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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:16:06.09 ID:ug71g0av0
- 4黒髪ポニテ幼女
- 612 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:18:43.50 ID:HX7kq3iM0
- この中庭++での会話イベントは非常に貴重なものなのですが、>>609の内容は他のところでも聞ける(というか他で聞いた方が効果的な回答を得やすい)ことなので、申し訳ありませんが却下させて頂きます
というわけで申し訳ありませんが再安価*1とさせていただきます
↓1選択
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:21:01.67 ID:CGBJzw85O
- 2
- 614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:07.98 ID:HX7kq3iM0
- ちびスライムクロシュ『ここ……なあに?』モニョニョ
セイン「ここは、カリス・ノーランドの研究棟……の中庭だ」
ちびスライムクロシュ『カリス・ノーランド!!』モニャニャ!
フリューゲル「セインが私たちの待遇改善の為に、王国とカリスを相手にものすごくいろいろ交渉してがんばってくれたの。この中庭もその一つ……。つまり、私たちがのんびり暮らす為のスペースよ」
黒髪ポニテ幼女「セインお兄さんがいなかったら、わたしたちは今でも暗い鉄の檻の中だったの……」
黄スライム『セインのお陰で、おひさまぽかぽか!』モニョニョ キャッキャ
ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ
セイン「僕たちのことは……もう言わなくてもわかると思うが、カリスの人造生物だ」
ちびスライムクロシュ『!』モニョ!
灰スライム『……カリスのペットたちの中で……生き残ってるのは、ボクたちだけ……。他のみんなは……もう、死んじゃった……』
ちびスライムクロシュ『!!』モニョ…!!
アイス「……よわいから、しんだ」ボソッ
黒髪ポニテ幼女「アイスちゃん……!!」
アイス「……ほんとのこと。アイスは……つよいから、いきて……カリスに、だいじにされてる」
黒髪ポニテ幼女「……っ」
フリューゲル「……アイスの言っていることも、間違ってはいないわ……。それは……カリスに限らず、この世界に共通した摂理のようなもの……。でも――」
アイス「……?」
フリューゲル「……セインが頑張ったから……アイス以外の子たちもこうして中庭でお茶できるくらい、平和に暮らせるようになったの……。もしアイス一人だったら……みんなでお茶なんて、できなかったかもしれないわ」
アイス「………」
フリューゲル「アイスは……みんなでお茶するの、嫌い?」
アイス「……べつに、ふつう。カリス、いないし」
黄スライム『つんでれ!』モニョニョ!
灰スライム『つんでれかなあ』モニョニョ
アイス「うるさい。凍らす……」パキッ…
黄スライム『んわわ〜!』モニャニャ!
フリューゲル「やめなさい」ペシッ
*
- 615 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:42.90 ID:HX7kq3iM0
- モニョモニョ キャッキャ
黒髪ポニテ幼女「ごめんねクロシュちゃん……せっかく遊びに来てくれたのに、変なとこ見せちゃった……」
ちびスライムクロシュ『んーん……! いろいろ、わかった……!』モニョモニョ
黒髪ポニテ幼女「そうなの? なら良かった……」
ちびスライムクロシュ『えっと……』モニョニョ
黒髪ポニテ幼女→フレア「わたしのこと? わたしは……フレアって言うの……。勇者再現計画の……失敗作……」
ちびスライムクロシュ『!!』モニャニャ
フレア「でもセインお兄さんのお陰で、処分を免れたの……。失敗作は失敗作なりに、使い道があったみたいだしね……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…
フレア「今はすごく平和だよ。ときどき、ロイエ教のげんりは?の人が来て、お菓子とかくれるし……。あ、でも最近担当の人が変わっちゃって……。前の、ちょっとうるさいお姉さんじゃなくなっちゃったの」
ちびスライムクロシュ『僧侶さん……!』モニョニョ!
フレア「わ、クロシュちゃん知ってるの?」
ちびスライムクロシュ『僧侶さんは、今は、デロデロ派……!!』モニョニョ!
フレア「でろでろ派……? ふふ、なんだかスライムみたい」
ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ
フレア「今の担当者さんはね……おめめに十字の模様がある、静かな人……。最初は、僧侶さんじゃなくてちょっとこわかったけど……今は、こわくないってわかったから平気……。僧侶さんみたいに遊んでくれたりはしないけど、僧侶さんよりたくさんお菓子を持ってきてくれるんだよ」
ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ
フレア「あと……僧侶さんより、偉い人みたい……。カリスも、僧侶さんよりちょっとやりにくそうだった」
ちびスライムクロシュ『わわあ……!』モニョニョ
フレア「えっと……確か、使徒って呼ばれてたかなあ……」
ちびスライムクロシュ『!』モニョ!
フレア「ロイエ教の人だから、外から来たクロシュちゃんなら、会えるかも」
◇
- 616 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:37:16.91 ID:HX7kq3iM0
-
セイン「くれぐれもカリスには見つからないように」
フレア「わたしたちも、今日クロシュちゃんが来たことは秘密にする。だから安心してね」
ちびスライムクロシュ『ありがと、ございます……!』モニョモニョ
フリューゲル「……もし外で私と会った時は、今日の私のことは忘れなさい。きっとその時、私は本気であなたたちを殺そうとするだろうから……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ
フリューゲル「……フラナとフレメアのこと……よろしくね」
黄スライム『もう帰っちゃうんだ……』モニョニョ
灰スライム『……こんなとこ……もう、来ちゃだめ……』モニョニョ…
ちびスライムクロシュ『……元気で、いる……?』モニョニョ
黄スライム『うん! わたしたち、元気!』モニョモニョ
灰スライム『セインが……守って、くれるから……大丈夫……』モニョモニョ
ちびスライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ
アイス「……」ジッ
ちびスライムクロシュ『アイスちゃん……』モニョニョ
アイス「……クロシュ……もしかして……アイスたちと、おなじ?」
ちびスライムクロシュ『……うん』モニョ
アイス「……なんで?」
ちびスライムクロシュ『……?』モニョニョ
アイス「……なんで……カリスをうらぎったの?」
ちびスライムクロシュ『…………おぼえて、ない……』モニョニョ
アイス「………」
ちびスライムクロシュ『ごめんなさい……』モニョニョ…
アイス「……」
ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…
セイン「アイス……今日のこと、カリスには……」
アイス「……ん。いわない……」
フレア「アイスちゃん……」
アイス「クロシュは……アイスが、カチンコチンにする」
ちびスライムクロシュ『!?』モニャニャ!?
アイス「だから……だまっといて、やる」
フリューゲル「あらら……」
☆明るい中庭でカリスの人造生物たちとお話しました
☆アイスに目を付けられました
◆
- 617 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:39:15.78 ID:HX7kq3iM0
- というわけで本日はここまでとなります
カリス・ノーランドの本拠地に侵入し、のんびりお茶して帰宅することに成功したあかちゃんスライムのクロシュ。その心奥には、強い意志が宿っていた。必ずや、かの者たちにしあわせを。静かなる決意を胸に秘め、クロシュは帰る。アイスに敵対宣言されたことは、なるべく考えないようにして――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なお黒髪ポニテ幼女氏の名前と容姿は、最初のスレの勇者募集にて頂いた207の案を一部参照させて頂きました。よろしくお願いいたします
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:32:50.51 ID:SpIdit/lo
- おつ
落選したけど名前だけでも使ってもらえて嬉しい限り
しかし大聖堂内に悪役の本拠地…黒い予感がするなぁ
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:56:02.26 ID:cpVOZsOho
- おつでした
セインくんもかぁ〜……あれこれクロシュ-セインの関係は広義の姉弟では……!?
使徒さんはカリス側じゃないっぽいの朗報
ああ僧侶さんに会いたいなぁ、近くに来てたりするのだろうか
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 08:32:16.45 ID:G8rJmAdzo
- 人間以外の種族は存在することすら忌避されてるかと思ったらそんなでもない?
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 12:06:30.88 ID:YM1LPu2xO
- 乙
アイスちゃんガチめのカリスの配下かと思ってたけどまあまあ対話の余地がなくもなさそう
- 622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:23:17.75 ID:/+l+SDx80
- 投下して頂いた案については、本編に登場することはなくとも街のどこかで生きている一人となったり、歴史上で活躍した人物となったりすることがあります。全員を登場させるのは少々難しい為、このような仕様とさせていただくことをご容赦くださいませ
大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があるようです。今回のクロシュ氏は隠密能力によりコソコソと出入りすることができましたが、実のところ警備は厳しく簡単に出入りできる場所ではないようです。気を付けるべきかもしれません
セイン氏もまたカリス氏の手による人造生物であることが明らかとなりました。そういう観点で言えば、クロシュ氏のきょうだいと言っても間違いではないかもしれません。なおどちらが年上で年下なのかは今のところはっきりしていませんが、クロシュ氏とセイン氏は造られた経緯や管理場所が異なっていたため、お互いに面識はなかったようです
使徒氏がどのような人物なのかは今のところ闇に包まれています。そして僧侶氏が今どこにいるかはわかりませんが、今回の事態にデロデロ派がどのように関与してくるかは今のところ未知数です
王都ではロイエ教穏健派の熱心な活動により、実のところ他の王国の都市よりはだいぶ人間以外への差別・迫害が手薄なようです。クロシュ氏が酒場でグビグビ飲んでいても特に咎められたりしなかったのはそういう事情があるようです(大柄で強面の酒飲み穏健派修道士が近くにいたことも関係あるかもしれません)。なおこれは庶民的な大衆酒場だったため問題ありませんでしたが、これが王侯貴族の出入りする高級なお店だったりするとそうもいかないかもしれません。気を付けるのが良いでしょう
アイスさんはカリス氏を慕う幼女ですが、初遭遇の直前に出た00会心や今回の高コンマによる邂逅により、本来想定されていたものよりもクロシュへの心証が(これでもかなり)良いようです。告げ口などせず正々堂々叩きのめすと宣言する点も、ある意味でクロシュちゃんを認めているという態度の現れかもしれません。クロシュさんがどのような心構えでいれば良いかは判断が難しいところですが、ひとまず告げ口はされないので安心すれば良いのかもしれません
- 623 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:24:19.61 ID:/+l+SDx80
- ―夜
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
イリス「え、えええっ!?」
ミスティ「カリス・ノーランドの研究棟に侵入して、そこの者たちと会話してきた……!?」
クロシュ「うん……!」
エバンス「マジか……!?」
ローガン「また無茶をする……。しかし収穫は大きいか」
妖精「ひとまずわかったことをまとめてみよう」
・大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があった
・明るい中庭でお茶会をしていた
・セイン、フリューゲルの姿を確認
・以前カリスが連れていたアイスもいた
・他にいたのはフレア、黄スライム、灰スライム
・フレアは勇者再現計画?の失敗作らしい
・以前は僧侶が時々訪れてお菓子をあげていた
・今は使徒という偉い者が来てお菓子をあげている
・使徒はカリスにとってやりにくい相手らしい
・アイス以外の者たちはクロシュに友好的
・アイスはクロシュに敵対的。でも見逃してくれた
ローガン「セインくんが……まさかカリスの手の者だったとは……。普通の出自ではないとは思っていたが……」
イリス「勇者再現計画……なんだかきな臭い言葉ですね……」
妖精「……フレアが自分を失敗作と称したのなら……たぶんセインが成功作ってことなんだろうね。胸糞悪い言い方だけど」
ミスティ「本当に胸糞悪いわ……。でも他の子たちは別の計画ということなのかしら?」
妖精「どうなんだろう……。フリューゲルについては前にカリスが客先がどうのとか言ってたから――あっ、客先って王国か!」
エバンス「勇者再現計画なんて名前からして、王国が関わってる気配しかしないな。セインもフリューゲルも王国からの依頼なんじゃないか?」
ミスティ「王国……やはり許し難いわ……」
◆
- 624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:11.43 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 滞在3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:48.57 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 廊下
ガチャッ
聖女「あ、クロシュさん! おはようございます」ペコリ
クロシュ「聖女さん……! おはよ、ございます……!」ペコリ
妖精「おはよう」パタパタ
聖女「はい、妖精さんもおはようございます。こちらでの生活には慣れてきましたか?」
妖精「うん、まあぼちぼちかな……?」
聖女「それなら良かったです。困ったことがあったら何でも言ってくださいね」
クロシュ「うん……!」
妖精「………そういえば聖女って、家族の人とかは……」
聖女「父と姉がいます。どちらもロイエ教なんですけど……二人ともちょっと遠方に派遣されているみたいで、会えてないですね……」
妖精「そ、そうなんだ……」
聖女「でも大丈夫です! その……ちょっと考え方が合わないところもあるので……会うことにならなくて良かったかもしれません」
クロシュ「………えっと……僧侶さん……だよね……?」
聖女「えっ……!? クロシュちゃん、知っているんですか……!?」
クロシュ「うん……。前に……会って……お話、した……」
聖女「……姉は、クロシュちゃんに酷いことを言いませんでしたか……?」
クロシュ「うん……! 僧侶さん……今、デロデロ派……!」
聖女「ええっ……!? で、デロデロ派……!?」
妖精「……デロデロ教って知ってる? なんかその考え方に染まったみたいでさ。ロイエ教デロデロ派を名乗って活動してたよ」
聖女「おね……姉がデロデロ教に……!? それは……ふふ、本当ですか……!?」
クロシュ「うん……!」
妖精「あれ……? 聖女、ちょっと嬉しそう……?」
聖女「あっ……す、すみません。姉が未認可の異端になったことを喜んではいけないですよね。でも……えへへ……」ニコニコ
クロシュ「んへへ……」ニコニコ
妖精「ま、まさか……聖女もデロデロ思想が良いの……!?」
聖女「そ、それは違います! 私はロイエ教の修道者ですから……! ただ、デロデロの考え方も悪いものだとは思っていないのです。少なくとも原理派……人間だけを良い種族として他の種族を悪いものとするような考え方よりは、ずっと良いと思うのです。以前の姉はそういう考え方だったので……」
妖精「なるほどね。私もそういう差別的な考えよりはデロデロの方が好きかな。ちょっと過激だとも思うから全面的に賛同はできないけどね……」
聖女「でも、そっか……デロデロ派かあ……。ふふ、お姉ちゃんにすごく会いたくなってきちゃいました」ニコニコ
王都セイントレア滞在3日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:06.04 ID:vgBdBkE/0
- クロシュ、孤児院で子供たちの勉強会に参加
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:44.95 ID:vh+OxehFO
- 城下を中心に現教皇や原理派等のロイエ教に関する情報収集
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:31:05.85 ID:G8rJmAdzo
- 使徒とやらにあう
- 629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:48:38.98 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 孤児院の庭
ミラ?「はい、みんな杖は手に持ったかな?」
幼女「は〜い!」
小さな杖「」ポン!
