他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
にこ「タンポポのように」【ラブライブ】
Check
Tweet
52 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:36:07.06 ID:WXXJq2wt0
にこ「誰か一緒に」
生徒HA「あ、あのー」
にこ「何!? アイドル興味あんの!?」
生徒HA「あっ、少しは……」
にこ(気の弱そうな奴だけど、とりあえず入部させよ)
にこ「だったら、一緒にアイドルやるわよ!」
生徒HA「うぇぇっ、アイドルぅ!?」
にこ「なーに驚いてんのよ」
生徒HA「アイドルについての研究はしたいのですが、本物のアイドルとかは……」
にこ「はぁ!? にことアイドル出来ないって言うの!?」
生徒HA「そ、そうは言って」
にこ「はいもう入部確定!」
生徒HA「だ、誰か助けてぇ!!」
53 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:36:39.15 ID:WXXJq2wt0
生徒R「ちょっと何やってるのかな!?」
生徒HA「Rちゃん!」
にこ「何よあんた」
生徒R「かよちんの親友だよ!」
にこ「かよちん?」
生徒R「この娘のこと!」
にこ「そうなの、変わった名前ね」
生徒R「とにかく、なんで強引な勧誘とかしてるの?」
にこ「アイドル研究部に入る為よ」
生徒R「嫌がってるにゃ」
にこ「アイドルに興味あるのに嫌がってるの?」
生徒HA「え、えっと……」
生徒R「かよちんは嫌がってるよ!」
54 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:37:06.34 ID:WXXJq2wt0
にこ「嫌がってるの?」
生徒HA「は、はい……まぁ……」
にこ「そう。悪かったわね」
生徒HA「いえいえ」
にこ「それで、アイドル研究部には入部すんの?」
生徒HA「まだ、分かんないです……」
にこ「じゃあ、このチラシあげるから決心がついたらいつでも来なさい」
生徒HA「あ、ありがとうございます!」
55 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:37:46.04 ID:WXXJq2wt0
にこ「で、そっちの親友は?」
生徒R「陸上部に入るから無理」
にこ(アイドルより走り回るのが好きそうに見えるわ)
にこ「無駄かもしんないけど、はいチラシ」
生徒R「陸上部に入るって言わなかったかな?」
にこ「もし何かで気が変わったら」
生徒R「ないと思うけど、貰っといてやるにゃ」
にこ(生意気そうね)
56 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:38:27.71 ID:WXXJq2wt0
にこ「もういいわ。時間取らせて悪かったわね」
生徒HA「いえっ」
生徒R「先輩も勧誘頑張ってね」
にこ「はいはい」
にこ(眼鏡の方は手応えあったけど、猫の方は興味なさげって感じよね)
にこ「さてと」
にこ(ちょっと休憩しますか)
57 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:39:08.74 ID:WXXJq2wt0
休憩に打ってつけの場所――
何処なのかしら?
まぁ、適当に中庭あたりでいいかな。
あそこ、そんなに人とかいないし――
そう思って中庭へ行くと、
先客が居た――
58 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:39:35.28 ID:WXXJq2wt0
にこ「絵里」
絵里「あら、にこ」
にこ「何やってんのよ」
絵里「ちょっと風に当たりたい気分なの」
にこ「そう」
絵里「それで、にこは部活勧誘のチラシ配り?」
にこ「まあね」
絵里「手応えはどう? 今年はいけそう?」
にこ「分かんないわね」
絵里「新入部員。入って来るといいわね」
にこ「そうなったらいいけど、まぁ部員が入らなければ、それはそれでいいと思うわ」
絵里「えっ?」
59 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:40:06.05 ID:WXXJq2wt0
にこ「どのみちゼロなら私の代で終わるだろうし、勿体ない気持ちもあるけど」
絵里「せっかく作ったのに」
にこ「最初は作れるとも思ってなかったわ」
絵里「新規の部活を作るのって簡単じゃないしね」
にこ「自分で作って、自分で壊して、あとは自分で後片付けってとこかしらね」
絵里「新入部員は諦めてないんでしょ?」
にこ「希望は捨ててないけど、まぁ入ってくれたらいいなくらいには思ってる」
60 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:40:44.38 ID:WXXJq2wt0
にこ「でも、入ってくれたら入ってくれたでそれは複雑よ」
絵里「どうして?」
にこ「だって、来年度の新入生の募集を停止するって掲示板の紙に書いてあったし、あれってまぁ所謂……廃校ってやつでしょ?」
絵里「……」
にこ「そんな状態で入部しても、逆に後輩が寂しい想いをするんじゃないかってね」
絵里「そこまで考えてるなんて、流石にこね」
