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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 19:53:30.27 ID:jE/56DXT0
- あ
- 553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 20:06:38.03 ID:wPwAZa4N0
- ―??
近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ
地上に瞬く無数の光「」チカチカ
クロシュ『〜〜』モニョモニョ
レッサースライムたち『わわ〜』モニョニョ
クロシュ『こんばんは……』モニョモニョ
レッサースライムたち『こんばんわ〜』モニョモニョ
クロシュ『えっと……王都って、知ってる……?』モニョモニョ
レッサースライムたち『お〜と〜?』モニョニョ
レッサースライムたち『なあに? おいしいの?』モニョニョ
クロシュ『えっとね……セイントレア王国の……』モニョモニョ
レッサースライムたち『せいんとれあ?』モニョモニョ
レッサースライムたち『れあって、はんぶんナマっていみだよ! ボクくわしいもん!』モニョモニョ
レッサースライムたち『んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ!』モニョニョ キャッキャ
クロシュ「んへへ……せいんとの、はんぶんナマ……!」モニョニョ キャッキャ
*
―夜
野営地
焚き火「」パチパチ
スライムクロシュ「!」モニョッ!
妖精「おかえり。どうだった? 何か良い情報は得られた?」
スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ
妖精「……セイントレアが、せいんとのはんぶんナマ……?」
☆間違った知識を獲得しました
◇
- 554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 21:16:43.46 ID:wPwAZa4N0
- ―夜?
大きな屋敷の庭園?
月の光「」コオオ―
幼フラナ「おかあさま! まんげつ! まんげつ!」クルクル キャッキャ
幼フレメア「フラナったら、はしゃいじゃって。淑女じゃないわね」
幼フラナ「しゅくじょだもん! おかあさま、フラナしゅくじょだよね!?」
フリューゲル「ええ。私たちは生まれながらにして夜を統べる一族だもの。私たちが思うままに過ごせば、それこそが最も淑女らしい振る舞いになるのよ」
幼フラナ「ほら! フラナしゅくじょだもん!」キャッキャ
幼フレメア「むむっ……!」
フリューゲル「フレメアも、我慢せずに飛び回って良いのよ? 満月だもの、力が満ちて仕方ないでしょう?」
幼フレメア「……わたしが、一番淑女だもん!」シュバッ!!
幼フラナ「わあっ!?」
幼フレメア「ふふん、のろまなフラナには一生追いつけない!」ビューン!
幼フラナ「まってよぉおねえさま〜!」バサバサッ
スライムクロシュ「……」
フリューゲル「あら……? あなた、どこから入ってきたの?」
スライムクロシュ「!」モニョッ!
モニョモニョ…ポン!
クロシュ「えと……わたし……クロシュ……」
フリューゲル「あら、見事な擬態! 私はフリューゲル・バイオレットよ。初めまして、クロシュさん」
クロシュ「うん……はじめまして……」
フリューゲル「それで……ふふ、何のご用かしら?」
クロシュ「えと……迷子……?」
フリューゲル「迷子なのね」
クロシュ「うん……」
フリューゲル「うーん、困ったわね……。何か身元がわかるものはあるかしら?」
クロシュ「みもと……」
モニョモニョ…ガサゴソ…
フリューゲル「……あら? それは……?」
クロシュ「!」ポン!
氷魔力結晶「」キラキラ
クロシュ「これは……えっと、アイスちゃんの……」
フリューゲル「……あい、す……?」
↓1コンマ
01-70 歪む夢
71-90 平静
91-00 ??
- 555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 21:23:45.85 ID:2aVY+rM/O
- あ
- 556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:16:53.57 ID:wPwAZa4N0
- フリューゲル「……ああ。ここは……夢だったのね……」
クロシュ「……!」
フリューゲル「……思い出しました。ごめんなさい……あなたたちは、あの後無事でしたか?」
クロシュ「うん……。みんな、無事……。フラナさんも……フレメアさんも……」
フリューゲル「良かった……」
クロシュ「………フリューゲルさんは……えっと………」
フリューゲル「……あなたが見た通り……私はもう、手遅れよ」
クロシュ「!!」
フリューゲル「身も心も、完全に王国に支配されてしまった……。もはや自分の意思さえ認識できないまま、命じられたことを遂行することしかできない傀儡……。それが今の、私……」
クロシュ「……!」
フリューゲル「……お願い、クロシュさん。今ここで……私を、殺してくれる?」
クロシュ「!」フルフル
フリューゲル「自分では、死ねないの。だから……お願い」
クロシュ「……やだ」
フリューゲル「……どうしても、だめ?」
クロシュ「うん……。フラナさんと、フレメアさんは……フリューゲルさんを助けるために……がんばってる……!」
フリューゲル「……それなら、尚のこと私を殺して欲しい。私は……私の手であの子たちを殺してしまうのが……何よりも、怖い……」
クロシュ「……フラナさんも、フレメアさんも……簡単に、死なない」
フリューゲル「……殺してしまうのが何よりも怖いと言ったけれど……訂正するわね。それよりももっと怖いのは……あの子たちが、王国や、カリス・ノーランドに捕まってしまうこと……。それなら……私の手で、簡単に死んでしまった方が遥かにマシ……」
クロシュ「……!」
フリューゲル「……お願いします。どうか、私を……殺してください」
クロシュ「………んーん。わたし……諦めな――」
ブツン――
◆
―明け方
野営地 テント内
スライムクロシュ「!」モニャッ!
チュンチュン
妖精「……」zzz
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz
スライムクロシュ「……」
◆
- 557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:18:50.74 ID:wPwAZa4N0
- ―???
フリューゲル「……」パチッ
「起きたか、フリューゲル」スッ
フリューゲル「……ええ」
「……調子はどうだ。昨日は……苦戦したらしいが」
フリューゲル「……大丈夫よ。体調は万全みたい。心配をかけたかしら」
「……大丈夫なら良い」
フリューゲル「………ねえ」
「……なんだ」
フリューゲル「……私が戦った相手……クロシュと、その一行よ」
「!!」
フリューゲル「……大丈夫。誰も死んでいないわ……」
「……」
フリューゲル「……話を、聞かせてくれる? あの子たちと……あなたの、お話を……」
「……」
フリューゲル「セイン……」
セイン「………」
◆
- 558 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:21:37.06 ID:wPwAZa4N0
- ―セイントレア平原 到着予定日
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
- 559 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:08.74 ID:wPwAZa4N0
- ―セイントレア平原
強化ソリ「」シャーッ
クロシュ「!」
エバンス「見えてきたぜ!」
遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド
ミスティ「あれが――」
イリス「王都セイントレアの、大城壁……!!」
◇
―王都セイントレア 城門
そびえ立つ巨大な城門「」ゴゴゴゴ
クロシュ「んわわ……!」
イリス「な、なんてでっかい城門!!」
ミスティ「テラヌス・ウルスの城壁と城門も大きかったけれど……これはそれ以上よ……!!」
ローガン「私も来るのは初めてだが……まさかこれほどの威圧感とは……!!」
デュア「うむ……いつ見ても圧倒されてしまうな……!!」
強化ソリ「」スイー…
門番「遠路はるばるようこそ。入都手続きは左手の受付だ。身分証明書の準備を忘れずに」
ミスティ「わかったわ。案内ありがとう」
◇
- 560 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:34.28 ID:wPwAZa4N0
-
クロシュ(手続きを済ませて王都に入ってみると――)
クロシュ(そこは――)
ワイワイ ガヤガヤ
賑わう市場「」ガヤガヤ
白亜の街並み「」キラキラ
遠くにそびえる大きなセイントレア城「」ドドドド――
クロシュ「……!!」
イリス「わああ……!!」
ローガン「なんと……!!」
妖精「……すごいや。王国は嫌いだけど……」
ミスティ「これ……まるで、雪が積もっているかのような――」
エバンス「すげえ白さだよな……!」
デュア「ああ……なんという美しさだろうか」
クロシュ(白くて綺麗な建物が整然と立ち並ぶ美しい都――これが、王都セイントレア――)
――世界樹の巻 最終編 開幕
- 561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:23:27.10 ID:wPwAZa4N0
- それでは本日はここまでとなります
ついに王都セイントレア入りを果たしたクロシュ一行。そこで待ち受ける運命は、如何なるものか
確かな足取りで、整然と敷き詰められた石畳を踏みしめて。クロシュたちは、王都をゆく
戦いの終結と、平穏――そして、友との帰郷を求めて。決意を胸に、あかちゃんスライムは前へ進む――
それでは本日もありがとうございました。明日ももしかしたら更新できるかもしれません(できなければ早めに告知します)。よろしくお願いいたします
- 562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 01:50:00.19 ID:QjGvhEBWo
- カリス方々で恨み買ってるなこれ
魔族国にシノホシ、エンド、クロシュ一行と
- 563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 02:59:50.49 ID:o8YCc8wgo
- おつおつ
ついに最終編明記かー
セインくんも厄ネタ抱えてそうで敵対しない事を願うー
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 11:44:00.97 ID:s7AfH1IcO
- 乙
アホの子レッサースライム達可愛い
でも色々と火種があるしそれが炎上してせいんとのはんぶんナマ、もとい、セイントレアがセイントウェルダンにならないことを祈る
- 565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:47:19.22 ID:1JakG/Xx0
- カリス氏は凶悪犯罪者なので、実際とてもたくさんの人々から恨まれています。彼女の悪意によって不利益を被った生き物は非常に多いので、カリス氏は夜道に気を付けるべきでしょう。しかし実のところ、ちょっと夜道を襲ったくらいでやられてくれるような簡単な相手でもないため、カリス氏を倒すのはとても難しいようです
世界樹の光を巡る旅もついに最終編です。クロシュたちの戦いがどのような結末を迎えるのかは、今のところわかりません
セイン氏もいろいろと面倒事を抱える身である可能性が高く、今後の展開には気を付けるのが良いかもしれません。当のセイン氏も、クロシュたちも、敵対したくないという思いは一致しているようです
レッサースライムたちはあたまがわるいので、クロシュの質問の意味を考えるよりも楽しいことを優先してしまいがちです。そしてクロシュ氏も実のところあかちゃんなので、レッサースライムたちに便乗して面白いことを優先してしまったようです。時にはそういうこともあります。そして王都がウェルダンとならないかどうかは、今のところ闇に包まれています
- 566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:48:16.43 ID:1JakG/Xx0
- ―王都セイントレア
ワイワイ ガヤガヤ
デュア「改めて、ここまでソリに乗せて頂き感謝する。私は冒険者ギルドの宿に泊まっているから、戦力が必要な時はいつでも呼んでくれ!」
クロシュ「ん!」
妖精「もし何かあったらよろしくね」
☆デュアと別れました
*
イリス「じゃあ私たちも宿を探しましょうか。妖精さんやスライムのクロシュちゃんでものびのびと過ごせる宿があれば良いんですけど……」
ローガン「ううむ……この王都に、そのような宿があれば良いが……」
「あれ……? あの……あなた方は、もしかして――」
妖精「ん……? あっ、あなたは!」
クロシュ「わあ……!」
聖女「お久しぶりです、皆さん……!」
*
―王都
聖ヴァレリオ教会前
スタスタ
聖女「宿泊ならこの教会はどうでしょう? 今は収穫祭や聖誕祭の時期でもないので空いていますし」
ミスティ「私たちはロイエ教の信徒ではないけれど、大丈夫なの……?」
聖女「巡礼者ってことにすれば大丈夫です! そうすれば王都内でもクロシュさんと妖精さんの身分保証もできますし、巡礼中は教会に泊まり放題ですよ」
イリス「ええっと……でもそれって、嘘をつくことにならないですか?」
聖女「元々は、衣食住を求める者には隔てなく提供せよというのがロイエ教の教えなのです。巡礼者とそうでない者をあえて区別する必要は本来ないんですよ」
クロシュ「わあ……」
聖女「ただまあ……一応ロイエ教も大きな組織ですし、建前というものもありますから。口先だけでも巡礼者を名乗っていただければ、いろいろと円滑に進みますから」
妖精「なるほどね……。それじゃあお言葉に甘えて、泊まるところをお借りしようかな? 宿泊代……いや、寄付金はちゃんと納めるからさ」
聖女「はい、是非!」
◇
- 567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:50:50.64 ID:1JakG/Xx0
- ―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂
たくさんの長椅子「」
大きなステンドグラス「」キラキラ
聖女「クレアさん、宿泊希望の巡礼者の方々をお連れ致しました」スタスタ
黒髪糸目の修道女→クレア「えっ……!? わ、わかりました。後ろの方々ですね?」
妖精「どうも。妖精とかスライムもいるけど良い?」
クレア「もちろんです。当教会では種族による待遇差はないのでご安心ください」
クロシュ「わあ……!」
イリス「良かったです!」
扉「」バァン!
