【安価スレ】堕ち行く光

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:26:38.97 ID:DydsF5+UO
生きるということは、背負うということ。
道半ばに斃れた仲間の想い、願いを背負い、進むということ。

生きるということは、苦しむということ。
生きている限り、離別と喪失の苦しみは際限なく襲ってくる。
理不尽や不条理の苦しみも、生きている限りは決して終わらない。

生きるということは、奪うということ。
進む道を阻む者の命、希望、心を踏み躙り、断ち切る。
この世に生きる者は皆何かしらを奪い、骸の上に生きている。

苦しむ心を。責任を。全てをかなぐり捨てることが出来たら、どれだけ楽だっただろう。
何も感じない心を持っていれば、どれだけ楽だっただろう。

今までに、どれだけ苦しんだだろう。
これから、どれだけ苦しむのだろう。

そんなことを考えながら、俺は目を閉じた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1659277598
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:27:31.09 ID:oe7E69neO
曇天の空から降り注ぐ豪雨が、乾いた大地を潤す。その中を、一人の青年が歩いていた。
精気の抜けた顔は雨とも涙ともつかぬ液体で濡れ、その眼差しは深淵のごとき闇を湛えている。
誰の目に見ても悲惨な出来事があったのだと想像させる姿であり、事実、彼にとっては世界に絶望するに足る悲劇があった。

麻布に覆われた『何か』を大事そうに抱き抱え、当もなく彷徨う旅人は、この世界に希望など抱いてはいなかった。

「…滑稽だな。俺も、貴女も」

人のために戦い、傷つき、癒し。その結果が護りたかった人々からの痛罵とは。
端から見返りなど求めていなかったが、こうも堂々と非難され、手のひらを返されては呆れることすら出来なかった。
寧ろ、その結末を見抜けなかった自分の眼の節穴具合に嘆息するばかりだ。

「貴女は良かったのか?こんな終わり方で」

麻布を捲り、顔を露出させる。その表情からは、彼女の後悔がありありと感じられる。

「俺は…嫌だな…」

勇者は聖女の亡骸を強く抱きしめ、声無き嘆きを上げた。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:27:58.70 ID:Zpw2gTweO
血に染まった晩餐会は、主催者の悲鳴を以って幕を閉じる。穢された思い出は消えることなく、記憶を蝕み続ける。

「なんでだよ…クソッ…。なんで、アンタたちは…」

過去に裏切られた勇者は、両の手に握られた剣を持つことを忘れ地面に蹲る。
ズキズキと痛む頭を抱えながら、眼前の地獄を記憶に残す。

物言わぬ肉塊となった王と宰相らが、この国の運命を告げている。動乱に呻く時代を示している。が、そんなことはどうでもよかった。
ただただ苦しかった。あれほど輝かしかった思い出は、どす黒い悪意に塗れて心を蚕食していく。
目の前の光景が現実なのだという事実が、どうしようもなく辛かった。

「…はは…はははははは…!」

その現実から逃れるべく、勇者はひたすらに笑う。世界に翻弄される愚者たる自身を嘲る。
もう、勇者は既に死んでいた。その抜け殻たる虚ろなる者、幽者だけがそこにいた。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:28:31.39 ID:tPwhg3wRO
懐かしい夢から目覚め、自室を出る。右腕の包帯を外すと、昨日負ったはずの傷は跡形も無くなっていた。

「…ぷはぁ」

戦利品のワインをラッパ飲みで一息に飲み干す。葡萄が有名な村の名産品なだけあって、下手な酒場で味わったものよりも数段美味だった。
ここまで美味いなら一気飲みするのはもったいないかもしれない、と若干の後悔が生まれたが気にしないことにする。
欲しいならまた奪えば良い。今までそうやってきたのだから、躊躇う必要は無い。

「non dubitabis(汝、躊躇うべからず)…。先人は良い名言を残してくれたものだよ」

jus rem agis(正しい行いをする者よ)、という枕言葉が前にあったはずだが、別に無視していいだろう。人のやりたいことを妨げるのなら、馬に蹴られて死んでも仕方ないものだ。
どうしても妨げたいのなら、力で捻じ伏せるしかあるまい。

そんな思考をしつつ空になったワイン瓶を机に置き、作り置きされていたパンを片手に家を出た。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:29:31.21 ID:1tIcqOPCO
【名前】リヒト・ブラウダ
【人種】人間
【性別】男性
【魔法】光魔法及び冥光魔法
碧眼のみが産まれるブラウダ家に突如産まれた紅眼の忌み子。
『自由の身となる代わりに金輪際家名を使わない』という誓約を結んだため他人は彼の姓を知らないが、家名を持たない人は割といるので特に気にされていない。
愛されたことがないので愛し方を知らず、故に愛に飢えている哀しき人間。
根は善人なのだが、目的のためなら非道を厭わない黒い部分がある。
現在は特級指名手配されているため、偽名である『リュクス』という名を使っている。


【どういうスレなの?】
このスレはリヒトが自分を信じてくれる人のために、そして誰にも裏切られたくないリヒト自身のために国を作るスレです。
それまでに何をするかは自由です。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/31(日) 23:33:21.18 ID:Vu/EZF18O
というわけでスタートです。現在のリヒトに同行してくれている仲間を計2名募集します。内訳は下記の通りです。テンプレートも併記しております。

必要数:1 指名手配直後からの仲間 性別不問
必要数:1 壊滅させたキャラバンから強奪した仲間(奴隷) 性別不問


【テンプレート】
【名前】その名の通り。
【人種】その名の通り。
【性別】その名の通り。
【魔法】どんな魔法を得意とするか。全く使えない人もいます。

魔法から下は自由記入欄となります。来歴や特徴などご自由にお書きください。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/01(月) 04:16:23.88 ID:ZNyStH1No
【名前】マナ
【人種】妖精
【性別】女
【魔法】祝福魔法
故郷を焼かれ、帰る場所を失った妖精の子
かつては同種の仲間に囲まれて幸せに暮らし、生命を愛する心を持っていた。しかし今は生命の存在、活動にやや否定的
特に今後の目的や展望があるわけではなく、故郷を焼いた者に復讐するほどの熱意もなく、日々無気力に過ごしている
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/01(月) 08:33:49.19 ID:OIJ2a2Ke0
【名前】シルヴィア・レイナス
【人種】人間
【性別】女
【魔法】全属性が使用できるが、後述の腕輪のせいで魔翌力のほとんどが封じられている
美しい銀髪と抜群のスタイルを持つ妖艶な美女
絶大な魔翌力と全ての属性の魔法を使いこなすという類い稀な魔法の才能を持ち、賢者として崇められていた
しかし彼女の非凡すぎる才能を次第に危険視したり嫉妬する者達が出始め、ついには騙されて魔翌力を抑制する腕輪をはめられた挙句殺害されそうになってしまう
辛くも逃げ出せたものの、その事については強い恨みを持っており、自分を殺そうとした者達への復讐、
ひいては才能ある者達が生まれや性別などに囚われず、正しく評価される世界を作る事を目指している
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/01(月) 19:27:33.92 ID:9/m36iXY0
【名前】ウルトラレイン
【人種】女性型のウルトラマン
【性別】女性
【魔法】ウルトラマンに変身出来る、格闘技や光線を出して怪獣と戦う
    力自体は非常に強力だがウルトラマンの宿命で地球状では3分間しか地球状では戦えない、
 【その他】 変身した姿は長い銀髪と青い瞳を持った美しい戦乙女、体のデザインは青色がメイン
 【性格」正義感がとても強く、お嬢様言葉を喋る
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 09:41:28.27 ID:m+wh6UcvO
爛々と照り付ける太陽が眩しい。天気が良いのはいいことだが、限度というものがあるだろう。
未だに散乱したままの瓦礫を破壊しつつ、天気に対する愚痴を漏らす。それで何かが変わるわけではないが、気休めにはなるものだ。

「おはようリヒトくん。私お手製のロイヤルなブレッドのお味はいかがかな?」

「普通。パン窯とかないから最初から味に期待してなかったが」

「お世辞でもいいから褒めてもらいたかったねぇ」

「そこまで俺は気が利かないものでね」

切り株に腰掛けてロイヤルなブレッドを頬張っている、美貌が台無しになっている女性。
彼女の名は『シルヴィア・レイナス』と言う。

流行に疎いリヒトでもその名を知っていたほどに著名な人物で、並び立つ者はいない、と断言されていた大賢者"だった"。
その才故に尊敬を集め、その才故に嫉妬に塗れた。
そして、人の悪意によって、自身を支えていた大いなる翼は奪われた。
今の彼女は、知識だけが取り柄の無力な人間と化している。過去の面影はその姿しか残っていない。

翼を失った大賢者は幽者に救われ、希望を無くした幽者は大賢者に救われた。
その関係とある種のシンパシーが、彼らを繋ぎ留めている。

「アレはどうだ?」

「意気消沈…というか、無気力状態だね。完全にやる気なし子ちゃんだよ」

リヒトがアレと呼ぶ、偶然幽者の目の前を通りがかってしまった不運なキャラバンから強奪した戦利品。人の悪意に故郷を奪われた人ならざる者。
それは、苦しみから逃れるべく心の檻に閉じこもっていた。

「…そうか。ま、しゃーないよな。ちと様子を見てくるわ」

「行ってらっしゃい」

勝手に死なれては大損だと、リヒトはわざとらしく口にしてアレの元に向かった。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 09:41:58.38 ID:m+wh6UcvO
「−−−−」

鬱蒼と繁る森の中、それはいた。背中から水晶のような羽を生やし、虚ろな表情で空中を漂っている。
その姿からは生きる気力を感じられず、漏れ出すように紡がれる歌は人には理解出来ず、ただ脳を蝕む。

「んな顔するなよ。生きてたら俺みたいにいいことがあるって」

喉元まで込み上げている嘔気を押し留め、平静を装い声を掛ける。歌は止まり、不快感も治まった。

「…どんないいことがあったの?」

「…まぁ、色々ですね」

いいことなぞ全く無かったので、追及されるのは困りものだ。そんなリヒトの心情を察したのか、それとも興味が無かったのか。
妖精は目を閉じ、後ろを向いた。

嘗て昏迷の森と呼ばれる地域に暮らしていた、という『マナ』と名乗った妖精は、自宅に連れ帰ったや否や近隣の森に逃げ込んだ。
逃げ込んだというよりは、こちらの方が居心地が良い、と言った方が正しいのかもしれない。
彼女ら妖精は、本来人の世に出てこない存在だ。森の奥で、自然と共に在るのが妖精というものだ。
そんな存在であるマナが、人の暮らす家を拒絶するのは道理と言えよう。

空に浮かび、瞑目しているマナを見たリヒトは踵を返す。
何かあったら助けを呼ぶように伝えると、妖精は小さく頷いた。

『なぜ、わたしをたすけたの?』

帰りの道すがら、救出されたマナに問われた言葉を思い出す。頭をガジガジと掻きながら、リヒトは声を漏らした。

「…言えるわけねぇだろ、クソ…」

あんな悲しそうな顔をされたら、目を背けることなんて出来なかった。そんなこと、本人には言えなかった。

自分を誤魔化すように頭を振った後、リヒトは足速に駆けていった。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 09:42:32.92 ID:m+wh6UcvO
「さて、ゴミ掃除ついでに作戦会議といこうか」

「ああ」

数百年前に定住を試みた先人が残した家屋。その全ては自然に呑まれて廃墟と化した。

人が文明を築いてから日が浅い現代では未開拓の領域はあまりにも広く、故にこうしてリヒトたちが隠伏生活を行えている。

「私たちの最終目標は何か。はいお答えくださいリヒトくん」

「自分の国を作って皆から愛されたい」

「うんうん。馬鹿正直に自分の願望を言ってくれてありがとう」

くつくつと笑うシルヴィアは揶揄っているのか、リヒトの頬をペチペチと叩く。これっぽっちも痛くないが、気恥ずかしいのでリヒトはそっぽを向いた。

「君は自分の国を作る。私は出生や性差等に囚われない、正しく才能や努力を評価される世界を作る。あとついでに私をこうした奴らを地獄に叩き落とす。という遠大な目標を掲げているわけだ」

人に話せば爆笑の後軽蔑が待っていること確実の、子供でも人に言わないほどの馬鹿馬鹿しい夢を、彼らは本気で、大真面目に成そうとしている。
一人は忌み子である自分でも、愛される権利を持っていることを信じるために。
一人は自身のような者を二度と生まないために。

「で、その過程に何が必要か話し合おうじゃないか。どうせ私が一方的に言うだけだろうけど」

どこから取り出したのか。スリムな眼鏡を付けたシルヴィアは、羊皮紙と羽ペンを片手に瓦礫に座った。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 09:43:18.53 ID:m+wh6UcvO
「まず私たちに足りない物は何だと思う?」

「人員。物資。領地。その他諸々」

「つまり全部足りないってわけだ。人手不足なのもそうだけど、物資が足りないのは痛いね。今有る物資も、私たちが数週間食い繋ぐのがやっとの量しかないからね」

「でもさぁ、物資を強奪(うば)っても運ぶ手段が無いじゃん。馬さえいないから俺が全部担ぐしかないし」

「だから、輸送手段が欲しいところだね。龍騎兵(ドラグーン)がベスト…次点で空騎兵(エアライダー)かな」

「最悪騎兵(ライダー)がいれば良いだろ。高望みしたってしょうがない」

「強欲じゃないのは偉いぞリヒトくん。愛されるために国を作ろうとしてる輩とは思えない!」

「忌み子が愛されるのを望んだって別に良いだろ!」

その後、あーでもないこーでもないと議論と言う名の談笑をする二人がいた。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 09:43:50.51 ID:m+wh6UcvO
何をするかを↓1にどうぞ。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 10:16:25.44 ID:uS8tcFE80
仲間を探す
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 10:50:21.95 ID:uh0k/OhuO
「んじゃ、行きますか」

普段着から軽装に着替え、荷物を整理する。シルヴィアも同じく軽装に着替えて準備を済ませた。

「………」

マナ、ひいては妖精には着替えという概念がない。故に準備するものもなかったし、彼女にはそもそもする気が無い。

現在のパーティ構成は近接1、遠隔(笑)1、無職1という割り当てだ。つまり、リヒトが頑張らなければ全員死ぬ。
責任重大だが、勇者と呼ばれた彼の実力は伊達じゃない。並大抵の脅威であれば千切っては投げ千切っては投げである。

「頑張れリヒトくん。今の私は人喰いネズミにすら簡単に殺されちゃうからね!」

「自慢して言うことじゃねぇ!」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 10:56:45.88 ID:ctuF+rjyO
目的地を↓2にどうぞ。

A:賊のアジト 道中イベント:0
B:荒廃した街 ソルド 道中イベント:2
C:王亡き都 レムカーナ 道中イベント:4
D:普遍の町 アリフ 道中イベント:0
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 11:12:17.29 ID:50IrCxfRo
踏み
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 11:33:57.61 ID:mZq0QmmDO
C
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 13:24:27.42 ID:JBqdiSZ8O
「いやーすまないね!勇者にすら打ち勝てる自分の才能が恐ろしいよ!!!」

「帰ったら許さねぇ」

どこに向かうかを決める一世一代の大博打。即ちじゃんけんに大敗を喫したリヒトは、シルヴィアを抱えたまま獣道を駆けていた。ちなみに、マナはリヒトの頭にしがみ付いている。

「俺の事情を知ってるくせにレムカーナを選ぶか普通!特級指名手配犯だぞ俺!?」

「大丈夫大丈夫。いざとなったら飛んで逃げられるでしょ君」

「精神衛生上非常によろしくない!あっ」

長い獣道を抜け出すと、そこは崖っぷちだった。勢いのまま飛び出した三人組は、重力に従い落ちていく。
一瞬焦った顔を見せたリヒトだったが、すぐに表情を元に戻し、意識を集中させた。
溢れ出す光が身を包み、光の翼を現出させる。飛竜の翼もかくや、というほどの雄大な翼を広げ、勢いよく滑空する。

「快適快適。私を落とさないよう気をつけておくれよ?」

「すぴーどさげて」

「注文が多い奴らだなったく!!!」

ぶつくさ文句を垂れているが、要望通りに快適なスピードを維持するリヒトだった。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 13:28:31.99 ID:T8j5xHVvO
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 14:48:53.70 ID:yi8LVW/DO
はい
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 21:30:27.28 ID:EX6KTASnO
煌々たる星空が見える夜、川の近くでは小さな焚き火が燃えていた。パチパチと音を立てて燃え、風に揺れる炎は儚くも美しい。

「はふ…」

リヒトが設置した光源頼りに読書をしていたシルヴィアは、襲う眠気を誤魔化すことなく欠伸で示した。戦力の99.9%を占める要であるリヒトはここにいない。いる必要が無い。

「流石私。魔力を封じられても、叡智一つで問題を容易く解決出来てしまうなんて…。と、自画自賛しても、反応してくれる人がいないと存外つまらないものだね」

「………」

膝下に丸まって眠るマナの頭を撫でる。マナはじっとりとした視線を向けた後に、また目を閉じた。

退屈しのぎに、シルヴィアは小石を拾って軽く放り投げる。一定の距離を進むと、不快な音と共に塵と化した。

「…ちょっと出力上げすぎたかな。後で術式を調整しようそうしよう」

リヒトとシルヴィアの共同作業で構築された結界は、小規模な軍勢が匙を投げて不貞寝する程度には強固だった。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 21:31:17.00 ID:otp0XyTyO
野営地から少し離れた森の中。一人の青年が夜空を眺めていた。無数の魔物が跳梁跋扈しているが、怯えてはいない。
寧ろ、魔物側が怯えている。こっち来んなあっち行け。どこかに行ってくださいお願いします!と涙ながらに念じている気さえしてきた。

リヒトは星空に手を伸ばす。無数の星が手のひらに隠れるが、触れることはない。

「星に手を伸ばしても、決して届きはしない。俺の夢も、同じものかもしれない」

それでも。

「俺は絶対に、夢を諦めない」

決意を確かめるように、星を握りしめた。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 21:32:59.80 ID:Z3vjnK0VO
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 21:34:51.35 ID:dmml45dE0
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 21:45:31.37 ID:RcGmexNjO
「はい終わり」

最後の一匹を始末したリヒトは、剣に付いた血を拭う。光を湛えた聖剣は、ふわりと浮いて虚空に消えた。
慈悲を以って命を絶つ。一息に殺めるのはリヒトなりの慈悲であり、配慮だった。
一撃で絶滅しなければ、その分苦しみが続く。逃れ得ぬ死であるのなら、少しでも楽に逝かせてやろう、という優しさだ。
無論、それが自己満足であることは自覚している。殺しているのに何が優しさだ、との非難は甘んじて受け入れよう。

だが、この戦い方を辞めるつもりはない。迅速に、確実に殺めることは、自身の安全にも関わるからだ。
生き延びるから、禍根が生まれる。ならば、殺し尽くせば禍根など生まれない。
それは、度重なる激戦で得てしまった、常人とは異なる価値観だった。

「にんげんはなぜ、ほかのいのちをうばうの?」

不意に口を開くマナ。その問いに、リヒトは答えられなかった。
殺すことだけを求められた勇者には、正しい答えが分からなかった。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 21:46:18.65 ID:3gHmBlN4O
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 22:04:14.94 ID:50IrCxfRo
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 22:05:57.77 ID:Y5zXCckqO
どんなことがあったかを↓1に。話の流れにそぐわないもの、あり得ないものなどは下に流れます。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/02(火) 22:11:11.76 ID:Ty+u76J0O
草木の生い茂る廃城を見つける
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 23:22:21.37 ID:+TIyWFxxO
リヒトはシルヴィアたちより先行し、周囲に危険が無いか偵察していた。
しかし、目ぼしいものは何も見つからない。魔物もいなければ、賊らしき人影や馬車の痕跡すらも見えない。

「もう少し高度を上げるか」

光の玉を二発打ち上げた後に、さらに上へと飛翔する。合図を送ったから、二人もすぐ駆けつけるだろう。

「…む?」

リヒトから見て二時の方向。方角で言えば北西の先に、人工的な何かが一瞬見えた。
好奇心を抑えるつもりは端から無いので、仔細が判明する距離まで接近する。
ある程度近づいてから解ったことなのだが、人工的な何かとは『廃城を構成する見張り塔』だった。放置されて長いのか草木が生い茂り、蔦が表面を覆っていた。
我ながら良く見つけられた、と感心するほどに、風景に同化して分かりにくい。

鬼が出るか蛇が出るか。心躍る廃城探索の始まりだ。
口角を吊り上げたリヒトは、光を三度放った。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 23:22:59.54 ID:+TIyWFxxO
廃城前の石碑で合流した幽者御一行はまず、この城がどういうものなのかを調べることにした。
現代では使われていない文字に加えて経年による風化のせいで文字は全く読めなかったが、天才は格が違った。

「『ヴォルグス城』…で間違いないね」

文字を丸写しした羊皮紙を見て、シルヴィアは満足気に頷く。解読に成功したらしい。

「まぁ、私にかかればこんなものさ。早く中を調べようか。どんな書物が遺っているか楽しみでしょうがないよ!」

「わーってる。露払いはお任せあれってな」

聖剣を肩に担ぎ、リヒトは閉ざされた扉に触れる。鉄製の扉は錆び付いており、ビクともしなかった。
立ち塞がる困難は全て、この聖剣たちと共に乗り越えてきた。ならば、今回も同じようにするだけだ。

「…ぉらっ!」

リヒトは、全身全霊の蹴りを叩き込んだ。

「いや斬り捨てなさいよ。聖剣たちがかわいそうじゃないか」

「腕が痺れるからやだ」

轟音を立てて闇へと消えた扉をよそに、シルヴィアは呆れたように頭を抱えた。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 23:23:27.26 ID:+TIyWFxxO
『わたしはねてる』

とだけ言い残して木に寄りかかったマナを除いた、リヒトとシルヴィアコンビは意気揚々と廃城を探索する。
長い間人の手が加わっていなかったので内部は荒廃しており、触れただけで崩れ落ちるほど脆い足場もあった。

「………」

虫に食われ、カビが生えてマトモに読めない書物も散乱していた。なんとか読めそうな部分を見つけ出し、シルヴィアに解読を頼むが、溜め息ばかりが返ってくる。

「落書きでも書かれてたのか?」

「住人…正しくは衛兵の手記さ。この城が滅ぶまでの顛末が記されててね」

「へー。普通に重要な情報の気がするが」

「主観の…それも一つの視点で見た情報だけ手に入れても、という話さ。同じ筆者の手記だけを見たって何も得られやしないよ」

シルヴィアは不満そうに本を直し、自身の持つ羊皮紙を取り出した。そして、勢いよくペンを走らせた。

「とはいえ、数少ない情報だ。目に見える形として残せば、筆者も報われるだろう。興味があるなら、何が書かれていたか教えてあげるよ?」

「またの機会で頼む」

興味なさげにリヒトは答え、保存食の干し肉を齧った。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/02(火) 23:26:47.13 ID:+TIyWFxxO
廃城探索 判定↓1コンマ


01〜30:宝箱を一つ発見。(安価一回)
31〜60:宝箱と新しい手記を一つずつ発見。(安価一回と情報を獲得)
61〜99:宝物庫を発見。(安価複数回)
00:???
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 00:12:35.90 ID:SAvywdSDO
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 01:01:22.18 ID:OZv5ZrZgo
きたい
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/03(水) 01:14:17.85 ID:2kEEnaFQO
「お待たせしたね。さて、お次は君の番だよリヒトくん」

「ああ。頭を使う作業は任せた」

「任されたよ」

城内の廊下を歩きつつ、城中に巣食っていた魔物を一掃していく。所々腐敗している魔物が多いが、ゾンビの類ではなさそうだ。

「…この城が無人になった元凶だよ。その腐りかけのネズミや犬に噛まれたら、そこから疫病に感染して死に至るんだ」

「えっ」

「外に疫病が広まっていない理由は単純明快。この病気に罹った生き物は、日の光や水を極度に嫌うんだ。意志に関係なくね」

「つまり、この城から外に出られないんだ。一度出てしまえば、拒絶反応でたちまち息絶えてしまうだろう」

「…治療法は?」

「ない!」

なるほど。クソみたいな病気だ。二人は顔を見合わせて、冷や汗を流した。こんな病気に罹って死ぬなど、死んでもごめんである。

「見敵必殺だ。怪しい奴がいたら片っ端から教えてくれよ!」

「死にたくないから死ぬ気で探すよー!」

半ば自棄になった二人組は、お宝目指して城内を走り回った。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/03(水) 01:14:54.70 ID:2kEEnaFQO
「…これで、粗方探し終わったかな」

宝箱がありそうな場所を調べ回ったが、どこもかしこももぬけの殻だった。見つかったものといえば、先人の遺骸くらいだ。
鎧と白骨が散乱した無惨な光景。嘗てはここが人でいっぱいだったと考えると、無性に悲しくなる。

今二人がいるのは、城主が利用していたであろう寝室だ。人が数人寝られるほどに大きなベッドと、埃を被った鏡台が特徴的な、しかしどの城でもよく見られる様式の部屋だった。

「…こりゃ期待外れだな。一休みしたらレムカーナに行こうぜ」

「ちょっと待っておくれよ…」

そう言って、シルヴィアは羊皮紙に図面を書き殴る。知識不足のため確証は無いが、ヴォルグス城の間取りに見える。
周囲を見渡し、独り言を溢し。正直関わりたくない行動をするシルヴィアから、リヒトは数歩後ずさる。
特に気にする様子もなく、シルヴィアは作業を続けた。

「解った!」

待つこと数分。突如、賢者が口を開いた。珍しく大きな声を出すものだから、リヒトは少し驚き、シルヴィアの方へ振り返った。

「解ったって、何が?」

「リヒトくん。そのベッドを壊すかどかしておくれ」

「ん」

指示を疑問に思いつつ、リヒトは剣を抜いた。光を纏った聖剣が振るわれ、光の奔流が壁ごとベッドを吹き飛ばした。

「やりすぎだけどまぁいいか。次は、そこにある瓦礫を取っ払って」

「了解。…おぉ?」

不自然に積み重なった瓦礫を排除すると、石製の梯子が目に映った。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/03(水) 01:15:36.94 ID:2kEEnaFQO
リヒトは梯子を降りつつ、今の位置をシルヴィアに確認する。

「ここは、裏手のバルコニーから見えていた壁の出っ張りの部分だよ。てっきり、構造上作らざるを得なかった、補強用の部分だと思ってたんだけど」

「城内を調べて不思議に思ったんだ。ここには、貴重品を隠す領域が無いことにね。王権を象徴する宝具とかを、略奪者に奪われないように隠す秘密の部屋が普通はあるはずなんだ」

だが、そのような怪しい場所は見つからなかった。隠し通路や隠し扉も、床をいくつか破壊までして調べたが存在しなかった。
一階から最上階まで間取り図を書き出し、唯一そういった通路が隠せそうな場所がここだったらしい。

「最深部に到着…。何がありますことやら」

長い梯子を降り終えると、今度は石で作られた扉が目に映る。外気に晒されていなかったからなのか、新品同然の外見をしていた。

「それでは御開帳だ。3…2…1…0!」

力を込め、扉を押す。地響きと共に、ゆっくりと扉が動いた。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/03(水) 01:18:53.93 ID:dx3FJKYUO
戦利品 判定↓3までのコンマ 最低2つ保証
何が入っているかを記載してください。何が入っているかが記載されているレスのコンマで判定します。


01〜30:スカ
31〜99:あたり
00:おおあたり

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 01:26:30.12 ID:v8Wl41ec0
眠っている少女
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 01:31:32.24 ID:Ch8eusDyo
何らかの魔翌力を秘めた宝珠
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 01:39:24.30 ID:AR8yVPK8o
代々伝わるめちゃくちゃ美味い料理のレシピ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/03(水) 01:46:42.30 ID:wPJ2/mIiO
全部スカなので↓2までのコンマで再判定
↓1は00を除いて三等分、↓2は二等分して、それぞれのコンマの大きさに対応したものを選びます。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 01:48:03.43 ID:v8Wl41ec0
連取りありなら
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 06:39:11.75 ID:OZv5ZrZgo
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/03(水) 12:24:09.39 ID:Yma5WwEOo
>>42
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:25:38.13 ID:a37F8p4WO
undefined
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:26:08.23 ID:a37F8p4WO
扉を開けると暗黒に満ちた宝物庫が姿を見せる。一寸先は闇、と比喩でよく言われるが、実際に現象として目にすることになるとは思わなかった。
見えない。何も見えない。マジで見えない。自分の手を眼前まで近づけても、全く見えないのだ。光の概念がこの場所だけ存在していないのかと錯覚を覚えてしまう。
流石に暗闇の中を手探りで行動するのは無謀だ。二人とも暗視の手段は持っているが、それは星の元でしか使えないし何でもかんでもはっきりと認識出来るわけではないのだ。

リヒトは光の短剣を数本作り、石畳や天井に突き刺した。ほうら明るくなったろう、とでも言いたげだが、数が多すぎて逆に眩しいまである。

「…まぁ、予想はしてたよ。この人たちも辛かっただろうな」

光が戻った視界に映るのは、朽ち果てた衣類と亡骸。そして、大事そうに守られた三つの宝箱。
遺体が身につけている宝飾品からして、亡くなられたのは城主夫妻と、その親衛隊の騎士だということは容易に想像出来た。死因はおそらく餓死。

机に置かれた手記には、臣下を置いて病魔の蝕む地上から逃げたこと。そして、病に苦しむ臣下と共に逝けぬ自分の不甲斐なさなどに対する謝罪と後悔が記されていた。
当時の情勢が分からないので憶測でしかないが、本気で逃げ出すのなら城から出るだけで良かった。
にも関わらず、わざわざ脱出口が無い宝物庫に逃げ込んだということは、そういうことだろう。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:27:23.37 ID:a37F8p4WO
「…見捨てることが出来なかったんだろうね。病に苦しむ兵士たちを置いて逃げることが出来ず、かといって同じ苦しみを味わう覚悟が足りず。だから…」

「だから、この人たちはこの場所で、命を終えることを選んだ。同じようには逝けなくとも、せめて、同じ場所で。共に生きてきたこの城で終わりたかったから。…哀しいね」

原因も不明な疫病で国が滅ぶことなど、短い人類の歴史を辿ればままあることだ。集落単位になればなおさら。
だが、これは。こんな終わり方は哀しすぎる。理不尽すぎる。

「まぁ、それはそれとして。お宝を拝見させていただくか」

「ムードもへったくれも無いね。人の心は無いのかい?」

「人の心があるから宝に惹かれるんだろ」

先程までの陰鬱な雰囲気は霧散し、彼らが命を賭して遺した未知のお宝への興味が場を支配する。どこからか、呆れた溜め息が聞こえた気がした。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:27:54.88 ID:a37F8p4WO
鍵の掛かった宝箱を開けるのに一番手っ取り早い方法は何か。道行く人々に訊ねれば、様々な答えが返ってくるだろう。
盗賊に頼む。鍛冶屋に頼む。なんかいい感じに鍵だけ壊すなどなど。
幽者の答えはこれだ。

「箱を解体すれば良いんだよぉ!!!!!」

リヒトは聖剣を取り出し、一つ目の宝箱を斬り刻む。幾度も閃光が走り、鞘に収められた瞬間、宝箱はバラバラになって中身を露出させる。
果たして、ヴォルグス城の至宝の正体とは。

「『は ず れ』」

と古代語でデカデカと書かれた羊皮紙が、至宝の正体だったらしい。なるほど、このガッカリ感がお宝というわけか。
お宝をくれた返礼として、この城は跡形もなく滅ぼさなければならない。
聖剣が色を変え魔剣となる緊急事態が発生しているが、シルヴィアは意に介さず残りの宝箱を物色する。パカっと、何の抵抗もなく開いた。

「は?!?」

「最初から鍵は掛かってなかったよ。鍵チェックも無しに実力行使に出るリヒトくんが私は怖いよ」

「いや普通宝箱には鍵が掛かってるって思うだろ!?」

「鍵が空いてたのは事実なんだから逆ギレされても」

雑談の間に、魔剣はまた聖剣へと戻る。ヴォルグス城消滅の危機は避けられた。
シルヴィアの吐息と共に宝箱から取り出されたのは、紫紺に染まった透明な宝珠と、古代語がびっしりと書かれた羊皮紙の束だった。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:28:28.73 ID:a37F8p4WO
「おぉっ!なんかそれっぽいやつじゃん!」

「それっぽいっちゃあそれっぽいけどね。君が思ってたであろう金銀財宝とは程遠いよ?」

「この際人を小馬鹿にした書き残しじゃなければなんでもいいわ!」

先程上げて落とされたことに対する恨み節を溢すリヒトは、羊皮紙を手に取る。が、すぐに目を背けた。

「古代語なんて読めねぇよ」

「もし君が読めても興味は無いだろうけどね」

シルヴィアが大事そうにカバンに入れたそれは、ヴォルグス城に伝わる極上料理。そのレシピだった。レシピの題名は『気になるあの人も即死!?胃袋を掴んで離さぬメチャウマビーフシチュー』である。物騒な題名で怖い。
もう一つのお宝は、シルヴィアをしてよく分からんと漏らす謎の魔力が秘められた宝珠だ。彼女が言うには、リヒトの魔力に似た波長を感じるらしい。

「まぁ、たまたま見つけた廃墟での収穫と考えれば悪くはないんじゃないかい?レムカーナはもうすぐだ。早いとこ用事を済ませようじゃないか」

「…その前に、少し時間をくれ」

収穫に満足し宝物庫を出ようとするシルヴィアを、リヒトは決意を秘めた表情で止めた。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:29:03.33 ID:a37F8p4WO
「…これでよし」

目に見えた亡骸を全て、ヴォルグス城の中庭に移動させる。
リヒトが光魔法で発破を掛け、ぽっかりと空いた二つの穴に、亡骸を分別して埋めていく。ちなみに、左が城主夫妻を入れた穴で、右がその他の遺体を入れた穴だ。
遺体を入れ終わったら、土で穴を完全に埋める。そして最後に。

『ヴォルグス城の城主、苦楽を共にした臣下と此処に眠る』
『ヴォルグス城に生きた者、敬愛する城主と此処に眠る』

と、リヒトが慣れない手で文字を彫ったお手製の石碑を建て、埋葬は終了した。

「お優しいことで」

「…別にそんなんじゃない。放置してどっか行くのは、墓荒らしみたいな気がして嫌だったんだよ。かといって、城主だけ埋めても中途半端だしな」

所詮これは、ただの自己満足だ。こんなことをしても、犯した罪は消えない。死者の眠りを妨げた事実は変わらない。だけど。

「…俺、この城に来れて良かったと思うよ」

人知れず滅んだヴォルグス城を。滅びゆく中で未知の脅威に怯えながらも、懸命に生きた者の覚悟と生き様を。互いに想い合っていたことを知れたから。

「…そうだね。君がそう思ったら、死んだ人も浮かばれるよ。きっと」

眠ったままの小さな妖精を抱き、二人はヴォルグス城を後にした。

夜な夜な談笑する声が聞こえる廃城を見つけたら、決して近づいてはならない。
死ぬほど美味い(物理)ビーフシチューを振る舞われて、二度と戻ってこれなくなるから。

そんな噂が冒険者の間で広まるのは、また別のお話。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 02:29:31.31 ID:a37F8p4WO
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 02:32:29.12 ID:aSx416AA0
a
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 03:00:47.83 ID:uTc78J9QO
長い旅が終わりを迎えレムカーナが目前に迫ったところで、問題に直面することになった。

「…チッ。楽には行かせてくれねぇか」

聖剣を肩に担ぐ勇者は不快気に舌を打ち、前に出る。賢者は妖精を背負い、一歩後ずさった。

眼前にいるのは、強固な鎧を纏ったミノタウロスの群れ。おそらく種族はアークミノタウロスだ。
本来であれば、人里から遠く離れた洞窟などに居住しているはずなのだが、何故ここにいるのだろうか。

「腹でも空かせてるんじゃないの?人を喰ったミノタウロスはアグレッシブだからね」

なるほど。人の味を覚えて、わざわざ人が多く住むレムカーナまで来たというのか。
欲を満たすためなら苦労は厭わない。素晴らしい精神性だ。

リヒトは群れの先頭に立つミノタウロスの獲物を凝視する。返り血と臓物がべったりと塗れたそれは、数多の命を刈り取ったことを物語っている。
先程から鼻を突く屍臭の正体に気づき、気分が悪くなる。

そんなことは知らねーと、ミノタウロスは咆哮と共に突進を仕掛けた。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 03:04:44.30 ID:+MoV9pGPO
戦闘 判定↓1コンマ


01〜05:リヒトピンチ。
06〜25:シルヴィア&マナピンチ。
26〜45:戦闘膠着。
46〜75:有利。
76〜90:ミノタウロス隊撤退。
91〜99:ミノタウロス隊全滅。
00:???
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 03:44:17.06 ID:FECU2vr1o
_
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 09:51:19.51 ID:BJb5QkE4O
ミノタウロスの号令と思しき怒号が聞こえ、群れが一斉に突進を始めた。
ムッキムキの上半身と妙に貧弱な下半身から生まれる推進力は伊達ではなく、筋肉の波濤と形容しても差し支えがないほど、その突進には迫力と重圧があった。

現役時代にアークミノタウロスと戦り合った経験が無いため、どういう出方をするか分からない。
ので、まずは小手調べとして牽制を行うことにした。

リヒトが『光絶(スプライト)』と呼ぶ、魔力を用いた極小範囲の空間切断。数多の戦闘の中で体得した、効率的に戦力を減らす殺戮の化身たる魔法は、悉くが避けられた。

「初見で避けられるかっ…!」

リヒトは即座に小手先の技は通用しないと判断し、シルヴィアとマナに逃走の指示を出す。
はっきり言って、お荷物な二人を守りながら挙動からしてかなりの手練れである魔物の軍勢を処理するのは、幽者であるリヒトでも苦労するものだ。

「ーーーー!!!!」

「下位種相手の対策が通用するか分からねぇが!!」

光の魔力を纏った双掌で地面を突く。魔力が大地に満ち、無数の光剣が突き立った。
致死性の悪路を形成し、突進を妨害する。騎兵にも転用出来る突進対策の効果は果たして。

「ーーーーっ!!!!!!」

効果ナシ。枯れ枝を折るようにパキパキと折られては、なけなしのプライドも傷つくと言うものだ。
というか、本当にあのミノタウロスの上位種なのだろうか。明らかに耐久性などが段違いで高いのだが。似た外見の別種だったりしないだろうか。
そんな疑問が浮かんでくるほど傍若無人な振る舞いをするミノタウロスは半数がリヒトに押し寄せた。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 09:52:12.88 ID:BJb5QkE4O
ミノタウロスとリヒトが揉みくちゃになっている頃、シルヴィアとマナはただひたすらに逃走していた。

「ひぃ…!ひぃ…!インドア大賢者にランニングは厳しいって…!」

「うし、きた」

「分かってるよぉ…!」

ヘロヘロな走りを魅せるシルヴィアに、呆れながらも魔法を掛けるマナ。
妖精の齎す祝福で身体能力が上がっているのだが、悲しいかな。0に何を掛けても0なのだ。

「クソゥ!私が魔力を封じられてなかったら、あんな筋肉ダルマ秒で消し飛ばせるのに!」

悪態を吐くシルヴィアを慮ることなく、筋肉ダルマは獲物を構え距離を詰めた。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 09:56:07.38 ID:aJC0rZfWO
死亡判定 判定↓1コンマ


