【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―

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102 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 12:49:56.08 ID:Kl0tq6hf0
アクア「竜騎兵以外に突破口は無いのは確かね」

マークス「ああ、砲台に近づかなければならない以上、頼るしかあるまい。歩兵では距離が遠く、馬では杭を裂けて回り込まねばならん。それに、中央での猛攻を抜けて辿りつくことはできないだろう」

カムイ「そうですね。だとすると、竜騎兵の皆さんが素早く攻撃を行えるようにどう動くべきかを考えないといけませんね……」

マークス「ああ、それについてだが……」

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マークス「このように仕掛けようと考えている。最前線を支える兵たちの負担はかなりのものになるが……」

カムイ「いいえ、現状はこれくらいでしょう。敵としても陣を突破されることを無視できないでしょうから」

アクア「そうね。私もマークスの案を支持するわ」

マークス「ありがとう。カムイ、中央での戦闘を任せられるか?」

カムイ「はい、任せてください。マークス兄さんは先行して、敵の攻撃を引きつけてください。中央で敵が抑えに回ってきたら、そこからは私たちが何とかします」

マークス「ああ、頼む。よし、全軍進撃の準備に入る。レオンの部隊には到着次第東側に設置された砲台への攻撃を開始するように伝えよ。カミラにはこの書簡を渡してほしい」

新生暗夜軍兵士「はっ! わかりました!」タタタタタタッ

マークス「カムイ、行くぞ」

カムイ「はい、マークス兄さん」
103 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 12:53:45.48 ID:Kl0tq6hf0
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◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『中央区域・旧暗夜軍陣地』―

旧暗夜軍兵士「敵を確認、南部と西部より進軍を開始しました」

マクベス「敵の編成は?」

旧暗夜軍兵士「中央は重装兵と騎馬兵を主軸とした編成のようです。西部は魔法兵を中心に形成しているようです。杭を抜けて進むつもりかもしれませんが、兵力は中央ほどではありません」

マクベス「ふむ、魔道砲台に対してはまだ攻勢に出るつもりはないということですか。まぁいい、各砲台は敵が射程に入り次第攻撃を開始しなさい。アドベンチャラー、あなたには中央弓砲台の防衛を命じます」

旧暗夜軍アドベンチャラー「了解しました、マクベス様。よし、弓砲台の防衛に向かうぞ。俺に付いて来い!」

旧暗夜軍兵士たち『はっ!』タタタタタタッ

マクベス「西部の魔道砲台はあなた方で対応をお願いします。相手は魔法戦力が中心ですが、近づかせないよう気を配りなさい」

旧暗夜軍ボウナイトA「わかりました」パカラパカラッ
104 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:00:46.41 ID:Kl0tq6hf0
マクベス「ランサーとブレイブヒーローは東部の魔道砲台の防衛をお願いします。まだ敵の姿はありませんが、気を抜かぬように」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「わかった。行くぞ、ランサー」

旧暗夜軍ランサー女「はいはい。それより傷は大丈夫?」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、メイドの治療のおかげでな。もうあのような無様な姿を、お前に見せることもないだろう」

旧暗夜軍ランサー女「そっか、それじゃお手並み再拝見させてもらおうかな」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん」タタタタタタッ

マクベス「あなたは私と来るように」

旧暗夜軍メイド「はい、マクベス様」

マクベス「それで、最初に敵が到達する場所は?」

旧暗夜軍メイド「中央です。多くの戦力がここに集中していますが、道幅の狭くなったところを抑えれば、問題なく対処できるはずです」

マクベス「ふむ……」

旧暗夜軍メイド「いかがしますか?」

マクベス「まずは中央を抑え込みましょう。どうやら、先陣を切っているのはカムイ王女のようですからね。何か策があるのかもしれません」

旧暗夜軍メイド「わかりました」

マクベス(もっとも、どのような策であろうとも蹴散らすまでのこと)

マクベス「行きましょう」タタタタッ

旧暗夜軍メイド「はい、マクベス様」タタタタタッ
105 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:04:03.66 ID:Kl0tq6hf0
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◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村「中央区域・中央部弓砲台付近」―

旧暗夜軍兵士「敵、さらに接近!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、こっちから挨拶してやるぜ。全員、構えろ!」

旧暗夜軍兵士『……』チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「砲台は指示があるまで各自判断で攻撃、どんどん敵に矢を送ってやれ!」

旧暗夜軍弓砲台兵「わかりました、攻撃開始します」ガシャコンッ!

 バシュシュンッ!

旧暗夜軍アドベンチャラー「俺たちも攻撃開始だ! 一斉射!」

旧暗夜軍兵士『!!!!』バシュッ!

新生暗夜軍兵士「敵の攻撃、来ます!」

マークス「騎馬隊は散開しつつ、敵の攻撃を引きつけに入る。カムイ、進軍は任せたぞ!」

カムイ「はい、マークス兄さん。フローラさん、ブノワさん、敵の攻撃が来ます!」

フローラ「はい、カムイ様」

ブノワ「ああ、防御陣形に入る……各自、防御姿勢で待機しろ…」

新生暗夜軍ジェネラルA「わかりました、敵の攻撃が来るぞ。歩兵は我々の陰に隠れるんだ!」

 ヒュン!
  ヒュンッ ガッ ドスススススッ

新生暗夜軍ジェネラルB「この程度の攻撃なら、なんとも――」

  ヒューンッ ドゴンッ

新生暗夜軍ジェネラルB「がっ!!!!」グラッ
106 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:10:35.87 ID:Kl0tq6hf0
カムイ「! 大丈夫ですか」

新生暗夜軍ジェネラルB「ぐっ、だ、大丈夫です。さすがに砲台ですね、そこらの矢と比べ物にならないくらいに重い……」

カムイ「フェリシアさん、この方の手当てを」

フェリシア「はい、わかりました」

カムイ(やはり、砲台の破壊力は侮れませんね。ですが、発射間隔はそれほど速いわけでは無いようですね。どうにか装填の合間に距離を詰めて中央を越えましょう。こちらが中央を越えようとすれば、敵はこちらを抑えに出てこなくてはいけなくなりますからね)

カムイ「進軍を続けます。フローラさん、先行をお願いできますか?」

フローラ「はい、お任せくださいカムイ様。フェリシア、援護をお願いね」

フェリシア「はい、姉さん!」

旧暗夜軍兵士「敵部隊、進軍を再開!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「敵がそろそろ中央に差し掛かるか。なら、こっちも出るしかねえ。砲台は後方への攻撃に専念しろ」

旧暗夜軍アドベンチャラー「重装兵隊と騎馬隊はあの一団に攻撃を仕掛けろ。一気に叩き潰して敵の戦力を削ってやれ!」

旧暗夜軍アドベンチャラー(柵と杭を避けてきた奴らを騎馬隊と重装兵で抑えれば、それで敵の進軍は止まる。あとは、それを叩けば終わりだ)

旧暗夜軍ジェネラル隊長「はっ! 全員進め!」

旧暗夜軍パラディン隊長「各員、突出した敵側面へ撃を仕掛けよ」

 ザッ ザッ ザッ
  パカラパカラッ!

旧暗夜軍アドベンチャラー「俺達はこのまま援護を続ける。間違えても味方に矢を当てたりするんじゃねえぞ」

旧暗夜軍弓兵「はっ!」

旧暗夜軍アドベンチャラー(へっ、そう簡単に中央を越えられると思うなよ)

旧暗夜軍アドベンチャラー「蜂の巣にしてやるぜ」
107 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:13:39.28 ID:Kl0tq6hf0
 ヒュン!
  キィンッ カァンッ!

カムイ「っ、攻撃が激しくなってきましたね。フローラさん、大丈夫ですか?」

フローラ「大丈夫、他の皆は問題ありませんか?」

新生暗夜軍ジェネラルA「はい、こちらは問題ありません。まだまだいけます」

アクア「カムイ、正面から敵の重装兵と騎馬隊がやってくるわ」

カムイ「マークス兄さんの予想通りですね。敵の動きは?」

フローラ「前方からジェネラルの分隊、敵の騎馬隊は左右に展開しています」

アクア「ジェネラルで正面から押さえつけて、側面をパラディンで狙うつもりね」

カムイ「ええ、でも敵は同士討ちを避けて弓による攻撃を弱めるはずです。それにここで重要なのは壁を築いて時間を稼ぐことですから。みなさん、踏ん張りどころです、がんばってください」

新生暗夜軍ジェネラルA「はっ!」

ブノワ「む、敵が来るぞ…!」

新生暗夜軍ジェネラルA「全員、何が何でも受け切れ!」

新生暗夜軍ジェネラル部隊『おーーーっ!!』ザッ

 ザッ ザッ ザッ!

旧暗夜軍ジェネラル「掛れ!!!」

旧暗夜軍兵士たち『うおおおおおーーーっ!!!』ガシャンガシャンッ!

新生暗夜軍ジェネラルA「来るぞ!!!」

 ドゴンッ
  バゴンッ
   グアアアアッ!
108 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:17:54.95 ID:Kl0tq6hf0
ブノワ「ぐっ!!!」ググッ

フローラ「ふんっ」ガッ

旧暗夜軍兵士「ちっ、崩せないか」

カムイ「どうにか耐え切りましたね。フェリシアさん、今です!」

フェリシア「はい! それっ!」チャキッ シュパッ
 
 ザシュッ!!!

旧暗夜軍兵士「がっ、目が、うがああっ!」

新生暗夜軍ジェネラルA「はああっ」ググッ ドゴンッ!!!

旧暗夜軍兵士「が……、この!!!!!」ググッ

フローラ「くっ、この程度で!」チャキッ

フローラ(重装兵だからと言って、受け切るだけが能ではありませんよ!)

フローラ「はああああっ」ブンッ

 バギィッ!!!

旧暗夜軍兵士「ぐおおおおあああっ……」ドササッ

フローラ「はぁはぁ……」

カムイ「フローラさん、お怪我は?」

フローラ「大丈夫です。それよりも、カムイ様は指示に専念をお願いします。今、ここで私たちの事を気にされては、敵に隙を許しかねません」

カムイ「わかりました。フェリシアさん、重装兵の方々への治療を最優先にお願いします」

フェリシア「わかりました!」
109 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:27:26.41 ID:Kl0tq6hf0
カムイ(どうにか重装兵の正面攻撃を耐えることはできました。なら、次に来る敵の攻撃は……)

アクア「カムイ、左右から敵の騎馬隊がくるわ」

カムイ「皆さん、側面からの攻撃に備えてください! 何としてでも騎馬の突撃を喰い止めるんです!」

ブノワ「わかった。フローラ、ここは任せるぞ…」

フローラ「ええ、お願い!」

旧暗夜軍パラディン隊隊長「よし、側面の敵防備はまだ済んでいない。この機を逃すな!」

  ヒヒーンッ
 パカラパカラッ

新生暗夜軍兵士「敵、来ます」

ブノワ「牽制する。全員、構えろ!」ザッ

新生暗夜軍兵士『!』ザザッ

旧暗夜軍パラディン隊隊長「怯むことはない、このまま敵を蹴散らせ!」

 ドドドドドドドッ!!!

ブノワ「今だ!」ブンッ

新生暗夜軍兵士「当たれ!!!」チャキッ ブンッ!

 ヒュン  ヒュンッ
   ザシュッ! ザシュシュッ!
 ヒヒーンッ ドササッ

旧暗夜軍パラディン「攻撃が激しく、速度が出せません!」

旧暗夜軍パラディン隊隊長「ちっ! 小癪な真似を!」キィンッ

カムイ(ふぅ、なんとか敵騎馬隊の初撃は耐えきれましたか。ですが、何度も受け切れるものではありません。あとは、例の手がうまく行くのを待つしかありませんね……)

カムイ「頼みましたよ、カミラ姉さん」
110 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:33:32.77 ID:Kl0tq6hf0
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◆◆◆◆◆◆
―中央区域・西部『魔道砲台周辺』―

旧暗夜軍兵士「中央の戦闘が続いています」

旧暗夜軍ボウナイトA「敵は中央から攻める選択をしたか。なるほど、重装兵を駆使して弓砲台の攻撃を受け切り距離を詰めたということか」

旧暗夜軍兵士「こちらはどうしますか?」

旧暗夜軍ボウナイトA「マクベス様からここを死守ように命を受けている。現状はここを守ることに専念するだけでいい。それで、敵の動きは?」

旧暗夜軍兵士「まだ砲台の射程外です。じりじりと距離を詰めつつあります」

旧暗夜軍ボウナイトA「そうか」

旧暗夜軍ボウナイトA(中央での戦いは苛烈を極めているようだな。さすがに敵の戦力のほぼ全てが集中しているのだ、それも仕方あるまい。しかし、最も気になるのは敵の竜騎兵がまだ姿を見せていないことだ)

旧暗夜軍ボウナイトA「中央突破のために投入する機会を伺っているということか?」

旧暗夜軍兵士「敵、増援を確認! 竜騎兵部隊のようです」
 
旧暗夜軍ボウナイトA「きたか、予想進路は?」

旧暗夜軍兵士「はい、現在中央に向けて進軍しています」

旧暗夜軍ボウナイトA「やはり敵の狙いは中央か。敵魔法部隊の状況は?」

旧暗夜軍兵士「はい、進軍の速度をあげたようです」

旧暗夜軍ボウナイトA「同時に侵攻して我々を釘付けにし、中央への援護に向かわせないつもりか。仕方あるまい、これより向かってくる敵を迎え撃つ。機を見て別働部隊を形成し、中央の援護に向かわせるぞ」ザッ

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カミラ「敵の様子はどう?」

ベルカ「……左奥の魔道砲台周辺の敵は進軍速度をあげた魔法部隊を迎撃することにしたみたい…。すぐに中央にやって来るわけではなさそうね」

カミラ「そう」

ニュクス「中央の方は、私達を迎撃するために弓兵を使うつもりみたい。みんな、構えて待っているわよ」

カミラ「あらあら、準備がいいものね」

カザハナ「うぇ〜、あそこに突撃したら、一溜まりもないわね」

アシュラ「まぁ、あれに飛び込みたくはねえな」

ツバキ「ほんとうだねー」

カミラ「ええ、あそこに飛び込むのは難しいわ。もっとも――」

「狙いが中央だったらの話だけどね?」
111 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/01/23(木) 13:40:59.12 ID:Kl0tq6hf0
今日はここまで
 
 FEHで投票が行われてますね。対象に#FEも追加されてよかった。
 
 ところでチキ嫁Pが投票対象にいないのはなぜなのか……
112 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 22:45:15.33 ID:SYavcY//0
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―中央区域・西部『魔道砲台周辺』―

旧暗夜軍兵士「敵部隊、杭を通過しました」

旧暗夜軍ボウナイトA「よし、魔道砲台は攻撃を開始せよ」

旧暗夜軍砲台兵「はっ! 攻撃を開始します!」シュオンッ

旧暗夜軍ボウナイトA「砲台の護衛は最小限でいい。群がる敵を討ち、側面から中央突破を計る敵へ攻撃を仕掛ける。行け!」

 ウオオオオオーーーッ!

新生暗夜軍兵士「敵、魔道砲台の動作を確認」

新生暗夜軍ソーサラー隊長「砲台の広域魔法に気を付けつつ、前進します。敵迎撃部隊の殲滅は騎馬兵を優先しなさい。近づかせてはなりませんよ」

新生暗夜軍兵士「砲台から広域魔法の詠唱痕確認!」

新生暗夜軍ソーサラー隊長「砲台の攻撃に当たらないよう注意しなさい」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

 ヒュオオオオオッ! ドゴンッ!

新生暗夜軍兵士「広域魔法着弾を確認、続いて敵部隊接近します!」

新生暗夜軍ソーサラー隊長「各員、迎撃開始! はあっ!」シュオンッ

  ドゴンッ!
113 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 22:50:54.73 ID:SYavcY//0
旧暗夜軍メイド「マクベス様、西部区域でも戦闘が始まったと報告がありました」

マクベス「おそらく魔道砲台へ向かった敵の目的は中央への援軍を断つことでしょう。中央突破を成し遂げるために、こちらの援軍を阻止したいはず、最小限の足止めを狙っているだけでしょう、現状西部に問題はないはずです」

旧暗夜軍メイド「敵もそれは承知で足止めを狙っているはずですから、戦力差で負けることは無いかと……」

マクベス「ならば、向こうは彼らに任せて大丈夫でしょう。注意しなくてはならないのは、奴らの動向です」

旧暗夜軍メイド「敵の竜騎兵ですね」

マクベス「ええ、中央を騎馬や歩兵で抜けるのは困難ですが。竜騎兵となれば話は別です。急襲しこちらの陣を瓦解させ、中央突破が狙いでしょう。おそらく、竜騎兵の攻撃と共に拮抗しているこの状況を敵は打開するために動くはず、何としてでも耐えなければなりません」

旧暗夜軍メイド「迎撃準備は整っています。敵竜騎兵部隊を指揮しているのがカミラ王女ですと、手強いでしょうね」

マクベス「だとしても、敵の要は間違いなく竜騎兵部隊による急襲制圧戦術であることに間違いはありませんし、カミラ王女もそれを狙っているでしょう。崩されなければ、こちらは勝利に向け一歩進むことができます」

旧暗夜軍メイド「はい、マクベス様」

マクベス(そうです、竜騎兵部隊が消え去れば敵の侵攻は打ち止めになることでしょう。未だに東部魔道砲台への敵侵攻が確認されていないことは気になりますが、敵の飛行戦力はほぼ今見えているものだけでしょう。ならば、これさえ打つことができれば……)

マクベス「……」

旧暗夜軍兵士「マクベス様。敵竜騎兵部隊が動き始めました。まっすぐ向かって来ます!」

旧暗夜軍兵士「中央激戦区の敵集団は重装兵が中央へと集結しつつあります。おそらく強行突破の準備だと思われます」

マクベス「予想通りに来ましたか。ならば、こちらも出るまでです。あなたは第二魔法部隊を指揮しなさい」

旧暗夜軍メイド「わかりました、マクベス様」

マクベス「では、行きますよ」

 オオオオーーーーッ
  ドドドドドドドッ
114 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 23:03:04.71 ID:SYavcY//0
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◆◆◆◆◆◆
―中央区域・『中央南部』―

新生暗夜軍レヴナントナイトA「前方、弓砲台後方より、敵部隊の移動を確認。マクベスが率いる部隊のようです」

ニュクス「中央攻撃を見越した動きね。動きが速いわ」

カミラ「ええ、こっちも急いで手を打ちましょう。いくらカムイやマークスお兄様がいても、あの軍勢を受け続けることはできないわ」

カザハナ「冷静に分析してる場合じゃないと思うんだけど……」

カミラ「その通りね。それじゃ、こっちも動くわよ。ベルカ、先行をお願いできる?」

ベルカ「わかったわ……。ニュクス、捕まっていて」

ニュクス「ええ、きちんとエスコートしてちょうだい」

ベルカ「ええ、任せて。あなた達も付いて来て……」バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「わかりました。よしお前ら、落されるなよ!」

新生暗夜軍ドラゴンマスター部隊員『はっ!』バサバサッ!