少年「はいはい」
小さな杖「」ポン!
クロシュ「ん!」
竜珠の大杖「」ポン!
少年「ちょっ、お前なんだそれ!? でかすぎるだろ!」
幼女「わ……!? クロシュちゃんの杖おっきい!!」
ミラ?「アハハ! 手に馴染む杖でやるのが一番だよ、でも出力には注意してね?」
クロシュ「ん……!」
*
ミラ?「じゃあみんな、自分の得意属性の初級魔法の練習! 難しかったら先生を呼んでね」
幼女「は〜いクルせんせ〜」
少年「今はクルなの?」
ミラ→クル「うん、クル先生だよ〜」
クロシュ「クルさん……」
クル「クロシュちゃんはまだ見分けられなくても仕方ないかもね。私たちのこと」
クロシュ「ん……」
↓1コンマ 魔法の練習
01-30 魔法経験+1
31-60 魔法経験+2
61-90 魔法経験+3
91-00 魔法経験+6 新技習得
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:49:39.88 ID:winWkLrg0
- あ
- 631 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 17:06:29.36 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「えいっ!」
竜珠の大杖「」ブンッ!
反映魔法弾「」ピュン!
反映魔法弾「」ピュン!
ポン! ポン!
スライム幼女「わわ〜!?」モニョモニョ
スライム少年「な、なんだぁ!?」モニョニョ
クル「わぁお! クロシュちゃんって面白い魔法を使うんだね!」
スライム幼女「せんせー、わたしスライムなのにスライムじゃない! すっごくヘン!」モニョモニョ
スライム少年「ど、どうなってんだ!? オレの体、人間のままなのにスライムになってる!?」
クロシュ「えっとね……見え方と、質感だけが……変わるから……中身は、変わんない……!」
スライム幼女「わ、すごい〜!」キャッキャ
スライム少年「キショーゾクセーてやつか!? ずりぃぞ!!」プンスコ
クル「ふむふむ……見たところ練度も十分だね。私が教えられることもなさそうだ! クロシュちゃんは合格! 卒業おめでとう!」
クロシュ「わわ……!」
スライム幼女「おめでと〜!」パチパチ
スライム少年「くそ〜オレも早く卒業してえ〜!」
☆クロシュが魔法経験を3積みました
◇
―王都セイントレア 城下町
ワイワイ ガヤガヤ
エバンス「ひとまず闇雲に情報収集してみるか」スタスタ
ローガン「闇雲なのか……」スタスタ
エバンス「冗談だ冗談。ここはやっぱ、今のロイエ教の様子とか原理派の動向を抑えておきたいよな」
ローガン「そうだな。なぜ大聖堂の別館にあのような……というのは恐らく市井の者に聞いても仕方がないだろうが」
エバンス「むしろそんなのを聞いて回るのは自殺行為だな……。今はとりあえず、表に出回ってる普通の情報を集めよう」
↓1コンマ
01-30 現在の教皇は穏健派の人物らしい
31-60 以前は原理派が優勢だったらしい
61-90 ???
91-00 ???
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:18.49 ID:G8rJmAdzo
- はてな
- 633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:40.68 ID:cpVOZsOho
- カクカクシカジカ
- 634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:38:51.15 ID:/+l+SDx80
- 酒飲み大柄修道士「ロイエ教のことであれば俺が答えてやろう!」ノッシノッシ
ローガン「貴方は昨日の酒飲み修道士!」
エバンス「えっ、クロシュちゃんと飲み比べをしたっていう?」
酒飲み大柄修道士「いかにも!」
ローガン「うむ……まあ、恐らく信用できそうな人物だ。せっかくだし聞いてみよう」
エバンス「お、おう」
*
酒飲み大柄修道士「今のように穏健派が優勢になったのは、現教皇のユグド・フランシスが選出されたのがでけえだろうな。まあ穏健派のモンが選出されるくらいに穏健派がでかくなったとも言えるが」
エバンス「現教皇ってのはどんな人物なんだ?」
酒飲み大柄修道士「穏健派思想の体現者のような人だ。平等と平和を重んじ、求める者には種族の隔てなく手を差し伸べる……みたいなな。今この王都で人間以外の排斥に反発する運動が活発なのも、あの人とその指揮下にある穏健派の積極的な活動の結果だと思うぜ」
ローガン「なるほど……。穏健派が優勢になるまでは原理派が優勢だったのだろうか?」
酒飲み大柄修道士「おお、知ってるのか? その通り、穏健派が優勢になる前は原理派が大多数を占めてたんだ。ロイエ教の歴史のほとんどは原理派の歴史と言っても過言じゃねェ。もちろん原理派は今でもロイエ教に数多く残ってるし、セイントレア王国の王侯貴族はほとんどが未だに原理主義的なロイエ教を信仰してるんだぜ」
エバンス「なるほどな……王様が未だに人間以外に厳しいのは原理派だからってことか」
酒飲み大柄修道士「実際に話してみねェとほんとのとこはわかんねェが、可能性は高ェだろうな。穏健派の俺としては頭の痛ェとこだが……」
ローガン「貴方も穏健派だったのだな。まあクロシュくんともおおらかに接していた辺りからそうだとは思っていたが」
酒飲み大柄修道士「ガハハ、種族が違うからって子供相手に目くじらを立てる奴ァ穏健派がどうとか以前に人としてゲロ以下だろうよ!」
エバンス「おお……まあ大体同意だ!」
ローガン「聖職者とは思えん言葉遣いだが、確かに同意はできるな……うむ」
☆ロイエ教について少し知りました
◇
- 635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:39:21.68 ID:/+l+SDx80
- ―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂
クレア「えっ……使徒様に会いたい……!?」
クロシュ「だめ……?」
クレア「だ、だめというわけではないのですが……。使徒様は……少々所属が遠くてですね……」
聖女「使徒様がどうかなさったのですか?」スタスタ
クレア「あっ聖女! あなたは今原理派ですよね? クロシュさんたちを使徒様とお会いさせてあげることはできますか……?」
聖女「えっ……ど、どうでしょう。私は原理派といってもほとんど末端ですし……父がここにいればなんとか頼めたかもしれないですけど……いやでも使徒様は名誉顧問なので普段はお暇という噂もありますし、ダメ元で行ってみれば会えるかもしれません」
妖精「お願いできる? ダメだったらダメでいいからさ」
聖女「わかりました。行くだけ行ってみましょう!」
イリス「ありがとうございます!」
ミスティ「よろしく頼むわね」
クロシュ「おねがいします……!」
◇
- 636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:34:44.39 ID:/+l+SDx80
- ―大聖堂別館 来賓室
大きなソファ「」ポン
ガラスのテーブル「」ポン
十字瞳孔の金髪ロング少女→使徒「お待たせ致しました」スッ
聖女「使徒様、お久しぶりでございます」ペコリ
使徒「お久しぶりです、聖女様」ペコリ
クロシュ(わあ……!)
ミスティ(あっさり会えちゃったわ……。本当に暇なのかしら……?)
イリス(……この気配は……)
妖精(………こいつ、何だ……? この感じ……)
使徒「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。世界樹の光をお求めの皆様」ペコリ
妖精「……知っていたの?」
聖女「??」
クロシュ「??」
使徒「そうでなければこのような席は設けません」
イリス(わお……)
ミスティ(これは……なかなかやりそうね……)
聖女「えっと……私は、席を外した方がよろしそうですか?」
使徒「いいえ。聖女様にも関係があるかもしれません。どうぞお座りくださいませ」
聖女「わ、わかりました……」スッ
使徒「……一度、振り返りも兼ねて聖女様にもわかるように説明いたしましょう。世界樹の光を巡る、時の流れについて――」
◇
- 637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:35:55.24 ID:/+l+SDx80
-
聖女「そのようなことが……。私も原理派なのに、何も知りませんでした……」
使徒「聖女様のお父上が、厳しく情報統制を行っておりましたので。知っているのは枢機卿を初めとした上層部の何人かと、僧侶様くらいでしょう」
聖女「お、お姉ちゃ……姉まで関わっているんですか……!?」
使徒「誰よりも熱意を持って取り組んでおられました。お父様と一緒に私が世界を救うんだー!と鼻息を荒くし……」
聖女「そ、そうなんですか……。それでは姉は、今もその任に……?」
使徒「いえ。残念ながら、彼女は今行方不明です」
聖女「えっ……!?」
使徒「僧侶様は任務の途中、何度も失敗を繰り返し、最終的に任を解かれました。その後セクリエ・ロイエに戻るよう通告したのですが……姿を消し、未だに戻っていないようです」
聖女「そ、そんな……! どこかで事故か……あ、危ない目に遭ってるんじゃ……!!」
使徒「あるいは、セクリエ・ロイエに戻れないような事情があるか――」
聖女「……!!」
妖精「……」
使徒「もしそうだとして、咎めるつもりはないのでご安心を」
聖女「……」
使徒「さて、それでは本題に移りましょうか。まずは世界樹の光について」
妖精「うん。あなた……持ってるんでしょ?」
使徒「はい。こちらに」
手のひら「」スッ
世界樹の光・地「」ポゥ―
イリス「世界樹の光……!」
妖精「……どうやってそれを奪ったの?」
使徒「あなたたちが悪竜を討滅して引き上げた後、その地に赴き……星脈に沈んでいくそれを捕まえ、引き上げました」
イリス「ええ……!? そんなのことが可能なんですか……!?」
使徒「可能です」
イリス「……!!」
使徒「単刀直入に言いましょう。世界の存続の為に、あなたたちが持っている光を私に預けてはくれませんか?」
妖精「……」
使徒「今ご説明した通り、私たちの目的は世界樹の光を用いて世界めくれを抑えること……。その目的さえ果たせれば、その後に光は全てお返しすると約束致しましょう」
妖精「……そもそも、世界めくれなんて本当に起きるの? その情報の出どころは?」
使徒「とある預言者様のお言葉です。申し訳ありませんが、例え世界樹の御使いであろうと詳細をお話することはできません」
妖精「信用できない。そんな曖昧で不確かな預言とやらの為に、世界樹の光を得体のしれない奴らに託せるわけがない」
使徒「そうですか。では交渉は決裂ということで」
イリス「あっさり引き下がった……?」
ミスティ「……力づくで奪う算段があるんじゃないの?」
使徒「皆さんに危害を加えるような真似は致しません。預言の日までにはまだ日数がありますので、他の手を打つとしましょう」
妖精「他の手……?」
使徒「秘密です。それをお渡しして頂けるのならお話致しますが」
妖精「冗談じゃない」
使徒「気が変わりましたらいつでもこちらへ。もし光を預けて頂けるのなら、どんな望みでも叶えて差し上げましょう。ロイエの威光が届く範囲で、ですが」
*
- 638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:38:30.56 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「あの……カリス・ノーランドと……セインさんたちについて……聞いても、良い……?」
聖女「え……? カリス・ノーランドって、指名手配犯の……? ずっと前に処刑されたっていう……。それとセインさんにどんな関係が……?」
使徒「聖女様。今からここで耳にすることは、絶対に他言しないと約束して頂けますか?」
聖女「えっ……? は、はい……」
使徒「はい。とは言っても、私も彼女とその創造物たちについて知っていることは多くありません。彼女はあくまで、枢機卿を介して協力を取り付けた外部委託業者。セイン様の要請に応じて最低限の監督はしておりますが、この仕事が終わればそれも終わるでしょう」
クロシュ「えっ……。じゃあ……これ、終わったら……カリス、また、酷いことするようになるの……?」
使徒「そこは私の感知するところではございません。しかしセイン様は王国相手にも積極的に交渉を行っておられるご様子でしたので、セイン様が存命の内はある程度安全なのではないかと推察致します」
ミスティ「ちょっと……あなた、カリスがしていることを知っていながら何も思わないの……!? そんな他人事みたいに……!」
使徒「カリス様がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、他の者に比べれば確かに多いかもしれません。しかしはっきり申し上げれば、誤差です」
ミスティ「な、に……!?」
使徒「カリス様が何をしてもしなくても――この世に生まれでた命は、例外なく苦痛にのたうち、最期には死にます。カリス様は、その流れを少しだけ後押ししているに過ぎません」
イリス「え、ええ……!?」
使徒「ゆえに私は、カリス様だけを特別扱いするつもりはございません。もちろん私の目的を阻害する存在となるのであれば別ですが。今のところはどちらかと言うと有益な存在なので、特にすべきことはございません」
ミスティ「貴様ッ!!」ダンッ!!
