貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」

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281 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/11(月) 18:58:43.78 ID:a6U3NSEt0


貴方「今からでも誰か遊びに誘おう! ちょっとみんなに連絡してみるよ」

ほむら「余計な気は遣わないでいいから。そういうことされても……困るのよ」

ほむら「それに今日はまどかは巴さんとパトロールに行っているそうよ。志筑さんも用事があるようだし」


 じゃあ、残るはさやかか。あとは、この辺で鉢合わせる可能性くらいありそうなのは佐倉さんくらい。

 俺は二人とはそこそこ仲いいけど、たしかに暁美さんを含めるとあまり思い浮かぶことのない取り合わせだった。

 でも、そもそも……暁美さんはいつも鹿目さんのことを気にかけてはいるけれど、日常生活ではどれだけ関わっているんだろう?

 思えば両方一歩引いているようで、直接話しているところはあまり見てない。


貴方「そういえば、今日はパトロールにはついていかなかったの?」

ほむら「……巴さんと一緒なら心配はいらないでしょ」

貴方「まあそれもそうだね」

ほむら「そういうことだから。……じゃ」


 暁美さんは去っていく。その背はいつもどおり颯爽としているが、どこか小さく見える。

 人付き合いとか、意外と普通そうなことで悩むこともあるんだな。あの一見してクールで、優等生な暁美さんが。


貴方「あっ、そうだ。せっかくこの近くにあるんだから今度うちの神社にきてよ! 祈願くらいはしていけるから!」

ほむら「どんな誘い文句なのよ、それ」




五回目【貴方】 7日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・悩んでる?→
・佐倉杏子・・・友達
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
282 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/11(月) 19:23:11.15 ID:a6U3NSEt0
――――
8日目 教室



 朝の教室内はいつもと変わりない。

 ……さて、今朝はどうやって過ごそうかな。



1クラスメイトとコミュ(呼び出しなどの指定がなければ複数人)
2巴さんとテレパシーでコミュ
3キュゥべえ呼んで佐倉さんに連絡
4自由安価(上記以外でも校内の知り合いとは話せるよ)

 下1レス
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 20:08:30.83 ID:8IrLAzax0
1
284 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/11(月) 21:05:15.12 ID:a6U3NSEt0


さやか「あっ、聞いてよ【貴方】。昨日面白いことがあって――」


 鹿目さんたちのほうに行くと、自然と話が始まった。

 ……しばらくみんなで話してたが、ふと暁美さんがいなくなってることに気づいた。


貴方「あれ? そういえば暁美さんは?」

まどか「おトイレかな?」

さやか「ほっといてもいいでしょ。何も言わずに行ったんだし」

仁美「暁美さんって少し不思議なところがありますよね。私たちと一緒にいるようないないような……」


 みんなあまり気に留めてないみたいだ。

 しかしやっぱりさやかは暁美さんのことになるとどこか冷たい。



1暁美さんへの態度についてさやかに聞いてみる
2暁美さんの悩みについてみんなに話す
3自由安価

 下1レス
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 21:22:59.98 ID:8IrLAzax0
2
286 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/11(月) 22:15:52.18 ID:a6U3NSEt0

貴方「話していいかちょっと迷ったんだけど……暁美さん昨日言ってたんだ。こうして俺がいると自分の入る余地がなくなる、って」

貴方「みんなと打ち解けられないの気にしてたんじゃないかな。俺たちだけで盛り上がりすぎたのかも……」

さやか「それ八つ当たりじゃない? 自分以外のみんなが仲いいからって。わざわざ本人に直接言うこと?」

貴方「ま、まあそれもそうだけど……」

さやか「そんなの【貴方】のせいじゃないじゃん。気にしないでいいよ! 【貴方】はちょっと人が良すぎるよ!」

さやか「あんだけあからさまにあたしたちのことどうでもいいって顔してるくせに、仲間外れだって僻むとかおかしくない?」

さやか「まどかにだけこだわる理由もよくわかんないし……はっきり言って、ほむらって考えれば考えるほど気味悪いよ」


 さやかがついに不満を吐き出す。……これについてはすぐにはどうにもできなさそうだ。

 他の二人は同調も否定もしないけど、思うところはあるようだった。


仁美「なにかあったんですか? たしかに暁美さんの普段の態度もちょっと……アレですけど」

さやか「んまあ、仁美のいない時にちょっとね」


 もしかしなくてもこの前のパトロールの時のことが発端だろう。

 さやかは勘がいいから、そこから改めて色々と感じ取ってしまったのか。


まどか「本当にほむらちゃんがそんなこと言ってたの? ……あっ、べつに疑ってるわけじゃないんだけど」

貴方「……うん、言ってたよ」

まどか「ほむらちゃんはいつも堂々としててクールだから、そんなこと気にするような人だって思ってなくて」

仁美「そうですわね。私もでした」


 ……どうだろう。さやかは無理そうだけど、優しくて誰にも気にかける鹿目さんなら事情を話せばなんとかしてくれるかな。


 二人は俺と同じように暁美さんを憧れの対象として見ていた。だからあまり深く考えなかったんだ。

 なんだかんだ、暁美さんをただの身近な女子として一番に見ているのはさやかなのかもしれない。



 ――クラスメイトと雑談してから授業を受けた。



――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1繁華街に行ってみる(遭遇ランダム)
2自己鍛錬に行ってみる
3下校前に校内でコミュ(ほむら/他)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下1レス
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 22:30:48.94 ID:8IrLAzax0
3ほむら
288 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/11(月) 23:02:36.68 ID:a6U3NSEt0


 ……結局あれからも暁美さん、一人でいることが多かったな。

 暁美さんはこれでもクラスの人気者だから、誰かは話しかけていたけど。


貴方「暁美さん、もう帰るとこ?」

ほむら「ええ」


 帰りも一人みたいだ。


ほむら「何の用?」

貴方「ちょっと話したくて。帰り道でもいいけど。どうせ途中まで一緒でしょ?」

ほむら「……」



 暁美さんと並んで教室を出る。

 一緒に廊下を歩いてると、周りの人の視線がこっちのほうに向くのがわかる。

 ……もちろん見てるのは俺じゃなくて暁美さんだ。二人で居てなんて思われてるんだろ。あんまり浮かれてちゃいけないかな。



1買い物でもしてかない?
2祈願については考えてくれた?
3鹿目さんや志筑さんとはどうか
4自由安価

 下1レス
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/12(火) 00:09:57.94 ID:wzznhLCe0
290 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/24(日) 21:45:39.80 ID:aztgWke00


貴方「祈願については考えてくれた?」

ほむら「特に祈りたいことや叶えたい希望といったものはないけれど……少し見に行くだけでもいいならね」

貴方「ああ、別に祈りたいことがなきゃ来ちゃ駄目ってことはないんだけどさ」

貴方「ていうか、そうだなあ。祈願内容なんて定番どころだと安全や健康とかでいいんじゃない? それなら誰もが望むことでしょ?」

ほむら「他の人ならともかく、私には魔法の力があるもの。神頼みなんてしなくても自分の身くらい自分で守れる」

貴方「あー、そういう考えもあるか……」


 じゃあまだ時期が早いかもしれないけど学業のことでも、とか思ったけどそれも暁美さんは実力でできそうだ。

 暁美さんって自分の力でなんでもできそうだから、たしかに神頼みするようなイメージとはかけはなれてるかもしれない。

 暁美さんが自力でなんでもこなしちゃわないことってなんだろう?


貴方「あ、じゃあこれは? 恋愛成就とか」


 なぜそれを私に? とでも言いたげな顔で、一瞬暁美さんはきょとんとした顔をする。

 自分には縁の遠いものだと思ってたみたいだ。


ほむら「……好きな人はいないわ」

貴方「誤解しないでほしいんだけど、暁美さんがめちゃくちゃモテるのは勿論わかる。でも、興味がある人は今まで寄ってこなかったわけでしょ?」

貴方「暁美さんが認められるようないい出会いが訪れるように、とか……」

ほむら「たしかに、出会いというのは私の力じゃどうにもならないわね」


 一応納得してくれたみたい。

 とは言ってみたものの、これも出会いさえあれば暁美さんなら実力でなんとかできそうな気もしてきた。……やっぱり差し出がましかったかな。


貴方「でももし好きな人できたらすぐなんだろうなー。暁美さんに迫られてオチない男いないだろうし」

ほむら「そんなことない」


 しかし、暁美さんは否定した。これって単なる謙遜?

 暁美さんって自己評価が低いとこあるから本気で言ってるってこともありそうだ。



▼帰りに二人で祈願をしてきた! おまもりもサービスとして勧めてみたけど、恥ずかしいからどこかにつけたりはしない……だそうだ。



五回目【貴方】 8日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・悩んでる?↑
・佐倉杏子・・・友達
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
291 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/24(日) 21:54:59.19 ID:aztgWke00
――――
9日目 教室



 朝の教室内はいつもと変わりない。いや、正確に言えば昨日と……だけど。

 暁美さんとさやかたちの溝はますます深まってる気がする。

 ……さて、今朝はどうやって過ごそうかな。



1【親友】のクラスメイトとコミュ(呼び出しなどの指定がなければ複数人)
2その他のクラスメイトとコミュ(キャラ名指定)
3巴さんとテレパシーでコミュ
4佐倉さんに連絡 ※杏子との予定を入れられるのは朝のみです
 a遊びに誘う
 bパトロールに誘う
 cほか(安価内容)
5キュゥべえと駄弁る
6自由安価(上記以外でも校内の知り合いとは話せるよ)

 下1レス
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 22:13:10.02 ID:wrt9qT0Lo
4
293 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/24(日) 22:49:18.15 ID:aztgWke00
4選択の場合はa〜cも併記してください

 下1レス
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 22:54:45.94 ID:Jv5p3JrT0
a
295 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/24(日) 23:54:43.01 ID:aztgWke00


 まあ、昨日話してみたから鹿目さんとかは時折気にするような気配は見せているし、

 女子同士のことは少しあっちに任せてみてもいいか。


 キュゥべえを呼びよせて佐倉さんとの放課後の約束の伝言を頼んでみる。


貴方「……そういえば、今はもう新人を見つけにいかなくていいくらいに足りてるって言ってたよな」

QB「うん、言ったよ。それがどうかしたのかい? ……まさか増やしてほしいとか?」

貴方「いや」


 この前佐倉さんと話したことを思い出していた。

 今キュゥべえが言ったのとは逆。佐倉さんは新人なんか増えないほうがいいって言ってたんだ。

 それに今のチームはバランスがいいほうだと思う。俺が一番の新参だから、一人くらい後輩がいてもいいって気はしないでもないけど。


QB「というか、まったく素質のある候補を見かけないんだよね。望むのなら学校の外に足を延ばせないことはないけど……」

貴方「どうせ昼寝の時間が減るからイヤとかだろ?」

QB「そんなことないよ! 僕にはサポートという大きな役目があるから、あまり分散するわけにはいかないんだよ」


 あまりあちこち行くのは気乗りしなさそうだった。

 サポートサポートと言うが、なにか制約でもあるのだろうか。


QB「杏子を探すのだって結構手間なんだ。彼女がいそうな場所から当たっているけれど、なかなか見つからないときだってあるんだよ」

貴方「そうなのか。まあこうして頼むのも伝言な以上、確実とは思ってないけど……」


 キュゥべえのことはさておき……。


 彼女には固定された連絡先というものがない。

 遊びの約束くらいならまだしも、なにかどうしても伝えたいことがあった時、確実な連絡手段がないのは少し不安だ……と思った。


――――
――――
296 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/25(月) 00:53:55.39 ID:9Y90MDwH0
放課後



