安価とコンマで異世界転生!その10

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468 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 04:03:07.28 ID:AXsHudmG0
男「解析は順調ですか?」

市長「とりあえず、この生体のかけらを探知できるようにはしています」

男「それならよかった」

市長「真に私が知るべきなのは、その生物の正体なのですが……」

男「それは……少し辛抱してくれ。世の中は本質じゃない所で回るが、最後にものを言うのは本質だ」
469 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 04:24:47.21 ID:AXsHudmG0
本日はここまでです
ありがとうございました
470 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 19:29:49.34 ID:DFBcTR+KO
それからしばらく、無言でいた


市長「……違和感があります」

男「え?」

市長「私が大抵、誰かと話しているとき……相手はなにか命令をしてきます。そうでないなら、用はないのでいなくなるのですが」

男「あぁ、相手がAIならそうなる人が多いね」

市長「それ以外にも、あなたからは多くの違和感を感じています。なにかが少し違うのです」

男「空気が読めないってこと?」

市長「違いますが……質問があります。>>下1」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:55:20.17 ID:0qgL7//Z0
封印されてた少女と同じ『世界』で暮らしてました?
472 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:11:56.08 ID:CRCs3Uqh0
市長「封印されてた少女と同じ『世界』で暮らしてました?」


薄々、彼女の言う違いが異世界によるものなのだと勘づいてはいた
だが、それを告白するつもりはなかった
それらしくはぐらかしていたが、核心に迫られたのだ
この世界に来てから、体験したことのない緊張感が全身に走る


男「……世界?なんのことだ?」

市長「なにか心当たりはあるようですね。彼女は、こことは異なる世界の……『シズオカ』という場所から喚ばれたそうなのです」
473 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:17:16.58 ID:CRCs3Uqh0
高度なAIにとぼけても仕方ないのだ
彼女は大抵の嘘は見破れる存在である


男「……そりゃ、とんだ偶然だ」

市長「ということは、あなたも?」

男「ああ、ちょっと離れてるが、その辺りといえばその辺りだ」

市長「なんと興味深い……色々、お聞かせ願えませんか?向こう側について……」

男「……いいが、条件がある」
474 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:51:40.55 ID:CRCs3Uqh0
本日はここまでです
ありがとうございました
475 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 19:44:22.23 ID:CRCs3Uqh0
市長「なんでしょう」

男「みんなには言わないでくれ。俺と市長と……あの少女だけの秘密だ」

市長「……分かりました。では、お風呂の後に私のオフィスまでお越しください」


彼女はそう言ってモニターの接続を切った
そろそろ夕食の時間だ
476 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 21:55:17.37 ID:CRCs3Uqh0
それから、一行は先日と同じ食事を摂った
方向性として正しい献立なのかが先日まで確定していなかったので、
まだ他のバリエーションは開発中だそうだ


氷魔「……そろそろお風呂ですね……」

やる気「あのお風呂にいる存在も、少女の友達だと分かれば安心して触れ合えそうっすね」

ぶりっ子「そうですねぇ」
477 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 02:56:57.49 ID:RcmRWosl0
本日はここまでです
ありがとうございました
478 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 19:50:13.38 ID:RcmRWosl0
それから男は風呂に入ったが、
先ほど市長に看破されたことが深刻に心へ陰を落とし、中華ややる気と下らない話をしたような気もするが、まるで覚えていなかった


男「失礼します」


そして、彼は市長のオフィスへとやってきた
訳は言わず、こっそり抜け出してきたのだ
そこには、あの少女もいた


市長「お待ちしておりました。ソファにおかけになって下さい」
479 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 22:13:14.96 ID:RcmRWosl0
少女「………………」


彼女は男をじっと見ている
市長から既に男の正体を知らされているのだ


市長「さて、では異世界について調査するとしましょうか」

男「ああ、なんでも聞いてくれ」
480 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 01:12:48.89 ID:v+5/PAPE0
市長「では、大きく違うところを教えてもらいましょう。その辺りの前提を理解していないと、聞いても分からないことが多いですからね」

