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【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」

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257 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:22:42.92 ID:cPmOc7rt0

藍子「これは……岩の壁ですか?」

ジムトレーナー「一枚岩……モノリスと呼ばれるものだね」

ジムトレーナー「君は今から自慢のポケモン1匹で、この岩を砕いてほしい」

ジムトレーナー「制限時間は3分。それまでに岩を壊せなかった場合、ジムトレーナーとバトルになるから注意してくれ」

ジムトレーナー「岩は全部で2枚ある。なお、ポケモンは途中で交代してはいけないから気を付けてくれ」

藍子「……はい!」

藍子「それじゃあ、バチンキー!」ポン

バチンキー「バチ!」
258 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:23:24.04 ID:cPmOc7rt0

3分後

ブブーッ

バチンキー「バチ……」フラッ

藍子「こ、壊せなかった……」

藍子「想像以上に頑丈な壁だったね……」

ジムトレーナー「時間切れか……残念だが、私と戦ってもらうよ!」

ジムトレーナー「行ってこい、サイホーン!」ポン

サイホーン「サイー!」

サイホーン とげとげポケモン いわ・じめんタイプ
頭は悪いが力が強く高層ビルも体当たりでコナゴナに粉砕する
カロス地方ではサイホーンレースという競技が人気だ
259 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:24:07.36 ID:cPmOc7rt0

藍子(疲れてる上にバトルなんて……!)

藍子「バチンキー、頑張って!」

バチンキー「バ、バチッ!」

…………………………

サイホーン「サイ」バタンキュー

ジムトレーナー「うん、よく鍛えられているね」

ジムトレーナー「じゃあ次の壁を壊してもらおうか」ドドン
260 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:24:51.93 ID:cPmOc7rt0

藍子(……)

藍子(さっきは闇雲に攻撃しちゃったけど、それじゃあの壁は壊せない)

藍子「バチンキー、真ん中を狙うよ!」

バチンキー「バチ!」

…………………………

ドドォン

藍子「よし……壊せたっ!」
261 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:25:23.54 ID:cPmOc7rt0

バチンキー「バチ……」バタリ

藍子「バチンキー、頑張ったね……ありがとう!」

バチンキー「バチー」

ジムトレーナー「うむ、見事だ。その調子で涼さんとのバトルも頑張ってくれ」

藍子「はい!」

藍子(この後のバトル……バチンキーを回復させるためにも、まずはマホミルで頑張らなくちゃ)

ザッ

ワァァァァァァ
262 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:26:02.84 ID:cPmOc7rt0

藍子(すごい人……! やっぱり町が大きいから、スタジアムに集まる人も多いんだ……!)

藍子(熱気もすごい……)

凛「……」

??「隣、失礼するよ」

凛「あ……はい」

凛「……」

凛(すごいオーラを感じる人だ)

??「……どうかした?」

凛「いえ……何でも」
263 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:26:51.03 ID:cPmOc7rt0

ザッ

涼「ようこそ、チャレンジャー」

涼「1枚目の岩は苦戦したみたいだけど、2枚目は何とか壊せたみたいだね。あえて頑丈な作りにしていたんだが……」

涼「意外とやるじゃないか。どうやらこのバトル、期待してよさそうだな」

藍子(プ、プレッシャーがすごい……)

藍子「は、はい!」

涼「使用ポケモンはお互い2匹ずつ、だな」
264 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:27:21.40 ID:cPmOc7rt0

涼「さて……ここまでジムチャレンジを進んできたアンタの実力、アタシが試させてもらうよ」

涼「言っておくが、アタシは手加減を知らないんだ。これまで何人ものチャレンジャーがアタシの前に跪いて消えていった」

涼「さあ、アタシという壁を乗り越える姿を見せておくれ!」

ドローンロトム『3……』

ドローンロトム『2……』

ドローンロトム『1……』

ドローンロトム『バトル・スタート!!』
265 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/16(土) 23:31:38.53 ID:cPmOc7rt0
今回はここまでです

エンジンジム、最初は炎タイプで考えていたのですがサルノリに不利な相性が続きすぎていたので急遽岩タイプに変更しました
りあむも選択肢としてはアリだったんですけどね…
あとレナさんの手持ちが全く思いつかないので誰か考えてください(投げやり)

ここまで読んでいただき有難うございました
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/16(土) 23:36:06.06 ID:/E1770xj0
乙 ポケスロンのブレイクブロックみたいなやつかな?
レナさんの手持ちギャンブラー繋がりからギーマと同じ悪タイプ使いとか?
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/17(日) 00:33:08.62 ID:hqWid8oG0

芸術家のアーティは虫タイプ
デザイナーのマーシュはフェアリータイプ
ジム関係ないなら専門タイプじゃなくてもいいんじゃないかと思うがそれはそれで思いつかないな...
どんなものにもへんしんできるメタモンがデザイナーの仕事に協力しつつバトルになったら相手のポケモンで戦うとかかね
268 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:42:25.81 ID:XbJx76k70
投下します
269 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:42:54.60 ID:XbJx76k70

涼「メレシー、GO!」ポン

メレシー「メレー!」

メレシー ほうせきポケモン いわ・フェアリータイプ
地下深くの高温高圧な環境で生まれたポケモン
地底の奥深くにはメレシーの群れとその女王が暮らす宝石の国があるという

藍子「マホミル!」ポン

マホミル「マホー!」
270 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:43:26.39 ID:XbJx76k70

