開拓者「安価で町などを作る」

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201 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 22:24:09.44 ID:sGyK8Fafo
家政婦「あのー、失礼します。開拓者さんはいらっしゃいますかー……」

開拓者「ああ。俺が開拓者だが……まさかとは思うが依頼か?」

家政婦「は、はい。ご迷惑でしたか?」

開拓者「いや、そんなことはない。フリーの開拓者として、開拓の依頼は大歓迎だ」

家政婦「実は、開拓じゃない仕事の依頼なんですけど……」

開拓者(ちくしょう)

開拓者「とりあえず聞かせてくれ」

家政婦「貴族の○○さん、知ってますか?」

開拓者「当然知っている。彼はただの貴族ではない。複数の事業で成功し巨万の富を築いた大資産家だ」

家政婦「その方が、新しい邸宅を建ててお引越しをされるというんです」

開拓者「ほう」

家政婦「あたしはその邸宅のデザインを頼まれたんですけど、右も左もわからなくて……」

家政婦「お願いします、開拓者さん。あたしの代わりに邸宅のデザインをしてください!」

開拓者(どうする? すでに4件の依頼を並行して進めている)

開拓者(しかし、あの大資産家とのつながりができるチャンスは捨てがたい)

開拓者(あと2週間でいくつかの依頼が終わる。ここは頑張り時だな……!)
202 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 22:40:38.18 ID:sGyK8Fafo
その屋敷は霧深い森の中にあった。

豪華な装いではあるが大変古びており、外装、内装ともにリフォームが必要だ。

開拓者「彼女から依頼を受けて来た。開拓者だ」

貴族「おお開拓者よ! よく来てくれた!」

開拓者(こいつ……大資産家じゃない! その息子だ!)

開拓者(苗字が同じだからだまされた!!)


貴族「さて開拓者よ。お前は我輩を守るための警備チームを作るのだ!」

開拓者「……ん? 邸宅のデザインではないのか?」

貴族「それはこの家政婦に任せる」

家政婦「え、ええっ……!」

開拓者「デザインについても俺に任せてくれないか?」

貴族「駄目だ!」

貴族「邸宅のデザインには美的センスが必要だ。そうなるとやはり若い女性がやるべきだ!」

貴族「そして、我輩を守るためのチームを組織する仕事は、お前のような屈強な男でなれば務まらん!」

家政婦(……)ジーッ

開拓者(家政婦が助けを求める目で俺の方を見ている)

開拓者(助けて欲しいのは俺も一緒だ……)
203 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 22:51:14.32 ID:sGyK8Fafo
1週目

称号:心配性な貴族の引っ越し予定地

●開拓地
・湾岸要塞……王国軍をしのぐ防衛力を誇る町。空間のゆがみからたまに魔物が出てくる。
・湖畔の楽園……医療が進んでおりとても暮らしやすい。防衛力もかなり高い。

●住民
・貴族……王国の貴族の中でも有数の大資産家の息子。部下の反乱や盗賊の襲撃などを過度に恐れている。
・家政婦……長袖長ズボンの作業着にエプロン姿の女性。開拓者に屋敷作りを依頼したが……。

●湾岸要塞:ステータス
第一次産業Lv.6
第二次産業Lv.6
第三次産業Lv.3
防衛Lv.14



●湖畔の楽園:ステータス
第一次産業Lv.8
第二次産業Lv.6
第三次産業Lv.12
防衛Lv.10


開拓者「しかし、なぜ引っ越すことにしたんだ?」

開拓者「安全が欲しいのなら湾岸要塞に住んでいればいいだろうに」

開拓者(防衛Lv.14。数値上は王国軍の本部より高い)

貴族「確かに我輩は安全を求めて湾岸要塞に居を構えていたのだが、あの者たちは訓練に没頭し、ちっとも我輩の警備を引き受けてくれない!」

開拓者(当たり前だろ……。貴族一人より王国の防衛が大事だ)

貴族「しかも、話によると魔物は湾岸のどこにでも沸いて出るというではないか!」

貴族「そこで我輩は湖畔の楽園の近くに居を移すことにしたのだ」

開拓者「それなら普通にメイドを雇えばいいんじゃないか? あの町のメイドは強いぞ」

開拓者(ここの防衛力はLv.10。魔法の町や地底都市と同等の、王国最高クラスの防衛力だ)

貴族「市長に依頼したらこのメイドが来たのだ」

貴族「だが、どう見ても彼女一人に我輩の護衛が務まるとは思えん!」

開拓者「まあな……」

貴族「分かってくれたか!? 我輩を警備する専門のチームが必要であることを!」

開拓者(もはや断れるタイミングを通り過ぎてしまったな……)
204 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:10:37.19 ID:sGyK8Fafo
開拓者「よし、あいつは帰った」

開拓者「湖畔の楽園の市長に、屋敷の警備を依頼してくる。そのあとは俺がお前の仕事に協力しよう」

家政婦「あ、あの。それでは足りないと思います」

開拓者「なんだと?」

家政婦「町の防衛Lvというのは、戦闘員の強さと町の防衛設備を総合的に見た数値にすぎないんです」

家政婦「もし弱点を突かれれば、簡単に崩壊します」

開拓者「弱点があるのか?」

家政婦「ええと、たとえば湾岸要塞なら、王国軍みたいに隙のない軍勢で攻めれば簡単に落ちますよね」

家政婦「湖畔の楽園は意外と対応力が低いので、メイドの間合いの外から攻撃できれば全く脅威じゃないです」

家政婦「しかも、このお屋敷そのものの防衛力は0ですよね?」

開拓者「お、おう」

家政婦「あっ、ごめんなさい。分からなかったですよね。あたしったら、うっかり……」

開拓者「お前は警備に詳しいのか?」

家政婦「し、少々?」

開拓者「少なくとも俺よりは詳しいようだ。俺は町の防衛Lvしか知らなかったからな」
205 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:17:21.77 ID:sGyK8Fafo
家政婦「説明したいんですけど、今のところ誰もいないので……」

家政婦「訓練することすらできませんよね。困りました……」

開拓者「どこかの町でスカウトしてくればいいんだな」


1.柔道家
2.槍使い
3.拳銃に慣れた人
4.土木作業員
5.猟犬

安価↓1 警備員をスカウトします
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/14(火) 23:17:52.17 ID:qL8D4IDjo
5
207 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:40:00.82 ID:sGyK8Fafo
開拓者「引退した猟師から猟犬を譲り受けてきた」

レトリバー「……」パタパタ

家政婦「尻尾振ってますねー。もうなついてます」

開拓者「警備チーム最初のメンバーが人間じゃないわけだが、これで説明ができるか?」

家政婦「はい。十分です」


1週目

称号:1匹わんちゃん

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1

●兵種ごと
追跡1

●ステータス
対応力Lv.1
速攻Lv.2
特殊Lv.0


家政婦「町の防衛力は『兵の強さ』『防衛設備』の二つに分けられて、」

家政婦「『兵の強さ』は『対応力』『速攻』『攪乱』の三つに分けられますね」

開拓者「屋敷そのものには防衛設備がないから防衛力が0ということだな」

家政婦「『対応力』は各兵種の最大値の合計値、」

家政婦「『速攻』は一番強い兵種の合計値の二倍、」

家政婦「『特殊』は特殊兵種の合計値の二倍、で表します」

開拓者「なるほど、分からん」
208 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:40:46.53 ID:sGyK8Fafo
>>207修正 家政婦「『兵の強さ』は『対応力』『速攻』『特殊』の三つに分けられますね」
209 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:47:36.49 ID:sGyK8Fafo
家政婦「たとえばですけど」

●兵員
・勇者……剣技1・格闘1
・剣士……剣技3
・僧侶……結界魔法1

家政婦「こういうチームなら」

●兵種ごと
剣技3(合計4) 格闘1 結界魔法1(特殊)

家政婦「こうなります」


開拓者「数値の大きい剣士の剣技3だけが採用されて、剣技3+格闘1で『対応力』はLv.4」

開拓者「勇者と剣士の合計で剣技4だから、二倍して『速攻』はLv.8」

開拓者「僧侶の結界魔法だけが特殊扱いで、二倍して『特殊』はLv.2……か?」

家政婦「その通りです!」

家政婦「このステータスを均等にすると死角のない警備ができると思いますよ」

開拓者「複雑で難しい要求が来たな……」


家政婦「簡単に言うと」

家政婦「対応力を上げるなら、いろんな戦法の兵員を増やす」

家政婦「速攻を上げるなら、同じ戦法の兵員を増やす」

家政婦「特殊を上げるなら、変な戦法の兵員を増やすんです」

開拓者「さらにまとめるなら、こうだな」


※まとめ
警備チームにいろんなメンバーを増やそう!
210 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/14(火) 23:50:55.75 ID:sGyK8Fafo
レトリバー「……」

なでなで

家政婦「最初は強そうな人を勧誘してくればいいと思いますよー」

開拓者「お前はゆっくりしてないで邸宅のデザインを頑張った方がいいと思うぞ……」


安価↓1、2、3 警備員をスカウトします(職業、武器、戦法、特技、種族など)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 23:52:06.97 ID:OdUcSAasO
犬の言葉が分かる近接戦闘が得意な狼獣人
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 23:55:08.56 ID:ZEerHKhxO
侵入者を捕獲するアラクネ
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 23:55:39.34 ID:+YEZZDOQo
元ゲリラ戦のプロのトラップマスター(エルフ)
214 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:14:27.55 ID:pD60WqZ9o
人の姿に見える樹木が生い茂り、子供が描いた絵のような奇妙な動物が歩き回る。

まるで異界か他の惑星のような不思議な光景が見られるこの森は、わずか数か月前に出現した。

すでに調査団や冒険者たちが立ち入っているが、帰ってこない者が続出している。

ここは王国の辺境の地。

誰が呼んだか、奇々怪々な森の名は、魔界林。


開拓者「なぜ俺はここに来たんだ?」

開拓者「そして理由は分からないが、来るのが早すぎたように思う」

開拓者「このタイミングで来なくても、半年以内に訪れることになりそうな予感がする」

開拓者「小説を途中から読むときに、先のページが開いて文字列が見えてしまった時のような気分だ」

アラクネ「……」

開拓者「あそこにいかにも通りかかった動物を捕食しそうな花が咲いているな」

開拓者「俺は熟練の開拓者であり、魔界からの生還者だから分かるんだ」

開拓者「こんな時は、開拓者奥義!」

開拓者「土返し!」グッ ドバッ!