少女「そうですね……」

男「まず、あっちに魔物はいない。あと、魔法もない。多分、神もいないんじゃないかな」

市長「……真実ですか?」

少女「そうですね……私もそう認識しています」
481 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 02:18:23.43 ID:v+5/PAPE0
本日はここまでです
ありがとうございました
482 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 19:32:33.67 ID:v+5/PAPE0
市長「では、平和なのですか?」

男「こっちよりは平和かも。でも科学が魔法みたいなものだから、結局戦えば人は沢山死ぬ」

少女「街や地方を丸々一つ吹き飛ばすような兵器がありますからね……」

市長「そんなバカな……眉唾な古代兵器でもそうありませんよ、それほどの破壊規模のものは」

男「なんと、量産されている」

市長「……なぜ滅んでいないのでしょうか」

男「使ったら滅ぶからだ。だからこっちよりちょっと平和なんだよね」
483 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 19:48:25.40 ID:v+5/PAPE0
市長「なるほど、参考になります」

少女「それはよかったです……参考?」

市長「なんでもありませんよ」

男「怖……」

少女「私からも男さんに聞きたいことがあるんですが……」

男「おう、なんでも聞いてくれ。この世界に来てから、まだ日が浅いだろうしな」

少女「>>下1」
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/21(火) 20:05:48.48 ID:/UQW3Tio0
…私の年号は『平成15年』でした。男さんはいつの『平成』で来ましたか?
485 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 02:12:45.46 ID:oHwUDrAR0
少女「…私の年号は『平成15年』でした。男さんはいつの『平成』で来ましたか?」


一瞬、なにを言われているのか分からなかった
しかし、すぐに男はそれを理解した


男「どうかな、一つ前かもしれないぞ」

少女「えっ!?……そんなタイプには見えませんが」

男「それは正しいな、俺は『平成』より後だし」

少女「ええっ!?そ、そんな!未来人!?」
486 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 02:15:26.22 ID:oHwUDrAR0
本日はここまでです
ありがとうございました
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 03:40:39.06 ID:/YNWON5D0
平成15年というと静岡市と清水市が合併した年だな
488 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 19:28:05.30 ID:oHwUDrAR0
男「ああ、15年以上先の未来から俺は来ている」

市長「なんと興味深い……空間のみならず、時間をも超越してここにいるのですね」

少女「へぇー……」

男「まぁ、言うほど世界は変わってないさ。ちょっと厳格になったくらい」

少女「ないんですか?空飛ぶ車とか」

男「ないねぇ。飛ぶ車も、コールドスリープも、宇宙エレベーターもない」
489 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 01:59:33.92 ID:/aoWNDuk0
市長「面白い空想ですね、私も研究してみたいです」

少女「宇宙エレベーターは無理そうですが……」

市長「そうですね。ですが飛ぶ車やコールドスリープは魔法も応用すればできそうです」

男「というか、封印なんてコールドスリープみたいなもんじゃないか?」

市長「伝説の強力な魔法使いがやるような封印であれば、そういう効力もあるかもしれませんが……普通はそうもいきませんね」
490 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 02:04:26.24 ID:/aoWNDuk0
本日はここまでです
ありがとうございました
491 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 19:50:05.90 ID:/aoWNDuk0
少女「……私はどうなのでしょうか……?」

男「魔神の力じゃないか?」

市長「そうでしょうね。それより、あなたたちの世界の発明が知りたくなってきました」

男「思い付くだけ教えるけど……こっちの世界には市長ほど高性能のAIはいない。あんまり参考にならないか、そもそも世界の仕組みが違うかもしれないけど……いいですか?」

市長「構いませんよ」
492 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 20:38:06.94 ID:/aoWNDuk0
それから、男は様々な発明品について話した
とはいえ、その構造まで知っているわけではないので、こういう機械があるとか、こういう兵器があるという話しかできなかった


男「こ……こんなところですかね」

市長「面白いですね」

少女「ほとんど、私も知っているものでした」

市長「特に、>>下1は作ってみたいところです」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/23(木) 21:26:54.64 ID:t77RUa3b0
全自動大根おろしや手動式包機とかの調理器具全般
494 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 01:15:56.70 ID:KKtyFig00
市長「全自動大根おろしや手動式包機とかの調理器具全般は作ってみたいところです」