凛「メレシー……守りが堅いポケモンだね」

凛「攻撃力が物足りないマホミルで攻めるのはちょっと厳しいかな……」

藍子「マホミル、ドレインキッス!」

マホミル「マホ」チュッ

藍子「よし……まずは先制!」

涼「……」
271 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:44:01.58 ID:XbJx76k70

メレシー「メレ」ズン

藍子「うう、あまり効いてないみたいだね……」

涼「メレシー、ロックカット!」

メレシー「メレ!」ガガガ

藍子「!? 自分の身体を磨いている……?」

涼「そう。ロックカットは身体を磨き、空気抵抗を少なくすることでスピードを上昇させる技」

涼「これで本来なら鈍足なメレシーのスピードを補う、ってわけだ」
272 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:44:39.21 ID:XbJx76k70

藍子「なら……動きを封じます!」

藍子「マホミル、てんしのキッス!」

スカッ

藍子「うっ……一度であんなに素早くなるなんて……!」

涼「まだまだ!」

メレシー「メレ!」ガガガ

凛「まずい……メレシーがどんどん加速していく」

凛(このままじゃ手がつけられなくなる。マホミルじゃ有効打がないから、バチンキーに代えるべきだと思うんだけど……)

凛(どうやら藍子はそのつもりはないようだ)
273 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:46:08.97 ID:XbJx76k70

藍子「……」

藍子(バチンキーはまだ十分に休めていない。マホミルにはまだ頑張ってほしいんだけど……)

藍子(……ううん、このままマホミルでいこう!)

藍子「あまいかおり!」

マホミル「マホ」フワワ〜

涼「なるほど、今度はそれでスピードを封じようというわけだ」

涼「だけどもう躱す必要もない。メレシー、かくばるだ!」

メレシー「メレ!」ガキン
274 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:46:38.59 ID:XbJx76k70

藍子「!」

涼「そのままマホミルに突撃!」

メレシー「メレ!」ビュン

マホミル「マホッ……」ドガッ

藍子「マホミル!」

涼「角張った状態のメレシーはボディそのものが武器というわけだな」

涼「どんどん攻めるぞ! うちおとす!」

メレシー「メレ」ドン
275 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:47:08.98 ID:XbJx76k70

藍子「避けて!」

マホミル「マホ」ヒョイ

涼「回避先に突撃!」

メレシー「メレ!」ビュン

マホミル「マホッ!」ドガッ

藍子「ああっ!」

マホミル「マホ……」ヨロッ
276 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:47:50.78 ID:XbJx76k70

涼「読み通りだったね。これで決めさせてもらおう……ストーンエッジ!」

メレシー「メレ!」ゴゴゴゴ

ドゴオッ

藍子「……! マホミル!」

マホミル「マホ……」バタンキュー

ドローンロトム『マホミル戦闘不能! マホミル戦闘不能!』

涼「よし、まずはアタシが先制だな」
277 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:48:27.82 ID:XbJx76k70

藍子「そんなっ……ほとんどダメージを与えれられなかった……!」

凛(……マホミルに固執したのが裏目に出たね)

涼「どうした、そんなもんかい?」

涼「このままだとアタシのペースのまま勝負が決まっちまうよ!」

藍子「マホミル……ごめんね」シュゥゥ
278 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:48:57.21 ID:XbJx76k70

藍子「……バチンキー!」

バチンキー「バチ」

藍子(本当はもっと休ませたかったけど……)

藍子「頑張って、バチンキー!」

藍子「ダブルアタック!」

バチンキー「バチ!」ブゥン

メレシー「メレ……」ドン
279 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:49:27.70 ID:XbJx76k70

涼「構うな、ロックカット!」

メレシー「メレ」ガガガ

メレシー「メレ!」ヒョイ

藍子「二打目が躱された……!」

ヒュンヒュンヒュン

藍子「さっきより更に素早くなった……!」

藍子(このままだとマホミルと同じことになっちゃう……)
280 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:49:54.57 ID:XbJx76k70

涼「正面から突撃!」

メレシー「メレ!」ビュン

藍子「迎え撃って、バチンキー!」

バチンキー「バチ!」

メレシー「メレ!」カクッ

藍子「!? 曲がった!?」

涼「死角から突撃!」
281 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:50:26.34 ID:XbJx76k70

メレシー「メレ!!」

ドンッ

バチンキー「バチッ……」

藍子「……! いつの間に……」

涼「よし、更に能力を上げるぞ!」

藍子(ダメだ、何とか食い止めないと……)

藍子(……! そうだ! あの技があった!)
282 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:51:01.33 ID:XbJx76k70

涼「かくば――」

藍子「させません! ちょうはつ!」

バチンキー「バチ」ホイホイ

メレシー「メレー!!」ムキーッ

涼「! しまった……!」

藍子「これでもうメレシーは能力を上げられませんよ!」

涼「ふっ、これだけやれれば十分さ!」

涼「メレシー、ストーンエッジ!」
283 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:51:42.37 ID:XbJx76k70

メレシー「メレ!」ゴゴゴゴ

藍子「躱して、バチンキー!」

藍子「そしていやなおと!」

バチンキー「バチ!」ォォォン

メレシー「メ、メレー!」

涼「メレシー!」

藍子「チャンス……ダブルアタック!」
284 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:52:13.07 ID:XbJx76k70

