モバP「未来のお嫁さん?」響子「はい!」

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39 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:18:53.11 ID:endLyi5+0
響子「それとこれは話が別ですっ」

母「そうですよ。是非食べていってください」

父「P君、大切な娘を任せるんだ。君自身のことが知りたい。少し話していこうじゃないか」

次女「私も気になるわ、プロデューサーってどんな仕事しているの?」

三女「私も〜」

長男「P兄貴は今から俺たちと遊ぶんだよ!なっP兄貴!」

次男「そうだそうだー!」

P「ははは それじゃあしばらくお邪魔しますね」

響子「はいっ、ゆっくりしていってくださいね!」

母「ふふ♪ 家族が増えたみたいで嬉しいわ」
40 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:19:31.81 ID:endLyi5+0
〜駅〜
P「わざわざ駅まで見送りに来てくれてすまないな」

響子「いえいえ、これから長いお付き合いになるんですから当然ですよっ」

P「ははは ありがとな」

アイドルのスカウト結果の報告を今日中にしなければならないらしく、プロデューサーさんは駅に来ていました。私はお見送りです。

響子「忙しいのに長い間引き留めちゃってごめんなさい」

P「とんでもない!すごく楽しかった。ここ数日ずっと歩き回ってたからリラックスできたよ。夕食も美味しかったしね」

響子「お父さんったらアルコールが入ったら話が長くって…弟たちも迷惑かけませんでしたか?」
41 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:20:04.13 ID:endLyi5+0
P「そんなことないさ。よくしてくれたよ。いい家族をもったな」

響子「えへへ、自慢の家族です」ニコニコ

P「…うん。やっぱり素敵な笑顔だな」ボソッ

響子「?なにか言いましたか?」

P「いや、なんでもないよ」

P「夜道は危険だ。気を付けて家に帰るんだよ」

響子「歩いて3分だから大丈夫ですよ!プロデューサーさんの方こそ気をつけて東京に戻ってくださいね」

P「はは ありがとな」

P「…これから二人で頑張っていこうな」

響子「はいっ」
42 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:21:59.23 ID:endLyi5+0
それからは怒涛の毎日でした。東京へ行くための荷造りをしたり、高校へ転入届を提出しにいったりしました。
先生は驚いていたけど笑って応援してくれました。
どこから話が漏れたのかクラスのみんなにも私がアイドルになるって知られていたのはびっくりしたなあ。
43 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:23:06.66 ID:endLyi5+0
出発前日には友ちゃんを筆頭にみんながお別れ会を開いてくれて、最後にはたくさんの応援メッセージが書かれた色紙を渡されました。
みんなの暖かい気持ちに触れて思わず泣いてしまったのは内緒ですっ。
夜には家族が私のためにパーティーを開いてくれました。
お母さんと次女ちゃんが用意してくれたいつもよりちょっと豪華な食卓、お父さんの激励の言葉、弟妹たちからのプレゼント、また泣いてしまいました。今日の私は泣き虫さんですね!
そして、遂に出発の日が訪れました…
44 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:27:17.11 ID:endLyi5+0
〜出発日 空港〜
父「忘れ物はないか?ハンカチは持ったか?チケットは?あとそれから…」

お父さん、私より慌てて…家族の大黒柱なんだから落ち着いて!

長男「俺も母さんの手伝いするからさ…その…姉ちゃんもがんばれよ」

うんっ 長男としてみんなを支えてあげてね!

次女「家のことは私達に任せて、お姉ちゃんはアイドル頑張ってね!お姉ちゃんに負けないくらい料理上手になってみせるから!」

ふふっ わたしだって負けないからね

次男「姉ちゃんファイト―!!」

はいっ お姉ちゃん頑張っちゃいますよー

三女「お姉ちゃん!私が教えた魅惑テクニックでプロデューサーさんを落としてね!」

プ、プロデューサーさんとはそういう関係じゃありません!!…ありませんったら!

母「響子、私達はずっとあなたの味方よ。でもたまには声を聴かせてね。約束よ?」

お母さん…ありがとう!絶対に電話にするよ。約束!