妖精「ミスティ!!」
ミスティ「っ……!!」
妖精「……あなたのスタンスはわかった。私たちとは……どうやら、相容れない」
使徒「そのようですね。残念です」
イリス「……使徒さんは、世界を救う為に世界樹の光が必要なんですよね……? でもどうして……そんな正しい気持ちを持っているのに、カリスを許せるんですか……!? 使徒さんにとって、世界さえ存続すれば、そこで苦しんでる命たちはどうでも良いんですか……!!?」
使徒「どうでも良くはありません」
イリス「それなら、なんで……!?」
使徒「秘密です。世界樹の光をお貸しして頂けるなら、全てを詳らかにお話致します」
イリス「……」
妖精「またそれか。あなたみたいなおかしい奴に貸せる光なんてあるもんか」
使徒「残念です」
クロシュ「……」
クロシュ(まだ……少し、時間あるみたい……)
どうする……?
↓1〜2自由安価 話す or 行うこと(状況にそぐわないものは再安価となります)
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:44:44.42 ID:HKTchOSJO
- 他に使途さんが危惧してることはあるか
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:53:02.08 ID:2lN0pQFaO
- 世界をデロデロにして一つにすることについてはどう思う?
- 641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:26:57.74 ID:/+l+SDx80
- クロシュ「……えっと……他に、心配なこと……ある……?」
使徒「心配なこと、ですか」
クロシュ「うん……。世界が、めくれる以外で……」
使徒「原理派の枢機卿……通称グランドマスター様が独断で王国と何らかの企てを行っているようです。詳細は存じ上げませんが、断片的に拾った情報によれば魔族国に関わる事柄のようです」
聖女「えっ……!? ど、どういうことでしょうか……!?」
使徒「枢機卿は私に負けず劣らずの秘密主義者なので、ここからは完全な推測となってしまいますが――恐らく、戦争でしょう」
聖女「っ!!?」
イリス「えっ……!?」
妖精「待って! 魔族国は、多数の人質を抱えてるんだよ! 中には王族もいたはず! それなのに戦争なんて――」
使徒「敵国の滅亡を人質より優先すれば、戦争は可能です」
妖精「いや……それはそうだけどさあ……」
使徒「私としては、世界めくれを阻止しなければならないこの状況下で、そのような下らないことに神経を割かれたくありません。枢機卿にも困ったものです」
ミスティ「だったらあなたが止めれば良いじゃない……。あなた、この原理派で偉い立場なんでしょ」
使徒「そうしたいのは山々ですが、彼は話が通じる相手ではありません。そしてとある事情により殺害も不可能です。そういうわけなので私、割と本気で困っています」
妖精「そ、そうなんだ……」
使徒「せっかくなので特別にお教え致しますが、枢機卿がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、カリス様よりずっと多いです」
イリス「え、ええっ……!?」
ミスティ「カリスより邪悪ということ……!?」
使徒「原理派の癌細胞と言っても良いでしょう。もっと早く検知できれば摘出できたかもしれませんが、既にその病巣は大聖堂の奥深くに広がっていました。名誉顧問の私ではもうどうしようもありません」
妖精「ええ……諦めないでよ、そこで……」
使徒「真面目な話をすると、腐っても枢機卿で、しかも王国やカリス様など各界に多数のパイプを持った人物でもあるので、下手に始末すればどのような悪影響が出るか予想が付かないという面もあります」
ミスティ「どういうこと……? 悪い奴を殺せば悪い奴が消える、という簡単な話ではないの?」
使徒「ミスティ様にもわかりやすく言いましょう。枢機卿が死ねば、カリス様の首輪が外れた状態になります」
ミスティ「なるほど……理解できたわ。二人同時に潰せば良いということね」
使徒「そうかもしれません」
イリス「ええ……」
使徒「枢機卿は勤務地である聖域の間にいる間は無敵なので、もし暗殺するなら不死殺しの手段を用意するか、聖域の間から出た瞬間を狙うのが良いでしょう。滅多に出ることはありませんが、もし戦争を企てているなら近い内に出る瞬間があるかもしれません」
聖女「い、一体何のお話をしてらっしゃるのでしょうか……」クラクラ
妖精「ご、ごめんね……巻き込んじゃって……」
*
- 642 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:28:55.33 ID:/+l+SDx80
-
クロシュ「……あ、使徒さん……デロデロ教って、知ってる……?」
聖女「!」
使徒「はい。世界を一つのデロデロにして、恒久的平和を実現しようという考えを広めている集団ですね」
クロシュ「うん……。使徒さんは……デロデロ、どう思う……?」
使徒「そうですね。一つの解としては、まあ悪くないものと考えます」
クロシュ「!」パァァァ
使徒「しかし懸念点もあります」
クロシュ「!」
使徒「デロデロが命の総体であった場合、それは結局、全ての命が受けるはずだった苦痛の先延ばしに過ぎません」
クロシュ「……」
使徒「そしてデロデロが全ての命に安寧を与えるゆりかごであった場合――デロデロにかかる負担、責任が重すぎます」
クロシュ「……!」
使徒「星ごと呑み込んで全ての命をしあわせにしたデロデロの最期が、新しいごはんを食べることもできず、友達とお喋りすることもできず、独りぼっちで宇宙を漂い、静かに冷えて死んでいくものだとしたら――それは、あまりにもむごい末路ではありませんか」
クロシュ「……!!」
使徒「永遠はありません。不死の炎も、星の鼓動も、太陽の熱も――いつかは翳り、滅びる運命(さだめ)。独りぼっちのデロデロが、最期までしあわせな夢を見ていられるのか――私には、わかりません」
クロシュ「……」
使徒「以上の点から、デロデロ教の考え方を全面的に受け入れることはできません。しかし苦痛の総量は大幅に減少すると思われますので、全く悪いものとも思いません。今のこの世界がこのまま続くよりは良いかもしれませんね」
クロシュ「……ん。わかった……ありがと……」
使徒「どういたしまして。また何か聞きたいことがあればお答えいたしましょう」
イリス(……使徒さん……デロデロのことを思いやれる心があるんだ。でも……それならなんで……カリスのことは、許しちゃえるの……?)
ミスティ(使徒……よくわからない女ね……。たぶん、悪い奴ではないのだろうけど……)
聖女(……私、クロシュちゃんや使徒さんみたいに、しっかり考えてるのかな。口先で平等や平和を訴えるばかりで、結局思考停止してはいないかな……。でも……うう、お姉ちゃんとお父さんのことも心配……戦争のことも……。私、どうすれば……)グルグル
妖精(……何者なんだろう、この使徒という奴は……。なんか妙な感じだ……知ってるような、全然知らないような……)
☆使徒とお話しました
☆枢機卿グランドマスターの情報を得ました
☆使徒のデロデロに対する考えを知りました
◆
- 643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:57:04.16 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 滞在4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:58:40.65 ID:/+l+SDx80
- ―朝
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
チュンチュン
妖精「というわけで、世界樹の光を持っているのが使徒だってことはわかった」
ローガン「預言の日に備えて持っている、と」
妖精「そうらしい……。説得はたぶん無理。力づくで奪うのはちょっと怖いかも……得体が知れないし、むしろ逆にこっちが奪われる可能性がある……」
エバンス「なるほどな……。んでしかも、枢機卿が王国と戦争の企てをしてるっつー噂か……」
イリス「魔族国に知らせた方が良いですかね……?」
妖精「もう風の精霊に頼んで知らせてある。ただ、今の段階では疑惑でしかないから、備えとくようにって程度だけど……」
クロシュ「……」
ミスティ「戦争か……。あの魔族革命の時みたいな戦いがもっと大規模に繰り広げられる……という認識で良いのかしら……」
妖精「大体良いと思う。一番良いのは戦争が起こらないことだけど……今の段階じゃいつ起きるかもわかんないし……」
ミスティ「……やっぱり、枢機卿とかいう奴を叩きのめす?」
エバンス「いや、流石に厳しくないか……。俺たちまでシノホシみたいなテロリストになっちまうぞ……」
イリス「使徒さんが庇ってくれるかどうかもわかんないし……」
ローガン「それに、カリスの首輪が外れてしまう懸念もあるのだろう……。もし殺るなら同時に殺らねばならん」
ミスティ「そうだったわね……。なかなか難しいわ……」
☆努力目標が追加されました
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く
・戦争を阻止する
王都セイントレア滞在4日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:49.98 ID:winWkLrg0
- 孤児院の手伝いでミラ(クル)と一緒に市場で買い物中にレイと再会する
(無理そうならミラとクルが昔レイと同じ孤児院に暮らしていた話を聞く)
- 646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.48 ID:G8rJmAdzo
- レインをはじめとするカリスへの復讐者たちが続々と集結する
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.77 ID:vgBdBkE/0
- ダークヒーローイリス、虐げられてる奴隷を助ける。
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:13.30 ID:tescTEckO
- デロデロ教布教に巻き込まれる
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:33.91 ID:Dab0bmoJ0
- ちびクロシュを使って王城に入ってみる
- 650 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:54:35.48 ID:/+l+SDx80
- ―王都セイントレア 市場
ワイワイ ガヤガヤ
ミラ「すまないね、クロシュさん。買い出しを手伝ってもらって」スタスタ
クロシュ「ん……!」トコトコ
妖精「まあアレだよ、巡礼者としての善行の一環みたいな」パタパタ
ミラ「良いね。きっと天国に行けるよ、クロシュさんも妖精さんも」
クロシュ「てんごく……?」
妖精「死んだ後に魂が向かうとされる場所のこと。ロイエ教に限らず大体の宗教は、死後の世界のことを規定してる。死後への思いはきっと、生命にとって普遍的な感情なんだろうね。ちなみに緑の国では、死者の魂は星に還るって考えられてる……って話は前にしたっけ?」
クロシュ「うん! 浮島のラティアでは……お空に、かえる……!」
妖精「そう、よく覚えてたね。えらいえらい」ナデナデ
クロシュ「んへへ……」
ミラ「へえ……どこの宗教でも天国のことは規定してるんだね。ロイエ教でもそうなのかな?」
妖精「さあ、ロイエ教でどうかは……ってあなたロイエ教の孤児院で働いてるのに知らないの?」
ミラ「働いてるだけでロイエ教の教典を真面目に読んだことはないんだ。クレアさんも無理に読む必要はないって言ってたから、まあいいかなって」
妖精「適当だなあ……。クレアは優しいんだね」
ミラ「クレアさんはすごく優しいよ。しかも美人だし、もし僕が僕だけだったら異性として好きになっちゃってたかもね」
妖精「そういえばミラは妹のクルと一緒なんだっけ……?」
ミラ「うん。僕の体はクルも一緒なんだ。クレアさんのことばかり見ていたら、クルにひっぱたかれちゃいそうだからね」
クロシュ「わあ……」
妖精「なんだか難儀してそうだなあ……」
ミラ「フフ、難儀してたのは確かだね、いろいろ。お風呂の時なんか、クルに見られ放題で最初はちょっと恥ずかしかったんだ。もう慣れちゃったけどね」
妖精「想像がつかない……。まあなんか大変そうなのはわかる……」
クロシュ「……えっと、なんで、クルさんが……一緒なの……?」
ミラ「フフフ……それを聞いてしまえば、もう後には戻れないよ? 本当に聞いちゃう?」
クロシュ「うん!」
ミラ「それはね――」
ドンッ
ミラ「おっと、すみま――」
フードで顔を隠したレイ「ひゃっ! しゅ、しゅみま……ひゃえっ!? みみ、みっ……」
ミラ「……レイ?」
レイ「みっ、ミラ……!?……なな、なん……で……ここに……」ガクガク
クロシュ「レイさん……!」
妖精「レイ……!?」
ミラ「……ちょっと、場所を移そうか」スッ
ガシッ!
