春香「ボーダーですよっ! ボーダーっっ!」

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63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:00:27.94 ID:8PRZhv8P0


――その頃


―――玉狛支部

https://www.youtube.com/watch?v=NkhnMi-ID74


アイドルs「「「「全弾発射!!」」」」



林藤・小南・宇佐美「「「いえー!!!」」」

 

陽太郎「ぜんだんはっしゃ! 全武装とどっちがつよいかな?」

レイジ「いや……俺の全武装は、壊すしかできないからな。あっちのほうが……強い」

烏丸「レイジさん作るのも得意じゃないすか」トンカツ,トカ

烏丸「俺にはこういうの縁がないと思ってたけど……けっこう、悪くないっすね」

貴音「ふふ……少し、気恥ずかしいですね…」



林藤「ん……向こうは……そうか」

林藤「……さて、どうしたもんかねぇ」
 
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:02:50.55 ID:8PRZhv8P0


 その頃学校から少し離れた各地点に、続々部隊が集結しつつあった。

加古『加古隊、現着したわ』

東『こちら東。B級合同狙撃部隊配置完了』

三輪『三輪隊、いつでも動けます』

冬島『こちら冬島ほか一名。設置開始しますよ、と』
 
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:07:37.02 ID:8PRZhv8P0

忍田『狙撃班は体育館周辺の動きを警戒。B級近接部隊およびA級部隊は不測の事態に備えて待機』

根付「しかし、どうするんです?」

鬼怒田「うむ。人質がある以上、うかつには動かせん」

城戸「……確認した敵の数は、8だったな」


鬼怒田「武装はなかったらしいが、ステルスに使うトリオンも考えれば人数的にほぼ限界だろう」

城戸「狙撃部隊の視認できる人数は」


東『現在2名。常時、2〜3名が外部を哨戒しているようです』


城戸「……哨戒の兵は狙撃が可能、か。ブラックトリガーの本数にもよるが……空閑遊真が戦力に数えられるのであれば、敵を抑えつつ人質を救出することも不可能ではない数だな」

忍田「……城戸さん」

城戸「無論、現時点でこちらから攻めるのはリスクが大きすぎる」


城戸「……何かあれば。いつでも動けるようにしておけ」
 
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:09:45.55 ID:8PRZhv8P0


―――体育館


巡り会いたい 手を繋ぎたい♪

抱きしめあいたい 今すぐ♪


アイドルs「「「「Vault that borderline!」」」」


わああああああ!!



67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:10:20.97 ID:8PRZhv8P0


木虎「まったく……なんなのよ、これは」

出穂「なんか、フシギですね。相手近界民なのに、いっしょになってめっちゃ楽しんじゃってるじゃないすか」

木虎「…騒げればなんでもいいんでしょ。どうせ」

あずさ「あら〜…お気にめしませんでしたか…」ヒョコ

木虎「!」

修「い、いつのまに……」

あずさ「時間があれば、ほかの歌や踊りもお見せできるんですけど……きっと、気に入るものもあると思うのだけど〜」

修「いや、でも、すごかったです」


修(体の奥にひびく音……スポットライトのなかでおどる姿……)

修(しばらくの間、自分がボーダーだとか、彼女たちが近界民だとか、頭からふきとんでしまった……)

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:10:52.27 ID:8PRZhv8P0

修「その、彼女はテレビとかにもよく出ているのできっと慣れて」

木虎「んん」ゴホン

修「?」

木虎「その……悪くは、なかったです」///

修「えっ」

木虎「何」

修「あ、いや…」

あずさ「わ〜いっ、ありがとう〜」ナデナデ

木虎「なっ、なでないでくださいっ」

あずさ「ふふ……これでもうあとは、つかまってしまってもいいかしら〜」

修「えっ」

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:11:46.86 ID:8PRZhv8P0

遊真「ふむ。そういや、ライブをしに来たんだっけ」

修「い、いや、平和条約はどうなったんですか。まだ何もしてないじゃないですか…」

あずさ「……なーんちゃって」

修「……」;



あずさ「けれど……私たちの国は、昔はほかの国と交流するのも数十年に一度。こちらの世界のことなんて、おとぎ話にしか出てこないくらいだったんです」

あずさ「それを考えれば、今この時を過ごせただけでも……すごく、すごーく、ありがたいなって……そう思うんです」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:14:14.40 ID:8PRZhv8P0

千佳「………」


千佳「あの、嵐山さん……」

嵐山「ん?」

千佳「あの人たちが帰るまで、このままっていうわけにはいかないんでしょうか」

嵐山「……それは」

木虎「ムリよ」

千佳「!」

木虎「人質がいるから無闇には攻撃できない。けれど、放置は有り得ない。最悪を想定すれば、ここにゲートを開かれたらまとめてさらわれるわ」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:15:26.67 ID:8PRZhv8P0

