安価とコンマで異世界転生!その12

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

101 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/22(木) 19:08:42.61 ID:guG7Ypoz0
中華「それじゃあ、次のステップに移ろうか」


すりおろされた後のフルーツを整理しながら、
中華はフルーツごとにボウルへと入れていった


怪盗「っていうか……そもそも、なに作ってるんですか?今日」

中華「あぁ、このフルーツに関しては>>下1だよ」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/22(木) 22:04:43.29 ID:DN83jedM0
ドリンクとスイーツをメインにして見ようと思うんだ
103 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/23(金) 01:46:39.49 ID:oMqbVLly0
中華「ドリンクとスイーツをメインにして見ようと思うんだ」

男「へぇー……珍しいアプローチだね?」

怪盗「確かに、中華料理じゃまずありえないことですし」

中華「まさしくその通りだよ、でもそういうのもできるようにすべきな気がしたんだ」

男「これかな?」


男は、あの異常に甘いフルーツのすりおろしが入ったボウルを持ち上げてみせた
104 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/23(金) 01:49:23.71 ID:oMqbVLly0
中華「そう。あの街でまったく自分の常識にない料理を食べて……自分の世界をもっと広げたいと思ったんだ」

怪盗「ってことは、中華料理以外も極める感じ?」

中華「うぅん……あくまで僕が極めるのは中華料理だけのつもりだよ」

男「その道を歩むために、必要な知識や技能に過ぎないって感じかな」

中華「そんなとこ。ただ勉強するだけでもいいけど、折角料理ができるんだから実践しないとね!」
105 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/23(金) 01:57:43.16 ID:oMqbVLly0
本日はここまでです
ありがとうございました
106 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/23(金) 19:52:46.26 ID:KZ5SYpIkO
怪盗「なんて立派なんでしょう……」

男「あぁ……俺も精進しないとな」

中華「そんな大げさな話じゃないって……もう。それより、もう二人に手伝える工程はないからわざわざここに残らなくてもいいよ」

怪盗「そうなんですね、じゃあご飯までぶらついてましょう」


そして、男もまた一旦彼の元を離れるのだった


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/23(金) 20:04:58.12 ID:CViDRTiu0
8
108 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 00:38:02.07 ID:vg5iDxIc0
男が教会の内部に戻ると、
椅子に座っている少年がいた


男「よっ」

少年「……あぁ」

男「元気ないな、どうした?」

少年「あいつさ、ものを治す力を持ってるらしいじゃん」

男「……気弱少女のことか」
109 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 00:49:20.77 ID:vg5iDxIc0
少年「正直さ、羨ましいよな」

男「……どうだろう」

少年「羨ましくないのか?」

男「これまで俺は、なにかを傷つけることでしたいことを成してきたし、これからもきっとそうだから」

少年「……それでいいのかよ?」

男「……正直なところ、心苦しいな。でも、俺は俺にできることをするしかないも思ってる」
110 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 01:33:21.54 ID:vg5iDxIc0
本日はここまでです
ありがとうございました
111 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 19:36:15.68 ID:Dt6k9fLlO
少年「綺麗事だな」

男「それを貫くのが一番難しいことぐらい分かってるだろう?」

少年「俺には……人を傷つけることしかできない。それが俺の力だから」

男「後天的に与えられた力に振り回されちゃいけないぞ」

少年「お前になにが分かるっ!」


男の隣を火柱が掠めた
知られたくないことを知っている、
そんな人間に自分の苦しみをえぐられる辛さは想像だにできないだろう
112 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 23:57:16.97 ID:vg5iDxIc0
男「……教会を燃やす気か?」

少年「それも悪くないかもな……」

男「お前、本気で言ってるのか?」

少年「村一つ焼いたんだ、今さら……っ!」


男は少年に掴みかかり、一発殴った


男「バカ野郎っ!ここが気弱少女にとってどれだけ大切な場所か分かってるのか!?」

少年「どいつもこいつもあいつの話ばっかり……!」

男「違う!彼女が……あの子が、誰よりも君のことを信じているんだぞ!?」
113 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/24(土) 23:58:21.24 ID:vg5iDxIc0
本日はここまでです
ありがとうございました
114 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/25(日) 19:35:52.78 ID:WFMMZhbw0
少年「……だからなんだってんだよ!」


今度はきちんと男を狙って火柱が伸びたが、
彼はちゃんとそれを見切って躱した


男「……お前がそんなことをしたら悲しむ。きっと、お前にも……あいつしかいない。お互い、本当に心を許せるのは……」

少年「………………」

男「……だが、お前がお前の意志で、その力を使って破壊の限りを尽くすというのなら……俺はその意志を止めることなどできない。どうしたいかは、結局……お前が決めることだ」

少年「>>下1」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:59:52.21 ID:+cIVAf130
あいつを護れるに相応しい人間になりたい
116 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/26(月) 03:09:32.58 ID:p8ma5B2l0
少年「あいつを護れるに相応しい人間になりたい」


彼も本心では気弱少女のことを大切だと思っている
むしろ、その想いは男や集ってきた教徒たちよりも大きいはずである


男「……そう思えたなら、それで充分だろ」


そう言って、男は彼の頭を撫でた
117 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/26(月) 03:29:51.37 ID:p8ma5B2l0
少年「……こんな俺でも、強くなれば……誰かを守れるのかな」

男「あぁ、もちろんそうだ。断言できるぞ」


危うく燃やされそうだった男
冷や汗が引いてきたところで教会の椅子にどっかりと座った


少年「ふぅん」

男「俺は強い仲間にめちゃくちゃ守ってもらってるからな」
118 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/26(月) 04:44:48.76 ID:p8ma5B2l0
本日はここまでです
ありがとうございました
119 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/26(月) 19:32:35.53 ID:p8ma5B2l0
少年「……今の話は、内緒にしてくれよ」

男「約束できないなぁ、俺は口が軽いから」

少年「なにぃ!?」

男「気弱少女が不安そうにしてたら、今のこと話しちゃうかも」

少年「一番知られたくない相手なんだが……!?」

男「でも、一番知るべき相手でもあるぞ。まぁ……よっぽどのことがなければ話さんよ」
120 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/27(火) 01:08:53.73 ID:hnZevf8G0
少年「頼むぞマジで……」

男「はは……そろそろ夕飯だ、食べに行こうぜ!」

少年「そうだな、久しぶりに能力使って腹が減っちまった」


二人は教会の扉を開けると、
外では既に夕飯の準備が始まっていた
教会の中にある厨房から外に料理を運び出すにあたって、
二人がやりあっているホールを経由されなかったのは幸運だっただろう
121 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/27(火) 01:11:03.61 ID:hnZevf8G0
本日はここまでです
ありがとうございました
122 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/27(火) 19:52:17.15 ID:hnZevf8G0
中華「ちょうどいい所に来たね、これから夕飯だよ」


彼はやってきた二人に向かってそう声をかける
急造されたテーブルが運び込まれていたようで、
そこにいくつもの料理が並んでいる
本人がドリンクやデザートをいじっていたことからも予想されたことであるが、やはりメインディッシュは彼の作ではなかった


男「こっちは中華が作ったわけじゃないのか」
123 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/28(水) 02:14:47.74 ID:YDleJI4w0
中華「そうだね、まぁドリンクとかの製作以外にも理由はあるんだけど」


彼は楽しそうに微笑んだ


男「へぇ、なにか狙いが?」

中華「教徒のみんながどういう食文化をしていて、どういう料理を作っているのか知りたくてね……」


男が彼の口元から目元に視線を向けると、
その眼はギラついていた
124 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/28(水) 02:18:17.90 ID:YDleJI4w0
男「筋金入りだな」

中華「褒め言葉として受け取っておくよ」


いつもと違うジャンルに挑戦したり、
他人の料理をじっくり分析したり
中華はより貪欲さを増している


氷魔「……そろそろいただきたいですね……」

やる気「確かに腹減ったっすねー」


誰かが夕食開始の音頭を取るべき状態になっていた
125 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/28(水) 02:25:51.16 ID:YDleJI4w0
本日はここまでです
ありがとうございました
126 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/28(水) 18:59:23.08 ID:d8cWWbvnO
男「じゃ、俺が行くかな!」


男は教会の屋根によじ登り、声を張り上げる


ぶりっ子「わざわざそんなとこ行かなくても……」

男「これから夕食だ!みんな席に着いたな!?」

怪盗「はーい!」

男「そんじゃ、いただきまー______」
127 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/29(木) 01:34:55.21 ID:AU5tvOB40
男が『す』と言い終えた瞬間、
雷光が晴れているはずの空を駆け巡った


狙撃少女「っ!?」


次の瞬間、男はその雷撃に打ちすえられ、
黒焦げになって屋根から放り出された


男「げほっ……げほ……なんだよ、ちょっとぐらい屋根に登ってもいいじゃないすか……」

炎魔「大丈夫ですか!?」

男「おお、大丈夫だ。ちょっとだけ雷に耐性が付いたみたいでな、向かうも分かってやってると思うぞ」
128 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/29(木) 02:25:24.36 ID:AU5tvOB40
本日はここまでです
ありがとうございました
129 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/29(木) 18:29:29.71 ID:AU5tvOB40
なんだか締まらない音頭となったが、
三々五々夕食を摂り始めた


少年「口封じになるかと思ったんだが」

男「はっはっは、まだ死ねんよ」


男はそう言って自分の席に着いた
今日の夕食は教徒たちが作ったものであり、
メインディッシュは>>下1だ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/29(木) 19:39:32.85 ID:vabTKpcq0
ブイヤベース
131 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 00:46:26.84 ID:iwrt4Ixp0
出されたのはブイヤベースだった
魚介の豊潤な香りが、
口内に入れる前から既に漂ってきている