カミラ「私達は先行した部隊が右翼からの攻撃を仕掛けるタイミングに合わせて、侵攻するわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「了解です!」バサバサッ

カザハナ「それにしても、この作戦、本当に大丈夫なのかな? 途中で落とされたりとかは勘弁してほしいんだけど」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「お任せください! 必ずや、送り届けてみせます」

カザハナ「わかった、頼んだからね」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「はい、しっかり捕まっていてください!」バサバサッ

ツバキ「アシュラ、到着したら頼むよー」

アシュラ「ああ、任せておけ。さっさと無力化してやるさ」バサバサ
115 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 23:07:54.61 ID:SYavcY//0
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旧暗夜軍弓砲台兵「敵竜騎兵部隊、接近してきます!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「来やがったな! 弓を構えろ!」

旧暗夜軍アドベンチャラー(かなりの量だが、マクベス様の部隊も向かってる。ある程度減らせればこっちの勝ちだ)

旧暗夜軍弓兵「射程に入りました!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「……放て!!」

 バシュンッ
  パシュシュッ!!!

 ザシュッ ザシュシュッ!

旧暗夜軍弓兵「くそ、落ちねえ」

旧暗夜軍アドベンチャラー(ちっ、攻撃が当たってる奴もいるが、撃墜までには至らねえか……。中央で戦ってる味方を攻撃するつもりなら、その背中を撃ち抜いてやれるんだが……」

旧暗夜軍弓兵「敵竜騎兵部隊、さらに前進を開始! こちらに向かってきます!

旧暗夜軍アドベンチャラー「照準を合わせておけ、接近してくる奴らを迎え撃つぞ。十分に引きつけろ!」
116 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 23:09:03.35 ID:SYavcY//0
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新生暗夜軍ドラゴンマスターA「敵、第二射の準備に入りました」

ベルカ「わかった……。右翼からの攻撃、頼んだわ」

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「はい。お任せください! 右翼へ展開する部隊は私に続け!」

新生暗夜軍ドラゴンマスター部隊「了解しました!」バサバサッ

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旧暗夜軍弓兵「敵、射程に入ります!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「射て!!!」

 パシュッ 
  バシュンッ!!!

 バサバサッ

旧暗夜軍弓兵「敵、左右に展開します」

旧暗夜軍アドベンチャラー「ちっ、側面から攻撃するつもりか!」

旧暗夜軍弓兵「東に逃れた敵が攻撃態勢に入りました」

旧暗夜軍アドベンチャラー「東から対処しろ。西の奴らは弓砲台で牽制、近づけさせるな!」

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「いくぞ! うおおおおおっ!!!」バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスター部隊『おおおおおっ!!!』 バサバサッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「各自、迎撃しろ!」

旧暗夜軍弓兵「喰らえ!!!」チャキッ パシュッ

 ズビシャッ! グオオオオッ ドスンッ

旧暗夜軍アドベンチャラー(中央部の拮抗地帯への攻撃より、こっちの砲台を落としに来やがったってことか。ここを抑えて、中央への支援が出来ないようにするのが狙いか)

新生暗夜軍ドラゴンマスターB「くらえっ!」チャキ ブンッ

 サッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「甘いんだよ!」チャキッ パシュッ
 
 ザシュリッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターB「がっ……」ドササッ
117 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2020/02/19(水) 23:11:51.72 ID:SYavcY//0
旧暗夜軍アドベンチャラー「どうにか、なったか」

旧暗夜軍アドベンチャラー(だが、このままじゃまずい。西側に分散した敵と、まだ向かってきてるレヴナントナイトの部隊が残ってる。この状況で、攻撃を仕掛けられたら……)

旧暗夜軍弓兵「! 後続の敵、こちらに向かって移動を開始!」

旧暗夜軍アドベンチャラー「くそ、思ったらすぐこうなるか!? 正面の襲撃に備えろ。西側もだ!」

旧暗夜軍弓兵「駄目です、人員が足りません」

旧暗夜軍アドベンチャラー「人員に余裕がないのはわかってる。だが、ここを落とされれば、中央への支援個所を一つ失うことになる。どうにかして守り抜くんだ」

旧暗夜軍弓兵「しかし、現実的に人数が、一方向守るのでも手一杯の状況では……」

???「ならば、正面を私が受け持ちましょう」

旧暗夜軍アドベンチャラー「マ、マクベス様……」

マクベス「どうにか間に合ったようですね。話は後です、正面は私に任せて、あなた方は側面の対処に当たるように」

旧暗夜軍アドベンチャラー「わかりました! よし、形勢逆転だ。向かってくる奴らを一匹残らず打ち落とすぞ」

旧暗夜軍弓兵「はっ!」

旧暗夜軍メイド「マクベス様、私はもう一方の弓砲台へ向かいます」

マクベス「はい、東部の魔道砲台へ向かう敵の部隊が確認されています。状況によっては、そちらへの援護に出てください」

旧暗夜軍メイド「わかりました」タタタタタッ

マクベス「もっとも、この急襲を耐えきれば、敵に打てる策は無いも同然ですがね」

旧暗夜軍ソーサラーA「マクベス様、敵竜騎兵の後続が来ます」

マクベス「ふっ、空を飛んでいることを有利だと思っているのかもしれませんが、それは間違いというものです」スッ

マクベス(この魔法の前ではその優位こそが敗北に繋がることを――)

(その身で知ってもらうとしましょう……)
118 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/02/19(水) 23:12:51.38 ID:SYavcY//0
 今日はここまで
119 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:17:00.86 ID:iwOQrGqD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷入口の村内部『中央区・左弓砲台周辺』―

新生暗夜軍レヴナントナイトA「弓砲台正面に敵部隊展開を確認。マクベスの部隊です!」

カミラ「ベルカ達が展開した後で良かった。あの子たちじゃ、魔法攻撃に対処し続けるのは厳しいもの」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「はい。ですが、敵は全方位に対処できる形になっています。このままでは……」

カミラ「……」

カミラ(おそらくだけど、こちらの動きにマクベスはいち早く勘付くはず、そうなってしまったらおしまいね。なら……)

カミラ「カザハナ、ツバキ、アシュラは先に進みなさい。私が敵を引きつけるわ」

カザハナ「え、それってすごく危険なんじゃ……」

カミラ「大丈夫、私を信じなさい。それよりも、本命をあなた達に任せることになるのだから、しっかり決めてちょうだい」

ツバキ「わかった。こっちは俺達に任せてください、カミラ王女」

アシュラ「ああ、きっちり決めてやるさ」

カミラ「ふふっ、頼りにしているわ。あなたたち、私と一緒に来てくれる?」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「はい、カミラ様。仰せのままに」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「お任せください、カミラ王女」

カミラ「他は手筈通りに進みなさい。さぁ、私達の力を見せつけるわよ」

新生暗夜軍兵士一同『はっ!』

 バサバサバサッ
120 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:19:34.98 ID:iwOQrGqD0
旧暗夜軍ソーサラーA「マクベス様、敵接近します」

マクベス「砲台に近づかせてはなりません、各自迎撃を開始しなさい」

旧暗夜軍魔法部隊『はっ!!!』

 シュオオオンッ バシュンッ! 
  シュオオオオンッ ドゴンッ!

新生暗夜軍竜騎兵「っ、なんて魔法の量だ」

新生暗夜軍竜騎兵「だが、動いていればそう当たるものでは無い。このまま先を目指すぞ」

旧暗夜軍魔法部隊「ちっ、ちょこまかと……」

 バサバサバサッ

マクベス(さすがに高速で飛翔する相手に直撃させるのは難しいことを敵もわかっている。ですが、この魔法に直撃などという概念はありません。ただ、巻き込むだけでいいのです)

マクベス「その力、暗夜を語る裏切り者たちに示す時です」シュオオオオオオオオンッ

 ヒュオオ……

マクベス「エクスカリバー!!!」ヒュオオオオオッ!

新生暗夜軍竜騎兵「な、なんだ。これは風?」

新生暗夜軍兵士「風の渦、一体なにが――」

 ヒュオオオオオオオッ
  ギギッ ザシュシュッ!

新生暗夜軍竜騎兵「がっ、ぎっ、が、がらだが―――」

新生暗夜軍兵士「ひき、ちぎられ――」

 ブチャッ! ドササッ

新生暗夜軍兵士「」

新生暗夜軍竜騎兵「」

マクベス「まず一騎……」
121 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:23:19.59 ID:iwOQrGqD0
新生暗夜軍レヴナントナイトA「カミラ様、あの魔法は……」

カミラ「初めて見るわ。出し惜しみをするつもりはないということね」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「広範囲を巻き込む強力な魔法なようです。進軍方角に出されれば、多くの味方が巻き込まれてしまいます」

カミラ「先を行くあの子たちを落とさせるわけにはいかない。マクベスに攻撃を仕掛けるから、あなた達は周囲の兵をお願い」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「分かりました、カミラ王女」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「了解です」バサバサッ

カミラ「……行くわよ」



マクベス「はあっ! 死ねぇ!!!」シュオオオンッ

 ヒュオオオオオッ!
  ギャアアアアッ!!
   ドササッ

マクベス「ふっ、簡単に落ちるものですね。暗夜王国の名を騙る裏切り者共にふさわしい最後です」

 バサバサッ

マクベス「む?」

カミラ「マクベス!」チャキッ

マクベス「!」サッ

カミラ「はあああああっ!」チャキッ ブンッ

 ドゴンッ

マクベス「おやおや、まさか王女ご自身から殺されに来るとは。犯した罪の重さに、ようやく気が付きましたか?」

カミラ「あら、その罪に気づいたのなら見逃してくれるのかしら?」
122 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:24:57.19 ID:iwOQrGqD0
マクベス「おかしなことを口にされる。ガロン王様が築いた暗夜王国を裏切った罪は、死をもって清算される以外の道などありえはしません!」バッ

 ヒュオオオッ

カミラ(来る!)バササッ

 ヒュオオオオオオオオオオオッッ!!!!
 グオオオオオッ! バサッバサッバサッ

カミラ「っ!」

カミラ(なんて力、少しでも力を緩めたら渦に巻き込まれない)

カミラ「だけど、この距離なら」

 バサササッ

マクベス「ちっ」

カミラ(あぶなかった。直撃を狙わなくて大丈夫なくらい、広範囲を巻き込む魔法の類のようね……)

カミラ「面倒なものを隠していたのね、あなた」

マクベス「ふん、ガロン王様の忠実なる臣下である私が使う最上級の魔法です。貧弱なものであっていいわけがないのですよ。もっとも、それをこのような形で使うことになるとは思ってもいませんでしたが!」シュオンッ

 ヒュオオオオッ!

カミラ(風の流れ、左から来る)バササッ

 ビュオオオオオオオオオオッ!

カミラ「っ!」

 グオオオオオッ

カミラ(詠唱から渦が出来上がるまでの時間が早い、巻き込まれる!)

 ザシュシュッ
  グオオオオオオッ!!!
123 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:26:09.58 ID:iwOQrGqD0
カミラ「ぐっ!」ザシュシュッ

マクベス「くくっ、これで終わりです、カミラ王女」

カミラ「っ、そうはいかないのよ!」チャキッ ブンッ

 ヒュンヒュンヒュンッ!

マクベス「なっ!」

  ザシュッ

マクベス「ぐっ!」ポタタッ

旧暗夜軍ソーサラー「マクベス様!」

 シュオオオオ……

カミラ(風がわずかに弱まった、今なら!)

カミラ「はああああっ!」ググッ

 グオオオッ
  バサバサバサッ!

マクベス「っ、逃がしましたか。足掻くことなく諦めてしまえばいいものを……」

カミラ「生憎だけど、生きている間は諦めない事に決めたのよ」

マクベス「ガロン王様の築いた暗夜を裏切ることで得た覚悟に価値などあってなるものか……」

カミラ「マクベス……」

マクベス「っ、なるものか。くらえ――」スッ

新生暗夜軍レヴナントナイトB「ムーンライト!」シュオンッ

マクベス「!」
124 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:27:48.11 ID:iwOQrGqD0
 バシュッ!

マクベス「ぐっ!」フラッ

新生暗夜軍レヴナントナイトA「カミラ様、こちらです」

カミラ「ありがとう」

マクベス「っ、逃がすか!」シュオンッ

 ヒュオオオオオッ!

新生暗夜軍レヴナントナイトA「退け!」

新生暗夜軍レヴナントナイトB「はっ!」

 バサバサッ!

マクベス「逃がしましたか……。あと少しだったというのに、っ……」ポタタタッ

マクベス(苦し紛れとはいえ正確に当ててきますか……。しかし、あの状況になっても諦めずに抗うとは……)

マクベス「まったく、本当に嫌になりますね。そういったところに、ガロン王様の子だという事実を感じてしまうというのは……」

マクベス(傷口は思ったよりも浅い、この程度の傷ならば応急処置だけで十分……)
 
マクベス「はぁ、はぁ……。よし、まだ大丈夫ですね」

旧暗夜軍ソーサラー「マクベス様、大丈夫ですか!?」タタタタッ

マクベス「ええ、問題ありません。すでに処置は済ませましたので。そんなことより、敵が再度攻撃を仕掛けてくるでしょうから備えなければ……」

旧暗夜軍ソーサラー「それなのですが、敵竜騎兵は回避行動を取りつつ、西へと向かっているようなのです」

マクベス「西……!」

マクベス(そうか、カミラ王女がわざわざ向かってきたのは……)

マクベス「………アドベンチャラー」

旧暗夜軍アドベンチャラー「はい、マクベス様」

マクベス「至急、お願いしたいことがあります」
125 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:30:58.29 ID:iwOQrGqD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷入口の村内部『中央西区域・魔道砲台周辺』―

 バサバサッ
  バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「敵、魔道砲台の射程まであとわずかです」

ベルカ「魔法部隊を迎撃に向かった敵部隊は?」

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「彼らもこちらに気づいたようですが、魔法部隊に妨害されてまだ動き出せてはいないようです」

ニュクス「仕掛けるなら今ね」

ベルカ「ええ、一気に距離を詰めて砲台周辺を制圧するわ。突撃!」バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「いくぞ!」バサバサッ

 バササササッ!

旧暗夜軍兵士「敵竜騎兵、こちらに向かって前進してきます!」

旧暗夜軍ボウナイトB「ちっ、奴らの本命はこっちだったということか。戦線に上がった味方が戻って来るまでなんとしても守り抜く。砲台は標的を向かってくる竜騎兵を攻撃しろ!」

旧暗夜軍魔道砲台兵「はい、攻撃開始します!」

 シュオンッ ゴオオオッ!!!

ニュクス「砲台から攻撃が来るわね。どうする?」

ベルカ「私達を狙っているみたい。あなた達はこの隙に前進して」

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「わかりました!」バサバサッ

ニュクス「来るわ!」

ベルカ「回避する、しっかり捕まって」ググッ

  バシュンッ!
     ザシュッ!

ベルカ「っ!」
126 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:36:50.44 ID:iwOQrGqD0
ニュクス「ベルカ、大丈夫!?」

ベルカ「かすり傷よ。懐に入ってさっさと無力化するわ。後方のレヴナント部隊の状況は?」

ニュクス「安心して、もう合流したわ」

 バサバサッ

新生暗夜軍レヴナントナイトC「すまない、少し遅れたようだ」

ベルカ「いいえ、問題ないわ。カミラ様は?」

新生暗夜軍レヴナントナイトC「カミラ様は敵部隊の注意を引くと、中央区域に攻撃を……」

ベルカ「そう……わかったわ。カミラ様ならきっと大丈夫、私たちは私たちの役割を果たすわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトC「はい」バサバサッ

ベルカ「……」

ニュクス「心配?」

ベルカ「……少しだけ」

ニュクス「少しだけ、ね?」

ベルカ「ええ、少しくらいでいいの。カミラ様はそんな簡単に死ぬような人じゃないことくらいわかっているから。それよりも、言われた通りの仕事を熟せなかった時のことが心配ね」

ニュクス「もしかして、酷いお仕置きをされるのかしら」

ベルカ「ええ、お風呂でもみくちゃにされるのは慣れないわ……」

ニュクス「え、それだけ?」

ベルカ「それだけ、じゃないわ。あなたは知らないからそう言えるだけよ」

ニュクス「そうね、体験していないからわからないけど」

ベルカ「体験しない方がいいと思うわ。そういうわけだから、さっさと制圧に向かいましょう。成功させて後顧の憂いは経たないといけない」

ニュクス「ふふ、そうね。さっさとそうしましょう」

 バサバサッ
127 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:38:05.02 ID:iwOQrGqD0
旧暗夜軍兵士「この!」

新生暗夜軍ドラゴンマスターB「くらえ!!!」

 キィンッ!
  カキィン ザシュンッ!