 待ち合わせの場所はこの前指定したのと同じだ。

 放課後になってから行ってみると今日はすんなりと会えた。


杏子「よう、今日はどこいく?」

杏子「身体動かしたい気分なんだよね。あんたボーリングとかできない?」

貴方「それにしようか。あんまりやったことないから張り合いはないと思うけど、身体動かしたい気分ってのは同感かな」


 基本的には佐倉さんが主導していて、それに付き合う感じだ。

 そういうのも上手そうだなって思ってたけど、実際にやってみたらその予想はやっぱり的中した。


貴方「さすがにうまいね……。ボーリングも極めてるの?」

杏子「遊べるものは大体遊びつくしてるんだよ。この辺は庭みたいなものっつったろ?」

杏子「あとは契約してからの身体能力だな。これがなかったらちっとキツいんじゃない?」

貴方「まあそうかも……」


 俺も力はあるほうだから、ボールの重さとかは全然感じない。

 初心者なのにそこそこやれてるのはそのおかげもあるかもしれない。

 魔法の力で上がった身体能力があることで、一般人以上の恩恵を受けたり退屈になったりというのは、ほとんどの契約者は感じてると思う。


 にしたって、通いつめてる佐倉さんの腕にはまだ追いつけなさそう。今から通いつめるにも……あまり毎日だと、こう、お財布が。


杏子「あー、運動もできたし腹減った! なんか食うか」


 ……いつものことだけど、さっきから色々とお菓子を食べてたような。

297 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/25(月) 01:18:17.58 ID:9Y90MDwH0

 ボーリング場から出てデパートの中を歩きだす。


 ――すると、佐倉さんのほうに小さい子がぶつかってきた。なぜか半べそ状態だ。

 佐倉さんも小さい子相手に怒ったりはしないだろうけど少し心配になった。だが、その心配はいらなかったようだ。


杏子「おいおい、アンタなんで泣いてんのさ?」

*「ママとはぐれちゃった…… うえぇ〜ん!!」

杏子「あぁもう、泣くな泣くな。あ、そうだ、アメやるから!」


 パーカーのポケットからアメが出てきた。佐倉さんのポケットにはいつも何かのお菓子が入ってるのかな。

 少しの間、佐倉さんが小さい子を泣き止ませてる姿を眺めてた。なんだかその様子がさまになってて、微笑ましく見える。


杏子「って、あんたは何見てんだ。なんだその顔は」

貴方「いや……なんか慣れてそうだなって。保育士さんとか向いてそうだよね」

杏子「はあ? あたしみたいなのお断りだろ」


 まあ、言葉遣いとか素行とかほんのちょっと改善してくれたらと思うところはあるけど。


貴方「じゃあお母さんとかでも」

杏子「……もっとねーよ。くだらねー話より考えなきゃいけないことあるだろ?」

貴方「あ、そうだね、どうしようか? つれていける場所とかある?」

杏子「でけーデパートなんだから迷子センターとかあんじゃね? アナウンスかかってんのたまに聞くよ」

貴方「じゃあそこ行こうか。きみ、ついてこれる?」

杏子「たぶんママもそこ来てくれるからな。あーでも、知らない人についていくのはダメだから名乗っとくぞ! 佐倉杏子だ」

*「うん!」


 今までのことで佐倉さんの人柄は一応わかったし、こういうところがあるから普段悪いことをしていても嫌いにはなれない。

 むしろ、良いところはあるのにもったいないとやっぱり思うんだ。


 ……わかってもらうのはすぐには難しいのかもしれない。でも、これからもっと先の未来はどうだろう?

 さっきちょっとだけ未来のことを思い浮かべたついでにそんなことを考えてみた。

 何かが変わる可能性はいくらでもあるじゃないか。

298 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 19:26:53.87 ID:mda5Emf10


 ――その後、子供と母親は無事再会できた。

 迷子センターに向かう途中でちょうどばったり会えたのだから運がよかった。


貴方「これで一件落着かな?」

杏子「ああ、そうだな。今度こそ飯いくぞ。さっきより腹減ったし」


 食べ物屋の並ぶフロアで一軒の店に入っていく。

 価格帯高めの店も多いけど、佐倉さんが選ぶとこは敷居が高すぎなくていい。


貴方「改めて考えてみると、佐倉さんとも色々と話せるようになったよね。最初の頃、二人だと会話がなかったから」

杏子「何話したらいいかわかんなかったんだよ。つーか興味もなかったし」

貴方「はは、辛辣だね……」

杏子「今は何するにも一人か、マミやさやかやまどかが相手だろ。男と関わること自体ないし……まぁ、小さい頃ならよく外で遊んでたか」

杏子「で、結局、マミやさやかやまどかと変わんねーわって思った」


 変わらないっていうのはどうなんだろう。地味に異性として認識されていないような気がするのは残念だけど。

 でもそう思ってくれるのも多分、心を許し始めてくれたからなんだろうな。


 雑談の中で、佐倉さんはなんでもないことのように、ぼそっとこんなことを言った。


杏子「あたしって5年後とか生きてんのかね」


 ついさっき佐倉さんの未来のことを考えたばかりだったのに、佐倉さんは自分の未来についてまるで希望を持っていないらしい。


貴方「生きてるよ。当然!」

杏子「なにさ、急に熱くなってどうかした?」

貴方「佐倉さん強いんだからそんな簡単に死なないし、マミさんやさやかや鹿目さんや暁美さんや……それに俺だって守るし!」

杏子「……そっ、か。 まあ、簡単には死んでやるつもりもないけどさ」


 なんだか悲しく思えた。

 前に俺が大怪我負った時もそういえば、自分は死んでもいいみたいなことを言ってたっけ。

 そのことを思い出して、根本にあったのはこういう自分の未来に対しての投げやりさだったんだと気づいた。

 それでも、きっと。


貴方「5年後だって10年後だって実際に生きてさえいれば、投げやりな考えだって変わるよ」


 今は納得させられないかもしれないけど、そう言いきかせることしかできなかった。

299 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 19:49:58.82 ID:mda5Emf10


 ――――腹を満たすとデパートを出た。

 この繁華街は本当に色んな人が行き交う場所である。

 それに、自分の家からもそう離れていない。ゲーセンのような時間制限のある場所を除けば、割と遅くまで遊んでいても大丈夫だった。


 もう日も落ちたが大通りは明るい。その片隅に、見知った人影を見たような……気がした。



下1レスコンマ判定 *遭遇*
 奇数
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/30(土) 20:02:03.60 ID:BE1AG43m0
301 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 20:23:54.59 ID:mda5Emf10


貴方(……気のせいかな?)


杏子「そろそろマミのとこにでも行くかな。アンタもくるか?」

貴方「巴さんのとこか。急に二人で押しかけて大丈夫かな? 俺はまた今度にしようかな」

杏子「そうか。じゃあ、またな」

貴方「ああ、うん。またね」


 佐倉さんともこれまでたくさんの時間を共有し、色んなことを話すことができた。

 かなり仲を深められたと思う。ただの仲間という以上の強い絆を感じる。


 繁華街を途中まで一緒に歩き、今日は別れて帰った。

 佐倉さんは巴さんの家には頻繁に行ってるみたいだけど、ご一緒するのは次の機会にしよう。



五回目【貴方】 9日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・悩んでる?
・佐倉杏子・・・親友↑
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか

▼親友=攻略済みでは…ないのです。
302 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 20:45:51.01 ID:mda5Emf10
――――
10日目 教室



 朝、鞄を下ろして準備をしていると珍しくキュゥべえが机の上に飛び乗って話しかけてきた。

 邪魔だと思い追い払おうとしたが、緊急らしい用があるようだ。


QB「……最近ほむらの精神状態が思わしくないような気がするんだ」

貴方『暁美さん?』


 そういえば、今日は完全に一人で席にいるようだ。

 相変わらず何事もなさそうな表情はしているけれど……。


QB「それでね、ほむらと話してみたんだよ」

貴方『何か面白い雑談でもできたの? キュゥべえのカウンセリングとか想像もつかないんだけど……』

QB「いや、出来ることは考えてみたんだよ。その結果、もしかして生理なんじゃないかなって思い至ったんだ」

貴方「……」


 ……思ったよりサイテーな話だった。


QB「君たちの年頃だとまだ慣れてなくて大変だろう?だからいい対処法でも教えてあげようかと思うんだけどね、どうしたらいいかな」

貴方『頼むからもう暁美さんに余計なこと言うなよ……つーかそれを俺に聞かれても知らねーよ……』


 精神のケアもサポートのうちに含まれるのだろうか。気にかけてはくれているようだけどキュゥべえは致命的に空振っていた。

 この獣は根本的に人間の感情というものを理解していないのだ。一言で言えば、致命的に空気が読めない。


 まあ、キュゥべえから聞いたこと自体は気に留めておいてもいいかもしれない。

 ……さて、今朝はどうやって過ごそうか?



1【親友】のクラスメイトとコミュ(呼び出しなどの指定がなければ複数人)
2その他のクラスメイトとコミュ(キャラ名指定)
3巴さんとテレパシーでコミュ
4佐倉さんに連絡 ※杏子との予定を入れられるのは朝のみです
 a遊びに誘う
 bパトロールに誘う
 cほか(安価内容)
5キュゥべえと駄弁る
6自由安価(上記以外でも校内の知り合いとは話せるよ)

 下1レス
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/30(土) 20:59:53.80 ID:BE1AG43m0
2ほむら
304 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 21:15:56.77 ID:mda5Emf10


貴方「暁美さん、今朝は一人?」

ほむら「……一人でいたらいけないのかしら」


 机に頬杖をつく暁美さんの横顔は変わらず澄ました無表情だが、よく見たら浮かない表情に見えないこともない。

 冷たく突き放すようなことを言うが、どこか拗ねたような言葉にも聞こえた。


貴方「いけないってことはないけど、いつもは鹿目さんたちと一緒にいるから」

ほむら「……」


 黙り込んでしまった。……この話題はよくないか?


