エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/15(火) 23:01:06.19 ID:FrmO2CHOO


戦士「……」


商人「ああ、すいません。正直すぎました……ええと、別に理想に対して良い悪いとか正しい間違っているはナンセンスですよ」


戦士「それじゃあ、何が正しいんだ……」


商人「唯一絶対に正しいものなんて存在しませんよ。評価する人で違いますから。自分や周りの人の良識を踏まえて吟味してください」


戦士「……」


商人「何回でも言いますけど、社会的、個人的に望ましいか望ましくないかはありますからね。自分ができる以上のことはできないんですよ」


戦士「そりゃそうだろ」


商人「けれど、戦士さんは結果的にできてきた、もしくはできるつもりだったんでしょうけど、それは自分のことやパーティのことは度外視してることが多いですよね?」


戦士「そうだな……そうかもしれない」


商人「それは本当は自分ができる範囲を超えてるんですよ。できないことをやろうとしてるんです。だからエルフさんは怒るんですよ?」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/15(火) 23:03:57.17 ID:FrmO2CHOO


戦士「結局、身の程を知れという話か」


商人「自分にできることできないことを認識して、最善を尽くしてくださいとしか言えませんね」


戦士「俺の信念は間違ってないんだよな?」


商人「僕は戦士さんの優しいところは大好きですよ。こうして僕たちを繋いだのは間違いなく戦士さんの優しさです。パーティみんな同じ意見だと思いますよ」


戦士「……ありがとう」


商人「ただ意見と予想を言っただけです」


戦士「そうだとしてもな」


商人「……そ、それより早く休んでくださいよ。事態が動いたらお知らせしますから」



戦士「ああ、そうさせ…………っ! 兵士たちだ!」


商人「もう来ましたか! 逃げるように指示してきます!」


戦士「……いや、待て。様子がおかしいぞ……!」


商人「……あれは!?」



to be continued...
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/15(火) 23:08:55.83 ID:FrmO2CHOO

○戦士メモ

・家畜:銀行などで貯金ができない農村では家畜が一つの貯蓄手段になっている。また、農産物生産のための道具でもある。それに動物は見ていて癒される。

・思春期:人間誰しもが経験する時期。俺は未だに思春期だったのか……?



○エルフメモ

・獣人:モフモフしてる。ちっちゃい子は毛がとっても柔らかいから抱きかかえてると幸せになれそう。

・ぐーちょきぱーの歌:最強はカタツムリ。パワフルかつテクニカルな手法だね。

・氷点零:威力を調整すれば涼むこともできるグレートな技。
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/15(火) 23:09:47.95 ID:OG0APJky0
不穏な終わり方だな
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 00:11:20.01 ID:SOqMlZv50
戦士はもっと修行すればいい
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 00:29:38.93 ID:SSYSTU/EO
おつ
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 06:28:40.02 ID:sGySIYLLo
>盗賊「(赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい)」


赤魔が危ない
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 07:04:51.49 ID:EugCa3+NO
盗賊「赤魔かわいい」はぁはぁ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 21:47:09.24 ID:E1ys8MIHO
面白いからもっt
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:42:09.30 ID:S+BVWDcz0

・・・
【盗賊パーティ・山小屋近くにて】


<<きゃぁーっ!

<<ま、まものーっ!?


エルフ「……」スッ


ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ



・グロウラー

HP:2500
こうげき:300
まほう:50
ぼうぎょ:250
すばやさ:400


エルフ「大した相手じゃない……けど」


赤魔「なんでダンジョンから遠いこんなとこで魔物が出るんだ!?」


盗賊「……いやな予感がするわね」


グロウラー「ォォォォォォッッーー!」


<<ひぃぃっ……!

<<うわぁぁぁんっ!


エルフ「とりあえずこのうるさいのを黙らせようか!」


赤魔「同感だぜ! 声だけデカいやつめ!」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:44:43.76 ID:S+BVWDcz0

エルフは杖の先に魔力を溜めている!


赤魔はナイフに四精霊の力を宿す!


盗賊の『加速蹴り』!

盗賊は更に加速する!


グロウラー「オボォォォォ……ッッ!」


エルフの『爆杖殴打』!


赤魔の『火炎剣』!



グロウラーは盗賊に噛みつこうとする!


ミス!



盗賊の『加速蹴り』 !


盗賊の素早さは最高潮に達する!


グロウラー<<グラァァ……バタンッ!


グロウラーを倒した!



エルフ「うん、やっぱり雑魚だね」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:46:29.39 ID:S+BVWDcz0


「見事なものね」



赤魔「誰だ!」


エルフ「あー、イカサマおっぱい女!」


イカサマ師「それは私のこと? もっと可愛く呼んで欲しいわねぇ」


盗賊「ーー」


盗賊の『神風蹴り』!



イカサマ師の『不確定免罪』!



『神風蹴り』は無効化された!


盗賊の素早さが元に戻った!



イカサマ師「急に襲いかかってくるなんていやね。どういう教育を受けてるのかしら……なんてね。久しぶり」


盗賊「黙れ……ッ! 何故お前がここにいる……!」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:50:24.64 ID:S+BVWDcz0


エルフ「なに、もしかして復讐相手ってディーラーのお姉ちゃんなの?」


イカサマ師「フクシュウなんて過去をうだうだするのはやめて今を楽しく生きなさいよ? というか、もしかしてまだサモナーのことを逆恨みしてる?」


盗賊「逆恨みだと……っ!」


盗賊の『死の針』!


イカサマ師「ああ、カミサマ。咎なき者を罰するなんてとんでもない」


イカサマ師の『不確定免罪』!


『死の針』を無効化した!



赤魔の『地震剣』!


ミス!


イカサマ師「そんなにお姉さんの揺れるおっぱいが見たいの、ボク?」ひらっ


赤魔「んなっ!?」



盗賊「……」ギリッ


エルフ「待って待って、ウェイウェイ。もしかして私たちを騙したのかな?」


イカサマ師「そんな人聞きの悪い……私はウソは言わないわ。あなたが勘違いしただけよね?」ぱちんっ


エルフ「いい歳してウィンクはやめろ」イラッ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:52:44.04 ID:S+BVWDcz0

赤魔「お前が盗賊を苦しめてるやつだっていうなら、俺はお前を許さない!」


イカサマ師「あらら、私は旧交を温めていただけよ。ねえ?」


盗賊の『加速蹴り』!


イカサマ師の『不確定免罪』!


『加速蹴り』は無効化された!


盗賊「ちっ……!」


イカサマ師「そんなに怖い顔しないでよ。もっと聞きたいことがあるんじゃないの? 『お姉ちゃん、今は恋人いるの?』とか可愛く聞いてよ」


盗賊「口を閉じろ!」


イカサマ師「それじゃあ、『あの魔物はどこからどうやって現れたの? 転移石? ダンジョン以外でも使えるの?』とか」


エルフ「ダンジョンの黒石はパイオツちゃんがやったの!?」


イカサマ師「それは現時点の誰にも分からないわ。何せその時にはもう戻れないのだから」


盗賊「無意味な言葉を並べ立てるな!」


盗賊の『死の針』!


イカサマ師の『不確定免罪』!


『死の針』は無効化された!



