くーちゃん「しょくぶつさんとおはなししてたらびょういんにつれていかれました」

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376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:10:26.78 ID:BXJMuESK0
くー

「くーちゃん」

くーちゃん(…だれのこえでしょう)

くーちゃん(おとこのひとです。とても、なつかしい、もうきこえない)

くーちゃん(たいせつな、こえです)


377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:12:07.31 ID:BXJMuESK0
 くー

「ほら、くーちゃんだ」

くーちゃん(…くーちゃん)

くーちゃん(すごく、かわいいなまえです)

「こんなに小さいのに、自分で自分の名前をつけられるなんて」

「天才的な頭脳だ」

?「大げさね、お腹が鳴っただけじゃない」

「いいんだよ」

「人生大げさなくらいがちょうどいいんだよ」

くーちゃん(…そうでした)

くーちゃん(だからくーちゃんは)

くーちゃん(このなまえが、だいすきだったんです)
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:13:45.02 ID:BXJMuESK0
くー

パチ

くーちゃん「…あ」

くーちゃん「…ここは」

くーちゃん「…現実です」

くー

くーちゃん「…おなか」

くーちゃん「…すきましたね」
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:30:01.66 ID:BXJMuESK0
TRACK15 おにぎり

海の男の家

海の男「…ずいぶんひさしぶりだな」

海の男「漁も畑も手伝わねえで、なにしたんだお前さん」

くーちゃん「お前さん違います。くーちゃんです」

海の男「おまえもう30も半ばだろ。いい年してまだくーちゃんか」

くーちゃん「くーちゃんは、この名前が大好きなんです」

くーちゃん「誰かにこの名前を呼ばれるのも大好きなんです」

くーちゃん「だから、何歳になってもくーちゃんです。後期高齢者になっても同じ感じでゆきます」

海の男「相変わらずいい性格してるな」

くーちゃん「ありがとです」

くーちゃん「それより海の男」

くーちゃん「くーちゃんとおにぎり食べませんか?」
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:31:21.59 ID:BXJMuESK0
海の男「おにぎり?」

くーちゃん「お米はもってきました」

海の男「炊いてないじゃねえか。うちには飯盒しかねえぞ」

くーちゃん「知ってます。貸してください」

くーちゃん「くーちゃんはおなかがへりました」
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:33:11.74 ID:BXJMuESK0
小一時間後

くーちゃん「我ながらきれいににぎれました」

海の男「ふん、うまいじゃねえか」むぐむぐ

海の男「てっきり、お前さんのことだから、トンネルの向こうの沼から」

海の男「行ったきり、もう戻ってこねえんじゃないかって思ったぜ」

くーちゃん「沼の底でも、腹は減るんです」

くーちゃん「おなか、減って死んでしまえば、歌、届けられません」

くーちゃん「会いたい人、会えなくなってしまいます」

くーちゃん「くーちゃん、それは嫌だなって、思っただけです。それだけの話です」

382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:34:33.80 ID:BXJMuESK0
海の男「お前さん、大楠さんはいいのか?」

海の男「大楠さんがさみしがるだとか、そんなこと言ってなかったか?」

くーちゃん「だいじょぶです。大楠さん、くーちゃんと一緒にいたいわけじゃないのです」

海の男「来てほしいって言われたんじゃねえのか」

くーちゃん「しょくぶつのトンネルで、ことばはきこえないんです」

くーちゃん「だからあれは」

くーちゃん「くーちゃんのこえだったんです」

くーちゃん「多分、一緒に沈みたかったの、大楠さんじゃなくて」

くーちゃん「くーちゃんだけだったんです」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:36:02.42 ID:BXJMuESK0
くーちゃん「だから、くーちゃんが現実に見切りをつけたとき」

くーちゃん「沼に沈みだしたのは、くーちゃんの意志とゆうことです」

海の男「…そうか」

海の男「なあ」

くーちゃん「なんですか?」

海の男「今度、飯作ってやるよ」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:38:06.55 ID:BXJMuESK0
くーちゃん「どしたんですか、急に」