千佳「でも、あの人たちが、みんなに危害を加えるとはとても思えないんです」

時枝「なんでだろうね。オレも、そう思うよ」

千佳「時枝先輩」

時枝「でもそれは、接してるオレたちだから分かることだと思う」

時枝「それに、彼女たちにそのつもりがなくてもそういう作戦が進行しているっていう可能性もないとは言い切れない」


千佳「……じゃあ、戦いに……」

嵐山「今、中の状況は落ち着いている。すぐにということは、ないと思うが……」

 
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:17:09.58 ID:8PRZhv8P0


―――玉狛支部


宇佐美「ホントはどうするつもりだったんです?」

律子「ステルス船で僻地から忍び込み、情報収集をしながら交渉相手を探す、というのが基本ですね」

小南「なによ、スパイ?」

伊織「密使って言ってくれるかしら」

烏丸「正面から交渉しちゃダメなんすか?」

律子「……うちの国は、ついこの前までトリガー技術は音響、映像関係特化。戦いは負け続けの奪われ続けでした」

林藤「つまり、差し出せるモノが弱い、と」

律子「はい。今は、技術レベルも上がり他国の人も増えました。けど、目を引くような新技術なんかはほとんどないんですよ」

小南「そんなんじゃ、忍び込んでも交渉できないんじゃないの」

貴音「相手の求めているものが見えれば、交渉の余地も生じます」

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:19:28.67 ID:8PRZhv8P0

律子「船さえ無事なら、最悪でも逃げることができますからね。今回は、その船が侵入と同時に見つかってしまったわけですが」

木崎「ゲート誘導装置、か」

律子「ええ。一応、対策は施していたはずなんですが。一年もすれば通じなくなっているだろうと……それにしても、いきなりの砲撃は、予想外でした」

響「っていうか、前の国から出る時イッパイイッパイで、どこへ向かってるのかも分からなかったし」

小南「ふぅん……ついてないわねー」

貴音「いえ……悪いことばかりではありません」


貴音「あなたがたにお会いすることが、できましたから」


小南「………」

烏丸「………」

レイジ「………」


陽太郎「そ、そんなバカな〜っさっきはじめてやったゲームで…」

真美「甘いよよーたろっ」

亜美「亜美たちの成長力はもうよーたろのパワーを圧倒的に上回っているッ!!」


宇佐美「ひゃー照れちゃうねー」

小南「ちょ、ちょっ、なによっ!? とりまるあんたまたなんか騙した!?」

烏丸「いやなんでですか…」

小南「恥ずかしいセリフ禁止いっ!」///

レイジ「落ち着け小南」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:20:55.89 ID:8PRZhv8P0
あ、レイジさんの表記がいきなり木崎になってるのはただのミスです
多分たまにこういうのある
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:24:04.21 ID:8PRZhv8P0


林藤「……ま、それはそれとしてなんか手ある?」

律子「向こうの艦は動けません。艦を捨てれば、私たちはもう、帰ることもプロデューサーを探すこともできなくなる」

林藤「運良く……こっちがなんかする前に直ってくれればラッキー、か」

律子「はい。一隻動けなくなってしまった時点で、私たちには取れる手がほとんどなくなりました」

林藤「……」

林藤(……直るまで待つってことはつまり、最悪連れ去られるまで待つのと同じ意味だ。それまであの城戸さんが手をこまねいて待ってくれるか?)

林藤(しかも、敵が人質を取ってるって状況は、ほとんどのヤツが未経験のものだ。この状況……何が起きてもおかしくない)


林藤『どうするよ……迅?』
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:25:12.68 ID:8PRZhv8P0


――学校周辺



米屋「しかし秀次、オレらいつまで待てばいいんかね?」

三輪「……少なくとも、冬島たち特殊工作(トラッパー)隊の設置前にこちらからは動かないだろう」

米屋「逃げられないようにしてから?」

三輪「ああ。哨戒をB級狙撃班が排除し、俺たちが突入する流れだろう」

米屋「古寺たちは?」

三輪「A級スナイパーは突入支援だ。外ならばともかく、あの人質もいる中で戦闘となれば相当腕がなければ支援射撃はできまい」

米屋「なるほどねー」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:38:34.83 ID:8PRZhv8P0

――狙撃部隊


荒船『……こっちの狙撃を警戒してる様子はない、か?』

東『全員、油断するなよ。敵はバッグワームを看破するレーダーを持っている可能性もある』

半崎『それにしちゃ、警戒してなさすぎじゃないすか?』

太一『み、見通しのいいとこにいますもんね。あの金髪の子……』

穂刈『見えないな。一人しか……』

茜『うぅ―…緊張で手が震える…わたし冷静に打てるかなー…』

モブスナ『………』

https://i.imgur.com/6f2eIi8.jpg


 狙撃手たちはいつでも撃てるよう狙いを定める。
 
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:39:11.86 ID:8PRZhv8P0

荒船(見たとこ隙だらけだ。いつでも撃てる…)

穂刈(すぐに撃てるな……合図があれば……)

半崎(バレてんなら……向こうから撃ってくるかもしれないんだよな)

太一(撃たれるかも…? 一体いつまで待つんだろう……)


スコープ越し。敵は目の前に見える。

街を壊し大切な人たちを奪った近界民。

戦いが始まればいつでも撃てる。

いつでも撃てる。


いつでも撃てる――


79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:39:48.27 ID:8PRZhv8P0
というところで今夜はここまで。戦闘までいけなかった(
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 23:40:32.38 ID:8PRZhv8P0
次回は多分明後日の夜

意見感想要望等あらばくれたら次回以降で反映されるかもです
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 20:39:27.67 ID:zFn7rIdb0
ちょっと忙しくなったので次回は火曜夜に
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 05:11:51.28 ID:zHN1sxHlo
雪を滑る方かと思った
83 :ぱくり屋 ◆zfDCN0YmXY :2018/11/28(水) 22:47:02.19 ID:QsUAHMuA0
>>82
それもありかもしれない
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 22:47:33.89 ID:QsUAHMuA0

―――体育館



千佳「……修くん。なんだか、嫌な感じがする……」

修「……嫌な感じ?」

嵐山「中はみんな、元気そうだが――」

ボッ!

何の前触れもなく。体育館の端の壁が小さく破れ、床に穴が空いた。

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 22:49:19.99 ID:QsUAHMuA0

 静まり返る体育館。

 誰もケガはない。追撃もない。

 それでもこれは――


修「今の……は……」

嵐山「バカな!」


 開戦の狼煙に相違ない――


86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 22:51:39.18 ID:QsUAHMuA0


――本部


根付「発砲!?」

忍田「バカな!!」

東『なんてことを…!なぜ撃った!!!』

モブ『ご、誤射です…! すっ、スイマセンッ…!』

 放たれた一発の弾丸。震えのためか、誰を狙うでもなく放たれたそれはただ体育館の端に吸い込まれた。

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 22:58:50.49 ID:QsUAHMuA0
 
城戸「………不本意だが」

忍田「!」

城戸「こちらから手を出してしまった以上報復の可能性がある」

忍田「っ城戸さん………まさか……!」

城戸「ただちに突入の必要があると認められるがどうか? 本部長が必要ないというのであれば、その判断は尊重するが」

忍田「く……!」

忍田(……いや、今は詮議している時間はない)

