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ボンドルド「少し、席を外しますよ」ベル・クラネル「え?」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/12/03(金) 22:33:48.09 ID:itDB2ts2O
「やあ、遠路遥々よく来てくれました」
「あ、どうも。ご丁寧に……」
南海べオルスカの孤島。
そこにアビスと呼ばれる縦穴が発見されたのは1900年前の大昔。当時の英雄達は探窟家としてアビスの全容解明に乗り出したが最深部まで潜った者は誰一人帰っては来なかった。
アビスの底には何があるのか。
それを知るべく迷宮都市オラリオの新鋭冒険者に白羽が立った。ベル・クラネルである。
「流石は神々が降臨せり冒険者が集う街、オラリオの冒険者。このアビスの五層まで軽々下りて来られるとは……本当に素晴らしい」
「そ、それほどでも……」
深界第五層、なきがらの海。
ベル・クラネルは''白兎の脚"の二つ名が示すようにあっという間にアビスを駆け抜けた。
道中、見たことがない原生生物やショタコンの大女に出くわし苦戦を強いられたが彼のポテンシャルは深界まで通用するものだった。
「ああ、そう言えばまだ名乗っていませんでしたね。私はボンドルド。アビスの探窟家、『黎明卿』と人は呼びます」
「黎明卿……良い二つ名ですね」
「はい。その名にそぐわぬよう、日々探窟に勤しんでおります。あらゆる犠牲を捧げて」
「っ……!」
ゾクリと、戦慄が走る。ボンドルドと名乗ったその男の言葉に滲み出る"狂気"を敏感に感じ取ったベル・クラネルは腰のナイフに思わず手を伸ばしかけたが、思い留まった。
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