盗賊「くそっ……ふざけた力を……!」

315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 19:57:13.59 ID:S+BVWDcz0

盗賊「……」ゼエッ…ゼエッ…


赤魔「盗賊! 焦り過ぎだ! もう少し落ち着け!」


エルフ「あっちは戦うつもりはないみたいだし、情報を搾ってからコロコロしてもいいんじゃない?」


盗賊「……」はぁはぁ…


イカサマ師「まあ、別に用事なんてものはないよ。私はトリックスター。この場を引っ掻き回して楽しむの」


エルフ「気取ってんじゃないよ。アヘアヘさせんぞ」


イカサマ師「すけべは娘ねぇ……そうそう、これは報酬ね。2000G相当のアイテムだから」ポトッ


エルフ「やったぁ♪」


赤魔「アホか!」


イカサマ師「それじゃあ可愛い妹と久しぶりに遊んであげるわ。『トリックスターを探せ』を始めましょう。ルールは簡単。私を見つけ出してごらん?」


盗賊「ふざけるな……ッ!」


イカサマ師「私は真面目にふざけているからふざけてないわ。報酬は……サモナーの所在地。それじゃあ、始め♪」



イカサマ師は逃げ出した!



盗賊「待て……!」


『私を追いかけるより、お友達の心配した方がいいんじゃない?』


エルフ「!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 20:00:36.20 ID:S+BVWDcz0


盗賊「くっ……!」


赤魔「盗賊、落ち着け!」


エルフ「気配が消えちゃったよ。……それより、村の方がマズいみたいだけど」


赤魔「戦士たちが襲われてるか……しかしアイツの作戦かも」


エルフ「同じくらい弱い魔物ならいいけど……どうなんだろう」



<<ドゴォォォ…………ーー


<<グラグラ……



赤魔「……もしかして相当ヤバいのとやり合ってるんじゃ」


盗賊「……私が行くから二人は村人たちと待機しろ」


赤魔「だめだ。お前、少し落ち着きに欠けてる」


エルフ「ここはエルフちゃんに任せてよ。二人は待機ね」


盗賊「私に行かせてほしい」


エルフ「この前も単独行して迷惑かけたんだから自重しなよ。オーケー?」


盗賊「……分かった」


赤魔「……」ほっ
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 20:04:00.51 ID:S+BVWDcz0

エルフ「それじゃあ、私が見てくるから」


盗賊「すまない。こっちでまた魔物が出てもケガ人は出させないように対処するわ」


エルフ「よろしくー。あとパイオツちゃんが落としていったアイテムのチェックと黒石が近くにないか調べといてね」とてとて…


赤魔「ああ……というかノロノロ歩いてる場合か! いや、走っても危ないけどさぁ!」


エルフ「てへぺろ」



ダダダッッ…


エルフ「(あのバカ……またバカなことやってないといいけど……どうせやってるんだろうなぁ……!)」はぁはぁ…


エルフ「(くたばってんじゃないよー……!)」


エルフは山を全力で駆け下りていく!


エルフ「(いや、でも薄暗くて危ないし、バテるからきをつけよ)」


エルフは早歩きにペースを変えた


エルフ「(まあ、戦士はしぶとさだけが取り柄だもんねー。別に大丈夫でしょ)」



エルフ「……あれ、これフラグ?」



to be continued...
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/18(金) 20:06:17.95 ID:S+BVWDcz0


○エルフメモ


・グロウラー:今の私たちには弱い相手。声がデカい。

・イカサマ師:賭場のディーラーのパイオツちゃん。胡散臭さの塊。盗賊の姉?
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 20:13:36.91 ID:gu7iLIYu0
今まで取られた金の分やり返してやれ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 20:33:44.33 ID:ZHmukqBtO
ずっと書き方に見覚えあると思ったらあのssの人か
そりゃ引き込む文章力なわけだ、おつ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 20:46:11.04 ID:5Lf4MpdzO
面白い
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 21:56:42.36 ID:HpWkIHY6O
>>320
kwsk、読んでみたい
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 22:02:36.69 ID:ZHmukqBtO
女剣士のコンマss
これ以外のもいくつか書いてらっしゃるけど、他作品の話題は荒れやすいしこの作者っていう確証もないからこれだけ言っとく
あとは自分で探して
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 22:14:37.12 ID:MXmrRxgZO
あー、分かった。
面白いです、参考にしております。
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 10:21:40.93 ID:6RF9UWdY0
女剣士の人か気づかんかった(´・ω・`)
面白い
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/19(土) 16:37:24.11 ID:pkL2AFIh0
わかんないな、タイトルが
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 17:01:59.84 ID:GgG9+ZERo
酉つけてない以上本人なのかは分かんないんだからあんまりその話題を続けるのはやめた方がいいんじゃないか

確かに雰囲気似てるし酉つけてないのも一緒だけどさ
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 17:32:08.60 ID:jWV9MlR1o
荒れるってわかっててそれでもみんな話題に上げるんだよな
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:17:41.67 ID:AoRVU+kuO

【少し遡って獣人の村】



ドッゴオォォオオオォォォッッーー!



戦士「兵士たちが魔物に襲われてる……! あれは強いぞ!」


商人「……この状況って獣人たちな相当まずくないですか?」


戦士「えっ?」


商人「魔物がこんなダンジョンから離れた場所に現れるなんて普通じゃありえません! しかも亜人のテロの疑いを持って来た討伐隊に向かって……」


戦士「どういうことだ!? 話が見えない!」


商人「(そもそもの話、村の獣人たちがテロと無関係ならば首謀者は他にいるはずです)」


商人「(そいつらがこの魔物を何らかの方法で兵士たちを襲わせている? 転移石のようなものがダンジョン以外でも使えるようになったらそれも不可能じゃない)」


商人「(僕たちに依頼をした人物が関係者? そうだとしたらどうして僕たちを送り込んだのだろう。全くの無関係の可能性もありますけど、さすがにそれは不自然……むしろ止めて欲しがっていた?)」


商人「(……これは今の段階ではこれ以上の推論は時間の無駄ですね。それよりも、今の世論だとヘタをすれば獣人が魔物を操り始めたとなってもおかしくない。そうしたら本当に獣人の村を本気で滅ぼしにくるはず)」


商人「(関係ないといえばそうですが、この獣人の村だけでなく、ひいては亜人との対立になりうる……それが真犯人の狙いだったら何だか腹が立ちます)」


商人「(兵士たちが全滅しても世論は傾くことを考えると……)」


戦士「……すまん!」ダッ


商人「(まあ、戦士さんはそうですよね……僕がすべき行動は……おや、あれは?)」


商人「(ああ、なるほど、体裁のためか、強制か自発かは分かりませんが来たんですね。確か評判だと……うまく利用できないでしょうか)」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:19:44.08 ID:AoRVU+kuO

・・・

タイラントドラゴン「オォォオオオーーッ!」


<<しつこいなチクショウ!

<<くそっ、獣人どもの仕業か!?

<<ヒィイィィ……! お前たち僕を守れぇぇっ!



銃士「……オイタが過ぎるで」カチッ


銃士の『クリティカルショット』!

クリティカル!


タイラントドラゴン「グゥゥーーッッ」じろっ


銃士「こっち見んどいて」


タイラントドラゴンの『暴虐の爪』!


ミス!


銃士「あかんなぁ……アレもろうたらお陀仏やわ」


銃士「(とっさに注意を引きつけてしもうたわ。あのアホの病気が感染ってしもうたんやろか)」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:20:59.80 ID:AoRVU+kuO

銃士の『クリティカルショット』!

クリティカル!


銃士「(あと少し引きつけたら離脱やな。当たったらお陀仏やろうけど、幸い動きは大味やし何とかなるやろ)」


タイラントドラゴン「ウォォーー」


タイラントドラゴンは大きく息を吸った!


銃士「っ、あれは躱せへん……!」


タイラントドラゴンの『焦熱ブレス』!


銃士「ぐ……!」



戦士は銃士を庇った!