金髪ソフモヒの男「クレアちゃん! 孤児院の食料搬入終わったぜ!」ノッシノッシ
クレア「ありがとうございます、ザックさん。あとできれば、扉の開け閉めは静かにお願いします……」
金髪ソフモヒの男→ザック「おっと、こりゃ失礼! そちらは巡礼者の方々かい?」
クレア「はい」
ザック「こんな時期に来るとは殊勝だな! たくさんお祈りしてってくれよ!」
妖精「う、うん」
ザック「んじゃ俺は次の現場に行くぜ! 機会があればまた会おう!」ノッシノッシ
扉「」ガチャッ バタム…!
エバンス「……い、今の暑苦しい男は?」
クレア「今のは、セクリエ・ロイエで聖務の傍らに力仕事を担当しているザック修道士です。この教会に併設されている孤児院に、食料の搬入をして頂いておりました」
ローガン「なんと、孤児院が」
聖女「ふふ、もし良かったら寄ってみてくださいね。旅のお話とかを聞ければみんな喜ぶと思います」
クレア「……」
聖女「クレアさん……?」
クレア「あ、いえ……なんでもありません。それでは皆さん、この用紙にお名前を書いていただけますか?」スッ
宿泊希望届「」ポン
イリス「わかりました!」
☆王都の聖ヴァレリオ教会のに宿泊することになりました
◇
- 568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:53:08.86 ID:1JakG/Xx0
- ―聖ヴァレリオ教会 宿泊室
質素なベッド「」
質素な机「」
質素な椅子「」
質素な棚「」
質素な本棚「」
イリス「わあ……! すごく……教会のお部屋って感じ!」
ミスティ「実際教会の部屋だしね」
聖女「」
クロシュ「ん……!」
聖女「それでは私もまだ少し仕事があるので失礼します。とはいえ私も今はこの教会に滞在している身分ですし、仕事中も大体はこの教会内にいますので、何かあれば遠慮なく言ってくださいね。もちろん私がいなくても、クレアさんに言ってくれれば対応してくれると思います」
妖精「わかった。いろいろありがとう、助かるよ」
聖女「どういたしまして! もし良かったら、旅のお話やクロシュちゃんのお友達のこと、たくさん聞かせてくださいね。では」
扉「」カチャ パタム
イリス「まさか王都で聖女さんと再会できるなんて……! 素敵な偶然もあるんだなあ」
ミスティ「ふふ、全然変わってないようで良かったわ。あの様子ならきっと魔族国も平和なのでしょうね」
イリス「そうだね! 王都入りして早速の嬉しい驚きだなあ」
妖精「……」ウーン
クロシュ「……妖精さん?」
妖精「ああ、いや……。聖女のことは実際良かったんだけど……あのクレアって修道女、妙に浮かない様子だったなあと思って」
ミスティ「……やっぱり、突然の宿泊は迷惑だったのかしら?」
妖精「どうなんだろう。まあ一介の巡礼者モドキである私たちに知る術はないか」
王都セイントレア滞在1日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?
参考:観光案内
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:38.78 ID:PqvVoJyi0
- 廃教会で拾った原理派活動日誌を読んでみる
- 570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:42.85 ID:IrlhwWS0O
- ダイヤモンドメリケンを鑑定してもらい売却する
- 571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:07.56 ID:54WY7QlsO
- 冒険者ギルドで王国やロイエの情勢調査をする
- 572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:25.61 ID:irMEYGykO
- 孤児院に行ってみる
- 573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:55:47.79 ID:nSdNX/Ec0
- 酒場でロイエ教に反抗してそうな人を探す。
- 574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:19:51.70 ID:1JakG/Xx0
- ―聖ヴァレリオ教会 宿泊室
クロシュ「……」
原理派活動日誌「」ペラッ
イリス
妖精「あ、クロシュそれ読むの?」
クロシュ「うん……。あ、でも……むずかしい字、あるかも……」
妖精「いいよ、私も一緒に読んであげる。クロシュはページをめくってね」
クロシュ「ん……!」
◇
妖精(それは実際、ただの日誌だった)
妖精(朝起きて、食事をして、信徒に説法して、畑仕事をして、戸締まりをして、寝る……)
妖精(ほとんどがそんな、他愛のない内容……)
妖精(わざわざ持ち出して読む価値はなかったかな――なんて思いかけてきた時だ)
◆
- 575 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:24:02.98 ID:1JakG/Xx0
- ◯月◯日
第二子が生まれた。妻と同じ亜麻色の髪の、愛らしい赤ちゃんだ。
しかし少し気になることがあった。
いつの間にか、娘の傍に白い賽が落ちていたのだ。
*
◯月◯日
あの子は天才だ。他の赤ちゃんと比べてすぐに言葉を話せるようになり、足で歩けるようになり、もう四則演算すら身に着けた。何か致命的な失敗をしそうになっても、まるで運命を変えるかのような鮮やかさで持ち直してしまう。この子は神の祝福を受けて生まれたのかもしれない。
彼女の傍らには、いつも石の賽や白い賽があった。これこそが神の祝福に違いない。
*
◯月◯日
あの子が神の子であると、私は完全に確信した。
それはある夕食の時だった。食卓に着いていた娘がおもむろに、明日聖剣が抜かれるんだって〜、と言ったのだ。
翌日――サインという小さな少年が、聖剣を引き抜いたそうだ。
娘はその少年と会ったこともなかったはずだ。聖剣の存在も、教えたことすらなかった。
間違いない。この子は――預言者だ。
*
◯月◯日
私はあの子の力を隠匿することにした。原理派最高幹部である枢機卿は次期教皇候補の一人だが、はっきり言って中身は低劣な俗物だ。あの子のことを知られればどれほど悲惨なことになるかは想像に難くない。
当然他の派閥も信用に値しない。強いて言うなら、少々綺麗事が鼻につくところはあるが、穏健派が比較的マシと言えるだろう。マシという程度だが。
どちらにしろ、娘たちは私の手で守らなければならない。
*
◯月◯日
その日、あの子がぞっとするように冷たい声で、世界の滅亡を告げた。
19年後の今日と同じ日付の日――王都セイントレアを中心に、現世と幽界の均衡が崩れ――世界がめくれ上がり、混沌に呑まれて滅びる。
彼女はそれだけ言って倒れ……眠ってしまった。
傍らには、黒い賽が落ちていた。
*
◯月◯日
翌日、あの子は何も覚えていなかった。それどころか、話し方も、歩き方も、何もかもを失っていた。
あらゆる物事を完璧に行う力も、失敗を鮮やかに取り返す力も、当然なくなった。
賽はもう、娘の傍に落ちなくなった。
*
◯月◯日
あれから第二子のあの子は、失敗を繰り返しながら、人並みの速さですくすくと成長している。いろいろあったが、あの子が普通の女の子に戻って良かったと思う。
もう何年か経ったら、あの子は穏健派の修道院に預けることにした。万が一もしあの力が再発した際、もし原理派の元にいれば枢機卿の悪意から守り切ることはできないだろうと判断したのだ。預け先は私の信頼できる司教の修道院だから大丈夫だろう。ただ、穏健派の綺麗事を鵜呑みにし過ぎないと良いが……。
また、私は預言者だった頃のあの子の言葉を忘れたわけではなかった。世界の滅亡。絶対に阻止しなければならない、危機。
私の使える手札は――原理派の司教であることだけだ。
娘の預言ということを絶対にバレないようにしつつ、世界滅亡を防ぐ手立てを原理派の手で見つけ出す。
非常に困難な仕事だが、やらないわけにはいかない。神よ、我に力を――。
*
◯月◯日
――これを書くのは何年ぶりだろうか。
世界めくれを阻止する方法について、ある程度の目処が立った。世界樹の果実を用いて、星の力を利用する。
幸い、原理派の名誉顧問である使徒様は極めて優れた星属性の使い手だ。人格は……少々変わったところはあるが、原理派内でもそこそこ信用できる部類の方である。娘の預言だということを隠しつつ未来の危機について話すと、彼女は面倒くさそうにあくびをしながら、私の計画を了承してくれたようだった。後は数年後の緑の国の首長選挙に便乗して世界樹の果実を奪えば良いだけだ。
枢機卿を上手く騙せたお陰で、王国やカリス・ノーランドの力も借りることができそうだ。枢機卿も王国もカリスもはっきり言って唾棄すべきド腐れ外道共だが、世界と娘たちを守る為なら悪魔にだって喜んで魂を売ろう。
一つ懸念があるとすれば、第一子の方の娘が最近私の計画に参加しようとしていることくらいか。
第二子の娘は穏健派の修道院で平穏に過ごしているらしい。そのまま穏やかに、陰謀とは無関係に暮らしてくれれば良いが。
*
◯月◯日
まずいことになった。枢機卿に私の企みがバレた。
不幸中の幸いだが、あの子の預言だということはバレていない。私が漏らさない限りバレようがないはずだ。
あの子は……今は聖女と呼ばれ、芸術都市で奉仕活動をしているらしい。後は私が自分自身の口を永久に封じれば、あの子に危険が迫ることはないはずだ。
気がかりなのは……勇者との任務中に何度も失敗を繰り返したという、姉の方……僧侶だ……。今までは何度も私が庇って来たが、私の企みが枢機卿にバレてしまった以上、もう庇い切ることはできない。最悪、殺されるかカリスの実験台だ。なんとかロイエ教から離れて身を隠せと伝えたいが、もはやその猶予もない……。
ひとまずこの日誌は、ずっと昔に務めていたこの廃教会に隠していくことにする。誰が張ったのかはわからないが、ここには昔から妙な人払いの結界がある。何かを隠しておくにはうってつけだろう。
*
(日誌はここで終わっている)
◆
- 576 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:25:21.66 ID:1JakG/Xx0
-
クロシュ「……???」
妖精「……っ!」パタパタ!