旧暗夜軍兵士「ぐああああっ!」ドサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターB「よし、やったぞ!」

旧暗夜軍弓兵「くそっ、当たれ! 当たれ!!!」チャキッ パシュンッ

 ザシュンッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターB「ぐああああっ!」ドササッ!

旧暗夜軍弓兵「よし、一人やったぞ! このまま、もう一騎――」

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「はあああっ!!!」ググッ ブンッ

 ヒュンヒュンッ ザシュンッ!!!

旧暗夜軍弓兵「ぐえっ……」ドサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「レヴナントの後続部隊も合流した。恐れることは無い、このまま押し切れ!」バサバサッ

 ウオオオオッ!
  バサバサッ!

旧暗夜軍ボウナイトB「ちっ、増援はまだなのか!」

旧暗夜軍兵士「もう少しです。ですが、多くの兵を中央部への支援部隊として送ることにしていたこともあって、もうここにいる戦力で守り切るのは……」

旧暗夜軍ボウナイトB「悲観してる暇があるなら手を動かせ、敵はどんどん迫っているんだ。マクベス様のために、この戦い負けるわけには!」

 バサバサッ

旧暗夜軍弓兵「くそっ、ちょこまかと動きやがって、素直に落ちろ!」パシュンッ!

 スカッ

旧暗夜軍弓兵「っ、また避けやがった! 今度こそ当てて――」

 ザシュッ……
128 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:40:03.51 ID:iwOQrGqD0
旧暗夜軍弓兵「がっ……」ポタッ ポタタッ

アシュラ「すまねえが、当てる機会はもうねえよ」

 ズシュリッ
  ドサッ

旧暗夜軍弓兵「」

アシュラ「……悪いな」

新生暗夜軍兵士「アシュラ様。地上戦部隊合流しました」

アシュラ「よし、それじゃさっさと奪い取るぞ。逃げる敵は放っておいていい、向かってくる奴は倒す。敵の援軍が到達するよりも前に終わらせるんだ。進め!」

 ワアアアアアッ!
  ドドドドドドドッ!

旧暗夜軍ボウナイトB「! 敵の地上戦部隊!?」

旧暗夜軍兵士「は、はい。竜騎兵と共に移動してきたようで……」

旧暗夜軍ボウナイトB「くそ!」

旧暗夜軍ボウナイトB(だめだ、この敵の数では押し切られる。味方の援護は間に合わない……。ここは落ちる)

旧暗夜軍ボウナイトB「ここまでか……」

 ヒュイイイイイィィンンッ!‼‼‼

旧暗夜軍ボウナイトB「この音は?」

旧暗夜軍兵士「中央からの合図です! この合図は……」

旧暗夜軍ボウナイトB「マクベス様……」
129 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:42:58.63 ID:iwOQrGqD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷入口の村内部『中央区・左弓砲台周辺』―

旧暗夜軍アドベンチャラー「合図あげましたよ、マクベス様」

マクベス「わかりました。あなた方は引き続き中央区への攻撃を継続しなさい」

旧暗夜軍アドベンチャラー「了解しました。よし、弓砲台は引き続き敵の先頭を攻撃し続けろ!」

旧暗夜軍弓砲台兵「はっ!」

マクベス「くっ、このような初歩的な策に乗せられるとは……」

マクベス(カミラ王女を含めた少数の飛竜兵の攻撃が陽動だと気づいていれば、西部に向かう本命への挟撃が成功していたというのに……)

マクベス「西部砲台周辺は破棄します。あなた方は中央へ撤退してくる仲間の援護に向かいなさい」

旧暗夜軍兵士「わかりました、マクベス様!」タタタタタッ

旧暗夜軍ソーサラー「マクベス様、我々はいかがします?」

マクベス「西部の奪還は不要です。西部を失う事で敵に選択を与えるのは癪ですが、ほぼすべての飛竜部隊は西側に集結しています。こちらの動きに横槍を入れられる敵はいません」

マクベス(二方面から圧力を掛けていく算段なのでしょうが、その準備が整っていない今は唯一の隙、付け入ることのできる絶好の機会でしょう)

マクベス「敵の戦力は分散しているいまが、中央戦況を掌握する最大のチャンスです。敵の戦列を薙ぎ払い勝利を手にするときです」ザッ

旧暗夜軍魔法部隊『はい!』ザッ!

マクベス「進軍!」タタタタタッ

旧暗夜軍魔法部隊『オオオオーーーッ』ドドドドド
130 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:46:50.99 ID:iwOQrGqD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「アクアさん、戦況の方は?」

アクア「カミラ達はうまくやってくれたみたい、西部の砲台陣地から敵が撤退しているようだわ。だけど、少しまずいことになったわね」

カムイ「というと?」

アクア「中央に到達した敵援軍が、こちらに向かっているわ。残念だけど西部奪還のために敵が動くというシナリオではなくなったみたいね」

マークス「そうか、読みが外れてしまったようだな」

カムイ「ええ、敵が西部砲台の奪還に動くと同時に戦線を押し上げるつもりでしたが、そう、うまくはいきませんか……」

マークス「フローラ、敵部隊の構成は?」

フローラ「魔法を中心としているようです。こちらの部隊構成では厳しい相手になります」

カムイ「中々に厳しい戦況ですね」

ブノワ「それと西部の戦線にいた敵も、こちらに向かってきている。敵の攻撃はさらに激しくなるだろう…」

フェリシア「だ、大丈夫でしょうか?」

カムイ「マークス兄さん、どうします。先ほどの比ではない敵が迫っているようですが」

マークス「ああ、こちらは消耗も激しくなっている。あと耐えられるのも一度くらいだろう。一度下がれば、そのまま押し潰されかねない」

カムイ「カミラ姉さんたちの攻撃が始まって、敵が退くまで耐えるしかありませんか」

マークス「いや、まだ手が無いわけではない」

カムイ「え?」

マークス「作戦の手順を変えるまでだ。至急、東部に向け合図を出してほしい」

新生暗夜軍兵士「わかりました」

カムイ「東部……ということは」

マークス「ああ、今できることはこれだけだ。あとは、それが実を結ぶように信じよう」

カムイ「はい、マークス兄さん」

マークス「全員聞いてくれ、西部砲台周辺の制圧は成功した。援軍到着もあと少しで到着する、ここが雌雄を決する正念場だ。私と共に勝利を掴むため、戦ってほしい」

新生暗夜軍兵士たち『オーーーーーッ!』

フローラ「敵援軍、もうすぐ接触します!」

マークス「新しき暗夜の力、存分に見せつけるのだ!」スッ

「迎撃開始!」バッ
131 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/03/16(月) 10:47:54.09 ID:iwOQrGqD0
今日はここまで

 この頃更新頻度が下がって申し訳ないです。
 
 煤闇、中々に難易度高かった。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/03(金) 21:36:29.41 ID:2dOYBKmTO

リリス実装おめでとう!
133 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 20:24:45.38 ID:+9HC/zcb0
◆◆◆◆◆◆
―渓谷入口の村内部・中央区『中央戦線』―

旧暗夜軍弓兵「くらえっ!」パシュッ

 キィンキィンッ!

新生暗夜軍ジェネラルA「ふん、その程度の攻撃でこちらが退くと思うか!」

フローラ「正面の敵にだけ気を取られないで、側面から敵の騎馬隊が来るわ。ほとんどがアーマーキラーを装備しているみたい」

新生暗夜軍ジェネラルA「ほとんどって……」

フローラ「こんなに露骨な隊列を組んでいる以上、それに対処しに来るのは当然ということね……」

ブノワ「ああ、気を抜くはわけにはいかない……」

マークス「弓兵隊、側面から迫る騎馬隊に集中攻撃せよ!」

新生暗夜軍兵士「はい、マークス様!」チャキッ

旧暗夜軍パラディンA「敵の防御も揺らぎ始めている。マクベス様の到着まであとわずか、あと一手まで敵を追い込むぞ!」

旧暗夜軍パラディン隊『おーーーっ!』

新生暗夜軍兵士「敵部隊左右に展開!」

マークス「攻撃せよ!」チャキッ

新生暗夜軍兵士「くらえっ!!!」パシュッ!

 グアアアアッ ヒヒーンッ ドササッ
134 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 20:56:10.77 ID:+9HC/zcb0
旧暗夜軍パラディンA「怯むことはない、進め! この程度のことで我々は止まるものではないと、奴らに見せつけてやれ!」ググッ

旧暗夜軍パラディンB「よーし! 今度はこっちの番だ。これでも喰らいやがれ!!!」チャキッ ブンッ!

新生暗夜軍ジェネラルB「くそっ!」グッ

 ガギィンッ ギギギッ ズビシャアアッ!‼‼

新生暗夜軍ジェネラルB「ぐああぁぁ……」ガシャンッ ドサリッ

旧暗夜軍パラディンB「へっ、分厚い鎧もこれの前じゃ、果物の皮みたいだぜ。この調子で、全員丸裸にしてやる!」チャキッ

フローラ「カムイ様、左翼部隊に損害が出始めています!」

カムイ「私たちでカバーします。ブノワさんとフローラさんは引き続き応戦してください」

フローラ「わかりました、カムイ様」

ブノワ「ああ、ここは任せてくれ」

カムイ「はい! アクアさん、フェリシアさんは私と共に左翼の防衛へ!」

アクア「ええ、急ぎましょう。マークスたちも援護しているようだけど、左翼から来る敵の数のほうが多いわ」

フェリシア「きちんとサポートしますね、カムイ様」

カムイ「ええ、お願いします」タタタタッ

ブノワ「フローラ、後方から援護してくれ。攻撃は俺が受け止める……」

フローラ「わかったわ。援護は任せて」チャキッ

 ドドドドドドッ

旧暗夜軍パラディンC「向こうの攻撃は始まったか。よし、こちらも攻撃開始する。敵の壁を削ぎ落してやる!」

ブノワ「……」グッ
135 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:05:57.69 ID:+9HC/zcb0
旧暗夜軍パラディンC「身構えたところで何も変わらないというのに」チャキッ

旧暗夜軍パラディンC(受け止められるものなら、受け止めてみろ!)

ブノワ(大丈夫だ。薬もある、おまもりも準備してきた。なにより、後ろにはフローラがいる……)

ブノワ「問題ない……。生き残ってみせる……」グッ

旧暗夜軍パラディンC「はあああっ!」ググッ ザンッ!

 ガキィンッ! ギギギギギッ キィンッ!!!
  ザシュッ……

ブノワ「っ!!!」ポタタタッ

旧暗夜軍パラディンC(ちっ、鎧を完全に破壊しきれなかったか。だが、次の一撃で終わらせられる。反撃に対処して、あとは後ろからの攻撃に気を付ければ――)チラッ

ブノワ「……」ゴゴゴゴゴッ

旧暗夜軍パラディンC「な、なんだこの威圧感は!!!」ビクッ

ブノワ「そこだ……」チャキッ シュッ

 ザシュッ!

旧暗夜軍パラディンC「がっ……」

フローラ「そこよ!」パシッ ヒュンッ

旧暗夜軍パラディンC「しま――」

 ズシャリッ!

旧暗夜軍パラディンC「うううっ……」ドササッ

ブノワ「ありがとうフローラ、助かった……」

フローラ「気にしないで、それより次が来るわ」

ブノワ「ああ、任せてくれ」

ブノワ(これなら、何が来ても怖くはない……。恐怖に負ける事無く戦える)チャキッ

ブノワ「ここは必ず守り抜く……。絶対に……」
136 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:13:16.25 ID:+9HC/zcb0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 タタタタタッ

カムイ「アクアさん、マクベスさんの部隊が到着するまであとどれくらいですか?」

アクア「もう時間は無いわ。その前に、左翼の立て直しを図らないと、負傷した兵も多いみたい」

カムイ「フェリシアさん、まずはジェネラルのみなさんの治療を優先してください」

フェリシア「わかりました! みなさん、今治療を行います!それっ!」シュオンッ

アクア「それで、どうするの?」

カムイ「これ以上の消耗は無視できません。このまま防戦に徹していても、今行われている敵の攻撃、そしてマクベスさんが率いる援軍の攻撃が重なればあっという間に蹴散らされてしまうでしょう。ですから、こちらも打って出るしかありません。最低でも今行われている敵の攻撃は抑えなくてはいけません」

アクア「わかったわ。だけど、どうするの? ジェネラル部隊を動かすというわけには……」

マークス「カムイ、打って出るのか?」

カムイ「はい、もう遠距離から相手を抑えることはできません。もう、マクベスさんの援軍はすぐそこまで迫っている状況、すでに勝負は見えています。なら、こちらから仕掛け、敵の足を止める以外に手は無いと思います」

マークス「……わかった。ならば、私が前に出よう。お前たちも行けるか?」

新生暗夜軍パラディン隊「はい、マークス様」

マークス「我々が先行し、敵の騎馬兵力の殲滅に掛かる。カムイ、お前たちは抜けた敵の迎撃を行ってくれ」

カムイ「わかりました」

マークス「よし、現在もっとも敵の攻撃がない戦列はどこだ?」

新生暗夜軍パラディンA「左翼に一箇所あります」
137 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:20:27.47 ID:+9HC/zcb0
マークス「よし、そこのジェネラル達に伝えよ。これより打って出ると」

新生暗夜軍パラディンA「はっ! 左翼、中央の部隊に伝達、道を開けよ! こちらも打って出るぞ!」

新生暗夜軍ジェネラルC「よし、聞いたか。ここをマークス様達が通られる、戦列を整理し、道を作れ!」

 ガシャンガシャンッ!
  ザザッ

アクア「すごい、こんなわずかな時間で……」

マークス「よし、行くぞ! 私に続け!!!」

新生暗夜軍パラディンA「いけ、マークス様に続くのだ!」

 オオオーーーーッ!‼‼‼

カムイ「よし、私たちも行きましょう、アクアさん」

アクア「ええ」

フェリシア「カムイ様、皆さんの治療の方は終わりました」

カムイ「フェリシアさん、ありがとうございます。私たちは接近してきた敵を討ちます。一緒に来てください」

フェリシア「わかりました!」

カムイ「弓兵の皆さんは敵の騎馬戦力に向けて矢を放って進路の妨害をお願いします」

新生暗夜軍弓兵隊「わかりました、カムイ様。全員構え、打て!!!」

 パシュシュシュッ
  ヒュンヒュンッ

138 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:24:33.69 ID:+9HC/zcb0
旧暗夜軍パラディンB「おい、敵が出て来やがったぞ!」

旧暗夜軍パラディンA「なに!?」

旧暗夜軍パラディンB「おまけに矢も飛んで来やがった!」

旧暗夜軍パラディンA「ちっ 敵の矢が進行方向に来るぞ、各々攻撃を避けて進軍を続けろ!」

 ドドドドドドドッ

新生暗夜軍パラディンA「敵の部隊、展開しました」

マークス「殲滅せよ!」チャキッ ブンッ

 ドドドドドドッ

旧暗夜軍パラディンD「な、マークス王子!?」チャキッ

マークス「そこにひれ伏せ!!!」ブンッ

 ザシュンッ

旧暗夜軍パラディンD「ぎゃああっ!」ドササッ

旧暗夜軍パラディンE「くそっ、攻撃を避けた所為で分断されちまった形じゃねえか! このままじゃ――」

新生暗夜軍パラディンA「そこだ!」ブンッ

 ガキィンッ

旧暗夜軍パラディンE「っ、そう簡単にやられてたまるか!」ブンッ

 キィンッ
  カキィンッ!‼‼

旧暗夜軍パラディンA「ちっ、だが、突破できればこっちのものだ!」

旧暗夜軍パラディンB「おらおら、邪魔するんじゃねえ!!!」

 ドドドドドドドッ
139 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:26:59.47 ID:+9HC/zcb0
カムイ「はあああっ!」ブンッ ザシュッ!!!

旧暗夜軍兵士「ぎゃあああっ!」ドササッ

アクア「これで」チャキッ ザシュシュッ

旧暗夜軍兵士「ううっ……」ドサッ

フェリシア「てやぁ!!!」シュパッ

旧暗夜軍兵士「がはっ……」ドササッ

フェリシア「これで今いる敵は全部です」

カムイ「ええ、そのようですね。アクアさん、そちらは大丈夫ですか?」

アクア「なんとか片づけたわ。だけど、まだ敵は向かってくるみたいよ」

カムイ「ええ」

カムイ(西部砲台の敵戦力も次々とこちらの攻撃へと移行しているようです。敵の戦力を減らせたとしても、このままでは……)

 ドドドドドドッ

フェリシア「カムイ様! 敵です!!!」

カムイ「!」

旧暗夜軍パラディンA「はあああああああっ!!!!」チャキッ

フェリシア「カムイ様、やああっ!!!」シュパッ!

旧暗夜軍パラディンA「ふんっ!!!」ブンッ キィンッ

フェリシア「は、弾かれちゃいました!?」

旧暗夜軍パラディンA「喰らえええ!!!!」ブンッ

カムイ「!」サッ

カムイ(回避、いえ、この剣先は避けられるものではありません。避ける事が出来ないのならば――)

カムイ「これで!」チャキッ
 シュキンッ
  キィンッ!
 
