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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part7
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100 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/20(日) 16:13:18.11 ID:/LYi9beV0
黒い影の少年『』シュッ
闇の剣「」ヴォンッ!!
メタルローガン「ぬっ!!」ガガッ
エバンス「速い! だが一人では!」シュバッ!
魔銀の刀「」シャン!
黒い影の少年『!』ギンッ!!
瓶入りスライムセイン『クロシュ、聖剣と同化できるか?』モニョモニョ
クロシュ「ん!」
★黒い影の少年が〈負の力・極〉を発動!
現世の者との戦闘時、会心率と痛恨率が大きく上昇!!
さらに自身のコンマ上昇数値を1.5倍!!
★黒い影の少年が〈シャドーコピー〉を発動!
敵陣の最も大きなコンマ上昇数値を自陣に加算!!
◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・天命賽 [9999/9999]
◇敵陣(コピー聖剣+40*1.5)
↓1コンマ(合計+40)
01-30 痛恨 持久力-4
31-50 劣勢 持久力-2
51-00 会心
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/20(日) 16:14:39.07 ID:ItQHv6RPO
あ
102 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/20(日) 17:04:32.62 ID:/LYi9beV0
―セイントレア城 踏破率[16/20] 持久力[5/10]
クロシュ「……!」グッ
聖剣ルクスカリバー「」キラキラ
デロデロ…モニョモニョ…
勇者クロシュ「!」ポン!!
フメイ「わ!」
アリシラ「お伽噺に出てくる勇者様みたい……!!」
勇者クロシュ「」シュバッ!
黒い影の少年「!」バッ
星霊の聖剣「」ギンッ!!
闇の剣「」ギンッ!!
衝撃波「」ドギュアアアアアンッ!!
ミスティ「くっ……!?」ズザザッ
イリス「は、反発し合う属性がぶつかり合って……凄い衝撃が……!!」
妖精「でも聖剣の一撃を受け止めるなんて、あいつ本当に一体何者なの……!?」
勇者クロシュ「……!」ギギギギ
黒い影の少年『……』ギギギギ
↓1コンマ(合計+40)
01-30 痛恨 持久力-4
31-50 劣勢 持久力-2
51-00 会心
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/20(日) 17:06:13.31 ID:awUfPGEy0
あ
104 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/20(日) 17:37:08.90 ID:/LYi9beV0
ガインッ!
勇者クロシュ「!」ヨロッ
黒い影の少年「」バッ
闇の剣「」ヴォンッ!!
血色の刃「」ギギンッ!!
アリシラ「赤スライムちゃんの刃が勝手に動いて攻撃を受け止めたよ!?」
エバンス「一体どうなってるんだ!?」
ミスティ「でもチャンスよ! 凍れ!!」バッ!
凍りつく黒い影の少年「」ガギンッ!
イリス「よおし、光で追撃!」
光線「」ビーッ!!
ジジジジジッ…!!
フメイ「とどめ……!!」カッ
炎「」ドガァンッ!!
薄れていく黒い影の少年「」シュゥゥゥ――…
アリシラ「……やったの?」
妖精「……いや……幽世に退去したみたい」
――戦闘終了――
☆全員が近接と魔法経験をそれぞれ2点獲得しました
◇
105 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/20(日) 17:37:42.69 ID:/LYi9beV0
急用ができたので一旦休止します。本日中に再開できるかは未定です
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/20(日) 18:31:29.36 ID:QVK5rX3Qo
一旦乙です
ブラッドさんが味方?化しても格落ちしなくてかなり好き
107 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:18:04.60 ID:82uSW6390
ブラッド氏はちょっと協力関係になったくらいではクロシュたちを甘く見てくれないようです。野良スライムの矜持というものがあるのかもしれません
前作の話で失礼しますが、前作で敵対存在としてあるキャラクターを登場させたらコンマによって爆速でデレてしまうという面白いことになってしまったことがありました。ブラッド氏はその反省?を活かしてデレ難度が大幅に上がったという経緯があったりなかったりするそうです
(そもそも人間冒険者などを大量に殺傷している指名手配中の危険生物にデレられても困るという意見もあるかもしれません)
そして今からセイントレア城の天守閣に乗り込むシーンに移るのは少々間が悪いため、ここで一旦幕間を挟ませていただきたいと思います。よろしくお願いいたします
108 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:18:32.67 ID:82uSW6390
一方その頃――
―聖ヴァレリオ教会 裏手
黒い影の魔物「」ヌオッ
ザック「うおおおっ!!」
光の拳「」ズドン!!
消滅する黒い影の魔物「」バシュウウン
ザック「チィッ……!! 光が効くのはありがたいが……奴に触れるとなぜか凄まじく魔力が削れる……!! 光で拳を覆っていないとまずいが……!」
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
ザック「このペースじゃ持たん……!! ピンチだ……!!」
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
ザック「だがピンチこそチャンス……ヒーローはこんな逆境にこそ――」
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
ザック「……いや、こりゃ勇気とか気合でどうにかできる範疇では――」
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
ザック「ああああ!!! もうどうにでもなりゃあああ!!!」シュバッ!!!!
光の爆発「」ドギュオンッ!!!!
吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン
吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン
吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン
ザック「おああっ!!? な、なんだ今の爆発は――まさか窮地に立たされた俺の真の力が覚醒――」
フレア「おじさん! 私も一緒に戦う!」スタッ!
