【艦これ】龍驤「たりないもの」外伝

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700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 21:03:14.68 ID:I10vUzVr0
少し長くなってしまいました

また何か思い付けば書き込みます
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 21:09:53.93 ID:3/c+ilTgo
案の定の二人
こういうのもっと見たい見たい
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 21:39:38.44 ID:WSPZz/b9o
おつおつ
富士さんとY子が微笑ましく?喋ってたりじゃれ合ってるのを見れる…こんなに嬉しいことはない…
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 21:40:32.56 ID:tWeL8lCAO
漣さん、お子さんは何人の予定ですか
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 18:25:25.58 ID:c70mXPa1O
ツイッターで画像の貼り方が分からないとツイートしてたので

専ブラを使ってないなら

@ ここで
https://imgur.com/

A ここ押して
https://i.imgur.com/kJsRswI.jpg

B この画面で画像選んでアップして
https://i.imgur.com/gQ02ClO.jpg

C 画像アップできたらここ押して
https://i.imgur.com/rrVesCn.jpg

Da ここ押してリンクコピーして
https://i.imgur.com/lMMgd65.jpg

Ea リンクを貼る。これだと拡張子つけれない
https://imgur.com/a/i1Hdrlj

もしくは
Db 画像をクリックしてURLをコピーして
https://i.imgur.com/7mbn72G.jpg

Db 適当に.jpgとか拡張子をつけて貼る
https://imgur.com/XBPVAyE.jpg
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 18:31:04.80 ID:c70mXPa1O
サインアップしなくても使えるけどサインアップしないと消せなくなるからそれだけは注意で
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/06(金) 18:51:36.59 ID:Z6kKuDk00
テスト

http://imgur.com/gallery/kH6QzwX
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 18:54:21.82 ID:Z6kKuDk00
テスト2

https://i.imgur.com/I2tBEOI.jpg
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:47:36.75 ID:cHjmTwwaO
ある日

飛鷹「今日も清霜は可愛いかったわ…」


清霜「飛鷹さん、分かってると思うけど今日は日帰りでデートだからね?」


飛鷹「分かってるわ、この後ホテルに…!だなんてもう言わないわよ」


清霜「飛鷹さんの事は嫌いじゃないけど、ちゃんと時と場合を考えてって何度も言ったもんね」


飛鷹「清霜とは気持ちが通じたの。もう下心を全開にだなんてしないわ」


清霜「…昨日ベッドで激しかったクセに」


飛鷹「それはそれ、これはこれよ」


清霜「もう、調子いいんだから…」
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:48:53.72 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「えっと…この路線の電車に乗ればいいのよね?」


清霜「そうそう。それで三つ先の駅で乗り換えだよ」


飛鷹「横須賀に来てから交通の弁が良くなったのはいいけど、乗り換えは慣れないわね」


清霜「前の所は乗り換えなんて無かったもんね」


飛鷹「これも慣れれば問題無いんでしょうけど…」


清霜「誰にでも苦手なものってあるもんね。清霜が切符買ってくるよ!」タタタッ


飛鷹「清霜…そんな優しい所も好きよ…」
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:50:15.98 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「下手に動くと迷子になってしまうから、ここで待っているのがいいわね」


飛鷹「……」キョロキョロ


飛鷹「流石は都会ね…掲示物やポスターが張り巡らされてるわ」


飛鷹「多くは企業のポスターみたいだけど、イベントやその告知なんかも多いのね」


飛鷹「……!?」


清霜「買ってきたよ飛鷹さ〜ん…あれ、どうしたの?」


飛鷹「こ、このイベントって……!!」
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:52:19.70 ID:cHjmTwwaO
ーー

秋雲「この秋雲さんに聞きたいことってなにぃ?」


清霜「秋雲って同人誌とか描いてるんだよね?」


秋雲「そりゃー描いてるよ!そっちが本業なんじゃないかってくらいね!」


清霜「じゃあサークルが何かとかよく知ってるんだ」


秋雲「もち!なになに〜?そういうのに興味ある?」


飛鷹「あるのよ!!」


秋雲「ビックリしたぁ…飛鷹さん一人だけテンションおかしくない?」


飛鷹「おかしくもなるわ!こんな掲示を見つけたのよ!」スッ


秋雲「ほうほう…」
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:54:23.73 ID:cHjmTwwaO
秋雲「清霜オンリーか。うん、やることは知ってるよ〜」


飛鷹「ひゃあ!!夢じゃなかったのね!」


清霜「ポスターの写真スマホで撮ったのに、夢じゃないのかって飛鷹さんうるさかったよ…」


秋雲「場所はここからそこまで遠くないし、ここの提督なら休みだって貰えるでしょ?」


清霜「それなら司令官に相談するよ。秋雲に話があるっていうのはね…」


飛鷹「秋雲!!私はそのイベントに参加したいのよ!」


秋雲「ほほぅ、なるほどねぇ」
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:56:08.45 ID:cHjmTwwaO
秋雲「確認するけどさ、飛鷹さんって絵描ける?」


飛鷹「描けないわ。でも秋雲に教えてもらえば…!」


秋雲「それは無理かなぁ」


飛鷹「そんな…」


清霜「やっぱり秋雲も忙しいもんね」


秋雲「そうじゃないよ、素人が絵が描けるようになるのは長〜い時間が掛かるからねぇ」


飛鷹「イベントまでまだ日にちはあるわよ!?」


秋雲「たった数ヶ月じゃ無理無理。最低でも数年は覚悟しておかないと」


飛鷹「……」


清霜「飛鷹さん元気出して。そもそも清霜は目の前にいるでしょ?」


飛鷹「違う…そうじゃないのよ…」
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:57:41.21 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「私がどれだけ…清霜を愛しているか表現したかった…誰にも負けない自信があったのに…」


清霜「飛鷹さん…」


飛鷹「私は…清霜が好き、愛してるわ。それを皆にも知らしめたかった…!」


清霜「うん、その気持ちが嬉しいよ。でも秋雲に頼んで無理ならもう仕方が無いから諦めよ?」


秋雲「いいや〜?秋雲さんは無理だなんて一言も言ってないよ?」


清霜「でも…絵はそんな簡単に描けないんでしょ?」


秋雲「確かに『絵』は簡単には描けないねぇ」
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 20:59:08.15 ID:cHjmTwwaO
秋雲「飛鷹さん、絵が描けなくても創作ができなくても参加する方法はあるよ」


飛鷹「本当に…?」


秋雲「それはね、ズバリ写真集!」


清霜「私…の……?」


秋雲「その通り!艦娘の写真集って物凄〜〜く需要あるからね!」


清霜「で、でも勝手にそんなことしていいの?清霜達の体って一応機密扱いじゃ…」


秋雲「背中のハードポイントは写らないようにして、清霜のコスプレ写真集ってことにすれば問題無し!」
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:00:43.80 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「それでも万が一バレたら…」


秋雲「バレてもどうなるさ?核武装して狂ってた大本営はもう存在しないじゃん」


飛鷹「あ…」


清霜「私の…写真集……」


秋雲「どうする?もし本気でやるなら手伝ってあげるよ」


飛鷹「…やりたいわ」


清霜「飛鷹さん…」


飛鷹「お願い秋雲手伝って!私の清霜への愛を全て表現したいの!」


秋雲「よし、乗ったぁ!!全力でサポートしてやろうじゃんか!」
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:04:23.71 ID:cHjmTwwaO
ーー


