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安価とコンマで異世界転生!その12
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304 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/14(月) 23:56:41.19 ID:fwOtceKI0
彼は反射的に宙返り
武器を構えながら反対向きに着地した
ぶりっ子「な、なんですかぁ?」
確かに、背後から獣の声がしたのだ
勇猛な野生動物の中には、
魔物に引けをとらないようなものもいる
経験からそれを知っているやる気が、
もっとも鋭敏に反応したのである
305 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/14(月) 23:58:11.18 ID:fwOtceKI0
本日はここまでです
ありがとうございました
306 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/15(火) 19:49:34.06 ID:fnOUK2tyO
やる気「……来てはないっすね」
それから、安全を確認して一行は大きな家を目指した
小屋と同じく木造の、シックな色合いの家だった
怪盗「ごめんくださーい」
ドアベルがついていなかったので、
声をかけながら優しくドアをノックしていく
>>下1……反応はあったか(あるなら、どのような反応があったか)
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/15(火) 20:17:59.26 ID:N0eI6b/Q0
突然の来訪者に驚いたのか中からは何かが倒れた音や何かが割れた音、動物の絶叫、誰かが転倒した音から布が千切れた音まで聞こえて来た
308 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/16(水) 01:21:13.22 ID:6KIRWdbp0
次の瞬間、家の中からなにかものが動いた音がした
その次にはより大きな音が鳴り、
家具が倒れたことが分かるだろう
狙撃少女「え……?」
なにごとかと一行が身構えるも、
獣の鳴き声のように止むはずもなく、
割れ物が破壊された音やそれこそ動物の叫びまでもが聞こえてくる
炎魔「な、なにかただならぬ事態が起こっているのでは!?」
309 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/16(水) 02:23:54.19 ID:6KIRWdbp0
本日はここまでです
ありがとうございました
310 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/16(水) 19:58:29.23 ID:6KIRWdbp0
それだけではなく、明確に人間が倒れたような音やなにか繊維質のものが千切れたような音までもが鳴っている
男「な、なにかまずいかもしれない!突入しよう!」
中華「い、いいのかなぁ?」
男「怪我してる人がいるに違いない!助けに行かないと!」
男は玄関にドアノブを取り付け、強引に開いた
311 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/17(木) 00:37:46.16 ID:IJV7pX9i0
引き戸のはずの玄関は強引に手前へと開かれ、
家屋への入り口を作り出す
氷魔「……さて……」
そこに突入した瞬間、
全ての強烈な物音は鳴りを潜めた
どこからあの音がしていたのかも、誰にも分からなかった
やる気「どっから行くっすか?」
312 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/17(木) 00:39:26.74 ID:IJV7pX9i0
すぐそこに上階へと続く道があったが、
一行はひとまず一階を探索することにした
ぶりっ子「大丈夫ですかぁ〜?」
ぶりっ子は声を張り上げて探すも、
これといって返事はなかった
少なくとも廊下には誰もいないのだ
狙撃少女「部屋に入るしかなさそうですね」
313 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/17(木) 00:46:01.30 ID:IJV7pX9i0
本日はここまでです
ありがとうございました
314 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/17(木) 19:33:01.41 ID:IJV7pX9i0
男「この部屋な気がするな」
部屋を区切るものはドアではなく、全て襖であった
男が目を付けたのは、
廊下から確認できる範囲ではもっとも大きな襖である
炎魔「よし、じゃあいきましょうか!」
炎魔は他のメンバーが身構える前に、
素早くその襖を開いた
>>下1……襖の向こうの様子
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/17(木) 19:40:42.34 ID:9k4TNsJm0
かなり散らかった部屋で、大きいちゃぶ台の下に震えながら隠れている少女や小動物達がいる
