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貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」

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292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 23:55:44.24 ID:n9R2MxdD0
もっと書くスピード早くならない?
293 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 21:34:13.12 ID:TLAR08sZ0


貴方「暁美さん、昨日はどうだった?」

さやか「昨日?なんかあったの?」

ほむら「昨日は親が家に来てて……」

まどか「久しぶりに家族と会ったんだね」

ほむら「はい。特に何かあったわけじゃないんですけど……インテリアの話とか、普段とは違うことも話せました」

さやか「内装凝りだしたのかぁ〜。そういうの興味持ち始めたの?」

ほむら「す、少しだけ…………」

まどか「ほむらちゃんの両親ってどんな人なの?」

ほむら「普通の人だよ。えっと……でも、鹿目さんのお母さんお父さんとはちょっと違う感じ」

さやか「んー、まあそれはまどかの家は変わってるっちゃ変わってるとこもあるからねぇ」


 それから家族の話なんかをしたりして、朝のHRが始まるまで雑談して過ごした。

 ……鹿目さんの家はお母さんが働いて、お父さんは主夫をやっているらしい。



貴方(……全然しらなかったな)



――――
294 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 22:07:00.86 ID:TLAR08sZ0
――――
放課後



 ……放課後になって部室に顔を出してみると、女子部員たちと一緒になにやら知らない女子がいるのが目に入った。

 先に来ていたらしい暁美さんも一緒にいる。

 なんだろうと思って眺めていると、後ろから声をかけられる。


*「あのー、写真部の人ですか? 入部希望なんですけど」

部長「ああ、それならこっちこっち。俺が部長だからね。入部届は持ってきた?」

*「これでいい?」


 なんと、部員が増える現場の一部始終に立ち会ってしまった。

 それほど人気のある部活でもないし、この時期に写真部に部員が増えること自体珍しい。

 新入生が入る時期でも毎年2,3人増えればいいほうだったはずだ。


貴方「……もしかして、部員増えました?」

部長「うん。実は今ここにいる人みんな部員なんだよね。なんかこの前の校内雑誌の影響で入部希望が増えたみたいでさ」


 今入部を希望しにきた人も含め、あまり今までの写真部にはいなかった雰囲気の人たちが増えていた。

 一言で表すと、キラキラとした雰囲気だ。

 しかし、知名度が一気に増えて部員が増えたとなればもっと喜んでいてもいいはずだが、部長の声色は弾んだものではなかった。

295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 22:07:43.50 ID:85DKMjkt0
ほむほむモテモテだな
296 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 22:39:48.98 ID:TLAR08sZ0


*「モデルやりたくて来たんですけど、すぐにできます?」


 先輩の女子部員が答える。


「あぁ、ちょっと待って。まだこっちもあるから……」

部長「最近入った部員、みんなモデル志望の人なんだ」

部長「校内雑誌の暁美さんの件で、写真部でそういうのもやってるっていうのが広まったんだって」

貴方「そうすか。どおりで……」


 そう聞くとこのキラキラした雰囲気の正体も、部長が素直に喜んでない理由も想像がついた。

 今まで写真部に入る人は、暁美さんは特別だったが、写真を撮りたくて入った人がほとんどだ。

 機材の使い方の説明も飛ばしてモデルだけやりたい人が増えたとなれば、カメラ趣味の部長が拍子抜けしてしまうのもわからないでもない。


 すでに暁美さんという前例はあるから断るわけにはいかないし、被写体にできる人が増えたと思えば喜ぶべきなんだろう。


「これだけモデルがいるんだから本格的に雑誌つくっちゃおうって企画が出てて、今順番に撮ってるんだ」


 女子部員たちで部室内に簡易的なスタジオを作って撮影しているみたいだ。

 しかし、モデルの数に比べるとカメラマンは少ないな。他の人たちは出払ってるんだろうか。

 普段から何人も活動してるわけではないが。

297 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:13:51.44 ID:1mZl2i7Z0


部長「【貴方】も手伝うか?」

女子部員「スタジオ狭いしこっちは大丈夫。こっちはちょっと時間かかるから、先にその子連れて撮ってきたら?」

貴方「俺が……すか?」

*「この人?」

女子部員「この人があの表紙を撮った人だよ」


 モデルが暁美さん以外にもできるとは思わなかったし、ほかの人を撮るとは思ってもみなかったからちょっと困惑する。


*「その前に、ちょっとそっちも見てもいいかな?」

貴方「あ……じゃあ俺も見てみようかな」


 暁美さんのことも気になっていた。

 今までは似たように大人しめの人だけだったが、自分とは違う雰囲気の人に囲まれて委縮しはじめているのが見てとれた。

 自らモデルを志望しにくるだけあって、入部してきた人は積極的だったり派手だったりする人ばかりだ。

 それに確かに美人揃いでもある。


部長「はは、両手に花だな」

貴方「からかわないでくださいよ」

「ねえねえ、これって見滝原の中でもかなりレベル高い人集まってるよね?」

「思いつきなんだけど、せっかくだしミス見滝原とかやるのはどうよ?もちろん制服でっていうのもつまんないしちゃんとお洒落してさ!」

ほむら「えっ……?」

「いいね、盛り上がりそう!」

部長「まあ盛り上がるだろうな。でも一番ってどうやって決めるんだ?」

「投票でいいんじゃない?ちょうどこれから文化祭があるんだし、審査員には困らないと思うよ?」

部長「文化祭のイベントか……アリだな」

部長「好評だったらますますモデルのほうにしか日が当たらなくなりそうで怖いケド…………」

「じゃ、決定!今日は何にも用意してきてないんでいきましょー」

「とりあえず撮影期限だけ決めておこう。編集もあるから今週いっぱいでどう?」


 一人が提案すると、他の人も賛成して流れるようにイベントが決まっていった。

 ……ただ、暁美さんはやっぱり困惑しているようだった。
298 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:48:33.92 ID:1mZl2i7Z0


 新入部員の女子に連れられて撮影に行って、それから部室に帰ってくる。

 結構時間がかかってしまったから、彼女はもう帰るそうだ。


貴方(まだ暁美さんいるかな……?)


ほむら「あ、【貴方】くん……お疲れ様です」

貴方「ああ、お疲れ」


 暁美さんは顔なじみの女子部員と一緒にセットや機材の後片付けを手伝っているようだった。


貴方「他のモデルの子たちは?」

*「自分の撮影が終わったらもう帰ったよ」

*「でも……なんか思っちゃうよね。私は顔も可愛くないし、ただの裏方としか思われてないのかなってさ」


 ……それは前からいる部員たちが感じているもやもやの代弁なんだろう。

 いきなり違う雰囲気の人たちがやってきて、一気にメインを乗っ取られてしまったかのような気持ちはあった。


ほむら「そ、そんなことないですよ……」

*「うん、暁美さんは私たちのことも仲間だと思ってくれてるのはわかってるよ」

*「私もそういう人を支えて輝かせられるようになりたいと思うんだ。……これからやるミス見滝原、私は暁美さんが一位を取ってほしいな」

ほむら「えっ、そ、それは…………私なんかじゃ……」

*「もうわかったでしょ。みんなあなたのこと綺麗だって認めてる」

ほむら「でも、みなさんすごい美人なんですよ?私よりオシャレだし、私より写真写りだって……」


 ……たしかに今日撮った子は暁美さんの時とは違ってカメラ目線や笑顔を作るのが得意そうだった。

 撮り慣れてるというか、どう撮れば自分が綺麗に写るかをわかっているんだろう。


貴方(その分注文も多かったんだよなぁ。俺はプロじゃないんだ。正直荷が重いよ……)
299 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:59:13.12 ID:1mZl2i7Z0

