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タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7

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192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/02(木) 00:21:34.81 ID:BXPvmphL0
>>81「死を待つ天使」

重い、鈍色の錠に繋がれながら、けば立ち汚くなった翼に涙して考えた。おれが女と交わることが、いったいどうしてそんなに甚大なことなんだ。
ああ、確かに良いことではないさ。それでもだ、それでも、だ……両方の性器を破壊した上に首を切り落とすって、あまりに残酷じゃないか。しかも天使が手を下す。名目では正義の下での裁断は構わぬ、ということ。いうには、父なる存在の思し召しの通り、だとよ。そりゃもちろん知ってはいるんだがな、だからといって全員が全員、父なるを骨の髄まで信奉し心酔せねばならない、というのには違和感があるんだ。何故かって、父なるが必ず真理を透徹していると、誰が保証できるというんだ?

 あの女は、天国にあって似つかわしくない、いかにも煉獄から這い上がることのない者の典型みたいな、おどおどした態度で岩陰に隠れていた。
他の住人は暢気に水辺をとことこ散歩したり、花を眺めて口笛を吹いているのによ、そいつはこっそり座り込んだまま、俯いて、時折辺りを見回しては肘を縮こませたりと、明らかに挙動が怪しいんだ。掟に触れなきゃ、誰をガイなんて与えないのに……。
 ――なぜ踏み出して歩かない? ここは天国だ、お前を捕まえて食おうなんて、とこにもいやしねえ。おれは言った。
 ――あなたがいるじゃありませんか……。驚くことに、女はそう返したんだ。
 
 まさか、と純粋におれは狼狽えたね。こいつは天使を何だと思っていやがる、そんなに見下げたものとお前の目には映っていたか、そんな憤りを隠さずに女の前に立っていた。
 新たな声は聞かれなかった。妙だな、謝罪の一つもできないのか、と女に目を向けると――ここでおれは初めて女の姿をしっかり認識したわけだが――、震えて歯を鳴らせているんだな。ビビッて声が出ないくらいに腰が抜けてんだよ、情けないことにさ。しかも白衣の股間のあたりがしみになって、土もだんだん濡れていくしな。どんな顔してんだ、と興味が湧いてそっちに目を移すと、案外大きな目をしていて、睫毛も長い。そこにたっぷり涙を貯めて、唇が蜃気楼みたいに波打って曖昧な輪郭をしていた。すげえ怯えようよ、あれは。滅多なことじゃお目にかかれんぜ。あの感じだと、畏怖が先だって心を埋め尽くしていたから、漏らしていたことはちっとも気づいていなかったろう。                                     一旦ここまで
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/02(木) 23:37:27.61 ID:BXPvmphL0
>>192の続き

 目の形を見ていて気が付いたんだが――結構きれいな顔をしていたんだよな。しっとりとした柔らかい黒髪が肩に触れて、更紗みたいに流れている。長い前髪が右目を覆い隠していて、――おれが見ていたのは左目だった――一本一本の隙間から潤んだ瞳が上目遣いで見つめている。小ぶりな唇が統御を失って震えていたのは先に言ったとおりだ。引きつった口角の両横にある頬は蒼白で、リンゴのような赤らんだ様子はない。精力は伝わらなかった。女なら、そういうのはあってほしいもんだがよ……。

 黙って女の体の検分をしていた。ほっそりとした首から、白衣の隙間に顔を出した、窪みが明瞭な鎖骨、その真下、ハッキリとしたことはわからないが、大きいわけではないものの形のよさそうな乳房。細身の腰。小ぶりな尻、痩せぎすな太ももとうって変わって弾力のありそうなふくらはぎ。おれはそれが何だか気に入って、一度試してみたい、そう思ったんだ。掟には触れるが、信条からしてそれが拷問のち死刑に匹敵する重罪とは認めることができないから……。

 幾周期か経って同じ場所に出向くと、女は同じ姿勢で座っていた。そのときは周りに誰もいなくって、おれのなかに茶目っ気というか、イタズラ心が芽生えたんだよ。どうしてそんな答えだったのか知らんが、――ここで襲うような仕草を見せたら――その想像はおれを力強くさせた。体の一部がみなぎって、さあこれを放出してやろう。そう思って足音を殺して抜き足、差し足、忍び足で女の死角を縫い背後に立った。女は気づいているようにはおれには見えなかった。あの柔らかそうな髪が背中に沿って、美麗な滝のような印象を与えていた。うなじが髪の一本一本が生み出す間隙の中に自己主張を押し込めていた。滑らかそうな、砂浜のように手触りと想像されるうなじ。色は白くて雪を思い起こさせる。では滾った体で荒らしてやったらこの女は存在ごと消し飛んでしまうのではなかろうか……。

 肩を叩いて不思議そうな、とぼけた顔で振り向いた瞬間に、唐突に押し倒してやろう。これから自分がどんな目に遭うのか想像の俎上に及ぶこともなく、ただ降りかかった出来事を理解しようと精一杯の、クエスチョンマークたっぷりの顔で女はおれの顔を見上げるだろう。
 いよいよ、いよいよだ……手を肩に伸ばしたその瞬間、女はおれを振り返って見、……幸せそうな笑顔を見せた! ……おれはこれまでただ一度も、あんな笑顔を見たことはなかった。天国の奴らはみんな幸福そうな顔をして跳ねまわっているんだが、それはあくまで幸福の発現であって、幸せの表現ではなかったんだ。つまりは、幸福に満たされているがために幸せを自発的に表すことができなくなっているんだな。それが良いことなのか悪いことなのか、この口では断言できんのだが。

