右京「成しうる者が為すべきを為す……ですか」

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38 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/11(日) 23:29:29.60 ID:miIj6Enh0
米沢「少々お待ちを…………あっ! ありました! 事件当日12時3分!」

右京「所属はどちらでしょう?」

米沢「法務省……公安調査庁……ですな」

亀山「公調!?」

右京「どうやらこの事件、我々の想像以上に入り組んでいるようですねぇ……」

亀山「とりあえず、公調にいって話ききますか」

右京「そうですね。すぐに向かいましょう」
39 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/11(日) 23:30:34.88 ID:miIj6Enh0
今日はここまでです。
次の週末には必ず更新します。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 23:54:44.78 ID:T01MTynA0
ダークナイトの犯罪係数やばそう
41 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 22:16:33.82 ID:LWZRxCap0
公安調査庁へ向かう車内

亀山「でも、公調はなんで被害者の身元を隠蔽するような真似をしたんですかね」

右京「おそらく被害者の男性は公安調査庁の職員だったのでしょう。公安調査庁はその仕事の性質上、身元を隠して行動することが多いですからねぇ。あの部屋の生活感のなさも、何かしらの任務に使う部屋だったからと考えれば納得がいきます」

亀山「なるほどね……。それにしたって、死んでまで身分を隠さなきゃならないもんなんすかね?」

右京「何か只ならぬ事情があるのは確かでしょう」

亀山「公調が色々持ち去った時盗聴器が回収されてないって事は、盗聴器は公調じゃないだれかが仕掛けたって事ですよね」

右京「そうですねぇ。それも状況的にはおそらく犯人。そして公安局と犯人はどうやら『お仲間』のようです」

亀山「公調の職員が殺されて、その犯人を公安局が庇っている……なにが起こってるのやら」

右京「亀山君、そこ右です」

亀山「あ、はい」

42 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 22:23:13.28 ID:LWZRxCap0
公安調査庁

受付

亀山「あのーすみませーん」

受付「はい、なんでしょう」

シャシンスッ

亀山「この写真の方の所属、教えていただいてもいいですか?」

受付「あの……すいません、どなたですか?」ジロリ

杉下「申し遅れました。警視庁特命係の杉下と申します」

亀山「同じく、亀山です」

受付「ああ、警察の方だったんですね。その人は確か、調査第二部の磯村省吾課長です」

右京「そうでしたか。磯村課長にお会いしたいのですが、取り次いで頂けますか」

受付「少々お待ちください」
43 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 22:48:46.11 ID:LWZRxCap0
公安調査庁舎内

調査第二部

磯村課長「それで、警察が私に何のようかな?」

右京「ある殺人事件のことで、磯村課長からお話を伺いたいと思いまして」

磯村「……警視庁の刑事は思ったより優秀だな」

右京「恐縮です。ということはあなたがが被害者の持ち物を現場から?」

磯村課長「ああ」

右京「なぜ被害者が殺害されたとすぐに分かったのですか?」

磯村課長「メールが届いてね」

亀山「メール?」

磯村課長「ああ。殺された彼からメールが来たんだ。それが途中で途切れてたんで、どうも怪しいと思って彼が潜入捜査に使っていた部屋に行ってみたら……」

亀山「すでに殺されていた…」
44 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 22:51:18.92 ID:LWZRxCap0
右京「つまり、貴方は被害者の潜入捜査がばれてしまい、それが原因で被害者が殺害されたと考えた。だから犯人の仲間が後から現場に戻ってきて被害者の身辺を漁っても、公安調査庁の情報などが外部に漏れないように処理をしたというわけですか 」

磯村課長「その通りだ」

亀山「その時点で警察に通報してくれれば……」

磯村課長「もし犯人やその仲間がのこのこ部屋を訪れれば、なにか手掛かりを掴めるかもしれないだろう? もっともお節介な誰かが君たち警察を呼んでしまったみたいだが……」