中華「なるほど……ブイヤベースか……」

氷魔「……すごい集中力ですね……」


神妙な顔で彼はブイヤベースを口に運んでいく
魚を丁寧に口に放り込み、低く唸っている
132 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 01:01:29.33 ID:iwrt4Ixp0
本日はここまでです
ありがとうございました
133 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 20:05:05.68 ID:eUxxBcxPO
すみません遅れました


やる気「どうすか?」

中華「……むむ……」


彼はそれからスプーンでスープを掬って飲み始める
確かめるように何度も口に運ぶ


ぶりっ子「すごい集中してますねぇ……」
134 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/30(金) 23:57:52.28 ID:iwrt4Ixp0
何度か頷いたのち、彼は小さく呟いた


中華「うまい……」

怪盗「よかったですね〜」

中華「……うまいっ!!」


今度は感動のあまり椅子から立ち上がり、
そう叫んだのだった


狙撃少女「なんで二回も……?」
135 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 00:16:34.92 ID:pS0e4LiR0
少年「当たり前だけどさ、なにかを作ろうと思うやつって……よっぽどそれが好きなんだよな」

男「中華はその中でもちょっと特別かも」

炎魔「そんなに美味しいんでしょうか」


中華の様子に感化され、
どんどん食欲の湧いてきた一行は、
次々にブイヤベースを食べ始める


氷魔「……あ……本当に美味しいです……舌がじんわりと幸せになるような味がします……」
136 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 01:36:54.40 ID:pS0e4LiR0
本日はここまでです
ありがとうございました
137 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/05/31(土) 19:15:00.18 ID:pS0e4LiR0
やる気「そういや、こんな森の中でどうやって魚料理なんて作ったんすかね?」

氷魔「……私たちが釣りました……」

ぶりっ子「へぇー……」

炎魔「だから魚釣りしてたんですね」

氷魔「……そんなところです……」

怪盗「確かに、冷凍できる人がいればがんがん釣れますしね」
138 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 01:22:57.15 ID:CLQXlB/70
わいわいがやがやと、
教徒たちも男たちも色々と話しながらメインディッシュを平らげた


中華「じゃ、デザートの時間だよー」


彼は予め用意していた、
フルーツを加工したデザートを運んできた
それから金属の容器に入れられていたジュースを、
一つ一つ木製のコップに注いでいく
139 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 01:33:21.82 ID:CLQXlB/70
本日はここまでです
ありがとうございました
140 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/01(日) 19:26:15.36 ID:CLQXlB/70
狙撃少女「シャーベット状になっていますね」

炎魔「すっごく甘い匂いがします!」


大根おろしのようなデザートも、
コップに入ったドリンクも、
いずれも非常に甘い香りを放っている


少年「食べてみるか……」


彼はデザートを優しくフォークで突き刺し、
ゆっくりと口内へと運んだ


男「味はどうだ?」

少年「>>下1」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 19:45:00.91 ID:6V8nqEX90
悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする
142 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:21:06.13 ID:fW46pXTR0
少年「悪くは無い…ただ、もう少し甘みを抑えられそうな気がする」


彼はしゃぷしゃぷと咀嚼し、そう述べた


男「まぁ、元の果実が相当だからな」

中華「なるほど……よし、他の手を試してみるよ」

少年「一応言っておくけど、俺は甘党じゃない。他の人の意見も聞いたほうがいい」
143 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:29:09.64 ID:fW46pXTR0
ぶりっ子「そうですねぇ、私はいくら甘くてもいいですしぃ」

氷魔「……ぶりっ子さんは……ちょっと規格外すぎますね……」


そう冗談めかして話しつつも、
氷魔は本当にシャーベットにしてしまったデザートを一部ドリンクに溶かし、
スプーンで混ぜて飲んだ


やる気「すげぇ食べ方してるっすね」
144 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 02:53:13.69 ID:fW46pXTR0
本日はここまでです
ありがとうございました
145 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/02(月) 18:57:48.95 ID:MgHhmzBMO
怪盗「これはこれでいいと思いますよぉ」

男「そうだな、中華料理屋を出すにしても、こういうのを置いておくと結構頼まれそうだ」

中華「……そうかなぁ?」

男「あぁ、自信あるぞ」


男は回想しながら答える
彼がまだ元の世界にいた頃、
メインは中華系の料理だがデザートが充実している店に通っていたことを思い出したのだ
146 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 01:51:48.17 ID:1r2qktuC0
狙撃少女「いっぺんには頼みませんよね?」

男「あぁ、そうだ。一旦メインの料理を食べてもらって、それからデザートを食べるかどうかを委ねる形だな」

中華「はぁなるほど……」

男「でもアレだな。大衆店のやり方だから、本格中華でまっすぐ売っていきたいならまた別だ」

中華「僕としては、色んな人に食べて欲しいと思ってるよ」


この世界においては、
多くの地域で中華料理はマイナーである
147 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 02:04:18.96 ID:1r2qktuC0
本日はここまでです
ありがとうございました
148 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/03(火) 19:28:06.83 ID:1r2qktuC0
あれこれと話しながら、一行は夕食を終えた
それぞれが緩やかに後片付けを行い、
賑やかだった教会前もおとなしくなりつつある


男「いい夜だなぁ……」

狙撃少女「えぇ、昔行ったキャンプの夜を思い出します」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.気弱少女と話す
10.神に祈る
11.自由安価
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/03(火) 19:46:29.34 ID:RxB9hhMJ0
9
150 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:04:15.23 ID:n4U8Z6e00
気弱少女「えいえいおー……」


教会の脇の森から声が聞こえた男は、
ふとそちらに足を運んだ
そこにいたのは、
一人でなにか口走っている気弱少女であった


男「……なにしてるんだ?」

気弱少女「へっ!?」

男「な、なんだよ……」
151 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:07:01.40 ID:n4U8Z6e00
彼女はかつてなく慌てた顔をして、男の方に振り返った


気弱少女「あ、その……聞いてました?」

男「いや、なんか言ってるなとは思ってたけど……内容までは」

気弱少女「はぁー……よかったです」

男「……女の子だし、秘密ぐらいはあるか」
152 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 01:22:14.41 ID:n4U8Z6e00
本日はここまでです
ありがとうございました
153 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/04(水) 19:45:15.43 ID:n4U8Z6e00
気弱少女「……なんか、おじさんみたいですね」

男「ぐっ」


その言葉はしかとその心を抉った
まだ若いつもりでいる彼にとって、
その言葉は凶器なのだ


気弱少女「ふふっ……」

男「まだ脂っこいもの食えるし……」
154 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 00:53:50.74 ID:v3h+Qx6G0
気弱少女「……なんだか、隠し事をするのがばからしくなっちゃいました」

男「へぇ?」

気弱少女「私、みんなのために頑張りたいなって思えるようになりました」

男「元からじゃないのか?」

気弱少女「頼られたら……あるいは、それが使命なら私はそうしますよ……でも、それじゃいけないと思ったんです」

男「自分の意志で、ということか」
155 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 02:10:13.82 ID:v3h+Qx6G0
本日はここまでです
ありがとうございました
156 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/05(木) 19:48:43.81 ID:v3h+Qx6G0
気弱少女「はい!私……これまで色んなことがありすぎて、自分についてよく考える時間がありませんでした」

男「そうだな、その年頃にはよくそういうことを考えるべきだ」

気弱少女「ずっとおじさんモードですね……」

男「君には人をそうさせる魔力のようなものがあるんだよ……」

気弱少女「……まぁいいです。それで、私……目標ができたんです」

男「目標?」


そう男が聞けば、彼女は優しく微笑んだ


気弱少女「>>下1」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/05(木) 20:04:52.86 ID:9Wy4FjavO
身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです
158 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 00:55:32.08 ID:Umrmv9vO0
気弱少女「身寄りの無い子供たちが自分の道を見つける手助けをする為に、孤児院や学校を作りたいです」

男「……いい夢だなぁ」


しみじみ男は感じ入った
運命に翻弄された彼女らしい夢である


気弱少女「そうでしょうか」

男「あぁ!ぶりっ子や狙撃少女なんかは泣いちゃうかもしれないな」
159 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 02:20:18.84 ID:Umrmv9vO0
気弱少女「そんなにですか……?」

男「あぁ。……それなら、もっと教会のリフォーム手伝えばよかったなぁ」

気弱少女「あんまりべたべた教会いじってると、また雷に打たれてしまうかもしれませんよ」

男「はは……アレ、マジで痛いんだよね」


ご飯を食べているときも暫くびりびりしていたのを彼は思い起こす
実は、金属製のフォークに手を付けたときも彼に帯電したままの電気が静電気のようにフォークに飛び出して痛みを覚えていたりしたのだ
160 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 02:22:34.82 ID:Umrmv9vO0
本日はここまでです
ありがとうございました
161 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/06(金) 21:03:57.68 ID:Umrmv9vO0
すみません遅れました


気弱少女「それじゃあ、そろそろ寝ましょうか」

男「あぁ、そういえば君は朝が早くて夜も早いタイプだったね」

気弱少女「やることが多いと、どんどん遅くなっていきますよね」

男「あぁ、お陰で昔は……」

気弱少女「どうしました?」

男「いや、なんでもない」
162 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/07(土) 01:26:16.33 ID:H4WymkTu0
それからみんなはキャンプをするなり、
教会の椅子で眠るなり、
思い思いの方法で夜を明かした


〜翌日・陰週火曜日〜


炎魔「んぁ……」


木にひっかかった状態で彼女は目覚めた
寝相は悪いがどうにか大空に飛び立たずに住んだようだった
163 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/07(土) 19:59:11.93 ID:H4WymkTu0
すみません寝落ちしました


