夏葉『朝、私が起きたらカトレアが女の子になっていたの!』

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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:30:02.52 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…さてと。カトレア、どこか行きたい場所はある? せっかくだもの。普段行けない場所に行ってみましょうよ!」

カトレア「……それなら」

夏葉「ええ」

カトレア「…私の知らない夏葉がいるところ、見てみたい」

夏葉「カトレア……わかったわ! それならまず、近いのは…私の通う大学からかしらね」

カトレア「だいがく…?」

夏葉「ほら、たまに話してるでしょう? 学校のことよ」

カトレア「! 見てみたい! 見てみたいわ!」

夏葉「ふふ、わかったわ! それじゃあ、有栖川夏葉を巡るツアーに出発ね!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:31:27.87 ID:1FUmJx+q0


ーーーーーーーーーーーー


夏葉「ーそしてここがツアーの最終目的地、この前カトレアに見せた映像で私たちがライブをしていた会場よ!」

カトレア「わぁ…! 大きいわ!」

夏葉「ふふ、ここわね? 一度に1万人もの人が入るのよ」

カトレア「いちまん…!? えっと…」

P「いっぱい、かな」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:32:14.90 ID:1FUmJx+q0

カトレア「いっぱい! そう、いっぱいね! みんな、夏葉を見に来てくれたの!?」

夏葉「私だけじゃなく、私たち放課後クライマックスガールズをね。今思い出しても夢みたいだったわ…」

カトレア「…映像で見る夏葉、とっても輝いてたわ。みんな素敵だったけど、間違いなく夏葉がいちばんだったわ!」

夏葉「ふふ、ありがとうカトレア」

カトレア「やっぱり夏葉はすごいわ!」

夏葉「ええ、だけど、私だけじゃここには来れなかったのよ? ユニットのみんなと…プロデューサーのおかげよ」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:33:18.99 ID:1FUmJx+q0

カトレア「え?」

P「いや、俺なんて大したことしてないよ」

夏葉「またアナタはそう謙遜する。私が認めてるのよ? 素直に認めてほしいわ」

P「そりゃ、俺だって頑張ってるけど結局は夏葉たちの努力と実力があったからだよ。夏葉たちの方がよっぽどすごいって」

夏葉「もう、アナタの方がー」

カトレア「…夏葉」

夏葉「? 何かしら?」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:34:03.52 ID:1FUmJx+q0

カトレア「今日はこの中に入れないの? 私、夏葉の歌う姿が見たいわ!」

夏葉「それは…ごめんなさい。今日は入れないわ。他のアーティストさんのライブがあるもの」

カトレア「………そう」

夏葉「そういえば、アナタには私の本気の歌声やダンスを見せたことがなかったわね…」

カトレア「……ええ」

P(…)
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:34:53.00 ID:1FUmJx+q0

P「……なあ、ふたりとも」

夏葉・カトレア「何かしら?」

P「ライブ会場並みの大きさは無理だけど、夏葉の本気の歌声もダンスも見れる場所があるぞ?」

カトレア「え…?」

夏葉「そ、そんな場所が…!? 一体どこなの、プロデューサー!」

P「…ふたりとも」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:35:31.48 ID:1FUmJx+q0


P「ーカラオケって、すごいんだぞ!」


40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:36:20.01 ID:1FUmJx+q0


ーーーーーーーーーーーー


ジャーーーン!!


夏葉「はぁ、はぁ……どうかしら、カトレア!」

カトレア「…………ごい」

夏葉「?」

カトレア「すごいわ!!!! 夏葉!!!!」ギュウウウ

夏葉「きゃっ、ふふ、もうっ、カトレアったら…!」ナデナデ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:37:17.71 ID:1FUmJx+q0

カトレア「さすが、私のご主人様! とっても可愛くて綺麗で格好良かったわ!!」

夏葉「アナタにそう言ってもらえると嬉しいわ!」

カトレア「夏葉! 大好き!!」

夏葉「私もよ、カトレア! …プロデューサー!」

P「ん?」

夏葉「ありがとう、こんないい場所を教えてくれて! カラオケってすごいのね!」

P「え、まさか、カラオケ来たのはじめてか?」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:38:03.83 ID:1FUmJx+q0