亀山「はあ……」

右京「磯村課長、もしよろしければ被害者の携帯電話や手帳などをお借りできないでしょうか?」

磯村課長「いや、それはちょっと……我々の仕事が仕事なのでね。さあ、聞きたいことは聞けただろう。もう帰ってくれ。こう見えて私も忙しい身でね」

右京「では、もう一つだけ」

磯村課長「……なんだ」

右京「潜入捜査の標的は、どこだったのでしょう?」

磯村「残念だがそれも答えることはできん。さあ、はやく帰ってくれ」
45 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:06:42.73 ID:LWZRxCap0
公安調査庁 駐車場

亀山「磯村課長、なーんか隠してますね」

右京「僕もそう思います」

亀山「そういえばさっき、どこに潜入してたのか聞いてましたけど……革龍会じゃないんですか?」

右京「被害者と磯村課長の所属は調査第二部でした。調査第二部は国外の組織の監視が主な任務です。おそらく彼らは革龍会をメインにマークしていたのではなく、それを足ががりにして何か別の組織のことを探ろうとしていたのではないかと、僕は考えています」

亀山「まあそれが分かっても、被害者の持ち物隠されちゃあ俺らはお手上げですよ」

右京「それについてなのですが、一つ、僕に考えがあります」

亀山「考え?」
46 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:17:55.03 ID:LWZRxCap0
プルルル……プルルル…

右京「……もしもし? 米沢さんですか? 一つ調べてほしい事があるのですが」

米沢『何でしょう?』

右京「磯村省吾という人物が警察庁に在籍していませんか?」」

米沢『磯村省吾ですか……ありました。以前に公安外事三課の課長補佐を務めてます。現在は公安調査庁調査第二部で課長をやっとりますな』

右京「では彼の住所を教えていただけますか?…………はいわかりました、ありがとうございます」ピッ

右京「やはり磯村課長は警察庁からの出向だったようです」

亀山「よく分かりましたね」

右京「公安調査庁には警察庁からの出向組が多いですからね。もしやと思っただけです」

亀山「右京さんがカンでもの言うなんて珍しい」

右京「それより亀山君、ここに向かってください、東京都…………」
47 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:27:30.81 ID:LWZRxCap0
磯村省吾のマンション

管理人「この部屋です」ガチャ

右京「どうもすいません」

管理人「いーえ、終わったら声かけてくださいね」バタン

亀山「どうもでーす」

右京「さあ、被害者の持ち物を探しましょう」

亀山「本当にここにありますかねー……しかもこれ、明らかに違法捜査……」

右京「ここに無ければ他を当たるまでです。それに、僕に無理に付き合えともいいません」

亀山「いえ! こうなったら俺もとことん探しますよ!」
48 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:37:11.37 ID:LWZRxCap0
………………



亀山「右京さん! これじゃないっすか!?」

右京「破れた手帳、壊されたスマートフォン 、カードですか……」


右京の携帯電話 プルルル……プルルル……ピッ


右京「杉下です」

小野田『もしもし? 僕だけど』

右京「官房長でしたか。なんのご用でしょう?」

小野田『例の殺人事件、調べてるらしいね?』

右京「現在も捜査中です」

小野田『法務省の方から抗議がきました』

右京「抗議ですか……。僕としては礼儀正しくしていたつもりなんですがねぇ……」
49 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:45:21.02 ID:LWZRxCap0
小野田『まあお前の礼儀は置いておくとして……例の磯村課長、これから直接僕のところに来るみたい』

右京「直接抗議とは、だいぶお怒りなのでしょうか」

小野田『とにかくそういう事だから、お前も今から来て一緒に謝ってくれる? 僕一人だと、どうも具合が悪くなりそうだから』

右京「そういうことなら、伺います」

小野田『お前の事だからもう買ってあると思うけど、手土産もしっかり持ってきてね』

右京「わかりました。では後ほど」ピッ

亀山「官房長ですか?」

右京「ええ。官房長のところに磯村課長が来るようです。我々も向かいましょう」
50 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/18(日) 23:47:45.29 ID:LWZRxCap0
今日はここまでです。
誤字脱字や矛盾等ありましたらごめんなさい。
次の週末には必ず更新します。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 01:27:21.02 ID:BVsCcogYo
おつ
この時代の国外組織って武装勢力しかいなさそう
52 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:02:05.01 ID:lBaK/pD70
警察庁・官房長室