1話題を変えてみる
2追求し仲を取り持とうとする

 下1レス
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/30(土) 21:20:48.30 ID:GTN35Gjn0
306 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 21:51:16.16 ID:mda5Emf10


貴方「俺からもみんなに言ってみるよ。さやかだって、キツいこと言うこともあるかもしれないけどいい奴なんだよ。俺が話をすればなんとかなるって!」

ほむら「いい、あなたが口を出さないで。もうこのことは放っておいて頂戴」

貴方「いやでも……ほら、俺たちは貴重な仲間なんだしさ、ギクシャクしたままじゃよくないよ」

ほむら「仲間だということはわかってるわ。チームとして動くのに支障がないようにはする。そのくらいは美樹さんだってわかってるでしょう」

ほむら「……もっとも、私もあの子たちもお互いに助けが必要になることなんてないんじゃないのかしら」


 たしかに、これまでパトロールでは二、三人で魔女を倒してきた。暁美さんや巴さん、佐倉さんなら大抵の場合は一人でも苦労しないんだろう。

 全員で魔女と戦ったこともあるが、あえてチーム全員で力を合わせなきゃ勝てないほどの敵というのは今まで出会ったことがなかった。

 いや、そんなものいないほうがいいに決まってる。


 ……もしかして、暁美さんが自信をなくした原因はそれなのか。

 暁美さんはどうにも魔法少女としての力で誰かを――というか、鹿目さんを?――守ることに存在意義を感じているように思えていた。



▼嫉妬が強まったようだ…


――――
――――


*待ちに待った放課後です。
1繁華街に行ってみる(遭遇ランダム)
2自己鍛錬に行ってみる
3下校前に校内でコミュ(ほむら/他)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下1レス
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/30(土) 22:21:16.50 ID:2whgOzjq0
3ほむら
308 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/30(土) 23:03:47.31 ID:mda5Emf10
放課後



 帰り際に声をかけてみると、長い髪をなびかせて暁美さんがこちらを振り返り、藤色の瞳が射抜いてきた。

 ……その視線に一瞬敵意のようなものを感じたのは気のせいだろうか。 


ほむら「……もう帰るところなのだけど」

貴方「そう、じゃあ一緒に行く?」


 廊下を並んで歩く。

 教室内には雑談して残っている人もまだ多かった。


ほむら「朝のこと、誰にもなにも言ってないわよね」

貴方「ああ……言ってないよ。暁美さんに止められたから」


 どうなんだろう。とりあえずやめておいたけど、言ったほうがよかったのかな?


ほむら「ところで、昨日キュゥべえにおかしなことを言われたわ。ついに変なことに興味持ち始めたのかしら」

貴方「へ、へえ。ちなみに話って……」

ほむら「……。知らなくていいことよ」


 自分から話を振っておいてそんな。

 これだけだとふわっとしすぎてて何のことやらだけど、朝聞かされてしまったせいでなんとなく意味はわかる。



1買い物でも誘う
2カフェにでも誘う
3キュゥべえのこと
4自由安価

 下1レス
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/31(日) 05:38:53.53 ID:ylTH3maa0
2
310 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/31(日) 19:37:06.67 ID:MkVuyKqG0


 ……。それ以降会話がなくなってしまった。

 せっかく一緒にいるのにこのまま帰るのもなんとなく寂しい。


貴方「暁美さんってこのあと何か用事ある?」

ほむら「……別になにも」

貴方「それならちょっとカフェ寄ってかない?」


 通学路の途中の交差点に見えたカフェに誘ってみる。

 詳しいことは忘れたが、前にも入ったことのあるところだ。おすすめはなんだったけな。


 飲み物と軽食を頼むと、ふたたび沈黙がやってくる。


ほむら「……」


 暁美さんはそもそも、元々誰が相手でもあまりしゃべらなさそうだ。

 失礼かもしれないが、暁美さんが誰かと打ち解けて話す姿というのがあまり想像できない。


 でもまあ、やっぱり眺めているだけでも画になるというか……。

 静かな音楽だけが聞こえていて、落ち着いた雰囲気とは合っているかもしれない。

311 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/31(日) 20:08:28.14 ID:MkVuyKqG0

ほむら「……どうかしたの?」

貴方「えっ、いや別に!」


 見てるだけでも画になるとはいえ、むしろどうもしなさすぎるのはちょっと困ってたところだけど……。

 そんなことを思ってると、見透かしたように言われてしまった。


ほむら「私なんかと一緒にいたってつまらないでしょう?」

ほむら「私に言い寄ってくる人だって、きっと最初はよくたって私の内面まで知れば離れて行くだけよ」

貴方「い、いやそんなことは……」

ほむら「何にも興味が持てないし、面白い話が出来るわけでもない……でもそれをどうにかすることにすら興味がないの」


 暁美さんの言葉はひどく淡々としていた。

 彼女は、どうしてこんなにも無気力なんだろう?


貴方「……本当に何も興味ないの?」

ほむら「ええ」



 暁美さんと話すのは少し難しそうだ……けど。



1俺は暁美さんに興味があるから誘ったんだけどな
2無理にどうにかしなくてもいいよ
3何か原因があるのかもしれない
4自由安価

 下1レス
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/31(日) 20:13:24.98 ID:An+ntLiR0
1
313 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/31(日) 21:14:28.31 ID:MkVuyKqG0

貴方「俺は暁美さんに興味があるから誘ったんだけどな」

ほむら「私に?」


 暁美さんは珍しく驚いた顔をする。

 しかしその後、固い表情に戻ってしまう。


ほむら「……私なんかのどこに」

貴方「どこっていうか、そりゃ興味ない人と一緒に帰ったりお茶なんかしないでしょ。なんか、暁美さんは難しく考えて自信なくしてるのかもしれないけどさ」

貴方「まあ、悩んでるんだったら相談に乗るよ。ここまで言ったんだし、他の人に話しにくいこととかでも俺には話してみてよ」

ほむら「……」


 こちらを見つめる眼差しには、様々な感情が見えて――――


ほむら「……そういう人だから、あなたは好かれるのでしょうね」


 ……一瞬だけ、やっぱり敵意を感じた気がした。



 会話は少なかったが、彼女自身がなにを考えているか知ることができたのはよかった。

 暁美さんのこと、最初は完璧に見えて意外と欠点もあるから親しみが持てる人だって思ったことがあった。

 けど、そんなものじゃなかった。内面を見れば長所も短所もあるのはそうだが、むしろ短所も多くて――彼女はそっちばかりを気にしているみたいだ。



▼暁美さんとお茶を飲んでから帰った。



五回目【貴方】 10日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友達↑
・佐倉杏子・・・親友
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか


――――



 明日は休日だ……。どうやって過ごそうか?



1誘う ※キャラによっては断られることもあります
・キャラ選択(ほむら/杏子 攻略済【まどか/マミ/さやか/仁美】)※攻略済みキャラは単体での選択はNGとします
 a遊びに行く
 bパトロールに行く
 c訓練する
 d家に誘う
 e相手の家に行く
2出かける
 a繁華街
 b自己鍛錬
3自由安価

 下1レス
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/31(日) 21:15:55.61 ID:An+ntLiR0
1aほむら
315 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/31(日) 21:55:42.73 ID:MkVuyKqG0
――――
――――
二週目 週末
駅前



 遊びに行こう! と誘った時はもしかしたら断られるかもと思ったから、返事をもらえたときは嬉しかった。

 こういうの、鹿目さんたちと一緒にいたことはあったけど二人では初めてかな。


貴方「暁美さんはどこ行きたいとかある?」

ほむら「いえ、任せるけど……」

貴方「じゃあ適当に店でも見て回るか」


 考えてみればみんなで来た時は他の人が引っ張って行きがちだったから、二人だと個性が見えやすいんじゃないかと思った。

 しかし何にも興味が持てないというのは伊達じゃなかった……。暁美さんの好きそうなものがわからない。



1ウィンドウショッピング継続
2映画見に行く?
3何か食べたい
4ゲーセン誘ってみる
5自由安価

 下2レス
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/31(日) 22:15:24.29 ID:mCSPc5HrO
2
317 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/01/31(日) 22:58:27.77 ID:MkVuyKqG0


貴方「映画とか見にいかない? 歩き回るのも疲れるでしょ」

ほむら「そうね」


 デパート内にあるポスターを見て思いついた。

 これなら間とか気にせず楽しめるのだからいい提案なはずだ。


 ……なにか暁美さんの楽しめそうなものやってるかな。



1恋愛もの
2ホラー
3コメディ
4アクション
5魔法少女?
6自由安価

 下1レス
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/01(月) 00:01:20.26 ID:ySTKdeUP0
5
319 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/03(水) 06:51:06.56 ID:GwyF9hD80


 暁美さんの楽しめそうなもの……。少しでも興味ありそうなもの……。暁美さんといえば……?


貴方「何かドリンクでも買っていこうか」

ほむら「……それはいいのだけど」

貴方「う、うん。どうかした……?」

ほむら「これがあなたの好みなの……?」


 ええい、これだ! と二枚分買ってみたチケットの内容は、少女漫画特有に目が大きい丸っこい絵柄にカラフルな色彩飛び交うアニメ映画。

 暁美さんといえばで思い浮かんだのが、魔法少女ってことだけだった。

 …………やっぱりダメだったかなあ。


ほむら「まさかこういうのが好みだから魔法少年になったとか……」

貴方「そ、そんなわけないよ! とりあえず見てみたら意外と面白いかもしれないよ!」

ほむら「意外とって……」


 ドリンクを二つ分買ってシアターの席につく。休日ということもあって、周りは小さい女の子のいる家族連ればかり。


 ……映画の内容は、魔法の国からやってきたピンクのリスから『ハートジュエル』なる変身アイテムを授けられた女の子たちが、

 『悲しみの種』を撒き散らす悪の組織と戦って世界に平和をもたらすというものだった。 ……あれ?俺たちとも似たようなもん?