316 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/18(金) 01:45:23.01 ID:7qcIskWY0
中華「うわ、すっごい荒れてる……」
その部屋はとても散らかっていて、
種々の紙や日用品が散乱している有様だった
氷魔「……ぬ……」
そう声を漏らして突如氷魔はかがむ
彼女の視線は部屋に置かれている大きなちゃぶ台の下へ向いていた
317 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/18(金) 01:53:56.42 ID:7qcIskWY0
本日はここまでです
ありがとうございました
318 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/18(金) 20:50:35.77 ID:X8HU2+wLO
すみません遅れました
少女「……ぁ……」
彼女はちゃぶ台の下に隠れている少女を発見したのだ
見つかったことを悟った彼女は恐怖に瞳孔を震わせ、
吐息を漏らしてしまう
やる気「ん、なんかあったっすか?」
氷魔「……ええ……ここに人が……」
319 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/19(土) 01:18:26.35 ID:IBElbORE0
少女「……た……助けて……」
動物「ピピィーッ!!」
少女が命乞いをすると同時に、
一緒に隠れていた小動物が飛び出してくる
怪盗「おっと、ダメですよ?噛みついたりしたら」
ぶりっ子「なっ……なんですかその生き物?」
怪盗が掴んだ小動物は、
あまり見かけないような姿形をしていた
320 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/19(土) 01:21:03.65 ID:IBElbORE0
狙撃少女「あ……下にまだまだいますね」
少女と一緒に、それは沢山隠れていた
炎魔「けっこう可愛いですね!」
怪盗の手から抜け出したそれは、
ちゃぶ台の下へと戻っていった
それは蛇のように長く、
しかしながら毛皮を備えていた
男「イタチか?……いや、流石にもっとバランスの取れた体型をしてるよな……こいつは細長すぎる」
321 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/19(土) 01:21:47.86 ID:IBElbORE0
本日はここまでです
ありがとうございました
322 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/19(土) 19:47:43.23 ID:IBElbORE0
中華「そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?」
男「……そ、そうだった……おーい、俺たちは別に悪いことをしにきた訳じゃないんだ」
男は這いつくばって少女と目線を合わせる
だが、彼女はまだ怯えたままだった
少女「……ひ……!」
氷魔「……どうします……?」
323 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/19(土) 19:49:58.51 ID:IBElbORE0
やる気「こういう時は、一発ギャグで和ませるのが一番っすよ」
ぶりっ子「そ、そうですかねぇ?」
男「やる気、それだ!一発ギャグだ!俺に任せろ!」
怪盗「えぇ……?」
困惑している女性陣をよそに、
男は一発芸を行おうとする
>>下1……一発芸の内容
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/19(土) 20:37:02.49 ID:Z6EIUXKw0
動物のモノマネ
325 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/20(日) 01:01:37.70 ID:40BUtHSm0
男「ぐぐ……わぉーん!わぉーん!」
恥というものを感じさせない、
伸びやかな声での犬の鳴き真似だった
狙撃少女「うわ……」
少女「……あ……」
だが、彼女は男がそうしているのを見て、
少なくとも恐怖とは異なる感情を抱いたようだった
326 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/20(日) 01:17:00.15 ID:40BUtHSm0
本日はここまでです
ありがとうございました
327 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/20(日) 19:33:47.57 ID:40BUtHSm0
男「わん!わん!わ……っ……!?」
少女「そんなに吠えないで……」
彼女はなんと男に手を伸ばし、
本物の犬にするかのように喉元を撫で始めたのだ
炎魔「おっ!物真似が精巧すぎて本物の犬と間違えてますね!」
ぶりっ子「流石にそんなわけないでしょぉ!?」
328 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/21(月) 01:40:18.17 ID:mJqQRWa40
男「……俺は人間だが」
少女「ひっ……」
男が物真似をやめると、
また少女の表情には恐怖が浮かんだ
中華「……いや、いやいやいやいや……」