窓「」ピシャッ
カーテン「」バサッ
クロシュ「妖精さん……?」
妖精「――…。今、無音結界を張った。これでこの部屋の音が周囲に漏れることはない」
クロシュ「???」
妖精「……これが真実がどうか……クロシュは、どう思う?」
クロシュ「……えと……たぶん、ほんとのこと……だと、思う……」
妖精「……そうだね。最後の日付はけっこう最近のものだし……聖女や僧侶についても、事細かに書かれてる。狂人の与太話として片付けるのは、危険だと思う……」
クロシュ「……じゃあ、19年後って……」
妖精「……今年だ。日付も……けっこう近い……」
クロシュ「……!!」
妖精「ただ……聖女? がこの異常な預言をしてから、力を失ったともあるし……もしかしたら、その預言も間違ったものである可能性もある。楽観視は禁物だけど」
クロシュ「う、うん……」
妖精「何にしても……対策を取る必要がある……! イリスが帰ってきたら、世界樹の精霊を呼んでもらって話し合わないと……!」
クロシュ「……聖女さんには……話す……?」
妖精「………ど、どうしよう。下手に話せば、聖女自身を危険な目に遭わせちゃうかもしれないし……。これを書いた司教って奴が今どうなってるのかもわかんないし……。ううーん……」
クロシュ「………」
妖精「と、とにかく今日の夜にみんなで話そう。このことは無音結界の外で口に出しちゃだめだよ。この街じゃ、どこで原理派の者が聞き耳を立てているかわからないもの」
クロシュ「うん……わかった」
☆原理派活動日誌を読みました
預言の日は――
↓1コンマ
01-60 14日後(滞在15日目)
61-90 15日後(滞在16日目)
91-00 16日後(滞在17日目)
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 22:28:34.53 ID:LKEZD6k6o
- さて
- 578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:23:47.41 ID:1JakG/Xx0
- ・滞在15日目に、預言の時が来ます
◆
―王都セイントレア 市場
ワイワイ ガヤガヤ
イリス「賑わいも凄いねえ」
ミスティ「流石は中央大陸一の都ね……。揃ってる品物の質も良さそうに見えるわ……」
イリス「ひとまず消耗品とか食料の補充をしないとね」
ミスティ「……そういえば、このパーティで旅をするようになってからポーションをあまり飲まなくなったわね……。やっぱりちゃんとした食事のお陰かしら?」
イリス「うん、食材から摂取できる魔力量とかにも少し気を配ってるつもりだよ」
ミスティ「へえ、流石ね」
イリス「マジカルブラッドワインを料理酒代わりに使うみたいなズルもしてるけどね!」
◇
買取屋「お嬢さんたち、冒険者かい? 不要なものがあれば買い取るよ」
ミスティ「不要なもの? うーん、何かあったかしら……?」
イリス「あ、それならこの前の廃城探索で見つけたものを換金しちゃう?」
ミスティ「そういえばそうね。あれを換金しましょうか」
*
ガチャチャチーン!
買取屋「まいど! ウチは相場ピッタリ以外じゃ買い取らない主義だから安心しな」
ミスティ「まあ……損をしないのなら良いわ」
買取屋「……お? お嬢さん、面白いものを持ってるね。そいつは売らないのかい?」
イリス「え?」
ダイヤモンドメリケンサック「」ポン
イリス「あ、このヘンな物体は……」
ミスティ「あの妖精がお礼にくれたものね……」
買取屋「見たところ本物のダイヤモンドだし、相場通りの値段で買い取るよ。どうだい?」
イリス「ど、どうする?」
ミスティ「うーん……確かにヘンテコな物体だけど、あの妖精がキラキラですごいって言ってくれたものだし、お金にしてしまうのはちょっと悲しいわ……」
イリス「そうだね……今のところお金に困ってるわけでもないし……」
買取屋「おや、思い出の品だったのかい? そりゃ失礼したね」
・ダイヤモンドメリケンサックの売却をキャンセルしました
◆
※パーティメンバーが後ろ向きになりそうな行動は失敗することがあります
前スレのどこかでも書いたような気がしますが、本作は所持数や所持重量によるデメリットなどもないため、お金に困っている等でない限りアイテムを売却するメリットはほとんどありません。無駄行動となってしまうリスクが高いのでアイテムの売却は非推奨です
- 579 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:25:19.75 ID:1JakG/Xx0
- ―王都セイントレア 冒険者ギルド
ワイワイ ガヤガヤ
ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだ」
エバンス「まずは依頼の傾向でも見てみるか?」ペラッ
依頼書「セイントレア草の大量納品」
依頼書「浴場の清掃員募集」
依頼書「人権派団体に入りませんか?」
依頼書「奴隷調教師募集!未経験歓迎!」
依頼書「家庭教師募集 未経験不可」
依頼書「我の剣闘士にならないか?」
エバンス「……なんというか、冒険者らしくないのが多いな?」
ローガン「この王都セイントレアは大陸一の武力を持つ都市だ。魔獣の討伐など、冒険者らしい仕事については冒険者の出る幕がないのだろう」
エバンス「なるほどそういうことか」
ローガン「では私は聞き込みに行ってみる」スッ
エバンス「おお、じゃあ二手に分かれるか」
↓1コンマ
01-60 人権運動が活発らしい
61-90 ↑+???
91-00 ↑+???
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/06(火) 23:27:19.47 ID:G6nG00nto
- ほい
- 581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:27:42.85 ID:nSdNX/Ec0
- あ
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:57:12.62 ID:o8YCc8wgo
- なんか1個異質なのが…ってギルド側が検閲しないのがセイントレアって感じだ…
- 583 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:10:47.57 ID:8Ikz1t6W0
- 受付嬢「ここ最近の情勢ですか?」
エバンス「ああ。ここ最近、王都やセクリエ・ロイエで何か変わったことはないか?」
受付嬢「変わったこと……そうですねえ。王様の苛烈な魔族排斥に反対する運動が活発化してますね」
エバンス「……国民が、王に反対……? そんなことして捕まったりしないのか?」
受付嬢「アルベール王様は国民にすっごい優しい人なので、実際にものを壊すとか、誰かを傷つけるみたいな実害を出さない限りは見逃してくれるんですよお。なんでしたっけ、思想・良心の自由でしたっけ?」
エバンス「マジか……。アルベール王って人間以外に異様に厳しい人って印象だったからちょっと意外だ」
受付嬢「ここに住んでる人たちも同じように思う人は少なくないですねえ。国民にはものすごく寛大で優しいのに、そうでない相手……魔族や亜人族には、ゾッとするくらい厳しい。どのようなお考えなのか、平民の私には及びもつきませんねえ」
エバンス「そうなのか……。反対運動ってのは、何か結果は出てるのか?」
受付嬢「芳しくないみたいですねえ。王様は寛大ですが、同時に無慈悲なようです。国民がどれだけ声を上げようとも、聞く素振りすらありません。まあ絶対権力者である王様が国民の言う事に耳を傾けなきゃいけない決まりなんてありませんからねえ」
エバンス「まあ……そりゃそうか」
受付嬢「ああでもロイエ教の言うことなら聞かざるを得ないので、そこはちょっとピリピリしてるみたいですよお」
エバンス「ロイエ教の? どういうことだ?」
受付嬢「今の排斥反対運動の源流には、ロイエ教穏健派の平等思想がありまして。穏健派は人も魔族も平等だって考えですから、王国のやり方とはソリが合わないんですねえ。そして今の教皇様は穏健派の人みたいですよお」
エバンス「つまり……王国とセクリエ・ロイエは緊張状態にあるってことか」
受付嬢「そうですねえ。まあ緊張してるとはいっても、同じ城壁内の仲良し国ですから、これで戦争になるとかは絶対にないと思いますねえ。後は双方が互いにどう折り合いを付けるか――ってところじゃあないですかあ?」
エバンス「なるほど……わかった、ありがとう」
受付嬢「いえいえ、どういたしまして。またいつでも聞きに来てくださいねえ」
☆セイントレア王国とセクリエ・ロイエの情勢について知りました
◆
- 584 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:12:34.68 ID:8Ikz1t6W0
- というわけで本日はここまでとなります
聖女と再会し、聖ヴァレリオ教会に寝泊まりすることとなった一行。再会の喜びも束の間、先日拾った原理派活動日誌を読んだクロシュと妖精は重大なことを知ってしまう。王都を起点に世界がめくれあがり、デロデロにかき混ざって滅びる――それは、滅亡の預言。
そんな事態を前に、あかちゃんスライムにできることはあるのか。きっとあるはずだ。クロシュはもうとっくに、守られるだけの穀潰しではないのだから。
運命の賽は、何処に転がる――
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、もよろしくお願いいたします
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 00:57:35.24 ID:D3uF5ocbo
- おつでした
正直メタ要素だけと思っていた運命賽がこんなに鮮やかに本筋に関わってくるとは!
仄暗い話題あるところにカリスあり
コイツ出会ってる大半の相手にド畜生認定されてんな、さもありなん
- 586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 23:13:15.16 ID:hGy0J3djO
- 乙
メタ的なシステムが物語中に関わる要素として出てくるの好き
結局王国ははんぶんナマでは済まないことになりそう
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 08:36:34.81 ID:U3+G+mwe0
- 乙
フレメアさん魔族国行ったら子供たちにどう見られるのか
- 588 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:23.79 ID:HX7kq3iM0
- 運命賽は実のところ本編に関わる要素だったようです。それがどの程度のものかはわかりませんが、気を付けるのが良いかもしれません
カリス・ノーランド氏は悪者なので、出会う人のほとんどは実際に悪者だと感じるようです。それは実際にその通りなので、仕方のないことなのかもしれません
王国がはんぶんナマで済むか、ウェルダンとなってしまうかは未知数です。それは実のところクロシュたちのがんばり次第とも言えるかもしれません。はんぶんナマで済むようにがんばるのが良いでしょう
フレメア氏は魔族国の大人たちにとってはちょっと触れたくない話題の一つですが、子供たちはそんなの全然知らないので、同年代の幼女だと思って舐めた口を聞く可能性があります。しかしフラナ氏も一緒にいると思われるのでたぶん大丈夫でしょう
- 589 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:59.24 ID:HX7kq3iM0
- ―幕間―
―夜
セイントレア平原
やや遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド
やや遠くに見える兵士たち「」シャキン
大きな草「」ガサガサ
アリシラ「うーん……見つからずに侵入するのは難しそうかなあ」コソコソ
フメイ「空から入るのは?」コソコソ
アリシラ「薄く結界が張られてる。破るのは簡単だけど、すぐにバレちゃうと思う。王都にはワイバーンを駆る竜騎士もいるらしいし」
フメイ「大トカゲなんかにフメイたちが負ける?」
アリシラ「その場では勝てるだろうけど、お尋ね者になっちゃうといろいろやりにくいでしょ?」
フメイ「あ、そっか……」
アリシラ「王都は中央大陸で一番強い武力を持った街だから、勇者を筆頭に危険な戦力をたくさん隠し持っていると思う。それに世界樹の精霊さんの話では、星の力だって持ってるはず。真正面からのぶつかり合いじゃ分が悪すぎる……」
フメイ「じゃあ遠距離から城壁を攻撃して、出てきた戦力を少しづつ狩ってけば……」
アリシラ「私たちの付け焼き刃なゲリラテロ戦術が通用するとは思えないよ……。相手は歴戦の列強国だよ?」
フメイ「むむう………ん? なんかあっちの城壁の方に人が集まってる」
アリシラ「本当だ。何だろう?」
◇
- 590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:12.97 ID:HX7kq3iM0
- ―夜
セイントレア平原 大城壁
レイ「ひい、ひい……」フラフラ
囲む神官戦士たち「……」ジャキッ
隻腕の男「ここまでだ。逃げ場はないぞ、レイ・アンバー」スタスタ
レイ「く、ううぅ……!!」ググ
隻腕の男「大人しくしていれば悪いようにはしない」スタスタ
レイ(こいつら……孤児院を襲撃したロイエの奴ら……!? くそぉ……逮捕されるならまだしも、こいつらに捕まるのだけは絶対にやだ……!!)
レイ(うぅ……でも、もう力が……。頭も痛いし、ここからどうやって切り抜ければ……)
レイ(……ええい! もうこうなったら全部出し尽くす気でやってやる!!!)ゴゴゴゴ
レイ「あああああっ!!!!」ズオッ!!!!