忍田「…やむをえまい」
 
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:02:02.88 ID:QsUAHMuA0


――学校周辺



東『本部から命令が下った。3カウントで一斉に撃つぞ』


2…

1…

美希「アステロイド!」

 美希の掌に浮かんだトリオンキューブが、無数に分かれ四方に放たれる。

太一「な……!」

 今まさに撃とうと美希を見ていた太一の目に、迫るアステロイドが見え――

ドンッ

太一「がっ」

 逃げ出す間もなく、光弾は容赦なく頭部へと突き刺さった。
 
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:05:09.21 ID:QsUAHMuA0

 彼だけではない。

 学校の周囲のあちこちで破裂音がなり、次々とボーダー本部に隊員たちが強制脱出させられていく。
 弾速を優先したアステロイドは、今まさに撃とうとした彼らに防御する暇さえ与えなかった。



荒船『穂刈、半崎、無事か!』

 元アタッカーである荒船は、瞬時の判断で撃つのをやめ、なんとか攻撃をかわしていた。


半崎『無事……じゃないすね。利き腕もってかれました』

穂刈『やられた。足だ……』

 先だっての大規模侵攻において、荒船隊は同じような状況を経験していた。その経験がとっさに回避を選ばせ、かろうじて直撃は免れたのだ。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:08:06.12 ID:QsUAHMuA0

穂刈『あるいは、動けないが……向こうが仕留めたと思っていれば』

 直後、荒船と半崎の耳に破壊音が届く。
 必死に逃げだしていた半崎は、苛立ちのままに片腕で銃を構え直した。

半崎「クソッ、やってやる!」

 戦闘体の指が引き金を引く前に、追撃が彼を葬り去った。


沢村『なんてこと……』

 狙撃手たちの混乱は相当だが、俯瞰で見られる本部といえど落ち着いてはいられなかった。

城戸「……やってくれる」

 分裂したアステロイドの一つ一つが、狙いを定めたハンターたちを的確に捉えていた。
 初撃で約三分の一が緊急脱出し、生き残っていた者に順に追撃が放たれていく。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:14:06.60 ID:QsUAHMuA0
 
東『荒船! 太一! ……く…』

 生き残っていた者のなかに、彼もいた。
 彼の場合、撃つ寸前、経験から感じた嫌な予感に救われていた。

モブ『東さん、動いても動いても、敵は、わああああああ!!』

 スナイパーの先達である彼を頼るB級の悲鳴が響く。

東『各員、目の前で敵が撃ってきていると思って動け!』

 言いつつ、眉根に皺が寄る。

東(そんな簡単じゃないか……)

 本来スナイパーは、隠れ潜んでいてこそだ。
 トリガーも、有効射程が長い代わりに重さもあり取り回しは悪い。

 まして、現状は目の前で撃ってきているどころかこちらが向こうを捕捉した時にはもうこちらが撃たれているといった状況なのだ。

東(一か八か)

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:18:07.06 ID:QsUAHMuA0

 不規則な軌道を取りながら、東は建物の外へ、見通しの良い校庭へと飛び込んだ。


美希「あは、こんにちは」

荒船「よう、東さん」

 一足先に、荒船が美希と対峙していた。

荒船「狙撃手は相手に見つかったまま戦ってはいけないんじゃなかったっけ?」

 軽口をたたく荒船は弧月を構えている。既にスナイパーとしての戦いは諦めたらしい。

東「……場合によるさ」

荒船「構えるハシから撃たれるくらい見つかりっぱなしじゃあな」

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:20:38.34 ID:QsUAHMuA0
 
美希「スナイパーさん相手にちょっとずるいけど、二人とも強そうだし、ごめんね」

キィン

人見『東さん』

加賀美『荒船くん!』


人見・加賀美『『伏せて!!』』

 とっさに身を伏せた東の、荒船の頭上を越えて、やや遠距離から弾丸が無数に飛び込む。

美希「やん」トッ

 美希は下がり気味にそれをかわした。
 

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:25:46.45 ID:QsUAHMuA0

https://imgur.com/37YYcYZ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:43:10.13 ID:QsUAHMuA0

美希「一時退却!」


 砲火の撃ち手は、控えていた部隊の銃手、射手たち。

忍田『全員突入! 人質の安全を最優先に行動せよ!』




三輪「近界民……排除する」

米屋「ひゅーこういうシチュ初めてだな」


来馬「鈴鳴第一、いきます」

加古「ほら双葉、出るわよ」

柿崎「柿崎隊、行くぞ!」

https://imgur.com/OsdctmS
https://imgur.com/u3uOFMV
https://imgur.com/tLNPYIm

 突入に装甲車など要らない。彼らは戦闘体。

 彼らは、ボーダーだ。




96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:47:42.89 ID:QsUAHMuA0

 突入していく仲間たちを遠目に見守る影。

奈良坂『B級スナイパーはほとんど全滅か……』

古寺『やっぱり、距離ですかね?』


 奈良坂と古寺は、そもそも攻撃すらされていない。
 学校全域をカバーするように合同部隊として配備されたB級のスナイパーたちとは異なり、A級の彼らは自部隊の掩護に徹するべく自由に動くことができた。
 ゆえに、狙撃への自信と巻き添え被弾を避けるためB級より離れた位置に待機している。

奈良坂『おそらくな。レーダーかサイドエフェクトか』

古寺『それにしても、かなり広範囲、しかも正確。厄介ですね』

 
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:50:30.52 ID:QsUAHMuA0


―――体育館


 和やかな雰囲気は完全に消え、不安と戸惑いがうずまいている。

小鳥『来るわよ! みんな急いで』

 時間はない。もう間もなく戦いになるだろう。


修「本部! 応答してください本部!!」

春香「あっ、ごめんなさい、通信は妨害させてもらっちゃってます」

木虎「そんなことが…」

春香「ここのそばだけですけど、音や映像の技術は私たちの得意分野なので……」

千早「この期に及んでは、説得も難しいでしょう」

修「……っ、それは……」

春香「やよい、あとはお願いね」

やよい「はいっ!」
 
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:53:10.59 ID:QsUAHMuA0

やよい「みなさん! できるだけ真ん中に集まってください! おっきいシールドを張りますけど、広がると弱くなっちゃうので」

千早「春香、南側を」

春香「オッケー!」

修「な、中に残るのは一人だけですか…!? ぼくらへの警戒は……」

千早「…私たちに余分な戦力は、ありませんから」



副「なあ、どういうこと…?」

佐補「ボーダーが、人質がいるのに攻撃してきたの…?」

嵐山「……副、佐補…………」

99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:00:24.36 ID:ixIfeSxV0

空閑「どうする、修」

空閑「フツーに考えたら、おれたちもあいつらと戦わなきゃだな」

出穂「そんな!? だってこんなん、どうしたってうちらが悪者じゃないすか」

千佳「修くん」

嵐山「………」


修「ぼくは……」


修(ここで城戸指令を敵に回すようなことをすれば……遠征部隊に選ばれる可能性が、下がるかもしれない)