龍驤「また揃って二人で休みやね」


清霜「ここの所よく休んじゃってごめんね…」


提督「謝る必要は無い。いくらでも休んでもらって構わないからな」


飛鷹「ありがとう提督!」


龍驤「書類では鎮守府外で一泊って書いてあるからそれは守ってな?」


清霜「大丈夫、ちゃんと一日で戻ってくるから」


飛鷹「さぁ行くわよ清霜!!」バタン


提督「…あの二人も順調そうで何よりだ」


龍驤「泊まり掛けでデートやなんてなぁ。ちょっと前の二人やったら考えられへんかったね」


提督「飛鷹も落ち着いたということか」


龍驤「飛鷹も黙ってたらかなりの美人やからね。きっと清霜もそれが分かってきたんと違うんかな」
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:05:43.00 ID:cHjmTwwaO
ーー


飛鷹「いいわ…絶景をバックにした清霜…最高……」ジュルッ


清霜「飛鷹さん、ヨダレを垂らす前にシャッター押して」


飛鷹「おっとと…そうだったわね」


清霜「そのカメラは秋雲に貸してもらったやつだから大事にしないとダメだよ?」


飛鷹「よく分かってるわ。秋雲は資料用に使ってるって言ってたけど、このカメラとんでもなく高いのよね…」


清霜「そんなカメラをヨダレまみれなんて…洒落にならないからね?」


飛鷹「分かってるわ…あ、その表情いい!!」パシャッ


清霜「もう…」
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:06:45.91 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「ふぅ、少し休憩ね…」


清霜「大丈夫、疲れてない?」


飛鷹「可愛い清霜を見れば疲れなんて吹き飛ぶわ!」


清霜「やめてよそんな、恥ずかしい…」


飛鷹「清霜は可愛いの!これは誰が何と言おうと覆らない事実なの!」


清霜「もう分かったからぁ…」


飛鷹「あ"!!その表情…クる……!カメラぁっ!!」パシャパシャッ


清霜「……」
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:08:10.20 ID:cHjmTwwaO
ーー


飛鷹「ふーーー!むふぅーーーー!」


清霜「飛鷹さん興奮し過ぎ…」


飛鷹「清霜の裸…撮影……あ"っ!!」ブシュッ


清霜「もう鼻血出してるし…」


飛鷹「秋雲にどうせならR-18版も作ったらって言われたけど…これは…凄いわ!!」


清霜「…お風呂に入ってるだけだよ?鎮守府で一緒に入ってる時はそこまでならないよね?」


飛鷹「ホテルの…お風呂ぉ"っ!!」ダラダラ


清霜「…飛鷹さんが貧血になる前に撮影して」


飛鷹「うぅん…!!」パシャッ
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:09:34.64 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ…!!」


清霜「ベッドでも…撮影するんだよね…」


飛鷹「清霜ぉ…!」


清霜「こんな姿…飛鷹さんにだから見せるんだからね…?」


飛鷹「あ"ぁぁぁぁーーーーー!!」


清霜「私の裸が色んな人に見られるのは恥ずかしいけど…清霜のコスプレをしてる一般人っていうなら…許容範囲だけどさ…」


飛鷹「ききききき清霜!手でこうやって隠して……!」


清霜「私の…ここを……?」


飛鷹「毛が!手からはみ出て……!!」


清霜「そ、そんな恥ずかしい写真撮ろうとしないでよ!!」


飛鷹「あ"あ"あ"あ"ぁっーーーーー!」パシャパシャパシャッ
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:11:10.62 ID:cHjmTwwaO
ーー


秋雲「お疲れさま〜撮影どうだった?」


清霜「飛鷹さんが…」


秋雲「あーうん、あの様子見てたらなんとなく分かるよ」


飛鷹「……燃え尽きたわ」灰


秋雲「飛鷹さんが選んだ写真と、こっちでも良さそうだと思った写真をピックアップしてしておくから」


清霜「何から何までありがとう秋雲」


秋雲「いいっていいって!それより清霜の裸の写真秋雲さんも見るんだけど別にいいの?」


清霜「何か問題ある?」


秋雲「いんや〜別に何も〜」(やっぱこの鎮守府色々とぶっ飛んでるねぇ)
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:12:40.74 ID:cHjmTwwaO
秋雲「あとは印刷所にデータを送って、本が郵送されてくるんだけど受け取り場所はここだと不味いよねぇ」


清霜「あ、そっか…」


秋雲「まぁそこは秋雲さんがなんとかしておくから!ぜーんぶ任せておいて!」


飛鷹「頼りになるわ…」


秋雲「飛鷹さんは初参加になるわけだから何部用意しておけばいいかがちょっと迷うけど、売れ残らない程度にしておくよ〜」


清霜「本当にありがとうね秋雲!」


秋雲「いいってことよ〜あとはイベント当日までに体調整えといてね?」


飛鷹「善処…するわ…」


清霜「飛鷹さんが心配だよぉ…」
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:17:51.19 ID:cHjmTwwaO
ーー

ザワザワ


清霜「凄い…これがイベント会場…」


飛鷹「予想より人が多いわね…」


清霜「ここに居る人達…全員清霜の事が好きな人なんだよね…」


飛鷹「その気持ちは分かるわ。清霜はこんなにも可愛いんだもの!」


清霜「飛鷹さん人前で…っと危ない。今日はイズモマンって呼ばないといけないんだよね」


飛鷹「秋雲がその名前を用意してくれたのよ。サークルカットっていうのも用意してくれて有難かったわ」


https://i.imgur.com/P36wBWY.jpg


清霜「こんなイラストを用意してくれるなんて、流石は秋雲だよね!」


飛鷹「清霜もコスプレ売り子?ってやつで手伝ってくれるのも嬉しいわよ!」


清霜「自分のコスプレって何だか変だけど…もし本物だって分かったら大変なことになっちゃうもんね」
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:20:11.56 ID:cHjmTwwaO
「すいません一ついいですか?」


清霜「あ、はいどうぞ!」


「全年齢版とR-18版…」


飛鷹「セットだとお得なので是非二冊どうぞ!」


「おぉ、クオリティの高いコスプレ」


清霜「あはは…ありがとうございます」


飛鷹「この調子なら売れ残ることは無さそうね」ヒソヒソ


清霜「うん、良かったねイズモマンさん!」ヒソヒソ
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:23:10.04 ID:cHjmTwwaO
ーー
清霜写真集R-18版完売しました


飛鷹「…誰も来なくなっちゃったわね」


清霜「まさかR-18版だけが売り切れるなんて…」


飛鷹「二冊セットならお得で…皆一緒に買うと思ったのに…


清霜「みんなそんなにエッチなのが好きなのかな…」


飛鷹「需要は…あるわね…」


清霜「…でもこんなに売れたんだし良かったじゃないイズモマンさん!」


飛鷹「良くないわ…」


清霜「どうして?」


飛鷹「清霜の魅力は…こんなものじゃないのよ…」
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:24:35.43 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「もっと色んな人に清霜を知って欲しかった…成年向けだけじゃなくて、全年齢のも頑張ったのよ…」


