :|     「今日、やる」
       __|: : : : : : : : :|__,.    ー‐ ´  ./|:|: : : : : ハ: :|
-‐= '      |: : :.l| : : : : | .::/>       . イ.>|: : |: : :/ ‐ :|
          |l : :八: : : : |.:::′          /:::::|: /|: :/_   '}
        八:/  \: : |:::|-- 、     --/ .:::::|:/ |:/
               \|:::ト-========イ    }' .ノ'

 決意を新たに図書室に入っていく。

 受付の図書委員の子にビビられた。失礼な。


 こうして京太郎を待っていると、彼は必ず来てくれる。

 一体授業が終わった後に何をしているのかわからないけれど、最後は必ず図書室を覗いてくれるのだ。

 それがとても嬉しくて、約束したわけでもないのに図書室で待っている。

 そう、今日だって同じだ。

 彼は絶対にーー


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //    「まーた、遅くまで帰らないつもりですか?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 ーー来てくれるんだ
652 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:46:43.53 ID:4sL1ETnso

 8/10


 「は、早い」

 「ああ、今日はちょっと部活の体験入部しなかったんで……。

  先に図書室覗いたら照さんがいたので、一声かけようかなと」

 「あ、あの」

 「?」

 「……かえ、ろ?」

 「今日は早いんですね。

  送りますよ」


 ーーダメだ。これを『会話』と言うのは無理がある。

 もうちょっと、もう少しだけ進展したい。


 「カバン、持ちますよ。

  今日も借りたんじゃないですか?」

 「……!」


 ふと、思いついたことがある。

 それは小さい頃からの夢で、実は最近も悩んでいて、ずっと考えていたことだった。


 「今日は、大丈夫」

 「?」

 「何も借りていない」

 「へ、そうなんですか?

  珍しいですね」

 「う、うん。だから、ね?」


                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Y : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : { ////        ////r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/    「京ちゃんの片手、空いたよ」
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'
653 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:47:13.01 ID:4sL1ETnso

 9/10


                    _,.. -- 、__, 、___
              ⌒> ´  ´  ヽ  `ヽ、
                _,.   ´  ,  , 、   | 、 、 ヽ
                ̄7  / / 从  、 |  |  |  :.
                 /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
                 ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ     「ーーー!?」
                   、 └―┘ ィ/∨
                  「¨>-- rく「 ̄ }
             , ------ ∨_」   :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
               ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
                {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////
                |l∧////////Y,〈      | |///////|
                |/∧/////////|l∧     ,l |///////|
                |//∧/////////() \//∧}///////
                |////}////////// 「/////∧/////{
                |////|///////////∨()////\/// |
                |////|////////////\///// ∧/ /
                |////|//////////////\//////,イ
                |////|//////// ()/////|:.\////:.|


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.       / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヘ
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     ′  ./ .:::::/ .::::::/::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::. : ::::. ハ:::::: i
     ′:. / ::::/ :::::::/:::::::::/ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::, :::::::: i::::: |
.    /:::::::: ′.:::/:::::::::/:::::::::/:从:::::::::::::::::::::::::::::::::::::. . ...i:::::.i
   /::::::::::′:::::′  .′:::/:i:::i::i::::::::::::::::::::::::::    ...::::::::|::: :|
.  /::::::::::::i::i::::::i:::::::::.i  从:: i::i  ::::  .::::::::::::::::::::::::::i:::::i::::::i
.  /:::::::/.i::i::::::i::::::::::i:::::::i::::i:::i:::i::::::::i:::::::::::::::::::::::::::i::::::i:::::i::::::i   「ダメ?」
 /:::/  |::i:::::i:::::::::i:i::::::i:i::i:::i::::i::::::::l:::::::::::::::::::::::::::l:::::i::::::l:::::i
.//    ヾi:::::i:::::::i:i:i:::::i:i:::i::|:::::i::::::::i'::::::i::::::::::::::::::′i:::::/:::::i
.´     少:::::::',:::::l:i::i:::::i:゙、ト:|::::ヘ:::::::i:'::::|:゙::::::::::::/i::/i::/::::::::i\
    /  |::::::::::、:ハ ヾ:i  、.i   ヘ::::i::',::i ゙、:::::/ iノ. i/::::i:::::i  \
  /   |::::::::::ハ ヾ ゞ.    ,丶i ゙:j  ヘ/ / 厶::::ハ:::i    丶
 ∧ヾ   |:::::::/    ヽ.、   ._ ヾ.,    イ   /::/i::::′      ゝ_
../ ∧ヽ.  |::::/.      i > _  ̄ . r  ./.  // i:/         /.:/i_
.i  ∧ヽ  |:/       丶    ̄    /  /  レ         /.:// ヽ


 答えが怖くて、俯いてしまう。

 いきなりこの要求はハードルが高かったかもしれない。

 でも、毎日思っていたことなのだ。

 京太郎が自分のカバンと照のカバンを持ってしまえば、両手がふさがる。

 肩にかけても安定のために持っていなければいけない。

 そして照は、両手が空いている。

 いつもいつも、寂しく自分の両手を繋いでいた。

 でも、京太郎の片手が空いているならばーー
654 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/27(日) 01:47:42.16 ID:4sL1ETnso

 10/10


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       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /   「い、行きますか」
         |' ,} \__/イ__ /
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          r<. 、       |          |        >、
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 彼から差し出された手のひらを握る。

 恋人つなぎとはいかないけれど、しっかりと手は繋ぐことが出来た。

 これでもう、手持ち無沙汰じゃない。


 その日の帰り道はいつもと違い、京太郎が話しかけてくることはなかった。

 でも、飽きることはなく黙って歩いた。

 ずっとこの時間が続けばいいのに、そう思って歩いた。


 ふと、俯いていた顔を見上げてみた。

 どうやら京太郎も顔を逸らしていたようだ。


 そんなことにすら気づかなかったけれど、よく見ればーー

 ーーなんだ、彼も夕日のせいか、顔が赤くなっている


 カン!
655 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/27(日) 01:48:10.83 ID:4sL1ETnso
てるてると咲ちゃんトレードのリクがあったのでこんな感じでいいかな
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 01:48:51.20 ID:pyBYupf7o

テルーかわいいなあもう
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 01:54:51.45 ID:vK43e0Cxo

ラブリーテッル
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 07:44:31.92 ID:aJ09/SRNO
乙です
テルー可愛い!
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 08:44:18.62 ID:trzkFb3jo

その頃の咲はコンクリートジャングルでどうなっているんだろうか?
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 09:02:09.77 ID:g1hVSkqho
咲さんは道に迷ってアラサールートに入るやろなぁ
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 17:55:52.46 ID:klcaYEeFo
乙です
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 20:58:37.75 ID:FRAGdo550
>660
人生の道に迷ったのか
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 21:46:03.48 ID:nlk87HmFo
乙です
京照最高や
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 01:12:14.78 ID:HGTTNr6/0
乙!
咲…アラフォールート不可避とは哀れな…
ま、それはそうとやっぱり京照はNo.1やなって
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 09:48:05.68 ID:w7/m+6pc0
や京照N1
666 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:09:54.34 ID:y4QCiZAwo

 1/10

 453
 【ハロウィン】-みやながけ次元-


 「なんか大々的にやってるなぁ」

 「みんなイベント好きだからね」


 京ちゃんが帰宅して、夕飯を済ませる。

 今日は珍しく早く帰って来れたみたいだから私も嬉しい。

 そして今日はハロウィンだ。

 今更ハロウィンだからとイベントごとにはしゃぐ年でもないけれど、世間一般は違うらしい。


 「駅前でハロウィンパーティーやってるところもあるらしいよ」

 「そーいえば帰る時に電車に仮装姿の人がいたなぁ」

 「そーなの?