*「じゃあ、そこはがんばらなくちゃね」

ほむら「え、ええと…………」


 暁美さんは困ったようにこっちを見た。


貴方「……やるなら俺も暁美さんに一位になってほしいかな」

ほむら「じゃ、じゃあ……やれるだけ…………やってみます」



 ――自分が促したけれど、俺は暁美さんの言葉に驚いていた。

 前の暁美さんだったらこう言われても無理だって返してたと思う。

 暁美さんがこの部に入った時に言った目標のように、少しずつ変わってきたのだろうか。

300 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 01:26:04.77 ID:1mZl2i7Z0
帰り道



貴方「今日はどうだった?」

ほむら「他にもモデルがいるってことなかったから緊張しました。一緒に撮る時には一人だけ笑えてなくて迷惑かけちゃうし……」

ほむら「金曜にも撮ってもらったんですけどやっぱりちょっと慣れなかったです」

貴方「そっか……」


 最後に見た時も緊張した顔してたのを思い出した。


ほむら「とりあえず、今日は家に帰る前にファッション雑誌でも買ってみます」

ほむら「あと、今度鹿目さんたちにもついてきてもらって服とか買いに行こうかな……」


 今回、撮影に使う服は自前だ。きっとほかのモデルたちもとっておきの衣装を身にまとってくることだろう。

 前に見たような服でも悪くはないけれど、衣装にするには質素に見えるかな。


貴方「お、お金とか無理しない範囲でね?」

ほむら「はい、それはわかってますけど……」



1俺もついていこうか?
2どんな写真になるか楽しみにしてるよ
3自由安価

 下2レス
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 01:36:48.94 ID:peBdeoRH0
1
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 01:38:41.96 ID:o/bTTA8T0
1
303 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:21:32.02 ID:7Br4to2S0

貴方「俺もついていこうか? ファッションのこととかはてんでわからないけど……何かしたいんだ」

ほむら「ええと!その気持ちは嬉しいんですけど……そのことは私達に任せて待っていてくれませんか?」

ほむら「きっと少しは今までよりお洒落に、綺麗になってきますから。……その姿を見せたいんです」

ほむら「その代わり、【貴方】くんには撮影の練習に付き合ってほしいんです」

ほむら「多分何枚も付き合ってもらうことになると思うけど、他の人に撮ってもらうよりも緊張しないで済むと思うから」

貴方「……わかった。それが俺のできることだもんな」


 暁美さんがそう言うのならそっちは本人を含む女子たちに任せようか。



貴方「準備期間は今週までか〜……」

ほむら「それまでに身だしなみの勉強をして、服を揃えて、写真写りも磨いて…………できますかね?」

貴方「きっとなんとかなるさ。暁美さんなら」



 それに、俺も少し楽しみになってきた。

 ……そうだ。暁美さんも頑張るなら、こっちも撮影の技術も上げる努力をしたほうがいいか?



 暁美さんを勇気づける言葉をかけて、少しの間関係ない雑談もしたりして、それぞれの家に帰って行った。



――――
――――
【貴方】 11日目終了


★ほむらルート★

304 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:38:41.99 ID:7Br4to2S0


 ――――それから、放課後には写真部らしく部活にも精を出して、

 今まで本格的にはやることのなかった撮影にも力を入れたりした。

 一人での撮影に出かけるのもいいが、なんだかんだでモデルが増えたことで、写真慣れした彼女たちを撮るのは人物を撮る練習になっていた。



――――
――――
13日目 教室



 朝、教室に入ると変化に気づいた。


貴方「あれっ? 暁美さん、眼鏡は?」


 暁美さんはいつも通り美樹たちと一緒にいる。


貴方「コンタクトにしたの?」

ほむら「い、いえ……実は、ちょっと“治療”をしてもらいまして」

貴方「えっ?レーシックってやつ?」

ほむら「え、えっと、そうですね……」

さやか「視力悪いのは生まれつきじゃないわけだし、“怪我してる”ようなもんでしょ?」

貴方「眼鏡も別に悪くないと思ってたけどな……でも、視力悪いのは不便だろうしそのほうがいいか」


 それはかなり驚いたけど。

305 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:56:33.49 ID:7Br4to2S0


貴方「……眼鏡外したら何も見えないって言ってたもんな」

さやか「それに視力がそれほど悪くないってことは、かけるかかけないか選べるってわけですよ」

貴方「なんでさっきから美樹が偉そうなんだ?」

さやか「い、いや? そんなことないし!」

まどか「ほむらちゃん、肌綺麗になった?」

ほむら「あ、ありがとうございます。昨日塗った化粧水の効果かな……」


 その姿はクラスのみんなにも好評で。暁美さんは慌てたり照れたりしながらも嬉しそうにしていて。

 ……ちょっとだけ遠い存在になったようにも感じた。


ほむら「あの……!今日、撮影の練習に付き合ってくれませんか?」

貴方「! ああ、もちろん」



 それからも一緒に撮影の練習をしたり、一人でカメラの勉強をしてみたり、少ない日数でやれることをやった。

 他の人は、最終日を待たずにもう提出した人もいるらしい。けど他の人は関係ない。こっちはこっちのペースでいい。


 ――――そして、期限の金曜日になる。

306 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/05(火) 00:31:27.58 ID:rKkbiLJU0
放課後



 撮影は私服だから、更衣室として部室の隣の空き教室を貸し切っている。

 この一週間は放課後になると毎日貼り紙をしてあった。

 暁美さんがそこから出てくる。


ほむら「……着替え、終わりました」


 前に見た時の私服はどちらかというとぼんやりとした色で揃えていて大人しめの印象を持ったが、

 今回はシンプルながらもややはっきりとした色合いで構成された服だった。


ほむら「ど、どうですか? 雑誌に書いてあったことを参考にしながら、鹿目さんたちとも相談して選んだんですけど……」

貴方「な、なんか……前見た時とは印象が違ってて驚いちゃった。すごくいいと思う」


 ゆったりとした白色のトップス。裾の両側についた紫のリボンが控え目だがワンポイントになっている。

 ひらひらとしたミニスカートを穿いているが、スカートと同じ色の黒いタイツのおかげで露出は少ない。

 暁美さんの素の容姿の端麗さを活かしつつ上品にまとめられているといった印象だ。


ほむら「あ、ありがとうございます……素直に喜んでいいんですよね? でも、他の人を超せるのかなぁ……」

貴方「他の人、か……」

ほむら「もしかして、他の人の写真ももう見てる……?」

貴方「一応出てるのは見たよ。うん、まあ……綺麗だった。そういや中には胸元開いた服で釣ろうとしてるのもあったなあ……」

ほむら「や、やっぱり、私なんかじゃダメですかね!? ずん胴に見えないようにゆったりとしたものを選んだんですけど」

貴方「いや、色気やスタイルも長所ではあるけどそれだけで決まるわけじゃないと思うよ?」
307 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/05(火) 01:19:46.94 ID:rKkbiLJU0