清霜「…イズモマンが頑張ったのは私がよく知ってるよ。そんな落ち込む必要だなんて無いよ」


飛鷹「ありがとう…清霜…」


清霜「…もう帰ろっか?この辺りにデートできる場所って色々あるし…」


秋雲「帰るのはまだ早ーーーい!」


清霜「え…?」


飛鷹「あれは秋雲…?」
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:26:00.57 ID:cHjmTwwaO
「あれは伝説のサークルS.D.Sのオークラ先生!」


「今日は参加してなかったはずじゃ!?」


秋雲「R-18版が売り切れたんだって?オークラさんが支援物資を持ってきたよ!」ドンッ


飛鷹「その台車に乗った段ボールって…まさか中身は?」


秋雲「もちろんR-18版の写真集!」


清霜「どうやってその情報を知ったの?それになんで本が…」


秋雲「いやー一応SNSでチェックしてたんだけどさ、即効で売り切れって知って慌てて持ってきたんだよね。あとこの本は通販で(勝手に)売ろうとしてた分を持ってきたってわけ!」


飛鷹「秋雲…」


秋雲「チッチッ、ここではオークラ先生と呼びたまえ!」
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:27:35.16 ID:cHjmTwwaO
「オークラ先生、どうしてここに!?」


「その人達の本をなぜ先生が?」


秋雲「あ〜…うんとね、イズモマンは私の後輩なんだよね」


飛鷹「…そうね、オークラ先輩にはお世話になってるわ」


「オークラ先生に後輩が!?」


「あの先生の後輩の本…中途半端な物じゃないはず!」ザワザワ


清霜「え、えぇ急に人が…!」


秋雲「このオークラ先生も手伝ってあげるから、残りを全部売っちゃうよ!」


飛鷹「…ええ!」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:28:44.51 ID:cHjmTwwaO
ーー


秋雲「完売おめでとーー!いやぁ初参加とは思えない戦果だね!」


飛鷹「全部売れた…全年齢版も…」


清霜「秋雲が後から持ってきた本も相当量があったはずなのに…」


飛鷹「それもこれも全部秋雲のお陰よ、本当にありがとう」


秋雲「ん〜確かにさ、後半のブーストは秋雲さんの影響もあったけど、あの本を作り上げた飛鷹さん達が凄いんだよ?」


秋雲「全年齢版には清霜の魅力がこれでもか!ってくらい詰まってたし、R-18版なんかもう最高!」


清霜「飛鷹さんはそこまで頑張って撮影してくれたんだ…」
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/06(金) 21:31:46.24 ID:cHjmTwwaO
飛鷹「私の写真で清霜の魅力が少しでも伝わったのなら勝ちね」


清霜「こういうのって勝ち負けで考えていいのかな…」


秋雲「艦娘それぞれってことでいいんじゃない?」


飛鷹「あ、そういえば写真集が売れたお金って私達が貰ってよかったの?」


秋雲「もち!二人のデート資金にでも使ってよ〜」


清霜「秋雲にはあれだけ手伝ってもらったのに。それなのにお礼が無いっていうのはちょっと…」


秋雲「じゃあさ、二人の馴れ初めとか聞かせてよ!次の本のネタにするから!」


清霜「そんなの面白い?」


秋雲「ロリコン女がロリっ娘を手込めにする話なんて面白いに決まってるじゃん!」


飛鷹「ロリコン女…」


清霜「飛鷹さんって第三者から見たら相当ヤバい人だって自覚してね」


飛鷹「はい……」


秋雲「さぁこの後は打ち上げだよ!パーッとやっちゃうから覚悟しててよぉ!」

ーー
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/06(金) 21:33:19.13 ID:cHjmTwwaO
イラストは以前支援絵を描いて頂いた煮干さんから許可を得て使用しました。

それではまた…
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 21:41:01.84 ID:c70mXPa1O

もっと平和な日常みたいみたい
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 21:50:51.80 ID:c9DPq1BGo
乙です!
ついに…一線超えたんだね…!
なんだろ娘をお嫁に出した気分だ…

あ、2冊セットの委託まだっすかね
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:45:42.25 ID:88ZmNXU00
あり得たかもしれないもう一つの事象

ーー


んぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー!


提督「緊急事態か!?」


龍驤「なんや!?何の音や!?」


秋雲「あ〜心配しなくてもいいよ。今のはいわゆる断末魔ってやつだね〜」


龍驤「今のが誰かの声…?化け物の叫びとかそんな音やったで?」


提督「秋雲は何か知っているのか?」


秋雲「そりゃあ〜秋雲さんだもん。イズモマンこと飛鷹さんの叫びだってすぐわかるよ」


提督「イズモマン…?」


龍驤「あ、もしかして飛鷹が明日休日届け出してたのに関係してる?」


秋雲「その通り!まぁ説明するより見た方が早いだろうから一緒に飛鷹さんの部屋まで行こっか」
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:47:05.86 ID:88ZmNXU00
ーー


飛鷹「ひ、ひひ……」ヒクヒク


清霜「飛鷹さんしっかりして!」


提督「大丈夫か!?」


龍驤「飛鷹が泡吹いて倒れとる!?」


秋雲「うんうん、そりゃあショックだよね〜」


清霜「秋雲は飛鷹さんが倒れた原因が何か知ってるの!?」


秋雲「モチのロンだね」


清霜「だったら早く教えて!もし病気なんだったら霞に言って薬を…!」


秋雲「残念だけど飛鷹さんのソレは薬じゃ治んないかな」


龍驤「まさかまた精神状態が悪化したんか?」


秋雲「むしろその方がマシだったかもね〜」
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:48:24.35 ID:88ZmNXU00
提督「飛鷹は本当に大丈夫なんだな?」


秋雲「そこまで心配するぅ?って思ったけどここはそういう鎮守府だもんね。わかった、ちゃんと説明するから」


清霜「こんなになってるのに大丈夫なの…?」


飛鷹「ひ…ひ……」


秋雲「明日は飛鷹さんにとってそれはもう大切な日だったのさ。それが原因で倒れちゃったんだよね」


龍驤「そんなに大事な用事なんか?」


清霜「私とのデートより大切なものがあるの…?」


秋雲「そーそー、デートなんかよりもずぅっっっと大切だね」


提督「飛鷹にとってそんなものが存在したのか…」
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:49:21.46 ID:88ZmNXU00
秋雲「提督達はさ、同人ってどれくらい知ってる?」


龍驤「…司令官がロリものの同人誌隠し持っとるレベルで知っとる」


提督「龍驤!?」


清霜「ぅああ…」


秋雲「それってオリジナルのやつ?」


龍驤「何かのキャラやったりオリジナルやったりしとるな」


提督「頼む…もうその辺りで……!」


清霜「こんなになってる提督って初めて見たかも…」


秋雲「ならサークルとかの話をしても大丈夫っぽいね。うん、じゃあ説明してくよ〜」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:50:23.32 ID:88ZmNXU00
秋雲「飛鷹さんはイズモマンっていう名前で同人活動をしてたんだよね」