修(麟児さんのことや、さらわれたC級隊員たちを取り戻す。そのためには)
 
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:03:35.92 ID:ixIfeSxV0


修「彼女たちとは戦わない。人質を守る。そのためなら、戦闘をやめないボーダー隊員とでも……!」

やよい「え……」


出穂「メガネ先輩! 意外と大胆ですね」ニシ

遊真「ムチャがうちの隊長の売りだからな」+


修(ぼくがここで自分を曲げてしまえば、ぼくの行動が一因でさらわれたC級隊員たちに……)

修(それ以前に。一度でもそうしてしまったら、弱いぼくはきっとそこまでたどりつけない)

101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:07:34.31 ID:ixIfeSxV0

千佳「嵐山さんたちは……」

修「…嵐山さん」

 緊張の面持ちの修らに、嵐山は頬を緩めた。

嵐山「通信ができないんだろう? 俺たちは、本部長の最後の命令に従うだけさ」


嵐山「人質の安全を最優先! 中は守るぞ充、木虎」

木虎「……ま、見捨てられたのかはともかく。こんな雑なやり方、見過ごせないわね」

時枝「三雲くん、トリガー、借りられるかな?」


美希「ヤマアラシー、はいっ」

 体育館に駆け込んできた美希が、嵐山に何かを投げた。

嵐山「これは……!」パシ

やよい「美希さん」

美希「いったん下がりついでに隊長から予備のトリガー預かって来たよ」

嵐山「……いいのかい? そんな簡単に信用して」

あずさ「うふふ、おたがいさまですよ〜」

美希「美希たち外で止めるから、もし入られちゃったらよろしくねー」
 
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:09:39.48 ID:ixIfeSxV0

 
 その頃玉狛支部にも、交戦開始の報が届いていた。
 慌ただしく集合したバンナムのメンバーが、支部を出て行こうとしている


林藤「出られると、見つかった場合うちも追って交戦しなきゃならないんだけど」

律子「ごめんなさい……それでも」

伊織「私たちは数では勝てない。人質無視で来られたら、時間の問題よ」

響「自分たちが外から攻撃したら、まだ敵がたくさんいるかもって思うかもでしょ?」

貴音「キザキ殿……プロデューサーのお話し、ありがとうございました」

レイジ「……」


亜美「じゃーねん、よーたろっ」

真美「生きてたらまた会おうぜっ」

陽太郎「なっ、なっ、死ぬなんて、許さないからな!」

 
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:14:44.42 ID:ixIfeSxV0


 学校では、先頭の部隊が無人の校庭を駆け抜けようとしていた

 しかし――

巴「うわ!」ザン

 地面に隠されたトリオンブレードが柿崎隊を足止めする。

柿崎「トラップか!」

照屋「このくらい…」

 そこへ体育館から、雪歩が姿を現した。

雪歩「さ、さがってください〜〜〜〜」ガシャン

巴「げ」

ドドドドドドドド

 強化アステロイドを射出する回転式機関砲型のトリガーが校庭を掘り起こす。

 
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:18:25.60 ID:ixIfeSxV0

柿崎「下がっ――かたまれ!!」

巴・照屋「「シールド!」」

 とっさに身を寄せ合いシールドを張るも、瞬く間にひび割れていく。

柿崎「間に合え…!」

ボン!

 メテオラで背後に穴を開け、そこに隊員ともども飛び込んだ。

柿崎「く……そ、無事か?」シュゥゥ…

照屋「無傷ではないですね」シュー…

巴「そう簡単にはすすめなさそうです…」

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:25:05.85 ID:ixIfeSxV0

荒船「うおおおお!」

美希「おっと!」ギィン

荒船「っ」

 柿崎隊が引きつけた隙に雪歩に向かって飛び込んだ荒船。駆けこんだ美希が弾き飛ばす。

雪歩「ごめんなさい…!」

荒船「くっ」バッ

 前は間に合わない。

 とっさに背をむけ逃げ出すが――

荒船(逃げ込む先がねえ――)


┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

荒船「くるまっ」バキン

ドン!

 ついに荒船のシールドは壊れ、戦闘体もそれに続いた。

 
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:31:40.21 ID:ixIfeSxV0
 
当真『ち』
 
 先程から彼方から隙をうかがっていたスナイパーランク一位、当真勇。
 しかし、雪歩の攻撃が起こす土煙で視界は埋まっていた。狙撃は困難だ。


 別の地点では、奈良坂と古寺も同じく歯噛みしていた。


春香「いきますっ」ポン

ドン!

