バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」

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1 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 15:07:31.80 ID:GYV8vN900
立て……立つんだスレ……

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542694051
2 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/20(火) 15:16:39.47 ID:Jv0JlffCO
バットマン「グランド……オーダー?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511494020/

バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517495048/

前スレをば。ここまで長くなるとは……(想像力の欠如)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 17:25:23.43 ID:lg7jukWS0
そして気が付けば10スレ目
4 : ◆GmHi5G5d.E :2018/11/20(火) 19:14:44.01 ID:GYV8vN900


………………

霧「」ズォォォォォオ……

パラケルスス「……」タッタッ

パラケルスス「……」タッタッ……ピタッ

パラケルスス「……」ジッ


街「」…………


パラケルスス(……)


パラケルスス「……マキリ、聞こえますか」ピッピッ

通信機『パラケルススか。ああ、聞こえている』

パラケルスス「今すぐ『雷』の召喚に取り掛かって下さい。私はもう、戻れそうにない」

通信機『……そうか。分かった、召喚を開始する。さらばだパラケルスス』

パラケルスス「さようなら、マキリ」プツッ……


5 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:15:48.98 ID:GYV8vN900



パラケルスス「……」


パラケルスス(私に、その権利はない。私の魂には既に罪が染み付いた)

パラケルスス(やり直す事などできない。汚れた手で、美しい理想を作る……ああ、心地良い御題目だった)

パラケルスス(最後に……少しでも、貴方の理想を手伝わせてください、マキリ)


ホムンクルスA「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスB「……」ズルズル……

ホムンクルス達「「「」」」ザッ、ザッ


パラケルスス「ここの守りを固めます。彼らをこの先へ行かせはしない」


6 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:16:19.15 ID:GYV8vN900



………………


ナーサリー「きゃっ!?」ドサァッ

ジャック「あぶない!」ガガァッ?

ホムンクルスD「……」ブォンッ

ジャック「うわっ!?」ドシャ、ゴロゴロッ

フラン「フンッ!」ガッ、グィィィ

ホムンクルスD「!?」ドシャシャシャシャシャ……

ホムンクルスE「!!」グォッ

ホムンクルスF「!!!」ドシィ?

フラン「ウゥ……!」ガギィィィィ?



ジキル(守りが明らかに固い。この先に敵の本拠地があるのか、それともブラフなのか……このままじゃ押し切られる!)


7 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:16:58.03 ID:GYV8vN900



ハイド(使えよ。あの薬を)

ジキル(……駄目だ! 逃げないと! あの薬には頼れない。絶対にダメだ!)


ジキル「皆っ、一旦屋内に退避しよう! フラン、また霧に電撃を通してもらえるか!?」

フラン「う、ウゥ……!」バチバチバチバチィ?


霧「」バチチチチチチチチチチチィ?


ホムンクルス達「「「」」」ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂィ……


ジキル(この隙に、ブルースからもらったスモークペレットで……!)ドシュゥゥゥゥゥゥゥ……


ジキル「今だ皆、隠れよう!」

ジャック「うん!」

ナーサリー「分かったわっ!」

フラン「ウゥ……!」ヨロヨロ


8 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:17:27.46 ID:GYV8vN900



扉「」バタンッ


ジャック「はあ、はあ……」

ナーサリー「たい、へんね……数が多すぎて、相手取れないわ」

フラン「……ウゥ……」

ジキル「……このままじゃ進めない……」


ハイド(いつまで俺を否定してるつもりだ? 使えよ、俺がまたお前に教えてやる……肉を裂く快感、命が消える瞬間の恍惚! 覚えてるんだろ?)

ジキル(黙れ……僕はもうお前に頼らない、絶対に)

ハイド(忘れたなんて言わせねえ。俺はお前だ。罪は染み付いてる、そうだろう? 一度も二度も変わらねえさ……)


ジキル「……」


ジキル(落ち着け……恐怖ガスを吸い過ぎて、幻聴が酷くなってる……)


ハイド「俺が幻だとでも?」

9 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:17:54.59 ID:GYV8vN900



ナーサリー「え?」

ジキル「っ……なんでもない。なんでもないんだ」

ナーサリー「……ひどい汗よ、ミスタージキル」

ジキル「……」

ナーサリー「何だかよく分からないけど、休んだ方が良いなら……」


扉の外「」ドシ、ドシ……ドシ、ドシ


ジキル「いいや、移動しよう。このままじゃ見つかる」スタスタ


10 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:18:35.02 ID:GYV8vN900


ジキル(そうだ、分かってたハズだ。僕は逃げられない。因果応報だ。分かってる)スタスタ


ジャック「どうするの?」

ジキル「敵はまだ僕たちを見失ったままだ。このまま裏口から出て……見つからないように進んで、敵の本拠地を見つけよう。うまくいけばそのまま相手の企みを阻止できる」

ナーサリー「そう上手くいくかしら……」

ジキル「……速攻で叩けば何とかなるさ。さあ、行こう」

フラン「ウゥ!」コクコク


11 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:19:02.60 ID:GYV8vN900


………………


霧「」ズォォォォォオ……


ジキル「……」コツ、コツ……

ナーサリー「……」ソロソロ……

フラン「……」スタスタ

ジャック「……」ヒタヒタ……


街灯「」……



12 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:19:31.01 ID:GYV8vN900



ジキル(……静かだ)コツ、コツ……

ジキル(初めて殺人を犯した夜も、こんな静けさが漂っていた)

ジキル(ステッキで老人を殴り殺したんだ。今でも、鮮明にその感触を思い出せる。老人の命乞いも)

ジキル(僕は全てをハイドのせいにした。ハイドという人格がやったんだ。そう思い込んで、罪悪感を全て押し付けた。そして、その人格を封印した)

ジキル(……でも、僕も本当は、分かっていたのかもしれない)ピタッ


ジキル「……」

パラケルスス「……来ましたか、偽の希望を持つ者よ」


ジキル(いつか、過去が僕を殺しに来ると)


13 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:20:10.48 ID:GYV8vN900



パラケルスス「この先へ行かせる訳にはいきません。あなた方には、ここで消えて頂きます」

ナーサリー「待ち伏せられてたのね……」ジリッ

ジキル「どうして本拠地に戻ってないんだ? 折角スケアクロウが囮になってくれたっていうのに」

パラケルスス「……人は、過去からは逃れられません。私は罪を犯した。穢れた魂の持ち主が、理想の世界に居る事ができますか?」

ジキル「……!」

パラケルスス「一度罪を犯せば、元に戻る事はない。言ったハズです。悪に染まった魂を、善良な心は直視できないと。私は悪鬼のまま、ここで死ぬ」


14 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:20:41.18 ID:GYV8vN900



ジャック「……どうするの?」

ジキル「っ……やるしかない。皆構えて、彼を倒す!」

フラン「う、ウゥゥオォ!!」バチバチバチバチィ?

ナーサリー「植物園では後れを取ったけど、今回は!」


パラケルスス「無論、そう来るでしょう。ですが……これは、どうでしょうね」パチンッ


ホムンクルスA「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスB「……」ドシ、ドシ

ホムンクルス達「「「」」」ザッ、ザッ、ザッ……


ジキル「なっ……」


ジキル(まだ、こんな量のホムンクルス達が……!?)


パラケルスス「さあ、……圧し潰しましょうか」スッ


15 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:21:29.44 ID:GYV8vN900


ホムンクルスA「オォォォォ!」ドォッ

ホムンクルスB「アァァァァァッ!!!」グォンッ

フラン「グゥッ……」ガギャァ?

ホムンクルスC「……!!」ブォン?

フラン「がっ!?」ドシャシャシャァ……


ナーサリー「フランッ!」ギュギュギュ、ドドドドォッ

ホムンクルスC「ぐぎ……」ドシャシャシャァ

ホムンクルスX「!」バシィィィ?

ナーサリー「うッ」ガガッ、ゴロゴロ……


ジャック「くっ……」ガガッ、ガギギッ

パラケルスス「やはり貴方は特別厄介なようだ」ガィン、ギギィ?


ホムンクルスH「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスI「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスJ「……」ドシ、ドシ



16 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:22:07.56 ID:GYV8vN900


ジキル「皆っ、持ちこたえてくれ……うぐっ!?」ドゴォッ

ホムンクルスL「……」ブンッ

ジキル「ぐわぁっ!?」ドシャァ?


ナーサリー「じ、ジキル!」

フラン「ウゥ……!?」



17 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:22:34.40 ID:GYV8vN900


ホムンクルスM「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスN「……」ドシ、ドシ

ジキル「う……くっ……」

ホムンクルスL「……」ドシン

ジキル「う、ぐおおぉ……!」グググ……


ジキル(駄目だ、重い。足すら退かせられない。僕は、僕はどうしたら……)


(((分かってるだろ?)))


18 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:23:03.31 ID:GYV8vN900



(((俺を解き放て。薬だ。お前は逃げられねえ)))

ジキル(……やっぱり、そうなのか……)

(((そうだ。殺人鬼になるんだ、ジキル。恐怖ガスを吸ったところで、お前が感じてたのは仮初の恐怖。そんな恐怖、すぐに戻れる快感に塗りつぶされるさ)))

ジキル(僕は、罪を犯したから、だから)

(((ハイドになれ。片付けてやる。俺が、片付けてやる)))

ジキル(だから、二度と戻れないのか)


ドォン……?


19 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga ]:2018/11/20(火) 19:25:07.97 ID:Jv0JlffCO
!!→?に変換されてますね……緊張感が台無しだ。最初から投稿し直すのでここまで全部無かったことにしてください。お願いします。キレそう。
20 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:25:58.37 ID:GYV8vN900


………………

霧「」ズォォォォォオ……

パラケルスス「……」タッタッ

パラケルスス「……」タッタッ……ピタッ

パラケルスス「……」ジッ


街「」…………


パラケルスス(……)


パラケルスス「……マキリ、聞こえますか」ピッピッ

通信機『パラケルススか。ああ、聞こえている』

パラケルスス「今すぐ『雷』の召喚に取り掛かって下さい。私はもう、戻れそうにない」

通信機『……そうか。分かった、召喚を開始する。さらばだパラケルスス』

パラケルスス「さようなら、マキリ」プツッ……


21 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:26:24.73 ID:GYV8vN900



パラケルスス「……」


パラケルスス(私に、その権利はない。私の魂には既に罪が染み付いた)

パラケルスス(やり直す事などできない。汚れた手で、美しい理想を作る……ああ、心地良い御題目だった)

パラケルスス(最後に……少しでも、貴方の理想を手伝わせてください、マキリ)


ホムンクルスA「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスB「……」ズルズル……

ホムンクルス達「「「」」」ザッ、ザッ


パラケルスス「ここの守りを固めます。彼らをこの先へ行かせはしない」


22 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:27:06.93 ID:GYV8vN900



………………


ナーサリー「きゃっ!?」ドサァッ

ジャック「あぶない!」ガガァッ!!!

ホムンクルスD「……」ブォンッ

ジャック「うわっ!?」ドシャ、ゴロゴロッ

フラン「フンッ!」ガッ、グィィィ

ホムンクルスD「!?」ドシャシャシャシャシャ……

ホムンクルスE「!!」グォッ

ホムンクルスF「!!!」ドシィ!

フラン「ウゥ……!」ガギィィィィ!!



ジキル(守りが明らかに固い。この先に敵の本拠地があるのか、それともブラフなのか……このままじゃ押し切られる!)


23 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:27:51.18 ID:GYV8vN900



ハイド(使えよ。あの薬を)

ジキル(……駄目だ! 逃げないと! あの薬には頼れない。絶対にダメだ!)


ジキル「皆っ、一旦屋内に退避しよう! フラン、また霧に電撃を通してもらえるか!?」

フラン「う、ウゥ……!」バチバチバチバチィ!!


霧「」バチチチチチチチチチチチィ!


ホムンクルス達「「「」」」ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂィ……


ジキル(この隙に、ブルースからもらったスモークペレットで……!)ドシュゥゥゥゥゥゥゥ……


ジキル「今だ皆、隠れよう!」

ジャック「うん!」

ナーサリー「分かったわっ!」

フラン「ウゥ……!」ヨロヨロ


24 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:28:23.01 ID:GYV8vN900



扉「」バタンッ


ジャック「はあ、はあ……」

ナーサリー「たい、へんね……数が多すぎて、相手取れないわ」

フラン「……ウゥ……」

ジキル「……このままじゃ進めない……」


ハイド(いつまで俺を否定してるつもりだ? 使えよ、俺がまたお前に教えてやる……肉を裂く快感、命が消える瞬間の恍惚! 覚えてるんだろ?)

ジキル(黙れ……僕はもうお前に頼らない、絶対に)

ハイド(忘れたなんて言わせねえ。俺はお前だ。罪は染み付いてる、そうだろう? 一度も二度も変わらねえさ……)


ジキル「……」


ジキル(落ち着け……恐怖ガスを吸い過ぎて、幻聴が酷くなってる……)


ハイド「俺が幻だとでも?」

25 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:28:49.33 ID:GYV8vN900



ナーサリー「え?」

ジキル「っ……なんでもない。なんでもないんだ」

ナーサリー「……ひどい汗よ、ミスタージキル」

ジキル「……」

ナーサリー「何だかよく分からないけど、休んだ方が良いなら……」


扉の外「」ドシ、ドシ……ドシ、ドシ


ジキル「いいや、移動しよう。このままじゃ見つかる」スタスタ


26 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:29:21.12 ID:GYV8vN900



ジキル(そうだ、分かってたハズだ。僕は逃げられない。因果応報だ。分かってる)スタスタ


ジャック「どうするの?」

ジキル「敵はまだ僕たちを見失ったままだ。このまま裏口から出て……見つからないように進んで、敵の本拠地を見つけよう。うまくいけばそのまま相手の企みを阻止できる」

ナーサリー「そう上手くいくかしら……」

ジキル「……速攻で叩けば何とかなるさ! さあ、行こう!」

フラン「ウゥ!」コクコク


27 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:29:47.39 ID:GYV8vN900


………………


霧「」ズォォォォォオ……


ジキル「……」コツ、コツ……

ナーサリー「……」ソロソロ……

フラン「……」スタスタ

ジャック「……」ヒタヒタ……


街灯「」……



28 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:30:15.49 ID:GYV8vN900



ジキル(……静かだ)コツ、コツ……

ジキル(初めて殺人を犯した夜も、こんな静けさが漂っていた)

ジキル(ステッキで老人を殴り殺したんだ。今でも、鮮明にその感触を思い出せる。老人の命乞いも)

ジキル(僕は全てをハイドのせいにした。ハイドという人格がやったんだ。そう思い込んで、罪悪感を全て押し付けた。そして、その人格を封印した)

ジキル(……でも、僕も本当は、分かっていたのかもしれない)ピタッ


ジキル「……」

パラケルスス「……来ましたか、偽の希望を持つ者よ」


ジキル(いつか、過去が僕を殺しに来ると)


29 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:30:43.67 ID:GYV8vN900



パラケルスス「この先へ行かせる訳にはいきません。あなた方には、ここで消えて頂きます」

ナーサリー「待ち伏せられてたのね……」ジリッ

ジキル「どうして本拠地に戻ってないんだ? 折角スケアクロウが囮になってくれたっていうのに」

パラケルスス「……人は、過去からは逃れられません。私は罪を犯した。穢れた魂の持ち主が、理想の世界に居る事ができますか?」

ジキル「……!」

パラケルスス「一度罪を犯せば、元に戻る事はない。言ったハズです。悪に染まった魂を、善良な心は直視できないと。私は悪鬼のまま、ここで死ぬ」


30 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:31:20.40 ID:GYV8vN900



ジャック「……どうするの?」

ジキル「っ……やるしかない。皆構えて、彼を倒す!」

フラン「う、ウゥゥオォ!!」バチバチバチバチィッ

ナーサリー「植物園では後れを取ったけど、今回は!」


パラケルスス「無論、そう来るでしょう。ですが……これは、どうでしょうね」パチンッ


ホムンクルスA「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスB「……」ドシ、ドシ

ホムンクルス達「「「」」」ザッ、ザッ、ザッ……


ジキル「なっ……」


ジキル(まだ、こんな量のホムンクルス達が……!?)


パラケルスス「さあ、……圧し潰しましょうか」スッ


31 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:32:08.23 ID:GYV8vN900


ホムンクルスA「オォォォォ!」ドォッ

ホムンクルスB「アァァァァァッ!!!」グォンッ

フラン「グゥッ……」ガギャァッ!

ホムンクルスC「……!!」ブォン!

フラン「がっ!?」ドシャシャシャァ……


ナーサリー「フランッ!」ギュギュギュ、ドドドドォッ

ホムンクルスC「ぐぎ……」ドシャシャシャァ

ホムンクルスX「!」バッシィィィ

ナーサリー「うッ」ガガッ、ゴロゴロ……


ジャック「くっ……」ガガッ、ガギギッ

パラケルスス「やはり貴方は特別厄介なようだ」ガィン、ギギィッ


ホムンクルスH「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスI「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスJ「……」ドシ、ドシ



32 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:32:34.19 ID:GYV8vN900


ジキル「皆っ、持ちこたえてくれ……うぐっ!?」ドゴォッ

ホムンクルスL「……」ブンッ

ジキル「ぐわぁっ!?」ドシャァッ


ナーサリー「じ、ジキル!」

フラン「ウゥ……!?」



33 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:33:08.73 ID:GYV8vN900


ホムンクルスM「……」ドシ、ドシ

ホムンクルスN「……」ドシ、ドシ

ジキル「う……くっ……」

ホムンクルスL「……」スッ……ドシン

ジキル「う、ぐおおぉ……!」グググ……


ジキル(駄目だ、重い。足すら退かせられない。僕は、僕はどうしたら……)


(((分かってるだろ?)))


34 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:33:42.50 ID:GYV8vN900



(((俺を解き放て。薬だ。お前は逃げられねえ)))

ジキル(……やっぱり、そうなのか……)

(((そうだ。殺人鬼になるんだ、ジキル。恐怖ガスを吸ったところで、お前が感じてたのは仮初の恐怖。そんな恐怖、すぐに戻れる快感に塗りつぶされるさ)))

ジキル(僕は、罪を犯したから、だから)

(((ハイドになれ。片付けてやる。俺が、片付けてやる)))

ジキル(だから、二度と戻れないのか)


ドォン……!


35 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:34:09.48 ID:GYV8vN900


ジキル「え?」

ホムンクルスL「……」グラリ、ドシャァ

ジキル「こ、これは……」


???「撃つの自体が久々だったから、外さないかと冷や冷やしてしまったな。だが、これで元軍人の面目躍如と言っていいだろう」

ジキル「貴方、は……」

ワトソン「やあジキル博士、事件の渦中に君達ありだな!」


36 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:34:50.30 ID:GYV8vN900



パラケルスス「……あれは」

ジャック「よそみッ!」タタッ、ブゥンッ

パラケルスス「チィッ」ガギギギィ



ワトソン「くっ……」ドォンドォン、ヒュンッ

ホムンクルスM「……」バタリ

ホムンクルスN「……」ドッサァン……


ワトソン「ジキル博士、立てるか!?」

ジキル「……ぐっ、くっ……無理です……」

ワトソン「一旦隠れて体勢を立て直そう、行くぞ!」ガシ、ズルズルズル

ジキル「……」ズサササササァ……

ワトソン「……失礼、ズボンに傷が付いても許してくれたまえ!」ズルズルズル


37 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:35:35.11 ID:GYV8vN900


ワトソン「よし、この物陰なら……傷の具合を診る、動かないでくれ」

ジキル「……僕は、大丈夫です。放っておいてください」

ワトソン「何を言ってる、助けない訳にいくか。……ふむ……肋骨に衝撃を受けたな、ヒビが入っているかもしれない。息をしやすいように上体を起こすぞ」グイ

ジキル「うっ……」ズリ……

ワトソン「……手ひどくやられたな。一旦麻酔を打つぞ」カチャカチャ

ジキル「……」


38 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:36:34.11 ID:GYV8vN900



ワトソン「……どうだ、こうして治療してるし……僕にも、君達が戦う理由を教えてくれても良いんじゃないか」プスッ

ジキル「……僕たち……」

ワトソン「……」

ジキル「……僕は、もう戦えません。ワトソン医師、助けて頂いてありがとうございます。ですが、逃げて下さい」

ワトソン「……どうしたんだ? 戦えないとはどういう事なんだ、こうやって治療を……」

ジキル「……一度罪を犯せば、元に戻る事はない」

ワトソン「……」

ジキル「……僕は悪鬼のまま、ここで死ぬ。良いんです。もう、戻れはしないから」


39 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:37:05.79 ID:GYV8vN900



ワトソン「……そうか。ジキル博士というのは、成程、やっぱりジキルとハイドの、あのジキル博士だったのか」

ジキル「……知って、たんですね」

ワトソン「……」

ジキル「……」


40 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:38:35.13 ID:GYV8vN900



ワトソン「小説というのは奇妙なものなんだ、ジキル博士」

ジキル「……」

ワトソン「私が書いた小説は、たいてい犯人が罪を犯す。そしてホームズが鋭い推理で犯人を追い詰め、罪を認めさせて終わらせる。そこまでなんだ、殆どの人間が知れるのは」

ジキル「…………」

ワトソン「でも人生はそこで止まりはしない。たとえどんな犯人が、どんな罪を犯して、どんな刑を言い渡されても、たとえ絞首刑だったとしても、牢の中で改心するヤツも居る。僕も、そんなヤツを何人も見てきた」

ジキル「……だから、僕もやり直せると?」

ワトソン「違う、やり直せはしない。死人が出た。誰もその人間の生を償えないだろう、ジキル博士。貴方はそれを背負っていくんだ」

ジキル「……」

ワトソン「だけどな、博士……人間の本当の価値は、何をしたか、じゃあない。何をしようとしてるか、なんだ」


41 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:39:51.73 ID:GYV8vN900


ジキル「……」

ワトソン「戦争ではな、博士。僕も沢山殺して来たよ。今でも夢に見る。死ぬ直前の敵兵の、懇願するような目を思い出す。でも、それだけで今の僕を作る事なんてできない。そうだろ博士」

ジキル「……肋骨にヒビが入ってるのに、立てって言うんですね」

ワトソン「それは、うぅむ……」

ジキル「冗談です。……ありがとうございます、博士」ムクリ、ゴソ……

ワトソン「いや、礼を言われるような事じゃないさ。……なんだその試験管は?」

ジキル「少し、変身します」



42 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:40:51.05 ID:GYV8vN900



 獣じみた声が、濃霧のしじまを震わせた。

「今のは……?」

 首を傾げ、建物の陰を見つめるパラケルスス。その足元には、既に打倒されたジャックが横たわる。このままトドメを刺すところだったが、それを取りやめ、異様な威圧感の出どころを探る。

 次の瞬間、飛び出した影あり。それはナイフを構え、赤い瞳の残光を霧中に残し、凄まじいスピードでパラケルスス目掛けて飛び掛かった。

「っ」

 パラケルススは短剣でナイフを受け止め、突進をいなす。受け流された影は地面に手をつき、石畳を抉りながら鬼じみたターンで再度襲い掛かる。魔術師はギリギリで受け、ナイフの切っ先を弾き逸らした。

 散る火花。克明に映し出された凄惨な笑み。ジキル博士の顔を持ちながら、それはもはやジキルではなかった。パラケルススの背を恐怖が駆け抜ける。

「とうとう出て来ましたか」
「待ちくたびれたかよ、説教野郎」

 ハイドは笑う。笑い、蹴りを繰り出す。パラケルススは飛び退き、魔法陣を……

「っ」

 一瞬で危険を察知したパラケルススは短剣を打ち振り、飛来した弾丸を叩き切る。物陰で銃を構えているのは、ワトソン医師だ。そして……

「へッ、余所見したか?」

 ぞわり。魔術師は背後へ短剣を突き出した。いや、突き出そうとした。その時既に、パラケルススの胸からナイフの刃が飛び出していた。


「……申し訳、ありません」


 その死の瞬間、パラケルススの……おのれの罪が許されぬものと信じて疑う事のなかった魔術師の口から、謝罪が漏れた。それは理想の向こうへと歩む同志へ向けたものか、それとも顔もかすむ誰かへ向けた謝罪だっただろうか。それを知る術はもはやない。

 呆気ないほど静かに、魔術師は倒れ伏した。


43 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:41:51.20 ID:GYV8vN900


ハイド「……ケッ、つまらねえな」

ワトソン「終わった……か?」

ハイド「おう、俺が終わらせてやった。おいジャック、ナーサリー、フラン。起きろ行くぞ」

ジャック「……う、うぅん……?」

ナーサリー「ちょっと、まだこっちは終わってないのだけど!」ギュドドッ

ホムンクルス達「「「」」」ドシ、ドシ

フラン「ウゥゥォォォ!」ブンブンッ


ハイド「チッ……いつまでも雑魚に構ってんじゃねえ! 行くぞ!」スタスタ

ナーサリー「ちょっと……もう!」タッタッ

フラン「ウゥゥ!」ダッ

ジャック「う……」

ワトソン「ああ、あー……来なさいキミ、危険だ!」ガシッ

ジャック「……ありがとう、おじちゃん……」

ワトソン「……おにいさんだ!」グイッ


ワトソン(ああもう、ジキル博士が活躍した手前、元殺人鬼のこの少女に文句を付けるわけにも……)


ワトソン「……これが終わったら覚えてろよ!!」ダダッ

ジャック「??」グラグラ


44 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:42:57.78 ID:GYV8vN900



ハイド「……ふぅん、案外すぐ着いたな」

ワトソン「はーっ、はーっ、僕も歳かな……」

ジャック「もっと背伸びして!」グラグラ

ワトソン「肩車になってるし……!」

ナーサリー「次は私! 次は私よ!」

フラン「ウゥ……」

ハイド「おい、敵の本拠地に降りるんだ。もうちょっと緊張感持てよ……もしもし」

ドクター『もしもし、聞こえてるよ』

ハイド「そろそろ敵の本拠地が地下にある、観測してくれ」

ドクター『はいよ、ちょっと待っててね……何だかワイルドになったねジキルくん』

ハイド「黙って仕事できねえのか」

ドクター『えっ』


45 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/20(火) 19:44:13.20 ID:GYV8vN900


ドクター『……よし、観測完了! どうやら大きな空間がぽっかり地下に空いてるみたいだ、魔力反応はひとつ……サーヴァントじゃないな。聖杯反応もある、黒幕が居るぞ!』

ハイド「へえ、おもしれえ。よっしゃ、ブルースの奴にもここの座標送っとけ。俺らで攻め込んでやる」

ドクター『え、本気!? 増援を待った方が……』

ハイド「悠長な事言ってんじゃねえ! 準備が整ってねえならここで叩いてやる。行くぞお前ら、誰が最初に黒幕を潰すか勝負だ!」

ジャック「しょうぶ!?」ピョコン

ワトソン「いやそれはどうかと思うぞ」

ハイド「相手はたった一人なんだろ、行くぜ!」ダッ

ジャック「わたしもいく!」ピョンッ


ワトソン「……君らはいつもこうなのか?」」

ナーサリー「大丈夫よおじさま、落ち着いてる時は落ち着いてるもの」

ワトソン「おじ……」

フラン「ウゥ……」スタスタ

ナーサリー「私も行かなきゃ……」スタスタ

ワトソン「……」


ワトソン「まさかホームズと一緒な方が安心できる、なんて思わされるとはなぁ」ポリポリ



46 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/20(火) 19:46:07.30 ID:GYV8vN900
今回の更新はここまでです。そして訂正です。

44ですが、

ハイド「そろそろ敵の本拠地が地下にある、観測してくれ」

ハイド「敵の本拠地は地下にあるみてえだ、観測頼むぜ」

に脳内変換願います。今回全体的にボロッボロで申し訳ない……次から気を付けます
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 23:17:04.69 ID:Cacrf9FkO
乙乙
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/21(水) 15:42:31.48 ID:kD0QIQ/A0
乙!
おじさん呼びに内心ショックなワトソンくんすこ……
ハイドも出てきてどうなるかなー
次回も楽しみにしてます!
49 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:48:22.20 ID:TJuPBE+k0


………………


 私が恐怖を学んだのは、何歳の時だっただろうか。

 まだ少年だった頃、父の『実験』の対象にされた私は、モルモットとして恐怖ガスを吸引した。見慣れた父親の顔は歪み果て、夕暮れを飛ぶ鳥すら酷く恐ろしく見えた。

 誰かが叫んでいた。喉がかれるまで、自分が恐怖の叫びをあげていると気付けなかった。恐怖は無慈悲で、止まらなかった。その時私は、醜い夕空が世界の真理だと知った。


 それから何十年経っただろうか。私の傍らには常に恐怖があった。いや、私だけではなく、全ての人間は恐怖から逃れられないのだ。恐怖を制御する術を身に付けた今でも、歪み果てた父の顔は忘れられなかった。


 誰かが叫んでいるのが聞こえる。私の喉はかれてしまった。



50 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:48:58.82 ID:TJuPBE+k0



………………ジキル達によるパラケルスス撃破の、十数分前。


バットマン「……ふむ……」ザリッ


バットマン(スケアクロウの血痕はこちらへ続いている。今のところ、レーダーに表示されている予測進路と大差ないか……)


マシュ「……」フラッ

モードレッド「っと、おい平気か……」ガシッ

マシュ「は、はい。大丈夫です、すみません」

モードレッド「……」


バットマン「このまま進むぞ。警戒を怠るな」スクッ

モードレッド「分かってる」


51 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:49:24.90 ID:TJuPBE+k0


モードレッド「なあ、その……お前は怖くねえのかよ、ブルース」

バットマン「……何の話だ」

モードレッド「この霧だよ。人間が吸っちまったらブッ倒れちまうくらいキツイんだろ」

バットマン「当然、恐れている」

モードレッド「……何を?」

バットマン「……」

マシュ「……」


52 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:49:56.81 ID:TJuPBE+k0


モードレッド「……」

モードレッド「……オレは、オレはな、ブルース」

モードレッド「オレはずっと、憧れの影だった。要らねえって言われ続けて、余計な存在だって言われ続けて……それでも、オレは騎士として認めて欲しかったんだ」

モードレッド「憧れは簡単に歪んじまった。最初、オレの事、疑ってたよな。オレだって分かってる。裏切ってアーサー王を殺した騎士のオレを、信用するなんておかしい事だ」

モードレッド「……それでも、一緒に戦えて、嬉しかったぜ」


53 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:50:24.78 ID:TJuPBE+k0


バットマン「……そうか」

モードレッド「そうだ。そんだけだ」

バットマン「……ベストは尽くす。お前達を死なせない」

モードレッド「それはオレとマシュの台詞だっての、なあ?」

マシュ「あ、は、はい! もちろんマスターは守ります!」

バットマン「頼りにしている。……それと」

モードレッド「?」

バットマン「私も、お前達と共に戦えるのは光栄だ。必ず世界を救うぞ」

モードレッド「……トーゼンだろ!!」バシィッ

バットマン「ふっ……」

マシュ「フフ」クスクス



レオナルド「……ブルースのスーツが凄まじい衝撃を受けたってデータが来たんだけど、あの時代はトラックでも走ってたかな……?」



54 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:50:50.77 ID:TJuPBE+k0


バットマン(精神面への影響は、緩和剤のお陰でほぼ乗り切ったか)

バットマン(あとは、どれだけメンタル管理をうまく行えるか。今はとても好ましい精神状態だが、肝心のスケアクロウを見つけた時にボロボロでは意味がない)

バットマン(……ここばかりは、計算の出番か)


(((逃げろマーサ、ブルース……)))


バットマン(……私が何を恐れているか、か)

バットマン(いや、今考えるべきではない)


55 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:51:31.50 ID:TJuPBE+k0



スケアクロウ「……ハーッ、ハァーッ……」


スケアクロウ(追いつかれれば、今度こそ死ぬか……しかし、ただで死ぬわけにはいかん)ゴソ

スケアクロウ(……まだ、スケアビーストに変身するための薬は残っている。身体への負担は尋常ではない。負ければ当然死ぬだろうが、もし勝てても……)カチャ……


スケアクロウ「……ぐっ……」プシュッ……


スケアクロウ(……バベッジ、お前は最期に何を見た。この世を計算し尽くしてしまったお前は、絶望のうちに死んでしまったのか)グ、グググ……


スケアクロウ(パラケルスス。お前は、自分の罪を許して死んで行けるのか)ググググ……!


スケアクロウ(……マキリ。お前が最期まで、自分に失望しない事を祈ろう)バキバキ、バキ……


スケアビースト「……グルルルルロァ……」フシュルルルルル……

スケアビースト「ウゴォォォォォァァァアアアアアアア!!!」



56 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:51:57.57 ID:TJuPBE+k0



バットマン「!! 聞こえたか」

マシュ「はい! 近いです!」

モードレッド「チッ、街に反響して場所が特定できねえ! どっから来やがる!?」

バットマン「落ち着け、背中合わせだ!」スッ

マシュ「了解!」ドッ

モードレッド「おう!」ガッ

バットマン「全員聴覚を研ぎ澄ませろ、どこから来てもおかしく……」


ドンッ!


マシュ「今のは!?」

バットマン「っ、上だ!!」バッ

モードレッド「野郎!?」バッ

スケアビースト「グルォォォォォォォ!!!」ヒュゥゥゥゥゥッ



57 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:52:23.68 ID:TJuPBE+k0



スケアビースト「グンッ!!!」ドッガァ!!

モードレッド「ちいっ」ゴロゴロッ

バットマン「くっ、無事かマシュ!」ゴロゴロ、ガバッ

マシュ「は、はい。ありがとうございます、マスター」

バットマン「立て! 来るぞ!」

スケアビースト「グ……ググググ……真理モ見エヌ、愚者共……!」フシュルルルルル……

モードレッド「剣以上の真理なんざあるか!!!」ダッ


58 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:53:26.40 ID:TJuPBE+k0



………………


ハイド「……そうか、それじゃアンタが今回の黒幕って事か?」

???「そうか……お前達がここに来たという事は、パラケルススは敗れたか」

フラン「……う、ウゥ……」

ワトソン「失礼、初対面なら名乗るのが常識でしょうが、今回の黒幕相手なら私もうっかり礼儀を忘れそうでね」カチャリ

???「物騒なものを向けないでくれ、ワトソン医師。私は確かに悪逆の徒であるが、しかし悪には悪の理由がある。私はマキリ・ゾォルケン」

ワトソン「まき……」

ドクター『……気を付けて、その人から聖杯反応!』

ワトソン「聖杯……?」

ハイド「こっちの話だ。やっぱ間違いねえみてえだな」


59 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:53:53.03 ID:TJuPBE+k0



巨大機械「」ボシュッ、ボシュッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


ナーサリー「なんて大きな機械……アレが霧を産み出してるのね」

ジャック「……いやなにおい」

マキリ「恐怖ガスでの緩慢な世界崩壊は、あくまで紳士的なやり方だった」

ワトソン「紳士的? 紳士的だって?」

ハイド「おい、」

ワトソン「紳士的だって!? 貴様よくも……よくもそんな事が言えたものだな! どの口が……アレのせいで何人の人間が……貴様……!」ギリィ

マキリ「無論、紳士的だ。だが、そちらは我々を止める気らしい。ならば我々としても、少々手荒なやり方をするしかなくなった」


60 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:54:20.17 ID:TJuPBE+k0



ハイド「で、俺らが黙ってお前に『手荒なやり方』をさせるとでも思ってんのか?」

マキリ「もう遅い。全ての工程は終わった後だ。今、全ての霧が、このロンドンの中心部へ向かって集まってきている」

ハイド「……どういう事だ。テメェらは何をするつもりだ」

マキリ「君達も見てきたハズだ。その、フランケンシュタインの怪物でな」

フラン「……?」

マキリ「『電気』だ。この霧は、電気を受けて活性化する」

ハイド「……!!」

ドクター『まさか……!!』


61 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:54:47.38 ID:TJuPBE+k0



ハイド「ナーサリー、援護しろ! ジャック、フラン、やるぞ!」

マキリ「さあ来たれ、我らが最後の英霊よ。我が悪逆、完成させるに足る星の開拓者よ。
汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者」

ハイド「オラァァァァッ!!!」ギュォッ

ジャック「たあっ!!」ギュンッ

ナーサリー「そこ!!」ギュドドド……

フラン「ウゥ!!!」ブォンッ


マキリ「汝三大の言霊を纏う七天! 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」ギュォォォォォォォォォォォッ


ドドォォォォォォォォ……


62 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:55:14.27 ID:TJuPBE+k0



ゴォォォォォォォォ……!!


ジャック「きゃっ!?」ブワッ

ハイド「うぐっ!?」ドシャシャッ

ナーサリー「ひゃっ……!!」ドシャァ

フラン「ウゥ……!」ググッ

ワトソン「なっ、いったい……」



バチ、バチバチ……バチバチバチ……


???「────……」バチバチ、バチチィ……

マキリ「……来たか。雷電の化身、二コラ・テスラ」


63 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:55:42.74 ID:TJuPBE+k0



テスラ「……私を。呼んだな」

マキリ「やるべき事は分かっているな、天才よ。地上へ行き、雷を落とせ。それだけで、ロンドン中心部へ固まった霧は爆発的に広まり、世界を飲むだろう」

テスラ「良かろう。私は、雷電であるがゆえに」スタ、スタ……


ワトソン「ま、待て!! 急に現れて、世界を滅ぼすだと!? 私が見逃すものか!」カチャリ


テスラ「……勇猛なる紳士よ、同胞よ。私とて抗えるものなら抗おう。しかし……」

マキリ「無駄だ。彼の召喚式には狂化を加えた。彼が止まる事はない」


ワトソン「……! 人の意思を玩具のように扱う外道め!」


マキリ「何とでも言うが良い。理解は求めていない」


64 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:56:09.73 ID:TJuPBE+k0



ハイド「そうかい、それじゃあ俺達がさっさとあの雷野郎を片付けても良いってワケだな……!」

マキリ「無論、させん。そのために私が居るのだ」

ハイド「お前に止められるかよ!」

マキリ「止めるのは私ではない。……破滅の空より来たれ、我らが魔神……」グ、ググググググググ……!!!


マキリ?「う、うぅ……」ズム、ズムムムムム……!!


ハイド「なんだこりゃあ……」

ワトソン「肉の、柱……!?」

ドクター『……この反応、まさか……!』


65 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:56:36.62 ID:TJuPBE+k0



魔神柱「七十二柱の魔神が一柱。我が名は魔神バルバトス」


ジャック「目が、たくさんついてる……」

ナーサリー「ユニークな見た目ね」

フラン「ウゥ!」スッ


バルバトス「これがマキリの、悪逆の到達点。我らが王に見いだされた、ねじまがった善の形。醜悪の極みである」

テスラ「……」

バルバトス「行け、雷電の化身よ。時間は稼ごう。新たな世界のために」

テスラ「……」スタ、スタ



66 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:57:02.43 ID:TJuPBE+k0



ハイド「あー……つまり?」

ワトソン「この醜いのを片付けて、さっさとあの雷男を止める! そういう事だ!」

ハイド「アァ、分かりやすくなったぜ」ムクリ

ジャック「かいたいするよ!」

フラン「ウゥ!!」グッ

ナーサリー「負けないんだから!」


バルバトス「何を知り、何を望もうとも。友は全て消えゆく」ズォォォォォォ……


67 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:57:28.96 ID:TJuPBE+k0



バットマン「っぐぅ!?」ゴッシャァァァァ!

スケアビースト「グロァァァァァァ!!」

バットマン「くっ……!」ムクッ、ダダッ


バットマン(ヤツの身体から常時漏れ出す、濃厚な恐怖ガスが厄介だ……マシュもモードレッドも動きを鈍らされ、まともに戦えていない!)ダダダダダ


モードレッド「っだりゃああああああ!!!」ブンッ

スケアビースト「無駄、ダ!!」ガッ!