海の男「お礼だよ」

くーちゃん「おにぎりのですか?」

海の男「ちげえよ」

くーちゃん「じゃあなんですか」

海の男「秘密だ」

くーちゃん「海の男なのに、隠し事して、よいですか?」

海の男「言わない大切さもあるんだよ」

いつも屁理屈ばかりの海の男ですが、たまには筋の通ったことを言うものです。

睨まないでください。冗談ですよ。

いつもありがとうございます。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:39:47.77 ID:BXJMuESK0
海の男「ついでにギターも教えてやろう」

海の男「お前さんの歌もいいが、楽器があると、より引き立つ」

くーちゃん「船に積まれてたギター、あれ飾りじゃなかったですか」

海の男「自分で言うのもなんだが、そこそこ弾けるんだぞ」

ハナちゃんはたしか高校時代、音楽の授業をとってたので

ギターが少し弾けたことを思い出しました。

海の男「そうだ。お前さんに会ったら渡しておくもんがあったんだ」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:46:17.58 ID:BXJMuESK0
海の男「ったく、お前さんの荷物、いい加減お前さんの家に届くようにしろよ」ごそごそ

くーちゃん「あの島の家より、海の男の家の方が、郵便屋さん、とどけやすいです」

海の男「変なところ気遣ってんな…あったあった」

海の男「こいつだ」

海の男が持ってきたのは、大きな茶封筒でした。

中は少しだけ膨らんでます。

触ってみると、本のような角ばった感触がしました。
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:55:03.03 ID:BXJMuESK0
くーちゃん「だれからですか?」

海の男「それが送り元が空欄でな」

くーちゃん「ふむ」びりっ

くーちゃん「あ」

くーちゃん「えほんです」

くーちゃん「タイトルは…」

くーちゃん「しかの、かぞく」

くーちゃん「とても、かわいい題名です」

くーちゃん「表紙の絵も、とても素敵です」

その独特な色使い。忘れるはずありません。

 
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 21:55:38.14 ID:BXJMuESK0
内容を簡単にゆうと、こんなお話です。

木でできた鹿さんたちが、離れ離れになった自分の家族と出会う、とゆうものです。

そのお話は、くーちゃんのとても大切なお友達の絵で描かれてました。

たくさんの花や植物に囲まれてる、鹿さんの家族には、何十色も、見たことのない色が使われてます。

ところどころ、グルグルしてたり、びよんびよん伸びてたり、

たくさんの小さい丸や大きい丸があったりして、

まるで踊ってるみたいな絵です。

その絵はきっと、最高の笑顔で描かれたのでしょう。

きっとそうだと思います。海の男じゃなくても、

くーちゃんにはわかります
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:04:03.29 ID:BXJMuESK0
くーちゃん「これが、やりたいことだったですね」

パタン

くーちゃん「あ」

くーちゃん「海の男、お願いあります」

海の男「なんだ?」

くーちゃん「電話、貸してもらえないですか?」

 絵本の裏に、たくさんの色を使って描かれてたのは、電話番号でした。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:04:49.36 ID:BXJMuESK0
海の男の携帯電話を借りて、番号を入力しました。

今の時代は便利です。くーちゃんもこれをきっかけに、携帯を契約しようと思ったほどです。

来週くらいにしようと思います。

毎回海の男に貸してくださいと言うのも、めんどくさいので。

そろそろ電話代を要求されそうな気がします。
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:05:27.08 ID:BXJMuESK0
話を戻しましょう。

三回ほど、プルルルルと、音が鳴ったあと、ハナちゃんは出てくれました。

久しぶりに聞いたハナちゃんの声は少しだけ大人っぽくなってたですけど、

いつもみたいに、優しい声で、チョコレートの味を思い出しました。

それはもう、最高に最高に、ぜんぶぜんぶうれしくて

、胸はずっと、ドキドキしてました。
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:06:09.57 ID:BXJMuESK0
いろいろなお話をしました。