龍驤「飛鷹が…それは知らんかったわ」


秋雲「あ〜知らなくて当然だと思うよ。だって今回が初参加だし」


清霜「もしかして明日って…」


秋雲「そ、イズモマンのデビュー戦だったんだよね」


龍驤「デビュー戦って…そんな戦うわけと違うやろ?」


秋雲「いーやあそこは戦場だね。海の上とはまた違う…全てのオタクの為の祭典…戦場っ!」


龍驤「はぁ…」


提督「…俺は分かるぞ」ボソッ


清霜「飛鷹さんがそういう活動をしてるからって別に嫌いにならないのに。私には言って欲しかったな」


秋雲「いや〜あの内容だと言えないと思うよ」
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:51:24.70 ID:88ZmNXU00
秋雲「イズモマンさんはね、清霜の写真集で参加しようとてたんだよ」


清霜「清霜の…?そんな写真撮ったかなぁ?」


秋雲「撮られた覚えが無いってことは〜?」


龍驤「…隠し撮りか」


秋雲「その通り!」


清霜「飛鷹さん…………」


飛鷹「……」


秋雲「イズモマンさんは全年齢版と成年版の写真集、二つを用意してたんだよね〜」


提督「成年版ということは…」


秋雲「もちろんエチエチなやつ!しかもページ増量!」


清霜「……」


飛鷹「………………」
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:52:22.33 ID:88ZmNXU00
龍驤「なんとなく分かったで、その写真集に不備があって発売できへんようになったから飛鷹はあんな声出したんやな」


秋雲「う〜〜ん残念ながら外れかな。写真集は問題なく印刷されてるよ」


提督「じゃあ何が原因なんだ?」


秋雲「実はね、明日は清霜オンリーのイベントだったんだよ!」


清霜「清霜…オンリー…?」


秋雲「本や漫画や写真集。全部がぜーんぶ清霜のだけってイベント!」


龍驤「そんなんあるんやな…」
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:53:16.62 ID:88ZmNXU00
秋雲「艦娘ごとにファンはいるからねぇ。提督も確か軽空母龍驤の写真集持ってたよね?」


提督「…そうだ、あの写真集は龍驤オンリーで買った」


清霜「龍驤さんの前だよ…?」


龍驤「ごめん清霜…その写真集司令官とのプレイに使ってんねん…」


清霜「ど、どうやって!?」


龍驤「司令官がウチに入れながら写真集の方を見る…みたいな…」


秋雲「龍驤さんをオナホ替わりってプレイか!いや〜中々高レベルじゃん!」


提督「……」
龍驤「……」


清霜「うわ…ぅわあ……」
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:54:28.95 ID:88ZmNXU00
秋雲「…で、話を戻すけどイズモマンさんが倒れたのはそのイベントが例のウイルスで中止になったからなんだよね」


龍驤「はあぁぁ…成る程なぁ」


秋雲「さっき中止が発表されたんだよね。情報が出ると同時に参加者にメールが来て…」


提督「それを見た飛鷹があの悲鳴をあげたのか」


秋雲「イズモマンさんは死ぬほどこのイベントを楽しみにしてたからね。そりゃああんなことになるよ」


清霜「…本物がここにいるのに」


秋雲「いやいやいや!それとこれとは違うんだって、ねぇ提督?」


提督「……その通りだ」


秋雲「同人誌っていうのは欲望や妄想の塊なわけ!何をどうやっても本物とは違う!!」


飛鷹「秋雲の…言う通りよ……」
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:55:14.05 ID:88ZmNXU00
飛鷹「私は清霜に思いが通じた…でもそれが全てでは無いの…」


飛鷹「清霜のことが大好きだから…同人誌だって欲しかったの…」


清霜「喜んでいいのか凄く微妙なんだけど」


秋雲「喜んどいていいと思うよ〜」


提督「…俺はイズモマンの気持ちは分かる」


清霜「ロリコンはちょっと黙ってて」


提督「……」


龍驤「司令官…」


清霜「…とにかく、飛鷹さんとは色々話し合う必要があるってことは分かったよ」
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:56:38.55 ID:88ZmNXU00
飛鷹「ごめんなさい清霜…隠し撮りとか…色々と…」


清霜「…色々?」


飛鷹「清霜とシてる所とか…お風呂の様子とか…」


清霜「…お騒がせしてごめんなさい龍驤さん。コレはちゃんとしつけておくから」


龍驤「う、うん…」


清霜「飛鷹…イズモマン?これからたぁ〜っぷりお話…しよ?」


飛鷹「ふぁい……」

ガチャッ

龍驤「あのまま放っといてよかったんかな…」


秋雲「イズモマンさんにとってはむしろ良かったんじゃない?」
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/07(土) 19:58:04.19 ID:88ZmNXU00
秋雲「あ、提督ぅ〜秋雲さんオススメの極上ロリもの同人誌…欲しくない?」ヒソヒソ


提督「……」


秋雲「出てくる子みーんなまな板!本物のロリコン作家が描く超大作!これで抜けないロリコンは居ないね!」ヒソヒソ


提督「……」


秋雲「龍驤さんに見つからないようにコソッとあげるから」ヒソヒソ


提督「頼む」ヒソヒソ


秋雲「流石は提督!で、その代わりと言っちゃなんだけど…」ヒソヒソ


提督「あぁ、それくらいなら…」ヒソヒソ


龍驤「……司令官がロリコンなのは知っとるけど…でも浮気しとったウチは強く言えれへんわなぁ…」


秋雲「うしししし…まいどあり…!」ヒソヒソ


提督「これくらいなら安い…それより…」ヒソヒソ


龍驤「ウチ…こんな体しとってほんま良かったわ……」


ーー
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/07(土) 19:59:05.40 ID:88ZmNXU00
清霜オンリーは中止にならなくて本当に良かったと思います



それではまた…
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 20:02:26.52 ID:QSu1WC37o
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 20:10:51.63 ID:6pwtjwFoo
おつおつ
これはコンマ失敗しましたわ…
皆様も出来る範囲でお気を付けを…
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 21:53:50.55 ID:c0+MPDX8o
ナマモノネタが黙認とはなかなか罪深い世界やなって…
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:20:34.87 ID:ScHfjfj60
少し、書き込みます


ーー


Y子「お姉ちゃん元気してる?」ガチャ


富士「そこそこね」


Y子「お、こんな時間からお酒だなんてご機嫌だねぇ」


富士「やっとこれが手に入ったから少し味見しようとしてただけよ。貴女もどう?」



Y子「あたしはワイン派だからね、お姉ちゃんが楽しみなよ」



富士「ならそうさせてもらうわ」
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:22:02.66 ID:ScHfjfj60
Y子「しかしお姉ちゃんってほんと絵に描いたように和風だよね。抹茶が趣味で日本酒好きでしょ?」


富士「私は生まれながらにしてそういう存在なのよ。貴女が捨てた名前が世界の破滅を望むように」


Y子「まぁねぇ…そうなんだけどさ」ジーッ


富士「…何かしら?」


Y子「お姉ちゃんの名前は富士。生まれながらにして大いなる力を持ってる」


富士「えぇ…」
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:23:26.24 ID:ScHfjfj60
Y子「富士というのはこの国にとって重要な名前であり重要な存在。山の名前にもなってるし」