  どんな人がいた?」

 「ドラクエ5の主人公とか」

 「それはハロウィン関係ないでしょ!?」

 「俺に言われてもなぁ」


 ハロウィンだけでなく、クリスマスやお正月も含めてイベントならばなんでもいいのだろう。

 私と京ちゃんはそこまでイベントに拘りがある方ではないので、ハロウィンは大人しくしている。

 ま、まぁ、クリスマスとかはたまに頑張っちゃうんだけど。


 「たまに早く帰れるってのもいいなぁ」

 「もー、いつも残業ばっかりじゃ大変でしょ」

 「そうは言っても、一般サラリーマンじゃこんなもんだよ。

  照さんみたいに一般人とはかけ離れていりゃ違うかもしれないけど」

 「お姉ちゃんかぁ」


 そう。我が家には一般人からかけ離れているアイドルが二人いる。

 一人は私のお姉ちゃんである宮永照と、私のお母さんだ。

 お姉ちゃんは現役で日本ランカーの麻雀プロだし、お母さんは元麻雀プロ。

 今はなんやかんやしつつよくわからない仕事をしているらしい。


 「照さんならお菓子が欲しくてイタズラしてきたりしてな」

 「もー、いくらお姉ちゃんでももうアラサーなんだよ?

  まさかそんなことしてくるわけないじゃん」

 「それもそうか」


 だいたい、お姉ちゃんの収入ならお菓子くらい買えるもんね。

 もっとも、買ってきたお菓子は私が管理するんだけどさ。

 だってお姉ちゃんに任せたら不摂生な生活を送っちゃうし……。

 もー、お姉ちゃん。いい年なんだからご飯の代わりにお菓子なんて食べてたら体調崩すよ?
667 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:10:23.76 ID:y4QCiZAwo

 2/10


 「でも、子供たちにはいろんなイベントを経験させたほうがいいよなぁ?」

 「そだね。

  なんかおとーさんが企んでるみたいだから期待していいんじゃない?」

 「お、そうなのか?

  じゃあお菓子を用意しないとな」

 「はい、コレ。

  私が準備しといたから何かしてきたら渡して」

 「サンキュー咲!」


 今日は早めに帰宅したおとーさんが子供達を連れてどこかに行った。

 おとーさんの性格からして、何か企んでいるに違いない。

 とりあえず親としてちゃんと対応してあげないとね。

 あ、おとーさんまで仮装してたら張り倒すけどね!


 「パパ!」

 「ママ!」

 「お、噂をすれば……」


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           N::::/:::::::::/        \:::::::::::ハ::::V!  ___
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   |::::::::l l   ヽ:::::ヽ::\           /::::/:::::/____.」 |::::::::::::::::::::ヽ/
   |::::::::| |\___ヽ::ヾ\`ヽ-、      /:::/,::::::/    | l:::::::::::::::::::::/
    ',::::::l l     ヽ.::\ 、__:::` ̄ ̄::´_//:::/       | l::::::::::::::: ::/
    V:::| |         \:::::ス<、::::::::::::, ン::::::::/     ./ /:::::::::::::: :/    「トリックオアトリート!!」
     V::{ l           ` >:::::ヽ::::::/:::-ハ、      / /::::::::::: ::::/
      ヽ:ヽヽ       /^r‐/ ̄`l‐¬< ̄ ̄ヽ   / /::::::::::: ::::/
       、:\\     rl  |/ l:  | ,  ヽ.    >_./ /::::::::::::::/
       r、:::\\  /l ∨l   |  /    |___ ///:::::::┌_'__
       | \::ヽ ∨  | /: |.  |Dノ /   l  //::::::::::::: ̄:::::└、__
     l ̄:| ト、 \\\.l/  |    /   レ´/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     |::::::| |::::\ \\\ {     /  .//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
     |::::::| |::::::::::\ \≧`丶.   //::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「わぁお……」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
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 ちょっと待ってどこから用意したの!?
668 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:10:53.24 ID:y4QCiZAwo

 3/10


 「おとーさん!

  どこでこんなの用意したの!」


 息子がつけているのは、確か和ちゃんが好きだったアニメの衣装だったかな?

 子供向けのサイズではないのでダボダボで、衣装を引きずって歩いている。


 「いや、ほら?

  孫が欲しがってたら買ってあげたくなるというか」

 「もー!

  そうやって小さい頃から欲しいものをあげてちゃダメって言ったでしょ!」

 「そ、そんなに高くなかったし」

 「大体これ、普段どー使うの……」


 私が呆れながらおとーさんに説教をしている横で、京ちゃんは息子の頭を撫でている。

 正確には仮面を撫でているんだけれど……。


 「まぁまぁ、咲。

  たまにはいーじゃんか」

 「さっすが、京ちゃんは話が分かる!」

 「二人がそうやってだだ甘だから私が怒ってるんだよ!」

 「とりあえず、イタズラされちゃかなわないからお菓子なー」

 「わーい!」

 「大体これどこに仕舞えばいいと思って……って聞いてるの!?」


 私が説教している間にハロウィン用のお菓子詰め合わせを渡す京ちゃん。

 買ってしまったものは仕方ないけれど、次も同じようなことをしないように注意しないと。

 全く、誰が家の掃除をすると思ってるのさ。


               //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
              / 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
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            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八    「……うー」
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´
       __  /      i:::::::::ヾ/ ':::::::::::/  `ヽ


 はしゃいでいる息子の横で壁に隠れている娘の姿を見つけた。

 でも、なんだか様子がおかしい。
669 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:11:21.85 ID:y4QCiZAwo

 4/10


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ      「あれっ?」
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 娘の方は仮装していないみたい。

 しかもなんだか涙目だ。どうしたんだろう?


 「あー、なんでもいいって言ったのに恥ずかしがってさー」

 「もー、お兄ちゃんが買ってもらってるんだからそんなこと気にしなくていいのに」


 今更後悔しているのか泣きそうだ。

 とりあえず抱っこしてあげようと手を広げるが、逃げられてしまう。


 「えっ?」

 「『仮装してトリックオアトリート』って教えたから、仮装してないとお菓子貰えないと思ってるんじゃないか?」

 「そんなこと気にしなくていいのに」


 それでもお菓子は欲しいのか、京ちゃんの手元のお菓子袋に目が移っている。

 普通にあげてもいいんだけれど、本人が遠慮してしまっている。

 どーしようかな……。


 「……よしっ」

 「京ちゃん?」

 「咲、これ持っててくれ」

 「う、うん?」

 「ほら、ちょっとあっち行くぞー」


 お菓子袋を受け取ると、京ちゃんは涙目の娘を抱っこして別の部屋に行ってしまった。

 なんだかニヤニヤと笑っていたから、何か企んでいる気がする。

 でも、京ちゃんのことだし放っておいても大丈夫かな?


 「ちなみにおとーさん、お姉ちゃんは知らない?」

 「え、知らないぞ?

  咲、かーさんは?」

 「……さっき迷子になったから今日はホテルに泊まるって連絡が来たよ」

 「そうか……」


 あ、おとーさんの目が死んでる。
670 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:11:50.87 ID:y4QCiZAwo

 5/10


 ……
 …


                  ____
              ,. : :´: : : : : : : : : :` : : 、
           , : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           /: : : : : : :,: : : : : : : : : : 、: : : : : : .
         /: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : ヽ: : : : : ::ヽ
       :': : : : : /: /: /: :|: : : |: : : : : : : : ∨: : : : : .
        ' : : : : : ': :/: :.| : ||: |: :|: |: : :| : : : : V: : : : : :   ←娘
     /: : :,.:: :|:_:|__|:_ノ| : ||: |、|: |: : :|: | : : : | : : : : : |
      /: ィ/|: : |: :|从:{∧: :|}/|:ゝ、_:/:.:| : : : | : : : : : |
       l' |: : :V:,イて雫ミ:{ 从{/:_イ: :/|: : : :, : : : : l: |
        |: : ,:从{cVり \  イて雫V}: : :/-、: : /}/
        |: :ハ: { ""  ,     Vzりつ': :/ }) }: /
        |/  }:人          ムイ- く:/     「……と、とりっくおあとりーと?」
          '      ヽ::っ     イ: :/{∨
                `   . __ .  ´  |/}'
                 /}    /⌒\
               /.../  /..................\