闇の眷属たち「」ポンポンポン!
カッ!!
ドガァンッ!!!!
破壊された城壁「」ガラガラ…
レイ「えっ!?」
隻腕の男「何!? 炎属性も使えただと……!?」
レイ「え、ええっと……!?」
煙幕「」モクモクモク
神官戦士たち「ゲホッゲホッ!?」
神官戦士たち「たっ隊長!! 煙で前が見えぐああっ!」ボンッ!
隻腕の男「総員防御姿勢を取れ!!」
レイ(な、なんかよくわかんないけどチャンス! おまえたち、ここで暴れてて!)
闇の眷属たち「!」ドタドタ ドガッ ボゴッ
神官戦士たち「ぐああああ!」ドガッ
煙幕「」モクモクモク
レイ(この隙に壊れたとこから侵入しちゃえ!)タタタッ
レイ(………)
レイ(……なんで私、王都に来たんだっけ?)
*
―王都セイントレア
壊れた城壁「」ガラガラ
煙幕「」モクモクモク
シュタタタッ
フメイ「よし、上手くいった」スタッ
アリシラ「誰だか知らないけど騒ぎを起こしてくれてて良かったね。お陰で罪をなすりつけられそう」
フメイ「……ちょっと、悪い気もする……」
アリシラ「神官っぽい人たちに追われてたってことは悪い奴なんだよ。一つや二つくらい罪が増えたって変わんないでしょ」
フメイ「それもそっか」
アリシラ「よっし、それじゃあのんびり王都探索といこう!」
フメイ「うん」
フメイ(……クロシュも、ここに来てるんだよね)
フメイ(これが終わったら……今度こそ、一緒に帰ろう……)
◆
- 591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:47.34 ID:HX7kq3iM0
- ―王都セイントレア 滞在2日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:40:10.47 ID:HX7kq3iM0
- ―朝
ヴァレリオ教会 宿泊室
チュンチュン
原理派活動日誌「」ペラッ
妖精「……っていうようなことが書いてあるんだけど、世界樹の精霊はどう思う?」
世界樹の精霊『……この地域の星脈は、まだ正常に運行している。これから2週間程度で急に世界がめくれて幽界と混ざり合う、などという言説は信じがたい』
妖精「じゃあ、デタラメだと判断して良いの?」
世界樹の精霊『……ううん……でも一つだけ、急に世界めくれが起きる可能性はある……』
ミスティ「それは一体……?」
世界樹の精霊『……世界樹の果実から放たれた光……あれを使えば、この世界に穴を開けることは不可能じゃない……。そしてここには今、3つの光が集まっている……』
クロシュ「!!」
イリス「でもこれを書いた人って、世界めくれを止める為に光を集めようとしたんじゃ……!?」
世界樹の精霊『……書いてある限り……この執筆者の娘は、世界めくれが起きると言っただけで、どのようにして世界めくれが起きるかまでは言っていない……』
エバンス「でも待ってくれ、それだと変じゃないか? この預言者の女の子がこんなことを言わなければ原理派は世界樹の果実を狙わなかったわけだから、今この時に光がここに集まることもなかったはずだ。だからこれは、世界樹の光とは無関係な未来予知なんじゃないのか?」
世界樹の精霊『その可能性もある……。私が危惧しているのは……この執筆者の娘が、預言者などではなく――』
ローガン「……ではなく?」
世界樹の精霊『――運命を変える魔法≠フ使い手だということ……』
イリス「……!? そ、そんな魔法が実在するんですか……!?」
世界樹の精霊『あなたたちが持っている、これ……』スッ
石の賽「」ポン
白い賽「」ポン
ミスティ「謎の立方体……!」
イリス「……あっ! そういえばイスファハーンで変なお姉さんに、その石が運命を紡ぐとか何とかって言われたような……」
世界樹の精霊『そう。その石は、運命を変える力が具象化した形……。あなたたちは……なぜかはわからないけれど、その祝福を受けているみたい……。そして……これに書かれている娘も……』
ローガン「……確かに、石の賽や白い賽と書かれているな……」
世界樹の精霊『賽には、三種類ある……。運命を変える石の賽……最上の結果を手繰り寄せる白い賽……そして――」
妖精「……まさか!」
世界樹の精霊『最悪の未来を呼び込んでしまう――黒い賽』
イリス「黒い、賽……!」
世界樹の精霊『もしかしたら……今この世界は、最悪の運命に向かっているのかもしれない』
☆目標が追加されました
・最悪の未来を阻止する
王都セイントレア滞在2日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:34.17 ID:zj0M8DUMo
- 取り敢えず大聖堂の奥深くに侵入
- 594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:47.92 ID:U3+G+mwe0
- クロシュ、酒場で酔っ払いと飲み比べ
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:43.29 ID:FdFAcq+J0
- 孤児院でザックと会い案内とザックと話しをする
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:46.46 ID:nHaiTdrqO
- 王国スライムの会合に出席する
- 597 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 19:02:41.69 ID:HX7kq3iM0
- ―酒場
ワイワイ ガヤガヤ
ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだが……」
クロシュ「?」
ローガン「……クロシュくんは……まあ酒が飲めるなら良いか?」
店員「らっしゃい! っておい! ここはガキが来るとこじゃねえぞ!」
ローガン「彼女は酒が飲める。そういう種族なんだ」
店員「ええ?」
クロシュ「!」スッ
巡礼証明書「」ポン!
店員「なるほど……いやでもロイエ教って酒はいいんだったっけか?」
ノッシノッシ
酒飲み大柄修道士「もちろん良い! 教典にもそう書いてある!」ヌッ
クロシュ「わあ……!」
*
ローガン「すまんな、さっきは助かった」
酒飲み大柄修道士「いいってことよ」グビグビ
クロシュ「んへへ……」グビグビ
酒飲み大柄修道士「しかしまあ、お嬢ちゃん随分いけるクチだな?」
ローガン「うむ……先ほども言った通り、彼女は酒に強い種族なのだ」
酒飲み大柄修道士「ほう! そいじゃここは俺と飲み比べといくか!」
クロシュ「のみくらべ……?」
酒飲み大柄修道士「どれだけ多くの酒を飲めるかの勝負だ!」
クロシュ「!」
ローガン「いやいや……酒に強いからと言って彼女はまだ子供だし、変な飲み方を覚えてしまう……」
クロシュ「のみくらべ……する!」
酒飲み大柄修道士「よし来た! 子供から金を取るわけにもいかねェ、お代は俺が払ってやろう!」
ローガン「はあ……まあ仕方ないか」
↓1コンマ
01-10 敗北
11-90 勝利
91-00 ??
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 19:05:03.38 ID:z8q2osKnO
- 大勝利
- 599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:31:32.90 ID:HX7kq3iM0
- 酒飲み大柄修道士「はぁぁぁ!」カッ!
一升瓶「」グイッ
グビグビグビ!! カン!
一升瓶「」グイッ
グビグビグビ!! カン!
一升瓶「」グイッ
グビグビグビ!! カン!
ローガン「何!? なんという速さと量だ! 人間なのか!?」
別の客「そのおっさん――レオさんは新陳代謝活性化魔法でズルしてんのさ! この酒場でレオさんに飲み比べで勝った奴はいねえぜ!」
ローガン「……魔法はアリなのか?」
別の客「飲み比べに魔法禁止ってルールはないからな。真面目な競技ってわけでもないし」
ローガン「それもそうか」
別の客「嬢ちゃんが何の種族なのかは知らねェが、レオのおっさんにゃ流石に――」
酒樽「」グイッ
グビグビグビグビグビグビ
別の客「えっ……」
クロシュ「〜〜♪♪」モニョニョ
酒樽「」グイッ グイッ
最後の一滴「」ピチョン…
別の客「嘘だろ」
酒飲み大柄修道士「い、いかん……魔法の使いすぎで魔力と腹が……」クラクラ
バタッ…
――飲み比べ終了――
*
大量の料理「」デン!
バクバク ガツガツ
クロシュ「〜〜♪♪♪」モグモグ
酒飲み大柄修道士「はぁ〜負けた負けた! 樽ごと飲み干す相手にゃ流石に勝てねえわ!」バクバク
ローガン「う、うむ……。しかしふたりとも、あれだけ飲んだ後だというのによく食うな……」
酒飲み大柄修道士「新陳代謝活性魔法は魔力だけじゃなくて腹も減るんだよ。まあ全身をフル回転させてアルコールを分解してるわけだから腹もフル回転で減っちまうんだろうな」
ローガン「なるほど……そのような弱点があったのか」
酒飲み大柄修道士「普通はそんなになるまで使う羽目にはならねェんだけどな! ガッハハ、今月の懐がめちゃ厳しくなっちまったぜ!」
ローガン「……大丈夫なのか? 樽一つ分となるとかなり厳しい出費になりそうだが」
酒飲み大柄修道士「心配無用、今朝大勝ちしてきたとこだ!」
☆飲み比べで勝利しました
◇
- 600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:34:02.91 ID:HX7kq3iM0
- ―ヴァレリオ教会孤児院
ワイワイ キャッキャ
幼女「わ〜! おねえちゃん魔法使いなんだ!」
イリス「そうだよ〜! 何か見たい魔法はあるかな?」
幼女「ん〜……」
少年「じゃあ孤児院の予算が増える魔法」ヌッ
イリス「そ、そんな魔法はないよ!!」
少年「なァんだ、大したことねェーじゃん!」ケタケタ
ミスティ「クソガキね……」
デコピン「」ペチッ
少年「ぎゃっ! 何すんだよ!」
水色髪ロングの中性的な少年「せっかく遊びに来てくれたお姉さんたちに失礼だよ? 謝らなきゃ」
少年「げっ、ミラクル……」
水色髪ロングの中性的な少年→ミラ「僕はミラだけど。見分けられない?」
少年「見分けられるわけねーだろ! はいはいオレが悪うござんした!」ペコッ タタタッ
ミラ「ごめんね、お姉さんたち。彼も悪気があったわけじゃないんだ」
イリス「大丈夫、気にしてないよ。ありがとう。でも君、同い年くらいだよね? たぶんお姉さんじゃないと思う」
ミラ「そうかな? 人生経験って意味では、旅をしているアナタたちの方がずっとお姉さんだと思う」
ミスティ「街での生活って意味では、あなたの方が経験豊富なはずよ。一面だけを比べても仕方ないわ」
ミラ「なるほど……確かにそうとも言えるね」
イリス「えっと……ミラ、ちゃん? でいいんだよね?」
ミラ「フフ、僕が女の子に見える?」
ミスティ「えっ違うの?」
ミラ「僕は男だよ。でももし女の子に見えたなら、それはきっと僕を通してクルが見えたからだろうね」
イリス「えっ、クル……?」
ミラ「おっといけない、そろそろ昼食に取り掛からなきゃ。それじゃあゆっくりしていってね」スタスタ
ミスティ「行っちゃったわ」
イリス「ミラ……くん……ちゃん……。不思議な人だ……」
ザック「お、巡礼者の子たち! ミラクルに会ったんだな!」ヌッ
ミスティ「あなたは確か……力仕事担当のザック、だったかしら」
ザック「ヒーローと呼んでくれても良いぞ!」
イリス「ええ……」
↓1〜2選択 ザックと話すこと
1.ヴァレリオ教会について
2.孤児院について
3.ミラとクルについて
0.自由安価
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:35:53.57 ID:ug71g0av0
- 3
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:41.74 ID:InEFszvDo
- 1
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:46.93 ID:UAbU90R7O
- 0子供たちはちゃんと勉強できてるのか
- 604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:07:50.76 ID:HX7kq3iM0
- イリス「さっきの……ミラちゃんくんについてなんですけど、彼女……彼はここで働いている人なんですよね?」
ザック「そうだ。奴自身も何年か前に原理派……ロイエ教の者が保護した孤児だったらしいが、今ではこうしてロイエ教の孤児院で働いているというわけだな!」
ミスティ(原理派って言ったわね……)
イリス(言ったね……)
ザック「あのちょっと変わった性格だが……俺も詳しくは知らないが、保護される前に事故で双子の妹を亡くしたそうで、その影響がどうのこうのって話らしい……。すまん、俺は孤児院の担当じゃないからそこまで詳しくはないんだ」
イリス「いえ、ありがとうございます。事故で妹さんを……気の毒ですね……」
ザック「ああ……。噂じゃ――っと、巡礼者の子たちにすべき話じゃなかった。聞かなかったことにしてくれ」
*
ミスティ「そういえば聖ヴァレリオ教会のことなのだけど……聖ヴァレリオって何かしら?」
ザック「おお、聖ヴァレリオのことか? それなら――丁度良い、そこに肖像画があるだろう?」
おじいさんが描かれた肖像画「」ポン
ザック「あれに描かれたおじいさんこそが、ここの名前の由来にもなった聖ヴァレリオ・ファルネーゼンだ」
ミスティ「聖ヴァレリオ・ファルネーゼン……!」
ザック「ああ。篤い信仰心を持ちながら、他種族との融和を誰よりも追求した――穏健派の礎を創り上げた聖人だ。既に逝去して久しいお方だが、今でも多くの信徒たちに尊敬されている」
イリス「おお……! 凄い人なんですね……!」
ザック「パスタを好んで食べたそうだ。この孤児院の食事にパスタが多いのはそういう理由もあるらしい……」
イリス「パスタ……! 良いですね、私も好きです!」
ザック「クレアちゃんに頼めば作ってくれると思うぞ! 教会と孤児院の食料は共通だからな」
ミスティ「クレアさん……そういえば彼女、なんだか浮かない顔をしていたわ。私たち、もしかして迷惑だったりするの?」
ザック「えっ本当か!? いや巡礼者が迷惑なはずはないし、クレアちゃんが迷惑に思うはずもない。あの子は穏健派の中でも凄く真面目で優しい子だ。もし浮かない表情をしていたとしても、何か別の理由があるはず……」
イリス「別の理由……」
ザック「だがまあそれは巡礼者の君たちが気にすることじゃあない。君たちは気にせず巡礼に打ち込んでいってくれ」
ミスティ「……わかったわ」
☆ミラとクルについて少し知りました
☆聖ヴァレリオ教会について少し知りました
◇
- 605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:08:56.56 ID:HX7kq3iM0
- ―セクリエ・ロイエ 大聖堂
ワイワイ ガヤガヤ
大きな聖堂「」ドン!