 この時間だけは化粧も許されているし、してないモデルも少ない。

 暁美さんも薄くメイクを済ませているようで、普段よりもやや血色がよく見えている。きっとこれも練習したんだろう。


 今まで見た中でも一番といってもいいくらい、暁美さんは間違いなく綺麗だ。短い期間ではあるけど努力したのも知ってる。

 ……でも、他の人と比べてやっぱりなにかが足りない気がしていた。


ほむら「そ、そう……ですよね。もう撮影に行きますか?」

貴方「……ちょっと待って」

ほむら「ど、どこかおかしいですか……? それとも、カメラのほうで何か調整が必要とか……?」

貴方「いや、足りないのは外見じゃなくて」

貴方「暁美さんは最初の頃からすればすごく自信がついたと思う。でも、まだあともう少し自信を持ったほうがいいと思うんだ」


 他の人は自分を綺麗だと思っている。暁美さんと他の人との違いはそこだった。

 それは一歩間違えれば自意識過剰なとこもあるかもしれないけど……身に纏うオーラというか、その違いが見る人にも影響を与えることは確かだ。


貴方「だから、撮影する前に……自分は一番綺麗だって自信を持ってほしい」

貴方「撮って暁美さんが気に入らなかったら何回でも撮りなおすし、もっとこうしてくれっていう注文があればその通りにするよ」

貴方「暁美さんの控え目なところは素敵な個性だと思ってる。でももう少し堂々としていいんだよ」

ほむら「【貴方】くん……」

貴方「まずは……そうだな。敬語、やめてみない?クラスメイトだし、俺たちはただの友達――以上だと思ってるよ」


 その上は『親友』だろうか。

 暁美さんにとって鹿目さんは親友だ。それと同じ……? それとも、『友達以上恋人未満』ってヤツを指したのだろうか。


貴方「あ、無理にとは言わないけどね!?」

ほむら「……うん。うん、今だけはちょっと張り切ってみる!」



 無理なお願いをしてしまったかと心配になったが、暁美さんはいつになく強い口調で返してくれた。

 ……勇気づけることができたのかな。


 これで準備は整った。もう足りないものはないはずだ。胸を張って撮影に向かおう。

308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/05(火) 01:28:30.04 ID:lggZ3UdJ0
なかなかの殺し文句をさらりといってますねぇw
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 01:29:07.80 ID:yoakWvuZ0
これもう告白だろ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/05(火) 01:36:38.79 ID:lggZ3UdJ0
外見はクーほむに近くても中身はメガほむだからなぁ
張り切るのはいいが右手と右足が同時に出てたりしてw
311 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/07(木) 22:04:20.03 ID:rH+rV0y40


*「あの子すごい綺麗」

*「あれってこの前の表紙の子じゃない?」

*「実際に見たほうが迫力あるね」


 廊下を歩くと、周りの人たちが暁美さんを見て話していた。

 普段だったらこんなことからでも不安になって縮こまってしまうだろう。でも、今は違った。


ほむら(大丈夫。きっと悪いことは言われてない)

ほむら(みんなも協力してくれて頑張ったんだもの)


 背筋を伸ばし、表情を変えずに行く。

 周りの目もカメラのレンズも敵じゃない。そう思えるようになったら自然と堂々としていられたようだった。



ほむら「――――き、緊張したぁ…………」

貴方「お疲れ様」


 ――――更衣室から、今度は見慣れた制服姿で出てくる。

 撮影を終えて服を着替えると一気に力が抜けたようだった。撮影の間の隙を無くした雰囲気とは大違い。

 素が綺麗なだけあって、そういう人は堂々と振舞っているだけでも迫力がある。


貴方「暁美さん、やっぱ堂々としてるとすごいね。別人みたいだった」

ほむら「そ、そうですか……?」

貴方「着替えてる間にも写真見てたけど、良いのいっぱいあってどれを出そうか迷うな」

貴方「納得できる写真はいくつかあるって言ってたけど、本当に出すのは俺が選んでいいの?」

ほむら「はい。私のこと一番見てくれてるのは【貴方】くんだと思うから……」


 しかし、気が抜けたと同時に敬語まで戻ってしまったのは少し残念。


貴方「……ところで、ため口もさっきだけで終わり?」

ほむら「あっ、本当だ……!」



 もう一度撮った写真を見返す。どれを選ぼうかな。

1微笑を浮かべた写真
2にっこりと笑った写真
3凛とした表情の写真

 下2レス
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 22:07:53.24 ID:JNoQK98/0
2
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/07(木) 22:22:16.64 ID:DyjVGG950
2
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/07(木) 22:51:34.52 ID:o7BPHNZ40
落差が可愛いな
315 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/07(木) 23:13:54.12 ID:rH+rV0y40


貴方「これかな。暁美さんが珍しいくらい笑ってるから」

ほむら「い、今見るとなんだか恥ずかしいかも……」

貴方「恥ずかしくないよ。よく撮れてるって」


 提出できるくらいのはいくつもあった。ひきつけられるというか、誰もが目を奪われるような写真。

 その中でも、一番にひきつけられたのはこれだった。


ほむら「じゃ、じゃあそう思っておきます。でも、なんか……モデルってやってみると意外と楽しかった」

ほむら「自分でもそう思えたのが一番驚きかもしれない」

貴方「俺もこんなに本気で撮ったのも楽しく撮れたのも始めてかもな」



 部室のパソコンに選んだデータを提出しにいく。

 するとそこに私服姿の女子部員がいた。いつもは撮る側なのに。


*「実は私もせっかくだからこっちに回ってみようかなって。思い出作りに」

*「いっぱい美人さんいるんだから一人くらい私みたいな箸休めがいたっていいでしょ?でもランキングは下まで発表しないでほしいかな」

ほむら「……そういう言い方ってあまりよくないと思います」

*「え?」

ほむら「せっかくなんですから、自信もってください!」

*「……あ、うん。ありがとう」



 ……女子部員はきょとんとしていた。

 そりゃそうだろう。今までだったら暁美さんが絶対言わないことだったから。
 

316 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/07(木) 23:26:49.97 ID:rH+rV0y40


 それから帰り際、また見知った人物とすれ違う。



ほむら「志筑さん?」

仁美「あら、ご機嫌麗しゅう。こうして話すのは久しぶりですね」

仁美「写真部員でしたっけ。この前の校内雑誌の表紙ですごく話題になっていました」

貴方「もしかして志筑さんも?」


 『ミス見滝原』を名乗るのだから、参加資格は写真部の部員だけには限っていない。

 イベントの貼り紙を見て撮影に来てくれた人など、全校の女子生徒が参加できるようにしていた。

 そのほうが盛り上がるだけでなく、カメラマンの活躍も見せつけられるという部長の意向だった。


仁美「はい、友人に勧められて。あとは……まあ、アピールのチャンスになったいいなと」

貴方「アピール……?」

仁美「暁美さんはこれから撮影ですか?」

ほむら「いえ、私はちょうど終わったところです」

仁美「そうでしたのね。お疲れ様です。私はこれからですので、ライバルにはなりますがよろしくお願いしますね」


 志筑さんはにっこりと挨拶してスタジオのほうに駆けていった。

 その笑顔は決して嫌なものではなく、何者にも怖気づかない芯の強さがあるんだろう。

 お嬢様だけあって肝は据わってそうだ。人をまとめる委員長なんかもやってたりする。……前までなら迷うことなく一番にマドンナ扱いだっただろうな。


貴方「こりゃけっこう参加者多そうだな」

ほむら「志筑さん、モデル向きの体型ではありますよね。美人だし……」

貴方「でも暁美さんが負けるとは思わないよ」

ほむら「……そうだね」



 こうして無事締め切りまでの一週間を乗り切った。

 それからは部活でもクラスでも文化祭の準備に忙しくしながら過ごしていた。


 写真を撮り終えたら雑誌を作るための作業だ。暁美さんはこういう裏方作業までちゃんとやってくれるから部内の人気は高い。

317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 23:41:40.75 ID:DyjVGG950
巻き毛の女子生徒も出るかな
318 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/07(木) 23:46:15.45 ID:rH+rV0y40
――――
文化祭当日