右京「失礼します」

亀山「失礼します」

磯村「……」

小野田「ああ、来たね。もう会ってると思うけど、こちらは公安調査庁調査第二部の磯村君。僕の後輩です」

右京「つまり、官房長の公安部長時代の部下ということですね」

小野田「まあそういうこと。磯村君、もう知ってると思うけど、こちら警視庁特命係の杉下と、亀山君です」

右京・亀山 ペコリ

磯村「官房長……私は、すでに解決済みの事件を掘り返す刑事について捜査を止めさ

小野田「杉下がどうしても君に謝りたいんだって」

右京「先ほどは、不快な思いをさせてもうしわけない。色々失礼なことをしてしまいました」ペコ

亀山「ほんとにすいません!」ペコ
53 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:18:25.90 ID:lBaK/pD70
磯村「いや……私は別に……」

小野田「で、それだけの失礼をした成果はあったのかな?」

右京「磯村さんの部屋で、これを見つけました」


スマートフォン・手帳・カード


磯村「!? 勝手に私の部屋に入ったのか!」

小野田「これはまずいね。令状なしの家宅捜索は違法捜査。お前の正義はいつも暴走する」

磯村「そうだ! ふざけるな!!」

右京「磯村さん、失礼を承知で、一つお聞きしたいことがあります。職務上の理由にもかかわらず、保管場所が自宅だったのはなぜでしょう? 普通業務上の理由なら、然るべきところに保管すると思うのですが……」

磯村「なんだと!? そんなことは私の勝手だろう!」

小野田「まあまあ落ち着いて。……それで磯村君には悪いんだけど、これ全部、うちで預からせてくれない?」

磯村「!? 官房長……いやしかし……」
54 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:25:14.01 ID:lBaK/pD70
小野田「事実関係を明らかにするのが我々警察の仕事ですから。こうなった以上、利用しない手はない」

磯村「私は彼の殺害に一切関与していない! 調べても何も出てきませんよ!」

右京「それは我々が判断します」

磯村「……もういいですよ!…… 失礼します」


バタン!


小野田「あーあ。怒らせちゃった。お前のせいだよ」

右京「それで、こんなことをなさった、官房長の目的はなんでしょう?」

官房長「ほんとに、お前に隠し事は出来ないね……最近大きな動きが厚生省にあるの、知ってるかな?」

亀山「大きな動き……ですか?」
55 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:41:47.78 ID:lBaK/pD70
官房長「国境警備にサイマティック・スキャンが使われてるのは知ってるよね」

右京「入国希望者の心理状態をシビュラシステムを使って解析し、入国に問題がないかどうかを調べるためのものですね」

官房長「そう。入国希望者といっても、大半が難民なんだけど。まあそれはともかく、あれを国内の治安維持に利用しようとする動きが厚生省にあるの」

右京「と、仰いますと?」

官房長「最近メンタルケア系の病院なんかで使われてる精神色相チェッカーを町中の防犯カメラに搭載して、色相が著しく濁っている人物、つまり犯罪をおかす一歩手前の人物を、事が起こる前に捕まえて施設送りにしようってとこかな」

亀山「え!? 犯罪を犯す前でも、捕まる可能性があるってことですか?」

官房長「そういうこと。色相の濁りがある人物が街頭カメラで認められたら、公安局が現場に急行。シビュラに直結の専用機器で再度調査後、結果次第で逮捕。場合によっては即時処刑って流れみたい」