ザック「えっ!? お嬢ちゃんは一体――」
ミラ「ザックさん! 避難誘導が一段落したから僕も手伝うよ!」シュタッ!
ザック「ミラクルくんちゃん!」
クル「も〜、どっちかにしてよぉ」
レイ「わ、わわ、私も……」ビクビク
ザック「……誰だ!?」
レイ「だ、誰でもありません〜……!!」
109 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:19:01.60 ID:82uSW6390
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
クル「っと、来たよみんな!」
フレア「!」シャキン!
レイ「……え? あれ……あの魔物って……」
黒い影の魔物「」ヌオヌオ
レイ(……)ドクン
『幽世の闇より出し影なる者どもよ――』
ザック「……ん? 今誰か何か言ったか!?」
フレア「わ、私じゃないけど……」
ミラ「……レイ!?」
レイ『幽界樹クリファの巫女、レイ・アンバーが命ず――。速やかに幽世へ退去せよ――…』ゴゴゴゴ…
消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…
消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…
消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…
ザック「!?」
フレア「ええっ!?」
ミラ「レイ……!」
レイ「………はあっ、はあっ、はあっ……!! れ、れへへ……い、今の私……めっちゃくちゃかっこよくなかった……?」フラフラ
ザック「な、何をしたんだ!? 今の君、普通じゃなかったぞ!?」
レイ「わ、私も……実は、何がなんだか……れへ、へ……でも……うまく、いっ……」フラフラ
バタン―
気絶レイ「」キュゥ…
ミラ「レイ!!」
フレア「だ、大丈夫! 気絶してるだけみたい! レイさんのおかげで一気に魔物が減ったよ!」
ザック「よくわからんがそのとおりだな! レイちゃん、でいいのか!? とにかくその子を教会に運んだら掃討戦だ!」
◆
110 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:19:40.16 ID:82uSW6390
―王都セイントレア 市街地
光の魔銃「」ドギュンッ!
消し飛ぶ影の魔物たち「」パシュウン―
ティナ「ふっ……!」ジャキッ ドギュンッ!
グランドマスター「あああああ!!! なぜこんなことに!!! 私が一体何をしたというのです!?!!?」
ティナ「文句を言っている暇があったらお得意の復活魔法で住民の救助でもしたらどうだ」ドギュン!
グランドマスター「無理です!!!! 奴ら命の存在を痕跡ごと抹消してるんですよ!!!」
ティナ「つまりできないということか」ドギュン!
グランドマスター「ええそうですよ!!! くそお、今日の魔族国攻めさえ成功すれば何もかも元通りになるはずだったのに!!」
ティナ「過去を嘆く暇があるのか」
グランドマスター「くう……あなた用心棒の癖にいちいち辛辣ですね! 雇い主の機嫌を取ろうとか考えないのですか!?」
ティナ「今そんな余裕はない。死にたくなければ絶対に私の邪魔をするな」ジャキッ ドギュン!
ティナ(イリス……お前もきっと今、戦っているのだろう。この事態を終わらせる為に――)
ティナ(絶対に、絶対に負けるな……! 一緒に生きて帰ろう……!)ジャキッ
◆
―セクリエ・ロイエ市街
教皇ユグド「避難民は大聖堂へ!! 押さず、駆けず、喋らず、戻らず! 落ち着いた行動を!!」
ロイエ教徒たち「はい!」ゾロゾロ
吹き上がる闇「」ギュオオオオオ…
ひび割れる石畳「」バギッ
浮き上がる瓦礫「」ズゴゴゴゴ…
教皇ユグド(……使徒よ……これが、君の選択なのか)
教皇ユグド(私は………どうすれば、良かったのだろうな)
*
ガルシア「敵は属性魔法が有効だ! 絶対に素手で触れず、距離を保って魔法攻撃で仕留めろ!」
神官戦士たち「はっ!」シュババッ
ガルシア(……しかし、レイ・アンバーの使役する闇の魔物に酷似しているのは一体どういうことだ……? 私は……このまま何も考えず、穏健派の暗部として唯々諾々と従っていて本当に良いのか……?)
ガルシア(……いや、余計なことは後回しだ。とにかく今は民を……この聖地を守ることに全力を――)ゴゴゴゴ…
◆
111 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:20:27.29 ID:82uSW6390
―王都セイントレア市街
消え去る影の魔物「」パシュウウウン
影の魔物「」ヌッ
影の魔物「」ヌッ
影の魔物「」ヌッ
ヴィア「……キリがありません。このままでは……」スッ
金髪縦ロールの少女「ヴィア! 助太刀に参りましたわ!」シュタッ
ヴィア「ジェーン……あなたも早く避難を。この私も分体の一つなので、心配は無用です」
金髪縦ロールの少女「ですが……分体といえど、星にすら還れない結末なんてあんまりですわ!!」
ヴィア「……」
金髪縦ロールの少女「それにこちらこそご心配無用ですの! わたくしの宝石魔法は遠距離戦も得手としておりましてよ!!」
ヴィア「では……くれぐれも、彼らに触れられないように。背中は任せました」
金髪縦ロールの少女「ええ! お任せくださいまし!!」ザッ
ヴィア(星にすら還らない……命の、完全なる終わり……)
ヴィア(…………)
ヴィア(クロシュヴィア……あなたなら、どう判断しますか)
◆
112 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:21:05.25 ID:82uSW6390
―王都セイントレア市街
僧侶「はあ、はあ……よし、この辺りの住民は大体避難できたはずです……!」
デロデロ教徒「はいっ!」
僧侶「はあ、ふう……わ、私たちも……そろそろ避難しましょうか……」
デロデロ教徒「そ、それが良いと思いますっ……!」
僧侶「……では、私たちも聖ヴァレリオ教会へ――」
逃げ遅れた幼女「うあああん! パパぁ、ママぁ〜〜!!」エグエグ
飛びかかる影の魔物「」ヌオッ!!