モードレッド「クソ!!」ガガッ、ズシャシャッ

マシュ「たあっ!!」ヒュンッ

スケアビースト「無駄ダト、言ッテイル!!」ガッ、グインッ

マシュ「きゃっ!?」ドシャッ

モードレッド「うおっ!?」ドガガッ



68 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:57:54.99 ID:TJuPBE+k0



霧「」ズ……ググググググォォォォォォォオオ……


バットマン「!?」


バットマン(何!? 霧が、引き始めた……!?)


バットマン「どういう事だドクター、ジキル達がやったのか!?」

ドクター『違う! これは敵の手の内だ! 霧がロンドン中心部へ……ああもう、とにかく止めないと不味い! 今対応策を探してる!』


スケアビースト「……モウ、遅イ。バットマン」

バットマン「……」


69 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:58:21.09 ID:TJuPBE+k0



スケアビースト「人ハ、恐怖ニ抗ウ術ヲ持タナイ。見タハズダ、醜ク争ウ人ノ本性ヲ」

スケアビースト「オ前達ノ希望ハ、ニセモノダ……!」


モードレッド「ダラァァァァァッ!!!」ブンッ

スケアビースト「グロァッ!」ガシィ!

モードレッド「ちくしょ……テメェ、離せ……!」

バットマン「モードレッド!!」ダッ

スケアビースト「フン……」ゲシッ

バットマン「うっぐぉ……!?」ドシャァッ


70 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:58:46.95 ID:TJuPBE+k0



スケアビースト「言ッタダロウ。オ前達ノ希望ハ、ニセモノダ」

バットマン「ぐっ……」プルプル


スケアビースト「……ダカラ、コンナ風ニ簡単ニ、折レル」グイッ、プスッ……

モードレッド「ぐぅっ!?」

バットマン「っ、モードレッ……」

バットマン(しまった、あの注射は恐怖ガスの濃縮液……!)


マシュ「モードレッドさん!!」ダンッ、シュバッ

スケアビースト「ソラ、次ダ」ガガッ

71 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:59:13.07 ID:TJuPBE+k0



バルバトス「無益だと、分からないらしい」グ、ググググ……


フラン「ウアアアアアアアア!!!」バチバチバチィ!

ナーサリー「くっ!!」ギュドドドドド!


ワトソン「……よし、治療完了だ!」

ジャック「ありがとう!」ダダッ

ハイド「オラァ!」ズバァッ


バルバトス「無益。何もかも。我は全てを知るがゆえに、全てを嘆くのだ。望まれぬ存在共よ」



72 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 02:59:42.69 ID:TJuPBE+k0




バルバトス「ある者は不完全な物語として生まれ、その不完全性ゆえに何者かに強く依存する」ドドドォッ

ナーサリー「……!!」ギュギュギュ、ギャリギャリギャリィ!

バルバトス「またある者は、母にすら求められず、生まれる事すら許されず」ボボボボボボ……

ジャック「っ!!」ギャギャギャンッ

バルバトス「またある者は、イヴとして作られながら涙すら流せず」

フラン「ウ、ウゥァァ!!」ブォンッ







バットマン「よせスケアビースト!!!」


スケアビースト「サア、恐怖ヲ思イ出セ……!」プス、ブォンッ

マシュ「ぐぅぅ……!!?」ドシャシャ、ゴロゴロ……

バットマン「マシュ……!!」

マシュ「う、う……うぅぅぅぅ……!!!」ガクガクガクガク……

マシュ(先輩……先輩……!)ガクガク、ガク……







バルバトス「……ある者は、身勝手な実験の失敗のせいで、生まれながらに寿命すら短いと決まっている。望まれぬ命というのは、実に哀れだ」

ハイド「……」

ワトソン「黙れ、きs……」


通信機『黙りなさいッ!!!!』キィィィィィィィィィ……ン



73 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:00:09.95 ID:TJuPBE+k0


ワトソン「えっ」

バルバトス「……何?」




スケアビースト「……?」ピタッ

バットマン「……所長?」





通信機『黙れって言ったのよ、さっきから黙って聞いてれば……!!! アンタねえ、望まれない命!? 哀れ!? 何様のつもりなのよ!!!!』

バルバトス「……」


74 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:00:50.31 ID:TJuPBE+k0



ドクター「しょ、所長、急に……」

所長「確かに私達は傲慢だったわよ!! その罪は背負っても背負いきれない!! だから私は地獄に堕ちる、そんな覚悟は済んでる!! けど……」

所長「けど、それでも、一生懸命生きてる命を憐れむ権利なんて、アンタには無いのよ!! 誰にも無いの!!! 伏せってでも、這ってでも、生きようとするヤツを馬鹿にするんじゃない!!!」





マシュ「……」ガクガク……ピタッ

所長『……だから、起き上がりなさい! 立つのよ! 望まれないなんて言わせない!! アンタ達は、今、私達の希望なのよ!!』

マシュ「……」グッ、プルプル……ムクリ

モードレッド「へ、へへ……言いやがる……!」ググググ……ムク







フラン「……」ムクリ

ナーサリー「……」スクッ

ジャック「……」スタッ

バルバトス「……お前達には無理だ」

ワトソン「どうだか、そっちこそそろそろ諦めたらどうだ?」

ハイド「ったく、暑苦しい演説でこっちにも熱がこもっちまうぜ……」

バルバトス「理解、不能である……」



75 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:01:24.41 ID:TJuPBE+k0



ワトソン「立ったは良いがボロボロか。どうする」

ハイド「ケッ……」


ハイド(……望まれねえ、か)


ハイド「……俺が突っ込んで囮になる、その隙にジャック、テメェのスピードでケリをつけろ」

ジャック「え」

ワトソン「な……待ってくれ、囮だと? 分かってるのか、全員に攻撃が分散されていてもようやく立っていられるほどの……」

ハイド「分かってる。死ぬだろうな」

ワトソン「分かっていて何故!」

ハイド「ようやく希望になれたんだ。それなら、俺は戦いたい」

ワトソン「っ……」



76 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:01:50.73 ID:TJuPBE+k0



ハイド「俺はハイドだ。ジキルじゃねえ。殺人者の人格で、封じ込められた悪の側面だ。なら、あのブサイクな肉塊と道連れで死ぬにはちょうどいい」

ハイド「……頼めるな、ジャック」

ジャック「……うん」カチャッ

ワトソン「……分かった。そこまでの覚悟があるなら、僕は止めない」

フラン「ウゥ!!」スッ


ナーサリー「……」ギュゥッ……


77 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:02:16.84 ID:TJuPBE+k0



ナーサリー(分かってる。わたしが口出ししても、覚悟を持った人は止まらない)

ナーサリー(本当に勝手な人達。勝手に納得して、勝手に消えて行く。残された人の気持ちも考えず)

ナーサリー(……でも、)

ナーサリー(……だけど、いつまでも泣いてはいられないものね。そうでしょう、アンデルセン)


ナーサリー「……ええ、やりましょう! 突破口は開くわ!」ギュギュギュオォォォォォッ


78 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:02:48.80 ID:TJuPBE+k0



スケアビースト「……何故ダ、何故立ツ」ジリッ

マシュ「う、うぅぅぅぅ……!!」プルプル

モードレッド「ぐぐぐぐぐがァァァ……」ガクガクガク……

バットマン「……」


バットマン(そうか。……そうだったな、マシュ。お前達は、そういう強さを持っている)


マシュ「守るって、誓ったから……! 私が、守るって!」ガシャリ

モードレッド「ムカつく、からだよ、カカシ野郎!!」ガッシャァ!



79 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:03:20.39 ID:TJuPBE+k0



 ゾンビじみて立ち上がったマシュ達を前に、スケアビーストはたじろぐ。恐怖ガスの濃縮液を注射したというのに、この不屈はどういう事だ。恐怖が……恐怖が、真理だったハズ。彼は咄嗟に、最も体格差のあるマシュを潰しにかかる。


 対するマシュは深呼吸する。その脳は鋭敏化され、瞳には恐怖の色がありありと映る。しかし、その恐怖は彼女の動きを鈍らせはしなかった。むしろ逆だ。スケアビーストは気付けない。彼がもたらした恐怖が、マシュの『想像の世界』を完璧にしてしまった事に。


(対応策を、瞬時に)


 マシュは全ての角度から打ち込まれる打撃に備え、身体をフラットに保っている。恐怖を脳に閉じ込め、身体を楔から解き放つ。それは一瞬の中で行われ、また一瞬の中で何度も繰り返された。


 スケアビーストが腕を振り下ろした。その先にマシュは居ない。スケアビーストは目を見開く……胸に、拳が突き込まれている。盾の少女は、一瞬にして、最適な角度での反撃を繰り出していた。


「グゥッ……!」


 怪物は吐血し、石畳を削りながら吹き飛ぶ。スケアビーストとしての維持時間が限界に近付いている。だが、まだだ。スケアクロウは吼え、地面に腕を叩きつけ、転がって起き上がる。まだだ。真理は譲らない。命に換えても。命? いかほどの価値を持つ? 真理に比べれば!!


 起き上がる科学者のその目の前、既にモードレッドが迫っていた。スケアクロウは咄嗟にクロスガードの姿勢を取るが、衝撃が入ったのは脛だった。


「ぐぅっ……!」


 ローキック。モードレッドの。彼女はそのまま、舞うようにスケアクロウの後方へ回り込む。恐怖の化身は歯を食い縛り、無理やり振り向こうとし……そして、目を見開き、止まった。


 霧の引いて行くロンドンの向こう、夕陽が今にも沈もうと、真っ赤な光を投げていた。それはテムズ川の水面に反射し、輝いている。鳥が空を飛び、家路についている。


「ああ」


 醜かった、ハズなのだが。その言葉を発する前に、スケアクロウの首は剣にはね飛ばされた。


80 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:04:12.94 ID:TJuPBE+k0




 その死を感知したバルバトスは目を瞠った。それは、未だ残る『マキリ』としての人格がなした、最期の、人間らしい反応だった。

 その隙を見た全身ボロボロのハイドが突貫し、目玉の一つへとナイフを突き立てた。血が噴き出し、報復の魔力が返る。ハイドの胴体に穴が開く。

「痛かったかよ、テメェ」

 血を噴いて笑うハイドのその後方から、フランがジャックを放り投げた。それは絶妙にバルバトスの隙を突いた投擲であり、小柄なジャックは空中での姿勢制御も巧みであった。彼女は殆ど優雅に見えるほどの流麗さで、ナイフを構えた。


 投げられた勢いをそのままに、バルバトスの肉を貫通し、弾丸じみてジャックが飛び出した。そして着地。肉の柱は呻き声をあげ、よろめく。絶対的な悪逆の支柱じみたその存在が、今になってようやく孤独を悟り、助けを求めるかのようでもあった。


 そして、凄まじい音をあげ、倒れた。



81 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:04:46.66 ID:TJuPBE+k0


ジャック「おわりだよ」スッ


ハイド「……ようやくお役御免か」フラッ

ワトソン「は、ハイド!!」ダッ、ガシッ

ハイド「……ったく最期までうるせえオッサンだったぜ、テメェは……」ヒュー、ヒュー……

ナーサリー「ミスターハイド、ああ、ごめんなさい……!」

ハイド「先に言っとくが、テメェらの、力不足のせいじゃねえ。鬱陶しくメソメソすんなよ、こうするのが最善だったんだ……」ヒュー、……

フラン「ウゥ……」シュン

ワトソン「……ハイド、君は……」

ハイド「馬鹿が、チンタラしてる時間があるか……早く、行け。雷野郎を止めろ、やべえんだろうが……」

ナーサリー「……そう、ね」

フラン「ウゥ……!!」スクッ

ジャック「いこう!!」

ワトソン「……必ず止める、君の犠牲を無駄にはしないぞ!」ダッ



タッタッタッタッタッ……


ハイド「ハッ……」

ハイド「当然だぜ、チクショウめ……」

ハイド「……」



82 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:06:11.34 ID:TJuPBE+k0



バットマン「マシュ、モードレッド!!」

モードレッド「ぐっ……ふう、流石に効くな、あの注射……!」ドシャッ

マシュ「く……く、うう……」ドサッ

バットマン「大丈夫か。ドクター、二人の状態を」

ドクター『さっきまで動けてたのが不思議だよ、これじゃいつ死んでもおかしくない! 多分、死ぬ直前に身体が奮起して……』

バットマン「……」

ドクター『……けどその力も尽きた。二人共、そのままじゃ毒で衰弱死してしまう。脳へのストレスが半端じゃない、体機能もところどころ誤作動を起こしてる』

バットマン「…………」



83 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:06:37.70 ID:TJuPBE+k0




バットマン(解毒剤は一本。緩和剤は無い。どちらかに打ち、どちらかを見捨てねばならない)


バットマン「……」


(((キミは、世界が滅んでも……彼女を助けたいと思うかい?)))


ドクター『ブルースくん、これは……』

バットマン「……すまない、ドクター」プツッ


84 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:07:04.66 ID:TJuPBE+k0



モードレッド「……マシュに、打て。マシュに、打ってくれ」ゼエ、ゼエ

バットマン「……」

モードレッド「お前が、一番大切なモンを、見失うな。それは、オレじゃねえ。マシュだ」

バットマン「……」

モードレッド「……頼む、ブルース」


85 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:07:31.57 ID:TJuPBE+k0


バットマン「……いいや」

モードレッド「……何?」

バットマン「私はバットマンだ。モードレッド」カチャ、カチャ

モードレッド「何を……テメェ、なにしてる、やめろ! オレじゃねえ!」

バットマン「いいや、お前だ。今、世界を救える可能性が一番高いのは、お前なんだ」プスッ……

モードレッド「テメェ……テメェ!!!」ガバッ



86 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:07:58.36 ID:TJuPBE+k0



モードレッド「そこまで臆病だったのか、テメェは!!」ガシッ

バットマン「計算だ。早く行け、モードレッド」

モードレッド「クソが!! 見損なったぜ、そこまで外道だったなんて……!」

バットマン「見損なってもらって結構だ。だが、今、世界はお前を必要としている。騎士モードレッド、お前はこれを裏切れないハズだ」

モードレッド「……!!!」ブチィ


87 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:08:24.89 ID:TJuPBE+k0



モードレッド「……っ」バシィ!

バットマン「ぐっ……」ドシャァッ

モードレッド「……卑怯者。オレ、やっぱりお前の事、嫌いだ。大嫌いだ」ググググ……

バットマン「……行け。世界を救って来い」

モードレッド「……」クルッ、ダダッ



通信機『』ピピーッ! ピピーッ!


88 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:09:01.41 ID:TJuPBE+k0



バットマン「もしもし」

ドクター『もしもし!? ブルースくん、解毒剤はどっちに!?』

バットマン「モードレッドだ。今、我々のうちで最も強いのは彼女だ」ゴソゴソ

ドクター『……そう、か……』

バットマン「そうだ」ゴソゴソ……

ドクター『……その、ブルースくん。今回の件は、君にだけ責任があるんじゃない。元はと言えば、僕たちの……』

バットマン「ドクター、謝罪は後だ。私の脳波の観測を頼む」スチャッ

ドクター『うん、そうだよね……え? 何をかぶって……そ、その帽子!?』

バットマン「マッドハッターの帽子だ。マシュの精神へ潜行し、恐怖から救い出す」スッ




89 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:09:30.23 ID:TJuPBE+k0



………………


職員B「え!? って事は、ブルースさんは初めからどっちも助けるつもりだったんですね!?」

レオナルド「どっちにしろ賭けだなあ。ようしロマニ、本領発揮だ!」

ロマニ「いや、本当に心臓に悪いなあ彼は……!」ドキドキドキドキ

職員A「何にせよ、正念場ですね」

所長「ええ! 気を引き締めてかかりなさい!」

職員達「「「はい!!!」」」



90 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:09:55.91 ID:TJuPBE+k0



職員C「……んん?」

職員B「どうしたの?」

職員C「動体レーダーに感あり。カルデアの外、雪山に……」

職員B「えぇ? また雪崩とかじゃないの?」

職員C「そうか……そうかもな。こんな時に、気を逸らすべきじゃなかった。悪い悪い」

職員B「もう、しっかりしてよ」



91 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/23(金) 03:10:22.32 ID:TJuPBE+k0



雪山「」ビュォォォォォオオオォォォォォ……!!


ドシ、ドシ。ドシ、ドシ


ベイン「ようやく座標を割り出したぞ、カルデア……」ニヤリ


92 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/23(金) 03:11:56.50 ID:TJuPBE+k0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。

(バルバトスに個としての意思はない設定らしいんですがほんのり改変してます……許してガチ勢。今更か)
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/23(金) 09:07:07.73 ID:eHaOVW7Z0
乙、面白いしええんやで
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 09:22:31.39 ID:SF//NcC/O
ベインさんが有能すぎる
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 10:47:21.71 ID:Iw+NGnzA0
乙!
さらばバルバトス、走れモーさん
96 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:39:02.14 ID:cGh5K5DM0


 ベイン(……成程、雪景色の中に施設の外観を紛れ込ませたか。おまけに結界での防護もいくつか……)ドシ、ドシ

ベイン(だが、どの結界も紙くず同然。これで守っているつもりとは笑わせる)グ、ググ……


ベイン「さあ、ミスター・ウェイン。お前の帰りが間に合うかな?」グッ


ベイン「フン!!」ドシン、ギュゴォッ!!

拳「」ゴウッ!!

バリィィィィィィィィ!!



97 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:39:44.32 ID:cGh5K5DM0



ビィィィィ! ビィィィィ!


所長「なっ、こ、この警報は……」

レオナルド「……!! 全区画のシャッターを下ろすんだ! 緊急事態、カルデアに侵入者有り!!」

ドクター「な、なな、」

職員A「侵入者!? しかし……」

職員B「まさか、通信機の周波数から逆探知を!? 厳重に偽装してあったはずなのに……」

所長「過去の可能性の話をしてる場合じゃないわ、全職員は今すぐ退避を! 命を大事にしなさい!」

職員C「御言葉ですが、今持ち場を放棄したらブルースさん達のサポートが出来ません! お、おおっ、俺は残ります!」

職員B「私も!」

職員A「俺もです!」

所長「馬鹿! 死んでも恨むんじゃないわよ! レオナルド、足止めに行きましょう!」

レオナルド「オッケー、天才の底力を見せてやろう!」


98 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:40:11.94 ID:cGh5K5DM0



ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!

ベイン「……」ドシ、ドシン


ベイン(成程、シャッターが降りたか。ようやく俺の侵入に気付いたようだが、もう遅い)メリメリメリィ、バキン

ベイン(だが……このシャッター、脆い。脆すぎる。俺の力を加味したとしても)


ベイン「……」

ベイン「フフ」


ベイン(誘導しているな? 面白い)



99 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:40:39.90 ID:cGh5K5DM0




所長「……ね、ねえ、アイツ、素手でシャッターを……」

レオナルド「こじ開けたね。アレは強度が多少低いとはいえ、たとえトラックが突っ込んでも傷一つ付かないように作られてるんだが」

所長「監視カメラの誤作動じゃ……」

レオナルド「ないね。折り紙付きの高精度だ」


レオナルド(……それに奴はこちらの誘導に気付いてる。気付いてて乗ってるんだ、不気味な奴め……)


レオナルド「所長、これは本当に手強い相手だ。悪くしたら死ぬけど、本気で私と一緒に戦うつもりかい?」

所長「ほ、本気よ! やらなきゃ皆が危険なんでしょ!?」

レオナルド「うん、よし……それならこちらも本気で行こう! 奴の行動を、少しでも遅らせなきゃね!」


100 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:41:24.98 ID:cGh5K5DM0


ピーンポーンパーンポーン……


ドクター「これは……」

職員A「区画放送だ」


レオナルド『もしもし。これから電灯や空調が消え、地獄のような寒さと暗さが襲って来るだろうけど我慢してくれ』


ドクター「よ、よーし……湯たんぽがあるから平気平気」

職員C「ドクター、こっちにも分けて下さい」

職員B「こ、こんな寒さ……平気……!」

職員A「防寒具を着用しよう。外壁があるとは言え、外は雪山だ。体温がどんどん奪われてしまう」



101 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:41:51.54 ID:cGh5K5DM0


レオナルド(よし。普段使ってる電力をベインの妨害にあてる。魔力を通路に充満させ、少しでも進行速度を落とさせる……)

レオナルド(だがそう上手く行くか。戦力的にはやはりマシュ、ブルースが帰って来ないとキツイものがある)

レオナルド(それに、相手は彼らを一度打ち破ってる。あぁ、控えめに言って絶体絶命か)


所長「……だっ、大丈夫よ、必ず勝てるわ!」

レオナルド「……勿論勝つとも! 天才の本領発揮だ!」ポチッ



102 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:42:33.53 ID:cGh5K5DM0


空間「」グニャァァァァァ……


ベイン「ふ、フフフ、フフフフフ……!」


ベイン(超高密度のエネルギー。一歩進むのすら、かなりの時間を要するか)ジリィ


ベイン「これで、これでこそ。さあ時間稼ぎに付き合ってやろう、私は破滅だ……!」ジリ、ジリ


ベイン(さあ早く来い、バットマン、マシュ。生きて此処まで来い!!)ドシ! ドシ!



103 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:43:00.64 ID:cGh5K5DM0




バットマン「……」


バットマン(……)


マシュ「う、うぅ……うぅう……」


バットマン(……必ず救う。もう少しだ)

マシュ「……」


バットマン(……よし、精神を捉えた! 謝罪は後でする、潜らせてもらうぞマシュ!)ギュォォォォォォォォ!!



104 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:43:28.43 ID:cGh5K5DM0



マッドハッター『また会ったな、バットマン。随分必死だ、時間に遅れそうなウサギみたいに』

バットマン『お前に構っている時間はない、マッドハッター。マシュを助けねば』

マッドハッター『まあ待て、今この少女は文字通りまともじゃあない。このまま深層へ降りればどうなるだろうな?』

バットマン『何が言いたい』

マッドハッター『波長の問題だよバットマン、精神は同期しあう。マシュとかいうお嬢さんの精神状態は揺らぎっぱなしだ。お前も破滅するぞ』

バットマン『覚悟している』

マッドハッター『本当に?』

マッドハッター?『本当に?』

???『本当に覚悟しているのか、お前は?』



105 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:43:58.77 ID:cGh5K5DM0



父親『恐怖から目を逸らして来たお前が?』

母親『世界は救えないと分かっているお前が?』

ブルース『……』

ブルース『……これは、私の声か。いや……』


マシュ『……』ボー……

ブルース『……マシュ、お前の声なのか?』



106 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:44:38.29 ID:cGh5K5DM0



マシュ『マスター……』

ブルース『マシュ、聞こえるか』

マシュ『先輩は……先輩は何処……?』

ブルース『先輩とは誰だ、マシュ。私達以外ここには居ない』

マシュ『居る……いる、居るのに!!』ガタガタ

ブルース『マシュ、しっかりしろ! くっ……』


ブルース(もっと奥へ潜る必要があるか……)ギュォォォォォォォォ……


107 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:45:19.01 ID:cGh5K5DM0




 その日も、雪が空を覆っていた。

 地球上で初のレイシフトが行われる予定だったのだ。皆が忙しく廊下を行き来し、あわただしく言葉が飛び交う。

「大丈夫、なんでしょうか」

 不安からか、私は言葉を漏らしていた。そんな時でも、私の先輩はいつも通りで……ぼんやりしたような、それでいてしっかりした口調で、元気づけてくれた。

「大丈夫。いつも通り、しっかりやろうね」
「は、はいっ! 私、頑張ります、先輩!」




 その時は、コフィンに入るのが遅れた先輩を待っていた。管制室の自動ドアが開き、慌てた足取りで先輩が入って来て……

 最初に爆発したのは、一番奥のコフィンだった。不意打ちじみて響いた爆音に、皆が固まり、対応すら叶わなかった。次はその隣のコフィンが爆発、連鎖反応じみて手前へ手前へと爆発が連なった。やっぱり私は動けなくて、竦んだ身体と麻痺した思考で、ああ、これはまだ夢なのかな、なんて考えていた。


 私の足元が光った。爆発の前兆なんて分かってたのに、それが現実だと思えなかった。一歩遅れた私を、先輩が突き飛ばして……そして、その身体が光に飲まれた。爆風で壁に叩き付けられた私は、直後に、コフィンの誤作動に巻き込まれた。


 守ると誓っていた先輩は、爆弾に吹き飛ばされた。私が躱せたハズの爆弾に。



108 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:45:52.89 ID:cGh5K5DM0



 バットマン『……マシュ、それは……』

マシュ『……居ます、居るんです。先輩が私を見てるんです。先輩だけじゃない、皆見てる……私が守れなかった人たちが、ずっと見てる』

バットマン『……』

マシュ『マスターも……マスターも、きっと、私、死なせてしまう……!』ギュゥッ



109 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:46:30.15 ID:cGh5K5DM0



バットマン『……マシュ』

マシュ『……置いて行ってください、マスター。もう、私は立てません』

バットマン『断る。言ったはずだ。お前が大事で、お前を助けたいと』

マシュ『もう無理です。私は、もう……』

バットマン『……無理なものか。立つんだ。世界を守れるのは私達だけだ。戦わねば、マシュ』

マシュ『もう、やめてください』

バットマン『……』

マシュ『……お願いです。やめて、ください』



110 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:46:59.72 ID:cGh5K5DM0


バットマン『……守れるものばかりではない』

マシュ『……え?』

バットマン『いいや、守れるものの方が少ないんだ。マシュ、人は必ず失敗する』

マシュ『……』

バットマン『そして、落ちるだろう。だが……だが、マシュ。人は何故落ちる?』

マシュ『それは……』

バットマン『這い上がる事を、学ぶためだ』


111 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:48:00.15 ID:cGh5K5DM0



バットマン『ここは終わりではない。私の手を取れ』

マシュ『でも、私は……また……』

バットマン『落ちる事は破滅ではない。落ちた先で行動を諦める事が、本当の破滅なんだ。頼むマシュ、お前を破滅から救わせてくれ』

マシュ『またあなたを、死なせてしまう』

バットマン『……大丈夫だ。私のしぶとさは見てきただろう』

マシュ『……』

バットマン『一緒なら、必ず破滅に打ち克てる。さあ、手を取れ』スッ


112 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:48:41.42 ID:cGh5K5DM0




マシュ『……』スッ

バットマン『……行くぞ』パシ

マシュ『勝てるでしょうか』

バットマン『必ず勝てる。お前は強くなった』

マシュ『………………あの、ありg……』

バットマン『いいや、マシュ。礼は要らないさ』シュゥゥゥゥゥゥゥ……



113 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:49:23.57 ID:cGh5K5DM0



ワトソン「はあ、はあ……階段を上るのもラクじゃないな!」ゼエゼエ

ジャック「みて、あれ!」

ナーサリー「光の……階段?」

フラン「ウゥ!?」

ワトソン「また階段!?……むむ、アレを上っているのは」



光の階段「」グォォォォォォォォ……

テスラ「……」コツ、コツ



ジャック「止めなきゃ」ダンッ

ナーサリー「ええ、行かなきゃ!」ダッ

ワトソン「こ、この階段急に消えたりしないだろうな……い、いや、行かねば!」ダダッ


フラン「……」

フラン「……」グッ



114 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:50:19.80 ID:cGh5K5DM0



テスラ「ふむ……高度は十分。そろそろ落とすとするか」

ワトソン「待て!! この街への狼藉は、この僕が許さないぞ!!」ダダダダダダ、ドォン

テスラ「ハハハハハ、鉛玉か。それは効かぬとも!」チュィン!

ワトソン「何ッ!?」

ジャック「たああっ!!」ヒュンッ

ナーサリー「止まってっ!!」ギュドドドッ

テスラ「……そして、小さな淑女たちよ。伏せていてくれたまえ。いかに歪んだ形と言えど、雷電の身で召喚されたのだ。使命は果たさねば」バヂヂヂヂヂヂヂヂヂ……ドォン!

ジャック「うっ!?」ヂリヂリヂリヂリヂリ……ドサッ

ナーサリー「きゃあっ!?」ヂュヂュヂュヂュヂュ……


テスラ「ふむ、終わりだな。……では、やるか」バチ、バリバリバリ……

ワトソン「させるかっ!!」ドォンドォン!

テスラ「効かぬと言っているだろう!」チュゥン、チュィン! バチチチィ!

ワトソン「っぐぅ!?」ドサァッ

テスラ「……この破壊も、見方を変えれば創造だ。電気が今の世を支えるならば、それを破壊するのも電気。悲しいが、それも道の果てだろう」パチ、パチ……


115 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:51:12.33 ID:cGh5K5DM0



 必死に駆けるモードレッドはそれを見た。街の中心部、霧の中で青白い光が瞬くのを。それは徐々に輝きを増して行く。間に合うか? いいや、間に合わせなければ。世界を救わなければ。騎士として、信頼に応えなければ。

 だが実際、連戦に次ぐ連戦のせいでモードレッドは消耗していた。走る足元がよろめき、バランスを崩しかける。毒もまだ、完全に消えていない。汗を垂らし、荒い呼吸で必死に進む。その努力をあざ笑うかのように、青白い光は一層強まった。

 ドオン。ロンドン中の空に、爆発音が響き渡った。蒼い稲妻が霧を伝い、爆発的な活性化を……


 ……活性化を、引き起こさなかった。間に合わなかった騎士は、霧の中、黄色く輝く存在を見た。


116 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:52:23.06 ID:cGh5K5DM0



 『彼女』は、妨害が果たされないと分かっていた。ゆえに、そのインパクトの瞬間、予測される落雷地点へと走っていた。


「ウゥ、ウゥウゥウゥゥゥ……!!!」


 とてつもない放電量を、彼女は体内へと取り込んで行く。皮膚にはいくつもの水膨れができ、抑えきれぬ電撃が彼女の体表を走り苛む。彼女は、泣く事すらできないと言われていた完璧な乙女は、まるで涙のように目から電撃を零し、限界までエネルギーを溜め込んで行く。


「何だと!?」


 テスラは狼狽える。雷電の化身たる、自分の全力の落雷が受け止められている。その行動は本意ではなかったとはいえ、彼のプライドは揺らいだ。このエネルギー放出は何処まで続けられる。あの乙女は、いつまで自分の落雷を受け止めていられる?

 知らず知らずのうちに、テスラの口元に笑みが浮かんだ。


「ハハハハ!!! ハハハハハハハハハ!!! 面白い、天才たるこの私に挑むというのか!! 骨のある女性だ!!!」


 フランの関節から光が漏れ出す。体内エネルギー、危険域。その右腕が肘先から吹き飛び、鮮血じみて電撃が噴き出す。だが彼女は倒れなかった。必ず助けが来ると信じ、耐えた。人は一人では完璧足りえない。それは分かり切った事であり、彼女の信念なのだ。


 テスラは光の階段を駆け上って来る赤い稲妻に気付く。それは剣を構えた騎士の全身から迸るエネルギーだ。モードレッド。未だ残る毒を気力でねじ伏せ、恐ろしいまでの気迫で迫る。

 その一瞬、気圧された雷電の化身は放電を取りやめ、迎撃に切り替えようとした。が、それは叶わなかった。地上から天へ向け、爆発的な雷撃が遡った。それはテスラの身を打ち、怯ませた。


 フラン。抑え込んだエネルギーを、お返しとばかりに放出したのだ。黒い煙を全身から立ち昇らせながら、満足げに笑みを浮かべている。テスラは敗北を悟り、彼女へ無言の称賛を送った。


 そして彼の胸を、剣が貫いた。



117 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:53:34.14 ID:cGh5K5DM0



テスラ「……ごふっ……」ドシャッ

モードレッド「終わりだ……!」ズバァ

テスラ「ふ、フハハ、終わりか! ……ようやく、不本意な務めからも解放される。礼を言おう、騎士よ!!」

モードレッド「死に際なのに元気な野郎だな……!」ズシャッ

テスラ「……体内から、聖杯の魔力が溢れるのだ。私は消えるが、この後も何か来るぞ」シュウシュウシュウ……

モードレッド「……何だと?」

テスラ「気を付けたまえ……奴らの事だ、半端なものは用意していないだろう」シュゥゥゥゥゥゥゥ……

モードレッド「おい、どういう……」


聖杯「」ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ……



118 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:54:04.67 ID:cGh5K5DM0



モードレッド「チッ、落ちたか! 拾いに……」


モードレッド(……いや、これは……何か来る!!)


バチバチバチ……ギュォォォォォォォオッ!!


モードレッド「クソッ、何が来てる……!? おいジャック、ナーサリー、ワトソン! フランも、起きろ、起き……」

モードレッド「……!!」


119 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/25(日) 20:54:34.66 ID:cGh5K5DM0



モードレッド(嘘だ。そんな)ダダッ

モードレッド(見間違いだ。それとも恐怖ガスの影響がまだ残ってやがるのか? いや、でも、あれは、間違いなく……)ダダ、バッ


槍を持った女性「……」


モードレッド「……父、上?」




120 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/25(日) 20:55:13.99 ID:cGh5K5DM0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/25(日) 21:54:51.32 ID:tmFAfhvr0
乙、4章もクライマックスだし5章も楽しみだ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 22:52:12.31 ID:dVf0pT+Bo
原作やってないから知らんのだけど女なのに父なの?
123 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/25(日) 23:00:15.78 ID:cGh5K5DM0
字面がシュールで申し訳ない……原作事情が色々と重なりまして、女性の御父上なのです。女性とは書いてありますが、このSSでの扱いはほぼ男性なので目を瞑って頂けると幸いです。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 01:47:58.32 ID:qQw8KegoO
黒乳上…
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 15:28:51.06 ID:fdIPOMRA0
乙でした
父上はあのおっぱいで男を名乗るの無理すぎる……鎧で隠して……
大した霊基じゃなさそうなのにがんばるワトソンくん素敵だなって思いました(コナミ
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 18:40:22.14 ID:7WzLKl+5o
FGOのほうはよく知らないんだけどゲームのストーリーとどんぐらい違うの?
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 22:10:10.35 ID:chvGVVaxo
だいたいテキストが充実してくるのが3、4章からでそれまではソシャゲという形態もあってシナリオ面は簡素に纏まってるからだいぶ加筆されてる
後は味方サーヴァントが本来の脱落時期より早く消滅したり、逆に敵対で終わってたのが加入したり
128 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:27:51.99 ID:UHLu638i0

 アーサー王……「アルトリア」は英雄だった。ブリテンからローマ兵を追い出し、ケルト人の誇りを取り戻した伝説の人物。全ての騎士の尊敬の的。オレはそんな人の息子だった。

 息子だった? いいや、息子であろうとした。だが、モルガンの息子であるオレを、あの人は認めはしなかった。オレは王の器ではなく、息子でもなく、何者にもなれないと。

 だから叛逆したのかと、そう尋ねられれば違うと言える。だが明確な理由など分からない。とにかく、大事なのは、あの日オレがカムランの丘で、アルトリア王と刺し違えたって事だ。王は死に、統治は終わった。

 だから、オレが父上に認められる事は永遠になくなった。それだけの話なんだ。


129 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:28:33.24 ID:UHLu638i0



モードレッド「……」

モードレッド「……父上……」


モードレッド(……なんでだ、なんで今……オレが憎いのか? オレがブリテンを救うのは許せないのか? だから今、こうして出て来たのか?)


アルトリア「……」ガシャ……

アルトリア「……」チラ

モードレッド「!!!」ババッ、ガシャリ



130 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:28:59.35 ID:UHLu638i0


モードレッド(この鋭い殺気。間違いない。確かに、父上だ)タラ……

モードレッド(四の五の言ってるヒマはねえ。あの人の槍を止めねえと……)

モードレッド(止める? どうやって? 止められるのか、オレに?)


アルトリア「……」スタ、スタ……ダンッ

モードレッド「!!」ガシャリッ

アルトリア「……!!」ダダ、ズバァッ

モードレッド「っぐぉぉ!?」ドガシャシャシャシャ……!!

アルトリア「……」スタッ



131 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:29:25.94 ID:UHLu638i0



モードレッド(駄目だ、強い! 聖杯の魔力も相まって、父上の力が爆発的に増幅してやがる!)


アルトリア「……」ガシャリ

モードレッド「……チッ」ムクリ


モードレッド(今回は、刺し違えるのすら難しそうだぜ……)


132 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:29:51.71 ID:UHLu638i0




ベイン「ふむ……もう少し歯ごたえのある相手かと思っていたが」ボキボキ


所長「……」グタッ

レオナルド「くうっ……!」プルプル……


ベイン「存外、こんなものなのかも知れんな。希望というものは」


133 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:30:18.58 ID:UHLu638i0



ベイン「ではそろそろ、ここも滅ぼすと……」ドシ、ドシ

ベイン「……?」ピタッ


光る壁「」ブォン……


ベイン「……立ったか。しぶといな、貴様」

所長「お生憎様、しぶとさだけはどの職員より上よ……」フラ、フラ……


所長(内臓破裂数か所。殴られる寸前に身体に保護魔法をかけてなければ、今頃壁の染みになってたわね……)ゴフッ


134 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:30:47.18 ID:UHLu638i0



ベイン「で、どうする? このまま俺とぶつかり合って死ぬかね?」

所長「……まさか。私達は生き残るわよ」

ベイン「フフフフ、フフフフフ!!! そう、それだ。お前達は確証もない事を平気で口にする! 今、目の前に明らかな絶望があったとしても! だから面白い!」ドシ、ドシ

所長「ハァッ……」ギュドドドドッ

ベイン「豆鉄砲だ、こんなものは!!」ベチベチ、ベチィ

所長「今よレオナルド!!」

レオナルド「よし、作動!!」ポチッ

ベイン「何」ギュォンッ


135 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:31:19.71 ID:UHLu638i0



レオナルド「悪いね、君を虚数空間へ飛ばす! 保護式無しじゃ存在が数秒ともたないだろうけど、アデュー!」ピピピピ、ギュォォォォッ

ベイン「ふ、フフフフ。成程、命懸けの誘導作戦だったか。これが上手く行くと良いな」グニャ……ギュォ……

所長「飛んで、行きなさい!!!」パパパ、ポチッ

ベイン「覚えておくと良い。絶望は、こんな……」ブゥン



レオナルド「……ふぅ、終わった……」バタリ

所長「っはぁ、はあ……治癒、しないと……」ドシャッ

レオナルド「ああ動かないで、オルガマリー所長。私が何とかするから」ムクリ


136 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:31:46.01 ID:UHLu638i0



レオナルド「しかし、強敵だった。まさかあそこまでやるとはね」ポポポ……ジュゥゥゥゥ……

所長「えぇ、こちらのフィールドとはいえ、負けるかと思ったわ……うっ」

レオナルド「けどまぁ、倒せた。かなり邪道な倒し方ではあったけどね」ジュゥゥゥゥ……

所長「……邪道でも何でも、所員を守れたなら文句は無いわ。ありがとう、レオナルド」


「そうか」


所長「え?」

レオナルド「!?」バッ


137 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:32:24.44 ID:UHLu638i0



「そこまで所員が大事か、オルガマリー。では貴様に味あわせる絶望は決まった」


空間「」バキィ! ベキィ!


レオナルド「馬鹿な……!?」

所長「レオナルド、まさか……」

レオナルド「立って所長! これは、」


空間「」バリィィィィィィィ!!


ドシ、ドシ。ドシ、ドシ


ベイン「フフフ……葬れたと、思ったか?」ボキボキ


138 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:33:18.77 ID:UHLu638i0



レオナルド「……まさか突き破って出て来るとはね。脳筋にも程があるんじゃない?」ジリッ

ベイン「その顔。その絶望だ、俺が見たかったのは。全ての策は破れ、敵わないと知った時の顔だ」

レオナルド「随分と悪趣味だ!」ギュギュギュォッ!