妖精「ここがロイエ教最大の大聖堂かあ」
クロシュ「わあ……」
妖精「ロイエ教で一番偉い教皇が座す教会でもあり、セクリエ・ロイエの政治を司る場でもある……いろいろ大変そうだね」
クロシュ「……調べる?」
妖精「……午前中随分飲んだらしいけど、大丈夫なの?」
クロシュ「うん」
妖精「まあ酔ってる素振りはないし、クロシュが酒で酔うわけもないか。それじゃあ慎重に調べてみよう。何か手がかりをつかめるかも」
クロシュ「ん!」
モニョモニョ…プチッ
透明ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!
ピョンピョンピョン―
↓1コンマ
01-10 プチッ
11-30 変なとこに迷い込んだ
31-50 暗いとこ
51-70 明るいとこ
71-90 明るいとこ+
91-00 明るいとこ++
- 606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 21:11:27.95 ID:U3+G+mwe0
- あ
- 607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:02:06.20 ID:HX7kq3iM0
- ―大聖堂
ワイワイ ガヤガヤ
巨大なステンドグラス「」キラキラ
たくさんの長椅子「」
透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ピョンピョン
*
―大聖堂別館
透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
ピョンピョンピョン
*
―大聖堂別館 中庭
日差し「」キラキラ
生い茂る木々「」サワサワ
小川を模した水路「」サラサラ
ガーデンパラソル「」バサッ
木の椅子「」ポン
木のテーブル「」ポン
茶菓子「」ポン
紅茶「」ポン
フリューゲル「おかわりはたくさん用意してありますからね」コトン
セイン「ああ。いつもすまない」
黒髪ポニテ幼女「いつもありがとう、フリューゲルさん」
黄スライム「〜〜!」モニョニョ! モグモグ
灰スライム「〜〜」モニョモニョ モグモグ
アイス「……」パクパク モグモグ
透明ちびスライムクロシュ「……?」コソコソ
セイン「!」シュバッ シャキン!!
鋼の剣「」シャッ!!
透明ちびスライムクロシュ「〜〜!!!」モニャニャ!!!
セイン「……クロシュ……!?」
*
- 608 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:03:05.99 ID:HX7kq3iM0
-
セイン「なるほど……とうとうここまで来たのか」
ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ
黒髪ポニテ幼女「その子が、セインお兄さんと敵だったり味方だったりするクロシュちゃん?」ヒョコ
ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ
セイン「そうだ。あと……敵ではないと思う」
黄スライム『クロシュちゃん、どこから来たの?』モニョニョ
ちびスライムクロシュ『とおいところ……!』モニョニョ
灰スライム『ねえ、それ分体……?』モニョモニョ
ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ
アイス「……」ジー
ちびスライムクロシュ『……わっ……アイスちゃん……!』モニョニョ
アイス「!」
ちびスライムクロシュ『このまえの……つめたかった……!』モニョモニョ
アイス「……」ツンツン
ちびスライムクロシュ『んわわ……!』モニョモニョ
フリューゲル「はい、クロシュちゃんもどうぞ」スッ
紅茶「」コトン ホカホカ
お茶菓子「」ポン
ちびスライムクロシュ『んわわ〜! ありがと、ございます……!』モニョニョ キャッキャ
セイン「……クロシュ……いつもより言葉使いが幼くなっていないか?」
灰スライム『ちっちゃい分体は……頭が弱くなるの……』
セイン「そうなのか……」
黒髪ポニテ幼女「今日はカリス遅くなるらしいから、ゆっくりお話しよ?」
ちびスライムクロシュ『ん!』モニョニョ
↓1〜3選択 明るいところでお話
1.ここは何?
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
0.自由安価
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:23.47 ID:UAbU90R7O
- 0ロイエ教の反対勢力とかあるの?
- 610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:45.89 ID:HN4IeV0lO
- 1
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:16:06.09 ID:ug71g0av0
- 4黒髪ポニテ幼女
- 612 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:18:43.50 ID:HX7kq3iM0
- この中庭++での会話イベントは非常に貴重なものなのですが、>>609の内容は他のところでも聞ける(というか他で聞いた方が効果的な回答を得やすい)ことなので、申し訳ありませんが却下させて頂きます
というわけで申し訳ありませんが再安価*1とさせていただきます
↓1選択
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:21:01.67 ID:CGBJzw85O
- 2
- 614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:07.98 ID:HX7kq3iM0
- ちびスライムクロシュ『ここ……なあに?』モニョニョ
セイン「ここは、カリス・ノーランドの研究棟……の中庭だ」
ちびスライムクロシュ『カリス・ノーランド!!』モニャニャ!
フリューゲル「セインが私たちの待遇改善の為に、王国とカリスを相手にものすごくいろいろ交渉してがんばってくれたの。この中庭もその一つ……。つまり、私たちがのんびり暮らす為のスペースよ」
黒髪ポニテ幼女「セインお兄さんがいなかったら、わたしたちは今でも暗い鉄の檻の中だったの……」
黄スライム『セインのお陰で、おひさまぽかぽか!』モニョニョ キャッキャ
ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ
セイン「僕たちのことは……もう言わなくてもわかると思うが、カリスの人造生物だ」
ちびスライムクロシュ『!』モニョ!
灰スライム『……カリスのペットたちの中で……生き残ってるのは、ボクたちだけ……。他のみんなは……もう、死んじゃった……』
ちびスライムクロシュ『!!』モニョ…!!
アイス「……よわいから、しんだ」ボソッ
黒髪ポニテ幼女「アイスちゃん……!!」
アイス「……ほんとのこと。アイスは……つよいから、いきて……カリスに、だいじにされてる」
黒髪ポニテ幼女「……っ」
フリューゲル「……アイスの言っていることも、間違ってはいないわ……。それは……カリスに限らず、この世界に共通した摂理のようなもの……。でも――」
アイス「……?」
フリューゲル「……セインが頑張ったから……アイス以外の子たちもこうして中庭でお茶できるくらい、平和に暮らせるようになったの……。もしアイス一人だったら……みんなでお茶なんて、できなかったかもしれないわ」
アイス「………」
フリューゲル「アイスは……みんなでお茶するの、嫌い?」
アイス「……べつに、ふつう。カリス、いないし」
黄スライム『つんでれ!』モニョニョ!
灰スライム『つんでれかなあ』モニョニョ
アイス「うるさい。凍らす……」パキッ…
黄スライム『んわわ〜!』モニャニャ!
フリューゲル「やめなさい」ペシッ
*
- 615 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:42.90 ID:HX7kq3iM0
- モニョモニョ キャッキャ
黒髪ポニテ幼女「ごめんねクロシュちゃん……せっかく遊びに来てくれたのに、変なとこ見せちゃった……」
ちびスライムクロシュ『んーん……! いろいろ、わかった……!』モニョモニョ
黒髪ポニテ幼女「そうなの? なら良かった……」
ちびスライムクロシュ『えっと……』モニョニョ
黒髪ポニテ幼女→フレア「わたしのこと? わたしは……フレアって言うの……。勇者再現計画の……失敗作……」
ちびスライムクロシュ『!!』モニャニャ
フレア「でもセインお兄さんのお陰で、処分を免れたの……。失敗作は失敗作なりに、使い道があったみたいだしね……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…
フレア「今はすごく平和だよ。ときどき、ロイエ教のげんりは?の人が来て、お菓子とかくれるし……。あ、でも最近担当の人が変わっちゃって……。前の、ちょっとうるさいお姉さんじゃなくなっちゃったの」
ちびスライムクロシュ『僧侶さん……!』モニョニョ!
フレア「わ、クロシュちゃん知ってるの?」
ちびスライムクロシュ『僧侶さんは、今は、デロデロ派……!!』モニョニョ!
フレア「でろでろ派……? ふふ、なんだかスライムみたい」
ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ
フレア「今の担当者さんはね……おめめに十字の模様がある、静かな人……。最初は、僧侶さんじゃなくてちょっとこわかったけど……今は、こわくないってわかったから平気……。僧侶さんみたいに遊んでくれたりはしないけど、僧侶さんよりたくさんお菓子を持ってきてくれるんだよ」
ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ
フレア「あと……僧侶さんより、偉い人みたい……。カリスも、僧侶さんよりちょっとやりにくそうだった」
ちびスライムクロシュ『わわあ……!』モニョニョ
フレア「えっと……確か、使徒って呼ばれてたかなあ……」
ちびスライムクロシュ『!』モニョ!