にこ「あったり前でしょ」
にこ(実際、そこまで考えてなかった)
61 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:41:23.17 ID:WXXJq2wt0
絵里「にこは廃校についてどう思ってるの?」
にこ「どうって……まぁ、時代の波とかじゃないの? ほら、UTXがあるでしょ」
絵里「やっぱりあそこには敵わないか」
にこ「最新の学校だしね。目移りするでしょ」
絵里「うん」
にこ「あれに勝つのって、ほぼ不可能に近いレベルよ」
絵里「今からでもここがUTXに負けないような感じにするには」
にこ「無理でしょうね。廃校が決まってる学校に投資するような人間はいないでしょうし」
絵里「そうよね……」
62 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:41:51.08 ID:WXXJq2wt0
にこ「それよりも三年生である私達からしたら、来年で卒業するんだし別に気にする必要性もないかなって」
絵里「気にするべきよ!?」
にこ「な、何よいきなり」
絵里「母校が無くなるのよ!」
にこ「無くなるのは分かるけど、ずっとここにいるワケないでしょ? 留年するとかならまだしも」
絵里「私はそれが我慢ならないの!」
にこ「は、はぁ?」
絵里「……ごめんなさい。なんか、急に怒鳴ったりして」
にこ「てゆーか、なんで廃校なんて気にしてるのよ」
63 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:42:17.16 ID:WXXJq2wt0
絵里「私の祖母が」
にこ「ん?」
絵里「ここ、音ノ木坂の卒業生なのよ」
にこ(OGってやつか)
絵里「私の大好きなお婆様の母校……このまま無くさせたくないのよ」
にこ「つまり、お婆様を悲しませたくないのね」
絵里「そうかもね」
64 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:43:04.52 ID:WXXJq2wt0
にこ「だけど、廃校を阻止する方法ってあるの?」
絵里「理事長に掛け合うわ」
にこ「掛け合ったところで『上の決定だから無理』って言われるのがオチね」
絵里「じゃあ、無駄ってこと?」
にこ「やるだけやってみたらとは思うけど、あの理事長って雇われだと思うから無理なんじゃない?」
絵里「でも、やるだけやってみるわ」
にこ「そう」
65 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:43:43.30 ID:WXXJq2wt0
絵里「ありがとね」
にこ「私は何もしてないわよ」
絵里「なんか元気出た」
にこ「そりゃ良かったわね」
絵里「じゃ、ちょっと理事長に会ってくるわ」
にこ「い、今から?」
絵里「善は急げよ!」
タッタッタッタッ
にこ「はぁー」
にこ(まっ、頑張りなさいよ)
66 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:44:33.94 ID:WXXJq2wt0
◆
アイドル研究部部長、それがこの私の肩書きである!
そんなに立派なものではないけど……
今、私はある問題に直面していた。
そう、この音ノ木坂に一組のアイドルグループが誕生したからである。
と言ってもグループ名もない出来立てホヤホヤのひよっこなんだけどね。
なんでも新設されたアイドルの大会であるラブライブに出て廃校を阻止するだとか。
アイドルやるような人間がいるのだから、素直に喜ぶべきなんだろうけど――
正直なところ納得出来ない自分がいた。
67 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:45:02.74 ID:WXXJq2wt0
希「なぁ、にこっち?」
にこ「あん?」
希「なんかえらい怖いなぁ」
にこ「そう?」
希「えりちと一緒やね」
にこ「何がよ?」
希「二人ともイライラしてばっかってこと」
68 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:46:16.24 ID:WXXJq2wt0
にこ「別にイライラなんて」
希「えりちも同じこと言ってたわ」
にこ「そんで、絵里の方はどうなのよ。廃校阻止」
希「んー、理事長に直談判してるけど、色々突っぱねられてるなぁ」
にこ「苦労してるのね」
希「それでにこっちは?」
にこ「はい?」
希「気になってるんやろ? 二年生三人組のアイドル」
69 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:46:57.63 ID:WXXJq2wt0
にこ「べ、別に気になってなんかないわよ!」
希「この前のライブ、観てたんやん」
にこ「し、知らないわよ。あんな無観客ライブ」
希「無観客だなんて、よー知ってるね」
にこ「ぐっ」
希「座席のとこに隠れながら観てたし」
にこ「悪かったわね」
希「悪くはないよ」
70 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:47:28.23 ID:WXXJq2wt0
にこ「それで、その三人組がなんなのよ」
希「いやー、廃校阻止の為に頑張ってるなぁって」