それから一行と教徒たちは再び教会に集まった
男は彼らに問いかける


男「俺たちについてくる決心はついたか?」


教徒たちは顔を見合わせ、
この前のようにそのうち一人が歩み出る


教徒「>>下1」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 20:46:50.40 ID:Xml6CoA/0
はいついていきます
165 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:33:41.48 ID:uJJHKYD80
教徒「はいついていきます」


多くの教徒たちはもう決意を固めたようだった


中華「なら、行こうか」

氷魔「……はい……」


氷魔は教会から地下に繋がっているハッチを開いた
男たちが梯子を降りていき、
次いで教徒たちも降りていく
166 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:35:57.59 ID:uJJHKYD80
やる気「じゃ、真っ直ぐ進むっすよ!」


一行は大所帯で地下を進んでいく
こんな場所があることは、
教徒たちもほとんどが知らなかったようだ


ぶりっ子「こんな大所帯で戻ってきたら、あの魔王さんなんて言うんでしょうねぇ?」

怪盗「……あんまりぞろぞろ連れていかないほうが賢明かもしれませんね。そこまで狭量な方ではないと思いますけど」
167 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 01:38:41.02 ID:uJJHKYD80
本日はここまでです
ありがとうございました
168 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/08(日) 19:56:33.99 ID:uJJHKYD80
それからしばらく歩いて、
一行はあの花畑へと戻ってきたのだった


気弱少女「きれい……!」

少年「なんだ、ここ……!?」

狙撃少女「魔王の居城ですよ。あそこに宮殿が見えるでしょう?」


彼女はそれを指し示したが、
にわかには信じがたいようだった
この美しき花畑を統べるものが、
魔王であるなどとは考えづらかったのだろう
169 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 02:36:36.13 ID:hdhgHNHP0
炎魔「実は、あそこに住んでいるオネエ魔王さんに頼まれて私たちは帝国領にいたんですよ」

男「そう。届けなきゃならないもんがあってね……で、それが終わったから報告しに行くんだ」


一行はひたすら花畑の道を歩き、
その宮殿へと近づいていく
どこかから見られているような感覚を多くの人は感じており、そわそわしている
170 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 03:01:54.28 ID:hdhgHNHP0
本日はここまでです
ありがとうございました
171 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/09(月) 20:52:58.55 ID:hdhgHNHP0
すみません遅れました


それから一行は宮殿の前へとたどり着いた
ドリアードが何人かで警備をしている


中華「ここから先は、僕らだけで行こうか」

氷魔「……そうですね……」

ぶりっ子「みなさん!絶対にここの花畑を荒らしたり花をむしったりしないでくださいねぇ!」

怪盗「これだけの支配領域のある魔王の怒りは買いたくないですからね」
172 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:20:33.53 ID:gw90xoQ/0
それから警備するドリアードたちの前に一行は歩み出た


狙撃少女「すみません、通していただけますか?」

ドリアード「確かあなた方は……」

炎魔「オネエ魔王さんから受け取ったバラを届けて参りました」

ドリアード「なるほど、それはそれは……大変だったでしょう」
173 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:23:23.66 ID:gw90xoQ/0
彼女が合図をすると他のドリアードも門の前をどき、
紅い金属製の門がゆっくりと開かれた


やる気「ご丁寧にどうもっす」

ドリアード「あなた方は気に入られていますから」

男「そうだったんだ?」

氷魔「……まぁ……気まぐれで捻り潰されていないだけ……確かに気に入られているのかもしれませんね……」
174 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 01:42:46.86 ID:gw90xoQ/0
本日はここまでです
ありがとうございました
175 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/10(火) 19:49:29.62 ID:gw90xoQ/0
それから流れるようにオネエ魔王の部屋へと向かうのだった


やる気「双子さんにバラ届けてきたっすよ〜」

オネエ魔王「あらそう、思ったより早かったね」

中華「そういえば、あの双子は何者だったんですか?自分の領域も持っていたようですが……」

オネエ魔王「>>下1」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/10(火) 21:59:01.53 ID:clKRyCzI0
……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。
177 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 01:55:00.09 ID:90gK5azs0
オネエ魔王「……大昔のお友達よ。とても大切な『女性』を守って居るだけの……ね。」


彼は物憂げな眼差しを虚空へと向ける
その先にあるのはあの二人なのか、
それとも『女性』なのかは本人にか分からなかった


ぶりっ子「………………」

オネエ魔王「ちょっと湿っぽくなっちゃったわ」


彼女はカップに口をつけ、
残っていた一杯を飲み干すと立ち上がった
178 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 01:58:32.92 ID:90gK5azs0
本日はここまでです
ありがとうございました
179 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/11(水) 19:48:11.83 ID:90gK5azs0
怪盗「聞いたのは私たちですから……すみません」

オネエ魔王「いいのいいの。それで……頼み事を聞いてくれたんだし、子供たちをここに連れてきてもいいわ」

狙撃少女「ありがとうございます……」

炎魔「子供の頃にこんなところで過ごせたら、きっといい経験になるんじゃないでしょうか」

オネエ魔王「そう?そういうふうに庭を見たことはなかったわ……でも、褒められるのは嬉しいことね」
180 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:14:25.59 ID:+eODO/6s0
男「それじゃあ行きますね」

オネエ魔王「……体力は大丈夫?」

中華「お気遣いなさらず。まぁ、向こうに行って戻ってきたら分かりませんが」

オネエ魔王「じゃ、お部屋の用意はしておくわね」


そうして一行は彼と別れ、
宮殿を出て外の教徒たちの所へと戻るのだった


氷魔「……さて……ここからが長いですよ……」
181 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:24:08.92 ID:+eODO/6s0
教徒たちはそう告げられると、やや不安そうにした


ぶりっ子「またハッチを開けて地下に戻り……移動します」

怪盗「で、次の目的地まで結構かかるんですよね」

狙撃少女「私たちが全力で走るのと同じくらいのスピードで滑走して……二時間?」

炎魔「歩きなら6時間はかかるでしょう!」


彼女が計算すれば、一部の教徒たちは遠い目をした
滑走移動ができるメンバーだけで行ったほうがよさそうだ、と男は感じた
182 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 01:25:12.71 ID:+eODO/6s0
本日はここまでです
ありがとうございました
183 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/12(木) 19:26:59.46 ID:+eODO/6s0
少年「その滑走ってのはどうやるんだ?」

男「氷魔に地面を凍らせてもらって、そこを滑っていく。結構コツがいるんだ」

気弱少女「へぇ……」

中華「君たちがやって転んだら怖いし、僕たちだけでいくよ」


一行は花畑に教徒たちを残して、
ハッチの中へと向かっていった
184 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/13(金) 00:01:23.50 ID:9x4fkrAa0
一行は急いで地下を滑走し、
図書館の街まで戻ってきた
そして、市長がいるオフィスに入っていく


氷魔「……ただいま戻りました……」

市長「予想はしていましたが、かなりかかりましたね」

やる気「えっと……期待に添えなくて申し訳ないんすけど、まだ極東には着けてないっす」

市長「なんと……」
185 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/13(金) 19:10:17.14 ID:YakJd4+aO
すみません寝落ちしました


ぶりっ子「あっ、でもぉ、帝国に繋がるハッチがありましたよぉ」

市長「そうなのですか?それはとても有益な情報ですね」

怪盗「そういえば、帝国で市長の妹さんに会いました!」

市長「あぁ、確かに今潜入していますね」

狙撃少女「一体なんの目的であそこにいたんでしょう?ものすごい怪力で甲冑の人も連れてましたが……」

市長「>>下1」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/13(金) 19:45:58.80 ID:6Bzh8jvH0
…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています
187 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:02:44.45 ID:lBc6hn850
市長「…『妹』は、『少女』を元の世界・元の時代に帰そうと奔走しています」

炎魔「少女……?」

男「多分あの連れてた子じゃないの?」


全体主義者のような雰囲気を纏っていた彼女だったが、
実際には誰か個人のために戦える存在だったのだ


中華「やっぱり、いい人だったんだ」

氷魔「……帰すために行動しているとなると……異なる世界線から来た人々が住むあの街にいたのも頷けるところです……」
188 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:16:39.19 ID:lBc6hn850
市長「彼女、私についてなにか言っていませんでしたか?」

やる気「や、特には……」

市長「そうですか。私はかなり彼女に迷惑をかけているので……」

ぶりっ子「そうなんですかぁ?」

市長「私が帝国と対立しているせいで、彼女の調査にも影響が出てしまっています」

怪盗「そりゃどっちも正しいことますから、市長さんか気に病むことはないです!」
189 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 00:39:56.87 ID:lBc6hn850
本日はここまでです
ありがとうございました
190 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/14(土) 18:26:53.55 ID:lBc6hn850
市長「そうですか?それならいいのですが」

狙撃少女「それと、子供たちを一時預かってくれる方を見つけました」

市長「つまり……子供たちを連れてまっすぐ歩くには極東は遠すぎるおそれがあるということですね?」


何段階か思考を飛ばして質問をしてくる
実際合っているので、一行は頷くことしかできない


炎魔「そうですね……」
191 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 02:15:46.81 ID:dfZbS8bT0
市長「ちなみに、どんな方なのでしょうか」

男「魔王だよ」

市長「……魔王?」


市長は首を傾げた
魔王がそれほど慈悲深い存在だとは思っていないようだ


中華「それだけじゃ伝わんないでしょ?」

男「あぁ、そうか……」

中華「市長さん、オネエの魔王だよ」

市長「オネエの魔王??」
192 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 02:17:13.89 ID:dfZbS8bT0
本日はここまでです
ありがとうございました
193 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/15(日) 18:58:45.06 ID:dfZbS8bT0
より訳が分からないという顔をする
確かにそうだろう