フレア「ロイエ教の人だから、外から来たクロシュちゃんなら、会えるかも」
◇
- 616 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:37:16.91 ID:HX7kq3iM0
-
セイン「くれぐれもカリスには見つからないように」
フレア「わたしたちも、今日クロシュちゃんが来たことは秘密にする。だから安心してね」
ちびスライムクロシュ『ありがと、ございます……!』モニョモニョ
フリューゲル「……もし外で私と会った時は、今日の私のことは忘れなさい。きっとその時、私は本気であなたたちを殺そうとするだろうから……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ
フリューゲル「……フラナとフレメアのこと……よろしくね」
黄スライム『もう帰っちゃうんだ……』モニョニョ
灰スライム『……こんなとこ……もう、来ちゃだめ……』モニョニョ…
ちびスライムクロシュ『……元気で、いる……?』モニョニョ
黄スライム『うん! わたしたち、元気!』モニョモニョ
灰スライム『セインが……守って、くれるから……大丈夫……』モニョモニョ
ちびスライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ
アイス「……」ジッ
ちびスライムクロシュ『アイスちゃん……』モニョニョ
アイス「……クロシュ……もしかして……アイスたちと、おなじ?」
ちびスライムクロシュ『……うん』モニョ
アイス「……なんで?」
ちびスライムクロシュ『……?』モニョニョ
アイス「……なんで……カリスをうらぎったの?」
ちびスライムクロシュ『…………おぼえて、ない……』モニョニョ
アイス「………」
ちびスライムクロシュ『ごめんなさい……』モニョニョ…
アイス「……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…
セイン「アイス……今日のこと、カリスには……」
アイス「……ん。いわない……」
フレア「アイスちゃん……」
アイス「クロシュは……アイスが、カチンコチンにする」
ちびスライムクロシュ『!?』モニャニャ!?
アイス「だから……だまっといて、やる」
フリューゲル「あらら……」
☆明るい中庭でカリスの人造生物たちとお話しました
☆アイスに目を付けられました
◆
- 617 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:39:15.78 ID:HX7kq3iM0
- というわけで本日はここまでとなります
カリス・ノーランドの本拠地に侵入し、のんびりお茶して帰宅することに成功したあかちゃんスライムのクロシュ。その心奥には、強い意志が宿っていた。必ずや、かの者たちにしあわせを。静かなる決意を胸に秘め、クロシュは帰る。アイスに敵対宣言されたことは、なるべく考えないようにして――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なお黒髪ポニテ幼女氏の名前と容姿は、最初のスレの勇者募集にて頂いた207の案を一部参照させて頂きました。よろしくお願いいたします
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:32:50.51 ID:SpIdit/lo
- おつ
落選したけど名前だけでも使ってもらえて嬉しい限り
しかし大聖堂内に悪役の本拠地…黒い予感がするなぁ
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:56:02.26 ID:cpVOZsOho
- おつでした
セインくんもかぁ〜……あれこれクロシュ-セインの関係は広義の姉弟では……!?
使徒さんはカリス側じゃないっぽいの朗報
ああ僧侶さんに会いたいなぁ、近くに来てたりするのだろうか
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 08:32:16.45 ID:G8rJmAdzo
- 人間以外の種族は存在することすら忌避されてるかと思ったらそんなでもない?
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 12:06:30.88 ID:YM1LPu2xO
- 乙
アイスちゃんガチめのカリスの配下かと思ってたけどまあまあ対話の余地がなくもなさそう
- 622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:23:17.75 ID:/+l+SDx80
- 投下して頂いた案については、本編に登場することはなくとも街のどこかで生きている一人となったり、歴史上で活躍した人物となったりすることがあります。全員を登場させるのは少々難しい為、このような仕様とさせていただくことをご容赦くださいませ
大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があるようです。今回のクロシュ氏は隠密能力によりコソコソと出入りすることができましたが、実のところ警備は厳しく簡単に出入りできる場所ではないようです。気を付けるべきかもしれません
セイン氏もまたカリス氏の手による人造生物であることが明らかとなりました。そういう観点で言えば、クロシュ氏のきょうだいと言っても間違いではないかもしれません。なおどちらが年上で年下なのかは今のところはっきりしていませんが、クロシュ氏とセイン氏は造られた経緯や管理場所が異なっていたため、お互いに面識はなかったようです
使徒氏がどのような人物なのかは今のところ闇に包まれています。そして僧侶氏が今どこにいるかはわかりませんが、今回の事態にデロデロ派がどのように関与してくるかは今のところ未知数です
王都ではロイエ教穏健派の熱心な活動により、実のところ他の王国の都市よりはだいぶ人間以外への差別・迫害が手薄なようです。クロシュ氏が酒場でグビグビ飲んでいても特に咎められたりしなかったのはそういう事情があるようです(大柄で強面の酒飲み穏健派修道士が近くにいたことも関係あるかもしれません)。なおこれは庶民的な大衆酒場だったため問題ありませんでしたが、これが王侯貴族の出入りする高級なお店だったりするとそうもいかないかもしれません。気を付けるのが良いでしょう
アイスさんはカリス氏を慕う幼女ですが、初遭遇の直前に出た00会心や今回の高コンマによる邂逅により、本来想定されていたものよりもクロシュへの心証が(これでもかなり)良いようです。告げ口などせず正々堂々叩きのめすと宣言する点も、ある意味でクロシュちゃんを認めているという態度の現れかもしれません。クロシュさんがどのような心構えでいれば良いかは判断が難しいところですが、ひとまず告げ口はされないので安心すれば良いのかもしれません
- 623 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:24:19.61 ID:/+l+SDx80
- ―夜
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
イリス「え、えええっ!?」
ミスティ「カリス・ノーランドの研究棟に侵入して、そこの者たちと会話してきた……!?」
クロシュ「うん……!」
エバンス「マジか……!?」
ローガン「また無茶をする……。しかし収穫は大きいか」
妖精「ひとまずわかったことをまとめてみよう」
・大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があった
・明るい中庭でお茶会をしていた
・セイン、フリューゲルの姿を確認
・以前カリスが連れていたアイスもいた
・他にいたのはフレア、黄スライム、灰スライム
・フレアは勇者再現計画?の失敗作らしい
・以前は僧侶が時々訪れてお菓子をあげていた
・今は使徒という偉い者が来てお菓子をあげている
・使徒はカリスにとってやりにくい相手らしい
・アイス以外の者たちはクロシュに友好的
・アイスはクロシュに敵対的。でも見逃してくれた
ローガン「セインくんが……まさかカリスの手の者だったとは……。普通の出自ではないとは思っていたが……」
イリス「勇者再現計画……なんだかきな臭い言葉ですね……」
妖精「……フレアが自分を失敗作と称したのなら……たぶんセインが成功作ってことなんだろうね。胸糞悪い言い方だけど」
ミスティ「本当に胸糞悪いわ……。でも他の子たちは別の計画ということなのかしら?」
妖精「どうなんだろう……。フリューゲルについては前にカリスが客先がどうのとか言ってたから――あっ、客先って王国か!」
エバンス「勇者再現計画なんて名前からして、王国が関わってる気配しかしないな。セインもフリューゲルも王国からの依頼なんじゃないか?」
ミスティ「王国……やはり許し難いわ……」
◆
- 624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:11.43 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 滞在3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:48.57 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 廊下
ガチャッ
聖女「あ、クロシュさん! おはようございます」ペコリ
クロシュ「聖女さん……! おはよ、ございます……!」ペコリ
妖精「おはよう」パタパタ
聖女「はい、妖精さんもおはようございます。こちらでの生活には慣れてきましたか?」
妖精「うん、まあぼちぼちかな……?」
聖女「それなら良かったです。困ったことがあったら何でも言ってくださいね」
クロシュ「うん……!」
妖精「………そういえば聖女って、家族の人とかは……」
聖女「父と姉がいます。どちらもロイエ教なんですけど……二人ともちょっと遠方に派遣されているみたいで、会えてないですね……」
妖精「そ、そうなんだ……」
聖女「でも大丈夫です! その……ちょっと考え方が合わないところもあるので……会うことにならなくて良かったかもしれません」
クロシュ「………えっと……僧侶さん……だよね……?」
聖女「えっ……!? クロシュちゃん、知っているんですか……!?」
クロシュ「うん……。前に……会って……お話、した……」
聖女「……姉は、クロシュちゃんに酷いことを言いませんでしたか……?」
クロシュ「うん……! 僧侶さん……今、デロデロ派……!」
聖女「ええっ……!? で、デロデロ派……!?」
妖精「……デロデロ教って知ってる? なんかその考え方に染まったみたいでさ。ロイエ教デロデロ派を名乗って活動してたよ」
聖女「おね……姉がデロデロ教に……!? それは……ふふ、本当ですか……!?」
クロシュ「うん……!」
妖精「あれ……? 聖女、ちょっと嬉しそう……?」
聖女「あっ……す、すみません。姉が未認可の異端になったことを喜んではいけないですよね。でも……えへへ……」ニコニコ
クロシュ「んへへ……」ニコニコ
妖精「ま、まさか……聖女もデロデロ思想が良いの……!?」
聖女「そ、それは違います! 私はロイエ教の修道者ですから……! ただ、デロデロの考え方も悪いものだとは思っていないのです。少なくとも原理派……人間だけを良い種族として他の種族を悪いものとするような考え方よりは、ずっと良いと思うのです。以前の姉はそういう考え方だったので……」
妖精「なるほどね。私もそういう差別的な考えよりはデロデロの方が好きかな。ちょっと過激だとも思うから全面的に賛同はできないけどね……」
聖女「でも、そっか……デロデロ派かあ……。ふふ、お姉ちゃんにすごく会いたくなってきちゃいました」ニコニコ
王都セイントレア滞在3日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:06.04 ID:vgBdBkE/0
- クロシュ、孤児院で子供たちの勉強会に参加
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:44.95 ID:vh+OxehFO
- 城下を中心に現教皇や原理派等のロイエ教に関する情報収集
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:31:05.85 ID:G8rJmAdzo
- 使徒とやらにあう
- 629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:48:38.98 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 孤児院の庭
ミラ?「はい、みんな杖は手に持ったかな?」
幼女「は〜い!」
小さな杖「」ポン!
少年「はいはい」
小さな杖「」ポン!
クロシュ「ん!」
竜珠の大杖「」ポン!
少年「ちょっ、お前なんだそれ!? でかすぎるだろ!」
幼女「わ……!? クロシュちゃんの杖おっきい!!」
ミラ?「アハハ! 手に馴染む杖でやるのが一番だよ、でも出力には注意してね?」
クロシュ「ん……!」
*
ミラ?「じゃあみんな、自分の得意属性の初級魔法の練習! 難しかったら先生を呼んでね」
幼女「は〜いクルせんせ〜」
少年「今はクルなの?」
ミラ→クル「うん、クル先生だよ〜」
クロシュ「クルさん……」
クル「クロシュちゃんはまだ見分けられなくても仕方ないかもね。私たちのこと」
クロシュ「ん……」
↓1コンマ 魔法の練習
01-30 魔法経験+1
31-60 魔法経験+2
61-90 魔法経験+3
91-00 魔法経験+6 新技習得
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:49:39.88 ID:winWkLrg0
- あ
- 631 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 17:06:29.36 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「えいっ!」
竜珠の大杖「」ブンッ!
反映魔法弾「」ピュン!
反映魔法弾「」ピュン!
ポン! ポン!