僧侶「!!」シュバッ!!
デロデロ教徒「!!」
ドンッ!!
押し出される幼女「ふええっ!?」ヨロロッ
僧侶「ふっ……聖女……みんな……お元気、で――」
迫りくる影の魔物「」ヌオオオオ――
ベシン―
バシュウウウウウン――――……
◆
113 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 00:21:31.35 ID:82uSW6390
それでは本日はここまで。次回、世界樹の巻・決戦編です。お楽しみに
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 06:55:46.20 ID:GGQ6WL6Do
おつでした
敵だけど爆速デレの気配は僧侶さんの方に感じていたり
って僧侶さん!?そんな…
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 10:25:20.88 ID:wiPMmibP0
乙
レイさんが幽界樹の巫女……!?
世界樹の巻が終わったら幽界樹の巻かな?
116 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 17:16:34.84 ID:82uSW6390
僧侶さんも一応簡単にデレないように気を付けていたのですが、芸術都市でのできごととかのおかげでいろいろ大変だったようです。差別感情を捨ててからの方が人生も楽しそうなので、結果オーライと思って良いかもしれません
そして僧侶氏がどうなったのかは今のところわかりません。この物語はまだ大団円とはいかないのかもしれません
レイさんがなぜ突然あのような文言を唱えたのかは闇に包まれていますが、本人的にはかっこよくできたつもりのようです。レイさんの今後の活躍に期待するのが良いのかもしれません
世界樹の巻が終わったら次に何が起きるのかは今のところ闇に包まれています
117 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 17:17:17.25 ID:82uSW6390
―セイントレア城 天守閣
アルベール王「……何が望みなのだ」
黒い精霊「全ての終焉です。ご覧の通り」
アルベール王「なぜそのようなことを企てる」
黒い精霊「王様と同じです。全ては、愛する者たちの為――」
アルベール王「戯言を。貴様が何を愛しているかは知らぬが、世界を破滅に導けばその者たちも死にゆく他ないだろう」
黒い精霊「ええ、その通り。それこそが私の目的なのです」
アルベール王「……狂っているのか」
黒い精霊「あなたたちにとってはそうとしか見えないでしょう。わかってもらうつもりはありません。その必要もない」
アルベール王「………」
黒い精霊「あなた方王国に特段の要求があるわけではありません。起点がこことなったのはただの偶然――運命だったのです」
アルベール王「ならば――そのようなくだらぬ運命など、斬り捨ててくれよう」スッ
炎の宝剣「」シャキン――
黒い精霊「良いでしょう。それではまずは、あなたを終わらせて差し上げます」ズッ―
闇の領域「」ズズズズ――
◇
ボシュウン――…
アルベール王「ぐふっ……我が、炎が……通じぬだと……」ヨロッ
黒い精霊「当然です。あなた方にもわかるように言うなら――あなたが相対しているのは、世界樹に匹敵する存在」
アルベール王「世界樹、だと……」
黒い精霊「幽界樹クリファ――世界樹セフィラと対を成す、幽世の樹――その精霊が、私」
アルベール王「………!?」
黒い精霊→幽界樹の精霊「幽世と現世――その二つの世界を終わらせることが、私の使命」
アルベール王「なぜだ……こちらの世界だけならまだしも、なぜ幽界樹の精霊が、幽世をも終わらせようとしている……!?」
幽界樹の精霊「先程言いました。私が愛する全ての者たちを、終わらせる為――」
アルベール王「理解、できぬ……」
幽界樹の精霊「今までお疲れ様でした。もうお休みなさい、セイントレア王アルベール――」スッ
広がる闇「」ズオオオ――
アルベール(……ここで、終わるのか……私は……)
アルベール(王妃と子供たちは、無事に避難できただろうか……。王位継承は……大丈夫だろうか……)
アルベール(…………マリー……すまぬ……父親らしいことは、ついぞ一度も…………)
ベチン!!
幽界樹の精霊「!」ズザザッ
アルベール王「何……!? お前は――」
分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!
アルベール王「王妃に取り憑いていたスライム……!? なぜ――」
天守閣の扉「」バァン!!
118 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 17:17:49.75 ID:82uSW6390
勇者クロシュ「!」ザザッ
妖精「アルベール王!」パタパタ
アルベール王「貴様たちは……緑の国の太母に……」
星霊の聖剣「」キラン
アルベール王「聖剣……だと……!?」
ローガン「アルベール王、避難を! ここは我々が!」ザッ
アルベール王「いや……しかし、貴様たちは一体――」
イリス「通りすがりの――ダークヒーローです!!!」ザッ!!