銃士「……おおう!?」


戦士「だいじょ……銃士っ!?」


銃士「何処ぞの筋肉ダルマか思うたら戦士やないか! なしてこんなとこにおるん!?」


戦士「……無駄話は後だ!」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:23:07.02 ID:AoRVU+kuO


銃士「そんならいつも通り俺に合わせてぇや!」チャキッ



銃士の『クリティカルバースト』!

クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!



戦士はタイラントドラゴンの動きを見極めている!


タイラントドラゴンの『暴虐の爪』!


戦士「はぁっっ!」


戦士は完璧に防御した!



銃士「そんなことできるようになったんか!?」


戦士「たまたまだ!」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:24:30.75 ID:AoRVU+kuO


銃士「やっぱりお前と組むとぶっ放し放題やから楽しいわ!」



銃士の『クリティカルバースト』!

クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!


戦士の攻撃!



タイラントドラゴンは怒り狂っている!



タイラントドラゴンの『暴虐の一閃』


戦士は銃士を庇った!


戦士「ぐっ……強いな……!」


銃士「ほんまにな……! 守りは頼むで!」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:28:58.48 ID:AoRVU+kuO


<<っ、俺たちもいくぞぉっ!

<<私に続け!

<<うるせぇ、坊ちゃんは下がってろ!


傭兵たちが加勢する!


タイラントドラゴン「グォォォォォォーーッッ!?」



銃士「流れが来とぉで! このまま押し切っちゃる!」



銃士の『クリティカルショット』!

クリティカル!


戦士「そういや弾は足りてるか?」


銃士「たんまり持って来とぉで。まあ人殺しに使うんより弾も喜んどるやろ」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:31:30.41 ID:AoRVU+kuO


<<なめんなぁ!

<<魔物狩りは本業なんだよぉ!



傭兵たちの攻撃!



タイラントドラゴンはますます怒り狂っている!



タイラントドラゴンの『孤独の逆鱗』!


<<ぐわぁぁっ!

<<ぎゃぁっ!


銃士「やっこさん、さらに暴れはるんか!」


戦士は銃士を庇った!


銃士「ほんまあんがとさん!」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:32:56.86 ID:AoRVU+kuO


タイラントドラゴンの『孤独の逆鱗』!


銃士「いっ……!」


傭兵たちの多くが力尽きた!



戦士は銃士を庇った!


戦士「はぁはぁ……」


銃士「……大技やけども、その分だけ無防備や! 急所全突きしちゃる!」


銃士の『クリティカルバースト』!


クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!


戦士の攻撃!


タイラントドラゴン「ゥオォォオオオォォォーーッッ!!」


銃士「まだ生きとぉんか!」


戦士「はぁはぁ……しぶとい……!」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:34:21.65 ID:AoRVU+kuO


商人「ーーみなさん、目と耳を塞いでください!」


商人は『スタングレネード』を投げた!


キィィンッッ!



タイラントドラゴンは混乱している!



商人「みなさん、今です!」



獣人族が加勢する!



銃士「おおう!?」


商人「戦士さん、大丈夫ですか!」


戦士「商人! これは……!」


商人「説得するのに大変でした! この勢いで倒してしまいましょう!」


戦士「……ああ!」


戦士の攻撃!

傭兵たちの攻撃!

獣人族の攻撃!



338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:37:45.25 ID:AoRVU+kuO


タイラントドラゴンは混乱している!



銃士「この隙に押し切るで!」



戦士「はぁっ!」

戦士の攻撃!



<<おらぁっ!

<<村を守れ!


傭兵と獣人の攻撃!



銃士「いい加減くだばりなはれや!」

銃士の『クリティカルショット』!


タイラントドラゴンは瀕死だ!



タイラントドラゴン「ォォォーー」



戦士「やったか!?」


銃士「おま……それはアカンやろ!」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:40:45.15 ID:AoRVU+kuO

タイラントドラゴン「ーーーー」ゴゴ…


タイラントドラゴンは限界まで力を溜めている!


銃士「……最初のアレや! 直撃は大惨事や! 下がれ!」



タイラントドラゴンの『天地崩壊』!



ドッゴオォォオオオォォォッッーー!



戦士「ぐっ……うぉぉぉっ!」



戦士はパーティを庇った!


戦士「ぅ……っ」


戦士は力尽きた!



傭兵たちは力尽きた!

獣人族は力尽きた!



銃士「……くっ」


商人「うぅ、ここまで来て……!」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:44:33.48 ID:AoRVU+kuO

銃士「お嬢ちゃんはもっと下がりな! 俺が時間を稼ぐわ!」


銃士「(いうて、俺は脆いんやけどなぁ……! まあ、ここはカッコつけんと男が廃るやろ!)」


銃士の『クリティカルショット』!

クリティカル!



タイラントドラゴンの『孤独の逆鱗』!


銃士「やっぱあかんわ……あふんっ!」


銃士は力尽きた!



商人「ええっ!」


タイラントドラゴンの『孤独の逆鱗』!


商人「ひゃっ……あぁっ!」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:45:48.19 ID:AoRVU+kuO

<<ああ、み、みんなやられてしまった……!


商人「あいたた……」


タイラントドラゴン「ーーグォォォォォォッッ!」



タイラントドラゴンは辺りを吹き飛ばすために力を溜めている!



<<ひっ……だ、誰か助けてくれ……お父様……お母様!


商人「う、うう……」



エルフの『爆杖殴打』!



タイラントドラゴン「ーー!?」


タイラントドラゴンはよろめいている!


商人「……エルフさんっ!」



エルフ「主役は遅れて登場するのさ! ……ちょっと遅すぎた気もするけど!」



エルフが加勢する!
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:55:15.52 ID:AoRVU+kuO

タイラントドラゴン「グォォォ……!」


エルフ「さっさと暴君は斃れなよ!」ググッ……


エルフの『滅撃・氷』!


タイラントドラゴン「ォォォォォォーー」パキキキキ……



タイラントドラゴンの『悪あがき』!


エルフ「マジで……っ!」



商人「やらせない……!」



商人はエルフを庇った!


商人は力尽きた!



エルフ「……いい加減にしろよトカゲぇぇっ!」ググッ……


エルフの『滅撃・氷』!



タイラントドラゴン「ォーーーー」パキキキキ……


バキィィィィーー!!



タイラントドラゴンを倒した!


343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:56:42.43 ID:AoRVU+kuO


エルフ「ふう……」


<<た、たすかった……



エルフ「見たか戦士! 商人! 今回は私がいいとこどりさせてもらったからね!」


戦士<<チーン……

商人<<チーン……


エルフ「……まずは皆んな蘇生させないとね。あ、そこの腰抜かしてるお兄さんも手伝って。多分、まだ村に獣人が少し残ってるはずだから呼んできて」


<<は、いや、しかし獣人は……


エルフ「早くしろ!」


<<う、うん……
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:58:51.77 ID:AoRVU+kuO
・・・
【獣人の村】


銃士「いやぁ、制圧に来て看病されるなんてけったいな話やね」


戦士「だからここにいる獣人たちは潔白だと言ってるだろ」


銃士「分かっとるよ。しかし領主はんへの報告はどないしましょ」


商人「それは大丈夫だと思います」バタンッ


銃士「おっ?」


商人「この隊の副隊長と交渉した結果、何とかなりそうです」


戦士「副隊長?」


商人「この兵隊は名目は領主が社会的正義を執行するために派遣されたものです。それならば体裁のために身内もいれるはずで、長男が副隊長として加わってました」


銃士「あー、あの坊ちゃんか。正義感振りかざして、そのくせわがままで手を焼いたわぁ」


商人「でも扱いやすかったですよ。獣人が戦いに参加したのもあって、この看病もあって完全に懐柔できました」


戦士「……それでこの好意的な対応なのか」


商人「単純ですけど押しは強いみたいですから領主も説得してもらいましょう。親バカらしいですしね」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:00:02.83 ID:AoRVU+kuO