 それを向けられたおれは激しく動揺した――さっき言った考えは、おれが捕えられてからまとめた内容だから、そのときは気づいていなかった――。慌てて引きずり倒して服をはぎ、顕わになった胸の頂の突起を強く摘まんだ。あっ、と悲鳴を上げてのけぞった女は痙攣し、白い顔を上気させている。馬乗りになって執拗にいじくり、喘ぐたびにおれは濡れ、……あとはもうそっちで想像してくれ。すべて終わると、女はぜいぜい喘いで火照った顔をとろけさせていた。白いものが流れ出てもいて、唇の縁には泡がついて女が胸部を上下させて呼吸をするごとに小さな粒が爆ぜ、また新しい気泡が湧いてきていたのだ。放出した器官は萎えつつあったが、おれ自身はかえって力があふれていて、まだしたりなかった。もう一度、とまたがりなおそうとしたとき、後頭部に赤い何かが散って暗転した。そして、気づいたら繋がれて、陰嚢、陰茎、陰唇を使用不可になるまで破壊したあと斬首だって……自己弁護の間もなくそう決められた。

 なあ、おれは悲しいんだ。どうしてあんな不幸をため込んでいたような女を襲っちまったんだ? どうせなら互いに幸せな気分がよりよいだろうに。おれは何かに急かされ追い立てられ、尊厳を破壊されそうな焦燥に駆られて……あのとき、どうして周りに誰もいなかったんだ? どうしておれを殺す前に、おれを止めるような何かが存在していてくれなかったんだ?
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 17:01:43.18 ID:7qsFhhgnO
タイトル「あの世行き特急」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/03(金) 17:29:20.27 ID:lW8bYa+4O
タイトル「THE LOCAL THREAD」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 17:13:11.89 ID:XOrW6Wun0
タイトル「竜の巫女」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:11:19.28 ID:DvuzuNZL0
タイトル「あの人への手紙」
タイトル「今は亡きあの人へ」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/05(日) 11:44:05.31 ID:iIT1uubs0
>>82「血塗られた手紙」

三か月ぶりにポストを開けると、小さな横型封筒が一つ、横たわっていた。各辺に、棕櫚のような植物の模様が、やや赤みを帯びて描かれている。
差出人の名前はなく、宛名だけの飾り気のないものであったが、消印はきちんと押されていて、母の住所に近い郵便局の消印だった。

 四か月間もの長きにわたり、母からの手紙は途絶えていたのだった。それまではひと月からひと月半に一通程度、欠かさず届いていたのだ。母は一人で暮らしていたから、手紙を書く余裕もないような大病を患ってしまったか、アルツハイマー病や認知症といった記憶障害を伴う何かになったのか、と考えていた。
そのためか、差出人不明の怪文書(?)であることにも気づかず、毫の逡巡もなく開封してしまった。中身は一枚の、罫線が十行前後ある便箋だった。いつも母が寄越す手紙はいつもこのシンプルな便箋なのだ。自室に戻り、炬燵机でそれを読んだ。

 「こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。しっかり三食食べて、健康でいますか。母は心配です。お前が死にゆきつつある時を想像すると、恐ろしくて寿命が日々加速しながら縮んでいく思いです。返信の一つでも、電話の一つでも寄越してください。そしてお前の声を聴かせてください。それだけでも、母は幸せな気持ちになります。お願いです。」

 ところどころ震えていたが、母の字で、安心感を抱かせる文面だった。変わらない母の手紙。

 しかしその次の行からは小筆の、なぜか赤い文字で、中心が大きくぶれた文章が連なっていた。稚拙な文体で、下手な文字で。

「おまえの母おやはずいぶんいい人みたいだ、むす子のようすをこんなに心配して、しあわせをねがっていて、ぼくはとてもうらやましい。こんなお母さんがほしくってたまんなかったなあ。だからもらおうとしたんだけど、だれあんた、やめてやめて、ってうるさかったのでだまってほしかったからべしってたたいたらぐったりしちゃった。たぶん殺しちゃったんだろうな、と感じて、とりあえずこまったからばらばらにして血を全部ぬきとってみた。どす黒い血もあったけど、きれいなピンク色の血もあったから、そっちをつかってみた。ためしにそれで字を書いてみたらすごく、太ようみたいにあかるかったから、書いてたと中のてがみのつづきを書いてみました。これがそれです。あなたのお母さんの血で、ぼくは文しょうを書いてみました。どうでしょうか?」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 08:18:02.40 ID:wHJcC4q60
タイトル「スピン$」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:41:57.45 ID:BHLnQ+ae0
>>194「あの世行き特急」



ーーーーーーー



『えー、次はあの世ー、あの世ー』

『尚この列車はあの世行き特急につき、途中の――駅、――駅、――駅には止まりません』


……?

なんだ、ここ…



ガタンゴトン



電車…?

でも外は真っ暗だな…



黒髪の女「……」



女の人だ。

すごいな、ピクリともしない。

寝てるのか?

他に乗客は――







ーーーーーーー

ジリリリリ!

男「!?」バッ

ジリリリリ!