幽界樹の精霊「……やはり来ましたね。世界樹の使者たちよ」
妖精「あなたは、使徒!? その姿は!?」
世界樹の精霊「……幽界樹の精霊。たぶん……初めまして、かな」スッ
幽界樹の精霊「はい。初めまして、世界樹の精霊」
ミスティ「幽界樹……!?」
エバンス「語感から察するに……幽界における世界樹みたいな樹ってことか!?」
世界樹の精霊「そう。幽世の顕現と、黒い精霊と聞いて……もしかして、とは思っていた……。でも……本当に幽界樹だったのは、ちょっと想定外……」
幽界樹の精霊「世界めくれを止めに来たのなら、既に手遅れです。後はめくれが世界全土にまで及ぶのを座して待つのみ……趨勢は決しました。この私がいる限りめくれが閉じることは決してありません」
妖精「ちょっと待ってよ!! なんで幽界樹の精霊がそんなことをするの!? この世界めくれで現世と幽世が混ざりあったら、最期には何もかもが対消滅を起こして……星に還ることもできずに消えてなくなっちゃうんだよ!!?」
幽界樹の精霊「それこそが私の目的だと、先程アルベール王にもご説明致しました」
妖精「な、なんで……」
幽界樹の精霊「愛する者たちに、これ以上苦しまないで欲しい――そういった気持ちは、誰しもが持ち得るものだと思います。私の動機もまた、そのようなありふれたものに過ぎません。デロデロの提唱者であるクロシュ様なら、おわかり頂けるのではないかと存じます」
勇者クロシュ「……」
幽界樹の精霊「しかし……命は一度死を迎えても、星に還った後に再び芽吹いてしまう……。どれほどの苦痛に満ちた生でも、死すれば平穏と静寂が訪れるというのに……この世界は、死の安穏すら許さない。私は……その最悪の輪廻を打ち破る為に、今ここに立っています」
世界樹の精霊「………」
119 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 17:19:02.44 ID:82uSW6390
幽界樹の精霊「――さて、問答はもう不要でしょう。あなた方を阻むは、定められし終焉――」ズオッ―
闇の領域「」ズズズズズ――
フメイ「!」
ミスティ「来るわよ……!」
幽界樹の精霊「全てを懸けて、見せてみなさい。あなたたちの、運命を――!!」ズオオッ――!!
――決戦 幽界樹の精霊――
★幽界樹の精霊が〈負の力・根源〉を発動!
現世の者との戦闘時、会心率が絶大に上昇!!
★幽界樹の精霊が〈幽界樹の領域〉を発動!!
敵陣のコンマ-1000!!
☆世界樹の精霊が〈星霊の加護〉を発動!!
自陣のコンマ低下効果を無効化!!
◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]
◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]
↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-70 優勢
71-00 会心
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 17:23:42.07 ID:cM5HadQLo
余裕の勝利
121 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 18:04:26.22 ID:82uSW6390
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
妖精「うわあっ!!? つ、蔓が……!!」アタフタ
ミスティ「くっ……魔王樹を思い出すわね……! でも数と威圧感はあれ以上だわ……!!」
フメイ「ふん……植物なら、焼き落とす……!」チリッ―
爆炎「」ドゴゥン!!
幽界樹の蔓「」ギュルギュル!
フメイ「!?」
アリシラ「ええっ!? フメイちゃんの炎ですら全然効かないの!?」
幽界樹の精霊「形態だけを見れば幽界樹も世界樹も植物ですが――その在り方は通常の植物とは根本的に異なります。火や鉄が有効などとは思わないことです。もっとも、元気な植物であれば火は元々効きにくいものですが」
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
世界樹の精霊「!!」
幽界樹の精霊「世界樹の加護を失えば、それで終わり……早くも決着ですね」
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
メタルローガン「させんッ!!」シュバッ!!!
ドガガガガッ!!!!
妖精「ローガン!!」
エバンス「まずい、集中砲火だぞ!!」
シュウウウウ…
ローガン「ぬう……防ぎ切ったぞ……!!!」ググッ
イリス「ローガンさん!!」
幽界樹の精霊「……驚いた。世界樹の加護を得ているとはいえ、あれを防ぎ切るなんて」
ローガン「フッ……!」ニヤッ
ローガン(………と笑ってはみたものの、軽口を叩く余裕もない……! もうメタル化は使えん……!!)
☆ローガンメタルにより痛恨の一撃を阻止!!
◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [0/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]
◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]
↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-70 優勢
71-00 会心
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 18:07:23.70 ID:c/c57flgO
きっつい
123 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 18:22:16.84 ID:82uSW6390
勇者クロシュ「」シュバッ
星霊の聖剣「」シャンッ!!
幽界樹/の蔓「」スパッ
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
勝手に蔓を切り払う血色の刃「」ギャルオンッ!!
ミスティ「クロシュに続くわ!」ザッ!
凍りつく幽界樹の蔓「」ガギンッ!!
イリス「そのままだと堅くても凍った蔓なら! スターライト!!」カッ!!
星光の奔流「」ドギュウウウンッ!!
打ち砕かれる幽界樹の蔓「」ドッギャァァァン!!
幽界樹の精霊「……」
地面から飛び出す石の拳「」ドガッ!!
幽界樹の精霊「!」ヨロッ
エバンス「足元がお留守だぞ!」ゴゴゴ
幽界樹の精霊「…………」
幽界樹の精霊(……少し押されている……。でも、この程度では……)
幽界樹の精霊(運命は、変わらない)
◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [0/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]
◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]
↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-00 勝利?
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 18:25:14.95 ID:XZiiZRnwo
やったか!?