氷魔「……はい……オネエの魔王です……」

市長「そうですか……信頼できるのですか?その……魔王は」

やる気「気品のある方っすし、節度を持って接していれば相手も優しくしてくれる感じっすね」

市長「……魔王らしくないですね」

ぶりっ子「そんなんばっかじゃないですかぁ?」
194 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 01:08:56.92 ID:r5n0A3+r0
実際、ここにいる二人の魔王もあまり物騒なタイプではない
時折その片鱗が見えることもあるが、
よほど追い詰められなければ、
邪悪な魔王らしい態度を取ることは少ないだろう


市長「……そうですね」

怪盗「ま、そういう訳で……子供たちを連れていくために戻ってきました」

市長「分かりました。では出発の支度をさせますね」
195 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 19:02:29.04 ID:zy2W8hlnO
すみません寝落ちしました


それから三十分ほど待てば、子供たちは全員揃った


狙撃少女「それじゃあ行きましょう!」

炎魔「ハッチを降りるのが怖かったら、私が支えますからね!」

子供A「あ、ありがとう……」
196 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 19:05:15.67 ID:zy2W8hlnO
それから地下水道に降りて、
一行と子供たちは歩き始めた


男「ううん……」


だが、暗くじめじめとしたその道は、
まだ小さな子供たちにとっては不気味すぎた
何人かは足がすくんでおり、
このまま歩くのは彼らの精神をただ磨耗させることにほかならないと何人かは気付いた


中華「よし!なにか楽しい話をしようか!」

子供B「楽しい話……?」

中華「あぁそうさ!どうかな、なにか極東での楽しい思い出とかないかい?」

子供B「え、ええっと……>>下1」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 19:22:19.18 ID:OOsBsIGZ0
働く石像さんの話

昔、村々を作る際にその村の御神体を奉納する決まりがあった時代に、人々のお願いを聞いて働く石像が祀られていた村の逸話
198 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 23:50:51.04 ID:r5n0A3+r0
子供B「昔話でもいいですか……?」

中華「もちろん!」


そう言うと控えめに子供は笑って、
それから話し始めた


子供B「昔……極東には働く石像さんがいたの」

氷魔「……働く……石像……?」

子供B「うん、昔……極東では新しい村を作るときに、その村に大きな社を作ってたんだ」
199 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/16(月) 23:57:26.97 ID:r5n0A3+r0
ぶりっ子「へぇー、村ごとに神様がいるんですかねぇ?」

子供B「そうだと思う……それで、社には御神体を奉納することになってるんだ」

怪盗「聞いたことありますね、東国の社には神様を象徴するものが置かれていると」

子供B「それで、そこの社で祀られていたのは……働く石像さんだったんだ」

狙撃少女「働く、とはどういうことなんでしょう?農作業とかしてくれるんでしょうか?」
200 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/17(火) 00:53:08.73 ID:Ixl9d9AQ0
本日はここまでです
ありがとうございました
201 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/17(火) 19:44:18.46 ID:x29GDB3NO
子供B「あんまりそういうことはしないみたいだよ。大きくて邪魔な岩をどかしたりとか」

狙撃少女「へぇ……」

やる気「誰かが操作してるんすか?」

子供B「ううん、みんなのお願いを聞いて動くんだ。命令する人がいるわけじゃないんだよ」

氷魔「…………?……変わってますね……まるでゴーレムのようですが……マスターがいないのでしょうか……?」

子供B「ごぉれむ?」
202 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 02:02:14.27 ID:W1sbw4Zk0
男「魔法使いのために働いてくれる、石とかでできた像だね」

子供B「働く石像さんに似てるね」

やる気「そっすねぇ」

中華「でも、御神体として備えられてたってことは神様なの?」

子供B「うーん……石像さんは神様じゃないと思う」


そこまで話すと、別の子供が声を上げた
203 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 02:33:49.41 ID:W1sbw4Zk0
本日はここまでです
ありがとうございました
204 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/18(水) 19:48:25.94 ID:W1sbw4Zk0
子供C「みんなが神様にお願いすると、石像さんが働いてくれるんだよ!」

氷魔「……なるほど……」

ぶりっ子「ところで、その石像さんって今もいるんですかぁ?」

子供B「いない」

怪盗「えぇ、どうしてなくなっちゃったの?」

子供B「>>下1」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/18(水) 20:10:08.78 ID:L2h9eRmo0
大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……
206 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:37:08.17 ID:lzYOll0P0
子供B「大地震が起こった時に村の人達を助けた後に地割れに飲み込まれちゃったんだ……」

狙撃少女「なんと……」

炎魔「ってことは、地の底にはまだ石像さんがいる可能性があるんですね!」


彼女は悲しそうな顔を一瞬したが、
すぐにそう言って明るいいつもの顔になった


男「極東に行ったら助けたいとか、そういうこと考えてるでしょ」
207 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:39:29.29 ID:lzYOll0P0
炎魔「分かってるじゃないですか」

男「どこにいるか分かったらやろうか」

炎魔「話が分かりますね!」


それからも、一行と子供たちは極東のお話や、
その他種々の楽しい話をして歩き続けた
暗さも恐怖を呼ぶものではなく、
余計な視覚を遮断して話の世界に入り込むための、
ある種の暗幕のような効果を果たした
208 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 00:43:32.34 ID:lzYOll0P0
本日はここまでです
ありがとうございました
209 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/19(木) 19:52:54.88 ID:lzYOll0P0
お陰で進むのも少し早くなったのか、
予定より一時間ぐらい早く目的地に着いた


中華「それじゃ、梯子を昇っていってね」

やる気「落ちたら俺っちがキャッチするっすから、安心して上るっすよ!」


子供たちは心配をよそに、
するするとみな梯子を上っていった


氷魔「……すごいですね……私……小さいころはどうしても梯子がダメで……」
210 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 00:38:59.64 ID:h5n81TFH0
一方、地上に上った子供たちはその光景に目を奪われた


子供A「わぁぁ……!」

子供D「きれい……!」


どこまでも続く花畑と地平線
そこに呑み込まれていく太陽
世界の終わりがこんな感じだったらいいのに、
と思う者もいるほどの美しさだった


ぶりっ子「確かに、これは綺麗ですねぇ」
211 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 00:43:40.34 ID:h5n81TFH0
本日はここまでです
ありがとうございました
212 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/20(金) 21:00:40.54 ID:h5n81TFH0
すみません遅れました


怪盗「それじゃ、着いてきてくださいね!」


彼女は子供たちを先導して歩き始める
向かうは魔王の居城であった


狙撃少女「まるでピクニックみたい」

炎魔「ふふ、確かにそうですね!」
213 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:17:20.44 ID:/KC2STWn0
男「見えてきたぞ、あれが目的地だ」


彼が指し示す先にある魔王の宮殿
子供たちは初めて見る西洋風巨大建造物に目を奪われた

子供E「すげー……」

子供D「あんなところに住みたいな……」

中華「住むのは無理だけど、しばらく君たちはあそこで暮らすことはできるよ」
214 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:27:29.83 ID:/KC2STWn0
近付けば、待たせていた信徒たちが反応する


氷魔「……みなさん……待っていてくれたんですね……」

やる気「いやぁ、時間かかって申し訳ないっす!」


子供たちはおびただしい数の人に少し怯んだが、
一行が仲良くしているのを見て悪い人たちではないのだろうと安心した
215 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 01:40:32.34 ID:/KC2STWn0
本日はここまでです
ありがとうございました
216 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/21(土) 19:06:45.54 ID:/KC2STWn0
少年「俺と同じくらいじゃないか」

気弱少女「なんだか懐かしい気分になりますね」


完全なる合流を果たし、
みんなで宮殿の中へと入っていく


ドリアード「みなさんお揃いのようですね」


と、ロビーで待機していたドリアードが礼をする
217 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 05:46:36.16 ID:pQKnCM1b0
ぶりっ子「随分待たせちゃいましたねぇ」

ドリアード「構いませんよ、それでは着いてきて下さい」


彼女に先導され、
これまで入ったことのない廊下へと通される
その天井はとても高く、
なにやら抽象的な絵も描かれている


怪盗「芸術、お好きですよねー……ここの魔王さま」

ドリアード「えぇ、本当に好まれるのは芸術であることを自覚している芸術ではなく、自ずから芸術になってしまうものなのですが」
218 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 05:47:40.37 ID:pQKnCM1b0
本日はここまでです
ありがとうございました
219 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/22(日) 19:51:12.67 ID:pQKnCM1b0
狙撃少女「雪の結晶みたいな感じですかね?」

ドリアード「そうですね。生きているとなおよいそうです」

炎魔「生きて……?」


あれこれと話しているうちに、
一行は一つの部屋の前に到着した


ドリアード「ここが、子供たちに案内するように言われている部屋です」


彼女は扉の隣に立つと、
ツタを伸ばして横から開け放った


>>下1……部屋の内装
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 23:33:33.01 ID:j4O7hR630
ホテルの一室と思わせる程広く綺麗で、草原かと思わせる色の壁、家具も大人数で使える程にはおおきかった
窓から見る景色も明るくて見晴らしも良い
ただ…七基程気になる石像…と言うか恐らくガーゴイルと言うのだろう、半人半魔の女性を模った石像があった
221 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:14:32.60 ID:ebg3c3o60
子供A「わぁ……!」


誰もが、そこから青く清浄な空気が吹き抜けたかのように錯覚した
ほぼ夜なのに、その部屋の壁は昼の晴天のようだった
どこまでも広がっていくような草原が、
壁全面に表現されていたのだ


男「圧倒されるな……」


子供たちは吸い込まれるように部屋に入っていく
一行や教徒たちも、
その内装が気になる一心で入室した
222 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:21:02.46 ID:ebg3c3o60
中華「うひゃあ、すっごいねこれ」


とにかく部屋が広く、
だがそれに応じて家具の一つ一つが大きかった
まるで縮尺の違う世界に迷い込んだような感覚を受けるが、
そのおかげで沢山の子供たちが使用できるようになっている