男「」ワタワタ

ガチャ

男「……びくった……」

男「目覚ましうるさすぎなー…」




201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:42:53.86 ID:BHLnQ+ae0
>>200の続き



ーーー学校ーーー

友「へー…電車の夢ならボクもたまに見かけるよ」

男「そうなのか」

友「うん。ボクの場合は走る電車を外で眺めてることが多いけどね」

男「友、鉄道好きだっけ?」

友「夢の話だろっ。ま、嫌いじゃないけど」

友「けどきみが夢の話をしてくるなんて珍しいね」

男「うーん、なんかやけにはっきり覚えてるもんだからさ。こう、つい誰かに話したくなるというか…分かる?」

友「その記憶力をちょっとは勉強に使ったらどう?」

男「あーあー聞こえなーい」

友「また追加課題もらっても知らないよ」

男「う……精進します」



キーンコーンカーンコーン



男「ってあれ、次って体育だっけ」

友「そうだね。さ、着替えるから早く出てった出てった」

男「やべぇ体操着もジャージも何もかも忘れた…」

男「頼む!ジャージ…は無いと寒いから体操着だけ貸してくんないか!?」

友「きみ、セクハラで突き出すよ?」





202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:44:38.08 ID:BHLnQ+ae0
>>201の続き

ーーーーーーー



『えー、次はあの世ー、あの世ー』

『尚この列車はあの世行き特急につき、途中の――駅、――駅には止まりません』



…まただ。

またこの電車。



黒髪の女「……」



あの人も同じ。

座席の端っこでマネキンみたいに座ってる。



黒髪の女「………」スッ...





ちょっと動いた…?

…彼女は何をしているんだろう。

もっと他に気になることだってあるはずなのになんでだろう。

この人のことが、気になる。





ーーー学校ーーー

友「それで?きみの好みが黒髪ストレートのやや年上のお姉さんという話の続きは?」

男「なんでだよ!いやそうじゃなくて!」

男「気になんないか普通。だってそこに乗ってるのその人だけなんだぜ?」

男「怪しい雰囲気マシマシの状況なのにさ、その人だけなぜか全然怖くないし」

友「ふーん…まぁ実を言うとボクもちょっと気になって調べてみたんだ」スマホトリダシ

友「これとか、似てるんじゃないかい?」スッ

男「"猿夢"?」

男「どれどれ……」

男「………」

男「いや、違うなぁ」

男「こんなえぐり出しだの挽肉だの物騒なアナウンスしてなかったしな」

友「でもあの世行きって言ってたんだろ?十分物騒じゃないか」

男「んー…突き詰めれば死へ向かっていることだけは共通してるのか…?」

男「っつか、俺死ぬん!?」

友「夢に殺されたら世話ないよ。迷信だよ迷信」

友「きみの夢もどうせ取り越し苦労さ」

男「他人事だからって気楽に言ってくれちゃってよー…」

男(…気になるんだよなー)
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:45:18.94 ID:BHLnQ+ae0
>>202の続き

ーーーーーーー



『えー、次はあの世ー、あの世ー』

『尚この列車はあの世行き特急につき、途中の――駅には止まりません』



やっぱり来れた。

間延びしたアナウンス、殺風景な車内、真っ暗な窓の外。

そして…



黒髪の女「……」



一人静かに座る、彼女。

意識すればするほどいつもより鮮明に見える気がする。

…どうしよう。

彼女に話しかけてもいいのかな。



黒髪の女「………」スッ...

黒髪の女「――、――?」



え?



黒髪の女「――、――?」



なんだ?何か、喋ってるよな?

くそっ…よく聞こえない…!



黒髪の女「――、――?」



……あの!




204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:46:00.83 ID:BHLnQ+ae0
>>203の続き

ーーー学校ーーー

男「そこで目が覚めちまったわけよ!」

男「あぁ…せっかく話しかけてくれたのに返事どころか聞き取れもしないなんて」

友「はぁ。これは相当お熱だね」

男「だから違うって。これはほら、あれだよあれ」

男「なんていうか、遠目で見てきた憧れのミュージシャンが、手の届く距離まで来た感じ?」

友「全然分かんないよ」

男「とにかくさ、これって絶対何か神秘的で霊的なあれじゃない?もうどうしようもなくあれ過ぎるよな!?」

友「ボクはきみの頭の方がアレな気がする」

友「…で?きみはそんなにその子が気にかかるのかい?」

男「そりゃそうよ!ここまで来たら何としてもあの人と知り合いになってやる!」

友「知り合ってどうするのさ」

男「どうするって……そう、夢の中の友達、夢友になる!はっはー、これ自慢できっかな!?」

友「………」





友「きみは、その子を助けたいかい?」





男「はい?助けたい?」

友「……」ジー

男「…苦しんでるとかなら、まぁ助けるだろ、うん」

友「そ…っか」

男「でも助けるってなんだよ、友?」

友「寝れば分かるよ、きっと」

男「???」




205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/07(火) 01:51:19.06 ID:BHLnQ+ae0
>>204の続き

ーーー夜ーーー

男「さーて、今日もあの人に会えるかなー」ウキウキ

男「おっと楽しみ過ぎて寝らんなくなんないようにせんと」

男「この時のためにわざわざジョギングして疲れといたし!」

男「宿題もやって頭脳労働もバッチリ」

男「じゃ、寝ますか」



カチッ(消灯)



男「……」

男「……」



ーーーーー

友「――その子を助けたいかい?」

ーーーーー



男(助ける……助ける……)

男「………」

男(お客が一人で寂しいから?)