01〜10:シルヴィア死亡
11〜20:マナ死亡。
21〜30:シルヴィア負傷。
31〜40:マナ負傷。
41〜55:リヒトはみがわりをつかった!
56〜95:妨害成功。
96〜99:ピンチはチャンス。
00:???
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 10:06:03.04 ID:QAXhO8330
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 10:36:55.43 ID:KgSlAMPMO
ああ、これは駄目だ。眼前に迫るアークミノタウロスを見て、シルヴィアは諦観した。
リヒトが筋肉ダルマ包囲網を抜け出すのにおよそ10秒掛かる。そんな時間があれば、どちらかが確実に死ぬ。

「…私に、他人を踏み台にしてまで生きる強かさは無いのでね」

人肉を求めてレムカーナまで来たのなら、妖精のマナは興味の対象外のはずだ。そう予想を付けたシルヴィアは一歩、前に出た。

「どうしようもない人生だったが、まぁ。君といた時間は、存外悪くなかったよ。リヒトくん」

「私の夢は既に託している。必ず実現させてくれたまえ。…頼んだよ」

人を疑い、見限ることが出来なかったが故に、翼を失った。他人を踏み台に出来なかったが故に、命を失う。
大賢者の末路としては三流の悲劇だと、シルヴィアは小さく笑い、命を散らした。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 10:37:38.05 ID:KgSlAMPMO
人々の羨望を集めた大賢者は、人知れず凶刃に斃れた。
飛び散る鮮血は、惨たらしくも、美しい。
力なく倒れたシルヴィアの遺体を、涎を垂らしたミノタウロスが鷲掴む。

己が非力だったばかりに、死ぬ必要のない者が死んだ。その事実は甘んじて受け入れる。
が、今はまだ、悔やむ時間ではない。
そして何より、目の前の魔物は大事な遺体を喰らおうとしている。そんなこと、絶対にさせるわけにはいかない。

悪夢からようやく解放されたのだ。何人たりとも、その永い眠りを妨げることなど許されない。だから。

「その薄汚い手で、シルヴィアに触れんじゃねぇぇっ!!!!!!」

何度味わったか知れない喪失感と共に、魔剣の力を解き放った。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 10:40:11.04 ID:qLF5kPxPO
戦闘 判定↓1コンマ


01〜05:マナピンチ。
06〜15:戦闘膠着。
16〜40:有利。
41〜65:ミノタウロス隊撤退。
66〜99:ミノタウロス隊全滅。
00:???
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 10:50:36.89 ID:k4dGG/FL0
たあっ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 11:41:04.09 ID:8Dgzlt0WO
黒光の流星。死の閃光。そう形容するしかない、禍々しい光が、戦場を斬り裂いた。
血と臓物を散らし、生ぬるい風が吹き荒れる。屍臭の混じったそれは命が無造作に刈り取られた証左であり、圧倒的な暴力に捩じ伏せられた結果だ。

「いっつもこうだ。なんで、俺は喪うんだよ。大切な物ほど、あっけなく失くしてしまう。手から零れ落ちてしまう」

膨れ上がる憎悪は、魔剣の刀身に纏わりついて。深淵の如き光を湛える。
光でもあり闇でもある。度重なる絶望によって目醒めてしまった、リヒトが冥光と呼ぶ破滅の魔力。それが、獲物を見定め、放たれる時を待っていた。

相対するミノタウロスは、死の予感を敏感に感じ取る。これには勝てないと。命が惜しくば、戦利品を捨てて逃げろと。
耳を劈く咆哮が大地を震わせ、ミノタウロスの軍勢は回頭して逃走を始める。
だが、幽者にそれを見逃す理由は無かった。

冥光を纏った魔剣の横薙ぎ。たったそれだけで、命全てが無へと帰した。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 11:41:51.10 ID:C28H3fo7O
生命の消え去った戦場に立つのは、勝者にして敗者の幽者。そして、無感情な妖精。
虚な表情で遺体を麻布に包む幽者は、皮肉にも遺体の回収の手際が良かった。

「ほかのいのちをころすのにころされるのはいやなのね?」

「…生き物はそういうものだ。そこらの魔物も、同じことをやってるだろ」

世界に苦しめられたとは思えないほどに穏やかな顔をしたシルヴィアを抱え、剣を虚空に戻す。
勇者のみが持つという聖剣を見せびらかす意味は、あまりにも大きいからだ。

「にんげんだけよ。たのしむためにいのちをうばうのは」

「…そうだな。それだけは、俺も同意するよ」

人の闇を知っているリヒトはマナの言葉を肯定し、レムカーナへと入った。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 11:42:12.07 ID:EaOI1lKEO
レムカーナへと至ったリヒトは、まずは教会に向かった。遺体を抱えたまま行動するのは、悪目立ちしてしょうがない。

「…はい。名前は『シルヴァ・レナ』でお願いします。はい。ありがとうございます」

棺を見繕い、金銭を支払う。かなり重い買い物ではあるが、躊躇うものではないので即決で購入した。
棺の受け取り日を決め、教会を出る。あれほど口うるさかった賢者の声が、不思議と今は懐かしく、恋しく感じる。

王亡き都『レムカーナ』。国王と宰相が『不慮の事故で死亡した(リヒトが殺した)』ため、内政が不安定な大都市である。
そのため、ならず者の数が増えスラムが広がり、と治安悪化の一途を辿っているわけだが、リヒトは心底どうでもよかった。

重要なのは、ここで仲間が増えるか否かだ。シルヴィアもそれを望んでこの場所を選んだのだ。
是が非でも仲間を見つけなければならない。

「…人が一人減っただけで、こんなに寂しくなるもんなんだな」

宿屋の食事を食べつつ、リヒトはそんなことを溢した。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 11:42:46.08 ID:EaOI1lKEO
何をするかを↓1にどうぞ。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 12:34:18.97 ID:b2tJ47Mb0
協力的な者を探す
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 12:46:30.65 ID:F0UVP+VLO
兎にも角にも人手が足りない。とにかく足りない。全くもって足りない。
幸いにも、ここレムカーナは人だけはいるものだ。その内容は置いといて。

「マナ…は…どうするか。正直いてもいなくても変わらないんだよな。かと言って、同行させたら目立つし」

妖精という存在自体、人里ではまずお目にかかれないものだ。そんなのを引き連れたぼっちの人間など、どう足掻いても注目を浴びてしまう。
それに、無気力な彼女にいったい何が出来るのか。甚だ疑問である。

「…とりあえず、この部屋に待機しておいてくれ。くれぐれも、他の人に見つかるなよ?」

「…わかった」

どこか寂し気なマナを見つつ、リヒトは部屋を退出する。外から、雷の音が聞こえてきた。

「…そろそろ一雨降るかな。その前に用事は済ませたいもんだ」

コートに穴が空いていないか確認し、宿屋を出た。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 12:48:51.39 ID:F0UVP+VLO
判定↓2までのコンマ
どこを探索するかを記載してください。どこを探索するかが記載されているレスのコンマで判定します。


01〜30:いない
31〜99:いた
00:???
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 13:05:18.99 ID:ttv+IH4/0
酒場
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 13:05:25.08 ID:q6ZafedYo
邸宅街
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 13:17:45.99 ID:qjxbjpYOO
仲間を一人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 13:39:43.07 ID:FECU2vr1o
【名前】ミェン
【人種】猫の獣人
【性別】女
【魔法】身体能力強化魔法
猫耳しかない獣人。その耳も片方は半分千切られている。
尻尾がないため故郷で迫害され、耳もその時に傷つけられた。行く宛もなく流れ着いたこの街で隠れつつ生き延びている。人間のコミュニティのなかでは獣人は珍しくため普段は帽子で隠している。
ただ、境遇に反して本人はとてもポジティブ思考。……あるいはもう壊れてしまっているのか
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 19:55:22.57 ID:Z+7Z4j6n0
まだ募集してるなら
【名前】アルカ・レジーナ
【人種】人間
【性別】女
【魔法】錬金魔法、全属性(失敗率99%)
見た目は普通の町娘。魔法使いを目指して修行の旅に出たが、使う魔法は失敗ばかりで自分には才能がないと思っている。錬金魔法に関してはこれまでの歴史の中でも指折りの才能を持っているが、本人はまったく気がついておらず、使う気もまったくない。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 19:57:26.82 ID:J0UTnyZnO
まずリヒトが足を運んだのは冒険者であれば誰もが利用する施設。いわゆる酒場だ。
冒険者=酒場中毒だということは昔から認知されているし、それは間違ってない。
いつ死ぬか分からない難儀な商売なので、気軽に楽しめる娯楽が人気なのも頷ける。

「…狙い目はあの娘だな」

酒場に入るや否や、リヒトは客を一瞥して目星を付ける。
自身も同じ経験をしているが故に、リヒトには排斥された同類が感覚で解るのだ。

酒場の隅っこでコソコソと小さなジャーキーを齧る女の子は浮浪児のようにも見えるが、素性などどうでも良いのだ。
重要なのは、役に立つかどうか。あと、自分を愛してくれるか。どっちが欠けてもならない。
いっそ清々しいまでにリヒトは自分の欲望に忠実だったが、その原因が彼の置かれた境遇だと知って、それでも罵倒出来る者がいるのだろうか。
もしいるのなら、それは何にも苦労することが無かった、全てに恵まれた人だけだろう。

「やぁお嬢さん。もし嫌でなければ、隣に座ってもよろしいですかな?」

営業スマイルを浮かべ、明るい声で問いかける。少しは警戒されることを想定して返答をいくつか用意していたのだが、それは全てドブに捨てられることになる。

「ボクの隣?いーよっ!」

にぱっと、太陽のような笑みを浮かべた少女は、隣の椅子を指差した。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 19:58:30.99 ID:J0UTnyZnO
会話の話題を↓1にどうぞ。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 20:08:36.51 ID:MhupgxLc0
大事な仲間を亡くしたので、悲しさを紛らわす為に誰かと話したかったと語る
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 20:28:48.20 ID:uR50DJ9yO
内心呆気に取られながらも、平静を保ったまま席に座る。ウェイトレスに安酒を頼み、会話を試みた。

「それで、どうしてボクの隣を選んだの?他の席もまだまだ空いてるよ?」

キョトンとした表情で首を傾げる少女は、小動物のように愛くるしい。
ごもっともな質問にリヒトは頷き、憂鬱そうに答えた。

「君の言う通り、他にも席はある。けど、座る気は無かったよ。面白おかしく話したい時もあるけど、今はそうじゃなくてね」

酒を運んできたウェイトレスに謝辞を述べ、グラス内の氷を指先で弾く。その光景を眺める瞳には、昏い闇が見え隠れする。

「…レムカーナに到着する直前。魔物の軍勢に襲われて、大切な仲間を亡くしたんだ。夢を語り合い、共に為そうと誓い合った、とても大切な仲間をね」

「こんな世界だ。仕方ないことだと割り切りたいさ。けど…どうしても、悲しさだけは消えないから。少しでも紛らわせようと、そう思ったわけだ。…こうして言うと、仲間の代わりに利用してるみたいだね。ごめん」

頭を下げるリヒトに、少女は首を横に振った。その表情からは、慈愛が溢れていた。

「ううん、気にしなくていいよ。…そうやって他人に頼りたくなるくらい辛かったんだね。ボクとお話しして少しでも気が楽になるのなら、喜んで」

「…ありがとう」

今にも泣き出しそうな顔で笑うリヒトに、少女も破顔した。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 20:29:22.93 ID:uR50DJ9yO
会話の話題を↓1にどうぞ。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 20:39:22.73 ID:F01D8y200
彼女の苦労話を聴く
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:07:49.49 ID:spJmStW+O
歓声が飛び交い賑わう酒場の片隅で、ゆったりとした雰囲気の中で会話をする男女のペア。
なにかを感じ取ったのか冷やかしに来る人はおらず、それはリヒトとしても都合が良かった。

ムードは上々。演技がバレているようにも見えない。このまま行けば友好的な関係が築けそうだ。と、自分の観察眼が確かなことに安心する。

「ところで、君もかなり苦労したんじゃないかな?」

「え?」

少し話の流れが強引すぎたか、と内心臍を噛む。が、このまま突っ切ってしまえばいい、と押し通すことにする。

「…いや、俺も苦しんできたことがたくさんあってね。爪弾きにされたり、裏切られたり。だから、解るんだ。同じように苦しんだ人が」

それが声を掛けた理由だと、心中で付け加える。その意図は見抜かれなかったようで、『ミェン』と名乗った少女は驚いた表情をする。

「ボク自身、今は全然気にしてないけど。昔は結構痛い目に遭ったかなぁ。お兄さんにとっては面白くないかもだけど、聴く?」

「もちろん。こっちの話を聴いてくれたんだ。俺も話を聴くのが道理ってものさ」

「分かった」

それから、ミェンは本当に気にしてない風に話をした。何故か、自分が惨めに思えた。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:08:25.85 ID:spJmStW+O
「ボクは元々、遠い山に住む一族の出身なんだ。でも、ボクだけ他の人と見た目が違ってて。色々なことをされたよ」

色々なことがなんなのか。大体予想はついているが、敢えて聴かないことにした。その詳細を聞くことに意味は無い。
今回の会話で肝要なのは、過去の苦しみを共有して打ち解けることだ。苦労話に理解を示し、同情する。
それは、見ず知らずの他人と仲良くなるのに手っ取り早い方法だ。

「それで、故郷を追い出されてここまで逃げて来たんだ。知らないことをいっぱい知れたから、故郷の人を恨んでなんかないよ」

「…そっか。強いな、君は」

「そう?褒められると照れちゃうな…えへへ…」

頬を上気させたミェンは、もじもじしながらはにかんだ。
その可愛らしい仕草は、下劣な連中が見たら劣情を抱かせるに充分な破壊力を持つ。

なんでこんな娘が、ここレムカーナで明るくいられるのか。不思議でしょうがない。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:09:29.23 ID:spJmStW+O
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ファーストコンタクトを終了します。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 21:14:59.79 ID:MhupgxLc0
終了する
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:42:17.43 ID:qOrRIBPbO
ある程度の友好関係を築けたところで、交流を打ち切る。欲張っては損をするだけなのは、痛いほど身に染みている。

リヒトは時計をチラリと見やり、グラス内の酒を飲み干した。

「そろそろ夜も更けたので、俺は失礼するよ。ミェンも不審者にお気をつけて」

「もう行っちゃうんだね。じゃあ、ここでお別れだ」

酒場に入る前と比べて、幾分か晴れやかな表情を作ったリヒトは席を立った。
ミェンはヒラヒラと手を振り、店を出るリヒトを見つめ続けていた。

「初動は上手くいったかな。この調子で進めばいいが…」

軽く酔いの回った頭を押さえながら、貴族の住まう邸宅街を目指す。案の定見張りがいたので、必殺のステルスアタックに沈んでもらった。

一時間ほど人捜しをするも、成果が得られずがっくりと項垂れたリヒトだった。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:42:48.94 ID:qOrRIBPbO
翌朝。やれ襲撃だ。やれ強盗だ。とてんやわんやの邸宅街は、人だかりに溢れていた。
治安の悪い平民街はともかく、見張りや衛兵が常駐する邸宅街は、暴力沙汰が皆無なのだ。
そこで気絶している見張りがいたとなれば、話題になるのも宜なるかな。

「あむ…」

頑なに食事を摂らないマナに近所の青果店で購入した果物を与え、冷や水を飲む。
眠気覚ましにはその刺激がちょうど良く、はっきりと意識が覚醒した。
レムカーナに何日いるかは決めていないが、拠点に戻るからには、何か成果が欲しいものだ。

シルヴィアとの約束を脳内で反芻し、ヴォルグス城で入手したレシピを撫でる。

「…古代語、教えてもらえばよかったかな」

後悔先に立たず。そんなことわざをふと思い出し、瞑目した。
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 21:43:18.91 ID:qOrRIBPbO
何をするかを↓1にどうぞ。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 21:50:04.73 ID:q6ZafedYo
マナをコートに隠して観光しつつ、妖精の目線で協力者探しを手伝ってもらう
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 22:04:57.43 ID:x+OHSZc+O
「…へんなにんげん」

「今更だ」

降り頻る雨の中、コートを身につけ外に出る。雨で人通りが少なくなり、絶好の観光日和となった。身体が濡れることに目を瞑れば、だが。

フードを被るリヒトの首元。そのすぐ隣から、ひょっこりと小さな頭が顔を出す。
道行く人々の視線は、特に集まっていない。コート様々である。

「マナ。お前目線で利用出来そうな人がいたら教えてくれ」

「わたしはりひとのやることにきょうみない」

「そう言うな。食いたい物があれば奢ってやるから」

「いらない」

「頼むよ。一生のお願いだ」

「…ならやる」

「サンキュ」

気まぐれな妖精に頭を抱えながら、雨天のレムカーナを練り歩く。
何か、面白いものでもあればいいが。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 22:06:59.31 ID:x+OHSZc+O
どこを観光するかを↓1にどうぞ。
マナチェッカー 判定↓2コンマ


01〜45:きょうみない
46〜99:きょうみある
00:???
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 22:12:54.92 ID:GqXuWNwCO
高台の庭園
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 22:15:14.32 ID:Mz9BpWQY0
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 22:46:12.50 ID:UpFCM8+ZO
城下に続く長い階段。昔を思い出しながら登っていると、雨は勢いを増していく。
空を見上げてみると雲は更に厚さを増し、帷が降りたように真っ黒だった。
このままだと濡れ鼠だと、リヒトは足早に駆け上がる。振り落とされないように首を掴む、マナの手が割と痛かった。

城門のすぐ側に設置された高台には、庭師が丹精込めて手入れした庭園が広がっている。
色とりどりの花や草木が咲き乱れ、殺風景な城を彩っている。のだが。

「…ひとがつくったしぜんは、ただのにせもの。おもしろくなんてない」

マナのお気に召さなかったようだ。自然と共に在る妖精らしい意見を戴いた。

「これなら、りひとのいえのあたりのほうがまだまし」

「ほう。お褒めいただき光栄でありますマナ嬢」

「………」

マナは無表情を僅かに崩し、悔しそうに頬を膨らませた。その姿は、餌を頬張るリスにどことなく似ていた。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 22:46:56.50 ID:UpFCM8+ZO
何をするかを↓1にどうぞ。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 23:16:56.39 ID:FECU2vr1o
濡れ続けるのもアレだしハイオクで雨宿り
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 23:17:26.76 ID:FECU2vr1o
ハイオク→廃屋
すまん
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 23:17:56.10 ID:EMz1N6vkO
馬か何か、移動手段を手に入れよう。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 23:32:44.63 ID:G/8aIQwfO
空模様は悪化し続け、雨量も増し続ける。視界も塞がる土砂降りの中、リヒトは雨宿りの場所を探していた。

濡れた階段を勢いよく滑り、目についた建物に駆け込もうとするが、どこもかしこも満員御礼だった。

「−−−−♪」

鼻歌交じりのマナは上機嫌だが、さもあらん。雨は自然の恵みだ。それを浴びている現状は、彼女にとって心地良いのだろう。

「うぅ寒い寒い。早く雨宿りしないと風邪引いちまう」

それは妖精にとっての話で、人間からすればいい迷惑なのだが。
コート越しに身体を打ち据える豪雨が、ひたすらに体温を奪っていく。このままじゃまずい、とリヒトはとにかく走った。

そしていつしか、スラム街まで来てしまっていた。
放置されている廃屋のおかげで雨露を凌げるが、スラム街の様子など知らないので不安だ。
願わくば、お馬鹿な悪党に絡まれませんように。

そんなリヒトの祈りは届くのか。当の本人は露ほど期待しちゃいなかったりする。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/07(日) 23:33:20.38 ID:G/8aIQwfO
何をするかを↓1にどうぞ。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/07(日) 23:56:29.02 ID:IkVY/dy8o
ここを根城にしていたミェンが帰ってきたので勧誘する
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 00:44:57.76 ID:Rd/H027sO
「あれ」

「おや、昨日ぶりだね」

雨が止むのはいつなのか、と光魔法で鳥を作ったりして遊んでいると、突然声を掛けられる。
想定していたお馬鹿な悪党ではないようで一安心というものだ。もし彼女が悪党なら、それはそれとして遠慮なくぶちのめすが。

「リュクスさんがなんでここに?てっきり宿屋にいるかと思ったよ」

「雨宿りしたくてね。ついでに、スラムがどんなところか見物に来たんだ」

「変な人だね。普通、レムカーナのスラムと言ったら誰も近寄らないのに。…まぁ、だからボクが居座れるんだけど」

ミェンはぼろぼろの椅子を引っ張り出し、それを指差した。どうやらここに座ってもらいたいようだ。
断る理由もないので、リヒトは椅子に座った。ミシミシと音を立てている脚が折れないか心配である。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 00:45:39.64 ID:ukfcFGrGO
「それで、ボクに何をしてほしいの?知り合いでも、お代はきっちり頂くからね」

「は?」

「え?」

ミェンの口から出た言葉はあまり気分の良いものではなかった。
浮浪児の少女が一人で生きるのならそういうことをしているのだろう、と予想はついていたが、いざこうして言われると、なかなか来るものがある。

「お客さんじゃないんだね。ごめん、今のは忘れて」

よりによって、彼女の返答がこれだ。隠す気がさらさらなくて、もう笑うしかない。

「…まぁ、そういうことをしてるんじゃないか、とは思ってたが。なるほど、この廃屋で待つのが合図なわけか」

「忘れてよぅ」

ぷりぷりと怒るミェンに小さい笑い、廃屋の並ぶ通りを見つめる。微かに人の気配がするから、どこかに潜んでいるのだろう。

「雨、止まないな」

「こんなに曇ってたらね。おかげで、今日の稼ぎが台無しだよ」

パンの切れ端を齧るミェンは、どことなく哀愁を漂わせている。スラムに住む貧困層など皆こんなものだと言われれば、そうなのだが。

天井を見つめ思考を纏めたリヒトは、意を決したようにミェンを見やり、口を開く。

「なあ、少しいいか?」

「んん?」

パンを飲み込んだミェンは、幽者の声に反応し、顔を向けた。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 00:46:13.02 ID:8F5nP2eyO
我ながら馬鹿正直に答えたものだと。のちにリヒトが激しく後悔するミェンの勧誘。

それを聴いていたミェンは、茶化すでもなく、ただ黙々とリヒトの言葉を聴き、意味を咀嚼していた。

「君の知ってる俺とは話し方が違うだろうが、それはご容赦いただきたい。…俺には素性を隠す理由があるもんでな」

「気にしないよ。続けて」

「助かる。俺はリュクスなんて名前じゃない。本名はリヒトつってな。指名手配されてる有名人にも同名の奴がいるだろ?あのリヒト本人だ」

言外にリヒトの正体を言いふらしたらどうなるかを示しているのだが、そこまで伝わっているかは定かではない。
まぁ伝わっていようがいまいが、勧誘することには変わらないが。

「昨日話した、死んだ仲間との約束。内容は言ってしまえば至極単純でな。『出生や性差等に囚われない、正しく才能や努力を評価される国を作る』。他の人には馬鹿にされるような荒唐無稽な夢さ。笑ってくれて構わないよ」

「笑うわけないよ」

真っ直ぐにこちらを見つめるミェンに心中で感謝しつつ、リヒトは手を差し伸べる。

「俺の夢には、足りないものが多すぎる。だから、君さえ良ければ、俺に力を貸してほしい。俺も出来る限りの支援をする。だから、どうか」

二人の視線が交錯し、無言の空間が広がる。瞑目ののちに、ミェンははっきりと答えた。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 00:47:06.86 ID:8F5nP2eyO
ミェン勧誘 判定↓1コンマ
本レスよりコンマが高ければ成功です。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 00:52:41.09 ID:fOAR2VFvO
難易度高いなあ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 00:56:59.19 ID:fQORAuivo
コンマさんは主人公がお嫌いのようだ……
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 01:06:45.16 ID:XVk1W2XpO
「ごめん」

示されたのは、明確な拒絶の意志。ここまできっぱりと言われては、いくら食い下がっても無駄だろう。

「ボクにそんな大役は似合わないから。もっと他に、君に相応しい人がいるはずだよ」

「ごめんね。君は勇気を出してボクを誘ってくれたのに袖にしちゃって…」

「…いや、いい。俺みたいな奴に、普通命なんて預けられないよな。仲間一人守れなかったような、指名手配されてるような奴に。見通しの甘さが知れただけでも収穫だ」

「…じゃあな。風邪、引くなよ」

「うん。君も、体調を崩さないようにね」

頃合いを見計らったように雨が弱まる。リヒトは逃げるようにスラムを去り。
幽者を見送った少女は、最後のパンを口に含んだ。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 01:07:28.04 ID:XVk1W2XpO
何をするかを↓1にどうぞ。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 01:16:35.86 ID:fQORAuivo
かわいそうに思ってくれたのか、マナの手が後頭部を撫でる
(こういうのでもいいですか?)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 01:20:05.62 ID:YuqHsaUgo
勧誘がここまで大変となると初めから同志だったシルヴィアの死がかなり痛いな。心情的にも労働力的にも
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 01:20:44.70 ID:2gOGWv6WO
今回はそのまま進めますが、リヒト主体の行動だと助かります。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 01:35:47.72 ID:fQORAuivo
分かりました
すみません
ありがとうございます
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 01:46:52.21 ID:NSom125XO
夕方。宿屋に戻り椅子に腰掛けると同時に、雨がまた降り出した。ここまでひっきりなしに降るとは、明日は快晴になってもおかしくない。もしかしたら、逆に槍や矢でも降ってくるかもしれない。

雨音を聴きながら、ただ時間が過ぎるのを待つ。盛大に勧誘をしくじった今、何もする気が起きない。
食事が運ばれたが、それに手を付けることもせず微動だにしない。石像のように、リヒトは静かにしていた。

数刻後、ゆっくりと船を漕いでいたリヒトは、不意に目が覚めた。机には冷め切った料理が残っており、ランプの灯は既に消えていた。

「…いつのまにか寝てたか」

凝り固まった身体を解すべく立ち上がろうとするが、違和感に気づく。妙に肩が重いのだ。

「おきた」

「んぁ…?なんだ、マナか」

人様の肩に座り込んだ妖精は、その小さな手で人間の頭を撫でていた。あり得ない行動に、リヒトは顔を顰める。何か悪いものでも食べたのか。それとも、頭でもぶつけたのか。

「わたしがねるとき、しる?ぃあはいつもこうしてた。ただそれだけ」

リヒトの疑念を感じ取ったのか。マナは無表情なまま、口を開いた。

「おきたならもうしない。ねる」

そして、それだけ述べると布団に包まり、寝息を立て始めた。

「…情けねぇなぁ、俺…」

誰にも聞こえないほど小さな声量で、幽者は己の無力さを嘆いた。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 01:47:34.06 ID:NSom125XO
何をするかを↓1にどうぞ。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 02:03:53.69 ID:iNsBmo4DO
魔法学院というのがあるならそこへ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 12:24:50.21 ID:gZ37uU54o
幾らシルヴィアが死んで傷心だったからといって昨日会った子にいきなり勧誘は急すぎたんだ
もっと段階を踏むか危機を救うとかすれば判定コンマは易化すると思うんだ(多分)
何が言いたいかというと早まった申し訳ない!
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 13:58:58.53 ID:wzhM8H4/O
どこの国にも、魔法を研究し学ぶ機関が存在する。魔法の歴史は人類の歴史であり、そこに隠された真理を探究することは、未来を照らす光明と成る。
レムカーナに存在する同様の機関は、邸宅街に設立されている『レムカーナ王立魔法学院』である。
『真理の果てに希望が在る』。この言葉と共に日進月歩していたのだが情勢悪化に伴い形骸化し、その様相は見る影も無くなった。
中には真面目に研究を進めている者もいるが、真理を追い求める魔法使いの集う神聖で高潔な聖域は貴族のお遊び会場になりかけているのが実情だ。

表向きは『才能さえあれば家柄や身分に囚われず探究を行える平等な学院』ということで通っているため、平民や流浪人、果てはスラム街の住人ですら、この学院に籍を置く者もいる。
内情ははっきり言って『クズの掃き溜め』、『現世に顕現した地獄』と呼ばれる程度には終わっているわけだが。

そのため、現状に鬱屈した感情を溜め込んでいる魔法使いはかなりの数に及ぶ。『誰かこのクソみたいな学院を壊してくんねーかな。私は真理を知りたいのであって、金持ちに媚を売りたいわけじゃないんだけど』と考えている人が大多数だ。

故に、リヒトとしても都合の良い場所だった。上手くいけばワンチャン仲間を増やすことが出来る。惜しむらくは。

「俺魔法使いじゃねーからな。どうやって潜入するべ」

そう。リヒトは戦闘の達人であって、魔法使いでは断じてない。普段使っている光魔法も、実際は理論など関係なしに魔力量で取り繕った、俗に言うごり押しで形にしている魔法なのだ。
尤も、その魔法で大概の敵は昇天したわけだが。やはり暴力は全てを解決する。

リヒトが戦争の中で知った真理。それは、力こそパワーであり圧倒的な暴力こそジャスティスだというあまりにもあんまりな結論だった。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 13:59:41.63 ID:wzhM8H4/O
レムカーナ王立魔法学院で何をするかを↓1にどうぞ。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 15:53:57.85 ID:Rmj79zvDO
燻ってる不満分子を見定める
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 20:49:14.70 ID:UlMAlwdBO
「悪いな。ちょっと眠っててくれよ」

運悪く幽者の目の前を通り過ぎた学院の生徒は、ボッコボコに殴られて夢の中にいる。
真っ黒な包帯を巻いていたり頭蓋骨が刺さった杖を持っていたりと色物感が否めないが、リヒトには却って好都合である。
素性を隠し堂々と学院に潜入する手段を得た。ならば、次にするべきことは。

この学院には火種が大量に燻っている。その原因は貴族の横暴なのだから、彼らがどうなっても自業自得と鼻で笑われるだろう。
だが、所詮は火種。派手に燃え上がっていない今は、水面下で慎ましく行動するしかない。
そういう後ろめたい隠しごとをしていれば、態度に僅かながらに表れるものだ。それを見抜けば良い。

恨むなら貴族を恨め。そう念じながら、生徒の身ぐるみを剥ぐ。意外なことに、風変わりな魔法使いは相当の美人だった。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 20:51:02.96 ID:UlMAlwdBO
判定 ↓2までのコンマ


00〜40:見つからない
41〜80:個人発見
81〜99:コミュニティ発見
00:???
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 21:03:09.79 ID:a9u/Ga6ro
うーい
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 21:12:21.61 ID:36mqMJwQo
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/08(月) 21:15:16.20 ID:xoNVfWUOO
仲間を二人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 21:18:06.65 ID:7dn/tNJhO
【名前】ミミル
【人種】兎の獣人
【性別】女性
【魔法】生命魔法
若くして魔法学院で研究者の立場に就く才媛で、生命力に干渉して回復や吸収、探知などを行う生命魔法と医学のエキスパート。
白い髪と赤い瞳、シミ一つ無い白い肌。兎の耳と尻尾。背丈や顔立ちは10代前半に見えるほどだが、豊かな胸やくびれた腰回りなど早熟な体つき。つり目がちな目付きと生意気そうな雰囲気がある顔立ち。
白衣と学院の制服。
プライドは高いが善良な気質の努力家で、研究の動機も医療で人命を救うためというもの。口調は丁寧だがかなりの毒舌家。
医療の道を志しているため流血やグロには耐性があり、いざという時には機転もきく。
彼女の研究は生命魔法と医学の併用による再生医療で動物実験の段階では四肢と臓器を失なった(抜いた)モルモットを完治させている。
しかし、ナンパしてきた貴族を袖にしたところ研究費の減少や妨害、嫌がらせなどが始まり現在研究は行き詰まっているため、貴族に怒りを抱いている。
なお、売女と陰口を叩かれているが、逃げ足が速く恋愛経験もないためいまだ清い体である。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 21:20:08.46 ID:bG6xUggpO
【名前】ウィンディ・ヴァルマンウェ
【人種】人間
【性別】女
【魔法】風魔法
長い緑の髪を二つ結びにした小柄な少女。以前にシルヴィアの教えを受けていた魔法使いの一人
一見陰気だが、根には他者の痛みを理解して共感できる知性と優しさを持つ
また、魔翌力量が非常に大きく、魔翌力操作の精密性も極めて高い。反面体はとても弱く、頻繁に体調を崩す
風を操ることで空を飛ぶことができ、馬車一台分程度の荷物であれば空輸させることも可能。単独飛行はほぼ無制限に行えるが、荷運びはとても疲れため多用できない
平民の出であり、病弱なことや才能への嫉妬などにより他の魔法使い(主に貴族層)から嫌がらせを受けることが多い
シルヴィア失踪後は嫌がらせが一層増えたため学院を出ることも考えたが、何の後ろ楯もなしに病弱な自分が外で魔法使いとしてやっていけるとも思えず、毎日心身を磨り減らしながらなんとか生きている
こういった事情から、自身の人生や世の流れにはかなり悲観的
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/08(月) 21:46:51.42 ID:iNsBmo4DO
シルヴィア繋がりみたいなのは割と考えやすいね
良くも悪くも影響力強かったはずだし
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 12:42:01.15 ID:Zio9jdZWO
レムカーナ王立魔法学院の生徒に扮装したリヒトは、意気揚々と学院内を練り歩く。人選は間違っていなかったようで、特に怪しまれてはいない。
近くを横切っただけなのに『うわでた』だの『こわ…近寄らんとこ…』だの散々な言われようだが。本人の扱いが伺えるし、流石に同情する。

「………」

包帯に染み付いたお香のような匂いに精神的ダメージを受けながら、生徒の様子を観察する。
貴族のグループで談笑する女性たちの目は全員死んでいたが、それ以外に怪しいところはない。
早々に見切りを付け場所を変える。複数ある研究棟なら誰かいるだろうと淡い希望を抱いて。

果たして、その希望は成就することになる。

「…はぁ」

開きっぱなしのドアから、こっそりと内部を覗く。薬の匂いと学院に似つかわしくない血生臭い臭いが混ざり、本能が嫌悪する悪臭が漂っていた。
戦闘で培った胆力を以って不快感を抑え込む。が、それでも辛いものは辛い。
顔を顰めていたリヒトは、その惨憺たる光景に絶句した。

研究用に飼育していたと思しきモルモットは惨たらしく殺されており、趣味の悪いことに、モルモットから引きずり出された内臓で、罵詈雑言が書かれていた。犯人の性格が悪すぎて笑えない。

被害者は溜め息を吐き、黙々と遺体を壺に入れている。あまりに痛ましい姿は目に入れることすら憚られた。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 12:42:37.30 ID:Zio9jdZWO
ミミルにどういうコンタクトを取るかを↓1にどうぞ。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/09(火) 12:46:06.36 ID:+an3nPpCo
遺体処分や清掃の手伝いを申し出る
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:34:04.51 ID:if5Pl47CO
床にへばり付いた臓腑に薬品を掛け、布で丁寧に拭き取る。そんな地味な作業を泣き言や文句一つ言わず、健気に悪意の犠牲者を弔っていく。

見ているだけというのも気が引けたので、リヒトは手伝いを申し出ることにした。

「一人でこの数はしんどいだろ。俺も手伝うよ」

「…ギムレインさんの恰好なのにどうして男性の声がするんですか?????」

「やっべ忘れてた」

自分がレムカーナ王立魔法学院の生徒に扮装している不審者だということを忘れて。しかも、元の人物は変人かつ女性だ。
そんなのに成りすましている時点でどう取り繕っても変態にしかならない。つまり詰んでいる。

「…これにはそこまで深くない理由(わけ)があってだな。説明は後で必ずするから、まずはその死体をどうにかしないか?放っておいても臭いが染み付いたりで良いことないだろ」

「…それもそうですね。事が終われば通報しますのでそのつもりでお願いします」

「それは勘弁してください」

死人が大量に出てしまいます。と心の中で付け加えながら、リヒトは通報しないように懇願した。
ものすごく呆れた表情をしていたが、渋々といった感じで了承を得ることに成功した。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:35:15.92 ID:if5Pl47CO
「…随分と手慣れているのですね。嫌悪感は無いのですか?」

手際よくモルモットの死体を壺にぶち込んでいくリヒトに、訝しむように少女は問う。逡巡の後に、口を開いた。

「昔は色んな戦場を転々としていたからな。そりゃ、嫌でも慣れるものさ」

仲間だって何人も弔った。罪の無い人々の亡骸も、集団墓地に埋める最後の仕事まで務めた。それが、せめてもの償いだったから。

「そうですか。不躾な質問をしたこと、お詫びします」

律儀に頭を下げた少女だが、リヒトは気まずそうに頬を掻く。リヒトからすれば、別に気にされるようなことではないのだ。

「頭なんか下げんな。そもそも俺は不審者なんだから、気を遣う必要なんてねぇよ」

「なら今すぐ教師を呼んできますのでお待ちを」

「それだけはやめてくれ。流血沙汰になっても責任取らないからな」

誰の血が流れるのか。それだけは伏せておく。堂々と言えるほど、リヒトは図太くなかった。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:35:48.80 ID:if5Pl47CO
モルモットの詰まった壺を抱え、学院東部の人工林に入る。植生の研究も兼ねているようで、かなり立派な木が所狭しと生えている。
その中に、木の板で作られた簡素な十字架が立っていた。ここが何なのかは、見ただけで解る。

「…ありがとうございます」

地面を掘ると、両手では足りない数の壺が埋められていた。持参したものを同じ場所に供え、また埋め立てる。
少女は部屋に栽培していた花をそっと添える。柔らかい匂いが鼻を擽った。

「ご助力感謝します。私一人では、ここまで効率よく済ませられませんでした」

「別に。あんなのを無視するなんて、人としてどうかと思っただけだ」

「不審者のくせに何を言ってるんですか。今更すぎません?」

「うるせー…」

彼女には口喧嘩では勝てないとこの短時間の会話で察してしまった自分が悔しい。と、後にリヒトは語る。シルヴィアに勝つことも到底不可能だった口撃力0のリヒトに、勝てる相手がいるのか甚だ疑問だが。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:36:44.09 ID:if5Pl47CO
ミミルと何を話すかを↓1にどうぞ。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/09(火) 21:42:00.59 ID:8JIaHbQuo
こいつ(服の持ち主)はどんなやつなんだ?
どうも避けられるんだが
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:55:20.87 ID:RwbwFD4EO
「…ところでさ」

「はい」

「この服の持ち主どんだけやべー人なんだ?どうにも避けられてて気になるんだが」

自分を指差しながら問うリヒトに、ミミルと名乗った少女は呆れていた。

「ギムレインさんを知らないんですか。学院では有名な方ですよ」

「へぇ。どんな感じに有名なんだ?」

「呪詛魔法の研究者です」

なるほど。怯えられる理由が分かった。そりゃ近寄られたら怖いよな。リヒトはミミルの解答に疑問が氷解し、大きく頷いた。

「『自分にセクハラをした貴族や教師を呪死させた』、『魔法の研鑽のために故郷を呪って滅ぼした』との噂もありますよ。所詮は噂なので、確証はありませんが」

「………」

こんな噂が流れていて、平然と学院に通えるギムレイン嬢の精神力に、リヒトは心の底から震え上がった。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 21:55:46.62 ID:RwbwFD4EO
ミミルと何を話すかを↓1にどうぞ。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/09(火) 22:33:22.69 ID:UGSyC+CFO
ミミルはどんな研究を?
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 23:03:00.44 ID:DKnXKfFAO
色々な意味でとんでもない逸材のギムレイン嬢をしばいてしまったことを内心謝罪しつつ、次の話題へシフトさせる。
このままここにいない人の話で盛り上がっても、リヒトに何のメリットも無いのだ。