スコップを用いて地面を深い位置からめくり上げて、植物を根っこごと地面から引き離す技だ!

ベテラン開拓者ともなれば、やや離れた場所から一直線に地面をめくりあげることもできる!

だが流石に身の丈を超える樹木には通用しない!
215 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:15:18.50 ID:pD60WqZ9o
開拓者「よし。アラクネの植木鉢を手に入れた」

狼獣人「ガルルルル……」

開拓者「うおっ!? 狼人間!? 猫人間なら知っているが……」

狼獣人「グルル……ガウッ!」

開拓者「やるか!? 俺はそこらの人間よりは強いぞ!!」


狼獣人「ワウッ、ガウッ」

開拓者「な、なんとか手なずけることに成功した……」

開拓者「手なずけたというより、敵意が無い事を示して落ち着かせた感じだが」

開拓者「言葉が通じないだけで知能は決して低くなさそうだ。連れて帰って戦力にしよう」


開拓者「帰ったぞ」

狼獣人「ガルル」

家政婦「か、開拓者さん、その袋の中身は?」

開拓者「人食い花だ。扱いに気をつけろ」

エルフゲリラ「う、後ろにいる怪物は何者だ!?」

開拓者「お前が何者だよ!!」
216 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:18:49.60 ID:pD60WqZ9o
●兵員
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネ……近づいた動物を捕獲して長い時間をかけて消化する魔物。食人花1
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2


家政婦「彼はプロのトラップマスターです」

エルフゲリラ「取り乱してしまってすまない。長く戦場に生きてきたつもりだが、獣人が実在するとは知らなかったよ」

家政婦「彼…か彼女か分かりませんけど、ここまで連れてくるときに目立ちませんでしたか?」

開拓者「お前らには言われたくないな……」


開拓者「ふむ。結局エルフゲリラとは何なのかよく分からなかったが、お前が罠の扱いに長けたベテラン戦士であることは理解した」

開拓者「警備チームに入ってくれるか?」

エルフゲリラ「もちろんだ。そのために私は参じたのだからね」

エルフゲリラ「だが、同僚が犬と獣人と植物とは……不思議な感覚だよ」

開拓者「お前も一応俺たちから見れば変わり者だからな」

レトリバー「……」フルフル

狼獣人「ワウッ。ワウン」ナデナデ

開拓者「ほら見ろ、おびえる猟犬を狼獣人が慰めているだろう」
217 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:20:35.76 ID:pD60WqZ9o
狼獣人「ガウウウッ」シュシュッ

エルフゲリラ「くっ、正面から相手取るのは厳しいね」

開拓者「狼獣人の戦法は、両手に短剣を持った戦士に近いな。リーチは短いが速さで翻弄する戦い方だ」

家政婦「あっ、彼はスキルを持っているんですね。最初から持っているなんて珍しい」

開拓者「エルフたちにはスキルは無いのか?」

家政婦「特殊能力というわけではないんですけど、かなり鍛え上げた兵士が得る、戦局を変えるほどの強さのことです」

家政婦「彼は犬に呼ばれたときにスピードが上がるみたいですね」

開拓者「ふむ。猟犬が敵を発見して追いかけ、強化された狼獣人を呼び出す」

開拓者「いいコンビネーションだ」
218 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:21:54.02 ID:pD60WqZ9o
2週目

称号:人外ギルド

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネ……近づいた動物を捕獲して長い時間をかけて消化する魔物。食人花1
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2

●兵種ごと
追跡1 スピード型近接2 工作2 食人花(特殊)1

●ステータス
対応力Lv.5
速攻Lv.4
特殊Lv.2


アラクネ「キシャアアッ!!」ガバッ

開拓者「うおおお!? 入口の植え込みに隠していたのを忘れていた!!」

家政婦「おかえりなさいませ」

開拓者「邸宅のリフォームは順調か?」

家政婦「はい。エルフさんに手伝っていただいているんです」

エルフゲリラ「エルフの技と美をご覧あれ」

開拓者「手先の器用さが別の形で約に立ったな」

開拓者「貴族は彼らを見て何か言っていなかったか?」

家政婦「彼はこの一週間一度も戻ってきていませんよ」
219 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:27:17.35 ID:pD60WqZ9o
開拓者「対応力と速攻に比べて、特殊は上げにくくないか?」

家政婦「そうですね……」

家政婦「この計算方法はあたしのうろ覚えなので、もしかしたら間違っているかもしれません」


安価↓1、2、3 警備員をスカウトする(職業、武器、戦法、特技、種族など)か、鍛えます(兵員を指定)
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 19:34:09.65 ID:kOzcj3MK0
人間心理学を学んだ学者
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/15(水) 19:35:18.87 ID:sU0/0i4do
上空からの警戒も行う鳥人アーチャー
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 19:35:57.28 ID:knOFQ8a6O
興奮した暴漢を沈静化する交渉術に長けたサキュバス
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 19:40:32.72 ID:sHn9yFWKO
(アラクネって蜘蛛女では…)
224 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 19:52:36.68 ID:pD60WqZ9o
>>223
ごめんなさい。アルラウネと間違えていました。
修正します。
225 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:12:54.39 ID:pD60WqZ9o
>>214から修正



人の姿に見える樹木が生い茂り、子供が描いた絵のような奇妙な動物が歩き回る。

まるで異界か他の惑星のような不思議な光景が見られるこの森は、わずか数か月前に出現した。

すでに調査団や冒険者たちが立ち入っているが、帰ってこない者が続出している。

ここは王国の辺境の地。

誰が呼んだか、奇々怪々な森の名は、魔界林。


開拓者「なぜ俺はここに来たんだ?」

開拓者「そして理由は分からないが、来るのが早すぎたように思う」

開拓者「このタイミングで来なくても、半年以内に訪れることになりそうな予感がする」

開拓者「小説を途中から読むときに、先のページが開いて文字列が見えてしまった時のような気分だ」

狼獣人「ガルルルル……」

開拓者「うおっ!? 狼人間!? 猫人間なら知っているが……」

狼獣人「グルル……ガウッ!」

開拓者「やるか!? 俺はそこらの人間よりは強いぞ!!」


狼獣人「ワウッ、ガウッ」

開拓者「な、なんとか手なずけることに成功した……」

開拓者「手なずけたというより、敵意が無い事を示して落ち着かせた感じだが」

開拓者「言葉が通じないだけで知能は決して低くなさそうだ。連れて帰って戦力にしよう」
226 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:13:23.13 ID:pD60WqZ9o
開拓者「帰ったぞ」

狼獣人「ガルル」

家政婦「か、開拓者さん!? そ、その人? ……誰ですか!?」

アラクネ「キャア! 犬あたま!」カサカサ

エルフゲリラ「う、後ろにいる怪物は何者だ!?」

開拓者「お前らが何者だよ!!」


●兵員
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネ……下半身が蜘蛛の女性。蜘蛛のように壁を移動したり網を張れる。工作0.5・捕縛0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2


家政婦「彼はプロのトラップマスターです」

エルフゲリラ「取り乱してしまってすまない。長く戦場に生きてきたつもりだが、獣人が実在するとは知らなかったよ」

アラクネ「ここに来るとき騒ぎにならなかったの?」

開拓者「お前らには言われたくないな……」


開拓者「ふむ。結局エルフゲリラとは何なのかよく分からなかったが、お前が罠の扱いに長けたベテラン戦士であることは理解した」

開拓者「警備チームに入ってくれるか?」

エルフゲリラ「もちろんだ。そのために私は参じたのだからね」

エルフゲリラ「だが、同僚が犬と獣人と蜘蛛足の女性とは……不思議な感覚だよ」

開拓者「お前も一応俺たちから見れば変わり者だからな」

レトリバー「……」フルフル

狼獣人「ワウッ。ワウン」ナデナデ

開拓者「ほら見ろ、おびえる猟犬を狼獣人が慰めているだろう」

アラクネ「なんで逃げるの……?」

開拓者「鏡見ろ」
227 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:14:36.34 ID:pD60WqZ9o
狼獣人「ガウウウッ」シュシュッ

エルフゲリラ「くっ、正面から相手取るのは厳しいね」

開拓者「狼獣人の戦法は、両手に短剣を持った戦士に近いな。リーチは短いが速さで翻弄する戦い方だ」

家政婦「あっ、彼はスキルを持っているんですね。最初から持っているなんて珍しい」

開拓者「エルフたちにはスキルは無いのか?」

家政婦「特殊能力というわけではないんですけど、かなり鍛え上げた兵士が得る、戦局を変えるほどの強さのことです」

家政婦「彼は犬に呼ばれたときにスピードが上がるみたいですね」

開拓者「ふむ。猟犬が敵を発見して追いかけ、強化された狼獣人を呼び出す」

開拓者「いいコンビネーションだ」


開拓者「アラクネ。お前は戦わないのか?」

アラクネ「戦うのは怖いわ……」

家政婦「彼女は人よりちょっと脚が多くて網を張れるだけの一般女性なので……」

開拓者「それでよく警備の仕事を引き受けてくれたな」

アラクネ「私、どこにも雇ってもらえないから、こういう仕事しか出来ないの」

開拓者「大変だな……」
228 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:16:31.37 ID:pD60WqZ9o
2週目

称号:人外ギルド

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネ……下半身が蜘蛛の女性。蜘蛛のように壁を移動したり網を張れる。工作0.5・捕縛0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2

●兵種ごと
追跡1 スピード型近接2 工作2.5(最大2) 捕縛0.5

●ステータス
対応力Lv.6
速攻Lv.4
特殊Lv.0


アラクネ「あっ、網に反応が……!」

エルフゲリラ「侵入者かもしれない。見てきてくれ!」

アラクネ「えっ……こわいから誰か一緒についてきて……」

狼獣人「ワウー……(呆れ)」


玄関。

開拓者「た、助けてくれ……。網に捕まった……」

狼獣人「ワウ(呆れ)」



家政婦「おかえりなさいませ」

開拓者「邸宅のリフォームは順調か?」

家政婦「はい。エルフさんに手伝っていただいているんです」

エルフゲリラ「エルフの技と美をご覧あれ」

開拓者「手先の器用さが別の形で約に立ったな」

開拓者「貴族は彼らを見て何か言っていなかったか?」

家政婦「彼はこの一週間一度も戻ってきていませんよ」


開拓者「対応力と速攻に比べて、特殊は上げにくくないか?」

家政婦「この計算方法はあたしのうろ覚えなので、もしかしたら間違っているかもしれません」

開拓者「捕縛は特殊扱いじゃないのか」

家政婦「普通の軍にも網を仕掛ける工兵がいることはありますから」
229 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:35:37.61 ID:pD60WqZ9o
開拓者「罠の設置に長けたエルフとアラクネを活かすためには、人の心理に精通した参謀が必要だな」

