巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」

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1 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:12:51.67 ID:XvGD3VRx0
巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506772669/


巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510833531/

最原「僕らが往くは恩讐の彼方!」 巌窟王「これで終わりだ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515924300/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1533561171
2 :一つ言い忘れてた。俺は約束を破る ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:14:26.85 ID:XvGD3VRx0
おっと途中送信


最原「復讐鬼の学級日誌」 巌窟王「俺たちのコロシアイ修了式」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521804331/



に続く五作目!
このスレで! 終わるといいな!
3 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:18:40.72 ID:XvGD3VRx0
ズズウウウンッ!


バリンッ


春川「……なにこの揺れ……それと衝撃波?」

春川「果ての壁を壊してる……んだよね?」

百田「……様子を見に行った方がよくねーか?」

春川「お勧めはしないよ。アイツは『事が終わるまで誰も動かないことを前提に行動する』って言ってた」

春川「……音が止むまでじっとしてよう」

百田「巌窟王……!」

白銀「……?」

白銀(なに? こんな予定、聞いてない)

白銀(この学園に何が起こってるの?)

天海「ぐー」スヤァ

百田「呑気だ……」

天海「お前もアマデウスしてやるっす……」ムニャムニャ

春川「どんな寝言?」
4 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:30:08.25 ID:XvGD3VRx0
校舎の外

巌窟王「ふうっ……ふうっ……頑丈だな。そうでなければ遣り甲斐もないが」

キーボ「……」

巌窟王(ほぼ万全に近いバックアップを受けながらも……キーボの攻撃力は無視できない)

巌窟王(だが何度か激突してみてわかった。アイツは生徒を巻き添えにするような攻撃は極力行わない)

巌窟王(このまま行けば引き分け程度には持ち込めるが……!)

アンジー「どうするー? 別にこのまま続けてもいい気がするけどー」

巌窟王「……」

巌窟王「アンジー。念話だ」

アンジー「?」

アンジー「……!」

アンジー「了解! ここで区切りにしよう!」

アンジー「ちょっとこれ以上は……ビジュアル的にも続けられないからねー!」ブワッ

巌窟王「一瞬だ。それでカタが付く!」ボオオウッ








赤松「……巌窟王さんの炎が大きく……!」

東条「なにかを仕掛ける気ね」

入間「ち、ちくしょう! 相変わらず早すぎてほぼ見えねーぞ……! 残像が線に見えるだけだ!」

星「……あいつ、まさか……!」

獄原「あッ! あれは、まずい!」

赤松「え?」

獄原「みんな、伏せ――!」



ドカァァァァァァァンッ!
5 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:35:51.44 ID:XvGD3VRx0
病室の中

百田「……ん。光ったと思ったら……」

春川「音が止んだ……ね」

春川「……ここで誰かがやってくるまで待ってよう。全部終わったら来るようにって言ってある」

春川「万が一、一時間たっても誰も来ないようなら……」

百田「ああ。外に出てみようぜ。あれはちょっと尋常じゃねぇ」

白銀「……私も外に出るよ」

百田「お? 白銀もか?」

白銀「ダメ?」

百田「いいぜ!」グッ

春川「アンタはまたそんな軽々しく……」ハァ

百田「断る理由もなかったしなぁ」

百田「……終わった……んだよな?」

春川「多分。でもなんかイヤな予感が消えないし」

春川「……釈然としない。静かすぎる」

百田「くそ。誰か来いよ……!」ソワソワ

白銀「……」






白銀(祈りは虚しく、どこにも届かなかった。一時間待っても誰も病室には訪れず)

白銀(……私たちは、病院の外に出た)

白銀(出てしまった)
6 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:42:25.06 ID:XvGD3VRx0
春川「……」

百田「……」

白銀「……」





周囲「」ゴッチャァァァァァ

残り火「」メラッ メラッ

壊れた校舎「」ボロッ





百田「世紀末か!?」ガビーンッ

春川「帰る。帰って寝る」スタスタ

百田「ハルマキィ! 気持ちはわかるが引き返すな!」

白銀「……」ヘタッ

白銀「あ。なんか、腰が抜けたみたい……なにこれ」ガタガタ

白銀「何があったの!?」
7 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/06(月) 22:47:13.14 ID:XvGD3VRx0
続きは明日から!
8 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/07(火) 19:33:05.95 ID:zjsSSNug0
百田「……穴はどうした!? 外に繋がる穴は!?」キョロキョロ

春川「見た感じそんなものはないけど……」

百田「うおおお! 寄宿舎もなんか……微妙にこう〜……ばっちくなってんぞ!」




寄宿舎「」ズーン




春川「そうか。なんか変だと思った。全体的に、私たちが行ったことのある場所がほぼ焼けてるんだ」

春川「それなのに何故か『病院』と『寄宿舎』だけ損傷が少ない」

春川「特に病院」

百田「お? おお……そういえば」

春川「巌窟王は『私たちの位置が動かないことを前提に破壊を行う』って話だった」

春川「この状況、その宣告通りだよ。だって私たちのいた病院は無事だったんだからさ」

百田「やっぱりこの破壊は巌窟王がやったことだったのか……一体なんでこんなことを」

百田「えほっ! 微妙にけむっぽい! 戦地かここは!」

春川「何が起こるかわからない。天海を病院に放置するのは少し不安だけど……」

春川「白銀。起きて私たちに同行できるのなら、もう少しつきあってもらうよ」

白銀「ん。うん」

春川「……みんなを探そう。巌窟王の意思が働いてるのなら、みんなも私たちみたく無事だよ」
9 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/07(火) 20:19:05.73 ID:zjsSSNug0
百田「そうだな! おーいみんなー! いるなら出てこいよー!」

東条「了解したわ」ズボボボンヌッ

百田「アッ……!? ……ッ!? ……!?!?」ガビビーンッ

東条「どうかしたの?」

春川「アンタが急に地面から出て来るから声にならないくらいビックリしてるんだよ!」ガーンッ

春川「なんで地面から……!?」

白銀「そういえば地面から竹の筒みたいなものが見えてたけど……どこかから吹っ飛んできた瓦礫の一部かと」

春川「竹筒で呼吸を賄いながら地面に埋まってたの……!?」

百田「すげぇ! 忍者かよ!」

東条「様子を見るために、ひとまず退避した方がいいと考えたのよ。巌窟王さんの攻撃が止んでからすぐに瓦礫を集めて潜ったわ」

東条「他のみんなは無事よ。散り散りになったからその後はわからないけど」

春川「……え。わからないんじゃ無事かどうかも判別できないんじゃない?」

東条「いいえ。巌窟王さんと『彼』の攻撃行為の一切が終わってから散り散りになったから、どこかで転んで頭をぶつけたりしてない限りは無事よ」

百田(入間とか心配だな……)

春川(入間とかそうなってそうだな)

白銀(入間さん死んでるかも……)

百田「というか、彼? 誰だ?」

東条「後のことは彼女が出てきてから話をするわ」

東条「ここにもう一人、希望したから同じように瓦礫と土を被せて隠した人がいるの」

百田「お? 本当だ。竹筒がもう一つ……」




竹筒「……カヒュッ……カヒュッ……」ゼーゼー




春川「……ちょっと東条。竹筒を見せてくれない? アンタの持ってるヤツ」

東条「これのことかしら?」

竹筒「」ニョキィィィィンッ

百田「なんか長くねぇ?」

春川「そんな長かったら余程の肺活量がないと呼吸できなくなるんだけど……」

東条「大丈夫よ。その場合は瓦礫をどかして脱出すればいいのだもの」

春川「それができる筋力の持ち主なの?」

東条「……」

東条「……」ツイーッ

百田「目を逸らすんじゃねぇーーーッ!」ガビーンッ

春川「すぐ掘り返そう」ザッザッ
10 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/08(水) 20:33:50.16 ID:lBc/6E5i0
数分後

入間「空気isデリシャス!」スハーーーーッ!

東条「土埃塗れだから後で着替えと、最悪でも濡れタオルで体を拭く必要があるわね」

入間「東条コラァ! その前に俺様になんか言うべきことあんだろクラァ!」プンスカ

東条「……」

東条「いい気味」フッ

入間「」

東条「……というのは冗談よ。ごめんなさい、ちょっとやり過ぎたわね」

入間「その冗談も俺様の心を深く抉ったぞ。今日の夜は夢見が最悪だなオイ」シクシク

百田「で。事情を説明してくれるよな?」

東条「キーボくんが学園を破壊しようとした巌窟王さんを武力行使で食い止めたのよ」

春川「!」

白銀「えっ」

入間「キーボは見たこともない武装を使って巌窟王と互角に戦ってた」

入間「相当な威力だったぜ、ありゃ。スピードも段違い。巌窟王と完璧に互角だった」

入間「……で。その内、巌窟王はキーボを制圧して学園を破壊することを諦めたんだろうな」

東条「生徒たちに被害が及ばない範囲で、巌窟王さんはほぼ無差別に地上を破壊」

東条「舞い上がった煙幕に隠れてどこかに行ってしまったわ」

百田「テメェらを置いてか?」

入間「そもそもキーボは俺様たちに『何か』をやらせようとしてた。ちょうどモノクマみてーにな」

入間「あの素早さなら巌窟王をすり抜けて俺様たちを攻撃する程度なら余裕でできたのに、それをしなかったってことは……」

東条「キーボくんは私たちを傷つけることはない。少なくとも現状では。直接相対していた巌窟王さんならすぐ気づいたでしょうね」

東条「だから心置きなく戦いを中断して逃げることができた」
11 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/08(水) 20:44:35.54 ID:lBc/6E5i0
入間「キーボは巌窟王を深追いすることはなかった。まあしばらく煙に乗じて不意打ちされる可能性にビビって動けなくなってたけどな」

入間「……と、そんなときアンジーが言ったんだ。『仕切りなおす』って」

東条「私たちはアンジーさんを通じて巌窟王さんの逃走を知った。そして、念のため私たちも隠れて様子を伺うことにしたのよ」

入間「幸い、煙はまだ上がってたころだったしな。逃げ出すのは簡単だったぜ」

入間「俺様は東条と同行……いや東条が俺様に同行して、で現在に至るってわけだ」

春川「なんで入間と一緒に?」

東条「放っておいたらコケて死にそうね、と思ったらつい……」

百田「ナイス判断だ」グッ

入間「テメェら色々と容赦なさすぎだろ。俺様が何した?」

春川「自分の胸に手を当てて考えてみなよ」

入間「んんっ……はあっ……んああっ!」ビクンビクンッ

春川「誰が乳首を弄れって言った?」ゲシイッ

入間「ぎゃふんっ」

東条「瓦礫の隙間から様子は見ていたわ。キーボくんはどこかに飛んで消えたようね」

東条「少なくとも私たちに知覚できるどこかにはもういない」

百田「……おし。他の連中も探して、キーボの目撃証言を追ってみようぜ。別の視点ならわかることもあるかもしんねー!」

入間「おお!」

入間「……ん。別の視点って言えば……なあ東条」

東条「?」

入間「散り散りに逃げるとき、なんか人数が一人多かった気がしなかったか?」

東条「……?」

入間「……気のせいか。忘れろ」
12 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/08(水) 20:53:01.74 ID:lBc/6E5i0
図書室の隠し部屋周辺

ズルッ ズルッ……




?????「まったく。なんという運の悪さだ。飛んできた瓦礫に頭をぶつけて気絶するとは」

?????「我がいなければ散開する生徒に置いてきぼりにされて、あの場に一人取り残されておったぞ」

?????「まあ命の危機に瀕して、召喚を暴発させたのはよいことか……お陰で外に出れたからな」テキパキ

赤松「」チーン

?????「よし。治療は完了。しかし時間が空いてしまったな……」

?????「こやつの顔に落書きでもして遊ぶか」キュポンッ

?????「基本は丸〜。丸描いて丸〜」ルンルン

赤松「ぽ、ぽよ……」ウーンウーン

?????「ふはははははは! 傑作だ! 見ろ! ふっくらおだやかな顔のカー……」

?????「虚しい。マザーモノクマに帰って寝よう」スタスタ







五分後



赤松「うーん……」

王馬「……か、顔に落書きされた状態の赤松ちゃんがいる……惨い……」

王馬「俺も落書き追加しようっと。六月六日にUFOがー」ルンルン
13 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/08(水) 21:02:47.81 ID:lBc/6E5i0
校舎の外


百田「……意外に見つからないもんだな」

東条「仕方ないわ。キーボくんは空中を移動するためのエンジンが光ってて、粉塵の中でも位置を見失わなかったけれど」

入間「ああ。地上にいた生徒同士はあの騒動の上、その粉塵のせいですぐ隣にいるヤツくらいしか見えなかったしよ」

入間「もしかしたら一人くらい取り残されたヤツいるかなー、と思って元の位置まで戻ってみたけど……」

入間「まあそんなマヌケいるわきゃねーか」

白銀「……おっと」フラッ

ガシッ

春川「視界が悪いんだから、アンタは足元に本当に気を付けてね。無理やり引っ張り回してる私が言えた台詞じゃないけど」

白銀「あ、ご、ごめん」

入間「……なあ東条」

東条「あなたが何を言うつもりか知らないけど……今は黙ってた方がいいわ」

入間「……確かに百田たちの前で事をかまえるのは、ちょっとなぁ?」

春川「何か言った?」

入間「んでもねーよ。チッ」

百田「あー?」

白銀「……」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/08(水) 21:29:09.68 ID:lpkJlU740
セミ様呼ばれたな、これは…
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 22:05:29.37 ID:YkM1kjn50
あと100スレかかるって言ってたな…年単位になるだろうが頑張って完走してください
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 03:02:35.16 ID:ZIg8tbFDO
水着ジャンヌ全体弓か……
石を節約出来るな
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/09(木) 12:28:41.04 ID:S9+lzezU0
でも全体アーツ宝具だったら…?
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/09(木) 12:31:29.26 ID:S9+lzezU0
逆転の人よ、きょうからイベントだが今日の更新は有るのかい?見てたら答えてくれ…あと皆がやってる返信の仕方教えてくれ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 13:08:40.98 ID:oJrO5xu2O
安価の仕方もsageも知らない夏休みキッズのくせに偉そうな奴だな
20 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/09(木) 18:10:48.33 ID:tcPTVDQz0
俺は待っていた……このときを待っていたぜ……!

召喚する! 必ず! 俺はっ……俺は!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 19:18:43.99 ID:Tgl5Tn8Oo
去年引きました(傍観)
そしてみんなお越しになられました
22 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/09(木) 19:26:56.88 ID:tcPTVDQz0
二百連して……術ギルが宝具5になり……オルトリンデとパールヴァティーが来て……


星5がすり抜けすら来ない。我がカルデアと財布は焦土と化した
23 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/09(木) 19:27:57.35 ID:tcPTVDQz0
今日の更新はやめだぁ! やめやめ!

宝具2になったヘラクレスを抱き枕にして寝るもん!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 20:49:52.59 ID:nIRKtR/QO
イッチほんま引き弱い…
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 21:18:49.53 ID:2Wj9l5a7O
(今回の福袋で宝具3になった)巌窟王のモーションリニューアルだけでお腹いっぱいになったから興奮醒めるまでガチャはお預けでいいや
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/10(金) 00:23:02.85 ID:bDAQE+BQ0
あなたの変わりに4万で岩窟王迎えられた
すまない、ほんとうにすまない
27 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/10(金) 13:13:51.50 ID:QtagYdYRO
勝ったぞ綺礼。


勝ったぞ……!
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/10(金) 13:57:58.68 ID:VEnEVnPUo
という夢だったのさ…


PU3はBBメイヴXらしいから我慢するんやで!
29 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/10(金) 19:40:13.18 ID:gcsK+yE/0
ズズウン



百田「……お? どこかで何かが落ちる音がしたような……?」

春川「百田! あそこ!」

百田「ん?」

獄原「……守れなかった……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

入間「ゴン太? ゴン太……だよなぁ? あのデカ物」

東条「なにか妙な雰囲気を纏っているけど獄原くんで間違いないわ」

百田「んにしても何してんだ、あんなところで……?」

百田「お」

春川「ああ……自分の研究教室から出てきたんだね」

百田「か、壁が壊れてやがる……風通しよさそうだなー」

春川「……巌窟王の攻撃が直撃したんだ。あれじゃ中の虫は……」

百田「全滅か?」

春川「ならまだマシだけど、下手すると」

入間「言わなくていい! つーか言うな! もしも全滅してなかったらどうすんだよ! それ逃げたってことだろ?」

入間「全滅だ全滅! それしかありえねーって!」


ブオンッ

百田&東条&春川「あ」

入間「あ?」

入間「……もしかして背後にいる?」ダラダラダラ

獄原「……今、なんて言ったの?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

入間「」




このあと滅茶苦茶なごまされた
30 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/10(金) 20:01:54.34 ID:gcsK+yE/0
入間「むししゃんだいしゅきー」チュパチュパ

春川「入間が壊れた……」

東条「なんとか直しておくわね」

百田「ゴン太! 他のみんながどこにいるかわかんねーか?」

獄原「ええとね、校舎の中に他に何人かいるよ」

春川「……この半壊した校舎に? 危ないよね?」

百田「まあ、あの近場で頑丈そうな建物っつったらここしかねーだろうけどよ」

獄原「いや。どうせキーボくんはゴン太たちに攻撃してこないし、頑丈な屋根の下に隠れる意味はほぼないんだ」

獄原「どころか、巌窟王さんとキーボくんの攻防のせいで半壊した校舎の中で怪我する可能性の方が高い」

百田「あ? じゃあなんで……」

獄原「星くんが気付いたんだけど、あの煙幕の中で学園の中に逃げ込んでいく影を見たんだって」

獄原「その人が怪我する前に合流して、はやく外に連れ出してあげないとって話になったんだ」

獄原「ゴン太たちは『テンパって錯乱した入間さんが逃げ込んだんじゃないか』って思ったんだけど……」

獄原「入間さんここにいるね?」

春川「ずっと東条と一緒だったらしいよ」

獄原「あれ。じゃあ中に入ったのは誰だったんだろう」

獄原「ゴン太と一緒に校舎の中を探索しているのは夢野さん、星くん、真宮寺くん、王馬くんだよ」

百田「お。結構な人数の所在が判明したな。あとわかってねーのは……」

春川「赤松、夜長、茶柱、最原、かな?」

獄原「場所を移動してなければ、最原くんと茶柱さんは寄宿舎にいるはずだけど……」

東条「夜長さんは……おそらく巌窟王さんと一緒でしょうね。念話で合流しているはずよ」

百田「実質どこいるかわかんねーな。でも巌窟王がアンジーを危険な場所に誘導するはずはねーか」

春川「消去法で行くなら、この中で真っ先に校舎の中に入って行った影の正体は……赤松?」

白銀「赤松さん、結構肝がすわってる部分があるし、錯乱してしまって……っていうのは考えづらいな」

獄原「……」ジーッ

春川「……なに? 白銀と同行してることに文句でもあるの?」

獄原「あ、い、いや。ないよ。ごめん」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/10(金) 23:35:56.62 ID:M8VYxfpYO
ここの>>1の赤松良くも悪くもブレーキかけないからなぁ……
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/11(土) 00:09:33.45 ID:gwUVvPtQO
あの無数の虫さん達が今解放されているのか…?(震え)
33 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/11(土) 21:26:43.68 ID:TXaxu2+s0
春川「そういえばだけどさ。茶柱と最原はなんで寄宿舎にいるの? 探し物?」

獄原「寝てるんじゃないかな?」

春川「……考えてみれば当然か」

東条「寄宿舎の方も注意してみたのだけど、誰かが出てきた気配はなかったわ」

春川「じゃあ二人揃って騒動に気付かずまだグッスリ眠ってると……結構な音だったけどな」

白銀「どうする? 起こしに行こうか?」

百田「あの爆音に気付かずに寝ているようならノック程度じゃビクともしねーだろ」

百田「終一がいりゃあ知恵貸してくれると思ったんだけどな。探偵なら人探し程度余裕だろうしよ」

春川「寝かせておこう。ちょっと頑張りすぎたしね、最原」

春川「……」

春川「私たちも頑張ってたんだけど」イラッ

百田「自分で自分の発言にイラつくなよ……知ってるって」

百田「で、どうする? 俺たちも中に入るか?」

獄原「探索は一定時間で切り上げて、終わったら全員元の場所に戻る手筈になってるんだ」

獄原「……あれ。そういえば、なんでゴン太がこんな話してるんだろ」

百田「あん?」

獄原「王馬くんと会わなかった? 夢野さんに『百田と春川に状況を説明して連れて来るんじゃ』とか言われて『わかった』って凄いいい笑顔で答えてたけど」

春川「凄いいい笑顔で答えてたのなら嘘でしょ」

百田「や、野郎!」

東条「……面倒臭かったからほっぽり出したのね」
34 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/11(土) 21:38:05.85 ID:TXaxu2+s0
入間「アイツのことだ。半壊した学園の中をさっさと探索したくてたまらなかったんじゃねーの?」

春川(あ。立ち直った)

入間「時間切れなら、ひとまずランデブーだな」

東条「そうね。そうしましょう」

東条「……」チラッ

入間「まだダメか?」

東条「……念には念を」

入間「ケケケ……」

百田「?」

春川「……」

春川(ちょっとマズい雰囲気だな。コレ)






待ち合わせ場所

夢野「えー。というわけで、なんじゃが……合流できたんじゃが……じゃが!」

王馬「赤松ちゃんをおぶってくるのめっちゃ大変だったよー」ヒィヒィ

赤松「」チーン

春川(頭には包帯。顔には落書き。意識を失った赤松が王馬におぶられていた)

百田「赤松ーーーッ!?」

春川「なにがあったの?」

王馬「俺が見たときには既にこの状態だったよ。顔には落書き、頭には包帯。どうも何かにしこたま頭をぶつけたらしいね」

真宮寺「包帯にもインクがついてるから、治療した後に落書きがされたみたいだネ」

春川「……東条。顔面をなんとかしてやって。無様すぎる」

東条「了解よ」
35 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/11(土) 21:54:20.87 ID:TXaxu2+s0
夢野「んでまあ、結局校舎の中を調べてみても赤松しか見つからなかったんじゃが」

夢野「結局、煙幕の中で星が見た人影ってコイツじゃったんかのう」

星「さてな。俺が見たのは『たなびく長い髪のようなもの』だ。赤松もそこそこ髪が長いから該当はするが……」

百田「それがなんで校舎の中で頭を打って気絶することになるんだ?」

王馬「さあ? 俺が見たときは図書室の隠し部屋周辺に転がってたんだけど……」

王馬「頭をぶつけて気絶した赤松ちゃんを治療するのなら、赤松ちゃん以外の何物かがあの場所にいないと不自然だよねぇ」

春川「いなかったの?」

王馬「見当たらなかったね。元から本腰入れて捜索したわけじゃなかったけどさ」

百田「本格的にわけわかんねーぞ。校舎の中で赤松に一体何があったってんだよ……」

春川「起きた後で本人に聞こう」

東条「そうね」

東条「……」チラッ

春川「……で。なんのつもり?」

入間「!」ギクリ

星「……なんのことだ?」







春川「私たちのこと、それとなく取り囲んでるよね」

百田「ん?」

春川「正確には『白銀のことを』かな?」

百田「……ん!?」ガビーンッ
36 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/11(土) 23:01:45.99 ID:TXaxu2+s0
白銀「……ああ。本当だ。取り囲まれてるね?」

百田「なんのつもりだ、テメェら。なんかすげーイヤな感覚だぜ。誕生日のサプライズか?」

夢野「……みんな?」キョロキョロ

真宮寺「いやあ。理由なんか今更訊くまでもないんじゃないかなァ?」

星「白銀は首謀者だ。そして、モノクマは今となってはもういない」

星「……学園に起こったこの異変。キーボの豹変。その他もろもろについて完璧に説明できる人材は今となっては貴重だ」

春川「コイツが今更逃げるとでも?」

東条「意思は今更関係ないわ。どちらにしても尋問はさせてもらう」

夢野「な、なるほどのう。みんなの意見はよくわかったが……」

夢野「『拷問』じゃ……ないんじゃよな?」ビクビク

王馬「にしし。夢野ちゃんもわかってるくせにー。みんなの恨みの感情は尋常じゃないよ?」

王馬「拷問をするなんて表立って言うわけがないけど、拷問じみた何かをすることは確定じゃないかな?」

百田「んなっ……!?」

春川「私が立ち会うよ。そんなことは絶対にさせない」



ガシッ


春川「!」

獄原「ごめん」グイッ

ドズンッ!

百田「ハルマキ!?」

春川(ま、ず……! 完全に極められた! この私が……!?)ジタバタ

真宮寺「ククク。流石にこの体格差はひっくり返せないよ。地面に押さえつけられれば、いくらキミでもネ」

春川「獄原……アンタまで!?」

獄原「……」
37 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/12(日) 20:35:03.68 ID:3dtn8obx0
春川「待ってよ。いくらなんでも立ち会いすら許さないんじゃ道理が通らない!」

春川「隣に味方が誰もいないんじゃ『拷問でもしない限り証言が聞き出せない』っていう最悪の本末転倒な状況ができるだけだよ!」

王馬「うん。そうだね。そうだねぇ……」

王馬「……隠すつもりすらないんだね。もう『拷問以外の手段を取る気がない』って言っちゃってるようなもんだ」ニヤニヤ

百田「おい。冗談じゃねぇんだぞ。こんなときに!」

入間「俺様たちだってそんなゴア丸出しな拷問する気なんざさらさらねーよ」

入間「そういうの巌窟王が実際にやったのだけで充分だ。ぶっちゃけトラウマだぜ? 血を見るだけで吐きそうだ」

王馬「ん?」

入間「新世界プログラムの中で色々あったんだよ。とにかくやり過ぎたりはしねーって」

真宮寺(血が出ない拷問もかなりの数あったりして)

百田「くそ……ハルマキを離せよゴン太! いくらテメェでも許さねぇぞ!」

獄原「……許さないと、どうなるの?」

百田「耳元で凄い騒いでやる!」

夢野「地味ィ!」ガビーンッ

東条「……仮に獄原くんをどうにかしようとした場合は、私が相手になるわよ。私でダメなら他の人が」

百田「ぬ、ぐ……!」

星「諦めろ。詰んでいるのはお前らの方だ」

百田「くそ……こんなの……こんなやり方認められるかよ! 俺はっ!」ダッ

春川「百田! やめて!」

百田「うおらあああああああああああ!」

東条「バカね……!」





バキィッ
38 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/12(日) 20:46:44.22 ID:3dtn8obx0
百田「……? ……? ……?」ズキズキ

百田「ん? 今、俺のこと誰が殴った?」

東条「え? 私じゃないわ」

百田「??????」

ジャガーマン「天知る地知る赤ペンシル……迷える生徒を導くため、地獄からやってきた正義の使者……なのかもしれない」

夢野「は?」

ジャガーマン「あ。ちゃんと持っててね」

夢野「お?」



ポタリッ



夢野「え。なんじゃこれ。棒の先に肉球がくっついた……鈍器? 血がついておるな?」ポタリッ

百田「……」

全員「……」

百田「ま、まさか夢野に殴られるとは思わなかったぜ」

夢野「んあ!?」ガビーンッ!

夢野「いや違う違う違う! 今、なんか茶髪でジャガーのパジャマを着た不審人物が……いない!? どこ行きおった!?」キョロキョロ

王馬「ジャガーのぬいぐるみしかないけど? いつの間に持ってきたのそれ」
39 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/12(日) 20:54:41.03 ID:3dtn8obx0
百田「頭を冷やせってことか……ここで事を荒立てても状況が悪化するだけ……そう言いたいんだな?」

夢野「いや別に」

百田「でもよ。この場でただ黙ってたら白銀が……!」

ジャガーマン「ジャガーパンチは指導力!」バキイイイイッ

百田「ぎゃあああああああああああああああああああ!?」ドサァァァァッ

百田「……!? ……!?!?」キョロキョロ

ジャガーマン「はいあげる」スッ

夢野「え。なんじゃこれ。メリケンサック?」ポタッポタッ

夢野「……血がついとる」

百田「効いたぜ……! 目の前がチカチカすらぁ。まさか夢野がこんないい拳を持ってたなんてよ」ペッ

夢野「ウチ!? いや違くて! だからさっきから茶髪でジャガーのパジャマを着た変なヤツがいるんじゃって!」アタフタ

王馬「ジャガーのぬいぐるみしかないけど」

ジャガぐるみ「」フジムラァァァァァ

春川「夢野。ありがとう。百田の無茶を通してたら余計に話がこじれるところだったよ」

夢野「ウチ関係ないんじゃがーーー!?」ガビビーンッ

百田「くそ……でも実力行使以外でどうしろってんだ!」

ジャガーマン「白銀ちゃんの意思を確認するのが先じゃないッスか旦那?」ボソッ

百田「そうか! なんか今日は冴えてるな夢野!」

夢野「不審者ァァァァァァ! 不審者がおるぞぉぉぉぉぉぉ!」

王馬「なんかそのジャガーのぬいぐるみ、目が光ってない? 凝った仕掛けだね」

ジャガぐるみ「」ナンデサァァァァァァ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/13(月) 01:55:03.87 ID:jZ+9HC5xO
SSFとしか言い様がない…
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/13(月) 12:00:54.71 ID:N5M1Hk2qO
もはやなりふり構わずになってきたな
これだと外に出てもなんか怒りや恨みを抱くたびに同じことやらかすんじゃないかと不安しかない
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/13(月) 12:46:36.43 ID:okpbBtpI0
プログラム組だけオーディションの時の元の性格に戻ったんじゃね?
何度も殺されたせいである意味じゃ今までのプログラム組≠ヘ本当に死んだんだな…
43 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/13(月) 19:57:01.98 ID:K3d8zvow0
春川「要は最終的に白銀が全部喋ればいいんでしょ……夢野の言う通り!」

百田「ああ。全部駄々流しなら拷問どころか尋問もする必要がねぇよなぁ! 夢野の言う通り!」

ジャガーマン「秘密子ちゃんの言う通りにしときゃ大体ぜんぶなんとかなるにゃー!」

王馬「そうだにゃーん!」

夢野「そいつじゃーーー! 今王馬の横にいるヤツ……ていうか少なくとも王馬は気付いておるじゃろ!」

王馬「さっきから夢野ちゃんは何を言ってるの? 変なの」

ジャガーマン「不審者なんてどこにもいないぞぅ?」キョロキョロ

ジャガーマン&王馬「ねー?」キャピキャピ

夢野「呪うぞッ!」ウガァ

百田「ともかくだ! 白銀! どうだ? 全部喋るだろ? 俺たちに協力してくれるよな……?」

白銀「……それは……」

春川「……なんで渋ってんの? 状況わかってる? いや、ごめん。助けたいのは山々なんだけどさ……!」

春川「これじゃ私も脅しに加担してるも同然だな」

星「ともかく夢野の言う通り、最初から全部話してくれるのならそれに越したことはねぇ」

夢野「もうあの不審者の言は全部ウチの意見ってことで押し通すんじゃな? そうなんじゃな?」

入間「で? どうなんだ? 地味メガネ」

白銀「……」








白銀「話せない」

百田「はい?」

白銀「何も知らない。だから話せることが何もない」

百田「……マジで?」
44 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/13(月) 20:09:22.76 ID:K3d8zvow0
東条「どうやら最後の譲歩すら蹴られたみたいね」

百田「おいおい待て待て待て待て! 白銀! なんでもいいんだ! 心当たりがあればなんでも言ってくれって!」

白銀「心当たりって言われても、もう何が何やら……」

真宮寺「……時間がない。こんな茶番に付き合ってる暇もないネ。始めようか」

百田「ま、待てって……テメェらさっきから変だぞ! なんでこんな強硬手段を取る必要がある!?」

真宮寺「だから時間がないんだってば」

春川「時間?」

入間「キーボの野郎は間違いなく言ってたんだ」




キーボ『ボクはあなたたちに『最後の学級裁判』の開催を要求します』

キーボ『そこで決断を。これが成されない場合……カウントダウンに則り、あなたたち全員を破壊します』




入間「つまるところカウントダウンはオブジェクトが崩れた今となっても生きてる」

入間「時間切れになったらおそらく予定通りに……」

春川「キーボが私たちを破壊するってことね」

百田「んなっ……!」

百田「……いや待て! 今のは初耳だぞ! 最後の学級裁判ってなんのことだ?」

真宮寺「知らないネ。ま、人数はいるんだ。白銀さんへの尋問と同時進行でそっちも調べてみるヨ」

百田「ばっか野郎……! そんなことしてないで、白銀含めた全員で調査するべきだろ!」

東条「こんなところまで来て、死ねる?」

百田「!」

東条「……私たちはたくさん間違って、絶望して、這いつくばって、足掻いて足掻いて足掻いて……!」

東条「やっとのことここまで辿り着けたのよ。あともう少しなのよ?」

東条「ここまで来れたすべてを、誰にも、何にも引き継がずに死ねる?」

百田「それは……」
45 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/13(月) 20:26:46.10 ID:K3d8zvow0
百田「俺だって死にたくはねぇよ……万が一にだって死にたくない」

百田「でも、こんなところで……こんなやり方は違うだろ!」

百田「もっと綺麗な生き残り方があるはずなんだって!」

春川「白銀が本当に何も知らなかったら、そっちに割いた労力は完全に無駄だよね?」

春川「『白銀がこの期に及んでまだ何か隠してる可能性に賭けて拷問する』か『白銀が本当のことを言っていることを信じて一緒に捜索』か」

春川「……記憶が欠けてる私たちには、確かに正しい判別はできない。できないよ! でもどっちにしても――!」

王馬「そのやり方が恐ろしくつまらない……という点に関しては賛同するよ」

夢野「王馬……!」

王馬「拷問って相手によるけど、時間がかかるよー? もうちょっと裏技的な手段を探したいところだね」

王馬「まあ探しだしたところで、俺がその手段に乗るかどうかは別だけど!」ニシシ

夢野「白銀よ……お主もなんか言ってくれ」

白銀「私? 何を?」

夢野「なんかあるじゃろ! 『拷問なんか冗談じゃない』とか! 『やめてくれ』とか!」

白銀「……」

白銀「わからないよ……もう。何を言えばいいのか……」

白銀「もう何一つとして」

夢野「白銀……!」

真宮寺「じゃ、尋問に関しては僕に任せてほしいな」

真宮寺「……ククク。情報を喋っても喋らなくても、僕にとっては適職だね。楽しい時間になりそうだなァ」ニヤァ

百田「真宮寺ィィィ……!」

東条「行きましょう。場所は……鍵が閉められるから、アンジーさんの研究教室とか……ダメね。校舎の中に入れない」

東条「仕方がないから私の部屋を貸すわ」

入間「逃げねーよな? 逃げたら余計に酷いことになるぜ」

入間「……あんまり手間はかけさせんなよ。復讐に関しちゃ巌窟王が『向こう』でやったことで充分なんだ」

白銀「……」

百田「くそ……くそ……何か。他にねーのかよぉ……! 誰か……!」




「はっはっは……はーっはっはっはっはっは……」



百田「ん?」

夢野「こ、この笑い声は……!」
46 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/13(月) 20:33:51.85 ID:K3d8zvow0
アマデウス斎藤「はーーーっはっはっはっはっはっはっは!」ズドドドドドドドドッ

百田「向こうから全力疾走でこっちにやってくるあの影は天海っ……いや!」

夢野「アマデウス斎藤ーーーッ! 来てくれたんじゃなーーー!」

王馬「このタイミング! 狙っていたとしか思えない完璧なヒーローだ!」

春川「天海……いや、今だけはきちんと呼ぶよ。アマデウス斎藤ーーー!」

アマデウス斎藤「みんなーーー!」












アマデウス斎藤「よかったーーー! みんな無事でーーー! そんなところで何してんすかーーー!」ニコニコニコニコ

全員(状況全然わかってねぇーーーッ!)ガビーンッ!