男「………」

男(よー分からん…)

男「……」ウトウト...



.........





その夢が何なのか。
彼女が何者なのか。
そして男の奥深くに眠ったままの、真実とは…





以上です。
プロローグになってしまいました。
こんな感じのフリーホラー系ゲームってないんでしょうかね?
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/07(火) 21:20:29.26 ID:ZMoi9h8l0
タイトル「刀と剣と拳銃と」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/08(水) 14:04:11.04 ID:Tn6iZyoI0
>>83「監獄に咲く花」

 ママが死んだから、私は家に火をつけた。赤い火と黒煙が立ち上って最寄りの路線からも異変がわかるほどになってようやく消防が来て、家の土塀の前でうずくまっていた私を保護したのだ。そして事情を聴かれ、家を燃やしました、と第一声。目の前で狼狽の色を見せた消防士の姿が、私にはなんだか滑稽に映った。
 警察は、おそらく放火だ、と言い、二階から高齢の女性の黒焦げの遺体が見つかった、とも話した。それは母です、と警察に伝え、火も私がつけました、と。予期していなかった様子で、ではあの遺体はどういうことですか。私は、母は病気で死にました。だから放火したんです。何といったって、母が死んだのですからね。それが理由になりますか、と警官が少し怒ったような口ぶりで、問いかけるふうに糾弾しにかかった。ええ、理由、と言ったらちょっと違う気もしますけれど、それが理由であるということしか確かなことは言えません。母が死んだから火を放ったというふうにお伝えするしか術は私にはなくて、なぜ母が死んだから火をつけたか、ということはどうやっても答えられません。ともあれ私は放火魔ですね。ではさっさと連れて行ってください!


 死体遺棄・死体損壊・非現住建造物放火等罪で起訴され、第一審判決のまま控訴せずに刑が確定し、服役中。のろのろと刑務作業をし、ひっそりと房で座り続ける日々。私は自らの手で放った火のことを思った――暖かかったな。あんなに暖かいものを受けたのは、ひょっとして人生なかったんじゃなかろうか……。あとは細い竹の枝を折るような高い音とともに舞い降りてくる火花、立ち上がる赤い舌。炎は盛んで、桜吹雪のような儚さと可憐さ。硬直している壁の向こうでうねる熱気が、生き生きした活力を私に少しずつ伝播させていた。あのときの、生命の胎動をもはや私は知っていない……。
 
 狭い窓からそれを見てみる。暗く、しかし視界に入らない年の明りが影響して、殊に明るい一等星、二等星がかろうじて見える程度。それでも、その一粒一粒の小さなつぼみが、ちょっぴり愛らしく見えた。遠くでサイレンの音がする。細いたなびくものが、星にかかってぼやけたような気がした。あのたなびきの足元で、また活力を持った赤い華が、物を食らわんと咲いているのだ、と感じた。私がそうしたように――。
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/14(火) 22:19:58.72 ID:m92uMtO3O
>>200
>>207
すき

タイトル「数字と真実」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/16(木) 18:08:09.41 ID:gioEB0vI0
タイトル「列車事故」
タイトル「異常気象」
タイトル「ドント・ムーヴ 〜そこから、動いてはいけない〜」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/17(金) 22:24:07.57 ID:ADYK5lF60
タイトル「ニート探偵」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/21(火) 06:41:23.14 ID:q3jywG340
タイトル「ゲーミングジャージ」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/21(火) 06:58:23.04 ID:a/m9muC40
タイトル「気弱な少年と気弱な少女」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/21(火) 21:43:22.22 ID:6buewDUZ0
タイトル「13号室」
タイトル「デス・パズル」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/22(水) 04:53:41.10 ID:M4rR8EAJ0
タイトル「売るセールの猫」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/22(水) 21:24:30.74 ID:h2Fjn5jo0
タイトル「Buffalo buffalo buffalo buffalo buffalo buffalo buffalo buffalo」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/23(木) 05:29:49.29 ID:7xOltJwe0
タイトル「イヒッと」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/23(木) 07:28:52.33 ID:WzJ+G8pr0
タイトル「ヘタレな彼氏と奥手な彼女」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/23(木) 12:38:39.73 ID:oERmbAGAO
タイトル「異世界行き特急」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/23(木) 13:56:25.98 ID:nsX2D1mF0
タイトル「A canner cannot can a can」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/27(月) 23:00:56.10 ID:9OnXi7ru0
タイトル「過去からの手紙」
タイトル「未来からの手紙」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/03(日) 12:59:28.89 ID:WTRGHLnP0
タイトル「被告人を懲役1年6月に処す」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 15:11:14.27 ID:Jn7yA0370
タイトル「IQがカンストした男」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/10(日) 21:34:31.63 ID:BkAD++d90
タイトル「TAKA−KO−SAKI」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/10(日) 21:35:25.87 ID:BkAD++d90
タイトル「将来の夢はノーベル賞で優勝することです」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/20(水) 18:54:11.03 ID:+CPtimmU0
タイトル「クトゥルフ神話の神々に好かれすぎてて困ってます」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/20(水) 19:01:34.70 ID:+CPtimmU0
タイトル「Another Island」
タイトル「或るYouTuberの日常」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/22(金) 21:38:46.56 ID:TVUnGMIl0
タイトル「THE遠藤」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/24(日) 15:41:04.49 ID:5qSiQfds0
タイトル「マーダーグランプリ」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/24(日) 18:11:38.79 ID:F54FLeFw0
タイトル「3年D組斎藤先生」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/24(日) 18:15:25.46 ID:F54FLeFw0
タイトル「3億ジンバブエドル事件」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/27(水) 23:21:52.31 ID:FVO0IVAG0
タイトル「a new career in a new town」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/06/07(日) 17:02:35.49 ID:sZ0P0d83O
タイトル「おれドラえもん」「僕はジャイアン」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/08(月) 21:14:20.99 ID:/ypACInm0
「"バカには見えない服"ってあるだろ。裸の王様のさ。あれ、もし仕立て屋が本物を作ってたとして、なんでそんなものを作るんだろうって、思ったことないか?」
「だってそうだろ、裸に見えたって、何の役にも立ちゃしないじゃないか。だからおれ、思ったんだ、"バカには見えない"って、ひょっとして――」