響子「みんな見送りしてくれてありがとう!私、行ってくるよ!」

45 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:28:09.18 ID:endLyi5+0
五十嵐響子。アイドル目指して頑張りますっ!!
46 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:31:57.21 ID:endLyi5+0
〜346プロ 第1芸能課〜
P「いよいよ今日かあ」

鳥取を出発し、急いで東京に戻った僕は事務所で待っていた社長に五十嵐さんをスカウトしたことを伝えた。
期限ギリギリだったのにも関わらず、社長は笑顔で僕を出迎えてくれた。
君なら必ず成し遂げてみせると信じていたと言われた時には感動して思わず泣きそうになった。
シンデレラプロジェクトに参加してスカウトをしに行った他の第1芸能課のプロデューサー達も無事帰ってきたそうだ。
それから数日、五十嵐さんが正式にプロダクションに所属するための準備をしていた。
そして遂に今日は五十嵐さんが東京に来る日だ。

47 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:32:23.68 ID:endLyi5+0
ちひろ「たしか五十嵐響子ちゃんでしたよね。プロデューサーさんがスカウトした子の名前。なんでも鳥取まで行ってスカウトしてきたとか」

蛍光グリーンの事務服を着たこの女性は俺が346プロに入社した時からアシスタントとして支え続けてくれている千川ちひろさんだ。とても優しく、頼りがいのある人だ。

P「はい。明るくて家族思いな素敵な女の子ですよ。なかなかスカウトが上手くいかなくて落ち込んでいたんですけど、最後の最後で彼女に出会うことができましたから…それだけでもうあちこちを歩き回ったかいがあったというものですよ」

ちひろ「でもプロデューサーさんにそこまで想われているなんて、ちょっと妬けますね」クスッ

P「ち、ちひろさん!からかわないでくださいよ〜」

ちひろ「ふふっ、ごめんなさい。プロデューサーさんをからかうと面白くて」
48 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:33:43.74 ID:endLyi5+0
ちひろ「今日は響子ちゃんに東京を案内する予定でしたね。」

P「ええ、まず女子寮に手荷物を置いてからですけど色々見て回ろうと考えています」

ちひろ「遠く離れたところから都会に来て心細いでしょうからPさんが責任をもってしっかりエスコートしてあげてくださいね」

P「はいっ!」

ちひろ「たしか響子ちゃんの乗った飛行機はあと1時間後に東京に到着でしたね」

P「そうですね。道が混雑して遅れるのは困りますし、そろそろ空港に行こうと思います」ガタッ

ちひろ「それがいいと思いますよ。事故に合わないよう気を付けて運転してくださいね」

P「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます!」ガチャ

ちひろ「はい、いってらっしゃい」

49 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 16:34:09.67 ID:endLyi5+0
ちひろ「…いつも頑張っているなあPさん」

社長「彼がいなくなって寂しいかい?」

ちひろ「少しだけですけd って社長!何言っているんですか!!」

社長「いやいや、そんな取り残された子犬みたいな顔しているのを見るとつい」

社長「愛しの彼が他の女性とデート…私のアプローチには見向きもしないのに!みたいな」

ちひろ「プ、プロデューサーさんさんとはそういう関係じゃありません!私はアシスタントです!ア・シ・ス・タ・ン・ト!」ぷんすか

社長「はっはっは すまんすまん」すたすた

ちひろ「…」

ちひろ「鈍感なプロデューサーが気づくわけないじゃないですか」ボソッ
50 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:26:13.39 ID:endLyi5+0
〜空港〜
響子「うわぁ、人がたくさん!」

初めての飛行機にわくわくしながら搭乗して1時間ちょっと、遂に東京に着きました!
普段見上げていた空に浮かんでいた雲の上を飛んできたと思うと何だか不思議な気分になります。

51 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:26:54.49 ID:endLyi5+0
響子「ええっと プロデューサーさんとの待ち合わせ場所はっと…」

P「お〜い、五十嵐さ〜ん」ぶんぶん

響子「あ!プロデューサーさん!」タッタッ

P「久しぶり。ってまだ1週間しかたってないか」タハハ

響子「1週間もですよ!毎日どきどきわくわくして中々眠れなかったんですから。」オヒサシブリデス!