富士「そんな当たり前のことを今更どうしたの?」


Y子「この国の…いいや、全ての艦娘の上にいるような存在のお姉ちゃんに聞きたいことがあるんだよね」


富士「何かしら?」


Y子「お姉ちゃんの出身地ってどこ?」


富士「…」


Y子「…」


富士「……」


Y子「……」


富士「………」


Y子「………」
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:25:12.92 ID:ScHfjfj60
Y子「ヘーイ富士、アーユーフロム?」


富士「…」


Y子「おー姉ーちゃーんー?」


富士「………」


富士「……」


富士「…」


富士「…イギリス」ボソッ


Y子「ダウト!はいダーウートーーー!」


富士「ちょっと待って…」


Y子「待ちません〜〜!エセジャパニーズのお姉ちゃんに弁明の余地はありませんーーーー!」


富士「違う、違うのよ…」
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:26:56.72 ID:ScHfjfj60
Y子「そんなさ、わざとらしく和服なんか着ちゃってなんなの?ただの日本かぶれのイギリス人じゃん!」


富士「違うの……」


Y子「正直に言ってみなよ、抹茶なんかより紅茶の方が好きなんでしょ、ん?」


富士「そうじゃないの…」


Y子「あたし知ってるからね、金剛と紅茶会みたいなのちょくちょくしてるでしょ?」


富士「あれは紅茶会じゃなくてただのアフタヌーンティーで…それに金剛だけじゃなくて他の艦娘との交流もあるから…」


Y子「アフタヌーンティーって!あたし何も言ってないのに。こんなの自白と一緒じゃん!」


富士「違うの…私の話を聞いて…」
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:28:24.16 ID:ScHfjfj60
富士「私は生まれる前から名前が決まっていたの…だから私は富士を名乗れるし、そういう存在でいられるの…」


Y子「ふーん。まぁでもイギリス生まれなのには変わりないってことだね」


富士「……」


Y子「別に問題無いならさ、隠さなくても良かったんじゃない?」


富士「こうやって茶化されるのが嫌だったのよ…」


Y子「きひひひ!それが嫌だからずっと黙ってたのにね!」


富士「本編でこんなことが知られたら、どうなるかなんて分かりきってたもの…」


Y子「でも歴史というかその辺の知識が豊富な人だったらとっくに知ってたんじゃない?」


富士「……」


Y子「でもさ、こっちの歴史と四つの壁の向こう側の歴史とじゃ若干違ってるから、それを言い訳にはできたかもね」
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:29:49.88 ID:ScHfjfj60
Y子「お姉ちゃんの姉というか、先輩というか先人的なのって何?」


富士「…トラファルガー、それにナイル」


Y子「そこ。そこが大きく違う。あたしの知ってる名前が出てこない」


Y子「お姉ちゃんのルーツはロイヤル・サブリン改。腹違いの妹を含めるなら七人の妹が居る姉に当たる、そんな船を元に作られたはずなんだよ」


富士「…聞いたこともない名前ね」


Y子「あたしが知っててお姉ちゃんが知らない。ということは?」


富士「扉の影響…」


Y子「間違いなくそうだろうね」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:30:45.21 ID:ScHfjfj60
富士「この世界には貴女が言っている船が存在しない…その結果どうにかなったの?」


Y子「結果は変わらない。けどその過程が違ってしまってる」
富士「…貴女はどう思ってるの?」


Y子「あたしという存在を出現させるための帳尻会わせ。エンプレス・オブ・インディアがあたしの元だなんてカッコ悪いもん」


富士「その名前は分からないけど、確かに貴女らしくはないわね」


Y子「Yというものが存在する為には、ロイヤル・サブリン級が邪魔だった…か」
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:31:28.83 ID:ScHfjfj60
富士「貴女の名は富士型戦艦二番艦にも付けられている。本来なら私のように存在していてもおかしくないはず」


Y子「そうならなかったのはあたしの名前が付いた兵器が世界を滅ぼすから。だからあたしの名前にはそういう因果が廻るようになってしまった」


富士「……」


Y子「お姉ちゃんの名前は有難いと崇められ、信仰の対象にまでなってる。こんなのどうやっても悪い因果なんか廻りっこないもんね」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:33:48.29 ID:ScHfjfj60
Y子「あたしの本体はなんでそこに気付かなかったんだろう。それが分かっていればお姉ちゃんと手を取り合うって結末もあったかもしれないのに」


富士「世界が多少変わっても、力に溺れてしまうということには変わりが無いのね…」


Y子「…色々とごめんねお姉ちゃん。あたしが名前を捨てる前にやったことは、あたしもやったことになるし」


富士「なんとも思ってないわ。こうやって可愛い妹とお喋りできているんだもの」


Y子「…やっぱりあたしも飲む。コップとか何か持ってくるからちょっと待ってて」


富士「取りに行かなくても…ほら、ここにあるわ」スッ
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/15(日) 20:35:37.65 ID:ScHfjfj60
Y子「あたしはこの名前を貰ってからまだ少ししか経ってない。だから知らないこともある」


Y子「そんなあたしに、これから色々と教えて欲しいな」


富士「ええ勿論よ」


Y子「…お姉ちゃん」


富士「分かってるわ。でもその前に」


Y子「うん」


富士、Y子「「…乾杯」」


ーー
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 20:36:40.32 ID:ScHfjfj60
富士とY子しか出ないなら外伝でやるべきですね


それでは、また…
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 20:57:42.16 ID:9OV3Iwoyo
おつおつ
…つまり龍驤みたいな出身地さgうわなにをするやめ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 20:57:59.73 ID:r/JGbOwJo
もっとみたいみたい
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:29:28.95 ID:H+/CbiUoO
Each



「今日から晴れて鎮守府に所属や長かった訓練所暮らしとも、ようやくおさらばできて嬉しい限りやで」

ガタンゴトン

「あんな閉塞的な所におったらストレスが溜まってしゃあないわ。有給休暇が貯まり次第に全部消化したろ!」



◯「………」

「向かいに座っとる龍驤はなんか雰囲気が軽そうやな。同じ龍驤やからウチには分かるで」



◯「ふぁ…」

「ここは電車の中やのにあんな大あくびしよってしゃあない奴やな」

ガタンゴトン

「電車…そういえばウチはなんでここに座っとるんや?」



「他にお客さんもおらんようやし一体どうなっとるんやろ?」


ゴーーーー

「あ、トンネルに入るんか」




ガタンゴトンガタンゴトン
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:32:05.03 ID:H+/CbiUoO
Rapid



◯「ふぁぁほんまダルいわ。なんでウチが朝から出やなあかんねん」



◯「鎮守府での訓練とか出撃がこんなにチョロいとは思わんかったわ。これやと訓練所の方がしんどかったで」



◯「あれだけ手抜いても怒られへんとはホンマにええ鎮守府に恵まれたわ」

ガタンゴトン

×「うんええで、ほな待ち合わせはいつものホテルでな

◯「あの龍驤なんちゅう電話してんねん。一応ここは公共の場やで」



×「よしほな次はコイツに……もしもし」

◯「二股かいな、しかも同じ日に違う相手と会うとかアイツ終わっとるな」



◯「でもこんな貧相な体を好きになってくれるマニアは貴重や、キープしときたいって気持ちは分からんでもないわ」

ゴーーーー

◯「トンネル…そもそもウチはどこに向かってるんやったか?」




ガタンガタン、ガタンガタン
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:35:27.78 ID:H+/CbiUoO
Limited



