【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part7

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228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 11:47:32.00 ID:Gx96aKN6o
うおおお!!
良かった〜
めっちゃ大変だったようで…ご無事でなにより
229 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:30:29.24 ID:kEnwhWuq0
ありがとうございます。お待たせいたしました

再開の前に、これまでに振り返った国々のイメージ画を貼っておこうかと思います。参考になりましたらさいわいです


魔族国
https://gzo.ai/i/VnL4PfI.jpg

世界樹と緑の国
https://gzo.ai/i/wDTDiDO.png

緑の国でよく見られるおうち
https://gzo.ai/i/KEMwF3d.png

賑わう港湾都市
https://gzo.ai/i/NcjILaW.jpg

煙る機械都市
https://gzo.ai/i/TCVkA1l.jpg

常夏のトコナツ島
https://gzo.ai/i/vsfHLZe.jpg


というわけで再開します
230 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:33:31.78 ID:kEnwhWuq0
芸術都市の印象
https://gzo.ai/i/X5pAdTL.jpg



妖精「その次は世界樹の光を追ってテラヌス・ウルスを目指したわけだけど、その途中で芸術都市ミュージアに立ち寄ったんだよね」

クロシュ「芸術妖精さんと……レーティアさんと……画家のおじいさんに……ぱわーのこと、教えてもらった……!」

ミスティ「クロシュの才能が開花して……あのデロデロの絵が生まれたのよね」

イリス「初めて見た時はびっくりしたよ……! いや、今でもあの絵を見るとびっくりするというか……」

聖女「あっ、それってもしかしてクロシュさんが芸術祭のお絵かき演舞で描いたというデロデロの絵のことですか?」

妖精「そうそれ。聖女も知ってるの?」

聖女「少し前までミュージアに滞在していまして、そこで拝見致しました。芸術のことには疎いのですが、すごくスライム的な……かわいらしい絵だと思った記憶があります」

クロシュ「!」パァァァ!

イリス「あ、あれがかわいらしい……!?」

ミスティ「……そういう見方もあるかもしれないわ」

聖女「……あれ? へ、変でしょうか……?」

妖精「まあ……感性は人それぞれだし、特に変ではないと思う。うん」

セイン「あの絵か。かわいい……と言えるかはわからないが、美しい絵だったと思える」

クロシュ「!」パァァァ!

妖精「やっぱりスライム的にはあれって良い絵なの?」

セイン「僕個人の意見としては良い絵だ。しかし僕は普通のスライムとは異なるから、僕の意見をスライム一般の感想とするのは不適切だと思う」

聖女「でもあの絵を偶像としたデロデロ教では、スライム類の方の割合が他の種族よりも多かったような気がします。恐らくスライムの方にとっては、あの絵やあの絵に込められたぱわーを良い≠ニ感じやすいのではないでしょうか」

妖精「きっとそうなんだね。クロシュヴィアもあの絵を大事にしてたし」



妖精「そういえばあの頃エバンスとローガンは武者修行に明け暮れてたよね」

エバンス「ああ。ちょっとあの時は実力不足に悩んでてな……いや今も悩んでるが」

ローガン「うむ……。芸術都市は強者揃いだった」

エバンス「おう。あそこに住んでる奴らには結局一勝もできなかったぜ」

イリス「えっ、ローガンさんとエバンスさんが一勝もできない人たちがいたんですか……!?」

エバンス「ああ。剣舞の姉妹に、人形遣いパペットマスター……」

イリス「ああ……」

エバンス「あの時は迷惑かけたな。俺もまだまだ若造だからさ」

ティナ「何があったのか聞かせてもらっても?」ヌッ

 *

ティナ「なるほど……依頼人でもない現地の少女と仲良くなって感情移入しすぎた、と」

エバンス「うっ、まあその通りか……? でも俺は後悔してないぞ」

ローガン「うむ。そこで男気を見せるのがエバンスくんの良さであると、ここまで共に旅をしてきた私が言わせていただこう」

ティナ「ふっ……傭兵としてはともかく、良い男になったな。エバンス」

エバンス「いやいや、結局はその子よりも旅の目的を優先したんだ。こんなのが良い男だなんて言えるか」

 踊り子の双剣「」ポン

クロシュ「これ……返しに、いく……?」

エバンス「ああ。いや、それはクロシュちゃんが預かったものだからな。返しにいくタイミングはクロシュちゃんの判断に任せるよ」

クロシュ「ん!」

 *
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:37:58.18 ID:kEnwhWuq0
テラヌス・ウルス
https://gzo.ai/i/t0TLAph.jpg