 まあ、王道とはこういうものなんだよな。鹿目さんや巴さんだったらこういうのもわりと好きそうかも。

 しかし、俺たちのやってることとそんなに変わらないはずなのに、どうして映画と違って現実はうまくいかないことがあるんだろうな。


 ……。途中で暁美さんを見てみるが、無表情であった。

 キャピキャピとした声とキラキラした映像に包まれたシアターの中、仏頂面で画面を眺める暁美さんはなかなかに場違いだ。


貴方(あっ……)


 瞼が閉じた……。

320 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/03(水) 06:58:03.84 ID:GwyF9hD80


貴方「どうだった?」

ほむら「まあまあ」

貴方「……寝てなかった?」

ほむら「寝ながらでもわかるくらいの簡単な話だったわ」


 まあ、そうだよな……子供向けだし。安心して見られたが、代わりにドキドキもほとんどなかった。

 なまじ自分たちが似たようなことをやってるだけあって、華やかなだけじゃないんだぞ……とも思うかもしれない。


貴方「……ショップも家族連れで賑わってるなぁ」

ほむら「グッズ展開は当然でしょう。儲けるチャンスよ」

貴方「…………」

ほむら「何? 欲しいの?」

貴方「いや、ソウルジェム売られてるの想像した……」



 映画で時間を潰してから、その辺でお昼を食べた。

 ……暁美さんは極めて現実的だった。まぁ、誰しもが憧れ持ってるわけじゃないよな。かくいう自分もそれほどではない。



― 二週目休日 終了 ―



[好感度] to貴方
【★★★】
美樹さやか,巴マミ,志筑仁美,鹿目まどか

【★★】
佐倉杏子,暁美ほむら▽▽


★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。


▽▽…嫉妬Lv2
※敵意が明確になってきた。劣等感や攻撃性が刺激されはじめて精神状態が悪化するかもしれない。


▼ほむらが【貴方】に抱く敵意は嫉妬だが、同時に惹かれ始めてもいる。このままフラグが進めば違う方向にも向くことがあるだろう。

▼同時に複数のキャラと同じくらいフラグが進行しているようだ。
321 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/05(金) 22:53:52.73 ID:e8qbcdbY0
――――
11日目 教室



 朝、鞄を机に置いて授業の準備をする。

 すると、今日もキュゥべえが飛び乗ってきた。


貴方『……今度はなんだよ?』

QB「雑談ってどうすればいいのかな? 僕も少し気づいたんだよ、昼寝をしてるよりはみんなと交流をはかったほうがいいんじゃないかってね」


 ……だからなんで俺のとこにくる。いくらあっちが魔法少女と関係のない志筑さんと朝から一緒にいるからって。

 ていうか、気づくのが遅すぎる。


貴方『そういうのは適当に考えてくれよ。ただ、もう変なことは言うなよな』

QB「変なことと言われてもわからないんだよ」

貴方『じゃあ黙っててくれ』

QB「……」


 さすがに言い過ぎただろうか。キュゥべえは言われた通り黙ってしまった。

 教室内の雰囲気は穏やかだが、いつも固まっている女子グループから一人減っているのは変わらずだ。



1【親友】のクラスメイトとコミュ(呼び出しなどの指定がなければ複数人)
2その他のクラスメイトとコミュ(キャラ名指定)
3巴さんとテレパシーでコミュ
4佐倉さんに連絡 ※杏子との予定を入れられるのは朝のみです
 a遊びに誘う
 bパトロールに誘う
 cほか(安価内容)
5キュゥべえと駄弁る
6自由安価(上記以外でも校内の知り合いとは話せるよ)

 下1レス
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/06(土) 00:42:50.85 ID:JsPfXMnS0
2 ほむら
323 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/06(土) 21:14:29.87 ID:DXwxoKNR0


 ……キュゥべえのことはまあ、いいや。どうせ黙れと言われたから黙ったってだけで何も考えてなさそうだし。

 一人で肘を突いて座っている暁美さんのところに挨拶しにいくと、こちらに気づく。


貴方「暁美さん、おはよう」

ほむら「……おはよう」

貴方「今日はよく晴れてて気持ちがいいね。こんな日なら外でやる体育もいつもより楽しめそう」

貴方「……手加減しなくちゃいけないのは退屈だけど。暁美さんもそう思わない?」

ほむら「そうね」


 出来るだけ共感してもらえそうな話題を考えつつ雑談をしてみる。

 返ってくる返事や態度は素っ気ないが、話せているだけでもいいはずだ。暁美さんだって一人でいるのが好きなわけじゃないんだから。

 そんな調子で、時間になるまでいろんなことを話してみた――。


ほむら「あなたって、そんなに喋る人だったのね」

貴方「あ、ごめんね、俺ばっかり話しちゃったかな。暁美さんからも話してよ」

ほむら「……別に。私はそういうのは得意じゃない」

貴方「話に得意や不得意なんて考えなくていいよ。話したいことを話せばそれでいいんじゃないかな」

ほむら「……」


 すると、暁美さんはちょっと考えるように間をあける。


ほむら「……思いついたら」


 やっぱり素っ気なかったけど、そう言ってくれた。

 そろそろ自分の席に戻る時間だ。暁美さんが今度何を話してくれるか、楽しみだな。


――――
324 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/06(土) 22:02:48.80 ID:DXwxoKNR0


 午前の授業が終わると、鹿目さんたちと四人で校舎の外に行く。

 昼食を含めた昼休憩の時間だ。

 いつもの昼食を食べている場所に向かっている途中、さやかがちょっと不満そうに口を開いた。


さやか「……ほむらとは何話してんの?」

貴方「え、何って?」

さやか「今日の朝とかもだけど、最近何か話してるじゃん。何か聞けたの?」

貴方「いや……そういう探るような話をしてたわけじゃ」

さやか「前に言われたってことまだ気にしてんの? 気にしなくていいって」


 さやかが本気で暁美さんのことを良く思ってないらしい。

 相談したから鹿目さんは気に掛けるだろうと思ってたけど、あれから五人で話しているところを見かけないのはさやかが止めているのかもしれない。 


 ……ギスギスした雰囲気は嫌だな。


杏子「よっ! ちょーど会えたならいいや、もしかしてメシの時間?」


 予想してなかったところで思わぬ声が聞こえて、いったんがらりと空気が変わる。

 まだ学校にいる時間に佐倉さんに会えるとは思ってなかった。ここにいるってことは、会いに来てくれたってことだろうか。


貴方「うん。昼は外で食べてるから」

まどか「杏子ちゃんはなんでここに?」

杏子「偶然このあたりに寄ったんだ」


 ただ、このやりとりにまず疑問を抱いてるのは志筑さんだ。


仁美「えっと……どなたですの?」

貴方「学校外でできた友達だよ」


 詳しく説明するのは大変だからそれだけ言っておいた。まだ気にしていることはありそうな様子だが。

 佐倉さん、何か話したいことがあったんじゃないかな? ――と思ったが、軽く挨拶だけした後テレパシーを残してった。


『ガッコー終わったらパトロール行かないか? 久しぶりに戦いも見てやるよ。早く終わったらまた遊ぼうぜ』

 ……とのことだ。

 放課後の予定か。どうしようかな?



1OK
2断る
3自由安価

 下1レス
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/06(土) 22:37:30.74 ID:oumiA3Ng0
1
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/07(日) 15:08:03.00 ID:YDwWZutD0
これさやかもそろそろヤバくない?
ほむらへの嫉妬が混じってきてそう
327 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/07(日) 21:47:16.45 ID:tMeqNuVU0


貴方『うん、いいよ。じゃあまた駅前で待ち合わせようか』


 おーけー、と短い返事がテレパシーで聞こえた。

 考えてみれば向こうからお誘いって初めてだ。いつもこっちからキュゥべえを介してだったし。


 ……数少ないキュゥべえの仕事がなくなったな。まあ、誘う時は助かってるけど。


まどか「珍しいね、杏子ちゃんと昼に会うなんて」

さやか「ああ、こっちで食べるようになってからは初めてだっけ?」

仁美「……?」


 志筑さんもいるから、佐倉さんのことについてはそれきりで他の話題に変わっていった。

 あれ、でもそもそもここで四人で食べるようになったのっていつから――?



――――
――――
放課後



 午後の授業も終えて放課後になると、今日は鞄の中身をさっと整えてすぐに教室を出ようとする。

 まだ四人は固まって話しているみたいだ。でも今日は約束があるから早めにいったほうがいいだろう。


 ……教室を出ると、すぐ前の廊下に暁美さんが誰かを待ってるみたいに立っていた。


貴方「誰か待ってるの? 鹿目さんとか?」

ほむら「……なぜ?」


 俺の事待っててくれてた?――とか図々しいことは聞けなかったけど。ただ、その名前を出したことは失敗だった気がした。


ほむら「あなたは、この後は予定は?」

貴方「あ、なにか付き合ってほしいことがあった?」

ほむら「別に。帰るのなら一緒かと思っただけ」


 予定はある。……けど、結局駅のほう行くから帰る方向も一緒なんだよな。



1途中まで一緒に行く…?
2いっそ暁美さんもパトロール誘おうか…?
3予定があるから、と別れる
4自由安価

 下1レス
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/07(日) 21:51:17.41 ID:0L1Kv43u0
1
329 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/07(日) 23:10:19.91 ID:tMeqNuVU0


貴方「駅の方には行くから、途中まで一緒に行こうか」

ほむら「ええ」


 暁美さんと並んで歩き出す。

 二人での帰り道はやっぱり言葉少なだったけど、暁美さんは用事のことについて聞いてきた。


ほむら「駅の方に用があるの?」

貴方「うん、まあ。待ち合わせをね」

ほむら「……そう」


 思えばパトロール自体けっこう久しぶりだけど、他の人はどうしてたかな。

 佐倉さんは毎日遊んでるようでも一日のうちのどこかでパトロールしてることは多そうだし、俺も頑張らないと。

 ――そんなことを考えつつ足を進めていると、そろそろ駅が見えてきた。


杏子「来たか。――……って、誰と一緒かと思ったらほむらじゃねーか」

ほむら「待ち合わせの相手って、佐倉さんなの?」

貴方「ああ、これからパトロールなんだ」

ほむら「二人でパトロール?」

貴方「んー……、やりたいことはそれだけじゃないけど」

杏子「まあ、パトロールに集中してからだな!」

ほむら「……そう、気を付けて」


 パトロールだけなら誘ってもよかったけど、終わったら遊ぼうとも言ってるし、そっちは暁美さんを付き合わせるには趣味が合わなさそうだ。

 暁美さんと別れると、佐倉さんと今日の探索ルートについて話し会うことにした。

330 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/14(日) 23:05:46.39 ID:XqyfO3Ss0

 
杏子「なんだ、あいつは帰るのか。まあ元々二人のつもりだったしな」

貴方「今日はどう回る? 最終的にはまたここに戻ってくるでしょ?」

杏子「ああ。まず工場のほうを回って――――」


 久しぶりの佐倉さんとのパトロール。前に行った時よりも戦いでも息が合うようになったのを感じた。

 二人で協力して結界の中の魔女を倒し、うまくいけばその喜びを分かち合う。

 やっぱり、契約者同士の絆っていうのは大事だよな。


貴方「何事もなく倒せてよかったね、佐倉さん」

杏子「魔女倒したくらいで喜びすぎだ。何かあったら困るだろ」

貴方「まあそうだけど、佐倉さんと一緒だからさ。俺たちも、いいコンビになれたって気がして」

杏子「よし、じゃあ今度はそれをゲーセンでも見せつけてやろうぜ!」

杏子「あそこも遊びつくした気だったけど、今まで対戦やら協力やらは手を付けてなかったしなー。ま、アンタがいるおかげで楽しめることは増えたよ」


 空はまだ明るい。立ち入り禁止の時間まではまだある。

 ゲームの腕前だって上がっているはずだ。そこでも佐倉さんと対等に立つ……のはまだ先になりそうだけど。

 戦いでも遊びでも、彼女に認められているのが嬉しく思えた。



五回目【貴方】 11日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友達
・佐倉杏子・・・親友↑
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
331 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/14(日) 23:34:38.01 ID:XqyfO3Ss0
――――
12日目 教室