天気の話、海の男の話、くーちゃんの暮らしの話、大楠さんのトンネルの話、とかです。

あ、でも、ハナちゃんがあれからどんな旅をしてたのかとゆう話が最初でしたね。

絵本の鹿でピンと来た人もいるでしょうが、ハナちゃんは、あの鹿のお兄さんを探してたんです。

しかも探し方がすごいんです。

日本中の山を探してたんです。

無謀すぎます。ハナちゃん、もう少し考えてから動いたほうがよいです。本当に。

冗談です。くーちゃんにだけは言われたくないですよね。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:06:46.47 ID:BXJMuESK0
ただ、それなら絵本を直接島に届けに来てくれたらよいものを、と思いますよね。

なんでこんなまどろっこしいこと、したのかとゆうと、

どうやらハナちゃんは、くーちゃんの顔を見るのが少しだけ気まずかったみたいなんです。

あれほどくーちゃんのことを大好きだったハナちゃんが

くーちゃん以外に夢中になってしまうものを見つけて

それに没頭してしまったら

くーちゃんを、裏切ってしまった気持ちになったんですって。
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:07:22.06 ID:BXJMuESK0
ハナちゃんはずいぶんとつまらないことを気にしてたものです。

好きなものがたくさんあるのは、悪いことじゃありません。

それに、ハナちゃんがくーちゃんのことを大好きなのは、ちゃんと伝わってますから、

何も心配いりません。

お互いがお互いの道を進んだのは

きっと悪いことじゃなかったと思います。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:07:51.98 ID:BXJMuESK0
すいません。強がりを言いました。

くーちゃんはずいぶんと偉そうなこと、言いましたが

くーちゃんは、ハナちゃんが近くにいないのはさみしかったので。

そのことを素直にハナちゃんに電話で言うと、大きな声で笑われてしまいました。
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:08:37.43 ID:BXJMuESK0
それから、しばらくしてハナちゃんと、鹿のお兄さんが、島に遊びに来てくれました。

大楠さんの前で一緒にのんびり過ごしました。

どんな遊びをして、どんなことをお話したか、今回は割愛します。

別に、他愛のないことばかりなので。

強いて言えば、それからもたまにハナちゃんは、遊びに来てくれるようになりました。

お兄さんと一緒の時もあれば

一人で来て、一緒にお酒を飲みながら大楠さんの前でのんびりと星空を見上げたりします。

すっかりくーちゃんたちは大人になってました。

いろいろと変わってしまったものもあります。でも、それでよいんです。

変わってゆくこと、きっと人生では大切なことなんです。
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:10:32.72 ID:BXJMuESK0
・・・・・・・・・・・ふう

こんな感じでよいでしょうか

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。

多分、ちゃんと録れてるはずです。

では、みなさん。

続きは会場でお話しますね。

ありがとうございました。




…プツッ
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/18(日) 22:11:29.02 ID:BXJMuESK0
次回、最終回

ノシ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 23:06:47.48 ID:1O9sV0O/o
おつおつ
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 14:59:50.37 ID:YCxOLkbDO
最後はまったりとした感じで終わりそう
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:38:46.66 ID:fhKmTJaH0
えー、あー、あー、

テステス

ただいまご紹介にあずかりました。あまのくうです。

くーちゃんと気軽に呼んでください。

みなさんは、もう知ってますかね。

とゆうか、聞いてくれましたかね。くーちゃんのあの、長い長いお話を。

ハナちゃんはすごいです。

くーちゃんのスピーチをQRコードとやらにして、招待状で聞けるようにしてくれたんですから。
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:39:35.61 ID:fhKmTJaH0
ほんとはあのお話を、ここでしたかったところなんですけど、

海の男に、スピーチは長すぎず、短すぎずが一番よいと言われたので、

ああいう形になりました。

臨場感出すために、録音するとき、

ハナちゃんたちもこの会場を再現した場所に座ってたり、

お客さんというか、ご来賓、ですかね。

ご来賓の方たちがいるところに、鹿のお人形も代わりに設置してました。

おかげで録音中、くーちゃんは完全にここでスピーチを言ってるつもりで、喋れたはずです。

ですが、緊張して、喋り方が固くなりすぎたかもしれません。

もうちょっと普段のくーちゃんは、ふらんくです。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:40:11.77 ID:fhKmTJaH0
なにはともあれ、あれが、くーちゃんの喋りたかったことです。

それにしても、驚きですよね。

まさかあのお兄さんとハナちゃんが結婚するなんて、予想外です。

たしかにあの旅で、お兄さんとハナちゃんは仲良くなってましたがね。

人生何があるかわからないものです。
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:40:42.79 ID:fhKmTJaH0
皆さん、一応これ、サプライズですよ? 