 夏から秋に変わった季節を実感してくる頃、ついに当日を迎える。

 雑誌は部室で公開。集計は15時頃だ。当日もまずは宣伝に出ていた。


ほむら「お疲れ様。そろそろ私が代わるから、回ってきても……」

貴方「そうだな、クラスの出し物もあるしなぁ」



1どこかの出し物を見に行く(同行者:一人か指定キャラと・内容安価指定)
2自分のクラスの出し物の様子を見に行く(内容安価指定)
3自由安価

 下2レス
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/07(木) 23:46:44.31 ID:o7BPHNZ40

マミさんはまどか、さやかと一緒にほむらのコーディネートに関わってそう
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/07(木) 23:47:48.58 ID:o7BPHNZ40
割り込み失礼
安価↓↓
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 23:57:11.53 ID:zSLe0KE2O
交代したほむらの同行は無理そうだから2
クラスの出し物は射的や輪投げ、型抜きといったゲーム
322 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/08(金) 00:10:01.94 ID:93HoKxBi0


 『ゲーム屋』と書かれた教室に裏から入る。

 色んなミニゲームのようなものを自分たちで作った俺たちのクラスの出し物だ。


貴方「調子はどう?」

まどか「うーん、お客さんちらほら来てくれるけどイマイチかなぁ」

さやか「やっぱり景品がよくないんじゃない?」


 各ゲームで取ったスタンプによって駄菓子のつめあわせを用意しているのだが、それが微妙だった。


さやか「もしくは難易度とか?」

貴方「人もいないみたいだしいっちょやってみるか」



やってみる
1射的
2輪投げ
3型抜き
※採用レスのコンマ1ケタで結果

 下2レス
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/11/08(金) 00:14:38.31 ID:Z9rQENKU0
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/08(金) 00:34:24.94 ID:YYOHwqTB0
1
325 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/08(金) 00:56:59.35 ID:93HoKxBi0
---------------------------------
今回はここまで

ほむら「いつも一緒にお昼食べてる先輩も誘ってみたんですけど断られました」

ってセリフ入れようとしたけど没になった。
そういうの出たがるタイプじゃなさそうっていうのと、今回は美人設定ある人たちの(二人しかいないけど)の特権前提にしたほうがいいかなと。

文化祭の出し物には出る可能性が微レ存…?
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 18:56:41.61 ID:/lS602Or0
次回は別のファイルのセーブデータでマミさんと同じクラスにしてマミさん攻略しようかな
327 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/08(金) 23:56:27.34 ID:93HoKxBi0


 射的のパネルの前のテープの上に立つ。

 そこから割り箸鉄砲で狙いをつけ、折り紙の的を潰せたら一点だ。中には色違いで高得点にしてある的もある。

 どれも手作りだ。足りなくなったら今から補充もできる。……が、あまりその必要もなさそうな。


貴方「これってさ……当たっても潰れないことない?」

さやか「……あー」

貴方「その場合ってどうするんだっけ?」

まどか「失敗じゃないかな……ほら、景品を打つタイプの射的も倒さないと駄目だよね?」

貴方「そうか」


 命中率は4割ってとこかな。平均的だろう。


まどか「ちょっと貸してみて」

さやか「お、まどかの技が炸裂する!」


 鹿目さんに鉄砲を渡すと、命中率がグンと上がる。見たところ7割ってくらい。

 意外なことにそんな特技があったとは。
328 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 00:05:16.60 ID:su5q9YGB0

貴方「鹿目さんは上手なんだね」

まどか「ま、まあ習ったから!銃じゃないけど……」

貴方「へ?」

さやか「お客さんくるよ。ってあれ、まどかの家族じゃん!」

まどか「あ、ほんとだ。来てくれたんだね。みんないらっしゃい。たっくん、なにかやる?」

「あれやるー!」


 小さな子供を連れた家族がブースに訪れる。

 鹿目さんの弟か。身内だけあって、鹿目さんが率先して案内しにいった。

 美樹が小声で話す。


さやか「こっそりお菓子多めに渡してもいいわよ?」

まどか「……! うん!」


貴方(ここも手伝いが必要なほど混み合ってはなさそうかな。見て回ってくるか)



 ――暫く鹿目さんたちを眺めてから廊下に出てみると、暁美さんに会った。


貴方「お、そっちはどう?」

ほむら「ぶ、部活のほうの宣伝は他の人が代わってくれるって。……っと、それで、なんだけど」

貴方「??」

ほむら「……私、今は一人だからっ。一緒に回ってほしいな」

貴方「あぁ、そんなことか。もちろんいいよ。それなら行こっか」



どこ回ろうか?
1食べ物系の屋台
2お化け屋敷
3…メイド喫茶?
4体育館での演劇
5自由安価

 下2レス
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 00:14:35.42 ID:w1c5jrm6O
kskst
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 00:15:36.50 ID:IF0yn84b0
3
331 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 00:35:38.93 ID:su5q9YGB0

貴方「そういえば、暁美さんの家族は今日は来ないの?」

ほむら「仕事の都合でどうしても来られなかったみたい……。急に来るって言ったり、来られなかったり、予測できないんですよね……」

貴方「あぁ……そっか。暁美さん、喉とか乾いてない?お腹は?」

ほむら「どちらも少しかな……【貴方】くんはすいてるんですか?」

貴方「まあ少し?」


 食べ物ならお祭りの定番といえるものは大体揃ってるし、飲み物なら流行りのタピオカミルクティとかも近くにあったはずだ。

 どこだったかなと少し考え始めていると、暁美さんは意外なところを指した。


ほむら「だったら、そこなんてどうでしょう……?」


 ……メイド喫茶って書かれてる。


貴方「そこ?どんな感じか面白そうではあるかな」

ほむら「知り合いがやってるって聞いたので、多分大丈夫だと思います」

ほむら「オムライスは奥で手作りしてて相当な評判だとか……」

貴方「へえ……そんな評判知らなかったな。じゃあ行ってみるか」


 入店してみると、メイド服なコスプレの女の子たちに案内される。


「いらっしゃいませ、ご主人様♪」


貴方(ご、ご主人様……)


 独特な世界観に気圧されそうになった。

 こっちはこっちでミスコンのモデルなんかとはまたちょっと違う覚悟が必要そうな……。

332 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 00:54:27.83 ID:su5q9YGB0


 席に通されると、手渡された手書きのメニュー冊子を開いて二人で覗き込む。


貴方「どれにしようかな?せっかくだからオムライスはつけるとして……暁美さんは決めた?」

ほむら「紅茶とオムライス、かな……」

貴方「じゃあ同じのにしようかな」


 注文を決めてテーブルに置いてあったベルを鳴らす。

 ……それから、内緒話でもするように暁美さんに話しかける。


貴方「暁美さんはこういうのはどう?」

ほむら「へぇっ!? コスプレ…………?」

貴方「コスプレとか、接客とか?」

ほむら「接客は無理ですっ」

「ご注文お決まりですか?ご、ご主人様?」


 気付いたらどっかで見たことのある巻き毛のメイドさんがいた。

 そんなこと言ってたからか、ちょっと恥ずかしそうな素振りだ。


ほむら「えええっ、あ、えっと、二人とも紅茶とオムライスで……」

「“美味しくなる魔法の掛け声”もサービスしましょうか?」

貴方「あー、じゃあ一応それも?」


 魔法の掛け声ってなんだ。そう思って周りを見てみると、隣のテーブルでメイドさんが『萌え萌えニャンニャン』ってやってた。

 ……この人がそれやるのかな。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 00:59:44.50 ID:FKqbGMLL0
一度も名前が出てきてない人か
334 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 01:06:15.26 ID:su5q9YGB0