氷魔「……動物だと思っているなら……交流ができるみたいですね……」
329 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/21(月) 01:46:47.06 ID:mJqQRWa40
本日はここまでです
ありがとうございました
330 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/21(月) 19:48:14.31 ID:mJqQRWa40
炎魔「それなら私に任せてください!」
炎魔は男と入れ替わりでちゃぶ台の下に体をねじ込む
やる気「なるほど、翼っすね」
炎魔「ほら、見てください!私は鳥ですよ!」
少女「と……鳥さん……?」
331 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/22(火) 03:31:28.51 ID:tIqI583J0
炎魔「そうですよ、翼だって生えてるんですから」
少女「確かに……」
少女はまたちゃぶ台の下から少し体を出して、
炎魔の体を撫でた
ぶりっ子「それでいけるんですねぇ……」
少女「あ……なんだかぽかぽかする……」
332 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/22(火) 19:58:39.69 ID:tIqI583J0
炎魔「実は私たち、この家からすんごい音がしたから心配になって突入してきたんですよ」
少女「そうなんですね……」
少女は炎魔を撫で、炎魔は撫でられながら喋っている
異様な光景だが、牧歌的だった
炎魔「この家、他にも誰かいるんですか?」
少女「>>下1」
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 20:16:16.74 ID:zdxE4HOh0
面白いメイクをした少年と給仕さん!
あとたくさん!
334 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/23(水) 01:01:45.19 ID:Q+T9MyUm0
少女「面白いメイクをした少年と給仕さん!あとたくさん!」
炎魔「面白いメイク?」
少女「うん、会えばわかるよ」
彼女は無邪気に微笑んでいる
氷魔「……面白いメイク……ですか……」
怪盗「どうしました?」
氷魔「……いえ……なんでもありません……」
335 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/23(水) 02:23:34.95 ID:Q+T9MyUm0
狙撃少女「では、他の人にも会いに行きましょう」
炎魔「ですね!」
少女「もう行くの……?」
少女の瞳は悲しげで、
だが優しく動くその手は止まらなかった
炎魔「明らかに、ここからだけじゃない音がしましたから」
男「もし大事が起こってたらまずいからな」
少女「ひっ……」
男「なんで俺にはいちいち怯えるんだ……」
336 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/23(水) 02:32:32.67 ID:Q+T9MyUm0
本日はここまでです
ありがとうございました
337 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/23(水) 19:12:18.04 ID:Q+T9MyUm0
中華「給仕さんがいるのはどこ?」
少女「部屋を出て……左にまっすぐです……」
名残惜しそうな少女に別れ、一行はその部屋を出た
彼女に言われたとおりに進めば、
そこには両開きの扉があった
やる気「あぁ、確かにダイニングの入り口って感じっすね」
338 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/23(水) 20:00:01.96 ID:Q+T9MyUm0
一行はその扉を開けて、ダイニングへと突入した
ぶりっ子「すみませ〜ん……」
ダイニングに入れば、
そこは一見すると誰もいないようだった
だが、粘っこい視線を感じることだろう
怪盗「……誰かいますよね?出てきてくださいよ。私たち、悪人のつもりはないんですけど」
怪盗がそう述べると、
死角から>>下1が飛び出してきた
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/23(水) 20:22:18.77 ID:jac3hKLH0
コック、庭師、画家、彫金師、仕立て屋、占い師、メイド(魔女)
340 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/24(木) 01:35:03.54 ID:zNeSCeoi0
狙撃少女「む……」
懐にパチンコを隠し、彼女は気配の方向に向き直った
キッチンに続く扉が開かれており、
その扉の脇からコックが現れたのだ
コック「あ、あぁ、助かった。悪い人じゃないんですね?」
炎魔「はい!もちろんですよ!」
男(実際危害を加えるつもりはないが……よく信じるな)
341 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/24(木) 02:07:46.65 ID:zNeSCeoi0
本日はここまでです
ありがとうございました