夏葉「ええ! 今度みんなにも教えてあげなくちゃ!」

P「はは…流石というか…」

夏葉「ほら、カトレアもお礼を言いなさい?」

カトレア「む……その……ありがとう、ございます…」

P「いいんだよ。夏葉とカトレアが喜んでくれたら。それにしてもカトレア、コールが上手いなんてすごいじゃないか」

夏葉「いつも私の映像を見てくれてたものね。覚えてくれたのかしら?」

カトレア「…ええ。いつか、こうやってみんなみたいに夏葉を応援してみたかったから」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:38:40.46 ID:1FUmJx+q0

夏葉「カトレア…♪」ナデナデ

カトレア「…♪」

P「…カトレア」

カトレア「…?」

P「せっかくだから、今度は夏葉と歌ってみたらどうだ?」

夏葉「! それいいわね! カトレアとデュエットできるなんて! どうかしら、カトレア?」

カトレア「私…できるかわからないけど…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:39:37.37 ID:1FUmJx+q0

夏葉「下手でもいいのよ。「やってみたい」って気持ちが何よりも大切よ?」

カトレア「…うん。歌ってみたい!」

夏葉「それでこそよ、カトレア!」

P「よっしゃ、コールは任せとけ!」

夏葉「お願いするわ! ……カトレア」ギュ

カトレア「う、うん」

夏葉「緊張しないで、リラックスして……大丈夫。私の口の動きを真似て…」

カトレア「…うん。夏葉と一緒だから大丈夫」

夏葉「…ええ。私がそばにいるから。それじゃあ、行くわよ! 有栖川夏葉と、カトレアでー」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:40:29.81 ID:1FUmJx+q0


夏葉「『夢咲きAfter school』!」


46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:41:30.59 ID:1FUmJx+q0


ーーーーーーーーーーーー


夏葉「楽しかったわね!」

カトレア「うん、すっごく楽しかった!」

夏葉「カトレア、歌上手いじゃない。さすが自慢のカトレアね♪」

カトレア「夏葉がいつも口ずさんでるから、自然と覚えたんだと思うわ」

夏葉「あら…そうなの? ふふ、カトレアはいつも私を見ていてくれるのね」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:42:05.48 ID:1FUmJx+q0

カトレア「もちろん! だって私の大切なご主人様だもの」

夏葉「ふふ…♪ あ、そうだわ。時間…」

P「…あと2時間と少しってところだな」

夏葉「…そう。さすがにこのまま街中にいるわけにはいかないわよね。かといって部屋に戻るのももったいないし…」

カトレア「…夏葉、私、最後に行きたい場所がある」

夏葉「どこ?」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:42:58.55 ID:1FUmJx+q0

カトレア「夏葉が前に連れて行ってくれた、あの高台」

夏葉「ああ、あそこね……わかったわ」

カトレア「プロデューサーも、来てくれる?」

P「え…いいのか?」

カトレア「ええ。話したいことがあるの」

P「……わかった」

夏葉「それじゃあ、行きましょうか。こうしてカトレアと過ごせるのもあと少しだもの。時間がもったいないわ! 向かってる途中も、たくさん、たくさん、話しましょう!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:44:01.60 ID:1FUmJx+q0


ーーーーーーーーーーーー


夏葉「着いたわ…!」

カトレア「わぁ…!」

P「…へぇ! こんなところがあったんだな。すごいな街が見渡せて…それに夕焼けが綺麗だ」

夏葉「…でも、少し時間がかかってしまったわね。時間まであと…10分と少しといったところかしら」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:44:37.76 ID:1FUmJx+q0

カトレア「…」

P「…」

カトレア「…夏葉」

夏葉「…何かしら」

カトレア「少しだけ、プロデューサーとふたりにしてくれないかしら」

夏葉「……ええ。わかったわ。飲み物でも買ってくるわね」

カトレア「…ありがとう」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:45:15.95 ID:1FUmJx+q0

P「…」

カトレア「…アナタは」

P「…?」

カトレア「夏葉のことを、どう思ってるの?」

P「どうって……それは…大切なアイドルだよ」

カトレア「それだけ?」

P「……ああ」

カトレア「ごまかさないで。ウソの匂い、わかるんだから」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:46:03.93 ID:1FUmJx+q0

P「…………それだけじゃ、ない」

カトレア「…」

P「俺は…ひとりの女性として、有栖川夏葉が好きだ」

カトレア「……そう」

P「怒らないのか?」

カトレア「怒る? アナタが夏葉を好きになるのはアナタの自由でしょう。私は犬だもの。アナタの立場がどうとかはよくわからないわ」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:46:47.93 ID:1FUmJx+q0