125 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 19:59:58.06 ID:82uSW6390
フメイ「燃えないなら……燃えるまで焼く!!」チリリッ!!
火柱「」ギュオオオオッ!!!
燃える幽界樹の蔓「〜〜!」メラメラ
炎勇者クロシュ「ん!」チリリッ!!
星霊の炎聖剣「」ギュオンッ!!
焼き斬ら/れる蔓「」ジュッ!
幽界樹の精霊「……!」
アリシラ「隙ができた! 負の力、吸収させてもらうよ!」シャッ
ギュオオオオオン――!!
幽界樹の精霊「……!!」シュウウウン――
世界樹の精霊「良い調子……」
妖精「押し切れ……!」
瓶入りスライムセイン『クロシュ今だ! 聖剣を奴に叩き込め!』モニョニョ!
炎勇者クロシュ「ん!!」シュバッ!!
幽界樹の精霊「!!」
炎勇者クロシュ「――」タンッ
星霊の炎聖剣「」ギュアアアアアア――!!!!
妖精「決まっ―――」
黒い賽「」コロン…
★痛恨賽が発動
判定が必ず最悪のものとなる
↓#コンマ
01-00 敗北
126 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 20:01:04.74 ID:82uSW6390
ゴゴゴゴゴ……
倒れたイリス「」
倒れたミスティ「」
倒れたローガン「」
倒れたエバンス「」
倒れたフメイ「」
倒れたアリシラ「」
倒れた妖精「」
スライムクロシュ「〜〜…」デロデロ…
瓶入りスライムセイン『なん、だ……一体……なに、が……』デロロ…
幽界樹の精霊「言ったでしょう。運命は既に定まっていると……」
スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…グググ…
幽界樹の精霊「無駄な努力はもうおやめなさい……。あなたにも、無の安寧をもたらして差し上げます……」
スライムクロシュ「〜〜〜……!!」モニョニョニョ…ググググ…!!
透明な賽「」コロン…
幽界樹の精霊「……? 運命の賽とも、会心の賽とも違う……透明な、賽……?」
☆天命賽が発動 [9998/9999]
直前の判定を振り直す
↓#コンマ(運命を変える意思+10)
001-000 敗北
127 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 20:02:01.48 ID:82uSW6390
幽界樹の精霊「ですが、無駄なこと……。例え会心の賽であろうとも、存在し得ない未来には辿り着けないのですから」
透明な賽「」コロン…
☆天命賽が発動 [9997/9999]
↓#コンマ(運命を変える意思+20)
001-000 敗北
幽界樹の精霊「何度転がろうと同じことです。潔く運命を受け入れなさい」
コロン…コロン…
透明な賽「」コロンコロンコロン――
☆天命賽が発動 [9899/9999]
↓#コンマ(運命を変える意思+1000)
0001-0000 敗北
幽界樹の精霊「……なぜ止まらない? 運命神の賽は、一度転がればその祝福を失うはずでは――」
コロンコロンコロンコロン――
幽界樹の精霊「……っ!! いい加減にしなさいっ!! 叩き潰してくれます!!」
幽界樹の蔓「」ギュオオオオッ!!!
透明な賽「」コロン―――
☆天命賽が発動 [0/9999]
↓1コンマ(運命を変える意思+99990)
00001-99998 敗北
99999-00000 勝利
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 20:03:43.83 ID:2nS9Ba6wO
どうなる?
129 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 20:45:45.20 ID:82uSW6390
モニョニョ…モニョニョニョ……
不死鳥クロシュ「コケコッコォォォォ!!!!!」カッッッッ!!!!
不滅の炎「」ゴオオオオオッッ!!!!
フメイ「あああああああ!!!」ガバッ
アリシラ「わああああああ!!!」ガバッ
エバンス「うおおおおおっ!!!」ガバッ
ミスティ「負けて、たまるか……!!!」グググッ
ローガン「まだ終わっていない……!!!」グググッ
イリス「絶対に……勝つ!!!!」ザッ!!
妖精「……決まった運命なんて、あるもんか!!」
幽界樹の精霊「馬鹿な……!! 完全に満身創痍だったはず……! 不死鳥の力を引き出す余力すら――」
世界樹の精霊「……あったってこと……。運命に胡座をかいて見誤ったんじゃない……?」
幽界樹の精霊「……!!」
アリシラ「反撃――開始!!!」
ドギュオオオオオン――!!!!
◇
130 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 20:47:31.12 ID:82uSW6390
プスプス…
消えかけ幽界樹の精霊「」プスプス…
イリス「こ、これで良い……!?」
蒼き星の杖・水「」ユラユラ
アリシラ「私も……合ってるかな……?」
世界樹の光・炎「」ユラユラ
世界樹の精霊「うん……。穴自体はまだそこまで広がってないから、今なら光が二つだけでも十分塞げるはず……」ブツブツ
世界樹の光・炎「」ユラユラ
世界樹の光・水「」ユラユラ
世界樹の精霊「……よんしょっと……えいっ」グイグイ
ポン!