開拓者「そういうわけでお前に来てもらった」

心理学者「ああ。軍に入るより儲かりそうだ」

心理学者「人間心理を学んだ私は最高の軍師になると自負している」

心理学者「味方の心理さえも操り、最強のチームを作り出してみせよう」

開拓者「ほう。期待しているぞ」


アラクネ「あら、おかえり」

サキュバス「この人が開拓者さん? いい男ね」

狼獣人「ワオーンッ!」

心理学者「人間がっ……いないっ……!!」

開拓者「落ち着け。自分の心理を操るんだ」

開拓者「正直、知らん奴が増えていて俺も動揺している」


家政婦「彼女は有翼人です。鳥人間と言った方が分かりやすいですか?」

有翼人「よろでーす!」

開拓者「今度は、背中に翼が生えているだけの一般人ではないのか?」

有翼人「ウチは弓矢撃てます! あと、目もいいよ」

開拓者「それは強そうだな」
230 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:39:05.31 ID:pD60WqZ9o
●兵員
・心理学者……敵の心理を読み解き戦略を立て、罠や待ち伏せの指示を行う。計略1
・有翼人アーチャー……背中に羽根が生えた女の子。昔から弓道を習っているらしい。制空1
・サキュバス……背中に蝙蝠型の羽根が生えた女性。主に男性の精神を操ることに長ける。対男性交渉1


開拓者「こっちの、紫色の肌をした女性は……」

家政婦「肌の色と羽根の形が違うだけで、彼女も有翼人ですよ」

サキュバス「サキュバスよ。よろしくね♪」

家政婦「サキュバスというのは、精神に干渉する魔法や色仕掛けを得意とする職業です」

開拓者「職業なのか……」

サキュバス「貴方たちでいう、女スパイに近いんじゃないかしら?」


家政婦「どうです? あたし、今回は戦闘のできる人を連れてきましたよ」

開拓者「人……うん、人だな」

開拓者(どこから連れてきたのか聞ける空気じゃない)

開拓者(俺だって変なところから狼獣人を連れてきたからな……)
231 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 20:49:18.18 ID:pD60WqZ9o
有翼人「見てみて。このスカート可愛くない?」

アラクネ「うーん、私、長いスカートは履けないから……」

サキュバス「こっちのミニ丈ワンピならチュニック感覚で着れないかしら?」

アラクネ「あっ、これなら着れるかも。ありがと」


開拓者「そういえば、お前は湖畔の楽園から来たメイドなのに、エプロンドレスは着ていないんだな」

家政婦「あたし、その、脚が太いので……」

開拓者「すまん……」


レトリバー「……」パタパタ

心理学者「おー、よしよし」

開拓者「犬の心理は分かるのか?」

心理学者「ドッグセラピーだ」

開拓者「そうか……」

心理学者「でも、少し観察した限り、彼女たちとエルフ君の心理は人間と変わりない」

心理学者「私が慣れて歩み寄るべきなのだろうな」
232 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 21:08:59.71 ID:pD60WqZ9o
3週目

称号:モンスター娘とエルフのギルド

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネ……下半身が蜘蛛の女性。蜘蛛のように壁を移動したり網を張れる。工作0.5・捕縛0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2
・心理学者……敵の心理を読み解き戦略を立て、罠や待ち伏せの指示を行う。計略1
・有翼人アーチャー……背中に羽根が生えた女の子。昔から弓道を習っているらしい。制空1
・サキュバス……背中に蝙蝠型の羽根が生えた女性。主に男性の精神を操ることに長ける。対男性交渉1

●兵種ごと
スピード型近接2 工作2.5(最大2) 捕縛0.5 追跡1 計略1 制空1 対男性交渉1(特殊)

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.4
特殊Lv.2


開拓者「ふう、ようやく写真家とコックの仕事が済んだ……。結果は散々だったが」

ビュン

開拓者「うおっ!? 矢文!?」

開拓者「丸文字で『はやくきて!』と書かれている」

開拓者「何か起きたのか?」


心理学者「見間違いではないのか?」

サキュバス「私は夜目が利くのよ。間違いないわ」

エルフゲリラ「しかし何も盗まれていないのか……」

開拓者「どうした? 盗みが入ったのか」

サキュバス「たぶんね……。知らない人が廊下を歩いていたのを見たのよ」

開拓者「外見の特徴は覚えているか?」

サキュバス「そうね……腕は二本、脚も二本。角は生えていなかったわ」

エルフゲリラ「情報が少ないね」
233 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 21:16:14.27 ID:pD60WqZ9o
アラクネ「やっぱり、おかしいよね……」

有翼人「早く会いたいのにー」

開拓者「こちらは別の話か?」

家政婦「はい。貴族の方と連絡が取れないんです」

開拓者「なんだと?」

家政婦「二週間帰らないのは異常じゃありませんか……?」

心理学者「屋敷の様子を見て引き返したのではないか?」

有翼人「な、なんで?」

心理学者「その貴族は怖がりだと聞いた。であれば身の危険を感じて逃げたとしても不思議ではない」

アラクネ「えっ。ここ、何かいるの……? こわい……」


開拓者「依頼人がいなくなってしまったら仕事が成立しない」

開拓者「チームは解散か?」

家政婦「今、湖畔の楽園の諜報員に頼んで、行方を追ってもらっています」

開拓者「では、もう一週だけ様子を見るか」
234 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 21:20:07.43 ID:pD60WqZ9o
開拓者「さて、チームの編成に戻ろう」

開拓者「対応力が高いということは、バランスの取れたチームではあるんだな」

家政婦「速攻を上げるには、今いる人と似た戦い方をする兵員を増やすといいと思います」

家政婦「特殊を上げるには、変わった戦い方をする兵員が必要ですね」


安価↓1、2、3 警備員をスカウトする(職業、武器、戦法、特技、種族など)か、鍛えます(兵員を指定)
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 21:24:15.73 ID:knOFQ8a6O
動きは遅いが中に人が入れる程の空洞があるアイアンゴーレム
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 21:26:08.26 ID:NfpJxBDt0
アラクネ
最低限戦えるようにしよう
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 21:29:14.20 ID:Et6amab1o
幻術要因としていたずら狸でも捕まえる
238 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 21:44:03.87 ID:pD60WqZ9o
王国の辺境、魔界林。

開拓者「また危険地帯に来てしまった」

アイアンゴーレム「キィィィン」

開拓者「こ、こいつは、俺が魔界を開拓したときに生み出したアイアンゴーレムじゃないか!」

全身が鉄でできているアイアンゴーレムは、石を食べて鉄分だけを摂取し大きくなる魔物だ。

本来は戦闘用ではなく、魔界に製鉄産業を生み出すために作られた存在だ。

開拓者「重量こそ脅威だが、後ろに回り込めばどうということはない」

開拓者「ん? 後ろにドアがある」

パカッ

ブレイン「くっ、見つかってしまったか」

開拓者「こいつは、喋る脳みその魔物!」

ブレイン「逃がしてくれるなら、ゴーレムの操縦方法を教えてあげよう」

開拓者「分かった。教えろ」


雪山の町。

ガシン ガシン

アイアンゴーレム「キィィィン」

妖怪マニア「見たこともない妖怪が山を登ってきます!!」

結界師「何ッオレの結界が通用しないだと!」

巫女「んー? あいつは妖怪じゃないわよ」

アイアンゴーレム「俺だ、開拓者だ。寒いからゴーレムの中に乗ってきたんだ」

善人「か、開拓者さん!? お久しぶりです!」
239 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 21:56:36.44 ID:pD60WqZ9o
開拓者「――というわけで、幻術を使う妖怪はいないか?」

陰陽師「では、吾輩の手なずけた狸を与えよう」

陰陽師「出でよ妖怪狸」

どろん

妖怪狸「ヒヒヒっ」

陰陽師「この者の命に従え」

開拓者「ありがたい」

陰陽師「この程度の助力で良いのか?」

開拓者「十分だ」

陰陽師「その鉄の塊は妖怪ではないが、どのようなものだ?」

開拓者「ああ、これは魔物だ。話せば長くなる」

陰陽師「この世は、妖怪以外にも面妖な者で満ち溢れておる……」

開拓者「見たことのない人種も現れたしな……」


魔物……魔界にいる生物。
妖怪……人のうわさ話から生まれる。
雪山の町の妖怪……雪山の土地神が生み出したもの。
亜人種……どこから来たのか不明。


アイアンゴーレム「キィィン。ただいま」

妖怪狸「うヒヒ」ポン ポン

有翼人「わああ! ごついのと可愛いのが来た!」
240 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:02:31.52 ID:pD60WqZ9o
●兵員
・アラクネU……下半身が蜘蛛の女性。種族の技のほかに、八本の脚を活かした格闘術を習得した。捕縛1・工作0.5・多脚格闘0.5
・妖怪狸……幻術を操り敵を翻弄する。幻術1
・アイアンゴーレム……全身が鉄でできた人型の魔物。この個体は背中から中に入り操縦できる。搭乗ゴーレム1


サキュバス「魔力を使わずに幻を見せられるの? すごいわね」ナデナデ

妖怪狸「キュキキッ♪」


アイアンゴーレム「キィィン」

エルフゲリラ「な、中に乗ってみていいか?」

開拓者「ああ。操作は簡単だぞ」


レトリバー「フーッ フーッ!」ダッ

妖怪狸「ヒュイ!?」ダダッ

心理学者「猟犬は妖怪を敵視しているようだ」


アラクネ「わ、私、強くなりました!」

家政婦「頼まれたので、あたしが武術を教えてあげたんです」

開拓者「ほう。では俺と試しに組手でもしてみるか」


開拓者「ぐはぁ!!」

アラクネ「あっ、だ、大丈夫ですか……!」

開拓者「脚六本での連続蹴りをさばくのは無理だ!」

アラクネ「まだ回転連続蹴りもあるんですけど……」

開拓者「俺にはやらないでくれ」
241 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:06:29.14 ID:pD60WqZ9o
4週目