米屋「あぶねっ!」

 ロケットランチャー型のトリガーから打ち出されるのは強化炸裂弾。
 三輪隊を狙って放たれたそれは余波だけでB級を一人強制脱出させた。

 更にこちらも土煙が大きく上がる。

奈良坂『さすがに……馬鹿じゃないな』

古寺『遮蔽物のない戦場も、これを計算してのことみたいですね…』

 グラウンドという遮蔽物の少ない戦場で、狙撃を警戒するのは当然と言えよう。

 
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:35:14.75 ID:ixIfeSxV0


 那須隊の前には、あずさが立ち塞がった。

あずさ「いかせませんよ〜」

那須「そうもいかないわ……」

 互いに数十のアステロイドを浮かべる。

あずさ・那須「「アステロイド!!」」

ビュオオ

月見『陽介くん! 流れ弾いくかも!』

米屋「うわっち、マジか!」

 とっさに跳んだ米屋の足元をが光弾が抜けていく。

 砂煙が、連携や流れ弾の確認を困難にしていた。

 
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:41:05.54 ID:ixIfeSxV0
中途半端だけど…まぁこの辺まででいいか。次は明日の夜か土曜
誰も見てなくとも書ききるは書ききる
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 01:02:46.43 ID:lJjmWmiio
urlは拡張子つけてくれ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 08:27:49.54 ID:JWzTqK9qo
基本的に高校生までの年長者に対しては先輩呼び大学生以上はさん付け
それがワートリの基本だぜ
そこら辺がちょっと惜しいな
もちろん例外も多数ある
例 修は風間に対して先輩呼び(高校生だと誤認していると作者示唆されている)
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 14:15:16.64 ID:jqmrJFO3O
あれ、どっかミスってました?
ワールドトリガーは俺/おれの使い分けとか呼称にこだわりある感じだから自分で呼称表作ったりある程度気を使ってたんだけどな

単純なミスなら自サイトにあげるとき修正するんで指摘もらえると嬉しいです
112 :ぱくり屋 ◆zfDCN0YmXY [sage]:2018/11/30(金) 20:20:57.32 ID:E+EL8HOw0
>>109
指摘感謝ー
今更意味ないかもだけど一応各リンク張っときます
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:22:10.06 ID:E+EL8HOw0
>>1
https://i.imgur.com/OmDaCfF.jpg

>>8
https://i.imgur.com/GNsYabu.png

>>10
https://i.imgur.com/oeRiOlh.jpg

>>17
https://i.imgur.com/k1GJXd6.jpg

>>24

https://i.imgur.com/kokfUPL.jpg

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:22:36.35 ID:E+EL8HOw0
>>25
上二つ
https://i.imgur.com/51m6ppw.jpg
https://i.imgur.com/0wU4Nu8.jpg

>>34
https://i.imgur.com/7qSavrA.jpg

>>40
https://i.imgur.com/EHSF4Bh.jpg

>>94
https://i.imgur.com/37YYcYZ.jpg

>>95
https://i.imgur.com/OsdctmS.jpg
https://i.imgur.com/u3uOFMV.jpg
https://i.imgur.com/tLNPYIm.jpg
115 :ついでに【続き】投稿 :2018/11/30(金) 20:33:25.01 ID:E+EL8HOw0


那須(敵も同じようなトリガーだと……ランク戦みたい。変な気分ね)

那須「メテオラ」

あずさ「あらあら〜」ヒュパ

あずさの姿が掻き消える。

那須(テレポーター…!? でも――)

那須は焦らなかった。
この開けた戦場、那須ほどの射手ならば出現先へ向けてなぞる攻撃ができる。


那須(視線の先……数十メートル!)
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:34:41.80 ID:E+EL8HOw0

那須「バイパー!」

 市街地を破壊しないよう地面に向けて曲げつつ放たれたバイパーは、しかし空を切った。

那須(いない!?)

熊谷「玲!」

ドドッ

那須「っシールド!」

バキャン

あずさ「あらあら〜」

 視線の先から外れた斜め上の中空から飛来したあずさの攻撃を、かろうじて防ぐ那須。
 
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:36:06.15 ID:E+EL8HOw0

那須「ずれた位置に現れられるように設定してあるのかな…? ボーダーとは別経路で開発されたものかも…」

あずさ「うふふ、どうでしょう〜」


熊谷「このっ!」

あずさ「ひゃっ」ヒュパ



小荒井「えっ」ポムン

あずさ「まあ」

 突然目の前に現れたあずさ。小荒井は訳も分からず戸惑ううちに――

東「小荒井!」

あずさ「あすてろいど〜」

 至近距離から多数のアステロイドで蜂の巣にされた

ドン!
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:37:50.90 ID:E+EL8HOw0


那須「あなたの相手はっ」

ドドドッ

那須「東さん、下がって!」


那須「バイパー!」

奥寺「わっ」

 乱戦に交じる奥寺を取り囲むように迂回しバイパーがあずさへ向かう。あずさはまたしても姿を消した。
 
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:38:41.87 ID:E+EL8HOw0


熊谷「玲、あたしが目になる!」

 那須の背中に、熊谷の背が重なる。

那須「くまちゃん……! おねがい…」

 
熊谷(これで360度……どっから攻撃が来ても見逃さない)

那須(どこ……!?)

 周囲にあずさの姿はない。土煙の中から攻撃が来ることもない。
 だが――
 
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:39:19.20 ID:E+EL8HOw0

ドオッ!

熊谷「なっ…!」

 足元から飛来した巨大な光弾が熊谷の体を大きく砕いた。

玲(地面のなかから……!?)


『トリオン体活動限界。強制脱出』

ドン!

121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:40:19.48 ID:E+EL8HOw0
 
 できあがったトンネルから、あずさがゆっくり歩み出る。

あずさ「ごめんなさい〜、私もこんなところに出ちゃうなんて、思わなくて」ケホッ


美希「あずさは厄介なの。キラキラがふわふわでどこに行くか分かんないの」

小鳥『大丈夫ですよあずささん。ちゃんとマークしてますから』b


 迷子の常習犯、三浦あずさ。移り気な空間認識のずれが、彼女を極めてトリッキーなテレポーターにしていた。

 どこへ飛ぶか分からないテレポート。

 分からないと分かっているからこそあずさは出た先で対処するのみ。
 考えて戦うタイプとの初戦には、滅法強いのだった。
 
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:42:33.85 ID:E+EL8HOw0

 雪歩の機銃掃射が制する戦場では、変化が起きていた。

雪歩「あっ、当たらない……!」

ドドドドド

村上「スラスター、スラスター、スラスター」

 断続的なスラスターの使用による変則軌道で、村上は雪歩のガトリングガンをたくみにかわす。

来馬「っ、とと」

村上「来馬先輩、ムリしないでください。オレが道を拓きます」

来馬「鋼、気をつけて!」
 
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:43:01.15 ID:E+EL8HOw0

村上「スラスター」ボッ

雪歩「ひゃっ」

 大型火器は火力の分取り回しは近接武器に劣る。
 対処が間に合わない――

千早「危ない!」

村上「!」

ギン!