白銀「寝起きだから当然だよね」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/14(火) 12:46:39.09 ID:ox28RYgk0
もう首謀者である白銀を完全無視して、外の世界で希望&復讐を求めている視聴者達が暴走している感じだな。
というか、視聴者達はカルデアサイドのサーヴァントが乱入するという想定外のアクシデントが起こっても、
自分達が望む展開さえ見られるならどうでもいいんだな。
ゲーティアが見たら血の涙を流すぞ…。
48 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/14(火) 19:24:16.93 ID:2ztGNywg0
百田「……あ。おいアマデウス斎藤! 後ろ!」

真宮寺「?」

東条「?」

百田&ジャガーマン「隙ありィィィィィィ!」バキィィィィィッ

真宮寺「ぐあふあああああああああああああ!?」

東条「無念……」ドサァッ

夢野「ええっ!? 何しとるんじゃ百田(となんか知らないヤツ)!」

百田「チャンスは今しかねぇ! アマデウス斎藤ーーー!」

アマデウス斎藤「……?」キョロキョロ

百田「いや今のはハッタリだっつの! 後ろ見ても何もいねーから!」

百田「白銀連れてどっかに逃げろーーーッ!」

星「ッ!」

アマデウス斎藤「事情はよくわからないんすけど……了解! どっかしらに逃避行っすよ!」

星「ちっ! させるわけが……」

ガンッ

星「がふっ」ドサァッ

ジャガーマン「アマデウス斎藤ォ! 逃げルルォ!」

真宮寺「くっ……百田くん……!」

百田「俺が相手だーーー!」ブンッ

白銀「え。え? 待ってみんな! そんなことしなくっても……!」ガシッ

白銀「ん?」

アマデウス斎藤「逃げましょう! あの夕日に向かってー!」ピューッ

白銀「まだ全然そんな時間じゃないけどーーーっ!?」ガビーンッ
49 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/14(火) 19:45:48.81 ID:2ztGNywg0
東条「……簡単には許さないわよ。念入りにおしおきするわ」ユラァッ

百田「ちっ!」

東条「安心して。キチンと今のダメージは……過不足なく完璧に夢野さんに返すから」ギンッ

夢野「……」

夢野「え!? ウチ!? なんでぇ!?」ガビーンッ

王馬「上等だよオラァ! 夢野ちゃんを怒らせて骨も残ると思うなよクラァ!」オラオラ

ジャガーマン「宇宙一バカなマジシャンだコノヤローーー!」オラオラ

夢野「なんでお主ら二人ともウチを中心にしてオラついておるんじゃ!?」ガーンッ!

入間「ひえええ……殴らないでぇ……怖いよぅ……こんな展開予想してなかったよう」ビクビク

夢野「ウチにしがみ付くなァ! ツッコミが追い付かないんじゃあ!」




ウオオオオオオオ! ボコスカボコスカ



白銀「あ、ああ……大変なことに。生徒同士で殴り合いとかどこの不良マンガ?」

アマデウス斎藤「まー、殺意はないみたいっすし、大丈夫っすよ。殴り合って分かり合う的な?」

アマデウス斎藤「……」

アマデウス斎藤「よし決めた! 校舎の中に入るっす! なんかボロになってるっすけど!」

白銀「危ないよ?」

アマデウス斎藤「そんときはそんときで。この学園で危なくない場所なんてあったっすか?」

アマデウス斎藤「教室デートっすよ、教室デート!」ワクワク

白銀「……まったく、もう……」
50 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/14(火) 22:40:03.81 ID:2ztGNywg0
数十分後

赤松「ん……んんん……?」

赤松「あれ。私、いつの間に寝てたんだろ。ていうか頭が痛っ!」

赤松「包帯……? 一体なにが……うわあ! なにこれ! 学園が滅茶苦茶!」ガビーンッ!

赤松「そ、そうだ。確か私たち、キーボくんに襲撃されて……それで……みんなは!?」




全員「」チーン




赤松「きゃああああああああああああああ!?」ガビーンッ




死因一覧

王馬:ジャガーマンの攻撃に巻き込まれる

獄原:春川を救出しようとした百田に執拗に攻撃される内に気絶(したが春川の拘束は解かなかった)

真宮寺:百田を拘束しようと縄を持ちだしたら逆に絡まりストレスで気絶

星:王馬に後ろから殴られる

百田:東条の最後の力を振り絞った攻撃により倒れる

入間:夢野の八つ当たりの標的になった

東条:全員が戦闘不能になったことを確認してから過労で倒れる

春川:騒動に乗じて獄原の拘束から逃げようとしたが無理だったので飽きて寝た

夢野:入間と喧嘩してたらいい感じのパンチが鼻に入り、号泣。泣き疲れて寝た
51 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/15(水) 11:03:05.83 ID:kcd9Rosd0
寄宿舎

赤松「最原くーーーん! 最原くん! 助けて! 起きてー!」ドンドンドンッ!

赤松「最原くん! 今外が凄いことに……!」

ガチャリンコ

茶柱「うーん……なんですか。騒々しい」

赤松「あ! 茶柱さん! 大変なんだよ! 今、外で……」

赤松「ん? 茶柱さん? あれ?」←ドアの標識を確認する

茶柱「……?」

茶柱「あ」←寝ぼけて迂闊に出てきたことに気付いた

赤松「あー……王馬くんが言ってた送り狼ってそういう……」

茶柱「送り狼!?」ガビーンッ

茶柱「……い、いえ? 間違って最原さんの部屋の鍵を持ってただけですし。実際最原さんこの中にいないですし……?」シドロモドロ

赤松「本当に?」

茶柱「……」グニャァ〜

赤松「凄い顔になってるよ。嘘吐けないね茶柱さん」

茶柱「じ、実際に赤松さんは中を見てないので、シュレディンガーの最原さん的な……」ダラダラダラ



「ううーん……ね、寝技はやめて……」



赤松「最原くんの寝言が聞こえたけど」

茶柱「殺してーーー! 転子を殺して今すぐにーーー!」ウワァァァァン
52 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/15(水) 11:26:13.95 ID:kcd9Rosd0
茶柱「いえ! まだです! まだ赤松さんがこのことを黙ってさえいてくれれば!」

茶柱「あの男死せっかく転子が同衾してあげてるというのにまったく目を覚ましませんでしたので!」

茶柱「あなたが黙ってさえくれれば転子は生き恥を晒すこともないので!」

赤松「別に黙っててもいいけど、髪の毛とかでバレないかな。ベッドの中に入り込んでたんでしょ?」

赤松「超高校級の探偵相手にバレずに済めばいいなとか、かなり都合がよすぎて……」

茶柱「後で再度忍び込んで掃除します! コロコロと!」

赤松(また潜り込むだろうなぁ)

赤松「おっと。そうだ! 茶柱さん! 起きないのなら最原くんはしばらく寝かせておくよ! 怪我してるし!」

赤松「一緒に外に出て!」

茶柱「?」





寄宿舎の外

茶柱「……世紀末?」

赤松「お願い! あっちにみんながいるの! 助けて!」

茶柱「え、ええと! 了解です!」
53 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/15(水) 17:17:27.93 ID:kcd9Rosd0
数十分後

茶柱「ええと……つまりなんですか? あなたたち全員、揃いも揃って、東条さんや真宮寺さんすらいたにも関わらず……」

赤松「仲間割れでボコボコになってたの……?」
54 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/15(水) 17:27:57.68 ID:kcd9Rosd0
全員「……」

春川「私はあらゆる暴力行為に加担してないよ。だから私『だけ』は悪くない」ドーンッ

百田「ああっ!? ズリィぞハルマキ! テメェだけそんな!」ガビーンッ

夢野「入間が! 入間がウチにしがみ付いてくるのが悪いんじゃあ!」

入間「テメェーーー! 俺様はとにかく怖くて怖くて仕方なかったんだぞーーー! 絶滅危惧種を見るような慈愛に満ちた対応しろコラァーーー!」

東条「決定的に止めを刺した回数は少ないけど、一番大暴れしていたのは夢野さんよ」

夢野「だからそれジャガーのパジャマ着た不審人物が……!」

王馬「ジャガーのぬいぐるみしかないってば」

獄原「ごめん……ゴン太がバカだったから……もっといい方法を考えられればよかったんだけど」

ジャガーマン「気にすんなって。キミはよくやったぜよ」ポンッ

獄原「ありがとう! ん? 今ゴン太に話しかけたの誰?」キョロキョロ

赤松「……このピンチのときに内ゲバ……らしいっちゃらしいけどさ……」

春川「赤松。私は。悪くない」

赤松「噛んで含めるように言わなくていいから……」

茶柱「で。白銀さんと天海さんが行方不明……天海さんが一緒ならそんなマズイことにはならないでしょうけど」

赤松「……ともかく騒動の種である白銀さんが、理由はどうあれ一時的にこの場から消えたわけだしさ」

赤松「一時休戦。一緒にこれからどうするか考えよう?」

全員「……」ズモモモモモモモ

茶柱「空気が悪すぎて窒息死しそうです」

赤松「あー……巌窟王さんあたりがいればなぁ。白銀さんがいないのなら音頭くらいとってくれそうだけど」

赤松「……謎を調べるついでに巌窟王さんも探さないと、か。アンジーさんも」

百田「ところでよ赤松。テメェ結局、なんで図書室になんかいたんだ?」

赤松「わからない。というかそもそも図書室になんて行った記憶がない」

百田「ああー?」

王馬「……ま、そこらへんも後で聞いておこうか。じゃ、本格的に調査開始ってことで!」

百田「遠回りしちまったが……やっとだな! おしっ!」
55 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/16(木) 20:47:34.61 ID:rKs42ZDQ0
裏庭の地下

アンジー「ねえ……」

アンジー「ねえ……聞いてる?」

アンジー「……大分まいってるみたいだねー」

アンジー「それはアンジーだって……ううん。他のみんなも同じはずだよー」

巌窟王「……」

アンジー「濡れタオルどうぞー」フキフキ

巌窟王「ん……」

巌窟王「……あれはまずいな。単純に手が付けられない。マスターはともかく、サーヴァントである俺の条件が悪い」

巌窟王「この体は既に大部分がハリボテだからな」

アンジー「じゃあどうするの?」

巌窟王「しばらく休んでから考える。まだ時間はあるだろう」

巌窟王「アンジーは……好きにするといい。俺はここから動かないが」

アンジー「じゃあアンジーもここにいるー!」ニコニコニコ

巌窟王「……つまらないぞ。寝るだけだからな」

アンジー「それで全然構わないよー。膝枕する?」

巌窟王「……」スヤァ

アンジー「あらら。もう寝ちゃってる。じゃあ一方的にやるねー」イソイソ

アンジー「おやすみなさい」

アンジー「……ねえ。アンジーはどうしたらいいと思う?」

アンジー「神様はもういないからなー……好きにしろって言われても……わかんないよ」
56 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/16(木) 21:07:30.94 ID:rKs42ZDQ0
校舎前

春川「やっぱり中に入らないとダメかな……ダメだろうな……」

百田「終一は起きてこねぇし。しばらくは俺たちだけでやるしかねーだろうな」

百田「起きたらビックリするだろうなー」

赤松(実は茶柱さんが起こしに行ってたりして)

百田「そうだ。赤松。結局なんで図書室に……行った覚えがないってさっき言ってたか」

百田「じゃあなんで頭に傷なんて負ったんだ?」

赤松「多分、巌窟王さんが地上に無差別に攻撃したとき、運悪く瓦礫が私に着弾したんだと思う」

赤松「そこからの記憶はなくって、起きたときは周りのみんなが内ゲバでボロボロになってて……」

赤松「……私の視点からすると、巌窟王さんの攻撃に巻き込まれてみんな傷ついた、だからね? 本当にビックリしたよ?」

百田「つくづくわりぃ」

春川「そうなると……みんなの話を総合するに赤松は『怪我をした状態で図書室に連れ込まれ治療されて放置された』ってことになるね」

百田「あのとき警戒して散開しようって話になってたんだろ? なら一人気絶してた赤松のことに気付いた誰かが……」

百田「ひとまず校舎に引っ込んで、図書室に連れ込んだってことだよな。そこで治療」

春川「なんでわざわざ図書室に……?」

百田「第一発見者が王馬じゃなぁ。信用できる要素がねぇなあ」

百田「顔に落書きされてたし」

赤松「!?」ガビーンッ

春川「ああいうくだらないことはアイツの手口だよね……」
57 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/16(木) 22:11:01.00 ID:rKs42ZDQ0
春川「ねえ。寝てる間になんか取られたりしてなかった?」

赤松「特に……」

春川「それにしてもこれ、基本は押さえてるけど包帯の巻き方そのものは無茶苦茶だな……急いでたのか大雑把な性格なのか……」

百田「寝てる間に何も盗られてないってことは、本当に単純に赤松のことが心配で治療したんじゃねぇのか?」

春川「場所が図書室なんて変なところじゃなきゃそれで納得したけどね……」

春川「校舎はあちこち半壊してる、という事情を抜きにしても、いくらなんでも怪我人を図書室に運ぶ?」

赤松「医療の本とか探してた、とか?」

春川「……どっちにしろ図書室を調べてみればわかる話か」

春川「でも現状だと優先順位は低めかな」

百田「ハルマキはどこから手を付けりゃいいと思う?」

春川「キーボがどこに消えたのかを知りたい。巌窟王と夜長の所在も。最後の学級裁判が具体的に何なのかも調査も並行」

春川「パッと思いつく限りではこんなものかな……」

百田「おっし! それじゃあキーボについては他の全員に問い合わせを……問い……あわせ……」

百田「……気まずい」

春川「私も謝ってあげるから」

百田「悪い……ってなんで無関係ヅラしてんだハルマキ……」

赤松「最後の学級裁判、か……心当たりがあるから、後で時間が開いたら私に体を貸してくれる?」

春川「いいよ。じゃあ最初は……すぐに片付きそうだから巌窟王から探そうか」

百田「おし! 探すぜ!」
58 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 08:48:17.36 ID:/iOb20w30
もうっ……ダメだ……! 詫び石と勝算が……ない!
巌窟王貯金もスッカラカン……! BBを……召喚できない……! 既に配布の方はいるから問題はないんだけど……!


あ、ツイッターで報告しましたが、巌窟王の方はスキルマしましたぜー、いえーい!
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 10:43:58.35 ID:ZxEITBi2o
https://i.imgur.com/ya59GFi.jpg
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 15:10:10.62 ID:JoPWy4gMo
BBではなくXXちゃん引けたから大勝利
けど宝5にしたいから月曜日にもう一回

エドモンおめでとうございます
エドモンスカディシステムできるね!
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/17(金) 16:52:20.35 ID:SAKnzc+50
重なると宝具5にしたくなるんだよなあ…でも石が無いし悩みどころ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 17:06:53.12 ID:kitueDOy0
自分は宝具4まで行けた
63 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 21:08:50.00 ID:/iOb20w30
図書室の隠し部屋周辺

カンッ カンッ カンッ


?????「ふうー! まったく。この部屋は我が活動するには狭すぎる。我は女帝ぞ。もっと相応しい玉座があるというもの」

?????「そう思うだろう? モノクマ」

モノクマ「いや……だからと言ってツルハシで壁を掘り続けるのは乱暴すぎるんだけど……」

モノクマ「あとそのバレバレの偽装もやめようよ。多分気付いてない人いないから」

セミラミス「そうか」

セミラミス「……む? おいモノクマ。あと向こう三十センチは配管の類はないと言っていたであろう?」

モノクマ「言ったよ?」

セミラミス「それにしてはここが硬いような……」コツンコツン

モノクマ「ええー? ちょっとどいて、調べるから。ここからは手掘りで……」ザッザッ




ドザザザザーーーーッ



モノクマ「ぎゃあああああああああああ……」ヒューッ

セミラミス「モノクマが落ちた……」ガーンッ



プロに相談しよう



モノクマ「ああああああああああああああああ!」ヒューッ


リフォームするなら


モノクマ「リフォームステーションんんんんんああああああああ!」ヒューッ
64 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 21:18:53.97 ID:/iOb20w30
セミラミス「ふむ。参ったな。これは本当に参ったぞ。さっき白銀が復活させたばかりだというに」

セミラミス「このままだと最後の学級裁判とやらを開催するのに支障が出るのではないか」

赤松「……」

セミラミス「まあよい。ともかく計画に予想外の穴ができてしまった。この玉座をこの方向に拡張するのはやめるか」

百田「……」

春川「……」

セミラミス「……おっと。そうだ。そろそろマザーモノクマに戻らなくては」

セミラミス「監視権限はあそこでしか使えないからな。リフォームに気を取られてる内に発見されるとか笑い話にもなりはしま」クルリッ

セミラミス「い」パッチリ

赤松「……」パチクリ

セミラミス「……」

赤松「……せ、セミラミスさ――」

セミラミス「人違いだ小娘ッ!」バァァァァァンッ!

赤松「食い気味に言ってる時点でもう色々駄々流しだよ!」

セミラミス「それもそうか。ならば素直に再会を喜ぶべきか。そちらの方が格好も付くであろう」

セミラミス「久しぶりだなカエ」

百田「取り押さえろハルマキーーー!」

春川「ふんっ」ゲシィッ

セミラミス「おのれ」バタンッ

赤松「ええーーーっ!?」ガビーンッ
65 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 21:30:23.10 ID:/iOb20w30
春川「巌窟王と夜長が赤松を治療した可能性もなくはなかったから、あえて図書室に来たのは正解だったみたいだね」

春川「まあ当初の予測とはまったく違うけど!」

セミラミス「水月に入ったぞ。蹴りが。とても痛くて立てん」

百田「モノクマと親し気に話してやがったぞコイツ……! まさかコイツが本当の黒幕なんじゃ……!」

春川「油断はしない。真宮寺から貸してもらったこの縄で完全拘束してやる!」

セミラミス「やめろ。その縄、あからさまに荒いぞ。肌になにか出たらどうしてくれる」プンスカ

百田「さっきから状況わかってんのかテメェ! 自分の都合ばっか並べ立てやがって!」

赤松「それただのその人の性格! 素で人を見下してるだけで悪い人じゃないんだよ!」アタフタ

セミラミス「それは果たしてフォローしているのか……」

赤松「人望が喋れば喋るほどに無くなっていくんだから黙っててよ! もう!」ウガァ!

セミラミス「!?」ガーンッ

赤松「ともかく二人とも落ち着いて……この人は……ええと……」

春川「なに?」

赤松「……ただのサーヴァントだよ」







春川&百田「は?」
66 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 22:39:29.12 ID:/iOb20w30
かくかくしかじかばびろにあ

赤松「というわけで……セミラミスさんは悪口とか言ったり暴力振るったりしない限りは無害ないい人なんだよ」

春川「サーヴァント……プログラム世界にサーヴァント?」

セミラミス「別にそう珍しい話ではないぞ。電脳空間上で行われる聖杯戦争もどこかにあるらしいからな」ジーッ

百田(……帝王学の本読んでやがる……)

セミラミス「ふむ。なるほど。適度に褒めるとカリスマアップか。よし」パタンッ

セミラミス「カエデ。汝はその……うん。なんだ……ええと……」

セミラミス「褒めてやろう! 褒めるべき場所が見つからないが、あえて!」ドヤァァァァ

赤松「なにか喋る度に喧嘩を売ってるように聞こえるけど自覚はないんだ。本当に」

春川「よく我慢できるね」

赤松「聞き流せばいいだけだから……」

赤松「そうだ。セミラミスさん。なんでここに? ここ現実空間だよね?」

セミラミス「汝が召喚したのだぞ。触媒で」

赤松「はい?」

セミラミス「持っていたであろう? 聖晶石……あの虹色でトゲトゲしたアレ」

赤松「……あ。ん? あれ。ない。どこ行っちゃったんだろ」ゴソゴソ

セミラミス「使えば消える。ともかく我はあの石に呼ばれ現実へと顕現することができたのだ」

セミラミス「驚いたぞ。歯を磨いている途中で呼び出されてみれば、周りは砂埃が舞っておるし。カエデは足元で気を失っておるし」

赤松「歯を磨いてる途中で……」

セミラミス「冷静に周りを見渡してみれば他にも何人か見知った顔はいたが……喋れなかった」

赤松「歯を磨いてる途中だったのならそうだろうね……」

セミラミス「気が付いたらみなであの場を離れて隠れるという流れになっていたので、カエデを運んで図書室へと引っ込んだのだ」

セミラミス「まあ流れとは言え、我の召喚には誰も気付いていなかったからな。このまま我はギリギリまで姿を隠していようと思ったのだが……」

セミラミス「……見つかってしまったな?」

百田「本当に無害そうだな……」
67 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/17(金) 23:01:28.20 ID:/iOb20w30
セミラミス「図書室へと引っ込んだ我は頭を怪我したカエデを治療」

セミラミス「その後は……急に呼び出されたので準備もできてなかったからな。隠れる意味もかねてマザーモノクマへと帰還した」

セミラミス「一度出た以上、もう一度出ることは可能であろう?」

セミラミス「カエデがもう一度窮地に陥ったあたりで派手に登場し、驚かせてやろうと……」

赤松「なんで?」

セミラミス「急に召喚されて驚いたのだぞ。我は。仕返しだ」

赤松「ええーっ……」

春川「なるほど。拠点が隠し部屋の中にあったからわざわざ図書室へと連れてきた……いや」

春川「連れ帰ってきたわけか」

百田「んだよ。いいヤツじゃねーか」

セミラミス「……ふむ。無害だと思われるのは心外だな。我は人類最古の毒殺者故に」

セミラミス「それとカリスマが皆無だと思われるのも、なあ?」

赤松「余計なことしない方がいいと思うけど……」

セミラミス「ふん。見ているがいい。我の得意分野をな。子供は趣味ではないが、相手をしてやろう。光栄に思え」

春川「?」

セミラミス「ふふ」ニコリ

百田「!?」ドキーンッ

百田「ハッ……笑いかけられただけなのに……!?」ドキドキ

春川「!?」

セミラミス「ふはははは! 見よ! 我が本気を出せば玩具にならない男などいはしない――」

春川「死ね」バキイッ

セミラミス「痛くて生きるのがつらい」バターンッ

赤松「セミラミスさーーーんっ!」

春川「アンタを殺して私も死ぬ」ギリギリギリ

百田「気の迷いだ! 気の迷いだったんだハルマキィ!」ジタバタ

赤松「大惨事だーーーッ!」ガビーンッ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 08:32:54.31 ID:iySj6gM40
乙、百田ぁ…
69 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/18(土) 19:50:22.79 ID:+F9WGlCr0
セミラミス「我はこやつが嫌いになった。毒殺していいか?」プンプン

赤松「ダメだから……」

セミラミス「聞いてみただけだ。本当に殺意があったら訊かない」

セミラミス「このような些事に裂くような魔力もないのでな」

赤松「……そういえば、魔力源はどこなの? 巌窟王さんはアンジーさんが死んだら消えちゃうって話だけど」

赤松「じゃあセミラミスさんは?」

セミラミス「この空間で令呪を持っていたマスターは夜長アンジーただ一人。故に我もあやつをマスターとして召喚された。だが……」

セミラミス「巌窟王から後でネチネチ言われるのが目に見えておる故、すぐに契約を切った」

赤松「そんなことが……」

セミラミス「物凄く難しい上に、サーヴァントにとっては自殺行為だから誰もやらないというだけで、我ならできる」

セミラミス「まあBBから貰った魔力がまだ残っておるから、しばらくは現界は可能だ。時間制限付きだが」

赤松「……」

百田「……ともかく味方なんだな? セミラミスは」

赤松「まあ、ね。私たちのことを玩具だと思ってるけど、味方」

春川「私はコイツが嫌い」

セミラミス「魅力の足りない貴様が悪いのではないか?」ニヤァァァァ

春川「赤松。流石にこれは明確に自覚があるよね。完璧に喧嘩売ってるよね。殺していいのかな。エルフ耳って殺しても罪にならないよね?」イライラ

赤松「ダメだよ!?」

セミラミス「……」←NO MORE! エルフ耳差別と書かれた粘土板を持っている
70 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/18(土) 20:29:02.94 ID:+F9WGlCr0
セミラミス「カエデ。我はピアノが聞きたい」

赤松「え? ああ、そういえば約束してたね……でも後回しにしてくれるかな。今ちょっと大変なことになってて……」

セミラミス「よかろう。協力してやる。ただこの労力に報いるような演奏でなかった場合は汝の耳を引きちぎるぞ」

赤松「耳を!?」ガビーンッ

セミラミス「そしてエルフ耳を移植する」

赤松「エルフ耳を!?」ガビビーンッ

セミラミス「さて。何を所望する? 今となってはマザーモノクマは我のもの」ポイッ

春川(あ、粘土板捨てた)


ドザァッ


モノクマ「ふう……やっと戻ってこれた――」


ガンッ


モノクマ「ぐあああああああああ……」ヒューッ

春川(投げた粘土板に当たって再度落ちた!)ガビーンッ

赤松「……ええと、監視権限ッて使えるかな? モノクマから貰ってたよね?」

セミラミス「いいだろう。マザーモノクマに戻るぞ。カエデはそこから指示を飛ばすがいい」スタスタ


ヒュンッ


百田「ん。消えた……マザーモノクマの中に入ったのか?」

赤松「白銀さんの居場所と、巌窟王さんの居場所がこれでわかるね」

赤松「……うん。前進してる! 今回もなんとかなりそうだよ!」
71 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 10:30:54.11 ID:Pamd5qpF0
マザーモノクマ『がおー。がおー。食べちゃうぞー』ビカッビカッ

春川「物凄い目が光ってるけど」

赤松「セミラミスさん! 遊ぶのはいいから仕事しよう!」

マザーモノクマ『ちっ。シャレの通じぬヤツめ。ピアノの約束も結局はぐらかされたし』

赤松「だからそれは悪いと思ってるよ……」

赤松「ええと、手始めに何か目につくものはない?」

マザーモノクマ『そうだな……過去の映像の中から適当にさらった中では……』

マザーモノクマ『王馬がカエデの顔に落書きする様が見えるな』シラー

百田「やっぱアイツだったんじゃねぇか!」

赤松「……他には?」

マザーモノクマ『なに?』

赤松「いや。王馬くんが私に落書きしたのは、らしいけどさ。セミラミスさんは? 何もしてないの?」

マザーモノクマ『……』

赤松「セミラミスさ」



ブオンッ ベシャアッ


赤松「ぶっ」

百田「マザーモノクマからパイが飛んできたーーー!」ガビーンッ

マザーモノクマ『次の指示を出せ』

赤松「投げパイしろとは言ってないんだけど!?」ゴシゴシ
72 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 11:08:39.63 ID:Pamd5qpF0
赤松「ええと、そうだな。テストは今ので終了でいいでしょ」

赤松「巌窟王さんの居場所はわかる?」

マザーモノクマ『うむ。わかる……というか何人か既に見つけておるな。こっちは放置でよいのではないか?』

マザーモノクマ『病院に搬送すると言っているから、気になれば後で見舞いに行けばよかろう』

赤松「うん。わかった」

百田「……病院に搬送?」

春川「まあ、無事じゃないだろうね。あそこまで暴れた形跡があればさ」

赤松「じゃあ次、白銀さんの居場所」

マザーモノクマ『天海と同行中。現在は天海の研究教室だが……捜索する生徒に見つからないように隠れて移動しておる』

マザーモノクマ『今から行ったところで会えるかどうかは微妙だな』

春川「そっか。ならそっちも放置でいいんじゃない? 無事なら私はそれでいい」

百田「すげぇな。本当に学園のどこでも見れるのか?」

マザーモノクマ『当然だ! 我にわからぬことなどない!』

百田「じゃあよ! キーボの居場所も当然わかるんだよな!?」ワクワク

マザーモノクマ『あっち』

百田「どこだ!?」ガビーンッ

赤松「……わからないって」

春川「こ、こいつ……虚栄心の塊だね……?」
73 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 13:42:56.37 ID:Pamd5qpF0
百田「……待てよ。セミラミスに居場所がわからないってことは逆説的に」

マザーモノクマ『キーボがいるのはカメラでは捉えられない死角だとしか考えられない、ということになるな』

春川「今更そんな場所がある?」

マザーモノクマ『ないことはない。ほぼすべてのカメラは建物に取り付けられた隠しカメラだ』

マザーモノクマ『自然、高いところから低いところを見下ろす俯瞰の状態が望ましい』

マザーモノクマ『ならば死角なぞいくらでもできよう。見下ろす者より更に頭上だ』

赤松「あ……! そうか。ありえるよ! 流れ星みたいなものを何度か見たことある!」

マザーモノクマ『モノクマか白銀のどちらかが許可を出せば、その死角すら完璧に潰すことのできる奥の手が使えるのだが……』

マザーモノクマ『残念だったな。そこまでやる必要はないと突っ撥ねられてしまった』

赤松「え。なにそれ」

春川「私たちのことを心配してたのかも。キーボの居場所がわかったらすぐ説得に行きそうな無鉄砲バカがここにいるし」

百田「誰がバカだ!」

赤松「……」

マザーモノクマ『それで? 貴様らはこれからどうする?』

百田「ん? ああ、俺たちは……巌窟王の見舞いにでも行くか。白銀は天海がどうにかしてるから心配してねーし」

百田「話は改めて聞きたいけどな」

春川「賛成。話なら天海が聞くだろうし、緊急性が高そうなのは巌窟王の方だよ」

春川「病院に戻ろう」

赤松「先に行ってて。私はちょっと……セミラミスさんに用があるから」

百田「そうか? なら俺たちも残るけど」

赤松「あはは。ごめん、二人きりにして」

春川「ん? ……うん。わかった。百田」

百田「おお……まあいいか。後で来いよ」スタスタ

赤松「……」






赤松「ありがと。私のこと黙っててくれて」

ブウンッ

セミラミス「くくく。いや、なに。あそこまで人を信じられる愚直さを眺めていたくなっただけのこと」クスクス

セミラミス「見ていたぞカエデ。汝が白銀になにをしたか……」

赤松「……」

セミラミス「好きにするといい。我はその様を見て笑うからな」

赤松「意地悪」

セミラミス「くっはははははは……」ケラケラ

セミラミス「それで、ピアノは?」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/19(日) 19:48:27.39 ID:dcxDGce90
追い付いちまったぜ…
75 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 19:51:41.30 ID:Pamd5qpF0
?????

最原(夢を見ていた。とても酷い夢を)

最原(この学園に来て、悪いことばかりだったわけじゃない。優しい記憶も当然ある)

最原(ただ……それ以上に酷いことばかりだったのも確かだ)

最原(――地獄を見た)



赤松『ははっ。あーあ……なんかもう、完全に負けたって気分だな……』



最原(――地獄を見た)



東条『誰か……助けて……』

東条『死にたくないッ!』



最原(――地獄を見た)



真宮寺『ぐえ……ぷげっ……!』

真宮寺『ぐ……ひ、や、やめ……!』



最原(――いや。違うか。僕の立っていた場所は最初から最後までずっと地獄だった)



白銀『ん? あはは! ごめんごめん! これが私の切り札だと思っちゃった?』ケラケラ

巌窟王『なに?』

白銀『そんなわけないじゃん! ただの物量で巌窟王さんに勝てるわけないんだからさぁ!』



最原(忘れられるはずがない。僕は……地獄から産まれた)

最原(地獄の構成の一つだった)
76 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 20:00:38.09 ID:Pamd5qpF0
最原(楽しいことは当然あった。どんな場所にも、人が集まってる限り喜びや楽しみは当然ある)

最原(でも、それで悲しいことが帳消しになるわけじゃない。過去は過去だ)

最原(この世界に何一つとして無意味なものなどない。何故なら、全部が作り物だからだ)

最原(僕の意味はきっと『無限に襲い掛かってくる悲劇に嘆き、悲しみ、それでも前進をやめられない誰か』というところだろう)

最原(これは性分だ。だからこれからも悲しみは僕の中に蓄積され続ける)





巌窟王「……おい。立ち上がらないのか?」

最原「……」

巌窟王「力は分け与えたはずだぞ。その力は『何からも目を逸らさないための力』だ」

巌窟王「自らの逃げ場を失くすための力だ」

巌窟王「ならば立ち上がるしかあるまい?」

最原「ごめん。僕にはそういうふうには考えられないんだ」

最原「この力のことを、そういうふうに考えるんだね。強いなぁ」

最原「羨ましいほど……強い」

巌窟王「貴様の場合は違うのか?」

最原「きっと考え方が違うんだ。僕の場合は……」



ザザッ


最原「僕の……場合は……っ!」


ザザッ ザザザッ


ザザーーーーッ
77 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/19(日) 20:15:46.56 ID:Pamd5qpF0
??「巌窟王のこと、最後まで頼むよ」

最原「……え?」

??「そいつ割と無茶するし、言葉の苛烈さの割には優しすぎるからさ」

最原「誰、キミ」

??「カルデアのマスター……巌窟王の本当のマスターだな」

最原「……」

最原「新世界プログラムのときの、黒髪の少年……!」

??「聞かせてくれ。その忘れない力を、キミはどんなふうに使うんだ?」

最原「……」

最原「背負うための力だ」

最原「みんなが取りこぼした分まで背負って、みんなと一緒に進むための力だ」

最原「僕の持っているものを、何一つとして奪われないための力だ」

??「そうか。それは随分と……酷い力もあったものだな」

??「どっちにしても、先に進む以外の選択肢を潰す力であることは変わらない」

??「もしも記憶を背負いきれずに、重荷に潰されて一歩も動けなくなったそのときは……」

??「力が逆にキミのことを殺す」

最原「歩き続ければ問題はないんだろ?」

??「……そのためには前向きさが必要だ。巌窟王と同じものをキミは持っているのか」

最原「……」

最原(ああ。そうか。僕は前を向くことができない)

最原(僕はそれを……持ってない)

??「答えはいいよ。今は。でも」

??「いつか巌窟王に言ってやってほしいな」

??「……出口はあっちだ。誰かが呼んでる声がするだろ?」

最原「!」

??「……次に眠るまでが勝負だ。答えを見つけて来るといい」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 00:52:19.21 ID:oZ4aHNZt0
なんか最原がデッドフェイスになりそうな……?
たしかにある意味死んでるけど
79 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/20(月) 19:41:54.21 ID:api1IvyB0
「最原さん……最原さん……!」

最原(……仲間のためなら頑張れる、かな?)