P「ははは アイドルを始めればそれ以上のワクワクが待ってるさ」

P「こんなところで立ち話するのもなんだし、早速移動しようか。今日はいろいろ案内したいところがあるんだ」

響子「おお〜楽しみです♪早く行きましょうっ」
52 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:27:24.80 ID:endLyi5+0
〜車の中〜
響子「最初はどこから行く予定なんですか?プロデューサーさん」

P「まずこれから住むことになる女子寮に向かうよ。引っ越し作業はもう終わっているらしいからとりあえず手荷物だけを置きにね」

響子「なるほど〜」

P「今日1日、結構忙しいけど大丈夫か?」

響子「大丈夫ですよっ 伊達に一家のお姉ちゃんしていたわけじゃありませんから!」

P「ははは 頼もしいな」
53 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:28:09.73 ID:endLyi5+0
〜女子寮前〜
P「ここが女子寮だよ」

響子「おお〜綺麗な建物ですね」

P「シンデレラプロジェクトのために新築された寮だからな。出来立てホヤホヤってやつさ」

響子「ということはアイドルの先輩たちも住んでいるんですよね」

P「入居人はまだ少ないけどね」

響子「な、なんだか緊張してきました」

P「みんないい子達だから大丈夫だよ。きっと歓迎してくれる。さ、行こうか」

響子「は、はいっ」
54 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:29:34.68 ID:endLyi5+0
〜女子寮〜
??「あっ こんにちは!Pさん」

P「こんにちは、相葉さん。今日も元気そうだな。」

花のような笑顔で俺たちを迎えてくれたのは346プロ所属の新人アイドル、相葉夕美だ。
彼女は花が大好きな18歳の女の子で同僚のプロデューサーが公園でスカウトしてきたらしい。部屋の模様替えを一新したいという理由で先日この女子寮に引っ越してきたそうだ。

夕美「え〜と、あなたは…あっ!もしかして今日女子寮に来る予定の新しいアイドルの子?」

響子「はっ、はじめまして!今日からこの女子寮でお世話になる五十嵐響子ですっ。しゅ、趣味は家事全般です!よろしくお願いしますっ」

夕美「うんっ、はじめまして!私の名前は相葉夕美だよ。趣味はガーデニングかなっ。これからよろしくね!」

55 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:30:40.75 ID:endLyi5+0
響子「はいっ 夕美先輩!」

夕美「夕美でいいよっ。でもうれしいな。私もまだアイドルになったばかりだから右も左もわからなくて…えへへ仲良くしてね」

響子「こちらこそ!」

二人とも仲良くなれそうだな。よかったよかった。

P「玄関口にいたってことはもしかして出かけるところだったのか?」

夕美「うんっ少し買い出しに行こうと思ってたんだ〜 ね、志希ちゃん♪…あれっ、いない!?さっきまでいたのに!」
56 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:31:34.27 ID:endLyi5+0
P「一ノ瀬さん…また失踪したのか…買い出しって今晩の“アレ”のだよな?」

夕美「うん…でも平気だよっ。少し足りなかったものを買いに行くだけだから!」

P「そうか…悪いな、任せちゃって」

夕美「全然大丈夫だよ〜みんな今日を楽しみにしていたんだから!」

P「ああ、ありがとう。一ノ瀬さんを見かけたら相葉さんは買い物に行ったって伝えておくよ」

夕美「よろしくね。それじゃあ響子ちゃん、また後でっ」ぱたぱた

響子「はいっ いってらっしゃい!」
57 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:32:34.59 ID:endLyi5+0
??「」コソコソ

響子「優しそうな人だったなあ… ??「ツンツン♪」へ?」クルッ

??「ばあっ!」ガバッ

響子「きゃあ!」

??「クンカクンカ…う〜ん女の子のいい匂い♪」

響子「え?え?」あせあせ

P「一ノ瀬さん!?いつからそこに!?」

響子に抱き着いてクンカクンカしているのは同じく346プロ所属のアイドル、一ノ瀬志希だ。
彼女も相葉さんと同じ18歳の女の子でまた別の同僚のプロデューサーが街でスカウトしたそうだ。(というか勝手に付いてきていたらしい)
失踪癖があるらしく、あいつもよくぼやいていたっけ…
58 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:33:33.16 ID:endLyi5+0
志希「う〜ん10分くらい前からかな〜」パッ