停止する闇の噴出「」シュウウウン――
ミスティ「闇が、止まった……?」
世界樹の精霊「うん……穴を塞げた……。この世界に残ってる闇とか影の魔物たちも、退去していくと思う……」
エバンス「つまり……もう大丈夫ってことか!?」
世界樹の精霊「しばらくは経過観察だけど……まあ、たぶん大丈夫だと思う……」
消えかけ幽界樹の精霊「」プスプス…
世界樹の精霊「……残念だったね……。長年の計画だったろうに……ポッと出の私たちなんかに、邪魔されて……」
消えかけ幽界樹の精霊「……そう……ですね……。残念、です……」
クロシュ「……」
世界樹の精霊「……幽世に退去、しないの?」
消えかけ幽界樹の精霊「………私は……こちらの世界に、長く居過ぎました……。私がいなくなっても……新たな幽界樹の精霊が生まれるだけなので、問題はありません……」
クロシュ「………」
世界樹の精霊「そう……。それじゃあ、何か言い残すことはある……?」
消えかけ幽界樹の精霊「………こちらの世界の、正の力で……完全に……消し去って、くださいませんか……?」
クロシュ「……!」
世界樹の精霊「……いいの……? 完全に消え去るってことは……あなたは、二度と……」
消えかけ幽界樹の精霊「そう言っているのです……。私は……もう、疲れました……」
クロシュ「……」
消えかけ幽界樹の精霊「もう……生まれたく、ありません……。もう……死にゆく命たちを、傍観することしかできない、界樹の精霊なんかに……なりたく、ありません……。もう……苦しみを……見たく、ない……」ジワワ…
世界樹の精霊「……」
消えかけ幽界樹の精霊「世界樹の、精霊の……あなただって……苦しく、ないのですか……。傍観することしかできない……命たちを、ただ合理的に、合理的に、再分配し続けるだけの自分が……嫌に、ならないのですか……」ポロポロ
世界樹の精霊「………私は……あなたほど、優しくないから……。死ぬ命に……あんまり感情移入、しない……」
消えかけ幽界樹の精霊「………そう……ですか……。私も……その方が……良かった、な……」ポロポロ
クロシュ「……」
世界樹の精霊「じゃあ……お望みの通りに、してあげる……。きっとあなたは……そうすることでしか、救われないから……」スッ
クロシュ「………」
どうしよう――
↓1〜 先取2票
1.見届ける
2.自由安価(票数は内容ごと・できないことはできない)
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 20:49:21.72 ID:on3C0h6Z0
2メゾンドクロシュに入れる
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 20:51:14.07 ID:xcMkAFsXO
>>131
133 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 21:16:59.56 ID:82uSW6390
クロシュ「あの……使徒、さん……」
消えかけ幽界樹の精霊「……?」
クロシュ「わたしの……デロデロに、なれば……。もう……誰も、傷付かない……」
消えかけ幽界樹の精霊「……」
クロシュ「えっと……だから……わたしの、デロデロに……」
消えかけ幽界樹の精霊「……」
世界樹の精霊「……そういうのも、良いと思う……。消えちゃうのは……これから先、いつでもできるけど……デロデロは、消えたら試せない……」
消えかけ幽界樹の精霊「……」
世界樹の精霊「………私としても……初めて会った仲間が……消えちゃうのは……寂しいし……」
消えかけ幽界樹の精霊「………」
↓1コンマ(前にデロデロの話をした+30)
01-65 ありがとう……でも……
66-00 それじゃあ……
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/21(月) 21:27:11.14 ID:XZiiZRnwo
来い!
135 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 21:44:32.44 ID:82uSW6390
消えかけ幽界樹の精霊「あり、がとう………。でも……やめておきます……」
クロシュ「……」
消えかけ幽界樹の精霊「……私の記憶は……あらゆる命たちの、苦痛と絶望に満ちている……。例え、あなたのデロデロが、どれほど心地良いものだったとしても……きっと、私が救われることは……ありません……。むしろ……あなたの内側で、苦しみを撒き散らす呪いとなってしまう……。そんなことは……私自身、到底認められません……」
クロシュ「………」
消えかけ幽界樹の精霊「………以前、私とお話したこと……覚えて、いますか……?」
クロシュ「………えっと……」
消えかけ幽界樹の精霊「…………デロデロが、全ての命を救うとして……では、そのデロデロは誰が救うのか……という……」
クロシュ「!」
消えかけ幽界樹の精霊「もし……本気で、救済を目指すのであれば……その点を、よく考えて……。優しいあなたが……たった一人、犠牲になるなんてことは……いけません……」
クロシュ「…………」
消えかけ幽界樹の精霊「…………それでは……もう、言い残しもありません……。お願い、します……」
世界樹の精霊「……わかった。残念だけど……」スッ
パァァァァ――…
消えていく幽界樹の精霊「さようなら――――心優しい、世界樹の使者たち――――……」パァァァ――…
パシュウウウン――――……
☆世界めくれの阻止に成功しました
・幽界樹の精霊が消滅しました
◆
136 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 21:50:50.39 ID:82uSW6390
少し前――
―王都セイントレア 市街
ドンッ!!