最原(いや。それは迷惑かな。もしも戦う理由をそれにして、途中で死んだらみんなが責任に感じる)

最原(自分で自分のことが何もできない臆病者の理屈だ)

最原(生きる理由を他人に任せるのは、死んだ理由を他人になすりつけるのと同じこと)

「最原さんっ……!」

最原(前を向ける動機が欲しい。もっと健全な動機が)

最原(……復讐したいっていうのは、仲間のためっていうより多少はマシかな)

最原(僕には認められないけど)

最原「……うん。ごめん。今起きるよ」

最原(恋……とかはどうだろう)

最原(……滅茶苦茶不純だな。自分で自分が笑えてくる)

最原「……戦う理由、ないな。どれも誰かしらに依存してる」


スタスタスタ


巌窟王「……やれやれ、だ」フウ

最原「ん? 巌窟王さん。見送りに来てくれたの?」

巌窟王「全部でいいだろう」

最原「え」








巌窟王「全部背負っているのだから、戦う理由は『今思いついた些細なものすべて』でまったく問題が無いはずだ」

最原「……え。それはちょっと僕には重すぎ――」


ゲシイッ


最原(お尻蹴られた!)ガビーンッ

巌窟王「重すぎる? ならいい。そのときはすべてを投げ出すといい」

巌窟王「できるなら仲間の目の前で、無様にな」

最原「!」

巌窟王「……いい物が見られるぞ?」ニヤァ

最原「考えておくよ」

「最原さん!」

最原「……」

最原「今行く!」
80 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/20(月) 19:58:07.45 ID:api1IvyB0
最原の自室

最原「んん……!?」パチリッ

最原「……ここは……僕の部屋か」

最原「あれ。おかしいな。病院のロビーで寝てたような気がするんだけど……」

茶柱「最原さん! よかった! 起きてくれたんですね!」

最原「茶柱さん?」

茶柱「物凄くうなされてたんですよ。起こそうとしても全然起きませんし……」

最原「うなされてた……ああ、うん。なんか凄い汗かいてる」

最原「……前半は凄い悪夢だったからな」

茶柱「悪夢?」

最原「この学園で起こった悪いところ詰め合わせフラッシュバック」

茶柱「……うわ……」ヒキッ

最原「ははっ。うん。そういう顔になるよね」

茶柱「……でも、悪いことばかりじゃないでしょう。この学園に来て」

最原「まあ、ね。そうだけど」

茶柱「……」

最原「……なにかあった?」

茶柱「ええ。最後にして最大級のトラブルです。どうも最原さんの力がまだ必要なようですよ」

最原「そっか。すぐ準備する!」

最原「……」

最原「いや違う。そうじゃなくて。なんで茶柱さんがここにいるの?」

茶柱「!」ビクッ

最原「そもそもなんで僕は自分の部屋で寝てたんだろ。あれ、ベッドに何かあるな。なんでこんな長い髪が……」

茶柱「嘘っ! 掃除したはずなのに!」

最原「……」ヒラヒラ

茶柱「あれ……髪の毛なんてないじゃないですか……ハッ」

最原「……もっと早い段階で起きればよかった」カァァ

茶柱「」
81 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/20(月) 20:15:25.92 ID:api1IvyB0
ガシイッ

茶柱「永遠に眠ります?」ギリギリギリ

最原「がっ……カハッ! ネオ合気道って……締め技ありなんだ……!?」

茶柱「最原さん以外にはやりませんけどね! あまりにも男死と接触する時間が長いので……!」

茶柱「これに懲りたらもう二度とカマかけなんて古風なマネしないでくださいね! 気分はどうですか!」

最原「超幸せ!!!!!!!!!!!!!!!!!」ズバァァァァァアンッ

茶柱「本気で絞殺しますよ!?」ガビーンッ

最原(それはそれで本望だ! 答えを得たかもしれない!)

最原(もう少しで真理……真理的ななにかが見えそうだ……! 体温とか胸とか腕とか柔らかい感触とかなんだとかーーー!)ウオオオオオオ!




真理の果て

巌窟王「……!?」ガビーンッ

巌窟王「戻ってくるのが速過ぎだ。帰れ」ゲシイッ





最原「……ハッ! 正気に戻った! ごめん、茶柱さん! ギブギブ!」タップタップ

茶柱「今度変なこと言ったら恥ずかしさのあまり何をしてしまうかわからないので! そのつもりでっ!」パッ

最原(僕の生きる意味がもう少しで物凄く卑近的なものになるところだった)ゼェゼェ

最原「……準備するから茶柱さんは外に出ててほしいんだけど……」

茶柱「一人で大丈夫です?」

最原「大丈夫。悪い夢は見たけど、でも調子はすこぶるいいんだ」

最原「……全部か。やれるだけやってみるよ。巌窟王さん」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 23:44:16.11 ID:p7nVDkxP0
爆死した僕を慰めてくれるのはあなたの最茶だけだ…
83 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 18:28:00.04 ID:z9cEX7FS0
病院

獄原「よし。ひとまずこれで大丈夫……だよね?」

東条「ええ。後は私に任せて。出来る限り治療するわ。常識的な範囲で」

真宮寺「キミが本気出すとなにがしか酷い代償が来るらしいからネ。それも時間差で」

王馬「それにしても凄かったよねー。裏庭の地下から連れ出すのにゴン太の力を頼ったのはいつも通りだけど」

王馬「まさかゴン太の体に巌窟王ちゃんを力づくで括りつけたのが夢野ちゃんだとは思わなかったよ!」

夢野「ち……違う……ウチじゃない……ウチじゃ……」ガタガタ

ジャガーマン「……チラッ。チラーッ」

夢野「うわあああああああん! 段々描写がホラーになっていくんじゃああああああああ!」ダッ

東条「……病院では静かにしてほしいのだけど」

真宮寺「それで東条さん。巌窟王さんの容体は」

東条「相手はサーヴァントよ。大怪我をしても夜長さんさえ無事なら時間経過でなんとかなるわ」

東条「なるはずなのだけど……」

王馬「そういえばアンジーちゃんはどこ?」

真宮寺「入間さん、星くんと一緒に学園の探索だヨ。キーボくんか白銀さんを見つける気のようだネ」

真宮寺「結果にはあまり期待してないけど」

王馬「ふうーん。あ、ところでそこにかけてあるマントって巌窟王ちゃんのだよね?」

王馬「なにか面白いものはないかなーっと」ゴソゴソ

東条「人の持ち物を勝手に探ったらダメよ」

王馬「いいじゃん盗むわけじゃないし」


ガブウッ



王馬「ぐあああああああああああああ!?」ブシュウウウウウッ

ワニのオモチャ「」ガブガブガブガブガブガブ

東条「だから言ったのに」

真宮寺「な、なんかこの展開を予測してたような光景だネ。気のせいかな……気のせいじゃないかも……」

真宮寺(探らないでよかった)ホッ
84 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 18:44:42.46 ID:z9cEX7FS0
夢野「はあっ……はあっ……!」

夢野(い、いい加減にわかった。わかってしまった。ウチにつきまとっているこのジャガーのパジャマ女)

夢野(声にものすごーく聞き覚えがある)

夢野「……ジャガーマン……!」

ジャガーマン「呼んだ?」

夢野「なんでここにいるんじゃ。ついでに、なんでジャガーマンがやったことがことごとくウチがやったことと認識されるんじゃ」

ジャガーマン「ん? 実際に秘密子ちゃんがやってるから」

夢野「はい?」

ジャガーマン「あと前にここに転送した物資の中に依代として使えそうなものがあったから、それ使って顕現してるんだー」

夢野「なんでここにいるかの説明の方を後回しにするな! いやそれも大事じゃけど!」

夢野「ウチはやっておらんぞ! だからずっとジャガーマンがウチの目の前で……!」

ジャガーマン「ああ、うん。じゃあ言い換えるよ。『私が秘密子ちゃんにやらせた』」

夢野「んあ?」

ジャガーマン「背中を見て」

夢野「背中?」クルリッ

ジャガーのぬいぐるみ「」ヤッホー

夢野「ひいいいいいいいっ! ジャガーーーー!」ガビーンッ

ジャガーマン「それ使って秘密子ちゃんの体を一時的に乗っ取ってるんだー。だから本当に百田くんを殴ったのも、白銀さん争奪戦のときに大暴れしたのも」

ジャガーマン「私じゃなくって秘密子ちゃんなのだ!」

ジャガーマン「まあ秘密子ちゃん本人は私がやったと認識するんだけど」

夢野「ぎゃあああああああ! 二重人格設定の主人公による叙述トリックのホラーテイストじゃああああああ!」ガビビーンッ
85 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 20:08:45.76 ID:z9cEX7FS0
ジャガーマン「よかったね秘密子ちゃん! 念願の憑依合体だよ!」ポンッ

夢野「ウチがなりたかったのはシャーマンじゃなくって魔法使いじゃあ! ふざけるなッ!」ウガァ

ジャガーマン「でも割と役に立つよ」

夢野「それは……」

夢野「……はあ。確かにジャガーの手も借りたい局面ではある、か」

夢野「いいじゃろう。ただし全部終わったら後腐れなく帰るんじゃぞ」

ジャガーマン「かしこまっ」キャピンッ

ジャガーマン「あ。あと二人ほど、依代を使ってこっちに来てるはずなんだけど」

夢野「誰じゃ?」

ジャガーマン「イシュタルちゃんとー、ナーサリーちゃん」

夢野「……誰かに迷惑かけてないじゃろな?」

ジャガーマン「かけてると思うよ。確実に」

ジャガーマン「……でも目立った被害がないんだよな。おかしいな。こっちで落ち合うはずだったのに」

ジャガーマン「合流する前に、なにか想定外のことでもあったのかな」ハテ

夢野「寄り道でもしておるんじゃろ」

ジャガーマン「その可能性も高いけど……はて?」






学園のどこか

イシュタル「しまったー! 油断したー! お札に誘われて罠にハマるなんてー!」ガーンッ

ナーサリー「クッキーの匂いにつられて罠にハマるなんてー!」ガーンッ

キーボ「……確保、完了。これよりカメラの死角を通りながら所定の場所へ幽閉します」

キーボ「ええ。準備は順調です……外の世界に恥じない、最後の学級裁判へと」
86 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 20:22:56.46 ID:z9cEX7FS0
ポンッポンポンッ

赤松「ふふっ。おしまい。ああ、やっぱりピアノに触るのはとっても楽しいなぁ」ニコニコ

セミラミス「……」

赤松「……セミラミスさん。機嫌直してよ。大体セミラミスさんのせいでしょ」

セミラミス「違う。我は悪くない。あの鉄クズだ。鉄クズのせいであろう」

赤松「いや、まあ……なんていうかさ……」










赤松「まさかセミラミスさんがドアをバーンと開けた衝撃で私の研究教室が全損するとは……」

セミラミス「目の前で落ちて行ったな。カエデの相棒のグランドピアノが」

赤松「グランドピアノの亡骸見たくないから、下は覗き込めないなぁ」シクシクシク
87 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 20:35:13.73 ID:z9cEX7FS0
赤松「でもこの玩具のピアノは、ちゃんと音も出るしさ……」

セミラミス「それは玩具のピアノなのか? もはやこのサイズ差では『玩具のピアノ』と言う名の別の楽器であろう」

セミラミス「コントラバスとヴァイオリンを同じ楽器ととらえるか? いや、そうではないはずだ」

赤松「ええー……そんなこと言われても」

セミラミス「せめてこの寂しさを埋めるために唄え。唄いながら演奏してみせろ」

赤松「それは勘弁してよ。ピアノの先生から『クセがつくからそういう道に進むわけじゃないのならやめなさい』って言われてるし」

セミラミス「さっくり死ぬ毒と、面白い死に方をする毒、どちらがいい?」

赤松「ああ、わかったよ! 唄えばいいんでしょ!」

赤松「ええと……」



ポンッポポンッポンポンポンポンッ



セミラミス「……!?」ゾクウッ

セミラミス(こ、この背中に粟が立つような旋律は……!?)








赤松「マイ、フェア、レディ……」

セミラミス「散滅せよ!」ガシャアアンッ

赤松「私のピアノーーーッ!」ガビーンッ

セミラミス「その曲は嫌いだ! やめよ!」

赤松「なんで!?」

セミラミス(呼び出される前に暇だったから遊んだゲームでのトラウマだ……とは言えぬな)

回想の黒い羊(ヤア……マタ会エタネ……)


チカッ


セミラミス「……ん……?」

セミラミス(空に何か……流星か? こんな白昼に?)

セミラミス「……まあよいか」

赤松「よくないよ!」エグエグ
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 20:35:16.66 ID:CtIToOHT0
ストーリーが好きで早く続きを見たい勢としては、あんまりこういうギャグ茶番はいいから本筋のシリアスなストーリーをたくさん欲しい。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 20:47:03.24 ID:tM85q4dV0
作者に自分好みの展開を要求とは偉そうな読者様だな
まあ本筋ズレて終了予定を二スレもオーバーしてるんだから苦言を呈したい気持ちも分からんでもないけど
90 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 20:53:28.44 ID:z9cEX7FS0
最原「……なんでセミラミスさんがここに……?」

赤松「あ」

セミラミス「む? おお。最原か。久しいな。何日ぶりか?」

最原「多分一日ぶりだけど……」

セミラミス「……ム。そうか。こちらではそうだったな……」

茶柱「転子もいますよー……あの、そちらの目が覚めるような美人はどちらさまで?」

セミラミス「気にするな」ビシッ

茶柱「その一言で片づけるのは無理がありすぎるんですが……」

赤松「あー……ごめん。最原くん。怪我してるから最原くん抜きでやろうと思ったんだけど……」

最原「うん。外に出たらこんな有様でビックリしたよ」

最原「……白銀さんに会いたい。心当たりはある?」

セミラミス「あるぞ。天海の研究教室に行け。さっさとな」

セミラミス「あとは貴様の聖杯でなんとでも……ム?」

セミラミス「聖杯はどうした?」

最原「さあ茶柱さん! 天海くんの研究教室に行こうか!」ズンズンズンッ

茶柱「ええっ!? 不自然に早くないです!?」

赤松「行っちゃった。起きて早々、もうこんな具合かー」

赤松「……バレちゃう、かな」

セミラミス「さて。汝の頑張り次第だ。まあそういうごまかしの先にあるのは総じて、とっておきの爆弾だがな」

セミラミス「くっくくくくく」クスクス

赤松「……ところで聖杯はどうしたんだろ」

セミラミス「まあ破壊したわけでないのならどうでもよい。気が向いたら監視カメラの映像を検めるか」

セミラミス「もし壊れてたらあやつを人体改造してヘラクレスのようなムキムキボディにしてやろう。顔そのままに」

赤松(壊してませんように!)ガタガタ

赤松「……」





赤松「……私は……間違ってない……よ」
91 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 21:08:30.82 ID:z9cEX7FS0
茶柱「……最原さん。どうするつもりです?」

最原「手っ取り早く白銀さんに話を聞くよ。最初からそれ以外の選択肢はない、かな」

最原「最後の学級裁判……止まってないカウントダウン……武装したキーボくん……何から何までイレギュラーだ」

最原「その中で白銀さんだけが浮いてる。この局面において『何も備えてないで生徒に拷問されそうになった』とか異常事態だ」

最原「少なくとも今までの白銀さんと比べると、ね」

茶柱「……まあ全部、内ゲバ起こした百田さんたちの伝聞なんですけど……」

最原(それにしても、あの状況で拷問へのストップをかけなかった真宮寺くんは大分キレてるな)

最原(……白銀さんから情報を得るんじゃなくって、パソコンから情報をさらう方が効率的だと彼なら気付いたはずだ)

最原(『最後の学級裁判』ってワードを聞いたことがあるのは、あの時点では彼だけだったんだから)

最原(一体彼は何を期待してたんだ? 拷問に持ち込んでなにを……)

最原(……)

最原(できるだけ秘密裏に、個人的に確かめたいことがあった、とか?)

最原(……いくらでも考えられるな。彼はあのパソコンに『何か』を見たはずだ。それの内容が判然としない今、可能性はいくらでもある)

最原「……ははっ」

茶柱「どうしました? 急に笑って」

最原「ああ、いや。なんで今まで気付かなかったんだろうってバカらしくなってさ」

最原(別にパソコンそのものを見る必要はない。白銀さん本人に聞けばいいんだから!)

最原(こんな状況だ。茶柱さんに対して恥じない範囲でなら、どんなことだってやってやる!)
92 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/21(火) 21:24:30.04 ID:z9cEX7FS0
ザンキゼロの『黒い羊』がトラウマ。具体的に言うと『V3やってからねこふんじゃったを聞く度にゲロ吐きそうになる』と同じ文脈。
『ザンキゼロをやるとロンドン橋を聞く度に震えが止まらない』


今日のところはここまで!
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 16:27:05.54 ID:b6PxAPDQO


このスレが長引いてるのはギャグパートのせいじゃなくて爆死してるせいだから……
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 20:25:52.59 ID:MCmY2v3hO
どちらも合わさってるから時間が掛かってるんだろうさ
95 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/22(水) 22:05:27.75 ID:qeBjD9/W0
最原「つっ……」ズキン

茶柱「最原さん? ちょっと張り切りすぎでは……」

最原「みたいだね。ちょっと突っ張った感じがする」

最原「でも無理はしないよ。途中で倒れたりしたらもうやり直しが効かないんだ」

最原「最後の最後まで戦い抜いてやる……!」

茶柱「そうですか。それならまあギリギリ及第点なので何も……」

最原「待って」

茶柱「?」

最原「……何か変だな……校舎の様子が前と違う」

茶柱「は? ああ、破壊され尽くしてるわけですし、それは当然では……」

最原「それ以前にエグイサルに壊されたりしてたんだけど……」チラッ

最原「変だな。瓦礫の位置が昨夜と違ったり、違ってなかったりする箇所がある。ただ崩れただけじゃこうはならないはず……」

最原「……!」

最原「嘘でしょ。早すぎる。いや、事前に備えはあったのかもしれないけど、それにしたって……!」

茶柱「なんの話で?」

最原「赤外線センサーがそこら中にいっぱい」

茶柱「え」

最原「……これは……巌窟王さん並みの記憶力がなきゃわからないな。確かに!」

最原「思ったより白銀さんは追い詰められてるのかもしれない」
96 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/22(水) 22:24:02.52 ID:qeBjD9/W0
校舎内 別動隊 星、入間、アンジーチーム

入間「ケケケ。まあ、共同制作っつーのも悪かねーか。俺様が相手を利用しているもんだと考えりゃ腹も立たねぇ」

アンジー「アンジーの手を使えばどんな小物でも背景に溶け込ませられるー!」キラキラキラ

入間「俺様の赤外線センサーが優れてるってことは、テメェもよく知ってるよな」

入間「いや。テメェだからこそ知ってるはずだ。第三の事件のときは強奪されたりしたんだろ?」

星「まさか今更そんなもんに頼ることになるとはな……」

アンジー「美兎とアンジーの共同制作ー! 隠しカメラならぬ隠しセンサーだよー!」

入間「ま、設置は星にやらせたから、なんならテメェの名前もスタッフロールに加えてやってもいいぜ?」

星「遠慮しておこう」

入間「さあ。二人揃って目立たない場所を目立たないように……」

入間「つまり、進行と潜伏を繰り返す『二つの反応』があったらそれが白銀と天海だ」

入間「センサーには順番に番号を振ってある。ブザーごとにわけてるわけだから、あとはセンサーの番号と地図を照会させればいいだけだ」

アンジー「ちなみにー、その番号付きの地図もアンジーが描いたんだよー!」

星「……妙に彩色がサイケデリックなのが気になるが……」

入間「目が痛ぇ」

星「で。捕まえてどうする?」

入間「ちゃんと話を聞くに決まってんだろ。アイツが何も話さなかったら俺様たちはお終いだ」

入間「……引き渡し先はダサイ原か、ナメクジ緊縛マスクのどちらか、だな」

アンジー「へえ。最後の最後は人任せなんだねー」

入間「うっせーぞ。じゃあテメェはどうすればいいってんだ?」

アンジー「んんー……」

入間「それ見ろ。テメェだって最終的には人任せ――」








アンジー「殺す。情報を吐かせてから殺す。吐かなくっても殺す」

アンジー「少なくともアンジーより先に死んでもらう」

入間「……」

星(聞かなきゃよかったぜ)

アンジー「でも、アンジー以外の誰かが先につむぎを見つけたんだとしたら、さ」

アンジー「そのときはすっぱり諦めるよー」

星「そうか。そりゃあ……」

星(そうなってもらうことを祈るばかりだぜ。別に殺したいわけじゃないからな)

星(どうしようもない淀んだ感情があるだけだ。俺たちは誰かに止めてほしい)

星(……止めてほしいから『復讐』をしている)
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 19:44:12.13 ID:JSV3F0Vi0
でも、白銀を処刑するということは、アンジーが次回作の首謀者か、超高校級の生存者もとい???枠のキャラとして参加することになるんじゃ……。
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/23(木) 20:11:02.67 ID:yMmYk1OB0
今回は特殊な状況だし、そうならない可能性も有るから…有るよな?
99 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/23(木) 23:17:11.13 ID:ydzKB9vw0
最原、茶柱チーム

ゴリッ

茶柱「……本当だ。中からセンサーみたいなものが……なんて精巧なイミテーション」

茶柱「よくわかりましたね?」

最原「巌窟王さんでもわかったと思う。だからあんまり凄くないよ」

茶柱「そういう『他の誰にもできないこと』にこだわるのって大分危険なんですけどね」

茶柱「それに巌窟王さんにできたとして、それでも学園中でこれを発見できるのは最原さんと巌窟王さんの二人だけ。充分凄いんですよ」

最原「……そうかな。なんか茶柱さんに言われるとそんな気もする」

最原「さてと。こんなものがある以上、僕たちが正直に白銀さんに会いに行くのは危険かもしれないな」

最原「そもそも学園の中に入ってる人間が(セミラミスさんのようなアホとそれに付き合わされる可哀想な赤松さんという例外を除くと)少ない」

最原「二人組でどこかに移動しようとしている反応を見つけたら多分、確認のために入間さんかアンジーさん……」

最原「ないし、それとチームを組んでいる誰かが確認に来るかもしれない」

最原「それだけならまだいい。最悪なのは、僕たちの狙いに気付いて先回りされることだ」

最原「どんなに最低限でも僕たちが白銀さんのところに一番に近づかないと……」

茶柱「センサーを一個ずつ潰していくのはどうです?」

最原「同じことじゃないかな。結局潰したセンサーを確認しに誰かが来る」

最原「『なんで潰したの』って訊かれて一瞬でも不自然な動きを見せたら、その時点で感付かれちゃうよ」

最原「その後は白銀さんを巡って衝突。第二次内ゲバ戦争の勃発だ」

茶柱「そういうものですかね」

最原「せめて十分でいい。白銀さんと話をすることさえできれば……」

最原「……本人が気付いていないだけで、有用な情報を持っている可能性は充分考えられる」

最原「これから学級裁判をやるという手前に『証人』を傷つけるわけにはいかないだろ?」
100 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/23(木) 23:35:45.98 ID:ydzKB9vw0
茶柱「白銀さんが本当に何の情報も持ってない場合は? 尋問の時間が不十分だった場合も、どうなります?」

最原「僕がなんとかするよ」

茶柱「具体的には?」

最原「でっち上げる」

茶柱「……白銀さんが有用な証人であるという『証言』を?」ヒキッ

最原「『何の情報も持ってない場合』が本当にあったとして、この状況じゃあもう私怨で殺させるわけにはいかない」

最原「白銀さんが生きていて、ほぼ真実が明らかになってもなお学級裁判が行われるという『この現状そのもの』が既に重大な証拠なんだ」

最原「僕だって白銀さんには本当に頭に来ている。でも、もうそんなことは言ってられない。証拠に傷を付けられるわけにはいかないんだから」

茶柱「……それを素直にアンジーさんや入間さんに伝えればいいのでは?」

最原「何の備えもない状況で言って、退いてくれるかは五分だ」

最原「『白銀さんに誰よりも先に話を聞いた』という説得力が欲しい。それでやっと対等な交渉ができるよ」

茶柱「最悪の場合はでっち上げも検討って時点で、あなたやってること詐欺師と一緒じゃないですか……」

茶柱「それに今更、白銀さんを殺す人なんていませんよ。あの人たちがやりたがっているのは拷問でしょう? 復讐をかねた」

最原「そのラインを越えたら白銀さんの生存率は著しく下がると思う」

最原「コロシアイのゲームに逆戻りだ。『何かしなければ死んでしまう』という緊迫したこの状況は……」

最原「今までモノクマが用意した動機を凌駕するとびきりの動機だよ」

最原「……第一の事件も、動機は同じくカウントダウンだったしね」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/24(金) 05:37:48.60 ID:oMRvr0Ji0
誰よりも先に、はもう無理なんだよな…覚えてない組も聞いてるから嘘とすら言えないだろうし
102 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/24(金) 20:22:07.26 ID:8T4dhmCe0
最原「……なにか方法がないかな。赤外線センサーを無効化する方法とか……」

最原(夢野さんを誘うか? 彼女なら赤外線センサーも、巌窟王さんのホームからの支援で無効化できるだろうし)

最原(……ちょっと時間がかかるかな。彼女を探すの。その間にセンサーに白銀さんたちがハマったらアウト……)

最原(何もしないよりはマシか)

茶柱「きゃあっ!?」

最原「ん? どうしたの茶柱さ――」

モノクマ「……やっほー」

最原「……お、まえ……モノクマ……!」

最原「なんでこんなところにいる! 壊れたはずだろ!」

モノクマ「壊れたけど、復活させられたんだよ。セミラミスさんと白銀さんにね」

最原「あ……!」





モノクマ『かつてマザーモノクマに搭載されていた『学園の監視機能の使用権原』と『モノクマの複製権限』だよ!』

モノクマ『今は凍結されてるけど、図書室に行ってボクが許可すれば使えるようになる!』




最原(そうか。今のセミラミスさんにはモノクマの複製権限があったんだった)

茶柱「せみらみす……? ええと」

最原「さっき赤松さんと一緒にいた冷たい感じの美人だよ」

茶柱「ああ、あの人が……結局なんでこの学園にいまさらながら部外者が」

茶柱「巌窟王さんのときのような『見覚えがないのに見覚えがある感覚』も完璧にないですし」

最原(僕が聞きたい……いややっぱり聞きたくない。あの人と話してると脳細胞が死滅しそうだ)
103 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/24(金) 21:09:24.73 ID:8T4dhmCe0
モノクマ「それにしても彼女、一体何があったんだろう。渡したのは凍結した権限だったから白銀さんが解除するまでは何もできないはずなのに」

最原「やっぱりそんなところだろうと思ったよ」

モノクマ「BBさんにはキチンとした権限を与えるつもりだったけど、彼女にその義理はないからね!」

最原「それで。モノクマ。お前、何の用だ」

モノクマ「助けてあげようと思って。条件次第だけど」

茶柱「!」

最原「……言ってみてくれ」

茶柱「最原さん!」

モノクマ「ボクに危害を加えるの禁止。巌窟王さんとかもボクに近づけないでね」

茶柱「……あれ。なんか感覚がマヒしてて一瞬『大したことないな』って思う程度には緩い条件ですね」

茶柱「あなたのことは校則が守って……」

モノクマ「もう空文化しちゃってるじゃん。だからわざわざこんな緩い条件を提示してるんだよ」

モノクマ「あともう一度言うけど、巌窟王さん『とか』だからね」

最原「僕にお前を守れって言うのか。どの口で……」

モノクマ「取引としては妥当じゃない?」

茶柱「……ところであなた、なんか土臭くないです? いや泥臭いです。なんですかこれ」

モノクマ「訊かないで……あと耐え切れないならファブリーズ持ってきて……」ズーン

最原(……私情で断るのは違うよな。ここでは)

最原「わかっ……」

茶柱「仕方がないですね。後で倉庫から持ってきますから」

モノクマ「わーい! モノクマ、茶柱さんのこと、すきー!」ガシイッ

茶柱「うざったいから足に纏わりつかないでください……」

モノクマ「もうオマエラのせいで立場もクソもなくなっちゃったからねー! こうなったら可愛いマスコットに堕してでも生き残ってやる!」スリスリ

最原「……足……」

最原「……」ブチッ
104 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/24(金) 22:50:38.98 ID:8T4dhmCe0
最原「こっちからも条件がある」イライラ

茶柱「最原さん?」

モノクマ「んー? なーに? 契約するときのすり合わせって本当に大事だよね」

最原「……」ムカムカ

モノクマ「……ん? なにその顔。なんか眉間に皺寄ってるけど。最原くんだから凄んでも威力はないけどさ」

最原(……ああ、くそ。上手く論理化できない! どうやっても建前を用意するのに失敗する!)

最原(いや。どんなことを言ったところでコイツなら確実に茶化すか。なら建前を用意するだけ無駄、か?)

最原「……茶柱さんにくっつくな」

茶柱「……」

茶柱「……ッ!」カァァ

モノクマ「ほう! ほうほうほう! ほうほうほうほうほーーーう!」ニヤニヤ

モノクマ「嫉妬ですか? ジェラシーですかー! 元気ですかー!」ギンッ

最原「早く離れろ。じゃないとどんなに条件がよかろうと、この話はなしだ」

モノクマ「でもよりによってボクに嫉妬する? 将来、二人で犬とか飼ったらそいつにも嫉妬するつもりなのかなぁ?」

茶柱「はあ!? 将来!? 二人で!? 犬!?」ガビーンッ

最原「そうか……そのときになったらペットとか飼うのやめておこうかな……」

茶柱「あなたもなんで真面目に考えてるんですかッ!」

モノクマ「顔赤いよ?」

茶柱「誰のせいだと……!」

最原「こちらに提示された条件は飲む。そっちは?」

モノクマ「飲む。茶柱さんには極力近づかないよ。これでいいんでしょ」

モノクマ「……それにしても建前もなくストレートに言いすぎじゃない?」

最原(どうせ何言ったって茶化すから無駄だろ)

茶柱「……むむむむ……!」

最原「……?」

最原「まったく。一方的に足に絡んだりするから茶柱さんも顔が真っ赤じゃないか」

茶柱「そっちじゃないんですけどッ!?」ガーンッ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 23:13:37.05 ID:aTNrnLBDO
最茶尊くて浄化されそう
106 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/25(土) 19:52:36.65 ID:iDRcsL2W0
モノクマ「それじゃあ、早速赤外線センサーを無効化するねー! いっくじょー!」

最原「その前に一つ聞きたい」

モノクマ「なに?」

最原「お前が復活した詳しい経緯だ。さっきお前はこう言ったよな?」




モノクマ『壊れたけど、復活させられたんだよ。セミラミスさんと白銀さんにね』



最原「その直後にはこう言ってる」



モノクマ『それにしても彼女、一体何があったんだろう。渡したのは凍結した権限だったから白銀さんが解除するまでは何もできないはずなのに』



最原「矛盾してないか? セミラミスさんと白銀さんに復活させられたのに、白銀さんは何もしてないって?」

最原「いやまあ、これは本題じゃないな。正直に訊こうか。白銀さんは図書室に行ったのか?」

モノクマ「うん。行ったよ。すべてはボクを復活させるために。でもそこで予想外のことが起こってた」

モノクマ「白銀さんは凍結した権限を解凍するつもりだったんだけど、行ったときにはもう溶けてたんだよね」

最原「……今、セミラミスさんがこの学園に来ていることと何か関係があるのかな」

モノクマ「というかそれそのものが答えと言ってもいいかも。マザーモノクマの中に軟禁してたセミラミスさんを赤松さんが召喚したんだって」

茶柱「……サーヴァント!? あの人が!?」

モノクマ「そのときのデータ的な熱量が権限の凍結を解除したらしいね。叩き壊したとも言えるけど」

最原(ということはあのセミラミスさんは、僕たちがジャバウォック島で見たアルターエゴ……)

モノクマ「マザーモノクマの中まで入ったら中の時間流は自由自在だから、もしかしたら数日間、数週間の軟禁ライフを楽しんでたかもね」

モノクマ「そこから突然呼び出されたわけだから、ちょっとくらいは不機嫌になってそうなものだけど。割と上機嫌だなぁ、彼女」
107 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/25(土) 20:02:34.92 ID:iDRcsL2W0
最原「お前が復活させられたとき、隣に誰かいた?」

モノクマ「天海くんがいたよ。あの変な仮面被ってた」

最原(じゃあ内ゲバの直後か……)

モノクマ「それと、白銀さんは確かに権限の凍結に関してはノータッチだったけど」

モノクマ「何もしなかったっていうのは正しくないな」

最原「どういうことだ?」

モノクマ「モノクマの複製権限が単体であったとしても、白銀さんがボクを完全には信用してなかった」

モノクマ「あのマザーモノクマ、実はちょっとした魔改造がされてるんだよね」

最原「具体的には?」

モノクマ「物理的な材料だけじゃ足りないんだよ。つまり『白銀さんの声帯認証』が『材料』としてプログラムされてるんだ」

モノクマ「彼女が『産め』とマザーモノクマに言わない限り、モノクマは生産されない」

モノクマ「マザーモノクマに搭載されている頭脳……今はセミラミスさんだね。彼女が一人でモノクマの複製権限を作ろうとしたところで……」

モノクマ「出来上がるのは『モノクマに似た何か』だけだ。校則やモノクマルールには当然ながら『モノクマ』として認識されない」

最原「ちょっと待て。なんで白銀さんとモノクマの間に、そんな相互関係が産まれてるんだ?」

最原「『信用してない』だって? 仲間じゃなくって利害関係の一致のみで動いてる共同体の言い分だ、それは」

モノクマ「……」

最原「……」

最原(まずい、な。これは。見えて来る真実の輪郭が段々と、僕の精神を締め上げる)

最原(先入観のせいで真実が歪んで見えていた。その先入観という硝子が段々とヒビ割れていくような……!)
108 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/25(土) 20:20:58.58 ID:iDRcsL2W0
最原「……薄々気付いてたことじゃないか……! 何をふらついてるんだ、僕は」

茶柱「……手。握っててあげましょうか?」

最原「……」



巌窟王『全部背負っているのだから、戦う理由は『今思いついた些細なものすべて』でまったく問題が無いはずだ』




茶柱「な、なんて。冗談ですよ。流石にそこまで甘えられるのは困りますし……」

ギュッ

茶柱「!」ビクンッ

最原「……」

最原(ちょっとくらい甘えたっていいよな。この重みに温かさを感じても……いいんだよね。巌窟王さん)

モノクマ「あっあー! じゃあ質問もないようなので……」

モノクマ「起爆スイッチ、起動!」ポチリッ

最原「……は? 起爆……なんだって?」

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 20:23:55.63 ID:dIjcDzqQ0
殺伐とした世界に反して甘々だなぁ…
110 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/25(土) 20:36:16.51 ID:iDRcsL2W0
「にゃあああああああああああああああ!」

バガァァァァァァァァンッ!


茶柱「」

最原「」

モノクマ「この校舎はキーボくんの攻撃のせいで半壊している。だから赤外線センサーの無効化は簡単だ」

モノクマ「更にちょっとショックを与えて、学園全体を『揺らす』。それで赤外線センサーのほとんどはあらぬ方向を向くことになる」

モノクマ「瓦礫の中にイミテーションをほどこして設置したヤツは特にね」

モノクマ「無事なヤツもあるかもしれないけど、それももう壊れたヤツとの区別ができない」

茶柱「誰かの悲鳴が聞こえませんでした?」

モノクマ「猫じゃない?」

最原「いや、モノクマお前っ……! 今の爆発、どうやって起こしたんだ!?」

モノクマ「それを言う時間ある?」

最原「……ないかも。茶柱さん! 行こう!」

茶柱「二人のところへ、ですね!」



タッタッタッタッ


最原(……あれ。今、空に流星が見えたような……気のせいかな)


ズズウンッ……


茶柱「モノクマ、まだ爆発させてるんでしょうか。もう充分なのに」

最原「……?」
111 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/25(土) 20:57:23.04 ID:iDRcsL2W0
セミラミス&赤松チーム

赤松「……なんで……キーボくんが、ここに……?」ガタガタ

セミラミス「……!?」

キーボ「……あなたはやり過ぎました」ドドドドドドドド

赤松「!」

セミラミス「我に向かって言っているのか? やり過ぎたも何も大したことはしておらぬ」

キーボ「学園への破壊行為が、ボクの中の基準に触れました。先ほどの巌窟王さんと同罪と認識します」

セミラミス「なんだと? どういう……」

セミラミス「あ」

赤松「セミラミスさん?」

セミラミス「そうか……先ほどの爆発はそういうことか……モノクマめ! あの『出来損ない』を使ったな!」ダンッ

セミラミス「聞け! 我は先の爆発には関与しておらぬ! 確かにアレを作ったのは我だが関係はまったくない!」

キーボ「……ターゲットロックオン」キィィィィンッ

セミラミス「聞く耳持たぬ、か。まったく、目的の半分も達成しておらぬというに」ジャララッ

セミラミス(カエデのことは庇わなくていい。どうせあやつはカエデのことは眼中にない)

セミラミス(理屈はわからぬが学園を破壊する者を狙うようだからな)

セミラミス(深追いもせぬようだし、さっさとマザーモノクマの中に帰還して……?)