ベイン「そうとも、俺は破滅(ベイン)だ!!」ベチベチ、ブォンッ

レオナルド「ぐあっ!?」バキバキ、ドシャシャァッ


139 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:33:46.03 ID:UHLu638i0



レオナルド(無茶苦茶だ。皆が逃げる時間を稼がなければ)


レオナルド「所長、逃げて!」

所長「……」

レオナルド「ここは私が食い止める、早く!」

所長「……馬鹿言わないで!!」

レオナルド「っ」

所長「アンタだって大事な所員の一人よ! 見捨てて逃げるリーダーが何処に居るもんですか!!!」

ベイン「フフフフ、フフフフフフハハハハハ!! 俺の前に立つか、所長殿!!!」ドシ、ドシ

所長「ナメるんじゃないわよ、デカブツ!!」ギュギュギュオォォォォッ



140 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:34:14.12 ID:UHLu638i0



ガギィン! ガィン! ドガシャァ!


フラン「……う、ウゥ……」ムクリ

フラン「……?」バチバチ、バチ……



モードレッド「だらぁぁぁぁぁっ!!!」ガギィ! ギギィィ!

アルトリア「……」ギィンッ、ギャリィンッ、ブォンッ

モードレッド「ウっ!?」ガギャァ、ズシャシャシャ

アルトリア「……」ヒュンヒュンヒュンッ

モードレッド「ぐ、うぉ!?」ギャ、ギャギャギャギャ!



141 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:34:43.34 ID:UHLu638i0



ダンッ!


アルトリア「!!」スッ

ジャック「たあっ!」ギャリリリィ!


モードレッド「ジャック!?」

ジャック「おくれてごめんね!」スタッ

ナーサリー「ようやく痺れが、取れたのッ!」ギュドドドドド!!


アルトリア「……」ギャギャンッ


ナーサリー「……もう、隙を突いたつもりだったのに全部弾かれるなんて!」


142 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:35:11.30 ID:UHLu638i0



モードレッド「……手強い敵だぜ」

ジャック「じゃあ、いつもどおりだね」

ナーサリー「大丈夫よ、私達は一人じゃないわ!!」


ダダダ、ダダダ……

ワトソン「ぜえ、ぜえ……君達、いいね、若くて……階段も、楽々だ……」ダダ、ダ……ヨロヨロ

モードレッド「……呆れた奴らだ、全くよ」

ワトソン「三十秒だけ待ってくれって伝えておいてくれ、あの槍を持ってる人にも……」


アルトリア「……」


モードレッド「伝わるか馬鹿、シャキっとしろ」

ワトソン「そうか、世の中は、厳しいな……」ゼエゼエ


143 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:35:37.71 ID:UHLu638i0



アルトリア「……」ヒュンヒュンッ、ガシャリ……ジリッ


モードレッド「来るぞ! 全員構えろ!」ガシャッ

ジャック「!」スッ

ナーサリー「っ」バッ

ワトソン「ぬお!?」カチャリ


アルトリア「……」グ、ググ……


ドォン!!


アルトリア「!?」バチバチバチバチィ!!

フラン「ウゥゥゥ!!!」バリバリバリバリ!!


モードレッド(フラン!!)


モードレッド「よっしゃ今だ!! 突っ込むぞォ!!!」ダダッ

ジャック「うん!」ダンッ

ワトソン「ええい、やるしかないか!」ダッ

ナーサリー「牽制するわ!!」ギュドドドッ



144 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:36:04.65 ID:UHLu638i0



光弾「「「」」」ギュオォォォォッ

アルトリア「……」ガギギギギィ!

アルトリア「……」クルッ、ズバァッ

フラン「う、ウゥ……」ヨロッ


モードレッド「アーサーァァァァァァァアアアア!!!」ダダダダダッ、ブンッ

アルトリア「……」クルリ、ガキィ!

モードレッド「今だジャック!」

ジャック「かいたいするよ!!」ダダ、ズババッ

アルトリア「っ」ギギギィン

モードレッド「そこだ!」ブンッ、シュバッ

アルトリア「!!」ギャァンッ、ズシャシャァッ


145 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:36:30.41 ID:UHLu638i0



モードレッド(大丈夫だ、オレは怖がってねえ! このまま父上を斬る!! 斬って終わらせる!)


アルトリア「……、……」ギリギリギリギリ……

モードレッド「こんのォォォォ……!」ギリギリギリギリ……!

アルトリア「……」フッ

アルトリア「……やるようになったな、モードレッド」

モードレッド「……何?」

アルトリア「フッ!」ドゴォ!!

モードレッド「ぐわあっ!?」ドシャシャッ



146 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:36:57.54 ID:UHLu638i0



ジャック「やあっ!!」シュパパパパッ

アルトリア「……」ギィンッ、ドッゴォ!

ジャック「あぐっ!?」ヒュオンッ、ドガァァァァァァ……


モードレッド「はあっ、はあっ!!」ゴロゴロッ、ムクリ


モードレッド(喋った……? オレを、認めた? あの父上が?)グイ


アルトリア「……」コツ、コツ


モードレッド(オレの気の迷いが見せた幻覚か? それとも本当に? なんで? なんでだ、父上、オレは……)


アルトリア「……」ガシャリ


モードレッド(オレは、アンタを、殺したのに……)ググッ……



147 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:37:23.37 ID:UHLu638i0



「う、うおぉぉぉぉっ!!!」バッ

アルトリア「!!」スッ

ワトソン「させるものか、貴様!!」ドォン!

アルトリア「……」パシ、シュゥゥゥゥ……

ワトソン「……ええーい、今更弾丸を掴み取られたくらいで怯むと思うなよ!」ダッ、シュバッ

アルトリア「……」ガキィ、バッ、シュバッ

ワトソン「ぐわっ!?」ドサリ、ゴロゴロッ


アルトリア「……」グ、グググ、ググググググ……



148 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:37:49.28 ID:UHLu638i0



ナーサリー「何なの……? あの人の槍に、霧が吸い込まれて行く……?」

ジャック「くっ……」

フラン「う、ウゥ……?」

モードレッド「全員、オレの後ろに隠れろ!!! 宝具だ、全部吹き飛ばすつもりだ!!」


アルトリア「……」ニヤリ

モードレッド「……!! 急げ!!!」


ジャック「!!」ダッ

フラン「う、ウゥ……!」ヨロヨロ、タタッ

ワトソン「くっ、この……」ズリ、ズリ

ナーサリー「急いでおじさま!」

ワトソン「急いでるよ、見ての通り……!」ズリズリ、ズリズリ


アルトリア「『突き立て、食らえ、十三の牙』」グ、ググググ……シュゥゥゥゥゥゥゥ……

モードレッド「……父上……!」

アルトリア「……モードレッド。強くなったな。仲間にも信頼されているようだ」


149 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:38:16.76 ID:UHLu638i0



モードレッド「意識があるなら、抗えるハズだ! それとも、本当に……」


モードレッド(本当に、オレが憎いのか? 父上)


アルトリア「お前が憎いと思った事など、一度もない。モードレッド」シュゴォォォォォォォオオオオ……

モードレッド「……じゃあ、なんで」

アルトリア「私は人間を愛している。人間という存在を」シュゥゥゥゥゥゥゥ……ギュオォォォォオォォオオ!!

モードレッド「父上!!」


モードレッド(駄目だ! オレ達の事なんて見てねえ! 父上は世界を壊すつもりだ、この世界を……いや、全てを!)

モードレッド(ならどうする、モードレッド! お前はどうする! また殺せるのか、王を!)


(((行け、モードレッド。世界を救って来い)))

(((まるで生前、誰かに認められていた自分を再現しようとしているようだ。涙ぐましい)))

(((オレはずっと、憧れの影だった)))

(((お前はブリテンの王の器ではない。私の息子としても、認めはしない)))

(((お前なんて)))

(((お前なんて、作らなければ良かった)))

(((所詮、あの人の影だもの)))



150 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:38:43.83 ID:UHLu638i0



モードレッド(まるで焼き直しだ。父上はオレを見ているようでまるで見ていない)

モードレッド(あの人を殺したところで、オレは所詮影のまま。なら、)

モードレッド(なら、オレは、)

モードレッド(オレは、勝てるハズもなかったのか?)



151 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:39:10.06 ID:UHLu638i0



アルトリア「『最果てにて輝ける槍』(ロンゴミニアド)!!!!」ドガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!


「『ロード・カルデアス』!!!」ドゴォォォォォォォォォッ!!


152 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:39:37.33 ID:UHLu638i0



モードレッド「何……」

「遅くなったな、モードレッド」

「遅れてすみません、皆さん!!」ギギギギギギギギギ……

モードレッド「お、お前ら……!」

ナーサリー「ネコミミさん、マシュ!」

バットマン「構えろ、マシュの防御が解除された瞬間反撃に移るぞ!」

マシュ「まずこれを受け切れるかの心配もお願いします!!」ギギギギギギギギィィィィィィ!!



153 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:40:02.97 ID:UHLu638i0



モードレッド「どうしてだ……マシュを見捨てたんじゃ」

バットマン「私は人より欲が深いんだ、モードレッド。構えろ、世界を救うチャンスが来るぞ」

ドクター『ブルースくん、早めに終わらせてくれ! カルデアもそろそろベインがヤバイ!』

バットマン「必ず間に合わせる。もう少しだけ持ちこたえてくれ」

マシュ「う、うぅぅぅぅぅぅ……!!!」ジリジリ……



154 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:40:29.70 ID:UHLu638i0



アルトリア「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォ……ピタッ


マシュ「!! 今です!」


バットマン「良し! チャンスだ、行くぞ!!」ダッ

ワトソン「よし、よし……! 僕だって!!」ダダッ

ジャック「たああっ!!!」ダンッ

フラン「ウウゥァ!!」ダダッ


モードレッド「……」


(((所詮、あの人の影だもの)))


モードレッド「……!!!」



バットマン「モードレッド!!!」


モードレッド「!!!」


バットマン「力を貸せ!!!」


モードレッド「……っ」



155 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:40:55.98 ID:UHLu638i0


モードレッド(そうだ。オレは影じゃねえ)

モードレッド(オレは騎士、モードレッドだ)


ナーサリー「行って、モードレッド!! 大丈夫、だってこれは……貴方のための物語だもの!!!」ギュォオォォォォォッ!



モードレッド(ナーサリーの魔力がオレに移って来てる……これなら、撃てる!!!)


モードレッド「……オオォオォォォォォォォ!!!!」ギュォォォォォォッ



156 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:41:22.90 ID:UHLu638i0



モードレッド「退け、テメェら!!! 撃つぞ!!!」ゴゴゴゴゴゴォォォォォ……

アルトリア「!!!」バッ

モードレッド「『是こそは、わが父を滅ぼし邪剣』……」ググググ……

モードレッド(さようなら、父上)


モードレッド「『我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)』!!!」ゴォッ!!



ゴォォォォォォオォォォォォォオォォッ!


アルトリア「……」

アルトリア「……」フッ


ドガァァァァァァァァァ……



157 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:41:54.37 ID:UHLu638i0



モードレッド「はあっ、はあっ……」ドサッ


聖杯「」カラン……


ワトソン「やったか……! やったんだな!!」

バットマン「ああ、やった……」

マシュ「聖杯、確認。回収します」スタスタ


モードレッド「……ああ、終わりか……」シュウシュウ……

ナーサリー「ええ、終わりね。……さようなら、ネコミミさん、マシュ。それに皆。また何処かで会いましょうね」シュゥゥゥゥゥゥ……

ジャック「……おかあさん、きえちゃいそうだよ」シュウシュウ……

バットマン「……大丈夫だ、ジャック。また会える」

ジャック「ほんと!? なら、今度はおいしいもの、いっぱい食べさせてね! あと、ゆーえんち? っていうのと、絵本をよんでもらうのと、あと、あと……」シュゥゥゥゥゥゥ……

バットマン「……」


158 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:42:40.84 ID:UHLu638i0


ドクター『よし、レイシフトを終了させる! ただちにこちらへ帰還し、ベインの撃退を頼む!』

バットマン「了解だ」

モードレッド「……おい、あのな」シュウシュウ……

バットマン「どうした」

モードレッド「……その、なんだ。オレも、お前らと一緒に戦えて、光栄だったぞ」

バットマン「そうか」

モードレッド「そうだよ、最後まで愛想のねえヤツだな。……またな」シュウゥゥゥゥゥゥ……

バットマン「……ああ、また会おう」


159 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:43:07.18 ID:UHLu638i0



ワトソン「さて、……なんだか皆どんどん消えて行くな」

バットマン「ああ。……ワトソン医師、そう言うキミは何故とどまっている?」

ワトソン「えっ、僕も消えないと駄目だったのか? そんな手品師みたいな事はできないんだが」

バットマン「……人間だったのか?」

ワトソン「なんだと思ってたんだ!?」


160 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:43:34.06 ID:UHLu638i0


マシュ「マスター、おかしいです。なかなかカルデアへの帰還が始まりません」

バットマン「確かに、妙だな……もしもしドクター、レイシフトは終了しているのか?」

ドクター『……? なんだ、おかしいな……うん? 駄目だ、AIがロンドン地下に巨大な魔力反応を検出した。それが楔となってこの時代をとどめてるみたいだ』

バットマン「成程。マシュと共に地下へ降り、原因を確かめる」

マシュ「了解!」

ドクター『迅速に頼むよ! 何度も言うけど、ベインが……』

バットマン「分かっている。急ぐぞマシュ!」ダッ

マシュ「はい!」ダダッ


161 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:44:02.29 ID:UHLu638i0



ワトソン「ま、待て待て! 何処へ行くんだ、そっちは敵の本拠地……」

バットマン「ワトソン医師、キミは残っていてくれ! この場の安全確保を頼んだぞ!」ダッダッダッ

ワトソン「む、むぅっ……無理をするんじゃないぞ!」

バットマン「ああ!」ダッダッダッ

マシュ「失礼します!!」タタタタッ


162 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:44:31.17 ID:UHLu638i0



フラン「……」ボロッ

ワトソン「うわっ、キミも残っていたのか!?」

フラン「ウゥ」コク

ワトソン「……酷い傷だな、治療しようか?」

フラン「ウゥゥ……」コクコク

163 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:44:59.66 ID:UHLu638i0



バットマン「……」ダダ、ダダダ……

マシュ「マスター、この魔力……」タッタッ

バットマン「……ああ、そうだろう。戦闘に備えろ、マシュ」

マシュ「はい!」


164 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:45:27.43 ID:UHLu638i0


ダッダッ……


バットマン「……居るんだろう、出てこい!!」

マシュ「……」ガシャリ


空間「」グニャァァァァ……バチバチ、バチィッ!!


「覚悟は、済んだようだな。ブルース・ウェイン」バチバチ……スタ、スタ


バットマン「……来たか」

ソロモン「クックッ、久しいな」



165 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:46:11.50 ID:UHLu638i0



バットマン「ソロモン。いや、ソロモンの亡骸を利用している者」

ソロモン?「……ほう? 気付いたという訳か?」

バットマン「こう呼んだ方が良いか? レメゲドンの原書。72の悪魔を司る者、ゲーティアと」

???「……フン」


166 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:46:47.68 ID:UHLu638i0



???「その名に辿り着くのが、予想より遅かったと言っておこう。そうだ、我が名はゲーティア。意思持つ式、ゲーティアである」

バットマン「……確証を得られなかったんだ。お前の正体について……だが、ヒントをもらえた。これでようやく対等だな」

ゲーティア「思い上がるな。貴様が私の正体に気付いたとしても、何の解決にもなっていない。いずれ来る破滅の言い訳にもならん、下らん些事だ」グワァッ

マシュ「!!」ガシャリ

バットマン「……」ジリッ

ゲーティア「私が此処に来た理由は分かっているだろう、ブルース。答えを聞こう。私と共に来るか、それとも愚かな人間共と一緒に焼き尽くされるか」


167 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:47:32.29 ID:UHLu638i0



ゲーティア「実際、ここまでの特異点はお遊びのようなものだ。だがそのお遊びも半分を切った。私も本気を出さざるをえん」

バットマン「……」

マシュ「マスター……」

バットマン「まだだ、マシュ……ゲーティア、ひとつだけ訊きたい。永遠の命というのは、お前自身の願いなのか?」

ゲーティア「そうだ。私の願いだ。輝く生において、死はあまりにも暗く重い。……ならばそこから死を取り除こうというのが、それほど不自然な事か?」

バットマン「……」

ゲーティア「……ブルース、見てきたハズだ。二面性に苦しむ人間を。永遠の眩しさを。エゴの醜さを。そして恐怖を。お前ならば、私と共に歩める。永遠の命を作り出そう」

バットマン「……」


168 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:48:04.91 ID:UHLu638i0



ゲーティア「お前の両親の事は、悲劇だった。……私も残念に思う」

バットマン「……」

ゲーティア「それでも、ここからは二度と繰り返させまい。新たな歴史を重ねれば、お前の悲しみも薄れよう。こちらへ来い、ブルース。その少女、マシュも、永遠の命を手に入れれば、決してお前から離れる事などない。大切なものを、今度こそ守り抜けるのだ」

バットマン「……」

マシュ「……マスター……」

バットマン「……」


169 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:48:31.05 ID:UHLu638i0


バットマン(……)


バットマン(……あの時、私は)

バットマン(私は、確かに地獄に居た。両親が殺されたあの時、あの路地裏で)

バットマン(マシュも死ぬのだろうか? 職員達も、殺されるのだろうか? それは分からない。いつか必ず起こる悲劇なのだろう)

バットマン(……しかし、それでも……)


(((マーサ、ブルース)))


バットマン(……それでも……)


バットマン「……それでも、私は……あの時、最期まで気高くあろうとした私の両親を、誇りに思う」



170 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:48:57.33 ID:UHLu638i0



バットマン「それが、私の答えだ。ゲーティア」

ゲーティア「……フン。どうやら思っていた以上に愚かだったらしい」

マシュ「私は!! 私は、マスターに賛同します!」

ゲーティア「……」

マシュ「人はいつか死にます! だからこそ生きられる!」

ゲーティア「愚か者共め」


171 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:49:27.91 ID:UHLu638i0



バットマン「……」

ゲーティア「お前達はこの日の事をいつか後悔するだろう。せいぜい、いつか来る破滅に怯えて過ごすが良い。……さらばだ、次に会う時は殺す」グニャァァァ……シュンッ

バットマン「……」シュウシュウ……

マシュ「マスター、レイシフトが終了、帰還に入りました」シュウシュウ……

バットマン「…………マシュ、ありg」シュウシュウ……

マシュ「いいえ、マスター。お礼は、良いんです」シュゥゥゥゥゥゥゥ……



172 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:50:10.40 ID:UHLu638i0




ベイン「……」ドシ、ドシ。ズルズル……

所長「……」ズルズル……

ベイン「さて、ここが管制室か? 働いてもらおう、所長。暗証番号を」グイッ

所長「……クソ、くらえ」

ベイン「ふむ。……ああ、俺はサーヴァントだったな。拳で開けば良い話だった」ポイッ

所長「あぐっ」ドサッ

ベイン「全く、慣れない身体だ……」ググググ……ブォンッ


ドア「」ガッシャァァァァァァァァ!!


173 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:50:39.35 ID:UHLu638i0



ドクター「なっ!?」

職員A「うわ!?」

職員B「まさか」

職員C「もうここまで!?」


破壊されたドア「」ゴワン……ゴワン……


ドシ、ドシ。ドシ、ドシ……


ベイン「ここが管制室か? 脆弱な守りだったな」ボキボキ



174 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:51:11.45 ID:UHLu638i0



職員A「くっ!」カチャリ、ダダダダダダダダダダダ!!

ベイン「ん? フフフ、銃か! 懐かしい、そういうモノもあったな」ガシ、グイッ

職員A「ぐわああああああ!?」ゴキィ、プラァン……

ドクター「こ、このっ、離せ!!」ベシベシ

ベイン「無理はしない方が良い。さもないと、こうやって」ダァン!!

ドクター「うぐっ!?」ドシャッ

ベイン「……ああ、すまんな。引き金を引いてしまった。必要以上に殺しをするつもりじゃなかったんだが」


175 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:51:37.46 ID:UHLu638i0



職員B「ど、ドクター!!」

ドクター「だいじょうぶ、肝臓は逸れてる……!」


ベイン「では、施設を破壊するとしようか。どれが『コフィン』だ、ドクター」ドシ

ドクター「うぐっ!?」

ベイン「早く口を割った方が良い。雑巾のように全ての血液を絞り出してしまうぞ」グリグリ

ドクター「……死んだって、言うもんか……!」

ベイン「ほう、そうか。では諦めて別の職員に尋ねるとしよう」カチャリ

ドクター「……!!!」



「ドクターッ!!!」




176 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:52:48.14 ID:UHLu638i0



 その瞬間、全員の意識がその声の方向へと向いた。ベインは青い箱じみたモノから飛び出した影を見た。それは天井を蹴り、ベインへ奇襲を掛けようとしていた。

(遅い)

 だが予測範囲内。大きな手で拳を逸らし、カウンターを叩き込もうと……したところで、ベインはもう一つの影に気付いた。それは彼を回り込むように飛び、背後の壁に当たって跳ね返り、ベインの首筋目掛け……


「チィッ」


 裏拳で弾いたそれは、盾だ。クルクルと回転する盾の向こう、マシュが壁を蹴り、盾を掴んで叩き付けた。ベインはそれを受け止め、数センチ後退る。


(こいつ、強くなっている)


 動きが違う。そしてその瞳。輝く瞳孔には迷いがない。一直線にこちらへ向かって来る。


(戦士か。いや、希望を見つけたか)


 ベインはニヤリと笑い、片手でマシュの全力の前進を盾越しに押しとどめ、拳を振り上げる。叩き潰すつもりなのだ。だが、その拳が振り下ろされる寸前……何かが飛来し、ベインはそれを弾かねばならなくなった。弾かれた『何か』が宙を舞う。

 コウモリの形をした手裏剣。それは、バットラング。その向こう、コウモリの騎士が厳しい表情でこちらを睨んでいる。一瞬の隙を突き、マシュは盾を離して小さく跳躍。ベインの顔の前で回転している。


(ふむ、これは)


 破滅が己の敗北を悟るのに時間は要らなかった。バットマンは右手の甲の刻印を輝かせ、叫んだ。


「令呪を以て命ずる! 全ての魔力をマシュの膂力へ変換しろ!!」


 マシュの渾身の回し蹴りが、ベインの首を捉えた。



177 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:53:21.31 ID:UHLu638i0



ドゴォォォォォォォッ、ガッシャァァァァァァ!!!




マシュ「ふうっ!!」スタッ

バットマン「ドクター、大丈夫か!!」

ドクター「平気、平気だから……それよりレオナルドは!?」

所長「大丈夫よ、大丈夫……彼女なら、生きてる……」

バットマン「全員無事だな!?」

職員A「右腕以外は……」

職員B「無事です!」

職員C「大丈夫です!」



「そこまで心配か、ミスター・ウェイン」


178 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:53:53.06 ID:UHLu638i0



バットマン「!!」

マシュ「皆さん下がって!!」ガシャリ


ドシ、ドシ……


ベイン「ふう……効いたぞ今のは。中々悪くない一撃だった、マシュ・キリエライト」


マシュ(……確実に、倒した手応えだと思ったのに……)ジリッ


バットマン「もう一度食らわせるまでだ、マシュ。二人ならやれる」

ベイン「ふ、フフフ。まさか一度敗北したというのに、こうも躊躇なく挑んで来るとはな。面白い」

マシュ「……人は何故落ちるか、ご存知ですか」

ベイン「何だと?」

マシュ「這い上がる事を、学ぶためです」

ベイン「ほう……?」


179 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:54:34.88 ID:UHLu638i0


ベイン「……ふ、フフフ」

ベイン「フフフ、フフフハハハハハハハハハ!!」

ベイン「ハハハハハハハ……フフフ、今回は大人しく負けを認めよう。素晴らしい成長だ、マシュ・キリエライト。そして……相変わらず、病的なまでの不屈ぶり。安心したぞ、ミスター・ウェイン」

バットマン「……」

ベイン「お前達を引き留める役だったハズのゲーティアも、どうやら役目を放棄したようだ。俺も、長居する必要は無いだろう……さらばだ」ギュォォォォォォ……ドシ、ドシ


バットマン「……待て! お前の目的は何だ、ベイン! ここを滅ぼそうと思えば、簡単にできたハズだ!」

ベイン「……まだ、明かす訳にはいかない。お前達がもっと強くなり、本物の『希望』として俺の目の前に現れた時……その時、俺は話すだろうよ」ドシ、ドシ……シュンッ


180 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:55:01.63 ID:UHLu638i0



計器「」バチ、バチチチ……

観測器「」ヂリヂリヂリ……


ドクター「……あぁ、散々だよもう」

所長「帰った、の?」

バットマン「……ああ、帰って行った」

マシュ「早く、治療しましょう!!」

ドクター「いててて、叫ばないで……傷に響くから……」


181 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:55:29.71 ID:UHLu638i0



レオナルド「待たせたね! この存在抹消銃でキミの事を粉々に……あれ?」ダダダッ、ピタッ

バットマン「……遅刻だ、レオナルド」

レオナルド「あれぇ? お、お帰り……?」

バットマン「ああ、ただいま。……皆の治療を急いでやってくれ」


182 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:55:57.25 ID:UHLu638i0



………………


ベイン「……」ドシ、ドシ

ベイン「……」ドシ、ドシ……


???「おやおや? ベイン坊ちゃんのお帰りかな?」

ベイン「……フン」

???「そう邪険にするなよ、久しぶりに会えたんだろ、バッツと。羨ましいぜ、俺はここにカンヅメだったってのに!」

ベイン「黙って仕事をしたらどうだ」

???「ユーモアは必要だぜベイン君! 知ってるか、一日一回笑うと死神も逃げていくって……おっと失礼、死神の前で言うべきじゃなかったかな? ウフフフフフッ」

ベイン「……」

???「で、どうだったんだよ? 教えてくれても良いじゃねえか、そんなに人に聞かれたくないならコソコソ話でも付き合うからさあ!」


183 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:56:24.08 ID:UHLu638i0


ベイン「……バットマン。アイツは相変わらずだ」

???「へえ! 狂ってやがるのか? ウフフフ、頭の固いバッツ君は相変わらず自分の事を優等生だと信じて……」

ベイン「だが、少しだけ変わった。マシュという少女を大切にしている」

???「……へえ?」

ベイン「それだけだ。俺は前線を押し戻しに行く」ドシ、ドシ

???「……ふうん、そうか。大切なものが出来たのか、バッツ」


184 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:56:58.98 ID:UHLu638i0


???「……ウフ、ウフフフフフ」

???「ハハハハハハハハハハ、ヒャァーッハッハッハッハッハ!!」

???「ったく最高のジョークだぜネコミミちゃん、大切なものが出来た!? 前振りもここまで丁寧だと観客が冷めちまうよ!!」

???「だけど任せな、そんな馬鹿まじめなお前とコンビを組んでも……最高に客を沸かせられるのが、この俺様、ジョーカーだ!! 待ってろバッツ、お前の期待通りにしてやるからな!!」

ジョーカー「ハハハハハハハハハハハ! アヒャハハハハハハハハハハハ!!」


185 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 00:57:38.44 ID:UHLu638i0



第四章

死界魔霧都市 ロンドン


生存者 ブルース・ウェイン マシュ・キリエライト

死者 ダビデ

186 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/28(水) 00:58:07.74 ID:UHLu638i0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 01:31:04.39 ID:TLWgbttvo


4章は味方陣営がかませでしかないからssでも活躍の場面が見れて嬉しい
次は5章か・・・マン・オブ・スティールなのか、昔はコラボしてたしダブルシールダーになるか
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 02:38:30.64 ID:FsspDiZ1o
乙。とうとうジョーカー来たね

それにしても女が父上で娘が息子って一体このゲームの性別はどうなっとんねん…
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 12:30:34.11 ID:EOyamjUMO
深い事情があるのよ
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 15:26:55.34 ID:sq0whND5O
割とマジでだいたい社長のせい
詳しい説明は避けるけど、ユーザーニーズを読んだ上の決断で、その結果一大ブランドになるまで成長させたから大当たりの判断だったのよ
なおその後アーサー王とは縁もゆかりもない新撰組にまで同じ顔が増えるもよう
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 15:43:46.49 ID:X3zYOxPA0
乙!
ワトソンくん生身で乳上に立ち向かってたのやばすぎない……?? かっこいいね……また出ないかな……
みんな大好きジョーカーも顔出ししたし、次回も待ち遠しいぜ!

ところでFGOといえばとちくるったイベントだと思うのだけど、バットマンVSチェイテピラミッド姫路城とか……ない……のかな……?
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 20:10:37.29 ID:Fbpa8jHR0
乙、いよいよ宿敵の登場か
アメリカならバットマン以上に有名なあのヒーローも出るのかな
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 21:38:41.28 ID:UCRPsUFao
乙。さてマシュちゃんはデスインるのかキリングジョクるのか、続きが気になる
194 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 23:10:14.36 ID:UHLu638i0


 その日も、雨が降っていた。


 一仕事終えた俺は、未だに硝煙を上げる筒を前に、娘に謝罪のメールを送るところだった。この携帯のメールアドレスから送るのは初めてだが、自分からのメールだと分かってくれるハズだ。

 送信と同時に、依頼完了のメールを受信した端末が震えた。用意した偽の口座にかなりの額の入金。ビジネス完了、ずらかるとしよう。

 スナイパーライフルを背負い、屋上を駆け出す。もし入金が無ければ依頼者も撃てる位置を取っていたが、もう必要ない。更に震える携帯。画面には『これからも良い取引をしよう ミスターデッドショット』の文字。

 娘からの着信だと思ったのに期待させやがる。走りながら携帯を捨てようかと迷ったが、もう少し持っている事にした。もしかしたら返信が来るかもしれない。俺は迷った挙句、『誕生日おめでとう』のメールも送る事にした。


 あらかじめ用意した逃走ルートを走り抜け、屋根を跳び渡り、路地へ降りようとしたところで……不意に、空が輝いた。思わず足を止め、見上げたその先には、巨大な光の帯があった。


 最初、その帯はもっと近くにあるものだと思っていた。それは巨大すぎる視認対象が引き起こす錯覚だと気付いた。ゆっくりと降りて来る巨大な破滅の帯は、飛んでいた飛行機に当たり、飲みこんだ。破壊の音すら立たなかった。

 天罰? それとも地獄への誘い? ……直感的に、あの光は全世界を包むと悟った。その時俺は、死んだら本当に地獄へ堕ちるのだろうかとか、家族は天国へ行けるのだろうかとか、そんな事ばかり考えていたのだと思う。だから、それが目の前に迫っていても、実感がわかなかった。


 光に飲まれる直前、俺の手から携帯が落ちた。娘に謝罪のメールは届いただろうか。最期まで、気掛かりだった。


195 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/28(水) 23:10:40.71 ID:UHLu638i0



第五章

北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム



196 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/28(水) 23:14:16.83 ID:UHLu638i0
短すぎて申し訳ない、今回の更新はここまでです。それと、悪役の参考資料です

https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/characters/deadshot.html
197 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/29(木) 00:08:11.27 ID:oXFljNIX0
イベントはそうですね……全て書き終わって余力があれば、一考してみようと思います。

でもギャグ一辺倒とかになっても許してくださいね……
198 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:07:31.60 ID:oXFljNIX0


………………


デッドショット「まだ飲んでやがるのか、コブルポット」

ペンギン「酒は貴重だ。貴重品こそボスが嗜まねえとな、ハハハ」

キャットウーマン「ほどほどにしなさいよ」

ペンギン「説教垂れずに酒を注げば良いんだ、売女め……」

キャットウーマン「……いつかアンタの酒に毒を混ぜてやるからね」

デッドショット「最近この辺はどうなってやがるんだ。この前はデカい氷山を見たと思ったら、今度は槍を持った侵略軍? 何世紀だ此処は」

ペンギン「無学な狙撃手に講座のお時間だ。通りの本屋に置いてある『アンクル・トムの小屋』、アレは19世紀半ば頃の著書だ。つまり、今、ここは19世紀半ば、南北戦争に近い時代のアメリカさ。分かるか?」

デッドショット「……お前こそ分かってんのか、俺達はちょっと前まで21世紀に居たんだぞ。頭が痛くなりそうだ」

ペンギン「フン、俺は全く困らんがね。俺と一緒にどうやら手下もここに呼ばれたようだし、ここで一旗揚げるのも悪くない」グビ


199 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:08:12.05 ID:oXFljNIX0


ペンギン「……それにしても、聞いたか。フリーズの野郎も来てるらしいぞ」

デッドショット「ハ、まるでゴッサムの同窓会だな。……そう言えば、『彼』の噂を聞かなくなったが」

ペンギン「捕まったらしい。俺の手下が言うには、地元の子供を人質に取られて、降参しちまったとか」

キャットウーマン「何処も思うように行かないわねえ」

デッドショット「……じゃあ、『ダグザの棍棒』はどうだ?」

ペンギン「眉唾だ、あんなものは!」

デッドショット「ただの眉唾な道具のために、お相手はあんだけ動員してる。この前ここに攻めてきたヤツを拷問したら、『ダグザの棍棒目当て』と抜かしてたぞ。本当に何もないのか?」

ペンギン「……一応、俺の手下が方々を探してる。だが無理だ、見つからんだろうよ。どうもここには、俺達の時代に失われて久しい『魔術』ってのが存在してるらしいからな」

キャットウーマン「まあ怖い。魔女も出て来るのかしら」

ペンギン「フン……俺の目の前に居るヤツが魔女だった気がするぜ」

キャットウーマン「よく言うわ、テディベアさん」


200 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:08:38.42 ID:oXFljNIX0


ドォン……ドォォ……


デッドショット「……奴ら、また手勢を送り込んできたらしい。少し出て来る」スクッ

ペンギン「せいぜい死なんようにな。俺の手下も殺さんように」ヒラヒラ

デッドショット「俺の射線に出なきゃ平気だ」スタスタ……


スイングドア「」ギィ、グォン……



201 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:09:07.07 ID:oXFljNIX0



ヒュォォォォォォォオォォ……


太陽「」ジリ……ジリジリ……


通り「」……


デッドショット「……」ザシ、ザシ


デッドショット(こういう光景は、西部劇の映画で見た事がある。ここに枯草でも転がってくりゃ、雰囲気は完璧だ)

デッドショット(強い日差し、弱々しい風。いかにもそれらしく寂れた建物……だが、これは映画じゃない。どういう訳だか、俺はここに立ってる。しかも身体は常に絶好調、まるであのスーパーマンにでもなった気分だ……)

デッドショット(ここはあの世か? ……いいや、違うよな。あの世でまで争いが起きるとは思えない)


ウォォォォォ!! ヤッチマエエエエエエエ!!



202 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:09:33.23 ID:oXFljNIX0



ペンギンの手下A「負けるな! コブルポットさんにどやしつけられちまうぞ!」

ペンギンの手下B「テメェこそサボってんなよ、言いつけてやるからな!」バァン、バァン!!

ペンギンの手下C「おい、言い争ってる場合かよ! 押されてるぞ!」ギィン!! ガァン!!


槍を持った男達「「「……」」」ザン、ザン、ザン、ザン……


デッドショット(……ケルト兵め、また来たのか……)


203 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:10:00.76 ID:oXFljNIX0



デッドショット「遅れたな、状況はどうだ」カチャ、ダダダダダダダダ……

ペンギンの手下A「で、デッドショット! 助かった……見ての通りだ、ケルト兵の奴らまた攻めてきやがった! 戦闘員じゃねえ住人は街の中央へ避難させてるけど、このまんまじゃ辛いぜ!」

デッドショット「分かった。とにかくこの波は俺一人で何とかする、お前らは後退して俺の撃ち漏らしを狩れ」ダダダダダダ、カチャリ、ダダダダダダダ……

ペンギンの手下B「へへっ、了解だぜ! おい野郎ども、後退だ!」

ペンギンの手下C「俺が指示出すんだよ馬鹿! 後退しろテメェら!! 無駄弾使わずにデッドショットに任せろ!!」

デッドショット「……」ダダダダダダダ……


204 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:10:34.56 ID:oXFljNIX0



ケルト兵G「……」ダダッ

デッドショット「……」タァン

ケルト兵G「っ」ドシャッ

ケルト兵H「!?」ドシャァッ

ケルト兵I「ぐ!?」ゴシャッ


デッドショット「ブルズアイ」カチャリ

デッドショット(一発の弾丸で三人ずつ仕留める。いつも通り、良い調子だ)ダダダダ、タァン


デッドショット(……それにしても、今日のこいつらは様子がおかしい。まるで何かに追われるように焦っているが、どうしたんだ……?)カチャリ


205 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:11:02.35 ID:oXFljNIX0



???「よーし、アタシ再臨リサイタルゥ! 歌ってくわよ、聴いて行きなさい!」

デッドショット「……?」


デッドショット(何だ、ケルト兵の後方に何か居るのか?)


???「スゥゥゥゥゥーッ……」

???「ボォォォォエエエエエエエエエエエエ〜〜〜〜〜ッ♪♪♪」ゴォォォォォォォオォォォォッ!!


デッドショット「!?」

ケルト兵達「「「」」」バタタタタッ……

デッドショット「な……」


デッドショット(何だ今のは、並み居るケルト兵達が一瞬で倒されたぞ!?)


206 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:11:32.53 ID:oXFljNIX0



???「ふう、アタシったらまた熱が入っちゃった! ついて来れなかったファンが倒れちゃってるわね、まーロックは激しいから仕方ないわっ!!」

デッドショット「……」カチャリ


デッドショット(ろっく? どういう意味だ? 今の攻撃の名前か? ふぁん……ファン? まさかコイツ、イカれてんのか?)


???「……あっ、倒れてない見どころのあるファン発見〜〜!! サインしてあげようかしら、フフッ」テテッ

デッドショット「!?」ジリッ


デッドショット(コイツ、距離を詰めてきたぞ!? 銃を向けてるのに! 馬鹿なのか!? いや、やっぱりイカれてやがるんだ! 撃つしか……)カチャッ


???「えーっと、どんなサインが良い? アイ・ラブ・エリザベートとか? ズッ友☆スーパースターとか!?」

デッドショット「……」


デッドショット(何を言っているんだ……俺はどうすれば良いんだ……?)


