真姫「アイリスのはなことば」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:09:57.62 ID:mwOZ0t6Co

母「うぅっ、ほのかっ」

ぎゅううう


穂乃果「く、苦しいよお母さんっ」

雪穂「……」

母「よかった……本当に、良かった」

穂乃果「……うん。ごめんね、心配かけて」

母「ううん、いいのよ。無事だっただけで……それでいい」


穂乃果「お母さん……私は、あと八十年生きるから……」

母「絶対よ……」

穂乃果「うん、約束する」

母「……うん」


雪穂「ねぇ、なにがあったの?」

穂乃果「……雪穂は何も知らないの?」

雪穂「……うん。お母さんもお父さんも話してくれない」

母「……」

穂乃果「刑事さん……伏見さんは?」

母「医者と話をしてる。もうすぐこっちにも来ると思う……」

穂乃果「話がしたいんだけど、呼んでもらってもいいかな」

母「……えぇ、分かった」


……




伏見「お邪魔します」


穂乃果「あ……!」


絵里「おはよう、穂乃果」


穂乃果「絵里ちゃん……!」


絵里「大変な目に遭ったわね」


穂乃果「……って、車いすって……!」

絵里「体は大丈夫よ。ただ、昨日の今日だから……念のためってね」

穂乃果「そっか……」

伏見「まだみんな寝てるけど、命に別状はないから、安心してね」

穂乃果「はい……っ……ぐすっ……はいっ」

絵里「穂乃果……っ」

穂乃果「よかった……良かったよぉ」ボロボロ

伏見「守るって言ったのに、危険な目に遭わせて……ごめんなさい」

穂乃果「うぅ……」ボロボロ


母「……」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:11:47.05 ID:mwOZ0t6Co

絵里「私もね、お母さんと亜里沙に泣かれちゃったわ……」グスッ

穂乃果「ぐすっ……」

絵里「だから、心配かけた分……私たちはしっかりと生きていかないとね」

穂乃果「うんっ……うんっ」


伏見「……」

母「……」グスッ


穂乃果「みんなはまだ……っ……寝てるの?」

絵里「うん……」

伏見「睡眠薬の治療は適切に行われているから、目を覚ますのも時間の問題かな」

穂乃果「そっか……。絵里ちゃんが一番最初なの?」

絵里「えぇ。私は一口しか飲んでいなかったから。
   でも、にこが結構飲んでたから、もしかしたらにこが最後かも」

穂乃果「そうなんだ……」

絵里「さっき様子を見に行ったけど、顔色は良かったわよ」

穂乃果「うん……よかった」

伏見「それで、話があるんだよね?」

穂乃果「はい……。お母さん、雪穂に詳しく教えてないんだよね」

母「そうよ。……穂乃果たちは知らないでしょうけど……犯人から手紙が届いたのよ」

穂乃果「……また?」

伏見「犯行予告が、8人の家にね」

穂乃果「……」

絵里「……」

母「……」

伏見「世間にも事実は知らせていない。刑事告訴をするなら、話は変わってくるけど」

穂乃果「告訴ってことは……みんな」

絵里「そうよ、犯人に罪を犯した責任を取らせるってことだから」

穂乃果「……それなんだけど、絵里ちゃん」

絵里「まさか……」

穂乃果「うん……事故ってことにできないかなって」

絵里「な、なにを言っているの穂乃果」

穂乃果「私だって、犯人に怖い思いさせられたよ。許せないって思った……だけど」

絵里「穂乃果、私が……いうことじゃないけど」

穂乃果「うん……お母さんたちに心配かけたよね。家族を不安にさせた、それも含めて許せないって思う」


母「……」

伏見「……」


穂乃果「だからこそ、事件があった事実を忘れて、事故だったってことにしたい」

絵里「穂乃果……」

穂乃果「ごめん、変なこと言ってるのは分かってる。だけど……真姫のこと考えたら……」

絵里「……」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:12:37.72 ID:mwOZ0t6Co