……


夜。天気は曇り。街の明かりに照らされて、あちこちで赤い水たまりが光っている。
ビルがびっしりのオフィス街も、もはや見る影もない。砲弾が抉り、その上に瓦礫をトッピングした車道を突き進むのは、国が所有する正規の戦車たちだ。
それに随伴するのもまた、正規の隊員たち。しかし不思議なことに、彼らは狙いもないようなめくら撃ちを繰り返している。
割れる音、叩く音がこやかましい。

「"J"はまだ見つからないのか!」

誰かを探す彼らのそばに、歩み寄る者が一人。高校生くらいの少年だ。武器は持っていない。
装いも、何の変哲もないジャージを上下に着ているだけだ。……七色に光っていること以外は。

「こちら西ハ班、制圧続行中です、どうぞ」

『こちら東イ班、同じく制圧続行中。"J"の痕跡なし、どうぞ』

全身を光らせながら、隊員のそばまで近付くが、彼らの誰一人として少年の存在に反応しない。
少年は、無線機を持った隊員の前でぴたりと止まり、右拳をゆっくり引く。

「"高トルク"パンチ!」

少年が宣言した瞬間だけ、ジャージの光が一際強くなった。
放たれたのは、喧嘩慣れした様子もない、構えもコースも素人のパンチ。それが隊員に当たると、彼を向かいのビルに叩きつけた。ビルの壁にヒビが走る。彼の胴体は二つにちぎれながら、ずるりと地面に落ちた。

この時、他の隊員たちが見たのは、吹き飛ばされる隊員だけだったが、それによって全く別のことを確信した。

「"J"と接敵!随時掃射せよ!」

隊長格の男の号令で、小銃が一斉に火を吹く。先と同様、めくら撃ちだ。
号令を聞いたところで少年はジャンプし、空中でジャンプし、また空中でジャンプし……虹色で軌跡を描きながら宙を舞い、戦車の上に着地した。空中でキャッチした弾丸を放り捨て、拳を握り、振り上げる。

「"金属化"・"ハンマー"・"高トルク"パンチ!」

銀色に変化した拳が足元の装甲に触れると穴は開かず、戦車全体にヒビが走る。少年が跳躍してその場を離れると、戦車は爆発大破した。

「後ろだ!戦車がやられた!」

「こちら西ハ班!"J"と交戦中!応援を――」

無線機に向かって叫ぶ隊員の前に、少年が着地する。

「"高トルク"パンチ!」


……


多勢に無勢が逆一方の戦いも終わり、燃える街の真ん中で、少年が座り込んでいる。ポケットからスマホを取り出し、イヤホンを繋いで耳にはめた。
SNSのチャット履歴を見れば、通話の不在着信がずらりと並んでいる。通話ボタンを押した。

「gekkohくん!オペレートするって言ったでしょ!なんで通話切るの!」

かけるなり甲高い声が飛び出す。

「すみません、待てませんでした。市街地ステージで民間人がいたんで、動転してしまって」

「だーから、ステージにいるのは旧人類で、わたしたち人間とは違うって、何べん言わせるのよ!」

「どうみても同じなので、つい」

「ついじゃない!っていうか、あんな知能指数の低いサルどもが、わたしたちと同じなわけないでしょ!」

「はい……すみません……」

少年の声に力がないのは、立場の上下よりも、疲れと落胆の方が大きかった。

「それで?今日のスコア、どうするの?きみの取り分は30kくらいあるけど」

「次のマッチングは50時間後でしたっけ。適当に食料と日用品補充して、ジャージの修理まではsuper_dryさんの方でやっといてください。残りは帰ってからで」

「はいはい、いつもどおりね。迎えはいらないの?」

「月曜で輸送ヘリの燃費がすんごい下方修正されましたし、ちょくちょく節約しないと。じゃ、お疲れ様です」

「はーい、気をつけてね」

通話を切って立ち上がった少年は、街を去る前に、火の手に向かって少しだけ手を合わせた。


タイトル:「ゲーミングジャージ」「IQがカンストした男」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/10(水) 17:58:54.00 ID:cCQ77NLzO
タイトル「シャーロック・ホームズの孫」
タイトル「泳げなくなった河童」
タイトル「パンデミックテラー」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/17(水) 16:25:10.72 ID:+QJcdTJeO
タイトル「或るバンドグループの話」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/18(木) 12:23:20.79 ID:8TAkYJos0
>>155の者
もうちょっとそれっぽくしてみた