亀山「即時処刑!?」

官房長「怖いよね。裁判すら無しで死刑にされちゃうんだから。もう警察も裁判所も必要ない」

亀山「そんなっ……第一、そんな法案通るわけが……」

右京「通らないとは言い切れないと思いますよ。最近の政治家のウリは専ら厚生省シビュラの公認ですからね。厚生省の意向に逆らって、公認を外されるのは面白く無いでしょう」
56 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:55:35.14 ID:lBaK/pD70
官房長「そんな訳で、我々警察庁としてはなんとしても阻止したいわけ」

右京「それで公安局が不自然に介入してきたこの事件を、表向きは厚生省の言うとおりにしておいて、裏で我々に調べさせたい、というわけですか」

官房長「さすが、よく分かってるね」

右京「しかし、事情を鑑みると腑に落ちないのが磯村課長のあの対応です。本籍は警察庁で現在は法務省に出向中という身分の彼が、なぜ捜査に非協力的なのか……」

官房長「警察庁はもちろん、法務省もこの法案は面白くないはずだからね。僕もてっきり協力を取り付けられると思ったんだけど」

亀山「まあ、この事件の真犯人をあげれば全部解決ですよ」

官房長「それが簡単に出来れば苦労しないんだけどね。……とりあえず、この件は君たちに任せます」

右京「分かりました。…では、我々はこれで。亀山君、行きましょう」

亀山「失礼します!」
57 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/24(土) 23:56:31.35 ID:lBaK/pD70
今日はここまでです。
出来れば明日も更新します。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 09:16:04.82 ID:tf6KQdTSO
乙です。
登場人物全員脳内再生余裕すぎます!
続きを楽しみにしています。
59 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 22:47:54.98 ID:zAdp1Ne/0
レスありがとうございます。
次に投降する1レスだけ地の文が入ります。ご了承ください。
60 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 22:50:12.85 ID:zAdp1Ne/0
その日の夜 磯村自宅近くの路地

磯村は自宅までのいつもの道のりを、少し疲れた様子で歩いていた。
警察に梅沢の持ち物が渡った事が気がかりだった。もちろん最低限の処理はしてあるが、自宅に保管することにしていた為、処理は甘い。データはいくらか復元されてしまうだろう。
だがあの計画が露見するまでの事態にはなるまい。いや、そうでなくては困る。なんとしても計画は完遂しなければ……。殺された梅沢の最期の悲願だったのだから。

ドン!

その時、突如胸に衝撃が走った。痛みで思わずその場にうずくまる。走り去る人影が右目の端に映った。
拳銃で撃たれたのだ。それもおそらくあいつらに。梅沢を殺した裏切り者め……!

おそらく折れているであろう肋骨をかばいながら、磯村は携帯電話を取りだした。
61 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:14:50.31 ID:zAdp1Ne/0
翌日 警視庁・特命係

亀山「右京さん、聞きました? 昨日磯村が撃たれたって話!」

右京「ええ、聞きました。自宅に帰るところを狙われたとか」

亀山「まあ幸いにも、磯村は防弾チョッキを着てて、骨折で済んだみたいですけどね」

右京「どうやら磯村課長は、自分が誰かに命を狙われていると知っていたようですねぇ」

亀山「一体誰が磯村を銃撃したんですかね? 普通に考えれば、例の事件の被害者を殺した犯人でしょうけど……」

右京「僕もそう思います。この二件が無関係だとは到底考えられません」

亀山「とにかく、磯村の家から手に入ったものから何かわかるといいっすね。とは言っても、手帳はほとんどのページが破かれてるし、スマホも壊されてるし……望みは薄そうですけど」

右京「米沢さんの力に期待するしかありませんね」
62 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:25:22.96 ID:zAdp1Ne/0
米沢「失礼します。諸々作業が終わりましたので報告に上がりました」

右京「いつもすみませんねぇ」

亀山「待ってました!」

米沢「いえいえ。スマートフォンのデータですが、損傷が激しくてほとんどデータが吹き飛んでいました。復元できたのは最後のメールと、通話履歴だけです」



最後のメール

無題

本文 彼らを頼みま



亀山「途中でとぎれてますね」

右京「彼らというのは誰を指しているのか……何を磯村課長に頼んだのか……これだけでは何もわかりませんね」
63 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:35:06.02 ID:zAdp1Ne/0
亀山「通話履歴のこのKとかQとかいうのは革龍会のやつですね。トランプをもじった暗号名!」

右京「やはり彼は革龍会を足がかりにしていたようですね」

亀山「じゃあこのIとAPってのはなんでしょう? Iって人とは、やたらやり取りしてますけど……」

右京「ならば、Iはおそらく上司の磯村でしょう」

亀山「APってのは?」

右京「それはまだこの段階ではわかりません。米沢さん、この番号の所有者はわかりませんか?」

米沢「残念ながら番号は改ざんされていました……。それとカードの利用者は梅沢秀一で登録されていました。これが利用記録です」



右京「……服を大量に購入していますねぇ」

亀山「こんなたくさんの服、一体どうするつもりだったんすかね?」

右京「現場となった梅沢さんの部屋に、服はあまり多くありませんでした。大量の服は果たして今どこにあるのでしょうねぇ……。手帳の方は?」

米沢「これと言って収穫はありません。ページがほとんど破られている上、指紋も梅沢と磯村のものだけでした。唯一残っていたのは、後ろのメモ…この部分だけです」

64 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:40:04.64 ID:zAdp1Ne/0
APに提供

・NIRV 済

・SH 済

・C 4 済

亀山「またAPか……。訳わかんないっすね」

右京「現時点では、足りないピースが多すぎるようです」


角田「おい! ビックニュースだぞ!」バッ!!

亀山「もーなんですか? いきなり」

角田「テレビつけてみろ!」

亀山「テレビですか?」ピッ
65 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:41:24.31 ID:zAdp1Ne/0


テレビ『……繰り返します。現在、何者かが子供たち四人を人質にとり、政府に対して、いわゆる『廃棄区画』に住んでいる人々の生活改善を要求している模様です……』

66 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/25(日) 23:47:14.19 ID:zAdp1Ne/0
厚生省 公安局長室

禾生「磯村をしとめ損ねるとは……君には期待していたんだがね」

局員A「申し訳ございません……」

禾生「今のところ情報の漏洩は確認されていないのかね?」

局員A「はっ! 現在のところ、確認されておりません」

禾生「しかし梅沢と、例の電話の相手が公安調査庁の職員だったとはな。法務省に出向中の警察キャリアなら、情報が警察庁に漏れることも覚悟はしたが……」


ドアバーン!


局員B「き、局長! 大変です!」

禾生「なんだ? 今重要な……」

局員B ミミウチ

禾生「……!! なんだと……!」
67 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/26(月) 00:01:15.71 ID:l/Iffw4v0
今日はここまでです。
>>63の番号改ざんの下りは、相棒S15の元旦SPの犯人からの電話をイメージしてください。
週末には必ず更新します。もしかしたら水曜にも更新できるかもしれません。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 08:52:24.22 ID:3C6/bphSO
乙です。
もうこれをシナリオにして新作ドラマ作って欲しいレベルなんですが……それくらい面白いです。
69 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:05:00.51 ID:EOkzRA7J0
レスありがとうございます!
少しですが更新します。
70 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:12:16.36 ID:EOkzRA7J0
>>63の番号改ざんの下りは、相棒S15の元旦SPの犯人からの電話をイメージしてください。


廃棄区画人質篭城事件特別捜査本部

中園「えー現在、日本政府に対して、廃棄区画の住人の生活改善を、人質をとって要求するという卑劣な事件が発生している。
皆も知っていると思うが、廃棄区画は社会に適合出来ていないものが住みつき、犯罪の温床になっているとも言われている地域だ。到底、犯人側の要求をのむことは出来ない」

内村「この事件は我々刑事部だけではなく、厚生省公安局・警察庁警備局・公安部も別口で捜査に当たる。刑事部のメンツにかけて、奴らより早く事件を解決するんだ。いいな!」