「ミミルはどういった研究をしてるんだ?モルモットを飼ってたってことは、薬関係か?」

「再生医療です。生命への干渉を可能とする生命魔法と、傷病を治療する医学を併用し、人命を救う技術です」

「すごいな。その再生医療とやらは、どこまで治せるんだ?」

「まだ臨床試験もしていない…志願者がいないので、動物実験の成果のみになりますが…。両前脚と消化器官を摘出したモルモットを完治することに成功しています」

「…完治?腕も内臓もそっくり再生したってのか?」

「ええ。貴方に埋葬していただいた子が、その被験体でした」

「…なるほどな」

下劣な輩によって命を奪われた数匹のモルモット。散乱していた内臓の量からして、彼女の言葉を真とするならば、確かに再生していたのだろう。それだけの量の内臓が、あの部屋には散らばっていた。

「…尤も。研究がこれ以上進むことは無さそうですが。彼らにとっては、人命よりも自信の悦楽の方が重要なようです」

あれほど陰湿な仕打ちを受けているのだから、彼女の現在の状況も想像がつく。
大方、このツンツンしている少女に惚れた男が、フラれた腹いせに嫌がらせをしているのだろう。
嬲ったりせずにネチネチと姑息な手を使っているのを、最後の良心が残っていると言うか卑怯者と言うか評価は別れるが、人間性が悪いことに変わりはない。

「…あの時の俺なら、有無を言わさず殺してただろうな」

世界に絶望しきり、破滅的な生活を送っていた時期が、リヒトにはあった。
当時の自分であれば、こんな話を聞いていたら即座に手を出していたことは想像に難くない。
昔と比べたら随分と堪え性があるものだと、自嘲気に笑う。

「一人で何笑ってるんですか。気持ち悪いですよ」

そして、刺々しい毒を浴びた。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/09(火) 23:04:03.19 ID:DKnXKfFAO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ミミルとのファーストコンタクトを終了します。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/09(火) 23:19:43.48 ID:8JIaHbQuo
ここはいったん終了

(再生ってミェンと繋げられるんかなーって思ったけど尻尾どころか耳の事情さえ聞いてなかったわ厳しいか)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/10(水) 01:15:22.62 ID:uzE1s5b8O
学院中央に聳え立つ巨大な時計塔に視線を移すと、扮装してからきっかり30分が経過していることを示していた。
あと数十分もすれば目を覚ますだろう。それまでに事を済ませねばならない。

「俺はもう失礼するわ。後生だから通報だけは…」

大人が自分より年下の女の子にぺこぺこ頭を下げる情けない姿。それを見ながら、ミミルは首を横に振った。

「私はギムレインさんと話をしただけです」

そんなことを言って、彼女は口を閉ざした。目も瞑っており、見ざる聞かざる言わざるを決め込んでいる。
この態度が明確な返答であり、彼女の優しさとも取れた。

「…サンキュ」

リヒトは頭を下げ、音もなく姿を消す。気配が無くなったのを感じ取り、目を開く。
そして、溜め息混じりに言葉を漏らす。

「人を救いたい。その無垢な思いは、人の欲望一つで無惨に踏み躙られるべきものなんでしょうか」

少女の独白は、虚空に溶けた。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/10(水) 01:16:10.89 ID:VcuADvnDO
ミミルの元から遁走したリヒトは、学院正門まで戻って来ていた。タイムリミットは刻一刻と迫っているので、無駄な時間は過ごせない。
効率よく内部を調べねば、と意気込み、一身に浴びる視線を無視して学院内を走り回った。それはもう走りまくった。
翌日からは『俊足の奇行師』などと呼ばれかねない不幸なギムレイン嬢に、後ほどお詫びのお菓子を差し上げよう。そう心に決めた。

そんなこんなで爆走していると、近くの保健室から人の気配がした。

「………」

ベッドに横たわり、虚な目で天井を見つめる緑髪の少女。カバンからはぼろぼろの手紙が顔を出しており、枕元にも同様に傷ついた書物が置かれている。

彼女以外に人の気配は感じられない。保健医さえも、この場にはいないようだ。利用者を置いてどこかに行くなど職務怠慢な気がするが、却って好都合なので黙っておく。

「けほ…」

咳き込む少女の顔は赤く、息は荒い。もしかしなくても風邪を引いている。

「最後に風邪引いたのいつだっけな」

ふと気になり記憶を辿るも、風邪を引いた記憶は欠片も無い。そもそも、病気にかかった記憶が無い。
昨日だってあれほど濡れたのに、熱っぽさは一切無い健康体だ。頑丈な身体を持っててよかった。
そんな場違いなことを考えていると、窓が開かれた。

「…誰ですかぁ!?」

「おわぁぁぁぁっ!!?」

突然の大声に驚いたリヒトは窓際から墜落するが、光の翼を生やして何を逃れる。
真っ黒な包帯を巻いて骸骨付きの杖を持った変態からさらに光輝く羽が生えた変態にランクアップした変態を見て、少女は絶句する。
どう弁明するか悩むリヒトだったが、もう手遅れなことに気がついた。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/10(水) 01:17:12.25 ID:VcuADvnDO
ウィンディと何を話すかを↓1にどうぞ。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/10(水) 01:35:48.65 ID:HjvcNx8nO
自分のことは誤魔化しつつ、水や薬や氷枕など必要なものがないか訊いてみる
151 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/11(木) 03:10:25.34 ID:2FUsnFcC0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 03:18:44.68 ID:T1bfsHiBO
空中で腕を組み、仁王立ちをしたリヒトは、威風堂々とした覇気を纏い、威勢よく吼えた。

「今は俺が誰かなんてどうでもいい!!!!」

「よくないです!ぜんっぜんよくないですよ!!?」

少女は首と手をぶんぶんと振り否定するが、リヒトは知ったことかと無視を決め込む。

「うるせぇ!今の君に必要な物があるならなんでも持ってきてやるから言えってんだ!!!!!」

「言ってることの割に語気が強すぎる!優しいのか怒ってるのか分かんない!…お水と身体を冷やせる物をお願いしますぅ」

「合点承知」

要望を聴き受けるや否や、放たれた矢の如くリヒトは駆け出す。呆気に取られているのも束の間、光と共に不審者は帰還した。

「速すぎません?」

「速いと困ることがあるんですかぁ!?」

「逆ギレ!?」

荒々しい言葉遣いの不審者に病人は狼狽えてばかりだが、これもリヒトの思惑の内だったりする。
自身のことを訊かれないように、ツッコミどころを量産して誤魔化す姑息な手である。
思惑通り、少女はリヒトの正体について問うことはしなかった。代わりにげっそりしているがたぶん大丈夫だろう。

「…えと。少し失礼しますね」

濡れたタオルと水筒を受け取り、少女は頭を下げながらカーテンを閉めた。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 03:19:25.60 ID:T1bfsHiBO
ウィンディと何を話すかを↓1にどうぞ。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 12:03:54.95 ID:nOIEdly5o
保健医はいないのか聞く
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 14:18:46.20 ID:mEegrHlLO
「お見苦しいところをお見せして失礼しました」

数分後、カーテンを開けた少女は恭しく謝罪をした。気にするなとリヒトは答え、頬を掻く。
ベッドに腰掛け、窓を見る少女。『ウィンディ・ヴァルマンウェ』と名乗っていた彼女は、なおも謝罪を続ける。

「見ず知らずの貴方の手を煩わせてしまったことも詫びなければなりませんね。他人に迷惑を掛けてばかりの自分が嫌になります」

「迷惑には思ってないけどな。たかがお使い程度で機嫌を損ねるほど、俺は子供じゃないつもりだ」

と、つっけんどんな態度を取っているが、これが照れ隠しでしていることなのは本人も自覚している。
仕事柄、感謝を受けることには慣れていたのだが、素直に受け止めるのが苦手な難儀な性格をしたお子ちゃまであることも自覚していたりする。どうせ矯正は出来ないと諦めているが。

「…んで、何故ここには保健医がいないんだ。病人がいるのに留守にするなんて、おかしいだろ」

「昨日に雨が降ったからです。雨が降った翌日は、決まって体調を崩してしまうので。私みたいな人の面倒を見たくないんでしょう」

「だから、いつもここにいる時は一人ですよ。貴方が気にすることではありません。私も気にしてないですし」

「…そうか」

そう呟き笑うウィンディの顔は、あまりに儚くて見るに堪えなかった。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 14:19:29.54 ID:mEegrHlLO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ウィンディとのファーストコンタクトを終了します。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 14:41:07.25 ID:R0P2SG5S0
他に体のことを気遣ってくれる友人や教師はいないのか聞く
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 20:18:34.04 ID:xJ52IN+MO
「いるわけないですよ?」

身体のことを気遣ってくれる友人や教師はいないのか。試しに質問をしたリヒトだったが、猛烈に後悔している。
いくらなんでも返答が速すぎる。それが当然の摂理かのように、ウィンディは答えた。

「私みたいなすぐ身体を壊す魔法だけが取り柄の病弱体質の面倒を見てくれる優しい人なんている方がおかしいですよ。貴族の方たちの嫌がらせを現在進行形で受けているので厄介事に巻き込まれたくない人は私を避けてます。つまりぼっちです。まぁこれは入学当初から変わってないんですけど」

「速い速い」

捲し立てるように喋り続けるぼっちに、不審者は頭痛がしてきた。このまま不幸話を続けさせても気が滅入るだけなのだが、何故かウィンディはハイテンションである。
熱で頭がおかしくなっているのかもしれない。

「唯一こんな私を慮ってくれてた先生が一人だけいたんですけど、去年から手紙がぱったりと届かなくなって。何度も何度も何度も何度も何度も何度も送っているんですけど、現在も音信不通だしその人は反逆罪で死刑になったとかもっぱらの噂だし。やっぱり私に関わった人は皆不幸になる運命なんですかね…」

乾いた笑いを浮かべるウィンディ。リヒトはただ、押し黙っていた。
血の繋がった家族からすらも愛されず、存在を抹消されかけた彼は、理不尽に苦しむ者に掛ける言葉を見つけられない。知らない。
故に、口を噤んでしまった。どんな言葉をかけても意味がないと解っていたから。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 20:20:32.64 ID:xJ52IN+MO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ウィンディとのファーストコンタクトを終了します。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 20:27:38.45 ID:qkcwoMZ9o
もし、願いさえすればこの状況を壊せるとしたらどうするか聞く
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 20:32:38.84 ID:F+zgE8OQO
願望 判定↓1コンマ


奇数:願ったところで…
偶数:終わるのだとしたら…
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 21:06:42.18 ID:gcAkZ5+CO
どうなる
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 23:03:23.45 ID:UOJKgfR1O
「…実を言うと私、この学院にいたくないんです。何をしても嫌がらせばかりされて、誰にも認められないで。ここから逃げることも考えました。けど…。見ての通り、私は弱々しいので。学院の外に出たとしても、魔法使いとしてお役に立つことなんて出来ないから…」

故に、心ない罵声を浴びて精神を磨り減らしていてもこの学院に留まっている。抜け出せずにいる。
そんなに嫌なら逃げればいいと、悪魔の囁きをするのは簡単だ。だが、それで逃げられるのならどれほど楽なのだろう。
彼女の言う通り、逃げられずどうしようもないから、彼女はこうして苦しみ、精神を摩耗させながら生きているのだ。
甘い言葉で唆し学院から去らせたところで、彼女に良い影響は無い。もがきながらも必死に生きている少女の今までを否定するのと同義だ。
彼女自身の意志で選ばせる必要がある。束縛から解放され世界に反旗を翻す、修羅の道を。

「…もしも。願うことで状況が変わるとしたら。この苦しみを終わらせることが出来るのなら。ウィンディ・ヴァルマンウェ。君はどうする?」

「変革を願い、苦難の待ち受ける修羅の道を征くのか?それとも、腐りゆく世界の中で、終わりが来るのを祈りながら耐え忍ぶのか?」

故に、問う。彼女の答えを。心の叫びを。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 23:03:59.21 ID:hDBjF32UO
包帯を外したリヒトは、その紅い眼差しを少女に向けた。意志を、魂を見定める紅眼は紅玉のように煌めき、それでいて闇を孕んでいる。

「わ、私、は…」

温度が急低下した視線を受け、ウィンディは微かに震える。風邪の影響もあるだろうが、その主因は恐怖だ。
心の奥底に押し込めていた、真なる感情。それを見抜かれているような錯覚を感じており、恐怖を覚えていた。

だが、不思議と忌避感は感じられなかった。躊躇いこそ心中にあるのだが、打ち明けてしまおうという意志の力が少しずつ勝っていく。
まだ、つい最近会ったばかりの変人にして、学院に不法侵入している不審者だというのに。
心のどこかでは、彼を信用してもいいのかもしれないと、警戒心を緩めている自分がいるのかもしれない。

「…変えられるのなら、変えたいです…っ。壊してしまいたいです…っ!こんな、人を踏み躙って快楽に溺れるのが是とされるような、世界なんて…」

「そして、こんな世界に圧し潰されているのに、仕方がないって諦めてる自分…も…!!!」

涙でぐちゃぐちゃになったなりながらも、ウィンディは必死に言葉を紡ぐ。嗚咽混じりではあったが、だからこそ。彼女の真意を聞き届けることが出来た。

「君の勇気に感謝を」

勇気を振り絞った勇敢な少女に、幽者は柔らかな微笑みで応えた。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/11(木) 23:05:23.18 ID:SQPap6frO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ウィンディとのファーストコンタクトを終了します。
また、継続する場合は今回の会話がファーストコンタクト最後の会話となります。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/11(木) 23:17:12.82 ID:nOIEdly5o
周囲に自分たち以外誰もいないことを確認し、素顔を晒して真の名を名乗る
167 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/13(土) 03:25:34.16 ID:uIQIfXwr0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:48:51.09 ID:uFvyl4yAO
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169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:49:18.73 ID:uFvyl4yAO
勇気を以って応えられたなら、こちらも勇気を以って応えるのが道義というものだ。
先日のことを思い若干逡巡を見せるが、迷いをすぐさま断ち切り、ウィンディを見る。

「まずは、君にだけ名乗らせて、自分だけ名乗っていなかった無礼を謝罪しよう」

「あ、いえ。それは大丈夫です。不審者が名前を名乗るってそれはそれでおかしいですし」

不審者であることは否定しようがないのだが、ここまではっきり言われると対応に困るものだ。
リヒトは苦笑しつつも、台無しになりかけていたシリアスな雰囲気を取り戻す。

「…俺が謝りたいことは素性を伝えていなかったことだけじゃない。レムカーナの現状は、俺が招いたと言っても過言じゃないんだ」

「えっ…!?」

今明かされる衝撃の事実。少女は自身の耳と正気を疑い、頬を抓る。痛みを感じ現実だと理解したようで、目を白黒させていた。

「う、嘘ですよね?」

「嘘じゃない。国王と宰相らの不審死…それに関わってた…いや、この言い方は逃げだな。二人を弑したのが俺だ」

「特級指名手配犯…『光燿の勇者リヒト』。その名が示すのは俺自身であり、俺こそが嘗て、勇者の名声を欲しいままにしていた英雄の残穢なんだよ。輝かしい功績ばかり語り継がれていた英雄の…真実の姿がコレなんだ。失望しただろ?」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:49:50.60 ID:uFvyl4yAO
憂いを帯びた笑みを浮かべたまま、リヒトは聖剣を取り出す。これこそが勇者たる証であり、背負いし罪の象徴である。
白銀の刀身に金色の装飾があしらわれ、光の魔力が剣から溢れ出して空へと還っていく。
神聖さすら感じさせる風貌をした剣だが、その輝きは夥しい数の命を喰らった証左だ。
首を刎ね命を喰らう度に輝きを増した聖剣は、魔剣へと堕ちるに足る素質を持っていた。
故に、リヒトが混沌に堕ちると同時に聖剣も魔剣へと転じた。
ちなみに、聖剣と魔剣が表裏一体の同一の存在であることを知っている人はもうこの世に一人しかいない。
とは言っても、その一人とは聖剣(魔剣)の所有者である勇者(幽者)リヒト本人だけなのだが。

聖剣の存在をウィンディの目に焼き付けさせ、直ちに虚空へ格納する。部外者への身バレを防ぐための措置だ。
どうせバレてしまうことではあるが、可能な限り人数を最小限に抑えておきたい。今後の活動が面倒になっては敵わないのだ。

「…時間だ。俺はもう行くよ」

やるべきことは終わった。そう胸中に吐き出したリヒトは、姿を消した。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:50:28.75 ID:uFvyl4yAO
レムカーナ城から広がる水路の脇。まず人が通らないであろう静寂の広がる場所に、全身を縄で縛られた魔法使いが倒れていた。言うまでもなく事件である。

「う…ううむ…」

意識を取り戻した魔法使いは、身体を倒したまま周囲を見渡す。身動ぎ一つ出来ないが、特に慌ててはいない。これもまた、彼女の日常なのだ。
自身の身体に目を移すと、素肌が露わになっていた。普段身につけている包帯がそこにはなく、全身に刻まれた刻印が存在を主張している。

「ふむ?頭は痛いがそれ以外に不調は無し。暴行に遭ったのだろうが、純潔を散らしたわけでもない、か。むむむ?」

現状を把握すればするほど納得がいかなくなる。身体目当てで暴行を加えたのかと思ったが、そういった形跡は無い。服が盗られただけだ。ついでに言うなら杖も無くなっているが、どういうわけか猛スピードでこちらに接近している。所有者の手元に戻ってくるような魔法は掛けていないのだが。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:50:55.79 ID:uFvyl4yAO
首を傾げていたギムレインの元に、この問題行動を引き起こした首魁が戻ってきた。

「おっ。目が覚めてたか。結構強めに叩いちまったんだが、存外強靭だな」

「被害者の元にわざわざ戻ってくるとは。豪胆だね」

紙袋を片手に持っている男性は、特に焦った様子も見せず平然としたまま近づいてくる。
僅かに警戒するギムレインだったが、それはすぐに解かれた。

「お詫びの品です。どうぞお受け取りください」

「?????」

杖と包帯一式、オマケに出来立てのクッキーが詰まった袋が差し出されたのだ。意味がわからない。本当に意味が解らない。

「意味が解らないならそれでいいんだ。じゃあな!!!!!」

ギムレインが疑問に唸っているとそこで初めて、犯人は慌てた様子で逃走する。あまりに速く逃げられたせいで、逃げ始める瞬間を見逃してしまった。

「…よく分からないけど、私に何かしたのならちょっと呪いを掛けとこう」

膨れっ面のギムレインは、杖を片手に魔法を詠唱した。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:51:27.98 ID:uFvyl4yAO
翌日。腹痛と下痢に苦しんでいるリヒトは、げっそりとした表情で食事をしていた。
死にかけているリヒトを見かねたマナが祝福を与えているが、快方には向かっておらず、なおも瞳は濁ったままだ。

「…なんだこれ。新手の呪いかよ…。呪いなんて掛けられるようなこと、した覚え無いんだけどな…」

腹をさすりながら、リヒトは備え付けのカレンダーに目を通す。
レムカーナに滞在して、既に数日が経過していた。

リヒトがレムカーナに辿り着いてから、様々な事件が発生している。見張りが闇討ちに遭って一週間の入院生活を余儀なくされたり、レムカーナ王立魔法学院に在籍している魔法使いが暴行を受けたのちにお菓子をもらって釈放されたり、学院に不審者が侵入してゴミ掃除や病人を介抱したり。その犯人が誰かは言うまでもないだろう。
警備の目も厳しくなっている。そろそろ、偽名を使っていようと正体に勘付かれる頃合いだ。

「潮時、か…」

今日の夜。それがタイムリミットだと、リヒトの勘が告げていた。
後悔しないように、為すべきことを為さねばなるまい。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/13(土) 21:52:51.23 ID:uFvyl4yAO
何をするかを↓1にどうぞ。
↓1コンマが奇数ならレムカーナから撤退、偶数ならあと一回だけ行動権があります。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/13(土) 22:40:18.94 ID:q++EbvOWo
魔法学院の半壊を手土産にウィンディを共に来ないかと迎えに
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:18:42.58 ID:wVQj5y0dO
BGM:Critical Drive
https://youtu.be/9iMyp7k53Rs
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:19:18.60 ID:wVQj5y0dO
快晴だった空模様が打って変わり、瀑布の如き雷雨が降り注ぐ。その雨はまるで、天が、神々が嘆いているようで。
レムカーナの住人は不安に思いつつ、家に籠もっていた。それでも健気に巡回を続ける兵士たちの愛国心には脱帽する他ない。

そして、雷雨の中を一筋の光が駆けていた。

「…ふぅ」

これから始まるお祭り騒ぎに備え幽者は臓腑に溜まっていた息を吐き出し、魔力を研ぎ澄ます。

もう、後戻りは出来ないのだ。恐れるな。自身の為すべきと思ったことを、為し遂げろ。他人の都合など考えずに、己の意志で。
今までだって、そうしてきたのだろう。
行為の正しさを自問自答し、決意を固める。

シルヴィアがいたなら、大爆笑していただろう。『たった一人の子供のために、またレムカーナを敵に回すのかい。君は頭のネジが外れまくってるねぇ』と。
反論のしようがない。全くもってその通りだ。
だが、こうも言うだろう。『君が望むのならそうしたまえ。才能を摘み取る愚を犯すような学院、滅んだとしても誰も文句は言えないさ』と。

「…くく。つくづく俺は、大切な人を喪ってきたな」

『慈愛の聖女クロエ・フィアリス』。『彼岸の大賢者シルヴィア・レイナス』。他に喪った人は数えきれない。
喪ったものは決して戻らない。だから、その喪失は無駄ではなかったと。必要なものだったと。割り切るしかない。たとえ、割り切ることが出来ない不条理な死だったとしても。
彼女たちの死に意味があったのだと、信じたいから。

「俺はどうせ、地獄に堕ちる。君たちはきっと、天国からここを見てるんだろう。なら、見届けてくれ」

勇者と慕われた者の末路。三流にも劣る悲劇の結末を。もう、会話など交わせない。だから、これが。この無様な生き様こそが餞だ。
漆黒の意志を秘めた双眸が、黒天の空を見上げた。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:19:47.27 ID:wVQj5y0dO
200年もの由緒ある歴史を持つレムカーナ王立魔法学院。邸宅街の二割の占める敷地を所有している世界でも有数の魔法学院は今、未曾有の危機に瀕していた。
誰もが勘弁してくれと懇願しやつれること必至の、紛う方なき大災害が冗談抜きで突然襲い掛かった。

「ぎゃー!」

剣の一振りで光の奔流が波濤のように押し寄せ、なんとか反撃しようとしたら得物が光の刃で切断される。不可避の理不尽がやりたい放題をしていた。
レムカーナ王立魔法学院の取り壊しという暴挙をやらかしている下手人の配慮なのか、はたまた命の責任を取りたくないだけなのか。
派手に盛大に吹き飛ばされている警備兵や生徒は、目立った外傷も見られず命に別状は無い。ただ全身が痛くて動けないだけだ。

「とっ止めろー!どんな手を使ってもいいからこの大馬鹿野郎を止めるんだー!!!」

貴族の連中があたふたしながら指示を飛ばす。その場にいた全員がマジかよお前といった視線で睨んでいた。
取り巻きの数人がやる気を感じられない魔力の鎖を放つ。リヒトはそれを甘んじて受け入れ。

「ふんっ」

小手先の技など使わず、圧倒的なパゥワーで引き千切った。
貴族に向けられていた呆れを含んだ視線は、何故かリヒトに向けられる。

「無理矢理『魔力の鎖(マジックチェーン)』を引き千切るって…。えぇ…?」

「もしや蛮族か何かでいらっしゃる?」

「こんな蛮族いるわけねぇだろ」

知性を疑う質問を一蹴し、リヒトは作業を再開した。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:20:14.97 ID:wVQj5y0dO
騒ぎと爆音を聞いて駆け付けた教師陣による高威力の魔法の雨霰。それを光の翼で耐え、カウンターに百を超える光弾をお見舞いする。
知識を身に付け、ただただ研鑽を重ねた強大な魔法は、膨大な魔力量に裏打ちされたごり押しと言う名の暴力で無へと帰した。やはり力は全てを解決する。
増援が到着するや否や、光弾を浴びて地べたに大の字で寝そべっていく光景はいっそ喜劇的に見える。

大講堂が爆発四散し破壊作業が一区切り付いたところで、ある生徒が口を開いた。

「あの剣…勇者が持ってるっていう聖剣なのでは?」

生徒の発言で空気が凍る。リヒトとしては、この行動を起こす時点で正体バレは確定だと思っていたので、特に気にしていない。
寧ろ、肯定した方がより騒動が大きくなり、衛兵たちもやりにくくなるだろうと考えていた。ので、首肯を以って答えとする。

「ゆゆゆ勇者ぁ!?!!!!国王たちを殺したっていうあのイカレポンチじゃないですかぁ!!!」

「無理!そりゃ止められるわけない!」

「貴族の首が欲しいならどうぞ持っていってください!だからどうか私たち一般庶民は見逃して!」

「俺を売るのかよ!?お、俺を殺したって王殺しほどの悪名は得られないぞ!!!」

好き勝手に物を言う観客に辟易し、リヒトは営業スマイルを浮かべて恐怖心を和らげさせるように言う。

「この学院を潰す以外に目的は無いから安心してくれ」

観客が全員、涙を流しながら蜘蛛の子を散らしたように逃散した。寛大な慈悲に感謝していたのだろう。たぶん。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:20:40.87 ID:wVQj5y0dO
爆音轟音が鳴り止んだ後。保健室をリヒトは訪れる。予想通り、彼女がいた。

「あ、リヒトさん」

素顔を見せたままのリヒトを見て、素性を隠す必要は無いのだと判断したウィンディは、臆することなく名前を呼んだ。

例によって保健医は逃げ出しており、ここなは二人しかいない。絶好の機会と言う他ない。
だが、どう誘えばいいのか。リヒトは頭を悩ませる。
ミェンという失敗例があまりにも大きいため、リヒトの決心は足踏みしていたのだ。

こういう時こそシルヴィアがいればとも思うが、たらればを言っても現実は変わらないことは解っている。

「リヒトさん?」

小動物のように首を傾げる少女と、暗い表情をしている絶賛逃走中の指名手配犯。
誰も関わりたくない光景が、そこにはあった。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 09:23:11.73 ID:wVQj5y0dO
ウィンディ勧誘 判定↓1コンマ
本レスよりコンマが高ければ成功です。
また、↓3までにウィンディに投げかけたい言葉を募集します。


願望成功補正:↓1コンマに+20
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 10:36:23.83 ID:2JZNfRGmo
今一度、問おう
変革を願い、狂った幽者と共に茨の道を征く覚悟はあるか?

いや、天災……そう天災が学園を蹂躙しただけ、君を虐めている暇も余裕も貴族方からは無くなったろう、少しは過ごしやすくなる、このままお別れの方がいいかな


(素のコンマさん厳しい、が補正と回数で頼むクリアしてくれろ!)
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 10:53:08.40 ID:KcpE+OW5O
やったぜ。
ミミルとできればギムレ嬢も勧誘したい(強欲)
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 11:08:35.53 ID:jrxHb48ao
どんな者でも当たり前に愛されることができて、出生や性差等に囚われない正しく才能や努力を評価される世界を作りたい。前半は俺だけど、後半部分は大切な仲間から託された夢なんだ。
俺は……俺たちは、その為に戦っている。
まあ、今実働してるのは俺だけなんだけどな。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 11:18:16.40 ID:wVQj5y0dO
ちょうど良さそうなのでこの二つで〆にします。
あと、ギムレインは仲間になりません。名前があるだけのモブなので。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 12:59:07.81 ID:cswshFRDO
あら残念
モブの割にはキャラが濃かったからなんかあるのかと思ってた
おつ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 14:31:17.16 ID:wVQj5y0dO
「…その、なんだ。俺がここまで来たのは、君と雑談をするわけじゃない。それくらいは見て分かるだろうが」

「…はい。漂っている魔力から解ります。無茶なことをしましたね」

保健室周辺は意図的に攻撃範囲から外していたので傷一つない綺麗な姿を保ったままだが、外はそうもいかない。
勇者と謳われたリヒトの光魔法で、それはもうすごいことになっている。建築者も草葉の陰で嘆いているだろう。
別にリヒトからすれば無茶でもなんでもない、昔を思い出す大立ち回りをしただけなのだが、言うだけ野暮なので黙っておく。

外から足音が少しずつ近づいている。おそらく、姿を消した自分を捜しているのだろう。
余計な会話は省き本題に入らねば。と、意識を切り替える。

「どんな者でも当たり前に愛されることが出来て、出生や性差等に囚われない、正しく才能や努力を評価される世界を作りたい。前半は俺だけど、後半部分は大切な仲間から託された夢なんだ」

忌み子にだって愛される権利がある。ならば、誰にだって愛される権利があるはずだ。
それを形にするべく、自身を心の底から愛するべく、リヒトは行動していた。

出生や性差で差別され、排斥されてきた者たち。それを、彼女は知っていた。
この世に蔓延る理不尽を変革し、誰もが希望を抱けるように。シルヴィアはそう願い、歪んだ世界を正そうとしていた。

「俺は…。俺たちは、その為に戦っている。まあ、今は俺だけなんだけどな」

志半ばに斃れた者がいると、言外に示す。どうやら伝わったようで、ウィンディは沈痛な面持ちをしている。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 14:31:46.54 ID:wVQj5y0dO
「今一度、問おう」

剣を床に突き立て、右手を差し伸べる。そして、言葉を紡ぐ。

「変革を願い、狂った幽者と共に茨の道を征く覚悟はあるか?」

過去の希望に満ち溢れていた勇者はいない。絶望に狂った幽者だけがここにいる。それは、本人が一番自覚している。
それでも、彼には背負ったものがある。誓ったものがある。託されたものがある。願ったものがある。
故に、歩みを止めるつもりは無い。たとえ両の脚が折られ、断ち切られようとも。芋虫みたいに這いずってでも進んでみせる。リヒトにはそんな覚悟がある。

「それとも…。天災…そう、天災が学園を蹂躙し、君を虐めている暇も余裕も貴族方からは無くなっただろう。少しは過ごしやすくなるから、このままお別れの方がいいかな?」

自身が歩む修羅の道。鋭い茨に覆われた、数えきれない痛みに苦しみ道を。彼女に歩ませることを強制したくなかった。
己の意志で選ばなかった者を無理矢理連れて行っても邪魔になるだけだし、何より本人が苦しむ。マナは例外もいいところだ。
崩壊した学院の再建、犯人をみすみす取り逃がして失墜した権威の獲得に、貴族は追われることになる。
諸々の問題が解決するまで、ウィンディも学院で堂々と過ごせるだろう。

どちらを選ぶかは彼女次第。目を閉じて選択を待つリヒトの手が、不意に温かくなった。

「…私がここにいたのは、逃げ場が無かったからです。それを作ってくれるのなら、もう未練はありません」

「…これから、迷惑をいっぱい掛けるでしょう。そんな弱々しい私を、護ってくださいね?」

その言葉と笑顔が、何よりの答えだった。

「…ああ、任された」

少女の手を取り、幽者は翼を広げる。
鳥籠に囚われた少女は今、大空へと飛び立った。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 14:33:59.06 ID:wVQj5y0dO
何をするかを↓1にどうぞ。
↓1コンマで拠点帰還時のイベント数を判定します。


01〜40:0
41〜80:1
81〜99:2
00:???
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 14:44:36.78 ID:0SgLQxiT0
当面の活動資金を調達する
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 15:18:17.96 ID:wVQj5y0dO
速やかに宿屋に帰還し、荷物を纏める。もう長居は無用だ。マナに指示を出し、フード内に匿う。

「え、妖精さん!?」

「ちょっと事故って面倒を見てるだけだ。人畜無害だから安心してくれ」

やる気無さ気にウィンディを見やり、マナは溜め息を吐いた。明らかにどうでもよく思っている。

「まだここにいるの?」

「そろそろ逃げる。まだやることが少しだけあるけどな」

「まだあるんですか?」

ある。地味だがとても重要なことが二つ残っている。
まず一つはシルヴィアの棺の回収。これは何があってもやり遂げなければならない。
もう一つは資金調達。これは帰り道でも出来るが、お金は多いに越したことはない。金の余裕は心の余裕なのだ。
ウィンディには解らないだろうが、リヒトは昔資金不足で非常に苦労したものだ。何度餓死しかけたか、想像しただけで冷や汗が止まらない。

「だからまず、安心出来るだけの金を集める。頑張って頑張って頑張りまくればたぶんどうにかなる!!!」

「根性論…」

最後は根性、成し遂げようとする意志が道を開くことをリヒトは知っている。勇者は意外と泥臭い。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 15:20:57.43 ID:wVQj5y0dO
資金調達の方法を↓1にどうぞ。


A:冒険者に成りすまして金稼ぎ
B:盗賊を始末して金品強奪
C:キャラバンを襲撃
D:その他(自由枠)
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 15:21:45.88 ID:/TFz3EJ1O
B
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 18:07:36.46 ID:wVQj5y0dO
特級指名手配犯が出現したことが伝わり、レムカーナ全域に大量の兵士が投入された。窓から外を見ただけでも数十名の兵が目視出来、その本気度合いが伺える。

「…あのぅ。これ、本当に逃げられるんですか?」

雷雨の中でも悠々と巡回するドラグーン。空も大地も、どこを通っても警備の目から逃れることは出来無さそうだ。

「大丈夫…だと思う。ウィンディは空を飛べるか?」

自分一人なら余裕なのだが、一番の懸念点はウィンディの存在だ。彼女がどれだけ戦えるかによって、彼女自身の生存率は大きく変わる。

「あ、はい…。私一人なら、全然飛べます」

「なら大丈夫だ」

満足のいく答えが返ってきたので、リヒトは小さく笑った。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 18:08:03.83 ID:wVQj5y0dO
「隊長!怪しい人物がそこの宿屋に泊まっているとのタレコミがありました」

「よぅし!なら勧告無しに爆破してしまえぃ!ドラグーンを全騎召集しろ!」

可能な限りの人員を集め、包囲を固める。ここまですればどうにかなると、根拠のない自信を基に。
この程度で捕縛出来るのなら、疾うの昔に処刑出来ているというのに。

宿屋の直上に三騎のドラグーンが待機し、その外側を四騎のドラグーンが囲む。
勇者には飛行能力があることは有名なので、空路を警戒するのは当然のことだ。
だが、何故彼らはリヒトたちが反撃しないと思っているのだろう。
無抵抗のまま捕まる道理など、彼らには無いのに。

「奴を捕らえれば、私は三階級特進…!晴れて将校よ!!!ふははははー!!!」

ドラグーンが駆る火龍の豪炎が、宿屋に降り注ぐ。爆音と共に、爆ぜた。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 18:08:52.59 ID:wVQj5y0dO
立ち込める黒煙が、爆発の規模を物語る。尋常の者ならまず、この攻撃を受けて生きてはいまい。
だが、生憎と勇者は尋常の域を超えている存在だ。強大な悪を打ち倒した者が、たかが炎に焼かれた程度で生き絶えるわけがない。

「はははははは!はは…は…?」

勝利は確定したと言わんばかりの大笑がはたと止んだ。黒煙の中に、神々しい光が蠢いているからだ。
突風が吹き煙が霧散する。同時に、空間を閃光が縫う。

「は…ぁ…!??」

不快気に鼻を鳴らす勇者が姿を現した。傷一つ、煤一つ付いていないその姿は微小なダメージすら受けなかったことを示しており、その剣からは光が漏れ出している。

ズン、と数度地面が揺れる。その正体は、墜落した火龍たちだった。出血し完全に沈黙しているが、致命傷ではない。気を失っただけのようだ。
勇者リヒトが放った剣閃は、空を縫い空中の龍たちを撃ち落とすに足る威力を持っていた。
なけなしの慈悲で即死はしていないが、ここで反撃をしていたら、龍の首が飛んでいる。
幸いなことに、一撃で気絶したおかげで一命だけは取り留めているわけだが。生きてるって素晴らしい。

「俺の邪魔をするなら、多少痛い目に遭っても」

勇者は聖剣を掲げ、魔力を解き放つ。

「仕方ないよな?」

言い切った刹那、空から光の剣が降り注いだ。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 18:09:20.72 ID:wVQj5y0dO
包囲網を物理的に破ったリヒトたちは、最短経路で教会に向かう。その道すがらで。

「わ、私っていらない子だったんじゃ…」

「そうでもない」

ウィンディの自虐をリヒトは首を振って否定する。ウィンディがいなければ、あそこまで効率よく反撃に転じられなかったのだ。

ウィンディが詠唱した風魔法が、暴風の壁を作り出していた。それによって火龍の吐息は二人に届くことがなかった。
最初は防御から反撃まで全てリヒトが担当する予定だったのだが、これくらいならさせてほしいと助力を願ったので任せてみた。
その結果がコレである。なかなかどうして、素晴らしい才能を持っているようだ。
ウィンディが防御を引き受けてくれたおかげで、リヒトは攻撃にのみ集中出来た。
だというのに、彼女が必要無かったとは口が裂けても言えない。お互いにとって最善の結果である。
リヒトたちにとっても。兵士たちにとっても。

教会に着くとすぐさま、リヒトは扉を蹴破る。ヴォルグス城で同様のことをしてから、すっかり板についてしまった。
先程の戦闘音に怯えていたのか、神父や修道女(シスター)は椅子の影に隠れていた。別に取って食うつもりはないのだが、文句は言えない。

予め棺の受け取り日を決めていたため、既に棺が出されていた。手際が良くて大助かりだ。

「ありがとう」

謝辞を一言だけ述べ、棺を背負う。そのまま、二人は空へと逃走した。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 18:12:17.31 ID:wVQj5y0dO
盗賊 判定↓1コンマ


01〜30:何も無し
31〜70:小規模なアジトを確認
71〜95:大規模なアジトを確認
96〜99:謎の集落を確認
00:???
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 18:28:18.38 ID:2JZNfRGmo
今度は多勢でもいけるいける
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 19:10:00.79 ID:wVQj5y0dO
棺を背負ったままの逃避行はおよそ半日続き、レムカーナは地平線の果てに消え、疎に生えた雑草と露出した岩肌が彩る荒野に到達していた。

「………」

馬車が踏み慣らした道路を進む。人里からかなり離れてはいるが、人の痕跡は強く残っている。それがありがたい。
人が踏み入れた領域なら、そこまで強力な魔物は現れない。アークミノタウロスの群れは根本的な部分から違っていたため、レムカーナで遭遇してしまったが。

「大丈夫か?」

「はい。魔法で身体を動かすくらいなら、いくらでもへっちゃらです。まぁ、この距離を歩いていたら今頃倒れてましたけど…」

宙に浮いてついて来るウィンディを気にかけるが、特に様子は変わっていない。この調子なら、拠点まで戻れそうだ。

「拠点に行く前に少しだけ寄り道がある。すぐ済む用事だから、寄り道しても構わないか?」

「私に選択権は無いのでご自由にどうぞ」

後ろ向きな返事ばかりする同行者に頭痛がするが、こればかりは本人の気質の問題なので口を出すわけにはいかない。
口下手な自分を恨みつつ、足を進めるリヒトだった。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 19:11:40.26 ID:wVQj5y0dO
盗賊への対処を↓1にどうぞ。


A:一人残らず鏖殺する
B:最低限の人数だけ生かす
C:全員捕縛する
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 19:12:19.12 ID:wVQj5y0dO
すみません。D:自由安価の選択肢も追加でお願いします。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 19:39:05.04 ID:0SgLQxiT0
D:勇者の力を見せて脅し、金品を置いていけば命だけは助けてやると言う
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 21:09:54.18 ID:wVQj5y0dO
「やぁやぁやぁ。頼み事をしに来ただけなのに、随分と手洗い歓迎じゃないか」