P「ずっと隠れていたのか…」

志希「どうも〜 一ノ瀬志希だよー。趣味は観察・アヤシイ実験かなあ〜。よろしくね〜♪」

響子「ええと、私の名前は五十嵐響子ですっ。趣味は家事全般です!よろしくお願いします!」

志希「うんうん、知ってる〜 鳥取出身なんだよね〜」

P「あれ、なんで知ってるんだ?」

志希「そりゃあしきちゃんはギフテッドだからね〜」

P「はぁ…相葉さんが君のこと、探していたぞ」

志希「ダイジョブ、ダイジョブ〜今から追いかけるからさー」

59 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 19:33:59.80 ID:endLyi5+0
P「場所はわかるのか?」

志希「モチロン!わかるよー!夕美ちゃんのライラックな残り香を辿っていけばあっという間さ〜」

響子「おお〜アイドルってすごい…」

志希「にゃはは〜♪それほどでもあるかな〜」

P「アイドルは関係ないと思うぞ…」

志希「いいスメルもいっぱい嗅げたしそろそろ行くね〜二人とも、バ〜イ♪」とことこ

響子「ま、またねー!」

響子「志希ちゃん…かあ 面白い人ですねっ」

P「ホント、退屈しないな。此処は…」
60 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:32:32.70 ID:endLyi5+0
P「ここが五十嵐さんの部屋だよ」

響子「うわー!」

志希ちゃんと別れた後、プロデューサーさんに部屋まで案内してもらいました。
一人暮らしをするには十分な広さで、日当たりもよく、居心地のよさそうな部屋でした。
ベランダがあるので洗濯物もしっかり干せそうです。キッチンも広めなスペースに設計されているのでお料理もはかどりそう
61 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:34:01.10 ID:endLyi5+0
響子「素敵な場所ですね!」

P「周囲のインフラも充実してるし、事務所も近い。結構いい立地していると思うよ。」

手荷物として持ってきたキャリーバックを置き、中から必要最低限の物だけを取り出して準備完了!

P「それじゃあ行こうか」

響子「行きましょうっ」
62 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:34:35.05 ID:endLyi5+0

それから私とプロデューサーは色々なところを見て回りました。
生活用品を揃えるのに便利なスーパーや転入先の学校、バスや電車の乗り場などなど。
街には鳥取とは比較にならないほど多くの建物が立ち並び、たくさんの人が行き交っていて自分が大都会にやって来たことを強く実感できました。
そして…
63 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:35:28.18 ID:endLyi5+0
~346プロ前~
P「さあ、着いた。ここが346プロだよ」

響子「大きな建物ですね…」

P「中はいろいろな部署に分かれていてね、僕と五十嵐さんはアイドル部門の第1芸能課所属になるよ。」

響子「第1芸能課…ですか?」

P「ああ、アイドル部門には複数の課があってね、相葉さんや一ノ瀬さんも第1芸能課所属だよ。だから今後、事務所で顔を合わせることも多いだろうね」

響子「そうだったんですか」

P「新設されたばかりだからどの課もまだ所属アイドルは少ないけどね」

64 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:36:07.05 ID:endLyi5+0
P「さ、行こうか」

響子「よ、よ〜し。気合入れていきますよ〜」ブルブル

P「緊張しないでっていうのは無理な話かもしれないけど、心配はしなくていいからね。社長もアシスタントさんも優しいひとだから。それに…」

響子「それに…?」

P「言ったろ?僕がずっと支えるって。二人一緒なら恐いものなんてないさ!」

響子「! はいっ♪」

65 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:36:48.88 ID:endLyi5+0
〜346プロ 第1芸能課〜
P「ただいま戻りました!」

響子「し、失礼しますっ」

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん。それと、響子ちゃんですね。ようこそ、第1芸能課へ!」