穂乃果「多分、知らないのは、にこちゃん、花陽ちゃん、凛ちゃん、ことりちゃんだよね」

絵里「そうよ。最初の脅迫状があった事実そのものを知らないんですもの」

穂乃果「実は眠らされて、危険が迫っていましたって……言いたくない。知ってほしくないよ」

絵里「……」


穂乃果「伏見さん、犯人の様子は――」

伏見「教えられません」

穂乃果「で、ですよね……」


母「穂乃果、本気で言ってるの?」

穂乃果「……うん。あの出来事をなかったことに……っておかしなこと言ってると思うけど」

母「……私たち家族だけの問題じゃないのよ?」

穂乃果「……うん」

母「…………とりあえず、親同士で話してみる」

穂乃果「うん……ありがとう、お母さん」

母「……まったく」


……


241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:13:30.82 ID:mwOZ0t6Co

―― 海未の病室


海未「……ん…」


穂乃果「あ……」

絵里「……」


海未「ん……ん……?」


穂乃果「おはよう、うみちゃん」

絵里「おはよう、海未」


海未「は……い……おはよう……ございま……す?」


……


242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:14:32.66 ID:mwOZ0t6Co

―― 凛の病室


凛「……ん……むにゃ……」


穂乃果「うみちゃん、無理してついてこなくてもいいんだよ?」

海未「いえ……大丈夫……です」

絵里「ご両親ともう少し話をしてきたら?」

海未「いえ……私もみんなが目を覚ますところに立ち会いたいです」

穂乃果「そんな大げさな……。絵里ちゃん、車いすはいいの?」

絵里「穂乃果が歩いているんですもの。私も平気よきっと」

穂乃果「そっか……」


凛「ん……んん……うるさいにゃ……」


穂乃果「あ……り〜んちゃん」


凛「え……? 穂乃果ちゃん……?」


穂乃果「おはよう」

海未「おはようございます」

絵里「おはよう、凛」


凛「なんで……凛の部屋にいるのぉ?」


……


243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:15:17.52 ID:mwOZ0t6Co

―― ことりの病室


ことり「すぅ……すぅ」


凛「ことりちゃん、まだ起きなさそうだよ」

穂乃果「でも看護師さんがそろそろ起きそうだって」

絵里「そうよ。海未と凛はその通りになったんだから、待っていましょう」

凛「ふにゃぁ……ふ」


ことり「ん……」


海未「あ、瞼が動きました」

穂乃果「じゃあ、そろそろだね」

凛「ことりちゃ〜ん」

絵里「しずかに、凛」

凛「凛のとき、3人でお喋りしてたのに〜」

穂乃果「あはは、ごめんごめん」


ことり「ん……んん?」


海未「おはよう、ことり」

絵里「おはよう」

凛「おはよう〜」

穂乃果「ことりちゃん、おはよう」


ことり「ん……ん……。あと30分……」


穂乃果「え?」


ことり「すぅ……」


海未「二度寝!?」


……


244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:16:22.32 ID:mwOZ0t6Co

―― 希の病室


希「……」


海未「なんだか、お姫様のように寝ていますね」

凛「本当だ……」

ことり「ふぁぁ……ぁ」

穂乃果「王子様のキッスで目覚めるらしいよ絵里ちゃん」

絵里「ふぅん」

穂乃果「反応薄っ!」

ことり「まだ頭がぼーっとするよぉ」

海未「睡眠薬の症状が残っているようですね……」

ことり「睡眠薬……って?」

凛「なんのことか凛も詳しく聞いてない……」

絵里「その話は、全員目が覚めてからね」

ことり「ふぁぃ……」

穂乃果「起きる気配ないね、希ちゃん……」

海未「そうですね……」

凛「王子様がキスするんだよね。じゃあ、凛が……」スッ

絵里「……」


希「……」


凛「なぁんて」


希「……」


絵里「起きてるでしょ、希」

穂乃果「え?」

ことり「ふぇ?」


希「……ばれてたか」


穂乃果「うわっ」

海未「び、びっくりしました……」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:16:58.32 ID:mwOZ0t6Co

希「ふふ、みんなおはよう」

穂乃果「おはよう、希ちゃん」

海未「おはようございます」

ことり「おはよう〜」

絵里「おはよう、希」

凛「もう〜、危うくキッスするところだったにゃ」


希「しても構わなかったんやけどなぁ」


凛「冗談ばっかり〜」


希「ふふ」


絵里「なにも失わずに済んだわ」


希「……うん」



希「うん……っ……よかった」ホロリ


穂乃果「希ちゃん……」


……


246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:17:55.04 ID:mwOZ0t6Co

―― 花陽の病室


花陽「むにゃむにゃ……もう食べられないよぉ」


穂乃果「定番の寝言だ……!」


希「みんなはもう病室移動してるん?」

凛「うん、同じ部屋だよ」

ことり「お母さんたちがやってくれてる」

海未「今日も病院に?」

絵里「本当は夜にでも退院できたんだけど。
   一応ね、明日の朝に検査をして、帰るのは昼になるわね」

海未「そうですか……仕方ありませんね」


穂乃果「そろそろ起きそうなんだけどなぁ」

ことり「起こしてみよう。花陽ちゃ〜ん」


花陽「んん……ん? え?」


凛「あ、起きた。おはよう、かよちん」

海未「おはようございます、花陽」

ことり「おはよう」

穂乃果「おはよう〜」

絵里「おはよう、花陽」

希「おはよう、花陽ちゃん」


花陽「あれ……? あれれ?」


……


247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:19:33.61 ID:mwOZ0t6Co

―― にこの病室


にこ「すやすや」


穂乃果「はい、あっがり〜」

ことり「あぁっ、穂乃果ちゃんが上がっちゃった」

海未「まさかの一抜けですか」

絵里「じゃあ、取るわよ、凛」

凛「はい、どうぞ〜」

花陽「ふぁぁ……ふ」

希「無理して付き合うことないんよ?」

花陽「ううん、大丈夫だよ……。いっぱい寝たからなんだかもったいなくて」

希「無理だけはせんといてね」

花陽「うん……ありがとう、希ちゃん」

ことり「はい、花陽ちゃん、取って?」

花陽「う、うん……。じゃあ、これ」

ことり「……」

花陽「あ……」

海未「渡りましたね」

絵里「そうね……。花陽にババが渡ったわね」

花陽「みんな観察しないでよぉ〜」

凛「引かないように気を付けろ〜」

花陽「もぉ、凛ちゃん〜」


にこ「……ん、ん?」


穂乃果「罰ゲームは、私にパン一年分を贈呈してもらおうかな〜?」

海未「絶対に飽きますよ。飽きて絶対に文句言いますよ。絶対そうなりますよ」

穂乃果「そんな、絶対絶対って3回も……多分いうけど……」

凛「多分じゃなくて、絶対だよね〜」


にこ「あれ……ここどこ……?」


ことり「あがった〜♪」

花陽「ひゃぁ〜、ぱ、パン一年分っ」

絵里「そんなの穂乃果の冗談なんだから」

希「そうや〜。なんならわしわし一年分でもええよ〜?」

穂乃果「それは遠慮させていただきます! 絶対イヤです!」


にこ「……うるさいわね…」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:20:48.88 ID:mwOZ0t6Co

ことり「あ……にこちゃんが起きてる」

穂乃果「え? あ、本当だ」

絵里「おはよう、にこ」


にこ「……う、うん?」


絵里「お母さんに知らせてくるわね」


にこ「ここどこ?」

穂乃果「病院だよ。にこちゃん、ずっと寝てたんだから」

にこ「……病院?」

穂乃果「昨日、部室で飲んだ紅茶覚えてる?」

にこ「……うん」

穂乃果「それに睡眠薬になる成分が入ってたみたいで」

にこ「どういうことよ?」

穂乃果「えっとね……」


伏見「詳しくは私から話します。医者の先生と一緒に説明していきますので」


ことり「あ、刑事さん……」

花陽「……」

凛「……なにがあったの?」

希「……」

海未「……」


伏見「とりあえず、家族との話が先ね」


にこ「……?」

穂乃果「にこちゃん、ずっと寝てたからにこちゃんのお母さんたちも心配してたよ?」

にこ「っていうか、その寝てる人の隣で騒いでたわよね?」

穂乃果「だって、賑やかな方が早く目が覚めるって言われて」

にこ「目が覚めても放っておかれてたみたいなんですけどー?」

花陽「あはは……起きたばかりなのに、元気だねにこちゃん」

凛「それが取り柄にゃ」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:21:19.49 ID:mwOZ0t6Co