リヒトは例によって営業スマイルを浮かべて極めて平和的な交流を試みる。心から笑えたのはいつだったか、もう憶えてないほど久しい。
作り物の笑顔の方が多いとは、皮肉なものだと自嘲する。

「剣を片手に頼み事とは物騒だねぇ」

荒々しい声をした巨漢が人混みの中から姿を現す。腕前は並。と、リヒトの勘が告げている。
値踏みするような視線に呆れつつ、リヒトは平然と頼み事をした。

「懐が寂しくてとっても困っててな。お前たちのことは見逃してやるから、金になるものをくれ」

ならず者の拠点を見つけたにも関わらず、お目溢ししてやるとは。なんと慈愛に満ちたことだろう。
神様がこの光景を見ていたら、感涙しながら祝福を1ダースほど与えてくれるに違いない。

「ひゃはははははは!!!!面白いこと言うじゃないか兄ちゃん!」

頭領と思しき巨漢は呵呵大笑し、相手をするのも面倒だからあっちに行け、という意思を込めたジェスチャーをする。

「まぁ兄ちゃんは見た目が良いからな。何人かのお相手をすればそれなりに稼げるんじゃないか?ぎゃははは!!!!!」

それは困る。生憎と、自分は同性愛者ではないのだ。リヒトは肩を竦め、剣を振り上げた。

近隣の森から突如立ち上る光の柱。柱と言うにはあまりにも太いそれは、頭上の雲すら突き抜ける。
発生地点にあった生命を悉く焼き尽くし、浄化した粛清の光は、残光を残すことなく消滅する。
後に残ったのは、底の見えない大穴だけだった。

「こんなことになるのは本意じゃないからさ。頼むよ。なっ?」

リヒトは頬をポリポリと掻き、申し訳なさそうに懇願する。

頭領は白目を剥いて卒倒した。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 21:12:52.30 ID:wVQj5y0dO
ならず者のお恵み 判定↓1コンマ


01〜40:しばらく生活に困らない程度の金品
41〜80:+彼らが手に入れた貴重品
81〜99:+売りに出す予定だった奴隷
00:???
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 21:45:03.44 ID:2JZNfRGmo
おー
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/14(日) 21:49:54.79 ID:wVQj5y0dO
ならず者が隠し持っていた貴重品を↓1にどうぞ。
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/14(日) 21:58:34.40 ID:jrxHb48ao
世界樹の果実(というラベルの貼られた大きな果物)
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 08:05:09.88 ID:neXRGdrZO
「おっお頭ー!見かけによらず超が付くほど小心者のお頭が倒れたー!!!」

「なんであんな化け物がここにいんだよ!?ってかどうにかしろよコイツ目がマジだぞおい!このままじゃ全員ゴートゥヘブンされちまう!!!」

「許してくださいお願いします!まだ私たちは明るく楽しく生きていたいんです!!」

やいのやいのと騒いでいるが、こちらとしては困惑する他ない。出すものさえ出せば見逃すと、初めから言っているではないか。

「本当に見逃してくれるのか!?どれだけ献上しても『これっぽっちかよちょっとお前そこでジャンプしてみろほらまだ音がするじゃねーか全部よこせ』って根こそぎカツアゲする魂胆だろ俺は詳しいんだ!!!!」

「しねーよ!!!!」

勝手に極悪非道なゲス野郎にされ、リヒトは憤慨する。全部奪う気なら、端から交渉なぞしないで全員一息に殺している。
彼らにだって生活が懸かっているから配慮しているのだ。誰も不幸にならない平和な解決を望んでいるのだから、感謝してもらいたい。

「…そこまで言うなら…。どうぞお受け取りくださいませ!そして二度とここに来るんじゃねーぞ来ないでください!!!!!」

相当溜め込んでいたのか、山のように宝石や装飾品が積み上げられる。あまりの量にリヒトは辟易し、金品を一度だけ鷲掴みした。

「これだけでいいよ。しばらく金に困らなければいいんだし」

「何こいつ逆に怖いんだけど」

ひどい言われようだとリヒトは苦笑する。そのまま立ち去ろうとしたが、ならず者に呼び止められた。

「後でいちゃもんを付けられても面倒だからな。これも持ってけ」

ぶん投げられたのは、人の頭くらいの大きさをした赤い果実。『世界樹の果実』というラベルが貼られている。

「いつ食べるか楽しみにしてたんだが、死んだら元も子もない。ここまでしたんだからもうどっか行けよな」

「ありがとう。なら遠慮なく頂くよ」

果物を片手に、リヒトは軽く手を振る。気が向いたらまた来ることも伝えておく。

「絶対に来んなよバーカ!!」

ブーイングの嵐を受けながら、リヒトは笑顔のまま退散した。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 08:05:57.10 ID:neXRGdrZO
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 08:23:19.41 ID:duko65xDO
何か起きろー
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 09:09:33.23 ID:N/uO3JDdo
魔物の群れとかいうトラウマイベントが怖すぎる…
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 09:22:05.34 ID:neXRGdrZO
「…何も起きませんでしたね」

長い時間を掛けてとうとう拠点へと帰投した三人。人数は変わらないが、人は変わっている。
リヒトは荷物を下ろして棺を抱える。為すべきことを為すために。

「そういえば、その棺には誰が入ってるんですか?」

「…シルヴィア・レイナス。俺の仲間だった魔法使いだ」

「えっ」

ウィンディの表情が固まった。もう嫌な予感しかしない。

「嘘、ですよね?シルヴィア先生なんですか?本当に!?」

「…嘘か誠かは後で解るよ」

冷淡な声色でそう答え、リヒトは墓地へと向かった。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 09:23:05.86 ID:neXRGdrZO
リヒトが墓地と呼ぶ拠点の一角には、手入れがされている綺麗な墓石が一つある。
墓標の傍には主の愛剣が突き立てられており、色鮮やかな一輪の花が添えられていた。
その隣に新しい墓石を設置し、地面を掘る。何も発することなく、黙々と。ただひたすらに。その間、ウィンディは口を出せずにいた。

「…無力な俺を赦してくれ」

棺を穴に入れ、杖を取り出す。教会の人たちが頑張ってくれたようで、シルヴィアの顔は見違えるように綺麗だった。
そういうことに疎いリヒトですら心を惹かれてしまうような、麗しい笑みを浮かべていた。
釣られて、リヒトも笑顔を浮かべる。気に召してくれるのなら何よりだと。

「あ…や…ぁ…!?」

そんなリヒトとは対照に、ウィンディの顔は青ざめていた。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 09:23:39.01 ID:neXRGdrZO
何をするかを↓1にどうぞ。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 09:27:19.28 ID:48vJsEdP0
教師だった頃のシルヴィアについてウィンディに聞く
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 10:05:09.92 ID:duko65xDO
復活の目ってあるんだろうか…
仮に果実にそんな効果があったとしても食えなきゃ無意味か
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:13:37.14 ID:neXRGdrZO
体調不良のウィンディを家に連れ戻す。拠点とは言ってもまだ家は一軒しかないので、同居になってしまうが我慢してもらうつもりだ。

「ありがとう…ございます……」

冷水一杯を振る舞うが、ウィンディは呆然とした表情のまま椅子に座ったままだ。口を付ける様子もない。
気持ちはよく解ると、内心でリヒトは同意を示す。親しい者が亡くなった時に襲い掛かる喪失感は果てしないものだ。彼も相当に苦しんだし、今もなお心を侵蝕している。

傷ついた心を癒すのは時間だけだ。今出来るのは、昔話をして気を紛らわせるくらいだろう。もしかしたら逆効果かもしれないが、彼女は意外と芯が強いので乗り越えられるはずだ。

「君さえ良ければ聴かせてくれないか?俺の知らない、シルヴィアの教師時代のことを」

気にかけてくれた先生がいた、という彼女の言とシルヴィアに対する呼称。そして、彼女のお人好しな性格を鑑みるに、ウィンディと文通をして色々と指導していたのはシルヴィアで間違いない。
そういったことをしていたのは初耳だが、同時に彼女ほどの傑物ならそうするだろうな、とも思っていた。
もう、シルヴィアと言葉を交わすことはない。だからせめて、他人と話をして彼女のことを知りたい。
誰にも語り継がれず忘却されることは、存在の消滅と同義だ。彼女が懸命に生きた証を、残し続けたい。

そんな意図を汲み取ったのか、暗い表情ながらもウィンディは口を開いた。
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:14:19.31 ID:neXRGdrZO
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220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:14:56.89 ID:neXRGdrZO
「最初は、新聞を見て知ったんです。とんでもない魔法使いが『フェルリティア』にいるって」

フェルリティア。レムカーナから遠く離れた魔法都と呼ばれる都市だ。彼女とは、逃避行の果てにそこで出逢った。
あれから一年。長いようで短い時間だったと回顧する。自分はシルヴィアのために何か出来たのか自問するが、何も出来ていないことに落胆する。

「そこで、駄目元で手紙を五通ほど送ったんです。住所なんて分からなかったので、宛先は全部公務庁にして。思えば、公務庁の方には迷惑でしたね」

苦笑するウィンディを見ながら、リヒトは頷く。確かに迷惑だっただろうが、それで二人は面識を持てたのだから結果オーライである。

「…そうですね。それで、シルヴィア先生に手紙が届いたみたいでして。そこから文通で指導を受けたり、お悩み相談だったり、世間話だったりをしてました」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:15:24.73 ID:neXRGdrZO
カバンから取り出したのは、保健室でも見たぼろぼろと手紙と書籍だ。どことなく、シルヴィアの私物と似ている気がした。

「手紙は、シルヴィア先生が送ってくれたものです。踏み潰されたりインクを掛けられたりでもうマトモに読めないですけど、それでも、大切な物なので」

今では遺品になっちゃいましたけど。と付け加えるウィンディだが、表情は僅かに明るくなっている。少しずつ心の整理が出来ているのだろう。

「こちらの本は、先生のアドバイスを基に私なりに構築した理論を記載した写本です。先生に一度見てもらいたかったのですが、叶わない夢ですね」

「…すまない」

自分がいたのに護れなかったことを悔やみ謝罪する。それで過去が変わるわけではないが、怒りの矛先を向けるなりして、溜飲が下がるならそれでいい。
ナイフで刺されるくらいは覚悟していたのだが、ウィンディが行動に出ることは終ぞ無かった。

「怒りませんよ。怒る資格なんて無いです。私は、先生に会ったことすら無いんですから。リヒトさんほど強くても、護れなかったくらいに理不尽なことがあったのでしょう。貴方やマナちゃんが生きているなら、先生もきっと喜んでますよ」

「そうか…」

あの時、手遅れになる前に全力を出していたら、シルヴィアが命を散らすことはなかった。
油断していなかったのだが、魔物の力を見誤っていたのは事実だ。彼女の死は不可抗力ではなく、自身の怠慢が生んだ結果だ。
失態を咎められず慰められるだけというのも気分が悪い。これなら、徹底的に扱き下ろされた方が気が楽だ。
そんな思いを込め、リヒトは嘆息する。
ウィンディは遺品の手紙を、愛おしそうに抱き締めた。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:16:03.99 ID:neXRGdrZO
何をするかを↓1にどうぞ。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 12:22:24.61 ID:6LaNpk3LO
世界樹の果実を皆で食べ、お墓にお供えする
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:49:07.12 ID:neXRGdrZO
戦利品の赤い果実からラベルを剥がし、小さく切り分ける。中心にあった種はもったいないのでくり抜いて保管しておく。
サクサクと気味の良い音を立てながら切り分けていき、更に並べる。甘い香りが鼻を擽り、食欲を沸き立てる。

「それ、なんですか?」

「世界樹の果実」

リヒトの返答にウィンディは驚く様子を見せず、机に置かれているラベルに目を向ける。

「ただのおっきなリンゴですよね」

「そうとも言う」

世界樹の果実の正体は、アリフで栽培されているリンゴの品種の一つだ。一玉一玉が大きいためあまり数が採れず、結構お高い高級品なのだ。
それを無償で献上してくれたならず者には頭が上がらない。

「ほれ、食ってみろ」

「あむ。…あ、美味しい」

世界樹の果実を齧ったウィンディの顔が綻び、へにゃりとしただらしない表情になる。それだけ美味なのだろうとリヒトも一つ食べてみる。

「美味い」

口に入れた途端に広がる濃密な甘み。それでいて、爽やかな酸味が追い討ちを掛けることによってしつこさは無く、さっぱりとした味わいになっている。
繊維もシャクシャクと水気がありながら、ベタつくことはなく歯切れが良い。いくらでも食べてしまえそうだ。

墓に半分ほどお供えし、残りは三人で味わう。
珍しくマナが食いっ気を出し、三人の中で最も多く平らげた。
小さな身体によく入るものだと、二人は感心した。
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 12:49:47.22 ID:neXRGdrZO
何をするかを↓1にどうぞ。
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 13:31:11.79 ID:dBL28EKyo
献上してもらった金品を生活物資に変えに近くの街へ
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 13:31:19.48 ID:s6RYBVdzO
同志集めのために情報収集
同じような思想を持つ人物ないしコミュニティを探す
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 13:38:55.47 ID:neXRGdrZO
目的地を↓2にどうぞ。


A:荒廃した街 ソルド 道中イベント:2
B:普遍の町 アリフ 道中イベント:0
C:圧政の都 ゴルギュリオ 道中イベント:2
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 13:46:04.94 ID:s6RYBVdzO
ksk
安価ならC
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 13:55:50.04 ID:Mcg2d7GO0
B
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 14:38:36.67 ID:neXRGdrZO
魔物や盗賊に襲われるようなことも無く、平和な旅程でアリフに到着した。そういった手合いが滅多に出ない地域なので、当たり前と言えば当たり前なのだが。

「ほわぁぁぁぁ……」

レムカーナとはまた違った賑やかな町並みに、ウィンディは感嘆の息を漏らしている。
これから色々なものを見るのだからこの程度で驚かれては困る。とリヒトは苦笑し、道具屋へ駆け込む。

「らっしゃい。…おお、リュクスの兄ちゃんじゃないか」

「よぉおっちゃん。早速だがコレの換金頼むよ」

顔馴染みの店主に軽く挨拶をし、金品の詰まった麻袋をカウンターに提示する。
無精髭を摩りながら、店主は口を開いた。

「しかしまぁ。今日はえらい多いな」

「心優しい人が恵んでくれたものでね。ありがたく頂戴したわけだ」

「ほぅ。そんな良い人に俺も出逢いたいねぇ」

「旅でもすればいつか出逢えるんじゃないか?」

「そりゃ無理な話だ。俺にはもうおかみさんがいるから、この町を出られないんでな」

「…なんか、おかみさんが良い人じゃないって言ってるように聞こえるな」

「ばっ…!それ本人に言うなよ!?脳天かち割られちまう!」

「言わないよ、たぶん」

そんな談笑をしつつも、店主は金品の鑑定を進める。鋭い目つきは金品に集中し、僅かな傷すら逃さんとしている。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 14:39:30.52 ID:neXRGdrZO
「…ふむ。ざっとこれくらいだな」

鑑定を終えた店主は、羊皮紙に全て売却した際の金額と内訳を記載する。
それを見たリヒトは満足気に頷き、羊皮紙にサインを書いた。

「契約成立だな。んじゃ、代金を受け取ってくれ」

「いつも助かるよ」

リヒトの謝辞を面倒そうにしながら受け取り、店主は新聞を手に取った。用が済んだなら帰れ、という合図だ。
もちろんリヒトも長居するつもりは無いので、そのまま店を出た。

「ご満悦ですね。そんなに儲かりましたか?」

リヒトの顔を見たウィンディはそう問い掛け、銀貨が詰まった麻袋を見て喉を鳴らした。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 14:40:52.65 ID:neXRGdrZO
何をするかを↓1にどうぞ。
今回は換金がメインなので二回行動したらこの町を出ます。
生活物資への変換は自動で行われます。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 14:45:09.14 ID:mX+jXJcGo
マナのために果物買ってやろう
青果市へ
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 15:15:52.95 ID:duko65xDO
リンゴかあ…
まあもし死者復活があるとしても盗賊なんかが持ってる物じゃなく代わりに誰かが死ぬくらいの危険を掻い潜らないと無理か
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 20:16:54.32 ID:neXRGdrZO
懐が潤って大満足なリヒトは、活動に必須な生活物資を一通り買い漁り、青果市場へ来ていた。
昼時なのでそれなりに商品が売れてしまっているが、追加分として先程採れた瑞々しい果物が売りに出されている。

「え?世界樹の果実かい?」

気の良さそうなおばちゃんに、マナががっついた逸品が置いてないか質問する。フードの中に隠れていたマナが、ピクリと動いた。

「置いてるわけないさね。もう今年に採れる分は完売したってそこにも書いてるよ」

おばちゃんが指差した先には、『今年分の世界樹の果実は完売しました。また来年お越しください』と書かれた看板がある。
どうやら、栽培しているのはその出店を所有しているリンゴ農家だけのようだ。
彼女から聞いたのだが世界樹の果実などと大仰な名前が付いてる理由は、品種改良していたらたまたまとんでもない大きさのリンゴが出来てしまい、どうせ本物なんて誰も見たことないんだからと言って名付けたかららしい。
神をも恐れぬ蛮行ではあるが、実際に本物を目にした者はいないので別にいいのだろう。美味いし。

無慈悲な宣告にマナは露骨に気落ちした。耳元で溜め息を十六連射している。普通に耳がくすぐったいので勘弁してもらいたいものだ。
このまま撤退するのはあまりに不憫なので、評判の良い果物をバスケットいっぱいに購入する。これで我慢してもらおう。

市場を出ながら考えていたのだが、ラベルが貼られているような果物が本物の世界樹の果実じゃないことに気づいてしまった。
ラベルを用意する程度には量産しているわけだし、そもそも本物だったらあんなならず者が持っているわけがない。争奪戦という名の戦争が現在進行形で起きていることだろう。
リヒトはまた一つ賢くなった。
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 20:17:20.68 ID:neXRGdrZO
何をするかを↓1にどうぞ。
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 20:31:57.86 ID:A4gQcl6zO
馬か竜を買おう
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 21:37:13.30 ID:neXRGdrZO
「輸送力が足りない」

「ふぇ?」

採れたて果実をふんだんに使ったフルーツジュースを味わいながら、突然リヒトがそんなことを宣う。
ストローを口に入れたまま、ウィンディは首を傾げた。急に何を言ってるんですか、という目をしている。

「運べる荷物が少ないからな。俺は言うまでもないし、君だって沢山運ぶのは相当しんどいんだろ?」

「まぁ、はい。もう少し身体が頑丈だったら、大丈夫だったんでしょうけど」

同志になるにあたって、彼女の風魔法についてはある程度教えられている。風魔法による物資輸送も出来るらしいが、身体への負担が大きいそうだ。
輸送力は馬車一台分が限度で、輸送を終えたら二日は高熱と倦怠感で寝込んでしまうらしい。代償が大きすぎて、訊いた時は反応に困った。
リヒトは言うまでもなく輸送力が低い。大の大人二人分を持っていけるかどうかである。

「だから、馬か竜を買う!オマケに荷車が付いてくるからお得だしな!」

「お金は足りるんですか?」

「足りる。まぁほとんど使い切っちまうけどな…」

簡単に頭数を揃えられる馬なら二匹、比較的調教が難しい竜なら一匹飼えるくらいの残金だ。財政も厳しいのは本当に困る。0から始めているのだから仕方がないが。

「あとは、野生の馬や龍とかをとっ捕まえるかだな。俺に才能があるか分からんが」

自然界で悠々と暮らしている駿馬や龍種を調伏するには、彼らに認められる必要がある。
それを出来るかどうかは、試してみないと分からない。成功するか。はたまた失敗して骸になるか。それも同じく。
普段何気なく利用している生き物は皆、先人たちの努力と犠牲の賜物なのだ。
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 21:44:19.37 ID:neXRGdrZO
どうふるかを↓2にどうぞ。


A:馬をX頭飼う(1か2のどちらかも記入すること)
B:竜を一匹飼う
C:野生のものを捕獲出来るか試す
D:保留


馬と竜の違い


馬より竜の方が輸送力は大きくタフで、戦闘もこなせる。が、その分効果。
馬は比較的安価で数を揃えやすく、非常に従順。


竜と龍の違い


竜は飛行能力を持たず、龍は飛行能力を持つ。というより、地上主体か空中主体かが違う。飛竜種と牙竜種の違いと思ってください。
どちらも主と認めた者にのみ従順になるので調教が大変。故に、龍騎士や龍使いは高級取りである。
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 21:47:53.35 ID:63mFq3oHo
龍も竜もある程度知能が有るってことか
ものは試しCで
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 21:53:10.10 ID:N/uO3JDdo
C
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 21:56:56.06 ID:neXRGdrZO
ターゲットの強さを設定します。↓1にどうぞ。


A:弱いやつ
B:竜舎で買える程度のやつ
C:強いやつ
D:はちゃめちゃが押し寄せてくるやつ
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 22:12:04.94 ID:i62Vx2sHo
D
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 22:32:10.89 ID:neXRGdrZO
どれをターゲットにするか↓3まで募集します。
候補内からコンマで後程判定します。
テンプレートを使ってオリジナルの竜をお出ししても大丈夫です。


【テンプレート】
【名前】その名の通り。
【異名】その名の通り。


【名前】グラトルス
【異名】氷雷龍
天貫の霊峰と呼ばれる地域を支配する偉大なる龍。そもそもが人跡未踏の領域なので、氷雷龍に対する情報が少ない。
純白の甲殻に身を包んでおり、凛然とした佇まいが美しかったとだけ文献には記載されている。


【名前】ルシオルム
【異名】冥天竜
喰命のアギトと呼ばれる大穴を縄張りとする高潔なる竜。グラトルスと同じく情報が少ない。
闇の魔力を自身の力とし、領域に踏み入れし愚者を自身の血肉に変える。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 22:48:22.02 ID:63mFq3oHo
【名前】ヌ・レオン
【異名】彩珍竜
七色に輝く鱗・羽毛と6本の脚、先が割れており器用に物を掴んだり出来る尻尾を持つ。
基本は森の深くにいるが気まぐれに人里に降りてくる。
幼子の衣服のみをズタズタに引き裂くという明確な極悪行動以外は何をしてくるか全く予想がつかないため、生息地周辺では見たら逃げろと非常に恐れられている。
頑張れば人語を話せます(会話が成立するとは言ってない)。
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 22:53:21.06 ID:F3gIxofJO
【名前】ゲイザリオン
【異名】邪眼竜
光亡ぶ湖沼という沼地を縄張りとする異形の黒竜。
全身に目玉があり目玉の一つ一つが魔眼とされる。
優れた知性を持ちながら比較的人類に友好的な竜で、気まぐれに試練を与えて突破した者には力を貸す。
ただし、英雄でなければ突破できないような無理難題ばかりだが。
ちなみに人語を解するが体の構造上片言じみたしゃべり方になっている。(ところどころ片仮名が混ざるような)
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:16:05.30 ID:jdJ9+qkMO
グラトルス
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:22:03.25 ID:1G2VYmfNO
【名前】ギブソンヴィー
【異名】瞬翔龍
天貫の霊峰と呼ばれる地域に生息する龍の一種。
全身のほぼ全てが翼であり、上から見ると逆V字形。申し訳程度に顔や足が生えている。飛行に適した軽くて丈夫な身体を持つ。
眠る時と死ぬ時以外は常時空を飛んでいると言い伝えられており、空のとても高い所を編隊を組んで飛行している姿が見られる。
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 23:25:00.03 ID:ACwSp6kOO
ターゲット 判定↓1コンマ


01〜30:彩珍竜 ヌ・レオン
31〜60:邪眼竜 ゲイザリオン
61〜90:氷雷龍 グラトルス
91〜99:全部行ってしまえ
00:???
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:30:31.97 ID:cLcBsJXaO
はい
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:33:23.71 ID:cLcBsJXaO
草ァ〜〜〜!!(琵琶法師)
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 23:34:38.86 ID:h827rK6CO
判決 地獄行き
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 23:36:17.95 ID:h827rK6CO
というわけで最初にどれをしばきにいくかを↓1にどうぞ。
どれも根本的な強さは同格ですが、危険度的にはグラトルス>ゲイザリオン> ヌ・レオンとなります。
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:36:19.95 ID:F3gIxofJO
一度に三体の相手?縄張りどないなっとん?
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/15(月) 23:38:51.45 ID:h827rK6CO
言い方が悪かったですね。三体とも調伏出来るか試しに行くのであって、全部同じ場所に棲んではいません。
目的達成まであちこちを行ったり来たりするので長丁場になります。(前段階の準備として色々と行動は出来ますが)
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/15(月) 23:40:32.65 ID:7Dz6FsD/O
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 00:00:19.84 ID:XZSDWMdDO
突如始まるモンハン
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 00:05:09.58 ID:3R7jK1Neo
オイオイオイ
  オイオイオイ

あ、始めはレオンで
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:00:08.21 ID:EqvJWDSNO
厩舎に置いているカタログに目を通すが、リヒトの心は動かない。目が肥えている、と言った方が正しいだろうか。
以前の戦争では、色々な敵と戦ってきた。戦いまくった。戦うしかなかった。
何千もの軍を蹴散らし、空を覆わんばかりの龍の群れを蹴散らし、逆に蹴散らされ。数多の命を喰らい、奪われ。
その果てに戦争は終わった。敵軍の首魁の死を以って。

そんな経験があるため、リヒトの脳内には過去に殺し合った強敵たる龍がウヨウヨいるのだ。そんな奴より俺の方が強いぜ?と自己主張しまくりである。
故に、興味がびっくりするくらいに湧かなかった。言い出しっぺは自分なのに。

「怖そうなのばかりですね…」

対照的に、そんな化け物軍団と戦ったことのない温室育ちの魔法強いは、カタログに載っている竜たちの売り文句を怯えながらも眺めていた。興味を持っているようだが、リヒトにこれらを買う予定は無い。

もっと強く、もっと上を。見ただけで外敵が震え上がるような圧倒的な威を持つ強者を、リヒトは望んでいる。
どうか強そうな奴がいますように。そんな願いを込め、ついさっき購入したドラゴン図鑑を開いた。

「!!!!!」

分厚い図鑑を流し読みしていると、電撃に撃たれたような衝撃が走った。これは運命だと、魂がそう告げる。

「俺はこいつらを捕まえる」

「えぇぇぇっ!!?!!?!!」

リヒトが指差したのは、常人なら挑むどころか触れようともしない、災害級の化け物だった。
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/08/16(火) 01:00:32.51 ID:DKWDypbu0
スパイクタンパク単体で心臓やその他臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています

何故一旦停止しないのですか

何故CDCが接種による若い人の心筋炎を認めているのに情報発信がないのですか
20代はたった1ヶ月で接種後死亡がコロナ死と同等になってます
因果関係の調査は?
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:00:47.68 ID:EqvJWDSNO
undefined
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:01:21.27 ID:EqvJWDSNO
『邪眼竜ゲイザリオン』。光亡(ほろ)ぶ湖沼(こしょう)と呼ばれる、南方に位置する沼地を縄張りとする黒竜だ。
深淵の如き漆黒の鱗が全身を覆い、邪眼竜の名が示す通り、全身の至るところに目玉が存在している。
そのいずれも魔眼と呼ばれる魔力を秘めた瞳であり、見つめられた際にどういった悪影響を及ぼすかは不明だという。
ドラゴンの中でも優れた知性を持ち、人間と遭遇しても攻勢に出ることはまずない。が、試練と称した難癖を付けて弄んでくるらしい。
現在までに確認出来た試練は『不死鳥(フェニックス)の炎で焼いた肉を持ってこい』といったお使いから『冥天竜を狩り殺せ』といった、自身と同格の魔物の討伐まで多岐に渡る。
どの試練も一般人には荷が勝ちすぎており、英雄級の実力があっても躊躇すること請け合いの無理難題、いわゆるクソ問題を押し付けては諦める様を見て愉しんでいる。本人(?)には悪意が無いので尚更タチが悪い。

『彩珍竜ヌ・レオン』。七色に輝く鱗と羽毛に覆われた六脚の竜。先端が割れており、物を掴んだり投擲出来る尻尾が特徴的だ。
普段は深い森の奥で爆睡しているのだが、気まぐれに人里に降りてきては、子供の服を引き裂いて大笑いする傍迷惑なドラゴンである。
それ以外には何をするのか全く予想がつかず、ある時は集落だけを踏み潰して去っていき、またある時は魔物の大移動を先導したり、集落を狙ったならず者を追い払ったりと行動に規則性が無い。
暇つぶしなのか挑発なのか習性なのか判断が付かないため、面倒事にならないように『ヌ・レオンを見たらとりあえず逃げろ』と非常に恐れられている。
本人(?)に悪意は無いのかもしれないが、とにかく迷惑な存在らしい。彼に性癖を歪まされた人もいるのだとか。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:01:47.50 ID:EqvJWDSNO
『氷雷龍グラトルス』。天貫の霊峰と呼ばれる山地を支配する純白の龍だ。彼の地自体人が踏み入れられるような場所ではないため、目撃情報も非常に少ない。
氷と雷の入り混じった吐息を吐くだの、それらを体表から放出し、環境を変えてくるだの言われているが、真相は不明だ。
だが、目撃者が一様に言っていたことがある。
それは、『凛然とした佇まいは、女王のように偉大で美しかった』ということだ。

独断と偏見により、最初のターゲットはヌ・レオンに決まった。ウィンディの服がビリビリにならないか心配である。
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:03:19.86 ID:EqvJWDSNO
「そうならないように守ってくださいよ!?」

「善処する」

善処はするが、約束は出来ない。もしビリったらごめんと内心で謝罪しておいた。
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:04:40.14 ID:EqvJWDSNO
これからどうするかを↓1にどうぞ。


A:ヌ・レオンの生息地の近くへ突撃
B:別の町で準備とかをする
C:自由安価
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 01:12:48.69 ID:nQxozsNIO
A
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:29:15.37 ID:EqvJWDSNO
強大なドラゴンを従える。そう決心したリヒトの行動は速かった。
今回のターゲットである三匹のドラゴン。その中で最も近郊に棲み着いているヌ・レオンを調伏するべく、三人はひたすらに広大な大地を駆けていた。

「ちょっ、速いですって!」

「善は急げって言うだろ?ほらもっとスピード上げろ!ハリーハリー!!!」

「えぇ…?これっていいことなんですか…?」

手足をシャカシャカ動かして高速移動をする幽者の後続に、風を纏って宙を舞う魔法使いがいる。ひょっとしなくても不審者軍団である。
草原を疾駆する二人組に魔物は手を出せず、関わり合いになりたくないとその場を逃げ出した。

「どうしてだろう。魔物から憐れみの目で見られてる気がします…」

脱兎の如く逃げ出す魔物を尻目に、ウィンディはそんなことを呟いた。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:29:58.25 ID:EqvJWDSNO
「ようこそ旅の方。安息の村カーナンへ」

家畜がのんびりと放牧されている、のどかな村へ到着する。ここカーナンがヌ・レオンの生息地に最も近い村であり、最もヌ・レオンの暇つぶしの被害が出ている村である。
視線を村中に向けると、潰れて無惨な姿になっている住居が複数見られた。

「ああ、アレですか?…ヌ・レオンの悪ふざけで壊れたんですよ。元々老朽化で壊れそうだったから、被害者は全然気にしてないのはよかったのですがね」

出来れば後始末までしてほしかったと、恨み節が聞こえた。気持ちは分からなくもないが、文明のことを知らないドラゴンにそこまで求めるのは酷というものだろう。

「それにしても、平和な感じですね。ヌ・レオンが近くにいるとは思えません」

「奴に殺された人も怪我させられた人もいないので。動向を警戒はしていますが、存在そのものを脅威と思っていないのですよ」

いつ彩珍竜が蹂躙を始めるか解ったものではないので、無視するわけにはいかないのだろう。だが、それと同時にただの一度も犠牲者が出ていないので、楽観視しているのも事実だ。
彩珍竜の気が変わったりしなければいいが、と不安に駆られたリヒトたちは、間違っていないだろう。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 01:30:39.10 ID:EqvJWDSNO
何をするかを↓1にどうぞ。
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 01:45:04.56 ID:3R7jK1Neo
彩珍竜の寝床を聞いてみる
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 02:36:32.69 ID:EqvJWDSNO
情報入手 判定↓1コンマ
今回の更新はこれまでです。


01〜60:面倒事はやめろってんだろ
61〜90:何があっても知らないかんな
91〜99:暇なので来ましたー
00:???
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 03:03:35.97 ID:GrOTkhtNO
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 06:13:37.78 ID:XZSDWMdDO
えええええ…
00だったら向こうから仲間になりに来るのかな…
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 09:30:07.99 ID:3R7jK1Neo
コンマが傍若無人に大暴れしている
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 10:56:50.89 ID:E5oCUfxbO
>>203の手前にこの二つのレスが抜けてました。すみません。
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 10:57:23.52 ID:KVtaL//XO
岩肌に手頃な窪みを発見し、荷物を下ろす。今日はここを野宿の拠点にすることにした。

「ふーむ…」

財布の中身を確認するが、レムカーナで様々な出費が重なったおかげでとてもとても寂しいことになっている。
逆さまにしても、数枚の銅貨が落ちてくるだけだ。とても元勇者、幽者の所持金とは思えない。

「ご、ごめんなさい。私もお金は全く無いんです。独り身なので」

「君の金は君の金だろ。俺は自分の貯金しか使う予定は立ててねぇよ」

水筒を呷り、大きな息を吐く。頑張って金を稼ごうとは言ったが、お尋ね者がどうやって稼げばいいのか。
唸りながら思考を続け、リヒトはたった一つの冴えたやり方に気づく。

お金が無いのなら、お金を持ってるならず者から奪い尽くせばいいじゃない、と。
悪人に何をしたって誰も咎めはしない。寧ろ、拍手喝采を以って褒め称えられる善行のはずだ。
こんな天才的な発想が出来る自分が恐ろしい。そんなことを考えているリヒトは、おふざけで自画自賛していたシルヴィアの言とそっくりだった。

というわけで、リヒトは善は急げとばかりに腰を上げる。ウィンディは首を傾げた。

「昼に言ってた寄り道をしてくる。来るも来ないもご自由に」

「では、私はここでマナちゃんを見守ってますね」

「ふん」

そっぽを向きつつウィンディの膝下で寝転がるマナを見つつ、不安気になりながらもリヒトは席を離れた。

後に戻ってきたリヒトが言うには、二人で仲良く寝ている姿は、お姫様たちのシエスタのように和やかだったそうだ。
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/16(火) 10:57:43.03 ID:sPgtMg0SO
野宿地点から少し離れた岩山の中に、複数の小屋が集まった集落がある。
知る人ぞ知るその集落は、ならず者の集う秘密基地であった。

「今日も酒が美味くて星も綺麗だなぁ」

見張り塔に座り、のんびりと酒瓶を呷る弓手は、星空と集落内の篝火を交互に見ていた。
身体が冷えないように、とお酒を持ってきてくれたのはありがたいのだが、もう半日も見張りを続けているのだから、交代してもらいたいものだ。
そんな意思を込めた溜め息を吐くも、届くはずもなく。半ば自棄になりながら、一息に酒を飲み干した。

程よくアルコールに浸された脳が、瞼を重くさせる。とろんと溶けた目尻は眠気をこれでもかと表しており、ここに布団があれば間違いなく夢の中にご招待されていただろう。
だが、仮にも見張りを任された身だ。職務は全うする、と断固とした決意を持ち、睡魔と激闘を繰り広げていた。そんな時。

「んぁ?」

ランタンとは違った光が近づいてくる。獣の目とも違うそれを敢えて言うなら、粛清の光と言ったところか。
神聖さと悍ましさが同居した禍々しい光に、悪い夢を見たようだと、乾いた笑いと共に眠気が一瞬で覚める。
正体なぞ知ったことか。アレを近づけてはならない。そう、彼の本能が警鐘を鳴らす。
見敵必殺、先手必勝の意を込めて放った矢は、無造作に切り捨てられた。

集落の来訪者は、寒気がするほど清々しい笑みを浮かべていた。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 11:12:04.93 ID:3QIBE7czo
ウィンディの胆力がすごい
多分体質も魔翌力の出力に体が追いついてないだけと考えるとすげー逸材でしょ彼女
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/16(火) 11:39:28.06 ID:XZSDWMdDO
地の文の中に故人の思い出が時々出るのしんみりしつつも和む
281 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/17(水) 03:08:25.91 ID:CTExJ3+f0
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282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 22:07:43.40 ID:B7qD+0kuO
ヌ・レオンを調伏しようにも居場所が分からなければ意味がない。ので、二人は彩珍竜の住処、即ち寝床を村民に問う。

「言うわけないでしょう。ちょっかい掛けられて騒動を起こされたらこっちが困るんですよ」

が、当たり前のように一蹴された。まぁ実際、余所者が勝手に動いて迷惑を被るのは自分たちなので、この対応もさもあらんというものだ。
もし、自分の拠点に来訪者が来て『ちょっくら採掘するから場所借りるね』とか言われたら、絶対に殴る。殴るだろうではなく殴る。断言する。

「まぁこうなるのは分かってた」

「ですよねー。私たちのリーダーがごめんなさい。すぐ失礼しますね」

「いや諦めないからな俺は。チャンスが来るまで耐え忍ぶのもまた一つの手段だ」

「えぇー…」

他のことをした方が建設的で今後のためになりますよ。とでも言いたげな視線が背中にちくちくと刺さるが黙殺する。
ルールは俺。俺こそがルール。そんな意図を込めてサムズアップをすると、ウィンディは頭を抱えてうごごごと唸った。

そんな時。森の奥から地響きが聞こえてきた。

「あっやっべ…。悪いことは言わないから隠れた方がいいですよ!特にそこのお嬢さん!素っ裸にされたくなければここから逃げるか姿を隠してくださいね!どうなっても私は知りませんから!!!」

そんなことを言うなり、先程まで温厚だった小太りな男性は家へと逃げ込んだ。
ウィンディは見るからに慌てていた。裸になるのが嫌なのだろう。

「嫌に決まってるじゃないですか!?」

悲鳴にも似た叫びが返ってくるのと時を同じくして、カーナンを囲む木々の一角が薙ぎ倒される。音のした方角を振り向くと、奴はいた。

『どもー。暇なので失礼しまーす』

人語を解す虹の輝きを放つ竜。『彩珍竜ヌ・レオン』が、まるで無邪気な子供のような雰囲気を纏い接近する。
その雰囲気の奥底に眠る災厄が如き力。破滅の気配がリヒトの冥光と共鳴し、警告する。
曰く『汝は我を従えられぬ。命惜しくば去るがいい』と。
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 22:09:57.80 ID:B7qD+0kuO
ヌ・レオンとどういうコンタクトを取るかを↓1にどうぞ。
ちなみに、ターゲットになってる奴らは全部リヒトより強いです。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/17(水) 22:42:48.36 ID:QugL1kFQo
(ここまで読んだ感じ命のやり取りまではならんだろう)
実力を見込んで腕試しを申し込みたい
俺が勝ったら協力してください
負けたらウインディとついでにマナ(の服)を好きにしていい
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 23:05:01.52 ID:67Nvm/R+O
お遊戯 判定↓1コンマ


01〜30:ご飯が食べたいの
31〜99:すぐ壊れないでね
00:???
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/17(水) 23:16:28.04 ID:imwLMfIDO
服を!
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 23:44:20.81 ID:rf51iFLYO
首を回し、村へと目を向ける彩珍竜。人気が無くなった村を不思議に思いながら、遊び相手がいないか探しているようだ。
目の前に自分がいるのに目もくれないのは、射程範囲外だからなのだろうか。リヒト(22歳)は盛大に溜め息を吐き、マナ(???歳)は欠伸をし、ウィンディ(14歳)は縮こまった。
リヒトだけが外に出ており、忠告通りウィンディたちは教会の中に隠れている。