称号:不思議博覧会

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・アラクネU……下半身が蜘蛛の女性。種族の技のほかに、八本の脚を活かした格闘術を習得した。捕縛1・工作0.5・多脚格闘0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2
・心理学者……敵の心理を読み解き戦略を立て、罠や待ち伏せの指示を行う。計略1
・有翼人アーチャー……背中に羽根が生えた女の子。昔から弓道を習っているらしい。制空1
・サキュバス……背中に蝙蝠型の羽根が生えた女性。主に男性の精神を操ることに長ける。対男性交渉1
・妖怪狸……幻術を操り敵を翻弄する。幻術1
・アイアンゴーレム……全身が鉄でできた人型の魔物。この個体は背中から中に入り操縦できる。搭乗ゴーレム1

●兵種ごと
スピード型近接2 工作2.5(最大2) 捕縛1 追跡1 計略1 制空1 対男性交渉1(特殊) 多脚格闘0.5(特殊) 幻術1(特殊) 搭乗ゴーレム1(特殊)

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.5
特殊Lv.3.5


家政婦「先週のステータス計算を間違っていたので、修正します。ごめんなさい」

開拓者「やっぱり複雑じゃないか」

開拓者「そして特殊はやはり上がりにくい」
242 :ラストまで進められそうにないので今晩はここまで  ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:25:16.64 ID:pD60WqZ9o
サキュバス「そんなことより! 大変よ!」

諜報員V「お探しの貴族の居場所が分かったぞ」

開拓者「しかし現れないところを見ると……無事ではなさそうだな」

諜報員V「ああ。未開拓地を転々としている武装集団に連れ去られたのを確認した」

開拓者「狙いは身代金か?」

諜報員V「彼の父親に、特に何か要求された様子はない」

開拓者「引っかかるな……。どこかを根城にしているわけではなく、未開拓地を移動しているのか」

家政婦「あたしをそこに案内してください」

開拓者「お、おい危険だぞ」

家政婦「別に接触はしませんよ。ただ、どの程度の戦力なのか確認してくるだけです」

開拓者「まさか戦うとは俺も思ってない。見に行くだけでも危険だ」

諜報員V「素晴らしい。貴女の主人を思う気持ちに感服した……」

諜報員V「行かせてあげてくれ。俺たち諜報員が家政婦さんを守る」

開拓者「頼むぞ……。家政婦まで失ったら、俺の責任は重い」
243 :ラストまで進められそうにないので今晩はここまで  ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:34:30.68 ID:pD60WqZ9o
修正>>241


●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.5
特殊Lv.7


家政婦「まだ間違えてました! ごめんなさい!」

開拓者「やはり管理しづらいな、このステータスは!」

家政婦「強さのバランスは取れているんですけどね……」

開拓者「こんなにミスが多くて大丈夫か? このステータスで敵に勝てるかどうか決まるんだろう?」

家政婦「きっと、軍の人はもっとしっかり管理してますよ」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 23:44:53.14 ID:sHn9yFWKO
おつ
245 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 21:04:56.85 ID:a+VBZdR7o
亜熱帯の町、カフェテリア。

開拓者「……ううむ」

町長「どうしました? お悩みですか」

開拓者「ちょっと、他の仕事でな」

開拓者(というのは嘘で、理工学者のオーバーテクノロジーの出どころについても悩んでいる)

開拓者(まあその件は後で地底都市に確認に行くからいいんだが……)

開拓者(それよりも問題だらけなのが屋敷の仕事の方だ)

開拓者(貴族を誘拐した犯人の目的は何なのか、魔界林とは一体何なのか)

開拓者(亜人たちがどこから来たか、それを連れてきたあの家政婦が何者か)

開拓者(先日屋敷内に現れた人影は誘拐犯でいいのか)

開拓者(そして、警備用のチームのはずなのに、明らかに攻撃を想定したステータス計算になっているのはなぜなのか)

開拓者(今週でそのすべてが明らかになる……事はなさそうだな)
246 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 21:09:28.48 ID:a+VBZdR7o
開拓者「さて、これでメンバーのスカウトと特訓も最後だな」

開拓者「正確には、特訓の仕事は最後ではないのだが、まあいい」


安価↓1、2、3 警備員をスカウトする(職業、武器、戦法、特技、種族など)か、鍛えます(兵員を指定)
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/16(木) 21:09:38.20 ID:9dWmGlMbo
近接チームの増強にジャッカル獣人
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 21:15:22.32 ID:uk4WAMiUo
暗所でも超音波で地形や動物を把握できる蝙蝠有翼人
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 21:20:13.04 ID:GzPBrYTk0
相手のターゲティングを自分に向ける術を極めた(ドM)重装戦士
250 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:03:53.88 ID:a+VBZdR7o
開拓者「地底都市から帰ったその足で、またも魔界林に来てしまった」

開拓者「世界観がぐちゃぐちゃだ」

ジャッカル獣人「グルル……」

開拓者「狼獣人の亜種のような魔物が現れたな」

開拓者「どうせ攻撃パターンは同じだ! かかってこい!」

ジャッカル獣人「ガオオ!!」バッ

開拓者「何!? 狼獣人の直線的な猛攻とは違う!」

開拓者「くっ、背後に……やられる!」

その時、全身を鎧で固めた大男が間に割って入った。

重装戦士「私が相手だ!」

ジャッカル獣人「ガルルルッ」シュッ シュッ

重装戦士「いいぞ! もっとだ!」


ジャッカル獣人「ガウッ、ガルル……!」ガンッ ガンッ

重装戦士「どうやら落ち着いたようだね」

開拓者「まだ攻撃を続けているが」

重装戦士「申し遅れた。私は重装戦士。攻撃のターゲットを引き受け、攻撃を受け止め続ける戦いを得意としている」

開拓者「趣味じゃないのか?」

重装戦士「まるで私が変態だとでも言いたげだね。あくまで仕事として攻撃を受けているんだよ」

開拓者「今は何かの任務の最中か?」

重装戦士「いや、プライベートさ」

開拓者「プライベートでなぜ危険地帯に? 修行か?」

重装戦士「いや。ただ、この盾と鎧で衝撃を受け止める感触を忘れないためにね」

開拓者「やっぱり変態じゃないか」
251 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:05:35.63 ID:a+VBZdR7o
ジャッカル獣人「ガルルッ!!」ジタバタ

重装戦士「はっはっは、暴れん坊め」

開拓者「万が一逃げ出して人を襲ったら大変だ。気をつけよう」

開拓者は魔界林から魔物を連れ帰る際、街道を通らず、道なき道を踏破している。

街道を横切るとき、人に見られないようにすることに苦戦していた。


開拓者「おや、家政婦。もう帰っていたのか」

蝙蝠人「男の人が3人……」

開拓者「また新しい人を連れてきたのか」

重装戦士「この子の目はどうしたんだ?」

家政婦「彼女は夜行性の有翼人で、もともと目がないんです」

サキュバス「私も夜行性だけど、目が見えるタイプの有翼人よ」

重装戦士「なるほど、それは失礼なことを聞いてしまった」

蝙蝠人「気にしてないよ」

開拓者「この子は戦えるのか?」

家政婦「高い所から石を投げるだけでも十分な戦力になりますよ」

蝙蝠人「真っ暗闇なら、わたししか動けない。敵の人、何もできない」

開拓者「体は強くなさそうだ、無理はするなよ」

重装戦士「そこで私の出番だ! すべての攻撃は私が受け止めてみせよう!」
252 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:18:09.17 ID:a+VBZdR7o
●兵員
・ジャッカル獣人……骨格が人間でそれ以外がジャッカルの魔物。狼獣人に比べて変則的な動きをするが戦法は大体同じ。スピード型近接1
・蝙蝠人……夜行性の有翼人の中でも特に暗所に適応した種。目が見えない代わりに音波で広範囲を視ることができる。制空1(探知能力:暗所での戦いで強くなる)
・重装戦士U……盾と鎧で守りを固めた戦士。催眠術の一種で敵の攻撃を強制的に自分に向ける。攻められるのが好き。囮2

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.6
特殊Lv.9


レトリバー「ワンッ」パタパタ

ジャッカル獣人「?」

狼獣人「ワウッ、ガウッ」

ジャッカル獣人「ガオオ……」

開拓者「狼獣人が通訳を引き受け、仲良くなったようだ」


家政婦「開拓者さん。貴族の方をさらった武装集団について話があります」

開拓者「無事に情報を集めてこれたんだな」

心理学者「その話、私も交ぜてもらっていいか?」

開拓者「ああ。もし救出作戦を実行するなら、お前の軍師としての働きが必要だ」

家政婦「あたしが探ってきた、武装集団のステータスはこうなってます」

対応力Lv.7
速攻Lv.6
特殊Lv.3
防衛Lv.1

開拓者「……全てにおいて俺たちのチームが上回っているな」

心理学者「早まるな。施設の防衛力を考慮した方がいい」

家政婦「とりあえず、戦闘についての説明をしますね」
253 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:41:13.54 ID:a+VBZdR7o
開拓者「ああ」

家政婦「ここではじめて、防衛力をいくつかに分けた意味がでてきます」

家政婦「お二人とも、戦闘は先制攻撃を仕掛けた側がペースを握る、ということは分かりますね?」

心理学者「当然の真理だ」


家政婦「まず、攻撃側が隙のない安定した陣形で攻めてきた場合、防御側はどうにかしてその陣形を崩す必要があります」

家政婦「そこで登場するのが『速攻』です。強力な兵員を先頭に猛攻を仕掛けて、陣形を崩すことでペースを奪えます」

心理学者「陣形を崩すほどの攻撃ができず、ペースを奪えなかったらどうなる?」

家政婦「防御側が圧倒的な不利になりますね」


開拓者「では攻撃側が速攻をかけてきたら、こちらの防御も崩されてしまうわけだ」

家政婦「そこで役に立つのが『特殊』な戦闘員です」

家政婦「速攻型陣形は兵種ごとの連携が取りづらく対応力が欠けていますから、慣れない攻撃に弱いんです」

開拓者「逆に言えば、攻撃側が特殊な攻め方をしてきても、防御側が『対応力』で上回れば勝てるということだな」


家政婦「まとめると」

対応力→速攻→特殊→対応力 (攻撃側→防御側)

家政婦「こうなります」

開拓者「だからバランス良く上げた方がよかったのか。納得した」

開拓者「しかし、攻撃側が圧倒的に有利だな。相手の弱点さえ分かっていれば楽勝だ」

心理学者「そこで出てくるのが施設の防衛力だな?」

家政婦「はい。防御側だけが防衛力の恩恵を受けられるんです」
254 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:48:46.40 ID:a+VBZdR7o
●開拓者軍ステータス
対応力Lv.8 速攻Lv.6 特殊Lv.9 防衛Lv.0

●武装組織ステータス
対応力Lv.7 速攻Lv.6 特殊Lv.3 防衛Lv.1


家政婦「せっかくですから、開拓者さんが攻めるときの陣形を決めてみませんか?」

開拓者「いや、俺は戦略には疎い」

心理学者「そう言わず、さあ。直感で選んでもいい」

開拓者「軍師が戦略を素人に丸投げするな」

開拓者(対応力で攻めるなら、相手は速攻+防衛が高くないとほぼ負け確定)

開拓者(速攻をかけるなら、相手は特殊+……ん?)