P「そうか…」

カトレア「…ねえ、アナタ、夏葉のどこが好きなの?」

P「……そうだな。あの明るいところとか、誰よりも努力家なところとか、意外とすぐムキになって子どもっぽいところとか、それでいて繊細なのに心配かけまいと隠そうとするところとか…」

カトレア「……ふふ。よく見てるのね」

P「カトレアよりはずっと短い時間だけど、俺なりに夏葉に真剣に向き合ってきたつもりだから」

カトレア「じゃあ、もうひとつ聞かせて」

P「ああ、何だ?」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:47:45.70 ID:1FUmJx+q0

カトレア「自分を夏葉に相応しい男だと思う?」

P「それは……正直、思えない。男として以前に、プロデューサーとしてもまだまだだ」

カトレア「…」

P「だからこそ、もっと頑張らないといけないと思ってる。夏葉をリードすることはできないかもしれないけど、夏葉の背中は遠いけど…いつか、夏葉が辛い時は夏葉の背中を押してやれる存在になりたい。夏葉と共に人生を歩むパートナーになりたい。そう思ってるよ。……ここだけの話、カトレアが少し羨ましいよ」

カトレア「…そう」

P「…まあ、夏葉には俺よりも相応しい男がいるだろうし……でも、これからもプロデューサーとして彼女を見守り続けたいな」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:50:21.55 ID:1FUmJx+q0

カトレア「……わかったわ。…夏葉!」

夏葉「……もうそっちに行ってもいい?」

カトレア「ええ。来て欲しいわ」

夏葉「わかったわ……もう、日が沈むわね」

P「そうだな…」

カトレア「……ふたりに、聞いて欲しいことがあるの」

P「…うん」

夏葉「…ええ」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:51:26.06 ID:1FUmJx+q0

カトレア「私は、生まれてからずっと夏葉と一緒だったわ。どんな時も、夏葉のそばにいたのは私だった」

カトレア「あれは…数年前かしら。誰よりも努力家なのに自分の進む道がわからずぼんやりと物思いにふける夏葉の背中を覚えてる。だから、夏葉がアイドルというものに出会って、毎日目を輝かせて私に今日あったことを語りかけてくれたのが本当に嬉しかった…」

カトレア「……でも同時に。少し、寂しかった。それは……プロデューサー、アナタが夏葉のそばにいると知ったから」

P「…」

夏葉「…」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:53:07.39 ID:1FUmJx+q0

カトレア「…アナタにはじめて会った時、悔しかった。「なんで犬の私よりも夏葉のそばにいて夏葉に声をかけて、支えてあげて、私のしてあげたいことみんなできるのに、そんな風に自分が夏葉に相応しくないみたいな顔をしているの?」って」

カトレア「ーそれなら、私が変わってあげたいと何度も思った。夏葉がどうしてこの人を選んだのか、ずっとわからなかった。この人に夏葉を任せていいと思えなかった。私がなかなかアナタに懐かなかったのもそれが理由。……でも今日、ほんの少しだけ夏葉の気持ち、わかった気がする。この人を信じたいと思った気持ちが」

夏葉「カトレア…」

カトレア「……どこが、なんて教えてあげない。それは自分で考えなさい。夏葉に相応しくないと思うのなら、もっともっと努力して」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:54:00.27 ID:1FUmJx+q0

P「! …ああ」

カトレア「…私、夏葉のことが好きよ。出会った時から、ずっとずっと。これからも一緒よ」

夏葉「ええ。私も大好きよ、カトレア…」

カトレア「……でも、私は犬だから。夏葉と一緒にいられる時間だってもうそんなに長くないかもしれないの知ってるわ。夏葉がアイドルとしてもっと高みに行ったり…さらにその先の未来で誰かとつがい≠ノなって子を授かって…そんな光景を私はもしかしたら見れないかもしれない。その時私はもう…」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:55:13.47 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…」

カトレア「……プロデューサー」

P「…何だ?」

カトレア「アナタ、名前は?」

P「ー…だ」

カトレア「そう。いい名前ね……ーさん。約束して。……この先、どんな未来になっても…夏葉のそばにいて。ずっと。ずっとよ。それが、悔しいけど私にはできない、アナタにしかできないこと。そして…アナタだからできることなんだから」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:56:41.64 ID:1FUmJx+q0