「ヌ・レオン…さん?様?どう呼べばいいんだこれ」

『んん?ご飯くれるの?』

要領を得ない返答を無視して、リヒトは言葉を続ける。支離滅裂なことを言うとドラゴン図鑑にも載っていた。なら、意味を考えるだけ無駄だ。

「貴方の実力を見込んで腕試しを申し込みたい。退屈しのぎにはなるかもしれんぞ」

『んん?』

「もし俺が勝てば、その時は協力してくれ。俺が負けたら、あそこの二人(の服)を好きにしてくださっても俺は一向に構わん!!!!」

「構ってくださいよぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!!!!!!!」

教会から聞こえてくる悲痛な叫び。どうか引き受けてくれますように。そんな幽者の祈りが届くことはなかった。
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 23:45:09.53 ID:rf51iFLYO
『あふ…』

ヌ・レオンが欠伸をした。ドラゴンなのになんという芸当だと感心していたのも束の間、彼の真意に気づいた。

『ご飯食べたいなー』

ぷいと首を振り、教会へと近づく彩珍竜。尻尾をくねらせ、先端でドアノブを器用に掴んだ。そのまま、扉を開いては中に尻尾を突っ込み、ウィンディを捕らえる。

「ひぃぃぃ!!!私は美味しくないですよぅ!!!貧相ですよぅ!!!!!」

『それを決めるのは僕だよー』

「ひゃぁぁぁ!?!!」

身動きの取れないウィンディを、その前脚で引っ掻く。素肌に傷一つ付けることなく、その防護を破った。
あまりにかわいそうなのでリヒトは目を閉じてあげる。何がとは言わないが黒だった。大人びた物を着けていた。

彼に戦いへの興味は全く無い。そう、行動が示していた。ヌ・レオンと戦い力を示す。ドラゴンを調伏するにあたって王道と呼ばれる手段は、彼に通用しないようだ。
あるいは、遊び相手になる価値も無いのか。実力が足りないのかもしれない。お互いに死を感じるほど拮抗していないと、愉しいと感じないのだろうか。

いずれにせよ、今回の挑戦は大失敗だ。このままあの手この手を使っても、乗り気にならないのは確定的に明らかだ。
リヒトは早まった自身の未熟さを恥じ、彩珍竜に頭を下げた。

彩珍竜はウィンディで遊び終えたと思ったら、悠々と森の中へ帰っていく。出没してから帰っていくまで、敵意も悪意も一切感じることはなかった。
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/17(水) 23:54:45.68 ID:GRjinlmEO
これからどうするかを↓1にどうぞ。


A:別のターゲットの生息地近くへ突撃 ターゲットの名前を併記すること
B:別の町で準備とかをする
C:調伏は諦める
D:自由安価
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/17(水) 23:55:26.39 ID:hO1puZbOO
B
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/18(木) 00:03:57.96 ID:3CDcNzbJo
オレサマオマエマルカジリにならなくて良かったと考えよう……
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/18(木) 00:09:11.08 ID:73tlD4ZsO
目的地を↓2にどうぞ。


A:圧政の都 ゴルギュリオ 道中イベント:1
B:魔法の都 フェルリティア 道中イベント:1
C:荒廃した街 ソルド 道中イベント:1
D:自由安価 過去の選択肢で出た町や下記テンプレートを用いたものなども可

【地名】その名の通り。
【通称】○○の町など。地名の前に付いてるやつです。
簡単な概要は通称の下の行にお願いします。
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/18(木) 00:21:22.75 ID:fRjKkuCNO
ksk
安価ならB
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/18(木) 00:23:11.66 ID:3CDcNzbJo
B
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/19(金) 00:24:46.13 ID:h9J8oGgfO
嵐のように彩珍竜は去り、カーナンは活気を取り戻す。今回の暇つぶしの犠牲になったのはウィンディだけで、目立った損害は見受けられない。めでたしめでたしだ。

「ドラゴンに汚された…裸を村中の人に見られた…もうお嫁に行けません…どうせ私には行く宛なんか無いですけど…」

めそめそと嘆くウィンディを尻目に、リヒトは地図を広げる。邪眼竜にせよ氷雷龍にせよ無策で突っ込むのは無謀だと感じたので、何かしらの対策を打たねばなるまい。
やはりぶっつけ本番で突撃しても成果は得られない。その確証が得られただけ、今回のコンタクトには意味があった。そう思わなければやってられないのだ。

「情報収集…は無理か。二匹とも、易々と立ち入れない難所を縄張りにしてるしな。情報屋も役には立たなそうだ」

天貫の霊峰。光亡ぶ湖沼。どちらも大仰な名前が付くだけあって、そう簡単には踏破出来ない険しい場所である。
風雪が吹き荒れ、雲海をも越える山脈が連なり、強大な魔物が集う巣窟。
立ち込める濃霧が光を飲み込み、暗黒だけが支配する湿地帯。その最奥に広がる、瘴気に満ちた湖沼。
まさに魔窟と呼ぶに相応しい世界であり、人間には厳しい環境が広がっている。そんな場所を支配するドラゴンが弱いわけがないのだ。
だが。だからこそ、挑戦する価値がある。国を創ろうとする人間に、酔狂な部分があるのは当然と言える。

ドラゴンを従えるために今出来ることを為す。掲げた目標を達成すべく、リヒトは目的地を設定した。
次なる目的地はフェルリティア。魔法都と呼ばれる魔法使いの聖地であり、彼岸の大賢者と光燿の勇者が出逢った、二人の運命が動き出した場所でもある。
虚無に囚われた勇者は、野心を抱えし幽者となり魔法都を再訪する。新たな同志、大賢者の弟子を伴って。
聖地が滅ぶ日は近い。かもしれない。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/19(金) 00:25:33.97 ID:h9J8oGgfO
道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/19(金) 00:29:11.37 ID:/ZFleJV7o
298 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/19(金) 02:54:48.40 ID:R50QYOaz0
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299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:44:06.72 ID:Y01VQzivO
目視出来るほど強力な魔力が込められた結界が、浮島を包む。幾重の魔法陣が複雑に絡み合い、神秘的な光景を作り出している。
一匹の鳥、否、不幸な命が結界に包まれし聖地、『魔法都フェルリティア』に進む。結界に身体が触れた刹那、音を立てずに灰と化した。

荘厳たる佇まいのフェルリティア公務庁が存在を主張し、学び舎と称される研究所がそれを支えるように建っている。
フェルリティアへ直接入ることは何人たりとも敵わない。誰であろうとも、たった一つの入口を使う必要がある。
導きの門と人が呼ぶ、女神が彫られた鉄扉。その中に広がる転送陣のみが、フェルリティアと外界を繋いでいるのだ。
そのため、物資から人員に至るまで全てのものの出入都管理が万全に行われており、不当に立ち入ること、抜け出すことは不可能である。
尤も、リヒトとシルヴィアはそんな道理をぶち壊して逃げ出したわけだが。フェルリティア最下部の大穴が当時の騒動を物語っている。

人は言う。
フェルリティアは安寧の地。ここにいる限り、厄災は永遠(とわ)に訪れず。
フェルリティアは究明の地。ここにいる限り、真理の探究は終わらない。
フェルリティアは魔法の聖地。ここより産まれし魔法が、人類の文明に変革を齎した。
故に、フェルリティアの民こそが真に偉大なる存在である。と。

数百年の歴史を持つ、現存する最古の都フェルリティア。その歴史は、人類の歴史だ。
その裏には、悪意に歪められた大賢者の献身が隠されている。
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:44:37.58 ID:Y01VQzivO
導きの門の前に設置された関所にて、リヒトたちは足止めを食らっていた。番人という名の魔法馬鹿に秘匿していたマナが見つかってしまったのだ。
取り調べとは名ばかりの質問攻めに、三人はげっそりしていた。

「…あと何分掛かるんですかね?」

マナの住所、魔法、来歴その他諸々を根掘り葉掘り訊かれ焦燥しきったリヒトが言葉を漏らす。黙秘権を行使しまくったので個人情報は知られていないのだが、負けじと食い下がる知識人の執念に疲弊していた。

「君には興味ないんだけどね。妖精ちゃんが知ってることを教えてくれたら、すぐに通してやるよ」

番人とは言っているがその実、この男性はフェルリティア内外を繋ぐ転送陣の管理人である。
ちなみに、転送陣の理論を構築したのは他でもないシルヴィアだ。功績は全て騒動のどさくさに紛れて他人の物にされたが。
現在のフェルリティアを支える魔法の大半がシルヴィア謹製であることから、彼女の才覚が伺えるというものだ。
彼女は一切他言していないため、民衆やリヒトはそれを知らない。人のためを想い人生を捧げた大賢者は今、民衆に恨まれるお尋ね者と化している。そして、人知れずその命を散らした。これを悲劇と言わず何と言うのか。

「で、早く教えてくれないかな?後ろもつっかえてるんだから、皆のためにも言った方が良いと思うんだけどなぁ〜〜〜」

笑顔を崩さない番人とは対照的に、リヒトは青筋を立てている。表情には出ていないが、取り繕うのを辞めた瞬間にブラッディでスプラッタなパーティが始まるのは想像に難くない。
ここはマトモな自分がどうにかしなければ、とウィンディは気合を入れた。
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:45:51.45 ID:ctyFJJijO
「彼女はですね、天貫の霊峰で暮らしていたすっごく偉い大妖精さんなんです!」

「なんとっ!?」

「でも、そこに棲んでる魔物たちが縄張り争いを始めて環境が激変…新天地を求めて旅をしていた時に、悪い人に捕まっちゃって…。競りに掛けられる前に、助け出したんです!」

「今は世界中を旅して、安住の地を探してあげてる最中なんです。攫われた時のショックや故郷を離れた影響で、魔力の制御が出来なくなったので今は魔法を使えない…と本人は言ってました」

「たぶんいった。ようせいうそつかない」

「………!!??!!?」

面倒に思っていたのか、棒読みではあるが同調するマナ。無気力な彼女をここまでさせるとは、げに恐ろしきは人の欲である。
人と妖精は相容れない。ウィンディの言を肯定するマナを見て、その常識を覆された番人はショックを受けた。受けたのだが、逆にそれが彼の琴線に触れたようだ。

「妖精にも人を受け入れる器量があるとは…。そこら辺の話を詳しく!頼むぅ!!!!!」

などと言いながら鼻息を荒くする番人は誰がどう見ても変態だ。何故彼が太陽の元で暮らしているのか不思議でならない。
こんな変態は普通牢獄行きだと思うのだが。これが俗に言う魔法使い無罪なのだろうか。流石魔法使いにとっての聖地であるフェルリティアだ。法律が違う。
と、嘘八百を並べて誤魔化し続けるウィンディとそれを大真面目に受け取り仰天する番人を眺め、諦めの境地に至ったリヒトは思っていた。

その後、なんだかんだで入都を許可された。
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:46:50.83 ID:SZeL9S+GO
何をするかを↓2にどうぞ。
フェルリティアでの行動権は3回です。
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 02:06:16.88 ID:7QL59Wc4o
ksk
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/08/21(日) 03:08:20.74 ID:0HaORDzio
前衛職探そう
流石にリヒト一人は辛い
ここでも魔法剣士とかいるやろ
いるといいなあ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 03:32:07.91 ID:fE3Z2MBvO
近接捜索 判定↓1コンマ


01〜30:いない
31〜70:一人いた
71〜99:二人いた
00:???
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 03:58:23.31 ID:7Y8ndjrkO
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 04:05:50.26 ID:ExIBf5/aO
仲間を一人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 09:26:48.00 ID:SHqufQPJO
【名前】ニール・ライトホープ
【人種】人間
【性別】男
【魔法】闇魔法、精神干渉魔法
褐色肌で白髪、容姿端麗な青年。
何か面白いことを探して旅をしている。
他人とは常に敬語で接し、たまに意味深な発言をする。使用する魔法は一見普通に見えるが、この世界の理とは違う原理で発動しているようで、そのことは一部の者にしか分からない。
赤い線の装飾が施された黒い短剣を身に着けているものの、それを使わずに普通の剣を使用している。
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 10:57:18.43 ID:yoGgeyCDO
早い者勝ちかな?一応なんか思い付いたから書く

【名前】アザステア
【人種】 魔法生物
【性別】 不明
【魔法】属性複合魔法
とある魔法使いが造り出した魔法生物キマイラで人語も理解する
姿は黒い犬だが中身は複数の魔物を合成した肉体によって出来ている
主である魔法使いには従順だったが魔法使いが亡くなった為持て余されて封印されるが度々封印を破ろうとするので処分予定

主が亡くなって悲しい主が度々話して聞かせてくれた故郷に主の遺体を連れて行きたい人間が邪魔をするムカつく
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 15:21:57.49 ID:00g4RkQHO
【名前】シフ
【人種】狼の獣人
【性別】男性
【魔法】音波魔法
身長170cm程度。二足歩行している狼のような容姿。灰色の毛並みと瞳。細身ながらも筋肉質な体つき。防具は急所を守る程度の軽装。
流れの傭兵。普段は軽口が多く一見お調子者に見えるが、堅実で油断がなく確実に依頼をこなす。依頼で人がかわるタイプ。
剣術や投擲など戦闘の面では凡庸だが、情報通で洞察力に優れる。
相手の弱点を突きつつ長所を発揮させない戦術を得意とする。
音波を操ることでソナーのような探知や超音波で敵の感覚を乱すことができる。
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 15:23:25.11 ID:00g4RkQHO
(よく見たら下3まで、とかじゃなくて「あっ」となった顔)
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:27:04.32 ID:v6sDx2+UO
フェルリティアに入ってまず目を引いたのは、ゴーレムの数が多いことだ。警備部隊は小隊長のみが人間であり、残りの全員はゴーレムで構成されている。
他にも街中で活動するゴーレムたちが多く見られる。荷運びに勤しむもの、接客を務めるもの、建物の修繕を担うもの。皆、用途に合わせた外観をしており、職務を忠実に全うしていた。
リヒトは依然変わりない街並みに安堵しつつも、掲示板にデカデカと貼り付けられている手配書に密かに中指を立てた。何が凶悪犯だふざけんな。

「………」

手配書を見たウィンディの目が曇る。恩師がこんな扱いをされているのだから当然ではあるが。不幸に見舞われっぱなしのウィンディを不憫に思いながら、リヒトは酒場に視線を向けた。昼間ではあるが賑わっており、客の中には冒険者も少なくない。

「…ちょっと情報とか人を集めてくる。二時間後に『スワローネスト』で合流しよう」

「分かりました。酔い潰れちゃ駄目ですよ」

「加減はするっての」

ヒラヒラと手を振りながら、リヒトは酒場へと入っていく。それを見届けたウィンディは、フェルリティア大書庫へと向かった。
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:27:43.81 ID:96P9T0XuO
店に入り、適当な安酒とつまみを注文する。あまり贅沢は出来ないのと高価な酒は口に合わないので、頼むのはいつも安いお酒だ。
つまみを齧りながら店内を一瞥するが、目ぼしい相手はおらず。人が入れ替わるまで静かにするべきか考えていると、異変が起きた。

「………?」

何かに"視られた"。身体を。心を。魂を。観察された。初めての感覚に少々狼狽えたが、すぐに平静を取り戻す。
興味を無くしたのか。それとも、見抜くことが出来なかったのか。謎の視線は一瞬で感じなくなった。
最悪の場合には聖剣を抜くことも吝かではない、とフェルリティアが戦場になる覚悟を決め、視線の主の来訪を待つ。
果たして、その時はすぐに訪れた。

「………!」

酒場に入店した一人の青年。褐色肌に白い髪、誰もが頷く超イケメンと街中を歩けば人目を引くこと請け合いの、そこまで派手な服装はしていないのに目立っている普通の男性だ。少なくとも、そう見えるように努めている。
リヒトの探るような視線を感じたのか、青年は喫驚とも感動とも取れる反応をした。とても普通ではない。
下がっていく視線の温度とは裏腹に、青年は高揚を隠そうともしない。彼が下手人と見て間違いないだろう。

「はじめまして旅の方。同席してよろしいですか?」

「どうぞお構いなく」

馴れ馴れしい青年に内心警戒しながら、リヒトはビールを一杯注文する。それを受け取った青年は謝辞を述べ、名を告げた。

「貴方のお恵みに感謝を。俺は『ニール・ライトホープ』。しがない旅人です」

「俺は『リュクス』。同じくただの旅人だ」

朗らかなニールと酒の席には似つかわしくない冷徹なリヒト。なんとも対照的な姿である。
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:30:52.88 ID:8Sk9FT3OO
ニールと何を話すかを↓1にどうぞ。

??? 判定↓1コンマ


01〜70:何もない
71〜99:???????
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 09:21:02.41 ID:6pQpPPEr0
まずはお互いの旅先の話などを話し、彼の出方を伺う
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:33:24.38 ID:RGHzGkYaO
彼の魂胆が分からない以上、下手に出ても意味が無い。それがはっきりするまでは、無難に会話をして出方を伺う。
リヒトは努めて冷静に判断を下し、先手を打つ。

「俺は今までこの目で様々なものを見てきたんだが、興味があるなら聴くかい?」

「喜んで!」

思いの外食い付いてきたことに若干戸惑いつつも、過去の旅路を話す。聖女たちとの行軍や大賢者との放浪のことも話したが、彼女たちのことはぼかし、あくまで旅ということにしている。もしバレたらその時はその時だ。
青年は相槌を打ち、質問を数度挟んでくる。彼はなかなかの聞き上手で、ただこちらが話しているだけなのに楽しく感じそうになってしまう。最初に違和感を感じていなければ、この会話も楽しかったのだろうが。

そのまま会話を続け、攻守交代となる。次はこちらの番だ。

「貴方はどこを旅してきたんだ?」

「おっ、興味ありますか?」

「そりゃ、まぁ。旅人同士が酒の席に着いたなら、話題は一つだろ?」

「仰る通り。旅路を知ることで、彼の者の全てを知ることが出来ます。話したことが全て真実であるなら、ですが」

「………」

「ふふ。そう表情を険しくしないでください。俺は別に、貴方を咎めているわけではありません。誰にだって、話したくないものはあるのですからね。俺はそんなものが無いので、堂々と話させていただきます」

「…貴方の言が全て真実とも限らないだろうに」

「ええ。真実か否か。それを決めるのは、最終的には聞き手の意志です。真実を語ろうとも、虚構だと断じられればそこまでです。逆もまた然り。人間ってそういうものでしょう?」

「そうだな」

「だから俺は、面白ければ作り話だろうがなんでも良いんですよ。楽しむために会話をするなら真贋に意味は無い」

堂々とした宣言に、リヒトは警戒を緩める。まだ完全には信用出来ないが、警戒したまま会話をするのも疲れるのだ。
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:33:51.97 ID:mG8w2sNaO
「俺も世界各地、気になったところを片っ端から旅してきた行き当たりばったりマンでしてね。それはもう大変な目に遭いました。それも含めて、楽しかったから結果オーライですが」

彼の旅程をざっくりと聴く。レムカーナ→天貫の霊峰→ゴルギュリオ→緋桜郷→喰命のアギト→他の大陸へ渡航→大陸中を気ままに旅行→この大陸(イルステッド)へと帰還→フェルリティアという順に辿ったらしいが、なんともバラバラで規則性が無い。本当に好き勝手にしていらっしゃった。

「ああ、魔物の情報とかは俺に訊かれても困ります。そこまで強くないので」

そう言って肩を竦めるニール。彼の言う通り、雰囲気から感じ取れる実力は並あたりだ。
だが、これが彼の真の実力ではないことは解りきっている。先程感じた感覚からすると、自身と同程度かそれ以上。と、リヒトは冷静に分析している。

「今まで行った中で一番新鮮に感じたのは緋桜郷ですね。鬼が統治し、種族の坩堝と形容されるあの街は、一度でもいいから訪れた方がためになると思います。刺激が欲しい男性は特に、ね」

笑みを浮かべるニールは、ちょっと口にするのも憚られる下品なジェスチャーをしていた。
手で輪っかを作るな。リヒトは溜め息を吐き、答えとする。
ニールはゲラゲラと笑い、酒を飲み干した。何がツボに入ったのかてんで分からない。
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:34:17.60 ID:mG8w2sNaO
ニールと何を話すかを↓1にどうぞ。
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 17:19:41.17 ID:weblx+hDO
世間話はもういいとほんの少しだけ殺気を向けつつ
で?俺に何か用でもあるのかと目的を探る
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 21:22:22.55 ID:S6YZRxrxO
「世間話はもういい」

茶番は終わりだと理解してもらうために、ニールに対して指向性を持たせた殺気を向ける。青年の眉がピクリと動いた。
この殺気に反応を示さないのは、よほど頭がおめでたい奴か、英雄級の向ける殺気を歯牙に掛けないほどの強者かの二択である。
常人であれば恐慌し、色々な液体が流れかねないそれを受けても涼しい表情をしているのは流石と言える。そこまで強くない、と弁明していた人間の反応とは到底思えない。

「俺に何か用でもあるのか?さっき俺を"視てた"だろ。黙秘権は使わせないからな」

冷ややかな視線を向けて問う。青年はなおも態度を崩さず、幽者を見据えていた。
武力行使に出るなら、こちらも出るとこに出る。決闘(デュエル)開始だ。と戦意を練り上げているリヒトに、ケロッとした表情でニールは答えを告げる。

「まぁ確かに、貴方の中身を視させていただきました。厳密には、この酒場の人全員を視ましたが。他の全員は簡単に内面を見透せましたが、貴方は違う」

「光に隠されたように。混沌に染まったように、視ることが出来なかった。格下相手であれば丸々お見通しなのですけど、貴方には通じなかった」

「故に、こうして面と向かって話をしているわけです。貴方の旅路を知りたい。その言葉に嘘偽りはありません。天地神明に誓いますよ俺は。もしこの言葉が嘘なら多少ボコられても文句は一切言いません」

「『真実か嘘かを決めるのは、聞き手の意志次第』…だったか。俺が嘘だと決めつければ、あんたは痛い目を見るわけだが…それでいいのか?」

「ええ。初対面の相手に心の中を視られるなんて、気味が悪いのは承知の上です。まぁ、貴方が初めて気づいたんですけどね!」

彼の言葉を信じるべきか、疑うべきか。リヒトは答えを出せずにいる。どうするべきかは、未来の自分が決めてくれるだろう。
そんな投げやりな考えをしながら、リヒトは殺意を消した。
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 21:23:25.54 ID:S6YZRxrxO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ニールとの交流を終了します。
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 21:35:13.36 ID:6pQpPPEr0
俺の事を知りたいならまずは自分の事を包み隠さず話せと言う
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/25(木) 02:33:12.15 ID:VaPlR33SO
「…まぁ。変な奴だが敵意が無いことは解ったよ」

「それはよかった」

「だが、おいそれと自供は出来ないな。俺のことを知りたいなら、まずは自分の事を包み隠さず話すべきだ。そうだろ?」

「えぇーっと…」

苦笑いを浮かべたニールは、気まずそうに頭を掻く。何か隠し事があるのだろうか。

「俺、別に嘘なんて言ってないんですけどね…。自分の欲しい情報が無かったからって嘘認定されても困ります。これ以上俺を叩いても何も出ませんよ?」

と述べる青年の表情は真剣だった。嘘を言っているようには見えないが、彼の人となりを理解してはいない。故に、真実かどうかも判別がつかない。
ただ、リヒトもリヒトで、信用出来ない相手に馬鹿正直に過去を話すほど、頭がお花畑では(性善説を信奉しては)なかった。

「そうかい」

とだけ答え、リヒトは追加の酒とつまみを注文した。ニールは嘆息し、ビールを大量に注文した。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/25(木) 02:35:26.62 ID:VaPlR33SO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ニールとの交流を終了します。
また、継続する場合は今回の会話が最後となります。
325 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/25(木) 02:40:17.14 ID:IA2KeHgu0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/25(木) 02:59:54.40 ID:ca3OiFkDo
刺々しい態度を取ったことを謝罪し、お詫びにつまみを奢りつつ好きな食べ物の話をする
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:47:53.18 ID:p3mM9bulO
自棄酒を始めたニールを尻目に、リヒトはチビチビと酒を飲みつつ、つまみを味わう。
暫しの無言の間の後、不意にリヒトは口を開く。

「…悪かったな。変に疑ったり刺々しい態度を取ったりして」

「お気になさらず。俺もプライバシーに配慮してない行動をしてたので、弁解の余地は無いですから。…まぁ、そこまで信用されないかーとはなりましたけど」

「そんなに疑われるほど俺って胡散臭いですかね?」

「えーと…その…。最初に心を覗かれてなければ、ここまでつっけんどんな態度は取らなかったと思う…たぶん」

「つまり俺の自業自得ですね」

「…すまない。お詫びと言ってはなんだが、食べたいつまみがあれば奢るよ」

「食べ物で簡単に釣れると思ってませんか?ありがたく頼ませていただきますね」

「遠慮なくどうぞ」

「じゃあこのページの料理全部ください!!!!!」

「おい待て少しは遠慮しろ」

一切の遠慮なしに料理を注文するニールに、幽者は冷や汗を掻く。折角稼いだ金が無くなったら非常に困るのだ。
まぁ、酒場で頼む料理の単価などたかが知れているのだが、彼が大食いチャンピオンとかだった場合は軽く死が見えかねない。そうでないことを祈るばかりである。

「リヒトさんは好きな食べ物とかあります?」

「腐った食べ物じゃなければなんでも食う。腐ってても食う。死ななければセーフ」

「えぇ…」

「貴方はどうなんだ?」

「俺は濃いめの味付けなら大概の物が好きですね。あとは…郷土料理は好んで食べます」

「へぇ、洒落てるねぇ」

先程までの険悪な雰囲気は霧散し、雑談に興じる二人の姿があった。
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:48:36.06 ID:u7hc+aFaO
存外話が弾み、日が暮れ始めた頃。話と食事がひと段落した二人は席を立つ。話のお礼だとリヒト分を含めた食事代が差し出されたが、リヒトはこれを固辞する。

「不快に思わせたお詫びも兼ねてるからな。これで貸し借りゼロ…ってことにしたいんだ。俺の顔を立ててくれると助かるよ」

「…では、そのように。また縁があればよろしくお願いしますね」

「この広い世界で、また巡り合うとは思わないがな」

「ふふ…光と闇は紙一重。光があれば闇が生まれ、闇の中に光は出ずる。そういうものです。俺たちの関係も、きっと」

「…要領を得ないな」

意味深な発言をするニールに、リヒトは辟易する。難しい話が解るほど、リヒトは賢くない。
対するニールは微笑を以って返答とした。

「これ以上語るのは野暮というものです。やがて解る日が来ますよ」

「面倒事は勘弁してくれ…」

頭を抱え嫌悪感を露わにするリヒトを見て、ニールは笑みを深くする。そして、そのまま手を振った。

「それでは俺はこれで。無茶をして死んでも、良いことなんてありませんからね〜」

そんなことを言いながら、ニールは姿を消す。

「…俺の目的、バレてたのかな」

リヒトはそう呟き、瞳を閉じた。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:49:35.33 ID:wy7+nsBJO
リヒトがニールと対話しているちょうどその頃。ウィンディは更なる知識を求めてフェルリティア大書庫を訪ねていた。安くない入館料を支払い中に入る。
成長のための必要経費と割り切り、決心と共に入館した少女は、目の前に広がる現実に圧倒された。

「………!!!」

本棚。本棚。魔法使い。本棚。一般人。本棚。猫。本棚。本棚。本棚。ゴーレム。そして、本棚。
万を優に超える数の書籍が、無数の本棚に保管されていた。魔法使いは魔法書を、主婦はレシピを、猫は魚図鑑を眺めており、ゴーレムは忙しなく客が読み終えた本の整理や、破損した古書の修復に勤しんでいる。

レムカーナ王立魔法学院にも図書館があったが、それとは規模が違う。設備が違う。価値が違う。数百年前の魔女が編み出した禁術を記した禁書すらも保管されており、危険性が著しく高いが故に閲覧権限を持つ権力者以外は保管室に入ることも叶わないが、世界で随一の品揃えであり、右に並ぶ図書館は存在し得ない。そう納得出来る未知の世界だった。

「ここでなら手掛かりが見つかるかな…」

ウィンディの抱えている唯一にして最大の弱点。一定以上の魔法を行使した場合、数日の休養を必要とするほどの負担が発生する問題。それを解決する方法を見つけるために、ウィンディは大書庫の門を叩いた。
他者よりも甚大なリスクを背負っている彼女は、どうにかしてその問題をクリアしたかったのだ。
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:50:10.57 ID:wy7+nsBJO
この体質があるせいで、学院では散々な目に遭った。思い出すことも憚られるほどに凄惨な日々を送っていた。
どんな魔法を行使しても一切疲弊しない、完璧な存在だったら陰口程度で済んでいただろう。
だが、ウィンディはそうではなかった。実習後に頻繁に体調を崩す彼女は、他者からすれば付け入る隙に見えていた。
優秀な人材を見下せる絶好の好機を、彼らが見逃すはずもなく。故に、ウィンディは学生生活を続ける間心を摩耗させていた。
シルヴィアとの関係も、その執拗な嫌がらせの原因の一端を担っていた。
成績優秀な子供が他国に名を馳せる大賢者に弟子入りしているなど、嫉妬されても当然の状況だ。
そして、その子供は事あるごとに体調を崩しては嫌がらせを受け、しかし決して反撃はしてこないいい子ちゃん(臆病者)だったのだ。
これで何もされずに生きていけるわけがない。学院を抜け出せた現状が最善という悪夢のような状況だった。
あの時リヒトに出逢っていなければ、ウィンディ・ヴァルマンウェは死んでいただろう。こればかりは運命の出逢いと言う他ない。

私は彼に何かをしてあげられたのだろうか。ふと、そんなことを思う。答えは言うまでもなかった。
何も出来ていないから、今ここにいる。弱さを克服し幽者の力となるために。その術を知るために。
意を決したウィンディは、一つの書籍を手に取った。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:50:53.08 ID:6qvprJwvO
魔法の三元力というものがある。
一つは魔力。これ即ち、行使する魔法の器の大きさを定める力也。
魔力の大きさはそのまま、魔法の規模や影響を決める。魔力が大きいほど大規模な魔法を行使する原動力となり、より複雑な現象を起こし得る。
一つは想像力。これ即ち、行使する魔法の形を定める力也。
想像力はそのまま、引き出しの多さに繋がる。
想像力が豊かであればあるほど、多種多様な魔法を考え形に出来る。
一つは智力。これ即ち、行使する魔法を実現する力也。
智力はそのまま、魔法を行使する際に求められる精度となる。
賢い者ほど、魔法を構築する理論の無駄を省き、正しい姿にすることが出来る。不完全な理論故に魔法が不発になる事態、暴走する事態を避けられる。

この三元力と魔法の関係は、たびたび物作りに喩えられる。
魔力は材料の質と量であり、想像力は設計図の著者。智力は設計図の監修者兼製作者である。
魔力が少なければ大した作品は作られないし、著者が素人であれば歪な設計図が出来上がる。監修者の知識が不足していれば設計図の不備を訂正出来ないし、製作者が未熟であれば設計図通りの作品は作られず、駄作となり得る。

著:メチャ・インテリマン
『魔法の基礎知識−−これで君も初心者魔法使い−−』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「…うーん。こういう知識はもうあるんだけどなぁ」

パタンと本を閉じ、机に突っ伏す。初心者向けの教本を当てにするべきではなかったと、今更ながら反省する。
もしシルヴィアが生きていたら。そんなことを考えるが、それで何かが変わるわけではない。
全く先に進めないもどかしさを感じながら、ウィンディは次の本を開く。それでも、解決に向かって進むことは終ぞ無かった。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:51:34.51 ID:PTCNzisKO
フェルリティアで営業している宿泊施設『スワローネスト』。その一室には二人の男女が。
予め言っておくと、二人の間に恋愛感情は一切無い。現に、二人は机に倒れていた。

「「何の成果も得られませんでした…」」

リヒトとシルヴィアは二人して一語一句同じ言葉を漏らす。どちらも表情は死んでいて、呪詛のように呻き声が口から垂れ流しになっている。
これではただ酒を飲んで楽しく騒いできただけだとリヒトは頭を抱える。
これではただ読書をして楽しんできただけだとウィンディは頬杖を突いた。

「…こうなりゃ自棄酒だ。死ぬまで飲んでやる」

「後生ですからやめてください。酔っ払いの看病なんて嫌ですよ。寧ろ私の方がキャラ的には看病される側でしょう」

「キャラ言うな」

「はぁ…。どうしてこう、何をやっても上手くいかないんですかね…」

「…そういう時もある。とでも思わなきゃ、やってられないな」

「…ですね。明日の私たちに期待しましょう」

「ああ。諦めなければどうにかなるもんだ。頑張ろうぜ」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:52:04.34 ID:PTCNzisKO
何をするかを↓2にどうぞ。
フェルリティアでの行動権はあと2回です。
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 01:26:19.97 ID:tL+VRmL7o
狩猟…じゃなかった調伏対象の残り2匹の情報を集めよう
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/08/28(日) 03:49:41.03 ID:MVDfNddr0
調伏対象の情報を収集しつつ仲間探し
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 09:40:18.76 ID:zpg3kM12O
複数の行動を同時にする際は成功率が低下します。でないとAしながらBをして、ついでにCをする。とかの安価が強すぎるので…。
仲間捜索 判定↓1コンマ


01〜60:いない
61〜85:一人いた
86〜99:二人いた


情報 判定↓2コンマ


01〜60:手掛かりなし
61〜99:手掛かり発見
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 09:53:58.99 ID:tL+VRmL7o
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 10:12:00.17 ID:itsGC42e0
はい
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 10:25:15.76 ID:CsrkmkIaO
仲間を二人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。前回の募集で出たキャラも可です。
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 10:57:59.99 ID:WKB2NwVtO
【名前】HALL-50Dn(愛称:ハリゴーディン)
【人種】ゴーレム
【性別】無
【魔法】使役者に倣う
自動反復魔法発動型ゴーレム。
使役する者がゴーレムにゴーレムが発動できる理論、魔翌力の魔法を記録させる事で、後は極小量の魔翌力を流せば自動的に魔法発動してくれる。
この機体はハイエンドモデルで大抵の人の魔法なら記憶可能。
問題は自分の魔法をわざわざゴーレムライクにイジりたい奴がいるのか、魔法発動までのタイムラグを許容できるのかといった所で、そこそこ高価な癖して打ち捨てられた機体に見向きもされないのを見るに好んで使役する人はいないようだ。
喋れるが声に抑揚はない、動きに感情がよく出る。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 11:01:56.26 ID:YwPnFXeK0
【名前】デュンケル
【人種】魔族
【性別】男
【魔法】獄炎魔法
漆黒の長髪に、同じく漆黒のローブを身にまとった長身で浮世離れした雰囲気の青年。頭からは魔族である事を示す二つの角が生えている
生まれつき闇魔法と炎魔法を同時に使う事が出来、やがてその二つを組み合わせた獄炎魔法を編み出すに至った魔族の中でも屈指の実力者である
一時は魔族の頂点である魔王候補にも名前が挙がったほどだが、興味が無いと一蹴し長らく放浪の旅に出ていた
彼の行動理由は常に面白いか面白くないかであり、面白いと感じたならば相手が例え人間であろうと手を貸したりする事がある
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 00:25:34.22 ID:CkMzVlv9O
やること成すこと全てが失敗した日の翌日。気を取り直して行動を再開した二人は、情報屋の元を訪ねていた。

「グラトルスとゲイザリオンの情報が欲しい?俺に死ねって言ってんですかい?」

「まぁそうなるよな」

その結果がコレだ。論ずるに値しないほどの、完膚なきまでに無慈悲な門前払いを喰らう。
重ねて言うが、どちらのドラゴンも尋常の人間が挑むのは無謀と称される魔境に棲むものである。当然、それだけの実力を誇っているし、その魔境を棲家とする魔物も皆、相応の力を持っている。
そんな場所を情報屋が調査しているわけがない。彼らもお金は欲しいが、命の方が大事なのだ。

「だから俺に何を訊いたって、どれだけ金を積んだって、そんな化け物モンスターの情報なんかこれっぽっちも出せないですぜ。生息地の情報も同じく。これ以上訊くなら俺は逃げます!!!!!」

「分かった。分かった!もう訊かないから荷物を纏めるな!!!」

ここに留まっても埒が明かないことは明白だ。朝逃げをしようとする情報屋を引き留め、リヒトたちはドラゴンの調査を打ち切り裏路地から出た。のはいいのだが。

「なにこれ」

「なんでしょこれ」

なんということでしょう。たった数分裏路地にいただけだったのに、『廃棄品』と書かれたゴーレムが打ち捨てられているではありませんか。
ちなみに、ゴーレムは思いっきり稼働状態である。目には赤い光が灯っているし、『拾ってください』とゴーレム自ら看板を書いてその前で仁王立ちしている。全くもって意味が解らない。

『このままじゃスクラップにされてしまいます。ヘルプミー』

「え、最近のゴーレムって人工知能付いてんの?」

「レムカーナにゴーレムなんて無かったのでわかんないです」

どこからともなく取り出した白旗を振って猛アピールするゴーレムに、リヒトは心底困惑した。
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 00:28:01.57 ID:CkMzVlv9O
謎のゴーレム(HALL-50Dn)と何を話すかを↓1にどうぞ。
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/29(月) 00:32:08.95 ID:2FFjuhQpo
持ち主とか身の上話を聞いてみる
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:10:01.85 ID:DKiuXt2UO
「…えーと。とりあえず、なんで貴方ははそんなことになってるんです?」

「ゴーレムに敬語って嘘でしょリュクスさん」

「だってゴーレムと話したこと無えんだもん!」

『こちらをご一読ください』

対応に困っている二人をよそに、ゴーレムは書籍を差し出す。表紙には『HALL-50Dn取扱説明書』と書かれている。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


HALL-50Dn(以降ハリゴーディンと記載)には、独自の魔導機構が内蔵されています。専用に構築した理論と魔力を登録することで、スタンバイモードに移行します。
※この際に登録出来る魔法の種類は256種までです。限界以上に登録することは出来ないため、容量が限界に達している際は登録している魔法のうち、不要なものを削除してください。
スタンバイモード中のハリゴーディンに魔力を注入すれば、自動で登録した魔法を行使してくれます。
※この際に消費する魔力量は本人が魔法を行使する時の5%です。

『HALL-50Dn取扱説明書』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「???????????」

「あっ全然解ってないって顔してる」

『ワタクシHALL-50Dnを使えば、より経済的に魔法を行使出来ます。今なら無料で買えるので買わなきゃ損です。さあどうぞ』

「無料なのに買うとは…」

ずいっと契約書を見せるハリゴーディン。それを丁寧に返却し、リヒトは取扱説明書を読む。そして、少しずつ内容を咀嚼し、理解していく。そこで疑問に思った。思ってしまった。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:10:46.86 ID:gH972KCvO
「ここに書いてることだけ読めば利点しか無いのに、なんで売れないんだ?」

『良い質問です』

ビシッと音が聞こえてきそうなほどに、ハリゴーディンは勢いよくリヒトを指差す。本当にゴーレムなのか疑わしいが、取説にもゴーレムと書いてるからそうなのだろう。

『ワタクシHALL-50Dnは『仕様が回りくどい』だの『人の仕事を奪うな』だの『貴重な素材がもったいない』だの散々にディスられてきました。完成してから今日までの二年間に、手に取ってから捨てられた取扱説明書の数は六冊です』