捜査員一同「はい!」

中園「では今から、犯人グループの犯行声明を流す。現在報道がなされている犯行声明は規制がかけられたもので、これから流すものが犯人グループが流した完全なものだ。ニュースなどで目にしたという者も、しっかりとみておけ」
71 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:20:15.64 ID:EOkzRA7J0
大画面モニター

刃物を持った覆面の人物と、荒廃した部屋に拘束され喉に刃を突きつけられた子供達

変声機音声「我々は日本という国に捨てられた人々全ての意見の代弁者だ。

今から述べる要求に日本政府が応じなかった場合は、ここにいる4人の穢れ無き子供達と、そしてここ日本で暮らす民の命が失われる事になるだろう。

我々の要求は、2020年以降の鎖国政策によって切り捨てられて言った人々、即ち棄民政策の対象となり海外に打ち捨てられた人々とその子孫の救済、

そして現代日本で生きる限り保障されているはずの生存権を無視され、ネズミのごとき生活を余儀なくされている廃棄区画住人の生活改善である。

日本政府の賢明な返答を期待する……」
72 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:31:40.59 ID:EOkzRA7J0
捜査員「……」ザワザワ

中園「静粛に! ……犯行声明の発表からすでに約2時間が経過している。時間が長引けば長引くほど、人質の負担も増す。何としても迅速に犯行グループを確保・人質を救出しろ! 」

捜査員一同「はい!」

中園「ではまずこの人質になっている子供達の身元についてだが、なにか分かったことは?」

捜査員A「まだ何も分かっていません。現在、捜索願が出されている子供に該当する子はいません」

中園「親がニュースをみて気づく場合もある。捜索願が出されたらすぐに照合しろ」

捜査員A「了解しました」

中園「次! 犯人についてなにか判明したことはあるか?」

捜査員B「犯行声明から、犯人もしくは犯人グループは、棄民政……移民政策対象者もしくは廃棄区画出身者と思われます。現在移民政策対象者の中でかつてマークされていた人物及び前科者をあたっています。廃棄区画の方はデータがほとんどなく、照合は不可能です」

中園「人質が監禁されている場所について、何か分かっているか?」

捜査員B「映像を解析した限りでは、廃棄区画の何処かである可能性が高いかと」
73 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:39:52.76 ID:EOkzRA7J0
内村「よし、まず廃棄区画一帯を捜索……」

右京「1つ、よろしいでしょうか」

中園「なんだ、お前たちは!」

右京「人質にされている子供達の……」

内村「特命係に用はない。 さっさと出て行け!」

中園「特命係に用はない。 さっさと出て行け!」

右京「では、これだけ。強行突入はあくまで最後の手段です。事件解決を急ぐあまり

内村「お前らに言われんでもそんな事は百も承知だ! 」

亀山「すいませんしたー! 失礼しまーす!」
74 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 22:58:00.82 ID:EOkzRA7J0
警視庁・特命係

亀山「棄民政策……か。たぶん、報道規制されたのはこの部分でしょうね」

右京「世界各国の農耕可能地帯を政府が借り受け、移民として国に選ばれた日本人が現地に赴き、住み込みで農耕に従事し日本に作物を送ることで食料自給率をあげようとした政策です。しかしその移民の大半が戦争や内紛に巻き込まれ命を落とした……」

亀山「政府は借り受ける土地の下調べぐらいしなかったんですかね?」

右京「当時日本は急転換の鎖国政策で食料が不足していました。食は配給制となり、社会的な立ち位置によって食料の供給量が変わる傾斜配給方式を実施していたほどです。それによって餓死者も大量に出ていた。当時の政府にしてみたら、土地の安全などどうでもよかったと思いますよ。送りだした人々が食料を送ってくればそれでよし。命を落としたら落としたで国の負担は減るわけですからね」

亀山「嫌な時代ですね……」

右京「ええ。本当に……」
75 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/06/28(水) 23:01:50.08 ID:EOkzRA7J0
今日はここまでです。
同じこと二回かいてしまってすいませんでした。
週末にまた更新します。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/29(木) 22:07:46.81 ID:UYdh9Ua9O