希「おはよう、にこっち」

ことり「おはよう〜」

海未「おはようございます」

花陽「おはよう」

凛「おはよう、にこちゃん!」

にこ「な、なによ……みんな?」

穂乃果「ただの挨拶だよ。おはよう、にこちゃん」


にこ「お、おはよう……」


にこ「って、もう13時じゃないの……」

海未「おそようですね」

ことり「ヨーソロー?」

希「ちょっと違うかな」


……


250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:24:16.39 ID:mwOZ0t6Co

―― 昼過ぎ:中庭


伏見「それじゃ、私は最後に纏めなきゃいけないことあるから」

絵里「はい、ありがとうございました」

穂乃果「すいません……わがまま言って」

伏見「ううん。あなた達が決めたことなら、私たちは何も言うことはないよ」

希「……」

海未「……」


伏見「また後で挨拶に来るね」

スタスタスタ


絵里「伏見さんにはお世話になりっぱなしね……」

希「そうやな……」

海未「本当にそれでよかったのですか?」

穂乃果「う、うん。……ごめんね」

海未「私は、眠っていただけでしたから……何とも言えませんが」

穂乃果「……」

絵里「結局、ことり達には言わないのね」

穂乃果「うん、言わない。これは、人生の最期まで持っていく」

希「そっか……。穂乃果ちゃんがいうなら、しょうがないね」

海未「親はなんて言っているのですか?」

穂乃果「私のお母さんは……私の決めたことを尊重してくれてる……みたい」

海未「……」

絵里「張本人がそういってしまってはね……私の母も理解していたから」

希「……」

穂乃果「はぁ……いろいろと、迷惑かけて心配かけて……悪いことしちゃったなぁ」

絵里「穂乃果……」

希「穂乃果ちゃんのせいじゃないけど……。けど、そういうものやと思う、うちは」

海未「……?」

希「人と人が繋がるって楽しいことだけやないし。もちろん楽しいことがあった方がいいけど」

絵里「……そうね。楽しいことだけじゃ、ないから。辛いこと、苦しいことはみんなで乗り越えていきましょ」

穂乃果「―――うん、そうだね。……えへへ」

海未「なんですか、急に笑ったりして」

穂乃果「私も、真姫に同じこと言ったから。……みんなもそう思ってくれてうれしいなって」

希「にこっちも言ってたね。誕生会の時に」

海未「そうでしたね。あの誕生会そのものは嘘っぱちですが」

絵里「あら……? あの子たちは……?」

穂乃果「あっ! ヒデコたちだ……!」

希「お見舞いに来てくれたんやね」

海未「そういえば、今日は学校お休みでしたね」


穂乃果「おーい! ヒデコ〜!」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:25:27.78 ID:mwOZ0t6Co

「あ、いたいた」

「元気そうだね」

「……」


海未「フミコにはどう説明するのです?」

穂乃果「なにが?」

海未「あの、犯人の手伝いしてたではありませんか……」

穂乃果「あ、そっか……」

海未「それで本当にことりに隠し通せるのですか……?」

穂乃果「だ、ダイジョーブ!」

海未「不安です……」


希「それじゃ、うちらは真姫ちゃんのとこ行ってるから」

絵里「体のこともあるし、あまり無理しないよう気を付けてね」


穂乃果「はーい」

海未「……」


ヒデコ「穂乃果、大丈夫なの?」

ミカ「入院してるって聞いてびっくりしたよ」

フミコ「……」


穂乃果「大丈夫大丈夫、元気元気〜。ワッショイワッショイ」


ヒデコ「重症……!?」

ミカ「そんな……」


穂乃果「違う! 元気をアピールしただけだから!」

ヒデコ「分かってるって」

ミカ「そ、そうだよ」

海未「ミカはまだ疑っているみたいですね」

ミカ「だ、だって、急にお祭り気分なんだもん!」

海未「確かに……まだ症状が残ってるかもしれません」

穂乃果「ひどいよね」


フミコ「ねぇ、ちょっといいかな話があるんだけど……」


穂乃果「う、うん……?」


フミコ「こっちに来て」

穂乃果「……わかった」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:27:28.46 ID:mwOZ0t6Co

ヒデコ「どうしたのかな?」

ミカ「フミコ、今日はずっとあんな調子だよね」

海未「二人は……知らないのですか?」

ヒデコ「なにを?」

ミカ「?」

海未「いえ、なにかあったのかな、と」



フミコ「朝ね、昨日の片づけをしに学校に行ったんだ」

穂乃果「……そうなんだ」

フミコ「警察の人がいて、中に入れなかった」

穂乃果「……」

フミコ「そして、みんな……入院してるでしょ」

穂乃果「……」

フミコ「もしかして、昨日の紅茶に……なにか入ってたの?」

穂乃果「…………」

フミコ「私たち、昨日……部室に紅茶を届けてから……そのまま帰ったの」

穂乃果「……」

フミコ「もし、帰らずに……私たちも紅茶を飲んでいたら穂乃果たちと同じく――」

穂乃果「それは……その……」

フミコ「あの紅茶を用意した先輩……って、誰なの?」

穂乃果「え、えっと……」

フミコ「伏見さんって刑事の人から電話かかってきて、今一緒にいるのかって聞かれた」

穂乃果「……」

フミコ「だから、なにかあったんじゃないかって……。
    穂乃果たち入院してるし、学校に警察いるし、思い返したら先輩って名乗った人もなんだか怪しくて……」

穂乃果「……えと」

フミコ「ねぇ、穂乃果……あの人って……」

穂乃果「あ、あの人はね……!」

フミコ「……」

穂乃果「熱狂的なファンなの!」

フミコ「え?」

穂乃果「ずっとお茶会に誘われてたんだけど、
     断ってて、それで強引に学校に入ってきたみたいで!」

フミコ「…………」

穂乃果「あの人ね金持ちでみんなを招待したいって言っててそれであんな高いポットやカップを用意して」

フミコ「…………」

穂乃果「だけど、茶葉に睡眠薬と同じ効果の成分が入ってて、
     だから私たち寝ちゃってて!」

フミコ「紅茶にそんな成分があるなんて……聞いたことないよ?」

穂乃果「そう、だから警察が来たの! 事故だったのあれは!」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:29:05.19 ID:mwOZ0t6Co