銃士「打算的で怖いわぁ」


商人「平和的に解決できるならいいじゃないですか」にこっ


銃士「!」ぞくっ


戦士「そうだな」


商人「それでは少し獣人族の方とお話がしたいので失礼します」


戦士「おう。そういえばエルフは?」


商人「死ぬほど愚痴りながら登山中です。盗賊さんたちに状況を伝えなければいけないので」


戦士「大変だな」


商人「『あとで戦士に破産させるまで奢らせてやる』とか言ってましたよ」


戦士「とばっちりにも程がある!」


商人「あはは……それじゃあ」バタンッ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:01:15.54 ID:AoRVU+kuO

戦士「……」はぁ…


銃士「あの娘、今の仲間なん?」


戦士「ん? ああ」


銃士「めっちゃええやん……好きやわぁ……あの腹黒そうな感じええわぁ……」


戦士「はぁ……?」


銃士「なあなあ、また俺と組まへん?」


戦士「お前、あんだけ一方的に関係を切っておいて……」


銃士「まあまあ! 過去のことは置いとこうや。俺とお前の仲やろぉ?」


戦士「まあ、他のメンバーもいるから何ともいえんが」


銃士「お前みたいなアホと組むやつが二人もおるやと!?」


戦士「4人だな」


銃士「おま……大丈夫か? お金とられたりパシられたりしてへん? お給金はちゃんともろうとる? 痛い目に合わされてへんか?」


戦士「概ね上手くやってるさ」


銃士「あの無差別誰でも絶対助けるマンの戦士に仲間が……」


戦士「へいへい……」


銃士「(まさか助けたやつでハーレムを形成してたり……いや、まさか、まさかなぁ……ははは)」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:04:26.29 ID:AoRVU+kuO

・・・
【翌日】


エルフ「疲れたぁ……どんだけ私に歩かせるんだよぉ」ぐてぇ


商人「お疲れ様です、ほんと」


赤魔「そっちも大変だったみたいだなぁ」


盗賊「……」



銃士「ふざけんな!」


戦士「は?」


銃士「ハーレム作りやがって! もげてまえ!」


エルフ「さっきから何? 誰この人?」


銃士「あ、自分、戦士と前に組んでた銃士いいます! どうぞよろしう!」


エルフ「ふうん。ちょっと私たちだけで話したいことあるから出てってもらえる?」


銃士「まあまあまあまあ! エルフ族は秘密主義なんは聞いとりますけど、ここは是非ともお相伴に預からせてえな」


エルフ「はぁ……」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:06:52.07 ID:AoRVU+kuO

銃士「それに君みたいな可愛い娘とももっとお話がしたいんや」キリッ


エルフ「は? なに、キモい。1秒100Gもらわなきゃイヤ」


銃士「おふ……」


赤魔「まあ、そう言うなよ! 面白そうなやつじゃん」


銃士「ええ子やぁ……惚れてまいそう……」


盗賊「その時は抉るぞ」ボソッ


銃士「ひぇ……っ」ひゅんっ


商人「(脅しとかじゃなくて、本気の目ですね)」ぞくっ


戦士「そういや、こいつが仲間になりたいらしいんだが」


エルフ「チームエルフにこれ以上童貞はいらないかな」


盗賊「ダメだな。受け付けられない」


銃士「この言われよう! というか、どど、童貞ちゃうわ!」


盗賊「尚更ダメだな」


銃士「取り付く島もあらへん……!」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:10:12.88 ID:AoRVU+kuO

赤魔「えー、チームレッドに入れてやろうぜ」


エルフ「チームエルフだっての! チームレッドはチームエルフに吸収合併されましたー!」


赤魔「はぁ!? むしろそっちがだろ!」


バチチチ……!



戦士「あいつらは置いておいて、俺は銃士がまた組んでくれるなら心強いが」


銃士「別に男に好かれても嬉しくあらへん」


戦士「そうかよ……商人は? 今のところ2対2だが」


商人「僕ですか……」


銃士「(僕っ娘ええわぁ……)」


商人「6人いれば場合によっては3:3や2:2:2に分けられますからね。固定費用も6人と5人なら大差ないですし、銃士さんは戦闘能力も高かったですからメリットはあるかと」


銃士「そうやそうや!」


商人「……そういうわけで人出が欲しい時に臨時で雇う形でいきましょう」


銃士「そうやそう……へっ?」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:12:12.90 ID:AoRVU+kuO


エルフ「まあ、腕が確かならヘルプが欲しい時に入ってもらえばいいかな」


盗賊「……それくらいなら問題ないか」


赤魔「盗賊が譲歩するなら俺もそれでいいぞ!」



戦士「……銃士、そういうことでヘルプが欲しいときは頼む」


銃士「なんやそれ!?」


エルフ「呼んだら先約入っていてもこっち優先だからね」


銃士「はぁ!?」


エルフ「あと、チームへの仮入会金として100G徴収するから」


銃士「へぁぁ!?」


エルフ「それじゃよろしく♪」


銃士「あ、あんまりやぁ……!」



銃士が(ヘルプとして)チームエルフに加わった!



to be continued...

351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:19:57.74 ID:AoRVU+kuO
○戦士メモ

・タイラントドラゴン:今まで戦った相手の中でも格段に強かった。多くの加勢がなければ負けていた。

・領主の貴族:結局、長男の言葉を飲んで、獣人の村については潔白とのお触れ書きが出た。しかし少数民族と人間たちの隔たりは根深い。



○エルフメモ

・銃士:童貞。

・ケンカ別れ:理由は仕事で護衛した女の子に一目惚れした際、その子は戦士を好きになって振られたかららしい。後で戦士に詳しく聞かないと。ほらチームの運営的なアレだよ、うん。



>>352コンマ2桁
ゾロ目:???
ゾロ目以外:本編通常進行
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 14:27:09.42 ID:gSqweE5zo
神よ…
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 14:30:10.71 ID:hSawCYyF0
銃士ブサイクなんだろうな、それで喋りもキモいし当然だな
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 15:03:56.02 ID:636YX1uLO
おしい
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 00:19:49.04 ID:KJms3UUR0
ゾロ目だとどうなるんだろうなあ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:49:34.96 ID:W4+nvnLJO

・・・
【後日・戦士宅】


エルフ「ひまだー、かまえー」


戦士「故郷の家族に手紙書いてるから後でな」カリカリ…


エルフ「〜〜」


エルフ「うるへー! 手紙と可愛いエルフちゃんのどっちが大事じゃー!」がばっ


戦士「おま! 危ねえだろ!」


エルフ「ふんふーん♪ そうだ、エルフちゃんが添削してあげるよ」ぱたぱた…


戦士「首に手を回したまま足ばたつかすなよ……だいぶクビ締まってる……っ!」ググッ…


エルフ「あはは」ぷらぷらっ


戦士「こんにゃろ!」ぐいっ


戦士はエルフを持ち上げた


エルフ「きゃー♪ 馬鹿力ー♪」ぷらーん


戦士「(お前には負けると思うがな……言わないけど)」


357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:50:48.35 ID:W4+nvnLJO

戦士「ったく」すたすたっ


エルフ「やだー、ベッドに連れて来て何するつもりー? えっちー」ぼふっ


戦士「何もしねえよ!」


エルフ「知ってたー♪」


戦士「〜〜」


エルフ「あはは」


戦士「もう少し寝とけ」すたすた


エルフ「断るよ」



この後同じことを2回繰り返した
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 20:51:57.57 ID:YbSLJfIAO
ナチュラルに同棲カップル
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:52:37.49 ID:W4+nvnLJO