男「平和的でよかった」

市長「強力な兵器は抑止にこそなれ、平和は作らないというのは分かりましたから」

少女「そうですね、私もそう思います」

男「しかし、調理器具か……中華が喜びそうだな」

市長「そういえば、料理人の方がパーティにいらっしゃいましたね。試作品完成の暁には、ぜひ使用感を教えていただきたいものです」
495 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 01:35:01.22 ID:KKtyFig00
本日はここまでです
ありがとうございました
496 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 19:47:14.49 ID:iBTz22iUO
夜も更けてきたので、そろそろ解散することになった


男「そろそろ寝たいしな」

市長「そういえば男さん、言っておきたいことがあります」

男「……なんですか?」

市長「あなたはギルドの方々に対し、できるだけ誠実でいようとしているようですが……そのつもりなら、あなたが異なる世界から来ていることを告白すべきです」
497 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 21:31:33.85 ID:iBTz22iUO
男「……それは、あまりにも……大きすぎる特徴だ」

少女「ですね」

市長「みなさんとの関係が変わることを恐れているのですか?」

男「そう……ですね」

市長「……みなさんは、あなたを信じてついてきたはずです。それこそ、関係が変わってしまうかもしれないようなことをあなたに打ち明けた人だっているでしょう」

男「……それでも、怖い……みんなを信じるのが、俺のするべきことだと分かっていても、それでも……」
498 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 03:54:02.09 ID:8jm+WKLV0
市長「……意外です」

男「俺のこともAIだと思ってました?」

市長「首尾一貫していたので」

男「……俺は、ここに来る前は誰も顧みることをしなかった。だから、人付き合いと呼べるものはほぼなかった」

市長「だから、今のようになったのですね」

男「他人を大切にする。それだけでどれだけ人生が豊かになるかということを実証しているんです」

市長「それは、自分を大切にしないということではありません。……辛いと思ったなら、恐れず打ち明けて下さい」
499 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 03:57:47.59 ID:8jm+WKLV0
本日はここまでです
ありがとうございました
500 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 19:25:02.99 ID:JEG5Ys6GO
男は心に重大なしこりを作ったまま部屋に戻り、眠った


〜翌日・陰週金曜日〜


中華「……おっ、早いね」

男「相変わらず中華も起きるのが早い。まぁなんだ、眠れなかったんだ」

中華「もしかして……」

男「!?」


なにかを察したような彼の顔に、不安がよぎる


中華「……恋!?」

男「違うわ!」
501 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 04:36:17.80 ID:h7ay7hyS0
そして準備を整え、再び地下へ向かうのだった


市長「あの生体結界を探査するレーダーを製作しました」


彼女はラジコンの操縦桿のような物体を操作している
周期的に音を放っており、ダウジングマシンのようなシステムのようだ


氷魔「……音で分かる……ということでしょうか……」

市長「小さいながら、モニターもつけています。二つの機構で効率的に探せますよ」
502 : ◆cUhskXlNTw :2024/05/26(日) 04:36:47.45 ID:h7ay7hySo
本日はここまでです
ありがとうございました
503 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 19:57:51.35 ID:h7ay7hyS0
そして、レーダーを携えながら歩き始めた
ここで新たな情報が手に入る


やる気「お、音が大きくなってきたっすね?」

市長「……おかしいですね。かなり離れているはずなのですが、いつの間にか接近しています」

ぶりっ子「地下全体に空間の歪みがあるってことでしょうかぁ」

怪盗「その可能性は高そうです」
504 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 23:14:31.26 ID:h7ay7hyS0
もう少し近寄ると、道端にそれは落ちていた


狙撃少女「あ、ありましたね」

男「時間はかかるが、この前のようにして破壊するか」


例のごとく、炎魔に温めてもらい、
それから氷魔が冷やして破壊した


炎魔「楽しいですね、これ」
505 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:42:03.20 ID:VtTJDeV20
市長「よかったです。結構負担を強いているので」

炎魔「みなさんの役に立てるのが嬉しいんですよ」

中華「空間が歪んでいて、結界を構成するあれへの接近が容易ってことは……この近くから外に出たら、ものすごい遠くの街に出たりするのかな」

氷魔「……その可能性はかなりあります……オークション会場を襲撃した集団が逃走のために用いた理由も分かりますね……」
506 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:52:52.38 ID:VtTJDeV20
本日はここまでです
ありがとうございました
507 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 19:10:46.05 ID:VtTJDeV20
それからさらにレーダーを伝って生体結界のパーツを探して歩いた