レイ「ひいぃ……ごべんなさい、ごべんだざぃ……」ズルズル
◇
- 651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:55:40.73 ID:/+l+SDx80
- というわけで本日はここまでとなります。次回はミラくんとレイちゃんの同窓会編、カリスに殺意を向ける者たち編、ダークヒーロー活動編です
ついに原理派の使徒と出会い、言葉を交わすクロシュ一行。使徒のやや浮世離れした言葉や考えに戸惑ったり怒ったりしつつ、話し合いはひとまず穏便に終わる。聖女は家族や原理派の知られざる一面に衝撃を受け、妖精は使徒の真意をはかりあぐね、ミスティは使徒の冷血な態度に憤怒し、イリスは使徒の多面性に戸惑い、クロシュは使徒のデロデロ考察を聞いて思索を深めた。よくわからない人だが、ひとまずすぐに敵対ということにはならなそうである。セインさんたちを助ける、枢機卿の悪巧みを暴く、戦争を止める……やることはたくさんあるが、あかちゃんスライム的にはやっぱりセインさんたちが一番気になるところであった――
そして次なる日。ミラくんちゃんと一緒に買い物中、指名手配犯のレイさんと再会するクロシュ。ミラくんちゃんとレイさんの間には並々ならぬ思いが迸っているように見えたが、邂逅の行方は果たして――
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
- 652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 12:41:15.66 ID:VIld+Qfoo
- おつおつ
使徒さんリアリスト極みだけどまとも寄りだ……異教徒(でろでろ教クロシュ)にも一定の理解があるのは流石
- 653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 18:10:07.71 ID:55oKPG/eO
- カリ殺者いっぱいいそう
- 654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 22:07:04.15 ID:SMQBPGmD0
- 乙です
レイの過去や禁呪や邪神関係も明らかになっていくのかな
- 655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/13(火) 12:06:51.28 ID:RycuNkIFO
- 乙
ミスティさんが安定の脳筋武闘派スタイルで安心できる
努力目標が追加されたけどクロシュちゃん的にはやっぱセインさんたちが気になるとこよね
- 656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/16(金) 23:39:54.69 ID:yLauTuFXo
- ミスティバイオレット姉妹大魔女帝国レインと対カリス連合できるなって
- 657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 09:38:35.68 ID:idXzYpXB0
- 乙
自由行動の安価に関してなんか言っていたけど>>357でまだ様子みる感じだったのね(一度自由行動の安価取っているのにまたとっている人たちがいたからあれっと思ったけど)。
- 658 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:29:30.36 ID:2CFwlCGE0
- 使徒氏は少し変わった考え方を持っているようです。彼女の真の目的が何なのかは今のところ闇に包まれていますが、少なくとも今のところはクロシュたちと喧嘩になることはなさそうです。クロシュ氏としても、デロデロ教についての考えと評価を提示してくれたのは嬉しいことであったと言えるかもしれません
カリス氏に恨みを持っている人はけっこういるので、カリス氏を殺したいと思っている人はけっこういると考えられます。彼女に向けられた殺意がどのような影響を及ぼすのかは今のところ未知数と言えます
レイ氏のことや邪神のことなどは、今後明らかになる可能性があります。今のところは闇に包まれているため、それが実際にどのようなものなのかはわかりません。なおこれはネタバレですが、邪神や邪教に関係している言葉や事象は既に劇中でもいくつか出てきています。鋭い方はもうお気付きかもしれません
ミスティ氏は脳筋なので、枢機卿とカリスを同時にやっつければ悪は去ると考えたようです。それは実のところある程度その通りなのですが、しかし彼らを同時にやっつけるのはとても難しいかもしれません
クロシュ氏としては、セインさんやフレアちゃんのことがやはり気になるようです。時間は有限なので、早め早めに調べたり動いたりしていくのが良いでしょう
カリス氏に恨みを持つ人はけっこういますが、それらの復讐者たちが一致団結するには場所やコミュニケーション手段など、様々な課題があります。もしそれらを乗り越えることができれば、大きな戦力となってカリスを打ち倒すことができるかもしれません
- 659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:30:00.90 ID:2CFwlCGE0
- ―王都セイントレア 喫茶店
カランカラン
店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ
紅茶「」ポン ホカホカ
レアチーズケーキ「」ポン
ミラ「ありがとうございます」
店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ
レイ「……」ガクブル
妖精「え、ええと……これは、どういう状況なの?」
ミラ「君たちもレイのことを知ってるんだよね?」
クロシュ「うん……」
妖精「まあ、ちょっと縁があって……」
ミラ「なら一緒にお話しようよ。久しぶりに会えたことだしさ……」
レイ「……」ガクブル
◇
クロシュ「……」モグモグ
妖精「えっ……ミラとレイは同じ孤児院の出身だった……!? でもレイの孤児院って――」
ミラ「そう。レイがやったんだ」
レイ「ち、違うよぉ……。私、何もしてないんだよぉ……」グスグス
ミラ「うん、知ってるよ。私たちの孤児院が邪教の組織だったことも。レイがその器として選ばれたことも。ロイエ教の襲撃でパニックに陥ったレイが逃亡したことも。その余波でクルが死んだことも――」
レイ「あっ……く、クルが……」ジワワ
ミラ「フフ……お陰で、僕とクルは一つになれた。レイには感謝してるんだ……本当だよ?」ニコニコ
レイ「あ、ぁ、ぅ……」ガクブル
どうする?
↓1〜3選択 話す or すること
1.邪教について聞く
2.セイントレアチーズケーキについて話す
3.周囲を見る
0.自由安価
- 660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:13.75 ID:zB4QjK25O
- 1
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:41.20 ID:UE2J1q550
- 3
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:38:56.05 ID:hJvJmRqI0
- 過去の孤児院でのレイミラクルがどういう生活してたのか聞いてみる
- 663 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:52:51.61 ID:2CFwlCGE0
- クロシュ「邪教って……?」
ミラ「邪教――正式名称は、クリファ教。現世においては悪魔とされる、幽界の邪神を信仰する暗黒の宗教さ」
妖精「幽界の邪神……?」
レイ「そ、そうだったんだ……」
ミラ「レイ、器なのに知らなかったの?」
レイ「知らないよぉ……。興味もないし……」
ミラ「あいつらは孤児たちを利用して、邪神をこの世に顕現させようとしていたんだ」
クロシュ「どうして……?」
ミラ「邪神が好きすぎて直に会いたくなったとかじゃないかな?」
妖精「……でも結局、儀式は失敗したんでしょ? レイの様子を見る限りじゃ」
レイ「そ、そうなの……?」
ミラ「たぶんそう。でもはっきりとはわからないんだ。あの時、あの場所で、もしかしたら邪神は降りていたのかもしれない。レイは……覚えていない?」
レイ「わ、わかんないよぉ……あの時は、武器を持った奴らがいっぱい暴れてて……みんな死んで、殺されて……私、無我夢中で……」
妖精「あれ、でもレイって闇の力を使えるよね。あれってよく考えたら幽界の力か……じゃあ儀式は成功していた?」
ミラ「そうなの? レイ」
レイ「わかんないってばぁ……」
*
クロシュ「孤児院では……どんな風に、暮らしてたの……?」
クル「ここからは私がお話するね。毎晩闇の神様にお祈りを捧げるところ以外は、たぶん他の孤児院ともあんまり変わらなかったと思うよ。ね、レイ?」
レイ「あ、え、えっ……く、クルなの……?」
クル「そう! よくわかったね、褒めてあげよう」ニコニコ ナデナデ
レイ「あぅぅ……。ご、ごめ、なさ……」
クル「アハハ、大丈夫! レイのせいじゃないってわかってるもの。それに今は、ミラとずーっと一緒にいられるから」
レイ「うう……」
クル「あ、もう一つ変わったことがあった。魔法の練習は全然しなかったんだ。それどころか、杖を持ったり自分で勉強したりするのも禁止だった」
妖精「魔法禁止……? それはけっこう厳しくない?」
クル「よくわからないけど、邪神の器にする都合じゃないかな? 属性の適性検査だけはけっこう頻繁にやってたし」
レイ「……そういえば……闇適性のある子だけが呼ばれたこと、あったよね……」
クル「うん。あれは邪神の器に最も相応しい子供を選定してたんじゃないかなあって思う。もしかしたらレイじゃなくて私が邪神の器になっていた運命もあったのかもね」
レイ「………」
◇
- 664 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:01.20 ID:2CFwlCGE0
- ワイワイ キャッキャ
クル「それでね、その時レイが――」
レイ「や、やめてよぉ――」
妖精「へえ〜」
クロシュ「ほえ……」
カウンター席「」
新聞を読む隻腕の男「……」ペラッ…
無言で紅茶を啜る男「……」ズズ…
窓の外「」ワイワイ
動かない男「……」
行き来する男「……」スタスタ クルッ スタスタ
クロシュ「……」
クロシュ(妖精さん……)
妖精(……クロシュも気付いた? 変な奴らに囲まれてる)
クロシュ(うん)
クル(え、そうなの!? うわ、本当だ。変な奴らがいるね)
レイ(ひっ……!?)
妖精(レイ、態度に出さないで。気付いていない風を装って)
レイ(う、うん。ごめん……)
クル(レイを捕まえに来た兵士……にしては、やけに不審だね。私服だし、動きも見えない)
妖精(思うに……あれは、孤児院を襲撃したロイエ教の奴らなんじゃ? 派閥まではわからないけど……今度こそレイを捕らえようと企んでいるのかも)
クル(!)
レイ(ひえ……!? み、見捨てないよね!? 私のこと……見捨てないよね……!?)
クロシュ(うん……! レイさんは……悪くない……!)
レイ(クロシュちゃんんんん!!!!)
クル(それで……どうするの?)
妖精(私に考えがある)
◇
- 665 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:28.55 ID:2CFwlCGE0
- チャリンチャリン
店員「ありがとうございました」ペコリ
扉「」ガラッ
カランカラン―
クル「美味しかったねー」
レイ「う、うん……びび、美味でありましたなあ……!」
妖精「あ、あの路地裏に何か美味しそうな気配がある!」
クロシュ「わ〜!」
クル「それじゃあ行ってみよう」
スタスタ トコトコ パタパタ
曲がり角「」クルッ
隻腕の男「……」シュタタッ
追跡者たち「……」シュタタッ
クルッ
隻腕の男「!」
誰もいない路地裏「」
隻腕の男「逃げられたか? 総員、周辺を隈なく探せ」
追跡者たち「ハッ!」ザザッ
*
透明妖精(まだいるんだけどねぇ)
透明クル(クロシュちゃんの反映魔法……! 凄いね!)