               ___
         ,. : : : : : : : : : : : : : : .、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
       .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ   ←咲
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
     .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
     {: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
     |: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :.
     |:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉
     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Y/∧: :!
       ∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ  u |/  ∨    「!?」
          }:/\:|: : : : : : : : /    人
          /   -从-----イ{     イ
     _,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
     /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
     ,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{  ,:∧
    /:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/'  }


   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/    「ドヤァ!」
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V


 ーーそこには、学生時代の私の制服を着た娘がいた。

 もちろん、サイズはダボダボだし、髪の毛をショートに見せるために無理をしている。

 しかし、まるで鏡を見ているかのような感覚すら覚えた。
671 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:12:20.38 ID:y4QCiZAwo

 6/10


 「うー」

 「ほら、咲」

 「あ、そうだ。

  はい、おかし食べていいよ」

 「!」


 仮装というよりコスプレ、……いや、コスプレと言っても無理があるけれど娘を納得させるためだったんだろう。

 『お母さんの真似』なんて言って、こんな無理な格好をさせちゃって……。

 でも、自分にそっくりな娘を見たことがなんだか嬉しくて、そんなことを考える気にもなれなかった。

 それに、仮装なんかしなくたってお菓子はあげるつもりだったしね。


 「驚かせればいいんだよ、って言ってさ。

  納得してくれたみたいだ」

 「もー、すっごく驚いたんだからね」

 「俺も驚いたよ。

  ほんと咲そっくりだな。京ちゃんナイスだ」

 「俺は咲の小さい頃まではわからないんですけど、やっぱり?」

 「おう、小さい頃の泣き虫咲そっくりだ」

 「おとーさん、誰のせいで泣いてたと思ってるの?」

 「マジごめんなさい」


 ーーまぁ、私が泣かされてたことをこういう冗談にできるくらいにはなったということで。

 特別に、許してあげようかな。


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/    「ま、これにて一件落着ってとこかな?」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
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        ,. : : ―――-- 、
       /: : : : : : : : : : : : : ヽ、
        .': : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
     /: ,: : : : :{: |: : ,:l: : |: : }: : : : :,
     .': :.|: : :|: :/_j:_/:.!: : |-/、: : : : : :.
     {: : |: : :|イ} }:/}/|: /}/ }:ハ:| : {、: :.
     |: : :、 : 从ィ斧  /  イ斧Y:{: | ヾ}
     |∧: r从:{ Vり     Vリ |∧{
       Y、 \ :.:.:.:  '   :. 八 リ    「もう、京ちゃんったら……」
       ヽ}`ー、   ` ´  イ
          从}≧=-- く
      ,-r―--イ}     |::〉--―、:、
      / {、::、::::::〈___/::/イ   ヾ


 ーーいや、ちょっと待って
672 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:12:49.22 ID:y4QCiZAwo

 7/10


                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {         ニニ二三三二ニニ       /
          /  \     ニ二二三三三二二ニ    /  イ
            /\_ \ ___   ニニ二三三二ニニ   ∠ イ |
        /  ,ィ   ̄ ̄三三|:ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |
.        厶イ |  i  二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ=  | !    「それはそうと、女の子のタンスを勝手に漁ったのは許さないよ?」
                 |  ト、圦乂| 乂| \{ \| ヽ{ヽ{   イノ
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    −    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |


                  ___,-、 _, ---- 、
               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人    「き、緊急避難ってことで」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、


        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!    「まぁ、制服プレイはするよな。な、京ちゃん」
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


 ーーおとーさんは締め落としました
673 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:13:18.80 ID:y4QCiZAwo

 8/10


 ……
 …

 なんだかんだで咲に怒られて、許してもらった。

 子供には小さな頃からいろんな経験をさせるべきらしい。

 それはクリスマスであったり、今回みたいなハロウィンであったり。

 アニメや映画を見ないで育てば、感受性が育たないらしい。

 そうはなって欲しくないから、これからは可能な限りイベントを企画しようかな。


 ーーなーんて、考えていた時だった。


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    .//.:/.:.:.:..:.:.:.l:.:.::八.:.:.:.:.| ´  ∨ }.:ハ.:.:.:|.:.:.:.:.|:.:.:.:.丶
   /.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒  \.:.{    ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.
  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
 .:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ             リ.:.:.:.:.:.:.:.:|
./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::. ///      ///  /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|   「ーー京ちゃん」
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
       \{──<´ ̄  \\      |:イ \_
      /⌒      \    ::::\     |:::|  } =- .,_
      /            丶    、::::、   }:::}  }        、
.     /                 ::::  /::/
    /             `、     :::∨::/           ∧


 やけに顔を赤くした照さんに息を吹きかけられた。

 あまりに驚いて声をあげそうになるが、照さんの手に遮られる。


 「こんな夜中に大声を出しちゃだめ」

 「いや、なんでそんなにーー」


 距離が近いんですか。そう言おうと思った時にはもっと接近されてしまった。

 まるで首筋を舐めるかのように抱きつかれている。

 抱きつく、というよりは疲れ果ててのしかかられている感じだ。


 「……酒飲んだんですね?」

 「ハロウィンのテレビで」

 「飲めないって言わなきゃダメじゃないですか……」


 照さんはお酒に弱い。前後不覚になってしまうようだ。

 ビールのような苦いアルコールは一切ダメだが、甘いジュースのようなアルコールは飲める。

 今日も仕事の都合で少し飲んだんだろう。


 「今日はハロウィンだね」

 「そうですね」


 お菓子をもらえるなんてイベント、照さんが見逃すはずがない。
674 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:13:47.65 ID:y4QCiZAwo

 9/10


 「トリックオアトリート」

 「あー、ごめんなさい。

  子供達にお菓子をあげちゃったから余ってないんですよ」

 「……そう」


 照さんは黙り込んでしまう。

 あー、明日お菓子を買って帰らなきゃダメかな。

 しかし照さんは、今までに見たことがないような妖艶な笑みを浮かべていた。


 「じゃあ、イタズラしなきゃいけないね」

 「……?」

 「ん、京ちゃん」


       _. . . . :´:  ̄ ̄ ̄ ̄: `: : : . 、
   ,. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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: /: : : :/ : : : : : : , -、|: : : : : : /: :/: /,、: /: : ,: : :,: |: : |: : ∧
:.': : : :/ : : : : : : /,'⌒|: : : : : /|: /:イ /: ,\: /: : /: |: : l: :|: : : .
:|: : : :|: : : : : : : :{ { ∧: : 从{ {/ 「¨≧、  }:/: : :, : /: : .': :}_: : : \
:|: : : :|: : : : : : : :乂__)∧: :|       /r' Y〃: /: /: : /: :/ ` ー '
:|: : : :|: : : : : : : /     Y    〈ソ  /イ /:イ: : :/ }/
:|: : : :|: : : : : : :,′    \        乂 /: : イ /
:|: : :八: : : : :|: {                ノ'/
:|: : : : :l : : : 从|   、             /   ぱ
从 : : ∧: : :| }'    \       ,ィ-く       く
{ \:.{ \:j     ∧、`: .     イ¨´ゝ \ ,
  | \  \   / ノ }: : /:7´: :/    `\乂
  | ̄ ̄\  --/  ` <:∧:{
  |     \ /       `<
  |      /             >- 、
  |   , -/       ,. <>´/⌒,ム
  |   /      ,. <> ´ イ     マム
  |_/     ,. <>´> ´:.:.:/     マム
 ィ介ヽー― ´> ´イ:.:.:.:.:.:./        ∨}


 そう言って照さんは、どこからともなくポッキーを取り出した。

 それを咥えると、もう片方を俺に差し出してーー


 「ん」

 「いや、ダメですよ!?」

 「イタズラ……」


 どうやら完全に酔っているようだ。

 結構強引な感じで体に乗りかかってくる。

 これは、非常にまずい!