氷魔「……ちゃんと……窓もありますね……」


かちゃり、と音を立てて氷魔は窓を開いた
223 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 02:55:26.38 ID:ebg3c3o60
本日はここまでです
ありがとうございました
224 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/23(月) 19:45:35.87 ID:ebg3c3o60
外側の窓枠の上にある壁面には、
魔力で発光するライトが取り付けられていた
外の眩しすぎる夕陽は、
どこまでも続く草原に差し込んで、
存在しないはずの郷愁を誘う


やる気「最高の部屋っすね!」

ぶりっ子「そうですねぇ!」

怪盗「私もここに泊まりたいです!」

狙撃少女「えっ……もしかして、この石像が見えてないんですか……?」
225 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 02:04:07.54 ID:KrOyFRWx0
彼女は部屋内に安置されている石像たちを指した


炎魔「まぁ……これは魔王らしいセンスだよねー」


その姿は一見すればヒトのようであったが、
その背には翼が生えていた
しかも、天使の持っているような柔らかな見た目のものではない
魔族に特有の、蝙蝠のような翼だった


男「男の子はこういうの好きなんじゃないか?」

少年「女の像じゃなけりゃなぁ」
226 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 02:26:58.25 ID:KrOyFRWx0
本日はここまでです
ありがとうございました
227 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/24(火) 19:54:16.35 ID:KrOyFRWx0
その像は全て女性を象っている
しめて七基のそれが部屋の各所に置かれているのだ


氷魔「……これは……恐らく……ガーゴイルでは……ないでしょうか……?」

中華「ガーゴイル?」

やる気「あぁ、でっかい屋敷の前とかに置いてある、魔物っぽい像のことっすね」

ぶりっ子「ですねぇ」
228 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/25(水) 01:32:03.85 ID:Vd8W6bsW0
氷魔「……あれは……ああ見えて邪なものを退けるために置かれているのです……」

怪盗「なるほど、つまり……」

氷魔「……これらの像も……子供たちを守るという気概で置かれているのではないかと……」

狙撃少女「な、なるほど……だからみなさん言葉に出さなかったんですね」

中華「いや、触れたらまずいかと思って言わなかっただけだよ」

やる気「そっすよ」

狙撃少女「……………………」
229 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/25(水) 01:35:44.88 ID:Vd8W6bsW0
炎魔「落ち込まないでください!私はあなたの味方ですよ!」


なんとも言えない顔の彼女を、
炎魔は優しく抱き締めた


男「……ん、よし。子供達もこの部屋を楽しんでるみたいだし、俺たちは出るかな」

気弱少女「あ、はい……」

少年「おう!」
230 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/25(水) 01:55:57.38 ID:Vd8W6bsW0
本日はここまでです
ありがとうございました
231 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/25(水) 19:46:10.98 ID:Vd8W6bsW0
そうして、一行と教徒たちは部屋を出た


ドリアード「気に入っていただけたようでなによりです。主にも伝えておきます……」

ぶりっ子「えぇ、ここが美にこだわってらっしゃる魔王の居城でよかったですねぇ」

中華「ちなみに、教徒たちの部屋もあるよね?」

ドリアード「はい、ご用意しております。ただ、子供たちの部屋に比べると見るもののない部屋でございますが」
232 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/26(木) 00:02:44.65 ID:GBE0IiIl0
教徒G「はっはっは、そりゃ楽しみですな」

教徒F「ええ、きっとここの主なら……」


一行の話や花畑の様子、
子供たちに与えられた部屋などから、
謙遜していてもオネエ魔王ならば、
きっと素晴らしい部屋が用意されているのだろうと彼らは思ったのだった


氷魔「……そうですね……私も気になります……」
233 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/26(木) 01:09:22.57 ID:GBE0IiIl0
本日はここまでです
ありがとうございました
234 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/26(木) 19:48:41.45 ID:GBE0IiIl0
それから、皆はドリアードに案内されて、
別の部屋へと向かうのだった


ドリアード「こちらになります」

やる気「どれどれ……」


部屋に入り込むと、そこはまるで教会のようだった
面積が広く、天井はアーチになっている
神の像は置かれていないが、
部屋の中央には大理石でできた祭壇が置かれているのだった
235 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/27(金) 01:56:17.78 ID:kV8pA9HJ0
ぶりっ子「うわぁ、すごいですねぇ〜!」


部屋の両隅には全員が眠れるだけのベッドがずらりと並べられており、
それらに飛び込んで転がることができたら、
どれほど気持ちよいかを考えずにはいられないほどだ


怪盗「ここに住みたいぐらいですね」

狙撃少女「そうですね……あぁ、透き通るような部屋です」
236 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/27(金) 19:32:31.98 ID:WdB0zNAKO
すみません寝落ちしました


それから一行と教徒たちは、
その部屋でくつろぎ始めた


炎魔「部屋なのに飛び回れます!」


ホテルや旅館ではしゃぐ子供のように、
炎魔は部屋を動き回って興奮している


男「さて……」


まだ夕食までには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/27(金) 19:39:16.37 ID:VHm2QsZz0
6
238 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/28(土) 02:51:51.07 ID:c5vbXFCK0
狙撃少女「………………」


彼女は部屋の片隅、
ベッドに乗って手帳になにかを書いていた


男「よっ」

狙撃少女「っ……あ、男さんでしたか」

男「おう。大丈夫か?」

狙撃少女「はい、まったく平気ですよ」


手帳を懐にしまいながら、
彼女は男に優しく笑いかける
239 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/28(土) 02:52:29.95 ID:c5vbXFCK0
本日はここまでです
ありがとうございました
240 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/28(土) 19:11:52.11 ID:ET5JgiB4O
男「書いてたのか?小説」

狙撃少女「はい。最近はなかなか刺激的ですから」


ベッドに両脚を投げ出して、彼女ははにかんだ


男「……幸せそうな顔してるな。俺も嬉しいよ」

狙撃少女「……あの、お願いがあるんですけど」
241 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/29(日) 05:08:25.48 ID:pHecaM740
男「なんだ?」

狙撃少女「もし私が死んだり、失踪したら……必ずこの手帳は燃やして下さいね」


彼女は使い込まれたそれを取り出した
ところどころ縁がボロボロになって、
革製の装丁の中身が見えてしまっている


男「気持ちは分かるがな、縁起でもないこと言うもんじゃないぞ」

狙撃少女「本当に恥ずかしいんですよ」
242 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/29(日) 05:10:21.28 ID:pHecaM740
男「じゃあ、そうだな……逆に見てやろうかな」

狙撃少女「えっ!?」

男「そんとき俺にコネがあったら出版までしてやる」

狙撃少女「えぇっ!?」

男「……くくく、これで狙撃少女はもう死ねまい」

狙撃少女「お、おのれぇ……」
243 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/29(日) 05:13:02.63 ID:pHecaM740
本日はここまでです
ありがとうございました
244 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/29(日) 20:00:04.93 ID:pHecaM740
男「……まぁ、半分冗談だ」

狙撃少女「半分だけなんですか……」


彼女は顔を引きつらせている


男「最近どうだ?……これだけじゃ答えづらいな。今の、このみんなで移動する環境……どうかな?」

狙撃少女「楽しいですよ。子供たちと一緒にいると」

男「ふぅん……子供、好きなのか?」

狙撃少女「>>下1」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/29(日) 20:16:19.09 ID:Kf7WRLi4O
将来多くの子供達と関わる仕事に就くのも悪くない程度には好きですね
246 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/30(月) 01:19:49.52 ID:Dbw0Fbkb0
狙撃少女「将来多くの子供達と関わる仕事に就くのも悪くない程度には好きですね」

男「へぇ……いいかもね」

狙撃少女「まぁ、なれるかは別の話ですけれど」

男「なれるよ。優しいし、面倒見いいし」

狙撃少女「……でも、物騒すぎませんか?」


彼女は自分の獲物を一瞥して、不安げにそう述べた
247 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/30(月) 01:44:59.93 ID:Dbw0Fbkb0
男「はは、そりゃ無用な心配だ」

狙撃少女「そうでしょうか……?」

男「子供はそういうの好きだぞ。まぁ、親御さんには隠したほうがいいかもしれないけど」


いつも優しくしてくれるお姉さんが、
実は凄腕の狙撃手だった……
非常にロマンのある展開である


狙撃少女「少しだけ自信が付きました」

男「そりゃあいい。……子供向けのお話も、狙撃少女なら作れそうだしな」
248 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/30(月) 01:49:08.02 ID:Dbw0Fbkb0
本日はここまでです
ありがとうございました
249 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/30(月) 19:41:07.93 ID:Dbw0Fbkb0
それから夕食の時間になった
部屋にドリアードが入ってきて、
ダイニングホールに案内されるのだ


中華「なるほど……」


そこはまるでテラス席のようであった
屋外との仕切りがない場所に、
椅子とテーブルが遠くまでずっと連なっている
250 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/06/30(月) 21:02:15.62 ID:Dbw0Fbkb0
それぞれ案内されて、一人一人席についていく


ドリアード「ここにどうぞ」

男「ありがとうございます」


男もまた、ドリアードから案内された席に座る
なぜか目の前の席には誰も案内されなかったが、
しばらくするとそこにオネエ魔王がやってきた


オネエ魔王「失礼します」
251 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/01(火) 03:06:34.37 ID:bBHLIwD80
本日はここまでです
ありがとうございました
252 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/01(火) 18:56:09.45 ID:Rv45Yw7jO
男「これはこれは……」


盛大にもてなしてくれている、
その主が登場したのである
男は感謝と畏れをこめてうやうやしく頭を下げた


オネエ魔王「ほほ……そうかしこまらないで。ちょっとお話がしたくてきただけなの」

男「話、ですか」

オネエ魔王「ええ、>>下1」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/01(火) 18:59:21.28 ID:6xGgfZDCo
この先に待ち受けるものについてちょっとね
254 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/02(水) 01:08:35.23 ID:7iBXuF8v0
オネエ魔王「この先に待ち受けるものについてちょっとね」