透明レイ(クロシュちゃん、こんなことできるの……!?)
透明クロシュ(んへへ……)
透明妖精(奴らが見失ってる内にさっさと離れよう)
◇
- 666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:56.25 ID:2CFwlCGE0
- ―夕方
王都セイントレア 公園
噴水「」シャワシャワ
クロシュ「……」キョロキョロ
妖精「この辺まで来ればもう大丈夫だと思う」
レイ「ぷはっ……た、助かったぁ……」
ミラ「フフ、なかなかスリリングだったね」
妖精「ただ、問題は……私とクロシュは巡礼者ってことでロイエの教会に泊まってるからたぶん顔が割れてるし、クル……じゃなくて今はミラか。ミラもそこの孤児院で働いてるから、当然素性はバレてる……。このまま帰れば待ち伏せされてるかも……」
ミラ「困ったね……。僕としては、レイを奴らに引き渡すのだけは阻止したいところなのだけれど」
クロシュ「んゅ……」
レイ「……だ、大丈夫! あとは私、ひ、一人で逃げられるから……!」
ミラ「ダメ。そうやってこの前も一人で逃げて、結局ずっと会えなくなっちゃったじゃないか。今度は一人で行かせなんて――」
レイ「ごご、ごめんねっ……!」スッ
影「」ドプン!
ミラ「あっレイ……!?」
妖精「影に……隠れた!」
クロシュ「わあ……!」
闇隠れレイ「今日はありがとね……。クルのことは……本当に、ごめんなさい……。これ以上、みんなを巻き込めないから……私、もう行くね……」
ミラ「レイ……!!」
闇隠れレイ「それじゃ……さよなら……!!」
スススス――…
妖精「……行っちゃった。前より闇の力を使いこなしてる」
ミラ「………レイ……」
クロシュ「ミラさん……」
☆レイと再会しました
☆努力目標が追加されました
・レイの行方を追う
◆
- 667 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:06.39 ID:2CFwlCGE0
- ―王都セイントレア 市場
ワイワイ ガヤガヤ
イリス「枢機卿の弱点……何かないですかね」スタスタ
ローガン「難しいな。簡単に見つかるような弱点があれば、恐らく既に潰されているだろう」スタスタ
イリス「それはそうですね……ん?」
ザワザワ…
貴族の少年A「おらっ! 有り金全部出せ!」ゲシッゲシッ
貴族の少年B「ギャハハハ!!」
縮こまっている奴隷「……」ブルブル
イリス「あれは……!」
ローガン「ふむ……見たところあの子供たちは身分の高い者の子息か。蹴られているのは……首に枷が嵌められているところを見ると、奴隷だろう」
イリス「貴族だから誰も手出しできないってことですか……!?」
ローガン「うむ……。あの奴隷の主人がもし平民の者であれば、打つ手はないだろう。魔族国での貴族や騎士の振る舞いを思い返せば、この王国において貴族は巨大な力を有しているはずだ。そんな者が相手ではどうにもならぬ」
イリス「……」ギリリ
バサッ!!
ローガン「あっイリスくん待て!」
*
貴族の少年たち「ギャハハハハ!!」ゲシッゲシッ
「待て!」ザッ
貴族の少年A「あ?」
星柄フードで顔を隠した少女「弱き者を痛めつけ悦楽に浸るその腐り切った性根――叩き直してくれよう」バサッ
貴族の少年B「なんだァお前?」
星柄フードで顔を隠した少女「夜闇に紛れて悪を討つ、星光のダークヒーロー――イリスとは私のことだ!」ババン!
貴族の少年A「は?」
ザワザワ… ナンダアレハ…
貴族の少年B「夜闇て……今は真っ昼間だぞ! ブハハハハ!!」
貴族の少年A「ケヘヘ……こいつけっこう良い体してるぜ! 貴族様に逆らった罰だ、たっぷり躾けてやるよ!」
ダークヒーローイリス「……」ワナワナ
- 668 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:52.05 ID:2CFwlCGE0
-
ザワザワ…
「おいおい大丈夫か、あの頭のおかしい女の子……貴族なんかに喧嘩売っちまって……」
「大丈夫じゃないだろ……」
「あいつら、この辺じゃけっこう有名な悪ガキでよ。今日は奴隷だけど時々冒険者とかにも喧嘩売ってボコボコにしてる札付きなんだ。あの頭のおかしい女の子、ヤベェぞ」
「……でもこれ、けっこう美味しい光景が見れそうじゃね? へへ……頭はおかしいけど体つきは本当にけっこう良いし……さっきチラっと見えたけど顔もかなりかわいいし」
「うわ、お前最低だな……。まあ気持ちはわかるけ――」
ドガンッ!!
貴族の少年A「」プスプス
貴族の少年B「」プスプス
ダークヒーローイリス「命までは取らない。反省することだ……」ザッ
縮こまる奴隷「」ブルブル
ダークヒーローイリス「悪は討った。君ももう大丈夫だ――」
縮こまる奴隷「……?」ブルブル
アルベール王「……」ヌッ
ザワザワザワ… アルベールオウ…!?
ローガン(なんだと……!? アルベール王がなぜこんなところに……!? まずいぞ、イリスくん……!!)
↓1コンマ 奴隷の身元
01-10 ??
11-30 平民に仕える魔族奴隷
31-50 平民に仕える人間奴隷
51-70 貴族に仕える人間奴隷
71-90 王族に仕える人間奴隷
91-00 ??
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 19:58:16.19 ID:Ntcme+DnO
- はい
- 670 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:46:32.35 ID:2CFwlCGE0
- 魔族の奴隷少女「あ、ありが――」
アルベール王「……」ギン
魔族の奴隷少女「ひ、あ……」ガクガク
ダークヒーローイリス「……!! 貴方は――」
アルベール王「このような見世物に出会えるとは。出歩いてみるものだ」
ダークヒーローイリス「アルベール王……!!」
アルベール王「衛兵よ。この者を捕らえよ。暴行の現行犯である」
衛兵たち「ハッ!」ザザッ
ダークヒーローイリス「くっ……!! アルベール王、虐げられる者たちの声は聞こえないのか!? 貴方に人の心はないのか!!?」
アルベール王「私は城に戻る」クルッ スタスタ
ダークヒーローイリス「アルベール王!!!!」
ローガン(なんてことだ……! どうする……!? 何か手は――)
モニョモニョ…モニョモニョモニョ…
衛兵たち「黙って歩け!」スタスタ
衛兵たち「逃げ出そうなんて考えるんじゃないぞ」スタスタ
衛兵たち「ったく、面倒な仕事増やしやがって」スタスタ
ダークヒーローイリス「……え? いや、あの……私はこっち……」
『民衆の目を誤魔化しました。こちらへ……』モニョモニョ
ダークヒーローイリス「えっ……!? あっ……!」
小さな半透明スライム「〜〜!」モニョニョ
『そのスライムについていってください』モニョモニョ
ダークヒーローイリス「は、はい」
『さあ、あなたも……。ここにいては、不要な諍いに巻き込まれます……』
魔族の奴隷少女「え、あ、はい……!」
◇
- 671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:49:46.94 ID:2CFwlCGE0
- ―王都セイントレア 薄暗い路地裏
小さな半透明スライム「〜〜」モニョニョ
『ここまで来ればもう大丈夫でしょう……。帰り道、どうかお気をつけて……』モニョモニョ
魔族の奴隷少女「あ……は、はいっ」
イリス「あ、ありがとうございました……! あの、あなたは……?」
『……この街に暮らす者の一人です。魔族が虐げられていても、あなたのように立ち向かう勇気もなく、見ていることしかできない……無力な……』モニョニョ…
イリス「そ、そんなことありません……! あなたのお陰で、私はなんとか逃げおおせることができました……!」
魔族の奴隷少女「う、うん……。えと……ありがとう……助かり、ました……」
イリス「だから、ええと……お礼を――」
『……不要です。どうか、私のことは詮索せずに……。そのまま、お帰りください……。それでは……』モニョモニョ
小さな半透明スライム「〜〜」ピョンピョンピョン―
イリス「……」
魔族の奴隷少女「え、えっと……ダークヒーローさんも……ありがとう、ございました……」ペコリ
イリス「あ、ううん……」
◆
―夕方
聖ヴァレリオ教会
ローガン「イリスくん……今回のことは流石に肝が冷え切ったぞ……」
イリス「す、すみません……。頭に血が登ってしまって……」
ミスティ「どうしたの? イリスが叱られるなんて珍しいわね」
エバンス「何をやらかしたんだ?」
*
エバンス「ええ……貴族に喧嘩を売った……!?」
ミスティ「へえ……! イリスって脳筋だったのね」クスクス
イリス「うっ……今日ばかりはミスティに何も言い返せない……」
ローガン「はあ、笑い事ではないのだがな……。下手をすればパーティ全滅の危機だったのだぞ……」
イリス「うっ……本当にすみません、反省しています……」
ローガン「……だが、少なくともあの場で虐げられていた魔族の少女が救われたのも事実だ。ひとまず今は、そのことに胸を張るのが良いだろう」
イリス「はい……」
イリス(でも、あの声は一体誰だったんだろう……? 小さなスライムを使役していた……? それとも、あれは――)
イリス(……考えてもわからない! ひとまず今は大人しくしていよう……)
◆
- 672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:36:42.64 ID:2CFwlCGE0
- ―夜
セイントレア平原
焚き火「」パチパチ
レイン「……」
レイン(調査の結果、勇者モドキのセインはカリス・ノーランドの邪術によって造り出されたことがわかった……)
レイン(つまり私が滅ぼすべき相手は……セイントレア王国と、カリス・ノーランド……。場合によっては、セクリエ・ロイエも……)
レイン(……最低でもアルベールとカリスだけは、絶対に殺す……)
ザイル「レイン。ここにいたのか」バサッバサッ
レイン「ザイル」
ザイル「フレメアが居座っていた廃城が木っ端微塵に吹き飛んでいた。彼女の行方を知らないか?」
バサッバサッ
フレメア「呼んだ?」
ザイル「フレメア。生きていたか」
フレメア「まあね。ちょっと野暮用が出来たから、しばらくお仕事はできない」
レイン「野暮用?」
フレメア「カリス・ノーランドを殺すの」
フレメア「!?」
ザイル「カリス・ノーランド……?」
*
ザイル「なに……!? フリューゲルが、カリス・ノーランドの手で……!?」
レイン「……!」
フレメア「それでいろいろあって、カリスを潰してお母様を救出する為に愚妹とか魔族国に協力させられることになったの。だから悪いけどこっちの仕事はできないわ」
レイン「……待ちなさい」
フレメア「何?」
レイン「私にも噛ませなさい、それ。こっちもカリスに恨みがあるのよ」
ザイル「オレも参加させてもらおう。フリューゲルには恩がある」
フレメア「ええ? まあいいけど……」
◆
- 673 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:15.03 ID:2CFwlCGE0
- ―夜
魔族国 バイオレット邸
広げられた本「」バサッ
散らばった本「」ドサッ
フラナ「はあ。フレメアの奴はロクに知識がなくて役に立たないし、この国に私以上に魔法に詳しい奴なんてほとんどいないし……どうしたものか……」
コンコン ガチャッ
クローディア「お困りのようね。フラナ・バイオレット」スタスタ
フラナ「……大魔女帝国に不法侵入を取り締まる法はないの?」
クローディア「大魔女を取り締まる法はないわ」
フラナ「はあ、そう……。で、何の用? 見ての通り私は今忙しい」
クローディア「カリス・ノーランドを倒す方法――知りたくないかしら?」
フラナ「なるほどね。代価は?」
クローディア「カリス・ノーランドの首」
フラナ「……つまり、同じ目的を持っていると考えて良いのかしら?」
クローディア「ええ、その通り。彼奴は我が国で許し難い狼藉を働いた上――我が朋友フリューゲル・バイオレットの生命・尊厳を踏み躙り、辱め続けている。彼奴の生命がこの地上にある限り、私の怒りが静まることはないわ」
フラナ「……母上と知り合いだったの?」
クローディア「そうよ。ずっと以前から、彼女を救出する作戦は考えていたの。けれども、無数の分身を持つカリスを滅ぼす方法も、カリスに改造された生命を救う方法も、見つからなかった……」
フラナ「……」
クローディア「でも今は違う」
フラナ「!」
クローディア「切っ掛けは、以前うちの国でカリスが騒動を起こした時に奴の魔法を直接視れたこと――そして、カリスに造られた生命を解析できたこと。特に、クロシュとフメイの二人にかけられていた呪いはカリスの手法を紐解く大きなヒントになったわ」
フラナ「クロシュと、フメイが……!」
クローディア「――今ならやれる。でもそれには力が必要なの。王国とセクリエ・ロイエに守られている奴を叩き潰すには、大きな力が――」
フラナ「だから目星を付けたというわけか。王国と一触即発を保つ敵国である、我々魔族国を」
クローディア「無論、全力で魔族国を支援する用意はあるわ。私自身も立場を表明して参戦しましょう。どうかしら?」
フラナ「……悪くない提案だけど、もし大魔女が参戦するとしても王国との戦力差を覆すにはまだ――」
窓「」バァン!!