セミラミス「……」






セミラミス「貴様、何故魔力を持っておる?」

赤松「え?」

セミラミス「……ッ!」

セミラミス「そう、か。そういうことか……わかったぞ、この空間の正体が!」

セミラミス「でなければこんなふざけた物体が存在できるわけがない!」

キーボ「状況、開始」

セミラミス(巌窟王は深追いされなかったのではない。わざと見逃されたのだ! 我に対して同じ対応を取る保証がない!)

セミラミス(逃げきれない! ならば!)

セミラミス「カエデ! よく聞け! あの鉄屑は……!」



ズドンッ!
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/25(土) 21:03:24.13 ID:0zubact70
もしかしてキーボ君サーヴァント扱いになってる?マスターは外の人々、みたいな
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 00:13:42.63 ID:L+eyLW0vO
もしくは宝具だったりして。
114 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/26(日) 19:47:27.99 ID:PM+V0cYa0
茶柱&最原チーム

最原「……あ。待って。見つけたかも」

茶柱「はい? いや、天海さんの研究教室は確かもうちょっと向こうで……」

バリンッ

最原「……散らばってる硝子片と瓦礫の位置がちょっと変だ。規則的すぎる」

茶柱「え。なんですかそれ。全然わかりません」

最原「ともかく僕の研究教室の中に入ってみよう。いなかったらいないで別にいい……」

最原「……」

最原「違う。なんで僕が行かなくちゃダメなんだ。天海くんが一緒ならその必要はない」

最原「天海くん! 迎えに来たよ! 白銀さんに話を聞きに来た!」

茶柱「……」

茶柱「出てきませんよ。空振りだったか、警戒されてるか、ですよね」

最原「わかった。じゃあ次の手だ。いるのなら、これで行ける」

最原「あー、あー、あー……よし!」







最原「お兄様! 迎えに来ましたわよ!(迫真の林原めぐみVOICE)」

茶柱「」


ドタバターーーンッ!


アマデウス斎藤「俺を! 呼んだな!」バァァァァァンッ!

茶柱「」

白銀「」

茶柱「」
115 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/26(日) 19:54:11.66 ID:PM+V0cYa0
バキィィィィッ

茶柱「いや……なんかもう……なんなんですかあなたたち……なんなんですか……」ドンビキ

茶柱「どっちが悪いのかわからなかったのでどっちも殴りましたけど……文句ありますか……」

最原「ごめん。手段を選ばなさ過ぎた」ズキズキ

天海「アマデウスの仮面が……そろそろ限界だから衝撃はちょっと困るんすけど……」ズキズキ

白銀「あー……見つかっちゃった」
116 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/26(日) 20:00:13.69 ID:PM+V0cYa0
茶柱「……見つけちゃいました。話、聞かせてもらっても?」

白銀「あまり有用な情報は本当に持ってないよ」

最原「それならそれで構わない。最悪でも十分程度、僕たちと一緒にいるだけでいい」

白銀「……何を考えてるの?」

最原「むしろ僕が聞きたい。キミは一体、何を考えてたの」

天海「……」

茶柱「?」

最原「最後の学級裁判についての情報を持ってるよね? なんでそれを素直に出さなかったの?」

白銀「……」




ズズウンッ……




茶柱「……揺れ、酷いですね。本当にここで事情聴取を?」

最原「したくないけど、仕方ないよ。他よりは無事だし、とりあえず中に入ろう」

最原「天海くん。蹴倒したドアは位置だけでも元に戻しておいてね」

天海「りょ、了解っす」

白銀「……ふふっ」

茶柱「……なんか、白銀さんちょっと元気になってません?」

白銀「う!」ビクッ

天海「友情パワーっす!」グッ

最原「……そこらへんも聞かせてもらいたいな」
117 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/26(日) 21:48:17.69 ID:PM+V0cYa0
残りをできる限り節約したいので気が向いたときでいい……感想を言うときはツイッターで共有ボタンを押して感想を添付してもらうと嬉しいです。

日常的にツイッターで検索しますので
118 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/27(月) 19:42:01.71 ID:MWohMAcL0
最原の探偵教室の中

最原「……薬品類、奇跡的に無事だね」

天海「そうでなかったら中に入らないっすよ」

白銀「ここの薬品庫、ちょっとやそっとの地震だと絶対に壊れないようになってるんだよね。本当にシャレにならないものもあるから」

白銀「空気より重くて水に溶けやすい吸ったらほぼ確実に昇天するようなのとか」

茶柱「怖っ!」

最原「でもそのおかげでここが無事だったのか……」

天海「最初は俺の研究教室にいたんすけど……さっきの爆発が気になって、窓を見るついでに移動しようって」

天海「いつまでも同じ場所に潜伏するのも芸がないっすからね」

最原「そっか」

天海「……白銀さん」

白銀「……大した情報は持っていないっていうのは嘘じゃないよ。今更言ったところで手遅れなことが多すぎるし」

白銀「現状について知らないことはいくらでもある」

最原「それでも最後の学級裁判のことは忘れてなかった。だからモノクマを再生したんだろ?」

白銀「……」

最原「聞かせてよ。その手遅れな何かを」

最原「……元から僕の才能は悲劇を事前に壊すことには向いてない」

最原「起こった悲劇を解き明かすことしかできないんだ」

白銀「……後悔しないでよ」
119 :3スレ目の821を参照 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/27(月) 20:01:47.31 ID:MWohMAcL0
天海「……彼女の正体について知ったのは結構最近っすよ。俺も」

天海「まあ知りはしても、納得したのはもっと後っすけど」

最原「天海くん?」

天海「動機ビデオのこと、覚えてるっすか」

最原「東条さんの事件のときの……だよね? 自分の大切な人が映ってるっていう」

天海「白銀さんの動機ビデオは『天海蘭太郎の動機ビデオと登場人物が同一』だったんすよね」

天海「王馬くんのピッキングで知ったんすけど」

最原「は?」

天海「茶柱さん、覚えてないっすか? 昨日の朝、王馬くんが全裸でフルチンで……」

茶柱「仮に覚えてたとしても二度と思い出したくないですし、忘れてたのならそのまま忘れさせてください」イラッ

茶柱「あのときですね。王馬さんに何か吹き込まれたんですか?」




王馬『内容が似てたんだよ。映ってる人物の詳細まで』

天海『……えっ』

王馬『まあ流石に冒頭部分の名前と超高校級の肩書部分に関しては違ったけど』

王馬『あとメッセージの内容もね』

天海『……それ、どういうことっすか? なんで……』

王馬『さて。天海ちゃんにわからないことなら俺にはわからないよ』






天海「勘のいい最原くんなら一瞬でわかるんじゃないっすか」

天海「ただでさえ、今までの白銀さんの行動には不自然な点が多すぎたんすから」

最原「……まさか……彼女は……」

天海「そうっす」

茶柱「え? え?」




白銀「前回のコロシアイを生き抜いた『超高校級の生存者』……その二人目、だよ」
120 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/27(月) 20:43:38.55 ID:MWohMAcL0
白銀の回想

白銀(記憶は摩耗している。前のコロシアイについて覚えていることはほとんどない)

白銀(覚えているのは……主に大雑把な色彩イメージだけ)

白銀(赤かった。紅かった。朱かった)

白銀(とてもアカくて……私の記憶から赤以外の色が消えるくらい、地獄だった)

白銀(隣の人はみんな敵。そして、心強い味方だった。でも――)


バシャッ


白銀(みんな赤色に沈んでいった。色とりどりの表情を見せていた仲間たちは段々と減っていって……)

白銀(残ったのは……残った、のは……)






ザザッ

学園跡地

白銀「……行っちゃったね。二人とも」

天海「……うん」

白銀(私たちだけだった。あとの残った二人は、私たちがコロシアイというルールから叩き出した)

白銀(……これは必要な犠牲だった。そのときの校則には『生き残れるのは二人か一人まで』って明記してあったから)

白銀(私たちはその抽選からわざと漏れた)

白銀(このときの私たちは……楽観してた)

白銀(自己犠牲に酔ってたんだ)
121 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/27(月) 21:00:52.89 ID:MWohMAcL0
白銀「もうこの学園には、私たち二人だけ」

白銀「随分減っちゃったなぁ……地味にビックリだよね。これだけの人が死んで、私たちはまだ生きてる」

天海「……そうっすね」

白銀(そこから起こるすべての悲劇も知らず、二人とも笑顔だった)

白銀(……あのときの空、曇ってたけど、明るかったな。赤以外でまともに見る、地味だけど優しい色彩)

白銀「……ねえ。天海くん。約束だよ?」

天海「?」

白銀「次の学園生活……絶対に私を――」






白銀「忘れないで。忘れても、きっと思い出してね」

天海「……うん。約束っすよ。次にどんなことがあっても俺たちはもう友達っすから!」ニカッ

天海「だから……安心して……安、心して……!」

天海「……ごめん。キミを、助けられなくって……死んでいったみんなのためにも、今を生きてる俺たちだけでも生きなきゃダメだったのに」

天海「俺は……俺、は」ポロッ

白銀「……」

白銀「うん。安心した」

天海「……?」

白銀「私たちは仲間のために泣けるんだよ。だからさぁ……嘘、だよね。どちらかがこの学園の首謀者になっちゃうとかさ」

白銀「絶対に嘘だよ……嘘に決まってる」

天海「……」

白銀「ごめん。天海くんが泣いてるのならさ、私はせめて笑ってないとダメなのにさ……!」

白銀「二人とも泣いてたら、二人とも役立たずじゃない? どっちかは真っ直ぐ立ってないと……」

白銀「……ううっ」ボロッ

天海「もう……いいんじゃないっすかね。二人して泣いても」

天海「強いから生き残れたわけじゃない。ただ運が良かっただけなんすから……!」

天海「……■■さん」ザザッ







白銀(……私には名前がない)

白銀(覚えているのは前の学園での才能。『超高校級の模倣犯』)

白銀(全体的な容姿すら、前の学校のときとは大分変わっているはずだ)

白銀(だけど、もはやそんなものに意味がない。私はもう、誰でもない)

白銀(……思い出されるべき名前すら失ってしまった)
122 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/28(火) 20:43:52.04 ID:P4EaWRu60
現在

最原「……前回と容姿と名前が違うってことはありえると思う」

最原「じゃないと、外の視聴者から見て『誰が黒幕か』が一目瞭然だからね」

最原「……天海くん。どの程度違うの?」

天海「さて。それは俺の口からはとても」

最原「……」ジトーッ

天海「……」

天海「マジで覚えてないんすよ。ただ眼鏡だけはしてた、ような……?」

天海「ただ思い出すのに時間がかかったってことは本当に『全体的な印象がガラッと変わってる』んだと思うんっす」

茶柱「何……冷静に話してるんですか……?」ガタガタ

茶柱「容姿ですよ? そんなの人体改造されたようなものじゃないですか」

茶柱「……まずい。気分がかなり悪くなってきました」

最原(実のところ僕もだ。胸糞悪い)

最原「まだ大事なところを聞いてない。なんで白銀さんは黒幕に……違うな」

最原「なんでキミは『白銀つむぎ』になったの?」

白銀「天海くんは少し記憶を弄られた程度ですぐにコロシアイに参加したんだけどさ」

白銀「私だけは前回のコロシアイと今回のコロシアイの間に色々とあったんだよ。茶柱さん曰く人体改造的な?」

茶柱「……失言でした」

白銀「いいよ。事実だし」

白銀「……一番いじくられたのは脳かなー。模倣犯の更に上に『コスプレイヤー』の才能までガン積みだよ?」

白銀「痛みに錯乱して殺してくれー、とか言っちゃったよ。あっはっは」ケラケラ

最原(笑えない。何一つとして)
123 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/28(火) 20:58:55.24 ID:P4EaWRu60
白銀「本来であればこの世界が『フィクションである』ということは絶対に漏らさないって縛りがあったからね」

茶柱「はい? 今なんと?」

最原「ごめん茶柱さん。後で説明する」

白銀「だから事前に思い出しライトを浴びまくったり、脳を改造されまくったりする必要があったんだ」

白銀「いざみんなに追い詰められたときにスラスラと、そのときに応じた『最適な答え』を提示できるように」

白銀「気付かなかった? 思い出しライトで『植えつけられる記憶』の内容って、学園に来てからの私が決めてたんだよ?」

白銀「ストーリーはほとんど即興ってわけ」

茶柱「……え。あの。あの……なんかさっきから言ってることがまったくわからないんですが……わからないなりに凄く恐ろしいことを言ってるような?」

天海「薄々感づいてたんじゃないっすか? わからないフリをしてるだけっすよ、それ」

茶柱「……!」ガタガタ

最原「あのさ。二人してあまり茶柱さんをいじめないでくれるかな?」イラッ

天海「……悪かったっすよ。ただ茶化さずにはいられなくって」

天海「あまりにキツいじゃないっすか。こんなの」

白銀「どのくらいの時間だったのか、もうまったくわからないよ」

白銀「だって『人生何回分もの記憶』を一気に頭に叩き込まれたんだからさ。記憶が摩耗しても仕方ないよね?」

最原「……違う。そこも重要なところだけど、僕が聞きたかったことじゃない」

白銀「え?」

最原「元はコロシアイのゲームに巻き込まれただけの……僕たちと一緒の、被害者だったはずだ」

最原「それがなんで黒幕になって僕たちを苦しめようって気になったのか。それを僕は知りたいんだ」

白銀「……」
124 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/28(火) 21:16:34.32 ID:P4EaWRu60
白銀「天海くんは二回目だからわかるかな。最原くんは悲観的だから、理解できなくもないかも」

最原「なんだって?」

白銀「ねえ。こう思ったことはない? 『こんなに辛いのに、なんでまだ死ねないんだろう』って」

最原「!」

茶柱「?」

白銀「死を救いだと見紛ったことは? いや直接的に死ぬことを救いと認識しなくってもさ」

白銀「『全部忘れてしまいたい』って思ったことは?」

白銀「『もう二度と起きたくない』とか『寝てるとき目を瞑ったまま時間が止まればいい』とか」

天海「……」

最原「天海くん……さっきから驚いたりしてないってことは、既にこんな質問をされた後ってこと?」

天海「流石に勘が鋭いっすね」

最原「なんて答えた?」

天海「……『何も知らないまま死んでいった仲間のことを言ってるのか。ふざけるな』ってところっすね」

茶柱「……!」

白銀「あれ。そこまで強い言葉ではなかったけど」

茶柱「あなた……まさか、こう言いたいんですか?」ワナワナ







茶柱「転子たちを追い詰めたのは、単なる『親切心』だったと?」
125 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/28(火) 21:26:34.66 ID:P4EaWRu60
白銀「巌窟王さんのせいで、今回は物凄くわかりにくくなっちゃったけどさ」

白銀「『この世界の仕組み』は残酷にできてるんだよ」

白銀「……外に希望を持って積極的に動くと死ぬ。これが私の知る中で『一番楽なヤツのパターン』だ」

白銀「運よく生き残ってもズルズルとコロシアイと言う名の地獄を延々と眺めるだけ。『二番目に最悪なヤツのパターン』」

白銀「最後の『一番最悪なヤツのパターン』は……」

最原「最後の学級裁判まで生き残って『真実を知ってしまったヤツ』……」

白銀「うん。そういうこと。そういうふうにできてるんだ。巌窟王さん抜きの、この世界は」

茶柱「だからって、死ぬことが幸せだとか、ふざけてるんですか! そんなの……!」

白銀「ここから出たところで何があるの?」

茶柱「は? いや、コロシアイから逃げられる……んですよね?」

白銀「そんなわけないよ。だとしたら天海くんの動機ビデオに『コロシアイから脱出した人間』が映るわけがない」

茶柱「……ッ!」

白銀「私はさ。頭に色々と改造を受ける最中で知ってしまったんだよね。この世界が何なのか」

白銀「この世界は私たちのことを何回でも追い詰める」

白銀「運よく生き残ったとしても、次回作でまた苦しめられる」

白銀「更にそこで生き残ったとしてもまだダメ。その次もダメ」

白銀「何回も地獄を見せられるんだ。『生きている限り』は何度でも。何一つとして終わらない」

白銀「何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も……」

茶柱「……天海さんの存在のお陰で、前回のコロシアイがあったことは知ってます」

茶柱「お、教えてください……このコロシアイは何回目のコロシアイなんですか……?」

白銀「五十三回目」

茶柱「――」







白銀「聞こえなかった? 五十三回目だよ」
126 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/28(火) 21:38:35.39 ID:P4EaWRu60
最原「……なるほど。死ななければ終わらないんだね」

白銀「生きてる限り、大切な人を失う。生きてる限りは痛くて辛い目に遭う。生きてる限り……生きてる限りは……!」

白銀「永遠に戦い続けなければならない。負けたらその時点で死ぬんだよ」

茶柱「そんな……バカな話が……!」

白銀「唯一終わらせる方法はたった一つ。そうだよ。最初から私たちはその手段を持ってた」

最原「死ねばいい。死ねばその時点で地獄は終わる」

茶柱「……最原さん?」

最原「……なるほど。確かに間違いはないね」

茶柱「正気ですか! こんな……こんな終末思想、感化されたらその時点で心が壊れますよ!?」

白銀「心を壊すくらいなら死んだ方がマシだなって思わない?」

茶柱「この……!」ギリギリ

最原「思ったかもしれない」

茶柱「!」

最原「……仲間を失うっていうのは、とても辛いことだから。でも」

最原「今回はそうじゃなかった」

最原「……始まりはそうだったとしても、僕たちのコロシアイの中には異分子がいた」

最原「だからキミの行動原理のどこかに狂いが生じたんだ」

白銀「……」

最原「詳しく聞かせてよ。まだ終わらせるわけにはいかない」

最原「このコロシアイを真の意味で終わらせるためには、まだ足りない」
127 :3スレ目899レスのあたり参照 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/29(水) 19:45:18.66 ID:wr5Y22FV0
回想ワンモア

モノクマ「まったくもう! 巌窟王さんのせいで無茶苦茶だよ! 赤松さんのおしおきは邪魔されちゃうしさ!」

白銀「そこも、うん。ビックリっちゃビックリなんだけど」

白銀「まさかあんなガバい作戦が上手く行くなんて思わなかったなぁ。砲丸が完全に無駄になっちゃった」

白銀(そう。まさかあんな命中率の低い凶器が当たるだなんて思わなかった)

白銀(当たらなかったそのときは私が直々に手を汚す手筈だったのに)

白銀「ま、いいか。これはこれで面白いし」

白銀「最後の最後に全部ひっくり返す準備は既に整ってるしね」

モノクマ「……うぷぷ……うぷぷぷぷぷ……」

白銀「……ふふっ。じゃ、路線変更の準備しないとな」

モノクマ「え? 路線変更?」

白銀「あはは! モノクマ、私は彼に会うまでダンガンロンパを……いや」

白銀「フィクション全般を舐めてたみたい。でも彼のお陰で認識が変わったんだ!」ニコニコ

白銀「ただの伝説、創作でしかなかった巌窟王さんが、絶対に助けられない女の子を助けたんだよ?」

白銀「……力のある"嘘"は現実を歪める。炎が陽炎を生むように」







白銀「"嘘"は世界を変えるんだよ?」
128 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/29(水) 20:17:54.64 ID:wr5Y22FV0
天海「路線変更。これがこのコロシアイの違和感の正体っすよ」

天海「要は『誰も死なないまま進むコロシアイ』を白銀さんは許容したんす」

天海「……茶柱さんにはピンと来ないかもしれないんすけど、ほら。あれっすよ」

天海「『クリア可能という点においてフェアなゲーム』だったんすよ。これまでのすべてが」

最原「……その割には一人だけ危ない橋を渡ってた人がいるな」

最原「白銀さん」

白銀「……」

最原「巌窟王さんのことを煽り過ぎだよ。実際に殺されかけたよね?」

最原「どころか、僕たちのことも何回も追い詰めた。そのせいでもうみんな白銀さんに対する感情はボロボロだ」

最原「『死ななきゃ救われない』も『死ななくても大丈夫かも』にしても、さ」

最原「行動原理は変わっても行動そのものに大した違いは出なかったみたいだね」

茶柱「……ゲーム自体に乗らないって選択肢はなかったんですか?」

白銀「無理だよ。友達に迷惑かけられないし」

茶柱「……」

茶柱「動機ビデオの内容……のことですか。ここまで来たらそれしか考えられないですよね」

白銀「ここはまだマシなんだよ。死ぬことが幸せだなんて思わないけどさ」

白銀「……生きてる限り『死ぬより辛いこと』が続く」

白銀「もしも私が黒幕を降りたら、私たちが外に出した彼らが『死ぬより酷い目』に遭うかもしれない」

白銀「それなら天海くんをこの場で殺した方が勘定的には合理的だよね」

最原「でもその決意は無駄になった。巌窟王さんがコロシアイに巻き込まれたから」

白銀「……格好いいよね。彼。本当に格好いい」

白銀「なんで私たちの仲間は助けてくれなかったんだろうって思うくらい」

天海「!」ビクッ

白銀「……なんで、このコロシアイだったんだろう。なんで前回のコロシアイのときに来てくれなかったの?」

白銀「なんで……」

白銀「……ごめん。話逸れちゃったね。他に訊きたいことはある?」
129 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/30(木) 20:36:12.69 ID:rKDgs7aM0
最原「……確かにこれまで何回も酷い目には遭ってきた」

最原「巌窟王さん抜きだったなら、なんて考えるだけで震えが止まらないのも事実だよ」

最原「もしかしたら茶柱さんが死んでたかも。天海くんが、僕が、他の誰かが……」

最原「今頃残酷に死んでいたかもしれない」

最原「……でも理解できただけで共感はしないよ。死んだ方がマシだなんて絶対に思わない」

白銀「そう」

最原「ここまでは僕の感想。ここから先は質問」

最原「昨晩のことだ。キミ、巌窟王さん以外の誰かからも殺されかけたんじゃない?」

白銀「!」

最原「犯人の目星は付いてるから、誰にやられたのか、は言わなくていいよ」

白銀「元から言えないよ。すぐに眼鏡を叩き落されて、ほぼ何も見えなかったし」

最原「それはちょっと残念だな……でも今はいい。証拠は後で僕の方で揃えるから」

最原「その犯人は多分、なにかを見たんだ。裁判場に放置してあったモノクマカラーのパソコンから、何かを」

白銀「……あれを? ああ、そうか。出た直後に夢野さんに追い回されて施錠まで気が回らなかったな……」

最原「ねえ。今の話が嘘じゃないというのなら教えてほしい」

最原「多分犯人はそれを見て『キミに対する殺意』を確固たるものにしたはずだ」

白銀「……『みんなのオーディション映像』とかじゃない?」

茶柱「オーディション?」

最原「なくはないけど……多分違う。それなら僕も見たから」

白銀「……じゃあ、アレしかないかな。アレしかないだろうなぁ……」

白銀「黙秘していい?」

最原「……」ジーッ

白銀「はあー……わかったよ。でも怒らないでよ?」

最原「?」
130 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/30(木) 20:55:41.44 ID:rKDgs7aM0
白銀「卒業アルバム」

最原「……なんだって?」

白銀「何か面白いことあるかなってアンジーさんの部屋から、巌窟王さんの書いた学級日誌とノーパソのデータを盗んだんだよね」

白銀「暇だったから手慰みに、それを元にして卒業アルバムを作ってた」

最原「……はあ?」

天海「ちょっと待って、それ俺も初耳なんすけど」

白銀「誰にも言う気がなかったんだよ。だって私、悪役のまま死ぬつもりだったし」

白銀「……あのデータは暇潰しに作ったものだよ。その内に消そう消そうとは思ってたんだけど……中々ね」

天海「……ちょっと待ってほしいんすけど……」

白銀「なに?」

天海「新世界プログラム内、セミラミスさんの空中庭園の中に『白銀さんの研究教室とまったく同じ内装の部屋』があったっす」

天海「それと巌窟王さんが書いたっていう学級日誌の破損データ」

天海「あそこで何をやってたのかずっと疑問だったんすけど、まさか……!」

白銀「……言わせる気?」

最原「――」

最原(ぶちり、と頭の中で何かが弾けた音がした)

最原(この人は何を言っている?)




茶柱「……ああ。なんだ。よかった!」ホッ

白銀「なにが?」

茶柱「だって、そんなもの作ってたってことは、やっぱり」

茶柱「白銀さんは転子たちの仲間だったってことじゃないですか!」ニコッ

最原「――」

茶柱「おかしいと思ったんですよ。だって! 死んだ方がマシだとか本気で言う人がいるだなんて」

茶柱「……白銀さん。あなたは転子たちと生きたかったんじゃないですか?」

白銀「……」

茶柱「卒業アルバムが良い証拠ですよ! それなら転子たちは白銀さんを――」ニコニコ

最原「ふざけないでよ」

茶柱「え?」

最原「なんでそんなものを作ったんだ。なんで……なんでなんでなんでなんで……!」ガタガタ

天海「最原くん……」
131 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/30(木) 21:08:11.97 ID:rKDgs7aM0
グイッ

茶柱「最原さん!?」

最原(気付いたら白銀さんの胸倉を掴み上げていた。彼女は抵抗することなく気だるげな目線を僕に向けている)

最原「許すつもりはない。なかったのに! 生きてたところで関与しないのならどうでもいい、そう思って自分を納得させてたところだったんだよ!」

最原「白銀さん! ふざけないでよ! そんなものを作るくらい僕たちに未練があるのなら、なんで……!」

白銀「……友達が人質に取られてるも同然。さっきもそう言ったよね」

最原「言った! でもそれならそれでキミは僕たちに相談すべきだったんだ!」

最原「第四の学級裁判のとき、白銀さんは僕たちのことを嘲るかのように『仲間』だと連呼してたよね!」

最原「煽りだと思ってた。本心はそんなこと思っちゃいない。どの口で言ってるんだって思ってたんだぞ!」グイッ

白銀「……痛っ……!」

茶柱「最原さん! これ以上はやめてください!」

天海「……あのときの白銀さんはすり替わったアルターエゴだったはずっすよ。一応忘れずに」

最原「白銀さん。僕はキミに死んでほしくなかった。でもそれは白銀さん本人を心配してのことじゃない」

最原「白銀さんを殺すことで、僕の仲間たちに手を汚してほしくなかったからだ! キミ本人の命なんかどうだっていいと思ってたんだよッ!」

最原「なのに白銀さんはなんだよ。僕たちと生きたかった? 卒業アルバムを作ってた?」

最原「消そう消そうと思って、消せなかっただって……!?」

最原「これじゃあキミのことを憎んでた僕たちがバカみたいじゃないか……」

最原「これなら、記憶を失ってキミを無邪気に庇っている百田くんたちの方が余程……!」



パァンッ



最原「……っ!」

茶柱「……ダメですよ。これ以上は」

最原「……」パッ

白銀「……ボタン、外れちゃった……強く掴みすぎだよ」
132 :我慢できない ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/31(金) 09:23:05.42 ID:hUfMlnKx0
今年の夏イベ……最高だった……! 水着イバラギンは引けなかったが……!
巌窟王を手に入れるため散って行った、数多くの諭吉に感謝を!

その副産物として宝具5になってしまった術ギルマンに敬意を!

イベ礼装ガン積みのお陰で交換素材は当然、ポイントも三百万を突破した!
楽しかった……俺が見たかった世界を高クオリティで出されたようなシナリオだった……!

燃料を大量投下された今、私を阻む者は何もない!


ありがとう……それしか言う言葉が見つからない……
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 09:44:57.40 ID:otYcjvt5O
風花「副作用には気をつけて下さいね!…シモッチって何かしら?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1530920009/
茜「不屈の魂、夢ではありません!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531525117/
摩美々「まみみのホーム・アローン、始まるよー」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533339190/
のり子「青コーナー、キィィングティィレッスルゥゥゥ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533946743/
里美「お、お兄様…?里美はここにいますよ〜?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535154609/
134 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/31(金) 19:21:19.93 ID:hUfMlnKx0
最原(卒業アルバム……赤松さんがあんな態度を取ったのも頷ける!)

最原(彼女にしてみれば火に油を注ぐような行為だ!)

最原(……思えば僕たちは『単純な悪に対して団結する仲間たち』という構造に甘えていた。そうやって辛うじて立っていたんだ)

最原(外の世界に希望はないかもしれない。そう思っていたから猶更……!)

最原(……『悪役の白銀さん』が今までの印象を翻すようなマネをしたら……)

最原「こんなのもう復讐じゃない。何の正当性もない。ただの八つ当たりだ……!」

最原(僕たちの存在そのものが虚構なら、憎むべき対象すら虚構)

最原(……酷い喪失感だ。死んだ方がマシ? さっきは否定したけど、ここまでくると本当にそうかもしれない)

最原(どうしたらいい。どうしたら……!)

最原「……白銀さん。次の質問だ」

最原(それでも進むしかない……僕にはもう時間がないんだ)

最原「最後の学級裁判についてだよ。そこで一体何を議論すればいいんだ?」

白銀「ん。それは……当然の質問だよね」

茶柱「まあ、出題傾向がわからないと対策の立てようがないですし……」

白銀「まあ、大体の場合は最後の学級裁判で議論するのは『この学園の真実について』だよ」

白銀「最後に『この学園にどう決着を付けるか』の議論かな」

最原「どういうこと?」

白銀「過去作からの出題傾向から言って『この学園から出るか留まるか』を訊かれると思う」

茶柱「はあ? 出るに決まってるじゃないですか……」

茶柱「あ、いや。外の世界が滅んでたら確かに転子たちは野垂れ死ぬだけですけど……でも実際はそうじゃないですよね?」

最原(はっきり言って滅んでた方がよかったかもしれない)
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/31(金) 19:34:09.51 ID:OUx+NxBj0
ダン論ってこんなクソみたいな世界観なの?

ちょっと密林漁ってくる
136 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/31(金) 19:44:46.34 ID:hUfMlnKx0
天海「ここも案外悪いもんじゃないんじゃないっすかね」

最原「え?」

茶柱「ちょ、ちょっと。冗談ですよね?」

天海「巌窟王さんもいる。仲間もいる。白銀さんは俺の友達だった」

天海「外に出ても地獄なら、ここに留まって終わった方が幾分かは幸せかも……」

天海「……と、多少は思わなくもないっす。これが俺の本心っすよ」

茶柱「それは……」

茶柱「……ごめんなさい。それでも転子は外に出たいです! 約束が!」

天海「約束?」

最原「……」

最原「手に入った情報を一度すべて整理する。白銀さん、手伝ってくれる?」

白銀「私?」

最原「……そういう名目があれば生存率は上がるだろうし」

白銀「はは。優しいね」

最原「正直もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。でもさ……」

最原「白銀さんを死なせるわけにはいかない」

白銀「損ばっかりするね。最原くん」

最原「自覚はあるよ」

茶柱「転子も手伝うんですよね? あと天海さん」

天海「ナチュラルに巻き込まれた……吝かではないっすけど」

最原「うん。それじゃあお願いしようかな……っと!」


ズズウンッ


最原「さっきから何なんだろう、この揺れ」

最原「……爆発じゃないな。確かめに行こうか」
137 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/08/31(金) 20:23:32.01 ID:hUfMlnKx0
校庭

ジャララッ ガシャンッ

セミラミス「三度目の拘束……成功! 今度こそ完全に自由を奪ってやる!」

キーボ「拘束。破壊します」ガシャンッ

セミラミス「やはり無理か」チッ

セミラミス「貴様……難易度設定を間違えているのではないか! ネロ祭にはまだ早いのだぞ!」プンプン

赤松「何を言ってるのかわからないけどセミラミスさん、真面目にやるの飽きた!?」ガーンッ

セミラミス「それとボックスガチャはどうした! 素材無限回収装置は!?」キョロキョロ

赤松「お願いだから真面目にやってよ! このままじゃ……!」


ボタボタッ


赤松「セミラミスさん、死んじゃう……!」

セミラミス「……まだ掠り傷だ。まだな。しかしそうだな……我はいつでも大真面目だが……」

セミラミス「そろそろ次の手段に移るべきかもしれん」

キーボ「!」

セミラミス「貴様も……我とこれ以上、ことを構えるつもりであるならば、それなりの覚悟をするがよい!」

セミラミス「デュエルディスクを準備してな!」ウィーンガシャンガシャンガシャンッ ピピッ

赤松「言ってる傍からこの人はーーーッ!」ガビーンッ

赤松「悪ふざけしてる場合じゃないって! キーボくんから攻撃が……!」

キーボ「……」ウィーンガシャンガシャンガシャンッ ピピッ

赤松「ええっ!? やる気だ!?」ガーンッ







セミラミス&キーボ「デュエル!」

キーボ「あ。初手でエクゾディア揃いました」

セミラミス「イワーーーーーーーーーク!」LP 4000→LP 0

赤松「一瞬で負けたーーーッ!」ガビーンッ
138 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/01(土) 19:34:33.79 ID:rDNPUOdX0
セミラミス「……」シュウウウウウ

赤松「だ、大丈夫?」オロオロ

セミラミス「デッキ枚数40枚のデッキのエクゾディアが初手で揃う確率は」タプタプタプ

セミラミス「658008分の1とカルデアのデータベースに書いてあるぞ貴様ァ! イカサマしたであろう! これを見よ!」バッ

※ムニエル編集。ロマン監修

赤松(スマフォ……)

セミラミス「我の幸運でも初手で四枚揃えるのが限界だったのだぞ!」バァーーーンッ

赤松(セミラミスさんも【エクゾディア】……)ズーン

セミラミス「まあよい。ならばリアルファイトで貴様を倒すのみだ!」

赤松「リアルファイトでダメだったからデュエルに持ち込んだんじゃなかったっけ?」

セミラミス「くくく。カエデよ。細かいことを気にしすぎると知恵熱で死ぬぞ?」

赤松「セミラミスさんは私のことバカだと思ってるけど、セミラミスさんの方が百ッッッ倍バカだからね!」

セミラミス「段々我に対しての敬意が蒸発してきてるなカエデ」イライラ

セミラミス「まあよい。どうせ勝つ気も逃げる気も最初からないのだ。我の言ったことを決して忘れるなよ」

赤松「……諦めないでよ! その内に誰か……そう! 巌窟王さんが来るかも……!」

セミラミス「早速忘れておるではないか! だからあやつは今、ここで失うわけにはいかぬのだ!」

セミラミス「この空間を決定的に壊せるのはあやつしかおらぬのだからな……!」ジャララッ

セミラミス「引き続き時間稼ぎしつつ情報を少しでも引き出す。できるだけ覚えておけよ……!」

キーボ「――いいえ。遊びはここまでです」ギュンッ

セミラミス「ん? 消え……」

セミラミス(ム? 違うな。懐に入り込まれ――!)



ズブウッ
139 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/01(土) 19:59:23.92 ID:rDNPUOdX0
校舎内

最原「一体何が起こってるんだろう。さっきから爆発とは違う衝撃が何度も……」

茶柱「誰かが戦っている……まさか巌窟王さんが?」

天海「彼くらいしか心当たりがないっすしね。その場合、相手はキーボくんしか該当者がいないっす」

白銀「一度撤退した相手にもう再戦してるの? なにか違和感があるんだけど……」




赤松「いやああああああああああああああああっ!」




最原「!」

茶柱「今の……赤松さん!?」

天海「急ぎましょう! 声はあっちからっすよ!」

白銀「赤松さん……!」ダッ

最原「あ、待って! 迂闊に行動するのは……」

最原(というか、こういうとき真っ先に走るのが白銀さんなのか……)

最原(とことん僕たちの独り相撲だったんだな)

茶柱「最原さんは傷を労わって全力疾走しないように!」

最原「……」





赤松&セミラミスチーム

赤松「あ……ああ、あ……!」ガタガタ

セミラミス「……ご、ほっ……! がああああああああああっ!」

グチャリ

セミラミス「貴様……人の腹に手を突っ込むとはどういう了見だ……!」

キーボ「……」グチャリ

セミラミス「があっ、か、かき回すな愚か者……!」



ドタドタドタッ



天海「赤松さん! 何が……せ、セミラミスさん!」

白銀「これは……相当まずい展開になってるみたいだね」
140 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/01(土) 21:28:14.04 ID:rDNPUOdX0
セミラミス「この常識外れのスピード……! 今まで出力を抑えていたな……」

セミラミス「は、ははっ。バケモノ……め……巌窟王のときですら本気でなかった……か」

赤松「もうやめてよキーボくん! 正気に戻って!」

セミラミス「よせ……! 新世界プログラムを破壊した今となっては、そんな叫びに何の意味もない」

赤松「え?」

天海(なんで新世界プログラムの話に……)

白銀「……!」

セミラミス「くそ。離せ! 我は……我はまだ……!」ググッ

キーボ「ここまでです」



グシャリッ



セミラミス「……あ」ゴホォッ


ビシャッ


セミラミス(……ここまで……か……)ガクリッ

赤松「あ、あ……ああ……! やめて……お願い、やめて……!」ガタガタ

天海「セミラミスさん……!」

キーボ「……急所は外しています。まだ利用価値がありますので」

キーボ「状況終了。離脱します」

白銀「キーボくんっ!」



ドシュン!