エルフ「戦士の体は硬くて座り心地は微妙だね。それに文章も硬いって。もっと柔らかくしたら?」ぼふっ


戦士「そうか? あとお前が邪魔で上手く書けないんだが」


エルフ「すぐに責任転嫁するんだから」


戦士「いや、責任転嫁というか……まあ、いい」


エルフ「はい出た。『まあ、いい』」キリッ


戦士「そんな風には言ってないだろ……」


エルフ「まあ、いい」キリッ


戦士「〜〜」


エルフ「あ、それと、私のことはもっと賢く可愛く伝えてよ。この文章からじゃ全然伝わらないよ」


戦士「お前はこんなもんだろ」


エルフ<<ズゴッ


戦士「鳩尾に頭突きはやめろ……っ」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:58:49.95 ID:W4+nvnLJO

エルフ「全くリーダーへの敬いが足りてないよ」


戦士「敬って欲しいならせめて独り立ちしろよ……」


エルフ「うるへー。……そういえば、君の元仲間の童貞くんが言ってたけど、依頼人の娘に告白されたらしいじゃん? 詳しく聞かせてよ」


戦士「別に取り立てて話すことは特にないな。普通に護衛して、暗殺に来た刺客を倒しただけだ」


エルフ「普通ってなんだ……」


戦士「それに告白というか、専属の護衛にならないかという申し出だ。あいつは拡大解釈しすぎなんだよ」


エルフ「……ウソは言ってないの? 今はやり取りはある?」


戦士「ウソ言ってどうするんだよ。まあ、護衛はもう必要なくなったようだし、たまにパーティの警護の依頼が来るくらいだな」


エルフ「(うーん……グレーかなぁ?)」


エルフ「とりあえず銃士は依頼人の娘に手を出そうとしたクズ野郎ということでオーケー?」


戦士「いやぁ、別にあいつは何もしてないと思うぞ? 基本的に口では色々言うが実際に気になった女性の前だとめちゃくちゃ奥手になるんだよ」


エルフ「生粋の童貞じゃん」


戦士「そう言ってやるな……」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:01:35.05 ID:W4+nvnLJO

エルフ「戦士も童貞だしねー、たはは」


戦士「ほっとけ」


エルフ「やあやあ童貞の戦士くん? 可愛い女の子を膝の上に乗せて、何か思うところはないのかい? どきどきしてる? どんな気持ち? ねえ、どんな気持ち?」にやにや


戦士「そうだな……柔らかくていい匂いがするから心地いいな」


エルフ「……」ぼぼっ…


戦士「おいおい、耳まで赤いぞ。言われるのには慣れてないんだな」にやっ


エルフ「……童貞のくせに生意気だ!」ズゴッズゴッ


戦士「いってぇっ!?」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:03:22.60 ID:W4+nvnLJO

戦士「そういえばお前は家族に手紙を出したりしないのか?」


エルフ「……べつに必要ないしー」


戦士「だが、家族も心配してるだろう? 安心させてやれよ」


エルフ「うっさいなー。事情も知らないくせに」


戦士「……それはそうだな。どんな事情があるんだ」


エルフ「いや、言わないけど?」


戦士「……」ポンポン


エルフ「……急になに?」


戦士「他意はないさ」


エルフ「あーん? 勝手に推測して憐れんでるとかだったら股間に『爆杖殴打』だかんね」


戦士「クリティカルじゃねえか。まあ、話したくなったら話せよ」ナデナデ


エルフ「……ん」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:05:17.32 ID:W4+nvnLJO

ドンドンッ


エルフ「……ちっ。うざったいのは、どちら様?」ぴょんっ


ガチャッ



銃士「せんしー! 久しゅう会わんかったしサシ飲み……エルフ!?」



エルフ「……帰れ」バタンッ


銃士「ちょぉっ!?」


戦士「おいおい……」


・・・

銃士「一緒に暮らしとるやと!?」


エルフ「声デカい。うるさい。不快。近所迷惑」


銃士「堪忍してや……」


エルフ「堪忍してやるからさっさと帰って」しっしっ
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:08:11.76 ID:W4+nvnLJO

銃士「エルフは手厳しいなぁ……」


エルフ「なんで呼び捨てにしてるの? 礼儀知らずなの? 他人との距離感が掴めないタイプなの? ほんと生理的に無理だから帰って欲しいのが分からないの?」


銃士「か、堪忍してやエルフちゃん」


エルフ「うわっ……」


銃士「……エルフはん」


エルフ「そもそも名前呼ばないで欲しいね」


銃士「……」しょぼん…


戦士「そんなに邪険にするなよ……」


エルフ「だいたい古都の人があまり好きじゃないんだよねぇ。自分たちの文化とか言葉に自負とか持ってるのはいいけど、それが他所でも当然みたいな顔してるのが受け付けないよ」


銃士「それは偏見やで! 別に俺のことを悪く言うんはええけど、それは許せへん! みんなええヤツばっかや!」


エルフ「はいはい……じゃあ、訂正するから帰って」


銃士「どんだけ帰って欲しいん!? さすがの俺も傷つくわ!」


エルフ「別に君が傷付こうが私は傷つかないし同情もしないよ。そんなわけで早く帰ってよ」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:10:09.65 ID:W4+nvnLJO


戦士「エルフ。それくらいにしとけよ」


エルフ「……」はぁ


銃士「(正直ご褒美やから止めんでええのに……いつも余計なことばかりしくさるんやから)」


戦士「それで二人で飲みに行くのか? 」


銃士「ええと……」ちらっ


エルフ「行ってくればいいじゃん。別にそこまでついて行ったり制限したりしないっての。エルフちゃん、そこまでメンドくさくないからね」


戦士「多少の自覚はあったんだな」


エルフ<<ゴスッ


戦士「悪い悪い」


銃士「(見せつけてくれるやんか……)」



エルフ「というか、早く仮入会金の100G払ってよ」


銃士「あれホンマやったん!?」


戦士「真に受けなくていいぞ」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:11:53.15 ID:W4+nvnLJO
・・・
【大衆食堂】


銃士「お前の彼女、めっちゃアタリきついわぁ」


戦士「別にそういう関係じゃないが」


銃士「はあ!? 一緒に暮らしとるんやろ!?」


戦士「居候だ、居候」


銃士「なんで戦士ばっかり良い目見とるん? 俺かて女の子養いたいわ。むしろ養って欲しいわぁ。ヒモになりたい」


戦士「上手くいけばいいな」


銃士「雑な返ししよってからに……もうヤルことヤッたん?」


戦士「はあ?」


銃士「戦士までもが大人の階段上ってしもたんか……? しかもエルフ族と?」


戦士「そんな関係じゃないって言ってるだろ」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:15:29.03 ID:W4+nvnLJO