フレメア「ただいま」バサッバサッ
レイン「お邪魔するわ」バサッバサッ
ザイル「失礼する」バサッバサッ
フラナ「……」
クローディア「テロ支援国家だったのね、魔族国って」
フラナ「誤解よ」
◆
- 674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:49.05 ID:2CFwlCGE0
- ―夜
王都セイントレア 地下水路
地下水路「」ザアザア
レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ
ドブネズミたち「チューチュー」チョコマカ
フメイ「ふう……」ゴロン
アリシラ「ねえ、フメイちゃん……やっぱり地上の宿屋とかに泊まらない?」
フメイ「なんで? ここなら雨風を凌げるし、人目にも付かないし、しかもタダなのに」
アリシラ「そうだけどさあ……。暗くてジメジメしてるし……ネズミもいるし……」
フメイ「――!」サッ
瞬間凍結「」ガキンッ!
アリシラ「敵襲!」バッ
アイス「……」トコトコ ジッ
フメイ「……!」
フメイ(あいつ……間違いない……! フメイたちと同じ奴だ……!)
アイス「……」スッ
瞬間凍結「」ガキンッ!
瞬間凍結「」ガキンッ!
瞬間凍結「」ガキンッ!
アリシラ「うわうわうわあっ!!」サササッ
フメイ「アリシラ! びっくりしてないで吸収とかしてよ!!」サササッ
アリシラ「今は星の力でいっぱいいっぱいでェ……!」
フメイ「ああ……くっ!」バッ
炎「」ゴウッ!!
アイス「!」
フメイ「それ以上攻撃を続けるなら、この地下水路を爆破する。それは困るよね?」
アイス「……」
フメイ「わかったら大人しく――」
アイス「……」チラッ
レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャ
アイス「……」
パキッ――
凍結領域「」ピキピキパキッ――
氷漬けフメイ「」カチンコチン
氷漬けアリシラ「」カチンコチン
氷漬けレッサースライムたち「」カチンコチン
- 675 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:16.85 ID:2CFwlCGE0
- アイス「……」
アイス「……」トコトコ
氷漬けフメイ「」
アイス「……」スッ
ヒュッ!
アイス「!」サッ
氷壁に刺さる刃「」ドズッ!!
ブラッド「避けるなよ」スタッ
アイス「……ブラッド」
ブラッド「あ? お前あたしのこと知ってるの?」
アイス「……」ギリッ
ブラッド「??」
アイス「……」
パキッ――
ブラッド「!」
凍結領域「」パキパキ――
モニョモニョポン!
氷ブラッド「効かないねぇ」ニヤ
アイス「!!」
氷ブラッド「お前カリスの手下だよね? あの腐れ野郎についてあることないこと吐いてもらおうか――」スタスタ
アイス「――っ!」
雷「」バチチッ!!
氷ブラッド「うわっ!」
黄スライム『アイスちゃん!』モニョニョ!
アイス「……!」
黄スライム『掴まって! ちょっとびりびりするけどごめんね!』モニョモニョ!
アイス「!」ガシッ
雷の残像「」パリッ―
氷ブラッド「ちっ……逃げられたか」
*
- 676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:47.48 ID:2CFwlCGE0
- ―深夜
王都セイントレア 地下水路
メラメラ…シュワシュワ…
解凍フメイ「わあっ!?」ガバッ
解凍アリシラ「ああっ……!?」ガバッ
解凍レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャニャ!?
ブラッド「ようやく起きたか」
フメイ「あ……赤スライム……!?」
ブラッド「久しぶり、後輩。カリスの手先如きに遅れを取るなんてちょっと迂闊すぎるんじゃないの」
フメイ「うっ……」
アリシラ「え、ええと……誰……?」
ブラッド「……で、何でお前は人間なんかと一緒にいるわけ?」
フメイ「……」
*
ブラッド「ふうん、そういうことだったんだ……。というかあいつ、お前の妹分だったのか……」
フメイ「……妹分かどうかは、わかんないけど……ずっと、一緒だった……。」
ブラッド「ま、どうでもいいけど。それよりお前、私に協力しろ」
フメイ「?」
ブラッド「カリスを殺す」
フメイ「……!」
ブラッド「お前の炎は役に立つ。嫌なんて言わないよね?」
フメイ「……」
アリシラ「……フメイちゃん、やろう」
フメイ「アリシラ……!」
アリシラ「カリス・ノーランドはいずれ決着を付けなきゃいけない相手でしょ? それならこの強い赤スライムちゃんと一緒に戦える今がチャンスだよ。今なら私も星の力が使えるしさ」
ブラッド「人間の言葉に賛同するのは気に入らないけど、そいつの言う通りじゃない?」
フメイ(……カリスを倒せれば、クロシュを脅かす危険が一つ減ることにも繋がる……ここで乗らない手はない)
フメイ(アリシラを巻き込むのが少し心配だったけど……本人が良いって言ってくれたから、やるしかない……!)
フメイ「わかった」
ブラッド「よし。それじゃあよろしく」
アリシラ「うん、よろしくね赤スライムちゃん!」
- 677 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:39:44.46 ID:2CFwlCGE0
-
ブラッド「ところで星の力が使えるって本当?」
アリシラ「うん。フメイちゃんより強い炎が出せます! 頼りにしてくれて良いよ」
ブラッド「さっきは二人一緒にカチコチに凍らされてたけど?」
アリシラ「あれは……ちょっと予想外だったの! ほとんど予備動作なしの全体攻撃なんて反則でしょ!」
フメイ「……フメイも、次は凍らされない。凍らされる前に、溶かす」
ブラッド(……まああたしも、こいつらがやられてるところを見ていなかったらやばかったかも)
ブラッド「ところでフメイって名前、自分で付けたの?」
フメイ「脱走してすぐの頃に、通りすがりの精霊に名前がないと不便だよって言われて名付けられた。クロシュもその時に」
ブラッド「ふうん……まあカリスの命名じゃないなら良いか」
アリシラ「赤スライムちゃんは?」
ブラッド「あたしは別にいらない。なぜかあいつの付けたブラッドって名前が冒険者たちにも使われてて不快だけど」
フメイ「……偶然の一致?」
アリシラ「冒険者ギルドにカリス・ノーランドが情報提供した、とか……?」
ブラッド「どうでもいい。お前たちも呼びたいように呼べ」
レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ
フメイ「……あ。えっと……巻き込んでごめん」
レッサースライムたち「〜〜」モニョニョ
ブラッド「弱いのが悪い」
アリシラ「でもレッサースライムちゃんたちも解凍してあげたんだよね」
ブラッド「ついでだよついで。一応同じスライム類のよしみってやつ」
レッサースライムたち「〜〜♪」モニョニョ スリスリ
ブラッド「すりすりするな」ペチッ
レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャ
フメイ(そういえば、あの銀髪の刺客……あの凍結魔法を使う前に、少しレッサースライムたちの方を見た気がする……)
フメイ(……どういう意図……? 巻き込むことを気にした……? 結局巻き込んで凍らせてるけど……)
フメイ(たぶんフメイたちの、さらに妹にあたる存在だから……できれば、なんとかしたい……)
◆
- 678 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:51:24.25 ID:2CFwlCGE0
- ―王都セイントレア 滞在5日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する
◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:52:21.45 ID:2CFwlCGE0
- ―朝
聖ヴァレリオ教会
チュンチュン
クロシュ瓶「」zzz
ミスティ「ふわ……。朝ね……」ググ
イリス「……」ゲッソリ
ミスティ「うわっどうしたのよ……!?」
イリス「昨日の反省をしていたら……寝不足になった……」
ミスティ「ええ……? お説教はそんなに長くなかったと思うけど……」
イリス「自分で反省してたの! なぜあんな軽率なことをしたのか、他に良い手はなかったのか、ダークヒーローの名を汚したのではないか、とかとか……」
妖精「真面目だねえ……。でもそれで寝不足になってたらまた別の失敗に繋がるんじゃないの?」
イリス「仰る通りです……」
ミスティ「とりあえず、今日はもう少し寝ていたら? クロシュもまだ寝てるし」
イリス「うん……ごめんね、それじゃあクロシュちゃんが起きるくらいまで……」ガクッ
王都セイントレア滞在5日目。15日目に何かが起こります
↓1コンマ ランダムイベント
01-30 素パスタ
31-60 卵かけパスタ
61-90 クリームパスタ
91-00 カニパスタ
↓3〜5 自由安価 何をする?
- 680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:01.26 ID:GQ5Rm2I4o
- カニ!カニ!
- 681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:53.11 ID:GQ5Rm2I4o
- カニなんか巡礼者が食べられるわけなかったわ
- 682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:59.08 ID:XVkadkO9o
- 枢機卿や戦争情報について調べる
- 683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:00.22 ID:g7dERVQTO
- フリューゲルやアイスを救う手立てを探る
- 684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:08.24 ID:WShEgGq1O
- 特ダネ求めてきたフーミンと再会
- 685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:20.65 ID:M/xmiruSO
- (未探索部分を明らかにすることも兼ねて)レイの行方や手がかりを探す
- 686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:21.11 ID:eErhPeRAO
- どうすれば現教皇に会えるか色んな人に聞いてみる(カリスや世界めくれ等で協力できないか)
- 687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:53:55.75 ID:2CFwlCGE0
- ―聖ヴァレリオ教会 食堂
素パスタ「」ポン!
クロシュ「わあ……!」
エバンス「……パスタだ。具のない……」
イリス「具がないなんて……!」
クレア「今日は聖ヴァレリオの好物にちなんだ素パスタの日なのです。少々素朴な味ですが……」
ミスティ「聖ヴァレリオって人は素パスタが好きだったの?」
クレア「パスタ類は何でも好いていたそうで、何も付けずに水で茹でただけのパスタも好んで食したと伝えられています。ゆえに当教会では時々こうして素パスタを食べる日があるのです」
聖女「私はけっこう好きですよ、素パスタ。麦の味が感じられるんです」
エバンス「おお、流石聖職者……。よし、俺も味わってみます!」
◇
クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ
妖精「良い茹で加減だね」モグモグ
聖女「クレアさんはパスタがとってもお上手なんですよ!」モグモグ
ミスティ「素材の味が感じられるわ……!」モグモグ
ローガン「うむ……こういうのも悪くない」モグモグ
エバンス「……おう! 美味い!」モグモグ
イリス「……そ、そうですね! 美味しいです!」モグモグ
クレア「ふふ……今夜は味付けの濃いものに致しましょう」
☆素パスタを食べて元気になりました
本日中に戦闘が発生した場合、戦闘コンマに+10が加算されます
◇
- 688 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:55:19.63 ID:2CFwlCGE0
- ―聖ヴァレリオ教会 宿泊室
エバンス「……まず、今知りたいのは枢機卿のこととか戦争のことだよな」
イリス「そうですね……。本当に戦争になんてなったらまずいですし……」
妖精「魔族国も戦備を進めてるらしい。とはいっても全面戦争になんてなったら魔族国に勝ち目はないし……やっぱり未然に防ぐのが最善だと思う」
ローガン「使徒殿が言っていたという枢機卿と王国の繋がりや、枢機卿の悪事というものが何なのかを知れれば大きな武器になりそうだが……」
ミスティ「聖域の間とか言ったかしら? そこに殴り込みでもしてみる?」
妖精「いやいや……流石に無理だよ、捕まっちゃうよ」
ミスティ「冗談よ。考えなしに暴力的手段に訴えるほど脳筋じゃないわ」
イリス「」グサッ
エバンス「ま、まあとりあえず調査だ!」
クロシュ「ん!」
窓「」ガラッ
フーミン「話は聞かせてもらったわ」ヌッ
イリス「げっ、悪徳新聞記者――じゃない!?」
ミスティ「あなたは――情報屋のフーミン・クロス!」
*
フーミン「枢機卿グランドマスターの裏の顔と、王国との繋がり……フフフ、美味しそうなネタじゃない。私も一枚噛ませてもらって良い?」
妖精「情報の持ち逃げとかしないなら……」
フーミン「しないしない。知り得たものは全て記事にして垂れ流す――それが記者ハーピィの流儀よ」
イリス「ユーシリアでもちゃんとした情報を提供してくれましたし、フーミンさんは信用して良いと思います!」
ローガン「うむ……。その節は感謝している。また貴方に手を貸して頂くことになるとはな」
フーミン「タダでやってあげてるつもりはないわよ? あなたたちも相応の活躍を見せて頂戴ね」
ミスティ「ええ……悪は必ず滅するわ。期待していて」
枢機卿と戦争についての情報収集
↓1コンマ(フーミンの協力+15)
01-30 黒い噂
31-60 ↑+魔族掃討作戦
61-90 ↑+聖域の間について
91-00 ↑+??