×「よっしゃこれで次の休みは朝から晩までハメ放題や、今から楽しみやわぁ」



×「もうじき田舎に異動になるし、遊び倒してからやないと損やからね」



×「あのクソ司令官に色仕掛けが通用しとったらウチは異動せずに済んだのに。こればっかりはしゃあないか」



×「こんな楽しいことを知ってしまったからには、もう止めるなんて考えられへんからね」

ガタンガタン

×「ウチはなんでこの電車に乗ってるんや。目の前に不快なもんが座っとるし次の駅で降りたろ」



龍驤「……」

×「なんやねんあの龍驤ガイジとか終わっとるやろ。さっさと解体されろや」



×「左腕と左脚が無いとか生きとる意味ないやろ、死んだ方が社会の為やっていうのがわからんのか」



龍驤「………」

×「今の聞こえてたか。こっち見んなよキモいねん」



×「ほんま気分悪いわさっさと着けへんのか」

ゴーーーー

×「ここにきてトンネルとか最悪や…」




ガタンゴトン…ガタンゴトン…
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:39:21.02 ID:H+/CbiUoO
Ordinary



龍驤「一体何が起こってるんや、向かいに座っとったのは昔のウチと違うかったか?」



龍驤「龍驤なんか他にもおるけどアイツは間違いなくウチや」




龍驤「あ、え、ウチいつの間にこっちに座っとるん?」



龍驤「向かいの龍驤がおった所にウチが座って、元々ウチがおった所には…」



□「………」

龍驤「え、ええ?」

ガタンゴトン……

龍驤「あの右腕は義手で右脚も作りもんや」



□「………」

龍驤「なあアンタなんでそんな死んだような目をしてんの?」




□「………」

龍驤「ウチが言うてること聞こえてるなら返事してくれへん?」



□「………」

龍驤「何か答えてや嫌なこと想像してしまうやろ」



□「………」

龍驤「右側はいつケガした?」



□「………」

龍驤「どれくらい前から四肢を欠損してんの?」




□「………」

龍驤「アンタは……未来のウチなんか?」




□「………」

ゴーーーー

龍驤「トンネル…。ああそうかウチは…」




ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン…
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:41:01.39 ID:H+/CbiUoO
Slowly



□「………」



□「………」



□「………」

ガタン…ゴトン…

□「………」



□「………」



□「………」



□「………」



□「………」



□「………」



□「………」

ゴーーーー

□「………」





ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:44:13.61 ID:H+/CbiUoO
ガタンゴトン



・「あれ、いつの間に電車に乗ってたんだろ。無意識に乗ってたらちょっと怖いな」



・「今日は何曜日だっけ、休みだったら最悪だ…」

ガタンゴトン

□「………」

・「あれ向かいに座ってるのって」



□「………」







・「お**さんどうしてそんな所にいるの?」



Forwarding
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/22(日) 02:48:17.47 ID:H+/CbiUoO
End point?



End point does not come



Sin is never forgiven



From y to r...
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 10:53:32.92 ID:qceKnl4Fo
トンネルは扉で世界を渡ってることの暗喩なのかな…?
四肢を欠損してる□は違う世界線の龍驤で・はその龍驤の子?
y to r はyou to relatedであなたから血縁へ?

あの世界で罪を償えない、償おうとしないままだったら龍驤から子へと罪は受け継がれてたってことなのかな

あの世界のその後で復帰した龍驤が死傷して罪は残ったまま子に受け継がれたとかは嫌だなぁ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 12:57:18.88 ID:Ff7xbej9o
単純にYの人からから龍驤へじゃないの?
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 13:08:40.95 ID:qceKnl4Fo
各駅、快速、特急、普通、鈍行ときて最後に輸送で終点は来ない罪は許されないって語り
だから輸送列車は乗ってる人から乗ってる人に罪が受け渡されるのかなと
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/22(日) 18:34:18.89 ID:SkwEfY560
◯、×は昔の龍驤じゃないの?
扉が開いて世界が変わったから性格も変わった?

あと名無しと◯、◯と×みたいに2人の龍驤が出てきてたのに□の時は他の龍驤が居ないのもなにかあるのか
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/25(水) 02:01:37.42 ID:RueD5HeKO
終わり?



そんなの無いよ



自分のしたことくらいわかるでしょ



きひ、きひひひひ………
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 07:44:06.27 ID:Q/hNIjW+o
何故Yさんはそこまで許さないのだろうか
、それともYさん以上の何かが許さないのだろうか
Yさんが落ち度のある人を死ぬまで(もしくは死んだ後も)つつき続けるだけの性悪女とは思えぬ
自責の念に駆られて死を選ばせたら魂が貰えるみたいな、キリスト教的悪魔に近い存在なのかね
名前を呼んであげたら嬉しくなってるあたり、信仰も関わってるだろうし
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/25(水) 12:49:23.41 ID:18FVSQ1NO
そもそも血族に受け継がれてその後の運命を左右するような許されない罪ってなんだんだろう

社会的に罪を裁かれて罰を受けるのは法があってその基準に則っているから

龍驤があの子を結果的に見殺しにしたことが、あの子の家族と和解しても償うことができず子供にまで受け継がれる罪なのだとすれば
海月姫だって深海棲艦として誰かを殺めた罪があの子に影響を及ぼしたとも取れるのでは
父親の深海提督だって人間側と深海側の提督として戦闘でひとを殺めるを指示を出してきてる

人や艦娘が戦闘で他人(人や深海棲艦)を殺めたりするのは罪にならない?
タシュケントみたいに私利私欲からくる仕事で殺めるのは罪になる?
日常生活の中で人が人を殺すのは罪になる?
深海棲艦が人を殺すのは罪にならない?
どのような存在がどの生命までを殺めるのはセーフ?
その境界線は何がどう決めている?