天海「……逃げたっすね」

天海「違う。俺たちのことを脅威ともなんとも捉えていない……と考えるべきか!」

赤松「セミラミスさん……そんな! こんな別れ方ないよ……! こんなの!」

白銀「……赤松さん」

赤松「……」

赤松「……なんで白銀さんがここにいるの?」ユラァッ

白銀「ッ!」

赤松「……」



スタスタスタ



最原「……ごめん。遅かったみたい、だね」

赤松「!」

最原「状況を教えてくれる?」
141 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/01(土) 21:39:29.16 ID:rDNPUOdX0
数分後

最原「セミラミスさんが連れ去られた、か」

赤松「急所は外したって言ってたから、殺すつもりはないんだと思う」

赤松「でも……」

天海「イヤな予感しかしないっすね。サーヴァントを連れ去るとか、その後で何を考えていたとしても不思議じゃないっす」

茶柱「ええと……サーヴァントの利用価値とかに関して一番詳しいのって……」

最原「巌窟王さん本人が一番かな……」

茶柱「じゃあ次は彼に事情聴取ですか?」

最原「いや……その必要はないかもしれない」

赤松「どういうこと?」

最原「これだけ大騒ぎしたんだ。キーボくんもいなくなった」

最原「遠巻きに見ていた人たちも全員こっちに向かってくるんじゃないかな」



スタスタスタッ



百田「おーい……」

最原「あ! ほら! 言ってる傍から百田くんがこっちに……!」


ズザザッ


百田「悪ィ! デッキの構築に時間かかっちまった! もういつでも闘れるぜ!」ドン☆

最原「何を!?」

天海「なんでデュエルディスクを付けてんすか!?」ガビーンッ

百田「出てこいよキーボ! 次は俺の【E・HERO】で相手してやるぜ!」ドン☆

バキィッ

茶柱「……この状況でふざけてるんですか? バカだバカだとは思っていましたが救い難いバカですね」ゴゴゴゴゴ

百田「ええっ!? いや違うんだって! キーボはさっきまでデュエルしてたんだって! だから……」

茶柱「赤松さんと、せ、せみらみす? さんが大変なときに何を言ってるんですかあなたは! 少しは真面目になってくださいよ!」プンプン

赤松「……なんだろう。自分のことみたいに恥ずかしい……」カァァ

最原(ああ……なんか、なんとなくわかっちゃった……)ズーン
142 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/02(日) 17:39:54.89 ID:G5KooBYg0
数分後

最原(そうこうしている内に、生徒たちは全員集まった)

最原(百田くんは春川さんに『勝手に飛び出すな』と怒られたりしたけど……)

最原(あとそれに便乗した茶柱さんに怒られたりしていたけど)

最原(その光景を見ていた赤松さんが終止申し訳なさそうな顔をしていた)

最原(そして説教は終了。全員の意識は白銀さんの方に向くことになる)

アンジー「……結局、終一に先を越されちゃったかー」

黒焦げの王馬「で? どうするの? 内ゲバ第二弾に突入しちゃう? げほげほっ」

夢野「それは遠慮したいのう……ちょっと待て王馬。なんで黒焦げになってるんじゃ」

黒焦げの王馬「なんか猫っぽいマスコットのような影を追ってたら急に爆発して……」

夢野「は?」

入間「そうだ! それだよ! 爆発! そのせいで俺様たちが仕掛けた赤外線センサーが全部パァだぞ!」

星「正確に言うと衝撃で方向が変わっただけだから設置しなおせばいいだけだが……」

星「ここに白銀がいる以上、結局無用の長物であることに変わりはない」

白銀「……」

最原「……あのさ、みんな。白銀さんへの尋問は僕がやったから」

東条「え?」

最原「結局のところ、彼女は有用な情報を持っていた。それを自覚していなかっただけなんだ」

最原「この状況において、彼女ほど強力な証人は存在しないと断言するよ。だから」

最原「……彼女に手を出すことは僕が許さない!」

獄原「え。それって……!」

百田「終一?」

真宮寺「へえ。度胸があるネ。それとも自分が言っていることの意味がわからないのかな」

真宮寺「キミは今、さっきまで白銀さんへの尋問を強行しようとしていた僕たちに喧嘩を売ったも同然なわけだけど」

百田「!」

最原「……」

最原(落ち着け……さっきとは状況が違うんだ。彼らの説得はもう、難しいことじゃない!)
143 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/02(日) 18:45:30.77 ID:G5KooBYg0
最原「勘違いしないでほしいんだけど、僕は別に拷問そのものに反対はしてないよ」

百田「……はっ!?」ガーンッ

春川「最原?」

最原「拷問で引き出した情報だろうと、尋問で引き出した情報だろうと、それ単体では決定的な証拠にならないのは共通している」

最原「ましてや、この法から隔絶された状況で『拷問はダメ』って言ったところで空々しいのも事実だしね」

入間「テメェ! 一体どっちの味方なんだよ!」

最原「ただし、どちらの場合においても重要なものがある。拷問でも尋問でもさ」

最原「……証言者の身の安全が保障されない限り意味がないよね?」

獄原「ん……?」

東条「それは……そうでしょう。証言と他の証拠を照らし合わせるとき、どちらか片方が無くなっている状況なら意味がないもの」

最原「キミたちの中に巌窟王さんと結託して、白銀さんを殺そうとした人がいる。昨晩のことだ」

全員「!」ザワッ

百田「お、おい終一……それってマジで言ってんのか?」

赤松「……」

最原「本気だよ。僕は」

最原「……だから拷問なんてさせるわけにはいかない。『勢い余って』とか『何らかの事故で』とか、そういうふうに見せかけられる状況を作るのは反対だ」

最原「まだ白銀さんへの殺意をくすぶらせている人がいる限りは! 絶対に!」

星「仮にそれが本当だったとして、だ。それなら白銀への尋問は許可してくれるんだろうな?」

星「当然、暴力行為は一切無し。立ち合いも好きなヤツを入れればいい」

星「事前に知らせてくれなければ最後の学級裁判に挑むこともできやしねぇ」

星「ただでさえ、最後の学級裁判そのものが謎だらけなんだ。その程度は許してくれるんだろうな?」

最原「条件付きで許可するよ」

星「……なに?」ピクッ

最原「今すぐに昨日、白銀さんを殺そうとした犯人が『自白』してくれること。これが僕の条件だ」

赤松「ッ!」

最原「それが成されない場合は……最後の学級裁判のときになるまで白銀さんの証言は全部僕が管理する」

最原「誰と共有するかも、僕の独断でね」

百田「んなっ……!」
144 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/09/02(日) 19:24:01.97 ID:G5KooBYg0
春川「ちょっと待って。最原、いくらなんでもそれはないよ。逆効果だ!」

最原「それでも!」

最原「……犠牲やリスクなしで先には進めない。僕の知りたい真実は、まだここよりずっと先にあるんだ!」

獄原「……具体的に……その最原くんの独断で切り離される人って、誰?」

最原「新世界プログラムから出て来た人ほぼ全員。天海くんは例外」

最原「安心してよ。証拠として扱う以上、最後の学級裁判のときには絶対にみんなに知らせるから」

入間「じょっ……冗談じゃねぇ! それまでどんな真実が眠っているか、俺様たちにビクビク縮こまって過ごしてろって!?」

最原「もう一回言うよ。白銀さんを殺そうとした、巌窟王さん以外の犯人が自白さえしてくれれば、僕は何も隠さない」

入間「んなヤツいるかどうかわかんねぇだろうが!」

最原「いる! 絶対にいる! だからダメなんだよ!」

最原「その人が名乗り上げるまでは、僕は協力する人を選ぶよ。白銀さんは大事な証人なんだ! 絶対に誰にも触らせない!」

入間「……!」

東条「……本気のようね。ここに来て仲間を突き放す言動をするなんて……」

東条「最原くん。何があなたをそこまで追い詰めたの?」

最原「……」

最原「僕は……みんな揃って外に出たい」

百田「終一……」

最原「そのためならどんなことだってやってやるって思ったんだ」

最原「白銀さんも、キーボくんも含めて、みんな外の世界に連れて行く!」

最原「この命にかけて……この牢獄から脱出するんだ!」

春川「……でも、それでこれから先どうする気なの?」

春川「最後の学級裁判について私たちは何も知らない。どこで開催されるかすらもね」

春川「最後のってくらいだから、いつもの裁判場じゃない可能性だってあるよね?」

最原「モノクマに訊けばわかるよ。今は復活して学園のどこかにいるはずだから」

最原「……捜査は僕が主導する」

真宮寺「認めるとでも?」

最原「認めなくても構わないよ。でも……」

最原「白銀さん憎しで団結してたみんなが、今も同じように団結できる?」

最原「……自分の身可愛さに条件を飲んでない人がいるのに?」

赤松「ッ!」

最原「……話は一旦ここで終わりだ」

赤松「最原くん……!」

最原「……」






最原「悪いとは思ってるよ」
145 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/15(月) 20:38:22.55 ID:KwljZRXF0
マジだ。マジで復活してる
146 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/15(月) 20:40:05.91 ID:KwljZRXF0
やっべぇよ。暇潰しに書いてた番外編まだ終わってないのに。スプラトゥーン買ってめっちゃ遅れてるよ。

こっちすぐ終わらせるから待っててね!

https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1536142341/
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 20:53:33.72 ID:WK9hDTE6o
セミラミスの人あんたっだったのか……
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 21:36:34.18 ID:WXPm3D5Ao
復活おめ
149 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/15(月) 21:41:59.76 ID:KwljZRXF0
と言ってもほぼサボってるに等しい状況だったから本復活には時間かかりますけどね。番外編もその気になれば明日には終わる分量とは言え。


あっちの番外


セミラミス「物凄い退屈なのでカルデアを練り歩く」


は、ぐだが女性という相違点はあるものの、ほぼ『虚構殺人遊戯:才囚学園が始まる前に大体こんなことがあったはず』という前提で書きました。
チョコパスタとか漬け置きサングリアとか空中庭園に潜む意味不明なキャストだとかなんだとか。
あとはオチを付けるだけなのでこっちの復活は本当ちょっとだけ待って……
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/17(水) 16:04:53.65 ID:0uFSDCMi0
ふう。もうこのままこれの終わりを見れないかと思ってたよ
151 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 20:57:52.67 ID:UUrQVaz70
俺自身久しぶりで作品の内容は忘れちゃったんで、長期ジャンプアニメにありがちな総編集入れます。すぐ終わる!
152 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 21:14:54.94 ID:UUrQVaz70
カルデア ダヴィンチ工房

ダヴィンチ「……」カタカタ

ダヴィンチ「……ふぅん。これがモンテ・クリストが定期的にBBに送っていた『学級日誌』か」

ダヴィンチ「なるほどなるほど。これは確かに……女神たちが手を貸すのも納得の、興味深い物語だね」ニヤァ





総編集 巌窟王の学級日誌





ダヴィンチ(始まりはカルデアの時間軸では、ほんの少し前。きっかけは今となっては物凄くくだらないことだった)

ダヴィンチ(BBが違法改造したコフィンを使い、巌窟王をレイシフトさせた際に起きた事故が原因で、彼は未知の世界に飛ばされることとなる)

ダヴィンチ(閉鎖空間『才囚学園』。そこは『超高校級』の肩書を持つ特殊な才能を持った生徒たちが殺し合う、まさしく地獄の園だった)

ダヴィンチ(紛れ込んでしまった巌窟王自身、脱出が不可能の身となり、紆余曲折を経て……)

ダヴィンチ(……とは書いてあるけど、なんやかんやあっさり快諾したんだろうなぁ)

ダヴィンチ(巌窟王は生徒……夜長アンジーをマスターとして、才囚学園からの脱出という利害の一致を基にした同盟関係を結んだ)

ダヴィンチ(脱出のため。そして、巌窟王自身の矜持のために)

ダヴィンチ(それが生徒全員の……いや。巌窟王の中の歯車さえも軋ませる災厄の始まりだとは、このときは誰も想像していなかった)
153 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 21:19:26.54 ID:UUrQVaz70
第一章
私と僕(と俺!)の学級裁判

ダヴィンチ(隣の生徒を生徒が励まし合い、なんとか協調を保とうとしていた最初の数日)

ダヴィンチ(だけど、その日々はモノクマの設けた『タイムリミット』によって揺らぎ始める)

ダヴィンチ(そして……最初の犠牲者、巌窟王の発見によってコロシアイはついに幕を開けた)

ダヴィンチ(開けたはず、なんだけど。いやこれ開けたのか?)






回想

ピンポンパンポーン


アナウンス『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を始めます!』

最原「そ、そんな……!?」

巌窟王「始まるのか……学級裁判が!」ギンッ

茶柱「そんな! 巌窟王さんを殺した犯人を、命懸けで見つけろと!? そんなの……」

茶柱「……」

茶柱「……ん? なんか今、変じゃありませんでした?」

夢野「何がじゃ?」

茶柱「いや……まあいいんですけど……?」

真宮寺(死んでなくない?)

白銀(死んでなくない?)

東条(死んでないわね?)

星(死んでねーじゃねーか)

獄原(あー、無事でよかったー!)キラキラキラ

モノクマ(なんかいまいち絶望感が足りないな……? まあいいや)
154 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 21:32:39.95 ID:UUrQVaz70
ダヴィンチ「まあ……うん。なんだ」

ダヴィンチ「最初の時点でデスゲームとしては破綻してるよね? なにせ死んでないんだから!」ケラケラ

信長「敦盛ィ!」ギュイイイイイインッ

ダヴィンチ「あ。編集したCDならそっちのテーブルの上に置いといたから勝手に持ってってー。お代は既に頂いてるからね」

アルテミス「……」

アルテミス「え? ダヴィンチ工房、閉めてないの? この調子で独白形式で進めて行くものかと思ったのだけど」

ダヴィンチ「ん? 別に記録を読むのくらい片手間でできるしね」

アルテミス「いやあなたがそれでいいのなら、いいのだけど」

ダヴィンチ「最初の殺人事件(?)の犯人は赤松楓で巌窟王はタイムリミットとかの事情も省みて全部許して大体全部ぶち壊して解決しました!」

ダヴィンチ「はい終わり!」

信長「敦盛ィ!」ギュイイイイイイインッ

アルテミス「雑ねっ!?」ガビーンッ






回想

赤松「もう一度信じてみる」

最原「えっ?」

赤松「最原くんを……巌窟王さんを……みんなを……!」

赤松「今度こそ地に足の付いた、私にできるやり方で」

最原「赤松さん……」

巌窟王「それでいい。反省会など外に出た後でやればいいのだ」

巌窟王「モノクマ! 貴様は言った! 全員揃っての脱出の目などありえないと!」

巌窟王「ならば俺のやることは一つだけだ! その傲慢さを必ず圧し折り、叩き潰し、地に引きずり降ろして泥を付け……!」

巌窟王「絶望の淵に叩き込んでやる!」

百田「わかるように言え! 巌窟王!」

巌窟王「つまりこういうことだ! 全員揃って脱出する! それが! この場における俺の理念だ!」

最原「……!」
155 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 21:45:36.90 ID:UUrQVaz70
第二章
その限りなく地獄に近い天国に光は差すか

ダヴィンチ(結局、決定的な悪意は存在しなかった前回の事件とは違う。この事件は明確な悪意を持って行われた)

ダヴィンチ(最初の事件が完璧なハッピーエンドだったという油断を利用して、狡猾な犯人が牙を剥いた形になるのかな)

ダヴィンチ(本当のコロシアイはここからが本番だった)

ダヴィンチ(夜長アンジーの魔術師としてのスペックの向上)

ダヴィンチ(謎の高校生、アマデウス斎藤の襲来)

ダヴィンチ(その他、最原終一が巌窟王から『とあるスキル』を借り受けたりしたのだけど……学級日誌にはこれ以降記述がほぼない)

ダヴィンチ(まあサーヴァントのスキルを一部分とはいえ、まともな人間が使ったら結構危険だから別にいいんだけど)






回想

最原「え、い、いや。あれどう見ても天っ……」

天海?「そう! 俺こそがこの学園に閉じ込められた十七人目の高校生!」

天海?「キミたちを導くために現れたミステリアスボーイ!」

最原「いやだからキミ、天っ……」

天海?「才能不明! 本名不明! 素顔不明! すべてのミステリアスの生みの親ァァァァァァッッッ!!」

最原「だからキミって絶対に天海っ……!」

アマデウス斎藤「超高校級のミステリアス! アマデウス斎藤! ここに推参!」ドジャァァァンッ!

アマデウス斎藤「イエエエエエエエエエエエエエエエエイッッッ!!」ドカァァァァァンッ!

最原「……」

最原(救いようがないほどダサイーーーッ!)ガビーンッ!
156 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 22:00:39.33 ID:UUrQVaz70
ダヴィンチ(平和だった時間を嘲笑うかのように事件は起こる)

ダヴィンチ(今度の被害者は……またしても巌窟王だった。凄いなこの人。何回死ぬんだ)

ダヴィンチ(まあただ、結局蘇ったんだけど。あの空間、形而学上のものすら外に出さないらしいな。故に死んでも復活に必要な『何か』は残る)

ダヴィンチ(……ちょっとした結界だな、これ。だとするとあの世界の正体って……)

ダヴィンチ(おっと。思考が脱線しかけた。話を戻そうか)

ダヴィンチ(この事件は巌窟王が、犯人のある秘密を隠そうとちょっとだけ暗躍したんだけど)

ダヴィンチ(結局、最原終一に阻まれた。犯人は東条斬美であり、その行為にはありったけの悪意が注がれていたことは明るみに)

ダヴィンチ(この事件を境に、生徒同士に絆が産まれたことは事実だ。でも……こんな状況だったことが災いする)

ダヴィンチ(この空間で、ある種健全な関係など産まれない。知らない内、段々と歪みと亀裂が彼らの絆に混ざっていく)

ネロ「……」キョロキョロ

ネロ「神祖ロムルスがどこに行ったか知らぬか?」

ダヴィンチ「ローマの噂してれば出るんじゃない?」

ネロ「そうか。ローマ!」ビシイッ

カエサル「ローマ!」ビシイッ

カリギュラ「ロオオオオオオマアアアアアアアアアアア!」ビシイイイイッ

ダヴィンチ(うるさいなー。早く続きを読ませローマ!)ビシイッ




回想

東条「……え、と。巌窟王、さん」

巌窟王「もう何も言わなくていい。早く仲間たちのところへ戻るぞ」

東条「私は……」

巌窟王「裏切り者だから、か? ならばもう一度やり直せばいい」

東条「!」

巌窟王「……そうだろう? 最原」

巌窟王「ン? 最原?」

最原「」チーン

東条「……多分だけど、吹き飛んだモノスケの頭がモロに後頭部に当たったようね」

巌窟王「だから離れていろと言ったのだ」

最原「う、うう……大丈夫。気絶はしてないから」フラフラ

巌窟王「戻るぞ」

最原「うん」
157 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/18(木) 22:06:54.65 ID:UUrQVaz70
一か月ぶりだから段々思い出せてきたぞ……!
あ、続きは明日。『やりたいシーン』だけは覚えてるんですけど『やったシーン』に関しては記憶が朧気なのでもうちょっとつきあってください
158 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/19(金) 22:17:36.89 ID:SJxBwNOp0
第三章
Unlimited 在校生 Works

ダヴィンチ(これを第三の事件と称するのには語弊がある。でも、このゴタゴタは事件と称する他ない)

ダヴィンチ(混乱。混沌。恐慌。あらゆる手段を尽くして行われた生徒全員への撹乱行為)

ダヴィンチ(巌窟王すら手玉に取るとは、やるじゃないか。彼)

ダヴィンチ(しかし事件発生までのモラトリアムの間に色々あったみたいだなぁ。何コレ。シリアスなヤツからコメディなものまで彩緑だし)

ダヴィンチ(……巌窟王、生徒たちのことを相当見てるな。正しく認識してるかはともかくとして)

ダヴィンチ(春川魔姫の真の才能、暗殺者の発覚と記憶喪失)

ダヴィンチ(汚れ役を引き受けた最原終一と、それに反発する茶柱転子の軋轢)

ダヴィンチ(そして……)

ダヴィンチ「ぶふっ……ここの記述だけ動揺しすぎだって……」プルプル

ダヴィンチ(仮のマスター、夜長アンジーの恋情! それも相手が、巌窟王を舌戦で一度打ち負かした実績のある最原終一!)




回想

巌窟王「……」

巌窟王「……そうか……」

巌窟王「よし。燃やすぞ?」

最原「」

赤松「やめてーーー! お願い、巌窟王さん落ち着いてーーー!」ガビーンッ!

百田「アンジー! 冗談だよな!? 冗談なんだろ!?」

アンジー「冗談じゃないよー! 本当に終一と結婚したいんだってー!」キラキラキラ

キーボ「わあ。素敵な笑顔」

入間「ダサイ原にとっては悪魔の笑顔だけどな……」

春川「えーと、なに? 状況がよくわからないけど……」

春川「おめでとう?」パチパチパチ

王馬「おめでとー!」パチパチパチ

アマデウス斎藤「静まりたまえー! 静まりたまえー!」

獄原「その仮面まだ持ってたの!?」
159 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/20(土) 19:44:46.56 ID:A2fqbAl00
ダヴィンチ(結局のところ事件そのものの構造は簡単だ。今回から巌窟王は直接的な被害者になることはなくなった)

ダヴィンチ(まあ間接的な被害者になったんだけどね!)

ダヴィンチ(今度の被害者は才囚学園での仮マスター、夜長アンジー。その他巨大な木造建築やら、前回犯人だったメイドさんやらが傷つけられたけど)

ダヴィンチ(それらはすべて夜長アンジーの事件のカモフラージュに過ぎなかった)

ダヴィンチ(犯人は真宮寺是清。偏屈な彼にしては珍しいことに、最原終一と協力しての大立ち回り)

ダヴィンチ(まあ、結局最後には対立しちゃうんだけど)




回想

真宮寺「……」

真宮寺「……く、ククク。これで僕を助けたつもり……?」

最原「……」

真宮寺「甘いヨ。あのまま巌窟王さんに任せておけば……全部丸く収まったはずなのに」

百田「真宮寺」

真宮寺「僕は自分が間違ったことをしたなんて思ってないんだヨ。だって愛は……」

百田「真宮寺」

真宮寺「……愛は永遠なんだ。キミたちには理解できないかもしれないけど、僕は――」

バッキィッ

真宮寺「がはぶっ」バタンッ

百田「ちょっとでいい。寝てろ」

百田「あと頭冷やせ」

キーボ「スッキリしたとか言ってたのに!」ガビーンッ

百田「いやなんかうるせぇしよ」

最原「……」
160 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/21(日) 19:50:08.94 ID:qNRlKFxs0
第四章
虚構殺人遊戯:才囚学園、改め、架●●理●園ダンガンロンパ

ダヴィンチ(ここが山場。巌窟王が最後の一線を越えてしまった転換点)

ダヴィンチ(いやポイントオブノーリターン? どっちでもいいか。ひとまずこれで巌窟王が元に戻る可能性は限りなく小さくなった)

ダヴィンチ(実のところ、ここから巌窟王の学級日誌は資料としての価値がなくなる。巌窟王がこれ以降、まともに筆を握れなくなるからだ)

ダヴィンチ(だから仕方ない。私が付け加えるとしよう。どっちにしろ報告書にまとめる必要があるからなー)

ダヴィンチ(ええと……ケツァルコアトルとか……が夜長アンジーや学園そのものに対して干渉を開始……)

ダヴィンチ(内容は……夢による強化、学園の一区画の迷宮化、その他女神の加護の押し売り……目も当てられないなぁ!)

ケツァルコアトル「あの子たちに高さをプラスデース!」グッ



回想

エウリュアレ『病院なら無意味に迷宮化させたので簡単には出れないわよ』

最原「え? あ? あ、本当だ。なんか間取りが全体的にありえないことになってる!」ガビーンッ

百田「し、しかも引き返せなくなってんぞオイ! さっきの扉はどこだ!?」キョロキョロ

ドスンッ ドスンッ ドスンッ

最原「……なに、この音。何かがこっちに近づいてきてるような……」

ミニチュア太陽神殿「デース!」ドスンッ

ミニチュア太陽神殿「デース!」ドスンッ

ミニチュア太陽神殿「千里の道も一歩からデース!」ドスンッ

最原(あのなんだかよくわからないオブジェが飛び跳ねながらこっちに向かってきてるーーーッ!)ガビーンッ

百田「……」

百田「あぶあぶあぶあぶ」ブクブク

最原「百田くん! 気をしっかり持って! このままだと多分押しつぶされる! 走って!」ユサユサ

ミニチュア太陽神殿「飛び跳ねて移動するの飽きたのでスライドで移動しマース!」スイーッ

最原「うわあああああああ! 動きがひたすら気持ち悪いーーーッ! しかも早ッ!」

百田「ああああああああああああ! ぎゃああああああああああああ!」ドタターッ

最原「ああ、待っ……先に行かないで百田くん! 百田くーーーんッ!」
161 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/22(月) 21:36:59.43 ID:5lmpKT2K0
ダヴィンチ(物語は変転する。黒幕の現出によってあっさりと)

ダヴィンチ(前提は覆される。黒幕の都合で跡形もなく)

ダヴィンチ(そして……サーヴァント目線では途中から映像がブラックアウトする)

ダヴィンチ(この後の展開はすべて生徒からの伝聞……を伝え聞いたサーヴァントたちの更に伝聞だ)

ダヴィンチ(事件は『起こらなかった』。でも裁判は行われた)

ダヴィンチ(実際に起こっていない架空の事件を議論した末に、現れたのは首謀者。『白銀つむぎ』)

ダヴィンチ(悪辣な罠によって二手に分断されてしまった生徒および巌窟王はどうなってしまうのか……!)

ネロ「神祖ロムルスはどこに行ってしまったのかーーーッ!」ボエエエエエッ

カリギュラ「ウオオオオオオオ! ロストオオオオオオオオオ!」ボエエエエエエッ

ダヴィンチ(超うるせぇ。あんな大男普通どっかに消えたりしないって……)

ダヴィンチ(……してないよね? いやまさかこんなくだらないことが伏線だったり――)




回想

巌窟王「……」

巌窟王「アンジー」

アンジー「……」ビクッ

巌窟王「俺を、捨てるのだな?」

アンジー「あ……あ……いや……」ポロッ

最原(……アンジーさんは、何度も首を横に振る。でも、巌窟王さんは振り向いてないから、わかってない)

最原(そして……アンジーさんは巌窟王さんの顔を見ていないから、巌窟王さんの表情に気付いてない)

巌窟王「……そうか」

最原(その顔は、この最悪な状況にしては似つかわしくないほどに……)

最原(安心しきっていた)





巌窟王(よくやったな。アンジー)
162 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/22(月) 21:46:41.10 ID:5lmpKT2K0
ああ九十パーセントほど思い出せてきたかも!
あと誰に何を言われようと一レスで終わるような出オチは絶対にやめないだろう。性分なので
163 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/23(火) 21:50:40.34 ID:wYOU+yr40
ダヴィンチ(さて。ミスの話をしよう。首謀者の彼女は一つだけ致命的な誤りを犯した)

ダヴィンチ(推理小説のノックスの十戒は、なにも『探偵役側』を縛り付けるだけの不自由なルールではない)

ダヴィンチ(なんなら、それは本質ではないと断言できる)

ダヴィンチ(あのルールは『犯人役側』を縛り付けるルールでもあった)

ダヴィンチ(つまり『相互の力関係を常に一定に保つために必要なルール』。それがノックスの十戒の正体だ)

ダヴィンチ(真の意味でのワンサイドゲームなど、誰が楽しむ? どこかに光はあるはずだと信じる心が勝算を産むのは確かだが)

ダヴィンチ(光なんてどこにもないという現実を作り出し、あまつさえそれを相手側に見せびらかすのは絶望でもなんでもない。相手の息の根を止めている)

ダヴィンチ(探偵と犯人の力関係はある一定のラインで公平でなければならない。ならば……)

ダヴィンチ(フェアさを捨てた時点で、相手がアンフェアに頼るのは当然の帰結だ)

ダヴィンチ(具体的に言うと、サーヴァントが本気で手を貸すような状況を作り出したのは、紛れもない首謀者のミスだろう)

ダヴィンチ(……それ言ったら最初の時点で巌窟王を呼び出したことそのものが、探偵側のズルだって? そこはほら、棚に上げよう)







ダヴィンチ(すべては必然。サーヴァントたちが手を貸そうという気になったのは、そういう気に『させられたから』だ)

ダヴィンチ(きっと彼らは、誇っていい)
164 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/24(水) 23:41:06.91 ID:G6anTH950
イベントのことを失念し、予定が狂ったので本編開始は金曜からとなりました。総編集は明日で終わりなのだ!
165 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/26(金) 15:51:28.36 ID:0CLHHwbO0
第五章
Cosmos in the lostmemories

ダヴィンチ(ここから先は、特に言うことは何もない)

ダヴィンチ(失われた記憶を取り戻す物語)

ダヴィンチ(取り上げられた仲間の元へ帰る物語)

ダヴィンチ(取りこぼした物の未練を断ち切る物語)

ダヴィンチ(そして――すべてのピースが揃う物語だ)




回想

最原「百田くんっ! 春川さん!」

真宮寺「ダメだヨ最原くん! エグイサルが関節を完全に極めてるとは言っても、よろめいて倒れたりしたら潰される!」

赤松「……あの音。機体が軋んでるみたい。エンジンとかモーターとかを規定の限界以上まで駆動させてるんだ」

赤松「あの状態が続けばモノタロウが乗ってる方のエグイサルは三十秒も持たない、けど……!」

真宮寺「その代わり、通常のエグイサル以上の馬力を出せるってことだネ」

真宮寺「……ところで気のせいかさっきよりエグイサルが密着してない?」

赤松「気のせいじゃない。コクピットからの音がもうほとんど聞こえない! エグイサルの機体が塞いでるんだよ!」

赤松「あの状態で自爆なんかされたら……!」

最原「そんな……そんな!」

最原(ここまで誰も死なずにやってこれたんだぞ……このエグイサルを潰せば、やっと僕たちの勝ちなんだぞ!)

最原「諦めたくない……諦めたくないよ……!」

最原「こんなところでお別れなんてイヤだ!」

赤松「最原くん……」

最原「くそっ! くそっ! くそおおおおおおおおおおおおおおっ!」ダンッ

巌窟王「……」スタスタ









最原「……」

最原「ん?」

巌窟王「最原。どちらのエグイサルが味方だ?」

最原「ええっと、その比較的損傷が少ない、抱き着かれてる方……」

巌窟王「そうか。わかった」ボォウッ





ドガシャアアアアアアアアアアアアンッ




巌窟王「よく頑張った。後は俺がやる」ゴキンッ
166 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/26(金) 16:03:01.53 ID:0CLHHwbO0
ダヴィンチ(さて。報告書にはここまで書けばいいだろう。ここから先に何が起こったところでカルデア側にはもう関係ない)

ダヴィンチ(深入りさえしなければカルデアに損害は一切ないのだから)

ダヴィンチ(ないよね?)

ネロ「やはりロムルスが見つからぬ! ので! ちょっと大声で歌うぞ! 余の美声にきっと釣られてやってくるに違いない!」スチャッ

ダヴィンチ「!?」ガビーンッ

エリザ「助太刀するわ!」スチャッ

ダヴィンチ「!?!?」ガビビーンッ

ネロ&エリザ「ぼえー!」キィィィィンッ

ダヴィンチ(避……否。死)バターンッ





キィィィィンッ
167 :カニファンを流せ脳内で ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/26(金) 16:22:02.80 ID:0CLHHwbO0
才囚学園

王馬「……?」

夢野「どうしたんじゃ。王馬」

王馬「今なんかすっげーイヤな音が聞こえたような……」ニガニガ

獄原「ぐはっ」バターンッ

赤松「きゅー」バターンッ

入間「ゴン太とバカ松の二人が倒れたぞ!」ガビーンッ

白銀「新手のスタンド攻撃かな?」

王馬「まあ本筋には掠りもしないから多分すぐに起きると思うけどね」

夢野「え。何言っておるんじゃ?」

王馬「饗宴の再開だぁ……あるいは狂宴の……」ニヤァ

夢野「え!? 何言っておるんじゃ!?」ガビーンッ

天海「最原くん!」

最原「えっ? えっ、何?」

天海「再開っすよ!」ババァーンッ

最原「何が!?」ガビーンッ







?????「始まるよ」
168 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/27(土) 12:13:17.65 ID:vCv0QJPt0
王馬「本題に戻るけど、要は最原ちゃんは『自分一人の力で真実に辿り着いて見せる。他は足手まといなので余計なことをするな』と言いたいわけだよね」

夢野「言い方が物凄く悪いのう」

王馬「いいよ。別に。最原ちゃんは最原ちゃんの好きなようにすれば」

王馬「でもまあ、その上で言わせてもらうけど。俺たちの協力をこれから先取り付けられると思わないでよね。都合が良すぎるでしょ?」

最原「わかってる」

春川「……」

春川「最原。あんた、本当に悲しいよ」

最原「……?」

春川「真実なんて本当は二の次でしょ。アンタはただ『仲間を守りたいから』ってだけだ」

春川「……誰も死なずに自由になりたいってだけだ。それなのに仲間を突き放すような選択肢しか取れないアンタが悲しい」

最原「……話はお終いだ。ここから先は別行動でいいよね」

入間「おーおー勝手にしやがれ! 清々すらァ! せいぜい夜道には気を付けろよ! ケツ掘られないようにな!」

真宮寺「夜はお腹冷やさないようにね」

東条「夜食は控えること」

茶柱「後半からお母さんになってますよ! 心配の仕方が!」

茶柱「……あ。転子は最原さんに付いていきますので。あと天海さんと白銀さんもですよね?」

白銀「ん……うん」

夢野「そうか。転子よ」

茶柱「……なんです?」

夢野「最原のこと、頼んだぞ」

茶柱「……ええ。任されました」
169 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/28(日) 20:03:13.10 ID:buBSEtZw0
数分後

獄原「……ハッ! 起きた! おはよう!」ガバリッ

王馬「おはよう!」

獄原「なんて清々しい朝なんだ!」キラキラキラ

東条「昼よ」

真宮寺「何故だろうネ。起きて早々ド下手な強がりと痩せ我慢の連発なんだけど」

獄原「……最原くんがゴン太たちを突き放すような言動をしたのと……」

獄原「この世すべての悪と呪いを一手に引き受けたような酷い音が聞こえた……ような……?」呪い付与

アンジー「にゃははー! 実際に呪われてるよー!」

百田「赤松はまだ起きねーか?」

春川「よくわからないけどこっちの方がダメージ深刻だね」

赤松「うーん……姫路城……ピラミッド……西洋の城……? ゆっ、遊園地……」ガタガタ

アンジー「かなりサイケデリックな夢見てるみたいだねー!」ケラケラ

夢野「よーし! こんなときこそウチがパーっと魔法を使って気分を一気に変えるんじゃ! 後のことを考えるのはそれから――」

?????「ニャー!」ガシッ

夢野「へぶんぬっ」ズルリッ

王馬「おお。夢野ちゃんが一瞬で消えた。流石マジシャン、凄い手品だね!」キラキラキラ

入間「ここから焦らして焦らして満を持して瞬間移動ってか? マジシャン界隈ではよくある手垢の付いた手口だな」ハンッ

春川「……」

春川(いや、崩壊した床から誰かが夢野を引きずり込んだ……ような……?)