押し出される幼女「ふええっ!?」ヨロロッ
僧侶「ふっ……聖女……みんな……お元気、で――」
迫りくる影の魔物「」ヌオオオオ――
ベシンッ―
僧侶「えっ……!?」ヨロッ
デロデロ教徒「僧侶ちゃん、間に合っ――」ニコッ
ぶつかる影の魔物「」ヌオオオオオオオ―――
バシュウウウウウン――――……
僧侶「あっ……あ、あれ……!? 待って……デロデロ教徒ちゃん!? 待って、どこに行ったの!? ねえ!!?」キョロキョロ
ヒュオオオオオ――…
幼女「ぁ……ふ、ふぇ……」ジワワ
僧侶「あ、あ……そんな……まさか……嘘だ、嘘だ……!!!」グルグル
ヒュオオオオオ―――……
僧侶「あああああああああああ!!!!!!!」
◆
137 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 23:09:01.74 ID:82uSW6390
―夜
王都セイントレア 市街
クロシュヴィア「……」スト
僧侶「」グルグル
クロシュヴィア「僧侶ちゃん……」
僧侶「あ……クロシュヴィア様……」
クロシュヴィア「………デロデロ教徒ちゃんの反応が……いきなり、途絶えちゃったんだけど……」
僧侶「…………」
クロシュヴィア「ねえ……あの子は……? どこ……?」
僧侶「…………私が………私の、せいで………消え……ました………」
クロシュヴィア「え……」
僧侶「影の、魔物に……ぶつかって……跡形も、なく……」
クロシュヴィア「……」
僧侶「……クロシュヴィア様……あの子は、星に還ったんですよね? 星に還って、また新たな命として生まれてくるんですよね……? また、一緒にケーキを食べて……一緒に笑って……一緒に、デロデロの教えを布教して…………」
クロシュヴィア「………感じ……られない……」
僧侶「ぇ…………」
クロシュヴィア「この星の……どこからも……。あの子を、構成していた……魔力も、物質も……何も、かも…………。どこにも………ない………」
僧侶「………嘘、です……そんなの……嘘ですっ!!!! だって……だって、あの子は……!!!!」
――デロデロ教徒『みんなでデロデロになれば、ずっと平和で、しあわせなんですよね?』
――デロデロ教徒『だったらわたし……死ぬのも、こわくありません! だって死んでも……この星がまるごとデロデロになれば、それでまた、みんなに会えます! みんなで、ずっとしあわせにいられます!』
――デロデロ教徒『えへへ……はやく、みんな一緒にデロデロになりたいです!』
僧侶「嘘だっ………嘘だぁ…………」ガクッ…ポロポロ…
クロシュヴィア「…………」
クロシュヴィア「…………わたしの………責任………」
僧侶「え……?」ポロポロ
クロシュヴィア「わたしが……いつまでものんびり……布教ごっこで、満足していたから………。こんな事態を……。誰よりも、デロデロになりたかった子を………救えなかった………」グッ
ザッ―
クロシュヴィア「……僧侶ちゃん……行くよ………」クルッ
僧侶「ぁ………」
クロシュヴィア「………この星を……デロデロに溶かす方法を……探しに……」
僧侶「はい……!!!!」ググッ
◆
138 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/21(月) 23:12:29.52 ID:82uSW6390
―夜
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
聖女「お姉ちゃん……」
ベランダの窓「」コンコン
僧侶「……」
聖女「!」
窓「」ガラッ
聖女「お姉ちゃん! 良かった、無事――」
僧侶「聖女。私は今から、この王都を発ちます」
聖女「えっ……!? どうして、そんな急に……!? 災害は一旦収まったけれど、まだ何が起きるか……」
僧侶「……デロデロ派の導師として……一刻も早く、全てを救う。救わなければならない。そうしなければ……私が、そうしなければ……」
聖女「お、お姉ちゃん……?」
僧侶「………私のことは心配しないで。クロシュヴィア様も一緒だから、大丈夫。あなたは……お父様と、平穏に過ごしていなさい」
聖女「……何があったの? ねえ、何かあったんだよね? そうだ、デロデロ教徒ちゃんは!? あの子は――」
僧侶「……っ」
聖女「……!!」
僧侶「………お父様には……別れも言わずにごめんなさいと……伝えておいてください。それでは」クルッ タンッ―
聖女「ま、待って!」
ヒュオオオオオオ――…
聖女「……」
◆
139 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/22(火) 00:06:07.01 ID:D8l7csZo0
本日はここまで。次回、王都セイントレア王都滞在最終日編です
運命を揺るがすような戦いを終えて、幽界樹の精霊の願いを聞き届けるクロシュたち。救われぬ精霊の魂を救うことはできなかったが――あかちゃんスライムのひたむきな優しさは、一抹のぬくもりとなってその最期に寄り添った――…
そして僧侶とクロシュヴィアに訪れる、大きなかなしみ。愛ゆえに――そのかなしみは、深く、重く、耐え難く――。やがてかなしみは壮絶なる決意となり、星を飲み込まんとする嵐を呼び起こす――
星に還らず消え去った命は――二度と苦しまず――二度と悲しまず――二度と笑うこともなく――永遠の静寂に、横たわる―――……
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 00:20:40.37 ID:uST3YFU9o
これはラスボスクロシュヴィア
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 00:25:48.78 ID:7CJ/gfmbO
お疲れ様でした。
幽世周りの設定を詳しく知りたいです
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 22:18:31.93 ID:ImX2aJ/yo
乙乙です
クロシュヴィアも僧侶ちゃんも幽樹霊ちゃんも優しくて物事を真っ直ぐ受け止めすぎる……太母さんぐらい太い(神経)でもいいのよ
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 22:40:04.05 ID:kG+2wvHXO
乙
非ネームドに厳しい回だった…