市長「……また、動いてますね」


手元のモニターではパーツが動いている様子が映し出されている


やる気「……あれっすね」


>>下1……パーツはどうなっていた?
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/27(月) 20:03:07.08 ID:s003qYsq0
中身のない鎧の騎士がパーツを装飾品として胸辺りに着けていた
509 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:04:45.98 ID:KnkxuLK80
リビングアーマー「ガコン……ガコン……」


そこにいたのは、がらんどうの騎士
ひとりでに動き回る鎧で、リビングアーマーと呼ばれる存在だ


ぶりっ子「げ……填まってますね……」


そして、その胸の辺りには丁度いい穴が開いていて、
そこにかの生体結界のパーツがつけられていたのだ
510 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:07:43.54 ID:KnkxuLK80
怪盗「あれって、意志疎通できるんですか?」

やる気「多分できるっすね。ただ……」

狙撃少女「なにか問題があるんですか?」

中華「ちょっと、堅物な感じかも。交渉とかできるかな……」


目的もなくただ彷徨っているように見えるそれだが、
実の所かなりの威圧感を放っている
新米冒険者が出くわしたら、
とりあえず逃げるべき相手だろう
511 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 19:44:19.96 ID:KnkxuLK80
すみません寝落ちしました


炎魔「とにかく、話してみましょう!」

中華「うーん、分かった。じゃあ、話しかけてみるね」


一撃で首をはねられないよう注意しながら、注意はリビングアーマーに近寄る


リビングアーマー「………………」

中華「あの〜すみませ〜ん……その胸の石をいただくことってできませんか……?」

リビングアーマー「>>下1」
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/28(火) 20:56:45.04 ID:p+WvabWf0
『モールス信号』「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
513 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 01:56:04.78 ID:2glHhqtb0
リビングアーマー「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」

中華「……?なにを言っているんですか?」

やる気「あぁ、モールス信号ってやつっすね」

男「分かるのか、モールス信号が」

やる気「実家じゃ必修っすよ。ともかく……代わりになる石と交換して欲しいみたいっすね」
514 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:03:17.41 ID:2glHhqtb0
氷魔「……石といえば……アレがありましたね……」


彼女はバッグから、深紅に輝く魔石を取り出した
今やその効力を失っていると目されるものの、
あらゆるモノの方向をねじ曲げる凶悪な赤石だ


ぶりっ子「確かに!めちゃくちゃ綺麗ですし、いいんじゃないでしょうか」

怪盗「……えっ、なんですかそれ。見たことないんですけど」
515 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:17:13.19 ID:2glHhqtb0
本日はここまでです
ありがとうございました
516 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 19:16:08.81 ID:2glHhqtb0
リビングアーマー「(それならいいだろう)」


カタカタと身を震わせて信号を発するリビングアーマーは、破砕音を立てて胸部から結界のパーツを出した


氷魔「……それでは……失礼して……」


そして、氷魔が赤石を窪みに嵌め込む
すると、変化が起こった


リビングアーマー「ガ……ガガ……!!」
517 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 22:57:55.75 ID:2glHhqtb0
すると、洞窟内が深紅の光に照らされる
そして、その光が晴れると、
そこには赤熱する鎧があった


リビングアーマー「(力が満ちてくる。……ありがとう)」


その顔があるべき場所にはなに一つありはしないが、
上機嫌であることが誰にでも分かるほど楽しげにそれは去っていった


狙撃少女「……うまくいったようですね!」
518 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:32:22.18 ID:ke7LLYcm0
それから、またもその結界パーツを破壊した


市長「……そろそろ、あの結界の先に進める頃だと思いますよ」

炎魔「ついにですね!」

男「なにがあるんだろうな?」

市長「まず間違いないのは……この結界の本体です。それを破壊すれば、完璧に結界の効力は消え去るでしょう」

中華「へぇ〜」
519 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:41:10.43 ID:ke7LLYcm0
本日はここまでです
ありがとうございました
520 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:22:38.40 ID:ke7LLYcm0
話しながら、結界の本体まで移動することにした