「少ないな」

『そもそも取扱説明書を見てくれる人がいないんですよ。人間なんだから察してください』

「ゴーレムに呆れられてる…」

やれやれ…と肩を竦めるハリゴーディンはリヒトを完全に舐め腐っていた。リヒトは本当にスクラップにしてやろうかと腕を鳴らす。
ウィンディがどうにかリヒトを宥めて事なきを得る。すっかり苦労人ポジションになったと感慨深げに涙を流すが、当の本人はこれっぽっちも嬉しくなかった。

「…けどまぁ、見向きもされない理由は解ります。なんでわざわざ自分が使える魔法をハリゴーディン用に理論を構築し直さなきゃならないんだってなりますし、魔力さえチャージしておけば自律稼働するならまだしも、魔力をチャージする度に時間差で魔法を行使しますからね。これなら自分でやった方が速いですよ。魔力消費を抑えられる点しかメリット無いですねこれ…」

『そういうことです』

拾ってくださいと言う割には欠点を理解していたり、なかなか図太いところがあるゴーレムである。これで心が無いのだから恐ろしい。

『つまりワタクシは、あまりに売れなくて維持費だけ掛かる金食い虫だったからポイされたわけです』

「話を聞く限りただの欠陥品だしな」

「開発者の顔が見てみたいですね」

『もうクビになってますよ』

現実は非情だと、哀れみの目をハリゴーディンへと向ける二人だった。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:11:39.48 ID:gH972KCvO
HALL-50Dnと何を話すかを↓1にどうぞ。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/29(月) 01:54:06.74 ID:/pnkQvsBO
即席でハリゴーディンに何か適当な魔法を発動させられないかとウィンディに頼んでみる
349 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/30(火) 03:01:25.81 ID:m63ZmH8q0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:15:21.38 ID:8KexkTI6O
この人の神経を逆撫でするだけが取り柄の欠陥品におちょくられていたリヒトはふと、ある考えを浮かべる。
それは、実際に魔法を反復してもらったらどうなるのか。その検証である。

「ウィンディ、このポンコツに即席で魔法を登録出来ないか?」

「えー…。たぶん出来ますけど、リュクスさんはやらないんですか?」

「理論なんて考えたことがないから何一つ解らん」

「ええっ…。それでよくあんな凄い魔法を行使出来ますね…」

「なんとなく考えて魔力をぶち込むだけだからな。ごちゃごちゃ考えるのは苦手だ」

魔法の規模、威力と三元力の関係は乗算に近いと言われている。一部分で飛び抜けた才能を持つよりかは、満遍なく才能を持つ方が魔法使いとして優位に立てる。
故に、いずれも魔法使いには必須の力だ。
ごく稀に三元力のうちいずれかが欠如しているのに大成する魔法使いがいるが、それは他の要素で補っているからに過ぎない。

ウィンディは全ての要素を兼ね備えているが、まだ幼いため肉体が魔法の行使に足る領域まで追いついておらず、強力な魔法を行使する度に身体を壊してしまう。
リヒトは魔法の理論などを一切考えたことがないので、智力が致命的なまでに欠如しているが、変に豊かな想像力と無駄に有り余った魔力を以って、大規模かつ高威力な魔法を行使出来る。それでも、アークミノタウルスには毛ほどのダメージを与えられなかったのだが。
逆に言えば、智力を身に付け欠点を克服出来た時、魔法の分野で彼岸の大賢者の影を踏むことが叶う。シルヴィアと同じ領域に触れることが出来る。知識を身に付けることが逆効果になる可能性も否めないが。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:16:37.38 ID:8KexkTI6O
「なんとなくであれだけの魔法をお出しされちゃ敵わないですよっと」

若干不貞腐れつつも、ウィンディは理論構成をハリゴーディンに合わせて調整する。程なくして、ハリゴーディンの目が違う色に光った。

『『風穿(エアロレイト)』の登録が完了しました』

「はい、完成しましたよ。ターゲットはリュクスさんで良いですか?」

「ああ。他人に当てないように気をつけてくれ」

「了解。魔力を供給します」

ウィンディの手がハリゴーディンの脊部に触れる。人体を通して供給された魔力が、鋼鉄の身体を駆け巡った。
全身に刻み込まれた理論に基づき、魔力は正しい形で循環する。理論の導くままに形を変え、無秩序な魔力はあるべき解へと帰着する。

『死に晒せオラァ』

刹那、ハリゴーディンの口っぽい穴から放たれたのは、目に見えない旋風の矢。螺旋を描きつつ捻じ曲がった空気が、幽者の喉笛を狙い直進する。

物騒な言葉に顔を顰めつつリヒトは光を集め、繭の中に籠った。リヒトが思いついた実験は、微かに光の外殻を揺らす結果に終わった。

「まぁ威力は普通ですね」

「普通だな。これなら戦場で殺り合った奴らの魔法の方が怖いわ」

「戦闘ガチ勢謹製の対人特化魔法と比べないでください」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:17:41.19 ID:8KexkTI6O
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。HALL-50Dnとの交流を終了します。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/02(金) 23:31:29.40 ID:ACgnBvNio
他に出来ることはありますか?(面接官)
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/03(土) 02:04:35.41 ID:vjMt4ywPO
「…それで、他に出来ることはありますかハリゴーディンさん?」

訝しむ視線をハリゴーディンに向ける。ゴーレムは真顔で返答した。

『なにもないです。これこそが唯一のアイデンティティなので。だから捨てられたんですよ』

「…お、おう…なんかすまん」

『同情するなら買ってください。今はこんな無骨な格好ですが、外装を取り替えればイメチェンし放題ですよ』

そんなことを言いながら契約書を押し付けるハリゴーディン。油断も隙もあったものじゃないと、リヒトはその全てを裁断した。

『無駄に器用な真似しますね。光魔法で書類だけ切断するとは』

「この魔法は一番俺が愛用してるからな。これくらいなら朝飯前よ」

『光絶』によって微塵切りにされた紙は風に吹かれて空へと舞う。特に感動的でもない紙吹雪が三人を飾った。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/03(土) 02:05:45.75 ID:vjMt4ywPO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。HALL-50Dnとの交流を終了します。
また、継続する場合は今回の会話が最後となります。
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/09/03(土) 02:25:40.24 ID:SL2OfOQm0
機体性能について
耐久性や運べる重量について聞きたい
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 01:42:49.26 ID:kCuY5RVRO
「しかし、随分と頑丈そうな見た目だな。いったいどんなスペックをしてんだか」

「あ、それは私もちょっと興味あります」

髪に引っかかった紙屑を取り除きつつ問う。ウィンディも同調を示し、視線をゴーレムに向けた。ゴーレムは取扱説明書を開き、あるページを指差した。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ハリゴーディンのフレーム素材には超硬質メタライトを採用しており、本機に内蔵した自動修復魔法により、軽度の損傷であれば自動で修理されるため、日頃のメンテナンスは不要となっています。
ハイエンドモデルである本機は従来のゴーレムより基本性能が向上しており、馬車二台分の輸送力を保有しています。

〜〜〜中略〜〜〜

外装の取り替えなどといった大規模なメンテナンスを希望される場合は、フェルリティア公務庁工学課所属『イダ・ストラル』宛に申請書を送付してください。

『HALL-50Dn取扱説明書』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「こっちが本体じゃねえか何作ってんだ開発者頭おかしいだろ」

「魔法関連の機能をオミットして、基本性能を底上げしたら天下を取れてたのに。もったいない」

スペックの概要をざっと見た感想がこれだ。どう考えても力の入れどころがおかしい。開発者は馬鹿じゃないだろうか。
ぶっ壊れ産廃なクソ機能を搭載しているがその実、一般的なゴーレムと同等以上の基本スペックを実現していながら自動でメンテナンスをしてくれるので修理要らず。手間の掛からないガチのマジでぶっ壊れ性能のゴーレムだった。
余計な機能さえなければゴーレム界隈のシェアを総取り出来た気がするが、まあ開発者の頭がおかしかったから思いつきの機能でも突っ込んでゴミにしてしまったのだろう。
導きの門の番人の件もある。変人でないとやっていけないのがここフェルリティアという都市なのかもしれない。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 01:48:20.94 ID:kCuY5RVRO
HALL-50Dnを購入する(¥0)かを↓1にどうぞ。

【HALL-50Dnのここがすごい!(スペック概要)】

・耐久性は上々。それなり程度の魔物の攻撃ならリジェネ込みでほぼノーダメ。
・物資はいっぱい運べる。そのパワーを利用してインファイトも可能。
・魔法都産品の標準仕様なので説明が省略されているが、魔法に対する耐性は非常に高い。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 03:06:46.02 ID:r23POOq2o
購入する
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 03:23:50.96 ID:40UeXs1DO
無料(タダ)より高い物は無い。世の中にはそんな素晴らしい格言がある。しかし、今目の前にいる廃棄処分目前のゴーレムは無料(タダ)で、所有者はもちろんいないので恩返しとは名ばかりの無理難題を突き付けられる心配は皆無だ。スクラップになりところだったのだから当たり前だが。

「人手不足だからな。タダならありがたく頂戴するよ。タダならな!!!!」

『ご愛顧いただきありがとうございます』

リヒトは慣れた手つきで契約書にサインをする。それを確認したハリゴーディンは、声色はそのままにガッツポーズをして天を仰いだ。
本当にゴーレムなのか甚だ疑問である。ここまで精巧な人工知能を創れるなら、開発者はさぞ引く手数多だっただろうに。

「えぇ…本当に買っちゃった…。無料だけど…。自爆とかしないよね…」

『自爆機能はもちろん搭載しております。漢のロマンだと開発者は仰ってました。ちなみに、爆発半径はフェルリティア全域です』

「絶対に使うなよ。前フリじゃないからな解ってるんだろうなおい」

『解ってますよ』

などと宣うハリゴーディンだが、顔はそっぽを向いているし吹けてない口笛を吹いていた。
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 03:28:24.97 ID:/N3ivKpAO
定期的に大きなイベント(というかストーリー)を組み込むべきなのか悩むこの頃。ご助言いただけると助かります。
思いついたキャラやプロットをメモ帳に書き殴ってますが、なかなか数が増えなんだ(まだマトモなのが一人しかいない)。


【現状用意出来てるキャラ】

【名前】シェリア・コルティオ
【人種】魔族
【性別】女性
【魔法】闇魔法及び治癒魔法
概要はヒミツ。とりあえず敵じゃない。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 09:31:08.80 ID:pNewSLeDO
今の段階で大きいイベント来るとまた犠牲者出そうな気がしないでもない
戦力足りてるのかなこれ
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 11:54:43.89 ID:OgxnFW2Xo
破格性能ゴーレム手に入ったので運搬力としてのドラゴン要らなくなったかこれ
どっちもキャラ立ってそうだから会うだけは会いたいけど
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 12:43:46.18 ID:08ZHU38vO
現状のペースだと建国までめっちゃ時間かかりそうだし大きなイベントがあってもいいと思う
あと個人的には、マナがリヒトたちに歩み寄る切っ掛けになりそうな出来事もちょっと欲しいかも
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:14:23.79 ID:mwaECLQ1O
「ふぅ…」

スワローネストに戻り食事をする。ウィンディは今シャワーを浴びているので、リヒトのみが食堂を利用している。ハリゴーディンは自室に置いている。ゴーレムに食事など必要ないのだから当然の措置だ。

なんの変哲も無い、敢えて言うなら自分の手料理の数倍美味な食事を味わいつつ思考する。余談だが、リヒトの手料理は食えないわけじゃないが食いたくないとの評価を様々な人(総勢二名)から受けている。

「人手不足、か…」

魚のムニエルを切り分け、そう零す。リヒトに頼れる人は、もういない。
聖女は人の悪意の犠牲となった。嘗ての仲間は戦争で落命したか重傷を負い、平穏な生活に戻った。中には戦争を経ても健康な人もいたが、堕ちるところまで堕ちた自分に付き合う道理は無いだろう。
地道に繋がりを創り、人を集める。それこそが最善にして最短の道のりだと考えていた。が、未だに一桁台なことを鑑みるに間違っていると見た方が良さそうだ。だが。

「…分からないな。俺は馬鹿だし、不器用だから…」

困った時は隣にいた人に頼ってばかりだった。聖女然り、戦友然り、賢者然り。独りでは何も出来ないことが解っていたから、人を求めているのだ。

思考と共に進む食事。悩み事に困る頭。その割に動く口と手。傍目には難しい顔をした青年が爆速で食事に勤しんでいるようにしか見えない。
近寄り難い雰囲気を纏う幽者の元を、一人の来訪者が訪ねた。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:15:28.93 ID:mwaECLQ1O
「席、借りても構わないか?」

「…どうぞ」

声に反応して着席を促すと、男性は軽い謝辞を述べて席に座った。頭からは一対の角が生えており、それが彼の種族を如実に表していた。
『魔族』。人類と同じように世界中に居住圏を広げている、人であって人でないもの。
人類と魔族間の関係は、良くも悪くも地域によって異なる。仲睦まじい地域もあれば、蛇蝎のようにお互いを恨み、嫌っている地域もあるのだ。

レムカーナは近辺に暮らしていた魔族と戦争をしていたので関係はとても悪い。リヒトもその戦争に大いに関係しており、終戦の立役者でもある。
まぁそもそも、イルステッド内で魔族との関係が険悪なのはレムカーナくらいなのだが。それも、人類側が一方的に嫌っているのだから救えない話だ。

そんな天敵とも共存関係とも言えない魔族の男性は、立派なステーキ肉を豪快に平らげていた。見ていてとても気持ちが良い食べっぷりである。

「『カロゥス』を陥した英雄と、まさか宿屋で相見えることになるとはな。数奇な運命とでも言えようか」

男性の言葉に、リヒトは僅かに視線を揺らす。その一瞬を男性は見逃さなかった。

「やはり、貴殿が件の勇者だな。その節は世話になったと、貴殿と遊んだ者より言伝を受け取っている」

「…待て待て待て待て。俺は魔族と遊んだ覚えは無いんだが」

突然何を言い出すのか、と今度は分かりやすく狼狽える。実際、リヒトに魔族と遊んだ記憶は無かった。だが、悲しいかな。リヒトが遊びと認識していなくても、相手も同じように認識しているとは限らないものだ。

「いるだろう?カロゥスを守護していた魔族が一人」

「…ごめん。まさかとは思うが、あの何度死に掛けたか分からない地獄の戦いを、あの女はお遊びだと言ってるのか?」

「………?初めからそう言ってるが…」

「うぇぇぇええ…。なんだよそれ心折れるわ…」

謎の魔族に突如カミングアウトされたのは、あの戦争が単なるお遊び、おままごとだったという衝撃の事実だった。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:16:00.39 ID:mwaECLQ1O
謎の魔族(デュンケル)と何を話すかを↓1にどうぞ。
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 22:26:34.39 ID:eDe2pEDw0
魔族について色々尋ねてみる
例えば今の魔王は誰なのかなど
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:36:12.45 ID:4cKMU3ODO
情報 判定↓1コンマ


01〜30:教えてくれなかった
31〜70:一人教えてくれた
71〜99:二人教えてくれた
00:???
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 22:44:48.77 ID:+WHaG9gMO
どうなるかな
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:49:44.97 ID:NwrTs0ShO
魔族に関する情報 判定↓1コンマ


01〜20:一つだけ教えてくれた
21〜60:二つ教えてくれた
61〜99:三つも教えてくれた
00:???
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 23:11:41.95 ID:w9NgkRxgo
あーい
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 23:24:29.99 ID:fnzsK3QpO
魔王を二人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。どこを支配しているとかは、記載しても大丈夫ですししなくても大丈夫です。
魔族関係で欲しい情報を三つ募集します。機嫌が良いデュンケルさんが教えてくれます。
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 00:10:17.72 ID:Jtg2W8iDO
【名前】エル・ヒュプティル
【人種】 魔王
【性別】 女
【魔法】精神魔法?
通称眠りの魔王
常に眠っていて起きる事はほとんどない
集合無意識に接続して人の夢の世界を渡り歩く存在
たまに預言をしたり助けたりもするが目的は不明
かつて無理に起こした他の魔王が居たらしいがその消息は今はわからな
見た目は黒髪ツインテの15歳くらいの少女
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 00:16:13.12 ID:p7veI9HDo
【名前】メリオゴストーグ
【人種】魔族
【性別】女
【魔法】重力魔法
紫のロングヘアーに頭の倍はある三日月型の角が生えた頭部。困り眉に笑顔はめったに見せないが兇器。ロリツルペタ
その庇護欲を唆る容姿だけで数多の魔族を従える魔王というか教祖。
本人は強くない、ぶっちゃけ弱い部類だが下僕の戦力が並の国を超える。
魔法は専ら大きくなりすぎた頭の角を支えるために使っている
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 01:16:10.03 ID:3GSilUvio
組織的な犯行と思われる略奪や大量略取・誘拐が頻発している
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/08(木) 01:40:00.69 ID:bwMt74WGO
書き方が悪かったですね。魔族の情報は『魔族の拠点について』や『魔王の動向について』といった形で、『魔族に関するどういう情報が欲しいのか』を募集しております。
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 02:20:08.04 ID:Jtg2W8iDO
魔王の上位…大魔王的なのは居るのか聞いてみる
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 04:00:10.36 ID:jAhzeMUro
魔族内にも差別や迫害はあるのか?
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 08:07:38.41 ID:rMe8dGUpo
人間に友好的な者はいるか?
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:54:57.80 ID:51SJRoBxO
「俺の勝ちだな…!」

「お見事」

何故か始まった特大ジョッキいっぱいに注がれた葡萄ジュース(ノンアルコール)の早飲み対決。軍配は幽者に上がり、魔族の男性は拍手喝采で対戦相手を讃える。
口元のジュースを紙ナプキンで拭い、リヒトはジョッキを厨房のおばちゃんに返却した。

「…で、なんでコレをチョイスしたんだ?お互い大人なんだから、てっきり酒にするかと」

「吾輩は葡萄ジュースが好物でな。勝負という名目でたらふく飲みたかったのだ。それに、アルコールを一気に摂取するのは身体に悪い。無闇矢鱈と身体に負担を掛けるのは良くないぞ。今は平気でも、未来の自分にその行為の代償が襲い掛かるからな」

「そんな出来の悪い子供を諭すように言わなくても…。はいはい俺が悪うござんした」

試合には勝ったのに勝負に負けた気分だと、リヒトは不快気にそっぽを向く。デュンケルと名乗った男性は微笑し、足を組んだ。
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:55:48.04 ID:+rCNWm98O
「まあ、なんだ。今の吾輩は気分が良い。今何か質問されたら、ポロッとデュンケルメモの内容を喋ってしまうかもしれんな」

「デュンケルメモ?」

「旅で得た知見を書き記した手帳だ。意外と役に立つ、と利用者には大好評だぞ」

「へー」

彼の言が真実か。それを確かめるべく、簡単な質問をすることにした。

「カロゥスを支配してた魔王の名は?」

「メリオゴストーグ。『メリちゃん最かわ教』の教祖であり、嘗て貴殿がカロゥスで繰り広げた激戦を観劇していた者だな。親衛隊の築いた強固な防衛陣形を突破し一太刀浴びせたその手腕は見事であったが、それも含めて彼女は大いに楽しんだようだ」

デュンケルの淡々とした読み上げに、リヒトは眉をひくつかせて質問する。拳に力が入っているのは、気のせいではないだろう。

「…ちょっと待てよ。さっきの話から薄々勘付いていたんだが、はっきりさせたいことがある」

「なんだ?」

「あの女は…生きてる、のか…?」

「ああ。元気に献上品のスイーツを貪っていたが」

「…まさか、殺せたと思っていたのか?」

「………」

沈黙は時に答えを示す。今回は正しくその時であり、何も為せていなかったことが心に深い影を落とす。
これでは道化だと、巨悪を討った虚像に踊り続けた哀れな勇者を幽者が嘲る。落胆を隠そうともしないリヒトを男性は一瞥した。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:56:17.31 ID:+rCNWm98O
「彼女に統制された教団は、統率された軍すら凌駕する。貴殿が全力を振り絞って叩き込んだ一撃…それは確かに、彼女の生命を脅かした。だが、それ止まりだったのだ。正直吾輩も引くくらいに迫真の演技で偽りの死を悼み、瞬く間に…異常に手際良く逃散を始めた『メリちゃん最かわ教』に、貴殿も疑問に思ったのではないか?」

「…ああ」

リヒトはデュンケルの問いに首肯で答える。同時に、忌まわしき日を思い出した。
勇者が死に、幽者が生まれた日。弑逆が行われた晩餐会。その会場には、無数の物言わぬ肉塊が転がっていた。

その片隅には、肩を抱き合い怯える魔族の少女が数名いた。表向きは敗戦した『メリちゃん最かわ教』。その領土は接収され、人民はレムカーナに帰属した。したのだが。
数があまりにも少なすぎたのだ。人も。物資も。何もかも。あれほどの軍勢がいたのに、影も形も見当たらなかった。

当時は精神的に疲弊していたので何も気にならなかったが、時を経て多少の余裕が生まれた今なら解る。あの戦いの違和感が完全に無くなった。
そりゃ、リーダーが死んでないなら統率は乱れないわな。と、リヒトは納得する。

納得しつつも、戦いの無意味さに気付き、俯いた。
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:56:54.05 ID:iOX0ShxjO
「戦い自体には意味はあったさ。それは貴殿が一番知っていることだろう」

落ち込みに落ち込み、知らずのうちに冥光が身体から漏れ出しているリヒトを気遣ったのか、デュンケルは口を開く。

「その過程はどうあれ、レムカーナとカロゥスの戦争は終わり、一応の平和を迎えた。それだけは紛れもない事実だ。それに、遊びと捉えていたのはメリオゴストーグたちのみであって、貴殿ら人類は自身の存亡を懸け戦っていた」

「それで良いだろう。意味や理由など人によって違うのだから。自身が正しいと信じ行動したなら、それが正しいものさ」

「………」

なおも無言を続けるリヒトに、デュンケルは言葉を投げかける。程なくして、周囲に充満していく冥光は消滅した。

「…まさか俺が、魔族に慰められる日が来るとはな。あの人がいたら腹を抱えて笑ってるだろうな」

「割り切れ、とは言わん。だが、無意味だ無駄だと嘆く必要は無い。貴殿がそうやって諦観することこそが、犠牲になった命への侮蔑となる」

無駄だと嘆き無意味だと決めつけることが死者を侮蔑することになる。ライルといいデュンケルといい、哲学的なことばかり言われている気がするが、魔法都というロケーション故に知識人が集まっているからなのだろうか。
しかし、彼の言うことも一理ある。ここで自分が嘆くのがそれこそ、仲間の死への侮辱となるなら。彼らの名誉のためにも控えるべきだ。過去を悼むのと悔やむのは違うのだから。

精神状態を少し持ち直し、ピシャリと顔を引っ叩く。鋭い痛みが走り、弱っていた心を奮起させた。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:58:30.53 ID:2KRYF7DyO
「…醜いところを見せたな、すまない」

「別に吾輩は気にしておらんよ」

ジュースにお肉にと食事を堪能しているとこらから見るに、全く気にしていないようだ。
彼はただメモ帳の情報を伝えているだけなのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが。

「気を取り直したところで、魔王に関する情報をもう一つくれてやろう。お口直しというやつだな」

「さっきみたいなのは勘弁だぞ」

「心配ご無用。今度は吾輩も気を遣っているのでな」

と宣言したデュンケル曰く、イルステッド最東端の『イミナの岬』と呼ばれる場所に屋敷があるらしい。
そこの主は『エル・ヒュプティル』。近郊の魔族を統べる女王にして、《眠りの魔王》の異名を持つ。その異名の通りほぼ年中眠りっぱなしで、一年のうち起きている時間は十時間にも満たないとの噂があるが、食事などはどうしてるのか気になるところである。
普段は集合的無意識内を漂い人の見る夢の世界を渡り歩いているらしく、気まぐれに人に預言をしたり悪夢から救ったりしているのだとか。
嘗て、無理に眠りから目覚めさせた魔王がいたらしいが、その後の消息は一切不明と恐ろしい話もある。
『モルちゃん』という名前のバクのぬいぐるみを肌身離さず持ち歩いて(抱きしめて寝て)いるという。

「destani destani dal viaggio infinito(目覚めよ 目覚めよ 終わりなき旅より)。醒めない悪夢に苦しむ時はこの言葉を二度呟くといい。これは魔族間では有名なおまじないでな。これを呟くことで、眠りの魔王が悪夢から救ってくれるのだ。吾輩は悪夢など見たことがない故、使ったことは無いが」

「人間が使っていいのか?」

「良いのではないか?」

半ば投げやりな返答に呆れつつも、リヒトはおまじないの言葉のメモを取る。もしかしたら、本当に効果があるのかもしれない。そんな僅かな希望を込め、ペンを走らせた。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:59:41.22 ID:2KRYF7DyO
「しかし、人間の料理は美味いな。魔族にも料理上手な者はいるが、割合は比較にならん。どこで食べても一定水準の味が保証されるのは、健啖家な吾輩としては好ましい」

舌鼓を打つデュンケルにリヒトは同意を示す。食事というものには荒んだ心を癒す効能がある。
生きているものは皆腹が減る。どれだけ苦しい環境にいても。どれだけ心が傷ついていても。平等に。
そんな時に食う食事が不味ければ、より心は荒んでいくだろう。逆もまた然り。
故に、人類は料理に対する研鑽を怠らなかった。必ず食事をするのならより美味なものを味わいたい、と考えるのは当然だからだ。

「デュンケルメモにはまだまだ余裕がある。貴殿が望むなら、食事一つで情報を与えよう。等価交換というものだな」

「ならこれとこれとこれを奢るんで情報をください」

「交渉成立である」

メニューから男が好きそうな料理を見繕い、注文する。とりあえず肉料理を選べばなんとかなるものだ。

「美味い」

なんとかなった。
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:00:33.76 ID:2KRYF7DyO
「魔王の更に上の存在…俗に言う大魔王ってのはいるのか?」

リヒトの問いに、口に含んでいたものを飲み込んだデュンケルは答える。メモ帳を見るまでもないようだ。

「全ての魔王が忠誠を誓う、大魔王という者はおらんよ。貴殿ら人類が同じように崇める人がいないようにな」

「なるほど」

「だが、それは今までの話だ。今後も生まれ得ないと誰が言えようか。未来のことは誰にも解らぬ。故に、今後も決して大魔王が生まれない…と断言はしない。もしかしたら、明日にでも出てくるかもしれんな」

国王が頭(こうべ)を垂れる相手がいないように、魔王が忠誠を誓う相手も存在しない。だがそれは現時点の話であり、今後どうなるかは解らないから敢えて断言はしない。
なるほど、至って普通な解答だ。子供でも解ることである。リヒトはまた一つ賢くなった。


「次は…そうだな。人類に友好的な魔族はいるか?」

「変なことを問うものだ。イルステッド内で魔族と敵対していたのはレムカーナの民くらいだろう。他は中立しているか友好的かのどちらかだ」

「まぁその要因は領土争いをしている最中に、魔族まで相手取っていては堪ったものではないからだろうが。自身を脅かす脅威を排除した後に、魔族と変わらず友好的に接するかまでは解らんな」

この世界には、未だどこの領土にも属していない土地が膨大にある。人類意志の統一などは全くされていないため、無数の小国が覇を競っているのが現状だ。ある意味ではリヒトたちもそのうちの一つとも言える。

「手っ取り早く魔族と交流するなら、緋桜郷に向かうが吉だな。あそこの頭領は鬼…魔族の一種族だし、多種多様な人種があの郷で暮らしている。治安も申し分ない」

「行ったことないんだよな俺。素性がアレだし」

魔族を散々殺してきた自分が、魔族の統べる街に行っていいのか。そういう後ろめたさもあって、緋桜郷に足を運んだことは無い。
多少の反感は承知で事を起こすのが、今の自分に必要なものだと言われればそれまでなのだが。未だに二の足を踏んでいるのは、殺めることの重大さを知っているが故か。

デュンケルと会話をしながら、リヒトはそんなことを考えていた。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:01:39.25 ID:2KRYF7DyO
「あと一つ聴けるんだっけか。んー…なら、やっぱり魔族内でも差別とか迫害ってあるのか?」

「人類がそうするように、魔族でも同様のことはある。弱者は虐げられ淘汰される。それは、自然界でも当然起きていることだ。生命の背負う原罪とも言えよう」

「…されてる側はどうしようもなく辛いものなんだがな」

リヒトはそう呟き、デザートのプリンを口にする。トッピングされていたチェリーはマナに食べさせる。そこまで美味ではなかったのか、僅かに渋面を作っていた。

光の差し込まない部屋。音の聞こえない密室。規則正しい時間にのみ支給される食事。何を言っても。願っても。それは聞き届けられず、閉じ込められた。
忌まわしき記憶を思い出し、リヒトは微かに笑う。あれだけの苦痛によく耐えられたと、過去の自分を褒めちぎりたいくらいだ。

「だから俺は、助けたいと思った」

「虐げられている者を、か?」

首を振り答える。デュンケルは暫しの間黙考し、食事を再開した。その行為の意味をリヒトは考えることはせず、同様に食事を続けた。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:02:22.29 ID:2KRYF7DyO
デュンケルと何を話すかを↓1にどうぞ。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/11(日) 23:35:34.36 ID:D3GgsJ0Mo
ドラゴン調伏にご興味ない?
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 00:21:22.62 ID:NVDkGHPVO
腹が膨れたので、ボードゲームやトランプに興じる二人。そのうち一人が嘗ての勇者だと思う人はいないだろう。
ちなみに、勇者と呼ばれる人自体はリヒト以外にも当然いる。いるのだが、この大陸に該当する者はリヒトしかいない。
別の大陸に行けば他にも数名いるが、イルステッドは魔族との関係がそこまで険悪ではないので勇者の数が少ないのは当然のことだ。

「ドラゴンの調伏、か。もちろん興味はあるし、試みたこともある。こう見えて、吾輩はそれなりに実力はあってな。吾輩に見合う力を持った龍に挑んだが、結果はお察しの通りだ」

と述懐するデュンケルの表情は、諦念を孕んでいた。どうやら手懐けることは出来なかったようだ。

「低級なものはともかく、ドラゴンの調伏には才能がいる。ドラゴンを打ち負かす実力は当然として、最も重要なのは気高い彼らを従える…従うに足ると認識させるほどの格調、即ちカリスマだな。これが無ければ始まらない」

「…当たり前だが、それを有する者は希少だ。故に、一般的な龍騎士たちは低級のドラゴンを従えているのだし、低級なものでさえ相応の才能を必要とされるのだから、数が少ないのだ」

「あんたがダメだった理由は?」

「推測でしかないが、吾輩には野心というものがさっぱり無くてな。他者を従え支配するよりも、この世に無数に点在する面白いものを探しに行く方が魅力的だったのさ。そういった部分を見透かされたのかもしれん」

「…なるほどね」

野心。カリスマ。実力。その全てが今の自分にあるのかは分からない。だが、やらないことには何も始まらないことを知っている。
ならば全力を尽くすだけだと、リヒトは調伏の決意を固めた。
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 00:22:26.69 ID:NVDkGHPVO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。デュンケルとの交流を終了します。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 01:36:06.36 ID:7lHh1H7Xo
色々教えてくれてありがとう、助かったとお礼して終了
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 02:26:33.80 ID:u2DzUdCbO
「色々教えてくれてありがとう。おかげで助かったよ」

「吾輩の知見が役に立ったのなら何よりである。健闘を祈っているぞ」

何杯目か知らないジュースを飲み干しつつ、デュンケルは手を振る。この出逢いに感謝を、と返し、リヒトは部屋に戻った。

「あれ、もうご飯終わったんですか?」

そこには、シャワーを終えたウィンディがいた。普段は二つ結びにされている長い緑髪は、髪留めで括られていた。風呂上がりなのもあって艶は一段と増しており、湯気で上気した肌は艶やかに見える。だがまだまだ彼女はお子様だ。他人を魅了する妖艶さは欠片も無い。

「ああ。寧ろ、君のシャワーが長すぎだ。ウィンディといいシルヴィアといい、女性は皆こうなのか?」

「女の子は色々とケアに気を遣うんですっ!マナちゃんも何か言ってあげてください」

ふくれっ面のウィンディはマナにも説教を期待するが、どうでもいいと一蹴される。賛同者がいないことに気づいたウィンディは、少ししょぼくれた。

「そうだよね、妖精だもんね。私の悩みを共有してくれる人がいない…これは前から変わってないけど…」

ご飯を食べてきますとだけ言い残し、ウィンディは部屋を出て行く。特にやることも無いので、適当にフルーツを買ってマナに与えることにした。
やはりと言うべきか、新鮮でないフルーツはお気に召さなかったようだ。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 02:27:19.59 ID:u2DzUdCbO
何をするかを↓2にどうぞ。
この行動が終わると、フェルリティアを発ちます。
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 09:35:19.80 ID:bRIifRfDO
踏み
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 10:29:04.00 ID:opZHFnXKo
調伏対象について情報収集する
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 12:09:42.70 ID:AWBZeGhoO
ゲイザリオン 判定↓1コンマ


グラトルス 判定↓2コンマ


01〜50:危険地帯の情報のため成果なし
51〜80:一種の情報を獲得
81〜99:奇数なら二、偶数なら三種の情報を獲得
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 12:29:35.89 ID:t2uy0HToO
00ならどうなる?
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 12:38:07.86 ID:kK65/xV+o
こんにちはする
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 12:54:57.54 ID:yorZkvkdO
00なら無条件降伏してきます。
ゲイザリオン、グラトルスの情報を募集します。ゲイザリオンは二つ、グラトルスは三つの情報を獲得出来ます。
前回の魔族の情報のように、どういった情報が欲しいかを記載してください。
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 14:10:15.22 ID:kK65/xV+o
過去問題クリアしたやつの居場所
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 18:22:48.63 ID:szdUciVjo
生息地について詳しく
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 18:42:02.81 ID:GZTUghGr0
弱点
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 18:52:00.74 ID:veocL4GsO
残りはグラトルスの情報二つとなります。
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 18:58:51.29 ID:opZHFnXKo
主な攻撃手段
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 19:03:02.93 ID:mKxozkDxO
詳しい生態

食べ物が分かれば毒を盛れるかもしれない。睡眠時間が分かれば寝込みを襲えるかもしれない。
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:06:34.96 ID:L8d5InNvO
「戻りました」

食事を終えたウィンディが部屋に戻ってきた。手に持つ皿にはたくさんのスイーツが盛られており、見ただけで口の中が甘くなる。
心なしか、マナも引いているように見えた。

「まずそう」

マナは辛辣な毒を吐く。人工物を毛嫌いする彼女からすれば当然の反応ではあるが、もう少しオブラートに包むことは出来なかったのだろうか。
歯に物を着せぬ清々しい言いっぷりに、ウィンディは苦笑することしか出来なかった。価値観が違うのだから、どれだけ力説しても理解など得られないことを知っているからだろう。

「あっそうだ。リュクスさんに言伝です」

「誰からだ?」

「デュンケルって人からです。なんか角生えてましたけど」

言い忘れていたことでもあったのだろうか。とりあえず、続きを促すことにした。

「『調伏するのであれば単騎で挑め。徒党を組む軟弱な者に、気高きドラゴンは興味を示さん』。とのことです」

可能な限り彼の口調を再現したのだろう。声色を低くしたウィンディの声は、どことなくデュンケルの姿を想起させる。だがウィンディ本人は可愛かったので二人が悪魔合体を起こし悲惨なことになりかねない。脳内イメージを速やかに消し去り、無かったことにする。
余談だが、デュンケルの真似をしていたウィンディは両手で角を作っていた。意外とお茶目なところもあるようだ。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:07:09.58 ID:L8d5InNvO
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410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:07:35.38 ID:L8d5InNvO
出発の準備を終わらせ、スワローネストを出る。ウィンディとハリゴーディンに荷物番を任せ、リヒトは再度情報屋を訪ねる。が、結果は変わらない。
また泣きが入ったのですごすごと退散することになる。俺は悪くないはずなのに、とリヒトは溜め息を吐いた。

「にゃん」

喉を鳴らしながら近づいてくる一匹の猫。愛くるしい顔立ちのそれは、ご飯を催促しているように見える。
今回だけだと干し肉を千切り投げてみると、勢いよくがっついた。
ペンダントを付けているが全身は汚れていて、飼い猫にはとても見えない。おそらく野良猫だろう。なかなかご飯にありつけていないのかもしれないと、僅かな憐れみと共に干し肉を二切れあげた。すると。

『茶番は終わりにしよう。私は君に用があってきたんだ』

「………っ!?」

突如、猫の口からそんな言葉が放たれた。猫は食事を止めており、細めた目でこちらを見据えている。
リヒトは眼前の猫を注視するがどう見ても猫だし、感じられる気配も猫のそれだ。だが、声だけは人間のものだった。
何事かと身体を屈めるリヒトに、やれやれと猫は呆れを示した。

『私は敵じゃないよ。情報を欲している君に、望んでいる物を与えに来たのさ。無論、お代は頂くがね』

「…なら、正体を見せてほしいものだな」

『生憎とそれは出来なくてね。君のところまで行くのは怠くて敵わない。私のところまで来てくれれば自ずと解るさね』

それっきり、猫は何も喋ることなく裏路地を走っていった。望んでいる物を与えに来た、と大言壮語した猫を見逃すまいと、リヒトも同じく駆けていく。
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:08:06.14 ID:L8d5InNvO
程なくしたら行き止まりに突き当たってしまった。猫が呑気に顔を洗っているので、目的地はここで間違いないようだ。
煉瓦造りの壁に囲まれた行き止まり。事件が起きるにはうってつけのロケーションである。まさか通り魔がスタンバイしているわけではあるまいと周囲に気を配るが、何も感じなかった。

『なにやってるんだか。まぁいい、そこの飛び出てる煉瓦を一個抜いてくれ』

「…わかった」

警戒を続けながら指示に従う。何の抵抗も無くずるりと抜け落ちたそれに、少しだけ拍子抜けする。
煉瓦が嵌っていた箇所に目を向けるとそこには、小さな宝石が置かれていた。

「売れば金になるか?」

『売るなよアホンダラ。それは私の部屋に繋がる鍵さ。この猫の首元にぶら下げてるペンダントに嵌めたまえ』

「軽いジョークだよ」

暴言混じりの指示に若干困惑しつつ、指示通りに宝石を嵌めた。すると。

空間が捩れ、闇に呑まれた。
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:08:45.77 ID:L8d5InNvO
闇の中を漂い、遠くで存在を主張する微かな光に手を伸ばす。遠くて小さなそれにはとても触れることは出来ず、手を伸ばすのを止めた。
その直後に、眩い閃光が視界を埋め尽くす。堪らず目を閉じ、光が収まるのを待つ。閃光が消えると同時に瞼を開くと、部屋の中にいた。

「ここは…?」

警戒を強め、周囲を観察する。窓には板が貼り付けられており、光は一切差し込まない。
机には無数の実験器具が置かれており、紫色の煙を上げている物やぐつぐつと中身が煮え立っている物などがある。
シルヴィアの私物にも同じような物があったので、フェルリティアで普及している物なのだろう。どういう用途なのかはさっぱり分からないが。

「ようこそ客人よ。この部屋の主として歓迎しよう」

「誰だ…っ!?」

背後から聞こえた声に反応し、聖剣を取り出しつつ振り向く。そこには、見知った顔だが知らない人がいた。

「…んー?人の顔をジロジロ見て失礼じゃないかー?プリンでも付いてるかね?」

「シル…ヴィア…!?」

女性の顔はシルヴィアとそっくりだった。瓜二つだった。似ていない部分を探す方が難しいくらいに。
声も、彼女のそれと全く同じだった。シルヴィア本人だと言われる方が納得出来る。寧ろそうであってほしいと、現実逃避してしまう。
だが、彼女は死んだ。レムカーナを目前にして事切れた。今は墓の下で、安らかに眠っている。