 朝、鞄を机に置いて授業の準備をする。

 そして当然のように俺の机にいる白い毛玉。



QB「なるほど。昨日見ていて少しだけわかったよ」

貴方『……何が?』

QB「雑談の仕方さ。行動で示してくれたってことだろう?」

貴方『あー、そうかもな』


 そういえば昨日の朝、そんな話してたっけ。適当に相槌を打っておく。


QB「それでね、さっそく実践しようと思うんだ」

貴方『勝手にしたらいいじゃないか。なんで俺に報告するんだよ』

QB「だから今、勝手にしているんじゃないか」

貴方『はぁ?』


 キュゥべえの言葉の意味がわからず、思わず聞き返してしまう。

 ……3秒くらい考えてから何が言いたいかわかった。つまり、キュゥべえは俺と雑談しようとしていると。


貴方『それより鞄からどいてくれっ、しまえない!』

QB「うわぁ」


 いつまでも机に鞄を出してるのも傍から見れば変だ。

 必要なものも出し終わって有無を言わさず鞄を持ち上げると、キュゥべえがすてんと転がった。

 スクールバッグはベッドじゃない。

 それから聞きなれた声のテレパシーが頭に響き、意識はそっちに移る。


『よう、朝から元気にやってる?』


貴方『朝にこっちに来るなんて珍しいね。おはよう、佐倉さん』

杏子『なんとなくこっちがどんなもんか気になって見に来ただけだよ。どうせヒマだし。ま、あんま気にしないでくれ』




1【親友】のクラスメイトとコミュ(呼び出しなどの指定がなければ複数人)
2その他のクラスメイトとコミュ(キャラ名指定)
3巴さんとテレパシーでコミュ
4佐倉さんと話す ※杏子との予定を入れられるのは朝のみです
 a雑談
 b遊びに誘う
 cパトロールに誘う
 d(安価内容)
5キュゥべえに構ってやる
6自由安価(上記以外でも校内の知り合いとは話せるよ)

 下1レス
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/14(日) 23:38:47.28 ID:SJxSt8jL0
5
333 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 00:17:55.58 ID:P7l2FiYU0


貴方『で、何を話すの? 雑談するんだろ?』


 仕方ない。キュゥべえのこともたまには構ってやるか。


QB「今日って、いい天気だね」

貴方『……曇ってるけど?』

QB「曇ってるのは、いい天気じゃないのかい? 雨に足を取られることもないし、日差しに目や肌を傷めることもないじゃないか」

貴方『たしかに夏の日差しなんかは凶悪だけどな。普通はいい天気ってのは晴れのことを言うんだよ』

QB「じゃあ、今日みたいなのは何て言えばいいんだい?」

貴方『別に何も言わなくていいよ。なんか言うなら……いい日になるといいねとでも言っとけば?』

QB「いい日になるといい、か。確かに言われて悪い気はしない。覚えておくよ」


 キュゥべえは目の前からどこかへ駆けて行った。予想のとおり、暁美さんのほうだった。

 さっそく他の人にも話しに行ったのか。少し取り残された気分になる。

 それから少しして、佐倉さんからテレパシーが来た。


杏子『なんかキュゥべえがおかしなこと言いはじめたんだけど? 【貴方】から聞いたって。あんま変なこと教えんなよ』

貴方『まあ、いいじゃないか。言われて悪い気はしないだろ?』

杏子『そーだけどさ……あいつに言われると薄気味わりぃ』


 ……人間の常識とズレてるとこあるし空気は読めないけど、こうして話してるとなんか憎めないよなあ。

 普段無駄に難しい言い回しもするくせに、何も知らない子供を相手してるみたいな気になる。


 しばらくすると、佐倉さんはどこか違う場所に行ったようだ。飯を食いに行くと言っていた。


 佐倉さんはキュゥべえのことを良く思っていない。理由は当然、彼女に降りかかった悲劇のきっかけになったからだ。

 キュゥべえの仕事は心身のサポートらしいが、だからこそ、契約がきっかけで起きた悲劇に対してどう思ってるのか―それが気になった。


――――
――――



*待ちに待った放課後です。
1繁華街に行ってみる(遭遇ランダム)
2自己鍛錬に行ってみる
3下校前に校内でコミュ(ほむら/他)
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下1レス
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 00:32:09.96 ID:Rz4CkByY0
3ほむら
335 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 01:28:36.48 ID:P7l2FiYU0


 帰りのHRが終わると、まだ一人で自分の机にいた暁美さんのところに話に行った。

 ……彼女の姿を探そうとしてすぐに目が合った。彼女もこっちを見ていたのだろうか。


貴方「暁美さん今日も活躍してたね。英語の時間。あと数学もか」

ほむら「別に大したことはしてない……」

貴方「謙遜もしすぎるとかえって良くないよ。いいところは素直に受け入れてよ」

ほむら「でも……私にとってはそんなこと価値ないもの。それより私はあなたのようにそうやって色んな人と話せるほうが羨ましいわ」

貴方「えっ、俺……?」

ほむら「……私にああ言ったのだから、褒め言葉は素直に受け入れなさい」

貴方「あ、うん。ありがとう」


 暁美さんから見ると、俺ってそんなふうに見えてるのか。

 交友関係は広い方だと思ってたけど、とくにそこに褒められるような長所があるとは思ってなかった。


貴方「自分の長所ってあんまり気づかないし、人の長所って羨ましく思えるものなのかもな。暁美さんだってみんなから羨ましがられてるのに」

ほむら「それでも……。私と話してくれるのなんて【貴方】くんくらいだもの」

貴方「えっ……そんなことはないんじゃない? 暁美さんと話したがってる人っていっぱいいると思うけど」

ほむら「だとしても、表面的なことだけよ」

貴方「暁美さんのほうからたくさん話していけばきっと変わるよ」

ほむら「いいえ。……もういいわ。【貴方】くんだけでいい」


 ……そう名指しで言われると、どきりとした。

 あなただけなんて、男としては羨ましい響きにも聞こえるかもしれない。でも、これはどちらかというと嫌なほうの意味だ。

 何もかも諦めているかのような、閉鎖的な響きに思えたから。


 でも、誰にも心を開かないよりはずっとマシだよな。

 もし俺が拒絶したら、暁美さんは今後誰にも心を開かないんだろう。


ほむら「……私と一緒に居たら暗い話ばかりなのに、よく嫌にならないわね」

貴方「それでも暁美さんのことは知りたいし、もっと仲良くなりたいからさ」



1暁美さんと一緒に帰る
2パトロールに誘う
3もっとここで話す
4他の人と話す
5自由安価

 下1レス
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 02:32:59.35 ID:QGL+R4DEo
1
337 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 19:53:20.25 ID:P7l2FiYU0


 話しているうちに教室からは段々と人が減っていく。

 とくにここに残り続ける理由もない。


貴方「俺たちもそろそろ帰ろうか」

ほむら「ええ」


 二人で教室を出て廊下を歩き出す。

 ……少しの間沈黙が続いていたが、暁美さんがぽつりとつぶやくように言う。

 
ほむら「……私のことなんて知ってどうするのよ」

貴方「互いに知ったほうが話しやすくなるでしょ? 今も前よりは暁美さんのことはわかったし、嬉しいと思ってるよ」

ほむら「なにもない、つまらない人間だということがわかるだけだわ。それ以上になにもない」

貴方「別に、特別なものを持ってる必要はないんだよ。そんな人そういないし、俺だって」

ほむら「……何もない私でもいいのなら。これからも話してくれる?」

貴方「もちろん!」


 ひたすら自己評価が低くて、自分に何も価値を見いだせてないのはもうわかってた。

 ちゃんと話す前は想像すらできなかったことだ。

 できれば自信を持って、他の人とも仲良くしてほしいが、まずは何かに楽しみや喜びを持ってほしい――と思った。


 ……教室を出る時、『不満』のようなものが込もった視線が向けられていたことには気付いていなかった。



五回目【貴方】 12日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友達…↑
・佐倉杏子・・・親友
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
338 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 20:13:53.32 ID:P7l2FiYU0
――――
13日目 教室



 朝、鞄を机に置いて授業の準備をする。

 ……机の上から赤くてまん丸い瞳が見つめていた。


QB「もっと雑談をしようと思うんだ。人間の文化を教えてくれないかな?」


 あー、なんでこうなったんだろう……。


貴方『はぁ、何が知りたいの?』

QB「お腹がいっぱいになった時に言う言葉とか、感謝の気持ちを伝える時に言う言葉とか」

貴方『知らないわけじゃないんだろ? ていうか、そのままでいいじゃん』

QB「そうだけど、僕の考えと君たちの常識にはズレがあるみたいだからね」


 やっと自覚したのかそれ。

 なんか、言葉を教えるゲームみたいになってきた。


キュゥ・トモ
1お腹がいっぱいになった時に言う言葉を教える→『自由安価』
2感謝の気持ちを伝える時に言う言葉を教える→『自由安価』
3他の話題(自由安価)

 下1レス
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 22:16:49.57 ID:7ItkbCYO0
2サンキューベリーマッチ
340 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 22:43:25.52 ID:P7l2FiYU0


貴方『感謝の気持ちを伝える時に言う言葉はなぁ……サンキューベリーマッチだ! サンキューベリーマッチって言うんだ』

QB「教えてくれてサンキューベリーマッチ!!!!こうだね」

貴方『あと鞄をベッドにするなぁー!』

QB「きゅぷッ」


 今日もキュゥべえが転がり落ちた。

 そんなやりとりをしてると、いつのまにかいつもの三人が近くに来ていた。


さやか「【貴方】! 何してんのー?」

貴方「べ、別になにもしてないよ」


 テレパシーから意識を切り替えて話す。

 さやかやまどかなら、会話の流れまではわからなくても何かしてたのは見えてただろう。

 ……昼は毎日一緒に食べてるけど、最近は四人で話すことは前より減ったな。


まどか「そう? ちょっと楽しそうに見えたから」

仁美「なにかいいことでもあったんですか?」

貴方「そういうわけじゃないけどさ――」

仁美「実は私たちは朝、少し面白いハプニングがありまして。登校中、みんな揃ってすぐのことなのですが。――――」

さやか「あれおかしかったねぇー。あんときまどかったら――」


 キュゥべえはいつのまにか目の前からいなくなってた。

 どこにいったんだろう?