- 689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:00:50.00 ID:hJvJmRqI0
- あ
- 690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:09:01.35 ID:g7dERVQTO
- これは枢機卿丸裸
- 691 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:05:19.42 ID:4molOIYy0
- ―大聖堂前
ワイワイ ガヤガヤ
妖精「で、結局直接忍び込むのが一番早いと判断したわけだけど……」
クロシュ「ん……!」
使徒「安心して不法侵入してきてくださいね。隠蔽ならお任せを」ヒョコ
ミスティ「ええ……」
妖精「なんか、使徒が協力してくれることになった……」
使徒「聖域の間を破壊してグランドマスターを抹殺してきてくれても構いません」
*
―大聖堂 深部
コソコソ…
透明クロシュ「」コソコソ
透明妖精「使徒の支援があるから、今回は大胆に三人で侵入している。クロシュも分体ではなく本体だ」コソコソ
透明ミスティ「いくら使徒の隠蔽を頼れるからって舐め過ぎじゃない? 急に解説なんかしちゃって」コソコソ
透明妖精「無音結界を張ってるから大丈夫……んっ、あれは――」
大仰で豪華な扉「」ゴゴゴゴ
透明ミスティ「……あれが聖域の間ってやつね」
透明妖精「……なんだろう。ものすごく不快な感じがする……。二人とも気を付けて」
透明クロシュ「ん……」
透明ミスティ「わかったわ……ん? 扉が開く……!」
透明妖精「まずい……! いや、クロシュの迷彩があれば大丈夫か……!?」
大仰で豪華な扉「」ギギィィィィ――
コツコツコツ…
荘厳な杖を携えた白髪の青年→グランドマスター「……」コツコツ…
透明ミスティ「あれが……グランドマスター!!」
透明妖精「……吐き気を催すドブ以下の臭いがする……なんだ、こいつ……!?」
グランドマスター「……」コツコツコツ…
透明ミスティ「大聖堂の正面……外へ歩いていくわ」
透明妖精「フーミンの調査メモによれば、今日王国軍で極秘の会議があるらしい。それに行くんだと思う」
透明ミスティ「聖域を調べるチャンスね……!」
透明クロシュ「ん……!」
◇
- 692 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:01.61 ID:4molOIYy0
- ―聖域の間
白い石柱「」
白い石柱「」
白い石柱「」
白い石柱「」
白い石柱「」
クロシュ「……」
ミスティ「白い石柱に囲まれた……五角形の部屋……!!」
妖精「石柱と石柱の間には、なんだかよくわからない壁画みたいなのがある……。でも……な、なんだここ……うう……」ヘナヘナ
クロシュ「妖精さん!」
ミスティ「妖精……! どうしたの……!?」
妖精「……こ、ここ……悲しみと、苦しみが……異様に沈殿してる……。一体、ここで何が……」
ミスティ「……妖精は休んでいて。私とクロシュで調査をするわ」
妖精「ごめん、お願い……」
◇
クロシュ「……?」
壁画の出っ張り「」
ミスティ「……何かしら。不自然に出っ張っているわね。気になるわ……押してみましょう」スッ
壁画の出っ張り「」ガゴン
クロシュ「!」
ミスティ「これは……!」
ゴゴゴゴゴ―
隠し階段「」ドン!
妖精「うわっ……!? それ……どうしたの!?」
クロシュ「ひみつの、通路……!」
ミスティ「降りてみましょう。妖精は――」
妖精「いくよ。ここに一人で待つ方が怖いし……」
クロシュ「うん! えと、じゃあ……わたしの、服の中に……」
妖精「そうさせてもらうね」スス
◇
- 693 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:56.08 ID:4molOIYy0
- ―聖域の地下
カン カン カン カン …
クロシュ「……!?」
ミスティ「こ、これは……」
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
妖精「〜〜…」クラクラ
クロシュ「よ、妖精さん……無理、しないで……」
妖精「う、うん……。でも、これ……」
謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
ミスティ「……魔導機械。あの、テンペスターで稼働していたものに似ている……!!」
妖精「……うん。感じる……あの機械の中から……悲しみと、苦しみに泣く……声にならない、声が……」
クロシュ「……!!」
妖精「……魔力の流れを見た感じだと……この機械から取り出された魔力が、上の部屋に送られているみたい……。たぶん、これは……魔力を、搾取する機械……」
ミスティ「……」ギリリ
妖精「クロシュ……」
クロシュ「うん……」
メイドブレード「」シャキン
メイドクロシュ「――介錯、する」
メイドブレード「」シャンッ!!
ズガッ!!
バチバチッ…
精核「」ズッ
ミスティ「精核……!!」
妖精「……クロシュ……食べてあげて……」
メイドクロシュ「ん……」
パクッ…モニョモニョ…モグモグ…
◇
ズガンッ!!
ズガガッ!!
ドッギャァン!!!
バチバチバチッ…
モニョモニョ…モグモグ…
モグモグモグ…
◇
赤い精核「」ポン
パクッ…モニョモニョ…モグモグ…
妖精「……今ので、最後だね……。ありがとう、クロシュ……」
クロシュ「ん……」
ミスティ「……赤や紫の精核もあったけれど、あれは……?」
妖精「……緑色のは、テンペスターでも見た通り、たぶん妖精や精霊を溶かして造られたもの……。他の色のは……魔力の波長からすると、恐らく魔族……」
ミスティ「……魔族まで……。枢機卿、許し難い下衆……!!」
妖精「……上に戻ろう。もう……ここに、犠牲者は残ってない」
*
- 694 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:07:39.66 ID:4molOIYy0
- ―聖域の間
カン カン カン カン …
隠し階段「」ヒョコ
妖精「……っはぁ! い、息苦しかった……」
ミスティ「ふう……。妖精、大丈夫?」
クロシュ「だいじょうぶ……?」
妖精「うん。なんと、か――」
グランドマスター「……まさか留守中にネズミが入り込むとはね」ニコニコ
妖精「お前……っ!!」
ミスティ「貴様……」ジリ
クロシュ「……」キッ
- 695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:11:31.83 ID:4molOIYy0
- というわけで本日はここまでとなります
戦争を阻止するべく枢機卿の闇を暴きに動く一行。聖域の地下で目にしたものは、かつてテンペスターで目撃した悲劇と地続きのものだった
そして今。クロシュたちは、悲哀と苦痛を生み出す根源――極悪枢機卿グランドマスターと相対する
会心の女神が微笑む中で。迸る激情が、闇を穿つ―――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 06:00:22.50 ID:0IQ7QJkho
- おつでした
様々な陣営からカリスに集まる業の数々、これは年貢の収め時ですねぇ
ああ!イリスも脳筋武闘派魔術士に!
- 697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 08:16:05.02 ID:+Ri+2sfI0
- 乙
フーミンの情報収集からいきなり潜入に場面変わったけどこれってフーミンの協力は関係あったの?関係なかったら【フーミン「えっ私は!?潜入するなら必要ないじゃないか(怒)」】とか言ってフーミンぶちギレてそう。
- 698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 12:29:07.70 ID:Q9s+9EDmO
- 乙
レッサースライムとかいうかわいいだけの生き物かわいい
戦争と枢機卿については00クリティカルのパワーでどうにかなりそうかな?
- 699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:55:50.05 ID:4molOIYy0
- カリス氏はたくさんの恨みを飼っているので、実際とても危うい立場であるかもしれません。今後の動向に注視していきたいところであります
イリス氏も実のところ脳筋な面がなくはないらしく、今回はその面が大きく出てしまったようです。元々彼女は正義感が強い人なので、ダークヒーローとして抑えきれなかったのかもしれません。今後の活躍にも期待したいところであります
>>691のレスを見るとわかりやすいですが、クロシュたちは彼女の調査メモを持って潜入に臨んでいるため、フーミン氏の協力は普通に関係しています。また、たとえ関係なかったとしてもフーミン氏はその程度のことで怒り散らすような短気な方ではありません。風説の流布にご注意ください
レッサースライムはあかちゃんスライムのクロシュよりもあかちゃんなスライムなので、人によってはかわいく思える場合があります。王国内でもペット人気があったりなかったりしますが、もし人間のあかちゃんや他の小さなペット等がいる家庭で飼う場合は注意が必要です。食欲旺盛でなんでも食べるため、最悪の場合モニョモニョモグモグと食べてしまうからです
- 700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:57:47.27 ID:4molOIYy0
- ―聖域の間
クロシュ「……」
メイドブレード「」シャキン
グランドマスター「おっと、良いのですか? この私を殺せば、あなた方は完全にテロリスト。二度と太陽の下を歩けなくなってしまいますよ?」
ミスティ「太陽の下を歩けなくなる覚悟さえあれば、できるわ」
グランドマスター「クッ……クハハハハッ!! 残念ながらそれも不可能でしょう。この部屋にいる限り、私は無敵なのでね」
妖精「……どういうこと?」
グランドマスター「私の魔法は、魔力を命に変換する希少なもの。そしてこの部屋は、地下に押し込めた役立たずの劣等種共から魔力を吸い上げ、私に供給するように造られた特別な聖域――。つまりこの部屋にいる限り私の魔力は無限であり、無限の魔力があればいくらでも命に変換して蘇ることができるのです!!」
妖精「な、なんだって!?」
ミスティ「貴様……彼らの命を、そんなことに……!!」
グランドマスター「ンン〜? クックック……貴方は人間でありながら、人間以外の劣等種を尊重してしまう無知蒙昧で視野狭窄な暗愚のようだ」
ミスティ「……」
グランドマスター「魔族だの妖精だのは知性なき害獣です。魔力電池にするくらいしか役立てる道がないというのに、あなたや穏健派の愚人たちはなぜそんな簡単なこともわからないのでしょう?」
妖精「ふうん? カリス・ノーランドはエルフなのに、なんで協力できるの?」
グランドマスター「ハハ、御冗談を。利用価値があったから飼っているだけです。あれも所詮は愚鈍な淫売エルフに過ぎません」
妖精「利用価値があったから、処刑したと見せかけて飼いならした?」
グランドマスター「ええ、その通り! カリス・ノーランドは下劣な大罪人ですが、価値は価値。劣等種は死ぬまで搾り取るのが私の流儀です」
妖精「クリファ教の孤児院を襲撃したのも、価値があったから?」
グランドマスター「おや、そんなこともご存知なのですか? もちろんそうです! 邪神関係は穏健派にとっても見過ごせない案件なのでね、先を越されると困るのです」
妖精「それで死者を大勢出したのは良いの? 異教徒と言えど人間なのに」
グランドマスター「邪神を信仰する連中など、我々と同じ知性を持った人間とは言えません。魔族や妖精共と同じ害獣です。言うなれば駆除です、駆除」
妖精「……あなたが王国との連合軍を率いて魔族国と戦争をするって噂を聞いたけど、それも?」
グランドマスター「ええ、私自ら出陣する予定です。それと……ククク、戦争とは国家と国家の争いのことですよ。害獣駆除作戦を戦争とは言いませんねェ」
妖精「魔族国には未だに大勢の人質がいるけど、その人たちの命は考慮しないの?」
グランドマスター「魔族国の捕虜となった方々は、既に洗脳されて知性なき害獣と化してしまいました。彼らに尊厳ある死を与えて差し上げるのもまた慈悲です。本人はもちろん、遺族の方々にとっても、それが最も幸福なことと言えるでしょう」
妖精「……ふうん。ところで、そんなこと部外者の私たちにベラベラ喋っちゃって良いの?」
グランドマスター「ええ、もちろん。あなた方は生きてここから出られませんからねェ」ニヤ
閉まる大扉「」ズズゥン…
ミスティ「!」
クロシュ「!」バッ
グランドマスター「無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!」
――戦闘開始 枢機卿グランドマスター――
★グランドマスターが〈聖域の間〉を発動!!