 何より、後ろから殺気がするのがーー!!
675 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/11/30(水) 22:15:04.26 ID:y4QCiZAwo

 10/10


              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
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    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::.
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'    「おい」
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ    「はい」
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
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     /: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧     |
    /: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :,    イ
    ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
       i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
.        八: : { l  ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
      /:リ \N '~⌒``     ´⌒``〕/ ;__: :八
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    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|    「えへへー、京ちゃん犯し!」
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |
        |{/´ ̄〕    !、___/ヽ    /' \
.         八   '′   l    /  ∧  〈 、   \
      /   \    .'.  /   /_   ∨´   \
     / -‐== /   ∧  / /   :_   :./⌒ヽ. >
    \............./    =- V / -‐=':._    ∨ヽ__/
      Υ⌒/    .′.:〔二〕´     :._    V´/
      |ニ/    :   ∧〔\    八    ∨
      |_V      .! :/ N'  \    个:、_/


 カン!
676 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/11/30(水) 22:15:32.79 ID:y4QCiZAwo
ほのぼの宮永家
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 23:38:04.78 ID:b7UUqM0q0
超すばら!!!
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sagesaga]:2016/11/30(水) 23:38:40.13 ID:LvOzihbA0
乙。

一応ほのぼの?(一部除く)


で、京の旦那は咲ちゃんに悪戯(意味深)したのかな?

679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 23:51:08.23 ID:+RNeyIvzo
乙です
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 23:57:51.77 ID:Ss3i7h/ho
そろそろ原点回帰もいいよね
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/01(木) 01:58:03.00 ID:cr1gYWqN0
乙です
や京咲N1!
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/01(木) 02:44:01.93 ID:8d6DS5PP0

イタズラする松実姉妹とか
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/01(木) 21:12:05.76 ID:He+Q62TDO
乙です。

仮装で仮装大賞思い出したから年始にそれ見て子供が出たいと言い出す話とか。
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/05(月) 00:18:47.26 ID:wYQlzVWM0
咲がスク水とネコミミが似合うアラフォー実家暮らしの仮装をする?
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/05(月) 17:21:18.79 ID:/hdTOtmP0
ああ^〜
686 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:48:24.70 ID:kFyDAuQpo

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 【衣おねーちゃん参上!】-お金持ち次元-


 ある日、龍門渕高校に激震が走った。

 それは京太郎からの一通のメールが原因だった。


 『透華姉さん。うちも女子団体戦に出られそうだよ。

  これでそっちとはライバル関係だな!』

 「……な、なんですって!?」


 驚愕する。清澄高校の女子麻雀部は廃部寸前だったはずだ。

 京太郎には悪いが、京太郎が全国に来ることはないと思っていた。

 約束は覚えている。『全国で姉たちと麻雀をする』と言っていた。

 しかし現実は甘いものではない。麻雀慣れしていない京太郎が全国に来るのは不可能だと思っていた。

 個人的に龍門渕の付き添いで連れて行くくらいならば構わないかーーそうタカを括っていた。


 そう、今年の夏は『他の姉二人』に振り回されないと思っていたのだ。

 自分のいないところであの二人が京太郎と接近する。考えるだけで恐ろしい。

 おそらくは全国大会の会場でR-18展開が行われ、ついにこのスレもR-18板へ移動となってしまうだろう。


 ーーだからこそ、京太郎が全国に行く確率が可能な限り低いことに安心していたのだ。


 「ハギヨシ」

 「はっ」

 「今すぐ清澄の女子部員を調べなさい!」

 「畏まりました」


 いや、落ち着け。

 深呼吸を一つして、ハギヨシに指令を出す。

 京太郎の恐ろしいコミュ力で女子麻雀部員を連れてきたとしても、精々人数合わせが関の山だ。


 「この龍門渕透華率いる龍門渕高校を破って全国に行けるはずがありませんわ!」


 自分の強さには自信があるし、切り札もある。

 万に一つだって可能性はないはずだ。

 ーーだが、万に一つなくても那由他の彼方に一つの可能性があるならば


 「それだけは、防ぐ必要がありますわ!」


 絶対に、阻止しなければならないのである。
687 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:48:53.80 ID:kFyDAuQpo

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 ……
 …


             ,..-/:.:.:::.:/.::::..:!:..:.:..:.:\
              //.::.:::/:/:::::::::::::::::::::..::..:.ヽ
           〃//:/:/::/::i::|::::::::i::l:::|::::::::::::..:i
          〃/:/::i:::i::ィ:::/!.:!:::::::|::|:::|:::..i::..:. ..|
           〃/イ./::::|::i:/!::ハ::|::::::|:::!ハ::::|::::::::::|
           !| |i レ:::::::|i::!‐廾‐|:::!、::!:/---、|::リ::::::|
         | !ノi::::::i::!:|.ャ伝テ、:けメ、迂テァ∧|::::|
           |::!::|:::!ハ      iハj   iイ /|:::!:!   「入部したのはインターミドルチャンピオンの原村和。
.              |ハ|::|:ト、!       ;      !ノ::|::ハ:!
           | !ハ!ハ丶 u  ′   /::::/レ' リ    宮永照の妹の宮永咲、こちらは元プロの娘だそうです」
             | ′ iヘ丶 `  ̄´ イ:/レ′
                 )|__\_/__K
               /:L_\ /_/\
           ,...-イ::::::∧  ̄7::!< ̄ /:i:::::\-、
    __,...-‐':´:::::::/::::::::i::::i  /:::||:::、 /::::i:::::::::丶::`ー-..、
   /::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::i /::::| |::::Y:::::::|::::::::::::゙、:::::::::::::`:::...、
   /:i:::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::,:|:::::::〈 ::::| .!:::::〉::::::|、::::::::::/::::::::::::::::::::::::::゙、
   !:::|:::::::::::::::::┌-、.二/::|::::::::::`t' ケ´::::::::::|::\∠-‐'7::::::::::::::::/:::i
.  |:::::i:::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::|::::::::::::::.、/ ::::::::::::::|:::::::::::[|:::/::::::::::::::::/:::::|
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              ,r'´ ̄ ̄ ヽ
       /丶  _//∧      l'⌒ヽ-、_
      /  .|ヽヾ、7/ i|     ヘ_/^ヽヘヘ
     /    |,⊥ミ∨/l|      ト、  └ユ
     !    .i    ト、  ヘ ヌ二¨   ヽ   !
     l    |L_   ゝヽ_/>ャ=ヽャ‐   \-、
     i   '7_,.≧=- }} ′ `   ヘ.    \ヽ
     j   ff'"⌒ヽ ノ   、_,.ィi レ、    l ヘ!
.      ノ   7弋   , ,    爪从 . i    l
.    イ    ハ  tt彳′        l j    ∧    「どうしてこうなった……」
   //   ! ト、       _   ‐ュ   /7   ∧ヘ
.  /,ハ    ヽヽヘ   f二´-‐'' "   / /    / ヘ ヘ
  { { ヘ    丶 ゝ _       /∨  /   ヘ ヘ
  ヘ!  ゝ     \  `  ┬-‐'  /!  ィ′     ヘ ヘ
       丶、_  \  广弌irく  l l 〉────'┼‐-、
         !| \   Y/ /V ≦ヽl ∨       l   ト
         !|   ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ.       l   l
        厶イ  j ∧/ //ハヽ\∨lルl       l
       f´ i   ノ/ ∧∨//  ヾ 、 ゝ'.ノ         l


 ハギヨシが一晩でやってくれました。

 思わず普段の畏まった口調すら崩れてしまうほどに動揺する。


 「な、なんでそんな漫画みたいな展開になってるんですの!?」

 「そこまでは……」

 「それに宮永咲といえば、京太郎のお友達と聞いていました。

  まさか麻雀ができるなんて思いもしませんでしたわ」

 「以前お嬢様にお伝えした内容は宮永咲の性格ですので……。

  過去や家族構成まで調べてみると麻雀の申し子としか言えません」

 「なんで! 京太郎が! 入部した時に限って!