開拓者「まさか」


1.バランスの取れた陣形で攻める
2.強い兵種を先頭にして攻める
3.特殊な戦力を活かして攻める

安価↓1選択
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/16(木) 23:52:41.75 ID:9dWmGlMbo
3
256 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 00:02:58.72 ID:iv/1e854o
開拓者「どういう攻め方をしても勝てるだろ」

心理学者「ほう、君も気づいたか」

家政婦「大正解です!」

家政婦「では……一番安全に勝てそうな、特殊な戦法を中心に据えて攻め込みましょう」

心理学者「唯一のネックは人質の存在だ」

家政婦「あたしが無事を確認しました。彼らは貴族に手を出せませんよ」

開拓者「何?」


開拓者「これより、俺たちの雇い主である貴族の奪還戦を決行する!」

エルフゲリラ「いよいよだね」

アラクネ「本当に戦うんだ……。緊張してきた……」

開拓者「目標は無血での勝利!」

有翼人「難しそー」

蝙蝠人「わたしたちはサポート役だね」

開拓者「作戦概要は心理学者から説明する」

心理学者「武装集団が現在いるのは、放棄された鉱山だ。周囲に柵があり、柵の内側に隠れる場所はない」

心理学者「敵は銃を持っている。正面からの突入にはリスクが伴う。そこでまずは―――」
257 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 19:55:36.50 ID:iv/1e854o
チームが完成!

称号:亜人変人大集合

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・ジャッカル獣人……骨格が人間でそれ以外がジャッカルの魔物。狼獣人に比べて変則的な動きをするが戦法は大体同じ。スピード型近接1
・アラクネU……下半身が蜘蛛の女性。種族の技のほかに、八本の脚を活かした格闘術を習得した。捕縛1・工作0.5・多脚格闘0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2
・心理学者……敵の心理を読み解き戦略を立て、罠や待ち伏せの指示を行う。計略1
・有翼人アーチャー……背中に羽根が生えた女の子。昔から弓道を習っているらしい。制空1
・サキュバス……背中に蝙蝠型の羽根が生えた女性。主に男性の精神を操ることに長ける。対男性交渉1
・妖怪狸……幻術を操り敵を翻弄する。幻術1
・アイアンゴーレム……全身が鉄でできた人型の魔物。この個体は背中から中に入り操縦できる。搭乗ゴーレム1
・蝙蝠人……夜行性の有翼人の中でも特に暗所に適応した種。目が見えない代わりに音波で広範囲を視ることができる。制空1(探知能力:暗所での戦いで強くなる)
・重装戦士U……盾と鎧で守りを固めた戦士。催眠術の一種で敵の攻撃を強制的に自分に向ける。攻められるのが好き。囮2

●兵種ごと
スピード型近接3(最大2) 工作2.5(最大2) 捕縛1 追跡1 計略1 制空2(最大1) 対男性交渉1(特殊) 多脚格闘0.5(特殊) 幻術1(特殊) 搭乗ゴーレム1(特殊) 囮2(特殊)

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.6
特殊Lv.9



悪党A「おいリーダー! いい加減こいつどうにかしろよ!」

貴族「ひ、ひいっ! わ、我輩に手を出したらタダでは済まないぞ! 分かっているんだろうな!?」

リーダー「分かってる」

悪党B「でももう連れてきて半月経ったぞ」

悪党C「何も利用価値がねぇんだから、もういいだろ」

リーダー「でもな、そんなことをしたら俺たちはおしまいなんだよ」

悪党D「おーい!! 敵襲だー!!」

悪党E「まさか王国軍に嗅ぎつけられたか!? 最悪だ!」
258 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:05:35.57 ID:iv/1e854o
アイアンゴーレム「キィィィン」

開拓者(俺もチームの一員だが、まさか前線に送り込まれるとは思わなかった)

重装戦士「はっはっは! かかってきたまえ!」

悪党A「な、なんだ!? 鉄の化け物をなんとかしたいのに……!」

悪党B「鎧の野郎に攻撃しちまう!」

重装戦士「実にいい攻撃だな! 気持ちいいくらいだ!」

開拓者「よし、正面ドアはゴーレムでふさいだぞ」


悪党C「一旦退くぞ! 敵の正体がつかめない!」

悪党D「リーダー! 行きましょう!」

リーダー「…………」

悪党C「リーダー?」

リーダー「ケヒャヒャヒャ……!」ドロドロ

悪党D「うああああ! リーダーが笑いながら溶けた!!」

悪党C「おい、視界が真っ黒だ! 何も見えない!」

悪党D「ちょっ、脚を掴むなっ、倒れる!!」

妖怪狸「ヒヒッ……」
259 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:11:16.72 ID:iv/1e854o
サキュバス「ここでゆっくりしていきなさいよ」ナデ

悪党E「は、はい……」


リーダー「畜生……! なんだよ、この化け物集団……!」

有翼人「みんなー! こっちに逃げたよー!」

レトリバー「ワオーン!!」

リーダー「い、犬?」

ザッ ザッ

狼獣人「ガルル……!」

ジャッカル獣人「ゴルル……!」

リーダー「くっ……!」

開拓者「おい、貴族を回収した。退却するぞ」

蝙蝠人「坑道の中に一人逃げたよ」

開拓者「放っておけ。おい、お前。」

リーダー「……!」

開拓者「どういうつもりか知らんが、二度とこんな真似はするんじゃないぞ」
260 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:12:08.63 ID:iv/1e854o
貴族「化け物だぁあああ!!」

重装戦士「なんと無礼な!」

心理学者「ついに言ってしまったな」

開拓者「獣人二匹は例外だが、他は言葉の通じるれっきとした人間だ」

家政婦「そうです。エルフさんとアラクネさんを中心に、彼らも別邸の改築に協力してくれました」

開拓者「そういえばいつの間にか完成していたな」

貴族「そ、そうなのか……。すまなかった。今の発言は取り消させてくれないか?」

有翼人「いいよー。みんなもいいよね?」

エルフゲリラ「初めて会って混乱したんだろう? 今回は水に流すよ」

蝙蝠人「わたしは同じ有翼人からも言われたことあるから……」

サキュバス「別にどうってことないわ」

アラクネ「……!」がーん

心理学者「彼女とは後で私が話しておく」

開拓者「頼んだ」

レトリバー「ワン! ワン!」

ワー ギャー

開拓者「外が騒がしいな……あいつらは!」

悪党A「さっきと同じようにはいかねぇぞ化け物ども!」

悪党B「本気で相手してやる。出てこいやぁ!」

リーダー「この屋敷は包囲した! 降参して貴族を引き渡せ!」
261 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:16:39.10 ID:iv/1e854o
狼獣人「ガウウ……」

重装戦士「一階に侵入されてしまった。この私がいたというのに……!」

家政婦「窓を破って入ってきましたから、仕方ありません」

開拓者「空を飛んで近くの町に助けを呼びに行けないか?」

有翼人「無理かも。外に銃を持った悪党が何人か残ってる」

開拓者「鳥撃ち用のショットガンだな。あれは避けられん」

貴族「頼む! 一階で持ちこたえてくれよ……!」

開拓者「俺もゴーレムに乗って支援に向かおう」

心理学者「いや、行かない方がいい」

開拓者「なぜだ? 重装戦士もなぜ残っている」

心理学者「一階は罠だらけだ。邪魔になる」

開拓者「なるほどな」


妖怪狸「キゥゥ……」

悪党C「捕まえたぞクソだぬき! もう幻は見せられねぇな!」

悪党D「気をつけろ、ドアを開けるたびに死角から刃物が飛んでくる」

悪党E「ぐあっ! 網踏んじまった!」

悪党D「じっとしてろ、糸を切る」

アラクネ「行きます! 回転連続蹴り!」クルルルル

悪党D「ぎゃあああ!!」

アラクネ「おいで、狸ちゃん」

エルフゲリラ「やっと三人片付いたが……まずいね。敵は三人一組で別行動している。外から梯子で上の階に行く敵もいた」

アラクネ「ええっ、それじゃ上のみんなが危ない……!」

エルフゲリラ「獣人たちが頑張ってくれるといいが……」
262 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:17:21.37 ID:iv/1e854o
二階。

レトリバー「ワン! ワン!」

ジャッカル獣人「グルルッ!(狼獣人と引き離された!)」

悪党F「3対1だ! 人間の底力見せてやんよ!」

悪党G「リーダーたちは先に上へ行ってくれ!」


三階。

心理学者「もうそこの階段まで来ている!」

開拓者「なぜだ? なぜここまで苦戦している」

家政婦「敵は……隙のない攻めをしています。打ち破れる可能性があるのは獣人たちとエルフゲリラさんとアラクネさんだけ……」

開拓者「奴らの対応力はLv.7で、俺たちの速攻はLv.6で防衛力無し……」

開拓者「なるほど、普通に戦ったら負けるわけだ」

貴族「な、なに!? では我輩はまた奴らの手に落ちるしかないというのか!?」

開拓者「ここから逆転する手は無いのか?」

家政婦「優秀な軍師がいれば、あるいは……」

心理学者「すでに私の策は崩されている……」

開拓者「急襲だったから仕方ないな」
263 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:19:18.86 ID:iv/1e854o
開拓者「残念だ。もっと強力な戦力を用意しておけば……」