フミコ「それじゃ……刑事さんからの電話はなんだったの……?」

穂乃果「その人と一緒に居て……ちょっと怖かったから刑事さんに電話したの」

フミコ「……」

穂乃果「だけど、電話取られて……その人フミコの名前使ったから、
    伏見さん、不審に思って……フミコに連絡したんだよ」

フミコ「……」

穂乃果「そういうことだから……気にしないで……いいんだよ?」

フミコ「じゃあ、私……そんな人の手伝いしてたんだ……」

穂乃果「だから、気にしないでフミコ! フミコは悪くないんだから!」

フミコ「ごめん……」

穂乃果「あ……」

フミコ「みんなに、悪いことした……」


穂乃果「……」


フミコ「……ごめんね、穂乃果……」


穂乃果「……じゃあさ」


フミコ「……?」


穂乃果「これから、私たちを手伝ってくれないかな?」


フミコ「……どういうこと?」


穂乃果「これから、私たち……ライブをたくさんするから、手伝ってよ」


フミコ「……」


穂乃果「もちろん強制はしないよ。だって、フミコは全然悪くないんだから」


フミコ「……」


穂乃果「それでも気にしてしまうなら。私たちの側にいて、私たちを見ててよ」

フミコ「穂乃果……」

穂乃果「あの事故は大したことじゃないって証明するから」

フミコ「……」

穂乃果「……ね?」

フミコ「うん、――分かった」


……


254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:30:34.99 ID:mwOZ0t6Co

―― 夕方:病室


穂乃果「ふぅ、今日も疲れた〜」

ドサッ


にこ「戻ってきて早々、ベッドで横になるなんて……」


穂乃果「だから、疲れたんだよぉ……おやすみぃ」


にこ「変な時間に寝たら、夜寝られなくなるでしょ」

穂乃果「すぃ〜……ぴぃ〜」

にこ「みんなぁ、穂乃果のベッドに集まって〜、トランプしましょう〜?」


絵里「いやがらせにも程があるわね」

花陽「ダメだよ、にこちゃん」


にこ「あんたたち、私のベッドでやってたでしょ!?」


海未「騒がしくしないでください。ここは病院です」


にこ「くっ……見てなさいよ……いつか仕返ししてやるわ」


花陽「なんだか怖いこと言ってる……」

絵里「合宿とは違うんだから、しずかにしてなさい」


にこ「……肝試し」


海未「はい?」

にこ「夜に肝試ししない? ここ病院だからいろいろと――」


絵里「真姫の様子でも見に行こうかな」

花陽「今は凛ちゃんたちが行ってるから、まだいいんじゃないかな?」

絵里「でも、ほら……お医者しゃまも言ってたじゃないそろそろだって」


にこ「ぷぷっ、お医者しゃまって噛んだわっ、何焦ってんのよ。ぷぷぷっ」


絵里「……」

花陽「ど、ドンマイだよ、絵里ちゃん」

海未「花陽、追い打ちしてますよ」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:31:28.55 ID:mwOZ0t6Co

穂乃果「あのさぁ、みんな」


海未「?」


穂乃果「寝ている間って夢とか……みた?」


絵里「夢?」

にこ「……覚えてないわね」

花陽「私も……」

海未「多分、私はみていないかと」


穂乃果「そっかぁ……」


絵里「穂乃果は覚えてるの?」


穂乃果「うん。……とってもかわいい声が聞こえた」


にこ「もしかして、わた」

穂乃果「にこちゃんじゃないよ」

にこ「……そう」

花陽「バッサリだ……」

海未「その声はなんて?」


穂乃果「八十年後に――」


「み、みんなっ!」


花陽「凛ちゃん……?」


凛「真姫ちゃんがっ!」


穂乃果「え――!?」


……


256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:33:16.22 ID:mwOZ0t6Co

――逢魔が時


昼から夜に移ろう時刻


太陽と月の光が生み出す曖昧な世界


その世界では人と魔物が遭遇しやすくなると云われている




「ん……」


ことり「……真姫ちゃん」

希「……」


「……ん……」


絵里「真姫……」

海未「……」


「…………んん」


花陽「真姫ちゃん……っ」

凛「……」


「…………」


にこ「……」

穂乃果「……みんな、待ってるよ、真姫ちゃん」


「……ん……んん?」


ことり「あ……!」

海未「起きた……」


「……え……だれ……?」


穂乃果「真姫……?」


「え……――穂乃果?」


穂乃果「真姫ちゃん……!」


真姫「ん……んん……なに、なんでみんな――」


希「真姫ちゃんっ」

ガバッ

真姫「きゃっ!? ちょ、ちょっと希!?」

絵里「……心配してたんだから、これくらいさせてあげて」

希「よかったぁ」

ぎゅうう

真姫「なに、なんなの……!?」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:34:38.71 ID:mwOZ0t6Co

花陽「よ、よかった……っ」グスッ

凛「かよちんっ、泣いちゃだめなの〜っ」グスッ

ことり「本当によかった……っ」

海未「ことりまで……」

ことり「だって……」グスッ

にこ「まぁ、私は別に、心配はしてなかったけどね……っ」

真姫「なんでみんな……って、ここどこなの?」

穂乃果「病院だよ」

真姫「びょ、病院?」

穂乃果「そう……。『真姫ちゃん』ずっと寝てたから」

真姫「寝てたって……」

穂乃果「1週間くらいずっとだよ。みんな心配したんだから」

真姫「1週間も?」

穂乃果「うん」

絵里「寝る前に覚えていることはない?」

真姫「……」

希「最後に覚えていること」

真姫「……それは、えっと」

花陽「……」

凛「……」

真姫「あ――」

海未「真姫……?」


真姫「そうだ……わ、私……人が人を刺すところを――」


穂乃果「全部、終わったから」


真姫「え、……え?」


穂乃果「大丈夫だよ。その犯人、捕まった。だから、大丈夫だよ」


真姫「……――」


花陽「真姫ちゃん……」


海未「心のケアは必要ですね……」

にこ「そんなの、私たちが一緒にいればすぐ治るわよ」

凛「にこちゃん……たまにいいこと言うよね」

にこ「いつも言ってるわよ。それで、真姫、食べたいものある? お見舞いの果物いっぱいあるわよ」

真姫「え?」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:35:54.32 ID:mwOZ0t6Co