  そんな展開になるんですのー!?」

 「須賀様も何かを引き寄せる力を持っているのかもしれませんね」


 とりあえず状況は最悪らしい。

 自信はある。しかし相手もまた強者だ。

 原村和には幾度となく煮え湯を飲まされているし、『あの宮永照の妹』となれば警戒せざるを得ない。

 一体どうすればーー
688 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:49:22.31 ID:kFyDAuQpo

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          Z::::::|  ./:::::::::/
          ∨::::|  /::::::/
          _.. -‐∨:「 7:::/-.、
      /  x≦Y/;.くx    \
    ./   ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`    ヽ
   ./    /  /           ハ
   //    !  ハ   | ト.  ハ ヽ   ',
  i,イ / / |r‐ T!   |!TT ヽ i!  !  !
  { | |! |イハ .ハ   ト、!ヘ  `ト} |  |
   ! i! | |.,イ乞ぅヘ  { ィ乞ぅxリ .,'   !
   ト从 N《 う:::r} `ーヽう::::r} 》イ   !    「騒がしいな」
   |  \{_.乂zン      乂zン ||   ∧
   l   圦      '       .小    ∧
  ./   /'  \   ‐   . イ |∧    ∧
  /   /      `ト  -‐ .i´  i! i! ∧    ∧
. /   /    /^ ァ v ャ ^\ i! |./ ∧    ∧

 「……衣?」

 「透華。どうしてそんなに焦っているのだ?」


 視線を下ろしてみれば、そこには金髪の少女がいた。

 その体格の小ささに似合わず、同等とした立ち振る舞い。


 「そ、そうですわ。

  龍門渕高校には衣がいますわ。何も焦る必要はありませんわ!」

 「透華、だから説明を……」

 「いえ、大したことではありませんわ。

  衣のライバルが出て来るかもしれない、それだけですわ」

 「ほう……」

 「衣、京太郎のためにも決して負けられませんことよ」


     /       |  | __/_」ト.   i! ハ_   .! i! |  |   ',
      i   !   || |/「 /  Z   W´ヽ  ̄`トハ i!   !   |
      |  | |  ||ヘ. W  ヽ ヘ  !  ´ }  /!| | |  !|   i!
      |  | |  ||  x≠≡ミ  \ { x≠≡ミxリ }!|  リ / |
      |  | |  |i! 〃ん::::::ハ   `\ん::::::ハヾ. ,リ / i!  i!
     Y i!ト、 从《 う:::::::oリ     う:::::::oリ 》//   |   |
       Zハ`ト、ヘ. マZン      マZZン /イ   .!  i!
         }从八 `トヽ xxx        xxx   /    |   ∧
      /   iト、{      r:::7 ̄ ̄ !    /{     |   ∧    「京太郎が来るのか!?」
       /    |! 人      ∨   ノ    ,イ |    |   ∧
      ./    i!/  > .   ` ー ´  _ イ | |    |    ∧
     /       |!  /  _`rト __..   ´ ,ト、! ! !    ∧    ∧
  ./        i! ./   | \     / ^ { !∧    ∧._    \
. /    /´ ̄\_ .. イ   ゝv<    ゝ、 ∧    ∧ \     \


 『京太郎』の名前を聞いた途端、花が咲くような笑顔を見せる。

 見た目相応の子供らしさとも言えるだろうか。

 透華は内心、『かわいいなちくしょう』と思いつつも咳を一つして表情には出さない。


 「京太郎も麻雀を始めたそうですわ」

 「ほう、衣『おねーちゃん』に対抗するつもりか?

  生意気な『弟』だ」


 ニヤリと笑みを浮かべ、『おねーちゃん』と『弟』という単語を強調して発声する。

 衣は高校二年生。京太郎は高校一年生。

 決して埋めようのない差が存在する。

 どんなに京太郎が大きくなろうとも、衣の背丈が変わらないとしても、衣が姉であることには変わりがないのだ。
689 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:49:51.72 ID:kFyDAuQpo

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 ……
 …

 2年前の話だ。

 京太郎と透華は同じ長野住まいと言うこともあって気軽に交流できる。

 その辺りは他二人の姉よりも優れている。

 最も、その二人の姉も頻繁に長野に来るので油断はできないのだが。

 この日は京太郎を龍門渕に招いて世間話などをしていた。


 「透華姉さん、社交界って面倒だよなぁ」

 「そんなことを言っているといい男になれませんことよ。

  清濁飲み干してこその大人ですわ」

 「難しいこと言われてもわからないよ。

  挨拶周りも面倒だし。

  あ、でも菫姉さんと智葉姉さんに会えるのは嬉しいかも」

 「……本人の前では言ってはいけませんわ」

 「なんで?」


 天然タラシ、というには子供っぽい部分が多い。

 そんな京太郎でも、あの二人にとっては何かの琴線に触れたらしく、ベタ惚れの様子。

 一度惚れてしまえば理由なんて関係ないのだろうが、その辺りの機微は透華にはよくわからなかった。

 とりあえず、その発言をしたら最後、ホテルに連れ込まれてもう帰ってこれないことだけはわかった。


 「……あ、透華姉さん。

  こんなところに子供がいるよ」

 「えっ?」

 「俺もあれくらいの時から連れてこられてさぁ。

  やっぱり面倒だったなー」

 「……衣!?」


 そこにいたのは天江衣。透華の親戚だ。

 やんごとなき事情で龍門渕で引き取り、幽閉されている。

 京太郎と引き離す意図はなかったのだが、自分の父があんな少女を幽閉していると言う事実を教えたくなかった。

 そんな気持ちからこれまで京太郎と衣が出会うことはなかった。


 「子供ではない!」

 「へっ?」

 「子供ではない、衣だ!」


 京太郎の発言に気がついたのか、気づけば怒りながらこちらに走ってきていた。

 衣は子供扱いされることを極端に嫌う。

 それは本人の容姿であり、過去が原因であるのだが京太郎にそんなことがわかるはずもない。
690 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:50:21.16 ID:kFyDAuQpo

 5/10


 「透華姉さん。この子は?」

 「子供ではないと……」

 「京太郎。衣は私と同い年ですわ」

 「……えっ!?」

 「なぜ驚くのだ!」

 「だって、さぁ?」


 京太郎は同年代の男子の中でも長身に当たる。

 対して目の前の少女は非常にちんまい。腰をかがめなければ見下ろす形になってしまう。


 「トーカ、この無礼者は何だ!」

 「私の弟分ですわ」

 「なんかこそばゆいな」


 京太郎は何だか恥ずかしそうに頬を掻いている。そんな京太郎を見て透華も何だか恥ずかしくなってしまった。

 それを隠すように京太郎から目を背けると、衣に向き直る。


 「衣にとっても弟のようなものですわ。

  良かったら仲良くしてあげてくださいな」

 「ふん、無礼者に語る礼などない」

 「うーん……」


 透華としては衣と京太郎に仲良くしてほしい。

 衣は事情があって幽閉されている。透華としては何とかしてあげたいものだが、こればかりはどうにもならない。

 今は屋敷に友人を集めることによって衣の相手をさせている。

 京太郎もその一人になってもらえればと思ったのだが、肝心の衣がヘソを曲げてしまった。


 「京太郎様」

 「ハギヨシさん!?

  ど、どこから」

 「少しお耳を」

 「はい。

  つーか様付けとかやめてくださいよ……」


 どこからともなくハギヨシが湧いて出たかと思うと、京太郎に耳打ちする。

 透華としては何が何やらと思ったが、ハギヨシにならば任せてもいいだろうと納得する。

 その間にでも衣の気持ちを変えなければならない。

 京太郎のコミュニケーション能力ならば、きっと良い関係になれるはずなのだ。

 それは衣にとってもいいことだし、透華もいろんなストレスから解消される。

 そんな後ろ暗い打算を考えてしまうことを嫌に思いつつ、ハギヨシに任せた。
691 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:50:50.23 ID:kFyDAuQpo

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                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
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         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //     「『衣おねーちゃん』?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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  /           ∠  -───-ヽ \
  /     /     ´              ヽ
. /      /      /          \  \   、
/      /      /   /     l     \ヽ、\  ハ
     .′   | /  / ,イ   |   }  } ハ  ヽ  !
     l     | {  ハ/ |   ,!   ノ Xハl | l } |
      ′    { 「¨丁≧ト、/|   イ小 } | } イ ′
    /       `ト ァ=テ≠ミ、7}  .;ィ≦ア// /レ }/
    /      /《  ん.:cl  // !:cjレイ / /
   ,/       ∨    ヒ'tツ    ┴'イ/ィ′
   ハ      l   : :::::: :    ' :::::八 |
  〃イ      ; ト 、 u    __ _  イ   !     「!?」
  l| |     l |  丶、  ´    <「|  |
\|| |     | |>  、 7lー≦}|-─‐'、  |
  || |     | |__/`Yヽ、 }}」- ─┐∧
  || |     | l─ >r─r≦─── | ヽ'.
  || |     | |  -‐}  j二ヽ、    /   ハ 、
  || |     l∧/ _ノハーf ̄   \ イ   l: | \