一律で間接的にでも生命を殺めることが罪であれば罪のない存在なんていない
動物はどんな存在であれ自分のために他の命を奪って存在しているから
そこに時代によって変わる人の倫理感が当てはまるのであれば、それは世界の仕組みとしての罪ではなく、ただ誰かが主観で罰を与えているだけなのでは
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/25(水) 13:24:10.39 ID:18FVSQ1NO
だから罪ではなくて誰かにかけられた呪いといったほうがしっくりくる
もしくは自分自身が作り出した許されないという幻想に振り回されてる
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/26(木) 21:54:33.89 ID:/Juigski0
「きひひ、何か色々と騒がしいみたいだけど、そういうのは大歓迎だから」


「一応言っとくと龍驤についてとかは簡単にネタバレしないよ。あたしは軽い女じゃないし」


「でも本編が終わったっていうのに、こんな所を見てる物好きには少しくらいサービスしないとね」


「よーく考えてるみたいだね。けどそれは的を得て無いって所かな」


「言ってることは事実、ただそれだけ。答えが証明結果だというなら、答えに必要な仮定や式を導けていない」


「でもこの答えにたどり着くことは不可能だと思うよ。本編に種は蒔いてあるけど小さいし、龍驤の過去について誰も当てられなかったんだから」


「龍驤のときはそれなにり種は蒔いてたって自覚はあるんだよ?なんであそこまで提督に依存するのか…いやぁ一人くらい当てられるかと思ったんだけどな」


「ヒントはこれくらいかな。どうしても知りたいっていうなら教えてあげなくもないけど、そんなのつまんないでしょ?」



「こんなあたしに教えてくれって…きひひひ!あたしを拒んだお前らがそんなこと言うわけないもんね!」


「ま、精々頑張ってよ。それじゃあね〜」
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 22:00:30.74 ID:sOLl0YuWo
やーん、Y様のいけずぅ
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 22:32:12.52 ID:dCYw0gAWO
自分のしたこと、だから過去の龍驤の行動に関わってるよね
海月姫の子供の件はすでに語られてるからこれではない
そんでもって本編では意図的な「殺し」に関わってるのは罰が降りかかる
あとYさんには名前が重要

龍驤が男遊びしてた時に孕んで中絶した名もなき水子かな
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 22:46:35.73 ID:9vYoo7URO
いや中絶疑惑はあったけど結局妊娠はしてないはず
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 12:07:59.45 ID:51wVxtPAo
続き待ってるぞぉ〜
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 12:42:23.88 ID:JdI97Rweo
Yさんの名前呼んだら続き来ないかな
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 12:44:51.84 ID:dJ/V9LUqO
書きたいものと方向が違うんだろうけどやさしい世界が見たいんだよなぁ
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 23:25:39.65 ID:TDpnU3nDO
>>663から
 
 
球体内部から露出した八島と目が合った


そう理解した瞬間私は反射的に砲台の射手席から飛び出していた


その直後に砲台が爆発、私は吹き飛ばされ危うく要塞から落下する所を島風が受け止めてくれた


島風「大丈夫!?…いったい何が…」


【そんな…切り札が…これじゃあ…】


狼狽する富士さんの声が聞こえた。そして…


八島『ようやく脱出できたよ。ありがとうねぇ』


まだ燃えている砲台の残骸の上にその火を纏うように彼女は居た


八島『ふん…あたしも慢心してたって事かな、あんな死に損ないの亡者共に動きを抑えられるなんてねぇ』


島風「やあぁッ!」


島風が飛び蹴りを放つもあっさりと叩き落とされてしまう


島風「ぎゃん!」


「島風!」


八島『邪魔だよ、雑魚が』


そこに音も無く背後から奇襲を仕掛ける早霜さん、しかしそれも防がれカウンターを食らってしまう
788 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:28:03.97 ID:TDpnU3nDO
 
 
早霜「がふっ…」


八島『不意討ちしか能が無いのかな?来るって解ってればそうそう食らわないよ』


「もう止めてください!」


私は砲を八島に向けて構える、それを見ても八島は全く動じる気配は無い。私の力では威嚇にもならないようだった


八島『さぁて…何を狙ってたのかは知らないけどこれでチェックメイトだねぇ』


「っ…」


八島『おっと、ここでただ消してしまってもつまらないか…。ねぇ朝潮、ちょっとお話しようか』


「何を…」


倒れた島風を踏みつけにし、早霜さんを横目で見ながらそう言って笑う。早霜さんはそれを見て歯噛みをする。下手な動きをすれは島風は無事では済まないだろう


八島『朝潮?あんたが今ここに居る理由、消える前に教えてあげる』


ドクン


私がここに居る理由…それは私が売り飛ばされ、そして人を殺したから


八島『きひ、そうだねぇ。ならそもそもどうしてそんな事になったと思う?』


ドクン


聞いてはいけない、そんな予感がする。しかしここで拒否しても島風は殺される。結局はその時が早まるだけだとしても迂闊な事は出来ない
789 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:29:36.59 ID:TDpnU3nDO
 
 
八島『あの人間…島風提督だっけ?安心していいよ。あいつは正しく善良な人間だった』


「…」


それは解る。そうでなければあの五月雨や島風だってあそこまで慕ったりはしない。今現在の彼こそが本来の島風提督なのだろう


八島『ならどうして朝潮を始め艦娘を売り飛ばすなんて悪事に手を染めたのかなぁ?』


島風「…っ!」


島風が泣きそうな顔になる。島風提督がそうした原因となったのは自分のせいだと責任を感じているのは知っていた


早霜「…その口振りだとまるで貴女がそうさせたと言っているように聞こえるわね」


八島『きひひひ!ご名答!』


「は…?」


八島『四肢を失った島風を救う為にはお金が必要だった。艦娘を買いたがってる人間も居た。でもあの人間は最初は踏み止まってた』


島風「え…」


八島『だからさぁ…あたしが背中を押してあげたのさ!魔が差したってやつみたいにさぁ!いや神の導きかな?』


「……どうして…」


島風「こいつが…?」


八島『何事も無く丸く収まるなんて観客は納得しないんだよ!それをあいつは邪魔ばっかりしてさぁ!』
790 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:31:12.58 ID:TDpnU3nDO
 
 
「邪魔…?もしかして…」


八島『あたしから力を奪っただけじゃ飽き足らず、あたしのシナリオにケチばっかりつけてくるようになった!忌々しい!』


「貴女は…」


八島『あぁでもあれは良かった。あの深海棲艦…潜水新棲姫。あいつが頭をぶち抜かれた時…あの艦娘の絶望の叫び…きひひひ』


「な…!」


八島『…なのにあそこでもフォローのつもりか知らないけど救いやがった…。何度も何度も何度も何度もあたしが決定した運命を覆してきやがって…!』


「…私がここに居る理由はじゃあ…」


八島『あ?あぁ…あんたもあのままだったらその存在自体フェードアウトしてただろうねぇ。たまーに話には上ってもいずれは忘れ去られていくだけの過去に』


忘れ去られて…司令官が私を忘れる…


八島『それをあいつは…ここに救い上げた。まぁそれはそれで?また新しい絶望を考える楽しみが出来たからいいけどさぁ』


そうして八島は私に向かって腕を伸ばす。その手のひらに凶悪な力が充填されていくのを感じる


八島『今回の絶望はあいつに。苦労して救った朝潮が敢えなく殺される。あいつが見たのは消え行く朝潮の魂、生まれ変わる事も最早不可能と…きひ』


「…く」

791 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:33:52.76 ID:TDpnU3nDO
 
 
島風「ねぇあんた」


八島『あ?』


背後から声を掛けられ振り向いた八島。その後頭部に砲弾が吸い込まれていくのが妙にスローモーションで見えた


ドゴォン!


八島は完全に不意を突かれていた。私や島風、早霜さんには全く付け入る隙は無かった。しかしそのどれとも違う方向からの奇襲だった


ドゴォン!ドォン!