呆然とするリヒトに対し、女性はとても不機嫌な様子で椅子に座った。
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/13(火) 23:09:23.99 ID:L8d5InNvO
「シルヴィアぁ?あんな愚劣な反逆者と間違えられるとは困るね。そういうのは冗談でもやめてくれないか」

「あんたはシルヴィアの何を知ってるってんだ!?」

「あーそういうのはいいから。情報が欲しいから私の指示に従ったんだろう?なら教えてやるから無駄口を叩かないでくれ。腹が立つし時間の無駄だ」

「それとも、苛立ったからとか弱い女を殺すのかね?散々殺してきた君からすれば、無抵抗の女を手に掛けるのなんて造作もないかなぁ?」

「なっ…!!??!」

ニタリと嗤った女性は首元を指差す。どうぞご自由に、と言っているようにも見える。しかし、彼女の思惑に乗ってはならない。ここは耐える。耐えなければならない。
いくら彼女を侮辱されようとも、ここで手を出してしまえば。もう戻れなくなる。

「そうだ、それでいい。ったく、君は感情に身を任せてばかりでは損をすることを知らないのかねぇ…」

不機嫌なままの女性は紅茶を飲みつつ椅子を指差す。聖剣を収納し、リヒトはそれに応えた。
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:36:17.11 ID:tQ6w04AZO
シルヴィア似の女性から振る舞われた紅茶に口を付ける。ノンシュガーのそれはリヒトには苦く顔を顰めるが、一息に飲み干すことで難を逃れた。

「お子様みたいな舌をしてるな、君は」

態度から見透かされたのか、おかわりを注いでいる女性はそんなことを呟く。紅茶で満たされたカップに視線を移し、溜め息を吐く。

「無駄口や世間話が嫌いなら、率直に問う。あんたはグラトルスとゲイザリオンを知っているのか?」

「私を馬鹿にしているのかい?その二匹の情報なら当然持っているさ。君が求めていたことも同様に。…だから、声を掛けたわけだし」

「そうかい。なら話は早い。俺の質問に答えてくれ」

「さっさと言いなよ」

リヒトは頷き、問う内容を伝える。暫しの沈黙の後に、女性は口を開いた。

「なんだその程度か。では順番に答えてさしあげよう。ペンの用意はよろしいかい?」

「ああ」

羊皮紙と羽ペンを携えたリヒトは、話が始まるのを待つ。カップが空になったのを確認した女性は、ゆっくりと話を始めた。
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:37:22.47 ID:S/k93bpGO
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416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:38:05.49 ID:S/k93bpGO
曰く、ゲイザリオンの生息する光亡ぶ湖沼は、イルステッド内陸部の密林地帯に存在する。湖沼に近づくほど湿地が増えていき、ある地点からは膝下まで水没した地形に変わる。
《瘴誘の黒枝》と呼ばれる黒い木が生え出したら、そこが光亡ぶ湖沼だという証左となる。
この黒い木は瘴気を発生、誘引しており、故に、光亡ぶ湖沼は昼夜を問わず闇に包まれている。
そのため、闇夜を好む魔物や不死種(アンデッド)が無数に蠢いており、湖沼に生息する生物は皆瘴気に冒され、足を踏み入れた生命を嬉々として喰らう。

ゲイザリオンはその湖沼の最深部、『冥王の玉座』という大岩の上で、空を眺めているらしい。

次に教えてくれたのはゲイザリオンの出した無理難題を、見事解き明かした英雄の居場所。
とは言っても、数十年の間でそのような偉業を成し遂げた者など片手で数えるほどしかおらず、その大半は寿命や悲劇によって死を迎えている。

唯一消息を絶っておらず、現在の位置を確認出来ているのは、光亡ぶ湖沼周辺に一つだけ存在しているセーフハウス。無謀な挑戦者が心を休めることの出来るたった一つの聖域を監視している『憩いの守人』だけである。
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:38:35.88 ID:S/k93bpGO
次いでリヒトが求めたのは、グラトルスに関する情報。女性が提供したのは、グラトルスの生態に関わる情報だった。

『霊峰の女帝』と呼ばれるグラトルスは歯向かう者に氷雷の裁きを下し、従属する者には寛大なる慈悲を与える。
普段は下僕から貢がれる果実を好んで食しており、必要に応じて外敵を狩り血肉を喰らう。
また、下僕が狩りを出来ない状況であれば、率先して霊峰から離れて獲物を捕らえてくるという。
グラトルスは自身のテリトリーに氷柱を突き立て、電撃痕を残している。とても特徴的なので、グラトルスのテリトリーか否かはそれを見れば一目で解る。

氷雷龍の名が示す通り、グラトルスの取る攻撃手段はそのほぼ全てが氷、雷のいずれか、又は双方を利用しており、対策を講じていなければその巨躯も相まって即死級の一撃となる。
特筆すべきなのは、冷気、電撃を放出しつつ放たれる尻尾の薙ぎ払いや叩き付け、前脚での踏み潰しだろう。巨大な図体から行われるそれはシンプルに強いし、直撃は避けられてもその余波で重傷を負う可能性もある。
そして、言うまでもないが氷雷入り混じるブレスも注意が必要だ。一説には、霊峰の独特な形状はグラトルスのブレスによって削れて出来たものだとも言われている。

どのような生き物にも苦手なもの、弱点というのは存在している。それは幽者であるリヒトや氷雷龍と畏れられているグラトルスも例外ではない。
吹雪が吹き荒れる霊峰を縄張りとしていることから予想は付くだろうが、グラトルスは炎、というより高温に滅法弱い。
冷気の生成も困難になるし、電撃の操作にも熱は悪影響を及ぼすようだ。しかし、それでも相当に強大な存在なので弱点を突くだけで勝てるわけがないし事実、過去には全身を火で焼きながら特攻を仕掛けた大馬鹿者がいたらしいが、炎に焼かれることを厭わなかったグラトルスの前脚に掴まれ、そのままこんがり肉に変えられてしまったのだとか。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:39:15.83 ID:S/k93bpGO
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419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:40:10.20 ID:S/k93bpGO
「…とまぁ、これくらいかね」

語り終えた女性は、食器を片づけ始める。リヒトが口付けた物も直しているので、全ての情報を出し終えたのだろう。
代金がいくらかリヒトは問うも、返事は無い。彼女の態度を訝しみつつ、どこに出口があるのか考えていたが、あることに気づく。

ここには出口が無い。扉のようなものは目覚めた時に見つけていたが、ドアノブなども無く、押すも引くも出来ないのだ。
これはいったいどういうことかと首を傾げていると、突然強い衝撃がリヒトの胴体を襲った。

「がっ…!?」

受け身も取れず地面に仰向けの形で倒れたリヒトは、揺れる視界で女性の姿を捉える。
シルヴィアと同じ顔立ちをした女性の眼は、鈍色に輝いていた。
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:40:38.59 ID:S/k93bpGO
「お代はきっちり頂くと言っただろう?少しの間我慢したまえ」

「何するつもりだ…っ!?」

女性はリヒトにのしかかり、首元に指を這わせる。微かにくすぐったかったが、それよりも不信感と警戒心、恐怖心が勝った。
何をされるのかわからない。どうすれば良いのかもわからない。ここで彼女を殺めたとして、この部屋から抜け出すことが出来るのか。確証は一切無く、そもそもここがどういう場所なのかも想像が付かない。
もしや、罠に掛けられたのかと女性に疑いの目を向けるが、女性は心外そうに舌打ちをする。

「そんな野蛮なことはしないさ。君の命に興味は無いし、金だってどうでもいい。求めているのは、君の生命力さ…!」

「ぎ…あぁ…!?」

それだけ言うと、女性は頸部に顔を近づけた。鈍い痛みが首筋に走り、生暖かい液体が流れていく。
それと同時に、全身から熱が奪われていく。麻酔のように痛みが全身を駆け巡り、思考を麻痺させる。夢を見ているように、意志が鈍っていく。
振り解こうとしても、身体は動かない。心が拒んでいるのに、身体が言うことを聞いてくれなかった。
永遠にも思える微睡みの中で、必死に自己を保つ。舌を噛むことで意識を繋ぎ、踏み留まった。
艶やかな吐息と共に女性が顔を離すと、肉体の感覚が元に戻る。反射的に、女性を突き飛ばして距離を取った。

「急に何しやがる…!?」

「痛ったた…。女に乱暴するんじゃないよこのボケナス」

突き飛ばされた反動で頭を打った女性は、恨めしそうにリヒトを睨みながらそんなことを呟いた。
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/15(木) 01:41:53.31 ID:S/k93bpGO
謎の女性に一つだけ質問することが出来ます。
質問したいことがあるなら↓1にどうぞ。
これで今回分の投稿は終わりです。
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/15(木) 02:27:19.65 ID:P/sRfIuDO
もう二度と会いたくないが最後にひとつ聞かせろ
何故シルヴィアと同じ顔をしている
423 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/09/15(木) 02:46:06.28 ID:SDZ92xO/0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:44:43.69 ID:wZSLw4gGO
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425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:45:32.20 ID:wZSLw4gGO
「ふざけるなよ…!こっちは情報の対価が何かを聞かされてないんだ!俺の生命力が欲しいなら、最初に言ってくれりゃ良かったんだ!それなら、理解も心の準備も出来てたってのに…」

それに、彼女の要求自体がリヒトには理解出来ないものだった。
こちらの正体を知って法外な料金や物品を請求するならまだしも、彼女が要求してきたのは生命力。人が望むには明らかにおかしいものだ。
病気で死にかけているから生命力を補って病状回復を図ったのかと思ったが、そうでもないようだ。
彼女からは虚弱している者特有の気配を感じない。体調は至って普通だ。

「ほう?私が予め要求を伝えておけば、君は私に生命力をくれたのかい?そのまま殺されるのでは、と疑心を抱くことなく大人しく吸われていたのかい?」

「………」

首を縦には振れなかった。彼女の言う通り、絶対に生きている保証も確信も無いから。
無数の戦闘を経て、自身の肉体や精神が尋常の域を越えて鍛えられていることは自覚している。が、彼女がそれを凌駕している可能性を否定出来ないのだ。
率直に言うと、彼女に生命力を吸い尽くされて干からびるかもしれなかった。故に、要求を聞いたからと言って大人しくこの身を差し出すことはしないかっただろう。
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:46:28.25 ID:wZSLw4gGO
「…でも、フェアじゃない。同意も納得も得ずに一方的に奪うのは、間違ってるんじゃないか…?」

塞がった傷を抑え、僅かに後退する。彼女が一瞬、後悔の感情を見せた気がした。

「それはまぁ…悪かった。だが、私にも退っ引きならない事情があったんだ。君から生命力を貰わなければ、非常に困ったことになってたんだよ」

「これでも君にはそれなりに感謝しているつもりだ。敵意を抑えていただけるとありがたい」

「…どの面下げて言ってんだ、あんた」

リヒトは表情を険しくして、光の刃を作り出す。諦めたように、女性は手を翳した。黒い渦が天井を呑み込み、存在を主張する。

「あー、私が全面的に悪かった。本当に申し訳ない。道は作ったからそこから出て行ってくれ。これで私たちの関係は無かったことにしよう」

彼女の言から察するに、上の渦巻きに入れば元の場所に戻れるのだろう。
それよりも先にはっきりさせたいことがあったので、帰還は後回しにする。

「…こちらとしてももう二度と会いたくない。が、最後に一つだけ聞かせろ」

「ん?」

「何故、あんたはシルヴィアと同じ顔をしているんだ?彼女に姉妹がいた、なんて話は聞いたことが無い」

「あんたはいったい、何なんだ?」

リヒトの問いに、女性の視線の温度が数度下がった。
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:47:09.29 ID:wZSLw4gGO
「これから私たちは赤の他人になるというのに、私が何なのかを知ることに意味はあるのかい?」

もったいぶるような、隠しているような。女性はそんな素振りを見せる。リヒトは首を振り答えた。

「意味があるか。それを決めるのは俺だ。あんたが勝手に決めつけるな」

真っ直ぐな視線が女性を穿つ。数瞬の思考の果てに、女性は溜め息を吐いた。

「…君の想像通り、私はただの人間じゃない。シルヴィア・レイナスの姉妹や近親でももちろんない」

「私は…悪趣味な貴族共によってシルヴィアの組織をベースに産み出された人造人間(ホムンクルス)さ。今は離反して、コソコソと生き永らえているがね」

「ホムンクルス?そんなの知らないな」

「そりゃそうさ。フェルリティアでしか使われていない技術だからね。相当上流層と懇意にしてる奴くらいしか知らないよ」

何度目か知れない紅茶を飲み干し、女性は吐息を漏らす。カップの縁を指でなぞり、ペロリと舐めた。
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:47:47.67 ID:wZSLw4gGO
「私たちホムンクルスは食事を必要としない。厳密に言えば、食事から栄養を摂取することが出来ないんだ。生きるためには、他者の生命力を頂戴するしかないんだよ」

「…つまり、あんたは生命力が枯渇しかけてたから、俺から貰おうとしたってのか?」

「そう受け取ってもらって構わない。君ほど上質な人は滅多にいないからね。おかげで数ヶ月…節約出来れば一年は生きていけそうだ」

「…私のような紛い物はこの世界で生きていくには肩身が狭くてね。表舞台に立とうものなら間違いなく恥辱の果てに殺されるし、かと言って裏で生きていくにしても、そう満足に食事にありつくことも出来ない。一般論で言えば、他者に寄生することでしか生きられない私たちは、存在することすら罪の死ぬことが望ましい穢れた命なのさ」

でも、と女性は言葉を続ける。

「いくら私が人のエゴによって産み出された…摂理に反した存在であろうと…。生きたいという意志は私個人の持つものだ。それを否定する権利は、誰も持ち得ない…!」

確固たる意志を秘めた目がリヒトを射抜く。ここで何を言おうと、彼女はそれを笑い、独りで生きていこうとするだろう。
リヒトに彼女を助ける義理は無い。謀られ殺されかけた身なのだ。これで救おうとするなど聖人にも程がある。

「…勝手に頑張れ」

それだけ言い残し、リヒトは闇に消えた。
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:48:27.27 ID:wZSLw4gGO
「ほえ〜。…やっぱり辞めませんかドラゴン調伏。命は大事にするべきですよ」

「はははこやつめ」

女性から得た情報を伝えた結果、ウィンディが開口一番に放ったのがコレだ。笑止千万とリヒトは無慈悲に切り捨てた。
誰から得たのか。その時にどんな一悶着があったのかは完全に秘匿する。ただでさえシルヴィアの死で心に傷を負っているのだ。余計な負荷を掛けるわけにはいかない。

「あのことはだまっておく」

「…サンキュ」

ウィンディに気づかれないようにこっそり耳打ちしてきたマナに謝辞を伝え、荷物を背負う。
その間、ハリゴーディンは機体を伸ばしたりと準備運動をしていた。何やってんだ。

「そういえば、ドラゴンと戦う時は一人じゃないと、従属するに足る存在か見定めてもらえないんですよね」

デュンケルの助言を思い出したウィンディはふと、そんなことを言ってきた。リヒトは肯定を示す。

「なら私要らなくないですか?」

「要らないな。俺はともかく君の実力だと危険だし」

戦いに頭の先までどっぷりと浸かっているリヒトとは違い、ウィンディは平和な街で精神をズタボロにされてきただけのただの小娘だ。
才能は申し分ないが、経験が足りない。足りなさすぎる。皆無である。
そして身体も弱いから霊峰や湖沼の極限環境を生き抜けられるか甚だ疑問である。

どうしたものかと、リヒトは頭を悩ませた。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 00:49:51.28 ID:wZSLw4gGO
これからどうするかを↓1にどうぞ


A:ドラゴン調伏に向かう ターゲットを併記
B:やっぱり辞めておく
C:その他
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 01:28:59.00 ID:dxT39etzo
ここまでやったし1体位は……
A ゲイザリオン
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 01:51:43.23 ID:6Wrj+UKSO
出来る限りのことはした。夢のためにも今は死ねない。いざとなれば、躊躇せず逃走を選ぶ。既に覚悟完了していたリヒトはウィンディたちに指示を出す。暫く戻ってこないから、拠点でゆっくり休め。と。

「そのまま私たちを放置して豪遊とかはやめてくださいね。…本当に、やめてください」

「するわけないだろ」

彼女たちを置いて放蕩に耽る図太さをリヒトは持ち合わせていない。そんな彼に、彼女の言う選択肢は初めから存在していなかった。

夢のためにドラゴンが必要なのか。そう疑問に思う人もいるかもしれない。確かに、夢の成就そのものには不要とまでは言わないが、是が非でも欲しいものではない。
だが、これは通過儀礼である、とリヒトは考えていた。強大な存在に認められる自分でなければ、国を興すことなど夢のまた夢。決して見えることは叶わぬ幻なのだと、認識している。
だから、挑戦するのだ。たとえ無謀だと断じられても、可能性はゼロではないのだから。諦めてしまえば、そこで潰えてしまうから。
出来ない出来ないと逃げてばかりの人に、人は信を置いてはくれないから。

導きの門を出て、ウィンディにマナを託す。フードを脱いだ時に逡巡する様を見せた気がするが、たぶん気のせいだろう。
彼女に信用されるようなことはしていないし、彼女が今後人類を信用することもない。ただの思い上がりだと、思考を切り替える。

「…では、少しの間お別れですね。お留守番、頑張ります」

『ワタクシは料理なんて作れないので早く帰ってきてくれると助かります』

「自炊くらいなら出来ますっ」

むすっと頬を膨らませるウィンディに苦笑し、リヒトは背を向ける。
リヒトが視界から消えるまでの間、二人はずっと手を振っていた。
幽者が見えなくなるまでの間、マナがどんな表情をしていたのか。それは、本人のみぞ知る。
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 01:54:26.30 ID:6Wrj+UKSO
移動ペースを↓1にどうぞ。


A:最短距離、最高速度で走り抜ける 道中イベント一切無し
B:普通のペース 道中イベント:3
C:自由安価
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 04:53:16.07 ID:J6AjeSrJo
A
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 04:53:22.11 ID:WcgyDYm+O
A
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 14:07:49.53 ID:BAbAPB69O
ウィンディやリヒトの魔法を色々と考えているのですが、皆様の知恵を借りたく存じます。
具体的には、魔法を行使する際の詠唱がさっぱり思いつきません。
お力添えいただけると幸いです。

一般的な魔法は日本語、英語が使われてる場合がほとんどですが、リヒトの冥光魔法はラテン語が用いられてます。


【名前】その名の通り。
【属性】その名の通り。
【詠唱】その名の通り。
魔法の概要になります。


この世界の魔法


生物非生物を問わず万物が内包し、世界中に普遍的に存在する魔力を、理論に基づいて制御することにより、現象を発生させる学問。
理論さえ理解していれば使えるので、魔物だろうと平気で使ってくる。
簡単な魔法、小規模な魔法には詠唱は必要無いし効率を考えると無駄まであるが、大規模な魔法の場合は補助の役割を果たすため半ば必須。
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 15:03:01.01 ID:Y6Y0R8uDO
すまねぇラテン語はさっぱりなんだ
考えてみたけど魔法はハードル高いなあ…

【名前】 彼方
【属性】 空間、時
【詠唱】 遥かを統べよ、時の果てまで

彼我の距離をゼロにする瞬間移動魔法
古い魔族や神族に伝わる失われた禁術であり知る者はほんの一握り
魔法の習熟を極めた者は時間さえ越えると言われている(イメージはデロリアン)
通常の使用では対象との障害物が無い場面が推奨
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 15:04:54.23 ID:Y6Y0R8uDO
改めて考えたら二人が使う魔法としては適してないな…
やっぱり難しい…
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/19(月) 15:32:57.49 ID:7z8bzUfBO
現時点で作ってるウィンディの魔法はこんな感じです。()内が文字に振るルビになります。
意訳したり語感に合わせて単語を変えたりしても大丈夫です。自分が作ってるやつも大概なので。

【名前】天墜の嵐(ブレイクダウン)
【属性】風魔法
【詠唱】
生命運ぶ大いなる風よ。万象と共に常世を巡り、流れるならば。我が祈りも乗せ給え。
届かぬ風が無いように、我が祈りも彼方に届く。彼岸に消えし師に捧げよう。
この風は、我が祈りを紡ぐ風なり。障壁砕き裁断する、暴虐の嵐なり。
空は今、颶風に流され地に墜ちる。汝らもまた、墜ちゆく万象の一つに過ぎず。無為に散りゆく我が身を呪え。

風を操作して低気圧と高気圧を人工的に作り出し、局所的なダウンバーストを発生させる。
暴力的なまでに強烈な風は全てを薙ぎ倒し、大地を抉り吹き飛ばす。その際には凄まじいまでの積乱雲が発生しており、あたかも空が墜ちてくるように錯覚させる。
シルヴィアの助言を基にウィンディが創出した魔法であり、その緻密にして芸術的な理論は、彼岸の大賢者にも届き得る完成度を誇る。
この魔法を行使した後は一週間くらい死ぬ。
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 16:57:29.03 ID:Y6Y0R8uDO
【名前】 穿牙冥墜
【属性】 闇
【詠唱】
闇なる者の力において、我が前に立ち塞がりし者はその命運尽き、暗き穴を穿つものなり

元は光属性のリヒトの切り札のひとつ
堕ちた事で闇属性になり詠唱の文言も多少変化している
魔翌力を一点に収束させ貫通力の極めて高い光を放つ
射程は込める魔翌力により変わり、最大射程は数qにも及ぶが威力は減衰する
近距離でなら貫けないものは少なくともこれまでは出会っていない
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/19(月) 18:50:20.18 ID:J6AjeSrJ0
【名前】清浄な空気(クリアスペース)
【属性】風魔法
【詠唱】
地を揺蕩いし自由の風よ。今一度、我が意に応え律されん
穢れを濯ぎ、湿気を祓い、楽園を此処へ

空気中の不純物や瘴気、湿気などを取り除き、空気を綺麗にする魔法
外部との熱交換により小規模範囲の気温を操作することもできるため、専ら室内空調用の魔法として使われている
本来は一般的な手段で学習できる生活魔法の一つだがこれはウィンディの手でアレンジが加えられており、風の膜で空間を区切ることにより屋外でも快適空間を作り出すことができるようになっている
規模の小さい魔法のため詠唱が使われることはほとんどない
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:42:33.26 ID:KIfM2uw5O
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443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:43:08.91 ID:KIfM2uw5O
単独行動を始めたリヒトの行軍速度は、常人のそれとは比較にならない。他者を気遣う必要が無いことも一因ではあるが、その最たる要因はリヒトの行使する光魔法の特性にある。
光は速い。とにかくすばしっこいのだ。それを纏ったリヒトがどれだけ速いのか。語るまでもないだろう。

地面を抉り、派手に跳躍する。流星のような光が白昼に弧を描き飛んでいく。それが弾けた時に、人は漸く正体に気づく。
あれは人間だ。いや、天使だ。と。
光そのもので構成された大翼が、尾を引きながら空を駆ける。頭上に光輪は見えないが、神々しい光と共に青空に羽ばたく様は、正しく天使に見えた。当の本人はそんな神聖な存在ではないのだが、彼らがそれを知る由は無い。

「あの女の情報を照らし合わせると…『エヴァンダ大樹海』の中心に光亡ぶ湖沼があるから…んで、現在地が…」

地図にメモ書きをしながら移動を続ける。周囲の警戒が疎かになるが、上空まで魔物の攻撃が届くことは滅多に無い。そこまで気にすることではないだろう。
現に、視線は地図に釘付けになっているが何かしらのアクションを起こされた様子は無い。
まあ、彼からすれば攻撃された瞬間に気配を察知出来るので、意識する必要が無いだけなのだが。
青春を戦争で染め上げた人間は、敵意にどうしようもないほどに敏感だった。
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:43:46.91 ID:KIfM2uw5O
情報を整理し終えたリヒトは、地図を片づけて溜め息を吐く。やると決めたのは自分だが、目的地に着くまでの道のりがこれまた面倒でちょっとやってられなかったのだ。
最短距離、最高速度での行軍を敢行しても、光亡ぶ湖沼に至るまでに四日。可能な限り休息を減らして試算した場合ですらこれである。
ウィンディたちが同伴していたら、下手したら二週間ほど掛かっていたかもしれない。
さらに、湖沼に到着したら次に待っているのは冥王の玉座までの道中である。相当に強力な魔物が跳梁跋扈しているのは想像に難くない。消耗無しでゲイザリオンの元に辿り着くことはない、と見ていいだろう。
湖沼内でシルヴィアに伝授された結界が効果を発揮するかはその時にならねば解らない。つまり、湖沼内で休息を取れるかは不明なのだ。
『聖域』と呼ばれる憩いの守人が管理しているセーフハウスで休憩すること、余力を残せそうになければ即退散することを視野に入れなければ、屍を晒すことになりかねない。

死ぬよりは数倍マシなのだから、過剰に思えるほどに幾重にも予防線を張っておいて損はないはずだ。
そんな思考を続けながら、リヒトは山脈を越える。魔物の視線が集中しているような気がした。
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:44:16.48 ID:JhITNI4UO
あれから数日。キャラバン隊の野営地で定期的に休息を取り、行軍を続けていたリヒトは、エヴァンダ大樹海に足を踏み入れていた。
踏み入れた当初こそ地面はしっかりと固まっており問題なく移動出来ていたのだが、半日も歩くと様相は変わり、足首まで水に浸かっていた。
靴の不快な感触に顔を顰めつつも、移動を続ける。何度か魔物の来襲があったが、単独なら魔法の出力を抑える必要は無いため、手こずることもなく容易に迎撃することが出来た。
まだ光亡ぶ湖沼に到達していないので魔物が弱いのは当たり前のことではあるのだが、それでも、リヒトがしているような単独での行軍を生半可な者がしたら自殺行為になってしまう程度には、ここの魔物は強かった。少なくとも、アークミノタウロスの六割くらいの危険度はある。

生き血を啜ろうと噛みついてきたヒルは光魔法で滅却し、潜伏していた巨大なエビやカニは聖剣の錆になってもらう。
音も立てず細切れにされたエビたちの肉はぷりっぷりで美味そうに見えたが、こんな場所では焚き木など不可能なので食べるのは諦め、そのまま亡骸を遺棄する。こんなものを持っていっても湿地帯である樹海内ではすぐ腐ってしまうので仕方ない。
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:45:05.13 ID:DxmrCckKO
迫り来る魔物を片手間に仕留めつつの行軍の果て。夕暮れが辺りを照らし始めた頃に、それはあった。

「………っ」

あれだけ生い茂っていた樹木が、突然姿を消す。木々一つ生えていない水たまりが視界の果てまで続いている。
僅かに歩みのスピードを落としたリヒトは、その先を注視する。インクで塗り潰されたように真っ黒な木が、枯れた木のような姿で立ち並んでいた。その周りには黒にも紫にも見える靄が漂っていて、黒木が生えている場所から先は夜のように真っ暗だった。

ここが光亡ぶ湖沼と見て間違いないだろう。女性から得た情報と寸分違わず合致している。

「軽く休憩を取らないとな。どっかに聖域があるはずだが…」

魔力を多少消耗しているので、今後に備えて休息を取る。無難な判断をしたリヒトは、聖域とやらが無いか周囲を観察する。
少し離れたところに、この環境にそぐわない大きな家が建っていた。あれが聖域だと一目で分かった。
疲れた身体を休めるべく、リヒトは聖域に近づいた。
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/20(火) 01:50:55.98 ID:srORUEQ1O
聖域の管理者を一人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。また、【突破したお題】と【邪眼竜の加護】を併記してくれると助かります。
前回の魔法の募集も継続中でございます。


突破したお題 一例

マグマの中を泳ぐという人魚を捕まえてこい
魔王の首を持ってこい
呪殺の魔眼に耐えてみろ


邪眼竜の加護 一例

強力な不死性と再生能力(胴体真っ二つや斬首程度では死なない)
未来視の魔眼
竜化の秘術
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/20(火) 10:32:07.94 ID:Sx1yuC2v0
【名前】ヴィクター・グランハイト
【人種】人間
【性別】男性
【魔法】光魔法及び邪眼竜の加護(未来視の魔眼)
少し陰のある雰囲気の老人
実はリヒトが生まれるずっと前に勇者として活躍していた人物である
非常に優れた剣術、魔法の使い手で最強の勇者だと言われていたが、更なる力を求めてゲイザリオンの調伏に挑む
ゲイザリオンから出されたお題は「この世で最も強いと思う者を連れてこい」というもので、それに対し本人は「ここにいる」と答え力を見せる為に戦うこととなる
その結果見事に勝利を収め、元々の強さに加え邪眼竜の力を手にしたことで後の戦いに多大な貢献を果たした
だがその後はなぜか表舞台から忽然と姿を消し、今では彼の活躍を知る者も殆どいない
常人ならば、この老人がかつて最強の勇者と呼ばれていたなどとは微塵も思わないだろう 
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/20(火) 11:39:08.80 ID:NRjdixpDO
上手く要求も押さえて盛り込んであるのさすがだなあ…
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 01:18:59.87 ID:5fBP2amVO
どういう原理なのか、家の周囲には花が咲き乱れ野菜が栽培されている。ここだけが別世界のようにも見える。
なるほど、聖域と呼ばれるだけはあると、リヒトは感心した。一つ間違えば即死しかねない魔境に接している、脅威無き楽園。安寧のゆりかご。魔なるものが触れることは赦されないその家屋は、聖域そのものだ。
ジャブジャブと音を立てつつ歩みを進め、足場に近づく。すると。

「なにこれ」

謎の言語が書き記された巻物が、家を囲っていた。古代文字のように見えるが、知識の無いリヒトにはそれが何語なのかは判断出来なかった。
達筆なのか下手くそなのか、ミミズが這ったような文字は無秩序に巻物を汚し、独特な紋様を描いている。巻物に囲まれた中に家が建っており、菜園もその中にある。

聖域の部分だけ地面が隆起して陸地を形成しており、そこに家が建てられて巻物が敷かれている形だ。菜園などを含めた聖域の敷地は縦15メートル、横10メートル程。なかなかの広さである。

しかし、何故この場所だけが安全なのか。その理由がこの巻物にあるのは状況的に明らかだが、どういう理屈なのかは見ただけでは分からない。
試しに数度巻物を跨いでみたが、何も変わらない。せいぜい中の空気が美味いくらいだ。
ならば、とそこら辺を泳いでいたサハギンと呼ばれる二足歩行する魚に似た外見をした魔物をとっ捕まえ、聖域内に投擲する。
巻物上を通過した瞬間、サハギンの肉体は光に置換され、消滅した。
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 01:19:39.51 ID:5fBP2amVO
「…なるほど。俺の結界と似たタイプの魔法だな。性能は俺のオリジナルと比べるのも失礼なレベルだが」

シルヴィアの魔改造によって難攻不落の要塞と化したリヒトの結界は、当初は酷い有様だった。本当に酷かった。
防御力自体はそれなりにあったのだが、敵も味方も関係なく、発動者であるリヒト自身さえも平等に光で焼いてしまう無差別攻撃だったのだ。
幸いにしてリヒトの結界で味方側に死者が出ることは無かったが、当時はブーイングの嵐を浴びていたことは記憶に新しい。
寝ぼけた頭をスッキリさせるにはちょうどいい、と聖女にフォローされていたが、そんな生優しい威力ではないことを発動者が知らないはずがないので、フォローになっていなかったりする。

そんな魔法に比べたらこの聖域を維持している巻物は月とスッポン。両者を比較しようとするのが恥ずかしくなってしまうほどに、隔絶した差がある。
誰でも使えそうな便利アイテムっぽいので差し支えがなければ後で何個か貰おう、と交渉することを心に決め、門を叩く。すると、ゆっくりと扉は開かれた。
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 01:20:14.29 ID:5fBP2amVO
「若い命を無為に散らすな。大人しく回れ右するがいい」

聖域の管理者とご対面すると同時に放たれた言葉がコレだった。この手慣れた感じ、聖域を訪ねた人全員に言っているに違いない。
ケープを羽織った老人の声は嗄れており、服から顔を出している手足は枯れ木のようにやせ細っている。とても弱々しい姿であり、見ているこちらが少し目を離したらぽっくりと逝ってるんじゃないか、と不安になるほどだ。

だが、件の情報からするに、彼が邪眼竜の加護を受けた人物と見て間違いないだろう。そもそも、こんな場所に暮らしている時点で普通ではない。

「遊び半分で邪眼竜に見えるのは辞めておけ。奴はそこまで安い存在ではないし、失礼にあたる。全てを…命さえも捨て去る覚悟を持ち来ることだな」

「それに、貴様は少々実力が足りていないように見える。このまま邪眼竜に謁見しても、その前に野垂れ死ぬか興味が無いと一蹴されるのがオチだ」

本当に酷い言いようである。とはいえ、覚悟云々については反論する余地は無いので大人しく聞くしかなかった。
たしかに、骨を埋める前提で邪眼竜に挑まないのは無礼にもほどがある。が、こちらにも死ねない理由があるのだ。
とも思ったが、それが間違いなのだろう。死ねない理由が万とあろうとも、滅ぶことを懸念し、安全策を講じ、危険と見るやすぐ退散するような輩に邪眼竜や氷雷龍が恭順するとも思えない。

それに、実力不足と断じられるとは思わなかった。死ぬ可能性はある、とは考えていたのだが、勝ち目が無いほどに力が足りていなかったのだろうか。

「足りんな。老いた私と同格程度では、奴に膝を突かせることも敵うまいよ。多く見積もって、勝ち目は二割有れば良い方だろう」

「そんなに」

自身と邪眼竜の実力差もそうだが、眼前の老人の強さに心底驚く。今の自分と、年老いて身体も、心も、魔力も弱った彼が同格とは。
最盛期はどれほど強かったのだろうか。
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 01:22:48.95 ID:5fBP2amVO
憩いの守人(ヴィクター・グランハイト)と何を話すかを↓1にどうぞ。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/22(木) 02:32:15.14 ID:sxfAS+yto
ゲイザリオンのお題破棄したらペナルティあります?
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 04:37:14.52 ID:5fBP2amVO
「…せっかくここまで来たのだ。満足のいく物は出せないが、細やかなもてなしをさせていただく」

と気遣ってくれた老人は、その辣腕を存分に振るい食事を作ってくれた。
ラインナップは野菜のスープ、野菜のソテー、野菜炒め、野菜のサラダ。
いくつかジャンルが被っているが、こんな場所で食べれる食事などに大したレパートリーは期待していなかったので問題ない。サハギンの丸焼きとかが出ないだけマシとも言える。
まあ、ゲテモノだろうと何だろうと、食べて死ぬような劇物でなければリヒトは平気で喰うのだが。

「味うっす」

「贅沢を言うな。こんな場所で調味料など手に入るか」

淡白で薄い味が口に広がる。素材の風味を活かした、と言えば聞こえは良いが、ただ単に味付けしていないだけである。
不味いわけでも美味いわけでもない。ただただ薄い。それだけだ。
なので、リヒトは振る舞われた食事全てを平らげた。腐肉を喰らって生きてきた過去に比べれば、この食事はどれだけ上等なのかは言うまでもない。

「…文句を言う割には良い食べっぷりだな」

「文句を言ったつもりはない。ただの感想だ」

リヒトの物言いに老人はしばらく唸り、やがては押し黙った。何やら憐れんでいるように見えたが、こちらに憐れまれる謂れはない、とリヒトは鼻を鳴らす。

「邪眼竜…ゲイザリオンのお題を放棄して逃げた場合って、何かペナルティがあったりするのか?」

「………」

リヒトの問いに老人は口を噤む。無謀な挑戦者に話すことはないのだろうか。そんなことを考えていると、不意に口を開いた。
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 04:38:07.80 ID:5fBP2amVO
「…時と場合による。例えば、今のように邪眼竜に見える前に回頭して去るのであれば、何もしてこない。だが、奴に謁見し、遊び半分で試練を受けたのならば」

「ならば?」

「貴様なら死にはしないだろうが、かなり重い呪いを掛けられる。常人なら狂死する程度のな」

「…ノーペナはないよなそりゃ」

邪眼竜の呪い。聞いただけで碌でもないことになるのが目に浮かぶ。全身の皮膚が腐るくらいはしそうだ。リヒトは興味本意で呪いの内容を訊いてみた。

「む…。個人差はあるが、肌荒れや不眠、重度の便秘や頭痛に見舞われることになる」

思ってたのと違う。と、リヒトは老人の返答に脱力するが、真剣な顔で抗議される。

「甘く見るな。便秘で亡くなることは往々にしてあり得ることだ。貴様は知らんだろうが、過去に某国の王が便秘で死に、大混乱が起きたことがある」

「それに、邪眼竜の呪いで狂死する過程で先述した症状が出てくるだけだ。何を施しても快復に向かわないことに精神を病み、呪いそのものがさらに精神を蝕むことで死を迎える」

地味な内容だったが、聖域を管理する彼が言うのなら、あながち嘘と断定は出来ない。
ふと、レムカーナでの騒動を思い出し、腹痛が蘇る。ギムレイン嬢の呪詛魔法も実は、邪眼竜級の力を秘めているのかもしれない。
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/22(木) 04:38:45.24 ID:5fBP2amVO
憩いの守人(ヴィクター・グランハイト)と何を話すかを↓1にどうぞ。
これが終わると、ゲイザリオンに挑戦するかの最終確認が行われます。
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/22(木) 08:19:21.10 ID:8dF+GydN0
若い頃の話を聞く
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:42:07.68 ID:TAko7nPvO
手入れのされているベッドで二時間ほど仮眠を取る。常に闇に包まれている光亡ぶ湖沼では、昼も夜も存在しない。
黒に染まった太陽や月だけは見えるので厳密には昼夜は存在するのだが、視覚的な差異はほとんど無いのでどちらだろうと変わらないのが現実だ。
それは湖沼に面している聖域も例外ではなく、窓の外は夜のように真っ暗だった。まあ、ここに着いた時点で夕方ではあったのだが。

何やら書き物をしている老人に目を向ける。左手には『ボケ防止にはコレ!ナンプレ100問収録脳トレ問題集』という題名の冊子を持っており、一心不乱に羊皮紙に書き込んでいた。
そんな老人を尻目に、リヒトは軽く伸びをする。骨の鳴る音が聞こえ、身体の凝りが解れた。

「こんな場所にずっと住んでて、よく平気でいられるな」

リヒトの口から率直な感想が溢れる。彼自身、安全が担保されていたとしてもこの場所で暮らすのは絶対に無理だと確信していた。
昼夜問わず闇に染まった世界。リヒトのような命知らずな冒険者しか訪ねてこない孤独なる領域。娯楽もなければ交流もない変化の無い、無為に過ぎていく毎日。
考えただけで気が狂いそうだ。だが、老人はそう思ってはいなかった。
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:42:43.38 ID:WVT5EgcsO
「住めば都とも言う。…私はもう独りでいることに慣れたし、誰とも関わりたくないのだ」

「じゃあ、なんで俺のような奴を家に迎え入れるんだ?関わる気がないなら門前払いすりゃ良いだろうに」

「年寄りのくだらぬおせっかいだ。自ら死に向かうような輩を放っておくほど、私は善性を捨てていないつもりでな。…それに、不躾な冒険者の相手をさせるのも、加護をくれた邪眼竜に申し訳が立たん」