 衣がピクリと反応する。

 京太郎はハギヨシに言われた言葉をそのまま口に出しただけだったが、思いの外効果が大きそうだ。


 「男」

 「俺?」

 「い、今何と言った?」

 「えー、こ、衣おねーちゃんって」


 恥ずかしそうに頬を掻いている。

 中学二年生ともなればそう言う関係を恥ずかしがる年頃でもあるし、自分より年下にしか見えない少女にそれを言うのも恥ずかしかった。

 しかし、そこはコミュ力の化け物たる須賀京太郎である。

 透華の反応、ハギヨシの言葉、そして少女を怒らせてしまったと言う事実。

 数少ない情報から『怒らせてしまったし言う通りにしよう』と言う結論にたどり着いたのだ。


 「も、もう一回」

 「衣おねーちゃん」

 「もう一回!」

 「衣おねーちゃん。……ってもう勘弁してよ」

 「名は何と言う?」

 「須賀京太郎だけど……」
692 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:51:19.67 ID:kFyDAuQpo

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                   \:::::∧´ ̄/:::::::/_
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             ., '    ∠>―`´ ―<_ヽ     ヽ
            //        /     ヽヽ `     ',
              // / / / /  / |  i!  ', ', ハ ハ  i!
           ' ' / / /_/  /!/!  ハ  |!|i!_ ',  i! ∧
           |.ハ ! /|  i!|「 >く/' !  ./ハ /リリ} !i リ  ∧
           |! i! i!ハ !  i!{xィ乞ミト/ イィ乞ミxリ ./!   ∧
           {∧ |i 从  l《 う::::r'}'    う:::r'} 》 / .!   ∧
          /  从. `ト、{ 乂zン     乂zン/イ  |    ∧   「トーカ! 衣もきょーたろーを弟にするぞ!」
        /  /    ト.ハ      _'_      /i!  !     ヽ
       /   /,. -―-._ 込、  f´:::::::::`i  ,.イ i!  i!`ヽ    \
     //  //       ||:| > ゝ._ .' <`Y´|  i!!  \.  \\
    //  / /    / i i:i    >v<   〃 .!  |ハ ヽ ',.   \\
  , ´/   /  /   /   f=ニニニ=.r‐r=ニニニ=|  ∧  \!_    \\
 ./ ,/   /  /ヽ_/   i! {: : : : ≠=|: :|こヽ: : : : : !   ∧     \    \\
../ 〃  / .〈        i! }: : : : : : : /仆、: \\: :∧   ∧      〉    ヾ \
///  ./  ∧       i!{: : : : : /.:/ |: :\: : : :/ ∧   ∧   ,.イ      ハ\\


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               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`
            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
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      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
      |///////|/////////////////l///////////////|//}


 めっちゃチョロかった。
693 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:51:48.50 ID:kFyDAuQpo

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 「きょーたろー!

  衣おねーちゃんが何でもしてあげるぞ!」

 「あ、あのー、透華姉さん?」

 「京太郎。何となく察して弟になりなさい」

 「あー」


 重ねて言うが、京太郎も年頃の男の子である。

 多感な時期に見た目幼女な姉が出来ることは恥ずかしい。

 しかし、透華とハギヨシの真剣な眼差しを断れるほど気は強くない。


 「わ、わかったよ」

 「うむ! それでいい!

  衣を呼ぶときは必ず『衣おねーちゃん』と呼ぶのだぞ!」

 「い”ぃ”!?

  せ、せめて衣姉さんじゃダメ?」

 「ダメだ!

  衣はおねーちゃんだからな!」

 「と、透華姉ぇー……」


 思わず透華に助けを求めるが、透華は穏やかに笑うだけで取り合わない。

 非常に単純だが、衣がこんなに嬉しそうに笑うところを初めて見た。

 衣の過去、そしてコンプレックスを考えれば自明の理である。

 常に子供扱いされることを嫌っている衣が、自分より大きな男の子に姉と呼ばれた。

 チョロいとしか言いようがないが、衣の心の隙間を埋めるには十分だったようだ。


.    /!/////////|´     , イ三三/三二ニト、  \
   / :!/////////:,     /彡' ´         `ヽ   \
    |//////////∨     ´            ヽ       ヽ
    |/////////∨   |              ', V ::ヽ ヽ ヽ::',
    l////////.∨     :!        :| |   :! | ::', V  l ::l .::',.ヘ
   ',/////////     :| l ::l |  :|l :| !   | |∨_!_ :l ::|  .:| i
    V//////,'   :i   | !  レ! ‐┼ l |  |イ V l:l ',`:| ::l l :! !:|
     V////:7   :|   ! ,' イ!/,'  / j,' |  l j!イ ,/ ! ハ ,' | l !|
     ',:////l|  /!   V| / ´ !/ /   .::/ ' j/_ j/!l /j i :/ /'
      V://. li   l´    i.|,'  ´_== j/   /⌒` |/|//
      ∨| ||  ', l   l  /'´ ⌒`      /// l /
.      ',:!. ,:!  iN   .:',   ////      `      j |    「きょーたろー、衣おねーちゃんのおかずを分けてあげるぞ!」
.         | , |  i i   :',          _,    イ :|
.         ハl   :| :!  :ヘヽ       ̄      イ:|
          ハ:j   :| :!   ::', l >  _  _  <  ! !   |       l!l!l!!
.         ハ   i  |   :',j       「!  |  :| |   .ハ     j!l!l!|
         ハ   :|      |      ::ト---ヘ‐L::」 _  .:ハ    /  '
       ハ  _,' イ|    |       `   _∧∨  ヽ ',  l /
      ,' /   ー:i    ::!_        /  ! |    ', ', //
      / /       |   :| `ヽ    /      | |     l r∨/


 衣が自分の大好物のエビフライすら分けてあげている。

 最も、さすがの京太郎も遠慮はしているが、衣が喜んでいるのが伝わってくる。


 「何だか、私まで嬉しくなりますわね」


 透華の中に残っている、衣に関する罪悪感。

 少しだけ楽になれた気がした。
694 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:52:17.83 ID:kFyDAuQpo

 9/10


 ……
 …

 それから京太郎が龍門渕に呼ばれるたびに、衣は京太郎と遊んでいた。

 衣にとっては麻雀と関わらない相手というのも新鮮だったのだろう。

 まるで本当の姉弟のようにーー兄妹に見えてしまうのはご愛嬌ーー二人は仲良く過ごした。

 京太郎もおおらかで、恥ずかしいだろうに受け入れてくれたことも大きい。


 「本当、自慢の弟ですわ」


 透華は鼻が高い。

 幼い頃から『格好いい男の子』になるための教養を身につけさせてきた甲斐があったというものだ。


 「ふむ、きょーたろーの高校もインターハイを目指すのか」

 「ええ、手ごわいですわよ」

 「ふふっ、衣おねーちゃんに敵などいない!