にこ「ほら、食べたいものあったら私が……にこにーが剥いてあげるにこ♪」

真姫「……」

穂乃果「じゃあ、りんごで」

にこ「なんであんたが答えるのよ。別にいいけど」

絵里「よくないでしょ。真姫のお見舞い品なのよ?」

希「勝手に食べたらダメやん」

真姫「……別に、いいわよ。好きに食べていいわ」

ことり「それなら私はメロンで♪」

海未「ことりまでっ!?」

凛「凛もメロンが食べたい!」

花陽「わ、わたしは……梨を」

穂乃果「苺も追加で」

絵里「それじゃあ、桃をいただこうかしら」

希「うちは、キウィ」

海未「バナナを」

にこ「全部私が用意するの?」

真姫「というか、少しは遠慮しなさいよね」

穂乃果「そういえば、切られたスイカが冷蔵庫に入ってたよね」

海未「まだ食べる気ですか!?」

にこ「じゃあ、りんごからね」

穂乃果「あれやってよ、あれ」

にこ「しょうがないわね〜。みてなさいよ」

真姫「あれって?」

にこ「これよ! 秘技、リンゴの皮を一度も途切れずに最後までくるくる回して切る!」

スルスルスル


真姫「……すごいけど、技名っぽく叫んだの意味あるの?」

にこ「ないわよ。はい、どうぞ」

穂乃果「はいよ」ヒョイ

ことり「穂乃果ちゃん、真姫ちゃんより先に手を出して……」

海未「自由人ですか」

真姫「シャクシャク」

にこ「どう?」

真姫「どうって……りんごの味だけど」

にこ「まぁそうよね」

真姫「?」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:37:07.33 ID:mwOZ0t6Co

希「真姫ちゃんが寝ている間にクラスの子たちがお見舞いに来てたんよ」

真姫「……そう」

花陽「うん、みんな心配してたよ」

真姫「別に、お見舞いなんかこなくてもいいのに……」

絵里「そんなこと言って……」

真姫「ふ、ふんっ、別に嬉しくないんだからっ」

海未「素直じゃありませんね……」

真姫「で、でも……ありがとうって伝えておいて」

花陽「……」

真姫「お礼をいうのは当たり前でしょっ」

凛「ブフッ」

真姫「え?」

穂乃果「あはははっ!」

真姫「な、なに?」

にこ「まさか、それをそのまま言うなんてね」

真姫「なによ!?」

花陽「にこちゃんがね……ふふっ……真姫ちゃんの真似して言ってたのっ同じセリフ」

真姫「う……っ」

穂乃果「あははっ、おかしくて涙が出てきちゃったっ」

真姫「笑いすぎ……。ふんっ」

穂乃果「あはは……あー……おかしいなぁ」グスッ

海未「……」

希「……」

絵里「……」

真姫「さっきから気になってるんだけど、あのノートと人形ってなに?」


穂乃果「あぁ……これは……」



キィィィィイイ


穂乃果「――!?」


ィィィィィイイイイイン



真姫「穂乃果……?」


キィィィィイイ


穂乃果「ま、真姫ちゃん……」


ィィィィィイイン


真姫「……なに?」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:38:22.60 ID:mwOZ0t6Co

穂乃果「耳鳴りがするんだけど、なにも……感じない?」


キィィィィイイ


真姫「え? ……別に?」


穂乃果「そっか……」


ィィィィィイイン


絵里「大丈夫?」

ことり「病室に戻った方がいいんじゃないかな」

海未「そうですよ、穂乃果……」


穂乃果「だ、大丈夫……治まったから」


真姫「……」


穂乃果「あ、そうだ。真姫ちゃん、これ貰ってもいいかな?」


真姫「人形? 別にいいわよ。誰が持ってきたのか知らないけど」


ことり「……」

花陽「……」


穂乃果「らくがき帳も……本当に、いいの?」


真姫「いいわよ。……私には必要ないから」


穂乃果「じゃあ貰うね。……ちょっと外出てくる」


真姫「あ、穂乃果……!」


穂乃果「え?」


真姫「私たち……小さい頃に……会ったこと、ある?」


穂乃果「……」


絵里「……」

希「……」

にこ「……」

海未「……」

ことり「……」

花陽「……」

凛「……」


真姫「……」


穂乃果「ううん、あの時――……音楽室で声を掛けたのが初めてだよ」

テッテッテ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:38:59.29 ID:mwOZ0t6Co


真姫「……やっぱりそうよね」


海未「……」


真姫「それより、どうしたの、穂乃果は?」


絵里「さぁ……。希は知ってる?」

希「ううん、知らない」

凛「どうしたのかな?」

ことり「海未ちゃん……」

海未「よく分かりませんが、穂乃果に任せましょう」


にこ「ほら、用意したわよみんな!」

凛「すごい!」

花陽「全部切られてるっ!?」


……


262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:40:08.66 ID:mwOZ0t6Co

―― 中庭


穂乃果「えっと、アイリス……ちゃん?」


穂乃果「あれ、いないのかな……アイリスちゃん!」


穂乃果「アイリスちゃーん! いたら返事してー!!」


穂乃果「アイリスちゃ――」



キィィィィィィイイイイ


穂乃果「――!?」


ィィィィィイイイン



穂乃果「耳鳴りがするってことは……いるのかな」



キィィィィィィイイイイン


穂乃果「あの、これ。人形とらくがき帳……アイリスちゃんに持っててほしくて」


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「真姫ちゃんが持ってたら、混乱しちゃうから、手放した方がいいんだ」


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「私たちは『真姫』のこと……多分忘れる。ううん、忘れた方がいいんだと思う」


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「お医者さんが言ってた。2つの人格は心の負担が大きすぎるって」


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「だから、私たちはこれから『真姫ちゃん』と一緒に生きていくよ」


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「ありがとね、アイリスちゃんっ、『真姫』を守ってくれ……てっ」ホロリ


キィィィィィィイイイイン


穂乃果「ありがとねっ……ありがとっ……守ってくれて……ありがとう」ボロボロ


キィィィィィィイイイイン


スッ


穂乃果「あ……!」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:40:38.96 ID:mwOZ0t6Co


伏見「ありがとう、って」


穂乃果「え?」


伏見「アイリスちゃんが、ありがとうって言ってる」


穂乃果「ううん、礼を言うのはこっちだから」グスッ


伏見「私たち、これから帰るね」


穂乃果「そう……ですか……」


伏見「みんなによろしくね」


穂乃果「は、はいっ」


伏見「それじゃ、さようなら。元気で」


穂乃果「はいっ、さようなら!」


……


264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:41:22.04 ID:mwOZ0t6Co


―― 留置所


警部「……ほらよ」


「……」


警部「栞だ。お節介な刑事からだ」


「……」


警部「……」

スタスタスタ......



「…………」



「アイ…リス……?」



……


265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:43:39.31 ID:mwOZ0t6Co

―― 公園


(真姫ちゃ――ま、アイリスのことは視えなくなっていました)


「ちゃま?」

真「そうか……霊視の力はなくなってたか」

「真姫ちゃまってなに、ちゃまってなに? ねえねえ?」

真「突っ込まないでくれ、葵」

(うぅ……)

真「恥ずかしがらなくてもいいって、友達なんだから」

(は、はい……)

芙蓉「もともとは力が無かったのですよね」

真「あぁ、そうらしい」

伏見「でも、どうして『視える』ようになったのかしら」

真「多分、それは――」

「ご主人〜! もっかいアキバ行こう!」

真「行かないって。どれだけ周りに迷惑かけたと思ってるんだよ」

伏見「真君、うちの署にメールを送ったの、やっぱりあの子だったよ」

真「そうですか……理由はどうして?」

伏見「危険なくらい純粋だったからかも……。
   あの事件で導火線に火が付いてしまった……と」

芙蓉「様子はどうでした?」

伏見「叔父と叔母が来てね、面会したよ」

「あたしの言うこと聞かないと、次通る人のズボンかスカートを下すぞ」

真「脅迫するなよ。俺が犯人扱いされて通報されるオチが見えるんだから止めてくれ」

(あの方……。真姫様と違う出会いをしていれば……二人は友人になれたかもしれません)