社長「彼女が響子くんか…ほうほう」そわそわ

響子「五十嵐響子です!今日から346プロダクションでお世話になりますっよろしくお願いします♪」

ちひろ「こちらこそ。よろしくお願いしますね」

社長「明るくて結構結構!よくやったぞ!Pくんっ」そわそわ

ちひろ「社長、少し落ち着いてください。響子ちゃんやプロデューサーさんもお疲れでしょう、ソファにでも座ってくつろいでいてください。今お茶を出しますから。」

P「ありがとうございます。ちひろさん」

響子「お気遣いありがとうございますっ。」
66 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:38:01.85 ID:endLyi5+0


社長「さて、そろそろ落ち着いた頃だろう。始めようか」

ちひろさんに出してもらったお茶を飲み終えた私とプロデューサーさんはソファに座り、テーブルを挟んで同じくソファに座っている社長と向き合っていました。
社長は私の目をしっかりと見据え、さっきまでの温厚さは消え、威厳のある声で語り始めました。

67 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:39:30.56 ID:endLyi5+0
社長「世はまさにアイドル時代。あらゆるプロダクションからアイドルが生まれてきた。そんな時代の流れに我が346プロも遅れてはならない。そこで私は新たにアイドル部門を作り、シンデレラプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトによって、新たな時代を象徴するシンデレラを誕生させる!これが私の願い…いや、民衆の望みなのだ」

社長「トップアイドルへの道は楽しいことばかりではない…辛く、厳しいこともあるだろう。五十嵐響子くん、君にはその“覚悟”があるかい?」

68 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:40:25.91 ID:endLyi5+0
響子「あります」

社長「ほう、即答かね。その心は?」

響子「私は…家事が少し上手いだけの普通の女の子です。今でも自分がスカウトされたのが信じられないくらいです」

社長「…」

響子「でも私は独りじゃありません。応援してくれる家族や友達、そしてなりより…こんな私をずっと支えてくれるって約束してくれた“人”がいるんです」

P(響子…)

ちひろ(…)

響子「だから私っ、みんなに笑顔を届ける素敵なアイドルになりたいです!」
69 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:41:10.24 ID:endLyi5+0
くん、素晴らしい子を見つけたな」

P「社長…!」

社長「響子くんっ!!!」

響子「はいっ!」

社長「本日より君は我が346プロダクションの一員だ!これからよろしく頼むよ〜」

響子「あ、ありがとうございます!」

社長「さあ、新たなアイドルの誕生だっ!!」
70 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:41:51.33 ID:endLyi5+0
346プロのアイドルとして正式に所属となった私は今、プロデューサーさんに女子寮まで送ってもらっていました。

〜車の中〜
P「よく頑張ったな。いろいろあって疲れただろう」

響子「はい、もうおなかペコペコですよ〜」

P「はは まあこれで五十嵐さんは正式にアイドルとして認められたってわけだ」

響子「アイドルかあ」

P「まだ実感はないか?」

響子「はい…なんだかまだ夢の中でフワフワしているみたいで」

P「まあアイドルとしての実感はおのずと湧いてくるものさ。まだ始まったばかりだしね」

響子「そうなんでしょうか?」

P「ああ、っと女子寮に着いたぞ」
71 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:42:23.69 ID:endLyi5+0
〜女子寮前〜
響子「今日は本当にありがとうございました!」

P「こちらこそ。響子も1日よく頑張ったな」

響子「プロデューサーさんももうお帰りですか?」

P「いや、もう少しだけ事務所に用があってな。それが終わってからかな」

響子「そうなんですか…無理しないでくださいね」

P「大丈夫大丈夫、響子も体に気をつけるんだよ。明日から忙しくなるぞ〜」

P「今日はお疲れ様。みんなが寮で待ってるよ」

響子「? お疲れさまでした!」

72 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:43:19.68 ID:endLyi5+0
〜女子寮〜
夕美「あっ響子ちゃん!おかえりっ」

志希「にゃはは〜おつかれ〜」

響子「夕美さんに志希ちゃん!?これは!」

プロデューサーさんと別れ、女子寮に入ると夕美さんと志希ちゃんがたくさんのごちそうやデザートを用意して待ってくれていた。

73 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:43:45.12 ID:endLyi5+0
夕美「ふふっ、驚いたかな?今夜は響子ちゃん歓迎パーティーだよっ」