にこ「どこがよ」
希「今日も神田明神で練習してたわ」
にこ「あんた、あいつらのストーカー?」
希「ウチ、神田明神でバイトしてるから」
にこ「そう。んで、何が言いたいのよ」
71 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:48:23.87 ID:WXXJq2wt0
希「にこっち、あの三人と一緒にアイドルやらんの?」
にこ「はぁ!?」
希「いやぁ、にこっちアイドルの仲間探してたんと」
にこ「ふざけないで! あんな廃校阻止の為って不純な動機でアイドルやってる奴等と仲間になれるワケないでしょ!?」
希「別にアイドルやるのに不純も純粋もないと思うよ」
にこ「にこはアイドルが好きなの! それは誰にも負けないから!」
希「だから、別にそれはええやん。最初の一歩さえ踏み出したら、後はなんとかなるやろうしや」
72 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:48:59.01 ID:WXXJq2wt0
にこ「それは私のプライドが許さないわ」
希「プライドだけ高いと、いつかチャンスを見失うよ」
にこ「あんた喧嘩売ってんの!?」
希「そやないけど、頑張って練習してるあの三人と文句垂れてるにこっち見てたら」
にこ「そんなに垂れてないし!」
希「まぁ、色々と行動してる三人のが応援しがいがあるわな」
にこ「あんた、あいつらの味方なの!?」
希「単に頑張ってるから応援しとるだけよ」
73 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:49:29.74 ID:WXXJq2wt0
にこ「あんた生徒会の人間でしょ? 肩持っていいワケ?」
希「あの娘らは部活やないし自発的にやってるだけやし」
にこ「私のことは応援すらしなかった癖に!」
希「陰ながらはしとったよ。まぁ、ただ遊んでるだけのにこっち見てたら……」
にこ「遊んでばっかじゃない!」
希「相変わらず部室に引きこもってばっかやん」
にこ「それは色々と」
希「その色々してる間に、あの娘らのグループに一年生三人が加わったで」
にこ「マジ!?」
74 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:50:08.97 ID:WXXJq2wt0
希「赤い髪のお嬢様の西木野真姫ちゃん」
にこ(チラシ配りで呼び止めたあいつか)
希「それと口癖が『にゃ』の星空凛ちゃん」
にこ(あの生意気な猫!)
希「その凛ちゃんの友達の小泉花陽ちゃん」
にこ(アイドルに興味あったのに入部しなかった眼鏡!)
75 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:50:38.49 ID:WXXJq2wt0
希「にこっちが遊んでる間に状況も変わって来てるんよ」
にこ「なんで……」
にこ(こいつ、まさか)
希「まぁ、にこっちが協力せんのやったら、それはそれで良いと思うわ」
にこ「じゃあ、あんたも協力するのやめなさいよ」
希「ん?」
にこ「コソコソと裏でなんかやってるんでしょ」
希「やってへんよ」
にこ「なんかあいつらに有利になるようなことやってんでしょ?」
希「有利って……ウチの助言で廃校阻止できるならとっくにやってるわ」
にこ(そりゃそうよね)
76 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:51:14.10 ID:WXXJq2wt0
にこ「ごめん……」
希「どないしたんよ」
にこ「なんか分かんないけど、胸のあたりが痛い」
にこ(あと、目からも)
希「病院行く?」
にこ「病気じゃない……多分」
希「そっか……」
にこ「もう帰る……なんか、このまま居たら」
希「うん」
にこ「じゃっ」
希「気ぃつけてな」
77 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:52:00.67 ID:WXXJq2wt0
◆
にこ母「買い物に付き合わせて悪いわね」
にこ「別にいいわよ」
にこ母「それにしても、こうやってにこと買い物なんて久しぶりね」
にこ「いつ以来だっけ?」
にこ母「覚えてないわ」
78 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:52:53.97 ID:WXXJq2wt0
にこ「普段、ママは忙しいしね」
にこ母「こころ達の面倒みてくれたり、あなたも忙しいでしょ」
にこ「そうでもない」
にこ母「学校の方も色々あるでしょ」
にこ「うん」
にこ母「部活の方はどう?」
にこ「ぼちぼち」
にこ母「問題なくやれてる?」
にこ「うん」
にこ(一人だけどね)
79 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:53:35.81 ID:WXXJq2wt0
にこ母「まっ、頑張ってるならいいわ」
にこ「なんでそんなこと訊くの?」
にこ母「あんまりにこのこと構えてないなぁって」
にこ「高校三年生だし」
にこ母「年齢は関係ないわよ」
にこ「ふふっ」
80 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:54:34.23 ID:WXXJq2wt0