銃士「いやぁ、居候するお礼的感じで乳でも揉んどるんかなぁと。まあ、お前はそういう男やなかったわ。ほんまについとるんか? 」


戦士「疑う余地があるか?」


銃士「もしかして不能なん? 同じ男として同情するわ」


戦士「……その方が気楽だがな」


銃士「……一緒に暮らしとるんやったら、ぶっちゃけ下の世話どうするん? 泡のお風呂屋さんデビュー……?」


戦士「何の話だよ。その辺は……まあ、お互いに暗黙裡に配慮するだろ……」


銃士「もしかして他のメンバーとできてるんか……? 爛れたパーティなんか?」


戦士「お前はろく次から次へと下世話な想像ができるな」


銃士「男なんて頭の中の9割方はエロいことでいっぱいやろ」


戦士「自分自身がそうだからって、それが常識だと思うなよ」


銃士「いや、みんなそうに決まっとる!」


戦士「まあ、お前の中ではそうなんだろうな」


銃士「なんや、みんなして俺にアタリが強いわぁ……」


戦士「言い過ぎたか? 悪かったよ」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:17:35.78 ID:W4+nvnLJO

銃士「エルフ族かぁ……一晩でどんなに安くても500Gからやろなぁ。一月の稼ぎがパァやな」


戦士「……」


銃士「下ネタはやめるさかいに、睨むんはやめえや」


戦士「お前、エルフか赤魔の前で同じようなこと言ったらぶん殴るからな?」


銃士「随分と入れ込んどるな?」


戦士「……妹みたいなもんだからな」


銃士「そういや、妹おるんやったな。紹介してえや!」


戦士「お前には絶対に嫌だ」


銃士「親友に対して冷たいわぁ」


戦士「一方的に関係を切っておいて親友面とはお前の調子の良さも変わらないな」


銃士「謝るから堪忍してや。なに? オコなん?」


戦士「今の発言で更にな」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:20:14.94 ID:W4+nvnLJO


銃士「いや、ほんとは縁切りも冗談のつもりやってん。でも、直後に入った仕事が予想以上にでこうて、全然帰れんくてな」


戦士「デカい仕事?」


銃士「他国の大富豪はんの依頼で『悪魔の湿原』でレアアイテム掘りや。そこで現場リーダーやってたんよ」


戦士「へえ……」


銃士「大変やったで。死人やら病人やらがガンガン出てな? それでもどんどんと新しい冒険者が投入されるんや。むざむざ死なすわけにもいかんから目当てのレアアイテム手に入れるまで半年近くおったな。だいぶ生死の感覚が麻痺してもうたわ」


戦士「……過酷だな。帰ってきたってことは、仕事は終わったのか」


銃士「……」ふるふる


戦士「ん?」


銃士「必要のうなったらしいわ。目当てのアイテムは万病に効く薬草やったんやけど、それを欲しごうとる依頼人はんがポックリしよったさかいに、打ち切りや」


戦士「……そうか」


銃士「後に残ったんは死体の山と毒の後遺症抱えた冒険者だけや。お笑い種にもならへん」


戦士「お前は毒は大丈夫だったのか?」


銃士「俺は加護の魔法使えるからな。俺の指示が行き渡らんかったやつや無視した奴が被害者やな」

370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:23:39.23 ID:W4+nvnLJO

戦士「……」


銃士「守れんのはキツいよなぁ。お前ならこういう時どうするんやろ、ってよお考えたわ」


戦士「……俺にもどうしようもできなかったさ」


銃士「……まあ、くよくよししてもしゃあないからな。俺は俺のやることをやるで」


戦士「それしかないな。もっと飲むか」


銃士「おっ、戦士が勧めるんは珍しいわぁ」


戦士「俺だってたまにはそういう気分になるさ」


銃士「感傷的なやっちゃな。そうだ、詫びにこれをお前にやるんやった」


戦士「これは?」


銃士「悪魔の湿原で取れたレアアイテムやな」


戦士「いいのか?」


銃士「別に報酬はたんまりもろうてたし、他のアイテムを換金して懐は潤っとるさかい、気に病まんでもろうてくれ」


戦士「まあ、そういうなら貰っておこう」



戦士は『解放の宝玉』を手に入れた!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:28:23.25 ID:W4+nvnLJO


戦士「綺麗な宝石だな」


銃士「なあ? まあ、お前は武器の方が嬉しかったかもな」


戦士「はは、そうだな。さ、飲むか」


銃士「お前の話も聞かせえや。あ、それよりも商人ちゃん……商人くんのことをやな」


戦士「何故また……」



銃士「あんだけ可愛いんやったら、男でも問題ない気がしてきてもうた」



戦士「血迷ってる、血迷ってるぞお前……」


銃士「あない可愛い子が女の子なワケありひん!」


戦士「おい……」


銃士「俺は正気に戻った!」


戦士「ダメみたいだな……」



・・・

エルフ「あまりに遅いから様子を見に来たら……」


戦士・銃士<<すやぁ……


エルフ「よくお店で熟睡できるよね……はあ、商人でも連れてこよ」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:30:46.34 ID:W4+nvnLJO

・・・

<<すげえな、あの大男を背負ってる……

<<二人とも小柄なのに怪力だな……


エルフ「まったくこいつら……! 戦士は無駄に重いんだよ!」


商人「ふわぁ……深夜に呼び出されたと思ったら酔っ払いの介抱ですか……戦士さんがここまで酔ってるなんて珍しいですね」


エルフ「まったく……私と一緒の時は全然飲まないくせに……!」


戦士「ぅ……エルフ? すまん、自分で歩けるから……」ウトウト…


エルフ「いいから寝てなよ! まったく今度お返ししてもらうからね」


戦士「すまん、ありがとう……」ウトウト…


商人「銃士さんの住所分からないんですけど、戦士さんの部屋でいいですか?」


エルフ「そうしたら、せっかくのチャンス……い、いや狭いから無理! うん狭いから!」


商人「えぇ……まあ、はい。なんかもう、お好きにどうぞ」


エルフ「や、だから、だからだね……えっと……」


商人「ああ、大丈夫、大丈夫です、はい」


エルフ「何がだ! その温かい目をやめろ!」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:33:31.30 ID:W4+nvnLJO

・・・

エルフ「やっと着いた。おりゃっ」


戦士「ぅぅ……」ドサッ


エルフ「おーい、吐いたりしないでよー?」


戦士「……」スゥスゥ…


エルフ「しっかし酒くさいなぁ」


エルフ「……」すんすん


エルフ「酒くさい!」


エルフ「……」くんくん



エルフ「まったく無防備に寝ちゃって……女の子なら色々と危ない目に遭っても知らないよ」


エルフ「……ええーと、着替えないとダメだよね? 仕方ないなぁ! めんどくさいけど仕方ないなぁ!」ドキドキ


エルフ「ほ、ほら着替えさせてあげるから手を挙げて!」


戦士「んー……いらん……」


エルフ「い、いいから! ほら、私がイヤだから!」


戦士「んー……」


エルフ「よ、よっと……」ぬがしぬがし
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:39:11.28 ID:W4+nvnLJO



エルフ「……まあ、熱いなら私の体温がちょうどいいかもよ? ほら砂漠とか人肌の方が涼しいっていうし……ね? ねっ?」



するっ…ぱさっ…



戦士「……」



エルフ「……っ」のしっ



すっ



エルフ「せ、せんし……っ」




375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:41:15.72 ID:W4+nvnLJO



戦士「……うぷっ!」ぐぐ…




エルフ「えっ!? ちょっ……桶! この桶に!」



戦士「うぅ……おぇぇ……」ぼちゃちゃ…



エルフ「……」さすさす…


戦士「おぇぇ……」びちゃびちゃ…


エルフ「まったく……ほら、水」


戦士「……ん」ごくごく…



パタッ



戦士<<すやぁ……



エルフ「はぁ……やっぱり戦士だわ」



エルフ「……寝よ」


376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:43:22.15 ID:W4+nvnLJO


・・・

チュンチュン……



戦士「んぐ……あたまいてぇ……」ズキズキ…


エルフ「……」すやすや…


戦士「……うん? なんでこいつ下着なんだ? ……え? なんで俺はパンツだけなんだ!?」


エルフ「うるさい……あぁ、起きたんだ」ふわぁ


戦士「……エルフ、これは一体」


エルフ「……ひどいよ戦士……私、初めてだったのに……あんな乱暴に……」ぐすっ…


戦士「……」サァ…


エルフ「何回もやめてって言ったのに……まさか、覚えてないの……?」ぐすっ


戦士「あ、え、ま……?」


エルフ「……責任とってよっ」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:45:23.23 ID:W4+nvnLJO