家政婦「……ちょっと、外しますね」

ガチャッ パタン

開拓者「何をする気だ?」

ワー ドッ ゴッ ギャー

開拓者「……」

貴族「……」

ガチャッ

開拓者(悪党たちが廊下に倒れており、家政婦は男の襟をつかみ引きずっている)

開拓者(その男は、武装集団のリーダーだ)

リーダー「ち、畜生……バカな……」

家政婦「お掃除、終わりました」

貴族「……す、素晴らしい!」

開拓者「……。貴族の警備、家政婦一人で良かっただろ」

家政婦「いえ、そんなことはありません……。だいぶ人数が減ってたから、なんとかなったんです」

家政婦「パンチが運よく顎に入ったんです!」
264 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:22:06.36 ID:iv/1e854o
開拓者「で、お前たちの目的だが」

リーダー「そんなもんねぇよ」

開拓者「は?」

リーダー「俺たちの仮のアジトにその貴族が迷い込んできたんだよ」

リーダー「で、胸倉つかんで突き飛ばしたらよ……そいつはあの大資産家の息子だって言うじゃねぇか」

リーダー「そんな大物を怒らせたら王国軍が出てきて俺たちは殺される……」

リーダー「だからずっと隠していたし、お前らから奪い返して口封じをしようと思ったんだよ」

開拓者「そんな嘘でごまかせると思ったのか?」

リーダー「ほら。そういう反応になるだろ。だから帰したくなかったんだよ」

心理学者「今の話は本当か?」

貴族「ま、迷い込んだだと? わがいはいがそんなミし、ミスをするはずが」

心理学者「目が泳ぎ、手も震え、顔も引きつり、全身で動揺を表現している」

開拓者「では本当にこの悪党の言うことが正しかったのか」

リーダー「第一、俺たちが悪党っていうのもてめぇらの決めつけだろ」

リーダー「俺たちは、王国の町に住むことを許されていないんだ」

開拓者「そうか、お前たちは辺境民か」


有翼人「えー、帰しちゃったの!?」

開拓者「ああ。同情してしまってな……」

開拓者「仕事が一段落したらあいつらに開拓を教えに行くつもりだ。略奪をしなくても生きていけるように」

貴族「我輩が良いと言ったから良いのだ!」

家政婦「少し臆病だけれど寛大な人でもあるんですね」
265 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:28:06.55 ID:iv/1e854o
夜。

開拓者と貴族、家政婦、そして警備チームの面々は一つの長テーブルを囲んでディナーを楽しんだ。

開拓者「ふう、これでこの仕事も終わりか」

開拓者「一時はどうなるかと思ったが」

アラクネ「……で、で、で」フラフラ

蝙蝠人「どうしたの?」

アラクネ「で、出たの……」

エルフゲリラ「侵入者か?」

アラクネ「ひぃ! き、来たぁ!!」

開拓者(急いでドアを振り返ると、そこには青白い肌の男が!)

幽霊「デ、テ、イ、ケ……」

有翼人「キャアアア! お化けぇえええ!」

蝙蝠人「えっ、何? 何かいるの? 探知できない!」

アラクネ「と、飛んで逃げるなら私も連れてってー!!」

サキュバス「間違いない、私が見たのはこの人よ!」

幽霊「ミ、チ、ヅ、レ」

貴族「ぎぃやぁあああ! 我輩はまだ死にたくないぃいいい!」ダダダッ

エルフゲリラ「ま、待つんだ! 外はもう暗くて足元が悪い!」

レトリバー「ワンッ! ワンッ!」

心理学者「置いていかないでくれ!」

幽霊「コ、コ……ワ、ガ、ヤ、シ、キ……」

幽霊「デテイケェー!!」
266 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:31:24.91 ID:iv/1e854o
アラクネ「怖いので仕事は辞めます……」

有翼人「ウチもお化け屋敷はいや!」

貴族「我輩もこんな邸宅には住めん! 引っ越すぞ!」

心理学者「チームが散り散りになってしまった……」


開拓者(こうして、犬と妖怪狸と魔物を残して、みんないなくなってしまった)

開拓者「事実上のチーム解散だな」

家政婦「警護する人もいなくなりましたからね……」

開拓者「お前は主人を追いかけなくていいのか?」

家政婦「えっ。彼は別に主人ではないです」

開拓者「何? 貴族が市長に依頼してお前が派遣されたんじゃなかったか?」

家政婦「はい。あたしの所属は湖畔の楽園なので、ここに住まないならもう他人ですよ」

開拓者「ドライだな……」

家政婦「あとできっちり給料をいただかないと」

開拓者「俺も報酬をもらっていなかったな……」

家政婦「まずは市長に報告しに行きましょう」

狼獣人「ガウッ」

ジャッカル獣人「ゴウッ」

アイアンゴーレム「キィィィン」

開拓者「こいつらはどうしようか……」



おわり
267 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:39:53.58 ID:iv/1e854o
警備チーム編について。

今回のシステムは計画者が王国軍の要塞を作る話の実験です。
一回試しておいて本当によかったと思います。ミスだらけ。

最初に犬が選ばれたのでスカウト安価に種族も指定できると書き足したらすごいことに。
回収していない謎については後ほど。
268 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:43:33.43 ID:iv/1e854o
〜 依頼D 〜

開拓者「安価で恋人を作る」
269 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:48:00.35 ID:iv/1e854o
市長「給料は私が責任をもって請求しておきます」

開拓者「よろしく頼んだ」

家政婦「では、家に帰りましょうか?」

開拓者「ああ。急いで戻ろう」

市長「まさか、あのお化け屋敷に戻られるんですか?」

開拓者「いや、他の町に家があるんだ」

家政婦「あたしたち、一つ屋根の下に住んでいるんです」

市長「な、なんですと?」



2週間前に戻る。

フォトジェニックな町と不思議な料理の依頼を終わらせた直後、開拓者は友人に会っていた。

開拓者「奇遇だな。まさか城塞の都でお前に会うとは」

船員「ラッキーだったぜ。ちょうど開拓者さんに耳よりな話を持ってるところだったんだよ」

開拓者(こいつは船員。釣り仲間で、とある魔性の女にひっかけられた被害者仲間でもある)

開拓者(花畑島の開拓……王国の開拓者としての最後の仕事で、親しくなった労働者の一人だ)
270 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:49:30.82 ID:iv/1e854o
船員「開拓者さん、次の開拓で妻を見つけるって言ってたよな」

開拓者「ああ。それは叶わぬ夢になったがな」

開拓者「王に解雇された今の俺はフリーター同然だ。結婚はさらに遠のいた」

船員「そんな友人に朗報だ。いい仕事の話があるんだ」

開拓者「仕事か……。あいにく多忙なんだ」

船員「ま、聞くだけ聞いてくれよ」

船員「花畑島の近くに、新しく無人島になった島があるんだよ」

船員「まだ使える建物もあるし、若者たちでその島を再開拓しようって企画があって、参加者を募集していたんだ」

船員「住み込みの開拓を通じて人脈の輪を広げる……と銘打ってるけど、実際のところ、男女の出会いの場だ」

船員「開拓しながら女の子と交流もできる。まさに、開拓者さんにぴったりの仕事だろ?」

開拓者「若者が集まるのなら、俺は浮くんじゃないか?」

船員「30代の女性も来るからそんなことないと思うぞ」

開拓者「ふむ……それなら」

船員「あっ、でも開拓者さん多忙って言ってたよな。じゃあ住み込みは無理か」

開拓者「大丈夫だ! 他の仕事の時だけは島を離れるが、それで良ければ参加しよう!」

開拓者(この機会を逃すわけにはいかない!!)

開拓者(下心があるのは当然だが、これが唯一まともな開拓の仕事だからな!!)

船員「よっしゃ! それは心強いな。開拓者さんがいれば俺たちも大助かりだ」

開拓者(む? もしや担がれたか? 面倒な作業をすべて押し付けて若者だけでいちゃつくつもりじゃなかろうな?)

開拓者(……いや、そんなことは無いはずだ。友人を信じよう)
271 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:52:46.16 ID:iv/1e854o
1週目

称号:家屋と家畜が残された無人島
ランク:集落

●開拓地
・無人島……最近まで人が住んでいたのでまだ使える建物が残っている。
・家(古びている)……人が寝泊まりできる唯一の家。増築できそうだ。
・牧場(使用不可)……家畜は逃げ出してしまった。
・畑(荒廃)……大量の雑草と岩が散乱している。

●ステータス
第一次産業Lv.0
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


船員「ついたぞ、開拓者さん」

開拓者「花畑島からも見えていた小さな島……ここが今回の開拓地か」

船員「花畑島の開拓前からこの島には集落があったんだ」

船員「一か月前までここには老夫婦が住んでた。その二人が最後の住人だ」

開拓者「老夫婦はどうなったんだ?」

船員「心配しなくても生きてるよ。今は花畑島のホームにいるぜ」

開拓者「それなら安心だ」


船員「集まったのは俺と開拓者さんも併せて6人」

船員「その6人でのんびりと、畑をたがやしたり、牧場を大きくしたり、家を改築したり、舟屋を建てたり……」

船員「そして最終的に村を完成させて王国の地図に載せるのが目標だ」

開拓者「それだけでいいのか?」ガシッ

船員「クワと工具セットを持つにはまだ早いぞ。みんなが来るまで待ってまず顔合わせを」

開拓者「ええい、止めるな! 慣れないことばかりさせられてうっぷんが溜まっていたんだ!」

開拓者「さあ、開拓だ!!」

開拓者「行くぞ、うおおおおおおおおお!!!!」ドドドドドド


開拓作業をします(修繕するもの、作る家具、植えるもの)

自動↓1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、、、、、,,,,,,,,__________________
272 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:53:38.57 ID:iv/1e854o
村が完成!