星「それで。これからどうする?」

全員「……」
170 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/28(日) 22:46:15.18 ID:buBSEtZw0
ウワアアアアアアアア! ナンジャコイツハァァァァァ!

ニャアアアアアアアア!

クルナァァァァァァァァ!

春川(校庭の方で謎のナマモノと夢野が追いかけっこしてる)ジーッ

星「ハシゴを外された気分だぜ。ただでさえ最後の学級裁判の詳細がわかってねーっていうのによ」

百田「別にいいんじゃねーの?」ケロリ

東条「……よくはないと思うけど。随分と余裕ね」

百田「よく考えろテメェら。今となっては俺たちに『この学園で探索してない場所』ってのはないだろ」

入間「ん……」

百田「見ての通り校舎は半壊。色々な意味で風通し抜群。仮に学級裁判でどんな問いを投げかけられたとして、だ」

真宮寺「……対応できないってことはないか。確かにネ」

百田「それよか俺には不安なことがあるぜ。一つだけ、今すぐ解決しなきゃいけないことだ」

アンジー「それって?」

百田「……ちょっと色々ありすぎて疲れただろ。服とかもボロボロなままなヤツいるしよ。余裕なさすぎだぜ」

獄原「あっ。本当だ。尻の部分が破けちゃってる」

入間「ヒャハッ! あんだよ、どこのコメディアン気取りだ? ゴーン太ァ〜?」

獄原「いや入間さんの尻なんだけど」

入間「おぎゃああああああああああああああっ!?」ガビビーンッ

王馬「やめてよゴン太……気付かなくていいことに気付いちゃったじゃん。入間ちゃんのウンパンとか誰得だよ」

入間「待てゴラァ! 流石にウンパンじゃねーぞ! あれ!? じゃないよね!? 誰か俺様の尻を確認してくれ! ほらほら」フリフリ

スパァンッ!

アンジー「……あ。ごめん。ちょっと強く蹴りすぎちゃったよー」ニコニコ

入間「」シュウウウウウウ

王馬「ナイスナイス」
171 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/29(月) 22:15:44.99 ID:I1lFi+H30
百田「休もうぜ。元から時間がないってわけじゃない。白銀の無事が確認できたのなら俺は満足だ」

百田「……というか終一たちだって多分休むぞ。これからぶっ通しで捜査するようなマネは絶対にしねーだろ」

百田「調べられるような事実は残ってないってことはアイツらが一番よくわかってるはずだ」

東条「あのとき言ったことの半分は、私たちから白銀さんを守るための……」

東条「……おっと。口が滑りかけたわね」

王馬「俺たちから白銀ちゃんを保護して庇うための方便だよねー!」ニコニコ

百田「言うなよ! わかってたことをよ! 方便もクソもなくなるだろ!」ガビーンッ

春川(……あっ。夢野が追い付かれた。応戦し始めた。頑張れ頑張れ)フレーフレー

百田(なんかさっきからハルマキが静かだな……?)

アンジー「……休むっていうのは賛成かなー。アンジーは……まだやることあるし」

真宮寺「ン。巌窟王さんの看病?」

アンジー「……」

アンジー「終一がつむぎから話を聞くっていうのなら、もう捕まえる必要ないからさ」

アンジー「今のアンジーには『彼』が一番大切」ニコリ

獄原「そっか! アンジーさんは巌窟王さんが大好きなんだね!」キラキラキラ

アンジー「というか終一が大体奪っていったからね。アンジーの大切なもの」

アンジー「終一自身。復讐の機会。後に残った大事なものが『彼』しかないってだけだよー」

百田「お、重ってぇ!」ガーンッ

アンジー「今となっては仕方ないけどさ……後悔ばかりだったし」

アンジー「でもまあ、別にいいんだ。寄り道はもうおしまい。後の学園生活は『彼』の傍にいるよ」

アンジー「……いなきゃいけないんだー」

百田「……そうか」
172 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/30(火) 19:43:38.36 ID:cFXvuLUe0
ち、ちくしょう! 特攻が足りてないからかなぁ! 鬼王の一番強いヤツが削り切れない!
本腰入れてイベントするから今日はなし!

今更ながらダンガンロンパのサントラ買ったよ。最高だね!
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 20:44:47.50 ID:QKkzLKJEo
50体倒す頃には特効までポイントはいってるよ
100体倒す頃には交換終わるよ
174 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/10/31(水) 19:39:05.14 ID:QWjf2yvp0
春川「……っと。勝負付いたかな。殺意はないけど早めに助けた方がいいかも」サッ

百田「んじゃ、ここで解散ってことにしようぜ。どっちにしろ半壊した校舎にあまり長居したくねーしな」

百田「行こうぜハルマキ!」

百田「……?」キョロキョロ

王馬「春川ちゃんなら直前に床の大穴から外に出たけど」

入間「……ふがっ! あ、ああ! 痛い痛い! お尻痛い切れ痔になるーーー!」ビクンビクンッ

入間「お? んだァ? 校庭の方に何かいるような……?」

星「あ?」

獄原「あれは……ん? いやあれ……んっ? あれれ? あれあれ?」

王馬「おーいゴン太ー。お得意の超視力設定はどこ行ったー?」

獄原「あ、うん。いやアレは……見えてもちょっとよくわからないっていうか……」

獄原「強いて言うなら春川さんは夢野さんを助けようとしてるってことくらいしかわからないっていうか」

百田「ハルマキが? 夢野を?」

獄原「なんか夢野さん、噛まれてる。何かに」

東条「……本当ね? 『何か』としか言いようのないナマモノに噛まれて悲鳴を上げてるわ」

東条「私たちもちょっと行ってみましょうか」




校舎の外

夢野「おぎゃああああああ! 痛い痛い痛い! 割れる! 頭割れるぅーーー!」ジタバタ

ジャガーマン『ぎゃあああああああ! 食われる! なんか顕現するのに最低限必要な何かが根こそぎ食われていくーーー!』

?????「ふはははははは! 猫キャラ被りだ! 最優先で潰すに限る! 大人しくあちしの胃袋にINするがいい!」ガブガブ

ジャガーマン『ぐ、ぐぬう。おのれおのれおのれおのれおのれ……こうなったら我が第なんちゃら番宝具、乖離剣エアを……!』

?????「!?」ガビーンッ

ジャガーマン『ごめんハッタリっす』

?????「だよねー」


ガブウッ


夢野「……あ、あれ。ジャガーマン? ジャガーマ……」

夢野「うわあ! 明らかに何かが消えたような拭いようのない喪失感! 嘘じゃろ! こんなところで消えおったーーー!?」ガビビーンッ
175 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/01(木) 21:12:07.98 ID:bnAvR0bA0
?????「ふいー。よし後はこの看板を立てかけて終了っと」

※これ以降ジャガーマンの出番はありません。ジャガ村先生の次回作にご期待ください

夢野「出番が回る余地すら完全に潰しおった!」ガビーンッ

?????「魔力回収。滞りない進捗ゥ。猫キャラ被りも回避できたので安心して語尾に『にゃ』と付けることができるにゃー!」

夢野「お、お主……許さぬ。許さぬぞ! 目の上のタンコブだったがジャガーマンはウチの仲間じゃった!」

?????「ほほう。ならばどうするのかにゃ?」

夢野「出でよ猫耳カチューシャ」ポンッ

?????「にゃ?」

夢野「で、これを装着し……」スチャッ

夢野「ウチも語尾に『にゃ』を付けるにゃ!」シャキーンッ

?????「にゃあ!?」ガビーンッ

夢野「更に妹キャラも追加じゃあ! 属性過多により他の猫キャラを霞ませるにゃ!」

夢野「お兄ちゃん。ウチのこと……ナデナデしてほしいんじゃ。じゃなくてにゃんっ」キャルンッ

?????「」



校舎内 図書室周辺

天海「これが猫耳妹の力……大したもんじゃないっすか」ボッ ドガァァァァッ

最原「天海くんが急に本棚に吹っ飛んだーーー!」ガーンッ

白銀「なんてこと……妹力が二千……三千……まだ上がる!」ピロピロピロピロ

茶柱「なんですかそのスカウターっぽい機械」

白銀「妹力測定装置」
176 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/02(金) 20:45:25.28 ID:O1ZSgwgK0
校舎の外あたり

?????「無限に許せねぇーーーッ! 猫キャラの座を今すぐ返却しろにゃーーー!」バッ

夢野「んあああああああああ!? も、もう噛まれるのはイヤじゃ! 誰か助けっ……!」

「夢野ー」

?????「にゃ?」

春川「大丈夫ー? 夢野ー」タッタッタッ

夢野「おお。春川! いいところに! ヘルプミーじゃ!」

?????「ふっ。何人来たところであちしの敵じゃにゃ……」


ギュオンッ


?????(えっ。急加速? 早っ……懐に一瞬で……待っ……!? 手にナイフが……!)

ブンッ ガァンッ

春川「……あれ。十六分割くらいになったと思ったんだけど……」

?????「あっぶにゃーーー! 死ぬ! 死ぬ! よしんば死ななかったとしてもフラグが立つ!」ワタワタ

春川「で。アンタ、何?」

?????「それ殺そうとした後で訊くの!? ま、まあいいにゃ。答えてあげよう。あちしの名は……そう!」

?????「あちしの名は!」

春川「長くなりそうならナイフに切られながらでいい?」ブンッ

?????「ネコアル、ぎにゃあああああああ!? や、やり直し、ねこあるっ……ふぎゃあああああああ!?」ガァンッ ガァンッ

夢野(本当に律儀に切られながら自己紹介しとる。いやできておらぬが)
177 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/03(土) 20:50:14.66 ID:hDFRfsMx0
春川「ん……ああ。なるほど。この感触、モノクマとかモノクマーズと同類か……」

春川「でも変だな? 巌窟王とかセミラミスと似たような気配も感じる」

春川「『この世界の法則』と『巌窟王の世界の法則』……なんでそれが一緒のところに……」ヒュパッ

春川「ん。もういいや。自己紹介しなくても。服のタグに名前書くとか、どこの小学生?」

ネコアルク「にゃあっ!? い、いつの間に切り取――がふっ」ドガァァァッ

春川「……頑丈だな。モノタロウは巌窟王の蹴りで大破してたんだけど」

夢野(いやどんだけの距離蹴り飛ばしておるんじゃ! サッカーボール!?)ガーンッ

春川「……よし。夢野。逃げよう」

夢野「ほ?」

ネコアルク「超痛いー」エグエグ

夢野「……の、ノーダメージ!? かなりズタズタに切り刻まれた上に、あんだけ蹴り飛ばされたのに!?」ガビーンッ

春川「あまりこういうことは考えたくないんだけど……あれ『私たちの世界の法則』だけじゃ説明できないよ」

春川「巌窟王とかと同類なら手に負えない。だから逃げよう」

夢野「りょ、了解じゃあ!」ダッ

ネコアルク「待ってー」ダッ

夢野「ゲエーーーッ! 追ってきおった!」

春川「殺意はないけど、追いつかれたら面倒そうだなぁ……ん?」

ネコアルク2「待ってー」ニャー

ネコアルク3「待ってー」ニャー

ネコアルク4「待ってー」ニャー

夢野「なんか倍々ゲーム状に増えておらぬか!?」ガビーンッ

春川「……頭痛くなってきたけど……もしかしたら……」

春川「赤松のところに全部連れてこう。アイツ、多分なんか知ってるかもしれない」

夢野「知らなかったら?」

春川「全部処分させよう。巌窟王に」

夢野「容赦なっ! あの連中に対してではなく巌窟王に対しての容赦がない!」
178 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/03(土) 21:03:27.00 ID:hDFRfsMx0
校舎出てすぐのところ

百田「……!?」

東条「何あの……にゃーにゃー言っているナマモノは」

真宮寺「わからない。わからないけどまた面倒ごとが自然発生したみたいだネ」

春川「みんな。いいところに」

百田「ハルマキ! 早く来い! 校舎の中に入って締め切るぞ!」

春川「ボロボロの校舎じゃどこかから侵入されるって。それより赤松は?」

獄原「ゴン太が背負ってるけど……?」

春川「今すぐ叩き起こして」

王馬「よーし入間ちゃん! 赤松ちゃんの性感帯を突くんだ!」

入間「わかった! 行くぜー!」ズブウンッ

赤松「!?!?」ビクビクーーーンッ

王馬「え……なんで本当にやってんの。怖……」ヒキッ

入間「ええっ!?」ガビーンッ

赤松「えっ……はっ……ええっ!? な、何今の……!?」キョロキョロ

春川「赤松。あれに見覚えは?」

赤松「あれ?」





ネコアルク軍団「にゃー!」ドドドドドドドッ

赤松「」
179 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/03(土) 21:10:43.43 ID:hDFRfsMx0
赤松「……!?!?」

百田「目を疑ってんな」

真宮寺「いや現実かどうかすら疑ってるみたいだけどネ」

春川「当てが外れたかな。セミラミスと仲良さげだったアンタならって思ったんだけど」

王馬「……あ。いやでも俺、あれさっき見たよ。さっき学園を揺らした爆発を起こした猫っぽい何かだ」

赤松「え、あの。ねえ! あれこっち来てない!? あの大軍こっちに来てない!? なんで悠長に話してるの!?」アタフタ

東条「どっちにしろまともな逃げ道が無さそうなのよ」

アンジー「遺書の用意するー? 筆と紙の用意はいつでもやってるよー?」キラキラキラ

赤松「大して残せるような財産ないよッ!」

ネコアルク軍団「にゃー!」ドドドドドドドドドッ

赤松「いやあああああああああああ! 来ないでーーーッ!」ガタガタ








ネコアルク軍団「はい」ピタッ

赤松「はい?」

星「……」

星「おい。止まったぞ? 赤松の指示で」

ネコアルク軍団「……」ジーッ

アンジー「あれれー? なんだろ。みんな楓の方見てないー?」

赤松「えっ……えっ?」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 17:10:47.47 ID:wc57WAm10
型月世界でもトップレベルの攘夷存在を……
181 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/04(日) 19:18:15.81 ID:HLRtU/2K0
春川「……まあこういうこともありえるかな」

百田「ハルマキ。どういうことだ?」

春川「限りなく賭けに近い……ていうか『こうであってほしい』って願望だったんだけどさ」

春川「あれ、セミラミスが用意したんじゃないかな」

赤松「え。セミラミスさんが?」

春川「マザーモノクマはモノクマの生産ができる(はず)。今のマザーモノクマはアイツの物なんでしょ」

王馬「え? なに? モノクマは今関係なくない?」

春川「そうでもないよ。アイツ、中身は『モノクマ』だったから。ガワとパーツの組み方が若干変わってるだけでさ。切って確認した」

春川「だからセミラミスの関係者にアイツのこと訊こうと思ったんだけど」

赤松「……いや知らない知らない全然知らないんだけど!?」

赤松「ん……待って。心当たりはあるかも……だけど……」




セミラミス『そうか……先ほどの爆発はそういうことか……モノクマめ! あの『出来損ない』を使ったな!』ダンッ

セミラミス『聞け! 我は先の爆発には関与しておらぬ! 確かにアレを作ったのは我だが関係はまったくない!』





赤松「そうだ。セミラミスさんは確かにこう言ってた。『出来損ない』だの『作ったのは我』だの」

星「後のことは本人(?)たちに訊けばいいんじゃねーのか。目の前で待機してんだからよ」

ネコアルク軍団「……」ジーッ

赤松「視線が怖い!」ガビーンッ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 19:46:04.08 ID:ZaSo+a/d0
ごめん。めっちゃ酷いこと言うわ。
この茶番いる…………?
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 19:50:24.30 ID:6i9nkU2No
お前の存在よりは要ると思う
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 19:52:25.58 ID:yfY54Mit0
こういうの挟みまくって自分で言った完結予定を大幅にオーバーしてるしもはや文句言う気もない
完結さえしてくれればそれでいい
185 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 20:13:50.42 ID:oGczi0us0
赤松「……あ、あの。あなたたちは……何?」

ネコアルク「トンチキな返答と、ガチな返答、どっちがいい?」

赤松「ガチな返答でお願いします……」

ネコアルク「首謀者補佐ロボット『モノクマ』改造体、個体名ネコアルク。セミラミスのオーダー『生徒たちの脱出』を最優先命題とし」ガガーピー

ネコアルク2「セミラミスが行動不能になった際はオーダーリストの優先順位を一部変更するように設定されております」ガガーピー

ネコアルク3「セミラミス消失直後より、我らがマスターを『赤松楓』へと再設定」

ネコアルク4「なんなりとご命令を。マスター。コーヒーとか作るの大得意です」

赤松「待って待って待って」

ネコアルク軍団「……」ジーッ

赤松「凄い頭痛くなってきた。あのさ。一つ言っていい? 本人この場にいないけど絶対言うよ」

赤松「あの人本っっっ当に余計なことしかしないッッッ!」グアアアアアア!

百田「ガチな返答の方はガチの返答の方でマジでわけがわからん……が……」

百田「……要は味方だよな? これ。『生徒たちの脱出』を最優先命題って言ってるし」

アンジー「いやいや。それアンジーたちが今まで散々やってきたことだよねー」

アンジー「数揃えたところで今更どうなるとはとても思えないんだけどー」

星「具体的な方法を聞いてみたらどうだ?」

赤松「ええ……これ以上もう喋りたくないんだけど。今すぐ全部に自爆してって命令しても誰も責めないよね……?」

ネコアルク「ファイブ! フォー! スリー! トゥー!」カチッカチッカチッカチッ

赤松「ごめん自爆中止! 今のなし!」アタフタ
186 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 20:24:47.78 ID:oGczi0us0
春川「アイツのこと私はよく知らないんだけどさ。本当に置き土産に無意味なものを無意味に配置するようなヤツなの?」

赤松「大真面目にアホなことをしてなんとかなる人だったから、見た目アホでも何か考えはあったんだと思う」

赤松「具体的な方法……か……」

入間「しかしモノクマ改造体か。アイツどんな頭脳してやがったんだ? 普通考え付いても実行に移そうと考えねぇぞ」

入間「なにせどこまで行っても『中身がモノクマ』なんだからよ。内側からいつモノクマが食い破って元の状態に戻るかわかりゃしねぇ」

獄原「そんな気配は特にないよね?」

入間「ああ。どうも本当にコイツらは『正真正銘生徒たちの味方のモノクマ』だと考えるしかなさそうだ。相当神経質に改造したんだろうな」

入間「……信じたくねぇが……いや見た目が悪すぎるが……セミラミスがやったことが本当に成功したんだとしたら」

入間「これ以上の味方はいねぇぞ」

東条「本気で言ってる……?」

入間「言いたくて言ってると思うか?」

王馬「質問、再開しようよ」

赤松「……具体的にどうやって私たちを脱出させようって考えてたの?」

ネコアルク「はい計画書」ピラッ

赤松「あ。ありがと」




計画書『@カルデアの神格たちが時間をかけて学園中に仕掛けた神秘の全てを再配置。

    A後は我が頑張る。

    B最終的に巌窟王が頑張る。

    Cビクトリー!』




赤松「肝心の内容がまったく書かれてない!」ガビーンッ
187 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 20:39:43.32 ID:oGczi0us0
赤松「計画書はもういいよ! 口頭で説明して!」

ネコアルク「え? いやそれが全てっすけど?」

赤松「」

ネコアルク2「あちしたちがやっているのは『神秘の全ての再配置』の部分だけなんすよねー」

ネコアルク3「その後なにをするつもりだったのかはセミラミス嬢自身が『秘密だ』って教えてくれにゃかったんすよねー」

ネコアルク4「あ。その一環で夢野さんをちょっと齧っちゃいましたけど。後でごめんねって言っておいてくれないっすかねー」

春川「流石モノクマ改造体。モノクマとスペックが大差ないよ。特に憎らしさとか」

ネコアルク5「愛しさとー!」

ネコアルク6「切なさとー!」

ネコカオス「心もとなさと」フウッ

王馬「本当だクッソうぜぇ」イラッ

アンジー「そう? 可愛いと思うけどー」ナデナデ

ネコアルク「にゃー」ゴロゴロ

真宮寺「……そういえば件の夢野さんはどこに?」

春川「は? 私と一緒に逃げてたはずだけど?」

春川「……あれ?」キョロキョロ

獄原「……あっちの方で足跡だらけで転がってるボロ雑巾のような何かがあるけど……」






夢野「」チーン

ネコアルク軍団「あ」

赤松「」

春川「……生きてるかな」

百田「生きてるに決まってんだろ!」ガビーンッ
188 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 20:51:08.42 ID:oGczi0us0
赤松「……まあいいや。頭を切り替えよう。セミラミスさんは『すべての真実』を知ってた」

赤松「私たちと一緒にジャバウォック島にいて、私たちの置かれた状況をせせら笑ってた」

赤松「その上で私たちのことを脱出させることを考えてた」

赤松「……それだけわかれば充分かな」

ネコアルク「あ。赤松嬢。一つ報告が。セミラミス嬢はまだご存命のようですにゃ」

赤松「ん……それはキーボくんの言動とか見てればわかるけど」

ネコアルク2「彼女が生きてる以上、計画はまだ生きてる。その点は忘れずに」

ネコアルク3「第一の選択肢も、第二の選択肢も、第三、第四の選択肢が絶望に塗りつぶされたとしても――」





セミラミス『我の選択肢は残っておる』

セミラミス『……あと我のことは信じずとも良いが、最後の最後まで巌窟王を信じよ』




ネコアルク4「――ってセミラミス嬢が言ってたにゃりん」

アンジー「……」

ネコアルク5「BBの分身(ウソ)が貴様らを導いた」

ネコアルク6「ならば同じ分身(ウソ)たる我も貴様らに道を示してやろう」

ネコアルク7「とっておきの虚栄(ウソ)を手向けてやる」

ネコカオス「と、彼女はそう言っていた。真意は我々にはわからないが」フウッ

ネコカオス「そうだ。計画書の裏面には神秘の再配置位置が書かれている。もしかしたら巌窟王には、なにかわかるかもしれないな?」

アンジー「そっか。楓」

赤松「うん。病院に向かおうか」

赤松「……ところでコレもネコアルク?」

ネコカオス「……ふっ」ニヤリ

春川(声渋い)
189 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 21:05:21.69 ID:oGczi0us0
病院

巌窟王「ム……」パチリッ

巌窟王(……体が重い。さっきよりも)

巌窟王(もうまともな回復は望めそうにないか)

巌窟王(……次にあのスペックのキーボとまともに正面衝突したら確実に負けるな)

巌窟王「何か策を考えるべきか……あるいは戦わずに外に脱出できればそれでいいのだが」

巌窟王「……」

巌窟王(ダメだな。それでは)

巌窟王(……キーボが救われない)





ガララッ ドタバタバタッ




赤松「巌窟王さん! 起きた!?」

百田「起きてんな! おしっ!」

巌窟王「起き抜けに騒がしいぞ」

春川「悪いんだけど、時間はそこまで多くないんだ」

春川「……見て欲しいものがあるんだよ」

巌窟王「?」
190 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 21:13:15.72 ID:oGczi0us0
数分後

巌窟王「……」

赤松(巌窟王さんが計画書の地図を確認する。指でなぞって、吟味する)

赤松(……この反応は、心当たりがあるって感じだ)

巌窟王「……なるほどな。そういうことか。確かにこれなら『全部』を解決することができる」

赤松「!」

巌窟王「いや全部と言うと語弊があるな。キーボに関する問題だけは据え置きだ。ここに関しては本当に光明が見えない」

百田「おい! 勿体ぶってんなって! 何かわかったんなら話せよ!」

巌窟王「九十九パーセント間違いない。だが確証がない。セミラミスはどこだ?」

赤松「わからない。キーボくんにどこかに連れて行かれちゃって……」

巌窟王「……そうか。そういう構図になるか?」

星「巌窟王」

巌窟王「ふん。隠しているわけではない。ただこれを話して無駄に希望を持たせるのはどうか、と考えているだけだ」

巌窟王「第一、単純に俺の好みから外れているのでな」







巌窟王「この計画書は『キーボを破壊すること前提で学園に大穴を開ける計画』のものだ」

赤松「!」

百田「なっ……!」
191 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 21:24:53.70 ID:oGczi0us0
巌窟王「俺の概算になるが……かなりの犠牲を払って、残りの生徒十五人を外へと脱出させることは可能だろう」

真宮寺「具体的にどうやって?」

巌窟王「……言っても信じられないと思うぞ? 実際に目にしなければな」

巌窟王「おそらくだが、この計画が始動すればキーボの戦闘能力を大幅に削ることができる」

巌窟王「後は計画書の通り俺が『頑張れば』ハッピーエンドだ。ただし、キーボ以外はの話だが」

百田「おいおいおい。ざっけんな! その計画はなしだろ! 大雑把な概要だけで充分だ! 論外すぎる!」

王馬「……」ニヤァーーー

春川「一言でも喋ったら殺す」ギンッ

王馬「!?」ガビーンッ

獄原「完璧に読まれてるね……キャラが……」

巌窟王「……」

アンジー「あと一手足りないね」

巌窟王「!」

アンジー「……十五人の脱出の目途が立ったんでしょー?」

アンジー「ならさー、あと一人や二人や三人が増えたところで労力はそんな変わらないよねー!」キラキラキラ

アンジー「……あと一手で、全員揃って脱出できる」

巌窟王「……」

アンジー「この計画で十五人しか脱出できないっていうのなら」

アンジー「アンジーたちでこの計画を改造すればいい」

百田「……そうだ。アンジーの言う通りだぜ! あと一手なんだろ! なら……!」

巌窟王「俺には思いつかないな」

春川「え」

巌窟王「……だから貴様らが考えるがいい」

巌窟王「もしも考え付かないのであれば……そして、この計画書を使うしか選択肢がないのであれば……」

巌窟王「俺はこの計画に乗るだけだ」

赤松「……」

赤松(また私たちを試すようなこと言ってる)
192 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 21:44:11.31 ID:oGczi0us0
巌窟王「……最後の学級裁判、か」

入間「んだよ。何か引っかかることがあんのか?」

巌窟王「コインの裏が出るか表が出るか、程度の賭けにちょうどいいかもな」

巌窟王「……賭けてもいい。最後の学級裁判、おそらくセミラミスがなんらかの形で関わってくるはずだ。ちょっとした副賞のような扱いで」

赤松「え」

巌窟王「寝る。アンジー。時が来たら起こせ」

アンジー「わかったー。おやすみー!」

巌窟王「……すー……」スヤァ

赤松「な、なんか気になることを言い残すだけ言い残して寝ちゃったよ!」ガビーンッ

春川「夜長。コイツそのまま寝かせておく気? 最後まで?」

アンジー「……もうやることはないよー」

春川「そ」ハァ

赤松「……」

赤松(……やることはない、か。最原くんならどうするかな……)

赤松(というか今、何してるんだろ)





図書室

最原「……ここだな」スッ

モノクマでもわかる家庭料理レシピ百選「」ストンッ

最原「……開いた隙間に入った」

最原「間違いなく。スッキリと、過不足なく」

最原「……他の本棚と余裕は大体同じか……ギチギチってことはない」

天海「何かわかったんすか?」

最原「白銀さんが何を考えてたのか、かな……」

天海「?」

白銀「……」

最原(最後の学級裁判に向けてできそうな対策は……これで全部終了かな)

最原(……後は、最後の最後に、僕たちの前にいくつの、どんな選択肢が現れるかだ)

最原(これだけは、そのときにならないとわからない)
193 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 21:57:14.17 ID:oGczi0us0
最原「……怖いなぁ」

天海「最原くん?」

最原「どれだけ巌窟王さんが絶大な力持ってようと、巌窟王さんのホームからいくら支援が来ようと」

最原「最終的に学級裁判で物を言うのは多数決。つまり『僕たちの決断』だ」

最原「巌窟王さんもなんだかんだ言って『生徒の決断』に手を付けることは、今まで一回も無かったでしょ」

最原「だからさ……もしも僕たちが間違った選択をしたら、もうそこに『どんな不条理な力』を行使してもやり直しが効かない」

最原「……こればかりは死ぬのと同じくらい怖いな。下手したら『死ぬより酷い痛みを抱えたまま生きる』ような目に遭いかねないわけだし」

白銀「ふふっ。私の気持ち、少しはわかってきた?」

最原「……」

最原(選択した結果として『死ぬより酷いものを見て来た人』。同情より何より先に……)

最原(『絶対にこうなりたくない』って思う自分がイヤになる)

最原(すべてを終わらせて外に出たい。でも僕たちに、それが果たしてできるものかどうか)

茶柱「当たって砕けろ、です!」

最原「!」

茶柱「……転子はあなたの盾になって砕けるのは御免です」

茶柱「あなたを転子の盾にして砕けさせるのも同じくらいイヤです」

茶柱「なので! 『あなたが砕けるときは転子も一緒に砕ける』! それが転子にできる最善の献身です!」ニカッ

最原「……茶柱さん」

茶柱「行先が地獄でも天国でも、ずっと一緒ですから。だからドーンと胸を張ってください」

茶柱「……仮に離れても、どっちともなくまた一緒になれますって。賭けてもいいです」

最原「……」

最原「気休めにはなるかな」

茶柱「『もう怖くない』くらい言ってくれません!? 励まし甲斐の無い!」ガビーンッ

最原「あはははははは!」

最原(……いや。充分だ。気休めでもなんでもいい。僕はこれで充分、立てる)
194 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 22:07:56.77 ID:oGczi0us0
最原「……すべての真実をつまびらかに」

最原「コロシアイに終止符を」

最原「全員揃って、外に出る」

最原「タスクは山積みだな。サーヴァントの力を使ってもやれるかどうかわからない」

天海「手を貸すっすよ。これまで一緒にやってきたように」

天海「……俺をここまで連れてきてありがとう。大事なものを思い出させてくれて、ありがとう」

天海「命を賭けて、最原くんのサポートを」

白銀「……」

天海「白銀さんと一緒に!」

白銀「いや巻き込まないでよ! 首謀者だよ!?」ガビーンッ

天海「白銀さんと一緒に!」ドーンッ

白銀「主張変える気一切なし!?」

最原「……さあ」





病室

巌窟王「……」

アンジー「ここまで長かったね。とっても痛かったね。苦しかったね」

アンジー「……そのすべてを和らげることはできない。でもせめて、最後の最後までずっと見ててあげるから」

アンジー「……だからどうか……せめて救いのある結末を」

巌窟王(……病室にアンジーの声だけが響く)

巌窟王(その祈りは、まるで子守歌のように)

巌窟王(……お前たちの決断に従おう。サーヴァントとして)

巌窟王(お前たちの答えを共に見よう)

巌窟王(それを証明するために、あらゆる苦難を粉砕しよう)

巌窟王(……故に)







最原&巌窟王「最後の学級裁判を始めよう」
195 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/05(月) 22:13:31.10 ID:oGczi0us0
今日のところはここまでで!
あーSAOの新しいオープニングテーマ最高
196 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/06(火) 20:43:35.61 ID:n76ajol30
イベント礼装すら凸ってないので今日はなし!
エレナ嬢さえ……エレナ嬢さえいればァーーー!
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 09:30:30.67 ID:0Hd4FdkL0
そうだな。まぁ作者がやりたいことならそれでいいか。見てる自分は指図できる立場でもないんだし。やりたいようにやるほうが作者も気持ちいいよね。
俺は半年後くらいにまた来て一気読みしよう。
頑張ってくださいね。
198 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 18:36:25.35 ID:ESYG/mWq0
数時間後

キーンコーンカーンコーン

モノクマ『いやあー! この放送も久しぶりな気がするね!』

モノクマ『あ、いや新世界プログラムの校則違反を犯したときには使ってたかな? でもこういう使い方は間違いなく久しぶりだよ』

モノクマ『……あれ? そうでもないな。日数的にはそこまで久しぶりじゃないや。今カウントしてみたら』

モノクマ『……』

モノクマ『まあいいや! 午後八時に中庭に集合!』








モノクマ『学級裁判を始めます!』
199 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 19:26:38.06 ID:ESYG/mWq0
最原「……思ったよりも早かったな? 午後八時……?」

白銀「あれ。カウントが終わる午前零時にやるものだと……」

白銀「……思ってたけど、それはないか。『午前零時がタイムリミット』なんだもんね」

天海「今何時っすか?」

茶柱「……七時ですね。モノパッドによれば」

天海「割と時間があるな……これは今までの学級裁判にはないパターンっすよ」

最原「今までなら若干モノクマの気分みたいなところがあったからね」

最原「事前に時間をキッチリ通告するのは珍しいかな」

最原「……でもまあ、この一回きりだ。例外も、通常も」

最原「外に出よう。校舎でやれることはほぼない」

茶柱「やってやりますよ! 思い切り!」

天海「おー!」

天海「……」チラッ

白銀「……なんでこっち見てるの」

天海「えいえいおー!」シュバッ

白銀「絶対にやらないからね!」





校舎の外

現代アート風味の超巨大ネコアルクオブジェ「」ドーーーーンッ

最原「」

茶柱「」

天海「」

白銀「」

アンジー「あ。終一だ。やっはー」

最原「」

アンジー「……何見てるのー?」

最原「むしろアンジーさんはなんで平然としてるの!?」ガビーンッ
200 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 19:44:56.02 ID:ESYG/mWq0
白銀「な、なにあれぇ……見てるだけで脳味噌に謎の斑点ができて高熱でぶっ倒れそうになるんだけど……」ガタガタ

アンジー「ネコアルクだよー!」

最原「ねこ……え? なに?」

アンジー「掻い摘んで言うと、セミラミスの置き土産だねー。モノクマを改造して作った生徒たちのお助けマスコット」

最原「へえ。そんなもの用意してたんだ」

最原「……それが僕たちが校舎の中を探索してるうちに、あんなものを作ったの?」

アンジー「モノクマが校舎を改造して病院をぶっ建てたのと同じ理屈でできるんだってー」

最原(なんというか……モノクマが理不尽な力を振りかざす度に胃袋がキリキリしてたけど)

最原(味方が同じことをしたところで同じだなぁ。胃の痛さは)

最原「……?」

最原(あのオブジェのある位置……)

天海「あれ。あそこって……」

茶柱「なんです?」

天海「巌窟王さんと白銀さんが、昨日揉み合ってたあたりっすよね。あそこら辺、丸っと全部」

最原「……一応訊ねたいんだけど……あのオブジェのできた経緯、詳しく聞けないかな?」

アンジー「ちょっと長くなるよー? えっとねー、ネコアルクの今のマスターって楓なんだけどさー」

アンジー「マスター権を得たところで、楓はネコアルクのことを疎ましく思ってたみたいなんだけどー」




回想

ネコアルク『あ! サービスでピアノ修繕しといたんにゃけど、どう?』

グランドピアノ『』デーンッ

赤松『好き! 大好き! 愛してるー! 順番に撫でてあげるからみんなおいでー!』ポワワ

ネコアルク軍団『にゃー!』




アンジー「……ってことがあったんだよ」

最原「……」

天海「こんなこと言うのは何なんすけど、彼女ってピアノのことに関してのみ現金な上に娑婆っ気強すぎっすよね」

白銀「首謀者やってたときからずっと思ってたけど激チョロだなぁ、相変わらず」

茶柱「弁護が……できません……」
201 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 19:56:46.93 ID:ESYG/mWq0
アンジー「で。セミラミスの計画書に影響が出ない範囲、かつ生徒に迷惑をかけないようにという条件付きで、あそこら辺一帯がネコアルクの遊び場に」