真「心が読めたのか?」

(はい。幼い真姫様は……あの方に一瞬ですが、心を開いたようでしたから)

真「……」

(あの方も、真姫様には少し特別に感じていたようです)

伏見「でも、それが犯行の動機でもあったみたいだけど」

(いえ、その特別ではなく。……えっと、心を開きかけたみたいでした)

真「……そうか」

(もう後戻りできないから、止まれなかったようです)

伏見「爆破予告でたくさん証拠を残してたからね。自分を追い込むためでもあったのか……」


「ひょーぉ! うはぁー!」


芙蓉「姉さん、ブランコを壊さないでくださいね」


「いやっほぉーーい! ご主人〜! 一緒に乗ろ〜!」


真「その勢いで乗るのは無理だろ」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:45:52.77 ID:mwOZ0t6Co

伏見「あの子、叔父と叔母が泣いたの見て、泣いてた」

真「……」

伏見「自分のやったこと、これから受け止めて……罪を償っていくでしょう」

(刺された警官は目を覚ましたそうですが……)

伏見「後遺症は残るけど、生活に問題はなしみたいだし……リハビリも大変だろうけど」

芙蓉「不幸中の幸いですね」

伏見「だね」

真「あの子たち、事件のことをどうするんですか? 刑事告訴は?」

伏見「しないって。西木野さんのこと、友達のこと、周りのことをを第一に考えた結論だって」

芙蓉「ご家族も同意なさっているのですか?」

伏見「うん。1週間の出来事を、早く忘れようって。子供たちがそう言ってるんだから、私たちもそうしたいって」

真「……そうですか。なんというか……強いですね」

伏見「それが傷を癒す近道なのかもしれないわね」

(みなさん、笑っていました)

真「その笑顔を守ったのはアイリスだ」

(良かったです。守れて)

「でもさぁ、アイリスぅ〜」

(なんですか、葵お姉さま?)

「いやぁ、最後のあれはどうかと思うよ?」

(はい?)

真「なんだよ、あれって」

「いやね、眠ってたあの子に、アイリスが話しかけてたんすよぉ」

芙蓉「ちょっと、姉さん……」

「八十年って、言ってたでしょ?」

(……?)

「うわ、この顔分かってない」

真「なにが言いたい?」

「単純に計算して、ですよ? あの子、15くらい? で、八十年後っつったら」

伏見「95だね」

「そうそう。計算できてないもん、うちの末っ子はよぉ」

芙蓉「なんでそんな言い方するんですか」

(あ……!)

「気付いた気付いた。百にならないじゃん〜。ニヤニヤ」

真「口でニヤニヤ言うな」

(〜〜〜ッ!)

「赤くなった赤くなった」

芙蓉「やめて、姉さん」

「やーいやーい! ゆでたこ〜」

(うぅっ……うぅぅっっ)

「泣いた泣いた〜、赤鬼が泣いた〜」

芙蓉「姉さん?」ニョキ

「ごめんなさい」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:47:47.08 ID:mwOZ0t6Co

(そうでした……っ……アイリス、間違えました……っ)

真「大切なのは時間じゃない。もう一度逢うことだよアイリス」

(ぐすっ……はい。マスター……)


「ご主人〜!! このおでん缶っての買って〜!」


真「帰りましょうか」

伏見「そうだね。乗り遅れたら大変」

芙蓉「はい。待っている人がいますから」


「コトリンのお土産〜! いいでしょ〜?」


真「土産はさっき買っただろ。というか、そんな安いもので……」

(マスター。アイリスも食べてみたいです)

真「マジで?」

芙蓉「おでんはおでんでしょう? 帰ったら私が作ってあげるから」

(……はい。分かりました)

真「しょうがない。アイリスには今回助けられたから、買ってあげるよ」

(マスター……!)

「ちょっ! アイリスばっかりずるい〜! あたしにも買ってよ〜!」

真「今回の功労者だぞ。当たり前だ」

「けっ、なんだいなんだい。贔屓しちゃってさ、けっ、こんな時はバイクでも盗んで走り出そうかな〜」

伏見「いじけ方がちょっと古い不良みたいだね……」

芙蓉「姉さんにはおでん作ってあげるから、今日はアイリスに……」

「計算ができない妹に、甘やかすんじゃないよ、まったく」

芙蓉「姉さん?」ニョキ

「ごめんなさい。桔梗様みたいに角生やすのずるい〜!」

(…………)

「葵お姉ちゃんも計算できないよね」

「まぁた腹話術か」

(腹話術じゃないですよ。ウーパくんが言っているんです)

「はいはい。で、あたしが計算できないって? 掛け算言ってみろやコラァ!」

真「なんでケンカ腰で掛け算限定なんだよ」

芙蓉「では、4かける5は?」

「えっと……しご……だから、死後の世界〜!」

「葵お姉ちゃんのユーモアは凄いね。誰もそんなこと言わないよ」

「ハァ? 馬鹿にしてんの、アイリス?」

(アイリスじゃないですよ。ウーパくんが言っているんです)

真「にく」

「うまい!」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:50:19.91 ID:mwOZ0t6Co

伏見「はっぱ」

「まずい!」

芙蓉「ろっく」

「ごじゅうし!」

「できた。葵お姉ちゃんが掛け算できたよ。すごいね、アイリスちゃん」

(さすがです、葵お姉さま)

「よぉし、ちょっと体育館裏に来いや、アイリスゥ」

(ひぅっ!)