  きょーたろーには姉の威厳を見せてやろう!」

 「頼もしいですわ。

  確かに。衣がいれば百人力ですわ!」


 そうだ。牌に愛された子である衣がいれば負けなどあり得ない。

 仮にインターミドルチャンピオンの原村和が相手であれ、宮永照の妹が相手であれ、衣の方が強いに違いない。

 それに、透華とて負ける気は無い。

 透華の理念は目立ってナンボ。原村和より目立って完全勝利するつもりに変わりはない。


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      /   / /   l  /  / l   l   l ヽ    ヽ        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
      .l   l  l   l  /  /  }  / }   l  l    .l i          `丶、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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      l   l  l   l {  /州/ / / }  /l  l  l l  } }               `丶、:.ヽ
     l   l  l   l小 z≠=ミ/' / //=リリ  i i //                   ゞ
     .l   l   l   l.Y´/:l:.:.:.} l   //.rfハヾ } .// //
     l   l   ll   〃 {_}:.:.j .l     {_}} ,ノノ/'/ /
    .l   l   l l   l  ゝニン     l::.ノ/ l  l
    /   /   l .l   l        丶  i .l  ll   「大船に乗ったつもりでいるといい!」
   /    /   l l   l      、__   ノl l  l.l
  ./    /    l l   l. >、     <l l .l  l l
. /    /     l l   .lヽ_.`i - ´ }  l l ',  l i
/    / . -- _ - ´l    l__7-ミ-<⌒ l l  ヽ ヾ
    //´    ヽ l    l:.:.:.:.:.Y::ノ--、:.:`ヽリ\ ヽ ヽ  /⌒⌒\-、

                   l´    ,'::\ヽ∨//_ ヘ:l:.   ',
                   l     !| ̄  ̄/' ´     ',ト::    ',
.                    ,'   Y    /'        l!∨   ',
                  /   :,'_!|__.{(   _≦千‐<へヽ
.                 //レ//「 ',l -- ´ \   ‐‐ /  ',iヽヘ`ト、
                 //ノヘ // -ヽ_‐   |  , ====ミ  !|:: :: `\
               //  :::i! ! '´ ̄ ̄`  /      ` jレi::: :::.  ', \
.              ///   :::|ヘ.',        '        /!´ !::::   ∧ `',
              // {    ::::|  ト     ー-....‐:::丶l    ,'  }:::   ノ  i!
.             l ! ヽ   :::\.ヘ    ',::::::::::::::::,'     -'/:::  /ヘ. j!
              ヾ / \   ::ヽ人    ヽ:::::; -'-‐っ /「/:::  :::   ∧
.              ∨  ::\  ∨!>   . /, ィ≦ イ  /:  ∧::    ヘ    「これで一安心ですわ!」
              /   ::/ ヽ :∨::_レ ´ ヽ _.,ィl }┤ ::|:::  / ∨    \
.             /    /   !_ |/  \  ヽ'‐ヘ」つ、:!:: :{  ::\    :::\
              /  --‐‐ フ::::::ヽ       /´__   l  ├──-ヽ _  ::\
.           / / \ イ::::::::::::::::::::ト  r‐‐   {/ /   ヽ::: \     |  `.i \ ト、
.           /  !  イ⌒ヽ:::::::::::::::::∧ヽ    __ 、イト 、   / \ ヽ   l      \ \
695 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/06(火) 01:52:47.33 ID:kFyDAuQpo

 10/10


 ……
 …

 ・夜、スカイプにて


      /:./{ミミ:.:.:.彡≧:.:.\
     /:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\i
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  |:.:|:.八 :.:./7:/|/ ノ|:.:.:. /| |:.|:.:|:.:.:.:.:.ハ
  |:.:|:.:.:.:.Tイ示气   ̄ 示气T:.:.:.:.:.:
  |:.:|:.:.:.:.:. ` ヒ...リ     ヒ..リ |:.:.:.|:.:.|
  |:.:|:.:.:.:.:∧           :.:.::.|:.:.|
  |:.:.\:.:.:.∧     '    .::\:|:.:.|
  |:.:.:.:. \:.∧    --    ム:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.:.:.:.:.:≧:.::..、     イ :.:.:.:.:.|:.:.|    「ほう、天江衣とは是非話してみたいな」
  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| > <| :.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|:.:.::.:.:>-j     f\:.:.:|:.:.:.|:.:.|
  |:.:.:.|>イ  く       }l |:.:.:.|:.:.|
  |:/      \_  __|l i:.:.:.|\
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    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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    {:::::::{ヽ /\::::|ヽ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    ∨::∧/  _,ヽ| ヽ.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     ∨:::∧ /灯  /}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',   「京太郎を弟にするならば協定を守ってもらわなければいけないな」
     \\∧∨   ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ __
       \. 〉      ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、
          ノ       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
          ヽ -    /::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ̄ `ヽ::::::',
            ` - ./::::∧ //\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  ヽ::::',
               {/|::} 〉/////\::::::::::::::::::::::::::::::::::',\  〉::}
               |} |///////// \:::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ }:/
                  |/////////////ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',


          / \_/\-―‐-y'´ \
         /-‐y'"  ,ヘ ヽ  / ∧   \
          /     ! \ヽ/ //i     ヽ
           ,:!.     |'"´`゙ y''"´ ´|      i
            | |     i |   /′   | i    .|
.           i |     ハ|   〈.!    | |    |
          !/   / |!   ヾ、   |ハ    |
          /    廾ー-_、__,  )!、_,._-‐┤  .゙、   「ーーーー!!!?!?!?!?!」
         /   /./ fr、))  /′ fr、i) ゙、   `、
       /.イ   ∧|  ゛'"     `゙'"  ト、    丶
.      ///    ハ._ヾ⊂⊃      ⊂⊃ !人   ヾ、、
      i/ i ,i  〈  `,!             / .リ )  i、 ヽ!
.   /リ 、ソ   Y´;/i\.  ∠ニゝ ,..イ   /   |ノ ノ
  /      >、  ヽ!   `ー---イ´|:.:.:`ヽ/    / \
/   /:Y´:.:.:\   \       / |:.:.:.:/     イ、   \


 ーーなお、守るべき人が増えて、透華の胃は壊れた。


 カン!
696 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2016/12/06(火) 01:53:16.41 ID:kFyDAuQpo
とーかおかーさん、情操教育に必死
京一とか好きなんだけどシチュが浮かばんなぁ
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 02:00:51.88 ID:MxOE0tDHo
とーか頑張れ…
しかしこのころたんだと最初は慢心しててもお姉ちゃんパワーで覚醒しかねないがどうやって勝つんだ…?
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 02:09:57.94 ID:fdnPMK4To

ころたんかわいい
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 02:48:51.67 ID:Thvih8tN0

更にのどっちと言う地雷も抱え込むのか
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 06:56:04.00 ID:e0lulr3Uo
乙です
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 18:07:51.36 ID:3byuALbD0
乙です
お姉ちゃんパワー満タンの衣をどうこうするには、咲が完全に魔王化でもしないと…(どう足掻いても闇堕ち)
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 01:09:06.32 ID:uNeFJny20
乙でした!!
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 02:06:14.72 ID:TtOvPQ3l0
乙です
京小で傾国な九尾を降ろしてしまった姫様がイケ魂である京ちゃんをロックオン
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 08:20:17.70 ID:3z7EUMAn0
おつー
>>703
その九尾、あわあわ言ってませんかねぇ……
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 08:53:56.93 ID:DS8z56Hn0
迫られるとあわあわしだすチョロさに定評のある方の九尾様だな(確信
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 14:50:22.26 ID:HRGk8rQXo
乙です
お金持ち次元まってました!
とーかには本当に頑張ってほしい
707 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/10(土) 21:43:12.11 ID:/bw8oZ8Fo

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 445
 【夏休みの追い込み!】-京穏次元-


 受験生にとっての夏休みは遊ぶ時間ではない。

 自分の考えた進路に向かって頑張る時期だ。

 もちろん、高鴨穏乃にとっても例外ではない。


 「ここはこうで、こうしてこうで……」

 「しずー、終わったー?」

 「あー! 憧が話しかけてくるからわからなくなったじゃん!」

 「私が話しかけたくらいで集中力が途絶えてるならまだまだよ。

  本番じゃ緊張するんだから、手癖で解けるようになっときなさい」

 「うぐっ。

  憧のくせに正論を……」


 1日の授業を終えて勉強するのと、1日中自由な時間から勉強時間を捻出する。

 人によってどちらが大変かは分かれるだろう。

 時間があるからこそ遊んでしまったり、自分を制御できなかったりする。

 穏乃はそういうタイプに当てはまる。家の手伝いなど、忙しい時には頭が働くのだが、時間があるとサボってしまうのだ。


 「ほら、須賀くんと一緒の大学に行くんでしょ?」

 「うー」

 「一年の頃から頑張ってたんだからもう少しじゃない」

 「憧はすごいよなー。

  そんなに余裕で……」

 「ま、私は私で目標があるからね」


 穏乃が勉強している後ろで呑気に女子高生向けの雑誌を読み漁っている。

 ベッドに体を預け、薄いワンピース一枚のみを羽織っている。

 暑いからか棒アイスを咥え、足をパタパタと動かしている。


 「憧、なんか……」

 「?」

 「なんかやらしい」

 「はぁ!?