最原「それ、場所の指定をしたのって」

アンジー「当然、楓だけどー?」

最原「……」

最原(何か落とし物でもしたのかな。ちょっと本気入れて脅しすぎたかもしれない)

最原(証拠隠滅にかかってるな、あれ)

最原(……別に追及するつもりはないんだけど。今更の話だし、白銀さんもそれだけのことをしたんだから)

天海「何か気になることでも?」

最原「あ、いや……」

茶柱「気付いたことがあるのなら行ってみましょうよ。どうせ時間もあるんですし」

白銀「あそこまでデカいと、私も興味あるかな……」

最原「……寄り道しようか」

最原(ネコアルクっていうのも気になるし)

アンジー「じゃあ行こー!」ニコニコ

最原(あれ。そういえばなんでアンジーさんがここに。巌窟王さんは?)キョロキョロ






ネコアルクオブジェ直下

巌窟王「これでやっと八匹目……と九匹目か。割と見つからないものだな」ヒョイヒョイ

ネコアルク8「ぐー」スヤァ

ネコアルク9「くにゃー」スヤァ

最原「……何してるの彼」

アンジー「ネコアルクの調達。自爆機能があるから体のいい投擲武器にしようって言ってたよー」

最原(何もこんなところで魔力の節約手段を見出さなくても!)
202 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 20:27:16.95 ID:ESYG/mWq0
巌窟王「ム。茶柱。天海。そして……最原……と白銀か……」

最原「……」

茶柱「あの。なんだか知らないんですけど最原さんの名前を呼ぶあたりで露骨にテンション下げるのやめてくれません? こっちも微妙に傷ついてますので」

巌窟王「クハハ! そんなタマか、その男が!」

天海「で。巌窟王さんが調達してるのが件のネコアルクっすか」

天海「……なんで揃ってぐったりしてるんすか?」

巌窟王「遊び疲れて……あるいはシンプルに仕事疲れで燃料切れのようだな。このまま休めば魔力は自然回復するようだが」

巌窟王「動いているネコアルクに用事か? ならば下を見ろ」

天海「下?」

ネコアルク「……」ジーッ

天海「凄い見られてる! 俺が!」ガビーンッ

ネコアルク「幸運Eか……ゴミめ」ペッ

天海「凄い見下されてる! この位置取りで!」ガビビーンッ

ネコアルク「で。あちしに何かご用事で?」

最原「ん。いや、凄いもの作ったなって思っただけなんだけど」

ネコアルク「この巨大オブジェ、なんと中はメロンパン工場となっておりまーす」カパッ

メロンパン精製工場「」ウィーンガシャンッ ウィーンガシャンッ

最原「なんで!?」ガビーンッ

白銀「も、物凄く美味しそうな匂いがする!」

アンジー「こんなところで焼き立てメロンパンの匂いを嗅ぐとは思わなかったなー」
203 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/07(水) 20:42:05.30 ID:ESYG/mWq0
ネコアルク「もしかして率直に『邪魔』って言ってるのかにゃん? 安心を。赤松嬢からは『生徒に迷惑をかけるな』と仰せつかっておりますにゃん」

最原「え? どういうこと?」

ネコアルク「時間さえくれれば、このオブジェを解体して一日で全部元通りにすることは可能ってこと」

ネコアルク「その辺の雑草。基礎を作るためにどかした大量の残土。鳥のフンが付いた邪魔な大岩」

ネコアルク「何から何まで四次元ポシェットとかに保存済みにゃ!」ビシッ

最原「へ、へー……四次元ポシェット……」

白銀「ギリギリだね……ひたすらギリギリで生きてるね、このネコ……」

ネコアルク「別の言い方で虚数なんちゃら」

天海「言えてない言えてない」

茶柱「なんちゃらとか言ってる時点で自分でも原理あやふやですよ絶対……」

最原「……計算が合わないな。一日経たずにこんなものを作ったのに、一日かかって元通り?」

ネコアルク「燃料切れの連中が『必要なモノ』を全部持ってるんで。いやあちしでもその気になれば取り出せるんだけどにゃ。他人のものを漁るのは……」

最原「……」

最原(……なるほどね)

アンジー「ねー! こっちにも一匹いたよー!」

巌窟王「クッハハハハハハハ! でかしたぞアンジー!」ビュンッ

最原(でもまあ、関係ない話か。ちょっと脇道に逸れちゃったな)

最原(うん。そうだ。関係ない。もしもこれが役に立つような展開になったら、それは相当にマズイ展開だ)

最原(……ありえない展開だ)

茶柱「何か思いついたんですか?」

最原「別に?」

最原(ま、大丈夫だろう。指摘さえしなければ赤松さんも逃げ切れる)

最原(僕が口を噤めば……)

白銀「……?」
204 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/08(木) 19:28:39.31 ID:rOvzmbOI0
天海「俺たちも手伝います? ネコアルク探し」モグモグ

最原「流石にそこまでやる義理は……何メロンパン食べてるの!?」ガビーンッ

天海「いやこれ本当美味っ……店出せるレベル……ふふっ」ニコニコ

最原「滅茶苦茶幸せそうだね!?」

茶柱「……はむっ……はぐはぐ」パクパクパクパク

最原「……」

茶柱「まったく。緊張感のない」キリッ

最原「早食いしても隠しきれてないからね。口の周りに付いてるし」

茶柱「くっ! そんなに言うならあなたも食べればいいでしょう! ほらほら!」グイグイ

最原「押し付けないでよ! 自分で食べるよ!」

春川「……」ジーッ

最原「……ん? 春川さん? いたんだ」

春川「あ。ごめん。邪魔しちゃって。続けてていいよ」

最原「いや別に続けたいようなことはしてないんだけど……」

春川「あーん……か……恋人同士ならやってもいいかな……」ボソッ

最原「やめよう! メロンパンはちょっとかさばり過ぎだから! そういう甘い展開に持ってくには大きすぎて重すぎるよ!」

春川「……おっと。そうだ。最原。百田からの使いで来たんだよ、私」

最原「え? なんだって?」

春川「百田もアンタたちのこと探してたんだけどね。今は別の場所行ってるのかな」

春川「情報。こっちが掴んだ分、流してあげるよ。大した量はないけどね」

最原「……!」

白銀「……いいの? それで」

春川「アイツは別にアンタたちと仲違いした気も、別の道を行った気もしないんだろうね」

春川「……協力できるんなら、するよ。私もそれで別にいいと思う」

最原「えっと……なんて言ったらいいか……」

春川「時間がない。質問を先にして。何が聞きたい?」

最原「……じゃあ遠慮なく。さっき聞いた『セミラミスさんの計画』って――」
205 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/09(金) 21:47:54.33 ID:69ScJGre0
数分後

春川「……これでおよそ私たちの持ってる情報すべてだと思うけど?」

最原「ありがとう。でも結局『キーボくんがセミラミスさんを浚って何をする気なのか』は聞いてないな」

春川「私たちもそれなりに、巌窟王から聞き出そうとはしたんだ。したんだよ。でもさ」

巌窟王「その必要はないぞ。学級裁判になれば自ずとわかることだ」

最原「あれ。巌窟王さん。調達はもういいの?」

巌窟王「一応探してはみたが、もう活動休止のネコアルクはいないようだ。どうやらオブジェ制作に関わったネコアルク以外は燃料切れにはなっていない」

巌窟王「それはさておいてセミラミスのことだろう? 詳細は俺にもわからないというのが正直なところだが……」

巌窟王「具体的にアイツがどうなるのかは『学級裁判が始まればわかる』という確信がある」

最原「え? それってどういう……」

最原「……」

最原「そうか。考えてみれば当たり前のことだったかも……」

天海「え? 何がわかったんすか?」

最原「僕たちにはもう失うようなものが残ってないってこと」

最原「極論、外に出ないっていう選択肢もあることにはあるんだ。真実が判明した今となっては」

最原(……最悪の場合の選択肢だけど)

最原「最後の学級裁判の開催を宣言したキーボくんが連れて行ったってことは、サーヴァントどうこうが目的なんじゃなくって……」



グニャアッ



最原「……っ!」グラッ

巌窟王「!」

最原(まずい。眠気がそろそろ限界だ……!)

天海「最原くん?」

最原「……中庭に行こうか。ちょっと歩きたい」

最原(歩いてどうにかなる眠気……じゃないな、これ。くそっ)
206 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/10(土) 21:21:39.14 ID:04DNLnpc0
中庭

最原「ん……あれは……」

モノクマ「えっほ! えっほ! えっほ!」ガンッガンッガンッ

最原「……え。何やってるの?」

赤松「あ。最原くん。それに他のみんなも。来たんだ」

最原「赤松さん。モノクマはあれ……学級裁判行きのエレベーターに何してるの?」

赤松「工事だってさ。エグイサルの影響で若干ガタが来たって」

最原(あれに乗るのか。凄く不安だな)ズーン

白銀「モノクマー。手伝おうかー?」

モノクマ「いいよっ! 適当に待ってて!」ガンッガンッガンッ

巌窟王「白銀。もはや隠す気も毛頭ないな」

白銀「暴かれたことを一々、未練がましく補修するのもね」

白銀「むしろこの点だけは感謝しようかな。割とモノクマとの付き合い、ボロを出さないようにするの大変だったんだよ」

巌窟王「減らず口を」

白銀「こんなもの減らず口の内に入らないって。眼のことに関して文句言ってないでしょう?」

巌窟王「……」

アンジー「つむぎー。それ以上言うと無警告で燃やすってさー」

白銀「……ははっ」

天海「く、空気が痛い……!」ビクビク

最原(同感だ……!)
207 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/11(日) 20:06:22.19 ID:u6KeWFC50
最原「ん……いや。この状況はちょっとマズイかもな」

天海「どうして?」

春川「……」

春川「あ。私、ちょっと用事できたかも。百田のことも呼ばなきゃ。用事も済んだわけだし」サッ

最原「茶柱さん。春川さんを逃がさないで」

ガシイッ

茶柱「命令しないでください。で、反射的に捕まえちゃいましたけど、何に気付いたんです?」

春川「……」ムスーッ

最原「いやさ。わざわざモノクマがエレベーターのメンテをしてるってことは、下には誰もいないってことだよね?」

最原「代わりになるような、裁判への出入り手段もないんだよね?」

赤松「うん。それがどうかしたの?」

アンジー「……あっ」

赤松「?」

アンジー「全員揃うー?」

最原「だろうね……この場で逃げたところで結局顔を合わせることになるだろうね」

赤松「え。今更顔を合わせることにそこまで躊躇するような生徒なんて……ッ!」



ゴオオオオオオオオッ


赤松「……!」ガタガタ

天海「あれは!」

最原(空から聞こえる轟音。業炎。ブーストの熱と光。そして風)

最原(それがちょうど僕の背後に降り立った)

最原(……背中に汗が噴き出す。まさか彼に対してこんな気配を感じることになるとは思いもしなかった)

巌窟王「……」

巌窟王「来たか。キーボ」





キーボ「……」ゴオオオオオオッ
208 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/12(月) 21:23:35.74 ID:lmsjUM9I0
ササッ

巌窟王「……何をしているお前ら」

アンジー「隠れてるー! お前の後ろにー!」ニコニコ

赤松「反射的につい!」

最原「ごめん……」

天海「巌窟王さん! 大丈夫っすか! 大丈夫っすよね!?」

春川「常人じゃアイツの相手にならなそうだし」

茶柱「男死の有効活用です!」

白銀「……まあ今のところ大丈夫そうだけど念のため」

巌窟王「他はまあ許そう。ただし白銀」

白銀「次にお前は『貴様はダメだ』と言う!」

巌窟王「貴様はダメだ……ハッ」

キーボ「……」ゴオオオオオオオオッ

キーボ「……現地に到着」スタッ

巌窟王「……敵意がないな?」

赤松「あー! よかったー! ネコアルクにご褒美として遊び場を提供したことを罰せられるのかと思った!」

最原(それで震えてたのか)

赤松「……セミラミスさんをどこやったんだろう」

最原「すぐわかるよ」

赤松「……?」

キーボ「……」ジーッ

最原(こっちをガン見してる……)
209 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/12(月) 21:48:45.92 ID:lmsjUM9I0
最原「……どうも本当に『招集をかけられたからここに来ただけ』みたいだ。敵意がすっぽり抜けてる」

最原「この分なら大丈夫そうかな。別に巌窟王さんの後ろに隠れなくても――」

百田「キーボーーー! やっと降りてきやがったなこのーーーう!」ガバァッ

キーボ「」

春川「!?」ガビーンッ

最原(百田くんがキーボくんに飛びついたーーーッ! てか抱き着いたー!)ガビビーンッ

百田「ははっ! この分だと八時には全員揃うな! 才囚学園生徒一同、ここに集結ってか!」バシッバシッ

春川「……! ……ッ!」オロオロ

最原「凄い背中叩いてる!」

天海「百田くんマジイッちゃってるっす」

アンジー「解斗未来に生きてるなー」

春川「あのっ……百田、やめっ……」オロオロ

最原「気持ちはわかるよ! でも落ち着いて言おう! じゃないと百田くん止められないから!」

春川「……すー……はー……」

春川「百田。やめて。そいつもう以前のキーボじゃ――」

キーボ「ウザい」ゲシイッ

百田「ぐああああああああああああ!」ヒューッ

最原(遅かったーーー!)ガーンッ

白銀(人体ってあんな綺麗な放物線描いて飛ぶものなんだなぁー)

春川「落ち着いてもダメだったじゃん」ゴゴゴゴゴゴゴ

最原「え!? 僕のせい!? 違うよね! 全体的に百田くんが悪いよね!?」アタフタ
210 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/13(火) 21:12:33.36 ID:UxTzqxwk0
数分後

最原(今のやり取りを遠巻きに見ていた、残りの生徒もやってきた)

最原(『自分たちを今すぐに害する気はなさそうだ』という最低限のラインで納得できたらしい)

真宮寺「……武装は解除してくれないんだネ」

キーボ「……」

王馬「さっきの百田ちゃんへの蹴り見たよ。凄いや。若干身体能力の高い老人並みの筋力しかなかったはずなのにさ!」

東条「なるほど。超高校級のロボットですものね。性能が物足りないのなら拡張してしまえばいい」

東条「……問題があるとするなら」

入間「機能の拡張だけなら、金かけりゃただのロボットでもできることだぜ。その辺の『人格のない鉄屑』でもな」

赤松「元のキーボくんには戻らないの?」

白銀「……邪魔な人格消しちゃったからなぁ。一応救済措置は用意してたんだけど……」

赤松「え!? あるの?」

白銀「……」

白銀「そこら辺は学級裁判で言うよ。どうせそれ含めて議論させるつもりだよ、モノクマは」

星「ふん。もったいつけやがる……」

百田「焦らされんな。テメェらしくねぇぞ星」

星「ふん……」

最原「……」

獄原「これで最後……になるんだよね」

白銀「多分ね。最初に言っておくけど……死ぬか、そうじゃないか。それだけだよ、裁判が終わった後に何が起こるかなんて」

百田「いいや! 絶対に生き残ってやるよ!」

百田「例えこの先に何が待ってたとしたって、俺たちの敵じゃねぇ! 俺たちは誰も死んでねぇんだからな!」
211 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/14(水) 21:18:31.56 ID:OwkPevk40
最原(気合入ってるなぁ。なんとなく空気もピリリと引き締まった気もする。流石百田くんだ)シミジミ

百田「終一! 期待してるぜ!」

最原「……あ。僕?」

百田「何ちょっと他人事っぽい顔してんだよ。俺たちから捜査権を強制的に奪ったくせによ」

最原「ひ、人聞きの悪い。白銀さんを庇っただけだよ。捜査権そのものはノータッチだったって」

夢野「あえてウチが言っておくが……最原。お主に対する好感度、あそこでガクンと下がったぞ?」

最原「……」

全員「……」ジーッ

最原「……あの……ええと……」タジッ

真宮寺「謝ったらちょっとは溜飲が下がるけど?」

最原「一つも悪いことしてないのに?」

王馬「流れるような畜生発言ーーーッ!」ヒャッハー

入間「学級裁判のときから思ってたぜ。テメェも方向性は違うけどクッソ憎らしいよな! 敵に回すと本当によッ!」

茶柱「ねーーー! こういうところ本当クソですよねー! この人!」

最原「ごめんそのあたりにしておいて。泣いちゃう。特に茶柱さんに言われると本当に泣いちゃうから」

最原「さっきも言ったけど罪悪感はあるんだってば! 悪いとは思ってるよ!」

王馬「悪いことをしたとは思ってないのに?」

最原「うん!」

王馬「みんなーーー! コイツ嘘吐きだよーーー!」キラキラキラ

最原「あっ、いやっ、違っ……!」アタフタ




巌窟王「……ん……モノクマ。メンテは終わったのか?」

全員「!」

モノクマ「うん! あとは時間を待つだけ! ええと……八時までは……あと五分だね!」
212 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/15(木) 23:06:50.77 ID:AtZS9CfQ0
巌窟王「……面倒だ。全員揃っていることだし、別に時間を前倒しにしても構うまい?」

モノクマ「んー……まあ八時って時間に特に理由はないんだけどね」

モノクマ「強いて言うなら『十二時を全体的なタイムリミットにするつもり』だから、そこから逆算して裁判の開始時間を決めただけだし」

白銀「ああ。つまり『四時間で決着が付くか付かないか』ってレベルなんだ。今回の議論」

百田「あ!? 逆算ってそういう意味かよ!」

モノクマ「まあそういうわけだから……エレベーターのドア自体は開けておくから、入りたければ入っててもいいよ」

モノクマ「八時になるまでは動かす気はないけどね」

モノクマ「じゃ、ボクは先に行ってるね。バーイ!」ドロンッ

夢野「消えおった……」

百田「んじゃ、俺は先にエレベーターに乗ってるぜ。今更特に言うべきこともねぇ」

百田「ぜってぇに生き残ってやる……!」メラァッ

夢野「んあ? 百田。背中から何か出ておるぞ? なんじゃろ。なんか神々しい感じの……」

巌窟王「……!?」ガビーンッ

春川「あ。また出て来た」

ケツァルコアトル『オーラ! あ、これは挨拶の方ね。強キャラから出るアレじゃない方ね』

春川(相変わらず微妙に何を言ってるのか聞こえない。フィルターがかかってるっていうか……存在のレイヤーが違うのかな)

春川(まあこれが出ている間は百田は無敵状態みたいだし、悪いものじゃないなら前みたく放置で――)

ネコアルク「神秘発見! 確保ォーーーッ!」

ネコアルク軍団「にゃー!」ガブガブガブガブ

百田「ほぎゃぎゃーーーっ!」

春川「百田ーーーッ!」ガビーンッ

夢野「んあーーー!? ウチがジャガーマンを食われたときと同じアレじゃーーー! ていうか数多ッ!」

ネコアルク「ム! こっちからも匂いが……」クンクン

獄原「あ。これかな。前に巌窟王さんから貰ったモンテ・クリストの秘法なんだけど……」

最原(そういえばそんなもの貰ってたね! 東条さんの裁判のときに!)

ネコアルク「ああ。これならいいっす。神性ないんで。材料に組み込む規格じゃないんで」

ネコアルク「あ。同じ理由であなたもなしにゃ」

最原「ん……ありがと」

百田「あ……あ……腕が……!」ガタガタ

春川「百田!?」

百田「あるっ!」ニョキッ

バキィッ

春川「余計な心配をかけるな」ゴゴゴゴゴゴゴ

百田「めんご」イテェ
213 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/16(金) 20:27:02.57 ID:uFlvPFqk0
春川「……巌窟王の『全部を解決することができる』って言葉の意味が今更ながらわかった気がする」

春川「百田から他の女の匂いが消えた」クンクン

王馬「浮気を疑う団地妻みたいなこと言うのやめようよ……怖すぎてチビっちゃいそうだよ……」

最原「どういうこと? 巌窟王さん」

巌窟王「セミラミスの計画が始動した場合、副産物として『この学園全体から不可視の力がほぼ消える』のだ。魔術に類する力などがな」

巌窟王「この学園は度重なるカルデアからの介入によってよくないものが溜まり過ぎた」

巌窟王「もしも学園に穴を開けたら少なからず外の世界に悪影響が出るだろうな、という懸念事項があったのだが……」

最原「初耳なんだけど?」

巌窟王「問題があるか? 少なくとも『貴様らにとって直接的に不利益になる』ようなことは、どちらにせよ絶対にないぞ」

最原(……僕たちのことはともかく、僕たちに犠牲や痛みを強いた外の世界のことなんて知ったことじゃないってところか)

最原(それはそれでどうなんだろう)

春川「?」

百田「?」

最原(記憶を失ってる組は微妙に実感がないみたいだな……)

赤松「最初はひたすら胡乱な気配しかなかったけど……割と役に立つね。ネコアルク」

ネコアルク「割とは余計だにゃ!」プンスカ

赤松「あははっ、ごめん! 言葉のあやだよ、許して!」ケラケラ

最原(本当に凄く仲良くなってる……)ズーン

最原「……一つ聞きたいんだけどさ。『魔術関連の力が消える』っていうのは本当に副産物なんだよね?」

巌窟王「質問の意図はわかりかねるが……そうだな。メインの目的は別にあるはずだ」

巌窟王「セミラミスには陣地作成のスキルがあった。アルターエゴのアイツにどれだけの力が再現されているかは不明だが」

巌窟王「とても単純に、この学園内に『自分たちにとって有利な効果しか働かない要塞』のようなものを作ることは充分可能なはずだ」

巌窟王「……三日の詠唱が必要なはずだが……マザーモノクマ内の時間を加速させて詠唱を短縮でもさせたのだろう」

最原(ちょっとよくわからない単語はあるけど、つまり必要なものはセミラミスさんが自力で用意できる範囲で事足りるってことらしいな)
214 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/16(金) 20:36:35.09 ID:uFlvPFqk0
最原「ありがとう。ちょっとは納得したよ。キーボくんの強化に魔術関連の要素がかかわってたら最悪だなって一瞬思っただけだったんだ」

最原「魔術関連の力が消えるのが『ただの副産物』なら、そんなことは別にないんだよね?」

巌窟王「……副産物のつもりだったろうな。アイツもそこまでは気付いてなかったはずだ」

最原「え」

キーボ「……」
215 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/16(金) 20:43:45.01 ID:uFlvPFqk0
巌窟王「エレベーターに向かうぞ。アンジー、来い」

アンジー「うん! 後で行くー!」

巌窟王「……」シュン

赤松「ついてきてほしかったみたいだけど……」

東条「目に見えて萎れたわよ」

巌窟王「……」トボトボ

天海「ど、どことなく哀愁漂う背中っす」

星「東条。励ましてやれ」

東条「その依頼、承ったわ」スタスタ

百田「ハルマキ。肩貸してくれ。ダメージはそんなでもねぇが腰が抜けちまった」

春川「はいはい」グイッ

茶柱「最原さん」

最原「うん。行こう……」チラッ

アンジー「……」ジーッ

最原「……と思ったけど、ちょっと先に行っておいて」

茶柱「……まあいいですけど」

最原「けど?」

茶柱「転子、あなたのことあまり信用してないので。疑わしきは黒ですよ」

最原「なんの話……?」

茶柱「ふん!」スタスタ


スタスタスタ







最原「……二人きり……あ、いやキーボくんもここにいるから三人きりだね。アンジーさん。何か話があるの?」

アンジー「うん。最後にちょっとねー」
216 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/17(土) 20:32:06.76 ID:BUYeggSz0
アンジー「キーボもここにいるのはちょっと計算外だったなー。耳貸して、耳ー」チョイチョイ

最原「ん?」

アンジー「えっとねー。終一、なにか『彼』にあった? いつの間にか『彼』に変なのひっついてるんだけど」

最原(……なんでか知らないけど、アンジーさんは巌窟王さんのことを『神様』と呼ばなくなった)

最原(アンジーさんが『彼』と呼ぶ場合、どうやらほとんどの確率で巌窟王さんのことを指しているみたいだ)

最原「ひっついてる? 特に変わりは無さそうに見えるけど……?」

アンジー「なんかさー、ステータスに小さい……ほんの小さい『刻印』? 『紋章』? みたいなものがあるんだよねー」

最原「あのさ。サーヴァントのステータスとか状態とかってマスターのアンジーさんにしか見方わからないよね。僕に言われても……」

アンジー「……」

最原「……いつ気付いたの?」ハァ

アンジー「ついさっき。小さすぎてわからなかった。ジャバウォック島にいたときは、あんなものなかったと思うんだけど……」

アンジー「わかるのは刻印の名前だけだねー」

最原「名前?」

アンジー「『卒業アルバム』だってー」

最原「!」

最原(……そうか。繋がってきたぞ。辛うじて見えてきたかもしれない)

最原(この刻印、もしかして『彼女』の置き土産か? だとしたら……!)

最原(『全員生還』の目が見えてきたかもしれない!)

アンジー「……今すぐ答えなくってもいいよ。考えてさえくれればねー」チラッ

最原「ん?」

最原(アンジーさん、今どこか見て……)



ギュッ



最原「え?」

アンジー「ぎゅー」

最原(……抱きしめられた)

アンジー「おかえし仕返しー」ニコニコ

最原「!?」ゾッ

最原(なんだろう。滅茶苦茶イヤな予感がする!)ガタガタ
217 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/18(日) 22:06:18.19 ID:Jkyfw6w20
最原(少なくともこの行動が凄まじい悪意のもと行われているということだけはわかる! 何故なら!)

最原(さっきの茶柱さんの言ってることの意味が今更ながら理解できてしまったから!)

最原(疑わしきは黒って『浮気をしたら殺す』って意味だ! そして!)ガビーンッ

茶柱「……」ジーッ

最原(明らかに見られているーーーッ! 後ろから視線みたいなものがブスブス突き刺さってるのを感じるーーー!)

アンジー「……すりすり」

最原「あ、あの、アンジーさん、そろそろ……!」ガタガタ

アンジー「……うん。もう未練はないんだよねー。これで全部清算するつもりだからさー」

アンジー「でも」

最原「でも?」

アンジー「それはそれとしてすげぇムカつく」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

最原「」

アンジー「地獄ってどこにあると思う? アンジーたちの足元? この世界の外側? 火山の火口が入口ってこともあるかもねー」

アンジー「でもひとまず終一の地獄は、十秒後だよ」

最原「」

最原「」

茶柱「……」ジーッ

最原(最原終一ファイナルシーズン、このあとすぐ。感動のラストを見逃すな……)ガタガタ

アンジー「にゃははー!」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 23:50:39.09 ID:YY5rxaUU0
茶柱も見せつけ倍すりすりすればいいじゃん(いいじゃん)
219 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/19(月) 23:37:14.70 ID:HlLnsBiz0
アンジー「あースッキリした。それじゃあばいばーい!」

アンジー「……」

アンジー「……さよなら」

最原「最後にガチのトーンで別れを念押しするのやめてくれない!?」

アンジー「にゃははー」タッタッタッ

最原「ま、まずい。どうしよう。僕の寿命があと十秒に――!」

茶柱「五秒です」ギュンッ

最原「え。後ろに回り込まれ――」

ゴキンッ






赤い扉の中

巌窟王「……終わったか? アンジー」

アンジー「うん! これで完璧に大丈夫ー!」

巌窟王「そうか」

巌窟王「……クハハハハハ! そうか!」タカイタカーイ

アンジー「きゃー! いきなりやめてよー!」ケラケラ

赤松「ふふっ。なんかもう、すっかり仲直りって感じ。アンジーさんと巌窟王さん」

百田「その代償に茶柱と終一が……」

東条「尊い犠牲よ」

百田「……そ、そうか」

百田(俺はそのときの東条の目が『どこにも向いていない』ことに気付いたが、それ以上の追及をする勇気はとてもじゃないが捻り出せなかった)
220 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/20(火) 21:48:37.17 ID:2mck3yEq0
五分後

ガコンッ ゴウン……ゴウンッ……

最原「……」

最原「……ハッ! 痛みのあまりあらゆる外的刺激に対して無反応になってた! フリーズしてた!」ガバッ

春川「あ、起きた」

最原「それ以前に気絶してないよ! ギリギリ意識保ってたよ! ただ痛すぎて意識が固まってただけだって!」

最原(いつの間にか降下中のエレベーターに乗ってる……)キョロキョロ

茶柱「……」

最原「あの……茶柱さーん」

茶柱「ばか」

最原「」

茶柱「……」ツーンッ

最原「……」アセッ

ネコアルク「いやぁー。甘酸っぱいにゃー」

ネコカオス「ふうーっ……ま、今時は『浮気は男の甲斐性』とSNSで投稿するだけで大炎上する時代だ」

ネコカオス「火遊びもほどほどにしたまえ。少年」

最原「火の方が僕の方に飛び込んでくるんだってば……」

最原「……なんで連いてきてるの!?」ガビーンッ

ネコアルク「暇」

最原「暇!?」ガビビーンッ

赤松「残りは多分、まだ作業中だけどね。この二匹はついてきたいって」

最原「ええーっ……」

真宮寺「ククク……愛されてるネ。赤松さん。ネコアルクもそうだけど、これをキミに遺したセミラミスさんにもネ」

赤松「あはは。なんでだろうね」

入間「『余計なことを善意でやって迷惑かける天才』って点でウマが合うからだろ」

入間「睡眠中の同棲相手をたまさか発見したとき『あ、爪荒れてるな』って理由で勝手にネイルケアして悦に浸ってるタイプっつーかよ……」

赤松「どんなタイプ!?」

星「……」サッ

東条「……」サッ

アンジー「……」サッ

赤松「え。待って。なんで何人かこっちから目を逸らしてるの!? 違うよね!? 私『は』違うよね!?」アタフタ

巌窟王「……いいカウンセラーを紹介しよう」ポンッ

赤松「」
221 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/21(水) 22:28:23.65 ID:djkOxB2k0
裁判場

モノクマ「……」マダカナ マダカナ

モノクマ「……」ワクワクドキドキ



チーンッ ガラララッ


モノクマ「おっ! いらっしゃーーーい! 最後の裁判にようこそーーー……う?」

赤松「違うもん……私は違うもん……」エグエグ

百田「泣くほどイヤか!?」

春川「いやわかるよ。アイツは最低だよね」

百田「俺が言うのもなんだけどハルマキ私情丸出しだな!」

真宮寺「私情……? なんか楽しそうな話だネ。詳しく聞かせてもらっても」ワクワク

獄原「巌窟王さん……紳士がレディを泣かせちゃダメだよ」

巌窟王「……!? ……!?」ブンブンッ

東条「必死に首を横に振ってるわね」

アンジー「『俺のせいじゃないだろう!』って言ってるよー。態度で」

天海「不屈の精神で罪に抗っている……これも復讐者だからできる業の技ってところっすか」

白銀「そんな格好よく言うもんでもないよ?」

王馬「ていうか入間ちゃんだし。最初に言ったの」

入間「おっ……俺様は悪くねーぞ……別に泣かせるつもりじゃ……」シドロモドロ

入間「おっ。バカ松、髪飾り変えたか? いつもより一ピコグラムほど可愛さが増してるぜ!」ニカッ

巌窟王「誤魔化すな!」ギンッ

入間「テメェに言われたかねぇッ!」ウガァ!





モノクマ「なんか既につるし上げが始まってる!」ガビーンッ
222 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/22(木) 22:19:15.12 ID:W53QKh5Z0
入間「……うぉおおおおい! 来てやったぜモノクマぁーーー!」オラオラ

最原(あ。誤魔化し方が変わった。モノクマに対してオラ付きはじめた)

巌窟王「クハハハハハハ! 棺桶も墓穴もいらんぞ。貴様は今日、灰も残さず消滅させてやるッ!」ギンッ

最原(巌窟王さんも乗った!)ガーンッ

アンジー「一応アンジーの怪我も治療したし、魔力供給に関しては万全だよー!」

アンジー「裁判が終わった後が楽しみだね?」

モノクマ「ほにゃにゃ? もうボクに勝つつもりなの?」

天海「強がりっすね。新世界プログラム内で一回巌窟王さんと俺たちに徹底的にボコられたくせに」

東条「あのときのあなたが私たちを生かす理由は特にない。モノクマは手加減なしだったはずよ」

東条「フルスペックのモノクマを倒したという実績がある今、勝つこと自体は不可能でもなんでもないわ」

モノクマ「そもそもボクは荒事は苦手なんだってば」

モノクマ「第一、そんな戦い方をもう一度ボクが繰り返すと思う? 負けてるのに?」

真宮寺「……なるほど。道理だネ」

星「簡単に納得するな。ブラフの可能性だって充分あんだろ」

モノクマ「とにかく魔術とモノクマが交差して物語がビギニングする流れはもうなし!」

モノクマ「ここから先は裁判で決着をつけるよ!」ギンッ

キーボ「……」

最原「いくつか聞きたいことがあるんだけど……」

モノクマ「なに? なんでも答えるよ?」

最原「あれなに?」







モノクマロケット「」ドーンッ

モノクマ「ロケットだけど」

赤松「席の輪のど真ん中に鎮座してる!」ガビーンッ
223 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/23(金) 22:05:51.78 ID:DaAHRO7F0
赤松「え、ええーっ……なんで裁判所のド真ん中にロケットが――」

モノクマロケット「……!」ガタガタゴトンゴトンッ!

赤松「きゃああああああああああああっ!?」ガビーンッ

王馬「なにあれ。急に動き出したけど」

モノクマ「ああ。中にいる人が定期的にドアを蹴り上げるせいで、その衝撃でちょっと動いちゃうんだよね」

獄原「ひ、人!? 中に人が入ってるの!?」

モノクマ「ま、そこら辺はおいおいね。これも裁判で使う重要な小道具だから」

百田「なあこれ宇宙まで飛べんのか!? 飛べるよな!? 飛べるだろ! 外観は滅茶苦茶だがロケットエンジン自体はモノホンだぜーーーッ!」ワクワク

最原「い、いつの間にか百田くんがロケットの傍に!」

春川「百田! そいつから離れて! 定期的に動くらしいから危ないって!」

モノクマロケット「……!」ガタガタッ

春川「百――!」

百田「勝手に動いてんじゃねーーーッ!」ガイイインッ

春川「」

最原(容赦なく蹴り上げたーーーッ! あ、あれ中身大丈夫かな! ロケット自体は頑丈そうだけど中身に結構衝撃と音が行ってそう……)

巌窟王「……」

巌窟王「中に人、か。この場には全員揃っているというのにな?」

最原「!」

赤松「……いや。全員じゃないよ。まさか、あの中身って……!」
224 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/24(土) 22:32:27.19 ID:pmyzSgJl0
モノクマ「はいはい! 時間無駄にしていいの? タイムリミットまであとどのくらいだと思う?」

モノクマ「そうね大体ねー」ピッ

ウィーンッ ガシャンッ

茶柱「あ。モニターが下がってきましたね」



アト 3ジカン 50フン 2ビョウ



夢野「んあ!? わ、割と時間が進んでおらぬか!?」

最原「もう十分くらいか……席につこう」

巌窟王「モノクマ。俺の席は?」

モノクマ「やっとこさ増設したよ。最原くんの隣ね」

最原「!?」ガビーンッ

巌窟王「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

最原「……」ガタガタ

百田「おいおいコラコラ。無駄に威圧すんなって。仲良くしろよ」

巌窟王「フン」

春川「まったくもう……最原もそうビクビクしないで堂々としてたら?」

最原「あはは……」

アンジー「そうだよー! アンジーのことをメロメロにした男の子なんだからさー!」

最原「!?」ビクーンッ!