スライム幼女「わわ〜!?」モニョモニョ
スライム少年「な、なんだぁ!?」モニョニョ
クル「わぁお! クロシュちゃんって面白い魔法を使うんだね!」
スライム幼女「せんせー、わたしスライムなのにスライムじゃない! すっごくヘン!」モニョモニョ
スライム少年「ど、どうなってんだ!? オレの体、人間のままなのにスライムになってる!?」
クロシュ「えっとね……見え方と、質感だけが……変わるから……中身は、変わんない……!」
スライム幼女「わ、すごい〜!」キャッキャ
スライム少年「キショーゾクセーてやつか!? ずりぃぞ!!」プンスコ
クル「ふむふむ……見たところ練度も十分だね。私が教えられることもなさそうだ! クロシュちゃんは合格! 卒業おめでとう!」
クロシュ「わわ……!」
スライム幼女「おめでと〜!」パチパチ
スライム少年「くそ〜オレも早く卒業してえ〜!」
☆クロシュが魔法経験を3積みました
◇
―王都セイントレア 城下町
ワイワイ ガヤガヤ
エバンス「ひとまず闇雲に情報収集してみるか」スタスタ
ローガン「闇雲なのか……」スタスタ
エバンス「冗談だ冗談。ここはやっぱ、今のロイエ教の様子とか原理派の動向を抑えておきたいよな」
ローガン「そうだな。なぜ大聖堂の別館にあのような……というのは恐らく市井の者に聞いても仕方がないだろうが」
エバンス「むしろそんなのを聞いて回るのは自殺行為だな……。今はとりあえず、表に出回ってる普通の情報を集めよう」
↓1コンマ
01-30 現在の教皇は穏健派の人物らしい
31-60 以前は原理派が優勢だったらしい
61-90 ???
91-00 ???
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:18.49 ID:G8rJmAdzo
- はてな
- 633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:40.68 ID:cpVOZsOho
- カクカクシカジカ
- 634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:38:51.15 ID:/+l+SDx80
- 酒飲み大柄修道士「ロイエ教のことであれば俺が答えてやろう!」ノッシノッシ
ローガン「貴方は昨日の酒飲み修道士!」
エバンス「えっ、クロシュちゃんと飲み比べをしたっていう?」
酒飲み大柄修道士「いかにも!」
ローガン「うむ……まあ、恐らく信用できそうな人物だ。せっかくだし聞いてみよう」
エバンス「お、おう」
*
酒飲み大柄修道士「今のように穏健派が優勢になったのは、現教皇のユグド・フランシスが選出されたのがでけえだろうな。まあ穏健派のモンが選出されるくらいに穏健派がでかくなったとも言えるが」
エバンス「現教皇ってのはどんな人物なんだ?」
酒飲み大柄修道士「穏健派思想の体現者のような人だ。平等と平和を重んじ、求める者には種族の隔てなく手を差し伸べる……みたいなな。今この王都で人間以外の排斥に反発する運動が活発なのも、あの人とその指揮下にある穏健派の積極的な活動の結果だと思うぜ」
ローガン「なるほど……。穏健派が優勢になるまでは原理派が優勢だったのだろうか?」
酒飲み大柄修道士「おお、知ってるのか? その通り、穏健派が優勢になる前は原理派が大多数を占めてたんだ。ロイエ教の歴史のほとんどは原理派の歴史と言っても過言じゃねェ。もちろん原理派は今でもロイエ教に数多く残ってるし、セイントレア王国の王侯貴族はほとんどが未だに原理主義的なロイエ教を信仰してるんだぜ」
エバンス「なるほどな……王様が未だに人間以外に厳しいのは原理派だからってことか」
酒飲み大柄修道士「実際に話してみねェとほんとのとこはわかんねェが、可能性は高ェだろうな。穏健派の俺としては頭の痛ェとこだが……」
ローガン「貴方も穏健派だったのだな。まあクロシュくんともおおらかに接していた辺りからそうだとは思っていたが」
酒飲み大柄修道士「ガハハ、種族が違うからって子供相手に目くじらを立てる奴ァ穏健派がどうとか以前に人としてゲロ以下だろうよ!」
エバンス「おお……まあ大体同意だ!」
ローガン「聖職者とは思えん言葉遣いだが、確かに同意はできるな……うむ」
☆ロイエ教について少し知りました
◇
- 635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:39:21.68 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂
クレア「えっ……使徒様に会いたい……!?」
クロシュ「だめ……?」
クレア「だ、だめというわけではないのですが……。使徒様は……少々所属が遠くてですね……」
聖女「使徒様がどうかなさったのですか?」スタスタ
クレア「あっ聖女! あなたは今原理派ですよね? クロシュさんたちを使徒様とお会いさせてあげることはできますか……?」
聖女「えっ……ど、どうでしょう。私は原理派といってもほとんど末端ですし……父がここにいればなんとか頼めたかもしれないですけど……いやでも使徒様は名誉顧問なので普段はお暇という噂もありますし、ダメ元で行ってみれば会えるかもしれません」
妖精「お願いできる? ダメだったらダメでいいからさ」
聖女「わかりました。行くだけ行ってみましょう!」
イリス「ありがとうございます!」
ミスティ「よろしく頼むわね」
クロシュ「おねがいします……!」
◇
- 636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:34:44.39 ID:/+l+SDx80
- ―大聖堂別館 来賓室
大きなソファ「」ポン
ガラスのテーブル「」ポン
十字瞳孔の金髪ロング少女→使徒「お待たせ致しました」スッ
聖女「使徒様、お久しぶりでございます」ペコリ
使徒「お久しぶりです、聖女様」ペコリ
クロシュ(わあ……!)
ミスティ(あっさり会えちゃったわ……。本当に暇なのかしら……?)
イリス(……この気配は……)
妖精(………こいつ、何だ……? この感じ……)
使徒「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。世界樹の光をお求めの皆様」ペコリ
妖精「……知っていたの?」
聖女「??」
クロシュ「??」
使徒「そうでなければこのような席は設けません」
イリス(わお……)
ミスティ(これは……なかなかやりそうね……)
聖女「えっと……私は、席を外した方がよろしそうですか?」
使徒「いいえ。聖女様にも関係があるかもしれません。どうぞお座りくださいませ」
聖女「わ、わかりました……」スッ
使徒「……一度、振り返りも兼ねて聖女様にもわかるように説明いたしましょう。世界樹の光を巡る、時の流れについて――」
◇
- 637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:35:55.24 ID:/+l+SDx80
-
聖女「そのようなことが……。私も原理派なのに、何も知りませんでした……」
使徒「聖女様のお父上が、厳しく情報統制を行っておりましたので。知っているのは枢機卿を初めとした上層部の何人かと、僧侶様くらいでしょう」
聖女「お、お姉ちゃ……姉まで関わっているんですか……!?」
使徒「誰よりも熱意を持って取り組んでおられました。お父様と一緒に私が世界を救うんだー!と鼻息を荒くし……」
聖女「そ、そうなんですか……。それでは姉は、今もその任に……?」
使徒「いえ。残念ながら、彼女は今行方不明です」
聖女「えっ……!?」
使徒「僧侶様は任務の途中、何度も失敗を繰り返し、最終的に任を解かれました。その後セクリエ・ロイエに戻るよう通告したのですが……姿を消し、未だに戻っていないようです」
聖女「そ、そんな……! どこかで事故か……あ、危ない目に遭ってるんじゃ……!!」
使徒「あるいは、セクリエ・ロイエに戻れないような事情があるか――」
聖女「……!!」
妖精「……」
使徒「もしそうだとして、咎めるつもりはないのでご安心を」
聖女「……」
使徒「さて、それでは本題に移りましょうか。まずは世界樹の光について」
妖精「うん。あなた……持ってるんでしょ?」
使徒「はい。こちらに」
手のひら「」スッ
世界樹の光・地「」ポゥ―
イリス「世界樹の光……!」
妖精「……どうやってそれを奪ったの?」
使徒「あなたたちが悪竜を討滅して引き上げた後、その地に赴き……星脈に沈んでいくそれを捕まえ、引き上げました」
イリス「ええ……!? そんなのことが可能なんですか……!?」
使徒「可能です」
イリス「……!!」
使徒「単刀直入に言いましょう。世界の存続の為に、あなたたちが持っている光を私に預けてはくれませんか?」
妖精「……」
使徒「今ご説明した通り、私たちの目的は世界樹の光を用いて世界めくれを抑えること……。その目的さえ果たせれば、その後に光は全てお返しすると約束致しましょう」
妖精「……そもそも、世界めくれなんて本当に起きるの? その情報の出どころは?」
使徒「とある預言者様のお言葉です。申し訳ありませんが、例え世界樹の御使いであろうと詳細をお話することはできません」
妖精「信用できない。そんな曖昧で不確かな預言とやらの為に、世界樹の光を得体のしれない奴らに託せるわけがない」
使徒「そうですか。では交渉は決裂ということで」
イリス「あっさり引き下がった……?」
ミスティ「……力づくで奪う算段があるんじゃないの?」
使徒「皆さんに危害を加えるような真似は致しません。預言の日までにはまだ日数がありますので、他の手を打つとしましょう」
妖精「他の手……?」
使徒「秘密です。それをお渡しして頂けるのならお話致しますが」
妖精「冗談じゃない」
使徒「気が変わりましたらいつでもこちらへ。もし光を預けて頂けるのなら、どんな望みでも叶えて差し上げましょう。ロイエの威光が届く範囲で、ですが」
*
- 638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:38:30.56 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「あの……カリス・ノーランドと……セインさんたちについて……聞いても、良い……?」
聖女「え……? カリス・ノーランドって、指名手配犯の……? ずっと前に処刑されたっていう……。それとセインさんにどんな関係が……?」
使徒「聖女様。今からここで耳にすることは、絶対に他言しないと約束して頂けますか?」
聖女「えっ……? は、はい……」
使徒「はい。とは言っても、私も彼女とその創造物たちについて知っていることは多くありません。彼女はあくまで、枢機卿を介して協力を取り付けた外部委託業者。セイン様の要請に応じて最低限の監督はしておりますが、この仕事が終わればそれも終わるでしょう」
クロシュ「えっ……。じゃあ……これ、終わったら……カリス、また、酷いことするようになるの……?」
使徒「そこは私の感知するところではございません。しかしセイン様は王国相手にも積極的に交渉を行っておられるご様子でしたので、セイン様が存命の内はある程度安全なのではないかと推察致します」
ミスティ「ちょっと……あなた、カリスがしていることを知っていながら何も思わないの……!? そんな他人事みたいに……!」
使徒「カリス様がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、他の者に比べれば確かに多いかもしれません。しかしはっきり申し上げれば、誤差です」
ミスティ「な、に……!?」
使徒「カリス様が何をしてもしなくても――この世に生まれでた命は、例外なく苦痛にのたうち、最期には死にます。カリス様は、その流れを少しだけ後押ししているに過ぎません」
イリス「え、ええ……!?」
使徒「ゆえに私は、カリス様だけを特別扱いするつもりはございません。もちろん私の目的を阻害する存在となるのであれば別ですが。今のところはどちらかと言うと有益な存在なので、特にすべきことはございません」
ミスティ「貴様ッ!!」ダンッ!!
妖精「ミスティ!!」
ミスティ「っ……!!」
妖精「……あなたのスタンスはわかった。私たちとは……どうやら、相容れない」
使徒「そのようですね。残念です」
イリス「……使徒さんは、世界を救う為に世界樹の光が必要なんですよね……? でもどうして……そんな正しい気持ちを持っているのに、カリスを許せるんですか……!? 使徒さんにとって、世界さえ存続すれば、そこで苦しんでる命たちはどうでも良いんですか……!!?」
使徒「どうでも良くはありません」
イリス「それなら、なんで……!?」
使徒「秘密です。世界樹の光をお貸しして頂けるなら、全てを詳らかにお話致します」
イリス「……」
妖精「またそれか。あなたみたいなおかしい奴に貸せる光なんてあるもんか」
使徒「残念です」
クロシュ「……」
クロシュ(まだ……少し、時間あるみたい……)
どうする……?
↓1〜2自由安価 話す or 行うこと(状況にそぐわないものは再安価となります)
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:44:44.42 ID:HKTchOSJO
- 他に使途さんが危惧してることはあるか
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:53:02.08 ID:2lN0pQFaO
- 世界をデロデロにして一つにすることについてはどう思う?