ハナちゃんの旦那さんが、実はあの鹿のお兄さんでしたーってゆうやつです。

ここ、驚くところです。盛大な拍手をするとこです。

ありがとございます。

拍手を浴びるの、気持ちよいですね。

録音中は盛大な拍手を浴びれなかったので。

まあ、会場にたくさんある鹿の置物をみたら、みなさん察しますか。
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:41:20.78 ID:fhKmTJaH0
話を戻しましょう。

正直お兄さんとハナちゃんはお似合いです。

お兄さんと再会してから、ハナちゃんの絵は、より素敵になってるので。

きっとお兄さんとハナちゃんは、一緒になってよかったのでしょう。

もしハナちゃんを泣かせてたら、くーちゃんがお兄さんをあの日みたいに、

海へ突き落とすつもりでしたが、

その必要はなさそうです。
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:42:00.15 ID:fhKmTJaH0
でもハナちゃんもくーちゃんのことが好きすぎです。

あんな長い録音を、皆さんの招待状につけて聞かせた上に

会場でくーちゃんをさらに喋らせて

しかも、この後すぐに、くーちゃんの余興が入るんですよ? 

どこまでくーちゃんをこき使うつもりですか。ハナちゃん、悪い人です。

まあよいでしょう。だって、くーちゃんも、やりたいことですから。

くーちゃんは嘘が嫌いです。

だから、本当にハナちゃんにしたいことを、この場を借りて、好きにさせてもらいます。
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:42:56.01 ID:fhKmTJaH0
くーちゃん、別に自分の歌が上手だとか思ったことないんです。

けど、大楠さんに歌を歌ったとき、誰かのために自分で歌を作って歌うのって、

うれしいことだって気づいたんです。

照れくさいですけど、あれからくーちゃんが、歌のことを好きになって、

曲を作って、島や船で歌ったりしてると、

いろいろな人が、上手だって、言ってくれます。

巫女のまねごとをして褒められるより、うれしいものです。

きっと、それなりに聴ける歌とは思います。

ちなみに海の男のギターを一応持ってきたのですが、なんとなく今日はアカペラの気分なので、

アカペラでいきます。
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:43:46.13 ID:fhKmTJaH0
あ、でも、締めに何か気の利いたことを言うべきですね。

ここまでハナちゃんのことについてお話させてもらってあれですけど、

正直くーちゃんは、恋愛とか、結婚とか、よくわかりません。

恋愛や結婚で成功すれば人は幸せなんでしょうか。

大楠さんのトンネルのくだりで、そのあたりのこと、少し触れましたが、

くーちゃんは、あまりピンときません。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:45:09.90 ID:fhKmTJaH0
ごめんなさい。結婚式でこんなこと言ってしまって。

だからでしょうか。王道の、どうかお幸せに、なんて言葉はしっくりこないんです。

だってハナちゃん、もう幸せそうです。ずっとにやにやしてます。

となると、ハナちゃんにとって、今回の結婚は、幸せなことなんでしょう。

今ハナちゃんが幸せなら、それがくーちゃんにとって、一番うれしいです。
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:46:16.23 ID:fhKmTJaH0
くーちゃんには、いろいろなこと、たくさんありました。

いいこと、嫌なこと、たくさんあったですけど、

ぜんぶぜんぶ、あってよかったです。

嘘だらけでも、巫女さんもどきのお仕事して、よかったです。

トンネル感じられる、不思議な力、あって、よかったです。

あの日、ハナちゃんに話しかけてよかったです。

ぜんぶです。ぜんぶ、ぜんぶ。ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ。よかったです。

よくなかったことなんて、なにひとつ、ありませんでした。

おおげさですかね? まあよいでしょう。

人生、多少大げさなくらいが、ちょうどよいんですよ。
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:47:24.74 ID:fhKmTJaH0