 
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:43:27.10 ID:E+EL8HOw0

 村上の弧月の一撃を、千早の弧月が止める。

来馬「二対一にはさせない…!」ドン!

雪歩「ひうっ」

来馬「東さんお願いします!」


東『位置情報確認。そっちだな』

ドン!

 東の放ったアイビスを避け、来馬と雪歩、千早と村上で別れる。
 
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:44:22.72 ID:E+EL8HOw0

村上「オレは……オレの仕事を……!」

ギン!

千早(強い……!)

 流れるような弧月とレイガストの連撃を、千早はかろうじて弧月でいなす。


村上「使いこなしてるな…」

千早「くぅっ」

 
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:45:24.60 ID:E+EL8HOw0

 弧月の強烈な横なぎを刃で滑らせながら受ける。

 千早はそのまま村上へ向かって飛び込んだ。村上は交差気味に前に出る。


 二人の位置が入れ替わる。素早いターンで村上の背に斬りかかった千早の刀を、村上は振り返らず背に弧月を回し受けた。

千早(不安定な姿勢……押し込める!)

 村上の弧月がぶれる。下がる刃は村上が屈むと地面に突き刺さり――
 
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:46:02.85 ID:E+EL8HOw0
村上「スラスター、ON!」

千早「なっ」


 己の弧月と敵を置き去りに体育館へ向かう。勝つことよりも道を拓くことを優先した判断

 外壁にぶつかる寸前盾モードのレイガストで地面を掘り強引に減速。そのまま盾の横薙ぎで壁を取り除いた。
 守り切れるかという戦いにおいて、軍配は村上に上がった。


来馬「よし、鋼が突破口を開いた!」
 
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:46:56.84 ID:E+EL8HOw0

村上「……!」

 様子をうかがえなかった体育館内部。そこにあったものは――

村上(近界民が、住民を守って、いる)

ピッ

千早「ごめんなさい」

村上「…戦場で迷うとは」
 
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:48:09.51 ID:E+EL8HOw0

ズル

村/上「やっぱり……まだまだ……」

 千早が追いつくのは分かっていた。ただ戦場では一瞬の迷いがすべてを分けることもある。

『トリオン漏出過多、強制脱出』


 村上の体は鈴鳴支部のベッドに沈み込んだ。
 
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:49:20.12 ID:E+EL8HOw0

来馬『鋼!』

村上『……すいません来馬先輩。偉そうに言っておいて…オレ――』

 迷ってしまった。

 自分のせいで仲間を失う羽目になっていてもおかしくはない。

村上『敵は……』

 村上は言いよどんだ。なんと伝えるべきか。
 下手にありのままに伝えれば来馬を迷わせることになるかもしれない。
 
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:50:01.70 ID:E+EL8HOw0

 自分が結果的に、味方より敵を優先してしまったことを伝えるのが怖くもある。
 しかし、口に出す前に来馬が続けた。

来馬『無事ならいいよ。大丈夫?』

村上『え』

 ――ああそうだ。

 きっとこの隊長は迷ってしまったことを話しても責めない。
 それどころか、迷わないほうがおかしいと、笑うだろう。

 そういう人だ。
 
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:50:29.31 ID:E+EL8HOw0

村上『……オレは大丈夫です。気を付けてください。中を見たら、多分、驚きます』

鋼『? ……分かった、後は任せて』

村上『はい。隊長』

 次があればまた迷おう。
 迷いながら守れるようになろう。

 誓いを確かなものにするため、村上は眠りに落ちた。

 
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:53:22.55 ID:E+EL8HOw0
 

 その頃、避難によってできた無人地帯の最外部でも硝煙が立ち上った。


出水「おっと、唯我がやられた」

太刀川「いやー油断しすぎだろー」

https://i.imgur.com/1fBgMO2.jpg


沢村『太刀川隊が近界民の別隊と遭遇! 交戦開始しました!』

忍田『哨戒中のA級部隊、および付近のB級部隊は急行。その他のB級部隊は引き続き担当地区を警戒するように』
 
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:54:49.60 ID:E+EL8HOw0


真「やあっ!」

太刀川「おっと」キン

 真と太刀川、二本の弧月が激しく火花を散らす。

 太刀川の上段。弧月で受けた真がひざをつく。追撃の左袈裟懸けを手元近くへの刺突で止める。手を返し切り上げ。太刀川は一歩飛び退いた。


太刀川「へー…なかなか使いこなしてんなぁ」

真(このひと……強い……!)

太刀川「ん」

真「?」
 
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:55:38.24 ID:E+EL8HOw0

太刀川「その下げ緒……トリガーの弾丸を受け止めてそっから放出! とかすんの?」

真「え……いや……ただのストラップですけど。…武器に飾りつけちゃダメですか?」

太刀川「いやー…いいんじゃない」カワイイ

真「へへっ、ですよね」

出水(また何も考えずにしゃべってんなあの人);
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:57:11.30 ID:E+EL8HOw0


出水「っと、エモノ発見!」キン

出水「アステロイドっ!」

ドドド

貴音「なんと」

 貴音がかわしたアステロイドが、市街の塀を破壊する。

貴音「よろしいのですか? このあたりは避難したとはいえ、住んでいる方々がいるのでは」

出水「……」

貴音「……」


出水『やっぱまずいかなー柚宇さん』;
 
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:57:48.34 ID:E+EL8HOw0

国近『んーとねえ、ある程度は、しょうがないって。でもなるべく被害を出さないように。この前の侵攻のも直りきってないしね』


出水「それじゃあまあ気をつけつつ……そらっ!」

貴音「ではわたくしも」

 無数のバイパーが道に沿うように交差する。数は、出水のほうが多い。

ドドドッ!
 