称号:開拓者が一日でやってくれました
ランク:村

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・小道……歩きやすく整えられた道がある。
・家V……全員でテーブルを囲めるリビング、キッチン、そして全員の個室がある。二階にはテラスと来客用のベッドルーム。
・牧場……家畜たちは帰ってきた。
・畑……雑草と岩は完全に取り除かれ、一面がしっかりと耕されている。
・舟屋……ここから船員が各地に船を出せる。

●ステータス
第一次産業Lv.2
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


開拓者「よし、一旦ここらで止めておくか」

船員「人間重機かよ」

開拓者「俺は開拓者だぞ」

開拓者「開拓を得意とする俺は、村くらいなら一人で作ることができる」

船員「開拓終わらせてどうすんだよ」

開拓者「心配するな。町を作るには労働者たち……色々な職業の力が必要だ」

開拓者「6人で力を合わせて、立派な町を作っていこうじゃないか」

船員「だからもう目標の村は作り終わってるんだよ」

開拓者「なんだと? 開拓はこれからが本番だろう」

船員「結婚相手を探しに来たってことを忘れたのか?」

開拓者「忘れてはいないが……そうか、開拓はメインではないのか……」
273 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 21:14:42.20 ID:iv/1e854o
開拓者「船員が残りの4人を迎えに行ってそろそろ2時間経つが……」

開拓者「おっと、船が見えた。到着だな」


※とりあえず安価で1名だけ作ってみます

安価↓1 年齢

安価↓2 職業

安価↓3 性格か趣味
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:18:02.20 ID:rGAzjptO0
26
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:19:59.00 ID:mh4d1PHDO
画家
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:20:03.11 ID:gHy9NO5w0
気弱で引っ込み思案
277 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/07/21(火) 22:55:03.88 ID:uvupkADyo
明日再開を予定しています。
278 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:55:38.87 ID:MwXcScgHo
船員「ただいま。みんな、彼が開拓者さんだ」

男性「初めまして。よろしくお願いします」ペコリ

女性A「本物を見るのははじめてかも」

女性B「ん。やっぱり」

開拓者「船旅ご苦労だった。とりあえず荷物をおろして座らないか?」

開拓者「飲み物を持ってくる。皆、飲みたいものはあるか?」

女性C「あっ。あたしが持って参りますので、開拓者さんは座っていてください」

開拓者「いいのか?」


船員「じゃあ、改めて軽く自己紹介だな」

船員「俺は船乗りのセイン。この島の近くにある癒しの花園に住んでる。趣味は釣りだ。よろしくな!」

開拓者(そのまんまじゃないか)

女性A「うん、よろしくね」


【NAME:セイン JOB:船員 AGE:29 HOMETOWN:癒しの花園 HOBBY:釣り】


開拓者(名前を名乗る流れなのか? 開拓では肩書きで呼ぶのが当たり前だが、やはりノリが違うな)

大学生「俺は学問の都に住んでる大学生です。大学の友達からはダイちゃんって呼ばれてるんで、できればみんなもそう呼んでくれると嬉しいです」

女性C「ダイさん、ですね。よろしくお願いします」

大学生「ははは、硬いですよ」


【NAME:ダイ JOB:大学生・モデル AGE:22 HOMETOWN:学問の都 HOBBY:旅行】


女性A「あっ。名乗りづらかったらあだ名でもいいんだね……」

大学生「そうですね。俺はモデルの仕事もしてますから、あだ名ですいません」

女性B「全然いいよ〜」
279 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:56:33.27 ID:MwXcScgHo
女性A「……」

大学生「右回りだから次、あなたですよ」

女性A「そ、そっか。えっと……」

画家「私は、エソラってペンネームで画家として活動してます」


【NAME:エソラ JOB:画家 AGE:26 HOMETOWN:緑の町 HOBBY:カフェめぐり】


画家「出身は緑の町です。緑色以外にもいろんな風景を描きたいな、と思っています……」

開拓者(緑の町はカントリーでボタニカルな農業の町だ。この町は建物まで緑色に塗っている)

女性C「風景画がご専門なのですか?」

画家「そ、それだけじゃないです。人物でも、食べ物でも何でも描きますよ」

画家「あ、でも、開拓に来たからにはちゃんと働きます……! よろしくお願いします!」

船員「おう。女の子たちはあんまり無理しなくていいからな」


女性C「次はあたしですね」

家政婦「あたしはフリーの家政婦です。今は湖畔の楽園と呼ばれる町で働いています」


【NAME:家政婦 JOB:メイド(付き人派遣サービス) AGE:25 HOMETOWN:湖畔の楽園 HOBBY:掃除】


家政婦「呼び方は家政婦で構いません」

開拓者(貴族の屋敷を作る仕事の依頼人だ。こいつも参加していたのか……)

大学生「ニックネームとか、趣味とかないですか?」

家政婦「ニックネームをつけられたこと……ないですね。趣味は……掃除です」

画家「お掃除を楽しめるのって、うらやましいです」

開拓者(この家政婦は謎が多い)

開拓者(若い女性でありながら妙に防衛に詳しい上に、)

開拓者(どこからか、下半身が蜘蛛の人間や、背中に翼が生えた人間を連れてくる……)
280 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:58:13.49 ID:MwXcScgHo
開拓者「俺のことはみんな知っているんじゃないのか?」

家政婦「はい。最近まで知りませんでしたが……」

船員「王国の有名人だよな」

画家「ごめんなさい。私は世間のことに疎くて……」

開拓者「では名乗っておこう。俺は開拓者だ。呼ばれ慣れているから開拓者と呼んでくれ」


【NAME:開拓者 JOB:開拓業 AGE:36 HOMETOWN:住所不定 HOBBY:大人の遊び】


開拓者「最近までは王国の専属だったが、現在はフリーの開拓者としていくつかの仕事を並行して進めている」

家政婦「この綺麗な家も開拓者さんが作ってくれたんですよね?」

開拓者「ああ。少し気合が入ってしまってな。外の畑も耕してしまった」

大学生「仕事のできる男ですね。憧れます」

開拓者「趣味は畑仕事と日曜大工だ(嘘)」

画家「筋金入りの開拓者なんですね」


開拓者(さて、あと一人だが、この女性も見覚えがあるんだよな……)

女性B「最後はわたしだね〜」

大学生「あの、あなたは『生産者』さんですよね?」


【NAME:生産者 JOB:農林業、畜産業、漁業の教育および支援 AGE:30 HOMETOWN:北風の村 HOBBY:たき火】


生産者「わたしは生産者じゃないんだけど、そう言う人もいるよ」

大学生「やっぱり。来るときから気になってたんですよ!」

開拓者「有名なのか?」

船員「王国各地の村で、生産者を教育したり、植えるものを助言したりしてる人だっけか?」

大学生「はい。旅先でよく噂を聞いてます」
281 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:03:30.66 ID:MwXcScgHo
開拓者「ほう、まだ若いのに優秀な女性だな。よろしく頼む」

生産者「む〜。わたしのこと知らんぷりして〜」

開拓者(生産者は子供っぽく頬を膨らませた)

開拓者「あ、お前まさか!」

生産者「やっと気づいたの? お兄ちゃんのバカ」

開拓者「20年ぶりじゃないか! 元気だったか!?」

画家「えっ、い、妹さん……?」

船員「聞いてないぞ!?」

開拓者「ああ、正確には妹ではないんだ。血のつながりも戸籍上のつながりも全く無い」

開拓者「ただ幼少期から16の頃まで寝食を共にしてきただけの赤の他人だ」

生産者「おさがりを着て毎晩隣で寝てた他人だね〜」

大学生「そんな他人いませんよ」

家政婦「家族の形は多様ですね」


船員「よし、これで全員の紹介は終わったな」

船員「みんなでこの村をもっと住みやすく、楽しい場所に変えていこうな」

画家「はいっ。プロの方の足を引っ張らないように頑張ります……!」

生産者「よし。じゃあ二階に行って自分の部屋を決めようか?」

大学生「家政婦さん、荷物持ちますよ」

家政婦「いえ、ダイさんの荷物をあたしが運びますよ」
282 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:16:05.54 ID:MwXcScgHo
1週目

称号:あつまれ牧場島 〜 男女6人開拓物語

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・癒しの花園……王国各地の傷ついた人々が集まる町。モダンでおしゃれな観光地としても知られる。

●住民
・船員……癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
・大学生……学問の都から来た品のいい青年。学業のかたわらモデルの仕事もしている。
・画家……緑の町から来た気弱な女性。
・生産者……20年ぶりに再会した開拓者の妹分。各地の村で第一次産業の振興をする仕事をしている。
・家政婦……湖畔の楽園から来た素朴なメイド。謎が多い。


こうして、男女6人の共同生活が始まった。

開拓者はこの島から、仕事のために亜熱帯の町や湖畔の楽園、そしてもう一か所の仕事場所へ通う。

この間、開拓者は開拓事務所を留守にしている。

依頼人が開拓者に会えないため、ついにしばらくの間、新規の依頼が入ってくることはなくなった。


開拓者「しかし、共同生活と言っても、何をすればいいんだ?」

開拓者「開拓は大体終わらせてしまったからな……」

コンコン

開拓者「ん? 入っていいぞ」

大学生「失礼します。ダイです」

開拓者「お前か」

開拓者(ふむ、カジュアルながらきちんとして見えるコーディネートだ。さすがはモデルだな)

開拓者(顔もいいし、いかにも女にモテそうだ。属性でいうとやはりクールだろう)

大学生「ご友人でも女の子でもなくてすいませんね」

開拓者「別に構わん、意外だっただけだ。何か用か?」

大学生「俺……実は、開拓者のファンなんです」

開拓者「ん?」

大学生「いや、実際にどういう人なのかは全然知らなかったんですけどね」

大学生「俺、旅行が好きで、いろんな町に行ったことがあるんですよ」

大学生「そしたら、開拓者という人が、短期間で魅力的な町をいくつも作って回っているということを知って……勝手に憧れていたんです」

開拓者「なるほどな。実際会ってみてどうだ?」

大学生「思ったより若くて話しやすそうでした。もっと髭がフサフサで寡黙なおじさんを想像してましたから」

開拓者「なんだそりゃ」
283 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:20:18.93 ID:MwXcScgHo
大学生「これから開拓のこと、いろいろ学ばせてもらいます。それじゃまた夕食で」

ガチャ バタン

開拓者「いけ好かない男だと思っていたが……なんだ、見どころのある奴じゃないか」

開拓者「そうか。俺も誰かと話に行けばいいのか。交流が目的だからな」


安価↓1 話す相手を選択(船員、画家、生産者、家政婦)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 23:20:44.50 ID:bsI2zALq0
画家
285 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:54:41.18 ID:MwXcScgHo
開拓者(一階のテラスで画家が早速絵を描いていた)

開拓者「見てもいいか?」

画家「あっ、開拓者さん……」

開拓者(画家は緑の町出身らしく、装いもカントリーだ)

開拓者(ちょっと目線を合わせるのが苦手なようだが、初日で緊張しているだけだろうか?)