カムイ「中々に鋭い攻撃ですね」

旧暗夜軍パラディンA「くそ、外されたか。まあいい、この距離まで近づけたのだ。貴様の命、奪い取る!」

カムイ「そう簡単に倒されるほど私は甘くありませんよ」

旧暗夜軍パラディンA「勝負だ!」チャキッ ヒヒーンッ!

カムイ「やあああっ!」チャキッ
140 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:29:10.56 ID:+9HC/zcb0
アクア「カムイ!」

旧暗夜軍パラディンB「おっと、よそ見してる場合じゃねえぞ!」チャキッ ブンッ

 シュパッ

アクア「!」サッ

旧暗夜軍パラディンB「ちっ、外したか。だが、次は外さねえ、その華奢な格好を丸裸にしてやるぜ」

アクア「そう、なら生憎だけど丸裸になるのはあなたのほうよ」チャキッ

旧暗夜軍パラディンB「へ、やれるもんならやってみやがれ!」

アクア(一撃で仕留めてあげる)

旧暗夜軍パラディンB「はああああっ!!!!」ググッ ブンッ

アクア「やああああっ!!!」ググッ ブンッ

 バギンッ!!!!

旧暗夜軍パラディンB「はあ!? 俺の武器が折れ……、ちょ、まて!」 

アクア「邪魔よ!」チャキッ ダッ

 ブンッ ドゴンッ!!!

旧暗夜軍パラディンB「ぎゃあああっ!」ドササッ

アクア(どうにかなったわね、それよりもカムイは……)
141 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:31:54.46 ID:+9HC/zcb0
 キィンッ
  キィン!

カムイ「はあっ!」ブンッ

旧暗夜軍パラディンA「っ、まだまだ!」チャキッ

カムイ(激しい剣戟です。一つ一つがとても力強い。ですが、それなら――)

旧暗夜軍パラディンA「死ねぇ!!!」チャキッ シュッ

カムイ「そこ!」

 グッ
  キィィィンッ
    
旧暗夜軍パラディンA「な、受け流しただと!?」

カムイ「ええ、避け辛い攻撃ですからね。それも、これで終わりです。取らせてもらいます」ググッ

旧暗夜軍パラディンA「っ、この!」ググッ

カムイ「はあああっ!!!」シュキンッ

 ブンッ
  ザシュリッ

旧暗夜軍パラディンA「ぐ……ううっ、マクベス様、申し訳……ありま……」ドササッ

カムイ「……」

アクア「カムイ!」

カムイ「アクアさん、無事で何よりです」

アクア「あなたのほうも無事でよかったわ」

カムイ「それで状況は?」

アクア「敵の攻撃部隊は散り散りになったから、どうにか戦線の維持はできた。どうにか奴が来るまでは持たせられたわ」

カムイ「……来たということですね」

アクア「ええ……」

フェリシア「カムイ様! 敵の援軍が……」

カムイ「わかっています。少なくとも、援軍が来るまでここを持たせられたのです。なら、この策は無駄ではありません。次の戦いに移りましょう」

カムイ(そう、これでどうにか繋げました。あとは信じて待つだけです。私は、それが結ばれるまであきらめるつもりはありません)

カムイ「レオンさん、頼みましたよ」タタタタッ
142 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:37:22.07 ID:+9HC/zcb0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
渓谷入口の村内部『中央区・東部戦線』―

レオン「……」

新生暗夜軍兵士「レオン様」

レオン「敵の動きはどうだ?」

新生暗夜軍兵士「はい、敵魔道砲台の稼働を確認、兵もゆっくりとですがこちらに向かっています。中央の援護に向かう様子はありません」

レオン「敵の目的は砲台周辺の死守か……」

サクラ「レオンさん、どうしますか?」

ルーナ「中央が結構やばいんでしょ。一度全員で中央の援護に向かった方がいいんじゃない?」

シャーロッテ「応援要請も来てるじゃないですかぁ、なら援護に向かった方がいいですよ」

レオン「援護に向かうよ。だけど全員で行くことはできない。全員で移動すれば、それを見た敵は中央に向かう。そうなってしまったら中央線戦は瓦解して、僕たちは負けだ。砲台へ攻撃をする部隊と、援護に向かう部隊を作る必要がある」

エリーゼ「それで、どうするの?」

レオン「ああ、馬止めを越えられない以上、僕たち騎馬戦力が中央の援護に向かう。歩兵隊は東部魔道砲台への攻撃を頼みたい。シャーロッテとルーナにそれぞれ部隊を割り当てるから、魔道砲台の攻略を頼めるかい?」

ルーナ「任せて、なんなら制圧してみせるんだから。シャーロッテ、行くわよ」

シャーロッテ「はいはい、あ、レオン様頑張ってきますね!」

レオン「よろしく頼むよ。それとリンカにも魔道砲台の攻撃部隊に加わってほしい」

リンカ「あたしも?」

レオン「お前は高度を取れる。それを活かして、先頭で戦う皆のサポートに回ってほしい」

リンカ「そうか、わかったできる限りのことをするさ」

レオン「あと、サクラ王女は……」

サクラ「私も砲台攻撃部隊に付いて行きます」
143 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:41:13.49 ID:+9HC/zcb0
サクラ「エリーゼさんもレオンさんも中央の援護に向かわれます。私もそれに付いて行ってしまったら、ここで戦う人たちを手当てできる人がいなくなります。それは絶対に避けるべきです。だから……、私はここに残ります」

レオン「……わかった。サクラ王女、ここを任せたよ」

サクラ「レオンさん……、はい、一生懸命頑張ります!」

リンカ「なら、サクラも動き回れる方がいいはずだ。あたしの後ろに乗りな」

サクラ「え、いいんですか?」

リンカ「ああ、その方が柔軟に対応できるだろ? 上から状況を見つつ、サクラを負傷者の元に運んで手当するって感じでさ」

サクラ「ありがとうございます、リンカさん。すみませんが、お願いします。それじゃレオンさん、行ってきます」

レオン「気を付けて」

 バサバサッ

エリーゼ「やっぱり、サクラってすごいね」

レオン「本当にね。僕らも負けていられないよ」

エリーゼ「うん!」

新生暗夜軍ダークナイト「レオン様、後方から迫るノスフェラトゥの軍勢ですが、家屋を破壊しながら進み続けているようです」

レオン「お前達には奴らの足止めと誘導を頼みたい。できるか?」

新生暗夜軍ダークナイト「わかりました。二部隊ほど、戦力をお借りしますがよろしいですか?」

レオン「ああ、出来る限りでいい後方からの脅威を遠ざけるんだ」

新生暗夜軍ダークナイト「はっ!」パカラパカラッ

レオン「残りの者たちは僕に続け――」

「兄さんたちを助けに行くよ」
144 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:46:32.80 ID:+9HC/zcb0
今日はここまで

 マクベスと共に戦う兵士たちも勝利を信じる様に、カムイもまた勝利のために仲間を信じ続ける。


 FEHに念願のリリスが来て、すぐにピエリと支援を結ばせました。
 宿屋の中をビュンビュンと飛び回ってて可愛い。

 そして、まさかのマクベスまで実装されるという、最高の出来事が重なって幸せだ。
 
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/15(水) 18:46:53.74 ID:pdKcYWPDO

fehいろいろおめでとう
146 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:06:07.03 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷入り口の村『中央区域』―

旧暗夜軍ソーサラーA「敵、こちらの攻撃を退けたようです」

マクベス「さすがに防戦では耐え抜けないと判断しましたか。他の部隊は?」

旧暗夜軍ソーサラーA「はっ、西部の部隊は中央の弓砲台近辺へ撤退を終えました。部隊の再編が終了次第攻撃に加われるでしょう。ボウナイト隊は敵先発隊への攻撃を切り上げ、敵本隊への攻撃に向かっていると」

マクベス「敵の動きは?」

旧暗夜軍ソーサラーA「東部にて待機していた敵部隊が隊を分けたようです。そのうち一つが中央の援護に向かっていると」

マクベス「ふむ、東の敵戦力が全て中央へと合流してくれれば包囲殲滅も出来ましたが、まぁいいでしょう」

 ザッ

マクベス「どちらにせよ、この機を逃しはしません。三カ所同時に仕掛けることとしましょう。あなたは西方面をボウナイト部隊と連携を取りつつ攻撃しなさい」

旧暗夜軍ソーサラーA「はっ」

マクベス「私たちが中央に進撃します。それを見て、残りの部隊は東方面への攻撃を開始するように。敵の目がこちらに向いている内に敵戦線に肉薄し端から切り取ってやりなさい」

旧暗夜軍ソーサラーB「お任せください、マクベス様」

マクベス「では、行動を開始しなさい」

 オーーーーーッ!
147 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:36:45.86 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  ドドドドドドッ

新生暗夜軍パラディンA「敵増援、展開していきます」

マークス「敵は魔法戦力が中心だ、距離を取りつつ隙を突いて攻撃せよ。レオンたちが到着するまでの辛抱だ」

新生暗夜軍パラディンA「わかりました、マークス様。各自、敵の動きを見極めろ、下手に動けば命は無いぞ、わかったか!」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

マークス「突破を図ろうとする敵を出来る限り喰い止める、行くぞ!」

新生暗夜軍パラディンB「はっ! マークス様に続け!」

 オーーーーーッ!
  ドドドドドドドッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「はっ! てやああっ!!!」ザンッ!

旧暗夜軍兵士「ぐあああっ」ドササッ

旧暗夜軍兵士「ひるむな! すでに援軍は到着している! このまま一気に押し潰せ!!!」

カムイ「はぁはぁ……」

カムイ(くっ、敵の士気が下がる気配はありません。むしろ、援軍の到着が彼らを奮い立たせている)

旧暗夜軍兵士「そこだ!」チャキッ ブンッ!

 ザシュッ

カムイ「っ!」ポタタッ

旧暗夜軍兵士「もらった!」チャキッ ブンッ

 ガキィンッ!
148 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:47:33.97 ID:YwcXU6C50
旧暗夜軍兵士「なっ!?」

アクア「そこまでよ」グッ ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「がっ!!! この――」グッ

アクア「!」

フェリシア「ええい!!」チャキッ シュパッ!

 ザシュッ

旧暗夜軍兵士「かはっ……」ドササッ

アクア「ありがとう、フェリシア」

フェリシア「いいえ、そんなお礼なんていいですよ。カムイ様、すぐに治療しますね。それっ!」シャランッ

カムイ「ふぅ、ありがとうございます、フェリシアさん。それにアクアさんも、おかげで助かりました」

アクア「気にしないで。それよりも敵の士気が上がっているわ。さっきよりも勢いを増しているみたい」

カムイ「ここで戦う人たちはマクベスさんのことを信頼しているようですから」

フェリシア「それに、こっちよりも兵の数は多いです。このままじゃ、飲み込まれちゃいますよぉ」

アクア「最初は五分五分と思っていたけれど、今の状況は向こうに分があるわね」

カムイ「ええ、マクベスさんが陣地をすぐに放棄できたのも、こうして攻勢を掛けるためだったのでしょう」

カムイ(こちらが部隊を三つに分けることもすでに織り込んでいたのでしょう。どう戦況が動いても大丈夫なように策を巡らせていたはずです)

カムイ「思った以上に強いですね、マクベスさんは」

アクア「ええ、本当にね。マークスは敵の援軍に攻撃を仕掛けるみたい。レオン達がこちらに向かっているから、到着までの間を繋ごうとしているようね」

カムイ「魔法部隊に距離を詰められれば、戦線は崩壊してしまいますからね。私たちは向かってくる敵の迎撃を続けましょう、レオンさん達が到着するまでの辛抱です」

フェリシア「わかりました。カムイ様」

アクア「右翼側も大丈夫だといいのだけど」

カムイ「大丈夫です、あそこにはブノワさんとフローラさんがいますし、抜けられる敵もそう多くは無いはずですから」

カムイ(きっと、大丈夫……)
149 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:50:14.78 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新生暗夜軍ジェネラルB「新たな敵を確認!」

フローラ「敵の増援が来たみたいね……。ブノワ、あなたは下がって」

ブノワ「しかし……」

フローラ「敵は魔法を中心としているわ。流石のあなたでもあれを耐えきるのは困難よ」

ブノワ「だが、それではフローラが……」

フローラ「そういう方面の攻撃には耐えられるつもりよ。それに遠距離ならそれだけで私に分があるわ」

ブノワ「……わかった。だが、危険だと判断したらすぐにサポートする」

フローラ「ええ、お願い」チャキッ

 ドドドドドドッ!

旧暗夜軍兵士「現状、ここまで来れたのは我々だけの様です」

旧暗夜軍ソーサラーB「上出来です。さすがにすべてを止めることは、かのマークス王子でも不可能というもの。このまま、敵戦線を端から刈り取っていくとしましょう。行きますよ!」

旧暗夜軍兵士「はっ! 掛かれ!!!」

旧暗夜軍兵士たち『おーーーっ!』

 タタタタタッ

フローラ「どうにかして敵の足を止めてください」

新生暗夜軍ジェネラルB「はっ! 各自攻撃を開始せよ!」

新生暗夜軍兵士「はい! これでもくらえ!!!」ググッ ブンッ

新生暗夜軍弓兵「我々も援護に入ります!」

フローラ「助かります」

フローラ(これで少しは数を減らせる。あとは奴らの魔法に注意さえすれば……)
150 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:55:04.89 ID:YwcXU6C50
旧暗夜軍ソーサラーB「火力は落ちますが、まずは手始めに攻撃と行きましょう。一斉攻撃!」バッ

フローラ「攻撃が来ます、備えて!」

新生暗夜軍ジェネラルB「くっ!」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーB「ライナロック!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼

フローラ「っ‼‼‼」グググッ

フローラ(さすがの威力です。ですが……)スッ

 シュオンッ

旧暗夜軍魔法兵「よし、あともう一撃で――!」

 ドクンッ!

旧暗夜軍魔法兵「がっ!!! ううっ、ぐ、ぐる、くるしい……」

旧暗夜軍魔法兵「ど、どうした!?」

旧暗夜軍魔法兵「さ、寒い、なんで、こんな――」

フローラ「そこ!」チャキッ ブンッ

 ザシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「かはっ………」ドササッ!

旧暗夜軍魔法兵「こ、これは……」

旧暗夜軍ソーサラーB「落ち着きなさい。見たところ、魔法反射の施しではありません。おそらく、何かしらの呪いを駆使する者がいるのでしょう。ですが、この程度の呪いなど恐れることはありません」

旧暗夜軍ソーサラーB(この呪いはとても強力なようですが、そんな相手に怯える必要がどこにもない。このまま、物量で押し切ってしまえばいいだけなのですから)

旧暗夜軍ソーサラーB「さて、次の手は果たして耐えられるか、見せてもらうとしましょう」
151 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:57:26.28 ID:YwcXU6C50
新生暗夜軍ジェネラルB「攻撃の手を休めるな、攻撃し続けるんだ!」

新生暗夜軍弓兵「はっ、攻撃開始!」

 ヒュンヒュンッ!

旧暗夜軍ソーサラーB「白兵部隊は正面へ攻撃を、奴らの注意を逸らすのです」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ!

新生暗夜軍ジェネラルB「くっ、近接戦も仕掛けるつもりか」

フローラ「向かってくるのなら相手をするまでです」グッ

旧暗夜軍兵士「へっ、そんなてめえから、始末してや――」

フローラ「はあああっ」チャキッ ズシャシャッ!‼

旧暗夜軍兵士「ぐえっ……」ドササッ

フローラ「まずは一人、次!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「くらえ!」ブンッ

フローラ「ふんっ!」ガキィンッ

旧暗夜軍兵士「くそっ、固い!」サッ

フローラ「逃がしませんよ」ググッ

旧暗夜軍兵士「この構え!? 盾で吹き飛ばす気か!?」

フローラ「はああっ!」ダッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「ぐへぁ!」ドサッ ゴロゴロンッ……

ブノワ「しかし、すごい勢いで飛んでいった…」

フローラ「はぁはぁ、貧弱な方ですね。この程度、全員返り討ちにして差し上げましょう」チャキッ
152 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:59:55.20 ID:YwcXU6C50
フローラ(このまま耐え抜ければ……)

旧暗夜軍兵士「はああっ!」ブンッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ふっ、その程度の攻撃!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「おっと!」ササッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、ちょこまかと」

旧暗夜軍弓兵「おら、後方ががら空きだ!」チャキッ パシュッ!

新生暗夜軍弓兵「がっ、くそ!」チャキッ パシュッ

フローラ(敵は一箇所に攻撃が集中しているけど、この攻撃の規模なら受け切れる。だけど、そこに敵魔法部隊の援護がないのはなぜ?)

フローラ「魔法部隊は?」

フローラ(さっきと変わらない。攻撃の準備をしてゆっくり前進してきている。だけど、多くの場所がこちらからの攻撃にさらされて攻勢に出られていない。敵の攻勢は弱まっている……)

フローラ「この攻勢部隊を抑え込めれば、ここは守り切れ――」

ブノワ「フローラ、まずい!」

フローラ「え?」

ブノワ「敵白兵部隊の後方だ…」

フローラ「後方?」

旧暗夜軍魔法兵部隊「……」

フローラ「魔法部隊!」
153 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:04:19.73 ID:itidMmvi0
旧暗夜軍兵士「白兵部隊の損耗がこれ以上無視できないところまで来ています」

旧暗夜軍ソーサラーB「ええ、ですがもう大丈夫です。さぁ、報いる時が来ましたよ。皆さん、攻撃の準備は整っていますね?」

旧暗夜軍魔法兵「はい」

旧暗夜軍ソーサラーB「よし、敵戦列に攻撃を仕掛けている兵に射線確保の合図を出しなさい」

旧暗夜軍兵士「はっ! 合図を出します」チャキッ パシュンッ

 ヒュィィィィンッ!