P「……ああ。任せとけ」

カトレア「…うん。そう言ってくれると思った。夏葉に置いてかれないようにしてね。私のご主人様はすごいんだから!」

P「ああ…!」

カトレア「夏葉」

夏葉「…なあに?」

カトレア「私、元の姿に戻ったらできることは少ないわ。夏葉が嬉しい時、悲しい時。そばにいることしかできないの。それも、あの私たちの部屋の中だけ。それでも…今までと変わらず、私を愛して欲しいわ。私を、私と過ごした全ての時間を、いつでも、いつまでも、忘れないで欲しいわ」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:57:32.36 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…バカね。今まで私がアナタにどんなに救われたか知らないの? …アナタもすごいのよ、カトレア。アナタを片時も忘れたことはないし、一生忘れられないわ。私の親友だもの」

カトレア「……ありがとう。……うん、これで言いたいことは全部言えた。満足! 言える時に言いたいことは言わないとね、ふたりとも!」

P「…ああ! そうだな」

夏葉「…今日は楽しかったわ、カトレア。アナタとこうして話せて、幸せだった」

P「俺もだ。今日のこと、ずっと忘れない」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:58:23.14 ID:1FUmJx+q0

カトレア「…くすっ。もう、まるで私がいなくなるみたいじゃない。まだまだ生きるわよ私は! 夏葉と思い出、まだまだ作るんだから! 今、この一瞬を大事にね!」

夏葉「…ふふ。そう…そうよね! 犬に戻ってもアナタと私はふたりでひとつよ! ずっと、ずっとよ!」

カトレア「ええ! ……ーさんも、今まで以上に頑張って夏葉をよろしくね。夏葉に相応しくないと思ったら噛みついちゃうんだから♪」

P「はは、そうならないように頑張るよ」

カトレア「ふふ♪ ……さてと、もう時間かしら?」

夏葉「18時まで…あと1分ね」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 16:59:39.84 ID:1FUmJx+q0

カトレア「…そう。それなら最後まで夕日を見てようかな。……私の人生できっと今日がいちばんの思い出よ」

P「カトレア…」

夏葉「…」

カトレア「…あ! そうだわ! 最後にひとつ、今しかできないお願い!」

P「何だ?」

夏葉「何?」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:00:16.18 ID:1FUmJx+q0


カトレア「写真を撮りたいわ! 3人で!」


65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:00:56.61 ID:1FUmJx+q0


ーーーーーーーーーーーー


夏葉「ーで、その時に撮った写真がこれよ!」

聖來「わぁ…! いい写真ですね! カトレアちゃん、本当に美人…」

夏葉「ありがとう。ふふ、ところでアナタの方が年上なのだから丁寧語じゃなくていいのよ? 私こそ、今まで呼び捨てにしてしまっていて…」

聖來「え? ああ全然いいんで……いいよ。アタシ、年より幼く見えるらしいし。夏葉さん、年下とは思えないくらいにしっかりしてるし」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:01:44.48 ID:1FUmJx+q0

夏葉「それなら…今まで通り聖來と呼んでいいのかしら」

聖來「うん! アタシは…じゃあ、もっとフランクに接しさせてもらうね。あ、あと志希ちゃんから伝言」

夏葉「あら、何かしら?」

聖來「「ごめんね〜でも、またカトレアちゃんと話したくなったら薬あげるからね〜」だって。あはは…ごめんね? 本人的には反省してるつもりなんだろうけど…多分。本当は今日来る予定だったんだけどまたマストレさん送りになっちゃったらしくて……今度は何したんだか」

夏葉「…ふふ。面白い子なのね」

聖來「面白い…うん、まあ、そうかな…? 巻き込まれるこっちは大変だけどね」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:02:18.61 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…魅力的なお誘いだし、またあのカトレアの姿を見たい気持ちはあるけれど…やめておくわ」

聖來「まあ、そうだよね。怪しい薬なのは変わりないし」

夏葉「それもあるけれど…それよりも、もう私にはあの薬が必要ないって理由が大きいわ。思わぬ副作用もあったしね」

聖來「? どういうこと?」

夏葉「あれ以降、前よりもカトレアの言いたいことがわかるようになったのよ」

聖來「ええ、すごい!」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:03:42.87 ID:1FUmJx+q0