タイトル「警視庁特殊犯罪捜査班〜スタンド能力関連犯罪対策捜査部〜」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/06/20(土) 16:04:37.99 ID:IF4PcuuV0
タイトル「放課後の魔術師」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/06/21(日) 23:14:12.84 ID:awMQf9XI0
タイトル「ヘイセイマンvsレイワマン」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/27(土) 23:50:28.79 ID:JfIXzgND0
タイトル「湯婆婆ー婆・婆ー婆婆」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/04(土) 22:39:58.45 ID:mttR1WsY0
タイトル「偏差値マイナス1.0」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 22:35:35.87 ID:qgX0fVTc0
タイトル「デザインゑ」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 20:37:47.83 ID:gPVApLSz0
タイトル「パラパラレルレル」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 19:25:07.59 ID:nCSDumnV0
タイトル「デザインゐ」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/29(水) 23:06:57.66 ID:q69xlDF10
タイトル「エイエイウラー」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 23:19:28.71 ID:utRkRhak0
タイトル「コエガキコエル」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/05(水) 12:50:41.20 ID:NEQ1ILrj0
タイトル「わゐうゑを」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/06(木) 19:11:55.53 ID:cxVkvOnE0
>>120「黄昏時に君は誰」

 田園は快く錆びたみたいに光っていて、それはどこまでもを包含するかのように瀰漫した光だ。僕の影もまた手を伸ばしても届きそうにないくらい遠くまで延長されてしまって、輪郭が曖昧に溶けてしまいそうだった。
 君は僕よりも前に出ないまま、「夕暮れって、好き?」と闊達な印象の、かたちのある声で言った。ふふっ、ごく短い笑いが耳に届く。君はある限りまで話し終わると、いつも決まってはにかみ、そのような声を上げる。僕はそれに魅了されつつあったうちの一人だった。その君と、僕は夕日の背後に歩いている。
「嫌いじゃないよ、全然。むしろ好きだ。」
 慣れない口つきで送り出されたその言葉は、どうやら逆光にあてられて一瞬のうちに風化し切り、空中へと消えていったようで、続けて言われた「僕を含めて、みんなが君を好きなくらい」をまったく受けつけない感じで君は、「好きな人と感動しながら歩けたらな」と感慨を込めてぼやいている。
 だからぼ、ぼ、ぼぼぼぼくは、す、あ、ああ、うれし、い、うん、うれしい、よ、吃音にかかったようにひどく唇を強張らせて僕は伝えようとした。今度こそ、聞こえただろうか、しかし聞こえてきたのは逆光つええな、という若く青っぽい、しかし頼りがいのあるきれいに通る声。
 一旦ここまで
 
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/06(木) 19:38:11.07 ID:cxVkvOnE0
undefined
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 15:45:49.53 ID:LAcrkc2c0
タイトル「アメリカの首相と日本の大統領」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 15:51:08.50 ID:LAcrkc2c0
タイトル「学校の墓場」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 15:51:51.41 ID:LAcrkc2c0
タイトル「築地市場と大田市場」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 15:52:57.38 ID:LAcrkc2c0
タイトル「エーマンとビーマン、たまにシーマン」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 15:53:46.15 ID:LAcrkc2c0
タイトル「東京ディズニービー」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/10(月) 21:36:33.45 ID:LAcrkc2c0
タイトル「飛車のソナタ」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/14(金) 16:26:02.89 ID:qKTTYZqIO
タイトル「動く人形」
タイトル「或る老婆の話」
タイトル「666号室」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/16(日) 09:20:31.95 ID:b5SrDXMi0
タイトル「泥団子の絆」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/19(水) 18:57:53.47 ID:aiy7sCC30
タイトル「星も見えない夜」
タイトル「何もなかった」
タイトル「遠い家路」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 16:47:22.93 ID:l8To7LbA0
タイトル「パラレルフィーバー」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 20:40:59.61 ID:nZwsj+wJ0
タイトル「黒い糸」
タイトル「クロイイト」
タイトル「廃戦」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/30(日) 15:03:13.16 ID:6bW8TQC80
タイトル「ジェンガリングジャングル」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/02(水) 12:57:40.54 ID:X8n2WH1K0
タイトル「精神世界探索ロボ」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 01:25:37.82 ID:HIeYnz1cO
タイトル「キラワレモノ」
タイトル「ヤッカイモノ」
タイトル「すべてが逆の世界」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 17:46:54.02 ID:elcRWPa60
タイトル「角は斜めに縦横無尽」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/06(日) 15:30:38.15 ID:W4A1/Ksh0
タイトル「ドラエモソvsアソパソマソ」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/06(日) 18:20:33.60 ID:KyLIRQh40
タイトル「ドラフト2位の即戦力」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/09/06(日) 18:33:20.62 ID:4oQXxdY70
>>250
「学校の墓場」

ここは学校の墓場。ボロボロの建物のようなものが地平線の彼方まで延々と敷き詰められている。
今日もまた、役割を終えて廃校となった学校が落ちてくる。
最近は特に多い......