男「この先に待ち受けるもの……?」


そう聞けば、答えが来るよりも先に料理が出てきた
パスタやステーキなどが並ぶ、
非常にボリューミーな夕食だ


オネエ魔王「食べながら話しましょうか」
255 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/02(水) 01:14:38.45 ID:7iBXuF8v0
男「そうですね……」


数分無言で美食を楽しんだあと、
やはりオネエ魔王から声を発した


オネエ魔王「あなたたちは、非常に多くの因果の中にいるの」

男「そうかもしれませんね」

オネエ魔王「えぇ。あなたたちを助けてくれるような存在は沢山いる。けれど……その逆もいる」

男「帝国とか、ベリアルの一派とか……そういう感じですね」

オネエ魔王「そう。運命はね、花のようなものよ……それも、つる植物ね」
256 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/02(水) 01:50:45.84 ID:7iBXuF8v0
本日はここまでです
ありがとうございました
257 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/02(水) 19:43:04.34 ID:7iBXuF8v0
男「つる植物……アサガオなら育てたことがありますよ」

オネエ魔王「ならお分かりでしょうけど、アレには支柱がいるの」

男「そうですね、巻きついて育ちますから」

オネエ魔王「運命もそう。あなたたちも真っ直ぐだから、運命が絡みつくの」

男「なるほど……」

オネエ魔王「綺麗な花を咲かせればいいけど、運命は時に獰猛よ。支柱が折られてしまうかもしれない」
258 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/03(木) 00:19:04.92 ID:dWoI7idb0
男「……しかしながら、俺たちは貪欲です。全ての花を手にしたい」

オネエ魔王「ふふ、他の支柱が折られるのを見たくないだけでしょう?」

男「そうですね、否定できません」

オネエ魔王「だからね、つるに締め潰されないうちに、きちんと花は咲かせてあげないとダメ」

男「……風情のない言い方をすれば、『片付けられる問題から一つ一つ片付けていけ』ということですね」
259 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/03(木) 00:23:03.98 ID:dWoI7idb0
ナイフでステーキを切り分けて、
男は一つずつ口へと運んだ


オネエ魔王「ふっ……それがあなたの見つけた花ならば、否定しません」

男「あなたの言の葉は、きちんと花をつけましたよ」

オネエ魔王「あら……今のあなた、とっても素敵。そこいらの酒場に行ってみなさいな、いい思いができることでしょうね」

男「生憎、興味が薄いんです」
260 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/03(木) 00:35:13.55 ID:dWoI7idb0
本日はここまでです
ありがとうございました
261 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/03(木) 19:53:07.21 ID:dWoI7idb0
オネエ魔王「まぁ、辛気臭い話ばかりしていても美食に悪いし……食べましょう」

男「はい、折角こんなにいい日なんですからね」


二人は談笑をしながら、夕食を食べ終えるのだった
大量の皿をドリアードたちが回収しにやってくる


オネエ魔王「それでは、私はこの辺りで」

男「えぇ、お気遣いなく……」
262 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/03(木) 23:32:50.42 ID:dWoI7idb0
男が伸びをして、席から立ち上がると、
同じく食事を終えた仲間が集まってきた


氷魔「……随分楽しそうに……話してらっしゃいましたね……」

男「内心どきどきだったよ」

やる気「おかわりしなかったっすもんねぇ」

男「言われてみればそうか……」
263 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/04(金) 01:04:52.62 ID:BRdvWxyO0
本日はここまでです
ありがとうございました
264 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/04(金) 21:32:48.60 ID:7lUf3qd3O
すみません遅れました


それから、一行と教徒たちは部屋へと戻った
ご丁寧に、部屋を開けている間に掃除がされていた


ぶりっ子「なんか、行き届きすぎてて逆に怖いですねぇ」

怪盗「ここの贅沢に慣れたら危険かもしれませんね」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と新技の特訓
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.海神教団の神に祈る
9.白狼に祈る
10.自由安価
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/04(金) 21:34:18.08 ID:AFGB5jDK0
9
266 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/05(土) 04:55:54.60 ID:lZaySmZ40
男は、折角なのでここの祭壇でも祈りを捧げることにした


男「………………」


暴風と雷撃の只中へと飛び込んでいく
二度目の体験ゆえに少しは慣れた面持ちで眼を開ければ、そこにはやはり白狼がいた


白狼「……貴様は遠慮がないな」
267 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/05(土) 04:58:54.88 ID:lZaySmZ40
男「え、遠慮ですか?」


突然苦言を呈されたので、
男もただ言葉を返すことしかできなかった


白狼「あの娘はわざわざこの領域まで来ずに意思を交わせるというのに、貴様はどうしても入ってきたいらしい」

男「いやぁ、そうしない方法が分からなくて……」

白狼「であろうな。貴様の魂は磁石のようなものだからだ」
268 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/05(土) 05:03:03.74 ID:lZaySmZ40
男「磁石……引かれあってしまうんですか?」

白狼「あぁそうだ。一方の極の磁石に、もう一方極を持つ磁石に付くなと言い聞かせても無理だろう」

男「……つまり、これはコントロールできないと」


望むと望まざるとにかかわらず、
男は神の世界へと侵入してしまう


白狼「あぁそうだ。……貴様、肉体のある生き物でよかったな」

男「は、はぁ……」

白狼「貴様がもし死んだとして、その魂がどこへ行くかは我にも分からぬ。あるいは……」
269 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/05(土) 05:21:28.82 ID:lZaySmZ40
本日はここまでです
ありがとうございました
270 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/05(土) 19:55:57.72 ID:lZaySmZ40
男「あるいは?」

白狼「……いや、止しておこう」


と、なにやら不穏なことを言われてしまった
だが、本人がこれ以上話すつもりがないなら、
追及するべきではないのだ


男「ああそうだ、聞きたいことがあったんですよ」

白狼「言ってみろ」

男「>>下1」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/05(土) 20:15:41.00 ID:RjgQv8pM0
此処の魔王殿って人間くさいと言うか友好的と言うか魔王というには敵意が無いんだけど、何か知らない?
272 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/06(日) 02:32:27.62 ID:uxXE3S940
男「此処の魔王殿って人間くさいと言うか友好的と言うか魔王というには敵意が無いんだけど、何か知らない?」

白狼「ふむ……」


彼はいつも寄っている眉間の皺を、
さらに強く引き絞って思索を始めた
そして、しばらくしてそれが弛む


男「どうです?」

白狼「正確なことは言えん。だが、出自に答えがあるのではないか?」
273 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/06(日) 02:33:50.52 ID:uxXE3S940
本日はここまでです
ありがとうございました
274 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/06(日) 18:45:27.75 ID:bkAKkx4NO
男「出自、というと……」

白狼「魔王を名乗る者の全てが好戦的なわけではない。大抵、その者の出自によって魔王としての性質も変わってくる」


男は、中華ややる気のことを思い出した
人間として産まれ、育っている二人だ
それゆえに魔王となっても平和的でいられるのだろうか、そう考えた


男「元人間、なんですかね」

白狼「可能性としてはあるだろうな。……だが、魔族でも人族でもない者も世界にはいる。だから、確実はことは言えんのだ」
275 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/07(月) 00:55:25.17 ID:07YTaoV10
男「なるほど……」

白狼「我も、かつては魔王の力を欲していた」

男「なんか、そんな感じはしますね。どうするつもりだったんですか?」

白狼「聞かずとも分かっておろう?」


正確なところは、彼にも分からなかった
ただ、その力で全てをねじ伏せるつもりであったことだけは、なんとなく理解できた


男「今はもう、いらないんですね」
276 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/07(月) 02:26:34.73 ID:07YTaoV10
本日はここまでです
ありがとうございました
277 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/07(月) 19:56:18.30 ID:07YTaoV10
白狼「そんなものがあろうとなかろうと、強き者は強き者たりえるからな」

男「……ふふ」

白狼「なにがおかしい!」

男「ほあ"ーっ!!」


油断していたところ、
彼の頭上から極太の落雷が降った


白狼「………………」

男「い、いや……そっちのほうが平和的でいいと思って……」
278 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/08(火) 01:00:17.10 ID:q+msYjhz0
白狼「我は平和など望んでおらん」

男「そ、そうですか……」

白狼「逆らうものがあれば、その肉を裂き、臓物を引きずり出して、魂ごと喰ろうてやるわ」


と、白狼は唸るように述べた
それが本気であるかどうかは、
痺れたままの男に判別することはできなかった


男「はい……」

白狼「では、去れ!」
279 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/08(火) 01:02:49.84 ID:q+msYjhz0
白狼が一つ大きく吼えると、
男は衝撃波を受けて現実へと叩き戻された


男「おおっと!」


現実の肉体も小さく吹き飛ばされ、
どういうわけか、
その肉体からはわずかに放電もしていた


狙撃少女「な、なんですか!?」

男「あ、あぁ……なんでもない。安心してくれ……」
280 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/08(火) 01:17:46.01 ID:q+msYjhz0
本日はここまでです
ありがとうございました
281 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/08(火) 19:59:23.32 ID:q+msYjhz0
炎魔「ほ、本当ですか……?」

男「ああ、問題ない。むしろ、いいことがあったってくらいだ」


そう言って、身を休めるために彼は横になった
あのオネエ魔王は一体何者なのか、
その疑問が解決することはなかったが、
それをぐるぐると考えているうちに、
あっさりと夢の世界へと入っていくことができた
282 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/09(水) 01:13:08.95 ID:0x4NpX3M0
〜翌日・陰週水曜日〜