バチンキー「バチ!」ブゥン

ドガッ

メレシー「メレッ……」

藍子「もう一発!」

バチンキー「バチ!」

ドン

メレシー「メレ……」ズザァ
285 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:52:40.32 ID:XbJx76k70

涼「メレシー!」

藍子「これで終わりです!」

バチンキー「バチ!」

ドガッ ドガッ

メレシー「メレー」バタンキュー

ドローンロトム『メレシー戦闘不能! メレシー戦闘不能!』

ワァァァァァァ
286 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:53:19.07 ID:XbJx76k70

涼「戻れ、メレシー」

涼「なるほど、いやなおとをモロに喰らったのはマホミルがあまいかおりを振り撒いていたからだな」

涼「どうやらアンタも変化技の使い方が上手なようだね」

藍子「ありがとうございますっ!」

涼「いいね、調子づいてきたじゃん。それじゃあアタシの切り札、見せてあげるよ」

涼「ギガイアス!」ポン

ギガイアス「ギガ」ズシィィン

ギガイアス こうあつポケモン いわタイプ
体に生えたオレンジ色の結晶で太陽光線を吸収
体内でエネルギーを増幅させ、撃ち出す攻撃は山を吹き飛ばす威力

287 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:54:02.32 ID:XbJx76k70

藍子(ギガイアス……すごい威圧感だ)

藍子(でも相性は悪くない。勝てない相手じゃない……!)

涼「……」

涼「戻れ、ギガイアス」シュゥゥ
288 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:54:54.71 ID:XbJx76k70
藍子「えっ!?」

凛「ギガイアスをボールに戻した……!?」

ザワザワザワ

『ついに来るか……アレが』

『いやー、これを見たかったんだよねー!』

藍子「ど、どういうことですか……?」

涼「チャレンジャー……藍子と言ったか」

涼「ガラル地方各地のスタジアムがこんなに大規模な作りをしている理由は2つある。わかるかい?」

涼「一つはバトルの文化が盛んだから。周りを見てもらえばわかる通り、ガラル地方の皆はポケモンバトルが大好きだからね」

涼「そしてもう一つの理由は……ガラルでしかできないバトルができるから」
289 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:55:44.51 ID:XbJx76k70

グググ……

藍子「!?」

藍子(モンスターボールが……大きくなっていく……!?)

グンッ

グンッ

グンッ

涼「さあ、見せてあげるよ……」


涼「ダイマックス!!」
290 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:57:10.18 ID:XbJx76k70

ブゥン

カッ

ズドォォォォォン

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

凛「……!!」

藍子「う、うそ……」

藍子(ギガイアスが……見上げるくらいに大きくなった……!?)
291 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:57:56.06 ID:XbJx76k70

涼「……本来は、ダイマックスバンドを所持していないチャレンジャー相手にダイマックスは使っちゃいけないんだけど」

涼「エンジンジムは特別でね。チャレンジャーにガラルならではのバトルを味わってほしいという意味で、相手に関係なくダイマックスを使うことを許可されているのさ」

涼「ま、それがキッカケで『鬼門』だとか『登竜門』だとか言われるようになっちまったけどな」

涼「御託はもういいか。……攻めるぜ、ギガイアス!」

涼「ダイロック!!」

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙!!」グワッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

藍子「……!? 岩の壁……?」

藍子「あんなの……どうやって避ければ……!?」
292 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:58:25.65 ID:XbJx76k70

グゥン

藍子「! バ、バチンキー!!」

バチンキー「バチ――」

ドォォォォォォォン

凛「……! なんて威力なの……!?」

藍子「……!」

シュゥゥゥ
293 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 22:59:23.31 ID:XbJx76k70

バチンキー「バチ……」ヨロッ

藍子「バチンキー……!」

涼「耐えたか。やるじゃないか」

涼「だが、それもいつまで持つかな?」

ゴォォォォ

凛「! 砂嵐が……!」

藍子「そ、そんな……」
294 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:00:33.25 ID:XbJx76k70

涼「ダイロックは攻撃で飛び散った石や砂を巻き上げて砂嵐を起こすんだ」

涼「これで準備万端だ。さあ、どこからでもかかってきな!」

藍子「……」

藍子(どうすれば……いいの……?)

藍子(そもそもあんな大きなポケモンに、普通の技は通じるの……? 弱点はあるの?)

藍子(わからない……でも一つだけわかることは)

藍子(無闇に攻撃していたら……絶対に勝てない)

295 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:01:07.90 ID:XbJx76k70
藍子「バチンキー、ダブルアタック!」

藍子「狙いは……オレンジの結晶で!」

バチンキー「バチ!」

ドガッ ドガッ

ギガイアス「……」

藍子「やっぱりそうだよね……」

涼「そんな攻撃じゃ痛くも痒くもないぜ!」
296 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:01:49.15 ID:XbJx76k70

涼「ダイアース!」

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙」

ボコッボコッ

藍子「……! 地面に潜った……!」

藍子「あんな大きな体でそんなことしたら……!」

バチンキー「バチ!?」グラグラ

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

ドォン

バチンキー「バチ……」グググ
297 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:02:33.60 ID:XbJx76k70

藍子「そんな……」

凛(……藍子もかなり強くなったと思ってたんだけど)

凛(それでも手も足も出ないなんて……)

凛(あれがダイマックス……)

凛(ただ巨大化するだけじゃなくて、技も変化している……? それとも元々ああいう技なの?)