ある日、一つの学校が光に包まれながら天に昇っていった。
その学校は、どこか嬉しそうな表情をしているようだった。




こんなのしか書けなくてスマンソ
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/09/06(日) 18:49:50.89 ID:4oQXxdY70
>>259
「黒い糸」

私はあるときから黒い糸が見えるようになった。
それが何かは分からないけど他の人には見えないらしく、それはいわゆる赤い糸のように人の薬指についていて、どこか遠いところ繋がっているようだ。
私の指にも繋がっていて、どこかに伸びている。
この世界は黒い糸で一杯だ。
あっちこっちに張り巡らされていて、触れることはできないけど動きづらい。
これがいわゆる運命の糸、とかだったら良いんだけどね。


ある日の朝出勤した時に、お隣の仲良し夫婦の指の間に黒い糸が繋がっているのが見えた。
それに、夫婦だけじゃなくて夫さんの指から子供の指にも繋がっている。
両端を見たのは初めてだ......

その日、会社の帰り道でバスに乗り込んでからネットニュースを見ると、私は衝撃的な物を見つけた。
お隣の仲良し夫婦の家で、奥さんと子供が亡くなっているのが発見されたらしい。
犯人は.........夫。
なんで.........あんなに仲が良かったのに.........
その時、私は朝仲良し夫婦の指の間に黒い糸が繋がっていたのを思い出した。
あれは、あの黒い糸は、もしかして本当に運命の糸で、その運命って、もしかして........

『次、止まります』

ふと、私は指に繋がっている黒い糸の先を見てみた。
その糸はバスの運転手さんに繋がっていて、バスの運転手さんの指にはたくさんの黒い糸が結び付けられていた。
その黒い糸は、乗客のみんなにまっすぐ、ピンと繋がっていた。

バスが停留所を通り過ぎた。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/06(日) 18:54:12.16 ID:4oQXxdY70
>>259
「黒い糸」

私はあるときから黒い糸が見えるようになった。
それが何かは分からないけど他の人には見えないらしく、それはいわゆる赤い糸のように人の薬指についていて、どこか遠いところ繋がっているようだ。
私の指にも繋がっていて、どこかに伸びている。
この世界は黒い糸で一杯だ。
あっちこっちに張り巡らされていて、触れることはできないけど動きづらい。
これがいわゆる運命の糸、とかだったら良いんだけどね。


ある日の朝出勤した時に、お隣の仲良し夫婦の指の間に黒い糸が繋がっているのが見えた。
それに、夫婦だけじゃなくて夫さんの指から子供の指にも繋がっている。
両端を見たのは初めてだ......

その日、会社の帰り道でバスに乗り込んでからネットニュースを見ると、私は衝撃的な物を見つけた。
お隣の仲良し夫婦の家で、奥さんと子供が殺されているのが発見されたらしい。
犯人は.........夫。
なんで.........あんなに仲が良かったのに.........
その時、私は朝仲良し夫婦の指の間に黒い糸が繋がっていたのを思い出した。
あれは、あの黒い糸は、もしかして本当に運命の糸で、その運命って、もしかして........

『次、止まります』

バスのボタンが押された音で、私は顔をあげた。
私はふと、指に繋がっている黒い糸の先を見てみた。
その糸はバスの運転手さんに繋がっていて、バスの運転手さんの指にはたくさんの黒い糸が結び付けられていた。
その黒い糸は、乗客のみんなにまっすぐ、ピンと繋がっていた。

バスが停留所を通り過ぎた。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/08(火) 18:55:19.65 ID:GsPd1RT40
>>266
何か、考えさせられるものがありますね。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/08(火) 19:27:45.55 ID:ANzhFlJYO
タイトル「推定寿命測定機」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/08(火) 21:18:11.36 ID:Pw/ICKoY0
タイトル「警察戦隊タイホマン」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/11(金) 22:44:05.49 ID:lsggck9P0
タイトル「角道を開けないで、飛車先を突かないで」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/19(土) 17:08:55.97 ID:ugh9hCQ9O
タイトル「将来の夢は日本の大統領になることです」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/20(日) 20:16:54.86 ID:teppnn5r0
タイトル「或るタイムトラベラーの日常」
タイトル「迷い列車」
タイトル「レイコさん」
タイトル「白紙の辞書」
タイトル「女神の野神さん」
タイトル「可笑しなお菓子」

結構浮かんでしまった
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/22(火) 23:00:06.78 ID:WkxOIHSC0
タイトル「千葉県出身の福島さん」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/09/24(木) 01:38:20.30 ID:AT3RRyPd0
>>274
「白紙の辞書」


やあ。僕は詩人...いや、見習い...志望......もどき......まあ、詩人ということにしておこう。
とにかく詩を書いて食っていきたいんだけど、いかんせん全然売れない。今回も編集さんに言われちゃったよ。

「君ねぇ、感性は悪くないが......いかんせんボキャブラリが足りんよ!ボキャブラリが!」ってね。

なんとかして語彙を増やしたいんだけど、これがなかなか上手くいかない。
色んな本を読んだり、辞書を端から端まで読んでみたりしたけどやっぱりダメだ。
そうやって古書店でいつもどおり古本漁りをしていたある日、僕はそいつと出会ったんだ。