夏葉「ふふ、すごいのよ! ……結局は、相手の目を見て、声に耳を傾けて…それがシンプルだけど最大のコミュニーケーションなのね」

聖來「…相手の目を見て、声に耳を傾ける、かあ…」

夏葉「それともうひとつ、最高に幸せな副作用もあったしね」

聖來「ま、まだあるの!?」

夏葉「ええ。カトレアに教えてもらったのよ。「言いたいことは、言える時に言ってしまわないと」ってね。永遠なんてないんだもの。今この瞬間にできること、やれることを最高に楽しまないとね!」

聖來「……なんか、カッコいいなあ夏葉さん。それで、言いたいことって?」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:04:11.32 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…………………ができたわ」

聖來「え? 何?」

夏葉「…………………恋人が、できたわ」

聖來「え、ええ!? それって、まさかこの前会ったプロー」

夏葉「どうかしらね! さて、私はもう行くわ!」

聖來「え、あ、ちょっと!」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:04:48.05 ID:1FUmJx+q0

夏葉「…ああ、そうだ。カトレアから聞いたわよ?」

聖來「な、何を…?」

夏葉「アナタも想いを伝えたい相手がいるのなら、勇気を出して言うべきよ。今は永遠じゃないんだからね。それじゃあ♪」

聖來「え、それってまさか、アタシの…! ちょ、ちょっと夏葉さん! 待ってぇーー!!」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:05:20.50 ID:1FUmJx+q0


【その後の話 その1】


72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:06:00.72 ID:1FUmJx+q0

カトレア「ワンッ!」

P「おお、カトレア。よしよし」

カトレア「…」ジー

夏葉「あら、今日はカトレアがあまり懐かないのね」

P「俺、何かしたかな…?」

夏葉「さあ…?」

カトレア「…」ジー
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:07:21.44 ID:1FUmJx+q0

夏葉「あら、何かしらカトレア」

カトレア「ワンワンッ!」

夏葉「……………………え」

P「夏葉、なんだって?」

夏葉「……その、「最近ふたりで寝室に行くと夏葉のうめき声が漏れてるけど、一体何をしてるの」って……」

カトレア「…」ジー

P「…………………………」

夏葉「…………………………えっと」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:07:52.96 ID:1FUmJx+q0

P「……………………こ、交尾……?」

カトレア「〜〜!!」バシッ!! バシッ!!

P「痛い!!!!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:08:19.76 ID:1FUmJx+q0


【その後の話 その2】


76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:08:52.95 ID:1FUmJx+q0

聖來(相手の目を見て、声に耳を傾ける、かあ…)

聖來(わんこと長いこと一緒にいるけど、アタシ、そこまで心を通わせられたかな…)

聖來「……まあ、考えても仕方ないよね! 今日からわんこと今まで以上に向き合おう!」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:09:43.54 ID:1FUmJx+q0


ガチャ


聖來「お疲れ様さまでーす!」

楓「あ」

肇「せ、聖來さん…」

聖來「んー? どうしたの? わんこは?」

肇「それが…」

聖來「あー! 何この子、可愛いー!」

肇「えっと…」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:11:11.34 ID:1FUmJx+q0

聖來「ねえねえ、この子誰かの弟さん、それとも親戚? あ、それとも誰かのお子さんかな? 可愛い〜!」ツンツン

楓「寝顔が可愛いですよね…ワンだふるです」

肇「か、楓さん…」

「……んぅ?」パチ

聖來「あ、起こしちゃったかな? ごめんね、アタシはっ……!?」ドサッ

わんこ(?)「ご主人様! お帰りなさい!!」ギュウウウ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:11:44.44 ID:1FUmJx+q0


聖來「…………………………へ?」


80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/05(金) 17:15:21.16 ID:1FUmJx+q0

夏葉とお付き合いするにはやっぱりカトレアのお許しがでないとなんじゃないかなあと思います。
夏葉とカトレア、聖來さんとわんこの関係性とはまた違って素敵ですよね。


先週書いた夏葉の話もよろしくです!

【最上最愛カップルの1日】有栖川夏葉
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1561710910/

それでは、またの機会に。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 17:18:53.45 ID:ilLDyMDDO



さぁ、次はわんこの話を書くのです


もしくはみりあちゃんを猫にして一緒にお風呂へ入るお話を……ふひひ★
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 17:47:24.99 ID:Tr3/x0t9o
乙!!
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