イリス「芸術都市から砂漠を越えて、テラヌス・ウルスに向かったんだよね」

エバンス「テラヌス・ウルスでは干ばつやら魔族排斥やらの問題が起こってて大変だったな」

妖精「世界樹の光が落ちる前からいろいろ難しいことになってたみたいなんだよね。まあ蓋を開けてみたら、はた迷惑な巨大スライムが地下水を独占してたのが原因だったわけなんだけど」

クロシュ「んへへ……おおきいスライムちゃん、おおきかった……!」

妖精「時々ああいう異様に巨大化したスライムが出てくるんだよね。単純な生命力とか魔力量ならクロシュヴィアみたいな伝説級のスライムにも引けを取らないんじゃないかな、あれ」

ミスティ「えっ、あれってそんなにすごいスライムだったの……!?」

妖精「うん。スライムらしい温厚な性格だったのが幸いだった」

クロシュ「砂漠スライムさんの長老さんにも……助けてもらった……!」

妖精「え、長老……? そんなのいたっけ?」

クロシュ「なのぢゃ!」モニョッ!

妖精「あ、ああ……あの変わった口調の砂漠スライム……あれ長老だったんだ……」



フメイ「ふうん……テラヌス・ウルスでそんなことがあったんだ……」

アリシラ「私とフメイちゃんはずーっと延々砂漠を彷徨ってたからねえ……」

イリス「ええっ……!? まさか、あの巨大墳墓で私たちと出会うまでずっと……!?」

アリシラ「そうだよ? あはは……あの時は実のところだいぶゲッソリしててねえ……。世界樹の光も妖精さんに横取りされちゃうしさぁ……」

妖精「先に横取りしたのはそっちだからね!」

フメイ「……でも……あの時、一緒にいれて良かった。あのテロリスト……強かったから」

クロシュ「!」

エバンス「シノホシの親玉、ザイルか!」

ミスティ「ミイラの王を倒したら急に襲撃して来たのよね」

クロシュ「うん……フメイちゃんが、一緒で……良かった……!」

フメイ「うん。フメイも……」

 *
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:39:46.04 ID:kEnwhWuq0
国際商業都市イスファハーン
https://gzo.ai/i/JiM4dYr.jpg


妖精「その次は国際商業都市イスファハーン……大魔女帝国行きのチケットを求めて向かったんだった」

エバンス「あれは凄い街だったな!」

ミスティ「あの街の高層建築には本当に驚いたわね……世界中の富が集積する街というのも頷けるわ」

イリス「でもあの時はいろいろあって観光どころじゃなかったんだよね」

クロシュ「……」モニョニョ…

妖精「まあ……結果的には、あの時のクロシュの勇気が世界を救ったとも言える。だから胸を張りなよ、クロシュ」

クロシュ「!」モニョッ

セイン「世界を救った……? 一体イスファハーンで何があったんだ?」

 *

妖精「――という感じで、あと一歩のところでデンネル家の電子妖精ブレアに世界を支配されそうになったの」

アリシラ「へえ〜……そんなことがあったんだ」

クロシュ「うん……。銀色のスライムちゃんと……シュヴィアさん……元気かな……?」

妖精「銀色のスライムなら緑の国で平和に暮らしてるみたいだよ。ステラスライムの特性を活かして世界樹や星脈の様子を細かく観測できるみたいで、ティセリアが重宝してるって」

クロシュ「わあ……!」

妖精「シュヴィアのやつは……まあ元気でしょ、きっと。オリハルスライムだし」

クロシュ「うん!」



フメイ「ねえ、アリシラ……デンネル家とかいう奴ら、今から焼き滅ぼしに行かない?」

アリシラ「いいね。私たちのクロシュちゃんに酷いことをした落とし前を付けさせに行こう」

妖精「うわっ!? その件は一応片付いてるんだから、変に掘り起こさないでよ!?」

アリシラ「あはは、冗談だよぉ。ね、フメイちゃん?」

フメイ「冗談じゃないけど」チリチリ…

妖精(あ、やばい……フメイのやつ、目が本気だ……)

クロシュ「フメイちゃん……えっと、おとしまえ……もう、付けてある……」

フメイ「クロシュ」

クロシュ「だから……だいじょうぶ……!」

フメイ「まあ……クロシュがそう言うなら……」シュウン―

クロシュ「んへへ……」


妖精(フメイの前でクロシュが酷い目に合った系の話をするのは危険かも……)

アリシラ(そうだねえ……)



イリス「それでもなんやかんやあって大魔女帝国行きのチケットは手に入ったんですよね」

ローガン「うむ。大使館での面接も通過し、無事に大魔女帝国入りとなったわけだな」

ミスティ「……クーちゃんは残念だったわね」

エバンス「あの面接で落ちるって逆に凄いと思うぞ……」

 *
233 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:42:47.36 ID:kEnwhWuq0
空中楽園都市
https://gzo.ai/i/PJ62CzC.png


イリス「大魔女帝国も……凄い国でしたね」

妖精「いろんな意味で凄い国だった」

ミスティ「大魔女帝国は……いろいろと印象深い思い出が多いわね」

イリス「やっぱり魔法使いとしてはね。魔法学園で講義を受けたり、学園生と交流したり……」

ミスティ「ええ。臨時講師……の真似事のようなことをしたり、ユキという天才に出会ったり……とても良い経験になった」

イリス「ユキちゃんはすごかったねえ」

妖精「まあ雪女だからね、あの子は。氷属性適性については逆立ちしたって人の身じゃ追いつけない」

ミスティ「ええ……でも種族差だとしてもちょっと悔しいのよね……」

アイス「こおりぞくせい……? アイスのほうがつよい。たぶん」モグモグ

フレア「あ、アイスちゃん……!」アタフタ

セイン「すまない、ミスティ。アイスはまだ幼いんだ、聞き流してやってくれ」

アイス「むむう……」

ミスティ「大丈夫よ。ユキもアイスも私の目標であることに変わりないもの」

アイス「……もくひょう……?」

ミスティ「ええ。まだちゃんと話したことはなかったけれど……これからよろしくね、アイス」

アイス「……? よろしく……」



妖精「ユキといえば、トムとトリルもよく一緒につるんでたねえ」

ローガン「トムくんとは一緒に訓練をしたな。筋が良かったぞ」

エバンス「魔法学園っていうから魔法使いばかりだと思ってたから意外だったな」

クローディア「護身術程度には格闘や杖術の科目もあるけれど、彼が戦士を志しているのは魔法学園と特に関係がないわ」ヌッ

エバンス「うおわっ!?」

妖精「クローディア!? いつからここに!?」

クローディア「さっきね。一応招待はされていたのだけれど、野暮用があったものだから」

ローガン「なるほど……丁度今、大魔女帝国での思い出話をしていたところですぞ」

クローディア「へえ、そうなの? 私も聞いて良いかしら?」

妖精「まあ別に良いけど……」



クロシュ「トリルちゃんと……一緒にお絵かき、した……!」

妖精「トリルも絵が上手だったんだよね。確かあの時は図書館のアトリエだったっけ?」

クロシュ「うん……! それと……美術館で……大魔女さまアート、描いた……!」

妖精「え、そんなこともあったの?」

クロシュ「うん……!」

クローディア「ふふ、クロシュが描いた大魔女アートはしっかり見させてもらったわ。素敵な絵を描いてくれたわね」

 ナデナデ

クロシュ「んへへ……」モニョモニョ

クローディア「クロもトリルもあなたのことが大好きだから、いつでも遊びに来なさいね」

クロシュ「ん……!」

 *
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:46:10.75 ID:kEnwhWuq0
浮島国
https://gzo.ai/i/3pQB7pZ.png


妖精「クロシュが気球になって空を渡れるようになったから、私たちはついに大陸西部の上空に浮かぶ雲塊に突入できるようになったんだ」

クローディア「……そういえば、あの時はクロシュの飛行能力なら大丈夫って言ったわよね、私。実際、大丈夫だったかしら……?」

クロシュ「……えっと……びりびりだまに、やられた……」

クローディア「……」

ミスティ「びりびりだまっていうのは雷霆の魔王の眷属のことよ」

ローガン「あの時は……全滅の危機だったな……」

クローディア「……」

エバンス「まあなんとかギリギリ雲塊内の浮島には不時着できたんだけどな」

イリス「……大魔女様、もしかして雷霆の魔王のこと……ご存知だったんですか?」

クローディア「いや、その……封印のことは知っていたのだけれど、あと2000年は持つ見込みだったはずなのよ……。だからあなたたちを行かせても大丈夫だと思って……」

妖精「浮島国で出会った宮廷エルフのジェミニもそんなようなことを言ってた気がする。でもそれは世界樹の光の影響がなかった場合の試算で……」

クローディア「……ごめんなさい! あなたたちを死地に送り出してしまったなんて……」

妖精「まあ……誰も死ななかったから別に良いんじゃない?」



クロシュ「浮島の国……すごかった……!」

エバンス「大魔女帝国も空に浮いてたが、その次に向かった国も空に浮いてたんだもんなあ。まさか雲の中に陸地があるなんて思わなかったぜ」

イリス「あれどうやって浮かせてるんだろう? かつての大魔女帝国みたいに、ものすごく大きな気球で吊り下げてるわけでもないし……」

妖精「反重力物質がどうのこうのってまんまるゴーレムのゼーレシルトが言ってたね。それが何なのかは全然わからないけど……クローディアは知ってる?」

クローディア「かなり以前にあの島に侵入して調べたことがあったけれど、解明できなかったわ。虚属性らしき無重力作用を利用しているのは確かなのだけれど、虚属性特有の物質を崩壊させる性質は全く見られないし……。古ラティア国の文明は、この大魔女の魔導と智慧さえも凌駕するのよ」

エバンス「大魔女ですら未だ成し得ぬ技術ってことか……古代文明ってのは凄いな」



クロシュ「うん……」

イリス「古ラティア国の人たちは、地上の大洪水から逃れる為に空に逃げて……洪水が収まった後も、地上での諍いを厭って空に残った……。あそこにもう人は住んでいないけれど……ラティアの人たちが夢見た国は、ようやくその理想に辿り着いたのかな……なんて……」

レイン「例え土地が残っても、民がいなければ何の意味もない……って、ザイルなら言うでしょうね」ヌッ

イリス「れ、レインさん!?」

レイン「フレメアに呼ばれたの。お邪魔だったかしら?」ファサ

イリス「い、いえそんなことはないですけど……!」

レイン「……でも、個人的には悪くない国だったわ。静かで、穏やかで、余計なものがなかった……。残っていた文献や人形たちの話しぶりからすると……ラティア人がいた頃も、あそこはあんな国だったのでしょうね……」

フレメア「へえ……レインがどっかの国をこんなに褒めるなんて珍しいね」

レイン「王国以外はちゃんと評価してるつもりよ」



クロシュ「セイラちゃん……ポーラーさん……ゴライアスさん……人形さん………。みんな……元気かな……?」

妖精「きっと元気だよ。もうあの国を脅かすものは何もないもの」

クロシュ「うん……!」

フメイ「……フメイも、行ってみたくなった」

アリシラ「私も。お空の上に浮く理想郷なんて、おとぎ話みたいですごくロマンチックだよね」

クロシュ「んへへ……今度……みんなで、一緒にいこ……!」

 *
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/11/15(土) 15:53:06.51 ID:kEnwhWuq0
一旦ここまで。続きは夜にまた更新したいと思います。よろしくお願いいたします

参考:浮島国、寂れた家の人形さん
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