凛(そういえばボールが大きくなる前、涼の腕から何かのエネルギーが出ていたような……)
298 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:03:22.18 ID:XbJx76k70

藍子「バチンキー、もう一度オレンジの結晶にダブルアタック!」

バチンキー「バチ!」ドガァ

藍子(バチンキーの全力でも、全然ダメージを与えられない……)

藍子(効果は抜群のはずなのに)

藍子(……)

藍子(待って……)

藍子(バチンキー、でも……?)
299 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:04:22.49 ID:XbJx76k70

涼「次、いくよ! ギガイアス、ダイスチル!」

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙!!」ゴゴゴゴ

藍子「バチンキー、躱して!」

バチンキー「バ、バチ!」

ドゴオッ

藍子「うう、躱すのもギリギリ……」

藍子(でもさっきの技……地面から鋼を突き出していた)
300 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:04:59.36 ID:XbJx76k70

藍子(もしかしたら……!)

藍子「バチンキー! ギガイアスに思いっきり近づいて!」

バチンキー「バチ!」ダダダ

ザワザワザワ

『……何をする気だ……?』

藍子「いやなおと!」

バチンキー「バチー」ォォォン

藍子「そしてアクロバット!」
301 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:05:58.73 ID:XbJx76k70

バチンキー「バチ!」ドガッ

涼「いい攻め方だが、ダイマックスは体力も増えるんだ。削り切れるかな?」

藍子(……まだだ)

藍子(待つんだ……さっきのダイスチルを!)

藍子「もう一度いやなおと!」

バチンキー「バチ」ォォォン

涼「ダイロックで反撃!」

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙」グワッ
302 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:06:36.51 ID:XbJx76k70

藍子「怯むな……私……!」

藍子「あの岩の壁は……さっき壊したものと同じだ」

藍子「脆い一点を突けば!」

バチンキー「バチ!」

ドガッ ドガッ

ゴォォォォン

『おお! ダイロックを打ち破ったぞ!』

『やるじゃないか!!』

ワァァァァァァ
303 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:07:12.19 ID:XbJx76k70

「……ダイロックは攻略できたみたいだね」

涼「じゃあこれはどう!? ダイアース!」

ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙」ボコボコ

藍子「バチンキー、私に合わせてジャンプして!」

バチンキー「バチ」

ゴゴゴゴ……

ググッ

藍子(……)
304 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:08:00.49 ID:XbJx76k70

藍子「今だよ!」

バチンキー「バチ!」ピョン

ゴゴゴゴゴゴゴ

藍子「そのまま結晶の突起に掴まって!」

バチンキー「バチ!」ガシッ

グォォォォォォ

??「へぇ……!」

藍子「よし……」

バチンキー「バチ」スタッ

305 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:08:50.25 ID:XbJx76k70

涼「これも避けたか」

涼「だけどこれは避けられるかな!? ダイスチル!!」

藍子「それを待っていました!」

藍子「バチンキー、ギガイアスの足元に潜って!」

バチンキー「バチ!」ダダダ

ズザァ

涼「なっ!?」
306 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:10:19.69 ID:XbJx76k70
ゴゴゴゴ……

涼「……しまった!」

ドゴオッ

ギガイアス「ギガア゙ッ゙!?」

凛「! ダイスチルがギガイアスに命中した!」

??「なるほど。相手の技を利用して攻撃したってことか」

??「効果は抜群だし、いやなおとを聴かされてたから相当なダメージだな」

ギガイアス「ギガア゙……」グラッ
307 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:10:56.10 ID:XbJx76k70

藍子(よし……今なら!)

藍子「バチンキー、ダブルアタック!!」

バチンキー「バチ!!」

ドガッ

ギガイアス「ギガア゙ア゙……!」

藍子「もう一回!!」

バチンキー「バチィ!!」

ドゴオッ
308 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:11:55.37 ID:XbJx76k70

涼「……!」

ギガイアス「ッ……」


ドカァァァァァァン


ギガイアス「ギガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……」シュゥゥゥゥゥ

バチッ

ギガイアス「ギガ……」ズゥン

309 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:12:35.59 ID:XbJx76k70
ドローンロトム『ギガイアス戦闘不能! ギガイアス戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・藍子!』

ドワァァァァァァァ

『す……すげぇー!!』

『ダイマックスポケモンを倒すなんて!!』

『新星の誕生だァー!!』

藍子「はあ……はあ……」

藍子「勝った……勝ったんだ……!」

バチンキー「バチ……」
310 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:13:20.96 ID:XbJx76k70

涼「ギガイアス、戻れ」

涼「……ふう。見事だった」

涼「バチンキーのスピードを活かして、ギガイアスの攻撃をギガイアス自身に仕向ける。あたしが思いついてほしかった攻略法を見事に実践してくれたな」

涼「そして最後のバチンキーの攻撃……『しんりょく』が発動していたこともあって、なかなかガツンと響いたよ」

涼「いやあ……しっかり届いたぜ。アンタの魂のビート」
311 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:13:58.09 ID:XbJx76k70

涼「受け取ってくれ!」

藍子はハードバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「ストーンエッジ」を手に入れた!

涼「そして、アタシに勝った証明として、これも渡しておこう」

ピラッ

藍子「これは……?」

涼「ワイルドエリアの通行証明証だよ」
312 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:14:36.72 ID:XbJx76k70

涼「ワイルドエリアは危険な場所もたくさんあるからね。誰もが自由に出入りできるわけじゃない」

涼「だからアタシに勝たないとワイルドエリアには行けないようにしてるのさ」

涼「その紙切れを町の外にいる警備員に渡して、ワイルドエリアに出てみな。そこから次にアンタが目指すのは……ナックルシティだ」

涼「世界はまだまだ広い。これで満足せず、さらに上を目指してくれよな」

藍子「ありがとう、ございます……!」

グッ

藍子(これで…… ついに行けるんだ。ワイルドエリアに……!)

