ボンドルド「少し、席を外しますよ」ベル・クラネル「え?」
1- 20
1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:33:48.09 ID:itDB2ts2O
「やあ、遠路遥々よく来てくれました」
「あ、どうも。ご丁寧に……」

南海べオルスカの孤島。
そこにアビスと呼ばれる縦穴が発見されたのは1900年前の大昔。当時の英雄達は探窟家としてアビスの全容解明に乗り出したが最深部まで潜った者は誰一人帰っては来なかった。

アビスの底には何があるのか。
それを知るべく迷宮都市オラリオの新鋭冒険者に白羽が立った。ベル・クラネルである。

「流石は神々が降臨せり冒険者が集う街、オラリオの冒険者。このアビスの五層まで軽々下りて来られるとは……本当に素晴らしい」
「そ、それほどでも……」

深界第五層、なきがらの海。
ベル・クラネルは''白兎の脚"の二つ名が示すようにあっという間にアビスを駆け抜けた。
道中、見たことがない原生生物やショタコンの大女に出くわし苦戦を強いられたが彼のポテンシャルは深界まで通用するものだった。

「ああ、そう言えばまだ名乗っていませんでしたね。私はボンドルド。アビスの探窟家、『黎明卿』と人は呼びます」
「黎明卿……良い二つ名ですね」
「はい。その名にそぐわぬよう、日々探窟に勤しんでおります。あらゆる犠牲を捧げて」
「っ……!」

ゾクリと、戦慄が走る。ボンドルドと名乗ったその男の言葉に滲み出る"狂気"を敏感に感じ取ったベル・クラネルは腰のナイフに思わず手を伸ばしかけたが、思い留まった。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:35:56.95 ID:itDB2ts2O
「僕は……ベル・クラネルです」
「おや? もしやレコード・ホルダーのベル・クラネルでしょうか? これはこれは……」

ベルが名乗るとボンドルドは震えた。仮面を被っているので表情は伺いしれないが、どうやら喜んでいるらしく、賞賛を口にした。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:37:54.94 ID:itDB2ts2O
「あたし、プルシュカ」
「君はボンドルドさんの……?」
「うん。あたしはパパの娘」

娘。その単語で少しだけほっとした。目の前の男がモンスターではない証明であるとベルはそう捉えた。故に、少しだけ警戒が緩む。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:39:57.18 ID:itDB2ts2O
「地上のこと、聞かせて!」
「うん、いいよ。何から話そうか……」

部屋に通されて、ひと息吐く暇もなく、ベルはプルシュカに質問責めされた。彼女はどうやら、このアビスから出たことがないらしく、外の世界に興味津々だった。かわいい。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:41:41.62 ID:itDB2ts2O
「眠れませんか?」

祭壇の中央には光の柱があって、それはまるでオラリオのバベルのようでベルは見上げていた。声をかけられて振り向くと彼が居た。

「ボンドルドさん、あの光は……?」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:44:50.38 ID:itDB2ts2O
「ベル・クラネル。家族とは血の繋がりのみを言うのでしょうか? 私はそうは考えてません。家族とは他人同士が出会い、築き上げるものなのですよ。慈しみ合う心が人を家族足らしめるのです。血……オラリオから来たあなたにとっての"イコル"は、その助けに過ぎません」

ボンドルドの言葉にベルの脳裏に"イコル"を与えてくれたヘスティアの顔が浮かんだ。

「愛です。愛ですよ、ベル・クラネル」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:46:31.98 ID:itDB2ts2O
「ボ、ボンドルドさんっ!?」
「はい、私を呼びましたか?」

身を乗り出して叫んだベルの背後からつい今しがた落下した筈のボンドルドの声がした。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:48:07.11 ID:itDB2ts2O
「"スカ"ラグモス」
「ッ!!」

闇夜を引き裂く閃光。枢機の光を、躱した。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:50:21.21 ID:itDB2ts2O
『あたしの名前には、夜明けの華って意味があるんだよ! パパがつけてくれたんだ!』

「あなたという家族を彼女は愛していた!」

ボンドルドも尻のプルスカのことを想った。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:51:51.96 ID:itDB2ts2O
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

愉快ですね。こんなに嗤ったのは久しぶりです。動かざるオーゼンの大便を顔面受けした時以来でしょうか。おっと臭ってきますね。

「もういい……僕はもうあなたに頼まない」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:54:08.21 ID:itDB2ts2O
「ボンドルドさん……お尻のプルスカは?」
「これは文字通りプルシュカのスカ。つまり愛娘の大便です。それを私は尻穴に詰めた」
「あなたは……狂っている」
「正気などアビスの探窟には不要ですので」

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:57:41.24 ID:itDB2ts2O
「君たちがこの先に進むことこそ、私の新たな憧れです。どうか、どうか……君たちの旅痔に溢れんばかりの、下痢便と祝福を」
「パパ……くちゃい」
「ああ本当に。プルスカはかわいいですね」

わけのわからないことを言うボンドルドに見切りをつけて、ベルとプルシュカは旅立つ。
以下略 AAS



12Res/12.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice