安価とコンマで異世界転生!その12

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667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/21(火) 19:12:17.23 ID:V6XBr1/go
ぬん
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/21(火) 21:10:19.42 ID:G78rib8h0
669 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/22(水) 01:31:08.92 ID:DoVdEYHVo
炎魔の【筋力】??+13【MP】??+13【素早さ】162
中華の【MP】83


やる気「ほんなら、行くっすかね」

怪盗「あ、ちょっと!」

氷魔「…………」


やる気は早速茂みから出て、
補給部隊とおぼしき一団の前へと躍り出た
670 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/22(水) 01:33:14.50 ID:DoVdEYHVo
彼らは突然のことにどよめいているが、
わずか三人で出てきたので、
まさか一団を倒せるような敵であるとは認識していないようだった


やる気「さぁて、脅かしてやるっすかね……」

氷魔「……ついでに……情報も出せればいいですね……」

怪盗「すっごい悪人のオーラが出てます……」


やる気は魔法を一撃空撃ちして、
彼らを威嚇するつもりでいるようだ
671 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/22(水) 02:13:26.02 ID:DoVdEYHVo
本日はここまでです
ありがとうございました
672 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/22(水) 19:49:50.70 ID:DoVdEYHVo
兵A「な、なんだ……!?」

やる気「はぁっ!」


彼は片手をかざすと、上級闇魔法を行使した
直径2mほどの闇の塊を出現させ、
それを地面に叩きつけたのだ


兵B「うわあっ!」

やる気「俺っちらも補給兵から食糧を奪い取るほど鬼じゃないっす……ここいらを通る、将軍の移動ルートについて教えてくれれば、無事に帰してやるっすよ」

兵C「>>下1」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/22(水) 20:09:39.15 ID:RcIaurXyo
やめてくれ俺達は何も知らない
命令に従ってるだけなんだ
674 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/22(水) 22:08:19.83 ID:DoVdEYHVo
兵C「やめてくれ俺達は何も知らない」

怪盗「本当ですかー?」

兵C「命令に従ってるだけなんだ」


蚊の鳴くような声で絞り出された言葉に、
嘘を感じることはできなかった


氷魔「……それは……困りましたね……」

兵A「ひっ……」
675 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/23(木) 00:36:28.20 ID:hiA35QOzo
本日はここまでです
ありがとうございました
676 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/23(木) 18:12:04.78 ID:hiA35QOzo
今日は成長から始めます
ぶりっ子が2レベルアップ!

>>下1・2コンマ……ぶりっ子の成長

?ぶりっ子の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+2
41?60でMP+5
61?80で素早さ+4
81?90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/23(木) 21:22:49.98 ID:a8SzmWIq0
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/23(木) 21:29:02.26 ID:qs/UpKjkO
はい
679 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/24(金) 00:02:07.97 ID:SWDN5S4vo
ぶりっ子の【HP】??+40
さらにリロールですがそれは後日行います


補給兵たちは恐怖している


怪盗(これ、メンツ的に止めにかかる人がいないから延々と悪人ムーブ続けますね……)

やる気「はぁ、しょうがないっすね」


やる気は気の抜けた声を出した
それは油断したからではなく、
これ以上脅す必要はないと判断したからだ
680 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/24(金) 00:04:45.05 ID:SWDN5S4vo
氷魔「……どうしますか……?」

やる気「帝国で家族が待ってる人、いるっすか?」

怪盗「な、なんですかその質問……?」


彼の問いに、部隊のうち数人が手を挙げた
過半数を越えてはおらず、
それは完全な雇われや、あるいは想像したくないような境遇のものが多いことを暗示していた
681 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/24(金) 00:16:30.30 ID:SWDN5S4vo
本日はここまでです
ありがとうございました
682 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/24(金) 22:47:50.42 ID:SWDN5S4vo
すみません遅れました


やる気「じゃ、そいつらはさっさと帰るっすよ」

怪盗「え、残りの方は?」

やる気「そりゃ捕虜っすよ」


あまりに思いきったことをするので、
怪盗は言葉を失ってしまった
683 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/25(土) 02:57:50.50 ID:p8esibuFo
それから、補給部隊のうち、
捕虜にならなかったものは、
自分たちが食べる文の食糧だけを回収して引きあげていった


捕虜A「……どうなるんだろう、俺たち」

氷魔「……あなたたちが……食糧です……」

捕虜B「ひっ!」

氷魔「……冗談です……」
684 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/25(土) 03:08:43.57 ID:p8esibuFo
本日はここまでです
ありがとうございました
685 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/25(土) 19:39:57.42 ID:p8esibuFo
怪盗「なんか嘘に感じないんですよね」

氷魔「……ちょっと傷つきますね……」


そう楽しげに会話しているのを見たことによって、
補給兵たちの不安は少しだけ取り除かれた


やる気「あ、そうだ」

捕虜C「………………」

やる気「君たちが物資を届けようとしていたのは、将軍の直轄部隊っすか?」

捕虜C「あ、自分ですか」

やる気「そっすよ、あんたに聞いてるんす」

捕虜C「>>下1」
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/25(土) 20:23:10.09 ID:YhtVc53C0
「谷底で助けを求めている」
という情報が入ったんです
687 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/26(日) 01:52:33.26 ID:aZBf8y4No
捕虜C「「谷底で助けを求めている」という情報が入ったんです」

氷魔「……谷底……?」

怪盗「近くに谷があるんですかね?」

捕虜D「あぁ、確かそのはずで……」


となれば、帝国側も苦境に立たされているのかもしれないだろうと三人は考えた
谷底にいるのが将軍のような重要人物であれば、
好都合なのだ
688 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/26(日) 03:01:25.07 ID:aZBf8y4No
本日はここまでです
ありがとうございました
689 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/26(日) 19:26:29.95 ID:aZBf8y4No
今日は成長から行います
ぶりっ子がリロールし、狙撃少女がレベルアップしました!

>>下1コンマ……ぶりっ子の成長
>>下2コンマ……狙撃少女の成長

?ぶりっ子の成長テーブル?
01?40で全能力+6
41?60で習得『魔翌力回路』
61?80で『蠱惑』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?狙撃少女の成長テーブル?
01?20で筋力+5
21?40でHP+2
41?60でMP+5
61?80で素早さ+2
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/26(日) 19:32:41.35 ID:FMyjoRMwo
ヌッ
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/26(日) 20:46:41.77 ID:0Ub/Vdip0
692 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/27(月) 02:27:14.34 ID:kAtdE6PTo
ぶりっ子の能力上昇はレベル的に+9でした

ぶりっ子の【筋力】134【MP】159【素早さ】111
狙撃少女もなんとリロールが起きました



やる気「ともかく、こりゃ一旦態勢を整えるべきっすね」

氷魔「……情報も共有して……行動をしなければなりません……」

怪盗「目論見通りとはいきませんでしたけど、仕方ありませんね!」
693 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/27(月) 02:29:29.31 ID:kAtdE6PTo
視点は変わって、男に戻る


男「みんな、もう敵は倒したみたいだな」

炎魔「じゃあ、逃げたほうの直属兵を倒しましょう!」

男「ああ、そうだな……っ!」


男がその背中を追おうとすると、
彼はあっさりと倒されてしまった


狙撃少女「すみません、いい的だったので」
694 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/27(月) 02:42:11.19 ID:kAtdE6PTo
本日はここまでです
ありがとうございました
695 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/27(月) 19:44:45.52 ID:kAtdE6PTo
男「いや、気にしないでくれ。手間が省けた」

中華「残りの三人は森の中に突貫していっちゃったみたいだけど、どうする?」

ぶりっ子「追いかけるべきだとは思いますけどぉ……」

狙撃少女「そうですね、重騎士さんもいつ帰ってくるか分からないですし」

炎魔「じゃあ行きましょうか」
696 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/28(火) 02:37:13.61 ID:Cv5NoSEVo
意見を固めたところで、
森から怪盗が飛び出してきた


男「うわっ!?」

怪盗「おお、やっぱりまだここにいたんですね!」

中華「なにかあったの?」

怪盗「やる気さんと氷魔さんがこっちに戻ってきます、捕虜を連れて」

ぶりっ子「ほ、捕虜ぉ!?」
697 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/28(火) 03:35:29.31 ID:Cv5NoSEVo
本日はここまでです
ありがとうございました
698 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/28(火) 19:34:18.22 ID:vPDH3BS6O
今日はレベルアップの処理から始めます
狙撃少女の成長がリロールされました

>>下1コンマ……狙撃少女の成長

?狙撃少女の成長テーブル?
01?40で全能力+9
41?60で習得『隠れ蓑』
61?80で習得『ストーリーテラー』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/28(火) 20:07:53.61 ID:FjXzQkTR0
良いのこい
700 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/29(水) 00:03:52.05 ID:/XGtC2mGo
狙撃少女は『ストーリーテラー』を習得しました
本系統のアイテムを製作できるようになります


狙撃少女「随分派手に暴れたのですね」

怪盗「いや、補給兵だったんで……対して暴れてないですよ」

炎魔「しかし、捕虜にしてどうするんですかね?」

男「……確かに、あんまりそういうことするタイプじゃないよな」
701 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/29(水) 00:17:55.50 ID:/XGtC2mGo
そうこうしていると、
やる気と氷魔が捕虜を連れて森から出てきた


やる気「やー、お待たせしたっすね!」

氷魔「……連れてきましたよ……」

中華「どうして捕虜なんて連れてきたんだい?」


彼がそう問えば、言いづらそうに怪盗が口を開いた


怪盗「そのー……放置もできないけど……ご飯奪うのも忍びなくて……」
702 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/29(水) 01:41:00.14 ID:/XGtC2mGo
本日はここまでです
ありがとうございました
703 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/29(水) 19:55:19.73 ID:/XGtC2mGo
ぶりっ子「はぁ、そうですかぁ」

怪盗「すみません……」

狙撃少女「いえ……それも立派な判断だと思いますよ」

怪盗「いや、私悩んでただけで……判断したのはやる気さんですし……」

やる気「とりあえず動くのが俺っちの仕事なんで!」
704 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/30(木) 01:39:22.09 ID:FdQYaaNco
男「いずれにせよ、捕虜を連れて動き回るのはリスクが高いな……将軍も現れないし、帰るべきか?」

やる気「や、それがっすね……」


やる気たちは谷底での救難要請について、
それを知らなかった者たちに伝えた


炎魔「えぇっ!?大変じゃないですか!」

中華「敵だとか味方だとか言っている場合じゃないかもね、助けにいこう」
705 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/30(木) 02:42:50.67 ID:FdQYaaNco
氷魔「……それで……谷はどこにあるのですか……?」

捕虜A「それはですね……」


彼らの目的地でもあった、
ある谷へ向かう道を一行は教えてもらえた


ぶりっ子「じゃ、早速向かいましょう!」

怪盗「重騎士さんが戻ってませんけど、どうしましょうか」
706 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/30(木) 02:54:50.38 ID:FdQYaaNco
本日はここまでです
ありがとうございました
707 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/30(木) 19:18:40.16 ID:FdQYaaNco
狙撃少女「書き置きでも残しておきましょうか」


彼女は持っていた白紙のメモを、一枚割いた
そして、そこに伝えたいことを記したのだ


やる気「うし、じゃあその紙もらうっすよ」


倒れた兵からナイフを一本回収していたやる気は、
それと紙を勢いよく地面に突き刺した
708 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/31(金) 02:57:13.82 ID:veWWxkPIo
それから、一行は谷を目指した
そう遠くないところにあったそこは、
非常に深く、そして底の付近には霧が立ち込めていた


炎魔「こりゃ助けも求めますね……」


大地が裂けたかのような、あまりにも大きな谷だった


男「ああ、こういう場所には来たことがあるけど……なかなか面倒だった」
709 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/31(金) 03:26:33.36 ID:veWWxkPIo
本日はここまでです
ありがとうございました
710 : ◆cUhskXlNTw :2025/10/31(金) 19:54:47.73 ID:veWWxkPIo
中華「なんでこんな場所に来たんだろう?」

氷魔「……確かに……不可解ですね……」


幸いにも、谷底に続いていく坂道があった
決してやさしい道ではなかったが、
一行が下っていくぶんには苦にならないほどだった


捕虜B「そういえば、この谷にまつわる噂を聞いたことがあります……」

やる気「噂?」

捕虜B「なんでも、>>下1」
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/10/31(金) 23:24:57.59 ID:8wjvuddA0
この谷底の何処かに死にかけのドラゴンが最期に集まる「墓場」があるらしい
712 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/01(土) 03:15:06.46 ID:Ai3BJ9Z5o
捕虜B「この谷底の何処かに死にかけのドラゴンが最期に集まる「墓場」があるらしい」

ぶりっ子「そ、そんな場所が……」

怪盗「じゃあ、ドラゴンの骨とか集められるんですかね!?」

狙撃少女「そうかもしれません、ですが……」

怪盗「なんですか?」

狙撃少女「……いえ、なんでもありません」
713 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/01(土) 03:45:56.33 ID:Ai3BJ9Z5o
本日はここまでです
ありがとうございました
714 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/01(土) 20:00:34.91 ID:iYzhCtOBO
その知らせは、怪盗のような野心ある者にとっては魅力的だったが、捕虜たちのような者にとっては、谷底を包む霧への恐怖を増大させるものだった


男「……まぁいいさ、下っていこう」

炎魔「灯りは任せてくださいね!」


すると一陣の風が吹き、
風なりとも龍のいななきともつかない音がした


捕虜A「ひぃ!」
715 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/02(日) 03:01:14.85 ID:PyYfJ1OPo
中華「怯えるのも分かるなぁ、ここ不気味だもん」

やる気「まぁ安心するっすよ、俺っちらはドラゴンも倒したことがあるっすからね」

氷魔「……とはいえ……ドラゴンもピンキリですが……」

ぶりっ子「そうですねぇ、みんな強いですけど、ただ強いだけのやつと強いのなんて前提に過ぎないってくらいのやつがいますからねぇ」

捕虜C「でも、ここに来るのは死にかけみたいですし、大丈夫でしょう?」

狙撃少女「病気なり……手傷なり……そういうものに冒されているのならば、確かに問題ないかもしれません」
716 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/02(日) 04:10:00.43 ID:PyYfJ1OPo
本日はここまでです
ありがとうございました
717 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/02(日) 18:18:19.37 ID:PyYfJ1OPo
怯える者を勇気づけながら、
一行は谷に滞留する霧の中へと入っていく


怪盗「足元、気をつけて」

炎魔「はい、転んだら大変ですからね」

男「なにかに見られているような……」


神経が尖りすぎているだけなのか、
あるいは霧に紛れてこちらを窺うものがいるのか……
と男は考えている
718 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/02(日) 20:50:22.36 ID:PyYfJ1OPo
中華「ううん、視界がよくないし……見られてたら、というのも懸念だね」

氷魔「……晴らしてみましょうか……?」

やる気「どうするんすか?」

ぶりっ子「あ、それなら私がやりますよぉ」


彼女はそう言うと魔法を唱えはじめた


捕虜B「うわっ……!?」

ぶりっ子「ぴゅん太郎っ!」


彼女は必殺技を地面に叩きつけ、
周囲の霧を一瞬晴らした


>>下1……霧が晴れてなにか見えたか
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/02(日) 20:57:21.83 ID:Zi4szA1V0
緑色のドラゴン
720 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/03(月) 02:39:46.48 ID:8n6fY6JIo
本日はここまでです
ありがとうございました
721 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/03(月) 19:27:45.00 ID:8n6fY6JIo
球状に晴れた霧は、すぐにまた元のように充満しようとする


怪盗「なっ……!?」


だが、確かにそれはいた
一行を見据える緑の巨龍が、
嘶き一つ漏らさずに佇んでいたのだ


狙撃少女「お、大きい……!よくこの谷に入れましたね……!?」
722 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/04(火) 02:08:07.34 ID:OIyAh6SLo
しかし、向こうからはなにも仕掛けてこなかった
霧もすぐに深まってしまい、
一行のほうからもすぐにドラゴンは見られなくなった


炎魔「ど、どうしましょう?」

男「……まぁ、襲うつもりがあるならもう襲ってきてるだろ」

中華「随分と楽観的な……」

男「前に面白い話を聞いてな、アレが大物のドラゴンならそう喧嘩は売ってこないと判断した」
723 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/04(火) 03:13:36.20 ID:OIyAh6SLo
本日はここまでです
ありがとうございました
724 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/04(火) 18:59:52.98 ID:OIyAh6SLo
氷魔「……根拠が……あるのですね……?」

男「ああ」

氷魔「……なら……構いません……」


一行はさらに谷を底へと下っていく
その道は少しずつ、しかし確実に、
彼らを睥睨していたドラゴンの元へと向かっている


やる気「あのドラゴンが狂暴なら、救難要請を出す前に下のやつらも殺されてるような気がするっすね」
725 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/05(水) 02:06:53.84 ID:9Cv+p5Zgo
十分ほど歩いて、一行は谷底へと辿り着いた
谷底も決して狭くはなく、
まだまだ歩いて探索できそうだった


ぶりっ子「さて、どこにいるんでしょうかね?」

やる気「地道に探すしかなさそうっすね」

怪盗「呼びましょうか?」

やる気「ドラゴンを刺激しそうで怖いんすよ、そのやり方」
726 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/05(水) 02:10:48.47 ID:9Cv+p5Zgo
本日はここまでです
ありがとうございました
727 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/05(水) 18:23:20.07 ID:9Cv+p5Zgo
捕虜C「私もそう思います」

狙撃少女「しかし、歩くには谷底は広すぎますよ」

炎魔「要請を出した人たちの中に重傷者がいれば、素早く発見したほうがいいですしね」

男「……確か、ドラゴンがいたのはあっちだな。逆の方向に呼び掛けてみようか」


方向感覚を頼りに、男はドラゴンがいた場所を指した
728 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/05(水) 18:25:37.22 ID:9Cv+p5Zgo
中華「そうしようか、男が言うにはドラゴンも別に襲ってはこなさそうみたいだし」

氷魔「……では……声の大きい方……お願いします……」


全員の視線は一ヶ所に集中した


やる気「……まぁ、俺っちっすね」

ぶりっ子「はいっ」

やる気「すー……誰かいませんか?っ!?」


彼は大きな声で叫び、谷の壁はそれを反響させる


>>下1……返事や合図はあったか
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/05(水) 19:01:00.45 ID:m3oRlQoB0
(今際の際にいるのになに奴だ!!?)と男だけに聴こえた
730 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/06(木) 01:07:40.35 ID:WzVgqebao
???(今際の際にいるのになに奴だ!?)

男「だ、誰かいるっ!」


と男もまた叫んだが、
他のメンバーはそんな彼の様子を不思議がった
なぜなら、その声は彼にしか聞こえなかったのだ


捕虜A「なに言ってるんだ……?」

怪盗「男さんはこういう人ですよ」
731 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/06(木) 02:10:35.25 ID:WzVgqebao
本日はここまでです
ありがとうございました
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/11/06(木) 02:37:30.19 ID:LYI/G2wT0
【最終報告】児童相談所で調査を受けてきました。
https://www.youtube.com/watch?v=a2n0mwwgHO8
733 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/06(木) 20:04:23.72 ID:WzVgqebao
すみません遅れました


捕虜A「へぇ……そうだったんですね……」

男「おい、まるで俺が危ない薬やってるやつみたいじゃないか!?」

怪盗「あはは、冗談ですよ冗談!」

狙撃少女「まぁ、実際私たちには聴こえないものが聴こえることがあるんですよ」

捕虜B「どういう仕組みなんだ……?」
734 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/07(金) 01:47:54.65 ID:HxW5auZjo
男「チャンネルが合ってさ、なんか神様の声が聞こえたりするというか……」

捕虜A「やっぱり薬やってるんじゃあ……」

男「お前捕虜だよなぁ……!?」


ありえないぐらいからかってくる捕虜に男は思わず乗ってしまったが、
そんなことをしている場合ではなかった
男にだけ声が聞こえたということは、
まず普通の存在とは異なるものが近くにいるということなのだ
735 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/07(金) 02:00:33.63 ID:HxW5auZjo
本日はここまでです
ありがとうございました
736 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/07(金) 19:01:49.11 ID:HxW5auZjo
炎魔「……それで、なにがいるんでしょうか?」

男「俺が思うには……さっきのドラゴンだな」

中華「あぁ、やっぱりうるさかった感じ?」

男「ああ、まぁ……そろそろ死ぬつもりみたいなんだけど」

氷魔「……最後に暴れられても……困りますね……」
737 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/08(土) 02:47:00.69 ID:H+gKFMMPo
やる気「しょうがないっすね、地道に探すしかなさそうっす」

ぶりっ子「果たして、そうでしょうかぁ?」

やる気「え?」

ぶりっ子「案外、ドラゴンさんに聞けば教えてくれるかもしれませんよ?」


既に機嫌を損ねているようだったが、
しかし露骨に怒りを見せているわけでもなかった
738 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/08(土) 03:04:45.42 ID:H+gKFMMPo
本日はここまでです
ありがとうございました
739 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/08(土) 19:53:14.24 ID:H+gKFMMPo
狙撃少女「そうですね……仮定まみれですが、魅力的です」

炎魔「まぁどうにかなりますよ!」


とはいえ、明らかに強力な存在に対して、
敬意を示さないわけにはいかない
男は仲間たちの意思を察して、
慎重にドラゴンに話しかけた


男「ドラゴンさん、騒ぎ立てて申し訳ありません。我々はここで救難要請を出した方々を探しているのです……タダでとは言いません、どうか彼らの所在について教えてくれないでしょうか?」

グリーンドラゴン『>>下1』
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/08(土) 20:03:09.56 ID:HLXlxIqC0
私の子供がいる卵をを代わりに孵化させ育てるなら教えよう
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/08(土) 20:14:51.48 ID:HLXlxIqC0
をが一文字多かった
卵をを→卵を
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/08(土) 20:21:59.48 ID:x05y4a4B0
(奥の方に行けば出会えるだろうか早くした方がいいぞ。遅かれ早かれこの谷は『紅い悪魔』が噴き出てくる)
743 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/08(土) 21:41:51.18 ID:H+gKFMMPo
グリーンドラゴン『私の子供がいる卵を代わりに孵化させ育てるなら教えよう』


彼は、静かにそう述べた


男「……いいでしょう、寿命のこともありますが、心配いりません」

グリーンドラゴン『ふむ』

男「幸いにも、悠久の時を生きることができる人がいますから」
744 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/08(土) 23:05:23.08 ID:H+gKFMMPo
本日はここまでです
ありがとうございました
745 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/09(日) 19:53:43.93 ID:GmtHF/RPo
炎魔「え?私の話してます?なに話してるんですか?」