藍子(そして、その先の町に……!)
313 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:15:14.32 ID:XbJx76k70

??「……!」

凛「……はあ」

凛「毎回毎回、息が詰まりそうになるバトルばかりだけど……」

凛「藍子……やるじゃん。どんどん成長してる……」

凛「私も負けてられないね」

??「……ちょっと待って」

凛「?」

??「アンタ……あのチャレンジャーの知り合いかい?」

凛「??」
314 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/24(日) 23:19:49.34 ID:XbJx76k70
今回はここまでです。

ダイマックスの表現難しすぎて…このままじゃ先が思いやられますね
あとレナさんの手持ちはほぼほぼ決まりました。ありがとうございます
次かその次あたりでしぶりんもダイマックスに挑んでもらいます

読んでいただき有難うございました
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/24(日) 23:21:32.14 ID:GR5HZvvk0
乙 ダブルアタックってノーマルタイプだから『しんりょく』の恩恵受けなくない?
316 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:54:52.88 ID:GuNokB1T0
失礼しました、説明不足でしたね
このSSでバチンキーが使うダブルアタックはえだづき2回分の攻撃と同じ、つまりダブルアタックもくさタイプの技と捉えていただきたいです
なにせはっぱカッターとエナジーボールしか他に技がありませんから…

では投下します
317 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:55:28.29 ID:GuNokB1T0

エンジンジム前

凛「藍子」

藍子「あ、凛さん!」

藍子「……と、お隣の方は?」

凛「ああ、ちょっと藍子と話をしたいらしくて……」

??「取り合ってくれてありがとな。あとは自分で話すわ」
318 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:56:02.92 ID:GuNokB1T0

つかさ「突然悪いな。あたしはつかさ。さっき、アンタのジムバトルを観戦させてもらっていたんだ」

藍子「そ、そうなんですか」

つかさ「これ、名刺な」ピラッ

藍子(……)

藍子(この人、なんか……すごいオーラを感じる。歳はそんなに変わらないはずなのに)

藍子(……ってこれ……!?)
319 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:56:47.64 ID:GuNokB1T0

つかさ「いやあ……単刀直入に言うと素晴らしいバトルだった!」

つかさ「多くのチャレンジャーが躓くダイマックスという壁を、まさか初戦で突破するとは。ホント驚いたよ」

つかさ「そしてアタシは感じた……アンタには、バトルのセンスがある」

藍子「セ、センスですか?」

つかさ「アタシは将来有望なトレーナーが好きでね。是非、色々と話をしたいと思ったんだ」

つかさ「よければこの後、一緒に食事はどうかな?」

藍子「食事……ですか」

凛「藍子、どうする?」

藍子「私は構わないですけど……凛さんはいいんですか?」
320 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:57:29.60 ID:GuNokB1T0

凛「うん、私はいいよ。ジムに行くのは明日にするつもりだし」

つかさ「よし、決まりだな」

つかさ「今日はアタシの奢りだ。何か食べたいものはあるか?」

藍子「いや、私は特に……ていうか、奢りってそんな……」

つかさ「将来有望なトレーナーに投資するのは当然のことさ」

藍子「……」

藍子(正直、ちょっと怪しいけど……)

藍子(凛さんも信頼しているみたいだし……ついていって大丈夫かな?)

藍子(というか……どうしてこんな人が私なんかに……?)
321 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:58:10.80 ID:GuNokB1T0

つかさ「特に指定がないなら、近くにチーズカレーが美味しい店があるんだ。そこでいいかい?」

藍子「は、はい」

凛「私もそれで」

つかさ「よし、じゃあ行こうか」



カレー専門店 スパイスパラダイス

つかさ「……さて」
322 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:58:57.05 ID:GuNokB1T0

つかさ「初めて会う人に食事に誘われて、しかも奢るなんて言われたらそりゃ誰だって警戒するよな」

つかさ「だからまずはアタシの話をさせてもらうよ」

つかさ「改めて、つかさだ。よろしくな」

藍子「は、はい……」

藍子「ところでつかささん。さっき貰った名刺に、マクロコスモスって……」

つかさ「ああ。そこの社長をさせてもらってるんだわ」

藍子「しゃ、社長……!?」
323 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 20:59:36.65 ID:GuNokB1T0

つかさ「はは、そんなビビんなくていいよ。てか気軽につかさって呼んでくれ」

つかさ「若しくはつかさ社長でもいいぞ」

藍子「そ、そんなっ……!」

凛(……こんな若い女性が社長を務めているなんて。世界は広いなあ)

凛「藍子、マクロコスモスって?」

藍子「それはもう、ガラルではよくCMが流れている大企業中の大企業ですよ!」

凛「大企業……!?」
324 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:00:26.77 ID:GuNokB1T0