 そう思ってさりげなく見回すように視線を動かすと、暁美さんと目が合った。こっちを見ている。……気がする。


まどか「あの……【貴方】くん、聞いてる?」

貴方「えっ、あぁうん」



1三人との話に集中しなおす
2暁美さんも会話に誘おうか?
3暁美さんと話しに行く
4自由安価

 下1レス
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 22:51:51.43 ID:Rz4CkByY0
2
342 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 23:31:25.66 ID:P7l2FiYU0


 他のことに意識は向いたが半分は耳を傾けていたはずだった。でも気が逸れてたように思われちゃったかな。

 みんなが立ってるのに一人だけ座ってるのも落ち着かない。

 席を立ちあがると、少し暁美さんの席のほうに近づいて聞こえるように呼んだ。


貴方「今の話面白かったからさ、暁美さんも一緒に聞こうよ」

さやか「ちょっと……」

ほむら「…………」

仁美「話はあれでおしまい、なのですが、暁美さんを笑わせるとなるとハードルが上がりますわね……」

まどか「えぇと……。あ――」


 居心地の悪さを感じたのか、暁美さんは席を立ってその場を去ってしまった。

 たしかにこっちを見ていたはずなのに。


さやか「さすがに感じ悪いでしょ?あれ!」

仁美「まあ……気難しい方、ですわよね」

さやか「一人でいたいなら一人でいさせてあげればいいじゃない」

貴方「でも……俺には少しずつ心開いてくれるようになったし、いつかみんなとも……」


 ……そう言う俺を見るみんなの目は厳しかった。


 会話に誘ってみて仲良くなるきっかけになればと思ったけど、やっぱり空気がギスギスとしている。

 さやかだって人に差別や意地悪をするような子じゃない。ただ、ハッキリさせたいのだと思う。

 だが暁美さんには今はその気はないようだ。それは当分は変わらないのだろう。


――――
――――
343 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/15(月) 23:45:13.12 ID:P7l2FiYU0


 朝のHRが始まり、授業が始まってからも――――

 ――あれからもまた視線を感じることがあった。暁美さんからも、ほかの三人からもだ。


 両方から見られているからといって、両方を突き合わせればいいわけじゃないのは朝分かった。

 でも、どうすればいいんだろう。前と違う空気の悪さが動きにくくて重苦しい。


 昼。いつもなら外へいくところだけど、今日はどうしよう?



1いつも通り四人で外へ
2暁美さんと二人で空き教室へ
3巴さんにテレパシー
4久しぶりに屋上に行ってみようか?
5自由安価

 下1レス
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:57:24.41 ID:Rz4CkByY0
1
345 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/16(火) 00:29:09.69 ID:bE2pL62D0


貴方(いや……みんなと行くか)


 一瞬違う考えが浮かんだが、ソレと暁美さんの視線を振り切っていつも通り四人で外に出た。

 みんなとは仲が良いし居心地が良い場所だとは思う。でも、前とは何かが変わっちゃったような。


 いつか……暁美さんも入れて仲良くなれるのかな。


 そう考えながら、学校での一日を過ごした。



――――
――――
放課後



ほむら「【貴方】くん、帰りましょう」


 放課後になると、すぐに暁美さんがこっちの席まで来た。

 まるでこの時を待っていたようだ。……別に他の時間にも話しかけてきてもいいんだけどな。


貴方「あぁ、うん」

ほむら「今日は真っ直ぐ帰る? それともパトロールでも行く?」

貴方「そうだな……」




1まっすぐ帰る
2パトロールに行く
3寄り道
 aカフェ
 b買い物
 cその他(安価内容)
4帰る前に他の人と話す
5自由安価

 下1レス
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 00:53:48.61 ID:eXh6Fvk80
3b
347 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/16(火) 22:32:16.80 ID:bE2pL62D0


貴方「帰りに買い物でも行こうか。ちょっと見たいものがあるんだ」

ほむら「ええ。……【貴方】くんって、そういうの好きなの?」

貴方「ショッピングは大好きってわけじゃないけど好きなほうかな」


 暁美さんは……そういうタイプじゃないか。

 前に連れ回した時も、自分の欲しいものを探すとなるとずっと興味なさそうだった。



 校舎の外に出ると、すぐのところに見慣れたパーカー姿の――佐倉さんが立っていた。



杏子「あー……、もしかして一緒に帰るとこか?」

貴方「うん。今日はこれから買い物でもして帰ろうかと」

杏子「遊びに誘おうかと思ったんだけど、予定があるなら今度でいいや。またな」


 佐倉さんはそう言うとどこかへ行ってしまった。俺たちも帰り道を歩いていく。

 ここ数日程からだけど、佐倉さんがこうしてこっちに寄ることも増えた。待ってたんだろう。


ほむら「佐倉さんとも随分仲がいいのね。前はそんな感じしなかったと思ったけれど」

貴方「そうだね、打ち解けたのは最近かな。でも話してみたら気が合って」

貴方「佐倉さんって思い切りのいい性格してるし。一緒に居ると楽しいっていうか」

ほむら「……そうね。私とは違って」

貴方「そ、そんなつもりで言ったんじゃないよ!?」

ほむら「ええ、わかってる。事実を言っただけだから」


 ……そう言われてしまうと否定はできなかった。

 もちろん悪い意味じゃないけど、考えてみれば佐倉さんと暁美さんって……真逆、なタイプだとは思う。



買い物 どこのコーナーを見る?
1お菓子や食べ物
2服飾
3機械や家電
4自由安価

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348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 22:34:20.22 ID:Aoj5M2k00
2
349 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/16(火) 23:26:45.36 ID:bE2pL62D0


 駅の近くのデパートにつくと、適当に服を見ていた。

 横には暁美さんが立っているが、いつも通りの無表情だ。

 男物見てても興味を持てないのは仕方ないとも思えるが、さやかたちと一緒にいた頃もいつもこんな表情だった。


貴方「……暁美さん、こっちとこっち、どっちがいいと思う?」

ほむら「…………そっち」

貴方「こっちか。たしかにいいね。ありがとう」


 ……なんとなくこのやりとりって、男女が逆転してると思う。


貴方「暁美さんって明るい色が好きなんだね。こっちって言うかと思ってた」

ほむら「そうかしら。あなただったらそっちのほうが似合うと思っただけよ。自分用に選ぶなら別だわ」

貴方「暁美さんなら色んなの似合うと思うけどな。元がいいんだから」

ほむら「……」

貴方「暁美さんってもしかして……そういうふうに言われるのあんまり好きじゃなかったりする?」


 言われ慣れてるんだろうな、とは想像がつく。

 外見ばっかり見てるって思われちゃったりするんだろうか。


ほむら「……自分のことを言われている実感が沸かないのよ。そんなの自分で決められることじゃないもの」

ほむら「いつのまにか知らない器に間違えて入れられちゃったみたい」

貴方「俺みたいな凡人にはなかなか思いつけない表現だね……。外見って自分で決められないから価値があるんだろうけどね」


 大多数の人からすれば嫉妬すらされそうな言い方だと思う。

 でも、暁美さんの自信を持てないところは知ってる。暁美さんは本気でそんなふうに考えてるんだろう。



 暁美さんに買い物に付き合ってもらってから帰った。



五回目【貴方】 13日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友達…
・佐倉杏子・・・親友
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
350 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/17(水) 00:05:13.62 ID:VI68777A0
――――
14日目 教室



さやか「【貴方】、おはよう!」

仁美「おはようございます、【貴方】くん」

まどか「おはよう、【貴方】くん」


 自分の席につくと、朝からさやかたち三人が机に来て囲んだ。


貴方「ああ。おはよう」


 同時に、今朝も暁美さんがこっちを見ていることに気づく。

 ……キュゥべえからの視線も感じた。そっちはどうでもいい。


貴方「なんか俺だけ座ってて悪いな」

さやか「なんの。あたしは足腰強いから大丈夫よ」

仁美「私たちの席の近くで話していた時は【貴方】くんが立っていましたし」

まどか「この椅子動かせないからちょっと不便なんだよね。でもわたしも大丈夫」


 そのうちキュゥべえは暁美さんと話しに行ったようだ。

 キュゥべえは俺にばっかり話しかけたけど、暁美さんと話してるとこもたまに見かける。


 それでもふと暁美さんがこっちを見ていることがあって、たまに目が合うと、さやかがキッとした視線を送り返してた。

 他の二人は複雑そうな視線だ。でも、あまり良い感情ではないのだろうと思う。――二人まで?

 距離は離れているのに冷たい空気が漂っているのを感じた。……いや、むしろこれは、熱いバチバチにも近いかもしれない。


――――
――――
351 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/17(水) 00:14:28.19 ID:VI68777A0
放課後



ほむら「【貴方】くん、帰りましょう」


 帰りのHRが終わると、今日も暁美さんが席に来る。

 朝や昼休みは三人と、放課後は暁美さんと過ごすことが昨日から固まってきていた。

 もちろん断る理由はないのだけど。


ほむら「今日は予定は?」

貴方「特に考えてはいなかったかな……」

ほむら「そう。じゃあ、真っ直ぐ帰る?」



放課後行動
1まっすぐ帰る
2パトロールに行く
3寄り道
 aカフェ
 b買い物
 cその他(安価内容)
4帰る前に他の人と話す
5自由安価

 下1レス
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 00:15:57.27 ID:oCCCtJB80
1
353 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/17(水) 00:53:51.53 ID:VI68777A0

貴方「今日はまっすぐ帰るか」


 暁美さんが頷いて、二人で廊下へと歩き出す。

 ……教室の中からまだ残ってるさやかたちの視線を感じたが、振り切って行くしかない。


 校舎の外に出ると、今日も佐倉さんが立ってた。


杏子「今日はどうだ?」


 これからはもう帰るだけだから、予定はない。

 でも今は暁美さんと一緒なんだよな。


貴方「少し待っててくれるなら。えーっと……後であの訓練場所で会おうよ」

杏子「訓練場所? いーよ、わかった。じゃあ遊ぶ前にちょっと鍛えてやるよ」

ほむら「……」


 駅のほうで待ち合わせるとなると、佐倉さんも結局帰り道を一緒に来ることになるし。

 予定はしてなかったけど、久しぶりに訓練で鍛えるのも悪くはない。訓練場所も佐倉さんと思い出のある場所だった。


貴方「暁美さん、行こうか。また後でね、佐倉さん」

ほむら「……ええ」


――――
――――
354 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/17(水) 21:56:50.88 ID:VI68777A0


 暁美さんと駅前で分かれた後、家に帰って着替えてから訓練場所に行った。

 街の端っこに近いここは、都会らしく混み合った駅前とはかけ離れた雰囲気の場所だ。


貴方「佐倉さん、おまたせ」

杏子「さっぱりした格好になったじゃん?」

貴方「まあ、制服よりかなり動きやすいよ」

杏子「そりゃよかった。じゃあウォーミングアップでもするか」


 佐倉さんは一足先にはじめてたらしい。

 一人でもたまに訓練してることがあるのを知っている。ここで会った時は意外だった。



 ――――彼女の槍は近距離だけじゃなく中距離まで届く。

 戦闘スタイルはもちろん違うが、動きや戦い方自体は応用できることも多かった。佐倉さんの動きは参考になる。



 訓練が一息つくと、草原に寝っ転がる。

 日差しは温かいし、透き通った風が適度に吹いていて心地よい。


杏子「なんだよ、もう疲れちゃったか? 今日はこれからだろ?」

貴方「もうちょっとここにいてもいいなあって」
355 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/17(水) 22:11:02.92 ID:VI68777A0