  そんなこと言う口はここかー!」

 「なんだよー!  自分ばっかり成長してー!」

 「どこ見て言ってるのよ!」


 もちろん胸である。
708 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/10(土) 21:43:40.99 ID:/bw8oZ8Fo

 2/10


 「憧は私と同じ持たざる勢だったのにさー」

 「ふふん。バストアップ体操のおかげかもね」

 「私もやろうかな」

 「須賀くん、おっきいのが好きそうだもんねー?」

 「それは関係ないだろ!?」

 「胸の大きさ気にしてるのってそれが原因でしょ?」

 「そ、そう言うことも……あるけどさ……」

 「はいはい沈まない沈まない。

  穏乃は穏乃の良さで須賀くんの好感度は高いんだから」

 「そうかな」

 「そうなの」


 思い切り伸びをしてシャーペンを放り投げる。

 なんだか勉強する気分じゃなくなってしまった。


 「そーいえばさー」

 「んー?」

 「憧の胸が大きくなったのって、東京行ってからだろ?」

 「そういえばそうね」

 「都会に行って胸が大きくなるのかぁ」

 「しずも行ったじゃない」

 「なんで大きくならないんだろ」

 「そんなこと言われても」


 都会に行くと胸が大きくなる(意味深)


 「大学に行くときはさ」

 「うん」

 「思いっきりおめかしして行きなさいよ?」

 「なんで?」

 「ギャップ萌えって奴よ。

  須賀くんが穏乃に対してどう思ってるにしろ、いきなり女の子らしい格好を見せたらドキッとするでしょ」

 「そうかなぁ」


 穏乃は少し考えてみる。

 まずは女の子らしい自分を想像してーーダメだ、この時点でうまくいかない。

 とりあえず自分の親しい知り合いが急に女の子らしい格好になるところを想像してみる。

 男の子顔負けで遊んでいた女の子が、急に女の子らしい格好になる。

 あれ、なんだかデジャブがーー
709 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/10(土) 21:44:10.63 ID:/bw8oZ8Fo

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  /: :/: : /: : :/: : : : /: /   ヽ: : : : : : ヽ: : : : : :V: : :V: : : : :ヽ
  /: :/: : /: : :/ : : : /: :/    ヽ:、: : : : : i : : : : : : V: : V: : : : : ヽ
 /: /: : :/: : :/< : : ハ: !     }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
 : // : /: : :ハハ:\:! {:{     }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{     ̄/ ハ:ノ  !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
 Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云       〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
    ∨ V: ハヾ{7///}      {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
        ハ:ハ 弋//ソ       弋//ソ イ: !  }:/: : : : : : : : : : :}: :}
       {: :ハ ,:,:,:,:,        ,:,:,:,:,  }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }
       |: :| !      ′       u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
       |: :| ヽ     、_,、_,        /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}   「それ、憧じゃん」
      l: :l   >    ヽ ノ      ´ト //  !: : j: : : : : : : : : : W
      ヽ:ヽ   r≧....._  <..-‐: ̄//}  }: : ハ: : : : : : : : : :}
       ヽヘ   〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
      __ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
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         |:|/{: : : :/ゝイ ∨\      \\: :∨:/   「ふきゅっ」
          |/: : : /  イ {,∠‘,         \',:|:|
       //: : /  {⌒YY´   人        \|:|
.     /  ′:/   /l_/Т\_i: : :\         ̄ヽ
     /    |: : |{/   \/|/|_ | : : : ∧          |
.    /   八: :|′    o    八: : : { \        |
  _/_彡   ヽ{           \: :\ |:\       /
 /       人                ̄ |: : :l>―┬
./       /  }     o         |: : :l : : : : |


 「なんで私なのよ!」

 「だって、小学生時代から考えたらビックリしたよ」

 「普通の女子中学生ならオシャレに目覚める年でしょ!?」

 「そうかなぁ……。

  玄さんとか宥さんとか灼さんとかあんまり変わらないイメージが」

 「そのあたりは特殊だから忘れなさいっ」


 女子だけで集まってしまえば、二つのパターンに分かれる。

 一つは自分たちの想像の中の男の子に合わせるためにオシャレを磨くパターン。

 一つは女同士だからと女磨きを忘れる喪女パターン。

 悲しいかな。部活という空間に隔離されてしまっていた阿知賀女子は後者のパターンだった。

 逆に環境の変わる女子校に行った憧は前者のパターンだ。

 最も、彼女はもともと自分の想像の『王子様』を妄想する癖があったのだが。
710 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/10(土) 21:44:40.29 ID:/bw8oZ8Fo

 4/10


 「とにかく、男はギャップ萌えに弱いの!

  これは間違い無いんだから!」

 「なんかイマイチ例えがダメだった気がする」

 「宥姉がデートのためにちょっと生足が出るような格好をして来たらグッとくるでしょ?」

 「熱でもあるのかと思うよ」

 「……そうね。私もそう思うわ。

  じゃあ玄が頑張って……、いや、なんでも無いわ」

 「玄さんならドン引きするくらい前準備しっかりしそうだよ」

 「あえて言わなかったのに……。

  じゃあ、普段私服のセンスが壊滅的な灼さんがデート用のちょっと小洒落た服を着てくるのはどう!?」

 「あー」


 それならなんとなくわかる気がする。


 「普段からクールで付き合っている彼氏にもデレないんだけど、デートの時だけはちょっと奮発して頑張っちゃうのよ」

 「それは確かに可愛いかも」

 「でしょ。

  女の子らしい服装をして、表面上はいつもと変わらないクールな表情を見せているの。

  でも、よく見ていると顔を赤らめて俯いている感じで」

 「憧、なんか少女漫画みたい」

 「うっさい!」


 なんだか灼さんに謝らなければいけない気がしてきた。

 卒業してからは連絡を取っているわけじゃないけれど、彼氏が出来たりしたんだろうか?

 あの灼さんに彼氏が出来て、そんな女の子らしい一面があるってわかったら。

 ーー確かにそれは可愛いかもしれない。


 「でも、それって私でもできるのかな」

 「出来るわよ。

  だってしず、普段着飾らないじゃない」

 「動きづらいもん」

 「ファッションなんて我慢してナンボでしょ。

  冬の女子高生がどれだけ寒いのを我慢して生足見せてると思ってるのよ」

 「あんまり寒いと思わないから」

 「そりゃアンタは動き回ってるから寒くないんでしょ!」


 適当に会話を誤魔化しながら考えてみる。

 ちょっと無理して可愛い格好をして見たら京太郎はどういう反応をするだろう?

 会っていきなり褒めてくれたりして。

 いや、それは恥ずかしすぎる。

 灼さんみたいに一見興味なさそうだけど、顔を赤らめてたり。

 こっちかもしれない。
711 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2016/12/10(土) 21:45:09.29 ID:/bw8oZ8Fo

 5/10


 そんな風に考えていたら、憧がニヤニヤしながらこっちを見ているのに気づいた。


 「しずー」

 「な、なんだよ」

 「百面相しちゃって、だーいーたーんー」

 「な……っ!」


 顔に出ているのをしっかり見られたようだ。

 一体どんな顔をしていたのだろう。


 「まったく、どっちが『少女漫画みたい』よ。

  しずのほうがリアルに少女漫画みたいな付き合いしてるくせに」

 「う、うるさいな」

 「須賀くんが喜んでくれるなら、ちょっとやってみない?」

 「い、言われなくても」


 和から色々聞いていると、京太郎は女の子らしい女の子が好みらしい。

 今の自分を無理に変