つかさ「そうだな、CMもやってるし、今はジムチャレンジのスポンサーも務めている。アンタ達の持っているユニフォームにも、ウチの企業ロゴが入っているはずさ」

つかさ「で、アタシはマクロコスモスの行っている事業の中でも、ネットワーク関連の事業でヘッドをやってたりもする」

凛「社長をやりながら?」

つかさ「ああ」

凛「へえ……すごいね」

つかさ「マクロコスモスを知らないってことは……アンタ、ガラルの人間じゃない?」

凛「そうだよ。私はアイマス地方って所から来たんだ」
325 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:01:20.65 ID:GuNokB1T0

つかさ「へー、けっこう遠いじゃないか。なんでまたガラルに来ようと?」

凛「ガラルのポケモンを調査したかったから。それから、もっと広い世界を旅したかったんだ」

つかさ「へえ、なるほどね」

つかさ「てか、二人はどういうカンケーなんだ?」

凛「私も藍子もジムチャレンジをしているんだけど、私はコーチをしてるって感じかな」

藍子「そうです。私から凛さんに頼んだんです」

つかさ「ほう、師弟関係ってこと。コーチってことは……アンタの実力も大したものなんだろうね」

つかさ「さて、凛もなかなか面白そうなんだけど……まずはアンタと話をしたいな、藍子」
326 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:01:55.80 ID:GuNokB1T0

藍子「は、はいっ」

つかさ「話っつーか、これは提案なんだが」

つかさ「藍子……もっと強くなりたくないか?」

藍子「え、えっ?」

つかさ「今日、ジムリーダーの涼がダイマックスを使っていた……あれ、どうだった?」

藍子「す、すごいなと、思いました」

つかさ「だろうね。ポケモンがあんだけデカくなるんだもの」
327 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:02:43.39 ID:GuNokB1T0

つかさ「でも……アンタもあの力を使うことはできるよ」

藍子「!?」

つかさ「アイマス出身のヤツもいることだし、まずダイマックスのことを説明しようか」

つかさ「まず、この地方にはガラル粒子というエネルギーが存在する。このエネルギー、まだまだ未知の部分も多いんだけど、ポケモンに作用するエネルギーであることはわかっている」

つかさ「ダイマックスしたギガイアスが赤っぽくなってただろ? あの赤い光がガラル粒子ってわけ。ここまでOK?」

凛「うん」

藍子「はい」
328 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:03:55.78 ID:GuNokB1T0

つかさ「ガラル粒子はポケモンに特殊なパワーを与える。このパワーは周りの空間を歪ませ、あたかもポケモンが肥大化しているように見せるんだ。この現象をダイマックスと呼んでいる」

つかさ「つまり、ポケモンが実際にデカくなったわけじゃなくて、デカくなったように見えるだけ。この効果は一時的なもんで、ボールに戻したりすれば元のサイズに戻る」

つかさ「この仕組みを利用して、ガラルではポケモンバトルの際にダイマックスが用いられている。ま、メガシンカやZワザみたいなもんだな」

つかさ「ただ、ガラル粒子は全世界どこにでも存在するわけじゃない。だから今のところ、ガラル以外の地方ではダイマックスは使えない」

つかさ「もし使えたとしても、戦えるバトルフィールドは用意されていないだろうしな。ガラルでのポケモンバトルが人気なのもこういう特別感があるからだろう」
329 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:04:45.40 ID:GuNokB1T0

つかさ「あと、ガラルのどこでもダイマックスができるわけじゃない。相応のエネルギー量がある場所じゃないとダメなんだ」

つかさ「だからガラル各地のジムやスタジアムはちゃんとダイマックスができる場所――パワースポットに建てられている」

藍子「そうだったんですね」

つかさ「じゃあトレーナーはどうやってこのエネルギーをポケモンに与えるか。そこで使うのがこれさ」

ジャラン

藍子「……それは?」
330 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:06:02.79 ID:GuNokB1T0

つかさ「こいつはダイマックスバンド」

つかさ「このバンドにはガラル粒子が凝縮された物質――ねがいぼしのエネルギーが蓄えられている。このバンドからモンスターボールを通じてエネルギーを与えるわけだな」

凛「だから涼は一度ポケモンをボールに戻していたんだ」

つかさ「そ。で、ガラルのポケモンバトルではこの力を使うことでバトル中に一度だけ、手持ちの一匹を自由なタイミングでダイマックスさせることができる」

つかさ「ちなみにこのバンドはマクロコスモスが開発したんだ。ま、実際に携わっていたのはアタシじゃなくて先代の人間だけどね」

つかさ「で、このダイマックスバンドは皆が皆持っているわけじゃあない。各地のジムリーダーだったり、ジムチャレンジをある程度勝ち抜いたヤツだったり、もしくは金持ちだったり……要するに選ばれしトレーナーにのみ与えられているんだな」
331 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:06:35.22 ID:GuNokB1T0

つかさ「前置きが長くなっちまったが……もう察しはついてるか?」

藍子「え……?」

藍子「ま、まさか、これを……私に?」

つかさ「そういうこった」

藍子「えええええ!?」

凛「……!」

藍子「ど、どうして……!」
332 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:07:17.65 ID:GuNokB1T0

つかさ「さっきも言ったろ。将来有望なトレーナーに投資するのは当然だってね」

つかさ「アンタはこれを使うだけのセンスを持っている。で、アタシはそれを認めた。そんだけさ」

藍子「……」

藍子(私も……あの力を使えるの……?)

藍子(……いや、使っていいの……?)