- 641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:26:57.74 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「……えっと……他に、心配なこと……ある……?」
使徒「心配なこと、ですか」
クロシュ「うん……。世界が、めくれる以外で……」
使徒「原理派の枢機卿……通称グランドマスター様が独断で王国と何らかの企てを行っているようです。詳細は存じ上げませんが、断片的に拾った情報によれば魔族国に関わる事柄のようです」
聖女「えっ……!? ど、どういうことでしょうか……!?」
使徒「枢機卿は私に負けず劣らずの秘密主義者なので、ここからは完全な推測となってしまいますが――恐らく、戦争でしょう」
聖女「っ!!?」
イリス「えっ……!?」
妖精「待って! 魔族国は、多数の人質を抱えてるんだよ! 中には王族もいたはず! それなのに戦争なんて――」
使徒「敵国の滅亡を人質より優先すれば、戦争は可能です」
妖精「いや……それはそうだけどさあ……」
使徒「私としては、世界めくれを阻止しなければならないこの状況下で、そのような下らないことに神経を割かれたくありません。枢機卿にも困ったものです」
ミスティ「だったらあなたが止めれば良いじゃない……。あなた、この原理派で偉い立場なんでしょ」
使徒「そうしたいのは山々ですが、彼は話が通じる相手ではありません。そしてとある事情により殺害も不可能です。そういうわけなので私、割と本気で困っています」
妖精「そ、そうなんだ……」
使徒「せっかくなので特別にお教え致しますが、枢機卿がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、カリス様よりずっと多いです」
イリス「え、ええっ……!?」
ミスティ「カリスより邪悪ということ……!?」
使徒「原理派の癌細胞と言っても良いでしょう。もっと早く検知できれば摘出できたかもしれませんが、既にその病巣は大聖堂の奥深くに広がっていました。名誉顧問の私ではもうどうしようもありません」
妖精「ええ……諦めないでよ、そこで……」
使徒「真面目な話をすると、腐っても枢機卿で、しかも王国やカリス様など各界に多数のパイプを持った人物でもあるので、下手に始末すればどのような悪影響が出るか予想が付かないという面もあります」
ミスティ「どういうこと……? 悪い奴を殺せば悪い奴が消える、という簡単な話ではないの?」
使徒「ミスティ様にもわかりやすく言いましょう。枢機卿が死ねば、カリス様の首輪が外れた状態になります」
ミスティ「なるほど……理解できたわ。二人同時に潰せば良いということね」
使徒「そうかもしれません」
イリス「ええ……」
使徒「枢機卿は勤務地である聖域の間にいる間は無敵なので、もし暗殺するなら不死殺しの手段を用意するか、聖域の間から出た瞬間を狙うのが良いでしょう。滅多に出ることはありませんが、もし戦争を企てているなら近い内に出る瞬間があるかもしれません」
聖女「い、一体何のお話をしてらっしゃるのでしょうか……」クラクラ
妖精「ご、ごめんね……巻き込んじゃって……」
*
- 642 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:28:55.33 ID:/+l+SDx80
-
クロシュ「……あ、使徒さん……デロデロ教って、知ってる……?」
聖女「!」
使徒「はい。世界を一つのデロデロにして、恒久的平和を実現しようという考えを広めている集団ですね」
クロシュ「うん……。使徒さんは……デロデロ、どう思う……?」
使徒「そうですね。一つの解としては、まあ悪くないものと考えます」
クロシュ「!」パァァァ
使徒「しかし懸念点もあります」
クロシュ「!」
使徒「デロデロが命の総体であった場合、それは結局、全ての命が受けるはずだった苦痛の先延ばしに過ぎません」
クロシュ「……」
使徒「そしてデロデロが全ての命に安寧を与えるゆりかごであった場合――デロデロにかかる負担、責任が重すぎます」
クロシュ「……!」
使徒「星ごと呑み込んで全ての命をしあわせにしたデロデロの最期が、新しいごはんを食べることもできず、友達とお喋りすることもできず、独りぼっちで宇宙を漂い、静かに冷えて死んでいくものだとしたら――それは、あまりにもむごい末路ではありませんか」
クロシュ「……!!」
使徒「永遠はありません。不死の炎も、星の鼓動も、太陽の熱も――いつかは翳り、滅びる運命(さだめ)。独りぼっちのデロデロが、最期までしあわせな夢を見ていられるのか――私には、わかりません」
クロシュ「……」
使徒「以上の点から、デロデロ教の考え方を全面的に受け入れることはできません。しかし苦痛の総量は大幅に減少すると思われますので、全く悪いものとも思いません。今のこの世界がこのまま続くよりは良いかもしれませんね」
クロシュ「……ん。わかった……ありがと……」
使徒「どういたしまして。また何か聞きたいことがあればお答えいたしましょう」
イリス(……使徒さん……デロデロのことを思いやれる心があるんだ。でも……それならなんで……カリスのことは、許しちゃえるの……?)
ミスティ(使徒……よくわからない女ね……。たぶん、悪い奴ではないのだろうけど……)
聖女(……私、クロシュちゃんや使徒さんみたいに、しっかり考えてるのかな。口先で平等や平和を訴えるばかりで、結局思考停止してはいないかな……。でも……うう、お姉ちゃんとお父さんのことも心配……戦争のことも……。私、どうすれば……)グルグル
妖精(……何者なんだろう、この使徒という奴は……。なんか妙な感じだ……知ってるような、全然知らないような……)
☆使徒とお話しました
☆枢機卿グランドマスターの情報を得ました
☆使徒のデロデロに対する考えを知りました
◆
- 643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:57:04.16 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 滞在4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:58:40.65 ID:/+l+SDx80
- ―朝
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
チュンチュン
妖精「というわけで、世界樹の光を持っているのが使徒だってことはわかった」
ローガン「預言の日に備えて持っている、と」
妖精「そうらしい……。説得はたぶん無理。力づくで奪うのはちょっと怖いかも……得体が知れないし、むしろ逆にこっちが奪われる可能性がある……」
エバンス「なるほどな……。んでしかも、枢機卿が王国と戦争の企てをしてるっつー噂か……」
イリス「魔族国に知らせた方が良いですかね……?」
妖精「もう風の精霊に頼んで知らせてある。ただ、今の段階では疑惑でしかないから、備えとくようにって程度だけど……」
クロシュ「……」
ミスティ「戦争か……。あの魔族革命の時みたいな戦いがもっと大規模に繰り広げられる……という認識で良いのかしら……」
妖精「大体良いと思う。一番良いのは戦争が起こらないことだけど……今の段階じゃいつ起きるかもわかんないし……」
ミスティ「……やっぱり、枢機卿とかいう奴を叩きのめす?」
エバンス「いや、流石に厳しくないか……。俺たちまでシノホシみたいなテロリストになっちまうぞ……」
イリス「使徒さんが庇ってくれるかどうかもわかんないし……」
ローガン「それに、カリスの首輪が外れてしまう懸念もあるのだろう……。もし殺るなら同時に殺らねばならん」
ミスティ「そうだったわね……。なかなか難しいわ……」
☆努力目標が追加されました
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く
・戦争を阻止する
王都セイントレア滞在4日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:49.98 ID:winWkLrg0
- 孤児院の手伝いでミラ(クル)と一緒に市場で買い物中にレイと再会する
(無理そうならミラとクルが昔レイと同じ孤児院に暮らしていた話を聞く)
- 646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.48 ID:G8rJmAdzo
- レインをはじめとするカリスへの復讐者たちが続々と集結する
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.77 ID:vgBdBkE/0
- ダークヒーローイリス、虐げられてる奴隷を助ける。
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:13.30 ID:tescTEckO
- デロデロ教布教に巻き込まれる
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:33.91 ID:Dab0bmoJ0
- ちびクロシュを使って王城に入ってみる
- 650 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:54:35.48 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 市場
ワイワイ ガヤガヤ
ミラ「すまないね、クロシュさん。買い出しを手伝ってもらって」スタスタ
クロシュ「ん……!」トコトコ
妖精「まあアレだよ、巡礼者としての善行の一環みたいな」パタパタ
ミラ「良いね。きっと天国に行けるよ、クロシュさんも妖精さんも」
クロシュ「てんごく……?」
妖精「死んだ後に魂が向かうとされる場所のこと。ロイエ教に限らず大体の宗教は、死後の世界のことを規定してる。死後への思いはきっと、生命にとって普遍的な感情なんだろうね。ちなみに緑の国では、死者の魂は星に還るって考えられてる……って話は前にしたっけ?」
クロシュ「うん! 浮島のラティアでは……お空に、かえる……!」
妖精「そう、よく覚えてたね。えらいえらい」ナデナデ
クロシュ「んへへ……」
ミラ「へえ……どこの宗教でも天国のことは規定してるんだね。ロイエ教でもそうなのかな?」
妖精「さあ、ロイエ教でどうかは……ってあなたロイエ教の孤児院で働いてるのに知らないの?」
ミラ「働いてるだけでロイエ教の教典を真面目に読んだことはないんだ。クレアさんも無理に読む必要はないって言ってたから、まあいいかなって」
妖精「適当だなあ……。クレアは優しいんだね」
ミラ「クレアさんはすごく優しいよ。しかも美人だし、もし僕が僕だけだったら異性として好きになっちゃってたかもね」
妖精「そういえばミラは妹のクルと一緒なんだっけ……?」
ミラ「うん。僕の体はクルも一緒なんだ。クレアさんのことばかり見ていたら、クルにひっぱたかれちゃいそうだからね」
クロシュ「わあ……」
妖精「なんだか難儀してそうだなあ……」
ミラ「フフ、難儀してたのは確かだね、いろいろ。お風呂の時なんか、クルに見られ放題で最初はちょっと恥ずかしかったんだ。もう慣れちゃったけどね」
妖精「想像がつかない……。まあなんか大変そうなのはわかる……」
クロシュ「……えっと、なんで、クルさんが……一緒なの……?」
ミラ「フフフ……それを聞いてしまえば、もう後には戻れないよ? 本当に聞いちゃう?」
クロシュ「うん!」
ミラ「それはね――」
ドンッ
ミラ「おっと、すみま――」
フードで顔を隠したレイ「ひゃっ! しゅ、しゅみま……ひゃえっ!? みみ、みっ……」
ミラ「……レイ?」
レイ「みっ、ミラ……!?……なな、なん……で……ここに……」ガクガク
クロシュ「レイさん……!」
妖精「レイ……!?」
ミラ「……ちょっと、場所を移そうか」スッ
ガシッ!
レイ「ひいぃ……ごべんなさい、ごべんだざぃ……」ズルズル
◇
- 651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:55:40.73 ID:/+l+SDx80
- というわけで本日はここまでとなります。次回はミラくんとレイちゃんの同窓会編、カリスに殺意を向ける者たち編、ダークヒーロー活動編です
ついに原理派の使徒と出会い、言葉を交わすクロシュ一行。使徒のやや浮世離れした言葉や考えに戸惑ったり怒ったりしつつ、話し合いはひとまず穏便に終わる。聖女は家族や原理派の知られざる一面に衝撃を受け、妖精は使徒の真意をはかりあぐね、ミスティは使徒の冷血な態度に憤怒し、イリスは使徒の多面性に戸惑い、クロシュは使徒のデロデロ考察を聞いて思索を深めた。よくわからない人だが、ひとまずすぐに敵対ということにはならなそうである。セインさんたちを助ける、枢機卿の悪巧みを暴く、戦争を止める……やることはたくさんあるが、あかちゃんスライム的にはやっぱりセインさんたちが一番気になるところであった――
そして次なる日。ミラくんちゃんと一緒に買い物中、指名手配犯のレイさんと再会するクロシュ。ミラくんちゃんとレイさんの間には並々ならぬ思いが迸っているように見えたが、邂逅の行方は果たして――
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
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