開拓者(正直、外見は参加者の中で一番タイプだ……)

開拓者「海と畑を描いているのか」

画家「海、あんまり描く機会がないので……」

開拓者「まあ緑の町じゃあな」

開拓者「画家はどうして開拓に参加しようと思ったんだ?」

画家「……。似合いませんよね」

開拓者「別にそんなことは無いぞ」

画家「みなさん、すごい方ばかりですし……私は場違いです」

開拓者「すごい、か……。俺も、俺以外は開拓の素人が集まると思っていたな」

画家「そうです。ダイくんは高学歴ですし、セインさんも家政婦さんもプロの方で……」

開拓者「いや、少なくとも船員は大した奴じゃないぞ」

画家「そ、そうですか……」

開拓者「……町ではどうだか知らんが、少なくとも開拓地では職業に貴賎なしだ」

開拓者「画力も立派なスキルだ。もう少し自信を持っていい」

画家「はい……」

開拓者(わずかに画家との仲が深まったような気がする)

開拓者(画家は5人の中で最も俺との心の距離が遠い。仲良くなるには根気が要りそうだ)
286 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:06:56.65 ID:NPI5anM1o
船員「みんなで畑を改良しよう!」

開拓者「俺はしっかり耕したぞ」

船員「ダイくんの発案で、カカシを作ったり、畑に何か植えたりしようって話になったんだよ」

大学生「生産者さん、この畑で育てるなら何がいいと思いますか?」

生産者「暖かいけど乾燥してるからオリーブとブドウかな〜。開拓者はどう思う?」

開拓者「同感だな。花畑島での需要が多い作物だ」

開拓者(基本的に人前でお兄ちゃん呼びはしないらしい。安心した)

家政婦「農業は未経験なので、何をすればいいかわかりません……」

大学生「俺も同じくです」

画家「私も……」

開拓者「思うようにやってみればいいんじゃないか? 分からないことがあったら俺か生産者に相談してくれ」


開拓者(船員はオリーブとブドウの苗を真面目に運んでいる)

開拓者(家政婦は畑のわきで草刈りをしている。鎌の扱いが驚くほど上手い)

開拓者(生産者は丘の上にのぼりたいと言って、動きやすい服装に着替えに行った。なぜ今のぼるんだ)

開拓者(画家は大学生と一緒にクワを振っている。もう耕したんだが……)
287 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:08:21.53 ID:NPI5anM1o
開拓者(さて、畑仕事は俺の得意とする分野だ)

開拓者(頼れる男っぷりをアピールしよう)


1.船員と一緒に苗を運ぶ
2.家政婦と一緒に草を刈る
3.生産者を追いかける
4.画家・大学生と一緒にクワを振る

安価↓1選択
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 00:09:25.21 ID:BvLlxbHDO
4
289 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:11:54.98 ID:NPI5anM1o
大学生「よっ! よっ!」ザクッ ザクッ

画家「えいっ! えーい!」ザクッ ザクッ

開拓者「畑はもう十分耕したぞ」

大学生「はい。でもやっぱり開拓と言えばクワじゃないですか」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

画家「クワが振れないと開拓に参加する資格はありません……」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

大学生「でも俺たち、クワを振りたいんです」

開拓者「それなら仕方ないな。俺が振り方を教えよう」


30分ほど、開拓者たちは特に意味のない作業をした。

家政婦は草刈りに熱中して畑から離れたところまでひたすら草を刈り進んでいた。

そんな一同を生産者は上から見ていた。

船員「あれ? 俺しか働いてなくね?」
290 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:14:32.39 ID:NPI5anM1o
画家「難しい……」

開拓者「コツをつかんでも結局は筋力が無いとな」

大学生「エソラさん、クワを振る姿をスケッチしてみたらどうですか? 何か掴めるかもしれないです」

開拓者「俺がクワを振り下ろしてる写真ならちょうど持ってるぞ」

画家「写真……」ピクッ

開拓者「どうした?」

画家「描きます」ザザザッ

大学生「デッサンですね。おおー早い早い」

画家「できました!」

開拓者「写真よりも躍動感が増しているな」

画家「ありがとうございます」ニコリ

開拓者(嬉しそうだ。写真にライバル意識があるのか?)


大学生「ご指導ありがとうございました」

画家「そろそろセインさんの手伝いに行かなくちゃ」

開拓者(二人との仲が少し深まった気がする)
291 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:51:30.26 ID:NPI5anM1o
生産者「ただいま〜」

大学生「うわっ、生産者さん、服が土だらけじゃないですか」

生産者「心配させてごめんね。ちょっと遠くまで行ってきちゃった」

開拓者(冒険好きなところは30歳になっても変わっていないようだ)

開拓者(最初は気づかなかったが、喋り方のアクセントも、身にまとう雰囲気も何も変わっていない)

開拓者(生産者を見ているとノスタルジックな気分になる)

開拓者(写真家の言っていたのはこれか。画家はカントリーだしな)

大学生「洗わなくて大丈夫ですか?」

生産者「いいよ。こんなのいつもの事だから」

開拓者「生産者は今、各地で農業を教えているんだったな?」

生産者「うん。漁業も畜産も教えてるよ」

開拓者「漁業もか?」

生産者「あれから勉強したからね〜」

開拓者「成長したな……林に火を放っていた頃が懐かしい」

生産者「あーそういうこと言っちゃう? 開拓者はおっぱいを目で追いかける癖は治った?」

開拓者「この話はやめよう」

大学生「降参早いですね……」


開拓者「ところで何しに行ってたんだ?」

生産者「探索だよ。開拓地をよく知っておくのは基本、って団長さんから教わったの忘れちゃった?」

開拓者「忘れてはいない。町を作るのなら俺もそうしたさ」

生産者「あ〜」

生産者「開拓者、クビになっちゃったもんね」

開拓者「うぐっ」
292 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:53:43.35 ID:NPI5anM1o
開拓者「妹が丘にのぼっていたのも地形を把握するためか」

開拓者「俺も村の外を探索しておいた方がいいな」

丘を越え、村の反対側に降りた。

開拓者「おや、誰かいるぞ」


安価↓1選択 そこにいたのは(船員、大学生、画家、生産者、家政婦)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 01:57:47.16 ID:gSK5tin0o
船員
294 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:44:32.60 ID:NPI5anM1o
船員「よっ」

開拓者「お前も探索か?」

船員「いやぁ、釣りだ」

開拓者「こんな小さな池じゃ美味い魚は釣れないんじゃないか?」

船員「いいんだよ。釣れさえすれば」

開拓者「そういうものか」

船員「なあ、開拓者さん。どうだ? 誰狙いだ?」

開拓者「まだ数日だが……今のところ、気になっているのは画家だな」

船員「一番接点がない所に行ったなー」

開拓者「単純に好みの顔というのもあるが、放っておけなくてな」

開拓者「ただでさえ自信がないタイプなのに、他の二人の存在がさらに自信を奪っている」

船員「まあ、農作業や家事じゃあ敵わないよな……」

開拓者「お前も気にかけてやってくれ」

船員「わかった。でも、構いすぎも良くないと思うぜ」

開拓者「そうか?」

船員「男子がみんなでエソラちゃん一人に構ってたら、二人は気分良くないだろ」

開拓者「確かにそうだ」

船員「それに、あんまりガツガツいくとあの子は引きそうだと思う」

開拓者「ああ、あり得るな」

開拓者「しつこい男は大抵誰でも嫌うんじゃないか?」

船員「そうかもな」
295 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:48:49.95 ID:NPI5anM1o
開拓者がリビングで休憩していると、玄関から家政婦がたくさんの荷物を抱えて入ってきた。

家政婦「ただいま戻りました」

開拓者「おお。すごい荷物だな」

家政婦「シェアハウスを飾るための小物や家具を買ってきました」

家政婦「よいしょ、っと」ドサッ

開拓者(長袖シャツと長ズボンの上にエプロンをつけた彼女は、女性陣の中で最も特徴のない人物に見える)

開拓者(ナチュラルな飾らない魅力……というよりは飾り慣れてない雰囲気がするな)

開拓者(しかし家事をする際の動きはさすがに素早く丁寧で、洗練されている)

開拓者「屋敷の方のデザインもしないといけないのに大変だな」

家政婦「あちらはもうアラクネさんとエルフさんに任せています」

開拓者「職務放棄か?」

家政婦「いいじゃないですか。本当はあたしが警備チームの編成をするつもりだったんですから」

開拓者「そういえばそうだったな」

開拓者(謎の人脈……そして謎の警備への自信……)

開拓者「一つ確認なんだが……お前は普通の人間だよな?」

家政婦「普通ってなんですか?」

開拓者「ちょっと他人と違うパーツが付いているとか……袖をめくるとウロコがあったりしないか?」

家政婦「ありませんよ……」


開拓者「一人でその荷物を運んできたのか?」

開拓者「まさか水中で呼吸ができたりは」

家政婦「しません。ちゃんとセインさんに送ってもらいました」

家政婦「小物はエソラさんと二人で選んだんですよ。ついでにお茶もしてきました」

開拓者「ほう。お前が誘ったのか?」

家政婦「はい。こちらから歩み寄らないと、関係性が築けないと思ったので」

家政婦「最悪、居心地が悪くていなくなってしまうかもしれないですし……」

開拓者「ああ、お前も心配していたのか……」
296 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:54:31.93 ID:NPI5anM1o
開拓者(誰かをデートに誘うにはまだ早いが、何かの用事を兼ねて一緒に出かけることは可能か……)

開拓者(俺も家政婦のように、誰かを誘ってみるとしよう)

開拓者(行き先は……レストランでいいな)

開拓者(ん? どういうわけか、行く町によっては新たな出会いがありそうな予感がする)


1.花畑島
2.高原の環境都市
3.城塞の都

安価↓1 行き先選択


1.画家
2.生産者
3.家政婦

安価↓2 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:13.05 ID:g1dqsL/H0
2
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:21.62 ID:+N7ODkAAo
2
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:35.15 ID:BvLlxbHDO
1
300 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/24(金) 00:38:53.19 ID:JrLinrQyo
ミス、アルファベットにしていませんでした
安価の秒数を見ると、意図的に選んだわけではなさそうなので改めて選択



A.画家
B.生産者
C.家政婦

安価↓1 誘う相手選択
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