志希「うんうん♪新しいオトモダチ誕生の記念日だからねー。しきちゃんも準備頑張っちゃったゾ〜」

響子「二人とも…ありがとう!」

夕美「えへへっ、どういたしまして!結構上手くできたと思うから食べて食べて!」

志希「夕美ちゃん夕美ちゃん もう食べていいよねいいよね!もうおなかがペコペコだよ〜」そわそわそわ

夕美「ちゃんと手を洗ってからだよ」

志希「やったぜ。」
74 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:44:22.49 ID:endLyi5+0
それから、3人で歓迎パーティーを楽しみました。2人が用意してくれたごちそうはとても美味しかったです!
夕美ちゃんいわく、胃袋を掴むことこそ勝利の近道だそうです。私も負けていられませんねっ。
プロデューサーさんも一緒に食べられたらよかったのになあ
75 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:45:42.31 ID:endLyi5+0
〜346プロ 第1芸能課〜
P「ふぃ〜こんなものかな」

仕事が一区切りつき、パソコンのキーボードから手を放す。五十嵐さんを寮まで送ってから事務所に戻り、3時間ほど経過していた。

夕美P「よっ、終わったようだな」

P「おう、そっちもお疲れ」
76 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:46:10.40 ID:endLyi5+0
夕美P「たしか今日新しく入ってきた子…響子ちゃんだったか。寮で歓迎会しているらしいじゃないか。夕美ちゃんに聞いたぞ〜Pがしようって提案したんだろ?」

P「ああ、遠いところから単身で東京まで来て心細いと思ってな。相葉さんと一ノ瀬さんならきっとすぐ仲良くなれそうだろ?」

夕美P「せっかくならお前も参加すればよかったのに。今日の分のノルマ、もう終わらせていたんだろう?」

P「他のプロデューサーやちひろさんが頑張っているのに、俺だけが仕事しないわけにはいかないよ」

夕美P「まったく…まじめなやつだなあ。響子ちゃんってどんな子なんだ?」

P「明るくて、優しい女の子さ。表情の一つ一つがとっても素敵なんだ。ステージの上に立つのが今から楽しみだよ」

夕美P「ぞっこんだなあ」

P「そっちも人のこと言えないだろう」
77 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:46:53.63 ID:endLyi5+0
夕美P「勿論!アイドルのプロデューサーっていうのは自分の担当が世界で一番かわいいって思っているものさ。担当が成長していく姿に目が離せない」

夕美P「お前もそうだろ?志希P」

志希P「俺の場合、別の意味で目が離せないよ…相手側の顔合わせの時間3分前に失踪した時はどうしようと思ったことか」きりきり

夕美P「ええっと…なんかすまん」

P「大変そうだな…」

夕美P「ま、まあ!何はともあれ、これから忙しくなるぞ。今はひとりだけど、俺たちの担当アイドルも増えていくだろうからな」
78 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:49:14.06 ID:endLyi5+0
志希P「別の部署から新しい人員が転属してくるって話もあるしな」

P「そうだったのか?知らなかった…」

志希P「ふっふっふっ 情報を制するものこそ、戦いを制するものさ」メガネクイッ

夕美P「いつも志希ちゃんに振り回されているやつがよく言うぜ〜」

志希P「なんだとー!!」

ギャーギャー ワーワー 

ちひろ「夕美Pさんに志希Pさん!静かにしてください、何時だと思っているんですか!!」

夕美P、志希P「「すいませんでした」」

P「ははは…」

P(そうだ…五十嵐さんだけじゃなくて、僕にとってもここからがスタートなんだ)

P「頑張らないとな…」ボソッ
79 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:52:31.86 ID:endLyi5+0
私が東京に来た次の日からアイドル候補生として、目まぐるしく日々が過ぎていきました。
新しい高校での学校生活、宣材写真の撮影、トレーナーさんによるボーカル・ビジュアル・ダンスレッスン、お世話になる人たちへの挨拶回りなどなど。
とっても忙しくて大変だったけど充実した毎日でした。
そして、遂に私のアイドルとしてのデビューの日が訪れました。
80 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:54:52.62 ID:endLyi5+0
〜デビュー当日 舞台袖〜
響子「もうすぐライブ…集中集中…」そわそわ そわそわ