「なんだこれ? 『白紙の辞書』......?」

「『これは普通の辞書ではありません。あなたが言葉を書き、意味を書くことで完成していく世界にひとつだけの辞書です』......へえ、面白そうじゃん」

そいつは表紙まで真っ白で、表紙と背表紙には金字で題名が入っていた。これに知った言葉を書き込んでいけば「ボキャブラリ」って奴も身につくかな。
レジに行くと、店主のおじいさんは何も言わずに会計してくれた。でもいざ本を僕に渡すというときに、ただひとことだけ言った。絞り出すように。

「お客さん。それに正しくないことを書いてはなりませんよ」

家の近くの筈なのに、僕はその店の存在を知らなかった。


四畳半の自宅に帰ると、いつもと変わらない物書き机が僕を迎えてくれる。それ以外何もないって?そうともいうかもね。
買ったばかりの辞書はサラサラして、そのページはまるで絹のように見えた。これを見て何も書かなきゃ詩人が廃るさ。
取り出したるは愛用の万年筆。どうせならやっぱり辞書風にと、こう筆を走らせた。

  いのち【命】 一瞬の煌めき。

「ふふっ、なーんて――――――」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 07:24:17.45 ID:mAhCZIdU0
えっ、まさか、一瞬で終わるようになっちゃったのか?(汗
しかし、人基準じゃなくて宇宙基準なら、まだ間違ってないからワンチャンある、かな?
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/24(木) 13:42:23.22 ID:YuGpf/Dv0
タイトル「じぇじぇじぇの鬼太郎」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 20:32:35.39 ID:p37A7Ctq0
タイトル「或る怪談師の話」
タイトル「地球寒冷化問題」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 01:30:51.98 ID:tqoH58JtO
タイトル「黒ギャル天王」
281 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/26(土) 02:23:32.39 ID:/nTb7MJf0
>>279「或る怪談師の話」


「なあアンタ、怪談を話すのが仕事なんだろ? ならアンタの知ってる『一番怖い怪談』を教えてくれよ」
「『一番怖い』というのはありませんよ。どれも一番怖いですからね...『一番聞きたくない怪談』ならありますが」
「暇つぶしになるなら何だって良いよ。ここのメシ代でどうだい」
「あなたはきっと『聞きたくなかった』と思うでしょうが、本当に聞きたいですか?」
「そう言われちゃ余計聞きたくなるのが、人間ってものだろうさ」
「絶対に後悔しない?」
「しつこいな、もちろんしないとも」
「......いいでしょう」


  これは私がうんと若い頃、当時の師匠に聞いた話ですがね。大昔ある所に、ジョークを作るのが上手い男がいました。
 で、同じ街には胡散臭いと評判の霊能力者がおりまして、占いが当たるとか当たらないとかというのが人々の専らの話題だったそうです。
 男も占ってもらったわけですが、結果は見事に大外れ。「やっぱり霊能力なんてあるわけないじゃないか」と男が早速霊能力者を冷やかすようなジョークを作るのですが、
 酒場で一度話せば、瞬く間に町の人々へ広がりました。これのせいで霊能力者は大恥をかかされたわけです。
  霊能力者は何とかして男に報復しようとしました。そこで色々試行錯誤して、ついに「話を聞いた人間は死ぬ」という恐ろしい呪いを完成させました。
 もちろん彼はこの呪いを件のジョークにかけまして、とたんに街の人々は――それこそ噂が広がるような速さで――バタバタと倒れていったという話です。


「しかも『この話』にも、彼が発明した死の呪いがかかっているそうな。そして何よりも恐ろしいのは......」
「...アハハ、アハハハハハハハ!! いやあ、面白いなあ!」
「何がですか?」
「そりゃアンタ、これ自体も巧妙なジョークってことだろう? よくできた話じゃないか」
「この怪談は本物ですよ。呪いのこともね」
「そりゃあ嘘だぜ。本当なら良かったかもしれないけどな。でも、もしそうならなんでアンタやお師匠さんは死んで――――」

 「おい!車が窓際の席に突っ込んだぞ!」
 「と、取り敢えず救急車呼べ! 誰か早く!!」

「本当だから困っているんですよ」


数百年後

「しかも『この話』にも、その霊能力者の作った呪いがかかってるんだと。そんでもって一番恐ろしいのが......」
「......やっぱりそいつは三流でね。中途半端だったのさ」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 02:24:27.47 ID:/nTb7MJf0
>>281
酉ミスすまぬ...
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/28(月) 11:28:11.44 ID:LANZ3eJCO
タイトル「芸人探偵山田さん」
タイトル「ミツドモエ」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/29(火) 16:35:25.28 ID:X13nj2D2O
>>262の者
こっちの方がいいかも↓
タイトル「界世の逆がてべす」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/02(金) 12:43:20.78 ID:uzxDtr2n0
タイトル「あらゆる魔術の教書抜粋」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 17:31:30.19 ID:WOZhHJFL0
タイトル「座敷わらし、お貸しします」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/03(土) 15:22:52.87 ID:XLLzeLPA0
undefined
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 19:57:35.39 ID:r/5aZE7mO
タイトル「ストレイ・ガールズ」
タイトル「ストレイ・ボーイズ」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/05(月) 12:36:41.90 ID:ePhW9ZiJ0
タイトル「涼宮ハルヒの興奮」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/05(月) 12:39:12.82 ID:65jbmrFF0
タイトル「進撃のゴキブリ」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 08:50:54.53 ID:tcrpylY00
タイトル「目黒の斬魔」
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