棄民政策云々は公式設定?
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 22:09:23.43 ID:UYdh9Ua9O
さげ忘れすまん
78 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 21:37:38.57 ID:NOS8apKq0
>>76
PSYCHO-PASS GENESISの設定をお借りしました。
79 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 22:02:12.44 ID:NOS8apKq0
亀山「それはそうと、さっき捜査本部で何を言おうとしたんすか?」

右京「いえ、あの映像に違和感を覚えたものですから」

亀山「違和感……ですか」

右京「はい。僕があの映像をみて違和感を覚えたのは、人質の子供達の服装です。全員、長袖をきていました」

亀山「はあ……」

右京「この暑い夏に、普通長袖を着ますかねぇ」

亀山「まあ……冷房がよく効いてる部屋に閉じ込められてるとか?」

右京「廃棄区画に冷房がよく効く監禁場所があるとは、僕にはとても思えないのですが」

亀山「じゃあ……冷房が効いてる部屋から誘拐された……とか」

右京「可能性がないとは言えませんが、普通冷房が効いた部屋では半袖の上から何か羽織り物を着るのが普通ですよ。一歩外にでれば気温30度をゆうに超える暑さなのですから」
80 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 22:17:52.22 ID:NOS8apKq0
亀山「うーん……。ていうか右京さん、例の梅沢さん殺害事件のほうはどうします?」

右京「そちらも、もちろん重要ですが……この2つの事件、どうも僕には無関係に思えないんですよ」

亀山「その心は?」

右京「ありません」

亀山「え……根拠、ないんすか?」

右京「はい、ありません。強いて言うなら……勘……ですかねぇ。この人質事件は梅沢さん殺害とどこかで繋がっている。そんな気がしてならないんですよ」

亀山「右京さんがそんなこと言うの、珍しいっすね。でも、俺もなーんかそんな気がするんすよね……」

右京「それを抜きにしても、今は人質籠城事件の解決を優先しましょう。なにか捜査本部の方で新しい動きはあったのでしょうか」

亀山「さあ……内村部長の感じだと、廃棄区画にローラーかけるって感じでしたけど」

角田「おい! ビックニュースだ!」バッ!

亀山「ちょっ……! またですか?」
81 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 22:33:00.92 ID:NOS8apKq0
警察庁 官房長室


小野田「まあ、お掛けください」

片山雛子「ありがとうございます」

小野田「それで、本日はどんなご用件でしょうか?」

片山「今回の事件に対しての、政府の立場をお伝えしておこうと思いまして」

小野田「テロリストとは交

片山「テロリストとは交渉しない。テロとは断固戦う」

小野田「警察としても、それはもちろん心得ているつもりです」

片山「ええ。そうでなければ困ってしまいますわ」

小野田「では、どのような?」
82 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 22:54:45.76 ID:NOS8apKq0
片山「問題は、テロがおきた事ではなく、犯人の要求の内容です」

小野田「棄民政策対象者と、廃棄区画住人の救済……。棄民政策はたしかお父上が……」

片山「その通りです。政府として報道規制はかけましたが、この情報化社会ですもの。いつまでもつか……いつ国民の『良心』に火がつくか分かりません」

小野田「この国は、昔から朱に交われば赤くなる質ですから。ご懸念はよく分かります」

片山「私だって、父がしたことで出てしまった犠牲はもちろん助けたいんです。でも、今の日本にその余裕はない。そんなことをしたら、国の財政崩壊だけでは済まない事になってしまう……」