ほむら「……ティロ・フィナーレとでも言うんですかね?」

貴方「なにそれ?あれじゃない?」

ほむら「あぁ……」


 あっちでやってる『掛け声』を見て暁美さんは納得したような顔をする。

 同時に、ちょっと気の毒そうな顔にも見えた。


*「はい、これがご注文の品でーす」


 ……しかしそれから実際に出てきたのは違う人だった。


貴方「あれ、さっきの人は……?」

*「さっき?あぁ、彼女なら厨房に戻りましたよ?彼女はコックのほうで大忙しですから接客に出るのはレアなんです」


 この学校は共学なわけで、クラスの出し物ではもちろん男女どっちも活躍しているわけで。

 男子も執事服で混じってたり、こっからは見えない厨房にもいるんだろうけど、

 稀に何故かメイド服を着たがるお調子者タイプの人まで混じっていたのがとんでもない存在感を放っていた。


ゴリラ「じゃ、美味しくなる魔法いきますよー? 萌え・萌え・ニャン♪ニャン♪」


貴方「」

ほむら「」



 食べてみると、確かに評判通りの味だった。

 ……しかしまあ、実際に料理や紅茶を美味しくしてるのは彼女のおかげなんだろうなって思った。

335 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 01:32:53.61 ID:su5q9YGB0

――――
――――
部室



 暁美さんと二人で出し物を見て回り、集計の時間が近づくと一緒に部室のほうへと来ていた。

 もう投票は締めきった時間だ。


貴方「投票総数はどのくらいですか?」

部長「こっちが集計終わってるやつで、ざっとこんなもんだよ。二人もそっちの紙数えといて」

ほむら「は、はい……!」

貴方「さすがに票数いっぱいありますね……」


 投票は紙に番号を書いて出す方式だ。

 アプリかなんか使ったりデジタルでやることも考えていたが、PTAや地元のお年寄りのような上の世代が参加することも予測して意外とアナログな手段。

 こっちのほうが一票一票を重く感じる気がする。


貴方「暁美さんの名前多いね……」

部長「志筑さんも多いな。妥当っちゃ妥当だけど、正直意外なとこから出てきたってイメージなんだよな……目立ちたがるタイプじゃないだろ?」

部長「ぶっちゃけここのツートップだ。というかモデルとしての資質がガチすぎて他が霞んでる。……あぁ、これは他のモデルたちには言わないでくれよ」

貴方「わかってますよ」

部長「俺はもちろん暁美さんを応援するけどね?」


 暁美さんは票と向き合いながら黙々と作業をしていた。

 ……そして、集計が終わる。

336 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 01:34:04.75 ID:su5q9YGB0
------------------------
今回はここまで。
お化け屋敷だったらマミさんがマミーさんになって出てきたかもしれない。
337 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 21:05:47.64 ID:su5q9YGB0


部長「結果が出たぞ!」


 一般向けに公表するよりも前に知ることが出来るのは部員の特権だ。

 この時間になるとさすがに部員全員が集まっていた。

 1位、2位、3位……と続いて5位までをホワイトボードに書いていく。


 1位には暁美さんの名前が書かれていた。2位ともそこそこの差をつけて。


貴方「おお、やった!やったな、暁美さん!」

ほむら「ほ、本当に……!」

部長「暁美さん、おめでとう」


 この結果を見て心から嬉しく思った。しかしそれほど驚きはなかった。

 心のどこかで確信していたからだ。あの暁美さんの写真ならいけるって。


貴方(こう見ると正統派の美人から上に並んでるけど、谷間に釣られてる人も多いな……)

貴方(さすがにそれはこの場じゃ口に出さないけど)


 それもまあ想定してたことだった。安易かもしれないけど、目を引けるのならそれも作戦のうちだ。

 暁美さんはそういう戦い方はできないだろうから、純粋に素の魅力と努力で戦って勝ったことになる。

 ……それに、そういう戦い方をするにしてもスタイルがいい人ってのも他にいるわけで。


「正直悔しいけど暁美さんが1位ならわかるかな。あの写真見たし」

「表紙の写真は綺麗に写ってたけど実際見たらただのオドオドした子だしいけそうじゃんって思ってたけど、やっぱ暁美さんってなんか持ってるよ」

ほむら「ありがとうございます」

「それでいいの?大分褒められてるのかわからない言葉だったけど?この不遜なギャルに一発ガツンと言ってやってもいいんだよ?」

ほむら「私の今までの態度でどう思われてるかは理解してたので……いいんです。そういう私は変えたいって思ってたので」


 6位、7位以降もホワイトボードに書かれていく。上がる一喜一憂の声。その中には同数票もある。

 10位までで部長が手を止めた。


部長「さて、じゃあこれで表に貼り出すか!結果に納得がいく人もいかない人もお疲れ様」

部長「2年生までなら是非来年リベンジしてくれ!次は俺もただの参加者として投票しにきてやるよ」

*「10位以降の順位と票数も教えてくれない?」

部長「あぁ、集計結果は全部メモしてるから見たい人は見といてね」

*「……うん。やっぱり私の票は少ないけど、票を入れてくれた人がいると思うと嬉しい。やってみてよかった」


 結果に納得がいく人もいかない人も。

 目指すところはみんな違うが、ひとつ決着がついたようだ。

338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 21:15:34.40 ID:FKqbGMLL0
やった!
339 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 21:54:02.53 ID:su5q9YGB0


 ――――集計結果を発表する時間になると、もうそろそろ文化祭も終わりが近づく。

 各地でやっていた出し物も片づけに入っているところが多くなっていた。

 自分のクラスに戻ると、こっちもその最中だった。


仁美「隣の教室から借りてきた机を戻すのを手伝ってくださいませんか?」

仁美「ちょうど男手が足りなかったんです。上条君は病み上がりで無茶はさせられませんし」

ほむら「わ、私も何か手伝えることは……」

仁美「暁美さんは私達と一緒にこちらの装飾を外すのを手伝ってくださいまし」


 ……志筑さんも今回のイベントで二番目に目立った人だった。


貴方「そういえば、順位は見た?」

仁美「暁美さん、1位でしたね。おめでとうございます」

ほむら「あ、ありがとうございます。志筑さんもすごいです」

仁美「負けてしまいました」

ほむら「……2位で負けたなんて言ってたら、他の人に怒られちゃうかも」

仁美「そうですね。でも、私からしたら……やっぱり満足のいく結果は得られなかったみたいなので」


 1位とは差があったけれど、その下には更に圧倒的な差をつけていた。

 ほとんどの人から羨まれるくらいすごいことなのに、それでも物足りないのだろうか。

 本人は負けた言うが、悔しがるでも喜ぶでもなく淡々としているように見えた。

340 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 22:13:04.54 ID:su5q9YGB0