男「では、そういうことで……」

グリーンドラゴン『うむ』


霧の向こうから、
直径30センチほどの卵が転がってきた


男「温めればいいんですよね?」

グリーンドラゴン『そうだ』
746 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/10(月) 01:20:09.20 ID:8Epw0V/2o
男「よし、悪いが炎魔、この卵を育ててくれ」

炎魔「え"……これってもしかして」

男「そうだ、あのドラゴンの卵だ」

炎魔「……交換条件ってことですか」


彼女はそれを抱いて、それから男を見つめた


男「……すまない。だが……その卵を放ってはおけない。たとえ取引じゃなかったとしても、卵のことを知ったら拾うだろう」
747 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/10(月) 01:33:10.62 ID:8Epw0V/2o
炎魔「そういう人だってことは知ってますよ」

男「……だからまぁ、そうだな。炎魔が嫌だと言うなら俺がどうにかする」

炎魔「……そう言わないと思ったから取引したんでしょ?」

男「すまない。……本当に」


男が沈痛な面持ちになると、
炎魔は少し驚いて、それからにやりと笑った


炎魔「別にいいですよ?埋め合わせはしてもらいますけどね!」
748 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/10(月) 02:41:00.51 ID:8Epw0V/2o
本日はここまでです
ありがとうございました
749 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/10(月) 19:24:41.91 ID:8Epw0V/2o
グリーンドラゴン『人間らしいな』

男「……褒めてます?」

グリーンドラゴン『少なくとも嘲ったつもりはない』

男「そうですか」

グリーンドラゴン『では、お前たちが探している者の場所へと案内しよう』


そう言うと、霧の向こうで力強くなにかが蠢いた
750 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/11(火) 02:47:02.86 ID:wEv62WsEo
それは巨龍の羽ばたきであった
圧倒的な風圧により、
谷底に立ち込める霧が再び晴れる


中華「うわっ!?」

男「案内してくれるらしい、要請した人たちの元に」

氷魔「……豪快ですね……」

やる気「やっぱドラゴンは格好いいっすねぇ……」
751 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/11(火) 03:29:29.10 ID:wEv62WsEo
本日はここまでです
ありがとうございました
752 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/11(火) 19:54:51.16 ID:wEv62WsEo
ドラゴンがなにやら唱えると、地面に光る線が現れた
一行はそれを辿って歩く


ぶりっ子「すごい、魔法も使えるんですねぇ」

怪盗「年の功、ってやつなんでしょうか」


しばらく歩くと、線の終端に辿り着いた


狙撃少女「あれが……救難要請を出した人たちでしょうか……?」


>>下1……そこにいたのは
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/11(火) 21:38:16.89 ID:lk8sLO5G0
傷を負った兵士や一般人たちが安静にしている。健全者たちも負傷してる人に応急処置をしていた
754 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/12(水) 00:26:02.32 ID:m0PJBUFKo
そこには何人もの人々がいた
怪我人が多くおり、しかも兵士だけでなく、
明らかに非戦闘員と思われる者までいた


炎魔「こ、これは……!」

男「大丈夫ですか!?」


男が駆け寄ると、倒れた兵士に応急措置をしている人物の一人が希望に満ちた表情になった
755 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/12(水) 00:28:44.40 ID:m0PJBUFKo
医者「ほ、補給班の方々ですか!?」

中華「僕たちは違うけど、補給班もばっちり連れてきたよ!」

医者「ありがとうございます……!」


捕虜となっていた補給班の彼らは、
持っていた資材を急いで倒れた人々の元へと運び始めた


氷魔「……手伝いましょう……私たちも……!」

ぶりっ子「そうですねぇ、ですが回復魔法が使える人は応急処置に回るべきだと思います……資材を運ぶのも大切ですが」
756 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/12(水) 01:11:38.00 ID:m0PJBUFKo
本日はここまでです
ありがとうございました
757 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/12(水) 18:41:10.26 ID:m0PJBUFKo
怪盗「確かに……私も回復しよ」