戦士「ほ、本当にすまなかった! 責任は取る! すまない!」ガバッ


エルフ「(……本当に信じたし)」


戦士「すまない……! ああ、俺はなん
てことを……!」ガタガタ…


エルフ「(……)」


エルフ「……本当に嘔吐物の処理をさせるなんて最低!」


戦士「うぅ……へっ?」


エルフ「私に、自分の出したゲロを捨てさせて呑気に寝ちゃって! 人としてどうなの!? あんなに吐くのやめてって言ったのに!」


戦士「あ、うん、すまない?」


エルフ「次はないからね! ちゃんと責任もって禁酒してよ!」


戦士「あ、ああ! な、なんだ……」ほっ…



エルフ「(……ま、今はこれでいいや)」




to be continued...
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:47:44.38 ID:W4+nvnLJO

○戦士メモ

・悪魔の湿原:隣国の領土にまたがる広大なダンジョン。8つのダンジョンの中で一番広い面積を持つとされる(『不帰の虚』は除く)。ダンジョン全体に毒の霧が広がっており、その水は猛毒である。それらに対する知識と対策を持たずしてこのダンジョンに挑むことは自殺行為である。

・アルコール:ここにおいて無期限に断酒することを誓う。



○エルフメモ

・手紙:戦士はわりと筆まめなのか二週間に一回は家族に手紙を出している。家族や友人、その他からの手紙は机に保管してるみたいでかなりの量だから全然読み終わらないよ。

・責任:好きでもないのに取ってもらっても嬉しくないし。いや、そもそも戦士なんかに取ってもらっても嬉しくないし。……別に事実を話して後悔とかしてないし。



>>379
1.日常
2.ダンジョン
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 21:48:37.61 ID:YbSLJfIAO
2
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 21:56:52.65 ID:KJms3UUR0
酔っぱらいの介抱するとかエルフめっちゃ良いやつだな(´・ω・`)
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:24:42.06 ID:o4X/30fzO

【後日・カフェにて】



エルフ「はい、それじゃあミーティングを始めまーす」


戦士「ああ」

商人「はい」

赤魔「おう」

盗賊「……」

銃士「あいあい」



エルフ「まずはこの前の一件についてもう一回話し合おうか。その後、次の予定について話し合おう」


戦士「結局、この前のテロの真犯人は盗賊の姉なのか?」


商人「(いきなりぶち込んで来ますね……)」


盗賊「そうだろう。私にはその真意も、奴がどのような勢力と結び付いてるかも掴めていないが……まあ、ロクでもないのは間違いない」


商人「爆弾テロに魔物を使って兵士の襲撃ですもんね……」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:26:12.22 ID:o4X/30fzO

銃士「自由に魔物を転移させれるんやとしたら、アカンなぁ。街中に転移させられたら大パニックや」


エルフ「『魔物の洞穴』でもヤバいよ。街に近いしね」


商人「でもそうしたら、どうして今回はまず爆弾を使ったんでしょうか。転移に制約があるのか、何か裏があるのか……あれから考えてみましたが答えは出ませんね」


盗賊「一つ確かなのは黒幕がいることだ。あのイカサマ女は手駒に過ぎないだろう。あいつはリーダーをやるようなヤツではないわ」


赤魔「そうなると黒幕はサモナーか」


盗賊「そうね」


エルフ「盗賊はそのサモナーとかいうのに復讐したいんだよね? 何をされたの? セクハラ?」


盗賊「村を焼き払われた」


エルフ「わーお」


戦士「おい、エルフ」


エルフ「不謹慎だったね。反省してまーす」


戦士「おい……」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:29:23.84 ID:o4X/30fzO

盗賊「別にいいわ。過去の話よ」


エルフ「言葉と行動が一致してないだよねぇ」


商人「そういう時は行動を基に判断するのがベターかと」


盗賊「……そうね。水に流せてないわね」


エルフ「うんうん、素直な子は好きだなぁ」


盗賊「……」ふぅ…


赤魔「話が逸れてるだろ。大事なことはなんだよ」


エルフ「うわ、黒チビから真っ当な意見が出てきた」


赤魔「いちいち茶化すなよ!」


エルフ「何をそんなにイラついてるの」


赤魔「だから……!」


商人「ごほっ! まあ落ち着いて話を進めましょう」


エルフ「ほいさ」


赤魔「……ああ」


銃士「(商人くん、やるやん。あとこの前は迷惑かけてゴメンやで)」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:33:03.82 ID:o4X/30fzO


商人「イカサマ師は賭場から姿を消していました。誰も行方は分からないようです」


エルフ「次は勝たせてくれるって約束だったのに……」ぐてっ


商人「……それも言及したいところですが、今はこのイカサマ師の置いていった報酬アイテムについてです」


商人は『紅蓮石』を取り出した!


商人「これは『紅蓮石』です。売値は2200Gです。強力な炎の力が宿っており、強力な魔法道具の素材などに用いられます」


エルフ「2200G石だぁ」


戦士「下手な宝石より高価だな」


銃士「初めて見るわ。どこで採れるん?」


商人「……『憤怒の火山』です」


赤魔「憤怒の火山……『不帰の虚』に次ぐ最難関ダンジョンかよ」


盗賊「……ヤツはそこにも手を伸ばしてるのか」


商人「ええ、おそらく」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:36:12.92 ID:o4X/30fzO

戦士「別に採取してきたとは限らないんじゃないのか? どっかから盗んで来た可能性もあり得るだろあ?」


商人「いえ。紅蓮石の総量は詳しく測定されていて、その用途や行方まで記録されてるんです。原石のままの紅蓮石は記録上もう存在しません。ほぼ確実に新たに採取されたものかと考えられます」


銃士「なんでそこまで詳細に記録されてるん?」


商人「『憤怒の火山』は現在封印されてるんですよ。それで誰も入ることは出来なくなっているはずなんです。採れなくて貴重なアイテムですから加工の際に政府に認可を貰わなければいけなかったようです」


赤魔「聞いたことあるぞ。生還者の大賢者が危ないからってダンジョンを封印したって」


銃士「ほへー」


エルフ「ダンジョン冒険者のくせにそんなことも知らなかったの?」


エルフ「(私も知らなかったけど)」


銃士「いやいや、本職はダンジョン冒険者やないし。なぁ?」


戦士「ああ。傭兵だな」


銃士「せやせや」


エルフ「無職たちめ」


戦士・銃士「無職いうな!」


商人「(この人たちすぐに本筋から脱線しますね……)」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:40:48.70 ID:o4X/30fzO