 机を運んで再び教室に戻ると、美樹とも会う。教室の中も大分片付いてきていた。


さやか「残った駄菓子配ってるんだ。あげるよ」

貴方「おう、ありがとう」

まどか「ほむらちゃんにも」

ほむら「わぁ、ラムネがいっぱい……!」

さやか「あとの細かい片づけは後日でいいかな?」

まどか「順位見てきたよー。ほむらちゃんおめでとう!すごいよ!それになにより、とっても綺麗に写ってて驚いちゃった」

さやか「あたしたちももちろんほむらに投票しといたよ」

ほむら「ありがとうございます」


 暁美さんは照れながらも嬉しそうにしている。

 ――ついに文化祭終了のチャイムが鳴った。あとは自由解散だ。もらった駄菓子を食べながら話す。


まどか「文化祭も終わっちゃったね」

さやか「みんなで作ったものも終わったらすぐに片づけてゴミ箱行きなんだからちょっと寂しいよね」

ほむら「でも、私はこの文化祭で消えないものをもらえました」

まどか「わたしも。思い出はずっと残るからね」

貴方「ああ。そうだな」



 こうして文化祭の一日は終了する。

 思い出と順位、それから物としても写真の載った雑誌は残せる。これらはずっと取っておこうと思った。


――――
――――

★イベント終了★
341 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 22:16:54.64 ID:su5q9YGB0


[好感度] to貴方
暁美ほむら★★★>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。
342 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 23:06:58.48 ID:su5q9YGB0
15日目 教室


 ついこの間までは非日常を感じるイベントをやっていたわけだが、それが明けると残りの片づけをやってすぐに元の様子に戻る。

 文化祭の名残があったのは学活の1時間目までだ。それからは通常の授業が再開していた。


 授業を終えて昼休みのチャイムが鳴る。


ほむら「あの……【貴方】くん、今日のお昼は一緒に食べてもいい?」

貴方「うん。教室出る?」



 珍しく弁当箱を持った暁美さんが机の前に来て、食べる場所を探しにいく。

 前みたいに適当な空き教室を見つけてそこで食べることにする。



貴方「それ手作り?」

ほむら「えーと……1割くらいは」


 ……暁美さんは自信なさそうに言った。見てみると前に俺が作ってきた弁当に似た感じだ。


ほむら「お弁当作ろうと思って、【貴方】くんが作ってきてくれたのを参考にしてみたんですけど……」

ほむら「食べてもらうなら、冷凍食品は似た感じなので卵焼きだけでも自分で作って食べてもらおうと思って」

貴方「……あの時言った約束か」

ほむら「全然特別なものでもないし、上手なわけでもないですけど……食べてくれる?」

貴方「うん!もちろんもらうよ。ありがとう」


 暁美さんからもらった卵焼きは……たしかに特別美味しいわけじゃなかったし、

 自分の好みに合ってるかと言われるとそうでもなかったけれど、それでも満足だった。

 俺のために頑張ってくれた姿はなんとなく想像できるから。


ほむら「それで……あの、ちょっと気になってて。あの時の……」

貴方「あの時?」

ほむら「あの時の『友達以上』って、どういう意味……?」

貴方「あぁ、あれは――――……」



1『恋人』になりたいって言ったらどう思う?・・・個別END
2『親友』って意味だよ・・・このままで続行

 下4レス中多数決 ※END後も直前に戻ることは可能です
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 23:08:48.65 ID:qjVq0UG50
1
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/09(土) 23:10:49.63 ID:isVUQfIq0
2
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 23:11:59.83 ID:vJfOcQDHO
魔法少女関連にも関わらず関わらせたいから2
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 23:12:18.64 ID:FKqbGMLL0
1
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 23:20:27.13 ID:vBY2/akeo
一応1
348 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 23:35:01.01 ID:su5q9YGB0

貴方「『恋人』になりたいって言ったらどう思う?」

ほむら「それって……え!? えぇ!?」


 暁美さんの返事をじっと待つ。

 いつからかははっきりと覚えていない。

 けど、暁美さんのことをいっぱい知っていくうちにいつのまにか好きになってたんだ。


ほむら「い、いいの……?」

貴方「そ、その返事って受け入れてくれるってこと? だってそう思ってるのはむしろこっちだよ!?」

ほむら「あ、そう、だね……こんな時だからはっきり言わなきゃ」

ほむら「私も【貴方】くんのこと好きだから……よ、よろしくお願いします」


 電流でも走ったような気分だ。


貴方「こ、こちらこそよろしく!暁美さん。……あ、いや、ほむらって呼んでもいいかな?」

ほむら「〜〜! ……いいよ」

貴方「なんか、意外だな……言ってみたらこんなにあっさり、それにほむらも好きだなんて」

ほむら「私も、こんなことがなかったら多分ずっと伝えられなかったかもって…………」

349 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/09(土) 23:59:41.65 ID:su5q9YGB0


 暁美さんはふと何かを思い出したかのように話す。


ほむら「前に、私は尽くされるタイプかもって言ってたじゃない?」

ほむら「……すぐ怖くなっちゃうの。迷惑だったらとか、拒絶されたらとか考えちゃって」

ほむら「目を向けて、優しくしてもらってはじめて優しくしようって思えるの」

ほむら「無償で人に手を差し伸べるほどの勇気も出せない。だから…………、私は本当にわがままなの」

ほむら「でも、そんな私にも……『こんな私』って思って卑下してた私にも【貴方】くんはずっと良くしてくれた」

貴方「それは本当にそうしたかったんだよ。もしかしたらその時から惚れてたのかもな」

貴方「今の暁美さんはみんなから羨ましがられる人だよ。良くしてくれる人も、言い寄ってくる人もいっぱいできるかもしれないよ?」

ほむら「それでも、私は【貴方】くんがいい」

貴方「……ああ!俺だって誰よりも暁美さんのこと幸せにするから!」


 満たされた気持ちになる。これから恋人同士――その響きが心にむず痒かった。

 そして、同じことを思って通じ合えたのがなによりうれしかった。



―ほむらEND.1―
350 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 00:22:46.67 ID:2wIMMppH0

三週 16日目(※上のレスで15日って書いてたけど普通にミスだよ)


[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・☆恋人☆
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら



[好感度] to貴方
暁美ほむら☆>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。
  



1END後で続行
2直前の好感度★★★のまま続行(ハーレム主人公が鈍感なのはお決まりのこと)
3一日目からリセット…攻略済記録は引き継がれます。設定変更が可能。

 下4レス多数決
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 00:50:27.88 ID:zPD37+yqO
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 00:59:43.51 ID:6XnljzX/o
宜候1
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 01:03:04.30 ID:K8sT9r280
2
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 01:03:56.32 ID:6PtO04yy0
2
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/10(日) 01:50:17.09 ID:nSqpgYzT0
2で続きか
>>342の『親友』というより告白のような『大切な人』みたいな感じで言った後慌てて誤魔化すみたいな感じ?
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 10:59:50.79 ID:zrbWCTKT0
正直ほむらとの二股修羅場はかなり気になる
さやかでもまどかでも
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 14:38:46.30 ID:6PtO04yy0
魔法少女は強い、そして結界の中で死んだら死体が残らない、あとはわかるな?
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 17:10:32.62 ID:ir1lByvdo
悲しみの向こうへ
359 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 19:26:34.48 ID:2wIMMppH0
このまま続行でもヤンデレはありえるんやで…?
おまけにヒロイン全員病んでるギャルゲとかも面白いかもしれない(白目)
-------------------------------------------------------------------------