フローラ「この音は……」

新生暗夜軍ジェネラルB「な、なんだ!?」

旧暗夜軍兵士「ようやくか! おらっ!!!」ドゴンッ

新生暗夜軍ジェネラルB「はっ、その様な攻撃が何度来ようとも意味など――」

旧暗夜軍兵士「全員射線を通せ!!! 消耗してるいい的を教えてやるんだ!」

 タタタタタタッ!

フローラ「!!」

新生暗夜軍ジェネラルB「こ、これは……」

旧暗夜軍兵士「視界開けます!」

旧暗夜軍ソーサラーB「ふっ、とても狙いやすい的が揃いましたねぇ」

旧暗夜軍兵士「射線通りました」

旧暗夜軍ソーサラーB「さぁ、マクベス様に立て付く愚かな敵を蹴散らすのです!」

新生暗夜軍ジェネラルB「か、各員、防御し――」

旧暗夜軍ソーサラーB「ライナロック!!!」シュオンッ!

フローラ「!!!!」

ブノワ「!!!」ダッ

 シュオンッ
  ドゴオオオオオオォォォン!‼‼‼
154 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:09:21.70 ID:itidMmvi0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「な、なんですか、この音は!?」

アクア「右翼最奥の方からよ」

カムイ「ブノワさんとフローラさんがいる所じゃないですか!?」

フェリシア「そ、そんな……」

カムイ「っ、すぐ援護に――」

新生暗夜軍兵士「正面、敵魔法部隊、接近して来ます。さらに西方向からも来ます!」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍ボウナイトA「どうやらうまくタイミングを合わせられたようだ」

旧暗夜軍ソーサラーA「よし、西部の部隊と合流できたようだな。このまま敵陣を叩く! 全員進め!」

 ウオオオオオオオーーーーッ!

カムイ「っ、こんな時に!!!」チャキッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新生暗夜軍パラディンA「右翼最奥が攻撃を受けたようです、被害の状況はわかりませんが、かなりの被害が予想されます」

マークス「くっ」

マークス(中央と西側に注意を逸らしつつ、隙を突いたということか。くそっ!)

マークス「お前たちは攻撃された箇所へ援護に向かえ。攻撃を加えた者たちを背後から強襲せよ。私はここに残り指揮を続ける」

新生暗夜軍パラディンA「わかりました。援護に向かう、行くぞ!」

 パカラパカラッ

マークス「……む?」

 ジャリッ シュオンッ

マークス「!」サッ

 バシュンッ

マークス(魔法攻撃か……)

???「おやおや、避けられてしまいましたか。次期王の肩書はお飾りではないようですね、マークス王子」

マークス「貴様も父上の下で動いていただけはあるようだな。マクベス」

マクベス「ふっ、お褒めの言葉と受け取っておきましょう。こうして戦うのはいつ以来のことでしょうか?」

マークス「テンジン砦以来だろうか。だが、あの時とは違うぞ」チャキッ

マクベス「それはこちらの台詞です。ですが、あの時に比べれば優しいものですねよ、なにせ……」

 シュオンッ パラパラッ

マクベス「直撃を受ければ、痛み無く死ぬことが出来るのですから。これは最大級の慈悲と思っていただきたいくらいですよ」

マークス「ふっ、ならばその慈悲が私に通じるか試してみるといい」チャキッ

マクベス「いいでしょう、私もあなたがガロン王様の後を継ぐのにふさわしかったのかどうか――」

「試させていただきましょう、マークス王子」ニヤッ
155 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:09:56.28 ID:itidMmvi0
今日はここまで
156 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:22:26.00 ID:Ud7W8enI0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜軍戦線右側』―

フローラ「……」

ブノワ「フローラ、大丈夫か!?」

フローラ「………うっ、ううっ……ブノワ?」

ブノワ「ほっ、無事でよかった……」

フローラ「ええ……! ブノワ、その傷は」

ブノワ「大丈夫だ、大したことは無い……。攻撃が俺たちに直撃したわけではないからな……」

フローラ「駄目よ、すぐに治療するわ」

ブノワ「……すまない」

フローラ「いいえ、私の方こそごめんなさい。敵の動きに気づけていれば……」

フローラ(そう、気づけていれば、きっと……)

 ウウッ……
 ダレカ……テヲカシテクレ…
 
フローラ(こんな被害が出る事なんてなかった……)

フローラ「………」
157 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:31:50.02 ID:Ud7W8enI0
ブノワ「フローラ、大丈夫だ……」

フローラ「だめよ、まだ治療は済んで――」

ブノワ「違う、俺のことじゃない。フローラのことだ」

フローラ「私のこと?」

ブノワ「ああ、この被害はお前の所為じゃない。俺も敵の狙いに気づけなかったし、ここにいる全員も気づいていなかった……」

フローラ「……」

ブノワ「だから、その、なんだ……」

フローラ「大丈夫、言いたいことはわかるわ。ありがとうブノワ、気遣ってくれて」

ブノワ「う、うむ……」

フローラ「なら、さっさとこの状況をどうにかしないといけないわ。はい、これでいけるわよね?」ポンポン

ブノワ「ああ、問題ない。それでどうする……」

フローラ「空いた穴を塞いで、次の攻撃に備えないと。あれほどの魔法を次々に繰り出せるほど敵も余裕があるとも思えないわ。まずは負傷者を下げて陣形を再構築しないと……」

フローラ(だけど、敵の突撃部隊はすぐにでも再侵攻してくるはず。このわずかな間に負傷者を下げる方法なんて……)

ブノワ「フローラ、負傷者のことなんだが……」

フローラ「ええ、仕方ないけれど下げられるだけになってしまうわね……」

ブノワ「いや、一つだけ考えた手があるのだが……」

フローラ「とりあえず説明して、今はどんな手でも使えるなら使わないといけないから」

ブノワ「ああ、わかった。その手だが――」
158 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:37:41.22 ID:Ud7W8enI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ソーサラーB「ふむ、攻撃を収束させすぎましたか」

旧暗夜軍兵士「ですが、敵の隊列には穴が開いています。突入部隊は指示があり次第、攻撃に移れます」

旧暗夜軍ソーサラーB「よろしい。再攻撃に入るように指示を出しなさい」

旧暗夜軍ソーラサーB(しかし、思ったよりも混乱はありませんか。流石に敵の練度も筋金入りでしょう。ですが、これほどに穴だらけになった陣形を維持することは困難、もうこちらの勝利は確実でしょう)

 ガシャンガシャンッ

旧暗夜軍兵士「敵に動きあり!」

旧暗夜軍ソーサラーB「この期に及んでまた陣を組み直すつもりですか。さて、穴だらけの陣をどう埋めるつもりでしょうか?」

旧暗夜軍兵士「それが、敵は前進しています!」

旧暗夜軍ソーサラーB「前進!?」



新生暗夜軍ジェネラルB「突撃してくる者たちの攻撃を恐れることは無い! 前進し陣を再構築するんだ」

新生暗夜軍兵士「側面、弓兵隊で固めました」

新生暗夜軍ジェネラルB「よし、弓兵隊は側面から迫る敵の迎撃に努めよ。手の空いている者はこの内に負傷者を後方へ下げるのだ」

新生暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ

フローラ「一時的に前進して負傷者を後方へ下げるための陣を作るっていう案だけど、うまく行きそうね」

ブノワ「ああ、よかった。だが、その分、敵の攻撃は激しくなる……」

フローラ「それは覚悟の内よ。少なくとも、これで穴は埋められたわ」

フローラ(あとは耐えるだけよ)
159 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:41:28.75 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「敵は前進しつつ被害範囲から負傷者の退避を行うつもりですか」

旧暗夜軍兵士「どうしますか?」

旧暗夜軍ソーサラーB「敵は負傷者の退避が終わり次第、防御を密にするはずです。そうなれば……」

旧暗夜軍ソーサラーB(すでに突撃部隊の過半数を失い、こちらの攻撃魔法の手は見せてしまいました。次からこちらへの妨害は激しくなるはずです。そして、敵にもう一度強固な陣形を作り上げられてしまえば、この戦力で崩しきることは不可能でしょう)

旧暗夜軍ソーサラーB「私たちも覚悟を決めなくてはいけないようですね」スッ

旧暗夜軍ソーサラーB(こちらの攻撃は戦場全体に響いています。敵は間違いなく援軍を向かわせているはず。ならば、それが来るよりも前に……)

旧暗夜軍ソーサラーB「前方の敵陣に全員で攻撃を仕掛けます」

旧暗夜軍兵士「はっ! 各員、白兵戦闘準備」

旧暗夜軍ソーサラーB「進軍するのです!」

 オーーーーーーッ!‼‼
  ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「後方の敵魔法部隊、前進を開始!」

フローラ「さすがにこちらの狙いを読んできましたね」

ブノワ「ああ、だがやるべきことは変わらない…」

フローラ「ええ、迎撃するだけよ。負傷者の退避状況は?」

新生暗夜軍兵士「現在全体の四割ほどが後方に下がりました」

フローラ「わかりました。引き続き退避作業を続けてください」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

新生暗夜軍ジェネラルB「残りの者たちは接近してくる敵に注意しつつ、後方から迫る魔法部隊に攻撃を集中するのだ」

一同『はっ!』
160 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:45:03.32 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「っ、前進しつつ被害範囲から負傷者の退避を行うつもりですか」

旧暗夜軍兵士「どうしますか?」

旧暗夜軍ソーサラーB「敵は負傷者の退避が終わり次第、防御を密にするはずです。そうなれば……」

旧暗夜軍ソーサラーB(すでに突撃部隊の過半数を失い、こちらの攻撃魔法の手は見せてしまいました。次からこちらへの妨害は激しくなるはずです。そして、敵にもう一度強固な陣形を作り上げられてしまえば、この戦力で崩しきることは不可能でしょう)

旧暗夜軍ソーサラーB「私たちも覚悟を決めなくてはいけないようですね」スッ

旧暗夜軍ソーサラーB(こちらの攻撃は戦場全体に響いています。敵は間違いなく援軍を向かわせているはず。ならば、それが来るよりも前に……)

旧暗夜軍ソーサラーB「前方の敵陣に全員で攻撃を仕掛けます」

旧暗夜軍兵士「はっ! 各員、白兵戦闘準備」

旧暗夜軍ソーサラーB「進軍するのです!」

 オーーーーーーッ!‼‼
  ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「後方の敵魔法部隊、前進を開始!」

フローラ「さすがにこちらの狙いを読んできましたね」

ブノワ「ああ、だがやるべきことは変わらない…」

フローラ「ええ、迎撃するだけよ。負傷者の退避状況は?」

新生暗夜軍兵士「現在全体の四割ほどが後方に下がりました」

フローラ「わかりました。引き続き退避作業を続けてください」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

新生暗夜軍ジェネラルB「残りの者たちは接近してくる敵に注意しつつ、後方から迫る魔法部隊に攻撃を集中するのだ」

一同『はっ!』
161 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:47:53.32 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「……この距離、先制させていただきましょう、ギンヌンガガプ!」シュオンッ

新生暗夜軍兵士「ぎゃあああっ!!!」ドサッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、魔法部隊がもう来たか」

フローラ「だけど、敵の射程はこちらの射程でもあるわ」

フローラ(注意深く見ていれば……)

旧暗夜軍魔法兵「……」スッ

フローラ「そこ!」チャキッ ブンッ

 ザシュリッ

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」ドササッ

ブノワ「すごい……む!」グッ カキィンッ

旧暗夜軍兵士「くそっ、もう一度――」

ブノワ「はああああっ!!!」ググッ ブンッ

 ドゴンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士「ぐえっ!」ドサッ ドサササッ……

フローラ「その調子でお願いね」

ブノワ「ああ、善処する……」

新生暗夜軍兵士「負傷者の退避、全体の七割終わりました」

フローラ(あと少し……)

新生暗夜軍兵士「敵の魔法攻撃が来ます!」

新生暗夜軍ジェネラルB「近くの者と連携を取り、何としても耐え抜け!」

ブノワ「フローラ支える!」

フローラ「お願い!」ザッ
162 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:52:16.58 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍魔法兵「くらえ!!!」シュオンッ ボッ

旧暗夜軍ソーサラーB「はあああっ!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼

フローラ「っ!」バシュンッ!

ブノワ「ぐっ、そこだ!」チャキッ ブンッ

 ヒューンッ ズシャリッ!‼‼

旧暗夜軍魔法兵「ぐっ、くそぉ……」ドササッ

旧暗夜軍兵士「敵に耐え切られました。どうしますか」

旧暗夜軍ソーサラーB「このまま敵陣に肉薄し、陣を……ううっ」

 ポタタタッ

旧暗夜軍兵士「た、隊長、その傷は……」

旧暗夜軍ソーサラーB「ふっ、例の呪いです。実際貰ってみるとこれは強力だ。ですが、こうして生き残れましたからね、元が誰なのかはわかりました」ポタタタタッ

旧暗夜軍兵士「すぐに治療を……」

旧暗夜軍ソーサラーB「薬など持っていませんよ。それに、この場には傷を癒せる者もいません」

旧暗夜軍ソーサラーB(そして、この傷では動き続けることも難しくなる。弓砲台まで退避することは難しいでしょう。ならば、最後に一矢でも報いてみせるまで……)

旧暗夜軍ソーサラーB「まだ、こちらの戦力は残っています。このまま、敵陣に肉薄し崩しきる事は可能です。そこに賭けなくては、戦うことを許して下さったマクベス様に失礼というもの、あの方を裏切るわけにはいきません」

旧暗夜軍兵士「わかりました。私も共に戦いましょう」

旧暗夜軍ソーサラーB「ええ、お願いします。攻撃を継続、さらに接近し敵に集中攻撃するのです!」

163 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:55:39.07 ID:Ud7W8enI0
新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、敵の勢いは止まらないか」

ブノワ「向こうもここを落とすことに賭けている……。退くことは無いということか……」

フローラ「それはこちらも同じよ。ここを崩させるつもりはないわ」チャキッ

新生暗夜軍兵士「負傷者の退避が完了しました!」

フローラ(負傷者の退避は無事に済んだようですね。ですが、死にもの狂いで崩しに来る以上、陣形を動かすことは出来ない)

新生暗夜軍ジェネラルB「上出来だ。あとはこの敵の攻撃を受け止めるだけだ! 各自、最後の踏ん張りだ、根性を見せろ!」

 オーーー!‼‼

 ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「敵、横一列に展開しつつ接近!」

ブノワ「面で攻めてくるつもりのようだ……」

フローラ「ええ、勝負ね」チャキッ

 タタタタタッ

旧暗夜軍ソーサラーB「あの兵士ですか、見つけましたよ」スッ

フローラ「そこ!」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーB(この距離、敵の攻撃は止められません。ですが、それはこちらも同じこと!)シュオオオオンッ

フローラ「はああっ!!!」ブンッ

旧暗夜軍ソーサラーB「くらえ、ギンヌンガガプ!!!!」シュオオオンッ

 ヒューーンッ!‼ ザシュンッ
  ゴゴゴゴッ ドゴンッ‼‼‼

フローラ「きゃああああっ!!!」バチンッ ガシャシャンッ

旧暗夜軍ソーサラーB「………ぐっ」

旧暗夜軍ソーサラーB(奴の攻撃は喰らいましたが、まだ大丈夫。どうにか奴を仕留められた。私の――)

 ビシャアアッ……ビチャッ……
164 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:57:26.16 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「こふっ……」ビチャッ……

旧暗夜軍ソーサラーB(ああ、呪いの感触が体に広がっている……。どうやら仕留め損ねてしまったよう…です…。マクベス様……)

旧暗夜軍ソーサラーB「」ドサリッ

フローラ「っ、はぁ、はぁ……ううっ……」

ブノワ「フローラ!」

フローラ「ブノワ……」

ブノワ「はやく、俺の後ろに!」

旧暗夜軍兵士「逃がすか!」ダッ!

ブノワ「っ、うおおおおおっ!!!!」グッ ブンッ!!!

旧暗夜軍兵士「!」サッ

ブノワ「!」

ブノワ(しまった!)

フローラ「っ」ガシャンッ

旧暗夜軍兵士「隊長の仇、死ねえええ!!!!」グッ バッ

フローラ「!!!」




???「ライナロック! いっけええええ!」シュオンッ ボオオオッ

 ドゴォンッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「がはっ!!!」ドササッ

フローラ「え……。私、生きて……」

エリーゼ「何とか間に合ったみたいだね」パカラパカラッ
165 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:02:07.27 ID:Ud7W8enI0
ブノワ「……エリーゼ王女」

フローラ「エリーゼ様……」

エリーゼ「もう大丈夫だから。よぉし、みんなで敵を追い返しちゃえ!」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ、敵をここから一掃する。脅威を取り除くのだ!」

 ドドドドドドドドッ

フローラ「はぁはぁ……、エリーゼ様。ありがとうございます、おかげで助かりました」

エリーゼ「ううん、こっちこそごめんね。来るのが遅くなっちゃって」

フローラ「いいえ、そんなことはありません。現に私はこうして生きているのですから」

ブノワ「フローラ、肩を貸そう」

フローラ「ありがとう……、っ、中々体に響くわね。鎧が重たいわ」

ブノワ「そうだな。今日はいつも以上にそう感じるかもしれない……」

フローラ「今日だけにしてもらいたいわ。エリーゼ様、今の状況はどうなっていますか?」

エリーゼ「えっとね、左側が一番攻撃を受けてるから、そっちの援護にレオンおにいちゃんが向かってる。こっちにはあたしが行くことになったの。間に合ってよかった」

ブノワ「む、敵が退いて行く……」

フローラ「どうしたのかしら?」

エリーゼ「あ、あれ見て!」

 ドドドドドドッ

ブノワ「あれはパラディンか……」

フローラ「応援を送ってくれたのね。中央も大変だというのに……」

新生暗夜軍ダークナイトA「エリーゼ王女。中央からのパラディン部隊合流もあり、ここ一帯の敵は撤退を開始しました。これより、陣の再編成を行います」

エリーゼ「うん、お願い」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ!」パカラパカラッ

エリーゼ(あとは反対側を立て直せれば、きっと大丈夫……)

エリーゼ「マークスおにいちゃん、カムイおねえちゃん。信じてるからからね」
166 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:05:21.72 ID:Ud7W8enI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜軍戦線左側』―

旧暗夜軍ボウナイトA「そこだ!」シュパッ

新生暗夜軍兵士「ひっ!」グッ

カムイ「はあああっ!」チャキッ カキィンッ

 カランカランッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「ちっ」パカラパカラッ

フェリシア「逃がしませんよぉ。これで――」チャキッ

旧暗夜軍ソーサラーA「させはしません。はああっ!」シュオンッ! バシュッ!