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:58:40.83 ID:E+EL8HOw0

伊織「ちょ、危ないわねぇ! あんたたちのほうが街壊してんじゃないの!?」

歌川(……否定できない)

菊地原「ほんとだよね。さっさと倒しちゃってよ」

歌川「おい…」


歌川『この様子じゃ、ステルスはやめたほうが良さそうですね』

風間『構わない。木崎隊も間もなく着く。着実にやるぞ』

https://i.imgur.com/IpoNDZU.jpg
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 20:59:47.85 ID:E+EL8HOw0

響「ほっ!」

風間「!」キン

 鼠を狙う狐のような跳躍で、風間に斬りかかる響。スコーピオン同士がぶつかり合う。

 そのまま鉤爪状にしたスコーピオンで軽快に襲い掛かる響を風間が受ける。

歌川「風間さん」

真美「おっと、兄ちゃんの相手は亜美がするよん」

 援護に向かいかけた歌川を、響そっくりの動きで真美のスコーピオンが襲う。
 
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:01:06.74 ID:E+EL8HOw0

菊地原「もー…メンドいなぁ…、!」

 駆けつけかけた菊地原が足を止める。

菊地原『下がって』

歌川『!』

 菊地原、歌川、真美が飛び退く。
 そこへ火線が走った。

伊織「へぇ。さすがにやるわね」


歌川「オレたちの突撃銃型とほとんど同じだな」

菊地原「裏切り者とか……サイアクだね」
 
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:02:30.28 ID:E+EL8HOw0
 
 風間と響のほうは、打ち合うこと数十合。互いに枝刃やもぐら爪などのテクニックを高速で繰り出しつつ、まだ双方無傷だ。

風間「……やるな」

風間(獣のような野生的な動き。厄介だ)

響「キミもね! ちっさいのにすごいぞ!」

風間「……」

タッ

響「わっ!?」

 猛然と襲い掛かった風間の連撃に、響の体勢が崩れる。
 
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:04:08.49 ID:E+EL8HOw0
 
響「わわ…なんかまずいこと言っちゃったかな」

 倒れかけた響。風間は響に向かって跳躍すべく、地面を踏む。

響「へへ」ニ

 倒れかけた姿勢からの強烈な後ろ宙返り。足からは、スコーピオン。
 見事なカウンターだ。

 風間が飛び込んでいればだが。

響「えっ…?」

 一回転した響の目に、今度こそ飛び込んでくる風間が映る。
 風間は先程跳躍するように地面を踏み、スコーピオンで自分を一端地面に固定したのだ。

風間「悪いが、些細なことで熱くなる年じゃない」

響「やばっ」
 
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:04:50.62 ID:E+EL8HOw0
 
出水「げっ、ゴメン風間さん!」

風間「!」

 タイミング悪く、光弾を打ち合いながら飛び退いてきた出水が二人の目の前に現れる。
 慌てて、響と風間は反対方向に跳んだ。

国近『ごめ〜んみかみか、指示遅れた〜』

三上『構いません。無人とはいえ市街地の乱戦、連携がとりづらいですね…』

 
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:07:40.36 ID:E+EL8HOw0
 
真「てりゃあっ!」

太刀川「おっと」

トン

太刀川「お?」

歌川「あ…すいません」

 太刀川と歌川が背中合わせになる。
 歌川の前には伊織、太刀川の前には真と亜美がいた。

太刀川「いいよいいよ」

歌川「二対一ですか、こっちと連携して」

太刀川「いいよいいよ」

 太刀川はすぐに眼前の二人に向かって跳んだ。
 それどころじゃないとばかりに。心底楽しそうに。

太刀川「うお、くそぅ」

 二重に思えるほどの並行軌道の弧月の連撃。
 シンクロする敵二人の動きに、太刀川も二本目の弧月を抜かざるをえなかった。
 
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:11:20.30 ID:E+EL8HOw0
 
出水「アステロイド!!」ドドッ


菊地原「じゃまだなぁ……端っこで戦ってくれませんかね」ぶぅぶぅ

出水「おいコラ」

響「おっと、余所見してていいのかな!?」

 菊地原に向かいかけた響を、上空から影が襲う。

響「わっ」キン

緑川「お、止められた」

https://i.imgur.com/pKhCb0I.jpg
 
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:12:58.98 ID:E+EL8HOw0

出水「あれ緑川、草壁隊非番待機じゃなかったか?」

緑川「いやー待機の集合遅れちゃって。ちょうど通りすがったら、参戦してもいーよって」

響「ふ、ふふーん、いいぞ、まとめて相手してあげる!」


律子『まずいわね……だんだん敵の数が』

律子『響! そっちからまた一隊来るわ、気を付けて!』

律子『……後ろからももう一隊……これは……』
 
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:14:05.76 ID:E+EL8HOw0

┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!!


出水「あぶねっ」バキン

貴音「これは」バキン

 飛来した多数のトリオン弾を二人のシールドが止める。
 放ったのは、回転式機関砲型のトリガー。
 木崎レイジだ。


木崎『玉狛第一、現着した』
 
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:15:00.97 ID:E+EL8HOw0
 
小南「ほらほら邪魔するとまとめてたたっきるわよ!!」ブォン

出水「なんでこっち!?」

 斧型のトリガー、双月を振り回され、出水はからがら逃げ出した。

太刀川「出水ジャマ」

出水「太刀川さんひでえ!」

 チームメイトにまで切られかけた出水は、次かすったらメテオラで一帯平地にしてやろう、と決心した。
 
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:15:55.85 ID:E+EL8HOw0

 
 どちらかといえば個人技に長けた太刀川隊と異なり、風間隊は自隊の位置取りは常に把握していた。

風間『……敵はどうやら、こっちを隊ごとに戦わせないようにしているな』

歌川『! なるほど……こっちは、隊合同の連携機会はチームに比べれば少ないですからね』

菊地原『裏切り者ほんとサイアク』


風間『乱戦の要は、まそっくりの二人だ。あれをまとめるぞ』

菊地原『了解ー』

歌川『了解!』
 
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:17:42.37 ID:E+EL8HOw0
 
 
響「いくぞ!」タン

緑川「どうぞっ」

 空中ですれ違いざま、響の背から背びれのようにスコーピオンが伸びる。

 緑川は身をひねりスコーピオンで受けた。

 二人が高速ですれ違うたびガリガリとスコーピオンの刃が削り合う音がする。

 空間を立体的に使った高速の近接戦闘。
 これに介入できる攻撃手はそういないだろう。
 
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:19:05.16 ID:E+EL8HOw0
 
 攻撃手、は。

諏訪「あ゛ーっ! ぴょんこぷんこうっぜえ!」

ドウン!