P「お〜い、五十嵐さん。調子はどうだー」ガチャ

響子「ぷ、プロデューサーさん」そわそわそわそわ

P「うおっ、五十嵐さん。落ち着いて」

響子「す、すいません。今日の為に今までいっぱい頑張ってきましたけど…私にとって、初めてのライブだから…本当に観に来てくれる方、いるんでしょうか」

P「五十嵐さん…」

響子「ううん、お客さんで席が埋まったとして、私、みなさんを満足させることができるんでしょうか?」

響子「たくさんの人が会場の準備をしてくれて、プロデューサーさんには素敵な歌や衣装まで用意してもらったのに、もし、うまくできなかったら、どうしようって、不安で不安でたまらなくなってしまって…」ガタガタ

81 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:55:21.28 ID:endLyi5+0
P「…」

P「実は、五十嵐さんに渡したいものがあるんだ」

響子「これは…手紙?」

手紙を開くとそこには短くもたくさんの想いが込められた家族からのメッセージが綴られていました。

(遂にアイドルとしてデビューするそうじゃないか、でも肩に力をいれたらだめだぞ。一生懸命歌えばきっと上手くいくさ by父)

(響子姉ちゃんもうデビューするんだって!?凄いな!頑張れよ! by長男)

(お姉ちゃんなら絶対成功するよ。だって世界で一番かわいいお姉ちゃんだもん! 次女より)

(デビューおめでとー!!!わたし、学校の友達に自慢しちゃった!!目指せ最強のお姉ちゃんアイドルだよっ 三女より)

(デビューすげーな!ねえちゃん CDでたらいっぱいきくよ by次男)

(デビューおめでとう。今からライブ本番かしら。心配しなくても大丈夫、貴方は私の自慢の娘よ。家族みんなが貴方を応援してるわ。ママより)

82 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:55:57.40 ID:endLyi5+0
響子「み、みんな…ぐすっ」

P「遠く離れていても、ちゃんと五十嵐さんのことを想っている人がいるんだ。五十嵐さんなら絶対大丈夫さ。それに…」スッ

響子「ぷ、プロデューサーさん///?」

P「僕がずっとそばで見てるよ。だから五十嵐さんはひとりじゃない」なでなで

響子「!」ドキッ

P「そろそろ時間だな…いっておいで五十嵐さん」スッ

響子「…響子」

P「へ?」

83 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 21:56:51.89 ID:endLyi5+0
響子「響子って呼んでください。そうしたら、きっと頑張れると思うんです」

P「え、え〜と」あせあせ

響子「ダメ…ですか?」

P「うっ、わ、わかったよ」ドキッ

P「いっておいで、き、響子」

響子「はいっ!!行ってきますっ、プロデューサーさん!!!」ダッ

P「…あの上目遣いは反則だろぉ」ドキドキ

響子が出ていった途端、会場が割れんばかりの歓声が舞台袖まで届いてきた。衣装に身を包み、最高の笑顔で誰よりもステージの上で輝く姿はまさしく…シンデレラのようだった
84 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 22:03:08.91 ID:endLyi5+0
響子「会場のみなさ〜ん!はじめましてっ、五十嵐響子です!今日は私のデビューライブに来てくれてありがとうございます!!一生懸命歌いますので、応援よろしくお願いしまーす!!!」

終わり
85 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 22:07:35.30 ID:endLyi5+0
以上で終わりです。今まで読み専だったので、自分でssを書くのは新鮮で楽しかったです。ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました!
86 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 22:09:21.86 ID:endLyi5+0
69の一行目の文は

社長「Pくん、素晴らしい子を見つけたな」

です。投稿ミスをしてしまい申し訳ありませんでした。
87 : ◆UpHOrkEMJ2 [saga]:2018/08/29(水) 22:12:33.81 ID:endLyi5+0
次はアホ毛がかわいいあの子をメインにしたSSを書いてみたいです。もし見かけた時はよろしくお願いします!
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/30(木) 01:15:24.20 ID:uOIO4J6DO
乙がんばれ
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