中華「………………」


男が目覚めると、中華が祈っているのが見えた
彼は毎日朝早いので、
今日のようなしなければならないことがない日は、
いつも手持ち無沙汰を感じている


男(折角だから祈ろう、ということか……)
283 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/09(水) 01:23:56.55 ID:0x4NpX3M0
本日はここまでです
ありがとうございました
284 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/09(水) 19:45:57.25 ID:0x4NpX3M0
中華「……ふぅ」


しばらく祈っていた彼だが、
無事に祈り終えたようだった


男「珍しいな。神に祈る神なんて」

中華「あ、起きてたんだ」

男「まぁな、途中からだが……それより、なにを祈ってたんだ?」

中華「>>下1」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/09(水) 20:05:18.72 ID:dzEZMHWb0
今未だ迷っている信者さんたちの安寧と初心忘れぬ意志のために、かな(ニコッ
286 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/10(木) 00:41:16.86 ID:oX/m2zWv0
中華「今未だ迷っている信者さんたちの安寧と初心忘れぬ意志のために、かな(ニコッ」

男「………………」

中華「ど、どうかした?」

男「……なんか腹立つなぁ」

中華「え!?」

男「いや、言ってることは全部素晴らしい。中華のことだから絶対本心だと分かるし」
287 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/10(木) 00:43:25.39 ID:oX/m2zWv0
中華「ど、どうして……」

男「一周回ってすごい怪しい。中華じゃなかったら正気を疑うか、嘘をついていると断定しているところだ」

中華「えぇ……」

男「あとイケメンがそうやって優しげな笑顔を浮かべているとすごくコンプレックスだ!」

中華「そ、そんな!僕はイケメンじゃないよ!?」

男「うちだと一番イケてるんだよおぉぉぉ……!!」
288 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/10(木) 01:20:21.20 ID:oX/m2zWv0
本日はここまでです
ありがとうございました
289 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/10(木) 19:00:21.28 ID:tP5oA1tYO
そうやってあれこれと言っていると、閃光が走った


中華「っ!?」

男「ぐわああぁぁぁっ!」


小さな雷が落ちたのだった
一生懸命祈ってくれている人に、
あれこれと文句を言ったのだから、
白狼が怒るのも当然のことであった
290 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/11(金) 01:21:07.87 ID:7/l4mmBM0
中華「だ、大丈夫?」

男「慣れてきたよ……」


男はゆっくりと起き上がった
すると、すぐ後ろになにかが落ちてきた


炎魔「ふおぉぉ……」

男「やべ、巻き込んじまった」


寝相の悪さによって部屋を飛び回っていたため、
たまたま雷を食らってしまったようだった
291 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/11(金) 02:15:24.13 ID:7/l4mmBM0
本日はここまでです
ありがとうございました
292 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/11(金) 19:57:30.47 ID:M+1Rk4dYO
それから、教徒たちもギルドの仲間たちも起きてきた


氷魔「……今日からは……安心して……東を目指せますね……」


とにかく東を目指す必要がある一行は、
教徒たちは魔王の居城に残して地下へと戻った


やる気「よし……がんがん進むっすよ!」
293 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/12(土) 02:31:37.86 ID:CknOal3S0
地下道にやる気の声がこだまする


ぶりっ子「しっかし、この道不思議ですよねぇ」

怪盗「まぁ、そうですね」

狙撃少女「誰か作った人がいて、それを知っている人がいるなら、文献がありそうなものですけどね」

炎魔「市長が知らないってことは、多分文献すらないんでしょうね……」
294 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/12(土) 02:33:58.95 ID:CknOal3S0
本日はここまでです
ありがとうございました
295 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/12(土) 19:56:05.44 ID:CknOal3S0
そして、前回やったように、
ひたすらに地下道を滑走していく


男「おっ、あれは……」


それから一時間ほどが経って、
また見たことのないはしごを見つけたのだった


中華「またハッチだね。どこに繋がってるんだろうか……」


みな慣れた様子でブレーキをかけて、
その梯子の前で止まるのである
296 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/13(日) 02:38:06.03 ID:ZU3UvXNx0
氷魔「……上ってみましょう……」


もはやこの工程にも慣れたものであり、
誰も違和感を抱くことなく、
ハッチを開けて外に出るのだった


やる気「ここは……?」


どうやらそこは室内のようであった
見回せば、小屋の中であると推察できることだろう
297 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/13(日) 03:16:35.41 ID:ZU3UvXNx0
本日はここまでです
ありがとうございました
298 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/13(日) 19:56:52.97 ID:ZU3UvXNx0
ぶりっ子「小屋みたいですねぇ」


ほとんどものが置かれておらず、
やはりというべきか、
人の出入りは少なそうな雰囲気が漂っている


怪盗「誰かいたらいたで気まずいですしね」


そして、一行は扉を開けて外を窺う
謎の建物から一歩出れば恐るべき世界が広がっている、という経験はいくらでもあるからだ


>>下1……外の様子
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/13(日) 21:36:25.66 ID:lnY7qifH0
青々とした森に聳え立つ岩壁、巨大な泉に奥行きのある田圃、その隣にこの家屋よりも大きい家屋があり、時折獣の鳴き声が聴こえる
300 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 01:57:56.43 ID:fwOtceKI0
開けた扉の向こうからは日光が力強く差し込む
その陽光を照り返して青々と繁る森が目の前にはあった


狙撃少女「うわぁ……」


広大に見えるその森の奥の奥には、
銀色の岩壁が聳え立っていた
それは山よりも大きく感じるような迫力だ
301 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 02:01:55.52 ID:fwOtceKI0
炎魔「すごい光景ですねぇ」

男「……おっ、こっちからは文明の気配を感じるぞ」


小屋の前ではなく、その後ろを男は恐る恐る覗く
そこには巨大な泉があり、
よく澄んだ水が湛えられている


中華「探せば誰か居そうだね」


そして、その泉からは水が引かれており、
その先には田圃が広がっている
これもまたとても大きく、水を効率的に引くためにダイナミックな棚田が形成されている
302 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 03:17:51.94 ID:fwOtceKI0
本日はここまでです
ありがとうございました
303 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 19:50:30.14 ID:fwOtceKI0
一行がそこに近付いていくと、
棚田の隣に家があるのが視認できた
遠くからでもはっきり見えるため、
それなりには大きい家であるということが言えるだろう


氷魔「……あそこを目指しましょうか……」


一行はその家を目指そうと、
棚田を迂回して降りていこうとする
そのときのことだった


やる気「……っ!」
304 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 23:56:41.19 ID:fwOtceKI0
彼は反射的に宙返り
武器を構えながら反対向きに着地した


ぶりっ子「な、なんですかぁ?」


確かに、背後から獣の声がしたのだ
勇猛な野生動物の中には、
魔物に引けをとらないようなものもいる
経験からそれを知っているやる気が、
もっとも鋭敏に反応したのである
305 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/14(月) 23:58:11.18 ID:fwOtceKI0
本日はここまでです
ありがとうございました
306 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/15(火) 19:49:34.06 ID:fnOUK2tyO
やる気「……来てはないっすね」


それから、安全を確認して一行は大きな家を目指した
小屋と同じく木造の、シックな色合いの家だった


怪盗「ごめんくださーい」


ドアベルがついていなかったので、
声をかけながら優しくドアをノックしていく


>>下1……反応はあったか(あるなら、どのような反応があったか)
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/15(火) 20:17:59.26 ID:N0eI6b/Q0
突然の来訪者に驚いたのか中からは何かが倒れた音や何かが割れた音、動物の絶叫、誰かが転倒した音から布が千切れた音まで聞こえて来た
308 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/16(水) 01:21:13.22 ID:6KIRWdbp0
次の瞬間、家の中からなにかものが動いた音がした
その次にはより大きな音が鳴り、
家具が倒れたことが分かるだろう


狙撃少女「え……?」


なにごとかと一行が身構えるも、
獣の鳴き声のように止むはずもなく、
割れ物が破壊された音やそれこそ動物の叫びまでもが聞こえてくる


炎魔「な、なにかただならぬ事態が起こっているのでは!?」
309 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/16(水) 02:23:54.19 ID:6KIRWdbp0
本日はここまでです
ありがとうございました
310 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/16(水) 19:58:29.23 ID:6KIRWdbp0
それだけではなく、明確に人間が倒れたような音やなにか繊維質のものが千切れたような音までもが鳴っている


男「な、なにかまずいかもしれない!突入しよう!」

中華「い、いいのかなぁ?」

男「怪我してる人がいるに違いない!助けに行かないと!」


男は玄関にドアノブを取り付け、強引に開いた
311 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/17(木) 00:37:46.16 ID:IJV7pX9i0
引き戸のはずの玄関は強引に手前へと開かれ、
家屋への入り口を作り出す


氷魔「……さて……」


そこに突入した瞬間、
全ての強烈な物音は鳴りを潜めた
どこからあの音がしていたのかも、誰にも分からなかった


やる気「どっから行くっすか?」
312 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/17(木) 00:39:26.74 ID:IJV7pX9i0
すぐそこに上階へと続く道があったが、
一行はひとまず一階を探索することにした


ぶりっ子「大丈夫ですかぁ〜?」


ぶりっ子は声を張り上げて探すも、
これといって返事はなかった
少なくとも廊下には誰もいないのだ


狙撃少女「部屋に入るしかなさそうですね」
313 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/17(木) 00:46:01.30 ID:IJV7pX9i0
本日はここまでです
ありがとうございました
314 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/17(木) 19:33:01.41 ID:IJV7pX9i0
男「この部屋な気がするな」


部屋を区切るものはドアではなく、全て襖であった
男が目を付けたのは、
廊下から確認できる範囲ではもっとも大きな襖である


炎魔「よし、じゃあいきましょうか!」


炎魔は他のメンバーが身構える前に、
素早くその襖を開いた


>>下1……襖の向こうの様子
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/17(木) 19:40:42.34 ID:9k4TNsJm0
かなり散らかった部屋で、大きいちゃぶ台の下に震えながら隠れている少女や小動物達がいる
316 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/18(金) 01:45:23.01 ID:7qcIskWY0
中華「うわ、すっごい荒れてる……」