それから一行と補給班、
そして怪我のない人は居合わせた医者の指示のもと、
分担して治療に当たった


狙撃少女「……ふぅ、一段落しましたかね」


霧のせいでただでさえ視界の悪い谷底だが、
時間の経過によって日が沈み、夜になってしまった


炎魔「谷から出るにしても明日になりそうですね」
758 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/13(木) 00:55:29.62 ID:bp3SjJFTo
医者「夜は冷えます、体調を崩さないといいのですが……」

男「火は起こせます。それよりもまずあなたが休むべきだ」


一行が来る前からずっと負傷者の対応を主導していた医者は疲労が強く顔に出ていた
当然、彼の指示に従っていた健康な人々も、
疲労によってぐったりとしてしまっている


医者「いつもは日がな椅子暮らしです、こういうときぐらいは頑張らねば」

中華「頑張るのと無茶は違いますよ、この男もちょっと履き違えてるタイプですが」

男「え、なんで俺刺されたの?」
759 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/13(木) 02:08:54.58 ID:bp3SjJFTo
本日はここまでです
ありがとうございました
760 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/13(木) 18:45:55.48 ID:bp3SjJFTo
医者「では、お言葉に甘えて……」


彼はその場に藁を敷いて眠りについた


男「あ、おやすみなさーい……」

男性A「いやぁ、皆さんが来てくれて助かりましたな……」

男「いえ、補給班を運んできただけですよ。……しかし、どうしてこんな谷底で、こんな怪我人が集まっているんですか?」

男性A「>>下1」
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/13(木) 21:11:42.92 ID:nAXCtH650
…元々この活火山になってる火山帯の調査に出向いたんですが、運悪く自然的な災害に巻き込まれて…
762 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/13(木) 23:54:20.29 ID:bp3SjJFTo
男性A「…元々この活火山になってる火山帯の調査に出向いたんですが、運悪く自然的な災害に巻き込まれて…」

男「ここ、火山帯だったんですね」

男性A「えぇ、温泉なんかも出るところには出ますよ」

男「しかし、災難でしたね……調査かぁ」


補給班は帝国の所属である
彼らが救難要請を受け取ったということは、
男はここにいる人々も帝国の調査チームと推察した
763 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/13(木) 23:54:47.33 ID:bp3SjJFTo
本日はここまでです
ありがとうございました
764 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/14(金) 19:35:00.52 ID:m1LWq0hqo
男性A「どうかされました?」

男「いえ、ちょっと込み入った事情がありましてね」

男性A「そうですか」

男「……聞かれないんで?」

男性A「助けてくれた人たちの事情にずけずけと踏み入っていくようなことはできませんよ」


二人が囲んでいた焚き火の火が揺れる
男はそれを見て、小枝を何本か投げ込んだ
765 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/15(土) 02:50:32.90 ID:9uttC26Jo
男「助かります……」


ちらりと後ろを見ると、炎魔が卵を抱えて眠っていた


男性A「そろそろ寝ましょうか」

男「ですね」


そうして一行は眠り、夜は更けていった
766 : ◆cUhskXlNTw :2025/11/15(土) 02:53:32.05 ID:9uttC26Jo
?翌日・陰週金曜日?


氷魔「……ふぅ……」


谷底の冷気の心地よさを感じながら、彼女は目覚めた
目覚めたものの状況を把握しきれず、
寝ることも選べない怪我人たちを除けば、
彼女が最も早く朝を迎えた


氷魔「……ええと……お怪我をされている方々は……ひとまず安心していいですよ……助けに来ましたので……」
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