緑川「ええっ!?」バチッ

響「わわっ」バチチッ

 諏訪のショットガン型のトリガーから放たれたアステロイドは見事に広がり、響と緑川はシールドで防がざるをえなかった。

堤「ちょ、諏訪さん」
 
https://i.imgur.com/Dplv9kB.jpg
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:21:16.14 ID:E+EL8HOw0

笹森(諏訪さんかんだな今)


響「な、仲間ごと撃つなんてヒドイぞ!」

緑川「そーだそーだ!」

諏訪「うっせー緑川、ちったぁ周り見やがれ! ショットガンの最高の間合いだってのによぉ」

 B級中堅諏訪隊。到着したはいいが、周囲ではA級を中心とした激しい大乱戦。
 どこへ手を出すこともできず、響への包囲攻撃が可能な位置をとったまましばし手をこまねいて眺めていたのだが、ついに我慢の限界が来たらしい。

緑川「オレが勝てばいいだけじゃん!」

響「仲間なのに信頼してないの!?」
 
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:21:59.78 ID:E+EL8HOw0

緑川「諏訪さんのオニ! 悪魔!」

響「ふらー! ふりむん! ぽってかすー!」

緑川「オヤジくさい! 立方体!」

ピキ

諏訪「ぶっころす!」ガゥン

響・緑川「「うわっ」」バッ

諏訪「おら堤うてっ」

堤「いやいや……」
 
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:25:00.42 ID:E+EL8HOw0


太刀川「お……さすが風間さん」

真(! ……いつのまにか……一対一)

タン

 距離を取る真。しかし、太刀川は逃さず踏み込んだ。

太刀川「旋空弧月」

キンッ

真「うわっ!」

 塀、民家。そんな遮蔽物などないかのように、伸びた刃はあらゆるものを切り裂いた。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:26:35.59 ID:E+EL8HOw0

ズンッ

 切り取られた屋根が無残に落ちる。

太刀川「しまった、見失ったか。仕留めてないよなー…」


真(あ、危なかった…)

 読みの通り、真はすんでのところでかわしていた。

真(プロデューサーのを何度も見てなかったら、今ので確実にやられてたな……)

 旋空弧月は軌道はあくまで刀を振る弧の軌道。遠距離でも姿を捉えていれば予測は不可能ではない。

太刀川「どこいったー。おーい…っと」グラッ

 太刀川の踏んだ屋根の瓦が滑り落ちた。太刀川の体勢が崩れる。

真(!)ピク
 
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:27:36.83 ID:E+EL8HOw0

真(いや……)

真「ここにいますよ」

 真が現れたのは、太刀川の数メートル先。トリオン体なら一歩で詰まる距離。

太刀川「なんだ、こなかったか」

真「やっぱり、わざとですか」

太刀川「隙は隙なんだけどな」


真「……あなた、タチカワさん、ですよね」
 
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:29:16.25 ID:E+EL8HOw0

太刀川「あれ? どっかで会った?」

真「いえ。直接は。プロデューサーが教えてくれた……もしもボーダーと戦うことになった時気をつけなきゃいけない相手。その一人です」

太刀川「…プロデューサー………ふむ」

真「一対一では戦うな。765のメンバーで、あの人相手で十本勝ち越せるやつは、たぶんいない。そう言われました」

太刀川「へぇ」

真「可能性があるとしたら……それはボクだけ、とも」

太刀川「…それでか。ま、飾りにトリオン使う余裕あるくらいだもんな」

真「それは…」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:30:09.37 ID:E+EL8HOw0



P『不謹慎?』

真『はい……ボクらは、アイドルって言っても、軍人なわけですし。命がけでやってるのに……かわいくとか、そんなのやっぱり』

P『いいさ』

真『え』

P『どんな理由だろうとな。真がありたい真であることを、諦めることはないさ』



太刀川「たのしみだ」

真(プロデューサー、ボクは)

 二つの戦闘体が、同時に地を蹴った。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:31:22.28 ID:E+EL8HOw0
 

風間「……」ザッ

真美「よっ、はっ」キン

菊地原「ほら、こっちもだよ」

 風間の猛攻に下がる真美は、菊地原が加わる前に距離を取った。

歌川「悪いなっ」ドッ

亜美「んっ」

 歌川に蹴り飛ばされた亜美が近くでたたらを踏む。

真美「亜美!」

亜美「大丈夫だ、問題ない♪」
 
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:32:22.09 ID:E+EL8HOw0


真美「お?」

亜美「囲まれちったね」


歌川「しかし、そっくりだな……」

 生身の際は髪留めや髪型で差をつける二人だが、トリオン体は一見してまったく同じだ。

風間「油断するな。まだいるかもしれん」

亜美「ヒトをゴキブリみたくいわないでYO!」
 
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:33:12.47 ID:E+EL8HOw0

真美「ふふーん、ふたりいれば十分っしょ」

菊地原「うわぁ生意気……そっくりな見た目もマネっこも、同じ場所に集めちゃえばたいした意味はないでしょ」

亜美「分かってないなぁ。ねぇ亜美さん」

真美「見せてあげようか亜美さん」


亜美?真美「「亜美たちのホントの戦闘スタイル」」

 
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/30(金) 21:35:24.62 ID:E+EL8HOw0
 二人がトリガーを銃型に切り替え、背中合わせになる。

風間『乗せられるな。一人ずつ確実に仕留める。菊地原、右手側だ。歌川、正面の相手を止めろ』

歌川?菊地原『『了解』』

真美「はいっ!」ダンダンッ

 真美が放った弾丸を、風間、歌川のシールドが受ける。
 瞬間――

カッ

風間隊「!?」
 
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