その部屋はとても散らかっていて、
種々の紙や日用品が散乱している有様だった


氷魔「……ぬ……」


そう声を漏らして突如氷魔はかがむ
彼女の視線は部屋に置かれている大きなちゃぶ台の下へ向いていた
317 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/18(金) 01:53:56.42 ID:7qcIskWY0
本日はここまでです
ありがとうございました
318 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/18(金) 20:50:35.77 ID:X8HU2+wLO
すみません遅れました


少女「……ぁ……」


彼女はちゃぶ台の下に隠れている少女を発見したのだ
見つかったことを悟った彼女は恐怖に瞳孔を震わせ、
吐息を漏らしてしまう


やる気「ん、なんかあったっすか?」

氷魔「……ええ……ここに人が……」
319 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/19(土) 01:18:26.35 ID:IBElbORE0
少女「……た……助けて……」

動物「ピピィーッ!!」


少女が命乞いをすると同時に、
一緒に隠れていた小動物が飛び出してくる


怪盗「おっと、ダメですよ?噛みついたりしたら」

ぶりっ子「なっ……なんですかその生き物?」


怪盗が掴んだ小動物は、
あまり見かけないような姿形をしていた
320 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/19(土) 01:21:03.65 ID:IBElbORE0
狙撃少女「あ……下にまだまだいますね」


少女と一緒に、それは沢山隠れていた


炎魔「けっこう可愛いですね!」


怪盗の手から抜け出したそれは、
ちゃぶ台の下へと戻っていった
それは蛇のように長く、
しかしながら毛皮を備えていた


男「イタチか?……いや、流石にもっとバランスの取れた体型をしてるよな……こいつは細長すぎる」
321 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/19(土) 01:21:47.86 ID:IBElbORE0
本日はここまでです
ありがとうございました
322 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/19(土) 19:47:43.23 ID:IBElbORE0
中華「そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?」

男「……そ、そうだった……おーい、俺たちは別に悪いことをしにきた訳じゃないんだ」


男は這いつくばって少女と目線を合わせる
だが、彼女はまだ怯えたままだった


少女「……ひ……!」

氷魔「……どうします……?」
323 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/19(土) 19:49:58.51 ID:IBElbORE0
やる気「こういう時は、一発ギャグで和ませるのが一番っすよ」

ぶりっ子「そ、そうですかねぇ?」

男「やる気、それだ!一発ギャグだ!俺に任せろ!」

怪盗「えぇ……?」


困惑している女性陣をよそに、
男は一発芸を行おうとする


>>下1……一発芸の内容
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 20:37:02.49 ID:Z6EIUXKw0
動物のモノマネ
325 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/20(日) 01:01:37.70 ID:40BUtHSm0
男「ぐぐ……わぉーん!わぉーん!」


恥というものを感じさせない、
伸びやかな声での犬の鳴き真似だった


狙撃少女「うわ……」

少女「……あ……」


だが、彼女は男がそうしているのを見て、
少なくとも恐怖とは異なる感情を抱いたようだった
326 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/20(日) 01:17:00.15 ID:40BUtHSm0
本日はここまでです
ありがとうございました
327 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/20(日) 19:33:47.57 ID:40BUtHSm0
男「わん!わん!わ……っ……!?」

少女「そんなに吠えないで……」


彼女はなんと男に手を伸ばし、
本物の犬にするかのように喉元を撫で始めたのだ


炎魔「おっ!物真似が精巧すぎて本物の犬と間違えてますね!」

ぶりっ子「流石にそんなわけないでしょぉ!?」
328 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/21(月) 01:40:18.17 ID:mJqQRWa40
男「……俺は人間だが」

少女「ひっ……」


男が物真似をやめると、
また少女の表情には恐怖が浮かんだ


中華「……いや、いやいやいやいや……」

氷魔「……動物だと思っているなら……交流ができるみたいですね……」
329 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/21(月) 01:46:47.06 ID:mJqQRWa40
本日はここまでです
ありがとうございました
330 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/21(月) 19:48:14.31 ID:mJqQRWa40
炎魔「それなら私に任せてください!」


炎魔は男と入れ替わりでちゃぶ台の下に体をねじ込む


やる気「なるほど、翼っすね」

炎魔「ほら、見てください!私は鳥ですよ!」

少女「と……鳥さん……?」
331 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/22(火) 03:31:28.51 ID:tIqI583J0
炎魔「そうですよ、翼だって生えてるんですから」

少女「確かに……」


少女はまたちゃぶ台の下から少し体を出して、
炎魔の体を撫でた


ぶりっ子「それでいけるんですねぇ……」

少女「あ……なんだかぽかぽかする……」
332 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/22(火) 19:58:39.69 ID:tIqI583J0
炎魔「実は私たち、この家からすんごい音がしたから心配になって突入してきたんですよ」

少女「そうなんですね……」


少女は炎魔を撫で、炎魔は撫でられながら喋っている
異様な光景だが、牧歌的だった


炎魔「この家、他にも誰かいるんですか?」

少女「>>下1」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 20:16:16.74 ID:zdxE4HOh0
面白いメイクをした少年と給仕さん!
あとたくさん!
334 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/23(水) 01:01:45.19 ID:Q+T9MyUm0
少女「面白いメイクをした少年と給仕さん!あとたくさん!」

炎魔「面白いメイク?」

少女「うん、会えばわかるよ」


彼女は無邪気に微笑んでいる


氷魔「……面白いメイク……ですか……」

怪盗「どうしました?」

氷魔「……いえ……なんでもありません……」
335 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/23(水) 02:23:34.95 ID:Q+T9MyUm0
狙撃少女「では、他の人にも会いに行きましょう」

炎魔「ですね!」

少女「もう行くの……?」


少女の瞳は悲しげで、
だが優しく動くその手は止まらなかった


炎魔「明らかに、ここからだけじゃない音がしましたから」

男「もし大事が起こってたらまずいからな」

少女「ひっ……」

男「なんで俺にはいちいち怯えるんだ……」
336 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/23(水) 02:32:32.67 ID:Q+T9MyUm0
本日はここまでです
ありがとうございました
337 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/23(水) 19:12:18.04 ID:Q+T9MyUm0
中華「給仕さんがいるのはどこ?」

少女「部屋を出て……左にまっすぐです……」


名残惜しそうな少女に別れ、一行はその部屋を出た
彼女に言われたとおりに進めば、
そこには両開きの扉があった


やる気「あぁ、確かにダイニングの入り口って感じっすね」
338 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/23(水) 20:00:01.96 ID:Q+T9MyUm0
一行はその扉を開けて、ダイニングへと突入した


ぶりっ子「すみませ〜ん……」


ダイニングに入れば、
そこは一見すると誰もいないようだった
だが、粘っこい視線を感じることだろう


怪盗「……誰かいますよね?出てきてくださいよ。私たち、悪人のつもりはないんですけど」


怪盗がそう述べると、
死角から>>下1が飛び出してきた
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/23(水) 20:22:18.77 ID:jac3hKLH0
コック、庭師、画家、彫金師、仕立て屋、占い師、メイド(魔女)
340 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/24(木) 01:35:03.54 ID:zNeSCeoi0
狙撃少女「む……」


懐にパチンコを隠し、彼女は気配の方向に向き直った
キッチンに続く扉が開かれており、
その扉の脇からコックが現れたのだ


コック「あ、あぁ、助かった。悪い人じゃないんですね?」

炎魔「はい!もちろんですよ!」

男(実際危害を加えるつもりはないが……よく信じるな)
341 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/24(木) 02:07:46.65 ID:zNeSCeoi0
本日はここまでです
ありがとうございました
342 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/24(木) 19:54:25.01 ID:zNeSCeoi0
すると、続々と人が出てきた
キッチンにこれだけの人がいたのか、
と驚いてしまうほどだった


庭師「いやぁ、なにごとかと思いましたよ」

画家「えぇ、筆もなにもかも取り落としてしまいましたなぁ」

彫金師「いやほんと、肝を冷やしました……」

中華「この屋敷、大所帯だね」
343 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/25(金) 19:05:20.76 ID:YJpX6OW20
すみません寝落ちしました


氷魔「……大きな屋敷なら……普通これぐらいはいるかと……」

やる気「むしろ、今まで俺っちらが行った屋敷はかなり人が少なかったっすね」

仕立て屋「私のような仕立て屋は勤めてる人が多くないと仕事になりませんし、一定の人数を越えると膨れ上がるものだと思います」

占い師「占いを外しましたかね……」
344 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/25(金) 21:57:52.28 ID:YJpX6OW20
怪盗「占い?」

占い師「えぇ、今日は災厄がこの屋敷に訪れると……凶兆が出たのです」


誰も彼もが怯えていたのには、
そういうわけがあるようだ


メイド「なにもないなら、それが一番ですよ!」

炎魔「む……」


炎魔はメイドに対して鋭い視線を向けた
彼女の聖なる力がメイドからなにかを感じ取ったのだ
345 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/25(金) 22:00:03.25 ID:YJpX6OW20
メイド「な、なんですか?」

炎魔「…………いや、なんでもないです」

メイド「ふ、不安にさせないでくださいよぉ〜!」

ぶりっ子「私の同類ですねぇ……」


ぶりっ子がそう溢せば、
今度はメイドがぶりっ子のほうを一瞬じろりと見た


メイド(もしかして、こいつも魔女……!?)
346 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/07/25(金) 22:08:24.41 ID:YJpX6OW20
本日はここまでです
ありがとうございました
109.70 KB Speed:3.8   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)