赤魔「……」いらいらっ


商人「ごほっ、ここで大きな疑問が出てくるわけです」


盗賊「ああ」


商人「封印されているのにどうして紅蓮石を持っているのか」


エルフ「封印を破って入ったから」


商人「そうしたらもう少し騒がれているはずです。見て来たわけではありませんから断定はできませんが、封印は破られていないと思われます」


エルフ「転移石で出入りしてるのかな?」


商人「それはあり得ますね。ただ転移石が火山内部にあるのが前提ですが」


戦士「封印を施した大賢者とやらが敵と繋がっている可能性は?」


商人「大賢者は現在消息不明です……あり得なくもないかと」


銃士「そのサモナーとやらと大賢者が同一人物とかありえへんの?」


盗賊「有りうる」


商人「何か根拠はありますか?」


盗賊「サモナーも非凡な魔法の使い手だった。転移石を作り出すほどだからな」


銃士「そうするとそもそも憤怒の火山だけ封印したのも不審やない? 『不帰の虚』とか他のダンジョンも充分危険やのに」


戦士「……火山に何かあるのか?」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:44:05.20 ID:o4X/30fzO


赤魔「……憤怒の火山に行きたいな。きっとイカサマ師は憤怒の火山まで来いと挑発してるんだろ」


エルフ「見つけてみろみたいなこと言ってたもんね。罠かもしれないけど……あの性悪パイオツちゃんは読み切れないなぁ」


商人「しかし行こうにも、厳重に封印されてると思いますよ。まずは封印を解かないといけませんが気が遠くなるほど大変かと」


エルフ「どうやれば解けるの? 2200G石いっぱい採りたい。10個も集まれば22000Gだよ? 100個で220000G……うへへ……」


銃士「えらい大金やなぁ」


商人「封印を解くにはレアアイテムが3つも必要なんですよ。『解放の宝玉』、『セフィロトの杖』、『開闢の台座』です」


赤魔「なんか大それた名前だな……」


商人「記録ですとダンジョンにあるんですけどね。『悪魔の湿原』、『幻惑の街』、『蠢く砂漠』にそれぞれあるみたいです」


エルフ「め、めんどくせぇ……! RPGじゃないんだから!」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:49:17.15 ID:o4X/30fzO


銃士「……あれ? なあ戦士」


戦士「ああ。商人、こいつをどう思う?」スッ


商人「はい? ええと……『解放の宝玉』じゃないですか!?」


盗賊「!」


赤魔「ええ!?」


エルフ「え、どういうこと? なんで戦士が持ってるの?」


戦士「銃士が『悪魔の湿原』で見つけたんだよ」


銃士「わはは、都合のええこっちゃ」


盗賊「そうなると……あと二つで『憤怒の火山』に入れるか」


商人「うーん……このアイテムが存在するならやっぱり封印は解けてないのでしょうね。しかし、幻惑の街も蠢く砂漠も難関ですよ……」


赤魔「蠢く砂漠はたまに発見の話を聞くけど、今はどうなんだ?」


商人「ここ1年は話を聞きませんね」


エルフ「幻惑の街もヤバいって言うよね。生還者のほとんどが眠りこけたりボンヤリしたままなんだっけ? みんな、そのまま緩やかに衰弱死するって聞いたよ」


赤魔「らしいな。無事な生還者は幻を見たって話だ。とても幸せな幻なんだってさ」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/22(火) 22:49:58.71 ID:hDeOZizt0
鏡を使え
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:52:57.91 ID:o4X/30fzO


戦士「赤魔は結構ダンジョンに詳しいんだな」


赤魔「ダンジョン冒険者になるのが小さい頃からの夢だったからな」


エルフ「今も小さいままだけどねー、ぷぷっ」


赤魔「お前には言われたくねーよ!」


商人「幻……まあ、『幻惑の街』というくらいですからね」


盗賊「この前に拾った『真実の鏡』は使えないかしら?」


商人「いけると思います。おそらくどんな幻も見破るかと」


銃士「実は毒物による幻覚やってんなら俺の加護魔法で何とかなるはずや」


エルフ「『幻惑の街』ねえ……何か金になるアイテムはあるの?」


商人「『ビスクドール』が1つ1000Gで取引きされてますね。熱心な愛好家がいますから」


エルフ「よっしゃ1000G人形を集めに行こう!」


戦士「相変わらず現金なやつだな……」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:00:41.83 ID:o4X/30fzO


エルフ「ついでに『パチスロの杖』だか『ドンジャラの台座』だかも探すよ」


戦士「ついで扱いかよ」


商人「全然名前違いますしね……」


赤魔「よしっ、それじゃあ次の目的地は『幻惑の街』だ!」


エルフ「あ、こら! それを宣言するのは私だ!」


赤魔「はぅ、チームレッドのリーダーが宣言するのは当たり前だろ?」にやっ


エルフ「チームエルフだー!」


赤魔「いーや、チームレッドだね!」


盗賊「店で騒ぐな」


エルフ・赤魔「はい……」



銃士「そういう力関係なんやなぁ」ヒソッ


商人「そうなんです」ヒソッ


戦士「盗賊は怒らせないようにしとけ」ヒソッ


盗賊「聞こえてるから。わざとかしら?」


「「「ごめんなさい」」」



chapter3:不穏の始まり
ーーーーーーーー
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:06:31.96 ID:o4X/30fzO

○戦士メモ

・憤怒の火山:今までわずか3名のみの生還者しか記録されていない最難関ダンジョンの一つ。現在は生還者の一人である大賢者によって封印されている。イカサマ師たちはここにも干渉しているようだが真偽のほどはどうなのか。

・サモナー:盗賊曰く転移石を作った人物。魔法に恐ろしく長けているそうだ。『憤怒の火山』を封印した大賢者の同一人物という仮説も考えられるが真偽は分からない。



○エルフメモ

・ミーティング:淡々とやって終わるよりも雑談を挟んでわいわいやった方が良い案が出たり、関係の深まりにも繋がるよね。賢くて可愛いリーダー、エルフちゃんは色々と考えているのだ!

・無職:童貞たちのことだねー

・赤魔のイライラ:重い日だったのかな? まあ、盗賊の苦悩を自分のことのように感じてるんだろうね。単純だから少し気を紛らわしてやればすぐ元気になるから盗賊に比べたら遥かに扱いやすいもんだよ。



○商人の鑑定

・紅蓮石:売値は2200G。非常に貴重にも関わらず、値段がそこまで高くないのは加工技術が低いために持て余し気味なことが原因です。技術の進歩とともに需要は増大していくでしょう。

・解放の宝玉:売値は貴重なため付けられません。青く輝く宝玉には膨大な魔力が込められています。『セフィロトの杖』、『開闢の台座』と揃えることでその真価を発揮するようです。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:08:29.10 ID:o4X/30fzO
すごい今更だが>>255の最後に

chapter2:異形の島
ーーーーーーーー

を挿入しとくべきだった


うだうだ喋ってないでさっさとダンジョンにいってくれ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 00:22:58.06 ID:wE8ZG/110
C
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 07:42:43.63 ID:Aca75q/eO
封印って解かれないこと前提なのになぜ商人は解除方法知ってるんや…
商人実は敵方なんじゃ
金庫の暗証番号知ってますみたいなもんやろ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 11:04:37.14 ID:EEX0R+JH0
>>395
誰だって金庫を見れば暗証番号が必要な事くらい分かるでしょ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 11:31:00.46 ID:4NEdWEsSo
あるのは良いとして何故知ってるのかって話じゃね?
てかネタ潰ししないようにね
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:32:07.36 ID:8Gh/mHgSO
少し調べりゃ分かると思うが
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:41:42.47 ID:dXv07jWp0
危険なダンジョンだからその3つを集められる位強い人だけ入っていいよってことなんじゃないの?
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:42:12.01 ID:Xk6D4Jvco
作者が書きにくくなるから変な探り入れるなよ
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