にこ母「あっ、ほら見て」
にこ「?」
にこ母「あそこにタンポポの花が咲いてるわね」
にこ「えっ、あぁホントね」
にこ母「ねぇ、にこ」
にこ「何?」
にこ母「あなたが小さい頃にタンポポはにこみたいねーって言ったの覚えてる?」
にこ「なんとなくだけど」
81 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:55:23.63 ID:WXXJq2wt0
にこ母「タンポポの開いた花を見てると、にっこり笑顔のにこみたいねー」
にこ「そんなんだっけ?」
にこ母「そうよ。あの時もにっこり笑顔見せてくれたわよ」
にこ「そうだったかなぁ」
にこ母「まっ、昔のことだから覚えてなくても当然だけど、あなた最近笑ってる」
にこ「えっ?」
82 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:56:47.13 ID:WXXJq2wt0
にこ母「こころ達からね、最近はあんまり笑ったりしてなくて何か悩んでるみたいって言ってきたのよ」
にこ「べ、別にそんなことは」
にこ母「だったらいいんだけど」
にこ(妹達に心配されるなんて……)
にこ母「にこって意地っ張りとか強がりなところがあるから」
にこ「はい?」
にこ母「そんなところがタンポポに似てるわね」
にこ「?」
にこ母「タンポポって踏まれても雨風に晒されても、じっと耐えてるじゃない?」
にこ「うん」
にこ母「そういうところ、にこそっくりよ」
にこ「そうかなぁ?」
83 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:57:27.86 ID:WXXJq2wt0
にこ母「弱音も吐かず、それでも一生懸命頑張るにこ」
にこ「うん」
にこ母「どんな困難があっても前を向くにこ」
にこ「うん……」
にこ母「それでいて、いつも笑顔で元気なにこ」
にこ「うん……うん……」
にこ(あれ、なんか目の前が滲んで)
にこ母「本当、ここまで大きく育ってくれたわね」
ナデナデ
にこ母「ありがと」
にこ「……ぐすっ」
84 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:58:14.39 ID:WXXJq2wt0
にこ母「でも、人間誰だって弱音くらい吐きたい時もあるわよね」
にこ「……ぐすっ、ひくっ」
にこ母「そういう時はいつでも」
にこ「……ママ」
にこ母「どうしたの?」
ギュッ!
にこ母「!?」
にこ「ママー!!」
にこ母「えっ、あっ、ちょ!?」
にこ「うわぁぁぁぁぁん!!!」
85 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:58:43.84 ID:WXXJq2wt0
ここ最近、私は本当に笑っていなかったんだろうと、なんとなく自覚はしていた。
物事が上手くいかない歯痒さがあったり、
自分が出来なかったことを成功させている者への嫉妬、
それを邪魔して潰してやろうという意地悪さ、
なんか自分でも正直、何やってるか分かんなくなって、モヤモヤしたモノが渦巻いている感じはあった。
それを溜めに溜め込んでたんだろうなぁ……
だから、ママの言葉を聞いて全部それを吐き出したくなった。
限界だったのよ――
86 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:59:23.80 ID:WXXJq2wt0
にこ母「呆れた……」
にこ「にこ……」
にこ母「母として情けない」
にこ「にこぉ……」
にこ母「涙が出そうだわ」
にこ「にごぉ……」
87 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 22:59:52.77 ID:WXXJq2wt0
にこ母「それで、その娘達には謝ったの?」
にこ「まだ」
にこ母「なら、ちゃんと謝りなさい」
にこ「えぇー、それじゃあにこのプライドが」
にこ母「おだまりなさい!」
にこ「はい……」
88 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:00:33.06 ID:WXXJq2wt0
にこ母「ねぇ、にこはその娘達を見てどう思ったの?」
にこ「アイドルとしてはまだまだね」
にこ母「そうじゃないでしょ」
にこ「えっと、楽しく練習してるなぁって」
にこ母「それで、にこはどうしたいの?」
にこ「とりあえずアイドル辞め……」
にこ母「本音は?」
にこ「なんていうか、廃校阻止とかに興味はないけど……なんか上手く言えない」
89 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:01:22.26 ID:WXXJq2wt0
にこ母「あと、アイドルの部活が二つあるから、統合するなりなんなり言われたんでしょ?」
にこ「うん」
にこ母「じゃあ話は早いじゃないの」
にこ「ん?」
にこ母「と言うより、にこ自身もどうしたいか、本当はもう答えは出てるんでしょ」
にこ「私、自身の……」
にこ母「それはね」
にこ「それは……」
90 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:01:59.96 ID:WXXJq2wt0
◆
海未「ワンツー、ワンツー、穂乃果! 遅れてますよ」