更に別の方向からも砲撃、対してダメージは与えられてはいないようだが爆発自体は八島の動きを阻害している


「あれは…連装砲ちゃん?島風?」


島風の連装砲ちゃんが八島に対して十字放火を仕掛けている。そういえば島風は接近戦ばかりで武装を出してはいなかった。違う、既に出していたのだ


ヒュンヒュンヒュン


そこに風を切る音がして何かが宙を走る


「あれは…糸?…あっ」


糸が八島の足に巻き付き更に自由を奪っていく。早霜さんの使っていたあの糸だった


島風「切り札はここぞで使うものだよ!」


早霜「朝潮!今しか無いわ!」


「っ!…はい!」

792 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:37:02.06 ID:TDpnU3nDO

 
私は再び砲を構え、八島に向ける。威嚇にもならない私の砲、避けるまでもない私の攻撃


八島『雑魚共が姑息な真似を!そんな攻撃があたしに効くか!弾が尽きた時がお前らの命が尽きる時だ!』


そして私は撃った。私達の攻撃は八島には通じない。奇襲により多少のダメージは与えられてもそこまでだ。だけど―――


ギュウウウウン!


八島『な!?』


八島を中心にまるでブラックホールのような黒い力場が発生し八島を拘束した


八島『何だこれは!ぐぅう!』


「…思っていました」


八島『あぁ!?』


「富士さんもそうですが貴女も対人戦には慣れていませんね?」


八島『は?あたしが…あたしがどれだけの人間や艦娘を殺したと思ってる!』


「それは圧倒的な火力や攻撃範囲で蹂躙するだけのものですよね、二人の戦い方を見ていて解りました」


早霜「確かに単体としてもその強さは私達では敵わない…だけど割りと隙は見付けられていたわ」


「だから陽動やフェイントには引っ掛かり易いと思いました。だから…」


八島がずっとこちらを観察しているのには気付いていた。この切り札もただ普通に使っては防がれるか避けられてしまう可能性が高かった
793 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:39:54.96 ID:TDpnU3nDO
 
 
だから砲台には自前の砲弾をあたかも切り札のように装填。そして実際には無力な砲台を破壊させ自らの勝ちを確信した八島は必ず油断すると踏んだのだ


八島『このぉぉぉ!艦娘ごときがあたしを!がぁぁぁ!何でだ!何で動けない!?』


【―――その弾は貴女にも抵抗は不可能よ】


「富士さん」


少しは休息が取れたのか顔色が幾分良くなっている富士さんが私達の後ろに立っていた


八島『こいつは何なんだ!愚姉!』


【―――それはあの人が作ったものよ】


八島『!!!』


【…と言っても持ち込んだのは設計図だけだったけど。み…とある協力者に設計図を渡して頼んでみたら見事に再現してくれた。紛れも無く天才ねあの子】


「結局何だったんですか?あの弾は。当てさえすればとは聞いていましたが…」


【未来…過去かしら?とにかく今の世界には存在しない技術により作られた特殊砲弾…対象をその空間ごと抉り取り別次元に放逐する】


島風「SFの武器みたいな?」


【そうね、だけどその世界でも正式採用はされなかったけれど、砲弾ひとつに莫大なコストが掛かりすぎると計画は凍結されたわ。幾つかの試作品は封印され、そして設計図だけが残った】


「あの…抵抗出来ないというのは…」

794 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:46:39.62 ID:TDpnU3nDO
 
 
【…その弾の設計者は…艦娘、富士の要塞艤装を…そして空中要塞八島を作った、その他にも数々のこの世界ではあり得ない兵器を作った人物…その因果はその名を持つ者にこそ効く】


八島『…』


その人物の話が出ている間の八島はこれまでとは比べ物にならない憎悪と、そして僅かに恐怖を浮かべていた


【今の私達には貴女は倒せない、だからこうして追い返す。だけどここには並大抵では来る事は出来ない。例え貴女でも】


八島『…時間稼ぎのつもりか』


【そうね…今は無理だけどいずれは対抗出来るようになって見せるわ】


八島『はっ…、いいよ。今回はあたしの敗けだ、認めてあげる。でも次は無い。あたしも今度は準備してお前らを消しに行ってやる』


【…簡単にはいかないわよ】


八島『…だけど置き土産くらいはしていくよ』


「何を…」


八島『忘れるな、世界はあたし達を―――』


そうして八島はこの世界から放逐されたのだった
795 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:49:57.86 ID:TDpnU3nDO
 
 
それから少ししてボロボロになったY子さんが戻って来た。八島が居なくなった事により、空中要塞もあの死者の群れも消えたようだった


『いやぁ…死ぬかと思ったよ…数の暴力って怖いねぇ』


見た目はボロボロだが割りと元気そうで安心した


再び拠点となる家を修復する作業に富士さんが取り掛かるが消耗もあってあまり進んではいない。しばらくは野宿になるだろう


「あの…Y子さん」


『無事で良かったよ朝ちゃん。頑張ってくれたみたいで。…その…ありがとね、身内というか同一存在の不始末というか…』


「聞きました…力の事…」


『…』


その言葉を聞いたY子さんは俯いて私と目を合わせようとしない。出来ないのか


「聞かせてください」


『…あいつが本格的に干渉を始めたのが何時かはあたしは知らない、あたしという存在が生まれたのはそれほど前じゃないから』


『気付いたらあたしだった、そんな感じで、もう一人のあたしが色々やってるのを見てるだけだった』


『あいつは楽しそうだった。人の運命を狂わせたり、争いを助長したり、悲劇的な事を好んで行っていた』


『だけどあたしにはそれの何処が楽しいのか解らなかった。だから…』


『あいつが干渉した結果を更に干渉して覆そうとした。だけど起こった事を無かった事には出来ないから本当に難しかった』
796 : ◆B54oURI0sg [sage saga]:2020/05/10(日) 23:54:42.97 ID:TDpnU3nDO

 
 
『そしたらあいつは激怒してあたしを消そうとした、あたしは消えたくなかった』


『だから…』


機械的に感情を殺し話すY子さん。まるで懺悔をしているようで


「これまであった事で良い結果になったのはY子さんが?」


『全部じゃないよ…もちろん悪い結果の全てにあいつが関わってる訳でもない。そもそも個人である以上全てを関知なんて出来やしないんだ』


「私が…売られたのは」


『っ…ごめんなさい!』


土下座でもしそうな勢いで謝るY子さんを遮り


「それをしたのはあっちであって貴女ではないんですよね?」


『それは…そうだけど…』


「今更…私にY子さんを憎めとでも言うんですか?それこそ怒りますよ」


『うぅ…』


彼女は決して言わないがおそらくはこれまで何度も救われているのだ、私だけではなく、消えてしまうはずだった漣さんや、新棲姫さん、それ以外にも沢山


それでも溢れてしまう。一人の手のひらでは全ては救えない。例え運命に干渉出来てもそれは変わらないのだ


そしてそれ以上にこの世界は残酷なのだと私達は知っている


仮にそんな力が存在しなかったとしてもこの世界は私達を―――


この世界はあたし達を


―――憎んでいる
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 23:56:34.66 ID:TDpnU3nDO
ここまで
ごめん…なさ…
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/11(月) 00:06:27.08 ID:Kx99jNGDo
おかえりぃ!
こんな時だけど光明が…後光が…
Y子さん関係の深堀本当に助かります、ありがとう!
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/11(月) 00:17:40.76 ID:+oLAMpVuO
お久しぶりですね…
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