アクア「フェリシア、伏せなさい」

フェリシア「は、はい!」サッ

旧暗夜軍ソーサラーA「うまく避けましたか、ですが今はこれでいいでしょう」

旧暗夜軍ボウナイトA「助かった、乗れ」

旧暗夜軍ソーサラーA「助かります。っと」ボフンッ

 パカラパカラッ

アクア「っ、逃げられたわね」

カムイ「フェリシアさん、大丈夫ですか?」

フェイシア「は、はい。アクア様のおかげで助かりましたぁ」

アクア「気にしないで。それにしても、予想以上に敵の攻撃が激しいわね」

カムイ「ええ……」

カムイ(フローラさんたちが守っている反対側の状況が気になりますが、今はここを守ることに集中しないといけません。ですが……)

カムイ「敵はなかなか尻尾を掴ませてはくれませんね」

アクア「ええ、攻撃したらすぐに距離を取られる。このサイクルを続けられたら、こちらが不利になっていくばかりよ」

カムイ「ですが、相手の機動力の高さの前では前に出る事も叶いません。攻勢に出るにはこちらの戦力では追いつく間もなく包囲殲滅されるだけですから」

カムイ(歩兵中心のこちらとは違い、向こうは騎馬を用いた機動戦を主体、真正面から攻勢に出ても勝ち目はありません)

アクア「援軍と到着を待つしかないということね」

カムイ「はい、でもその時はもうそこまで近づいているはずです。だから、もうひと頑張りです」

フェリシア「わ、わかりましたぁ」

カムイ(きっと、それはすぐそこまで来てくれているはずですから)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 パカラパカラッ

新生暗夜軍ダークナイトB「敵、左翼と中央部に確認。最も戦力が集中しているのは左翼部の様です」

レオン「右翼への攻撃から察していたけれど、端から陣を削り切るのが狙いか」

新生暗夜軍ダークナイトB「中央部ではマークス様、左翼部ではカムイ様がそれぞれ奮戦されているようです。如何します?」

レオン(西砲台の敵守備隊が侵攻に合流していると考えれば、今一番敵戦力が多いのは左翼部に違いない。中央部はこちらの騎馬戦力がまだ残っているから、まだ持ち堪えられるはずだ)

レオン「まずは左翼部の敵を片付ける。各自、すぐにでも攻撃に移れるように準備、左翼に向け前進――」

「カムイ姉さんの援護に向かう!」
167 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:06:50.99 ID:Ud7W8enI0
今日はここまで

 途中同じものの連投もうしわけない。
 レオンはなんだかんだでカムイを優先して助けに行くと思う。
168 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:06:35.28 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜戦線左側』―

新生暗夜軍ジェネラルD「敵の第二波が来ます!」

カムイ「負傷した方々の退避を優先、ジェネラル隊の皆さんは弓の攻撃への対処を」

新生暗夜軍ジェネラルD「わかりました。弓兵隊、攻撃隊は我々を盾にして待機せよ!」

カムイ(先手ボウナイトへの対処はこれで大丈夫です。問題はソーサラーを主力とした魔法部隊の攻撃ですね)

 タタタタタタッ

アクア「カムイ、みんながジェネラルの陰に入ったわ」

フェリシア「負傷した方々の退避も終わりました」

カムイ「わかりました。さて、ここからどうしましょうか」

アクア「ボウナイトの攻撃はなんとかなるけれど、ソーサラーの魔法は脅威よ。一点に攻撃を集中されることは避けないといけないわ」

カムイ「敵は面攻撃に徹しているようですから、今のうちに何かしら手を打たないといけませんね」

カムイ(といっても、敵がこちらの攻撃範囲に入り込んでくるのを待っているわけにはいきません。こちらの弓兵の数ではソーサラー部隊を倒すことも叶いません。となれば……)

カムイ「こちらから強襲する以外の手はありませんか……」

アクア「打って出るつもり?」

フェリシア「だ、大丈夫なんですか?」
169 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:11:32.63 ID:TzD1n5DC0
カムイ「危険ですが敵と同じように攻撃をして退くだけです。ただ、向こうは飛び道具ですがこちらは近接戦ですので、タイミングを見て攻撃に打って出ないといけません」

カムイ(敵はボウナイトで攻撃後に乗せてきた部隊を降ろして、一度散開します。敵部隊は陣を形成後に攻撃を行うようですから、その合間を突ければ……)

フェリシア「だ、大丈夫でしょうか」

カムイ「こちらが防御に徹していると敵が思いこんでいる今なら上手く行くはずです。ボウナイトは攻撃後に兵を降ろす時間があります。その隙に距離を詰め、敵ソーサラー部隊を攻撃、敵の後続が動き次第退却といったところでしょうか」

アクア「苦肉の策ね」

カムイ「ええ、でも重要なのは援軍が来た時にこの陣が健在していることです。なら、そのためにやるべきことをやるしかありません」

アクア「……そうね、わかったわ。他の皆にも伝えておくわね」

カムイ「はい、お願いします。フェリシアさんも私と一緒に来てください。その、少々無茶をしてしまうと思うので……」

フェリシア「わかりました、怪我をしたらすぐに治療します。でも、あまり無茶しないでくださいね。カムイ様に万が一のことがあったら、みんな悲しんじゃいますから」

カムイ「はい」

アクア「カムイ、みんなに作戦のことを伝えたわ」

カムイ「ありがとうございます。あとは――」

新生暗夜軍ジェネラルD「敵、ボウナイトが接近! 各自、弓攻撃に備えよ!」

フェリシア「はわわ、カムイ様、隠れましょう」

カムイ「はい。アクアさん、攻撃を仕掛けるタイミングをお願いできますか?」

アクア「ええ、任せてちょうだい」
170 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:16:01.55 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍ボウナイトB「全騎弓を構え。今だ、放て!」

 パシュシュシュッ
  キキキィンッ!

旧暗夜軍ソーサラーA「さすがに矢ではビクともしませんか」

旧暗夜軍ボウナイトB「ああ、すまないが攻撃を頼む」

旧暗夜軍ソーサラーA「任せなさい」ダッ

旧暗夜軍ソーサラーA(敵はジェネラルを盾に防戦の構え。ですがそれは物理に対しての城壁、そんなもの魔法の前では木壁に過ぎません)

旧暗夜軍ソーサラーA「各自、配置に付きなさい。敵の城壁を崩しますよ」

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」タタッ

新生暗夜軍ジェネラルD「敵、ソーサラー部隊展開、ボウナイト隊が離れます!」

アクア「今よ、カムイ」

カムイ「はい、歩兵隊の皆さんは敵ソーサラー部隊へ攻撃を開始してください! 大丈夫です、道は私が作ります!」チャキッ

 シュオオオオンッ

竜化カムイ『グオオオオオオオッ!!!』ダッ

新生暗夜軍兵士「よし、カムイ様の後に続け!!!」

 ウオオオオオオオッ!!!!
  ドドドドドドッ

旧暗夜軍魔法兵「敵歩兵隊、前進してきます!」

旧暗夜軍ソーサラーA「ほう……」

旧暗夜軍ソーサラーA(ボウナイト隊が離れた隙を狙われましたか。敵は防御一辺倒だと思っていましたが……)

旧暗夜軍ソーサラーA「中々厄介なものですね。各自、迎撃するのです」

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」シュオンッ

旧暗夜軍ソーサラーA(それに、どうやらこちらが狙うべき相手も向かってきているようですからね……)

旧暗夜軍ソーサラーA「先頭を行くあの竜、ここで仕留めてみせましょう」
171 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:19:10.52 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「このっ、くらえええ!」シュオンッ!

竜化カムイ『はあっ!!!』シュッ ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍魔法兵「ぐへっ!」ドササッ!

旧暗夜軍兵士「くそ、竜がなんだってんだ! これで切り殺してやる!!!」チャキッ ダッ

旧暗夜軍兵士(よし、あいつは気づいてねえ。もらっ――)

 ザザッ

アクア「どこに行くつもりか知らないけれど、私が相手よ」チャキッ ダッ

旧暗夜軍兵士「邪魔するな!」ブンッ

アクア「それはこちらの言葉よ。はああっ!!!」ググッ シュパッ

 ドスリッ!

旧暗夜軍兵士「がはっ……」ドササッ

アクア「ふぅ……」

フェリシア「ア、アクア様、待ってください。あっ、そこです!」シュパッ

 ヒュンッ ザシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」ドサッ

フェリシア「あたりました!」

アクア「やはりだけど、やっぱりあなたは奉仕職ではなくて戦闘職になった方がいいと思うわ」

フェリシア「ア、アクア様まで……ひどいです」

竜化カムイ『でも実際フェリシアさんの戦闘技術は見事な物ですからね。そう言われるのも仕方ないことですよ』

フェリシア「ううっ、カムイ様まで……」

竜化カムイ『ふふっ……』

旧暗夜軍ソーサラーA「このような場所で談笑とは、気が抜けていますね」

三人『!』

旧暗夜軍ソーサラーA「ライナロック!!!」シュオンッ
172 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:24:33.92 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『二人とも、避けてください!』サッ

 ドゴンッ!!!

竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさん、無事ですか!』

アクア「私は大丈夫よ」

フェリシア「大丈夫です!」

竜化カムイ『よかった……』

旧暗夜軍ソーサラーA「ふん、隙だらけだと思いましたがそうでは無いようですね……」

竜化カムイ『気を抜いているつもりはありませんよ』

旧暗夜軍ソーサラーA「そうですか。ならば、それどこまで維持できるのか試させてもらうとしましょう」スッ

 タタタタタッ

旧暗夜軍魔法兵たち『……』

旧暗夜軍ソーサラーA「狙うのは王女だけで構いません、各自放て!」

竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさんは離れていてください!』ダッ!

アクア「カムイ!」

フェリシア「カムイ様!」

竜化カムイ(気配だけでも十人弱。ですが、何とかしないと!)タタタタッ

旧暗夜軍ソーサラーA「そこです」シュオンッ ボオオッ!

旧暗夜軍魔法兵「くらえ!!!」シュオンッ

 ドゴンッ!
  ザシュッ バシュンッ!

竜化カムイ『グオオッ』クラッ

竜化カムイ(ぐっ、魔法の気配が多すぎて、とても避け切れない!)

アクア「っ、このままじゃ……。フェリシア、付いて来て」

フェリシア「は、はい! ど、どうするんですか?」チャキッ

アクア「敵はカムイだけを狙うことに集中しているわ。なら、今私達は意識されていないはず。なら、横合いから殴りかかるだけよ」

 タタタタタタッ
173 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:26:36.52 ID:TzD1n5DC0
暗夜軍魔法兵「ちっ、あの体躯のくせにすばしっこい」

旧暗夜軍魔法兵「大丈夫だ、着実に動きは弱まっている。このままなら直撃も時間の問題だ」

旧暗夜軍魔法兵「おら、もっと動きまわらないと当たっちまうぞ!」シュオンッ

 バシュッ

竜化カムイ『グオオオオッ!!』

竜化(このままでは……)

旧暗夜軍魔法兵「これで終わりにしてやる! 死ねぇ!」

 ヒュンッ ザシュシュッ!!

旧暗夜軍魔法兵「ぐあ……、うううっ、こ、これは暗器!?」ポタタタッ

アクア「フェリシア、その調子でお願い。倒さなくてもいいわ、奴らの詠唱を阻止しつづけて」

フェリシア「わかりました。カムイ様に手出しはさせません! はああっ!」チャキッ シュパパッ

 ザシュッ ザシュシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「っ、くそ、腕が……」

旧暗夜軍魔法兵「なら、変わりに俺が仕留めてやる!」スッ

アクア「させない!」ダッ

 タタタタッ スタッ

アクア「……」
174 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:29:49.14 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「つ、突っ込んで来やがった」

アクア「眠ってなさい」ドゴンッ

旧暗夜軍魔法兵「ぐへっ!!!」ドササッ

アクア「次は誰に子守唄を歌ってあげようかしら?」チャキッ

アクア(こうして懐に入られたのならば、さすがに無視はできないでしょう)

旧暗夜軍魔法兵「ちっ、ならお前から始末してや――」スッ

アクア「はあっ!!!」チャキッ ドゴンッ!!!

旧暗夜軍魔法兵「ごはっ……」ドササッ

旧暗夜軍ソーサラーA「まさか接近を許すことになるとは、思ったよりもカムイ王女は頑丈なようだ」

アクア「あなた達の魔法の腕が悪いのも理由の一つよ」

旧暗夜軍ソーサラーA「ふん、その華奢な体で私の魔法を果たして受け止められるとは到底思えませんが、試して差し上げましょう。なに、あなたの言う通りならば当ることもないでしょうから」シュオンッ

アクア「……」チャキ

フェリシア「アクア様! 今助けます!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「そうはさせるか!」チャキッ ダッ

フェリシア「!」スッ

 ブンッ

フェリシア「あ、あぶなかったです」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ちっ、避けやがったか。まあいい、一対一だ。安心しろ、痛みがないように一撃でその可愛い顔を体から切り離してやるよ」

フェリシア(何とかしないとアクア様の援護にも、カムイ様の御手当にも行けません)

フェリシア「わかりました、お相手します」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ほう、一人になったところで命乞いしてくるかと思ったが、可愛い顔して中々肝が据わってるじゃねえか。おらああ!」ダッ!

フェリシア「はあああっ!」ダッ
175 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:31:52.17 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさん』

竜化カムイ(二人のおかげでどうにか危機を脱せました。なら、今度はこちらの番ですよ)

 タタッ

旧暗夜軍魔法兵「隊長、王女は我々にお任せを! くらえ!」シュオンッ

竜化カムイ(先ほどの数ではありません。気配もきちんと把握できます。これなら!)

 サッ
  ササッ

旧暗夜軍魔法兵「ちっ、器用に避けやがって」

旧暗夜軍魔法兵「一点にしなければいい、面で攻めるぞ!」

旧暗夜軍魔法兵「ああ、わかった。これでどうだ!」シュオンッ

竜化カムイ(一点ではない広範囲攻撃。なら、その火力が薄くなる場所もあります。そこなら!)

 ボオオオッ

竜化カムイ『はあああっ』ダッ

 バチンッ!

旧暗夜軍魔法兵「よし、当たった!!! って、あれ?」

竜化カムイ『退いてください!!!』ググッ ト

゙ゴンッ‼‼

旧暗夜軍魔法兵「がへっ!!!」ドサササッ

旧暗夜軍魔法兵「くそ、浅かったか。ならもう一撃――」

竜化カムイ『ふん!!!』クル 

旧暗夜軍魔法兵「尻尾!?」

 バシンッ ドササッ

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」

竜化カムイ『アクアさん、今向かいます!!』
176 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:43:50.28 ID:TzD1n5DC0
 キィンッ
  カキィンッ!

旧暗夜軍兵士「はっ、そら!!!」

フェリシア「っ! はっ、そこです!」キィンッ!

旧暗夜軍兵士「はは、これはすげえ。そんな暗器だけで剣に渡り合ってくるなんて思いもしなかったぜ。だが、さすがに息が上がってきたか?」

フェリシア「はぁはぁ……。まだまだ、戦えますよ」

旧暗夜軍兵士「見た目にそぐわずタフな女だ。どこまでやれるか確かめてやる!」チャキッ

 ダッ

フェリシア(……剣を下に構えています。そのまま上に切り上げるつもりでしょうか。ううん、違います。見るべきは相手の視線の先です)

旧暗夜軍兵士「……」ググッ

フェリシア(このまま斬って――)

旧暗夜軍兵士「……」フッ

 スッ

フェリシア「!!!」ザッ チャキッ

旧暗夜軍兵士「そらっ!!!」シュパッ!‼‼

 キィンッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「なに!?」

旧暗夜軍兵士(この状況でこいつ、俺がダガーを投げることに感付きやがったのか!?)

フェリシア(今です!)

旧暗夜軍兵士「っ、うおおおおおっ!」チャキッ

 ブンッ

フェリシア「!」サッ

  ドゴンッ!

旧暗夜軍兵士(しまった、勢いよく振り下ろした所為で剣が地面に!)