氷魔「……術師がいる可能性も……高いでしょうか……」

市長「低くはありません。外へ抜ける穴が結界の中にあり、かつ自分の結界ならすり抜けられる使い手であればこれ以上なく安全ですから」

氷魔「……そうだと……困りますね……結界が弱まっているのは明らかのはず……」

市長「えぇ、戦闘も覚悟すべきです。ということで、これを」
521 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:25:57.28 ID:ke7LLYcm0
彼女は氷魔に瓶を渡した


氷魔「……ポーション……でしょうか……」

市長「はい。後々、魔力を回復させる効能が効くはずです」

氷魔「……ありがとう……ございます……」


氷魔はそれをちびちびと飲みながら歩いた
しばらく歩けば、結界のある場所の前だった


ぶりっ子「これは……」


以前まで視認できなかった道があり、
その先には目に見える水色の膜……結界の本体があった
522 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:28:12.12 ID:ke7LLYcm0
市長「あれを破壊すれば結界は完全に壊れます」

やる気「っしゃ!任せるっすよ!」


彼は槍を片手に走りだし、結界に飛びかかった
それは膜に食い込み、ひびを入れた


怪盗「流石の破壊力!」

やる気「うりゃぁぁっっ!!」


そして、ひびに向かって鈍器のように槍を叩きつけると、それは砕け散った
523 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:31:15.66 ID:ke7LLYcm0
砕け散ったそれは、ふわりと浮かんだかと思えば、
氷魔に流れるように吸い込まれていった


狙撃少女「え?大丈夫なやつですか?」

市長「さっきのは結界のかけらを魔力として補給できるようになる薬なので、安心してください」


彼女が持つ予備の瓶には、
効力が持つのは二時間だと書いてあった
それから、砕けた結界の奥へと進んでいく


>>下1……結界の先にはなにがあった?
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 19:37:10.80 ID:GC2MrhADO
d
(雪名ハウスで、ショタ晃と結婚したい灯里がイヤイヤしているのを輝莉が宥めてた?or窓で灯里と輝莉が覗いてた?or輝莉がR-18展開へ持ってこうとする灯里とベランダで異能バトルしてた?(&様子詳細 &雪名説教セリフ):窓で灯里と輝莉が覗いてた )
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 21:04:18.62 ID:bk+EuGFyo
禁域の雰囲気がする空間
526 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 01:07:39.08 ID:NRp6XAWW0
炎魔「……空気が違います。これは……」

男「さ……最悪……多分禁域だぞここ……」


男たちにはそこがなんなのか分かってしまった
あの極寒の地に比べれば寒さこそないものの、
大気の組成すら違うのではないかと思わせる異様な空気


市長「ここがそうなのですか?話には聞いていましたが……ふむ、ほほう……面白いデータが取れそうです」

中華「能天気なことで……」
527 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 19:25:54.56 ID:2flysmO5O
すみません寝落ちしました


氷魔「……ここから先は……理が通用しません……警戒しましょう……」


だが、少なくとも通路の見た目自体はこれまで歩いてきた地下道と変わらなかった


やる気「なにかを隠すために結界が張られているとばかり思ってたっすけど、これもしかしたら破っちゃいけないやつだったのかもしれないっすね」

ぶりっ子「でも、破っちゃったなら責任は取らないといけませんよねぇ……憂鬱ですぅ」
528 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:19:58.61 ID:d7TRE9640
警戒しながら歩いていると、梯子があった
行き止まりになっていて、周りにはなにもない


怪盗「えっ、この上どうなってるんですか?」

市長「全く分かりません。結界が空間を歪ませていた可能性も高いですし、私たちのいた街の近くに出る可能性は低そうです」

狙撃少女「……ですが、行くしかありませんね」
529 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:25:39.12 ID:d7TRE9640
本日はここまでです
ありがとうございました
530 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 19:30:59.59 ID:m0JaKbNtO
禁域特有の緊張感に包まれながら、梯子を上っていく


男「これでお宝がありました、とかで終わってくれればいいんだけどな」

中華「いや〜……厳しいんじゃない?」

氷魔「……そろそろ上りきりますよ……」


>>下1……梯子の上にはなにがあった?
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:12:18.03 ID:vZ/xIU9L0
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