207 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:11:59.02 ID:oXFljNIX0



………………


デッドショット「……つまり、こういう事か? 急に連れて来られて、さっきのケルト兵共に襲われていたと」

エリザベート「……うん」


エリザベート(絶対アタシの過激ファンだと思ったのに……ちょっと嬉しかったのに……)

デッドショット(……参った。ここの性質がいよいよ分からなくなってきやがったぞ……悪党だけじゃなく、こんな少女まで連れて来られるとは)


エリザベート「まあでも、アンタならさっきの奴らより話は通じそうね! 名前はなんていうのよ!」

デッドショット「俺はフロイd……いや、デッドショットだ」

エリザベート「デッドショット(死の射撃)? 変な名前ね。アタシはエリザベート・バートリー! アンタ、特別にアタシのマネージャーにしてやっても良いわよ?」

デッドショット「光栄だ。行くアテはあるのか、エリザベート」

エリザベート「……もーちょっとリアクション取りなさいよね。無いわよ、来たばっかりだもの」

デッドショット「ならここに留まるっていうのはどうだ。こっちの戦力も強化できる、お前は落ち着ける。いいことづくめだと思うが」

エリザベート「あら、良いわね。アタシって冒険も好きだけど、こうやってライブ会場の周りを巡るのも……」

デッドショット「なら決まりだな。ついてこい」クルリ、スタスタ

エリザベート「最後まで言わせなさいよぉ!」タタッ


208 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:12:27.25 ID:oXFljNIX0



エリザベート「全く、はらたつぅー……にしても、随分寂れた街ね。人の気配が少ないっていうか」スタスタ

デッドショット「ケルト兵達がここの住人を殺して行った。残った僅かな住人達の元へ、俺達が連れて来られたってワケだ」ザシ、ザシ

エリザベート「へえ〜……俺達?」

デッドショット「俺達、悪党共だよ。どうしようもない、折り紙付きのな」

エリザベート「えぇ〜。アンタ悪党なの?」

デッドショット「……露骨に嫌そうな顔をするな。これから会う奴らは俺よりもっと凶悪だぞ」

エリザベート「よくそんな悪党だけで街を守れてたわね」

デッドショット「どうしようもない奴らの方が、こういうのには適任なんだよ。ようこそ、ヴィランストリートへ……」



209 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:12:58.56 ID:oXFljNIX0



………………


バチバチ……ギュォォォォォォォオオッ


バットマン「ふっ!」スタッ

マシュ「わっ!!」スチャッ

バットマン「……もしもし、ドクター。今回のレイシフトも無事に完了した」

ドクター『もしもし……オッケー、二人共バイタルサインは正常だ。何か見えるものはあるかい?』

マシュ「いいえ。見渡す限りの荒野が広がっています……それと、空を覆う大きな光の帯は相変わらず」

ドクター『うぅむ、前回の特異点は霧で見えなかったからな……久々に観測すると、改めてその異常さが分かるよ。あの帯は一本で出来てるんじゃなく、凄まじいエネルギーを持つ光線が束になって現れたものだ。あんなものが地上に降りて来たら世界滅亡じゃ済まないぞ……』

バットマン「危険だな。降りて来る兆候はあるか?」

ドクター『いいや、今のところはないね。……それより、君達よりかなり前方で戦闘が起こってるみたいだ。様子を見に行ってくれるか?』

バットマン「了解。行くぞマシュ」

マシュ「はい!」


210 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:13:39.65 ID:oXFljNIX0



ドクター『気を付けてよ。今回はマシュ以外のサーヴァントは居ないんだ……ベインにボロボロにされたカルデアの復旧が。もっと早ければ良かったんだけど。ごめん』

バットマン「過ぎた事だ」スタスタ

ドクター『……カルデアを虚数空間の中に分離させて初めてのレイシフトだけど、本当に違和感とかない?』

マシュ「今のところは……ありません。ね、マスター」

バットマン「ああ、正常だ。そちらこそ、何も異常はないのか?」

ドクター『うん、大丈夫。ごめんね、僕たちがもっと強ければこんな対策を取らずに済むんだけど……』

バットマン「ベインはカルデアの座標を割り出したんだ。いつまた襲撃に来るか分からない以上、このやり方が一番安全だろう」

ドクター『うん……よし、いつも通り頼むよ二人とも!』


211 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:14:13.36 ID:oXFljNIX0



バットマン「……伏せろマシュ。岩に隠れろ」サッ

マシュ「はい……アレは」ジッ


槍を持った男達「「「ウォォォォォォォォォ!!!」」」ドドドドドド……

ロボットの兵隊「「「……」」」ガシャン、ガシャン、ガシャン



バットマン「……文明の差が著しいな。ドクター、あの陣営のどちらかにサーヴァント反応はあるか?」

ドクター『んーと、待ってよ……えーと、槍を持ってる男達の方に二人。ロボットの方に一人』

バットマン「成程……聖杯反応は?」

ドクター『どちらにも感知できないな。武装レベルを見るに、どちらもこの時代に適した武器を使ってるとも思えないし……どっちがどっちとも言い難い。どうする?』

バットマン「……このまま少し、観察を続ける。マシュ、いつでも戦闘に参加できるよう準備しておけ」

マシュ「はい」ガシャ……



212 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:14:56.48 ID:oXFljNIX0



太陽「」ジリジリ……


バットマン「……」

マシュ「……」


マシュ(あつい……)


バットマン「……! マシュ、アレが見えるか?」

マシュ「はい! え? えっと……」ジッ


赤い服の女性「……」バシィ! ガシッ、グルグル、バッシィン! ドォン!


バットマン「……何をしているように見える、アレは」

マシュ「えー、えーっと、その……男達を殴って、蹴って、ロボットの首を取って……怪我人の治療をして、その人が襲い掛かって来たらまた殴ってます……」

バットマン「……やはりか。すまない、私も見えてはいたが暑さによる幻覚かと思ったんだ。ドクター、あの女性の観測を頼む」

ドクター『サーヴァントだね。バーサーカーみたいだ』

バットマン「……バーサーカーは確か、話が通じにくいタイプだったか?」

マシュ「は、はい。少しその、独特の世界観を持っている方が多いクラスです……」


213 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:15:36.54 ID:oXFljNIX0



バットマン(さあ、どうしたものか……)ジッ


マシュ「……あっ、マスター! 見て下さい、アレ……」


ピンク髪の女性「も〜〜っ、さっさとこの戦線を叩き潰してクーちゃんに戦勝報告するつもりだったのに台無しよ! アンタ何なのさっきから!」プンプン!!

紫髪の少女「ちょっとちょっと、もう! 困るわよ、ロボットは治療できないんだから!」

赤い服の女性「……」チラッ



バットマン(両陣営のサーヴァントが出て来たか。よし、これで見極めを……)



赤い服の女性「困るのはこちらです!!!!!!!!!」ゴォッ



女性「!?」ビリビリッ

少女「!?」ビリビリッ


マシュ「!?」ゴォッ

バットマン「!?」ジリッ



214 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:16:02.96 ID:oXFljNIX0



赤い服の女性「ずっと怪我人ばかり出し、終わらない戦いは不毛!! これが分からないのですか!!!!」

女性「な、何よ、説教するっての!?」

少女「勢いの良い人ね!? 私だってできれば戦いたくないけど……これは仕方ない戦争よ、ミセス!」





ドクター『ちょっと、カルデアにも響いてきたよさっきの怒声……』

バットマン「マシュ、いけるか」

マシュ「え? は、はい! いけます!」

バットマン「行くぞ、あの赤い女性を助け出す」

マシュ「た、助けるんですか!?」

バットマン「彼女なら理由もなくこちらを攻撃しないだろう。それに、長い間この戦争を見て来たのなら、事情にも詳しいハズだ。情報収集も出来る」

マシュ「成程!」

バットマン「行くぞ!」

マシュ「はいっ!!」


215 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:16:43.89 ID:oXFljNIX0



女性「良い度胸じゃないの……一人っぽっちのくせにこのスーパーケルトヒロインにお説教なんて、気に入ったわ!! 叩き潰してあげるッ!!!」

少女「話が通じるタイプじゃなさそうね……武力行使って嫌いなんだけど、やるしかないわね」

赤い服の女性「かかって来なさい。あなた方の病気、根本から叩き直して差し上げましょう!!!」

「たああっ!!!」

三人「「「!?」」」


盾「」ヒュォンッ


女性「チイッ」バッ


蹴り「」ゴォッ


少女「きゃっ、危ない!?」ババッ



マシュ「初撃、どちらも躱されました!」スタ、タタッ

盾「」ヒュンッ

マシュ「どちらも手練れかと思われます、マスター!」パシィ

バットマン「サーヴァントは任せたぞ。私は雑魚を処理する」スタッ

赤い服の女性「あなた方は?」

バットマン「敵ではない。今のところは」

マシュ「助太刀に来ました!」

赤い服の女性「助太刀……?」



216 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:17:50.16 ID:oXFljNIX0





赤い服の女性「……何にせよ、助かります。彼女らを止めましょう」スッ

バットマン「ああ」

マシュ「……」ガシャリ


女性「も〜、何なのかしら……クーちゃん呼んじゃおっかな……いやでも……」ボソボソ

少女「あら、変わった格好してるわね! マハトマの導きによるものかしら? それは……猫の耳?」

バットマン「……」

マシュ「気が抜けると言うべきでしょうか……」

バットマン「……来るぞ、油断するな」



217 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:18:29.55 ID:oXFljNIX0



女性「きーめたっ。私帰るわね! それじゃ!」

赤い服の女性「待ちなさい! まだ治療は終わっていません!」

女性「治療て。ここは戦場よ、クイーンはまだまだこんな序盤じゃ取られちゃ駄目なの。だから『ナイト』を出すわね。ヨロシク、ナイトちゃん!」


ダダンッ、ズッサァァァァ!!


土煙「」モクモク……


女性「それじゃあね〜(はぁと)」ヒラヒラ


バットマン「ドクター!」

ドクター『気を付けて、サーヴァント反応! かなり強大だ!』

マシュ「!!」ガシャリ


218 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:18:55.84 ID:oXFljNIX0



???「……フン、こんなところで会えるとはな」ザシ、ザシ

バットマン「……!? その声は……」

???「俺だ」ザシ……ピタッ


土煙「」……ザァァァァ……


バットマン「……お前までここに来ていたのか」

デスストローク「勿論、来るとも。報酬も弾んで貰えてるしな」


219 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/29(木) 22:19:25.87 ID:oXFljNIX0



マシュ(……身のこなしから分かる。かなりの手練れ。マスターにも引けを取らないほどの……)


デスストローク「ほう、使いっ走りをコマドリからお嬢ちゃんに鞍替えしたのか? 賢明とは思えんが」

バットマン「彼女を嘗めていると痛い目に遭うぞ、デスストローク」

デスストローク「……フン。ではお手並み拝見といくか?」カチャ、シュリィィィィィ……スッ



少女「……」ジリッ

赤い服の女性「……治療、開始します」カチャリ

デスストローク「デヤァァァァァァッ!!」ヒュンッ

マシュ「!!!」ガシャリッ


220 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/29(木) 22:22:35.34 ID:oXFljNIX0
今回の更新はここまでです。

悪役の参考資料です。

ペンギン
https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/characters/penguin.html

キャットウーマン
https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/characters/catwoman.html

デスストローク
https://warnerbros.co.jp/franchise/dccomics/characters/deathstroke.html

221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 00:49:31.41 ID:jpmjoARgO
デスストローク=サン!デスストローク=サンじゃないか!
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 07:33:54.04 ID:lFQbYTd5O
まさかのデスストローク
ベイン並みに強敵…
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 12:20:30.58 ID:52fnNGBAo
乙。アーカムビギンズのスレイドおじさんとの戦いはメッチャ興奮したな
それにしても流石バットマンのローグスギャラリーは豊富で良いね
224 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:23:15.81 ID:IANAA/0D0


………………

牢屋「」ピチャン……ピチャッ……



フリーズ「……」

シータ「……あの、少しお話をしませんか?」

フリーズ「囚人と話す看守は居ないだろう」

シータ「それはそうかもしれませんけど、牢の中ではやる事もなくて……」

フリーズ「……」

シータ「……ではその、私が話すので、聞いていて頂けますか?」

フリーズ「好きにしろ」ガシャ、ガシャ


225 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:23:45.64 ID:IANAA/0D0


シータ「ふふっ、優しいのですね。実は私、ここに来る前はインドに居たのです」

フリーズ「……」

シータ「そこで運命の人に出会って、結婚して……幸せだったのですよ? でも、鹿に変えられて攫われたり、風神様に見つけてもらったり、お猿さん達と一緒に戦ったり……」

フリーズ「……」


フリーズ(この話は聞いた事がある。確か、インドの古代叙事詩『ラーマーヤナ』の……)


シータ「……それで、挙句の果ては国民に貞潔を疑われて追放されたり! 民は国の宝とは言いますが、あれは酷いと思います!!」

フリーズ「……」

シータ「……でも、あの人は最後まで信じてくれた。お猿さん達と迎えに来た時は、ちょっぴりカッコ悪かったけど……でも、いつまでも好きな人なんです」

フリーズ「……」

シータ「なのに、呪いで幸福を分かち合えなくなっちゃったんです! 一緒に居たら駄目なんて言われて、納得できるワケないじゃないですか」

フリーズ「……」


226 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:24:29.54 ID:IANAA/0D0


シータ「……ごめんなさい、愚痴みたいになって」

フリーズ「いや……災難だったな」

シータ「! ほ、本当ですよ! アレで私の人生がどれほどくすんだか……!」グヌヌヌ

フリーズ「お前は、どれほどの犠牲を伴っても、人を好きで居たいと思うか?」

シータ「え?」キョトン

フリーズ「……いいや、何でもない」ガシャリ……


フリーズ(ノラ……)


227 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:25:02.44 ID:IANAA/0D0



シータ「……あなたは、どうなんです?」

フリーズ「少し喋り過ぎだ。十分暇潰しにはなっただろう」

シータ「でも……」

フリーズ「もう良い」ガシャ、ガシャ……


フリーズ(……これ以上喋れば、情が移る。決心が揺らいではならない。外道共に仕えている理由を忘れては駄目だ)ガシャリ、ガシャリ

フリーズ(全てはノラのため。『聖杯』とやらでノラを治療すれば、すぐに終わる。……もう少しだよ、ノラ。また一緒に、手を取り合って歩けるんだ)


(((……でも、いつまでも好きな人なんです)))


フリーズ「……」ガシャ、ガシャ……


228 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:25:29.41 ID:IANAA/0D0



………………


デスストローク「これは驚いた! 確かにやるな、お嬢さん!」ヒュンヒュンッ、ヒュン!

マシュ「ぐっ……」ガシャリ


マシュ(駄目、あの棍のせいで間合いが詰められない! それにあの身軽さ、舞うような身のこなしから繰り出される強烈で的確な攻撃……この人、相当場慣れしてる!)


バットマン「フン!!」ゴッシャァ!

ケルト兵A「ぬぐ!?」ドッサァァン!

ロボットA「ガガガガガ!!」バキャァ!



紫髪の少女「ええ……あの人、鉄のロボットを粘土みたいに潰したんだけど、サーヴァントじゃないわよね……?」

赤い服の女性「隙有りッ!!!」ダンッ、シュバッ

少女「きゃ、危ない!!」ババッ



デスストローク「まだ倒れてくれるなよ、久々に滾って来たんだ!」ヒュォンッ

マシュ「!!!」スッ



229 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:26:00.86 ID:IANAA/0D0



 風切り音と共に、鉄製の棍が迫っていた。辛うじて反応し、盾で防げば、デスストロークはその反動を利用して反対の端で殴りつける。盾でガード。再度棍が襲う。再度盾でガード。猛スピードで連続するやり取りに風が巻き起こる。断続的に火花が散り、熱で棍の両端が赤く染まり始めた。

 傍目には単調なその動きも、その実、恐ろしいほどの計算と予測からなる高度な防御と攻撃の応酬である。マシュは悟る。相手もまた、こちらの動きを全て予想しているのだと。

 不意にデスストロークが屈んだ。直後、彼は足元の砂を蹴り上げた。マシュの視界が砂塵で覆われ、一瞬の隙を生む。次の瞬間、砂のカーテンを突き破り、棍がマシュの脳天へと振り下ろされた。

「!!!」

 だがマシュとて三下の戦士ではない。数々の修羅場を潜り抜けたサーヴァントだ。盾を頭上へと振り上げ、棍での攻撃を打ち返す。必殺、パリイング。がら空きになったであろう敵の胴体目掛け、砂塵を突き破って正拳突きを繰り出す……

 そして、空振った。空を切る手応えに、マシュは目を見開いた。死の傭兵はエモノを弾かれ、マシュの頭上、空中できりもみ回転している。

(やはり油断できない相手だったな)


 仮面の奥に笑みが浮かぶ。マシュは敵の経験値を侮っていたとようやく知った。傭兵は回転の中で剣を引き抜き、今度こそマシュの脳天目掛けて必殺の一撃を……


「滅菌!!!」


 振り下ろそうとしたところで、横合いから入った蹴りをガードせねばならず、弾かれて着地した。


230 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:26:29.30 ID:IANAA/0D0



赤い服の女性「無事ですか」スッ……

マシュ「は、はい! ありがとうございます」


デスストローク「野暮な女め」ザシシィ、クルッ

バットマン「そこだ!」シュパパッ


バットラング「「「」」」ヒュォォォォォォォッ


デスストローク「お前は黙って……」ガギギィ、スッ……

バットマン「爆破ジェル、塗布済みだ!」ポチッ

バットラング「「「」」」ドドドドォッ!!

デスストローク「ぬおっ!?」ヨロッ

マシュ「たあああっ!!」ヒュゴッ!!

デスストローク「ぐあ……」ドッシャァァァァァァ……


231 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:26:58.13 ID:IANAA/0D0



紫髪の少女「う、うぅ……脳震盪が……」ヨロヨロ……


バットマン「今だ、退避するぞ」

赤い服の女性「しかし、まだ何も解決していません!」

バットマン「ここで戦っていても何も解決しないだろう。来るか、それとも残って不毛な争いを続けるか。どちらだ」

赤い服の女性「くっ……」

マシュ「行きましょう、すぐに回復して襲ってきますよ!」





デスストローク「……やってくれる……」プル、プル……





赤い服の女性「……分かりました。行きましょう」

バットマン「よし、行くぞ。南へ撤退だ」

マシュ「はい!」



紫髪の少女「ま、待ちなさ……うっ、吐き気が……」ヨロ……

ロボットD「戦闘の続行は不可能と判断。拠点へ撤退します」ガシッ

紫髪の少女「ちょ、ちょっと下ろしなさい、まだ戦えるわよ!」ジタバタ

ロボットD「ここで消えてはエジソン様が悲しまれます」ウィー、ガシャ、ガシャ……



232 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:27:35.35 ID:IANAA/0D0



デスストローク「……内臓の損傷には至っていないか。油断した」ググッ……ムクリ


ザシ、ザシ、ザシ……


???「……なんだ、メイヴから連絡があって来てみりゃあ。やられたのか、スレイド」

デスストローク「かすり傷だ。貴様こそ何故ここまで来た、クーフーリン」

クーフーリン「王が国内での叛逆を看過してどうする。……テメェ、立てるんだったら追撃に行け。この上まだ反抗勢力を増やしてたまるか」

デスストローク「言われなくてもそうするつもりだ。……それよりも、ダグザの棍棒の件は忘れていないだろうな」

クーフーリン「あぁ? 忘れてねえよ、兵の半分を割いて探させてる。良いから早く行け」

デスストローク「……良いだろう」クルッ、ダダッ



233 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:28:12.91 ID:IANAA/0D0




………………

ペンギン「それでこの乳臭い小娘を連れてきたってのか、ハハハハ! お前、これに情が移ったんじゃないだろうな!」

エリザベート「ムキーッ、誰が乳臭い小娘よ!! この臭いチビハゲペンギン!」

ペンギン「ハハハ……ハハハ!!! コイツ、撃ち殺してやる!!」ブチィ

エリザベート「ジョートーよやってみなさいよ!!」

デッドショット「やめろ二人とも。コブルポット、コイツは見た目はちんちくりんだが強さは保証する」

ペンギン「フン……下らん、ガキに頼るようになれば悪党はおしまいだ」

エリザベート「レディに対してそんな口の利き方で良いのかしら!! ただでさえモテなさそうなのにね!!!」

ペンギン「心配無用、女は金に釣られていくらでもやって来る!! ガハハハ、力に弱いのさ人間は!」

エリザベート「だから悪党なんてやってるわけね!! 力に弱いのはアンタよチビデブハゲ!!」

ペンギン「口の減らねえクソガキが、良いか……!」



スイングドア「」ギィ


ペンギン「あぁ……?」


子供達「「「……」」」ジッ



234 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:29:20.97 ID:IANAA/0D0



ペンギン「……ガキ共、ここは遊び場じゃねえって言ってんだろ。ヴィンスは何をやってやがる……」

エリザベート「何よ何よ、可愛い子供も居るじゃない」

子供A「だって、すごい怒鳴り声が聞こえて、おじさんが危ないんじゃないかって……」

子供B「アルがしつこいから、皆で様子を見ようって」

子供C「おれじゃない! 言ったのはエマだよ!」

子供D「あたしじゃないもん!!」


子供達「「「」」」ワーワー! ギャーギャー!!



キャットウーマン「……相変わらず人気ねえ」

デッドショット「子供は可愛いものが好きだからな。ペンギンとか」


ペンギンの手下D「おいコラガキ共、何やってやがる! クソ、ちょっとでも目ぇ離したらこれだ……」

ペンギン「ヴィンス!!! 二度とこの辺にガキ共を近寄らせるんじゃねえぞ!!! 次にヘマしたら絨毯にしてやる!!」

ペンギンの手下D「は、はい、すみませんボス!! おい行くぞ!」グイ

子供達「「「はぁーい……」」」ゾロゾロ……



235 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:29:47.72 ID:IANAA/0D0



ペンギン「……使えん部下を持つとこれだから困るんだ! 全く……カルナも帰って来るのが遅い、遅すぎる……」イライラ

デッドショット「ああ? カルナは何処に出してるんだ?」

ペンギン「最近、ケルト兵共が鉱山を掘るのに躍起になっててな。どうにも胸騒ぎが治まらんから、偵察に出してるんだ」

キャットウーマン「あら、鉱山? ……ゴールドラッシュでもないでしょうに」

ペンギン「フン、どうせろくでもないたくらみに決まってる。俺は鼻が利くんだ」

エリザベート「鉤鼻だしね」

ペンギン「いい加減黙って……」


スイングドア「」ギィ


ペンギン「いい加減にしろガキ共、俺は今日機嫌が悪い……」

白髪の男「……すまない、タイミングが悪かったか」

ペンギン「カルナか! 遅いぞ、入れ」クイクイ


236 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:30:28.33 ID:IANAA/0D0



ペンギン「で、どうだ。何か掴めたか」

カルナ「ここから北東の鉱山に大きな部隊が派遣されてる。奴らは地元の大人達も使役して何か掘ろうとしてるみたいだ」

ペンギン「その何かというのは何なんだ?」

カルナ「それは判明しなかった。鉱山に強大なサーヴァント反応があり、近付けなかったんだ。恐らく、あれ以上近付けば俺も感知されていた」

ペンギン「チッ、お前が言うほど強力な奴が配置されてるのか……よし、なら強硬手段だ」

カルナ「?」


237 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:30:57.32 ID:IANAA/0D0



ペンギン「デッドショット、ちんちくりん、カルナ。この三人で鉱山に忍び込め。敵の狙いも分かるだろうよ」

エリザベート「だーれがちんちくりんよペンギン男! エ・リ・ザ・ベ・ー・ト!!」

ペンギン「見つかっても戦闘で突破できるだろう。ただし、深入りは禁物だ。ケルト共の狙いが分かったら、すぐに撤退しろ。アイツらの事だ、クーフーリンもすぐに駆け付けて来るだろうからな」

デッドショット「了解。その間ここの守りはどうする」

ペンギン「俺の手下が三倍働く。さあ行け。カルナ、いつも通り冷静にな」

カルナ「分かった」スタスタ

デッドショット「行くぞエリザベート」

エリザベート「え、本気なの!? わ、分かったわよ……」



238 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:31:46.58 ID:IANAA/0D0



スイングドア「」ギィ……


キャットウーマン「良かったの? カルナが帰って来たら労ってやるって言ってなかったかしら」

ペンギン「そうも言ってられるか。どうにも嫌な予感がする……奴ら、何か致命的な事をしようとしてるんじゃないか」

キャットウーマン「……考えすぎじゃない?」

ペンギン「俺様の勘は当たるぞ、子猫ちゃん。『彼』が降参した時期と、奴らが鉱脈を狙い始めた時期は一致してるんだ。俺には分かる……」


スイングドア「」バタァーン!!


ペンギンの手下A「ぼ、ボスゥ!!」ドタバタ

ペンギン「ドアの開け方から教えねえと駄目なのか、ウスノロ! ノックしてから優しく開け!」

ペンギンの手下A「そ、それどころじゃないんですよ! あの、あのコウモリ野郎が、クーフーリンとこのデスストロークと、エジソン陣営のエレナに喧嘩吹っ掛けたって……」

ペンギン「コウモリ野郎だとお? ……バットマン!?」

キャットウーマン「バットマンが来たの!?」



239 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:32:18.01 ID:IANAA/0D0



………………

太陽「」ジリジリ……


バットマン「……街が見えてきたな。一旦あそこで休憩にするぞ」ザシ、ザシ

マシュ「はい。この暑さはデミ・サーヴァントの私にも強烈です……」ポタポタ

赤い服の女性「……今更ですが、あなた方は何者ですか? 先程は助けられましたが」スタスタ

バットマン「私達は、未来から来た……」

赤い服の女性「病気ですか?」

バットマン「……信じられないのも、無理はない」

マシュ「まあ、これまでの特異点でも、皆さん同じような反応でしたからね……」

赤い服の女性「特異点……?」



240 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:32:52.94 ID:IANAA/0D0



………………


赤い服の女性「成程。つまり、人理を治療すべく旅をしているのですね」

バットマン「そうだ。全部で七つの患部がある。ここは五つ目だ」

赤い服の女性「同じく治療を志す者だというのに、失礼をしました。……私はフローレンス・ナイチンゲール。よろしくお願いします、ブルース、マシュ」

バットマン「ナイチンゲール……クリミアの天使か。あなたが居なければ看護師の重要性の認知が為されなかっただろうとまで言われている、あの」

ナイチンゲール「やらなければ人が死んでいた、それだけです。必死だったので……それと、天使はできれば、その……恥ずかしいので……」カァ

マシュ(可愛い)ガァン……


241 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:34:17.81 ID:IANAA/0D0



バットマン「ここで何が起きているんだ、フローレンス。槍の男や、ロボットが争っていたが」

ナイチンゲール「それは、詳しくは私にも分かりません……ただ、槍を持つ兵隊はケルト兵だとは聞きました。それと、ロボットを操っているのはエジソンという男だとも」

バットマン「エジソン……ケルト兵? その二大勢力がアメリカ大陸で戦っているのか?」

ナイチンゲール「どうやらケルト兵が突如として侵略を始めたようで、エジソンはアメリカを守るためだと声高に叫んで宣伝していると。真相は分かりませんが」

バットマン「……」


バットマン(エジソン……たまたま名前が同じだったという事もないだろう。電球の生みの親、発明王。まごう事なき天才だ……)


242 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:35:02.17 ID:IANAA/0D0



バットマン「キミは何故戦ってる、フローレンス」

ナイチンゲール「? 治療を必要としている人が居るからです」

バットマン「いや、そうではなく……分かった。他に反抗勢力などは無いか?」

ナイチンゲール「あったとは聞いていますが……ケルト兵の侵略に潰されてしまった勢力が殆どだそうです」

バットマン「そうか……あまり増援には期待しない方が良さそうだ」

マシュ「そうですね……」

ナイチンゲール「ですが、少なからず今のロボットとケルト兵の戦争に辟易している方々が居るのも確かです。見つければ、声を掛けてみましょう」

バットマン「ああ。そのためにも、まずはあの街に到着したら……」




243 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:35:29.25 ID:IANAA/0D0



バットマン「……? 街の様子がおかしい」

マシュ「?? あわただしいですね。皆さん、荷物をまとめているというか……」

ナイチンゲール「血の匂いがします」

バットマン「……街の反対側で何か起こっているようだ。走るぞ」

マシュ「はい!」

ナイチンゲール「そうしましょう」



244 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:36:08.60 ID:IANAA/0D0



金髪の男「向かって来る者のみ無力化しろ! 物資は最低限入手したら撤退するぞ!」

ケルト兵達「「「はっ!!」」」ザン、ザン、ザン……



???「だから逃げようって言ったのにさぁ!!」ドォン、ドォン!

???2「しかし民を見捨てて逃げるなど王の風上にも……」ズバァ、ドシャッ


金髪の男「ハハハハ! そろそろ諦めてはどうかな、ビリー・ザ・キッド! そしてラーマ殿!!」

ビリー「あんのイケメン、腹立つなぁ! 撃ってもいいかい!?」

ラーマ「やめろ、今はケルト兵に集中するんだ!」

ビリー「でもジリ貧だろ! だから逃げようって」

ラーマ「だから民を見捨てて逃げるなど……」


ケルト兵D「むん」ドシャシャッ


ビリー「!?」

ラーマ「む!?」


バットマン「間に合ったか」

ナイチンゲール「ギリギリですね」

マシュ「サーヴァントの存在を三人分感知しました! 恐らく一番奥の金髪の男性がケルト兵の指揮官かと!」


245 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:36:36.41 ID:IANAA/0D0




ラーマ「なんだか知らんが助かった、礼を言うぞ黒猫よ!」チャキッ

ビリー「これコウモリでしょ?」

バットマン「お前達は」

ラーマ「急に攻めてきたこの蛮人共からこの街を守っていたのだ! 盗賊まがいの行為はこのラーマの前では決して許さぬ!」

ビリー「ほら聞いた今の!? これに巻き込まれたんだよ僕!? 可哀想だと思わない!?」

ナイチンゲール「とにかくケルト兵を蹴散らします。ブルース、力を貸してください」

バットマン「マシュ、連戦になるがあの金髪の男を頼めるか」

マシュ「はい、大丈夫です!」ガシャリ


246 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/11/30(金) 21:37:06.79 ID:IANAA/0D0



金髪の男「ハハハ、美女が二人も戦場に。失礼ですがお名前をうかがっても?」

マシュ「え? ま、マシュ・キリエライトです」

金髪の男「成程、マシュ・キリエライト! 私の名はフィン・マックールと言う!」


バットマン(フィン・マックール。フィオナ騎士団団長。親指には知恵の力が宿っている。老いた彼は戦場で五本の槍に貫かれ、死んで行った)


フィン「美しい君よ! だが美しさでは私が上だ!」

マシュ「は、はあ……?」

フィン「では、武勇ならばどうかな!?」ガシャリッ




ビリー「今気づいた!! この戦場、僕以外は変態しか居ないでしょ!!」




247 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/30(金) 21:37:37.09 ID:IANAA/0D0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
248 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/01(土) 02:54:11.07 ID:RRnsMfMkO
はあああなんでシータちゃんがインドの事インドって呼んでるんだ……!!

シータ「ふふっ、優しいのですね。実は私、ここに来る前はインドに居たのです」

シータ「ふふっ、優しいのですね。実は私、ここに来る前はとある国に居たのです」

に脳内変換お願いします……
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 03:22:09.25 ID:ehTF9lxvo


ナイチンゲールの強化が9.9割減してるんじゃないかってレベルで話が通じてる・・・
まぁ扱い難しいよね
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 12:36:40.59 ID:qgugH2cro

バットマンの偉人の知識レベル尋常じゃないな
251 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/01(土) 13:26:32.76 ID:P9/YBbUt0
狂化レベルが原作通りだとあのままデスストロークに全滅させられてたから多少の聞き分けは許して……(軟弱者)
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 16:35:33.12 ID:YP9CMAD5O
スレイドおじさんベインと同レベルに質悪いからしゃーない
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 19:17:53.69 ID:Alj0k6sJo
バットマンしか知らんからFGOやってみようと思うんだけど、無課金でも結構出来るもんなのかな?
正直邦訳買うので手一杯で課金は結構厳しいんだよね。今月はついにメタルが出るし
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 00:39:24.05 ID:WkjETvzkO
ガチャは渋いけどまあやってみよう
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 01:10:25.33 ID:AxZdaDuYo
鯖デスストロークて何やっても死なないんじゃないのかコイツ
256 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:11:28.40 ID:JCAk4zSD0



フィン「ハッ!」ヒュガッ!

マシュ「くっ……」ガギィ、ズザザァ

バットマン「フンッ!」ブォンッ

フィン「遅いッ」ガガ、シュドッ

バットマン「ぐっ」ドシャァッ


ナイチンゲール「ブルース!!」ダダッ

バットマン「大丈夫だフローレンス、まだ……」

ナイチンゲール「何が大丈夫なものですか!!」クワッ

バットマン「肩で受けた、これは致命傷ではない……」

ナイチンゲール「そうなり得た一撃です! 人間がどうしてサーヴァントに挑みかかるのですか!!」クワワッ

バットマン「フローレンス、怒っているなら後で……」

ナイチンゲール「また挑むつもりだったのでしょう!!!!!!」クワワワワッ

バットマン「……」



ラーマ「何だ何だ……? 母と息子か?」

ビリー「何あのシュールな絵面……」


257 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:11:59.62 ID:JCAk4zSD0



マシュ「申し訳ありませんナイチンゲールさん、ほどほどにして加勢して頂けませんか!? ふざけているようで、この人、実力はかなり……!」ガガッ

フィン「ふっ……惚れさせて、しまったかな。すまない」ガガッ、ヒュゴォッ

マシュ「くうっ!?」ガッギャァァァァァ!!



ナイチンゲール「……この件については後で話しましょう」スクッ

バットマン「そうしてもらえると助かる」ムクリ

ナイチンゲール「私がサーヴァントの相手をします。貴方はケルト兵を」

バットマン「ああ、分かった」スッ


ラーマ「はっ、せりゃあっ!!」ズバッ、スババッ!!

ビリー「そらそらそら!」バァンバァン、クルクル、バァン!!


ケルト兵達「「「「……」」」」ザン、ザン、ザン、ザン……



258 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:12:26.05 ID:JCAk4zSD0



大人A「……な、なあ、見ろよアレ」

大人B「皆見てみろ! 奴ら、侵略軍を倒してくれてるぞ!」

大人C「良いぞ! やっちまえ!!」

子供A「いいぞいいぞー!!」

子供B「そこだー!!」



住民たち「「「がんばれーーー!!!」」」



ビリー「ははっ、見てみなよラーマ! ギャラリーの応援だ、キミの人徳じゃない?」

ラーマ「声援は有難いが危険だ! 皆の者、出来る限り遠くへ退避せよ!」

バットマン「駄目だ、熱狂のせいで聞こえていない。このラインを死守するぞ、一人でもケルト兵を通せば危険だ」

ラーマ「うむ!」

ビリー「りょーかい!」


259 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:12:52.52 ID:JCAk4zSD0


マシュ「たあっ!!」ブンッ

フィン「なかなかの動き!」ギャリリィ、ザシャァ

ナイチンゲール「消毒!!!」ブンッ

フィン「ぬおおお!? すごい掛け声!?」ガギィィィ!!



ケルト兵X「!!」ブンブンッ

ラーマ「やあっ!!」ガギ、ズバァッ!!

ビリー「ふぅっ、弾を込め直す暇もない!」バァンバァン、ドゴォッ

ケルト兵Y「……」ドシャッ

バットマン「そこだ!」

ケルト兵Z「!?」ドッサァァァァ……



ケルト兵O「……」グググググ……バシュッ!!


槍「」ヒュォォォォォォォオオオオッ


260 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:14:09.56 ID:JCAk4zSD0



ビリー「ハハッ、苦し紛れに槍投げって……」バッ

バットマン「待てビリー、躱したら不味い……」ダッ

ビリー「何?」



槍「」ヒュォォォォォォォオオオォォォォォォオ!!


子供C「え?」キョトン



バットマン(間に合え……!!)バッ




フィン「……!!!!!」ダダンッ


ザシュッ!!!


261 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:14:35.61 ID:JCAk4zSD0



ポタ、ポタ……


バットマン「……何だと……?」


フィン「……ぐっ……」ポタ、ポタ……

子供C「え……」



マシュ「な、何を……」

ラーマ「こどもを、庇ったのか……?」


フィン「……全軍撤退! 物資の強奪は中止し、撤退せよ!」スクッ


ケルト兵達「「「はっ」」」ザン、ザン、ザン……ドドドドドド……



262 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:15:44.19 ID:JCAk4zSD0




ナイチンゲール「お待ちなさい、このまま逃がすとでも!?」

フィン「ははは、無論逃がしてもらいます! 割と不利ですしおすし! そらっ!」ヒュンッ


槍「」ヒュォォォォォオォォォッ

ナイチンゲール「こんなもの……」パシッ


荒野「」ヒュォォォォォォォオオオォォ……





フィン「さよ〜〜〜なら〜〜〜〜!!」タッタッタッ





バットマン「……逃げ足が速いな」

ラーマ「読めんヤツだ。何故街を襲っておきながら子供を庇った……?」

ナイチンゲール「逃がした……!」グググ……


槍「」バキィ



263 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:16:40.56 ID:JCAk4zSD0



大人B「どこの誰とも分かりませんが、助かりました。ああしてケルトの民達が略奪に来たとしても、少し前までは反抗勢力の方々が助けに来て下さっていたのですが……」

バットマン「あぁ、仕方ないだろう。ケルト兵達に反抗勢力は殆ど潰されてしまったようだ」

大人B「えぇ……今回は持ちこたえられましたが、次に襲われればどうなる事やら……」

バットマン「……私達ができる限り早く何とかする。それと、次に誰か助けに来たとしても、声援を送らずに逃げろ。ここはアリーナじゃない、戦場だ」

大人B「はい……」


264 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:17:13.16 ID:JCAk4zSD0



バットマン「……そろそろ陽が沈むな。マシュ、身体の方は大丈夫か」

マシュ「はい、私は大丈夫です!」

ナイチンゲール「腕部への打撲傷、盾を長い間構え続けた事による姿勢の傾き、右足の微かな痙攣。どう見ても重度の疲労蓄積です、休める場所を探して休みましょう」

マシュ「そ、そんな事……」

ナイチンゲール「この街の人に頼んで、何処か宿に……」

バットマン「それはあまり良い案ではないだろう。二度もケルト兵を妨害したんだ、私達の顔も知られている。ここの住民に頼れば、彼らにも危険が及ぶ」

ナイチンゲール「……では、衛生的には賛同できかねますが、野宿にしましょうか」

「ならば余が良い場所を知っているぞ!」


バットマン「お前は……」

ラーマ「先程は世話になったな、コウモリ男よ!」

ビリー「コウモリ男って……」


265 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:17:42.02 ID:JCAk4zSD0



バットマン「良い場所と言ったな。あるのか、そんな場所が」

ラーマ「うむ! 実はこの近くに湧き水があるのだ! そこならば一晩過ごすのに適しているだろう!」

ビリー「ちなみに見つけたのは僕ね」

ラーマ「しかし、連れて行ってやっても良いが……一つだけ、頼みを聞いてほしい」

バットマン「……何だ」

ラーマ「実は……」



266 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:18:09.97 ID:JCAk4zSD0



………………


デッドショット「そろそろ陽が沈むな。どこかその辺の森に入って、隠れられそうなところで休むぞ」ザシ、ザシ

カルナ「ああ。そうしよう」スタスタ

エリザベート「ええ〜? まさか野宿?」トボトボ

デッドショット「アイドルに欠かせないたくましさが身に付くだろうよ……」

エリザベート「もーっ、アタシそういう番組NGだからぁ!! ファンの間で炎上しちゃうでしょ!?」プンプン

カルナ「薪を取って来る」

デッドショット「俺は晩飯を狩って来る」

エリザベート「え、じゃあ、じゃあアタシは……ここを誰にも取られないように見張っとくわね!」



267 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:18:56.42 ID:JCAk4zSD0



………………

焚火「」パチ、パチ……



バットマン「……シータか」

ラーマ「うむ……我が妻、シータ。何処に居るのかとずっと探し回り、ようやく位置を掴めたのだ。おのれケルト兵め、妻を牢に閉じ込めた報いを受けさせてやる……」

バットマン「その牢に関する情報は?」

ラーマ「ここからずっと北に、氷山がある。その中に、反抗勢力の殆どが閉じ込められているらしい」

ビリー「噂じゃ、とんでもない冷血漢が牢屋を見張ってるってさ。怖いよね」

バットマン「……そうか」


バットマン(冷血漢……氷山……ヴィクターを思い出すな)


バットマン「分かった。牢を破れば、混乱も引き起こせそうだ。やるとしよう」

ラーマ「話の分かる男だ! ふふ、余の目に狂いはなかったぞっ」


268 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:19:26.41 ID:JCAk4zSD0



ビリー「さーって、と! 夜も遅いし、僕はもう寝よっと!」ゴロン

ラーマ「うむ、余も寝る! おやすみビリー、ブルース!」ゴロリ

バットマン「ああ、よく寝ると良い」


焚火「」パチ、パチパチ……パチ……



「……ブルース。聞こえますか」コソコソ……

バットマン「フローレンスか?」

「はい。少し、良いですか」

バットマン「あぁ、構わないが……」ムクッ


269 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:19:55.72 ID:JCAk4zSD0



バットマン「どうした、やけに……気配を殺そうとしているな」

ナイチンゲール「すみません、皆さんもう寝ていらっしゃるのかと……昼間の傷を、見せていただけますか」

バットマン「昼間の……フィンに殴られた傷か? 何故だ」

ナイチンゲール「目の前でつけられた傷は、どうしても処置したいのです。駄目と言われれば……貴方の着ているスーツを引き裂いてでも診ます」

バットマン「……そうか、分かった……」ガチャ、シュルシュル……



270 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:20:23.62 ID:JCAk4zSD0



ナイチンゲール「……随分傷が多いですね」

ブルース「仕方ない事だ。それで、処置というのは?」

ナイチンゲール「……これなら切除せずに済みそうですね」ボソッ

ブルース「せつ……何?」

ナイチンゲール「いいえ、こちらの話です。湿布を貼っておきますが、過度な酷使はやめるように」カチャカチャ、ピトッ

ブルース「……ああ、有難う」


271 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:20:51.96 ID:JCAk4zSD0



ナイチンゲール「……何故戦うか、私に尋ねましたね」

ブルース「昼間の話か?」ガチャ、ガチリ……スッ

ナイチンゲール「貴方は何故戦うのです? 自分が非力な事は分かっているハズなのに、どうして立ち向かうのです?」

バットマン「……マシュだ」

ナイチンゲール「マシュ?」



マシュ「……」ドキドキドキドキ(狸寝入り)


272 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:21:29.42 ID:JCAk4zSD0



バットマン「彼女はある男に似ている。底抜けのお人よしで、人の善性を何よりも信じていて、人間離れしたパワーを持っていて……そして、誰より人間らしい男に」

ナイチンゲール「……」

バットマン「彼女は……マシュは強いとは言えなかった。だが必死に努力し、何度負けても立ち上がり、強くなってきたんだ。……打算抜きで必死に人を守る、そんな彼女を見ていたら思い出す」

マシュ「……」

バットマン「俺も、希望の象徴に憧れたのかもしれない……と」


バットマン(……キミが今の私を見たら、どう言うだろうな)フッ


273 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:21:59.15 ID:JCAk4zSD0


ナイチンゲール「……そうですか」

バットマン「ああ。漠然とした答えですまない」

ナイチンゲール「それはそれとして、昼間の突撃は褒められた行為ではありません」

バットマン「あれはマシュが立て直す時間を稼ぐために……」

ナイチンゲール「貴方はマシュが絡むと周りが見えなくなるようですね?」

バットマン「そんな事はない、私は常に最善と思える策を選んでいる」

ナイチンゲール「最善があの突撃ですか。貴方はもっと冷静な性格だと……」


マシュ「ごほんっ!!」


バットマン「!!」

ナイチンゲール「!!」


マシュ「……ぐうぐう……」(狸寝入り)



バットマン「……私は冷静だ。冷静な計算の上で行動している」ヒソヒソ

ナイチンゲール「その結果がアレでは先が思いやられます。やはりサーヴァントとの戦闘は……」ヒソヒソ


274 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:22:36.75 ID:JCAk4zSD0



………………


エリザベート「LaLa〜La~La~♪」

デッドショット「おい……さっきから何だその歌は」ムクリ

エリザベート「上手いでしょっ?」キャピ

デッドショット「うるさくて眠れねえから静かに……」

エリザベート「まあちょっと待ちなさいよ、こっからサビなんだから!」

デッドショット「頼むから寝させてくれ。見ろ、カルナも……」

カルナ「zzz……」

デッドショット「……寝てやがる……」

エリザベート「むー、何よ何よ。アタシの歌に文句つけるの?」

デッドショット「……はあ……分かった分かった、聴けばいいんだろ……」

エリザベート「フッフッ、流石アタシのマネージャー!」


275 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:23:20.29 ID:JCAk4zSD0



焚火「」パチ、パチパチ……


デッドショット「……はぁ……」


デッドショット(ったく、娘と一緒に暮らしてた頃を思い出すぜ……くたくたに疲れてても、あっちはお構いなしに俺を付き合わせんだからな……)


デッドショット「……」ヘッ

エリザベート「♪ハートがチクチク 箱入り浪漫 それは乙女のアイアンメイデン」

デッドショット「……」

エリザベート「♪愛しいアナタを閉じ込めて 串刺し血塗れキスの嵐と洒落込むの」

デッドショット「……おい、なんて歌だ。酷過ぎるぞ」

エリザベート「♪浮気はダメよ マジ恋ダメよ アタシが傍に居るんだからネ?」

デッドショット「なんでそんなに……はあ」

エリザベート「あっ、今のネ?のところ、はねるみたいに発音した方が良いわね! それでステージからこう、尻尾で観客を……」

デッドショット「そんなバイオレンスなアイドルが居てたまるか!」

エリザベート「時代はロックよ!」

デッドショット「良いか、ロックってのはな……」



276 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:23:57.95 ID:JCAk4zSD0



………………


ペンギン「……」カラカラ……


ペンギンの手下C「失礼します、ボス。……あれ、猫女のヤツ、姿が見えませんね」

ペンギン「アイツは行っちまったよ。ったく、コウモリが来たって聞くなり目の色変えて飛び出しやがって……何の用だ。報告か?」

ペンギンの手下C「え、ええ。それが……来客です」

ペンギン「来客だぁ?」


スイングドア「」バタァーン!!