小野田「…………」

片山「政府としては、この事件を完全に犯人側……『国に捨てられた人々の代弁者』とやらを、極悪人として片付けたいんです」

小野田「……つまり、犯人に人質の子供を殺させたいと……」

片山「さすがは小野田官房長。理解が早くて助かりますわ」

小野田「しかし、警察にも立場というものがありますから」

片山「もちろん、捜査を中断しろなどという無茶を言うつもりはありません」

小野田「では、どうしろと?」

片山「刑事部は、廃棄区画にローラーをかけるおつもりだとか」

小野田「相変わらず、耳が早いですね……。そう聞いていますが」

片山「なら、私からお願いする事は一つです。何があっても、捜査を中断しないでください」

83 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 23:12:03.94 ID:NOS8apKq0
警視庁・特命係


亀山「で、ビックニュースってなんですか?」

角田「なんと、刑事部でいまから廃棄区画にローラーかけるんだとさ」

亀山「…………」

右京「…………」

角田「なんだか、反応悪いね……。まさか、もう知ってた?」

亀山「まあ、俺たちも捜査会議参加してましたから。……途中で追い出されましたけど」

角田「まーた勝手に捜査会議参加したの。懲りないねー」

大河内監察官「では、また勝手に捜査会議に参加していたんですね」

亀山「大河内さん!?」

大河内「特命係のお二人には、今から私と一緒に刑事部長室に来てもらいます」

亀山「はあ!? なんで俺たちがそんなとこに行かなきゃなんないんですか?」

大河内「特命係のお二人に、捜査情報漏洩の嫌疑がかかっています」
84 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 23:47:37.05 ID:NOS8apKq0
刑事部長室

中園「なんで呼び出されたか、わかっているな?」

亀山「いや、俺たちはなにも……」

中園「現場の捜査員から連絡があった。廃棄区画周辺にマスコミが張り込んでいるらしい」

大河内「ローラー作戦の情報がどこから漏れたのか、我々はそれを調べているんです」

亀山「知りませんよ俺たちは!」

内村「亀山……お前女房はなにをやってる?」

亀山「……帝都新聞…記者ですけど……」

大河内「情報は帝都新聞から広がったとの情報があります」

亀山「だからってそんな横暴な……俺は何も

内村「亀山!」

亀山「は、はい!」

内村「安心しろ。新しい就職先として、近所の居酒屋を紹介してやる……杉下!」

右京「はい?」

内村「お前にも


プルルル……プルルル……
85 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 23:49:42.95 ID:NOS8apKq0
ガチャ

中園「なんだ! 今取り込み中

片山『お久しぶりです、中園参事官』

中園「こ、これはこれは片山先生! ご無沙汰しております!」

片山『内村部長はいらっしゃいますか?』

中園「はっ! 少々お待ちください… 部長、片山議員です」


内村「お電話代わりました」

片山『お忙しいところすいません、内村部長』

内村「ご用件はなんでしょう?」

片山『捜査情報がマスコミにもれてしまったようですね』

内村「申し訳ございません。責任はすべて、うちの中園がとります」

中園「!?」

片山『過ぎてしまったことは仕方ないでしょう。それより、警察が廃棄区画の入り口で、墓石の様に動かないところを報道されるほうが問題です』

内村「では、すぐに撤収させて善後策を

片山『その必要はありません。そのまま作戦を実行してください』

内村「しかしそれでは……」

片山『いいから早くしてください。のろのろと捜査をして、人質になにかあったらどう責任をとるのかしら』

内村「……わかりました。では」


ガチャリ
86 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 23:51:01.75 ID:NOS8apKq0
ガチャリ


内村「捜査は継続だ。マスコミは気にせず、予定通り一斉捜索を行う」

亀山「え!?」

大河内「内村部長……それはあまりにも

内村「これは命令だ! 責任はすべて中園がとる!」

中園「……」

右京「待ってください、内村部長。犯人がニュースをチェックしている可能性もあります。軽率な

内村「特命の意見なんぞきいとらん! 中園!」

中園「…はっ!」

内村「現場の捜査員全員に、捜査を続行するように伝えろ!」

87 : ◆B5ymTArqK7WC [saga]:2017/07/02(日) 23:52:12.05 ID:NOS8apKq0
擬音かぶってしまって申し訳ない。
今日はここまでです。
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