1『恋人』になりたいって言ったらどう思う?・・・個別END
2『親友』って意味だよ・・・このままで続行←



 問われて、暁美さんへの気持ちを再び考え直す。

 この数週間、たくさん一緒に過ごして色んなことをして仲良くなれた。

 ――すると、やっぱり、暁美さんへの思いにぴったりと当てはまるのはこれだった。


貴方「『親友』って意味だよ」

ほむら「えっ?」

貴方「暁美さんは前から鹿目さんたちと仲良いけど、俺も暁美さんと仲良くなれて本当によかったって思ってるんだ」

貴方「……暁美さんはそう思ってくれてないかな?」

ほむら「…………」


 するとどうしてか暁美さんはぽかんと黙り込んでしまう。

 しかし、少ししてから納得したように言った。


ほむら「ううん……そう、だね。私も【貴方】くんと仲良くなれて良かったって思ってる」


 写真に撮った満面の笑みも良いけれど、今は暁美さんらしい素敵な微笑を浮かべて。

 ――そうして、一緒にお昼の時間を過ごしていった。



[攻略済]
暁美ほむら



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/11/10(日) 19:30:44.07 ID:PB6MP9Ic0


マミさんと知り合いにはなりたい
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 19:47:09.92 ID:6PtO04yy0

たまにはまっすぐ帰ろう
362 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 20:32:51.03 ID:2wIMMppH0
放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。


 最近は写真部の活動が忙しかったし、たまにはまっすぐ帰ろう。

 そう思って教室を出ると、同時に出てきた美樹が隣に並ぶ。たまたまタイミングが合ったみたいだ。


さやか「今日はもう帰んの?」

貴方「ああ、最近放課後色々やってたし」

さやか「やっぱ部活ってやってたほうが楽しいのかな?充実する?」

貴方「思い出は作れるんじゃね?少なくとも俺の場合はそうだと思うけど?」

さやか「あー、だよねー」

貴方「美樹もなんか部活やりたいとか?」

さやか「あたしに合うのって何部だと思う?」



1テニス部
2バレー部
3陸上部
4野球部のマネージャー
5吹奏楽部
6美術部
7放送部
8部活つくっちゃうのは?
9自由安価

 下2レス
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 20:40:25.85 ID:6PtO04yy0
踏み台
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/11/10(日) 20:41:24.37 ID:PB6MP9Ic0
個人的には、7(聞いてて楽しそう)だけどどれも3や4も捨てがたい……
安価↓
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/10(日) 20:51:16.26 ID:nSqpgYzT0
4
面倒見がよさそう
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/11/10(日) 20:53:20.62 ID:PB6MP9Ic0
>>365
フリーだし気になるだす男子がいるかもな
あとソフトボール部がないのが悲しい。あったら一番だったのに
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/10(日) 21:01:09.45 ID:nSqpgYzT0
仁美やマミさんのような綺麗、といった感じではないけど元気で可愛くてスタイルも良い
社交性もあって面倒見もいいとなれば男子がほうっておく訳ないよね
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 21:04:17.33 ID:6PtO04yy0
高翌嶺の花という感じではないから普通にモテそうなんだよな
369 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 21:30:10.19 ID:2wIMMppH0

貴方「野球部のマネージャーとか?」

さやか「あぁ、自分がやるんじゃなくてマネージャーか。いいかもね!」

貴方「美樹はなんだかんだ面倒見良さそうだし」

さやか「いいこと言うね!」

貴方「ちなみに自分が動くほうはどうなの?」

さやか「あたしは運動はやんないよ。キツそうだし、あたしが大会なんて出たら余裕で記録抜いちゃうもんね」

貴方「そうかそうか」

さやか「でもさすがに今からは無理かなぁ。すでにマネージャーいるでしょ?」

さやか「軽く参加できそうなとこがあれば誰か誘って入ってみるのもいいんだけどな」

貴方「あんまり軽すぎると思い出も軽くなりそうなもんだけどな?」


 野球部でマネージャーをする美樹か。

 案外自分で言ってたように選手にはならずに、献身的に誰かのサポートに回る姿ってのも似合うかもしれない。
370 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 21:54:10.79 ID:2wIMMppH0

貴方「そういえば、習い事とかも何もやってないんだっけ?最近なんか忙しそうにしてたけど」

さやか「……んー、そういうのならやってるような、やってないような?」

貴方「なんだそれ、どっちだよ」

さやか「まあやってないかな」

貴方「部活もいいけど、今からだと塾とか入ったほうが身になるんじゃねーか」

さやか「そりゃあんまり勉強は自信ないけどさぁ、よりによって塾とかツマンナイこと習い事にしたくないよ」

さやか「やるんだったら、【貴方】が教えてくれない?無料で!」


 本気なのか冗談なのか。


貴方「……別に逃げ出さないならそれでもいいよ。今から図書室でも行く?」

さやか「えっ、……マジで?」

貴方「じゃあマジってことで」

さやか「ええー。まあ、確かに期末もあるし見てくれるなら嬉しいっちゃ嬉しいけど……」


 まっすぐ帰ろうって思ったけど予定変更だ。

 美樹は嬉しいのか嬉しくないのかわからない様子でついてきた。

371 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 23:07:49.04 ID:2wIMMppH0
図書室



 図書委員だから我が物顔で入ることはできるが、今日は委員会の用事で来たんじゃない。

 普段から大してここに入り浸ることはなかった。

 勉強で使うっていうのもなんとなくそんなイメージがあったからというだけだった。


貴方「……で、まずはどの教科からやる?」

さやか「教科書とか持ってるやつのほうがいいでしょ?あたし普段置き勉だからなー」


 適当なテーブルで向かい合わせに腰掛けて教科書を出していく。

 俺も後日使わない教科のならいくつか持ち帰ってるけど、さすがに全部は持ってない。


さやか「まずは英語かな。今日やったとことかマジで意味わかんなかった」

貴方「じゃーそうするか。確かに難しかったよなあれ。俺も復習できるし丁度いいや」



――――
――――


 …………それから英語を今日やったことと近いところから復習していた。


さやか「――――やーっと理解できたわ。【貴方】が解読してくんなかったら一生わかんないままだったよ」

貴方「大げさだなぁ。調子のいいこと言って」


 教えたり聞いたり相談したり、意外とあれこれと話していると勉強といっても案外声が大きくなりがちだと気づく。

 静かな放課後の図書室では会話が丸ぎこえでちょっと恥ずかしい。もっと気にしなくて済む場所だったらよかったんだが。


貴方「……次からはもっと話しやすいとこにするか?」

さやか「えーっ、次」

貴方「テスト範囲はまだまだあるだろ。それに意外とかみ砕いて教えようと思ったら勉強しやすいことに気づいた」

さやか「じゃあ……カフェとか?」

貴方「場所代確保のために金払うのももったいないなぁ。無料でって言ってたのに。飲み物くらいならうちで出してやるけど?」

さやか「そう?でも無料でって言ったけど、ホントに何もせず教えてもらうだけっていうのはさすがに悪いかな」

さやか「飲み物くらいならうちでも出せるよ。一応、お礼としてね」


 こういうところを意外と気にするのが美樹なんだろう。

 ……次やるなら、せっかくだから甘えてやってもいいかもしれない。




【貴方】 16日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・割と律儀だよな↑
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・親友
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
暁美ほむら
372 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/10(日) 23:16:20.92 ID:2wIMMppH0
-----------------
今回はここまで
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/16(土) 23:31:33.22 ID:qZW19Ksi0
まだかな
374 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/17(日) 00:21:55.84 ID:mIdqsCSh0
――――
17日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。