ライオン頭の男「邪魔をするぞ!!」スタスタ


277 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:24:26.74 ID:JCAk4zSD0




ペンギン「何だテメェは。悪いがな、被り物してる奴は嫌いなんだ」

ライオン頭の男「失礼、これが素顔なのだ! 我が名はエジソン!」ガオォォッ

ペンギン「……エジソン? ロボットを作ってケルト兵と戦わせてるあのエジソンか?」

エジソン「うむ、いかにも!! 我が勇名はこんな辺境まで轟いているか!」

ペンギン「……へえ、面白い。座りなよ天才さん、話をしようじゃないか」クイクイ

エジソン「いいや結構。天才には天才のペースがあってね、ここで話すとしよう!」

ペンギン「そうかい」クルリ


278 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:24:58.22 ID:JCAk4zSD0


ペンギン「で、そのマイペースな天才がわざわざここに来た理由は?」

エジソン「警告だ。キミ達の勇敢な反抗ぶりは、敵だけでなく我々の耳にすら届くようになっている。ここまで目立てば、ケルトの次の攻撃は凄まじいものになると予想が立つ」

ペンギン「ハハ、それで俺達にどうしろって?」

エジソン「ここを捨てるのだ。我々と共に来れば皆、無事で居られる」

ペンギン「捨てる? ガキ共はどうなる? 故郷が蹂躙されるのを黙って見させるのか?」

エジソン「それはしかし、命には代えられまい……」

ペンギン「良いか、ライオン頭の大天才どの」


279 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:25:28.49 ID:JCAk4zSD0



ペンギン「故郷ってのは大事だ。それは帰る場所なんだ」

エジソン「……」

ペンギン「どんだけ酷い扱いを受けてても、最後にはその場所に帰らねえと駄目なんだ。それが無くなったらどうだ? そりゃあ魂を失うのと一緒だよ」

エジソン「……では、残って戦うのか」

ペンギン「愚かと呼ぶか? ハハハ、好きにしろ。俺はな、巣を大事にするんだ」

エジソン「分かった。……エレナ女史をここに留まらせ、危険な時は我々の拠点へ子供達の誘導ができるようにしておこう」

ペンギン「フン、御親切な事だな。さあ帰った帰った、用は済んだんだろうが」シッシッ

エジソン「……失礼する!!」ノシノシ


スイングドア「」ギィッ、ギィッ……




ペンギン「……そうとも、故郷は大事だ……」カラカラ……グイッ



280 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:26:02.79 ID:JCAk4zSD0




………………


「……しゅ……マシュ、起きろ。マシュ」


マシュ「ん、んん……マスター?」ユサユサ……

バットマン「起きろ。誰かが近付いている」

マシュ「え!?」ムクッ、ガシャリ

ナイチンゲール「……気を付けて下さい、かなり近いです」

ラーマ「むむ……この殺気、尋常のものではないな」

ビリー「あー、すっごい血の匂い……」



281 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:26:56.61 ID:JCAk4zSD0



「夜陰に乗じて一人ずつ仕留めるつもりだったが、まあいい」ザシ、ザシ


バットマン「その声は……!」

マシュ「デスストローク!!」ガシャリ

ナイチンゲール「……」スッ

デスストローク「だが、もはや闇は関係ない。俺に時間を与え過ぎたな……フィールドは完成したぞ」ザシ……ザリッ

ラーマ「何を! 数ではこちらが断然有利だ!」

ビリー「迂闊に突っ込まないでよ。あの足運び、歴戦の戦士のそれだ」



282 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:27:47.02 ID:JCAk4zSD0



バットマン「罠に注意しろ。ヤツの言う通り、気付くのが遅すぎた……」

マシュ「……」ジリッ

ナイチンゲール「……」ザシ、ザリィ……

デスストローク「来ないのか? ならば此方から行くとしよう!!!」ジリッ、ザザッ!!


283 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:28:39.51 ID:JCAk4zSD0



 先手を『撃った』のはビリーだった。早撃ちビリーの名に恥じず、その射撃は構え込みでコンマ0秒の中に行われていた。左目へ真っ直ぐ飛ぶ弾丸を、デスストロークは笑って見つめる……そして、火花が散った。

 早業に慣れているビリーですら息をのんだ。傭兵は背中の鞘から剣を抜き、弾丸を真っ二つに叩き切ったのだ。慣性のままに弾丸が飛び、デスストローク後方の木々に吸い込まれて消える……そして、何かが切れる音。

 暗殺者の後方から、ワイヤーで仕掛けられていたナイフが飛んだ。

「何だって、まさか……」
「計算済みだとも。最初は貴様が仕掛けて来るだろうと思っていた」


ナイフと共に、飛ぶような速度で駆ける暗殺者。辛うじて防ぎ、躱すビリー達を見ながら、次の瞬間には既にデスストロークがバットマンの懐に飛び込んでいた。

「何……」
「鈍ったか? フッ」

 顎を柄でしたたかに打ち上げられ、バットマンが浮く。傭兵はその殴打の反動を利用し、傍に居たナイチンゲールに斬り掛かっている。バーサーカーは身を反らし、この斬撃を躱す……

「きゃ!?」
「うっ!?」


 だがその回避軌道上には、突撃しようとしていたマシュが居る。ナイチンゲールと盾が激突、二人して弾かれて転がる。

 この隙を埋めるように斬り掛かって来たラーマの剣を弾き、脇腹へ蹴りを入れる。が、王は肘でこれをブロック、片手に剣を持ち替えて振り抜く。

 デスストロークは柔軟に身体を反らし、ほぼ九十度まで背筋を活用してスレスレで剣を躱す。その後頭部ギリギリを弾丸が通過する。

「チイッ」
「甘いな。甘い」

 頭を狙って発砲していたビリーは、躱されたと知って弾丸の装填を急ぐ。バネ仕掛けじみて上体を起こし、傭兵は王の剣を弾き……そして、その心臓を貫いた。

「か、は……!?」
「まずは一匹」

「ラーマさん!」

 倒れるラーマと入れ替わるようにして起き上がったのはマシュだ。暴走特急じみた突進でデスストロークに盾を叩き付ける……が、彼は数メートル横にずれるように回転して回避。そのまま舞うようにマシュの背中を斬り付けた。

「あぐっ……」

 膝をつくマシュ。トドメの一撃を繰り出そうとした死の傭兵は、背後からの殺気に気付き、柄でパンチをブロックした。

「治療、させていただきます」
「これはこれは……」

 尋常ではない熱を帯びた瞳で、真っ直ぐデスストロークを見つめるナイチンゲール。まともな状態ではない。治療に対する執着……怒りすら感じさせる執着。

「怒りか。御しやすいヤツだ」

 いささか落胆した様子のデスストロークが。見当違いの方向へナイフを投げる。ナイチンゲールは片手を振り上げ、ハンマーじみて振り下ろそうとし、止まった。

 彼女の背中に、何本ものナイフが突き立っている。暗殺者の罠にかかってしまったのだ。吐血し、鉄の看護師が倒れ込む。


 ビリーが発砲した。同時にデスストロークはナイフを投げた。投擲されたナイフは、弾丸を切り裂き、ビリー・ザ・キッドの胸に突き立った。彼は歯を食い縛り、立っていようとしたが、叶わず、倒れた。


「……終わりか」

 立っているのは、デスストロークだけ……いや。バットマンが、起き上がろうとしている。



284 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:29:14.03 ID:JCAk4zSD0



バットマン「……ぐっ……」プル……

デスストローク「脳を揺らしたと思ったが」カチャリ

バットマン「……!」


バットマン(マシュを……マシュを、守らなければ……!)ムクリ


ムチ「」ヒュパウンッ!!


デスストローク「!!」ババッ、ズササァ

バットマン「!?」

「あらあら? 随分追い詰められてるわね、バットマン」

バットマン「お前は……!」

キャットウーマン「久しぶり、相変わらずじゃない」フフッ


285 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:29:43.46 ID:JCAk4zSD0



デスストローク「雌猫が何の用だ」スッ……

キャットウーマン「ご挨拶ね。走れる? バットマン」

バットマン「ああ、行ける……」

キャットウーマン「合図したら、お仲間を担いで。走るわよ」

デスストローク「俺が逃がすとでも言いたげだな!」

キャットウーマン「逃がしてくれるわよね? 優しい暗殺者さんッ」バッ


フラッシュグレネード「」ゴロッ
スモークグレネード「」ゴロッ


デスストローク「な……」


ギュガァァァァァァァァァァァァァァ!!


デスストローク「うおぉぉぉぉ!?」ヨロッ



286 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:30:12.28 ID:JCAk4zSD0


キャットウーマン「ほらシャキっとして! 走るわよ!」ガシ、グイッ

ラーマ「うぐ……」ブラァ

ビリー「く、こんな……」ブラブラ



バットマン「ああ、大丈夫だ。走れる……」ガシ、グイッ

マシュ「くっ、すみません……」

ナイチンゲール「……」


キャットウーマン「行くわよ」タタッ

バットマン「ああ……」ダッダッ



287 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/02(日) 01:30:46.88 ID:JCAk4zSD0



煙「」モクモク……


デスストローク「くっ、卑怯な手を……」チカチカ、キィィィィィィ……ン

デスストローク「……クソ、逃がしたか。逃げ足の速いヤツらめ……」ゴシゴシ


デスストロークか(北へ逃げたか。さては監獄を解き放つつもりだな……)


デスストローク「……逃がしてたまるか、このまま追撃だ……」ヨロ、ヨロ……スタスタ



288 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/02(日) 01:34:24.19 ID:JCAk4zSD0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。

(FGO、無課金でも楽しめますよ。是非どうぞ)
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 01:38:27.11 ID:QJEjVIapo
おつ
気になったけど今までバットマンのヴィランって誰が出てるっけ?
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 05:10:41.81 ID:aaRia4+tO
>>289
トゥーフェイスにリドラーにベインにスケアクロウにキラークロックだったような
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 12:09:50.61 ID:3QUgzTryo
マッドハッター
292 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/02(日) 13:28:56.45 ID:JCAk4zSD0
一章 トゥーフェイス
二章 リドラー ジョー・チル(ブルースの両親を殺害した強盗)
三章 キラークロック
四章 マッドハッター スケアクロウ
五章 デッドショット ペンギン キャットウーマン Mr.フリーズ デスストローク

今のところこんな感じだと思います(うろ覚え)
293 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/02(日) 13:30:33.67 ID:JCAk4zSD0
うぇ……四章にはベインとジョーカーも追加でお願いします()
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 19:22:24.23 ID:iUhtNkcFo
このスレでバットマンを知ったって人は是非スコットスナイダー先生のシリーズを買って読んでほしいね
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 19:32:01.80 ID:EjstgpCnO
そういやハーレイとポイズンアイビー出てなかったな
レッドフードとかマンバット出るかな
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 19:50:13.38 ID:iUhtNkcFo
カレンダーマンとかスカーフェイスも良いキャラしてて好きだね
297 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:26:21.88 ID:yNMv26rB0


………………

太陽「」ジリ、ジリ……


キャットウーマン「ここまで来れば大丈夫でしょう」

ビリー「下ろして、もう大丈夫だから。回復したから」

キャットウーマン「そう? ならどうぞ」ポイッ

ビリー「っとと、乱暴だなぁ……ラーマは?」

ラーマ「余も、平気だ……平気……」

キャットウーマン「平気ですって、貴方心臓を貫かれてるのよ? むしろどうして生きてるの?」

ラーマ「……血が、止まらぬだけだ……」

ビリー「知ってる? それ致命傷って言うんだよ」


298 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:26:47.96 ID:yNMv26rB0



バットマン「フローレンス、マシュ。大丈夫か」

ナイチンゲール「……ブルース、すみません……」グタッ

マシュ「大丈夫です、私は回復しました」フラ……

バットマン「無理をするな。傷は深くないとはいえ、出血はそれなりにしている。ここ辺りで少し、休憩を取った方が良い」

マシュ「……」

キャットウーマン「バットマン、この子少し危ないかも」

ラーマ「子ではない、王だ。余はラーマだ……平気だ」

バットマン「傷を見せてみろ」ガシッ


299 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:27:25.28 ID:yNMv26rB0



傷口「」ドク、ドク……


ラーマ「……平気だと言っているだろう」プイ

バットマン「これで平気だと? 心臓が……生きているのが不思議なほどの傷だ」

ラーマ「そんな事はない、余は生きている時もこれくらいの……」

バットマン「とにかく、治療と現状の把握だ。一旦腰を落ち着けられる場所を探そう」

キャットウーマン「向こうに大きな岩があるわ。そこの陰なら少しは休めるかもね」

バットマン「行こう。もう少しの辛抱だ」

ラーマ「余は平気だと……うぅ……」


300 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:28:23.46 ID:yNMv26rB0

………………





バットマン「……フローレンス、背中のナイフを引き抜く。かなり深く刺さっている、痛いだろうが我慢してくれ」

ナイチンゲール「……大丈夫です、やってください」

バットマン「この枝を噛んでいろ」スッ

ナイチンゲール「……」カプ

バットマン「……一気に行くからな。まず一本目だ」ガシ、ズズッ

ナイチンゲール「……ぐ……!!!!」フーッ!! フーッ!!


血塗れのナイフ「」カラン……



301 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:29:11.12 ID:yNMv26rB0



ナイチンゲール(大丈夫。痛くない。痛くなんてない)

ナイチンゲール(こんな痛み、どれほど可愛いものだろう。まともな治療さえ施されず死んで行った兵達に比べれば、どれほどの痛みだ)

ナイチンゲール(きっとそれは地獄。私は誓ったんだ……!)

ナイチンゲール(地獄は二度と、作らせないと……!!! 私が、戦うと!!!)


ナイチンゲール「ぐぅっ……!!」ギリィィ……!

枝「」ミシ……バキィ


血塗れのナイフ「「「「「」」」」」カラ……


バットマン「……全て、抜けた。傷が一部肺に達しているかもしれない」

ナイチンゲール「いえ……大丈夫です。自分の身体の事は分かります……消毒と包帯も頼めますか」

バットマン「分かった……セリーナ、代わってくれ」

キャットウーマン「貴方がそのまま最後までやれば良いのに」

バットマン「……代わってくれ」

キャットウーマン「相変わらずねえ」


302 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:29:58.58 ID:yNMv26rB0



バットマン「マシュ、お前は平気か」

マシュ「はい、大丈夫です。少し貧血気味にもなりましたが、今は平気です」

バットマン「そうか。……デスストロークは強敵だ。人理が健在だった頃も、私は何度か敗北した」

マシュ「そ、そんなに強い人なんですか!?」

バットマン「ああ。……あの武は完璧と言って良い。隙の無い構え、打ち込めば必ず返してくる粘り強さ。だが彼は見落とした」

マシュ「……」

バットマン「……あの場でデスストロークが最も警戒し、いち早く倒すべきだったのはお前だ、マシュ。だがヤツはそれをしなかった。お前の学習能力を甘くみたんだ」

マシュ「……クセは見抜きました。次は勝ちます」

バットマン「それを聞けて良かった。お前を信じている」

マシュ「はい!」



303 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:30:33.30 ID:yNMv26rB0



ラーマ「……うむぅ、血が止まらん……」

バットマン「……ドクター、ドクター。ラーマの傷の観測を頼めるか」

ドクター『うぅむ、ちょっと待ってよ……これは、確かに傷口自体は小さいけど、かなり深い傷だな……霊基にまで届いてる。これは、そうだな、極めて近い性質の魔力を流し込んで、栓のように傷を塞げば何とかなるかもしれない』

ラーマ「近い性質の魔力……」

バットマン「……シータだ。ラーマ、シータならどうだ」

ラーマ「それは、上手く行くかもしれんが……」

バットマン「……離別の呪いか」

ラーマ「うむ……というか、詳しいな?」

バットマン「ラーマーヤナは何度か読んだ。そうか、会えばシータとラーマは、どちらかが……」

ラーマ「うむ、消えてしまうのだ」シュン

バットマン「分かった」

ラーマ「分かった?」

バットマン「私に策がある」


304 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:31:00.21 ID:yNMv26rB0



キャットウーマン「……あのねえ、バットマン……貴方、昔からこういう所はあったけど……」

ラーマ(with目隠し)「……」

キャットウーマン「安直すぎるんじゃなくて?」

バットマン「出会ったら消えてしまう。なら、出会わなければ良い」

ラーマ「ブルース、その、な……シータと余はドッペルゲンガーのようなものなのだ。だから……」

バットマン「お前の霊基が欠損している今がチャンスだとも言える。その霊基に、シータの魔力を流し込めば……それが楔となり、彼女をここにつなぎとめる事ができるかもしれない。戦力増強が見込める」

ラーマ「せ、戦力……」

キャットウーマン「……少し変わったかと期待してた私が馬鹿だったわ」

バットマン「?」

キャットウーマン「相変わらずでガッカリよ」

バットマン「それは……すまない」



305 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:31:28.20 ID:yNMv26rB0


バットマン「行くぞ」

キャットウーマン「……ええ、オッケー」

ナイチンゲール「……」ムクリ

マシュ「行けます!」ガシャリ

ビリー「ふう、アイツにもう一回会ったらやり返してやらなきゃ」

ラーマ(with目隠し)「……誰か負ぶってくれ」


306 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:32:13.59 ID:yNMv26rB0



………………


フリーズ「……そうか。分かった、警戒を強化しよう」


フリーズ(バットマン、キャットウーマン、マシュ、ナイチンゲール、ラーマにビリーか。数は多いが、このフィールドなら私の勝ちが揺らぐ事はない)


フリーズ「……」ガシャ、ガシャリ……


フリーズ(そうだ、私の勝ちが揺らぐ事は……)


フリーズ「……」ガシャリ、ガシャリ……


307 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:32:44.10 ID:yNMv26rB0



(((……やっぱり、緊張するわね。人類初の治療法だもの)))

(((大丈夫だよ、ノラ。必ず治す、約束する。それまで少しの間、お休み)))

(((ええ、愛してるわヴィクター……)))



フリーズ(……あれからどれほどの年月が経ったのだろうか。あの約束を、片時たりとも忘れた事はない。ないんだ、ノラ。だから、キミを……)


(((……でも、約束してね、ヴィクター)))

(((もし、私を治す方法が見つからなかった時は……その時は……)))


フリーズ(……)



308 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:33:13.10 ID:yNMv26rB0



ガシャリ、ガシャリ……ガシャリ


シータ「あら……? ヴィクターさん? こんにちは、今日はなんだか外が騒がしいのですね?」

フリーズ「お前を助ける連中が来た」

シータ「え……?」

フリーズ「ラーマも、来ているそうだ」

シータ「ラーマ様が……!? ど、どうしてそれを、私に教えてくれるのです?」

フリーズ「……」




309 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:33:46.86 ID:yNMv26rB0



ガシャァァァァ……ドッガァァァァァ!!!


ラーマ(with目隠し)「シータ! シータは居るか! 何処だ!!?」

バットマン「耳元であまり叫ぶな。……よし、逃げろ」カチャカチャ


牢「」ギィィィ……


荒くれ者A「お、俺を助けてくれるのか……?」

大人B「なんだか知らんが助かったぜ!! 困った時はエジソンの陣営に来てくれ、俺が特別に話を……」

バットマン「良いから行け。……お前達は代わりに入っていろ」ブンッ

ケルト兵達「「「」」」ドササッ

バットマン「……」ガチャリ



ナイチンゲール「フン!」ギュギギギギギィ……

牢「」グンニャリ



大人C「お、おぉぉ……!」

大人D「良かった、助かったんだ! 帰れる!!」


310 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:34:29.63 ID:yNMv26rB0



バットマン「良し! 大方の解放は完了した、後は最下層だ!」

ラーマ(with目隠し)「くっ、状況が全く把握できんぞ!」

バットマン「シータは必ず見つける、安心しろ。全員列を乱すな、このまま階段を下りるぞ!」

マシュ「はい! ……それにしても、階下に行けば行くほど冷え込みますね……」

バットマン「……この先、私の予測が正しければだが……デスストロークほどではないにせよ、強敵が控えているだろう。各自、絶対に油断するな。一瞬でも隙を見せれば氷漬けだ」

ビリー「えぇ……寒いの嫌いなんだけどなぁ」



311 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:34:58.35 ID:yNMv26rB0


コツ、コツ……コツ、コツ


フリーズ「……来たか」

バットマン「ヴィクター」

フリーズ「……」

バットマン「今回は何故、外道に手を貸している?」

フリーズ「……」

バットマン「……ノラか? もし聖杯で治療したとしても、ノラはそんな形での命を……」

フリーズ「……勘違いするな、バットマン」

バットマン「何?」


312 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:35:38.40 ID:yNMv26rB0



フリーズ「私はもう、ここを守る気はない。シータを連れて行くのも、好きにするがいい」ガシャ、ガシャリ……

バットマン「どういう事だ……」

フリーズ「……分からなくなってしまったんだ」ガシャリ、ガシャリ……



ビリー「……行っちゃったよ」

マシュ「マスター、あの方は一体……?」

バットマン「……ヴィクター……」

ラーマ(with目隠し)「ど、どうなのだ!? シータは見つかったか!?」



シータ「そ、その声は……ラーマ様!?」

ラーマ「シータ!? シータ、ああ、シータなのか!?」

バットマン「その牢か」

マシュ「開けます!!」ガッシ、ギギギギギギィ……


牢「」グンニャリ


シータ「ああ、ラーマ様……どれほどお会いしたかったか……」タタッ

ラーマ(with目隠し)「シータ! 無事なのか!? 酷い事はされていないか!?」

シータ「はい、平気です……ああ、本物なのですね……」ジワッ



313 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:36:09.39 ID:yNMv26rB0


バットマン「再会を喜ぶ時間はない。キミの力を借りたい、シータ」

シータ「わ、私の? どうすればよいでしょう」

バットマン「ラーマ、降ろすぞ。……彼の霊基に傷がついた。キミの魔力で補えるか?」スルッ

ラーマ「……」

シータ「……はい、できます。この小さな傷なら、私の魔力で蓋をすれば……」

バットマン「それを半永久的に続けるには?」

シータ「……???」

バットマン「例えば、キミの器とラーマの器を溶接させるような事は可能なのか?」

シータ「そ、それは……試した事がないので、分かりません……」

ラーマ「……ブルース、やはり……」

バットマン「100%不可能なのか?」

シータ「いえ、五分五分だと思います」

バットマン「……やってくれるか?」

シータ「……ラーマ様」

ラーマ「……大丈夫だよ、シータ。失敗しても、今度こそキミを感じていられるんだ」

シータ「……」


314 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:36:38.44 ID:yNMv26rB0


キャットウーマン「……」


キャットウーマン(やっぱり貴方、変わったわ。ブルース)


シータ「……やってみます」グッ

ラーマ「ああ。愛してる、シータ」

シータ「ええ。……私も、大好き」


バットマン「……」

マシュ「マスター」

ドクター『うぅ、良い話だなぁ……』グスグス

バットマン「まだ始まってもいないぞドクター……」


シータ「う、ぐ……」ギュ、ギュギュ……グォォォォォ……

ラーマ「……ううぅ……」グ……

シータ「は、ああ……」プルプル、ググググ……



ゴォッ……


バットマン「……」


バットマン(凄まじい光だ……だが、目を焼かれるような激しさはない。不思議と、暖かな……)


マシュ「……」ギュゥッ



315 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:37:09.27 ID:yNMv26rB0



シータ(駄目……駄目、このままじゃ……呪い以前に、自分の熱で焼き滅ぼされてしまう……)

シータ(……ここまで、来たのに……)


ラーマ「……シータ、手を繋いでほしいんだ」

シータ「ラーマ、様……」

ラーマ「キミと一緒なら、乗り越えられる気がするから」

シータ「…………はいっ」ギュッ

ラーマ「ああ……ありがとう」ギュゥッ


カッ!!!


316 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:38:40.16 ID:yNMv26rB0



バットマン「……ドクター、こちらは光のせいで何も見えない。観測できるか」

ドクター『待ってくれ、計測が……ああ、なんてこった。凄い事になってるな……』

バットマン「……?」

ドクター『成功だよ』



目隠し「」ハラリ


ラーマ「……むう、どうなった?」ムクリ

シータ「ラーマ様……」

ラーマ「シータ? 何故……あ! そうか、余は……」

シータ「ラーマ様っ!!」バッ、ギュゥゥゥッ

ラーマ「いたた、シータ、待て待て! 余は少し混乱を……呪いはどうなっておる!? いや、なんだこの状況は!?」



バットマン「……ふむ、上手く行ったようだ」

ナイチンゲール「……」(ハンカチで目元を抑える)

マシュ「良かったですね……」グスッ、ゴシゴシ

ビリー「ありゃ、アツアツだ。見てらんないよ」

キャットウーマン「まあ」


ラーマ「し、シータ! 一旦落ち着いてくれ! 皆が見てるから!」

シータ「ラーマ様、ラーマ様……!!」ギュゥゥゥゥ……

ラーマ「シータ、これ首が……ぎぶ……」ペチペチ



317 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:39:08.21 ID:yNMv26rB0



………………

バットマン「……落ち着いたか」

シータ「す、すみません取り乱して……」カァァァ……

ラーマ「……何も見ていないと言え」

バットマン「牢が破られた事はまだ知られていないだろう。フリーズが持ち場を放棄したんだ、報告するヤツは残っていない」

マシュ「はい、恐らくは」

バットマン「なら、やるべき事はひとつ。このまま敵の寝首を掻く」

ビリー「ははっ、良いね。悪党みたいな作戦だ」

ナイチンゲール「そう上手く行きますか」

バットマン「……牢に閉じ込めてあるケルト兵で情報収集をさせてもらうとしよう」



318 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:39:54.58 ID:yNMv26rB0


………………


バットマン「さあ、吐け。お前達の本拠地の方角、建物があるならその構造も精確にな」グイッ

ケルト兵A「……」プラァ……


マシュ「ま、マスター、流石に尋問は……」


バットマン「嘘をつけば分かるぞ。さあ言え」

ケルト兵A「誰が言うかよ、くたばれ」ペッ

バットマン「……」ピチャッ



バットマン「……全員ここから出ろ。フローレンスは残れ」

マシュ「え?」

ナイチンゲール「分かりました」

ビリー「あちゃ……」

バットマン「さあ、出ていくんだ」



319 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:40:21.93 ID:yNMv26rB0



………………


マシュ「……マスター、大丈夫でしょうか。あんなに沢山のケルト兵達と牢の中に」

ラーマ「ブルースめ、自分の力を過信しすぎではないか?」

シータ「面白いネコミミですよね」

ビリー「いやぁ、アレはケルト兵の方を心配してやった方が良いんじゃないかな……」



グワアアアアアアアアアアアアアアア!!!!


ビリー「……ほらね……」



320 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:40:54.63 ID:yNMv26rB0



バットマン「さあ、次はどの骨を磨り潰されたいんだ!? 言ってみろ!!」グイッ

ケルト兵A「分かった、分かったからやめてくれえええええ!!!」

バットマン「なら私達に何が必要か分かるな! 情報だ! 吐くのか! 吐かないのか!」

ケルト兵A「は、吐く、吐く……」ドサッ

ナイチンゲール「ブルース、やり過ぎです。気絶してしまいましたよ」

バットマン「……次だ」グルリ


ケルト兵B「ひえっ……お、俺は……」ビクゥ

バットマン「お前は、こいつより少しは賢いと良いがな……」スタ、スタ

ケルト兵B「わ、分かった、言うよ言うから!!!」



321 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:41:30.46 ID:yNMv26rB0



………………


バットマン「三十人に聞き、総合的に判断した結果、奴らの拠点見取り図はこうなった」ポタポタ

マシュ「あの、マスター……血塗れなんですが……」

バットマン「返り血だ」ポタポタ

ナイチンゲール「ケルト兵達を治すのにも手間がかかりました。やりすぎはよくありませんよ」

バットマン「悪かった……セリーナは何処だ?」

ビリー「あの美人さん? ……そう言えば、姿が見えないね」

ラーマ「あの猫の女か? 外へ歩いて行くのを見たぞ」

シータ「こっそりと出て行ったような感じでしたけど……」

バットマン「……?」


322 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:41:57.77 ID:yNMv26rB0



キャットウーマン「ごめんなさいね、ただいま」スタスタ

バットマン「セリーナ。あまり勝手に動くな」

キャットウーマン「あら、猫って気まぐれなのよ?」

バットマン「……奴らの拠点の位置が割れた。これから、隠れつつ攻めに行く」

キャットウーマン「素敵ね。略奪を繰り返して来たケルト兵の本拠地なんて、お宝が多そうじゃない?」

マシュ「……気になっていたのですが、貴女とマスターの関係は……?」

キャットウーマン「勿論、秘密よ?」

バットマン「……自警団と泥棒だ」

キャットウーマン「あら……あんなにアツい夜を過ごしたのに」

バットマン「美術館での火事の話か?」

キャットウーマン「もう、相変わらずツれないわね」



マシュ(むむ……これは、何やら信頼関係のようなものを感じます……)

ドクター(これ絶対お付き合いしてたでしょ……)

レオナルド(子供作ったのかな?)

所長(……)


バットマン「……とにかく、此処から出るぞ。作戦は移動しつつ立てる」


323 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:42:28.23 ID:yNMv26rB0




太陽「」ジリジリ……ジリ……



バットマン「……」ザシ、ザシ……


バットマン(しかし、この見取り図……どうにも引っかかる点がある)

バットマン(玉座の間の、すぐ近くに牢屋がある……ここにも氷山で牢を作っておきながら、こんな場所にも牢を作るとは)

バットマン(だがケルト兵達が嘘をついているとも思えない。口裏を合わせられないように、バラバラに拷問したのだから)

バットマン(……つまり、ここの『王』が直々に見張っていたい、危険なヤツが収監されているという事なのか?)


バットマン「……」

マシュ「……ま、マスター!」ガシャリ

バットマン「何だ……、アレは」



324 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:43:09.21 ID:yNMv26rB0



デスストローク「……また会えたな」ザシ……

バットマン「しつこい奴だ」

マシュ「……」スッ

ナイチンゲール「彼は、また……」ジリッ

ビリー「……」カチャリ


デスストローク「前回は上手く逃げられたが、今度はそうはいかんぞ。絶対にそうはさせん……!」カチャ、シュリィィィィィィ……スッ



ラーマ「シータ、下がっていろ! 危険だ!」カチャ

シータ「分かりました、後方支援ですね!」スッ

ラーマ「いやそうではなく……」



デスストローク「三度も逃がすものか。お前達はここで殺す。そして、ダグザの棍棒が俺がいただく」


バットマン「……ダグザの棍棒だと?」


デスストローク「お前達には関係の無い話だ。これから死ぬ、お前達にはな!」バッ

マシュ「させません!!」ダッ



325 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:43:44.43 ID:yNMv26rB0



………………


ケルト兵G「……」スタスタ……クル、ジッ……

シュドッ!!


ケルト兵G「!?」ドサッ


デッドショット「おっと派手な音を立てるなよ……よし、ここに寝かせとくか」ズルズル、ドサッ

エリザベート「こういうの、スパイ映画みたいで良いわよね!」

デッドショット「あんまり目立つんじゃないぞ。……もしもしカルナか? こっちは鉱山への潜入に成功した、外から見て変化はあるか?」

カルナ『もしもし、デッドショット。ここからは特に変化は見えない。サーヴァント反応も、今回は感知できない』

デッドショット「よし、上々だな。……ここから深部へ潜る、外からの探知は頼むぞ」

カルナ『任せてくれ』



326 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:44:11.36 ID:yNMv26rB0



エリザベート「……それにしても、変ねえ。ここまで下って来たけど、宝石どころか輝く石すらないじゃない」コツ……

デッドショット「確かに何かおかしいな……こんな何もない鉱山を、こんな量のケルト兵を動員して採掘させてるっつうのは……」コツ、コツ……

ケルト兵H「……!?」クル、ビクゥッ

デッドショット「うお!?」ビクッ

エリザベート「それっ!!」シュバシィン!!

ケルト兵H「ぐっ……」ドシャリ……


緑色の石「」コロコロ……


エリザベート「……? 何かしら、これ」

デッドショット「緑に光ってるな……」


デッドショット(これは……まさか)


エリザベート「綺麗ね! ひとつ貰っても良いかしら?」

デッドショット「好きにしろ。もっと奥へ降りるぞ」


327 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:44:39.46 ID:yNMv26rB0



コツ、コツ……コツ、コツ……

デッドショット「……緑の鉱石が多くなって来たな」

エリザベート「もしかして奴ら、これを掘るために?」

デッドショット「その可能性が高いな……」ブーッ、ブーッ

デッドショット「もしもし、カルナ? どうした?」

カルナ『強大なサーヴァント反応だ。鉱山の方へ向かってる、脱出を』

デッドショット「……よし、分かった。行くぞエリザベート」

エリザベート「え、もう良いの!?」

デッドショット「このままここに居るのは危険だ。できれば鉱山ごと潰していきたかったが、欲張るとロクな事にならねえ」

エリザベート「この宝石、もっと欲しかったのに……」

デッドショット「あまり長く身に付けすぎるな、ガンを引き起こすぞ」

エリザベート「え?」

デッドショット「それは『クリプトナイト』だ。見た事がある」


328 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:45:11.14 ID:yNMv26rB0



ザワザワ……ドドドドド……


デッドショット「チッ、気付かれたか。カルナ! 戦闘だ!」

カルナ『分かった。これより擬態を解き、戦闘に入る』

デッドショット「……おい、やれるか」

エリザベート「もちろん!」

デッドショット「よし、突破して地上まで出るぞ!」



ケルト兵達「「「!!」」」ドドドドドドドォッ



329 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/12/03(月) 01:45:41.76 ID:yNMv26rB0




ケルト兵達「「「……」」」ドドドドドドドド……



カルナ「……ふむ、これくらいの軍勢ならば、目で殺せるか?」スッ……


雷の矢「」バヂヂヂヂヂヂィィィッ、ヒュォォォッ


カルナ「!!」ガギィィィィ!!