巌窟王「クハハ。終わったことだ。もはや何も言うまい。言うまいが……」

巌窟王「終わったのだ。我がマスターに色目を使うなよ、最原」ギロリ

最原(言ってるじゃん……)ガタガタ

最原(……)

最原「最後の裁判、か」
225 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/25(日) 22:02:42.22 ID:Kc17zfMg0
モノクマ「オマエラも流石にそこまでバカじゃないからさ。エグイサルが動かないからって、もう抑止力がまったくない、とは考えてないよね」

モノクマ「そう。新しい抑止力……オマエラを押さえつける最後の関門。それは御覧の通り、キーボくんなのです」

キーボ「……」

モノクマ「裁判らしく、ここから先は秤にかけてみようか」

モノクマ「この学園の真実と、オマエラの『エゴ』。どちらが秤を傾けるかな?」

モノクマ「この裁判を最後まで見事に生き残ったら、キーボくんの攻略法が見つかるかも……ね!」ニヤァ

巌窟王「なるほど。それが最後の学級裁判で賭けるもの、か」

百田「勝ち取ってやるよ。すべてをな」

百田「キーボも、俺たちの命も、ここで得た思い出のすべても……全部全部全部……!」

百田「この学園の外に、持ちだしてやるぜ!」ズギャアアアアアアンッ









最原(そして始まる)

最原(記憶、記録、真実、虚構、現実、魔術)

最原(そして『カルデア』と『才囚学園』……)

巌窟王「……やるぞ。覚悟はできているか!」ギンッ

最原(僕たちと、僕たちを取り巻くすべてを賭けた……『最後の学級裁判』!)
226 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/26(月) 21:48:14.12 ID:21XH/Hsv0
学級裁判 開廷

モノクマ「まずは、最後の学級裁判のルールを説明しましょう!」

モノクマ「オマエラにはこれから、ちょっとした設問に一つずつ答えてもらいます」

モノクマ「ボクが用意した設問は全部で三問! 全部答え終わったころには、この学園の真実はすっかり解き明かされていることでしょう!」

モノクマ「キーボくんを元に戻す方法もね……!」ニヤァ

巌窟王「やはりあるのだな。キーボを元に戻す方法が」

モノクマ「さて。再確認しておきましょう。今のキーボくんは、第四の事件のときまでに得た記憶と、それ以前に初期設定された人格設定を丸ごと初期化」

モノクマ「何もかもがクリーンな状態になっております! これでは、そこら辺のチープなロボットの方がまだマシかもね!」

最原「お前がやったことだろ……」

赤松「設問をクリアするころにはキーボくんを元に戻す方法もわかってるって……」

赤松「つまり、そのまま『キーボくんを元に戻す方法とはなんでしょう』って内容の設問があるってこと?」

モノクマ「うーん。そこまでストレートな設問は用意してはいないけど。でも方向性は合ってるかもね」

東条「キーボくんは今、私たちの脱出を阻む最大の抑止力よ」

東条「彼をどうにかすることさえできれば、私たちは巌窟王さんの力を借りて外の世界に脱出できる……」

星「間接的に『この学園からの脱出を賭けた裁判』ってことだな。実のところそこまで難しい話じゃねぇ」

星「……今のところはな」

百田「あ? 引っかかる物言いだな。今のところってどういうことだよ?」

星「忘れたか? 俺たちは散々、モノクマから渡された情報に引っ掻き回されていたはずだぜ」

星「俺たち自身の記憶に纏わる思い出しライト。動機ビデオ。最終的には『外の世界の真実』……」

星「設問という形にはしているが、おそらくこの学級裁判でモノクマが行おうとしていることも大本は変わらねぇ」

真宮寺「僕たちに遠回しな方法で『情報』を渡そうとしているだけ。それも何か『絶望的な情報』を……」

真宮寺「ククク。充分考えられる話だヨ。ただ、だからと言ってどうということもないんだけどさ」

巌窟王「この場に立った時点で、もう罠であろうと立ち向かうしか道は残されていない」

巌窟王「すべての絶望を真正面から叩き伏せろ。死にたくなければな」
227 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/27(火) 18:58:40.41 ID:WnqWVgLR0
モノクマ「あっあー。勝つ、あるいは勝てる前提で話をしているところ悪いけどさー」

モノクマ「そろそろオマエラのゲームオーバー条件を説明していいかな? その結果、何が起こるかも」

入間「何が起こるって……決まってんだろ? 武装したキーボが俺様たちを巌窟王ごとぶっ殺してジ・エンド。それ以外に何があるって?」

王馬「よりによってキー坊に殺されちゃうのかー。ま、マジかー……マジかー……マジかぁーーー……」ズズーーーンッ

天海「無限に落ち込みすぎっすよ……」

王馬「最悪の場合でも白銀ちゃんに殺される辺りだと思ってたからさ。それを下回ると知ったら普通にショックだって」

白銀「だから私は仲間を殺したりなんかしないってば。何回か言ったと思うけどなー」

東条「……口には気を付けなさい。こうやって同じ空間にいることすら本当は許してないのよ」

茶柱「いくら何でもトゲトゲしすぎじゃないですか!?」

赤松「……」

獄原「……ごめん。白銀さんのことに関しては出来る限りノータッチで行けないかな。正直、ゴン太たちもどう接すればいいかわからないんだ」

茶柱「こんな局面になってまで……!」

モノクマ「うーん。オマエラさー、何か勘違いしてるみたいだね」

モノクマ「確かに暴力では負けたよ? でも、この才囚学園において、すべてを支配しているのはまだボクなんだよね」

モノクマ「才囚学園生徒一同十六人と、巌窟王さんが死んで終了……そんなわけないでしょ。『それだけ』で終わるわけないでしょー?」

最原「……」

巌窟王「やはりな。そういう構図で来るものだとは思っていたが」

赤松「え?」

モノクマ「それではみなさんっ! 上部モニターをご覧くださーい!」シャキィィィンッ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 07:13:18.86 ID:T3fj5tfC0
http://stardustorbt.web.fc2.com
229 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/28(水) 17:38:29.06 ID:Z+np8IrG0
赤松「……ッ! モノクマ、あなたやっぱりセミラミスさんを人質に――!」

ブオンッ

『ねー! いい加減にしてほしいのだわー!』

赤松「するつもり……んっ?」

最原「あれっ?」

巌窟王「……????????」

巌窟王「……!!!!!!!!」ガビーンッ

最原(え、と。誰だろう。『まったく見覚えのない人』が、広くて薄暗い空間を当てもなく歩いている)

最原(フリフリのついたロリータ服に身を包んだ……女の子? 歳は十歳行くか行かないか程度、だろうか)

赤松「あ、あれ。おかしいな。私の予想だと『ロケットの中に監禁されたセミラミスさんの映像』が出て来るはずだったんだけど……」

百田「あ。確かにそう考えりゃ、殺さず連れ帰ったのも納得できんな。できるけどよ……」

春川「……」








巌窟王以外全員(誰?????????)

赤松(……でもなんだろう。この声『どこかで聞いたことがある』?)
230 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/28(水) 17:44:22.93 ID:Z+np8IrG0
巌窟王「ば、かな。何故ヤツがここにいる……!?」

アンジー「あれー? 知り合いー?」

巌窟王「知り合いも何も、あの童女は――!」

モノクマ「ポチっとな」ピコンッ


GAME OVER

ナーサリーライムさんがクロに決まりました。
おしおきを開始します。



巌窟王「!!」

最原「……ん、なっ! モノクマ、そのスイッチは!」

モノクマ「うん。『生徒をおしおきするときにいつも使ってたアレ』だね」

夢野「ちょ、ちょっと待て。ちょっと待つんじゃ……今、そのスイッチに表示された名前! 聞き覚えがある! 聞き覚えがある『なんてもんじゃない』ぞ!」

赤松「……思い出した! あの声ッ! どこかで聞いたと思ったら間違いない!」

百田「……?」

王馬「ねーねー。一体何の話してるのさー。まったく『覚えがない』んだけど」

最原(王馬くんと百田くんには心当たりが無い)

最原(なら『確定』だ! 彼女は! 今画面の向こうにいる女の子は!)
231 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/28(水) 18:07:11.83 ID:Z+np8IrG0
『きゃー!』

最原「!」

百田「お、おいおいおい! なんだありゃ! ふざけんなッ!」

最原(画面から聞こえる悲鳴。再び彼女に目をやると、信じられない光景が広がっていた)

最原(いつの間にか、彼女は檻に閉じ込められている。同じような檻を縦に長く積み上げた妙な檻だ)

最原(足元には水が流し込まれ、このままだと天井にまで達して呼吸ができなくなってしまうだろう)

最原(……ああ。そうか。あの檻のコンセプトは――!)

モノクマ「超高校級のマジシャン、夢野秘密子おしおき。『ミラクル大脱出ショー!』だよ」

夢野「んあっ!?」

モノクマ「あの外から完璧に丸見えな檻の中で、溺死したくないがために上の檻上の檻へと昇って行く夢野さんを眺めるっていうコンセプトの処刑方なんだ」

モノクマ「……けど、まあ使わなくなっちゃったからね。ここで一気に流用して放出しちゃおうってことで」

真宮寺「なるほど。檻と檻を仕切るドアの間には錠前……か。これをクリアして上に昇っていかなければあっという間に溺死だネ」

天海「ちょ、ちょっと待って! この際、なんでここにナーサリーさんが、とかは置いておくっす!」

天海「まさか俺たちの敗北条件ってのは!」

モノクマ「『時間内にこちらが出すタスクをクリアしない場合、一人ずつ死人が出る』……わかってくれたかな! 生徒諸君!」ギンッ

モノクマ「あ。ちなみにね。あのおしおきのクライマックスは『一番上の階層に辿り着いたところで排水、その後すべての檻を分解して自由落下』だよ」

モノクマ「落下した後は檻を構成する部品の一つ一つが夢野さんに突き刺さる想定だったんだけど……」

夢野「あぶあぶあぶ」ブクブク

アンジー「わー! 大変だー! 秘密子が気絶しちゃったよー!」

入間「こ、この人でなし!」

赤松「巌窟王さん! 彼女に手品の心得とかは!?」

最原「!」

巌窟王「……そんなものは……ない……!」ギリイッ

最原(待てよ。それじゃあモノクマが想定したクライマックスより先に、彼女は……!)

百田「出題しろモノクマッ! いいから問題を出せぇーーーッ!」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 04:02:30.28 ID:VxKO6D/H0
蒼人
@aoto_vail
はい!お尻だよー
4枚目はやられ?だよー
233 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/29(木) 19:27:00.70 ID:2+ZUvhFC0
モノクマ「はいはーい! それじゃあ始めましょう学級裁判! 記念すべき第一問はーーー!」

ジャジャンッ

モノクマ「『この学園の正体とはなんでしょう』、です! それじゃあナーサリーライムさんが死ぬ前にきっちり議論してねー!」

モノクマ「……って、言うほどのことでもないか。わざとそんな問題にしたんだし。すぐに答えられるよね、これ」

百田「この学園の正体……って……アホか! それが今までわかってなかったから俺たち今までこんな目に遭ってたんだろうが!」

百田「今更こんな問題出されたところで一時間二時間じゃどうにも――」

最原「できるよ!」

百田「……終一?」

最原「モノクマ……お前がそういうつもりなら僕は一切容赦しない」

最原「白銀さんと一緒にお前も助ける必要があるかも、と一瞬思ったのがバカみたいだ」

最原「僕にはもう二度目はない!」ギンッ

百田「……?」

巌窟王「……最原。一度目が既にあったような物言いだな。BBのことを気にしているのか?」

赤松「ッ! でもあれは……どうしようもなかった、よね……」

最原(どうしようもなかった……だって?)

最原(違う。僕はそんな言葉で片付けられない。理屈でわかっても心が拒む)

最原(仮にあれがどうしようもなかったとしても、だ! 目の前のアレはまだ『どうにかなること』だ!)

最原「檻なら壊す。そういうものはもう沢山だッ!」
234 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/11/30(金) 20:20:57.75 ID:WnrGFHOm0
百田「終一! もうわかってるんだな! この問題の答えが!」

天海「え……あれ? 百田くんはわかってないんすか?」

百田「あん?」

天海「……いや俺自身、未だに納得できてないんで『わかってない』のは別にいいとして、この調子だと『知らない』んすね?」

天海「なんで……」

入間「……」

獄原「……」

天海「……あー……誰も喋らなかったんすね。喋りたがらなかったから」

百田「んだよ。また『何かを思い出した組』だけの話かよ」

夢野「んあ? いや……ウチも心当たりはないぞ?」

アンジー「秘密子、起きるの早いなー」

巌窟王「訊ねられれば誰もが喋っていただろうさ。まさかあんな場所で世界の真相を知ることになるとは思うまい」

王馬「んー? あんな場所ってどんな場所?」

最原「新世界プログラムだよ。あの中で僕たちはこの世界の真実を知ったんだ」

春川「待って。急に飛躍しすぎだよ。問われてるのはこの学園の正体でしょ。それが何だって『この世界の真実』に繋がるの?」

巌窟王「世界の真実が、そのままこの学園の正体に直結するからだ」

百田「なんだって?」

最原「いつまでも助けが来ない閉鎖空間。見世物のような悲劇。非現実的なガジェット……」

最原「それらすべてが誰かに用意されたとして、それを実行したのは一体誰か」

最原「……外の世界だよ」

春川「……?」

百田「外の世界の、頭のイカれた秘密結社、とかか?」

最原「違う。『外の世界の誰か』じゃなくって『外の世界そのもの』なんだ」

百田「……は?」

最原「……この学園で目覚めた僕たちは」

最原「これまで思い出した記憶や、築いてきた記憶のすべては!」








最原「この学園の正体は――外の世界の、誰かの為の物語なんだよ!」
235 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/01(土) 19:58:45.51 ID:5QZnL8xe0
百田「………………………………………………」

百田「ハルマキ?」

春川「私に振らないで。こっちだって意味不明だよ」

王馬「ふーん……へえー」

王馬「なるほど。超納得した!」バァーーーンッ

茶柱「超!?」ガビーンッ

夢野「いや……確かにそう考えると腑に落ちるものがいくつかあるぞ」

夢野「あの隠し部屋からの監禁を破った後、BBと一緒にキーボオブジェやら何やらを調べたときに色々聞いたんじゃ」

夢野「この学園は明らかにキーボの目を通して誰かに見られていたとBBも言っていた」

夢野「誰かに『エンターテイメント』として楽しまれている。その可能性はウチも当然考えておったぞ」

夢野「なるほど! 確かに超納得じゃな!」ババーーーーンッ









夢野「とか言うわけないじゃろッ!」ウガァ!

アンジー「ノリツッコミ出たー!」

夢野「いくらなんでも世界規模で楽しまれているわけが……」

ピンポンピンポーン!

モノクマ「コングラッチュレイショーーーンッ! 大正解でーす!」

夢野「」
236 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/02(日) 22:12:54.12 ID:0P2V6zMT0
夢野「……嘘じゃろ……えええええええええ!? 嘘じゃろおおおおおおお!?」ガビーンッ

夢野「あ、いや実際嘘なんじゃろ! モノクマの言うことを今更信じられるわけが……」

王馬「いやこういうときのコイツは一度として嘘吐いたことないじゃん。モノクマだからこそ信じられるよ」

夢野「……」

春川「……本当なんだね。私たちのすべてが世界規模で、エンターテイメントとして消費されていたっての」

百田「待っ――」

百田「……つ必要はねぇか! その前にやることがある! 話はその後だ!」

最原「そうだ! モノクマ! 早くおしおきを止めろ!」

モノクマ「は? 止められないけど?」

最原「……は?」

巌窟王「……?」

巌窟王「聞き間違いか? または言い間違いか?」

モノクマ「どちらでもないなぁ! いや、よく考えてみてよ! 流用なんだよ?」

モノクマ「一度動き出したおしおきガジェットは、処刑が終了するか『処刑する前に処刑対象が消失する』以外の終了方法がないんだって!」

モノクマ「今まで散々目の前で見て来たはずだけどなぁ?」ニヤァ

巌窟王「……そうか。わかった。アンジー!」

アンジー「ほえ?」

アンジー「……ああ! なるほどー! 了解了解ー!」キラキラキラ



ボオウッ


獄原「巌窟王さん、何を……!?」

巌窟王「今までと同じだ。この地獄へと引きずり、連れ込む。そうでなければ彼女の命はないだろう」

巌窟王「……この空間は、前々から思っていたが『歪』だからな」

真宮寺「そうか……助けに行くんだネ。そしてモノクマは『正答さえ得られれば特にそれを制限しない』……」

真宮寺「でもあれ、どこだかわかってるの?」

巌窟王「クハハハハハハハハハハハハ!」

巌窟王「……わからん」

赤松「ダメじゃんっ!」ガビーンッ
237 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/02(日) 22:31:59.09 ID:0P2V6zMT0
巌窟王「それ以前の話だ。かなり話は巻き戻ってしまうが……ここはどこだ?」

東条「裁判場でしょう?」

東条「……」

東条「いや。そうね。本当にそう。ここは具体的にどこなのかしら」

入間「なに二人して痴呆老人みてーなこと言ってんだ! どこも何も裁判場……」

入間「……」

入間「あっ。そうだ。俺様たちここが『どれだけ深い場所にあるか』を知らねぇ! 正確に測ったことなんてねぇもん!」ガビーンッ

巌窟王「この場所の位置情報と、合わせてナーサリーライムの位置情報が必要だ」

最原「モノクマ!」

モノクマ「ボクは教えないよ? ここは一応学級裁判。基本的には生徒同士の情報交換と柔軟な思考で突破してほしいなぁ?」

モノクマ「……とは言え、裁判場の位置情報まで欲しがるとは思わなかったから、それに関してだけは公開してあげようかな。モノパッドを後で確認してね」

春川「……肝心の情報を教える気はないみたいだね」

最原「いや。今の一言は大きなヒントだよ。モノクマは基本的に『答えられない問題』は出さないから」

最原「多分、生徒同士の情報交換でほぼなんとかなる範囲ではあるんだ」

獄原「でもなんでナーサリーライムさんがここに……モノクマが連れて来たのかな」

最原「……違う! でも考え方はいいかもしれない!」

獄原「え?」

最原「つまり、彼女をあそこまで連れ込める人物に直接的に訊けばいいんだよ! あの場所がどこなのかって!」

最原(彼女をおしおきガジェットのある場所まで連れていって、あまつさえ監禁できる人)

最原(尚且つ、モノクマからの情報提供に依らずに今すぐに確認することができる位置にいる人)

最原「この裁判場に、その答えを知っている人はたった一人しかいない!」
238 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/03(月) 22:54:43.57 ID:2trGZ3Vl0
最原「キーボくん! 答えてくれる?」

キーボ「……」

百田「キーボ……? あ、そっか! セミラミスの件もあったしな! あれと同じように、あの女の子もさらったってわけか!」

春川「根拠がセミラミスだけ……? それじゃあちょっと確証とするには薄すぎるんだけど」

巌窟王「俺は最原の意見に賛成だ。ナーサリーライムをあそこまで連れ込める者がいたとしたらキーボ以外に考えられない」

巌窟王「アイツは俺と同じ、サーヴァントだからな。はっきり言って、モノクマにも白銀にも、アイツをかどわかすことは不可能だぞ」

王馬「えーと。つまり強すぎて普通の人間だと監禁は無理ってこと?」

巌窟王「戦闘に特化したサーヴァントではない……が、常人が工夫でどうにかできる範疇を遥かに凌駕している。間違いない」

星「……もう推理の地盤固めに徹する時間はないみたいだぜ。見ろ」

夢野「んあ……? あれ。ナーサリーが消えておるぞ。どこに行ったんじゃ、アイツ」

天海「……あっ」

赤松「……!」

最原(全員が言葉を失った。もう時間が無い……というよりはほぼタイムアップに等しかった)

最原「最初の檻が沈んだんだ! 消えたんじゃない! 水面下に潜ったんだよ!」

茶柱「ほ、本当に時間がありませんよ……! どうするんですか! どうしたら……!」








キーボ「病院の真下です」

巌窟王「!」

赤松「えっ」

キーボ「病院の真下、五十mの位置にいます」

巌窟王「アンジーッ!」

アンジー「まるっと持ってけドロボー!」


ボオオオオオッ
239 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/04(火) 18:34:47.55 ID:Tzlf4PU30
項羽は来た……なのになぜぐっさんが来ない……!?
今日中にぐっさんが来ないと酸欠で死んじゃいそう
240 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/04(火) 22:33:49.43 ID:Tzlf4PU30
ビュンッ バガァァァァァンッ

赤松「す……凄い勢いで行っちゃった」

アンジー「前みたいに真っ直ぐ上にって感じじゃなく、最短距離でキーボの言ってた座標に向かってるねー!」

赤松「ていうかキーボくん喋れたんだ!?」

最原「まあ……喋れなくなったと誰かに聞いたわけじゃないし、多分質疑応答に問題はないだろうなとは思ってたけど……」

最原「本当に素直に答えてくれたなぁ」

百田「たりめーだろ。キーボは仲間なんだからよ」

茶柱「妄信しすぎですよ。それはそれで」

茶柱「で?」

最原「え?」

茶柱「転子たちのコロシアイがエンターテイメントとして外の世界で楽しまれていた、というのはわかりました」

茶柱「おそらくそれがキーボさんの目を通じて発信されていたんだろう、ということもまあ納得は出来ます」

茶柱「でも最原さんたちの言を信じるのならキーボさんはちょっと前からずっと、あのオブジェの中に監禁されてたんですよ?」

茶柱「だとすると……転子たちの生活はそこから一切外に発信されることはなかった。そういうことでいいんですか?」

王馬「あれ。それはちょっと不自然だね。『外の世界の娯楽として楽しまれてた』ってトンデモ説を撤回してもいい程度には」

王馬「だってキーボオブジェが現れたのって数日前だよ? そんなに長い間放送休止にしてたっての?」

最原「それは違うよ。キーボくんの目が無くなった後すぐに、別の物を介して僕たちのことを見ていたはずだ」

天海「……」

天海「隠しカメラ……っすね。キーボくんが消えた直後から作動し始めた装置なんて、あれしか考えられないっす」

夢野「あのカメラはキーボの代わりだったというのか?」

夢野「……もうちょっといい角度で映っておくべきじゃったのう」ポッ

百田「なにちょっと照れてんだテメェ!」
241 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/05(水) 21:27:02.05 ID:anceLt3f0
春川「……やっぱり納得できない。エンターテイメントってどこからどこまでが?」

春川「外の世界は滅んだんじゃなかったの? 私たちは地球の唯一の生き残りのはずでしょ」

春川「私が覚えてる限り、あの状況下から人類が一気に復興するような要因は一切なかったはずだけど」

夢野「え? なに? 春川も春川で何言っておるんじゃ?」

獄原「あ。そっか。夢野さんは新世界プログラムに入ってないから思い出しライトを浴びてないんだね」

夢野「ああ。なるほど。思い出しライトの話かー……思い出しライトの話か!?」ガビーンッ

最原「そもそも、その思い出した記憶そのものが嘘だったとしたら?」

春川「……?」

最原「言ったはずだよ。思い出して来た記憶のすべては『誰かの為の物語』だ」

最原「全部が全部、作られたフィクションだよ」

春川「……!?」

茶柱「証拠は!? そんなこと急に言われたって、すぐ『はいそうですか』と納得できるわけないでしょう!」

最原(証拠か……なにせ記憶の話だからな。証明することは難しいだろう)

最原(僕は『今まで思い出した記憶のすべてが作り物』だってことを感覚で知ってるけど……)

最原「……ん」

茶柱「どうしたんですか? 証拠を出してくださいって言ってるんですよ?」イライラ

最原「ごめん。ちょっと待って」

最原(なにか引っかかったな……ここであったことを全部覚えてる以上、忘れてるってことはありえないんだけど)

最原(僕は今、何かを見落としてる……?)

最原「……あっ」

茶柱「?」

最原(そうか。推理が思わぬところで繋がったかもしれない)

最原「順序だてて答えていこう。今のところ、この学園の謎は新世界プログラムの中で手に入れた情報でほとんど答えられると思う」

最原(そして……最後の課題。キーボくんの修繕方法も)
242 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/06(木) 22:04:56.66 ID:p+luQkq00
最原「証拠……証拠か。これで納得してもらえるかどうかはわからないんだけど……」

茶柱「なにをもったいつけてるんですか。もっと自信持ってくださいよ、多分正解なんですから」

最原「仲間だからと言って妄信するなって百田くんに言った傍から凄い信頼だね……」テレッ

茶柱「変なところで照れないでくれませんっ!?」ガーンッ

最原「証拠を出す必要はないよ。周りを見てくれればわかると思う」

最原「ずっとゴタゴタしてたからね。精査してる暇もなかったかな」

星「……そうか。あまりにも明らかすぎて抜け落ちていたぜ」

星「俺たちは『死んでいたこと』になっていたんだったな? 『こちらに残った生徒たちの中』では」

茶柱「あっ!」

最原「そう。この点においては間違いなく『僕たちは記憶を改竄されていた』という状況証拠だ」

最原「……少なくとも『辻褄の合わない記憶を持っていた』とは断言できるよね?」

百田「……」

春川「それは……!」

最原「まあ所詮は状況証拠。これだけだと根拠としては弱いんだけど……」

最原「『ありえなくはない』って感じてくれるだけで今は充分だよ。記憶に関する証明って本当に難しいんだ」

真宮寺「そもそも、法と秩序に満ち溢れた外の世界においても、実は『決定的な証拠』ってヤツは中々レアなんだよネ」

真宮寺「裁判において重要なのは小さな根拠の積み重ねさ……まさに今やってるようにネ」

最原(本当はモノクマカラーのノートパソコンの中に入ってたオーディション映像とかもあるんだけど……)

最原(そこまでやる必要はまだないかな)
243 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/07(金) 21:54:36.25 ID:q5GYL+LN0
百田「ていうかよ。テメェら基本的なこと忘れてるんじゃねぇか?」

百田「キーボが現れてからの学園でのイベントは本当に心当たりがないみたいだけどよ」

百田「それ以前のことなら全部知ってるヤツがこの場にいるし、学級裁判の場なら話も聞けんだろ?」

百田「もう終一も過剰に守ったりしねーよな?」

最原「ん……そうだね。それじゃあそろそろ彼女に話を聞いてみようか」

茶柱「白銀さん」

白銀「……それは別にいいんだけどさ。最初から最後の学級裁判において真実を小出しにすることが首謀者の役割なんだし」

白銀「でもそんなことしてる暇ある?」

最原「え」

白銀「巌窟王さん遅くない?」

星「……おしおき、まだ続いてるな……?」

赤松「あれ? 変だな。もう巌窟王さん到着したの一瞬見えた……っていうか、水面の下に見える黒いのって巌窟王さんの炎だよね?」

アンジー「えっとねー……」

アンジー「『牢が頑丈すぎて壊せない』だって」

百田「あ!? 壊せないってことはねーだろ! だってアイツ、エグイサルだって破壊できてたよな!?」

アンジー「理論値の上では壊せないことはないんだけど、それやるともう本当に危ないんだよねー。消滅しちゃう」

東条「キーボくんと戦ったときの傷……!」

獄原「まだ響いてたの!? いや……それはそうだよ! 響いてないはずがないんだ!」

最原「どうしたら……!」

夢野「落ち着け。壊せないのなら分解すればいいんじゃ」

最原「!」

入間「アホか! どっちにしても似たようなもんだろ!」

最原「入間さん黙って!」

入間「」

最原「夢野さん! 何か心当たりがあるんだね!?」

夢野「ウチは赤松のようなアホはせんぞ。自分の分はキチンと弁えとる」

夢野「この超高校級の魔法使いに任せるがよい!」シャキィィィンッ
244 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/08(土) 20:04:03.04 ID:bKKTIJrh0
おしおき装置内

巌窟王「……」ゴボゴボ

巌窟王(物凄く苦しい! 仮にも霊体だというに、ただ水の中にいるだけで凄まじい不快感だ!)

巌窟王(久しいな。これが酸欠の感覚か)

巌窟王(……さて。しかしどうしたものか。俺より先に沈んでいたナーサリーは俺の比ではないはずだ。一刻の猶予もない)

アンジー『秘密子から伝言ー!』

巌窟王「!」

巌窟王(念話か……)

アンジー『水を運ぶ機構がどこかにあるからそれをぶっ壊して、だってー!』

巌窟王(バカな。そんなことをしたところで水が消えるわけではないぞ。魔力の無駄だ)

アンジー『あ、いや違くて。水をもっと多くしてほしいんだってー!』

巌窟王(何?)

アンジー『多分そうすればおしおきのシークエンスを時間的に短縮できるんだってさー。水が一定まで溜まったらすぐ排水!』

アンジー『……って仕掛けになってるからさー!』

巌窟王「……」

巌窟王(その場合、水圧の急激な増減でナーサリーに負荷がかかるだろうが……やらないよりはマシか!)




裁判場

最原「そうか。水が一定以上に溜まったら排水する手順になっているのなら……!」

夢野「もっと入れてやればいいんじゃ。そして速やかに排水。楽勝じゃろ」

百田「お、おお……すげぇ! 夢野すげぇな! よく気づいたもんだ!」

東条「それなら直接的に排水機構を破壊すればいいんじゃないかしら」

夢野「お勧めはできんのう……檻の関係で」

獄原「檻がどうかしたの?」

夢野「アンジー。続けて伝言じゃ。ちゃんと伝えるんじゃぞ」
245 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/09(日) 22:42:24.33 ID:oNAHjEG20
おしおき装置内

巌窟王「排水と檻の分解が同時に起こる?」

アンジー『だってー』

巌窟王「どういうことだ?」

アンジー『んっとねー! おしおきのシークエンスに、排水した後で檻を分解して終わりってのがあったでしょー?』

アンジー『その檻の仕掛けを見た秘密子が気付いたんだけどねー。その檻ってカラクリ細工なんだってさー』

アンジー『排水のときの水流で、隙間に入った水が檻の金具を弄るんだー』

巌窟王「なるほど。同時に排水によって檻を支えていた水の浮力が消え、結果檻は倒壊。中にいる者はそれに巻き込まれて命を落とす……」

アンジー『……あれ?』




裁判場

アンジー「言ってて気づいたけど、これ中の人、全然大丈夫じゃないよねー?」

夢野「そうじゃな。じゃがこの場合、ナーサリーがいるのが一番下の檻だというのが不幸中の幸いじゃ」

夢野「少なくとも墜落死をすることはない」

最原「……墜落死以外の危険性は?」

夢野「さっきモノクマが言ったような『檻のパーツが体に突き刺さって』ってヤツなら、あれじゃ」

夢野「賭けに出るしかないのう。モノクマのおしおきじゃからな。排水してから倒壊するまでの間には『もったいつけるようなモラトリアム』がある……」

夢野「と、思う」

最原「思う!?」ガビーンッ

夢野「倒壊する直前に檻の柵を一本取り外し、ナーサリーを救出し、外に出て安全圏に行けるはず!」

夢野「……じゃといいな」ガタガタ

最原「分の悪いギャンブルっていうか、夢野さんの願望だよね!?」

夢野「うっさいわアホウ! 流石に超高校級の魔法使いにも限度はあるんじゃあ!」

百田「でもよ! 今のところそれしか可能性はないだろ! 時間も明らかに足りてねえ!」

王馬「言うだけなら簡単だよね。実際に命を賭けるのは巌窟王ちゃんだけにさ」

アンジー「……」

巌窟王『かまわない。指示を出せ、マスター』

アンジー「!」

巌窟王『……それでいい』ニヤァ
246 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/10(月) 22:59:07.90 ID:v/Ep0xXb0
最原「……賭けに乗るんだね。巌窟王さん」

アンジー「うん。そのつもりみたい」

アンジー「……お願い!」

巌窟王『クハハハハハハハハ!』



ザパァァァンッ



春川「あっ」

百田「なんだ!? 水を運ぶポンプに攻撃したのか!?」

王馬「いや。あれは出水口の内の一つに何かを突っ込んだように見えたけど」

王馬「なんだろ。猫のぬいぐるみみたいな……」

最原「!?」ガビーンッ

天海「!?」ガビーンッ

白銀「!?!?」ガビビーンッ

巌窟王『……よし。あれは既に回収したな』

巌窟王『赤松! さっさと起爆指示を出せーーーッ!』

赤松「え? なに? 画面越しに何言ってるの?」

ネコアルク「お嬢。お嬢」クイクイ

赤松「ん。どうしたのネコアルク」

ネコカオス「起爆指示待ちだ。いつでも言ってくれ」

赤松「……」

赤松「……!?」バッ

最原(赤松さんも気付いたようだ。出水口にギチギチに詰め込んだそれは、水のせいで歪んでいるけど間違いなく)






赤松「ネコアルクじゃんッ!」ガビーンッ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/11(火) 04:18:56.83 ID:TlwWRliXO
そ、そうきたか〜
248 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/11(火) 19:39:00.65 ID:tNxOnlPX0
爆死のダメージが抜けきれてないので今日はなし……
249 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/12(水) 20:21:53.34 ID:Vp1Edu8Q0
赤松「き、起爆スイッチ……え!? なに!? 私に指示を出せって!?」

ネコアルク「決断を。閣下」

赤松「誰が閣下!?」ガビーンッ

ネコカオス「ただそのボタンを押す前に言っておく」

ネコカオス「ネコアルクは全員同型機だが、別々に行動する以上、どうしても経験と蓄積データに差異が生じる」

ネコカオス「その結果、稀だが突然変異のような個体が出ることもある。たまごっ●のようにな」

赤松「……えっと、それで?」

ネコカオス「その上で、だ」

ネコカオス「その別個の個性を産んだ後でも変わらないものもある。マスター、我々はあなたのことが大好きだった」

ネコアルク「それを知ってくれるだけで……それを知ってくれるだけで散っていくあの子も……ぐすっ! うかばれるっ!」ダバァァァァ!

赤松「重いよぉーーー!」ガーーーンッ

王馬「こいつら……わざとやってるのかな……」ヒキッ

春川「王馬が引くなら相当だよ」

ネコアルク「まあ冗談は置いといて指示をどうぞ」

赤松「……あの……うーんと……」アタフタ

最原「赤松さんっ!」

赤松「……わかったよ! わかってるって! ネコアルク! 起爆して!」

ネコアルク「泣いて赦しを乞うがいい……!」キラーーンッ







おしおき装置内

ネコアルク「滅びの定めにすら見放された、我が永遠の慟哭……空よ! 雲よ!」

巌窟王「?」

ネコアルク「哀れみの涙で……命を呪え!」

巌窟王「なんだその詠唱は」

ネコアルク「知り合いの自爆宝具のマネっこー」カッ



ドカァァァァァンッ!
250 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/12/13(木) 20:44:23.60 ID:l4t6TgLE0
ザバァァァァァ!

巌窟王(よし。水の勢いが増した。これならあと二十秒もあれば……)

巌窟王「……二十秒すら惜しいぞ! 間に合え!」ソワソワ

ガチョンッ ザバァァァァァ!

巌窟王「……排水が!」

アンジー『始まった! しかも思ったより排水のペースが速い!』

巌窟王「アンジー! 搾り取るぞ!」ボオオオオッ!

ギュンッ ドボンッ




裁判場

最原「また潜った!」

夢野「水流で金具が弄られた直後、水の浮力が消える直前を狙っておるんじゃな。それでいい! それがベスト!」

王馬「でもここまでしても、結構な時間かかっちゃったからなー。あの女の子の命が風前の灯火状態なことに変わりはないよね」

王馬「仮に助けられたとしてもさ、何らかの後遺症が残っちゃうかもよ?」

百田「おい王馬。言いたいことがあるならもっとハッキリ言え」

王馬「適当なところで諦めて戻ってくるように指示するのも勇気なんじゃないの? どっちも死んだら元も子もないんだしさ」

最原「……それは」

アンジー「大丈夫。アンジーは信じてるから」

最原「!」

アンジー「絶対に上手く行く……アンジーがそうだと信じてるから、絶対にそうなんだ!」
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