342 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/24(木) 19:54:25.01 ID:zNeSCeoi0
すると、続々と人が出てきた
キッチンにこれだけの人がいたのか、
と驚いてしまうほどだった
庭師「いやぁ、なにごとかと思いましたよ」
画家「えぇ、筆もなにもかも取り落としてしまいましたなぁ」
彫金師「いやほんと、肝を冷やしました……」
中華「この屋敷、大所帯だね」
343 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/25(金) 19:05:20.76 ID:YJpX6OW20
すみません寝落ちしました
氷魔「……大きな屋敷なら……普通これぐらいはいるかと……」
やる気「むしろ、今まで俺っちらが行った屋敷はかなり人が少なかったっすね」
仕立て屋「私のような仕立て屋は勤めてる人が多くないと仕事になりませんし、一定の人数を越えると膨れ上がるものだと思います」
占い師「占いを外しましたかね……」
344 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/25(金) 21:57:52.28 ID:YJpX6OW20
怪盗「占い?」
占い師「えぇ、今日は災厄がこの屋敷に訪れると……凶兆が出たのです」
誰も彼もが怯えていたのには、
そういうわけがあるようだ
メイド「なにもないなら、それが一番ですよ!」
炎魔「む……」
炎魔はメイドに対して鋭い視線を向けた
彼女の聖なる力がメイドからなにかを感じ取ったのだ
345 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/25(金) 22:00:03.25 ID:YJpX6OW20
メイド「な、なんですか?」
炎魔「…………いや、なんでもないです」
メイド「ふ、不安にさせないでくださいよぉ〜!」
ぶりっ子「私の同類ですねぇ……」
ぶりっ子がそう溢せば、
今度はメイドがぶりっ子のほうを一瞬じろりと見た
メイド(もしかして、こいつも魔女……!?)
346 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/25(金) 22:08:24.41 ID:YJpX6OW20
本日はここまでです
ありがとうございました
347 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/26(土) 19:47:07.68 ID:yXvKknor0
狙撃少女「しかし、災厄ですか……」
男「不穏だな」
誰もかれもが怯えているのだから、
その占い師の的中精度は高いであろうことが窺える
占い師「あなた方でないとなると……ううむ……」
中華「なにか手がかりはないの?」
占い師「>>下1」
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/26(土) 21:12:21.18 ID:556dUMbV0
今出払っている『王子殿』か執事が、知っているか持ち帰って来るか
349 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/27(日) 00:51:17.37 ID:vFNTvVTa0
占い師「今出払っている『王子殿』か執事が、知っているか持ち帰って来るか」
氷魔「……王子……?」
メイド「この屋敷の主人ですよ!」
やる気「へぇ……随分な肩書きっすね」
コック「その名に違わぬ、お優しい方ですよ」
庭師「そうですね」
350 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/27(日) 18:44:04.28 ID:vFNTvVTa0
すみません寝落ちしました
ぶりっ子「他の人の誤解も解いてこないといけませんねぇ」
画家「となれば、後は王女様ですな」
怪盗「王女様?」
彫金師「えぇ、動物と大層仲がよろしいお方です」
狙撃少女「あ、じゃあ多分もう会ってますね」
351 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/28(月) 01:38:10.30 ID:geUiIFLW0
仕立て屋「それはそれは……」
これからどうしたものか、
と一行が考えながら雑談していると、
天井からなにかが動き回る音が聞こえた
炎魔「二階?」
メイド「誰かいるんでしょうか?」
男「確認しにいこう。混乱させたお詫びといってはなんだが、面倒ごとは引き受ける」
352 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/28(月) 01:40:22.23 ID:geUiIFLW0
廊下に出た一行は来た道を引き返し、
階段を昇って二階へと向かう
中華「んっ……」
昇り終えたタイミングで、
彼らの体を優しく風が撫でた
吹き込む方角を見れば、
バルコニーへと続く扉が開いていたのだ
氷魔「……常に開いているのでしょうか……?」
353 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/07/28(月) 01:46:10.32 ID:geUiIFLW0
本日はここまでです
ありがとうございました
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