144 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/22(火) 22:59:58.36 ID:D8l7csZo0
デロデロ教徒ちゃんの消滅は、クロシュヴィアさんにとって衝撃的な出来事でした。伝説スライムがついに動き出すかもしれません。それは仕方のないことです。劇中では語られませんでしたが、デロデロ教徒さんはクロシュヴィアちゃんのものすごく遠い子孫で、実はとても気にかけていたのです
幽世とかその辺りの設定について、劇中でちゃんと説明したことはそういえばなかったかもしれません。曖昧な状態ではいろいろと困るかもしれないので、少々突発的ですが番外編として簡単な説明回を行いたいと思います。よろしくお願いします
クロシュヴィア氏も僧侶ちゃんも幽界樹の精霊さんも、愛深き方々でした。愛深きゆえに、背負うかなしみもまた――。
緑の国の太母こと妖精さんは特別図太い性格というわけではないのですが(むしろ妖精にしては繊細な方です)、どうにもならないことに対しては意識的に気にしないようにしているようです。しかし割と頻繁に取り乱したりもしているので、そのセルフメンタルコントロールはあまり上手くいっていないかもしれません
なお世界樹の精霊は、幽界樹の精霊と比べてドライです。世界の代弁者たる界樹の精霊には、彼女のような淡白な性格の者の方が向いているのかもしれません
クロシュさんはとてもがんばっていますが、その手は何もかもを救えるほど大きくありません。自ら消滅を望む者に対して、クロシュ氏にできることはなく……。手の届かぬ場所で消える命にも、為す術はありませんでした
あかちゃんスライムのクロシュは――静かにお祈りすることしか、できませんでした。
145 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/22(火) 23:00:45.96 ID:D8l7csZo0
―番外編 幽世について―
―某日
聖ヴァレリオ教会 宿泊室
スライムクロシュ『……幽世って……どんなところ……?』モニョモニョ
妖精「幽世っていうのは……なんて言えば良いかなあ。こことは真逆の力が働いてる裏側の世界、みたいな……」
ミスティ「全然わからないわ……」
妖精「わ、私だって詳しく知ってるわけじゃないし……。イリス、世界樹の精霊を呼んでみてくれる?」
イリス「あ、うん。世界樹の精霊さんなら詳しいの?」
妖精「たぶん」
イリス「わかった!」
蒼き星の杖「」ポワポワ…
世界樹の精霊「……呼んだ?」ポン
妖精「呼んだ。幽世について教えて」
世界樹の精霊「私はあなたたちの先生じゃないんだけど……。まあいい……教えてあげる……」
*
幽世というのは、現世と対を成すもう一つの世界のこと。
こちら側では正の力……光・炎・水・風・地の五大属性が主流だけど、あちらでは逆に闇属性みたいな負の力が主流……。
本来は決して交わることのない現世と幽世だけれど……世界めくれが起きれば、たぶんこの二つの世界は混ざり込んでしまう……。
言うなれば……世界めくれっていうのは、二つの世界を隔てる膜に大きな穴が開いてしまうようなもの……。ひとたび穴が開けば、それは自然に閉じることなくめくれ上がり続ける……。反発しあう二つの力が、穴をどんどん押し広げていってしまうから。そうなれば……最期には、全ての力が対消滅を起こして……どちらの世界も、跡形もなく消え去ってしまう……と思う……。力の総量は、たぶん同じだから……。
幽世って響きからすると、なんだか死後の世界とかおどろおどろしい世界を想像するかもしれないけど……たぶん、そこで生きてる者たちはあなたたちとそこまで大きく違わないと思う……。ただ、魔力の向きが正反対ってだけ……。
ちなみに負の側にも五大属性はあったりする……。闇、氷、乾、凪、虚の5つね……。闇と氷以外は、こっちの世界じゃ滅多に生まれないから……あんまり馴染みがないかも……?
それぞれの属性は、対になっているの……。光と闇、炎と氷、水と乾、風と凪、地と虚……この組み合わせは、特に強い反発を生む……光属性と闇属性が強く反発しあうのは知っているでしょ……? それと同じって思ってくれたら、いいよ。
まあひとまずは、こんなところかな……。今日はもう疲れた……。他にも聞きたいことがあるなら、また後日ね……。
あそうそう、幽世と幽界は同じものだよ。いわゆる表記揺れってやつだね……。それじゃ……ばいばい……。
*
シュウウウン…
ミスティ「帰ってっちゃったわ」
イリス「幽世に負の属性かあ……なんだかロマンがあるね!」
妖精「対消滅なんて勘弁して欲しいとしか思わない……」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
☆幽世についての知識を少し得ました
◆
146 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/07/22(火) 23:01:25.53 ID:D8l7csZo0
というわけで本編の更新は恐らく土日辺りになるかと思います
他にも質問等あればお気軽にお書き込みくださいませ
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/22(火) 23:44:15.92 ID:OyudRACdo
おつ
鏡合わせの世界って感じかな
という事は向こう側にも人が居て街があって文明がある…かもか
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/23(水) 13:11:06.97 ID:1PrNWq4b0
乙
すまない幽霊樹の精霊との戦いがまさか土日以外でやるとは思わなくて参加出来なかったな…
ちなみに負の五大属性で氷と闇は分かるけど乾、凪、虚は下に書いた感じの魔法でいいのかな?
乾:周囲の物を干からびさせる魔法
凪:周囲の音を無音にさせる魔法
虚:周囲の物を崩壊させる魔法
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/07/24(木) 18:40:57.48 ID:+izooxRGO
乾、凪、虚は滅多に生まれないという事は中には使える人物が存在しているという事でいいのかな?
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