杏子「……それ、スマホ?」


 寝っ転がったままスマホをいじっていると、佐倉さんが覗きこんできた。

 ……やましいものは見てなかったからよかった。ただのポータルサイトのトップページだ。


貴方「うん。佐倉さんは携帯持ってないんだよね」

杏子「ちょっと見せてよ」


 スマホを渡すと、佐倉さんは同じように隣に寝っ転がって、見慣れないものを見るような目でスマホを見ていた。

 その様子がなんかおかしい。みんな当たり前のようにスマホやら携帯やらいじってるから、こんな反応はなかなか見られない。


杏子「『パンダの赤ちゃんがやってきた』……へー」

貴方「あ、トップに表示されてたニュースか」

杏子「…………」


 それからしばらく静かに画面を見つめていた。

 何見てるんだろう? 覗いてみると、その内容が意外で思わず口に出してしまった。


貴方「『男子が甘やかしたくなる女子の特徴』……? そういうの見るんだね」

杏子「ぱ、パンダの下にあったからちょっと押してみただけだって! ていうか覗くなよ!……あっ」


 さっきは佐倉さんは何にも気にしない様子でこっち覗いてきたけどなぁ……。

 その気持ちがわかったらしく、佐倉さんは何かに思い当たったような声を出す。

 しかし、今度は慌てた声に変わった。


杏子「あっ!? 何が起きた?」

貴方「ホームボタン押しただけだよ。すぐ戻せるよ」

杏子「なんか変なとこいじって壊したかと思った。もういい」

貴方「そんなに簡単に壊れないよ。俺たちの腕力で握りつぶしたりしなきゃね」


 ……やろうと思えばこのくらいならやれるだろう。まあ、言いたいのは物理的に壊さない限りそうそう壊れないってことだ。

 でもなんで急にこんなこと言い出したんだろう。ずっと興味なさそうにしてたのに。

356 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/18(木) 00:35:39.04 ID:g3zLJO4k0

貴方「……スマホほしくなった?」

杏子「連絡取りづらいとは思ってきたな。なんか言いたいことある度に出向かなきゃなんないし」

貴方「でも直接会いに来てくれるのは嬉しいよ。文字や電話だとちょっと感覚違うし……便利だけどね」

杏子「ガッコーじゃ今どんなことしてんの?」

貴方「朝から誰かと話して、HRで先生の話聞いて、授業受けて……毎日同じことしてるって思うかもしれないけどまあ楽しいよ」

貴方「授業も面白いのあるし、友達とも毎日会えるし」


 授業や勉強のほうはともかく、暁美さんのことがあってからは最近教室内の空気が重くなってきた。

 ……さすがにそれは佐倉さんには言えなかった。


杏子「ふうん」


 佐倉さんはそう軽く短い相槌を打つと、芝生から起き上がる。


杏子「そろそろ行かない? 今は日が出てるけど、もう夏じゃないんだしいつまでもこんなとこで寝てるとカゼ引くぞ」

貴方「そうだね。行こうか」

杏子「ん。つーか腹減った」

貴方「俺も。何か食べようか」

杏子「駅前のクレープ! クリーム200%だ!」


 ここは今は二人だけの空間。ここから出るのも少し名残惜しく感じるが、こっちの空腹も限界だ。

 たまにはこんなふうにゆっくりと話せてよかった。

357 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/18(木) 01:04:00.35 ID:g3zLJO4k0


 街の端っこから中心、繁華街のほうに戻っていくと、さっそくクレープを買って食べていた。

 こっちも佐倉さんと同じ200%。ていうかそんなオプション頼めるなんてさっき知った。

 手に持った感じも単純に二倍の存在感。



貴方「さすがに普通の二倍入ってるだけあってボリュームが違うね」

杏子「腹減ってんだからこのくらいはないと」

貴方「それもそうだ」


 甘いものが特別好きってわけじゃないけど、動いた後だけあってペロリと食えてしまう。

 二人してあっという間に食べ終わってしまった。それに、佐倉さんの豪快な食べっぷりは見ていて気持ちいい。


貴方「でもがっつきすぎだよ。佐倉さん、クリームついてるよ」

杏子「どこ?」

貴方「右の頬。手鏡とか……――持ってたら見てるか」

杏子「持ってないなー。あたし見ての通りガサツだから割りそうだし、なくても生きていけるから」


 佐倉さんはいつも鞄とかも持ってないし、今言った通り、生きていくのに最低限のものしか持ち歩いていないんだろう。

 とはいえ、自分も鏡は持ってない。


貴方「仕方ない、ちょっといい?」

杏子「えっ!?」


 少し近づいて頬に指で触れる。クリームを拭い取って見せた。


貴方「よし、取れた」

杏子「わざわざ見せるなよ。……クリーム少しもったいないな」

貴方「え……えーと。これ舐めたほうがいい?」

杏子「それやったら引くぞ」


 もちろん半分冗談だったけど、佐倉さん食べ物を粗末にするとすごく怒りそうだから。

 でも、もったいないとは本気で思ってたようだった。そんなところは、らしいなと思う。

358 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/19(金) 22:41:03.86 ID:yFOckWQq0

貴方「手鏡とかも持ってたほうが便利かもね」

貴方「なくても生きてはいけるけど、佐倉さん食べかすとか気づかずにつけて歩いてることありそうだし」

杏子「お、おい。やめろよな……さっきのは偶然、ともいえねーけど」


 茶化して言ってみた後、ちょっと思い出した。


貴方「そういえばさっき通りがかった時見た店でも売ってたな。結構キレイなの」

杏子「ホントに見んの?」

貴方「まあ、さっきのは冗談にしても無駄にはなんないと思うよ」


 少しだけ来た道を戻って店を覗きにいく。

 値段も高すぎないくらい。


杏子「……手鏡っていうか、コンパクトミラーってやつか」

貴方「これならカバーもついてるから割れにくいし、ポケットに入れて持ち歩けるんじゃない?」

杏子「いやでもさ、こんなキラキラしたのあたしのガラでもないだろ」

貴方「そうかな?」


 なにしろ、ソウルジェムは通常の状態だと指輪だ。佐倉さんも含め魔法少女全員、キラキラとしたものが似合わないと思ったことはなかった。

 見た目だって、明るい髪色も相まって飾り立ててなくても華やかなイメージも強い。


貴方「そんなふうに思ったことないよ。こういうのだって似合うと思うよ」

貴方「ここまで勧めちゃったんだし、これはプレゼントにするから。本当にいらないっていうんだったら無理にとは言わないけど」

杏子「まあ……くれるんならいいか。無駄にはなんないだろうしな」


 一応受け取ってくれるらしい。

 ……普段ラフなイメージはあるけど、飾ったらもっと綺麗になるんじゃないかな。なんて佐倉さんのほうを見ながら少し考える。


杏子「? どうした?」

貴方「た、大したことじゃないよ! 今日はまたゲーセン行く? 俺は制限の時間までだけど……」

杏子「ああ。そうだな」

359 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/19(金) 23:43:32.44 ID:yFOckWQq0


 買い物をした後、ゲーセンに向かう途中で佐倉さんが話し始める。 少し真面目な雰囲気で。


杏子「……こういう生活って、いつまで続けられるんだろうな」

貴方「え?」

杏子「あたしもさ、アンタやみんなを見てるとずっとこのままでいいのかなって、すっげーたまにだけど思うんだよね」

杏子「やりたいようにやってて楽しいには楽しいけど、それだけだし」

杏子「マミはもう三年生だし、優等生だから進路のこととかもちゃんと考えてるんだ」

杏子「みんなも高校生になって、いつか大人になっちまうんだろ? ……あたしにはそのイメージが全然なくてさ」


 学校のことはともかく、今まで興味なかったスマホに興味を持ったりしたのは、普段考えないようなことを考えてたからなのかもしれない。

 世間とは離れて刹那的に生きていた佐倉さんが、ついに“未来”のことを考えてくれたんだ。

 でもそれはきっと、佐倉さんからしたら簡単なことではない。


杏子「てか、前も言ったけどそんなに生きる気なかったから。でも今は本当に楽しいんだよ」

杏子「こうやって一緒に遊び歩く仲間もいるし、背中を任せられる仲間もいる」

杏子「こんな日がずっと続けばいいなって思うんだよ。……でも、そういうわけにはいかないんだもんな」

貴方「……たしかに俺らはピーターパンじゃないしな。俺も佐倉さんも、自分の意思とは関係なく年が経てば大人になるんだろうな」

貴方「でもみんな今から将来のイメージなんてないと思うよ」

杏子「いろいろと桁が違うだろ?」

貴方「それでも。多分、生きてさえいれば、ものすごい人にはなれなくてもなるようにはなるんじゃないかな」

貴方「ずっと子供ではいられなくたって一緒には居られる……居たいと思う。だから、一緒に考えていこうよ。これからの未来ってやつを」


 これから数年後、進路のこともそうだけど魔法の力や魔女の事情がどうなっているのかもわからない。

 とりあえず今の最大の目標は魔女を根絶させることだ。佐倉さんも、俺も、みんな。できれば民間の人も。誰一人犠牲を出さずに。


 ――案外、佐倉さんだったらものすごい人にもなれるかもしれないじゃないか。

 なにせ、自慢の親友なんだから。


貴方「今から悲観したって仕方ないよ。思ってるよりも希望でいっぱいだって。未来はいくらでも創っていけるんだからさ!」

杏子「相変わらずうぜーくらい前向きなやつ」

貴方「えぇ、ひどくない!? 渾身の励ましだったのに」

杏子「……でも、ありがと」



 ちょっと素直じゃない笑顔が印象的だった。

360 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 00:27:28.82 ID:ucngeEQf0

――――
――――


 ゲーセンを出たのはあれからきっかりと1時間後。年齢制限のかかる時間の前だった。

 悪いことをしたがるのはストレス発散のためなんじゃないかって巴さんが言ってたっけ。

 少し将来への不安が解消されたおかげかもしれない。


 ゲーセンも楽しいが、ほどほどが一番だ。


杏子「まあ一人で残ってまでやるほど楽しくもないしな」

貴方「佐倉さんはこのあとどうするの?」

杏子「そのへんのホテル行くかな。マミんとこでもいいけど」


 彼女の生活を考えたら一切悪事を働かないことは難しい。それはわかってはいた。

 ……いや、そのへんも将来には変わることもあるのかな。


貴方(……)


杏子「じゃ、またな! ……鏡、大事にするよ」

貴方「うん。またね」


 そう言ってくれるならよかった。

 佐倉さんと別れると、帰りの方向へ歩きはじめる。今日はまだギリギリ暗くない。


 すると、後ろから呼び止められた。


「……【貴方】くん」


 この声は、暁美さんだ。

 お互いに近所なんだから会っても不思議ではない。

361 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 00:44:34.99 ID:ucngeEQf0


貴方「あれ? 暁美さん。また会うなんて奇遇だね。買い物?」

ほむら「……訓練なら私も役に立てるわ」

貴方「……訓練?」

ほむら「射撃はもちろん、格闘だってあなたに教えられるくらいには出来る。【貴方】くんの戦い方には向いていると思うわ」


 もう帰ろうかと思ってたところだったが、だが暁美さんはやる気っぽい。

 このままだと連行されそうだ。……今からやると帰るのはやっぱり暗くなるなあ。


貴方「でもどうして今になって? 放課後別れる前に言ってくれればよかったのに」

ほむら「……」


 暁美さんはたしかに色々な戦い方ができるし、学べることは多いだろう。バランス型の俺とは合ってるかもしれないけど……。

 ――『佐倉さんと比べて』とでも言いたげな?