真「時間だな、いい加減帰ろう」

伏見「あぁー……帰ったら溜まってた仕事がたくさん……」

芙蓉「少しは休めないのですか?」

真「そうですよ。打ち上げ……じゃないけど、事件解決したんです。お疲れ会でもしましょう」

伏見「そうだね。それじゃお邪魔しようかな」

芙蓉「ふふ、腕によりをかけて用意します」

伏見「ナニカ居るだろうって言われてたけど……まさか死神とはねぇ……」

真「伊予が言うには、かなりレアな遭遇みたいですよ」

伏見「どれくらいレアなの? ツチノコ発見くらい?」

真「例えがよく分からないんですけど……11連ガチャで全部ウルトラレアがでるくらいの確率だそうです」

伏見「……私もよく分からないな、その例え」

真「数百年生きてるアイツが言うから間違いはないとは思いますけど……」

芙蓉「歴代の鬼たちの記憶にも死神との遭遇はありませんね……」

「うん、ないわぁ」

真「そうだ、アイリス」

(はい、なんでしょう)

真「あの死神、どうして諦めたんだ?」

(それは、絢瀬様が出てきたからです)

伏見「絢瀬さんが……?」

真「時間切れってことか?」

(その意味もあると思いますが……)

「いや、アイツ……皆殺しにするって言ってたでしょ」

芙蓉「そうですね、言っていました。それも本気で……なのになぜ?」

(死神が心の中で言っていました。『死なない運命なのか』と……)

真「『死なない運命』……?」

伏見「高坂さん達が……?」

(はい。何度もその時が来たのですが悉く阻止されていましたので)

真「……ふぅむ」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:53:38.48 ID:mwOZ0t6Co

(恐らく……死神は命を奪う理由がなくなったのだと思います)

真「理由?」

(はい、後付けですが、今まで奪ってきた命には死ぬ理由が存在したようです)

伏見「……もしかして、チンピラが結構道を外れた人間だったこととか関係あるのかな」

(そのようです。死んで喜ぶ人間がいることをあの死神は知っていました)

真「いや……あの子たちはそうじゃない。あのチンピラと一緒じゃない」

(そうです。ですが、死神から見れば同じ。死ぬ理由が出来るから奪おうとしていたのです)

「意味が分からん!」

芙蓉「……確かに、順序が逆というのが難しいですね」

真「それが死神の規則なのか。その規則から彼女たちは外れた……だから諦めた」

(はい)

真「伊予がもう一つ言っていたな」

伏見「え……?」

真「死神が動いた事件はどれも歴史に残ってると……」

伏見「……」

真「よくよく考えたら恐ろしいな……。後に出来る理由の為に命を奪うなんて……」

「伊予様も言ってたよ。そういうのがわたし達だって。理屈じゃないって」

真「まぁ、そうなんだろうけど」

伏見「あ……私、分かったかも」

真「……?」

伏見「西木野さんと、アイリスちゃんが出会った意味……」

(意味ですか……?)

「なになに、教えて〜。面白いことでしょ?」

芙蓉「そうですね、気になります」

(教えてください、マスター)

真「話の流れで言えば、死神の規則から外れるためだよ」

「ホワッツ!?」

真「なんで英語……。二人が出会ったことで、運命は変わったんだ」

伏見「死神の言う『死なない運命』にね」

(…………)

真「人間同士でも似たような話は沢山あるよ。出会いは人生を変えるから」

(…………)

真「鬼と人間が出会って友達になったんだ。そりゃ、死神の力も超えるさ」

(そうですか……それは……嬉しいです)

真「俺も嬉しいよ。というか、誇らしい」

(〜〜っ)

芙蓉「ふふ、照れちゃって」

「おうおう、可愛いのう、アイリスはよう、おうおう」

(や、やめてください、葵お姉さま……っ)
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:56:02.35 ID:mwOZ0t6Co

真「なんでオラついてんだよ」

「あたしも可愛がれっつってんだよ、ご主人!」

真「いやだよ! そんな脅しで可愛がれねえよ!」

「それじゃ、可愛がってニャ?」

真「思い出したように猫キャラになったな」

伏見「あの子も……救われたのかも……ね」

(…………)

伏見「死神とあの子は繋がってたの? 死神の意思であの子を動かしてたの?」

(いえ。あの方は死神の声が聞こえていませんでした)

伏見「……」

(ですが、その声が聞こえるかのように動いてもいました)

芙蓉「波長があっていたのね」

(はい、そうです。とても恐ろしいくらいに)

真「そんな二人が引かれ合ってたのか……」

(最悪の偶然が重なっていたようですね)

真「……危なかったんだな……。あの子たちも、俺たちも」

「言ったじゃん! やばいって!」

(ギリギリでした……。ですがセーフです。ギリセーフです)

真「ギリセーフ?」

「妹がなんか、変な言葉覚えちゃってるよ」


pipipi


芙蓉「電話ですよ、真様」

真「あ、あぁ……うん」

プツッ

真「も、もしもし」

『もしもし……真君?』

真「ゆ、由美か……」

『今日も帰ってこられないの?』

真「いや、これから帰るよ。事件も無事解決したし」

『そうなんだ……。よかった……ね?』

真「うん……よかった」


「おうおう、イチャついてんじゃねえよ、ご主人」

ゲシゲシ

真「おい、蹴るな」

「にゃ〜ん、にゃ〜ん」

スリスリ

真「何がしたいんだ、葵……」


『琴莉ちゃんも、帰りを待ってるから』

真「うん、わかった」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:57:00.36 ID:mwOZ0t6Co

伏見「あぁ、複雑な事件だったけど、終わったぁ……!」

芙蓉「上司にはどう報告したのですか?」

伏見「まぁいろいろと難しいから……うちの課長から説明してもらう」

芙蓉「死神とか、アイリスとか……色々説明できませんよね」

伏見「でも、警部は真剣に聞いてくれたよ。一課にもああいう人が居るって知れてよかったかな」


(…………)


「でも、人形二つもいらなくない?」

芙蓉「姉さんの意見は聞いてません」

伏見「そういえば……高坂さん、どうしてアイリスちゃんの名前知ってたんだろう」


(…………)


272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 13:57:39.35 ID:mwOZ0t6Co



真「アイリス、帰ろう」


(……はい、マスター)



(それでは、アイリスは帰ります)



(…………)



(さようなら、真姫様――)



……


273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/29(木) 13:59:17.85 ID:mwOZ0t6Co