穂乃果「う、うん」
海未「ことり、ステップが違います」
ことり「ご、ごめん」
海未「花陽。もうへばったのですか?」
花陽「ま、まだです」
海未「凛! 先走らない!!」
凛「分かったにゃ!」
海未「真姫……」
真姫「何か言いなさいよ!!」
海未「それでは休憩にしましょう」
91 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:02:43.33 ID:WXXJq2wt0
にこ「疲れたぁ……」
希「あかんわ……」
絵里「へばりすぎでしょ」
にこ「いやいや、バレエやってた人間と比べられても……」
希「ぜーはーぜーはー」
絵里「あなた達は……」
にこ「ふーふー……ふふっ」
絵里「笑った?」
にこ「なんていうか、楽しいわね」
希「ウチはもうアカンけどな……」
92 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:03:13.41 ID:WXXJq2wt0
絵里「にこ、最近笑顔が増えたんじゃない?」
にこ「そう?」
希「よく笑うようにはなったなぁ」
にこ「それを言うなら、絵里の方がそうでしょうよ」
絵里「私?」
にこ「来年度の新入生の受け入れが決まった途端にじゃない」
絵里「まぁ、とりあえずの目標は達成出来たから」
希「イライラーチカはどっか行ったんやね」
絵里「何よそれ!?」
にこ「あははははは」
93 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:03:40.88 ID:WXXJq2wt0
海未「では、休憩を終わります」
希「また地獄のような……」
海未「本当の地獄はこれからですよ」
希「えぇ……」
絵里「こうでもしないと、ラブライブ優勝なんて夢のまた夢よ」
真姫「優勝とか出来るの?」
穂乃果「出来るよ!」
花陽「新しい大会だから、どの学校にもチャンスはあるけど」
ことり「強そうなところとか出てくるよね?」
凛「UTXは確実に来るだろうしね」
わいわい、がやがや
にこ(優勝か)
94 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:04:08.41 ID:WXXJq2wt0
廃校阻止という目標は達成された――
じゃあこれでアイドルは終わり?
なワケもなく、次の目標はラブライブ優勝へと切り替わった。
勝算なんてないかもだけど、高みを目指すのは悪くないと思う。
だって――
ママが言ってたもの――
…………………………
……………………
………………
…………
……
95 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:05:03.90 ID:WXXJq2wt0
にこ母「そういえばタンポポって花が咲いた後、どうなるか知ってるわよね?」
にこ「綿毛になって空高く飛んで、どこかに自生してまた花を咲かせて」
にこ母「そう。だからにこも、空高く飛ぶ綿毛のように高い所を目指して頑張りなさい」
にこ「高い所って?」
にこ母「それはみんなで考えたらいいんじゃない」
にこ「みんなで……」
……
…………
………………
……………………
…………………………
96 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:05:40.29 ID:WXXJq2wt0
にこ「よーっし、穂乃果のいう通り優勝目指すわよ!」
穂乃果「さっすがにこちゃん!」
にこ「無理かどうかなんて、やってみなきゃ分かんないでしょーが」
穂乃果「そうだよそうだよ!」
希「まっ、とりあえずやってみよか」
絵里「ダメでも良い思い出になるしね」
海未「そうですね」
ことり「頑張ろっか」
真姫「しょーがないわね」
花陽「ぜ、絶対に頑張る!」
凛「いっくにゃー!」
97 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:07:21.63 ID:WXXJq2wt0
だから私は……私達は目指す。
タンポポの綿毛が――
空高く舞うように――
風に乗って――
どんどん高い所や――
どんどん遠い所へ――
そしてその先にある……
目標へ向かって!
98 :
◆cCdqIB5XEY
[sagesaga]:2023/05/19(金) 23:07:48.54 ID:WXXJq2wt0
にこ「μ's!」
全員「ファイトー!!!」
おしまい
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/21(日) 19:20:27.57 ID:RE2tkCOx0
タンポンのようにに空見してしまった
もうだめだ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/21(日) 23:58:56.36 ID:Lsxb7z8c0
頭おかしい事を上げてまで書き込む時点で既に手遅れ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/24(水) 05:02:56.87 ID:EE+xtT1Uo
なんか久しぶりな気分になった
44.50 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)