 多分暁美さんが本当にやりたいことは『訓練』じゃない。



特訓第二ラウンド!?
1特訓に付き合う
2遅くなるからやめよう
3自由安価

 下1レス
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/20(土) 01:51:40.08 ID:2jTGn4sy0
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 03:03:34.79 ID:BxmlES1b0
(悲しみの向こうが)見える見える...
(修羅場の可能性が)太いぜ。
364 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 20:12:02.21 ID:ucngeEQf0



 繁華街から再び訓練場所に戻ってきた。

 一回ここから離れて駅の方に来たのに一日のうちに二度もここに来るとは思わなかった。


 さすがにここは暁美さんにとっては文句なしに自信のある分野だ。

 いきなり誘われて戸惑ったが、特訓となるといつも通りだった。

 まずは主に近接のほうを見てもらっていた。バランス型であるものの魔力の消費の少ない近接が基本になるとはいえ、意外だ。


ほむら「……さすがに前に見た時より基本的な動きはよくなってるのね。でも、違う。無駄が多すぎる」

ほむら「教えられたからか知らないけれど、上手くやろうと意識しすぎてるんじゃないかしら」


 いや、いつも以上に厳しいかもしれない。


ほむら「経験が足りてないのよ」

貴方「それは仕方ないんじゃ……」


 実際に活動歴はみんなと比べると短いし、これまで魔女狩りばかりに時間を費やせてこれたわけでもない。

 むしろ、そこはベテランではないらしいのに異様なまでに手慣れてる暁美さんのほうが気になるくらいだ。

 そういえば暁美さんって、結構謎めいたとこある人なんだっけ。最近はすっかり忘れていた。


貴方「経験はこれから頑張るからさ」

ほむら「……ええ」


 ああ、でもこれだけはわかる。

 暁美さんっていつも無表情に見えるけど、よく見ると感情はわかりやすいほうなんだ。


 ……今は少し、不満そうな顔をしていた。



1放課後誘わなかったこと根に持ってる…?
2放課後はこれまで何してた?
3自由安価

 下1レス
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 20:44:40.35 ID:W0Nj5jL4O
1
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 20:48:28.54 ID:BxmlES1b0
1
367 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 22:25:06.15 ID:ucngeEQf0


貴方「放課後誘わなかったこと根に持ってる……?」

ほむら「……」


 暁美さんは肯定はしなかったけど否定もしなかった。

 そういえば前にもこんなやりとりには覚えがある――気がする。


貴方「暁美さんって……答えたくない話になると黙り込むこと多い?」

ほむら「……」

貴方「……」


 暁美さんはまだ無言で、張りつめた空気が漂ってる。……なんだか、こうしてるとちょっと子供っぽい行動にも思えてしまう。


 多分、俺も含めてみんな勝手に暁美さんをクールで完璧な人に見すぎていた。

 けど、そもそも完璧な人間なんているはずないじゃないか。

 最初はただただミステリアスに見えていた暁美さんだけど、理解はできるようになってきた。



 長い沈黙をやめると、暁美さんは意味深なことを言う。



ほむら「【貴方】くんも……そろそろはっきり伝えたほうがいいわよ」

貴方「ど、どういうこと?」

ほむら「誰が一番か。 全員同じように好き――じゃあ、納得できないところまで来ているの」




▼暁美さんと二度目の訓練をしてから帰った。そろそろ修羅場を避けるには選ばないといけない時がやって来ました。



五回目【貴方】 14日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友達……
・佐倉杏子・・・親友↑
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
368 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 22:45:04.28 ID:ucngeEQf0
――――
15日目


 朝は昨日と同じだ。さやかたちが席に来て、一緒に話す。

 そしてそういう時には決まって嫌な空気が漂ってた。


 ……暁美さんに昨日の夜言われたことを思い出す。


貴方(正直、一番って表現はあまり良くないと思う……)

貴方(でも、『特別な気持ち』なら伝えるのは今だ)



・(杏子/ほむら/さやか/まどか/仁美/マミ)
※条件は全員満たしてるので、未攻略キャラの攻略が完了するまではこの分岐に戻ります
※一応攻略済みキャラも入れてるのは、攻略上意味はないけど分岐後の展開が気になる人向け

 下2レス
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/20(土) 22:50:10.12 ID:hyKdi3nt0
加速
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 22:54:30.80 ID:+ZzlxagC0
ここからやり直しできたりする?
出来るなら杏子、できないならほむら
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 23:29:18.18 ID:BxmlES1b0
正直、修羅場ルート見たい...見たくない?
372 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 23:56:38.01 ID:ucngeEQf0


 最近、佐倉さんは一日のうちどこかで学校に来てくれていた。

 今日は授業中だった。授業中には話せないけど……放課後、会う約束をとりつけた。


 ――――放課後、今日は暁美さんとの下校も断って、昨日と同じ訓練場所の土手へと向かった。

 暁美さんは何かを悟った表情だった。



 人の立ち入らない穏やかな場所だ。風が草木を撫でる音が静かに響いている。



杏子「で? 話ってなにさ? 改まって」

貴方「俺……考えたんだ。佐倉さんがこの先安心して、悪い事もしないで生きていけるようになる方法ってやつを」

杏子「色々考えてくれんのは嬉しいけどさ……そんな方法」

貴方「俺と結婚してくれないか」

杏子「……え!?」

貴方「表向きに無理なら、二人の間の約束だけでいいから。さすがに今すぐってわけにはいかないから、まだ婚約になるけど……」

貴方「佐倉さんの未来を良い方向に変えるなら、それは他の何かに任せておきたくない。自分でありたいって」


 佐倉さんは驚いた表情だ。

 それもそうか。いきなりこんなこと言われたら。……『結婚』なんて俺もずっと先のことだと思ってたもんな。

 でも、未来を約束した佐倉さんとなら。


杏子「ほ、本気で言ってんの……?」

貴方「もちろん本気だよ。好きな人を幸せにしたいと思うのは当然、だろ? その気持ちに気付いたんだ」

杏子「そんなこと言われるなんて思ってなかったよ。これからもずっとないと思ってた。……自分が人を好きになることすら、な」

貴方「!」

杏子「でもなんかすっごい嬉しいわ。……ありがと、【貴方】! やっぱり、人生って何が起きるかわかんないもんだな!」


 佐倉さんは本当に可愛らしい笑顔を浮かべていた。見てるとこっちも笑顔になる。

 彼女とだったら、これから先もきっとたくさん笑顔を作っていけるだろうな。



 ――――こうして俺らは、二人で未来を誓った。



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分岐1 ☆杏子と恋人ルート☆
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373 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/20(土) 23:58:53.64 ID:ucngeEQf0
>修羅場ルート
まずはシナリオクリア優先ということで、おまけに期待しててくれるとやる可能性アリ
さすがに刺すほど過激な恨みもないのでこのままだと長い事地味なギスギス継続になりそうで
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――――
15日目


 朝は昨日と同じだ。さやかたちが席に来て、一緒に話す。

 そしてそういう時には決まって嫌な空気が漂ってた。


 ……暁美さんに昨日の夜言われたことを思い出す。


貴方(正直、一番って表現はあまり良くないと思う……)

貴方(でも、『特別な気持ち』なら伝えるのは今だ)



・(ほむら/さやか/まどか/仁美/マミ)
※条件は全員満たしてるので、未攻略キャラの攻略が完了するまではこの分岐に戻ります
※一応攻略済みキャラも入れてるのはこの話での展開が気になる人向け

 下2レス
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/21(日) 00:11:40.39 ID:R98iikLf0
もう全員分みよう
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 00:15:55.61 ID:FKup9l3G0
はむら
全員は最後で
376 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/21(日) 01:08:54.22 ID:JiCsVdQ+0
未攻略キャラの攻略が完了するまでは戻る、ということで、
ほむらを選ぶともう戻らないつもりだったんですが…

もういいか、全員いっちゃうか! わりとあっさりのもあるけど
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――――
――――


 放課後になると、今日も暁美さんが席に来た。


ほむら「……【貴方】くん」

貴方「うん。一緒に帰ろう」



 断る理由はない。……昨日、暁美さんに言われたから俺は決心したんだ。



貴方「暁美さん、昨日誰が一番かって言ってたけどさ」

貴方「みんなは友達なんだ。友情に順番なんてつけられないよ。俺はみんな大事だと思ってる」

ほむら「……そう」

貴方「でも……暁美さんのことは特別なんだよ。みんなとは違う気持ちで暁美さんのことが好きだ」

貴方「暁美さんにはただの友達じゃなくて、恋人になってほしい」

ほむら「!」

貴方「これが俺の伝えたい素直な気持ちだ。それじゃ納得できないかな?」

ほむら「いえ……いいわ。わかったわよ。私は思ってたよりも恵まれていたのね」


 暁美さんの表情は今までにないほど穏やかに見えた。


ほむら「考えてみれば、今まで周りを妬んでばかりで私は本当に未熟だった。あなたにも当たってしまったわね」

ほむら「でも、【貴方】くんはそんな私にも優しくしてくれた。そんなあなたが……最初は嫌いだった」

貴方「えっ!」

ほむら「今は違うわよ」
377 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/21(日) 01:29:07.89 ID:JiCsVdQ+0

ほむら「今になって気づけたの。そんな自分の気持ちに。……それもあなたのおかげよ」

ほむら「じゃないとずっと、私は自分のことしか考えられなかった」

貴方「ということは……?」

ほむら「……こんな私でもいいなら。恋人同士になるのなら、もう少しくらいは優先しなさい」

貴方「うん! 約束するから」


 暁美さんはいつもよりすっきりとした顔をしていた。

 ……実際に、なにか心の中にあった重いものを一つ消せたのかもしれない。


―――――――――――――――
分岐2 ☆ほむらと恋人ルート☆
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378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 17:28:53.15 ID:0nnTsiPS0
早く女同士の醜い争いが見たい
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 17:36:25.47 ID:FKup9l3G0
このほむらはループしていなかったの?
380 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/02/21(日) 18:27:26.89 ID:JiCsVdQ+0
(さやか)



さやか「本当に? 本当にあたしでいいの?」

貴方「ああ。俺が好きなのはさやかだよ」

さやか「じ、じつはね……あたしもずっと好きだったの!」

貴方「!」


 思いたち、すぐに決心をした。

 いつもは三人で話してるけど、その中から一人だけ呼び出して思いを伝えた。

 ……こんなにあっさりと両想いになれるんなら、もっと早くに伝えておけばよかった。


さやか「最近【貴方】はほむらのほうにばっかり行っちゃうしさ」

貴方「……もしかして、嫉妬してたとか?」

さやか「……うん。その余計に悪者だって思ってたとこはあるかもしんない。なんであいつなんかに、って」

貴方「……」


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