問題を解き終わったのか、老人は本を棚に戻す。リヒトも席に着き、向かい合った。

英雄とさえ称された、偉大なる人間が何故ここにいるのか。邪眼竜の加護を得た者が軒並み悲劇に見舞われて息を引き取ったことを鑑みるに、彼もまた人の悪意に人生を歪められた者なのだろう。

「あんたさえ良ければ、昔話でも聴かせてくれないか?」

「私は語るべき過去を持たぬ。ここを終の住処と決めた時に、私は生まれたのだから」

「…そうか」

「…だが、ある英雄の物語なら知っている。ただひたすらに力を求めた無垢なる勇者の、滅びの物語を」

「何の面白味も無い話だが。貴様はそれでも聴くというのか?」

「ああ」

老人が語ったのは、一人の勇者の物語。世界から忘却された、英雄の末路。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:43:19.24 ID:sd+ApsgiO
海を臨む断崖に、小さな村があった。その村に名前は無く、人が営む様相のみが特徴だった。
名も無き村には、一人の少年がいた。かの者の名はヴィクター。
特別な血筋を持たないただの人間だった。勇者という伝説に憧れる、どこにでもいる子供だった。
いつか、勇者になって人を救うために。少しでも憧れに近づこうと木刀を振るい鍛錬を重ねる少年は、温かい目で見守られながら成長する。
しかし、そんな日は脆くも崩れ去った。

空が燃え、黒煙が上る。音を立てて燃え尽きる家屋は、いくつもの命を無惨に奪っていく。
魔族の戦士が嗤い、騎馬に跨り地平線の果てに消えていく。
少年の背には、炎を上げる我が家があった。火の手は回り、業火が家を包み、崩れ落ちる。幼い子供だったヴィクターはあまりにも非力で、無力であった。
故に、彼に出来ることは何一つ無かった。

火が鎮まり、夜が開ける。嘗ての面影は既になく、残骸だけが形を残す。焼け跡から運び出される遺体は、痛ましい切り傷と炭化で誰のものか判別が付かなかったという。
この惨劇は、少年の心に火を灯した。復讐の灯火という、昏き炎を。
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:44:02.85 ID:UpCZgj/hO
少年は燻る炎を胸中に隠し、城下の詰所の門を叩く。某国の王は終わりのない戦乱の元凶である魔王を討つべく、腕に覚えのある者を招集していた。その招集に応えたのだ。
全ては復讐のために。自身から全てを奪い去った魔族から、全てを奪い尽くすために。

傭兵や冒険者、領土内から徴兵した兵士の中には、ヴィクターのように家族を喪った者も複数人混じっていた。
その大半には当然戦闘の経験などなく、ヴィクターもまた例外ではなかった。しかし、彼は他の者に無いものを持っていた。

才能という、望んでも手に入らない至宝を。

繰り返される戦いの中で人は死んでいく。人間も魔族も。男も女も。大人も子供も老人も。分け隔てなく平等に、命を落とす。
その中で、彼は力を身につけていく。復讐の炎で力という刃を熱し、戦いの中で研ぎ澄ませる。
より鋭く。より硬く。より強く。誰であろうと打ち倒せるように。誰であろうと護れるように。

魔王軍との戦いで仲間を得て、喪って。その繰り返しの果てに、ヴィクターは勇者と成る。
幾年もの間畏れられていた魔王を打ち倒した彼は、名実共に最強の勇者へと至ったのだ。
ここにヴィクターの悲願は成就し、復讐の炎は燃え尽きる。が、彼の心は渇いていた。
更なる力を求め、飢えに苦しんでいた。
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:45:15.62 ID:sRIW1A6vO
復讐を終えたヴィクターは、その功績を讃えられ爵位を賜った。グランハイトという、その国では最上の名誉たる家名を共に戴いたヴィクターは、苦楽を共にした仲間と契りを結ぶ。
それでもなお飢えは治まらず、ヴィクターは国お抱えの占い師に助言を乞うた。
『遠い地に座す邪眼竜。望みし物を其方に与えん』。占い師の預言を信じ、ヴィクターは単身旅に出る。不安定な情勢を案じ、力を得るために。そんなお題目を掲げ、国を発った。

光亡ぶ湖沼にて、勇者は邪眼竜ゲイザリオンと相見える。邪眼竜は、武器を構える勇者に問うた。
『我が力を求めるならば。最も猛き強者を連れて来い』と。
勇者は毅然と笑い、答える。『ここにいる。私こそが答えだ』と。
その言葉を皮切りに、勇者と邪眼竜の戦いは始まった。

三日三晩続いた激戦は、勇者の放った閃光により幕を閉じる。邪眼竜は勇者の力を認め、加護を与えた。
未来を見定める《未来視の魔眼》を授かった勇者は凱旋する。そして、また戦乱の日々が始まった。

ある時は恭順を選ばなかった隣国を滅するために。またある時は、革命を目論んだ嘗ての戦友を殺すために。勇者はその力を振るい続け、最強と呼ばれるに相応しい戦果を挙げ続けた。
しかし、勇者は忽然と姿を消した。勇者の失踪と共にグランハイト家は没落し、国は再三の革命によって滅び去った。
何故勇者は全てを捨て姿を消したのか。それを知る者はいない。
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:45:42.86 ID:dR7ws1xZO
語り終えた老人は、穏やかな表情のまま目を閉じる。ご冥福をお祈りします。とリヒトは手を合わせた。

「勝手に殺すな。死ぬ間際に遺言を残すパターンではない」

「あ、違ったのか?なんかすっごい穏やかな顔してたから…。ああ、満足して逝くのか…って思っちゃったよ」

「たしかに誰にも言ってないことだったから吐き出せて満足ではあったが。それはそれとして、まだ私はやることがあるのだ」

「たとえば?」

「貴様のような馬鹿者の足止めだ。まだ未来のある若い命、散らすには惜しい」

「年寄りに言われると説得力があるな…」

先程とは打って変わって、おしゃべりな様子を見せる。もしかすると、こちらの方が素に近いのかもしれない。
また問題集を手に取った老人を見て、これはまだまだボケないし死なないな、とリヒトは確信した。
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:46:13.49 ID:sA2+XTXwO
「じゃあ、俺はそろそろ出るよ。世話になりました」

荷物を背負い、ドアを開ける。星の光は闇に呑まれ、毒々しく輝いている月が夜空で存在を主張していた。

「待て。…貴様はまだ、邪眼竜に挑む気なのか?」

野菜の天日干しを齧っていた老人は、リヒトを身体を向ける。鋭い眼光がリヒトを射抜く。

「最後の警告だ。今の貴様では勝ち目は薄い。今後のことを考えるなら、さらに力を身につけてから来るべきだ」

邪眼竜は逃げんし時間もたっぷりあるからな、と付け加えつつ、老人は警告する。
彼なりの気遣いなのだろうが、ここまで何度も同じことを言われるとゲンナリする。そろそろ耳にタコが出来そうだ。

「あんたの言を素直に受け取ると…今はほぼ不可能に近いけど、努力すれば勝ちが見えてくる…って言ってるようにも聞こえるが?」

「そう言っている。分の悪い博打はただの身投げと変わらん。研鑽を重ねればその牙、邪眼竜をも唸らせるだろうさ」

「今まで訪ねて来た凡百の自殺志願者とは違うと私には解っているが故の警告だ。引き留める価値や意味も無い輩なら、私は無視を決め込んでいる」

と、出来の悪い子供を窘めるような物言いに、リヒトは苦笑する。希望はあると励ましてくれるのは嬉しいが、それはそれとして凹む。
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/24(土) 04:47:24.32 ID:KfJT7AX1O
邪眼竜ゲイザリオンに挑むかを↓1にどうぞ。
選ばなかった場合はグラトルスの調伏も中止になります。
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/24(土) 08:13:13.42 ID:AjIskxVDO
挑む
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/25(日) 04:52:54.80 ID:/sdfNC9oO
だが、首を縦には振らなかった。どれだけ引き留められても、引き下がるつもりはない。
たとえ大馬鹿者だと罵られても構わない。挑むことすらせずに逃げ出すことだけは、したくなかった。
邪眼竜に挑み、心身をへし折られて諦めるのであれば、まだ納得出来る。しかし、挑むことを選ばず、どうせ無理だと諦めるのは許容出来なかったのだ。

「…馬鹿に付ける薬は無い、か」

「悪いな。馬鹿は死んでも治らないって言うし、そういう奴だったと諦めてくれ。あ、家の周りにある巻物、予備があるならいくつかください。お金なら言い値であげますので」

巻物は普通に何個もくれた。案外お人好しなのかもしれない。
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/25(日) 04:53:37.55 ID:/sdfNC9oO
何度目か知れぬ、無謀な挑戦者の訪問。英雄気取りが思い上がっただけかと思っていたが、今回は違った。
その眼には、底知れぬ影があった。本人は隠しているつもりなのだろうが、知る人が見れば解るものなのだ。
何故私が見抜けたのか。それは、あえては言うまい。
私はその影に可能性を見た。嘗ての私とは違い、闇に堕ちてもなお光と共に在る彼は、私とは違う未来に辿り着けるかもしれない。

未来を視るのは、辞めておいた。そこまでするのはおせっかいにも程があるし、私は怖かったのだ。
未来を視ることで、彼の運命が閉ざされるのが。それならば、見えない未来に彼の運命を委ねたかった。
嗚呼、邪眼竜よ。未だに、真なる英雄の来訪を待ち望んでいるのなら。
これより貴様の元を訪ねるであろう勇者を見定めてくれ。不思議な眼をした彼奴ならば、あるいは。

願わくば、もっと後に来てほしかった。数多の離別を、苦難を乗り越えた先にある領域に触れ、挑んでほしかった。
邪眼竜は、永い永い時の中で待ち続けているのだ。その身に宿す魔眼ですら視ることが出来ない、可能性を秘めた真の英雄を。
自身の未来を委ねるに足る、大いなる存在を。

だが、どれだけ引き留めようとも彼は往く。そういう人はいるものだ。嘗ての私と同じように。
ならば、祈るほかあるまい。その未来に、希望があることを。
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/25(日) 04:54:09.56 ID:/sdfNC9oO
老人の見送りを受け、光亡ぶ湖沼へと突入する。瘴気に満ちた沼地の中では、嫌でも動きが鈍る。

「…ちと、辛いか」

瘴気が空気を介し臓腑を侵蝕する。身体が壊れていく感覚が、全身を支配していく。
なるほど。これは確かに厳しい。普通の人間ならば、一時間も保たないだろう。

これでこそだと、リヒトの口が歪な弧を描く。何の苦労も無しに得られるものに、意味はない。
リヒトは聖剣を抜き、闇へと向ける。暗黒の中では穢れた生命が蠢いており、紅の光が明滅していた。

「あちらもやる気は充分。へっ…上等だ。この闇の中で俺の光がどれだけ太刀打ち出来るのか。そして、俺の存在をゲイザリオンに示してやろうじゃねえか」

聖剣は光を帯び、身体は淡く輝く。
邪眼竜への謁見の儀が今、始まった。
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/25(日) 04:56:19.54 ID:/sdfNC9oO
邪眼竜ゲイザリオンへの謁見の儀 判定↓1コンマ


01〜10:リヒト死す
01〜30:難航
31〜50:進捗ヨシ
51〜99:冥王の玉座へと到達
00:???
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/25(日) 08:49:57.87 ID:KthJmQDMO
デュエルスタンバイ!
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/25(日) 09:16:07.04 ID:iNrwW0aRo
ええぞ!
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/25(日) 09:24:50.70 ID:LfqlHY4DO
ひえっ…
ずれてたら死んでた
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/25(日) 12:37:18.17 ID:zHkrAafiO
死んだらコンティニューできるのか打ち切りなのか
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/26(月) 02:58:00.52 ID:1RCi5Ep3O
宵闇の中を閃光が駆ける。天地を縫うその剣閃は、命を刈り取る死神の鎌が如く。無慈悲に生命を断ち切る。

地面から這い出たアンデッドの一種、意志持つ死体であるゾンビや、死した者の魂の成れの果てであるレイス、闇の魔力を巧みに扱うヴィシャスリカオンと、光に弱い魔物のオンパレードだ。
故に、リヒトとは根本的に相性が悪く、光魔法と剣術の合わせ技によりその命は呆気なく消えていく。

瘴気に侵されて肥大化した昆虫種の魔物も多数いたのだが、例外なく全てが鏖殺される。
ハチ型の魔物の突撃を躱し、袈裟斬りに斬り捨てる。返す刀で背後から襲い掛かっていたリカオンを迎撃した。
誰にも気遣う必要は無いので、リヒトは魔力を解放する。自身を中心とした光の柱が瘴気の天蓋を貫いた。

「…逃げてはくれない、か」

瞬殺された同胞を見ても魔物の戦意は衰えず、攻勢も止まらない。久方ぶりの獲物に、心が躍っているのだろうか。
こちらとしても、一匹一匹がかのアークミノタウロスすら上回る力を持っていることに興奮せずにはいられなかった。
強敵との戦いはいつだって心躍るもの。それは、昔から変わらない。
幾度と仲間を喪ってもなお戦いに悦びを感じるのは、彼の心が既に壊れていることの証左なのかもしれない。

瘴気は光の魔力で無力化とまではいかずとも、さしたる問題はない程度には、影響を緩和出来ている。
あまりに長時間ここに残留するなら命に関わる事態にはなるのだが、そこまでいるメリットも無いので気にする必要はない。
つまり、邪眼竜と邂逅するまでは特に支障は無いということだ。
移動時の魔力消費が必要経費である以上、この強行軍でどれだけ消耗するかが余裕の有無に繋がる。

「こっちもやることがあるんでな。死にたい奴だけかかって来なよ。お望み通り消してやる」

故に、油断も遠慮も手加減もしない。最速で殲滅させるのが一番安全で、確実で、効率的だから。
死したはずの光燿の勇者が再び顔を見せる。同時に、光無き湖沼に見えるはずのない星が生まれた。
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/26(月) 02:58:28.72 ID:1RCi5Ep3O
闇に閉ざされた世界に光が発生する。何十年ぶりの、あり得ない事象に目を見開く。
当時のそれと比べれば、見えた光はか細いものだ。だが、その奥底には《何か》が潜んでいた。
慣れ親しんだ闇に似ていて、それでいて全く異質な《何か》。興味は尽きないが、期待には応えそうにない。

最も見どころがあった嘗ての勇者。彼ですら、全てを委ねるには足りなかった。
そんな彼よりも矮小な存在なら、なおさら委ねる余地はない。せいぜい、その知略と武勇で愉しませてもらいたいものだ。

視線を空に移すと、紫に染色された月が映る。今宵は満月。美しく、悍ましいそれは、光亡ぶ湖沼に棲むものには馴染みのある名物だが、外界からの来訪者には不安を煽る異物であった。

月は妖しく輝き、全身の瞳が力を帯びる。愉しい夜を、宴の始まりを邪眼竜は待ち侘びていた。
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/26(月) 02:59:12.79 ID:1RCi5Ep3O
体液に塗れた剣身を拭う。幾千もの命を奪ってきたにも関わらず神々しい輝きを保つ聖剣は、少しでも知識のある者であれば誰しもが求める名剣であり、誰もがその出自に怯える殺戮に染まった魔剣である。

光燿の勇者という英雄の象徴たるこの剣は、所有者である勇者の魔力を限界まで吸い尽くし、変質して生まれた物だ。
本来はどこにでもあった一振りの剣なのだが、幾多の戦いを経て昇華し、聖剣へと至った。
勇者の魔力に呼応して形を変えるそれは聖剣と魔剣、二つの側面を持つが、広く知られているのは聖剣としての側面だけだ。
冥光のことはほとんど知られていないので、それと密接に関係している魔剣が知られていないのも当然の話ではあるのだが。

健気に挑んでくる魔物を悉く滅ぼしたからか、魔物側から攻撃してくる様子はなく、それどころかこちらが少し近づいただけで逃げ出す始末だ。
余計な手出しをされないのでありがたいことではあるが、腫れ物を扱うように忌避されるのは辛いものだ。昔を思い出すから本当に良くない。

そんな暗い考えをしつつ足を進める。バキバキと、何かが砕ける音がした。その正体はすぐに判明する。

リヒトが踏み砕いたのは白骨だった。ふと周りを見てみると、沼から無数の白骨が姿を見せているではないか。
これは皆挑戦者の末路だ。そう結論づけるのは当然のことだ。考えるまでもない。

見上げた先には巨大な岩が鎮座しており、その上に奴はいた。

『我ガ寝床へようこソ。ココまでノ道のリ、楽でハなカッたデしょう?』

辛うじて聞き取れた人語に、リヒトは頷いて返す。ヌ・レオンと違って聞こえるのは、声帯の造りが違うからなのだろう。
それでも、マトモに会話が出来るのは驚きだが。

それにしても、無数の魔眼に見つめられるのは気分が悪いものだ。どういう魔眼があるのかまでは情報がなかったので、リヒトの心中は割と穏やかじゃなかったりする。
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/26(月) 03:03:15.60 ID:1RCi5Ep3O
邪眼竜に何を求めるかを↓1にどうぞ。同時にコンマで判定を行います。


01〜30:お帰リくダさい
31〜90:お題を一ツ出しまショう
91〜99:突然荷物の宝珠が砕けた
00:???
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/26(月) 04:04:45.14 ID:1RCi5Ep3O
何を求めるかというより、どんな言葉をかけるか、宣言するか、ですね。このレスは無視してください。
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/26(月) 07:36:20.28 ID:HYjyaTaFo
ずっと見ていたんだろう?
俺はお眼鏡に叶うか?
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/26(月) 07:39:29.83 ID:HYjyaTaFo
ぬわーすまん
殺しに来られるよりは有情か……
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/09/27(火) 00:00:51.66 ID:kQ4N5huq0
統一教会スパイクタンパクISISは、正当に選挙されたスパイクタンパク会における代表者を通じて行動し、ウクライナとウクライナの子孫のために、諸スパイクタンパクISISとの協和による成果と、わがスパイクタンパク全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権がスパイクタンパクISISに存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそもスパイクタンパク政は、スパイクタンパクISISの厳粛な信託によるものであつて、その権威はスパイクタンパクISISに由来し、その権力はスパイクタンパクISISの代表者がこれを行使し、その福利はスパイクタンパクISISがこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。ウクライナは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
統一教会スパイクタンパクISISは、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸スパイクタンパクISISの公正と信義に信頼して、ウクライナの安全と生存を保持しようと決意した。ウクライナは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐるスパイクタンパク際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。ウクライナは、全世界のスパイクタンパクISISが、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
ウクライナは、いづれのスパイクタンパク家も、自スパイクタンパクのことのみに専念して他スパイクタンパクを無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自スパイクタンパクの主権を維持し、他スパイクタンパクと対等関係に立たうとする各スパイクタンパクの責務であると信ずる。
統一教会スパイクタンパクISISは、スパイクタンパク家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:39:24.36 ID:ZX2wP/S5O
今のリヒトが死んだら、次の主人公は上手くやってくれることでしょう。
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:39:58.32 ID:ZX2wP/S5O
恐怖を押し殺し、聖剣を向ける。意気揚々と振る舞い、自身の意志を昂らせる。
そして、凛然とした佇まいで、問うた。

「邪眼竜ゲイザリオンよ。ずっと貴方は、俺を見ていたのだろう?」

『エえ』

「…なら、単刀直入に訊く。俺は、貴方のお眼鏡に適うか?」

『イエ全然』

「あっダメなのね…」

容赦ない一言に、リヒトは膝から崩れ落ちる。その姿はまるで、世界に絶望し、怨恨に支配された幼子の如く。
つまりこの世の終わりみたいな落胆の仕方をしていた。
これには邪眼竜も困惑。オロオロしているように見えたので想定外の反応だったのだろう。
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:40:25.60 ID:ZX2wP/S5O
『ア…。えー…。本当ハ他の方ミタいにお引き取リ願うカ屍を晒しテもらウつモリだッタのデスが…。貴方カらハ可能性ヲ僅かに感じマス』

『今ハまだ小さキ可能性…。デスが、ソれが花開くコトは否定出来ズ…。故ニ、今回私は不干渉ニ徹しマス。力を身にツケ、出逢イを重ネ、ソレからまた私に挑ンデも遅クはアリませン。私ハずっと、ココにイマす。貴方の来訪ヲ待ち望みマス』

竜は皆長命ですカラ。と、ゲイザリオンは答えた。その表情は穏やかで、とても邪眼竜と恐れられているものには見えない。

「…てっきり、有無を言わせずに喰いに来るかと思ってたんだが」

『私モ当初は、適当ナお題ヲ出シテ始末する予定でシタ。デスが、貴方ノ目カラは不思議な力ヲ感じル。ダカら、見定メるコトにしたのデス』

『…勇者よ、良き旅ヲ』

それだけ言うと、邪眼竜の目は全て閉じ、寝息を立て始めた。これ以上に関わる気はない、ということか。
邪眼竜の気まぐれという名の温情に感謝し、背を向ける。邪眼竜の謁見に至るまでに何も得ることは出来なかったが、この旅には意味があった。
ある意味では、意味を知れたことこそが金銀財宝にも優る収穫なのかもしれない。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:41:03.31 ID:ZX2wP/S5O
太陽は昇れど、大地は照らされず。永遠の夜が支配する湖沼は、邪眼竜の存在によって秩序が保たれている。
彼らにとって都合の良い秩序であって、外界から来た者は所詮部外者なので餌にされる程度には血生臭いが。

主が座す冥王の玉座に、一人の人間が腰掛ける。本来人が踏み入れるべきではない領域に人がいるというのに、魔物は意に介していない。
まるで、そこにいるのが当然であるかのように振る舞っている。

「紫玉の太陽。こうも長い間見ていれば、何も思わなくなったな」

邪眼竜の足元に座っているのは、純白の刀身の長剣を背負った老人。枯れ枝のように細い身体をしているにも関わらず、魔物は一切干渉しようとしなかった。

『珍しイでスネ。貴方ガここマデ来ルとは』

「…何故あの男を見逃したのか気になっただけだ」

くつくつと笑う邪眼竜に、ぷいと視線を背けつつ答える。

『貴方の知ってノ通りデス。可能性ヲ摘み取ル愚を犯ス気は無イノですヨ』

「…貴様でさえも、希望を見たのか」

『少しダケ、デスが』

今はまだ小さい、蛍火の如き灯火。それを育むことが出来るのか。未来視をしていない今は判らない。
結果だけを先に視ても面白くないし、野暮というものだろう。
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:41:43.19 ID:ZX2wP/S5O
「難儀なものよな。未来視の加護を得た当初こそ事あるごとに視ていた未来が、今となっては恐ろしくて視てられん」

『フフ。そうヤッて自身ヲ律スるのもマタ、強さですよ』

「…私は弱いさ。家族を、仲間を捨て人の世から逃げた私が、強いものか」

老人の後悔に塗れた独白に、邪眼竜は沈黙で返した。
光亡ぶ湖沼の夜は長い。彼らの余生もまた永く、終わりは未だに見えない。
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:42:39.17 ID:ZX2wP/S5O
ひと月振りに拠点へ戻ってきたのだが、様子がおかしい。明らかにおかしい。
長期間留守にして草木が生い茂るのは日常茶飯事だったが、今回は規模が違う。
たった一ヶ月人の手から離れただけで、こんな大きな木が生えるだろうか。
勘違いじゃなければ、大木には世界樹の果実らしき実が成っていた。これがいったい何を意味するのか。嫌な予感しかしない。

「リヒトさぁぁぁぁぁんんんん!!!!マナちゃんが魔力をバーストしてジャングルにぃぃぃぃ!!!!」

「人の言葉を話してくれ」

「はらへった。だからリンゴをつくった。そざいはちかくにあったからやった。わたしはまんぞく」

「…まさか」

リヒトはマナの供述を聞き、弾かれた矢のように自宅へと入る。保管していたはずのアレが、無い。

「お前、世界樹の果実の種で何かしたなぁぁぁぁぁぁ!?!????!!!」

「ぶい」

マナの凶行により、拠点は木々に呑まれ自然に還っていた。
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 02:44:08.13 ID:eJib9LG1O
何をするかを↓1にどうぞ。
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 03:01:20.72 ID:Y2MF+ODSO
旅の報告をしつつ世界樹の果実を食べながら、今後の拠点の在り方について話し合う
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 16:24:21.96 ID:UBmUm7VTO
過ぎたことは仕方ない。と、世界樹の果実を一つ千切り、切り分ける。相も変わらず冗談みたいに美味いが、やや物足りなく感じた。
一ヶ月で食べられるレベルまで熟されていることが異常事態なので、そのあたりは割り切るしかないか。

「やっぱりこれ美味しいです」

「わたしのおかげでみんなもたべれてる。だからほめてあがめてたてまつって」

「そのおかげで拠点が酷いことになってるけどな。一年掛けて伐採とか整地をしたのに台無しじゃねえか」

「このおいしさはぷらいすれす」

「アリフで買えるよな?今年は時期過ぎてたけど非売品じゃないよな???」

「………」

露骨に目を逸らされた。知らぬ存ぜぬと押し通す様には人間味を感じるが、初めに逢った時とは随分と変わったものだ。
何にも無気力で、人類の蛮行に嘆いていた者とは思えない。人類に対する憎しみは未だに健在だろうが。

「っと、そうだ。土産話でもしないとな。こういうのが旅の醍醐味だ」

「何かあったんです?」

「門前払いを食らっただけだな。流石に凹んだ」

「ご愁傷様です」

それからは譲り受けた巻物の理論の緻密さにウィンディが心をへし折られたり、邪眼竜との会談について語ったりした。
なんて命知らずな…と、ウィンディは青ざめつつも呆れていたが、生きているのだから結果オーライというものだろう。
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 16:25:19.70 ID:cdBp8GcEO
果実を食べ終え、ゴミを掃除する。種はマナが根こそぎ奪いどこかに隠した。
来月には巨木が数本増えていることだろう。勘弁してほしいものだ。

ウィンディに自分が不在の間に何か無かったか問う。返答は予想していたものだった。
マナがやらかしたこと以外は至って平穏な日々を過ごしていたそうだ。何よりである。

「これからこの拠点をどうするべきか、ですか?」

「ああ」

シルヴィアの死とウィンディの加入、ハリゴーディンの購入により人員は一新した。
ここでこの拠点をどう繁栄させていくか、その指針を示し方向性を決める必要があると、そう判断したのだ。
あれもこれもと欲張ったら収拾がつかなくなるのは明白である以上、取捨選択が重要となる。

何を最優先とするかが、今後を左右すると言っても過言ではない。
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 16:27:41.93 ID:uVw5wbWpO
どういう方向性で拠点を発展させるかを↓3くらいまで募集します。その中から多数決で後ほど決めます。

キャラが数名思いついたので併記します。どれも元ネタがありますが、たぶん解る人はいない。


【名前】ドラル・スラグナ
【人種】龍人(ドラゴニュート)
【性別】女性
【魔法】無し
龍人の中でも特に希少な鋼龍人種(メタルドラゴニュート)の女性。銀色の髪と角が特徴で、手足は鋼の如き鱗を纏っている。
思慮深く温厚篤実な性格で、激昂することは全く無い。だが逆鱗を十六連打したらさすがにキレる。
鋭い爪を活かした肉弾戦と燃え盛る炎のブレスを巧みに扱うスタイルを好み、鋼龍人種特有の頑丈な体質もあって非常に打たれ強い。
肉よりもスイーツが好きだが野菜は嫌い。背中の羽根が邪魔で仰向けに寝るのが難しいことが最近の悩み。


【名前】サンドラ
【人種】獣人(ハリネズミ)
【性別】女性
【魔法】無し
金髪で各所に針を生やしている獣人の少女。 全身の針は発電と蓄電を司っており、発振させることで電力を生み出し、意志に応じて炸裂させる能力を持つ。落雷が直撃しても平気。
明るい女の子だがとても他人想いで、他人第一で行動するやや危なっかしい一面を持つ。
好きな食べ物はフルーツ全般で、特に葡萄が大好きで乾燥させたものを肌身離さず持ち歩いている。
全身がトゲトゲしているので他人との肌の触れ合いを嫌っているが、偏に他人を傷つけたくないからである。
ジメジメした場所と雨が大嫌い。
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 16:28:18.67 ID:uVw5wbWpO
【名前】ミリア・サリヴィル
【人種】魔族
【性別】女性
【魔法】回復魔法
他者と主従契約を結ぶことで生命力を分けてもらう、特殊な一族出身の女性。サファイアのような青い髪、アメジストのような紫色の肌が特徴。
本人は非常に出来た性格で優しいのだが、肌色などが人間のそれとは全く違うため敬遠されている。絶賛主人募集中。
誰かに尽くす生き方しか知らないため、普段着はメイド服。獲物は三叉槍(トライデント)だが、サポートが主なのでそこまで得手ではない。
料理洗濯掃除おつかいお守りなんでもござれ。
何があっても、どれだけ悪逆非道を重ねようとも主人を裏切らない、裏切れない、絶対に見捨てないある種の危うさを秘めている。
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 21:06:57.30 ID:cs0as8Ivo
人員増やそう
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 21:17:07.32 ID:4sxZlxSwO
いっそ緑化に力を入れ、自然に馴染みやすい種族や魔物の誘致を図る
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 21:26:03.48 ID:u/IHAhfa0
魔族と同盟を結ぶ
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/27(火) 23:17:19.59 ID:EtorBKuKO
多数決を開始します。三票入ったものが当面の拠点発展の指針となります。


A:方向性を考える前に人手が要る とにかく人員獲得に専念(仲間募集に成功した時、仲間になる人数が増える時がある)
B:いっそ緑化に力を入れ、自然に馴染みやすい種族や魔物の誘致を図る(特定の種族や魔物が追加で仲間になる時がある)
C:魔族と同盟を結び、友好的な関係を築く(魔族が参入したり交流してくる時がある)

今後、以前記載したシェリアと今回の三人のうち、誰か一人を主軸にしたイベントを選択肢に出すかもしれません。
皆様がキャラの原案を出された時はそちらを主軸にするかもです。確定ではないのでご了承ください。
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 23:25:32.32 ID:4PZI3HkDO
B
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/27(火) 23:39:30.07 ID:VX1ycvN9O
A
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/28(水) 00:17:13.96 ID:SCWwvQJDo
A
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/28(水) 00:39:12.54 ID:lZYV5g3Z0
B
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/28(水) 04:24:54.49 ID:yYorUzkUO
B
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/28(水) 14:57:47.00 ID:giEq7Y3LO
「とは言われましても。こんな住民が去って五十年後…みたいな場所を発展させようが無い気がします」

「ほんとすごいよな。俺がここに住み始めた時点でもそれなりに荒れてたんだが、今はその時の三倍くらい酷い有様だわ」

処理が追いつかず散乱したままの瓦礫は全て、雑草に呑み込まれてその姿を消した。
マナが手加減したのかリヒトの家や墓場はそのまま残っているが、整地を担当していたリヒトの心がポッキリ折れてしまうくらいに、とんでもないことになっている。

「これはもうあれだ。いっそこのまま植物とか生やしまくって売りにした方がいいな。それで自然が好きな人とかに移住してもらった方が無駄にならん」

「掃除が面倒なんですね」

「この量は無理。ただでさえ人員不足なんだからこんなことに人を割けないっての」

「私の魔法ならなんとか…なりませんねこれ」

試しに雑草を一歩引き抜いてみる。深く根が張られたそれは、ウィンディのパゥワーではとても抜けなかった。
リヒトは難なく抜いてみせたが、根に絡まった土ごと引き抜かれたものだから、大きな穴が出来てしまっている。
こんなのを全部引き抜いたら、地面は荒れ果てて大変なことになるだろう。

「というわけで、除草作業とかはしません!解りましたか皆さん!!!」

「了解です!!!!!」

『サーイエッサー』

ヤケクソじみた叫びが、鬱蒼と茂る森に響いた。
後日。『緑化させることでエルフなどの森林部を住居にする種族たちを誘致する作戦』という大義名分を得たマナが本気を出し、世界樹もかくやと言わんばかりの大自然が生まれた。
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/28(水) 14:59:01.12 ID:ske9RTuuO
何をするかを↓1にどうぞ。
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/28(水) 15:17:34.65 ID:DrEzzlNDo
(ドラゴン調伏はこれキツイっすね……)
ちょいちょい話題に出てる緋桜郷行こう
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/28(水) 18:39:27.88 ID:P9Fk9vv7O
緋桜郷までの道中イベント数は2です。
緋桜郷の支配者とお目付役兼世話役を募集します。こちらでも用意しているので、そちらを使う場合は付けたい名前を記載してください。
次回投稿をするまでを募集期間とします。その中から独断で決めます。


道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???


【緋桜郷】

鬼の女性が統治する繁華街。賭場や風俗店、居酒屋や旅館が所狭しと並ぶ享楽の郷であり、娯楽を求めて訪れる人は多い。
誰だろうと平等に迎え入れるため様々な人種が居住しており、鬼が統治しているからなのか、魔族の比率が比較的大きい。
過去に支配を目論み戦争を仕掛けた国があったが、跡形もなく滅んでいる。


【支配者】

【名前】安価で決定します(和名限定)
【人種】鬼
【性別】女性
【魔法】血液魔法
緋桜郷を統治する鬼の女性。まだ鬼の中では若い部類に入るが、それでも100歳は超えている。
艶やかな着物に身を包んでおり、《名刀・血染メ桜》と呼ばれる太刀を所有する。
緋桜郷の発展に尽力しているが、仕事優先で彼氏が出来ないのが最近の悩み。


【お目付役兼世話役】

【名前】安価で決定します(和名限定)
【人種】鬼
【性別】女性
【魔法】氷魔法(忍術)
旅館『牡丹雪』で働く女将。結構歳は行っているのだが見た目は若々しく、子供にしか見えない。
支配者が産まれた時から面倒を見ていたためとても仲良しで、非番の日は様々なことで愚痴っている支配者を慰めながら酒を飲んでいる。
現在は若い人優先で仕事を回しているので出番は少なく、本人がお相手をすることはほとんど無い。
実は荒事に滅法強く、蛮行をやらかす不届き者は彼女によってゴミ捨て場に捨てられるのはある種の名物になっている。
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/28(水) 19:51:17.46 ID:SCWwvQJDo
>>1案で
名前は
支配者:彼岸花 紅華(ヒガンバナ ベニカ)
お目付役兼世話役:白樺 涼雪(シラカバ スズユキ)
510 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/09/29(木) 02:38:46.72 ID:dC+9jhan0
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511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/29(木) 12:37:12.91 ID:UdnGsbRAo
支配者 桜花
世話役 お雪
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/29(木) 19:48:32.25 ID:WYvbUm2PO
あとは野となれ山となれ、と現在進行形で成長を続ける植物を無視し、拠点を発つ。
どうせマナがいなければ魔力供給はされないので成長は止まり、あるべき姿になるだろう。

「マナちゃんの魔法ってなんなんでしょうね」

「妖精の祝福を与えるんだと。自然と共に在る妖精の祝福ってことは、まあそういうことだよな」

生きているものに活力を与え、繁殖を促す魔法。豊かな自然の中で生きてきた彼女らに相応しい魔法である。
本人のやる気次第で性能が大きく上下するので、やる気じゃない時はお察しだが。

「そういえば、何も聴かないで拠点をまた出ましたけどどこに行く予定なんですか?」

「…緋桜郷」

『やーんエッチー』

リヒトの返答に、わざとらしくハリゴーディンが驚く。エッチとはなんだ失礼な。
そう抗議の意図を含めた視線を向けるが、黙殺される。なんとも腹立たしいものだ。
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/29(木) 19:49:24.16 ID:WYvbUm2PO
「え、えっち?」

『緋桜郷は風俗…いわゆる水商売が盛んな場所です。そこに行くということは…リヒトも溜まっているのでしょう。色々と』

「………」

何故か露骨にウィンディが後退り、ハリゴーディンの陰に隠れた。あとでこのポンコツを鉄クズにしなければ、と決意を固める。

「わ、私は貧相な身体してるから遊んでも楽しくないですからね!?それにリヒトさんとその…そういう関係にはなりたくないですっ!!!」

「発想力が豊かだなぁウィンディちゃんは。どこでそんな知識を仕入れてきたのやら」

こちらがエッチな目で見たことなどただの一度もありはしないというのに、ここまで発想が飛躍するとは。
思春期の子供は皆こうなのだろうか、と一瞬物思いに耽ったが、殺し合ってばかりだった自分にそんな余裕は無かったことに気がついた。

さらりと流されたウィンディは赤面し顔を覆っていた。いっそ地面に埋めてください…と嘆いていたが、自業自得なのだから耐えてもらいたいものだ。
むぐぐぐ、と呻く声を聞きながら道を行く。地平線の果てまで広がる草原を、水牛の群れが行進していた。
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/29(木) 19:49:56.54 ID:QmiWgiDQO
パチパチと燃える焚き火を囲み、狩りの成果である肉を頬張る。野菜はそこら辺の野草を千切って適当にスープにした。大した具材もなければ味付けもしておらず、自然由来のエグ味がある控えめに言って不味い飯だが、リヒトは平気で食べていた。
もちろんウィンディにそんな物を食べるつもりは無いので、別の鍋を使って料理を自作している。調味料はアリフやフェルリティアでこっそり買っていたらしい。

「だってリヒトさんのご飯は美味しくないので」

「クソみたいな飯しか食ってなかった俺に期待されても困る」

「開き直りはやめてください。改善しようとしないのはリヒトさんじゃないですか」

「それを言われると弱いな。…まあ、俺はなんでも食えるからセーフだって」

「私のことを心配してくれませんか???」

リヒトは返答することなく残りのスープを勢いよくかっ込む。黙秘権を行使するリヒトに呆れながら、ウィンディも食事を続けた。

「…おいしい」

マナはその間、リヒトが周辺を探索して採取した木の実を齧っていた。目利きが悪いので食あたりでもしないかと心配していたが、杞憂だったようだ。
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/29(木) 19:51:55.87 ID:Tblk0mNYO
皆と会話する話題があれば↓1にどうぞ。同時にコンマ判定を行います。


道中イベント 判定↓1コンマ


01〜15:魔物の群れが現れた!
16〜30:ならず者が現れた!
31〜70:何も起きなかった!
71〜85:行商人が現れた!
86〜99:何かが起きた!(自由枠)
00:???


また、支配者とお目付役の募集は継続します。どうせ次の更新までは出てこないので。
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/29(木) 19:53:31.79 ID:WZin8fUN0
やあっ
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/29(木) 20:04:51.24 ID:MOvsENK0o
物資大量ゲットだぜ!(強盗)
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/30(金) 18:06:03.68 ID:iyE7qSVAO
【名前】珠樹(タマキ)
【人種】馬の獣人
【性別】男の娘
【魔法】使えない
緋桜郷の支配者に仕える小姓。身長150cm弱と小柄で一見10歳そこらの少年にしか見えないほどの童顔とぷにぷにの肌。華奢な体つき。
色白で肩にかかる程度の黒髪。小動物的な雰囲気のある可愛らしい顔立ち。馬の耳と尻尾。ウ○娘の男の娘版といったところ。
一見子どもにしか見えないが、れっきとした成人で時としてR的な意味で客をもてなすこともある。
普段は丁寧で心優しいが、孤児の生まれで底辺の生活をしていたが現在の支配者に才覚を見出だされ引き立ててもらったため命をも惜しまないほどの強い忠誠心と覚悟を抱いている。
魔翌力を無意識的に肉体の強化に回してしまう体質の持ち主で華奢な体格とは裏腹に並の人間ではかなわない身体能力を持ち、戦闘では身の丈ほどもある大槌を振るうパワーファイター。
ちなみに、どことは言わないが馬並であると客からは好評である。

遅くなったけど投げてみる
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