弓の男「……貴様、カルナか?」

カルナ「……アルジュナ」




330 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/03(月) 01:46:18.87 ID:yNMv26rB0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 07:58:55.01 ID:m0G3ANvB0
クリプトナイトってことは、スーパーマンくるー?
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/03(月) 15:25:25.70 ID:Sj03Z7Cjo
医療に携わるナイチンゲールとバットマンは何気に気が合うかもしれない
父親的な意味で
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 15:40:13.18 ID:8RemU3dA0
乙っしたー!
ラーマとシータが一緒にパーティINとか夢のようだね……アンメアみたいな二人で一騎のサーヴァントになるのかなー
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 19:13:29.21 ID:mY4+Do8n0
クラーク・ケント君来る?
バットマンはともかくスーパーマンは知ってても違和感がないカルデアの職員の皆様
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 21:15:04.58 ID:yAGBqKmco
クリプトナイトっていつごろ地球に降ってきたんだろう?
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/06(木) 22:07:47.98 ID:onjVogIS0
>>332
融通の利かない性格は似てるけど行動理念は微妙に違うからな
共感できる部分ではがっちりハマるけど、共感できない部分は思いっきり反目するような
337 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:09:04.85 ID:S9m+e/He0



 デスストローク(死の一撃)。俺にそんな御大層な名前が付いたのはいつだっただろうか。今ではもう、周囲から呼ばれ出したのか、自分から名乗り出したのかすら思い出せない。

 俺はデスストローク。スレイド・ウィルソンという本名すら忘れるほどに人を殺して来た。かつて軍の治験で脳の使用領域を9割にまで増やされ、俺の人間としての生は終わりを告げた。身体の再生力は怪物並になり、心臓を貫かれても、トラックに突っ込まれても死ななくなった。生きる事が無味乾燥になりつつあった。

 そんな人生でも、家族だけは愛していた。馬鹿な話だろう? 既に俺は真っ当な生活なんぞ営める身体じゃなかったのに。


 普通の生活を持つ一方で、俺は自分の限界に挑戦するようになっていた。どんなに難しい依頼も進んで受け、進んで死地に入って行った。裏社会でも名が通るようになり、金もつぎつぎ入り始めた。全部順調だった。だから罰が下った。

 ある日帰ると、息子が血塗れで死んでいた。どうやら俺が暗殺した相手が不味かったらしく、復讐として子供を手に掛けたと。妻泣きながら激昂し、俺を撃った。こうなったのは俺のせいだ、そう叫びながら引き金を引いた。

 銃弾は俺の右目を潰した。痛みは感じたが、どこか他人事のような感覚だった。こうなったのは俺のせいだ……その言葉だけが、頭の中で反響していた。その残響をかき消すために、もっと激しい死地へと赴いた。いつの間にか、俺の後ろには血の道しかなくなっていた。


 だから……だから、光に焼かれ、尚も蘇った俺は、ここでダグザの棍棒の存在を知り、求めた。振ればどんな者でも生き返らせると言われている、その棍棒を。息子をもう一度、この世に呼び戻すために。


 息子に会った時、どんな言葉を掛ければ良いかも分からないのに。



338 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:09:31.89 ID:S9m+e/He0



………………


ズドンズドン!! ダダッ!!


デッドショット「はあっ、ようやく抜けられたぞ……エリザベート、無事か!」

エリザベート「ええ、アタシは大丈夫!」

デッドショット「クソ、四方八方ケルト兵まみれか! カルナは何を……」



ドドドォォォォォォ……



デッドショット「何だ!?」ゴォッ

エリザベート「きゃー! なによこの風!?」ゴォッ



339 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:10:09.90 ID:S9m+e/He0



アルジュナ「ハハハハ! やはりか! 貴様が反抗勢力に居ると聞いたからこそケルト兵に味方したのだ! その甲斐もあったというもの!」バシュシュシュシュシュ……

カルナ「相変わらずだな、アルジュナ。ここは通さない」ガギギギギィ!!

アルジュナ「相変わらず貴様は弱者を救おうとしている。笑えるな、これではまるで生前の焼き直しだ!」ギチチチィ……バギュッ!!

カルナ「オレは助けを求める者の声に応える、それだけだ。今回は神々も居ない。焼き直しにはならんぞ、アルジュナ」ブォンッ、ドッゴォォォォォォォォ……


ドガァァァァァァァァァ……ゴォォォォォオォォォッ!!




エリザベート「きゃー!!! 吹き飛んじゃう!! 妖精が出す素敵な粉ひとつまみ分の体重しかないから吹き飛んじゃう!!!」

デッドショット「援護しろ! カルナと戦ってる野郎を狙撃する!」ガチャリ

エリザベート「狙撃ィ!?」


340 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:10:44.58 ID:S9m+e/He0



エリザベート「無理に決まってんじゃない、あんなに高速で動いてんのよ!?」バシィ!! ブォンッ!!

ケルト兵A「っ」ドサァ

ケルト兵B「!?」ドシャシャァ


デッドショット「……無理……高速……本当にそうか?」キチチチ……ジッ


デッドショット(目視できないスピードではない。風……奴らの打ち合いの度に凄まじい爆風が巻き起こっている。温度、42度。湿度、殆どなし。二人の周囲を取り囲むケルト兵、数百人……)

デッドショット(重力と風、当てる場所。奴らの打ち合いのパターンの予測。当てられるか? それは可能か?)

デッドショット(……できる。弾が通る道が見えた)


(((パパ、人を撃つのはもうやめて……)))


デッドショット(……ごめんな)


ゴォォォォォッ!!


デッドショット「……」ゴォッ……


デッドショット「ここだ」カチャリ、ドォッ!!

弾丸「」ヒュォォォォォォォッ!!

341 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:11:10.91 ID:S9m+e/He0



アルジュナ「っ!?」ドシュッ

カルナ「!!」ブォンッ

アルジュナ「くぅっ!?」ガギギギ、ドシャシャシャ……

デッドショット『カルナ! 相手に構ってる暇はねえ、奴らの狙いが割れた! さっさと撤退だ!』

カルナ「オレは……」

カルナ「……オレは残る」

デッドショット『はあ!?』

カルナ「すまない、フロイド。オレは残る」

デッドショット『馬鹿野郎が! なんで……クソ、好きにしろ! 責任なんぞ取らねえぞ!』

カルナ「ああ。すまない」



342 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:11:37.55 ID:S9m+e/He0



アルジュナ「……何故トドメを刺さなかった。嘗めているのか、カルナ」ムクリ

カルナ「今の弾丸一発分を、オレに攻撃しろ。それで対等だ」

アルジュナ「……貴様」

カルナ「お前とは対等な戦いをしたい。オレの我儘だ、嫌ならば良い」

アルジュナ「……」

カルナ「……」

アルジュナ「……良いだろう」


343 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:12:03.49 ID:S9m+e/He0


デッドショット「クソ、クソ、クソ!!」ダッ

エリザベート「ちょっ、ちょっと! 何処行くのよ!! カルナは!?」タタッ

デッドショット「あいつはここに残る! 俺達は戻るんだよ、ペンギンのところにな! もしもし!」

通信機『……ザザ……ザザッ』

デッドショット「もしもし、コブルポット!? 応答しろ!!」

通信機『……ザザ……戻ってくるんじゃねえ、デッドショット』

デッドショット「何だ!? どういう事だ、説明しろ!」

通信機『敵の襲撃だ。止めきれねえ。ヴィランストリートは終わりだ、戻ってくるんじゃねえ』

デッドショット「待て、敵の襲撃だと……」


デッドショット(馬鹿な、攻撃が的確過ぎる。俺達が出払っていて守備が手薄なのを察知したのか……?)


デッドショット「何処からだ、何処から情報が漏れた!?」

通信機『ザザ……ザザザ……』

デッドショット「チクショウめ!!」


344 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:12:31.82 ID:S9m+e/He0


エリザベート「ちょ、ちょっと!? どうするのよ!?」

デッドショット「……」



デッドショット(……)



デッドショット「ヴィランストリートに戻るぞ、走って戻るしかねえ。行けるか」

エリザベート「あ、アタシは大丈夫だけど……」

デッドショット「じゃあ行くぞ! 急げ!」ダッ

エリザベート「ま、待ちなさいよ!」タタッ



345 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:13:05.59 ID:S9m+e/He0



………………


ペンギンの手下A「うぐっ!?」ドシャッ

ペンギンの手下B「ぐわあ!?」ドササッ


ケルト兵達「「「……」」」ザン、ザン、ザン……


フィン「勝ちは揺らがない、でしょうな。どうかなメイヴ殿、民の命まで取らないというのは……」ジッ

メイヴ「甘い事を言っちゃ駄目よ。完膚なきまでに叩き潰してこその侵略なんだから☆」

フィン「ふむ……」



346 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:13:34.94 ID:S9m+e/He0



メイヴ「さあ行くのよ、ケルトの勇士たち! 槍を血で染めて!!」


ケルト兵達「「「……」」」ザン、ザン、ザン……


メイヴ「……それにしても皮肉よねえ。イギリス人が元イギリス人を殺す、だなんて」

フィン「……」



ペンギンの手下C「テメェら寝てんじゃねえぞ! ボスにぶん殴られちまう、起きて戦え!」

ペンギンの手下D「スミマセン、エレナさん! ガキ共の事お願いします!」

エレナ「任せて! 皆、こっちよ! 逃げるわ!」

子供A「おじちゃん達はどうなるの!?」

子供B「おれ、ここで母ちゃんと父ちゃんを待ってないと……」

子供C「ペンギンおじさんは!?」

エレナ「……全部、あっちに着いてから説明してあげるわ! 早く逃げるのよ!」



347 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:14:01.69 ID:S9m+e/He0



メイヴ「ほら、逃がしちゃ駄目よ! やりなさい!」


ケルト兵F「!!」ダッ

子供B「え? うわあ!?!?」ビクッ

フィン「……っ!!」



ダダン!!!


ザシュッ……


フィン「……」ポタ、ポタ……

ケルト兵F「……!?」


348 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:14:31.32 ID:S9m+e/He0



メイヴ「……あ〜らら。やっぱり裏切るのね、フィン」

フィン「……私には出来ない。民草を巻き込むなど」ポタ、ポタ……

メイヴ「ふ〜ん、甘い事言っちゃって。戦いにそんな理屈持ち込んじゃう?」

フィン「ははは、冗談はよしこさん。理屈ではなく、誇りの問題ですので」



エレナ「……さあ、今のうちよ。こっちに来て」コソコソ

子供達「「「……」」」ビクビク

エレナ「早く!」



349 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:15:05.12 ID:S9m+e/He0




フィン「逃げる時間は稼ぎましょう。今のうちにどうか」

エレナ「え、えぇ。ありがとう」

フィン「なに、当然の事です」


メイヴ「ふざけてるようだけど、アンタ結構やるのよねえ。助けを呼ぶとするわ」

フィン「ははは、持ち上げてもらって嬉しいが、そうまでせずとも……」

???「呼んだかァ……」ザシ、ザシ

フィン「来るの早!」


350 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:15:50.38 ID:S9m+e/He0



メイヴ「ベオウルフ。裏切り者を狩る時間よ」

ベオウルフ「へえ、おもしれえ。……てめえだったか、フィン・マックール」ザシッ

フィン「ははは。これはどうも」

ベオウルフ「裏切るなんてどうした? 気に入らなくなっちまったのか」

フィン「前々からそうだったが、今回それが強く露呈してしまったのだ。……バーサーカーであるキミには、これは少し通じないか?」

ベオウルフ「ハハッ、まあな。殴り合えりゃ満足な俺には分からん」

フィン「そうか。良いだろう……フィオナ騎士団団長、フィン・マックール。この名が伊達ではないところを見せなければな」

ベオウルフ「ハハハハハハハ……まあ、御託を言っても始まらねえよな。結局は拳(コレ)だ、やろうぜ」


351 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:16:17.82 ID:S9m+e/He0



メイヴ「じゃあ私は侵略を続けるわね」スタスタ

フィン「!! 待ち……」

ベオウルフ「おっとぉ、何処見てやがる!!」ブォンッ

フィン「っ!」ガギィ!!

ベオウルフ「フハッ、戦いの最中に余所見かよ? 余裕のつもりか?」ギリギリギリギリ……

フィン「……王たる貴方が、民草が襲撃されるのを黙って見ているとは」ググググ……

ベオウルフ「創造の前に破壊有り。なあフィンよ、今更俺達が足掻いてどうにかなる話でもねえんだ……」グググ……

フィン「……かつては私もそう考えていた。だが、やはり、ここで戦わねば私の魂は死ぬのだ」

ベオウルフ「そうか。そんじゃあしょうがねえ、殺すとしようか」バッ

フィン「っ」



352 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:17:03.92 ID:S9m+e/He0



ベオウルフ「……」ジャキリ

フィン「……」カチャリ


フィン(二本の魔剣、『フルンディング』と『ネイリング』を抜いた。……来るか)


ベオウルフ「簡単に潰れんじゃねえぞ、その背に民を背負うと決めたんなら……」ググッ……

フィン「……」

ベオウルフ「男らしく戦わねえとなァ!!!」ダンッ!!!



353 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:17:42.67 ID:S9m+e/He0



ケルト兵達「「「……」」」ドドドド……



エレナ「皆走って! 向こうよ、早く逃げて!」

エレナ(駄目、追いつかれる……)


子供C「うわっ!?」ドサッ

エレナ「! 立って……」

ケルト兵G「……」ダッ

子供C「わああああ!?」

ケルト兵G「!」ブンッ


ドォン!!

弾丸「」ヒュォォォォォォォッ

ケルト兵G「!?」ドシュゥッ、ドサッ


ペンギン「ウチの若いモンに手を出すのは感心しねえな……」ノシノシ……


354 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:18:14.27 ID:S9m+e/He0



エレナ「アナタ……」

ペンギン「さっさと行け、無事にガキ共を連れて行くってのが約束だろうが。悪党でも約束はそうそう破らねえモンだ」

エレナ「……えぇ! 行くわよ皆!」

子供C「お、おじちゃん! ペンギンおじちゃんは!?」

ペンギン「けっ、何がおじちゃんだ。さっさと行けクソガキ、二度と俺の前に顔をみせるんじゃねえぞ」

子供C「うっ……なんで……」

ペンギン「ピーピーうるさいヤツだな。エレナ、引きずってでも連れて行け」

子供C「なんでそんな事いうんだよ!」

エレナ「いいから、行くわよ!」ガシッ、ダッ

子供C「まてよ! まだ!」ズルズル……



355 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:18:45.75 ID:S9m+e/He0



メイヴ「お優しいわね」

ペンギン「何が優しさだ、鳥肌が立つからやめろ。目の前で死なれちゃ俺が胸糞悪いだけだ、カハハ……」


ケルト兵達「「「……」」」ザン、ザン、ザン……


メイヴ「悪いけど、アンタ達はここで終わり。いい加減に反抗が目障りだったのよね」

ペンギン「俺が? 終わりだと? 良いか雌犬、本当に終わりだと思ってるなら教えといてやる」

メイヴ「……」

ペンギン「俺はな、どん底に突き落とされてからが強いんだ」ニヤリ

メイヴ「殺して」

ケルト兵達「「「!!」」」ダッ



356 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:19:13.15 ID:S9m+e/He0



………………

デスストローク「ハッ!」バッシィィィィ!!

ラーマ「ぐうっ!?」ドシャッ

キャットウーマン「きゃ!?」ドシャシャァ!!

シータ「ラーマ様!? セリーナさん!?」

ナイチンゲール「まだ……」ムクリ


マシュ「すみません皆さん、私に任せて下さい!」

ビリー「はあ?!」

ラーマ「何を!?」

バットマン「待て! マシュ、やれるのか!?」

マシュ「はい! 一人でやります!」

バットマン「……信じるぞ!」

マシュ「はい!」ダッ

デスストローク「血迷ったか、小娘!」ババッ



357 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:19:41.08 ID:S9m+e/He0



 激闘の中、マシュの突然の提案に驚いたものは多い。だがマシュ自身にとって、これは至極当然の作戦であった。デスストロークは目の前の小娘が、自信に満ち溢れている事を知る。

 これはブラフか? それとも本当に対等に渡り合う自信があるのか? 死の傭兵は思わず口の端を歪め、斜めに斬撃を繰り出す。マシュはそれを盾で受け止め……いや、盾を、手放した?

 マシュの大盾が地面に落ち、火花を散らす。彼女の目に焦りはない。つまり、計算通り? この行動が?

(愚かな。いや、狂ってしまったか?)

 無理からぬ事だ。この傭兵と、デミ・サーヴァントとして覚醒したてのマシュには、経験の差がありすぎる。その重みを感じれば、絶望もやむなし。半端に才能がある戦士ほど自棄に走ってしまうものだ。デスストロークは止まらず、舞うように跳躍。再度斜めに斬撃を叩き込む。

 が、マシュはそれを腕甲の鎧で受け、いなした。この瞬間、スレイド・ウィルソンという男は己の認識を改め、敵を見くびる事をやめた。それはいずれ致命傷を呼び込むからだ。マシュの目は鋭く輝いている。

 彼女がデスストロークの武に見たのは『流れ』だった。激流に下手に逆らえば、それは死を招く。流れの中に岩があれば、それは流れの変化を招く。マシュが一対一を望んだのはこれが理由だ。全ての狙いを一身に受ける事で、逆に対処を容易にしたのだ。


 両者の足運びが砂塵を巻き起こす。マシュの方へ一歩。かと思えば、デスストロークの方へ三歩。跳躍が交互に行われ、突進が時に二人の位置を入れ替える。

 デスストロークは背筋が粟立つ感覚を覚える。この小娘の成長……少し前まで、簡単なフェイントにすら引っかかる雛じみた技術しか持ち得なかった小娘が、こうまで喰らい付いて来るとは。喰らい付いて来る? いいや、今や彼女は自分を超えようとして……?


「デヤァァァァァァァッ!!」


 焦りが剣筋を僅かに粗くした。その瞬間、マシュの脇腹を捉えたかに思われたその斬撃は、中途で岩にでも阻まれたかのように止まった。マシュの両手が、刃を両側面から挟み、止めていた。白刃取りだ。


「せやぁぁっ!!」


 マシュが斜めに身体を捻じった。それはデスストロークの潰れた右目側からの一撃であり、完全に死角を、虚を突いた回し蹴りだった。躱し切れず直撃を食らい、自分の首の骨が砕ける音を聞きながら、スレイドは意識を手放した。


358 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:20:07.86 ID:S9m+e/He0



デスストローク「ぐあ……」ドッシャァァシャシャシャシャ……


マシュ「っはぁ、はあ……!!」ジリッ

ビリー「うわお……」

ラーマ「なんと……」

シータ「女傑ですか!」

ナイチンゲール「……彼女は……」

バットマン「……」グッ

マシュ「っ、見ててくれましたか、マスター!」バッ

バットマン「勿論見ていた。良い動きだったぞ、マシュ」


359 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:20:38.20 ID:S9m+e/He0



デスストローク「……」

デスストローク「……うぐ……」ムク、プルプル……

デスストローク(駄目だ。治癒に時間が掛り過ぎる……)ドサッ


ザシ、ザシ……

「なんだ、やられたのか。情けねえ野郎だ」


デスストローク「……貴様……」

クーフーリン「まだ喋れるのか、頑丈だな」


360 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:22:32.63 ID:S9m+e/He0



バットマン「何者だ。……いや、お前は……クー・フーリン?」スッ

クーフーリン「俺は王だ。この世界を統べる王だ」ガチャリ

ナイチンゲール「……王。あの槍。つまり、ケルト兵を率いているのは、貴方ですか」

クーフーリン「フン、なんだって良いだろうが。どうせ今から死ぬお前らに関係があるか?」

ナイチンゲール「……」ググッ

バットマン「待てフローレンス」

ナイチンゲール「……退いて下さい。ここでケリをつければ……」

バットマン「分からないのか。実力の差が大きすぎる……」

ナイチンゲール「ではこのまま放っておいて、更なる地獄を産み出させるのを容認しろと?」

バットマン「お前が死ねば、奴を止める事はできなくなるぞ。今は退かねば……」

ナイチンゲール「……」ギリィ


バットマン(ここで出会ってしまったのは計算外としか言いようがない……ヤツは強い。ベインにも匹敵する、この実力の充実……)



キャットウーマン「……あらら、まさかここに直接来るなんてね……」

バットマン「セリーナ、もう一度スモークとフラッシュを焚けるか?」

キャットウーマン「在庫切れね」

バットマン「……本気か」

キャットウーマン「流石にこんな時に冗談は言わないわよ……」


361 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:23:18.66 ID:S9m+e/He0



クーフーリン「……『退かねば』か。俺がお前らを退かせると思ってるのか?」ガチャリ

マシュ「マスター、敵サーヴァントの魔力増大を感知。危険です」ガシャ

バットマン「全員備えろ。来るぞ、ヤツの宝具が……」

クーフーリン「デスストロークを倒したのはテメェだな」

マシュ「え?」

クーフーリン「それじゃあ、最初はお前だ。お前を殺す」グググググッ


バットマン(いかん)


バットマン「『令呪を以て命ずる』! マシュ、宝具を解放しろ!!」


クーフーリン「抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルグ)」ブォンッ


朱槍「」ゴォォォォォォォォッ!!



362 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:23:53.07 ID:S9m+e/He0



マシュ「真名、偽装登録……行きます!!」ガシャッ

マシュ「『ロード・……』」ドクン


(((それは全ての疵、全ての怨恨を癒す、我らが故郷。私は誰だ、マシュ・キリエライト)))


マシュ「……っ!?」ドドォッ、ゴォォォォォオォォォォォォ……


バリィィィィィィィィィィィィィ……!!!

ザシュッ!!

マシュ「かはっ……!?」グシャァ……


363 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:24:42.08 ID:S9m+e/He0



バットマン「! マシュ!?」

ラーマ「何だと!?」

ビリー「なんてこった……」



バットマン(馬鹿な、あれより高出力の攻撃を何度も受け止めてきたはず……)


バットマン「大丈夫かマシュ!?」ダッ

マシュ「は、はっ、あ、ぐ……」コヒュッ、ヒュー……

ナイチンゲール「退いて下さいブルース。……心臓は僅かに逸れています。ですが、肺を片方貫通している」


クーフーリン「まずは一人。次だ」ガシャリ


バットマン「馬鹿な、連射できるのか……!?」

キャットウーマン「バットマン、伏せて!!」ガバッ



クーフーリン「抉り穿つ……」



砂塵「」ブワアァァァッ……


364 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:25:30.19 ID:S9m+e/He0



クーフーリン「……ああ?」ピタッ



砂塵「」ブワアアアア……モクモク……


「こっちだ! 大地の精霊と呼応して目くらましをしている、今しかないぞ!」


バットマン「何……」

シータ「迷っている暇はありません!」

ラーマ「うむ、一刻も早く撤退せねば! 行くぞ!」

ナイチンゲール「……ブルース、行きましょう。マシュは私が背負います」

キャットウーマン「さあ早く、逃げるわよ!」

バットマン「……すまない」


バットマン(すまない、マシュ……! お前の変化に、私が気付いてさえいれば……)


マシュ「……」グタッ



365 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:26:23.95 ID:S9m+e/He0


砂塵「」モウモウ……ザアアアッ……


クーフーリン「……逃げやがったか」ザシ……

クーフーリン「おい、デスストローク。起きろ」

デスストローク「……」

クーフーリン「……チッ」ガシ、グイッ

デスストローク「……」ブラァ

クーフーリン「……」ザシ、ザシ、ザシ


クーフーリン(『報告』が無ければ動けなかった。その他の連絡は一切なし)

クーフーリン(あの女が牢の外に出てた。それでいて、氷山が消えてねえ……つまり、フリーズの野郎も裏切ったな)

クーフーリン(裏切りは許さねえ。追手を差し向けるか)


クーフーリン「フン」ザシ、ザシ


クーフーリン(反抗勢力も、所詮は些事。全部圧し潰してやる。俺が、全部)




366 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:26:51.72 ID:S9m+e/He0



………………


デッドショット「……」タタッ、ダッ


通り「」シィ……ン


エリザベート「……酷い荒らされようね。これじゃあ、生き残ってる人なんて……」

デッドショット「……」ダダッ


スイングドア「」ギィィィィッ


デッドショット「ペンギン! 何処だ!」タッタッ


空のグラス「」カラン……

デッドショット「……」ダッ


スイングドア「」バタァン!!



367 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:27:35.45 ID:S9m+e/He0



エリザベート「……」

デッドショット「……」ダッ、タタタ……


傘「」コロ……


デッドショット「……これは」ガシッ

エリザベート「傘?」

デッドショット「……ペンギンがいつも使っていた傘だ。……まさか、本当に……ここが陥落したのか」

エリザベート「……」

デッドショット「……」



368 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:28:03.22 ID:S9m+e/He0



デッドショット「……」

エリザベート「……ね、ねえ。こうしてても仕方ないし、ここに居ても、いつ奴らが帰って来るか分からないから危ないし……逃げて、森の中に入りましょうよ。それなら隠れられるでしょ?」クイクイ

デッドショット「……」

エリザベート「……ねえってば」

デッドショット「……ああ、そうだな。そうだな……クソ、どうしてこうなったんだ……どうして……」


369 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:28:30.34 ID:S9m+e/He0



………………


焚火「」パチパチ、パチッ……


デッドショット「……」

エリザベート「……」

デッドショット「……」

エリザベート「……あ、アタシ、狩りに行ってくるわね」ピョコン

デッドショット「俺の分は要らねえ」

エリザベート「そ、そう? アタシもお腹は減ってないから、……やっぱり行かなくていいわね」チョコン

デッドショット「……」

エリザベート「……」



370 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:29:12.08 ID:S9m+e/He0



デッドショット「……お前と一緒に行動する理由も、もう無くなった。何処でも好きに消えて良いぞ」

エリザベート「そんな……」

デッドショット「ヴィランストリートは壊滅した。寄る辺もねえ。こんな生活、いつまでも続けられる訳がねえ」



(((パパ、人を撃つのはもうやめて……)))



デッドショット(……罰が当たったんだな。後悔先に立たず、当然だ。人殺しで生きてきた連中が、何かを守れるワケがねえ)


デッドショット「終わりだよ、何もかもな」

エリザベート「……」


371 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:30:00.23 ID:S9m+e/He0



エリザベート「……アンタ、狙撃できるんだから頭良いと思ってたんだけど」

デッドショット「……」

エリザベート「アタシがそのくらいでマネージャーから離れると思ってんの? 悪評立てられたら困るのよ、ばーか」

デッドショット「……へっ、そうか……」


デッドショット(頭が良い、か……狙撃の計算は、いつもうまく行くのによ……)

デッドショット(なのに、なんで……)


(((デッドショット。お前は終わりだ)))

(((パパ……)))


372 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:30:28.99 ID:S9m+e/He0



デッドショット「悪いな、今日はまともな話ができそうにねえ。寝るよ」ゴロリ

エリザベート「……」

デッドショット「……」


焚火「」パチ……、……シュゥゥゥ……


エリザベート「……アタシも寝るわね」ゴロ

デッドショット「……ああ。おやすみ」

エリザベート「おやすみ……」



373 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/07(金) 22:31:25.79 ID:S9m+e/He0


エリザベート(…………)

エリザベート(……)


エリザベート「馬鹿ね。本当に、馬鹿なんだから」ボソッ


374 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/07(金) 22:32:27.17 ID:S9m+e/He0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/07(金) 22:46:51.53 ID:8WEgbtFso

デスストロークさんこんな扱い…
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/07(金) 23:07:01.27 ID:cw479ALHo

マシュの幸運がCでなければ即死だった・・・
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/08(土) 01:23:48.53 ID:6I8KcbtVo
マシュって人造人間なんだっけ?某ガンダム種でいうところのコーディネーターみたいなもん?
そうでなきゃ歴戦の傭兵相手に強すぎだよな…
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/08(土) 02:24:07.58 ID:n7qM9+G3o
>>377
某ガンダム種で例えるならラウ・ル・クルーゼ
どちらかといえばブレア・レヴェリーか
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/08(土) 17:12:19.61 ID:iF1IJ8KpO
こうしてデスストロークはマシュを弟子にしようと固執を…
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/08(土) 20:38:56.43 ID:tnhISZHzo
人造人間的なヒーローはDCはあんまりいない気がする
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 00:08:41.84 ID:yr+eGm9/0
アメイゾとか
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 10:45:46.89 ID:FlqMQ0SwO
>>377
人間に英霊を憑依融合させたデミ・サーヴァント
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/10(月) 12:49:37.18 ID:h5cil+73o
マシュはナイトウイングになるのかオラクルになるのか
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/10(月) 21:15:56.69 ID:iWkp3iPLO
>>383
バットガールでいいだろ
385 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/19(水) 23:59:41.45 ID:UU0zuN380


………………

梟「」ホーッ、ホーッ……

……ザワザワ……ザアアアッ……


デスストローク「……」ムクリ

デスストローク「……」


デスストローク(命拾いをしたか。忌々しい身体だ)チッ


クーフーリン「起きたかよ」ザシ、ザシ

デスストローク「ああ。俺を拾ったようだな」

クーフーリン「負け犬をな。無様な負けっぷりだったぜ」

デスストローク「フン。……無様、確かにな」


386 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:00:06.98 ID:nZCc8mKv0



デスストローク(……何かがおかしかった。あの程度の一撃、凌げない訳がない……だが、躱せなかった)

デスストローク(あの小娘の身体能力が急激に上昇したか? それとも、俺が鈍っただけか?)


クーフーリン「らしくねえな。テメェの戦闘能力を俺が買い被ってたのか?」

デスストローク「見くびるな。あの小娘の癖は見抜いた、次はない」

クーフーリン「だと良いがな」

デスストローク「……」


387 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:00:33.98 ID:nZCc8mKv0



デスストローク「……ダグザの棍棒は?」

クーフーリン「もう少しだ。所在は掴めた」

デスストローク「そうか。……報酬は、それだ。聖杯とやらにも興味はない、ダグザの棍棒だけをくれ」

クーフーリン「フン、ご執心だな。それ以上強くなりたいのか、……それとも、蘇らせたいヤツでも居るってのか」

デスストローク「……」

クーフーリン「……図星か」


388 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:01:06.64 ID:nZCc8mKv0


クーフーリン「まあ、好きにすりゃあ良い。俺には関係ねえ話だ、奴らを殲滅した後にお前が何処で野垂れ死のうが興味もねえ」

デスストローク「お前はどうするんだ、クーフーリン。この世界を滅ぼした後は?」

クーフーリン「……どうもしねえ。俺が知ったこっちゃねえ。俺は壊すだけだ。そのための王だ」

デスストローク「王か……」

クーフーリン「……」

デスストローク「……」


389 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:02:21.83 ID:nZCc8mKv0



デスストローク「……結局、俺達に何かが残る事は無いようだな」

クーフーリン「戦士ってのはそういうモンだ。壊して回って、それで終わりだ。何故それで満足できねえ?」

デスストローク「……何故、か。フフ……」


デスストローク(……今の俺は、戦士として不完全なのかもしれんな……)


クーフーリン「……感傷か。それに飲まれてりゃ、負けるだろうな。小娘相手に」

デスストローク「感傷? ……そうかもしれんな」



390 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:02:50.25 ID:nZCc8mKv0



クーフーリン「……とにかく、テメェはここに残れ。俺は城に戻って、ここにケルト兵共を派遣させる」

デスストローク「ケルト兵を?」

クーフーリン「気絶してて見てなかったかもしれねえが、あのナイチンゲールの野郎共とエジソン陣営が合流しやがった。すぐに全面戦争になる」

デスストローク「そうか……分かった」

クーフーリン「じゃあな」ザシ、ザシ

デスストローク「クーフーリン」

クーフーリン「ああ?」

デスストローク「……さらばだ」

クーフーリン「……ケッ」ザシ、ザシ


391 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:03:32.26 ID:nZCc8mKv0



デスストローク(感傷が戦士になる妨げとなるならば、俺はそれを切り捨てよう)

デスストローク(切り捨て、今度こそ、あの小娘に打ち勝とう。次の敗北は、絶対に無い)

デスストローク(全て殺す。殺し、そして……そして、息子を生き返らせる。そして、その時……その時こそ……)


(((この子が死んだのはアンタのせいよ!!!)))


デスストローク(……お前も俺を撃つか?)


392 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:04:01.86 ID:nZCc8mKv0



………………


バットマン「……」ジッ……

シータ「……」ソワソワ、キョロキョロ

ラーマ「……」スタスタ、クルッ、スタスタ

ビリー「……」ハァ……

バットマン「……」


カチャ……


ナイチンゲール「……」スタスタ


シータ「!! ナイチンゲール様!」

ラーマ「ま、マシュの容態は!?」

ナイチンゲール「大丈夫です。この拠点の設備が整っていた事もあり、ぶじ安定しました。……ブルース、傍に居てあげて下さい」

バットマン「……ああ、ありがとう。すまない」スタスタ


393 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:04:30.23 ID:nZCc8mKv0



マシュ「……」スウ、スウ……

バットマン「……」スタ……

バットマン「……」


通信機「」チカチカ……

バットマン「……もしもし、ドクターか?」ピッピッ

ドクター『もしもし、ブルースくん? マシュは僕とナイチンゲールで出来る限り手を尽くした。潰された彼女の臓器も、明日には元通りになるハズだよ』

バットマン「そうか。ありがとう」

ドクター『いや、良いのさ。……それで、今回の負傷が起こったそもそもの原因だけどね』


394 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:05:02.20 ID:nZCc8mKv0




………………


バットマン「……マシュの中に眠っていたサーヴァントが、起きたと?」

ドクター『宝具発動前に何度か、彼女の魔力が爆発的に高まったんだ。デスストロークと戦ってる時、クーフーリンの宝具を受け止める時に……それで不安定になって、貫通されたんじゃないのか』

バットマン「だが、何故今になって?」

ドクター『うん、多分彼女の身体が鍛えられるにつれ、徐々に強靭になって行き……サーヴァントとしての運用にも耐えられるようになって行ったんだと思う。その瞬間、恐らくマシュは「デミ・サーヴァント」から、限りなく「サーヴァント」としての性能に近付いたんだ』

バットマン「……」

ドクター『……っていうのが、今持ってるデータから立てられる最も有力な仮説かな。詳しい事は、マシュが起きてから聞いてみないと分からないけど』

バットマン「それが今後、また起きるかもしれないのか」

ドクター『うーん……こればっかりはなんとも言えない。マシュがもし、何らかの制御のコツでも掴んでいれば、不安定になる事はないと思うけど……』

バットマン「……」

レオナルド『そうだな、やっぱりここで結論は出せないね。今はともかくマシュが一刻も早く回復する事を祈っててくれ』

バットマン「……了解した」


395 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:05:33.88 ID:nZCc8mKv0



???「彼女は平気か?」スタスタ

バットマン「ああ。……窮地を助けてもらった事に感謝する、ジェロニモ」

ジェロニモ「なに、大した事じゃない。キミ達が無事で良かった……ところで、団体の総司令官はキミかな?」

バットマン「まあ、間違いは無い」

ジェロニモ「来てくれ。エジソンが話をしたいと言っている」

バットマン「……分かった。向かう。少し待っていてくれ」スクッ


396 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:06:04.45 ID:nZCc8mKv0




………………


エジソン「やあ、キミが噂の全身真っ黒人間だね!」

バットマン「……」


バットマン(なんだこの……頭がライオンなのか……?)


エジソン「私の名はエジソン!」ガオォッ

バットマン(馬鹿な……)

エジソン「そう、電球を発明したあのエジソンである!」

バットマン(エジソンがライオンだった……? いや、コイツは狂っているのか? そうだ、狂っているに違いない)ジリッ



バットマン「……」スッ

エジソン「……エレナ女史、説得を頼めないか」シュン

エレナ「えぇ、はい。まあ、貴方の見た目で初対面の人を信用させるのは無理よね……」ハァ


397 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:06:33.76 ID:nZCc8mKv0




………………


フリーズ「くっ……ぐっ……」ガシャンガシャン、ガシャンガシャン


フリーズ(このままでは奴を撒く事など出来ない……)


???「ははは!! そろそろ止まったらどうだヴィクター、まだ足掻くか!?」ダダダッ

フリーズ「くっ……」ガシャンガシャンガシャン

???「ふむ……追いかけっこにも飽いてきたのだがな!!」ダダダダ



フリーズ(この土地と私との相性が悪すぎる……常に熱帯びて乾燥した空気。フリーズ・ガンでの射撃が、いつもの半分も威力を発揮しない)ガシャンガシャンガシャン

フリーズ(ともかく、逃げねば。幸い敵はこちらを追跡し続けているが、捕捉されるほど私もノロマではないようだ……)ガシャンガシャンガシャン


廃屋「」


フリーズ(……あそこに、突っ込む!)ガシャンガシャンガシャン!!!

398 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:07:04.37 ID:nZCc8mKv0




ドア「」ドッシャァァァァァァァァアア……


フリーズ「はあ、はあ……」ガシャ、ガシャリ……


フリーズ(水の一杯でも飲まなければ。このままでは体温を氷点下に保てず、死んでしまう)ガシャ、ガシャ


ハァ、ハァ……

フリーズ「……?」


フリーズ(この気配……先客でも居たか?)ガシャ……


399 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:07:35.65 ID:nZCc8mKv0



フリーズ「……」ガシャ……ガシャリ、ガシャリ


壊れかけのベッド「」ギシィ……

老婆「はぁ……はぁ、はぁ……」


フリーズ「……?」


フリーズ(老婆? こんなところに、一人で? ……病床か?)




古びた椅子「」キィ……

フリーズ「!!」ガシャ


ギシ……ギシ……


フリーズ「誰だ。誰かそこに居るのか?」ガシャ

「待て、落ち着いてくれ。敵ではない」スタスタ

フリーズ「……お前は」

フィン「落ち着いて話を……なんと、ヴィクター。きみもここへ?」

フリーズ「フィン」



400 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:08:06.18 ID:nZCc8mKv0



フリーズ「……私は裏切ったのだ、ケルトを」

フィン「それは、奇遇だ。私も裏切り者として狩猟されている最中でね」

フリーズ「なんだと……という事は、私はここまで上手く逃げてきたつもりだったのに、実際は一か所に追いつめられていたのか?」

フィン「……ふふ、我々の事をよほど周到に狩るつもりなのだろう。警戒されているのは、嬉しいやら、哀しいやら」

フリーズ「……ここが、終わりか」ガシャリ

フィン「そう悲観する事もない。……いや、悲観すべきだったかな?」



401 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:08:34.15 ID:nZCc8mKv0



老婆「ごほっ、ごほ……」


フリーズ「……そのご婦人は?」

フィン「彼女は……私の、心の支えだったのですが。いやはや、巻き込むわけにもいかん。外へ討って出るとするかな」

フリーズ「その前に水を一杯飲みたいんだが」

フィン「それならば、ここにフィン特製の『川から直接手ですくった水』が」スッ

フリーズ「頂こう」パシ

フィン「ふふ、癒しの効果付きだ。存分に飲んで、疲れを取ってください」

フリーズ「……」ゴク、ゴク……


フリーズ(……!)


フリーズ「……そういえば、お前の宝具は」



402 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:09:02.68 ID:nZCc8mKv0



………………


ケルト兵達「「「」」」ザン、ザン、ザン


ベオウルフ「ああ? 誰かと思えば、フェルグスか」

フェルグス「ふふ、ベオウルフか。ここに居るという事は、大方計算通りに行っているらしいな」

ベオウルフ「俺はフィンの野郎が裏切ったから狩りに来たんだが」

フェルグス「俺はヴィクターだ。お互い、嫌な役回りだな」

ベオウルフ「ははっ、奴らの裏切った理由に感化されちまってるか?」

フェルグス「まさか。戦場で余計な感傷に浸る戦士は居るまい。ただ、かつての友だったというだけだ」

ベオウルフ「……しっかしまあ、どうする。奴ら、あの廃屋に入ったっきりだ」

フェルグス「うむ、どうするという事もなく……」



冷気「」ズォォォォォォォ……



403 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:09:32.96 ID:nZCc8mKv0



ベオウルフ「……おい」

フェルグス「ああ」



ビーム「」ギュォォォォォオッ


ケルト兵G「!?」パキィ……ン


フェルグス「おお、これは……ヴィクターだな」


フリーズ「全員……」ガシャン、ガシャン、ガシャン……


フェルグス「ベオウルフ! 来るぞ!」

ベオウルフ「分かってるよ!」


フリーズ「動くな!!(Freeeeeeeeeeeeeze!!!!!)」ゴォォォォォォォォォォオォォォッ!!!