フェリシア「はああああああっ!!!!」チャキッ

 ザシュッ
  ビシャアアアアアアア……

旧暗夜軍兵士「かっ……」ポタタタッ

フェリシア「……」

旧暗夜軍兵士「く……そ……。強いじゃねえか……」

フェリシア「……敏腕メイドですから」

旧暗夜軍兵士「ははっ……違い……ねぇ……」ドサッ

フェリシア「……」
177 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:46:06.28 ID:TzD1n5DC0
 タタタタタッ

フェリシア「? あ、カムイ様!」

竜化カムイ『フェリシアさん、無事だったのですね。アクアさんは?』

フェリシア「まだ、向こうで戦っています。まずはカムイ様すぐにお怪我を治しますね。それっ!」シャラランッ

竜化カムイ『ありがとうございます。すぐにアクアさんを助けに行きましょう。フェリシアさんも付いて来て下さい』

フェリシア「わかりました」

竜化カムイ『……フェリシアさんはすごいですね』

フェリシア「えっと、何がでしょうか?」

竜化カムイ『さきほど戦っていた時と、今の雰囲気がまるで違うんですから』

フェリシア「そ、そんなに違いますか?」

竜化カムイ『はい、とても違いますよ。なんていうかそれはそれ、これはこれっていう感じでさっぱりしてると言いますか』

フェリシア「……そうかもしれません。でも、それでいいんです。私はカムイ様に仕えるメイドである自分が一番好きですから。こうしていつもの自分に戻れるのはうれしいことなんですよ」

竜化カムイ『フェリシアさん』

フェリシア「援護は私に任せてください。カムイ様は早くアクア様の下に」

竜化カムイ『はい、よろしくお願いします』

 タタタタタッ
178 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:47:21.92 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アクア「はっ、せいっ!!!」ブンブンッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ。まったく、その様な姿で繰り出されると思えない連撃ですね」

アクア「伊達にここまで戦い続けてきたわけじゃないのよ。そこ!!!」ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ!!!」ズササッ

アクア(決まった!)

旧暗夜軍ソーサラーA「ふっ、そこです。ギンヌンガガプ!」シュオンッ

アクア「この程度!」サッ

旧暗夜軍魔法兵「逃がすか!!! サンダー!!!」シュオンッ

アクア「!!!!」

アクア(回避先を予想された!?)

 バチンッ!‼‼

アクア「きゃああああ!!!」

 ドサッ

アクア「ううっ、まだまだ……」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーA「立ち上がらせると思っていましたか。王女を守るための行動とはいえ、少々軽率でしたな」

アクア「っ!」

旧暗夜軍ソーサラーA「それも、これで終わりです!」スッ

 タタタタタッ

竜化カムイ『そうはさせません!!!』ダッ

アクア「えっ!?」

旧暗夜軍ソーサラーA「カムイ王女!? くらえっ!!」シュオンッ

 ゴオオオッ

竜化カムイ『この程度の攻撃なら!!!』ダッ
 
 ドゴンッ‼‼

竜化カムイ『!!!!』ググッ

旧暗夜軍ソーサラーA「ちっ」

旧暗夜軍ソーサラーA(死にかけの処理にと、ファイアーを使おうとしたのが裏目に出ましたか)

旧暗夜軍魔法兵「へっ、どちらにしても的が増えただけだ。ここで燃やし尽くしてや――」

フェリシア「はっ、それっ!!!」シュパッ!

 ザシュ

旧暗夜軍魔法兵「がっ」ドサッ

フェリシア「誰も攻撃させたりしませんよ」チャキッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ、ですが、この一撃は外しません。カムイ王女もろとも吹き飛ばしてあげましょう!!!」スッ シュオオオオンッ
179 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:49:12.14 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『すごい魔力……』

竜化カムイ(あれの直撃を受ければ一溜りもありません。ここは一度退いてもう一度機を――)

アクア「カムイ、ちょっと失礼するわね」ググッ

竜化カムイ『え、アクアさ―――』

アクア「はああああっ」ダッ!

竜化カムイ『アクアさん!?』

旧暗夜軍ソーサラーA「ほう、飛び込んでくるとは無謀な方だ。まずはあなたから消し炭にしてあげましょう」スッ

アクア(敵は一点集中で攻撃、私が飛び出して狙いを改めて定める時間があるはず。そのわずかな時間があれば)

アクア「それで十分よ」ググッ

旧暗夜軍ソーサラー「死ね、ギンヌンガ――」

アクア「それはあなたの方よ! はあああっ」ブンッ

 ドスリッ

旧暗夜軍ソーサラーA「……な」

旧暗夜軍ソーサラーA(投擲だと、飛び出して来たのは切り込んでくると見せかけるためで、本命の攻撃方法はこれだっということですか……)

旧暗夜軍ソーサラーA「ふ、ふふっ、まったく、ごふっ、こんな奇天烈な事ばかりされては、対処……するのも……」ズズッ ズズズッ

 ドサリッ
180 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:51:06.77 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「くっ、退け! 他の部隊への合流を急ぐんだ! 隊長を運ぶぞ、全員手を貸せ!」

 タタタタタッ

アクア「はぁ、はぁ……。ここは何とかなったわね」

 タタタタタタッ

竜化カムイ『アクアさん!』

アクア「カムイ、うまく行ったわね」

竜化カムイ『うまく行ったではありません! あんな危険なことをいきなりしないでください。ただでさえ怪我をしているのに、あの攻撃を受けることがあったら……』

アクア「ご、ごめんなさい、心配を掛けてしまって」

竜化カムイ『全くですよ。でも、本当に無事でよかった。あなたに何かがあったら私は……』

アクア「カムイ……」

 タタタタタタッ

フェリシア「アクア様、大丈夫ですか! わっ、カムイ様も怪我してるじゃないですか。さっき、治療したばっかりなのに」

竜化カムイ『そ、その。アクアさんを助けるためには仕方なかったんです。さきほどフェリシアさんが治療してくれたおかげでどうにかなりましたから』

フェリシア「だとしても、本当に無茶しちゃだめですよ、すぐに治療しますね。それ!」シャラランッ

竜化カムイ『ふぅ、それで状況はどうなっているのでしょうか?』

アクア「展開していた魔法部隊に打撃を与える事には成功したみたいね。でも、こんなに派手に動いた以上、後続の敵も黙っていないわ」

竜化カムイ『でしょうね』

竜化カムイ(あとは敵の行動にあわせて陣へ戻り、どれだけ粘れるかに掛かっています。まずは敵の動きを見極めなくてはなりません)

竜化カムイ『正念場ですね、私たちもそして向う側も……』
181 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:53:43.00 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区西側・旧暗夜軍陣』―

旧暗夜軍ボウナイトA「敵が前進したか……」

旧暗夜軍兵士「はい、前衛はかなりの損害が出ているようです。どうします、隊長」

旧暗夜軍ボウナイトA「交代しつつ敵に圧力をかけて潰すつもりだったが、そうはいかないか」

旧暗夜軍兵士「どうします?」

旧暗夜軍ボウナイトA「残っている者も馬に乗れ」

旧暗夜軍兵士「前線と合流するのですね」

旧暗夜軍ボウナイトA「いや、合流に向かうのは全体の半分だ。どうせこちらが動けば敵は巣に戻るつもりだろう」

旧暗夜軍兵士「ならばなおさらです。戦線と合流し、そこから攻撃を仕掛ければ、敵の陣はこちらの総攻撃に耐えられるとは思えません」

旧暗夜軍ボウナイトA「いや、準備をしている時間はない。敵陣の後方を見てみろ」

旧暗夜軍兵士「……あれは」

旧暗夜軍ボウナイトA「南東門から侵入した敵部隊が向かっている。こっちが足並みを揃えて攻勢に出る頃には合流されているだろう」

旧暗夜軍兵士「これでは……」

旧暗夜軍ボウナイトA「あの陣を落とすことは厳しい。だが、それでも打てるものはある」

旧暗夜軍ボウナイトA(今はそれを打つ可能性に掛けるほかない)

旧暗夜軍ボウナイトA「タイミングは私が出す、今は戦線への合流を目指せ」

「行くぞ!!!」

 オオオオオーッ!
182 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:56:06.61 ID:TzD1n5DC0
今日はここまで
 
FEif、五周年おめでとう
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/07(火) 00:14:46.22 ID:PJ6GidsS0
久々の更新うれしいです!!
184 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:24:13.02 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍兵士「く、来るぞ!」

 ドドドドドドッ

竜化カムイ『はあああ!』ザッ ブンッ

 キィンッ!

旧暗夜軍兵士「ちっ、この野郎!」ダッ

旧暗夜軍ボウナイトB「待て、突出するな、それじゃ敵に囲まれるぞ。各自周囲の者と連携を取り、なんとか持ちこたえるんだ!」

アクア「カムイ、敵は防戦に切り替えつつあるわ。それに後方の敵部隊が向かっているみたい、このまま戦い続けるのは危険よ」

竜化カムイ『どうやら、ここまでのようですね。アクアさん、皆さんに撤退の指示をお願いします』

アクア「わかったわ。みんな、引き上げよ」

竜化カムイ『時間は私が稼ぎます。負傷した方々の輸送を最優先にしてください」

新生暗夜軍兵士「わかりました。全員、陣に戻るぞ!」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士「敵が退いて行きます!」

旧暗夜軍ボウナイトB「追う必要はない、今は負傷者の手当を優先しろ」

旧暗夜軍兵士「わかりました」

旧暗夜軍ボウナウイトB(ちっ、できるならば追撃に移りたいが、多くの兵が負傷している今、出来る事ではない)

アクア「……敵は追撃に移るつもりはないみたいよ」

竜化カムイ『私達は運がいいみたいですね。このまま、安全に戻らせてもらいましょう』
185 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:29:57.22 ID:gTQT0S320
竜化カムイ(敵が再度魔法攻撃を行うためにはかなりの時間を要するはずです。その準備が整うよりも前に、こちらの援軍が到着してくれれば……)

アクア「どうやら敵の援軍が到着したようね。だけど、こちらに来る気配はないみたい」

フェリシア「はい、早く退いて正解でしたね。……あれ?」

竜化カムイ『フェリシアさん、どうかしましたか?』

フェリシア「いえ、その、なんだか敵さんの数が少ない気がして……」

アクア「……確かにそうね。もう少し多い気がするけれど――」

 ヒュンッ!!!

竜化カムイ『アクアさん!』ダッ ブンッ

 キィンッ!!!

アクア「え!?」

フェリシア「こ、攻撃です! でも、一体どこから……」

 ドドドドドドドッ

旧暗夜軍ボウナイトA「どうにか側面を取れたようだ。このまま一気に攻勢に出るぞ」

 スッ

旧暗夜軍ボウナイトA「魔法兵はここで降り、敵の後方を足止めしろ。残りの者は弓を収め、剣を抜け!」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍ボウナイトA「敵増援まであまり時間はない。一気に畳みかけ敵を殲滅する、私に続けぇ!!!」

旧暗夜軍兵士たち『おーーーーっ!』ドドドドドッ!

旧暗夜軍魔法兵「各自、後方の分断に尽力せよ。攻撃開始!」シュオンッ
186 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:36:11.90 ID:gTQT0S320
 ドゴンッ ドゴゴンッ!

新生暗夜軍兵士「ぐっ、前方に連続で魔法を放たれています! これじゃ進めません!」

アクア「西側から来たのね。どうやら、私達を分断して撃破するのが狙いみたい」

フェリシア「はわわっ、て、敵が来ますよ!」

竜化カムイ『すぐに逃げたいところですが、遠回りしている余裕はなさそうですね』

竜化カムイ(相手は騎馬兵、この魔法を迂回したところで追い着かれます。ここは魔法部隊を叩いてこの障害を排除する以外に手はありませんね)

竜化カムイ『アクアさん、敵魔法部隊までの距離は?』

アクア「それほど遠くはないけど、どうしてそんなことを……まさか」

竜化カムイ『はい、私が打って出ます。彼らは私達の足止めに意識を集中していますし、まさか、突撃してくるとは予想していないでしょう』

アクア「でも、さすがに危険すぎるわ」

竜化カムイ『だとしても、今それができるのはそれなりに早く動ける私だけです。フェリシアさんに治療してもらいましたし、攻撃を済ませたらすぐ離脱しますから大丈夫です』

アクア「何も大丈夫じゃないのだけど。仕方ないわね、私が付いて行くわ。いくら周囲を把握できると言っても、あなたは目が見えないのだから一人では厳しいでしょう?」

竜化カムイ『それはそうですが。今回は回避行動が多くなると思うので、私にしがみ付き続けるのは辛いと思いますが……』

アクア「大丈夫。この前、本気で暴れているあなたにしがみ付いていられたのだから、落ちる心配なんてしないでいいわ」

竜化カムイ『アクアさん……』

アクア「そういうわけだからフェリシア、ここはあなたに任せるわ。こっちが魔法部隊への攻撃を行って、賑やかになってきたら後退を始めてちょうだい」

フェリシア「わ、わかりました。アクア様も治療しておきますね。それっ!」シャラランッ

アクア「助かるわ」

竜化カムイ『それじゃ、アクアさん。進行方向の指示をお願いします。あなたの言う通りに激しく動いてあげますから』

アクア「ええ、行きましょう」

竜化カムイ『はい!』ダッ

新生暗夜軍兵士「あの中に飛び込むなんて……本当に大丈夫でしょうか?」

フェリシア「きっと大丈夫です。だから、私達もやられるわけにはいきませんよ」チャキッ
187 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:40:34.87 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍ボウナイトA「よし、このまま一気に距離を詰めて敵を討つぞ」

旧暗夜軍兵士「! た、隊長、竜がこちらに向かって来ます!」

旧暗夜軍ボウナイトA「なに!?」

 ダダッ ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA(まさか、包囲されかけているこの状況で打って出てくるというのか? ならば、すれ違いざまに切り殺してやる)チャキッ

アクア「カムイ、前方にボウナイトの部隊よ」

竜化カムイ『敵に止まる気配は?』

アクア「ないわね。このまま、後方の攻撃に向かうはずよ」

竜化カムイ『でしたら、このまま突破しましょう。こちらも止まって相対する暇はありませんからね』

 ダッ
  ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「来たか、その首もらった!!!!」チャキッ

 ブンッ
  スカッ
   ズサササッー

旧暗夜軍ボウナイトA「滑り込まれた!?」

旧暗夜軍ボウナイトA(背後を取って、そこから攻撃をするつもりか!?)

 ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「なに!?」

竜化カムイ『残念ですが、あなたの相手をしている暇はありません』ダッ

旧暗夜軍兵士「あいつ、魔法部隊の方角に向かっています!」

旧暗夜軍ボウナイトA「ちっ、そういうことか。奴は俺が追う、残りは正面の部隊を狙え、奴の狙いが後方だろうと、敵を削れるだけ削る方針は変わらない」

旧暗夜軍兵士「わかりました!」

旧暗夜軍ボウナイトA「……大した度胸だが、敵中に一人で飛び込んできたこと、後悔させてやる!」
188 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:46:44.50 ID:gTQT0S320
 ダダッ ダダッ

竜化カムイ『……追ってきていますか?』

アクア「一人だけね。まだ距離が離れているけれど、さすがにあなたより早いわ」

竜化カムイ『この状態でも馬の脚力には敵いませんからね。でも、先に手が届くのは私達のほうです』

アクア「そうね。もうすぐよ」

竜化カムイ『はい、私も捉えられる範囲に入りました。一気に叩き潰します。アクアさんは降りずに掴まっていてください』ダッ

アクア「ええ、任せたわ」ギュッ

竜化カムイ『行きます!』ダッ!

旧暗夜軍魔法兵「よし、敵の後退を絶対に許すな。このまま――ん?」

竜化カムイ『そうはいきません!』 

旧暗夜軍魔法兵「な、竜!? なぜこのようなところに!?」

竜化カムイ『はああああっ!!!』グッ ザシュンッ!!!

旧暗夜軍魔法兵「がっ!!!」ドササッ

旧暗夜軍兵士「っ、たかが一匹で調子にのるんじゃ――」

竜化カムイ『そこ!!!』ググッ ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「がはっ!!!」ドササー

旧暗夜軍魔法兵「っ! くそ、まずはこいつを倒せ、今ならやれる!!!」スッ

旧暗夜軍魔法兵「これでどうだ!!!」シュオンッ バシュンッ!

 ササッ

旧暗夜軍魔法兵「くそ、ちょこまかと動きやがって! 当たれ!!!」

アクア「妨害はこれで十分みたいね」

竜化カムイ『ええ、すぐに離脱します』ダッ!
189 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:48:51.15 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍魔法兵「ちっ、奴を逃がすな!」

竜化カムイ(よし、魔法部隊は私を倒すことに躍起になっています。あとはこの間にフェリシアさんが部隊を後退させてくれれば!)

 パカラパカラッ

旧暗夜軍ボウナイトA「捉えたぞ、このまま逃げられると思うな!」チャキッ パシュッ

 ザシュッ!

竜化カムイ『っ! 追いついてきましたか』

旧暗夜軍ボウナイトA「さすがに後方を狙いに行くとは思わなかったが、あそこで私を討たなかったのが運の尽きだ。その首、落させてもらう!」チャキッ

竜化カムイ『アクアさん、しっかり掴まってください!』ググッ! ダッ

アクア「!」

旧暗夜軍ボウナイトA「逃がすか!」ブンッ

 ザシュッ!!!

竜化カムイ『っ!!!』

竜化カムイ(くっ、流石に早い!)

旧暗夜軍ボウナイトA「一人で乗り込んできたその度胸は認めるが、詰めが甘かったようだな」

旧暗夜軍魔法兵「隊長、援護します!」シュオンッ!