 すると三人からも挨拶が返ってきた。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはよう」


 暁美さんは前までみたいにオドオドした感じじゃなく、みんなと並んで前に出て、微笑んで挨拶するようになった。

 前からすれば随分変わった暁美さんの印象。


さやか「そういえば、いつのまにかほむらの敬語とれてるね?やっぱいろいろあった?」

ほむら「えっ、ええとまあ……」

貴方「敬語じゃなくていいよって言ったんだよ」

まどか「そうだよね。クラスメイトなんだし」

さやか「まーそーだけどー。あたしには敬語だからなあ。あれはあれでアイデンティティな気もするけどね」

貴方「あ、美樹はたまには敬語で敬ってくれてもいいけど?」

さやか「あんたのことはうやまわない!」



朝の雑談
1美樹は先輩相手だとどんな感じ?
2鹿目さんも印象変わったよね
3自由安価

 下2レス
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 00:28:37.70 ID:7MDfls2n0
1
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 00:54:08.05 ID:1gnH2Cjd0
1
377 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/17(日) 01:20:05.78 ID:mIdqsCSh0


 部活はやってない美樹だが、ふと先輩と一緒にいた場面を思い出した。


貴方「そういや、美樹は先輩相手だとどんな感じ?変な態度とってないだろうな」

さやか「そんなことするわけないじゃんー!敬いたい人は敬ってんだから!」

まどか「うん、ちゃんと敬語つかってるよ?……たまにッス〜みたいに崩れてるけど」

ほむら「す……」

貴方「ほら駄目じゃねーか、美樹」

ほむら「でも……【貴方】くんもたまに言ってるじゃない」

貴方「ん、まあそーカナ……」


 この中に部活中のことを知ってる人はいた。まさか暁美さんに言われてしまうとは。

 彼女はくすくすと笑う。


 なんとなくそんな雑談をして、HR開始のチャイムが鳴ると同時に席に戻っていった――――。

 それから一時間目の授業。話を聞いてノートをとるだけの世界史の授業か。



授業中
1ノートに専念
2話しかける(クラスメイト指定)
3他の人を眺める(クラスメイト指定)
4自由安価

 下2レス
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 02:03:52.94 ID:1gnH2Cjd0
あんか下
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 17:01:56.49 ID:1gnH2Cjd0
3さやか
380 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/17(日) 21:20:50.89 ID:mIdqsCSh0


 そういえばまた美樹と勉強する約束してた。そうでなくともテストは迫ってるんだ。

 文化祭も終わって、いつまでも祭りモードじゃいられないんだよな。

 ボードに出てきた内容をノートを書き取りながら、ふと美樹のほうを眺めてみる。と――。


貴方(雑談してんじゃねーか。ノートすら出してないし……余裕だな)


 あくまで自分のためだからな、と再び言い聞かせて授業に集中しようとする。

 けど、どうしても気になってこそっと話しかけてみた。


貴方「……美樹、ノート取らなくていいのかよ」

さやか「ボードの内容ならこの前から共有フォルダに資料あげてくれてるからいいのよ」

貴方「え……マジで?そんなの全然気づいてなかった」

さやか「ふふん、サボれるところは効率的にサボる方法を身につけないと」

貴方「で、でも書いたほうが覚えやすいんだよ。だって、この授業でノートすら放棄したら……確実に寝る!」

さやか「それ以上にメモしといたほうがいいとこがあったら【貴方】がメモっといてよ」


 それはなんか腑に落ちない。腑に落ちないけど、自分のためだ。

 教えてくれた美樹に感謝しつつ、書きかけのノートは完成させることにした……。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 21:26:56.29 ID:7MDfls2n0
安価↓
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 21:53:49.67 ID:1gnH2Cjd0
例の先輩と一緒に食べるんなら俺も混ぜてほしいと頼む
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 23:06:07.77 ID:1gnH2Cjd0
こうでもしないとマミさんの出番が無いからな
384 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/17(日) 23:08:16.83 ID:mIdqsCSh0
昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 美樹たちは今日も弁当袋を持って教室を出る準備をしている。


貴方「屋上?たまには一緒に食べられないかなと思ったんだけど」

さやか「あー……前見た通り、他の友達も一緒にいるからさ」

貴方「あの先輩か……」


 いつも他の女子に誘われてもそれを理由に断ってきてるみたいだ。

 暁美さんと二人で空き教室に食いにいったこともあったけど、基本的に先約は優先なのはわかる。


貴方「まあ、一緒でも構わないよ」

さやか「そっちが構わなくてもこっちが構うんだって。その辺の男子とでも食べてなさいよ」

まどか「そ、そこまで邪険にしなくても……」

さやか「だって、困るでしょ?いきなり連れてってどう思われるかもわからないし」

まどか「うん、まあ……そうかもしれないけど」

貴方「さ、さすがにそんなに困るならいいよ!」


 これはあれか。やっぱり、最初に思ったとおり女子の聖域だったってことか。

 ちょっとそこに入るのは無理そうかな。



1購買いこう
2教室の外へ
3教室で食べよう

 下2レス
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/17(日) 23:11:56.13 ID:1gnH2Cjd0
無理だと明言されたか、安価下
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 23:42:13.15 ID:7MDfls2n0
3
387 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/18(月) 00:12:33.42 ID:0ZRNan0+0


*「【貴方】振られたの?しょーがねーから一緒に食ってやんよ」

貴方「嫌な言い方すんなよ」


 男子生徒に話しかけられる。結局美樹の言うとおりその辺の野郎どもと食べることになりそうだ。

 いつもちょっと優柔不断で早乙女先生にいじられてる奴だ。このクラスは気のいいやつが多い。


*「やっぱ【貴方】ってあの中の女子に惚れてたりすんの?一緒にいること多いじゃん」

貴方「たまたまだろ。そりゃ大切な友達だとは思ってるけど……」

*「噂通り暁美さん?それとも美樹さん?まさかの鹿目さんも押しとく?」

貴方「いや聞けよ」


 噂が好きなのは男子も女子も変わらない。俺のこともあっちで話されてたりすんのかな。


*「美樹ねぇ、美樹は…………今どうなんだろうな」

貴方「何が?」

*「いや、美樹って上条に惚れてたろ?でもさぁ、上条は志筑さんと付き合ったわけじゃん」

貴方「え……!?」


 唐突に現れた話に思わずこんなリアクションをしてしまう。

 なんだその情報。情報量が多い。


*「何その反応、まさか気づいてなかったとか?上条に劣らずお前も鈍感だよな」

*「美樹が上条好きなのは見ればわかるって。みんな知ってたし。志筑さんと上条が付き合ったのも」


 噂の上条は今教室にはいない。確か前に志筑さんと一緒にどこかへ行ってたのを見たことがある。

 じゃあそれって……?

388 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/18(月) 00:36:07.32 ID:0ZRNan0+0


貴方「今二人がいないのもそういうことだったのか!?」

*「はははは、だから何言ってんだよ。マジで今更すぎだっての」


 意外な情報を聞いてしまった。

 美樹が恋占いの本なんてもの借りてたのも。それをもういらなくなったってのも。


 ……美樹、そこまでわかりやすく落ち込んでただろうか。

 今は普段通り明るく見えるからわからなかった。


 それを知ったら、少しだけ――――美樹への見方が変わった気がした。



――――
――――



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅・・・美樹と勉強する話があったよな
2写真部
3部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
4委員会
5寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 00:56:43.21 ID:NGeCyfxn0
安価下
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 00:56:59.24 ID:sy9IuhzYo
2
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/18(月) 00:57:55.25 ID:hc8XwDUq0
1
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