404 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:10:22.95 ID:nZCc8mKv0




ケルト兵達「「「……」」」パキィ……バキ、ボロボロ……


ベオウルフ「ぐおおおぉ……効きやがる!!」パキィ

フェルグス「なんと、あれほど用意していた兵達が半壊か。無事かベオウルフ」ザザァ

ベオウルフ「脇腹が凍り付きやがった! 甘く見てたか?」

フェルグス「なんの、まだまだこちらが有利だ!」



フリーズ「フィン、やるぞ」

フィン「よし……やってしまおうか!」


405 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:11:44.68 ID:nZCc8mKv0



………………


(((お前は最高の弟だ、フロイド)))

(((死因は一発の誤射……)))

(((お前は犯罪者だ、フロイド・ロートン。兄貴を殺した犯罪者だ)))

(((パパ、人を撃つのはもうやめて……)))

(((でも、パパにはこれしかないんだ)))

(((……ハッピーバースデー、これからお前はどんどん大きくなるだろう)))



デッドショット(……お前は大きくなると思ってた。たとえ嫌われても、父親とすら呼ばれなくなっても、健やかに成長して、まともな人間になってくれればそれで良いと思っていた)


ザアァァァァァ……ホーッ、ホーッ……


デッドショット(だが、理不尽だよな。生きていけると思ってた世界に、死ぬ事を押し付けられるなんて)


エリザベート「……」スゥ、スゥ……

デッドショット「……」



406 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:12:25.99 ID:nZCc8mKv0



デッドショット「……」


デッドショット(分かってる。分かってるさ。これは俺が振りまいてきた理不尽のツケだ。世界は見逃さなかった。俺がのうのうと幸せになるなんて、許さなかったんだ)

デッドショット(計算は得意なつもりだった。だが俺にとって唯一の誤算だったのは、人生が一度きりだった事だ)

デッドショット(……許してくれ、なんて言えねえよなあ)


デッドショット「……」ムクリ

エリザベート「……」スゥスゥ……

デッドショット「……じゃあな」ボソ


407 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:12:56.66 ID:nZCc8mKv0



………………



アルジュナ「はあーっ、はあーっ……!」バチバチ、バチィ……

カルナ「はあ、はあ……!」ゴゴゥッ、ゴゴゴ……

アルジュナ「随分、苦しげだな、カルナ……!」ゼー、ハー

カルナ「お前も、ギリギリのように見えるがな……!」ハア、ハア

アルジュナ「誰がギリギリなものか、まだやれる!」ガシャ

カルナ「ケルト兵も尽きた、あとはお前だけだ……!」ググッ


ブォンッ、ガシャァ……バキィ、ドゴォ……



408 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:13:26.87 ID:nZCc8mKv0



アルジュナ「ごふぅ……」ドシャッ

カルナ「うぐぉ……」ドサァ

アルジュナ「い、忌々しい……!」ググ、プルプルプル……

カルナ「そっくりそのまま、台詞を返す……」ムク……フラ、ドサァ

アルジュナ「貴様は昔からそうだった! 一目見た時から、こうなると分かっていたのに……ええい、あの時殺さなかった私の不覚……!」

カルナ「俺も、同じ気持ちだ……」



409 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:14:52.43 ID:nZCc8mKv0




アルジュナ「……」

カルナ「……」


梟「」ホーッ、ホーッ……


アルジュナ「……」

カルナ「……」

アルジュナ「…………」

カルナ「…………」

アルジュナ「……」ドサッ

カルナ「……」ドシャッ
410 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:16:38.91 ID:nZCc8mKv0

アルジュナ(い、忌々しい……!! もう少し、もう少しでとどめを刺せるというのに、ここで力果てるとは……!!)プル、プル……

カルナ(……)フッ


カルナ「……アルジュナ」

アルジュナ「……?」

カルナ「……生前の俺は、神々の呪いによって阻まれ、お前と全力のぶつけ合いをできずに死んだ」

アルジュナ「……」

カルナ「……これは、俺の悲願だったのかもしれない」

アルジュナ「……」

カルナ「お前はどうだ、アルジュナ。お前は生前、俺を殺した事に納得していたか?」

アルジュナ「……分かっていてそういう事を訊くんじゃない」

カルナ「……」

アルジュナ「……全く」


411 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:17:15.98 ID:nZCc8mKv0



アルジュナ「……まあ今、こうして俺の方が優れていると証明された。そういった意味では、おおむね満足だ」

カルナ「何?」

アルジュナ「こうして俺の方が優れていると……」

カルナ「異議がある」

アルジュナ「ははは、もう立てもしないヤツが何を言っている」

カルナ「立てる」ググ、プルプル……

アルジュナ「空元気を……!!」プルプルプル……



412 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:17:48.20 ID:nZCc8mKv0



???「ぺっぺっ、奴らめ、遠慮も無しに殴りやがる……撒くのにここまで時間が掛かるとは」ヨロヨロ

カルナ「む……」

アルジュナ「誰だ」

ペンギン「あ? ……何だ、カルナ。こんなところに居やがったのか」ポツン

カルナ「オズワルド……」



413 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:18:21.69 ID:nZCc8mKv0



ペンギン「なんだ、そっちの黒いのは。敵か?」

アルジュナ「……」

カルナ「……敵だ」

ペンギン「そうか……フン、随分弱ってるな。俺が殺してやろうか?」

アルジュナ「お前一人を殺す程度の力は十分残っているぞ、小男」

ペンギン「カハハハ、ボロボロですごみやがって。……だがまあ、俺も限界だ……」ドシャリ

カルナ「……何をしに来た?」

ペンギン「逃げてきたんだ、ケルト共からな。お前を見たら安心で気が抜けた」


414 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:18:55.29 ID:nZCc8mKv0



カルナ「ケルト兵が、ヴィランストリートにも……?」

ペンギン「部下が殺された。ガキ共を逃がすために俺もギリギリになっちまったが、まあ、奴らの忠誠心に救われたさ……」

アルジュナ「……」

ペンギン「カルナ、お前、今回は偵察だけだと言ったのに、こんなところで遊んでやがって」

カルナ「……乗ってしまったんだ。一騎打ちの誘いに」

アルジュナ「フン、お前から誘ってきたように思うがな」

ペンギン「どっちだって構うか、ガキみたいな押し付け合いをするんじゃねえ」



415 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:19:22.91 ID:nZCc8mKv0



ペンギン「……あぁ……あー、どっちかライターかマッチを持ってねえのか」ゴソゴソ、カポ

カルナ「……いいや」

アルジュナ「……」ポイッ

ペンギン「オッ、……こりゃどうも」パシ、シュポッ……

アルジュナ「フン、せいぜい寿命を縮めろ」

ペンギン「高い葉巻は体にいいんだ、知ってたか?」シュゥゥゥ、ホウッ……

カルナ「いい加減な事を言うな」

ペンギン「じゃあ言い換えとくか、我慢は体に毒だ……」フー……


416 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:19:51.24 ID:nZCc8mKv0



煙「」フワァ……


ペンギン「……で、どうするんだ。一騎打ちは終わったのか」

アルジュナ「……」

カルナ「……」

ペンギン「……まあ、死ぬまでやりてえならそうしろ。見たとこ、どうにも治まらねえ因縁があるんだろ。そりゃあ理解できる」

アルジュナ「……」

カルナ「……」

ペンギン「俺も昔はそういうのにこだわっててな……」

アルジュナ「フン」

ペンギン「なんだ」

アルジュナ「興が冷める」

ペンギン「若造が!」



417 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:20:18.87 ID:nZCc8mKv0




アルジュナ「……」

カルナ「……」

ペンギン「……ふー。で?」

アルジュナ「……やめだ」

カルナ「もう一度やるにせよ、仕切り直しが要るだろうな……」

ペンギン「だろうな」


418 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:20:47.58 ID:nZCc8mKv0



ペンギン「……それにしてもお前ら、負った傷に重傷もあるだろ」

カルナ「……」

アルジュナ「……」

ペンギン「誰か治療できるのか?」

カルナ・アルジュナ「無理だ」

ペンギン「……お前ら、俺が来たことに感謝するんだな。見せてみろ馬鹿共」



419 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:21:16.15 ID:nZCc8mKv0



………………


バットマン「……」

エジソン「……」

エレナ「……」

バットマン「……分かった。信じよう」

エジソン「ホッ……」

エレナ「ホッ……」


バットマン(……不審な動きがないか、監視が必要だな……)



420 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:21:48.03 ID:nZCc8mKv0



エジソン「キミ達の噂は前々から聞いていた。我らが労働者たちを氷山の牢から解放し、ケルトの侵略から街を守る英雄的ゲリラ勢力だと!」ガオォッ

バットマン「ロボットとケルトの無益な戦争も止めようとしている」

エジソン「むぐぅ」シュン

バットマン「……だが、そうだな。そちらも略奪の類は行っていないようだ、一般人の安全確保という点では、利害の一致はある」

エジソン「む、むむ??」

バットマン「『アメリカを守る』らしいな。それなら、私達が協力を断る道理はない」

エジソン「おお!! 協力締結か!」ガオォッ

バットマン「……だが、ロボットの数に任せたお粗末な攻め手は受容できない。地図を見せてくれ、少し戦術を見直す」

エジソン「(´・ω・`)」シュン



421 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:22:17.12 ID:nZCc8mKv0



地図「」バサァッ

バットマン「ドクター、この地図を読み込んでスーツのコンピューター機能で表示してくれ」ピッピッ

ドクター『はいよっと。少し待ってね……ダウンロード完了、表示するよ!』


データマップ「」ブォォォン……


バットマン「ふむ」


バットマン(この地図に……ケルト兵から得た敵拠点の、座標情報を組み合わせる)ピッピッ

バットマン(そして、こちらの拠点の座標情報も入れて)ピピ


バットマン「……正確な位置関係は、こうだ」ピッピッ、ブゥゥン

エジソン「ほう!」

エレナ「まあ、すごい技術ね!」



422 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:23:22.15 ID:nZCc8mKv0



バットマン(北は延々と続く荒野と砂漠、対して南に行くほど森がうっそうと生い茂る大陸か。こちらは東に、あちらは西に拠点を構えている。さあ、どうする)


エレナ「じゃあどうしましょうか!」

バットマン「ああ」

エレナ「?」

バットマン「……ああ」

エジソン「エレナ女史、これは……発明に熱中している時の私だ。多分何も聞こえていない」

バットマン「ああ」

エレナ「ええ……?」


バットマン(ロボットの武装を見るに、やはり南の森で戦うのは避けた方が良い。障害物が多すぎて実力を発揮しきれない……となると、主戦場は北、荒野地帯になるか)

バットマン(……)


キャットウーマン「あら、作戦会議中かしら?」

エレナ「会議というか、彼が一人で考え込んでるというか」

キャットウーマン「駄目よバットマン、いい加減人に頼る事を覚えなきゃ」シナッ

バットマン「……」

キャットウーマン「……」ペシパシ

バットマン「………………」

キャットウーマン「……ブルース」ボソッ

バットマン「……セリーナ、いつから居た」

キャットウーマン「相変わらずよね……」ハァ



423 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:24:14.11 ID:nZCc8mKv0



キャットウーマン「それで、どうするの? 戦術は?」

バットマン「北だ。障害物の少ない北を主戦場に据え、戦力を半分以上投入する。槍を持ったケルト兵達は突破力に優れるだろうが、ロボットの壁を分厚くすれば阻めるだろう」

キャットウーマン「……ふうん?」

バットマン「……と、ここまでなら敵も当然考えているだろう。その裏を掻く形で、南に少数精鋭のサーヴァント部隊を用意する。これで敵を突破、拠点へ速攻を仕掛ける」

キャットウーマン「大胆ね」

バットマン「危険は伴うが、わざわざ敵の戦力が集中すると予想できる北で真っ向勝負をするのは好ましくない。デスストロークは恐らく消えていない、戦闘が長引けばクーフーリンも出て来る。主戦場を囮に使う」

キャットウーマン「……成程。流石ね」

バットマン「ああ。……どうした?」

キャットウーマン「いいえ、何でもないわ。難しい話で知恵熱が出そう、私は夜風に当たってくるわね」コツコツ

バットマン「……」


バットマン(……)


エジソン「ふむふむ成程、良い戦術だ! それでいくとしよう!」

バットマン「……いや」

エレナ「え?」



424 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:24:43.10 ID:nZCc8mKv0



………………



フェルグス「ははは、そろそろ終わりか!」ダダッ、ガギィ!!

フリーズ「ぐぅっ……」ズッシャシャァ、ギリィ

ケルト兵K「!」ダッ

フリーズ「クソ……」ガギャァ!!


フリーズ(まだか、フィン!?)


フィン「てやぁっ!!」ガギィ!!


フィン(もう少し、もう少しで……!)ブゥンッ、ガギィ!!


ベオウルフ「ったくしゃらくせえなァ!!」ドシリ

フィン「!!」バッ

ベオウルフ「宝具でも発動したかったみてえだが、遅かったな。俺の方が温まっちまったよ……!」ドシ、ババッ!!

フィン「しまッ」



425 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:25:32.41 ID:nZCc8mKv0



 ベオウルフは大きく踏み込んだ。得物に対して、近すぎる間合いだ。その戦闘経験の豊富さから、フィンは戸惑いに囚われる。この距離で剣を振り抜いても、効果的なダメージなど……。

「源流(グレンデル)」

 その瞬間、荒々しく踏み込んだ英雄は、両手から剣を捨てた。フィンは気付く。自分は致命的なミスを犯した。目の前の豪傑が得意な戦法は、武器を持った戦いではなく……!

「闘争(バスター)!!!」

 鉄拳に頬を打ち抜かれるのを感じながら、フィンはたたらを踏む。これで到底終わりではない。ベオウルフは拳を引き戻し、更に殴りつける。鳩尾。更に殴りつける。胸。更に殴りつける。キドニー。キドニー。喉元。脇腹。脇腹。脇腹。鳩尾に強烈な一発。

「がっは……」

 血を撒き散らしながら、フィンは倒れかかった。だが倒れればすかさずトドメの一撃に持ち込まれるだろう。それだけの気迫が、ベオウルフにはある。踏ん張りながら、フィンは遠い日々を目に映す。フィオナ騎士団としての栄光の日々。めとった最初の妻。一番槍、ディルムッドとの出会い。妻の死。悲しみ。二人目の妻。二人目の妻が、ディルムッドを好いていたという事実。ディルムッドとのすれ違い……そして、彼との後悔にまみれた別れ。


 フィンは耐えた。倒れるわけにはいかない。彼は台風のようなラッシュをその身に受けながら、朦朧とする思考を回転させる。人は死の直前に走馬燈を見るという。それは何故だ。後悔なくあの世へ旅立つためか? それとも……?


「終わり、だァ!!」


 岩盤をすら砕くかのような一撃をモロに腹部へ受けながら、それでもフィンは立っていた。ベオウルフの拳が腹から引き抜かれ、フィンはもがきながら後退る。白目を剥き、口の端から血を流しながら、彼は限りなく死へ近付いた。


(死ぬのか?)


 彼は奔流じみた走馬燈の中から誇りを掴み取り、生のほとりに留まろうと足掻いた。彼にとっての誇りとは何だっただろうか。それは武勇だったかもしれない。それは名声だったかもしれない。


(((──私がお前を守ってみせるとも)))


 しかし、彼は愛を選んだ。それこそが彼の足を運ばせ、死を少しだけ遠ざけ、ひとりの騎士としての意地を思い出させた。


 技の反動に耐えながら、ベオウルフは目を瞠った。確実に殺したはずの相手が、よろめきながら、血を吐きながら、それでも歯を食い縛って立ち続けている。しかも不敵な笑みまで浮かべている。


「ようやく、宝具の分の魔力が、溜まり切った……」


 ベオウルフの宝具を受け切ったフィンは、その身に叩き込まれた魔力を利用。みずからの宝具の助けとし、震える腕で槍を構えた。


(マズい)


 フリーズを攻撃していたフェルグスがそれを見、瞬時に判断し、大技の反動で動けないベオウルフを庇いに回る。フィンの宝具は強力だが、受けきれないほどではない。このまま防御し、その後に反撃すれば良い。


「堕ちたる神霊をも屠る、魔の一撃」


 フェルグスが剣を横に構え、万全の防御姿勢を取る。フィン・マックールの真に恐るべき能力は治癒と智慧であり、その宝具ではない。ならば当然受け切れる。それまでにはベオウルフも反動から脱している事だろう。楽ないくさだ。だが、フェルグスは言葉にならない不吉な予感を禁じ得ない。


「その身で、味わえ!! 『無敗の紫靫草(マク・ア・ルイン)!!』」


 フィンが構えた槍から飛び出したのは、高圧水流じみた水の魔力だった。その直撃を防御しながら、フェルグスは耐える。やはり威力自体は大したものではない。横に構えた大業物『カラドボルグ』に当たった水の奔流は、砕かれ、辺り一面に撒き散らされる。

 フィンは出力を最大に保ち続ける。だがカラドボルグは砕けない。フェルグス愛用の魔剣。一振りで丘三つを斬り飛ばす逸品。どうして水の奔流で砕けるハズがある? フェルグスは笑おうとし、特大の嫌な予感に顔をしかめた。吐く息が白い?


「よくやってくれた、フィン」


 ボロボロになった極低体温スーツの中、フリーズが呟いた。フリーズ・ガンの銃口がこちらへ向いているのを見たフェルグスは、敗北の闇が足元にぽっかりと口を開いたのを感じ、半ば呆けたように表情を弛緩させた。ベオウルフは苦笑しながらフィンを見つめていた。


 十分な水気を含んだ空気は、ケルト兵達、ベオウルフ、フェルグスを巻き込み、一瞬で凍り付いた。



426 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:26:00.54 ID:nZCc8mKv0



フリーズ「や、ったか……?」ガシャリ

フィン「それは、世間一般で言うフラグですので、言わない方が良いかと」ゼエ、ゼエ

フリーズ「……」


氷塊「」パキィ、パキ……


フリーズ「……やったんだな」

フィン「どうやら」

フリーズ「信じられん……」

フィン「私もです、ゴホッ」



427 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:26:29.25 ID:nZCc8mKv0



………………

床「」ギシ、ギシ、ギシィ……


古びた椅子「」ギィィ……



フリーズ「……よし、これで大方処置は完了した。ずいぶんと手ひどくやられたな」

フィン「ぐっ……なかなか、痛いものですな」

フリーズ「これで一旦は、落ち着けるか。我々を裏切り者として狩る者も居なくなった」

フィン「ええ、まあ、そうでしょうな……」

フリーズ「……浮かない顔だな」

フィン「……」


老婆「……げほっ、ごほっ……」



428 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:26:57.50 ID:nZCc8mKv0



フィン「……実を言えば、私にとっては、生きるも死ぬも大した問題ではないのです」

フリーズ「……どういう事だ」

フィン「ひとつ、大きな心残りがあり……それを解決したいのですが、ひとりでは恐ろしい。付き合っていただけませんか」

フリーズ「……?」

フィン「それは、『ダグザの棍棒』と呼ばれています」



429 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:27:29.07 ID:nZCc8mKv0



………………


ビリー「……」イライライライラ


シータ「〜♪」ギュッ

ラーマ「……///」カァ

ビリー「……あー砂糖吐きそう。すっごい今、砂糖吐きそう」

ナイチンゲール「……ブルースは何処へ?」

ジェロニモ「エジソンに呼ばれて指令室だ」

ナイチンゲール「……」スクッ

ジェロニモ「むっ、何処へ?」

ナイチンゲール「彼は一人だと必ず無茶をします。マシュが居ない今、私が傍に付かなければ」スタスタ

ジェロニモ「む、無茶とは……ここでどう無茶を」


指令室「」ドンガラガッシャーン!!


ジェロニモ「え?」

ナイチンゲール「……」ダッ



430 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:28:02.82 ID:nZCc8mKv0



………………


エジソン「キミは! 本気で! 言っているのか!?」フーッ、フーッ

エレナ「え、エジソン、少し落ち着いて……」

バットマン「私はいつでも本気だ」

エジソン「そんな策が通るとでも……」

バットマン「だが、通してもらう。このままではいずれケルト兵の無限の物量に、こちらの生産力は追いつかなくなる。ならこうするしかない」

エジソン「もし万が一我々が負けた時、どうなるか分からんワケではあるまい! 破滅だ! 皆が死ぬ! それはアメリカの死だ!」ガオォッ

バットマン「なら失敗しなければ良い。このままこうして居ても、破滅は向こうからやってくるぞ。逃げてはならない。立ち向かわねば、エジソン」

エジソン「貴様は……!!」


ガララッ


ナイチンゲール「ブルース、どうしました」

ジェロニモ「どうした、エジソン!?」


431 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:28:31.85 ID:nZCc8mKv0



バットマン「……いいや、何でもない」

エジソン「……」フーッ……フーッ……

ナイチンゲール「……何でもない、と?」

エジソン「……ああ、うむ。何でもない。すまない、取り乱した」フーッ……

ガラッ

キャットウーマン「どうしたの!?」

バットマン「……」

エレナ「なんでもないの、なんでも……大丈夫よ」

キャットウーマン「……なら良いけど」


432 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:29:00.51 ID:nZCc8mKv0



エジソン「……ここまでにしよう、会議は。キミの策はあまりにも非現実的すぎる。この拠点は命なのだ」

バットマン「……お前の使命は理解している、エジソン。だが一度考えてみてくれ。失敗を産み出す方法はどちらなのか」コツ、コツ

扉「」ガララッ……



エジソン「……」

ジェロニモ「……どうしたと言うんだ」

エジソン「……少し、考えさせてほしい」

エレナ「……」

ナイチンゲール「……」

キャットウーマン「……?」


433 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/20(木) 00:29:47.50 ID:nZCc8mKv0



………………


チュン!! チュンチュン!!


エリザベート「……んんぅ、おはよう……?」ムクリ


空の寝袋「」


エリザベート「……え?」バッ

手紙「」ハラリ……

エリザベート「……これ」パシ、ペラリ

エリザベート「……」

手紙『世話になったな

    デッドショット』

エリザベート「……あの、馬鹿!」ダッ




434 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/20(木) 00:30:16.02 ID:nZCc8mKv0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 01:59:44.43 ID:Anw5OPaio

やっぱエジソンは初見びっくりする系の鯖筆頭だよな…
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 11:22:39.41 ID:A2C5K76j0
乙!わくわくが止まらん
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 16:10:26.28 ID:jw1VRidA0
乙乙!
フィンがかっこよくて嬉しい……フリーズとのコンビもいいね!
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 16:20:24.12 ID:MXsIBaW90
アルジュナ、カルナから見たらペンギンの方が若造という特大のブーメランが
異父兄並に苦労してるという授かりの英雄アルジュナ…もうやだこのバトルジャンキー
439 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:01:39.93 ID:zR/7c36Y0



クーフーリン「……」

ケルト兵「王よ、完成しました」

クーフーリン「……ようやくか。見せてみろ」

ケルト兵「はっ、こちらに……」スッ


緑の槍「」


クーフーリン「……へえ」ニヤリ


440 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:02:09.91 ID:zR/7c36Y0


メイヴ「すごい、綺麗ね。私にも持たせて頂戴?」

クーフーリン「駄目だ。……下がっていい」

ケルト兵「はっ」ササッ

クーフーリン「……これでようやく、俺が最強か」

メイヴ「……大丈夫よ、クーちゃん。最初からアナタが最強の戦士なんだから」

クーフーリン「フン……」スクッ

メイヴ「何処へ行くの?」

クーフーリン「最後の心残りを消す」スタスタ



441 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:03:08.62 ID:zR/7c36Y0


………………

緑の床「」ジリジリ……

緑の壁「」ジジジジ……


???「……ぐう、うぅ……」グッタリ


緑の扉「」ガチャリ


クーフーリン「……こいつは驚いた、まだ生きていたのか」

???「……う、う……」

クーフーリン「だがまあ、虫の息だな。もってあと三日ってところか。……このまま苦しんで死ぬのと、ひと思いに楽になるの。どっちが良い」

???「……」

クーフーリン「……楽になれるぜ、コイツを使えばな」

緑の槍「」ジジジ……


442 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:03:44.67 ID:zR/7c36Y0


???「……」ボソボソ

クーフーリン「……?」

???「……こど、もは……無事なのか……?」

クーフーリン「……ケッ、そうか。なら好きにしろ」

???「……」

クーフーリン「ひと思いに殺すのもやめだ。テメェは苦しませといてやる。余計なモンを抱え込んだまま、後悔にまみれて死ね」

???「……」

クーフーリン「……じゃあな」スタスタ、ガチャリ


緑の扉「」バタン


???「……」



443 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:04:19.41 ID:zR/7c36Y0



………………

マシュ『……ここは?』

???『マシュ。マシュ・キリエライト』

マシュ『え? あなたは……』

???『聞こえるか、マシュ・キリエライト。盾を手に戦う、誇り高き騎士』

マシュ『あなたは、一体』

???『お前はこれまで、どのような敵にも立ち向かって来た。臆しはすれど、退く事もなく。その背に大切な者を護ると誓い』

マシュ『……』


444 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:05:32.95 ID:zR/7c36Y0



???『……ゆえに、このような日が来ることは分かっていた。必ず、精神性だけで打ち勝てぬ敵というものはある』

マシュ『……デスストロークですか?』

???『それだけではない。お前の道には、未だ多くの強大な壁が待ち構える。ひとつ問いたい、マシュ・キリエライト』

マシュ『何でしょうか』

???『お前は、自分の命を犠牲にしてでも、人を護る事を選ぶか?』

マシュ『はい。私は、絶対に皆を守ります。マスターを』

???『……そうか』



445 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:06:56.78 ID:zR/7c36Y0



???『ならば、私はこの力をお前に託そう。その命を燃やし、敵と戦うが良い』

マシュ『……』

???『……だが、心せよ、マシュ。人が戦う時、最も強い原動力となるのは────……』



446 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:07:29.82 ID:zR/7c36Y0



チュン、チュンチュン……


マシュ「……」ムクリ

マシュ「……ここは?」キョロキョロ


扉「」コン、コン

ガララッ


ブルース「マシュ、起きて……いるな。おはよう」

マシュ「マスター。おはようございます」

ブルース「治ったか」

マシュ「はい、違和感はありません」

ブルース「ドクター、観測を」

ドクター『うん、大丈夫だ! 治ってるね!』



447 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:08:02.77 ID:zR/7c36Y0



ブルース「宝具が不安定になった事だが」

マシュ「大丈夫です」

ブルース「……本当に?」

マシュ「はい。……あの……それとは別にひとつだけ、お尋ねしたい事が」

ブルース「何だ?」

マシュ「人が戦う最も強い原動力とは、何でしょうか?」

ブルース「……」



448 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:08:33.00 ID:zR/7c36Y0




ブルース「……それは、私にとっては、恐怖だ」

マシュ「マスターにとっては?」

ブルース「人によって違うだろう。それに私の戦う理由も変わりつつある」

マシュ「……」

ブルース「……それをうまく言語化は出来ないが」

マシュ「……答えて頂いて、ありがとうございました」

ブルース「ああ。……私も探しておく」

マシュ「私もです」


449 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:09:02.14 ID:zR/7c36Y0



ブルース(こうして、スーツを着用する意味も。私にとっては、変わりつつあるかもしれないな)


ブルース「……」ガチャ、ガチャ。ガチリ

ブルース「……」ガキッ、ガシャリ。シュルッ

マスク「」

ブルース「……」スッ


バットマン「……行くぞマシュ、移動しながら状況と作戦を説明する」

マシュ「はい」スクッ



450 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:09:33.58 ID:zR/7c36Y0



………………


バットマン「南に行く戦力はこうだ」

ビリー「どうも」

ジェロニモ「やあ、よろしく頼むぞ」

ラーマ「うむ!」

シータ「よろしくお願いします!」フンス

マシュ「こ、こちらこそ!」ペコリ

ナイチンゲール「……ブルース、やはり私は北の主戦場へ行った方が」

バットマン「ナースはお前だけではない」

ナイチンゲール「……」ムスッ



451 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:10:03.31 ID:zR/7c36Y0



エジソン「対して、北の主戦場へ行くのは」

エレナ「まあ、こうなるわね」

キャットウーマン「よろしくお願いね?」

エレナ「うふふ、こちらこそ!」

エジソン「そしてロボット大軍団!」


ロボット達「「「……」」」ガシャン、ウィィィィ



エジソン「……ふむ」

バットマン「北には搦め手が得意なメンツを入れた。……判断は前情報でのみ行ったが」


バットマン(そして、確かめたい事もある。そのためのメンバー分けだ)


エジソン「ジェロニモ君はこちらに来ても良かったのでは?」

バットマン「砂での目くらましは接近戦に優位を与える。ロボットにはあまり好ましくない」

エジソン「ふむぅ……」



452 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:10:40.33 ID:zR/7c36Y0



エジソン「……本当にやるのか、あれを」

バットマン「それはお前に任せる」

エジソン「……うむぅ……」

バットマン「……」

エジソン「……キミはこれが最善だと?」

バットマン「ああ。私が最善だと思い、それを伝えている。……私を信用できないのも分かるが、これが私の計算の結果だ。何度やり直しても揺らがないだろう」

エジソン「……」

バットマン「……『全ての事は不可能だ、誰かがやるまでは』」

エジソン「む……」

バットマン「私に賭けろ、エジソン。お前の疑いは、行動で打ち砕く」



453 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:11:17.21 ID:zR/7c36Y0



エジソン「……ふむ。ふふ、ふふはははは……」

エジソン「成程、分かった。キミは大胆な男だ、ブルース。それほどの大言を、目の色一つ変えずに言ってのけるとは」

エジソン「乗った、キミに」

バットマン「そうか。……必ず成功させる、安心しろ」

エジソン「キミこそ安心したまえ。もし失敗した時は、私も共に地獄へ行くさ」

バットマン「そうか。では、地獄以外の何処かでまた会おう」

エジソン「ははは……はははははは!」


454 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:11:44.98 ID:zR/7c36Y0




キャットウーマン「寂しいわね、ここでお別れ?」

バットマン「ああ。そうなるな」

キャットウーマン「……もう、もうちょっと気の利いた台詞は出て来ないワケ?」

バットマン「……」

キャットウーマン「まあ良いわ、期待してなかったもの。生きてまた会いましょうね、ブルース」ヒラヒラ

バットマン「……ああ、さらばだ」


バットマン(……)



455 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:12:15.19 ID:zR/7c36Y0



マシュ「準備、できました!」

バットマン「よし。……南側人員、全員行けるか」

ビリー「オッケー!」

シータ「はいっ!」

ラーマ「うむ!」

ナイチンゲール「はい」

ジェロニモ「用意よし!」

マシュ「行けます!」

ロボット達「「「」」」ガシャ、ウィィィィィ……


バットマン「……行くぞ!」



456 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:12:47.56 ID:zR/7c36Y0



キャットウーマン「それじゃ、私達も行きましょうか」

エジソン「うむ! ……少し待ってくれ、地面の調子を確かめる……」

キャットウーマン「……地面の調子?」

エジソン「いやいや、こちらの話だ。……よしよし、ちゃんと地面をやっているな。では我々も行こう!」

キャットウーマン「???」

エレナ「あ、あはは。エジソンは時々変な事をするのよ……」

エジソン「全ロボット部隊、出撃!!」


ロボット達「「「」」」ガシャリ、ガシャリ、ガシャリ



457 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:13:17.71 ID:zR/7c36Y0



………………


デッドショット「……」タタッ、ザザァ

物陰「」

デッドショット「……」チラ


ケルト兵E「……」ザシ、ザシ、ザシ……

ケルト兵F「……」ザシ、ザシ、ザシ……


デッドショット「……」フゥ



デッドショット(勢い込んで敵の本拠地手前まで来たは良いが、まさか街ごとケルト兵に乗っ取られてるとはな。障害物が多いのが救いだが、これじゃ射線も通らん)



458 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:13:46.31 ID:zR/7c36Y0



デッドショット(……)

デッドショット(……エリザベートは、幻滅しただろう。俺を追って来る事なんてないハズだ。まさか、俺が敵の本陣に突っ込んでるとも思わんだろうし)

デッドショット「……すまねえな、勝手に巻き込んで」

エリザベート「本当よ、巻き込むなら中途半端はやめてよね!」プンプン

デッドショット「はは、次に会ったらもっとマシな形で……うん?」

エリザベート「なによ」

デッドショット「……んんん?」

エリザベート「何」

デッドショット「……はあ、すまん。俺とした事が、お前が恋し過ぎて幻覚まで見るなんてな……」

エリザベート「ちょ、ちょちょ、何よ急に!? 告白!? あ、アタシそういうの慣れてないっていうかぁ!!」

デッドショット「……この馬鹿な反応、マジでお前か」

エリザベート「はああ!?」


459 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:14:36.30 ID:zR/7c36Y0


デッドショット「……手紙残してあっただろ」

エリザベート「ああ、あれね! アンタ意外と字が綺麗なのね」

デッドショット「そうじゃねえ。普通アレを見たら『ああ、縁を切るつもりなんだな』って思って追って来ねえだろ。というかどうやって追っかけてきた?」

エリザベート「あの程度で縁切りなんてできるわけないでしょ。それにアンタ、匂いが濃いのよ。イヌじゃなくても追っかけられるわ」

デッドショット「匂い?」

エリザベート「加齢臭」

デッドショット「……嘘だろ」

エリザベート「ホントよ」

デッドショット「……」クンクン

エリザベート「……嘘だってば」

デッドショット「……」



460 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:15:19.07 ID:zR/7c36Y0



デッドショット「……ここが何処か分かってんのか、敵の本陣ちょっと手前だぞ。地獄は目と鼻の先だ」

エリザベート「分かってるわよ、そのくらい。地獄でライブも楽しそうじゃない?」

デッドショット「……なんで追っかけてきたんだ、お前、放っといて適当なところで生きてりゃ良かっただろ。これは俺の自己満足だ。自己満足で死ぬんだぞ」

エリザベート「ならアタシだって自己満足よ。何処で死んでもアタシの自由でしょ」

デッドショット「そんなワケねえだろ、お前は……」ドクン


デッドショット(コイツは、何だ? 俺にとって、何なんだ?)

デッドショット(ああ、フロイド。駄目だ、お前は……お前は、よりによってコイツを)


デッドショット「……馬鹿野郎が」

エリザベート「フンだ」



デッドショット(コイツを、娘とダブらせるなんて)




461 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:15:49.77 ID:zR/7c36Y0


………………


フィン「……ここ、です」

フリーズ「ここに? だが……」


フリーズ(ここは何も無い、岩場じゃないか)


フィン「ええ、傍目には何もないように見えるでしょうが……ここに魔術的な仕掛けが施されておりまして」

フリーズ「どうやってそれを知ったんだ?」

フィン「親指の知恵に導かれたのです」

フリーズ「親指……ああ、成程」

フィン「では、取り出すとしましょう」パパッ、ガシ……



462 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:16:18.86 ID:zR/7c36Y0



フィン「……!!」ガシィ、ググググ……

フリーズ「……!」


フリーズ(虚空から、棍棒が現れた……?)


フィン「ぐう……でりゃっ!」グィィッ

ダグザの棍棒「」スポンッ

フリーズ「お、おお……それが例の?」

フィン「ええ、これが多くの者が探し求める神器。ダグザの棍棒です」



463 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:16:48.37 ID:zR/7c36Y0



フリーズ「……だが、随分あっさりと手に入れたな。手伝って欲しいと言われたからには、もう少し恐ろしいものを想像していたが……」

フィン「……いえ、これを手に入れるのは、恐ろしくありません。この先が……私にとっては、少し恐ろしい。まだ、付き合っていただけますか」

フリーズ「この先……?」

フィン「はい。どうか頼みます。私は、これをせねば……自分の過去の清算すら出来ない」プル……

フリーズ「……」


フリーズ(……)


フリーズ「……付き合うさ。さあ、次は何処へ行く」

フィン「ありがとうございます。……では、戻るとしましょう。あの廃屋へ」



464 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:17:29.80 ID:zR/7c36Y0



床「」ギシィ……ギシィ


老婆「げほっ、げほ……ごほっ……」

フリーズ「……」ガシャリ、ガシャリ……ピタッ

フィン「……」スタ……スタ、ピタッ

フリーズ「……フィン、その棍棒をどうするんだ?」

フィン「これは……これは、順手で振れば、一度に幾人もの屈強な戦士を打ち倒す神器です。ですが、これを逆手で振ると、死人が蘇ると言われている」

ダグザの棍棒「」ゴロ……


老婆「……ごほ、ごほっ……」ハァ、ハァ


フィン「ただいま、戻ったよ。グラーニア」



465 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:18:10.66 ID:zR/7c36Y0



 グラーニア……それはフィンの、二人目の妻の名だ。その意味を問おうと、フリーズは隣に目をやる。そして押し黙った。

 彼はその時、フィンの身体の震えが止まっていた事に気付いた。その目にはさまざまな感情が去来している事が見て取れる。元フィオナ騎士団団長は、息を大きく吸い、ダグザの棍棒を逆手に握り……そして、振った。

 暫くは何も起きなかった。老婆の咳き込む音だけが響くあばら家の中、不自然なほどの静けさが場を満たしていた。だが、やがて、人の握りこぶしほどの青白い光の球が、ゆらゆらと現れた。

 それを見た老婆は、咳き込むのすら忘れ、目を見開いて呟いた。

「ああ、ディルムッド」

 ディルムッド……確かに、彼女はそう言った。青白い光の球は嬉しそうに震え、彼女の手に触れる。彼女も確かに両手で触れ、そして、その身体から、同じような光の球が出て行った。

 二つの光球は、しばらく踊るように、フリーズとフィンの目の前で回り続けた。出会えたことを歓喜するかの如く。だが、やがてそれらも消え、静寂と仄暗さが部屋に訪れた。



 老婆はピクリとも動かない。死んでいた。



466 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:18:44.46 ID:zR/7c36Y0



フィン「……」

フリーズ「……あれは」

フィン「ふふ、妙な話です。これを振れば、死人を生き返らせることができると思っていたのに。どうやら、真っ赤な嘘だったらしい」

フリーズ「……」

フィン「ありがとうございました、ヴィクター殿。これで私の後悔はもはや無い。生きようと、死のうと、どうでも良い身になれた。この恩は忘れません」

フリーズ「……」

フィン「……少し、休ませてください。疲れてしまいました」スタスタ

フリーズ「……待て、フィン」

フィン「はい?」


467 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:19:17.18 ID:zR/7c36Y0



フリーズ「お前は、アレで良かったのか。あの方法で」

フィン「……良いのです。彼女が幸せで、因縁は清算された。これ以上の事があるでしょうか」

フリーズ「……」

フィン「失礼します。……世話に、なりましたな」スタスタ

フリーズ「…………」


フリーズ(……フィン、お前は……)



468 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:19:56.84 ID:zR/7c36Y0



………………


マシュ「たあっ!!」ズドシャァ!!

ケルト兵A’’「!!」ドッシャァァ

ジェロニモ「そらっ!」ドドッ

ケルト兵B’’「!?」グシャァ

ビリー「あーもう、ホントにロボットが役に立たないなあ!?」ドォン、ドォン

ケルト兵C’’「っ……」ドシャァ

ラーマ「これは、なかなかきついな! シータ、平気か!?」ズババァッ

シータ「大丈夫です! ラーマ様こそ、ご無事ですか!?」シュパパパッ

ラーマ「ふはは、シータが居るなら負けは無い!」ダダッ

ビリー「わー愛のパワーって凄いなぁ! このまま全部やっちゃって欲しいよ!」



ナイチンゲール「退きなさい!!!」ドドドドドドドドグシャシャシャシャシャシャ……

ケルト兵達「「「」」」ドグジャシャシャシャシャシャ……


ビリー「……あそこで真っ赤な竜巻みたいになってるのって誰だっけ」

バットマン「フンッ!! ……アレはフローレンスだ」ドドッ

ケルト兵H’’「っ!?」ドシャァ



469 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:20:31.77 ID:zR/7c36Y0



ナイフ「「「」」」ヒュォォォォォンッ


ナイチンゲール「!!」パシパシパシィ!!


