【艦これ】提督「風病」 2【SS】

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67 : ◆jc3o0gJHYo [sage saga]:2017/12/31(日) 12:30:56.24 ID:rVvkDkxp0

浜風「……」

 眉を顰めそうになる。

 鼻息を荒くして唸る珍獣に、どうして私が頭を下げなければならないのか。ただ、まあ、私が軽く挑発したことが原因であるのは確かだ。

 私は溜息をつくのを堪え、頭を下げた。

浜風「そうですね。たしかに、私が怒らせてしまいましたから……。言い過ぎました。不愉快な思いをさせて、申し訳ありません」

雷「……ううぅ! この、この……!」

陽炎「雷ちゃん……ちょっと落ち着こう? ほら、浜風も謝っているし。ね?」

雷「……」

 唸り声が徐々に落ち着いてくる。

陽炎「報告には私が行くわ。雷ちゃんと一緒にね。それだったら筋は通っているし、いいでしょ?」

浜風「はい」

陽炎「雷ちゃんも、それでいいかしら?」

雷「……」

 雷さんは息を荒げながら、ゆっくりと頷いた。

 陽炎姉さんが、安堵の息をついた。

陽炎「……深雪、時津風。私、報告に行ってくるから資源の運搬だけ頼めるかしら?」

深雪「おう。問題ないぜ」

時津風「私も大丈夫〜。任せて〜」

陽炎「ありがとう」

 陽炎姉さんはお礼を言うと、動かなくなった雷さんの腕を肩に回して立ち上がった。そして、そのまま雷さんと一緒に、鎮守府本館の方へと歩いて行った。

 二人が去った後の港には、気まずい空気が流れていた。潮風が走り抜け、沈黙にケチを付けてくる。五月の風が冷たいのかどうかは知らないが、きっと温かいものではないのだろう。

 私は振り返って、みんなに頭を下げた。

浜風「お騒がせして、すいませんでした」
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