 ドゴゴンッ
  バシュンッ

竜化カムイ『っ!』

アクア「カムイ!」

竜化カムイ『まだ大丈夫です。向かうべき方角の指示をお願いします』

アクア「わかったわ。このまま、まっすぐ進んで、そうすればフェリシア達と合流できるはずよ」

竜化カムイ『はい』ダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「奴の侵攻路を塞げ、奴を倒すことだけに集中せよ」ダッ

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」シュオンッ

旧暗夜軍ボウナイトA(まだ間に合う。今ここで奴の息の根を止めてみせる)ダッ
190 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:54:22.44 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍兵士「おらああああ!」ブンッ

 サッ

フェリシア「そこですっ、せやっ!」シュパッ

 ザシュシュッ

旧暗夜軍兵士「ぐあっ! くそ!」ポタタタッ

新生暗夜軍兵士「フェリシア様、敵の魔法攻撃が止みました。今ならば!」

フェリシア「わかりました。後退しましょう」

新生暗夜軍兵士「はい!」ダッ

旧暗夜軍兵士「させるか! 奴らを動けないように包囲しろ。逃げようとする奴から重点的に叩け!」ダッ

旧暗夜軍兵士「逃がすと思ってるのか、そこだ!」ググッ ブンッ!

 ザシュンッ!

新生暗夜軍兵士「ぎゃああっ!」ドサッ

 ドドドドドッ

フェリシア「っ!」ブンッ

フェリシア(まずいです、敵の動きが早くて撤退できません!)

新生暗夜軍兵士「ど、どうしましょう、フェリシア様」

フェリシア「ううっ……」

フェリシア(ど、どうすれば……)

旧暗夜軍兵士「ふん、退かないか。ならば、このまま叩きのめしてやる!」

フェリシア(どうすれば……)

旧暗夜軍兵士「一気に決めるぞ、全員で―――」

???「ライナロック!」シュオンッ

 ドゴオオンッ!!!

旧暗夜兵士「ぎゃあああっ!!!」ドササッ!

フェリシア「え、なんで敵が倒れて……」

新生暗夜軍兵士「フェリシア様、あれを!」

フェリシア「あ、あれは―――」
191 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:58:40.44 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

竜化カムイ『はぁ……はぁ……』ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「はああっ!」チャキッ ブンッ!!!

竜化カムイ『っ!』グッ!

 サッ

アクア「っ、カムイ、大丈夫!?」

竜化カムイ『まだ、大丈夫です』

竜化カムイ(ですが、この敵の猛攻の中では……)

旧暗夜軍魔法兵「サンダー!」シュオンッ

 バチンッ

竜化カムイ『っ、まだまだっ!』ダッ

旧暗夜軍魔法兵「そこだ!!」シュオンッ

竜化カムイ『!』

 バチンッ!!!

竜化カムイ『ううっ!!!』

アクア「きゃあっ!!」

 ズササーッ

竜化カムイ『アクアさん!』サッ

旧暗夜軍ボウナイトA「もらった!」ブンッ ビシャアアッ!

竜化カムイ『ああっ!!』ヨロッ

 グッ ダンッ

旧暗夜軍ボウナイトA「トドメだ!」チャキッ

竜化カムイ『はあああっ!!!』ブンッ!

 ドゴンッ!!!

旧暗夜軍ボウナイトA「がっ」ドササーッ

旧暗夜軍魔法兵「隊長!」

旧暗夜軍ボウナイトA「だ、大丈夫だ。くそ、本当にしぶとい奴だが、それもここまでだろう」
192 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:04:35.03 ID:gTQT0S320
アクア「カムイ!」

竜化カムイ『だ、大丈夫です。まだ、動けますからアクアさんは私の影に……』

竜化カムイ(ですが、動けると言っても先ほどの様には行きません。仕掛けられるタイミングに賭けるしかありません)

 ザッザッ

旧暗夜軍ボウナイトA「しぶとかったがこれで終わりだ。全員、構えろ」

旧暗夜軍魔法兵「はっ」スッ

アクア「カムイ……」

竜化カムイ『アクアさん、しっかり捕まってください』

アクア「でも……」

竜化カムイ『大丈夫、きっとうまく行きます』

アクア「わかったわ……」

旧暗夜軍ボウナイトA「……」スッ

アクア「……」ギュッ

竜化カムイ『……」

旧暗夜軍ボウナイトA「やれ!!!」バッ

竜化カムイ『そこです!!!』ググッ ダッ!!!

 ドゴゴンッ!!!

旧暗夜軍ボウナイトA「な、その傷でまだ動くというのか!?」チャキッ

竜化カムイ『そう簡単に折れるわけにはいかないんですよ!!!』グググッ

旧暗夜軍ボウナイトA(攻撃が来る。くそ、間に合うか!?)

旧暗夜軍ボウナイトA「うおおおおおお!!!」グッ

 ドゴンッ!!!
  ドササッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「ごふっ」ビチャアアッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「く、くそ……、まだ、私は戦え……る、マクベ……ス様……」

旧暗夜軍ボウナイトA「」
193 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:07:50.28 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍魔法兵「隊長! ちっ、奴を逃がすな!!! ここで――」

???「ブリュンヒルデ!!!」シュオンッ

旧暗夜軍魔法兵「があああっ!!!」ドササッ

アクア「この魔法は……」

竜化カムイ『どうやら、間に合ったようですね』

 ドドドドドドドッ

レオン「まずは姉さんたちを助け出す。攻撃開始だ」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ!」

旧暗夜軍魔法兵「敵の援軍だと。くそ、あと少しだというのに!」

旧暗夜軍魔法兵「今は離脱しましょう! この数を相手にはできません!」

旧暗夜軍魔法兵「くそ、後退だ!」

 タタタタタッ

アクア「なんとかなったみたいね」

竜化カムイ『はい、なんとか……。ぐっ、ううう……』ドスン シュオオン……

アクア「カムイ、大丈夫?」

カムイ「ええ、なんとか大丈夫です。アクアさんの方は?」

アクア「私の方は大丈夫、ん?」

 タタタタタッ

レオン「姉さん、アクア!」

カムイ「レオンさん」

アクア「レオン」

レオン「色々と言いたいことはあるけど、とりあえず治療するから動かないで」シャラランッ
194 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:16:56.63 ID:gTQT0S320
カムイ「ふぅ、レオンさんが間に合ってくれて、本当に助かりました。ありがとうございます」

レオン「ありがとうじゃないよ、敵の中に単身飛び込むなんて自殺行為にもほどがある……」

カムイ「あの状況ではこれしか方法が思いつかなかなかったんです。許してください」

レオン「はぁ、確かに敵の魔法による妨害が無いおかげでフェリシアたちの援護にすぐ取りかかれたけど、姉さんはこの軍にとって必要な人だ。それを忘れないでほしい。もちろんアクアもだ、わかった?」

アクア「ごめんなさい」

カムイ「はい。それでフェリシアさんたちは無事ですか?」

レオン「負傷者がそれなりに出ているけど大丈夫だよ。今は協力して治療に専念してもらっている」

カムイ「それはよかった。そうでした東側、フローラさん達が守っている方角で何かがあったようなのですが……」

レオン「そこにはエリーゼが向かったよ。状況から見てどうにか対処できたみたいだから、これで西と東は一安心のはずだ。後は中央の侵攻部隊を抑え込むことが出来れば、一気に勝負を決めに行ける」

カムイ「中央……、マークス兄さんは大丈夫でしょうか」

レオン「兄さんなら何とか持ちこたえてくれるはずだ。東の魔道砲台はサクラ王女を中心とした部隊が攻略を行っている。今なら敵の援軍が中央の援護に来ることはできないはずだ」

カムイ「サクラさんが?」

レオン「ああ、本当に強い人だよサクラ王女は。だから東のことは彼女達に託して、僕らはこちらの援護に回る事が出来たんだ」

カムイ「そうだったんですね……。それで、これからどうしますか?」

レオン「これから兄さんの援護に向かいつつ、敵の包囲を開始する。中央戦線の立て直しが出来る段階になってきたし、カミラ姉さんたちの部隊は西側から仕掛けられる態勢を整えている。あとは僕らが準備を整えるだけだ」

カムイ「マークス兄さんのいる中央は敵の攻撃がまだ続いているようですね」

レオン「西と東の攻撃が失敗に終わったことはマクベスに伝わっているはずだから、奴も本腰を入れてくるはずだ。姉さんも兄さんの援護に付いて来てくれるかい?」

カムイ「もちろんですよ、レオンさん」

レオン「ありがとう、僕は部隊の再編に取り掛かることにする。準備が出来次第、すぐに兄さんの援護に向かおう」タタタタタッ

カムイ(レオンさん達のおかげでどうにかここを守り切ることができました。あとは中央の攻撃を押し留め、押し返すことが出来れば勝てるはずです)

カムイ「不安要素があるとするなら、やはり東側の魔道砲台周辺の敵の動きですか……」

アクア「そこはサクラ達を信じましょう。大丈夫、あそこにはルーナもいるみたいだから、きっとなんとかしてくれるわ」

カムイ「アクアさん……。そうですね、サクラさんたちを信じて私達はマークス兄さんの援護に向かいましょう」

アクア「ええ」

カムイ(サクラさん、頼みましたよ)タタタタタタッ
195 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:19:41.61 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区東・魔道砲台周辺』―

 ―少し前―

旧暗夜軍魔法兵「敵部隊の残りがこちらに向かって前進を開始しました」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「そうか、敵の全てが中央へ移動するならばこちらもマクベス様と合流するつもりだったが、そうはいかないようだ」

旧暗夜軍魔法兵「はい、いかがしますか。隊長」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「迎撃態勢を整えろ。砲手には射程に入り次第攻撃するように伝えておくんだ」

旧暗夜軍魔法兵「わかりました」

旧暗夜軍ランサー女「ようやく攻めてくるわけね」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、だが中央に向かった敵もいる。向かってくる敵の掃討を終え次第、こちらも部隊を分けマクベス様の援護に向かうことになるだろう」

旧暗夜軍ランサー女「なるほどね。まぁ私としては敵を倒せればそれでいいよ。暗夜のためにも、なにより……私のためにもね」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」

旧暗夜軍ランサー女「私が倒せば暗夜のためになる。そうすれば、あいつらの分もきっと……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……お前がそうしたいのならばそうすればいい。だが先ほどのように助けられるかはわからん。少しは慎重に動く様にしろ」

旧暗夜軍ランサー女「わかってるよ」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「わかっているなら、それでいい」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士「隊長、準備が整いました」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「わかった」

旧暗夜軍ランサー女「そういえば、さっきの奴らはいるかな」

旧暗夜ブレイブヒーロー「さぁな。だが運が良ければいるだろう。そうなれば先ほどの借りを返さなくてはならないな、もちろん――」

「奴らの命を奪うという、最高の形でな」チャキッ
196 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:20:24.72 ID:gTQT0S320
今日はここまで

 色々と更新が遅れていまして申し訳ないです。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 11:39:48.53 ID:KlM1+RHDO


魔法壁は超竜石カムイになりがち
蛇毒+四牙は許されないんだ
198 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 21:56:12.07 ID:ZG7QJwZY0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部魔道砲台周辺』―

新生暗夜軍ジェネラル「敵部隊、展開しました」

ルーナ「うーん、レオン様たちを追って中央の援護に向かうって動きじゃないわね」

シャーロッテ「まぁ、そうじゃないと私達がここに残った意味がないから助けるけど」

ルーナ「たしかにね。リンカ、敵は動きそう?」

リンカ「いや、向こうから動くつもりはないようだが、サクラはどう見る?」

サクラ「そうですね。砲台を中心に左右へ広がっているようですから、砲台を起点にこちらの前進を拒みつつ迎撃する作戦なのかもしれません」

ルーナ「さすがに陣地を捨てて攻めてくるなんて期待できないか。はぁ、制圧して見せるなんてレオン様に言っちゃったけど中々にきついわよ、これ」

リンカ「戦う前から負けているようでは勝つことなどできないぞ?」

ルーナ「ふん、勘違いしないで。きついって言っただけで勝つことが出来ないなんて言ってないんだから。見てなさい、あんな敵陣、あたし一人でパパっと壊してやるんだから」

サクラ「あまり無茶な事はしないでくださいね」

ルーナ「わ、わかってるわよ。今のは、……そう、景気付けに言ってみただけだから」

シャーロッテ「ルーナが一人でどうにかしてくれるなら私は楽で助かるんだけどね。でも、あんまり無茶なコトすると、サクラ様も無茶なこと始めちゃうだろうから気を付けないとね」

サクラ「私、そんな無茶なことなんてしません」
199 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:04:06.45 ID:ZG7QJwZY0
シャーロッテ「そう、それじゃ例えばだけど、敵陣のど真ん中で私が負傷したらサクラ様はすぐに治療しに来るでしょ?」

サクラ「当たり前です。助けに向かいます」

シャーロッテ「即答されるとなんだか照れるわ。だけど、状況を考えたらそれってすごく無茶なことだってわからない?」

サクラ「それはそうかもしれません、でも――」

シャーロッテ「放っておけない、それがサクラ様の考え。だからこそレオン様と一緒に中央戦線に行かないでこっちに残ってくれた。正直、それだけでも十分なのに更に無茶までさせちゃったら、サクラ様ばっかりに働かせているみたいで、その、ちょっと、あれよ」

サクラ「えっと、不公平……ですか?」

シャーロッテ「そう、そういうこと。サクラ様が無茶しないラインで、私たちも行動する。一人しか出来ないことがあるなら、一人で出来る範囲の状況に留めないとね」

サクラ「シャーロッテさん……」

シャーロッテ「だから、安心しなさい、さっき言ったみたいな危険な状態に陥ったりなんてしないからさ」

サクラ「はい、ありがとうございます。でも、怪我をしたらきちんと治療してあげますからね」

ルーナ「それじゃ、そろそろ仕掛けましょう。手筈通りにリンカは空から敵を監視して、攻められそうな場所があったら教えてちょうだい」

リンカ「わかった」

シャーロッテ「魔道砲台があるからジェネラル部隊は私たちが敵と交戦に入るまで待機。戦闘が始まったら各戦列の援護に回って」

新生暗夜軍ジェネラル「はっ、わかりました!」

サクラ「あの、リンカさん……」

リンカ「わかっている。空から見るのがあたしの仕事だが、同時にサクラを望む場所に連れて行くのもあたしの仕事だ。癒すべき相手を見つけたのなら言え、そこに連れて行ってやるさ」

サクラ「はい、よろしくおねがいします」

リンカ「よし、それじゃ行くぞ!」ググッ
 
 バサバサバサッ!

ルーナ「それじゃあたしたちも行くわ、みんな付いてきなさい!」

シャーロッテ「よし、行くぞ!」

新生暗夜軍兵士たち『オオーーーッ!』

 ドドドドドドッ
200 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:08:58.84 ID:ZG7QJwZY0
リンカ「そろそろ魔道砲台の射程だ」

サクラ「砲台に動きがありました、攻撃が来ます!」

ルーナ「みんな、攻撃が来るわ。気合で避けなさい」

新生暗夜軍兵士「了解!」

リンカ「来るぞ!」

 ゴオオオオオオッ ドゴオンッ!‼‼‼

ルーナ「うまく避けたわね。それじゃ、このまま距離を詰めるわ。シャ―ロッテ、初撃は譲ってあげるからきちんと決めなさいよ」

シャーロッテ「任せな、一気に吹き飛ばすから、そっちも援護よろしく」ググッ

ルーナ「ええ」タタタッ

旧暗夜軍兵士「来るぞ! 数はそれほど多くないが油断するな!」

 チャキキッ

シャーロッテ「見た目で甘く見てくれればこっちとしては都合がいいのに。それじゃいくわよ、はああああっ!!!」ググッ ブンッ!‼‼

 ドゴンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士「がっ!!!!」ドサササッ

旧暗夜軍兵士「な、何て力だ。だが、その勢いを付けての攻撃直後では、避けられまい。やああっ!!!」ダッ ブンッ

シャーロッテ「ルーナ!」

ルーナ「よっと!」サッ

 ガキィンッ!!

ルーナ「さすがにそれくらい御見通しよ。それっ!!」ブンッ

旧暗夜軍兵士「ちっ!」サッ

シャ―ロッテ「助かったけど、思ったより敵の層が厚いわ」

ルーナ「本当にね。だけど魔道砲台はあたしたちを狙ってないみたいだし、一気に穴をあけるまでよ」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ふん、開けられるものなら開けてみせろ!」ダッ

ルーナ「ご要望通りに開けてあげるわ」ダッ

シャーロッテ「はあああああっ」ググッ!‼

 ブンッ!‼‼‼
201 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:11:32.24 ID:ZG7QJwZY0
 ドゴンッ‼‼‼‼‼

新生暗夜軍兵士「ぐああああっ……ぐっ、くそ……」ズズッ ズズズッ

旧暗夜軍兵士「止めだ!!!」チャキッ

新生暗夜軍兵士「!!!!」

 バサバサッ

リンカ「させるか!!!」チャキッ ブンッ

 ズビシャアアッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「ぐあああっ!!!!」ドササッ

新生暗夜軍兵士「リ、リンカ様。ありがとうございます、助かりました。ううっ……」

リンカ「礼は不要だ、サクラ頼む」

サクラ「はい、今すぐ治療します」シャランッ

 シュオオンッ

新生暗夜軍兵士「あ、ありがとうございます、サクラ様」

サクラ「いいえ、気にしないでください。ご武運を」

新生暗夜軍兵士「はい!」タタタタッ

リンカ「ここ周辺は落ち着いて対処できているようだ」

サクラ「ええ、でも問題は東側ですね」

リンカ「ああ、魔道砲台からの攻撃が激しい。あいつら、東側から崩していくつもりみたいだからな」

サクラ「負傷者も多く出ているはずです。すぐに救援に向かいましょう。」

リンカ「よし、飛ばしていくぞ!」バサバサッ

サクラ(後方で待機していたジェネラル隊の皆さんも前進しています。どうにか、ジェネラルの皆さんが到着するまでに、負傷した方々の治療を終えて態勢を維持しないといけません)

サクラ「待っていてください、今向かいますから」
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