「快進撃も、ここまでだ」


バットマン「!! 全員戻れ、陣形を組め!」


マシュ「!!」バッ

ジェロニモ「はっ!」ダダッ

ビリー「っ」ダッ

ラーマ「シータ、後ろに!」ババッ

シータ「はいっ!!」サッ

ナイチンゲール「……貴方ですか」ジッ



デスストローク「よう、また会えたな」スタ、スタ



470 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/22(土) 23:21:25.46 ID:zR/7c36Y0



デスストローク「嬢ちゃん、あの回し蹴りは効いた。正直お前の事を嘗めていた。まさか数回打ち合っただけであそこまで成長するとはな」

マシュ「……」ジリッ

デスストローク「だがな、お前も学習したかもしれんが……俺も、学んだぞ。お前達一人一人がどういう動きをするか、どういう戦い方か、どういう人生を送って来たか……」カチャ、シュリィィィィイ……

バットマン「……」

デスストローク「俺は戦士だ。殺戮の徒だ。俺の人生には何も残らない。だからこそ、俺はもう迷わん」スッ

マシュ「……なら、私は貴方に負けません!」

デスストローク「試してやる、行くぞ!!」ダッ



471 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/22(土) 23:22:48.89 ID:zR/7c36Y0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 01:38:33.80 ID:H65lUk/ao

やっぱり来てたか・・・
473 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:20:50.17 ID:G22OK9G00



 照り付ける太陽の光を、木々のとばりが細切れにする。落ちて行く明かりの下、地面に飛び散った血液が輝く。


 マシュは天才だった。ブルース・ウェインから受けた教えをこの数か月の内に全て消化し、教えられた以上の戦果を出し、並の敵ならばもはや数秒で片付けてしまうほどの実力を身に付けていた。その非凡な学習能力は、デスストロークを相手にも牙を剥き、事実、彼女は彼を超えかけていた。


 だがマシュは、追い詰められた戦士の恐ろしさを知らなかった。デスストローク……スレイド・ウィルソンは、自らの負けで腐るような三下ではなかった。魂を敗北というやすりにかけ、余計なものを削ぎ、精神を鍛え直し、経験を見つめ直し、再度立ち上がった。それはまごう事なき強敵。マシュは気付くべきであった。一度破った敵が再び目の前に立ち塞がるとは、どういう意味なのか。


「俺は戦士だ」

 デスストロークはもう一度、確かめるように呟いた。その目の前、脇腹を深く斬り付けられたマシュが膝をつき、額から冷たい汗を、傷口からドクドクと血を流しながら倒れまいとこらえている……



474 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:21:42.84 ID:G22OK9G00



ビリー「この前みたいにはいかないよね、流石に!!」ドォン!!

デスストローク「フン」ギャリィ

ビリー「……ねえ、本当に弾丸ってあんな感じで切れるもんなの?」カチャリ

バットマン「ナイチンゲール、ジェロニモ、マシュの回収を! ラーマ、デスストロークに攻撃を頼む! シータとビリーは奴を遠距離から牽制しろ! 全員、罠に注意するんだ!」

デスストローク「さて、総崩れまで秒読みだな」ダッ

バットマン「カバーする、ラーマ!」バッ

ラーマ「助かる!」ダダッ


475 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:22:21.03 ID:G22OK9G00



デスストローク「ははっ、貴様、人間のくせに俺に立ち向かうのか!?」ギャリィ!!

ラーマ「でぇい! 今だブルース!」ギュギィ!!

バットマン「そこだ!」ブンッ

デスストローク「下らん!」ヒュババッ

バットマン「ぐおっ!?」ドシャァ


シータ「かばーします!!!」ヒュパパパパ

ビリー「早撃ちは得意だけど狙撃はね!!」ドォンドォン!!


デスストローク「遅いわ!」ガギギィ、ババッ


ラーマ「そこ!」ズバァッ

デスストローク「食らうか!」シュッ



476 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:22:48.60 ID:G22OK9G00



ジェロニモ「目くらましをする! 今のうちだ!」ズオォォォォォ……

ナイチンゲール「……大丈夫ですか」ズルズル、ドサッ

マシュ「ぐ……少し、油断しました」プルプル

ナイチンゲール「治療を開始します。動かないで。必ず救います」カチャカチャ

マシュ「……ありがとうございます」




バットマン「シータ、ビリー、足元だ! ヤツの足元を狙え!」ムクリ

デスストローク「ははは、それで俺をどうにか出来るとでも!?」

ラーマ「嘗めるなよ、学習するのはお前達だけではない!」ガシャリッ



477 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:23:17.47 ID:G22OK9G00



 ラーマが斬り掛かる。デスストロークはいつも通り柔軟に回避しようとし……目を細め、動作を中途で止めた。ラーマの太刀筋が、進化している。以前までは軽く躱せていたその剣が、食らいつくかの如く致命的な軌道を描き直す……!!

 バットマンも起き上がり、実に厄介な立ち位置から掌打を繰り出そうとしている。そのスピードは速くはない。だが、厄介極まりない攻撃範囲。このままこれを食らえば少なからず隙を生み、そこにラーマがトドメを持ち込んで来る……


 さらに追い打ちをかけるかの如く、銃弾と矢がデスストロークの足元へ殺到する。これでは思った通りの柔軟な回避など不可能。ではどうするか? ここから最適な回避をするには? ……たやすい。


 死の傭兵はつま先の足裏だけで地面を打ち、その力だけで数メートル跳躍した。そのままスピン回転、飛来する弾丸や矢を弾き返しながら、まずは蹴りを繰り出した。バットマンはそれを手甲で防御、衝撃の8割を受け流すも、残りの2割を受けて吹き飛んだ。

 次に回転の勢いを利用した斬撃を、ラーマの首へ。ギリギリで反応したラーマは剣を縦に構え、それを受ける。そして威力に耐えきれず、吹き飛ばされる……


 死神が、着地した。同時にバットマンが木に背を打ち付け、吐血してうつ伏せに倒れる。ラーマはケルト兵を数人巻き込みながら吹き飛び、地面に転がった。

 近接戦闘組、全滅。デスストロークは仮面の奥で笑う。

「さあ、総崩れだ」


 後は作業のみ、そう考えていた彼は直後、寒気を感じて反射的に防御姿勢を取った。その瞬間、赤いつむじ風じみた存在が飛び出し、拳を叩きつけた。

「こんにちは。あなたを治療します」

 ミシミシと拳をめり込ませながら、ナースの冷たい挨拶が通る。ナイチンゲールだ。その瞳に浮かぶ相変わらずの狂熱に、デスストロークは苦笑いしながら一歩退く。

 ナイチンゲールは極端なまでの前傾姿勢を取り、死の傭兵へ拳を押し付け続ける。デスストロークは一瞬の隙を突き、拳をいなして回転。そして跳躍。姿勢がブレた看護師のその首を、剣が刈り取る……その一瞬前に、矢と銃弾が飛来。デスストロークの腕に命中し、跳ねのけた。


「っ」


 今度はデスストロークが怯む番だった。ナイチンゲールは大きく踏み込み、敵の首を掴んで地面に叩き付ける。揺れる地面。振動は木々に伝播し、森の上から枝葉が落ちる。

「ケルト兵! この戦線は俺に任せ、敵本拠地への進軍を再開しろ!」

 少なくないダメージに身をよじりながら、デスストロークは吼えた。途端、ゲリラじみて潜伏していた多数のケルト兵は、サーヴァントたちを囲むのをやめ、エジソンの拠点目掛けて進軍を開始する。

 当然、動けるエジソン勢力はこれを無視するわけにはいかない。ビリー、シータは一旦援護射撃を中止し、進み始めたケルト兵を倒し始める。だが数が多すぎる。進軍が、止まらない。

 マシュが治癒しきるまで魔術的防護を張ろうと残っていたジェロニモも、この看過できない事態に動く。ケルト兵を切り、大地の精霊に力を借り、狼を呼んでケルトを倒す……だが、足りない。この物量。まるで南側には、最初から戦力が居ないと知っていたかのような、この物量……


「余所見か」

 ナイチンゲールはおのれの胸を貫いた冷たい感触に驚き、身体を見下ろした。剣が貫通している。デスストロークは一瞬の隙を突き、彼女の急所を攻撃した。力が入らなくなる身体を支え切れず、彼女は倒れた。


 デスストロークは立ち上がり、ナイチンゲールにトドメを刺そうと剣を振り上げた。だがその一瞬前に、爆発的な存在感が蘇ったのを感じ取り、目を上げた。

 脇腹を包帯でくくったマシュが目を光らせ、歩いて来る。



478 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:26:17.36 ID:G22OK9G00



「学習しました」


 マシュはたった一言だけ言い放ち、重い音を立てて盾を放った。ビリー達がケルト兵と戦う音が遠くなり、二人の周囲の空間は断絶されたかの如く静まり返る。一対一。以前の焼き直しになるか? いや。デスストロークもまた、無限に学習する戦士。


「そうか。お前は強いからな」


 デスストロークも剣を放り捨てた。アレは近距離戦闘では僅かに取り回しが悪い。素手で戦わねば、若干の有利を相手に与えてしまう。そして何より、マシュの前で素手で戦った事は『ない』。未だ学習されていない戦闘スタイルだ。慣れる隙も与えず、一気に圧し潰す。


 風が通り抜け、葉がこすれて音を鳴らす。マシュとデスストロークは睨み合う。マシュが一歩、踏み出す。デスストロークも一歩、踏み出す。だが互いに飛び掛からない。この一歩は互いにフェイントじみた動作。カウンターを呼び、それにカウンターするための布石。だがどちらも慎重であり、そうやすやすと敵の思惑には乗らない。

 さらに一歩、互いに踏み出す。互いに臆する色は瞳に無い。既に素手での攻撃範囲内。だが互いに手を出さず、相手の心を読もうと努める。さながら居合の瞬間、達人同士でどちらが速いかを極限まで計算するかの如く……一瞬を読み合う時間が続く。マシュの筋肉が動いた。デスストロークが霞んだ。


 その瞬間を先んじたのは、やはりデスストロークだった。彼は余計なものを捨てており、ゆえに彼に迷いはなかった。マシュの拳に先んじて、傭兵の拳がその喉を打った。

 彼女はよろめいた。勝機と見るや、彼は容赦なく飛び掛かる。拳を繰り出す。マシュは辛うじて防御。二段の蹴り上げ。マシュは辛うじて防御。ソバット。躱し切れず、頬に直撃。体勢を崩した彼女の頭部へ、更に蹴りが直撃。更に蹴りが直撃。更に蹴りが直撃。

 耳鳴りが満たす思考の中、マシュは後退しながら必死に腕を上げようと試みた。デスストロークが力強く踏み込み、破滅的威力の正拳突きを彼女の鳩尾へと叩き込んだ。マシュは吐血し、心臓が止まった事を自覚した。


(嫌だ。まだ)


 いかにも単純な思考で、だが強い力で、マシュは死に抗った。そしてその言葉を思い出した。


(((心せよ、マシュ。人が戦う時、最も強い原動力となるのは────……)))


 マシュは命を燃やした。


479 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:27:00.13 ID:G22OK9G00


 デスストロークは戦いが終わったと確信していた。彼女は死体に変貌した。これで周囲の者を片付けられる。


 まず彼が感じた違和感は、手首にあった。何かに掴まれている。そして次に、マシュの息遣いを感じた。死んで、いない? 何故? デスストロークには理解できない。それを余計なものと断じ、切り捨て、省みなくなってしまった戦士には、それを理解できない。


 マシュは目を鋭く光らせ、歯を食い縛り、全身に力を籠め、死の傭兵に抗った。デスストロークは腕を引き戻そうとする。できない。マシュの力が、跳ね上がっている。


「学習、しました」


 デスストロークは……スレイド・ウィルソンは、この瞬間、初めて戦慄した。自分は何かを見落としたのか? それは何だ? この力は何だ?

 凄まじいパワーのパンチが、デスストロークの顔面を捉え、仮面を弾き飛ばした。右目を眼帯で覆った初老の男性の顔が露になる。その顔は殆ど呆然としていた。それは自分が負ける理由を、今になってもう一度探し始めたかのようでもあった。

 マシュは情け容赦のない連続パンチをスレイドの顔面に叩き込み続ける。スレイドは何とか距離を離そうともがくが、マシュは彼の腕を放さず、至近距離に置き続ける。


「貴様!!」


 スレイドのフックがマシュの脇腹に突き刺さる。一瞬の力のゆるみに乗じ、体をもぎ離すと、彼は落ちていた剣を拾い上げた。格闘戦すら学習されたのならば、近距離戦にこだわる道理など無し! 少し離した間合いから徹底的に潰すのみだ!


 それは事実、見事なまでに冷静と呼べる切り替えだった。スレイドは勢いを盛り返し、マシュへと飛び掛かる。中距離からでも届く蹴りの連打だ! 

 獰猛な蹴りの嵐の中、マシュは防御姿勢を取り、決して崩さなかった。顔中血みどろになり、鎧の節々の肌から痛々しい内出血の痕が見える。だが彼女は耐え続ける。スレイドは敵の不屈を不可解に思う。とうに限界のハズだ。頭部へのダメージは深刻なまでに蓄積され、今にも気絶するほどだろう。だというのに、これは?


「これで、どうだ!」


 スレイドは美しいまでに均整の取れた姿勢で、ムチのようにしなる蹴りをマシュの頭部へと叩き込んだ。強烈な音が鳴り響き、マシュの姿勢が揺れる。勝機! その瞬間を狙い、スレイドは剣をマシュの顔に振り抜いた。一瞬後、彼女の頭部は半分に両断され、湿った音を立てて地面に落ちた。


 …………そうなるハズ、だった。スレイドは軌道上で止まった剣を訝しみ、視線をやった。彼女は歯で刃を噛み締め、止めていた。


「馬鹿な」


 マシュは体を捻り、回し蹴りを繰り出した。その蹴りはスレイドの首を目掛け、猛烈に加速して行く。それはデスストロークの潰れた右目側からの一撃であり、完全に死角を、虚を突いた回し蹴りだった。それは以前と同じ敗因であり、遡ればあの時点で、彼はこの戦いに負ける事が決まっていたのかもしれない。


 …………遡れば? デスストロークの脳に走馬燈じみて生前の出来事が去来する。遡れば、この右目が潰れていた事が敗因であり、遡れば、自分が傭兵を始めた事が敗因であり、遡れば……


「ああ」


 スレイドは自らが振りまいてきた理不尽に押しつぶされるのを感じながら、その一撃を受け入れた。



480 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:27:50.86 ID:G22OK9G00



マシュ「はあっ、はあっ……!」ドサッ

ナイチンゲール「……ぐっ……」プルプル


バットマン「マシュ、フローレンス……!」ムクリ


ビリー「駄目だ、ケルト兵を止められなかった! 連中、僕たちの拠点に行っちゃったぞ!?」

バットマン「……このふたりを回復させねば」

ジェロニモ「退いてくれ、ブルース。少しなら回復させられる」

バットマン「フローレンスは頼んだ。マシュ、『令呪を以て命ずる』。回復しろ」

マシュ「ありがとう、ございます」ジュゥゥゥゥゥゥ……


ジェロニモ「……」ポウッ

ナイチンゲール「……」ジュジュゥゥゥ……


481 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:28:22.63 ID:G22OK9G00


バットマン「動けるか、マシュ。フローレンス」

マシュ「……はい、いけます。大丈夫です」

ナイチンゲール「……まだ少し難しいかと」

バットマン「フローレンスは私が背負う。全員、このまま敵の拠点へ向かうぞ」

ジェロニモ「ま、待て待て。我々の拠点へ向かったケルト兵はどうするんだ?」

バットマン「放っておけ。聖杯が最優先だ」

ジェロニモ「そうは言ってもだな、あそこには民間人も居るんだぞ!?」

バットマン「……少々の犠牲は仕方あるまい。それよりも早く聖杯を入手すれば良い話だ」

ジェロニモ「……!!」

マシュ「ま、マスター……!」



482 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:29:02.58 ID:G22OK9G00



ジェロニモ「……キミは本当にそれで良いと思っているのか?」

バットマン「何一つ、問題はない」

ジェロニモ「……」

マシュ「マスター、なんで……」

バットマン「全員行くぞ。聖杯を取り戻す」


483 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/12/23(日) 22:29:49.65 ID:G22OK9G00



バットマン(……デスストロークが、南の森へ来た。何の情報もなく? それは考えられない)

バットマン(……)

バットマン(誰が信用できるか、しっかり考えなければな)

バットマン(我々の中に居る裏切り者の尻尾が、見えてきた頃だ)



484 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/12/23(日) 22:30:20.04 ID:G22OK9G00
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/25(火) 14:28:03.11 ID:juxc0MtEO
乙!そろそろクライマックス?
486 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:23:16.72 ID:Elqc4oHU0



………………


ケルト兵達「「「」」」ドドドドドドド……!!

ロボット達「「「」」」ババババババババ



エジソン「フンッ!! ……思ったより敵の攻勢が緩いな。これならば行ける!」ドグシャァ

ケルト兵A「っ」グシャァ

エレナ「油断しないでエジソン、緩いと言ってもロボット達と互角以上の勢力よ。私達が頑張らないと支えきれないわ」ギュドドッ

ケルト兵B「!?」ドシャァ

エジソン「うむ、平気だ! 私は油断していないとも! ……ところで、猫の御婦人は何処へ?」

エレナ「え? セリーナ? ……あら、何処に行ったの?」

エジソン「……まさか、はぐれた?」

エレナ「まさか……」


487 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:24:18.42 ID:Elqc4oHU0


キャットウーマン「……」タタタタ

キャットウーマン「……」タタタタ……


キャットウーマン(……許される事ではない、わよね)

キャットウーマン(……でも、それでも)


キャットウーマン「愛してるわ、ブルース」タタタ……


488 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:24:48.73 ID:Elqc4oHU0



………………


メイヴ「……あの女からの連絡だと、やっぱり南側に本命が出て来たんだって。どうする、クーちゃん?」

クーフーリン「……フン、北を囮に使ったのか。イカれたヤツが居たもんだぜ……俺が潰しに出る」

メイヴ「そう来なくっちゃ。じゃあ私も出るわね!」

クーフーリン「来ても良いが、足手まといにはなるんじゃねえ。全員、槍の準備をしろ」

ケルト兵達「「「……」」」ガシャリ

クーフーリン「……殺戮の時間だ」スク……



489 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:25:17.77 ID:Elqc4oHU0



………………

太陽「」ジリジリ……


エリザベート「……っ、奴が拠点から出て来るわよ」

デッドショット「よし、伏せろエリザベート。狙撃する」

エリザベート「本当にここから狙撃できるの? 遠いし、何より……射線が通ってないと思うけど」

デッドショット「射線を通す必要はない。跳弾角度の計算、弾速、威力と不意討ちが最高のパフォーマンスを発揮するのはこの屋上だ」カチャリ……


デッドショット(ここから撃つ。クーフーリンとかいうクソ野郎の頭に一発風穴を開いてやる……)

デッドショット(向こうからこちらは視認不可能。対してこちらは、町の中の各所に隠したミラーのおかげで全部見通せる……)

デッドショット(お前の墓場はここだぜ、クーフーリン。要人を殺したのは一度や二度じゃねえ。お前も、俺の呪われた功績に仲間入りさせてやる)


(((パパ)))


デッドショット(……黙れ、黙れ、今だけは! 俺だって黙っていられるか! 他人に理不尽を押し付けてきた事は知ってる! それでも、俺にだって意地がある……!!)カチャ……


490 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:25:48.18 ID:Elqc4oHU0



エリザベート「……ねえ」

デッドショット「何だ」

エリザベート「震えてるわよ、デッドショット」

デッドショット「……」


デッドショット(……)


デッドショット「……お前なら撃てる、そう言ってくれるか? 頼む」

エリザベート「……」

デッドショット「……」

エリザベート「……大丈夫よ、デッドショット。アンタなら撃てるわ」

デッドショット「……ありがとう。すまねえ」


デッドショット(……ごめんな)



491 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:26:16.50 ID:Elqc4oHU0



 小さなミラーに、ケルト兵達を引き連れて城から現れる大男が映った。右手に持った朱色の槍、左手に持った緑の槍。それは間違いなく、ケルト兵の王、クーフーリンであった。デッドショットは瞬間的に沸騰しかけた怒りを無理に鎮め、深呼吸してスコープを覗き込む。


 スコープの中、拡大された狙撃ポイントは、民家の壁にかけられた仮面だ。あれが第一跳弾ポイント。クーフーリンが狙い通りのポイントに差し掛かった瞬間、撃つ。準備は完璧。あとは自分との戦いだ。


 フロイドはトリガーに指を掛け、息を殺してその瞬間を待った。ひりつくような太陽が容赦なく照りつけ、彼の思考を陽炎に変えて立ち昇らせる。集中力を高める必要がある。彼は狙撃の瞬間、心を落ち着ける記憶に浸る。娘との、ひと時の記憶に。その瞬間、彼は真に狙撃手足りうる。だからこそ、その瞬間、彼は謝罪する。


(ごめんな)


 指がトリガーを引く……その時、デッドショットの目は信じられぬものを捉える。小さなミラー越しにクーフーリンが振り向き、フロイドをまっすぐ見据え……にやりと、笑ったのだ。脳からの電気信号は止まらず、指がたたまれ、サイレンサー付きの銃口から弾丸が飛び出した。


 仮面に銃弾が当たり、跳弾。家屋の壁に当たり、跳弾。弾丸が標的に到達する僅かの時間に、デッドショットは自分の敗北を悟った。奴はこちらの狙撃に勘付いていた。この一撃は、防がれる……


 果たしてその通り、小さなミラーの中、人外じみた柔軟性で振り返ったクーフーリンは飛び来た銃弾を槍で弾いた。そのまま周囲のどよめきを置き去りに、槍を投げる体勢に入る。


(逃げねえと)


 逃げて、何処へ? 一種の自殺願望じみた思考が、デッドショットの思考を鈍らせた。ここで死ねば楽になれる。地獄のような現実ともおさらばだ。このまま、アイツが投げた槍に、胸を貫かれてしまえば……


 クーフーリンは槍を投げた。それは二者の間にあった建物を次々に突き破り、あっという間にデッドショットの目の前に飛来した。デッドショットは、フロイド・ロートンは、静かに目を瞑った。これで死ねる。娘を傷付けずに済む。


 だがその瞬間はいつまで経ってもやって来なかった。デッドショットは頬に散った生温かい感触に、ゆっくりと瞼を開いた。


 彼の目の前、小さな背中から朱色の槍が飛び出していた。ドラゴンのような尻尾が苦しげに動く。

「エリザベート?」


 死の高揚から引き戻されたデッドショットは、ひきつる喉から声を絞り出した。


492 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:26:47.62 ID:Elqc4oHU0




 か細い声に、エリザベートは振り返り、笑って返そうとした。代わりに口から血が溢れ、屋上を濡らす。


「エリザベート、お前、」
「なんて顔、してんのよ」


 おのれを強いて笑みを浮かべ、エリザベートはさらに咳き込み、吐血する。生々しい血の色が屋上に広がって行く。デッドショットは真っ白になった頭で、とにかく行動を起こそうとした。

「掴まれ、逃げるぞ」
「ええ、ええ……逃げて、ゴホッ」
「馬鹿言うな、お前も逃げるんだ」

 自分の声が何処か遠く聞こえるのを感じながら、エリザベートを抱え上げる。フロイドはこの白昼夢のような現実感のない光景に、必死になって追い付こうとしていた。

「大丈夫、大丈夫だ」

 大丈夫ではない。

「絶対に助けるぞ」

 コイツはもう、助からない。

「だから、生きるんだ。分かるな」

 コイツは、死ぬ。


「情け、ないわよ、デッドショット」
「そうだな、そうだ……もっと軽口を叩け、お前が治った時に倍にして返してやる」


 彼は走った。ケルト兵の追撃が途中に何人か来たが、反射的に撃ち殺し、走った。そうして、彼は極力背中のエリザベートから目を逸らした。彼女が致命傷を負った事実を受け入れられなかったのかもしれない。


 デッドショットは街はずれの岩陰まで走り、ようやく止まった。その時、エリザベートの鼓動はもはや、殆ど感じ取れないほどに弱まっていた。



493 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:27:23.18 ID:Elqc4oHU0



デッドショット「……エリザベート、聞こえるか。エリザベート」

エリザベート「……聞こえてるわよ」

デッドショット「……なあ、逃げ切ったぞ。悪かったな、ヘマして。次は絶対成功させる」ギュッ

エリザベート「……本当、駄目ね。アンタは、アタシが居ないと……」シュウシュウ……

デッドショット「そうだな。その通りだ。なあ、お前は良くなるからな……」ギュゥ……

エリザベート「……」シュゥゥゥゥゥ……

デッドショット「待て、エリザベート、待て……待て、待ってくれ」スカ……

光の粒「」フワァ……

デッドショット「…………頼む……」ギリィ



494 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:27:52.16 ID:Elqc4oHU0



………………


メイヴ「……どうする? 追撃、もっと出す?」

クーフーリン「フン、下らねえ。……だが危険だな。万が一あの狙撃手が戻って来て『アイツ』を解放でもしたら、俺達がこの世界を滅ぼすのはかなり難しくなる」

メイヴ「それじゃあ、どうする?」

クーフーリン「俺は戻って拠点を守る。テメェはあの女と合流して攻め込んで来る勢力を叩け」

メイヴ「分かった。気を付けてね、クーちゃん」

クーフーリン「何にだ?」

メイヴ「……ふふ、心配する必要ないわね。あのクーフーリンだもの」

クーフーリン「フン……」ザシザシ


495 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:28:20.35 ID:Elqc4oHU0



クーフーリン(……余計だ。全部余計だ)

クーフーリン(余計なモンばっかりだ。壊さねえと、邪魔で見えやしねえ)

クーフーリン(壊して、終わらせりゃあ、見えて来る)

クーフーリン(俺が誰なのか)


496 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:28:47.42 ID:Elqc4oHU0



………………


バットマン「……」ダダダダ……

マシュ「……」ダダダダダ

ビリー「……」タタタタ

ラーマ「……」タタタタ……チラッ

シータ「……」タタタタ……ハァ

ジェロニモ「……」ダダダ……

マシュ「……」ダダダダ……



マシュ(……不信感だ。皆今まで、マスターを信じてついてきたけど……ここで、信じられなくなってる)




ナイチンゲール「……ブルース」ユッサユッサ

バットマン「喋るな、フローレンス。回復に専念しろ」

ナイチンゲール「大事な話です」

バットマン「……」ピタリ


全員「「「……」」」ピタッ



497 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:29:19.68 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……なんだ」

ナイチンゲール「今まで私は、目的のためなら命を投げ出す事もいとわない覚悟でした。この世から怪我や病気で苦しむ人を無くせるなら、この命ひとつ、惜しくなどないと」

バットマン「……」

ナイチンゲール「ですが、今、この背に命を置き去りにして……私は悩んでいます。答えて下さい、ブルース。ある目的のために命を犠牲にする事は、果たして正しいのですか?」

バットマン「……」

ナイチンゲール「……」

ビリー「……」

ラーマ「……」

シータ「……」

ジェロニモ「……」

マシュ「……」



498 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:29:48.49 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……正しくなどない。それは自己満足だ。残された者の気持ちを考えない、最悪の手だ」

マシュ「!!」

バットマン「私にはまだ、よく分からない。だが、いかに命を犠牲にする選択肢が容易で、そして確実であったとしても……それは、取るべき行動では決してない」

ジェロニモ「……」

バットマン「……人は、本当に死ぬからだ。それも簡単に」

マシュ「……」



499 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:30:16.73 ID:Elqc4oHU0



ビリー「……うん、やっぱり」

バットマン「何だ」

ビリー「キミについてきて良かった、って思うよ」

バットマン「……?」

ラーマ「ふふ、余の人を見る目に狂いはなかったという事だ」

シータ「不器用な方なんですね」クスクス

バットマン「何の話だ?」

ジェロニモ「まあ、なんだ。今の話を聞いて思ったが、お前ほどの男が無策で敵に本陣を明け渡すハズがない。何か策を施して来たんだろう?」

バットマン「……何故分かる」

ジェロニモ「キミは、ふふっ……なんというか、鈍い男だな」

バットマン「どういう事だ……?」


500 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:30:44.75 ID:Elqc4oHU0



マシュ「……」


マシュ(……やっぱり、マスターはマスターですね)クス


ナイチンゲール「……お答えいただき有難うございました。参考にします」

バットマン「何故今その質問を?」

ナイチンゲール「さあ、自分の胸に手を当てて考えてはいかがですか?」

バットマン「……」



501 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:31:18.03 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……時間が無いんだ。行くぞ」

マシュ「はいっ!!」

ビリー「うん!」

ラーマ「ああ!」

シータ「はい!」

ジェロニモ「おうとも!」

ナイチンゲール「よろしくお願いします」


バットマン(何故士気が高まった……?)


502 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:31:50.33 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……見えたぞ、あれが」

マシュ「あれがケルト兵の本拠地の……町、ですか?」

ナイチンゲール「どうやら町単位で拠点にしているようですね」ヒョコ

ラーマ「うん? ……むむ、あれは、セリーナ?」ジッ

バットマン「……」




キャットウーマン「……来たのね」

メイヴ「ああ、ようやく来たの? 遅かったわね……それじゃ兵士たち、歓迎の準備をしなさい!」

ケルト兵達「「「!!」」」ザザザザザザ……



503 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:32:17.74 ID:Elqc4oHU0



バットマン「セリーナ」

キャットウーマン「こんにちは、ブルース。その顔、この展開は予想済みだったかしら?」

バットマン「我々の中に裏切り者が居る事は分かっていた。……キミだったようだな」

キャットウーマン「ふぅん、あんまり驚いてないのね」

バットマン「全員が裏切る予想は立てていた。その予想の内のひとつになっただけだ」

キャットウーマン「……相変わらずねえ」


504 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:32:46.46 ID:Elqc4oHU0



ケルト兵達「「「……」」」ザザザザザ……


マシュ「マスター、まずいです。囲まれました」ガシャリ

バットマン「……」

キャットウーマン「そう、私よ。南を少数精鋭で突破すると分かったから、ケルトにその情報を流したの。だから南にデスストロークを配置できたし、数の暴力で突破して本陣まで攻撃を及ばせる事もできた。……でも、スレイドは失敗したみたいね」

メイヴ「あら、それだけじゃないでしょ? ヴィランストリートが手薄になる時期まで知らせてくれて、ホントに助かっちゃったわ」

キャットウーマン「……」

バットマン「……」

キャットウーマン「……何か言ったら? バットマン」


505 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:33:15.35 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……分からないのは、セリーナ。キミが何故、ケルトの側についたのか、だ」

キャットウーマン「……」

バットマン「武力の差か? ……違う。キミはそんな考えで動く女ではない。ではキミを動かした理由は、何だ。キミの行動には、いつも何かしらの善意が、ひとかけらだけでも含まれる。たとえその善意が間違いであっても」

キャットウーマン「……はあ。本当に、何でもお見通しよね」

バットマン「……付き合いが長いからな」



506 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:33:42.36 ID:Elqc4oHU0



キャットウーマン「そうね、武力の差じゃないわ。でも、お宝目当てでもない。私がこっちについたのは、私の願いのため」

バットマン「願いだと?」

キャットウーマン「……小さな願いよ。くだらない、馬鹿らしいほどの」

バットマン「……」

キャットウーマン「……あなたの両親が殺された過去を、消したいの」

バットマン「……!!」


507 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:34:09.21 ID:Elqc4oHU0



マシュ「なっ、それは……!」

キャットウーマン「自己満足? 私の我儘? そうでしょうね。分かってるわ、マシュ。でも」

キャットウーマン「……でも、惚れた男の、悲惨な幼少期を消して、幸せに過ごして欲しいなんて、そんなにおかしな願いかしら?」

マシュ「……っ」

キャットウーマン「……あなたになら分かるでしょう、マシュ? あなた、ブルースの事を心から慕ってる。『あの人』から聞いたでしょ? それとも見せられたかしら? ブルースの両親が殺されたのを」

マシュ「……」

キャットウーマン「……ねえ、こっちに来て。大丈夫、あなたのマスターは殺さないわ。今より幸せな記憶の中で、生き続けるだけ……」

バットマン「マシュ」

マシュ「っ」

バットマン「愛と哀れみを履き違えるな」


508 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:34:36.62 ID:Elqc4oHU0



キャットウーマン「……」

バットマン「セリーナ。私は確かに不幸だったかもしれない。両親を生き返らせて欲しいと願った事も、一度や二度ではない」

マシュ「……」

バットマン「……だが、私は今、この状況に感謝してすらいる。私はカルデアに来て、ドクターに、レオナルドに、所長に、職員達に、マシュに出会えた。その今を哀れむ事など、誰にも許さない」

マシュ「……マスター」

キャットウーマン「……そう」

バットマン「私は戦う事を知らない腑抜けではないぞ。……お前こそ、こちらへ戻って来い。セリーナ」

キャットウーマン「ムリよ。まだ諦めきれていないわ」

バットマン「なら、その願望ごとお前達を叩き潰す。行くぞ」

マシュ「はい!」

ビリー「よし!」

ラーマ「いくぞ!」

シータ「はいっ!」

ジェロニモ「ああ!」

ナイチンゲール「ブルース、降ります」

バットマン「まだ駄目だ」

ナイチンゲール「ブルース」

バットマン「駄目だ」

ナイチンゲール「……」グググググ……

バットマン「……駄目だ」ギギギギ……



509 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:35:09.76 ID:Elqc4oHU0




………………


デッドショット「……」


デッドショット(……いつまで座ってるつもりだ、馬鹿野郎。立て。エリザベートは死んだ。お前は生きるんだ)

デッドショット(怒り? 怒りはない。無力感だけがある。俺の自殺願望で人が死んだ。止める事もできなかった)

デッドショット(……生きる事への、最も強い原動力はなんだ? 人はどうしたら生きられる?)

デッドショット(俺の命は、何故まだ途絶えていない?)

デッドショット(俺は立てるのか?)



510 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:35:40.11 ID:Elqc4oHU0



デッドショット「……」スクッ


デッドショット(ああ、立てた。僥倖だ。なら次はもっと簡単だ。戦え)

デッドショット(怒りはない? ないだと? 大嘘だ。立てば、湧いて来る。足元がぐらつく溶岩になったみてえだ。怒りで全身が熱い。燃えるようだ)

デッドショット(自分への怒り? クソ喰らえ。今まで散々理不尽を押し付けて来て、今更殊勝に自分を省みようってのか。俺は悪党だ。デッドショットだ。フロイドじゃねえ)

デッドショット(クソッタレのケルト兵共め、目にもの見せてやる。お前らが奪ったエリザベートの命、取り戻すまで鬼になるぞ)


デッドショット「殺してやる」カチャリ



511 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:36:09.26 ID:Elqc4oHU0



………………


マシュ「はあっ、はあ……!!」ガシャリ

ラーマ「くっ、なんという……!!」ギリィ


キャットウーマン「……もう無理、ね。逃げなさい、メイヴ」シュウシュウ……

メイヴ「あら、どうも。それじゃあ失礼するわね」タタッ

キャットウーマン「……」フッ

バットマン「待て! ビリー、逃がすな!」

ビリー「よーし、狙い撃ち……」カチャリ

ケルト兵B「!!」ババッ

ビリー「ってもう、邪魔だなぁ!」ドォン!!


バットマン「くっ……」ダダッ

キャットウーマン「行かせないわよ」バッ



512 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:36:38.58 ID:Elqc4oHU0



バットマン「……」スッ

キャットウーマン「結局、人なんて何処まで行っても『自分のため』よ。本物の愛がこの世にあると思ってる?」シュウシュウ……

バットマン「問答か。似合わないな、セリーナ」ジリッ

キャットウーマン「答えて、バットマン。貴方は本気でこの世界を救うの? どうしようもないほど不平等で、汚れきっていて、救いようのない世界なのに」シュウシュウ……

バットマン「救う。私の両親が愛した世界だ」


バットマン(そして、カルデアの皆が愛した世界だ)


キャットウーマン「貴方は頑固ね。意地でも自分を見ようとしない。本当に助けが必要なのは貴方よ、それに気づかないと……」

バットマン「……その通りだ」

キャットウーマン「……え?」



513 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:37:13.32 ID:Elqc4oHU0



バットマン「私には何も分からない。暗闇の中を手探りで進んでいるような感覚だよ、セリーナ。こんな事は、初めてだ」

キャットウーマン「……」

バットマン「……いつかまた、私の『家族』は死ぬのだろう」

キャットウーマン「なら……」

バットマン「だが、それでも、私はもう躊躇いはしない。私は怪物ではない、セリーナ。人間なんだ」

キャットウーマン「……」

バットマン「……必ず、世界を、救う」

キャットウーマン「……ふふっ」シュウシュウ……



514 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:37:41.73 ID:Elqc4oHU0



キャットウーマン「……なら、お行きなさいな。頑固なのは変わらないんだから」

バットマン「……」

キャットウーマン「……そこの女の子、マシュって言ったかしら?」シュウシュウ……

マシュ「え? は、はいっ!」

キャットウーマン「よろしく頼むわね」シュゥゥゥゥゥ……

マシュ「……はい!」


515 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:38:09.82 ID:Elqc4oHU0


………………

デッドショット「……」ダダダ……


デッドショット(? なんだ、あの集団は)


盾の少女「」シュバッシィィィ!!

赤い服の看護師「」ゴォォォォッ

赤髪の少年「」ズバァッ!!

赤髪で目がハートの少女「」シュババババ……



デッドショット「……」


デッドショット(笑ってくれ、エリザベート。お前が死んだショックで妙な幻覚が見え始めた)



516 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:38:37.60 ID:Elqc4oHU0



バットマン「? あれは……」ピタッ


デッドショット「……」


バットマン「……フロイド?」

マシュ「すみませんマスター、今は戦っているので集中を!」

バットマン「あ、ああ、すまない……」バシィ!!

ケルト兵F「!?」ドシャァッ


バットマン(まさかマシュに集中を指摘されるとは……気が逸れた。疲れているのか? まさかな……)


デッドショット(ああ、バットマンの幻覚まで見えやがる。クソッ、俺はとことんショックを受けたらしいぜ、エリザベート……お前の声が恋しいよ)


517 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:39:05.86 ID:Elqc4oHU0



デッドショット(けど、こんなところで止まってる時間はねえ。奴らの根城の裏口から突破して、クーフーリンを暗殺する。お前の無念晴らしてみせるぞ、エリザベート)

デッドショット(全部終わったら俺も自殺する。地獄に落ちる。……それで許してくれとは言わねえよ。けど、俺は満足だ)

デッドショット(まあ、自殺なんざするまでもなく、死ねそうだけどな……)タタッ



バットマン(……行ってしまった。まさか私は、連日荒野を歩き続けて、暑さで脳がやられたのか……?)

バットマン(ああ、駄目だ。自己不審に陥るのは良くない。だがまさか、デッドショットの幻覚とは……)

バットマン(……)


バットマン「マシュ、お前はそこに居るな?」

マシュ「え? は、はい……え?」

ナイチンゲール「治療ですか?」

バットマン「いや……うむ……」



518 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2019/01/16(水) 01:39:44.21 ID:Elqc4oHU0



ラーマ「ブルース、ボケている場合ではないぞ! そろそろ敵の本拠地が近い!」ズバァッ

ケルト兵H「っ」ドグシャァ

シータ「そうです! しゃんとしないと駄目ですよ!!」

バットマン「あ、ああ……そうだな、その通りだ。全員陣形を組み直せ!」

ジェロニモ「ブルース、敵陣の中には三騎のサーヴァントを感知したぞ! 恐らく敵の幹部級だ!」

ドクター『おまけに聖杯反応! 大詰めだ、気張ってくれ!』

バットマン「よし……では、」

ナイチンゲール「行きましょう」スタスタ

バットマン「待て、息をそろえて……」



………………


519 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2019/01/16(水) 01:40:17.67 ID:Elqc4oHU0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。あけましておめでとうございます。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 01:28:58.44 ID:5FgaZb8G0
乙。
バットマンが人間に戻っていくのが、妙に不穏なフラグに見えてしまうのは何故なのだろうか。
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 15:22:15.20 ID:BTy6tK6A0
あけおめ乙!
デッドショットとエリちゃんの雰囲気好きだなぁ……
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 01:01:27.74 ID:StVkCVbco
良かった…家でひとりで夕食をレンジでチンするブルースさまはもういないんだね…
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/25(金) 01:56:09.40 ID:prKtt5iio

一応聞くけどキャットウーマン戦はスキップでいいのよね?
何度か戦闘無しで消滅シーンのみかと思ったら投稿忘れてた云々があるから判断に困る
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