スーッ
















ハーッ











412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:48:25.23 ID:fhKmTJaH0









 ♩


                ♪





    ♬








      ♪



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                         ♬



             ♪






                              ♩



もう、なにぼーっとしてるの。

ほら、こっちきて。

いっしょにやるよ。

ギター、音楽の授業でやってたんでしょ?
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:50:05.78 ID:fhKmTJaH0


               ♪           ♬


       ♪    

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 ♩                             ♬

                 ♩ 


♩       ♬

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        ♩             ♩


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♩       ♬

                        ♩


♩               ♪           ♬

     ♬     ♩

                        ♪



                    

     ♩


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                                  ♬

414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:51:29.05 ID:fhKmTJaH0
 ふう。


 えへへっ


 もう、なにないてんの。ハナちゃんのなきむし。


 ねえ、そろそろ、ごはんたべよ。


くーちゃん、おなかがへりました。












おしまい
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/19(月) 20:56:30.02 ID:fhKmTJaH0
ここまで読んでくれてありがとうございました。

久しぶりに長編小説書いたので、SSアレンジもしてみました。

くーちゃんは、実在するモデルがいます。

アラフォーで、一人で島で暮らしてて、毎日海や木に向かって、歌を歌います。

たまに海で拾い食いして死にかけてます。

その方に1年を通して取材した結果、こちらのおはなしができました。

おもしろいかどうかはわかりませんが、大切に書かせてもらいました。

フィクション実話入り混じる不思議な話になりましたが、久しぶりに長編が書けてたのしかったです。

ありがとうございました。

余談ですが過去作

http://esusokuhou.blog.jp/archives/26741266.html (海の男、でてきます)



416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 20:59:10.56 ID:dgMs1fTEo

ssのために一年間取材!?
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/02/19(月) 21:04:33.55 ID:fhKmTJaH0
>>416
正確には小説が先です。
もともと物書きなんですがずっと長編小説が書けてなくて、もやもやしてたところ
くーちゃんのモデルの人と会いました
この人の物語を書かなきゃと思って、取材しました
小説版は公募に出して悲しくも落選したので、こちらにSSアレンジとしてのせることにしました
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 23:03:09.86 ID:IH4/FjZCo
乙、面白かったよ
気が向いたらまた何か書いてくれると嬉しい
その時はぜひここにリンクでも貼って教えてくれると追いやすくて助かる
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/02/19(月) 23:12:39.44 ID:fhKmTJaH0
>>418
ありがとうございます!
過去作でしたらこんなんあります
http://morikinoko.com/archives/52163918.html
大切な幼馴染が変わってしまった話

http://esusokuhou.blog.jp/archives/28348559.html
虐待されて死ぬのをひたすら待ち続けた女子小学生がショタっ子に救われる話

http://esusokuhou.blog.jp/archives/29561253.html
姫が召使に自分を誘拐させる話
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 23:17:37.22 ID:2OzjUwHGo
おつおつでした
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/02/19(月) 23:27:40.09 ID:fhKmTJaH0
>>420
ありがとうございます
くーちゃんモデルとの一年が少しでも伝わったら嬉しいです
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/20(火) 13:51:20.83 ID:YJcjFbft0
>>419
過去作紹介ありがとう、時間ある時に読ませてもらうよ
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/22(木) 18:02:18.56 ID:lOMXnk8DO
おつ
実在してるのか…
その人も幸せに暮らしてるなら何よりだけど
ハナちゃんとか他の登場人物はさすがに違うかな
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/23(金) 08:48:06.11 ID:oxuYJn3d0
>>423
ハナちゃんはいろんな人をミックスしてます。
くーちゃんモデルの人にはたくさんのお友達が今います。
その友達の名前にはすべて花に関する名前だったので、ハナとさせてもらいました。
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/02/23(金) 08:50:42.13 ID:oxuYJn3d0
>>423 ちなみにラストのセッションは、わたしとくーちゃんモデルの人とのセッションした場面を入れてます。
始めてその人のピアノを聴いた時、自分には手の届かない人だなと思っていたのですが
1年後、自分がピアノを弾いて、その人が歌を歌ってくれる場面がありました。
その時の最後に、ぼろぼろ泣いてしまって、泣き虫と笑われてしまいまして。そんなこんなであのラストができました。
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