―― 同時刻:真姫の病室


真姫「すぅ……すぅ」


希「よく寝てる」

にこ「あれだけ寝て、まだ寝るのね」

絵里「寝るのに体力使うから」


穂乃果「ここに飾っておこうかな? 気付くよね」


海未「穂乃果、その花は?」

穂乃果「ふふふ、知らないの、うみちゃん〜?」ムフフ

海未「む……」

ことり「アイリス、だよね?」

穂乃果「さすがことりちゃん」

花陽「でも、どうして?」

穂乃果「真姫ちゃんに教えてあげようと思って」

凛「なにを?」

穂乃果「花言葉を。『希望』『優しい心』『おもいやり』『純粋』」

海未「穂乃果が花言葉を……!?」ガーン

穂乃果「失礼しちゃうよね」

凛「わぁ、綺麗だにゃ〜」

希「白い花やんなぁ」

花陽「可愛い……。あれ、でも……いつ買ってきたの?」

穂乃果「さっき。着替えて抜け出してきたから」

絵里「穂乃果?」

穂乃果「あぁ、ごめんなさいっ、だって、買いたかったんだもんっ」

海未「もっと言ってやってください、絵里。私が言っても聞きません」

絵里「その花は散ってしまうから、お見舞いの花には向かないのよ?」

海未「……」ガーン

希「そっちやないんよエリち」

にこ「ふぁぁ……私も眠くなってきたわ……」

凛「うん……凛も少し疲れちゃった」

ことり「……それじゃ、寝ちゃおうかな?」

絵里「そうね、疲れはとっておきましょうか、横になるだけでもいいから」

花陽「……うん。……海未ちゃんは?」

海未「そうですね……私も戻ります」

凛「みんなと同じ病室って、すごく変な感じがするにゃ〜」

にこ「穂乃果は?」


穂乃果「私はもうちょっとここにいるよ」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:00:36.74 ID:mwOZ0t6Co

にこ「そう……それじゃ」

花陽「また、後でね」

ことり「先に戻ってるね」

凛「穂乃果ちゃんも、早く来るにゃ」


穂乃果「うん」


希「……」


穂乃果「希ちゃん」


希「うん……?」


穂乃果「前に話した、『真姫』のお友達の話」


希「……」


穂乃果「後で聞いてね」


希「うん。待ってる」


穂乃果「って、言っても話せることあまりないんだけど」


絵里「……穂乃果」


穂乃果「うん?」


絵里「……ううん、なんでもない」


穂乃果「なに、絵里ちゃん〜?」


絵里「ただ、私はみんなの顔が見れて嬉しいのよ」


穂乃果「えへへ、私も」


絵里「それじゃ、ね」


穂乃果「うん」


海未「なにか、あるのですか?」


穂乃果「なにかって?」


海未「いえ、ここに残っている理由とかあるのではと思って」


穂乃果「……ねぇ、うみちゃん」


海未「……はい」


真姫「すぅ……すぅ……」


穂乃果「私たちには理解できないけど、『真姫』には理解できることがあったんだ」


海未「……」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:01:34.34 ID:mwOZ0t6Co

穂乃果「私もさっき……なんとなくだけど理解できた」


海未「……」


真姫「……すぅ……すぅ」


穂乃果「『真姫』は寝てるんだよね」


海未「寂しいですか?」


穂乃果「ううん。だって、真姫ちゃんは真姫ちゃんだから」


海未「……」


穂乃果「だけど、その……『真姫』にしか理解できない友達と離れたことを……」


海未「……」


穂乃果「『真姫ちゃん』が知らないことが……ちょっと寂しいかなって」


海未「……難しいです。……私はそれを理解できないのですよね」


穂乃果「あはは……そうだね」


海未「先に戻っています」


穂乃果「あ、待って」


海未「はい?」


穂乃果「私たち、これから八十年生きていかなきゃいけないよ」


海未「それは……長い時間ですね」


穂乃果「そうだよね〜」


海未「ですが……できれば、そうありたいものですね」

スタスタスタ


穂乃果「……」


真姫「すぅ……すぅ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:02:14.92 ID:mwOZ0t6Co

穂乃果「私も逢えるかな……」


真姫「……すぅ」


「八十年後、私もアイリスちゃんに、逢えるかな……?」


「すぅ……」


「……」


「ん……ん……」



「……ねぇ、『真姫』」



「……すぅ……すぅ」



「よかったね、出会えて」



「すぅ……すぅ……」

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:02:42.48 ID:mwOZ0t6Co


………………


……………


………


……




278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:03:25.76 ID:mwOZ0t6Co

(……真姫様……寝てしまったのですか?)


「――」


(…………)


「――」


(あ……)


「――」


(もう、アイリスの知る真姫様ではないのですね)


「――」


(もう少し、真姫様とお喋りしたかったのですが……)


「――」


(アイリスは真姫様とお友達になれて、良かったです。真姫様はどうでしょうか)


「――」


(……)


「――」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:04:34.08 ID:mwOZ0t6Co

(別れる前に一つお願いがあります)


「――」


(アイリスの命は、マスターと共にあります)


「――」


(マスターが現世を離れる時、アイリスも一緒に逝くことになります)


「――」


(それはマスターが百を迎えるころになると思います)


「――」


(真姫様も、それまで生きていてください)


「――」


(常世でまた逢えたら、アイリスは嬉しいです)


「――」


(どうか、それまでお元気で)


「――」


(八十年後に逢えるのを楽しみにしています)


「――」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:05:39.49 ID:mwOZ0t6Co


(アイリスの名前は、マスターが付けてくれたとても大切な名前です)


「――」


(花言葉は、アイリスにとって真姫様そのもののように感じました)


「――」


「……ひぐっ……ひっく……ぐすっ」


「――」


「うぅぅぅ……ぐすっ……ずずっ」


「――」


「ま…また…っ……あ…逢う…日まで……っ」


「――」



―― おやすみなさい……真姫……ちゃん。



終わり
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/06/29(木) 14:11:10.71 ID:mwOZ0t6Co


以上で終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました。


クロス元はなないろリンカネーションという作品です。
日常が楽しい作品です。
その良さを生かしきれたのか謎ですが、
本作は倍以上に面白いです。VITAに出ているのでぜひプレイしてみてください。

なないろリンカネーション
https://www.youtube.com/watch?v=yOn5lttcPTY


ラブライブは他に
穂乃果「時の旅人」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396669413/
海未「くしゅんっ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430769907/
を書いてます。暇つぶしになれば嬉しいです。


今作は、影女「あけましておめでとうございます」をベースに構成しました。
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1325/13253/1325359507.html (←5年前!?)

色々と説明不足が否めませんが、もう少し精進したいと思います。

ありがとうございました。

282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 15:49:46.41 ID:GYnM/tFm0
と、時の人ッ!時の人じゃないか!?

今回もいい話でした乙
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/30(金) 11:33:39.35 ID:0/44vGVSO
突然オリジナルが出たのでクソでした
クロス元は1に書け
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/30(金) 12:10:51.26 ID:ZqRDQEF20
>>283
ヒント:最近のSS速報
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/01(土) 07:58:12.99 ID:1msrnwYoO
読み終えた乙
元ネタ知らなかったから途中着いていけなくなりそうだったけど良いラストでした
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 03:26:08.07 ID:QNxfphMe0
時の旅人の人だったのか
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga !red_res]:2017/07/30(日) 11:36:24.12 ID:IJtmxOWSO
死ね
369.48 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)