敗北を100回無効化する!!
さらに毎ターン自身のコンマ+1!!
☆クロシュたちが〈聖域破壊〉を発動!!
グランドマスターの〈聖域の間〉を無効化!!
◇自陣(戦力差+30、素パスタ+10、フーミン情報+15、使徒支援+10)
・不死鳥化できる(1/1)
◇敵陣
・聖域の間(機能停止)
*
☆戦力差により自動的に勝利します
- 701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:58:29.94 ID:4molOIYy0
- ドッギャァァァァン!!!!
グランドマスター「ごふっ……!! フッ……フゥーッハッハッハ!! 無駄です、ここにいる限り私は無敵だと――オゴッ!!?」ズキッ!!
ガクッ
グランドマスター「ぐ、うおあああ……!!? あ、頭が……!!?!? こ、これは……魔力、欠乏……」ガクガク
妖精「……残念だったね。地下にはもう……誰もいないよ」
グランドマスター「なっ、何……!? 貴様ら、まさか――」ガクガク
クロシュ「……わたし……食べた。みんな……」
グランドマスター「た、たべた……だと……」ガクガク
妖精「さて……ミスティ、ちゃんと撮れた?」
ミスティ「ええ」スッ
小型録画水晶「」ポン
グランドマスター「な、に……録音、水晶だと……」ゴボッ
妖精「知人の記者から借りたの。あなたの秘密を暴いて、世に知らしめる為にね」
グランドマスター「きっ、貴様ら……!! そ、それを、今すぐ……」ガクガク
ミスティ「年貢の納め時よ。これを記事にして大陸中にバラ撒くわ」
グランドマスター「ま、まてっ……私が悪かった……!! 頼む、見逃してくれっ……!! 望みがあれば叶えよう……!! 永遠の命だろうと、死者の復活だろうと、私の力ならば……!!」
バキッ!!
グランドマスター「ぐあっ!」ドサッ
ミスティ「……散々多くの命を苦しめておいて……よくもそんなことが言えたわね……」
妖精「……魔力を命に変える魔法か……。もし使い手があなたのような下衆じゃなかったら、たくさんの命を救える素晴らしい魔法になれただろうに。本当に残念だよ」
グランドマスター「ま、待ってくれ……まっ……」
クロシュ「……」
メイドブレード「」シャンッ
大扉「」スパッ
ドズゥゥン…
クロシュ「……みんな……お外に、行こ……」
メイドブレード「……」
――戦闘終了――
☆たくさんの想いを食べて、メイドブレードが星霊の剣に変化しました
◇
- 702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:59:13.32 ID:4molOIYy0
- ―聖ヴァレリオ教会 宿泊室
小型録画水晶『無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!』ザザ
スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ
エバンス「うおお! めっちゃ綺麗に撮れてるな!」
フーミン「でかしたわ!! これならグランドマスターを必ず失墜させられる!」
ミスティ「あいつに出くわした時はちょっとゾッとしたけど、結果オーライね」
妖精「あそこまでベラベラと喋ってくれて良かったよ。でもこれ、捏造扱いされない?」
フーミン「録画水晶の映像は改竄できないから、ほとんどの国の司法や警察で証拠能力を持つものとして扱われているの。これだけバッチリ姿も声も鮮明に記録されていれば間違いないわ」
ローガン「だが、これの公開によって混乱が生じる恐れはないだろうか? 曲りなりにも彼はロイエ教の大人物だ」
フーミン「混乱は避けられないでしょうね。でも改革に痛みはつきものよ」
イリス「……一番の不安は、カリス・ノーランドですね……枢機卿が力を失った結果、カリスがどんな動きをするか……」
使徒「その点は私にお任せください。最低限、今の段階で彼女を縛り付けている鎖は維持致します」
フーミン「……人前に滅多に姿を現さない原理派の名誉顧問、使徒……そんな人物の協力を得るなんて、あなたたち一体どんなコネを使ったの?」
妖精「それは……まあ、いろいろあって」
使徒「利害の一致というやつです」
◇
―夕方
王都セイントレア 市場
ゴウガイダヨー!! ゴウガイダヨー!!
ザワザワ… スウキキョウガ… ウソダロ…
☆枢機卿の悪事を暴き、大陸中にばら撒きました
枢機卿と原理派と王国の評判が大きく下がりました
☆目標「枢機卿の悪事を暴く」を達成しました
◆
- 703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 20:01:20.83 ID:4molOIYy0
- ―夕方
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
クロシュ「……」
星霊の剣「」キラキラ
妖精「あれ? その剣、なんか変わった?」
クロシュ「……わかんない。でも……みんなが、力……貸して、くれてる……気がする……」
イリス「なんだろう……ほんのりとだけど、星属性っぽい力を感じる……」
妖精「精核を食べた影響……? まあ悪い変化ではなさそうだね」
クロシュ「うん……」
妖精「他に何か心配事があるの?」
クロシュ「えっと……わたし……セインさんたち、助けたい……」
イリス「そうだね……私も助けたいよ」
クロシュ「でも……どうすれば、助けられるのか……わかんない……」
妖精「んー……今生き残ってる子たちは全員お茶会を楽しむくらいの自我があって、セインについてはかなり自由に動けるみたいなんだよね。セインが本気を出せば全員で脱走くらいは簡単にできそうだけど……」
イリス「……そうできない理由があるってことだよね。つまり」
妖精「そうなんだと思う。話を聞いた感じだと、セインは鳥籠を出て自由になることより、鳥籠の中を住みやすくする方向で頑張ったみたい」
イリス「カリスから離れられないような呪いをかけられてる、とか?」
妖精「セインは国外まで遠征してることもあるから違うだろうけど、他の子たちはそういう呪いがかけられてる可能性が十分にある。大魔女に解呪してもらったけど、クロシュにも服従の呪いがかけられてたし」
クロシュ「……」
クロシュ(でも……わたしとフメイちゃんは、脱走できた……。だから……たぶん今は、前よりももっと厳しい、逃げられない仕組みがある……)
クロシュ(……もう一回、侵入して……セインさんに、聞いてみる……?)
↓1コンマ
01-60 アイスちゃんの氷魔力結晶が……
61-90 大魔女さん来訪
91-00 ???
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:02:57.23 ID:5DAVnfNJO
- あ
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:09:39.83 ID:aGPUDk9Bo
- 00クリティカル強い
章ボスかと思ったらもう退場
- 706 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:28.82 ID:4molOIYy0
- クロシュ「……?」
氷魔力結晶「」デロデロ…
クロシュ「!」
イリス「あれっ? これ、アイスっていう子の魔力結晶だよね? なんでこんな……」
妖精「……おかしい。一度結晶化した魔力がこんな風に溶けることなんて、普通はないはず……」
イリス「だ、だよね。私もこんなの初めて見たよ」
妖精「……うーん……魔力の結合が解ける原因は……。そもそもなんで今まで、ちゃんと結晶だった――はっ!」
イリス「……!! ま、まさか……これ!!」
妖精「……これ……カリスから逃げ出せない仕組みかも……!!」
クロシュ「??」
イリス「……たぶんカリスの元から長期間離れると、魔力に異常をきたして具合が悪くなっちゃうんだ……」
妖精「……放っておけば、死ぬと思う」
クロシュ「!!」ソワソワ
イリス「……この魔力結晶はアイスちゃん自身ではないから、今アイスちゃんが危ないってことはないよ。でも……カリス、嫌らしい仕組みを……」
妖精「ひとまず、この溶けてる結晶は瓶に詰めておこう。溶けはしても強力な氷魔力を秘めてるのは変わらないから、使い道は変わらないはず」
イリス「そうだね……」
*
瓶詰め氷魔力「」ポン!
クロシュ「……」
妖精「これがどういう現象で、どうすれば食い止めることができるのか……」
イリス「しっかり調べる必要があるね……」
クロシュ「うん……」
☆カリスに造られた者の事情について少し知りました
◆
- 707 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:58.30 ID:4molOIYy0
- ―幕間―
―夜
聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室
コンコン
クレア『聖女……いますか……?』
開かれた号外新聞「」バサッ
頭を抱えて机に突っ伏す聖女「………はい」
クレア『入っても構いませんか……?』
聖女「……はい」
扉「」ガチャッ
クレア「失礼しますね……。ハーブティーを淹れて来ました。良かったら飲んでください」スタスタ
温かいハーブティー「」ポン ホカホカ
聖女「………すみません。私……今日は、ろくにお手伝いもできなかったのに……」
クレア「構いません。今、原理派が大変な状況というのはわかっていますから……」
聖女「………考えが……まとまらないんです……。私……どうしたら、良いのか……」
クレア「……無理しないで。あなたは立場上原理派ですが、中身はほとんど穏健派みたいなものです。あなたが無理に考えなきゃならないことなんて、何もないのですよ」
聖女「……でも……私の父は、枢機卿とも近しい大司教で……今どこに赴任しているかさえ、誰も教えてくれないんです……。お姉ちゃんも、どこ行ったか、わかんなくて……。私、もうぐちゃぐちゃで……どうしたら良いか……」
クレア「……今夜は、もう寝ましょう。具合の悪い時に起きていると、嫌なことばかり考えてしまいます」
聖女「……はい。そう、します……」
◆
- 708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:05:41.03 ID:0IQ7QJkho
- ……ブラッドフメイクロシュと逃げられたから導入された仕組みっぽいな……うーんカリスマジカリス
- 709 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:09.94 ID:4molOIYy0
- ―王都セイントレア 滞在6日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖 防:竜のエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*1 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 闇の欠片 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下 フリルワンピ水着 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 フメイとアリシラの人形
魔導飯盒 ガラスのザリガニ メルルの帽子
妨害魔力波発生装置 踊り子の双剣 溶岩石のアミュレット
属性大全 サボテンドラゴンの花 太陽のメダリオン
魔王図鑑 精霊のローブ 暗黒優待券
氷精の魔導書 精霊樹の杖[改] 冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1 銀のナイフ 大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1 ダイヤメリケンサック かたたたきけん
魔術書「正負の属性」 パラサイトソード 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め 風船印のパラシュート
日蝕の傘 ラティア勲章
大魔女サイン*1 ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する
◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス 杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
- 710 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:45.94 ID:4molOIYy0
- ―朝
聖ヴァレリオ教会 食堂
チュンチュン
クロシュ「……? 聖女さんは……?」キョロキョロ
クレア「……聖女は、少々体調を崩してしまいまして」
クロシュ「そうなの……?」
クレア「はい……。もし良かったら、お見舞いに行ってあげてくださいね。あの子はあなたたちのことが凄く好きみたいなので、きっと励みになるかと……」
クロシュ「ん……わかった」
イリス(聖女さんが……それってやっぱり、あの新聞が原因だよね……?)
妖精(まあそうだろうね……一応原理派みたいだから、ショックはあると思う……)
ミスティ(自分のとこのトップがアレだなんて知ったら……きついでしょうね……)
エバンス(聖女は何も悪くないわけだし、気の毒だな……)
ローガン(だが、枢機卿を討つにはああするしかなかったのだ……)
王都セイントレア滞在6日目。15日目に何かが起こります
↓1コンマ ランダムイベント
01-20 なし
21-40 黒髪の無愛想な青年
41-60 デュア
61-80 メルル
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