藍子「……本当にいいんですか? 私なんかに――」

つかさ「そう謙遜すんな。言っただろ、アンタにはセンスがあるって」
333 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:08:11.38 ID:GuNokB1T0

つかさ「それに、これがアンタにとって特別アドバンテージになるわけじゃない」

藍子「それはどういう……?」

つかさ「たしかジムチャレンジのルールでは、チャレンジャーがダイマックスバンドを所持していたらジムリーダーもダイマックスを使っていい、みたいなのがあったはずだ」

つかさ「だからアンタがダイマックスを使うなら、向こうもバンバン使ってくる。アドバンテージというよりは、バトルの幅が広がるってことだな」

凛「なるほどね」

藍子「……」

凛「藍子」

藍子「!」
334 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:09:24.83 ID:GuNokB1T0

凛「私は使ってみてもいいと思うな。藍子ならきっと使いこなせるとも思う」

藍子「凛さん……」

藍子「……」

藍子「……わかりました。ダイマックスバンド……下さい!」

つかさ「そう言ってくれると思ったぜ。じゃあこれは今からアンタのものだ」

藍子はダイマックスバンドを手に入れた!

チャキッ

藍子「これが……ダイマックスバンド……!」
335 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:10:43.76 ID:GuNokB1T0

つかさ「使い方はまた追って説明するわ。ま、有効活用してくれ」

つかさ「ちなみにそのバンド、もう一つあるんだが」ジャラン

つかさ「これは凛の分――になる予定だ」

藍子「ええ!?」

凛「え……私!?」

つかさ「ああ。こんだけセンスのあるトレーナーを指導しているアンタも中々のセンスがあると見た」

つかさ「それに口ぶりとか佇まいとかからも、トレーナーとしての経験の深さを感じる」
336 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:11:42.09 ID:GuNokB1T0

つかさ「……でも、まだ「感じる」ってだけで確信は得られていない。だからまずはアンタにもダイマックスバンドを渡すよ」

つかさ「それを使って、明日、ジム戦に望んでほしい。で、アタシを納得させてほしいんだ」

つかさ「ダイマックスバンドを譲るに相応しいかどうかを」

凛(……なるほどね。試験みたいなものか)

凛(本当に、私にも使えるのかな……ダイマックス)

凛(もし使えたら、よりバトルの幅が広がりそうだけど)

凛「……わかった」

つかさ「決まりだな」

つかさ「じゃあ凛。明日のジム戦……楽しみにしてるぜ」

凛「……うん」
337 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:12:08.47 ID:GuNokB1T0

翌日 エンジンジム

凛「……」

ザッ

ワァァァァァァ

凛(すごい……昨日と同じくらいたくさんの観客がいる)

凛(本当にみんなポケモンバトルが好きなんだね)

凛(……さて)

チャキッ
338 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:12:56.36 ID:GuNokB1T0

凛(ダイマックスバンド……使い方は昨日つかさに一通り教わったけど)

凛(一度ボールに戻してからバンドを起動して……大きくなったボールを自分の後ろに投げる、だっけ)

凛(いきなり使って大丈夫なのかな……色々と)

ザッ

涼「ようこそ、チャレンジャー!」

涼「おっと、アンタは工事の時以来だな」

凛「そうだね」

涼「……どうやら道中の壁は難なく壊してきたみたいだな」

涼「それにその腕につけているのは……ダイマックスバンド」
339 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:13:50.95 ID:GuNokB1T0


凛「……」

涼「へへっ、どうやらアンタ相手にはいつも以上に容赦なく戦ってよさそうだね!」

凛「もちろん。全力でバトルしよう」

涼「よし。そうだな……団体戦、ってのはどうだ? 使用ポケモンは3体、2本先取した方が勝ち」

涼「一度場に出したポケモンはどちらか一方が倒れるまで交代はナシだ。もちろん、ふきとばしやドラゴンテールみたいな技も禁止。これでどうだ?」

凛「うん、いいよ」

凛(涼はいわタイプ使いだったね。なら私も相性のいい3匹を選ぼうか)

涼「ちなみにダイマックスも有りだ。どのタイミングで使うか……楽しみにしてるよ」
340 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:14:22.55 ID:GuNokB1T0

ドローンロトム『バトル・スタート!!』

涼「まず先鋒は……いくぜ、アーマルド!」ポンッ

アーマルド「アーマ!」

アーマルド かっちゅうポケモン いわ・むしタイプ
大昔絶滅したポケモンの一種
伸び縮みする巨大なツメで獲物をくし刺しにして捕らえる

凛「いくよ……ドリュウズ!」ポン

ドリュウズ「ドリュ!」
341 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:15:00.36 ID:GuNokB1T0

つかさ「……ほう」

つかさ「あのドリュウズ、かなりハイレベルだな。こっちまでオーラが伝わってくるぜ」

つかさ「こりゃ見物だな」

藍子「ど、どっちもおっかなさそうなポケモンですね……」

凛「ドリュウズ!」

涼「アーマルド!」

ドリュウズ「ドリュ!」

アーマルド「アーマ!」
342 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:15:29.90 ID:GuNokB1T0

ガキィン!!

『おぉ……早速正面からぶつかり合ったぞ!!』

凛「アイアンヘッド!」

涼「させないぜ、シザークロス!」

ドリュウズ「ドリュ!」グワッ

アーマルド「アーマ!」

ズバッ
343 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:15:55.22 ID:GuNokB1T0

ドリュウズ「ドリュ……」グググ

アーマルド「アーマ……」グググ

藍子「ど、どっちも押し合っていますね……!」

つかさ「ああ……だが押し勝つのは」

ドリュウズ「ドリュ!!」

ドォン

つかさ「ドリュウズだったな」
344 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:16:24.80 ID:GuNokB1T0

アーマルド「アーマ……」ズザァ

凛「一気に攻めるよ! いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ」ゴゴゴゴ

涼「アーマルド、切り裂け!」

アーマルド「アーマ!」

ズバズバズバズバ

『おお! すごい勢いで岩が切られていくぞ!』

『切れ味鋭すぎだろ……!』
345 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:16:55.60 ID:GuNokB1T0

アーマルド「アマ……」

アーマルド「!?」

涼「ドリュウズがいない……地面に潜ったか!」

凛「ならアーマルド、じしんで引っ張り出せ!」

アーマルド「アーマ!!」ゴォォォォ

凛(……しまった!)

ボコッ

ドリュウズ「ドリュ……!」ドゴォ
346 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:17:50.71 ID:GuNokB1T0

藍子「ああっ……!」

つかさ「じしんは地面の中にいるポケモンにいつも以上のダメージを与える技だ。こりゃ痛手だな」

涼「追撃だ、シザークロス!」

アーマルド「アーマ!」

ズバッ

ドリュウズ「ドリュ……!」

ドスン

凛「ドリュウズ、大丈夫!?」

ドリュウズ「ドリュ……!」グッ

『いいぞー涼! 相性の不利なんてひっくり返してやれー!!』
347 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:18:28.05 ID:GuNokB1T0

凛「……」

凛(涼が早い段階でじしんを見せてきたのはドリュウズが地面から攻めてくるのを警戒しているから……)

凛(だから多分、もう地面に潜ることはしないだろうと考えているはず)

凛(なら、それを逆手に取って……!)

凛「ドリュウズ、もう一度いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ゴゴゴゴ

涼「……?」

涼「また同じ手を使ってきた……何か企んでいる?」
348 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:18:58.07 ID:GuNokB1T0

涼「アーマルド、横に躱せ!」

アーマルド「アーマ!」サッ

凛(……! 読まれたか……)

凛「なら回避先にドリルライナー!」

ドリュウズ「ドリュ!」ギュルルル

涼「くっ、これは避けられないか」

涼「ストーンエッジで防ぐよ!」
349 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:19:33.19 ID:GuNokB1T0

アーマルド「アーマ!」ボコッ

ガキィン

涼「よし、ストーンエッジごとシザークロスでブッ飛ばせ!!」

アーマルド「アーマ!」

ズバッ

凛(……! 岩が切り裂かれた……!)

凛(……ラッキー)
350 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:20:01.98 ID:GuNokB1T0

ドリュウズ「ドリュ……!」

ゴゴゴゴ

シュゥゥ……

涼「……?」

涼「いない……またどさくさに紛れて地面に潜ったのか……?」

涼(いや、さっきのじしんを見てもその行動を取るのか?)

涼(……どっちだ!?)

ゥゥ……

ドリュウズ「……」スタッ
351 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:20:36.66 ID:GuNokB1T0


涼「……なんだ、そこにいるじゃないか!」

涼「決めるぜ、アーマルド! シザークロスだ!」

アーマルド「アーマ!」ズバッ

ドリュウズ「!」

藍子「ああ……!」

……ニュッ

涼「……?」

ウニュニュニュニュ

身代わり人形「」コテッ
352 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:21:06.70 ID:GuNokB1T0

涼「なっ……!? みがわり!?」

涼「ドリュウズの姿をしていたはずだったのに……!」

涼「アンタ、何をしたんだ? ……いや、それより本物は――」

凛「ドリュウズ!」

ボコッ

涼「地面……!?」

凛「ドリルライナー!!」

ドリュウズ「ドリュ!」ギュルルル
353 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:21:43.19 ID:GuNokB1T0

ドォォォン

アーマルド「アーマ……」

バタンキュー

ドローンロトム『アーマルド戦闘不能! アーマルド戦闘不能!』

ワァァァァァァ

『な、なんだ……!?』

『何が起こったんだ……!?』

つかさ「今のは……みがわりの応用か? あんなの、アタシも初めて見たな……」

藍子「す、すごい……」
354 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:22:12.72 ID:GuNokB1T0

凛(……ふう。ゲッコウガが使ってたみがわり、ドリュウズも使えるようになったみたいだね)

凛(でも)

ドリュウズ「ドリュ……!」ガクッ

凛「やっぱりまだ負担が大きかった……戻って!」

凛「ありがとう、ドリュウズ」

涼「チッ……想像以上の強さだね。もう後がなくなっちまった」
355 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:22:46.72 ID:GuNokB1T0

涼「けどそれでこそアタシも昂るってもんだぜ! いけ、メテノ!」

メテノ「メテ!」

凛「チャーレム!」

チャーレム「チャー」

*メテノ ながれぼしポケモン いわ・ひこうタイプ
ナノ粒子が突然変異し生まれたポケモン
もともとオゾン層に棲んでおり、身体の殻が重くなると地上に向かって落ちてくる

凛(初めて見るポケモン……ひこうタイプなんだ)

凛(でも交代はできない。チャーレム、頑張って……)
356 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/05/29(金) 21:27:46.53 ID:GuNokB1T0
今回はここまでです
つかさ社長声帯実装おめでとう!
ダイマックスの説明はゲーム準拠ですが漏れてる情報あるかも、ご了承ください

次回でエンジンシティ編も終わりです
読んでいただきありがとうございました
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